Systems and methods for analyzing the nanoreporter

申请号 JP2009512084 申请日 2007-05-21 公开(公告)号 JP2009538132A 公开(公告)日 2009-11-05
申请人 ナノストリング テクノロジーズ, インコーポレイテッド; 发明人 ジェンク−ネン ホワン,; ジェフリー ディー. ミットン,;
摘要 基板 上に置かれた試料内のプローブの存在を検出するための方法、コンピュータ、およびコンピュータプログラムの製品が提供される。 該プローブは、複数の空間的に配置された標識を含む。 データ記憶モジュールは複数の光イメージを記憶し、ここに、各光イメージは、複数の異なる波長範囲における対応する波長範囲において試料からの光を有する。 標識同定モジュールは、基板上の相互に近接する複数の光イメージにおける複数の標識を同定する。 複数の標識の空間的順序は、複数の標識のストリング配列を決定する。 プローブ同定モジュールは、複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列を含むか否かを決定する。
权利要求
  • コンピュータープログラム製品であって、該コンピュータープログラム製品はコンピューター読取可能記憶媒体およびその中に内蔵されたコンピュータープログラムメカニズムを含み、該コンピュータープログラムメカニズムは基板の上に置かれた試料内のプローブの存在を検出するためのものであり、ここに、該プローブは複数の空間的に配置された標識を含み、該コンピュータープログラムメカニズムは:
    複数の光イメージを記憶するための指令を含むデータ記憶モジュールであって、該複数の光イメージ中の各光イメージは、複数の異なる波長範囲におけるある波長範囲において該試料から受けた光についてのものである、データ記憶モジュール;
    該基板上の相互に対して近接した、該複数の光イメージにおける複数の標識を同定するための指令を含む標識同定モジュールを含み、ここに、該複数の標識の空間的順序は該複数の標識のストリング配列を決定する、標識同定モジュール;および 該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列を含むか否かを決定するための指令を含むプローブ同定モジュールを含み、
    ここに、該複数の標識の該ストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、該複数の標識はプローブであると見なされ;および 該複数の標識の該ストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、該複数の標識はプローブではないと見なされるコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識中の第一の標識は、該複数の異なる波長範囲における第一の波長範囲において光を発する基板上の第一の位置に関連し、該複数の標識における第二の標識は、該複数の異なる波長範囲における第二の波長範囲において光を発する基板上の第二の位置に関連する請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該第一の波長範囲の一部は該第二の波長範囲の一部に重複する請求項2記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該第一の波長範囲が該第二の波長範囲と重複しない請求項2記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識における各標識は、該複数の光イメージにおける少なくとも1つの光イメージにおける光の閾値量よりも多くを発する基板上の位置に関連する請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該コンピュータープログラムメカニズムは、さらに、複数の有効なレポーター配列を含む参照テーブルを含み、ここに、該プローブ同定モジュールが、さらに、該複数の標識の該ストリング配列を該参照テーブル中の有効なレポーター配列と比較するための指令を含む請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該参照テーブルが次元化され、4 までの異なる有効レポーター配列を保持するように構成された請求項6記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該参照テーブルが次元化され、7 までの異なる有効レポーター配列を保持するように構成された請求項6記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該参照テーブルが次元化され、8を超える異なる有効レポーター配列を保持するように構成された請求項6記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該プローブ同定モジュールが、さらに、有効レポーター配列として確認されない該複数の標識の該ストリング配列を記憶するための指令を含む請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該データ記憶モジュールが、さらに、該基板上に存在する複数の基点を用い、該複数の光イメージにおいて、第一の光イメージを第二の光イメージに整列させるための指令を含む請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該基板上のプローブの位置がランダムである請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該プローブが単一分子よりなる請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該プローブが分子骨格を含み、ここに、該複数の標識における各標識は該分子骨格上の異なる位置を表す請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 標識によって表される該分子骨格上の各位置はスペーサーによって骨格上の隣接位置から分離されている請求項14記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該プローブが一本鎖デオキシ核酸またはリボ核酸骨格を含み、ここに、該複数の標識における各標識は、該骨格上の異なる位置にハイブリダイズする染料負荷一本鎖デオキシ核酸またはリボ核酸配列によって表される請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該プローブが第一の端部および第二の端部を有する分子骨格を含み;
    標的特異的配列が該第一の端部に共有結合により付着しており;
    バインダー配列が該第二の端部に共有結合により付着しており;および 該プローブは(i)基板の第一の位置に結合した第一の分子体への標的特異的配列の結合、および(ii)基板上の第二の位置に結合した第二の分子体へのバインダー配列の結合を介して基板上に直線上に配置された請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該第一の分子体が標的(一本鎖デオキシ核酸またはリボ核酸)−ビオチン複合体であって、
    該第二の分子体が所定の(一本鎖デオキシ核酸またはリボ核酸)−ビオチン複合体である請求項17記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該標識同定モジュールが、さらに、該複数の光イメージにおける複数の候補標識を同定するための指令を含み、ここに、該複数の標識は、標識同定モジュールによって有効化された該複数の候補標識のサブセットである請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の候補標識における各候補標識は、該複数の光イメージにおけるいずれか1つの光イメージにおいて光の閾値量よりも多くを発する基板上の位置に関連する請求項19記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識が、該複数の異なる波長範囲における第一の波長範囲において光を発する基板上の第一の位置と関連する第一の候補標識、および該複数の異なる波長範囲における第二の波長範囲において光を発する基板上の第二の位置に関連する第二の候補標識を含む請求項19記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該第一の波長範囲の一部が第二の波長範囲の一部と重複する請求項21記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該第一の波長範囲が第二の波長範囲と重複しない請求項21記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における第一の候補標識の重心と第二の候補標識の重心の間の第一の距離基準を適用する請求項19記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該第一の距離基準が、該プローブにおける第一の標識および第二の標識の間の計算された距離によって決定される請求項24記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における、第二の候補標識の重心と第三の候補標識の重心の間の第二の距離基準を適用する請求項24記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該第二の距離基準が、該プローブにおける第二の標識と第三の標識の間の計算された距離によって決定される請求項26記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該第一の距離基準が、第二の距離基準と同一である請求項26記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該第一の距離基準が該第二の距離基準と異なる請求項26記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該第一の距離基準の値および該第二の距離基準の値が、該複数の標識が該プローブであるか否かを決定するのに寄与する請求項26記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該コンピュータープログラムメカニズムが、さらに、複数の有効レポーター配列を含む参照テーブルを含み、ここに、該複数の有効レポーター配列における各有効レポーター配列が第一の標識の対の間の第一の距離、第二の標識の対の間の第二の距離を含み、該プローブ同定モジュールが、さらに、該複数の標識のストリング配列、該第一の距離基準、および該第二の距離基準を参照テーブル中の有効レポーター配列と比較するための指令を含む請求項26記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における候補標識のトリプレットに対する角度基準を適用する請求項19記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における候補標識を選択するためのモデルを適用するための指令を含む請求項19記載のコンピュータープログラム製品。
  • 候補標識を選択するためのモデルを適用するための指令が、線形回帰を適用して、候補標識を選択する指令を含む請求項33記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該標識同定モジュールが、さらに、該複数の候補標識における候補標識がスポット形状基準を満足することを証明するための指令を含む請求項19記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の候補標識における候補標識がスポット形状基準を満足することを証明するための指令が、候補標識上で点広がり関数モデリングを行うための指令を含む請求項35記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の候補標識における候補標識がスポット形状基準を満足することを証明するための指令が、スポットセグメント化アルゴリズムを候補標識に適用するための指令を含む請求項35記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該スポットセグメント化アルゴリズムが分岐点変換を含む請求項37記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における第一の末端候補標識の重心と第二の末端候補標識の重心の間の絶対距離基準を適用する請求項19記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における候補標識を選択した基板の一部の周りのバッファーゾーンを同定するための指令を含み、ここに、該バッファーゾーンにおいて候補標識はない請求項19記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識が基板上に直線状に配列された請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識が同一の直線向きに基板上に直線状に配置された請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識における各標識の直線状の向きが予め決定されている請求項42記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識における各標識の直線状の向きが該基板を横切っての電流の適用によって決定される請求項43記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識における各標識の直線状の向きが、該基板を横切っての流体の適用によって決定される請求項43記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識における各標識が、該複数の光イメージにおける光イメージでの各標識の画素化表示における4と20の間の画素を占める請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識における各標識が、該複数の光イメージにおける光イメージでの各標識の画素化表示における6と30の間の画素を占める請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識における各標識が、該複数の光イメージにおける光イメージでの各標識の画素化表示における1と30の間の画素を占める請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識における各標識が、該複数の光イメージにおける光イメージでの各標識の画素化表示における4と100の間の画素を占める請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該標識同定モジュールが、さらに:
    該複数の光イメージにおける第一の候補標識を同定するための指令;および 第一の候補標識から所定の距離内にある該複数の光イメージにおける第二の候補標識を同定するための指令を含み;
    ここに、該複数の標識は第一の候補標識および第二の候補標識を含む請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の異なる波長範囲が2つの異なる波長範囲と6つの異なる波長範囲の間よりなる請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の異なる波長範囲が、2つの異なる波長範囲と20の異なる波長範囲の間よりなる群から選択される請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識が4つの標識を含む請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識が5つの標識を含む請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数の標識が2つの標識と20の標識の間よりなる請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該ストリング配列における標識の第一のサブセットが、該ストリング配列における標識の第二のサブセットにおける標識の同一性をエラーチェックする請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該ストリング配列における標識の第一のサブセットが、該ストリング配列における標識の第二のサブセットのためのチェックサムである請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該標識同定モジュールが複数の標識を同定するための該指令を複数回反復するための指令を含み、ここに、複数の標識を同定するための該指令が反復される毎に、基板上で相互に近接する異なる複数の標識が該複数の光イメージにおいて同定され;および ここに、該プローブ同定モジュールは、該標識同定モジュールによって同定された各該異なる複数の標識が有効なレポーター配列を含むか否かを決定し、ここに、各該異なる複数の標識について、該プローブ同定モジュールは:
    該異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、該異なる複数の標識がプローブであると見なし;および 該異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、該異なる複数の標識がプローブでないと見なす請求項1記載のコンピュータープログラム製品。
  • 複数のプローブが同定される請求項58記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数のプローブが3以上のプローブよりなる請求項59記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数のプローブが10以上のプローブよりなる請求項59記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該複数のプローブが50未満のプローブよりなる請求項59記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該プローブ同定モジュールが同定されたプローブの各タイプを記憶する請求項58記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該プローブ同定モデルが、有効なレポーター配列として確認されない各異なる複数の標識の各ストリング配列を記憶する請求項58記載のコンピュータープログラム製品。
  • 該プローブ同定モデルが、有効なレポーター配列として確認される各異なる複数の標識の各ストリング配列を記憶する請求項58記載のコンピュータープログラム製品。
  • 基板上に重ねられた試料内のプローブの存在を検出するためのコンピューターシステムであって、ここに、該プローブは複数の空間的に配列された標識を含み、該コンピューターシステムは:
    中央プロセッシングユニット;および 該中央プロセッシングユニットに接続されたメモリーを含み、該メモリーは:
    複数の光イメージを記憶するための指令を含むデータ記憶モジュールであって、該複数の光イメージにおける各光イメージは複数の異なる波長範囲におけるある波長範囲において試料から受ける光についてのものである、データ記憶モジュール;
    該複数の光イメージにおいて、基板上で相互に近接する複数の標識を同定するための指令を含む標識同定モジュールであって、ここに、該複数の標識の空間的順序は該複数の標識のストリング配列を決定する、標識同定モジュール;および 該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列を含むか否かを決定するための指令を含むプローブ同定モジュールを含み;
    該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、該複数の標識がプローブであると見なされ;
    該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、該複数の標識はプローブではないと見なされるコンピューターシステム。
  • 該複数の標識における第一の標識は、該複数の異なる波長範囲における第一の波長範囲において光を発する基板上の第一の位置に関連し、該複数の標識における第二の標識は、該複数の異なる波長範囲における第二の波長範囲において光を発する基板上の第二の位置に関連する請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該第一の波長範囲の一部が該第二の波長範囲の一部に重複する請求項67記載のコンピューターシステム。
  • 該第一の波長範囲が該第二の波長範囲と重複しない請求項67記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識における各標識が、該複数の光イメージにおけるいずれか1つの光イメージにおいて閾値量を超えた光を発する基板上の位置に関連する請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該メモリーが、さらに、複数の有効レポーター配列を含む参照テーブルを記憶し、およびここに、該プローブ同一モジュールは、さらに、該複数の標識のストリング配列を該参照テーブル中の有効なレポーター配列と比較するための指令を含む請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該参照テーブルが次元化され、かつ4 までの異なる有効レポーター配列を保持するように構成された請求項71記載のコンピューターシステム。
  • 該参照テーブルが次元化され、かつ20 20までの異なる有効なレポーター配列を保持するように構成された請求項71記載のコンピューターシステム。
  • 該プローブ同定モジュールが、さらに、有効なレポーター配列として確認されない該複数の標識のストリング配列を記憶するための指令を含む請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該データ記憶モジュールが、さらに、該基板上に存在する複数の基点を用いて、第一の光イメージを、該複数の光イメージにおける第二の光イメージに対して整列させるための指令を含む請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該基板上のプローブの位置がランダムである請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該プローブが単一分子からなる請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該プローブが分子骨格を含み、該複数の標識における各標識が該分子骨格上の異なる位置を表す請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 標識によって表される該分子骨格上の各位置が、スペーサーによって骨格上の隣接位置から分離された請求項78記載のコンピューターシステム。
  • 該プローブが単一鎖デオキシ核酸またはリボ核酸骨格を含み、該複数の標識における各標識は、骨格上の異なる位置にハイブリダイズする染料負荷一本鎖デオキシ核酸またはリボ核酸配列によって表される請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該プローブが第一の端部および第二の端部を有する分子骨格を含み;
    標的特異的配列が該第一の端部に共有結合により付着され;
    バインダー配列が該第二の端部に共有結合により付着され:および 該プローブが(i)該標的特異的配列の、該基板の第一の位置に結合した第一の分子体への結合、および(ii)該バインダー配列の、該基板上の第二の位置に結合した第二の分子体への結合を介して基板上に直線状に配置された請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該第一の分子体が標的(一本鎖核酸またはリボ核酸)−ビオチン複合体であり、および 該第二の分子体が所定の(一本鎖デオキシ核酸またはリボ核酸)−ビオチン複合体である請求項81記載のコンピューターシステム。
  • 該標識同定モジュールが、さらに、該複数の光イメージにおける複数の候補標識を同定するための指令を含み、ここに、該複数の標識は、該標識同定モジュールによって確証された該複数の候補標識のサブセットである請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の候補標識における各候補標識が、該複数の光イメージにおけるいずれか1つの光イメージにおける閾値を超える量の光を発する基板上の位置に関連する請求項83記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識が、該複数の異なる波長における第一の波長範囲において光を発する基板上の第一の位置に関連する第一候補標識を有し、および、該複数の異なる波長範囲における第二の波長範囲において光を発する基板上の第二の位置に関連する第二の候補標識を有する請求項83記載のコンピューターシステム。
  • 該第一の波長範囲の一部が第二の波長範囲の一部と重複する請求項85記載のコンピューターシステム。
  • 該第一の波長範囲が第二の波長範囲と重複しない請求項85記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における、第一の候補標識の重心と第二の候補標識の重心の間の第一の距離基準を適用する請求項83記載のコンピューターシステム。
  • 該第一の距離基準が、該プローブにおける第一の標識と第二の標識の間の計算された距離によって決定される請求項88記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における、第二の候補標識の重心と第三の候補標識の重心の間の第二の距離基準を適用する請求項88記載のコンピューターシステム。
  • 該第二の距離基準が、該プローブにおける第二の標識と第三の標識の間の計算された距離によって決定される請求項90記載のコンピューターシステム。
  • 該第一の距離基準値および該第二の距離基準値が、該複数の標識が該プローブであるか否かの決定に寄与する請求項90記載のコンピューターシステム。
  • 該コンピュータープログラムメカニズムが、さらに、複数の有効レポーター配列を含む参照テーブルを含み、ここに、該複数の有効レポーター配列における各有効レポーター配列が、標識の第一の対の間の第一の距離、および第二の標識の対の間の第二の距離を含み、ここに、該プローブ同定モジュールが、さらに、該複数の標識のストリング配列、該第一の距離基準、および該第二の距離基準を、該参照テーブルにおける有効レポーター配列と比較するための指令を含む請求項90記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における候補標識のトリプレットに対する角度基準を適用する請求項83記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における候補標識を選択するためのモデルを適用するための指令を含む請求項83記載のコンピューターシステム。
  • 候補標識を選択するためのモデルを適用するための該指令が、線形回帰を適用して、候補標識を選択するための指令を含む請求項95記載のコンピューターシステム。
  • 該標識同定モジュールが、さらに、該複数の候補標識における候補標識がスポット形状基準を満足することを証明するための指令を含む請求項95記載のコンピューターシステム。
  • 該スポット形状基準が、該候補標識の観察されたスポット形状と候補標識の倍率によって決定される回折制限点光源の理論的点広がりの間のマッチである請求項97記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の候補標識における候補標識がスポット形状基準を満足していることを証明するための指令が、候補標識上で点広がり関数モデリングを行うための指令を含む請求項97記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の候補標識における候補標識がスポット形状基準を満足していることを証明するための指令が、スポットセグメント化アルゴリズムを候補標識に適用するための指令を含む請求項97記載のコンピューターシステム。
  • 該スポットセグメント化アルゴリズムが分岐点変換を含む請求項100記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における、第一の末端候補標識の重心と第二の末端候補標識の重心の間の絶対距離基準を適用する請求項83記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における候補標識を選択した基板上の一部の周りのバッファーゾーンを同定するための指令を含み、ここに、該バッファーゾーンにおいて候補標識はない請求項83記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識が基板上に直線状に配置された請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識が同一直線向きに基板上に直線状に配置された請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識における各標識が、該複数の光イメージにおける光イメージでの各標識の画素化表示における4と20の間の画素を占める請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該標識同定モジュールが、さらに:
    該複数の光イメージにおける第一の候補標識を同定するための指令;および 該第一の候補標識から所定の距離内にある該複数の光イメージにおける第二の候補標識を同定するための指令を含み;
    ここに、該複数の標識は第一の候補標識および第二の候補標識を含む請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の異なる波長範囲が、2つの異なる波長範囲と20の異なる波長範囲の間よりなる請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該複数の標識が2つの標識と20の標識の間よりなる請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該ストリング配列における標識の第一のサブセットが、該ストリング配列における標識の第二のサブセットにおける標識の同一性をエラーチェックする請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該ストリング配列における標識の第一のサブセットが、該ストリング配列における標識の第二のサブセットのためのチェックサムである請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 該標識同定モジュールが、複数の標識を同定するための該指令を複数回反復するための指令を含み、ここに、複数の標識を同定するための該指令を反復される毎に、基板上で相互に近接する、該複数の光イメージにおける、異なる複数の標識が同定され;および 該プローブ同定モジュールは、該標識同定モジュールによって同定された各該異なる複数の標識が有効レポーター配列を含むか否かを決定し、ここに、各該異なる複数の標識について、該プローブ同定モジュールは:
    該異なる複数の標識のストリング配列が有効レポーター配列として確認される場合、該異なる複数の標識をプローブであると見なし;および 該異なる複数の標識のストリング配列が有効レポーター配列として確認されない場合、該異なる複数の標識がプローブではないと見なす請求項66記載のコンピューターシステム。
  • 複数のプローブが同定される請求項112記載のコンピューターシステム。
  • 該複数のプローブが3以上のプローブを含む請求項113記載のコンピューターシステム。
  • 該プローブ同定モデルが、有効なレポーター配列として確認されない各異なる複数の標識の各ストリング配列を記憶する請求項112記載のコンピューターシステム。
  • 該プローブ同定モデルが、有効なレポーター配列として確認される各異なる複数の標識の各ストリング配列を記憶する請求項112記載のコンピューターシステム。
  • 基板上に重ねられた試料内のプローブの存在を検出するためのシステムであって、該システムは:
    複数の光イメージを測定する光測定メカニズムであって、該複数の光イメージにおける各光イメージは、複数の異なる波長範囲におけるある波長範囲において試料から受けた光についてのものである、光測定メカニズム;
    該複数の光イメージを記憶するための指令を含むデータ記憶モジュール;
    該基板上で相互に近接する該複数の光イメージにおける複数の標識を同定する標識同定メカニズムであって、ここに、該複数の標識の空間的順序は該複数の標識のストリング配列を決定する、標識同定メカニズム;および 該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列を含むか否かを決定するプローブ同定メカニズムを含み、
    ここに、該複数の標識の該ストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、該複数の標識はプローブであると見なされ;
    該複数の標識の該ストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、該複数の標識はプローブではないと見なされるシステム。
  • 該複数の標識における第一の標識が、該複数の異なる波長範囲における第一の波長範囲において光を発する基板上の第一の位置に関連し、および該複数の標識における第二の標識が、該複数の異なる波長範囲における第二の波長範囲において光を発する基板上の第二の位置に関連する請求項117記載のシステム。
  • 該第一の波長範囲の一部が該第二の波長範囲の一部と重複する請求項118記載のシステム。
  • 該システムは、さらに、基板を照射する照射メカニズムを含む請求項117記載のシステム。
  • 該照射メカニズムが励起光源および複数の励起フィルターを含み、ここに、該複数の励起フィルターにおける各励起フィルターを、該複数の光イメージにおける対応する光イメージにおいて用いて、対応する光イメージが測定される場合、該光源を対応する異なるスペクトル範囲に制限する請求項120記載のシステム。
  • 該光測定メカニズムが複数の測定波長フィルターを含み、該複数の測定波長フィルターにおける各測定波長フィルターを、該複数の光イメージにおける対応する光イメージで用いて、対応するスペクトル範囲内にない光を拒絶する請求項117記載のシステム。
  • 該光測定メカニズムは、試料から発せられた光に応答して検出シグナルを形成する光ディテクターを含む請求項117記載のシステム。
  • 該光測定メカニズムは、該基板上に重ねられた試料から発せられた光を測定する検出シグナルによってアドレスされるディテクター回路を含み、該光測定メカニズムは、さらに、複数の標識位置を記憶するための電子メモリーを含み、ここに、該複数の標識位置における各標識位置は、標識を表し、および該複数の標識位置における各標識位置は閾値量を超える光に由来する請求項117記載のシステム。
  • 該標識同定メカニズムが、電子メモリーに記憶された複数の標識位置内から相互に近接する複数の標識も同定する請求項117記載のシステム。
  • 該標識同定メカニズムが、該複数の光イメージにおける複数の候補標識を同定するための指令を含み、およびここに、該複数の標識は該複数の候補標識のサブセットである請求項117記載のシステム。
  • 該複数の候補標識における各候補標識は、該複数の光イメージにおけるいずれか1つの光イメージにおいて閾値量を超える光を発する基板上の位置を含む請求項126記載のシステム。
  • 該複数の標識が、該複数の異なる波長範囲における第一の波長範囲において光を発する第一の候補標識、および該複数の異なる波長範囲における第二の波長範囲において光を発する該複数の標識における第二の候補標識を含む請求項126記載のシステム。
  • 該複数の標識を同定する指令が、該複数の候補標識における、第一の候補標識の重心と第二の候補標識の重心の間の第一の距離基準を適用する請求項126記載のシステム。
  • 該第一の距離基準が、該プローブにおける、第一の標識と第二の標識の間の計算された距離によって決定される請求項129記載のシステム。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における、第二の候補標識の重心と第三の候補標識の重心の間の第二の距離基準を適用する請求項130記載のシステム。
  • 該第二の距離基準が、該プローブにおける第二の標識と第三の標識の間の計算された距離によって決定される請求項131記載のシステム。
  • 該第一の距離基準が第二の距離基準と同一である請求項131記載のシステム。
  • 該第一の距離基準が該第二の距離基準とは異なる請求項131記載のシステム。
  • 該第一の距離基準の値および該第二の距離基準の値が、該複数の標識が該プローブであるか否かの決定に寄与する請求項131記載のシステム。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における候補標識のトリプレットに対する角度基準を適用する請求項126記載のシステム。
  • 該複数の標識を同定するための指令が、該複数の候補標識における候補標識を選択するためのモデルを適用するための指令を含む請求項126記載のシステム。
  • 候補標識を選択するためのモデルを適用するための指令が、線形回帰を適用して、候補標識を選択するための指令を含む請求項137記載のシステム。
  • 該標識同定モジュールが、さらに、該複数の候補標識における候補標識がスポット形状基準を満足することを証明するための指令を含む請求項126記載のシステム。
  • 該スポット形状基準が、該候補標識の観察されたスポット形状と候補標識の倍率によって決定される回折限定点光源の理論的点広がりの間のマッチである請求項139記載のシステム。
  • 該複数の候補標識における候補標識が該スポット形状基準を満足することを証明するための指令が、候補標識について点広がり関数モデリングを行うための指令を含む請求項139記載のシステム。
  • 該複数の候補標識における候補標識が、スポット形状基準を満足することを証明するための指令が、スポットセグメント化アルゴリズムを候補標識に適用するための指令を含む請求項139記載のシステム。
  • 該スポットセグメント化アルゴリズムが分岐点変換を含む請求項142記載のシステム。
  • 該複数の標識が基板上に直線状に配置された請求項117記載のシステム。
  • 該複数の標識の直線向きが予め決定された請求項144記載のシステム。
  • 該複数の標識の直線向きが、該基板を横切っての電流の適用によって決定される請求項144記載のシステム。
  • 該試料内のプローブが、該基板上のランダムな位置において該基板に重ねられた請求項144記載のシステム。
  • 基板上に重ねられた試料内のプローブの存在を検出するための方法であって、ここに、該プローブは複数の空間的に配置された標識を含み、該方法は:
    複数の光イメージにおいて、基板上で相互に近接する複数の標識を同定することであって、ここに、該複数の標識の空間的順序が該複数の標識のストリング配列を決定し、ここに、該複数の光イメージにおける各光イメージは、複数の異なる波長範囲におけるある波長範囲において該試料から受けた光についてのものであることと;
    該複数の標識の該ストリング配列が有効なレポーター配列を含むか否かを決定することとを含み、
    ここに、該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、該複数の標識はプローブであると見なされ;および 該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、該複数の標識はプローブでないと見なされる方法。
  • 該決定工程は、該複数の標識のストリング配列を、参照テーブル中の有効なレポーター配列と比較することを含む請求項148記載の方法。
  • 該方法が、さらに、有効なレポーター配列と確認されない複数の標識のストリング配列を記憶する請求項148記載の方法。
  • 該方法が、さらに、該基板上に存在する複数の基点を用いて、第一の光イメージを、該複数の光イメージにおける第二の光イメージに対して整列させることを含む請求項148記載の方法。
  • 複数の標識を同定するための工程が複数回反復され、ここに、複数の標識を同定する該工程が反復される毎に、該複数の光イメージにおいて、基板上で相互に近接する複数の異なる標識が同定され;該方法は、さらに:
    各該異なる複数の標識が有効なレポーター配列を含むか否か決定することを含み、ここに、各該異なる複数の標識について、
    該異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、該異なる複数の標識はプローブであると見なされ;および 該異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、異なる複数の標識はプローブでないと見なされる請求項148記載の方法。
  • 複数のプローブが同定される請求項152記載の方法。
  • 該複数のプローブが3以上のプローブよりなる請求項152記載の方法。
  • 該複数のプローブが10以上のプローブよりなる請求項152記載の方法。
  • 該方法が、さらに、同定されたプローブの各タイプを記憶することを含む請求項152記載の方法。
  • 有効なレポーター配列として確認されない各異なる複数の標識の各ストリング配列が記憶される請求項152記載の方法。
  • 有効なレポーター配列として確認される各異なる複数の標識の各ストリング配列が記憶される請求項152記載の方法。
  • 说明书全文

    本願は、2006年5月22日に出願された米国仮特許出願第60/802,862号の利益を主張する。 米国仮特許出願第60/802,862号は、本明細書中にその全体が参照として援用される。

    (1.発明の分野)
    本発明は、生体分子試料中の個々の標的分子の検出および定量のための組成物および方法に関する。 特に、本発明は、個々の標的分子に結合することができる、本明細書中においては標識された「ナノレポーター」といわれるコードされ、標識されたレポーター分子に関する。 ナノレポーターの標識のコードを通じて、ナノレポーターの標的分子への結合の結果、標的分子の同定がもたらされる。 また、そのようなナノレポーターを作成し、それを使用する方法も提供される。 該ナノレポーターは、診断、予後、質制御およびスクリーニング適用で用いることができる。

    (2.発明の背景)
    ヒト身体中の全ての細胞は同一遺伝物質を含有するが、同一遺伝子はそれらの細胞の全てにおいて活性ではない。 遺伝子発現パターンの変化は、生物学的機能に対してかなりの影響を有し得る。 遺伝子発現におけるこれらの変動は、改変された生理学的および病理学的プロセスの中核におけるものである。 従って、病気細胞と比較して正常な細胞における遺伝子の発現の同定および定量は、新しい薬物および診断標的の発見を助けることができる。

    核酸は、その特異的ポリヌクレオチド配列に基づいて検出し、定量することができる。 検出および定量の基本的原理が前提となる現存の方法は、試料中の注目する標的配列への標識された相補性プローブ配列のハイブリダイゼーションである。 デュプレックスの形成は、その中に取り込まれた標識の量によって測定して、試料中の標的配列の存在、およびデュプレックス形成の程度を示し、それは標的配列の量に比例する。

    分子ハイブリダイゼーションと呼ばれるこの技術は、複雑な混合物において特異的核酸配列を同定し、分析するための有用なツールであった。 この技術は診断で用いられて、例えば、生物学的試料中の種々の微生物の核酸配列を検出してきた。 加えて、ハイブリダイゼーション技術は、個体の間の遺伝的差または多形をマッピングするのに用いられてきた。 さらに、これらの技術は、細胞の異なる集団における、または異なる剤で処理された細胞における遺伝子発現の差をモニターするのに用いられてきた。

    過去において、少数の遺伝子が一度に複雑な試料中で検出できたに過ぎない。 過去10年内に、いくつかの技術は、いずれか一度に、細胞内の非常に多数の転写体の発現レベルをモニターするのを可能とした(例えば、Schenaら、1995,Science270:467−470;Lockhartら、1996,Nature Biotechnology 14:1675−1680;Blanchardら、1996,Nature Biotechnology 14:1649参照)。 ゲノムのほとんどまたは全てが知られている生物では、細胞内の非常に多数の遺伝子の転写体を分析するのは可能である。 これらの技術のほとんどはDNAマイクロアレイ、このプロセスをより有効とした小型化表面に存在する数千の固定化DNA配列よりなるデバイスを使用する。 マイクロアレイを用い、1回の実験において、生物学的試料中での数千の遺伝子の存在または不存在を検出するのが可能である。 これは、研究者が、1つの試料についていくつかの診断テストを同時に行い、あるいは1つの実験において数千の遺伝子の発現レベルの変化を観察するのを可能とする。 一般に、マイクロアレイは、DNA配列を、グリッド上の正確に規定された位置において、ナイロン膜またはスライドガラスのような表面へのDNA配列の結合によって調製される。 次いで、生物学的試料中の核酸を標識し、アレイにハイブリダイズさせる。 標識された試料DNAは、自動検出に従ってハイブリダイゼーションが起こる、アレイ上の正確な位置をマークする。

    あいにくと、アレイフォーマットの小型化にかかわらず、この方法は、依然として、有意な量の生物学的試料を必要とする。 しかしながら、区別される細胞型の病気となった組織または試料のバイオプシーのようないくつかの場合には、生物学的試料は限定された供給におけるものである。 加えて、マイクロアレイの表面でのハイブリダイゼーションのキネティックスは、少量の溶液においてハイブリダイゼーションよりも効率が低い。 さらに、マイクロアレイハイブリダイゼーション結果に基づいて試料に存在する核酸の量を見積るための方法が存在するが、マイクロアレイ技術は、かくして、個々のレベルでの標的分子の検出を全く可能とせず、かつ、与えられた試料において標的分子の量を直接的定量するためのマイクロアレイ−ベースの方法はない。

    かくして、複雑な混合物における標的分子の正確かつ感度のよい検出、同定および定量に対する要望が存在する。

    本明細書中において、考察または文献の引用は、そのような文献が本発明に対して先行技術であると自認するよう解釈されるべきではない。

    (発明の要旨)
    本発明の1つの態様は、コンピューター読取り可能記憶媒体およびその中に内蔵されたコンピュータープログラムメカニズムを含むコンピュータープログラム製品を提供する。 該コンピュータープログラムメカニズムは、基板上に重ねられた試料内のプローブの存在を検出するためのものである。 該プローブは複数の空間的に配置された標識を含む。 該コンピュータープログラムメカニズムはデータ記憶モジュール、標識同定モジュール、およびプローブ同定モジュールを含む。 該データ記憶モジュールは、複数の光イメージを記憶するための指令を含む。 該複数の光イメージにおける各光イメージは、複数の異なる波長範囲におけるある波長範囲において試料から受けた光についてのものである。 該標識同定モジュールは、該複数の光イメージにおいて、基板上で相互に近接する複数の標識を同定するための指令を含む。 該複数の標識の空間的順序は、該複数の標識のストリング配列を決定する。 該プローブ同定モジュールは、該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列を含むか否かを決定するための指令を含む。 該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、該複数の標識はプローブであると見なされる。 該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、該複数の標識はプローブではないと見なされる。

    いくつかの具体例において、該複数の標識における第一の標識は、該複数の異なる波長範囲における第一の波長範囲において光を発する基板上の第一の位置に関連する。 さらに、該複数の標識における第二の標識は、該複数の異なる波長範囲における第二の波長範囲において光を発する基板上の第二の位置に関連する。 いくつかの具体例において、該第一の波長範囲の一部は該第二の波長範囲の一部と重複する。 いくつかの具体例において、第一の波長範囲の一部は第二の波長範囲のいずれの部分にも重複しない。 いくつかの具体例において、該複数の標識における各標識は、該複数の光イメージにおけるいずれかの1つの光イメージにおいて閾値量を超える光を発する基板上の位置に関連する。

    いくつかの具体例において、コンピュータープログラムメカニズムは、さらに、複数の有効なレポーター配列を含む参照テーブルを含む。 そのような具体例において、プローブ同定モジュールは、さらに、参照テーブルにおける有効なレポーター配列に対して、複数の標識のストリング配列を比較するための指令を含む。 いくつかの具体例において、参照テーブルは次元化され、4 まで、7 まで、または20 20までの異なる有効レポーター配列を保持するように構成される。

    いくつかの具体例において、プローブ同定モジュールは、さらに、有効なレポーター配列として確認されない複数の標識のストリング配列を記憶するための指令を含む。 いくつかの具体例において、該データ記憶モジュールは、さらに、基板上に存在する複数の基点を用いて、該複数の光イメージにおける第二の光イメージに対して第一の光イメージを整列させるための指令を含む。 いくつかの具体例において、基板上のプローブ位置はランダムである。 いくつかの具体例において、プローブは単一分子よりなる。 いくつかの具体例において、プローブは分子骨格を含み、該複数の標識における各標識は分子骨格上の異なる位置を表す。 いくつかの具体例において、標識によって表される分子骨格上の各位置は、スペーサーによって骨格上の隣接する位置から分離される。 いくつかの具体例において、プローブは一本鎖デオキシ核酸またはリボ核酸骨格を含み、該複数の標識における各標識は、骨格上の異なる位置にハイブリダイズする染料負荷一本鎖デオキシ核酸またはリボ核酸配列によって表される。

    いくつかの具体例において、該プローブは第一の端部および第二の端部を有する分子骨格を含む。 標的特異的配列は第一の端部に共有結合により付着される。 バインダー配列は該第二の端部に共有結合により付着される。 そのような具体例において、該プローブは(i)標的特異的配列の、基板の第一の位置に結合した第一の分子体への結合、および(ii)該バインダー配列の、基板上の第二の位置に結合している第二の分子体への結合を介して基板上に直線状に配置される。 いくつかの具体例において、第一の分子体は標的(一本鎖デオキシ核酸またはリボ核酸)−ビオチン複合体であって、第二の分子体は所定の(一本鎖デオキシ核酸またはリボ核酸)−ビオチン複合体である。

    いくつかの具体例において、該標識同定モジュールが、さらに、該複数の光イメージにおける複数の候補標識を同定するための指令を含む。 この複数の標識は、標識同定モジュールによって確証された該複数の候補標識のサブセットである。 いくつかの具体例において、該複数の候補標識における各候補標識は、該複数の光イメージにおけるいずれかの1つの光イメージにおいて閾値量を超える光を発する基板上の位置に関連する。 いくつかの具体例において、該複数の標識は、該複数の異なる波長範囲における第一の波長範囲において光を発する基板上の第一の位置に関連する第一の候補標識、および該複数の異なる波長範囲における第二の波長範囲において光を発する基板上の第二の位置と関連する第二の候補標識を含む。 いくつかの具体例において、該第一の波長範囲の一部は第二の波長範囲の一部と重複する。 いくつかの具体例において、第一の波長範囲は第二の波長範囲と重複しない。 いくつかの具体例において、該複数の標識を同定するための指令には、該複数の候補標識における、第一の候補レベルの重心と第二の候補標識の重心の間の第一の距離基準が適用される。 該第一の距離基準は、該プローブにおける、第一の標識と第二の標識の間の計算された距離によって決定することができる。 いくつかの具体例において、該複数の標識を同定するための指令には、該複数の候補標識における、第二の候補標識の重心と第三の候補標識の重心の間の第二の距離基準が適用される。 第二の距離基準は、該プローブにおける、第二の標識と第三の標識の間の計算された距離によって決定することができる。 いくつかの例において、該第一の距離基準は該第二の距離基準と同一である。 他の場合において、該第一の距離基準は第二の距離基準とは異なる。 いくつかの具体例において、第一の距離基準の値、および第二の距離基準の値は、該複数の標識がプローブであるか否かを決定するのに寄与する。

    いくつかの具体例において、コンピュータープログラムメカニズムは、さらに、複数の有効なレポーター配列を含む参照テーブルを含む。 いくつかの具体例において、該複数の有効レポーター配列における各有効なレポーター配列は、第一の標識の対の間の第一の距離、および第二の標識の対の間の第二の距離を含む。 さらに、プローブ同定モジュールは、該複数の標識のストリング配列、第一の距離基準、および第二の距離基準を、参照テーブルにおける有効なレポーター配列と比較するための指令を含む。

    いくつかの具体例において、該複数の標識を同定するための指令には、該複数の候補標識における候補標識のトリプレットに対する度基準が適用される。 いくつかの具体例において、該複数の標識を同定するための指令は、該複数の候補標識における候補標識を選択するためのモデル(例えば、線形回帰)を適用するための指令を含む。 いくつかの具体例において、該標識同定モジュールは、さらに、該複数の候補標識における候補標識がスポット形状基準を満足することを証明するための指令を含む。 スポット形状基準の例は、候補標識の観察されたスポット形状と候補標識の倍率によって決定された回折限定点光源の理論的点広がりの間のマッチである。 いくつかの具体例において、該複数の候補標識における候補標識がスポット形状基準を満足することを証明するための指令は、候補標識に対して点広がり関数モデリングを行うための指令を含む。 いくつかの具体例において、該複数の候補標識における候補標識がスポット形状基準を満足することを証明するための指令は、スポットセグメント化アルゴリズムを候補標識に適用するための指令を含む。 いくつかの具体例において、スポットセグメント化アルゴリズムは分岐点変換を含む。

    いくつかの具体例において、該複数の標識を同定するための指令には、該複数の候補標識における、第一の末端候補標識の重心と第二の末端候補標識の重心の間の絶対距離基準が適用される。 いくつかの具体例において、該複数の標識を同定するための指令は、該複数の候補標識における候補標識を選択した基板の部分の周りのバッファーゾーンを同定するための指令を含み、ここでは、バッファーゾーンには候補標識はない。 いくつかの具体例において、該複数の標識は(例えば、同一直線状の向きにて)基板上に直線状に配置される。 いくつかの具体例において、該複数の標識における各標識の直線状の向きは(例えば、基板を横切る電流の適用によって、または基板を横切る流体の適用によって)予め決定されている。 いくつかの具体例において、該複数の標識における各標識は、該複数の光イメージにおける光イメージでの各標識の画素化表示において4と20の間の画素、1と30の間の画素、または4と10の間の画素を占める。

    いくつかの具体例において、該標識同定モジュールは、さらに、該複数の光イメージにおける第一の候補標識を同定するための指令、および第一の候補標識からの所定距離内にある該複数の光イメージにおける第二の候補標識を同定するための指令を含む。 そのような具体例において、該複数の標識は第一の候補標識および第二の候補標識を含む。

    いくつかの具体例において、該複数の異なる波長範囲は、2つの異なる波長範囲と6つの異なる波長範囲の間、または2つの異なる波長範囲と20の異なる波長範囲の間よりなる。 いくつかの具体例において、該複数の標識は4または5の標識を含む。 いくつかの具体例において、該複数の標識は2つの標識と20の標識の間よりなる。

    いくつかの具体例において、該ストリング配列における標識の最初のサブセットは、ストリング配列における標識の第二のサブセットにおける標識の同一性をエラーチェックする。 いくつかの具体例において、該ストリング配列における標識の第一のサブセットは、ストリング配列における第二の標識のサブセットについてのチェックサムである。

    いくつかの具体例において、該標識同定モジュールは、複数の標識を同定するための指令を複数回反復するための指令を含む。 複数の標識を同定するための指令を反復するごとに、該複数の光イメージにおいて、基板上で相互に対して近接する異なる複数の標識が同定される。 該プローブ同定モジュールは、該標識同定モジュールによって同定された異なる複数の標識の各々が有効なレポーター配列を含むか否かを決定する。 同定された各異なる複数の標識については、該異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合には、異なる複数の標識はプローブであると該プローブ同定モジュールにより見なされ、該異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合には、異なる複数の標識はプローブではないと該プローブ同定モジュールにより見なされる。 いくつかの具体例において、複数のプローブが同定される。 いくつかの具体例において、複数のプローブは3以上のプローブよりなる。 いくつかの具体例において、複数のプローブは10以上のプローブよりなる。 いくつかの具体例において、複数のプローブは50未満のプローブよりなる。 いくつかの具体例において、プローブ同定モジュールは同定されたプローブの各タイプを記憶する。 いくつかの具体例において、プローブ同定モデルは、有効なレポーター配列として確認されない各異なる複数の標識の各ストリング配列を記憶する。 いくつかの具体例において、該プローブ同定モデルは、有効なレポーター配列として確認される各異なる複数の標識の各ストリング配列を記憶する。

    本発明のもう1つの態様は、基板上に置かれた試料内のプローブの存在を同定するためのコンピューターシステムを提供する。 該プローブは複数の空間的に配置された標識を含む。 該コンピューターシステムは、中央プロセッシングユニット、および該中央プロセッシングユニットに接続されたメモリーを含む。 該メモリーはデータ記憶モジュール、標識同定モジュール、およびプローブ同定モジュールを貯蔵する。 データ記憶モジュールは、複数の光イメージを記憶するための指令を含む。 該複数の光イメージにおける各光イメージは、複数の異なる波長範囲におけるある波長範囲において試料から受けた光についてのものである。 該標識同定モジュールは、該複数の光イメージにおいて、基板上で相互に近接する複数の標識を同定するための指令を含む。 該複数の標識の空間的順序は複数の標識のストリング配列を決定する。 プローブ同定モジュールは、該複数の標識のストリング配列は有効なレポーター配列を含むか否かを決定するための指令を含む。 該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、該複数の標識はプローブであると見なされる。 該複数の標識のストリング配列は有効なレポーター配列として確認されない場合、該複数の標識はプローブでないと見なされる。

    本発明のなおもう1つの態様は、基板上に重ねられた試料内のプローブの存在を検出するためのシステムを含む。 該システムは光測定メカニズム、データ記憶モジュール、標識同定メカニズム、およびプローブ同定メカニズムを含む。 該光測定メカニズムは複数の光イメージを測定する。 該複数の光イメージにおける各光イメージは、複数の異なる波長範囲におけるある波長範囲において試料から受けた光についてのものである。 データ記憶モジュールは、複数の光イメージを記憶するための指令を含む。 該標識同定メカニズムは、基板上で相互に近接する複数の光イメージにおける複数の標識を同定する。 該複数の標識の空間的順序は、該複数の標識のストリング配列を決定する。 該プローブ同定メカニズムは、該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列を含むか否かを決定する。 該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、該複数の標識はプローブであると見なされる。 該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、該複数の標識はプローブではないと見なされる。 いくつかの具体例において、該システムは、さらに、基板を照明する照明メカニズムを含む。 いくつかの具体例において、該照明メカニズムは励起光源および複数の励起フィルターを含む。 該複数の励起フィルターにおける各励起フィルターは、該複数の光イメージにおける対応する光イメージで用いられ、対応する光イメージが測定される場合に、対応する異なるスペクトル範囲に光源を制限する。 いくつかの具体例において、光測定メカニズムは複数の測定波長フィルターを含み、ここに、複数の測定波長フィルターにおける各測定波長フィルターを該複数の光イメージにおける対応する光イメージで用いて、対応するスペクトル範囲内にはない光を拒絶する。 いくつかの具体例において、該光測定メカニズムは、試料から発せられた光に応答して検出シグナルを形成する光ディテクターを含む。

    いくつかの具体例において、該光測定メカニズムは、基板上に重ねられた試料から発せられる光を測定する検出シグナルによってアドレスされるディテクター回路を含む。 そのような具体例において、該光測定メカニズムは、さらに、複数の標識位置を記憶するための電子メモリーを含み、ここに、該複数の標識位置における各標識位置は標識を表し、該複数の標識位置における各標識位置は閾値量を超える光に由来する。 いくつかの具体例において、該標識同定メカニズムは、電子メモリーに記憶された複数の標識位置内からの相互に近接する複数の標識を同定する。 いくつかの具体例において、該標識同定メカニズムは、該複数の光イメージにおける複数の候補標識を同定するための指令を含み、該複数の標識は該複数の候補標識のサブセットである。

    本発明のなおもう1つの態様は、基板上に重ねられた試料内のプローブの存在を検出する方法を提供する。 本発明のこの態様において、該プローブは複数の空間的に配置された標識を含む。 1つのそのような方法において、複数の光イメージにおいて、基板上において相互に近接する複数の標識が同定される。 該複数の標識の空間的順序は該複数の標識のストリング配列を決定する。 該複数の光イメージにおける各光イメージは、複数の異なる波長範囲におけるある波長範囲において試料から受けた光についてのものである。 該方法において、該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列を含むか否かについて決定がなされる。 該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、該複数の標識はプローブであると見なされる。 該複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、該複数の標識はプローブではないと見なされる。

    いくつかの具体例において、該決定工程は、該複数の標識のストリング配列を、参照テーブル中の有効なレポーター配列に対して比較することを含む。 いくつかの具体例において、該方法は、さらに、有効なレポーター配列として確認されない複数の標識のストリング配列を記憶することを含む。 例えば、該ストリング配列を電子メモリーに記憶することができる。 いくつかの具体例において、該方法は、さらに、基板上に存在する複数の基点を用いて、該複数の光イメージにおける第二の光イメージに対して第一の光イメージを整列させることを含む。

    いくつかの具体例において、複数の標識を同定する工程は複数回反復される。 複数の標識を同定する工程が反復されるごとに、該複数の光イメージにおいて、基板上で相互に近接する異なる複数の標識が同定される。 いくつかの具体例において、該方法は、さらに、異なる複数の標識の各々が有効なレポーター配列を含むか否かを決定することを含む。 該異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、各異なる複数の標識はプローブであると見なされる。 さらに、異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、各異なる複数の標識はプローブでないと見なされる。 いくつかの場合において、本発明のこの態様に従うと、複数のプローブが同定される。 例えば、いくつかの具体例において、2以上のプローブ、3以上のプローブ、10以上のプローブ、少なくとも5、10、15、20、50、75、100、150、200、300または400プローブ以上が同定される。

    複数のプローブが同定されるいくつかの具体例において、同定されたプローブの各タイプは記録される。 プローブの「タイプ」は、プローブのストリング配列によって同定される。 各ユニークな有効なストリング配列は異なるプローブのタイプを表す。 いくつかの具体例において、有効なレポーター配列として確認されない各異なる複数の標識の各ストリング配列は記憶される。 このようにして、基板上に生起する共通の条件を決定するのが可能である。 有効なストリング配列を形成しない複数の標識をトラッキングすることによって同定することができる条件の1つのタイプは、基板上に余りにも多くのプローブがある条件である。 基板上に余りにも多いプローブがある場合、隣接するプローブの標識は相互に対して近接するようになり、各標識がいずれのプローブに属するかを決定するのを困難とする。 同定することができる条件のもう1つのタイプは、過剰な数のプローブが全長でない条件である。 いくつかの具体例において、標識、ストリング、有効でないレポーター配列、有効なレポーター配列、プローブのタイプの全ての種は、本発明の方法においてトラックされる。

    図1Aは、2つの8−位置ナノレポーター成分を用いる16−位置ナノレポーターコードを持つデュアルナノレポーターを示す。 図1Bは、1つの8−位置ナノレポーター成分および1つの単一位置ナノレポーター成分を用いる、9−位置ナノレポーターコードを持つデュアルナノレポーターを示す。 図1Cは、1つのゴーストプローブおよび1つの8−位置ナノレポーター成分を用いる、8−位置ナノレポーターコードを持つデュアルナノレポーターを示す。 図1Dは、8−位置ナノレポーターコードを持つ単一ナノレポーターを示す。 図1Aないし1Dにおいて(矢印で示される)星形状はアフィニティータグを示し、これを用いて、イメージングの目的で、ナノレポーターを精製し、またはナノレポーター(またはナノレポーター−標的分子複合体)を固定化することができる。 図1Aないし1Dにおけるナンバリングを施した領域は、別々の標識付着領域をいう。 図1Aの位置12を除いて全ては、灰色、白色、ハッチングを施した、または縞の「太陽」ダイヤグラムとして描かれた、標識モノマーの4つのタイプのうち1つで標識される。 図1Aの位置12は標識されていない「暗いスポット」である。 図1Eおよび1Fは、各々、図1Bおよび1Dのナノレポーターでの変形を表し、そこでは、ナノレポーターが結合する標的分子は(小さなアスタリスクとして示された)ビオチン部位、例えば、標的核酸にランダムに取り込まれたビオチン−修飾ヌクレオチドを含む。 ナノレポーターそれ自体は、さらに、所望により、アフィニティータグ(図示せず)を含む。

    図2Aは、パッチユニットを持つ骨格、およびその長さ方向に配された対応するスプリットフラップを含有するナノレポーターの標識ユニットの模式図である。 図2Bは、1:ナノレポーター骨格(例えば、M13一本鎖DNA)の一部;2:パッチ対;3:スプリットフラップ対;および4:スプリットフラップにハイブリダイズされた、各々が取り込まれた標識モノマーを持つ標識されたオリゴヌクレオチドを含有する、単一パッチ対およびその対応するフラップの成分を示す。 図2Cは、4つの「スポット」を持つナノレポーターを示し、各スポットは60ないし65ヌクレオチドの9つのパッチ対を含有するように設計されており、各々が95ないし100ヌクレオチドのスプリットフラップ対に付着している。 各スプリットフラップ対は、各々が、単一標識モノマーに付着した12のオリゴヌクレオチドに対する結合部位を有した。 各スポットは、従って、108の標識モノマーに対する結合部位を有した。

    RNAセグメントであるパッチがレジスターと共に(図3A)およびそれなくして(図3B)用いることができるナノレポーター。 図3Aおよび3Bは(1)それに対して付着したナノレポーター骨格(黒色太線)、(2)8つのRNAセグメント(線1ないし8)、(3)標的−特異的配列(点線「T」)および(4)ナノレポーター骨格に対して部分的に相補性であって、かつ標的−特異的配列に対して部分的に相補的であるオリゴヌクレオチド(チェッカー線「0」)を描く。 このオリゴヌクレオチドは「リゲーター」オリゴヌクレオチドという。 図3Aにおいて、ただ1つのレジスター、すなわち各交互RNAセグメントが標識される。 第二のレジスター位置は「スペーサー」として働き、コード中の連続位置は同一の「色」であるか、あるいはスペクトル的に区別できないナノレポーターコードを生じさせるのを可能とする。 図3Bにおいて、双方のレジスター、すなわち、介入スペーサーがない隣接RNAセグメントを同一「色」の最も近い隣接体で標識しない。

    図4は、標的分子にハイブリダイズしたデュアルナノレポーターのイメージである。 ここに、双方のレジスターは標識される。 ナノレポーターは3つの異なる色、Alexa488、Cy3およびAlexa647(各々、1、2および3で標識する)で標識される。 左側の括弧はデュアルナノレポーターの1つのプローブを示し、右側の括弧はデュアルナノレポーターの他のプローブを示す。 色1、2および3が、各々、異なるチャネルで得られ、スポットの列として観察された第一および第二のレジスターは、数個の画素だけシフトして、各レジスターを個々に示すことができる。

    この図面は、図4に示されたデュアルナノレポーターの種々の成分を示す。 図5Aは1つの色(ここに、塗りつぶしていない丸として左欄に示されたAlexa488)を示し、これは、(垂直にストライプの丸として左欄に示された図5Bに示された)Cy3および(対角線上にストライプの丸として図5Cに示された)Alexa647からスペクトル的に区別できる。 各々から得られたイメージを重ね合わせて、図5Dを得た。

    図6Aは、図6Bおよび6Cに示された実験の概略説明図である。 この場合、星印は、ストレッチングに先立って一端で複合体を表面に付着させるのに用いたビオチンを表す。 図6Bおよび6Cは、S2−Aゴーストプローブ、S2−B標識ナノレポーターおよびS2標的DNA(図6B)またはS2標的RNA(図6C)がハイブリダイズされた実験からのイメージを示す。 図6Eは、図6Bからのナノレポーター複合体のクローズアップを示し、各々が、S2−Aゴーストプローブ、S2−B標識ナノレポーターおよびS2−標的DNAを含有する。 図6Dは、S2−Aゴーストプローブ、およびS2−B標識ナノレポーターがハイブリダイズされたが、S2標的RNAはされなかった陰性対照実験のイメージを示す。

    図7A、7B、7Cおよび7Dはナノレポーター骨格上のパッチの異なる順列を示す。 図7Eおよび7Fは、図7Gにおけるように、所望により、1以上のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたナノレポーター骨格上のスプリットフラップの異なる順列を示す。 図7Aないし7Gにおいて、αは5'または3'分子または分子の端部をいい、およびβは対応する3'または5'分子または分子の端部をいう。

    図7A、7B、7Cおよび7Dはナノレポーター骨格上のパッチの異なる順列を示す。 図7Eおよび7Fは、図7Gにおけるように、所望により、1以上のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされたナノレポーター骨格上のスプリットフラップの異なる順列を示す。 図7Aないし7Gにおいて、αは5'または3'分子または分子の端部をいい、およびβは対応する3'または5'分子または分子の端部をいう。

    図8は、一本鎖M13ファージがナノレポーター骨格として用いられるために線状化された模式図を示す。 円状M13ファージは5倍過剰なBamH1カッターオリゴヌクレオチド(ハッチングを施した線)にアニールされ(1)、その結果得られた部分的に二本鎖のM13が、制限エンドヌクレアーゼBamH1で消化され(2)、その結果、BamH1カッターオリゴヌクレオチドが依然として付着した線状化M13が得られる(3)。 このM13−オリゴヌクレオチド複合体を、BamH1カッターオリゴヌクレオチド(「抗−BamH1オリゴヌクレオチド」)(灰色線)に相補的な過剰のオリゴヌクレオチドの存在下で加熱する(4)。 BamH1カッターオリゴヌクレオチドは過剰の抗−BamH1オリゴヌクレオチドにアニールされ、M13分子は、例えば、サイズ排除カラムを用いることによって、オリゴヌクレオチドから精製され、M13骨格を得る。

    図9は、本発明の具体例に従ったコンピューターシステムを説明する。

    図10Aは単一アフィニティータグA1を含有する標識されたナノレポーターを示す。 もう1つのアフィニティータグA2は、図10Bに示されるように、A2を含有する分子へのナノレポーターの直接的結合によってナノレポーターに付着させることができる(例えば、もしナノレポーターが核酸であるか、またはそれを含めばそれはA2が付着されたもう1つの核酸と直接的にハイブリダイズすることができる)。 別法として、第二のアフィニティータグA2は、図10Cに示されたブリッジング核酸(「X」)のようなブリッジング分子を介して標識されたナノレポーターに付着させることができる。

    図11Aないし11Bは、1つの端部において、アフィニティータグA1を持つ標識された(核酸−ベースの)ナノレポーターを示す。 図11において、標識されたナノレポーターは、A1の固定化されたアフィニティーパートナーへの結合を通じて固定化される。 ナノレポーターの他端は溶液中(図11A)にあるが、ナノレポーターを固定化するのに用いるもう1つのアフィニティータグ(A2)を含有する相補的オリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって固定化することができる(図11B)。 A1およびA2は、アビジン−またはストレプトアビジン−被覆表面への固定化のための同一の、例えば、ビオチンであり得る。 A1の固定化に際して、例えば、ナノレポーターコードの検出を可能とするように、標識付着領域の分離のため、例えば、エレクトロストレッチングによって図11に示すようにナノレポーターをストレッチ、または「伸ばす」ことができる。 所望により、ナノレポーターが伸びた状態にある間に、A2を導入し、A2に相補的なナノレポーターの端部を表面に結合させる。

    図12Aは固定化された第一の部分F1を含むナノレポーターの説明図であり;および図12Bは、電場において伸びた、かつ固定化された第一の部分F1および固定化された第二の部分F2を含むナノレポーターの説明図を供し、ここに、F2は分子F3との複合体を介して固定化される。

    図13Aは、伸びたナノレポーターの固定化のための3−メンバー複合体の模式図であり;図13Bは伸びたナノレポーターの固定化のための2−メンバー複合体の説明図を供し;および図13Cは、伸びたナノレポーターの固定化のための不完全な複合体の説明図を供する。

    図14Aは固定化された第一の部分F1を含むナノレポーターの説明図を示し;図14Bは第一の部分F1において、および第二の部分において、F2との複合体を介して固定化された伸ばされたナノレポーターの説明図を供し;図14Cは、ビオチンを介してアビジン表面に固定化された第一の部分を含むナノレポーターの説明図を供し;および図14Dは、第一の部分において、および第二の部分において、アビジン表面へのビオチンの選択的結合を介して固定化された伸びたナノレポーターの説明図を供する。

    図15Aはミクロ流体デバイスにおけるDNA分子の1つの末端の固定化を示し;図15Bは電場におけるDNAの伸長を示し;および図15Cは伸びたDNA分子の第二の末端の選択的固定化を示す。

    図16は、本発明の方法によって選択的に固定化された伸びたナノレポーターのイメージを供する。

    (発明の詳細な説明)
    本発明は、ナノレポーター、およびその製造および使用に関する。 十分に組立てられ、かつ標識されたナノレポーターは、2つの主な部分、標的分子に結合することができる標的−特異的配列、および標的−特異的配列に関連するシグナルの「コード」(「ナノレポーターコード」)を発する標識された領域を含む。 ナノレポーターの標的分子への結合に際して、ナノレポーターコードは、ナノレポーターが結合した標的分子を特定する。

    ナノレポーターはモジュールの構造である。 一般に、ナノレポーターは3つの基本的エレメント:2以上の標識付着領域を含有する骨格、該骨格に付着した1以上のパッチ、および該骨格にも付着した標的−特異的配列を含有する分子体である。 ナノレポーターのエレメントは単一の分子体(「シンギュラー」ナノレポーター)、または2つの区別される分子体(「デュアル」ナノレポーター)で見出すことができる。 各分子体は、1つの分子、あるいは、共有結合または非−共有結合手段によってもう1つの分子に付着した1を超える分子から構成され得る。 一般に、デュアルナノレポーターの各成分は、同一標的分子上の異なる部位に結合する標的−特異的配列を有する。 これは、ナノレポーターの標的分子への結合のより効果的なキネティックス、およびより大きな結合特異性に由来する良好なシグナル:ノイズ比率を持つより小さなナノレポーター成分を可能とする。

    ナノレポーター骨格に付着したパッチは、標識モノマーをナノレポーター骨格に付着させるように働く。 パッチは、例えば、1以上の標識モノマーの核酸パッチへの共有結合取り込みによって直接的に標識することができる。 別法として、パッチは、例えば、1以上の標識モノマーの核酸フラップへの共有結合取り込みによって直接的に、あるいは例えば、核酸の、1以上の標識モノマーに共有結合により付着したオリゴヌクレオチドへのハイブリダイゼーションによって間接的に標識することができるフラップに付着させることができる。 標識付着領域に付着した標識モノマーがパッチまたはフラップに直接的に取り込まれない場合、該パッチまたはフラップは標識モノマーと標識付着領域の間の「ブリッジ」として働き、これは、「ブリッジング分子」、例えば、ブリッジング核酸ということができる。

    加えて、ナノレセプターは、精製のために、および/または(例えば、固体表面への)固定化のためにアフィニティータグを有することができる。 ナノレポーター、またはナノレポーター−標的分子複合体は、好ましくは、2以上のアフィニティー選択工程において精製される。 例えば、デュアルナノレポーターにおいては、1つのプローブは第一のアフィニティータグを含むことができ、および他のプローブは第二の(異なる)アフィニティータグを含むことができる。 プローブを標的分子と混合し、デュアルナノレポーターの2つのプローブを含む複合体を、個々のアフィニティータグの一方または双方に対するアフィニティー精製によって結合していない物質(例えば、標的、またはナノレポーターの個々のプローブ)から分離する。 第一の工程において、第一のアフィニティータグおよび所望の複合体を含む唯一のプローブが精製されるように、混合物を第一のアフィニティータグのためにアフィニティー試薬に結合させることができる。 結合した物質を第一のアフィニティー試薬から放出させ、所望により、第二のアフィニティータグのためにアフィニティー試薬に結合させ、第一のアフィニティータグを含むプローブからの複合体の分離を可能とする。 この時点において、十分な複合体のみが結合するであろう。 複合体は、第二のアフィニティータグのためにアフィニティー試薬から最終的に放出され、続いて、好ましくは、伸ばされ、イメージされる。 アフィニティー試薬は、結合パートナーで被覆されたカラム、ビード(例えば、ラテックスまたは磁性ビード)またはスライドのようなアフィニティータグについての結合パートナーで被覆されたいずれの固体表面でもあり得る。 アフィニティー試薬を用いるナノレポーターの固定化およびストレッチングは、ここに引用してその全体を援用する、2005年12月23日に出願された代理人書類番号11616−014−888の、“Compositions Comprising Oriented,Immobilized Macromolecules and Methods for Their Preparation”と題された、Sean M. Ferree and Dwayne L. Dunawayによる米国仮出願第60/753,816号に十分に記載されている。

    核酸である、または核酸を含むナノレポーターおよびナノレポーター−標的複合体は、ナノレポーターまたは標的の少なくとも一部に対して相補的である、オリゴヌクレオチドのような核酸を用いてアフィニティー−精製し、または固定化することができる。 標的がポリAまたはポリdAストレッチを含む特別な適用において、ナノレポーター−標的複合体は、ポリdTオリゴヌクレオチドで被覆したアフィニティー試薬によって精製し、または固定化することができる。

    与えられたナノレポーターの骨格の種々の標識付着領域に会合した標識モノマーによって発せられるシグナルの配列は、ナノレポーターのユニークな同定を可能とする。 ユニークな同一性またはユニークなスペクトルシグニチャーを有するナノレポーターは、特異的標的分子またはその部分を認識する標的−特異的配列に会合する。 ナノレポーターが、ナノレポーターの標的−特異的配列の、標的分子への結合を許す条件下で標的分子を含有する混合物に暴露された場合、標的−特異的配列は標的分子に優先的に結合する。 ナノレポーターに関連するスペクトルコードの検出は、混合物において標的分子の存在の検出を可能とする(定性的分析)。 与えられたスペクトルコードまたはシグニチャーに関連する全ての標識モノマーの計数は、ナノレポーターにカップリングした標的−特異的配列に会合した混合物における全ての分子の計数を可能とする(定量的分析)。 かくして、ナノレポーターは、公知の生物学的マーカーの定量的分析によって、異なる生物学的状態(例えば、病気vs.健康)の診断または予後で有用である。 さらに、本発明のナノレポーターによって供される、単一分子検出および定量の優れた感度は、異なる生物学的状態の中の乱れが余りにも少なくて、伝統的な分子方法を用いて特定の生物学的状態との相関を検出できないことを含めた、新しい診断および予後マーカーの同定を可能とする。 ナノレポーター−ベースの分子検出の感度は、小さな生物学的試料における治療および診断剤の詳細なファルマコキネティック分析を可能とする。

    シンギュラーナノレポーターという多くのナノレポーターは、図1Dに示したように、1つの分子体から構成される。 しかしながら、ナノレポーターの特異性を増加させ、および/または標的分子へのその結合のキネティックスを改良するためには、好ましいナノレポーターは、各々、同一標的分子の異なる領域に結合する異なる標的−特異的配列を含有する2つの分子体から構成されるデュアルナノレポーターである。 デュアルナノレポーターの種々の具体例は図1Aないし1Cに描かれる。 デュアルナノレポーターにおいては、2つの分子体の少なくとも1つは標識される。 他の分子体は必ずしも標識されない。 デュアルナノレポーターのそのような標識されていない成分は、本明細書中においては、「ゴ−ストプローブ」といい(図1C参照)、しばしば、デュアルナノレポーターおよび標的分子を含有する複合体を固定化し、および/または伸ばして、複合体の可視化および/またはイメージングを可能とするのに有用な付着したアフィニティータグを有する。

    それらの分子構造のため、ナノレポーターを種々の異なる方法で組み立て、標識することができる。 例えば、ナノレポーター骨格を(例えば、ハイブリダイゼーションおよび、所望により、連結によって)標的−特異的配列に付着させることができ、骨格および標的−特異的配列を含む構造を1以上のパッチおよび、望めば、フラップに付着させる。 別法として、ナノレセプター骨格を、まず、1以上のパッチ(および、所望により、フラップ)に付着させることができ、続いて骨格/パッチ構造が標的−特異的配列に結合される。 かくして、特に断りのない限り、ナノレポーター組立てにおける工程の考察またはリストは、組立ての具体的経路が従われなければならないことを意味しない。

    ナノレポーターの組立ておよび使用は、本明細書中においては、種々の核酸−ベースのナノレポーターの記載によって大いに例示されるが、当業者であれば、本明細書中に記載された方法はアミノ酸−ベースの(またはハイブリッド核酸−/アミノ酸−ベースの)ナノレポーターに適用することができるのを認識するであろう。 部分的および十分に組立てられたナノレポーターの説明的具体例を以下にリストする。

    その最も単純なものとして、ナノレポーターは、標識し、解像することができる少なくとも2つの標識付着領域を有する骨格を含む。 該骨格は、別々に標識し、解像することができる骨格上での標識付着領域の形成を可能とするいずれの分子体でもあり得る。 骨格上に形成されるべき標識付着領域の数は骨格の長さおよび性質、ナノレポーターを標識する手段、ならびに骨格の標識付着領域に付着したシグナルを発生する標識モノマーのタイプに基づく。 本発明によるナノレポーターは、2以上の標識付着領域を含めた骨格を有することができる。 適当な骨格構造は、DNA−ベースの骨格を含む。

    本発明は、標識されたナノレポーターを提供し、そこでは1以上の標識付着領域が対応する標識モノマーに付着しており、各標識モノマーはシグナルを発する。 例えば、本発明による標識ナノレポーターは、少なくとも2つの標識モノマーが、これらの標識された標識付着領域、または「スポット」が識別可能なように、骨格の2つの対応する標識付着領域に付着した場合に得られる。 骨格の異なる標識付着領域に会合したシグナルを発する標識モノマーは、検出条件下でスペクトル的に識別できないシグナル(「様」シグナル)を発することができるか、あるいは検出条件下でスペクトル的に識別可能なシグナルを発することができる。

    また、本発明は、2以上の標識モノマーが標識付着領域に付着したナノレポーターを提供する。 標識付着領域と会合した標識モノマーによって発生られるシグナルは、検出される凝集シグナルを生じる。 生じた凝集シグナルは様シグナルからなるものでよく、または少なくとも2つのスペクトル的に識別可能なシグナルからなるものでよい。

    1つの具体例において、本発明は、様シグナルを発する少なくとも2つの標識モノマーが骨格の2つの対応する標識付着領域に付着しており、かつ2つの標識モノマーが空間的に識別可能であるナノレセプターを提供する。 もう1つの具体例において、本発明は、2つの識別可能なシグナルを発する少なくとも2つの標識モノマーが2つの隣接する標識付着領域、例えば、少なくとも2つの標識モノマーがスペクトル的に識別可能であるような2つの隣接標識付着領域に付着しているナノレポーターを提供する。

    本発明は、様シグナルを発する2つのスポットがスペーサー領域によって分離されているナノレポーターを提供する。 そのようなスペーサー領域は、2つのスポットに付着した標識モノマーによって発せられる様シグナルの解像または良好な解像を可能とする。 1つの具体例において、スペーサー領域は、ナノレポーターを検出するにおいて使用される機器の解像によって決定される長さを有する。

    本発明は、1以上の「二重スポット」を持つナノレポーターを提供する。 各二重スポットは、スペーサー領域によって分離されることなく、様シグナルを発する2以上の(例えば、3つ、4つまたは5つの)隣接スポットを含有する。 二重スポットはそれらのサイズによって同定することができる。 本発明によるシグナルを発する標識モノマーは、標識付着領域に付着したパッチに(例えば、ハイブリダイゼーションを介して)共有結合的に、または非共有結合的に付着することができる。 標識モノマーは、骨格に付着したパッチに付着したフラップに(例えば、ハイブリダイゼーションを介して)共有結合的に、または非共有結合的に付着させることもできる。 フラップは、スプリットフラップを形成する1つの分子、または2以上の分子(「フラップピース」)によって形成することができる。

    本発明は、ナノレポーターの骨格上の標識付着領域に(例えば、パッチを介して間接的に)付着した標識モノマーによって発せられるシグナルの配列によって決定されるスペクトルコードに関連するナノレポーターも提供し、それにより、スペクトルコードの検出はナノレポーターの同定を可能とする。

    1つの具体例において、本発明は、支持体へのアフィニティータグの付着が、骨格上の異なる標識付着領域に対応する標識モノマーによって発せられるシグナルの骨格の伸びおよび解像を可能とするように、ナノレポーター骨格に付着したアフィニティータグをさらに含むナノレポーターを提供する。 ナノレポーターストレッチングは、限定されるものではないが、物理的、水学または電気的手段に関連する手段を含めた、当該分野で知られたいずれのストレッチング手段も含むことができる。

    なおもう1つの具体例において、本発明は、骨格の標識付着領域に付着したフラップをさらに含むナノレポーターを提供し、そこでは、骨格の標識付着領域に付着したフラップは、標識付着領域に対応する標識モノマーに付着し、それにより、骨格上の対応する標識付着領域に標識モノマーを間接的に付着させる。 さらなる具体例において、各標識モノマーはシグナルを発する部分および所定の配列のオリゴヌクレオチド部分を含み、およびフラップは対応する標識のオリゴヌクレオチド部分に対して相補的なフラップ配列の反復を含み、それにより、1以上の標識モノマーが、フラップ配列の反復への標識モノマーのオリゴヌクレオチド部分のハイブリダイゼーションを介して対応する標識付着領域に付着し、それにより、標識されたナノレポーターを生じさせる。

    本発明によるナノレポーターは、さらに、骨格にカップリングした標的−特異的配列をさらに含むことができる。 標的−特異的配列は、ナノレポーターが標的分子を認識し、それに結合し、または付着するのを可能とするように選択される。 本発明のナノレポーターは、全てのタイプの標的分子の同定で適当である。 例えば、適当な標的−特異的配列をナノレポーターの骨格にカップリングさせて、標的分子の検出を可能とすることができる。 好ましくは、標的分子は(cDNAを含めた)DNA、(mRNAおよびcRNAを含めた)RNA、ペプチド、ポリペプチド、または蛋白質である。

    本発明の1つの具体例は、本発明による標識モノマーでの標的分子検出において増大した柔軟性を提供する。 この具体例において、各々が、その少なくとも1つが標識された別々の標的−特異的領域を持つ、2つの異なる分子体を含むデュアルナノレポーターは同一標的分子に結合する。 かくして、デュアルナノレポーターの2つの成分の標的−特異的配列は、選択された標的分子の異なる部分に結合し、それにより、デュアルナノレポーターに関連するスペクトルコードの検出は、デュアルナノレポーターと接触した生体分子試料における選択された標的分子の検出を提供する。

    本発明は、:(i)デュアルナノレポーターにおける標的−特異的配列の標的分子への結合を可能とする条件下で試料をデュアルナノレポーターと接触させ、次いで、(ii)デュアルナノレポーターと関連するスペクトルコードを検出することを含む、生体分子試料中の特異的標的分子の存在を検出する方法も提供する。 ナノレポーター人工物に依存して、デュアルナノレポーターは、標的分子への結合の前または後に標識することができる。

    ナノレポーターの構造的安定性は、パッチの連結および、所望により、スプリットフラップおよび/またはスプリットフラップにハイブリダイズした標識オリゴヌクレオチドの連結も介して増大させることができる。

    本発明のナノレポーターによって供される定性的分析能力、およびそれに基づく分析技術に加えて、本発明のナノレポーターは、定量的分析を行うのにユニークに適している。 本発明の(シンギュラーまたはデュアルナノレポーターであるかを問わず)ナノレポーターと生体分子試料内のその標的分子との間に1対1結合を供することによって、試料に存在する標的分子の全てのまたは代表的な部分を同定し、カウントすることができる。 種々の分子種のこの個々の計数は、生体分子試料中の標的分子の絶対的または相対的濃度を決定するための正確かつ直接的方法を提供する。 さらに、混合物中の各分子をアドレスする能力は、高感度、最小試料量要件、小容量における液相キネティックスによって供される高い反応速度、および結局は非常に低い試薬コストの利点を個々に高める。

    以下に供する記載および実施例から認識されるように、本発明は多数の利点を供する。 例えば、本発明によりナノレポーターを形成するにおける複雑なモジュール方式は、非常に高い程度の多様性を有するユニークなナノレポーター(例えば、数百万のユニークに認識可能なナノレポーター)のライブラリーの系統的作成を可能とする。 このモジュール方式は、有意な製造効率を供する具体的適用に対するナノレポーター集団におけるカスタマイズの柔軟性を可能とする。 以下の記載を通じて認識されるであろうもう1つの利点は、本発明のナノレポーターを組立てるにおける柔軟性に由来する。 すなわち、そのモジュールの構造のため、本発明のナノレポーターは、使用の地点への出荷に先立って組立てることができるか、あるいは使用の地点において組立てることができる。

    5.1 ナノレポーターの命名法 本明細書中で用いる全ての用語は、特に断りのない限り、当業者に対するその通常の意味を有する。 以下の用語は以下の意味を有すべきである。

    結合対。 用語「結合対」とは、相互に対して選択的に結合することができ、すなわち、組成物中の他の成分に対するよりも大きな親和性でもって相互に結合することができる第一および第二の分子または部位をいう。 結合対のメンバーの間の結合は共有結合、または非共有結合であり得る。 ある具体例において、結合は非共有結合である。 例示的な結合対は免疫学的結合対(例えば、対応する抗体またはその結合部分または断片と組合せたハプテンまたは抗原性化合物、例えば、ジゴキシゲニンおよび抗−ジゴキシゲニン、フルオレセインおよび抗−フルオレセイン、ジニトロフェノールおよび抗−ジニトロフェノール、ブロモデオキシウリジンおよび抗−ブロモデオキシウリジン、マウス免疫グロブリンおよびヤギ抗−マウス免疫グロブリン)、および非免疫学的結合対(例えば、ビオチン−アビジン、ビオチン−ストレプトアビジン、ホルモン−ホルモン結合蛋白質、受容体−受容体リガンド(例えば、アセチルコリン受容体−アセチルコリンまたはそのアナログ)、IgG−プロテインA、レクチン−炭水化物、酵素−酵素補因子、酵素−酵素阻害剤、核酸デュプレックスを形成することができる相補的ポリヌクレオチド対、等)を含む。 例えば、免疫反応性結合メンバーは抗原、ハプテン、アプタマー、抗体(一次または二次)、およびその複合体を含むことができ、組換えDNA方法またはペプチド合成によって形成されたものを含む。 抗体はモノクローナルまたはポリクローナル抗体、組換え蛋白質またはその混合物または断片、ならびに抗体および他の結合メンバーの混合物であってよい。 他の通常の結合対は、限定されるものではないが、ビオチンおよびアビジン(またはその誘導体)、ビオチンおよびストレプトアビジン、炭水化物およびレクチン、(プローブおよび捕獲核酸配列を含めた)相補的なヌクレオチド配列、組換え方法によって形成されたものを含めた相補的ペプチド配列、エフェクターおよび受容体分子、ホルモンおよびホルモン結合蛋白質、酵素補因子および酵素、酵素阻害剤および酵素等を含む。

    暗いスポット。 用語「暗いスポット」とは、ナノレポーター上の標識付着部位からのシグナルまたは「スポット」の欠如をいう。 暗いスポットをナノレポーターコードに取込んで、より多くのコード順列を加え、ナノレポーター集団におけるより大きなナノレポーター多様性を生じさせることができる。

    伸びた状態。 用語「伸びた状態」とは、当業者によって伸びたと認識されるであろう状態のナノレポーターをいう。 ある具体例においては、ナノレポーターは、それが溶液中でのその天然の立体配座に対して伸びている場合、伸びた状態にある。 ある具体例において、ナノレポーターは、それがナノレポーターを伸ばすことができる力の場にある場合、伸びた状態にある。 ある具体例において、ナノレポーターの伸びた状態は定量的に決定することができる。 そのような具体例において、当業者であれば、ナノレポーターの端部−端部ベクターとしてのR、すなわち、ナノレポーターの2つの末端の間の距離として認識し、およびRの95%が当業者に適したと見なされる溶液中で2<R>内にあるような、平均端部−端部ベクターとしても<R>を認識するであろう。 例示的な溶液は、例えば、水またはpH緩衝液中のナノレポーターの希薄な溶液を含む。 特別な具体例において、ナノレポーターは、Rが2.0<R>よりも大きな伸びた状態にある。

    フラップ。 本明細書中で用いる用語「フラップ」とは、標識付着領域に付着したパッチまたはパッチ対に付着した分子体をいう。 該フラップは、標識モノマーを含有する1以上の分子であるか、あるいは標識モノマーを含有する1以上の分子に結合することができる。 領域の間接的な標識を供することによって、フラップは、領域に関連するシグナルを発するモノマーの数、ならびにそれらのモノマーの性質を制御するにおいてより大きな柔軟性を供する。 フラップは、「スプリットフラップ」を形成する単一分子ピースまたはいくつかの分子のピース(例えば、2つのピース)によって形成され得る(例えば、図7参照)。

    ゴーストプローブ。 標的−特異的配列を含むが、ナノレポーターコードに寄与するシグナルを発する標識モノマーで標識されていない分子。

    標識されたナノレポーター。 標識されたナノレポーターは、該ナノレポーターの少なくとも1つのパッチが、ナノレポーターコードの少なくとも一部を形成するシグナルを発する1以上の標識モノマーに付着されたナノレポーターである。

    標識ユニット。 用語「標識ユニット」とは、標識されたナノレポーターの非−標的−特異的部分をいう。

    ナノレポーター。 用語「ナノレポーター」とは、(i)少なくとも2つの標識付着領域を含有する分子(「骨格」);(ii)少なくとも1つの標識付着領域に付着した少なくとも1つのパッチ;および(iii)標的−特異的配列を有する分子体をいう。 後に詳細に記載されるように、ナノレポーターはシンギュラーナノレポーター(全ての成分は単一分子体中にある)またはデュアルナノレポーター(全ての成分は2つの別々の分子体中にある)であり得る。 ナノレポーターは、好ましくは、合成、すなわち、天然に生じない分子であり、例えば、1を超える分子(例えば、プラスミド、染色体、ウイルスゲノム、蛋白質など)に通常存在する2以上の人造および/または天然に生じる配列を連結することによって作製されたキメラ分子である。

    ナノレポーターコード。 ナノレポーターからのスポットの順序および性質(例えば、主な発光波長、また所望により長さ)は、ナノレポーターの標的特異的配列を通じてナノレポーターによって結合され得る標的分子を同定するナノレポーターコードとして働く。 ナノレポーターが標的分子に結合すると、ナノレポーターコードは、また、標的分子を同定する。 所望により、スポットの長さはナノレポーターコードの成分であり得る。

    配向状態。 用語「配向状態」とは、当業者によって配向されたのが認識されるであろう状態にあるナノレポーターをいう。 ある具体例において、ナノレポーターは、それが溶液中でその天然立体配座に対して配向している場合、配向した状態にある。 ある具体例において、ナノレポーターは、それがナノレポーターを配向させることができる力の場と平行に配置されている場合、配向している。 ある具体例において、ナノレポーターは、それが当業者によって認識されるように平行に配置されている複数のナノレポーターの1つである場合、配向している。

    パッチ。 用語「パッチ」とは、一般には、ナノレポーターを標識する目的で、ナノレポーター骨格の標識付着領域に付着した分子体をいう。 該パッチは、骨格へのその付着に先立って、またはその後に、それに直接的に(共有結合により、または非共有結合により)、または間接的に付着しているのいずれかである1以上の標識モノマーを有することができる。

    プローブ。 これは、標的−特異的配列を有する分子をいう。 シンギュラーナノレポーターの関係では、用語「プローブ」とは、ナノレポーターそれ自体をいい;デュアルナノレポーターとの関係では、用語「プローブ」とは、ナノレポーターの2つの成分の一方または双方をいう。

    プローブ対。 用語「プローブ対」とは、デュアルナノレポーターをいう。

    レジスター。 用語「レジスター」とは、交互標識付着領域の組をいう。

    選択的結合。 用語「選択的結合」とは、当業者によって認識されるであろう組成物における他の分子または部位に関して相互に対する分子または部位の対のいずれかの優先的結合をいう。 ある具体例において、分子または部位の対は、それらが他の分子または部位と比較して相互に優先的に結合する場合、選択的に結合する。 選択的結合は、もう1つの分子または部位に対する1つの分子または部位の親和性、または結合活性、又はその両方を含むことができる。 特別な具体例において、選択的結合は、約1×10 −5 M未満、または約1×10 −6 M、1×10 −7 M、1×10 −8 M、1×10 −9 M、または1×10 −10 M未満の解離定数(K )を要する。 対照的に、ある具体例においては、非−選択的結合は有意により低い親和性、例えば、1×10 −3 Mよりも大きなK を有する。

    スポット。 スポットは、ナノレポーター検出との関係では、ナノレポーター上の単一標識付着部位に結合し、かつ標識付着領域のサイズおよび標識モノマーの性質(例えば、主な発光波長)に依存して、顕微鏡下で可視化した場合に、光の単一点源として出現し得る標識モノマーから検出される凝集シグナルである。 ナノレポーターからのスポットは、重複しているか、または重複していなくてもよい。 その標的分子を同定するナノレポーターコードは、スポットの長さのいずれかの順列、他のスポットに対するその位置、および/またはそのシグナルの性質(例えば、主な発光波長)を含むことができる。

    標的−特異的配列。 用語「標的−特異的配列」とは、標的分子に結合することができる分子体をいう。 ナノレポーターとの関係では、標的−特異的配列はナノレポーター骨格に付着している。 標的分子は、好ましくは(しかしながら、必然的ではないが)、天然に生じる分子、または天然に生じる分子のcDNA、または該cDNAの相補体である。

    5.2 ナノレポーター骨格 ナノレポーター骨格はいずれかの分子体、より好ましくは、標識モノマーが直接的にまたは間接的に付着することができる標識付着領域を含有する核酸分子であり得る。 1つの具体例において、ナノレポーター骨格は蛋白質骨格であり;好ましい具体例において、ナノレポーター骨格は、標識付着領域が、オリゴヌクレオチドパッチ、RNAパッチ、またはDNAパッチのような他の核酸がハイブリダイゼーションによって付着することができる一本鎖領域である核酸骨格である。 特別な具体例において、ナノレポーター骨格は核酸分子である。

    本発明のナノレポーターを形成するのに適当な骨格のタイプに対して特別な制限はない。 本発明による骨格は、本質的には、例えば、一本鎖直線状骨格、二本鎖直線状骨格、一本鎖円状骨格または二本鎖円状骨格を含めたいずれかの構造を有することができる。 骨格構造の例は、例えば、ポリペプチド、核酸または炭水化物のような1つの分子体から作製された骨格を含む。 骨格は構造の組合せを含むこともでき、例えば、骨格は、1以上の炭水化物ストレッチにカップリングされた1以上のポリペプチドストレッチから作製することができる。

    本発明による骨格に対する適当な分子体は、ポリマー構造、特に、DNAのような核酸ベースのポリマー構造を含む。 DNAベースの構造は、少なくとも部分的には、DNA構築体の操作を可能とする膨大な普遍的な現存の技術および方法のため、本発明との関係で多数の利点を供する。

    先に示したように、骨格は一本鎖または二本鎖であってよい。 二本鎖骨格は、慣用的な二本鎖DNA、あるいはパッチユニットまたは平坦−パッチが付着した核酸の直線状一本鎖ストレッチから構成される二本鎖のいずれかであり得る。 直線状骨格の形成スキームは図8に示される。

    骨格は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21ないし100の標識付着領域、またはそれ以上を有することができる。

    ナノレポーター骨格の標識付着領域は、標識の方法に依存してサイズは変化するであろう。 種々の具体例において、標識付着領域は10nmないし10,000nmのいずれかの長さを有するが、より好ましくは、50nmないし5,000nm、より好ましくは100nmないし1,000nmである。 種々の具体例において、標識付着領域は約100nmないし約500nm、約150nmないし約450nm、約200nmないし約400nm、または250ないし約350nmである。 好ましい具体例において、標識付着領域は、約300nmである、回折−制限スポット、例えば、標準オプティックスで検出することができる最小のスポットのサイズに密接に対応する。

    骨格が核酸である場合、1nmはほぼ3つのヌクレオチドに対応し;かくして、ほぼ300nm−標識付着領域はほぼ900塩基に対応する。 他の好ましい具体例において、標識付着領域は約300ヌクレオチドないし約1.5kb、約450ヌクレオチドないし約1.35kb、約0.6kbないし約1.2kb、または0.75kbないし約1.05kbである。

    本発明によるナノレポーター骨格に対する分子体の説明例は、一本鎖であるM13DNAである。 1つの具体例において、ナノレポーター骨格は、円状M13のような、円状の少なくとも部分的に一本鎖のDNAである。 より好ましい具体例において、ナノレポーター骨格は、直線状M13のような直線状の少なくとも部分的に一本鎖のDNAである。 特別な具体例において、M13一本鎖DNAは、円状M13DNAのBamH1部位において切断を操作することによって得られる。

    本発明の関係内では、直線状DNAは円状DNAと比較してさらなる利点を供することに注意すべきである。 本発明による骨格を形成するにおける直線状DNAを用いる1つの利点は、直線状DNAに関連する有意に低下したトーション応力に関する。 円状DNAに関連する加えられたトーション応力は、パッチユニットのような、ナノレポーターの他の成分の骨格への付加に際して、骨格の構造的一体性に干渉し得る。 酷いトーション応力は、骨格の構造の破壊に導き得る。 しかしながら、ナノレポーターでは、ただ数個の短い標識付着部位が標識される場合、円状DNAは適当であろう。

    5.2.1 新規な合成ナノレポーター骨格配列 本発明は、ナノレポーターの標識および検出を最適化する特徴を有するように設計された人工核酸分子(DNA、RNA、またはDNA/RNAハイブリッド)であるナノレポーター骨格を提供する。 本発明のこれらの態様において、ナノレポーター骨格は、50ないし50,000塩基長である1以上の合成配列を含む人工核酸である。 従って、好ましくはDNAであるナノレポーター骨格は、特定の塩基の規則的なパターン(「規則的に反復した塩基」)を含む、標識付着領域として有用な1以上の領域を有するように設計されている。 そのような領域において、規則的に反復した塩基は、nがいずれかの数、好ましくは、4ないし25である各n番目の残基の周期性でもって起こる。

    好ましくは、領域における規則的に反復した塩基の25%以下は、規則的間隔以外において出現する。 例えば、もし100ヌクレオチドの領域において、12のチミジンの塩基があって、かつチミジンが規則的に反復した塩基であれば、本発明のこの態様において、これら、すなわち、3つのチミジン塩基の25%以下はチミジンの規則的なパターンの外部に出現する。 特別な具体例において、塩基の20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、または1%以下は、領域において規則的間隔以外で出現する。

    ナノレポーター骨格における規則的に反復した塩基、またはアニールされたパッチ(またはセグメント)におけるその相補的規則的反復塩基を用いて、標識モノマー、好ましくは、光を発する標識モノマーを、ナノレポーターシグナルの良好な分布のための規則的な均一に間隔が設けられたパターンにてナノレポーターに付着させることができる。 好ましくは、領域が標識されている場合、規則的に反復した塩基の出現の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または少なくとも98%は、標識モノマーの塩基への共有結合付着によって、または規則的に反復した塩基の相補体がそのように標識された核酸へのハイブリダイゼーションによって、少なくとも1つの光を発する標識モノマーに付着される。

    出現のこのパーセンテージは当該分野で知られたいずれかの手段によって測定することができる。 1つの方法において、標識反応において生じた該量の核酸を精製し(例えば、RNAはQiagen RNeasyキットを用いて精製することができる)、UV分光分析に付される。 適当な波長における吸光度(「A」)は、核酸(260nm)、およびその出現が測定されるべき標識分子(例えば、Alexa Fluor 488については495nm;Alexa Fluor 594については590nm;Alexa Fluor 647については650;およびCy3については550nm)の各々について測定される。 核酸の吸光度は修正可能であり、260nmにおける吸光度(「A260」)の値を調整して、標識モノマーについてのピーク波長における吸光度(A LM )から合計標識モノマーについての修正因子を差し引くことによって、標識モノマーから「ノイズ」寄与を除去することによって修正される。 核酸がRNAである場合、1000ヌクレオチドあたりの標識の数は式:

    [式中、EC

    LMは標識モノマーについての消光計数である]


    に従って計算することができる。 この式から、光を発する標識モノマーに付着した規則的反復塩基の出現のパーセンテージを計算することができる。

    一般に、標識付着領域における好ましい規則的に反復する塩基はチミジンであり、従って、該領域は、規則的に反復した塩基がウリジンである1以上の相補的パッチ(例えば、RNAセグメント)へのハイブリダイゼーションによって標識することができる。 これは、そうでなければランダムな配列において、標識モノマー付着部位としての、容易に商業的に入手可能な、アミノ−アリル−修飾UTPの使用を可能とする。 好ましくは、領域の規則的周期性に加えて、領域(およびそれを含む核酸)は、最小の二次的構造を含有する。 総じてのGC−含有量は、好ましくは、50%近くに維持され、好ましくは、比較的短いストレッチに渡って合致して、局所的なTmを同様なものとする。

    本発明の人工的核酸、または少なくともその中の領域は、好ましくは、長さが12塩基よりも大きな直接的、または逆転した反復を有しない。 他の具体例において、人工的核酸および/または領域は、長さが11、10または9塩基よりも大きな直接的、または逆転した反復を有しない。

    規則的に反復したヌクレオチドがチミジンであって、GC含有量がほぼ50%である例示的な領域において、過剰なアデニンはTの豊富性において喪失を補充するであろう。 選択された配列を生じさせるためには、各4番目の塩基ないし各25番目の塩基の範囲のTの固定されたパターンを持つランダムな配列を作り出し、逆転したおよび直接的反復の存在を最小とするようにスクリーニングする。

    また、配列は、好ましくは、共通する6塩基カッター制限酵素認識部位を回避するようにスクリーニングする。 選択された配列は、加えて、予測された二次的構造分析に付され、最小の二次的構造を持つものを、さらなる評価のために選択する。 MFOLDプログラム(Zuker,2003,Nucleic Acids Res.31(13):3406−15;Mathewsら、1999,J.Mol.Biol.288:911−940)のような、当該分野で知られたいずれかのプログラムを用いて、二次的構造を予測することができる。

    適当な配列を、50塩基ないし2キロベース長(より長くあり得る)の範囲の標識付着領域に分割する。 各標識付着領域はユニークな配列であるが、与えられたレポーター配列における他の標識付着領域に加えて、Tの一定数および間隔を含有する。 これらの標識付着領域には、その配列が重要でない他の領域が間に存在し得る。 ナノレポーター骨格における合成標識付着領域は異なる長さのものとすることができ、および/または異なる規則的反復塩基を有することができる。 (転写体の位置+1で始まる)RNAポリメラーゼT7、T3、またはSP6による転写についての最適化された開始配列を、各標識付着領域の5'末端に付加することができる。 制限部位を、所望により、各標識付着領域の境界に加えて、慣用的なクローニング技術を用い、個々の標識付着領域の配列への特異的付加、またはその欠失を可能とする。 ナノレポーターにおける合成標識付着領域の数は、好ましくは、1ないし50の範囲である。 なお他の具体例において、ナノレポーターにおける合成標識付着領域の数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10合成標識付着領域ないし15、20、30、40または50合成標識付着領域の範囲であり、または間のいずれかの範囲である。

    そのような新規な合成標識付着領域の例を以下に掲げる。 5'から3'にかけて示したこの配列においては、Tは各8番目の位置に置かれ、該領域は5'SacI制限部位および3'KpnI制限部位によって境界が形成されている。 T7ポリメラーゼ(GGGAGA)についての最適化された転写体開始部位は、5'制限部位から下流の領域の5'末端に含まれる。 この配列の相補体は、一本鎖分子として生じさせた場合、この標識付着領域から転写されたRNA分子についての骨格を形成する。

    本発明の合成核酸は、天然に生じるヌクレオチド、あるいは分子の生物学的安定性を増大させるように、または、標識付着領域およびアニールされたパッチまたはセグメントの間で形成されたデュプレックスの物理的安定性を増大させるように設計された種々に修飾されたヌクレオチドを用いて化学的に合成することができ、例えば、ホスホロチオエート誘導体およびアクリジン置換分子を用いることができる。 合成核酸を生じさせるのに用いることができる修飾されたヌクレオチドの例は5−フルオロウラシル、5−ブロモウラシル、5−クロロウラシル、5−ヨウドウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4−アセチルシトチン、5−(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチルー2−チオウリジン、5−カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、ベータD−ガラクトシルケオシン、イノシン、N6−イソペンテニルアデニン、1−メチルグアニン、1−メチルイノシン、2,2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、3−メチルシトシン、5−メチルシトシン、N6−アデニン、7−メチルグアニン、5−メチルアミノメチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、ベータD−マンノシルケオシン、5'−メトキシカルボキシメチルウラシル、5−メトキシウラシル、2−メチルチオ−N6−イソペンテニルアデニン、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、ケオシン、2−チオシトシン、5−メチル−2−チオウラシル、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、5−メチル−2−チオウラシル、3−(3−アミノ−3−N−2−カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、および2,6−ジアミノプリンを含む。

    別法として、合成核酸は、核酸がサブクローンされたベクターを用いて生物学的に生産することができる。

    種々の具体例において、本発明の合成核酸分子は、塩基部位、糖部位またはホスフェート骨格において修飾して、例えば、分子の安定性、ハイブリダイゼーション、または溶解性を改良することができる。 例えば、核酸のデオキシリボースホスフェート骨格を修飾して、ペプチド核酸を生じさせることができる(Hyrupら、1996,Bioorganic & Medical Chemistry 4(1):5−23参照)。 本明細書中で用いるように、用語「ペプチド核酸」または「PNA」とは、デオキシリボースホスフェート骨格がプソイドペプチド骨格によって置き換えられ、4つの天然ヌクレオベースのみが保持されている核酸ミミック、例えば、DNAミミックをいう。 PNAの中性骨格は、低イオン強度の条件下でDNAおよびRNAへの特異的ハイブリダイゼーションを可能とすることが示されている。 PNAオリゴマーの合成は、Hyrupら、1996,Bioorganic & Medical Chemistry 4(1):5−23;Perry−O'Keefeら、1996,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:14670−675に記載されているような標準固相ペプチド合成プロトコルを用いて行うことができる。

    例示的な具体例において、選択された新規な合成配列は、商業的遺伝子合成会社によって二本鎖DNAとして合成より構築することができ、「ファゲミド」、pUC119のような、DNA複製およびファージキャプシド化に必要なシス−作用性配列を含有するM13またはf1ファージ遺伝子間(IG)領域を含有するプラスミドベクターに配向させてクローン化することができる。 ファージの複製起点に対するクローン化されたインサートの適当な配向は、各標識付着領域のためのイン・ビトロ転写によって生じたRNA分子の逆相補体である一本鎖DNA骨格の作製を可能とする。

    例として、新規なレポーターの一本鎖DNA骨格を生じさせるために、ファゲミドを、F'エピソームを含有するE. coli株に形質転換する。 M13突然変異体K07のようなヘルパーファージでの形質転換細菌の引き続いての感染の結果、標準的なプロトコルを用いて円状一本鎖DNAがそれから調製される一本鎖のパッケージされたファージとして新規なレポーター配列を運ぶファゲミドが分泌される。 このDNAを線状化し、短い相補性オリゴヌクレオチドを新規なレポーター配列のいずれかの末端にアニールして二本鎖制限部位を生じさせ、続いて、適当な制限酵素で処理することによって、ベクター部分を切り出す。

    例として、各標識付着領域についてのRNA分子(パッチまたは「セグメント」)を作製するために、転写体開始部位の直接的に上流(5'側)のRNAポリメラーゼプロモーター(T7,T3,またはSP6)で開始し、3'制限酵素部位に続いて終了して、二本鎖鋳型を生じるようにPCRプライマーを設計する。 この鋳型を用い、RNA分子のイン・ビトロ転写を、RNA中のアミノ−アリル修飾された規則的に反復した塩基(例えば、UTP)および修飾されていない他の塩基(例えば、ATP、CTPおよびGTP)の存在下で行う。 これは、各規則的に反復された塩基(例えば、U)が、RNA分子におけるその位置での標識モノマーの共有結合カップリングを可能とするように修飾されたRNA産物に導く。

    光を発する標識モノマーのRNA分子へのカップリング、および骨格への標識されたRNA分子のアニーリングを以下に記載するように行う。

    デ・ノボ配列についてのいくつかの設計的考慮を以下の表1にリストする。

    5.3 パッチ ナノレポーターコードの全てまたは部分を構成するシグナルを発する標識モノマーを、本明細書中においては、「パッチ」という構造を介するナノレポーター骨格の標識付着領域に付着させる。 標識モノマーはパッチに直接的に(例えば、共有結合により、または非共有結合により)付着させることができるか、または(例えば、ハイブリダイゼーションを通じて)パッチに間接的に付着させることができる。

    核酸パッチは、長さが25ヌクレオチドないし数キロベース(例えば、5kb)のどこかであり得、好ましくは、長さが50ヌクレオチドないし2kbである。 特別な具体例において、核酸パッチは、長さが、ほぼ25ないし250、50ないし200、50ないし150、または50ないし100ヌクレオチドである。 他の具体例において、核酸パッチは長さがほぼ500ないし2,000、500ないし1,500、500ないし1,000、750ないし1,250、または750ないし1,000ヌクレオチドである。 核酸パッチはRNAパッチまたはDNAパッチであり得る。

    標識モノマーは、パッチがナノレポーター骨格の標識付着領域に付着された前または後にパッチに共有結合により付着させることができる。 例えば、パッチが核酸分子である場合、標識は、標識モノマーを含有するヌクレオチドをその合成の間であるが、それが、例えば、ハイブリダイゼーションを介して骨格の標識付着領域に付着された後に、核酸に取込むことによって共有結合により付着させることができる。 別法として、核酸パッチの合成の間に、標識モノマーアクセプター基を含有するヌクレオチドを含め、それが骨格の標識付着領域に付着される前または後いずれかに、標識モノマーをその合成後に核酸パッチに付加させる。 別法として、標識モノマーは、例えば、標識モノマーのナノレポーターへの付着のための基礎として働く「フラップ」へのパッチのハイブリダイゼーションによってパッチへ間接的に付着させることができる。

    かくして、パッチが核酸である場合、それは、ナノレポーターの組立ての方法に依存して、長さが20ヌクレオチドないし5kbを超えるまでのどこかの範囲とすることができる。

    例えば、パッチが、標識されたナノレポーターの関係でナノレポーターコードの一部であるシグナルを発する1以上の標識モノマーをそれに共有結合により取込んだ場合、それは長さが好ましくは約500ないし1500ヌクレオチドであり、一般には、本明細書中においては、標識モノマーの取込みに先立ってパッチである「セグメント」、「暗色」セグメント(しかしながら、好ましい具体例においては、アミノアリルヌクレオチドのような標識モノマーアクセプター部位を含有する)、および所望の標識モノマーまたは標識モノマー類を含有するものである「着色」セグメントをいう。

    パッチがナノレポーターへのフラップ付着のための鋳型として単に働く場合、それはサイズが好ましくはより小さく、例えば、長さは約25ないし250ヌクレオチドである、最も好ましくは、長さが約50ないし100ヌクレオチドである。 そのようなパッチは、本明細書中においては、「オリゴヌクレオチドパッチ」という。 以下のセクションにおいて詳細に記載するように、オリゴヌクレオチドは、それが骨格にアニールされた場合、負ラップの全部または一部に対して相補的である突出が生じるように、骨格に対して配列が好ましくは部分的に相補的である。

    用語「セグメント」および「オリゴヌクレオチドパッチ」は、本明細書中においては、単に記載の便宜性のために用い;しかしながら、「オリゴヌクレオチドパッチ」から「セグメント」を識別するためのサイズカットオフはない。 双方のタイプの構造の目的は、ナノレポーターからの、標識−およびかくしてシグナル強度を最小化し、それにより、ナノレポーターによる単一標的分子検出を可能とする。

    ある態様において、本発明は、核酸(骨格)のストランド、および該ストランドにハイブリダイズした複数のパッチ対を含む、その立体配置が図7Aを参照することによって示される、合成分子を提供し、ここに、各パッチ対は「A」パッチおよび「B」パッチを含み、各パッチ対について、(a)各「A」パッチは第一の領域(1P)および第二の領域(2P)を含むオリゴヌクレオチドであり、第一の領域は(i)「A」パッチのアルファ末端におけるもの、および(ii)該ストランドの第一の部分にハイブリダイズされており、第二の領域が(ii)「A」パッチのベータ末端におけるものであり;(b)各「B」パッチは第三の領域(3P)および第四の領域(4P)を含むオリゴヌクレオチドであり、第三の領域は(i)「B」パッチのアルファ末端におけるものであり、および(ii)「A」パッチの第二の領域にハイブリダイズされており、第四の領域は(i)「B」パッチのベータ末端におけるものであり、および(ii)外ストランドの第二の部分にハイブリダイズされており、該ストランドの第二の部分はストランドの第一の部分のベータ末端に対するものであり、ここに、該第二の領域または該第三の領域は、さらに、各々、そのベータ末端またはアルファ末端において、各々、「B」パッチまたは「A」パッチにハイブリダイズしないハイブリダイズ可能な領域を含む。

    図7Aの合成分子において、第二の領域は、さらに、そのベータ末端において、図7Bに示すように、「B」パッチにハイブリダイズしないハイブリダイズ可能な領域を含み、あるいは第三の領域は、さらに、図7Cに示すように、そのアルファ末端において、「A」パッチにハイブリダイズしないハイブリダイズ可能な領域を含む。

    本発明は、さらに、核酸(骨格)のストランド、および該ストランドにハイブリダイズされた複数のパッチ対を含む、その立体配置が図7Dを参照して示される、合成分子を提供し、ここに、各パッチ対は「A」パッチ「B」パッチを含み、ここに、各パッチ対については、(a)各「A」パッチは第一の領域(1P)および第二の領域(2P)を含むオリゴヌクレオチドである、第一の領域は(i)「A」パッチのアルファ末端におけるものであり、および(ii)ストランドの最初の部分にハイブリダイズされており、第二の領域は(ii)「A」パッチのベータ末端におけるものであり;(b)各「B」パッチは第三の領域(3P)および第四の領域(4P)を含むオリゴヌクレオチドであり、第三の領域は(i)「B」パッチのアルファ末端におけるものであり、および(ii)「A」パッチの第二の領域にハイブリダイズされており、第四の領域は(i)「B」パッチのベータ末端におけるものであり、および(ii)該ストランドの第二の部分にハイブリダイズされており、該ストランドの第二の部分はストランドの第一の部分の最初に対するものであり、ここに、第二の領域は、さらに、そのベータ末端において、「B」パッチに対してハイブリダイズされていない第一のハイブリダイズ可能な領域を含み、および、ここに、第三の領域は、さらに、そのアルファ末端において、「A」パッチにハイブリダイズされない第二のハイブリダイズ可能な領域を含む。

    図7Bの合成分子において、各パッチ対は、図7Fに示したように、フラップ対に付着することができ、ここに、各フラップ対は「A」フラップおよび「B」フラップを含み、ここに、各フラップ対については、(a)各「A」フラップは第一のフラップ領域(1F)および第二のフラップ領域(2F)を含むオリゴヌクレオチドであり;第一のフラップ領域は「A」フラップのアルファ末端におけるものであり;第二のフラップ領域は(i)「A」フラップのベータ末端におけるものであり、および(ii)「A」パッチ、「B」パッチまたは「B」フラップにハイブリダイズされないハイブリダイズ可能な領域をそのベータ末端において含むものであり;および(b)各「B」フラップは第三のフラップ領域(3F)、第四のフラップ領域(4F)、および第五のフラップ領域(5F)を含むオリゴヌクレオチドであり;該第三のフラップ領域は(i)「B」フラップのアルファ末端におけるものであり、および(ii)「A」パッチ、「B」パッチまたは「A」フラップにハイブリダイズされないハイブリダイズ可能な領域をそのアルファ末端において含み;該第四のフラップ領域は(i)該第三のフラップ領域と第五のフラップ領域の間におけるものであり、および(ii)「A」フラップの第一のフラップ領域にハイブリダイズされており;該第五のフラップ領域は(i)「B」フラップのベータ末端におけるものであり、および(ii)「A」パッチの第二の領域のハイブリダイズ可能な領域にハイブリダイズされている。

    図7Cの合成分子において、各パッチ対は、図7Eに示すように、フラップ対に付着することができ、ここに、各フラップ対は「A」フラップおよび「B」フラップを含み、ここに、各フラップ対については、(a)各「A」フラップは第一のフラップ領域(1F)、第二のフラップ領域(2F)、および第三のフラップ領域(3F)を含むオリゴヌクレオチドであり;「A」フラップ領域は(i)「A」フラップのアルファ末端におけるものであり、および(ii)「B」パッチの第三の領域のハイブリダイズ可能な領域にハイブリダイズされており;該第二のフラップ領域は第一のフラップ領域と第三のフラップ領域の間にあり;該第三のフラップ領域は(i)「A」フラップのベータ末端におけるものであり、および(ii)「A」パッチ、「B」パッチまたは「B」フラップにハイブリダイズされていないハイブリダイズ可能な領域をそのベータ末端において含み、(b)各「B」フラップは第四のフラップ領域(4F)および第五のフラップ領域(5F)を含むオリゴヌクレオチドであり;第四のフラップ領域は(i)「B」フラップのアルファ末端におけるものであり、および(ii)「A」パッチ、「B」パッチまたは「A」フラップにハイブリダイズされていないハイブリダイズ可能な領域をそのアルファ末端に含み;第五のフラップ領域は(i)「B」フラップのベータ末端におけるものであり、および(ii)「A」フラップの第二のフラップ領域にハイブリダイズされている。

    図7Dおよび7Eの合成分子において、スプリットフラップは、図7Gに示すように、1つ(例えば、(1O))、またはそれを超える(例えば、(2O)および(3O))オリゴヌクレオチドに付着させることができる。 かくして、1以上のオリゴヌクレオチドは、個々に、「A」フラップ(例えば、(1O))、個々に、「B」フラップ(例えば、(3O))の全てまたは部分に付着させることができ、あるいは「A」フラップおよび「B」フラップの各々の全てまたは部分にわたることができる(例えば、(2O))。 そのようなオリゴヌクレオチドは、好ましくは、1以上の標識モノマーに共有結合する。

    合成分子のハイブリダイズ可能な領域は、各々が、少なくとも1つの標識モノマーに、より好ましくは、少なくとも5つの標識モノマーに結合した、好ましくは共有結合した複数のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズされうる。 ある具体例において、単一パッチ対に付着した全てのオリゴヌクレオチドは同一の標識モノマーを含み、例えば、同一波長における光を発する標識モノマーを含み;特別な具体例において、少なくとも2つの、少なくとも4つの隣接するパッチ対に付着した全てのオリゴヌクレオチドは、好ましくは、同一標識モノマーを含む。 オリゴヌクレオチドの1以上は少なくとも1つのアフィニィティータグに結合することができる。

    ある好ましい具体例において、標識モノマーはフルオロフォアまたは量子ドットである。

    前記した合成分子において、アルファは5'または3'いずれかをいうことができ、および対応するベータは、各々、3'または5'いずれかをいうことができる。

    各パッチ対における、または与えられたパッチと対応するフラップの間の相補的な領域は、好ましくは、20ないし5,000ヌクレオチドである。 ある具体例において、相補性の領域は20ないし100ヌクレオチド、または5ないし50ヌクレオチドである。

    前記した合成分子において、各フラップは、好ましくは、長さが50ないし5,000ヌクレオチドである。 ある具体例において、各フラップは50ないし150ヌクレオチドである。

    前記した合成分子は、さらに、標的分子に結合する標的−特異的領域をさらに含むことができる。 標的−特異的領域は、ストランドのベータまたはアルファ末端に付着することができる。

    ある具体例において、前記した合成分子は少なくとも10のパッチ対、または少なくとも50パッチ対を含む。

    前記した合成分子において、ストランドまたは骨格は線状化M13のような線状化ベクターであり得る。

    前記した合成分子は、さらに、(a)第一のシグナルを構成する光を発する1以上の標識モノマーが(直接的にまたは間接的に)付着した第一の標識付着領域;(b)第二のシグナルを構成する光を発する1以上の標識モノマーが付着した第一の標識付着領域に重複していない第二の標識付着領域;(c)第三のシグナルを構成する光を発する1以上の標識モノマーが付着した、第一および第二の標識付着領域に重複していない第三の標識付着領域を含み;ここに、各付着領域は複数のパッチ対を含み;ここに、第一および第二のシグナルはスペクトル的に識別でき;ここに、第二および第三のシグナルはスペクトル的に識別でき;ここに、第一および第二のシグナルな、第一、第二および第三のシグナルを検出するのに用いることができる条件下で空間的に解像可能でなく;ここに、第二および第三のシグナルは、第一、第二および第三のシグナルを検出するのに用いることができる条件下で空間的に解像可能でなく;ここに、第一および第三のシグナルは、第一、第二および第三のシグナルを検出するのに用いることができる条件下で空間的に解像可能であり、;およびここに、第一、第二および第三のシグナルの同一性、および相互に対する第一および第三のシグナルの位置は、標的分子を同定するコードの少なくとも一部を構成する。

    5.4 標識モノマー 本発明のナノレポーターは、放射性同位体、フルオロクローム、染料、酵素、ナノ粒子、ケミルミネセントマーカー、ビオチン、あるいは(例えば、光発光によって)直接的に、または(例えば、蛍光−標識抗体の結合によって)間接的に検出することができる当該分野で知られた他のモノマーのような種々の標識モノマーのいずれかで標識することができる。 一般に、ナノレポーターにおける標識付着領域の1以上を1以上の標識モノマーで標識し、ナノレポーターの標識付着領域に付着した標識モノマーによって発せられたシグナルは、ナノレポーターの標的−特異的領域が結合する標的を同定するコードを構成する。 ある具体例において、標識付着領域(すなわち、「暗所」スポット)からの与えられたシグナルの欠如もまた、ナノレポーターコードの部分を構成することもできる。 暗所スポットの例は、図1Aにおけるナノレポーターの位置12において描かれえる。

    放射性同位体は、本発明によって利用することができる標識モノマーの例である。 いくつかの放射性同位体は、例えば、 32 P、 33 P、 35 S、 Hおよび125 Iを含めた標識ヌクレオチドまたは蛋白質についての標識モノマーとして用いることができる。 これらの放射性同位体は、特定の実験の必要性にマッチするように仕立てることができる異なる半減期、崩壊のタイプ、およびエネルギーのレベルを有する。 例えば、 Hは低いバックグラウンドレベルをもたらす低いエネルギーエミッターであるが、この低いエネルギーもまた、オートラジオグラフィーのための長い時間をもたらす。 放射性標識リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドおよびアミノ酸は商業的に入手可能である。 第一のまたはαのホスフェート基、または第三のまたはγのホスフェート基において放射性標識されたヌクレオチドが入手可能である。 例えば、[α− 32 P]dATPおよび[γ− 32 P]dATPの双方が商業的に入手可能である。 加えて、放射性標識分子についての異なる特異的活性もまた商業的に入手可能であり、異なる実験のために仕立てることができる。

    本発明によって利用することができる標識モノマーのもう1つの例はフルオロファである。 いくつかのフルオロファは、例えば、フルオレセイン、テトラメチルローダミン、およびテキサスレッドを含めた標識ヌクレオチドについての標識モノマーとして用いることができる。 いくつかの異なるフルオロファが知られており、生産されるようにより継続され、全スペクトルにわたる。 また、同一フルオロファの処方は異なる適用で生産されてきた。 例えば、フルオレセインは、カルボキシフルオレセインスクシンイミジルエステル(FAM)の混合同位体または単一同位体形態として、またはフルオレセインの異性体ジクロロトリアジン形態(DTAF)として、そのイソチアシアネート形態(FITC)において用いることができる。 これらのモノマーは化学的に区別されるが、515ないし520nmの間のピークにて全てが光を発し、それにより、同様なシグナルを生じる。 フルオレセインの化学的修飾に加えて、完全に異なるフルオロファが合成されており、これはフルオレセインと同一または非常に同様な発光ピークを有する。 例えば、オレゴングリーン染料が、フルオレセインと比較して、実質的に重ね合わせることができる励起および発光スペクトルを有する。 ロードルグリーンおよびローダミングリーンのような他のフルオロファは、それらの発光ピークにおいてわずかにシフトするに過ぎず、従って、また、フルオレセインに対する代替物として機能的に働く。 加えて、異なる処方または関連染料は、スペクトルの他の部分において光を発する他のフルオロフォアの周りで開発されてきた。

    また、非−放射性および非−蛍光標識モノマーも入手可能である。 例えば、ビオチンはヌクレオチドに直接的に付着することができ、(ホスファターゼ、ルシフェラーゼまたはペルオキシダーゼのような)比色反応を触媒する酵素に化学的にカップリングされているアビジンまたはストレプトアビジンに対する特異的かつ高い親和性によって検出される。 ジゴキシゲニン標識ヌクレオチドもまた、核酸の非−同位体検出のために同様に用いることもできる。 ビオチニル化およびジゴキシゲニン−標識ヌクレオチドは商業的に入手可能である。

    ナノ粒子と呼ばれる非常に小さな粒子もまた標識モノマーとして用いて、核酸を標識することができる。 これらの粒子はサイズが1ないし1000nmの範囲であって、金および銀粒子、および量子ドットのような多様な化学的構造を含む。

    角度をつけた入射白色光で照射した場合、40ないし120nmの範囲の銀または金ナノ粒子は高い感度にて単色光を散乱するであろう。 散乱した光の波長は、粒子のサイズに依存する。 非常に近接した4ないし5の異なる粒子は、各々、重ね合わせた場合に、特異的なユニークな色を与える単色光を散乱するであろう。 粒子は、Genicon Sciencesのような会社によって製造されつつある。 誘導体化された銀または金粒子は、蛋白質、抗体、小分子、受容体リガンドおよび核酸を含めた分子の広いアレイに付着させることができる。 例えば、粒子の表面を化学的に誘導体化して、ヌクレオチドへの付着を可能とすることができる。

    標識モノマーとして用いることができるもう1つのタイプのナノ粒子は量子ドットである。 量子ドットは、大きな範囲の波長の光によって励起可能である直径が1ないし5nmの蛍光結晶である。 これらの結晶は、その化学的およびサイズに依存した波長にて、単色光のような光を発する。 CdSe、ZnSe、InP、またはInAsのような量子ドットはユニークな光学特性を保有する。

    粒子の多種のクラスは、多数のサイズクラスの量子ドット結晶に従って作り出すことができる。 結晶のサイズクラスは、1)各所望のサイズのクラスの粒子を作り出すための結晶形成パラメーターの密接な制御によって、または2)ゆるく制御された結晶形成パラメーター下での結晶のバッチの作製、およびそれに続いての、所望のサイズおよび/または発光波長に従っての分類によって作製される。 本発明との関係での、粒子を標識するための量子ドットの使用は新しいが、半導体の分野においては古い。 量子ドットが、半導体発光/検出デバイスの真性シリコンエピタキシャル層内に埋め込まれた以前の文献の2つの例を、ここに引用してその全体を援用する(Chapple Sokolらに対する米国特許第5,293,050号および第5,354,707号)。

    特別な具体例において、ナノレポーターにおける1以上の標識付着領域は、1以上の発光染料で標識され、各標識付着領域が、直接的にまたは間接的に、1以上の標識モノマーを含有する。 染料によって発せられた光は目に見える光、または紫外または赤外光のような、目に見えない光であり得る。 例示的な具体例において、染料は蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)染料;フルオレセインおよびローダミンのようなキサンテン染料;(ナフチルアミン染料、1−ジメチルアミノナフチル−5−スルホネート、1−アニリノ−8−ナフタレンデスルホネートおよび2−p−トロイジニル−6−ナフタレンスルホネートのような)アルファまたはベータ位置にアミノ基を有する染料;3−フェニル−7−イソシアナトクマリンを有する染料;9−イソチオシアナトアクリジンおよびアクリジンオレンジのようなアクリジン;ピレン、ベンゾオキサジアゾールおよびスチルベン;3−(ε−カルボキシペンチル)−3'−エチル−5,5'−ジメチルオキサカルボシアニン(CYA);6−カルボキシフルオレセイン(FAM);5&6−カルボキシローダミン−110(R110);6−カルボキシローダミン−6G(R6G);N,N,N',N'−テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA);6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX);6−カルボキシ−4',5'−ジクロロ−2',7'−ジメトキシフルオレセイン(JOE);ALEXA Fluor(商標);Cy2;テキサスレッドおよびローダミンレッド;6−カルボキシ−2',4,7,7'−テトラクロロフルオレセイン(TET);6−カルボキシ−2',4,4',5',7,7'−ヘキサクロロフルオレセイン(HEX);5−カルボキシ−2',4',5',7'−テトラクロロフルオレセイン(ZOE);NAN;NED;Cy3;Cy3.5;Cy5;Cy5.5;Cy7;およびCy7.5;Alexa Fluor 350;Alexa Fluor 488;Alexa Fluor 532;Alexa Fluor 546;Alexa Fluor 568;Alexa Fluor 594;またはAlexa Fluor 647である。

    標識モノマーはその組み立ての異なる段階においてナノレポーターに、または成分(例えば、そのナノレポーターへの組み立てに先立ってナノレポーターの(「フラップ」)へ取込むことができる。

    標識モノマーは、当該分野で良く知られた方法を用いてヌクレオチドに直接的に結合させることができる。 ヌクレオチドは化学的に修飾し、または誘導体化して、標識モノマーに付着させることもできる。 例えば、フルオレセイン分子のような蛍光モノマーは、4−原子アミノアルキニル基を用いてdUTP(デオキシウリジン−三リン酸)に付着させることができる。 各標識モノマーは、標識モノマーを作製するヌクレオチド;ヌクレオチド複合体に付着させる。

    この標識モノマー:ヌクレオチド複合体は、種々の方法により、核酸(例えば、DNAパッチまたは検出オリゴヌクレオチド)に取込むことができる。 例えば、標識モノマー:ヌクレオチド複合体は、核酸内のただ1つの位置に、または核酸内の2以上の位置に取込むことができる。

    アミン−反応性およびチオール−反応性フルオロフォアは入手可能であって、ヌクレオチドおよび生体分子を標識するのに用いられる。 一般に、ヌクレオチドは化学合成の間に蛍光標識され、例えば、ヌクレオチド合成の間にアミンまたはチオールの取り込みはフルオロフォアの付加を可能とする。 蛍光標識されたヌクレオチドは商業的に入手可能である。 例えば、ウリジンおよびデオキシウリジン三リン酸は入手可能であり、これはスペクトルを網羅する10の異なるフルオロフォアにコンジュゲートされる。

    ヌクレオチドはまず標識モノマーに付着させ、次いで、核酸に取込むことができる。 別法として、現存する核酸は、標識モノマーを核酸内のヌクレオチドに付着させることによって標識することができる。 例えば、アミノアリル−(「AA−」)修飾UTPヌクレオチドは、転写の間にRNA産物に取込むことができる。 種々の具体例において、RNAパッチを作り出すための転写反応におけるUTPヌクレオチドの20%以上はAA修飾されている。 種々の具体例において、転写反応におけるUTPの約20%ないし100%、20%ないし80%、30ないし80%、40ないし60%または50%ないし75%はAA−修飾されており、好ましい具体例においては、転写反応におけるUTPのほぼ50%はAA−修飾されている。

    加えて、例えば、異なるタイプの標識モノマー:ヌクレオチド複合体は単一酸の核酸に取込むことができ、ここに、ナノレポーターコードの1つの成分は1を超えるタイプのシグナルを含む。

    ヌクレオチドに直接的に結合させることができる蛍光染料もまた標識モノマーとして利用することもできる。 例えば、FAM、JOE、TAMRA、およびROXは、ヌクレオチドに付着されているアミン反応性蛍光色素であって、自動DNA配列決定で用いられる。 これらの蛍光標識ヌクレオチド、例えば、ROX−ddATP、ROX−ddCTP、ROX−ddGTPおよびROX−ddUTPは商業的に入手可能である。

    ナノレポーターを標識するのに用いることができる他のタイプの標識モノマーは量子ドットである。 その非常に小さなサイズのため、量子ドットは、オリゴヌクレオチドの溶解性または使用に影響することなく直接的にオリゴヌクレオチドにカップリングさせることができる。 好ましい具体例において、ただ1つのオリゴヌクレオチド分子が各ナノ粒子にカップリングされる。 慣用的なバッチ化学によってオリゴヌクレオチド−ナノ粒子複合体を1:1比率で合成するためには、オリゴヌクレオチドおよびナノ粒子の双方は、相互と反応することができる異なる種類の単一反応性基を必要とする。 例えば、もしオリゴヌクレオチドがアミノ基を有し、かつナノ粒子がアルデヒド基を有するならば、これらの基はシッフ塩基を形成することができる。 オリゴヌクレオチドは、当該分野で良く知られた化学を用いて、単一アミノまたは他の官能基を付着させるように誘導体化することができる。 しかしながら、ナノ粒子を誘導体化する場合、それは化学試薬で被覆し、その結果、いくつかの官能基でのナノ粒子の全表面のコーティングがもたらされる。

    本発明は、オリゴヌクレオチド合成で用いられるガラス支持体のような固体表面にオリゴヌクレオチドを化学的にカップリングさせることによって1つのオリゴヌクレオチドを1つのナノ粒子にカップリングさせる方法を提供する。

    例えば、長鎖アルキルアミノ細孔性ガラス(lcaa CPG)のようなオリゴヌクレオチド合成用の商業的に入手可能な樹脂を用いることができる。

    別法として、誘導体化された顕微鏡スライドのような平坦な表面を用いることができる。 新生オリゴヌクレオチド鎖の表面密度は、ナノ粒子の直径よりも低くすべきである。 これは、反応基の低表面密度を持つガラス支持体を選択することによって、あるいは表面が飽和しないように、オリゴヌクレオチド合成の最初の工程のために希釈された試薬を用いることによって達成することができる。 オリゴヌクレオチド合成のために標準的なガラスマトリックスを用いる場合に考慮すべきもう1つの点は、ナノ粒子の直径よりも高いポア直径を用いて、試薬の流動を確実とすることである。 例えば、オリゴヌクレオチドは固体支持体に対して希釈されたベースで、例えば、通常の合成の1/10のベースで合成して、ガラス支持体上でのオリゴヌクレオチドの良好な間隔を確実とすることができる。 オリゴヌクレオチドを反応性官能基、例えば、アミノ基で合成した後、誘導体化されたナノ粒子をガラス支持体上に通して、オリゴヌクレオチドと反応させる。 ガラス支持体の十分に大きなポアサイズは、ナノ粒子での目詰まりを防ぐために選択することができる。 例えば、約200nmのポアサイズを用いることができる。 反応が完了した後、ナノ粒子上の未反応基をブロックし、複合体をガラス支持体から外すことができる。

    5.5 ナノレポーターコード 5.5.1 デュアルナノレポーター その成分が2つの分子体に存在するナノレポーターをデュアルナノレポーターという。 デュアルナノレポーターにおいては、一般に、各成分は、その標的へのナノレポーターの結合キネティックスおよび特異性を改良する標的−特異的配列を含有する。 2つの異なる標的特異的配列は、各々が標的分子の異なる部分を認識するように設計され、または選択される。

    図1Aないし1Cは、デュアルナノレポーターに関連する本発明の具体例を示す。 図1Aおよび1Bは、ナノレポーターの2つの成分の各々が、ナノレポーターのスペクトルコードが、ナノレポーターの2つの成分がその標的分子へのデュアルナノレポーターの結合に際して一緒となる場合にのみ形成されるように標識される。 しかしながら、デュアルナノレポーターにおいては、双方の成分が標識されている必要はない。 例えば、図1Cに示したように、デュアルナノレポーターの1つの成分はナノレポーターコード、およびストレッチングおよび可視化のためにナノレポーターを固定化するのに有用なアフィニティータグ(矢印)に付着した他の成分で標識される。

    5.5.2 レジスター 用語「レジスター」とは、交互(あらゆる他の)標識付着領域の組をいう。 スペーサー領域なくして隣接標識付着領域を標識するのが望ましい場合、および隣接標識付着領域から出てくるシグナルが、検出の望まれる方法を用いて空間的に解像できない場合にレジスターは有用である。 かくして、レジスターの使用で検出されるシグナルは、隣接するよりはむしろ交互の標識付着領域によって形成されるものである。 (例えば、一緒になって全ての標識付着領域である)複数のレジスターから検出されたシグナルを組合せて、ナノレジスターコードを形成することができる。 一般に、レジスターを用いる場合、隣接標識付着領域を、スペクトル的に識別することができる標識モノマーで標識する。

    レジスターの例は図3および5に示す。 例えば、図3Aないし3Bにおいては、8つの標識付着領域1ないし8がある。 交互標識付着領域1、3、5および7は1つのレジスターを形成し、標識付着領域2、4、6および8はもう1つのレジスターを形成する。 図3Aにおいては、レジスター(1、3、5および7)のうちの唯1つが標識され;図3Bにおいては、双方のレジスターが標識される。

    5.6 アフィニティータグ 当該分野で公知の種々のアフィニティータグを用いて、ナノレポーターを精製し、および/または固定化することができる。 アフィニティータグを用いて検出またイメージングを目的としてナノレポーターを固定化する場合、それは本明細書中においては「アンカー」ということができる。 好ましい具体例において、ビオチンアンカーをナノレポーターに付着させ、ストレプトアビジン被覆スライド上へのナノレポーターの固定化を可能とする。

    適当なアフィニティータブの非限定的例を以下に掲げる。 ほとんどのアフィニティータグは2つの目的のために供され、すなわち:ナノレポーターの固定化のためのアンカーとして、および(十分にまたは部分的にのみ組立てられたかを問わず)ナノレポーター、またはそれらの成分の精製のためのタグとして働くことができると理解されるべきである。

    ある具体例において、アフィニティータグは蛋白質モノマーである。 蛋白質モノマーの例は、限定されるものではないが、免疫グロブリン定常領域(Petty,1996,Metal−chelate affinity chromatography,in Current Protocols in Molecular Biology,Vol.2,Ed.Ausubelら、Greene Publish.Assoc.& Wiley Interscience参照)、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST;Smith,1993,Methods Mol.Cell Bio.4:220−229)、E. coliマルトース結合蛋白質(Guanら、1987,Gene 67:21−30)、および種々のセルロース結合ドメイン(米国特許第5,496,934号;5,202,247号;5,137,819号;Tommeら、1994,Protein Eng.7:117−123)を含む。 他のアフィニティータグは特異的結合パートナーによって認識され、かくして、固体支持体に固定化することができる、結合パートナーへのアフィニティー結合によって単離および固定化を容易とする。 例えば、アフィニティータグはエピトープであり得、および結合パートナーは抗体で有り得る。 そのようなエピトープの例は、限定されるものではないが、FLAGエピトープ、アミノ酸408ないし439におけるMYCエピトープ、インフルエンザウイルス赤血球凝集素(HA)エピトープ、またはジゴキシゲニン(「DIG」)を含む。 他の具体例において、アフィニティータグは、もう1つの蛋白質またはアミノ酸、例えば、アビジン/ストレプトアビジンおよびビオチンによって認識される蛋白質またはアミノ酸配列である。

    ある具体例において、アフィニティータグを、ナノレポーターの精製または固定化に加えて、ナノレポーターを標識するのに用いることができる。 当業者によって認識されるように、DNAクローニング、DNA増幅、および合成方法を含めた、多くの方法を用いて、アフィニティータグのコーディング領域を得ることができる。 それらの検出および単離のためのアフィニティータグおよび試薬のいくつかは商業的に入手可能である。

    5.7 標的−特異的配列 用語「標的−特異的配列」とは、標的分子を結合させることができる分子体をいう。 ナノレポーターとの関係では、標的−特異的配列をナノレポーター骨格に付着させる。 標的特異的配列は、一般には、アミノ酸配列(すなわち、ポリペプチドまたはペプチド配列)または核酸配列である。 特別な具体例においては、標的−特異的配列がアミノ酸配列である場合、標的−特異的配列は、抗体Fab'断片、単一鎖Fv抗体のような抗体断片である。

    標的−特異的配列は好ましくは核酸配列であって、最も好ましくは、(例えば、連結によって)ナノレポーター骨格に共有結合により付着されており、または(例えば、ハイブリダイゼーションによって)非共有結合により付着されているオリゴヌクレオチド内にある。 標的−特異的核酸配列は好ましくは長さが少なくとも15ヌクレオチドであり、最も好ましくは長さが少なくとも20ヌクレオチドである。 特別な具体例において、標的−特異的配列が長さがほぼ10ないし500、20ないし400、30ないし300、40ないし200、または50ないし100ヌクレオチドである。 他の具体例において、標的−特異的配列は、長さがほぼ30ないし70、40ないし80、50ないし90、または60ないし100、30ないし120、40ないし140、または50ないし150ヌクレオチドである。

    5.8 標的分子 用語「標的分子」とは、その標的−特異的配列が認識する(それに対する特異的結合パートナーである)標識されたナノレポーターの結合によって検出されまたは測定される分子をいう。 標的分子は、限定されるものではないが、以下の:DNA、cDNA、RNA、mRNA、ペプチド、ポリペプチド/蛋白質(例えば、細菌またはウイルス蛋白質または抗体)、脂質、炭水化物、糖蛋白質、糖脂質、小分子、有機モノマー、または薬物のいずれかであり得る。 一般には、標的分子は天然に生じる分子、または天然に生じる分子のcDNA、または該cDNAの相補体である。

    標的分子は、他の成分を含有する生体分子試料の一部であり得るか、あるいは試料の唯一の、または主な成分であり得る。 標的分子は全細胞または組織の成分、細胞または組織抽出物、その分画された溶解物、または実質的に精製された分子であり得る。 標的分子は、例えば、チップ、マイクロアレイまたはビーズのような固体表面に対して、溶液または固相を含めた状態にて付着させることができる。 また、標的分子は公知のまたは未知の構造または配列いずれかであり得る。

    ある特別な具体例において、標的分子は染色体ではない。 他の特別な具体例において、標的分子はサイズが1,000kb(または1mb)以下、サイズが500kb以下、サイズが250kb以下、サイズが175kb以下、サイズが100kb以下、サイズが50kb以下、サイズが20kb以下、またはサイズか10kb以下である。 なお他の特別な具体例において、標的分子はその細胞環境から単離される。

    特別な非限定的具体例において、標的分子はアルファフェトプロテイン、アルファ−1抗トリプシン、α−2マクログロブリン、アジポネクチン、アポリプロテイン−A−1、アポリプロテイン−CIII、アポリプロテイン−H、BDNF、β−2ミクログロブリン、C反応性蛋白質、カルシトニン、癌抗原19−9、癌抗原125、CEA、CD40、CD40リガンド、補体3、CK−MB、EGF、ENA−78、エンドセリン−1、エンラージ、エオタキシン、エリスロポエチン、第VII因子、FABP、フェリチン、FGF−塩基性、フィブロノーゲン、G−CSF、GST、GM−CSF、成長ホルモン、ハプトグロビン、ICAM−1、IFN−ガンマ、IgA、IgE、IGF−1、IgM、IL−1α、IL−1β、IL−1ra、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−10、IL−12p40、IL−12p70、IL−13、IL−15、IL−16、インスリン、レプチン、リポ蛋白質(a)、リンフォタクチン、MCP−1、MDC、MIP−1α、MIP−1β、MMP−2、MMP−3、MMP−9、ミエロペルオキシダーゼ、ミオグロビン、PAI−1、PAP、PAPP−A、SGOT、SHBG、PSA(遊離)、RANTES、血清アミロイドP、幹細胞因子、TBG、トロンボポエチン、TIMP−1、組織因子、TNF−α、TNF−β、TNF RII、TSH、VCAM−1、VEGF、またはvWFのような抗原である。

    ある具体例において、標的分子はASCA、β−2糖蛋白質、C1q、動原体Prot. B、コラーゲン1型、コラーゲン2型、コラーゲン4型、コラーゲン6型、Cyto P450、dsDNA、ヒストン、ヒストンH1、ヒストンH2A、ヒストンH2B、ヒストンH3、ヒストンH4、HSC−70、HSP−32、HSP−65、HSP−71、HSP−90α、HSP−90β、インスリン、JO−1、ミトコンドリア、ミエロペルオキシダーゼ、膵臓島細胞、PCNA、PM−1、PR3、リボソームP、RNP−A、RNP−C、RNP、Sel−70、Smith、SSA、SSB、T3、T4、チログロブリン、tTG、(セリアック病)、または甲状腺ミクロソームのような自己免疫関連分子である。

    いつくかの具体例において、標的分子はコレラトキシン、コレラトキシンβ、Campylobacter jejuni、サイトメガロウイルス、ジフテリアトキシン、エプスタイン−バールNA、エプスタイン−バールEA、エプスタイン−バールVCA、Heliobacter pylori、HBVコア、HBVエンベローブ、HBV表面(Ad)、HBV表面(Ay)、HCVコア、HCV NS3、HCV NS4、HCV NS5、A型肝炎、D型肝炎、HEV orf2 3KD、HEV orf2 6KD、HEV orf3KD、HIV−1 p24、HIV−1 gp41、HIV−1 gp120、HPV、HSV−1/2、HSV−1 gD、HSV−2 gD、HTLV−1/2、インフルエンザA、インフルエンザA H3N2、インフルエンザB、Leishmania donorani、ライム病、おたふく風邪、M. pneumonia、M. tuberculosis、パラインフルエンザ1、パラインフルエンザ2、パラインフルエンザ3、ポリオウイルス、RSV、風疹、麻疹、ストレプトリシンO、破傷風トキシン、T. pallidum 15kD、T. pallidum p47、T. cruzi,トキソプラズマ、Varicella zosterのような感染症から単離された成分である。

    5.9 ナノレポーター集団 本発明は、ナノレポーターまたはナノレポーター標識ユニット集団、例えば、各々、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも300、少なくとも400、少なくとも500、少なくとも750、または少なくとも1,000のユニークなナノレポーターまたはナノレポーター標識ユニットを含有するナノレポーターまたはナノレポーター標識ユニットライブラリーを提供する。 本明細書中で用いるように、「ユニークな」は、集団内のナノレポーターまたはナノレポーター標識ユニットに言及して用いる場合、ナノレポーターまたは他のナノレポーターからそれを識別するコードを有する標識ユニット、または同一集団における標識ユニットを意味することを意図する。

    特別な具体例において、本発明は、少なくとも5,000、少なくとも10,000、少なくとも2,000または少なくとも50,000のユニークなナノレポーターまたはナノレポーター標識ユニットを持つナノレポーター集団を提供する。 ナノレポーターの集団におけるナノレポーターはシンギュラーナノレポーター、デュアルナノレポーター、またはその組合せであり得る。 ナノレポーターは標識され、または未標識であり得る。

    ナノレポーター集団のサイズ、およびその内のナノレポーターの標的−特異的配列の性質はナノレポーターの意図した使用に依存するであろう。 標的−特異的配列が病気となった細胞型を含めた与えられた細胞型のマーカーに対応するナノレポーター集団を作成することができる。 ある具体例において、標的−特異的配列が細胞における転写体の異なるタイプの少なくとも0.1%、少なくとも0.25%、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または少なくとも70%を表すナノレポーター集団が作成される。 ある具体例において、標的−特異的配列が細胞における異なる遺伝子の少なくとも0.1%、少なくとも0.25%、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または少なくとも70%を表すナノレポーター集団が作成される。 なお他の具体例において、標的−特異的配列の少なくともいくつかが細胞または組織における稀な転写体を表すナノレポーター集団が作成される。 そのようなナノレポーター集団は好ましくは少なくとも5つの稀な転写体を表す。 特別な具体例において、そのようなナノレポーター集団は少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40または少なくとも50の稀な転写体を表す。 特別な具体例において、細胞または組織は哺乳動物細胞組織であって、より好ましくはヒト細胞または組織である。

    ある具体例において、ナノレポーター集団は診断または予後ナノレポーター集団である。 例えば、診断ナノレポーター集団が作成され、これは血液産物をスクリーニングするのに有用であり、ここに、標的−特異的配列は、B型肝炎、C型肝炎、およびヒト免疫不全ウイルスのようなヒト汚染ウイルスの核酸に結合する。 別法として、診断ナノレポーター集団は、腫瘍抗原のような細胞病気マーカーに対応する標的−特異的配列を含有することができる。 予後ナノレポーター集団は、一般には、癌のような与えられた病気の異なる段階を表す標的−特異的マーカーを含む。 適当な標的−特異的配列を選択することによって、ナノレポーター集団を用いて、共に、病気を診断し、および予防することができる。

    5.10 生体分子試料 本発明のナノレポーター系を用いて、多くの生態分子試料中の標的分子を検出することができる。 当業者によって認識されるように、試料は、限定されるものではないが、実質的にいずれもの生物の(初代細胞および培養した細胞系双方を含めた)細胞、(限定されるものではないが、血液、尿、血清、リンパ球、胆汁、脳脊髄液、間質液、水性または硝子体液、初乳、痰、羊水、唾液、肛門および膣分泌物、汗および精液を含めた)組織および体液、漏出液、浸出液(例えば、膿瘍、または感染または炎症のいずれかの他の部位から得られた流体)、または関節(例えば、正常な関節、または慢性関節リウマチ、変形性関節炎、痛風または敗血症関節炎のような病気によって冒された関節)から得られた流体、哺乳動物試料は好ましく、ヒト試料は特に好ましい;(限定されるものではないが、空気、農業、水および土壌試料を含めた)環境試料;生物学的兵器剤試料;細胞外流体、細胞培養からの細胞外上清、細菌、細胞区画、細胞ペリプラズム、ミトコンドリア区画などにおける封入体を含めたいずれかの数のものを含むことができる。

    生物分子的試料は生物学的検体から間接的に由来することができる。 例えば、注目する標的分子が細胞転写体、例えば、メッセンジャーRNAである場合、本発明の生体分子試料は、メッセンジャーRNAの逆転写によって生じたcDNAを含有する試料であり得る。 もう1つの試料において、本発明の生体分子試料は生物学的検体を分画、例えば、サイズ分画または膜分画に付すことによって作製される。

    本発明の生体分子試料は「天然」、すなわち、操作または処理のされていない、または「処理された」のいずれであってもよく、「処理された」は、薬物、遺伝子エンジニアリング(例えば、遺伝子の付加または欠失)などを含めた候補剤への暴露を含めたいずれかの数の処理を含むことができる。

    5.11 標識モノマーの分離 標識されたナノレポーターから作成された全シグナルを検出するのに加えて、本発明は、ナノレポーター上の標識モノマー(すなわち、スポット)から取り出されたシグナルの空間的位置の決定を提供し、各スポットは与えられた標識付着領域に付着した標識モノマーからの凝集シグナルを表す。 スポットは同一波長の、または異なる波長のシグナルを含有することができる。 かくして、ナノレポーター上のスポットの性質およびそれらの位置はナノレポーターコードを構成する。

    種々の手段のいずれかを用いて、ナノレポーターを「伸ばして」、個々のスポットを分離することができる。 例えば、フローストレッチ技術(Henegariuら、2001,Biotechniques 31:246−250)、後退メニスカス技術(Yokotaら、1997,Nuc.Acids Res.25:1064−1070)、または電気ストレッチング技術(Matsuuraら、2001,Nuc.Acids Res.29:E79)を用いてナノレポーターを伸ばすことができる。

    フロー−ストレッチング、後退メニスカス、または電気−ストレッチング技術の使用は、空間的に、特定のシグナルがナノレポーターにおいてどこに位置するかを決定することができるように、ナノレポーター内の標識付着領域の分離を可能とする。 従って、標識モノマーおよび同一の全シグナルの同一組合せを有するユニークなナノレポーターを、ナノレポーター内の標識モノマーの位置に基づいて相互から識別することができる。

    ナノレポーター内の標識付着領域またはスポットの位置を突き止めるこの能力は、ユニークなナノレポーターの組を生じさせる場合に、区別する特徴として、各標識付着領域中の標識モノマーによって発せられるシグナルの位置が用いられることを可能とする。 よって、ナノレポーターの複雑な組は、ナノレポーター内の標識モノマーの位置を変化させることによって、出発標識モノマーの同一組合せを用いて作成することができる。

    ナノレポーターを伸ばすに先立ち、前記セクション5.6に記載したように、アフィニティータグを用いてナノレポーターを固体表面に固定化するのが好ましい。 本発明のある態様において、固体表面への特異的または非特異的結合を通じてナノレポーターの1つの端部を固定化し、ナノレポーターを伸ばし、次いで、やはり固体表面への特異的または非特異的結合いずれかを通じてレポーターの他の端部を固定化する。 従って、ナノレポーターはその伸びた、または引き伸ばされた状態に「凍結」されて、ナノレポーターに付着した標識モノマーによって発せられるシグナルを検出および/またはイメージングすることによるナノレポーターコード、および相互に対するそれらの位置の解像を容易とする。 本発明のこれらの態様を以下に記載する。

    5.12 ナノレポーター 該方法において、ナノレポーターはマクロ分子のあるタイプである。 ある具体例において、マクロ分子が、本発明の方法において引き伸ばすことができるマクロ分子である。 ある具体例において、マクロ分子は、以下のセクションに記載するように1または2の部分において固定化することができる。

    ある具体例において、ナノレポーターは多糖、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドである。 有用なポリヌクレオチドはリボ核酸、デオキシリボ核酸、および当業者に知られた他のポリヌクレオチドを含む。

    ナノレポーターは、本発明の方法に従うナノレポーターの伸長および固定化を可能とするのに十分ないずれかのサイズのもとすることができる。 ナノレポーターがポリヌクレオチドである場合のある具体例において、ナノレポーターは500bpを超える、750bpを超える、1kbを超える、1.5kbを超える、2.0kbを超える、2.5kbを超える、3.0kbを超える、4.0kbを超えるまたは5.0kbを超える長さを有することができる。 ある具体例において、ナノレポーターがポリペプチドである場合、ナノレポーターは50アミノ酸を超える、100アミノ酸を超える、200アミノ酸を超える、300アミノ酸を超える、400アミノ酸を超える、500アミノ酸を超える、750アミノ酸を超える、1000アミノ酸を超える、1500アミノ酸を超える、2000アミノ酸を超える、2500アミノ酸を超える、3000アミノ酸を超える、4000アミノ酸を超えるまたは5000アミノ酸を超えるサイズを有することができる。 ある具体例において、ナノレポーターが多糖である場合、ナノレポーターは50糖を超える、100糖を超える、200糖を超える、300糖を超える、400糖を超える、500糖を超える、750糖を超える、1000糖を超える、1500糖を超える、2000糖を超える、2500糖を超える、3000糖を超える、4000糖を超えるまたは5000糖を超えるサイズを有することができる。

    ナノレポーターは、当業者によって理解される天然ナノレポーターであり得、あるいはナノレポーターは非−天然ナノレポーターであり得る。 ある具体例において、ナノレポーターがポリペプチドである場合、ナノレポーターは天然に生じるアミノ酸のみを含むことができ、あるいはナノレポーターは天然に生じるアミノ酸および天然に生じないアミノ酸を含むことができる。 他のアミノ酸は、当業者に知られたいずれかのアミノ酸、またはその誘導体またはアナログであり得る。 ある具体例において、ナノレポーターがポリヌクレオチドである場合、ポリヌクレオチドは天然に生じるヌクレオチドのみを含むことができ、あるいはポリヌクレオチドは天然に生じる分子および天然に生じないヌクレオチドを含むことができる。 ある具体例において、ナノレポーターが多糖である場合、多糖は天然に生じる糖のみを含むことができるか、あるいは多糖は天然に生じる糖および天然に生じない糖を含むことができる。 ある具体例において、ポリマーは非−天然モノマーのみを含むことができる。 ある具体例において、ナノレポーターはアミノ酸、ヌクレオチドおよび/または糖のような複数のクラスのモノマーを含むことができる。

    ある具体例において、ナノレポーターはモノマーの1つの主な共有結合により連結された鎖のみを含む。 例えば、ナノレポーターがポリペプチドである場合、ある具体例においては、ナノレポーターは主なアミノ酸鎖のみを含む。 ナノレポーターがポリヌクレオチドである場合、ある具体例においては、ナノレポーターは一本鎖である。 さらなる具体例において、ナノレポーターはモノマーの2つの主な共有結合により連結した鎖を含む。 例えば、ナノレポーターがポリペプチドである場合、ある具体例においては、ナノレポーターは2つの主なアミノ酸鎖を含む。 ナノレポーターがポリヌクレオチドである場合、ある具体例においては、ナノレポーターは2つのポリヌクレオチドストランドを含み、ある具体例においては、ナノレポーターは部分的にまたは全部が二本鎖であり得る。 さらなる具体例において、ナノレポーターはモノマーの3以上の主な共有結合により連結した鎖を有する。 例えば、ナノレポーターがポリペプチドである場合、ある具体例において、ナノレポーターは3つの主なアミノ酸鎖を含む。 ナノレポーターがポリヌクレオチドである場合、ある具体例においては、ナノレポーターは3つのポリヌクレオチドストランドを含む。 例えば、ナノレポーターは3つのストランドF1、XおよびF2を含むことができ、ここに、ストランドXの一部はストランドF1に対して相補的であって、ストランドXの一部はストランドF2に対して相補的である。 図13Aに例が示される。 ある具体例において、ナノレポーターはモノマーの3を超える主な共有結合による連結された鎖を含む。

    有利には、本発明のナノレポーターは、当業者に知られた技術によるナノレポーターの検出、イメージングまたは同定を容易とする1以上の標識を含むことができる。 標識は当業者に知られたいずれかの検出可能な部位であり得る。 ナノレポーターの例示的な標識は検出可能な同位体、放射性同位体、蛍光体、染料、酵素、リガンド、受容体、抗原、抗体、レクチン、炭水化物、ヌクレオチド配列、および当業者に明らかないずれかの他の検出可能な標識を含む。 有用な標識、標識を含むマクロ分子、およびそれらの調製の方法は、その内容をここに引用してその全体を援用する、2005年12月23日に出願された「Nanoreporters and Methods of Manufacturing and Use Thereof」と題された米国仮特許出願第60/753,758合に記載されている。

    ある具体例において、ポリヌクレオチドは天然(例えば、A、G、C、T、U)または合成ヌクレオベースのポリマーまたは双方の組合せである。 ポリヌクレオチドの骨格は全部が「天然」ホスホジエステル結合から構成することができるか、あるいはそれは1以上のホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホルアミデート、または他の修飾された結合のような1以上の修飾された結合を含有することができる。 特別な例として、ポリヌクレオチドはアミド相互結合を含有するペプチド核酸(PNA)であってよい。 本発明と組合せて用いることができる合成塩基および骨格、ならびにそれらの合成のための方法のさらなる例は、例えば、米国特許第6,001,983号;Uhlman & Peyman,1990,Chemical Review 90(4):544 584;Goodchild,1990,Bioconjugate Chem. 1(3):165 186;Egholmら、1992,J. Am. Chem. Soc. 114:1895 1897;Gryaznovら、J. Am. Chem. Soc. 116:3143 3144、ならびに前記の全てで引用された文献に見出すことができる。 そのポリヌクレオチドが構成され得る普通の合成ヌクレオベースが3−メチルウラシル、5,6−ジヒドロウラシル、4チオウラシル、5ブロモウラシル、5−トロウラシル、5−ヨードウラシル、6−ジメチルアミノプリン、6−メチルアミノプリン、2−アミノプリン、2,6−ジアミノプリン、6−アミノ−8−ブロモプリン、イノシン、5−メチルシトシン、7−デアザアデニン、および7−デアザグアノシンを含む。 標的核酸がそれで構成できる合成ヌクレオベースのさらなる非限定的例は、その全てが、そのようなヌクレオベースの構造、特性および調製を記載する刊行物に対する参照を供する、Fasman,CRC Practical Handbook of Biochemistry and Molecular Biology,1985,pp. 385−392;Beilstein's Handbuch der Organischen Chemie,Springer Verlag,BerlinおよびChemical Abstractsに見出すことができる。

    ナノレポーターは、当業者に明白ないずれの技術に従っても調製することができる。 有利には、本発明によるナノレポーターは、ナノレポーターの調製および/または精製を容易とするのに用いることができる、以下のセクションに記載された、標識および/または結合対のメンバーを含むことができる。 加えて、本発明のあるナノレポーターは、以下に記載される、結合対のメンバーを含む分子とで複合体を形成することができる。 これらの複合体を用いて、ナノレポーターまたは複合体の調製および/または精製を容易とすることができる。

    5.13 伸ばされたナノレポーターの固定化 マクロ分子は、伸長のために用いられるいずれの力の元でも十分に伸ばされつつ選択的に固定化することができる。 加えて、本発明の方法は、相互に対して配向された伸ばされたマクロレポーターの選択的固定化を容易とする。 言い換えれば、本発明の方法に従うと、複数のナノレポーターを相互に対して同一向きに容易に固定化することができる。

    1つの態様において、本発明は、ナノレポーターを伸ばされた状態で選択的に固定化する方法を提供する。 ナノ分子はポリマー、多糖、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドのような当業者に知られたいずれのマクロ分子でもあり得る。 本発明のこの態様の方法では、一般には、ナノレポーターの第一の部分は当業者に知られたいずれかの技術によって固定化される。 事実、ナノレポーターの第一の部分を固定化するための技術は本発明の多くの具体例に対して臨界的ではない。 ある具体例において、ナノレポーターの第一の部分は選択的にまたは非選択的に固定化することができる。 ある具体例において、第一の部分は1以上の共有結合によって固定化される。 ある具体例において、第一の部分は1以上の非共有結合によって固定化される。

    固定化された第一の部分に関しては、ナノレポーターは、当業者に明らかなナノレポーターを伸長するためのいずれの技術によっても伸張させることができる。 ある具体例においては、ナノレポーターを伸長させるための技術は、本発明の技術では臨界的ではない。 ある具体例において、ナノレポーターを伸長させるための技術は、当業者の判断に従ってナノレポーターのクラスについて適切なものである。 ある具体例において、ナノレポーターは、ナノレポーターを伸張させることができる力の適用によって伸長される。 該力は、ナノレポーターを伸長させるための当業者に明らかないずれの力とすることもできる。 例示的な力は重力、水力学力、電磁気的力およびその組合せを含む。 ナノレポーターを伸長させるための特別な技術は以下のセクションに記載される。

    ナノレポーターは、もしそれが当業者によって伸長されたものとして認識されるならば、伸長された状態にある。 ある具体例において、ナノレポーターは、それがナノレポーターを伸長できる力の場にある場合、伸長された状態にある。 ある具体例において、ナノレポーターは、その平均水力学半径が、当業者によって認識されるその天然状態におけるナノレポーターの平均水力学半径の2倍を超える場合に伸長される状態にある。

    本発明のこの態様において、該方法は、一般には、それが伸長状態にありつつ、ナノレポーターの第二の部分を選択的に固定化する工程を含む。 この結果、第一と第二の部分の間が伸長された固定化されたナノレポーターがもたらされ得る。 顕著には、ナノレポーターは、伸長されている間に選択的に固定化されるので、その伸長は固定化されたナノレポーターにおいて維持することができる。 一般には、ナノレポーターの第一の部分および第二の部分は同一ではない。

    選択的固定化は、当業者に明らかなナノレポーターの部分の選択的固定化のためのいずれの技術に従うこともできる。 選択的固定化は、例えば、1以上の共有結合、または1以上の非共有結合または双方の形成を通じることができる。 選択的固定化技術の特別な例は、以下のセクションに記載される。 特別な具体例において、1以上の結合対を用いて、ナノレポーターの第二の部分を固定化する。

    第二の部分は、当業者に明らかないずれかの基板上に固定化することができる。 該基板は、当業者に知られた固定化で有用であると判断されたいずれの基板とすることもできる。 ある具体例において、第二の部分はもう1つの分子に対して固定化することができる。 さらなる有用な基板は表面、膜、ビーズ、多孔性材料、電極、アレイ、および当業者に明らかないずれかの他の基板を含む。

    もう1つの態様において、本発明は、選択的に固定化された延長されたナノレポーターを含む組成物を含む。 組成物は、一般には、基板、および該基板に選択的に固定化された伸長されたナノレポーターを含む。 基板は当業者に知られたいずれの基板とすることもできる。 例示的な基板は、以下のセクションに記載されたものを含む。 ナノレポーターの少なくとも2つの部分は基板に固定化されており、ナノレポーターは2つの部分の間に伸びた状態にある。 ある具体例において、ナノレポーターの少なくとも1つの部分は基板の上に選択的に固定化される。 ある具体例において、ナノレポーターの2以上の部分は基板の上に選択的に固定化される。 ナノレポーターは、特に、本発明の方法を含めた、当業者に明らかないずれの技術によっても伸長され、および/または固定化されうる。

    ある態様において、本発明は、配向した状態にあるナノレポーターを選択的に固定化する方法を提供する。 ナノレポーターは、前記したいずれのナノレポーターとすることもできる。 ある具体例において、ナノレポーターは柔軟なものとすることができ、あるいはある具体例においては、ナノレポーターは剛性または半−剛性であり得る。 本発明のこの態様の方法では、一般には、ナノレポーターの第一の部分は前記したように固定化される。 固定化された第一部の部分に関しては、ナノレポーターは、当業者に明らかなナノレポーターを伸長するためのいずれの技術によっても配向させるができる。 ある具体例において、ナノレポーターを配向させるための技術は本発明の方法では臨界的ではない。 ある具体例において、ナノレポーターを配向させるための技術は、当業者の判断に従ってナノレポーターのクラスに適したものである。 ある具体例において、ナノレポーターは、ナノレポーターを配向させることができる力によって配向される。 該力は、ナノレポーターを配向させるための当業者に明らかないずれの力とすることもできる。 例示的な力は重力、水力学力、電磁気力、およびその組合せを含む。

    ナノレポーターは、もしそれが当業者によって配向していると認識されるならば、配向状態にある。 ある具体例において、ナノレポーターは、それがナノレポーターを配向させることができる力の場にある場合、配向した状態にある。 ある具体例において、ナノレポーターは、その末端が、ナノレポーターを配向させることができる力の場と、当業者によって認識されるように、平行に配置された場合に、配向した状態にある。 ある具体例において、複数のナノレポーターは、ナノレポーターの末端が当業者に認識されるように平行に配置された場合には、配向した状態にある。

    本発明のこの態様において、該方法は、一般には、それが配向した状態にありつつ、ナノレポーターの第二の部分を選択的に固定化する工程を含む。 この結果、第一と第二の部分の間に配向した固定化されたナノレポーターがもたらされ得る。 顕著には、ナノレポーターは伸長している間に選択的に固定化されるので、その配向は固定化されたナノレポーターにおいて維持できる。 選択的固定化は前記した方法に従うことができる。

    もう1つの態様において、本発明は、選択的に固定化された配向したナノレポーターを含む組成物を提供する。 該組成物は、一般には、基板、および該基板上に選択的に固定化された配向したナノレポーターを含む。 基板は当業者に知られたいずれの基板でもあり得る。 例示的な基板は以下のセクションに記載されたものを含む。 ナノレポーターの少なくとも2つの部分は基板上に固定化され、ナノレポーターは2つの部分の間に配向した状態にある。 ある具体例において、ナノレポーターの少なくとも1つの部分は基板上に選択的に固定化される。 ある具体例において、ナノレポーターの双方の部分は基板上に選択的に固定化される。 ナノレポーターは、特に、本発明の方法を含めた、当業者に明らかないずれの技術によっても配向させ、および/または固定化することができる。

    本発明の方法および組成物は、当業者に明らかないずれの目的でも用いることができる。 例えば、固定化され、かつ伸長され、および/または配向されたナノレポーターは、該ナノレポーターが固定化される基板用の標識として用いることができる。 固定化され、かつ伸長され、および/または配向されたナノレポーターの主な配列は、当業者に明らかないずれの技術によっても同定することができる。 有利には、伸長された、および/または配向されたナノレポーターの固定化はそのような技術を容易とすることができる。 ある具体例において、固定化され、および伸長された、および/または配向したナノレポーターを用いて、ナノ路の製造をガイドして、例えば、ナノワイヤーまたはナノ回路を作成することができる。 固定化され、かつ伸長され、および/または配向したナノレポーターについてのさらなる使用は以下のセクションに記載される。

    5.13.1 選択的固定化の方法 前記したように、本発明は、伸長された状態のナノレポーターの選択的固定化のための方法を提供する。 ナノレポーターは、一旦選択的に固定化されたならば、当業者に明らかないずれの目的で用いることもできる。

    5.13.2 第一の部分の固定化 本発明の方法において、ナノレポーターの第一の部分は固定化される。 一般には、第一の部分は、もしそれが当業者によって固定化されていると認識されるならば、固定化されている。 第一の部分は、当業者に明らかないずれの技術によっても固定化することができる。 ある具体例において、ナノレポーターの第一の部分の固定化のための技術は本発明の方法にとって臨界的ではない。

    ナノレポーターの第一の部分は、ナノレポーターにおけるいずれの位置におけるものでもあり得る。 ある具体例において、第一の部分はナノレポーターの末端におけるものである。 本発明の目的では、ナノレポーターの部分は、それがナノレポーターの末端から5、4、3、2、1または0モノマー少ない場合に、「末端における」ものであり得る。 もちろん、多くのナノレポーターは2つの末端を有するが、本発明の方法は、2を超える末端を有するナノレポーターに、および1または0の末端を有するナノレポーター、例えば、円状ナノレポーターに適用することができる。 ある具体例において、第一の部分はナノレポーターの末端にはない。

    ナノレポーターは、当業者に明らかないずれの基板に固定化することもできる。 基板は、ナノレポーターが制限なく固定化することができるいずれの部位とすることもできる。 ある具体例において、基板は表面、膜、ビーズ、多孔性材料、電極またはアレイである。

    ある具体例において、ナノレポーターの第一の部分は非選択的に固定化することができる。 さらなる具体例において、ナノレポーターの第一の部分は選択的に固定化することができる。 有利な具体例において、ナノレポーターの第一の部分を固定化した後に、ナノレポーターが以下の方法の工程において伸長し、および/または配向することができるように、十分に移動するように自由とすべきである。 特に、ある具体例において、ナノレポーターの第一の部分が非選択的に固定化される場合、全ナノレポーターは、ナノレポーターのいずれの部分の伸長も妨げる程度まで非選択的に固定化されないのが重要である。

    固定化は、当業者に明らかな基板とのいずれの相互作用によるものとすることもできる。 固定化は静電またはイオン相互作用を介して、1以上の共有結合を介して、1以上の非共有結合、またはその組合せを介することもできる。 ある具体例において、固定化は電極との静電相互作用を介することもできる。 さらなる具体例において、固定化は、電極以外の基板のとの静電相互作用を介するものである。

    ある具体例において、ナノレポーターの第一の部分は結合対の第一のメンバーを含む。 結合対の第一のメンバーは、ナノレポーターの第一の部分に共有結合により結合させることができるか、あるいはそれは非共有結合させることができる。 有用な共有結合および非共有結合は当業者に明らかであろう。 有用な具体例において、ナノレポーターの第一の部分が結合する基板は、結合対の第二のメンバーを含む。 基板は第二のメンバーに共有結合することができるか、あるいはそれは非共有結合することができる。 図12は、基板の部位を選択的に結合させることができる部位F1を含むナノレポーターを示す。 部位F1は、例えば、アビジンで被覆された基板に結合することができる、例えば、ビオチンであり得る。

    ある具体例において、ナノレポーターの第一の部分は、基板上の結合対のメンバーと結合して、1以上の非共有結合を形成できる結合対のメンバーを含むことができる。 例示的な有用な基板は、リガンド、抗原、炭水化物、核酸、受容体、レクチンおよび抗体よりなる群から選択される結合部位を含むものを含む。 ナノレポーターの第一の部分は、基板の結合部位と結合することができる結合部位を含むであろう。 反応性部位を含む例示的な有用な基板は、限定されるものではないが、エポキシ、アルデヒド、金、ヒドラジド、スルフヒドリル、NHS−エステル、アミン、チオール、カルボキシレート、マレイミド、ヒドロキシメチルホスフィン、イミドエステル、イソシアネート、ヒドロキシル、ペンタフルオロフェニル−エステル、プソラレン、ピリジルジスルヒドまたはビニルスルホン、またはその混合物を含む表面を含む。 そのような表面は商業的な源から得ることができるか、あるいは標準的な技術に従って調製することができる。

    有利な具体例において、ナノレポーターの第一の部分は、アビジン−ビオチン結合対を介して基板に固定化することができる。 ある具体例において、ナノレポーターはその第一の部分においてビオチン部位を含むことができる。 例えば、ポリヌクレオチドナノレポーターは、ビオチニル化ヌクレオチド残基を含むことができる。 同様に、ポリペプチドナノレポーターはビオチニル化アミノ酸残基を含むことができる。 アビジンを含む基板は、当業者に知られたアビジンを含むいずれの基板とすることもできる。 アビジンを含む有用な基板は、TB0200(Accelr8),SAD6,SAD20,SAD100,SAD500,SAD2000(Xantec),SuperAvidin(Array−It)、ストレプトアビジンスライド(カタログ# MPC000、Xenopore)およびSTREPTAVIDINnslide(カタログ# 439003,Greiner Bio−ONE)を含めて、商業的に入手可能である。

    ある具体例において、ナノレポーターの第一の部分は、基板上のヌクレオチド配列に選択的に結合することができるヌクレオチド配列を含むことができる。 さらなる具体例において、ナノレポーターの第一の部分はアビジンを含むことができ、および基板はビオチンを含むことができる。 商業的に入手可能なビオチンを含む有用な基板は、限定されるものではないが、Optiarray−ビオチン(Accler8)、BD6、BD20、BD100、BD500およびBD2000(Xantec)を含む。

    さらなる具体例において、ナノレポーターの第一の部分は、基板の結合部位に共有結合、または非共有結合することができる1以上の他の分子とで複合体を形成することができる。 例えば、ナノレポーターの第一の部分は、例えば、基板のアビジン部位に選択的に結合することができる、例えば、ビオチン部位を含むもう1つの分子に選択的に結合することができる。 図13Aは、F1を含む第三の分子に選択的に結合することができる第二の分子Xに選択的に結合することができるナノレポーターを示す。 F1は基板上の部位に選択的に結合することができる。 図13Bは、F1を含む第二の分子に選択的に結合することができるナノレポーターを示し、F1は基板上の部位に選択的に結合することができる。

    さらなる具体例において、ナノレポーターの第一の部分は、基板上の結合対のメンバーと反応して、1以上の共有結合を形成することができる結合対のメンバーを含むことができる。 反応性基を含む有用な基板は、スクシンアミド、アミン、アルデヒド、エポキシおよびチオールよりなる群から選択される反応性部位を含むものを含む。 反応性部位を含む例示的な有用な基板は、限定されるものではないが、エポキシ、アルデヒド、金、ヒドラジド、スルフヒドリル、NHS−エステル、アミン、チオール、カルボキシレート、マレイミド、ヒドロキシメチルホスフィン、イミドエステル、イソシアネート、ヒドロキシル、ペンタフルオロフェニル−エステル、プソラレン、ピリジルジスルヒドまたはビニルスルホン、またはその混合物を含む表面を含む。 そのような表面は、商業的源から得ることができるか、あるいは標準的な技術に従って調製することができる。 ナノレポーターの第一の部分は基板の反応性部位と反応することができる反応性部位を含むであろう。 反応性部位を含む例示的な有用な基板は、限定されるものではないが、OptArray−DNA NHS基(Accler8)、Nexterion Slide AL(Schott)およびNexterion Slide E(Schott)を含む。

    ある具体例において、ナノレポーターの第一の部分は、光活性化によって基板に結合することができる反応性部位を含むことはできる。 基板は光反応性部位を含むことができ、あるいはナノレポーターの第一の部分は光反応性部位を含むことができる。 光反応性部位のいくつかの例は、N−((2−ピリジルジチオ)エチル)−4−アジドサリシルアミドのようなアリールアジド;4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸のようなフッ素化アリールアジド;4−ベンゾイル安息香酸のスクシンイミジルエステルのようなベンゾフェノン−ベースの試薬;および5−ブロモ−デオキシウリジンのようなベンゾフェノン−ベースの試薬を含む。

    さらなる具体例において、ナノレポーターの第一の部分は、当業者に明らかな他の結合対を介して基板に固定化することができる。

    5.13.3 ナノレポーターの伸長 本発明のある方法において、ナノレポーターは伸長した状態にある。 一般に、いずれのナノレポーターも、もしそれが当業者によってそのように認識されるのであれば、伸長した状態にある。

    ある具体例において、ナノレポーターは、それが、ナノレポーターを伸長するのに適した条件下でナノレポーターを伸長することができる力の場にある場合、伸長した状態にある。 そのような力および条件は当業者に明白なはずである。 例えば、多くのナノレポーターは水力学力によってまたは重力によって伸長することができ、多くの荷電ナノレポーターは電磁気力によって伸長することができる。 ある具体例において、該力は間接的にナノレポーターに適用することができる。 例えば、ナノレポーターは、力によって移動することができる部位を含むことができ、または該部位に共有結合によりまたは非共有結合により連結させることができる。 ある具体例において、ナノレポーターは、電磁気、水力学力または光学的力によって移動させることができる部位に連結することができる。

    ある具体例において、該力は電磁気力である。 例えば、ポリヌクレオチドのように、ナノレポーターが荷電されている場合、ナノレポーターは電場または磁場において伸張させることができる。 該場は、当業者の判断に従ってナノレポーターを伸長させるのに十分強くすべきである。 電場または磁場においてナノレポーターを伸長させるための例示的な技術は、その内容をここに引用してその全体を援用する、Matsuuraら、2002,J Biomol Struct Dyn. 20(3):429−36;Ferree & Blanch,2003,Biophys J. 85(4):2539−46;Stigter & Bustamante,1998,Biophys J. 1998 75(3):1197−210;Matsuuraら、2001,Nucleic Acids Res. 29(16);Ferree & Blanch,2004,Biophys J. 87(1):468−75に記載されている。

    ある具体例において、該力は水力学力である。 例えば、多糖、ポリペプチド、およびポリヌクレオチドを含めた多くのナノレポーターは移動する流体の場において伸長させることができる。 水力学力は、当業者の判断に従って、ナノレポーターを伸長させるのに十分強くすべきである。 水力学場においてナノレポーターを伸長するための例示的な技術は、その内容をここに引用してその全体を援用する、Bensimonら、1994,Science 265:2096−2098;Henegariuら、2001,BioTechniques 31:246−250;Krausら、1997,Human Genetics 99:374−380;Michaletら、1997,Science 277:1518−1523;Yokotaら、1997、Nucleic Acids Res. 25(5):1064−70;Otobeら、2001,Nucleic Acids Research 29:109;Zimmerman & Cox,1994,Nucleic Acids Res. 22(3):492−7,および米国特許第6,548,255号、第6,344,319号、第6,303,296号、第6,265,153号、第6,225,055号、第6,054,327号、第5,840,862号に記載されている。

    ある具体例において、該力は重力である。 有利な具体例において、重力の力を、例えば、水力学力と組合せて、ナノレポーターを伸長させることができる。 ある具体例において、力は、当業者の判断に従ってナノレポーターを伸長するのに十分強くすべきである。 重力によってナノレポーターを伸長させるための例示的な技術は、その内容をここに引用してその全体を援用する、Michaletら、1997,Science 277:1518−1523;Yokotaら、1997,Nucleic Acids Res. 25(5):1064−70;Krausら、1997,Human Genetics 99:374−380に記載されている。

    特別な具体例において、力は移動するメニスカスを介して適用される。 当業者であれば、移動するメニスカスは種々の力を水力学力、表面張力および/または当業者によって認識されるいずれかの他の力を含めたナノレポーターに適用することができるのを認識するであろう。 メニスカスは、蒸発および重力を含めた当業者に明らかないずれの技術によって移動させることもできる。 移動するメニスカスでナノレポーターを伸長させるための技術は、例えば、その内容をここに引用してその全体を援用する、米国特許第6,548,255号、第6,344,319号、第6,303,296号、第6,265,153号、第6,225,055号、第6,054,327号、第5,840,862号に記載されている。

    特別な具体例において、ナノレポーターは、光学的トラップまたは光学的ピンセットによって伸張させることができる。 例えば、ナノレポーターは、光学的力の適当な源によって捕獲し、または移動させることができる粒子を含むことができ、または該粒子に共有結合によりまたは非共有結合により連結させることができる。 光学的トラップまたは光学的ピンセットで粒子を移動させるための有用な技術は、その内容をここに引用して、その全体を援用するAshkinら、1986,Optics Letters 11:288−290;Ashkinら、1987,Science 235:1517−1520;Ashkinら、Nature 330:769−771;Perkinsら、1994,Science 264:822−826;Simmonsら、1996,Biophysical Journal 70:1813−1822;Blockら、1990,Nature 348:348−352;およびGrier,2003,Nature 424:810−816に記載されている。

    ある具体例において、ナノレポーターは、当業者に明らかな前記力の組合せによって伸長させることができる。 以下の実施例において、あるナノレポーターは、電場および水力学力の組合せによって伸長される。

    ナノレポーターは、ナノレポーターの伸長のための標準的基準に従って、当業者によって伸長されていると認識される場合に伸長されている。 ある具体例において、ナノレポーターは、当業者によって認識されるようにその三次構造特徴のほとんどを失う場合、伸長されている。 ある具体例において、ナノレポーターは、それが、当業者によって認識されるようにその二次構造特徴のほとんどを失う場合、伸長されている。 ある具体例において、ナノレポーターは、その一次構造特徴が、標準的な技術に従ってイメージした場合に、配列が検出できる場合、伸長されている。 例示的なイメージング技術は以下の実施例に記載される。

    ある具体例において、ナノレポーターの伸長した状態は、その水力学半径を希薄溶液中で遊離されている場合のその平均水力学半径と比較することによって認識することができる。 例えば、ある具体例において、ナノレポーター、またはその部分は、その水力学半径が、希薄溶液中でのその平均水力学半径の約2倍を超える場合、伸長されている。 より定量的には、Rはナノレポーター、またはその部分の水力学半径を表し、および<R>は希薄溶液におけるナノレポーター、またはその部分の平均水力学半径を表す。 平均<R>は、ナノレポーター、またはその部分についてのRが、希薄溶液中で結合していない場合に、2倍の<R>の95%未満であるように計算されるべきである。 ある具体例において、ナノレポーター、またはその部分は、Rが1.5<R>を超える、1.6<R>を超える、1.7<R>を超える、1.8<R>を超える、1.9<R>を超える、2.0<R>を超える、2.1<R>を超える、2.2<R>を超える、2.3<R>を超える、2.4<R>を超える、2.5<R>を超えるまたは3.0<R>を超える場合、伸びた状態にある。 特別な具体例において、ナノレポーター、またはその部分は、Rが2.0<R>を超える場合、伸びた状態にある。

    5.13.4 ナノレポーターの配向 本発明のある方法においては、ナノレポーターは配向した状態にある。 一般に、いずれのナノレポーターも、もしそれが当業者によってそのように認識されるならば、配向した状態にある。

    ある具体例において、ナノレポーターは、それが、ナノレポーターを配向させるのに適した条件下でナノレポーターを配向させることができる力の場にある場合、配向した状態にある。 そのような力および条件は当業者に明らかなはずである。

    ある具体例において、力は電磁気力である。 例えば、ナノレポーターがポリヌクレオチドのように荷電している場合、ナノレポーターは電場または磁場において配向させることができる。 該場は、当業者の判断に従って、ナノレポーターを配向させるのに十分強くすべきである。 電場または磁場においてナノレポーターを配向させるための例示的な技術は先に記載した。

    ある具体例において、該力は水力学力である。 例えば、多糖、ポリペプチド、およびポリヌクレオチドを含めた多くのナノレポーターは、移動する流体の場において配向させることができる。 水力学力は、当業者の判断に従ってナノレポーターを配向させるのに十分強くすべきである。 水力学場においてナノレポーターを配向させるための例示的技術は先に記載した。

    ある具体例において、該力は重力である。 有利な具体例において、重力の力は、例えば、水力学力または表面張力と組合せて、ナノレポーターを配向させることができる。 ある具体例において、力は、当業者の判断に従ってナノレポーターを配向させるのに十分強くすべきである。 ナノレポーターを重力で配向させるための例示的な技術は先に記載した。

    ある具体例において、該力は光学的力である。 例えば、マクロ分子は、前記したような光学的力の適当な源によって捕獲され、または移動させることができる粒子を含むことができ、または該粒子に共有結合によりまたは非共有結合により連結させることができる。

    ある具体例において、ナノレポーターは、当業者に明らかな前記力の組合せによって配向させることができる。 以下の実施例において、あるナノレポーターは電場および水力学力の組合せによって配向される。

    ナノレポーターは、それが、ナノレポーターの配向のための標準的基準に従って当業者によって配向していると認識される場合、配向している。 ある具体例において、ナノレポーターは、ナノレポーターを配向させることができる力の場でもって、当業者に認識されるように、平行に配置されている場合、配向している。 ある具体例において、ナノレポーターは、当業者によって認識されるように、それが平行に配置している複数のナノレポーターの1つである場合、配向している。 例えば、複数のナノレポーターは、ナノレポーターの第二の末端に対する第一の末端からのベクトルが、当業者によって認識されるように、複数の他のナノレポーターの対応する末端間のベクトルに対し平行している場合に配向させることができる。

    5.13.5 ナノレポーターの第二の部分の選択的固定化 先に議論したように本発明の方法においては、ナノレポーターの第二の部分は選択的に固定化されている。 ナノレポーターの第二の部分は、ナノレポーターの第一の部分に対して同一でないナノレポーターのいずれかの部分であり得る。 いくつかの具体例においては、ナノレポーターの第二の部分は、ナノレポーターの第一の部分のいずれの部分にも重複しない。

    ある具体例において、本発明は、ナノレポーターが伸長した、または配向した状態にありつつ、かつナノレポーターの第一の部分が固定化されつつ、ナノレポーターの第二の部分を選択的に固定化する単一工程を含む方法を提供する。 ナノレポーターの第一の部分の固定化のための、およびナノレポーターの伸長または配向のための例示的な方法は、前記セクションに詳細に記載されている。

    ある具体例において、本発明は、ナノレポーターの第一の部分が固定化されつつ、ナノレポーターを伸長する工程、およびナノレポーターが配向した状態にある間に、ナノレポーターの第二の部分を選択的に固定化する工程を含む方法を提供する。 ナノレポーターの第一の部分の固定化のための、およびナノレポーターの伸長のための例示的な方法は前記セクションに詳細に記載されている。

    ある具体例において、本発明は、ナノレポーターの第一の部分を固定化する工程、第一の部分が固定化されつつ、ナノレポーターを伸長させる工程、およびナノレポーターが伸長した状態にある間に、ナノレポーターの第二の部分を選択的に固定化する工程を含む方法を提供する。 ナノレポーターの第一の部分の固定化のための、およびナノレポーターの伸長のための例示的方法は先に詳細に記載した。

    ある具体例において、本発明は、ナノレポーターの第一の部分が固定化されつつナノレポーターを配向させる工程、およびナノレポーターが配向した状態にある間に、ナノレポーターの第二の部分を選択的に固定化する工程を含む方法を提供する。 ナノレポーターの第一の部分の固定化のための、およびナノレポーターを配向させるための例示的方法は、前記セクションに詳細に記載されている。

    ある具体例において、本発明は、ナノレポーターの第一の部分を固定化する工程、該第一の部分が固定化されつつナノレポーターを配向させる工程、およびナノレポーターが配向した状態にある間に、ナノレポーターの第二の部分を選択的に固定化する工程を含む方法を提供する。 ナノレポーターの第一の部分の固定化のための、およびナノレポーターを配向させるための例示的な方法は先に詳細に記載した。

    ナノレポーターの第二の部分の選択的固定化は、当業者に明らかなナノレポーターの選択的固定化のためのいずれかの技術に従うことができる。 重要なことには、本発明の有利な具体例において、ナノレポーターの第二の部分は非選択的に固定化されてはいない。 選択的固定化は、十分に伸長された状態、またはほとんど十分に伸長された状態にある間に、ナノレポーターが固定化されるのを可能とすることができる。 選択的固定化は、ナノレポーターが配向した方法で固定化されるのを可能とすることもできる。 言い換えれば、ナノレポーターの第一の部分および第二の部分は、場において第二の部分に先行する第一の部分でもって、ナノレポーターを伸長させるのに用いた場または複数の場の方向に沿って固定化することができる。 複数のナノレポーターが固定化される場合、それは場に沿って均一に配向させることができる。

    ナノレポーターの第二の部分は、ナノレポーターにおけるいずれの位置におけるものとすることもできる。 ある具体例において、第二の部分はナノレポーターの末端におけるものである。 ある具体例において、第二の部分はナノレポーターの末端におけるものではない。 ある具体例において、前記セクションに記載された第一の部分は、ナノレポーターの1つの末端におけるものであって、第二の部分はナノレポーターのもう1つの末端におけるものである。

    先に議論したように、ナノレポーターの第二の部分は選択的に固定化される。 固定化は、当業者に明らかな基板とのいずれかの選択的相互作用によることができる。 固定化は静電またはイオン相互作用を介し、1以上の共有結合を介し、1以上の非共有結合またはその組合せを介することができる。 ある具体例において、固定化は電極との静電相互作用を介することができる。 さらなる具体例において、固定化は電極以外の基板との静電相互作用を介する。

    もしナノレポーターの第一の部分および第二の部分が同一基板に選択的に固定化されているならば、選択的固定化の技術は、勿論、基板に適合すべきである。 特別な具体例において、固定化の技術は同一である。 例えば、アビジンで被覆した基板では、ナノレポーターの第一および第二の部分は共にビオチン−アビジン相互作用を介して選択的に固定化することができる。 しかしながら、当業者に明らかなように、同一相互作用は同一の基板への固定化のために第一および第二の双方の部分において用いる必要がない。 例えば、基板は選択的結合が可能な複数部位を含むことができるか、あるいは第一の部分は非選択的に固定化されるか、あるいは当業者に明らかな他の技術を用いても良い。

    ある具体例において、ナノレポーターの第二の部分は結合対の第一のメンバーを含む。 結合対の第二のメンバーは、ナノレポーターの第二の部分に共有結合することができるか、あるいはそれらは非共有結合させることができる。 有用な共有結合および非共有結合は当業者に明らかであろう。 有用な具体例において、ナノレポーターの第二の部分が結合する基板は、結合対の第二のメンバーを含む。 基板は第二のメンバーに共有結合することができるか、あるいは非共有結合することができる。

    ある具体例において、ナノレポーターの第二の部分は、基板上の結合対のメンバーと結合して、1以上の非共有結合を形成することができる結合対のメンバーを含むことができる。 例示的な有用な基板は、前記セクションに記載されたもののようなリガンド、抗原、炭水化物、核酸、受容体、レクチン、および抗体よりなる群から選択される結合部位を含むものを含む。

    有利な具体例において、ナノレポーターの第二の部分はアビジン−ビオチン結合対を介して基板に固定化させることができる。 ある具体例において、ナノレポーターはその第一の部分においてビオチン部位を含むことができる。 例えば、ポリヌクレオチドナノレポーターはビオチニル化ヌクレオチド残基を含むことができる。 同様に、ポリペプチドナノレポーターはビオチニル化アミノ酸残基を含むことができる。 アビジンを含む有用な基板は先のセクションに記載されている。

    さらなる具体例において、ナノレポーターの第二の部分はアビジンを含むことができ、基板はビオチンを含むことができる。 ビオチンを含む有用な基板は先のセクションに記載されている。

    さらなる具体例において、ナノレポーターの第二の部分は、基板上の結合対のメンバーと反応して、1以上の共有結合を形成することができる結合対のメンバーを含む。 反応性基を含む有用な基板は先のセクションに記載されている。

    ある具体例において、ナノレポーターの第二の部分は、光活性化によって基板に結合することができる反応性部位を含むことができる。 基板は光反応性基を含むことができ、あるいはナノレポーターの第二の部分は光反応性部位を含むことができる。 光反応性部位のいくつかの例は、N−((2−ピリジルジチオ)エチル)−4−アジドサリシルアミドのようなアリールアジド;4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸のようなフッ素化アリールアジド;4−ベンゾイド安息香酸のスクシンイミジルエステルのようなベンゾフェノン−ベースの試薬;および5−ブロモ−デオキシウリジンを含む。

    さらなる具体例において、ナノレポーターの第二の部分は、前記セクションに記載された他の結合対を介して基板に固定化することができる。

    さらなる具体例において、ナノレポーターの第二の部分は、基板の結合部位に共有結合により、または非共有結合により、結合することができる1以上の他の分子とで複合体を形成することができる。 例えば、ナノレポーターの第二の部分は、例えば、基板のアビジン部位に選択的に結合することができる、例えば、ビオチン部位を含むもう1つの分子に選択的に結合することができる。 図12Bは、基板上の部位に選択的に結合することができるF3を含む第二の分子に選択的に結合する方法を示す。 ナノレポーターの第二の部分、およびF3を含む分子の間の相互作用は、例えば、抗原−抗体相互作用によって媒介することができる。

    図14Aおよび14Bは、本発明の方法に従うナノレポーターの選択的固定化を示す。 図14Aにおいて、ナノレポーターの第一の部分は、示された基板S上の部位に選択的に結合することができる結合部位F1を含む。 結合部位F1は、例えば、ビオチンとすることができ、基板Sは、例えば、アビジンで被覆することができる。 図14のナノレポーターは、前記セクションに記載されたような力によって伸長される。 図14Bでは、該力は電気的ポテンシャルである。 伸長されつつ、ナノレポーターは、示された基板S上の部位に選択的に結合することができる結合部位F2を含む分子に接触される。 結合部位F2は、例えば、ビオチンとすることができ、基板Sは、例えば、アビジンで被覆することができる。 重要なことには、F2を含む3つまでの分子は、ナノレポーターの第二の部分に選択的に結合して、それをその伸長した状態に選択的に固定化することができる。 示されたように、分子は、ナノレポーターの反復された結合部位に選択的に結合する第二の結合部位を含む。 結合部位は、例えば、図14Bに示されたように、相補的な核酸配列であり得る。 得られたナノレポーターは、伸長した状態において選択的に固定化され、力が除去された場合においてさえ伸長されたままとすべきである。 選択的に固定化された伸長されたナノレポーターは、当業者に明らかないずれの目的でも用いることができる。

    5.13.6 伸長された、または配向されたナノレポーターの2つの部分の固定化 ある具体例において、本発明は、伸長した、または配向した状態にあるナノレポーターの第一の部分および第二の部分の選択的固定化のための方法を提供する。 重要なことには、本発明のこれらの方法によると、ナノレポーターは、ナノレポーターを伸長させ、または配向することができる力の適用に先立って固定化される必要はない。

    これらの方法において、ナノレポーターは、ナノレポーターを伸長させ、または配向させることができる力によって伸長され、または配向され、または双方がなされる。 そのような力は先のセクションに詳細に記載されている。 特別な具体例において、該力は、ナノレポーターを1つの位置に維持しつつナノレポーターを伸長させ、または配向させることができる力、すなわち、ナノレポーターを実質的に移動させることなく伸長させ、または配向させることができる力である。 例示的な力は、振動する電磁場および振動する水力学場を含む。 特別な具体例において、該力は振動する電場である。 振動する電場においてナノレポーターを伸長させ、または配向させるための例示的な技術は、その内容をここに引用してその全体を援用する、Asburyら、2002,Electrophoresis 23(16):2658−66;Kabataら、1993,Science 262(5139):1561−3;およびAsbury and van den Engh,1998,Biophys J. 74:1024−30に記載されている。

    該方法において、ナノレポーターは、伸長され、または配向されている間に、第一の部分および第二の部分において固定化されている。 第一の部分および第二の部分は共に非選択的に固定化することができ、双方は選択的に固定化することができるか、あるいは1つは選択的に固定化することができ、他方は非選択的に固定化することができる。 第一の部分および第二の部分の固定化のための技術は先のセクションに詳細に記載されている。

    5.13.7 固定化のための基板 本発明の方法においては、固定化のための基板は、当業者に明らかなナノレポーターを選択的に結合させることができるいずれの基板でもあり得る。 さらに、ある態様においては、本発明は、伸長された状態で選択的に固定化されたナノレポーターを含む組成物を提供する。 該組成物は、伸長された状態のそれに固定化されたナノレポーターを有する本明細書中に記載された基板を含む。 ナノレポーターは、勿論、本発明の方法に従って固定化することができる。

    基板の唯一の要件は、それが、前記したナノレポーターの第二の部分に選択的に固定化することができることである。 かくして、基板は、ニトロセルロースまたはナイロンのようなフィルターまたは膜、ガラス、ポリアクリルアミドのようなポリマー、アガロース、デキストラン、セルロース、ポリスチレン、ラテックスのようなゲル、あるいは捕獲化合物を固定化することができる当業者に知られたいずれかの他の材料であり得る。 基板は、アクリル、スチレンメチルメタクリレートコポリマー、およびエチレン/アクリル酸のような多孔性材料から構成され得る。

    基板は、当該形態がナノレポーターの第二の部分の選択的固定化を妨げる限り、いずれの形態とすることもできる。 例えば、基板はディスク、スラブ、ストリップ、ビーズ、サブミクロン粒子、被覆された磁気ビーズ、ゲルパッド、マイクロタイターウェル、スライド、膜、フリット、または当業者に知られた他の形態の形態を有することができる。 基板は、所望により、基板上の、またはそれを通っての液体の流動を助ける、クロマトフラフィーカラム、スピンカラム、シリンジバレル、ピペット、ピペットチップ、96または384ウェルプレート、マイクロチャネル、キャピラリー等のようなハウジング内に配置される。

    ナノレポーターは単一の基板に、または複数の基板に固定化することができる。 例えば、ある具体例において、第一および第二の部分は、当業者に認識されるように、同一基板に固定化される。 ある具体例において、ナノレポーターの第一の部分が第一の基板に固定化することができ、他方、ナノレポーターの第二の部分は第一から区別される第二の基板に固定化することができる。

    基板は、当業者に明らかないずれかの方法に従って調製することができる。 反応性基の十分な密度を持つ本発明の例示的基板を活性化するのに用いることができる膨大な技術のレビューについては、Wiley Encyclopedia of Packaging Technology,2d Ed. ,Brody & Marsh,Ed. ,“Surface Treatment,”pp. 867 874,John Wiley & Sons(1997)、およびそこに引用された文献を参照されたし。 酸化ケイ素基板上にアミノ基を生じさせるのに適した化学的方法は、Atkinson & Smith,“Solid Phase Synthesis of Oligodeoxyribonucleoides by the Phosphite Triester Method,”In:Oligonucleotide Synthesis:A Practical Approach,M J Gait,Ed. ,1984、IRL Press,Oxford、特に45 49ページ(およびそこに引用された文献)に記載されており;酸化ケイ素基板上にヒドロキシル基を生じさせるのに適した化学的方法はPeaseら、1994,Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:5022 5026(およびそこに引用された文献)に記載されており;ポリスチレン、ポリアミドおよびグラフト化ポリスチレンのようなポリマー上に官能基を作成するための化学的方法はLloyd Williamsら、1997,Chemical Approaches to the Synthesis of Peptides and Proteins,Chapter 2,CRC Press,Boca Raton,FL(およびそこに引用された文献)に記載されている。

    例示的な有用な基板はストレプトアビジン、例えば、Accelr8、TB0200で被覆された表面を含む。 さらなる有用な基板は、アミンを含むナノレポーターの部分と反応することができるN−ヒドロキシスクシンアミドで被覆された表面を含む。 1つのそのような表面はOptArray−DNA(Accelr8)である。 さらなる有用な表面はアルデヒド(例えば、Nexterion Slide AL,Schott)で被覆されており、表面はエポキシ(例えば、Nexterion Slide E,Schott)で被覆されている。 もう1つの有用な表面は、アビジンまたはストレプトアビジンを含むナノレポーターの部分の選択的固定化で有用なビオチニル化BSA被覆表面である。

    5.13.8 選択的に固定化された、伸長されたまたは配向されたナノレポーターを用いる方法 選択的に固定化された、伸長された、および/または配向されたナノレポーターは、当業者に明らかないずれかの目的で用いることができる。 例えば、選択的に固定化された、伸長された、および/または配向されたナノレポーターはナノアセンブリーおよび表面プラズモン共鳴をマッピングするのに有用である。 ある具体例において、選択的に固定化された、伸長された、および/または配向されたナノレポーターは種々の技術、例えば、原子間力顕微鏡または電子顕微鏡でマクロ分子のために用いることができる。

    ある具体例において、選択的に固定化された、伸長されたおよび/または配向されたナノレポーターはマクロ分子マッピングで用いることができる。 例えば、それらを用いて、例えば、蛍光分子またはDNA結合蛋白質によって結合の位置またはマクロ分子に沿ってのハイブリダイゼーションを決定することができる。

    ある具体例において、選択的に固定化され、伸長され、および/または配向されたナノレポーターをナノアセンブリーで用いることもできる。 例えば、それらを用いて、伸長され、および/または配向されたナノレポーター上での結晶の成長、または伸長された、および/または配向されたマクロ分子に連結され、または結合されたポリペプチド上での結晶成長を容易とすることができる。 ある具体例において、選択的に固定化され、伸長され、および/または配向されたマクロ分子はナノ路の構築で用いることができる。 ある具体例において、選択的に固定化され、伸長され、および/または配向されたナノレポーターは、キネシンまたはミオシンのような分子モーターを用いて指令された輸送で用いることができる。 ある具体例において、選択的に固定化され、伸長され、および/または配向されたナノレポーターは、分子計算のために、またはマクロ分子、例えば、DNAの計算を含む回路の組立てのために用いることができる。 ある具体例において、選択的に固定化され、伸長され、および/または配向されたナノレポーターを用いて、カーボンナノチューブを操作することができる。

    ある具体例において、選択的に固定化され、伸長され、および/または配向されたナノレポーターは、ポリヌクレオチド結合蛋白質の研究で用いることができる。 それらを用いて、例えば、ポリヌクレオチドに結合した蛋白質の存在または位置を決定することができる。 有用な技術は表面プラズモン共鳴を含む。 ある具体例において、選択的に固定化され、伸長され、および/または配向されたナノレポーターは、アミロイド、チチン、およびフィブロネクチンのような蛋白質繊維の研究で用いることができる。

    ある具体例において、選択的に固定化され、伸長され、および/または配向したナノレポーターを用いて、標識の分離および引き続いての検出の目的でマクロ分子バーコードを作成することができる。 分子に沿って間隔が設けられたこれらの標識は、ナノレポーターが固定化され、かつ伸長され、および/または配向された場合に読むことができるユニークなコードを提供する。 選択的固定化での伸長、および/または配向は、マクロ分子バーコードの解読を容易とすることができる。

    選択的に固定化され、伸長され、および/または配向したナノレポーターは、さらに、ナノレポーターの検出またはイメージングが有用であろういずれかの関係で用いることができる。 それらが診断、予後的療法およびスクリーニングの目的で用いることができる。 例えば、それらは、患者から得られ、または誘導された生体分子試料の分析に適用して、病気細胞型が試料に存在するか否かを決定し、および/または病気の段階を決定することができる。 それらを用いて、試料中の、各々、細菌またはウイルスのマーカーの存在および/または量を決定することによって、病原体感染、例えば、細胞内細菌およびウイルスによる感染を診断することができる。 本発明の組成物および方法を用いて、その豊富性が生物学的状態または病気状態、例えば、病気状態の結果としてアップレギュレートされ、またはダウンレギュレートされた血液マーカーを示す標的分子を定量することができる。 加えて、本発明の組成物および方法を用いて、患者に対する治療のコースを決定するのを助ける予後情報を供することができる。

    5.13.9 選択的に固定化され、伸長され、または配向されたナノレポーターを含むキット 本発明は、さらに、本発明の1以上の成分を含むキットを提供する。 キットは、例えば、本発明による基板、および基板上に選択的に固定化された1以上の伸長され、および/または配向され、または双方がなされたナノレポーターを含むことができる。 キットは、前記したもののような、当業者に明らかにいずれかの目的で用いることができる。

    ある具体例において、本発明は、ナノレポーターの伸長および/または配向、および選択的固定化で有用なキットも提供する。 該キットは、固定化のための基板、およびナノレポーターの伸長、および/または配向または固定化を容易とするための1以上の結合パートナーを含むことができる。 結合パートナーは、ある具体例において、適当な力でのナノレポーターの伸長、および/または配向で有用な部位を含む。 ある具体例において、結合パートナーは、ナノレポーターの表面への固定化または選択的固定化を容易とすることができよう。 さらなる具体例において、キットは伸長および/または配向および固定化のためのナノレポーターを含むことができよう。 さらなる具体例において、該キットはナノレポーターを伸長させることができるデバイスを含むことができよう。

    5.14 ナノレポーターの検出 ナノレポーターは、与えられたナノレポーター上の特異的シグナルを検出することができる当該分野で利用可能ないずれの手段によっても検出される。 ナノレポーターが蛍光標識されている場合、適当な励起源の適当な考慮を調べてもよい。 可能な源は、限定されるものではないが、アークランプ、キセノンランプ、レーザー、光を発するダイオード、またはそのいくつかの組合せを含むことができる。 適当な励起源は適当な光学的検出系、例えば、倒立蛍光顕微鏡、エピ−蛍光顕微鏡または共焦点顕微鏡と組合せて用いる。 好ましくは、十分な空間的分解能での検出を可能として、ナノレポーター上のスポットの配列を検出することができる顕微鏡が用いられる。

    5.14.1 顕微鏡および対物レンズの選択 顕微鏡の対物レンズに関する主な考慮は、その開口数(NA)によって決定される光学的分解能に関する。 一般に、NAが大きくなると、光学的分解能は良好となる。 必要なNAは、好ましくは、δ=0.61λ/NA(δ=光学的分解能およびλ=波長)の関係に基づいて少なくとも1.07である。 対物レンズによって集められた光の量はNA /Mag (Mag=対物レンズの倍率)によって決定される。 従って、可能な限り多くの光を集めるためには、高いNAおよび低い倍率を持つ対物レンズを選択すべきである。

    5.14.2 CCDカメラの選択およびイメージ捕獲技術 CCDカメラを選択する場合、第一の考慮は、イメージングシステムの最終的分解能を部分的に決定する画素サイズである。 所望により、光学的分解能はCCDカメラによって妥協されるべきではない。 例えば、もし光学的分解能が60×倍率後のCCDチップ上の12.6ないし18μmに対応する210ないし300nmであれば、光学的分解能を解決し、維持するためには、各スポットのサンプリングに対して少なくとも2の画素があるべきである。 あるいは、CCDチップの画素サイズはせいぜい6.3ないし9μmとすべきである。

    第二の考慮は、限定されるものではないが、画素サイズ、量子効率、リードアウトノイズおよび暗いノイズを含む多くの因子によって決定できる検出感度である。 高い感度を達成するためには、(大きな収集面積を与えることができる)大きな画素サイズ、高い量子効率および低いノイズを持つ定性的カメラを選択する。 これらの基準を持つ例示的カメラはHamamatsu Inc. からのOrea−Agカメラである。

    5.15 コンピューターシステム 本発明は、ナノレポーターのイメージ収集を自動化し、ナノレポーター同定を行い、および/またはナノレポーターコードを解読することに用いるコンピューターシステムを提供する。 具体的には、本発明は、以下に記載された1以上のプログラムを実行する種々のコンピューターシステムを提供する(例えば、データ記憶モジュール44、標識同定モジュール50、プローブ同定モジュール54)。 コンピューターシステムは、基板上に結合したナノレポーターの光イメージを撮影するカメラを制御することができる。 次いで、これらの光イメージは、本発明のコンピューターによって用いられ、ナノレポーターが同定され、解読される。

    図9は、本明細書中に記載された機能性を裏付ける例示的システムを詳細に示す。 該システムは、好ましくは:
    −中央プロセッシングユニット22;
    −主な不揮発性記憶ユニット14、例えば、ソフトウェアおよびデータ、コントローラー12によって制御された記憶ユニット14を記憶するためのハードディスクドライブ;
    −システム制御プログラム、データ、およびアプリケーションプログラムを記憶し、および不揮発性記憶ユニット14からロードされたプログラムおよびデータを含むシステムメモリー36、好ましくは高速ランダムアクセスメモリ(RAM);システムメモリー36は読出専用メモリー(ROM)も含むことができ;
    −1以上の入力デバイス(例えば、キーボード28)およびディスプレイ26または他の出力デバイスを含むユーザーインターフェース32;
    −ディテクター72および、所望により、いずれかのワイヤードまたはワイヤレス通信ネットワーク34に連結するためのネットワークインターフェースカード20または他の通信回路(例えば、インターネットまたはいずれかのワイドエリアネットワーク);
    −システムの前記エレメントを相互結合させるための内部バス30;および−前記したエレメントに電力を与えるための電力源24
    を有するコンピューターシステム10である。

    コンピューターシステム10の操作は、中央プロセッシングユニット22によって実行されるオペレーティングシステム40によって主として制御される。 オペレーティングシステム40は、システムメモリー36に記憶することができる。 オペレーティングシステム40に加えて典型的な実施においては、システムメモリー36は以下のうち1以上を含むことができる:
    −本発明によって用いられる種々のファイルおよびデータ構造に対するアクセスを制御するためのファイルシステム42;
    −複数の光イメージ46を記憶するための指令を含むデータ記憶モジュール44;
    −基板上で相互に近接する複数の光イメージ中の複数の標識52を同定するための標識同定モジュール50、ここに、該複数の標識の空間的順序は複数の標識のストリング配列を決定し;
    −複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列を含むか否かを決定するためのプローブ同定モジュール54;および−複数の有効なレポーター配列58を含む参照テーブル56。

    図9に示すように、コンピューターシステム10はソフトウェアプログラムモジュールおよびデータ構造を含む。 コンピューターシステム10に記憶されたデータ構造は、例えば、イメージ46、標識52、および参照テーブル56を含む。 これらのデータ構造の各々は、限定されるものではないが、フラットなASCIIまたはバイナリーファイル、EXCELスプレッドシート、リレーショナルデータベース(SQL)、オンライン分析処理(OLAP)データベース(MDXおよび/またはその変形)、またはコンマセパレーテッドバリューファイルを含めたいずれかのデータ記憶形態を含むことができる。 いくつかの具体例において、図9に示されたデータ構造およびソフトウェアモジュールはコンピューターシステム10に収容されておらず、むしろ、ネットワーク34を介してコンピューターシステム10との電気的通信を行うコンピュータ、または記憶デバイスの他のタイプに収容される。

    本発明の態様は、コンピュータ読取り可能記憶媒体(例えば、メモリー36、記憶ユニット14、および/または、他のコンピュータ読取り可能記憶媒体)およびその中に内蔵されたコンピュータープログラムメカニズムを含むコンピュータープログラム製品を提供する。 コンピュータープログラムメカニズムは、基板上に置かれた試料内のプローブの存在を検出するためのものである。 前記したように、プローブは、与えられたナノレポーターの1以上の標識付着領域における複数の空間的に配置された標識モノマーを含む。 与えられたナノレポーターの骨格の種々の標識付着領域に関連する標識モノマーによって発せられたシグナルの配列は、ナノレポータのユニークな同定を可能とする。 コンピュータープログラムメカニズムは、データ記憶モジュール44、標識同定モジュール50、およびプローブ同定モジュール54を含む。

    データ記憶モジュール44。 データ記憶モジュール44は複数の光イメージ46を記憶するための指令を含む。 複数の光イメージにおける各光イメージは、基板の上に置かれた試料から発せられた光からのものである。 代表的な生物学的試料は、前記セクション5.10に記載されている。 代表的な基板は、セクション5.13.7に記載されている。 典型的な具体例においては、複数の光イメージ中の各光イメージは、基板の一部の、ディテクター72によって撮られたスキャンである。 例示的なディテクター72は、セクション5.14.2に記載されている。 非限定的な例示的ディテクター72はHamamatsu Inc. からのOrca−Agカメラである。 各光イメージは、ナノレポーターを含有する試料が置かれた基板の、ディテクター72によって撮られた写真である。 各光イメージは、複数の異なる波長範囲における対応する波長範囲の試料からの光を記録する。 言い換えれば、各光イメージは選択された波長範囲における光を測定する。 いくつかの具体例において、光イメージの波長範囲は、ディテクター72によって受け取られた光を濾過する光フィルターの仕様によって決定される。 フィルターは、特定の波長範囲内にない光を効果的にブロックする。 現実的には、複数の光イメージを撮り、複数の光イメージにおける各光イメージは、複数の異なるフィルターから選択されたフィルターを用いて撮られる。 いくつかの具体例において、2以上の光イメージ、3以上の光イメージ、4以上の光イメージ、5以上の光イメージ、6以上の光イメージ、7以上の光イメージ、8以上の光イメージ、9以上の光イメージまたは10以上の光イメージ、2と20の間の光イメージ、2と100の間の光イメージ、または30未満の光イメージを撮る。 光を所定の波長範囲に制限するフィルターは商業的に入手可能である。 商業的に入手可能なフィルターの非限定的例は、Chroma Inc. によるHQ480/40、Q505LP、HQ535/50、HQ545/30x、570LP、HQ587/30m、HQ630/20、Q649LP、およびHQ655LPである。 複数の異なる波長範囲における例示的な波長範囲は、例えば、485nmと585nmの間の波長範囲、557nmと617nmの間の波長範囲、637nmと697nmの間の波長範囲、510nmと650nmの間の波長範囲、586nmと658nmの間の波長範囲、515nmと575nmの間の波長範囲、および440nmと520nmの間の波長範囲であり得る。 多くの他の波長範囲が、前記した波長範囲のいくつか、または全てに加えて、またはその代わりに用いることができる。

    いくつかの具体例において、複数の異なる波長範囲が、2と6の間の異なる波長範囲、2と20の間の異なる波長範囲、10を超える異なる波長範囲、20を超える異なる波長範囲、30を超える異なる波長範囲、40を超える異なる波長範囲、100を超える異なる波長範囲、または50未満の異なる波長範囲よりなる。 いくつかの具体例において各波長範囲は異なる色を表す。 いくつかの具体例において、異なる波長範囲の間にはある程度の重複がある。 いくつかの具体例において、異なる波長範囲の間には重複はない。

    本発明の利点は、本発明のナノレポーターが、マイクロアレイ技術の場合のような基板上の所定の位置に重ねられるとの要件がないことである。 本発明のナノレポーターは基板上の所定の位置に付着されるように特殊化された基板を調整できるが、好ましい具体例においては、ナノストリングが基板に付着される位置は全くランダムである。 さらに、好ましい具体例において、決定すべき必要がある全ては、基板上のナノレポーターの同一性である。 かくして、シグナルは、ナノレポーター同定の目的で基板から測定される。 それにより、後に記載するソフトウェアモジュールを用いる好ましい具体例においては、シグナルがバイナリー様式(例えば、与えられた波長の不存在または存在)で処理される。 いくつかの具体例においては、基板上のナノレポーターの位置がランダムであるのみならず、向きもそうである。 基板上のナノレポーター配向がランダムである場合においてさえ、後に記載するソフトウェアモジュールはナノレポーターを同定することができる。 本発明のもう1つの利点は、基板の複数の領域を複合光イメージとして結合(ステッチ)処理させる要件がないことである。 基板の多数の光イメージが撮られるが、これらの光イメージの各々は、単に異なる波長において、基板の同一領域からのものである。

    いくつかの具体例において、標識は多数の波長(例えば、赤色および青色)において蛍光を発する。 そのような具体例において、後に記載される標識同定モジュールは、多数の光イメージにおいて基板上の同一位置のスポットを測定することによって、そのような標識を検出する。 強度基準をそのような場合に用いることができる。 例えば、(i)試料によって発せられた青色光を記憶する光イメージにおいて最小青色強度が観察されること、および(i)最小赤色強度が、試料によって発せられる赤色光を記憶する光イメージにおいて同一スポットで観察されることという要件を課すことができよう。

    標識同定モジュール50。 標識同定モジュール50は、基板上で相互に近接する、複数の光イメージ46における、複数の標識(標識モノマー)を同定するための指令を含む。 典型的な具体例において、ナノレポーターにおける各標識は、1以上の光イメージ46において対応する明るいスポットを出現させる光を発するであろう。 各光イメージ46は、数ダース、数百、数千さえのスポットを有することがあり、ここに、各スポットはナノレポーター中の標識を表す。 標識同定モジュール50は、光イメージ中のこれらのスポットが、後に詳細に記載する具体的基準が満足される場合に標識であるとみなす。

    標識同定モジュール50は、これらの標識が異なる光イメージに出現する場合さえ、基板上で相互に近接する標識を同定することができる。 例えば、標識1(光モノマー1)および標識2(光モノマー2)は同一ナノレポーターにおけるものであって、基板上で空間的に近接する場合を考える。 さらに、標識1および標識2は異なる波長範囲内の光を発すると考える。 かくして、この例においては、標識1によって、および標識2によって発せられる光は、異なる光イメージ、例えば、各々、光イメージAおよび光イメージBに記録される。 いくつかの具体例において標識1の光発光は光イメージAにおいて明るい強度のスポットとして記録され、他方標識2の光発光は光イメージBにおいて明るい強度のスポットとして記録される。 本実施例において標識同定モジュール50は光イメージAと光イメージBとを重ね合わせる。 光イメージAおよび光イメージBは、共に、基板の同一領域を網羅する。 基板のこの領域は、いくつかのナノレポーターを含むことができる。 事実、基板のイメージAおよび光イメージBによって網羅される基板のこの領域は、数百または数千さえのナノレポーターを含む。 従って、光イメージAおよび光イメージBは各々潜在的に数ダース、数百、または数千さえの標識を記録することができ、ここに、各そのような標識は例えば、光イメージA、光イメージB、またはディテクター72によって撮られた、いくつかの他の光イメージ内の明るいスポットとして出現する。 光イメージAおよび光イメージBは、記録される波長範囲だけが異なるに過ぎない。 光イメージAおよび光イメージBは空間的に相互に重なる故に、標識同定モジュール50は、重なった光イメージにおける標識1および標識2の空間的近接性に基づいて標識1および標識2が異なる光イメージに由来するとしても標識1および標識2の空間的近接性を同定することができる。

    光イメージ46によって表される各波長範囲は、ナノストリングにおける1以上の標識モノマーによって発せられる特定の色を測定することを意図する。 いくつかの具体例において、波長範囲は、10nmまで、20nmまで、30nmまで、40nmまで、50nmまで、60nmまで、70nmまで、80nmまで、90nmまで、または100nmまでのスペクトルを有する波長の連続組を含む。

    いくつかの具体例において、標識同定モジュール50が、基点を用いて光イメージを整列させる。 基点の非限定的例は染料の多くの異なるタイプを含浸させたラテックスビーズである。 基点の1つの例は、MultiSpeck(商標)マルチスペクトル蛍光顕微鏡測定キット(Molecular Probes,Inc.,Eugene,Oregon)である。 MultiSpeck(商標)マルチスペクトル蛍光顕微鏡測定標準キットは、異なる機器にて、および異なる研究所において、異なるオプティックスで収集したイメージを比較するためのならびに機器性能におけるルーチン日間変動をモニターするための外部参照として市販されている。 該キットは、サブミクロン−直径マイクロスフィアーの2つの懸濁液を含む。 最初の懸濁液、MultiSpeck懸濁液は、全てが同一粒子において、3つの比較的区別される励起および発光バンド、赤色、緑色、および青色を呈するマルチスペクトル蛍光マイクロスフィアーから構成される。 紫外光で励起した場合、各球は青色蛍光を発し、他方、フルオレセインまたはローダミン−テキサスレッド(登録商標)励起フィルターを用いる場合、球は、各々、フルオレセインまたはローダミン−テキサスレッド発光と同様な波長において蛍光を発する。 さらに単一のマルチスペクトルマイクロスフィアーは、観察で用いるフィルターに依存して、異なる色を発現するので、これらのマイクロスフィアーは多数の波長を横断してイメージ登録して用いることができる。 かくして、マルチパラメーター実験における多数の標識の空間的関係の正確な決定を可能とする。 第二の懸濁液、RGBミックス懸濁液は、別々の粒子ではあるものの、マルチスペクトルマイクロスフィアーとして、同一の3つの励起/発光バンド、赤色、緑色および青色RGBを呈する(単一−バンド)マイクロスフィアーの混合物から構成される。 かくして、基点は、いくつかの異なる波長に渡って光を発するであろう。 基点は、試料と共に基板上にランダムに配置される。 基点は広い範囲のスペクトル周波数に渡って光を発するので、それらは、複数の光イメージの全てではないにせよ、そのいくつかに存在する。 かくして、標識同定モジュール50は、光イメージが基板の同一領域のものである(例えば、同一の視野)場合に、光イメージに存在する基点スポットを用いて相互に対して、複数のイメージにおける光イメージの全てではないにせよほとんどを整列させることができる。

    複数の標識の空間的順序は、複数の標識のストリング配列を決定する。 例えば、標識モノマーの以下のストリング:赤色−赤色−緑色−青色が基板上で検出される場合を考える。 基板上のこれらの標識モノマーの空間的順序は、プローブの可能性があるストリング配列を述べている。 かくして、もし、一連の配置された標識モノマーが一連の配置:赤色−赤色−緑色−青色を持つ基板上で検出されたならば、一連の配置された標識モノマーはストリング配列:RRGBを形成し、ここにRは赤色を表し、Gは緑色を表し、Bは青色を表す。 ストリング配列RRGBは、潜在的に有効なプローブのストリング配列である。

    本発明は、プローブで用いることができる広い範囲の異なる標識を含む。 いくつかの具体例において、複数の空間的に配置された標識における各標識は4つの異なる波長範囲:赤色波長範囲、緑色波長範囲、青色波長範囲、またはブランク(発光なし)の1つにおいて光を発することができる。 いくつかの具体例において、複数の空間的に配置された標識における各標識は、5つの異なる波長範囲、6つの異なる波長範囲、7つの異なる波長範囲、8つの異なる波長範囲、9つの異なる波長範囲、10の異なる波長範囲、5と15の間の異なる波長範囲、4と20の間の異なる波長範囲、3と40の間の異なる波長範囲、30を超える異なる波長範囲、または100未満の異なる波長範囲の1つにおいて光を発することができる。 さらに、本発明は与えられたプローブに存在する標識(標識モノマー)の数に対して制限を課さない。 いくつかの具体例において、プローブ中の2と100の間の標識、プローブ中の2と1000の間の標識、プローブ中の2と20の間の標識、プローブ中の3と40の間の標識、プローブ中の5を超える標識、プローブ中の6を超える標識、プローブ中の7を超える標識、プローブ中の10を超える標識、またはプローブ中の50未満の標識がある。

    標識同定モジュール50は、基板上の標識の空間的順序を決定する。 これを達成するために、イメージにおける複数の標識を同定する。 典型的な具体例において、イメージされる基板の一部上に1を超えるプローブがあり、各々のそのようなプローブは、光イメージにおける、対応するスポットを生じさせる複数の空間的に配置された標識を有する。 いくつかの具体例において、イメージされるべき基板の部分には、2と10,000の間のプローブがある。 かくして、標識同定モジュール50は、イメージ中のいずれのスポットが標識であるかを決定しなければならず、ならびに単一のプローブに各々属する標識の組を同定しなければならない。 この仕事は、プローブが基板にランダムに結合する好ましい具体例においてはより複雑とされる。

    いくつかの具体例において、標識同定モジュール50は、まず、光イメージにおける標識を確証する。 次いで、標識同定モジュール50は、複数の標識における標識のいずれが同一プローブに属するかを1以上の規則を用いて決定する処理を行なう。 いくつかの具体例において標識同定モジュールは、まず、複数の光イメージにおいてスポットを励起させる複数の候補標識を同定する。 複数の候補標識における各候補標識は、複数の光イメージにおける1以上の光イメージで閾値量を超える光を発する基板上の位置を含む。 いくつかの具体例において、複数の標識は、複数の異なる波長における第一の波長において光を発する第一の候補標識、および複数の異なる波長における第二の波長において光を発する複数の標識中の第二の候補標識を含む。 いくつかの具体例において候補標識は、それが複数の光イメージにおけるいずれか1つの光イメージにおいて閾値量を超える光を発する場合、有効な標識と見なされる。 いくつかの具体例において、標識同定モジュール50は、標識がスポットの形状基準(例えば、候補標識の観察されたスポット形状と候補標識の倍率によって決定された回折制限点源光の理論的点広がりの間のマッチ)を満足する場合、候補標識は有効な標識であることを確証する。 いくつかの具体例において、標識同定モジュール50は、点広がり関数モデリングを用いて候補標識が有効な標識であることを確証する。 いくつかの具体例において、標識同定モジュール50はスポットセグメント化アルゴリズム(例えば、分岐点変換)を用いて候補標識を確証する。 分岐点変換は、ここに引用してその全体を援用する。 Vincent and Soille,1991,IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence 13,pp. 583−598に記載されている。

    いくつかの具体例において、標識同定モジュール50は、標識がスポット形状基準(例えば、標識の観察されたスポット形状と標識が観察されるイメージにおける標識の倍率によって決定される回折制限点源光の理論的点広がりの間のマッチ)を満足する場合に、候補標識が有効な標識であることを確証する。 いくつかの具体例において、スポット形状基準は、広がり関数モデリングを用いて評価する。 いくつかの具体例において、スポットセグメント化アルゴリズム(例えば、分岐点変換)を用いてスポット形状基準が評価される。 分岐点変換の例示適用はここに引用してその全体を援用する、Parkら、2004,“Automatic Microarray Image Segmentation Based on Watershed Tranformation,”Proceedings of the 17th International Conference on Pattern Recognition,volume 3,pages 786−789に記載されている。

    いくつかの具体例において、複数の光イメージ中の光イメージにおける候補標識についての標識同定モジュール50によって、イメージセグメント化工程を行って、いずれの画素が標識によって生じた光イメージにおいてスポットを形成するか、いずれの画素がバックグラウンドを形成するか、およびいずれの画素が単なるノイズまたは人工物であって排除すべきかが決定される。 いくつかの具体例において、純粋な空間−ベースのシグナルセグメント化アプローチは標識同定モジュール50によって用いられ、ここに円は標識によって生じたスポット上に置かれる。 このアプローチにおいて、この円内の全ての画素は、スポットの一部としてカウントされ、該円の外部の全ての画素を用いてバックグラウンドを計算する。 2つの円の間の画素は、スポットおよびそのバックグラウンドの間の転移領域に対応し、それを捨てて、データの質を改善する。 このアプローチにおいて、所定の四角の境界内の円の外側の全ての画素はバックグラウンドと考えられる。

    いくつかの具体例において、強度ベースのセグメント化は標識同定モジュール50によって用いられて、候補標識を確証する。 このカテゴリーにおける方法は、強度情報を専ら用いて、バックグラウンドからシグナル画素をセグメント化する。 そのようなアプローチでは、シグナル画素がバックグラウンド画素よりも平均して明るいと仮定する。 例として、光イメージから取られたスポットの周りの標的領域は40×40画素よりなる。 スポットは直径が約20画素である。 かくして、領域における合計1600(40×40)画素のうち、約314(円の面積はπr (式中、rは半径を表し、直径の半分である)なのでπ×10 )画素、または20%はシグナル画素であって、それらはバックグラウンド画素の強度より高い強度を有すると予測される。 これらのシグナル画素を同定するためには標的領域からの全ての画素が、最低強度画素から最高強度の画素まで1次元アレイの順序とされる{p ,p ,p ,. . . ,p 2500 }。 ここに、p は全ての画素内のi番目に低い強度の画素の強度値である。 もし標的領域に汚染がなければ、強度ランクにおけるトップの20%画素がシグナル画素として分類することができる。 いくつかの具体例において、もし強度ベースセグメント化アプローチによって測定された強度が閾値を超えるならば、スポットはただ有効と考えられる。 しかしながら、本発明においては、スポットのサイズは、直径において、典型的には、実質的に20未満の画素であるが、記載された方法は依然として適用可能である。

    いくつかの具体例において、Mann−Whitneyセグメント化は標識同定モジュール50によって用いられて、候補標識を確証する。 Mann−Whitneyセグメント化は、ここに引用してその全体を援用する、Draghici,2003,Data Analysis Tools for DNA Microarrays,Chapman & Hall/CRC,New York,p. 47に記載されている。 Mann−Whitneyセグメント化アプローチは、空間的情報の使用と幾らかの強度ベースの分析とを組み合せる。 標識同定モジュール50によって行われたスポット発見操作の結果に基づいて、円は、スポットが見出されることが予測される領域を含む標的領域に配置される。 円の外側の画素はバックグラウンドであると仮定されるので、これらのバックグラウンド画素の統計学的特性を用いて、円内部のいずれの画素がシグナル画素であるかを決定することができる。 Mann−Whitneyテストを用いて、たとえそれがスポットの予測される領域内にあっても、他の画素(例えば、バックグラウンド)からシグナル画素を分離する閾値強度レベルを得る。 Mann−Whitneyテストは、ここに引用してその全体を援用する、Smith,1991,Statistical Reasoning, Third Edition,Allyn and Bacon,Boston,pp. 724−730に記載されている、閾値強度よりも高い強度を有する円の内側の画素はシグナルとして処理される。 いくつかの具体例において、もしMann−Whitneyセグメント化アプローチにより計測された強度が閾値を超えるならば、スポットはただ有効と考えられる。

    いくつかの具体例において、組み合わせた強度−空間セグメント化手法(トリミングした測定アプローチ)が標識同定モジュール50によって用いられて、候補標識を確証する。 このアプローチは、Mann−Whitneyアプローチと同様にして、バックグラウンドからのシグナル画素をセグメント化するにおける空間的および強度情報の双方を組み合わせる。 このアプローチにおいては、一旦標識についてのスポットが標識同定モジュール50によって突き止められ、かつ標的円が標的領域に入れられたならば、該円の内部の画素のほとんどはシグナル画素であって、該円の外部の画素の殆どはバックグラウンドであるとの仮定が採用される。 しかしながら、スポット形状の不規則性のため、いくつかのシグナル画素は該円から漏出し、いくらかのバックグラウンド画素が円に入ってもよい。 該円内のバックグランド画素が、シグナル画素の強度分布において異常値と考えることができる。 同様に、該円の外側にあるシグナル画素もまた、バックグラウンド画素の強度分布に関しては異常値として出現する。 汚染画素は、いずれかの箇所において、シグナルおよびバックグランド双方についての強度ドメインにおいて異常値として出現する。 これらの異常値は、もしそれを排除しなければ、平均および合計シグナル強度の測定を酷く変化させるであろう。 これらの測定に対する異常値の効果を除去するためには、標識同定モジュール50のいくつかの具体例では、シグナルおよびバックグラウンドの双方の領域についての画素の強度分布から画素の固定されたパーセンテージを単に「トリミングにより除く」とすることができる。 Mann−Whitneyアプローチは、推定されるスポット領域の外側にある画素についての統計学的解析を行い、次いで、そこで計算された閾値を用いて、標的領域内部の画素をセグメント化する。 トリミングされた測定アプローチは、双方の分布(推定されるスポットの外側ならびに内側)の統計学的解析を行い、外側の分布の特徴は内側の分布の特性も反映するであろうという賭けをすることなく、各そのような分布から異常値を独立して排除する。 各分布のほぼ5ないし10%を排除することは、このアプローチが、ダスト粒子および他の不純物のような人工物に対して対処するのを可能とする。 好ましい具体例において、標識同定モジュール50は、イメージにおける標識に対応するスポットの強度を定量する必要はない。 しかしながら、いくつかの具体例において、標識の強度は、限定されるものではないが、合計シグナル強度、平均シグナル強度、およびメジアンシグナル強度を含めた、当該分野で知られたいずれかの定量技術を用いて定量される。 例示的な定量技術は、ここに引用してその全体を援用する、Draghici,2003,Data Analysis Tools for DNA Microarrays,Chapman & Hall/CRC,New York,Section 3.4.3に記載されている。

    前記技術は、複数の候補標識を同定し、これらの候補標識の全てまたはいくつかを確証する。 これらをスポットレベル則という。 いくつかの具体例において、有効であるためには、標識についてのスポットは、回折制限点源光の理論的点広がり関数とマッチすることが必要である。 スポットは、例えば、分岐点変換によって同定することができる。 いくつかの具体例において、回折制限を超えるスポットが記録される。 次に、光イメージにおいて1を超えるプローブがあり得る故に、標識同定モジュール50は、プローブ人工物についての先験的知識に適用されて、いずれの確証されたレベルが同一プローブに属するかを決定する。 本質的には、この先験的知識を用いて、そのプローブが光イメージにおいてそのように見えるはずであるモデルを形成する。 次いで、このモデルを、標識の所与の組が所与のプローブに属することを確証するのに用いることができるレポーターレベル則の組に変形することができる。 そのような規則の例には、1つのスポットの重心ともう1つのスポットの重心との間の距離基準を適用すること、および同一プローブに属すると考えられるスポットが閾値量を超える角度を形成しないという要件が含まれる。 本質的には、予測されるモデルが、観察された確証標識にフィットさせられる。 いくつかの具体例において、プローブについて予測されるモデルにフィットさせた場合に最少量の誤差を与える標識の組は、同一プローブに属すると見なされる。

    いくつかの具体例において、モデルを処方するのに用いる先験的知識は、同一プローブに属する標識が直線状に配置されるという予測である。 いくつかの具体例において、標識の組を線形回帰に付して、標識の組が直線状に配置されるかを決定する。 もし線形回帰が満足されれば、他の規則を適用して、標識の組が同一プローブに属することをさらに確証することができる。 いくつかの具体例において、標識の組は、もしそれが線形回帰モデル基準にフィットすれば、直線状と考えられる。 いくつかの具体例において、標識の組は、回帰モデルについてのR−値が0.9以上である場合に、線形回帰モデル基準にフィットすると考えられる。 いくつかの具体例において、本明細書中で記載されたように、実験条件が課されて(例えば、電場)プローブが直線的に配置されることを保証する。 いくつかの具体例において、プローブが直線状に配置されず、予測されるプローブ曲率を取込んだより複雑なモデルが誘導される。 いくつかの具体例において、基板上のプローブの直線方向は未知である(例えば、予め決定されていない)。 いくつかの具体例において、基板上のプローブの直線的向きは知られていない(例えば、予め決定されていない)。 各そのような具体例において、この先験的知識を用いて、モデルを形成する。 プローブの形状(例えば、直線状、曲がった、所定の向きにおいて直線状)に関する規則に加えて、標識スペーシングについての規則がある。 スペーシング則は、標識の組における標識の間の距離に対して拘束を課す。 規則のさらなるタイプは、レポーターを構成するスポットの形状に関する。 スポットの形状は、スポットを突き止め、スポット強度を測定するように設計されたアルゴリズムと組合せて先に議論されている(例えば、観察されたスポット形状と、標識の倍率、点広がり関数モデリング、分岐点変換のようなスポットセグメント化アルゴリズムによって決定された回折制限点源光の理論的点広がりとの間のマッチ)。

    いくつかの具体例において、同一プローブに属する標識を同定するのに用いるモデルは、プローブ中の各標識の間のスペーシングは規定された範囲と同等であるか、または該範囲内であることを要求する。 1つの例において、モデルは、(i)プローブについての標識は直線的に配置され、および(ii)標識は相互から450nmと550nmの間、離れて間隔が設けられるという規則を含む。 いくつかの具体例において、同一プローブに属する標識を同定するのに用いるモデルは、標識が同等間隔に設けられるという要件を課さない。 事実、いくつかの具体例において、プローブ同一性についての情報は、プローブスポットの間の等しくない間隔の形態でコード化される。 さらに、いくつかの具体例において、プローブによってコードされるストリング配列は、複数の光イメージにおいて測定された波長のいずれもにおける光を発しないスペーサー標識モノマーを含む。 本発明は、標識モノマーの間の間隔に対して拘束を課さない。 しかしながら、一旦ナノレポーターが合成されれば、ナノレポーターについての先験的知識を用いて、モデルを構築することができる。 従って、いくつかの具体例において、モデルは、同一プローブに属する標識が相互から100nmと150nmの間、相互から150nmと200nmの間、相互から200nmと250nmの間、相互から250nmと300nmの間、相互から350nmと400nmの間、相互から400nmと450nmの間、相互から450nmと500nmの間、相互から500nmと550nmの間、または相互から550nmと600nmの間の間隔とされるという拘束を課す。 いくつかの具体例において、標識モノマーの間の間隔は等しくないが、知られている。 例えば、1つの4−標識ナノストリングにおいては、第一の標識および第二の標識の間の間隔は400nmであり、第二の標識および第三の標識の間の間隔は750nmであって、第三の標識および第四の標識の間の間隔は625nmである。 この間隔の情報は、ナノストリングのこのクラスについてのモデルを構築するにおいて考慮されるであろう。

    標識が同等に間隔が設けられるモデルにおいては、モデルは、観察された標識にフィットされ、もし観察された標識が所定の許容性内に入れば、モデルは満足される。 いくつかの具体例において、同一プローブに属する標識を同定するのに用いるモデルは角度規則を含む。 例えば、4標識ナノストリングの場合を考える。 いくつかの具体例において、このナノストリングに対するモデルは、ナノストリングにおける3つのモデルが、最大の許容できる角度拘束よりも大きな角度を形成しないように、最大許容角度拘束を課す。

    いくつかの具体例において、標識同定モジュールは、複数の標識における、第一の標識の重心と第二の標識の重心の間の第一の距離基準を適用する。 いくつかの具体例において、第一の距離基準は、プローブにおける、第一の標識と第二の標識の間の計算された距離によって決定される。 いくつかの具体例において、標識同定モジュールは、複数のラベルにおける、第二の標識の重心と第三の標識の重心の間の第二の距離基準を適用する。 第二の距離基準は、例えば、プローブにおける、第二の標識と第三の標識の間の計算された距離によって決定することができる。 いくつかの具体例において、第一の距離の基準は、第二の距離の基準と同一である。 いくつかの具体例において、第一の距離基準は第二の距離基準とは異なる。 いくつかの具体例において、第一の距離基準の値、および第二の距離基準の値は、複数の標識がプローブであるか否かを決定するのに寄与する。

    いくつかの具体例において、複数の標識を同定するための指令は、標識を選択した基板の部分の周りのバッファーゾーンを同定するための指令を含む。 バッファーゾーンは標識を含有しない基板の領域である。 バッファーゾーンは、標識の組を有する基板の部分を囲う。 標識の組の周りのバッファーゾーンの同定は、バッファーゾーンによって囲われる標識の組が、事実、プローブに潜在的に対応する標識の組であることを保証する。 もし標識の与えられた組の周りのバッファーゾーンが同定できないならば、標識の与えられた組は、潜在的に、基板上で相互に近接する2以上のプローブからのものである。 これは望ましい結果ではない。 なぜならば、それは適切なプローブの同定に至らないからである。 したがって、バッファーゾーン基準の使用は、標識の与えられた組が単一プローブに属することを確実とするのを助けることができる。 事実、いくつかの具体例において、基板上で同定された標識の組は、標識の組の回りにバッファーゾーンがあるのでなければ、確証された標識であるとは考えられない。 かくして、いくつかの具体例において、標識の組は、バッファーゾーン基準が満足されるのでなければ、かつ満足されるまで、依然として、「候補」標識と考えることができる。 いくつかの具体例において、バッファーゾーンは、それがありうべきプローブを現すスポットの直線状アレイの周りにフィットするような形状で伸びている。

    プローブ同定モジュール54。 一旦標識同定モジュール50が基板上の候補プローブを同定するならば、プローブ同定モジュール54は、同定された候補プローブの標識によって規定されるストリング配列が有効なレポーター配列を構成するか否かを決定する。 複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、複数の標識はプローブであると見なされる。 複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、複数の標識はプローブではないと見なされる。 そのような具体例において、プローブ同定モジュール54は、複数の標識のストリング配列を比較して、参照テーブル中のレポーター配列を確証する。 好ましい具体例において、参照テーブルは全ての可能な有効ストリング配列のリストを含む。 参照テーブルの背後にある前提は、ストリング配列の可能な組のいくつかのみが現実には使用されるということである。 例えば、ナノストリング(プローブ)が4つの標識モノマーで構築され、各標識モノマーが4つの異なる色(例えば、赤色、緑色、青色およびブランク)の1つを採用できる場合を考える。 この場合において、4 =64の可能なストリング配列がある。 これらのストリング配列の20のみが、現実に、基板に暴露された試料で用いられると言う。 そのような具体例において、参照テーブルにこれらの20のストリング配列を装着する。 もし標識同定モジュール50が、これらの20のストリング配列の1つにマッチするストリング配列を有する基板上のプローブを同定するならば、プローブは確証されるであろう。 もし標識同定モジュール50が、これらの20のストリング配列の1つにマッチしないストリング配列を有する基板上のプローブを同定するならば、プローブは人工物質として捨てられるであろう。 多くの具体例において、参照テーブルにおけるストリング配列の数は、ストリング配列の可能な数の小さな割合である。 この状態は、有効なプローブのみが基板上で同定されることを確実とするのを助ける。 いくつかの具体例において、プローブは7つの標識を有し、各標識は、合計7 の異なるストリング配列についての4つの異なる色の1つを採用し、その小さな割合を用いて、現実のナノレポーターを構築する。 いくつかの具体例において、プローブは20の標識を有し、各標識は合計20 20の異なる有効レポーター配列についての20の異なる色の1つを採用し、その小さな割合を用いて、現実のナノレポーターを構築する。 これらの例示的な具体例は、本発明のいくつかの具体例の寸法を示すように単に働く。 先に示したように、標識のより大きな範囲を、与えられたナノレポーターで用いることができ、各そのような標識は多くの異なる色を採用することができる。 いくつかの具体例において、プローブにおいて2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20以上の標識があり、各標識は2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上の異なる色のいずれか1つを採用することができる。 いくつかの具体例において、プローブにおいて2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上の標識があり、各標識は2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上の異なる色のいずれか2つを採用することができる。 いくつかの具体例において、プローブにおいて2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上の標識があり、各標識は3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上の異なる色のいずれか3つを採用することができる。 いくつかの具体例において、プローブにおいて2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれ以上の標識があり、各標識は複数の色における多数の色(例えば、2つの色、3つの色、4つの色)を採用することができる。 いくつかの具体例において、この複数の色は5以上の色、6以上の色、7以上の色、7と100の間の色、または20を超える色よりなる。 いくつかの具体例において、色は区別される波長範囲(例えば、340nmないし350nm、355nmないし365nm等)である。

    いくつかの具体例において、プローブによって規定されたストリング配列における標識の第一のサブセットは、ストリング配列中の標識の第二のサブセットにおける標識の同一性のエラーチェックするように働く。 例えば、プローブ中に8つの標識がある場合を考える。 最後の2つの標識は、最初の6つの標識の同一性をエラーチェックするように働くことができる。 例えば、ストリング配列中の最後の2つの標識は、ストリング配列中の最初の6つの標識についてのチェックサムとして働くことができる。 いくつかの具体例において、チェックサム値は、現実には、標識同定モジュール50によって誤って読まれたストリング配列をエラーチェックするのに用いることができる。 かくして、いくつかの具体例において、チェックサム、またはストリング配列に存在するエラー修正コードの他の形態を用いて、エラー修正技術をストリング配列に適用することによって、参照テーブルに存在しないストリング配列を確証するのが可能である。

    いくつかの具体例において、距離情報が部分的にストリング同一性をコード化する場合、参照テーブルは有効なレポーター配列を含み、ここに、各そのような有効なレポーター配列は、ストリング配列に加え標識の間の距離情報を含む。 そのような具体例において、距離情報およびストリング配列双方の間に、有効なプローブを同定するためのマッチがなければならない。 例えば、標識同定モジュール50によって同定されたストリング配列が3つの標識よりなり、ここに、第一と第二の標識の間の距離はd であって、第二および第三の標識の距離がd である場合を考える。 この例において、プローブ同定モジュールは、同一のストリング配列をコード化し、各々、第一と第二の標識、および第二と第三の標識の間にd およびd 距離のマッチングを有する参照テーブル56においてストリング配列を見出さなければならない。

    いくつかの具体例において、標識同定モジュール50は、複数の標識を同定するための指令を複数回反復するための指令を含む。 複数の標識を同定するための指令が反復される毎に、基板上で相互に近接する、異なる複数の標識が、複数の光イメージ46において同定される。 そのような具体例において、プローブ同定モジュール54は、標識同定モジュール50によって同定される各そのような異なる複数の標識が有効なレポーター配列を含むか否かを決定する。 各そのような異なる複数の標識に対して、プローブ同定モジュール54は、異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合、異なる複数の標識がプローブであると見なす。 さらに、プローブ同定モジュール54が、異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、異なる複数の標識はプローブでないと見なす。 いくつかの具体例において、複数のプローブは同定される。 いくつかの具体例において、複数のプローブは3以上のプローブ、2以上のプローブ、3以上のプローブ、10以上のプローブ、少なくとも5、10、15、20、50、75、100、150、200、300、または400またはそれ以上のプローブよりなる。 いくつかの具体例において、プローブ同定モジュール54は同定されたプローブの各タイプを記憶する。 プローブの「タイプ」はプローブのストリング配列によって同定される。 いくつかの具体例において、プローブ同定モジュール54は、有効なレポーター配列として確認されない各異なる複数の標識の各ストリング配列を記憶する。 いくつかの具体例において、プローブ同定モジュール54は、有効なレポーター配列として確認される各異なる複数の標識の各ストリング配列を記憶する。

    5.16 ナノレポーター技術の適用 本発明の組成物および方法は、診断、予後的治療およびスクリーニング目的で用いることができる。 本発明は、多くの異なる標的分子が、本発明の方法を用いて単一生体分子試料から一度に分析することができるという利点を提供する。 これは、例えば、1つの試料で行うべき数個の診断テストを可能とする。

    5.16.1 診断/予後方法 本発明の方法を、患者から得られた、または誘導された生体分子試料の分析に適用して、病気となった細胞型が試料に存在するか否かを決定し、および/または病気の段階を決定することができる。 例えば、血液試料は、本明細書中に記載された方法のいずれかに従ってアッセイして、試料中の癌性細胞タイプのマーカーの存在、および/または量を決定し、それにより、癌を診断し、またはその段階を決定することができる。 別法として、本明細書中に記載された方法を用いて、試料中の、各々、細菌またはウイルスのマーカーの存在、および/または量を決定することによって、病原体感染、例えば、細胞内細菌およびウイルスによる感染を診断することができる。 かくして、本発明の組成物および方法を用いて検出された標的分子は、(癌マーカーのような)患者マーカー、または細菌またはウイルスマーカーのような外来性剤での感染でのマーカーいずれかであり得る。 ナノレポーターの定量的性質のため、本発明の組成物および方法を用いて、その豊富性が生物学的状態または病気状態を示す標的分子、例えば、病気状態の結果としてアップレギュレートされ、またはダウンレギュレートされる血液マーカーを定量することができる。

    加えて、本発明の組成物および方法を用いて、患者についての治療のコースを決定するにおいて援助する予後情報を供することができる。 例えば、腫瘍についての特定のマーカーの量は、患者からの小さな試料からさえ正確に定量することができる。 乳癌のようなある種の病気では、Her2−neuのようなある遺伝子の過剰発現は、治療のより攻撃的コースを必要としていることを示す。

    5.16.2 スクリーニング方法 本発明の方法は、とりわけ、化学化合物、突然変異、温度の変化、成長ホルモン、成長因子、病気、または培養条件の変化を含めた乱れの種々の標的分子に対する効果を決定するために用いることができ、それにより、その存在、不存在またはレベルが特定の生物学的状態を示す標的分子を同定することができる。 好ましい具体例において、本発明を用いて、病気状態の成分および経路を解明し、発見する。 例えば、病気組織に存在する標的分子の量と、「正常な」組織のそれとの比較は、病気に関与する重要な標的分子の解明を可能とし、それにより、病気の治療で用いることができる新しい薬物候補の発見/スクリーニングのための標的を同定する。

    5.17 プローブを同定するための方法 本発明の1つの態様は、基板に重ねられた試料内のプローブの存在を検出する方法を提供する。 本発明のこの態様において、プローブは、複数の空間的に配置された標識を含む。 1つのそのような方法において、基板上で相互に近接する、複数の光イメージにおける、複数の標識が同定される。 複数の標識の空間的順序は、複数の標識のストリング配列を決定する。 複数の光イメージにおける各光イメージは、複数の異なる波長範囲中の波長範囲における試料から受け取った光についてである。 該方法において、複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列を含むか否かに関して決定を行う。 複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認された場合、複数の標識はプローブであると見なされる。 複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、複数の標識はプローブではないと見なされる。

    いくつかの具体例において、決定工程は、複数の標識のストリング配列を、参照テーブル中の有効なレポーター配列と比較することを含む。 いくつかの具体例において、該方法は、さらに、有効なレポーター配列として確認されない複数の標識のストリング配列を記憶することを含む。 例えば、ストリング配列は電子メモリーに記憶することができる。 いくつかの具体例において、該方法は、さらに、基板上に存在する複数の基点を用いて、複数の光イメージ中の第二の光イメージに対して第一の光イメージを整列させることを含む。

    いくつかの具体例において、複数の標識を同定するための工程は複数回反復される。 複数の標識を同定する工程を反復する毎に、基板上で相互に近接する、異なる複数の標識が、複数の光イメージにおいて同定される。 いくつかの具体例において、該方法が、さらに、異なる複数の標識の各々が有効なレポーター配列を含むか否かを決定することを含む。 各異なる複数の標識は、異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認される場合に、プローブであると見なされる。 さらに、各異なる複数の標識が、異なる複数の標識のストリング配列が有効なレポーター配列として確認されない場合、プローブではないと見なされる。 本発明のこの具体例によると、いくつかの例において、複数のプローブが同定される。 例えば、いくつかの具体例において、2以上のプローブ、3以上のプローブ、10以上のプローブ、少なくとも5、10、15、20、50、75、100、150、200、300、または400プローブまたはそれ以上が同定される。

    複数のプローブが同定されるいくつかの具体例において、同定されたプローブの各タイプが記録される。 プローブの「タイプ」は、プローブのストリング配列によって同定される。 各ユニークな有効なストリング配列は異なるプローブのタイプを表す。 いくつかの具体例において、有効なレポーター配列として確認されない各異なる複数の標識の各ストリング配列が記憶される。 このようにして、基板上のプローブにおいて生じる共通のエラーを決定するのが可能である。 有効なストリング配列を形成しない複数の標識をトラッキングすることによって同定することができる1つのタイプのエラーは、基板上に余りにも多いプローブがある条件である。 基板上に余りにも多いプローブがある場合、隣接するプローブの標識は相互に近接するようになり、各標識がいずれのプローブに属するかを決定するのを困難とする。 同定することができるもう1つのタイプのエラーは、過剰の数のプローブが引き裂かれるようになり、基板上に切り離されたプローブを残す状態である。 いくつかの具体例において、標識、ストリング、有効でないレポーター配列、有効なレポーター配列、プローブのタイプの全ての種は、本発明の方法で追跡される。

    以下の実施例は、本発明を説明するために供し、本発明の範囲を限定するものと断じて解釈されるべきではない。

    (実施例1) 伸長されたDNAの選択的固定化 長さが7.2Kbの二本鎖RNA−DNAハイブリッドは、ビオチンで1つの末端が機能性化されている。 他の末端において、DNAは、4回反復された15塩基の一本鎖配列を含む(5'−GTC TAT CAT CAC AGC GTC TAT CAT CAC AGC GTC TAT CAT CAC AGC GTC TAT CAT CAC AGC−3';配列番号:2)。 かくして、DNAは、選択的固定化のための1つの末端における4つの結合部位を含む。 ハイブリッドは、RNAに取込まれたCy3フルオロフォアを持つ4つの領域も有する。

    DNAの小さな試料(1×TAE、または40mMトリス酢酸、1mM EDTA、pH8.0中3μL、0.01 fmol/μL)を、ストレプトアビジン被覆カバーグラス(Accelr8,TB0200)に受動的に接着されたポリジメチルシロキサンへ成型されたチャネルを含むミクロ流体デバイスに移す。 チャネルの寸法は50μm×1mm×10mmである。 図15A参照。 試料を室温にて15分間カバーグラスと接触させ、DNAを、DNAの末端においてビオチンを介してストレプトアビジン表面に選択的に結合させる。 未結合DNAを流体の流動によって洗浄除去する。 ウェル中の1×TAE緩衝液を新鮮な緩衝液に代えて交換し、流体レベルを各ウェルについて30μLで均一化する。 図4A参照。

    200V/cmの電場を印加して、陽極に向けて長い負に荷電されたDNAを延長する(図15B参照)。

    固定化剤、DNAの第二の末端に対する相補的なビオチニル化オリゴヌクレオチド(5'−ビオチンGCTGTGATGATAGAC−3'、配列番号:3、50μL @ 100nM,1X TAE)を負のウェルに加える。 さらなる容量はウェル中で流体のレベルを隆起させ、静水流動を誘導して、固定化剤をチャネルに導入する(図15C参照)。 流動は、電場に加えて、DNAをさらに伸ばすよう働く。

    ビオチニル化オリゴヌクレオチドは、DNAの第二の末端とハイブリダイズし、他方、それは伸長され、カバーグラスのストレプトアビジンに選択的に結合する。 試料は、5分未満以内に伸長した状態で効果的に固定化することができる。

    選択的に固定化された伸長されたマクロ分子のイメージング。 フルオロフォア標識およびビオチンアフィニティータグを含むマクロ分子を調製し、以下に供する実施例に従って精製する。 マクロ分子はビオチンを含むカバーグラス表面に結合され、電場で伸ばす。 最後に、マクロ分子はアークランプで照射し、カメラでイメージングした。 例示的なイメージを図16に供する。 個々の染料、および重要なことには、個々のマクロ分子上での染料の純度はイメージにおいて検出することができる。

    選択的に固定化された伸長されたマクロ分子の調製およびイメージング。 ここに、種々の成分からのナノレポーターの構築の段階的例を掲げる。 種々の成分は他の成分の前または後に構築でき、または同時に加えることができる。 例えば、パッチユニットまたはフラップの骨格へのアニーリングは同時に、または一方の後に他方を行うことができる。

    本実施例においては、出発物質は円状M13mp18ウイルスベクターである。 単一の線状ストランドM13mp18を用い、パッチユニットをそれにアニーリングして、二本鎖骨格を形成する。 次に、フラップを加え、次いで、標的−特異的配列を連結する。 他方、精製工程は、過剰の、付着していないパッチユニットおよびフラップを濾過するのを助ける。 ナノレポーターに結合する標識された核酸(パッチおよび/またはフラップおよび/または他の標識オリゴヌクレオチド)の構築も記載する。

    標的分子の(例えば、ハイブリダイゼーションを介する)付着に際して、ナノレポーターを表面に付着させ、伸ばす。 最後に、ナノレポーターをカメラによってイメージングする。 ナノレポーターを作成し、首尾よく使用して、本実施例において実質的に記載される方法を用いて標的分子を検出した。

    骨格構築。 選択されたオリゴヌクレオチド骨格配列は、Vector NTI(登録商標)ソフトウエアを用いて分析した。 まず、New England Biolabsから商業的に購入した円状M13mp18一本鎖DNAを線状化することから作成した。 円状M13mp18をBamH1酵素で消化して、それを線状化した。 用いた物質はM13mp18ベクター(250ng/μl)、パッチ 1L BamH1.02(100μMストックの10μM希釈)、10× BamH1緩衝液、BamH1酵素よりなるものであった。 合計0.8pmolの線状M13mp18を作成するためのプロトコルは、以下の工程を含む。 1)37℃までブロックを予め加熱する;2)0.65mlのエッペンドルフチューブ中で、40μlの250ng/μl M13mp18ベクター、2μlの10μMパッチ 1L BamH1.02、および5μlの10× BamH1緩衝液を合わせる;3)エッペンドルフチューブを頂部上のホイルと共に37℃の加熱ブロックに入れる。 チューブを37℃にて15分間インキュベートして、パッチユニットをM13mp18骨格にハイブリダイズさせる;4)15分後に、2μlのBamH1酵素を加え、反応を37℃にて30分間消化させ、その後、さらに2μlのBamH1酵素を加え、反応を継続して、37℃にてさらに30分間消化する(BamH1酵素の最終容量は8%であり);および5)10μlを0.65mlのエッペンドルフチューブにアリコットし、フリーザー中で貯蔵する(線状M13mp18の最終濃度は200ng/μlである)。

    ベースパッチプール(BPP)のパッチユニットの調製。 第二に、パッチユニットはプール中で調製する。 パッチオリゴヌクレオチド配列は最適な長さおよびM13mp18ストランドに対する所望の相同性/非相同性、およびヒトゲノム配列について選択する。 パッチは、長さが60または65ヌクレオチド塩基いずれかの(Integrated DNA Technologiesから購入した)商業的に製造されたオリゴヌクレオチドであった。 各パッチオリゴヌクレオチドの50ヌクレオチド塩基はM13mp18一本鎖DNAに対して相補的であり、10ヌクレオチド塩基は隣接するパッチに対して相補的であって、5ヌクレオチド塩基対は対応するフラップに対して相補的である。 パッチの間の10ヌクレオチド塩基マッチは、構造を安定化し、被覆された骨格のフラップをリフトするのを助け、したがって、それらは標識されたオリゴヌクレオチドに結合するのにより利用できる幹構造を形成する。 フラップに結合するためのパッチ上の合成結合部位、5つのヌクレオチド塩基は、モジュールシステムのパワーの活用を可能とする。

    塩基パッチプールは、全てがナノレポーター上の特異的文字のグループ分けおよび位置に対応する9つのパッチユニットを含有する。 本実施例では、4つの異なる蛍光染料(色)(A、B、CおよびDと標識する)、および8つの異なる位置または領域があり、そこでは、標識された核酸がナノレポーター上に結合することができる。 例えば、BPP A3はナノレポーター上の位置3(パッチユニット19ないし27)におけるAパッチユニットの全てに対応する。

    ナノレポーター位置は以下の通りである:
    位置1:パッチユニット1ないし9(AまたはC)
    位置2:パッチユニット10ないし18(BまたはD)
    位置3:パッチユニット19ないし27(AまたはC)
    位置4:パッチユニット28ないし36(BまたはD)
    位置5:パッチユニット37ないし45(AまたはC)
    位置6:パッチユニット46ないし54(BまたはD)
    位置7:パッチユニット55ないし63(AまたはC)
    位置8:パッチユニット64ないし72(BまたはD)
    材料:相互に予めアニールされた右側および左側パッチ(各オリゴヌクレオチドは10μMの濃度におけるものである)。 100pmolのBPP1:(位置1においては、パッチ座標1LをBamH1消化のために用い−このパッチはBPP1には含めない):10μlの各予めアニールした(10μM/各々)パッチユニット(座標2ないし9)、5μl(20μM)パッチ 1R(AまたはC)を作成するための材料。 各パッチの最終濃度は1.18pmol/μlである。 100pmolのBPP2−8:10μlの各予めアニールされた(10μM/各々)適切なパッチユニットを作成するための材料。 各々に加えられた9パッチユニット、または合計90μlがある。 各パッチの最終濃度は1.11pmol/μlである。

    以下に、ナノレポーター上に結合する染料−標識核酸についての8つの位置または領域と共に、本実施例のために作成された全てのパッチユニットプールの表を掲げる。 位置1、3、5、および7は染料Aまたは染料Cで標識された核酸に結合することができ、および位置2、4、6および8は染料Bまたは染料Dで標識された核酸に結合することができる。

    二本鎖骨格のためのパッチユニットと共に一本鎖オリゴヌクレオチドをアニールするための材料および調製する方法。 第三に、パッチユニットを調製して、一本鎖線状M13mp18にアニールさせ、ストランドを被覆して、二本鎖オリゴヌクレオチド骨格を作成する。 M13mp18に60および65ヌクレオチド塩基パッチをアニールするための条件は、結合が非常に特異的であって、パッチはM13mp18ストランド上の正しくない座標にアニールしないように、高い塩濃度で起こる必要がある。 アニーリング工程のために、各パッチユニットは、0.5pmol合計容量にて、一本鎖M13mp18配列と共に2:1ないし4:1比率で加える。 過剰のパッチはフラップをアニールする前に除去する。

    用いた材料は20× SSC、線状M13mp18(0.08pmol/μlまたは200ng/μlで消化したBamH1)、適切な塩基パッチプール(BPP)(1.11pmol/μlにおいて合計8を必要とする−前記参照)よりなり、デジタル加熱ブロックは45℃に設定される。 整えたアニーリング反応は以下の通りである。 一般的ガイドライン:M13mp18分子当たり2×各パッチユニット、精製のため後に加えた予め連結されたフラップ/パッチ(位置1または8)、および5× SSC。 実施例(F8フックフラップを持つ0.5pmolの骨格)反応は、0.071μMの7.1μlのBamH1消化M13mp18ストランド、最初の7位置:A1、B2、A3、B4、C5、B6およびA7のための1.11μMの0.9μlの各新しい塩基パッチプールよりなる。


    1.7μl A1 BPP(予めアニール、12/15;1.18μM/各パッチにて)
    1.8μl B2 BPP(予めアニール、12/15;1.11μM/各パッチにて)
    1.8μl A3 BPP(予めアニール、12/15;1.11μM/各パッチにて)
    1.8μl B4 BPP(予めアニール、12/15;1.11μM/各パッチにて)
    1.8μl C5 BPP(予めアニール、12/15;1.11μM/各パッチにて)
    1.8μl B6 BPP(予めアニール、12/15;1.11μM/各パッチにて)
    1.8μl A7 BPP(予めアニール、12/15;1.11μM/各パッチにて)
    0.83μM、および7.3μlの20×SSCの精製タグ−F8(パッチ座標71L、71R、72L、72R、73Lにアニールし、位置F8において、ビオチンリンカーとして用いるための「F」特異性を有する十分なスプリット−フラップ/パッチユニットを形成するFHF)を持つ2.4μl BPP−D8(最初の7つのパッチユニット−位置8における座標64、65、66、67、68、69、および70−のプール[D特異性])。 最終の反応容量は0.027ピコモル/μlにおいて29.3μlであろう。

    抗−Bamオリゴヌクレオチドもまた加えて、(失われた)1Lパッチユニットに相補的なM13中の領域にアニールさせ、および連結の間にM13骨格の再環化を妨げる。

    二本鎖骨格を形成するための、パッチユニットの、一本鎖m13mp18へのアニーリング。 第四の工程は、パッチユニットを一本鎖線状M13mp18にアニールさせるプロトコルを含み、二本鎖オリゴヌクレオチド骨格を作成するためのストランドの被覆を以下の工程で行う:1)加熱ブロックの42℃までの予備的加熱、15分間の頂部にわたるホイルを持つ小さなPCR(またはストリップ)チューブにおける45℃までの前記反応溶液の加熱、加熱ブロックの65℃への折り返し、およびさらに1時間45分の間のインキュベーション、およびチューブの除去、氷上への設置、または凍結。

    ストレプトアビジンでの、ビオチンおよび磁性ビーズを用いるナノレポーター骨格の精製。 第五の工程はフラップに付着させる前に行い、そこでは、M13mp18ストランドへアニールしていない過剰のパッチユニットを二本鎖オリゴヌクレオチド骨格から分離する。 パッチユニットの相補的な5つのヌクレオチド塩基突出のいくつかに対する5つのヌクレオチド塩基相同領域での精製タグをアニールして、骨格に「掛ける」。 ビオチニル化オリゴヌクレオチドを「精製タグ」にアニールし、ストレプトアビジンと共に磁性ビーズを用いて、ビオチニル化オリゴヌクレオチドを用いて骨格を捕獲する。 過剰のパッチユニットを上清で除去する。 回収のために、骨格は磁性ビーズから融解して、溶液となる。

    d−ビオチンキャッチャーを精製タグにアニールする。 D−ビオチンキャッチャーをナノレポーター上の精製タグにアニールし(M13に対して2×、または4×最終である、溶液中で利用可能なD8−フラップの位置の量に対して2×とし):0.5ピコモル×25はオリゴヌクレオチド位置を引っ掛け(5を掛け合わせる)、4×は50ピコモルとし、0.50μlの100ピコモル/μl D−ビオチンまで移動させ、0.5μl(D,E,F)−(100μMの)ビオチンを試料に加え、混合し、室温で30分間インキュベートする。

    二本鎖骨格から付着していないパッチユニットを洗浄除去するための精製プロトコル。 25倍過剰のF−フックオリゴヌクレオチドを、室温にて30分間、5× SSC中のナノレポーターにアニールさせる。 200μlのDynaBead MyOneストレプトアビジン(商標)ビーズ溶液をピペットで1.5mlのチューブに入れ、磁石上に置き、上清を除去する。 再懸濁させ、および上記工程におけるように磁石で清澄化させることによって、5× SSCで2回洗浄する。 5× SSC中の80μlの試料を加える(本実施例においては80fmolの試料)。 渦巻き上に15分間置くことによって、十分に再懸濁させる。 磁石で溶液を先に清澄化し、後のゲル分析のために上清を新鮮なチューブに移す。 磁石上にある間に、元来加えた同一80μl容量で3回ペレット上にピペッティングすることによって、ペレットを80μlのTEで洗浄する(再懸濁しない)。 洗浄液を除去し、分析のために新鮮な「洗浄」チューブに入れる。 TE緩衝液を45℃まで加熱し、80μlを各ペレットに加え、再懸濁させる。 チューブを15分間、45℃加熱ブロック上に置き、上下に1回ピペッティングして、ビーズが懸濁したままであることを確実とする。 直ちに、温め、かつ保温する間に、生成物を磁石で清澄化する。 精製されたナノレポーターの大部分は、45℃で溶出するこの生成物に存在するはずである。

    フラップの骨格へのアニーリング、および連結。 第六の工程は、骨格にアニールされて「被覆された骨格」を作成するフラップオリゴヌクレオチドを分裂させることを含む。 磁性ビーズでの精製をその後に行って、過剰なスプリットフラップを除去する。 被覆された骨格の連結は、T4リガーゼを用いて行って、構造の安定性を増加させる。 ただ1つのタイプのフラップが、蛍光色素当たり必要である。 フラップは長さが95または100塩基であり、パッチに対して、標識されたオリゴヌクレオチドに対して、および相互に相補性である領域を有する。 各フラップは、標識されたオリゴヌクレオチドへの結合のための15塩基反復配列を有する。 反復配列は、いずれのパリンドロームおよびヘアピン構造も除去するために分析されたラムダ配列に基づく。

    フラップをアニーリングするための条件は以下の通りである。 パッチに対応するフラップ上の配列は5ヌクレオチド塩基対長であり、従って、フラップは高い塩濃度でさえパッチに特異的にアニールする。 パッチに対するフラップの比率は2:1である。 高温における安定性を増大させるために、相互へのパッチの、およびパッチへのフラップの連結は同一反応において行うことができる。

    1)A260nmにおいて分光光度計を用いて精製された骨格を定量する。 調製すべきナノレポーターの適当な量で必要な容量を計算する。 この例については、我々は110ngまたは0.023ピコモルを用い,A260nmにおける読みは、7.7ng/μl、または110ngの代わりの14.3μlを示す。 2)連結反応を以下のように設定する(容量は精製およびスケールに依存して変化する)。 現在パッチに対する1.5×フラップを用い、それに従って計算する。 本実施例では、4つの異なる蛍光染料(色)標識A、B、CおよびD、ならびに染料−標識核酸がナノレポーター上に結合することができる8つの異なる位置または領域がある。 各色についての位置の数(この場合、1ないし4)に9を掛けて、骨格の1.5モルを掛けて=使用に対するフラップのモルとなる。

    配列/位置[ABABCBAD]における蛍光色素を持つナノレポーターでは:
    ABABCBAD=
    A:40.5×. 023=. 93ピコモル;容量:93ulのSF(スプリットフラップ)−AL@1μM
    1μMにおける0.93μlのSF−AR
    B:40.5×. 023=. 93ピコモル;容量:. 93ulのSF−BL@1μM
    1μMにおける0.93μlのSF−BR
    C:13.5×. 023=. 31ピコモル;容量:. 31ulのSF−CL@1μM
    1μMにおける0.31μlのSF−CR
    D:13.5×. 023=. 31ピコモル;容量:. 31ulのSF−DL@1μM
    1μMにおける0.31μlのSF−DR
    連結反応(合計25μl)はスプリットフラップ(前記参照;合計4.96μl,または〜5μl)、0.0016ピコモル/μlにおける14.3μlのMODB−骨格、2.5μl 10× T4連結緩衝液、2.2μlのNanoPure H Oおよび1μl T4リガーゼよりなる。 45℃にて5分間チューブをインキュベートする。 37℃の水浴に5分間で移動させる。 1μlのT4リガーゼを試料に加える。 37℃においてさらに1時間インキュベートする。 直ちに凍結し、あるいは75℃にて5分間加熱して、T4リガーゼを殺傷する。

    標的−特異的配列のナノレポーターへの連結。 第7番目の工程は、標的−特異的配列のナノレポーターへの連結を含む。 DNA標的−特異的配列は、RNA(例えば、mRNA)またはDNA(例えば、cDNAまたはゲノムDNA)であり得る、標的分子に対して相補的となるように設計される。 標的−特異的配列は、長さが、35、60または70ヌクレオチド塩基とすることができる。 標的−特異的配列は、被覆された骨格上の一本鎖突出領域を用いて骨格に連結させることがきる。 単一タイプの標的−特異的配列を持つ骨格は別々に製造し、次いで、混合して、ライブラリーを形成することができる。

    ナノレポーター構築。 オリゴヌクレオチドのナノレポーターへの付加は、ナノレポーターの構築の間にいずれかの地点で行うことができる。 本発明のある態様において、標識されたオリゴヌクレオチドは15ヌクレオチド塩基長である。 5'末端では、単一のフルオロフォア染料が付着される。 特定のフルオロフォア染料を持つオリゴヌクレオチドは、一般には、同一の配列を有する。 これらの標識されたオリゴヌクレオチドは、スプリットフラップの反復配列に結合する。 この例に最良に適したフルオロフォアは、限定されるものではないがAlexa488、Cy3、Alexa594、およびAAlexa647を含む。 15ヌクレオチド塩基長は、フルオロフォアが相互に消光できず、かつ可視化プロセスにおける条件にて、標識された核酸が安定である(相補的ストランドを融解除去しない)ことを確実とするように、十分離れてフルオロフォアを保持する。 標識されたオリゴヌクレオチドは40℃にて安定である。 この短い長さは、非常に多数の蛍光染料をフラップにパッキングするのを可能とする。 本発明のある態様において、標識されたオリゴヌクレオチドは、標的試料プロセッシングの間に導入される。

    標的分子へのナノレポーターの付着。 ナノレポーターは、当業者に知られたいずれの手段を用いても標的分子に付着させることができる。 例示的な具体例において、各250ピコモルの第一のプローブおよび第二のプローブの双方を125ピコモルの標的と混合することによって、デュアルナノレポーターは標的分子にハイブリダイズする。 合計容量を4μl、および5× SSCの緩衝液の最終濃度に調整する。 この混合物を、42度において被覆されたPCRチューブ中で一晩インキュベートして、ハイブリダイゼーションを起こさせる。

    表面付着。 一旦、ナノレポーターが標的分子、および対応する標識された核酸、すなわち、標識モノマーに付着した核酸の双方に付着したならば、それらは表面に付着され、標識モノマーによって発せられたシグナルの順序を解明するにおいて伸ばされ、このようにして、標的分子を同定する。 この例においては、ナノレポーターは伸ばされて、特定の標的分子に対応するそれらの蛍光染料コードを空間的に解像する。 ナノレポーターは1つの端部を表面(この例では−カバーグラス、以下の調製参照)に付着させることによって伸ばされる。 表面付着のための2つの方法を用いることができる:A)ビオチニル化されているナノレポーターを持つAccelr8 Corporationからのストレプトアビジン被覆スライド、およびB)ストレプトアビジンを有するナノレポーターを持つビオチン被覆スライド。 緩衝液中では、ナノレポーターが活性な表面に接触され、一定時間インキュベートされる。 反応は、チャネルを作成するためにエッチングされたシリコンウエハー中に成型されたPDMSから作成されたフローセル中で行う。 金属チュービングを用いて、緩衝液および試料挿入のためのチャネルの末端においてウェルを開ける。 チャネル寸法は0.5mmまたは1mmの広さであって、54μmの高さである。 一旦試料がフローセルレーンに負荷され、インキュベートされたならば、ナノレポーターを付着すべきである。 ナノレポーターは電圧を適用することによって、またはストリングを伸ばしかつ乾燥する後退メニスカスを持つ液体を除去することによって伸ばすことができる。

    表面の調製およびデバイスの組立て。 結合表面(Accelr8ブランドストレプトアビジンOptiChem,被覆されたカバーグラス)をスライド容器当たり5表面のユニットにおいて搭載し、各容器はホイルパンチ中のシリカ乾燥剤のパッケージで包む。 該パンチは使用するまで−20℃で貯蔵する。 結合用の表面を調製するために、パンチは、まず、フリーザーから引き出し、数分間にわたって室温となるまで放置する。 もし従前に開放されなければ、次いで、パンチは1つのエッジに沿ってスライスして、スリットを形成し、表面の容器を取り出す。 必要な表面の除去に際して、容器はその乾燥剤と共にパンチに戻し、スリットをパッケージングテープのストリップで閉じてシールし、パンチをフリーザーに戻す。

    次いで、表面をNanopure水(Barnstead Nanopure Diamond)の流れで軽く濯ぎ、清潔な穴つきのCoplinジャー中の0.2μm−濾過1× PBSに10分間浸漬する。 浸漬の後、表面をNanopure水に浸漬し、表面エッジを横切って濾過窒素を吹き付けることによって乾燥する。

    表面と接合させ、および試料の局所化を供するのに用いるPDMSデバイスの清浄化を、セロハンテープをPDMS表面に貼付し、次いで、貯蔵の間に付着するようになるかも知れないダストまたは他の粒子を剥がし落とすことによって、使用直前に行なう。 Accelr8表面の結合側を上にして置き、次いで、清浄なPDMS構造をチャネルを下にして表面の中心に置く。 PDMSは容易に被覆されたガラスに付着し、さらなる付着メカニズムは必要でない。

    試料の結合および洗浄。 まず、(現在、100mMホウ酸ナトリウム緩衝液、pH9.8中に希釈された)5μL液滴の試料を選択されたレーンの1つのウェルに適用することによって表面に結合させる。 液滴は、丁度、チャネルがウェルに接合する地点にタッチすべきである(いくつかの試料はこの時点でチャネルに入り込むことができる)。 チャネルを充填し、非常に弱い真空(<2kPa)を用い、液滴をチャネルを通って反対側ウェルまで引くことによって、結合はチャネル全体に均等化される。 プロセスはそれらの各レーン中の他の試料のために反復される。 次いで、過剰の流体をウェルから取り出し、ウェルにテープを施して、蒸発を低下させ、デバイスを室温にて暗所で20分間インキュベートする。

    結合後、テープを除去し、各レーンの頂部ウェルに100μLの前記ホウ酸塩緩衝液を満たす。 約20μLのその緩衝液を真空を用いてチャネルを通って他のウェルへ引き出し、該プロセスを1回反復する。 次いで、全てのホウ酸塩緩衝液を全てのウェルから除去し、頂部ウェルに1× TAE、pH8.3を満たす。 約50μLのTAEをチャネルを通じて引き出し、全てのTAEを除去し、ウェルを再度満たす。 プロセスを、合計約150μLのTAEすすぎについて、3回繰り返す。 最後に、全てのウェルに100μL 1×TAEを満たす。

    電子ストレッチング。 カバーグラス/PDMSデバイスの底部に浸漬油をスポットし、顕微鏡上に置く。 電極を、第一のPDMSチャネルの反対端部のウェルに挿入する(頂部ウェルにおける陰極、底部における陽極)。 チャネルの第一のイメージを底部ウェル近くで取り;顕微鏡ステージを、注目する領域が焦点内となるように調整する。 次いで、電圧(200V)をチャネルを横切って印加する。 電圧をDC電源(Agilent E3630A)によって供給し、自作増幅器を介して100倍増幅する。 電流を印加した後、焦点を再度調整し、イメージングプロセスが始まる。 電気ストレッチングおよびイメージングプロセスを、次いで、残りのチャネルについて反復する。 結合のイメージ化を行なう。

    ナノレポーター上の蛍光染料のための光源。 光源としてアークランプを用いるにおいて、最良のフルオロフォア選択は、Alexa 488、Cy3、およびAlexa 594のような蛍光重複に導くことのない最も明るいタイプである。 Alexa 647およびCy5.5のようなより弱い蛍光染料を用いることができる。

    ナノレポーター上の蛍光染料をイメージするためのフィルター。 選択されたフルオロフォアAlexa 488、Cy3、Alexa 594およびAlexa 647については、Cy3とAlexa594の間に重複はあり得る。 しかしながら、572ないし600nmのバンド幅を持つ発光フィルターのカスタムオーダーは重複を最小化する。

    ナノレポーターをイメージするための顕微鏡および対物レンズ。 用いた顕微鏡モデルは、多数の蛍光染料候補からの蛍光発光の選択を可能とする6フィルターカセットを有する倒立蛍光イメージングステーションを用いるNikon IncorporationからのNikon Eclipse TE2000Eであった。 選択された染料については、必要とされる光学的分解能は全ての波長(500ないし700nm)について約400nmである。 選択された対物レンズは、1.45のNAおよび60の倍率を有するNikon Plan APO TIRFレンズである。 光学分解能は異なる波長について〜210ないし300nmである。

    (実施例2):6.2 パッチ/フラップナノレポーターの製造プロトコル 本実施例は、一本鎖線状M13mp18ウィルスDNA、オリゴヌクレオチドパッチユニットおよび長いフラップよりなるナノレポーターを作成するもう1つの方法を示す。 ナノレポーター標識ユニットは、実質的に本実施例に記載された方法を用いて首尾よく作成された。 プレ−リン酸化パッチユニットおよびフラップをM13mp18 DNAベクターと共に加え、一緒に連結させる。 M13mp18 DNAに連結されるパッチユニットへのフラップの連結の後、BamH1酵素を導入して、ベクターを線状化する。 骨格として5μgのM13mp18で出発してナノレポーターのバッチを調製する。 ハイブリダイゼーションは、所望の量に応じてスケールアップすることができる。 このプロセスは完成させるのに約1ないし2日必要である。

    水浴をプロトコルの開始前に37℃および55℃まで予備加熱する。 緩衝液は全てよく混合され、使用前に解凍されたことを確認する。 作動プレートは入手可能であって、プレート#529916および#610591におけるIDTからの順序立ったオリゴで標識されるべきである。 これらの2つのプレートを取り出し、室温にて0.5ないし1時間解凍し、ウェルを被覆するテープを除去する前に回転して内容物を降下させる。 4つの別々の反応を、これらのプレートからの特異的オリゴヌクレオチドを用いて1.5mlのエッペンドルフチューブ中に設定する。 標識を開始するための、これらの4つはそれらのキャップ上のローマ数字を付したチューブを分ける。 カラム5および6AないしHは反応Iについてのものであり、カラム7および8AないしHは反応iiについてのものであって、全てはプレート#529916に見出される。 カラム1および2は反応ivについてのものであって、カラム3および4は反応iiiについてのものである。

    フラップ連結(工程A):標識4は(前記した)ローマ数字iないしivを付した1.5mlチューブを分ける。 5μlの10×リガーゼ緩衝液、プレート#529916および#610591からの命名されたウェルからの0.5μl/オリゴヌクレオチド、反応I、iiおよびivのための4μl Long Flap Oligo/反応(AまたはB)、領域iiiのための3ulのLF、反応I、iiおよびivのための29H20、反応iiiのための32μlのH20、および4μlのT4リガーゼを含有する各50μl反応にそれに応じて以上の試薬を加える。 リガーゼ無くしてこのミックス中のオリゴを37℃にて30分間プレアニールする。 最後の試薬としてリガーゼを加え、室温にて少なくとも4時間連結させる。 産物の濃度は1ピコモル/フラップ/μlである。

    フラップ連結リン酸化(工程B):標識4は、再度、ローマ数字を付した1.5mlチューブを分け、1ないし4には、産物がリン酸化されているということを示すために円内部にPを付す。 以下の試薬を対応するチューブに加える:10μl/フラップ連結、反応(前記した10μl/フラップ連結反応を取る)、2.5μlのオプティキナーゼ緩衝液、0.5μl 100mM ATP、11.5μl H20、および0.5μl オプティキナーゼ酵素。 37℃にて1時間インキュベートする。 産物の濃度は0.4ピコモル/フラップ/μlである。

    オリゴヌクレオチドパッチユニットリン酸化(工程C):27μlのオリゴヌクレオチド;パッチユニットミックス0.74ピコモル/μl、5μl 10×緩衝液、1μl 100mM ATP、3μlのオプティキナーゼ酵素、および14μlのH20。 一旦、試薬は全て一緒にされると、チューブを数回ぐいっと動かすことによって溶液を温和に混合し、回転させて沈降させる。 37℃にて1時間インキュベートする。

    M13mp18骨格へのハイブリダイゼーション(工程D):新しい1.5mlのチューブに、以下の試薬:250ng/μlの20μl M13mp18、27μlリン酸化オリゴヌクレオチドパッチユニット0.4ピコモル/μlを加え(工程C)、12.5μl/Phosph. フラップ連結(工程B)は55℃にて5分間予備加熱し、氷上に11μlの10×リガーゼ緩衝液を置き、全混合物を55℃にて1分間加熱する。 混合物を37℃にて少なくとも4時間ハイブリダイズする。

    連結(工程E):エッペンドルフ内容物を回転により沈降させる。 1.2μl 100 mM ATPおよび3ul T4リガーゼを加える。 チューブをぐいっと動かすことによって内容物を温和に混合し、次いで、回転により沈降させる。

    BamH1消化(工程F):1μlの10ピコモルBamH1オリゴ、20μl 10×BamH1緩衝液を加え、37にて〜1時間ハイブリダイズさせる。 容量を200μlまで調整する。 3μlのBamH1酵素を加える。 37℃にて1時間インキュベートする。

    第一の工程:20μlmのM13mp18(NEB 250 μg/ml)を清浄な1.7mlのエッペンドルフチューブに加えることによって開始する。 5μlのリン酸化フラップ連結反応を取り、それを70にて2分間予備加熱し、直ちに氷上に置く。 5μlの各リン酸化フラップ連結反応(1ピコモル/フラップ/μl)をチューブに加え、数回ピペッティングすることによって温和に混合する。 エッペンドルフチューブを37℃にて1時間インキュベートする。

    第二工程:13.5μlのオリゴヌクレオチドパッチユニットミックス(0.74ピコモル/μl)および1μlのアクリダイトミックス(10ピコモル/μl)を新しいエッペンドルフ1.7mlエッペンドルフチューブに入れる。 5μlの10×オプティキナーゼ緩衝液、1μlの100mM ATPおよび27.5μlのH20を加える。 溶液をピペッティングすることによって温和に混合する。 2μlのオプティキナーゼ酵素を加え、ピペッティングによって温和に混合し、37℃にて1時間インキュベートする。

    第三の工程:リン酸化されたオリゴrxnを取り、それを、全部、M13mp18+フラップハイブリダイゼーションの内容物に加える。 ピペッティングによって反応を温和に混合し、それを30℃にて1時間インキュベートする。 ハイブリダイゼーションが完了した後、1μl(100ATP)を反応に加えることによってATPを調整する。

    第四の工程:エッペンドルフチューブ中の内容物を回転沈降させ、4μlのT4リガーゼ酵素(5ユニット/μl)を加え、ピペッティングによって温和に混合する。 室温にて少なくとも4時間インキュベートする。 1μlのBamH1オリゴヌクレオチド(10ピコモル/μl)を加えて、連結が起こりつつ室温にてハイブリダイズさせる。

    第五の工程:4μlのBamH1酵素(5ユニット/μl)を加えることによって連結反応を消化し、ピペッティングによって温和に混合し、37℃にて1時間インキュベートする。 一旦インキュベーション時間が終われば、QCのために500ngのアリコットを取る。

    第六の工程:プソラレン、UVまたはDMPA光で15分間処理する。

    計算は:
    5μgのM13=New England Biolabsからの20μlストック=2ピコモル オリゴヌクレオチドミックス:180−34フラップ領域−10アクリダイト修飾オリゴ=0.74ピコモル/オリゴ 10ピコモル/オリゴヌクレオチド13.5μl=1350ピコモル オプティキナーゼ1ユニットは1ナノモルのホスフェートを末端に変換し−過剰量を用いる。 4μlのオプティキナーゼを用いた。

    (実施例3):6.3 RNAナノレポーターの生産のためのプロトコル ナノレポーターを作成し、実質的に本実施例に記載された方法を用いて標的分子を検出するのに首尾よく使用された。 そのようなこの方法を用いる標的検出の例を図6に示す。

    骨格の生成。 一本鎖環状M13mp18 DNA(USB)を、BamHI認識部位(Bam Cutterオリゴ)に相補的な5倍モル過剰のオリゴヌクレオチドにアニールし、BamHI制限酵素で切断して、線状一本鎖DNA骨格を生じさせた。 Bam Cutterオリゴヌクレオチド(抗−Bamオリゴヌクレオチド)に相補的なオリゴヌクレオチドを、引き続いて、50倍過剰に加えて、遊離Bam Cutterオリゴヌクレオチドを隔離し、かくして、より後の工程の間にM13の再環状化を妨げた。 線状M13分子は、それに、フルオロフォアが取込まれたRNAパッチ、またはRNAセグメントをアニールできる骨格として働くことができる。

    M13骨格上に二本鎖位置を形成するためのPCR。 オリゴヌクレオチドプライマー対の10組を設計して、M13骨格に沿って10の異なる領域を作成した。 各対は、5'末端にT7RNAポリメラーゼプロモーターを有する1つのプライマーを含有する。 領域2ないし7は900塩基(ほぼ300nm)長であるように設計される。 というのは、これは回折−制限スポット(標準オプティックスで達成することができる最小のスポット)の適切なサイズだからである。 溶液1および8は、共に、長いおよび短いバージョンを有し:長いバージョンは全900塩基領域を被覆し、他方、短いバージョンは900塩基領域の部分のみを被覆して、標的−特異的配列が連結されるのを可能とする。 かくして、標的−特異的配列はいずれかの端部に付着させることができる。 また、端部はアンカーまたはタグの付着で用いることもできる。

    PCRは、Taqポリメラーゼ、および鋳型としての0.5ngの二本鎖M13mp18 DNA(USB)を用いて行う。 反応は、QiagenからのQiaquick精製キットを用いて清浄化する。 各PCR反応により、以下に説明する1つの特異的セグメントに対応する一本鎖断片を生じる。 これらの断片は、RNAセグメントのイン・ビトロ転写のための鋳型として用いる。

    暗色RNAセグメントを生じさせるためのイン・ビトロ転写。 二本鎖鋳型として記載されたPCR産物を用い、Ambionからのイン・ビトロ転写キット(Megascript T7 kit)を用いてRNAセグメントを作成する。 転写反応の産物はQiagenからのRNeasyキットを用いて(鋳型を除去するためのDNAseIでの処理を含めて)精製される。

    アミノアリル基で修飾されたRNAセグメントを生じさせるためのイン・ビトロ転写。 二本鎖鋳型として前記したPCR産物を用い、後の染料−カップリングのためのRNAセグメントは、Ambionからのイン・ビトロ転写キット(MessageAmp aRNAキット)を用いて作成される。 アミノアリル−修飾UTPヌクレオチドは転写の間にRNAセグメントに取込まれる。 転写反応の産物は、QiagenからのRNeasyを用いて(鋳型を除去するためのDNAseIでの処理を含めて)精製される。

    着色したRNAセグメントを生じさせるためのアミノアリルRNAセグメント染料カップリング。 Ambionアミノアリル標識キットを用い、20ないし100μgのアミノアリル−修飾RNAセグメントをNHS−エステル染料でカップリングさせる。 用いる染料はAlexa488、Alexa594およびAlexa647(Invitrogen/Molecular Probes)ならびにCy3(Amersham)を含む。

    各セグメントは、骨格上の各位置が4色のいずれかでセグメントで満たすことができるように、別々に4色で作成し;かくして、異なる色を異なる位置で加えて、多くのユニークな色組合せを生じさせることができる。

    この特別な具体例において、隣接するセグメントは異なる色のものでなければならず、あるいは各セグメントは個々の「スポット」として検出されるように、散在する暗色セグメントがあってよい。 暗色セグメントはナノレポーターコードの部分として用いられうる。

    標識分子の組立。 各位置についてのセグメントを、1× SSPE緩衝液中でM13骨格に対するセグメントの2:1比率で70℃にて2時間アニールする。 標識されたRNAセグメントを持つ組立てられたナノレポーターを図3Aおよび3Bに示す。 図3Aは、交互「スポット」(1、3、5および7)のみが標識されるナノレポーターを示し、図3Bはあらゆるスポットが標識されるナノレポーターを示す。

    (実施例4):6.4 RNAナノレポーター/ゴーストプローブ組合せを用いる標的(S2)RNAおよびDNA分子の検出 プローブおよび標的オリゴヌクレオチドの合成。 S2 DNA標的オリゴヌクレオチドを合成し、ポリアクリルアミドゲル電気詠動(Integrated DNA Technologies)によって精製した。 S2 RNA標的分子は、製造業者の指示により、Ambion Megascript(商標)キットを用い、クローン化されたSARSコロナウイルス遺伝子(Invitrogen)の領域に対応するPCR産物のイン・ビトロ転写によって作成した。 S2ゴーストプローブ(図6A(i))はS2標的配列(S2−a)の特異的50−塩基領域に相補的であり、5'末端においてビオチン−TEGモノマーで合成し、高速液体クロマトフラフィー(Integrated DNA Technologies)によって精製した。 S2標的(S2−b)に相補的な50bp、プラス、M13骨格への連結で用いる9bpのさらなる配列(合計59bp)を含む第二のオリゴヌクレオチドを合成し、HPLC(Integrated DNA Technologies)によって精製した。 S2−aおよびS2−b標的領域は重複していないことに注意されたし。

    ナノレポーター合成。 オリゴヌクレオチドS2−bは線状化M13の5'末端に連結し[図6A(iii)]、製造業者の指示により、得られた産物は、YM100フィルター(Millipore)を通すサイズ−排除濾過によって残存する連結されていないオリゴヌクレオチドから精製した。 位置2、4、6および8(図1C)におけるM13に相補的なアミノ−アリル−修飾RNA断片は、製造者の指示によりAmbion Megascript(商標)キットを介してDNA鋳型のイン・ビトロ−転写(PCR産物)から生成させた。 次いで、セグメントを、Ambionの指示によりNHS−エステル−修飾Alexa647染料(Invitrogen)にカップリングさせた(アミノアリルMessageAmp(商標) II aRNAキット)。 M13骨格の位置1、3、5および7に対応するRNAセグメント(図1C)は、前記したようにDNA鋳型からの修飾されていないイン・ビトロ−転写RNAとして作成された。 ナノレポーターの組立ては、1× SSPE緩衝液(150mM塩化ナトリウム、10mMリン酸ナトリウム、1mM EDTA)中で、10fmol/μlの8つのセグメントの各々を5fmol/μlのM13−S1−b骨格に70℃にて2時間アニールすることによって行った。 最終産物は、暗色セグメントが散在したA647(赤色)で標識された4つのセグメントを持つナノレポーターであった。

    ハイブリダイゼーション条件。 ナノレポーターおよびゴーストプローブの標的へのハイブリダイゼーションは、以下の条件:5× SSPE(750mM塩化ナトリウム、50mMリン酸ナトリウム、5mM二ナトリウムEDTA)、40pMゴーストプローブ(付着オリゴヌクレオチドS2−a)、40pMナノレポーターS2−b、100ng/μlの剪断されたサケ精子DNA、5×デンハルトの溶液および0.1%Tween下で行った。 最終標的濃度は20pM S2 DNA標的(図6B)および1pM S2 RNA標的(図6C)。 標的は陰性対照に加えなかった(図6C)。 ハイブリダイゼーション反応は65℃にて少なくとも16時間インキュベートした。

    ハイブリダイゼーション反応は100mMホウ酸緩衝溶液(pH9.8)で1:2希釈し、フローセルチャネルに導入し、チャネルの底を形成するストレプトアビジン−被覆カバーグラス(Accelr8からのストレプトアビジン−OptiChemカバーグラス)に結合した。 ナノレポーター/標的/ゴーストプローブ複合体の1つの端部によるスライドへの付着は、ビオチニル化ゴーストプローブとストレプトアビジン表面との相互作用を介して達成された。 チャネルをさらなるホウ酸緩衝液で濯いで、表面に結合していない過剰のレポーターを除去した後、緩衝液を1× TAE(40mMトリス−酢酸、1mM EDTA)で交換し、200Vの電流を印加して、イメージ捕獲の間にナノレポーター/標的複合体を伸ばした。

    イメージは、63X油浸漬対物レンズ(1.4NA)、Xcite−120光源(Exfo)、カスタマイズフィルター組(Chroma Technologies)、Orca−ER CCDカメラ(Hamamatsu)およびMetamorphデータ獲得ソフトウエア(Molecular Devices)を備えたLeica DMI 6000B顕微鏡を用いて得られた。 予測したように、正しい標的分子S2がゴーストプローブ「図6A(i)、S2−a」およびS2−b標的−特異的ナノレポーター[図6A(iii)]双方にハイブリダイズする場合[図6A(ii)]、ゴーストプローブ/標的/ナノレポーター複合体は単一の種を形成し、これはスライドに付着し、647nm波長の光(図6B、6C、および6E)に暴露した場合に4スポットとして可視化された。 結合の量は標的の濃度に依存した。 S2標的配列の存在下において有意な結合はなかった(図6D)。

    (実施例5):6.5 一価抗体断片を含むナノレポーター 標的分子が蛋白質またはポリペプチドである場合、ナノレポーターを生じさせることができ、ここに、該ナノレポーターの骨格は核酸であって、標的−特異的配列は一価抗体断片である。 ルーチン方法を用いて、注目する標的分子を認識する抗体は、所望により、ペプシンで消化して、F(ab')2断片を生じる。 抗体の2つの部分、あるいはペプシン消化によって生じた2つのF(ab')2断片は、例えば、2−メルカプトエチルアミンでの温和な還元によって分離される。 この還元は、該抗体または該2つのF(ab')2断片を、官能性化することができる2つのスルフヒドリル基を持つ2つの一価断片に分離する。

    ヘテロ二官能性架橋剤(例えば、Pierce Biotechnology Inc.からのm−マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)を用いて、(Integrated DNA Tchnologiesのような多くの源から注文することができる)アミン修飾で、マレイミドをオリゴヌクレオチドに付着させる。 架橋試薬上のNHSはオリゴヌクレオチド上のアミンと反応させて、マレイミド−コンジュゲーテッドオリゴヌクレオチドを生じる。

    次いで、このマレイミドコンジュゲーテッドオリゴヌクレオチドを、抗体断片上のスルフヒドリル基の1つと反応させる。 立体的制限のために、ただ1つのオリゴヌクレオチドを各断片に付着させるのが好ましい。 次いで、オリゴヌクレオチドに付着させたこの一価抗体断片を、ナノレポーター骨格上の相補的配列にハイブリダイズさせて、標的−特異的配列が抗体配列であるナノレポーターを得ることができる。

    表面付着。 一旦、ナノレポーターが、標的分子および対応する標識された核酸、すなわち、標識モノマーに付着した核酸双方に付着すれば、それらを表面に付着させ、標識モノマーによって発せられるシグナルの順序を分解するにおいて伸ばされ、かくして、標的分子を同定する。 この例において、ナノレポーターは伸ばされ、特定の標的分子に対応するその蛍光染料コードを空間的に解像する。 ナノレポーターは、一端を表面(本実施例においては−カバーグラス、以下の調製参照)に付着させることによって伸ばす。 表面付着のために2つの方法を用いることができる:A)ビオチニル化されているナノレポーターを備えたAccelr8 Corporationからのストレプトアビジンで被覆されたスライド、およびB)ストレプトアビジンを有するナノレポーターを備えたビオチン被覆スライド。 緩衝液中で、ナノレポーターは活性な表面と接触され、一定時間インキュベートさせる。 この反応は、チャネルを作製するためにエッチングされたシリコンウエハー中に成型されたPDMSから作製されたフローセルで行う。 金属チュービングを用いて、緩衝液および試料の挿入のためのチャネルの端部において穴を開けてウェルとする。 チャネルの寸法は0.5mmまたは1mm幅であって、54μmの高さである。 一旦試料がフローセルレーンに負荷されインキュベートされれば、ナノレポーターを付着させるべきである。 ナノレポーターは、電圧を印加することによって、または後退メニスカスを持つ液体を除去し、ストリングを伸ばし、乾燥されたものとすることによって伸ばすことができる。

    表面の調製およびデバイスの組立て。 結合表面(Accelr8ブランドストレプトアビジン−OptiChem、被覆されたカバーグラス)を、スライド容器当たり5表面のユニットにはめ込み、各容器をホイルパウチ中のシリカ乾燥剤のパッケージで包む。 パウチを使用するまで−20℃で貯蔵する。

    結合用の表面を調製するために、パウチを、まず、フリーザーから引き出し、数分間にわたって室温まで持っていく。 もし従前に開かれていないならば、次いで、パウチを1つのエッチに沿ってスライスして、スリットを形成し、表面の容器を除去する。 必要な表面の除去に際して、容器をその乾燥剤と共にパウチに戻し、スリットをパッケージングテープのストリップで閉じてシールし、パウチをフリーザーに戻す。

    次いで、表面をNano純水(Barnstead Nanopure Diamond)の流れで軽く濯ぎ、清浄化なスロットを形成されたCoplinジャー中の0.2μm−濾過1× PBS中に10分間浸漬する。 浸漬後、表面をNano純水に浸し、表面エッジを横切って濾過された窒素を吹き付けることによって乾燥する。

    セロハンテープをPDMS表面に貼付し、次いで、貯蔵の間に付着するようになり得るダストまたは他の粒子を剥がすことによって、表面と接合し、試料の局所化を供するのに用いたPDMSデバイスを使用直前に清浄化する。 Accelr8表面の結合側を上にして置き、清浄なPDMS構造を、チャネルを下にして、表面の中心に置く。 PDMSは容易に被覆されたグラスに接着し、さらなる付着メカニズムが必要でない。

    試料の結合および洗浄。 (現在、100mMホウ酸ナトリウム緩衝液、pH9.8に希釈された)5μLの試料の液滴を選択されたレーンの1つのウェルに適用することによって、試料を表面に結合させる。 液滴は、チャネルがウェルに接合する地点に丁度触れるべきである(いくつかの試料はこの地点において吸い込まれ得る)。 チャネルを満たし、非常に弱い真空(<2kPa)を用いて液滴をチャネルを通って反対側のウェルに引き出すことによって、結合をチャネル全体に均等化する。 該プロセスをその各レーンにおいて他の試料について反復する。 次いで、過剰の流体をウェルから取り出し、ウェルにテープを貼って、蒸発を低下させ、デバイスを暗所で室温にて20分間インキュベートする。

    結合後、テープを除去し、各レーンの頂部ウェルに前記した100μLのホウ酸塩緩衝液を満たす。 約20μLのその緩衝液を真空を用いてチャネルから他のウェルへと引き出し、該プロセスを1回反復する。 次いで、全てのホウ酸緩衝液を全てのウェルから除去し、頂部を1× TAE、pH8.3で満たす。 約50μLのTAEをチャネルを通じて引き出し、次いで、全てのTAEを除去し、ウェルを再度満たす。 該プロセスを、合計して約150μLのTAE濯ぎのために、3回反復する。 最後に、全てのウェルを100μLの1× TAEで満たす。

    電気ストレッチング。 カバーグラス/PDMSデバイスの底に浸漬油をスポットし、顕微鏡上に置く。 電極を、第一のPDMSチャネルの対向側のウェルに挿入する(頂部ウェルにおいては陰極、底部ウェルにおいては陽極)。 チャネルの第一のイメージングを底部ウェル近くで取り;注目する領域が焦点に入るように顕微鏡のステージを調整する。

    次いで、電圧(200 V)をチャネルを横切って印加する。 電圧はDC電源(Agilent E3630A)によって供給し、高電圧増幅器(Matsusada Precision Inc.)によって増幅されたのを通じて100倍増幅する。 電流を印加した後、焦点を再度調整し、イメージングプロセスを開始する。

    次いで、電気ストレッチングおよびイメージングプロセスを残りのチャネルで反復する。 ナノレポーターをイメージする。

    ナノレポーターに対する蛍光染料のための光源。 光源としてのアークランプを用いるにおいて、最良のフルオロフォア選択は、Alexa 488、Cy3、およびAlexa 594のような蛍光重複に導くことのない最も明るいタイプである。 Alexa 647およびCy5.5のようなより弱い蛍光染料を用いることもできる。

    ナノレポーターについての蛍光染料をイメージするためのフィルター。 選択されたフルオロフォアAlexa 488、Cy3、Alexa 594およびAlexa 647については、Cy3とAlexa594の間に重複があり得る。 しかしながら、572ないし600nmのバンド幅を持つ発光フィルターのカスタムオーダーは重複を最小化する。

    ナノレポーターをイメージするための顕微鏡および対物レンズ。 用いる顕微鏡モデルは、多数の蛍光染料候補からの蛍光発光の選択を可能とする6つのフィルターカセットを有する倒立蛍光イメージングステーションを用いるNikon IncorporationからのNikon Eclipse TE2000Eである。 選択された染料では、要求される光学的分解能は、全ての波長(500−700nm)について約400nmである。 選択された対物レンズは、1.45のNAおよび60の倍率を有するNikon Plan Apo TIRFレンズである。 光学分解能は異なる波長について〜210ないし300nmである。

    顕微鏡(Nikon Eclipse TE2000E)を用いる5分前に、光源(X−cite 120,Exfo Corporation)にスイッチを入れ、強度が最大であることを確認する。 CCDカメラドライバー(Hamamatsu,Orca Ag)およびシャッターコントローラーにスイッチを入れる。 60×1.45NAの油対物レンズ(Plan Apo TIRF,Nikon)を用いて、ナノレポーターを評価する。 全てのナノレポーターの評価のために、オプティバールを1×に設定する。 Metamorphソフトウェア(Universal Imaging Corporation)を開く。 cy3、A647(Chroma Technologies)のような対応するフィルター組を用いてイメージを獲得する。

    7. 引用した文献 本明細書中で引用した全ての刊行物、特許および特許出願は、あたかも各個々の刊行物または特許または特許出願が、全ての目的で本明細書中において引用によりその全体が援用されるように具体的かつ個々に指令されるかのように同程度に引用によりここに援用される。

    本発明は、コンピュータ読取可能記憶媒体に内臓されたコンピュータプログラムメカニズムを含むコンピュータプログラム製品として実行することができる。 例えば、コンピュータプログラム製品は図9に示されたプログラムモジュールを含有することができよう。 これらのプログラムモジュールは、CD−ROM、DVD、磁気ディスク記憶製品、または他のコンピュータ読取可能データまたはプログラム記憶製品に記憶することができる。 プログラムモジュールは、ROMのような永久記憶、1以上のプログラム可能なチップ、または1以上の特定用途向け集積回路(ASIC)に埋め込むこともできる。 そのような永久記憶は、サーバー、802.11アクセスポイント、802.11ワイヤレスブリッジ/ステーション、リピーター、ルーター、携帯電話、または他の電子デバイスに局所化することができる。 コンピュータプログラム製品におけるプログラムモジュールは、(ソフトウェアモジュールが内蔵された)コンピュータデータシグナルの伝達によって、デジタル的に、または搬送波にて、インターネットその他を介して電子的に分配することもできる。

    当業者に明らかなように、本発明の多くの修飾および変形は、その精神および範囲を逸脱することなくなすことができる。 例えば、データ記憶モジュール44、標識同定モジュール50、およびプローブ同定モジュール54は単一のプログラムに組合せることができ、各々、別々のプログラムとすることができ、あるいは事実、多数の(例えば、3以上の)プログラムに分配することができよう。 本明細書中に記載された特別な具体例は例としてのみ提供され、本発明は、特許請求の範囲が権限を持つ十分な同等範囲と共に、特許請求の範囲の用語によってのみ制限されるべきである。

    QQ群二维码
    意见反馈