Braking device with motor-driven brake mechanism

申请号 JP2001258970 申请日 2001-08-29 公开(公告)号 JP2003065366A 公开(公告)日 2003-03-05
申请人 Akebono Brake Ind Co Ltd; 曙ブレーキ工業株式会社; 发明人 KAWASE KAZUO; TANAKA MASAAKI; TAKAHASHI KIMIO; SUZUKI YOSHIHIKO; SEKIGUCHI KAZUHIRO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a brake device in which assembling work of a hydraulic brake mechanism and a motor-driven parking brake mechanism is easily executed, and at the same time, falling-off of parts from each mechanism at the time of assembling is prevented, and moreover, axial center alignment at the time of combining the both mechanisms is easily executed. SOLUTION: The brake device is provided with the hydraulic brake mechanism in which a piston 3 operated hydraulically can press a friction member P onto a member D to be braked and a motor-driven brake mechanism in which the friction member P can be pressed onto the member D to be barked by operation of an electrically-operated motor 34 of the piston. The brake device is characterized in that power transmission converting mechanisms 11, 12, 8, which convert rotation of an operating axis 10 connected to the electrically-operated motor 34 to movement in the axial direction in the member D to be braked of the piston 3, are provided on the inner side of the piston 3, and that the device also has the electrically-operated motor 34 and an elastic body 36 which is arranged roughly coaxially between a pair of opposing rotating members 32, 30 and transmits rotary force of the electrically- operated motor 34, and a driving part of the motor-driven brake mechanism in which the operating axis 10 is connected freely attachably/detachably to/from either of the rotating members.
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】液圧により作動するピストンが摩擦部材を被制動部材に押圧可能な液圧式ブレーキ機構と、前記ピストンの電動モータによる作動によって前記摩擦部材を前記被制動部材に押圧可能な電動式ブレーキ機構とを備えたブレーキ装置であって、 前記電動モータに連結された作動軸の回転を、前記ピストンの前記被制動部材における軸方向への移動に変換する力伝達変換機構を前記ピストン内方に備え、 前記電動モータと、一対の対向する回転部材間に略同軸的に配置され、前記電動モータの回転力を伝達する弾性体とを有し、前記回転部材の一方に前記作動軸が着脱自在に連結される電動式ブレーキ機構の駆動部を有することを特徴とするブレーキ装置。 【請求項2】前記力伝達変換機構は、前記作動軸に螺合するナットと、前記作動軸に摺動自在に嵌合し且つ前記ピストンに非回転・摺動自在に設けられたランプボディと、前記ナットと前記ランプボディとの間に配置した回転体とからなるボールランプ機構でありこれらを仮組付可能としたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。 【請求項3】前記力伝達変換機構は、前記作動軸に螺合するナットと、前記作動軸に摺動自在に嵌合し且つ前記ピストンにワンウエイクラッチを介して取り付けたランプボディと、前記ナットと前記ランプボディとの間に配置した回転体とからなるボールランプ機構であることを特徴とする請求項1に記載のブレーキ装置。 【請求項4】前記力伝達変換機構を、作動軸上に直列で2組配置したことを特徴とする請求項2または請求項3
    に記載のブレーキ装置。 【請求項5】前記電動モータの作動により、弾性体が所定以上変形すると前記一対の回転部材は直接当接して回転力を伝達することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のブレーキ装置。 【請求項6】液圧により作動するピストンが摩擦部材を被制動部材に押圧可能な液圧式ブレーキ機構と、前記ピストンを電動モータによる作動によって前記摩擦部材を前記被制動部材に押圧可能な電動式ブレーキ機構とを備えたブレーキ装置であって、 前記電動モータの回転によって回転する作動軸に螺合するとともに、ワンウエイクラッチを介して前記ピストンに取付けられたナット部材と、 前記作動軸に連結された駆動軸を被制動部材に向けて移動する力伝達変換機構とを備え、 前記駆動軸には、前記電動モータからの回転力を伝達する歯車機構と歯車機構内に配置した弾性体と、弾性体に取り付けたトルクプレートとからなる電動式ブレーキ機構を着脱自在に連結可能に取り付けたことを特徴とするブレーキ装置。 【請求項7】前記電動式ブレーキ機構は、電動モータと、前記電動モータとからの回転力を伝達する歯車機構と、前記歯車機構と前記トルクプレートとの間に配置した弾性体と、前記トルクプレートに結合し端部に前記駆動軸に設けた歯車とと連結可能な歯車とを備え、前記歯車は前記駆動軸上の歯車と着脱可能に連結できるように構成したことを特徴とする請求項6に記載のブレーキ装置。 【請求項8】前記作動軸、前記駆動軸のいずれかにはパットクリアランス調整手段として回転位置を検出する機構を設け、その電気的ピックアップセンサをキャリパと脱着可能なケーシングへ設けたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載のブレーキ装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ホイールシリンダ内の液圧を制御しブレーキ制御を行う液圧式ブレーキ機構に電動式ブレーキ機構を組み合わせたブレーキ装置に関するものであり、特に、液圧式ブレーキ機構と電動式ブレーキ機構の組付けが容易に行えるようにするとともに、組み付けを行う際に各機構からのパーツの脱落を防止し、さらに両機構を組み合わせる際の軸芯合わせが容易なブレーキ装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】液圧式ブレーキにパーキングブレーキを組付けたディスクブレーキ装置は、特公昭55−142
    96号等にて知られている。 このディスクブレーキ装置は、液圧式ブレーキのピストン軸芯に、パーキングブレーキ機構を芯合わせした状態でボルト等により組付け、
    パーキングブレーキを作動させることにより液圧式ブレーキ機構内のピストンを移動させブレーキを得る構成となっている。 また、電気信号によって電動モータを作動しブレーキ部材(ブレーキパッド)を被制動部材(ブレーキロータ)に押し付けてブレーキ力を発生する電動式ブレーキ装置も知られている(例えば、特開2000
    −110860)。 【0003】しかしながら、上記のブレーキ装置は、液圧式ブレーキとパーキングブレーキとの組付け構造、あるいは電動機構の取付け構造が複雑であり、その作業効率の向上が求められる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、液圧式ブレーキ機構と電動式ブレーキ機構とを容易に組付けることができるブレーキ装置を提供することにより、
    上記問題点を解決することを目的とする。 本発明は、液圧式ブレーキ機構と電動式ブレーキ機構とを2分割し電動式ブレーキ機構を液圧式ブレーキ機構に組み付ける際に多少の芯ズレ、組み付け誤差があっても介在させる弾性部材の作用によって確実に両者を組み付けることができるようにしている。 また、液圧式ブレーキ機構内に力伝達変換機構、パッドクリアランス調整機構を採用することにより、電動ブレーキ作動初期の摩擦部材(ブレーキパッド)の移動を速やかに行うことができるようにするとともに、ブレーキ作動後は高い緊締力を得ることができるようにしている。 さらにブレーキパッドが磨耗した状態となっても、常に一定のパッドクリアランスを得ることができようにしている。 【0005】 【課題を解決するための手段】このため、本発明が採用した技術解決手段は、液圧により作動するピストン3が摩擦部材Pを被制動部材Dに押圧可能な液圧式ブレーキ機構と、前記ピストンの電動モータ34による作動によって前記摩擦部材Pを前記被制動部材Dに押圧可能な電動式ブレーキ機構とを備えたブレーキ装置であって、前記電動モータ34に連結された作動軸10の回転を、前記ピストン3の前記被制動部材Dにおける軸方向への移動に変換する力伝達変換機構11、12、8を前記ピストン3内方に備え、前記電動モータ34と、一対の対向する回転部材32、30間に略同軸的に配置され、前記電動モータ34の回転力を伝達する弾性体36とを有し、前記回転部材の一方に前記作動軸10が着脱自在に連結される電動式ブレーキ機構の駆動部を有することを特徴とするブレーキ装置である。 また、前記力伝達変換機構は、前記作動軸に螺合するナットと、前記作動軸に摺動自在に嵌合し且つ前記ピストンに非回転・摺動自在に設けられたランプボディと、前記ナットと前記ランプボディとの間に配置した回転体とからなるボールランプ機構でありこれらを仮組付可能としたことを特徴とするブレーキ装置である。 また、前記力伝達変換機構は、前記作動軸に螺合するナットと、前記作動軸に摺動自在に嵌合し且つ前記ピストンにワンウエイクラッチを介して取り付けたランプボディと、前記ナットと前記ランプボディとの間に配置した回転体とからなるボールランプ機構であることを特徴とするブレーキ装置である。 また、
    前記力伝達変換機構を、作動軸上に直列で2組配置したことを特徴とするブレーキ装置である。 また、前記電動モータの作動により、弾性体36が所定以上変形すると前記一対の回転部材は直接当接して回転力を伝達することを特徴とするブレーキ装置である。 また、液圧により作動するピストン3が摩擦部材Pを被制動部材Dに押圧可能な液圧式ブレーキ機構と、前記ピストンを電動モータ34による作動によって前記摩擦部材Pを前記被制動部材Dに押圧可能な電動式ブレーキ機構とを備えたブレーキ装置であって、前記電動モータ34の回転によって回転する作動軸42に螺合するとともに、ワンウエイクラッチを介して前記ピストン3に取付けられたナット部材41と、前記作動軸42に連結された駆動軸40を被制動部材Dに向けて移動する力伝達変換機構40a、4
    6、47とを備え、前記駆動軸40には、前記電動モータ34からの回転力を伝達する歯車機構32、33と歯車機構内に配置した弾性体36と、弾性体36に取り付けたトルクプレート30とからなる電動式ブレーキ機構を着脱自在に連結可能に取り付けたことを特徴とするブレーキ装置である。 また、前記電動式ブレーキ機構は、
    電動モータと、前記電動モータとからの回転力を伝達する歯車機構と、前記歯車機構と前記トルクプレートとの間に配置した弾性体と、前記トルクプレートに結合し端部に前記駆動軸に設けた歯車とと連結可能な歯車とを備え、前記歯車は前記駆動軸上の歯車と着脱可能に連結できるように構成したことを特徴とするブレーキ装置である。 また、前記作動軸、前記駆動軸のいずれかにはパットクリアランス調整手段として回転位置を検出する機構を設け、その電気的ピックアップセンサをキャリパと脱着可能な部材31へ設けたことを特徴とするブレーキ装置である。 【0006】 【実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明すると、図1は本実施形態に係わる液圧式ブレーキ機構と電動式ブレーキ機構を組付けた状態のブレーキ装置の図2中B−B断面を含む断面図である。 図2は図1中のA−A断面図、図3は図2に示す構成部材(回転部材:歯車、トルクプレート)と、それらの間に設けられる弾性体の側面図、正面図、図4はブレーキパッドクリアランスを一定に保つためのパッドクリアランス調整機構の構成図(図1中のC−C断面図)、図5は図1
    中のランプボディとナットの拡大正面図および断面図、
    図6は図5に対応した他の例を示す図、図7はボールランプ機構の説明図、図8はボールランプ機構を2段にした更に他の例を説明する正面図および断面図である。 【0007】図1において、ブレーキ装置は公知のようにキャリパ1を備えておりキャリパ1の爪部とピストン3との間には被制動部材であるブレーキロータDに対向する摩擦部材としてのブレーキパッドPが設けられ、これらブレーキパッドがブレーキロータDの軸方向向に移動することによって被制動部材としてのブレーキロータDを挟持し、ブレーキ力を働かせることができる構成となっている。 キャリパ1内に形成したシリンダ2内にはピストン3が摺動自在に配置されており、ピストン3とシリンダ2の間にはダストシール4および液圧シール5
    が配置されており、液圧シール5は液圧式ブレーキ作動後、ピストン3を後退位置へ復帰させるための復帰用スプリングを兼ねている。 ピストン3には中心部に液圧室6が形成されており、この液圧室6はキャリパ1に形成した孔7を介して図示せぬマスタシリンダに接続されている。 上記ブレーキ装置の基本構成は従来のブレーキ装置と同様である。 【0008】またピストン3の液圧室内には力伝達変換機構を構成する図1、図5に示すような形状からなるランプボディ8が配置され、このランプボティ8は周囲に凸部8aを有しており、この凸部8aがピストン3の内面軸方向に形成した凹部3aと嵌合することにより非回転でかつピストン3内で軸方向へ摺動自在な構成となっている。 さらにランプボディ8には前述したキャリパ1
    に形成した孔7側の液圧室とピストン端部側の液圧室とを連通する流路9が形成されている。 なお、ランプボディ8とピストン3との非回転、摺動自在な組み付け構造は同様な機能を達成できる他の組み付け構造を採用することができる。 【0009】前記ランプボディ8の中心には作動軸10
    が回転自在、摺動自在に保持されており、さらにランプボディ8内には作動軸10に螺合しているナット11が配置され、ランプボディ8とナット11との間にボールランプ機構を形成する回転体(ボール)12が配置されている。 これらランプボディ8とナット11とボール1
    2とによって力伝達変換機構を構成している。 ボールランプ機構内のナット11はコイルスプリング13により常時図中左方に付勢されてランプボディ8とともに回転体12を挟持しており、またナット11の図中右側にはナット11の戻り過ぎを防止するための段部11a(図5参照)が形成されており、この段部11aに対向してランプボディ8の端部にはワッシャ14が取付けられている。 ナット11の段部11aがワッシャ14と当接することでナット11がそれ以上図中右方へ移動すること(戻り過ぎ)を防止している。 なお、ナット11の戻り過ぎを防止する構成としては図6に示すようにランプボディ8側に固定されたバネ座15を使用し、バネ座15
    を折り曲げ加工して形成した折り曲げ端部15aをナット11の段部11aへの当接部とし、段部11aが折り曲げ端部15aに当接することでナット11の戻り過ぎを防止することも可能である。 【0010】力伝達変換機構(ボールランプ機構)は、
    図7に示すようにランプボディ8とそれに対向して配置したナット11と、ランプボディ8とナット11の対向する夫々の面に対向して形成されている傾斜溝17と、
    両傾斜溝間に保持される回転体としてのボール12とを備えて構成されている。 傾斜溝17は、図7に示すようにランプボディ8とナット11とが初期位置から相対回転した時に互いの溝深さが次第に浅くなるように形成され、且つ互いの溝17の最深部にはボールを保持する凹部18が形成され、この凹部18と傾斜溝17との接続点19には所定の力が作用した時にボールが乗り越えることができる段部が形成されている。 そして対向する傾斜溝の間にボール12が保持され、図7に示す初期状態をとっている。 なお、このボールランプ機構は、ランプボディ8とナット11の間に等間隔で3個配置されるが、さらに大きな力伝達力を得るために、図8に示すようにボールランプ機構を軸方向に直列に2組配置することができる。 この場合、一組目のボールランプ機構と二組目のボールランプ機構の回転体(ボール)位置を図8
    中(イ)に示すようにずらすことで、ボールランプ機構による偏荷重を防止することができる。 なお、力伝達変換機構内のボールに変えて円筒状の回転体を使用することもできる。 【0011】ボールランプ機構を構成するランプボディ8は、前述のようにピストン3の内面に形成した凹部3
    aによってランプボディ8の回転を防止する機構とすることもできるが、図8(ロ)に示すようにワンウエイクラッチを使用することもできる。 このワンウエイクラッチは種々の機構を採用することができるが、本例ではランプボディ8周囲に巻いたコイルスプリング21で構成しており、コイルスプリング21の一端はピストン3の溝に挿入されてブレーキロータDの軸方向に移動可能で回転不能とされ、また他端はランプボディ8の径より小径の輪状であってランプボディ8の外周に巻付けられた構成となっている。 このワンウエイクラッチでは、ブレーキ作動時にはコイルスプリング21が締まり、ランプボディ8周囲を締めつけてランプボディ8とピストン3
    との間の相対回転を防止し、またブレーキ開放時に過度な力がランプボディ8に働いた時にはコイルスプリング21がゆるみ、ランプボディ8周囲の締めつけ力がなくなり、ランプボディ8がピストン3に対して相対回転可能な状態となる。 【0012】作動軸10はキャリパ1に対してスラストベアリング22で軸支されており、アルミ製キャリパの磨耗を防ぐ補強板23がキャリパ1との間に設けられている。 さらにキャリパ1外側に突出した部分にはブレーキパッドクリアランスを一定に保つためにパッドクリアランス調整手段として回転位置を検出する機構を構成するロータ24が配置されている。 このロータ24は作動軸10上にスペーサ25およびストップリング26によって作動軸10に保持されており、また、ロータ24
    は、図4に示す正面形状をしており、ロータ24に負荷がかからない状態の時にはロータ24は作動軸10とともに一体的に回転し、ロータ24の段部24aがストッパ29に当接した時にはロータ24が作動軸10上で滑ることによる回転ができるように作動軸10に保持されている。 前記ロータ24の段部24aはストッパ29と当接することによってロータ24の回転量を規制するためのものであり、また段部間の中央にはパッドクリアランス調整用のマグネット27が取り付けられており、マグネット27の位置検出をする電気的ピックアップセンサ28がキャリパと着脱自在のケーシング31側に取付けられる。 【0013】ロータ24をカラー25とともに保持するストップリング26よりさらに外側の作動軸10の端部には、電動式ブレーキ機構側のトルクプレート(詳細は後述する)30を非回転状態で結合するための平行面からなる結合部が図2に示すように形成されている。 そして、上記液圧式ブレーキ側では、ロータ24までの構成部品が組み込まれた一体品として構成され、これらによって液圧式ブレーキ機構を構成し、この液圧式ブレーキ機構に対して後述の電動式ブレーキ機構を簡単に取り付けることができるようになっている。 【0014】電動式ブレーキ機構は、、ケーシング31
    とケーシング31に固定された電動モータ34とを備え、このケーシング31内に歯車32が軸受35によって回転自在に軸支されており、この歯車32と電動モータ34側の出力軸に取り付けたウォーム歯車33がかみ合っており、これらによって減速用の歯車機構、およびブレーキ力を維持するためのロック機構を構成している。 また前記歯車32は後述するトルクプレート30とともに回転部材を構成しており、それぞれは以下のような構成からなる。 回転部材としての歯車32には図2、
    図3に示すように3箇所が切り欠かれた弾性体36が、
    歯車32側に形成された弾性体36とほぼ同じ形状をした凹部32a内に略同軸的に嵌合して取り付けられており、さらに弾性体36は中心部で歯車32のボス部32
    bと固定されている。 また弾性体36の両面には図3に示すように軸方向に突出した突起36a、36bが形成されており、図中右側の突起36aを歯車32に形成した孔に嵌合するとともに他側の突起36bを歯車と同心上に配置したトルクプレート30に嵌合することで、各部品が脱落せぬように組み付けられている。 【0015】回転部材としてのトルクプレート30は歯車32側に折り曲げた折り曲げ部30aを備え、折り曲げ部30aが歯車32側に形成した切欠32cに挿入されるようになっている。 この切欠32cは図2に示すようにトルクプレート30の折り曲げ部の板厚よりも大きく形成されており、歯車32の回転により弾性体が所定以上(隙間d)に変形すると、折り曲げ部30aと歯車32とが直接結合され、歯車32の回転が直接トルクプレート30に伝達される構成となっている。 トルクプレート30の中心部には前述した液圧式ブレーキ機構側の作動軸10の平行面を備えた結合部を嵌合できる嵌合孔が形成されている。 またケーシング31には前述したロータ24の段部と当接するストッパ29が取り付けられており、図4に示す位置からロータ24が図中左方に回転し、段部24aがストッパ29に当接することによりロータ24のそれ以上の回転を規制できるようになっている。 【0016】以上の構成からなるブレーキ装置の組立作業、および作動を説明する。 上述したように液圧式ブレーキ機構は作動軸10に取り付けたパッドクリアランス調整手段としてのロータ24までを一体化した機構としており、また、電動式ブレーキ機構は電動モータ34からトルクプレート30までを一体化した機構としてある。 このため両機構を組み付けるには、液圧式ブレーキ機構の作動軸10の結合部に電動式ブレーキ機構のトルクプレート30を嵌合することで両者を簡単に組付けることができる。 組み付ける際に両者の軸芯に多少のずれがあっても弾性体36の作用により確実に組み付けることができ、また、組み付け時のガタも弾性体36によって吸収することができる。 なお、ケーシング31とキャリパ1との当接面にはシール部材38を配置し、適宜手段でケーシング31をキャリパ1側に固定する。 また、
    このような組付け作業時において、それぞれの機構を構成するパーツは各機構内において脱落が防止されるように固定されているため、組付け時においてパーツが脱落することはない。 【0017】図1に示すブレーキ装置の作動を説明する。 液圧式ブレーキ(サービスブレーキ)作動時液圧式ブレーキ作動時において、ブレーキペダルの踏み込み作動によって図示せぬマスタシリンダで発生した液圧はキャリパ内に形成した液圧室6内に流入し、その液圧によってピストン3がシール部材5を撓めながら図中左方に移動し摩擦部材(ブレーキパッド)を被制動部材(ブレーキロータ)に押しつけてブレーキを働かせる。
    また、ブレーキ開放時にはピストン3はシール部材5の復帰作動により初期状態に復帰する。 【0018】電動式ブレーキ(パーキングブレーキ)作動時電動式ブレーキ作動のために、電動式ブレーキのスイッチを作動側に作動すると電動モータ34が作動しウォーム歯車33、歯車32、弾性体36、トルクプレート3
    0を介して作動軸10が回転する。 歯車32の回転により弾性体36が所定以上に変形すると、トルクプレート30側の折り曲げ部30aと歯車32とが直接結合され、歯車32の回転が直接トルクプレート30に伝達される。 このブレーキ作動初期においては、ブレーキパッドとブレーキロータとの間のブレーキクリアランスが埋められておらず、ランプボディ8とナット11との押圧力は小さいため、ボールランプ機構が不作動状態でランプボディ8とナット11が一体となって作動軸10上を図中左方に移動する。 この移動によりランプボディ8がピストン3の内面に形成したストッパ3bに当接し、ピストン3が図中左方に移動しブレーキパッドを移動して同パッドをブレーキロータに押しつける。 また、その時の反力によってキャリパ1が右方に移動して他側のブレーキパッドもブレーキロータに押圧され両ブレーキパッドによりブレーキが働らく。 このブレーキ作動時には、
    パッドクリアランス調整用のロータ24も作動軸10と回転するが、ブレーキパッドが磨耗している場合には、
    同ロータ24の回転はストッパ29によって規制され、
    作動軸との間に滑りが生じ所定の回転以上は回転しないようになっている。 【0019】ブレーキ押圧力が更に高くなると、即ち、
    ランプボディ8から力伝達変換機構(ボールランプ機構)のナットに対する押圧力が大きくなると、ナット1
    1が作動軸10と一体に回転をはじめ、そのナット11
    の回転でボールランプ機構が働き、非回転状態となっているランプボディ8を図中左方に移動し、さらに高い制動圧力を得ることができる。 ランプボディ8が所定距離移動するとランプボディ8側に設けたワッシャ14がナット11に当接し、ボール12がボールランプ機構中の溝から飛び出す事態を防止している。 ブレーキ作動状態にあって電動モータが停止するとその状態はウォーム歯車からなるロック機構によって維持される。 【0020】電動式ブレーキのスイッチを解除側に作動すると、電動モータ34が逆転し、トルクプレート30
    を逆転する。 ブレーキ開放時はボール12の転がり抵抗の方が作動軸10とナット11の間の摩擦抵抗よりも小さいために、はじめにボールランプ機構が初期状態に戻ってブレーキ力を低下させ、その後、ナット11が作動軸10上を非回転状態で図中右方に移動し、その移動によってランプボディ8も一体となって図中右方に移動してブレーキを開放する。 また、電動モータ34はパッドクリアランス調整用のロータ24のマグネット27がセンサ28の位置まで戻ると停止され、これによって、パッドクリアランスはパッドの磨耗量に係わらず常に一定とすることができる。 即ち、ブレーキパッドが摩耗した状態であっても、ブレーキ作動後、ブレーキが開放され、電動モータ2が逆転してロータ24に取り付けたマグネット27がセンサ28位置まで戻ると電動モータ3
    4が停止することでブレーキパッド摩耗状態に係わらず常に一定のブレーキクリアランスを得ることができる。 【0021】なお、本実施形態では、ブレーキペダル開放後に於けるブレーキクリアランスは前述のようにボールランプ機構、スイッチ機構によって適正状態に維持できるようになっているが、上記パッドクリアンランス調整用のスイッチ機構は必要に応じて省略することも可能である。 【0022】つづいて本発明に係る第2実施形態の説明をする。 図9は第2実施形態に係わる電動式ブレーキ機構を備えたブレーキ装置の断面図であり、第2実施形態では液圧式ブレーキ機構は第1実施形態と基本的部分では同じで構成となっている。 また第1実施形態と同じ符号は同じ部材を示している。 図9において、ブレーキ装置はキャリパ1を備えており、キャリパ1内に形成したシリンダ2内にはピストン3が摺動自在に配置されるとともに、液圧室6が形成されており、この液圧室6はキャリパ1に形成した孔7を介してマスタシリンダ2に接続されている。 これらの構成は第1実施形態と同様である。 【0023】またピストン3内にはナット41が非回転・摺動可能に配置されこのナット41の中心には作動軸42が螺合している。 ナット41の周囲には前述したワンウエイクラッチ(図8参照)と同様のコイルスプリング43が設けられている。 作動軸42のブレーキパッドと反対側端部はスラストベアリング44を介して駆動軸40と連結されており、駆動軸40には力伝達変換機構(ボールランプ機構)を構成するランプボディ40aが一体に形成されている。 ボールランプ機構は第1実施形態のものと同様であり、ランプボディ40aに対向してランプ部材46が駆動軸40に対して回転自在に取り付けられており、ランプボディ40aとランプ部材46との間にはボール47が配置されている。 ケーシング48
    の一端はランプ部材46に固定され他端はバネ座を兼ねるように折り曲げられ作動軸42側に固定50されており、ケーシング48とランプボディ40aとの間にはランプボディ40aをランプ部材46に向けて付勢するためのスプリング49が配置されている。 【0024】駆動軸40はキャリパ1に軸支されており、キャリパ1から外側に突出した端部には歯車51がストップリング52により取り付けられている。 そして、この歯車51までの構成部品を液圧式ブレーキ機構側の部品とし、液圧式ブレーキ機構側に対して後述の電動式ブレーキ機構を取り付けることができるようになっている。 【0025】電動式ブレーキ機構は、駆動用の電動モータ34が固定されたケース53を備え、このケース53
    内に歯車54が軸受によって回転自在に軸支されており、この歯車54と電動モータ34側の出力軸に取り付けたウォーム歯車33がかみ合い、歯車機構を構成している。 歯車54には第1実施形態と同様の機構を介してトルクプレート30が取り付けられており、このトルクプレート30に固定した軸端には前述した歯車51にかみ合う歯車55が取り付けられている。 そして、電動モータ34から歯車55までの構成部品を電動式ブレーキ機構側の部品とし、液圧式ブレーキ機構側に対して取り付けることができるようになっている。 【0026】以上の構成からなるブレーキ装置の組立作業、および作動を説明する。 上述したように液圧式ブレーキ機構は駆動軸40に取り付けた歯車51までを一体化した機構としており、また、電動式ブレーキ機構は電動モータ34から歯車55までを一体化した機構としてあるため、液圧式ブレーキ機構の歯車51に、電動式ブレーキ機構側の歯車55をかみ合わせることで両者を簡単に組付けることができる。 なお、ケース53とキャリパ1との当接面にはシール部材56を配置する。 このような組付け作業時において、それぞれの機構を構成するパーツは各機構内において脱落が防止されるように固定されている。 【0027】以下ブレーキ作動の説明をする。 液圧式ブレーキ(サービスブレーキ)作動時液圧式ブレーキ作動時において、ブレーキペダルの踏み込み作動によって図示せぬマスタシリンダで発生した液圧はピストン3に形成した液圧室6内に流入し、その液圧によってピストン3が図中左方に移動しブレーキパッドPをロータDに押しつけてブレーキを働かせる。 また、ブレーキ開放時にはピストンはシール部材の復帰作動により初期状態に復帰する。 この作動は第1実施形態と同様である。 【0028】電動式ブレーキ(パーキングブレーキ)作動時電動式ブレーキ作動のために、電動式ブレーキのスイッチを作動側に作動すると電動モータ34が作動しウォーム歯車33、歯車54、弾性体36、トルクプレート3
    0を介して歯車55が回転し、歯車55とかみ合っている歯車51が回転して駆動軸40が回転する。 このブレーキ作動初期においては、ブレーキパッドとロータとの間のブレーキクリアランスが埋められておらず、ランプボディ40aとランプ部材46との押圧力は小さいため、ボールランプ機構が不作動状態である。 またナット41は非回転状態にピストン3に保持されているため、
    作動軸10が回転するとそのネジ作用によってナット4
    1が作動軸42上を図中左方に移動する。 この移動によりナット41がピストン3の内面に円錐状に形成したストッパ3aに当接し、ピストン3も図中左方に移動しブレーキパッドPを移動して同パッドPをブレーキロータDに押しつける。 また、その時の反力によってキャリパ1が右方に移動して他側のブレーキパッドPもブレーキロータDに押圧され両ブレーキパッドPによりブレーキが働らく。 【0029】ブレーキ押圧力が更に高くなると、その反力がスラストベアリング44を介して駆動軸40に伝わり、さらにランプボディ40aをランプ部材46側に押圧する。 この押圧作動によりランプボディ40aからボールへの押圧力が大きくなると、ランプ部材46は非回転状態となり、一方ランプボディ40aには電動モータ34からの回転力が伝達されるため、ボールランプ機構が働き、ランプボディ40a、作動軸42、ナット41
    を介してピストン3を図中左方に移動し、さらに高い制動力を得ることができる。 ブレーキ作動状態にあって電動モータが停止するとその状態はウォーム歯車からなるロック機構によって維持される。 このことから、パーキングブレーキとして使用されることが多い。 【0030】電動式ブレーキのスイッチを解除側に作動すると、電動モータ34が逆転する。 ブレーキ開放時はボール47の転がり抵抗の方がランブ部材46とキャリパ1との摩擦抵抗よりも小さいために、はじめにボールランプ機構が初期状態に戻ってブレーキ力を低下させ、
    その後、ナット41が作動軸42上を非回転状態で図中右方に移動し、その移動によってブレーキを開放する。
    この際に作動軸42が過度に回転しナット41と当接した場合には、ピストンは回転不能で摺動が可能に取付けれられたコイルスプリング43の内径が拡大する方向にナット41外面と摩擦が生じる。 これによってナット4
    1がピストン3に対して空転することになり、作動軸4
    2が過度にナット側へ食い込むことを防止する。 【0031】本発明は以上のように制動初期においては、ナットを作動軸に螺合したネジ機構により、その後、所定のブレーキ力が発生した以後においてはボールランプ機構によりブレーキ押圧力が高められる。 電動モータの単位回転量当たりの、ブレーキパッドの移動量は、ネジ機構に対するものよりもボールランプ機構の方が小さく設定されている。 そのため、制動初期においては、ブレーキパッドとブレーキロータ間のブレーキクリアランスは速やかに埋められ、所定のブレーキ力が発生した以後においては、機械効率の良いボールランプ機構により大きな押圧力でブレーキパッドを押圧できる。 そのため電動モータの小型化にも役立つ。 【0032】 【発明の効果】以上詳細に述べた如く本発明によれば、
    液圧式ブレーキ機構と電動式ブレーキ機構とを2分割構成としたため、ブレーキの組付け作業が容易である。 また、電動式ブレーキ機構と液圧式ブレーキ機構との接続部に弾性体を設けたことにより、液圧式ブレーキ機構と電動式ブレーキ機構との軸心のずれを吸収することができ、さらに組付け時のガタの発生を防止できる。 またパッドクリアランス調整手段を設けることにより、ブレーキパッドの磨耗量に係わらず、常に一定したパッドクリアランスを得ることができる。 また、ピストン内に配置するナットにワンウエイクラッチを使用することにより、ブレーキ開放時におけるナットの戻り過ぎを防止できる。 さらに、ボールランプ機構を2段にすることでより効率的な力伝達変換機構を構成することができる、等優れた効果を奏することができる。

    【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1実施形態に係わるブレーキ装置の断面図(図2中のB−B断面を含む)である。 【図2】図1中のA−A断面図である。 【図3】図2を構成する回転部材(歯車、トルクプレート)と、それらの間に設けられる弾性体の側面図、正面図である。 【図4】図1中のC−C断面図である。 【図5】図1中のランプボディとナット部分の拡大正面図および断面図である。 【図6】図5に対応した他の例を示す図である。 【図7】ボールランプ機構の説明図である。 【図8】ボールランプ機構を2段にした例を説明する正面図および断面図である。 【図9】本発明の第2実施形態に係わるブレーキ装置の断面図である。 【符号の説明】 1 キャリパ2 シリンダ3 ピストン4 ダストシール5 液圧シール6 液圧室7 孔8 ランプボディ10 作動軸11 ナット12 回転体(ボール) 13 コイルスプリング14 ワッシャ15 バネ座17 傾斜溝18 凹部19 接続点21 ワンウエイクラッチ(コイルスプリング) 22 スラストベアリング23 補強板24 ロータ25 スペーサ26 ストップリング27 マグネット28 センサ29 ストッパ30 トルクプレート31 ケーシング32 歯車33 ウォーム歯車34 電動モータ35 軸受36 弾性体40 駆動軸41 ナット42 作動軸43 ワンウエイクラッチ(コイルスプリング) 44 スラストベアリング40a ランプボディ46 ランプ部材47 ボール48 ケーシング49 スプリング51、54、55 歯車52 ストップリング53 ケース

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 公夫 東京都中央区日本橋小網町19番5号 曙ブ レーキ工業株式会社内(72)発明者 鈴木 義彦 東京都中央区日本橋小網町19番5号 曙ブ レーキ工業株式会社内(72)発明者 関口 和博 東京都中央区日本橋小網町19番5号 曙ブ レーキ工業株式会社内Fターム(参考) 3J058 AA48 AA53 AA63 AA77 AA78 AA87 BA57 BA64 CC03 CC15 CC19 CC56 DA32 DB23 FA07

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