【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本願発明は、化学アレイ(che mical array)における化学成分を検出する方法に関し、 より詳細には、化学アレイ中の化学成分を検出するための光源を提供することに関する。 【0002】近年、生体分子アレイ(biomolecular arra ys)が成功裏に作り出されている。 例えば、Fodor等の「Light-directed, Spatially Addressable Parallel C hemical Synthesis」, Science,Vol.251,767-773 (199 1)では、光指向合成(light-directed synthesis)によって形成された高密度のアレイが開示されている。 当該アレイは抗体認識に用いられたものである。 生体分子アレイはまたポリヌクレオチド配列の分析用としてE.Southe rn (国際公開番号WO 89/10977)によっても記述されている。 前述の生体分子アレイは、DNAとタンパク質の配列決定からDNAのフィンガープリント法及び病気診断に至るまで、多くの用途に役立っている。 【0003】 【発明が解決しようとする技術課題】光学基板上にポリマーアレイを合成させるための1つのアプローチは、上記Fodor等(1991)によって記述されている:国際公開番号 WO 91/07087, WO 92/10587,WO 92/10588及び米国特許第.5,143,854号。 ポリマーアレイを合成するための装置と方法は本願発明に適用できる故、それらの開示を参考としてここに引用する。 このアプローチでは、フォトリソグラフィー技術を使って種々のレセプター(受容体) のアレイが基板上に合成される。 アレイ全面にわたってリガンド(配位子)で洗う。 そのリガンドを蛍光で標識するか又は追加の蛍光標識(ラベル)レセプターもアレイ全面にわたって洗う。 その結果は、リガンドとレセプター(群)間で結合が既に生じているそれらのピクセル上に発蛍光団が固定化されることになる。 そのアレイを、発蛍光団を励起する放射光で照射する。 リガンドに関する情報は、この明暗パターンを表面結合レセプターの既知パターンと比較することによって得られる。 上述の参考文献には、発蛍光団の存在についてアレイを読取る方法が記述されている。 例えば、国際公開番号WO 92/ 10587には、顕微鏡の対物レンズを通した光で励起を行い且つ同じ対物レンズを通して蛍光を集光することによってアレイを光学的に走査する方法が開示されている。 Schembri等(本願出願人による米国出願番号08/739,396 (社内整理番号10960825-1))では、多重タイル(multi ple tiles)を形成し且つ支持体上にタイルを取り出しかつ配置させるタイル化技術を使って形成された化学アレイが記述されている。 しかし、上述のものと同様のアレイを形成する技術は、化学アレイを照射するために比較的大きい光学システムを必要とする。 【0004】King等(本出願人による米国出願番号08/5 20,456(社内整理番号1093347-1))は、大きい化学アレイを照射するためのエバネッセント技術を説明している。 ここでは、ダイオードレーザ、垂直空洞面発光レーザ(VCSEL)及び発光ダイオード(LED)を含む幾つかの異なった光源に言及されている。 前述のエバネッセント技術では、Fodor等によって用いられたような合成段階を使う複雑な原位置(in situ)法で、複雑な化学アレイを形成する必要がある。 必要なのは、比較的簡単なプロセスで形成し得るコンパクトな光源で化学アレイを照射できる装置である。 【0005】 【課題を解決するための手段】本願発明は、ターゲットの化学成分を分析するための装置を提供するものである。 本装置は、2またはそれ以上の光源(ダイオードレーザなど)を有し、それぞれ照射面をそなえ、ここより光源からの光を照射される。 2またはそれ以上のバインダ(結合)化学部位(binder chemical moieties)は、その照射面で光源と結合する。 これらのバインダ化学物質部分は、種々のターゲットである化学成分をアレイに結合させることができるようにターゲットの結合部分である。 活性化されると、光源は光を発してターゲット化学物質と光作用(例えば、蛍光)を起こさせ、ターゲット化学物質の存在又は量を表示する光パターン又はパターン(群)を生ずる。 【0006】アレイ素子は光源及び1以上のバインダー化学部位を夫々有する。 アレイ素子はタイル化技術で形成される。 一般に、所望のターゲット化学物質を結合するのに適する所望のバインダー化学部位を有する化学物質で固体光源材料から成るウェハをコーティングし、それを比較的小さいタイルに細分し、そしてそのタイルを予め定めた形に取り出して配置させる。 当該アレイは、 ある被検体(analyte)を含有していると思われる試料を分析するのに有効に用いることができる。 試料をアレイに露出させ、もしターゲット化学物質が特定位置に結合されれば、その本質(正体)を決定することができる。 アレイに結合されたターゲット化学物質を照射し、そして生ずる光作用を検出することにより、ターゲット化学物質の存在もしくは量を決定することができる。 【0007】アレイを構成する技術は、比較的簡単である。 各ウェハは、唯一の種類のターゲット化学物質に目標設定させることができるため、アレイ上に多種類のバインダー化学部位を含む複合構成を形成するのに、複雑な化学合成処理は不要である。 固体光源は比較的小さいので、バインダー分子又は(バインダー化学部位を包含する)バインダー化学物質を光源上に生成させることにより、ターゲット化学物質の検出に向いたコンパクトな装置を構成することが可能である。 さらに、ターゲット化学物質は、光源と結合されるとその光源に一体化される(integral with)。 この複合構成によって、試料分析に大きな利点がもたらされる。 光パイプ、レンズ、プリズム、ミラー、光線指向機構及びその類のような付加的な複雑なイメージング光学系を使って、光源からの励起光をターゲット化学物質にコリメートさせるかまたは通過させる必要はない。 このため、光線の歪み、雑音及び光源を化学アレイにアライメントする努力が大幅に軽減される。 さらに、複合単位としての、光源とバインダー化学部位及び従って、そこに結合された標的化学物質は、簡単に分離されない。 この方法において、より優れた信頼性が達成されるのである。 加えて、本発明の技術を使えば、高い化学的忠実度(chemical fidelity)を有するアレイを作ることができる。 各個別のウェハの品質は、タイルをアレイ構成に取り上げ、配置する以前に検査することが可能である。 アレイの全てのアレイ構成素子が仕様を確実に満足するよう不良タイルを廃棄することができる。 【0008】 【発明の実施の態様】本願発明は、被検体を結合させるためのバインダー化学部位と複合関係にある複数の光源を有する被検体検出用アレイを提供するものである。 光源群は、光源材料から成るウェハを比較的小さいタイルに細分化することにより形成する。 【0009】本願明細書並びに上述の特許請求の範囲に用いられる用語の説明を以下に記す。 【0010】「アレイ」は、対象物が間隔をおいて配置されるもので、各対象物は、分離された予め決められた空間的位置を占める。 本願発明の装置におけるアレイの各対象物は、光源に付着された1またはそれ以上のバインダー化学部位を含み、各種の物理的位置が既知のものであるか又は確認可能である。 【0011】「光源材料から成るウェハ」は、処理可能でしかもその本質を維持する実質上平坦な材料の単位である。 ウェハは、直線又は二次元形状に配置された複数の光源を有し、これらは電源と接続して光を放射させることができる「タイル」に細分化することが可能である。 ウェハは、バインダー化学部位を与えるよう誘導化することができる。 タイルは種々の方法で再結合して物理的アレイを形成することができる。 好ましくは、タイルは、約100μm〜約10mmの、最も好ましくは約250μm〜 約1000μmの、半径又は直線ディメンションを有する、 例えば、底面が円形、矩形及びその類の扇形等の規則的幾何形状を有するものである。 光源材料のタイル群への細分化は、バインダー化学部位の付着の前後に、ウェハ切断に適する任意の方法で、例えば、ダイシングソーを用いて、実施してよい。 これらの方法は、半導体チップ製造において周知であり、当業者によって本発明に使用できるよう選択された特定の材料について最適化することができることは明らかである。 【0012】「支持体」は、タイルを付着させることができる表面又は構造である。 「支持体」は、所望の任意の形状寸法であってよく且つ様々な材料から製造してよい。 支持体の材料は、生物適合性(biocompatibility)に(即ち、支持体表面と接触した際に生物試料及びプローブを望ましくない構造又は活性変化から防御できるように)且つ支持体に対する生物材料の非特異的結合を減らすように処理してよい。 これらの処置法は当分野で周知である(例えば、Schoneich et al, Anal.Chem.65:67-8 4R(1993)参照)。 タイルは、接着剤により、支持体に設けたポケット又はチャンネルに挿入することにより、又は安定で確実な空間配置構成を与える他の任意の手段によって、支持体に付着させてよい。 【0013】「タイル化(tiling)」は、単一又は多数の種類の化学部位を含んでいる個別タイルを固定された空間パターンで支持体上に取り出し、配置することによってアレイを形成する工程である。 【0014】「バインダー化学部位(binder chemical m oiety)」は、ターゲット化学物質に結合できる有機又は無機分子又はその部分である。 本発明においては、バインダー化学部位は、上記Fodor等によって用いられたような従来技術の化学アレイ法で行われるように、アレイ表面上でin situ(原位置)合成される有機分子とは異なり、タイル化に先立ち光源材料から成るウェハ上に付着するものである。 好ましい付着様式は、共有結合によるが、用いられる特殊タイプの化学部位によっては非共有的付着又は固定手段も適切なことがある。 望まれるなら、「バインダー化学部位」は、その部位を光源材料から成るウェハに付着させた後で、基を付加するか又は取り除き、共有結合的に改変してよい。 【0015】本発明のバインダ化学部位は、好ましくは、天然又は合成起源の「生体有機分子」であり、化学的、生化学的又は分子生物学的方法で合成又は複製でき、且つ生物系、例えば、細胞受容体、免疫系成分、成長因子、細胞外マトリックスの成分、DNAとRNA、及びその類と相互作用できるものである。 本発明のアレイに使用できる好ましい生体有機分子は、核酸(又はその部分)、タンパク質(又はその部分)、多糖類(又はその部分)及び脂質(又はその部分)、例えば、オリゴヌクレオチド、ペプチド、多糖類又は脂質基から選択された「分子プローブ」であって、これは分子認識及び親和性に基づく結合検定(例えば、抗原−抗体、受容体−配位子、核酸−タンパク質、核酸−核酸及びその類似のもの)に使用できるものである。 アレイは、種々の系統の生体有機分子、例えば、タンパク質及び核酸、を含んでいてよいが、典型的には、同一系統の分子の2つ以上の種、例えば、2つ以上のオリゴヌクレオチドの配列、2 つ以上のタンパク質抗原、2つ以上の化学的に異なる小さい有機分子、及びその類似のものを含む。 アレイは2 つの分子種から形成してよいが、アレイは、数十〜数百の分子種、好ましくは約50〜約1000種を含むことであるが好ましい。 望まれるなら、各種も多重コピーで存在してもよい。 【0016】「被検体」は、試料中においてその検出が望まれる分子であり且つ分子プローブのようなバインダー化学部位に選択的に且つ特異的に結合する分子である。 被検体は、それが結合する分子プローブと同一か又は異なった種類の分子であってよい。 【0017】「ターゲット化学物質」は、被検体を含有し且つ光源から放射される励起光と光相互作用を生じ得る分子である。 ターゲット化学物質は、バインダ化学部位に結合することができる。 ターゲット化学物質はまた、光相互作用を助長するラベルを含有していてもよい。 ラベルの例は、蛍光又はりん光物質である。 被検体自体も、それが励起光で照射されると被検体自体蛍光のような光を発するなら、ターゲット化学物質となり得る。 【0018】「リンカー(linker)」は、バインダ化学部位を誘導化された光源材料に連結することができる分子である。 リンカーは、バインダ化学部位が誘導化光源材料に直接結合できる場合は存在しなくてよい。 【0019】 【実施例】添付の図面は、本願発明の装置をよく良く説明するために本願発明の実施例を示すものである。 これらの図において、類似数字はそれぞれの図における類似構造要素を表し、また、図面を明瞭にするため、縮尺で作図していないことに注意する。 図1aから図1fは、本願発明に係るアレイの図解例を示す。 ステップ(a)、(b)、 (c)、(d)、(e)及び(f)は、当該アレイの組立の種々の段階を示す。 (これらのステップについては後述する)。 図1fのアレイ100は、支持体133の表面14上に配置された複数の光源12を有するものである。 各光源は、バインダー分子18がその上に付着された表面16を持っている。 各バインダー分子18は、ターゲット化学物質のターゲット部位と結合するのに適しているバインダー化学部位20 を有している。 種々のバインダー化学部位20は、種々のターゲット化学物質をアレイ100に結合できるように光源12の表面上にある。 好ましくは、各光源12は、それと関連する(associate)唯一の種類のバインダー化学部位を有し、そのため、各光源は一種類のターゲット化学物質と関連する。 【0020】ターゲット化学物質のそれぞれには光作用部位(例えば、発蛍光団)があり、それは、その光作用部位がそれと組み合わされた光源から放射された光によって活性化されると、光作用(例えば、蛍光)を生ずる。 この方法で、光源12を活性化することにより、光源上のバインダー化学部位に結合されたターゲット化学物質の存在又は量を決めることができる。 【0021】図2は、化学配列における化学物質を分析するための本願発明の分析装置の一例を示すものである。 支持体133上には、固体の光(又は光学)源109を含む光源108のアレイ101がある。 本願発明の用途に適する固体光源109の例には、垂直空洞面発光レーザ(VCSEL)、 発光ダイオード(LED)及びダイオードレーザが含まれる。 好ましくは、光源108の各1つは前述の固体光源である。 本実施例では、固体光源のそれぞれは、固体光源材料の大きいウェハを小さいピースにタイル化(又はダイシング)して作る。 タイル化処理の結果として、各タイルはまっすぐなエッジ102Aをもつ発光表面102を有することになる。 しかし、もし望まれるなら、非直線のエッジを有するように切断してよい。 光源108の表面102には、バインダー分子103が付着される。 図2では、図解例として、3種類のバインダー分子(A、B、C)が示されており、その各々は、それぞれ各バインダー化学部位 (a、b、c)を備えている。 バインダー化学部位(a、b、c) は、ターゲット化学物質(A'、B'、C')と会合されるターゲット部位(a'、b'、c')に結合するために用いることができる。 この方法で、アレイ101に複数の光源、例えば、109を設けることにより、様々なターゲット化学物質104を結合させることができるのである。 【0022】アレイ101の光源、例えば、固体光源109に電気を印加すると、その光源は、ターゲット化学物質と衝突する光を放射する。 ラベルを含む各ターゲット化学物質は、光源からの励起光がそれに当てられると、光相互作用を生ずる。 ターゲット化学物質を検出する用途に適する光相互作用の例には、蛍光とりん光、光散乱及び光吸収がある。 光相互作用の結果として生ずる光は、光検出器106によって検出することができる。 【0023】励起光とは異なる波長の光を生ずる光相互作用では、光相互作用の結果としての光は、スペクトル的にフィルターをかけて光源の励起光放射をフィルター 105で除去することができる。 適切なフィルターの例は、誘電体コーティングフィルターである。 吸収を伴う光相互作用においては、検出器は、光透過の減少を検出する。 光散乱を伴う光相互作用を検出する際は、励起光の直接経路が検出器を通過しないように光検出器を配置しなければならない。 このようにすれば、励起光は誤った信号を生ずることはない。 自由選択で、例えば、レンズを含む光学的集光イメージングシステム107を用いて光作用から生ずる光をフィルタ105を通して検出器106に衝突するようにコリメートし、よって光信号を向上させてもよい。 【0024】図3は、光源がダイオードレーザの場合の本願発明の実施例のさらに詳細を示す。 図ではアレイの一部分だけを示している。 ダイオードレーザ140は、支持体表面14に付着されている。 ダイオードレーザ140 は、上部リフレクタ146と底部リフレクタ148の間にサンドイッチ状に挟まれたゲイン媒体144を有する。 リフレクタ146、148の各々は、好ましくは、誘電材料の層から作られる。 リフレクタ146の上部面上には、バインダー分子Dの付着に適するコーティング層150が設けられる。 バインダー分子Dには、ターゲット化学物質D'のターゲット部位d'に付着するのに適しているバインダー化学部位dがある。 【0025】図4は、本願発明のアレイの他の実施例の一部を示す。 この実施例では、光源は発光ダイオード(L ED)である。 発光ダイオード154は、発光材料の層158の上部面上に誘電材料の層156が堆積されたものである。 再度、LED154の上部面上には、バインダー分子、例えば、バインダー分子Dの付着に適するコーティング150が設けられる。 【0026】図5は、本願発明の一実施例を示すもので、この場合、化学アレイ201が光源ユニット108の複数の直線アレイを積層することにより形成されている。 支持体202は、光源ユニット108を活性化できるように電気接点を包含している。 図5に示す点線は、さらに付加的な光源ユニット群と直線アレイの付加的層を付加できることを示している。 1つのアレイに、数百以上の、さらには数千すら越える、素子があってよい。 アレイの光源群は、図6に示すように円形又は円筒状に配置することができる。 この配置では、光源群220は、支持体224の円筒表面222上に配置する。 【0027】アレイの形成 図1は、典型的なアレイがどのように形成されるかを示す。 固体光源材料の実質的に平坦なウェハ(ステップa, 121)を化学的活性のある基で誘導化する(ステップb, 12 3)。 これらの基をリンカー分子に共有付着させる(ステップc, 125)。 勿論、もし適切な官能基及び/又はリンカーが使用するべく選択した材料に元々含まれているなら、これらのステップの何れか又は両方とも回避(bypa ss)してもよい。 リンカーは、バインダー化学部位の付着部位として機能する。 リンカーは、バインダー化学部位の溶液又は液滴と接触させる。 リンカーとバインダー化学部位との間での結合が完了した後、適当な液体、例えば、水で洗浄して未反応部位を取り除く。 この方法で、バインダー化学物質が生成されるのである。 未反応リンカーは、後続のアレイ製造ステップでそれらを化学的に不活性化し、後続の検定実施中に被検体と相互作用するそれらの力を最小化するよう処理する。 この処理を、ここでは総称して「キャッピング(capping)」と呼ぶ。 従って、例えば、反応性アルデヒド又はイソチオシアン酸エステル基は、アミン又はアンモニアでキャッピングでき、反応性エポキシ基は、酸性溶液でジオールに転化できる。 ステップ(d)では、全てのリンカーは、同一種のバインダー化学部位(127)に付着した状態で示されている。 しかし、本願発明では、もし望まれるなら、 1以上のバインダー化学部位を特定のリンカーに連結してもよい。 【0028】ウェハ材料は、個別のタイルに細分する (ステップ(e), 129)。 細分化は、ステップ(b)の前又は後で行ってよい。 ステップ(f)では、同一又は異なった種のバインダー化学部位(全体的に20で図示)を含むタイルを支持体(133)上に配置してアレイを形成する。 図6に示す本発明の一実施例においては、タイル(220) は、支持体(224)の表面(222)上に円筒状に配置する。 支持体は、ここに示すようにタイル群が周辺に配置された固体ロッドであるか、又は管の外側表面又は内側表面上、あるいは離して間隔がとられていれば、その外側表面と内側表面の間に、タイル群が配置されている管状構造であってもよい。 この形状とは別の変形も本発明の範囲内である。 【0029】種々の適切な光源材料も、タイルに細分化でき、バインダー化学物質をその発光表面に付着させて適切なバインダー化学部位を有するよう選択された化学物質と適合性があり、且つアレイが使用される検定の検出方法と光学的に適合できる材料を得ることによって使用することができる。 適切な材料の例としては、限定するものではないが、それらの全てが発光面(即ち表面) を有する、垂直空洞面発光レーザ(VCSEL)、発光ダイオード(LED)及びダイオードレーザがある。 量子ドットレーザダイオードも使えるものと考えられる。 前述の光源材料に関する参考文献の例としては、例えば、Salah an d Teich,"Fundamentals of Photonics",Wiley-Intersci ence,New York,1991,pp.593-641;及びBare et al.,"A s imple surface-emitting LED array useful for develo ping free-space optical interconnects", IEEE, Photon.Tech.Lett.,Vol.5, 172-175,1993;及び(垂直空洞面発光レーザ(VCSEL)に関するものとして):上記Sal ah and Teich,p.638がある。 【0030】本願明細書の開示に基づけば、前述の固体発光源用材料から成るウェハを化学的に誘導化してタイルに分割する方法は当業者にとって理解されるものである。 理解すべきは、VCSELのウェハに関しては、そのウェハの平坦表面は発光表面であるということ及びこの表面は化学的に誘導化してタイルに分割できるということである。 エッジ発光レーザダイオードでは、ウェハ上のレーザダイオードの発光面は、直線アレイの形をしたエッジ上にある。 この場合、この直線アレイ(ウェハ)上の発光面は、バインダー化学部位を与えるよう化学的に誘導化され、次に、タイルに分割される。 【0031】リンカー即ちバインダー分子を光源に付着させるのに様々な技術を用いることができる。 ガラス又はシリコン表面を誘導化する1つの慣用法で、バインダー又はリンカー分子を付着できるように、光源の発光面を誘導化するのに使うことができる方法は、化学的性質がよく知られている、3-グリシドキシプロピル-トリメトキシシラン(「GOPS」)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)及びその類のようなオルガノシランを使って、シロキサン結合を形成することによるものである。 リンカー分子は、その表面を1つの基にそしてバインダー化学部位を他の基に共有結合する二官能性試薬であってよい。 あるいは、リンカーは、その表面に共有的に(例えば、ストレプトアビジン、アビジン等)で対象分子に高親和性非共有作用で(例えば、ビオチン)結合された試薬であってもよい。 親和性精製処理(affinity purification procedures)に使うためにバインダー化学部位を種々の材料に共有結合させる方法は、よく知られている。 一般的には、Affinity Techniques.Enzyme Pur ification:Part B.Methods in Enzymology,Vol.34, ed. WBJakoby, M.Wilchek, Acad.Press,NY (1974)及びIm mobilized Biochemicals and Affinity Chromatograph y, Advances in Experimental Medicine and Biology,V ol.42, ed. R.Dunlap, Plenum Press,NY (1974)参照。 ハイブリッド形成検定に使うためにオリゴヌクレオチドを固体支持体に共有的に付着させる方法は、Ghosh & Mu sso, Nuc.Acids Res.15: 5353-5372 (1987)及びEggers et al, BioTechniques 17: 516-524 (1994)に記述されている。 勿論、付着されるバインダー化学部位は、結合検定においてターゲット化学物質と自由に相互作用できるものでなければならない(例えば、付着されるオリゴヌクレオチドは、自由に相補的核酸とハイブリッド形成できるか又はアレイ−特異性タンパク質を結合できるべきであり、抗原は抗体と相互作用できなければならない等)。 化学物質を基板に結合することに関連した文献のその他の例としては、Southern et al.,国際公開番号89 /10977; Barrett et al.,国際公開番号WO 91/07087, Pi rrung et al.,米国特許番号5,143,854及びFodor et a l.,WO 92/10092がある。 【0032】本願発明のアレイに使用できるよう意図されたバインダー化学部位は、一般に、約数百ドルトン〜 約数百キロドルトンの範囲の分子量を有する、上記で定義されたような生体有機分子である。 好ましくは、単一タイルの光源に付着される分子の密度は、表面平方ミクロン当り約1000〜約100,000分子の範囲にある。 【0033】蛍光及びりん光等の光相互作用において、 光源からの光がラベルに当たると、光の相互作用から生ずる光は、光源から放射される励起光より異なった、一般に長い、波長を有する。 それ故、蛍光又はりん光の光を選択的に検出できるようにフィルターを使ってその強度を減ずることができるので、その励起光はほとんど雑音問題を提起しない。 適切なラベルの例には、フルオレセイン、インドカーボシアニン染料(例えば、CY3, CY 5)、TEXAS RED、エチジウムプロミド及びキレート化ランタノイド等の、よく知られた一般に利用できるものが含まれる。 幾つかの場合、光相互作用信号を強くするため、多くのラベル分子に結合できるレセプターを被検体に結合させ、ターゲット化学物質に含めることができ、 勿論、それを光源上のバインダー分子に結合させてよい。 これらのラベル化技術及び測定法は当業者に周知のものである。 例えば、Barrett et al., 国際公開番号WO 91/07087参照。 【0034】光相互作用における信号を収集する際、ノイズを減少させる1つの方法は、時間分解蛍光(time-re solved fluorescence)と両立できるラベルを使うことであり、これはラベルを使う化学分析分野の当業者に周知である。 これは、後述する周期的多重化(frequency mul tiplexing)技術において特に有益である。 時間分解蛍光の使用によって、励起光と蛍光間に位相差が生じ、これによってバックグラウンドと雑音を低減し、抑えることが可能となる。 時間分解蛍光は、優先的に、広帯域幅の検出器と光源を必要とする。 本願発明に適切な時間分解蛍光のための典型的な染料は、例えば、エチジウムブロマイド(ethidium bromide)で数10ナノ秒に近い寿命を有するものである。 従って、約1 MHzを超える帯域幅を有する光源と光検出器が望ましい。 【0035】ターゲット化学物質が照射される時にスペクトル周波数の変化が何ら予想されない場合の光相互作用、例えば、光吸収又は光散乱では、ラベルが必要でないことがあり、被検体がターゲット化学物質である。 しかし、光吸収又は光散乱を助長するためにラベルを使ってもよい。 【0036】光源材料を誘導化するためには、バインダー化学部位は、液滴の形でウェハの付着表面へ供給できる溶液に含まれるか(例えば、試薬を拡散し、印刷するのに適する装置の一例としては、EP 0268237参照)又は、好ましくは、溶液をその表面に接触させたまま保持できることである。 本願発明のプロセスによって形成されるアレイのある種類は、複数種のリンカー分子あるいは単一種のリンカー分子を含むものと考えられる。 【0037】上述したように、タイルは、光源材料を細分化するのに適する任意の方法で形成してよい。 1つの方法は、ソー・ダイシングによるものである。 典型的には、材料は、市販のダイシングソーを使って次の方法でさいの目に切る。 材料、例えば、ウェハは、真空チャックに搭載できるよう接着剤を裏面に塗布した薄膜上に置く。 カットすべき材料の形状、所望の切削深さ及び(刃の位置が固定されていると仮定して)刃方向へのチャックの移動速度についての情報に応じてダイシング装置をプログラムする。 材料は、カッティング刃、例えば、約 20,000 rpmの速度で回転する金属又はダイヤモンド含浸刃を使って第一の方向に切る。 切削で生ずる切り屑は、 空気、ガス又は液体ジェットで切削面から外へ飛ばしてよい。 次に、材料を所望の角度に回転して、タイルの形成が完了するまで第2の方向でカッティング操作を続ける。 固体ウェハをダイシングすることに関する参考文献の一例は、Gerry Bariepy,"Wafer dicing:Theory and P ractice,"Electronic Manufacturing and Testing, Dec ember,1985である。 【0038】タイル形成の別の方法として、クリービング(cleaving)によるものがある。 固体材料のウェハには結晶格子が観察される。 ウェハは、その結晶格子の線に沿って分割(cleave)され、これによって、それ程多くの屑も出さずに分割部分を比較的きれいに分離することができる。 ウェハが(VCSELのような)平坦表面上のウェハか又は(エッジ発光レーザダイオードのスラブのような)エッジ発光の発光ウェハによって、多少異なった分割技術を採用してもよい。 本願明細書の開示に基づけば、ウェハを光源のタイルに分割することは当業者にとって明らかである。 【0039】本願発明のタイル化アレイは、様々なリンカー分子とバインダー化学部位を使ってウェハから得られたタイルを予め定めた安定な空間配置で支持体上へ移すことを含むタイル化プロセスで形成されるものである。 タイル化又は移動(ここでは、「取り上げおよび配置(picking and placing)」と呼ぶ)は、集積回路及びL ED製造において周知の手順で実行してよい(例えば、米国特許第5,256,792号参照)。 次の自動化手順は、オリゴヌクレオチドとタンパク質を含んでいるタイルを、安定な空間配置で支持体上に、例えば一度に、取り上げ及び配置するのに用いられてきたロボット式手順の一例である。 x−y格子内のウェハからから得られた一組のタイルの個々のタイルは、カメラを使って配置する。 タイルは、真空プローブで持ち上げ、カメラで再検査し、x −y平面モータで支持体上の予定位置へ移動し、そして支持体にある保持部に挿入する。 タイルは、円形パターンに配置して、支持体内に設けた溝付きチャンネルによってその位置に保持してもよい。 あるいは、タイルは、 接着剤で保持してもよい。 各タイルの出所(即ち、タイルが作り出されたウェハ)を知っているため、各タイルによって結合されるターゲット化学物質を知っている。 支持体にタイルを付着できるポケット、溝又はチャンネル等の微細構造を形成する技術は、微小組立の技術分野で周知である。 別の代替の配置は、図5に示したものである。 電源と光源の活性化を制御する制御(スイッチ) 装置とに光源を電気接続できるように配線を行う。 【0040】本願発明に係るアレイは、検出したい1つ以上のターゲット化学物質(ターゲットを付した被検体)を含んでいると思われる試料を分析するための分子認識に基づく検定に利用することを意図している。 試料は、支持体上で予め定めた空間位置に配置された既知構造又は活性を有する分子のアレイと接触させる。 液体試料をアレイを導入するのに適した流動的なシステム又は流体処理システムはどれもこの目的に用いることができる。 例えば、その流れシステムは、当業者には周知の、 配管、試薬びん、ピペット、弁、電気コントロール及びその類似のものを包含してよい。 【0041】ターゲット化学物質、従って、被検体は、 アレイの光源によって認識されてそこに選択的に結合される。 そして、その結合は、被検体の検出が完了するまでその被検体をアレイの光源で保持できるほど十分に高い親和力を持っている。 その選択的認識は、被検体の物理化学的特性(例えば、アレイ分子で認識できる特定の電荷分布又は極性を有するドメイン)、又は被検体の特異な化学的性質(例えば、核酸、タンパク質又は多糖類の特異的一次配列、二次以上の高次配座構造又は活性部位を形成する特異的化学基又は基の組合せ)を識別することに基づいてよい。 本発明によって形成されるアレイは、新規治療剤の化学的、分子生物学的ライブラリのスクリーニング、既知の生物学的レセプターに対するリガンド及び既知リガンドに対する新規レセプターの同定、 発現遺伝子の同定、遺伝的多形性の特徴づけ、診断及び治療を目的としたヒト集団の遺伝子型の決定、及びその他多くの用途に有用であろうと思われる。 【0042】A.アレイの光検出 検出器は、アレイにおける光の相互作用で生ずる光の検出に使うものである。 好ましくは、アレイ検出器(array detector)は、各光源からの信号を個別的に測定するのに用いる。 アレイの各光源、例えば、図1の光源12からの信号を測定するのに少なくとも1つの検出素子を用いる。 しかし、ターゲット化学物質をオーバサンプリングして、不均一性に対するディスクリミネーションを可能にするために、少なくとも2つの検出素子を用いてよい。 オーバサンプリングによって低電力光源での急速信号検出が可能となる。 アレイ検出器の一例は、電荷結合デバイス(CCD)アレイ等の固体半導体デバイスである。 固体半導体の検出器アレイは、熱電式クーラーで冷却して、雑音性能と分析技術の感度とを改善できるよう暗電荷蓄積を低減することが可能である。 【0043】光源からの励起光は、ラベル(例えば、ターゲット化学物質中の被検体に結合された蛍光性分子) と衝突し、光相互作用の信号等の光を放出させる。 ラベルを有するターゲット化学物質を備えるタイルだけが光相互作用の信号を放出する。 検出された光相互作用の信号は、光源に対する電子励起と同期させ、そして、好ましくはマイクロプロセッサ又はコンピュータ等の電子処理装置によって、処理する。 アレイにおけるその光相互作用のパターンを解析することにより、試料中の被検体の正体を決定することができるのである。 【0044】異なった個々の光源の表面上に、(レンズ、プリズム、ビームステアリング機構のような)機械的構造を介在させないで、別々のターゲット化学物質が結合されるので、コンパクトなアレイ装置を作ることができる。 さらに、光源からターゲット化学物質へ励起光を伝える光学イメージング系は不要となる。 レンズのような光学系が介在すると収差が生じて励起光の光路を歪ませることがあるので、そのような光学系が不要であるということは有益である。 さらに、前述の光学系は不完全であり、従って、それらの光学素子の表面は、不可避的に、何らかの光散乱を引き起こし、結果として雑音を増大させることになる。 【0045】B.多重化 光相互作用を検出するのに、アレイ検出器を使う代わりに、単一素子の光学検出器を使ってもよい。 この目的には、一時的多重化(temporal multiplexing)又は周期的多重化(frequency multiplexing)の何れかを行うことができる。 【0046】一時的多重化では、光源、例えば、光源12 は、一時的多重化の手法で励起、即ち、活性化することができる。 一時的多重化では、光源は、個別的に且つ順次に活性化される。 光相互作用の信号は、同一の検出器で検出される。 活性化の時間と光作用の時間はタイル毎に分かっており、それらはタイル間で異なっているので、光相互作用の信号を放出するタイルのそれぞれの本質(正体)が分かる。 結果として、光作用のパターンを解析して、試料中の被検体に関する所望の情報を得ることができる。 【0047】周期的多重化では、アレイの光源群は同時に励起され、光相互作用の信号を検出するのに単一の光検出器を用いることができる。 各光源は、その励起光の強度が規則正しく周期的に、例えば、正弦波形、矩形波形、のこぎり波形及びその類の波形で、変化するように制御される。 この光強度の変化の周期は、それぞれの光源で異なっている。 結果として、光相互作用の信号の周波数は、光源毎に異なることになる。 光源が活性化される時に、その光作用の信号周波数を解析することにより、光相互作用を生じ、ターゲット化学物質の結合を表しているタイルの本質を決めることができる。 光検出器によって検出された光作用の信号スペクトルを解析する目的で、光検出器から電気信号を受信できるようスペクトル分析器を接続することができる。 個別の信号は、スペクトルアナライザによって分解され、そして、測定することができる。 スペクトルの解析は、多段変調器によるアナログ方式で実施するか又はディジタル信号処理で実行してよい。 後者の場合は、アナログディジタル変換器を使用して光検出器の出力をディジタル化することができる。 ディジタル化データは、周知の技術、例えば、 高速フーリエ変換を使い、コンピュータ、マイクロプロセッサ等にあるディジタルフィルタによってろ波することができる。 【0048】固体半導体デバイスは、高周波変調に従うことができる。 源の振幅ノイズ又は光検出器の1/fノイズを越える周波数fの光信号の検出のため、ターゲット化学物質の高感度検出が助長される。 周期的多重化技術を採用できるということは、全ての光源を同時に活性化できるので短時間で解析を完了できるという点で有利である。 さらに、本願発明のアレイを使えば、化学アレイにおける個々の素子を照射するのに光源を移動させるか又はビームを方向調整する必要がない。 したがって、機構上の故障発生の可能性が軽減される。 【0049】適切な検出器によって光相互作用を検出することにより、パターンのある位置では光相互作用が示され又ある位置ではそうでない形態の、光相互作用のパターンが得られる。 前述のように、アレイにおける光相互作用のパターンを解析すれば、タイルに結合されたターゲット化学物質についての、従って被検体の、情報が与えられる。 アレイにおける任意の特定位置にあるタイルに結合されたターゲット化学物質の本質は、パターンにおける光相互作用の位置を検出し、そしてこれをアレイのタグ付きファイルにリンクさせることにより決めることができる。 タグ付きファイルは、そのファイルに属するアレイにおける各バインダー化学部位の本質と位置が格納されている情報ファイルである。 このタグ付きファイルを物理的アレイとリンクする方法は種々ある。 例えば、シリコンチップ、磁気ストリップ又はバーコードを使ってアレイ又はそのハウジング上にタグ付きファイルを物理的に符号化することができる。 あるいは、特定のタグ付きファイルに合わせてアレイを識別する情報をアレイ又はそのハウジング上に含めて、実際のファイルをデータ解析デバイスに又はそのデバイスと連絡しているコンピュータに格納してもよい。 タグ付きファイルの物理的アレイへのリンキングは、データ解析の時点で行われる。 さらに別のリンキング法は、アレイが検定に使われる時点でそのアレイのユーザによってデータ解析デバイス中に挿入できるディスク又はカード様のデバイスにタグ付きファイルを格納することになる。 【0050】本願発明の装置とその装置の製造及び使用法について例証となる実施例を詳細に説明したが、上述の実施例は、特に寸法と形状及び上述の種々の特徴要素の組合せに関して、当業者によって発明の範囲から逸脱することなく変更し得るものと理解すべきである。 例えば、幾つかの、全てではないが、できる限り最大数の(例えば、50%を上回る)タイルが前述のタイル化処理で作られるアレイを形成することができる。 【0051】以上、本発明の実施例について詳述したが、以下、本発明の各実施態様の例を示す。 (実施態様1)ターゲット化学物質を分析するための装置において、光を放射する発光面を有する2またはそれ以上の光源から成るアレイと、種々のターゲット化学物質を前記アレイに結合することができるように、前記光源の前記発光面と連結する2またはそれ以上のバインダー化学部位からなり、前記光源は、活性化されると、光を放射して、ターゲット化学物質と光相互作用を起こさせ、結果的にターゲット化学物質の存在又は量を表示する光パターンを生ずることを特徴とする分析装置。 (実施態様2)前記アレイはタイル化されたアレイで、 前記光源は固体光源である前項(1)記載の分析装置。 (実施態様3)50%以上の固体光源は、固体光源材料から成るウェハを光源の比較的小さいタイルに分割することにより作られることを特徴とする前項(2)記載の分析装置。 (実施態様4)前記光源は、発光ダイオード、垂直空洞面発光レーザ及びエッジ発光ダイオードレーザからなることを特徴とする前項(1)から(3)に記載の分析装置。 (実施態様5)前記各ターゲット化学物質は、前記光源の少なくとも1つと連結するように前記各光源上に少なくとも1つのバインダー化学部位が存在し、全てではないがある一定数の光源が同一のバインダー化学部位を有するものであり、前記光源は、活性化されると、光を放射してターゲット化学物質に蛍光を生じさせるようにしたことを特徴とする前項(1)から(4)記載の分析装置。 (実施態様6)前記ターゲット化学物質を分析するための装置を製造する方法において、ターゲット化学物質を結合できるようにその上にバインダー化学部位を有する光源のタイルをアレイとして配置させ、前記各ターゲット化学物質が、前記ターゲット化学物質を結合するのに適しているバインダー化学部位を含むアレイにおけるタイル群のうちの少なくとも1つと対応するようにし、種々のターゲット化学物質がアレイに結合できるようにするステップを設けて成り、光源のタイルは、活性化されると、光を放射してターゲット化学物質と光相互作用を起こし、結果的として、前記ターゲット化学物質の存在を表す光パターンを生ずることを特徴とする分析装置の製造方法。 (実施態様7)前項(6)記載の製造方法はさらに前記タイルを得るために光源の各表面上にバインダー化学部位を有する1以上の種類のバインダー化学物質を付着させるステップを包含する製造方法。 (実施態様8)前項(7)記載の製造方法はさらに固体光源材料から成る2つ以上のウェハを設けるステップと、 ウェハの各表面上に1つ以上のバインダー化学部位を付着させて、各ターゲット化学物質がターゲット化学物質を結合するのに適しているバインダー化学部位を含む少なくとも1つのウェハを有するようにしたステップと、 前記光源のタイルを得るためにウェハを分割するステップとを包含する前項(6)から(8)記載の製造方法。 (実施態様9)前記表面上にバインダー化学部位を付着させるステップは、発光ダイオード、エッジ発光イオードレーザ及び垂直空洞面発光レーザから成る群から選択された固体材料の表面上へ付着させるステップを包含する前項(6)から(8)に記載の製造方法。 (実施態様10)次の(イ)から(ニ)の工程を含むターゲット化学物質を分析する方法。 (イ)光源から光を放射する発光面をそれぞれ有する2 またはそれ以上の光源から成るアレイと、種々のターゲット化学物質をアレイに結合することができるように発光面で光源と連結された2またはそれ以上のバインダー化学部位とを設け、(ロ)試料をアレイの全面に流して試料中のターゲット化学物質を光源に結合させ、試料の未結合部分を除去するために洗浄し、(ハ)光源から光を放射させてアレイに結合されたターゲット化学物質と光相互作用を起こさせ、その光相互作用が光のパターンを生じ、(ニ)その光のパターンを解析して試料におけるターゲット化学物質の存在又は量を検出する。 【図面の簡単な説明】 【図1a】本発明の一実施例の装置の製造工程を示す図。 【図1b】本発明の一実施例の装置の製造工程を示す図。 【図1c】本発明の一実施例の装置の製造工程を示す図。 【図1d】本発明の一実施例の装置の製造工程を示す図。 【図1e】本発明の一実施例の装置の製造工程を示す図。 【図1f】本発明の一実施例の装置の製造工程を示す図。 【図2】本発明の一実施例の装置の部分概略図であり、 検出光学系と共にアレイの一部が示されている。 【図3】本発明の一実施例であるアレイの部分詳細図。 【図4】本発明の他の実施例である部分詳細図。 【図5】本発明の一実施例であるアレイ素子の配置の概略図。 【図6】本発明の一実施例である円形に配置されたアレイの概略図。 【符号の説明】 12:光源 16:放射面 100、101:アレイ 133、202、224:支持体 140:ダイオードレーッザ 154:発光ダイオード 108:光源ユニット 105:フィルタ 106:光検出器 107:イメージングシステム 121:ウェハ 129:タイル 220:光源群 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ニコラス・サンパス アメリカ合衆国カルフォルニア州サン・ノ ゼ ユニット104 パーク・アベニュー 411 (72)発明者 キャロル・ティー・シェンブリ アメリカ合衆国カルフォルニア州サン・マ テオ マーシャル・アベニュー3912 |