Fractionated micro electronic device array

申请号 JP51620096 申请日 1995-11-09 公开(公告)号 JPH11500602A 公开(公告)日 1999-01-19
申请人 デイヴィッド サーノフ リサーチ センター,インコーポレイテッド; 发明人 ザンズッチ,ピーター,ジェイ.; チェルクリ,サチャン,シー.; マクブライド,スターリング,イー.;
摘要 (57)【要約】 複数のテストまたは合成を並列に処理するためのシステムであって;試料のテストまたは合成のための1以上のチャネルによって接続された複数のウェルからなるマイクロラボラトリーアレイ内に、試料を移送するための試料チャネルと;該アレイ、および、該アレイ内の試料を測定するための少なくとも1つの検出器と、少なくとも1つの 光源 とからなる光学系を収容するためのステーションと;前記アレイを、該アレイ内への 流体 の流れをモニターおよび制御することが可能な装置に対して、電気的接続するための手段とを含む。 試料は、通常の装填チャネルから前記アレイ内に装填され、前記ウェル内で処理され、前記光学系で測定される。 該アレイは、多くの試料を処理したり、多くの化合物を並列に合成することができ、このようなプロセスに要する時間を低減する。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. 誘電体基板内で、チャネルにより相互に接続されたウエルのアレイ備え; 前記チャネルは、流体試料源に接続され;更に、 前記アレイに電気的に接続された、前記アレイ用の支持体を格納するステーションと; 前記アレイへの流体の流れを制御するために、前記ステーションへ電気的に接続された装置と; を備えるシステム。 2. 前記ステーションは、前記チャネル内の前記流体を監視するための、一つ以上の光源と、一つ以上の光検出器とを備えた光学システムを含む、請求項1 によるシステム。 3. 前記光源と前記光検出器は、前記流体試料源から前記アレイへ移送される流体試料の量を監視する、請求項2によるシステム。 4. 前記ステーションは、流体を前記アレイへ制御可能に送るための流体ポンプを含む、請求項1によるシステム。 5. 前記試料は、前記基板内のローディング用キャピラリチャネルへ接続されたシステムのローディングチャネルによって、前記アレイ内へローディングされる、請求項1によるシステム。 6. 前記ウェルと前記チャネルは、一本のチャネルで接続された複数のウェルを備えた一つのモジュールにグループ化され、前記モジュールは、流体がウェル内を通るように、ローディングチャネルに接続される、 請求項1によるシステム。 7. 複数のモジュールが前記基板内に在り、前記ローディングチャネルが、 流体を前記モジュール内へ同時に通すことができる、 請求項6によるシステム。 8. 同時処理用マイクロラボラトリーアレイであって: 内部に一つ以上のモジュールを有する誘電体基板を備え、前記モジュールは、ウエルへ出入りする流体の通路用のチャネルによって接続された一つ以上のウェルを備えている、マイクロラボラトリアレイ。 9. 前記基板は、高融点のガラスである、請求項8によるアレイ。 10. 各モジュールチャネルは、流体を前記モジュールに通すための一本のローデングチャネルに接続されている、請求項8によるアレイ。 11. 前記アレイは、流体試料からのDNAを検定するモジュールを備える、 請求項8によるアレイ。 12. ウェルが: 内部に推積された金属酸化物の導体と;その上に推積された薄膜重層熱電対と; ウェルの温度制御のために基板上の電極に接続された、ウェル内のリードと;を有する、請求項11によるアレイ。 13. ウェルは、その内部に推積された電極を有し、前記電極は、外部リードに接続され、前記ウェル内で逆方向の流体移動を起こさせるために電界源へ接続される、請求項11によるアレイ。 14. DNA検定方法であって: 並列に接続されたモジュールのアレイのローディングチャネルへ、液体血液試料を移送するステップを有し; 前記各モジュールは、4個のウェルと一つの接続チャネルを有し;更に、 前記試料を、濾過、溶解して、DNA分離するために第1ウェルへ移送するステップと;DNA片を第2ウェルへ移送して、DNAを、ポリメラーゼ鎖反応(遺伝子増幅)法を用いて、分離、増幅するステップと; 増幅されDNAを、プローブハイブリット形成法を用いる検定のために、第3ウエルへ移送するステップと; 試料を、試料中のDNAの光学的な検出と測定のために、第四ウェルへ移送するステップと; を有するDNA検定方法。 15. 血球緩衝液と白血球緩衝液を、第1ウェルへ順次移送する、 請求項14による方法。 16. 溶解反応の間、セルを加熱して反応を促進する、請求項14による方法。 17. 反応完了後、セルを加熱して溶解材料を不活性化する、請求項16による方法。 18. 誘電体基板アレイの製作方法であって: 前記の基板内にローディングチャネルをエッチングするステップと; 少なくとも一つのウェルと、前記ローディングチャネルへ接続された前記ウェルへつながる少なくとも一つのチャネルと、を備えた複数個のモジュールをエッチングするステップと; 少なくとも一つの薄い導体層をウェル内に形成するステップと; 前記基板上に電極を形成し、前記伝導層と前記電極との間にリードを接続して、 前記モジュールを電気的に接続するステップと; 前記基板の上にカバープレートを封止して、チャネルの形成を完成させるステップと; を有する誘電体基板アレイの製作方法。 19. 前記チャネルとウェルは: 基板の表面にクロム−金層を推積し、その上へフォトレジストを流し、前記樹脂を露光現像して、その上へ一つ以上の孔を開け、前記孔を貫通するウェルとチャネルをエッチングすることによって形成される; 請求項18による方法。 20. 免疫学的検定を行う方法であって: 抗体を含む液体試料を、誘電体基板のローディングチャネル内へ移送するステップを有し; 前記誘電体基板は、その表面にアレイを有し、前記アレイはウェルに接続されたチャネルに接続されるローディングチャネルを備え;更に、 予め選別された結合抗体をウェル壁上に含む前記第1ウェル内に、試料を移送するステップと; 試料中の抗体をウェルに結合するために試薬を送るステップと; ウェルからの過剰試薬を除去するために溶剤を移送するステップと; を有する方法。 21. 複数のウェルが、一本のチャネルに連結され、異なるウェル内で順次ステップを行うためのモジュールを形成する、請求項20による方法。 22. 誘電体基板内に直角で別々のチャネルを形成する方法であって: 前記基板の両側へ、第1と第2の耐エッチング金属皮膜を形成するステップと; 第1のフォトレジスト層を、前記第1金属皮膜の上に推積させ、前記フォトレジストを露光現像して、前記層の中に一つ以上の孔を形成するステップと; 前記露光された誘電体基板を、前記第2金属皮膜までエッチングするステップと; 前記第1の孔に直角な孔を形成するために、前記第1フォトレジスト層を露光現像するステップと; 前記基板内にチャネルを形成するために、前記直角の孔を貫通して前記基板をエッチングするステップと; 第2のフォトレジスト層を、前記第2の金属皮膜の上に形成するステップと; 第2のチャネルを前記第1の孔に隣接して形成するために、前記フォトレジストを露光現像するステップと; 前記第2のチャネルへの通路を開けるために、第1の孔をエッチングするステップと;前記基板の両側にカバープレート封止するステップと; を有する方法。 23. マイクロラボラトリーアレイを用い、複数の試料を同時処理するシステムであって: a)試料をマイクロラボラトリーアレイ内に移送するために、少なくとも一本の試料チャネルを画成するべく微細構造と成された基板と; b)複数のウェルと; c)前記複数個のウェルを接続するための複数のチャネルと; d)前記微細構造基板を格納するサポートステーションと;を備え、 前記サポートステーションは: 1)前記微細構造基板に電気接続され、試料測定用の光源と光検出器を有する光学システムと; 2)試料を移送するために、前記微細構造基板へ電気的に結合されたポンプと、 を包含し、更に、 e)前記試料の処理を監視、制御するために、前記微細構造基板に電気接続されたコンピューターを備える、処理システム。 24. 複数個の試料を、同時処理できる用にように、ウェルが、並列モジュール内に編成される、請求項23によるシステム。 25. マイクロラボラトリーアレイを備え、複数の化合物を同時に合成するためのシステムであって、 前記アレイは: a)試料を、マイクロラボラトリーアレイへ移送するための試料チャネルを含む基板と;b)複数のウェルと; c)前記ウェルを接続するための複数のチャネルと; d)マイクロラボラトリーアレイを格納するためのステーションと;を含み、 前記ステーションは、 1)試料を検出して計測する光学手段と; 2)試料をアレイを通して送る手段と; 3)複数の化合物の合成を監視し制御するために、前記基板に電気接続された制御装置手段と;を含むシステム。 26. 複数の合成を同時に行えるように、ウェルが、並列モジュール内に編成される、請求項25によるシステム。 27. ウェルと、流体をアレイへ配送するために、そして流体アレイから集めるために、ステーションへ電気接続された接続チャネルとを備え;前記のステーションが、電子光学計測を果たす電子光学手段を含み;前記ステーションが、 アレイへ配給される流体量を制限する制限手段に電気接続されている;システム。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 分画化されたマイクロエレクトロニックデバイスアレイ 本発明は、分画化されたマイクロエレクトロニック流体アレイを備えたシステムに関する。 詳細には、本発明は、合成、スクリーニング、化学的評価検定とを含む様々なプロセスを同時に実行するための、マイクロエレクトロニック流体移送デバイスアレイを含むシステム、およびそのアレイを製作する方法に関する。 同族の化合物を作る従来の方法、または、同族の類似する化合物を含む新規の薬物化合物のテストは、時間のかかるプロセスであった。 何故なら、各化合物または各候補薬物を個々に造って、個々にテストしなければならないからである。 例えば、多くの薬物候補化合物は、複数の物質をテストするために試剤を使ってテストされるが、それらの物質は、恐らく、単アミノ酸基か核酸塩基だけの違いか、あるいは異配列の異なるアミノ酸か核酸を有するかの違いだけである。 最近では、生物学的活性の可能性を持つ種々の化合物の合成と、例えば従来からの半導体技術とを組み合わせることによって、そのプロセスは多少改良されている。 例えば、半導体、または誘電体基板の上に、感光性保護化学物質を含むアミノ基を有する生物学的前駆物質を被覆する。 次に、各々が孔を有する一連のマスクを前駆物質上に実装する。 感光性アミノ酸のなどのカプリング試剤に、孔から光を照射してアミノ化合物と反応させ特定の化合物を生成する。 前駆物質上に異なるペプチドのアレイを形成するために、別のカプリング試剤とともに、別のマスクを使用して、このアレイの生物学的活性の検査を行うことができる。 これは、抗体とかウイルスなどのターゲット分子へアレイ露光して行うのが望ましい。 このアレイは、蛍光標識を有する生物学的受容体に対して露出していて、アレイ全体が受容体と共に培養される。 もし、受容体がアレイ中の何らかの化合物に結合すると、蛍光標識の位置を光学的に検出できる。 この蛍光データは、コンピュータに伝送され、コンピュータは、反応した化合物と、反応の程度とを演算する。 この技法により何週間も、更には何ケ月もかかった何千もの化合物の合成やテストを数日で行うことが可能である。 しかし、各カプリング反応を合成することが必ずしも完全には行われず、バイオポリマーの長さが増すにつれて、収量は減少する。 複数のマスクを整列させてマスク内に孔を開ける順次プロセスには、注意深い整列作業が必要で、時間もかかる。 上記の合成は、平面上での様々な操作や反応を可能にする2つの最新技術の開発により可能となった。 その一つは、DNA片の検出と分析、そして特定の化合物との反応によるDNA片の識別である。 プローブ、RNA、DNA片は、高感度センサーで分解、標識付け、検出を行うことができる。 DNAが存在するか否かによって、例えば、病気の細胞を見極めることができる。 もう一つの進歩は、微細チャネル内での、物質分離能と、そのような微細チャネルを通して流体を移送する能力である。 これは、電気泳動や電気浸透等の種々の界面動電プロセスを用いることによって可能となった。 流体は、電気浸透力によって微小チャネルの内部を推進される。 電気浸透力は、外部電圧によって蓄積された表面電荷を通してチャネル内に蓄積され、流体を“はじいて”流れを発生させる。 この表面電荷と外部電圧は、界面動電流を発生させ、その結果、チャネルに沿う流体流を発生させる。 このような界面動電プロセスは、例えば、米国特許第4,908,112号に記載されたような装置の基礎である。 こうして、電気泳動およびまたは電気浸透を使った、ごく少量の物質の微細チャネルに沿う移送が実現した。 このような移動は、薬物候補化合物のごく少量の試料のアレイ中での合成や、ごく少量の物質の生物的活性に関するテストに用いることができる。 流体プロセスの完全自動化における一層の進歩により、情報が、 将来の薬物選定に役立つあらゆるタイプの生物的活性に関する膨大な数の化合物の合成とテストにかかる時間と費用を大きく削減することになろう。 本発明のシステムは、基板内にミクロンサイズのウェルと接続チャネルとのデバイス装置アレイを備え、接続チャネル、アレイへの流体の配送と、アレイからの流体の回収、そして、ウェル中での物質の電気光学的測定のためにステーションとインターフェースしている。 ステーションは、制御装置にも接続していて、チャネルやウェルへの流体の流れを、制御し、基板からの測定データを収集する。 上記の構成要素は、相互に依存して、同時に種々の作業を行うことができる。 アレイの個々のウェルと配列は、果たすべき合成や分析によって変わり得る。 このように、アレイの機能を容易に変更できえるが、使用中の特定のアレイへの流体流と行うべきテストまたは合成を監視し制御に適正なインターフェース手段を選ぶことだけは必要である。 一つの実施例において、上記のシステムは、公知のポリメラーゼ連鎖反応(P CR)プロトコルや、DNA検定のためのプライマーやプローブ技術を使って、 DNAの同時検定などの種々の臨床診断に使用できる。 他の実施例において、スクリーニングを目的として、抗体または抗原の免疫検定に使用できる。 更に別の実施例において、一連の化合物、即ち一連のペプチドまたはオリゴ核酸塩の合成を同時に行うことができる。 アレイ中の各ウェルは基板上の該当モジュール内で、決められた作業を遂行できるように設計されていて、各モジュールは各作業を果たすのに必要な数のウェルを含んでいる。 ウェルは、接続微細チャネルによって相互に、試料源、および試薬流体源に接続されている。 この能力により、病気に対して順次検定では不可能な、幅広い臨床検定が可能になり、抗体のスクリーニングの様な幅広い臨床検定の統計が改良され、同時性により、テストにおけるコストの削減、試験の速さの改善、急速に進行する病気に対する患者への治療の改善が可能になる。 アレイは、適切な誘電体基板内に形成され、アレイ中には、チャネルとウェルが、マスクレス半導体パターン技術を使って形成される。 コンピュータなどのステーションと制御手段は、市販されている装置を含む既存の技術を使用する。 本デバイスアレイは、活性処理を利用してアレイを横切って流体移送し、合成やスクリーニングにかかる必要な時間を削減する。 更に、すべてのタイプの大型のバイオポリマーを、合成化合物を高純度に保ちながら、合成と処理を行うことができる。 本マイクロラボラトリーアレイは、完全自動化して、ウェルからウェルへ、試料や前駆物質の移送、そしてアレイ中への他の流体の移送を可能にするとともに、検定の測定および温度制御等の処理パラメーターの完全制御を可能になるだろう。 本発明の教示は、以下の詳細説明を添付図面とともに考察すれば、容易に理解できる。 ここで: 図1Aは、臨床検定用に適用する、本発明のシステムの各部の分解図である。 図1Bは、本発明の基板の平面図であり、その中に形成したラングルモジュールを示す。 図2は、本発明のモジュールを説明する分解平面図である。 図3は、本発明の光伝送・検出システムの分解断面図である。 図4Aは、本発明のマイクロラボラトリーディスクのウェルの実施例の断面図である。 図4Bは、本発明のマイクロラボラトリーディスクのウェルの、別の実施例の断面図である。 図5Aは、マイクロラボラトリーディスクのモジュールの一部の断面図であり、典型的なウェル内の装置を示す。 図5Bは、カバープレートで覆われた、マイクロラボラトリーディスクのモジュールの一部分の断面図である。 図6Aは、マイクロラボラトリーディスク断面図であり、光学的システムインターフェースとともに、予め形成装置を内部に有する追加のウェルを示す。 図6Bと図6Cは、ウェルに隣接するチャネルの内にあって、それぞれ、開放位置と閉止位置にあるバルブを示す。 図7Aは、免疫検定に適する本発明の別の実施例の分解図である。 図7Bは、図7Aのマイクロラボラトリー上のモジュールを図示する平面図である。 図7Cは、流体をチャネル内に、そしてひとつのウェルから別のウェルへ移送するための制御手段の断面図である。 図8は、蛋白質とオリゴ核酸塩を同時に合成するのに適した、ミクロ実験室アレイの別の実施例の略図である。 図9は、図8のシステム用に改変されたステーションを示す略図である。 図10は、多数の小型分子を同時に合成するのに適したマイクロラボラトリーアレイの更に別の実施例の略図である。 図11A、11B、11Cは、基板内にクロスオーバーチャネルを形成するのに必要なステップ示す断面図である。 図11Dは、基板内のクロスオーバーチャネルの平面図である。 図12は、電気浸透によって、チャネル内の流れを制御するためのチャネル“ ゲート”電極の平面図である。 本発明を、先ず、図1Aを参照に説明する。 図1Aは、DNAスクリーニング診断を行うために構成した、本発明のシステム例の各部を図示する。 図1Aのシステムは、モデムやプリンター12等の周辺装置にライン11を介して、電気的に接続されたコンピューター10を含み、このコンピューターは、マイクロラボラトリーディスク14へ命令を与えたり、そこから得られたテスト結果を記録するようにプログラムが組まれている。 コンピューター10は、ライン15を介して、ステーション16へ電気的に接続されている。 ステーション16 には、マイクロラボラトリーディスク支持体18、試料と試薬をマイクロラボラトリーディスク14にローディングするための支持体チューブ20、流体をディスク14上の特定の仕向地に移送するためのポンプ22、一つ以上の光源24、 光ファイバー25、一つ以上の光検出器26を含む。 光ファイバー25は、光源24からの光を検出器26へ伝送するよう作動する。 廃流体等を容れる一個以上のリザーバ28もステーション16に格納されている。 全血やその他のDNA含有流体など、試験対象の少量の流体試料を、ローディングシステム30によってシステム内へ入れる。 システム30は、マイクロラボラトリーディスク14の表面内にエッチングされたローディング用キャピラリーチャネル34に接続してサンプルを収容する一本以上のキャピラリを内臓してもよい。 ローディング用キャピラリ32は、ローディング用キャピラリチャネル3 4内へ平に挿入する。 試料は、ローディング用キャピラリチャネル34に送られてから、ディスク上の第一のウェル36に移送される。 代替として、供給チャネル34へ垂直に挿入するローディングチャネル50も試料の供給に使用できる。 図1Bと図2に、本発明のマイクロラボラトリーディスク14上で、チャネル38によって接続された複数のウェル36、40、42を備えた、破線で示した特定のモジュールを図示する。 各モジュールは、それぞれのモジュールからの過剰な流体または廃流体を集めるウェル46に接続している。 これらの廃流体は回収され、ステーション16中の廃流体リザーバ28へ移送される。 試料は、第1ウェル36を含む一連のウェルの中で順次、処理される。 例えば、全血試料は、ローディング用キャピラリチャネル34から第1ウェル36内へ移されて、濾過され、溶解され、白血球と赤血球に分離される。 そして、DNA が白血球から分離される。 次に、DNA試料は、単一モジュールの全てのウェルを接続する接続チャネル38を通って、第1ウェルから出されて、第2ウェル4 0へ移送される。 第2ウェル40内で、DNAは、単一の系(Strain)に分離され、よく知られたPCR手法を使って増幅される。 続いて、処理された試料は、 第2ウェル40から出て、接続チャネル38を通って第3ウェル42へ移送される。 第3ウェル42で、DNAは、既知のプローブハイブリッド形成法によって検定される。 このDNA検定は、第4ウェル44の中で検出され評価される。 このように、特定の血液試料中のDNA検定は、一本のチャネルで接続された一連の4個のウェルの中で行われる。 最後に、過剰の試薬等は、マイクロラボラトリーアレイ14内のすべてのモジュールに共通な第5ウェル46に集められ、ステーション16の廃液収集システム28へ転送される。 ローディングチャネル34または50と、ウェル36、40、42、46、そして接続チャネル38を組み合わせて、試験マイクロラボラトリーディスク14 上に、1個のモジュール48を形成する。 マイクロラボラトリーディスク14上の単体モジュールを、平面図IBに破線で示す。 以下に説明するように、マイクロラボラトリーディスク14中には、複数のモジュールが形成されているので、 多数のモジュール48上で同時にテストが行える。 図1A、1Bおよび図2に示した、モジュールのこの特定した連続性を持つチャネルとウェルは、Greisen他のDNA検定プロトコルを使って、血液や、他のDNA含有流体中の病原性バクテリアの検出に役立つ。 “PCR Primers and Prob es for the 16SrRNA Gene of Most Species of Pathogenic Bacteria,Including Bacteria Found in Cerebrospinal Fluid,J.Clinical Microbiology 32(2 ),pp335-351(1994)を参照のこと。ディスク14は最大1500個の並列モジュールを形成できるように編成されているので、順次検定のシステムでは出来ないであろう広範なDNAスクリーニングを同時に行える。大型並列アレイでのテストを同時に実行できるので、有意な結果を得るための時間も短縮され、その結果、コストも削減される。更に、広範囲なスクリーニングをベースとして、統計を改善することができる。その上、本発明のこのシステムは、腫瘍に見られるDNA変異体を検出する能力を持つ。 ステーション16には、光ファイバーアセンブリ25、一つ以上の光源24、 一つ以上の検出器26(図示なし)があって、この検出器は、システムのローディングチャネル34または50に命令を送信し、チャネル34または50、および第1ウェル36内の血液や他の流体試料等の物質の透過度や吸光度を測定する。光ファイバーアセンブリ25により、チャネル34または50、あるいはウェル36内の物質の有無を確認し、測定データをコンピューター10に転送してその量を確定できる。適当なレーザーや光検出器は市販のものを入手できる。光ファイバーを支持する光ファイバーアダプタも市販されている。これらのアダプタは、光源からファイバーへの光の有効な伝送をするために、レンズ付きであってもよい。 同時モジュール処理か、アレイ処理かの何れかで設計され、予め選択された基板を、ステーション16内の基板ホルダ上に配置できるようになっている。マイクロラボラトリー14の各々のモジュール内での処理を行うために、コンピューター10のソフトウエアに適切な変更を加えるか、あるいは、特定された一連の試薬調製手順を監視できる他の駆動手段を選んだ後に、全く異なったテストおよび処理を、本発明のシステム内で実行できる。このように、マイクロラボラトリーアレイ14は、様々な、検定、測定、合成に対して個々に設計され、異なることを行う場合にシステム内で変更しなければならないのは、モジュールの構成と駆動手段だけである。 ガラス基板または、その他の基板の表か裏の一方には、薄膜トランジスタ回路(図示なし)が形成され、後で更に説明するリードや電極を通してウェルに電力を提供するとともに、アレイに沿って液体を移送できるように、コンピューター10などの駆動装置に接続している。 ピンもガラス基板内に形成でき、例えば、 コンピューター10に接続されている支持体18上の論理回路によってアドレス指定が可能である。 これらのトランジスターと論理回路も、支持体18上の基板14と接触して、マイクロラボラトリーディスク14とコンピューター10との間にインターフェイスを提供する。 システムローダー30は、ステーション16の外側に設置され、図3に示すローディング用キャピラリ32へ接続してもよい。 このキャピラリは、内径が約2 00ミクロン、外径が約600―700ミクロンが適正である。 キャピラリ32 は、公知の方法で前処理を行い、表面に吸着した蛋白質や関連する生体用材料を除去することができる。 この方法は、例えば、Cobb著“Electrophoretic Separa tions of Proteins in Capillaries with Hydrolytically Stable Surface Stru ctures,Anal Chem.62,(1990)pp2478-2483に開示された方法に類似している。試料物質は、すべてシステムローダー30によってシステムへローディングされる。システムのキャピラリ32は、ローディングチャネル34 を介して、水平に直接、マイクロラボラトリーディスク14へローディングできる。試料は、ローディング用キャピラリ32に付したバーコード、または、他の高密度コードを用いて、ディスクアレイ上の位置によって識別される。試料ローディングチューブ32を、ローディングチャネル34に挿入する時、キャピラリ試料32の端部またはローディングチャネルに接着する封止剤により、キャピラリ32をチャネル34に封止する。代替として、キャピラリ試料32は、別のローディングチャネル50へ水平に挿入され、このことにより、より小さなローディングチャネルを使用できるようになるが、試料は、ステーション16のポンプ22から制御を行って送るよりも、重力で接続チャネル38へ入れる方がよい。 この代替構造を図1乃至図3に示す。 本システムの心臓部は、並列モジュールマイクロラボラトリーディスク14であり、図1Aに側面図を、図1Bに平面図を示す。図1Bと図2は、マイクロラボラトリーディスク14上の単体のモジュールを示し、ディスクの直径は約8. 5cmが適当である。 マイクロラボラトリーアレイの各モジュールは、一本のチャネルで接続された一つ以上のウェルで構成され、順次、ローディング用キャピラリに接続されている。マイクロラボラトリーディスク14は、例えば、ガラス、融解石英、石英、 またはシリコンウエーハからできていて、厚さは約1mmが適当で、半導体技術や、HFなどの適当なエッチャントを使って、精密にかつ自在にエッチングできる。高融点ホウケイ酸ガラスや融解石英などの高品質ガラスは、それらの持つU V伝送特性に関して光技術を利用しウェルやチャネルの内で処理や測定を行う場合に好ましい。図IBに示すモジュール48は、4個の接続したウェルを有するが、これは単なる例であり、ウェルの数は、各モジュールで行うテスト、または合成に従って、また、以下で更に記載するように、テストまたは合成を行うステップの数に従って、それより多くても少なくてもよい。 特定のマイクロラボラトリーディスク用のテストと合成を行うための順次ステップを遂行するのに必要な数のウェルが、マイクロラボラトリーディスクにエッチングで形成される。 各モジュール内の全てのウェルは、一つ以上のチャネルで相互に接続される。 モジュールは、その各々が基板上で効果的に配置できるように設計されている。 各モジュールで必要とするウェルがほんの数個である場合は、2個のモジュールを、ディスクの半径方向の各スライス片(図示なし)に形成することができる。 これにより、一枚のマイクロラボラトリーディスク14へエッチング加工できるモジュール数を倍にできる。 このように、直径8.5cmディスクに、267個のシングルモジュールか、534個のダブルモジュールのアレイを容易に製作できる。 試料を、ローディングチャネル50へ垂直に挿入する場合、必要な基板面積は少なくてすみ、一枚のマイクロラボラトリーディスク上にモジュールを追加でき、一枚のマイクロラボラトリーディスク14上に、最大1500個のモジュールを形成することができる。 各モジュールは、本システムの供給システム30に接続しているので、全モジュール内での同時処理が可能である。 すべてのモジュールの過剰流体や廃棄物は、中央ウェル46へ送られる。 複数のウェル46を、共通チャネル47(図1B)によって相互に接続してもよい。 基板14の裏側にある封止チューブは、これら過剰流体用の出口チャネルを提供し、過剰流体をステーション16内の廃棄リザーバ28へ送ることができる。 このように、各マイクロラボラトリーアレイに必要な出口チャネル47はひとつだけである。 マイクロラボラトリーディスク14のウェルは、以下の手順で作ることができる。 ガラス基板ディスク14を、連続するエッチャントから保護するため、蒸着や化学蒸着(CVD)といった公知の方法で、約1000オングストロームの厚さの、薄いクローム層と金皮膜でディスク両面を連続的に覆う。 Hoechst-Celanese Corp. 製のDynakem EPA等の2ミクロン厚のフォトレジストをスピン−オン(sp in on)し、マスクか、正方形または長方形のイメージの何れかを使って、そのフォトレジストを露光するが、これには、MRS Technology,Inc. 製のMRS 45 00パネルステッパーが適している。 レジストを現像してその中に孔を明け、レジストを焼成して溶剤を飛ばした後、25mlの水に4gのKIと1gの沃素( I2)を含む標準エッチ液を使って、孔内の金層をエッチングする。 次に、下地のクロム層を、KTI Chemicals,Inc. 製の KTI Chrome Etch などの酸化クロムエッチ液を使って、別々にエッチングする。 それから、体積比14:20:66 のHF-HNO3-H20の超音波バス中でガラス基板をエッチングする。 超音波バスでこのエッチャントを使うことにより、様々なウェルに垂直な側壁が形成される。 望ましいウェルの深さが得られるまでウェルのエッチングを続ける。 ウェルの中で果たす機能にもよるが、望ましいウェル深さは、約200 - 750ミクロンが適切である。 次いで、残りのフォトレジストとクロム−金層を除去する場合、幅約200ミクロン、深さ50 - 100ミクロンの接続チャネル38を、ウェル間でエッチングする。 流体物質を、様々な方法で、第1ウェル36またはローディングチャネル34 から様々なウェルへ送ってもよい。 外部の機械的ポンプシステム22を使用して、再生可能で正確に調節された量の流体を配送し、テスト液の純度と無菌性を維持できる。 Watson-Marlow,Inc. 製の205Uマルチチャネルカセットがふさわしいポンプである。 代替として、マイクロ電子機械システム(MEMS)に基づくミニチュア機械ポンプも使用できる。 これらミニチュアポンプは、各ウェル3 6、40、42、44の内部にあっても、外部にあってもよい。 このようなポンプは、Shoji 他の、日本電子通信学会誌、パート2,70,pp 52 -59(19 89)の「集積化学分析システム用マイクロポンプの製作」で報告されている。 微細チャネルを通して流体を移送するその他の適切なポンプ手段には、Dasugupta 他によって報告された界面動電ポンプ(electrokinetic pumps)がある。 これについては、Electroosmosis:A Reliable Fluid Propulsion System for Flow In jection Analysis,Anal.Chem. 66,pp1792 - 1798(1994)を参照のこと。 また、不活性金属電極を必要とする電気泳動法も使える。 図4Aに示したように、例えば、第1ウェル36の底部金属層54としての金電極のように、 一つのモジュールの様々なウェル内に金電極を堆積させることができる。 電極5 4は、リード55を介して回路や他の電気接続子56に接続される。 多量の希釈液、緩衝液、洗浄液等の流体を接続チャネル38に通す必要がある場合、これらの溶液を、チャネル38を通して目的のウェルに送るために、ステーション16内の外部機械ポンプ22を使用する。 必要とする量が少ない場合は、より高い効率のために、ディスク内ポンプシステムが使える。 更に、プラスチックのリリース容器に密封した包装済みの化学薬晶を、必要に応じて特定のテスト用の様々なウェルに置くことができる。 特定のウェルの温度を監視し、変更しなければならない場合は、ウェルの加熱手段または冷却手段をウェル内に組み込む。 詳細は、図4Bを参照にして以下に説明する。 この例における第1ウェル36は、試料調製用ウェルである。 酸化錫やインジウム酸化錫等の適当な金属酸化物57の薄膜を、ウェル材の上に堆積させ、導電性金属接続子58によって、ウェル36の端部、または外側端部に接続される。 酸化錫皮膜57は、ウェル36の加熱要素としての役割を果たす。 ウェル36も、好ましくは、クロム―アルメル合金でできている表面バイメタル皮膜59とリード60を有して熱電対を形成し、酸化錫皮膜57とリード58に電流源を印加した時の、ウェル内の温度を測定する。 図示したように、マイクロラボラトリーディスク14の裏側、または、好ましくは表側に堆積させた電極56を介して、 ウェル36に印加する電圧によって、ウェル内の温度を調節する。印加する電流の大きさは、リード60を通して測定された温度に応じて、コンピューター10 により調節することができる。本モジュール48の第1ウェル36も、Pall Co.製の Leukosorb TMなどの血液親和性結合物質(図示なし)と、試料の赤血球と白血球を溶解して、第1ウェル36からDNAを搬送する市販の溶液を含んでいる。このように、各ウェルに必要とされる装置や試薬は、予め作られたものを、ウエル内にローディングしたり、共通ソースからポンプで直接送られる。予めローディングされた流体を、マイクロラボラトリーディスク14に接続されたローディング用キャピラリ32につながるステーション16内のリザーバからウェルへ送るか、あるいは、ウェルに通ずるリザーバとチャネルを、流体を使用するウェルに隣接して形成してもよい。ウェル内に、別の装置を組み込むことができる。例えば、交番磁界を利用した反応物攪拌装置を、ウェル中に組み込むこともできる。例えば、2個以上の電極を、ウェルの各側部に蒸着して、外部リードに接続し、続いて交流電源に接続することができる。この交番磁界は逆の磁場を与え、ウェル中の常磁性粒子を動かすことにより、ウェル中に流体の運動を引き起こす。図5Aに示す様に、常磁性ビード61は、本モジュール48の第2ウェル40 内に堆積させて、DNA物質を結合し、増幅、検出、検定のために、DNAを次のウェルへ移す。これらのビードは、例えば、インディアナ州の Bang Laborato ries of Carmel から、PCRプロトコル用に市販されている。ウェル40も、 リード66によって電極56に接続される。全てのウェルの準備が終わってローディングされると、図5Bに示す様に、ガラス製のカバープレート63がマイクロラボラトリーディスク14に取り付けられ、接続チャネル38用のキャピラリ構造が完成し、ウェル内の流体は蒸発しない。このカバープレート63の材料は、マイクロラボラトリーディスクと同じでも、異っていてもよいが、カバープレート63の熱膨張係数と、マイクロラボラトリーディスク14の材料の熱膨張係数は近似していなければならない。カバープレート63をディスク14に封止するのに必要なシール温度も、エッチングされたチャネルやウェルの変形を防ぐために、ディスク材料の流動点未満でなければならない。カバープレートをディスクに封止するためには、電界を使うのが適している。というのは、封止が発生する温度は、流動点より低い温度、例えば約700℃以下であり、この温度は、約1400℃のシリコン流動点、あるいは、 Corning Glass Co.製の Corning 7059 ガラス(約844℃)よりかなり低い。本発明を、検定や合成など、異なるプロセスを同時にかつ並行して行うための、異なったモジュールについて記載した例を用いて、更に説明する。しかし、本発明は、ここで述べる詳細に限定される訳ではなく、モジュール中のウェル数、 ウエル中あるいはウェルに隣接して形成される装置、ウェルへの流体の出入りに必要な装置の数や形式、モジュール以外のディスク上へ組み付ける処理装置の数や形式等を、適当に変えることによって、プロセスや合成の追加が容易に行える。 例1 DNA分析上記の様に、試料流体はローディングチャネル34または50に送られる。次に、試料に電界を加えるか、またはポンプ22によって、試料はチャネル38を通って第1ウェル36へ移送され、そこで、例えば、試料の分離、濾過、溶解、 DNA分離が行われる。第1ウェル36は、図5で詳細を示す様に、加熱および温度調節手段を備えている。先ず、酸化錫層57が、CVDによってウェル36 内に形成される。ウェル36内の酸化錫皮膜57の上に二重膜59が積層され、 金属接続子60が、ウェルの側壁に沿って設けられる。電極56と60が、マイクロラボラトリーディスク14の裏側に形成され、リード58と60いより熱電対59は外部コンタクト56に接続される。リード58を通る電流と、リード6 0からの電圧は、コンピューター10で監視して制御する。ウェル36にも、Pall BioSupport Div.製の Leukosorb TMなどの血液親和性結合物質が事前に、または事後にローディングされる。必要に応じ、他の市販物質も同じ目的で使える。 Leukosorb B の使用量は、第1ウェル内の面積に依る。 Leukosorb Bは、血清試料から血球を濾過する。次に、試料内の赤血球の溶解と洗浄の促進に十分な量の公知の緩衝液を、チャネル38を介して第1ウェル36 内へ送る。次に、例えば、50ミリモルの KCl、pH 8.3の10ミリモルのT ris HCl、2.5ミリモルのMgCl2、0.45%のNonidet P40、60 mlのプロテイナーゼ Kなどの白血球を溶解するのに十分な量の白血球溶解緩衝液を、チャネル38を介して第1ウェル36へ送る。続いて、必要とする反応が起こるように、第1ウェル36を15分間、55℃で加熱する。それから、セルを10分間、100℃で加熱して、公知の手順に従って、プロテナーゼKを不活性化する。最後の2つのステップで必要とされる高温により、ウェル36内には高い蒸気圧が発生し、両方向、つまり試料供給チャネル34に向かう後方と、次の第2ウェル40に向かう前方に、背圧を引き起こす。このようにして、図6Aで示すようにUnderstanding Microvalve Technology ,Sensors,September 1994 pp 26 - 36で、Jerman 他が述べている二種の金属材料で成形したバルブ62 、63を、チャネル38へ予めローディングする。これらの材料は熱膨張率が異なる。ウェル36内の温度が低いと、ボールバルブ62は、常時位置にあり、流体はウェル36へ自由に流れ込む。図6Bの矢印を参照のこと。ウェル36内の温度が上がるにつれて、ボールバルブ62は、図6Cに示す様に低温位置に向かって移動し、チャネル38を閉塞して、ウェル36をチャネル38から隔離する。これにより、流体が、第1ウェル36へ出入りするのを防ぐ。ウェルヒーター57を適正に配置すれば、加熱されたウェル36からの熱の温度勾配は、バルブ62、63を開閉するのには十分なので、バルブ62、63を電気的、熱的、あるいは機械的に制御する必要はなくなる。しかし、ウェル36内の温度や圧力を、より近似して制御する必要がある場合は、それに応じて他の手段を用いてもよい。単純な設計により、例えば、石英、 またはポリテトラフルオロエチレン重合体でできたミクロンサイズの小球で構成し、チャネル38内に入れて、従来のチェック弁として作用させ、チャネル38 への逆流を防ぐようにしてもよい。しかし、この設計では、次のウェル42へ進む流れの流れ止めは無く、連続ウェルの用途や組み合わせによっては、不利になるかもしれない。このチェックバルブ64を、絶縁体または磁性体の球として用い、外部から静電場または磁場を与えて、バルブを開閉することができる。このような設計により、必要に応じてボールバルブ64を閉鎖し、チャネル38内での流体の前後両方向の流れを制御できる。このような設計は、マイクロラボラトリーディスク14上で、合成手順を行う上で特に有利であろう。図6Aを更に参照すると、調整と処理を施した血液試料は、次に第1ウェル3 6で得られたDNA試料のPCR増幅を行うために、第2ウェル40へ移送される。このウェル40には常磁性ビードの一層が含まれていて、そこへ送られてきたDNAと結合する。この検定には、最少で約10ナノグラムのDNAが必要である。ウェル40内の量は、実際には、ステーション16内に配置した電子光学的光源24と検出器26によって決めることができる。光源24の光ファイバー25は、ウェル40に接続され、直径を200、400、600ミクロンとすることができ、この試料中のDNAを検出するために、260nmの放射光を提供する。 250―260nmで伝送する光ファイバーは市販晶を入手できる。図6 Aの光ファイバー25は検出器26に接続されて、ウェル40内で測定された光を集光し、安定度の優れた紫外線感光性シリコン光検出器へ伝送する。検出器には、 熱電気的に冷却されたUVを高めたシリコン光検出器、またはUV感光性のミニチュア光電子倍増管を有するのが適当であり、何れも市販されている。光電子倍増管型の検出器の感度は高い。 DNAの公知の吸光度を下表に記載する。

    DNA検定でよく知られた手法に、ハイブリッド形成手法がある。 第3ウェル42がこの目的に使われる。 ウェル42は、DNA源とその診断範囲に対してユニークなハイブリッド形成プローブによって嵌合される。 必要とするプローブを、直接ウェル42内で合成してもよいし、市販のものを使ってもよい。 DNA検定用マイクロラボラトリーアレイディスク14に最も適した方法は、 非放射性の標識を使うことである。 この標識は、例えば、フィコビリ蛋白質、または別のクラスの蛋白質用の蛍光色素を含む。 これらの物質は、600nmを超える光を吸収する。 ステーション16内にあって、600―650nm域の光を放出する小型半導体レーザー24を使って、標識中で蛍光を発生させることができる。 本例におけるプローブは、600nmを超える励起波長、つまり600― 800nm域で発光する。 フィコビリ蛋白質蛍光標識薬品は市販されている。 例えば、ペンシルベニア州 West Grove の Jakson Immuno-Researsh Labs. 製のC y5

    TMがある。 蛍光も、ステーション16にある検出器26で検出される。 また、レーザー放射を阻止するため、図6にで示すように、光電子倍増管光検出器2 6とレーザー24の間にフィルター68を挿入する。 蛍光標識によって発光される蛍光の検出器は、高感度で長期にわたり安定性を持つものが望ましい。 上記以外で、抗体検出用に市販されている他の手段も使える。 例えば、高度に着色された生成物を作り、感度の優れた検出を可能にする酵素、または化学ルミネッセンス化合物を用いて光学的に検出できる。 放射性同位元素も使えるが、テストオペレーターに悪影響を与えないためにも、その使用は賛成されておらず、処理上の問題も生ずる。 光透過検出装置もステーション16 に配置されている。

    例2免疫学的検定マイクロラボラトリーディスク114の設計と有用性を説明する第2の例を、 図7Aと図7Bに示すが、この例は複数の免疫学的検定を同時に行うのに適した例である。 ステーション16、試料ローディングチャネル134、そしてチャネル138に接続された複数のウェル136、140、142、144は、例1に類似しているが、材料、ウェル内で行われるプロセス、必要とされるウェルの数は異なる。 免疫学的検定を行うために、約100ナノリットルの血液試料、または他の流体試料を濾過して、選択した抗体の標準検出法を使って、検定を確定するのに十分な抗体を有する物質を得る。 マイクロラボラトリーディスク114は、200 -1000の試料を同時に処理できる。 マイクロラボラトリーアレイ114への最初の試料移送は、例1と同じである。 第1ウェル136に、細胞壁上の予め選ばれた結合型抗体をローディングし、 適当な試薬を移送して、モジュール148の各ウェル138への流量を制御することによって、その抗体を検定することができる。 試薬と溶剤の流量は、ステーション16で制御され、光検出システム24、25、26は、透過率(吸光率) 測定用に設けられる。 一連の異なる抗体を、図7Bに示すように、連続するウェル内での様々な抗体の順次テスト用に追加したウェル140、142、144、146内に置くことができる。 必要とされるウェルの数は、該当する試薬の数と、テストすべき抗体の数とで決まる。 薬と溶剤の流れを制御する制御装置171は、チャネル138と第1ウェル1 36への流量を制御するスイッチ、またはバルブとしての部品162によって作動可能となる。 例えば、コンピューター10により電場を駆動して、磁性球をボールバルブ162とさせることができる。 図7Cに示すように、ボールバルブ162を、ウェル136の両側にあるチャネル138に嵌合させる。 電流源170を、チャネル138に隣接して配置し、 ウェル136への流入流出を制御するために、マイクロラボラトリーディスク1 14の裏側には、リード172があって、コンピューター10などの駆動装置に接続している。

    例3蛋白質またはオリゴ核酸塩の合成図8に示すこの例は、大型アレイでの蛋白質またはオリゴ核酸塩の合成を同時に行うことができるモジュラー設計されたマイクロラボラトリーディスク214 を図示する。 このような合成は、同族の関連化合物全体がアレイの各ウェル内で合成できて、生物的活性をテストできる場合に、例えば、薬物テストにとって大きな時間節約となる。 例えば、ウェル内での固相オリゴ核酸塩の合成については、The Allylic Prot ection Method in Solid-Phase Oligonucleotide Synthesis. An Efficient Pre paration of Solid-Anchored DNA Oligomers,J. Am. Chem. Soc.,Vol 112 ,No.. 5,1990 pp1691-1696、でHayakawa 等によって8つの順次ステップで述べられている: ステップ1:アセトニトリル(CH3CN)によるウェル洗浄 ステップ2:3%C13CCOOH−CH2C12によるデトリチレーション(脱トリチル化) ステップ3:アセトニトリルによるウェル洗浄 ステップ4:0.1Mフォスフォラミダイト−CH3CN、0.5M(4― ニトロフェニル)テトラゾル−CH3CN−THF(テトラヒドロフラン)等の結合剤の添加 ステップ5:アセトニトリルによるウェル洗浄 ステップ6:Ac2O−2,6−ルチジン−THF(1:1:8)と6.5 %の4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)−THFによるキャッピング ステップ7:1.1Mt−C4H900H−CH2C12による酸化 ステップ8:アセトニトリルによるウェル洗浄を行って過剰な酸を除去異種の保護モノマーを用いて、上記8つのステップを、反応ウェル237内で行って、所望する長さのオリゴマーを形成した後、合成したオリゴマーをそれらの支持体から解離する前に、試薬や溶剤を追加して合成用の保護グループを除去する。 次に、各ウェル内の様々なオリゴマーを、スクリーニング用に調製する。 図8に示すように、スクリーニングセル274もウェル236へ造り込むことができる。 図8の設計では、複数のモジュールまたはウェル236が、様々なチャネルによって結合され、異なる化合物の完全な合成が、単一ウェル236内で行われる。 このマイクロラボラトリー214の設計の更なる特徴は、種々の試薬や溶剤を、各ウェルへ可能に順次配送することのできるアレイの設計にある。 試薬や溶剤は、マイクロラボラトリーアレイ内に造り込んだリザーバ276、278、28 0、282に貯えられる。 さもなければ、マイクロラボラトリーアレイの外部、 例えばステーション16内にあるリザーバから必要に応じて配送してもよい。 図8は、マイクロラボラトリーアレイに適した設計を図示し、ここでは、試薬と溶剤用リザーバ276、278、280、282が基板内に含まれる。 そして、図9は、合成用システムの部分概略図であり、ここでは、リザーバ276、2 79、280、282の各々が、各モジュールのウェルへの配送のために流体ポンプ22に接続されている。 このアレイ内の各ウェルは、ウェル236の各々に入って出る、複数個の水平チャネル238、239、241、243、245と、複数個の垂直チャネル2 48、250、252、254を有し、チャネルはそれそれ別々のリザーバにつながっている。 試薬と溶剤は、図7Cに示すように、流体をチャネルに沿って移送するゲート電極により、チャネル沿って移動する。 図8に示すように、試薬は、異なるリザーバ276、278、280、282 から同時に、チャネル238、239、242、243へそれぞれ配送される。 これらの各チャネルには、ゲート電極162が造り込まれていて、必要に応じて、異なるリザーバからウェル236へ流入する流体を監視する。 この実施例では、全ての合成反応がひとつのウェル236内で起こるので、各ウェル236は一つのアレイ内に置かれ、一本以上のチャネルが、ウェル236の各々へおよび各々から通じていて、試薬の配送を同時にまたは順次に行う。 処理を行うための種々のステップのために連続するウェルを使用する場合、モジュラー設計の代わりに、同様のウェル236から成るアレイを使用するが、各ウェルでは異なる化学合成が行われる。 総合的設計からすれば、もはや複数個のモジュールではなく、 ウェルのアレイであり、何百という化合物を一枚のマイクロラボラトリー基板2 14上で合成できる。 すべての合成ステップの完了後、合成を監視し、ウェル236に造り込んだスクリーニングセル274内へ試料を送ることによって、スクリーニングを行うことができる。 このタイプのアレイは、上記のような繰り返し順次ステップを伴う多数のオリゴマーやペプチドの合成に使うことができる。

    例4 小型分子の合成本例314のマイクロラボラトリーアレイは、いくつかの異なる種類の、アルキル化合物のような、小型分子のアレイを生成するように設計されている。 このようなアレイは、各化合物の、例えば、メチル置換、エチル置換、n−プロピル置換、イソプロピル置換化合物等の異なったスタート物質の配送に依存するので、異なるスタート物質が各ウェルに配送されるよう、スタート物質の、リザーバまたは供給源から成る大型アレイが必要になる。 反応物質と溶剤、そして加熱といった反応条件は、必要に応じて配送される。 例1と2を参照のこと。 例えば、1アレイ分の1,4−ベンゾジアゼプリン化合物の合成は、次のように行うことができる。 : ステップ a): スタート物質4−[4−ベンゾイル−6クロロ−2−フルオレニルメトキシカルボニルアミノベンゾイルオキシ−メチル]フェノキシ酢酸を、アミノメチル樹脂、または、その同等品の上に、チャネル表面の被膜材として結合させる。 ステップ b):ステーションリザーバ376からウェル338へ供給される、DMF中のピペリジンを使って、結合された材料から9−フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)保護基を除去する。 ステップ c):第2リザーバ378からのアミノ酸、アルファ−N−FMO C−アミノ酸(フッ化物)をウェル338内でカプリングさせる。 ステップ d):DMF中のピペリジンを、ウェル338を通して移送させることによって、FMOC 保護基を除去する。 ステップ e):ウェル340内の第3リザーバ380からのDMF中の5% 酢酸を使って、環式ベンゾジアゼピン誘導体を形成する。 ステップ f):ステーションリザーバ382からのDMF中のリチウム塩を使って、ウェル342内でアルキル化する。 図10に示すように、このウェル3 42には、ポンプとスイッチの制御装置が嵌合して、コンピューター10で監視され、異なるアルキル化剤をマイクロラボラトリーアレイ314へ選択的に配送する。 このように、アルキル化剤用“リザーバ”は、実際には、一連の全てのアルキル化剤のソースであって、これらアルキル化剤は、アレイ中の特定のウェルへ選択的に供給できるようになっている。 図7Cに示すように、ウェルへの流体配送は、制御手段171によって制御できる。 このようにして、各ウェルで、異なる化合物が生成される。 しかし、各化合物は、様々な化合物を合成するいくつかのステップを必要とするので、各化合物を合成するには、何個かのウェルを使用してもよいし、このマイクロラボラトリーディスク314も、複数のモジュールを備えてもよい。 本発明のもう一つの特徴は、クロスオーバーチャネル構造である。 これは、アレイ内でのウェル/モジュールの高密度編成を可能にし、それによって、2本以上のチャネルを使用して、ウェル内への流体の出し入れ、あるいは処理している物質を次のウェルへ移送することが可能であるという点である。 このようなクロスオーバーチャネルは、以下の方法で形成することができる。 11Aを参照すると、基板314は、既に記載した通り、その両面をクロム−金の第1層310A 、310Bと、フォトレジスト312A、312Bとで被膜される。 フォトレジスト312Aは、露光現像されて、第1チャネル用孔313を形成する。 そして、クロム層312Aは、孔313内でエッチング除去される。 次に、ガラス基板314は、クロム−金層310Bまで貫通してエッチングされ、孔315を形成する。 フォトレジスト312Aと312Bは、再露光現像され、ガラス基板31 4 の両側に、一対の第2の孔316と317が形成される。 しかし、層312A内の第2の孔316は、層312B内の孔317に直で、最初に形成した孔31 5に平行である。 孔317は、図11Bに示すように、ガラス基板314内へ既に形成した孔315に隣接して形成される。 次に、ガラス基板は、孔315と3 17の間に通路を開けるためにエッチングされる。 これによって、図11Cに示すように、ガラス基板314を貫通して、直角な第2チャネル316の下方を横切って延びる連続チャネルが形成される。 図11Dに示されるように、基板31 4の両側にカバープレート318を接合して、基板314の両側にあるクロスオーバーチャネル315−317−315、そして316を囲み、交わることなく横断するチャネルを有する基板を完成する。 物質をリザーバからアレイの各ウェルへ移送するために、リザーバからの物質を、一本以上のチャネル316へ注入できる。 各チャネル内の物質は、キャピラリ作用によって、チャネル316沿いに移動する。 しかしながら、一つ以上の反応にかかる時間は、使用する物質の量によって増減し、チャネルを通る物質の速度を速めたり、遅くしたりして補償する必要があるので、チャネル内の物質の流れを、各ウェル、リザーバ、リザーバからウェルに通じるチャネルの中に椎積させたドレイン電極によって制御できることが望ましい。 ウェルに負電荷を発生させることによって、チャネル沿いの流れは止められ、これによって、各ウェルへの試薬供給を制御できる。 ウェル436内、チャネル438内、リザーバ442 内に形成したドレイン電極440を、図12の平面図に示す。 広範なテストや合成を迅速に、信頼性をもって、安価に、そして同時に行えるように所望のマイクロラボラトリーアレイを設計することができ、コストは大幅に削減される。 更に、マイクロラボラトリーアレイと、情報を調整し、測定し、 記録する手段とを統合化したので、テストの記録およびスクリーニングデータは、信頼性をもって生成され、保存される。 遺伝子スクリーニングは、将来、血液テストとなるかもしれないので、DNAテストを迅速に、信頼性をもってかつ低コストで行えるこの能力は、極めて有利となろう。 このように、本発明は、特定の例に関して述べてきたが、本発明は、上記詳細に限定されるものではない。 当該技術に精通する者であれば、別の機械的または電気的手段に置き換えて、チャネルやウェルを通して流体を移送したり、様々な結合剤、スタート物質、試薬を置き換えて、異なる検定や合成をおこなったり、 代替方法でチャネルやウェル内にウェル、チャネル、装置を形成することは容易にできる。 例えば、集積回路も、従来の半導体技術や材料を使って、流体を移送したり、アレイのウェルの監視、測定するために使うことができる。 半導体技術は、リードや電極等の形成にも利用できる。 このように、本発明は、以下に述べる請求項によってのみ限定される。

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