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Detection method for detecting on the basis of the amplified signal at said support complex formation or hybridization between at least two basic molecules on a solid support

申请号 JP2003517554 申请日 2002-08-01 公开(公告)号 JP2004537722A 公开(公告)日 2004-12-16
申请人 ビオムリュー、エス.エーBiomerieux S・A; 发明人 フランシス、ガルニエール; ベルナール、マンドラン;
摘要 本発明は、少なくとも2個の分子(8、9)間の複合体形成やハイブリダイゼーションを固体支持体(3)上で検出する方法に関する。 該分子の内の一方の所謂識別分子(8)は予め個体支持体(3)上に固定されており、他方の所謂標的分子(9)は液体試料(2)の溶解している。 また、本発明は、少なくとも2個の異なる分子間の複合体形成やハイブリダイゼーションを検出するための固体支持体、このような支持体を組み込んだバイオチップ、前記バイオチップの診断的テストにおける使用に関する。 該方法は、形成された複合体やハイブリッドに特異的に結合する化学的あるいは 生物 学的な要素(10)を用いる段階と、前記複合体や前記ハイブリッドを励起し、化学的あるいは生物学的な要素(10)をして光 信号 (11)を放出せしめる段階と、前記個体支持体(3)で、 光信号 (11)を受けてこれを化学信号(15)に変換する段階と、化学信号(15)からもたらされる電気信号(12)を検出する段階とを含む。 本発明は、診断分野に特に適用可能である。
【選択図】図6
权利要求
  • 少なくとも2個の分子(8、9)間の複合体形成やハイブリダイゼーションを固体支持体(3)上で検出する検出方法であって、該分子の内の一方の所謂認識分子(8)は予め支持体(3)上に固定されており、他方の所謂標的分子(9)は液体試料(2)の溶解しており、該方法は、次の各段階、
    ・形成された複合体やハイブリッドと特異的に結合した化学的あるいは生物学的な要素(10)を用いる段階と、
    ・前記複合体又は前記ハイブリッドを励起し、化学的あるいは生物学的な要素(10)をして光信号(11)を放出せしめる段階と、
    ・前記支持体(3)上で、光信号(11)を受けて化学信号(15)に変換する段階と、
    ・化学信号(15)からもたらされる電気信号(12)を検出する段階とを含むことを特徴とする検出方法。
  • 請求項1に記載の検出方法であって、励起中に、化学的あるいは生物学的な要素(10)をして少なくとも一個の光子を放出せしめることを特徴とする検出方法。
  • 請求項1又は2のいずれか一項に記載の検出方法であって、化学信号(15)が、金属析出物により、好ましくはハロゲン化銀の析出物により達成されることを特徴とする検出方法。
  • 請求項1〜3のいずれか一項に記載の検出方法であって、検出が、電気的検出(12)及び/又は発光分析及び/又は蛍光分析及び/又は放射測定及び/又はフォトダイオードにより達成されることを特徴とする検出方法。
  • 少なくとも2個の分子(8、9)間の複合体形成やハイブリダイゼーションを検出するための固体支持体(3)であって、該分子の内の一方の所謂認識分子(8)は固体支持体(3)に接触しており、他方の所謂標的分子(9)は液体試料(2)の溶解しており、該支持体は、
    ・複合体やハイブリッドを付着させるための第一の面と、
    ・形成された複合体やハイブリッドに特異的に結合した化学的あるいは生物学的な要素(10)に由来する光信号(11)の化学的増幅手段(5)に領域を画定する第二の面とを含む透明材料からなる壁状物で形成されていることを特徴とする固体支持体。
  • 少なくとも2個の分子(8、9)間の複合体形成やハイブリダイゼーションを検出するための固体支持体(3)であって、該分子の内の一方の所謂認識分子(8)は固体支持体(3)に接触しており、他方の所謂標的分子(9)は液体試料(2)の溶解しており、複合体やハイブリッドの付着と、形成された複合体やハイブリッドに特異的に結合した化学的あるいは生物学的な要素(10)に由来する光信号(11)の化学的増幅手段(5)とが前記支持体(3)の同一面にあることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項5又は6のいずれか一項に記載の固体支持体であって、固体支持体(3)の、光信号(11)の化学的増幅手段(5)を担持する面は、化学信号(15)の検出手段(6、7、12)をも担持することを特徴とする固体支持体。
  • 請求項5〜7のいずれか一項に記載の固体支持体であって、固体支持体(3)の厚さが0.1μm〜100μm、好ましくは0.5μm〜10μm、更に好ましくは1μmの薄厚であることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項8に記載の固体支持体であって、固体支持体(3)の形状が略平行六面体であることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項5〜9のいずれか一項に記載の固体支持体であって、固体支持体(3)の第二の面はテストカード(1)と当接しており、両要素(3、1)の間の空間は光信号(11)の増幅手段(5)及び/又は化学信号(15)の検出手段(6、7、12)を囲んでいることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項5〜10のいずれか一項に記載の固体支持体であって、化学的あるいは生物学的な要素(10)は、2種類の分子の内の一方、即ち認識分子(8)又は標的分子(9)の内の一方の全体又は一部を形成している、あるいは前記2種類の分子の内の一方、即ち認識分子(8)又は標的分子(9)の内の一方により予め担持されている原子あるいは検出分子からなることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項5〜10のいずれか一項に記載の固体支持体であって、化学的あるいは生物学的な要素(10)は、2種類の分子の一方、即ち認識分子(8)又は標的分子(9)の内の一方に配置された原子又は原子群で構成されていることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項5〜12のいずれか一項に記載の固体支持体であって、構造的あるいは機能的に同一の認識分子(8)群、即ち同一の標的分子(9)にハイブリダイズするあるいはこれと複合体を形成する認識分子群は全て、一認識領域(14)にまとめられ、固体支持体(3)は、少なくとも2個の認識領域(14)、好ましくは100個〜100万個の認識領域(14)、更に好ましくは300個〜1000個の認識領域(14)を含むことができることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項13に記載の固体支持体であって、各認識領域(14)は、
    ・それに属する、あるいは・支持体(3)の他の認識領域(14)群の全部又は一部に共有されている増幅手段(5)と組合されていることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項13に記載の固体支持体であって、増幅手段(5)は、該手段が埋め込まれている支持体(3)の面の全部又は一部に亘っていることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項5〜15のいずれか一項に記載の固体支持体であって、光信号(11)の増幅手段(5)は、少なくとも一個の光子の存在下において金属の析出物(15)(好ましくは銀の析出物)をもたらす金属層(好ましくは銀の層)からなることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項7〜16のいずれか一項に記載の固体支持体であって、化学信号(15)の検出手段(6、7)は、マトリックス状の電気的ネットワーク(13)からなることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項5〜17のいずれか一項に記載の固体支持体であって、固体支持体(3)及び/又は認識領域(14)は、ガラス、ポリマー又はシリカからなることを特徴とする固体支持体。
  • 請求項5〜18のいずれか一項に記載の固体支持体(3)を組み込んだことを特徴とするバイオチップ。
  • 請求項19に記載のバイオチップの診断的テストにおうて使用することを特徴とする使用方法。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、効率を向上させた増幅方法を用いた生物学的分子の検出方法に関する。
    【背景技術】
    【0002】
    標的の生物学的分子をこれに特有な認識分子を用いて認識することは、診断分野において広く用いられている手段である。 このような認識方法により、現在、多くの生物学的分子(DNA、RNA、タンパク質、抗体抗原)が検出可能であり、定量化可能となっている。 農業・食品分野においても、生物学的分子を検出するために使用されているのと同様の各種技法が、細菌等の微生物の存在を検知するために用いられている。
    【0003】
    これら検出技法の最初のステップは、支持体上への認識分子の固定である。 認識分子の固定に用いられる固体支持体は、一般に、次に示す材料等からなる平面あるいは多孔面で作られる。
    【0004】
    ・ガラス:低廉な、機械的に安定な不活性材料。 ガラス表面を、親領域と疎水領域とを画定するテフロン(登録商標)グリッドで覆うことができる。
    ・ポリマー(ポリピロール等)
    ・シリコン・金属、特に金や白金【0005】
    調査対象の標的生物学的分子(DNAやタンパク質)の性質に応じて、認識分子を、別のDNAやRNA、オリゴヌクレオチド(ODN)、抗原、抗体から作ることができる。
    【0006】
    認識分子を固定するために、主に3種類の方法を実施することができる。
    【0007】
    第一に、予め合成しておいたプローブを付着させる技法である。 プローブの固定は、マイクロピペットやマイクロポイント、インクジェットタイプの機器から直接移行させることにより行われる。 この技法では、比較的大きなサイズ(60塩基(プリンティング)〜数百塩基(微量付着))のプローブを固定することができる。
    【0008】
    ・プリンティングは、インクジェットプリンタに使用されている方法を利用するものである。 これは、流体の微小な液滴(体積1nL未満)が4000滴/秒に至る速度で推進することに基づいている。 プリンティングでは、流体を放出するシステムと流体が付着する面との間の接触はない。
    ・微量付着では、百〜数百の塩基を有する長いプローブがガラスブレードの表面に固定される。 このようなプローブは、通常、データベースから抽出され、増幅・精製された形態を有する。 この技法により、4cm より若干小さい面積の表面に約1万のDNAスポットを備えたマイクロアレイと呼ばれるチップが得られる。 しかしながら、ナイロン膜、所謂「マクロアレイ」の使用も忘れてはならない。 ナイロン膜は、増幅産物(通常、PCRによる増幅産物)を担持しており、直径は0.5〜1mm、最大密度は25スポット/cm である。 この非常にフレキシブルな技法は多くの研究所で使用されている。 本発明においては、後者の技法もバイオチップ分野に属するものと考える。
    【0009】
    プローブを支持体に固定するための第二の技法は in situ 合成と呼ばれるものである。 この技法では、短いプローブが直接チップ表面で伸びていく。 この方法は、エドウィン・サザン(Edwin Southern)により発明されたin situオリゴヌクレオチド合成に基づくものであり、オリゴヌクレオチド合成器を用いる方法によるものである。 この技法では、オリゴヌクレオチド伸長反応が行われる反応チャンバをガラス表面に沿って移動させる。
    【0010】
    最後に、第三の技法はフォトリソグラフィと呼ばれるものである。 これは、アフィメトリックス(Affymetrix)により開発されたバイオチップに端を発する方法である。 フォトリソグラフィはマイクロプロセッサ技法に由来している。 チップの表面の修飾は、光により活性化されうる光分解性(photolabile)の化学基を固定することにより行われる。 一旦光が照射されると、これら光分解性化学基はオリゴヌクレオチドの3'末端と反応することができる。 所定形状のマスクを用いてこの表面を保護することにより、チップの中で4種類のヌクレオチドの内の1ヌクレオチド又は他のヌクレオチドが固定されることになる領域に光を照射することができ、よってこの領域を選択的に活性化することができる。 異なるマスクを次々に使用して、保護と反応のサイクルを交互に行い、これによりオリゴヌクレオチドプローブを約数10μm の面積のスポットに作ることができる。 このようにして、数万個までのスポットを数cm の面積の表面に作ることができる。 フォトリソグラフィの利点は平行度が非常に高いことであり、これにより4×N回のサイクルを行うだけでN個のヌクレオチドからなるチップを作ることができる。
    【0011】
    これらの技法は全て、本発明に用いることができると理解されるべきである。
    【0012】
    これら検出技法の第二のステップでは、認識分子に標的分子を特異的にハイブリダイズさせる。 尚、支持体への固定に先立って認識分子/標的分子のハイブリッドを形成することもできる。
    【0013】
    これら検出技法の第三のステップでは、予め標識された標的分子を用いるか、あるいは標的分子に検出分子をハイブリダイズさせる。
    【0014】
    前者の場合、即ち予め標識された標的分子を用いる場合、標的分子を予め標識することによって、ハイブリダイゼーションあるいは複合体形成が行われた後にハイブリダイゼーション、即ち認識分子と標的分子との複合体を検出する。 これまでに、いくつかの標識技法が文献に記述されている。 本出願人は、核酸の断片と結合させる核酸の標識について既に特許出願している(WO−A−99/65925号公報、優先日1998年6月17日)。 他の従来の標識技法では、標的分子に蛍光標識をグラフトする。 この標識が励起されると光信号が発せられ、この信号は蛍光顕微鏡や発光分析により検出、分析することができる。 DNAの検出に関しては、蛍光による検出の検出限界は、標識された相補的オリゴヌクレオチドの濃度として10 −9 〜10 −10 mol/Lのオーダーである(リュウ、ファ、光ファイバー表面上のDNAのハイブリダイゼーションの特徴づけ コロイド及び表面A、生理化学的・工学的側面、175巻、第一、p147〜152、2000年12月15日、(Lu, Hua, Characterization of DNA hybridization on the optical fiber surface Colloids and Surfaces A: Physiochemical and Engineering Aspects - Vol. 175, Issues 1; p. 147-152. 15 Dec. 2000) )。 同様な標識技法では、検出プローブに放射性標識をグラフトする。 この技法は、特にDNAやRNAの検出において広く用いられている。 信号の定量化は、X線感受性の写真乾板を用いたオートラジオグラフィーで行われる。 この他、更に最近の標識技法にはケミルミネセンスがある。 この方法では、標識は、ケミルミネセント化合物を用いて化学的に行われる。 種々のケミルミネセント標識が従来技術において記述されており、該標識としては、例えばルミノール、ルシゲニン、アントラセン、ルベン等が挙げられる。 プローブ/標識された標的のハイブリダイゼーション後、ケミルミネセント成分が励起状態にされる。 励起の方法は、標識の種類によって異なる。 即ち、ルミノールやルシゲニンの場合はpHを変更することにより励起が起こり、アントラセンやルベンの場合はパーオキシオキサレートの存在下励起が起る。 そして、この励起された成分は、可視スペクトル領域の光を発するので、プローブと標的の複合体は発光分析によって検出できる。 同様に、WO−A−98/12539号公報において開発されたエレクトロケミルミネセンスによって検出することも可能である。 この場合、標識を電気的に励起し、発光分析によって検出可能な光子を発生させる。 電気化学的技法を用いると、検出限界は蛍光ラベルを用いたときの検出限界を超え、DNAの検出における対象のDNAの濃度として約10 −12 〜10 −13 molとすることができる。 最後に、別の標識技法では、プローブを担持する共役ポリマーの電気化学的シグナチャーが、認識分子/標的分子複合体のハイブリダイゼーション中に変化する必要がある。 特許出願FR94/5064号においては、第一の生物学的分子(認識分子)に結合している導電性且つ電気的に活性な共役ポリマーを用いて、第二の生物学的分子(標的分子)を特異的に検出するあるいはアッセイする。 従って、後者は、標的分子に結合していない共役ポリマーと標的分子に結合している共役ポリマーとの電位差を測定することにより電気的に検出される。 特許出願公開WO−A−00/77523号公報においても類似の研究が示されている。
    【0015】
    後者の場合、即ち標的分子に検出分子をハイブリダイズさせる場合、ハイブリダイゼーション後や複合体形成後に認識分子と標的分子とのハイブリッドや複合体を検出できるようにするために、ハイブリダイゼーションや複合体形成の後で標的分子を、検出分子と特異的にハイブリダイズさせて間接的に標識する。 これまでに、いくつかの標識技法が文献に記載されている。 この方法に関する付加的な情報については次の文献を参照できる。
    【0016】
    ・E. ロペスクラペス、H. バジン、E. アンドレ、J. ノレッティ、J. グルニエ、G. マシス、「時間分解蛍光共鳴エネルギートランスファーによる変異の診断のための均一なユーロピウムクリプテートをベースとするアッセイ」核酸研究2001、29:e70(E. Lopez-Crapez, H. Bazin, E. Andre, J. Noletti, J. Grenier and G. Mathis - A homogeneous europium cryptate-based assay for the diagnosis of mutations by time-resolved fluorescence resonance energy transfert - Nucleic acids Res. 2001 29: e70)
    ・ユーチー・ツァン、ブレンダン・D. プライス、ソティリオス・テトラディス、スブラタ・チャクラバルティ、ゴータム・モウリック、マイク・マクリジョルゴス、「オリゴヌクレオチドアレイのための再現性を有し安価なプローブの調製」核酸研究2001、29:e66(Yuzhi Zhang, Brendan D. Price, Sotirios Tetradis, Subrata Chakrabarti, Gautam Maulik and Mike Makrigiorgos - Reproductible and inexpensive probe preparation for oligonucleotide arrays - Nucleic acids Res. 2001 29: e66)
    【0017】
    これら技法は全て、バイオチップの分野に適用できる。 バイオチップとは、その表面に、認識能を有する分子を備えた複数の認識領域を有するチップあるいは支持体をいう。 本明細書では、言語的には正しくないが、チップが化学的分析のためのものであるか生物学的分析のためのものであるかに関わらず、バイオチップという用語を使用する。 最後に、本発明は、このようなバイオチップに使用することができるハイブリッドや複合体に関する。
    【0018】
    バイオチップ、より厳密にはDNAチップの概念は1990年代初頭に遡る。 今日では、各種タンパク質チップの開発が始まっているので、この概念は拡大されている。 バイオチップの技術は、マイクロエレクトロニクス、核酸化学、画像分析、コンピュータの複合的な学際の技術分野に亘るものである。 バイオチップは、分子生物学の基礎であるハイブリダイゼーション現象、即ち相補性による2種類のDNA配列の塩基同士のマッチングを作用原理とする。
    【0019】
    バイオチップ法は、プローブ(オリゴヌクレオチドや遺伝子の一部を呈示するDNA配列)の使用に基づくものである。 プローブは固体支持体に固定され、このプローブに対して、蛍光色素により直接的又は間接的に標識された核酸試料が作用する。 プローブはチップ上、特定の位置に置かれ、ハイブリダイゼーション毎にそれぞれの遺伝子情報が与えられる。 この情報は集積可能なので、遺伝子の存在を検知したり、検査対象の組織内におけるこのような遺伝子の発現レベルを定量化できる。 ハイブリダイゼーションの後、チップは洗浄され、スキャナにより読み取られて蛍光についてのコンピュータ解析が実施される。
    【0020】
    Micamチップ(登録商標)の有効面積は2mm 未満である。 標識された標的DNA(反応に用いる量は数μLのオーダー)とのハイブリダイゼーション後、チップの蛍光について読み取りが行われる(これについては、M.クジン(M.Cuzin)「DNAチップ:遺伝子的分析及び診断のための新しいツール−臨床学的及び生物学的輸血、第8巻、第3、2001年6月、291〜296頁(DNA chios: a new tool for genetic analysis and diagnostics - Transfusion Clinique et Biologique, Volume 8. Issue 3, June 2001, pages 291-296)を参照)。遺伝子工学的診断において使用されている他のバイオチップシステムについても同様に記述があり(Vo−Dinh1998、WO−A−99/2714、WO−A−00/43552)、これらは標的であるタンパク質や細菌の検出においてより広く使用することができる(US−A−5814516)。
    【0021】
    しかしながら、非常に感度の高い技法(蛍光、電気化学)が検出法として使用されているが、これら方法には、技法固有の検出限界がある。 即ち、蛍光による検出の検出限界、即ち識別可能な光子の数は、約10 −9 〜10 −10モル程度である。 電気化学によるものでは、検出限界は約10 −12 〜10 −13モルに到達できるようである。 各種信号処理技法により検出限界を10倍、100倍良くすることができるであろうが、溶解しているDNAの分析において数十、数百のものを特徴付けするために研究者や医療従事者らが要望する検出限界には到底達するものではないことは明らかである。
    【発明の開示】
    【発明が解決しようとする課題】
    【0022】
    本発明は、従来技術における欠点全てについての対処法を提案する。
    【課題を解決するための手段】
    【0023】
    従って、本発明は、少なくとも2個の分子間の複合体形成やハイブリダイゼーションを固体支持体上で検出する検出方法であって、該分子の内の一方の所謂認識分子は予め支持体上に固定されており、他方の所謂標的分子は液体試料の溶解しており、該方法は、次の各段階、
    ・形成された複合体やハイブリッドと特異的に結合した化学的あるいは生物学的な要素を用いる段階と、
    ・前記複合体又は前記ハイブリッドを励起し、化学的あるいは生物学的な要素をして光信号を放出せしめる段階と、
    ・前記支持体で、光信号を受けて化学信号に変換する段階と、
    ・化学信号からもたらされる電気信号を検出する段階とを含む方法であることを特徴とする。
    【0024】
    本発明の好ましい実施形態においては、化学的あるいは生物学的な要素をして、励起中に少なくとも一個の光子を放出せしめる。
    【0025】
    本発明の別の好ましい実施形態においては、信号の増幅は、金属析出物により、好ましくはハロゲン化銀の析出物により達成される。
    【0026】
    本発明の更に別の好ましい実施形態においては、検出は、電気的検出及び/又は発光分析及び/又は蛍光分析及び/又は放射測定及び/又はフォトダイオードにより達成される。
    【0027】
    また、本発明は、少なくとも2個の分子間の複合体形成やハイブリダイゼーションを検出するための固体支持体であって、該分子の内の一方の所謂認識分子は支持体に接触しており、他方の所謂標的分子は液体試料の溶解しており、該支持体は、
    ・複合体やハイブリッドを付着させるための第一の面と、
    ・形成された複合体やハイブリッドに特異的に結合した化学的あるいは生物学的な要素二由来する光信号を化学的に増幅するための手段を担持する第二の面とを含む透明材料からなる壁状物で形成されている固体支持体であることを特徴とする。
    【0028】
    また、本発明は、少なくとも2個の分子間の複合体形成やハイブリダイゼーションを検出するための固体支持体であって、該分子の内の一方の所謂認識分子は支持体に接触しており、他方の所謂標的分子は液体試料の溶解しており、複合体やハイブリッドの付着と、形成された複合体やハイブリッドに特異的に結合した化学的あるいは生物学的な要素に由来する光信号を化学的に増幅するための手段とが支持体の同一面にある固体支持体に関する。
    【0029】
    前の2段落に記載の本発明の好ましい態様においては、支持体の、光信号の化学的増幅手段を担持する面は、増幅された信号の検出手段をも担持する。
    【0030】
    本発明の別の好ましい態様においては、支持体の厚さが0.1μm〜100μm、好ましくは0.5μm〜10μm、更に好ましくは1μmの薄厚である。 好ましくは、支持体の形状が略平行六面体である。
    【0031】
    本発明の好ましい態様においては、支持体の第二の面はテストカードと当接しており、両要素の間の空間は光信号の増幅手段及び/又は化学信号の検出手段を囲んでいる。
    【0032】
    本発明の別の好ましい態様によると、化学的あるいは生物学的な要素は、2種類の分子の内の一方、即ち認識分子又は標的分子の内の一方の全体又は一部を形成している、あるいは前記2種類の分子の内の一方、即ち認識分子又は標的分子の内の一方により予め担持されている原子あるいは検出分子からなる。 好ましくは、該要素は、2種類の分子の一方、即ち認識分子又は標的分子の内の一方に配置されている原子又は原子群で構成される。
    【0033】
    本発明の別の好ましい実施形態においては、構造的あるいは機能的に同一の認識分子群、即ち同一の標的分子にハイブリダイズするあるいはこれと複合体を形成する認識分子群は全て、一認識領域にまとめられ;支持体は、少なくとも2個の認識領域、好ましくは100個〜100万個の認識領域、更に好ましくは300個〜1000個の認識領域を含むことができる。 好ましくは、各認識領域は、その領域自身に属する増幅手段と組合されている、あるいは支持体の他の認識領域群の全部又は一部で共有する増幅手段と組合されている。 好ましくは、増幅手段は、該手段が埋め込まれている支持体の面の全部又は一部に亘っている。
    【0034】
    本発明の別の好ましい態様においては、光信号の増幅手段は、少なくとも一個の光子の存在下において金属の析出物(好ましくは銀の析出物)をもたらす金属層(好ましくは銀の層)からなる。
    【0035】
    本発明の別の態様においては、増幅された信号の検出手段は、マトリックス状の電気的ネットワークからなる。
    【0036】
    本発明の別の態様においては、支持体及び/又は認識領域は、ガラス、ポリマー又はシリカからなる。
    【0037】
    また、本発明は、前の段落に述べた本発明に係る支持体を組み込んだバイオチップに関する。 好ましくは、バイオチップは診断的テストに用いられる。
    【0038】
    添付の各図面は、例を挙げて説明するためのものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。 これにより、本発明の理解がより容易になるであろう。
    【発明を実施するための最良の形態】
    【0039】
    以下に示す例示は、説明を目的とするものであって、本発明はこれにより限定されるものではない。 これにより、本発明はより容易に理解されるであろう。 以下の例示は、基本的には核酸に関するものであるが、例えば抗体や抗原等を用いることも考えられる。
    【0040】
    一般に、バイオチップ、より厳密にはDNAチップの概念は1990年代初頭に遡る。 今日では、各種タンパク質チップの開発が始まっているので、この概念は拡大されている。 バイオチップの技術は、マイクロエレクトロニクス、核酸化学、画像分析、コンピュータの複合的な学際の技術分野に亘るものである。 バイオチップは、分子生物学の基礎であるハイブリダイゼーション現象、即ち相補性による2種類のDNA配列の塩基同士のマッチングを作用原理とする。
    【0041】
    バイオチップ法は、プローブ(オリゴヌクレオチドや遺伝子の一部を呈示するDNA配列)の使用に基づくものである。 プローブは固体支持体に固定され、このプローブに対して、蛍光色素により直接的又は間接的に標識された核酸試料が作用する。 プローブはチップ上に特異的に置かれ、ハイブリダイゼーション毎にそれぞれの遺伝子情報が与えられる。 このような情報が集められて、遺伝子の存在が検知されたり、検査対象の組織内におけるこのような遺伝子の発現レベルが定量されたりする。 ハイブリダイゼーションの後、チップは洗浄され、スキャナにより読み取られて蛍光についてのコンピュータ解析が実施される。
    【0042】
    プローブの固定に用いられる支持体は、一般に、次に示す材料等からなる平面あるいは多孔面で作られる。
    ・ガラス:低廉な、機械的に安定な不活性材料。 ガラス表面を、親水領域と疎水領域とを画定するテフロン(登録商標)グリッドで覆うことができる。
    ・ポリマー(ポリピロール等)
    ・シリコン・金属、特に金や白金【0043】
    プローブ(以下、認識分子ともいう)を固定するために、主に3種類の方法を実施することができる。
    【0044】
    第一に、予め合成しておいたプローブを付着させる技法である。 プローブの固定は、マイクロピペットやマイクロポイント、インクジェットタイプの機器から直接移行させることにより行われる。 この技法では、比較的大きなサイズ(60塩基(プリンティング)〜数百塩基(微量付着))のプローブを固定することができる。
    ・プリンティングは、インクジェットプリンタに使用されている方法を利用するものである。 これは、流体の微小な液滴(体積1nL未満)が4000滴/秒に至る速度で推進することに基づいている。 プリンティングでは、流体を放出するシステムと流体が付着する面との間の接触はない。
    ・微量付着では、百〜数百の塩基を有する長いプローブがガラスブレードの表面に固定される。 これらプローブは、通常、データベースから抽出され、増幅・精製された形態を有する。 この技法により、4cm より若干小さい面積の表面に約1万のDNAスポットを備えたマイクロアレイと呼ばれるチップが得られる。 しかしながら、ナイロン膜、所謂「マクロアレイ」の使用も忘れてはならない。 ナイロン膜は、通常PCR増幅産物を支持しており、直径は0.5〜1mm、最大密度は25スポット/cm である。 この非常にフレキシブルな技法は多くの研究所で使用されている。 本発明においては、後者の技法もバイオチップ分野に属するものと考える。
    【0045】
    プローブを支持体に固定するための第二の技法は in situ 合成と呼ばれるものである。 この技法では、短いプローブが直接チップ表面で伸びていく。 この方法は、エドウィン・サザン(Edwin Southern)により発明された in situ オリゴヌクレオチド合成に基づくものであり、オリゴヌクレオチド合成器を用いる方法によるものである。 この技法では、オリゴヌクレオチド伸長反応が行われる反応チャンバをガラス表面に沿って移動させる。 最後に、第三の技法はフォトリソグラフィと呼ばれるものである。 これは、アフィメトリックス(Affymetrix)により開発されたバイオチップに端を発する方法である。 フォトリソグラフィはマイクロプロセッサ技法に由来している。 チップの表面の修飾は、光により活性化されうる光分解性(photolabile)の化学基を固定することにより行われる。 一旦光が照射されると、これら光分解性化学基はオリゴヌクレオチドの3'末端と反応することができる。 所定形状のマスクを用いてこの表面を保護することにより、チップの中で4種類のヌクレオチドの内の1ヌクレオチド又は他のヌクレオチドが固定されることになる領域に光を照射することができ、よってこの領域を選択的に活性化することができる。 異なるマスクを次々に使用して、保護と反応のサイクルを交互に行い、これによりオリゴプローブを約数10μm の面積のスポットに作ることができる。 このようにして、数万個までのスポットを数cm の面積の表面に作ることができる。 フォトリソグラフィの利点は平行度が非常に高いことであり、これにより4×N回のサイクルを行うだけでN個のヌクレオチドからなるチップを作ることができる。
    【0046】
    これらの技法は全て、本発明に用いることができると理解されるべきである。
    【0047】
    バイオチップの使用方法には基本的には2通りある。
    【0048】
    一方、これらは、次のことをするための方法とすることができる。
    ・病原体(例えば、肉中の細菌)の存在の有無を調査する。
    ・遺伝子が既知であるものに対し変異の有無を調査し、この遺伝子を呈示するオリゴヌクレオチドを作る。 生物学的試料の存在下、蛍光により得られた画像から、変異が存在するか否か、変位がどの位置に存在するかを知ることができる。 この用途でDNAチップを使用することは、変異を診断するために行う配列解析と等価であるが、迅速さの点ではDNAチップが非常に有利である。
    ・組織における遺伝子発現レベルを測定する。 チップのネットワークは、検査対象の種の各種遺伝子全てに対応する非常に多くのプローブを担持している。 試料、例えば、組織の活性遺伝子を呈示するmRNAの試料をハイブリダイズさせる。 蛍光解析を行うことにより、各遺伝子の発現レベルを知ることができる。
    【0049】
    バイオチップの有効性は、酵母等のよく知られた生物学的な系(細胞サイクル、呼吸器代謝、発酵等)で検査されている。 チップにより得られた結果と他の方法により以前に得られた結果とを比較すると、これらの生物学的な系における発現が既によく知られている遺伝子については結果が一致していた。 これにより、バイオチップ技術の有効性が検証できた。
    【0050】
    DNAチップは、小さな形状に各種分析ステップを合わせることができる、分子生物学における新しい装置への道を切り開いた。 これについては、特許出願公開WO−A−00/78452号(優先日1999年6月22日)や特許出願FR00/10978号(本出願人により2000年8月28日に出願)を参照されたい。 更に、上に述べたように、ポストゲノムの鍵となる分野として最近プロテオミクスに高い関心が寄せられているが、これに伴ってタンパク質チップという新しい概念が導入された。 これらもまた、本発明に係るバイオチップの分野に属するものとする。
    【0051】
    認識分子としては、例えば、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、タンパク質(抗体やペプチド等)、レクチン等のリガンド−レセプタタイプの系が挙げられる。 特に、認識分子はDNA断片やRNA断片を含むものとすることができる。
    【0052】
    バイオチップを分析対象のサンプルに接触させると、認識分子は、液体の生物学的試料に存在する標的分子と相互作用することができる。 この相互作用は、例えば、認識分子が核酸である場合は標的分子とハイブリダイズすることにより起こり、認識分子が抗体や抗原である場合は標的分子と複合体を形成することにより起こる。
    【0053】
    従って、種々の認識分子(各認識分子は一種類の標的分子に特異的である)を有する複数の認識領域を備えたバイオチップを提供することにより、試料に含まれる多様な種類の分子を検出でき、また、定量することもできるであろう。 勿論、各認識領域には互いに同一の一種類の認識分子群のみが含まれることは明らかである。
    【0054】
    支持体−認識分子/標的分子−検出分子のセットは、サンドイッチ法によるテストの形式である。
    【0055】
    サンドイッチ法によるテストは診断において広く使用されている。 分子的診断においては、ELOSA(酵素結合オリゴ吸着アッセイ)テスト等が、免疫学的診断においては、ELISA(酵素結合イムノ吸着アッセイ)テスト等が行われている。 一般に、これらの方法では、核酸プローブ、抗原(抗原によるサンドイッチの場合)、抗体(抗体によるサンドイッチの場合)等の認識分子が用いられる。 これらそれぞれの認識分子は、各々核酸プローブ、抗体、抗原からなる標的を捕捉するのに用いられる。 認識分子は、当業者に知られている方法により固体支持体に固定されるが、これは吸着や直接結合による方法、あるいはアビジンやプロテインA等の介在タンパク質を用いた方法である。 そして、この認識分子と標的分子のセットは、検出分子により検出される。 検出分子はそれぞれ核酸プローブ、抗体、抗原からなる。 検出分子は、標識を有しているか、後で標識に結合されることができる。 標識は検出及び/又は定量化に必要なものである。 検出分子は、標識と結合しているものであっても未結合のものであっても、常に検出分子と呼ぶこととする。
    【0056】
    本明細書では、核酸を別の核酸に固定することをハイブリダイゼーションといい、抗体を抗原に固定することを複合体形成(complexing)という。
    【0057】
    現在利用可能なテストは、本出願人がイムノアッセイのために開発したテストや、アフィメトリックス社が分子的診断のために完成させたDNAチップ(「高密度DNAアレイを用いた遺伝情報へのアクセス(Accessing Genetic Information with High-Density DNA arrays)」M.シー(M. Shee)ら、Science、274、610〜614、「迅速なDNA配列解析のための、光生成オリゴヌクレオチドアレイ(Light-generated oligonucleotide arrays for rapide DNA sequence analysis)」A.カビアーニ・ピースら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1994、91、5022〜5026)等のテストである。 この技術においては、捕捉プローブの大きさは通常小さい、即ちヌクレオチド数で約20個である。
    【0058】
    ELOSA、即ち核酸の検出の分野(これについては、本出願人により出願された国際公開WO−A−91/19812号公報を参照)でも、捕捉オリゴヌクレオチド、標的核酸(DNA又はRNA)、検出オリゴヌクレオチドは同様に定義される。 捕捉オリゴヌクレオチドや検出オリゴヌクレオチドは標的の一部に対して相補的であるが、標的の内、構造的、物理的に異なる領域においては相補的でなく、捕捉オリゴヌクレオチドと検出オリゴヌクレオチドとは互いにハイブリダイズできない。
    【0059】
    分子的診断においても、イムノアッセイにおいても、検出要素は、標的の検出及び/又は定量を可能にする標識物質を担持している。 感度の向上という永遠の目標に向けて、各種標識物質が開発され、技術水準を構成している。 標識物質は、放射性を有したり、酵素のようにしたり、蛍光性を有したりすることができ、また微粒子やナノ粒子の形態とすることができる。
    【0060】
    標識とは、検出可能な信号を直接的又は間接的に発生することができる標識物質を固定することをいう。 次に標識物質の例を挙げるが、標識物質はこれらに限定されるものではない。
    ・測色法、蛍光、発光等により検出可能な信号を発生する酵素(西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ等)
    ・蛍光要素、発光要素、着色要素等の発色群【0061】
    本発明においては、標識物質は、基本的には光子を提供することができる基を有する。
    【0062】
    間接系、例えば抗リガンドと作用できるリガンドも用いることができる。 リガンド/抗リガンドの組合せは当業者に良く知られており、例えば次の組合せが挙げられる。
    ・ビオチン/ストレプトアビジン・ハプテン/抗体・抗原/抗体・ペプチド/抗体・糖/レクチン・ポリヌクレオチド/ポリヌクレオチド相補体【0063】
    この場合、結合剤を担持するのはリガンドである。 抗リガンドは、先の段落で記載した標識により直接的に検出できる、あるいは抗リガンド自体をリガンド/抗リガンドを用いて検出できる。
    【0064】
    このような間接的検出系を用いると、一定の条件下で信号の増幅を行うことができる。 この信号増幅技法は当業者に良く知られており、本出願人が以前に出願した特許出願FR98/10084号、国際公開WO−A−95/08000号公報や、文献J. Histochem. Cytochem. 45、481〜491、1997に記載されている。
    【0065】
    上に述べたこれらの要素は全て、本発明の性能を更に向上させるために本発明に用いることができる。
    【実施例】
    【0066】
    ここで図面を参照すると、図1には、本発明に係るテストカード1のうち第一の部分である基部17のみが示されている。 このテストカード1の平坦な一面には複数の認識領域14が設けられており、これら複数の認識領域14が一緒になって支持部3を形成する。 支持部3は紫外線を大きく吸収するが可視スペクトルにおいては光は透過する。 このようにするためには、前記ガラス製支持部3に予め鉛を混入させておく。
    【0067】
    図2に示すように、支持部3自体はテストカード1の内部に置かれている。 テストカード1もガラスや適切なプラスチックで作られている。 このカード1は、図2に示すように、上で既に述べた第一の部分である基部17と、カバー16からなる第二の部分との2個の部分で形成されている。 カバー16は支持部3と一緒になって、試験対象の液体試料2が導入される空間18を画定する。 該試料の導入は当業者に知られている従来技術の手段を用いて行うことができる。
    【0068】
    この第一の部分である基部17と各支持部3は一緒になって、信号増幅手段5が存在するタンク部4を画定する。 この信号増幅手段5の性質と作用については後で説明する。
    【0069】
    タンク部4の側面には、互いに直接接触していない上流電極6と下流電極7が存在することが注目される。 一方、前記信号増幅手段5は、上流電極6と下流電極7の両方に接触している。
    【0070】
    基部17は、図3においてその内側から見ることによってより良く理解されるであろう。 この図では、基部は複数の支持部3を含み、各支持部3はタンク部4と信号増幅手段5に接続しており、信号増幅手段5自体は上流電極6と下流電極7とに接続している。 上流電極6のセットは下流電極7のセットと接触せずに垂直に配置され、これらは一緒になってマトリックス状の電気的ネットワーク13を形成している。
    【0071】
    図4〜図6においては、本発明の理解を容易にするために、カバー16は図示せず、認識分子8やこれと協働する後述の各分子は、一個のみを模式化して且つ拡大して示す。
    【0072】
    図4では、認識分子8が、既に上で述べた従来の微量固定(micro-deposit)技法によりガラス製支持部3の認識領域14の内の一領域に付着している。 この固定は、試験対象の試料2を空間18に導入する前に行われるものと理解されるべきである。
    【0073】
    図5はその次に行われる段階を示すものであるが、この段階では、標的分子9を認識分子8にハイブリダイズさせる。 このハイブリダイゼーションは、支持部3にもテストカード1の基部17にも何ら変化をもたらさない。
    【0074】
    最後に、図6に最後の生物学的測定段階を示す。 この段階では、認識分子8と標的分子9からなるハイブリッドに第三分子である所謂検出分子10をハイブリダイズさせる。 この検出分子10は標的分子9を構成する一部分であることもできると理解されるべきであり、この場合は、8と9のハイブリッドが形成されると検出が可能となるため、この最終段階は不要となる。
    【0075】
    検出分子10は、標的分子9又は8と9のハイブリッドに特異的に結合することができ且つ光信号11を作るために少なくとも一個の光子を発生することができる分子群である。
    【0076】
    このハイブリダイゼーションは、支持部3には何ら変化をもたらさない。 一方、このハイブリダイゼーションにより、カード1の基部17のタンク部4に、より厳密には光信号11の化学的増幅手段5に変化が生じる。 この増幅手段5はハロゲン化銀(AgX、即ち、AgClやAgBr等)からなる。 このようにして、光信号11は、前記タンク部4内に銀析出物15を生じさせる。 従って、この析出物により上流電極6と下流電極7との間に閉じた電気回路が形成され、これにより電気信号12が伝達される。
    【0077】
    このようにして、図3の電気的ネットワーク13は、微小回路の行6と列7からなるマトリックス格子により、その座標において、特異的にハイブリダイズした標的分子9を有する認識分子8に対応して、各交差部において析出物が存在するか否かを目に見えるようにする。
    【0078】
    尚、標的分子9の蛍光化学要素10による標識は、当業者に知られている従来の標識技法によって行われる。
    【0079】
    形成された認識分子8と標的分子9のハイブリッドは蛍光化学要素10と結合しており、紫外線照射による全体的な励起に付される。 認識分子8と標的分子9のハイブリッドから可視スペクトルにおける局所的な発光が起こり、光信号11となる。 励起のために照射された紫外線とは異なり、この光信号11は、可視スペクトルにおいては光を透過する支持部3を通り、ハロゲン化銀5が析出されることにより光信号11は化学信号15に変換される。 この光信号11とハロゲン化銀5の相互作用により、認識分子8と標的分子9により形成されたハイブリッドに対して、タンク部4内に銀の微結晶等の化学信号15が形成される。 このような銀の微結晶により、マトリックス格子の行と列との間のコンタクトが確立される。 従って、形成された微結晶のサイズにリンクして生じた行と列の間の導通は、発せられた光の量に直接的にリンクし、よってハイブリダイズした認識分子8と標的分子9の量にリンクする。
    【図面の簡単な説明】
    【0080】
    【図1】本発明に係るテストカードの部分斜視図【図2】テストカードの上側部分が所定の位置に置かれているときの図1のA−Aにおける断面図【図3】マトリックス状の電気的ネットワークを透視的に示した、本発明に係るテストカードの部分斜視図【図4】本発明に係る支持部の外側表面に認識分子が結合した状態の該支持部の断面図【図5】本発明に係る支持部の外側表面に結合した認識分子に標的分子がハイブリダイズした状態の該支持部の断面図【図6】本発明に係る支持部の外側表面に結合した認識分子と標的分子とのハイブリッドに検出分子が更にハイブリダイズした状態の該支持部の断面図【符号の説明】
    【0081】
    1 テストカード2 試験対象の液体試料3 固体支持部あるいは認識領域4 タンク部5 信号増幅手段あるいは金属溶液あるいは銀溶液6 上流電極7 下流電極8 認識分子9 標的分子10 化学的あるいは生物学的な要素あるいは検出分子11 光信号12 電気信号13 電気的ネットワーク14 支持部3の認識領域15 化学信号あるいは金属析出物(好ましくは銀の析出物)
    16 カード1のカバー17 カード1の基部18 支持部3とカバー16と基部17とに囲まれた空間

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