The method for making complementary oligonucleotide tag set

申请号 JP2000579783 申请日 1999-11-01 公开(公告)号 JP4651196B2 公开(公告)日 2011-03-16
申请人 ソレクサ・インコーポレイテッドSolexa,Inc.; 发明人 スティーブン アール. ウィリアム,; ジェームス ジェイ. カーチナー,; ロバート ビー. ダブリッジ,;
摘要
权利要求
  • オリゴヌクレオチドタグのレパートリーを合成する方法であって、該方法は、以下:
    複数の異なる配列のオリゴヌクレオチド集団を、1以上の固相支持体上に合成する工程であって、各集団が、他の集団に対して空間的に別個の領域に位置され、そして各集団における該オリゴヌクレオチドが、所定の集団における全てのオリゴヌクレオチドについて同じであるタグ相補体配列を含 み、ここで、合成されたオリゴヌクレオチドの各集団の選択された割合が、前記1以上の支持体に化学的に切断可能な結合を介して結合されるように合成する、工程、
    該1以上の支持体上の各集団から、ある割合の該オリゴヌクレオチドを切断し、異なる配列のタグ相補体オリゴヌクレオチドの混合物を放出させる工程 であって、該切断は、該固定化されたオリゴヌクレオチドを、該1以上の支持体から該割合のオリゴヌクレオチドを切断するのに効果的な化学的条件に供する工程を包含する 、および 各タグ相補体オリゴヌクレオチドにプライマーをアニーリングさせ、そして各アニーリングさせたプライマーを伸長して、タグ相補体鎖および相補的タグ鎖を含む二重鎖を形成させる工程であって、この結果、このように形成された該タグ相補体鎖または該二重鎖は、オリゴヌクレオチドタグレパートリーを含む、工程、を包含する、方法。
  • 請求項1に記載の方法であって、ここで、前記オリゴヌクレオチドは、それらの3'末端で前記1以上の支持体に結合され、そして各オリゴヌクレオチドは、前記タグ相補体配列の3'側上にユニバーサルプライマー結合配列を含む、方法。
  • 前記割合が、10〜30%である、請求項1に記載の方法。
  • 請求項1に記載の方法であって、 前記化学的に切断可能な結合は塩基切断可能な結合であり、前記化学的条件は塩基性条件である、方法。
  • 前記各オリゴヌクレオチドにおける前記タグ相補体配列が、同じであり得るか、または異なり得る第1および第2のエンドヌクレアーゼ制限部位に隣接される、請求項1に記載の方法。
  • 前記オリゴヌクレオチドタグ相補体のレパートリーが、少なくとも1000の異なる配列タグ相補体を含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記オリゴヌクレオチドタグ相補体のレパートリーが、少なくとも10,000の異なる配列タグ相補体を含む、請求項1に記載の方法。
  • 前記タグ相補体配列が、12〜60ヌクレオチド長である、請求項1に記載の方法。
  • 前記タグ相補体配列が、18〜40ヌクレオチド長である、請求項1に記載の方法。
  • 前記1以上の固相支持体が、微粒子である、請求項1に記載の方法。
  • 前記微粒子が、 5〜40μmの直径である、請求項10に記載の方法。
  • 前記タグ相補体配列が各々、(i)3〜9ヌクレオチド長であり、そして(ii)タグ相補体配列の最小に交差ハイブリダイズするセットから選択される、複数のセグメントを含む、請求項1に記載の方法。
  • タグレパートリー由来の複数のメンバーを含むタグベクターライブラリーを形成する方法であって、該方法は、以下の工程:
    複数のオリゴヌクレオチド集団を、1以上の固相支持体上に合成する工程であって、各集団が、他の集団に対して空間的に別個の領域に位置され、そして各集団における該オリゴヌクレオチドが、所定の集団における全てのオリゴヌクレオチドについて同じであるタグ相補体配列を含み、 ここで、合成されたオリゴヌクレオチドの各集団の選択された割合が、前記1以上の支持体に化学的に切断可能な結合を介して結合されるように合成する、工程、
    該1以上の支持体上の各集団から、ある割合の該オリゴヌクレオチドを切断し、異なる配列のタグ相補体オリゴヌクレオチドの混合物を放出させる工程 であって、該切断は、該固定化されたオリゴヌクレオチドを、該1以上の支持体から該割合のオリゴヌクレオチドを切断するのに効果的な化学的条件に供する工程を包含する
    各タグ相補体オリゴヌクレオチドにプライマーをアニーリングさせ、そして各アニーリングさせたプライマーを伸長して、タグ相補体鎖および相補的タグ鎖を含む二重鎖を形成させる工程であって、この結果、このように形成された該タグ相補体鎖または該二重鎖は、オリゴヌクレオチドタグレパートリーを含む、工程、ならびに 該二重鎖を選択されたベクターの複数のコピーに連結によって挿入し、該タグレパートリーのメンバーを含むタグベクターライブラリーを形成する工程、を包含する、方法。
  • タグ化されたポリヌクレオチドフラグメントのライブラリーを形成する方法であって、該方法は、以下の工程:
    複数のオリゴヌクレオチド集団を、1以上の固相支持体上に合成する工程であって、各集団が、他の集団に対して空間的に別個の領域に位置され、そして各集団における該オリゴヌクレオチドが、所定の集団における全てのオリゴヌクレオチドについて同じであるタグ相補体配列を含み、 ここで、合成されたオリゴヌクレオチドの各集団の選択された割合が、前記1以上の支持体に化学的に切断可能な結合を介して結合されるように合成する、工程、
    該1以上の支持体上の各集団から、ある割合の該オリゴヌクレオチドを切断し、異なる配列のタグ相補体オリゴヌクレオチドの混合物を放出させる工程 であって、該切断は、該固定化されたオリゴヌクレオチドを、該1以上の支持体から該割合のオリゴヌクレオチドを切断するのに効果的な化学的条件に供する工程を包含する
    各タグ相補体オリゴヌクレオチドにプライマーをアニーリングさせ、そして各アニーリングさせたプライマーを伸長して、タグ相補体鎖および相補的タグ鎖を含む二重鎖を形成させる工程であって、この結果、このように形成された該タグ相補体鎖または該二重鎖は、オリゴヌクレオチドタグレパートリーを含む、工程、
    該二重鎖を選択されたベクターの複数のコピーに連結によって挿入し、該タグレパートリーのメンバーを含むタグベクターライブラリーを形成する工程、および 該タグベクターライブラリーを、各タグベクター中のタグ配列に隣接する部位で、各ベクター内にポリヌクレオチドフラグメントを挿入するのに効果的な連結条件下で、異なるポリヌクレオチドフラグメントの混合物と組み合わせて、これにより、タグ化されたポリヌクレオチドフラグメントのライブラリーを形成する工程、を包含する、方法。
  • 固相ビーズであって、該ビーズは、該ビーズに結合されたオリゴヌクレオチドの集団を含み、該集団は、同一のオリゴヌクレオチド配列を含む第1および第2のクラスのオリゴヌクレオチドを含み、ここで、該第1のクラスのオリゴヌクレオチドは、該第2のクラスのオリゴヌクレオチドの有意な切断を伴わずに、該支持体からの該第1のクラスのオリゴヌクレオチドの選択的切断を可能にする切断可能な結合部分を含む、ビーズ。
  • 固相ビーズの混合物であって、該混合物は、以下、
    各々がそれに結合されたオリゴヌクレオチドの集団を有する、複数のビーズであって、ここで、各集団は、第1のクラスのオリゴヌクレオチドが、第2のクラスのオリゴヌクレオチドの有意な切断を伴わずに、支持体からの該第1のクラスのオリゴヌクレオチドの選択的切断を可能にする切断可能な結合部分を含み、そして各集団における両方のクラスのオリゴヌクレオチドが、所定の集団における全てのオリゴヌクレオチドについて同じであるタグ相補体配列を含むように、第1および第2のクラスのオリゴヌクレオチドを含む、固相ビーズの混合物。
  • 说明书全文

    【0001】
    (発明の分野)
    本発明は、一般には分子(特にポリヌクレオチド)を同定、選別、および/または探知するために使用され得るオリゴヌクレオチドタグのコレクションを合成するための方法に関する。 特定の局面においては、本発明は、タグ化された実体をタグ成分のアドレス可能なアレイ上に固定化するに特に有用である、オリゴヌクレオチドタグおよびタグ成分の相補的なセットを形成するための方法に関する。
    【0002】
    (発明の背景)
    オリゴヌクレオチドおよびそのアナログの特異的ハイブリダイゼーションは、広く多様な研究的適用、医学的適用および産業的適用で用いられている基礎的なプロセス(診断アッセイにおける疾患関連のポリヌクレオチドの同定、新規の標的ポリヌクレオチドのクローンのスクリーニング、ポリヌクレオチド混合物のブロットにおける特異的ポリヌクレオチドの同定、特異的な標的ポリヌクレオチドの増幅、不適切に発現された遺伝子の治療的ブロッキング、DNA配列決定などを含む)である(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory,New York,1989);KellerおよびManak、DNA Probes、第2版(Stockton Press、New York,1993);Milliganら、J.Med.Chem.、36:1923−1937(1993);Drmanacら、Science,260:1649−1652(1993);Bains、J.、DNA Sequencing and Mapping,4:143−150(1993))。
    【0003】
    特異的ハイブリダイゼーションはまた、オリゴヌクレオチドタグで標識された化合物を探知、回収、および同定する方法として提案されている(例えば、Brenner、国際出願番号第PCT/US95/12791号(公開番号第WO96/12014号);Churchら、Science,240:185−188(1988);BrennerおよびLerner.Proc.Natl.Acad.Sci.、89:5381−5383(1992):Alper,Science、264:1399−1401(1994):およびNeedelsら、Proc.Natl.Acad.Sci.、90:10700−10704(1993))。 このようなタグ化スキームをうまく実施することは、タグとその相補的プローブとの間での特異的なハイブリダイゼーションの達成における成功に大部分依存している。 すなわち、オリゴヌクレオチドタグが物質をうまく同定するためには、擬陽性および擬陰性のシグナルの数を最小限にしなければならない。 不幸にも、このような偽のシグナルは稀ではない。 なぜなら塩基対合成および塩基スタッキング(base stacking)の自由エネルギーは二重鎖構造または三重鎖構造におけるヌクレオチドのあいだで広く変化するからである。 例えば、その相補体に結合したデオキシアデノシン(A)およびチミジン(T)の繰り返し配列からなる二重鎖は、ミスマッチを含む部分的に相補的な標的に結合したデオキシグアノシン(G)およびデオキシシチジン(C)の繰り返し配列からなる同じ長さの二重鎖より安定性が低い可能性がある。 従って、大きなコンビナトリアルケミカルライブラリー由来の所望の化合物が前者のオリゴヌクレオチドでタグ化された場合、完全にマッチしたATに富む二重鎖を検出するように設計されたハイブリダイゼーション条件下では、GCに富むオリゴヌクレオチドで標識された所望されない化合物(ミスマッチした二重鎖においてさえ)が、ATに富むタグからなる完全にマッチした二重鎖とともに検出されるという重大な可能性が存在する。 たとえ塩化テトラメチルアンモニウムのような試薬がオリゴヌクレオチド二重鎖の塩基特異的安定性の相違を無効にするために利用可能であるとしても、このような試薬の効果はしばしば限定され、そしてその存在は選択された化合物のさらなる操作(例えば、ポリメーラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅など)と非適合性であり得るか、またはこのような操作をより困難にし得る。 このような問題は、ミスマッチしたハイブリダイゼーションの発生を最小化する、最小に交差ハイブリダイズしている(minimally cross−hybridizing)オリゴヌクレオチドタグセットの開発において、WO96/12014(前出)および国際出願番号第PCT/US96/09513号(WO96/41011)に記載のように、Brennerにより取り組まれている。
    【0004】
    しかし、不運なことに、固相オリゴヌクレオチド合成の既存の方法は、高度に効率的であるが、オリゴヌクレオチドが30〜40ヌクレオチド長を超える場合に特に、不首尾の配列の有意な画分を依然としてもたらす。 このようなオリゴヌクレオチドの混合物がタグとして(特に選別のために)利用される場合には、不首尾の配列の重要な結果は、2つの化合物を別個に合成する場合にはいつでも、そのタグの画分が相補体を有さないことである。 従って、複雑な混合物を選別する際(例えば、Brenner(上で引用)に記載されるプロセスにおいて必要とされるような)には、このような不首尾は、この選別プロセスの完全性を制限する。
    【0005】
    上記を考慮すると、用いられる合成プロセスの効率にかかわらず、全てのタグが相補体を有することを確実にするオリゴヌクレオチドタグのセットを合成するための手段が利用可能である場合、これは有用である。
    【0006】
    (発明の要旨)
    本発明の目的は、レパートリーにおける全てのオリゴヌクレオチドタグが対応するタグ相補体を有することを確実にする、オリゴヌクレオチドタグの1つ以上のレパートリーを合成する方法を提供することである。
    【0007】
    本発明の別の目的は、本発明の方法により生成されるオリゴヌクレオチドタグにより、ポリヌクレオチドを固相支持体上に選別するためのシステムを提供することである。
    【0008】
    本発明のさらなる目的は、サブユニット(ワード)のコンビナトリアル付加により、オリゴヌクレオチドタグを合成する方法を提供することである。
    【0009】
    本発明のこれらおよび他の目的は、オリゴヌクレオチドタグ相補体のレパートリーを、1つ以上の固相支持体上で合成する工程、このオリゴヌクレオチドタグ相補体の画分をこの支持体(単数または複数)から切断する工程、およびこの切断したタグ相補体をクローニングベクターに挿入する工程を包含する、合成方法を提供することにより、達成される。 このクローン化されたタグ相補体は、選択された物質(好ましくは、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドなどの生体分子)に好都合に結合体化されて、独特のタグ配列を有する、タグ化された物質を生成し得、これは、ハイブリダイゼーションによって、対応するタグ相補体へと捕捉され得、そして選別され得る。
    【0010】
    1実施形態においては、本発明は、オリゴヌクレオチドタグのレパートリーを合成する方法を提供する。 この方法において、複数の異なる配列のオリゴヌクレオチド集団が、1つ以上の固相支持体上で合成され、その結果、各集団は、他の集団に対して空間的に離れた領域に位置し、そして各集団内のオリゴヌクレオチドは、所定の集団における全てのオリゴヌクレオチドについては同一であるが他の全てのオリゴヌクレオチド集団におけるタグ相補体配列とは異なり得る、タグ相補体配列を含む。 このオリゴヌクレオチドの画分は、1つ以上の支持体上の各集団から切断されて、異なる配列のタグ相補体オリゴヌクレオチドの混合物を遊離する。 プライマーは各タグ相補体オリゴヌクレオチドへとアニールされ、そしてこのアニールされたプライマーは伸長されて、タグ相補体鎖および相補的なタグ鎖を含む二重鎖を形成し、その結果、このように形成されるタグ相補体鎖または二重鎖は、オリゴヌクレオチドタグレパートリーを含む。 1つの好ましい実施形態においては、このオリゴヌクレオチドは、その3'末端によって1つ以上の支持体に結合され、そして各オリゴヌクレオチドは、このタグ相補体配列の3'側に、ユニバーサルプライマー結合配列を含む。 別の好ましい実施形態においては、各集団から切断されるオリゴヌクレオチドの画分は、10〜30%である。 なお別の好ましい実施形態によれば、合成されたオリゴヌクレオチドの各集団の選択された画分は、塩基切断可能結合を介して、1つ以上の支持体に結合される。
    【0011】
    本発明はまた、上記のように調整したタグオリゴヌクレオチドのレパートリーを含む。
    【0012】
    また、タグレパートリー由来の複数のメンバーを含むタグベクターライブラリー形成の方法も提供する。 本発明の方法において、上記のように調製したオリゴヌクレオチドのタグのレパートリーは、選択されたベクターの複数のコピーへの連結により挿入され、タグレパートリーのメンバーを含むタグベクターライブラリーを形成する。 本発明はまた、この方法により形成されたタグベクターライブラリーを含む。
    【0013】
    本発明はまた、タグ化ポリヌクレオチドフラグメントのライブラリーを形成する方法を含む。 この方法では、上記由来のタグベクターライブラリーは、各ベクターにおけるタグ配列に隣接する部位で、各タグベクターへのポリヌクレオチドフラグメントの挿入に有効な連結条件下で、異なるポリヌクレオチドフラグメントの混合物と組み合わせられる。 本発明はまた、この方法によって形成したタグ化ポリヌクレオチドフラグメントのライブラリーを含む。
    【0014】
    別の局面において、本発明はまた、ポリヌクレオチドをソートするためのシステムを含む。 このシステムは、1つ以上の固相支持体を含み、この固相支持体上で複数のオリゴヌクレオチド集団を付着し、これにより各集団は、1つ以上の支持体上で、他の集団に対して、空間的に別個の領域に配置される。 そして各集団中のこれらのオリゴヌクレオチドは、所定の集団中のあらゆるオリゴヌクレオチドについて同じであるタグ相補体配列を含む。 このシステムはまた、上記のように調製され得るタグレパートリー、タグベクターライブラリー、またはタグ化ポリヌクレオチドフラグメントからなる群より選択されるタグ組成物を含む。
    【0015】
    本発明はまた、同一のタグ配列を含む複数の固定オリゴヌクレオチドを含む固相支持体を提供する。 ここで少なくとも1方のオリゴヌクレオチドは、切断可能リンカーにより支持体に連結され、そしてオリゴヌクレオチドの少なくとももう一方は、切断不能リンカーにより支持体に連結される。 第1の好ましい実施形態において、この支持体は、ビーズである。 第2の好ましい実施形態において、この支持体は、アドレス可能な領域の平面アレイを含む。 それぞれの領域は、同一のタグ配列を含む複数の固定オリゴヌクレオチドを含み、これにより、その領域内の少なくとも2つのタグ配列は、お互いに異なる。 好ましくは、切断可能リンカーは、基部−移動性(base−labile)リンカーである。 本発明の固相支持体は、この支持体上に固定されたオリゴヌクレオチドに実質的に相補的であるタグオリゴヌクレオチドのレパートリーを生成するために特に有用である。
    【0016】
    従って、本発明はまた、固相ビーズまたは粒子を含む。 これは、このビーズまたは粒子に付着するオリゴヌクレオチドの集団を含み、ここでこの集団は、同一のオリゴヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドの第1および第2のクラスを含み、そしてこの第1のクラス中のオリゴヌクレオチドは、第2のクラスのオリゴヌクレオチドを有意に切断することなく、支持体からの第1のクラスのオリゴヌクレオチドの選択的切断を可能にする切断可能な連結部分を含む。
    【0017】
    別の実施形態において、本発明は、上記の型の固相ビーズまたは粒子の混合物を含む。 ここでこの混合物中の少なくとも2つのビーズまたは粒子は、異なるタグ相補体配列を有するオリゴヌクレオチド集団を含む。
    【0018】
    これら、ならびに本発明の他の目的および特徴は、以下の説明および添付の図面からより明確になる。
    【0019】
    (本発明の詳細な説明)
    本発明は、お互いに高い相補性を有するタグおよびタグ相補体のマッチしたセット(レパートリーともよばれる)を合成するための方法および試薬を提供する。 このようなマッチしたセットは、配列決定、フィンガープリンティング、または他の型の分析のような、並行した操作のためのタグ化分子を標識およびソートするために特に有用である。
    【0020】
    本発明の1つの局面において、オリゴヌクレオチドの集団が合成される。 ここで各集団は、切断可能連結部分および切断不能連結部分の混合により支持体に連結される同一のタグ相補体を含む。 この切断可能リンカーは、各集団におけるオリゴヌクレオチドの一部が支持体から切断され、オリゴヌクレオチド(この配列はこの支持体上に残るタグ相補体に完全に相補的である)を形成する鋳型として働くことを可能にする。 1つ以上の支持体からのタグ相補体の一部を切断すること、および相補的タグを形成するためにこの切断タグを鋳型として用いることにより、この方法は、以前の方法よりも高い収率および忠実度で、マッチしたタグおよびタグ相補体レパートリーを生成する。 従って、本発明は、ハイブリダイゼーション特異性およびタグ配列複雑性を、タグおよびそれらの相補体が独立して合成される場合に得られたものに対して増強する。
    【0021】
    本発明は、タグ相補体の合成の複雑性の増強のための方法を提供することにより、オリゴヌクレオチドタグを利用する技術における実質的な改善を提供する。 以前には、タグは、タグ相補体から独立して合成され、そのため全ての意図されたタグおよびタグ相補体が現実に合成されるという保証はなかった。 特に、以前のポリヌクレオチド合成方法は、1つ以上のヌクレオチドフラグメント付加工程において、重大なまたは完全な失敗をうけやすかった。 その結果、得られたタグおよびタグ相補体は、意図した配列を有さず、そしてその意図したパートナーに完全にハイブリダイズし得ない。 オリゴヌクレオチドの欠陥合成は、タグ化されたサンプル種を意図されたタグ相補体に対する位置付けおよびハイブリダイズから防ぎ、影響したサンプル種のシグナルの消失および/または量の過少評価を生じる。 さらに、欠陥タグ配列の存在は、他のタグとの交差ハイブリダイゼーションを導き得、それらの対応する相補体へのそれらのタグのハイブリダイゼーションを妨害する。 さらに、タグレパートリーおよびタグ相補体レパートリーの複雑性は減じた。
    【0022】
    これらの問題は、固定タグ相補配列の選択部分を鋳型として用いて対応するタグのレパートリーを形成することにより、本発明によって克服される。 サンプルへのタグの連結がサンプル物質、好ましくは生体分子(例えば、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)を選択し、タグ相補体のアレイ上で捕獲され得るタグ化物質(例えば、サンプルポリヌクレオチドフラグメント)の混合物を生成した。 従って、本発明は、タグ相補体の全範囲にハイブリダイズし得る、タグレパートリー、またはレパートリーのサブセットを保証ずる方法を提供する。
    【0023】
    I. 定義「タグ」または「タグオリゴヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチドタグ」は、付着した種(例えば、サンプルオリゴヌクレオチド)のための同定者標識として働き得るヌクレオチド配列を含む、そしてタグレパートリーにおいて他のタグから検出的に識別可能である、オリゴヌクレオチドをいう。
    【0024】
    「相補体」または「タグ相補体」は、本明細書において用いる場合、オリゴヌクレオチドタグが特別にハイブリダイズし、完全にマッチした二重鎖または三重鎖を形成するオリゴヌクレオチドをいう。 特異的ハイブリダイゼーションが三重鎖を生じる実施形態において、オリゴヌクレオチドタグは、二重鎖または一本鎖のいずれかになるように選択され得る。 従って、三重鎖が形成される場合、用語「相補体」は、一本鎖オリゴヌクレオチドタグの二本鎖相補体または二本鎖オリゴヌクレオチドタグの一本鎖相補体のいずれかを包含することを意味する。
    【0025】
    用語「オリゴヌクレオチド」は、本明細書において用いる場合、天然または改変されたヌクレオシドモノマーの直線状オリゴマーを意味し、これはデオキシリボヌクレオシドおよびリボヌクレオシドを含む。 通常、モノマーは、ホスホジエステル結合またはそのアナログ(例えば、ホスホロチオエート、ホスホルアミダイト、ホスホネート、ペプチド核酸(N−誘導体化グリシンポリマー)など)により連結され、数モノマー単位(例えば、3〜4)〜数十モノマー単位、そして100モノマー単位までのサイズにわたる、オリゴヌクレオチドを形成する。 オリゴヌクレオチドが「ATGCCTG」などの一連の文字の配列により示される場合いつでも、ヌクレオチドは左から右方向に5'→3'の順であること、そして、他に示さない限り、「A」はデオキシアデノシンを示し、「C」はデオキシシチジンを示し、「G」はデオキシグアノシンを意味し、そして「T」はチミジンを示すことが理解される。 通常、本発明のオリゴヌクレオチドは、4つの天然のヌクレオチドを含む。 しかし、それらはまた、非天然ヌクレオチドアナログも含む。 天然または非天然のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドが使用され得る場合(例えば、酵素による処理が必要とされる場合)、通常、天然のヌクレオチドからなるオリゴヌクレオチドが必要であることが当業者には明白である。
    【0026】
    「ポリヌクレオチド」または「ポリヌクレオチドフラグメント」とは、2つ以上のヌクレオチドを含むポリマーをいう。 「ポリヌクレオチド」は「オリゴヌクレオチド」を包含するが、ポリヌクレオチドの長さは100モノマー単位を超え得る。
    【0027】
    二重鎖に関して「完全にマッチした」は、各鎖中のあらゆるヌクレオチドが他鎖中のヌクレオチドとWatson−Crick塩基対形成を受けるように、二重鎖を作るポリヌクレオチド鎖またはオリゴヌクレオチド鎖が、もう一方の鎖と2本鎖構造を形成することを意味する。 この用語はまた、用いられ得るヌクレオシドアナログ(例えば、デオキシイノシン、2−アミノプリン塩基を有するヌクレオシドなど)の対形成を包含する。 三重鎖に関しては、この用語は三重鎖が完全にマッチした二重鎖および第3鎖からなり、ここで、あらゆるヌクレオチドが完全にマッチした二重鎖の塩基対とHoogsteenまたは逆Hoogsteen会合を受けることを意味する。 逆に、二重鎖におけるタグとオリゴヌクレオチドとの間の「ミスマッチ」は、二重鎖または三重鎖におけるヌクレオチドの対またはトリプレット(triplet)がWatson−Crickおよび/またはHoogsteenおよび/または逆Hoogsteen結合を受け損なうことを意味する。
    【0028】
    本明細書中に用いられる「ヌクレオシド」は、2'−デオキシ型および2'−ヒドロキシル型(例えば、KornbergおよびBaker、DNA Replication、第2版(Freeman,San Francisco,1992)に記載されるように)を含む天然のヌクレオシドを含む。 ヌクレオシドに関する「アナログ」は、改変された塩基部分および/または改変された糖部分を有する合成ヌクレオシド(例えば、Scheit,Nucleotide Analogs(John Wiley, New York, 1980);UhlmanおよびPeyman, Chemical Reviews, 90:543−584(1990)などに記載された)を、それらが特異的ハイブリダイゼーションをし得るという条件つきで含む。 このようなアナログは、結合特性を増強し、退化を低減し、特異性を増すなどのように設計された合成ヌクレオシドを包含する。
    【0029】
    「ヌクレオチド」とは、5'、3'、および/または2'−ヒドロキシルに付着した1つ以上のリン酸基(またはそれらのアナログ)を有するヌクレオシドもしくはヌクレオシドアナログ、またはオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドに含まれるヌクレオシドをいう。
    【0030】
    本明細書において用いる場合、ポリヌクレオチドの集団に関する「複雑性」とは、この集団に存在する異なる種の分子の数を意味する。
    【0031】
    本明細書において用いる場合、「レパートリー」とは、配列の異なるオリゴヌクレオチドの収集物または混合物(例えば、オリゴヌクレオチドタグまたはタグ相補体を含む)をいう。 「レパートリー」は、規定された複雑性を有し得る。
    【0032】
    本明細書において用いる場合、「切断可能連結部分」は、選択された化学条件下で切断可能である化学基をいう。 用語「切断可能リンカー」は、切断可能連結部分を含む化合物または化学基をいう。 例えば、用語「切断可能リンカー」は、第一の連結機能性を介して支持体に、そして第二の機能性を介してオリゴヌクレオチドに結合し得るリンカー化合物の活性化形態を包含する。 切断可能リンカーは、選択された切断可能条件下で切断可能である、エステル基のような切断可能連結部分を含み得る。
    【0033】
    (II.構成要素)
    以下の小節は、本発明の種々の局面を実施するために用いられ得る種々の構成要素(例えば、材料および試薬)を考察する。
    【0034】
    (A.固相支持体)
    本発明内の使用のための固相支持体は、任意の広範な種々の形態を有し得る。 これには微粒子、ビーズ、メンブレン、スライド、プレート、マイクロマシンチップなどを含む。 同様に、本発明の固相支持体は、広範な種々の材料を含み得る。 これには、ガラス、プラスチック、シリコン、アルケンチオレート誘導体化金、セルロース、低架橋ポリスチレンおよび高架橋ポリスチレン、シリカゲル、ポリアミド、などが挙げられる。 好ましくは、別個の粒子の集団のいずれかが使用され、これによりそれぞれの粒子は、同じタグ(および他でない)の相補的配列の、均一なコーティング、または集団を有し、または1つ以上の支持体は、空間的に別個の領域で使用され、それぞれの領域は、同じタグ(および他でない)に相補的である配列の、均一のコーティング、または集団を含む。 後者の実施形態では、この領域の面積は、特定の適用に従って変化し得る。 通常、この領域は、数μm 2 (例えば、3〜5μm 2 )〜数百μm 2 (例えば、100〜500μm 2 )の面積にわたる。 好ましくは、このような領域は、空間的に別個であり、この結果、隣接する領域で、事象により生成されたシグナル(例えば、蛍光放出)は、使用され得る検出システムによりお互いから分離され得る。 いくつかの適用において、1つより多いタグ相補体の均一なコーティングを有する領域を有することが、例えば、同時の配列分析のために、または別々にタグ化した分子をごく近接して持ってくるために、所望され得る。
    【0035】
    例えば、広範な種々の微粒子支持体が、本発明で用いられ得る。 、微粒子支持体としては、徐放性の多孔性ガラス(CPG)、高架橋ポリスチレン、アクリルコポリマー、セルロース、ナイロン、デキストラン、ラテックス、ポリアクロレインなどにより作製される微粒子が挙げられ、以下の模範的な参考文献中に開示されている:Meth. Enzymol. 、A節、第44巻、11−147頁(Academic Press、New York、1976);米国特許第4,678,814号;同第4,413,070号;および第4,046,720号;ならびにPon、19章、Agrawal(編)、Methods in Molecular Biology、第20巻(Humana Press、Totowa、NJ、1993)。 微粒子支持体としては、市販のヌクレオシド誘導体化CPGおよびポリスチレンビーズ(例えば、Perkin−Elmer Applied Biosystems、Foster City、CAから入手可能);誘導体化磁気ビーズ;ポリエチレングリコールでグラフトされたポリスチレン(例えば、TentaGel TM 、Rapp Polymere、Tubingen,Germany)などがさらに挙げられる。 支持体の特性(例えば、材質、多孔度、サイズ、形態など)の選択、および用いられる結合部分の型は、タグを用いる際の条件に依存する。 例えば、酵素による連続的なプロセスを含む適用において、酵素の立体障害を最小にし、そして基質への接近を容易にする支持体およびリンカーが好ましい。 最も適切な微粒子支持体を選択する際に、考慮されるべき他の重要な因子としては、サイズの均一性、合成支持体としての効率、表面積、および光学特性が挙げられる。 表面で多くのビーズを扱う場合、平滑な透明(半透明)のビーズは、計測的な(instrumentational)利点を提供することに注目する。
    【0036】
    上記のように、タグ相補体はまた、1つ以上の固相支持体上で合成され得、タグ相補体で均一にコートされた領域のアレイを形成する。 すなわち、このようなアレイ中の各領域内で、同じタグ相補体が合成される。 このようなアレイを合成するための技術は、今や周知であり、そして例えば、以下に開示される:McGallら、PCT出願番号PCT/US93/03767(WO93/22680(Affymax));Peaseら、Proc. Natl. Acad. Sci. 、91:5022−5026(1994);SouthernおよびMaskos、PCT出願番号PCT/GB89/01114(IsisによるWO90/03382);Southernら、Genomics、13:1008−1017(1992);およびMaskosおよびSouthern、Nucleic Acids Research、21:4663−4669(1993)。
    【0037】
    好ましくは、本発明は、同じタグ配列の相補体で均一にコートされた微粒子またはビーズを用いて実行される。 微粒子支持体、およびそれらの表面にオリゴヌクレオチドを共有結合または非共有結合する方法は、周知であり、以下の参考文献により例示される:BeaucageおよびIyer(上記に引用される)に引用される;Gait(編)Oligonucleotide Synthesis;A Practical Approach(IRL Press、Oxford、1984版および1990版);および上記に引用される参考文献。 一般に、微粒子のサイズおよび形態は重要ではない;しかし、最小の試薬およびサンプルの用法でオリゴヌクレオチドタグの多くのレパートリーの構築および操作を容易にするので、直径数μm(例えば、1〜2μm)から数百μm(例えば、200〜1000μm)の範囲のサイズの微粒子が好ましい。
    【0038】
    いくつかの好ましい適用では、市販の徐放性の多孔性ガラス(CPG)またはポリスチレン支持体が、本発明における固相支持体として用いられる。 このような支持体は、塩基不安定性のリンカーおよび結合した最初のヌクレオチド(例えば、Applied Biosystems(Foster City、CA))を用いて利用可能になる。 好ましくは、500オングストローム〜1000オングストロームの間のポアサイズを有する微粒子が用いられる。
    【0039】
    他の好ましい適用では、細孔のない微粒子が、その光学特性のために用いられ、この微粒子は、平面支持体(例えば、顕微鏡スライド)の上で多くの微粒子を探知する場合、有利に用いられ得る。 特に、好ましい細孔のない微粒子は、Bangs Laboratories(Carmel.IN)から入手可能なグリシダルメタクリレート(glycidal methacrylate)(GMA)である。 このような微粒子は、種々のサイズで有用であり、そしてタグまたはタグ相補体を合成するための種々の結合基で誘導体化される。 好ましくは、タグ化された微粒子の多量(massively)の平行操作のために、約直径5μmの直径を有するGMAビーズが用いられる。
    【0040】
    (B.タグ配列)
    本発明のタグは、目的のサンプル種のための、および一つ以上の固体支持体に固定された対応するタグ相補体への特異的ハイブリダイゼーションのための、固有のタグ化配列を提供するように設計される。 このタグ(およびタグ相補体)の配列は、以下の場合、使用者により選択される配列の任意の群であり得る:(1)それぞれ異なるタグおよびタグ相補体が、分類のための選択的ハイブリダイゼーション条件下で、レパートリー中の他のタグまたはタグ相補体と顕著に交差ハイブリダイズしない、(2)それぞれのタグおよびタグ相補体が、意図された相補的な配列との特異的ハイブリダイゼーションを防げる、第二の構造を形成しない、そして(3)それぞれのタグが、選択されたタグレパートリー中の全てのタグについて同一の条件下で、その対応するタグ相補体を特異的に認識しかつハイブリダイズし得る。 一般的に、異なるタグの数は、並行して処理される異なるサンプル種の数に比例して増加する。 タグ配列は、任意の適切な方法に従って設計され得、従って、所望の配列特異性および感度が達成される。
    【0041】
    本発明の好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドタグ配列は、オリゴヌクレオチド配列の「最小に交差ハイブリダイズしているセット」から選択される。 好ましくは、タグレパートリーの任意の二つのオリゴヌクレオチドタグの配列は、オリゴヌクレオチドが最大配列同一性を達成するように整列された場合、少なくとも二つのヌクレオチドが異なる。 言い換えると、レパートリー中の任意のタグとレパートリー中の任意の他のタグ(またはそのタグ相補体)との間の二本鎖または三本鎖の形成は、少なくとも二つのミスマッチを生じる。 より詳細な実施形態において、タグレパートリー中のタグ配列は、二本鎖および三本鎖が、少なくとも三つのミスマッチヌクレオチドを生成することなく、レパートリー中の他のタグまたはタグ相補体を用いて生成し得ないことなどを保証するように設計される。 このような実施形態において、ミスマッチの最小数が増えるにつれて、より大きな特異性が達成されるが、タグのレパートリーの合計は小さくなる。 従って、所定の長さのタグについて、所望の特異性とレパートリーの大きさとの間に二律背反がある。
    【0042】
    最小に交差ハイブリダイズしているセット(レパートリー)のオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、本明細書中で参考として援用されるPCT公開第WO96/41011号(特に図1、補遺IaおよびIbにおいて提供されるプログラム、および文章中の対応する考察を参照のこと)ならびにPCT公開第WO97/46704号(補遺IおよびII)に記載される手順に従って、単純なコンピュータプログラムにより、好都合に列挙される。 WO96/41011中の補遺Iaのプログラムminhxは、三種のヌクレオチドで構成される4マーサブユニットを有する、全ての最小に交差ハイブリダイズしているセットを算定する。 補遺IbのプログラムtagN(WO96/41011)は、最小に交差ハイブリダイズしているセットの長い方のオリゴヌクレオチドを列挙する。 プログラム3tagN(WO97/46704、補遺II)は、一本鎖タグ相補体を結合するための、二本鎖タグの最小に交差ハイブリダイズしているセットを生産するために使用され得る。 同様のアルゴリズムおよびコンピュータプログラムが、本発明の任意の実施形態のための最小に交差ハイブリダイズしているセットの、オリゴヌクレオチドを列挙するために、容易に書かれる。 以下の表Iは、ヌクレオチド差異の示される長さおよび数についての、最小に交差ハイブリダイズしているオリゴヌクレオチドのセットの大きさに関する手引きを与える。 ここで、示された数字を発生させるために、上述のコンピュータプログラムが使用された。
    【0043】
    【表1】

    タグの極端に大きなレパートリーが必要とされない、本発明のいくつかの実施形態のために、最小に交差ハイブリダイズしているセットのオリゴヌクレオチドタグが別々に合成され得る。 数百から数千のオリゴヌクレオチドを含有するセット(または数万のオリゴヌクレオチドを含有するセットでさえ)は、様々な並行合成アプローチ(例えば、Frankら,米国特許第4,689,405号;Frankら,Nucleic Acids Research,11:4365−4377(1983);Matsonら,Anal.Biochem.,224:110−116(1995);Fodorら,国際出願PCT/US93/04145(WO93/22684);Peaseら,Proc.Natl.Acad.Sci.,91:5022−5026(1994);Southernら,J.Biotechnology,35:217−227(1994),Brennan,国際出願PCT/US94/05896(WO94/27719);Lashkariら,Proc.Natl.Acad.Sci.,92:7912−7915(1995);などに開示されるようなもの)によって直接合成され得る。


    【0044】


    好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチドタグは、3〜9の、好ましくは3〜6のヌクレオチド長さであり、そして同一の最小に交差ハイブリダイズしているセットから選択されるサブユニット(「words」ともいわれる)からコンビナトリアル的に合成される。 この範囲におけるオリゴヌクレオチドについて、このようなセットのメンバーは、WO96/41011からの図1のアルゴリズムに基づいたコンピュータ・プログラムにより列挙され得る。


    【0045】


    好ましくは、最小に交差ハイブリダイズしているセットは、セットの全ての他のサブユニットのように二重鎖(または三重鎖)安定性にほぼ等しい寄与をするサブユニットを含有する。 このように、全てのサブユニットとその相補体との間で完全にマッチした二重鎖の安定性はほぼ等しい。 このようなセットを選択するためのガイダンスは、至適なPCRプライマーの選択および二重鎖安定性の計算についての報告された技術により提供される(例えばRychlikら、Nucleic Acids Research,17:8543−8551(1989)および18:6409−6412(1990);Breslauerら、Proc.Natl.Acad.Sci.,83:3746−3750(1986):Wetmur, Crit. Rev. Biochem. Mol. Biol., 26:227−259(1991)など)。 より短いタグ(例えば、約30ヌクレオチド以下)について、RychlikおよびWetmurにより記載されたアルゴリズムが好ましく、より長いタグ(例えば、約30〜35ヌクレオチド以上)については、Suggsら、Brown編のICN−UCLA Symp. Dev. Biol. , 第23巻(Academic Press, New York, 1981)の683−693頁に開示されたアルゴリズムが便利に用いられ得る。 明らかに、本発明の範囲内で最小に交差ハイブリダイズしているサブユニットのセットを設計するために当業者に利用可能な多くのアプローチがある。 例えば、サブユニットを組み立てる場合、末端ヌクレオチドの異なる塩基の積み重ねエネルギーの影響を最小にするために、サブユニットは同じ末端ヌクレオチドを有するように提供され得る。 このように、サブユニットを連結する場合、全ての隣接する末端ヌクレオチドの塩基の積み重ねエネルギーの総量は同じであり、これによりタグ融解温度の多様性が低減または除去される。


    【0046】


    以下で下線を付したイタリック体で示される、末端ヌクレオチドの「ワード」もまた、タグの各末端に付加され得、その結果、その「ワード」と任意の他のタグ相補体にある類似の末端「ワード」との間で、完全なマッチが常に形成される。 このような増強(augmented)タグは、以下の形態を有する:


    【0047】


    【化1】


    ここで、プライムされるW'は、相補体を示す。 タグの末端は常に完全にマッチした二重鎖を形成するので、ミスマッチしたすべてのサブユニット(ワード)は、内部でのミスマッチを生じ、それによって、タグ相補体二重鎖(これは、さもなくば、それらの末端でミスマッチしたワードを有する)の安定性を減少させる。 内部でのミスマッチを有する二重鎖が、同じミスマッチを末端で有する二重鎖よりも安定性が有意に低いことは、周知である。


    【0048】


    最小に交差ハイブリダイズしているセットの好ましい実施形態は、ワードが、4つの天然のヌクレオチドのうちの3つから作製されるセットである。 オリゴヌクレオチドタグにおける1つの型のヌクレオチドの欠損は、所望されるならば、タグの相補鎖を除去するために(ストリッピング反応)、DNAポリメラーゼの5'→3' エキソヌクレアーゼ活性を使用して、タグが二本鎖から一本鎖の形態へと変換されることを可能にする。 以下は、A、G、およびTからなる群から選択される4つのヌクレオチドを各々含む、例示的な最小に交差ハイブリダイズするワードのセットである:


    【0049】


    【表2】


    このセットにおいて、各メンバーは、すべての他のメンバーの相補体と、3つのミスマッチした塩基を有する二重鎖を形成する。


    【0050】


    さらなる例示的な最小に交差ハイブリダイズしているセットを、以下の表IIIにおいて列挙する。 明らかなことに、さらなるセットが、異なるヌクレオチドの群で置換することによって、または既知の最小に交差ハイブリダイズしているセットのサブセットを使用することによって、生成され得る。


    【0051】


    【表3】


    (C.タグ合成)


    本発明における使用のためのオリゴヌクレオチドタグ相補体を、例えば、以下の参考文献において開示されるような、標準的ケミストリー(好ましくは、ホスホルアミダイトケミストリー)を使用して、自動化DNA合成装置(例えば、Applied Biosystemsモデル392または394 DNA/RNA Synthesizer(Perkin−Elmer Applied Biosystems、Foster City、CA)または「GENE ASSEMBLER PLUS」(Pharmacia)で、従来的に合成する:BeaucageおよびIyer、Tetrahedron、48:2223−2311(1992);Molkoら、米国特許第4,980,460号;Kosterら、米国特許第4,725,677号;Caruthersら、米国特許第4,415,732号;同第4,458,066号;および同第4,973,679号;M.J.Gait(編)、Oligonucleotide Synthesis、a Practical Approach、IRL Press、Oxford、England(1990);など。


    【0052】


    微粒子が支持体として用いられる場合、タグ相補体のレパートリーは、例えば、Shortleら、国際特許出願PCT/US93/03418(WO93/21203)またはLyttleら、Biotechniques、19:274−280(1995)に開示されるような、「分割および混合(split and mix)」技術を介するワード様式(word−wise)合成によって生成され得る。 簡単に述べると、合成の基本ユニットは、タグ配列のサブユニット(「ワード」)である。 好ましくは、ホスホルアミダイトケミストリーを使用し、そして3'ホスホルアミダイトオリゴヌクレオチドが最小に交差ハイブリダイズしているセット(例えば、上記に最初に列挙したセットについては、8つの3'−ホスホルアミダイトテトラマーがある)における各ワードについて調製される。 合成は、Shortleらにより開示されたように、またはヌクレオシドモノマーを用いる種々のオリゴヌクレオチドライブラリーを生じるために用いられる技術(例えば、Teleniusら、Genomics,13:718−725(1992);Welshら、Nucleic Acids Research,19:5275−5279(1991);Grothuesら、Nucleic Acids Research,21:1321−1322(1993);Hartley、欧州特許出願第90304496.4号;Lamら、Nature,354;82−84(1991);Zuckermanら、Int.J.Pept.Protein Research, 40:498−507(1992);などに開示されたような)に直接的に類似して進行する。 一般的に、これらの技術はカップリング工程の間、成長するオリゴヌクレオチドへの活性化されたモノマー(または、ポリマー性のワード)の混合物の適用を単に必要とする。


    【0053】


    好ましくは、タグの相補体を、タグの構築において使用される異なる種類のワードの数より多いかまたはそれに等しい、多数の合成チャンバーを備えるDNA合成装置で合成する。 すなわち、好ましくは、各タイプのワードに対応する合成チャンバーが存在する。 この実施形態では、ワードをヌクレオチド毎に付加し、その結果、ワードが5個のヌクレオチドからなる場合には、各合成チャンバーにおいて5つのモノマーのカップリングが存在する。 ワードを完全に合成した後、合成支持体をチャンバーから取り外し、混合し、そしてワード付加の次のサイクルのためのチャンバーに再分配し直す。 この後者の実施形態は、例えば、ホスホルアミダイトケミストリーにおける、モノマー付加の高カップリング収率を利用している(例えば、実施例1を参照のこと)。


    【0054】


    本発明のタグおよびタグ相補体の配列は、好ましくは、12から60までのヌクレオチドまたは塩基対の長さの範囲を有する。 好ましくは、タグ配列は、18から40までのヌクレオチドまたは塩基対の長さの範囲である。 より好ましくは、タグ配列は、25から40までのヌクレオチドまたは塩基対の長さを有する。 ワードの好ましい数およびより好ましい数に関して、これらの範囲を、以下のように表し得る:


    【0055】


    【表4】


    最も好ましくは、オリゴヌクレオチドタグが一本鎖であり、そして特異的なハイブリダイゼーションが、タグ相補体とのワトソン−クリック対形成により生じる。


    【0056】


    好ましくは、本発明のタグおよび/またはタグ相補体のレパートリーは、少なくとも100のメンバー;より好ましくは、少なくとも1000のメンバー;そして最も好ましくは、少なくとも10,000のメンバーを含む。


    【0057】


    特異的なハイブリダイゼーションが三重鎖形成を介して生じる実施形態では、タグ配列のコード化は、二重鎖形成タグについてと同じ原理に従う;しかし、ワード配列の選択に対して、さらなる制約が存在する。 一般に、Hoogsteen型の結合を介した第3鎖の会合は、二本鎖標的においてホモピリミジン−ホモプリントラックに沿って最も安定である。 通常、塩基トリプレットは、T−A

    * TまたはC−G

    * Cモチーフ(ここで、「−」はワトソン−クリック対形成を示し、そして「

    * 」はHoogsteen型の結合を示す)に形成する;しかし、他のモチーフもまた可能である。 例えば、Hoogsteen塩基対形成は、鎖の状態および組成に依存して、第三鎖(Hoogsteen鎖)とその第三鎖が結合する二重鎖のプリン−リッチ鎖との間で平行および逆平行の配向を可能にする。 特定の実施形態で所望されるような三重鎖の安定性を、最大にするか、さもなくば調節するための、適切な配列、配向、条件、ヌクレオシド型(例えば、リボースヌクレオシドまたはデオキシリボースヌクレオシドのいずれが使用されるか)、塩基修飾(例えば、メチル化シトシン)などの選択について、広範囲にわたるガイダンスが参考文献中にある。 例えば、Robertsら、Proc. Natl. Acad. Sci. 、88:9397−9401(1991);Robertsら、Science、258:1463−1466(1992);Robertsら、Proc. Natl. Acad. Sci. 、93:4320−4325(1996);Distefanoら、Proc. Natl. Acad. Sci. 、90:1179−1183(1993);Mergnyら、Biochemistry、30:9791−9798(1991);Chengら、J. Am. Chem. Soc. 、114:4465−4474(1992);BealおよびDervan、Nucleic Acids Research、20:2773−2776(1992);BealおよびDervan、J. Am. Chem. Soc. 、114:4976−4982(1992);Giovannangeliら、Proc. Natl. Acad. Sci. 、89:8631−8635(1992);MoserおよびDervan、Science、238:645−650(1987);McShanら、J. Biol. Chem. 、267:5712−5721(1992);Yoonら、Proc. Natl. Acad. Sci. 、89:3840−3844(1992);Blumeら、Nucleic Acids Research、20:1777−1784(1992);ThuongおよびHelene、Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 、32:666−690(1993);Escudeら、Proc. Natl. Acad. Sci. 、93:4365−4369(1996);など。


    【0058】


    一本鎖タグまたは二重鎖タグをそれらの一本鎖相補体または二重鎖相補体にアニールするための条件は、周知である(例えば、Jiら、Anal.Chem.、65:1323−1328(1993);Cantorら、米国特許第5,482,836号など)。 三重鎖タグの使用は、タグが最初に二本鎖形態で調製される場合に、その相補体にアニーリングするためにタグを露出するために、ポリメラーゼでの「ストリッピング」反応を必要としないという利点を有する。


    【0059】


    好ましくは、三重鎖ハイブリダイゼーションを使用する本発明のオリゴヌクレオチドタグは二本鎖DNAであり、そして対応するタグ相補体は、一本鎖である。 より好ましくは、タグ相補体中のシトシンの代わりに、5−メチルシトシンを使用して、タグとその相補体との間で形成される三重鎖のpH安定性の範囲を広げる。 三重鎖を形成するために好ましい条件は、上記の参考文献において、完全に開示されている。 手短には、ハイブリダイゼーションを、濃縮塩溶液(例えば、1.0M NaCl、1.0M酢酸カリウムなど)において、5.5(または、5−メチルシトシンが使用される場合には6.5)未満のpHで行う。 ハイブリダイゼーションの温度は、タグの長さおよび組成に依存する;しかし、18〜20マーまたはそれより長いタグについては、室温でのハイブリダイゼーションが適切である。 洗浄を、さほど濃縮されていない塩溶液(例えば、10mM 酢酸ナトリウム、100mM MgCl

    2 )、pH5.8、室温で実施し得る。 タグを、類似の塩溶液(pH9.0)中でのインキュベーションによって、それらのタグ相補体から溶出し得る。


    【0060】


    最小に交差ハイブリダイズする、三重鎖を形成するオリゴヌクレオチドタグのセットは、WO97/46704の付録IIにおいてコンピュータープログラム3tagNまたは類似のプログラムによって生成され得る。 小文字の対応する相補体を有する、二本鎖8マーのワードの典型的なセットは、大文字の下に与えられる。 各々のこのようなワードは、3塩基対によるセットにおける他の各ワードとは異なる。


    【0061】


    【表5】


    【0062】


    【表6】


    好ましくは、本発明の二本鎖オリゴヌクレオチドのレパートリーは、少なくとも10メンバーを含み;より好ましくは、このようなタグのレパートリーは少なくとも100メンバーを含む。 好ましくは、コンビナトリアル合成された二本鎖オリゴヌクレオチドタグについて、ワードは4と8との間の長さのヌクレオチドであり、そして三重鎖形成のためのタグ配列は、12〜60塩基対長である。 より好ましくは、タグ配列は、18〜40塩基対長である。


    【0063】


    (D.固相リンカー)


    合成の間、本発明のタグ相補体は、第1および第2の型の連結部分によって1つ以上の固相支持体に結合され、その結果、(1)連結部分の両方の型がタグ相補体合成の間にインタクトな(切断されない)ままであり、そして(2)第2の連結部分が切断されない条件下で、連結部分の第1の型が切断されて、合成ヌクレオチドを放出し得る。 好ましくは、この切断可能な連結は、化学的に切断可能な連結であり、すなわち、切断酵素を使用することなしで選択的な切断のために適切である。


    【0064】


    多くの連結化学およびそれらの切断特性が公知である。 典型的な切断可能な連結部分には、限定することを意図することなく、塩基不安定性部分、酸不安定性部分、光不安定性部分、還元可能部分、および酵素不安定性部分が含まれる。


    【0065】


    塩基不安定性連結には、例えば、エステル(−C(O)O−)、チオエステル(−C(O)S−)、および2−オキシエチルスルホン(−OCH

    2 CH

    2 −S(=O)

    2 R)が含まれる。 このような連結は、塩基性条件下で、代表的には、pH≧8.0、好ましくはpH≧9.0を用いて、適切な時間の間切断され得、そして必要に応じて、pHを増加するため、および/または求核攻撃による切断を促進するために、適切な求核試薬(例えば、アンモニア)を含む。 例えば、ジ(2−オキシエチル)スルホン連結部分は、アンモニア(中28〜30%)を用いる反応によって、穏やかな条件下で(55℃で12〜15時間)、オリゴヌクレオチドを有意に損なうことなく切断され得る(実施例1)。 コハク酸エステル(切断可能)およびスクシンアミド(非切断性)連結部分の混合物を含む支持体の合成は、実施例3に記載される。


    【0066】


    酸不安定性連結には、例えば、エステル(−C(O)O−)、チオエステル(−C(O)S−)、ケタール(O−C(R

    1

    2 )−O−)、ヘミケタール(O−CHR−O−)、およびホスホルアミデート(−OP(=O)(O

    - )−N−)が挙げられる。 例えば、ホスホルアミデート連結は、Hirschbeinら(PCT出願PCT/US96/10418、公開番号97/31009)またはGryaznovら(米国特許第5,599,922号)において記載される方法によって支持体に導入され得、そしてジクロロメタン中の0.8%トリフルオロ酢酸を用いて、室温で40分間の処理によって切断され得る(Gryaznovら、Nucleic Acids Res.20:3403−3409(1992)もまた参照のこと)。


    【0067】


    典型的な光不安定性リンカーには、D. J. Yooら、Org. Chem. 60:3358−3364(1995);D. L. McMinnら、Tetrahedron 52:3827−3840(1996);およびUrdeaへの米国特許第5,430,136号によって記載されるような2−ニトロベンジルエステルが挙げられる。


    【0068】


    還元可能リンカーは、例えば、2−メルカプトエタノールまたはジチオスレイトールを用いて容易に還元されるジスルフィド連結基(Gryaznovら、Nucleic Acids Res.21:1403−1408(1993);Urdeaらへの米国特許第5,118,605号)によって例証される。


    【0069】


    酵素不安定基には、酵素によって切断され得る任意の連結部分が挙げられる。 典型的な連結部分には、エステル基(−C(O)−O−)、ペプチド基(−NH−C(O)−)、チオエステル(−C(O)−S)、およびエンドヌクレアーゼ制限部位を含むポリヌクレオチド配列(例えば、Urdeaへの米国特許第4,775,619号)が挙げられる。 1つの好ましい実施形態において、連結部分は、特異的プロテアーゼによって認識されるアミノ酸残基(例えば、リジン−Xもしくはアルギニン−X(トリプシン);アスパラギン酸−X(Staphylococcus aureus V8プロテアーゼ);またはチロシン−X、トリプトファン−X、フェニルアラニン−X、ロイシン−X、もしくはメチオニン−X(α−キモトリプシン);ここでXは、ペプチドのN→C方向における次の残基を表す)を含むオリゴペプチドである。 オリゴペプチド連結基の切断がオリゴヌクレオチド−ペプチド結合体を生じる場合、所望されるならば、プロナーゼまたは他の適切なプロテアーゼを使用して、そのペプチド部分は除去され得るか、またはそのオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドからのペプチド部分の選択的除去を可能にするように位置するエンドヌクレアーゼ制限部位を含み得る。


    【0070】


    他の化学的連結(例えば、メチオニン含有オリゴペプチド、これは、酸性条件下で臭化シアンを用いて化学的に切断可能である)もまた意図される。 切断可能な連結部分を記載するさらなる参考文献には、Monferteら、国際出願番号PCT/US96/06116(WO96/37630)、Urdea(米国特許第5,380,833号)、Wong,S. S. ,Chemistry of Protein Conjugation and Cross−Linking,CRC Press Boca Raton,FL. ,1991(特に63−67頁)、およびAllen,G. ,Sequencing of Proteins and Peptides,Elsevier Science Pub. B. V. ,New York,1983(特に第3章)が挙げられ、これらは本明細書中に参考として援用される。


    【0071】


    上記で言及した切断条件に一般的に耐性である多くの安定な連結部分もまた、公知である。 典型的な、安定な「切断不能」部分には、エーテルおよびポリエーテル、ポリアミン、ホスホルアミダイト、ホスホルアミデートなどが挙げられる。 これらの部分は、上述したいくつかの基と対照的に、大部分の酸性条件下および塩基性条件下で抵抗性であり、従って、特に、本発明で使用される切断不能な連結についての簡便な選択である。


    【0072】


    微粒子表面上のタグを結合および/または合成するための典型的なリンカーは、Ponら、Biotechniques,6:768−775(1988);Webb、米国特許第4,659,774号;Baranyら、国際特許出願PCT/US91/06103(WO92/04384);Brownら、J. Chem. Soc. Commun. ,1989:891−893;Damhaら、Nucleic Acids Research,18:3813−3821(1990);Beattieら、Clin. Chem. ,39:719−722(1993);MaskosおよびSouthern、Nucleic Acids Research,20:1679−1684(1992)などにおいて記載されている。


    【0073】


    (III.レパートリー合成法)


    本発明は、オリゴヌクレオチドタグのレパートリーおよびタグ相補体の対応するレパートリーを合成する方法を提供し、その結果、タグおよびタグ相補体が別々に合成された以前の方法と比較して、所望のタグの合成の忠実度および収率が改善され、そして失敗の配列によって引き起こされる問題は減少する。


    【0074】


    1つの実施形態において、この方法は(1)1つ以上の固相支持体に固定化された複数の異なる配列のオリゴヌクレオチド集団を合成する工程(ここで各集団は、複数の同じ配列のオリゴヌクレオチドを含み、そして各集団中のオリゴヌクレオチドは、他の集団中のタグ相補的配列と比較して異なるタグ相補的配列を含む)、(2)1つ以上の支持体からの各オリゴヌクレオチド集団の画分を切断する工程、および(3)切断されたオリゴヌクレオチドを複数のクローニングベクターに挿入して、タグベクターライブラリーを形成する工程を伴う。 このようなプロセスを図2に図示する。 ここで切断されたタグ相補的配列T

    nを含むタグベクター構築物1は、タグベクターライブラリーのメンバーを例証する。


    【0075】


    本発明における使用のための固相支持体は、上記の第II節における記載に照らした任意の適切な方法によって調製され得る。 上述のように、タグ相補体を支持体に連結する連結部分は、第1の切断可能連結部分および第2の非切断不能連結部分を含む、少なくとも2つの異なる連結部分の混合物を含む。 切断可能連結部分および切断不能連結部分の両方は、支持体上にタグ相補的配列を作るために使用される、オリゴヌクレオチド合成プロトコルに耐えるために選択される。 切断不能連結部分はまた、タグ化された分子を支持体に結合したタグ相補体にハイブリダイズさせるために後で使用される条件に耐えることが可能でなければならない。


    【0076】


    支持体上の切断可能連結部分:切断不能連結部分の比は、以下を確実にするために選択される:(1)支持体上で合成されたタグ相補的レパートリーの十分な量が、相補的タグレパートリーを調製するために支持体から切断され得ること、(2)切断されたオリゴヌクレオチドは、クローン化可能であるか、または容易にクローン化され得ること、および(3)支持体がソーティングのために使用される場合、タグ相補体の十分な量がタグ化された分子を捕捉するために支持体上に残存すること。 好ましくは、切断可能な連結部分は、全結合タグ相補体の50%未満、およびより好ましくは、約10%〜約30%を構成する。 合成されたオリゴヌクレオチドの各集団の選択された画分が、塩基切断可能な連結を介して支持体(単数または複数)に結合されることもまた好ましい。


    【0077】


    上記で議論したように、所望される連結部分を結合するための多数の適切に反応性の支持体が既知である。 例えば、ヒドロキシル誘導体化支持体またはアミノ誘導体化支持体が市販されているか、または上記で議論したように、選択されたリンカー基を結合するために適切な、容易に利用可能な材料から調製され得る。


    【0078】


    切断可能連結基および切断不能連結基を、支持体に連続的にまたは同時に結合させ得る。 好ましくは、この連結部分は、切断可能リンカーおよび切断不能リンカーの混合物と、支持体上の相補的反応基とを同時に反応させることにより固相支持体に導入され得る。 従って、支持体上の切断可能部分および切断不能部分の相対的割合は、固体支持体上の相補的反応基に関するリンカーの相対的反応性を考慮すると、誘導体化反応のためのリンカーの比を適切に選択することにより制御され得る。 例えば、切断可能リンカーおよび切断不能リンカーが支持体に対して等しく反応性である場合、10:90という切断可能リンカー:切断不能リンカー比を用いて、誘導体化支持体を生成し、ここで、10%の結合したタグ相補体は支持体から切断可能である。 同様に、30:70という比を用いて、誘導体化支持体を生成し得る。 ここで、タグ相補体の30%が切断可能である。 必要であれば、あまり反応性でないリンカーの相対的割合を増加させて、より高い反応性の他のリンカー型をオフセットし得る。


    【0079】


    例えば、実施例1に記載のプロトコルにおいて、エチレンジアミンで誘導体化したグリシダル(glycidal)メタクリレート/エチレンジメタククリレート(95/5)架橋ビーズを、標準的なホスホルアミダイト反応化学により、10:90のモル比の切断可能リンカー:切断不能リンカーと同時に反応させた。 この反応によって、両リンカーが固体支持体上のアミノ基に結合して、ホスホルアミダイト連結を形成させ得、これは、後に酸化させて安定なホスホルアミダイト基を形成し得る(図1)。 切断可能リンカー(これは、2−[2−(4,4'−ジメトキシトリチルオキシ)−エチルスルホニル]エチル−(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピル)−ホスホルアミダイトとして支持体上に導入され得る)は、酸性条件および酸化的条件に安定なジ(2−オキシエチル)スルホン部分を含み、そしてオリゴヌクレオチド合成の間にインタクトなままであるが、図1に示されるように、塩基触媒による切断を受けやすい。 図1の切断不能リンカー(これは、9−O−ジメトキシトリチル−トリエチレングリコール,1−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピル)]−ホスホルアミダイトとして支持体に付加され得る)は、オリゴヌクレオチド合成条件および切断可能リンカー部分を切断するために用いられ得る塩基性条件に安定なポリエチレンオキシドリンカーを含む。


    【0080】


    タグ相補体を含むオリゴヌクレオチドを、適切な反応条件を用いてリンカー誘導体化支持体に付加する。 広範に種々の合成ストラテジーが当該分野で開発され、そして記載される(例えば、Gait,1990(前出)および上記で引用された他の合成の参考文献)。 現在では、固相ホスホルアミダイト法が好ましい。 なぜなら、これは、約99%以上のカップリング収率をもたらすからである。 好ましくは、合成は、効率的な合成をもたらす任意の種々の市販の機器および試薬を用いて自動化される。


    【0081】


    タグ相補体に相補的なタグレパートリーの調製を容易にするために、固定化されたタグ相補体オリゴヌクレオチドは、好ましくは、各オリゴヌクレオチドにおけるタグ相補体配列に隣接する第1のプライマーセグメントおよび第2のプライマーセグメントを含む。 従って、支持体へのリンカーの結合の後に、第1のプライマー配列は、好ましくは、代表的には、このリンカーに対する適切なモノマーの連続的付加により、リンカーに付加される。 実施例1に記載されるプロトコルにおいて、配列5'−TCCTTAATTAACTGGTCTCACTGTCGCA−3'(配列番号1)を有するプライマーセグメントを、3'から5'方向で、ホスホルアミダイト−ホスホトリエステル化学を用いて、連続的モノマー付加により付加される。 あるいは、プライマーセグメントは、別々に合成され得、そして1回のカップリング反応においてこのリンカーに結合され得る。 好ましくは、このリンカーおよび任意の結合したプライマー配列は、共に、少なくとも10鎖原子のストレッチを含むスペーサー部分を提供して、支持体の表面からの、および支持体上の他のタグ相補体からのタグ相補体セグメント(すぐ下で議論される)の分離を補助する。 好ましくは、スペーサー(必要に応じたプライマー結合配列を含む)は、10〜30ヌクレオチドの長さを有する。 スペーサー部分の存在は、タグ相補体が、選別するためにタグ相補体配列とのハイブリダイゼーションに容易に利用しやすいことを確実にするために特に有用である。


    【0082】


    各オリゴヌクレオチドのタグ相補体配列は、モノマーもしくはモノマーのブロックの連続的付加により、またはタグ相補体の別々に合成されたレパートリーの同時結合により付加され得るが、モノマーの連続的な付加が好ましい。 レパートリーは、当該分野で公知の写真平版法またはロボット利用分配(robotic dispensing)方法(前出)により、平面アレイ上に形成され得る。 ビーズまたは粒子上に形成されるレパートリーについては、タグ相補体配列は、好ましくは、BrennerによりPCT公開WO96/41011に記載されるように、分割および混合(split and mix)アプローチを用いてコンビナトリアルに形成される。 簡潔には、複数の異なる、最小限に交差ハイブリダイズする(cross−hybridizing)オリゴヌクレオチドの「ワード(word)」配列は選択され、これは、合成されたタグ相補体だけが選択されたハイブリダイゼーション条件下でそれらの対応する相補体タグに確実にハイブリダイズし得るように(すなわち、任意の不正確にハイブリダイズしたタグおよびタグ相補体のレベルがほんのわずかであるように)設計される。


    【0083】


    実施例1に記載のプロトコルにおいて、各タグ相補体配列は、8「ワード」の直鎖状ストリングからなり、各々、8つのテトラマーワードの同じセットから選択される。 プライマー誘導体化ビーズは8つのアリコートに分けられ、これは、自動化合成機の8つの別個の合成カラムにロードされる。 各カラムにおいて、この8つの可能なワードから選択された異なるワードは、適切なモノマーの連続的付加によりビーズに付加される。 各カラムにおける第1のワードの合成が完了した後、8つのカラムからのビーズが合わされ、均一になるまで穏やかに混合される。 混合後、このビーズ混合物は、再び等しいアリコートに分けられ、これは、別のサイクルのワード付加のために8つのカラムにロードされる。 ワード付加の計8サイクルを行って、計8

    8 (ほぼ1.7×10

    7 )の異なる可能なタグ相補体配列を有するビーズを生成する。 分割および混合プロトコルは、確実に各ビーズが実質的に均一な、同じ配列のオリゴヌクレオチドの集団を含むようにする(すなわち、特定のビーズ上のオリゴヌクレオチドが実質的に同じ配列を有する)。


    【0084】


    必要であれば、固定化タグ相補体の配列は、任意の公知の配列決定法により固相支持体上で直接決定され得る。 好ましくは、タグ相補体は、タグ相補体配列の3'側にユニバーサルプライマー結合配列を含み、そのために、このタグ相補体は、相補体配列決定プライマーをアニーリングおよび伸長することによって、Sangerのジデオキシ配列決定法により配列決定され得る。 しかし、通常は、この方法は、固定化タグ相補体の配列が公知である場合は必要ではない。


    【0085】


    タグ相補体配列の付加後、さらなるヌクレオチド残基が、第2のプライマー配列、1つ以上のエンドヌクレアーゼ制限部位および/または他の所望の特徴を取り込むために追加される。 例えば、実施例1に記載のプロトコルにおいて、ヘキサマーブロックのGGGCCCがタグ相補体に追加されて、(1)タグ相補体セグメントがハイブリダイゼーションの間にその対応する相補的タグに結合することを補助する、(2)タグ相補体セグメントの末端を規定する、および(3)ベクターへのその後の連結のためにBsp120I制限部位を導入する。 以下でさらに議論されるように、必要に応じた増幅のために第2のプライマー配列(プライマー2)の付加が後に続く。


    【0086】


    従って、好適な実施形態において、タグ相補体配列を含む固定化されたオリゴヌクレオチドは、以下の特徴を含む:


    [支持体]−[連結部分]−[スペーサー]−[タグ相補体]−[末端セグメント]


    ここで、この連結部分は、上記で議論されたように、切断可能または切断不能のいずれかであり、スペーサーセグメント(好ましくは、10〜30ヌクレオチドの長さを有する)は、必要に応じて、(1)エンドヌクレアーゼ制限部位、および/または(2)ユニバーサルプライマー結合配列を含み、タグ相補体セグメント(好ましくは、12〜60、18〜40、または25〜40ヌクレオチドの長さを有する)は、上記で議論された特徴を有し、そして末端セグメント(好ましくは、0〜40ヌクレオチド、または10〜30ヌクレオチドの長さを有する)は、必要に応じて、(1)第1の制限部位と同じか、またはそれと異なり得るエンドヌクレアーゼ制限部位、および(2)スペーサーにおける任意のプライマー結合配列の相補体と同じか、またはそれと異なり得るユニバーサルプライマー配列を含む。 1つの好適な実施形態において、各オリゴヌクレオチドにおけるタグ相補体配列は、同じか、または異なり得る第1および第2のエンドヌクレアーゼ制限部位に隣接して、選択されるベクターへのその後の連結を容易にする。


    【0087】


    オリゴヌクレオチド合成が完了した後、このオリゴヌクレオチドは、必要であれば脱保護され、そしてタグ相補体レパートリーの一部は、切断可能連結部分のみを選択的に切断する一方で、切断不能連結部分はインタクトなままであるように、適切な反応条件を用いて支持体から切断される。


    【0088】


    簡便に、切断工程および任意の脱保護工程は、1つの試薬で同時に行われる。 例えば、切断可能連結部分および1つ以上の保護基が塩基に不安定である場合、次いで支持体を塩基で処理して保護基を除去し、そして支持体から切断可能オリゴヌクレオチドを切断する。 もちろん、脱保護および切断工程はまた、別々に行われ得る。


    【0089】


    切断されたオリゴヌクレオチド混合物は、以下でさらに議論されるように、選択されたクローニングベクターに直接挿入され得る。 しかし、この混合物は、好ましくは精製されて、任意の従来法を用いて失敗した配列および他の外来物質が除去される。 例えば、この混合物は、公知の方法により、イオン交換クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーを用いたHPLCによって迅速かつ簡便に精製され得る。 電気泳動的分離もまた使用され得る。 逆相クロマトグラフィーについては、合成されたオリゴヌクレオチドは、好ましくは、吸着剤に対するトリチル化オリゴヌクレオチドの優先的な吸着を容易にするように、疎水性基(例えば、トリチルまたはジメトキシトリチル(DMT))を含む。 その一方で、非トリチル化配列(失敗したカップリング工程から生じる)は、カラムにより実質的に保持されない。 代表的には、所望のオリゴヌクレオチド混合物は、幅広いピークとして溶出(または移動)する。 なぜなら、異なるG/C含量および分布を有する非常に幅広いスペクトルの配列が存在するからである。 この混合物は、エタノール溶出などによりさらに精製され得、そして得られる混合物は、好ましくは、0℃未満で、乾燥状態または安定な貯蔵媒体中で保存され得る。 オリゴヌクレオチド配列の完全性は、混合物の個々のメンバーをランダムに配列決定することにより評価され得る(通常は、この混合物がクローニングベクターに挿入された後)。


    【0090】


    目的のサンプルオリゴヌクレオチドへのその後の結合については、切断されたオリゴヌクレオチドは、好ましくは、1つ以上のクローニングベクターに挿入されて、タグベクターライブラリーが形成される。 任意の型の複製可能ベクター(例えば、プラスミド、ファージミド、コスミドなど)が用いられ得、これは、適切な宿主中で増殖され得る。 このベクターは、一本鎖または二本鎖であり得る。 種々の適切なベクターは、商業的供給元から入手可能である(例えば、New England Biolabs、Clontech、GibcoBRLなど)か、または文献中に記載されている。 このベクターは、一般的に、外来DNAを挿入するための1つ以上の制限部位、1つ以上の選択マーカー(例えば、アンピシリン耐性)、必要に応じて、挿入部位の上流にユニバーサルプライマー配列(インサートを配列決定するため)、および適切な宿主中でベクターを増殖するための任意の必要な成分を含む。 好ましくは、このベクターは、オリゴヌクレオチドタグを挿入するための第1の制限部位、およびタグに対して近位にサンプルフラグメントを挿入するための、第1の部位に直ぐ隣接する第2の制限部位を含む。 あるいは、サンプルフラグメントを挿入するための制限部位は、タグセグメントに直ぐ隣接するエンドヌクレアーゼ部位を含むタグオリゴヌクレオチドを介してベクターに導入され得る。


    【0091】


    二本鎖ベクター中への挿入のために、この切断されたオリゴヌクレオチドは、好ましくは、任意の適切な手段によって、このオリゴヌクレオチドにおける汎用3'−プライマーセグメントに相補的なプライマーをアニーリングさせ、そしてこのプライマーを伸長することによって、二本鎖形態に変換される。 この二本鎖産物は、対応するタグ相補配列と完全に塩基対合するタグ配列を含む。 代表的には、このアニーリングしたプライマーは、dNTPの混合物の存在下で、DNAポリメラーゼを使用して、3'方向に伸長される。 ベクター中への挿入についての二本鎖オリゴヌクレオチドの量を増加させるために、このオリゴヌクレオチド混合物は、所望の量の二本鎖産物が得られるまで、タグ相補配列に隣接するプライマー結合配列にアニーリングする、一対のプライマーを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応によって増幅され得る。


    【0092】


    二本鎖タグオリゴヌクレオチド混合物は、標準的な連結技術によって(例えば、平滑末端または粘着末端の連結によって)ベクター中に挿入され得る。 代表的には、ベクターおよびオリゴヌクレオチドの混合物は、付着末端を有する産物を生成するために、各々、1以上の制限酵素と別々に処理される。 好ましくは、ベクターおよびオリゴの混合物は、インサートの取り込みなしにベクターの再連結を低減することを補助するために、2つの異なる粘着末端を有する産物を生成する2つの異なる制限酵素で、各々、別々に処理される。 切断されたベクターはまた、インサートを含まないベクターの自己連結(self−ligation)を阻害する仔ウシ腸アルカリホスファターゼで、処理され得る。 例えば、実施例2Dにおいて、オリゴヌクレオチド混合物およびベクターは、PacIおよびBsp120Iで、各々、処理される。 切断されたベクター由来のより大きなフラグメントは、仔ウシ腸ホスファターゼで処理され、次いで、リガーゼの存在下で制限されたオリゴヌクレオチド混合物と反応され、タグベクターの混合物を形成する。


    【0093】


    次いで、連結産物は、タグベクターライブラリーを作製するために、適切な宿主を形質転換するために使用され得る。 形質転換体は、所望の数の形質転換体が収集されるまで培養される。 一般には、形質転換体の数は、タグレパートリーの高い割合のメンバーのサンプリングを保障するために、このレパートリーの複雑性を超えるべきである。 好ましくは、形質転換体の量は、タグベクターライブラリーにおける少なくとも90%、より好ましくは少なくとも約95%、およびより好ましくは99%のレパートリーよりも多くの存在を保障するに十分である。


    【0094】


    本発明のタグベクターライブラリーは、多数のサンプルオリゴヌクレオチドフラグメントを同時かつ独特にタグ化するために有用であり、その結果、タグ化されたオリゴヌクレオチドは、さらなるプロセシングまたは分析のために、タグ相補体のアレイ上に選別され得る。 従って、タグベクターは、各ベクターにおけるタグ配列に隣接する部位にて、異なるフラグメントを挿入するに効果的な連結条件下で、タグベクターライブラリーと異なるポリヌクレオチドフラグメントの混合物とを組み合わせることによって、タグ化されたポリヌクレオチドフラグメントのライブラリーを形成するために使用され得、その結果、各サンプルフラグメント(図2におけるS

    n )は、異なるタグ(T

    n )と会合する。 このようなタグベクターライブラリーの1つのメンバーは、図2における構築物

    によって表される。 好ましくは、タグベクターライブラリーの複雑性は、2以上の異なるサンプルフラグメントと会合した同じタグの可能性を低減することを補助するように、サンプルの複雑性を超える。


    【0095】


    例えば、実施例2Dにおいて、タグベクターライブラリーpBP9をBbsIおよびBamHIで消化して、BbsI部位に隣接するタグ配列(20ヌクレオチド以内)を有する、大きなベクターフラグメントを作製した。 このベクターフラグメントをホスファターゼで処理して、5'−リン酸基を除去し、そしてBbsI/BamHI粘着末端を有するオリゴヌクレオチドサンプルの混合物(cDNA)を、連結によって、ベクター中に挿入した。 この連結混合物を使用して、E. coli宿主細胞を形質転換し、そしておよそ1.6×10

    5のクローンを含むアリコートを使用して、このライブラリーを拡大するために液体培養物を接種した。 プラスミドDNAを、これらの培養物から抽出し、そして貯蔵した。


    【0096】


    ライブラリー中のタグ化サンプルオリゴヌクレオチドからのタグ化ポリヌクレオチドは、任意の所望の方法によって処理または分析され得る。 検出を容易にするために、タグ化ポリヌクレオチドは、同時増幅のために汎用プライマー対を使用するPCRによって増幅され、続いてテンプレートおよび増幅試薬から、所望の産物を、必要に応じて精製し得る(実施例2E)。 タグが、一本鎖または二本鎖のタグ相補体を結合するために、一本鎖形態で使用されるべきである場合、このタグ鎖は、所望のタグ鎖の変性および収集によって、例えば、ストレプトアビジン支持体上のビオチン化タグ鎖の固相での捕捉によって、それらの相補鎖から分離され得る。 あるいは、相補鎖を、5'→3'エキソヌクレアーゼ活性または3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を有するエキソヌクレアーゼを使用して、タグ相補領域中に含まれない選択されたdNTPの存在下で、除去し得、その結果、このエキソヌクレアーゼは、このタグ相補体の末端で効果的に停止する。 例えば、タグ配列がA塩基、C塩基、およびT塩基を含むが、Gを含まない場合、この相補配列は、T、GおよびAを含むが、Cを含まない。 CTPの存在下でのエキソヌクレアーゼの使用は、第1のCが相補配列に達するまでに、この相補配列から除去するために効果的である。


    【0097】


    タグ化されたオリゴヌクレオチド(タグ化されたオリゴヌクレオチドフラグメントとしても既知)は、上記で議論されるような、または実施例2Eにおいて例示されるような、適切なハイブリダイゼーション条件下で、固定されたタグ相補レパートリーにハイブリダイズされる。 固体支持体が粒子またはビーズを含む場合、この粒子またはビーズは、ハイブリダイゼーション、続いて洗浄工程を容易にする一定の攪拌で、タグ化されたオリゴヌクレオチドの存在下でインキュベートされ得る。 低い割合のビーズのみが相補性タグとハイブリダイズされる場合、ハイブリダイズされたビーズは、任意の適切な方法によって(例えば、FACS(蛍光活性化細胞選別)によって)ハイブリダイズしていないビーズから分離され得る。 この目的のために、タグ化されたポリヌクレオチドは、好ましくは、ハイブリダイズされたタグ化ポリヌクレオチドの検出を容易にするために、蛍光標識(例えば、PCRプライマーを介して)のような、検出可能な標識を含む。


    【0098】


    固定化されたタグ相補体レパートリーへのハイブリダイゼーションの後に、タグ化されたポリヌクレオチドは、任意の適切な方法に従って分析され得る。 例えば、固定化されたタグ化ポリヌクレオチドは、例えば、Brenner、国際出願番号PCT/US95/12678(WO96/12039)および国際出願番号PCT/US96/03678(WO95/27080)により教示されるように、サイクル配列決定による標識伸長生成物を作製するために、例えば、テンプレートとして固定化されたポリヌクレオチドを使用して、配列決定され得る。 あるいは、ハイブリダイズされたポリヌクレオチドは、既知の溶液相方法に従って、支持体から変性され、そして配列決定され得る。


    【0099】


    本発明はまた、配列の分析または定量のために、固体支持体上に異なるcDNAを選別するために有用である。 例えば、タグは、異なるサンプルに由来する転写物レベルにおける変化を特徴づけするために、ディファレンシャルディスプレイ実験を行うために使用され得る(例えば、異なる細胞および組織型、疾患状態などの特徴づけのため)。 本発明はまた、PCT出願番号PCT/US96/16342(WO97/13877)に開示されるような種々の化合物の毒性を決定するために使用され得る。


    【0100】


    タグ化分子がポリペプチドである場合、固定化されたポリペプチドは、例えば、特定のポリペプチド種を同定する標的特異的抗体での処置によって、さらに特徴づけられ得る。 タグ−ペプチド結合体の合成は、例えば、WO96/12014 14頁に記載される。


    【0101】


    本発明のタグおよびタグ相補体レパートリーについてのさらなる使用は、例えば、WO 95/27080;WO 96/12014;WO96/12039;WO 96/13877;WO 96/41011;およびWO 97/46704(これらは、本明細書中に参考として援用される)に開示され、これらには、分子、DNA配列決定、mRNAフィンガープリントなどのクラスまたは亜集団を、トラッキング(tracking)、同定、または選別することが挙げられる。


    【0102】


    本発明は、以下の実施例を鑑みてさらに理解され得る。 これらの実施例は、本発明の範囲を制限するようにいかなる様式においても意図されない。


    【0103】


    (実施例1)


    (タグ相補体の合成)


    全ての市販の化学物質は、合成品質であり、そしてさらなる精製なしに使用した。 オリゴヌクレオチド合成を、Bangs Laboratories,Inc. Fishers,Indianaからの、5.6μmアミノ誘導化ポリマービーズ(エチレンジアミンで誘導体化された95%グリシダルメタクリレート(glycidal methacrylate)/5%エチレンジメタクリレート))を使用するGENE ASSEBLER PLUS−SPECIAL/4 PRIMERS合成機(Pharmacia)を使用して行った。 これらのビーズは、1ビーズあたり約10

    7アミノ基のアミノ基密度を有すると推定された。 Pharmaciaからの合成カラムに供給された25μmポリプロピレンフィルターに加えて、GFAガラスフィルターマット(Whatman)を、各々の合成カラムの端に加えて、これらのビーズの保持を改善した。 あるいは、合成カラムを、これらのビーズを保持するために、各々の端にて2μm孔サイズPEEKフィルターを保有するネジキャップ端を有するステンレス鋼チューブ(1〜5mmの長さ×0.75インチの直径)から構築した(5mmの長さを有するカラムは、約600mgのビーズの容量を有する)。


    【0104】


    4.8mgのアミノ誘導体化ビーズを、8つの合成カラムの各々に充填した(各々が、600mgのビーズを含む)。 切断リンカー部分を形成するために、250mgの5'−PHOSPHATE−ON試薬(2−[2−4,4'−ジメトキシトリチルオキシ)−エチルスルホニル]エチル−(2−シアノ−エチル)−N,N−ジイソプロピル)−ホスホルアミダイト(Clontech、カタログ番号5210−2から)を、3.8mLの無水アセトニトリル中に溶解し、0.1Mの濃度を得た。 非切断リンカー部分を形成するために、250mgのSPACER PHOSPHORAMIDITE(9−O−ジメトキシトリチルートリエチレングリコール、1−[(2−シアノエチル)−N,N−ジイソプロピル)]−ホスホルアミダイト、Clontechから、カタログ番号5260−3)を、別々に、3.8mLの無水アセトニトリル中に溶解し、0.1Mの最終濃度を得た。 これらの2つの溶液を、1つの比率にて合わせて、任意の所望される%切断性を提供した。 例えば、10%の切断性を達成するために、1部のPHOSPHATE−ON溶液(例えば、200μL)を、乾燥ビンにおいて、9部のSPACER PHOSPHORAMIDITE(例えば、1800μL)と合わせ、次いで、GENE ASSEMBLER SPECIAL PRIMERS 4装置上の延長(extra)ホスホルアミダイトポートに取り付けた。 全ての移動を、シリンジを用いて行い、そしてこのボトルに、空気中の水蒸気への曝露を最小化するため、アルゴンを適用(blanket)したビーズへのリンカー(切断可能および非切断可能)の付加の後、以下のDNA配列(プライマー1、配列番号1)を、ホスファイトトリエステル(ホスホルアミダイト)法(M.J.Gait編、Oligonucleotide Synthesis、a Practical Approach、IRL Press、London、UK、1990、特に第3章)を使用して、以下の保護モノマー:T(非保護)、AおよびC(ベンゾイル)、およびG(イソブチリル):


    【0105】


    【化2】


    (プライマー1、配列番号1)を使用して、3'から5'への方向に、ビーズ上で合成した。


    【0106】


    次に、異なる「ワード」配列を、ホスホルアミダイト合成によって、適切なモノマーの連続付加により、各カラムにおいてプライマーテンプレート配列に付加した。 その8つのワードの配列は、以下であった:


    1)5'−CTTT (配列番号20)


    2)5'−TACT (配列番号21)


    3)5'−ACAT (配列番号22)


    4)5'−AATC (配列番号23)


    5)5'−TTAC (配列番号24)


    6)5'−TCTA (配列番号25)


    7)5'−ATCA (配列番号26)


    8)5'−CAAA (配列番号27)。


    【0107】


    第1のワード付加工程の完了後、ビーズをカラムから収集し、ともに混合し、そしてカラムに再びロードし、その後、異なる「ワード」配列各々を、上記のようなホスホルアミダイト合成により8つのカラムに別々に再び付加し、続いてビーズを収集し、再混合し、そしてカラムに再ロードした。 ワードの付加およびビーズの混合/分割というこのサイクルを、合計8回実施して、約1.7×10

    7 (=8

    8 )個の異なるオリゴヌクレオチド配列のオリゴヌクレオチドライブラリーを作製した。 このコンビナトリアル合成が完了した後、配列5'−CCC−3'(トリチルオン(trityl−on))をビーズに付加して、以下の一般式(配列番号2)を有する固定されたオリゴヌクレオチドの混合物を生じた。 :


    【0108】


    【化3】


    CCCセグメントの付加後、ビーズの一部(4.3g=90%)を、55℃にて12時間飽和アンモニア水(2mL、水中28〜30%)を用いて脱保護した。 次いで、この脱保護したビーズを、酢酸を用いて15分間処理して、末端の5'トリチル基を除去した。 この酸を除去した後、このビーズを、メタノールを用いて洗浄し、そして真空にて濃縮した。 次いで、このビーズを、ハイブリダイゼーション用に準備した。


    【0109】


    このビーズの残りの部分(0.5g=10%)を適切なホスホルアミダイトモノマーと反応させて、配列5'−CCTTAGGG−3'(プライマー2、トリチルオン、配列番号3)を付加し、続いてアンモニア(2mL)を55℃にて12時間用いて脱保護した。 このアンモニア処理もまた、切断可能なリンカーを切断してこのビーズからオリゴヌクレオチドのうちの10%を解離させるのに有効であった。 ビーズを遠心分離により除去し、そして残存するアンモニア溶液を、もとの容量の半分にまで真空により濃縮した。 この混合物中の切断されたオリゴヌクレオチドは、以下の一般式(配列番号4)を有した。 :


    【0110】


    【化4】


    このオリゴヌクレオチド混合物を、Gilson HPLC装置上にある、Polymer Laboratories(100オングストローム孔径、8μm粒子)からの150mm×4.6mm PLRP−Sカラムを使用して、HPLCクロマトグラフィーにより精製した。 2段階溶媒勾配を使用した:緩衝液A:水中の0.2M酢酸トリエチルアンモニウムおよび2%アセトニトリル;緩衝液B:100%アセトニトリル:流速=室温にて1mL/分;勾配プログラム:95%A、1分間;5分間かけて80%Aに減少、そして5分間50%Aにて保持;5分間かけて95%Aに戻し、そして95%Aにて10分間維持して、カラムを再平衡化する。 広いトリチルオンピーク全体を、18分と20分との間で収集した。 この収集した画分を真空にて濃縮し、氷酢酸を用いて15分間処理して、5'−トリチル基を除去し、そして真空にて濃縮して乾燥させた。 残渣を300μLの水に溶解し、そして1.5mL微小遠心チューブに移した。 これに100μLの4M NaClを添加し、そして混合物をボルテックスした。 1mLのエタノールを添加後、サンプルをボルテックスし、次いで−20℃で20分間冷却した。 沈殿したDNAを遠心分離し、そして上清を除去した。 この沈殿手順を2回以上反復した。 最終精製混合物を、BP9と名付けた。


    【0111】


    (実施例2)


    (タグのクローニングおよび調製)


    (A.プラスミドクローニングベクター)プラスミドクローニングベクターpLCV2を、以下のオリゴヌクレオチドを使用して、以下のようにしてプラスミドベクターpBC. SK

    - (Stratagene)から作製した。 :


    【0112】


    【化5】


    オリゴS−723およびS−724をキナーゼ処理し、ともにアニールさせ、そしてKprIおよびXbaIを用いて消化しかつ仔ウシ腸アルカリホスファターゼを用いて処理したpBC. SK

    -に連結して、プラスミドpSW143.1を作製した。


    【0113】


    オリゴS−785およびS−786をキナーゼ処理し、ともにアニールさせ、そしてXhoIおよびBamHIを用いて消化しかつ仔ウシ腸アルカリホスファターゼを用いて処理したプラスミドpSW143.1に連結して、プラスミドpSW164.02を作製した。


    【0114】


    オリゴヌクレオチドS−960、S−961、S−962およびS−963をキナーゼ処理し、ともにアニールさせて、4つのオリゴヌクレオチドからなる二重鎖を形成させた。 プラスミドpSW164.02をXhoIおよびSapIを用いて消化した。 この消化したDNAを、アガロースゲル上で電気泳動し、そして約3045bpの産物を、適切なゲルの切片から精製した。 プラスミドpUC4K(Pharmaciaから)をPstIを用いて消化し、そしてアガロースゲルにて電気泳動した。 約1240bpの産物を、適切なゲルの切片から精製した。 この2つのプラスミド産物(pSW164.02およびpUC4K由来)を、S−960/961/962/963二重鎖とともに連結して、プラスミドpLCV1を作製した。


    【0115】


    アデノウイルス5(New England Biolabs)由来のDNAを、PacIおよびBsp120Iを用いて消化し、仔ウシ腸アルカリホスファターゼを用いて処理し、そしてアガロースゲルにて電気泳動した。 約2853bpの産物を、適切なゲルの切片から精製した。 このフラグメントを、PacIおよびBsp120Iを用いて消化したプラスミドpLCV1に連結して、プラスミドpSW208.14を作製した。


    【0116】


    プラスミドpSW208.14を、XhoIを用いて消化し、仔ウシ腸アルカリホスファターゼを用いて処理し、そしてアガロースゲルにて電気泳動した。 約5374bpの産物を、適切な切片から精製した。 このフラグメントを、(キナーゼ処理しそしてともにアニールさせた)オリゴヌクレオチドS−1105およびS−1106に連結して、プラスミドpLCV2を作製した。 このプラスミドは、以下のエレメント(配列番号15)を含んだ。 :


    【0117】


    【化6】


    (B.タグプラスミドライブラリーの構築)pBP9と称するタグプラスミドライブラリーを、以下のように作製した。 以下の配列を有する、PEP−1と称するプライマーを合成した:


    【0118】


    【化7】


    (PEP−1、配列番号16)(Fam−TTP結合体は、Perkin Elmer−Applied Biosystems Divisionから得た)。 このPEP−1プライマーを、実施例1からのコンビナトリアルタグ混合物(BP9と称する)にアニールさせ、そしてこのプライマーを、4つの標準dNTPの存在下でSequenase DNAポリメラーゼを用いての処理によって伸長させた。 二本鎖産物を精製し、PacIおよびBsp120Iを用いて消化した。 そしてこれを、PacIおよびBsp120Iを用いての消化および仔ウシ腸アルカリホスファターゼを用いての5'リン酸基の除去によってpLCV2から作製した大きい方のフラグメントに連結した。 この連結産物を、アガロースゲルにて電気泳動し、そしてQIAEX IIキット(Qiagen)を使用して、このゲル切片から精製した。 この連結材料を使用して、エレクトロコンピテントなE. coli TOP10F'(Invitrogen)またはXLIBlueMRF'(Stratagene)を形質転換した。 連結条件および形質転換条件を、1μLのベクターフラグメント(約10μg)と、インサートなし、1μLの1:10希釈インサート、または1μLの非希釈インサート(約1pmol)のいずれかを使用して、RAPID LIGATION KIT(Boehringer Mannheim)を使用して予備連結反応を実行することによって、最適化した。 連結後、この連結混合物を使用して、エレクトロコンピテント細胞を形質転換し、そして形質転換体(そのまま 100μL、1:10希釈 100μL、および1:100希釈 100μL)をプレートした。 このアプローチを使用して、最良のベクター/インサート比を、非常に低いバックグラウンドを維持しつつ最初のDNAあたり最高数のコロニーを生成する比として決定した。 ライブラリー合成のために、必要な場合は、この連結条件をスケールアップした。 例示的条件は、以下の通りである:


    200μL ベクター(20μgプラスミドから開始して得られる合計)


    XμL インサート(PacI/Bsp120I消化物)


    50μL 10×連結緩衝液50μL 10mM ATP


    YμL 水10μL T4 DNAリガーゼ(2,000,000 U/mL)


    →最終容量=500μL。


    【0119】


    この連結混合物を、16℃で一晩インキュベートし、続いて、1容量(500μl)のTE飽和フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)で2回、クロロホルムで1回抽出し、続いてエタノール沈殿した。 遠心分離、洗浄、そして乾燥後、このペレットを、50μL水に再懸濁した。 エレクトロコンピテント(electrocompetent)細胞(80〜100μLの細胞)の数個のバイアルの各々の中に、1〜2μLの連結産物を添加した。 以下の条件を、エレクトロポレーションのために使用した:冷却した0.1cmエレクトロポレーションキュベット中で、200ohm、25μF、1800V。 エレクトロポレーションの直後、1mLのSOCブロス(Sambrookら、前出、SOC培地の補遺A.2において)を添加し(室温)、そしてこの混合物を、15mL Falconチューブに移し、そして220rpm、37℃で1時間振盪した。 次いで、各形質転換混合物を、振盪フラスコ中で50mLの予熱したブロス(TBまたはLB+クロラムフェニコール)に添加した。 価を決定するために、各形質転換体の少量のアリコート(5μLのニートまたは希釈した)を、30μg/mLクロラムフェニコールを含有するLB寒天プレート上にプレートして力価を決定した。 一方残りを、液体培養物へ接種し、そしてインキュベーターで一晩浸透した。 形質転換を、独立した形質転換体(クローン)の総数が、希釈分析に基づいて約1.7×10

    8であると推定されるまで反復した。 形質転換体のこの量は、8ワードの全体長さ(8

    8 =1.7×10

    7 )を有するタグ配列を生成するために8つの異なる力価「ワード」配列のランダムな組合せ結合によって生成される、可能なタグ改変体の10倍量に等しい。 プラスミドDNA(pBP9)を、この培養物から抽出し、そしてプールした。 この培養物は、類似の力価を有する場合にのみプラスミド単離の前に組み合わせられ得ることに留意すること。 そうでなければ、プラスミドを、別々に単離し、次いで、これらの力価に比例して一緒に混合した。 約1.5mgのpBP9を得た。


    【0120】


    (C.ポリ(A)

    + RNA単離)


    ポリ(A)

    + RNA(5×10

    7細部から約30μg)を、供給業者によって推奨されるように、FastTrackキット(Invitrogen)を使用してTHP細胞から抽出した。 ポリ(A)

    + RNA(5×10

    7細胞から約15μg)を、NovagenからのSTRAIGHT A's mRNA単離システムを使用して酵母細胞から抽出した。 cDNA合成のために、ポリA RNAのエタノール懸濁物を、冷脚微小遠心において、最高速度で30分間遠心分離した。 この上清を取り除き、そして破棄し、その後このペレットを短時間再遠心分離し、そしてこの上清を、ピペットによって注意深く取り除いた。 このチューブの側面を、0.75mLの70%エタノールで注意深く洗浄し、続いて20分間遠心分離した。 この上清を、先の通りに取り除き、すべての液体が取り除かれたことを確認した。 RNAペレットを、DEPC処理水中に再懸濁した(32mLを、5×10

    7の哺乳動物細胞由来のmRNAのために使用し;さもなければ、この容量を調節した)。 得られた溶液を、チューブの底にスピンさせ、そして氷上に置いた。 RNA濃度を、260nmでの1.0吸光度単位(A260)=40μg/mL RNAと仮定して、水での希釈によって評価した(A260/A280比は、2.0であるはずである)。 すべての時間でグローブを着用して、ヌクレアーゼ夾雑を回避した。


    【0121】


    (D.cDNAライブラリー構築)


    第1鎖cDNAおよび第2鎖cDNAを、以下の特注プライマーを第1鎖合成のために使用することを除いては、RNAseを含まないチューブを使用し、供給業者によって推奨されるようにcDNA Synthesis Kit(Stratagene)を使用して合成した(RTプライマー、配列番号17):


    【0122】


    【化8】


    ここで、「V」は、A、CおよびGの混合物を示す。 簡潔には、以下の溶液を、滅菌0.5mLチューブに添加した:


    2.25μL 10×第1鎖緩衝液1.35μL 第1鎖メチルヌクレオチド混合物1.0μL RTプライマー(50pmol/μL)


    nμL DEPC処理水(nは、以下のように算出した)


    0.45μL RNaseブロックリボヌクレアーゼインヒビター(40U/μL)。


    【0123】


    得られた混合物をすばやく動かし(flick)て成分を混合し、次いで、チューブの底にスピンさせた。 この混合物に、上記(mμL)から2.5μgのポリ(A)

    + RNAを添加した。 ここで、mは、2.5μgのRNAを含む容量であり、そしてn(DEPC処理水の容量)を生じるように算出して、最終容量21.8μLを生成した(n+m=16.8μL)。 この混合物に、0.7μL MMLV逆転写酵素(50U/μL)を添加した。 この混合物を穏やかにボルテックスまたはすばやく動かし、次いで、チューブの底にスピンさせた。 この混合物を、ヒートブロックまたはPCR機械中で37℃で60分間インキュベートし、次いで、氷上に置いた。


    【0124】


    第2鎖cDNA合成のために、第1鎖cDNA産物(22.5μL)を氷上に置き、そして以下の成分を、順番に添加した:


    100μL 10×第2鎖緩衝液3μL 第2鎖ヌクレオチド混合物57.0μL 滅菌水(非DEPC処理)


    1.0μL α−

    32 P−dATP(10μCi/μL、2週間よりも古くない)。


    この混合物をすばやく動かしてこの溶液を混合し、次いで、短時間スピンダウンさせ、続いて氷上で5分間平衡化させてヘアピン構造の数を減少させた。 次に、以下の酵素を添加した:


    1.0μL RNAse H(1.5U/μL)


    5.5μL DNAポリメラーゼI(9.0U/μL)。


    得られた溶液を短時間混合し、そして16℃を超える温度にせずに、短時間回転させた。 この混合物を、16℃で150分間インキュベートし(それより長い時間ではない)、その後、この混合物を氷上に置いた。


    【0125】


    この反応チューブに、100μL TE飽和フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)を添加し、そしてこの混合物を、徹底的にボルテックスした。 この混合物を、5分間遠心分離した。 水(上)層を、注意深く取り出し、そしていかなる界面も回収することなく、新たなチューブに移した。 100μLのクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)を添加し、そしてこの混合物を、徹底的にボルテックスした。 この混合物を、5分間遠心分離した。 水層を回収し、そして先のように新たなチューブへ移し、そして1μLの5M NaClを添加し、そしてボルテックスした。


    【0126】


    得られた二本鎖ヘミメチル化cDNAを、Pharmacia SIZESEP 400カラム(カタログ番号27−5105)上でサイズ分画した。 このカラムを、スピンカラム中にSIZESEPゲルを置くことによって、STE緩衝液(1×STE=100mM NaCl、20mM Tris pH7.5、10mM EDTA)中で平衡化させ、そしてこのゲルベッドの上部に達するまで緩衝液を排出させ、続いて2mL TBE中にゲルベッドを懸濁し、そしてこのゲルベッドの上部まで緩衝液を排出させ、そしてTBE懸濁工程および排出工程を2回以上繰り返した。 このカラムを、乾燥を避けるために使用まで両端でキャップした。 使用の直前、このキャップを取り除き、そしてこのカラムを約400×gで2分間、短時間回転させて、このゲルを密にし(compact)、そして過剰の緩衝液を除去した。 次に、cDNAサンプルを、ゲルベッドの上部で平滑な表面の中央に、注意深くかつゆっくりアプライし、その結果、このサンプルは、このゲルの側面を通過して、または亀裂を通じては流れなかった。 このカラムを、Falcon 2059チューブへ置き、その結果、このカラムの下部の先端を、キャップのない1.5mL遠心分離チューブのチップ上に置いて、カラム溶出物を回収した。 このカラムを、Falconチューブ中で約400×gで2分間回転させ、その結果、合成プライマーおよび低分子cDNAを、このカラム中に保持し、一方所望の長さのcDNAを、遠心チューブ中に収集した。 収集したcDNA混合物を、新たなキャップ付チューブに移した。 収集したcDNAに、1μL PELLET PAINT(Novagen,Madison,WI)、0.1容量の3M NaOAc、および2.5容量のEtOHを(必要に応じて)添加した。 得られた溶液を、−70℃で少なくとも30分間、または−20℃で一晩保存した。 二本鎖cDNA産物は、以下の式(配列番号18)を有した:


    【0127】


    【化9】


    ここで、X'は、cDNA中のヌクレオチドを示し、Vは、A、CまたはGを示し、そしてBは、C、GまたはTを示す。 RTプライマー配列を、cDNA中にBsmBI部位(これは、BsmBIを用いる消化の際に5'−GCATオーバーハングを生じる)を与えるように選択したことに留意すること。


    【0128】


    先のように、エタノール/NaOAc/cDNA溶液を冷却遠心分離において30分間回転させ、そして70%エタノールで洗浄した後、サイズ分画したcDNAを、170μL水、20μL 10×DpnII緩衝液、および10μL DpnII(10U/μL)の溶液中にcDNAペレットを再懸濁することによりDpnIIによって完全に消化し、続いて37℃で2時間インキュベートした。


    【0129】


    ビオチン化フラグメントを、Dynal M−280ストレプトアビジンビーズを使用して精製した。 ビオチン捕捉のための調製において、磁気ストレプトアビジンビーズを、ボルテックスすることによって再懸濁し、そして100μLビーズ(1mg)を新鮮な1.5mL遠心チューブに移した。 このチューブを、磁気粒子濃縮機(MPC)中に少なくとも60秒間置いて、このビーズを磁石に近いペレットにした。 このチューブがMPCにあったまま、この上清を取り除き、そして破棄した。 このチューブに100μLの1×B&W緩衝液(2×B&W緩衝液=20mM Tris−HCl pH8.0、2mM EDTA、および2M NaCl)を添加し、そしてこの懸濁物をボルテックスして、MPCに置いて磁気ビーズを濃縮し、そしてこの上清を、先のように除去した。 この洗浄手順を、2回以上繰り返した。 上記の手順の間にビーズを乾燥させる時間はなかった。


    【0130】


    上記からのDpnII消化物(200μL)に、200μLの2×B&W緩衝液を添加した。 この混合物を、調製された磁気ストレプトアビジンビーズを含むチューブに移し、そしてこのビーズを、このビーズをすばやく動かすことによって再懸濁した。 このチューブを、Thermomixer中、25℃で30分間インキュベートし、その結果、このビーズを、ビオチン捕捉を確実にさせるためにすべての時間で十分に懸濁した。 次に、このチューブを、MPC中に置き、そしてこの上清を回収し、そして−20℃で保存した。 このビーズを、400μL×B&W緩衝液で5回洗浄し、そしてこの上清を分析して、放射性数(count)が、3回目または4回目の洗浄後に、ほとんどないかまたはまったく存在しないことを確認した。


    【0131】


    タグ化cDNAフラグメントを除くために、以下の手段が実施された:


    1.20μLの10×NEB3 Buffer(New England Biolabs)および168μLの水の混合物中にビーズを再懸濁する。


    【0132】


    2.2μLのウシ血清アルブミン 100×ストック(10mg/mL BSA、New England Biolabs)を添加する。


    【0133】


    3.10μLのBsmBI(4U/μL)を添加する。


    【0134】


    4.55℃で2時間、Thermomixer中でチューブを振盪する。 従って、ビーズは、十分懸濁されたままである。


    【0135】


    5.7μLのBsmBI 10×ストック溶液を添加し、そして55℃でさらに1−2時間、チューブを振盪する。


    【0136】


    6. チューブをMPC中に60秒間静置する。 放出されたタグ配列を含む上清を回収する。


    【0137】


    7.2μLのPELLET PAINTを添加する。 200μLのフェノール/クロロホルムで一度、そして200μLのクロロホルムで一度抽出する。


    【0138】


    得られた水層に、20μLの3M NaOAcおよび500μLのEtOHを加える。 この混合物を、−20℃で一昼夜または−70℃で30分保存する。 次いでこの溶液を、少なくとも30秒間微量遠心器にスピンした。 この上清を除きかつ廃棄し、そして沈渣を、0.5mLの70%EtOHで洗浄し、そして0.5mLの70%EtOH中で再遠心分離した。 放出されたcDNAフラグメント混合物は、以下の定式を有する(配列番号19):


    【0139】


    【化10】


    上のpBP9タグ化ベクターを、BbsIおよびBanHIで切断し、仔ウシ腸管アルカリホスファターゼで処理し、そしてアガロースゲル中で電気泳動によって精製した。 大きいフラグメント(およそ3.15kb)を、ゲルから精製し、そして連結のためのcDNAフラグメント混合物と結合した。 このベクターは、BbsI切断によってcDNAのBsmBI切断端と互換性の端を産生するように操作されたことに注意のこと。 精製されたベクターフラグメントを、上記のように調製したcDNA混合物に連結した。


    【0140】


    タグ化cDNA挿入物のベクターライブラリーを産生するために、連結されたベクター−挿入物混合物を、電気的形質転換受容性(electrocompetent)E. coli TOP10細胞(Invitrogen)を形質転換するのに用いた。 この形質転換の少量を、力価を決定するために30μg/mLのクロラムフェニコールを含むLBアガープレート上にプレートした。 ライブラリーを広げるために、およそ1.6×10

    5のクローンを含むアリコートを、液体培地を播種するのに用いた。 プラスミドDNAを、これらの培養物より抽出し、そして保存した。


    【0141】


    (E.タグ相補体を固定化するためのタグ化フラグメントのハイブリダイゼーション)


    タグ化DNA挿入物を、ハイブリダイゼーションによって取りこみ得るか、または上述のような固定化(Immobilized)タグ相補体の配列に分別し得た。


    【0142】


    好ましくは、このタグ化cDNA接合体を、以下のような従来のプロトコールを用いて、ベクターからPCRによって増幅する。 8つのPCR複製物の各々に関して、以下の反応成分を結合する:1μLのベクターDNA(ライブラリーに125ng/μL、単一コロニーに10

    9コピー);10μLの10×KLENTAQ Buffer(Clontech Labs、Palo Alto、CA);0.25μLのビオチン化20マー「前向き」PCRプライマー(1nmol/μL);0.25μLのFAM標識化20マー「逆向き」PCRプライマー(1nmol/μL);1μLの25mM dATP、dGTP、dTTP、および5−メチル−dCTP(総dNTP濃度 100mM);5μL DMSO;2μL 50×KLENTAQ酵素;および80.5μLの水(100μLの総容量に)。 PCR反応は、以下のプロトコールを用いて、MJR DNA Engine(MJ Research)、または同様のサーモサイクラーにおいて行われる:(1)94℃で4分間;(2)94℃で30秒間;(3)67℃で3分間;(4)8サイクルの工程2および3;(5)94℃で30秒間;(6)64℃で3分間;(7)22サイクルの工程5および6;(8)67℃で3分間;ならびに(9)4℃で静置。


    【0143】


    8つのPCR混合物を、プールし、そして700μLのフェノールを室温で加える。 結合混合物を、20−30秒間ボルテックスし、次いで3分間高速で遠心する(例えば、Eppendorf卓上遠心機、または同様の装置で14,000rpm)。 上清を、除去し、そして新しいチューブ内で700μLのクロロホルム(クロロホルム:イソアミルアルコールの24:1混合物)と結合し、20〜30秒間ボルテックスし、そして1分間遠心分離し、その後上清を新しいチューブに移し、そして80μLの3M酢酸ナトリウムおよび580μLのイソプロパノールと結合する。 20分間の遠心後、上清を除き、そして1mLの70%エタノールを加える。 エタノールを除いた後、混合物を5−10分間遠心し、そして沈殿したDNAを微量遠心機内で乾燥する。


    【0144】


    再撹拌後、cDNAを、アビジン化磁石ビーズ(Dynal)上で、製造業者の推奨するプロトコールを用いて精製する。 次いでcDNAは、製造業者の推奨するプロトコール(New England Biolabs、Beverly、MA)をまた用いて、PacI(1ユニットの酵素/μgDNA)で切断する。 切断したDNAをフェノール/クロロホルムで抽出し、その後エタノール沈殿を行う。 タグ化cDNA接合物のタグを、ストレプトアビジン精製DNAの1μgあたり2ユニットのT4DNAポリメラーゼ(New England Biolabs)の添加により一本鎖にする。 150μgのストレプトアビジン精製DNAを、200μLの水に再懸濁し、以下の反応成分と結合する:30μLの10×NEB Buffer No. 2(New England Biolabs);9μLの100mM dGTP;30μLのT4 DNAポリメラーゼ(10U/μL);および31μLの水;300μLの最終反応用量を得る。 37℃で1時間のインキュベート後、反応を20μLの0.5M EDTAの添加によって停止し、そしてT4DNAポリメラーゼを75℃で20分間反応混合物をインキュベートすることによって不活化する。 タグcDNA接合物を、フェノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈殿によって精製する。


    【0145】


    タグcDNA接合物の固定化タグ相補体へのハイブリダイゼーションに関して、上記のように調製したタグcDNA接合物を、50μLの水中に撹拌し、生じる混合物を、40μLの2.5×ハイブリダイゼーション緩衝液と結合する。 組み合わせた混合物を、従来のプロトコールを用いて、SPIN−Xカラム(0.22μm)を通して濾過し、タグcDNA接合物を含む濾液を得る(1.25mLの0.1M リン酸ナトリウム、pH7.2、1.25mLの5M NaCl、0.25mL、0.5% TWEEN 20、1.5mLの25%硫酸デキストラン、および0.75mLの水からなる5mLの2.5×ハイブリダイゼーション緩衝液)。 所定の容量の多くのビーズを、ヘモサイトメーター(hemocytometer)を用いて容易に除去する。 上記のようにタグ相補体で誘導体化された約1.8×10

    7のビーズを、10μLのTE/TWEEN緩衝液(0.1%のTWEEN 20を伴うTE)中で溶解し、そしてTE/TWEENを除いたものからビーズが沈渣を生じるように遠心する。 ビーズに25μLの1×ハイブリダイゼーション緩衝液(10mMリン酸ナトリウム、pH7.2、500mM NaCl、0.01% TWEEN 20、および3%硫酸デキストラン)を加え、そして混合物を、ビーズが完全に再懸濁するようにボルテックスする。 混合物を、ビーズが沈渣を形成するように遠心した後、上清を除く。


    【0146】


    上記の濾液由来のタグDNA接合物を、75℃で3分間インキュベートし、次いでビーズと結合する。 混合物を、ボルテックスし、完全にビーズを再懸濁する。 生じる混合物をさらに、75℃でボルテックスしながら約3日間(60時間)インキュベートする。 ハイブリダイゼーション後、混合物を2分間遠心し、そして上清を除く。 ビーズを500μLのTE/TWEEN 20で2回洗浄し、0.1% TWEEN 20を伴う500μLの1×NEB緩衝液No. 2中に再撹拌する。 ビーズを、この溶液中で64℃で30分間インキュベートし、その後ビーズが沈渣を生じるように混合物を遠心分離する。 上清を除き、そしてビーズを500μLのTE/TWEEN中に再懸濁する。 次いで、ハイブリダイズした接合物を、当該分野において公知のまたは本明細書中に記載された任意の方法によって分析し得る。


    【0147】


    (実施例3)


    (コハク酸に基づく連結特性)


    以下の手順は、切断可能なコハク酸エステル連結特性(10%)および切断不可能なコハク酸エステル連結特性(90%)を用いて誘導体化されたGMAビーズを作製するのに用い得る。


    【0148】


    (コハク酸エステル)


    無水コハク酸(240mg、2.4mmol)を一部、4−ジメチルアミノピリジン(180mg、1.5mmol)を含む無水ピリジン(6mL)中の5'−O−ジメトキシトリチルチミジン(3mol)撹拌溶液に30分間以上加えた。 反応物を、一晩撹拌し、クロロホルム:メタノールが9:1(v:v)を用いる薄層クロマトグラフィーによってモニターした。 混合物を、減圧下でガムにまで乾燥した。 残渣のピリジンを、乾燥トルエン(3×20mL)を用いる同時蒸着(co−evaporation)によって除いた。 産物を、ジクロロメタン(20mL)中に溶解し、そして氷冷10%硫酸ナトリウム水溶液(2×15mL)、次に水(2×15mL)で洗浄した。 有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥減圧下でエバポレートした。 生じた泡を、ジクロロメタン(10mL)中に溶解し、室温で迅速に撹拌するヘキサン(250mL)中で沈殿した。 混合物の遠心分離後、上清を除いた。 沈渣を減圧下で乾燥し、75−80%の収量(エステル産物)を得た。


    【0149】


    (スクシニミド)


    上記のコハク酸化の手順を、5'−O−ジメトキシトリチルチミジンの代わりに、当量の5'−O−ジメトキシトリチル−3'−デオキシ−3'−アミノチミジンを用いて繰り返し、対応するコハク酸アミド産物(アミド産物)を形成した。


    【0150】


    (支持体への接着)


    0.821g(1.1mmol)のエステル産物またはアミド産物を、溶解しそして5mLの0.2M HOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾル水和物、4.7mL DMSO(ジメチルスルホオキシド)および4.7mL NMP(N−メチルピロリドン)の混合物中に0.27g)、ならびに5mLの0.2M HBTU(O−ベンゾトリアゾル−1−リル−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸、1.4mL N,N−ジイソプロピルエチルアミン、9.3mL DMSOおよび9.3mL NMPの混合物中に1.03g)の混合物中で2分間撹拌した。 アミノ誘導体化GMAビーズ(5.5g、直径5.6μm)を10mL DNAちゅうで撹拌した。 このスラリーに、上記のアミド産物全ておよびアミド産物の1/9(9:1モル比)に等しい量のエステル産物を加えた。 このスラリーを、スクリューキャップのファルコンチューブに移し、そして2時間穏やかに振盪した。 次いで混合物を、濾過し、各々20mLのDMF、アセトニトリル、メタノール、およびエーテルで、首尾よく洗浄した。 次いで乾燥したビーズを、タグ相補体の合成に準備した。


    【0151】


    本発明は特定の実施形態に関して記載されているにもかかわらず、種々の改変が、本発明の精神から逸脱することなくなされ得ることが明らかである。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】 図1は、固相ビーズに結合するオリゴヌクレオチド連結構造の代表的な対、および他のリンカーはインタクトなままで、タグ相補体(TC1)を含有する付着したオリゴヌクレオチドを放出するためにリンカーの1つを切断する機構を示す。


    【図2】 図2は、本発明の1つの実施形態を実行するための一般的スキームを示す。 ここで異なる配列タグ相補体を含有する固定化オリゴヌクレオチドのレパートリーの部分は、固相支持体から切断され、二本鎖形態に転換され、そしてクローニングベクターに挿入される。 タグベクター(1)ライブラリーは、各ベクターにおけるタグ配列に隣接する部位で異なるフラグメントを挿入するために有効な連結条件下で異なるポリヌクレオチドフラグメントの混合物と組み合わされ、これにより、各サンプルフラグメント(S

    n )は、異なるタグ(T

    n )と結合される。 次いで、このタグ−サンプルフラグメントは、切り出され、および/または増幅され得、そしてタグ化フラグメントは、固定された対応するタグ相補体へのハイブリダイゼーションによりソートされ得る。

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