Currency dispensing device

申请号 JP2001393695 申请日 2001-12-26 公开(公告)号 JP4578746B2 公开(公告)日 2010-11-10
申请人 エムイーアイ インコーポレーテッド; 发明人 リチャード フレンチ コリン;
摘要
权利要求
  • 貨幣を分配する貨幣分配装置であって、
    複数の貨幣を蓄える複数の現金貯蔵器(28、30、31、32、34)と、
    該現金貯蔵器 (28、30、31、32、34)から貨幣が分配されるべく動作する1つの共通分配アクチュエータ(40)と、
    該共通分配アクチュエータ(40)の動作時に貨幣がどの現金貯蔵器から分配されるかを決めるクラッチ手段とからなる貨幣分配装置において、
    該クラッチ手段は、現金貯蔵器(28、30、31、32、34)の各々に対応したクラッチ(44)からなり、各クラッチ(44)は、
    1つの軸の周りに回転可能に構成され、該共通分配アクチュエータ(40)により 順回転方向又は逆回転方向に回転させられる駆動部材(80)と、
    該1つの軸の周りに回転可能に構成され、該現金貯蔵器から貨幣 分配 するように移動する 分配部材(52)を駆動させる被駆動部材 (92)と、
    該駆動部材(80)及び該被駆動部材(92)を係合状態 又は非係合状態 にさせる連結部材(94)と、
    該連結部材(94)へ磁気吸引力を印加して該駆動部材(80)及び該被駆動部材(92)をを非係合状態から係合状態に移行させる電磁石(84)とを含み、
    該駆動部材(80)は、該駆動部材(80)の回転軌道に沿った方向に形成された溝(104)からなる凹部(96)を含み、該凹部(96)は、その端部に1つのポケット(102)を備え、該溝(104)の底部は、該逆回転方向に向かって該ポケット(102)から上向きに延びる傾斜路となっており、
    該被駆動部材(92)は、該駆動部材(80)の該凹部(96)が形成されている回転軌道と一致する軌道に沿って、該凹部(96)と向かい合うように形成された溝からなる凹部(108)を含み、
    該連結部材(94)は、該溝(104)内を転動可能に構成され、該駆動部材(80)が該順回転方向に回転しており、且つ、該連結部材(94)が該ポケット(102)に位置している状態下で、長くても該駆動部材(80)の1回転に要する期間の間だけ該電磁石(84)を活性化させることにより、該溝(104)と該凹部(108)とが一致したときに、該連結部材(94)を該溝(104)の上端と該凹部(108)の間に移動させて、該連結部材(94)が該溝(104)と該凹部 (108)とを橋絡するようにさせ、該駆動部材(80)と該被駆動部材 (92)との間の相対運動を制限して、該駆動部材(80)からの駆動力を該被駆動部材 (92)に伝達 することを可能にし ことを特徴とする貨幣分配装置。
  • 請求項1に記載の貨幣分配装置において、該クラッチ(44)の各々において、 該連結部材(94)が該溝(104)と該凹部(108)とを橋絡している状態下で、該駆動部材(80)を該逆回転方向に回転させて、該ポケット(102)を該凹部(108)の下に移動させ、該連結部材(94)を該ポケット(102)に落下させるように構成される装置。
  • 請求項1 又は2に記載の貨幣分配装置において、 該被駆動部材(92)が駆動部材(80) の回転に伴って回転することで 、連結部材(94)が 該クラッチ(44)の該非係合状態への移動を防止 、それによって電磁石(84) に対する電力の供給を停止 した後も該係合状態を維持する装置。
  • 請求項 に記載の貨幣分配装置において、凹部(96)が、該駆動部材(80)及び該被駆動部材 (92)の移動方向に、連結部材(94)に比して大きい長さを有し、それによって連結部材(94)は凹部(96)の該ポケット(102)から実質的に外れ、同時に駆動力を被駆動部材 (92)に伝達する装置。
  • 請求項 に記載の貨幣分配装置において、駆動部材(80)及び被駆動部材 (92)の構成により、連結部材(94)が駆動力を伝達するポジション側に移動するにつれ漸次駆動部材(80)及び被駆動部材 (92)間により閉じ込められる装置。
  • 請求項1乃至 の何れか1項に記載の貨幣分配装置において、連結部材(94)が 該溝(104)と該ポケット(102)との間を転動できるように構成される装置。
  • 請求項 に記載の貨幣分配装置において、連結部材(94)が実質的に球状である装置。
  • 請求項1乃至 の何れか1項に記載の貨幣分配装置において、連結部材(94)が 該係合状態及び該非係合状態のうちの何れか一方の状態から他方の状態に電磁石(84)の影響により移動可能かつ他方の状態から前記一方の状態に重力の影響により移動可能である装置。
  • 貨幣を分配する貨幣分配装置であって、
    複数の貨幣を蓄える複数の現金貯蔵部(28、30、31、32、34)と、
    該複数の現金貯蔵部(28、30、31、32、34)から貨幣が分配されるように動作することができる1つの共通分配アクチュエータと、
    該複数の現金貯蔵部(28、30、31、32、34)の各々と関連しているそれぞれのクラッチ(44)であって、 1つの軸の周りに回転可能に構成され、該共通分配アクチュエータ(40)によって 順回転方向又は逆回転方向に回転させられる駆動部材(80)、 該1つの軸の周りに回転可能に構成され、貨幣を現金貯蔵部から分配するように動くことが可能な 分配部材(52)を駆動する被駆動部材 (92) 、及び 該クラッチ(44)を非係合状態 又は係合状態 にさせる連結部材(94)を含むクラッチ(44)と を備える貨幣分配装置において、
    該連結部材(94)へ磁気吸引力を印加して該駆動部材(80)及び該被駆動部材(92)を非係合状態から係合状態に移行させるそれぞれの電磁石(84)とを含み、
    該駆動部材(80)は、該駆動部材(80)の回転軌道に沿った方向に形成された溝(104)からなる凹部(96)を含み、該凹部(96)は、その端部に1つのポケット(102)を備え、該溝(104)の底部は、該逆回転方向に向かって、該ポケット(102)から上向きに延びる傾斜路となっており、
    該被駆動部材(92)は、該駆動部材(80)の該凹部(96)が形成されている回転軌道と一致する軌道に沿って、該凹部(96)と向かい合うように形成された溝からなる凹部(108)を含み、
    該連結部材(94)は、該溝(104)内を転動可能に構成されており、該駆動部材(80)が該順回転方向に回転しており、且つ、該連結部材(94)が該ポケット(102)に位置している状態下で、長くても該駆動部材(80)の1回転に要する期間の間だけ該電磁石(84)を活性化させることにより、該溝(104)と該凹部(108)とが一致したときに、該連結部材(94)を該溝(104)の上端と該凹部(108)の間に移動させて、該連結部材(94)が該溝(104)と該凹部 (108)とを橋絡するようにさせ、該駆動部材(80)と該被駆動部材 (92)との間の相対運動を制限して、該駆動部材(80)からの駆動力を該被駆動部材 (92)に伝達し、
    該被駆動部材(92)が駆動部材(80)の回転に伴って回転することで、連結部材(94)が該駆動部材(80)及び該被駆動部材(92)の該非係合状態への移動を防止し、それによって電磁石(84)に対する電力の供給を停止した後も該係合状態を維持する貨幣分配装置。
  • 請求項 に記載の貨幣分配装置において、 該連結部材(94)が該溝(104)と該凹部(108)とを橋絡している状態下で、該駆動部材(80)を該逆回転方向に回転させて、該ポケット(102)を該凹部(108)の下に移動させ、該連結部材(94)を該ポケット(102)に落下させるように構成される装置。
  • 貨幣を分配する貨幣分配装置であって、
    複数の貨幣を蓄える複数の現金貯蔵部(28、30、31、32、34)と、
    該複数の現金貯蔵部(28、30、31、32、34)から貨幣が分配されるように動作することができる1つの共通分配アクチュエータと、
    該複数の現金貯蔵部(28、30、31、32、34)の各々と関連するそれぞれのクラッチ(44)であって、アクチュエータ(40)によって 順回転方向又は逆回転方向に回転させられる駆動部材(80)、貨幣を現金貯蔵部から分配するように運動することが可能な 分配部材(52)を駆動する被駆動部材 (92) 、及び前記駆動部材(80)及び被駆動部材 (92)の一方の凹部(96)に位置する連結部材(94)を有するクラッチ
    該連結部材(94)へ磁気吸引力を印加して該クラッチ(44)を非係合状態から係合状態に移行させるそれぞれの電磁石(84)とを含み、
    該凹部(96)は、該駆動部材(80)及び該被駆動部材(92)の回転軌道に沿った方向に形成された溝(104)からなる凹部(96)を含み、該凹部(96)は、その端部に1つのポケット(102)を含み、該溝(104)の底部は、該逆回転方向に向かって、該ポケット(102)から上向きに延びる傾斜路となっており、
    該被駆動部材(92)は、該回転軌道と一致する軌道に沿って、該凹部(96)と向かい合うように形成された溝からなる凹部(108)を含み、
    該駆動部材(80)が該順回転方向に回転しており、且つ、該連結部材(94)が該ポケット(102)に位置している状態下で、長くても該駆動部材(80)の1回転に要する期間の間だけ該電磁石(84)を活性化させることにより、該溝(104)と該凹部(108)とが一致したときに、該連結部材(94)を該溝(104)の上端と該凹部(108)の間に移動させて、該連結部材(94)が該溝(104)と該凹部(108)とを橋絡するようにさせ、該駆動部材(80)と該被駆動部材 (92)との間の相対運動を制限して、該駆動部材(80)からの駆動力を該被駆動部材 (92)に伝達 することを可能にし、凹部の該ポケット(102)と該溝(104)は、連結部材(94)に比して大きい間隔で離間されている貨幣分配装置。
  • 硬貨を分配するように構成される前記請求項 11に記載の装置。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、貨幣を分配するための装置に関する。 本発明は硬貨分配機として説明するが、本技術は紙幣の分配にも応用し得るものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    硬貨の分配に関しては、釣銭装置等、様々なタイプの装置が知られている。 硬貨は一般にチューブに貯蔵され、各チューブ内には各単位の硬貨が向かい合わせに積まれている。 硬貨は通常は最下位の硬貨を横方向に摺動させてスタックから外すことにより分配される。
    【0003】
    電動機の形でアクチュエータを設けることも知られており、クラッチ機構を使用し2つ別々の貯蔵部から選択的に硬貨を分配するために電動機を使用することができる。 たとえば、WO94/16411を参照されたい。
    【0004】
    【発明が解決しようとする課題】
    硬貨分配用の安価な、低動かつコンパクトな駆動機構が組み込まれた、改良された構成を提供することが望ましい。
    【0005】
    【課題を解決するための手段】
    本発明の態様は、添付の請求範囲に規定されている。
    【0006】
    本発明の一つの態様においては、分配動作をアクチュエータによって生じた運動に応じて選択的に行うためのクラッチが、連結部材を切離し状態と係合状態の間に移動可能な電磁石を備える。 連結部材は、係合状態側に電磁石により移動し、かつ切離し状態に重力の影響により、および/またはクラッチの駆動方向を逆転することによって復帰することが好ましい。 (なお、所望により、各種影響による反対の効果も考えられる。)
    【0007】
    クラッチは、それぞれ異なる相対ポジションを取り得る駆動部材および被動部材を有し、連結部材は係合状態において駆動部材と被動部材の間の相対移動を制限し、それによって駆動部材が被動部材を駆動することが好ましい。 駆動部材および被動部材は好ましくは共通軸線中心に回転するように配置することが考えられ、それによって特にコンパクトな構成が得られる。 しかし、これらの部材の一方または双方とも線形往復運動する等、他の構成も可能である。
    【0008】
    装置構成は、連結部材が一方の相対ポジションで切離し状態および/または他方の相対ポジションで係合状態へ移動しないようにすることが好ましい。 これは、クラッチ係合(あるいは、もしかすると切離し)生起のために電磁石の作動を必要とする時間がきわめて短く、したがって全体電力消費の低減を意味する。
    【0009】
    連結部材を係合状態とし、駆動部材および被動部材は限られた範囲にわたり互いに対して移動し、連結部材は駆動力を一方の限られた範囲における被胴部材に伝達し、かつ連結部材は他方の限られた範囲の切離し状態に移行可能であることが好ましい。 それらの限られた範囲の間では、連結部材は係合状態に維持されるが、駆動限界ポジションに達するにつれ漸次増加する量分2つの状態間の方向に閉じ込められる。 これは、駆動部材および被動部材の一方または双方に傾斜を設けることにより達成される。 このような構成には幾つかの利点がある。 すなわち、(a)連結部材が一層容易に係合状態に入れること、(b)連結部材が比較的自由に移動可能で、駆動部材と被動部材の間の干渉が駆動限界ポジション至近になるまで回避可能であり、クラッチ要素の寸法の精密な公差を要しないこと、および(c)連結部材は必要なときには容易に切離し状態に移行すること。
    【0010】
    連結部材は、転動運動可能(例えばローラまたは好ましくは球体)で、係合状態と切離し状態の間の移動を助け、かつ連結部材のスティッキングの可能性が減少することが好ましい。
    【0011】
    本発明によるクラッチは、安価かつコンパクトに製作可能である。 電動機等のアクチュエータ一台を使用し、各硬貨貯蔵部にそれぞれ関係する複数のクラッチを駆動することが好ましい。 好ましくは、そのようなクラッチおよび硬貨貯蔵は3つ以上である。 これは、多くの従来技術の構成よりアクチュエータが少なく、したがって一層安価かつ一層コンパクトな構成となること、かつより大型でより強力なアクチュエータを使用できることを意味する。 選ばれたアクチュエータの動力次第では、アクチュエータが同時に複数の貯蔵から分配可能な構成とすることもできよう。
    【0012】
    本発明を実施する構成について、以下に添付図面を参照して例示的に説明する。
    【0013】
    【発明の実施の形態】
    図1に関し、硬貨処理装置2には、符号6により示す硬貨を受ける硬貨検査機4が含まれる。 硬貨6が検証機4内の経路8を通過する間に、検証機により硬貨が受容可能かどうか、かつ受容可能ならばその硬貨の単位を示す信号が供給される。
    【0014】
    受容可能な硬貨は、次いで硬貨選別機10に入る。 選別機には装置の回路によって制御される幾つかのゲート(図示せず)があり、そのゲートで硬貨を主経路12から別の幾つかの経路14、16、18、19および20のいずれかに選択的に変更するか、あるいは硬貨を経路12沿いにキャッシュ・ボックス24に至る経路22へ進める。 硬貨が受容不能の場合は、選別機10には入らずに経路26を経て拒否スロットに直行する。
    【0015】
    経路14、16、18、19および20は、それぞれ5つの硬貨チューブまたは容器28、30、31、32および34のうちいずれかに至る。 これらの容器は、それぞれ特定単位の硬貨を縦方向に積んで貯蔵するように配置される。 図示の例では容器は5つとしているが、いくつでも設けることができる。
    【0016】
    符号36により模式的に示す分配装置は、装置が釣銭を出すときに容器から硬貨を分配するように動作可能である。 分配装置36は、電動機40を駆動するように配置された制御手段38を備える。 以下に説明するように、電動機40の軸の回転によって、容器28、30、31、32および34のうち選択された一つの容器から硬貨が選択される。 制御手段38は、符号44により模式的に示す、それぞれの容器と連動する複数のクラッチをそれぞれ動作させることにより、容器を選択することができる。
    【0017】
    図2は、硬貨の分配機構を示し、分かり易くするために容器30の下端部のみを示す。 容器は、積重ねた硬貨が容器下部に延在する底面48に静止するように底部が開いている。 この底面48には各容器下に細いスロット50が形成されている。
    【0018】
    分配アームまたは部材52が底面48の下に延在し、硬貨を押し出す延長部54が部材52の一端から上向きに突出し、スロット50を通して突出する。 以下に説明するように、アーム52は実質的にその長さ分移動可能であり、それによって突起54がスロット50沿いに容器30後部から移動し、容器内の最下位の硬貨の縁に係合し、それによってその硬貨が容器30の下方前面縁58と底面48の間の空間56を経て容器から押し出される。 したがって、硬貨は分配装置から矢印A方向に落下することができる。 分配アーム52の案内延長部60が部材52端部から下方に突出し、底面48の下に位置する基板部材63に設けられた凹部62内に位置するため、部材52の運動が一層正確に案内される。
    【0019】
    分配アーム52の延長部54の対向端はクランク・アーム64に枢着され、クランク・アームは軸66に取り付けられて軸線68中心に回動する。 軸66が一回転することにより、分配アーム52がホーム・ポジションにある図2の位置からクランク・アーム64が移動し、分配アームはスロット50の長さ沿いに前方に引かれ、次いでスロット沿いに後方に押されてホーム・ポジションに復帰する。 これによって、一分配サイクルが構成される。
    【0020】
    図2に模式的に示すクランク・アーム64および軸66はクラッチ44の部分を形成し、クラッチはその駆動部材80として、周辺にギヤ歯82が付いた円形駆動ホイールを有する。 電動機40が駆動ホイール80を回転させるために配置され、その回転運動がクラッチ44の係合時には軸66に伝達される。 クラッチの係合は電磁石84を動作させることにより達成される。
    【0021】
    図3に関し、5つのクラッチ44の駆動ホイール80は、すべて駆動歯車86および遊び歯車88を介して相互に駆動係合する。 したがって、駆動ホイール80は5つともすべて、電動機40により駆動歯車86が駆動されたときに回転する。 いずれのクラッチ44が係合するかにより、硬貨が容器のうちの一つから分配区域90内に分配される。
    【0022】
    図4から6に関し、各クラッチ44において、軸66頂部に回動不能に取り付けられかつクリップ93により保持される被動キャップ92が駆動ホイール80により支持される。 連結部材として、鉄球94が駆動ホイール80の軸方向突出延長部100の上面98の凹部96内に置かれる。 凹部96は、2つの要部、即ちポケット102および溝104により形成される。
    【0023】
    ポケット102は十分に深く、したがって球94がポケット内に位置するときは、球は上面98上部には突出しない。 この状態、即ちクラッチ切離し状態では、ホイール80が回転してもキャップ92は回転せず、キャップは延長部100に嵌合している。
    【0024】
    冠着キャップ92は、その下向き面106内に、上方球溝108を有する。 この溝108がポケット102上部に位置すれば、球94は上向き移動可能で上方溝108内に入り、そこで駆動ホイール80とキャップ92を橋絡し、それによって両者間の相対運動が制限される。
    【0025】
    駆動ホイール80が次いで図4に示すように左に回転すれば、球94は上方球溝108の左縁と下方球溝104の右縁の間に閉じこめられ、駆動ホイール80がさらに回転すれば、対応してキャップ92が回転し、したがって軸66が回転する。
    【0026】
    クラッチ44の作動を図7を参照して説明する。 分かり易くするため、駆動ホイール80および被動キャップ92の各部は模式的に示し、その回転運動は直線運動として表す。
    【0027】
    図7(A)は、電動機40の出力軸の位置をホーム・ポジションとした状態で駆動ホイール80および被動キャップ92の静止ポジションにおける位置を表す。 ライン120は凹部96左縁のホーム・ポジションを、ライン122はキャップ92の上方球凹部108左縁の静止ポジションを表す。 図7(A)は、球94が凹部96のポケット102内で係合解除の状態を示す。
    【0028】
    硬貨を分配するため、電動機40が駆動ホイール80を図7(B)の矢印F方向に駆動するように配置される。 電磁石84の操作によって球94が引き付けられ、矢印B方向に上がる。 しかし、図7(C)に示すように駆動ホイール80が一回転をほぼ終えるまでは、球はキャップ92の下側106で阻止されポケット102を離れることができない。 駆動ホイールが一回転をほぼ終える時点で、上方球溝108がポケット102に重なり、球94はポケットを離れることができる。 さらに回転すると(図7(D)参照)、球94は一部が上方球溝108内に、一部が下方球溝104内に位置する。 必要ならば、球94は溝108の左縁によって溝104内に押し込まれる。
    【0029】
    駆動ホイール80がそのホーム・ポジションに戻ったとき(図7(E))、球94は上方球凹部108の左縁と下方球凹部104の右縁の間に捕捉される。 したがって、駆動ホイール80がさらに回転すると、キャップ92が相応に回転する(図7(F))。
    【0030】
    上方球溝108がポケット102に重ならない位置に駆動ホイール80が移動した後は、球94はポケットに戻れないことが理解されるであろう。 したがって、球94の電磁引付けは必要なく、電磁石84は消勢することができる。 電動機40には電動機の停止および始動を制御するホーム・センサを備えることが好ましく、このホーム・センサは駆動ホイール80がそのホーム・ポジション(図7(E))に達する時を示す。 したがって、それが電磁石84をターン・オフするために用いる好都合な信号となる。
    【0031】
    図7(G)は、駆動ホイール80が2回転を終了し、キャップ92が一回転を終了し、その結果硬貨一枚が分配された後のクラッチの状態を示す。 同じ容器からさらに硬貨を分配する場合には、駆動ホイール80の継続回転により、後続回転毎にキャップが一回転し、したがって硬貨がさらに一枚分配される。
    【0032】
    分配動作が終了した場合には、次いでクラッチの切離しが必要である。 その動作は、段階7(H)から7(K)において行われる。 段階7(H)において、駆動ホイール80は反対方向R(図示のように右側)に回転する。 ポケット102が上方球溝108の下に移動したとき、球94はポケットに落下することができ、したがってクラッチが切離しされる。 切離しは、下方球溝104をポケット102から上向き遠方に延びる傾斜路として形成し、かつこの傾斜路を転動落下することができる球94を連結部材として使用することによって容易になる。 図7(H)および7(I)は球94がポケット102側に移動中、および次いでポケットに位置した様を示す。 これらの特徴は好ましくはあるが不可欠のものではなく、なぜならば駆動ホイール80が継続運動すれば上方球溝108の右縁によって球94がポケット102内に押し込まれ、それによってクラッチが確実に切離しされるからである。
    【0033】
    図7(J)および7(K)は、駆動ギヤがホーム・ポジション側に移動中、および次いでホーム・ポジションに到達し、それによってクラッチが図7(A)に示す状態に戻ったときのクラッチの状態を示す。
    【0034】
    以上に記載した構成は、性能および信頼性を向上するには、以下の特徴を備えることが好ましい。
    【0035】
    (a) 図8に関し、上方球溝108の符号110で示す右端面にアールを付けるか、または傾斜面とし、それによって球94にカム作用を与え、クラッチ切離し時に球が確実にポケット102に戻るようにする。
    【0036】
    (b) 上方球溝108の対向端112にアールを付けることにより、球94との接触面積を広げ、摩耗を減らす。
    【0037】
    (c) 下方球溝104右端の曲率半径を球94の半径より小さく形成し、それによって図7Fの符号114で示すように、球94との接触面積を小さくし、スティッキングの可能性をより少なくする。
    【0038】
    以上の説明から、硬貨n個を分配するには駆動ホイール80はn+1回回転し、キャップ92が駆動係合する前にほぼ初回回転を終えてなければならないことが注目されるであろう。 これは、駆動ホイール80が著しい負荷が掛かる以前の速度で運動し、したがって一層性能が高まることを意味する。
    【0039】
    以上に示すように、クラッチを係合するには、電磁石84を付勢する必要があるのは硬貨分配動作時間の一部の間のみである。 以上に記載した実施形態においては、便宜上、電磁石は駆動ホイール80の全初回回転の間付勢するものとする。 しかし、ポケット102が上方球溝108の下にあるとき(図7(C))に電磁石が付勢される限り、これは不可欠ではない。
    【0040】
    上方球溝108の長さは連結部材の相当する寸法、即ち球94の径より相当に長く、そのため、球がポケット102を出て上方球凹部108に入れるときには、顕著な範囲の度ポジションがあり、したがってこれが信頼性をもって行われることが保証される。 また、下方球溝104の長さは連結部材94の相当する寸法より相当に長く、そのため、図7(E)に示す駆動ポジションにおいては、球はポケット102の位置から相当に外れ、したがってクラッチが信頼性をもって係合することが保証される。 下方球溝104の傾斜により、溝104は口が比較的に広く、仮に電磁石の付勢に次いである程度の跳返りがあったとしても、球は容易に溝104に入ることができる。 また、傾斜があるため、製造に不正確さがあってもポケット102から図7(E)に示す駆動状態への球の移動の妨げになる可能性は先ず無いといえる。 他方、駆動状態時の球が緊密に閉じ込められることは貴重であり、なぜならばそのために駆動力が球径にわたり伝達され、剪断作用が回避されるからである。
    【0041】
    振動によって球94がポケット102からはみ出し、そのためにクラッチの係合に誤りが生じかねないと判明した場合には、電磁石84のエネルギーは永久磁石の力を十分克服できるので、球をポケット内に維持する永久磁石を設けることによってそれを回避することができる。
    【0042】
    以上に記載した実施形態は、例として示したにすぎず、幾通りにも変更が可能である。 たとえば、ポケット102および/または傾斜を駆動部材に代えて被動部材に形成するように構成を逆転することもできよう。 制御装置38は、アクチュエータの動力が十分にあれば、多種の硬貨をそれぞれ異なる容器から同時に分配するようにクラッチ制御を構成可能であろうし、あるいは一定時間に一つのクラッチのみ係合する構成も可能であろう。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明による貨幣分配装置を含む硬貨処理装置の模式図である。
    【図2】分配装置の硬貨貯蔵から硬貨が分配される様を説明するための模式的斜視図である。
    【図3】幾つかのクラッチを含む分配装置の一部平面図である。
    【図4】クラッチの一つの破断側面図である。
    【図5】クラッチの上方からの分解図である。
    【図6】クラッチの下方からの分解図である。
    【図7】(A)〜(K)は、クラッチの作動状態の概念図である。
    【図8】クラッチの被動部材の一部拡大図である。

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