パワートレイン用のクラッチモジュールおよびクラッチモジュールを備えた駆動装置

申请号 JP2018503578 申请日 2016-07-08 公开(公告)号 JP2018529895A 公开(公告)日 2018-10-11
申请人 ジー・ケー・エヌ オートモーティヴ リミテッド; GKN Automotive Limited; 发明人 ヤン ハウプト; モーリッツ アッベンハウス;
摘要 本発明は、自動車のパワートレイン用のクラッチモジュールであって、結合エレメント(34,35)を備えたクラッチハウジング(3)と、駆動軸軸受(26)を用いてクラッチハウジング(3)内において回転軸線(A4)を中心にして回転可能に支持されている駆動軸(4)であって、該駆動軸(4)の外端部分(8)がクラッチハウジング(3)の外部に 位置 していて、かつ駆動軸(4)の内端部分(9)がクラッチハウジング(3)の内部に位置している、駆動軸(4)と、等速ジョイント(5)であって、該等速ジョイント(5)のジョイント外側部分(12)が少なくとも部分的にクラッチハウジング(3)の内部に配置されていて、かつクラッチハウジング(3)内においてジョイント軸受(28)を用いて回転軸線(A12)を中心にして回転可能に支持されている、等速ジョイント(5)と、駆動軸(4)とジョイント外側部分(12)とを自由選択的にトルク伝達のために結合するためまたは切り離すために、クラッチハウジング(3)内に配置され、かつ構成されている、制御可能なクラッチ(6)と、を有している、クラッチモジュールに関する。本発明はさらに、このようなクラッチモジュール(2)を備えた駆動装置(54)に関する。
权利要求

クラッチモジュール、特に自動車のパワートレイン用のクラッチモジュールであって、 伝動装置ハウジング(55)との結合のための結合エレメント(34,35)を有するクラッチハウジング(3)と、 駆動軸軸受(26)を用いて前記クラッチハウジング(3)内において回転軸線(A4)を中心にして回転可能に支持されている駆動軸(4)であって、該駆動軸(4)の外端部分(8)が前記クラッチハウジング(3)の外部に位置していて、かつ前記駆動軸(4)の内端部分(9)が前記クラッチハウジング(3)の内部に位置している、駆動軸(4)と、 ジョイント外側部分(12)、ジョイント内側部分(13)、および前記ジョイント外側部分(12)と前記ジョイント内側部分(13)との間においてトルク伝達のために配置されているトルク伝達エレメント(14)を備えた等速ジョイント(5)であって、前記ジョイント外側部分(12)が少なくとも部分的に前記クラッチハウジング(3)の内部に配置されていて、かつ前記クラッチハウジング(3)内においてジョイント軸受(28)を用いて回転軸線(A12)を中心にして回転可能に支持されている、等速ジョイント(5)と、 前記駆動軸(4)と前記ジョイント外側部分(12)とを自由選択的に駆動的に結合するためまたは切り離すために、前記クラッチハウジング(3)内に配置され、かつ構成されている、制御可能なクラッチ(6)と、 を有している、クラッチモジュール。前記クラッチ(6)は、前記駆動軸(4)の第2の端部分(9)に結合された第1のクラッチ部分(42)と、前記ジョイント外側部分(12)に結合された第2のクラッチ部分(43)と、前記第1のクラッチ部分(42)と前記第2のクラッチ部分(43)とを駆動的に結合するための軸方向可動の連結エレメント(44)とを有している、請求項1記載のクラッチモジュール。前記第1のクラッチ部分(42)および前記第2のクラッチ部分(43)はそれぞれ、前記等速ジョイント(5)の前記トルク伝達エレメント(14)の転動円直径(D14)よりも大きい最大外径(D42,D43)を有しており、前記第1のクラッチ部分(42)と前記第2のクラッチ部分(43)とは、特に等しく構成されている、請求項2記載のクラッチモジュール。前記第2のクラッチ部分(43)の最大ヘッド直径(D43)が、前記ジョイント軸受(28)の内側の軸受座直径(D28)よりも小さい、請求項2または3記載のクラッチモジュール。前記連結エレメント(44)は移動スリーブとして形成されていて、該移動スリーブは、前記第1および前記第2のクラッチ部分(42,43)のうちの一方に回動不能にかつ軸方向可動に結合されていて、かつ軸方向移動によって、前記第1および前記第2のクラッチ部分(42,43)のうちの他方に回動不能に係合可能である、請求項2から4までのいずれか1項記載のクラッチモジュール。前記連結エレメント(44)を移動させるためのアクチュエータ(45)が設けられており、該アクチュエータ(45)は、特に電磁式のアクチュエータの形態で形成されていて、前記連結エレメント(44)の移動が磁によって行われる、請求項2から5までのいずれか1項記載のクラッチモジュール。前記アクチュエータ(45)は、軸方向可動のピストンロッド(48)を有しており、該ピストンロッド(48)に固定された切換えフォーク(50)が設けられていて、該切換えフォーク(50)は、前記ピストンロッド(48)の軸方向運動を前記連結エレメント(44)に伝達するために、前記連結エレメント(44)のリング溝(52)に係合している、請求項6記載のクラッチモジュール。前記クラッチハウジング(3)は、前記伝動装置ハウジング(55)に対して前記クラッチハウジング(3)をセンタリングするためのセンタリング面(10)を有しており、該センタリング面(10)は、特に前記駆動軸軸受(26)との軸方向における重なり領域に配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のクラッチモジュール。前記クラッチハウジング(3)は、内部に前記ジョイント軸受(28)が配置されているジョイント軸受部分(37)を有しており、該ジョイント軸受部分(37)の最小開口直径(D37)が、前記ジョイント外側部分(12)の最大外径(D12)よりも大きい、請求項1から8までのいずれか1項記載のクラッチモジュール。前記クラッチハウジング(3)は、内部に前記駆動軸軸受(26)が配置されている駆動軸軸受部分(36)を有しており、該駆動軸軸受部分(36)の最小開口直径(D36)が、前記駆動軸(4)の最大外径(D4)よりも小さい、請求項1から9までのいずれか1項記載のクラッチモジュール。前記ジョイント外側部分(12)と前記駆動軸(4)との間には、ラジアル軸受(30)が設けられており、該ラジアル軸受(30)によって、前記ジョイント外側部分(12)と前記駆動軸(4)とは、互いに相対的に回転可能に支持されている、請求項1から10までのいずれか1項記載のクラッチモジュール。前記ジョイント外側部分(12)は、中空室(21)を有しており、前記ジョイント軸受部分(37)および前記ジョイント軸受(28)のうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的に、前記中空室(21)との軸方向における重なりを有している、請求項9から11までのいずれか1項記載のクラッチモジュール。ジョイントシールリング(31)が、前記ジョイント外側部分(12)の外面と前記クラッチハウジング(3)の内面との間にシール作用をもって配置されていて、前記クラッチハウジング(3)を外側に向かってシールしており、前記ジョイントシールリング(31)は、少なくとも部分的に、前記ジョイント外側部分(12)の前記中空室(21)との軸方向における重なりを有している、請求項9から12までのいずれか1項記載のクラッチモジュール。前記ジョイント外側部分(12)の最大軸方向長さ(L12)は、前記駆動軸(4)の最大軸方向長さ(L4)よりも短い、請求項1から13までのいずれか1項記載のクラッチモジュール。差動伝動装置(54)と、請求項1から14までのいずれか1項記載のクラッチモジュール(2)とを備えた駆動装置であって、 前記差動伝動装置(54)は、伝動装置ハウジング(55)と、該伝動装置ハウジング(55)内において回転軸線(A56)を中心にして回転可能に支持されていて駆動歯車(59)によって回転駆動可能である差動ケージ(56)と、2つの出力歯車(63,64)を備えた差動歯車セット(60,63,64)とを有しており、 前記クラッチモジュール(2)のクラッチハウジング(3)は、結合エレメント(34,35)を用いて、前記差動伝動装置(54)の前記伝動装置ハウジング(55)に結合されており、 駆動軸(4)の外端部分(8)が、前記差動伝動装置(54)の前記出力歯車(63,64)のうちの1つに回動不能に結合されている、駆動装置。前記クラッチハウジング(3)と前記伝動装置ハウジング(55)とは、センタリング装置(72)を用いて互いに相対的にセンタリングされている、請求項15記載の駆動装置。

クラッチモジュール、特に自動車のパワートレイン用のクラッチモジュールであって、 伝動装置ハウジング(55)との結合のための結合エレメント(34,35)を有するクラッチハウジング(3)と、 駆動軸軸受(26)を用いて前記クラッチハウジング(3)内において回転軸線(A4)を中心にして回転可能に支持されている駆動軸(4)であって、該駆動軸(4)の外端部分(8)が前記クラッチハウジング(3)の外部に位置していて、かつ前記駆動軸(4)の内端部分(9)が前記クラッチハウジング(3)の内部に位置している、駆動軸(4)と、 ジョイント外側部分(12)、ジョイント内側部分(13)、および前記ジョイント外側部分(12)と前記ジョイント内側部分(13)との間においてトルク伝達のために配置されているトルク伝達エレメント(14)を備えた等速ジョイント(5)であって、前記ジョイント外側部分(12)が少なくとも部分的に前記クラッチハウジング(3)の内部に配置されていて、かつジョイント軸受(28)を用いて前記クラッチハウジング(3)のジョイント軸受部分(37)内において回転軸線(A12)を中心にして回転可能に支持されており、かつ中空室(21)を有していて、前記ジョイント軸受部分(37)および前記ジョイント軸受(28)のうちの少なくとも1つが、少なくとも部分的に、前記ジョイント外側部分(12)の前記中空室(21)との軸方向における重なりを有している、等速ジョイント(5)と、 前記駆動軸(4)と前記ジョイント外側部分(12)とを自由選択的に駆動的に結合するためまたは切り離すために、前記クラッチハウジング(3)内に配置され、かつ構成されている、制御可能なクラッチ(6)と、 を有している、クラッチモジュール。前記クラッチ(6)は、前記駆動軸(4)の第2の端部分(9)に結合された第1のクラッチ部分(42)と、前記ジョイント外側部分(12)に結合された第2のクラッチ部分(43)と、前記第1のクラッチ部分(42)と前記第2のクラッチ部分(43)とを駆動的に結合するための軸方向可動の連結エレメント(44)とを有している、請求項1記載のクラッチモジュール。前記第1のクラッチ部分(42)および前記第2のクラッチ部分(43)はそれぞれ、前記等速ジョイント(5)の前記トルク伝達エレメント(14)の転動円直径(D14)よりも大きい最大外径(D42,D43)を有している、請求項2記載のクラッチモジュール。前記第2のクラッチ部分(43)の最大ヘッド直径(D43)が、前記ジョイント軸受(28)の内側の軸受座直径(D28)よりも小さい、請求項2記載のクラッチモジュール。前記連結エレメント(44)は移動スリーブとして形成されていて、該移動スリーブは、前記第1および前記第2のクラッチ部分(42,43)のうちの一方に回動不能にかつ軸方向可動に結合されていて、かつ軸方向移動によって、前記第1および前記第2のクラッチ部分(42,43)のうちの他方に回動不能に係合可能である、請求項2記載のクラッチモジュール。前記連結エレメント(44)を移動させるためのアクチュエータ(45)が設けられており、該アクチュエータ(45)は、軸方向可動のピストンロッド(48)を有しており、該ピストンロッド(48)に固定された切換えフォーク(50)が設けられていて、該切換えフォーク(50)は、前記ピストンロッド(48)の軸方向運動を前記連結エレメント(44)に伝達するために、前記連結エレメント(44)のリング溝(52)に係合している、請求項2記載のクラッチモジュール。前記アクチュエータ(45)は、電磁式のアクチュエータの形態で形成されていて、前記連結エレメント(44)の移動が磁力によって行われる、請求項6記載のクラッチモジュール。前記クラッチハウジング(3)は、前記伝動装置ハウジング(55)に対して前記クラッチハウジング(3)をセンタリングするためのセンタリング面(10)を有しており、該センタリング面(10)は、特に前記駆動軸軸受(26)との軸方向における重なり領域に配置されている、請求項1記載のクラッチモジュール。前記ジョイント軸受部分(37)の最小開口直径(D37)が、前記ジョイント外側部分(12)の最大外径(D12)よりも大きい、請求項1記載のクラッチモジュール。前記クラッチハウジング(3)は、内部に前記駆動軸軸受(26)が配置されている駆動軸軸受部分(36)を有しており、該駆動軸軸受部分(36)の最小開口直径(D36)が、前記駆動軸(4)の最大外径(D4)よりも小さい、請求項1記載のクラッチモジュール。前記ジョイント外側部分(12)と前記駆動軸(4)との間には、ラジアル軸受(30)が設けられており、該ラジアル軸受(30)によって、前記ジョイント外側部分(12)と前記駆動軸(4)とは、互いに相対的に回転可能に支持されている、請求項1記載のクラッチモジュール。ジョイントシールリング(31)が、前記ジョイント外側部分(12)の外面と前記クラッチハウジング(3)の内面との間にシール作用をもって配置されていて、前記クラッチハウジング(3)を外側に向かってシールしており、前記ジョイントシールリング(31)は、少なくとも部分的に、前記ジョイント外側部分(12)の前記中空室(21)との軸方向における重なりを有している、請求項1記載のクラッチモジュール。前記ジョイント外側部分(12)の最大軸方向長さ(L12)は、前記駆動軸(4)の最大軸方向長さ(L4)よりも短い、請求項1記載のクラッチモジュール。差動伝動装置(54)と、請求項1記載のクラッチモジュール(2)とを備えた駆動装置であって、 前記差動伝動装置(54)は、伝動装置ハウジング(55)と、該伝動装置ハウジング(55)内において回転軸線(A56)を中心にして回転可能に支持されていて駆動歯車(59)によって回転駆動可能である差動ケージ(56)と、2つの出力歯車(63,64)を備えた差動歯車セット(60,63,64)とを有しており、 前記クラッチモジュール(2)のクラッチハウジング(3)は、結合エレメント(34,35)を用いて、前記差動伝動装置(54)の前記伝動装置ハウジング(55)に結合されており、 駆動軸(4)の外端部分(8)が、前記差動伝動装置(54)の前記出力歯車(63,64)のうちの1つに回動不能に結合されている、駆動装置。前記クラッチハウジング(3)と前記伝動装置ハウジング(55)とは、センタリング装置(72)を用いて互いに相対的にセンタリングされている、請求項14記載の駆動装置。

说明书全文

本発明は、クラッチモジュール、特に自動車のパワートレイン用のクラッチモジュールに関する。このようなクラッチモジュールによって、必要に応じて、トルクを自動車の駆動軸に伝達すること、またはトルク伝達を中断することができる。

米国特許第6634978号明細書に基づいて、1つの共通のハウジング内に収容されている差動機構および切換え機構を備えた差動装置が、公知である。差動機構は、1つの差動ケージ、複数の差動歯車および2つのサイド軸歯車を有している。第1のサイド軸歯車は、第1のサイド軸を駆動するために第1の等速ジョイントに回動不能に結合されている。第2のサイド軸歯車は、外側の長手方向歯列と内側の軸受孔とを有しており、この軸受孔内には、第2の等速ジョイントのジョイントジャーナルが回転可能に支持されている。ジョイントジャーナルは、外側歯列部分を有していて、この外側歯列部分には、ハブが回動不能に位置している。切換え機構は移動スリーブを有しており、この移動スリーブは、ハブを第2のサイド軸歯車に結合させるためまたは第2のサイド軸歯車から切り離すために、ハブに移動可能に配置されている。

独国特許出願公開第10312348号明細書に基づいて、複数の駆動される駆動軸を備えた自動車の、必要に応じて駆動可能な駆動軸における軸伝動装置としての使用のために、一体に組み込まれたロッククラッチ(Sperrkupplung)を備えた差動伝動装置が公知である。ロッククラッチは、差動伝動装置の第1のサイド軸歯車と、対応配置された第1のサイド軸との間において有効になるように挿入されている。ビスコクラッチとしてまたは制御可能な多板クラッチとして構成されていてもよいロッククラッチは、中間軸に溶接されているクラッチケージと、ジョイント外側部分に一体に結合されたクラッチハブとを有している。

米国特許出願公開第2010/0094519号明細書に基づいて、持続的に駆動される前車軸と必要に応じて駆動可能な後車軸とを備えた自動車のパワートレインが公知である。前車軸と後車軸との間におけるトルク配分は、電子制御ユニットによって制御可能な摩擦多板クラッチを備えたトランスファ伝動装置を介して行われる。摩擦多板クラッチの開放時に、後置された駆動部分の不要な回転による摩擦損失を回避するために、後車軸には、形状結合クラッチとして形成された切離し装置が設けられている。形状結合クラッチは、後車軸の分割されたサイド軸に、後車軸差動装置に隣接して配置されている。

米国特許第4625584号明細書に基づいて、分割された駆動軸を備えた類似の駆動装置が公知であり、この駆動装置は、クラッチ機構を介してトルク伝達のために結合可能、またはトルク中断のために切離し可能である。

独国特許出願公開第102009037428号明細書に基づいて、差動伝動装置およびクラッチ装置を備えた車軸切離し装置が公知である。差動伝動装置は、2つのサイド軸歯車を有しており、これらのサイド軸歯車はそれぞれ、所属の中空軸に回動不能に結合されている。中空軸を貫いて、この中空軸に対して回転可能であるジョイント外側部分の軸ジャーナルが差し込まれている。中空軸と軸ジャーナルとの間には、クラッチスリーブを備えたクラッチ装置が設けられており、このクラッチスリーブは、流体作動式のクラッチ調節部材によって軸方向移動可能である。

独国特許出願公開第102012022011号明細書に基づいて公知の、車両のパワートレイン用の駆動装置は、伝達エレメントと等速ジョイントとを有している。等速ジョイントのジョイント外側部分は、移動スリーブを用いて伝達エレメントに対して軸方向移動可能である。ジョイント外側部分のボールレースに隣接して、ルーズリングが設けられており、このルーズリングは、軸受エレメントを介してジョイント外側部分内において自由回転可能に支持されている。ジョイント外側部分の移動位置に応じて、ジョイントのボールは、選択的に、ジョイント外側部分のボールレースと係合しているか、またはルーズリング内に位置しており、これによってボールは、ジョイント外側部分とジョイント内側部分との間においてトルクを伝達することができない。

独国特許出願公開第102005004290号明細書に基づいて、自動車のパワートレインにおける可変のトルク配分のための伝動装置モジュールが公知である。伝動装置モジュールは2つの軸と、その間に配置されていて複数の遊星歯車および1つの遊星キャリアを備えた伝動装置段と、位置固定のハウジングに対してキャリアエレメントを連結するためのクラッチとを有している。

本発明の課題は、コンパクトに構成されていてかつ簡単に組立て可能な、特に自動車のパワートレイン用のクラッチモジュールを提供することである。本発明の課題はさらに、相応のクラッチモジュール内に簡単に組込み可能な駆動装置を提供することである。

この課題を解決するために、本発明の構成では、クラッチモジュール、特に自動車のパワートレイン用のクラッチモジュールが、伝動装置ハウジングとの結合のための結合エレメントを有するクラッチハウジングと、駆動軸軸受を用いてクラッチハウジング内に回転軸線を中心にして回転可能に支持されている駆動軸であって、該駆動軸の外端部分がクラッチハウジングの外部に位置していて、かつ駆動軸の内端部分がクラッチハウジングの内部に位置している、駆動軸と、ジョイント外側部分、ジョイント内側部分、およびジョイント外側部分とジョイント内側部分との間においてトルク伝達のために配置されているトルク伝達エレメントを備えた等速ジョイントであって、ジョイント外側部分が少なくとも部分的にクラッチハウジングの内部に配置されていて、かつクラッチハウジング内においてジョイント軸受を用いて回転軸線を中心にして回転可能に支持されている、等速ジョイントと、駆動軸とジョイント外側部分とを自由選択的に駆動的に結合するためまたは切り離すために、クラッチハウジング内に配置され、かつ構成されている、制御可能なクラッチと、を有している。

このように構成されていると、クラッチモジュールが別体の構成ユニットを形成していて、かつクラッチモジュールとは別個に形成された伝動装置に簡単に接続されることができ、これによって組立てが特に簡単になる。構成ユニットというのは、この関連において、特に、紛失不能な複数の部材を備えた予め組み立てられた1つの機能性ユニットを意味する。このときクラッチモジュールとの結合のための、伝動装置の構造上の適合手間は僅かである。クラッチハウジングは、内部にクラッチが配置されている内室を閉じ込めている。クラッチは、駆動軸の、内室内に配置された端部分を、トルクを伝達するためにジョイント外側部分に結合する、またはジョイント外側部分から切り離すために、構成されている。駆動軸は、ハウジングの内室から、内部に軸が回転可能に支持されているハウジング部分を貫いて外側に向かって延びている。外側に位置している端部分に駆動軸は、伝動装置駆動部分との回動不能な結合のために、トルクを導入する手段、例えば軸歯列(スプライン)を有している。

クラッチモジュールは、予め組み立てられた構成ユニットとして、良好に取り扱うことができ、かつ確定されたインタフェースを用いて伝動装置に簡単に結合することができる。そのためにクラッチモジュールの駆動軸は、トルク伝達のために、差込み結合部を用いて、伝動装置の被動エレメントに結合されることができる。差込み結合部は、特に、駆動軸の外端部分における軸歯列を有することができ、この軸歯列は、伝動装置部分の真逆の軸歯列に回動不能に差し込まれることができる。次いでクラッチハウジングと伝動装置ハウジングとは、結合手段を用いて互いに結合されることができる。結合手段は、例えばねじ結合部のような通常の形状結合式および/または摩擦結合式の結合部、および/または例えば溶接結合部のような素材結合式の結合部を有することができる。

別の利点としては、クラッチモジュールが構成ユニットして、種々様々な使用例に対して可変に使用可能であるということがある。例えばクラッチモジュールは伝動装置に結合されてもよく、このとき出力路において伝動装置の前における配置形態が可能であり、これによって伝動装置は、前置されたパワートレインから自由選択的に駆動可能または解除可能であり、または出力路において伝動装置の後ろにおける配置形態が可能であり、これによって後置されたパワートレインは、自由選択的に駆動可能または解除可能である。可能な具体化によれば、伝動装置は、差動伝動装置、特に自動車の車軸差動装置(Achsdifferential)であってもよい。クラッチモジュールは、車軸差動装置に後置されていてもよく、この場合サイド軸の駆動的な連結・遮断のために役立つ。もちろん他の使用形態も可能であり、例えばクラッチモジュールは、所属の軸を自由選択的に駆動するため、またはトルクなしに切り換えるために、多軸駆動される自動車の中間差動装置に接続されてもよく、またはトランスファ伝動装置(パワーテイクオフユニット)に接続されてもよい。

可能な実施形態によれば、クラッチは形状結合式のクラッチとして形成されていてもよい。形状結合式のクラッチというのは、トルク伝達が少なくとも2つのクラッチ部分の形状結合式の相互係合によって行われるクラッチのことを意味する。形状結合式のクラッチの例として、ここでは噛み合いクラッチまたは歯車クラッチが挙げられている。クラッチの閉鎖によって、駆動軸と等速ジョイントとは一緒に回転することができ、これに対して開放された状態では互いに自由に回転可能である。しかしながらもちろん、クラッチは原則的には、例えば摩擦クラッチまたは多板クラッチとして形成された、他の形態を有することも可能である。

クラッチは、好ましくは、駆動軸の内端部分に結合された第1のクラッチ部分と、ジョイント外側部分に結合された第2のクラッチ部分と、第1のクラッチ部分と第2のクラッチ部分とを駆動的に結合するための軸方向可動の連結エレメントとを有している。第1のクラッチ部分は、軸ジャーナルと一体に形成されていてもよく、かつ特に第1の形状結合エレメントを有していてもよい。択一的にまたは補足的に、第2のクラッチ部分は、ジョイント外側部分と一体に形成されていてもよく、かつ特に第2の形状結合エレメントを有していてもよい。

クラッチ部分は、駆動軸がトルク伝達のためにジョイント外側部分に結合されている第1の位置と、駆動軸とジョイント外側部分とが互いに相対的に自由に回転可能である第2の位置とに移動可能である。クラッチエレメントは、例えば移動スリーブの形態で形成されていてもよく、該移動スリーブは、第1および第2のクラッチ部分のうちの一方に回動不能に係合していて、かつ軸方向移動によって、第1および第2のクラッチ部分のうちの他方に回動不能に係合可能である。

好適な構成によれば、第1の形状結合エレメントと第2の形状結合エレメントとは、等しく構成されており、つまり連結部分は、駆動軸とジョイント外側部分との形状結合式の結合のための画一的な係合手段を有することができる。第1のおよび第2のクラッチ部分、もしくは第1および第2の形状結合エレメントはそれぞれ、等速ジョイントのトルク伝達エレメントの転動円直径(Rollkreisdurchmesser)よりも大きい最大外径を有することができる。これによってクラッチ部分もしくは形状結合エレメントは、比較的大きな直径上に位置することになり、その結果、クラッチモジュールの軸方向における構造寸法は、特に小さくなる。簡単な取付け可能性のためには、特に、第2の形状結合エレメントの最大ヘッド直径が、ジョイント軸受の内側の軸受座直径よりも小さくなっていてもよい。

別の構成によれば、クラッチを作動させるためもしくは連結エレメントを移動させるためのアクチュエータが設けられている。このアクチュエータは、例えば電磁式のアクチュエータの形態で形成されていてもよく、このとき連結エレメントの移動は磁力によって行われる。電磁式のアクチュエータは、コンパクトな構造寸法および単純な技術的構造という利点を提供する。具体的に言うと、アクチュエータは軸方向可動のピストンロッドを有していてもよく、このときピストンロッドに固定された切換えフォークが設けられていて、該切換えフォークは、ピストンロッドの軸方向運動を連結エレメントに伝達するために、連結エレメントのリング溝に係合している。

別の実施形態によれば、クラッチハウジングは、伝動装置ハウジングに対してクラッチハウジングをセンタリングするためのセンタリング部分を有しており、このときセンタリング部分は、特に駆動軸軸受との軸方向における重なり領域に配置されている。センタリング部分は、伝動装置へのクラッチモジュールの取付けを簡単にし、かつ駆動軸が伝動装置の回転軸線に対して同軸に位置調整されることを保証する。センタリング部分は、伝動装置ハウジングの相応の対応面内にもしくは相応の対応面に押し嵌められるセンタリング面を有することができ、これによって両方のハウジングは、互いに同軸に位置調整される。

ジョイント外側部分と駆動軸とは、それぞれ回転可能にクラッチハウジング内に支持されている。補足的に、ジョイント外側部分と駆動軸との間にラジアル軸受が設けられていてもよく、このラジアル軸受によってジョイント外側部分と軸ジャーナルとは、互いに相対的に回転可能に支持されている。クラッチハウジングのジョイント側におけるシールのために、ジョイント外側部分の外面とクラッチハウジングの内面との間にジョイントシールリングが、シール作用をもって配置されていてもよく、このジョイントシールリングは、クラッチハウジングを外側に向かってシールしている。ジョイントシールリングは、軸方向においてアウタボールレースもしくはジョイント外側部分の中空室と軸方向において重なって配置されていてもよい。

別の実施形態によれば、クラッチハウジングは、複数部分から、つまり互いに結合されたハウジング部分から構成されている。特に、クラッチハウジングは、内部にジョイント軸受が配置されているジョイント軸受部分を有しており、このときジョイント軸受部分の最小開口直径が、ジョイント外側部分の最大外径よりも大きい。さらにクラッチハウジングは、内部に駆動軸軸受が配置されている駆動軸軸受部分を有していてもよく、このとき駆動軸軸受部分の最小開口直径が、駆動軸の最大外径よりも小さい。両方のハウジング部分は、内部に収容すべきコンポーネントの取付け後に、特に、例えば溶接またはねじ結合されていてもよいフランジ結合部を用いて、互いに結合される。閉鎖されたハウジングは、1つの壁部分、もしくは駆動軸によって貫通される側壁と、反対側に位置する壁部分、もしくは等速ジョイントによって貫通される側壁とを有している。軸の、外側に位置している端部分は、駆動部材との回動不能な結合のために形成されている。等速ジョイントは、1つのサイド軸に回動不能に結合可能である。

ジョイント外側部分は、内部にジョイント内側部分が収容されている中空室を有しており、このとき中空室は、少なくとも部分的に、ジョイント軸受もしくはクラッチハウジングのジョイント軸受部分との軸方向における重なりを有している。これによって等速ジョイントは、クラッチハウジング内に比較的大きく進入するので、クラッチモジュールの軸方向における構造寸法は全体として小さい。ジョイント外側部分の最大軸方向長さは、駆動軸の最大軸方向長さよりも短く構成されていてもよく、このことは同様に、クラッチモジュールの短い軸方向長さに貢献する。

本発明の課題はさらに、差動伝動装置と、上に述べた実施形態のうちの1つまたは複数に記載されたように構成されたクラッチモジュールとを備えた駆動装置によっても解決され、このとき差動伝動装置は、伝動装置ハウジングと、該伝動装置ハウジング内において回転軸線(A)を中心にして回転可能に支持されていて駆動歯車によって回転駆動可能である差動ケージと、2つの出力歯車を備えた差動歯車セットとを有しており、このときクラッチモジュールのクラッチハウジングは、結合エレメントを用いて、差動伝動装置の伝動装置ハウジングに結合されており、このとき駆動軸の外端部分は、差動伝動装置の2つの出力歯車のうちの1つに回動不能に結合されている。

本発明に係る駆動装置によって、本発明に係るクラッチモジュールとの関連において記載したのとほぼ同じ利点が得られ、これについて以下において簡単に述べる。特に、クラッチモジュールは、予め組み立てられた構成ユニットとして、差動伝動装置に簡単に結合することができる。そのためには、確定されたインタフェースが設けられており、このインタフェースにおいて両方のユニットは、適宜な結合手段を用いて互いに不動に結合される。両方のユニット相互の正確な位置調整のために、センタリング装置が設けられていてもよく、このセンタリング装置によって、クラッチハウジングと伝動装置ハウジングとは互いに相対的にセンタリングされる。センタリング装置は、特に、差動ケージの回転軸線と駆動軸の回転軸線とが互いに同軸に位置調整されるように形成されている。そのためにセンタリング装置は、例えば、伝動装置ハウジングに対応配置されたセンタリング部分と、クラッチハウジングに対応配置されたセンタリング部分とを有していてもよく、これらのセンタリング部分は、適宜な嵌合部を用いて互いに内外に差し合わせられる。センタリング部分の接触面は、シールリングを介して外側に向かってシールされてもよい。両方のハウジングの結合は、例えばフランジ結合もしくはねじ結合を用いて実現することができる。

次に、好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。

本発明に係るクラッチモジュールをクラッチの閉鎖位置において示す縦断面図である。

図1に示されたクラッチモジュールを、クラッチの開放位置において示す図である。

図1に示されたクラッチモジュールの軸側を示す第1の斜視図である。

図1に示されたクラッチモジュールのジョイント側を示す第2の斜視図である。

図1に示された本発明に係るクラッチモジュールと差動伝動装置とを備えた本発明に係る駆動装置を示す縦断面図である。

以下において一緒に記載する図1〜図4には、本発明に係るクラッチモジュール2が示されている。クラッチモジュール2は、駆動源、例えば内燃機関又は電動機から駆動される駆動軸へのもしくは駆動軸の内部における出力伝達を、必要に応じて制御するために、自動車のパワートレインにおいて使用することができる。そのためにクラッチモジュール2は、パワートレインの内部において駆動源と車輪との間に配置されていてもよく、これによって必要に応じて駆動源から、出力路において後置された駆動軸へのトルク伝達を可能にすること、または中断することができる。このときクラッチモジュール2は、原則的に、自由選択的に駆動可能なパワートレイン内において任意の箇所に配置されていてもよく、かつ特に伝動装置ユニットに、例えばトランスファ伝動装置、中間差動伝動装置および/または車軸差動伝動装置に接続されてもよい。

クラッチモジュール2は、クラッチハウジング3、回転駆動可能な駆動軸4、駆動軸4に連結可能な等速ジョイント5、および駆動軸4を等速ジョイント5に駆動結合する制御可能なクラッチ6を有している。

クラッチハウジング3は、内部にクラッチが配置されている内室を取り囲んでいる。駆動軸4は、クラッチハウジング3の壁部分における開口7を貫いて延びているので、駆動軸4の外端部分8はクラッチハウジング3の外部に配置されていて、かつ駆動軸4の内端部分9はクラッチハウジング3の内部に配置されている。駆動軸4の外端部分8は、駆動部材からトルクを導入するための係合手段を有しており、これらの係合手段は、例えば軸歯列(スプライン)またはスプライン軸異形材の形態で形成されていてもよい。クラッチハウジング3内に位置している第2の端部分9は、必要な場合に、制御可能なクラッチ6を用いて等速ジョイント5に結合することができる。

等速ジョイント5は、ジョイント外側部分12、ジョイント内側部分13およびトルク伝達エレメント14を有しており、これらのトルク伝達エレメント14は、ジョイント外側部分とジョイント内側部分との間においてトルク伝達のために配置されている。ジョイント外側部分12は、周囲に分配された複数のアウタボールレース15を有していて、ジョイント内側部分13は、周囲に分配された複数のインナボールレース16を有しており、このときそれぞれアウタボールレースとインナボールレースとは、半径方向において互いに向かい合って位置していて、一緒にトルク伝達エレメント14を収容している。図面から認識できるように、等速ジョイント5は本実施形態では、ボール等速回転ジョイントの形態で形成されている。トルク伝達エレメント14は、相応にボールとして形成されており、これらのボールは、ジョイント外側部分12とジョイント内側部分13との間に配置されたボールケージ17の、周囲に分配された窓内に収容されている。もちろん、ここに示されたボール等速ジョイントの代わりに、固定ジョイントとして、如何なる他のジョイント構造形式をも使用することができ、例えば移動構造形式によるボール等速回転ジョイント、または三脚ジョイントを使用することができる。

ジョイント外側部分12は、クラッチハウジング3における相応の開口18を貫いて延びているので、ジョイント外側部分12の第1部分19はクラッチハウジング3の内部に配置されていて、ジョイント外側部分12の第2部分20はクラッチハウジング3の外部に配置されている。このとき「内部」および「外部」という具体的な記載は、軸方向において、基準エレメントとしてのクラッチハウジング3に関するものである。ジョイント外側部分12は、クラッチ6を用いて自由選択的に、トルクを伝達するために駆動軸4の第2の端部分9に接続されること、または駆動軸4から連結遮断されることができる。ジョイント内側部分13は、ジョイント外側部分12に対して運動可能に、かつ駆動軸22に回動不能に結合されており、この駆動軸22は例えば、車輪を駆動するためのサイド軸の一部であってもよい。

ジョイント外側部分12と駆動軸22との間には、シールエレメント23が設けられており、このシールエレメント23は、ジョイント室を外側に向かってシールしている。シールエレメント23の比較的大きな第1のカラーは、テンションベルト24を用いてジョイント外側部分12に結合されており、かつ比較的小さな第2のカラーは、第2のテンションベルト25を用いて駆動軸22に結合されている。シールエレメント23は、ロールベローズの形態で形成されており、このときもちろん、例えばフォールディングベローズまたダイヤフラムベローズのような他の形態のシールエレメントを使用することも可能である。

入力軸とも呼ぶことができる駆動軸4とジョイント外側部分12とは、互いに同軸に配置されており、つまり回転軸線A4,A12は互いに合致している。ジョイント内側部分13は、ジョイント外側部分12に対して角運動可能であり、このとき両方の回転軸線A12,A13は、折り曲げられた状態において、互いの間に屈曲角(Beugewinkel)を成している。駆動軸4は、駆動軸軸受26を用いて回転軸線A4を中心にして回転可能に支持されていて、支持面27を介して軸方向において支持されている。ジョイント外側部分12は、ジョイント軸受28を用いて回転軸線A12を中心にして回転可能に支持されている。ジョイント外側部分12は、両軸線方向においてジョイント軸受28を介してクラッチハウジング3に軸方向で支持されている。軸方向固定のために、軸方向固定リングが相応のリング溝29内に挿入される。両方の軸受26,28は、ころがり軸受として、特に玉軸受として形成されており、このときもちろん、例えば円錐ころ軸受または滑り軸受のような他の軸受型式を使用することも可能である。

クラッチハウジング3は、特に2部分から形成されていて、内部に駆動軸4が回転可能に支持されている軸側の第1のハウジング部分32と、内部にジョイント外側部分12が回転可能に支持されているジョイント側の第2のハウジング部分33とを有している。両方のハウジング部分32,33は、その内部に収容すべきコンポーネントの組立て後に互いに結合される。そのために両方のハウジング部分32,33は、相応の結合エレメント34,35を有しており、これらの結合エレメント34,35によって、ハウジング部分は互いに、もしくは例えば伝動装置ハウジングのような接続部材に結合されることができる。本実施形態では、結合エレメント34,35は、周囲にわたって分配された互いに対応する複数のフランジ部分を有しており、これらのフランジ部分は、ねじボルトを用いて互いに、もしくは位置固定の接続部材に固定されることができる。しかしながらもちろん、例えば溶接結合のような他の結合手段を使用することも可能である。位置固定の接続部材に対してクラッチモジュール2を位置調整するために、クラッチハウジング3は軸側のハウジング部分32に円筒形のセンタリング面10を有しており、このセンタリング面10は、接続部材の相応の対応面と共働するので、クラッチモジュール2と接続部材とは互いに相対的にセンタリングされる。

軸側のハウジング部分32は、内部に駆動軸軸受26が挿入されている軸受部分36、もしくは軸受部分36を備えた側壁を有している。クラッチハウジング3内に配置されている端部分9は、フランジ形状に形成されていて、ハウジング3から突出している軸部分よりも大きな直径D4を有している。軸受部分36の最小開口直径D36は、駆動軸4の最大外径D4よりも小さくなっている。組立て目的のために、駆動軸4の第1の端部分8は、内側から開口7を貫いて案内される。ジョイント側のハウジング部分32は、ジョイント軸受28が挿入されている軸受部分37、もしくは軸受部分37を備えた側壁を有している。図面から認識できるように、ジョイント軸受部分37は最小開口直径D37を有しており、この開口直径D37は、ジョイント外側部分12の最大外径D12よりも大きい。クラッチハウジング3をジョイント側においてシールするために、シールリング31がジョイント外側部分12の外面とクラッチハウジング3の内面との間にシール作用をもって配置されている。

位置固定のクラッチハウジング3における駆動軸4およびジョイント外側部分12の支持に加えて、両方の部分4,12は、別の軸受30を用いて互いに相対的に回転可能に支持されている。そのために駆動軸4およびジョイント外側部分12は、互いに向かい合っているその端部分に、それぞれ1つの軸受座38,39を有しており、そして両方の軸受座38,39の間には軸受30が収容されている。軸受30は、ニードル軸受の形態で形成されており、このとき滑り軸受のような別の軸受型式を使用することも可能である。駆動軸4の軸受座38は、端面側の凹部によって形成されており、この凹部には、ジョイント外側部分12の端面側のジャーナル40が差し込まれている。このときもちろん、動力学的な逆転が可能であり、つまり駆動軸がジャーナルを有していて、このジャーナルがジョイント外側部分の凹部内に差し込まれているような態様が可能である。駆動軸4の端面とジョイント外側部分12の、向かい合って位置している端面との間には、軸方向の間隙41が形成されており、つまり駆動軸4とジョイント外側部分12とは、全体として互いに対して相対的に無接触である。

ジョイント外側部分12は、内部にジョイント内側部分13が収容されている中空室21を有している。図面から認識できるように、中空室21は、部分的に、ジョイント軸受28もしくはクラッチハウジング3の軸受部分37との軸方向における重なりを有しており、これによって等速ジョイント5は、比較的大きくクラッチハウジング3内に進入している。ジョイント外側部分12の最大軸方向長さL12は、駆動軸4の最大軸方向長さL4よりも短いので、クラッチモジュールの軸方向長さは、全体として短い。

回転駆動可能な駆動軸4とジョイント外側部分12とは、クラッチ6を用いて互いに駆動的に連結可能または連結遮断可能である。クラッチ6は、本実施形態では形状結合クラッチとして形成されていて、駆動軸4の端部分9に形成された第1の形状結合エレメントを備えた第1のクラッチ部分42と、ジョイント外側部分12に形成された第2の形状結合エレメントを備えた第2のクラッチ部分43と、第1の形状結合エレメントと第2の形状結合エレメントとを回動不能に結合する軸方向可動の連結エレメント44とを有している。連結部分44は、駆動軸4とジョイント外側部分12とがトルク伝達のために互いに結合されている第1の位置と、駆動軸4とジョイント外側部分12とが互いに相対的に自由回転可能である第2の位置とに可動である。閉鎖位置とも呼ぶことができる第1の位置は、図1に示されており、これに対して、開放位置とも呼ぶことができる第2の位置は、図2に示されている。連結エレメント44は、移動スリーブの形態で形成されており、この移動スリーブは、駆動軸4の形状結合エレメントと回動不能に係合していて、かつ軸方向移動によって追加的にジョイント外側部分12の形状結合エレメントと回動不能に係合することができ、これによって駆動軸4とジョイント外側部分12との間におけるトルク伝達を行うことができる。

第1の形状結合エレメントと第2の形状結合エレメントとは、互いに等しい構成を有しているので、連結部分44は、両方の形状結合エレメントとの係合のための画一的な係合手段を有する。図面から認識できるように、クラッチ部分42,43もしくは形状結合エレメントは、外径D42,D43を有しており、この外径D42,D43は、等速ジョイント5のトルク伝達エレメント14の転動円直径D14よりも大きく、かつジョイント軸受28の内側の軸受座直径D28よりも小さい。

クラッチ6は、制御可能なアクチュエータ45を用いて作動させられ、このアクチュエータ45は、連結エレメント44に対して作用し、これによって連結エレメント44を選択的に閉鎖位置または開放位置に移送させることができる。アクチュエータ45は、電磁式のアクチュエータとして形成されていて、つまり連結エレメント44の軸方向移動が磁力を用いて行われるように構成されている。しかしながらもちろん、例えば電動機式、液圧式または空力式のアクチュエータのような他のアクチュエータ型式を使用することも可能である。アクチュエータ45はアクチュエータハウジング46を有しており、このアクチュエータハウジング46は、フランジ結合部47を介してクラッチハウジング3に結合されている。さらにアクチュエータ45は軸方向可動のピストンロッド48を有しており、このピストンロッド48の、アクチュエータから離れた端部は、クラッチハウジング3の孔49内に軸方向可動に収容されている。ピストンロッド48には、切換えフォーク50が固定されており、この切換えフォーク50は、連結エレメント44のリング溝52に係合していて、これによってピストンロッド48の軸方向運動を連結エレメント44に伝達することができる。

クラッチモジュール2の利点は、このクラッチモジュール2が多くの使用例のために、もしくは自動車のパワートレインの内部における種々様々な取付け状況において、使用可能であるということである。例えばクラッチモジュール2は、トランスファ伝動装置または差動伝動装置に結合することができ、つまり出力路に関して伝動装置の前または後ろにおいて、結合することができる。

クラッチモジュール2のための可能な使用例は、図5に示されており、この使用例については後で説明する。図5には、差動伝動装置54と、図1〜図4に示した本発明に係るクラッチモジュール2とを備えた、本発明に係る駆動装置53が示されている。

差動伝動装置54は、位置固定のハウジング55を有しており、このハウジング55内には、差動ケージ56が2つの軸受57,58を用いて回転軸線A56を中心にして回転可能に支持されている。差動ケージ56内にトルクを導入するために、リング歯車59が設けられており、このリング歯車59は、例えば溶接結合またはねじ結合を用いて差動ケージに不動に結合されている。差動ケージ56内においては、複数の差動歯車60がジャーナル62に、ジャーナル軸線A62を中心にして回転可能に支持されている。両方の差動歯車60は、差動ケージ56と一緒に公転し、かつそれぞれ、回転軸線A56に対して同軸に配置された第1の被動歯車63および第2の被動歯車64に歯列係合している。サイド軸歯車63,64とも呼ぶことができる両方の被動歯車63,64は、それぞれ長手方向歯列65(スプライン)を有しており、この長手方向歯列65内には、駆動軸4の相応の対応歯列が、トルク伝達のために係合することができる。両方の被動歯車63,64は、中間接続されたスライドディスク66,67を介して、差動ケージ56に対して軸方向において支持されている。

位置固定の伝動装置ハウジング55は、結合装置68を介してクラッチハウジング3に不動に結合されている。結合装置68は、本実施形態では、フランジ結合部の形態で形成されていて、かつフランジ部分として形成された、クラッチハウジング3における結合エレメント34と、これらの結合エレメント34に対応する、伝動装置ハウジング55におけるフランジ部分69と、両方のフランジ部分34,69を互いに結合するねじボルト70とを有している。さらに伝動装置ハウジング55とクラッチハウジング3との間には、センタリング装置72が設けられており、このセンタリング装置72によって両方のハウジング3,55は互いに相対的にセンタリングされている。センタリング装置72は、クラッチハウジング3のセンタリング面10と伝動装置ハウジング55の、対応するセンタリング面73とを有しており、これによって両方のハウジング部分3,55は、互いに相対的にセンタリングされている。センタリング面10,73は、ハウジング3,55の相応のスリーブ形状のセンタリング部分に形成されていて、特に円筒形に形成されている。センタリング装置72は特に、軸受38との軸方向における重なり領域に配置されており、これによって、駆動軸4の正確な同軸な位置調整が達成される。ハウジング内室をシールするために、センタリング面10,73の間においてリング溝内にシールリング74が配置されている。

図5に示されたクラッチモジュール2は、図1〜図4に示されたクラッチモジュール2にほぼ相当しているので、繰り返しを避けるために、上における記載を参照するものとする。同じ部材もしくは互いに対応する部材には、図1〜図4に示された実施形態におけると同じ符号が付されている。

第1の相違は、図5に示された実施形態では、伝動装置ハウジング55との結合のための結合エレメント34が、両方のクラッチハウジング部分32,33を結合するための結合手段とは別個に構成されていることにある。別の相違は、ピストンロッド48が、アクチュエータ45から離れた端部において支持されていないことにある。さらにクラッチハウジング3のセンタリング面10には、シールリング74のためのリング溝が設けられている。その他の点については、図5に示されたクラッチモジュール2は、図1〜図4に示されたクラッチモジュール2に少なくともほぼ相当しているので、上の記載を参照するものとする。

本発明に係るクラッチモジュール2の利点は、このクラッチモジュール2が、予め組み立てられた別体の構成ユニットとして、簡単に伝動装置に結合できることにある。このときセンタリングエレメントおよび結合エレメントを備えた確定されたインタフェースが、簡単な組立てを可能にする。さらにクラッチモジュール2は、コンパクトな構造寸法を有しているので、クラッチモジュール2は特に、車軸(Achswelle)もしくは駆動軸のサイド軸において使用するのに適している。

1 2 クラッチモジュール 3 クラッチハウジング 4 駆動軸 5 等速ジョイント 6 クラッチ 7 開口 8 端部分 9 端部分 10 センタリング面 11 12 ジョイント外側部分 13 ジョイント内側部分 14 トルク伝達エレメント 15 アウタボールレース 16 インナボールレース 17 ボールケージ 18 開口 19 部分 20 部分 21 中空室 22 駆動軸 23 シールエレメント 24 テンションベルト 25 テンションベルト 26 駆動軸軸受 27 支持面 28 ジョイント軸受 29 リング溝 30 軸受 31 ジョイントシールリング 32 第1ハウジング部分 33 第2ハウジング部分 34 結合エレメント 35 結合エレメント 36 軸受部分 37 軸受部分 38 軸受座 39 軸受座 40 ジャーナル 41 間隙 42 形状結合エレメント 43 形状結合エレメント 44 連結部分 45 アクチュエータ 46 アクチュエータハウジング 47 フランジ結合部 48 ピストンロッド 49 孔 50 切換えフォーク 52 リング溝 53 駆動装置 54 差動伝動装置 55 伝動装置ハウジング 56 差動ケージ 57 軸受 58 軸受 59 リング歯車 60 差動歯車 62 ジャーナル 63 サイド軸歯車 64 サイド軸歯車 65 長手方向歯列 66 スライドディスク 67 スライドディスク 68 結合装置 69 結合エレメント 70 ねじボルト 72 センタリング装置 73 センタリング面 74 シールリング A 回転軸線 D 直径 L 長さ

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