Sequential solid-phase organic synthesis for the apparatus and methods of use thereof

申请号 JP26938098 申请日 1998-09-24 公开(公告)号 JP3090908B2 公开(公告)日 2000-09-25
申请人 スクリップス クリニック アンド リサーチ ファウンデーション; 发明人 エイ ホーテン リチャード;
摘要
权利要求
  • (57)【特許請求の範囲】 1. 有機固相合成において複数の樹脂粒子に連結したサブユニットのそれぞれにサブユニットを同時に付加させる方法であって、 (a) 複数の合成装置を含む混合体であって、前記合成装置のそれぞれが既知量の粒子を封入した有孔容器装置(網容器を除く)を含み、前記粒子が前記容器装置により規定されるどの孔よりも大きい大きさであって選択的に切断可能な結合により前記粒子に共有結合型に連結した既知量の有機合成サブユニットを有し、粒子/サブユニットの連結に対し遠位のサブユニットが前記有機合成中に反応できるがしかし選択的に切断可能な共有結合した保護基により反応から保護された反応性官能基を含み、前記容器装置および前記粒子が水および有機溶媒に実質的に不溶性である、前記混合体を準備する段階、 (b) 前記保護基を前記各合成装置中の前記粒子に連結したサブユニットから選択的に除去して粒子に連結した遊離反応性官能基を有するサブユニットを含む複数の合成装置を含む混合体を形成させる段階、 (c) 前記合成装置の混合体に、過剰の、それぞれ(i)前記粒子に連結したサブユニットの遊離反応性官能基と反応できる第2の反応性官能基および(ii)前記有機合成中に反応できるがしかし選択的に除去可能な共有結合した保護基により反応から保護された他の反応性官能基を含む同一のサブユニットを混合する段階、 (d) 前記遊離反応性官能基と前記第2反応性官能基との間に共有結合を形成させ、前記混合したサブユニットを前記粒子に結合させて遠位サブユニットが選択的に除去可能な保護された反応性官能基を含む粒子に連結した反応生成物を含む複数の合成装置を形成させる段階、 (e) 前記混合した未反応サブユニットを前記粒子に連結した反応生成物から分離する段階、および(f) その後、前記複数の合成装置を相互に分離する段階、を含む方法。 2. 前記連結したサブユニットが、反応生成物の配列においてポリペプチド結合したアミノ酸残基である、請求項1記載の方法。 3. 前記アミノ酸残基反応生成物の配列が、前記サブユニット反応生成物のそれぞれの中の1つのアミノ酸残基の素性を除いて、1つのタンパク質物質のアミノ酸残基に相当する、請求項2記載の方法。 4. 段階(f)の前にさらに(c)、(d)および(e)を順次繰返し、前記各合成装置が所望の数および素性の反応生成物を有する粒子に連結したサブユニット反応生成物を含む合成装置の混合体を形成させる、請求項1記載の方法。 5. 段階(a)の合成装置の混合体の一部の合成装置が再封可能に閉鎖できる有孔外被装置(網容器を除く)に封入され、前記外被装置が第1および第2対置ウェブを含み、少くともその1つが有孔であり、前記ウェブがその周囲で部分的に互いに固定され、前記第1ウェブが再封可能閉鎖部材のおす部に操作可能に連結され、前記第2
    ウェブが前記閉鎖部材のめす部に操作可能に連結されて、それにより前記閉鎖部材が前記外被装置の内部に通ずる口部を形成し、前記閉鎖部材のおす部とめす部が面体面関係で圧合されると咬合して前記外被装置を再封可能に閉鎖し、前記外被装置の孔が前記合成に用いる溶媒を合成温度で少くとも5分の時間内に排出させ、前記合成装置を前記外被装置内に保持することができ、前記外被装置が水および有機溶媒に実質的に不溶性である、請求項1記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明は有機合成に関し、より詳しくは固相支持体上で行なわれ、複数の化学的に類似するサブユニットが固相に結合してサブユニットの配列を形成する合成に関する。

    【0002】

    【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近数年、広範囲の用途において合成ポリペプチドに対する要求が増大してきた。 そのような用途の典型は抗原抗体相互作用の詳細な研究、合成ポリペプチドワクチンの開発、臨床診断に利用するポリペプチド抗原の最適化、脳特異性遺伝子のマッピングおよびタンパク質配座パラメーターの研究である。 今日までそのような用途の大部分における制限因子は所望ポリペプチドの入手性およびコストであった。 多数のポリペプチドがこれまで可能であったよりも早くかつ低コストで合成できればそのような応用が非常に促進されることが明らかであろう。 殊に、
    ペプチドに対して起させた抗体がしばしばタンパク質中の座位と反応することの最近の発見は前例のない精密な座位特異的免疫学手順に対する道を開いた。 サトクリフ(Sutcliffe)ほか、ネーチャ(ロンドン)[Nature(Londo
    n)] 、 287、 801〜805(1980);レルナー(Le
    rner) 、ネーチャ(ロンドン)[Nature(London)]、 299、
    592〜596(1982);グリーン(Green)ほか、セル(Cell) 、 23 、477〜487(1982);
    ビトル(Bittle) ほかネーチャ(ロンドン)[Nature(L
    ondon)] 、 298、 30〜33(1982)。 従って、タンパク質またはサブユニット準における一定抗体の反応性を規定する代りに、明確に規定した長さのアミノ酸残基の短かい配列によって結合を表わすことができる。
    ウイルソン(Wilson) ほか、セル(Cell) 、 37 、767
    〜778(1984);ナイマン(Niman) ほか、プロシーテイング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー、オブ・セイエンス・オブ・ジ・ユナイテッド・ステート・オブ・アメリカ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 80 、49
    49〜4953(1983)。 明らかに次の進歩は個々のアミノ酸残基の水準でタンパク質中の抗原麦粒腫の理解を洗練することである。 しかし、この課題は多数のポリペプチドを合成することを必要とする。

    【0003】最初の固相合成が開示されたので技術は進歩したけれども、1月の短期間内にポリペプチド当り約10〜約20アミノ酸残基を含む10〜20mg量のポリペプチドを何百も製造することは多くのポリペプチド合成機械を購入する莫大資本支出および前記機械の操作に対する熟練者なしでは可能でなかった。 1963年〔ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J. Am. Chem. Sco.)、 85 、2149〜215
    4〕からメリフィールド(RBMerrifield) および共同研究者の先駆的業績が、他の方法で合成的に製造できなかったポリペプチドの合成を可能にした。 さらに、それまでの技術により製造できたポリペプチドはメリフィールド(Merrifield) の開示後に一層容易に製造できた。 固相方法によるメリフィールド(Merrifield) の合成は今日なおほとんど普遍的に使用される。 その方法は選択的に切断できる不安定な共有結合により所望ポリペプチドのカルボキシル末端アミノ酸残基に連結した重合体固体支持体を含む槽(reservoir)を利用する。 その残基のアルファアミン基は選択的に除去できるブロッキング(保護)基により保護される。 その後のアミノ酸残基の付加は反復する洗浄、脱保護、中和および結合段階を用いる工程である。 通常の合成において、一定時間に単に1アミノ酸残基含有樹脂がポリペプチドの合成に使用される。 2合成を同時に行なうことを可能にする、従って一定時間に2つの類似体を製造する2つの異なる大きさの樹脂を用いる方法が提供された。 〔ファン・リートショッテン(van-Rietschoten)ほか、ペプチド(Peptid
    es) 1974 、ワイ・ウオルマン(Y. Wolman)編、ワイリー・アンド・サンズ、ニュー・ヨーク、113〜11
    6(1975)〕。 さらに一定時間に4もの多くの合成が特有装置を用いて報告された、ゴルマン(Gorman) 、
    アナリティカル・バイオケミストリー(Anal. Bioche
    m.) 、136、397〜406(1984)。 しかし、
    これらの方法はともに範囲および実用性に制限がある。

    【0004】固体支持体に永久的に結合したポリペプチドの合成およびこれらの固体支持体に結合したポリペプチドと抗血清との相互作用を含む興味深い方法が最近提供された、ゲイセン(Geysen) ほか、プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ジ・ユナイテッド・ステート・オブ・アメリカ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)、 81 、3998〜40
    02(1984);ゲイセン(Geysen) ほか、プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・
    ジ・ユナイテッド・ステート・オブ・アメリカ(Proc. N
    ctl. Acad. Sci. USA )、 82 、178〜182(198
    5)。 しかし、その手順は単にミクログラム量のポリペプチドを生ずることができ、これらのポリペプチドを固体支持体からはずすことができない点に欠点がある。 また抗体とポリペプチドとの相互作用に対する固体支持体の影響が明らかでない。 一定地点に種々の1アミノ酸置換を含むポリペプチド類似体またはポリペプチド鎖中のカルボキシル末端で短かくしたポリペプチドをかなりの量(例えば、10〜20mgまたはより以上)を望むならば、今日までこれらのポリペプチドのそれぞれに対して別の合成が必要であった。 これは各ポリペプチドに対する脱保護、洗浄、中和および結合段階のすべてが異なる位置を除いて同一であっても真実である。

    【0005】ポリペプチドの合成に関するメリフィールド(Merrifield) の顕著な進歩の少し後に、レツインガー(RL Letsinger)および彼の共同研究者がオリゴヌクレオチドを製造する固相合成装置を開発した例えばレツインガーほか(Letsingerand Mahadevan)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J. Am. Chem. Sco.)、 87 、3526(1965)参照。 レツインガー(Letsinger)ほかにより開拓された方法はオリゴおよびポリ−ヌクレオチドの自動化合成用機械の領域における新しい商業事業を生むのに役立ち、遺伝子工学の現在の高まりを促進した。 それにもかかわらず、比較的短時間内に多数のそのようなヌクレオチドを合成することは機械に対する資本支出およびその操作に対する専門的技術により制限される。 従って、多数の合成生産した有機反応生成物分子例えばポリペプチドおよびオリゴまたはポリ−ヌクレオチドのマルチミリグラム量の製造を促進する手段が見出されれば有益である。

    【0006】

    【課題を解決するための手段】本発明は複数の、反応したサブユニットを含む反応生成物分子を形成させるために逐次固相有機合成を行なう装置を意図する。 1態様において、装置は既知量の反応性粒子を封入する容器を含む。 これらの反応性粒子のそれぞれはどの孔よりも大きい大きさである。 粒子は有機合成が行なわれる間に反応できる既知量の共有結合型に連結された有機合成反応性官能を含む。 容器および粒子は水および有機溶媒に実質的に不溶性であり、合成に使用される化学薬品と反応せず、殊に好ましい粒子はフッ化水素と非反応性である。
    他の観念において、殊に好ましい合成装置は、封入された好ましくは疎水性の固相樹脂ビーズである既知量の固体支持体粒子を含む。 これらの粒子は既知量の、選択的に切断可能な共有結合により粒子に共有結合型に連結した同一の有機合成サブユニットを有する。 さらに、各サブユニットは、有機合成中に反応できるがしかし選択的に除去可能な共有結合型に連結した保護基によりそのような反応から保護された官能基を含む。 殊に好ましいサブユニットは(i)アルファアミノ基を保護されたアミノ酸残基、および(ii)アルファアミノ基を保護され反応性側鎖を保護されたアミノ酸残基からなる群から選ばれる。 逐次固相有機合成を行なって複数の、所望の反応した予定配列のサブユニットを含む反応生成物を形成させる方法もまた意図される。

    【0007】

    【発明の実施の形態】これらの方法の1つは(a) 逐次固相有機合成を行なうための前記装置を準備する段階、その装置には反応性官能を含む反応性粒子を封入する有孔容器が含まれる、(b) 第1サブユニットを反応性官能に反応させ、第1サブユニットと粒子との間に選択的に切断可能な共有結合を形成させてそれにより粒子に連結したサブユニットを含む合成装置を形成させる段階、第1
    サブユニットは粒子の反応性官能と反応できる第1官能基および有機合成中に反応できるがしかし選択的に除去可能な共有結合型に連結された保護基により反応から保護された第2反応性官能基を含む、(c) 第2反応性官能基の保護基を除去して遊離反応性官能基を有する粒子に連結したサブユニットを含む合成装置を形成させる段階、(d) 遊離反応性官能基を有する粒子に連結したサブユニットを含む合成装置を、過剰の、(i)粒子に連結したサブユニットの遊離反応性基と反応できる官能基、
    および(ii)有機合成中に反応できるがしかし選択的に除去可能な保護基に共有結合型に連結することによりそのような反応から保護されたアミノ酸のアルファアミンまたはヌクレオチドの5′−ヒドロキシルのような第2
    反応性官能基、を含む同一の既知の他のサブユニットと混合する段階、(e) 遊離反応性基と混合した官能基とを反応させ、共有結合を形成してサブユニットを粒子に結合させそれにより粒子に連結した反応生成物を形成させる段階、(f) 未反応サブユニットを粒子に連結した反応生成物から分離する段階、(g) 段階(d) の結合したサブユニットの保護基を除去して粒子に連結した遊離官能基を含む反応生成物を形成させる段階、(h) その後段階
    (d) 、(e) 、(f) および(g) を順次繰返して粒子に連結した所望の数および素性の反応したサブユニットを含む反応生成物を合成する段階、(i) 初めにあげたサブユニットと粒子との間の選択的に切断可能な結合を切断して切断された遊離反応生成物と反応した粒子との混合物を形成させる段階、(j) 切断した遊離反応生成物を反応した粒子から分離する段階、(k) 次いで分離した遊離反応生成物を回収する段階、を意図する。

    【0008】他の観点の方法は(a) サブユニットの反応性官能基に共有結合した選択的に除去可能な保護基を含む選択的に切断可能な共有結合型に連結したサブユニットを有する粒子を封入した逐次固相有機合成を行なうための前記有孔容器装置を準備する段階(b) 保護基を除去して遊離反応性基を有し樹脂に連結したサブユニットを含む合成装置を形成させる段階、(c) 過剰の、(i)樹脂に連結したサブユニットの遊離反応性基と反応できる第2反応性官能基、および(ii)有機合成中に反応できるがしかし選択的に除去可能な共有結合した保護基によりそのような反応から保護された他の反応性官能基を含む同一の他のサブユニットを合成装置と混合する段階、
    (d) 遊離反応性基と第2の反応性基とを反応させ、共有結合を形成させて混合したサブユニットを樹脂に結合させそれにより樹脂に連結した反応生成物を形成させる段階、(e) 未反応の他のサブユニットを樹脂に連結した反応生成物から分離する段階、(f) 段階(c) の保護基を選択的に除去して遊離反応性官能基を含む樹脂に連結した反応生成物を形成させる段階、(g) その後段階(c) 、
    (d) 、(e) 、および(f) を順次繰返して所望の数および素性の反応したサブユニットを含む樹脂に連結した反応生成物を合成する段階、(h) 初めにあげたサブユニットと樹脂との間の選択的に切断可能な結合を切断して切断された遊離反応生成物と反応した粒子とを形成させる段階、(i) 切断した遊離反応生成物を反応した粒子から分離する段階、(k) 次いで遊離の切断した反応生成物を回収する段階、を意図する。 本発明の他の観点は複数の粒子に連結したサブユニットのそれぞれに、サブユニットの混ざり合いなくサブユニットを同時に共有結合させる方法である。

    【0009】この方法には(a) それぞれ既知量の粒子で各粒子がどの孔よりも大きい大きさである粒子を封入した有孔容器を含む複数の合成装置を含む混合体(admixt
    ure)を準備する段階、合成装置内の粒子は選択的に切断可能な結合によって粒子に共有結合型に連結した既知量の有機合成サブユニットを有し、粒子/サブユニットの連結から最も遠い(遠位の)サブユニットはそれぞれ有機合成中に反応できるがしかし選択的に除去可能な共有結合型に連結した保護基によりそのような反応から保護された反応性官能基を含み、容器および粒子は水および有機溶媒に実質的に不溶性であり、ある態様では複数の合成装置容器の少くとも1つが合成装置の他の容器により封入されたサブユニットと化学的素性の異なる共有結合型に連結されたサブユニットを封入する。 (b) 各合成装置中の粒子に連結したサブユニットの保護基を選択的に除去して遊離反応性基を有する粒子に連結したサブユニットを封入する複数の合成装置を含む混合体を形成させる段階、(c) 形成された合成装置の混合体を、過剰の、それぞれ(i)粒子に連結したサブユニットの遊離反応性基と反応できる第2反応性官能基および(ii)有機合成中に反応できるがしかし選択的に除去可能な保護基によりそのような反応から保護された好ましくは段階
    (b) の遊離反応性基と同一の反応性官能基を含む同一のサブユニットを混合する段階、(d) 遊離反応性基と第2
    反応性基との間の共有結合を形成させ、最後に結合した(遠位の)サブユニットが選択的に除去可能に保護された反応性官能基を含む粒子に連結したサブユニット反応生成物を封入した複数の合成装置の混合体を形成させる段階、(e) 混合した未反応サブユニットを合成装置の混合体の粒子に連結した反応生成物から分離する段階、
    (f) その後合成装置を相互に分離する段階、が含まれる。

    【0010】本発明は若干の利益および利点を提供する。 顕著な利点の1つは記載した合成装置および方法を使用すると1ヶ月またはそれ未満の間に多くのポリペプチド合成機械に対する大きな資本支出およびその操作に対する人員なしで、何百もの関連ペプチドを製造できることである。 本発明の特有の利点は1つまたはより多くの同一サブユニットの添加を必要とする若干の粒子連結サブユニット配列を粒子に連結したサブユニット配列の分離できない混ざり合いなく一緒に反応できることである。 本発明の他の利点は数百のサブユニット配列それぞれの10〜20ミリグラム量を1ヶ月またはそれ未満の期間に、最小の費用で機械的に製造できることである。
    本発明のなお他の利点は以下の詳細な説明から当業者に明らかであろう。

    【0011】本開示の一部を形成し、同一数字が同一構造物を示す図面において、図1は本発明の合成装置の拡大平面図であり、図2は図1中の線2−2に沿ってとった図1の合成装置の断面図であり、図3は、本発明の合成装置の他の態様の拡大平面図であり、図4は図3中の線4−4に沿ってとった図3の合成装置の断面図であり、図5は再封可能な透過性合成装置の外被およびそれに含まれる合成装置の拡大部分切取斜視図である。 図6
    は個々のバーがインフルエンザウィルスの血球凝集素子(HAI)のアミノ末端からの残基75−110に相当するポリペプチドに起させた1単クローン性抗体の本発明により製造された個々のポリペプチドとの相対的結合作用を示す13のバーグラフを示す。 製造されたポリペプチドのそれぞれは配列において、各配列残基が残り1
    9の天然存在アミノ酸のそれぞれで別個に置換されたH
    AI分子の残基位置98−110の配列に相当した。 9
    8−110アミノ酸残基配列は、左から右へアミノ末端からカルボキシ末端の方向に1字アミノ酸コードを用いて YDYDVPOYASLRS である。

    【0012】13のバーグラフのそれぞれは天然配列に対する単クローン性抗体の100%結合を示す縦軸上の水平線に有する。 各グラフの下の大文字は配列中の各残基位置に対する1字コードである。 各グラフ中の各垂直線はグラフ下に記したアミノ酸残基を他のアミノ酸残基により置換して製造したポリペプチド抗原に対する単クローン性抗体の結合を表わし、各グラフ中のアミノ酸残基を置換する順序は各グラフ中左から右へ疎水性が低下する順序であり、1字アミノ酸コードを用いてW,F,
    L,I,Y,V,C,M,P,A,E,G,R,H,
    D,T,K,Q,S,Nである。 図7は個々のバーが図6のポリペプチドに対する図6の単クローン性抗体の結合の低下を示す13のバーグラフを示す。 各グラフはそれ以外は図6に記載したとおりである。 図8は図6に対して記載したインフルエンザウィルス血球凝集素子分子HAIの位置98−110のポリペプチド類似体の一連の高速液体クロマトグラフ分析を示す。 分析したポリペプチドは位置100 に、アルギニル(R;バートA)、トレオニン(T;パートB)、チロシン(Y;パートC)
    またはフェニルアラニン(F;パートD)残基を含む点で異なる。 ポリペプチドは粒子から切断し、抽出し、凍結乾燥した直後に粗形態で分析した。 縦軸は220ナノメートル(nm)における吸収の相対単位で示され、横軸はカラム上の相対保持時間を示す。 溶離緩衝液の濃度(%
    B)は破線(−−−)で示される。 図9は複数の、各有孔容器装置を含む本発明の一体的に形成した合成装置を含む本発明の他の態様の拡大図である。 図10は図9中の線10−10に沿ってとった図9に示した本発明の態様の断面図である。

    【0013】I. 一般的論議本発明は既知配列のサブユニット中に存在する複数の反応したサブユニットを含む反応生成物分子を形成するための固相有機合成を行なう装置を意図する。 固相有機合成は、固相支持体例えば樹脂、ガラスまたはガラス−樹脂複合体の粒子、上の有機分子例えばポリペプチドおよびオリゴまたはポリ−ヌクレオチドの製造である。 本発明に用いた方法により製造される有機分子例えばポリペプチドおよびオリゴヌクレオチドはペプチドまたはホスファート結合により互に反応してそれぞれ用いた反応条件、すなわち既知本性のサブユニットを反応させた順序、から配列が知られるサブユニットの共有結合型に連結した配列を形成する2つまたはより多くのサブユニット例えばアミノ酸またはヌクレオチド残基を含む。 個々のアミノ酸残基に対するフルネームはときに周知の3字略語のまゝ使用される。 アミノ酸残基に対する1字記号がよりしばしば使用される。 次の対応表はこゝにあげる各アミノ酸残基に対するフルネーム並びに略語および記号を与える。

    【0014】

    【表1】 対 応 表 3字 1字アミノ酸 略語 記号アラニン Ala A アルギニン Arg R アスパラギン Asn N アスパラギン酸 Asp D アスパラギンまたはアスパラギン酸 Asx B システイン Cys C グルタミン Gln Q グルタミン酸 Glu E グルタミンまたはグルタミン酸 Glx Z グリシン Gly G ヒスチジン His H イソロイシン Ile I ロイシン Leu L リシン Lys K メチオニン Met M フェニルアラニン Phe F プロリン Pro P セリン Ser S トレオニン Thr T トリプトファン Trp W チロシン Tyr Y バリン Val V

    【0015】A. 容器図中に数字10で一般に示される各合成装置は固相合成粒子14の既知量を封入する有孔容器12からなる。 容器は水、酸例えば6N−硫酸および無水フッ化水素、塩基例えば10N−水酸化ナトリウム、並びに有機溶媒例えばアセトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、
    ジメチルホルムアミドなどと化学的に反応せず、またそれらに実質的に不溶性である。 従って、容器は通常の研究質液体との反応または溶解に対して実質的に不活性である。 適当な容器は好ましくは重合したエチレン、プロピレンおよびそれらの混合物から製造される。 ステンレス鋼およびポリテトラフルオロエチレンもまた容器として利用できる。 各容器1、2には、典型的には研究室の雰囲気空気の温度である反応温度で溶媒および溶質分子を容易に参入および退出させる十分な数の孔または開口16が含まれる。 好ましくは、容器は製織ポリプロピレン綱であり、孔16は製織繊維間の間隙である。 しかし、他の適当な不活性有孔または多孔性材料、例えば有孔のシートまたは不織布シート材料を容易に使用できることが理解されよう。

    【0016】孔16はどの封入反応性粒子14よりも小さい大きさである。 従って、粒子14はどの孔よりも大きい大きさである。 約35〜約100ミクロンの間隙を有する典型的なポリプロピレン網が利用できる。 換言すれば、網孔16は140〜400標準ふるい網上に保持される粒子14を保持する大きさである。 より好ましくは粒子14は200〜400標準ふるい網上に保持される孔内に保持される。 孔16は固相合成中に用いるすべての溶媒を約5分の時間内、より好ましくは約3分の時間内に排出できる十分な大きさであり、排出時間は有機反応の温度で測定される。 図1〜4に示した容器12はそれぞれ実質的に完全に有孔(すなわちそれぞれ網材料で実質的に完全に形成される)であるけれども、開示した原理を用いる合成装置は、望むならば部分的に有孔であることができることを理解すべきである。 容器12は反応性粒子14を封入し、そのために上記粒子の一定量を中に入れた後閉鎖手段により密閉される。 縫継20
    (図1の態様参照)、織り合わせたまたはステープルとじを含め数種の閉鎖手段が意図され、容器は容器自体のように用いる反応条件に実質的に不活性である物質で閉鎖される。 典型的なそのような物質は重合したエチレン、プロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、およびステンレス鋼のフィラメントである。 しかし、より好ましくはポリプロピレン網で作られたような容器はヒートシールで閉鎖され、閉鎖手段は従って図3および図4
    の態様に18、20および22で示されるような実質的に連続するヒートシールである。

    【0017】容器はまた確認部材30を含む。 確認部材は容器から延びる、またはその一部である22(図3)
    における平らにしたヒートシール表面のような容器の部分であることができる。 合成装置に一体化することができ、または容器にヒートシールのような手段または前記のように反応条件に実質的に不活性であるフィラメント36により容器にとり付けることができる標識を支持できるタブ30もまた使用することができる。 容器12はまたヒートシール端中に配置されたカットまたはノッチ38により確認することができる。 複数の合成装置10
    はまた図9または図10に示すように少くとも1つが有孔である好ましくはヒートシール性シート70および7
    2で互いに一体的に形成することができる。 そのように形成された合成装置のそれぞれは前記個々の合成装置と同じ大きさ、より小さいかまたは大きい大きさであることができ、前のものと同様に粒子14を含む。 好ましい実施において、複数の合成装置の形成に使用されるシート70および72はポリプロピレン、ポリエチレンまたはポリエチレン−ポリプロピレン共重合体網から作り、
    22でヒートシールして一体的な複数の個々の合成装置容器12を形成させる。 表識を支持できる適当な表面は有孔シート70および72の周縁をヒートシールすることにより形成することができる。 シート70および72
    の網が容器12に対する孔16を与える。

    【0018】B. 封入粒子本発明の合成装置の容器は既知量の固相合成粒子14を封入する。 粒子14は1つまたはより多くの成分からなることができ、共有結合型に連結した反応性官能または選択的に切断可能な結合により粒子に共有結合型に連結したサブユニットを含む。 粒子はまた当該技術において固体支持体として示される。 「粒子」および「固体支持体」という語およびその複数は同じ意味で使用される。 (1) 反応性官能を有する粒子共有結合型に連結した反応性官能を含む若干の固体支持体は化学および生化学文献に記載され、そのような支持体はいずれも固体支持体が水、前記有機溶媒に不溶性であり、容器について論議した使用条件で実質的に化学的に不活性であれば使用することができる。 固体支持体は好ましくは化学的よりも物理的過程に基いて合成中に用いた溶媒中で膨潤する。 固体支持体は典型的には次に論議する3つの一般型の1つに属する。 おそらくポリペプチド並びにオリゴおよびポリ−ヌクレオチド合成に最もよく使用される粒子は重合樹脂であろう。 重合樹脂は一般に多孔生ビーズの形態である。 樹脂中、ジビニルベンゼン(典型的には約0.5〜約2重量%)で架橋された疎水性重合スチレン樹脂は、殊にポリペプチド合成に最もしばしば使用される。 そのように製造した樹脂ビーズをさらに反応させて既知量のベンジル部分を重合樹脂の一部として与える。 ベンジル部分は合成すべき配列のサブユニットが選択的に切断可能な結合により共有結合型に連結することができる反応性官能基を含む。 反応性ベンジル部分は典型的には樹脂ビーズが合成された後重合したスチレン部分の反応により付加されるけれども、そのような樹脂はこゝに一般にジビニルベンゼンで架橋された既知量の重合したビニルベンゼン部分を含む重合スチレンとして記載される。

    【0019】ベンジル部分の反応性官能は典型的にはアミノベンジルおよびハロベンジル例えばクロロベンジルからなる群から選ばれる。 クロロベンジル部分を含む重合した架橋スチレン樹脂はときには当該技術でクロロメチルスチレン樹脂として示され、アミノベンジル部分を含む樹脂はときにはアミノ−スチレンまたはアミノメチル−スチレン樹脂として示される。 アミノベンジル部分を含む粒子とカルボン酸との間に形成されるサブユニット/粒子の連結は通常の合成条件のもとで容易に開裂できないことが認められる。 その結果、そのような粒子は、遊離サブユニット反応生成物の回収を望む場合に粒子と初めに連結したサブユニットとの間の切断可能な連結基が使用される。 追加の有用な樹脂粒子はイースト(E
    ast)ほかによりジャーナル・オブ・イムノロジー(J. Im
    munol.) 、 17 、519〜525(1980)に巨大網状樹脂として示された物質である。 これらの樹脂は架橋されたポリスチレンから製造され、反応性アミノベンジル部分を含むといわれる。 記載された樹脂粒子は抗体の参入およびこれら抗体と合成されたポリペプチドとの免疫反応を可能にする十分大きい断面の孔を含む。 巨大網状樹脂はローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)から商品名XE−225Aのもとで入手されることが報告された。 既知量のクロロベンジル部分を含む樹脂はシグマケミカル社(Sigma ChemicalCo., St. Louis,MO)から商品名メフィールド・ペプチド・レジン(Merrifield'sPept
    ids Resin)(クロロメチル化共重合スチレンジビニルベンゼン)のもとで購入することができる。 典型的には約
    0.1〜約2ミリ当量毎グラム−粒子の塩素を含有する物質が提供される。

    【0020】アミノベンジル基はジビニルベンゼンで架橋した重合したスチレンから、ケントほか(Kent and M
    errifield)、イスラエル・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Israel J. Chem.)、 17 、243〜247(197
    8)に記載されたようにフリーデル・クラフツ(Friede
    l-Crafts) 条件下にN−(ヒドロキシメチル)フタルイミドと反応させ次にフタルイミド基のヒドラジノリシスにより製造することができる。 反応性アミノベンジル部分を含む粒子はまたピアス・ケミカル社(Pierce Chemi
    cal Company, Rockford IL) から市販され、約0.3〜約
    0.7ミリモル毎グラム−粒子のアミノベンジル部分を含むことが報告されている。 反応性ベンジル部分と最初のサブユニットの配列との間の中間結合基はまたケントほか(Kent and Merrifield)前掲により報告されたアミノベンジル部分に結合した4−(オイシメチル)フェニルアセチル基の場合のように用いることができる。 他の連結基はメイエンホファ(Meienhofer) ほか、インタナショナル・ジャーナル・オブ・ペプチド・アンド・プロテイン・リサーチ(Int. J. PeptideProtein Res.) 、 1
    3 、35〜42(1979)に報告されたベンジル部分に結合した4−(オキシメチル)フェノキシ基である。
    上記ポリスチレン基粒子はポリペプチドの合成にしばしば使用され、カルボキシル末端アミノ酸残基(サブユニット)が樹脂の重合した反応性ビニルベンジル部分に選択的に切断可能な共有結合により結合される。 ポリスチレン基粒子とサブユニットとの間のベンジルエステル結合は比較的穏やかな酸の存在下で安定であるが、強酸例えばフッ化水素酸または酢酸と臭化水素酸との混合物で処理したときに切断される。 ポリペプチド合成は典型的にはアルファアミノ基上に穏やかな酸に鋭敏な保護基例えばN−tert−ブトキシカルボニル(BOC)を用い、
    反応性側鎖上に他の強酸に鋭敏な保護基を用いて行なわれる。

    【0021】多量の合成製造ポリペプチドに伴なう作業の困難の1つは合成ポリペプチド反応性生成物およびその側鎖保護基を固体支持体から切断するために通常無水フッ化水素(HF)を使用することに関連する。 フッ化水素は作業の容易な物質はなく、非常に慎重に扱わねばならない。 さらに、HFは粒子からポリペプチドを、またポリペプチドから側鎖保護基をともに切断するので、
    切断されたポリペプチドを側鎖保護基から精製しなければならない。 前記樹脂粒子のベンジルアミンに結合できる新たに開発されたジスルフィド含有連結基を用いてポリペプチド反応生成物の切断および側鎖保護基の除去にHFを用いて遭遇する若干の困難を緩和することができる。 その連結基の前駆物質は式 BOC−NHCH 2 CH 2 SSCH 2 (CH 2 ) x CO 2 H (式中、 BOCはtert−ブトキシカルボニルであり、xは0または1の値を有する数であり、xが0であるとき括弧内のCH 2基、は存在しない)により表わされる。 連結基のカルボキシル基は反応性樹脂含有粒子の重合したビニルベンジル部分のアミノ基に、標準ペプチドアミド結合形成手法を用い、例えば無水物を経てまたはジシクロヘキシルカルボジイミドを用いて結合される。 BOC 基はその後周知のように穏やかな酸を用いて除去し、生じたアンモニウム塩は中和すると遊離第一級アミンを与え、
    生じた遊離第一級アミン含有粒子は洗浄して中和段階に用いた過剰の塩基含有試薬を除去する。

    【0022】その後最初のアミノ酸サブユニットをそのカルボン酸基により遊離第一級アミンに結合させ粒子に連結したサブユニットを形成させる。 アミノ酸残基はアミノ酸のカルボキシル基と、アミド結合により樹脂の重合したビニルベンジル部分に結合したジスルフィド含有連結基のアミノ基との間のアミド結合により樹脂に連結される。 生じた連結基は左から右の方向に、アミノ酸残基からベンジル部分に向けて書いた式−NHCH 2 CH 2 SSCH
    2 (CH 2 ) x CONH で結合される。 BOC 基はその後周知のように穏やかな酸を用いて除去し、生じたアンモニウム塩は中和すると遊離第一級アミンを与え、生じた遊離第一級アミン含有粒子は洗浄して中和段階に用いた過剰の塩基含有試薬を除去する。 その後最初のアミノ酸サブユニットをそのカルボン酸基により遊離第一級アミンに結合させ粒子に連結したサブユニットを形成させる。 アミノ酸残基はアミノ酸のカルボキシル基と、アミド結合により樹脂の重合したビニルベンジル部分に結合したジスルフィド含有連結基のアミノ基との間のアミド結合により樹脂に連結される。 生じた連結基は左から右の方向に、
    アミノ酸残基からベンジル部分に向けて書いて式−NHCH
    2 CH 2 SSCH 2 (CH 2 ) x CONH(式中、xは前記のとおりである)により表わされる。 カルボキシル基を通じて結合した「Z」で示すことができるアミノ酸、および重合したビニルベンジル部分を通して結合した粒子を有する連結基は上記のように、 Z−NHCH 2 CH 2 SSCH 2 (CH 2 ) x CONH−粒子 と記すことができる。 上記連結基を用いる特有の利点はそのアミド結合およびジスルフィド結合がアミノ酸側鎖の選択的除去に用いるHFおよび他の強酸との接触に安定であることである。 従って、そのような酸を用いてポリペプチド反応生成物の側鎖を除去し、そのの反応生物をなお樹脂粒子に連結させておくことができる。 その選択的除去は、除去した側鎖保護基を反応生成物が連結しこ樹脂粒子から洗い去りそれによりポリペプチド反応生成物の容易な精製を与えることを可能にする。

    【0023】その後ポリペプチドが連結した樹脂粒子をジスルフィド結合破壊剤に接触させると樹脂粒子からポリペプチド反応生成物が選択的に切断される。 切断されたポリペプチド反応生成物はその後標準手順、例えば、
    形成された切断反応生成物/粒子混合物の5%酢酸含有水性組成物による抽出、を用いて比較的純粋な形成で回収することができる。 抽出した組成物はその後凍結乾燥して反応生成物を与えることができる。 反応生成物はまたその最終回収前にさらに公知のように精製することができる。 若干の試薬がジスルフィド結合の破壊に有用であることがよく知られている。 典型的な試薬には水素化ホウ素ナトリウム、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトエチルアミン、ジチオトレイトールおよびジチオエリトリトールが含まれる。 2〜3個の炭素原子を有するメルカプタン含有カルボン酸およびそのアルカリ金属およびアンモニウム塩もまた有用である。 これらの試薬にはチオグリコール酸、チオ乳酸および3−メルカプトプロピオン酸が含まれる。 典型的な塩にはチオグリコール酸ナトリウム、チオ乳酸カリウム、3−メルカプトプロピオン酸アンモニウムおよびチオグリコール酸(2
    −ヒドロキシエチル)アンモニウムが含まれる。 ジチオスルフィド含有BOC 保護連結基前駆物質は標準法により製造することができる。 例えば、2−アミノエチルジスルフィドを2−(tert−ブトキシカルボニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリルまたはN−(tert−
    ブトキシカルボニルオキシ)フタルイミドあるいは類似の試薬2モルと反応させ、ビス−N−BOC−2−アミノエチルジスルフィドを形成させることができる。 次いでそのジスルフィドをチオグリコール酸または3−メルカプトプロピオン酸と反応させ上記前駆物質を形成させることができる。

    【0024】樹脂粒子の比較的新しい群がアサートン(E. Atherton)および共同研究者により報告された。 これらの粒子はジメタクリルアミドの、既知量のN−tert
    −ブトキシカルボニル−ベータアラニル−N′−アクリロイルヘキサメチレンジアミンを含むN,N′−ビスアクリロイルエチレンジアミンで架橋した共重合体を基にする。 若干のスペーサー分子は典型的にはベータアラニル基、次にアミノ酸残基サブユニットにより付加される。 アサートン(Atherton) ほか、ジャーナル・オブ・
    ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J. Am. C
    hem. Sco.)、 97 、6584〜6585(1975)参照。 より最近、さらにアサートン(Atherton) および共同研究者が樹脂ビーズを形成する重合におけるベータアラニル含有単量体のアクリロイルサルコシン単量体による置換について報告した。 重合後ビーズのエチレンジアミンと反応させる第一級アミンを共有結合型に連結した官能として含む樹脂粒子が形成される。 アサートン(At
    herton) ほか、バイオオルガニック・ケミス リー(Bio
    oeg, Chem.)、 、351〜370(1979)およびアサートン(Atherton) ほか、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティー、パーキン・トランスアクションズ(JCS Perkin)I、538〜546(198
    1)参照。 ポリアクリルアミド基樹脂粒子はポリスチレン基樹脂粒子よりも相対的に一層親水性であり、通常極性非プロトン性溶媒で使用される。 典型的な溶媒にはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが含まれる。

    【0025】アサートン(Atherton) および共同研究者並びにその他はまた塩基感受性アルファアミン保護基、
    N−9−フルオレニルメチルオキシカルボニル、を重合ジメチルアクリルアミド基樹脂とともに用いるポリペプチド合成を報告した。 アサートン(Atherton) ほか、ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティー・パーキン・トランスアクションズ(JCS Perkin)I、5
    38〜546(1981)およびメイエンホファ(Meie
    nhofer) ほか、インタナショナル・ジャーナル・オブ・
    ペプチド・アンド・プロティン・リサーチ(Int. J. Pe
    ptide ProteinRes.) 、 13 、35〜42(1979)参照。 固体支持体の第2の群はシリカ含有粒子例えば多孔性ガラスビーズおよびシリカゲルを基にする。 例えばバーほか(Parr and Grohmann)、アンゲバンテ・ヘミー、
    インタナショナル・エディション(Angew. Chem. inter
    mal. ed.) 、 11 、314〜315(1972)はトリクロロ−〔3−(4−クロロメチルフェニル)プロピルシランと多孔性ガラスビーズの反応生成物〔商標ポラシル(PORASTL)Eのもとでウォーターズ・アソシエーテス(Waters Associates, Framingham, MA)により販売される)をポリペプチド合成用固体支持体として使用することについて報告した。 同様に1,4−ジヒドロキシメチルベンゼンのモノエステルとシリカ〔商標バイオパク(BIOPAK) のもとでウォーターズ・アソシエーテス(Wa
    tersAssociates)により販売される)はバイヤーほか(B
    ayer and Jung) 、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahe
    dron Lett.)、4503〜4505(1970)によりポリペプチド合成に有用な固体支持体であると報告された。 上記固体支持体のそれぞれはサブユニットを粒子に結合させる反応性ベンジル部分を利用すると知見される。

    【0026】有用な固体支持体の第3の一般的な型は2
    つの主成分、樹脂および用いる有機合成反応条件に実質的に不活性である他の物質により構成される複合体であるということができる。 スコット(Scott)ほか、ジャーナル・オブ・クロマトグラフィック・サイエンス(J. C
    hrom. Sci.) 、 、577〜591(1971)により報告された1つの典型的な複合体は反応性クロロメチル基を含む疎水性の重合した架橋スチレンで被覆されたガラス粒子を用い、ノースゲート・ラボラトリーズ社(No
    rthgateLaboratories Inc., Hamden CT) により供給された。 他の典型的な複合体は線状ポリスチレンを上にグラフトしたフッ素化エチレン重合体の核を含むことが報告された。 ケントほか(Kent and Merrifield)、前掲、
    およびファン・リートショッテン(Van Rietschoten)、
    ペプチド(Peptides) 、 1974 、ウオルマン(Y. Wolman)
    編、ワイリー・アンド・サンズ、ニューヨーク、113
    〜116(1975) 参照。 同様の固体支持体はまたオリゴおよびポリ−ヌクレオチドの合成について報告されている。 例えばレツインガーほか(Letsinger and Maha
    devan)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J. Am. Chem. Sco.) 、87 、3526
    (1965)はいわゆる「ポップコーン(Popcorn)」架橋スチレン共重合体の使用を報告し;ダクワース(Duck
    worth)ほか、ニュークリーク・アシズ・リサーチ(Nucl
    eic Acids Research) 、 、1691〜1706(19
    81)はスクシニル化アミン含有ポリジメチルアクリルアミド基樹脂の使用について報告し;プロタポフ(Prot
    apov) ほか、ニュークリーク・アシズ・リサーチ(Nucl
    eic Acids Research) 、 、2041〜2056(19
    79)はポリテトラフルオロエチレン核含有グラフト化ポリスチレンを基にした複合体固体支持体の使用について報告し;マットイシほか(Matteucci and Caruther
    s)、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J. Am. Chem. Sco.)、 103 、3185〜3
    190(1981)は(3−アミノプロピル)トリエトキシシランと反応させたマクロ軸孔シリカゲルの使用を報告した。

    【0027】共有結合型に連結した反応性官能を含む有用な固体支持体(粒子)の一般総説はアサートンほか(Atherton and Sheppard)、ペプチド化学の展望(Pers
    pectives in Peptide Chemistry)、カルガー、バーゼル(Karger, Basel)、101〜117(1981)およびアマルナスほか(Amarnath and Broom) 、ケミカル・レビューズ(Chem. Rev.) 、 77 、183〜217(197
    7)に見出すことができる。 (2) 前反応サブユニットを有する粒子本発明の合成装置は選択的に切断可能な共有結合により連結した既知量の有機合成サブユニットを有する粒子を既知量封入する前記容器として提供される。 粒子/サブユニットの連結から最も遠い(遠位の)サブユニットはそれぞれ有機合成中に反応できるがしかし選択的に除去可能な共有結合型に連結された保護基によりそのような反応から保護された官能基を含有する。 実例として、
    3′−O−スクシニル結合により粒子に連結した5′−
    O−ジメトキシトリチル保護ヌクレオシドはバイオサーチ(Biosearch, San Rafael, CA)から市販される。 スクシニル連結基が同様に(a) (3−アミノプロピル)ジエトキシシロキサン基により20〜60ミクロンシリカ粒子に、(b) 重合したビニルアミノベンジル部分を含む1
    または2%ジビニルベンジルで架橋された重合したスチレンの支持体(またアミノ−ポリスチレンとして示される)に、および(c)グリシルエチレンジアミノ結合を含む10%架橋結合ポリジメチルアクリルアミド基樹脂(またアミノ−ポリジメチルアクリルアミドとして示される)に結合した市販粒子が利用できる。 そのような粒子のヌクレオシドはまた典型的には、周知のように環置換基のための適当な保護基例えばN−ベンジルおよびN
    −イソブチル保護基を含む。

    【0028】保護された反応性官能基を含む粒子に連結した選択的に切断可能なサブユニットは製造業者により粒子に既知量連結して提供される。 例えばシグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company) は0.1〜0.2ミリモル毎グラム−粒子のヌクレオシドを含む前記スクシニル化アミノ−ポリスチレン樹脂に類似する樹脂から製造した保護されたヌクレオシド含有粒子を提供する。 同様に、ジビニルベンゼンで架橋され、保護された反応性官能例えばN−tert−ブトキシカルボニル保護されたアルファアミノ(BOC−保護した)基を有する連結したアミノ酸残基サブユニットを含む既知量の重合したビニルベンジル部分を含む重合したスチレンの樹脂粒子が若干の供給業者により提供される。 典型的なそのような供給者はアプライド・バイオシステムズ社(Applied Biosyst
    ems,Inc., Foster City CA) ;ベガ・バイオテクノロジーズ社(Vega Biotechnologies, Inc., Tucson, AZ)およびケミカル・ダイナミックス(Chemical Dynamics,Ra
    hway, NJ) である。 それぞれの粒状物質は粒子中に存在する連結したアミノ酸残基の量に関する表示をつけて提供される。 この節に記載した合成装置の粒子はそれぞれ複数の、連結した1有機合成ユニットを有した。 これらの、例えば5′−ジメトキシトリチル保護ヌクレオシドまたはBOC保護アミノ酸残基が粒子に連結した唯一のサブユニットであるサブユニットもまた必然的に粒子/
    サブユニットの連結から最も遠い(遠位の)サブユニットである。

    【0029】本発明はまた配列当り1つの選択的に切断可能な共有結合により粒子に連結した2つまたはより多くの反応性サブユニット(反応生成物)の同一の配列を含む粒子を封入した個々の合成装置を意図する。 従って、そのような粒子は粒子に連結した、すなわち粒子に近い反応したサブユニットおよび粒子から最も遠いすなわち粒子から遠位であるサブユニットを含む。 粒子に連結した1サブユニットおよび粒子に連結したサブユニットを含む反応生成物配列がともに遠位サブユニットを含むので、両種の粒子は通常、以下サブユニット連結粒子として示され、サブユニットおよび反応生成物配列は通常粒子連結サブユニットとして示される。

    【0030】C. 方法本発明の合成装置は、化学的に類似する反応したサブユニットの配列例えばポリペプチドおよびオリゴまたはポリ−ヌクレオチドのそれぞれの製造に用いたアミノ酸または核酸を含む反応生成物を固相製造する方法に利用される。 これらの製造は天然に存在するサブユニット例えばRANおよびDNA配列中に通常見出される20L−
    アルファアミノ酸および5糖結合塩基を用いることができる。 しかし、本発明の方法は天然に存在するサブユニットの使用に限定されない。 例えば、適当に保護されたD−アルファアミノ酸、アキラルアミノ酸例えばベータアラニンまたは4−アミノ酪酸および合成核酸誘導体例えば5−フルオロウリジンをサブユニットとしてポリペプチド並びにオリゴおよびポリ核酸の合成にそれぞれ使用することができる。 逐次固相有機合成を実施する方法もまた本発明の観点を構成する。 これらの合成は反応性官能を含む反応性粒子またはサブユニット反応性官能基に共有結合型に連結した選択的に除去可能な保護基を含む選択的に切断できる共有結合型に連結したサブユニットを有する粒子を封入する容器で開始することができる。 さらに、合成装置は核合成に個々に使用することができ、あるいは複数のそのような装置の混合体を使用することができる。 意外にも、本発明の合成装置をポリペプチドの合成に単独で用いると、所望の最終に得られるポリペプチドの収量は樹脂が反応槽中で自由であった標準マリフィールド(Marrifield) 型合成の使用により得られるより高いことが認められた。 上記収量の認められた改善の理由は知られていない。

    【0031】1仮説に拘束されることを望まないが、しかし収量の増加はメリフィールド((Merrifield) 型合成の樹脂粒子の若干が槽壁に付着し、従って反応溶液に適当に接触しなかったためであると思われる。合成装置が個々の樹脂粒子に比べて相対的に大きくかつ重い実体であるので、合成装置は槽壁に付着することなく、従って各反応溶液によって容易に接触されそれぞれにより装置の中の各粒子がこれらの溶液により適当に接触され浸されることが保証された。まず1合成装置を用いる合成法についてみると、反応性官能を含む反応性粒子を封入する容器を使用する方法とサブユニット反応性官能基に共有結合型に連結した選択的に除去可能な保護基を含む選択的に切断可能な共有結合型に連結したサブユニットを有する粒子を封入する容器を使用する方法とは若干の態様に対して同様であることができると認められる。事実、後者の方法を前者の方法に包含させることができる。従って単に前者の方法が次に論議される。その方法によれば前記合成装置が提供される。その装置には反応性官能を含む反応性粒子を封入する容器が含まれる。各粒子が典型的には複数の反応性官能を含むことを理解すべきである。最初のサブユニット例えばアミノ酸またはヌクレオシド誘導体は反応性官能と反応して最初のサブユニットと粒子との間に選択的に切断可能な共有結合を形成し、それにより粒子に連結したサブユニットを含む合成装置が形成される。最初のサブユニットは粒子の反応性官能と反応する第1官能基および選択的に除去可能な共有結合した保護基例えばBOCまたはジメトキシトリチルにより反応から保護された第2反応性官能基を含む。サブユニット上に存在できる他の反応性基例えば反応性アミノ酸側鎖、核酸塩基および糖のアミノ基またはヒドロキシル基もまた逐次合成の反応によって除去されない選択的に除去可能な保護基に共有結合される。

    【0032】第2にあげた反応性官能基の保護基は穏やかな酸溶液との接触によって除去され遊離反応性官能基を有する粒子に連結したサブユニットを含む合成装置を形成する。 アルファアミノ酸を含む逐次合成に対しては遊離反応性官能基はアミンである。 ヌクレオチド合成に対しては反応性官能基は5′−ヒドロキシル基である。
    BOC保護アミノ基を酸で処理しアミンを遊離するとアンモニウム塩(プロトン化アミン)が生ずる。 アミンに結合したプロトンをアンモニウム基と塩基例えばジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン、を含む液体組成物との反応により除去すると遊離反応性官能基(遊離第一級アミン)が生ずる。 その段階は典型的には次に生じた固体/液体相混合物の分離および分離を伴なう1またはより多くの洗浄段階を伴ない遊離反応性官能基を与える。 遊離反応性官能基を有する粒子に連結したサブユニットを含む合成装置は次いで過剰の、(i)
    粒子に連結したサブユニットの遊離反応性基と反応できる官能基例えばカルボキシルまたはホスフアチル(phos
    phatyl) 基および(ii)選択的に除去可能な保護基例えばBOCまたはトリチル基に共有結合型に連結した第2
    官能基例えばアルファミンまたは5′−ヒドロキシルを含む同一の既知の他のサブユニットと混合される。 公知のように、混合する過剰のサブユニットは約0.1モルから20モルまたはより多くまで変動できる。 より典型的には遊離反応性官能基の量より約3〜約10モル過剰が使用される。 粒子に連結した遊離反応性基と混合した官能基とが反応して共有結合(カップリングした)例えばペプチドおよびホスファート結合を形成し、それにより粒子に連結したサブユニット反応生成物が形成される。 これらの反応生成物は粒子/サブユニット連結から遠位のサブユニット上に選択的に除去可能な保護基を有する。

    【0033】粒子に連結した遊離反応性官能と混合してサブユニットの反応性官能基との間の結合形成反応は典型的には混合したサブユニット上の活性化した結合により進行する。 こゝに記載する特定の態様においてその活性化した結合は合成装置と混合するアミノ酸無水物中にある。 活性化した反応性官能基を含む他のユニットにはアミノ酸のp−ニトロフェニルおよびN−ヒドロキシスクシンイミドエステルが含まれる。 結合の活性化はまた周知のようにカルボジイミド例えばジシクロヘキジルカルボジイミドの使用によりその場に生成させることができる。 未反応サブユニットは粒子に連結した反応生成物から分離される。 そのような分離は周知の固体/液体相分離である。 分離は典型的には1回またはより多くの洗浄を伴なう。 上記分離および用いた場合の洗浄後、粒子/サブユニット連結から遠位のサブユニットの保護基を選択的に除去してさらに遊離反応性官能基を含む粒子に連結した反応生成物を生成させる。 遠位の保護基が第1
    サブユニット上に存在したものと同一である場合には前記ポリペプチド合成に対する中和および洗浄段階を含めて同様の除去段階が使用される。 その後上記段階に類似する同一の既知反応性サブユニットの混合、このサブユニットの粒子に連結したサブユニットに対する結合、過剰の未結合サブユニットの分離および遠位保護基の脱保護の段階を順次繰返して所望の数および素性(配列)の反応したサブユニットを含む粒子に連結した反応生成物を合成する。 所望の粒子に連結したサブユニット反応生成物配列が合成されると、最初にあげたサブユニットと粒子との間の選択的に切断可能な結合を切断して遊離の反応生成物および反応した粒子を生成させる。 前記のようにその切断はポリペプチドに対して通常強酸、例えば合成装置を含む反応容器中へ気相から凝縮させる無水フッ化水素酸(HF)、を用いて行なわれる。 側鎖保護基もまたHFを使用するこの段階で除去されることもまた認められる。

    【0034】切断した遊離反応生成物配列は反応した粒子から分離される。 この段階は典型的には約5〜約50
    %酢酸を含む水性組成物を用いる抽出により行なわれる。 分離した遊離の反応生成物サブユニット配列はその後回収される。 回収技術は当該技術に周知であり、例えば凍結乾燥による抽出物の乾燥、脱塩カラムを通した後の乾燥などが含まれる。 本発明はさらに、それぞれ1サブユニットとしてまたは反応したサブユニットの配列(サブユニット反応生成物)として存在する既知量の有機合成サブユニットを有し、各粒子の遠位サブユニットが有機合成中に反応できるがしかし除去可能な共有結合型に連結された保護基によりそのような反応から保護された反応性官能基を含む既知量の粒子を封入する複数の合成装置の使用を意図する。 複数の合成装置のそれぞれは同一であるかまたは異なるサブユニットまたは反応生成物を封入することができる。 しかし、各合成装置内のサブユニットまたは反応生成物は同一である。 次の特定の例はこの1素性のサブユニットを、1サブユニットとしてまたはサブユニット反応生成物として存在する複数の粒子に連結したサブユニットのそれぞれに、サブユニットに連結した粒子の混ざり合いなく同時に共有結合させる方法の例示である。 その方法によれば、粒子/サブユニット連結から遠位にある各サブユニットが有機合成中に反応できるがしかし選択的に除去可能な共有結合型に連結した保護基によりそのような反応から保護された反応性官能基を含むサブユニットの連結した粒子を封入する前記合成装置を複数含む混合体が提供される。 次に示す若干の態様において粒子は粒子に連結した同一のサブユニットまたはサブユニット反応生成物を有するが、
    他の態様ではサブユニットまたは反応生成物配列が異なり連結したサブユニットの化学的素性が異なる。

    【0035】遠位の反応性基に結合した保護基が選択的に除去されると遊離反応性基を有する粒子に連結したサブユニットを封入した複数の合成装置を含む混合体が形成される。 例えばアルファアミノ酸BOCまたは5′−
    O−ジメトキシトリチル基が混合体のすべての粒子に連結したサブユニットから除去される。 BOCアミノ保護基の場合には、その除去は、封入された保護された粒子に連結したサブユニットのすべてを比較的穏やかな酸、
    例えばサブユニット/粒子連結を開裂しない酸、を含む液体組成物に接触させ、次に固相と液相との分離、液体塩基含有組成物で中和しアルファアミンを遊離塩基形態にする段階、次の固体/液体相分離段階、塩基を除くための1回またはより多くの洗浄、および各洗浄後の固相と液相との分離により行なわれる。 そのように形成された遊離反応性基含有混合体を過剰の、同一サブユニットと混合すると新しい混合体が形成される。 このサブユニットはそれぞれ(i)粒子に連結したサブユニットの遊離反応性基と反応できる第2反応性官能基および(ii)
    上に形成された初めにあげた遊離反応性官能基と同一の、選択的に除去可能な保護基により反応から保護された反応性基を含む。 典型的にはこの最後にあげた選択的に除去可能な保護基は初めにあげた保護基、すなわちB
    OCおよび5′−O−ジメトキシトリチルである。 粒子に連結したサブユニットの遊離反応性基と混合したサブユニットの第2反応性基との間に共有結合が形成されると混合したサブユニットが粒子に結合し、遠位のサブユニット(最後に結合したサブユニット)が選択的に除去可能な保護された反応性官能基を含む粒子に連結したサブユニット反応生成物を封入した複数の合成装置の混合体が形成される。 次に特定例において、混合する同一サブユニットはBOC保護アルファアミノ酸無水物である。 しかし、酸形態で同様のBOC保護基または異なる保護をしたアルファアミノ酸を混合し、前記のように共有結合を形成させることができる。

    【0036】DCCが粒子に連結したヌクレオシドの5′−ヒドロキシル基と5′−O−保護核酸サブユニットの3′−ホスファート基をもつヌクレオチドとの間の共有結合の形成に有用であることは周知である。 活性化したカルボン酸エステル類似の活性化リン酸エステルの使用もまた当該技術に周知である。 混合した未反応サブユニットを分離すると前記のように合成装置の混合体の粒子に連結した反応生成物を形成される。 その後混合体の合成装置が互いに分離され、前記のように連結した反応生成物が回収される。 その分離は単に1サブユニットを反応生成物配列に付加した後に存在することができ、
    あるいは1つまたはより多くの同一のサブユニットを、
    その分離前にさらに各反応生成物に付加させるひことができる。 上記方法の使用により、各合成装置容器内に封入されたサブユニットのそれぞれに同一サブユニットが同時に付加されることを認めることが重要である。 容器のそれぞれが他の容器から分離されているので、それらの封入サブユニットに連結した粒子が混ざり合いなく互いに物理的に分離されている。 次節に開示される特定態様は本発明によって提供される改良の典型として使用することができる。 左から右へ、アミノ末端からカルボキシ末端の方向に1字アミノ酸コードを用いて配列:YPYD
    VPDYASLRS に相当するアミノ酸残基配列を有するインフルエンザウィルスの血球凝集素分子のアミノ末端から位置98−110に相当する13残基ポリペプチドの類似体の合成が望まれた。 希望類似体は点変異として前記配列の12残基を20種の天然存在アミノ酸のそれぞれに相当する第13残基とともに含有した。 点変異が配列の13位置のそれぞれに望まれたので合計160配列が必要であった。 通常の、1度に1つのメリフィールド(Me
    rrifield) 型合成に従って行なえば、全160配列の製造は利用できる装置および人員で約6ヵ月を要したであろう。 本発明の合成装置および方法を用いてこの160
    ポリペプチドが1ヵ月以内に製造された。

    【0037】ロイシン残基(アミノ末端から108)を他の19アミノ酸残基それぞれに変化させた合成を、行なった全合成および一般法の典型として用いることができる。 合成を行なうため固相ペプチド合成に用いた反応物および溶媒に不活性な物質(例えばポリプロピレン、
    ポリエチレンなど)で作り、各一定量の粒子に連結したアルファアミン保護アミノ酸残基(例えばBOC−Ser
    −樹脂50mg)を封入した20個の合成装置を準備した。 用いた粒子はジビニルベンゼンで架橋した重合したスチレンで作り重合したビニルベンジル部分を含む樹脂ビーズであった。 合成装置を1反応容器中に置き、問題の変異点すなわち108−Leu でアミノ酸残基を加えるために用いた結合段階を除いて、種々の合成全段階を同一に行なった。 変異点における結合のため、20個の異なる合成装置を互いに分離し、遠位の残基の保護基(B
    OC−RS配列の粒子連結アルギニン(R)のBOC)
    を選択的に除去した後反応器から取り出した。 次いで個々の合成装置を、問題の20種の活性化アミノ酸(BO
    Cアミノ酸無水物)のそれぞれを別個に保持する異なる容器中に置いた。 次いでこれらのアミノ酸それぞれの反応性カルボキシル基を各粒子に連結したジペプチド反応生成物上の遊離アミノ基に結合させ、遠位の保護反応性基(BOC−アルファアミン)を有するトリペプチド連結反応生成物を形成させた。 過剰の未反応活性化アミノ酸を各合成装置から分離し、各合成装置は典型的に洗浄し未反応活性化アミノ酸の除去を保証した。 結合(coup
    ling) 段階前の保護アルギニンアルファアミノ基の脱保護および遊離化は個々の合成装置の分離および取り出し前に行なう必要がないことが認められる。 これらの段階は異なるアミノ酸残基の付加に用いる各反応容器中で行なうことができる。

    【0038】種々のアミノ酸サブユニットの付加後、合成装置を1反応容器に戻し、全13サブユニット配列が終るまで合成を続けた。 次いでポリペプチドを標準手順を用いて樹脂から別々に切断し、精製し、確認し、酵素連結免疫吸着検定に用いた。 この方法はまた、種々の全く異なるペプチド配列を望むとしても同様に使用できること、およびそれがポリペプチド抗原に限定されないことが明らかである。 例えば、研究者がそのそれぞれがその配列中のある位置にグリシン残基を必要とする10種の異なるポリペプチドを合成すれば、グリシンは、10
    組よりもむしろ単に1組の脱保護、中和および結合の段階を用いて19配列のそれぞれに付加させることができる。 グリシンを付加した後1つまたはより多くの合成装置をとり出し、他の特定のアミノ酸残基を、グリシンのアミノ基に特定のアミノ酸残基を結合させることが必要な反応生成物配列に付加させるなど、をすることができる。 本発明の方法はまた何百もの合成装置を毎合成に用いる一層大きい規模で行なうことができる。 比較的多数の、例えば約25〜100またはより多くの合成装置を1度に用いるとき、関連反応生成物を含む合成装置を一緒の群にすることがしばしば便利である。 そのような群を作る装置が図5に示される。 図5の装置は一般に数字50により示され、再封可能な閉鎖部材52を含む有孔の容器または外被(envelope) である。 外被50は好ましくは一般に矩形形状であり、第1および第2位置ウェブ、60および62からなり、その少くとも1つが有孔である。 ウェブ60および62はその周囲で、例えば6
    4でヒートシールにより互いに部分的に固定され、各ウェブはさらに再封可能な閉鎖部材52に固定されそれにより閉鎖部材が内部に連絡する外被50の口を規定する。

    【0039】再封可能な閉鎖部材は咬合し、これらの要素を面対面関係で圧合すると協同して外被を閉鎖するおす要素54およびめす要素56からなる。 図5に示されるように、おすおよびめす要素54および56は好ましくは平行な重なり関係にある。 第1ウェブ60は外被5
    0の口66に隣接するおす要素54を操作自在に連結される。 第2ウェブ62は外被の口に隣接するめす要素5
    6に操作自在に連結される。 ウェブ60および62並びに閉鎖部材52は好ましくはプロピレン、エチレンまたはそれらの混合物の重合体から作られる。 ウェブは好ましくはヒートシールにより閉鎖部材のそれぞれの要素5
    4および56に連結される。 典型的な閉鎖部材は米国特許第4,354,541 号に例示され、その適当な開示は参照によりこゝに加入される。 また参照により開示をこゝに加入する米国特許第3,009,235 号のいわゆるフックおよびループ固定部材もまた有用であり、その使用においてフック部分がおす要素54に相当し、ループ部分が閉鎖部材のめす要素56に相当する。 商標ジップ・ロック(Z
    IP LOCK)のもとでダウ・ケミカル(Dow Chemic
    al) から販売されるプラスチック袋のおすおよびめすの咬合可能な閉鎖部材もまたこれに有用である。 外被およびその閉鎖部材は逐次部材は逐次有機合成に使用する反応条件に対し実質的に化学的に不活性である材料で作られる。 再び重合したエチレン、プロピレンおよびそれらの混合物から作られた材料が好ましい。 68のような確認表識を支持可能な表面もまた含まれることが好ましい。 外被50のウェブ60および62により規定される孔68は外被50により配備できる複数の個々の合成装置10のそれぞれに規定される孔16の大きさと少くとも等しい大きさで、好ましくは大きいがしかし、個々の合成装置10が通過できるほど大きくはない。 従って、
    孔58は合成反応に用いる流体例えば溶媒の排出を合成温度で5分以内の時間で可能にする十分な大きさであるが個々の合成装置10を外被内に保持する、すなわち孔は合成装置の通過を妨げる十分小さい大きさである。

    【0040】一般に矩形の多数の外被を、外被のウェブ60および62として約0.5ミリメートル毎辺の一般に方形の網目間隙を有する製織ポリプロピレン布を用いて製造した。 ジップ・ロック袋からの閉鎖部材52を袋の残余から切り取った。 閉鎖部材のおす要素部分54は第1外被ウェブ60にヒートシールし、閉鎖部材のめす要素部分56は第2ウェブ62にヒートシールした。 次いで2つのウェブ60および62をその周囲64に沿ってヒートシールにより固定し、外被の3辺周囲に実質的に連続する閉鎖部材を与えた。 実際に、合成装置10の混合体が提供される。 合成装置10の混合体において、 若干またはすべての合成装置10を1つまたはより多くの有孔外被50中に配備することができる。 混合体の合成装置10の1つまたはより多くはまた有孔外被50中に配置しないで同時合成に提供することもできる。 従って、合成装置10の混合体の一部を有孔外被50内に配置することができる。 これは図5に示され、外被は4合成装置を含む。 次いで外被をおす54および56の要素を圧して咬合させることにより閉鎖する。 複数の合成装置を含む少くとも1つの外被および追加の合成装置を含む新混合体を形成することができる。 追加の合成装置は自由であることができ、あるいはその全部または一部を1つまたはより多くの追加外被中に封入することができる。 新混合体は粒子に連結した反応生成物を含む合成装置に結合させる同一サブユニットと混合し、サブユニットを前記のように結合させる。 特定反応生成物に外被および新混合体中の他のものと異なるサブユニット配列を含ませる場合、外被は閉鎖を開き、所望の合成装置が外被中の他のものから分離された外被から取り出される。
    次いで取り出した合成装置のサブユニットを望むように反応させて合成装置を外被中へ戻すことができる。 外被を再封し、さらに1またはより多くのサブユニットの付加または他の反応を行なわせる。

    【0041】より詳しくは、前記160の関連配列は外被当り20個の合成装置を含む13個の外被中で製造することができる。 例えば108−Leu で付加させる合成段階において、反応生成物がBOC−RS粒子を有する合成装置が11個の外被に含まれ、1外被が反応配列B
    OC−ZS−粒子を含み、他はBOC−RZ−粒子を含む(但しZは20種の天然存在アミノ酸残基の1つである)。 BOC−RS−粒子反応生成物配列を有する11
    個の外被の1つを次いで他の12個の外被から分離する。 それを開いてその合成装置を分離してとり出し、それぞれ別個に20種の天然アミノ酸のそれぞれと反応させて配列BOC−ZRS−粒子(Zは前記のとおりである)を形成させる。 他の12個の外被は1容器中で一緒に反応させて所望の108−Leu 残基を付加させる。 その後これら反応生成物配列の10個が配列BOC−LR
    S−粒子を有し、1サブユニット反応生成物は配列BO
    C−LZD−粒子を有し、最後の外被は配列BOC−L
    RZ−粒子を有するサブユニット配列反応生成物を含む(Zは前記のとおりである)。 その後配列BOC−LR
    S−粒子を有する10個の外被の1つを容器から取り出す。 それを開き、その合成装置を分離して取り出し、別々に反応させて20種のアミノ酸のそれぞれをその配列に結合させる。 配列がBOC−LRS−粒子である個々の合成装置はそれらの外被に戻しその外被および残り1
    1個の外被を1反応容器中へ配置する。 配列の次のサブユニットアミノ酸残基、セリン(S)、をこれらの外被のすべての中のサブユニット反応生成物配列に結合させる。 上記合成手順は「マルチ類似体ペプチド合成(MA
    PS)」と称することができる1態様の例示である。 他のより特定の方法において、20個の外被を通常の20
    種のアミノ酸のそれぞれの1つに提供することにより関連または非関連配列を製造することができる。 この方法の実施において、各確認表識を支持する複数の前記合成装置を、20種のアミノ酸残基の1つを合成装置の粒子に付加させる場所で使用するよう指定した20個の外被の1つの中に配置する。

    【0042】次いで所望のサブユニットを前記方法に従って各合成装置の粒子に付加させる。 その付加後、好ましくは脱保護段階前に合成装置を外被から取出して付加させる次のサブユニットに関して分類する。 次に同一のサブユニットを付加させる合成装置を一緒に群にし、1
    つまたはより多くの適当な外被中に置く。 次いで脱保護および製造すべき配列の形、例えば、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドに適することができる他の通常の段階後所与外被の全合成装置に次のサブユニットを付加させる。 合成装置および外被上の表示は数字または文字表示が用いられるので人により判読性であることができることが認められる。 しかし、機械判読性コード例えば線のコード、デジタル計算機により読取られるゼロと1の二進コード、図3に38で示される切取り形状を基にしたコードなどを用いることができる。 従って、本発明の外被を用いて、合成装置のサブユニット配列に加えて同様のサブユニットを受けとる合成装置を保持し、群化し、関連しない少数〜何百のポリペプチド配列に同一サブユニットを付加することができることが知見される。
    この種の合成は複数の異なるポリペプチドが少くとも特定のサブユニットに関して一緒に、一度に合成されるので、同時マルチペプチド合成(SMPS)として示すことができる。 上記に類似する段階を行なって、160配列のすべてを製造することができる。 次の第II節の論議はさらに本発明の例示である。

    【0043】(II) 発明の特定の態様A結果(1) ポリペプチド血球凝集素分子HAIの残基98−100に相当する1
    3のアミノ酸配列に対する248のポリペプチドの置換配列および13の対照を、ポリペプチド中の各位置における1アミノ酸を欠く13の省略類似体および各天然存在L−アミノ酸をD−異性体により置換体とした置換系列として製造した。 図1〜4はその製造に用いた種々の合成装置の例示である。 上記製造装置を用い、個々のポリペプチド合計286を合計3700以上の結合段階に対して合成した。 主247ポリペプチド−13重複、すなわち260ポリペプチドに対し3380以上の結合段階が用いられた。 各ポリペプチドは10〜20ミリグラム(mg)量で得られた。 これらのポリペプチドの純度は置換系列のアミノ酸分析により優秀であることが示され、典型的には理論値の10パーセント以内であった。
    同様に粗ポリペプチドについて集めた高速液体クロマトグラフィー(HLPC)クロマトグラフにより少くとも部分的に主ピークのポリペプチドと同時合成(co-synth
    esing)された他の点変異類似体によるポリペプチドの相互汚染のないことが示された。 そのようなクロマトグラフの典型的な組が図8に示される。 結合段階中窒素雰囲気を維持しなかったけれどもHPLCまたはアミノ酸分析でメチオニンまたはトリプトファン残基の酸化がほとんどないことが明らかであった。 ポリプロピレン網パケットは操作中不変化に保持された。 合成の開始前の最終洗浄段階で少量の微樹脂粒が有効に除去された。 樹脂微粒の除去はまた、最初のBOC保護アミノ酸残基の結合に用いたセシウム塩操作中に合成装置をクロロメチル樹脂の収容に用いることにより行なうことができた。 ギシン(Gisin)、ヘルベチカ・ジミカ・アクタ(Helv. Che
    m., Acta)、56、1476〜1482(1973)。

    【0044】(2) ELISA結果対照ポリペプチドに比較した種々の類似体の1単クローン性細胞系により生じた抗体との結合の程度は図6に示される。 図7は対照ポリペプチドに比較した結果の減少を示す。 図6から知見されるように位置98(Y)、9
    9(P)、100(Y)、102(V)、103
    (P)、105(Y)、107(S)、108(L)、
    109(R)、または110(S)におけるアミノ酸変異に対するHAIの残基98−110に相当する対照配列に比較して結合に有意な差異がなかった。 対照に比較した結合能の劇的な喪失が位置101におけるアスパラギン酸(D)を他のアミノ酸で置換したポリペプチドに観察された(図7)。 グルタミン酸、ヒスチジンおよびアスパラギンによる101(D)の置換のみに有意な結合が保たれた。 図6から直ちに明らかでないけれども、104位置のアスパラギン酸を、および位置106
    のアラニンを他のアミノ酸で置換すると小さい有意な結合能力の喪失を生ずる。 この結合の喪失は対照ペプチドに比較して結合の低下率を示す図7を調べれば一層容器に明らかである。 図6および図7中のデータは、ブラウン(Browne) ほかの「タンパク質およびペプチドの高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Ch
    romatography of Proteins and Peptides)」、ハーン(Hearn)ほか編、アカデミックプレス、NY、65〜7
    2(1983)中の疎水性が増加する順序に配列されている。 変化の範囲内で個々のアミノ酸の結合能力と疎水性との間にほとんど相関が認められなかった。

    【0045】(3) 論議血球凝集素分子の残基75〜110に相当するポリペプチドから生じた単クローン性抗血清の相互作用の試験が1アミノ水準で所望された。 多数の単クローン性抗血清を、天然血球凝集性分子を認識した原始ポリペプチド7
    5−110の90−110の領域中の残基に対して生成させた。 特定の抗原/抗体相互作用に対し応答でき、残基が他の天然またはD−アミノ酸により置換され抗原/
    抗体相互作用を維持できる正確な残基を知ることが望まれた。 こゝに示される結果において、一連の20種の異なる13残基ポリペプチドが血球凝集素の98−110
    の残基、すなわち YDYDVPDYASLRS の各位置に対して望まれた。 この研究のために248〔13×20=260
    −12重複配列=248〕の異なる1点アミノ置換組の完全系列並びに13の位置D−アミノ酸置換系列および13の1位置省略類似体が望まれた。 これは合計280
    を越える種のペプチドであった。 ポリペプチドのこの数は従来の方法の使用が時間、コストおよび努力のいずれに関しても無理であった。 従来公知の方法を使用するとアミノ末端から位置108(すなわちL−leu)における残基を他の天然アミノ酸のそれぞれで変化させる効果を望めば、初めの2残基を自動化法を用いて1回の合成で合成することができるほかは、これらのポリペプチドのそれぞれの残り11の残基を個々に合成することが必然的に必要である。 換言すれば、今日まで20類似体にはおそらく20の完全に別個の合成を必要としたであろう。 変える位置を除いたポリペプチドのすべての残基を同時に合成できれば相当の時間および費用が節約できよう。

    【0046】個々のポリペプチド樹脂粒子を含む小型溶媒透過性合成装置を用いる本発明の方法は個々の互いに異なるポリペプチドに連結した粒子を合成の間有効に分離した。 別個の合成装置の容器中の素性の異なるアミノ酸残基サブユニットを連結した粒子の分離および混ざり合い防止が、1置換残基を配列にポリペプチド結合させる19段階のほかは同時に合成することを可能にした。
    従って13残基ポリペプチドを19種製造する通常の合成手順は洗浄を除いて247の別個の結合段階に脱保護および中和段階を加えて全体として741段階が必要であろう。 他方本発明の合成装置の使用は、洗浄を除いて単に31の別個の結合段階に脱保護および中和段階を加えて全体として93段階を要したにすぎない。 19種の1置換配列に必要な段階を非常に減少させた数の段階で結合させたアミノ酸分析により通常観察される純度、およびHPLCの結果により合成配列の実質的な混ざり合いのないことを示す前記の個々の合成の結果は、通常の手法により製造されたものに匹敵する純度のポリペプチド配列を、洗浄を除いて典型的に必要であった段階の約
    1/8 の数を用いて製造できた点に本発明の利点の例示である。

    【0047】B. 物質および方法(1) ペプチドの合成(a) 一般的方法20ミリメートル (mm) ×25mmの近似寸法を有するポリプロピレン網(0.74ミクロン間隙、スペクトラム・メディカル・インダストリーズ社(Spectrum Medical In
    dustries, Inc.) 製〕容器を軌道幅4mmのヒートシーラー〔TEWエレクトリック・ヒーティング・イクイプメント社(Electric Heating EquipmentCo., Inc. )製〕
    を用いて製造した。 2平行側を互いにシールした後、パケットの底を一連の容器のカラーコードに用いた着色マーキグペン〔商標「シャーピーズ(SHARPIE
    S)」のもとで販売されたサンフォード(Sanford)黒、
    赤および青〕により引いた線に沿ってシールした。 容器を塩化メチレンで洗浄して過剰のインキを除き、乾燥し、各容器を計量した後既知量の標準200〜400メッシュBOCアミノ酸連結樹脂〔0.1〜1.0ミリ当量毎グラム(meq/gm) 〕を加えた。 典型的には樹脂50〜1
    00mgを用いた。 BOCアミノ酸樹脂は前記のように通常手順に従って既知量のクロロメチル基(反応性ベンジル部分)を有する市販クロロメチルスチレン樹脂、BO
    C保護アミノ酸および塩化セシウムを用いて製造した。
    多量のペプチドを望むときに、大きい寸法を有する容器が容易に製造された。 確認番号を黒マーキングペンで未シール袋の上部に置いた後容器を閉鎖し、番号は2回オーバーシールすることによりポリプロピレン中へ永久シールして製造した各合成装置に幅8mmの判読可能なコードを与えた。 微粒を除去し、過剰のマーキングインキを除くために樹脂封入合成装置の最終の完全な清浄を行ない、次に乾燥し、最終計量して合成装置中に最終既知量の粒子を与えた。

    【0048】そのように製造した合成装置を直径マルチブル類似体ペプチド合成(MAPS)、すなわち特定ペプチドの多くの類体を同時に製造する合成、に用いた。 合成装置はまた同時マルラプルペプチド合成(SMP
    S)、すなわち多くの異なるペプチドを同時に製造する合成、に有用である。 前記外被はSMPSおよびMAP
    Sの両方に殊に有用である。 この研究に用いた特定の脱保護、中和、結合、および洗浄のプロトコルはメリフィールド(Merrifield) の最初の固相手順(メリフィールド(Merrifield) 、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(J. Am. Chem.Sco.)、 8
    5 、2149〜2154(1963)〕の変形であり、
    他に詳細に記載される(ホートン(Houghton)ほか、インターナショナル・ジャーナル・オブ・ペプチド・アンド・プロティン・リサーチ(Int. J. Pept. Prot. Re
    s.) 、 16 、311〜320(1980);ホートン(Ho
    ughten) ほか、ユーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Eur. J. Biochem.)、 145、 157〜1
    62(1984)〕。 略示すれば、アルファアミノ保護BOC−アミノ酸はバケム(BACHEM,LA)またはケミカル・ダイナミックス(Chemical Dynamics,Rahw
    ay, NJ)から購入し、必要であれば再結晶した。 アルファアミノ保護BOC−アミノ酸はすべて薄層クロマトグラフィー、旋光、および融点により純粋であった。 次の側鎖保護を用いた:リシンに対しN−(オルトークロロベンジルオキシカルボニル);チロシンに対しO−(メタ−ブロモベンジルオキシカルボニル);アルギニンに対しN 9 −トシル;ヒスチジンに対しN−im−ジニトロフェニルおよびシステインに対しパラーメトキシベンジル。 アスパラギンおよびグルタミンはN−ヒドロキシルベンゾトリエアゾールの存在下に結合させた〔ラビー(Hruby)ほか、アルゲバンテ・ヘミー・インタナショナル・エディション・イン・イングリッシュ(Angew. Che
    m. Int. Ed. Engl.)、 10 、336〜339(197
    1)。

    【0049】(b) 1アミノ酸変異類似体の合成ベガ(Vega) モデル250c、バイオサーチ(Biosearc
    h)SAM−IIペプチド合成装置または全手動法を用い、
    所望の出発ポリペプチド連結樹脂を含む40〜80の個々の合成装置にそれらの共通のBOC除去、洗浄および中和段階を行なった。 SAM−II合成装置を用いて機械に当り100もの多くのペプチドを同時に合成することができる。 最終塩化メチレン洗浄後、中和した遊離のアルファミン反応性基ペプチドを連結した粒子を含む合成装置を反応容器から取出し、対称無水物として与えるそれらの点変種保護アミノ酸の溶液を加える〔ウイランド(Wieland)ほか、アンゲバンテ・ヘミー・インタナショナル・エディション・イン・イングリッシュ(Angew. C
    hem. Int. Ed. Engl.)、 10 、336〜339(197
    1)〕。 結合樹脂は室温でかくはんして60分間行なった。 結合段階が終った後、粒子連結反応生成物含有合成装置を反応容器に戻し、合成を共通の洗浄、脱保護、中和および結合の段階の追加サイクルにより続け合成を終えた。 類似体ペプチドの特定変異例えば残基置換または省略あるいは連鎖伸長または短縮、は合成中に変異点で個々の確認した合成装置を取り出し、所望の変異を別個に行ない、適当であれば完結させるために共通反応容器にパケットを戻すことにより容易に実施された。 一連のペプチドの合成後に粒子封入ようき十分に洗浄し、乾燥し、計量して初期指示範囲の結合の完結を与える。 生じた保護されたペプチド反応生成物は次いで普通のフッ化水素/アニソール操作〔ホートン(Houghten) ほか、インタナショナル・ジャーナル・オブ・ペプチド・アンド・プロテイン・リサーチ(Int. J. Pep. Prot. Res.)
    16 、311〜320(1980)〕を用い一度に2
    0の合成装置含有ペプチドの開裂が可能なように変形した容器中で粒子から切離した。 残留アニソールをエーテルまたは酢酸エチルで抽出した後、切離したペプチド反応生成物を樹脂粒子から5%酢酸で抽出することにより分離した。 分離したポリペプチド反応生成物を凍結乾燥またはセファデックス(SEPHADEX)G−10
    〔ファルマシア・ファイン・ケミカルズ(Pharmacia Fi
    ne Chemicals,Piscataway, NJ) に通して脱塩し次に凍結乾燥することにより捕集した。 得られた粗ペプチド反応生成物はHPLCにより確認し、84%(65〜94
    %)の平均純度を有することが認められた。

    【0050】用いたHPLC系はベックマン(Beckman)
    421制御器により制御された2ベックマン(Backman)
    110Aポンプ、20ミクロリットルループを有するバイオーラド(Bio-Rad)As−48自動試料注入器、オールテク(Alltech)ODS−3粒径5ミクロン、4.6mmI
    D×25センチメートルカラム、220nmに設定したヒタチ100〜20可変波長分光光度計およびシマズC−
    R3Aクロマトパック(Chromatopac)インテグレーター/レコーダーから構成される。 移動相は20%アセトニトリル/80%H 2 O/0.1%トリフルオロ酢酸(TF
    A)から80%アセトニトリル/20%H 2 O/0.1%
    TFAに20分で進む直線勾配から構成された。 流速は
    1.0ミリリットル毎分であった。 個々のペプチドのアミノ酸組成は、個々のペプチド反応生成物の定沸点HCl
    中110℃で24時間の加水分解によるLKBモード4
    150アミノ酸分析計を用いて測定した。 アミノ酸分析からの値はすべて理論値の±10%の間であった。 (2)
    単クローン性抗血清この研究に用いた単クローン性抗体の製造は他に詳細に記載されたナイマン(Niman)ほかプロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・
    オブ・ジ・ユナイテッド・ステート・オブ・アメリカ(Proc. Natl.Acad. Sci. USA) 、 80 、4949〜49
    53(1983);ウイルソン(Wilson)ほか、セル(Ce
    ll) 、 37 、767〜778(1984)参照。 略示すると、H3サブタイプX:47−A/ビクトリア(Victor
    ia/3/75(ミン・ジョウ(Min Jou)、セル(Cell)
    19 、683〜696(1980)のHAI鎖の残基75−110からなるペプチドをキーホール・リンペット・ホモシアニン(KeyholeLimpet homocyanin)(KL
    H)に結合させ、129GIX +マウスの免疫に用いた。 これらのマウスの脾臓細胞をSP2/0骨髄腫細胞とポリエチレングリコール1500〔ベーカー(Bake
    r)〕で融合させた。 融合細胞を10%ウシ胎児血清、 1
    00ミクロモル(μM)ヒポキサンテン、1.0μMメトトレキサートおよび16μMチミジンを含ムダルベッコ(Dalbecco) 高グルコース最少必須培地400ml中に再懸濁し、ナイマンほか(Niman and Elder)、プロシーディング・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・オブ・ジ・ユナイテッド・ステート・オブ・
    アメリカ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA) 、 77 、452
    4〜4528(1980)により記載された30マイクロタクタープレート上で培養し成長させた。 ハイブリドーマ20CO−1を用いたウイルソン(Wilson)ほか、セル(Cell) 、 37 、767〜778(1984)〕。

    【0051】(3) ELISA方法および物質対照ペプチドに比較した類似体の結合を百分率を決定するためELISAを96ウエルマイクロタイタープレート〔コスター(Costar─1/2エリアEIAプレート〕
    の別々のウェルに吸着された各ペプチド10ナノモルで行なった。 ペプチドはpH9.6 炭酸塩/炭酸水素塩緩衝液中に混合し、室温で8時間維持(保温)することによりマイクロタイタープレートに吸着させた。 次いでプレートを脱イオン水で10回洗浄して結合しなかったペプチドを除去した。 抗血清の非特異性吸着を防ぐためにブロッキングはリン酸塩緩衝塩水中の1%ウシ血清アルブミン(BSA/PBS)100ミクロリットル(μl)/
    ウェルでプレートを37℃で1時間保温することにより行なった。 単クローン性抗体を25μl /ウェルの体積を用い1%BSA/PBSの細胞を含まない上澄み1:
    10希釈でペプチドに結合させ、37℃で1時間保温した。 脱イオン水で10回洗浄して結合しなかった抗体を除去した後、ホースラディシュ(Horseradish)ベルオキシダーゼ抱合ウサギ抗マウスIgG(ザイムド・ラボラトリーズ(Zymed Laboratories, Burlingame, CA) 製〕
    を1%BSA/PBS中の1:3000の希釈で各ウェルに加え、37℃で1時間保温した。 過剰の抱合抗体は前記のように脱イオン水で洗浄することにより除去した。

    【0052】各ウェル中で結合した抱合抗体の量をo−
    フェニレンジアミン〔ピットマン−ムーア社(Pitman M
    oore Inc., Washington Corossing, NJ)製〕24ミリグラムおよび脱イオン水50ml中の3%過酸化水素1.0ml
    の新たに調製した顕色溶液のアリコート20分間反応指せることにより定量した。 生じた色はタイターテク・マルテスキャン(Titertek Multiscan) 分光光度計〔フロー・ラボラトリーズ(Flow Laboratories, Melbourne,
    Australia)製〕により495ナノメートル(nm) で読取った。 典型的な結合曲線はプレートに吸着された抗原の量を、プレートの上部ウェルに加えたペプチドをウェル列の下方へ連続倍々希釈により変え、 上記のように検定を終えることにより決定した。 本発明は好ましい態様について記載された。 開示された合成装置、外被および方法の変形および(または)変更をこゝに示される発明の範囲から逸脱しないで行なうことができることは当業者に明らかであろう。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の合成装置の拡大平面図であり、

    【図2】図1中の線2−2沿いにとった図1の合成装置の断面図であり、

    【図3】本発明の合成装置の他の態様の拡大平面図であり、

    【図4】図3中の線4−4に沿ってとった図3の合成装置の断面図であり、

    【図5】再封可能な透過性合成装置外被およびそれに含まれる合成装置の拡大部分切取斜視図であり、

    【図6】個々のバーがインフルエンザウィルスの血球凝集素分子(HAI)のアミノ末端からの残基75−11
    0に相当するポリペプチドに起させた1単クローン性抗体の本発明により製造された個々のポリペプチドとの相対的結合作用を示す13のバーグラフであり、

    【図7】個々のバーが図6のポリペプチドに対する図6
    の単クローン性抗体の結合の低下を例示する13のバーグラフであり、

    【図8】図6について示したインフルエンザウィルス血球凝集素分子HAIの位置98−110のポリペプチド類似体の一連の高速液体クロマトグラフ分析の結果を示すグラフであり、

    【図9】各有孔容器装置を含む本発明の一体形成合成装置を複数含む本発明の他の態様の拡大図であり、

    【図10】図9中の線10−10に沿ってとった図9に示した本発明の態様の断面図である。

    【符号の説明】

    10 合成装置12 有孔容器14 固相合成粒子50 外被

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 泉屋信夫他著「合成化学シリーズ ペ プチド合成」丸善(S.50.10.30) p. 189−190 (58)調査した分野(Int.Cl. 7 ,DB名) C07K 1/00 - 19/00

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