電磁クラッチ及び電磁クラッチの製造方法

申请号 JP2013265586 申请日 2013-12-24 公开(公告)号 JP2014209022A 公开(公告)日 2014-11-06
申请人 サンデン株式会社; Sanden Corp; 发明人 MOGI MASANORI;
摘要 【課題】 温度 ヒューズの結線の際のコイル線の巻崩れを防止できる共に温度ヒューズの結線作業を簡素化することができる電磁クラッチ及びその製造方法を提供する。【解決手段】温度ヒューズ4を備えた電磁クラッチ1において、ボビン52のフランジ部522上に互いに離間して設けられ、ボビンへの巻回途中でフランジ部522の上に引き出された電磁コイル51の引出配線部分511を係止する配線用係止部57a1,57b1と、温度ヒューズ4のリード線4b,4cを引出配線部分511と離間させて係止する温度ヒューズ用係止部57a3,57b3とを有する台座部57a,57bを備え、上記各係止部はフランジ部522の周方向に沿って設けられる構成とし、温度ヒューズ4のリード線4b,4cは、一方の台座部57aにおける引出配線部分511の一端511aと、他方の台座部57bにおける引出配線部分511の一端511bとの間に接続される。【選択図】図1
权利要求
  • 電磁コイルが巻回されたボビンを有し、前記電磁コイルへの通電によって、駆動源により回転駆動されるロータと従動機器の回転軸に連結されたアーマチュアを磁気吸着させ、前記駆動源の動力を前記従動機器へ伝達可能にする電磁コイルユニットと、所定温度を超えると前記電磁コイルへの通電を強制的に遮断する温度ヒューズとを備える電磁クラッチにおいて、
    前記電磁コイルユニットは、
    前記ボビンのフランジ部に互いに周方向に離間して設けられる一対の台座部であって、前記ボビンへの巻回途中で前記フランジ部の外縁から前記フランジ部の上に引き出された前記電磁コイルの引出配線部分を係止する配線用係止部と、前記温度ヒューズのリード線を前記引出配線部分と離間させて係止する温度ヒューズ用係止部とをそれぞれ有する一対の台座部を備え、
    前記配線用係止部及び温度ヒューズ用係止部は前記フランジ部の周方向に沿って設けられる、
    構成とし、
    前記温度ヒューズ用係止部に係止された前記温度ヒューズのリード線は、一方の前記台座部における前記引出配線部分の一端と、他方の前記台座部における前記引出配線部分の一端との間に、電気的に接続される構成とした、電磁クラッチ。
  • 前記配線用係止部は、前記電磁コイルの引出配線部分が嵌め込まれる溝部からなり、
    前記溝部を形成するボビン内周側の側壁が該溝部を形成するボビン外周側の側壁より高く形成される、請求項1に記載の電磁クラッチ。
  • 前記電磁コイルユニットは、前記一対の台座部に嵌め込まれ、前記引出配線部分を挟持するスリット状の第1挟持部及び前記温度ヒューズのリード線を挟持するスリット状の第2挟持部をそれぞれ有し、前記温度ヒューズと前記引出配線部分を電気的に接続する一対の接続端子をさらに備えて構成される、請求項1又は2に記載の電磁クラッチ。
  • 前記一対の接続端子は、前記第1挟持部の開口方向が前記第2挟持部の開口方向と反対になるように形成される、請求項3に記載の電磁クラッチ。
  • 前記接続端子は、互いに対向する一対の接続片と当該一対の接続片の一端側を連結する連結片とを有してコ字状に形成され、前記接続片に前記第1挟持部を当該接続片の他端側に開口させて備えると共に、前記接続片に前記第2挟持部を当該接続片の一端側に開口させて備える構成とした請求項4に記載の電磁クラッチ。
  • 前記温度ヒューズ用係止部は、前記温度ヒューズのリード線が嵌め込まれる溝部からなり、
    前記一対の接続端子は、前記第1挟持部の開口方向が前記第2挟持部の開口方向と同一になるように形成される、請求項3に記載の電磁クラッチ。
  • 前記接続端子は、互いに対向する一対の接続片と当該一対の接続片の一端側を連結する連結片とを有してコ字状に形成され、前記接続片に前記第1挟持部及び前記第2挟持部を当該接続片の他端側にそれぞれ開口させて備える構成とした請求項6に記載の電磁クラッチ。
  • 電磁コイルが巻回されたボビンを有し、前記電磁コイルへの通電によって、駆動源により回転駆動されるロータと従動機器の回転軸に連結されたアーマチュアを磁気吸着させ、前記駆動源の動力を前記従動機器へ伝達可能にする電磁コイルユニットと、所定温度を超えると前記電磁コイルへの通電を強制的に遮断する温度ヒューズとを備えた電磁クラッチの製造方法において、
    前記電磁コイルを前記ボビンに巻回する工程と、
    前記ボビンのフランジ部に互いに周方向に離間して設けられる一対の台座部に形成された配線用係止部に、前記ボビンへの巻回途中で前記フランジ部の外縁から前記フランジ部の上に引き出された前記電磁コイルの引出配線部分を、押しつけながら、嵌め込んで保持する工程と、
    前記温度ヒューズを、一方の前記台座部における前記引出配線部分の一端と、他方の前記台座部における前記引出配線部分の一端との間に、電気的に接続する工程と、
    を備える、電磁クラッチの製造方法。
  • 前記配線用係止部は、前記電磁コイルの引出配線部分が嵌め込まれる溝部からなる構成とし、
    前記保持する工程は、前記電磁コイルの引出配線部分を、該溝部を形成する側壁のうちボビン外周側の側壁より高く形成されたボビン内周側の側壁に押しつけながら、嵌め込んで保持する構成とする、請求項8に記載の電磁クラッチの製造方法。
  • 前記温度ヒューズを電気的に接続する工程は、
    前記一対の台座部に、接続端子をそれぞれ嵌め込んで、前記引出配線部分を押さえ、
    前記一対の台座部間の前記引出配線部分を切除し、
    前記一対の台座部に嵌め込まれた前記接続端子に、前記温度ヒューズのリード線を固定して、前記接続端子を介して前記電磁コイルに前記温度ヒューズを電気的に接続する、
    構成とした、請求項8又は9に記載の電磁クラッチの製造方法。
  • 前記温度ヒューズを電気的に接続する工程は、
    前記一対の台座部に、前記温度ヒューズのリード線を固定し、
    前記一対の台座部に、接続端子をそれぞれ嵌め込んで、前記引出配線部分及び前記リード線を押さえて、前記接続端子を介して前記電磁コイルに前記温度ヒューズを電気的に接続し、
    前記一対の台座部間の前記引出配線部分を切除する、
    構成とした、請求項8又は9に記載の電磁クラッチの製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、電磁クラッチ及び電磁クラッチの製造方法に関し、特に、電磁コイルへの通電を強制的に遮断する温度ヒューズを備えた電磁クラッチ及びその電磁クラッチの製造方法に関する。

    この種の電磁クラッチとしては、例えば、特許文献1に開示された電磁クラッチが知られている。 この特許文献1に開示された電磁クラッチは、電磁コイルが巻回されたボビンと、所定温度を超えると電磁コイルへの通電を遮断する温度ヒューズとを備えている。 そして、この電磁クラッチでは、ボビンに巻回された電磁コイルの巻終わりの端部と温度ヒューズの一方のリード線の端部とをカシメ端子によりカシメると共に、温度ヒューズの他方のリード線の端部と外部電源との接続用導線とをカシメ端子によりカシメることで、温度ヒューズが結線されている。

    特開平8−247171号公報

    しかしながら、上記特許文献1に開示された電磁クラッチでは、電磁コイルをボビンに巻回した後、電磁コイルの未固定の巻終わり端部を温度ヒューズの一方のリード線にカシメ端子を介して接続しなければならないため、カシメ作業中に電磁コイルの巻崩れが生じる虞がある。 また、温度ヒューズの他方のリード線と外部電源との接続には、ボビンへ巻回する電磁コイルとは別に導線を用意しなければならないため工夫が求められている。

    本発明は、このような実情に着目してなされたものであり、温度ヒューズの結線の際の電磁コイルの巻崩れを防止できる共にその温度ヒューズの結線作業を簡素化することができる電磁クラッチ及びその電磁クラッチの製造方法を提供することを目的とする。

    本発明に係る電磁クラッチの一側面によると、電磁コイルが巻回されたボビンを有し、前記電磁コイルへの通電によって、駆動源により回転駆動されるロータと従動機器の回転軸に連結されたアーマチュアを磁気吸着させ、前記駆動源の動を前記従動機器へ伝達可能にする電磁コイルユニットと、所定温度を超えると前記電磁コイルへの通電を強制的に遮断する温度ヒューズとを備えた電磁クラッチにおいて、前記電磁コイルユニットは、前記ボビンのフランジ部に互いに周方向に離間して設けられる一対の台座部であって、前記ボビンへの巻回途中で前記フランジ部の外縁から前記フランジ部の上に引き出された前記電磁コイルの引出配線部分を係止する配線用係止部と、前記温度ヒューズのリード線を前記引出配線部分と離間させて係止する温度ヒューズ用係止部とをそれぞれ有する一対の台座部を備え、前記配線用係止部及び温度ヒューズ用係止部は前記フランジ部の周方向に沿って設けられる、構成とし、前記温度ヒューズ用係止部に係止された前記温度ヒューズのリード線は、一方の前記台座部における前記引出配線部分の一端と、他方の前記台座部における前記引出配線部分の一端との間に、電気的に接続される構成とした。
    また、本発明に係る電磁クラッチの別の側面によると、前記配線用係止部は、前記電磁コイルの引出配線部分が嵌め込まれる溝部からなり、前記溝部を形成するボビン内周側の側壁が該溝部を形成するボビン外周側の側壁より高く形成される構成とする。

    本発明に係る電磁クラッチの製造方法の一側面によると、電磁コイルが巻回されたボビンを有し、前記電磁コイルへの通電によって、駆動源により回転駆動されるロータと従動機器の回転軸に連結されたアーマチュアを磁気吸着させ、前記駆動源の動力を前記従動機器へ伝達可能にする電磁コイルユニットと、所定温度を超えると前記電磁コイルへの通電を強制的に遮断する温度ヒューズとを備えた電磁クラッチの製造方法において、前記電磁コイルを前記ボビンに巻回する工程と、前記ボビンのフランジ部に互いに周方向に離間して設けられる一対の台座部に形成された配線用係止部に、前記ボビンへの巻回途中で前記フランジ部の外縁から前記フランジ部の上に引き出された前記電磁コイルの引出配線部分を、該溝部を形成する側壁のうちボビン外周側の側壁より高く形成されたボビン内周側の側壁に押しつけながら、嵌め込んで保持する工程と、前記温度ヒューズを、一方の前記台座部における前記引出配線部分の一端と、他方の前記台座部における前記引出配線部分の一端との間に、電気的に接続する工程と、を備える。
    また、本発明に係る電磁クラッチの製造方法の別の一側面によると、前記配線用係止部は、前記電磁コイルの引出配線部分が嵌め込まれる溝部からなる構成とし、前記保持する工程は、前記溝部に、前記電磁コイルの引出配線部分を、該溝部を形成する側壁のうちボビン外周側の側壁より高く形成されたボビン内周側の側壁に押しつけながら、嵌め込んで保持する構成とする。

    本発明に係る電磁クラッチは、ボビンのフランジ部に互いに周方向に離間して設けられた一対の台座部に形成された各配線用係止部に、ボビンへの巻回途中でフランジ部の外縁からフランジ部の上に引き出された電磁コイルの引出配線部分を係止した状態で、一方の台座部における引出配線部分の一端と、他方の台座部における引出配線部分の一端との間に、温度ヒューズ用係止部に係止された温度ヒューズのリード線を電気的に接続して、温度ヒューズを電磁コイルに結線することが可能な結線構造を有する電磁クラッチを提供することができる。 したがって、温度ヒューズの一方のリード線だけでなく他方のリード線もボビンへの巻回途中の電磁コイルを用いて結線することができるため、ボビンへ巻回する電磁コイルとは別に、外部電源との接続用の導線を用意する必要がなく、従来と比較して温度ヒューズの結線作業を簡素化することができる。 さらに、電磁コイルを一対の台座部に保持した状態で、温度ヒューズの電磁コイルへの結線作業を行うことができるため、電磁コイルの巻崩れを防止することができる。
    また、本発明に係る上記別の側面による電磁クラッチは、配線用係止部は、フランジ部の周方向に沿って設けられ、電磁コイルの引出配線部分が嵌め込まれる溝部からなり、この溝部を形成するボビン内周側の側壁が溝部を形成するボビン外周側の側壁より高く形成される構成としたため、引出配線部分をボビン内周側の側壁に押し当て、テンションを掛けた状態で、引出配線部分を溝部にそれぞれ嵌め込むことができる。 したがって、電磁コイルの巻崩れをより確実に防止することができる。 さらに、電磁コイルの巻回作業の際のボビンの姿勢を変えることなく、巻回作業に続く一連の作業として、引出配線部分を台座部に保持することができるため、結線作業の作業性を向上させることができる。

    そして、本発明に係る電磁クラッチの製造方法は、ボビンのフランジ部に互いに周方向に離間して設けられた一対の台座部に形成された各配線用係止部に、ボビンへの巻回途中でフランジ部の外縁からフランジ部の上に引き出された電磁コイルの引出配線部分を嵌め込んで保持した状態で、一方の台座部における引出配線部分の一端と、他方の台座部における引出配線部分の一端との間に、温度ヒューズを電気的に接続して、温度ヒューズを電磁コイルに結線することができる。 これにより、ボビンへ巻回する電磁コイルとは別に、外部電源との接続用の導線を用意する必要がなく、従来と比較して温度ヒューズの結線作業を簡素化することができると共に、電磁コイルの巻崩れを防止することができる。
    また、本発明に係る上記別の側面による電磁クラッチの製造方法は、引出配線部分を配線用係止部に嵌め込んで保持する工程は、引出配線部分をボビン外周側の側壁より高く形成されたボビン内周側の側壁に押しつけながら行われる構成としたため、電磁コイルの巻崩れをより確実に防止することができると共に、巻回作業と引出配線部分の保持作業とを一連の作業で行うことができ、結線作業の作業性を向上させることができる。

    本発明の一実施形態による電磁クラッチの分解斜視図である。

    上記電磁クラッチの断面図である。

    電磁コイルユニットの分解斜視図である。

    温度ヒューズ及び台座部周辺の斜視図である。

    台座部周辺の拡大斜視図である。

    接続端子の斜視図である。

    図6に示すA矢視方向から見た接続端子の側面図である。

    電磁コイルユニットの組立図である。

    温度ヒューズの結線方法を説明するための図である。

    上記温度ヒューズの結線方法の変形例を説明するための図である。

    以下、添付図面を参照して本発明に係る電磁クラッチの実施形態について説明する。
    図1、図2は、本発明の一実施形態による電磁クラッチ1の構成を示している。 図1は電磁クラッチ1の分解斜視図であり、図2は電磁クラッチ1の断面図である。
    本実施形態による電磁クラッチ1は、例えば車両用空調装置を構成する圧縮機に組み込まれ、駆動源としての車両用のエンジンやモータの動力を従動機器としての前記圧縮機に断続的に伝達する。 すなわち、電磁クラッチ1は、前記エンジンや前記モータから前記圧縮機への動力の伝達とその遮断とを切り換える。 前記圧縮機は、前記エンジンや前記モータからの動力が伝達されることによって作動し、前記エンジンや前記モータからの動力の伝達が遮断されるとその作動を停止する。

    図1、図2に示すように、電磁クラッチ1は、前記エンジンや前記モータの動力によって回転駆動されるロータ2と、ロータ2に対向配置されたアーマチュア3と、温度ヒューズ4と、ロータ2とアーマチュア3を磁気吸着させる電磁コイルユニット5と、を含む。

    前記ロータ2は、環状に形成されており、その内周面が軸受6を介して圧縮機のハウジング7(図2において破線で示す)の外周面に回転可能に支持されている。 ロータ2の外周面にはベルト溝2aが形成されており、ロータ2の外周面はプーリとして機能する。 より具体的には、ロータ2は、前記外周面を有する外側筒状部21と、前記内周面を有し外側筒状部21と同心配置された内側筒状部22と、外側筒状部21と内側筒状部22とを一端側で連結する円環板状の連結部23とを有し、これらが一体化されて構成されている(図2参照)。 ロータ2の端面を形成する連結部23には、周方向に断続的に延びるスリット23aが磁束遮断部として形成されている。

    ベルト溝2aが形成されたロータ2の外周面には、図示省略した駆動ベルトが取り付けられており、この駆動ベルトを介して伝達される前記エンジンや前記モータの動力によってロータ2が回転する。 また、外側筒状部21、内側筒状部22および連結部23で形成される空間には、後述する電磁コイルユニット5が配置される。

    前記アーマチュア3は、フランジ部を有する筒状のハブ31と、磁性体によって形成された円板状のアーマチュア板32と、複数(ここでは三つ)のリーフスプリング33と、三板状の制振板34と、を含む。

    ハブ31は、ハウジング7外に突出する圧縮機の回転軸(駆動軸)8(図2において破線で示す)の端部に、例えばスプライン嵌合された状態で図示省略したナットによって前記回転軸8に固定(連結)されている。
    アーマチュア板32は、ロータ2の端面(連結部23)に対向配置されている。
    各リーフスプリング33は、一方の端部が制振板34と共にリベット35によってハブ31のフランジ部に固定され、他方の端部がリベット36によってアーマチュア板32に固定されている。 各リーフスプリング33は、アーマチュア板32をロータ2の端面(連結部23)から離す方向に付勢しており、これにより、ロータ2の端面(連結部23)とアーマチュア板32との間には所定の隙間gが形成される。
    制振板34の各頂点付近には防振ゴム37が装着されている。 制振板34および防振ゴム37は、リベット38によってアーマチュア板32に固定され、アーマチュア板32に生じた振動を減衰させる。

    前記温度ヒューズ4は、所定温度を超えると後述する電磁コイル51への通電を強制的に遮断するものであり、図3に示すように、温度ヒューズ本体4aの両端からリード線4b、4cがそれぞれ延伸している。 温度ヒューズ本体4aのリード線4b、4cは、後述する温度ヒューズ用係止部(第3溝部57a3,57b3)に係止される。 このリード線4b、4cは、後述する一対の台座部57a,57bの、一方の台座部57aにおける引出配線部分511の一端511aと、他方の台座部57bにおける引出配線部分の一端511bとの間に、電気的に接続(結線)される。 本実施形態において、温度ヒューズ4のリード線4b、4cは、一対の台座部57a,57bに嵌め込まれた一対の接続端子55,55を介して、電磁コイル51(引出配線部分511)と結線されている。 この温度ヒューズ4の結線方法については後に詳述する。

    図1及び図2に戻って、前記電磁コイルユニット5は、電磁コイル51への通電によって、ロータ2とアーマチュア3とを磁気吸着させて駆動源の動力を従動機器に伝達可能にするものであり、電磁コイル51(図1においてはボビンに密に巻回された状態が示されている)と、電磁コイル51が巻回されたボビン52と、ボビン52に取り付けられた電源供給用コネクタ53と、フィールドコア54と、温度ヒューズ4の接続用の一対の接続端子55,55を含む。
    フィールドコア54の端面には取付板56が取り付けられており、電磁コイルユニット4は、この取付板56を介して圧縮機のハウジング7に設置(固定)された状態で、ロータ2の前記空間(すなわち、外側筒状部21、内側筒状部22および連結部23で形成される空間)内に収容される(図2参照)。

    図4は、図1の反対側から見た電磁コイルユニット5の分解斜視図である。 なお、図の簡略化のため、図4では、図1に示したボビン52の後述する係止部525は図示省略している。
    図4に示すように、ボビン52は、外周面に電磁コイル51が巻回される円筒部521と、円筒部521の両端部に設けられたフランジ部522と、を有する。
    一方のフランジ部522の外側面には、電源供給用コネクタ53が装着されるコネクタ取付部524が設けられ、このフランジ部522の外周の一部には、切欠部523が形成されている。 さらに、各フランジ部522の周縁部(外縁部)には、外方に延出した係止部525(図1参照)がフランジ部522の周方向に離間して複数(図1においては8個)形成されている。 コネクタ取付部524については、後に詳述する。

    そして、他方のフランジ部522の外側面には、図1、図3及び図4に示すように、一対の台座部57a,57bが互いに離間して設けられている。 この一対の台座部57a,57bは、ボビン52への巻回途中でフランジ部522の外縁からフランジ部522の上に引き出された電磁コイル51の引出配線部分551を係止する配線用係止部と、温度ヒューズ4のリード線4b、4cを引出配線部分551と離間させて係止する温度ヒューズ用係止部とをそれぞれ有する。
    本実施形態において、配線用係止部は、引出配線部分551が嵌め込まれる第1溝部57a1,57b1からなる。 温度ヒューズ用係止部は、温度ヒューズ4のリード線4b、4cが嵌め込まれる第3溝部57a3,57b3からなる。 以下において、配線用係止部を第1溝部57a1,57b1、温度ヒューズ用係止部を第3溝部57a1,57b1と言う。
    具体的には、図5に示すように、一方の台座部57aは、ボビン52への巻回途中で係止部525(図1、図3参照)を介して、つまり、フランジ部522の外縁からボビン52のフランジ部522の上(外側面)に引き出された電磁コイル51の引出配線部分511(図3参照)の一端側が嵌め込まれる第1溝部57a1と、第1溝部57a1と交差する第2溝部57a2と、第1溝部57a1よりボビン外周側に離間して設けられ第1溝部57a1と平行に延伸する第3溝部57a3と、を有している。 同様に、他方の台座部57bは、引出配線部分511の他端側が嵌め込まれる第1溝部57b1と、第1溝部57b1と交差する第2溝部57b2と、第1溝部57b1よりボビン外周側に離間して設けられ第1溝部57b1と平行に延伸する第3溝部57b3と、を有している。
    また、本実施形態においては、図3に示すように、フランジ部522に形成されている各係止部525のうち少なくとも一対の係止部525は、一対の台座部57a,57bを挟むように位置し、かつ、図3及び図5に示すように、これらを通る仮想線L1が一対の第1溝部57a2,57b2を通る仮想線L2より径方向内側(フランジ部522の中心側)に位置するように形成されている。
    そして、本実施形態においては、上記第2溝部57a2,57b2は、それぞれ互いに平行に延伸して一対設けられている。

    本実施形態において、上記第2溝部57a2,57b2には、後述の一対の接続片55a,55aが嵌め込まれる。 また、上記第3溝部57a3,57b3には、一対の接続片55a,55aに形成された後述の第2挟持部552に嵌め込まれた温度ヒューズ4のリード線4b,4cが嵌め込まれる。 このようにして、リード線4b,4cは、これら第2挟持部552及び第3溝部57a3,57b3により、確実に保持される。 本実施形態では、図5に示すように、一対の第2溝部57a2(57b2)の間を切り欠いて形成したが、これに限らず、一対の第2溝部57a2(57b2)の間は切り欠かなくてもよい。

    また、一対の台座部57a,57bは、例えば、樹脂からなり、フランジ部522の周方向(図3参照)に互いに離間して設けられている。 そして、第1溝部57a1,57b1は、フランジ部522の周方向(図5参照)に沿って設けられている。 第1溝部57a1,57b1を形成する側壁のうちボビン内周側の側壁57a4,57b4は、第1溝部57a1,57b1を形成するボビン外周側の側壁57a5,57b5より高く形成されている。 また、第3溝部57a3,57b3を形成する両側壁は、図5に示すように、ボビン内周側の側壁57a4,57b4より低く形成されている。

    本実施形態において、一対の台座部57a,57bには、一対の接続端子55,55が嵌め込まれる。 具体的には、各接続端子55は、電気伝導性の材料で形成され、図6に示すように、例えば、第2溝部57a2,57b2にそれぞれ嵌め込まれ、第1溝部57a1,57b1に嵌め込まれた引出配線部分511を挟持するスリット状の第1挟持部551と、第1挟持部551と開口方向が反対であり温度ヒューズ4のリード線4b,4cを挟持するスリット状の第2挟持部552とをそれぞれ有する。 第1挟持部551の開口部は、引出配線部分511を嵌め込み易いように拡幅して形成されている。 同様に、第2挟持部552の開口部は、温度ヒューズ4のリード線4b,4cを嵌め込み易いように拡幅して形成されている。

    より具体的には、本実施形態において、接続端子55は、図6及び図7に示すように、互いに対向する一対の接続片55a,55aと、一対の接続片55a,55aの一端側を連結する連結片55bとを有してコ字状に形成されている。 そして、各接続片55aに第1挟持部551を各接続片55aの他端側に開口させて備えると共に、各接続片55aに第2挟持部552を各接続片55aの一端側(連結片55b側)に開口させて備えている。 また、各接続片55aの第2溝部57a2(57b2)への挿入側の周縁部には、接続片55aが第2溝部57a2,57b2へそれぞれ確実に係合するように、係止部553が形成されている。 そして、第2挟持部552に対応して連結片55bに溝が開口形成されている。 これにより、リード線4b,4cを、連結片55bの上方から第2挟持部552に嵌め込み可能に構成している。

    図4に戻って、コネクタ取付部524は、切欠部523を挟んで設けられている。 すなわち、コネクタ取付部524は、2分割されており、第1コネクタ取付部524aと第2コネクタ取付部524bとからなる。 第1コネクタ取付部524aと第2コネクタ取付部524bには、図4に示すように、それぞれ、フランジ部522の外側面に沿って切欠部523から離れる方向に延びる溝が形成されている。 第1コネクタ取付部524aの溝及び第2コネクタ取付部524bの溝のいずれか一方に、電磁コイル51の円筒部521への巻始め側端部が嵌合され、他方の溝に巻終わり側端部が嵌合される。 すなわち、円筒部521の外周面に巻回される電磁コイル51の両端部(最末端)は、切欠部523を介してフランジ部522の外側へと引き出され、その後互いに逆向きに曲げられて前述の各溝に嵌め込まれる。

    電源供給用コネクタ53は、ボビン52のコネクタ取付部524に装着(圧接)されており、図示省略した電源側コネクタが接続されることによって、電磁コイル51に電源を供給する。 図1に示すように、電源供給用コネクタ53は、コネクタ取付部524に取り付けられた際に、第1コネクタ取付部524aの溝に嵌め込まれた電磁コイル51の一方の端部に電気的に接続される第1コネクタピン531と、第2コネクタ取付部524bの溝に嵌め込まれた電磁コイル51の他方の端部に電気的に接続される第2コネクタピン532とを有する。 電源供給用コネクタ53の一側面側には、電源側コネクタが装着される開口部533が形成されており、この開口部533内に各コネクタピン531,532の電源側端部が突設されている。

    フィールドコア54は、図1、図2及び図4に示すように、ロータ2と同様に環状に形成されている。 すなわち、フィールドコア54は、外側筒状部541と、外側筒状部541と同心配置された内側筒状部542と、外側筒状部541と内側筒状部542とを一端側で連結する円環板状の連結部543と、を有する。 連結部543には、貫通孔543aが形成されている。 フィールドコア54は、外側筒状部541、内側筒状部542および連結部543で形成される空間内に、電源供給用コネクタ53が取り付けられたボビン52を収容する。 具体的には、図8(a)及び図8(b)に示すように、フィールドコア54は、電源供給用コネクタ53の先端側が貫通孔543aを介して外部に露出した状態で、電源供給用コネクタ53の基端側およびボビン52を前記空間内に収容する。 その後、前記空間内には樹脂58が充填され、この充填された樹脂によって電磁コイル51が封止されると共に、電磁コイル51、ボビン52、電源供給用コネクタ53、およびフィールドコア54が一体化されて電磁コイルユニット5が完成する。

    ここで、本実施形態の電磁クラッチ1の製造方法について、図4、図9(a)〜図9(d)を参照して、その温度ヒューズ4の結線の工程を主に説明する。 なお、台座部57a,57b及び接続端子55,55の詳細については図5及び図6を参照して説明する。 また、下記に説明する電磁クラッチ1の製造方法は、本発明に係る電磁クラッチの製造方法の一実施形態の説明でもある。
    上記電磁クラッチ1の製造方法は、「電磁コイルをボビンに巻回する工程」と、「引出配線部分を保持する工程」と、「温度ヒューズを電気的に接続する工程」とを備えて構成される。 本実施形態においては、「温度ヒューズを電気的に接続する工程」は、一対の台座部57a,57bに、接続端子55をそれぞれ嵌め込んで、引出配線部分511を押さえ、一対の台座部間の引出配線部分511を切除し、一対の台座部57a,57bに嵌め込まれた接続端子55に、温度ヒューズ4のリード線4b,4cを固定して、接続端子55を介して電磁コイル51に温度ヒューズ4を電気的に接続する、構成とした。
    以下に、上記各工程について詳述する。

    まず、例えば、一方のフランジ部522に形成されている第1コネクタ取付部524a(図4参照)の溝に電磁コイル51の一端(一方の最末端)を嵌め込んで保持する。 この状態で、電磁コイル51を切欠部523を介して円筒部521側に挿通し、電磁コイル51をボビン52、つまり、円筒部521の外周面に巻回する。 そして、この巻回途中で、電磁コイル51の他端側を、他方のフランジ部522の係止部525に引っ掛けて、フランジ部522の外縁からフランジ部522の上に引き出す。 この工程と後述する「残りの巻回工程」とが、本発明に係る電磁クラッチの製造方法の「電磁コイルをボビンに巻回する工程」に相当する。

    次に、図9(a)に示すように、一対の台座部57a,57bに形成された第1溝部57a1,57b1(図5参照)に、ボビン52への巻回途中でフランジ部522の外縁からフランジ部522の上に引き出された電磁コイル51の引出配線部分511を、押し付けながら嵌め込んで保持する。 具体的には、引出配線部分551を、ボビン内周側の側壁57a4,57b4(図5参照)にボビン内周側に向けて押し付けながら、テンションを掛けた状態で、それぞれ嵌め込んで保持する。 これにより、引出配線部分511を一対の台座部57a,57bに保持する。 この工程が、本発明に係る電磁クラッチの製造方法の「引出配線部分を保持する工程」に相当する。
    そして、引き出された電磁コイル51は、引き出された先に位置する別の係止部525を介して、円筒部521側へ引き戻されて円筒部521の外周面に巻回されながら、コネクタ取付部524が形成されているフランジ部522側に引き廻される。 そして、電磁コイル51の他端(他方の最末端)が、切欠部523を介して第2コネクタ取付部524b(図4参照)の溝に嵌め込まれて、電磁コイル51の残りの巻回工程が完了する。 なお、この「残りの巻回工程」は、本実施形態においては、上記「引出配線部分を保持する工程」と後述の「引出配線部分を押さえる工程」との間で行うものとしたが、これに限らず、「引出配線部分を押さえる工程」の後でもよく、「引出配線部分を保持する工程」の後であればいつでもよい。

    そして、図9(b)に示すように、第2溝部57a2,57b2(図5参照)に、接続端子55(接続片55a)をそれぞれ嵌め込んで、第1挟持部551(図6参照)により引出配線部分511を押さえて、引出配線部分511を確実に保持する。 これにより、引出配線部分511が一対の台座部57a,57bに確実に保持される。 以下において、この工程を「引出配線部分を押さえる工程」と言う。

    次に、図9(c)に示すように、一対の台座部57a,57b間の引出配線部分511を切除する。 以下において、この工程を「引出配線部分を切除する工程」と言う。 なお、本実施形態においては、後述するように、接続端子55(第2挟持部552)に温度ヒューズ4のリード線4を嵌め込む前に、一対の台座部57a,57b間の引出配線部分511を切除するものとしたが、切除のタイミングは、これに限らない。 例えば、一対の台座部57a,57b間に引出配線部分511が延設されている状態で、温度ヒューズ本体4aが引出配線部分511と接触することなく、リード線4b,4cを第2挟持部552に嵌め込むことが可能であれば、後述の「接続端子を介した接続工程」の後に、上記「引出配線部分を切除する工程」を行うようにしてもよい。

    そして、図9(d)に示すように、一方の台座部57aに嵌め込まれた接続端子55の第2挟持部552に、温度ヒューズ4の一方のリード線4bの端部を嵌め込むと共に、台座部57aの第3溝部57a3に嵌め込んでリード線4bを固定する。 そして、他方の台座部57bに嵌め込まれた接続端子55の第2挟持部552に、温度ヒューズ4の他方のリード線4cの端部を嵌め込むと共に、台座部57bの第3溝部57b3に嵌め込んでリード線4cを固定する。 このようにして、電磁コイル51の途中に接続端子55を介して温度ヒューズ4を介挿して、電磁コイル51に温度ヒューズ4を電気的に接続する。 以下において、この工程を「接続端子を介した接続工程」と言う。

    このように、上記「引出配線部分を押さえる工程」と、「引出配線部分を切除する工程」と、「接続端子を介した接続工程」とにより、温度ヒューズ4を、一方の台座部57aにおける引出配線部分511の一端511aと、他方の台座部57bにおける引出配線部分511の一端511bとの間に、電気的に接続する。 本実施形態においては、これら「引出配線部分を押さえる工程」と、「引出配線部分を切除する工程」と、「接続端子を介した接続工程」とを備えて構成される工程が、本発明に係る電磁クラッチの製造方法の「温度ヒューズを電気的に接続する工程」に相当する。

    次に、本実施形態の電磁クラッチ1の動作を概略説明する。
    電磁コイルユニット5は、外部から電源供給用コネクタ53を介して電源が供給されると電磁コイル51が通電して電磁力を発生し、リーフスプリング33の付勢力に抗してアーマチュア板32をロータ2の端面(連結部23)に磁気吸着させる。 これにより、ロータ2とアーマチュア3とが結合され、ロータ2の回転力(すなわち、前記エンジンや前記モータの動力)がアーマチュア3へと伝達され、さらには前記圧縮機の回転軸8へと伝達されて前記圧縮機が作動する。 ここで、例えば、アーマチュア32とロータ2間の磁気吸着不良等により摩擦熱が発生すると、フランジ部522に取り付けられた温度ヒューズ4が熱を検知し、電磁コイル51への通電を強制的に遮断する。 電磁コイルユニット5への電源の供給が強制的に遮断されると、リーフスプリング33の付勢力によってアーマチュア板32はロータ2の端面(連結部23)から離脱する。 これにより、ロータ2の回転力の伝達が遮断されて前記圧縮機は停止する。

    かかる本実施形態による電磁クラッチ1及びこの電磁クラッチ1の製造方法によれば、ボビン52のフランジ部522に互いに周方向に離間して設けられた一対の台座部57a,57bに形成された各配線用係止部(第1溝部)57a1,57b1に、ボビン52への巻回途中でフランジ部522の外縁(係止部525)からフランジ部522の上に引き出された電磁コイル51の引出配線部分511を係止した状態で、一方の台座部57aにおける引出配線部分511の一端511aと、他方の台座部57bにおける引出配線部分511の一端511bとの間に、温度ヒューズ4のリード線4b,4cを電気的に接続して、温度ヒューズ4を電磁コイル51に結線することが可能な結線構造を有する電磁クラッチ及びこの電磁クラッチの製造方法を提供することができる。 したがって、温度ヒューズ4の一方のリード線4bだけでなく他方のリード線4cもボビン52への巻回途中の電磁コイル51を用いて結線することができるため、ボビン52へ巻回する電磁コイル51とは別に、外部電源との接続用の導線を用意する必要がなく、従来と比較して温度ヒューズの結線作業を簡素化することができる。 さらに、電磁コイル51を一対の台座部57a,57bに保持した状態で、温度ヒューズ4の電磁コイル51への結線作業を行うことができるため、電磁コイル51の巻崩れを防止することができる。

    また、配線用係止部57a1,57b1は、フランジ部522の周方向に沿って設けられ、電磁コイル51の引出配線部分551が嵌め込まれる溝部(第1溝部)からなり、この第1溝部57a1,57b1を形成するボビン内周側の側壁57a4,57b4が第1溝部57a1,57b1を形成するボビン外周側の側壁57a5,57b5より高く形成される構成とした。 これにより、引出配線部分511をボビン内周側の側壁57a4,57b4に押し当て、テンションを掛けた状態で、引出配線部分511を第1溝部57a1,57b1にそれぞれ嵌め込むことができる。 したがって、電磁コイル51の巻崩れをより確実に防止することができる。 さらに、電磁コイル51の巻回作業の際のボビン52の姿勢を変えることなく、巻回作業に続く一連の作業として、引出配線部分511を台座部57a,57bに保持することができるため、結線作業の作業性を向上させることができる。
    そして、本実施形態においては、フランジ部522に形成されている各係止部525のうち少なくとも一対の係止部525は、一対の台座部57a,57bを挟むように位置し、かつ、これらを通る仮想線L1が一対の第1溝部57a2,57b2を通る仮想線L2より径方向内側に位置するように形成されているため、巻回作業の一連の作業として上記引出配線部分511を側壁57a4,57b4に押し当てやすい。 なお、係止部525と第1溝部57a2,57b2の位置関係は、これに限らず、例えば、少なくとも一対の係止部525は、一対の台座部57a,57bを挟むように位置し、かつ、図示省略するが、これらを通る仮想線L1が一対の第1溝部57a2,57b2を通る仮想線L2より径方向外側に位置するように形成してもよい。 この場合、ボビン外側の側壁57a5,57b5をボビン内側の側壁57a4,57b4より高く形成することにより、引出配線部分551をボビン外側の側壁57a5,57b5に押し当て、テンションを掛けることができる。

    なお、本実施形態においては、各接続端子55を一対の台座部57a,57bにそれぞれ嵌め込んだ後に、温度ヒューズ4を接続端子55に嵌め込む場合で説明したが、接続端子55及び温度ヒューズ4の嵌め込み手順はこれに限らない。 例えば、図示省略するが、前述したように、温度ヒューズ本体4aが引出配線部分511と接触することなく、リード線4b,4cを第2挟持部552に嵌め込むことが可能な場合は、リード線4b,4cが第2挟持部552に嵌め込まれた状態の接続端子55,55(つまり、温度ヒューズ4と一対の接続端子55,55が組み合わさった組立体)を、一対の台座部57a,57b(第2溝部57a2,57b2)に嵌め込んでもよい。

    また、本実施形態において、第2挟持部552は、第1挟持部551と開口方向が反対である場合で説明したが、開口方向はこれに限らない。 例えば、前述したように温度ヒューズ本体4aが引出配線部分511と接触することなく、リード線4b,4cを第3溝部57a3,57b3に嵌め込むことが可能な場合は、第2挟持部552は、第1挟持部551と開口方向が同一であってもよい。 この場合、第2挟持部552は、第3溝部57a3,57b3に嵌め込まれたリード線4b,4cを上から挟持する。
    より具体的には、接続端子55は、後述する図10(b)に示すように、互いに対向する一対の接続片55a,55aと、一対の接続片55a,55aの一端側を連結する連結片55bとを有してコ字状に形成され、各接続片55aに第1挟持部551及び第2挟持部552を各接続片55aの他端側にそれぞれ開口させて備える構成とする。

    上記のように、第1挟持部551及び第2挟持部552が共に一対の台座部57a,57b側に開口している場合についての、電磁クラッチ1の製造方法について、図9、図10(a)及び図10(b)を参照して説明する。
    本変形例における電磁クラッチ1の製造方法は、前述の「温度ヒューズを電気的に接続する工程」の内容が異なるだけで、他の工程(「電磁コイルをボビンに巻回する工程」、「引出配線部分を嵌め込んで保持する工程」)については、図9で説明した内容と同じであるため説明を簡略化する。

    本変形例において、「温度ヒューズを電気的に接続する工程」は、一対の台座部57a,57bに、温度ヒューズ4のリード線4b,4cを固定し、一対の台座部57a,57bに、接続端子55をそれぞれ嵌め込んで、引出配線部分511及びリード線4b,4cを押さえて、接続端子55を介して電磁コイル51に温度ヒューズ4を電気的に接続し、一対の台座部間の引出配線部分511を切除する、構成とした。 以下に各工程について詳述する。
    まず、電磁コイル51のボビン52へ巻回途中で、図9(a)に示すように、電磁コイル51をフランジ部522の外縁からフランジ部522の上に引き出して、この引出配線部分511を、第1溝部57a1,57b1にそれぞれ嵌め込んで保持する。 そして、図10(a)に示すように、一対の台座部57a,57b(第3溝部57a3,57b3)に、温度ヒューズ4のリード線4a,4bをそれぞれ嵌め込んで固定する。 次に、図10(b)に示すように、一対の台座部57a,57b(第2溝部57a2,57b2)に、接続端子55をそれぞれ嵌め込んで、引出配線部分551及びリード線4b,4cを押さえて、引出配線部分511及びリード線4b,4cを確実に保持する。 このようにして、接続端子55を介して電磁コイル51に温度ヒューズ4を電気的に接続する。 そして、図示省略するが、一対の台座部57a,57b間の引出配線部分511を切除する。 このようにして、本変形例に係る電磁クラッチの結線が完了する。

    また、本実施形態及び上記図10(a)に示す変形例においては、接続端子55は、互いに対向する一対の接続片55a,55aと一対の接続片55a,55aを連結する連結片55bとを有してコ字状に形成される構成で説明したが、これに限らず、各挟持部551,552がそれぞれ適切な方向に開口して形成されていれば、一枚の接続片からなっていてもよいし、3枚以上の接続片からなっていてもよい。 この場合、各台座部57a,57bの第2溝部57a2,57b2は、接続端子55の接続片の数に応じて形成されていればよい。 接続端子55は、一対の台座部57a,57bに嵌め込まれ、引出配線部分511を挟持するスリット状の第1挟持部551及び温度ヒューズ4のリード線4b,4cを挟持するスリット状の第2挟持部552をそれぞれ有し、温度ヒューズ4と引出配線部分511を電気的に接続するように構成されていればよい。

    さらに、本実施形態及び上記変形例においては、一対の台座部57a,57bとは別に、一対の接続端子55,55を設ける場合で説明したが、これに限らず、例えば、図示省略するが、一対の接続片55a,55aを、一対の台座部57a,57bに予めインサート成型しておいてもよい。 この場合、第1挟持部551及び第2挟持部552は共に上方(台座部57とは反対方向)に開口するように形成する。 そして、この構成において、例えば、引出配線部分511とヒューズ本体4aとが接触しない場合は、引出配線部分511を第1挟持部551に嵌め込んで固定し、リード線4b,4cを第2挟持部552に嵌め込んで固定して電磁コイル51と温度ヒューズ4とを電気的に接続し、一対の台座部57a,57b間の引出配線部分511を切除する。

    また、本発明に係る電磁クラッチの製造方法は、上記実施形態及びその変形例で説明した構成に限らず、電磁コイルが巻回されたボビンを有し、前記電磁コイルへの通電によって、駆動源により回転駆動されるロータと従動機器の回転軸に連結されたアーマチュアを磁気吸着させ、前記駆動源の動力を前記従動機器へ伝達可能にする電磁コイルユニットと、所定温度を超えると前記電磁コイルへの通電を強制的に遮断する温度ヒューズとを備えた電磁クラッチの製造方法において、前記電磁コイルを前記ボビンに巻回する工程と、前記ボビンのフランジ部に互いに周方向に離間して設けられる一対の台座部に形成された配線用係止部に、前記ボビンへの巻回途中で前記フランジ部の外縁から前記フランジ部の上に引き出された前記電磁コイルの引出配線部分を、該溝部を形成する側壁のうちボビン外周側の側壁より高く形成されたボビン内周側の側壁に押しつけながら、嵌め込んで保持する工程と、前記温度ヒューズを、一方の前記台座部における前記引出配線部分の一端と、他方の前記台座部における前記引出配線部分の一端との間に、電気的に接続する工程と、を備える構成であればよい。

    以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形及び変更が可能である。

    1…電磁クラッチ、4…温度ヒューズ、4b,4c…リード線、5…電磁コイルユニット、51…電磁コイル、52…ボビン、55…接続端子、55a,55a…一対の接続片、55b…連結片、57a,57b…一対の台座部、57a1,57b1…溝部(第1溝部)、57a3,57b3…別の溝部(第3溝部)、57a4,57b4…ボビン内周側の側壁、57a5,57b5…ボビン外周側の側壁、511…引出配線部分、511a…一方の台座部における引出配線部分の一端、511b…他方の台座部における引出配線部分の一端、522…フランジ部、551…第1挟持部、552…第2挟持部

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