車載用電源装置およびそれを搭載した車両

申请号 JP2016539822 申请日 2015-07-21 公开(公告)号 JPWO2016021126A1 公开(公告)日 2017-05-25
申请人 パナソニックIpマネジメント株式会社; 发明人 安孝 谷川; 安孝 谷川; 辰一 山之内; 辰一 山之内;
摘要 車載用電源装置は、入 力 端子 から供給された電圧を昇圧する昇圧動作を行う昇圧コンバータ部と、入力端子と出力端子との間で昇圧コンバータ部と並列に接続された通電補助ダイオードと、入力端子と出力端子との間で昇圧コンバータ部と通電補助ダイオードと並列に接続されたスイッチ素子とを備える。制御部は、スイッチ素子が開放されるようにスイッチ素子に指示し、入力端子の電圧を昇圧期間において昇圧する昇圧動作を行うように昇圧コンバータ部に指示する。制御部は、昇圧期間が経過した後に昇圧動作を停止するように昇圧コンバータ部に指示する。その後、制御部は、スイッチ素子が閉じるようにスイッチ素子に指示する。その後、制御部は、出力端子で検出した電圧によってスイッチ素子の状態を判定する。この車載用電源装置は、スイッチ素子が正常に動作しているかどうかを安定に高確度で判定することができる。
权利要求
  • 入力端子と、
    負荷が接続されるように構成された出力端子と、
    前記入力端子と前記出力端子との間に接続されて、前記入力端子から供給された電圧を昇圧する昇圧動作を行い、前記昇圧された電圧を前記出力端子から出力するよう構成された昇圧コンバータ部と、
    前記入力端子と前記出力端子との間で前記昇圧コンバータ部と並列に接続された通電補助ダイオードと、
    前記入力端子と前記出力端子との間で前記昇圧コンバータ部と通電補助ダイオードと並列に接続されたスイッチ素子と、
    を有する電源回路部と、
    前記出力端子の電圧を検出するとともに前記昇圧コンバータ部と前記スイッチ素子を制御する制御部と、
    前記制御部に接続された始動信号受信部とを備え、
    前記制御部は、前記始動信号受信部で始動信号を受信したことに応じて、
    前記スイッチ素子が開放されるように前記スイッチ素子に指示し、前記入力端子の電圧を昇圧期間において昇圧する昇圧動作を行うように前記昇圧コンバータ部に指示する第1判定動作を行い、
    前記昇圧期間が経過した第1の時点に前記昇圧動作を停止するように前記昇圧コンバータ部に指示し、前記第1の時点から所定期間が経過した第2の時点に前記スイッチ素子が閉じるように前記スイッチ素子に指示する第2判定動作を行い、
    前記第2判定動作が終了した後に、前記出力端子で検出した電圧によって前記スイッチ素子の状態を判定する第3判定動作を行う、
    ように構成されている、車載用電源装置。
  • 前記電源回路部は非動作のスリープ状態を有し、
    前記制御部は、前記電源回路部が前記スリープ状態であるときに前記始動信号を受信したことに応じて前記第1判定動作を行う、請求項1に記載の車載用電源装置。
  • 前記制御部は、
    前記第3判定動作において前記出力端子で検出した前記電圧が所定の判定値以上であると判定したとき、前記スイッチ素子が異常であると判定し、
    前記第3判定動作において前記出力端子で検出した前記電圧が前記所定の判定値より低いと判定したとき、前記スイッチ素子が正常であると判定する、
    ように構成されている、請求項1に記載の車載用電源装置。
  • 前記制御部は、
    前記第1判定動作において前記入力端子の前記電圧を所定の電圧へ前記昇圧期間において昇圧するように前記昇圧コンバータ部に指示し、
    前記昇圧期間において前記出力端子で検出された電圧が前記所定の電圧よりも低いと判定した場合に前記昇圧コンバータ部が異常であると判定し、
    前記昇圧期間において前記出力端子で検出された電圧が前記所定の電圧以上であると判定した場合に前記昇圧コンバータ部が正常であると判定する、
    ように構成されている、請求項1に記載の車載用電源装置。
  • 前記制御部は、
    前記第3判定動作において、前記出力端子で検出した前記電圧が所定の判定値以上であると判定した場合に前記スイッチ素子が異常であると判定し、
    前記第3判定動作において、前記出力端子で検出した前記電圧が前記所定の判定値より低いと判定した場合に前記スイッチ素子が正常であると判定する、
    ように構成されている、請求項4に記載の車載用電源装置。
  • 車体と、
    前記車体に設けられた蓄電池と、
    前記車体に設けられた操作スイッチと、
    前記車体に設けられた警告装置と、
    前記車体に設けられた負荷と、
    前記蓄電池に接続された入力端子と、
    前記負荷が接続された出力端子と、
    前記入力端子と前記出力端子との間に接続されて、前記入力端子から供給された電圧を昇圧する昇圧動作を行い、前記昇圧された電圧を前記出力端子から出力するよう構成された昇圧コンバータ部と、
    前記入力端子と前記出力端子との間で前記昇圧コンバータ部と並列に接続された通電補助ダイオードと、
    前記入力端子と前記出力端子との間で前記昇圧コンバータ部と通電補助ダイオードと並列に接続されたスイッチ素子と、
    を有する電源回路部と、
    前記出力端子の電圧を検出するとともに前記昇圧コンバータ部と前記スイッチ素子を制御する制御部と、
    を含む車載用電源装置と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記操作スイッチが切り替えられたことに応じて、前記スイッチ素子が開放されるように前記スイッチ素子に指示し、前記入力端子の電圧を昇圧期間において昇圧する昇圧動作を行うように前記昇圧コンバータ部に指示する第1判定動作を行い、
    前記昇圧期間が経過した後に前記昇圧動作を停止するように前記昇圧コンバータ部に第1の時点に指示し、前記第1の時点から第1の所定期間が経過した第2の時点に前記スイッチ素子が閉じるように前記スイッチ素子に指示する第2判定動作を行い、
    前記第2判定動作が終了した後に、前記出力端子で検出し電圧によって前記スイッチ素子の状態を判定する第3判定動作を行い、
    前記第3判定動作で前記スイッチ素子が異常であると判定した場合に前記警告装置に警告信号を発信する、
    ように構成されている、車両。
  • 前記操作スイッチはエンジンスイッチであり、
    前記制御部は、前記エンジンスイッチがONからOFFへと切り替えられたことを検知したことに応じて前記第1判定動作を行う、請求項6に記載の車両。
  • 前記操作スイッチはアクセサリースイッチであり、
    前記制御部は、前記アクセサリースイッチがONからOFFへと切り替えられたことを検知したことに応じて前記第1判定動作を行う、請求項6に記載の車両。
  • 前記操作スイッチは前記車両を起動させる車両起動スイッチであり、
    前記制御部は、前記第3判定動作で前記スイッチ素子が異常であると判定した場合に、
    前記第3判定動作での判定結果を記憶し、
    前記判定結果を記憶した後で前記車両が始動するために前記操作スイッチが切り替えられたときに前記警告装置に前記警告信号を発信する、
    ように構成されている、請求項6に記載の車両。
  • 前記車体に設けられたドアと、
    前記ドアに設けられたドアロック装置と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記操作スイッチがOFFである状態において前記ドアロック装置が前記ドアのロック解除へ切り替えられたことを検知したことに応じて前記第1判定動作を行う、請求項6に記載の車両。
  • 前記操作スイッチは前記車両を起動させる車両起動スイッチであり、
    前記制御部は、前記第3判定動作で前記スイッチ素子が異常であると判定した場合に、
    前記第3判定動作での判定結果を記憶し、
    前記判定結果を記憶した後で前記車両が始動するために前記操作スイッチが切り替えられたときに前記警告装置に前記警告信号を発信する、
    ように構成されている、請求項10に記載の車両。
  • 入力端子と、
    負荷が接続されるように構成された出力端子と、
    前記入力端子と前記出力端子との間に接続されて、前記入力端子から供給された電圧を昇圧する昇圧動作を行い、前記昇圧された電圧を前記出力端子から出力するよう構成された昇圧コンバータ部と、
    前記入力端子と前記出力端子との間で前記昇圧コンバータ部と並列に接続された通電補助ダイオードと、
    前記入力端子と前記出力端子との間で前記昇圧コンバータ部と前記通電補助ダイオードと並列に接続されたスイッチ素子と、
    を有する電源回路部と、
    前記出力端子の電圧を検出するとともに前記昇圧コンバータ部と前記スイッチ素子を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記負荷の電力消費の状態を判定する第1判定モードを行い、
    前記第1判定モードにおける判定結果に応じて前記スイッチ素子の状態を判定する第2判定モードを行う、
    ように構成されている、車載用電源装置。
  • 前記制御部は前記第1判定モードにおいて、
    前記スイッチ素子が開放されるように前記スイッチ素子に指示し、前記入力端子の入力電圧を前記入力電圧よりも高い所定の電圧に第1昇圧期間において昇圧する第1昇圧動作を行うように前記昇圧コンバータ部に指示する第1判定動作を行い、
    前記第1昇圧期間が経過した第1の時点に前記第1昇圧動作を停止するように前記昇圧コンバータ部に指示し、前記第1の時点から第1の所定期間が経過した第2の時点に前記出力端子で検出した電圧によって前記負荷の前記電力消費の前記状態を判定する第2判定動作を行う、
    ように構成されており、
    前記制御部は前記第2判定モードにおいて、
    前記スイッチ素子が継続して開放するように前記スイッチ素子に指示して、前記入力電圧を前記所定の電圧に第2昇圧期間において昇圧する第2昇圧動作を行うように前記昇圧コンバータ部に指示する第3判定動作を行い、
    前記第2昇圧期間が経過した第3の時点に前記第2昇圧動作を停止するように前記昇圧コンバータ部に指示し、前記第3の時点から第2の所定期間が経過した第4の時点に前記スイッチ素子が閉じられるように前記スイッチ素子に指示する第4判定動作を行い、
    前記第4の時点の後に、前記出力端子で検出した電圧によって前記スイッチ素子の状態を判定する第5判定動作を行う、
    ように構成されている、請求項12に記載の車載用電源装置。
  • 前記制御部は、
    前記第2判定動作において前記出力端子で検出した前記電圧が所定の判定値よりも低いと判定した場合には前記第2判定モードを行わず、
    前記第2判定動作において前記出力端子で検出した前記電圧が前記所定の判定値以上と判定した場合には前記第2判定モードを行う、
    ように構成されている。 請求項13に記載の車載用電源装置。
  • 前記制御部は、
    前記第5判定動作において前記出力端子で検出した前記電圧が所定の判定値以上であると判定した場合に、前記スイッチ素子が異常であると判定し、
    前記第5判定動作において前記出力端子で検出した前記電圧が前記所定の判定値より低いと判定した場合に、前記スイッチ素子が正常であると判定する、
    ように構成されている、請求項13に記載の車載用電源装置。
  • 前記制御部は、前記第1昇圧期間もしくは前記第2昇圧期間において前記出力端子で検出した電圧によって前記昇圧コンバータ部の状態を判定する昇圧判定動作を行うように構成されている、請求項13に記載の車載用電源装置。
  • 前記制御部は、
    複数の判定期間のそれぞれにおいて前記第1判定モードと前記第2モードとを行い、
    前記複数の判定期間において所定の頻度以上で前記第2判定モードにおいて前記スイッチ素子が異常であると判定した場合に、前記スイッチ素子が異常であると最終的に判定する、ように構成されている、請求項12に記載の車載用電源装置。
  • 前記複数の判定期間の間には休止期間が設けられており、
    前記休止期間では、前記制御部は前記複数の判定期間より低い電力で動作する、請求項17に記載の車載用電源装置。
  • 前記制御部は、始動信号を受信したことに応じて前記第1判定モードを行う、請求項12に記載の車載用電源装置。
  • 前記電源回路部は非動作のスリープ状態を有し、
    前記制御部は、前記電源回路部が前記スリープ状態であるときに始動信号を受信したことに応じて前記第1判定モードを行う、請求項12に記載の車載用電源装置。
  • 車体と、
    前記車体に設けられた蓄電池と、
    前記車体に設けられた操作スイッチと、
    前記車体に設けられた警告装置と、
    前記車体に設けられた負荷と、
    前記蓄電池に接続された入力端子と、
    前記負荷に接続された出力端子と、
    前記入力端子と前記出力端子との間に接続されて、前記入力端子から供給された電圧を昇圧する昇圧動作を行い、前記昇圧された電圧を前記出力端子から出力するよう構成された昇圧コンバータ部と、
    前記入力端子と前記出力端子との間で前記昇圧コンバータ部と並列に接続された通電補助ダイオードと、
    前記入力端子と前記出力端子との間で前記昇圧コンバータ部と通電補助ダイオードと並列に接続されたスイッチ素子と、
    を有する電源回路部と、
    前記出力端子の電圧を検出するとともに前記昇圧コンバータ部と前記スイッチ素子を制御する制御部と、
    を含む車載用電源装置と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記操作スイッチが切り替えられたことに応じて前記負荷の電力消費の状態を判定する第1判定モードを行い、
    前記第1判定モードにおける判定結果に応じて前記スイッチ素子の状態を判定する第2判定モードを行い、
    前記第2判定モードで前記スイッチ素子が異常であると判定した場合に前記警告装置に警告信号を発信する、
    ように構成されている、車両。
  • 前記制御部は、
    前記車両が起動してから停止するまでにそれぞれ対応する複数のドライビングサイクルのそれぞれにおいて前記第1の判定モードと前記第2の判定モードとを行い、
    前記複数のドライビングサイクルのそれぞれにおいて前記第2判定モードにおいて前記スイッチ素子が異常であると判定した場合に、前記警告装置に前記警告信号を発信する、請求項21に記載の車両。
  • 前記車体に設けられたドアと、
    前記ドアに設けられたドアロック装置と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記操作スイッチがOFFであって前記ドアロック装置が前記ドアのロック解除へ切り替えられたことを検知したことに応じて前記第1判定モードを行う、請求項21に記載の車両。
  • 前記制御部は、
    前記車両が起動してから停止するまでにそれぞれ対応する複数のドライビングサイクルのそれぞれにおいて前記第1の判定モードと前記第2の判定モードとを行い、
    複数の前記ドライビングサイクルのそれぞれにおいて前記第2判定モードにおいて前記スイッチ素子が異常であると判定した場合に、前記制御部が前記警告装置に前記警告信号を発信する、請求項23に記載の車両。
  • 说明书全文

    本発明は、車載用電源装置およびそれを搭載した車両に関する。

    図8はアイドリングストップ機能を有する車両に搭載された従来の車載用電源装置500の回路ブロック図である。 蓄電池1の正電極側は電源回路2の入端子2aにヒューズ3を介して接続され、電源回路2の出力端子2bは負荷4に接続されている。 電源回路2では、昇圧コンバータ5と通電補助ダイオード6とスイッチ7とが並列に配置されて入力端子2aと出力端子2bとに接続されている。 なお、通電補助ダイオード6のアノードは電源回路2の入力端子2aに接続され、通電補助ダイオード6のカソードは電源回路2の出力端子2bに接続されている。

    電源回路2の昇圧コンバータ5は、車両がアイドリングストップ状態から再始動する際に、蓄電池1の電圧を昇圧させることで安定して車両を再始動できるようにしている。 スイッチ7は昇圧コンバータ5が昇圧動作するときにのみ開放状態となる。 この動作については、車両に備えられた制御装置8が昇圧コンバータ5とスイッチ7とを制御している。 また、電源回路2の通電補助ダイオード6は、昇圧コンバータ5が昇圧動作しているときに昇圧された電圧を入力端子2aに供給しないようにするため、かつ、スイッチ7が何らかの原因により破損した状態でスイッチ7が開放状態に放置されても、蓄電池1が電力を負荷4へ供給されるようにするために設けられている。

    つまり、通電補助ダイオード6もしくはスイッチ7のいずれか一方が正常な状態であれば、蓄電池1の電力を負荷4へ供給できる。

    仮に、通電補助ダイオード6およびスイッチ7の双方が開放状態となった場合には、蓄電池1から昇圧コンバータ5へと電力が連続して供給されることとなり、これにより昇圧コンバータ5が破損する可能性が生じる。 これを防ぐため、制御装置8からの指示に応じてスイッチ7が開閉動作しているかどうかを、制御装置8が電源回路2の出力端子2bの電圧を検出することによって常に監視している。

    この監視の方法としては、まず、スイッチ7が閉じたことが確認されている状態での電源回路2の出力端子2bの電圧を制御装置8が予め検知し、そして記憶する。

    そして、スイッチ7が制御装置8の指示に応じて閉じることが出来ない状態で蓄電池1から通電補助ダイオード6を介して電源回路2の出力端子2bへ電力を供給する場合、通電補助ダイオード6による電圧降下が生じる。 このため、通電補助ダイオード6を経由して出力される出力端子2bにおける電圧は、先に記憶した電圧の値に比較して低くなる。 制御装置8は、この電圧値の差を用いてスイッチ7の状態を監視する。

    そして、制御装置8がスイッチ7に異常が生じたと判定した場合には、この状況を直ちに制御装置8が外部に発信し、昇圧コンバータ5が破損に至る事態を回避するような対策がとられている。

    上述の装置に類似の制御装置は、例えば特許文献1に開示されている。

    特開2004−327783号公報

    車載用電源装置は、入力端子から供給された電圧を昇圧する昇圧動作を行う昇圧コンバータ部と、入力端子と出力端子との間で昇圧コンバータ部と並列に接続された通電補助ダイオードと、入力端子と出力端子との間で昇圧コンバータ部と通電補助ダイオードと並列に接続されたスイッチ素子とを備える。 制御部は、スイッチ素子が開放されるようにスイッチ素子に指示し、入力端子の電圧を昇圧期間において昇圧する昇圧動作を行うように昇圧コンバータ部に指示する。 制御部は、昇圧期間が経過した後に昇圧動作を停止するように昇圧コンバータ部に指示する。 その後、制御部は、スイッチ素子が閉じるようにスイッチ素子に指示する。 その後、制御部は、出力端子で検出した電圧によってスイッチ素子の状態を判定する。

    この車載用電源装置は、スイッチ素子が正常に動作しているかどうかを安定に高確度で判定することができる。

    図1は実施の形態1における車載用電源装置の回路ブロック図である。

    図2は実施の形態1における車載用電源装置を搭載した車両の概要図である。

    図3Aは実施の形態1における車載用電源装置の出力電圧を示す図である。

    図3Bは実施の形態1における車載用電源装置の出力電圧を示す図である。

    図4は実施の形態2における車載用電源装置の回路ブロック図である。

    図5Aは実施の形態2における車載用電源装置の出力電圧を示す図である。

    図5Bは実施の形態2における車載用電源装置の出力電圧を示す図である。

    図5Cは実施の形態2における車載用電源装置の出力電圧を示す図である。

    図6は実施の形態2における車載用電源装置の出力電圧を示す図である。

    図7Aは実施の形態2における車載用電源装置の出力電圧を示す図である。

    図7Bは実施の形態2における車載用電源装置の出力電圧を示す図である。

    図8は従来の車載用電源装置の回路ブロック図である。

    (実施の形態1)
    図1は実施の形態1における車載用電源装置10の回路ブロック図である。 図2は車載用電源装置10を搭載した車両9の概要図である。 車両9はアイドリングストップ機能を有する。 車載用電源装置10は、入力端子12と、電源回路部16と、電源回路部16を介して入力端子12に接続された出力端子17と、制御部18と、始動信号受信部18sとを備える。 制御部18は、出力端子17の電圧を検出するとともに昇圧コンバータ部13およびスイッチ素子15を制御する。 さらに制御部18は始動信号受信部18sに接続されている。 電源回路部16は、互いに並列接続された昇圧コンバータ部13と通電補助ダイオード14とスイッチ素子15とを有する。 出力端子17には負荷19が接続されている。 昇圧コンバータ部13は入力端子12に接続された入力端13eと、出力端子17に接続された出力端13fとを有し、入力端13eすなわち入力端子12に入力された入力電圧Viを昇圧し、昇圧された電圧である出力電圧Voを出力端13fすなわち出力端子17から出力する。

    図3Aと図3Bは車載用電源装置10の動作における出力電圧Voを示す。 図3Aと図3Bにおいて、縦軸は出力電圧Voを示し、横軸は時間を示す。 電源回路部16は、第1判定動作M111と第2判定動作M112と第3判定動作M113とを有する。 第1判定動作M111では、制御部18が始動信号受信部18sを介して始動信号S18を受信したことに応じて、制御部18はスイッチ素子15を開放するようにスイッチ素子15に指示する。 これに加えて、入力端子12の電圧Viが電圧V1へと昇圧コンバータ部13が昇圧期間に昇圧する昇圧動作を行う。 第2判定動作M112では、制御部18は昇圧期間P101が経過した後に昇圧コンバータ部13が昇圧動作を停止し、さらに所定期間P111経過後にスイッチ素子15を閉じて接続するようにスイッチ素子15に指示する。 第3判定動作M113では、第2判定動作M112の終了後に制御部18が出力端子17で検出した電圧Voに応じてスイッチ素子15の状態を判定する。

    以上の構成および動作により、スイッチ素子15は、制御部18の指示に対応した動作が可能な正常状態であるか、あるいは制御部18の指示に対応した動作が不可能な異常状態であるのかが判定される。 そしてこの判定は、制御部18が始動信号S18を受信したことに応じて実施される。 ここで始動信号S18は、車両9から発せられる信号である。 そして、スイッチ素子15の状態に対する判定は、出力端子17から負荷19へ供給する電流Ioが小さなときに行われる。

    そして、昇圧後の昇圧コンバータ部13から放電される放電電圧とスイッチ素子15が閉じて接続されたことによって出力端子17に現れる入力端子12からの入力電圧Viの何れかが出力端子17で電圧Voとして制御部18によって検出される。 ここで、スイッチ素子15が異常なときに昇圧コンバータ部13が出力端子17を通じて出力し続ける上記の放電電圧と、スイッチ素子15が正常なときに出力端子17を通じて得られる入力電圧Viと同等の電圧との差は大きい。

    つまり、出力端子17や負荷19に流れる電流Ioが十分に小さな状態であることによって、検出された電圧Voの値はスイッチ素子15の状態に応じて大きく変わる。 そして、制御部18は検出した電圧Voにもとづいてスイッチ素子15が正常であるか異常であるかを判定する。 したがって、スイッチ素子15が正常に動作しているかどうかの判定についての精度は容易に向上する。

    以下、車載用電源装置10およびそれを搭載した車両9の構成と動作について詳しく説明する。 アイドリングストップ機能を有する車両9は、車体9aと、車載用電源装置10と、蓄電池11と、負荷19とを備える。 車体9aには、車載用電源装置10と蓄電池11と負荷19が配置されている。 蓄電池11と負荷19は車載用電源装置10の入力端子12と出力端子17にそれぞれ接続されている。 車載用電源装置10は、車両9が信号待ちなどで停車中にエンジン20がアイドリングストップ状態からスタータ20aによりエンジン20が再始動するときに、以下の基本の動作を行う。 例えば、アイドリングストップ状態において運転者がブレーキペダル21に対する操作状態を変化させると、車載用電源装置10は車載用電源装置10が起動するための信号を受信する。 そして、車載用電源装置10が起動して昇圧コンバータ部13が昇圧のための動作をすることによって、スタータ20aが回転してエンジン20を再始動させるときにおいても負荷19には必要な電圧が供給される。 この結果、負荷19は安定して動作を継続する。 車両9は、車体9aに取り付けられたドア9bと、ドア9bに設けられたドアロック装置24とをさらに備える。 ドアロック装置24はドア9bをロックし、ドア9bのロック解除を行うすなわちドア9bのロックを解除することができる。

    車載用電源装置10内の電源回路部16では、車両9が信号待ちなどで停車中にエンジン20がアイドリングストップ状態であるとき、制御部18はスイッチ素子15を閉じ、かつ、昇圧コンバータ部13を動作させない。 この状態では、蓄電池11が入力端子12およびスイッチ素子15を通じて負荷19へ電力を供給している。

    これに対してエンジン20がアイドリングストップ状態から、再始動状態へと移るとき、制御部18はスイッチ素子15を開放し、かつ、昇圧コンバータ部13を起動して動作させる。 この状態では、昇圧コンバータ部13が負荷19へ電力を所定期間だけ供給する。

    そして、エンジン20が動作継続状態となると、昇圧コンバータ部13は所定期間の上記の動作を終えて負荷19への電力の供給を終え、かつ、スイッチ素子15が閉じられる。 これによって、蓄電池11が入力端子12およびスイッチ素子15を通じて負荷19へ電力を供給する。 エンジン20が動作している間は基本的にこの状態が継続する。 昇圧コンバータ部13は昇圧用コイル13a、電界効果トランジスタ(FET)13b、整流ダイオード13c、平滑コンデンサ13dによって構成されていて、昇圧コンバータ部13の最も出力端子17側すなわち出力端13fに平滑コンデンサ13dが配置されている。

    車載用電源装置10は電源回路部16のスイッチ素子15が仮に破損などにより動作できない状態となっても、昇圧コンバータ部13が起動できない場合はあるものの、スイッチ素子15に並列接続された通電補助ダイオード14が、蓄電池11から負荷19への電力の供給を継続することができる。 通電補助ダイオード14のアノードは車載用電源装置10の入力端子12に接続され、カソードは車載用電源装置10の出力端子17に接続されている。

    車載用電源装置10の制御部18はスイッチ素子15が仮に破損などによって動作できない状態となったときに、車載用電源装置10の外部へスイッチ素子15が動作できない状態にあることを示す信号を発信する。 この機能によって、車載用電源装置10の制御部18は車載用電源装置10の外部へスイッチ素子15に関する補修点検を要求する。 そして、車載用電源装置10の制御部18はスイッチ素子15が正常に動作できる状態であるか、あるいは正常に動作できない状態であるかを、以下の手順によって判定する。

    なお、車載用電源装置10の制御部18が行うスイッチ素子15の状態の判定は、車両9における様々な状況で行われて構わない。 実施の形態1では一例として運転者が車両9の車両起動スイッチである操作スイッチ22をONからOFFへと切り替えた後に制御部18が行うスイッチ素子15の状態を判定する動作を説明する。

    以下で、車両起動スイッチは、エンジンスイッチやアクセサリースイッチ、およびイグニションスイッチを含む。 そして、操作スイッチ22に対する操作が、何れに対するどのような操作に相当するのかが必要なときは、その都度説明する。 エンジンスイッチは、エンジン9が駆動中はONであり、エンジン9が駆動停止時はOFFである。 アイドリングストップ状態はエンジン9が仮停止している状態であり、エンジンスイッチはONである。 また、アクセサリースイッチは、カーオーディオなどが使用可能な状態はONであり、車両9の起動が完全に停止して放置状態ではOFFである。

    なお、以下の説明で、車両起動スイッチがONであるのは、エンジンスイッチやアクセサリースイッチ、およびイグニションスイッチの何れかがONのときである。 そして、車両起動スイッチがOFFであるのは、エンジンスイッチやアクセサリースイッチ、およびイグニションスイッチのすべてがOFFのときである。

    ここで、制御部18がスイッチ素子15に対して行う判定は、運転者が車両9のエンジンスイッチやアクセサリースイッチである操作スイッチ22をONからOFFへと切り替えた後に行われるとよい。

    先にも述べたように、車載用電源装置10の電源回路部16は制御部18を用いた第1判定動作M111と、第2判定動作M112と、第3判定動作M113とを有する。 図3Aと図3Bは第1判定動作M111と第2判定動作M112と第3判定動作M113とでの出力電圧Voを示している。 ここで制御部18は、スイッチ素子15に対しての開閉に関する指示や、昇圧コンバータ部13の昇圧動作に関する指示、およびここで検出した電圧Voの値に基づいた演算、演算結果データの格納、さらに、これらをもとにしてスイッチ素子15の状態判定や、判定結果に関する信号の発信などを行う。

    図3Aと図3Bにおいて、時点t0以前はエンジン20が既に起動している状態などの車両9が燃料で定常的に回転している。 そして、時点t0で運転者が車両9のエンジンスイッチである操作スイッチ22をONからOFFへと切り替えることにより、エンジン20を停止させる。 操作スイッチ22がONからOFFへと切り替えられることによって、エンジンOFF信号S18が車両9から始動信号受信部18sを介して制御部18へ発信される。 これにより、時点t0から時点t1で第1判定動作M111が始まるまでに、負荷19での電力消費は非常に小さくなる。

    そして、時点t1で第1判定動作M111が始まり、制御部18はスイッチ素子15を開放するようにスイッチ素子15に指示する。 これに加えて、時点t1で制御部18bは昇圧コンバータ部13が蓄電池11の電圧Viを電圧V1へと昇圧する昇圧動作を行うように昇圧コンバータ部13に指示する。 ここでは、例えば、入力端子12へ入力電圧Viとして印加される蓄電池11の出力電圧の12Vが時点t1から時点t2までの昇圧期間P101において電圧V1の14.5Vへと昇圧される。 ここでの昇圧期間P101は任意に設定されてよい。 また時点t0から時点t1までの期間についても任意に設定されてよく、時点t0と時点t1とは同じであってもよい。

    またここで、第1判定動作M111での昇圧期間P101では12Vの入力電圧Viが14.5Vの電圧V1へと昇圧される。 この一方で、操作スイッチ22がONでのエンジン20がアイドリングストップ状態から再始動へ切り替わる際の昇圧動作は、12Vの入力電圧Viが維持されて出力電圧Voとして出力端子17から出力される。 このように、昇圧動作では入力電圧Viが状況によって互いに異なる複数の値の出力電圧Voに昇圧されてもよい。

    つぎに、時点t2で第2判定動作M112が始まる。 第2判定動作M112では、制御部18は昇圧期間P101が終了した時点t2に昇圧コンバータ部13による昇圧動作を停止させる。 さらに、昇圧コンバータ部13が停止した時点t2から所定期間P111経過した時点t3に、制御部18はスイッチ素子15を開放状態から接続状態へと切り替えるようにスイッチ素子15に指示する。

    そのつぎに、第3判定動作M113では、制御部18がスイッチ素子15を開放状態から接続状態へと切り替えるように指示した時点t3から所定期間P112経過した時点t4に、制御部18は出力端子17における出力電圧Voの値である電圧Vt4を検出する。 電圧Vt4によって、制御部18はスイッチ素子15の状態を判定する。

    第2判定動作M112が行われる時点t2から時点t3に至る期間P111では、平滑コンデンサ13dからの放電電圧と、通電補助ダイオード14を介しての蓄電池11の電圧のいずれか高い方の電圧が出力端子17に供給される。 期間P111では、スイッチ素子15は開放状態であり、かつ、昇圧コンバータ部13は時点t2で既に停止しており昇圧動作を行っていないので、出力端子17の電圧Voは時点t2から時点t3に至る時間の経過に伴い減衰する。 ここではさらに時点t2後の時点t3で、制御部18bはスイッチ素子15を開放状態から接続状態へと切り替えるようにスイッチ素子15に指示する。

    そして、時点t3まで開放状態であったスイッチ素子15が制御部18からの指示に対応した動作が可能な正常な状態であれば、スイッチ素子15が閉じて接続状態となることによって図3Bに示すように、出力端子17の電圧Voは時点t3に大きく変化する。 つまり、昇圧コンバータ部13の出力端13fの電位より低い蓄電池11の電圧Viにスイッチ素子15を介して接続されるので、出力端子17の電圧Voは時点t3で電圧Viに急低下する。

    そして、出力端子17の電圧Voは蓄電池11の出力電圧である12Vの電圧Viとなるので、時点t4で所定の判定値である判定値Vth101よりも低くなる。 したがって、時点t4で出力端子17の電圧Voが判定値Vth101よりも低いとき、制御部18はスイッチ素子15が正常であると判断する。

    この一方で、時点t3まで開放状態であったスイッチ素子15が制御部18からの指示に対応した動作が不可能な異常な状態であれば、スイッチ素子15は開放状態を時点t3後に継続することによって図10Aに示すように、出力端子17の電圧Voは継続して漸減する。 つまり、第2判定動作M112での時点t2から時点t3の期間P211と同様に、出力端子17には、平滑コンデンサ13dからの放電電圧と、通電補助ダイオード14を介しての蓄電池11の電圧とのいずれか高い方の電圧が時点t3後も供給され続ける。 そして、出力端子17の電圧Voは時点t4で所定の判定値である判定値Vth201以上となる。 したがって、時点t4で出力端子17の電圧Voが判定値Vth101以上であるとき、制御部18はスイッチ素子15が異常であると判断する。 厳密には、スイッチ素子15は閉じるための指示へ対応した動作が不可能な開放状態であると、制御部18は判断する。 そして制御部18がスイッチ素子15は異常であると判断したとき、制御部18がスイッチ素子15は異常であるとの判定結果を警告信号として車載用電源装置10の外部に設けられた車両9内の警告装置23へと発信する。

    ここで、時点t2から時点t4にかけての平滑コンデンサ13dからの放電は、操作スイッチ22がONからOFFへと切り替えられた後に行われる。 よって、出力端子17に接続された負荷19は小さく、負荷19へ供給する電流Ioは非常に小さい。 したがって、特にスイッチ素子15が制御部18からの指示に対応した動作が不可能な異常な状態では、時点t4における出力電圧Vt4は、昇圧期間P101における電圧V1である14.5Vに比較して小さいものの、判定値Vth101に比較して十分に大きな値となる。

    このため、スイッチ素子15の状態に応じて出力される電圧Voの値が大きく変わる。 したがって、上記のようにスイッチ素子15の異常時において、制御部18は時点t4における出力端子17の電圧Vt4と判定値Vth101との比較を容易に行うことができる。 つまり、スイッチ素子15が正常に動作しているかどうかの制御部18による判定の精度は容易に向上する。

    スイッチ素子15の異常時のt4での出力電圧Voの値と、スイッチ素子15の正常時のt4での出力電圧Voの値とは大きく異なるので、判定値である判定値Vth101の設定可能な範囲も大きくなる。 したがって、スイッチ素子15の正常時においても、制御部18は時点t4における出力端子17の電圧Vt4と判定値Vth101との比較を容易に行うことができる。

    上記の動作では、制御部18は判定値Vth101と出力端子17の電圧Voとを比較する。 そして比較の結果に応じて制御部18bはスイッチ素子15の状態を判断している。 しかし、制御部18での判断は上記の判断に限るものではない。

    上述のように、制御部18は、第1判定動作M111と第2判定動作M112と第3判定動作M113を行うように構成されている。 第1判定動作では、制御部18は、スイッチ素子15が開放されるようにスイッチ素子15に指示し、入力端子12の電圧Viを昇圧期間P101において昇圧する昇圧動作を行うように昇圧コンバータ部13に指示する。 第2判定動作M112において、制御部18は、昇圧期間P101が経過した時点t2に上記昇圧動作を停止するように昇圧コンバータ部13に指示し、時点t2から所定期間P111が経過した時点t3にスイッチ素子15が閉じるようにスイッチ素子15に指示する。 第3判定動作M113において、制御部18は、第2判定動作M112が終了した後に、出力端子17で検出した電圧Voによってスイッチ素子15の状態を判定する。

    制御部18は、第3判定動作M113でスイッチ素子15が異常であると判定した場合に、第3判定動作M113での判定結果を記憶してもよい。 そして制御部18は、上記判定結果を記憶した後で車両9が再始動するために操作スイッチ22が切り替えられたときに警告装置23に警告信号を発信するように構成されていてもよい。 このとき、操作スイッチ22は車両9を起動させる車両起動スイッチであってよい。

    ここで、車載用電源装置10がスイッチ素子15に対して行う判定は、運転者が車両9のアクセサリースイッチである操作スイッチ22をONからOFFへと切り替えた後に第1判定動作M111が始められることによって行われてもよい。

    アクセサリースイッチである操作スイッチ22がONからOFFへと切り替えられたときは、エンジンスイッチがONからOFFへと切り替えられたときに比較して、負荷19へ供給する電流Ioは更に小さくなる。 つまり、アクセサリースイッチである操作スイッチ22がONからOFFへと切り替えられたことで、カーオーディオなどの負荷19も存在しないこととなる。 つまり、時点t2以降の放電による出力電圧Voは非常に緩慢に減衰する曲線を描く。 したがって、第3判定動作M113においてスイッチ素子15が異常であった場合には、電圧Vt4は高い電圧を維持する。

    このように、スイッチ素子15の状態に応じて出力される電圧Voの値が大きく変わる。 したがって、上記のようにスイッチ素子15が異常時において、制御部18は時点t4での出力端子17の電圧Vt4と判定値Vth101との比較を容易に行うことができる。 つまり、スイッチ素子15が正常に動作しているかどうかの制御部18による判定の精度は容易に向上する。

    スイッチ素子15が異常時の時点t4での出力電圧Vt4の値と、スイッチ素子15が正常時の時点t4での出力電圧Vt4の値とは大きく異なるので、判定値Vth101の設定可能な範囲も大きくなる。 したがって、スイッチ素子15が正常時においても、制御部18は時点t4における出力端子17の電圧Vt4と判定値Vth101との比較を容易に行うことができる。

    ここでは、ある値が判定値Vth101として決定され、この判定値と出力端子17の電圧Voとが比較される。 そして比較の結果に応じて制御部18はスイッチ素子15の状態を判断している。 しかし、制御部18での判断は上記の判断に限るものではない。

    さらに、第1判定動作M113では、制御部18がスリープ状態で電源始動信号S18を受信したことに応じて、制御部18はスイッチ素子15を開放するようにスイッチ素子15に指示する。 つまり、制御部18がスリープ状態で電源始動信号S18を受信したことに応じて、第1判定動作M113が行われる。 これに加えて、入力端子12の電圧Viを電圧V1へ昇圧コンバータ部13が昇圧期間P101に昇圧する昇圧動作を行う。 第2判定動作M112では、制御部18は、昇圧期間P101が経過した後に昇圧コンバータ部13が昇圧動作を停止させ、さらに所定期間P111経過後にスイッチ素子15が短絡するようにスイッチ素子15に指示する。 第3判定動作M113では、第2判定動作M112の終了後に制御部18が出力端子17で検出した電圧Voに応じてスイッチ素子15の状態を判定する。

    以上の構成および動作により、スイッチ素子15は、制御部18の指示に対応した動作が可能な正常状態であるか、あるいは制御部18の指示に対応した動作が不可能な異常状態であるのかが判定される。 そしてこの判定は、制御部18がスリープ状態において電源始動信号S18を受信したことに応じて行われる。 車載用電源装置10および制御部18がスリープ状態で、負荷19が無負荷に近くごく小さなとき、電源回路部16の外部から制御部18が電源始動信号S18を受信する。 つまり、スイッチ素子15の状態に対する判定は、出力端子17から負荷19へ供給する電流Ioが極めて小さな状態で行われる。

    そして、昇圧後の昇圧コンバータ部13から放電される放電電圧と、スイッチ素子15が閉じて接続されたことによって出力端子17に現れる入力端子12からの入力電圧Viとの何れかが、出力端子17における出力電圧Voとして制御部18によって検出される。 ここで、スイッチ素子15が異常なときに昇圧コンバータ部13が出力端子17を通じて出力し続ける上記の放電電圧と、スイッチ素子15が正常なときに出力端子17を通じて得られる入力電圧Viと同等の電圧との差は大きい。

    つまり、出力端子17や負荷19に流れる電流Ioが極めて小さな状態であることによって、検出した電圧Voの値はスイッチ素子15の状態に応じて大きく変わる。 そして、制御部18は検出した電圧Voにもとづいてスイッチ素子15が正常であるか異常であるかを判定する。 したがって、スイッチ素子15が正常に動作しているかどうかの判定についての精度は容易に向上する。

    車載用電源装置10の制御部18はスイッチ素子15が仮に破損などによって動作できない状態となったときに、車載用電源装置10の外部へスイッチ素子15が動作できない状態にあることを示す信号を発信する。 この機能によって、車載用電源装置10の制御部18は車載用電源装置10の外部へスイッチ素子15に関する補修点検を要求する。 そして、車載用電源装置10はスイッチ素子15が正常に動作できる状態であるか、あるいは正常に動作できない状態であるかを、以下の手順によって判定する。

    まずここで、車載用電源装置10がスイッチ素子15に対して行う判定と、ドア9bに設けられたドアロック装置24と、車両9および車載用電源装置10の電源回路部16のスリープ状態に関する簡単な説明を行う。

    車載用電源装置10が行うスイッチ素子15の状態の判定は、車両起動スイッチである操作スイッチ22がOFF状態であり、かつ、搭乗者が車両9のドアロック装置24のドア9bのロック解除をドアロック装置24に命令した後に行われる。 例えば、スイッチ素子15の状態の判定は、車両9が放置状態でその機能を停止しているときに、リモコン装置25からドアロック装置24のロック解除をドアロック装置24に命令した後に行われる。

    車両9が以前に起動状態であったときから放置状態へと移ったときには、エンジンスイッチやアクセサリースイッチをはじめとして操作スイッチ22は全てがONからOFFとなる。 操作スイッチ22がOFFとなり、車両9が放置状態であるときには、車両9や車載用電源装置10で大きな電流が消費されることはほとんど無い。 そして、車両起動スイッチである操作スイッチ22がOFFとなって、10分後、30分後、1時間後、あるいは2時間後などの所定の時間後に、車両9や車載用電源装置10の制御部18がスリープ状態へと切り替えられ、負荷19のみならず制御系統でも電流の消費が低減されている。

    スリープ状態では、例えば制御部18のクロック信号の周波数が、車両9が通常動作している場合などに比較して低く設定され、車両9が放置されているときの制御部18での電流の消費を小さくするとよい。

    この状態で搭乗者が車両9のドアロック装置24の解除を命令したことにより、ドアロック装置24、あるいは車両9全体を制御する制御機能から制御部18へと、電源始動信号S18が発信される。

    先にも述べたように、車載用電源装置10の電源回路部16は制御部18を用いた第1判定動作M111と、第2判定動作M112と、第3判定動作M113とを有する。 図3Aと図3Bは第1判定動作M111と、第2判定動作M112と、第3判定動作M113とでの出力電圧Voを示している。 制御部18は、スイッチ素子15に対しての開閉に関する指示や、昇圧コンバータ部13の昇圧動作に関する指示、電圧の検出およびこの値に基づいた演算、演算結果データの格納、さらに、これらをもとにしてスイッチ素子15の状態判定などを行う。

    図3Aと図3Bにおいて、時点t0以前は車両9が放置されている。 そして、時点t0で搭乗者が車両9のリモコン装置25からドアロック装置24の解除をドアロック装置24に命令する。 ドアロック装置24がロック状態からロック解除へと切り替えられることによって、あるいは、リモコン装置25からのドアロック装置24の解除命令によって、電源始動信号S18が車両9から始動信号受信部18sを介して制御部18へ発信される。 ここで、時点t0から時点t1で第1判定動作M111が始まるまでの間は、車両9は放置された状態なので、負荷19での電力消費は極めて小さい。

    そして、時点t1で第1判定動作M111が始まり、第2判定動作M112、第3判定動作M113が続いて行われる。

    また、ドアロック装置24はドア9bに設けられている。 しかしながら、ドアロック装置24はドア9bに設けることに限らず、車両9のトランクなどにも適用してもよい。

    制御部18は、第3判定動作M113でスイッチ素子15が異常であると判定した場合に、第3判定動作M113での判定結果を記憶してもよい。 そして制御部18は、上記判定結果を記憶した後で、車両9が再始動するために操作スイッチ22が切り替えられたときに警告装置23に警告信号を発信するように構成されていてもよい。 このとき、操作スイッチ22は車両9を起動させる車両起動スイッチであってよい。

    上述のように、制御部18は、電源回路部16がスリープ状態であるときに始動信号S18を受信したことに応じて第1判定動作M111を行う。

    また、制御部18は、車両9が起動してから停止するまでにそれぞれ対応する複数のドライビングサイクルのそれぞれにおいて第1判定動作M111から第3判定動作M113までを行う。 この場合に、制御部18は複数のドライビングサイクルのそれぞれにおいてスイッチ素子15が異常であると判定した場合に、警告装置23に警告信号を発信してもよい。

    以上の説明では、制御部18は、開放状態のスイッチ素子15が接続状態へと切り替わることができない、異常を判定する。 一方、仮に接続状態のスイッチ素子15が開放状態へと切り替わることができない場合は、昇圧コンバータ部13での昇圧動作が何れの時点においても不可能となる。 したがって、制御部18が昇圧コンバータ部13に対して昇圧すべく指示をしているにもかかわらず、出力端子17の電圧が電圧V1や、あるいは所定の判定値まで上昇しないときには、制御部18はスイッチ素子15が接続状態となったままの異常状態であると判断すればよい。

    制御部18は、例えば第1判定動作M111において昇圧コンバータ部13の昇圧動作に対する判定を行ってもよい。

    ここで、昇圧期間P101における電圧Vt1は制御部18が出力端子17で検出する。 そして、制御部18は電圧Vt1と昇圧判定値である所定の判定値Vth102とを比較し、昇圧コンバータ部13の昇圧動作が正常であるか否かの判定を行う。 ここでは、電圧Vt1が判定値Vth102以上である場合に、昇圧コンバータ部13が正常に昇圧動作を行っていると判定する。

    電圧Vt1が判定値Vth102よりも低い場合は、昇圧コンバータ部13は異常であると制御部18が判定する。 そして、制御部18が昇圧コンバータ部13あるいは電源回路部16が異常であるとの判定結果を警告信号として車載用電源装置10の外部に設けられた車両9内の警告装置23へ発信する。 あるいは、昇圧コンバータ部13が正常であるか否かに関して、制御部18が記憶してもよい。

    これにより、昇圧コンバータ部13の昇圧動作が正常であるか否かを制御部18が判定できるとともに、時点t2で平滑コンデンサ13dから放電される電圧の値も正確であるか否かを制御部18が判定できる。 このため、第3判定動作M113で時点t4における出力電圧Voと判定値Vth101との比較、およびその結果に対する制御部18の判定は高い確度で安定する。

    制御部18が出力端子17で電圧Vt1を検出するのは、時点t1から時点t2までであればいつでもよいが、時点t2で制御部18が電圧Vt1を検出することで、先に述べた時点t2で平滑コンデンサ13dから放電される電圧の値は正確であるか否かを制御部18がさらに正確に判定できる。 したがって、時点t4における出力電圧Voに基づく制御部18の判定は、さらに高い確度で安定する。

    (実施の形態2)
    図4において、図1に示す実施の形態1における車載用電源装置10と同じ部分には同じ参照番号を付す。 車載用電源装置10aは実施の形態1における車載用電源装置10と同様に、図2に示す車両9に搭載される。 車載用電源装置10aは実施の形態1における車載用電源装置10の制御部18の代わりに出力端子17の出力電圧Voを検出するとともに昇圧コンバータ部13およびスイッチ素子15を制御する制御部18aを含む。

    図5Aから図5Cは車載用電源装置10aの出力電圧Voを示す。 図5Aから図5Cにおいて、縦軸は出力電圧Voを示し、横軸は時間を示す。 電源回路部16は、制御部18aを用いた第1判定モードM1と制御部18aを用いた第2判定モードM2とを有する。 第1判定モードM1では制御部18aは出力端子17における負荷19の状態を判定する。 第1判定モードM1の後で行われる第2判定モードM2では、制御部18aは第1判定モードM1の判定結果に応じてスイッチ素子15の状態を判定する。

    以上の構成および動作により、第2判定モードM2でスイッチ素子15が正常な状態であるか、あるいは異常な状態であるのかを制御部18aが判定する際に、最初に第1判定モードM1において負荷19の状態を制御部18aが判定する。 その後に第2判定モードM2においてスイッチ素子15の状態を制御部18aが判定する。

    つまり、第2判定モードM2で判定が行われてもよい状況にあるのか否かについて、第1判定モードM1で車載用電源装置10に接続された負荷19に対する電力の供給状態を制御部18aが第2判定モードM2を行う前に予め判定する。 その後、スイッチ素子15が正常に動作しているか否かを制御部18aが第2判定モードM2で判定する。 これにより、スイッチ素子15の状態についての第2判定モードM2における判定は高い確度で安定して行うことができる。

    第1判定モードM1は、制御部18が始動信号S18aを受信したことに応じて始められる。 制御部18は実施の形態1において説明したように、操作スイッチ22が切り替えられた場合や、ドアロック解除命令がリモコン装置25から発せられたときなどに、始動信号S18aを受信する。

    以下、車載用電源装置10aおよびそれを搭載した車両9の構成と動作について詳しく説明する。 アイドリングストップ機能を有する車両9は、車体9aと、車載用電源装置10と、蓄電池11と、負荷19とを備える。 車体9aには、車載用電源装置10aと蓄電池11と負荷19が配置されている。 蓄電池11と負荷19は車載用電源装置10aの入力端子12と出力端子17にそれぞれ接続されている。 車載用電源装置10aは、車両9が信号待ちなどで停車中にエンジン20がアイドリングストップ状態からスタータ20aによりエンジン20が再始動するときに、以下の基本の動作を行う。 例えば、アイドリングストップ状態において運転者がブレーキペダル21に対する操作状態を変化させると、車載用電源装置10aは車載用電源装置10aが起動するための信号を受信する。 そして、車載用電源装置10aが起動して昇圧コンバータ部13が昇圧のための動作をすることによって、スタータ20aが回転してエンジン20を再始動させるときにおいても負荷19には必要な電圧が供給される。 この結果、負荷19は安定して動作を継続する。 車両9は、車体9aに取り付けられたドア9bと、ドア9bに設けられたドアロック装置24とをさらに備える。 ドアロック装置24はドア9bをロックし、ドア9bのロック解除を行うすなわちドア9bのロックを解除することができる。

    車載用電源装置10a内の電源回路部16では、車両9が信号待ちなどで停車中にエンジン20がアイドリングストップ状態であるとき、制御部18aはスイッチ素子15を閉じ、かつ、昇圧コンバータ部13を動作させない。 この状態では、蓄電池11が入力端子12およびスイッチ素子15を通じて負荷19へ電力を供給している。

    これに対してエンジン20がアイドリングストップ状態から、再始動状態へと移るとき、制御部18aはスイッチ素子15を開放し、かつ、昇圧コンバータ部13を起動して動作させる。 この状態では、昇圧コンバータ部13が負荷19へ電力を所定期間だけ供給する。

    そして、エンジン20が動作継続状態となると、昇圧コンバータ部13は所定期間の上記の動作を終えて負荷19への電力の供給を終え、かつ、スイッチ素子15が閉じられる。 これによって、蓄電池11が入力端子12およびスイッチ素子15を通じて負荷19へ電力を供給する。 エンジン20が動作している間は基本的にこの状態が継続する。 昇圧コンバータ部13は昇圧用コイル13a、電界効果トランジスタ(FET)13b、整流ダイオード13c、平滑コンデンサ13dによって構成されていて、昇圧コンバータ部13の最も出力端子17側すなわち出力端13fに平滑コンデンサ13dが配置されている。

    車載用電源装置10aは電源回路部16のスイッチ素子15が仮に破損などにより動作できない状態となっても、昇圧コンバータ部13が起動できない場合はあるものの、スイッチ素子15に並列接続された通電補助ダイオード14が、蓄電池11から負荷19への電力の供給を継続することができる。 通電補助ダイオード14のアノードは車載用電源装置10aの入力端子12に接続され、カソードは車載用電源装置10aの出力端子17に接続されている。

    車載用電源装置10aの制御部18aは、スイッチ素子15が仮に破損などによって動作できない状態となったときに車載用電源装置10aの外部へスイッチ素子15が動作できないことを示す信号を発信する。 この機能によって、車載用電源装置10aは車載用電源装置10aの外部へスイッチ素子15に関する補修点検を要求する。 そして、車載用電源装置10aの制御部18aはスイッチ素子15の状態すなわちスイッチ素子15が正常に動作できるか否かを以下の手順によって判定する。

    なお、車載用電源装置10aの制御部18aが行うスイッチ素子15の状態の判定は、車両9における様々な状況で行われて構わない。 実施の形態2では一例として運転者が車両9の車両起動スイッチである操作スイッチ22をONからOFFへと切り替えた後に制御部18aが行うスイッチ素子15の状態を判定する動作を説明する。 ここで、操作スイッチ22は、車両9に搭載されたアクセサリースイッチあるいはエンジンスイッチであってもよい。 言い換えれば、操作スイッチ22などが切り替えられることによって、制御部18が、始動信号S18aを受信したことに応じて第1判定モードM1を行う。

    図5Aから図5Cに示すように、車載用電源装置10aの電源回路部16は制御部18aを用いた第1判定モードM1と第2判定モードM2とを有する。 制御部18aは、操作スイッチ22がONからOFFへと切り替えられたことに応じて第1判定モードM1を行う。 図5Aから図5Cにおいて、操作スイッチ22は時点t0にONからOFFへと切り替えられる。 制御部18aは、スイッチ素子15に対してスイッチ素子15の開閉の指示や、電圧の検出および検出した電圧の値に基づいた演算、演算の結果のデータの格納、さらに、これらをもとにしてスイッチ素子15の状態の判定などを行う。 そして、制御部18aは、スイッチ素子15に対して異常であると判定したときには、警告装置へ警告信号を発信してもよい。

    先ず、第1判定モードM1では出力端子17における負荷19の状態を制御部18aが判定する。 つまり、制御部18aは出力端子17における第1判定モードM1での出力電圧Voの値を検出する。 第1判定モードM1は第1判定動作M11と第2判定動作M12とを有する。 すなわち第1判定モードM1において電源回路部16および制御部18aは、第1判定動作M11と第2判定動作M12とを行う。

    最初に第1判定動作M11では、制御部18aはスイッチ素子15を開放状態とするようにスイッチ素子15に指示する。 さらに制御部18aは、入力端子12に入力されている蓄電池11の電圧である入力電圧Viを昇圧コンバータ部13によって昇圧する昇圧動作を時点t1に始まる昇圧期間P1に行うように昇圧コンバータ部13に指示する。 図3Aに示す動作では時点t0、t1の間には所定の初期休止期間Hpが設けられているが、初期休止期間Hpがゼロすなわち時点t0、t1は同時であってもよい。 例えば、昇圧コンバータ部13は、蓄電池11の出力電圧であり、入力端子12における入力電圧Viである12Vを昇圧期間P1において所定の電圧V1の14.5Vへ昇圧する。 この昇圧動作は、車両起動スイッチである操作スイッチ22がONとなっている車両9の通常動作中に、エンジン20がアイドリングストップ状態から再始動へ切り替わるときに行われる昇圧動作と同じであってよい。 ここでは一例として、蓄電池11の電圧(入力電圧Vi)は12Vであり、昇圧期間P1の電圧V1は14.5Vとして示しているが、車載用電源装置10の動作ではこれらの電圧値に限ったものではない。

    あるいは、第1判定動作M11における昇圧期間P1では12Vの入力電圧Viが14.5の電圧V1へと昇圧される。 この一方で、操作スイッチ22がONとなっている車両9の通常動作中に、アイドリングストップ状態から再始動へ切り替わる際の昇圧動作は、12Vの入力電圧Viが維持されて出力電圧Voとして出力端子17から出力される。 このように、昇圧動作では状況によって入力電圧Viが互いに異なる複数の値の出力電圧Voに昇圧されてもよい。

    次に第2判定動作M12では、制御部18aは昇圧期間P1が経過した時点t2に昇圧コンバータ部13による昇圧動作を停止させる。 このとき、制御部18aはスイッチ素子15を開放状態に維持するようにスイッチ素子15に指示している。 さらに制御部18は昇圧コンバータ部13の昇圧動作が時点t2に停止してから所定期間P11経過した時点t3に出力端子17における電圧Vt3を検出する。 時点t2から時点t3に至る所定期間P11では、平滑コンデンサ13dから放電された電圧と、通電補助ダイオード14を介して蓄電池11の電圧である入力電圧Viとのうちの高い方の電圧が出力端子17から出力される。

    これによって、制御部18aはまず出力端子17に流れる電流Io、すなわち負荷19における電流Ioの消費状況である電力消費の状態を判定する。 出力端子17には、平滑コンデンサ13dからの放電電圧と、通電補助ダイオード14を介しての蓄電池11の電圧とが供給される。 スイッチ素子15は開放状態であり、かつ、昇圧コンバータ部13の昇圧動作は時点t2で既に停止しているので、出力端子17の電圧Voは時点t2から時点t3に至る時間の経過に伴い減衰する。 この減衰の速度は負荷19の状態によって異なる。 例えば負荷19が大きな電流を消費するときは図3Cに示すように、出力電圧Voは急峻に減衰する。 したがって、昇圧コンバータ部13の昇圧動作が停止してから所定期間P11の経過した時点t3に出力端子17で検出される電圧Vt3は低い値となる。

    制御部18aは、出力端子17で検出された電圧Vt3と判定値Vth1とを比較する。 図5Aと図5Bに示すように時点t3における出力電圧Voの電圧Vt3が判定値Vth1以上である場合は、制御部18aは第1判定モードM1の後に第2判定モードM2を行う。

    次に、第2判定モードM2ではスイッチ素子15の状態を制御部18aが判定する。 ここでも、制御部18aは出力端子17における出力電圧Voの値を検出する。 しかしながら、先に述べた第1判定モードM1における第1判定動作M11および第2判定動作M12とは異なる動作で制御部18aは出力端子17における出力電圧Voの値を検出する。 第2判定モードM2は第3判定動作M21と第4判定動作M22と第5判定動作M23とを有する。 電源回路部16および制御部18は、第3判定動作M21と第4判定動作M22と第5判定動作M23とに対応して動作する。

    第1判定モードM1の第2判定動作M12において制御部18aが出力電圧Voの時点t3での電圧Vt3が判定値Vth1以上であると判定した場合に、制御部18aは第2判定モードM2において第3判定動作M21と第4判定動作M22と第5判定動作M23とを行う。

    第3判定動作M21では、制御部18aはスイッチ素子15を開放状態のままで継続して維持するようにスイッチ素子15に時点t3で指示する。 そして制御部18aは再度、昇圧コンバータ部13が蓄電池11の電圧を電圧V1へと昇圧する昇圧動作を行うように昇圧コンバータ部13に時点t3に指示する。 第3判定動作M21は第2判定動作M12から時点t3で連続して行われる。 ここでも第1判定動作M11での昇圧動作と同様に、入力端子12へ入力電圧Viとして印加される蓄電池11の出力電圧が昇圧期間P2において電圧V1へと昇圧される。 この第3判定動作M21での昇圧期間P2と、第1判定動作M11での昇圧期間P1とは同じ長さであっても異なる長さであっても構わない。 図5Aから図5Cにおいては、昇圧期間P2での昇圧幅は、みかけのうえで電圧Vt3から電圧V1までであるが、電源回路部16の昇圧コンバータ部13は入力電圧Viから電圧V1へ昇圧する昇圧動作を行う。

    次に第4判定動作M22では、制御部18aは時点t3から昇圧期間P2が経過した時点t4に昇圧コンバータ部13による昇圧動作を停止させる。 さらに制御部18aは、昇圧コンバータ部13が停止した時点t4から所定期間P21経過した時点t5に、スイッチ素子15を開放状態から接続状態へと切り替えるようにスイッチ素子15に指示する。

    その次に第5判定動作M23では、制御部18aはスイッチ素子15を開放状態から接続状態へと切り替えるように指示した時点t5から第3所定期間P22後に、制御部18aは出力端子17における出力電圧Voである電圧Vt6を時点t6に検出する。 そして、制御部18aは電圧Vt6と判定値Vth2とを比較し、その結果によってスイッチ素子15の状態を判定する。

    第4判定動作M22を行う時点t4から時点t5に至る期間P21では、平滑コンデンサ13dからの電圧と、通電補助ダイオード14を介しての蓄電池11の電圧Viのうちの何れか高い方の電圧が出力端子17に供給される。 期間P21ではスイッチ素子15は開放状態であり、かつ、昇圧コンバータ部13は時点t4で既に停止しているので、出力端子17の電圧Voは時点t4から時点t5に至る時間の経過に伴い減衰する。

    この後、制御部18aはスイッチ素子15を開放状態から接続状態へと切り替えるように時点t5でスイッチ素子15に指示する。

    そして、ここまで開放状態であったスイッチ素子15が制御部18aからの指示に対応可能な正常な状態であれば、スイッチ素子15が閉じることによって図3Bに示すように、時点t5で出力端子17の電圧Voは大きく変化する。 つまり、昇圧コンバータ部13の出力端13fは、電位がより低い蓄電池11が接続された入力端子12に接続されるので、時点t5で出力端子17の出力電圧Voは急低下し、入力電圧Viとほぼ同じとなる。 したがって、出力電圧Voの時点t6での電圧Vt6は判定値Vth2よりも低くなる。 したがって、第5判定動作M23における時点t6で出力端子17の電圧Voが判定値である判定値Vth2よりも低い場合に、制御部18aはスイッチ素子15が正常であると判断する。

    この一方で、時点t5まで開放状態であったスイッチ素子15が制御部18aからの指示に対応不可能な異常な状態であれば、スイッチ素子15は開放状態を継続することによって図5Aに示すように、出力端子17の電圧Voは継続して漸減する。 つまり、第2判定動作M12での時点t2から時点t3までの期間P11と同様に、平滑コンデンサ13dからの放電電圧と、通電補助ダイオード14を介しての蓄電池11の電圧Viの何れかの高い方の電圧が時点t5以降にも出力端子17に供給され続ける。 このため、出力端子17の電圧Vt6は判定値Vth2以上となる。 したがって、第5判定動作M23における時点t6で出力端子17の電圧Voが判定値Vth2以上であるとき、制御部18aはスイッチ素子15が異常であると判断する。 厳密には、時点t6で出力端子17の電圧Voが判定値Vth2以上であるとき、スイッチ素子15が閉じて接続状態となるための指示への対応が不可能なオープン状態であると、制御部18aは判断する。

    図5Cに示すように電圧Vt3が判定値Vth1よりも低い場合は、制御部18aは第2判定モードM2を行わずに第1判定モードM1でスイッチ素子15に対する判定を終了する。 そして、制御部18aはスイッチ素子15の状態に対する判定結果を判定不可能と決定する。

    図5Cに示すように電圧Vt3が判定値Vth1よりも低い場合は、出力端子17には大きな電流を消費する負荷19が接続されている。 したがって、制御部18aの指示に応じてスイッチ素子15が正常に開閉可能であっても、あるいは、スイッチ素子15が異常であり、スイッチ素子15は時点t2以降にも開放を継続しても、時点t6における出力端子17の出力電圧Voの電圧Vt6が判定値Vth2より低くなる場合がある。

    したがって、この状態で仮に第2判定モードM2が第1判定モードM1の後に行われても、出力端子17の電圧Voと判定値Vth2とは正しく比較されないおそれが生じる。 したがって、図5Cに示すように、第1判定モードM1において電圧Vt3が判定値Vth1よりも低い場合は、制御部18aは第2判定モードM2を行わずに第1判定モードM1でスイッチ素子15に対する判定を終了し、スイッチ素子15の状態に対する判定結果を判定不可能と決定する。 例えば、操作スイッチ22がONからOFFへと切り替えられた後に、運転者が車両9内に留まってカーオーディオなどの負荷19の一部であるアクセサリーを継続して使用した場合などが、負荷19に流れる消費電流である電流Ioが大きいことに起因してスイッチ素子15の状態に対する判定が不可能となる状態の一例である。

    図8に示す従来の車載用電源装置500では、蓄電池1からの電力がスイッチ7を介して出力端子2bへ供給される場合と、蓄電池1からの電力が通電補助ダイオード6を介して出力端子2bへ供給される場合とで、出力端子2bにおける電圧値は大きな差が発生しない。 したがって、これらの電圧値の比較に基づいてはスイッチ7の異常を安定に高確度で判定できない場合がある。

    実施の形態2における車載用電源装置10aでは、上記のように、スイッチ素子15が正常な状態かあるいは異常な状態であるのかについて制御部18aが判定するにあたり、第2判定モードM2で判定が行われてもよい状況にあるのか否かについて第1判定モードM1で判定が行われる。 そのうえで、スイッチ素子15が正常に動作しているかどうかについて、第2判定モードM2での判断が行われる。 これにより、第2判定モードM2における判定は、スイッチ素子15が正常あるいは異常の何れの状態であっても、判定値Vth2と出力端子17の電圧Voとは離れた値になり易い。 この結果、制御部18aにおける判定は高い確度で安定する。

    ここで、さらにスイッチ素子15の状態に対する判定が安定するように、入力端子12における蓄電池11からの入力電圧Viが所定の下限度値から、下限度値より高い所定の上限度値までの所定範囲外の値となったと制御部18aが検知したときには、制御部18aは第1判定モードM1および第2判定モードM2を行わない。 例えば、入力電圧Viが上限度値よりも高い場合、スイッチ素子15が開放状態を継続しても時点t4以降の電圧降下が小さくなる。 またあるいは、スイッチ素子15が時点t5で閉じた後の電圧降下が小さくなる。 したがって、図5Aに示す判定値Vth2と出力電圧Vt6との比較に基づく判定が困難となる恐れが生じる。 また、入力電圧Viが下限度値よりも低い場合、昇圧コンバータ部13が、昇圧後の電圧V1まで入力電圧Viを昇圧することができなくなる恐れが生じる。 したがって、入力端子12における蓄電池11からの入力電圧Viは所定範囲内であることが望ましい。

    これまでで説明した判定では、第1判定モードM1から第2判定モードへM2と進み、第2判定モードM2でスイッチ素子15に関する状態が異常であると判定した場合、判定は確定することになる。 そして、確定した判定結果が車載用電源装置10aの制御部18aから車載用電源装置10aの外部に設けられた車両9内の警告装置23へと発信される。 ここで、第1判定モードM1および第2判定モードM2における判定は一度でなく、それぞれの判定が複数回行われても構わない。

    また、制御部18aが判定結果を車載用電源装置10aの外部に設けられた車両9内の警告装置23へと発信するタイミングは、例えば、次回の車両9の始動時である操作スイッチ22がOFFからONへと切り替えられたときでもよい。 つまり、制御部18aが判定結果をスイッチ素子15に対する処置が実施されるまでの間で記憶する。 そして、車両9における次回の始動時に操作スイッチ22がOFFからONへと切り替えられたときに、制御部18aが車両9の起動を検知したうえで、制御部18aが判定結果を警告装置23へと発信すればよい。 ここで操作スイッチ22は、車両起動スイッチでよい。

    また、実施の形態1と同様に制御部18aは、電源回路部16がスリープ状態であるときに、始動信号S18aを受信したことに応じて第1判定モードM1が行われてもよい。

    また、さらに実施の形態1と同様に、ドアロック装置24がロック状態からロック解除へと切り替えられることによって、あるいは、リモコン装置25からのドアロック装置24の解除命令によって、電源始動信号S18aが制御部18aへ発信される。 そして、第1判定モードM1が行われてもよい。

    図6は実施の形態2における車載用電源装置10aの動作における出力電圧Voを示す。 図6において、縦軸は出力電圧Voを示し、横軸は時間を示す。 図6に示すように、操作スイッチ22がOFFされてから所定の休止期間が設けられたうえで、第1判定モードM1と第2判定モードM2とからそれぞれなる判定期間D1、D2、D3が繰り返し行われても構わない。

    例えば、まず制御部18aからの指示によって1回目の判定期間D1が始められる。 1回目の判定期間D1における1回目の第1判定モードM1では、大きな電流を消費する負荷19が車載用電源装置10aに接続されていて電圧Vt3が判定値Vth1よりも低くなっている。 したがって、スイッチ素子15に対しての判定は不可であると制御部18aは判定する。 しかし、この時点で1回目の判定期間D1は終了されずに、制御部18aは第2判定モードM2を行う。 そして、1回目の第2判定モードM2の結果には関係なく、制御部18aは、1回目の判定期間D1では判定不可であったことを記憶する。 そして、1回目の休止期間H1を経過した時点で、2回目の判定期間D2が始められる。

    そして、2回目の判定期間D2における2回目の第1判定モードM1では、大きな電流を消費する負荷19が車載用電源装置10aに接続されなく、電圧Vt3が判定値Vth1よりも高くなっている。 したがって、スイッチ素子15に対しての判定は可能であると制御部18aは判定する。 そして、制御部18aは2回目の第2判定モードM2を行い、スイッチ素子15の状態についての判定を行う。 この判定に応じて、制御部18aは2回目の判定期間D2での判定結果を記憶する。 そして、2回目の休止期間H2を経過した時点で、3回目の判定期間D3が始められる。

    図6では、3回の判定期間D1〜D3と3回の休止期間H1〜H3とは交互に繰り返されているが、判定期間と休止期間の回数に関しては適宜設定される。 また、休止期間H1〜H3の長さもまた適宜設定される。 ここで、上記のように1回目の判定期間D1では判定不可となり、2回目以降での判定期間D2、D3では判定可能となる場合、制御部18aは1回目の判定期間D1は無効とし、かつ、2回目の判定期間D2は有効とし、2回目以降の有効となった判定期間D2、D3の判定結果に基づいてスイッチ素子15に対しての判定を行っても構わない。

    またあるいは、上記のように複数の判定期間の結果に基づき、制御部18aに記憶された判定結果が所定の判定回数において基準回数よりも多くスイッチ素子15は異常であると判定していた場合に、制御部18aはスイッチ素子15が異常であると最終的に判定を行ってもよい。 この場合、制御部18aに記憶された判定結果が所定の判定回数において基準回数以下の回数だけスイッチ素子15は異常であると判定していた場合に、制御部18aはスイッチ素子15が異常ではないすなわち正常であると最終的に判定する。 そして、異常がある場合は、車載用電源装置10aは車両9内に設けられた車両9全体を制御する車両制御機能部、あるいは、警告装置23へと警告信号を発信してもよい。

    このように、判定期間が複数回繰り返して実施されることで、第1判定期間D1では操作スイッチ22がOFFとなった直後などで、車載用電子機器などが継続して使用されている場合の第1判定モードM1における判定不可が生じても、後の判定期間D2、D3によってスイッチ素子15の状態は正しく判定される。

    さらに、第1判定期間D1で制御部18aや昇圧コンバータ部13に外部からノイズが侵入する事態が生じても、判定期間が複数回繰り返して実施されることで、これらのノイズが継続して発生しない限りはノイズに起因する誤判定を抑制した、スイッチ素子15の状態についての正確な最終判断が得られる。

    また、上記の1回目の判定期間D1では1回目の第1判定モードM1の結果からスイッチ素子15に対して第2判定モードM2での判定は不可であると制御部18aが判定した後、1回目の第2判定モードM2が行われている。 しかしながら、第1判定モードでの結果が判定不可であった場合は、制御部18aは1回目の判定期間D1では判定不可であったことを制御部18aが記憶したうえで、制御部18aは第2判定モードM2を行わずに1回目の休止期間H1へと移るように電源回路部16に指示しても構わない。

    またさらに、休止期間H1、H2、H3における制御部18aは判定期間D1、D2、D3における制御部18aよりも低消費電力で動作するとよい。 つまり、休止期間H1、H2、H3における制御部18aは低消費電力で動作するとよい。 ここまでで説明したように、判定期間D1、D2、D3において制御部18aはスイッチ素子15やFET13bに対する制御、出力端子17の電圧Voの検知、および判定に関する演算等を行うために多くの電力が必要となる。 これに対して休止期間H1、H2、H3において制御部18aは、次の判定期間までの時間のカウントや演算結果の記憶等を行うが、必要とする電力は少ない。

    そのため、たとえば制御部18aに用いるマイクロコントローラのクロック周波数は、判定期間D1、D2、D3よりも休止期間H1、H2、H3の方が低くなるように設定すればよい。 これにより、休止期間H1、H2、H3におけるマイクロコンピュータの動作頻度が低下するので、休止期間H1、H2、H3において消費電力を省電力化することができる。 特に、秒単位で動作する判定期間D1、D2、D3に比較して休止期間H1、H2、H3は5分から10分程度と長い期間が適用されるので、マイクロコンピュータの動作のために消費される電力は上記の設定によって大幅に低減される。

    上記の説明では、車両9の操作スイッチ22がOFFとなった時点から、判定期間と休止期間とが繰り返し行われている。 ここでさらに、複数の判定期間D1、D2、D3が、複数のドライビングサイクルにわたって、あるいは複数回の操作スイッチ22にわたる車両9の起動時に、その都度繰り返し設けられても構わない。 図7Aと図7Bは実施の形態2における車載用電源装置10の動作における出力電圧Voを示す。 図7Aと図7Bにおいて、縦軸は出力電圧Voを示し、横軸は時間を示す。 図7Aと図7Bに示す動作では、所定の休止期間H1、H2、H3が設けられたうえで第1判定モードM1と第2判定モードM2とからそれぞれなる判定期間D1、D2、D3が繰り返し行われて得られた今回の判定結果、および、以前に遡って操作スイッチ22がOFFとされた際に得られた前回の判定結果が、今回の判定に用いられてもよい。

    まず、先に説明した際と同様に、個別のタイミングで操作スイッチ22がOFFとなった時点では判定期間と休止期間とが繰り返される。 そして、個々の判定期間における判定結果が制御部18aへ格納される。 図7Bに示す今回の操作スイッチ22がOFFとなってから得た判定結果に加え、図7Aに示す前回に操作スイッチ22がOFFとなってから得た判定結果が、今回のスイッチ素子15に対する判定に用いられる。 そして、先に説明した最終判定が今回と前回との双方において操作スイッチ22がOFFとなってから得たスイッチ素子15に対する判定が異常であったとき、車載用電源装置10aは車両9内の警告装置23へと警告信号を発信してもよい。

    つまり、判定期間における判定が複数回繰り返して実施され、かつ、この結果に前回に操作スイッチ22がOFFとなったときの判定期間における判定結果が加えられてスイッチ素子15の状態が判定される。 これによって、第1判定期間D1では操作スイッチ22がOFFとなった直後などで、車載用電子機器などが継続して使用されている場合の第1判定モードM1における判定不可が生じても、後の判定期間D2、D3によってスイッチ素子15の状態は正しく判定される。 さらに、異なった環境や、あるいは異なった蓄電池11の状態においても同様の異常が制御部18aによって検出された結果として、スイッチ素子15に対する異常判定が決定されるので、これらの判定は非常に信頼性が高い。

    以上の説明では、制御部18aはスイッチ素子15が開放状態となったままでのスイッチ素子15の異常を判定する。 一方、仮にスイッチ素子15が接続状態となったままの異常を判定する場合は、昇圧コンバータ部13での昇圧動作が何れの時点においても不可能となる。 したがって、制御部18aが昇圧コンバータ部13に対して昇圧すべく指示をしているにもかかわらず、出力端子17の電圧が電圧V1と異なる高い電圧V2まで上昇しないとき、あるいは所定の判定値まで上昇しないときには、制御部18aはスイッチ素子15が接続状態となったままの異常状態であると判断すればよい。

    本実施の形態では、車載用電源装置10aにおける制御部18aは独立した単一の機能部分として示されている。 しかしながら、車両9の全体を制御する車両制御機能部のうちの一部の機能部分が制御部18aとして車載用電源装置10aを制御してもよい。

    また、車載用電源装置10aがスイッチ素子15に関する異常を車載用電源装置10aの外部に発信する場合、制御部18aを含んだ車両9全体を制御する車両制御機能部のうちの制御部18aとは異なる他の機能部分へ、異常に関する信号が発信されてもよい。

    さらに、車載用電源装置10aは説明における便宜上、制御部18aと電源回路部16とを分割して説明しているが、制御部18aと電源回路部16とは分割されなくても構わない。

    上述のように、制御部18aは、負荷19の電力消費の状態を判定する第1判定モードM1を行い、第1判定モードM1における判定結果に応じてスイッチ素子15の状態を判定する第2判定モードM2を行うように構成されている。

    制御部18aは第1判定モードM1において第1判定動作M11と第2判定動作M12を行うように構成されていてもよい。 制御部18aは第2判定モードM2において第3判定動作M21と第4判定動作M22と第5判定動作M23を行うように構成されていてもよい。 第1判定動作M11では、制御部18aは、スイッチ素子15が開放されるようにスイッチ素子15に指示し、入力端子12の入力電圧Viを入力電圧Viよりも高い電圧V1に第1昇圧期間P1において昇圧する第1昇圧動作を行うように昇圧コンバータ部13に指示する。 第2判定動作M12では、制御部18aは、第1昇圧期間P1が経過した時点t2に上記昇圧動作を停止するように昇圧コンバータ部13に指示し、時点t2から所定期間P11が経過した時点t3に出力端子17で検出した電圧Voによって負荷19の電力消費の状態を判定する。 第3判定動作M21では、制御部18aは、スイッチ素子15が継続して開放するようにスイッチ素子15に指示して、入力電圧Viを所定の電圧V1に第2昇圧期間P2において昇圧する第2昇圧動作を行うように昇圧コンバータ部13に指示する。 第4判定動作M22では、制御部18aは、昇圧期間P2が経過した時点t4に上記昇圧動作を停止するように昇圧コンバータ部13に指示し、時点t4から所定期間P21が経過した時点t5にスイッチ素子15が閉じられるようにスイッチ素子15に指示する。 第5判定動作M23では、制御部18aは、時点t5の後に、出力端子17で検出した電圧Voによってスイッチ素子15の状態を判定する。

    制御部18aは、第2判定動作M12において出力端子17で検出した電圧Voが所定の判定値Vth1よりも低いと判定した場合には第2判定モードM2を行わず、第2判定動作M12において出力端子17で検出した電圧Voが所定の判定値Vth1以上と判定した場合には第2判定モードM2を行うように構成されていてもよい。

    制御部18aは、第5判定動作M23において出力端子17で検出した電圧Voが所定の判定値Vth2よりも高いと判定した場合に、スイッチ素子15が異常であると判定し、第5判定動作M23において電圧Voが所定の判定値Vth2以下と判定した場合に、スイッチ素子15が正常であると判定するように構成されていてもよい。

    制御部18aは、複数の判定期間D1、D2、D3のそれぞれにおいて第1判定モードM1と第2判定モードM2とを行ってもよい。 この場合、制御部18aは、複数の判定期間D1〜D3において所定の頻度以上で第2判定モードM2においてスイッチ素子15が異常であると判定した場合に、スイッチ素子15が異常であると最終的に判定するように構成されてもよい。

    複数の判定期間D1〜D3の間には休止期間H1、H2、H3が設けられていてもよい。 休止期間H1、H2、H3では、制御部18aは複数の判定期間D1〜D3より低い電力で動作してもよい。

    制御部18aは、操作スイッチ22が切り替えられたことや、ドアロック装置24が解除されたことに応じて負荷19の電力消費の状態を判定する第1判定モードM1を行い、第1判定モードM1における判定結果に応じてスイッチ素子15の状態を判定する第2判定モードM2を行い、第2判定モードM2でスイッチ素子15が異常であると判定した場合に警告装置23に警告信号を発信するように構成されていてもよい。

    制御部18aは、車両9が起動してから停止するまでにそれぞれ対応する複数のドライビングサイクルのそれぞれにおいて第1の判定モードM1と第2の判定モードM2とを行う。 この場合、制御部18aは、複数のドライビングサイクルのそれぞれにおいて第2判定モードM2においてスイッチ素子15が異常であると判定した場合に、警告装置23に警告信号を発信してもよい。

    車載用電源装置10aは、負荷19の状態が検知されたうえでスイッチ素子15の状況が判定されるので、スイッチ素子15が正常に動作しているかどうかは容易に、かつ正確に判定される。

    さらに、図5A、図5Bの第2判定モードM2において、制御部18は昇圧コンバータ部13の昇圧動作に対する判定を行ってもよい。

    ここで、昇圧期間P2における電圧Vt2は制御部18aが出力端子17で検出する。 そして、制御部18aは電圧Vt2と昇圧判定値である所定の判定値Vth102とを比較し、昇圧コンバータ部13の昇圧動作が正常であるか否かの判定を行う。 ここでは、電圧Vt2が判定値Vth102以上である場合に、昇圧コンバータ部13が正常に昇圧動作を行っていると判定する。

    電圧Vt1が判定値Vth102よりも低い場合は、昇圧コンバータ部13は異常であると制御部18aが判定する。 そして、制御部18aが昇圧コンバータ部13あるいは電源回路部16が異常であるとの判定結果を警告信号として車載用電源装置10aの外部に設けられた車両9内の警告装置23へ発信する。 あるいは、昇圧コンバータ部13が正常であるか否かに関して、制御部18aが記憶してもよい。

    これにより、昇圧コンバータ部13の昇圧動作が正常であるか否かを制御部18aが判定できるとともに、時点t4で平滑コンデンサ13dから放電される電圧の値も正確であるか否かを制御部18aが判定できる。 このため、時点t6における出力電圧Voと判定値Vth2との比較、およびその結果に対する制御部18aの判定は高い確度で安定する。

    なお、制御部18は昇圧コンバータ部13の昇圧動作に対する判定を、図5A、図5Bに示す第2判定モードM2の昇圧期間P2の代わりに第1判定モードM1の昇圧期間P1で行ってもよい。 また、制御部18は昇圧コンバータ部13の昇圧動作に対する判定を、図5A、図5Bに示す第1判定モードM1の昇圧期間P1と第2判定モードM2の昇圧期間P2の双方で行ってもよい。

    制御部18がa出力端子17で電圧Vt1を検出するのは、時点t3から時点t4までであればいつでもよいが、時点t4で制御部18aが電圧Vt1を検出することで、先に述べた時点t4で平滑コンデンサ13dから放電される電圧の値は正確であるか否かを制御部18aがさらに正確に判定できる。 したがって、時点t6における出力電圧Voに基づく制御部18aの判定は、さらに高い確度で安定する。

    また、図5Aと図5Bに示すように制御部18aは出力端子17の電圧Voを時点t0から時点t1の間に検出して初期電圧の電圧Vt0を得て、電圧Voを時点t6で検出して放電電圧の電圧Vt6を得る。 さらに制御部18aは、電圧Vt6と電圧Vt0との差である電位差Vdt6を演算によって求める。 そして、電位差Vdt6が所定の判定電位差Vdthよりも大きいか、あるいは小さいかによってスイッチ素子15の状態が判定されてもよい。 ここでは、電位差Vdt6が判定電位差Vdth以上の場合、スイッチ素子15は制御部18aの指示に対応した動作不可となった異常な状態と判定される。 そして、電位差Vdt6が判定電位差Vdthよりも小さい場合や、あるいは電位差Vdt6がほとんど存在しない場合、スイッチ素子15は制御部18aの指示に対応して、開放状態から接続状態へと切り替える動作が可能な、正常な状態であると判定される。 また、先に説明した実施の形態1においても、上記と同様に初期電圧と放電電圧との電位差を得て、この電位差と判定電位差との比較によってスイッチ素子15が正常かあるいは以上であるかを制御部18が判定してもよい。

    ここでは先にも述べたように、上記判定の過程において、制御部18aは昇圧コンバータ部13が正常に動作しているかどうかを併せて判定できる。 よって、スイッチ素子15だけでなく、昇圧コンバータ部13を含めた電源回路部16全体の状態を容易に短時間で別の回路や動作を付加することなく判定することができる。

    先にも述べたように、時点t1から時点t2にかけて実施される第1判定動作M11や第2判定動作M21において制御部18aが昇圧コンバータ部13へ昇圧動作を行うよう指示するときの昇圧後の目標値は電圧V1である。 また、エンジン20がアイドリングストップから再始動するときに昇圧コンバータ部13が昇圧する目標の電圧値は再始動電圧である。 電圧V1は再始動電圧より高くてもよい。 また、上記の再始動電圧は、アイドリングストップ時の負荷19の状態によって変化してもよい。 したがって、時点t0の電圧Vt0と再始動電圧との差は小さい場合がある。 そこで、先に述べた電圧V1および判定値である判定値Vth2は、電圧Vt0や再始動電圧よりも十分に大きな値とすることが好ましい。 これにより、第1判定動作M11や第2判定動作M21における昇圧コンバータ部13の動作が正常か否かに対する判定の精度が向上する。

    ここで、さらにスイッチ素子15の状態に対する判定が安定するように、入力端子12における蓄電池11からの入力電圧Viが、下限度値と、下限度値より高い上限度値までの所定範囲外の値となったと制御部18aが検知したときには、制御部18aは第1判定モードM1と第2判定モードM2とのいずれも行わないように指示する。 例えば、入力電圧Viが上限度値よりも高い場合、スイッチ素子15が開放状態を継続しても時点t4以降の電圧降下幅が小さくなる。 またあるいは、スイッチ素子15が時点t5で閉じた後の電圧降下幅が小さくなる。 したがって、図5Aに示す判定値Vth2と出力電圧Vt6とが接近し、これらの比較に基づく判定が困難となる恐れが生じる。 また、入力電圧Viが下限度値よりも低い場合、昇圧コンバータ部13が、目的となる昇圧後の電圧V1まで入力電圧Viを昇圧することができなくなる恐れが生じる。 したがって、入力端子12における蓄電池11からの入力電圧Viは所定範囲内であることが望ましい。

    本発明の車載用電源装置は、電源回路部の動作を容易に短時間で判定することができ、各種車両において有用である。

    9 車両9a 車体9b ドア10,10a 車載用電源装置11 蓄電池12 入力端子13 昇圧コンバータ部14 通電補助ダイオード15 スイッチ素子16 電源回路部17 出力端子18,18a 制御部18s 始動信号受信部19 負荷20 エンジン21 ブレーキペダル22 操作スイッチ23 警告装置24 ドアロック装置25 リモコン装置

    そして、時点t1で第1判定動作M111が始まり、制御部18はスイッチ素子15を開放するようにスイッチ素子15に指示する。 これに加えて、時点t1で制御部18は昇圧コンバータ部13が蓄電池11の電圧Viを電圧V1へと昇圧する昇圧動作を行うように昇圧コンバータ部13に指示する。 ここでは、例えば、入力端子12へ入力電圧Viとして印加される蓄電池11の出力電圧の12Vが時点t1から時点t2までの昇圧期間P101において電圧V1の14.5Vへと昇圧される。 ここでの昇圧期間P101は任意に設定されてよい。 また時点t0から時点t1までの期間についても任意に設定されてよく、時点t0と時点t1とは同じであってもよい。

    第2判定動作M112が行われる時点t2から時点t3に至る期間P111では、平滑コンデンサ13dからの放電電圧と、通電補助ダイオード14を介しての蓄電池11の電圧のいずれか高い方の電圧が出力端子17に供給される。 期間P111では、スイッチ素子15は開放状態であり、かつ、昇圧コンバータ部13は時点t2で既に停止しており昇圧動作を行っていないので、出力端子17の電圧Voは時点t2から時点t3に至る時間の経過に伴い減衰する。 ここではさらに時点t2後の時点t3で、制御部18はスイッチ素子15を開放状態から接続状態へと切り替えるようにスイッチ素子15に指示する。

    この一方で、時点t3まで開放状態であったスイッチ素子15が制御部18からの指示に対応した動作が不可能な異常な状態であれば、スイッチ素子15は開放状態を時点t3後に継続することによって図3Aに示すように、出力端子17の電圧Voは継続して漸減する。 つまり、第2判定動作M112での時点t2から時点t3の期間P211と同様に、出力端子17には、平滑コンデンサ13dからの放電電圧と、通電補助ダイオード14を介しての蓄電池11の電圧とのいずれか高い方の電圧が時点t3後も供給され続ける。 そして、出力端子17の電圧Voは時点t4で所定の判定値である判定値Vth101以上となる。 したがって、時点t4で出力端子17の電圧Voが判定値Vth101以上であるとき、制御部18はスイッチ素子15が異常であると判断する。 厳密には、スイッチ素子15は閉じるための指示へ対応した動作が不可能な開放状態であると、制御部18は判断する。 そして制御部18がスイッチ素子15は異常であると判断したとき、制御部18がスイッチ素子15は異常であるとの判定結果を警告信号として車載用電源装置10の外部に設けられた車両9内の警告装置23へと発信する。

    上記の動作では、制御部18は判定値Vth101と出力端子17の電圧Voとを比較する。 そして比較の結果に応じて制御部18はスイッチ素子15の状態を判断している。 しかし、制御部18での判断は上記の判断に限るものではない。

    なお、車載用電源装置10aの制御部18aが行うスイッチ素子15の状態の判定は、車両9における様々な状況で行われて構わない。 実施の形態2では一例として運転者が車両9の車両起動スイッチである操作スイッチ22をONからOFFへと切り替えた後に制御部18aが行うスイッチ素子15の状態を判定する動作を説明する。 ここで、操作スイッチ22は、車両9に搭載されたアクセサリースイッチあるいはエンジンスイッチであってもよい。 言い換えれば、操作スイッチ22などが切り替えられることによって、制御部18aが、始動信号S18aを受信したことに応じて第1判定モードM1を行う。

    さらに、図5A、図5Bの第2判定モードM2において、制御部18aは昇圧コンバータ部13の昇圧動作に対する判定を行ってもよい。

    また、図5Aと図5Bに示すように制御部18aは出力端子17の電圧Voを時点t0から時点t1の間に検出して初期電圧の電圧Vt0を得て、電圧Voを時点t6で検出して放電電圧の電圧Vt6を得る。 さらに制御部18aは、電圧Vt6と電圧Vt0との差である電位差Vdt6を演算によって求める。 そして、電位差Vdt6が所定の判定電位差Vdthよりも大きいか、あるいは小さいかによってスイッチ素子15の状態が判定されてもよい。 ここでは、電位差Vdt6が判定電位差Vdth以上の場合、スイッチ素子15は制御部18aの指示に対応した動作不可となった異常な状態と判定される。 そして、電位差Vdt6が判定電位差Vdthよりも小さい場合や、あるいは電位差Vdt6がほとんど存在しない場合、スイッチ素子15は制御部18aの指示に対応して、開放状態から接続状態へと切り替える動作が可能な、正常な状態であると判定される。 また、先に説明した実施の形態1においても、上記と同様に初期電圧と放電電圧との電位差を得て、この電位差と判定電位差との比較によってスイッチ素子15が正常かあるいは異常であるかを制御部18が判定してもよい。

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