System and method for implementing a high-order combinatorial chemical process

申请号 JP2001541840 申请日 2000-12-05 公开(公告)号 JP2003515731A 公开(公告)日 2003-05-07
申请人 グラクソ グループ リミテッド; 发明人 ゲイセン,エイチ.,マリオ;
摘要 (57)【要約】 反応性化学物質をスクリーニングする方法は、一組の構築物のセットを、そのセットの各構築物が化学ライブラリー(A)の化学的実体(A
1 -A
i )と化学ライブラリー(B)の化学的実体(B
1 -B
j )の対になった組合せを含むように作成する工程を含む。 構築物のセットは、化学ライブラリー(A)の化学的実体(A
1 -A
i )と化学ライブラリー(B)の化学的実体(B
1 -B
j )の実質的にすべての可能な対になった組合せを含む。 構築物をある所定の組の条件に暴露して、各構築物の化学的実体(A
1 -A
i )と化学的実体(B
1 -B
j )との間の反応または相互作用を促進する。 構築物をスクリーニングして、反応または相互作用を同定し、反応または相互作用が起きた構築物の化学的実体(A
1 -A
i )と化学的実体(B
1 -B
j )を同定する。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 反応性化学物質をスクリーニングする方法であって: 一組の構築物を、その組の各構築物が化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの対になった組合せを含むように、またこの構築物の組が化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの実質的にすべての可能な対になった組合せを含むように、作成し; これらの構築物をある所定の組の条件に暴露して、各構築物の化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jとの間の反応または相互作用を促進し; これら構築物をスクリーニングして、反応または相互作用を同定し; 反応または相互作用が起きた構築物の化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jを決定する、ことを含む上記方法。 【請求項2】 各構築物が少なくとも1対の部位を含む請求項1に記載の方法であって、さらに、前記各構築物の少なくとも1対の部位のうち他の部位をブロックしながら1つの部位に化学的実体A 1 -A iを合成し、各構築物の前記他の部位を脱ブロックし、次に各構築物の前記他の部位に化学的実体B 1 -B jを合成することを含む、上記方法。 【請求項3】 請求項2に記載の方法であって、化学的実体A 1 -A iを合成した後構築物を混合し、構築物を複数の群に分割して、各群が実質的にすべての他の化学的実体A 1 -A iを含む構築物を有するようにし、構築物上に化学的実体B 1 -B jを合成して、各群が異なる化学的実体B 1 -B jを受け取るようにすることをさらに含む、上記方法。 【請求項4】 合成工程が、各構築物上に一組の化学物質の組合せを合成して、各A 1 -A i化学的実体および/またはB 1 -B j化学的実体を作成することを含む、
    請求項2に記載の方法。 【請求項5】 前記組合せの各化学物質を合成し、構築物を混合し、構築物を複数の群に分割することをさらに含む、請求項4に記載の方法。 【請求項6】 スクリーニング工程が、反応または相互作用が起きたことを示す温度変化を感知するか、または化学生成物について質量測定をすることを含む、請求項1に記載の方法。 【請求項7】 決定工程が、未反応化学的実体A 1 -A iと未反応化学的実体B 1 -
    B jの質量を、質量スペクトル法を使用して評価し、各質量を各ライブラリーの関連する化学的実体に関連付けることを含む、請求項1に記載の方法。 【請求項8】 各化学的実体A 1 -A iと各化学的実体B 1 -B jをコードでコード化することをさらに含んでおり、決定工程がコードを解読することを含む、請求項1に記載の方法。 【請求項9】 解読工程が、質量スペクトル法を使用してコードの質量を評価し、各質量を関連する化学的実体に関連付けることを含む、請求項8に記載の方法。 【請求項10】 化学ライブラリーAまたは化学ライブラリーBが触媒を含む、請求項1に記載の方法。 【請求項11】 それぞれが、化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jの同じ対になった組合せを含む構築物の複数のライブラリーを提供することをさらに含み、構築物の各ライブラリーをその1つの酸化状態の金属に暴露することをさらに含む、請求項10に記載の方法。 【請求項12】 それぞれが、化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jの同じ対になった組合せを含む構築物の複数のライブラリーを提供することをさらに含み、構築物の各ライブラリーを異なる組の条件に暴露することをさらに含む、請求項1に記載の方法。 【請求項13】 構築物のライブラリーの作成方法であって: それぞれが少なくとも2つの部位を含む一組の固体支持体を提供し; 他の部位をブロックしたまま各固体支持体の部位の1つに、A 1 -A i化学的実体を有する化学ライブラリーAに由来する化学的実体を合成し; 各固体支持体のブロックされている部位を脱ブロックし; 脱ブロックした部位に、B 1 -B j化学的実体を有する化学ライブラリーBに由来する化学的実体を合成して、化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの実質的にすべての可能な対になった組合せを含む一組の構築物を形成する、ことを含む上記方法。 【請求項14】 請求項13に記載の方法であって、さらに、化学的実体A 1 -A iを合成した後構築物を混合し、構築物を複数の群に分割して、各群が実質的にすべての他の化学的実体A 1 -A iを含む構築物を有するようにし、構築物上に化学的実体B 1 -B jを合成して、各群が異なる化学的実体B 1 -B jを受け取るようにすることを含む、上記方法。 【請求項15】 合成工程が、各構築物上に一組の化学物質の組合せを合成して、各A 1 -A i化学的実体および/またはB 1 -B j化学的実体を作成することを含む、請求項13に記載の方法。 【請求項16】 前記組合せの各化学物質を合成し、構築物を混合し、構築物を複数の群に分割することをさらに含む、請求項15に記載の方法。 【請求項17】 各化学的実体A 1 -A iと各化学的実体B 1 -B jを識別コードでコード化することをさらに含む、請求項13に記載の方法。 【請求項18】 少なくとも1つのアームとこのアームから分岐する少なくとも1対の部位を有する固体支持体; 1つの部位に結合した化学的実体A;および 他の部位に結合した化学的実体Bを含む構築物であって、前記1対の部位は、
    化学的実体Aと化学的実体Bとの反応を促進するように選択された距離で、化学的実体Aと化学的実体Bが離れて位置するように作成されている、上記構築物。 【請求項19】 化学的実体Aおよび化学的実体Bに結合した識別コードをさらに含む、請求項18に記載の構築物。 【請求項20】 それぞれが、少なくとも1つのアームとこのアームから分岐する少なくとも1対の部位を有する固体支持体、1つの部位に結合した化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A i 、および他の部位に結合した化学ライブラリーB
    の化学的実体B 1 -B jを含む一組の構築物を含む化学構築物ライブラリーであって、前記1対の部位は、各化学的実体A 1 -A iと各化学的実体B 1 -B jとの間の反応または相互作用を促進するように選択された距離で、各化学的実体A 1 -A iと各化学的実体B 1 -B jが離れて位置するように作成されている、上記ライブラリー。 【請求項21】 一組の構築物が、化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの実質的にすべての可能な対になった組合せを含む、請求項20に記載のライブラリー。 【請求項22】 化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iおよび/または化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jが、それぞれ、前記部位に合成された複数の化学的構成ブロックを含む、請求項21に記載のライブラリー。 【請求項23】 ライブラリーAまたはライブラリーBが触媒を含む、請求項20に記載のライブラリー。 【請求項24】 それぞれが、少なくとも1対の部位を有する固体支持体、
    1つの部位に結合した化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A i (ここで、化学的実体A 1 -A iは、前記部位に合成された2つ以上の化学的構成ブロックを含む)、および他の部位に結合した化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jを含む一組の構築物を含む化学構築物ライブラリー。 【請求項25】 一組の構築物が、化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの実質的にすべての可能な対になった組合せを含む、請求項24に記載のライブラリー。 【請求項26】 ライブラリーAまたはライブラリーBが触媒を含む、請求項24に記載のライブラリー。 【請求項27】 反応性化学物質をスクリーニングする方法であって: 一組の構築物を、その組の各構築物が化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの対になった組合せを含むように作成し; 構築物を溶液相の基質に暴露して、各構築物の化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jとの間の可能な反応を促進し; 構築物をスクリーニングして、反応または相互作用を同定し; 反応または相互作用が起きた構築物の化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jを決定する、ことを含む上記方法。 【請求項28】 前記構築物の組が、化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの実質的にすべての可能な対になった組合せを含む、請求項27に記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 発明の背景本発明は一般に、化学の分野、そして特に化学物質(化学的実体、chemical e
    ntity)を合成し、かついくつかの反応条件に付した時の化学物質間の反応を評価する方法に関する。 さらに詳しくは本発明は、多様な化学ライブラリーの作成と、ライブラリーのメンバーの間で起きる反応の同定とに関する。 【0002】 薬剤を含む新規化学物質の研究分野の最近の傾向は、いわゆる「化学ライブラリー」の調製に集中している。 化学ライブラリーは、合成または生合成により調製することができる異なる分子すなわち化学的実体の意図的に作成したコレクションである。 合成された後、これら化学的実体は、種々のアッセイで使用されるかまたは他の化学物質と組合せ、次に生物活性または化学反応性についてスクリーニングされる。 【0003】 化学ライブラリーを作成する1つの方法は、個々の固体支持体(これは典型的には樹脂ビーズの形を取る)上で種々の化学物質を合成することである。 化学物質がつながれる個々の固体支持体を利用して、化学ライブラリーを作成する種々の方法が提唱されている。 1つのそのような方法は、固体支持体が複数の反応容器中に入れられる「個別」法である。 この場合、種々の化学物質は、固体支持体上で合成され、一方固体支持体は反応容器内に維持される。 合成プロセスの完了後、各固体支持体上の化合物は、固体支持体を取り出した反応容器を単に同定することにより、同定することができる。 固体支持体をある反応容器内に維持する必要性から、生じる化学ライブラリーのサイズは、使用される反応容器の数により限定される。 【0004】 化学ライブラリーのサイズを大きく上昇させる試みとして、混合分割法(mix
    and split technique)が開発された。 混合分割法では、固体支持体を個々の反応容器に入れ、各固体支持体上に第1の構成ブロック(単位)を合成する。 次に固体支持体を一緒に混合し、反応容器に再分配し、そこで固体支持体上に第2の構成ブロックを合成する。 固体支持体を再度混合し再分配し、そこで固体支持体上に別の構成ブロックを合成することができる。 このプロセスは、必要な回数だけ繰り返すことができる。 混合分割法の例は、米国特許第5,503,805号に一般的に開示されており、その開示内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。 【0005】 混合分割化学ライブラリーがいったん生成されると、化合物は固体支持体から切断され、その化合物が所望の結果を与えるかどうかが試験される。 もしそうなら、その化合物を同定する必要がある。 しかし合成プロセス中に固体支持体は1
    回以上混合と分割をされたため、固体支持体上の化合物の同定は困難なこととなる。 化合物を同定するために種々の方法が提唱されており、例えば米国特許第5,
    708,153号に記載の識別タグの使用、PCT国際出願番号PCT/US97/05701およびH. M
    ario Geysenら、コンビナトリアルライブラリーのアイソトープまたはマスエンコーディング、Chem. & Biol. Vol. III, No. 8, pp. 679-688(1996年8月)に一般的に記載の識別コードの使用がある(これらの完全な開示内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる)。 【0006】 多様な化学ライブラリーの作成のためにおよび生じるライブラリーの化学物質の同定のために種々の方法が存在するが、生じる化学ライブラリーを利用するプロセスの効率を改良する方法についてほとんど何もなされていない。 例えば、1
    つのライブラリーの化学物質を別のライブラリーの化学物質と反応させることが好ましいかも知れない。 例えば、複数の触媒を化学ライブラリーに反応させて、
    種々の触媒の有用性を評価することが好ましいかも知れない。 【0007】 既存の方法を使用してそのような反応を実施するために、化学物質は典型的にはその固体支持体から切断され、次に別のライブラリーから切断された化学物質とウェル中である反応条件下で一緒にされる。 もし反応が起きれば、組合せた化学物質は、前述のようにさらに同定する必要がある。 残念ながらそのようなプロセスは、適度なサイズのライブラリーについても非現実的である。 例えば各ライブラリーが1,000メンバーを有するなら、必要な反応の総数は、1,000,000となるであろう。 個々の化学物質を切断し1,000,000ウェル中に入れることは、まったく非現実的である。 【0008】 従って本発明は、複数の化学ライブラリーを、効率的に作成し、互いに反応させ、スクリーニングすることを可能にする方法と化学構築物に関する。 本発明はまた、化学反応性がいったん同定された後、反応に関与する特定の化学物質を同定するための方法も提供する。 【0009】 発明の要約本発明は、反応性化学物質をスクリーニングする時に使用される新規構築物とともに、種々のスクリーニング法を提供する。 ある具体的な実施形態において、
    各構築物が、化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jとの対になった組合せを含むように、複数の構築物を作成することにより反応性化学物質をスクリーニングする方法が提供される。 さらにこの一組の構築物は、化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jとの、実質的にすべての可能な対になった組合せを含む。 こうしてライブラリーAとライブラリーBからの各化学的実体が、一義的に、例えば固体支持体上に結合し、その結果2つ以上のライブラリーからの化学的実体のすべての可能な組合せを、反応性について試験することができる。 構築物は、各構築物の化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jの間の反応または相互作用を促進するある所定の条件に付される。 次に構築物をスクリーニングして、反応または相互作用が起きたかどうかを確認する。 何らかの反応または相互作用が確認されれば、結合した構築物の化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jが決定される。 【0010】 1つの態様において各構築物は、少なくとも1対の部位を含む。 さらに化学的実体A 1 -A iは、他の部位はブロックしたまま各構築物の部位の1つで合成される。 次に各構築物の他の部位が脱ブロックされ、化学的実体B 1 -B jが各構築物の他の部位で合成される。 別の態様において構築物は、コンビナトリアルプロセスを使用して形成され、所望の対になった組合せが達成される。 例えば化学的実体A 1 -A i
    を合成した後構築物を混合し、次に複数の群に分割して、各群が実質的にすべての他の化学的実体A 1 -A iを有する構築物を有するようにする。 次に構築物上で化学的実体B 1 -B jを合成して、各群が異なる化学的実体B 1 -B jを受け取るようにする。 場合により、構築物上にライブラリーAおよび/またはライブラリーBを合成する時は、さらなるコンビナトリアルプロセスを使用してもよい。 一例を挙げると、例えば混合分割法を使用して、各構築物上で化学物質の組合せを合成して、各
    A 1 -A i化学的実体と各B 1 -B j化学的実体を作成する。 こうして、単一の化学構成ブロックまたは複数の化学構成ブロックから、各ライブラリーの化学的実体を構築する。 【0011】 別の態様においては、反応または相互作用が起きたことを示す温度変化を感知することにより、構築物がスクリーニングされる。 また、例えば質量スペクトル計を使用して、任意の化学生成物の質量を測定することにより、スクリーニングを行ってもよい。 他のスクリーニング法としては、紫外線を使用して化学生成物の生成により生じる色の変化または燐光について試験する方法、着色クロマトグラフィー法、などがある。 【0012】 さらに別の態様において未反応の化学的実体A 1 -A iと未反応の化学的実体B 1 -B jの質量を質量スペクトル法により評価し、各質量を、例えばルックアップ表を使用して、各ライブラリーの関連する化学的実体と関連付けることにより、個々の化学的実体を決定してもよい。 あるいは、各化学的実体A 1 -A iと各化学的実体B 1 -
    B jは、コードでコード化してもよい。 次にコードを解読して、個々の化学的実体を決定する。 コードは、質量スペクトル法を使用してコードの質量を評価し、例えばルックアップ表を使用して、各質量を関連する化学的実体と関連付けることにより解読してもよい。 【0013】 1つの具体的な態様において、化学的実体A 1 -A iまたはB 1 -B jは触媒を含む。 このようにして、複数の化学物質を、複数の触媒と効率的に反応させることができる。 別の具体的な態様において、それぞれが、同じ対になった組合せの化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jを含む、構築物の複数のライブラリーが提供される。
    さらに構築物の各ライブラリーは、異なる条件に暴露される。 こうして、化学物質の複数のライブラリーは、ハイスループットで複数の条件に暴露される。 別の態様において、構築物の各ライブラリーは、3次またはより高次のコンビナトリアルプロセスの一部として、その酸化状態の1つにある金属に暴露される。 【0014】 本発明はさらに、構築物のライブラリーを作成する方法を提供する。 構築物は、それぞれが少なくとも2つの部位を有する複数の固体支持体上で形成される。 A 1 -A i化学的実体を有する化学ライブラリーAからの化学的実体は、他の部位をブロックしたまま、各固体支持体の部位の1つで合成される。 次に各固体支持体のブロックされている部位が脱ブロックされ、脱ブロックされた部位で、B 1 -B j化学的実体を有する化学ライブラリーBからの化学的実体が合成される。 化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jは、それぞれの部位に合成され、化学ライブラリーA
    の化学的実体A 1 -A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの実質的にすべての可能な対になった組合せを含む一組の構築物が形成される。 【0015】 ある態様において、化学的実体A 1 -A iを合成した後構築物を混合し、次に複数の群に分割すると、各群は実質的にすべての他の化学的実体A 1 -A iを有する構築物を有する。 次に各群が異なる化学的実体B 1 -B jを受け取るように、構築物上で化学的実体B 1 -B jを合成する。 場合により、各構築物上で化学物質の組合せを合成し、各A 1 -A i化学的実体と各B 1 -B j化学的実体を作成することにより、化学物質が合成される。 こうして、単一の化学構成ブロックまたは複数の化学構成ブロックの、各化学的実体が構築される。 混合分割法を使用して、化学物質を合成することが便利である。 場合により、各化学的実体A 1 -A iと各化学的実体B 1 -B jを、識別コードでコード化して、スクリーニング後の化学的実体の同定を容易にしてもよい。 【0016】 本発明はさらに、少なくとも1つのアームとこのアームから分岐する2つ以上の部位を有する固体支持体を含む構築物の例を提供する。 化学的実体Aは1つの部位に結合し、化学的実体Bは、他の部位に結合する。 さらに、これら部位の対は、
    化学的実体Aと化学的実体Bとの反応を促進するように選択された距離で化学的実体Aと化学的実体Bが離れて位置するように作成されている。 場合により、化学的実体Aと化学的実体Bに識別コードを付けてもよい。 【0017】 別の実施形態において本発明は、化学構築物のライブラリーを提供する。 ライブラリーは、それぞれが、少なくとも1つのアームとこのアームから分岐する少なくとも一対の部位を有する固体支持体を含む一組の構築物を含む。 化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iは1つの部位に結合し、化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jは他の部位に結合する。 さらにこの一対の部位は、各化学的実体A 1 -A iと各化学的実体B 1 -B jとの反応または相互作用を促進するように選択された距離で各化学的実体A 1 -A iと各化学的実体B 1 -B jが離れて位置するように作成されている。 【0018】 ある態様において、これら構築物の組は、化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -
    A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jとの実質的にすべての可能な対になった組合せを含む。 別の態様において、化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iおよび/または化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jは、それぞれ、前記部位で合成された複数の化学的構成ブロックを含む。 さらに別の態様において、ライブラリーAまたはライブラリーBは触媒を含む。 【0019】 別の実施形態において、化学構築物のライブラリーは、それぞれが少なくとも
    1対の部位を有する固体支持体を含む一組の構築物を含む。 化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iは1つの部位に結合し、またこの化学的実体A 1 -A iはその部位で合成された2つ以上の化学的構成ブロックを含む。 化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jは、別の部位に結合する。 例えば、化学ライブラリーBは触媒を含有してもよい。 場合により化学的実体B 1 -B jはまた、2つ以上の構成ブロックで構築されてもよい。 【0020】 ある態様において、構築物の組は、化学ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと化学ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの実質的にすべての可能な対になった組合せを含む。 別の態様において、各化学的実体に識別コードを付けてもよい。 【0021】 本発明はさらに、触媒の組合せを評価して、目的の生成物を生成するのにどの組合せが最も効率的であるかを決定する方法を提供する。 例えば、ある方法においては、各構築物が触媒ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと触媒ライブラリーB
    の化学的実体B 1 -B jとの対になった組合せを含むように、一組の構築物を構成する。 これらの構築物を溶液相で基質に暴露して、各構築物の化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jが関与する可能な反応を促進する。 次に構築物をスクリーニングして反応または相互作用を同定し、反応または相互作用が起きた構築物の化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jを同定する。 ある態様において、この一組の構築物は、触媒ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと触媒ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの実質的にすべての可能な対になった組合せを含有してもよい。 こうして、
    2つの触媒ライブラリーと基質との反応または相互作用の包括的分析が行われる。 【0022】 特定の実施形態の説明本発明は、1つのライブラリーの化学的実体と別のライブラリーの化学的実体との反応性または相互作用性を決定するための、2つ以上の化学ライブラリーに由来する化学的実体(すなわち、単一の化学的構成ブロックすなわち単位または
    2つ以上の合成された化学的構成ブロック)を使用する化学構築物のライブラリーを提供する。 例えば、ある実施形態において、本発明は、それぞれの構築物が化学ライブラリーAの1つのメンバーと化学ライブラリーBの1つのメンバーを有するような一組の構築物を提供する。 この一組の構築物は、ライブラリーAの各メンバーがライブラリーBのメンバーの1つと一義的に関連(結合)するような構成で作成される。 こうして、ライブラリーAの各メンバーとライブラリーBの各メンバーとの反応を試みることができる。 【0023】 本発明の構築物は、1つ以上の化学的実体の結合を可能にするいかなる化学的配置をとることもできる。 例えば構築物は、1つ以上のつなぎ部位(tether site)
    を含む固体支持体を含有してもよい。 構築物はさらに、種々の部位に連結またはつながれている化学的実体を含有していることができる。 本発明の固体支持体を構築する材料の1つ以上の物質は、その上でコンビナトリアル化学合成を行うことができるものである。 使用できる固体支持体の例には、ビーズ、固体表面、固体基質、粒子、ペレット、ディスク、毛細管、中空繊維、針状物、中実繊維、セルロースビーズ、多孔性ガラスビーズ、シリカゲル、ジビニルベンゼンで架橋されていてもよいポリスチレンビーズ、グラフト共重合体ビーズ、ポリアクリルアミドビーズ、ラテックスビーズ、ジメチルアクリルアミドビーズ、架橋されていてもよいN,N'-ビス-アクリロイルエチレンジアミン、疎性ポリマーで被覆されたガラス粒子、フラーレンおよび可溶性支持体、例えば低分子量の非架橋ポリスチレンなどがある。 【0024】 構築物を生成(製造)する1つの便利な方法では、ライブラリーAに由来する化学的実体を固体支持体の1つ以上の部位に連結するが、その際他の部位は例えば保護基でブロックしておく。 これらの残っている部位を脱ブロックし、ライブラリーBに由来する化学的実体をこれら残りの部位に連結する。 ライブラリーのメンバーは、異なるライブラリーのメンバー間の反応が促進されるように比較的近接した部位で合成するとよい。 【0025】 反応を促進するように固体支持体4上に部位2を配置する1つの方法を図1に示す。 部位2をランダムに割り当て、ライブラリーAとBの妥当な数のメンバーが図2のグラフに示す反応距離内に入るように充分な数の部位を提供する。 こうして、もしある固体支持体上のメンバーが反応性なら、充分なメンバーが反応して適切なスクリーニングと同定が可能になる。 図2の例(これは任意単位を含む)に示すように、反応距離は約15距離単位〜約30距離単位の範囲であり得る。 図2はまた、この範囲内に入る部位2の割合も例示している。 【0026】 図3は、異なるライブラリーのメンバーの間の反応を促進するような固体支持体6上のつなぎ部位の別の配置を例示する。 固体支持体6は複数のアーム7を含んでおり、各アーム7はこのアーム7から分岐する一対の部位8と9を有する。 部位8
    と9は、化学的実体の間で起きる反応または相互作用の可能性を最大にするように構築するとよい。 例えば、これらの部位は、図4に示す反応または相互作用範囲内にある化学的実体の時間平均割合が最大になるように構築することができる。 時間平均割合を最適にするように部位を構築する方法は、以下に詳細に説明する。 【0027】 各化学ライブラリーのメンバーは、単一の化学的構成ブロックすなわち単位からなっていてもよいし、または2つ以上のモノマーもしくは化学的構成ブロックから形成される合成化学的実体であってもよい。 固体支持体のつなぎ部位上に複数の構成ブロックを合成する場合、混合分割法を使用することができ便利である。 こうして、2つ以上の比較的大きな化学ライブラリーを迅速かつ便利な方法で互いに反応させることができる。 例えば、図5Aに示したように、3つの構成ブロック(X、Y、Z)から各メンバーA 1-iが構築されるように化学ライブラリーAを形成してもよい。 各構成ブロックが10個の化学物質を含むなら、3つの混合分割工程は、10 3メンバーを有する化学ライブラリーAとなる。 もし化学ライブラリーB
    について同様のプロセスを行うと、これも10 3メンバーを有するであろう。 ライブラリーAの各メンバーとライブラリーBの各メンバーを結合させると、10 6の異なる組合せが得られる。 従って10 6の可能な反応または相互作用を評価することができる。 図5Bに示すように、同様のプロセスを化学ライブラリーAと触媒ライブラリーで使用することができる。 【0028】 3次またはより高次のコンビナトリアルプロセスも可能である。 例えば図6に示すように、触媒のライブラリーを含む一組の構築物を別のコンビナトリアルプロセスに付し、触媒中に金属イオンを挿入するために1つ以上の可能な酸化状態にある金属を構築物に充填/反応させることができる。 従って、図5の例を使用して、10 3の金属を使用すると、可能な反応の数は10 9になる。 【0029】 構築物を形成後、各ライブラリーに由来する化学的実体をある種の条件に付して、いずれかの化学的実体が互いに反応性または相互作用性であるかどうかを決定することができる。 このようにして、2つ以上の異なる化学ライブラリーの間の反応を試みることができる。 そのためには、単に、各ライブラリーに由来する各化学的実体がすべての他のライブラリーに由来するすべての他の実体と結合できるように構築物上で各ライブラリーに由来の化学的実体を合成すればよい。 次に構築物を適当な条件に付して、構築物上の化学的実体が互いに反応または相互作用する可能性のある環境を提供する。 【0030】 化学反応または相互作用が起きたかどうかを決定するために構築物をスクリーニングすることができる。 化学反応性または相互作用性についてスクリーニングするためには種々の方法が使用でき、たとえば、Steven J. Taylorらの「コード化されたポリマー結合ライブラリーからの有効な触媒のサーモグラフィ選択」、
    Science, Volume 280, pp. 267-270(1998年4月10日)(この完全な開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる)に一般的に記載されているようなサーモグラフィの使用がある。 別のスクリーニング法は、固体支持体との結合を切り、質量スペクトル法を使用して、化学生成物が生成されたかどうかを評価することである。 スクリーニング手段としての質量スペクトル法はまた、後述のように出発物質を同定するのに使用することもできる。 別のスクリーニング法は、
    紫外線を使用して、生成物の色の変化または燐光について試験することである。
    そのようなプロセスは、例えばFACSソーターを使用して迅速に行うことができる。 さらに別のスクリーニング法は、Matthew T. Burgerら「トリプシンインヒビターA90720Aの類似体の酵素的ポリマー支持形成:大環状ペプチダーゼインヒビターのスクリーニング方策」、J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 12697-12698に一般的に記載されるような着色クロマトグラフィーを使用する。 【0031】 化学反応または相互作用を経た構築物は、反応性であった化学的実体を分析・
    同定するために分離することができる。 化学的実体を同定するには、種々の方法を単独でまたは組合せて使用することができる。 そのような方法には、例えば質量スペクトル法を使用する未反応化学物質の測定、質量ベースのコードの使用、
    個別の工程として1つ以上の合成工程を実施することなどがある。 【0032】 本発明は、種々の化学ライブラリーを反応または相互作用させるのに使用してもよい。 構築物上に含まれる化学ライブラリーは、当該分野で公知の任意の型の合成法(コンビナトリアル合成プロセスを含む)を使用して作成するものがある。 1つの具体例として、ライブラリーの1つが、1群の化学的実体と反応させられる1群の触媒を含んでいることができる。 別の例として構築物はまた、反応に関与する可能性がある種々の試薬を含んでいてもよい。 こうして、本発明の技術を用いて、複数のコンビナトリアル化学ライブラリーを反応または相互作用させ、
    スクリーニングし、迅速かつ効率的に評価することができる。 【0033】 図7を参照して、分析用構築物10の1つの実施形態を説明する。 構築物10は固体支持体12を有しており、この固体支持体はアーム13を含むように工学処理されており、このアームが2つの分岐するつなぎ部位14と16を有する。 1つのアームのみを示してあるが、固体支持体12上に複数のアームおよび結合したつなぎ部位を備えてもよいものと理解されたい。 【0034】 部位14には化学的実体18が結合し、部位16には化学的実体20が結合している。
    化学的実体18は化学的実体A 1 -A iのライブラリーAに由来する化学的実体からなることができ、化学的実体20は化学的実体B 1 -B jのライブラリーBに由来する化学的実体からなることができる(ここでiとjは等しくても等しくなくてもよい)。 【0035】 部位14と16は、化学的実体18と20が、反応または相互作用が起きるのに充分な時間反応距離内にある確率を最大にするように構成・作成されており、すなわち部位18と20は、これら部位間の時間平均距離を最適化して観察可能な反応または相互作用が起きる確立を増大するように構成・作成することができる。 適切な条件下で、少なくともいくつかの化学的実体が互いに反応または相互作用して生成物を形成するか、またはライブラリーの一方が触媒からなる場合には、1つの実体が触媒と反応または相互作用して生成物を生成し、一方触媒は未変化のままで残る。 【0036】 部位14と16間の時間平均距離を最適化するようにこれらの部位を構築する1つの方法は、Ernest L. Eliel, Stereochemistry of Organic Compounds, John Wi
    ley and Sons Inc.、675〜685頁(この完全な開示内容は参照することにより本明細書に組み込まれる)に一般的に記載のような環状分子に関連する方法を使用して行われる。 部位14と16を構築する時は、適切な数の結合を提供して、ライブラリーAとBの化学的実体が反応を起こし得る程充分に近接して接触する確率を上げるようにする。 アームから分岐する一対の部位を有する構築物を生成する方法の1つの具体的な非限定例を図7Aに例示する。 図7Bは、2つの異なる化学ライブラリーのメンバーを連結する一対の部位を有する1つの別の構築物を例示する。 【0037】 化学ライブラリーAとBは、各化学的実体が2つ以上の化学的構成ブロックから形成されるコンビナトリアルプロセスを使用して作成することができ便利である。 例えば図8に示すように、3組の化学的構成ブロックX、Y、ZからライブラリーA
    の各化学的実体18を形成することができる。 そのような場合、まず化学的構成ブロックX 1 -X nを部位14で合成する。 次に固体支持体12を混合し複数の群に分割して、化学的構成ブロックY 1 -Y nを部位14で合成する。 このプロセスを、構成ブロックZ 1 -Z nについて繰り返す。 いったんライブラリーAが合成された後、複数の構成ブロックからBライブラリーを構築するのであれば、Bライブラリーについても同様のプロセスを使用することができる。 【0038】 図9は、化学的実体A 1とA 2を有する化学ライブラリーAと、化学的実体B 1 、B 2およびB 3を有するライブラリーBの2つの化学ライブラリーから形成された構築物24
    〜34のライブラリー22の1つの単純化した例を示す。 この場合、実際両方のライブラリーがずっと大きくてもよいことが分かる。 ライブラリー22は、各構築物が、ライブラリーAとBに由来する化学的実体の異なる対になった組合せを含むように構築される。 すなわち、ライブラリーAに由来するある化学的実体は、(異なる構築物上で)ライブラリーBに由来する化学的実体の各1つと関連付けて組み合わされ、その逆も起きる。 従って、構築物の数は、2×3=6により決定される。
    従ってライブラリー22は、2つ以上の別々のコンビナトリアルライブラリーの組合せであるように構築される。 【0039】 図10は、図9のライブラリー22を形成する1つの方法を例示する。 まず、多数の固体支持体を準備する。 説明の便宜上1つの固体支持体36のみを示す。 固体支持体36は一対の部位38と40を含む。 固体支持体は、部位40が保護基42をもつように構築される。 合成プロセスを使用して、各固体支持体の部位38に、ライブラリー
    Aの化学的実体A 1-iを受け取らせる。 場合により、化学的実体が2つ以上の構成ブロックを含有するときには、コンビナトリアル合成プロセスを使用してもよい。
    例えば、各化学的実体が3つの構成ブロックを有するように、3つの混合分割法を使用してもよい。 次に保護基42を各部位40から取り外し、部位40上でライブラリーBの化学的実体B 1-jを合成するように、合成プロセスを使用する。 これを達成するには、たとえば、構築物の複数の群を形成し、各群がライブラリーAに由来する完全な一組のメンバーを含むようにすることができる。 次に、これらの群は各々がライブラリーBの異なるメンバーを受け取る。 2つ以上の構成ブロックのライブラリーBを構築する場合には、前記したものと同様の方法で、1つ以上のコンビナトリアルプロセスを使用するとよい。 【0040】 図11に示すように、構築物のライブラリーを作成したら、構築物をある一組の条件下に置いて反応または相互作用を促進する。 ある応用ではすべての構築物を同じ組の条件下に置く。 そのような条件には、例えば一定の温度やある種の試薬が含まれる。 そのような条件下で、少なくともいくつかの構築物は、その化学的実体の1つが他の化学的実体と反応または相互作用して、図12に示すように生成物Cを形成する(ライブラリーの1つが触媒を含まないと仮定した)。 図10の構築物が関与するこのプロセスの要約を図13に例示する。 【0041】 どの構築物が反応または相互作用をしたかを決定するためには、スクリーニング法を実施することができる。 例えば1つのスクリーニング法は、反応が起きたことを示す構築物の温度の変化を検出するためのサーモグラフィ法である。 他の方法には、化学生成物の質量測定、生成物の創成により生じる発光または燐光、
    着色クロマトグラフィーなどがある。 次に、反応または相互作用が検出された構築物をさらに評価するために残りの構築物から分離することができる。 種々の分離法(ビーズピッカーの使用を含む)が使用できる。 【0042】 スクリーニング法の1つの具体例を図13Aに例示する。 図13Aには、部位38と40
    とを有する固体支持体36が示されている。 図16にさらに詳細に示してあるように、ライブラリーAとBの化学的実体の間に質量識別コード(CODE)が結合されている。 また部位38には、ある種の標識39も付けられている。 反応が起こらなければ、
    化学的実体Aの切断により、図示してあるように部位38から標識39が除かれる。
    構築物36をスキャンすると、標識39は検出されず、従って反応または相互作用が起きなかったことを示す。 一方、反応または相互作用が起きるなら、部位38での切断により、図示のように構築物36から標識39が放出されない。 従って構築物36
    をスキャンすると、標識39が検出されて、反応または相互作用が起きたことを示す。 構築物を標識するには種々の標識が使用でき、例えば免疫学的標識、ラジオアイソトープ標識、発色物質標識などがある。 【0043】 構築物を分離したら、次に各構築物の化学的実体を同定する。 図13に示すように、評価を容易にするために生成物Cを支持体36から切断する。 次に化学的実体を同定する1つの便利な方法は、質量スペクトル法(MS)を使用する質量解析法(mass deconvolution process)であり、ここでは、少なくとも一部の化学的実体は反応せず、固体支持体に結合したまま残ると仮定される。 さらにこの方法では、いずれの化学的実体も等重(isobaric)ではないと仮定される。 固体支持体から切断された生成物と残存する化学的実体を質量スペクトル計に入れ、各化学的実体と生成物の原子質量を測定する。 この質量スペクトル計はさらに、結果を表示するグラフを作成するように構成することができる。 そのようなグラフの1つの例を、図14に示す。 次にルックアップ表(例えば図15の表)を使用して、Aライブラリーの各化学的実体の質量を決定することができる。 同様のプロセスをB
    ライブラリーについても行う。 【0044】 こうして、2つの比較的大きなコンビナトリアル化学ライブラリーを互いに反応させ、反応または相互作用を迅速かつ効率的に同定することができる。 例えば、単に一例を挙げると、1,000メンバーの2つのコンビナトリアルライブラリーを互いに反応させると、1,000,000メンバーのライブラリーが得られる。 このライブラリーは、化学活性について迅速にスクリーニングすることができ、次に質量解析法(mass deconvolution)を使用して、反応性または相互作用性の化学的実体を迅速に同定することができる。 【0045】 スクリーニング後に固体支持体上の化学的実体を同定する別の方法は、質量コードの使用による。 図16は、そのような質量コードを含む構築物44の一例であり、複数のコンビナトリアル化学ライブラリーから形成されるライブラリーを作成するのに使用できる。 構築物44は、本明細書に記載の他の構築物と類似の一対の部位48と50を有する固体支持体46を含む。 部位48には質量コード52が結合され、
    これは次に、化学ライブラリーAに由来する化学的実体54に結合される。 部位50
    には質量コード56が結合されており、これは次に、化学ライブラリーBに由来する化学的実体58に結合される。 各質量コードを特定の化学的実体に割り当て、後述するようなルックアップ表に記憶させる。 【0046】 図17は、構築物44を生成するのに使用されるプロセスの要約である(ライブラリーBが触媒からなる場合)。 構築物44を形成するために、質量コード52を部位4
    8に連結し、質量コード52に対して化学的実体Aを合成し、一方この間部位50を保護基でブロックする。 次に部位50を脱ブロックし、質量コード56を連結し、化学的実体58を合成する。 質量コードを割り当て連結する方法、ならびに化学的実体をコンビナトリアルに合成する技術は、PCT国際出願番号PCT/US97/05701およびH
    . Mario Geysenら、コンビナトリアルライブラリーのアイソトープまたはマスエンコーディング、Chem. & Biol. Vol. III, No. 8, pp. 679-688(1996年8月)
    に記載されている(すでに、参照することにより本明細書に組み込まれた)。 【0047】 構築物44上で化学物質を合成した後、構築物をある種の反応条件に付し、すでに記載した方法と類似の方法で化学活性について構築物をスクリーニングする。
    化学活性が見いだされた構築物について、コード、触媒、および生成物を切断し、質量スペクトル計に入れて、コードの原子質量を測定する。 質量スペクトル計は、図18に示すように結果をグラフ表示するように設定することができ便利である。 次に図19に示すようなルックアップ表を使用して、各測定したコードの原子質量を特定のコードに関連付ける。 そして、同定されたコードを、PCT国際出願番号PCT/US97/05701およびH. Mario Geysenら、コンビナトリアルライブラリーのアイソトープまたはマスエンコーディング、Chem. & Biol. Vol. III, No. 8,
    pp. 679-688(1996年8月)(すでに、参照することにより本明細書に組み込まれた)に記載されているように、化学物質と関連付ける。 【0048】 図20は、3次コンビナトリアルプロセスの1例を示す。 この特定のプロセスは、一対の部位64と66を有する固体支持体62を含む構築物60を利用する。 部位64に合成されるのは基質68であり、これは基質Aのコンビナトリアルライブラリーの一部である。 部位66に合成されるのは配位複合体70であり、これは配位複合体のライブラリーの一部である。 こうして、基質と配位複合体のすべての可能な対になった組合せを有する構築物のライブラリーを、前記と類似の方法で作成することができる。 図10に示すように、そのようなk個のライブラリーを作成し、各ライブラリーを個別の容器72に入れる。 次に各容器に、その酸化状態の1つにある金属を入れると、この金属が配位複合体の中心に入る。 従ってi個の基質、j個の配位複合体、およびk個の金属を提供することにより、i×j×k個のメンバーを有する3次コンビナトリアルライブラリーを作成することができる。 【0049】 金属を導入後、構築物を、前記した方法と同様の方法で化学活性についてスクリーニングすることができる。 最後の工程は別個の工程として行われるため、化学活性があった構築物について、関連する金属が容易に決定される。 すなわち、
    構築物が得られた容器を単に同定するのみである。 基質と配位複合体は、質量スペクトル計と質量コードを使用して、前記した方法と同様の方法で同定される。
    図21は、質量コード71と73を用いて、ライブラリーAのメンバーと触媒を、前記した方法と同様の方法で同定することを助ける同様のプロセスを例示する。 【0050】 図22は、3次コンビナトリアルプロセスの別の例である。 図22のプロセスは、
    最後の工程が個別の工程として行われるという意味で、図20のプロセスに似ている。 図22のプロセスは、固体支持体76と化学ライブラリーAに由来する化学的実体78およびコンビナトリアルライブラリーBに由来する化学的実体80とを含む構築物74を使用する。 構築物74は、前記した方法と同様の方法で構築することができ、場合により前記した方法と同様の方法で1つ以上の質量コードを含有させてもよい。 図20のプロセスと同様に、構築物のk個のライブラリーを作成する。 これはそれぞれが、ライブラリーAとBに由来する化学的実体のすべての可能な対になった組合せを有する構築物を含む。 次に各包括的なライブラリーを、記載したように個別の工程として、一組の異なる条件に付す。 こうして、ライブラリーA
    に由来するi個の化学的実体を、ライブラリーBに由来するj個の化学物質と、それぞれk個の条件下で反応させることができる。 次に構築物をスクリーニングし、目的の化学的実体(および関連する反応条件)を、前記した方法と同様の方法で同定する。 【0051】 本発明はさらに、3つ以上の部位を含む構築物を提供する。 こうしてn次のコンビナトリアルプロセスを実施することができる。 そのような構築物82の1例を図
    23に示す。 構築物82は、3つの部位86、88および90を有する固体支持体84を含む。 ライブラリーAに由来する化学的実体92(これは、場合により複数の構成ブロックからコンビナトリアルに生成してもよい)を部位86に連結し、ライブラリー
    Bに由来する化学的実体94(これは、場合により複数の構成ブロックからコンビナトリアルに生成してもよい)を前記実施形態と同様の方法で、部位88に連結する。 試薬のライブラリーに由来する試薬96を部位90に連結する。 【0052】 構築物82を用いて、k個の試薬を使用して、ライブラリーAに由来するi個の化学的実体をライブラリーBに由来するj個の化学的実体と反応させることができる。 スクリーニングと質量解析法(質量コードの使用を含む)は、前記の方法と同様の方法で行われる。 【0053】 本発明の別の態様においては、2つ以上の触媒ライブラリーに由来する触媒を有する構築物を形成して、どの触媒の組合せが目的の生成物を生成するのに最も効率的であるかを決定することができる。 例えば、一組の構築物を、この組の各構築物が触媒ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと触媒ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの対になった組合せを含むように構成して作成することができる。 この一組の構築物は、触媒ライブラリーAの化学的実体A 1 -A iと触媒ライブラリーBの化学的実体B 1 -B jの実質的にすべての可能な対になった組合せを含むことができ便利である。 【0054】 これらの構築物を溶液相で基質に暴露し、各構築物の化学的実体A 1 -A iと化学的実体B 1 -B jが関与する可能な反応または相互作用を促進する。 次に構築物をスクリーニングして、反応または相互作用を同定することができ、反応または相互作用が起きた構築物の化学的実体A 1 -A iおよび化学的実体B 1 -B jを同定することができる。 このようにして、2つの触媒ライブラリーと基質との相互作用の包括的分析を行うことができる。 【0055】 そのようなプロセスの1つの例を図24に示す。 このプロセスは、複数の固体支持体100を使用する(説明の便宜上1つのみを示す)。 固体支持体100は、一対のつなぎ部位102と104を有し、これらは本明細書の他の実施形態と同様の方法で構築することができる。 場合により質量コード106と108を、他の実施形態と同様の方法でそれぞれ各部位102と104に連結し、反応が同定された後に特定の触媒を同定するのに使用してもよい。 最初部位104は保護基(Pg)をもっており、触媒ライブラリーAのメンバーA 1は部位102に合成される。 本明細書の他の実施形態で記載したように、多工程合成プロセスを使用してメンバーA 1を生成することができる。 図示していないが、各固体支持体は、他の実施形態と同様の方法で、触媒ライブラリーAの異なるメンバーを受け取ることができる。 【0056】 次に保護基Pgを除去し、上記プロセスを繰り返して、触媒ライブラリーBのメンバーB1を部位104に合成する。 こうして、ライブラリーAとBに由来する触媒のすべての対になった組合せを有する一組の構築物を生成することができる。 次にこの一組の構築物を基質110に暴露して、反応が起きるなら、生成物112を生成させることができる。 次に一組の構築物を、本明細書に記載のスクリーニング法のいずれかを使用して、可能な反応または相互作用についてスクリーニングすることができる。 反応または相互作用が検出される構築物で、コード106と108および触媒メンバーA 1とB 1を固体支持体100から切断することができる。 次にコード106
    と108を、質量スペクトル法を使用して前記した方法と同様の方法で解読して、
    反応に関与した特定の触媒を同定することができる。 【0057】 明瞭にかつ理解できるように本発明を詳細に説明した。 しかし、添付の請求の範囲内でいくつかの変更や修飾が行われることは理解されるであろう。 【図面の簡単な説明】 【図1】 図1は、本発明の複数のつなぎ部位を有する固体支持体の概略図である。 【図2】 図2は、図1の固体支持体のつなぎ部位の間の距離の分布を示すグラフである。 【図3】 図3は、本発明のつなぎ部位の別の配置を有する固体支持体の概略図である。 【図4】 図4は、図3の固体支持体の化学的実体の間の距離分布を示すグラフである。 【図5】 図5Aは、本発明の2次反応プロセスを示すフローチャートである。 図5Bは、本発明の2次触媒プロセスを示すフローチャートである。 【図6】 図6は、本発明の3次コンビナトリアルプロセスを示すフローチャートである。 【図7】 図7は、本発明の分析用構築物の概略図である。 図7Aは、本発明の1つの特定の分析用構築物を作成するためのプロセスを例示する。 図7Bは、本発明の別の分析用構築物の1つの具体例を示す。 【図8】 図8は、本発明の固体支持体上で化学ライブラリーAを合成するための1つの可能な方法を例示するフローチャートである。 【図9】 図9は、2つの化学ライブラリーAとBから作成された構築物のライブラリーの概略図である。 【図10】 図10は、図9の構築物のライブラリーを生成するための方法を例示する。 【図11】 図11は、構築物を種々の条件に付すことにより構築物のライブラリー上の化学的実体の反応または相互作用を試験する方法を例示する。 【図12】 図12は、2つの化学的実体AとBが反応または相互作用する時に生じる生成物Cを例示する。 【図13】 図13は、構築物のライブラリーを生成し、反応または相互作用する化学物質を同定する方法を例示する。 図13Aは、反応性または相互作用性化学物質をスクリーニングするスクリーニング方法を例示する。 【図14】 図14は、反応または相互作用が起きた後に、質量スペクトル法を使用して図10
    の構築物の1つを分析する時に得られるグラフである。 【図15】 図15は、原子質量を化学的実体と関連付けるルックアップ表を例示する。 【図16】 図16は、本発明の化学的実体に関連するコードを有する別の構築物の概略図である。 【図17】 図17は、構築物の質量でコード化したライブラリーを生成し、質量コードを使用して反応または相互作用する化学物質を同定するための方法を例示する。 【図18】 図18は、反応または相互作用が起きた後に、質量スペクトル法を使用して図16
    の構築物の1つを分析する時に得られるグラフである。 【図19】 図19は、原子質量をコードと関連付けるルックアップ表を例示する。 【図20】 図20は、その中心に金属を配置した配位複合体を含む化学ライブラリーを生成する方法を例示する。 【図21】 図21は、質量コードを使用する時、触媒を有する構築物を生成し評価する方法を例示する。 【図22】 図22は、化学ライブラリーを生成し、次に種々の条件を使用して構築物上の化学物質を反応または相互作用させる方法を例示する。 【図23】 図23は、2つの別々のライブラリーと試薬に由来する化学的実体を有する分析用構築物の概略図である。 【図24】 図24は、複数の触媒が関与する化学ライブラリーを生成し評価する方法を例示する。 【符号の説明】 2、8、9、14、16、38、40、48、50、64、66、86、88、90、102、104 部位 4、6、12、36、46、62、76、84、100 固体支持体 7、13 アーム 10、44、60、74、82 構築物 18、20、54、58、78、80、92、94 化学的実体 22 ライブラリー 39 標識 42 保護基Pg 52、56、71、73、106、108 質量コード(CODE) 68、110 基質 70 配位複合体 96 試薬

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ゲイセン,エイチ. ,マリオ アメリカ合衆国 ブイエー 22904,チャ ーロッテズヴィレ,ムコーミック ロー ド,ユニバーシティー オブ バージニア シー/オーFターム(参考) 2G045 AA40 GC30 JA01 4G075 AA39 AA65 BD16 CA54 4H006 AA02 AA04 AC90

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