セレクタブルワンウェイクラッチ

申请号 JP2016062833 申请日 2016-03-25 公开(公告)号 JP2017172782A 公开(公告)日 2017-09-28
申请人 トヨタ自動車株式会社; 发明人 安井 宏樹; 塩入 広行; 柴田 寛之; 黒崎 祐樹;
摘要 【課題】ケース内部でアクチュエータとセレクタブルワンウェイクラッチ本体の組み付け状態を解除できる構造を提供すること。 【解決手段】プランジャ12とアーム50との組み付け状態で、プランジャ12が直進動作してアーム50が動作することにより係合状態と解放状態とを切り替えられるセレクタブルワンウェイクラッチ(SOWC)1において、プランジャ12は、第1フランジ部12bの切欠き部14により、第1フランジ部12bとアーム50の操作部51とが軸方向に対向しない構造を有することを特徴とする。 【選択図】図7B
权利要求

アクチュエータ本体から一方端部が突出している軸状部材を、軸方向に直進動作させるアクチュエータと、 前記軸状部材から軸方向のを受ける操作部を有し、セレクタブルワンウェイクラッチの係合状態と解放状態とを切り替えるアームと、 を備え、 前記軸状部材には、前記操作部に当接して軸方向の力を作用する部分として、前記軸状部材から径方向外側に広がる第1フランジ部および第2フランジ部が軸方向に並べて形成されており、 前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に前記操作部を配置させた、前記軸状部材と前記アームとの組み付け状態で、前記軸状部材が直進動作することにより前記アームが動作して係合状態と解放状態とを切り替えられるセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、 前記第1フランジ部は、前記第2フランジ部よりも前記一方端部側に配置され、かつ外周縁部に切欠き部が設けられ、 前記軸状部材は、前記第1フランジ部の前記切欠き部により、前記第1フランジ部と前記操作部とが軸方向に対向しない構造を有する ことを特徴とするセレクタブルワンウェイクラッチ。前記軸状部材および前記アクチュエータ本体は、一方には前記軸方向に平行な溝部が設けられ、他方には前記溝部内に嵌る突部が設けられている ことを特徴とする請求項1に記載のセレクタブルワンウェイクラッチ。

说明书全文

本発明は、セレクタブルワンウェイクラッチに関する。

ワンウェイクラッチの一種として、セレクタブルワンウェイクラッチが知られている(特許文献1参照)。セレクタブルワンウェイクラッチは、アクチュエータによって、回転部材の回転方向を一方向に規制する係合状態と、回転部材が両方向に回転可能になる解放状態とに切り替えられる。

国際公開第2010/011478号

ところで、アクチュエータを交換する場合、セレクタブルワンウェイクラッチとアクチュエータとの組み付け状態を解除しなければならない。特許文献1に記載の構成では、その組み付け状態を解除するために、一度ケースを分解しなければならない。そして、アクチュエータの交換後、再びケースを組み立てることになる。これでは、アクチュエータの交換作業が煩雑になる。

本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、ケース内部でアクチュエータとの組み付け状態を解除できるセレクタブルワンウェイクラッチを提供することを目的とする。

本発明は、アクチュエータ本体から一方端部が突出している軸状部材を、軸方向に直進動作させるアクチュエータと、前記軸状部材から軸方向のを受ける操作部を有し、セレクタブルワンウェイクラッチの係合状態と解放状態とを切り替えるアームと、を備え、前記軸状部材には、前記操作部に当接して軸方向の力を作用する部分として、前記軸状部材から径方向外側に広がる第1フランジ部および第2フランジ部が軸方向に並べて形成されており、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に前記操作部を配置させた、前記軸状部材と前記アームとの組み付け状態で、前記軸状部材が直進動作することにより前記アームが動作して係合状態と解放状態とを切り替えられるセレクタブルワンウェイクラッチにおいて、前記第1フランジ部は、前記第2フランジ部よりも前記一方端部側に配置され、かつ外周縁部に切欠き部が設けられ、前記軸状部材は、前記第1フランジ部の前記切欠き部により、前記第1フランジ部と前記操作部とが軸方向に対向しない構造を有することを特徴とする。

本発明では、直進動作する軸状部材は、第1フランジ部の外周縁部に形成された切欠き部により、第1フランジ部と操作部とが軸方向に対向しない構造を有する。これにより、組み付け状態とは異なり、第1フランジ部と操作部が軸方向に対向しない場合には、第1フランジ部と第2フランジ部との間から操作部を軸方向に沿って離脱させることができる。

上記発明において、前記軸状部材および前記アクチュエータ本体は、一方には前記軸方向に平行な溝部が設けられ、他方には前記溝部内に嵌る突部が設けられていることが好ましい。

本発明では、アクチュエータ本体と軸状部材とが相対回転できないので、組み付け状態で意図せず軸状部材が回転してしまうことを防止できる。これにより、組み付け状態から、誤って第1フランジ部と操作部とが軸方向で対向しない状態になることを防止できる。

本発明では、直進動作する軸状部材とアームとを組み付けた構造を有し、アームの操作部に軸方向の力を作用する第1フランジ部には、外周縁部に切欠き部が設けられている。その軸状部材は、第1フランジ部の切欠き部により、第1フランジ部と操作部とが軸方向に対向しない構造を有する。これにより、アクチュエータの交換時、軸方向で第1フランジ部と操作部とが対向しない場合、組み付け状態を解除することができる。

図1は、実施形態におけるセレクタブルワンウェイクラッチの全体構造を示す外観図である。

図2は、アクチュエータとセレクタブルワンウェイクラッチ本体との組み付け部を説明するための図である。

図3Aは、組み付け状態にある組み付け部をプランジャの軸方向から見た場合を示す模式図である。

図3Bは、組み付け状態にある組み付け部をプランジャの径方向から見た場合を示す模式図である。

図4Aは、アクチュエータの軸方向に沿った断面を示す断面図である。

図4Bは、アクチュエータ本体の軸方向と直交する断面を示す断面図である。

図5は、アクチュエータとセレクタブルワンウェイクラッチ本体の組み付け方法を説明するための図である。

図6は、アクチュエータ本体とプランジャとが分離している状態を説明するための図である。

図7Aは、解除状態にある組み付け部をプランジャの軸方向から見た場合を示す模式図である。

図7Bは、解除状態にある組み付け部をプランジャの径方向から見た場合を示す模式図である。

図8Aは、変形例におけるアクチュエータの軸方向に沿った断面を示す断面図である。

図8Bは、変形例におけるアクチュエータ本体の軸方向と直交する断面を示す断面図である。

図9は、変形例における油圧式のアクチュエータの構造を示す断面図である。

以下、図面を参照して、本発明の実施形態におけるセレクタブルワンウェイクラッチについて具体的に説明する。

[1.全体構造] 図1は、実施形態におけるセレクタブルワンウェイクラッチの全体構造を示す外観図である。セレクタブルワンウェイクラッチ(以下「SOWC」という)1は、アクチュエータ10とセレクタブルワンウェイクラッチ本体(以下「SOWC本体」という)20とを組み付けた構造を有する。組み付け状態のSOWC1は、ケース30の内部で、組み付け部40を構成するアーム50を介してアクチュエータ10とSOWC本体20とが接続している。また、SOWC1は、アクチュエータ10によってアーム50がSOWC本体20の周方向に動作することにより、回転部材(図示せず)の回転方向を一方向に規制する係合状態と、その回転部材が両方向に回転可能な解放状態とを切り替えられる。

アクチュエータ10は、アクチュエータ本体11から一方端部が突出しているプランジャ12を軸方向に直進動作させる直動アクチュエータである。アクチュエータ本体11はケース30に固定される固定部材であり、プランジャ12は軸方向に往復動する可動部材である。

アクチュエータ本体11は、プランジャ12に付与される推力(軸方向の力)を発生するものである。そのアクチュエータ本体11は、全体が円柱形状に形成され、その外周部から突出している被取付け部分11aがケース30に取り付けられる。被取付け部分11aは円柱形状の高さ方向(軸方向)でアクチュエータ本体11の中間部分付近に設けられているため、アクチュエータ本体11をケース30に固定した場合、アクチュエータ本体11の一部はケース30の外部に出ている。例えば、被取付け部分11aはケース30にボルト締結される。また、アクチュエータ10は、電磁式であり、アクチュエータ本体11の内部にはコイル(図示せず)が設けられている。アクチュエータ本体11は、制御装置(図示せず)と電気的に接続され、そのコイルに電流が流されることにより、プランジャ12を軸方向に移動させる推力を発生する。

プランジャ12は、軸状部材であって、アクチュエータ本体11から突出している軸部12aと、軸部12aから径方向に広がる一対のフランジ部12b,12cとを有する。軸部12aの先端側(一方端部側)は、ケース30に設けられた支持部材31に支持される。支持部材31には、貫通孔が形成されている。軸部12aの一方端部側が貫通孔を貫通している状態、かつ軸部12aの他方端部側がアクチュエータ本体11の内部に設けられている状態で、プランジャ12は軸方向に往復動する。

なお、この説明では、単に「軸方向」や「径方向」と記載する場合は、「プランジャ12の軸方向」や「プランジャ12の径方向」を意味する。

一対のフランジ部12b,12cは、軸方向で軸部12aの先端側(突出している部分)からアクチュエータ本体11側へ、第1フランジ部12b、第2フランジ部12cの順に並べて形成されている。軸方向において、第1フランジ部12bは、第2フランジ部12cに対してアクチュエータ本体11とは反対側に配置されている。また、第2フランジ部12cとアクチュエータ本体11との間には、第2フランジ部12cに解放方向の付勢力(軸方向の力)を作用するリターンスプリング13が設けられている。

さらに、第1フランジ部12bおよび第2フランジ部12cは、組み付け部40を構成するものであり、プランジャ12の軸方向の力をアーム50に作用する部分である。アーム50は、細長い板部材からなり、その一方端部がプランジャ12から軸方向の力を受ける操作部51を構成している。操作部51は、第1フランジ部12bと第2フランジ部12cとの間には配置されている。図1に破線で示すように、アーム50の他方端部は、略円環状に形成されたSOWC本体20の内部に設けられ、セレクタプレート21(図3Aに示す)と周方向に一体的に動作するように接続されている。アーム50は、SOWC本体20に取り付けられている部材であり、SOWC本体20の径方向外側に向けて突出している。

SOWC本体20は、ポケットプレート22(第1クラッチ部材)が円筒部22aを有し、円筒部22aの内周側にノッチプレート23(第2クラッチ部材)が設けられている。円筒部22aの内周部に取り付けられたスナップリング24によって、ノッチプレート23がポケットプレート22から抜け落ちないように構成されている。図1に破線で示すように、アーム50は、ポケットプレート22の円筒部22aを貫通して、他方端部がSOWC本体20の内部に位置している。アーム50は、他方端部がSOWC本体20の中心Oを向くように、アーム50の長手方向がSOWC本体20の径方向に沿うように配置されている。そして、プランジャ12が軸方向に往復動することにより、アーム50の操作部51は、図1に一点鎖線で示すように解放位置と係合位置との間を周方向で往復動する。つまり、組み付け部40では、プランジャ12の軸方向の力(推力)をアーム50で回転方向の力(回転力)に変化させていることになり、そのアーム50からSOWC本体20のセレクタプレート21には回転方向の力が作用する。

[2.組み付け部] 図2は、アクチュエータ10とSOWC本体20との組み付け部40を説明するための図である。組み付け部40では、アクチュエータ10のプランジャ12がアーム50を介してSOWC本体20に接続されている。プランジャ12が軸方向に移動する力は、組み付け部40でアーム50の操作部51に作用する。

操作部51では、プランジャ12から軸方向の力を受ける面(以下「操作面」という)51aが曲面状に形成されている。SOWC1は、操作面51aに当接してプランジャ12からアーム50に軸方向の力を作用する面として、第1フランジ部12bの第1壁面121と、第2フランジ部12cの第2壁面122と、を有する。各壁面121,122は、軸方向と直交する平面上に広がる平坦面であり、軸方向で互いに対向している。第1壁面121は、軸方向で第2フランジ部12c側(係合方向側)を向く面であり、第2壁面122は、軸方向で第1フランジ部12b側(解放方向側)を向く面である。組み付け状態の組み付け部40では、軸方向において、第1壁面121と操作面51aとが対向し、かつ第2壁面122と操作面51aとが対向している。これにより、プランジャ12が軸方向に移動する際、曲面状の操作面51aが各壁面121,122上を転がるようにしてアーム50は動作する。つまり、第1壁面121と操作面51aとは線接触する。同様に、第2壁面122と操作面51aとは線接触する。

図3Aは、組み付け状態にある組み付け部40をプランジャ12の軸方向から見た場合を示す模式図である。組み付け部40が組み付け状態の場合、図3Aの第1フランジ部12bに破線で示すように、軸方向から見ると、第1フランジ部12bと操作部51とが重なっている状態となる。すなわち、組み付け状態とは、組み付け部40を軸方向から見て、第1フランジ部12bと操作部51と第2フランジ部12cとが重なっている状態のことである。これにより、第1フランジ部12bから操作部51に、プランジャ12の軸方向の力(係合方向の推力)が作用する。さらに、第2フランジ部12cから操作部51に、プランジャ12の軸方向の力(解放方向の推力)が作用する。

また、第1フランジ部12bには、切欠き部14が設けられている。切欠き部14は、円環状を有していた第1フランジ部12bの一部(縁部を含む部分)を除去するように、縁部の一部を切り欠いた部分である。円環状のフランジ部とは、軸部12aの外周を一周するように繋がっている円弧状の外周縁部を有するフランジ部のことである。また、切欠き部14は、組み付け部40の組み付け状態を解除するための構造であるが、図3Aに示すように組み付け状態の場合、プランジャ12の軸方向から見て、操作部51とずれた位置に設けられている。

図3Aに示す例では、切欠き部14は、軸部12aの外周円の接線に沿って直線状に第1フランジ部12bを切り欠いている。すなわち、第1フランジ部12bは、一部が直線状の縁部を有し、残りの部分が円弧状の外周縁部を有する。その第1フランジ部12bは、軸部12aの外周円の全周に亘って、径方向外側に同じ高さの第1壁面121が形成されていないことになる。このように、直線状の切欠き部14とすることで、第1フランジ部12bの一部を切欠くことが容易になる。

アーム50は、図3Aに示すように、SOWC本体20の外部に配置される一方端部側が屈曲形状に形成され、他方端部側はSOWC本体20の内部に配置される。アーム50に接続されているセレクタプレート21は、SOWC1を係合状態と解放状態とに選択的に切り替える部材である。セレクタプレート21は、ポケットプレート22とノッチプレート23との間に配置されている。SOWC本体20は、ポケットプレート22がノッチプレート23の回転方向を一方向に規制する係合状態と、ポケットプレート22が両方向に回転可能な解放状態との間で切り替わる。SOWC本体20では、プランジャ12が軸方向に移動すると、アーム50が動作し、セレクタプレート21は周方向に移動(回転)する。アクチュエータ10によってセレクタプレート21が周方向に所定度だけ回転させることにより、SOWC1の係合状態と解放状態とを切り替える。セレクタプレート21には、周方向に所定間隔を空けた位置にストラット用貫通孔(図示せず)が複数形成されている。セレクタプレート21では、周方向でストラット用貫通孔同士の間を形成している板部分が、ストラット25をポケットプレート22側へ退避させるための構造として機能する。セレクタプレート21の周方向の位置に応じて、ストラット25がポケットプレート22のポケット部(収容凹部)に収容された解放状態(収容状態)と、ストラット25がノッチプレート23側に立ち上がった状態となりノッチプレート23に設けられた係合凹部と係合する係合状態(起立状態)とを切り替える。

図3Bは、組み付け状態にある組み付け部40をプランジャ12の径方向から見た場合を示す模式図である。第1フランジ部12bの第1壁面121と、操作部51の操作面51aとが、軸方向で対向している。操作部51は、軸方向でフランジ部12b,12c同士に挟まれているため、一対のフランジ部12b,12cの両方に軸方向で接触できる。これにより、リターンスプリング13の付勢力に抗してプランジャ12が軸方向(係合方向)に移動すると、第1フランジ部12bから操作部51に軸方向(係合方向)の力が作用する。一方、リターンスプリング13の付勢力によってプランジャ12が軸方向(解放方向)に移動すると、第2フランジ部12cから操作部51に軸方向(解放方向)の力が作用する。

[3.回転防止構造] SOWC1は、組み付け状態において、プランジャ12がアクチュエータ本体11に対して軸方向に移動できる構造を有するとともに、プランジャ12がアクチュエータ本体11に対して相対回転できない構造(回転防止構造)を有する。SOWC1は、組み付け部40を構成する第1フランジ部12bに切欠き部14が設けられているので、第1フランジ部12bが意図せず軸部12aの周方向に回転して、第1フランジ部12bの一部が除去されている部分(切欠き部14)が操作部51と重なってしまうと、操作部51が組み付け部40から外れてしまう。これを防止するために回転防止構造を有する。

図4Aは、アクチュエータ10の軸方向に沿った断面を示す断面図である。図4Bは、アクチュエータ本体11の軸方向と直交する断面を示す断面図である。図4Aに示すように、プランジャ12の軸部12aには、軸方向に沿ってキー溝(溝部)12dが形成されている。アクチュエータ本体11には、プランジャ12の径方向で内周側に向けて突出しているキー(突部)11bが形成されている。アクチュエータ本体11は、開口部から内部にはプランジャ12の他方端部側が挿入されているため、その開口部にキー11bが設けられている。アクチュエータ本体11はケース30に固定されているため、図4Bに示すようにキー溝12dの内部にキー11bが嵌っている状態では、プランジャ12が軸部12aの周方向に回転することを防止している。これにより、プランジャ12が軸部12aの周方向に回転してしまい、操作部51が組み付け部40から外れてしまうことを防止できる。

[4.組立時] 図5は、アクチュエータ10とSOWC本体20の組み付け方法を説明するための図である。SOWC1をケース30に取付ける際、まずアクチュエータ10をケース30に取付け、その後、SOWC本体20をケース30に取付ける。図5に示すように、アーム50が取り付けられているSOWC本体20は、アクチュエータ10が取付けられている部分に重なるようにして、白矢印で示す取付け方向から、ケース30に取付けられるとともに、アクチュエータ10に組み付けられる。つまり、アクチュエータ10とSOWC本体20とが組み付く際、ケース30に固定されているアクチュエータ10に対して、アーム50は、プランジャ12の径方向外側から近づき、一対のフランジ部12b,12cの間に組み付くことになる。その際、ポケットプレート22がケース30に嵌め込まれる。例えば、SOWC1が車両に搭載される場合、ケース30は動力伝達機構を収容するケース(リヤカバー)であり、ノッチプレート23は、車両の動力伝達機構を構成する回転部材と一体回転するように連結されている。

[5.プランジャ交換時] ここで、プランジャ交換時について説明する。SOWC1は、SOWC本体20を取外し方向へ移動させなくても、組み付け部40の組み付け状態を解除することができるように構成されている。アクチュエータ10は、アクチュエータ本体11とプランジャ12とを軸方向に分離することができるように構成されている。

まず、アクチュエータ10の分離状態について説明する。図6は、アクチュエータ本体11とプランジャ12とが分離している状態を説明するための図である。アクチュエータ本体11は、プランジャ12の軸方向に取外し可能に構成されている。これにより、組み付け部40でプランジャ12とアーム50とが組み付いている状態のまま、アクチュエータ本体11からプランジャ12を軸方向に抜き取ることができる。この分離状態では、プランジャ12のキー溝12dからアクチュエータ本体11のキー11bが外れているため、プランジャ12は組み付け状態のまま軸部12aの周方向に回転可能になる。そして、図6に示すように、プランジャ12を回転させることにより、組み付け部40での組み付け状態を解除することができる。

次に、組み付け部40の解除状態について説明する。図7Aは、解除状態にある組み付け部40をプランジャ12の軸方向から見た場合を示す模式図である。図7Bは、解除状態にある組み付け部40をプランジャ12の径方向から見た場合を示す模式図である。なお、図7Aに示す解除状態は、図3Aに示す状態のプランジャ12を180°回転させた状態を表す。

図7Aに示すように、組み付け部40が解除状態である場合、軸方向から見て、第1フランジ部12bは、操作部51とずれた位置に設けられている。切欠き部14により第1フランジ部12bの一部が除去されている部分が、操作部51と重なっていることになる。また、切欠き部14により除去されている第1フランジ部12bの形状は、軸方向から見た場合、アーム50の操作部51と重なる部分よりも大きな形状である。

図7Bに示すように、組み付け部40が解除状態である場合、プランジャ12が取外し方向(軸方向で係合側)に移動すると、第1フランジ部12bは操作部51に当接しない。つまり、プランジャ12は、第1フランジ部12bが設けられている軸方向位置において、アーム50の操作部51に軸方向の荷重を作用しない構造を有している。要するに、プランジャ12は、第1フランジ部12bに設けられた切欠き部14により、第1フランジ部12bと操作部51とが軸方向で対向しない構造を有している。プランジャ12とアーム50とが相対的に軸方向に移動しようとする際、第1フランジ部12bがその移動を規制しないことになる。このように、プランジャ12を軸方向で係合側に移動させることにより、操作部51は組み付け部40(一対のフランジ部12b,12cの間)から軸方向に外すことができる。これにより、SOWC1は、SOWC本体20をケース30に取付けたまま、組み付け部40を解除状態にすることができる。

具体的には、プランジャ12の交換時、ケース30の外部からアクチュエータ本体11とケース30とのボルト締結を解除する。アクチュエータ本体11とプランジャ12とは軸方向に分離可能であるため、アクチュエータ本体11をケース30の外部から取外し方向に抜き取ることが可能である。その際、SOWC本体20はケース30の内部に収容されたままである。また、ケース30は、アクチュエータ本体11を外した部分が開口しているので、その開口部分からプランジャ12を180°程度回転させることにより、切欠き部14と第1フランジ部12bとが軸方向から見て重なる位置になり、組み付け部40は解除状態となる。これにより、ケース30を分解することなく、ケース30の内部からプランジャ12をケース30の外部に取出すことができる。そして、新たなプランジャ12を取付ける際には、上述した取外し方法とは逆の順序で行えばよい。

以上説明した通り、本実施形態のSOWC1によれば、SOWC本体20をケース30に取付けたまま、アクチュエータ10とSOWC本体20との組み付け状態を解除することができる。これにより、ケース30を分解しなくても、アクチュエータ10をケース30から取外すことができる。

なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。

例えば、切欠き部14の形状、および第1フランジ部12bの形状は、上述した実施形態に限定されない。切欠き部14は、軸方向から見て、曲線形状あるいは矩形状に形成されてもよい。要するに、プランジャ12は、軸方向から見て、第1フランジ部12bが操作部51と重ならない構造を有すればよい。

また、プランジャ12とアクチュエータ本体11とは、一方にはキーが設けられ、他方にはキー溝が設けられていればよい。図8Aは、変形例におけるアクチュエータ10の軸方向に沿った断面を示す断面図である。図8Bは、変形例におけるアクチュエータ本体11の軸方向に直交する断面を示す断面図である。変形例のアクチュエータ10では、プランジャ12にキー12eが設けられ、アクチュエータ本体11にキー溝11cが設けられている。そのキー溝11cは、アクチュエータ本体11の内部に、軸方向に沿って形成されている。

さらに、アクチュエータ10は、電磁式に限定されず、油圧式であってもよい。図9は、変形例における油圧式のアクチュエータ10の構造を示す断面図である。図9に示すように、油圧式の場合、アクチュエータ本体11内に形成された油圧室60の油圧によってピストン15が軸方向に往復動するように構成されている。プランジャ12は、ピストン15と一体構造に形成されているため、シリンダであるアクチュエータ本体11とは分離することができない。さらに、油圧室60には油路61からオイルが供給され、あるいは油圧室60から油路61へオイルを排出される。そして、アクチュエータ本体11の被取付け部分11aとケース30とのボルト締結を解除することにより、アクチュエータ10の全体がSOWC本体20に対して相対回転可能になる。この変形例のように、プランジャ12とアクチュエータ本体11とが分離できない構成であっても、アクチュエータ10が全体的に一体回転できる。これにより、図7Aに示す解除状態のように、組み付け部40において切欠き部14を操作部51と重なる位置に回転させることが可能である。すなわち、プランジャ12とアクチュエータ本体11と分離できなくても、SOWC本体20をケース30に取付けたまま、アクチュエータ10を取外し方向に移動可能になる。

1 セレクタブルワンウェイクラッチ(SOWC) 10 アクチュエータ 11 アクチュエータ本体 11b キー 12 プランジャ(軸状部材) 12a 軸部 12b 第1フランジ部 12c 第2フランジ部 12d キー溝 20 セレクタブルワンウェイクラッチ本体(SOWC本体) 21 セレクタプレート 30 ケース 40 組み付け部 50 アーム 51 操作部 51a 操作面 121 第1壁面 122 第2壁面

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