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【0001】 発明の分野 本発明は、特に、しかし限定ではなく、並行に行われる生検査技術として用いるために、微小機械製作された又は微小製作された符号化基板の分野に関する。 【0002】 背景 大量且つ並行に行われる生検査は、遺伝学、スクリーニング及び薬物探索における最近の大部分の進展に貢献する機能的な技術である。 従来1つずつ行われていた無数の検査が、現在では、無数の結果を生じる単一実験に集約され得る。 この方法の重要な点は、多数の異なる検査の結果を相互に分離する技術の開発である。 【0003】 現存するいくつかの技術を以下に記す。 当技術は、実験終了後に読み取ることができる様に、構成実験の各々を標識することから成る。 現在使用されている標識体は、試験チップ表面上の実験位置と、実験に結びつく粒子の蛍光スペクトルとを含んでいる。 【0004】 AffymetrixのGeneChipのプローブアレイは、DNA配列を検査するチップであり、その大きな二次元アレイ上の既定の点に、非常に多数の異なるDNAプローブが配置されている。 これの製作方法が、例えばUS 5,744,305又はUS 5,143,854に記載されている。 前記チップ上のチャンバー内で標準的なDNAハイブリダイゼーション技術が用いられ、そしてその検査結果が、アレイ上の蛍光点の位置により光学的に読み取られる(例えばUS 5,578,832参照)。 検査の組合せは、当チップの製造中に予め決定される。 【0005】 Luminex CorporationのFlowMetrix系は、直径6.5μmの符号化された微小球を使用する。 各ビーズは、符号を形成するために赤色及びオレンジ色の蛍光団を組み込んでいる。 8種類の強度が可能であり、従って64種類のビーズ型が可能になる。 プローブのために、緑色蛍光マーカーが用いられる。 この系はUS 5,736,330に記載されている。 この系は、比較的に少数の符号を有し、そしてその符号及び検査体の蛍光を読み取るために、フローサイトメーター上で複雑な多波長光学素子を必要とする。 【0006】 NanoGenには、半導体ベースのマイクロチップアレイAPEXがあり、これは特にDNA結合及び配列決定実験を対象にする。 DNAプローブの種々のアレイを有するNanoGenチップは、最終使用者によりプログラムされ得る(例えばUS 5,605,662及びUS 5,929,208参照)。 【0007】 一般的なコンビナトリアル化学において、その他の粒子又は基板ベースの多数の検査技術が存在する。 例えばWO 96/24061には、無線周波数による同定用タグを用いた試験体ライブラリーが記載されている。 WO 97/32892には、コンビナトリアル化学用の基板に使用される複合支持体が記載されている。 GB 2306484には、コンビナトリアル化学用の二部性支持体粒子が記載されている。 【0008】 発明の要旨 本発明は、大量且つ並行に行われる多数生検査試験を、低コスト、迅速且つ簡便に行うための系に関する。 本系は、異なる非常に多数の型の微小製作された符号化された標識体(微小標識体)を含有する縣濁液(検査液)を作成することに関係する。 各符号化標識体は、異なる生化学試薬又はプローブを保持している。 【0009】 検査液は、活性な微小標識体の選択された組の縣濁液を互いに混合することによって作成される。 検査液は、微小標識体の元々の製作とは関係なく、特定の利用に合わせて作られる。 【0010】 試験する試料を蛍光標識体によって印付けして、それを検査液とインキュベーションする。 蛍光試料分子と結合するプローブを有する微小標識体のみが蛍光を発する。 【0011】 微小標識体は、陽極酸化され得る物質、例えばアルミニウムから製作される。 先ずそれを可溶性剥離層を有する平基板上に沈着する。 パターン付けする前に、その金属表面を陽極酸化する。 これにより、高度に選択的なプローブとして用いられる広範な生化学的活性作用剤の接着が可能となる。 【0012】 標準的な光学的リソグラフィー及び乾式エッチングを用いて前記アルミニウムにパターン付けすることによって、個別の微小標識体を得る。 バーコードの方法に類似する符号化方法により、符号を一連の穴(a series of holes)として微小標識体上に保存する。 生化学的プローブを、リソグラフィー過程の前又は後のいずれかで当表面に接着させ得る。 次にこの微小標識体を、水性縣濁液内に剥離させる。 100000種類までの型の微小標識体が実証されている。 【0013】 フローサイトメーターに類似するフローベースの読み取り系は、1秒間あたり何千もの微小標識体を通過させて、そのバーコード及び試験結果の両方を読み取る。 試験結果は、蛍光強度(degree of fluorescence)によって測定される。 もう1つの平板読み取り系は、試験結果を読み取るために、蛍光顕微鏡及び画像処理を用いる。 この系では、微小標識体が平坦な基板上に配置されている。 図面を参照して、実施例により本発明の態様を説明する。 【0014】 詳細な説明 微小標識体 図1は、アルミニウムから作られた、微小製作された小型光学バーコードの形の微小標識体1を示す。 このバーコードは、アルミニウム中の一連の穴2によって形成される。 【0015】 このタイプの各微小標識体は、ほぼ長さ100μm(3)、幅10μm(4)、厚さ1μm(5)であり、100000種類までの符号を貯えることができる。 単一の直径15.24cm(6 inch)の基板上で、約一千万個の前記微小標識体を製作することができる。 十進法で2〜5桁数のデータを有する40〜100μmの異なる長さの微小標識体が製作される。 異なる各符号毎に、唯一の生化学的プローブが連結される。 その符号を読み取る際に強力なエラー検定を行うために、EAN及びUPCバーコードに用いられる方法などの符号化方法が用いられる。 【0016】 プローブ及び検査液 図2を参照して、微小標識体の検査液6を、活性な微小標識体の選択された組の縣濁液を一緒に混合することによって、作成する。 異なる各符号は、それに連結される唯一の生化学的プローブを有し、それが特定の種類の分子と結合する。 結合反応は、抗体−抗原、酵素−基質、酵素−受容体、毒素−受容体、タンパク質−タンパク質、及びアビジン−ビオチンから成る群から選択される。 【0017】 試験試料8を蛍光標識体によって印付けして、それを前記検査液とインキュベーションする。 この蛍光試料分子と結合するプローブを有する微小標識体7のみが蛍光を発する10。 異なる型の微小標識体の蛍光強度の測定により、試験結果を得る。 【0018】 本発明の利用の一例は、特定の抗体を選択するために、並行生検査により血清をスクリーニングすることである。 その抗体に対する抗原をプローブとして、その抗原を同定する印を付けた微小標識体に結合させる。 この微小標識体を試料とインキュベーションし、次に抗体特異的な蛍光標識体とインキュベーションする。 次にその微小標識体を、その標識体の蛍光強度を測定し且つその標識体の同定を行う読み取り機に通す。 その微小標識体の同定とその蛍光強度の相関から、試料中の抗体と表面結合抗原との結合が表示される。 【0019】 微小標識体の製作 微小標識体の製作方法を、図3を参照して説明する。 基板物質11、例えばシリコンウエハー、を先ず可溶性剥離層12によってコーティングする。 好ましい態様では、これは、溶剤を除くために150℃で焼かれたスピンコーティングされたポリメチルメタクリレートレジストの層である。 【0020】 厚さ1μmのアルミニウム層13を前記基板に沈着させる。 これは、一般に半導体装置の製作に用いられる標準的な真空スパッターコーティング法により行われる。 【0021】 このアルミニウム層13を、4%リン酸浴中30Vの電圧で30秒間、10mA/cm 2の電流密度で、純粋アルミニウム陰極を用いて陽極酸化14する。 これによって、サイズ約40nmの孔(pore)を有する100nmの陽極酸化された層15が形成される。 【0022】 この段階で(利用法に応じて)、このアルミニウム表面をプローブ分子16によって、その分子の水性溶液/縣濁液中にその表面を浸けることを介してコーティングしてもよい。 【0023】 この基板に、通常の光学的レジスト17、Shipley S1813をスピンコーティングする。 標識パターン18を、ハード−コンタクト光学的マスクを用いて露光し、そして水性アルカリ現像液(MF319)によって現像する。 SiCl 4による反応性イオンエッチング法により、そのパターンをアルミニウム層に転写する。 【0024】 リソグラフィー過程の後にプローブ接着を行う場合、この段階で、光学的レジスト17を溶剤、例えばイソプロピルアルコールによって除去してよい。 これにより、前記剥離層13と、その上のパターン付けされた前記アルミニウム層20とが共に完全なまま残る。 次にプローブ分子16を前記通りに接着させることができ、一方当微小標識体は依然として基板に接着している。 【0025】 プローブが接着された微小標識体を、溶剤、例えばアセトンにより基板から剥離する。 希釈及び濾過により、微小標識体22を、検査液に直ぐに混合される水性縣濁液の形にする。 【0026】 この製作方法は、穴を有する多種類の形の微小標識体に適し、例えば図1の実質的に線形のもの、並びに正方形、長方形及び円形の微小標識体にも適している。 【0027】 陽極酸化及び表面化学 水性溶液中でインキュベーションする場合、タンパク質は、未処理のアルミニウム表面に弱くしか結合しない。 その表面を修飾することによって、この結合が起きる時期を調節することができ、そしてこの結合を選択的に強化し得る。 このことは重要である。 なぜならこのことにより、製造時には、当表面にプローブ分子が強く結合されるが、試験中には、蛍光標的分子の非特異的結合が弱く維持されるからである。 この様にして、試験体の識別を最大限にする。 【0028】 電気化学的な方法によるアルミニウム成分の表面保護に関して、今世紀の初めの半分において得られた非常に広範な情報が存在する。 多孔性表面を成長させる方法が周知であり、前記表面を封止するための方法も同様に周知である。 本発明者はこの情報を用いて、十分に制御された多孔性及び深さを有する吸着性表面を成長させる比較的簡単な方法を開発した。 この表面は、処理後間もなくは、選択されたタンパク質を十分に結合するが、時間と共に回復して更なる結合を抑制する。 【0029】 適当な陽極酸化された表面形態を形成するために、プローブとして用いられる生分子の典型的な構造を理解する必要がある。 極低温原子間力顕微鏡により、その様な生分子を直接画像化することができる。 例えば、免疫グロブリンG(IgG)はY形構造を有する。 IgG分子のサイズは約40nmにわたり、これは典型的なサイズと考え得る。 【0030】 図4に示す通り、陽極酸化中に、アルミニウム酸化物層23が、前記アルミニウム表面上に成長する。 この酸化物層は、二次元六角形セルの構造24で成長する。 各セルのサイズは、電気化学的形成電圧に依存する。 各セルの中央に、各セルの幅よりも小さい口径を有する孔(pore)25が形成される。 陽極酸化行程が進行するに連れて、この酸化物層の厚さ27及び孔の深さ28は増加するが、セルの幅26及び孔の口径28は一定のままである。 【0031】 読み取り系 二系統の読み取り系が開発されている。 これらはフローサイトメトリーに基づくもの、及び平板化した微小標識体の平面画像化に基づくものである。 【0032】 フローサイトメトリー式の読み取り機は、図5で図解する通り、微小標識体1が、管29の中央で下方向に、定められた読み取りゾーン30まで流される様に設計されている。 通常、流動中の細長い粒子は転げ回る傾向にある。 しかし加速中の外装流体31を用いて、微小標識体をその流れの中央32に注入することによって、流体力学的な集束効果が得られ、その結果微小標識体が整列し、そして注入点32の下流に存在する明確に定められた焦点30を通過する。 【0033】 流体力学的な焦点30において、488nmのアルゴンイオンレーザーからの2つの直交する集束されたレーザー光ビーム33、34が微小標識体に照射される。 このことを図6に詳しく示す。 2つの直交する照射ビームの使用により、流動管の参照フレームに対する回転に関係なく、微小標識体への照射が可能になる。 図6では、微小標識1は、両方の入射ビームに対して45度の角度を示す。 これは、可能な最悪の事例である。 それでも図1に示した微小標識体の外形から、依然として前記の光が当標識体の穴(holes)2を透過することが分かる。 当標識体が通過する際に、この穴により透過強度が変調され、その結果一連の連続情報が発生し、これが検出器35において通常のバーコードの場合と同じ様に分析される。 同時に、外側(epi-)蛍光検出器36によって蛍光強度が測定される。 これを当標識体上の符号と相関させる。 望ましい解像度を達成するために、口径数の高い光学素子(顕微鏡対物レンズ)を用いる。 最適のフローサイトメトリー式設計体は平坦な壁を有するので、特注の円筒状画像化要素を使用しなくて済む。 【0034】 十分な数の微小標識体を読み取った後、その読み取り機は全ての試験結果を計算する。 統計分析を行うために必要な数は、典型的には、各型の微小標識体あたり10〜100コピーである。 試験結果は、各型のプローブ毎に蛍光の平均値及び標準偏差を示す。 【0035】 平板読み取り系では、微小標識体を平坦な基板上に配置する。 この基板はフィルター基板又は透過性基板のいずれかである。 この配置基板を系統的に分析するために、通常の蛍光顕微鏡を用いる。 画像処理系によって基板上の各視野像が捕捉される。 透過光は、蛍光とは別に分析される。 各微小標識体がその透過光プロファイルにより同定され、一方その標識体の表面上で統合された蛍光シグナルが記録される。 良好な統計分析を行うために、もう一度10〜100コピーの各型の微小標識体が必要になる。 【0036】 利用 典型的な利用では、多数の異なる抗体(例えば肝炎、HIV)のためのプローブの縣濁液を用いる。 読み取り系において、患者から一滴の血液を採取し、それを蛍光マーカーで標識し、そしてそれを前記プローブ縣濁液と数分間インキュベーションする。 この縣濁液を、微小液体検出器系に供給する。 【0037】 その他の態様 平板読み取り系のための微小標識体の設計は、主に流動通過式読み取り系に用いられる前記の線形設計に限定されない。 平板系は、線形よりもむしろ正方形又は長方形により近い標識体上に製作された二次元パターンを用いることができる。 通常の二次元バーコードに類似する符号化方法が用いられる。 当標識体の外形により、特に方向に関する情報も与えられる。 【0038】 磁気物質を組み込んだ標識体では、磁気的な分離方法を行い得る。 これは、検査される試料に、当標識体に近いサイズの固体物質が含まれる場合、それが結果を混乱させることがあるので、有用である。 【0039】 陽極酸化され得る金属、例えばアルミニウムによってコーティングすることができる任意の基板を用いて、微小標識体を製作することができる。 微小標識体を製作するために、例えばアルミニウムをコーティングしたプラスティックを型押するなどの大量製造方法を用いる場合、このことは特に魅力的である。 【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は、透過式光学的バーコードを組み込んでいる単一の微小標識体を示す。 【図2】 図2は、2つの結合実験過程を含んで成る並行生検査を示す。 【図3】 図3は、ウエハー規模での微小標識体の製作方法を示す。 【図4】 図4は、アルミニウム表面の陽極酸化により形成された多孔性構造を示す。 【図5】 図5は、微小標識体の読み取り機内の流れを示す。 【図6】 図6は、回転に関わらずに標識体を読み取るために、直交する照射ビームを用いることを示す。 |