駆動伝達装置及びこれを備えた画像形成装置

申请号 JP2016204254 申请日 2016-10-18 公开(公告)号 JP2017102434A 公开(公告)日 2017-06-08
申请人 京セラドキュメントソリューションズ株式会社; 发明人 水野 雅彦;
摘要 【課題】1つの駆動モーターが発生する駆動 力 によって、回転体に対する駆動力の伝達状態を切り替え可能な駆動伝達装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供する。 【解決手段】駆動伝達装置5は、ドラム伝達系51と現像伝達系52とを含む。ドラム伝達系51は、第1駆動モーターM1の駆動力を、4色分の全ての各感光体ドラム21Bk、21Y、21C、21Mに伝達する。現像伝達系52は、第1駆動モーターM1の駆動力によって、その第1駆動モーターM1の駆動力の伝達状態を、4色分の全ての各現像ローラー231Bk、231Y、231C、231Mに伝達する第1伝達状態と、ブラックの現像ローラー231Bkのみに伝達する第2伝達状態とに切り替え可能に構成されている。 【選択図】図9
权利要求

第1回転体と第2回転体との組合せを含む第1構造体及び第2構造体の、前記第1回転体及び前記第2回転体に、駆動モーターが発生する駆動を伝達する駆動伝達装置であって、 前記駆動モーターの出力軸から直接的に駆動力を受ける駆動力受部と、 前記駆動力受部からの駆動力を、前記第1構造体及び前記第2構造体の前記第1回転体の各々に伝達可能に構成される第1回転体駆動伝達系と、 前記駆動力受部からの駆動力によって、前記駆動力受部からの駆動力の伝達状態を、前記第1構造体及び前記第2構造体の前記第2回転体の各々に駆動力を伝達する第1伝達状態と、前記第1構造体の前記第2回転体のみに駆動力を伝達する第2伝達状態とに切り替え可能に構成される第2回転体駆動伝達系と、を備える駆動伝達装置。請求項1に記載の駆動伝達装置において、 前記第2回転体駆動伝達系は、 前記駆動力受部から駆動力が直接的に伝達され、その伝達された駆動力を前記第1構造体及び前記第2構造体の前記第2回転体の各々に伝達可能な駆動伝達中継部材と、 前記駆動伝達中継部材の前記第2回転体への駆動力の伝達状態を、前記第1伝達状態と前記第2伝達状態とに機械的に切り替えるメカニカルクラッチと、を含む、駆動伝達装置。請求項2に記載の駆動伝達装置において、 前記メカニカルクラッチは、ソレノイドアクチュエータにより機械的な係止及びその解除が行われることによって、前記駆動伝達中継部材における駆動力の伝達状態の切り替え動作を実行する、駆動伝達装置。請求項1〜3のいずれか1項に記載の駆動伝達装置において、 前記駆動力受部は、前記駆動モーターの前記出力軸に直接歯合される第1ギア及び第2ギアを含み、 前記第1回転体駆動伝達系は、前記第1ギアからの駆動力を前記第1回転体に伝達し、 前記第2回転体駆動伝達系は、前記第2ギアからの駆動力によって前記第2ギアからの駆動力の伝達状態を、前記第1伝達状態と前記第2伝達状態とに切り替え可能に構成される、駆動伝達装置。第1回転体と第2回転体との組合せを含む第1構造体及び第2構造体を備えた、シートに画像を形成するための作像系と、 前記作像系を駆動するための駆動力を発生する駆動モーターと、 前記第1回転体及び前記第2回転体に、前記駆動モーターが発生する駆動力を伝達する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の駆動伝達装置と、を備える、画像形成装置。請求項5に記載の画像形成装置において、 前記第1回転体は、現像剤像を担持する周面を有する像担持体であり、 前記第2回転体は、前記像担持体の周面に現像剤を供給する現像ローラーである、画像形成装置。

说明书全文

本発明は、複数の回転体に駆動を伝達する駆動伝達装置、及びこれを備えた画像形成装置に関する。

フルカラーのレーザープリンターや複写機等の画像形成装置は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(Bk)の4色分の感光体ドラム及び現像装置を含む画像形成ユニット等を備える。各画像形成ユニットは、感光体ドラムや現像装置に配置される現像ローラー等の回転体を含むため、画像形成装置には前記回転体の駆動のための駆動モーターと、駆動モーターが発生する駆動力を前記回転体に伝達する駆動伝達装置とが備えられる(特許文献1〜4参照)。

特開2000−214685号公報

特開2005− 76734号公報

特開2006−214567号公報

特開2008− 95870号公報

画像形成装置において駆動伝達装置は、形成すべき画像がカラー画像であるかモノクロ画像であるかに応じて、駆動モーターからの駆動力の伝達状態を切り替え可能とされる。駆動伝達装置は、カラー画像形成時には4色分の全ての現像ローラーに駆動モーターからの駆動力を伝達し、モノクロ画像形成時にはブラックの現像ローラーのみに駆動力を伝達する。このように、形成すべき画像の種類に応じて駆動力の伝達状態を切り替える必要があるため、従来技術の画像形成装置は、シアン、マゼンタ、イエローのカラー系の現像ローラー用の駆動モーターとブラックの現像ローラー用の駆動モーターとを個別に備える構成や、伝達状態を切り替えるための駆動モーターをも備える構成となる。このため、駆動モーターの個数が増えがちとなる。

しかし、多くの駆動モーターを用いることは画像形成装置のコストを上昇させることになる。本発明の目的は、複数の回転体に駆動力を伝達する駆動伝達装置において、1つの駆動モーターが発生する駆動力によって、回転体に対する駆動力の伝達状態を切り替え可能な駆動伝達装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。

本発明の一の局面に係る駆動伝達装置は、第1回転体と第2回転体との組合せを含む第1構造体及び第2構造体の、前記第1回転体及び前記第2回転体に、駆動モーターが発生する駆動力を伝達する駆動伝達装置であって、前記駆動モーターの出力軸から直接的に駆動力を受ける駆動力受部と、前記駆動力受部からの駆動力を、前記第1構造体及び前記第2構造体の前記第1回転体の各々に伝達可能に構成される第1回転体駆動伝達系と、前記駆動力受部からの駆動力によって、前記駆動力受部からの駆動力の伝達状態を、前記第1構造体及び前記第2構造体の前記第2回転体の各々に駆動力を伝達する第1伝達状態と、前記第1構造体の前記第2回転体のみに駆動力を伝達する第2伝達状態とに切り替え可能に構成される第2回転体駆動伝達系と、を備える。

この駆動伝達装置によれば、駆動力受部は、駆動モーターの出力軸から直接的に駆動力を受ける。この駆動力受部が受けた駆動力は、第1回転体駆動伝達系によって第1構造体及び第2構造体の第1回転体の各々に伝達される。また、駆動力受部が受けた駆動力は、第2回転体駆動伝達系における、第1構造体及び第2構造体の第2回転体の各々に対する駆動力の伝達状態の切り替え動作に利用される。従って、1つの駆動モーターが発生する駆動力によって、第1構造体及び第2構造体の第1回転体の各々を駆動させることができるとともに、第1構造体及び第2構造体の第2回転体の各々に対する駆動力の伝達状態を切り替え可能な構成とすることができる。

上記の駆動伝達装置において、前記第2回転体駆動伝達系は、前記駆動力受部から駆動力が直接的に伝達され、その伝達された駆動力を前記第1構造体及び前記第2構造体の前記第2回転体の各々に伝達可能な駆動伝達中継部材と、前記駆動伝達中継部材の前記第2回転体への駆動力の伝達状態を、前記第1伝達状態と前記第2伝達状態とに機械的に切り替えるメカニカルクラッチと、を含むことが望ましい。

この駆動伝達装置によれば、メカニカルクラッチが、駆動力受部からの駆動力によって駆動伝達中継部材における駆動力の伝達状態の切り替え動作を実行する構成とすることができる。従って、高トルク伝達可能かつ小型軽量であるメカニカルクラッチの特徴により、高トルクが作用するにも拘わらず、小型化することができる。

この場合、前記メカニカルクラッチは、ソレノイドアクチュエータにより機械的な係止及びその解除が行われることによって、前記駆動伝達中継部材における駆動力の伝達状態の切り替え動作を実行することが望ましい。

この駆動伝達装置によれば、駆動力の伝達状態の切り替え動作を実行させるための信号を検出するセンサを用いなくても、メカニカルクラッチによる駆動伝達中継部材における駆動力の伝達状態の切り替え動作を、ソレノイドアクチュエータにより機械的な係止及びその解除が行われることによって実行することができる。

上記の駆動伝達装置において、前記駆動力受部は、前記駆動モーターの前記出力軸に直接歯合される第1ギア及び第2ギアを含み、前記第1回転体駆動伝達系は、前記第1ギアからの駆動力を前記第1回転体に伝達し、前記第2回転体駆動伝達系は、前記第2ギアからの駆動力によって前記第2ギアからの駆動力の伝達状態を、前記第1伝達状態と前記第2伝達状態とに切り替え可能に構成されることが望ましい。

この駆動伝達装置によれば、第1回転体駆動伝達系と第2回転体駆動伝達系とが、駆動モーターの出力軸に直接歯合される第1ギア及び第2ギアを介して分岐された構造となる。このような構造によれば、同じ分岐階層となる第1回転体駆動伝達系と第2回転体駆動伝達系とによって、駆動モーターの駆動力を、第1構造体及び第2構造体の第1回転体と第2回転体とに伝達することができる。従って、駆動モーターの回転速度制御による的確な第1回転体及び第2回転体の回転制御を行い易い構成とすることができる。

本発明の他の局面に係る画像形成装置は、第1回転体と第2回転体との組合せを含む第1構造体及び第2構造体を備えた、シートに画像を形成するための作像系と、前記作像系を駆動するための駆動力を発生する駆動モーターと、前記第1回転体及び前記第2回転体に、前記駆動モーターが発生する駆動力を伝達する、上記に記載の駆動伝達装置と、を備える。

この画像形成装置によれば、シートに画像を形成するときに、駆動モーターが発生する駆動力は、第1回転体駆動伝達系によって第1構造体及び第2構造体の第1回転体の各々に伝達されるとともに、第2回転体駆動伝達系における、第1構造体及び第2構造体の第2回転体の各々に対する駆動力の伝達状態の切り替え動作に利用される。従って、1つの駆動モーターが発生する駆動力によって、第1構造体及び第2構造体の第1回転体の各々が駆動されるとともに、第1構造体及び第2構造体の第2回転体の各々に対する駆動力の伝達状態を切り替え可能な構成とすることができる。

上記の画像形成装置において、前記第1回転体は、現像剤像を担持する周面を有する像担持体であり、前記第2回転体は、前記像担持体の周面に現像剤を供給する現像ローラーであることが望ましい。

この画像形成装置によれば、1つの駆動モーターが発生する駆動力によって、各像担持体が駆動されるとともに、各現像ローラーに対する駆動力の伝達状態を切り替え可能な構成とすることができる。

本発明によれば、1つの駆動モーターが発生する駆動力によって、回転体に対する駆動力の伝達状態を切り替え可能な駆動伝達装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することができる。

本発明の一実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。

斜視方向を変えた画像形成装置の斜視図である。

画像形成装置の内部構造を示す断面図である。

図3の断面図に駆動伝達系を模式的に書き足した図である。

図1に示す画像形成装置において、左側板を取り外した状態の斜視図である。

本発明の一実施形態に係る駆動伝達装置における、第1駆動伝達系の構成を示すブロック図である。

本発明の一実施形態に係る駆動伝達装置における、第2駆動伝達系の構成を示すブロック図である。

駆動伝達装置の第1駆動伝達系における、駆動伝達経路を形成するギア列を示す平面図である。

駆動伝達装置の第1駆動伝達系における、現像伝達系のギア列を上方から見た図である。

駆動伝達装置の第1駆動伝達系における現像伝達系の構成を示す平面図であり、(A)はカバーを取り付けた状態を示し、(B)はカバーを取り外した状態を示す。

駆動伝達装置の第1駆動伝達系における現像伝達系の構成を示す平面図であり、(A)は内方側から見た図を示し、(B)は外方側から見た図を示す。

駆動伝達装置の第1駆動伝達系における現像伝達系の構成を示す斜視図である。

駆動伝達装置の第1駆動伝達系における現像伝達系の構成を示す斜視図である。

現像伝達系において、カムレバーの近傍を拡大して示す斜視図であり、(A)はカムレバーとカムとの関係を示し、(B)及び(C)はカムレバーとリンク部材との関係を示す。

現像伝達系における回動レバー及び現像駆動伝達中継ギアの構成を示す分解斜視図である。

カラー画像形成時における、現像伝達系の駆動伝達状態を説明するための図であり、(A)は現像伝達系の平面図を示し、(B)は現像駆動伝達中継ギアの断面図を示す。

モノクロ画像形成時における、現像伝達系の駆動伝達状態を説明するための図であり、(A)は現像伝達系の平面図を示し、(B)は現像駆動伝達中継ギアの断面図を示す。

以下、本発明の一実施形態に係る駆動伝達装置及び画像形成装置について図面に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の斜視図である。画像形成装置1は、フルカラープリンターであるが、他の実施形態において、画像形成装置1は、フルカラーの複写機、ファクシミリ装置、これらの機能を備える複合機等であってもよい。

なお、以下の説明で用いられる「上」や「下」、「前」や「後」、「左」や「右」といった方向を表す用語は、単に、説明の明瞭化を目的とするものであり、画像形成装置1の原理を何ら限定するものではない。また、以下の説明において、「シート」との用語は、コピー用紙、コート紙、OHPシート、厚紙、葉書、トレーシングペーパーや画像形成処理を受ける他のシート材料或いは画像形成処理以外の任意の処理を受けるシート材料を意味する。

画像形成装置1は、シートに画像を形成するための各種の装置を収容する箱形の装置本体である本体ハウジング10を備える。本体ハウジング10の前後左右の側面は、それぞれ外装を兼ねる前側板101、左側板102、右側板103及び後側板104で覆われている。なお、本体ハウジング10の右後方コーナー部は、コーナー側板103Aにて覆われている。本体ハウジング10の上面は、天板105で覆われている。天板105の後方側には、排紙口17Hを備えた膨出部106が、前方側には排紙口17Hから排出されるシートを受け取る排紙トレイ107が、それぞれ備えられている。また、天板105の右端付近には、画像形成装置1に対する操作情報をユーザーから受け付ける操作部108が配置されている。本体ハウジング10の底部には、給紙カセット11が着脱自在に装着されている。

図3は、画像形成装置1の内部構成を示す断面図である。図3では、給紙カセット11の下方に給紙装置12が増設されている状態を示している。画像形成装置1は、給紙部としての給紙カセット11、給紙装置12及び手差しトレイ13と、トナー像(現像剤像)を形成する作像ユニット2(作像系)と、中間転写ユニット3と、定着ユニット4と、上記給紙部及び排紙トレイ107を含み、本体ハウジング10内においてシートを搬送するシート搬送系とを備えている。

給紙カセット11は、トナー像が転写されるシートSの束を収容する。給紙カセット11は、前記シートSの束を収容するシート収容部111と、前記シートSの束が載置されるリフト板112と、前記シートSの束の最上位のシートを主搬送路P1へ送り出す給紙ローラー113とを備えている。給紙装置12は、本体ハウジング10の底部に取り付けられるオプション給紙ユニットであり、同様にシート収容部121、リフト板122及び給紙ローラー123を備えている。給紙装置12は、給紙ローラー123によって繰り出されるシートが通過する連絡搬送路P4を備え、その下流端には送り出しローラー124が配置されている。手差しトレイ13は、手差しシートが載置されるトレイである。手差しトレイ13の付近には、手差しシートを取り込むニップローラー131、手差しシートを手差し搬送路PMに送り出す手差し給紙ローラー132が配置されている。手差し搬送路PMに沿って、複数の搬送ローラー133が配置されている。

作像ユニット2は、ブラック(Bk)、イエロー(Y)、シアン(C)及びマゼンタ(M)の各色のトナー像をそれぞれ作像する4つの画像形成ユニットを備えている。すなわち、作像ユニット2は、ブラック色のトナー像を作像するための第1画像形成ユニット2Bk(第1構造体)、及び、イエロー色のトナー像を作像するための第2画像形成ユニット2Y(第2構造体)と、更に、シアン色のトナー像を作像するための第3画像形成ユニット2C、及び、マゼンタ色のトナー像を作像するための第4画像形成ユニット2Mと、を備えている。

第1画像形成ユニット2Bk、第2画像形成ユニット2Y、第3画像形成ユニット2C及び第4画像形成ユニット2Mは、それぞれ、感光体ドラム21(像担持体)、帯電装置22、現像装置23、一次転写ローラー24、クリーニング装置25を備えている。つまり作像ユニット2は、感光体ドラム21と現像装置23との組合せを4色分含んでいる。さらに作像ユニット2は、4色の画像形成ユニットで共通に用いられる光走査装置26を備えている。

なお、以下の説明において、第1画像形成ユニット2Bk、第2画像形成ユニット2Y、第3画像形成ユニット2C及び第4画像形成ユニット2Mにそれぞれ備えられる感光体ドラム21及び現像装置23(現像ローラー231)を特に説明する場合には、第1画像形成ユニット2Bkに備えられる回転体としての感光体ドラム及び現像ローラーをそれぞれ「第1感光体ドラム21Bk(第1回転体)」、「第1現像ローラー231Bk(第2回転体)」と称し、第2画像形成ユニット2Yに備えられる回転体としての感光体ドラム及び現像ローラーをそれぞれ「第2感光体ドラム21Y(第1回転体)」、「第2現像ローラー231Y(第2回転体)」と称し、第3画像形成ユニット2Cに備えられる回転体としての感光体ドラム及び現像ローラーをそれぞれ「第3感光体ドラム21C(第1回転体)」、「第3現像ローラー231C(第2回転体)」と称し、第4画像形成ユニット2Mに備えられる回転体としての感光体ドラム及び現像ローラーをそれぞれ「第4感光体ドラム21M(第1回転体)」、「第4現像ローラー231M(第2回転体)」と称する。

感光体ドラム21は、円筒状の部材であり、その周面に静電潜像及びトナー像(現像剤像)を担持する。感光体ドラム21は、左右方向に延びるドラム回転軸を備え、このドラム回転軸の軸回りに回転駆動される。帯電装置22は、感光体ドラム21の周面を略一様に帯電させる。光走査装置26は、走査用のレーザー光を発する光源、偏向用のポリゴンミラー及び結像光学系を含む。光走査装置26は、略一様に帯電された感光体ドラム21の周面に対して画像データに応じたレーザー光を照射し、静電潜像を形成する。

現像装置23は、静電潜像を現像して顕在化させるものであり、静電潜像が形成された感光体ドラム21の周面にトナー(現像剤)を供給する現像ローラー231を含む。現像ローラー231は、左右方向に延びるローラー回転軸を備え、このローラー回転軸の軸回りに回転駆動される。現像装置23からのトナー供給によって、感光体ドラム21の周面にはトナー像が形成される。

一次転写ローラー24は、感光体ドラム21に対して上方から対向するよう配置され、後述する中間転写ベルト31を挟んで両者で転写ニップ部を形成している。一次転写ローラー24には、中間転写ベルト31に感光体ドラム21が担持する前記トナー像を転写させるための転写バイアスが与えられる。クリーニング装置25は、シートSへトナー像が転写された後に、感光体ドラム21の周面に残るトナーを除去する。

画像形成装置1は、さらに、現像装置23にトナーを補給するトナーコンテナ27を備えている。図3では、第2画像形成ユニット2Y用のトナーコンテナ27のみを図示し、他色用は図示を省いている。トナーコンテナ27は、各色のトナーを貯留するコンテナ本体27Hと、コンテナ本体27Hの内部に配置され貯留トナーを図略のトナー排出口に向けて搬送するコンテナフィーダ271とを備えている。コンテナフィーダ271は、左右方向に延びる回転軸と、その回転軸の周上に設けられたスパイラル片とを含み、前記回転軸回りに回転駆動される。

中間転写ユニット3は、作像ユニット2の上方に配置され、感光体ドラム21の周面に担持されたトナー像が一次転写される中間転写ベルト31と、中間転写ベルト31を周回駆動するベルト駆動ローラー32及びテンションローラー33とを含む。中間転写ベルト31は、無端ベルトであり、前記トナー像が一次転写される外周面を有する。中間転写ベルト31は、ベルト駆動ローラー32とテンションローラー33との間に張設され、ベルト駆動ローラー32が回転駆動されることによって周回走行する。ベルト駆動ローラー32に対して、中間転写ベルト31を介して二次転写ローラー15が圧接され、二次転写部が形成されている。

定着ユニット4は、熱源が内蔵された定着ローラー41と、定着ローラー41と共に定着ニップ部を形成する加圧ローラー42とを含む。定着ローラー41及び加圧ローラー42は、各々左右方向に延びる回転軸を備え、この回転軸の軸回りに回転駆動される。定着ユニット4は、前記二次転写部においてトナー像が転写されたシートを、前記定着ニップ部において加熱及び加圧しつつ搬送することで、トナーをシートに溶着させる定着処理を施す。

画像形成装置1は、シート搬送系として、上述の給紙カセット11、給紙装置12及び手差しトレイ13を含み、トナー像が二次転写されるシートを給紙する給紙部と、二次転写後のシートを受け取る上述の排紙トレイ107と、各種のシート搬送路と、これらのシート搬送路に配置されたシート搬送ローラーとを含む。

前記シート搬送路は、主搬送路P1、反転搬送路P2、連絡搬送路P3、P4及び既述の手差し搬送路PMを含む。主搬送路P1は、概ね上下方向に延び、中間転写ユニット3(二次転写部)及び定着ユニット4(定着ニップ部)を経由して、前記給紙部から排紙トレイ107へシートを導く搬送路である。反転搬送路P2は、シートに両面印刷が施される際に、主搬送路P1の下流端付近から上流端付近へシートを逆搬送させる搬送路である。本体ハウジング10側の連絡搬送路P3と給紙装置12側の連絡搬送路P4とは、給紙装置12が本体ハウジング10に装着された際に互いに連通する搬送路である。連絡搬送路P3の下流端及び手差し搬送路PMの下流端は、主搬送路P1の上流端付近に接続されている。

前記シート搬送ローラーとして、既述の給紙ローラー113、123、132、送り出しローラー124及び搬送ローラー133に加え、本実施形態では、主搬送路P1に配置されたレジストローラー14、二次転写ローラー15、定着出口の搬送ローラー16及び排紙ローラー17と、反転搬送路P2に配置された反転搬送ローラー181、182とを含む。

レジストローラー14は、主搬送路P1において前記二次転写部よりも上流側に配置されている。レジストローラー14は、シートを一時待機させた後に、所定のタイミングで前記二次転写部へシートを供給する。二次転写ローラー15は、中間転写ベルト31を介してベルト駆動ローラー32に対向配置され、前記二次転写部を形成している。二次転写部を通過するシートは、二次転写ローラー15と中間転写ベルト31とに接しながら、下流側へ搬送される。

搬送ローラー16は、定着ユニット4を通過したシートを排紙口17Hに向けて搬送するローラーである。排紙ローラー17は、二次転写及び定着処理が施されたシートを、主搬送路P1から排紙口17Hを通して排紙トレイ107に向けて排出するローラーである。反転搬送ローラー181、182は、反転搬送路P2においてシートを逆搬送するローラーである。なお、定着ローラー41及び加圧ローラー42のペアも、主搬送路P1におけるシート搬送の役目を果たす。

図4は、図3に示した画像形成装置1の断面図に駆動源及び駆動伝達系を模式的に書き足した図である。なお、図4では、トナーコンテナ27の記載を省いている。上述の通り、画像形成装置1は、作像ユニット2が含む感光体ドラム21及び現像ローラー231、中間転写ユニット3が備えるベルト駆動ローラー32、定着ユニット4の定着ローラー41及び加圧ローラー42、前記シート搬送系が含む搬送ローラー群など、回転駆動を要する多数の回転体を含んでいる。本実施形態の画像形成装置1は、これらの回転体を駆動する駆動源として、2つの駆動モーターのみ、すなわち第1駆動モーターM1及び第2駆動モーターM2のみを備えている。

第1駆動モーターM1が発生する第1駆動力は、第1駆動伝達系50によって所定の各部へ伝達される。また、第2駆動モーターM2が発生する第2駆動力は、第2駆動伝達系60によって所定の各部へ伝達される。第1駆動伝達系50及び第2駆動伝達系60は、それぞれ複数のギア部材や各種のクラッチ部材を含み、これらは各駆動モーターM1、M2と共に専用のボックスに一体的に組み付けられている。

図5は、第1駆動モーターM1及び第1駆動伝達系50を保持する第1駆動ボックス50Bの、本体ハウジング10への取り付け状況を示す図である。図5は、図1の斜視図から左側板102を取り外した状態の斜視図である。

第1駆動ボックス50Bは、本体ハウジング10の左側面の側に取り付けられている。一方、第2駆動モーターM2及び第2駆動伝達系60を保持する図略の第2駆動ボックスは、本体ハウジング10の右側面の側に取り付けられている。このように、第1駆動ボックス50Bと第2駆動ボックスとを、互いに対向する側面に各々配置することで、一方の振動の影響が他方に及びにくくすることができる。特に画像品質に影響を与える第1駆動伝達系50が、第2駆動モーターM2及び第2駆動伝達系60の振動の影響を受けにくくすることができる。

続いて、図4、図6及び図7を参照して、第1駆動伝達系50及び第2駆動伝達系60を含んで構成される駆動伝達装置について説明する。図6は、本実施形態に係る駆動伝達装置5における第1駆動伝達系50の構成を示すブロック図であり、図7は、駆動伝達装置5における第2駆動伝達系60の構成を示すブロック図である。図6及び図7において、「ONEWAY」はワンウェイクラッチ、「CL」は電磁クラッチを示す。「SOL」は、一部の駆動部品について駆動伝達系に連結又は切り離しの状態切り替えを行うためのソレノイドアクチュエータを示す。

第1駆動伝達系50は、感光体ドラム21及び現像装置23の現像ローラー231のみに、第1駆動モーターM1が発生する第1駆動力を伝達する。具体的には第1駆動伝達系50は、前記第1駆動力が第1駆動モーターM1から直接的に伝達される2つの伝達系、すなわち感光体ドラム21への駆動伝達系であるドラム伝達系51(第1回転体駆動伝達系)と、現像ローラー231への駆動伝達系である現像伝達系52(第2回転体駆動伝達系)とからなる。第1駆動伝達系50は、ワンウェイクラッチ5Bk、5Y、5C、5M、ソレノイドアクチュエータ52A、メカニカルクラッチ52B及び多数の伝達ギアを備えている。

ドラム伝達系51は、第1画像形成ユニット2Bkの第1感光体ドラム21Bkのドラム回転軸に組み付けられたワンウェイクラッチ5Bk、第2画像形成ユニット2Yの第2感光体ドラム21Yのドラム回転軸に組み付けられたワンウェイクラッチ5Y、第3画像形成ユニット2Cの第3感光体ドラム21Cのドラム回転軸に組み付けられたワンウェイクラッチ5C、及び第4画像形成ユニット2Mの第4感光体ドラム21Mのドラム回転軸に組み付けられたワンウェイクラッチ5Mを介して、それぞれ前記第1駆動力を伝達する。第1感光体ドラム21Bk、第2感光体ドラム21Y、第3感光体ドラム21C及び第4感光体ドラム21Mは、パラレルな被回転駆動体であり、第1駆動モーターM1の駆動時、つまり画像形成時には、形成すべき画像がモノクロ画像かカラー画像かに拘わらず、全て回転駆動される。ドラム伝達系51の詳細な構成については、後述する。

現像伝達系52は、第1画像形成ユニット2Bkの第1現像ローラー231Bk(第2回転体)のローラー回転軸、第2画像形成ユニット2Yの第2現像ローラー231Y(第2回転体)のローラー回転軸、第3画像形成ユニット2Cの第3現像ローラー231C(第2回転体)のローラー回転軸、及び第4画像形成ユニット2Mの第4現像ローラー231M(第2回転体)のローラー回転軸に、それぞれ前記第1駆動力を伝達する。

メカニカルクラッチ52Bは、ソレノイドアクチュエータ52Aにより機械的な係止及びその解除が行われることによって、第1駆動モーターM1からの前記第1駆動力の伝達状態を切り替え可能に構成されるクラッチである。形成すべき画像がカラー画像である場合、メカニカルクラッチ52Bは、第1駆動モーターM1からの前記第1駆動力の伝達状態を、4色分の全ての現像ローラーとなる第1現像ローラー231Bk、第2現像ローラー231Y、第3現像ローラー231C及び第4現像ローラー231Mに前記第1駆動力を伝達する第1伝達状態とする。一方、形成すべき画像がモノクロ画像である場合、メカニカルクラッチ52Bは、第1駆動モーターM1からの前記第1駆動力の伝達状態を、ブラックの現像ローラーである第1現像ローラー231Bkのみに前記第1駆動力を伝達する第2伝達状態とする。現像伝達系52の詳細な構成については、後述する。

第2駆動伝達系60は、本体ハウジング10内に備えられている、感光体ドラム21及び現像装置23以外の駆動を要する回転体に、第2駆動モーターM2が発生する第2駆動力を伝達する。具体的には第2駆動伝達系60は、中間転写ユニット3、定着ユニット4、トナーコンテナ27、及び給紙装置12を含むシート搬送系に前記第2駆動力を伝達する。第2駆動伝達系60は、電磁クラッチ611、612、613、614と、ソレノイドアクチュエータ621、622、63と、連結ギア641、642と、多数の伝達ギアとを備えている。

第2駆動伝達系60は、前記第2駆動力が第2駆動モーターM2の第2モーター出力軸から直接的に伝達される2つの伝達系、すなわち中間転写ユニット3のベルト駆動ローラー32への駆動伝達系であるベルト伝達系と、それ以外のユニットへの駆動伝達系である共用伝達系とを含む。この共用伝達系は、定着ローラー41、加圧ローラー42、排紙ローラー17、搬送ローラー16及び反転搬送ローラー181、182へ前記第2駆動力を伝達する第1分岐伝達系と、レジストローラー14、給紙ローラー113、手差し給紙系の各ローラー131、132、133、トナー及び廃トナーを搬送するコンテナフィーダ271及び廃トナーフィーダ272、及び給紙装置12へ前記第2駆動力を伝達する第2分岐伝達系とを含んでいる。

ベルト伝達系のベルト駆動ローラー32には、第2駆動モーターM2から直接的に前記第2駆動力が伝達される。ベルト駆動ローラー32は、中間転写ベルト31を周回駆動する。従って、第2駆動モーターM2の回転速度制御によって、中間転写ベルト31の周回速度制御を的確に行い易い構成とすることができる。また、感光体ドラム21は第1駆動モーターM1で駆動される一方、中間転写ベルト31は第2駆動モーターM2で駆動されるので、両者を別々に速度制御することができる。これらのことは、良好な画像の形成に寄与する。

前記第1分岐伝達系の定着ローラー41に向かう伝達系には特にクラッチ等が組み入れられておらず、第2駆動モーターM2の駆動時には常に定着ローラー41へ前記第2駆動力が伝達される。加圧ローラー42は定着ローラー41に対して押圧された状態では、定着ローラー41の回転に従動して回転する。一方、加圧ローラー42には、定着ローラー41から離間させるための電磁クラッチ611が設けられている。電磁クラッチ611は、加圧ローラー42を回転可能に保持する保持部材に当接するカム部材を動作させて、加圧ローラー42を定着ローラー41から離間させる。また、搬送ローラー16、排紙ローラー17及び反転搬送ローラー181、182に対しては、電磁クラッチ612を介して前記第2駆動力が伝達される。各ローラーは、電磁クラッチ611、612によって所定のシート搬送タイミングで共用伝達系に連結され、シート搬送のための駆動力が与えられる。

排紙ローラー17への駆動伝達系には、太陽歯車と遊星歯車を含む遊星歯車機構171が組み付けられている。ソレノイドアクチュエータ621は、遊星歯車機構171の出力側を、前記太陽歯車の回りに遊星歯車を回動させて切り替えることで、排紙ローラー17の回転方向の切り替えを行う。排紙ローラー17は、排紙トレイ107にシートを排紙させるときには正転駆動され、両面印刷のために反転搬送路P2にシートが送られる際には反転駆動される。

前記第2分岐伝達系のレジストローラー14に向かう伝達系には、電磁クラッチ613が組み入れられている。レジストローラー14は、シートのスキュー矯正並びに所定タイミングでの二次転写部へのシート送り込みのため、回転駆動と一旦停止とが繰り返されるが、この駆動制御は電磁クラッチ613に対する動作制御によって実現される。

給紙ローラー113へ向かう伝達系、及び手差し給紙系のニップローラー131、手差し給紙ローラー132及び3つの搬送ローラー133に向かう伝達系には、電磁クラッチ614が組み入れられている。これらローラー113、131、132、133は、電磁クラッチ614によって、給紙カセット11又は手差しトレイ13から給紙が行われる所定のタイミングで共用伝達系に連結され、シートの送り出しのための駆動力が与えられる。前記第2分岐伝達系には、給紙カセット11のリフト板112の昇降駆動機構も連結されている。この昇降駆動機構は、ソレノイドアクチュエータ622によって共用伝達系への連結及び切り離しが可能である。

各色のトナーコンテナ27のコンテナフィーダ271に向かう伝達系には、それぞれソレノイドアクチュエータ63が組み入れられている。各ソレノイドアクチュエータ63は、各色の現像装置23にトナー補給が必要となったタイミング等に、コンテナフィーダ271を共用伝達系に連結し、それ以外のタイミングではコンテナフィーダ271を共用伝達系から切り離す。廃トナーフィーダ272は、図略の廃トナー搬送路内に配置され、廃トナーを図略の廃トナーコンテナに向けて搬送するフィーダである。この廃トナーフィーダ272は、常時共用伝達系に連結される。

前記第2分岐伝達系の給紙装置12に向かう伝達系には、本体ハウジング10側の連結ギア641と、給紙装置12側の連結ギア642とが介在することになる。両連結ギア641、642は、本体ハウジング10に給紙装置12が装着されると噛み合う。これにより、給紙装置12が備えるリフト板122、給紙ローラー113に対して前記第2駆動力が伝達可能となる。

次に、駆動伝達装置5における、ドラム伝達系51と現像伝達系52とからなる第1駆動伝達系50の詳細な構成について、図8〜図16を参照して説明する。

図8は、駆動伝達装置5の第1駆動伝達系50における、駆動伝達経路を形成するギア列を示す平面図である。なお、図8で表されている面は、本体ハウジング10の内側を向く面である。

駆動伝達装置5の第1駆動伝達系50は、ドラム駆動力受部ギア53(第1ギア)及び現像駆動力受部ギア54(第2ギア)と、ドラム伝達系51と、現像伝達系52とを含んで構成される。

ドラム駆動力受部ギア53及び現像駆動力受部ギア54は、第1駆動モーターM1の第1モーター出力軸M1Sに直接歯合されている。ドラム駆動力受部ギア53及び現像駆動力受部ギア54は、第1モーター出力軸M1Sから直接的に前記第1駆動力を受ける駆動力受部を構成する。

ドラム伝達系51は、ドラム駆動力受部ギア53からの前記第1駆動力を、第1感光体ドラム21Bk、第2感光体ドラム21Y、第3感光体ドラム21C、及び第4感光体ドラム21Mの各々に伝達する。ドラム伝達系51は、第1ドラム駆動伝達ギア531、第2ドラム駆動伝達ギア532、第3ドラム駆動伝達ギア533及び第4ドラム駆動伝達ギア534と、第1ドラムギア511Bk、第2ドラムギア511Y、第3ドラムギア511C及び第4ドラムギア511Mと、を含む。

第1ドラム駆動伝達ギア531はドラム駆動力受部ギア53に歯合され、この第1ドラム駆動伝達ギア531に第2ドラム駆動伝達ギア532が歯合されている。第2ドラム駆動伝達ギア532には、第1感光体ドラム21Bkのドラム回転軸と同軸上に配置される第1ドラムギア511Bkが歯合されている。第1ドラム駆動伝達ギア531と第2ドラム駆動伝達ギア532と第1ドラムギア511Bkとによって、ドラム駆動力受部ギア53からの前記第1駆動力を、第1感光体ドラム21Bkに伝達するための駆動伝達経路(以下、「第1ドラム駆動伝達経路」という)が形成される。

第3ドラム駆動伝達ギア533はドラム駆動力受部ギア53に歯合され、この第3ドラム駆動伝達ギア533に第4ドラム駆動伝達ギア534が歯合されている。第4ドラム駆動伝達ギア534には、第2感光体ドラム21Yのドラム回転軸と同軸上に配置される第2ドラムギア511Yが歯合されている。第3ドラム駆動伝達ギア533と第4ドラム駆動伝達ギア534と第2ドラムギア511Yとによって、ドラム駆動力受部ギア53からの前記第1駆動力を、第2感光体ドラム21Yに伝達するための駆動伝達経路(以下、「第2ドラム駆動伝達経路」という)が形成される。

また、第4ドラム駆動伝達ギア534には、第3感光体ドラム21Cのドラム回転軸と同軸上に配置される第3ドラムギア511Cが歯合されている。第3ドラム駆動伝達ギア533と第4ドラム駆動伝達ギア534と第3ドラムギア511Cとによって、ドラム駆動力受部ギア53からの前記第1駆動力を、第3感光体ドラム21Cに伝達するための駆動伝達経路(以下、「第3ドラム駆動伝達経路」という)が形成される。

また、第2ドラム駆動伝達ギア532には、第4感光体ドラム21Mのドラム回転軸と同軸上に配置される第4ドラムギア511Mが歯合されている。第1ドラム駆動伝達ギア531と第2ドラム駆動伝達ギア532と第4ドラムギア511Mとによって、ドラム駆動力受部ギア53からの前記第1駆動力を、第4感光体ドラム21Mに伝達するための駆動伝達経路(以下、「第4ドラム駆動伝達経路」という)が形成される。

上記のように構成されるドラム伝達系51は、形成すべき画像がモノクロ画像かカラー画像かに拘わらず、ドラム駆動力受部ギア53からの前記第1駆動力を、前記第1ドラム駆動伝達経路、第2ドラム駆動伝達経路、第3ドラム駆動伝達経路及び第4ドラム駆動伝達経路を介して、第1感光体ドラム21Bk、第2感光体ドラム21Y、第3感光体ドラム21C、及び第4感光体ドラム21Mの各々に伝達する。

図9は、駆動伝達装置5の第1駆動伝達系50における、現像伝達系52のギア列を上方から見た図である。現像伝達系52は、現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力を、第1現像ローラー231Bk、第2現像ローラー231Y、第3現像ローラー231C、及び第4現像ローラー231Mの各々に伝達可能に構成される。更に、現像伝達系52は、現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力によって、現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力の伝達状態を、第1現像ローラー231Bk、第2現像ローラー231Y、第3現像ローラー231C、及び第4現像ローラー231Mの各々に前記第1駆動力を伝達する第1伝達状態と、第1現像ローラー231Bkのみに前記第1駆動力を伝達する第2伝達状態とに切り替え可能に構成される。現像伝達系52は、形成すべき画像がカラー画像である場合には前記第1駆動力の伝達状態を第1伝達状態とし、形成すべき画像がモノクロ画像である場合には前記第1駆動力の伝達状態を第2伝達状態とする。

現像伝達系52は、現像駆動伝達中継ギア55(駆動伝達中継部材)と、第1現像駆動伝達ギア541、第2現像駆動伝達ギア542、第3現像駆動伝達ギア543、第4現像駆動伝達ギア544、第5現像駆動伝達ギア545及び第6現像駆動伝達ギア546と、第1現像ギア521Bk、第2現像ギア521Y、第3現像ギア521C及び第4現像ギア521Mと、を含む。

現像駆動伝達中継ギア55は、図9に示すように、同軸上に配置された第1ギア部55aと第2ギア部55bとを含む。現像駆動伝達中継ギア55においては、第1ギア部55aが現像駆動力受部ギア54に直接歯合されている。更に、現像駆動伝達中継ギア55において第2ギア部55bは、現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力によって、第1ギア部55aに対して軸方向に連結及び離間可能である。現像駆動伝達中継ギア55は、第1ギア部55aを介して現像駆動力受部ギア54から前記第1駆動力が直接的に伝達され、その伝達された前記第1駆動力を、第1ギア部55a及び第2ギア部55bを介して第1現像駆動伝達ギア541、第2現像駆動伝達ギア542、第3現像駆動伝達ギア543、第4現像駆動伝達ギア544、第5現像駆動伝達ギア545、及び第6現像駆動伝達ギア546に伝達するための、現像伝達系52における駆動伝達の中継点としての機能を有する。

現像駆動伝達中継ギア55は、第1ギア部55aを介して現像駆動力受部ギア54から直接的に伝達された前記第1駆動力を、第1現像ローラー231Bk、第2現像ローラー231Y、第3現像ローラー231C、及び第4現像ローラー231Mの各々に伝達可能に構成される。現像駆動伝達中継ギア55は、第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して連結された状態で、各現像ローラー231Bk、231Y、231C、231Mの各々に前記第1駆動力を伝達する第1伝達状態とされる。また、現像駆動伝達中継ギア55は、第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して離間された状態で、第1現像ローラー231Bkのみに前記第1駆動力を伝達する第2伝達状態とされる。

第1現像駆動伝達ギア541は、図9に示すように、同軸上に配置された第1ギア部541aと第2ギア部541bとを含む。第1現像駆動伝達ギア541においては、第1ギア部541aが現像駆動伝達中継ギア55の第1ギア部55aに歯合され、第2ギア部541bが現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bに歯合されている。

第2現像駆動伝達ギア542は、図9に示すように、同軸上に配置された第1ギア部542aと第2ギア部542bとを含む。第2現像駆動伝達ギア542においては、第1ギア部542aが第1現像駆動伝達ギア541の第1ギア部541aに歯合されている。

第3現像駆動伝達ギア543は、第2現像駆動伝達ギア542の第2ギア部542bに歯合されている。この第3現像駆動伝達ギア543には、第1現像ローラー231Bkのローラー回転軸と同軸上に配置される第1現像ギア521Bkが歯合されている。第1現像駆動伝達ギア541の第1ギア部541aと、第2現像駆動伝達ギア542の第1ギア部542a及び第2ギア部542bと、第3現像駆動伝達ギア543と、第1現像ギア521Bkとによって、現像駆動力受部ギア54に直接歯合された現像駆動伝達中継ギア55の第1ギア部55aを介した現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力を、第1現像ローラー231Bkに伝達するための駆動伝達経路(以下、「第1現像駆動伝達経路」という)が形成される。

第4現像駆動伝達ギア544は、現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bに歯合されている。第4現像駆動伝達ギア544には第5現像駆動伝達ギア545が歯合され、この第5現像駆動伝達ギア545には第6現像駆動伝達ギア546が歯合されている。この第6現像駆動伝達ギア546には、第2現像ローラー231Yのローラー回転軸と同軸上に配置される第2現像ギア521Yが歯合されている。第4現像駆動伝達ギア544と、第5現像駆動伝達ギア545と、第6現像駆動伝達ギア546と、第2現像ギア521Yとによって、現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bを介した現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力を、第2現像ローラー231Yに伝達するための駆動伝達経路(以下、「第2現像駆動伝達経路」という)が形成される。なお、現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力によって、現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して連結された状態で、第2現像駆動伝達経路に前記第1駆動力が伝達され(第1伝達状態)、第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して離間された状態では、第2現像駆動伝達経路に前記第1駆動力は伝達されない(第2伝達状態)。

また、第4現像駆動伝達ギア544には、第3現像ローラー231Cのローラー回転軸と同軸上に配置される第3現像ギア521Cが歯合されている。第4現像駆動伝達ギア544と第3現像ギア521Cとによって、現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bを介した現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力を、第3現像ローラー231Cに伝達するための駆動伝達経路(以下、「第3現像駆動伝達経路」という)が形成される。なお、現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力によって、現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して連結された状態で、第3現像駆動伝達経路に前記第1駆動力が伝達され(第1伝達状態)、第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して離間された状態では、第3現像駆動伝達経路に前記第1駆動力は伝達されない(第2伝達状態)。

また、第1現像駆動伝達ギア541の第2ギア部541bには、第4現像ローラー231Mのローラー回転軸と同軸上に配置される第4現像ギア521Mが歯合されている。第1現像駆動伝達ギア541の第2ギア部541bと第4現像ギア521Mとによって、現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bを介した現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力を、第4現像ローラー231Mに伝達するための駆動伝達経路(以下、「第4現像駆動伝達経路」という)が形成される。なお、現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力によって、現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して連結された状態で、第4現像駆動伝達経路に前記第1駆動力が伝達され(第1伝達状態)、第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して離間された状態では、第4現像駆動伝達経路に前記第1駆動力は伝達されない(第2伝達状態)。

上記のように構成される現像伝達系52は、現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力の伝達状態を切り替え可能に構成される。形成すべき画像がカラー画像である場合、現像伝達系52は、前記第1現像駆動伝達経路、第2現像駆動伝達経路、第3現像駆動伝達経路及び第4現像駆動伝達経路を介して、第1現像ローラー231Bk、第2現像ローラー231Y、第3現像ローラー231C、及び第4現像ローラー231Mの各々に前記第1駆動力が伝達される第1伝達状態となる。形成すべき画像がモノクロ画像である場合、現像伝達系52は、前記第1現像駆動伝達経路を介して第1現像ローラー231Bkのみに前記第1駆動力が伝達される第2伝達状態となる。

具体的には、形成すべき画像がカラー画像である場合、現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して連結された状態とされることによって、現像伝達系52は、第1現像ローラー231Bk、第2現像ローラー231Y、第3現像ローラー231C、及び第4現像ローラー231Mの各々に前記第1駆動力が伝達される第1伝達状態となる。形成すべき画像がモノクロ画像である場合、現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して離間された状態とされることによって、現像伝達系52は、第1現像ローラー231Bkのみに前記第1駆動力が伝達される第2伝達状態となる。

上記の駆動伝達装置5によれば、ドラム駆動力受部ギア53及び現像駆動力受部ギア54は、第1駆動モーターM1の第1モーター出力軸M1Sから直接的に前記第1駆動力を受ける。ドラム駆動力受部ギア53が受けた前記第1駆動力は、ドラム伝達系51によって、前記第1ドラム駆動伝達経路、第2ドラム駆動伝達経路、第3ドラム駆動伝達経路及び第4ドラム駆動伝達経路を介して第1感光体ドラム21Bk、第2感光体ドラム21Y、第3感光体ドラム21C及び第4感光体ドラム21Mの各々に伝達される。また、現像駆動力受部ギア54が受けた前記第1駆動力は、現像伝達系52における第1現像ローラー231Bk、第2現像ローラー231Y、第3現像ローラー231C及び第4現像ローラー231Mの各々に対する前記第1駆動力の伝達状態の切り替え動作に利用される。従って、1つの第1駆動モーターM1が発生する前記第1駆動力によって、第1感光体ドラム21Bk、第2感光体ドラム21Y、第3感光体ドラム21C及び第4感光体ドラム21Mの各々を駆動させることができるとともに、第1現像ローラー231Bk、第2現像ローラー231Y、第3現像ローラー231C及び第4現像ローラー231Mの各々に対する前記第1駆動力の伝達状態を切り替え可能な構成とすることができる。

また、上記の駆動伝達装置5において、第1駆動モーターM1の第1モーター出力軸M1Sにはドラム駆動力受部ギア53及び現像駆動力受部ギア54が、直接歯合されている。そして、ドラム伝達系51は、ドラム駆動力受部ギア53からの前記第1駆動力を第1感光体ドラム21Bk、第2感光体ドラム21Y、第3感光体ドラム21C及び第4感光体ドラム21Mの各々に伝達する。また、現像伝達系52は、現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力によって駆動力の伝達状態を切り替え可能に構成されている。すなわち、ドラム伝達系51と現像伝達系52とが、第1駆動モーターM1の第1モーター出力軸M1Sに直接歯合されるドラム駆動力受部ギア53及び現像駆動力受部ギア54を介して分岐された構造となる。このような構造によれば、同じ分岐階層となるドラム伝達系51と現像伝達系52とによって、第1駆動モーターM1の前記第1駆動力を、各感光体ドラム21Bk、21Y、21C、21Mと各現像ローラー231Bk、231Y、231C、231Mとに伝達することができる。従って、第1駆動モーターM1の回転速度制御による的確な各感光体ドラム21Bk、21Y、21C、21M及び各現像ローラー231Bk、231Y、231C、231Mの回転制御を行い易い構成とすることができる。

次に、本実施形態に係る駆動伝達装置5の第1駆動伝達系50における現像伝達系52の、更なる詳細な構成について、図10〜図16を参照して説明する。図10は、駆動伝達装置5の第1駆動伝達系50における現像伝達系52の構成を示す平面図であり、図10(A)はカバーを取り付けた状態を示し、図10(B)はカバーを取り外した状態を示す。図11は、駆動伝達装置5の第1駆動伝達系50における現像伝達系52の構成を示す平面図であり、図11(A)は内方側から見た図を示し、図11(B)は外方側から見た図を示す。図12A及び図12Bは、駆動伝達装置5の第1駆動伝達系50における現像伝達系52の構成を示す斜視図である。

現像伝達系52は、前述した現像駆動伝達中継ギア55、第1現像駆動伝達ギア541、第2現像駆動伝達ギア542、第3現像駆動伝達ギア543、第4現像駆動伝達ギア544、第5現像駆動伝達ギア545、第6現像駆動伝達ギア546、第1現像ギア521Bk、第2現像ギア521Y、第3現像ギア521C、及び第4現像ギア521Mに加えて、ソレノイドアクチュエータ52A、メカニカルクラッチ52B、カム522、カムレバー523、リンク部材524、回動レバー525、第1駆動伝達経路切替ギア56、第2駆動伝達経路切替ギア57、第3駆動伝達経路切替ギア58、及び第4駆動伝達経路切替ギア59を含む。第1駆動伝達経路切替ギア56、第2駆動伝達経路切替ギア57、第3駆動伝達経路切替ギア58、及び第4駆動伝達経路切替ギア59は、この順で、上下方向の下側から上側に配置されたギア列である。

第1駆動伝達経路切替ギア56は、現像駆動伝達中継ギア55の第1ギア部55aに歯合されている。この第1駆動伝達経路切替ギア56には第2駆動伝達経路切替ギア57が歯合され、第2駆動伝達経路切替ギア57には第3駆動伝達経路切替ギア58が歯合され、第3駆動伝達経路切替ギア58には第4駆動伝達経路切替ギア59が歯合されている。

メカニカルクラッチ52Bは、第4駆動伝達経路切替ギア59と同軸上に配置される。メカニカルクラッチ52Bは、現像駆動伝達中継ギア55の第1現像ローラー231Bk、第2現像ローラー231Y、第3現像ローラー231C及び第4現像ローラー231Mへの前記第1駆動力の伝達状態を、前記第1伝達状態と前記第2伝達状態とに機械的に切り替えるためのクラッチである。本実施形態では、第1駆動伝達経路切替ギア56と、第2駆動伝達経路切替ギア57と、第3駆動伝達経路切替ギア58と、第4駆動伝達経路切替ギア59とによって、メカニカルクラッチ52Bにおける伝達状態切り替え動作を実行させるための駆動力として、現像駆動伝達中継ギア55の第1ギア部55aを介した現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力を、メカニカルクラッチ52Bに伝達するための駆動伝達経路(以下、「現像駆動伝達切替経路」という)が形成される。

メカニカルクラッチ52Bは、前記現像駆動伝達切替経路を介して伝達される現像駆動力受部ギア54からの前記第1駆動力によって、現像駆動伝達中継ギア55における前記第1駆動力の伝達状態の切り替え動作を実行する構成となる。このような構成とすることによって、高トルク伝達可能かつ小型軽量であるメカニカルクラッチ52Bの特徴により、高トルクが作用するにも拘わらず、小型化することができる。

ソレノイドアクチュエータ52Aは、第4駆動伝達経路切替ギア59と同軸上に配置されたメカニカルクラッチ52Bの上方に配置される。ソレノイドアクチュエータ52Aは、電気的エネルギーを機械的エネルギーに変換する変換器であり、固定鉄芯をコイル(ソレノイド)で励磁させ、その磁界中を可動鉄芯となる爪部52Aaが動作する機能を有する。固定鉄芯をコイルで励磁させると、可動鉄芯となる爪部52Aaは上方に退避して、ソレノイドアクチュエータ52Aのメカニカルクラッチ52Bとの機械的な係止が解除される。固定鉄芯をコイルで励磁するのをやめると、可動鉄芯となる爪部52Aaはバネまたは自重によって下方に移動し、ソレノイドアクチュエータ52Aのメカニカルクラッチ52Bと機械的に係止する。

具体的には、メカニカルクラッチ52Bの外周面に沿って、ソレノイドアクチュエータ52Aの爪部52Aaとそれぞれに係合する、円周方向に段差形状を有する第1係合部52Baと第2係合部52Bbが形成されている。固定鉄芯が非励磁状態では、爪部52Aaが第1係合部52Baと第2係合部52Bbに係合し、メカニカルクラッチ52Bの駆動伝達方向の回転が規制される。一方、第4駆動伝達経路切替ギア59の外周上には、ギアが形成されていない領域である第1歯欠け部59aと第2歯欠け部59bが形成されている。爪部52Aaが第1係合部52Baに係合した状態では、第1歯欠け部59aが第3駆動伝達経路切替ギア58との噛み合い位置で対向するように配置されており、第3駆動伝達経路切替ギア58が駆動回転されても第4駆動伝達経路切替ギア59に駆動伝達されず、第4駆動伝達経路切替ギア59は回転が停止した状態になる。また、爪部52Aaが第2係合部52Bbに係合した状態では、第2歯欠け部59bが第3駆動伝達経路切替ギア58との噛み合い位置で対向するように配置されており、第3駆動伝達経路切替ギア58が駆動回転されても第4駆動伝達経路切替ギア59に駆動伝達されず、第4駆動伝達経路切替ギア59は回転が停止した状態になる。なお、爪部52Aaと第1係合部52Baまたは第2係合部52Bbに係合して第4駆動伝達経路切替ギア59が停止した状態では、後で詳しく説明するカムレバー523からカム522に作用する力により、第4駆動伝達経路切替ギア59には駆動伝達方向に回転させる付勢力が作用している。

ここで、固定鉄芯をコイルで僅かの時間励磁すると、その間は爪部52Aaと第1係合部52Baまたは第2係合部52Bbの係合が解除され、第4駆動伝達経路切替ギア59が回転可能な状態になる。そのとき、第4駆動伝達経路切替ギア59はカムレバー523からカム522に作用する力により駆動伝達方向に回転されて、第1歯欠け部59aまたは第2歯欠け部59bが移動して、第4駆動伝達経路切替ギア59のギア部が第3駆動伝達経路切替ギア58と噛み合って駆動が伝達されて更に回転する。しかし、固定鉄芯をコイルで励磁する時間は、次の係合部が爪部52Aaを通過するまで第4駆動伝達経路切替ギア59が回転するよりも短い時間である。固定鉄芯の励磁が解除されると、爪部52Aaは下方に移動してメカニカルクラッチ52Bの外周面に当接して摺動して、次の係合部と係合する。よって、固定鉄芯を所定の時間励磁する毎に、爪部52Aaは第1係合部52Baと第2係合部52Bbに交互に係合して停止する。後ほど説明するように、爪部52Aaが第1係合部52Baに係合した状態が前記第1伝達状態であり、爪部52Aaが第2係合部52Bbに係合した状態が前記第2伝達状態である。

なお、画像形成装置1に電源が投入されると、各種パラメーターが初期化され、定着ユニット4の温度設定等の初期設定が実行される。初期設定の進行に応じて所定のタイミングで、第1駆動モーターM1と第2駆動モーターM2が回転駆動される。初期設定中に第1駆動モーターM1と第2駆動モーターM2が回転駆動される間に、固定鉄芯をコイルが一度励磁する。この時に固定鉄芯をコイルで励磁する時間は、第4駆動伝達経路切替ギア59が第1係合部52Baから第2係合部52Bbまで回転する時間よりも長く、第2係合部52Bbから第1係合部52Baまで回転する時間よりも短い時間に設定される。したがって、画像形成装置1に電源を投入する前に、爪部52Aaが第1係合部52Baと第2係合部52Bbのどちらに係合していても、初期設定において爪部52Aaが第1係合部52Baに係合した状態(第1伝達状態)になる。

メカニカルクラッチ52Bは、ソレノイドアクチュエータ52Aの爪部52Aaにより機械的な係止及びその解除が行われることによって、現像駆動伝達中継ギア55における前記第1駆動力の伝達状態の切り替え動作を実行する。このような構成とすることによって、前記第1駆動力の伝達状態の切り替え動作を実行させるための信号を検出するセンサを用いなくても、メカニカルクラッチ52Bによる現像駆動伝達中継ギア55における前記第1駆動力の伝達状態の切り替え動作を、ソレノイドアクチュエータ52Aにより機械的な係止及びその解除が行われることによって実行することができる。

また、本実施形態では、第4駆動伝達経路切替ギア59と同軸上に、第4駆動伝達経路切替ギア59を介してメカニカルクラッチ52Bと対向するように、カム522が配置されている。カム522は、その外周面が、回転軸からの距離が一定でない曲面とされる。カム522の外周面には、メカニカルクラッチ52Bによる現像駆動伝達中継ギア55における前記第1駆動力の伝達状態が前記第1伝達状態であるときに後述のカムレバー523のカム当接部523bが当接する第1外周部分522aと、前記第1駆動力の伝達状態が前記第2伝達状態であるときにカム当接部523bが当接する第2外周部分522bとが形成されている。

カムレバー523は、略前後方向に延びた長尺板状に形成され、第4駆動伝達経路切替ギア59と同軸上に配置されたカム522の上方に配置される。また、リンク部材524は、第1駆動伝達経路切替ギア56、第2駆動伝達経路切替ギア57、第3駆動伝達経路切替ギア58、及び第4駆動伝達経路切替ギア59のギア列に沿って、上下方向に延びた長尺棒状に形成される。図13は、現像伝達系52において、カムレバー523の近傍を拡大して示す斜視図であり、図13(A)はカムレバー523とカム522との関係を示し、図13(B)及び図13(C)はカムレバー523とリンク部材524との関係を示す。

カムレバー523は、長手方向一端部に設けられた支点部523aと、長手方向中間部にカム522に向かって下方側に突出するカム当接部523bと支持部523cを有する。また、リンク部材524は、長手方向の上方側の一端部に厚み方向に貫通して設けられた軸支部524aと、長手方向の下方側の一端部に突出して設けられた支点部524bとを有する。カムレバー523は、支点部523aがリンク部材524の軸支部524aに挿通された状態で、リンク部材524と連結されている。また、リンク部材524は図示しないバネ部材により下方に付勢されている。支持部523cは、カムレバー523を回動可能に支持している。

カムレバー523は、メカニカルクラッチ52Bによる現像駆動伝達中継ギア55における前記第1駆動力の伝達状態が前記第1伝達状態であるときに、すなわち爪部52Aaが第1係合部52Baに係合した状態で、カム当接部523bがカム522の外周面における前記第1外周部分522aに当接する。そして、カムレバー523は、支持部523cを中心に、支点部523aがカム当接部523bよりも上下方向の上方側となるように、回動する。このようなカムレバー523の回動動作に応じて、軸支部524aにおいてカムレバー523の支点部523aに連結されたリンク部材524が、上下方向の上方側に直線移動する。

また、カムレバー523は、メカニカルクラッチ52Bによる現像駆動伝達中継ギア55における前記第1駆動力の伝達状態が前記第2伝達状態であるときに、すなわち爪部52Aaが第2係合部52Bbに係合した状態で、カム当接部523bがカム522の外周面における前記第2外周部分522bに当接する。そして、カムレバー523は、支持部523cを中心に、支点部523aがカム当接部523bよりも上下方向の下方側となるように、回動する。このようなカムレバー523の回動動作に応じて、軸支部524aにおいてカムレバー523の支点部523aに連結されたリンク部材524が、バネ部材の付勢力により上下方向の下方側に直線移動する。

リンク部材524の支点部524bには、回動レバー525が連結されている。図14は、現像伝達系52における回動レバー525及び現像駆動伝達中継ギア55の構成を示す分解斜視図である。

回動レバー525は、略前後方向に延びた長尺板状に形成され、長手方向一端部に厚み方向に貫通して設けられた長穴状の軸支部525aと、長手方向中間部及び長手方向他端部に厚み方向に貫通して設けられた一対の挿通孔525bとを有する。回動レバー525は、軸支部525aにリンク部材524の支点部524bが挿通された状態で、リンク部材524と連結されている。

回動レバー525は、軸支部525aに挿通されたリンク部材524の支点部524bを中心に、リンク部材524の上下方向の直線移動動作に応じて回動する。回動レバー525は、メカニカルクラッチ52Bによる現像駆動伝達中継ギア55における前記第1駆動力の伝達状態が前記第1伝達状態であるときの、リンク部材524の上下方向の上方側への直線移動に応じて、長手方向他端部に設けられた挿通孔525bが軸支部525aよりも上下方向の下方側となるように、回動する。また、回動レバー525は、メカニカルクラッチ52Bによる現像駆動伝達中継ギア55における前記第1駆動力の伝達状態が前記第2伝達状態であるときの、リンク部材524の上下方向の下方側への直線移動に応じて、長手方向他端部に設けられた挿通孔525bが軸支部525aよりも上下方向の上方側となるように、回動する。

回動レバー525の一対の挿通孔525bには、現像駆動伝達中継ギア55が連結されている。本実施形態の現像駆動伝達中継ギア55の構成について、図14、図15及び図16を参照して説明する。図15は、カラー画像形成時における、現像伝達系52の駆動伝達状態を説明するための図であり、図15(A)は現像伝達系52の平面図を示し、図15(B)は現像駆動伝達中継ギア55の断面図を示す。図16は、モノクロ画像形成時における、現像伝達系52の駆動伝達状態を説明するための図であり、図16(A)は現像伝達系52の平面図を示し、図16(B)は現像駆動伝達中継ギア55の断面図を示す。

本実施形態では、現像駆動伝達中継ギア55は、図14に示すように、前述した第1ギア部55a及び第2ギア部55bに加えて、押圧作用部55c及び連結状態切替部55dが、回転軸Lの同軸上に配置されて成る。また、第1ギア部55aと第2ギア部55bの間にはコイルバネ55eが設けられている。コイルバネ55eにより、第1ギア部55aと第2ギア部55bは回転軸L方向に互いに離間する方向に付勢されている。なお、コイルバネ55eの付勢力は、リンク部材524の付勢力よりも弱く設定されている。

前述したように、現像駆動伝達中継ギア55においては、第1ギア部55aが現像駆動力受部ギア54に直接歯合されている。更に、現像駆動伝達中継ギア55において第2ギア部55bは、第1ギア部55aに対して回転軸Lの軸方向に連結及び離間可能である。本実施形態において現像駆動伝達中継ギア55は、連結状態切替部55dの一対の突起部55daが回動レバー525の挿通孔525bにそれぞれ挿通された状態で、回動レバー525に連結されている。

現像駆動伝達中継ギア55においては、押圧作用部55cが、回転軸Lの軸方向に移動可能に連結状態切替部55dに係合されている。押圧作用部55cは、回動レバー525の回動動作による連結状態切替部55dの回動動作に応じて、回転軸Lの軸方向に移動する。

具体的には、形成すべき画像がカラー画像である場合、図15に示すように、押圧作用部55cは、回動レバー525における長手方向他端部に設けられた挿通孔525bが軸支部525aよりも上下方向の下方側となるような回動動作に応じて、第1ギア部55aに近づく方向に移動する。この押圧作用部55cの第1ギア部55aに近づく方向への移動によって、第2ギア部55bが軸方向に押圧力を受けて第1ギア部55aに近づく方向に移動して、第2ギア部55bが第1ギア部55aと連結される。このように、現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して連結された状態とされることによって、現像伝達系52は、第1現像ローラー231Bk、第2現像ローラー231Y、第3現像ローラー231C、及び第4現像ローラー231Mの各々に前記第1駆動力を伝達するための第1伝達状態となる。

また、形成すべき画像がモノクロ画像である場合、図16に示すように、現像駆動伝達中継ギア55において押圧作用部55cは、回動レバー525における長手方向他端部に設けられた挿通孔525bが軸支部525aよりも上下方向の上方側となるような回動動作に応じて、第1ギア部55aから遠ざかる方向に移動する。この押圧作用部55cの第1ギア部55aから遠ざかる方向への移動によって、第2ギア部55bがコイルバネ55eの付勢力により第1ギア部55aから遠ざかる方向に移動して、第2ギア部55bが第1ギア部55aから離間される。このように、現像駆動伝達中継ギア55の第2ギア部55bが第1ギア部55aに対して離間された状態とされることによって、現像伝達系52は、第1現像ローラー231Bkのみに前記第1駆動力を伝達するための第2伝達状態となる。

上記の駆動伝達装置5によれば、ソレノイドアクチュエータ52Aにより機械的な係止及びその解除が行われるメカニカルクラッチ52Bが、現像駆動力受部ギア54が受けた前記第1駆動力によって、現像駆動伝達中継ギア55における前記第1駆動力の伝達状態を、前記第1伝達状態と前記第2伝達状態とに切り替え可能な構成とすることができる。従って、1つの第1駆動モーターM1が発生する前記第1駆動力によって、第1感光体ドラム21Bk、第2感光体ドラム21Y、第3感光体ドラム21C及び第4感光体ドラム21Mの各々を駆動させることができるとともに、第1現像ローラー231Bk、第2現像ローラー231Y、第3現像ローラー231C及び第4現像ローラー231Mの各々に対する前記第1駆動力の伝達状態を切り替え可能な構成とすることができる。

以上、本発明の実施形態に係る駆動伝達装置5及びこれを備えた画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。

(1)上記の実施形態では、4色分の画像形成ユニット2Bk、2Y、2C、2Mを備えた駆動伝達装置5の構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。駆動伝達装置5は、少なくとも2つの画像形成ユニットを備えた構成であれば良い。

(2)上記の実施形態では、感光体ドラム及び現像ローラーを回転体として適用した構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。感光体ドラム及び現像ローラー以外の他の回転体が適用されても良い。例えば、現像ローラーではなく、現像装置23の内部に配置された不図示のスクリュー部材に駆動力を伝達する態様であっても良い。

1 画像形成装置 2 作像ユニット(作像系) 2Bk 第1画像形成ユニット(第1構造体) 2Y 第2画像形成ユニット(第2構造体) 2C 第3画像形成ユニット 2M 第4画像形成ユニット 21Bk 第1感光体ドラム(第1回転体、像担持体) 21Y 第2感光体ドラム(第1回転体、像担持体) 21C 第3感光体ドラム(第1回転体、像担持体) 21M 第4感光体ドラム(第1回転体、像担持体) 22 帯電装置 23 現像装置 231Bk 第1現像ローラー(第2回転体) 231Y 第2現像ローラー(第2回転体) 231C 第3現像ローラー(第2回転体) 231M 第4現像ローラー(第2回転体) 5 駆動伝達装置 51 ドラム伝達系(第1回転体駆動伝達系) 52 現像伝達系(第2回転体駆動伝達系) 52A ソレノイドアクチュエータ 52B メカニカルクラッチ 53 ドラム駆動力受部ギア(第1ギア) 54 現像駆動力受部ギア(第2ギア) 55 現像駆動伝達中継ギア(駆動伝達中継部材)

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