Image method of colloidal rod particles as nano bar code

申请号 JP2001528923 申请日 2000-10-02 公开(公告)号 JP2003511675A 公开(公告)日 2003-03-25
申请人 サーロメッド・インコーポレーテッド; 发明人 ウォルトン,イアン; キーティング,クリスティーン・ディー; ディーツ,ルイス・ジェイ; ナタン,マイケル・ジェイ; ノートン,スコット;
摘要 (57)【要約】 ナノバーコードとしてのコロイドロッド粒子を画像化する方法を記載した。 この方法では、複数のセグメントを含み、長さが10nmから50μm、幅が5nmから50μmである独立粒子の画像化又は読取りが実行される。 粒子のセグメントは、金属、アラウ、金属 合金 、金属窒化物、金属カルコゲニド、金属 酸化 物、金属硫化物、金属セレン化物、金属テルル化物、ポリマー材料、結晶質材料又は非晶質材料を含む任意の材料から成ることができる。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】 反射率によって区別することができるセグメントを有するセグメント化されたナノ粒子を識別する方法であって、 前記ナノ粒子の反射率画像を得ること、 背景から区別することによって、前記画像中の前記ナノ粒子を識別すること、 前記ナノ粒子の反射率パターンを識別すること、及び 前記パターンを、予めセットしておいたナノ粒子プロフィールと相関させて、
    前記セグメント化されたナノ粒子を識別すること、 を含む方法。 【請求項2】 前記セグメント化されたナノ粒子の長さが10nmから50
    μm、幅が5nmから50μmである、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記セグメント化されたナノ粒子が2〜50個のセグメントから成り、粒子の長さが1〜15μmで、幅が30nmから2μmであり、前記セグメントの長さが50nmから15μmである、請求項2に記載の方法。 【請求項4】 前記ナノ粒子の少なくとも1つのセグメントが、金属、任意の金属カルコゲニド、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属リン化物、金属セレン化物、金属テルル化物、金属アンチモン化物、金属合金、半導体、半金属、任意の有機化合物又は材料、任意の無機化合物又は材料、任意の有機金属化合物又は材料、微粒子材料層、及び複合材料から成るグループから選択された材料から成る、請求項1に記載の方法。 【請求項5】 前記反射率画像をMLSC装置で得る、請求項1に記載の方法。 【請求項6】 反射率画像を撮影するときに前記ナノ粒子がフローシステム中にある、請求項1に記載の方法。 【請求項7】 ナノ粒子の識別及び検定結果の検出を同時に実施する方法であって、前記検定が前記ナノ粒子に関連付けられ、前記検定の性質が前記ナノ粒子によってコード化された方法において、 前記ナノ粒子の性質を識別すること、 前記ナノ粒子を解読し、それによって前記検定の性質を識別すること、及び 同時に、前記検定の結果を検出すること、 を含む方法。 【請求項8】 前記ナノ粒子の長さが10nmから50μm、幅が5nmから50μmである、請求項7に記載の方法。 【請求項9】 前記ナノ粒子が2〜50個のセグメントを含み、前記ナノ粒子の長さが1から15μm、幅が30nmから2μmであり、前記セグメントの長さが50nmから15μmである、請求項8に記載の方法。 【請求項10】 前記ナノ粒子の少なくとも1つのセグメントが、金属、任意の金属カルコゲニド、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属リン化物、
    金属セレン化物、金属テルル化物、金属アンチモン化物、金属合金、半導体、半金属、任意の有機化合物又は材料、任意の無機化合物又は材料、任意の有機金属化合物又は材料、微粒子材料層、及び複合材料から成るグループから選択された材料から成る、請求項7に記載の方法。 【請求項11】 前記ナノ粒子の前記識別が、光学的検出メカニズム、走査プローブ技法、電子ビーム技法、電気的技法、磁気的技法及び機械的技法から成るグループから選択された技法を使用して実施される、請求項7に記載の方法。 【請求項12】 前記光学的検出メカニズムが、吸収、蛍光、ラマン、ハイパーラマン、レイリー散乱、ハイパーローリー散乱、CARS、和周波数発生(
    sum frequency generation)、縮退四波混合(deg
    enerate four wave mixing)、前方光散乱、後方散乱及び角度光散乱から成るグループから選択される、請求項11に記載の方法。 【請求項13】 前記走査プローブ技法が、近接場走査光学顕微鏡法、AF
    M、STM、化学力(chemical force)顕微鏡法及び横力(la
    teral force)顕微鏡法から成るグループから選択される、請求項1
    1に記載の方法。 【請求項14】 前記検定検出が蛍光検出によって達成される、請求項7に記載の方法。 【請求項15】 前記検定検出が質量分析検出によって達成される、請求項7に記載の方法。 【請求項16】 特定のタイプのセグメント化されたナノ粒子を識別する方法であって、前記タイプがある情報をコード化し、前記ナノ粒子の長さが1から15μm、幅が30nmから2μmであり、前記セグメントの長さが50nmから15μmである方法において、 特定のナノ粒子を識別すること、及び 前記ナノ粒子を解読して、前記情報を得ること、 を含む方法。 【請求項17】 前記ナノ粒子の少なくとも1つのセグメントが、金属、任意の金属カルコゲニド、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、金属リン化物、
    金属セレン化物、金属テルル化物、金属アンチモン化物、金属合金、半導体、半金属、任意の有機化合物又は材料、任意の無機化合物又は材料、任意の有機金属化合物又は材料、微粒子材料層、及び複合材料から成るグループから選択された材料から成る、請求項16に記載の方法。 【請求項18】 前記ナノ粒子の前記識別が、光学的検出メカニズム、走査プローブ技法、電子ビーム技法、電気的技法、磁気的技法及び機械的技法から成るグループから選択された技法を使用して実施される、請求項16に記載の方法。 【請求項19】 前記光学的検出メカニズムが、吸収、蛍光、ラマン、ハイパーラマン、レイリー散乱、ハイパーローリー散乱、CARS、和周波数発生、
    縮退四波混合、前方光散乱、後方散乱及び角度光散乱から成るグループから選択される、請求項16に記載の方法。 【請求項20】 前記走査プローブ技法が、近接場走査光学顕微鏡法、AF
    M、STM、化学力顕微鏡法及び横力顕微鏡法から成るグループから選択される、請求項16に記載の方法。 【請求項21】 前記検定検出が蛍光検出によって達成される、請求項16
    に記載の方法。 【請求項22】 前記検定検出が質量分析検出によって達成される、請求項16に記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 【0001】 (発明の分野) 本発明はナノ粒子を画像化する方法を対象とする。 本発明の好ましいある実施形態では、ナノ粒子を使用して情報をコード化することができ、これによってナノ粒子が分子(又は細胞)タグ、ラベル及び基板の働きをする。 【0002】 (発明の背景) 本発明は、セグメント化(区分化)された粒子を画像化する方法、区別可能な粒子の集合(セグメント化の有無は問わない)、及びそれらの使用法に関する。 【0003】 疑いなく、伝統的に生物分析化学(bioanalytical chemi
    stry)として定義されてきたものの理論的枠組みに変化が生じた。 これらの新しい技術の主要な焦点は、「体積あたりの増大した情報量(increase
    d per volume information content)」と呼ぶことができるものを生み出すことである。 この用語は、検定(assay)の実施に必要な試料量の低減から、固定化した分子アレイを含む測定などの高度並行測定(「多重化」)、2Dゲル電気泳動、CE−エレクトロスプレー(ele
    ctrospray)MS/MSなどの第2(又は第3)の情報チャネルの組込みに至る、いくつかの方法を包含する。 【0004】 残念なことには、革命的と思われるこれらの技術の多くが、比較的に平凡な材料、方法及び分析に依存することによって制限されていることである。 例えば、
    Affymetrix社、Incyte社及び同様の企業による、遺伝子発現分析及びゲノタイピング(genotyping)用のDNAマイクロアレイ(「
    遺伝子チップ」)の開発は、最高20,000個の異なるDNAの断片又は完全な長さのDNA片を、空間的に画定された1cm 2アレイ中に固定する手段を生み出した。 しかし同時に、これらのチップの使用は全ての場合に、溶液中のDN
    Aを平面上に固定されたDNAにハイブリッド形成することを必要とし、これは、(特にcDNAの)ハイブリッド形成効率の低下、及び非常に大きな非特異的結合の程度によって特徴付けられる。 これらの問題を完全に解決することができるかどうかは定かではない。 更に、外部技術を取得するコストとDNAアレイを内部的に開発するのに必要なリードタイムの両面で、一般的な失望感がある。 【0005】 劣ったツールによって革新が遅れる第2の例は、コンビナトリアル化学(co
    mbinatorial chemistry)による医薬品の発見である。 現在、分子固定部位として、直径5から10μmのラテックスビーズの溶液相が広く使用されている。 広く採用されている「スプリットアンドプール(split
    and pool)」戦略を利用して、100,000種以上の化合物のライブラリを簡単かつ迅速に生み出すことができる。 その結果、薬物発見の障害は合成から、スクリーニング及びこれと同等に重要な化合物の同定(すなわちどの化合物がどのビーズにあるか?)へとシフトした。 後者の現行の方法は、「ビードエンコーディング(bead encoding)」を含み、これによってビードに適用されたそれぞれの合成段階が、有機「コード」分子の並列付加によって記録され、そのコードを読み取ることによって、ビード上に導かれた識別すべき薬物を識別することができる。 残念ながら、この「コード読取り」プロトコルは最適にはほど遠い。 いずれの戦略でも、コード分子は、ビードから切り離し、H
    PLC、質量分析法又は他の方法によって別々に分析しなければならない。 言い換えると、薬物が存在する複数のビードに直接かつ迅速に問い合わせることによって、潜在的に興味深い薬物候補を同定できることが望ましい多数のスクリーニングプロトコルがあったとしても、そのような方法は現在のところない。 【0006】 コンビナトリアル化学と遺伝子分析の両方に潜在的な関連を有する2つの代替技術は、空間的に画定された位置に代わって、スペクトルによって識別可能なビードを使用する「自己コード化ビーズ」(self−encoded bead
    s)を含む。 Waltとその同僚たちによって開拓された方法では、ビーズを一意的に識別するためのある比の蛍光染料を用いてビーズを化学的に修飾し、次いで、固有のケミストリ(例えば異なる抗体又は酵素)で更に修飾する。 次いでこのビードを、エッチングされたファイバーアレイ上にランダムに分散させ、1つのビードがそれぞれのファイバに関連づけられるようにする。 ビードの同一性は、その蛍光読み取りによって確かめられ、分析物(analyte)は、同じファイバの異なるスペクトル領域の蛍光リードアウトによって検出される。 このトピックに関する影響の強い論文(Michael et al.,Anal.
    Chem. 70 1242−1248(1998))には、異なる6種の染料(
    対にして合計15の組合せ)及び異なる10の染料比を用いると、それぞれが異なるビード「フレーバー」を表す150の「ユニークな光学サイン」を生み出すことができることが指摘されている。 Luminex社の研究者によって非常によく似た戦略が記述されている。 彼らは、化学修飾の準備ができた(市販の10
    0種の)フレーバーの付けられたビードを、フローサイトメトリーに似た分析と組み合わせた(例えばMcDade et al.,Med.Rev.Diag
    . Indust. 19 75−82(1997)を参照されたい)。 ここでもやはり、粒子フレーバーは蛍光によって決定され、生化学種をビード上に配置すると、分析物の存在のため生み出されたスペクトル的にはっきりした蛍光を読み取ることができる。 現在の構成では、粒子フレーバーを求めるのに1色のレーザの使用が必要であり、生物学的測定蛍光体群を励起させるのに別のレーザが必要であることに留意されたい。 【0007】 自己コード化されたラテックスビーズとのより重要な関わりは、分子蛍光に関連した広い帯域幅によって課せられる限界である。 コード化と生物学的測定の両方に分子蛍光の周波数空間を使用する場合には、例えば最高20,000の異なるフレーバーをどのように生み出すかを想像することが難しい。 この問題は、より狭い蛍光帯域幅を示すガラスコーティングされた量子ドットの組合せの使用によって、いくぶん軽減されるかもしれない(例えばBruchez et al
    . ,Science,281,2013−2016(1998)を参照されたい)。 しかし、これらの「デザイナー」ナノ粒子は調製が非常に難しく、現在のところ、(公表された)量子ドットの数よりも多くのタイプの蛍光体(複数)(f
    luorophores)が存在する。 しかし、内因的に区別可能な非常に多数の粒子をなんらかの手段によって生み出すことができる場合には、コンビナトリアル化学、ゲノミックス(genomics)及びプロテオミックス(prot
    eomics)を含む(多重免疫検定を介した)複数の高情報量研究分野に対して単一の技術プラットホームを考えることができる限りにおいて、粒子ベースの生物分析は例外的に魅力的であろう。 【0008】 以前の研究は元来、金属被覆された膜の細孔に金属を付着させて、ホスト膜に埋め込まれた金属ナノ粒子のアレイを作る方法を教示した。 それらの焦点は、これらの材料の光学的及び/又は電気化学的特性に置かれた。 同様の技法を使用して、組成が長さに沿って変化するセグメント化された円筒形磁気ナノ粒子がホスト膜中に作られた。 しかし、長さに沿って組成が変化する独立式のロッド形ナノ粒子はまだ調製されていない。 実際、長さが少なくとも1ミクロンである単一組成の「独立」ロッド形金属ナノ粒子はこれまで報告されていない。 同様に、このようなホスト物質内に埋め込まれず、又は他の方法でもホスト物質に含まれない独立ロッド形金属ナノ粒子もこれまで報告されていない。 【0009】 (発明の概要) ロッドの長さに沿って組成が変化するロッド形ナノ粒子を調製した。 これらの粒子は、ナノ粒子又はナノバーコードと呼ばれるが、実際には、全て又はいくつかの寸法がミクロン範囲でもよい。 本発明は、このようなナノ粒子を画像化し、
    又は読み取る方法を対象とする。 【0010】 本発明に基づくナノ粒子の画像化又は読取りは、2つの構成要素を有することができる。 本発明のナノバーコードを画像化する主要な構成要素は、特定のタイプ又はナノバーコードのフレーバを識別する能力である。 本発明のナノバーコードは一つには、他のナノバーコードから区別される能力、又は情報をコード化する能力によって定義される。 したがって、本発明の画像化の第1の構成要素は、
    特定のフレーバのナノバーコードを識別する能力である。 【0011】 本発明のナノバーコードの画像化又は読取りの第2の構成要素は、ナノバーコードを例えば分子検定で使用する実施形態で適用可能である。 これらの実施形態では、ナノバーコードが、実施中の特定の検定を識別するタグの働きをする。 したがって、タグを読み取ることができること(上記第1の構成要素)、更に、検定の結果を検出し、又は読み取ることができることが必要である。 これらのケースでは、第1の構成要素の画像化又は読取りの結果と検定の読取りの結果とを相関させ、これによって検定のタイプと検定の結果が正しく互いに関連づけられるようにしなければならない。 【0012】 本発明は、複数のセグメントを含み、長さが10nmから50μm、幅が5n
    mから50μmである独立粒子を画像化する又は読み取る方法を含む。 本発明の粒子のセグメントは任意の材料から成ることができる。 可能な材料には、金属、
    任意の金属カルコゲニド(metal chalcogenide)、金属酸化物、金属硫化物、金属セレン化物、金属テルル化物、金属合金、金属窒化物、金属リン化物、金属アンチモン化物、半導体、半金属、任意の有機化合物又は材料、任意の無機化合物又は材料、微粒子材料層、及び複合材料が含まれる。 本発明の粒子のセグメントは、ポリマー材料、結晶質材料、非晶質材料、無定形材料又はガラスから成ることができる。 本発明の好ましいある実施形態では、粒子が「
    機能化(functionalized)」されている(例えば、粒子の表面がIgG抗体で覆われている)。 このような機能化は、選択されたセグメント又は全てのセグメント、粒子本体、或いは粒子の一方又は両方の先端に取り付けることができる。 機能化は実際に、セグメント又は粒子全体を覆うことができる。 一般に、このような機能化は、抗体、抗体断片、オリゴヌクレオチド(oligo
    nuctiotide)などの有機化合物、無機化合物、及びそれらの組合せを含むことができる。 このような機能化は更に、検出可能タグであることができ、
    又は検出可能なタグを結合する化学種を含むことができる。 【0013】 更に本発明には、複数のタイプの粒子を含む粒子の集合であって、それぞれの粒子の長さが10nmから50μmであり、それぞれの粒子が複数のセグメントから成り、粒子のタイプが区別可能である粒子の集合を画像化する又は読み取る方法が含まれる。 好ましい実施形態では、粒子のタイプが、粒子の長さ、幅又は形状、及び/又は前記セグメントの数、組成、長さ又はパターンの違いに基づいて区別可能である。 他の実施形態では、粒子が、それらの機能化の性質又は物理特性(例えば質量分析又は光散乱によって測定される特性)に基づいて区別可能である。 【0014】 本発明は、材料又は製品(例えば塗料、ゴム、金属、木材、布地、火薬、紙、
    プラスチック、ガラス、ポリスチレンビーズなど)についてのコード化された情報を、その情報をコード化する独立粒子を材料まはた製品中に組み込み又はそれに取り付けたとき、読み取る方法であって、前記材料又は製品に、それらに関する情報をコード化した独立粒子を混合し、又は取り付けることを含み、前記粒子が複数のセグメントを含み、粒子の長さが10nmから50μm、幅が5nmから50μmであり、前記コード化された情報が、粒子の長さ、幅又は形状に基づいて、及び/又はセグメントの数、組成、長さ又はパターンに基づく方法を含む。 【0015】 (発明の詳細な記述) 本発明はナノ粒子を画像化する又は読み取る方法を対象とする。 このようなナノ粒子及びその使用については、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる2000年6月20日出願の「ナノバーコードとしてのコロイド状ロッド粒子(Colloidal Rod Particles as Nanobar
    Codes)」という名称の米国実用出願継続番号第09/598395号に詳細に記載されている。 本出願と同時に、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる「ナノバーコードとしてのコロイド状ロッド粒子の製造方法(Meth
    ods of Manufacture of Colloidal Rod
    Particles as Nonobar Codes)」及び「ナノバーコードとしてのコロイド状ロッド粒子の画像形成方法(Methods of I
    maging Colloidal Rod Particles as Na
    nobar Codes)」という名称の2つの米国実用出願が出願されている。 本出願は、第09/598395号出願の一部継続出願として提出される。 【0016】 バーコーディングは巨視的世界で非常に広く使用されており、そのためその概念が、さまざまな比喩的表現の中で分子的世界にも翻訳された。 したがって、オープン読取り枠(open reading frame)の分析に基づく「バーコード」、同位体の質量変動に基づくバーコード、化学的又は物理的リポータービーズストリングに基づくバーコード、制限酵素によって切断したmRNAの電気泳動パターンに基づくバーコード、走査プローブ顕微鏡法を使用して生物学的分子を再現可能に画像化するためのバーコード化された表面、及び多発色体蛍光in situハイブリッド形成によって生み出される染色体バーコード(別名染色体ペインティング)がある。 これらの方法は全て、生物学的情報をコード化する方法を含むが、ナノメートルスケールに変換された、本発明の真のバーコードの利点を提供するものはない。 【0017】 本発明による画像化され或いは読み取られるべき粒子は、ナノ粒子、ナノバーコード、ロッド及びロッド形粒子とも呼ばれる。 これらの記述のいずれもが本発明の範囲を限定すると考えられるのであれば、その考えは無視すべきである。 例えば、本発明のある実施形態では粒子組成が情報内容を含むが、このことが、本発明の全ての実施形態に当てはまるわけではない。 同様に、本発明の範囲にはナノメートルサイズの粒子が含まれるが、本発明の粒子が全てこのようなサイズ範囲に含まれるわけではない。 【0018】 本発明の好ましい実施形態では、ナノバーコード粒子が、アルミナ又はポリカーボネートテンプレート中への電気化学的付着、及びそれに続くテンプレートの溶解によって作られ、一般に、金属イオンの電気化学的還元を交互にすることによって調製されるが、テンプレート材料を含み、又は含まない他の手段によっても簡単に調製することができる。 ナノバーコードの幅は一般に30nmから30
    0ナノメートルである。 ただし数ミクロンとすることもできる。 同様に、材料の長さ(すなわち長寸法)は一般に1から15ミクロン程度であるが、50ミクロンという長いもの、及び20ナノメートルという短いものも簡単に調製することができる。 いくつかの実施形態では、ナノバーコードが、その長さに沿って交互に並ぶ2種以上の異なる材料を含む。 ただし原理的には、何十種類もの異なる材料を使用することができる。 同様にセグメントは、ポリマー、酸化物、硫化物、
    半導体、絶縁体、プラスチック、及び有機又は無機化学種の薄膜(すなわち単分子層)を含む非金属材料から成ることができる。 ただしこれらに限定されるわけではない。 【0019】 本発明の粒子を電気化学的付着によって製作するときには、それぞれの電気めっき段階中に流す電流の量を制御することによってセグメントの長さ(及び密度空隙率)を調整することができる。 その結果、ロッドは、それぞれのセグメントの長さ(及び識別)を前もってプログラムすることができる、ナノメートルスケールの「バーコード」になぞらえることができる。 他の形態の電気化学付着でも同じ結果を得ることができる。 付着は例えば、無電解プロセスを介して、及び電極面積、不均一な速度定数、めっき材料の濃度、及び電位を制御することによって、達成することができる。 セグメントの長さ又は他の属性を制御することができる他の製造方法を使用しても、同じ結果を達成することができる。 ロッドの直径及びセグメントの長さは一般にナノメートル寸法であるが、その全長は、好ましい実施形態において、金属成分の反射率差を利用して光学顕微鏡中で直接に視覚化することができる長さである。 【0020】 複数のセグメントを有する粒子の合成及び特徴化が、Martin et a
    l. ,Adv. Materials 11:1021−25(1999)に記載されている。 この論文はその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。 19
    99年10月1日出願の「Self Bar−coded Colloidal
    Metal Nanoparticles」という名称の米国特許仮出願第6
    0/157326号、2000年3月14日出願の「Nanoscale Ba
    rcodes」という名称の米国特許仮出願第60/189151号、2000
    年3月17日出願の「Colloidal Rod Particles as
    Barcodes」という名称の米国特許仮出願第60/190247号、及び2000年4月5日出願の「Nanobarcodes:Technolog
    y Platform for Phenotyping」という名称の米国特許仮出願第60/194616号も、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。 【0021】 本発明のいくつかの実施形態の粒子は1つにはそれらのサイズ、及び少なくとも2つのセグメントが存在することによって定義される。 粒子の長さは10nm
    から50μmとすることができる。 好ましい実施形態では粒子が500nm〜3
    0μmである。 最も好ましい実施形態では、本発明の粒子の長さが1〜15μm
    である。 本発明の粒子の幅又は直径は5nm〜50μmの範囲にある。 好ましい実施形態では幅が10nm〜1μmであり、最も好ましい実施形態では、幅又は横断寸法が30nm〜500nmである。 【0022】 先に論じたとおり、本発明の粒子は、少なくとも2つのセグメントが存在することを特徴とする。 セグメントとは、粒子の隣接領域からなんらかの手段によって区別できる粒子の領域を表す。 この粒子のセグメントは粒子の長さを二分して粒子の全長の一部分を表す領域を形成し、その領域は粒子全体と(概ね)同じ横断面及び幅を有している。 本発明の好ましい実施形態では、セグメントが、隣接セグメントとは異なる材料から成る。 しかし、すべてのセグメントが、その粒子の他の全てのセグメントから区別可能である必要はない。 例えば、粒子が、2つのタイプのセグメント、例えば金及び白金セグメントから成り、それでいて、金及び白金セグメントを単純に交互に配置することによって、10又は20の異なるセグメントを持つことができる。 本発明の粒子は少なくとも2つのセグメントを含み、50ものセグメントを含むこともできる。 本発明の粒子は2〜30個のセグメントを有することが好ましく、3〜20個のセグメントを有することが最も好ましい。 粒子は、異なる2〜10タイプのセグメントを有することができ、
    異なる2から5タイプのセグメントを有することが好ましい。 【0023】 本発明の粒子のセグメントは、その粒子の隣接セグメントから区別できることによって定義される。 セグメントを区別できる能力には、電磁気的、磁気的、光学的、分光測定的、分光的、及び機械的手段を含む物理的又は化学的問合せ手段によって区別することが含まれる。 ただし問合せ手段はこれらに限定されるわけではない。 本発明の好ましいある実施形態では、セグメント間の区別の問合せ方法が光学的方法(反射率)である。 【0024】 なんらかの手段によって区別できる限り、隣接するセグメントどうしが同じ材料であってもよい。 例えば、同じ元素材料の異なる相、又は有機ポリマー材料の鏡像異性体が隣接セグメントを形成することができる。 更に、例えば表面の機能化又は直径の変化によってセグメントを他のセグメントから区別できる場合には、単一の材料から成るロッドを、本発明の範囲に含まれるロッドとみなすことができる。 更に、有機ポリマー材料を含む粒子は、セグメントの相対的な光学特性を変化させる染料を含むことによって定義されるセグメントを有することができる。 【0025】 本発明の粒子の組成は、粒子を構成するセグメントの組成を記述することによって最もよく定義される。 1つの粒子は、組成が極めて異なる複数のセグメントを含むことができる。 例えば単一の粒子が、金属である1つのセグメントと有機ポリマー材料である1つのセグメントから成ることができる。 【0026】 本発明のセグメントは、任意の材料から成ることができる。 本発明の好ましい実施形態では、セグメントが、金属(例えば銀、金、銅、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロジウム、イリジウム)、任意の金属カルコゲニド、金属酸化物(例えば酸化第二銅、二酸化チタン)、金属硫化物、金属セレン化物、金属テルル化物、金属合金、金属窒化物、金属リン化物、金属アンチモン化物、半導体、半金属を含む。 セグメントは更に、分子膜などの有機単分子又は二分子層から成ることができる。 例えば、有機分子の単分子層、又は制御された自己集合分子層を、さまざまな金属表面と関連づけることができる。 【0027】 セグメントは、任意の有機化合物又は材料、無機化合物又は材料、又は当業者に周知の多くのモノ及びコポリマーを含む有機ポリマー材料から成ることができる。 ペプチド、オリゴヌクレオチド、カルボヒドリド(carbohydrid
    es)などの生物学的ポリマーもセグメントの主要な構成要素である。 セグメントは、微粒子材料、例えば、金属、金属酸化物又は有機微粒子材料、或いは複合材料、例えばポリアクリルアミド内の金属、ポリマー材料内の塗料、多孔性金属から成ることができる。 本発明の粒子のセグメントは、ポリマー材料、結晶質材料、非晶質材料、無定形材料又はガラスから成ることができる。 【0028】 セグメントは、粒子表面の複数の刻み目によって、或いはそれぞれ複数のくぼみ、ディビット(divits)、穴、小胞(vesicles)、気泡、細孔又はトンネルの存在によって、定義することができる。 これらは、粒子の表面と接触していても、又はしていなくてもよい。 セグメントは、このような物理的属性の度、形状又は密度、或いは表面の輪郭の識別可能な変化によって画定することもできる。 粒子を例えばポリマー又はガラスでコーティングする本発明の実施形態では、セグメントが他の材料間の空隙から成る。 【0029】 それぞれのセグメントの長さは10nmから50μmとすることができる。 好ましい実施形態ではそれぞれのセグメントの長さが50nmから20μmである。 ある実施形態では、セグメント間の境界面が粒子の長さ方向に対して垂直である必要はなく、又はなめらかな遷移線である必要もない。 更に、ある実施形態では、1つのセグメントの組成物を隣接セグメントの組成物中に混合することができる。 例えば、金セグメントと白金セグメントの間に、金と白金から成る5から50nmの領域があってもよい。 このタイプの遷移は、セグメントが区別可能である限り許容される。 所与の粒子について、セグメントの長さを、その粒子の残りのセグメントの長さに対して任意とすることができる。 【0030】 先に述べたとおり、本発明の粒子は任意の横断面形状を有することができる。
    好ましい実施形態では、粒子が縦軸に沿って概ねまっすぐである。 しかしある実施形態では粒子が湾曲し、屈曲し、又はらせん形である。 本発明の粒子の末端は平面、凸形又は凹形とすることができる。 更に末端は、スパイク形、ぎざぎざ形、又は鉛筆の先端形とすることができる。 鋭い先端を持つ本発明の実施形態は、
    ラマン分光応用又はエネルギー場効果が重要である他の応用で粒子を使用するときに好ましい。 所与の粒子の両端は互いに同じであっても、又は異なっていてもよい。 同様に、粒子の輪郭を、検定の感度又は特異性に寄与するよう有利に選択することができる(例えば波打った輪郭は、谷部に位置する蛍光体(複数)の「
    消光」を強化すると予想される)。 【0031】 本発明の多くの実施形態では、粒子の組合せ又は集合(assembly o
    r collection)が調製される。 ある実施形態では集合の構成体が同一であり、一方、他の実施形態では集合が、複数の異なるタイプの粒子から成る。 同一粒子の集合を含む本発明の実施形態では、長さが1μm〜15μmの粒子について、粒子の長さが最高10%変動することができる。 長さ10nmのセグメントは±5nm変動し、1μm範囲のセグメントは10%まで変動することができる。 このような粒子の幅は、10から100%の間で、好ましくは50%未満、最も好ましくは10%未満変動することができる。 【0032】 本発明は、互いに区別可能な複数の粒子から成るナノバーコードの集合を画像化し、そのメンバーを区別する方法を含む。 本明細書で使用する組合せ又は集合(assembly or collection)という用語は、このような組合せ又は集合を構成するナノ粒子が特定の方法で整理され、又は組織化されていることを意味しない。 このような集合は、複数の異なるタイプ又は「フレーバ(flavor)」の粒子から成ると考える。 このようないくつかの集合では、
    集合のそれぞれのナノバーコードを、ある方法で機能化することができる。 多くの応用では、機能化がフレーバごとに異なり、特定のフレーバのナノ粒子に特異的である。 本発明の集合は、識別可能な2から10 10個の異なるナノ粒子を含むことができる。 好ましい集合は10を超える、100を超える、1,000を超える、場合によっては10,000を超える異なるフレーバのナノ粒子を含む。
    本発明の集合を構成する粒子は、ほとんどの実施形態でセグメント化されている。 しかし本発明のある実施形態では、粒子集合の粒子が、複数のセグメントを含むとは限らない。 【0033】 ナノバーコードがある情報内容を含み、又はナノバーコードの集合が複数のタイプの粒子を含む本発明の実施形態では、それぞれの粒子タイプの機能化の性質とは別に、粒子のタイプが区別可能である。 本発明では、粒子のタイプを区別する能力、又は粒子の中にコード化された情報を解釈する能力を、ナノ粒子に「問い合わせる」、ナノ粒子を「読み取る」、「区別する」、又は「識別する」と言う。 粒子のこのような差異は、光学手段、電子手段、物理手段、化学手段及び磁気手段を含む任意の手段によって読み取ることができる。 粒子は、異なる手段によって問い合わせ、又は読み取る異なるセクションを含むこともできる。 例えば、粒子の半分が、そのパターン及び形状を光学手段によって読み取ることができるセグメントから成り、残りの半分が、そのパターン及び形状を磁気手段によって読み取ることができるセグメントから成ることができる。 他の例では、2つ以上の異なる形態の問合せを粒子に適用することができる。 例えば、粒子の形状又は長さを光学手段によって読み取り、セグメントパターンを磁気手段によって読み取ることができる。 このような複数の形態の問合せは、粒子全体、粒子の所与のセグメント、又はこれらの組合せに適用することができる。 【0034】 本発明のある実施形態では、機能単位又は粒子の機能化が、検出可能なタグを含む。 検出可能タグは、検出、識別、計数、追跡、位置検出、三角測量及び/又は定量に使用することができる任意の種である。 このような測定は、1つ又は複数の光子の吸収、放出、生成及び/又は散乱;1つ又は複数の粒子の吸収、放出、生成及び/又は散乱;質量;電荷;ファラデー又は非ファラデー電気化学特性;電子親和性;陽子親和性;中性子親和性;或いは溶解度、分極率、融点、沸点、三重点、双極子モーメント、磁気モーメント、サイズ、形状、酸性度、塩基性度、等電点、拡散係数又は沈降係数を含む他の物理又は化学特性に基づいて達成することができる。 ただし、これらに限定されるわけではない。 このような分子タグは、このような特性の1つ、又は任意の組合せを介して検出又は識別することができる。 【0035】 本発明の粒子は、さまざまな応用で使用することができる。 用途は主に2つに分類することができる。 粒子のセグメントが情報内容を有する実施形態と、セグメントが情報内容を持たない実施形態である。 セグメントが情報内容を有する実施形態は、巨視的バーコーディングによく似ている。 従来のバーコーディングは、複数の黒線から成る帯を提供し、線と線の距離及び線の太さを使用して、かなりの量の情報を「コード化」する。 本発明の粒子はサイズが小さいため、ある実施形態では本発明の粒子を、分子タグとして使用することができる。 分子イベントを追跡するために、「読み取る」ことができる独特の識別タグを、分子実体を含む任意の材料に取り付けることができる。 【0036】 本発明の粒子のある実施形態の重要な特性は、ナノロッドがセグメント化されているときに、成分金属の反射率の差を光学顕微鏡法によって視覚化できることである。 したがって例えば、直径200nm、全長4〜5ミクロンのセグメント化されたAu/Pt/Auロッドでは、セグメントが、従来の光学顕微鏡中に容易に視覚化され、Auセグメントは金色の光沢を有し、Ptセグメントはより白っぽい明るい光沢を有する。 材料の他の重要な特性は、膜中での2種以上の金属イオンの電気化学的還元を交互にすることによってセグメントを調製するときに、セグメントの長さを、a)溶液の組成及びb)電気化学的還元のそれぞれの段階で流す電荷のクーロン数によって、完全に制御(及び画定)されることである。 セグメントの数は自由に変えることができる。 同様に、適当な細孔サイズ及び形状を有する膜を選択することによって、粒子の直径及び断面を制御することができる。 図1に、異なる6つのタイプ又はフレーバのナノ粒子から成る、本発明のナノ粒子の集合の画像を示す。 この画像は、ナノバーコード集合中の異なるタイプのナノバーコードを区別することができることを示している。 【0037】 その反射率を介してナノバーコードを識別できること、及び生体分子で表面を修飾することができることによって、ナノバーコードを光学タグとして使用することができる。 【0038】 蛍光タグ又は量子ドットを使用している事実上任意の応用で、又は当業者に周知の任意の検定又は分析手順とともに、本発明のナノバーコード粒子をタグとして使用することができる。 例えば、本発明のナノバーコード粒子が固定相、又は潜在的な「タグ」の働きをする、標準のサンドイッチ型免疫検定を実施することができる。 粒子の表面を、分析物に対する抗体を含むように機能化する。 分析物が前記抗体に結合すると、蛍光標識された第2の抗体が分析物の存在を知らせる。 ナノバーコードの使用によって、多数の検定を同時に実施できるようになり、
    検定の多重化が可能になる。 陽性の信号を識別し、ナノバーコードを読み取って、どの分析物を検出したかを決定することができる。 同じ原理を、当業者に広く知られている競合検定と一緒に使用することができる。 【0039】 短い間隔をあけて配置されたインク又は他の材料の線のコントラストの差に基づく巨視的バーコードと同様に、多くの実施形態では本発明のナノバーコードが、さまざまなセグメントの異なる反射率パターンに基づいて区別又は識別される。 ナノバーコードが、他のタイプの光学タグ又はこれまでに実際に分子系に適用された任意のタイプのタグ(同位体タグ、放射性タグ、組合せビーズ用分子タグ、蛍光に基づくタグ、ラマン効果に基づくタグ、電気化学タグ及び当業者に周知のその他のタグを含む)と異なるのは、実質的に無限のその多様性である。 7種以上の異なる金属、20以上の異なるセグメント、及び4つ以上の異なるセグメント長さ、3つ以上の異なるロッド幅を使用することができれば、実質的に無数の異なるナノバーコードを調製することができる。 2タイプの金属、10個のセグメント、1つのセグメント長さ及び1つのロッド幅だけでも、1,000を超える異なるタイプの(したがって「フレーバ」の)ナノバーコードを調製することができる。 【0040】 本発明の粒子は、既存の機器、例えば化学力顕微鏡法、光学式読取り装置などを使用して読み取ることができる。 しかし、ナノバーコードを識別するように特に設計された機器及びソフトウェアも本発明の範囲に含まれる。 具体的には、ナノバーコードを画像化し読み取るのに使用することができる修正された微量レーザ走査血球計算(MLSC)装置及び修正流れ血球計算装置が本発明の範囲に含まれる。 【0041】 金属の反射率が波長に依存することは、ナノバーコードの興味深く強力な他の検出フォーマットを提示する。 例えば、Au及びPtの波長に対する%反射率のグラフ(図2)を見ると、交差する点がある。 言い換えると、2つの金属の反射率が同じとなる波長が存在する。 これを反射率等吸収(reflectivit
    y isosbestic)と呼ぶ。 反射率等吸収点では、その長さに沿って組成が変化していてもナノバーコードの反射率は一定である。 重要なのは、粒子(
    例えば金属又は有機粒子)をナノバーコード表面に結合させることによって、或いは他の手段によって、この反射率等吸収を乱すことができることである。 したがって、ナノバーコード表面への粒子の結合(又は脱結合)につながる分子認識又は他のイベントを使用して、そのイベントを反射率によって検出することができる。 例えば、それぞれが異なる捕獲抗体に関連付けられた異なる100フレーバのナノバーコードが、コロイドAgナノ粒子でそれぞれタグ付けされた対応する100の2次抗体を含む溶液中にあるとする。 反射率等吸収点で観察すると、
    粒子ナノバーコードは全て均一に見える。 1種又は数種の抗原を含む溶液を導入すると、あるナノバーコードに抗体−抗原−抗体複合体が形成される。 これらのナノバーコードでは金属の反射率が、これらのナノバーコードに限って(差別的に)攪乱し、もはや等吸収ではなくなる。 このことは、それらのナノバーコードを、それらのセグメント化のパターンによって識別することができることを意味する。 したがって、反射率等吸収及びその攪乱によって、複雑な多重検定における敏速なスクリーニングが可能になる。 ナノバーコードフレーバの個体群の小さなサブセットだけに「信号」(例えば識別可能パターン)が生じると予想される。 【0042】 反射率等吸収を使用した単純な識別の他に、前述の例の反射率差の強度を定量に使用することができることに留意することは重要である。 図2に、バルク(bulk)Pt及びAuの波長に対する反射率のグラフを示す。 有限サイズ効果のため、このグラフはナノ粒子ではいくぶん異なってこようが、重要な2つの点は、(a)大部分の波長で反射率が異なること(これによってコントラストメカニズムが働く)、及び(b)約600nmで反射率が同じになっていること(反射率等吸収(reflectivity isosbest
    ic))である。 図6に、この原理を例示する、金/銀ナノ粒子の400nm及び600nm画像を示す。 電磁スペクトルの可視領域での金属薄膜のバルク反射率が形態に依存することはよく知られている。 これは、ナノメートルスケールの粗度特性が表面プラズモンの散乱部位として振る舞う貴金属表面で特にそうである。 これによって、抗原感度は大幅に強化される。 この概念をバーコードに移せば、分子認識によって誘起されたコロイドバーコードのAuセグメントへのコロイドAuの結合によって、バルク反射率が変化し、反射率等吸収点で反射率コントラストが生じるという着想になる。 したがって、コロイド状金属ナノ粒子をコントラスト剤と考えることできる。 本来、表面プラズモン共鳴に類似の解決法であるこの反射率コントラストメカニズムは、極めて鋭敏な感度を有する可能性がある。 市販の機器を使用して、10平方ミクロンあたり1つある直径40nmのコロイドAu粒子を容易に検出できることが示されている。 バーコードの表面積は1μm 2よりもはるかに小さいので、単一の粒子の単一のセグメントへの結合が検出可能であることが予想される。 更に、関心の生体分子のコロイド状カバレージを粒子あたり1に限定する方法も可能である。 【0043】 この実施形態の検出メカニズムの非常に重要な他の態様は、コロイド状Auを結合したバーコードがコントラストを示すことである。 このことはスクリーニングにとって大きな利点である。 したがって、溶液中に、異なる捕獲分子でそれぞれ誘導体化された異なる100タイプのバーコード、及びコロイドAuで標識された適当な認識要素を有することができる。 反射率等吸収で問い合わせれば、ロッドは全て無特徴であろう。 1つの未知の分析物を含む溶液を導入すると、1つのタイプのバーコードだけが明るくなり、コードによってその分析物が識別され、積分された反射率変化によって分析物濃度が定義される。 蛍光消光の選択的中断によってより長いオリゴヌクレオチドを検出するのに分子生物学で使用される分子ビーコン方法(例えばPiatek et al.,Nature Bio
    chem. 16,359−363(1998)を参照されたい)のように、この方法は、化学イベントが起こった粒子を選び出す。 この方法には、方法が完全に一般的であり、(特に)オリゴ−オリゴ系、抗体−抗原系及びリガンド−レセプター系に適用することができるという追加の利点がある。 この効果については先にコロイドAuに関して論じたが、この効果は他の金属粒子でも観察され、様々な条件(例えば、加熱、pH、他の種との近接性など)に応じた反射率の変化をもたらすことが観察される。 【0044】 したがって、分析物定量を実行する少なくとも2つの異なる方法が想像される。 特定のナノバーコードから発せられた蛍光(分子又は粒子蛍光タグから生じることができる)の強度に基づいて定量を実施する方法、又は反射率差の強度から定量を実施する方法である。 どちらの場合にも、反射率が、ナノバーコードを識別する目的に使用される。 しかし、分析物定量とナノバーコードフレーバー識別の両方に、他のさまざまな方式を使用することもできることに留意されたい。 分析物定量ではこれらが、蛍光タグ、電気化学タグ、放射性タグ、質量タグ(質量分析法で使用されるものなど)、他の分子タグ(コンビナトリアル化学で使用されるものなど)、又は他の微粒子タグを含む。 ただしこれらに限定されるわけではない。 実際、ナノバーコードは、全ての周知の分析物検出メカニズムと両立するように思われる。 同様に、ナノバーコード識別では、光学的検出メカニズム(吸収、蛍光、ラマン、ハイパーラマン、レイリー散乱、ハイパーレイリー散乱、C
    ARS、和周波数発生、縮退四波混合、前方光散乱、後方散乱又は角度光散乱)
    、走査プローブ技法(近接場走査光学顕微鏡法、AFM、STM、化学力又は横力顕微鏡法、及びその他のバリエーション)、電子ビーム技法(TEM、SEM
    、FE−SEM)、電気、機械及び磁気検出メカニズム(SQUIDを含む)を含むさまざまな検出メカニズムを使用することができる。 ただしこれらに限定されるわけではない。 以上の議論は反射率等吸収点に関するものであったが、ナノバーコード検定は、他の物理又は化学特性に基づく他のタイプの点(例えば「導電率アイソベスティック」)を利用して、同じ種類の利点を達成することができる。 実際、より一般には、対象材料内で特性が同じになるように条件を操作する手段が存在するならば、材料ごとに変化する特性を同様に利用することができる。 【0045】 ハイパーローリー(hyper Raleigh)散乱の感度は、ナノバーコードを読み取る本発明の問合せ技法を特に有用なものにする可能性がある。 例えば、参照によって本発明に組み込まれるJohnson et al. ,The
    Spectrum,13,1−8(2000)を参照されたい。 【0046】 更に、本発明の多くの実施形態が定量を対象としているが、巨視的バーコード化と同様に、ナノバーコード化を使用して、非定量的に物質を追跡し、位置を突き止め、たどることができることが明らかである。 実際、これらの粒子を使用して、個々の分子のように小さいものから、人間、自動車、タンク、橋、建物などのように大きなものまで、物体を標識し、検出し、定量し、あとを追い、追跡し、位置を突き止め、目録を作り、認識し、比較し、識別し、見つけ、理解し、分類し、観察し、カテゴリー化し、標識し、又は発見することができる。 【0047】 更に、本発明の多くの実施形態が生物系での有用性を対象としているが、ナノバーコーディングは、化学物質、分子、材料、粒子、塗料、とめ具、タイヤ、紙、文書、丸剤などを含む非生物系に対しても、前述の方法で等しい有用性を有することが明らかである。 ただしこれらに限定されるわけではない。 タグ又はラベルとして使用するとき、本発明の粒子は、どんな形であれ、それが標識している材料に関連付けることができる。 関連付けられた材料に関する情報を提供するように特定のタグを選択し、識別することができる。 例えば、塗料中のタグは、製造日、塗料混合物中に使用されている化学物質、製造者名、塗料の光力学的特性又は他の任意の情報をコード化することができる。 ナノバーコードが情報をコード化すると言うとき、それは、粒子から情報を直接に読み取ることができることを意味しない。 ほとんどの実施形態では、それが特定のタイプのナノバーコードを指示し、次いで、そのタイプのナノバーコードに関するレコードを参照する。 【0048】 本発明の一実施形態では、ナノ粒子がセグメントから成るのではなく、ナノ粒子が、粒子のサイズ、形状又は組成に基づいて区別可能である。 この実施形態では、粒子の組合せ又は集合におけるそれぞれの粒子が、10μm未満の少なくとも1つの寸法を有する。 好ましい実施形態では、粒子の1つの寸法が500nm
    未満であり、より好ましくは200nm未満である。 【0049】 任意の材料から構成することができるこのような粒子の集合は、少なくとも2
    、好ましくは少なくとも3、最も好ましくは少なくとも5タイプの粒子から成り、それぞれのタイプの粒子は他のタイプの粒子から互いに区別可能である。 好ましい実施形態では、これらのタイプの粒子が単一の材料から成り、そのため、異なるタイプの粒子が、集合中の他のタイプの粒子と同じ材料から成るため、タイプ間の差異が、粒子タイプのサイズ又は形状に基づく。 例えば、本発明の粒子の集合が、異なる5タイプのロッド形の金のナノ粒子から成るとする。 それぞれのタイプのロッド形粒子は10μm未満の幅又は直径を有するが、異なるタイプの粒子はその長さに基づいて区別可能である。 他の例では、7タイプの球形銀粒子が集合を構成する。 異なるタイプの粒子はその相対サイズに基づいて区別可能である。 他の例では、全て同じポリマー材料から成る8タイプのロッド形粒子が集合を構成する。 それぞれのタイプのロッド形粒子は同じ長さを有するが、それらは、その直径及び/又は断面形状に基づいて区別可能である。 【0050】 本発明のこの実施形態のナノ粒子は、先に説明したように機能化することができ、セグメント化されたナノバーコード粒子と同じ種類の応用で使用することができる。 この実施形態に基づく粒子の集合では、粒子タイプが全て同じ材料から成る。 ただし必ずそうでなければならないというわけではない。 【0051】 本発明のこの実施形態の範囲に含まれるナノ粒子の集合の他の例は、それぞれの粒子タイプが、同じサイズ及び形状を有し(少なくとも1つの寸法が10μm
    未満)、粒子タイプがその組成に基づいて区別可能な粒子の集合である。 例えば、本発明の粒子の集合は、同じサイズ及び形状の異なる5タイプのロッド形ナノ粒子から成る。 この例では、異なるタイプの粒子が、それらが作られた材料に基づいて区別可能である。 したがって1つのタイプのナノロッドが金、別のタイプのナノロッドが白金、別のタイプのナノロッドがニッケル、別のタイプのナノロッドが銀、及び残りのタイプのナノロッドが銅から作られる。 あるいは、それぞれの粒子タイプが異なる量の染料材料、又は異なる割合の磁化可能金属を含むこともできる。 それぞれのケースで、所与の粒子タイプを、集合中の他の粒子タイプから区別することができる。 【0052】 もちろん、本発明のこの実施形態は、サイズ、形状及び組成の組合せがさまざまである集合を含む。 この実施形態の粒子の集合の好ましい態様において、全ての粒子タイプが10μm未満の寸法を少なくとも1つ有し、粒子タイプが、集合中の他の粒子タイプからなんらかの手段によって区別可能であることである。 この実施形態では、異なるタイプの粒子を機能化することができ、粒子のタイプの区別可能な特性が機能化の性質をコード化する。 機能単位の性質をコード化するということは、ナノ粒子の特定の識別可能な特徴を既知の機能単位に選択的に結びつけることができ、そのため、特定の粒子タイプを識別すれば関連付けられた機能単位の性質が分かる鍵又は記録を保持することができることを意味する。 【0053】 幅約100nm以上、長さ約2ミクロンから15ミクロンの金属バーコードの場合、本発明の好ましい実施形態では、金属セグメントの反射率の差を、従来の光顕微鏡法を使用して視覚化することができる。 したがって、目視検査によってロッドの数を区別(及び定量化)することが可能である。 個々のバーコードの長さの異なるセグメントを区別することも可能である。 4つのAgセグメントを異なる長さに成長させた9ストライプバーコード(Au−/Ag−/Au−/Ag
    −/Au−/Ag−/Au−/Ag−/Au)の画像を得た。 図4を参照されたい。 この画像は、光学顕微鏡を反射光モードで使用し、解像力を向上させ、画像のコントラストを高めるために400±40nmの帯域フィルターを使用して得たものである。 以上に説明した視覚的/光学的方法の他に、さまざまな多数の方法によって検出及び識別を実施することができる。 【0054】 この画像はいくつかの点で興味深い。 第1に、4つの明瞭な明るい領域(Ag
    セグメントに対応)を明らかに見ることができる。 この画像では、(顕微鏡法による)見かけの長さが推定される長さに対応しない。 例えば、最も小さな明るいセグメントが、最も長いセグメントの長さの1/10であるようには見えない。
    これは、電流と長さの非線形的関係のためである可能性もあるが、それよりはおそらく、光学系の物理的な限界を反映したものである。 この画像は、反射光明視野顕微鏡法を用いて得たものである。 このモードでは、回折を制限した光学系が、約2NAの理論上の解像力を与える(これらの画像を得るために使用した系では解像力が約400nm/2(1.4)=143nmである)。 ただしNA=開口数である。 したがって、143nm離れた2つの特徴(feature)を区別することが可能である(レイリー基準)。 これよりも近い点は1つの特徴として現れる。 しかし、Agストライプを分離しているAuセクションはこの距離より長いため、143nmよりも短いAgのストライプ(stripes)も顕微鏡下で依然として見ることができることに留意されたい。 したがって、2.5ミクロンのバーコードでは、その全てが光学的に区別可能なそれぞれ200nmの12本のストライプを容易に想像することができる。 或いは、150nmの5つのセグメント及び50nmの5つのセグメントを有する10個のストライプの2
    ミクロンのバーコードロッドを生成し、「読み取る」ことができるはずである。 【0055】 反射率によるバーコード検出と蛍光による分析物定量の同時実行も実証された。 下記の実施例1にそうした結果を示し、画像を図5に示す。 パネルCは、それぞれのタイプのナノロッドを識別する目的に使用する、400nmで得た反射率画像を示す。 このケースでは、画像が、ストライプが付されたナノロッドの混合物を示す。 FITC発光の波長で画像化したパネルAは、第1のタイプのナノバーコードの明るい複数の像、及びかろうじて検出可能な第2のタイプのナノバーコードの複数のゴーストを含む。 これらのゴーストはディジタル式に容易に取り除かれる。 テキサスレッド(Texas Red)の波長で画像化したパネルB
    では、第2のタイプのナノバーコードが明るく見え、一方、第1のタイプのナノバーコードは極めてかすんで見える。 【0056】 蛍光を読み取り、同時にナノバーコードを識別する能力は、多重検定のための強力なツールセットを含む。 いくつかの実施形態では、識別と検出を同じ信号を使用して達成することができる。 例えば、蛍光パターンを識別に使用し、一方で蛍光の強度で分析物の濃度を示すことができる。 しかし、蛍光以外の手段によって実施される生体分析も多数ある。 これらの中で質量分析法は特に優れており、
    ポリペプチド及びタンパク質の詳細な識別及び分析のための選択のツールに急速になりつつある。 生体分子試料の導入に質量分析法で広く使用されている2つの方法がある。 エレクトロスプレー(electrospray)法及びマトリックス支援レーザ脱離/イオン化法(matrix−assisted lase
    r desorption/ionization:MALDI)である。 MA
    LDIでは、関心の分析物が、固体紫外線吸収有機マトリックス中に埋め込まれ、パルスレーザ照射によってマトリックスを蒸発させると、分析物も一緒に運ばれる(例えばKaras et al.,Anal.Chem.60,2299
    −2301(1988)を参照されたい)。 このプロセスの間に、マトリックスによって吸収されたエネルギーはイオン化された分析物に伝達される。 この気相分析物イオンが次いで、飛行時間(Time−Of−Flight)型(TOF
    )質量分析器に送られる。 MALDI−TOFは現在、タンパク質、ポリペプチド及び他の巨大分子の分析に利用され、成功を収めている。 エネルギーを分析物へ伝える有機マトリックスの導入が、脱離質量分析の分野を大きく前進させたとはいえ、MALDI−TOFには依然としていくつかの限界がある。 例えば、マトリックスからの背景イオンの存在のため、小分子の検出は実際的でない。 更に、MALDI実験は、マトリックスの選択に本質的に敏感である。 分析物の性質に合わせて、マトリックスのタイプならびに量をしばしば調整しなければならない(複雑な混合物の分析にとっては厳しい限界である)。 【0057】 最近、サマー(Sunner)その他は、表面支援レーザ脱離/イオン化(S
    urface−Assited Laser Desorption/Ioni
    zation)に対してSALDIという用語を導入した(Sunner et
    al. ,Anal. Chem. 67,4335(1995))。 この技法は、
    マトリックスを使用せず、小有機分子を分析でき、MALDIと同様の性能を生む。 レーザベースのイオン化に対して、貴金属のナノ粒子は2つの理由から非常に優れた選択である。 (i)コロイド状貴金属のナノ粒子は、可視及び近IR領域で非常に大きな減衰係数を示す。 これは有機マトリックスと対照的である。 (
    ii)Auナノ粒子を照射すると、粒子表面の電界強度が劇的に増大することが知られている。 これは、表面増強ラマン散乱の基礎である。 これによってイオン化効率が増大する。 更に、ナノバーコード技術と組み合わせると、SALDI−
    MSは強力な分子フィンガープリンティングツールになる。 【0058】 ナノロッドを画像化するのに従来の光顕微鏡法を使用した。 これは、バーコードサインの自動「解読(decoding)」を可能にするはずである。 更に、
    蛍光顕微鏡法を使用して、ロッドへの生体分子の結合のレベルを定量化した。 検出及び読取りも、それぞれのナノバーコードのコードを検出し読み取ることができ、ナノロッドに結合した分子からの蛍光を定量化することができる注文機器設計及び高性能の画像解析ソフトウェアを用いて達成することができる。 更に、この検出システムは、非共有結合した分子のそれぞれの個別ナノロッドの表面からのレーザ誘起脱離を可能にする非常に集束した適当な波長のレーザ励起を可能にする。 【0059】 先に論じたとおり、好ましい実施形態は、粒子識別メカニズムとして反射率を、センサ読取りとして蛍光を含むが、反射率変化自体を潜在的に大きな成果で検出に使用することもできる。 Pt及びAuの反射率によって示される2つの重要な点は、(a)大部分の波長で反射率が異なること(これによってコントラストメカニズムが働く)、及び(b)約600nmで、2つの反射率が同じになる(
    反射率等吸収)ことである。 450nmで、PtのストライプはAuのストライプよりも明るく(より反射して)見え、600nmでは逆になる。 中間のある波長に、コントラストが観察されない反射率等吸収点がある。 【0060】 (画像解析) 本発明のこの実施形態は、特に蛍光信号を発生させる検定と関連付けられたときに、ナノバーコードの顕微鏡像を解析するために開発された画像処理パッケージを表す。 このパッケージの主な機能は、画像中のそれぞれのナノバーを識別し、全体的な蛍光強度を数量化することである。 後に説明するように、ナノバーの識別は、一般的な2つの経路をたどることができる。 ナノバーは、クラスタ化アルゴリズムを使用して、その強度プロフィールの特徴によってグループ分けし、
    或いは、既知のナノバープロフィールセットに照らして分類することができる。 【0061】 例えば、サンドイッチ型免疫検定は以下のように構成される。 いくつかのフレーバのナノバーを固有の抗体にそれぞれ別々に接合させる。 次いで、ナノバー/
    抗体対を一緒に貯留し、次いで検査溶液/血清/他に加える。 次いで、標識を付した2次抗体を加える。 倍率100×の標準明視野倒立顕微鏡を使用してウェルの底からナノバーを画像化する。 この画像を、高解像度画像(>1000画素×
    1000画素)を取り込むことができる科学等級(scientific−gr
    ade)の高速度CCDカメラを使用して取り込む。 次いで、Ab−分析物−A
    bを有するナノバーを画像化することを可能にする蛍光フィルタセットを使用して、別の画像を取り込む。 画像中のそれぞれのナノバーの蛍光強度は、結合した抗原の量に比例し、したがって溶液中の特定の分析物の濃度に比例する。 【0062】 このタイプの免疫検定及び同種の他の検定に適当な画像処理解決策(solu
    tion)は、以下の基準を満たさなければならない。 この解決策は、明視野画像(BF)及び蛍光画像(FL)を解析し、これらを結合するという意味において、ならびに多くのBF/FL対からの統計量を蓄積するという意味において、
    複数の画像を処理しなければならない。 更に、ナノバーコードの組成中に3種類以上の材料を使用する場合には、ナノバーコード識別目的で、複数の明視野画像及びさまざまな波長を記憶することができる。 一例として、96ウェルプレート(94well plate)中の一般的な1つのウェルを考える。 その有効画像化面積は約(20mm 2 )である。 それぞれのBF/FL画像は約0.01m
    2を表し、それぞれの画像は、それほど重なり合うことなく約50個のナノバーを含むことができる。 したがって理論上、96ウェルプレートのそれぞれのウェルで、約100,000個のナノバーを処理することができる。 これらのナノバーを取り込み、処理するためには、画像処理解決策が、サンプル全体の統計量を得るために、それぞれの画像中のそれぞれのフレーバのナノバーに関するデータを累積し、このデータを蓄える必要がある。 【0063】 免疫検定用のそれぞれのナノバーの一般的なサイズは、長さが5〜10μm、
    幅が公称200nmである。 画素単位では、この寸法が長さ50画素×幅4画素に変換される(それぞれの画素は約100平方nmを表し、開口数1.3及び公称波長500nmで、ぼけスポット(blur spot)は約250nmである)。 対象のサイズはパターン認識アルゴリズムの選択に影響を及ぼすので、画像処理ソフトウェアを設計するときの重要な考慮事項である。 【0064】 画像中のナノバーの位置検出及びその「フレーバ」の決定は、図6に示すようにいくつかの経路をたどることができる。 まず最初に、ナノバーの方向を無視してフレーバを決定する回転/スケール不変の(限度内で)アルゴリズムを採用するかどうかを決定しなければならない。 或いは、まずナノバーの方向を決定し、
    ナノバーの認識を2つの2次経路の1つをたどることもできる。 ソフトウェアは、長軸に沿って同様の強度プロフィールを有するナノバーをグループ化又はクラスタ化することができ、或いは、ナノバーのフレーバは前もって分かっているので、既知のナノバープロフィールのライブラリと画像中で見つかったナノバーとの間の最もよい相関を見つける分類法をとることもできる。 前者の方法では、ナノバーの特性であることが知られている特定の特徴に基づいて強度プロフィールを多次元ベクトルにマップする、クラスタ化アルゴリズムを使用することができる。 後者の方法は、ニューラルネットワーク(neural networks
    )及び/又はストレート相関アルゴリズムを含む。 ニューラルネットワークには、ユーザからの最初の分類フィードバックに基づいてネットワークを好ましい状態に適合させることができる学習ベースのネットワークであるという利点がある。 ユーザは、ナノバーフレーバの比を予め知っているので、クラスタ化アルゴリズムには、システムが、所与の相対サイズ比を有するクラスタに属さないロッドを排除できるという利点がある。 【0065】 簡単にするため、ナノバー認識ソフトウェアの好ましい実施形態ではまず方向を識別し、次いで相関を使用して分類する。 しかし、どのアルゴリズムを選択するにしても、特に高密度条件でナノバーが重なり合うことがあるということを取り扱う必要がある。 ナノバーは、破壊されて、或いは長さ及び幅がわずかに変化して見つかることがある。 【0066】 ナノバーコードソフトウェアのこの実施形態の基本流れ図を図7に示す。 このプログラムは、一連の明視野/蛍光(BF/FL)画像対を前提とする。 それぞれの画像対は、単一のウェルに属する画像ファイルを突き合わせるための定義済みの命名規則を有する所与の位置に、SM1カスタムバイナリーフォーマット(
    custom binary format)で記憶される。 ユーザは、この一連の画像対の最初の画像対を選択する。 【0067】 この最初のBF/FL画像対を読み取り、2つの別々の画像として記憶する。
    処理は、明視野画像から開始する。 図7に示すように、まず、この明視野画像に高域(high pass)フィルタを適用する。 このカーネル(kernel
    )は、ナノバーコードの縁の画質を高める効果と近接したナノバーコードを分離する効果とを有する。 次いで、最初に画像ノイズを、ピーク−ピークノイズアルゴリズムを使用して評価する。 (例えば、参照によって本明細書に組み込まれるSizto他の米国特許第5556764号を参照されたい。)画像ノイズを、
    既知の中央値背景レベルと組み合わせて、バイナリ画像中の物体を分離する方法であるセグメント化のために画像に適用しなければならないしきい値レベルを決定することは当技術分野で周知である。 次いで画像を、しきい値レベルThre
    shでしきい値分けする。 Threshは、背景レベルと、ノイズレベルにユーザが定義した係数ThreshFactorを掛けたものとの和によって与えられる。 【0068】 Thresh=BgndLevel+P−P_Noise×ThreshFa
    ctor (1) このしきい値分けの結果、ゼロ以外の画素がナノバーに対応し、ゼロ画素が背景に対応すると理想的に仮定したバイナリー化された画像が得られる。 この仮定を検査するため、セグメント化、細線化(thinning)及びいくつかの条件を適用する。 セグメント化アルゴリズムは、接触した画素領域を分離するため8点接続性ルールを適用する。 それぞれの領域は索引付けされ、以下のプロセスでは別々に処理される。 【0069】 最初に、索引付けされたそれぞれの領域又は「ブラブ(blob)」のサイズを、画素数に換算して検査する。 これが、ユーザが定義したしきい値を上回る場合、ブロブは、接触したアーティファクト(artifact)又は一群のナノバーとみなされ、このブロブは捨てられる。 ブロブがサイズ基準に合う場合には、それに対して細線化を実施する。 細線化又は骨格化は、本発明のナノバー処理ソフトウェアの重要な態様である。 当業者に知られているさまざまな細線化アルゴリズムがあり、それぞれが、形状の骨格(又は棒線画(stick−figu
    re))表現を残すためにブロブをどのような条件で侵食するかについて異なる条件を有する。 適切なアルゴリズムが選択されない場合、ナノバーの長軸を表す細線化されたブロブが、破断、分岐、ループなどの多数のアーティファクトを含む可能性がある。 細線化アルゴリズムの組合せであるZhang/Suen/S
    tentiford/Holtアルゴリズムが、ナノバー画像化の細線化に最も適していることが分かった。 【0070】 特定のブロブ領域の細線化に続いて、ユーザが定義した別のしきい値に対してサイズを再チェックする。 細線化された短すぎるナノバーは捨てられる。 細線化されたナノバー画像に関して検査する他の条件は分岐数である。 複数の分岐が、
    重なり合ったナノバーを表すことがある。 ソフトウェアはこれらを捨てることができ、又はそれぞれの分岐が異なるナノバーである別個のナノバーとして索引を付けなおすことができる。 この実施態様では、多数の分岐を有する細線化されたブロブが捨てられる。 【0071】 プログラムのこの時点で、ナノバーの細線化表現を1本の線にフィットさせる。 このラインフィットは、(垂直及び平線問題を排除するため)最小2乗フィッティングアルゴリズムを使用して極座標中に実現することができる。 ラインフィットの残余がフィットの質を決定する。 残余がユーザが定義したしきい値を上回る場合、そのブロブは捨てられる。 【0072】 この局所化されたラインを使用して、オリジナルの明視野画像中のナノバーの強度レベルのプロフィールを作成する。 フィットさせたラインの理論上の画素は2つの条件によって決定される。 このラインは断片であることがある。 局所化された理論上のラインは、細線化されたオリジナルラインと同じ質量中心に中心がなければならず、理論上の画素の数は、細線化された画像と同じ数に設定されなければならない。 更に、プロフィール中の強度ノイズを減らすため、ユーザは、
    4画素(ナノバーの平均的な画素幅)などのようなラインに垂直に平均化されたライン厚を画定することができる。 【0073】 次いで強度プロフィールを、予め画定された全てのナノバーフレーバに相関させる。 予め画定されたこれらのフレーバは、より明るい金属がより大きな量を表し、より低い強度の金属がより小さい量を表す相対強度によって記憶されている。 一実施形態では、銀及び金を使用し、関心の波長で銀がより高い反射率を有する。 したがって、銀と金など、2種類のの金属だけから成る三つのストライプ付けされたバーは、単純なバイナリ方式で、101(すなわち銀、金、銀)と表すことができる。 この101ベクトルを、細線化されたナノバーのプロフィール中に見られる同じ数の画素に拡張する。 それぞれのフレーバをこれと同じ方法で拡張し、それぞれのフレーバに対して直接相関をが実行する。 最も高い相関値が正しいナノバーフレーバを表す。 【0074】 ナノバーを識別したら、記憶しておいた蛍光画像を使用してナノバーの蛍光強度を評価する。 具体的には、セグメント化された明視野画像中のナノバー画像を強調するのに使用した同じ画素座標を使用して、蛍光強度を数量化する。 対処しなければならない問題には、明視野/蛍光対の画像オフセット、平均蛍光強度を評価する方法、及び蛍光強度に含まれる可能な画素損失などがある。 第1の難問である画像オフセットは、画像オフセットが既知であり、かつ固定である場合には補正することができる。 明視野画像と蛍光画像の間で光学経路上のフィルタを切り替えると、ユーザが決定することができ、蛍光強度を決定する際に調整することができる固定オフセットが生じる。 平均蛍光を評価する方法は、蛍光強度がロッドに沿って「しみのように(blotchy)」見えることによって複雑になる。 採用可能な1つの方法は、ナノバー画素領域中の上位N画素の分類(so
    rting)及び平均化(avaraging)である。 他のヒストグラミング技法を使用して、均等に標識されたロッドの個体群の強度ノイズを減らすことができる。 【0075】 最後に、それぞれのロッドの相関及び強度値を記憶し、同じバッチ中の次の画像を解析する。 全ての画像を解析したら、それぞれのナノロッドのフレーバのデータを結合して、ウェルを構成する多くの画像全体のそれぞれのナノロッドのフレーバの強度統計量を得る。 この情報を、テキストファイルに書き込む。 【0076】 追加の実施形態では、背景画像強度が、画像の広がり全体にわたって変化するので、しきい値分けの解決策は、ローカル背景レベルを決定することである。 このアルゴリズムは、画像の一部分にナノバーが集まることがあり、これによって背景強度とナノバー強度の区別が難しくなることによって複雑になる。 この問題を回避する手段は、しきい値を変更して、セグメント化及び細線化が繰り返し適用する動的しきい値分けである。 しきい値が高すぎると、細線化されたセグメントはほとんど見られず、しきい値が低すぎると、画像中の総分岐数が大きくなる。 【0077】 (MLSC画像化) 本発明のある実施形態では、ロッドが、高NA(>1.3)対物レンズを有する顕微鏡で画像化される。 ロッド溶液を、ガラス毛細管又はマイクロウェルに入れる。 ロッドは非コロイド状であり、そのため容器の底ですぐに安定する。 ウェルの底に顕微鏡の焦点を合わせ、ディジタルカメラを使用して、反射率画像を撮影し、次いで対応する蛍光画像を撮影する。 反射率画像を解析してロッドを見つけ、識別する。 一般に、蛍光画像中のロッドは同じ位置にあると仮定する。 蛍光画像中の画素に関して基本的なヒストグラム解析を実行して、ロッドの平均蛍光を計算する。 このような実施形態で使用する面CCDは、読出しに時間がかかることがあり、読出し速度は、検出器のサイズ(したがって画像当たりの解析ロッド数)の増大につれて低下する。 更に、このような広視野系の蛍光感度は決して理想的とはいえず、背景蛍光を排除する機会はない。 【0078】 本発明の他の実施形態では、微量レーザ走査血球計算器(cytometer
    )又はMLSC機器を使用して、サンプル中のロッドの蛍光画像を生成する。 蛍光画像を得ている間に反射率画像を得るため、線CCDアレイ検出器を備えるよう標準のMLSC機器を修正する。 更に、画像収集の間、サンプルに常に焦点が合っているようにするために、リアルタイム焦点合せサーボを追加する。 【0079】 MLSC技術については、米国特許第5547849号、同5556764号、ディッツその他(Dietz et al.),血球計算(Cytometr
    y) 23:177−186(1996)、1999年8月20日に出願された「微少容積レーザー走査血球計算のための新規な光学技術(Novel Opt
    ical Architectures for Microvolume L
    aser−Scanning Cyotometers)」という名称の米国特許出願第09/378259号、及び2000年4月26日に出願された「微少容積レーザー走査血球計算のためのシステム(System for Micr
    ovolume Laser Scanning Cytometry)」という名称の国際出願PCT/US00/11133に記載されている。 これらはその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。 【0080】 このシステムの利点は以下の通りである。 a)MLSC機器は、背景を排除し、そのため蛍光感度を向上させる方法を提供する。 b)蛍光を励起するのにレーザを使用し、そのため、高い励起出力密度が使用可能であり、これによって感度が更に向上する。 c)線CCDは、面CCDよりもはるかに速く読み出すことができ、面CCD
    よりも安価である。 d)反射率画像と蛍光画像が同時に得られ、正確な画像位置決めを提供する。 【0081】 ナノバーコードを画像化する本発明に基づくMLSC装置の概要を図8に示す。 ヘリウムネオンレーザからの平行励起光が、ダイクロイック励起フィルタ(H
    eNeダイクロイック)によって偏光される。 反射後、光は、走査ミラー(ガルボ(Galvo)ミラー)に入射する。 走査ミラーは、一定の角度範囲内でミラーを高速に振動させることができる検流計に取り付けられている。 次に、2つのリレーレンズGRL1及びGRL2が、顕微鏡対物レンズの入射瞳上に走査ミラーを映像する。 この光学構成は、このミラーでの特定の走査角度を、顕微鏡対物レンズの焦点での特定の視野位置に変換する。 光学解像力を設定するスポット径は、平行ビームの直径及び対物レンズの焦点距離によって決定される。 【0082】 掃引された励起ビームの経路上に置かれた蛍光サンプルは、ストークス(st
    okes)シフトした光を発する。 この光は対物レンズによって集められ、平行にされる。 この平行光は2つのリレーレンズから出射し、平行なまま走査ミラーに入射する。 走査ミラーはこの光を反射し、デスキャン(descanes)する。 ストークシフトした光は次にHeNeダイクロイックを通過する。 ロングパスフィルタF2は、HeNeダイクロイックを通して漏れた一切の励起光を排除する。 【0083】 このシステムは、2色の異なる発光を検出することができる。 蛍光発光は、H
    eNeダイクロイックを通過し、開口1上で焦点を結び、次いで、それらの相対的な波長に基づいて蛍光ダイクロイックによって2つのPMTに分割される。 最も青い波長がPMT1に、最も赤い波長がPMT2に分割される。 この開口は、
    サンプルのところでの最もよい焦点の平面以外の一切の光を排除する。 より多くのPMT対、レンズ、開口及びダイクロイックフィルタを追加することによって、より多くの蛍光色を検出することができる。 【0084】 反射率画像は、別個の光学経路を用いて得る。 光源を使用して、1本の照明線を生成する。 この光源は、アーク灯、白熱ランプ、ハロゲン化金属ランプ、LE
    D又はレーザとすることができる。 一例が、400nmから450nmの波長を通過させるフィルタを有した、Au、Ag及びNiコントラストに最適なハロゲン化金属ランプである。 第2のレンズL5は、ランプ出力を平行にする目的に使用され、円筒形レンズCYL1は、対物レンズとともにサンプルのところに線照明を生み出す。 この照明は、部分的に銀めっきしたミラーPSML1を通過し、
    次いで、画像ダイクロイックによって反射される。 画像ダイクロイックは、赤色の蛍光光を青色の反射光から分離する。 次いで対物レンズが、サンプル上に光線を集束させる。 集められたロッドサンプルからの反射光は、対物レンズによって平行にされ、再び、イメージダイクロイックによって反射される。 反射光は、ミラーPSM1を通過し、チューブレンズによって線CCD検出器上に再画像化される。 【0085】 XYステージ上にはサンプル、ガラス毛細管又はマイクロウェルプレートが装着される。 検流計駆動のミラーが励起ビームをY方向に走査する間、サンプルはX方向に一定の速度で移動する。 発せられた蛍光光子束は、PMTによって電子電流に変換される。 この電流は、検出電子回路中の前置増幅器によって電圧に変換される。 この電圧は、アナログディジタル変換器によって規則的な間隔でサンプリングされる。 サンプリング間隔に掃引ビーム速度を掛けたものが、高速走査方向であるY方向の画素間隔を決定する。 次のライン速度にXステージの走査速度を掛けたものが、X方向の画素間隔を決定する。 対応する反射率画像光子は、
    線CCDによって電子電荷に変換される。 このCCDの出力は、第3のA/Dに送られてディジタル化され、制御コンピュータに記憶される。 【0086】 このXYステージはサンプルを走査するだけでなく、サンプルを往復運動させ、そのため、コンピュータ制御によって多くのサンプルを逐次的に走査することができる。 【0087】 顕微鏡対物レンズは、圧電素子、高精度サーボドライブ、その他に装着される。 走査中に焦点を補正するため、顕微鏡対物レンズは上下に動かされる。 反射H
    eNe光によって焦点補正信号が提供される。 反射HeNe光は、ビームスプリッタまで来たときと同じ経路をたどる。 分割された反射光が、レンズ4によって開口2を通して検出器上へ集束する。 この検出器のところの信号は、レーザの焦点がサンプル室の水/ガラス界面にあるときに最も明るい。 開口サイズ及びレンズの焦点距離は、サンプルが焦点から外れたときに非常に鋭い信号低下が起こるように選択する。 全てのロッドは底にあるので、これは、最もよい画像焦点と一致する。 焦点検出器からの信号は、信号変化を位置に変換する制御回路に送られる。 【0088】 (フロー画像化) 莫大な数の異なるナノバーコードのフレーバを作ることができるため、ナノバーコードを迅速かつ正確に画像化する手段が必要である。 一般的なバーコードの直径は200nm、長さは8μmである。 20の異なるストライプが欲しい場合には、幅400nmのストライプが好ましい。 検定の多重度が増大するにつれて、画像化し解析しなければならないロッドの数も増大する。 技術的な難問は、バーコードを迅速に、かつ高解像力で画像化することである。 400nmの特徴(
    feature)を解像するためには開口数>1.0が必要である。 このような高開口数は<1μmの焦点深度を有し、そのため、画像化するときにはビーズを、局所化された領域内に保たなければならない。 【0089】 ナノロッドは、高度に多重化された検定方法を提供するが、これらのナノロッドは、高解像力画像化システムによって高速に解析しなければならない。 これらの2つの要件は、ロッドを厳格に局所化する必要があることを意味するので、いくつかの難問を提起する。 画像化時間は、背景に対してではなくロッドに対して費やされなければならず、そのためロッドを、画像化システムの視野の中に局所化しなければならない。 更に、高い横方向解像力を有する画像化システムは非常に狭い焦点深度を有し、そのためロッドは、画像化システムの焦点面に局所化しなければならない。 【0090】 本発明のこの実施形態では、ナノロッドがシースフロー(sheath fl
    ow)システムに注入される。 このような細胞分析用のフローシステム、すなわち流れ血球計算器は存在する。 毛細管を流れる粒子は流れの領域の中央に局所化し、それらの粒子は、流れの方向に対して縦の方向を向くことが知られている。
    ロッドが流れると、それらはまず、ディジタル画像化システムにロッドが来たことを知らせるトリガに遭遇する。 次に、ディジタル画像化システムがナノロッドの画像を撮影する。 画像は、ナノロッド配列を決定する迅速分析のため、ディジタル信号プロセッサに送られる。 このようにしてナノロッドの特性が評価される。 特性評価後、ロッドは複数の検定経路に送ることができる。 蛍光検定を実行する場合、ロッドは励起レーザビームを横切り、フィルタリングされた蛍光が検出される。 質量分析を実行する場合には次いで、ロッドを質量分析計に注入する。 【0091】 本発明を図示した図9を参照されたい。 ナノロッドのウェルの内容を光学上透明な毛細管に注入する。 流れ血球計算(flow cytometry)で使用されるシースフローシステムを使用して、粒子をフローストリームの中央に局所化する。 シースフローシステムは、直径10ミクロン以下の粒子を局所化することができる。 より小寸法の毛細管を使用して、シースフローを使用せずに粒子をフローストリームの中央に局所化することができるが、これによって流量が制限される可能性がある。 1つの幾何形状は、粒子を解析する幅の狭い領域に向かって細くなる、入口又は出口が大きいチャネル又は毛細管の使用である。 流量は、
    最高1000粒子/秒の粒子が検出器を通過するように設定する。 粒子の長さが約10μmである場合、粒子の流速は、約10ミクロン/粒子×1000、粒子/秒=10mm/秒である。 【0092】 読取り領域は、2つの光学経路から成る。 第1の経路は光トリガである。 レーザビームを細く集束させ、そのくびれの部分が流れ場の中央にくるようにする。
    光を拡張させ、検出器に入射させる。 粒子がこのビームを横切ると、この粒子は光を遮断し、検出器がこの遮断を感知する。 この信号は、ディジタル画像装置に送られ、粒子の到着及びディジタル画像装置の読取りの開始を知らせる。 トリガビームから画像化領域までの通過時間を考慮するため、適当な遅延が設定されよう。 【0093】 次のダウンストリームは画像化システムである。 白熱光源を用い、エピ明視野照明を使用して、流れ場を照明する。 非常に高い開口数>1の顕微鏡対物レンズを使用して、流れ場の正確に中心にある粒子をディジタル画像化デバイス上に画像化する。 ディジタル画像化デバイスは、線アレイ検出器又は面検出器とすることができる。 線アレイ検出器は、粒子が視野を横切るときに連続する画像ラインを読み取るようにクロックされる。 電子制御装置が画像を縫い合わせ(stit
    ch)、それを記憶するか、又はナノロッド中のコードを決定するためにその画像をリアルタイムで処理する。 面検出器の露光時間は、1から10マイクロ秒と短くてよく、続いて読取りが実施される。 累進走査面検出器はこの機能を実行することができる。 【0094】 ナノロッドは一般に、直径が200nm、長さが5から10ミクロンである。
    バーコードのストライプは400nm以上であろう。 小サイズのナノロッドは、
    高解像力画像化システムを必要とする。 開口数>1の画像化レンズが必要である。 この速度の画像化システムは非常に狭い焦点深度、すなわち焦点深度〜波長、
    すなわち500nm光源を用いた画像化で500nmの焦点深度を有する。 これは、2つある方法のうちのいずれかで処理することができる。 第1の処理は、フローストリームの中央に粒子を拘束することである。 シースフロー技術では、5
    から10ミクロンバンドの粒子しか得ることができない。 小さい毛細管を使用することもできるが、それでは流量が制限されよう。 画像化システムの焦点深度を広げるためには、波面(wave front)コード化光学系を使用する。 ディジタル光学系を、無限共役画像化システムの平行光路である画像化光学縦列中に置く。 この光学系は、感度を犠牲にして、焦点深度を10倍に拡大する。 波面光学系は更に、余分の画像処理段階を必要とする。 画像は、専門DSPを介して、又はオフラインで処理することができる。 或いは、過剰のロッドを使用することもでき、いくつかのロッドは流れ、焦点からはずれる。 それらのロッドは画像化されるだろうが、コードはあいまいになる可能性がある。 これらの粒子は無視することができ、又は後に検定情報を使用して、それらのロッド個体群を決定することもできる。 【0095】 画像化システムの後、流れ血球計算で使用されるのと同様の蛍光検出システムを使用して、粒子を検定することができる。 粒子は、大きいレーザスポットを通過する。 励起された蛍光が高NAレンズによって集められ、適当なフィルタを通してPMT又は他の検出器上に再画像化される。 フィルタの代わりに分光器を使用してもよく、CCD検出器を使用することができる。 【0096】 (実施例) 実施例1 バーコードロッド上で使用するための、光学顕微鏡蛍光検出を使用した溶液ベースのサンドイッチ型免疫検定を開発した。 検定は、さまざまなセグメントパターンのAu、Au/Ag及びAu/Niロッド上で実行した。 ナノバーコードは、さまざまな波長での金属の反射率差に基づいて読み取られる。 図5にこの実験の結果を示す。 【0097】 最初に、2タイプのロッド、Au/Ag及びAuロッド上でサンドイッチ型免疫検定を、以下のシステム;テキサスレッドで標識した抗ウサギIgGFc/ウサギIgG/抗ウサギIgGH&L、を使用して実行した。 FITC用のフィルタを用いてロッド混合物の蛍光画像を撮影した。 600mm帯域フィルタを用いるとロッドは同じ金属成分であるように見えるが、400nm帯域フィルタに変えるとバーコードIDが明らかになる。 【0098】 次いで、異なる2タイプのバーコードロッド上で2種類の異なるサンドイッチ型免疫検定を実行した。 この実験では、先に述べた同じテキサスレッド(TR)
    検定を、以下のシステム;抗ヒトIgGFc/HlgG/抗ヒトIgGg、とともに使用した。 FITC蛍光体はTRよりもはるかに速く光漂白されるため、最初にFITC画像を撮影した。 少なくとも2つの蛍光体を区別できることがはっきりしたため、次に、溶液ベースの同時検定を試みた。 ロッドは、別個の管の中で捕獲抗体で誘導体化した。 その後、血清サンプル中の条件を模するために、それらを一緒に混合して検定を完了させた。 非特異的結合の量及び交差反応性を決定するため2つの蛍光団が必要であった。 最初、2つの系間にはかなりの交差反応性、及びロッド表面への若干の非特異性が見られた。 この問題を回避するため、非特異性をかなり低下させる、アミノ基を末端に有するPEGを使用し、交差反応性を助けるためBSAを使用した。 この溶液ベースの2システム同時サンドイッチ免疫検定は成功裏に完了した。 4μmAu/Ag/AuロッドはaヒトI
    gGで誘導体化され(FITC)、8μmAu/Ni/Auは、aウサギIgG
    で誘導体化された(TR)。 Au/Ni/AuロッドのAuセクションが選択的に誘導体化されたことが、Niセクション上の蛍光の欠如によって明示された。
    更に、Agは、FITCからの蛍光を強化するように見えた。 【0099】 FITCでのAgの強化係数を調べるため、同じタイプのロッド上の2種類の異なる蛍光体群を使用してサンドイッチ検定を実行した。 ヒトIgG FITC
    系及び以下の新しい系;抗シトクロムc/ビオチニル化Cc/ストレプトアビジン−フィコエリトリン(PE)、を使用した。 ヒトIgG系に関しては、反射率画像から明らかなように、Agセクションに対応するロッドのセクション上により明るい蛍光が観察された。 しかし、PE系に対してAgからの強化は見られなかった。 したがって、この強化は、蛍光体吸収度とナノバーコード吸光(吸収度と散乱)の両方に関して波長特異的な現象であると言えそうである。 【0100】 実施例2 流れ血球計算実験を使用して、免疫検定又はナノバーコードからの蛍光を定量した。 ヒトIgG系とビオチニル化(biotinylated)Cc系の両方を調べた。 TRを、流れ血球計算機器中で488nmで励起させることができなかったため、ウサギIgG系は、ビオチニル化Cc系に切り換えた。 Au/Ag
    ナノバーコード上のヒトIgG系及びビオチニル化Cc系の滴定曲線を作成した。 グラフからは、ヒトIgGの滴定曲線は変曲点を含み、ビオチニル化Cc系は含まないように見える。 代わりに、それは最大に達し、水平になるように見える。 ヒトIgG系の曲線の形状は、FITCのAg強化から生じることができる。
    流れ血球計算実験を実施して、抗体結合能力(ABC)の量及び系を最適化するのに必要な捕獲抗体の濃度を決定することができる。 【0101】 実施例3 生物検定の検出に対するコロイドAu又はAgの使用を研究した。 これは、異なる波長での金属の反射率の差に関係する。 理論上、AuとAgの反射率等吸収、すなわち約600nmでは、バーコードID又はその部分は見ることができない。 しかし、バーコード全体又は一部分にコロイド粒子を選択的に配置すると反射率が変化し、したがって反射率コントラストが生じる。 コロイド状Au粒子は、単分散、誘導体化、生体適合させやすいので、この態様に対して最適である。
    予備的な実験によれば、Agコロイド層の吸着は、Au/Agロッドの反射率を変化させる。 これは、1,6−ヘキサンジチオールの単分子層をロッド上に吸着させ、次いでAgコロイドにさらすことによって達成された。 TEMデータによって、コロイド状Agのナノバーコードへの結合が確認された。 コロイド状Ag
    を添加してもしなくても、400nmでは、特徴的な反射率ストライプパターンを見ることができる。 しかし600nmでは、Agナノ粒子がない場合、ストライプパターンは見えないが、Agナノ粒子が存在すると見えるようになる。 【0102】 TEMデータが、ナノバーコード表面でのAg材料の均一な分布を指示しているので、これらのデータは、Agナノ粒子とナノバーコードのAg及びAuセグメントとの間に電磁差相互作用があることを指示している。 反射率の変化は、等吸収(すなわち反射率差なしから反射率差ありへ、又はその逆)を伴う必要がないことに留意されたい。 必要なのは、化学的又は生化学的事象が反射率の変化に結びつけられることだけである。 更に、この反射率の変化が、さまざまなセグメントに対して異なる必要はない。 したがって、最も一般的な実施態様は、分子結合/脱結合に起因するナノバーコード全体に対する1つ又は複数のセグメントの反射率の変化を含む。 より特殊な実施形態は、反射率等吸収の排除(又は生成)
    へとつながる反射率の変化を含む。 【図面の簡単な説明】 【図1】 6タイプのナノバーコードの集合を示す画像である。 この図は、6フレーバのナノバーコードA〜Fを図式的に示し、画像には、画像中のナノバーコードが、
    どのフレーバ又はタイプのナノバーコードに対応するかを示すラベルが付けられている。 【図2】 バルクPt及びAuの波長に対する反射率を示すグラフである。 【図3】 図3Aは、Ag−/Au−ナノロッドの集合の400nm画像である。 図3Bは、同じ集合の600nm画像である。 【図4】 反射光モードの光学顕微鏡で撮影した、本発明の9ストライプバーコード(A
    u−/Ag−/Au−/Ag−/Au−/Ag−/Au−/Ag−/Au)の像である。 【図5】 反射率によるバーコード検出と蛍光による分析物定量の同時実行を示す図である。 実施例1で説明するように、それぞれの像はストライプナノロッドの混合物である。 図5Aは、帯域フィルターを用いてFITC発光の波長で画像化したものである。 図5Bは、テキサスレッドの波長で画像化したものである。 図5Cは、波長400nmで撮影した反射像である。 【図6】 ナノバーコード画像解析の選択可能な経路を示す図である。 【図7】 本発明のナノバーコード画像解析の一実施形態の基本流れ図である。 【図8】 本発明で使用するMLSC装置の概略図である。 【図9】 ナノ粒子を画像化するフローシステムを概略的に示す図である。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06T 1/00 295 G06T 7/00 300F 5L096 7/00 300 G06K 19/00 E (31)優先権主張番号 60/190,247 (32)優先日 平成12年3月17日(2000.3.17) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/194,616 (32)優先日 平成12年4月5日(2000.4.5) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/598,395 (32)優先日 平成12年6月20日(2000.6.20) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ディーツ,ルイス・ジェイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94041, マウンテン・ビュー,サウス・ショアライ ン・ブールバード 550 (72)発明者 ノートン,スコット アメリカ合衆国カリフォルニア州94085, サニーヴェイル,エスカロン・アベニュー 1000,アパートメント ビー2014 (72)発明者 キーティング,クリスティーン・ディー アメリカ合衆国ペンシルバニア州16851, レモント,ボックス 147 Fターム(参考) 2G043 AA04 BA01 BA14 BA16 CA06 DA01 EA01 EA03 EA04 EA13 EA14 FA01 FA02 FA06 GA25 GB28 HA01 HA02 HA09 HA15 JA02 KA02 KA05 KA09 LA02 LA03 2G059 AA05 BB09 CC01 CC12 CC16 DD01 EE02 EE07 FF01 FF03 HH02 JJ02 JJ07 JJ11 JJ13 JJ22 KK02 KK04 5B035 AA03 BA03 BB01 5B057 BA02 CF01 DA11 DB02 DC08 DC34 5B072 CC01 CC02 CC06 CC24 DD01 DD02 DD04 LL07 LL12 LL14 LL18 5L096 CA16 EA04 FA03 FA34 FA67 GA51 GA55 HA11 JA11 MA07

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