Micro-array and its manufacturing method

申请号 JP2002103654 申请日 2002-04-05 公开(公告)号 JP2003014758A 公开(公告)日 2003-01-15
申请人 Large Scale Proteomics Corp; ラージ スケール プロテオミクス コーポレーション; 发明人 ANDERSON NORMAN G; ANDERSON N LEIGH; BRAATZ JAMES A;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a micro-array containing biological reaction molecules, a method of utilizing the micro-array, and a method of manufacturing the micro- array. SOLUTION: Thin tubes or rods in which specific reaction products are respectively enclosed or adhered are prepared and bundled. In addition, the bundle is impregnated with a cuttable adhesive material or wrapped with the adhesive material, arbitrarily. When the micro-array is manufactured by slicing the bundle after confirming that the components of the bundle maintain a fixed structural pattern in the lengthwise direction as a whole, identical micro-arrays can be mass-produced.
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 【請求項1】複数のセルを有する表面に露出された固体ブロックと、前記固体ブロックを支持する不活性な固体支持体上とを含み、前記セルのそれぞれが、異なる種類の微生物、リガンド、ヌクレオチド、抗体、抗原、蛋白質、ペプチド、炭水化物、多糖類、受容体、薬剤標的、
    植物あるいは動物細胞、細胞小器官、細菌、病原菌、抗生物質、薬剤、毒物、天然生成物、試験化合物及びこれらの分画からなる群から選択される対象物質を含み、前記不活性固体支持体上に搭載される前に単独で調製され、前記固体ブロック内に包埋されたものであるマイクロアレイ。 【請求項2】前記ブロックは、厚さが50μm未満である請求項1に記載のマイクロアレイ。 【請求項3】前記ブロックは、厚さが20μm未満である請求項2に記載のマイクロアレイ。 【請求項4】前記ブロックは、少なくとも100個の前記セルを有している請求項1に記載のマイクロアレイ。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 本願は、1999年7月30日に出願された特許出願第60/146,653号の一部継続出願である2000
    年1月13日に出願された特許出願第09/482,4
    60号の一部継続出願である。 これらの特許内容全体を本明細書内に引用したものとする。 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、生体反応分子を含むマイクロアレイ、その利用、およびその製造方法に関する。 このアレイは、特異な反応物をそれぞれ含む細管あるいはロッドの束を薄切りにして大量に同一のアレイを作製することにより製造することができる。 【0002】 【従来の技術】マイクロアレイは本質的に、二次元支持体あるいはシートであり、この支持体あるいはシートの異なる部分あるいはセル(セクタ)に、ヌクレオチド、
    ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、糖あるいは多糖などの異なる生体分子あるいは成分を結合させて担持するものである。 マイクロアレイは、マイクロアレイを用いるアッセイを小規模で行うことにより多くのアッセイを並行して行うことができる点を除き、他の固相アレイと原理としては同じである。 マイクロアレイはこれまで、通常生物科学において、数多くの解析を目的として利用されてきている。 【0003】これまでの技術では、マイクロアレイ上の生化学分子を、マイクロアレイに直接、あるいはマイクロアレイの特定セル(セクタ)上に合成する、あるいは予備形成した分子が化学結合あるいは他の手段によりマイクロアレイの特定セル(セクタ)に装着している。 1
    つあるいは複数のマイクロアレイ上で同時に試験を行う異なる種類のセル(セクタ)およびそれに伴う異なる種類の生化学分子の数は数千におよぶ可能性がある。 通常市販のマイクロアレイプレートリーダーを用いて、各セル(セクタ)の蛍光を測定して同時に数千の反応に関するデータを得ることにより、時間および労の節約を図っている。 この分野における特許の代表例が米国特許第5,545,531号である。 【0004】現在、マクロ分子の二次元アレイは、高分子が表面に結合するあるいは結合される条件下にて平坦な表面に少量のアリコットを付着させることにより、あるいは、光活性反応あるいはこれ以外の合成反応を用いて高分子を表面上にて合成できるようにすることにより、作製されている。 これまでの方法の例として、印刷技術を利用してアレイを作製することも挙げられる。 アレイ作製方法の数例は、「Gene−Expressi
    on Micro Arrays: A NewToo
    l for Genomics」Shalon,D.
    著、Functional Genomics; Dr
    ug Discovery from Gene to
    Screen、IBC Library Serie
    s、Gilbert,S. R. &Savage,L.
    M. 編、マサチューセッツ州Southboro のI
    nternational Business Com
    munications,Inc. 、2.3.1. 〜
    2.3.8頁;「DNA Probe Arrays:
    Accessing Genetic Diversi
    ty」、Lipshutz,R. J. 著、Gilber
    t,S. R. &Savage,L. M. 編、上記に同じ、2.4.1. 〜2.4.16頁;「Applica
    tions of High−Throughput
    Cloning ofSecreted Protei
    ns and High−DensityOligon
    ucleotide Arrays to Funct
    ionalGenomics」、Langer−Saf
    er,P. R. 、Gilbert,S. R. &Sava
    ge,L. M. 編、上記に同じ;Jordan,B.
    R. 著「Large−Scale expressio
    n measurementby hybridiza
    tion methods:from high−de
    nsities to"DNA chips"」、 J.
    Biochem. (東京)124:251〜8頁、19
    98年;Hacia,J. G. ,Brody,L. C.
    &Collins,F. S. 著、「Applicati
    ons of DNA chips for geno
    mic analysis」、Mol. Psychi
    atry3:483〜92頁、1998年;および、S
    outhern,E. M. 著、「DNA chips:
    Analyzing sequence by hyb
    ridization to oligonucleo
    tides on a large Scale」、T
    rends in Genetics12:110〜5
    頁、1996年に掲載されている。 【0005】こうした技術のいずれを用いても、各マイクロアレイは個別に別々に作成され、通常、一度のみの使用で、それぞれ予め較正して数値を求めることができない。 したがって、誤差のないアレイを作製する製造システムの再生産性に依存している状態である。 こうした要因から現在作製されているバイオチップあるいはマイクロアレイは高額になっており、この技術が日常的な臨床で利用されるまでには至っていない。 【0006】アレイのスキャンには、電荷結合素子(C
    CD)カメラを利用することができる。 こうした装置の価格は着実に低下してきており、現在では目的にかなったカメラやソフトウェアが広範に入手可能である。 この装置では一般に、光源あるいは吸光度を検出する。 提案されている1つの応用例では、アレイを、一方の端部に核酸あるいは抗体抗原を装着している光ファイバ束のもう一方の端部に配置する。 これにより、光ファイバを介して蛍光を検出することができる。 米国特許第5,8
    37,196号を参照されたい。 【0007】すべてのファイバを平行に保持した状態でアレイを介して光学画像を伝送できるように、ガラスあるいはプラスチック製ファイバを平行に整列させることにより、ファイバ光学アレイを作製することができる。
    平行なアレイを中空ガラスファイバで製造することも可能であり、このアレイを、ファイバの軸に垂直に薄切りすると、光学画像の増幅に用いられるチャネルプレートを作製することができる。 こうした装置は暗視および他の光学信号増幅設備として利用される。 チャネルプレートは、チャネルプレートの束を薄切りにし、その穴のグループ毎に分離した別々の蛋白質あるいは核酸を固定化した後に、充填された各穴との結合反応を検出できるように適合させたものである(米国特許第5,843,7
    67号)。 【0008】中空多孔質ファイバは、腎臓透析器や浄機など、生物試料の透析に利用されている。 ファイバを平行なアレイに整列させ、プラスチックを含むファイバ内に一定量を含浸させ、このアレイの端部を切削する方法がこれまで記載されてきている(例えば米国特許第4,289,623号を参照されたい)。 例えば伊特許第836,462号に開示されているように、固定化された酵素がエマルジョンからファイバ形態に形成されている。 米国特許第4,031,201号に開示されているように、抗体および抗原は固相ファイバ内に組入れられている。 固相イムノアッセイ、核酸ハイブリダイゼーションアッセイおよび固定化酵素の分野では、この他にもさまざまな固定化技術が周知である。 例えば、Her
    manson,G. T. 著、「Bioconjugat
    e Techniques」Academic Pre
    ss、New York、1995年、785頁;He
    rmanson,G. T. 、Mallia,A. K. およびSmith,P. K. 著、「Immobilize
    d Affinity LigandTechniqu
    es」、Academic Pressプレス、New
    York、1992年、454頁;および「Avid
    in−Biotin Chemistry: A Ha
    ndbook」、D. Savage、G. Mattso
    n、S. Desai、G. Nielander、S. M
    organsenおよびE. Conklin著、イリノイ州RockfordのPierce Chemica
    l Company、1992年、467頁を参照されたい。 【0009】現在入手可能なバイオチップには、1種類の固定化反応物のみが含有されており、実施できる反応も1種類のみである。 多種類の臨床その他の分析をするためには、1枚のチップ内に反応物をさまざまに固定化して組入れることのできるチップが必要である。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、異種類の対象生体物質をそれぞれ封入あるいは付着したロッドあるいは細管を作製し、このロッドあるいは細管を平行な束の状態に配置して保持する。 そして、切削可能な接着剤材料をこの束に含浸させるか、あるいは切削可能な接着剤材料でこの束を包埋するかを任意に行い、含浸した後、
    この束の構成要素すべてがその長手方向全体に一定の構成あるいはパターンを維持していることを任意に確認し、これを薄切りにして、同じアレイあるいはチップを大量に作製する。 例えば蛍光、吸光度あるいは化学発光シグナルを得られる条件下にて、例えば酵素作用、免疫作用、核酸ハイブリダイゼーションおよび小型分子結合に基づいて各アレイあるいはチップについてさまざまな生化学的定量分析を行い、このシグナルの画像を得て、
    これを電子的に処理して比較することにより、臨床上および実験上有用なデータとするための方法に関する。 【0011】一態様において、本発明は、対象物質を含有するか、対象物質がコーティングされているか、あるいは対象物質を中に含有した長いフィラメントあるいはチューブとその製造方法とに関する。 本発明はまた、他のすべてのファイバに対する各ファイバの位置がその長手方向全体で変化しないようにファイバを束として構成するための方法に関する。 【0012】本発明はさらに、ファイバすべてを互いにその全長にわたり装着あるいは接着させる手段および方法に関する。 関連態様において、本発明は、細長いフィラメントあるいはチューブを互いに結束させ、これを何度も短い間隔で横切る方向に切削してその断面スライスを得ることによるマイクロアレイの調整、マイクロアレイの作製、こうして作製されたマイクロアレイとに関する。 【0013】本発明の別の態様は、チューブあるいはファイバと一体化されているか、中空ファイバ内に含まれる媒体に含有されているかのいずれかにより標識を含有させて、そのファイバをその長手方向全体にわたり識別可能とすることである。 本発明の態様にはさらに、束の一方の端部にてファイバをそれぞれ照明し、光電手段によりもう一方の端部を識別してファイバの構成の保全性を確認する手段も含まれる。 【0014】もう1つの態様において、本発明は、対象物質を含むファイバを形成すること、あるいは1つあるいは1種類の対象物質をファイバに固定化する手段に関する。 さらに別の態様において、本発明は、その生体が各ファイバあるいは細管の切削端部上に露出するように、生体セル、組織あるいは感染物質の全体あるいは断片をファイバあるいは細管に包埋あるいは装着する手段に関する。 【0015】本発明の別の態様において、アレイは、細管壁部に接着するゲルあるいは他の重合材料を含有した細管からなる。 本発明の別の態様において、対象物質は、細いチューブの内腔に含まれる重合媒体あるいは懸濁媒体に付着している。 本発明のさらに別の態様において、対象物質は、重合媒体内に懸濁している粒子に付着している。 細管はこの懸濁液で充填され、この細管を用いてアレイ束およびアレイを作製する。 【0016】本発明はさらに、核酸の配列決定、リボ核酸(RNA)およびデオキシリボ核酸(DNA)の錯体混合物の解析、その他の蛋白質、多糖、有機ポリマーおよび低分子質量分析物などの分析物の検出および、核酸の定量に用いる固定化された核酸系物質の同一の平坦な二次元アレイを、上記のような材料を含むファイバあるいはチューブの長い束の断面を薄切りにすることにより大量生産する方法に関する。 【0017】これに関連する態様において、本発明は、
    1種類から多種類の対象物質までの多数の試料のマススクリーニングにマイクロアレイを利用することに関連する。 本発明の別の態様において、製造した各ファイバに対して品質管理アッセイを行い、ファイバ束を完全に機能するファイバのみで構成することができる。 関連する別の態様において、本発明は、選択的に枝分かれの手順で行われる異なるチップあるいはマイクロアレイ上における試験セットの開発に関するものであり、これによりヒトの疾病の診断にかかる費用、遅滞および不便性を軽減しつつ、普通は時間のかかる一連の従来の試験により得られる複雑なデータを提供することができる。 【0018】さらに別の態様において、本発明は、十分に安価な同じアレイを製造することにより、品質管理を目的として同じアレイ数枚を1枚のスライドおよびあるいは試験ストリップ上に搭載して比較することができるようにすることに関する。 さらに別の態様において、本発明は、蛍光を励起させる光がアレイに侵入する深さを調節するために、非蛍光染料あるいはこれ以外の光吸収材料をアレイの物質内に組入れて蛍光分析物を検出できる深さを調節し、セル含有物内に深く拡散し過ぎて光を拡散しない蛍光分析物を検出しないようにすることに関する。 【0019】別の態様において、本発明は、細管が完全に支持媒体で充填されており、孔あるいは気泡を形成していないことを特定する方法に関する。 別の態様において、本発明は、静水力あるいは遠心力を利用して細いチューブを支持媒体で完全に充填する方法および装置に関する。 別の態様において、本発明は、バイオ分析用バイオチップあるいはマイクロアレイの再製が可能な製造に関する。 【0020】別の態様において、本発明は、特定の疾病を検出および診断するように特に設計されたアレイの設計および作製に関する。 さらに別の態様において、本発明は、マルチウェルプレートおよびその製造方法に関する。 さらに別の態様において、本発明は、時間の経過に伴う蛍光あるいは吸光度の連続測定を行い、時間の経過に伴うアレイの各素子における蛍光あるいは吸光度の変化率を特定する手段を設けることにより、複数の平行したアッセイのダイナミックレンジを拡大することに関する。 【0021】本発明の別の態様は、各分析、および比較試験や基準試験を日常的かつ同時に並行して行うために、1枚以上の使用が可能である安価で十分に規格化されているバイオチップを製造することである。 品質をさらに保証するため、束の別々の部分あるいは両端部からの切片を用いてもよい。 束の別々の部分に薄切りする1
    つの方法は、束を半分で切断あるいは折り曲げてその2
    本を揃えて1つの太い束を形成することにより、各ファイバが2度現れる切片を作製することである。 【0022】別の態様において、本発明は、チューブ、
    支持媒体、固定化表面内の組成物におけるアレイ素子あるいはセル(セクタ)が互いに異なるか、あるいは、セル(セクタ)が異なれば対象物質の種類が異なるチップの作製に関する。 別の態様において、本発明は、アレイの各セル(セクタ)表面にて、免疫反応、酵素的反応あるいはハイブリダイゼーション反応などの異なる種類の反応を行うことのできるチップの作製に関する。 【0023】本発明のさらに別の態様は、互いに接着して一面式リボン状アレイを形成しており別々に保管することも可能なファイバあるいは細管のサブアレイの作製に関する。 二次元アレイに組み合わせる前にこの「リボン」に品質管理分析を行ってもよい。 異なる一次元アレイを用いて異なるアレイを組み合わせ、特定の研究および臨床要件を満たす、注文にしたがったアレイを作製する選択肢を設けることができる。 【0024】本発明はさらに、生理学的温度において温度感受性反応が起こるように連続的に温度を上昇させた後、ハイブリダイゼーション反応が起こるように温度を上昇させることを含む、複数の平行なチップに基づく方法の開発に関する。 さらに別の態様において、本発明は、各ファイバがその1種類を含む化合物のライブラリを調製することに関する。 特定の化学的あるいは生物学的作用に対し、このアレイを用いてその化合物すべてを同時にスクリーニングすることができる。 【0025】用語「結合成分」、「対象分子」、「対象物質」、「リガンド」あるいは「受容体」は、数多くの異種分子、生体セルあるいはその集合体のいずれでもよく、これらの用語は同義として交換して使用可能である。 各結合成分は、アレイのセル、セクタ、部位あるいは要素に固定化され、検出対象である分析物に結合する。 したがって、特異な結合成分を含む要素あるいはセルの位置により、結合する分析物が決定される。 蛋白質、ポリペプチド、ペプチド、核酸(ヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチド)、抗体、リガンド、糖、多糖、細菌、菌類およびウィルスなどの微生物、受容体、抗生物質、試験化合物(特に、組み合わせ化学で生成されるもの)、植物および動物細胞、細胞小器官、あるいはこれらの分画、およびその他の生体成分のいずれも、チップ上に固定化されれば結合成分となり得る。 これらがチップ上の結合成分に結合すると、今度はこれらがそれぞれ分析物と見なされる場合もある。 【0026】対象分子が高分子量である場合、これを「高分子」と呼ぶ。 バイオポリマーの場合、高分子量とはアミノ酸、ヌクレオチドあるいは糖分子100個分の長さを超えることをいう。 用語「結合」には、永久的あるいは一時的を問わず、あらゆる物理的あるいは化学的吸着あるいは密接な会合を含む。 一般に、水素結合の相互作用、疎水力、ファンデルワールス力、共有結合およびイオン結合などにより、対象分子と測定している分析物との間を物理的に吸着させることができる。 「結合」
    相互作用は、結合により化学変化が起こる場合のように短い場合がある。 これは、結合成分が酵素であり、その分析物が酵素用基質である場合に一般的である。 結合物質と分析物とが接触して生じる反応も本発明でいう結合の定義内である。 【0027】本願で用いる用語「セル」、「セクタ」、
    「部位」あるいは「要素」は、一般に他のセル、セクタ、部位あるいは要素とはその中身ならびに位置が異なる独自のアドレスで識別されるアレイの単位構成要素をいう。 生体細胞は一般に、微生物、動物および植物細胞などの種類でよぶ。 用語「ファイバ」にはフィラメントと中空毛細管との双方を含む。 フィラメントあるいはロッドは、モノシリック、多孔質あるいは複合材料形態、
    あるいはその集合形態の固形糸状体でよい。 複数の、通常は大量のファイバをリボンあるいは束として互いに隣接するように結合させると、「ファイバ束」が形成される。 「ファイバ束」が、リボンなど、使用される実際の束の一部を構成する場合もある。 このファイバの断面形状は、円形、三形、四角形、矩形あるいは多角形など、いずれでもよい。 【0028】用語「粒子」は、多数の非溶性材料を包括するものであり、その形状は、球状、針状、ブラシ状および多くの不規則形状などのいずれでもよい。 粒子は、
    規則的あるいは無作為な内部チャネルを具備した多孔質である場合が多い。 例として、シリカ、セルロース、セファロース(Sepharose)ビーズ、ポリスチレン(固体、
    多孔質および誘導体)ビーズ、制御された多孔質ガラス、ゲルビーズ、ゾル、生体セル、細胞内粒子、微生物
    (原虫、細菌、酵母菌、ウィルスなど)ミセル、リポソーム、シクロデキストリン、2相系(ワックス内アガロースビーズなど)およびこの他、材料を封入あるいは被包する構造体が挙げられる。 対象蛋白質を発現する組換え宿主およびウィルスが特に好適である。 ポリマーおよび錯体などの特定の高分子量材料も「粒子」を構成する固定化構造として作用する場合がある。 【0029】用語「焼結」は、ファイバ全体を実際に溶解することなくファイバの表面を接着することをさす。
    これを化学的あるいは熱的のどちらで行ってもよく、活性化可能な自動接着成分を用いてもよい。 用語「アレイ」および「マイクロアレイ」は、全体の寸法が異なる点を除き、ある程度同義として交換可能に用いられる。
    本発明ではこのどちらをも製造および使用するための同一方法に関する。 各アレイには通常数多くのセル(通常100〜1,000,000以上)が含まれており、各セルは周知の位置にあり、対象特異成分を含有している。 したがって、各アレイには、対象となる非常に多くの異種成分が含まれている。 【0030】本発明では、核酸断片、ヌクレオチド、抗原、抗体、蛋白質、ペプチド、炭水化物、リガンド、受容体、薬剤標的、生体セルあるいはそのサブフラクション(粉砕した細胞、細胞小器官、溶剤抽出物など)、病原菌あるいはそのサブフラクション、薬剤、毒物あるいは天然生成物などの生体分子および成分を含む固定化結合成分を含む小型プラスチック製ロッド、ファイバ、チューブ、あるいは細管の束を薄切りすることにより、マイクロアレイ、「チップ」あるいは「バイオチップ」を作製する。 本発明における包埋媒体は、小型チューブ内で重合あるいは固化することができるし、あるいはロッドあるいはシートに成形することができる。 【0031】このチューブは、ガラス、金属、セラミックあるいはプラスチックなどの材料で製造可能である。
    核酸、蛋白質、セルなどの固定化された結合成分を、マイクロチューブ内あるいはチューブ外にコーティングするか、マイクロチューブ内のゲルに含有するか、あるいは小型粒子あるいはビーズに吸着させるか、あるいはその中に包埋してこれを用いてチューブを充填することができる。 この粒子あるいはビーズは、ゲル化材料の成分でも、さまざまな合成プラスチック類(ポリスチレンなど)から製造したラテックスビーズなどの分離した成分でもよい。 各ファイバが固形ロッドあるいはフィラメントである場合、対象物質を、そのフィラメントを型から成形、押出あるいは引抜く前にそのプラスチックの表面上あるいは内側に組み入れる。 切削される各切片がさまざまな結合アッセイに用いるマイクロアレイを構成する。 【0032】本発明の重要な態様は、経済的な利点を得られるものであり、すなわち、ファイバあるいは細管が、長期間の保存に安定な機能性を提供する方法のみを用いて準備されることである。 毎回新たに調製しなければならない蛋白質含有液が必要な他の方法と異なり、比較的乾燥した形態である固定蛋白質は非常に長い時間にわたり安定であり、凍結が不要な場合も多い。 【0033】作製されるマイクロアレイの各成分をファイバ内/表面上に別個に調製できることにより、アレイに組み入れる前に、各成分の定量を行い、各成分の機能性あるいは反応性を評価することができる。 スポッティング技術でもin situ合成技術でも、アレイ作製前に試験を行うことはできない上、品質管理検査でもマイクロアレイの少量部分のみしかサンプルすることができない。 これは各ファイバを試験することのできる本発明と異なる点である。 【0034】本発明のさまざまな態様を図1〜図7に例示する。 一般原理を図1に示す。 ロッドあるいはチューブ1に対象物質が組入れられている。 このロッドあるいはチューブを平坦で平行なアレイ2として接合し、その後、複数の平坦なアレイを、複数の平行な束3として接合することができる。 別の方法として、束3を一連のロッド1から1つのステップで作製してもよい。 束3の端部を切削あるいは薄切りすると、束全体に含まれる各ロッドあるいはチューブの薄い切片5を含む最終的なアレイ4を得ることができる。 長い束3を作製し、極薄い切片4を切削することにより、同じアレイあるいはチップを大量に作製することができる。 例えば、束3の長さが1mであり、領域の厚さを10ミクロンとする場合、1
    00,000枚の同じチップを作製することが可能である。 【0035】チャネルプレートなどの中空ガラスファイバの場合、この中空ファイバを、固定化された反応物を含むゲルあるいは粒子で充填し、その束全体をアレイに切削する。 このように薄切りされる束を構成するロッドあるいは細管は少なくとも8つの種類に分類し、それぞれをさらに細分化することができる。 【0036】第1の種類は、固定化した結合成分をロッドあるいはフィラメントの組成物の一部とした固形ロッドあるいはフィラメントである。 本発明における対象物質は、非常に広範囲にわたる化学物質、錯体、組織、生体セルあるいはその分画を含む可能性がある。 有機溶媒内における溶解性を高めるために界面活性剤で変性あるいはコーティングすることのできる核酸、糖および蛋白質や、広範囲の有機化合物をプラスチックの製造等に用いられる重合混合物内に組み入れることができる。 オリゴヌクレオチドおよび核酸は塩化メチレン内で溶解するため、例えば、重合時にアクリル樹脂内に含有することができる。 【0037】数多くの重合包埋剤が組織学および組織化学的研究上開発されてきた。 その数例を、組成、硬化温度、使用溶剤および粘性に関するデータとともに表1に掲載する。 【0038】 【表1】

    固形ファイバを飽和させる他の方法の例として、超電力を利用して固形ファイバのマトリクスにより対象物質を集結させることが挙げられる。 ファイバの第2の種類は均質ではなく、重合あるいはゲル化材料に、フィラメント、分岐要素などの固形構造体要素を含有してそのゲルをさらに強化し、対象物質に対する吸着部位を設けることができる。 したがって、添加する成分はゲルを強化する作用をし、デンドリマー分岐ポリ核酸、分岐あるいは架橋ポリマー材料、金属あるいはガラス繊維など、含有物に対する吸着部位を設けることができる。 形状が糸、


    ヤーン状およびブラシ状である構造体要素をファイバに成形して強度を高め、ファイバの取扱あるいは乾燥をさらに容易にしてもよい。 この構造体要素を所望の結合成分に対するファイバ内の固定化成分として作用させてもよい。 【0039】したがって本発明において現在利用可能な押出加工技術を利用して、異種対象物質をそれぞれ含むアクリル製あるいは他のプラスチック製の長いファイバを作製することは技術的に実現可能である。 また、このファイバの切削端部を希釈溶剤で短時間処理して活性基を露出させることができる。 ファイバの第3の種類には、押出あるいは成形プラスチックが含まれ、これに、


    第2の相が含まれる。 この第2の相は、例えば、炭化水素、水性あるいはフルオロカーボンミクロ液滴、糖あるいは他の水性材料の粒子、あるいは、希薄酸に溶解して活性基を出現させることのできる炭酸カルシウム粒子などの無機粒子の形態でもよい。 チップの切削表面を短時間溶剤に曝露すると、この含有物の幾つかが溶解し、対象物質を含んでいる支持プラスチックの表面積を拡大することができる。 【0040】蛋白質あるいは核酸を吸着するポリスチレンラテックスあるいはこれ以外のプラスチック粒子を組入れた固形プラスチックも調製可能である。 支持プラスチックを数ミクロンの深さまで侵食して活性サブ粒子表面を出現させるが、支持プラスチックラテックスビーズは溶解しないように条件を整えることができる。 例えば、フッ素化された基を伴って誘導された蛋白質は、T


    eflon(登録商標)微小粒子に強力に付着する。 例えば、アクリル樹脂プラスチックあるいはこれ以外の適した包埋媒体内に含まれるこのような誘導Teflon


    (登録商標)粒子を、塩化メチレンおよびエチルアルコールなどからなる希薄アクリル溶剤によりプラスチック表面に部分的に露出させることができる。 別の方法として、粒子を多孔質マトリクス内に包埋してもよい。 【0041】対象物質を吸着するビーズを、クロマトグラフィに用いるSephadex、Biogelsその他などの多孔質ゲルビーズにしても、クロマトグラフィに用いる例などの固体ビーズにしてもよい。 支持構造体を誘導し、これにポリペプチド、蛋白質、核酸、ポリヌクレオチド、糖、多糖および小型分子を吸着させる方法はこれまでさまざまな種類が開発されてきており、これらは当業者に周知である。 図2に示す細管の構造において、細管6は、粒子9を支持するゲル8を含有したチューブ7からなる。 この細管の端面図10および拡大図1


    1に示すように、切削した端部に粒子12が露出している。 領域13をさらに拡大した14には、露出した粒子12の表面に固定化された反応物15があることを示している。 【0042】記載しているロッドのすべての中央にひもあるいは糸を配置して一緒に成形することにより、ロッドの強度を高め、その取扱いを容易にすることができることに留意されたい。 ファイバの第4の種類は、ガラスあるいはプラスチック製ビーズを焼結して、質量に対する表面の比率が高い多孔質材料を形成することにより作製する。 こうした材料は従来、ガラス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(Teflon(登録商標))、Teflon(登録商標)AF、ポリエチレン、ポリプロピレンにより製造され、ポリスチレンから、またこれ以外にもさまざまなプラスチックから製造することが可能である。 熱、圧力あるいは溶剤蒸気への曝露によりプラスチックを焼結することができる。 こうして焼結した材料をシートあるいは切削ロッドに誘導することができる。 対象物質をそこに結合させる見地から、ポリスチレンが好適である。 ポリスチレンの誘導については、蛋白質をそのアミノ基、カルボキシル基あるいはスルフヒドリル基により吸着させる方法がこれまで記載されている。 他のプラスチックを接着する基を生成する有機溶剤内の金属ナトリウム溶液を用いるとTef


    lon(登録商標)を活性化させることができ、これにより誘導することができる。 ポリエチレンおよびポリスチレンの活性化はコロナプラズマ放電あるいは電子ビーム放射線により行うことができる。 ポリスチレンおよびポリエチレンの焼結複合材料を生成することが有利な手法である。 ナイロンビーズを焼結および誘導することも可能である。 他にもすでに周知あるいは現在開発中の焼結材料があり、その多くを本発明に適用することができると考えられる。 【0043】対象分子の固体材料への付着は、焼結前あるいは焼結後のどちらに行ってもよい。 リガンドの付着に関しては、付着させる物質を含むチューブ内にロッドを吸引するか、あるいはロッドを帯状回転子を備える一般形状の中空ボール式遠心分離機回転子(Anders


    on,N. G. 著、Natl. Cancer Ins


    t. 、Monograph No. 21を参照されたい)内部に巻入れることができるが、この場合遠心力により排液される可能性がある。 そこで、付着物質の溶液をまず焼結物内に遠心分離した後、ここから取出し、必要に応じて洗浄する。 焼結したロッドを乾燥させ、適した接着剤でコーティングし、束に組み合わせて薄切りすることができる。 【0044】別の方法として、対象物質および物体を吸着したビーズを圧力下で押出してロッドを形成し、これを一緒に焼結してもよい。 組み合わせたチューブをさまざまなセメントあるいは重合可能プラスチックで一まとめに保持することができる。 このチューブの外側を改質あるいは処理して、セメントあるいは重合可能プラスチックが接着できるようにしてもよい。 【0045】ファイバの第5の種類は、ポリエチレン、


    ポリプロピレン、Teflon(登録商標)あるいはポリ塩化ビニルなど、これらに限定しないプラスチックから通常形成される中空不透過性細管からなり、対象物質が直接付着されたゲルあるいはこれ以外の重合材料で完全に充填されたものである。 チューブの外面を化学的あるいは物理的に改質して、チューブを束にまとめて結合する接着剤を受容させることができる。 その内面も、チューブ内に導入されるゲルあるいは重合混合物が好ましくは共有結合により接着するように、改質することができる。 アクリルアミド誘導体を壁部に架橋してアクリルアミドゲルを接着させつつ、ゼラチン、寒天あるいはアガロース誘導体を吸着して同じように各ゲルに架橋させることができる。 蛋白質および核酸などの対象物質の線状アクリルアミド、ゼラチンおよびアガロースへの架橋方法は周知であり、誘導分子を、成形に用いるゲル内に組入れることができる。 アクリルアミドを、室温にて化学的にあるいは光活性化を利用してゲルにすることができるが、低温にてゲル化するSepharoseも利用可能である。 ゼラチンの形成は、室温を下回る温度にてゆっくり起こる。 チューブの充填に利用するポリマーは通常均質であるが、対象物質を含有する場合もあり、この物質は重合媒体に付着する。 例として、短いアクリルアミド鎖に対する蛋白質の共有結合があり、これがアクリルアミドゲルに組入られて蛋白質はゼラチンに共有結合する。 したがって、変性温度に曝露せずとも、変動性生体分子を含むゲルを得ることができる、あるいは生成することができる。 こうしたチューブの構造を図3に例示する。 チューブ16は架橋したゲル17で充填されており、このゲルには対象物質18が付着している。 薄切りされたチューブの側面図19および端面図20により、固定化物質21が利用可能であることがわかる。 【0046】中空ファイバを用いて作製するアレイの場合、アレイの組み合わせ前に、ファイバ内部を、共有結合あるいは適したポリマーコーティングにより、あるいはゲル内にて生体分子でコーティングすることができる。 全部ではないにしても大半の水酸基がポリイソシアネート基を担持するオキシエチレン系ジオールあるいはポリオールなどのイソシアネートポリマーが適切である。 こうしたポリマーにはポリ尿素/ウレタンポリマーを含むものがある。 このポリマーは良好に水和するため、ヒドロゲルとして分類することができる。 適した開始材料の例として、グリセロール、トリメチルプロパンおよびトリエタノールアミンなどのトリオール、テトラオールおよびポリエチレングリコールが挙げられる。 適したポリイシアネートの例として、ジイソシアネートなどが挙げられる。 ポリイソシアネートは芳香族、脂肪族あるいは脂環式のいずれでもよい(Braatz他に付与された米国特許第5,169,720号およびBra


    atz,J. 著、Biomaterials Appl


    ications 9:71〜96頁(1994


    年))。 別の方法として、束にまとめたアレイを、各中空ファイバが、薄切りされる前に、ゲルとなる溶液内のバイオポリマーで充填されるように配置することもできる。 【0047】第6の種類のファイバあるいはチューブには、対象分子を内面に付着させているか、そうでなければ空であか、あるいは空にさている中身のない不浸透性チューブが含まれる。 図4に例示するように、薄切りされたチップ22には、支持プラスチック24内に包埋された薄切りプラスチックチューブ23が含まれている。


    このチューブの内壁には対象物質25が吸着されており、中央部分26は開口した状態である。 この結果得られるもの27には、断面図からわかるように、薄切りされたプラスチックチューブ23と、固定化された物質2


    5と、これらにより形成された開口穴26とが含まれ、


    これらすべてが互いに支持材料24により保持されている。 このチップを超微量滴定量プレートと見なして、固定化された親和力リガンド技術などに基づくフロースルー分析(Hermanson他著、Immobiliz


    ed Affinity Ligand Techni


    ques, Academic Press、1992


    年、407頁)に、固定化されたオリゴヌクレオチドの複製連鎖反応(PCR)による増幅に、あるいは、例えば米国特許第5,843,767号に記載されているように、この規模で実現し得る他の検出反応などに利用することができる。 チューブを、内面あるいは外面が親水性となるように処理したTeflon(登録商標)で製造した場合にも、その切削端部は疎水性のままである。 このチップ表面全体に親水性試験溶液を広げた場合にも、


    自動制御容量によりこの溶液が穴の中に流動する傾向にあるため、流体の全体量を適切に調節していれば、隣接するセルに影響を及ぼすことは少なくなる。 次いで、この上面および下面を適した接着剤テープで密閉し、この全体に、例えばDNA複製連鎖反応増幅に向けた反応を起こさせる。 別の方法として、図4に示すチップ33の挟持構造32では、ガラスあるいは石英などの材料34


    の二片を用いてチューブの端部を密閉し、マイクロチャンバ35を形成することができる。 この透明な端部の窓を介して、蛍光あるいは光学吸収度における変化36を各環状構成要素について検出することができる。 その反応を比色計あるいは蛍光計により測定する。 【0048】マイクロアレイ内部あるいはマイクロアレイの作成に用いる中空ファイバ内部では、上記以外のさまざまな反応を発生させることができる。 例えば、ポリペプチド、多糖あるいはポリヌクレオチドをその場で合成する、かつ/またはエステル、アミド、カルボキシレートなどの組み合わせ小型分子のライブラリを調製することができる。 PCRなどの同じ反応を、ファイバがその反応物に対して十分に浸透性であれば、固形ファイバなど他種類のファイバのいずれで行ってもよい。 【0049】中空マイクロアレイの場合、対象物質をその内部あるいは表面上に固定化しなくともよい。 このような場合、それ自体は市販製品である非常に小型のマルチウェルプレートを用意する。 固定化の有無にかかわらず、生体セルを「空」の中空ファイバ内に配置することにより、このマイクロアレイを用いて特異物質に対する細胞反応を特定することができる。 基質あるいは試薬をその生体セルと同時に固定化して、特異分析物との接触あるいは相互作用させた際に検出可能な生成物の生成を刺激してもよい。 【0050】マイクロアレイの形成のために切削する前にファイバの内部に分子あるいは生体成分を投入するのが通常の手法であるが、本発明の一実施態様では、分子あるいは生体セルを、マイクロアレイの形成後に中空ファイバ内に投入する。 1例として、希薄懸濁液をマイクロアレイに添加することにより、生体セル、ウィルスあるいは他の粒子を複製するようなマイクロアレイの用途がある。 多種の対象物質をそれぞれ添加するには時間のかかる可能性があるが、許容できる範囲である。 隣接するアレイセル内にこぼれて流入する量をうまく利用するために、対象物質で「充填」された各アレイセルの間に1列以上のセルを空のまま残しておいてもよい。 【0051】上述した小型チューブの内面を化学的に改質して、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖あるいは他の分子を直接あるいはリンカーを介して付着させることができる。 分子を付着させることにより、チューブ内部の反応部位数を増加することができる。 DNAおよびRNAは従来小型ポリスチレンビーズ上で合成され、


    核酸を得る最も直接的な手法は、さまざまなシーケンスを付着させたさまざまなビーズ群を用いて小型ポリスチレンビーズ上でオリゴヌクレオチドを合成し、小型のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンあるいは他のプラスチック、金属あるいはセラミック製チューブをビーズで充填し、これを固めてチューブを完全に充填することである。 このビーズを一定位置に保持し、注意深くこれを加熱して焼結することができる。 あるいは残存性ラテックスをチューブに添加して、チューブ内に空気を注入することにより一定位置で乾燥させる。 【0052】第7の種類のチューブあるいはファイバには、透過性壁部を具備した細管が含まれる。 腎臓透析機械での利用および分子量の分留を目的とした中空で選択的に透過性であるファイバの製造方法および手順が開発されており(米国特許第4,289,623号および同第3,976,576号)、現在では広範に利用されている。 このファイバを、固体で薄切りすることのできるプラスチック内に包埋する方法も開発されており、透析器端部にてファイバを細管に付着させるために利用されている。 【0053】本発明では透過性中空ファイバを2通りで使用可能である。 第1の方法として、ファイバを、すでにプラスチック内に包埋されている反応物担持ゲルで充填する。 このファイバを成形部分内に注意深く広げることにより、各チューブを上述したように選択的に充填することができる。 この手法では、小型アレイを迅速に形成できるという利点や、別個の中空ファイバを形成するステップ、これを反応物で充填するステップ、これをアレイに配列するステップ、およびこれを支持プラスチックで浸潤させるために必要なステップすべてを行わなくとも新たなアッセイを展開できることという利点が得られる。 【0054】第2の使用方法では、プラスチック内に包埋する前に中空ファイバを充填する必要がある。 浸透性チューブの壁部浸透率を制御する技術がこれまでに開発されている。 これにより、ゲル化する際のモノマーおよびゲル化剤の流入および流出量を調節することができ、


    ゲル化後に透過性物質を除去することができる。 例えば、アクリルアミドおよびビスアクリルアミドをリボフラビンの存在下にて紫外線光で架橋させることによりアクリルアミドゲルを生成することができる。 特定の結合成分が感熱性であるか、あるいは他の化学物質に反応しやすい場合に、この技術が好適である。 引き続き行う蛍光測定に干渉する可能性のある触媒を、重合後、細管の壁部を介して透析することにより除去することができる。 【0055】イソシアネート含有プレポリマーが、もう1つのゲル化材料であり、これは、水との接触により重合し、重合の副生成物として二酸化炭素のみを生成する。 この結合成分をまず固相(1種類あるいは複数種類)上に組み入れるか、あるいは別の方法でファイバ上に配置した後、これを重合かつ/または乾燥させて、ゲルの水和に利用する結合成分を組み入れる。 【0056】透過性支持細管を利用すると、チューブ内のゲルに、反応物をより安定にでき、ゲルの物性強度を高め、薄切りを可能にする物質を浸透させることができる。 例えば、ラクトースなどの糖、トレハロース、グリセロール、フラクトースおよび他の多価アルコールを投入して蛋白質を安定化させ、ゲルに固形分を添加して薄切りを容易にすることができる。 この添加剤を、包埋されている反応基を利用できるようにチップを使用する際に、チップの露出面から部分的に除去してもよい。 ゲル内に拡散する添加剤も、強度の増強および乾燥後のゲル量増加に利用してよい。 【0057】また、リガンドあるいは受容体を含む粒子をファイバ内に包埋する場合、包埋媒体を溶解性あるいは溶融性にして、マイクロアレイの形成後に除去できるようにしてもよい。 包埋媒体を除去すると、結合用に粒子上により多くの活性部位を露出させることができる。


    このような応用は、粒子が実際に、図3に示した架橋ポリマー(17)と同様にリガンドあるいは受容体を固定化して含むマイクロフィラメントのマイクロファイバあるいはマイクロブラシである場合に適している。 【0058】チューブをゲルおよび試薬で充填した後、


    チューブの外側を清浄にし、透過性支持プラスチックの接着力を強化するために試薬で処理してもよい。 続いてこれを束にして、薄切りするための製造物を作製する。


    第8の種類のチューブあるいはファイバには、大型ブロックから、好ましくはディスクから劈開することにより合成したものが含まれる。 まず対象分子を含むファイバ材料をディスクとして成形した後、ディスクを回転させてその円周から長いファイバを剥離する。 この技術は本質的に、回転する丸太からベニアを製造する技術を小規模にしたものと同じである。 この技術には、長く薄いファイバに対して幾つかの具体的な空間上および取扱い上の利点がある。 ディスクにすれば、凍結、緩衝剤内への浸漬、暗所などの特定条件下でその活性成分を維持する必要がある場合には特に、より容易に保管することができる。 【0059】アレイあるいは平行なファイバを互いに装着させるには多くの技術がある。 好適な1方法は蒸着焼結である。 蒸気、多くの場合高温溶剤であるが、これをアレイと特定の時間の間相互作用させた後、排気して除去する。 加熱焼結では、アレイの側面を圧縮するように配置して、アレイをそのプラスチックの軟化点まで加熱する。 もう1つの手段は、ガリウムなどの融点の低い金属を利用することである。 低融点は、結合成分の生理学的温度における、あるいはその前後の温度をいう。 【0060】生体分子を反応形態に維持するさまざまな組織学的包埋媒体がこれまでに開発されている。 例えば、Durcupan、NanoplastおよびQu


    etrol 651は、非常にゆっくりした加熱により硬化可能であり、JB−4およびImmunobedは室温で重合可能であり、水性アクリルポリマー、Lon


    don Resin GoldおよびLowicryl


    は凍結点以下にて紫外線光により重合可能である(以上すべてPolysciences Inc.から入手可能)。 従来の包埋媒体では溶剤やワックスを利用するため、分析前にはこのワックスを少なくとも部分的に除去しなくてはならない。 【0061】このように、特異な生体分子を識別および局在させる包埋および薄切り方法が利用可能である。 核酸の場合、特異な核酸標的を、例えば、in situ


    ハイブリダイゼーションおよび、複製連鎖反応(PC


    R)およびこれ以外の核酸増幅技術(LCR、RCA、


    SDAなど)による特異シーケンスの増幅により、検出することができる。 【0062】包埋する方法は、生体セル内における結合成分に所望する特性あるいは複数の特性を維持するものとする。 したがって、抗体がセル内に固定化されており、抗体に対する抗原の結合特異性を所望する場合には、その固定化方法は、抗体の抗原結合性能を保持するものとなる。 ファイバ同志を装着してアレイを形成する方法および手段も、この抗体の抗原結合性能を保持するものである。 【0063】同様に、ホルモン受容体に対する結合分子候補がセルに含まれている場合、その固定化および吸着方法および手段は、その候補分子の形状を維持してホルモン受容体が識別および結合できるようにするものとする。 さらに、免疫試薬を用いて数多くの蛋白質あるいは炭水化物抗原を検出することができる。 この検出は一般に、蛍光染料を分析物あるいはサンドイッチアッセイの第2の層内に組入れることにより、あるいは、蛍光性となる可能性のある不溶性染料を生成する酵素を分析物あるいはサンドイッチアッセイの第2あるいは第3の層に結合させることにより行う。 【0064】固相表面によっては、反応物の固定化に直接利用できるものもあるが、その他の表面は改質して添加可能な状態にしなければならない。 抗体は清浄なポリスチレン表面に接着し、多くの蛋白質も同じである(V


    an Oss,C. J. およびSinger,J. M.


    著「The binding of immunegl


    obuins and other proteins


    by polystyrene latex par


    ticles」、J. Reticuloendothe


    lial Society 3:29040、1966


    年)。 これまでは、マイクロタイタプレートあるいはビーズの形態であるポリスチレンを変性して、ポリヌクレオチド、ポリペプチドおよび多糖などの生体分子を結合できるようにしてきた。 ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含むパーフルオロカーボン(Teflo


    n(登録商標)として周知のフルオロカーボンポリマーなど)、ポリビニルフルオリド、ポリビニリデンジフルオリド製表面には、蛋白質あるいは他の生体分子が結合する(米国特許第5,270,193号)。 このような表面には、表面を親水性に、または正あるいは負に帯電した状態に変化させるフッ素化表面活性剤を含有させて製造することができる。 制御された多孔質ガラスなどのガラスを改質して、抗体、抗原、多糖、ポリヌクレオチド、核酸などを共有結合できるようにすることができる。 プラスチック表面をコロナプラズマ放電あるいは電子ビーム放射線により非特異的に改質して、これにさまざまなコーティングあるいは接着剤をコーティングして高分子を付着させることができる。 さまざまな改質を行うことにより、さらに特異的な生体分子の共有結合が可能となり、反応基がポリスチレンあるいはアクリル表面に付着する。 続いてこの基が、延出したリンカーの有無にかかわらず、緩やかな条件下にてバイオポリマーに結合する。 【0065】これまでさまざまなクロマトグラフィ媒体が、固定化されたバイオリアクタを支持するように適合させられてきた。 こうした媒体の例として、主にアクリルアミド、アガロース、Sepharoseで構成され、化学的に架橋可能な軟性ゲルビーズ、および高圧力クロマトグラフィ用に設計された圧縮性の低いビーズが挙げられる。 固定化支持体として有用な天然生成物はセルロースであり、これは粉体として容易に入手可能である。 この支持体を、バイオリアクタを共有結合させるように化学的に変性するか、あるいは結合可能な状態である変性形態として購入することができる。 【0066】長いDNAあるいはRNA分子をゲル内にて重合して固定化させることができ、これを物理的な絡み合いにより純粋に保持する。 1例が、寒天あるいはアクリルアミドゲル内にDNAを保持することである。 さらに、ポリペプチド、蛋白質、多糖あるいは核酸などの他の生体分子では、長いポリマーに互いに連鎖することにより、ゲル内に包埋した時点で拡散しなくなるため、


    この生体分子を溶解性反応物との反応に利用できる状態を保つことができる。 例として、蛋白質あるいは核酸のポリエチレングリコール(所謂ペガレーション(PEGyla


    tion))あるいは線状アクリルアミド鎖への結合が挙げられる。 【0067】対象となる受容体あるいは分子を固定化して反応物の結合に用いる方法のほかに、ある種類の反応物の固定化成分に対する一般方法がある。 例えば、A蛋白質あるいはG蛋白質を固定化した後、これを特異なイムノグロブリンの結合に用いることができる。 次にこれが特異な分析物を結合する。 さらに一般の手法は、アビジンおよびビオチンなどの他のリガンドと受容体との間の強力かつ特異な反応に関してのものである。 アビジンを固形支持体に固定化あるいはゲルに付着させて、ビオチンが互いに連鎖した抗体あるいは他の反応物の結合に用いることができる。 これにより、さまざまな反応物が容易かつ迅速に付着することのできる表面を生成することができる(Savage他著、「Avidin−Bi


    otinChemistry:A Handboo


    k. 」、Pierce Chemical Compa


    ny、1992年を参照されたい)。 【0068】これまで、固定化された対象分子と溶解性反応物との間の反応を検出するために、広範にさまざまな方法が開発されてきた。 こうした方法における相違点は主に、シグナルの生成に用いるメカニズムと、シグナル生成のために直接あるいは間接的に互いに挟み合わなければならない異種試薬の数とである。 例として、分析物に共有結合された蛍光標識を伴う蛍光(遅延蛍光を含む)、分析物に結合する溶解性染料および、分析物への結合後に蛍光量が大幅に増加する染料を含む蛍光が挙げられる。 後者は核酸の検出に利用可能である。 所謂サンドイッチアッセイなどのさらに複雑なシステムでは、検出錯体内に酵素を固定化し、溶解性基質との組み合わせにより、蛍光性となり得て好ましくは不溶性である染料を生成する。 あるいは、結合された分析物に付着した検出錯体に、多くの蛍光染料分子が付着する、分岐DNA


    などの樹状分子を含有することができる。 【0069】短い横軸方向のファイバを装着してブラシ状の形状を設けているデンタルフロスの製造方法を応用して、反応物を吸着することができる。 ストランドあるいはファイバ上の情報をコードし識別するパターンを、


    小さな線状に配置したドットの形態で用いることができる。 マルチファイバ式内視鏡アレイの開発において、アレイを点検する方法が開発されてきた。 この方法では、


    光ビームあるいはラスタ画像を、その光が各ファイバを連続して照射するようにファイバ束の一方の端部に投入し、もう一方の端部から出る発光パターンを特定する。


    パターンが同じであれば、位置の変化したファイバがないことになる。 【0070】細管を充填している液体内の気泡あるいは空隙を検知する技術が周知であり、これは、各チューブに沿って測定した際の屈折率、吸光度あるいは蛍光量における変化に依存する場合がある。 長さの短い細管の場合には遠心力を利用して粘性媒体を充填する技術が、当業者には明白である。 【0071】組織ブロックは、軟質組織から骨までにわたる試料が含まれている可能性がある上、包埋材料(蝋など)のブロック内に包埋されていることも多い。 こうした組織ブロックを薄切りにするミクロトームが市販されており、ガラスあるいはプラスチック製スライドに切片を装着し、そのスライドを自動的に処理して包埋媒体をある程度あるいはすべて除去し、体系的にスライドを一連の試薬に曝露するするさまざまな技術および設備も同様に入手可能である。 【0072】組み合わせられたチューブの束を薄い切片に切削し、薄切り後も構成要素であるチューブの配向を維持することのできるミクロトームおよび他の薄切りあるいは切削機械が周知である。 ブレードを利用して切削すると、マイクロアレイのセル間における結合成分の劣化を低減できる可能性がある。 マイクロアレイの厚さは、予想されるその使用法の要件に応じていずれでもよい。 ファイバ束の剛性がもう1つの特定要因となる場合もある。 切片の厚さは1cm未満になる場合が多い。 切片の厚さは50mm未満になる場合が多い。 以下にさらに詳細に例示するように、切片の厚さはミクロンの単位となり得る。 【0073】切片(マイクロアレイチップとして)を直接、可撓性フィルムの接着剤表面に装着しても、あるいはガラス製スライドなどの固体表面に装着してもよい。


    複数の切片(本明細書では「チップ」の代わりに「切片」を用いる)を他の切片を間に介在させながら配置し、フィルムストリップに沿って間隔をあけながら装着することも可能である。 したがって、種類の異なる1ダースあるいは1ダース以上の切片のセットをフィルムに沿って反復順序で配置し、このフィルムを切削して1セットを得ることもできる。 シーケンスの研究には、挿入DNAを増幅および標識し、大量のセットの切片に対してそのハイブリダイゼーションパターンを調べることができる。 【0074】変形不可能なファイバ束を用いることにより、この束を横切る方向に切削あるいは切取り、再度整合できると良好な同じプレートを大量に形成することができる。 これにより統一性に優れた再製可能なアレイが得られる。 マイクロアレイの位置合わせ手段として、1


    本以上のファイバに対して、容易に検出可能な異なる種類の材料を用いることにより、再整合を容易にすることができる。 【0075】大半の免疫化学アッセイあるいは競合アッセイは、分析物ではなく試薬からのシグナルに依存している。 しかしながら、錯体混合物内に脂肪族アミノ基を含む蛋白質などの抗原を蛍光標識する方法も開発されてきており、これらは複製可能であり定量可能である。 例えば、Amersham Life Sciences


    からCyDyesが市販されており、Cy2、Cy3およびCy5が特に有用である。 このような標識混合物の成分が固定化抗体のアレイと反応すると、各特異抗体が蛍光標識された分析物の1つに結合するため、特異的に結合された標識分析物がそれぞれ蛍光を発し、これを検出することができる。 この方法にさらに改良を加えるには、この結合抗体アレイを非蛍光形態である周知の各分析蛋白質の亜飽和量を含む溶液に曝露し、アレイを洗浄し、このアレイを標識蛋白質の試験混合物に曝露することにより、複数の競合アッセイを生成する。 【0076】固定化された結合パートナーを用いる従来の結合アッセイ形式であればいずれも本発明のマイクロアレイシステムと併用可能である。 簡単に言えば、マイクロアレイに複数のリガンドあるいは複数の受容体を含有し、分析物を複数のリガンドあるいは複数の受容体にすることができる。 分析物かマイクロアレイセルかのいずれかに結合する競合成分を添加してもよい。 この試料を標識化する、かつ/または競合成分を標識化する、かつ/またはマイクロアレイセルを標識化することができる。 この標識を互いに相互作用させて、検出可能なシグナルあるいは生成物を形成させる、あるいはシグナルあるいは生成物を消光させることができる。 その多様な組合わせの数は数ダースにのぼり、そのいずれも、マイクロアレイアッセイのさまざまなセルに対するさまざまな組合わせと同様、本発明に利用可能である。 【0077】特定の疾病の診断をくだすために、数種類の臨床試験が必要となることが多い。 多くの場合、この複数の試験は連続的に行われ、一連の試験の1試験あるいは1要素がその次に行うべき試験を示唆し、順番に第3の試験あるいは試験群を示唆していく。 こうした試験の中にはほとんどの場合外部に委託しなければならないものもある。 したがって、機械が読み込める形態での正確な数値結果を出す方法を利用して、一連の枝分かれした試験を同時に行うことができ、時間の経過に対しても安定であり、現在使用されている臨床分析システムに比較して小型で安価となりうる装置で読み取ることのできる安価なチップに対する要望がある。 【0078】多くの生化学的分析では、その分析処理のダイナミックレンジを広くする必要がある。 したがって、時間をかけて反応過程を特定することにより、あるいは一連の希釈物に対して複数の分析を行うことにより酵素および免疫化学アッセイを行うことが多い。 こうした分析を、発現試薬の分析物混合物に曝露している間に時間的間隔をおきながらそのマイクロアレイを「読む」


    ことにより行うことができる。 さらに、標準型とブランク(比較)とを用いる並行分析が必要であり、これらを含むものとする。 大量に作製し、標準化した安価なバイオチップにこうした要件を備える必要がある。 このバイオチップに、例えば、抗原、薬剤、核酸あるいは他の分析物を検出し測定できる異なる種類の反応物を組み入れることができる。 【0079】アレイには、生体作用特性を特定する以外にも数多くの用途がある。 化学的相互作用および反応を同様に試験することができる。 このようなアッセイでは、例えば、1種類の試験物質あるいは材料に対して異なる反応化学物質を同時に試験して、腐食、電気化学変化あるいは他の相互作用を特定することができる。 これは、化粧品、塗料、潤滑剤における例などの複数の物質の化学配合物に特に有用である。 あるいは、アレイ内の分析物と対象分子のすべてとの間で所望する相互作用について分析してもよい。 【0080】反応物の固定化にゲルを用いる際に起こる一般の問題は、ゲルに固定化した対象物質に付着する可能性のある反応物がゲル内外に拡散するのに長い時間がかかることである。 蛍光により検出を行う場合、励起光を吸収する染料をゲル内に取り込んで検出を行うため、


    その検出が表面に近い領域に限られてしまう。 この問題は、紫外線光吸収モノマー、4−メタクリルオキシ−2


    −ヒドロキシベンゾフェノン(Polyscience


    s,Inc. 製)をアクリル系包埋媒体内に取り込むことにより解決することができる。 蛍光発光前にDABS


    YLあるいはDABCYLなどの消光分子を添加して振動励起分子を受容することも有用となる可能性がある。 【0081】マイクロアレイのファイバ内における粒子の表面領域上で分析物と結合パートナーとの間の結合を強化したい場合、各ファイバの包埋マトリクスをエッチングして、マイクロアレイの各ファイバが含む粒子の表面積を拡大してもよい。 結合アッセイを行う際、分析物をマイクロアレイのセル内によりよく拡散させてリガンド/受容体結合(感度)を強化し、マイクロアレイをさらに量的に複製可能とし、マイクロアレイに光を通過させて行う場合には分光光度検出の改良が望まれる場合がある。 マイクロアレイ内への拡散を促進するために、リガンドをマイクロアレイのゲル材料内に押入れてもよい。 これを、マイクロアレイを多孔質膜上に配置し、リガンドあるいはリガンド溶液を流体力学、電気泳動あるいは機械的手段を利用してそのマイクロアレイを通過させることにより行うことができる。 例えば、膜の両側における圧力差を利用し、マイクロアレイを介して流体を流動させることもできる。 膜の裏側に単に複数のペーパータオルを重ねて置き、流体を吸い出すことにより、マイクロアレイを介して流体を引き抜くこともできる。 電気泳動手段では、マイクロアレイ全体にわたりあるいはマイクロアレイの1セルあるいはセルグループの両側に配置した1地点式電極を用いて電位を印加する。 機械的手段としてさまざまな形状のポンプを用いて圧力差を設けることにより、マイクロアレイを介して流体を機械的に押出すあるいは引き抜くことができる。 【0082】多孔質膜を利用すると、マイクロアレイの洗浄時にバックグラウンドを低下させることができるという具体的な利点も得られる。 ファイバ内に多孔質粒子あるいは糸状構成要素を包埋する場合、その多孔質粒子あるいは糸状構成要素を横切る方向に薄切りすると、得られる構造の多孔度がさらに上昇し、試薬の接触面積も洗浄面積も拡大できる可能性がある。 包埋媒体あるいは毛細管をエッチングしても、多孔率を高め、対象固定化分子への曝露面積を拡大することができる。 【0083】多孔質粒子を、好ましくは2回、薄切りすると、より太いチャネルが形成されて、より多くの流体を含有できる通路を設けることができる。 切断された粒子を含むファイバを、透過性膜支持体の上、あるいは固体基部支持体内の穴の上に搭載することができる。 こうすることにより、流体はマイクロアレイのセルを通過できる。 【0084】本発明を用いることにより、固相上の各セルにそれぞれスポッティングする、あるいは各セルに化合物を形成する難点を回避することができる。 前者の方法では、必ず人の関与および装置が必要であり、少量の液体を定量測定できなければならない。 後者の技術では、固相上で合成できる化合物の種類には限りがある。


    これら双方の従来技術は費用もかかり、各アレイをそれぞれ作製するには複雑で自動化された装置あるいは時間のかかる作業が必要である。 これに対して、「バッチ」


    が数千から数百万個のマイクロアレイとなる本発明は、


    技術的に単純かつ迅速である。 各マイクロアレイに必要となる個々の作業は切削するステップのみである。 【0085】保管されていた複数セットの試薬から、あるいは異なる反応シーケンスあるいは化合物を基部チップ上で合成することにより調製するマイクロアレイには、品質管理に難しい問題がある。 大型アレイでは、最終形態における試薬を利用前にそれぞれ別々に分析することができない。 その上、アレイのセットを製造し終わるまで、その場で合成されたシーケンスの正確性を確認することができない。 エラーあるいは標準を満たしていない成分がアレイのバッチ内に見つかれば、アレイ全部を処分しなければならない。 こうした問題が、「バイオチップ」を普段の臨床研究に利用することに対する制約となっている。 【0086】固定化された蛋白質および核酸が、溶液内よりも、特に乾燥状態にあると安定であることは周知である。 本発明における対象物質には、非常に広範な化学物質、錯体、生体セルあるいはこれらの分画を含むことができる。 核酸、多くの蛋白質および、ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤で変性あるいはコーティングされた蛋白質は有機溶媒および広範囲の有機化合物に溶解するため、プラスチックの製造に用いられる例などの重合混合物内に組み入れることができる。


    したがって、本発明の実施に当たり、現在利用されている押出加工技術を用いて異なる対象物質を含むアクリルあるいはこれ以外のプラスチック製の長いファイバを作製することが技術的に実施可能である。 【0087】ファイバへの固定、束にまとめること、薄切りおよびマイクロアレイの形成を行うことにより、多数の異種で、潜在的新規性を有する活性化合物を同時にスクリーニングすることができる。 植物エキスなど、分離後のピーク分画を同時に収集してマイクロアレイの形成に利用することができる。 次に、このマイクロアレイを同時に大量のアッセイシステムに利用することにより、劇的に時間および労力を削減しながら、目的如何にかかわらず含有されている化合物すべてをスクリーニングすることができる。 【0088】多数の蛋白質あるいはペプチドを大量生産技術により生成すると特に好ましい。 天然源からの分離技術で得たさまざまな分画では、多くの異種蛋白質およびペプチドを含むソースとなる。 多種化合物の混合物を分離する数多くの分画処理が周知である。 異なる種類の分画あるいは特定組成物を用いて1本のファイバを形成することができる。 血清およびこれ以外の組織や天然源からの二次元電気泳動ゲルでは、ゲル上に数千もの異種蛋白質が分離生成される。 各蛋白質を個々にゲルから取出し(切断、溶離などにより)、これを対象分子として利用して1本のファイバを形成することができる。 このような方法では、異なる束では元である試料も異なるため、異種試料間における蛋白質の違いを容易に比較することが可能である。 【0089】固定化された高分子が抗体である場合、このマイクロアレイを用いて、蛋白質に基づくさまざまな異常を診断することができる。 対象蛋白質に対する標識した第2の抗体を用いて、セルをさらに強調表示させてもよい。 さらに、アレイを用いて、予め染色されているか、固定化した後に染色するかのいずれかである病原菌を固定化することもできる。 このように、血清あるいは結晶などの生体試料からの微生物は純化され、TOTO


    −1あるいはYOPRO−1などの蛍光核酸染色で染色された後、アレイ上で組合わせ抗体を発見することができる。 次に、その結合分析物を、蛍光をスキャンして検出し、その位置から同定することができる。 【0090】微生物あるいはこれ以外の対象分子を固定化し、この固定化試薬を用いて、個体から得た流体から抗体を局在させ、その位置を蛍光型抗ヒト抗体により発見することにより、もともと抗体の生成を誘発した疾病を診断することも同じように本発明の一部である。 これまでは、特異遺伝子からの挿入物を含むファージディスプレイを用いるか、合成オリゴヌクレオチドを用いるか、あるいは、ディスプレイ抗原あるいは抗体をある程度まで用いてアレイを作製してきた。 本願では、各ディスプレイファージを1本のファイバ作成に用いる場合、


    ペプチドあるいは抗体ディスプレイファージの個体群を用いてもよい。 このような構造では、ファージが大きいため、各表面分子の一部がゲルあるいはプラスチックに包埋されたままであり、残りの部分が露出することになる。 対象分子をこのファイバ自体に結合してマトリクス内部に封入しても、または、固相粒子あるいはファイバ内部あるいは表面上の微小構造に結合してもよい。 ファージ、組換え細菌あるいは他の錯体生体構造物も固定可能であり、所望に応じて、含有蛋白質をグルタルアルデヒドあるいは同様の固定材料で架橋する。 【0091】各ファイバに対象分子の混合物を含有することができる。 例えば、化学合成時に、数多くの異性体が調製される。 場合によってはファイバの形成前にこの異性体を分離せずにおくと便宜がよい。 同様に、混合物を分断する場合、全体かつ完全な単離は難しく時間もかかるため、受容体の混合物を含むファイバを形成してもよい場合がある。 【0092】ファイバの集合体を用いる、あるいはこの他例えば、ファイバを形成するマトリクス内に粒子を包埋する実施態様では、ファイバの相対的な位置をその束の長手方向において維持する材料充填を用いると望ましい場合がある。 さまざまな膠および接着剤が従来技術において周知である。 例えば、油脂成分を含む充填組成物は、600以上の比較的高い分子量の脂肪族炭化水素であり、無機成分およびブロックコポリマーは材料を濃密化するがその粘性を低下させる。 酸化防止剤、老化防止剤も含有可能である。 例えば米国特許第5,187,7


    63号を参照されたい。 【0093】充填材料として、ファイバの位置合わせした状態を維持し、切削可能であり、マイクロアレイに施されるその後の処理を干渉しないものを選択する。 例えば、使用可能な他の例としてポリアクリルアミドなどの重合性材料が挙げられる。 ファイバに対する包埋マトリクスは、色が黒くても不透明でも、あるいはこれ以外にも、標識の発光シグナルを吸収してセルとチップとの間のクロストークを削減できればいずれでもよい。 さらに、ファイバとファイバとの間の接着剤に同じ吸収材料を含有してマイクロアレイのセル間のバックグラウンドを低減してもよい。 任意に、この材料の特定層をファイバとファイバとの間に配置してから束を形成してもよい。 中空ファイバを使用する場合、不透明材料をこの中空ファイバ外殻自体の内部に組み入れてもよい。 【0094】アレイには、さまざまなセルに抗原/抗体などのセット全体を比較例とともに備えて、献血を輸血する前に一般の血液を媒介とする疾病に対する血液試料のスクリーニングを行うことができる。 同様に、特定の症状には数多くの一般原因があり、アレイを用いるとこれらを同時にスクリーニングできる可能性がある。 例えば、尿路感染症は一般的であり、これは、さまざまな抗生物質に対する感受性がさまざまである数多くの種類の細菌によって引き起こされる。 多種類の要因に対して同時に試験を行うことができれば、かなりの時間と費用が節約される。 【0095】本発明によるチップの使用過程において、


    さまざまな周知の技術および材料を用いて非特異的反応を低減する。 したがって、従来技術で周知のように、蛋白質によるアッセイの場合、ファイバあるいはフィラメントの物質、包埋材料および対象結合成分以外の本質的にすべてによるチップ上の非特異部位を、アルブミンあるいは乳などのブロッキング剤に反応させて、このブロッキング剤を、リガンド、分析物、レポータ分子あるいは結合成分に特異結合するすべてと反応し得る結合成分を含有しない領域に結合させる。 【0096】アレイに異なるファイバで製造した2つ以上の同じセルがあってもよいが、こうしたセルには同じ結合剤を含有させるものとする。 こうすることにより、


    このアレイでは固有の品質保証確認を行うことができる。 さらに、セルによっては、分析物の定量測定用に異なる濃度の結合成分を備えると好ましい場合がある。 これにより、このマイクロアレイでは品質面での検出と量面での検出とに対する固有の標準を設けることができる。 例えば、一連のセルに濃度の異なる抗生物質を含有させることができる。 試料微生物をこのセルに接触させてインキュベートした場合に、1つのセルでは増殖が見れらず、別のセルでは増殖されれば、およその最小発育阻止濃度がわかる。 トリパンブルーあるいはフルオレセインアセテートなどの活性染料で染色して同じことを行うと、最小殺菌濃度を特定することができる。 マイクロアレイには数千ものセルを設けられる可能性があるため、さまざまな抗生物質に対する抗生物質感受性を同時に特定することができる。 ゲル内で固定化されているリガンドあるいは受容体との他の生物学的活性を質量的に特定することも可能である。 【0097】同じマイクロアレイにおいて本質的に同じファイバを複数回使用することができる。 こうすることにより、固有の品質管理点検が可能となり、結合アッセイの結果をより確かなものとすることができる。 精度を高めるように結合アッセイを行えば、さらなる定量測定が可能となる。 空のファイバ、対象分子を結合させていないファイバは有用な負の比較対照となるため、あらゆるマイクロアレイで利用しなければならない。 【0098】長いフィラメント、毛細管あるいは同軸二部材料フィラメントを平行に配置し、これを焼結あるいは接着剤により接合して束を形成する。 この束は好ましくは変形に対して耐性があり、各ストランドあるいは毛細管は一方の端部からもう一方の端部まで連続したものである。 ファイバあるいは毛細管の位置構成は束全体にわたり不変としなければならない。 同軸形成で2種類の材料からなるフィラメントを使用してもよい。 このコア材料は、溶解し得る1種類の材料で形成し、かつ、被覆材が同じ溶解条件において耐性である材料で形成する。


    例えば、強アルカリにより特定種類のガラスは溶解するが、それ以外のガラスは溶解しない材料である。 含有される材料に依存して、この溶解ステップを薄切りステップの前に、あるいは好ましくは後に行うことができる。 【0099】別の方法として、被覆材を溶解性とし、耐性のあるコア部分を、裏打ちシートに装着したマイクロアレイ上に「島」として隔離してもよい。 いずれの場合も、溶解ステップで形成された空間を、空のままとするか、あるいは異なる材で充填することができる。 一部を溶解させて多孔質材料を得ることも本発明の範囲内である。 多孔質材料では表面積が拡大されるため、結合アレイには特に望ましい。 【0100】粒子、特に多孔質ビーズを「化学的に焼結」してフィラメント、シート、あるいは毛細管内部を形成してもよい。 この技術を利用して、異なるファイバを互いに接着してもよい。 こうした1つの方法ではまず、対象分子を粒子に結合する。 ブロッキング剤を添加して、粒子上のその他の反応部位あるいは吸着領域をブロックしてよい。 まだ充填していなければ、ビーズをチューブあるいは中空ファイバ内に詰める。 次に、ブロッキング剤および/または対象分子および/またはビーズ上の非反応部位と架橋あるいは連結する化学反応化合物を添加すると、ビーズと接触した部分で化学的接着が起こる。 このチューブあるいは中空ファイバをそのままでも、あるいは除去してもよい。 ビーズ内部の孔内にある対象分子は接触しないため、大幅に変化することはない。 別の方法として、ビーズ床と床との間の空間を疎水性接着剤あるいは硬化性液体で充填しながら、ビーズの孔を親水性溶液で充填して毛管作用によりこれを保持してもよい。 【0101】化学的焼結の代表例が、多孔質ビーズ上にG蛋白質を吸着した後、ゼラチンのブロッキング剤を添加することである。 得られたビーズを1mmプラスチックチューブ内に充填し、カルボジイミドなどの蛋白質架橋剤を添加する。 反応の完了後、非反応試薬を洗浄してすべて洗い流し、これに、適した対象抗体を添加してG


    蛋白質に結合することにより、束ねた後に劈開してマイクロアレイを製造するのに適したファイバを形成する。 【0102】別の方法として、粒子表面をまずビオチン化し、アビジンを架橋剤として用いることができる。 G


    蛋白質をビーズに吸着させる代わりにアビジン標識抗体を用いてもよい。 もう1つの方法は、比較的大きな多孔質ビーズと、ビーズとビーズとの間の空間を充填する接着剤あるいは包埋媒体とを用いることである。 このファイバを薄切りする場合、ビーズを劈開できるほどに大きなものにしてビーズ内部を開き、結合している対象分子を露出させる。 中に被包されている対象分子がビーズの劈開時に露出するため、多孔質ビーズの代わりに、中空ビーズあるいはマイクロバルーンを用いてもよい。 この概念は、組織あるいは包埋セルを薄切りして、細胞内構造を曝露し、見えるようにすることと同じである。 【0103】さらに、異なる2種類のビーズのセットを用いてもよい。 第1のセットは多孔質で、受容体/受容体結合物質を結合して具備しており、第2のセットは高反応材料でコーティングされているか、または、第1のセットのビーズあるいはそのコーティングに結合する反応基で改質されている。 チューブをまず、乾燥形態の双方のビーズで充填し、このチューブを振った後、流体を注入して反応させることにより、ビーズによる固体ファイバを形成する。 あるいは、第1のセットのビーズが極めて大きな場合、このビーズをまず充填してから(流体の有無にかかわらず)第2のセットを添加して、このビーズを大きなビーズ間の空間内を通過させ、それに応じて反応させる。 ビーズ間の反応は、特異結合部分によるものでも、あるいは、ビーズを架橋して薄切りにできる固体を形成する非特異結合反応によるものでもよい。 第2のビーズを黒くして、蛍光検出時の迷光を低減してもよい。 【0104】束にしたファイバを溶融あるいはこれ以外の方法で固定パターンに互いに接着した後、この束を、


    横切る方向にあるいは角度をつけて数多くの薄いディスクに切削し、所望に応じて一部を任意に溶解する。 中空の毛細管を用いる場合、得られるディスクを、光学画像および光導波管の増幅用のチャネルプレートとして利用することができる。 ロッドを使用してもファイバを使用しても、穴寸法が均一であるため、この薄いディスクをフィルタとして利用することもできる。 【0105】薄切りした二次元アレイの各ファイバ部分には比較的大量の、DNA、RNA、あるいは蛋白質分子などの結合成分が含まれることになる。 最終的に得られるアレイを使用する第1のステップとして、アレイのプラスチック表面を非常にゆっくりと侵食できる溶液でその表面上を洗浄する。 これを一定速度で行い、遊離するあらゆるバイオポリ分子を除去する。 この洗浄を継続し、プラスチックを侵食しない溶液に変化させていく。


    次にこのアレイを乾燥させて使用するまで保管しても、


    あるいは直ちに使用してもよい。 プラスチック内に対象反応剤を曝露しやすくするように、粒子の表面を溶解し、溶液を形成して分子を露出する。 【0106】各ファイバは、マイクロアレイ内で含有されるものと同じ形態で対象分子を含んでいるため、マイクロアレイ全体を用いずとも、ファイバ自体で品質管理点検を行うことができる。 これは、診断を目的としてマイクロアレイを使用する場合に特に重要である。 バッチからマイクロアレイをサンプリングしても品質管理点検を行うことができるが、これでは販売されているマイクロアレイを実際に点検したことにはならない。 これに対して、本発明ではファイバの薄い切片自体を使用する。


    ファイバ自体を分析するということは、マイクロアレイセルとしてファイバの切片を含む各マイクロアレイを実際に試験していることを表している。 【0107】一方、マイクロアレイの各セルに直接対象分子を固相in situ合成する場合、対象分子を含んで使用される実際の組成物が、合成後、実際に試験されることはない。 むしろ、スポットの点検が品質保証の拠り所となっている。 固相に対する液滴スポットによるマイクロアレイ製造では、その液体を試験すれば品質管理点検とすることができる。 しかしながら、液滴試料は、スライド上に固定化される乾燥対象分子の品質を表すものではない。 したがって、この品質管理点検の結果は、販売されている実際の製品と同じではない。 再度、


    これでは販売されているマイクロアレイのセルに含有される実際の組成物に対する品質保証が全くされていない。 【0108】本発明における品質管理では、ファイバをそれぞれ分析し、この分析を、リボンあるいは小グループとして、あるいは薄切り前の束全体の一部として行うことができる。 さらに、1つの最終的なマイクロアレイを試験することにより、ファイバの組成物が最終製品のその部分と同一であることから、マイクロアレイ全体を効率良く試験することができる。 【0109】臨床試験では、試験およびシステムとその製造方法とに対して規制当局の認可が必要である。 チップをフォトリソグラフィおよびこれ以外の電子チップ製造に由来する技術で製造すると、各チップの費用は並外れて高くなり、チップを個々に製造した場合のエラー発生率は非常に高くなる。 チップは個々に製造されて一度しか使用されないため、品質管理が難しく、あらゆる所与チップを満足のいくレベルにできる方法はない。 採り得る最善の方法は、試験する部分を無作為にバッチから大きく取ることである。 本発明では、1つの複合材料アセンブリから大量の切片を製造することができるため、


    隣接した切片同志ならびに互いに距離を置いた切片同志も相互比較することができる。 起こり得るエラーの比率を統計学的に分析して予想することができる。 しかしながら、さらに重要なことは、切片を大量にしかもかなりの安価で製造することができるため、臨床試料に対して重複して同じ分析を実施でき、重要な診断結果を得た場合に確認分析を行うことができることである。 したがって、本発明を、医療実施現場において遺伝子分析に対して広範かつ日常的に適用することができる。 【0110】ファイバの重要な対象物質成分は、ファイバ内に固定化して保持する。 固定化はそれ自体が周知である数多くの技術により行うことができ、その例として、アミノ、ヒドロキシ、スルフヒドリルあるいはカルボキシル部分を介する架橋部分によることの多いマトリクス内封入および化学結合が挙げられる。 この化学物質をモノマーに化学的に吸着させる、あるいはモノマーとして用いて重合させても、こうした成分を有効に組み入れることができる。 結合も数多くのアフィニティ技術により行うことができ、その例として、抗体吸着用のA蛋白質あるいはG蛋白質、ビオチン−アビジン、HIV−


    CD4、糖−レクチンなどのリガンド/受容体の対、あるいはジゴキシゲニン−抗ジゴキシゲニンなどの受容体を有するリガンドを介するなどが挙げられる。 一方、ワックス、シリコーンポリマーおよびシリコーンエマルジョンなどのゲルあるいは非ゲル、ゲルマトリクスを利用できる場合には特異結合は不要である。 単純に液体ワックスあるいはゲル化剤をそのキー成分と混合し、これを冷却して成形あるいは押出すことにより固体ファイバを形成する。 【0111】アレイを1つのステップで組合わせる必要はない。 1セットのチューブを並行に配置して含む平坦なアレイをまず準備し、このアレイの端部を薄切りにして試験する。 この平坦なアレイを適した接着剤を用いて互いに装着して立体的な束とする。 中間に平坦なアレイを設けるステップを入れると、この状態で作製して保管しておき、異なる種類の1次元アレイを選択して装着することにより、注文に応じた二次元アレイを作製することができることになる。 このように段階を含む組み立て操作により、各ステップで検査を行うことができるため、1本のロッドあるいは細管におけるエラーあるいは低い結合有効性による損失を最小限に抑えることができ、新たなパターンの反応物を組合わせる柔軟性も得られる。 【0112】一般の臨床用途では、チップを保持しているスライド上に識別材料を備えることが重要であり、その識別材料はチップと一体化していてもよい。 図5には、アレイ素子41を含むチップ40を例示する。 バーコード42が、識別および方向付け用に1つの縁部沿いに印刷されている。 さらに、チューブの製造に選択したポリマー内に、通常非蛍光性である染料の少量の濃縮物を組み入れて、1以上の数字あるいは1つ以上の文字を含む43から44までのパターンを形成してもよい。 数個のセルあるいは素子に蛍光染料を組入れて、蛍光測定時の基準とすることも有用である。 選択チューブの成分内に染料を入れて、そのチューブをさらに識別し易くすることもできる。 対角線43〜44はまた、アレイを組立てているチューブの水平列がきちんと整列していることを示していることを理解されたい。 1アレイ内のチューブが整合しておらず、列から1本のチューブあるいはロッドが欠けていると、このパターン全体が崩れるため、これを容易に見分けることができる。 【0113】チューブを束として保持するために用いる包埋材料あるいは接着剤は不透明でもよいが、チューブおよび好ましくはその内容物についてはその長さ全体にわたり光を透過させるものとする。 アレイ素子の配向の最終確認として、図6に示すように、束の一方の端部にて一度に1つの素子を照明してもよい。 そうすることにより、図6で示すようにもう一方の端部において光が検出され、アレイ位置を示す。 図6では、ファイバ51を含む束50を陰極線管(CRT)52で照明すると、形成されたラスター53の焦点が、レンズ54により束の末端部上に合う。 そこから透過してきた光をCCDカメラ55で記録する。 各スポット56が検出されるシグナル57となる。 【0114】エピ蛍光を用いる検出用の構成を図7に概略的に示す。 チップ60はランプ62が発するビーム6


    1により照射されており、このビームはフィルタ63を通過して蛍光励起に最適な波長の光を分別する。 分割ビームプリズム64により、その励起光をチップ60に方向付ける。 チップから発せられた光がこの分割ビームプリズムに戻ってこれを通過すると、発せられた波長がフィルタ65により分別されるため、これをCCDカメラ66で検出する。 蛍光パターンを検出するには他のシステムが当業者に周知である。 【0115】束ねる前の別のファイバ形成方法として、


    型材料からの劈開によりファイバを形成してもよい。


    図8では、吸収材料70のシートを1種類のリガンドあるいは受容体で飽和させる。 これは、溶液内に化合物を溶解した後、吸収紙(濾過紙など)のシートにこれを吸い込ませることにより行うことができる。 架橋剤を添加してこの受容体を紙のセルロース基剤あるいは他の支持体に吸着させてもよい。 あるいは、紙パルプを受容体に架橋させて紙あるいはフェルトのシートを形成することができる。 この技術ではさらにむらなく均一な分配ができるが、より多くの受容体が必要となる。 いずれかの方法でシート(70)を製造する。 数多くの異なるシートを準備し、各シートに異なる受容体を含有させる。 【0116】次に、このシートを、接着剤および任意に各シートの間のスペーサとして複合材料活性シート(含浸されず、好ましくは黒色である)を含んで互いに積み重ねる(本のように)。 こうして本(71)を形成する。 次にこの本を紙用切削工具あるいは同様の薄切り装置まで持って行き、図1の「リボン」物体(2)に似た非常に薄いストリップ(72)を切削する。 これ以降の方法は図1に示したものと同じである。 異なる本からの複数のストリップ(72)を積み重ねて束(73)を形成し、次にこれを、横切る方向に切削してマイクロアレイ(74)を形成する。 このリボンに接着剤を好ましくは添加して、これらを接着する。 あるいは、薄切りステップの前に、接着剤を固相あるいは束の端部に適用して、固相を束の端部に接着してもよい。 【0117】蛋白質を吸収する、ナイロンフィルムなどの他のフィルムを用いてもよい。 異なる2種の反応性官能基を持つ光活性化架橋試薬を用いて活性化されたポリオレフィンなどの不活性フィルムあるいはTherme


    dics製品などの単純なポリウレタンフィルムを使用してもよい。 シートあるいはフィルムの両面に異なる蛋白質を用い、このシートを不活性シートで分離して、最終的に得られるマイクロアレイにおけるセル(セクタ)


    およびシグナルを分離してもよい。 【0118】ファイバ材料を、ガラス、金属、プラスチックあるいは他のポリマー材料とすると好ましい。 同軸複合材料ファイバの場合、溶解性成分を大幅に広い範囲からの材料で製造することができる。 各材料を、2種類以上の成分の複合材料としてよい。 このファイバは光導波管あるいは全反射ファイバ光学として作用して、位置の整合性および表面で起こっている化学的および生物学的反応に関する情報を伝達する可能性がある。 このファイバ材料を、セルやオリゴヌクレオチド、ペプチドおよび多糖などの対象分子との吸着を支持するように選択すると好ましい。 中空ファイバを用いて、セルを未加工、


    凍結あるいは乾燥状態に保存することができる。 ファイバ材料をガラスあるいはこれ以外の透明あるいは半透明材料で製造する場合、ファイバ、特に毛細管などの中空ファイバ内部の反応あるいは成分から直接あるいは間接的に発せられる光および電子を増幅して、検出し易くしてもよい。 ファイバ材料に、ファイバ内の成分あるいはファイバ内で起こる反応により発せられる光、電子あるいは他の化学成分と反応する成分、これらを検出する成分、あるいはこれらを他の形態に変換する成分を含有することができる。 ファイバ内部およびファイバ上の化学発光反応を検出することが適した方法である。 【0119】本発明で用いるゲル化材料を、さまざまな種類の周知の材料から選択することができる。 アガロースなどのポリマー、ゼラチン、コラーゲン、キサンテン、カラギナン、アルギン酸塩、あるいは熱硬化性、熱可塑性、化学硬化性あるいはUV重合性ポリマーを用いることができる。 ワックスやクレーを含む非ポリマー系ゲル化材料も使用可能である。 対象物質と呼びかけ用添加物質との間に起こる反応に水性環境が必要な場合にはヒドロゲルが特に好適である。 ファイバを成形した後、


    成形物をその溶液内に沈めることにより、あるいはファイバ成形物の外側沿いにその薬剤を通過させることにより、重合剤あるいは硬化剤を添加してもよい。 【0120】ヒドロゲルには、ゲル多孔率が多様であること、重合時あるいは重合後に蛋白質を結合できること、非特異結合性が低いこと、透明であること、重合による副生成物が無害であること、重合解放時間が調節可能であること、さまざまな溶剤と併用可能であることなど、数多くの望ましい特徴がある。 イソシアネートポリウレタン液体プレポリマーが好適である。 【0121】これらを、粘着付与剤、ゴム類、硬化剤および架橋剤、可塑剤およびさまざまなゲル化材料の組合わせを用いて変性させてもよい。 一般に、ゲル化材料を十分に不活性なものとして、結合成分と分析物との間の相互作用を干渉させないようにする。 本発明では、対象物質を有機溶剤内に抽出する。 この溶剤は、熱硬化性プラスチック混合物と、あるいは、化学的にあるいはUV


    あるいは電離放射線により重合する混合物と混和性である。 この抽出を、対象物質に界面活性剤あるいはこれ以外の試薬を含む物質でコーティングし、選択条件下における溶解性を高めることにより行うことができる。 【0122】次に、この混合物を長いファイバ内に押出す、あるいはファイバに成形する。 このファイバを、ファイバ端部のタブあるいはファイバを担持するロール上のタグにより、および/または、異なる染料を組み入れることにより識別できるようにする。 バーコードをファイバ端部付近に直接印刷してもよい。 包埋される生成物が十分に熱安定性であれば、熱可塑性ポリマーを用いてもよい。 ファイバによって異なる色を着色して、アレイ内の特定リガンドの位置確認をしやすくする、あるいはアレイ自体を識別してもよい。 【0123】この溶剤を、ゲル化材料内にて混和性である、あるいは抽出可能である、あるいは揮発性であるものとして最終的生成物を多孔質にすることができる。 自己支持型である固体フィラメントファイバでは多孔質生成物が特に好適である。 ファイバあるいはそのゲル化材料に染料あるいは他の光学的吸収体を含有して、各セル表面上の分析物/結合成分のみを視角化することも可能である。 こうした改良により、温度、時間、担体液の種類などにより変化する可能性のあるゲルあるいは多孔質材料による拡散率の影響を少なくすることができる。 U


    Vあるいは発光蛍光を吸収する染料を用いると、非表面分析物/結合成分反応からの蛍光量を削減することができる。 【0124】各ファイバ内に異なる染料(蛍光あるいは非蛍光)を組み入れてもよい。 これにより、二次元アレイ内における各ファイバの位置を確認することができる。 ファイバを含む固体フィラメントあるいは毛細管をさまざまな技術で互いに接着することができる。 成分が十分に熱安定であれば、ファイバを互いに焼結してもよい。 あるいは、シアノアクリレート接着剤など、数多くの接着剤が周知である。 ファイバとファイバとの間の空間を、接着剤あるいはモノマーで完全に充填し、これを重合させることができる。 熱可塑性材料およびゲル化材料で接着剤を構成し、大量のファイバをブロックとして互いにおよび保持させることもできる。 Teflon


    (登録商標)チューブなどの不活性材料であっても、その表面を金属ナトリウムで反応性とし、炭化水素溶剤内において表面をエッチングさせることができる。 電流をファイバ内に通してファイバを溶合させるなど、非化学的手段を用いてもよい。 【0125】毛細管の開口端部を、その表面に対して変形性材料をプレスして表面上のプラスチック(パリレンなど)を気化させることにより、あるいは熱可塑性あるいは熱硬化性プラスチック材料などの化学物質でシールすることにより、平坦なプレートでシールしてもよい。


    こうしたファイバから二次元アレイを製造するためには2種類の基本的な方法がある。 第1は、リボンを作製および鑑定してから、1セットのリボンを長い矩形棒材として形成するものであり、第2は、その棒材を最初に作製してから1つのステップでファイバすべてを一まとめにするものである。 完全なアレイを形成する前にリボンを個々に鑑定ができるため、前者の選択肢の方が有利であると考えられる。 二次元アレイの棒材を形成できれば、これを従来のミクロトームを用いて薄切りし、非常に大量の切片を形成することができる。 これを例えばガラス、金属あるいはプラスチックに装着することができる。 別の方法として、束を薄切りする前に、束の端部に固相材料をまず装着してもよい。 これは、まずファイバ束の端部あるいは固相に必要に応じてシアノアクリレート接着剤などの接着剤でまずコーティングする、あるいは予め薄切りする、あるいは薄切り後に焼結することにより行うことができる。 【0126】染色したファイバをこのアレイ内で見ることができるようにして、識別および配向の確認をする。


    さらに、アレイが正確に製造されていれば可視パターンが形成されるようにファイバを染色することができ、そのパターンに名前あるいは番号を入れてもよい。 本システムの有利点は、非常に大量のアレイを切削することができ、標準として特定の割合を用いることができる。 例えば、長さ100cmの棒材を形成し、その棒材を10


    0ミクロンの間隔で切削した場合、10,000枚のアレイが作製される。 その切片の厚さを10ミクロンとすれば、そのアレイの数は100,000枚となる。 【0127】各ファイバの最大2点間距離が100ミクロンであれば、1枚のリボンにつき100本のファイバが含まれ、1本のファイバの棒材には10,000本のファイバが含まれて、その断面積は1cm

    2となる。 1


    枚のリボンにつき330本のファイバがある場合、ファイバの総数は108,900本となり、ヒトゲノムに含まれると仮定される発現遺伝子とほぼ同じ数となる。 【0128】本発明は、チップに結合剤を共有結合させずにこのように大量の異なるセルをマイクロアレイ上の単位面積当たりに含む第1のアレイである。 本発明では、アレイ1cm

    2当たり少なくとも100個のセルを含むと好ましく、250個、500個、1,000個、


    5,000個、10,000個、100,000個あるいは100万個以上のセルを含めばより好ましい。 これは、市販のマイクロアレイにおけるマイクロフルイディックにより形成される使い捨てセルより格段に高い密度である。 【0129】この大きな数値よりもさらに1cm

    2当たりのセル数を大幅に増加させるためには、比較的太いファイバによる大きなファイバ束を準備し、この束を延伸させる、あるいは引張ることができる。 これにより各ファイバは細くなるが、互いに対するその基本的構成あるいは配向および断面形状は変わらない。 この手法には、


    より多くのマイクロアレイの作製およびより小さなマイクロアレイの作成という2つの利点がある。 従来の5ミクロン多孔質粒子(以下の実施例でのように)および低融点ワックスなどのプラスチック包埋媒体を用いることにより、変形性あるいは延性ファイバが得られるため、


    これを直径20ミクロン未満の非常に細いファイバにまで延伸することができる。 熱可塑性材料の延伸分野はそれ自体周知である。 型による延伸ができない場合にも、


    プラスチック材料をローラとローラとの間で引き抜くあるいは押出してファイバを長くしてその直径を小さくすることができる。 任意に緩やかに加熱した場合には、ファイバ束の端部を引張るだけで、同じようにファイバを長く延ばして断面積を削減することができる。 小型で多孔質である粒子を含む場合、ファイバをさら細い寸法に延伸して、マイクロアレイの1cm

    2当たりに少なくとも約10億個のセルを設けることができる。 【0130】ファイバ光学の分野では、光ファイバの束を加熱して極めて細い光ファイバに延伸しつつ、束内部における整合性を保持する。 同様に、キャンディケインや断面にデザインを施した飴は、大きなブロックを延伸させることにより製造する。 数百年にわたり使用されてきたガラスビーズでさえも同じ手法で製造されてきた。 【0131】これまでのマイクロアレイの高密度セル(セクタ)は、対象分子をマイクロアレイセル上で合成するフォトリソグラフィを利用して実現してきた。 しかしながら、光化学により生成できる化合物には限りがある。 さらに、化学的に結合した化合物は、自由に懸濁された場合と同じ化合物とは異なる相互作用をする。 生物学的システムでは、活性部分を結合用に自由に利用できない場合もある。 一方、本発明による結合物質はマトリクス内に封入されているだけであり、化学的および生物学的活性すべてを完全に保持することができる。 【0132】多孔質粒子を用い、その多孔質粒子内部に対象分子を固定化する場合、適した流体をその孔内部に保持し、非混和性包埋媒体を用いると望ましい可能性がある。 こうした構造では、包埋媒体は対象分子や不適合であったり、あるいは結合アッセイでの使用に適合しない場合もあるが、使用可能である。 例えば、水性溶液を用いて、蛋白質および多孔質流体の包埋に用いる低融点ワックスを保護することができる。 【0133】Fodor他著、Nature364:5


    55〜6頁(1993年);Hacia他著、Mole


    cular Psychiatry3:483〜92頁(1998年)およびFodor他著、Science


    251:767〜773頁(1991年)による周知の光化学処理では、支持チップに共有結合した短鎖ペプチドおよびオリゴヌクレオチドを調製する。 アミノ酸あるいはヌクレオチドを合成する方法ではもともと、結合するオリゴマーポリマーの実際の長さを制約している。 チップ上で蛋白質あるいは遺伝子全体を合成することは実施不可能である。 さらに、蛋白質の2次、3次および4


    次構造が重要となる場合もある。 一方、本発明ではこれらも可能である。 【0134】最終的には数多くの異なるアレイが必要となり、幾つか、特に病原菌の同定に展開したものを頻繁に変更する必要があり得る。 さらに、新たな疾病関連の対立遺伝子を新たなアレイに組み入れる必要がでてくる。 こうした要件を満たし、アレイの変更および追加を可能にするためには、個々の安定なファイバロールを利用可能とし、このロールを明確に区別できるようにすることが重要である。 各ロールを、その長手方向に沿って短い間隔でマイクロストリップを適用することにより区別してもよい。 さらに、チューブ毎に色を変える、非蛍光染料をゲル内に組み入れて識別材料として用いる、あるいはバーコードを各ファイバ上に印刷する方法をとってもよい。 【0135】本発明によるチップは、特徴的核酸配列を識別することにより病原菌の同定に用いることができるだけでなく、例えば、固定化した特異抗体のアレイを利用してインタクトな細菌、マイコプラズマ、酵母菌、ナノバクテリアおよびウィルスを同定することができる。


    本発明を、マイクロバンディングチューブにより単離したウィルスあるいは他の感染性粒子の同定に用いることができる。 このマイクロバンディングチューブは、開口端部から閉じた端部に向かって直径が段階的に狭められており、目的にかなった遠心分離方法にしたがって所望の低濃度生体成分を少量に濃縮することのできる独特な遠心分離機チューブである。 例えば、国際特許出願第W


    O99/46047号を参照されたい。 このように、血清あるいは血漿などの生体試料から微生物を濃縮し、T


    OTO−1あるいはYOPRO−1などの蛍光核酸染色により染色し、アレイ上で組合わせ抗体を発見することができる。 次に、その蛍光をスキャンして、位置により同定することができる。 上記のチップに微生物あるいはこれ以外の対象分子を固定化し、このチップを用いて生体流体からの抗体を局在させた後、蛍光抗ヒト抗体を用いてその位置を発見し、抗体生成を誘発していた疾病を診断することも、同様に本発明の一部である。 【0136】束として維持されているため、次のアレイを薄切りにする前に、その束に必要に応じてファイバあるいはリボンをさらに追加することができる。 これにより、完全に別の束を再形成することなく、新たに発見された新興の疾病、新たな蛋白質、遺伝子あるいは化合物を検出および測定することができる。 本発明を、束をユーザの元で保管し、必要に応じてアレイを薄切りにするという別の方法で適用することも可能である。 こうした手はずであれば、同じアレイが長期に渡って必要であるが1回毎に必要な枚数が少ない研究を目的とする場合に有用である。 【0137】束を薄切りし、その切片を別個のマイクロアレイとして使用することとは別のもう1つの方法は、


    束の端部で直接アッセイを行うことである。 第1の試料を切削断面に適用してアッセイを行い、それを洗浄した後、検出器によりその結果を画像処理することができる。 次に、アッセイ前にアッセイをまだマイクロトーム装置内に装着していない状態であれば、その束をマイクロトーム装置内に取り付けてもよい。 次に、刃により束の使用済み表面を除去して、次のアッセイに使用する新たな表面を露出させる。 この同じステップを繰返す。 このように束を1つの機械内で使用しながら、最大10


    0,000回以上の一連のアッセイを順次行うことができる。 光学的あるいは電気的検出を光学ファイバあるいは導電性ファイバを含む束自体を介して行うことができるため、こうした手法には特定の利点がある。 より一般の光あるいは電気エネルギーを端部に印加して試験用に使用しながら、この検出系を束に連続的に装着することができる。 図6ではこの試験技術を検出系に適合できていることに特に留意されたい。 【0138】本発明ではまた、同じチップに、異なる固定化技術、異なる種類の対象固定物質、異なる種類の分析物および異なる種類の検出手順を用いることができる。 プレート間でチャネルは複製可能であるため、各チャネルあるいはセルの位置を機械的手段により正確に特定することができる。 研磨縁部あるいは他の適した位置に参照記号を付与すると、アレイ内の各セルをさらに識別しやすくする。 現在市販されている十分に正確な二次元コンピュータ駆動式二次元装置を用いて、各セルを視角化する、あるいは各セルを個々に試験する、あるいは各セルに材料を添加するあるいは各セルから抜き出すことができる。 【0139】各プレートの切削表面を研磨して、組み合わせるプレートをクロスリークの可能性がほとんどない状態で互いに対向できるようにしてもよい。 最終的に各セル内部に位置する流体に忌避性のある材料で表面処理を行うと、さらにクロスリークを低減することができる。 例えば、フッ素化剤(テフロン(登録商標)加工)


    あるいはシラン化剤は撥水するため、十分な表面張力を設けて、水性溶液で充填されたセルのクロスリークを低減する。 【0140】束から切片を切削した後、この切片を一般に固体裏打ち材に接合することにより、これを構造上の支持体として、取扱性を高める。 この固体裏打ち材は通常、プラスチックあるいは金属のシートであるが、他の材料も使用可能である。 接着には一般に、永久接着剤あるいは熱溶解を利用する。 電荷結合素子(CCD)でアレイ全体あるいはその一部(1個あるいは数個にセル)


    をスキャンすることにより、あるいは、集光レンズあるいは対物レンズを用いるなどして一度に1本あるいは数本のチャネルを照明することにより、アレイ内の各セルを検出あるいは視角化することができる。 こうして吸光量および発光量を検出することができる。 整合され、マイクロアレイと位置合わせしている光ファイバ束を用いて、マイクロアレイのセル間における差異を光学的に検出することができる。 【0141】検出は、放射性、酵素、ルミネセント、光学的吸収性染料、磁気、スピン標識、酸化剤あるいは還元剤、化学発光あるいは、マイクロアレイの対象物質と相互作用する検出可能な成分と相互作用する間接的標識などの多数の検出可能な標識に基づいて行うことができる。 蛍光、通常はエピ蛍光に基づく検出可能な標識系が適切である。 これには、呼びかけ試料を1種類あるいは複数種類の蛍光染料で標識する必要がある。 染料を薄い希釈フィルムとしてアレイに適用するため、必要となる試験材料の量は非常に少ない。 注意深く厳密に調節した条件下にて核酸のハイブリダイゼーションを行う。 【0142】選択したチャネルを識別するために、その選択チャネルを密閉する、かつ/または検出の容易な物質でそのチャネルを充填することができる。 他のセルで検出される検出可能な成分(1種類あるいは複数種類)


    と類似の検出可能な成分、あるいは反対の検出可能な成分と同様に、異なる色のインク、染料および着色材料が特に適している。 乾燥型インクあるいはプラスチック、


    昇華、インクを含む溶剤、あるいはインクジェット印刷を伴う印刷方法を利用してもよい。 こうして形成した特徴により、アレイの使用時に良好に整合できるか、あるいは標示をより簡単に見つけ易くなり、結果として光学的位置合わせが容易となる。 【0143】マイクロアレイを結合アッセイに使用してリガンドが受容体に結合すると、場合によっては、リガンドをさらに同定すると有用となる可能性がある。 状況次第で、特異に結合している受容体からはリガンドの構造全体がわからない場合がある。 たとえば、リガンドがセル、高分子錯体あるいは、リガンドとして作用する誘導部分を含む誘導分子などであれば、さらに分析を進めると望ましい可能性がある。 この場合、リガンドをマイクロアレイから溶離し、リガンドを収集してさらに分析することができる。 抗体/抗原結合では、pH2〜3の環境あるいは他の条件でリガンドを剥離しなければならない。 核酸ハイブリダイゼーションでは、温度を上昇させながらリガンドを剥離しなければならない。 これ以外にもこの結合を分離するさまざまな化学的、物理的および電気的技術がそれ自体で周知である。 【0144】溶離方法の特殊性を高めるために、基板を、電荷を維持できる構成として、特定セル(セクタ)


    における対象生体物質の取込み率を高めることができる。 例えば、対象物質が核酸であれば、各セルを正の電荷を担持させるように構成する。 対極には反対の電荷を担持させる。 次に、必要に応じて、特異媒体をセル内に配置して、電極内の電荷を逆転して核酸などのリガンドをその位置で放出する。 この対極をマイクロピペットの一部として、あるいはこの対極にマイクロピペットを装着して、セルから放出される成分を収集することができる。 米国特許第5,434,049号を参照されたい。


    多孔質膜を利用し、この膜の両側に電流を印加すると好ましい。 【0145】溶離物の分析に用いる方法を、毛細管電気泳動、質量分析あるいは第2の結合エッセイとすることができる。 質量分析法では便宜のよいことに、マイクロアレイ自体を、質量分析システム内に組み入れられているレーザマトリクス脱着システム内に導入し、そこで結合分子を脱離させ、これを分析することができる。 マイクロアレイから分析物を剥離してしまえば、そのマイクロアレイを再利用することができる。 このように再利用処理には、時間をかけて複数の比較を行うことにより標準化することができるという利点がある。 【0146】さらに、受容体が、切断可能なリンカーによりマイクロアレイのマトリクスに吸着されている場合、このリンカーを切断して分析物を単離することができる。 マイクロアレイのセルによって異なるリンカー、


    あるいは同じリンカーを含む場合があるため、次の分析を行う前に精製する必要があり得る。 これまでの蛋白質チップの調製手順では、溶液内で多数の蛋白質を調製、


    使用および再利用する必要がある。 溶液内の蛋白質、核酸、生体セル、他の化学物質および錯体は不安定であり、時間が経過すると劣化する。 凍結したとしても、繰り返し利用するためには、凍結と解凍とを繰返さなければならない可能性があり、これではやはりある程度の蛋白質が変性してしまう。 これとは対照的に、固定化した蛋白質は長時間が経過しても安定であることがわかっている。 【0147】本発明でいう用語「基板」は、チャネルプレートの開口端部をさす「主面」を含むガラス製毛細管アレイをいい、「結合試薬」は、DNA、蛋白質あるいは抗体(集合として高分子)、セル/微生物/細胞系あるいは他の対象物質をいう。 【0148】 【発明の実施の形態】本発明の具体的な態様を例示する目的で以下に実施例を記載する。 これらの実施例を、制限を目的とするものとして解釈してはならない。 実施例1:マイクロアレイの形成および分析抗体を、Integral100Qバイオクロマトグラフィ作業端末にて各固定化抗原に可逆結合させて微粒子支持体(PE Biosystems製PorosG)


    上に固定化するアフィニティ精製により調製した。 【0149】抗体をPorosGカラム(Fc部分により多くのイムノグロブリンを結合できる細菌蛋白質である、G蛋白質で予備コーティングされた市販のPoro


    s粒子)に捕捉し、この抗体およびG蛋白質をジメチルピメリミデートに架橋して、共有結合により抗体をPo


    ros粒子に固定化することにより(PE Biosy


    stemsに従い)、各抗体支持体を調製した。 この抗体カラムは、サブトラクションモードにて100回以上の再利用(結合された抗原の酸性溶離を伴う)が可能であるため、極めて安定である。 各抗体支持体を1種類の抗原に対する特異性を示すように特徴付けた。 【0150】ヒト血清アルブミン(HSA)、トランスフェリン(Tf)およびハプトグロビン(Hp)に対する抗体を使用した。 この3種類の支持体の混合物を生成して、血清のサブトラクションに用いた。 試験では合計3種類の支持体を、1)ウサギ抗HSA、2)ウサギ抗ヒトTfおよびウサギ抗ヒトHpおよび、3)混合した抗HSA、TfおよびHpと併用した。 未変性BA P


    oros(市販のストレプトアビジンコーティングPo


    ros)を非抗体比較例として使用した。 したがって、


    合計4種類の支持体を使用した。 【0151】Poros粒子は直径をおよそ5ミクロンとするほぼ球体であり、高度に網状化されている(内部に数多くの間隙がある)。 蛋白質はこの粒子に対してその外面だけでなく内面全体にも分散して付着する。 この粒子を適した媒体内に包埋することにより、抗体が固定化されてかなり均等に分散している、薄切り可能な固体マトリクスを形成した。 この支持体が立方体である性質を利用すると、現在のマイクロアレイで使用されている単純な平面の場合よりも、この粒子を含有する切片の容量は(抗体およびそれに伴う抗原結合用)大きくなる。 【0152】4種類の抗体担持粒子のそれぞれをほぼ同量の0.75%アガロース溶融リン酸緩衝生理食塩水(PBS)と混合した。 ウサギ抗HSAビーズ用のこのアガロースには緑色の食品着色剤を含有した。 同様に、


    抗TfおよびHpアガロースを青く着色し、抗HSA、


    TfおよびHpアガロースを黄色く着色し、アガロース含有Poros BAを白くした(着色しなかった)。


    各溶融アガロース/ビーズの組合わせを、1mlの注射器を装着し、冷水に浸漬された直径1mm、長さ10c


    mのプラスチック製細管内に入れた。 数分後、アガロースは、およそ50容量%のビーズを含むゼリー状のロッドに凝固した。 こうして得た4本のロッド(それぞれ上述した4種類のビーズの1種類を含み、異なる蛋白質コーティングを施している)を、さらに大量の溶融アガロースを含むアルミニウムチャネル内に配置して、断面が四角形のアガロース棒材内に縦2本横2本の平行なロッドを包埋して含むアレイを形成した。 【0153】この棒材が凝固した後、このゲルをアルミニウムチャネル型から取出し、この棒材(およびフィラメント)の軸に垂直に薄い切片を切り取って横切る方向の切片を作製し、これをガラススライド上に搭載した。


    顕微鏡で調べると、この切片には、アガロースの透明な包埋マトリクスに取り囲まれた微粒子材料(固定化蛋白質を担持)を含む4つの円形領域パターン(およびフィラメント)が見られた。 包埋ビーズの円形領域がより安定しており、割れることはなかった。 【0154】マイクロアレイを形成している切片の4つの円形領域におけるビーズに対する特異的な蛋白質結合を試験するため、市販のHSAおよびTf蛋白質を、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)でセライト(Cellite)(Sigma製)上に標識した。 この蛋白質を約4mlの0.4M重炭酸ナトリウム緩衝液(−p


    H8.3)内に溶解させ、セライト上の乾燥型FITC


    にそれぞれ、4.5mg以下のHSAを30mgのセライト上FITCに、2.8mg以下のTfを18mgのセライト上FITCに、4.5mg以下の血清蛋白(2


    0Ll)を10mgのセライト上FITCに添加した。 【0155】その後30分間室温にて反応させた。 遠心分離によりセライトを除去し、上澄み蛋白質および反応しなかった染料を蛋白質遠心濃縮機内に入れて、蛋白質を緩衝液内にて繰り返し希釈および再濃縮して洗浄した。 この流体を遠心分離してセライトおよび上澄み蛋白質を除去し、4mlの重炭酸ナトリウム緩衝液で透明になるまで遠心分離を繰返した。 【0156】4本のフィラメントアレイの切片をガラス顕微鏡スライド上に平らに置き、蛍光標識HSAの溶液に曝露した。 切片を曝露している間、蛋白質は2本のフィラメント(切片の円形領域)上に含まれる抗体と特異的に相互作用していると考えられた。 この2本のフィラメントは、HSAに対する担体および、混合した抗HS


    A、TfおよびHpに対する担体を担持していた。 標識HSAは、Tfに対する抗体のみを担持するフィラメント、あるいはストレプトアビジンのみを担持するフィラメントとは相互作用するはずはなかった。 【0157】これらの切片を、フルオレセイン蛍光検出用500nm低バンドパスフィルタおよび510nm高バンドパスフィルタと35nmカメラとを装備したエピ蛍光顕微鏡で調べた。 複数の洗浄を行う前、4つの円形Poros領域すべてにおいて、鮮やかな蛍光が見られたが区別できる差異はなかった。 Poros領域での蛍光がフィラメントを囲むアガロースマトリクスより強烈だったことから、Poros粒子の孔が閉塞されないまま残っているため、粒子含有領域では標識HSAが切片内に自由に拡散できたことがわかる。 【0158】この切片を繰り返しPBS内に洗浄し、蛍光顕微鏡で再度調べた。 得られた画像を35mmカラースライドにしたところ、洗浄後、標識アルブミンが、H


    SA抗体を含む2本のフィラメントに特異結合して、他の2本から移動していたことがわかった。 このことから、切片が個々の蛋白質を特異に検出する性能を備えていることがわかる。 特異に標識化された2本のフィラメントの位置は2×2アレイにおいて互いに対角線上で反対側であり、これは、対角線上に対向する抗HSAフィラメントおよび混合した抗HSA、TfおよびHpアガロースフィラメントの位置と一致していた。 実施例2:ミトコンドリアあるいはリソソーム蛋白質に対する自己抗体を検出する診断用アレイの製造および使用完全に単離したラットおよびマウスの肝臓ミトコンドリア、リソソームおよび発現蛋白質の懸濁物質を、10m


    g/mlの濃度で水性緩衝液に懸濁あるいは溶解し、任意にグルタルアルデヒド(1%)で固定する。 各調製物の1mlをキットの指示にしたがって、0.17gの触媒を含むモノマーA20mlを混合して調製した触媒浸潤樹脂JB−4(Polysciences)20ml


    と混合する。 完全に混合した後、0.17gの触媒を含むモノマーB40mlを添加して攪拌する。 これを完全に溶解した後、促進剤0.8gを添加して、この混合物を注射器に投入し、無酸素環境下にて内径を0.062


    5inchとするTeflon細管内に注入する。 【0159】室温にておよそ50分後、重合が起こる。


    このチューブの端部をヒートシールして使用するまで冷蔵保存する、あるいは直ちに押出してファイバ束の作製に使用する。 10本以上のファイバを細長いTeflo


    n箱内に並列させて1層状態のアレイを作ることにより束を作製する。 蛋白質を含まないJB−4樹脂を追加投入し、この箱を短時間排気して気泡を除去し、樹脂を硬化させる。 この平坦なアレイを数枚並行に積み重ねて立体的な構造を形成し、この構造全体をさらに真空化して立体的な束を形成することができる。 重合後、この束を鋼鉄あるいはガラス製マイクロトームナイフで切削して、厚さ5〜20ミクロンの切片を作製し、この切片をガラススライド上に配置する。 この切片をプラスチックマウント(Plastic Mount(登録商標))により装着する、あるいはポリマウントX(Poly-MountX(登録商標))(Polysciencesから入手可能)上で乾燥させて装着する。 【0160】ヒト血清の1:10希釈液0.25mLを各チップ上に配置し、このアレイを25℃にて20分間インキュベートすることにより、自己抗体の試験を行う。 このアレイをリン酸緩衝生理食塩水で4回すすいだ後、セイヨウワサビペルオキシダーゼと共役したヤギ由来抗ヒトグロブリン溶液に含浸する。 20分間インキュベートした後、このアレイを4回緩衝液で洗浄し、これを、有機基剤内の3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン溶液内に配置し、これにクエン酸内過酸化水素溶液(0.02%)を添加する。 青い不溶解分があれば、


    自己抗体が存在することを示している。 実施例3:組織学的包埋支持体を用いる診断用アレイの製造および使用炎症経過の後期に現れる回復期抗体の検出に用いられる固定化感染性粒子を組み入れたアレイを作製する。 これは、センチネル個体群を追求し、発生している炎症を特定するために重要である。 【0161】指示通りにImmuno−Bed GMA


    水混和性包埋媒体(Polysciences In


    c. )を生成し、その少量を、固定化した選択ウィルス(平均力価109ウィルス/ml)の異種懸濁物と、あるいは固定化された微生物細胞(平均107粒子/m


    l)と混合する。 この懸濁液を注射器に投入し、圧力下にて内径が1/16inchのTeflon(登録商標)細管内に押出して室温にて重合させる。 この細管を有機媒体内にて金属ナトリウムで予備処理し、エポキシ樹脂に接着する表面を形成する。 重合したファイバをコイル状のTeflon(登録商標)細管内で冷蔵保管する。 【0162】ジグを利用してファイバを並列アレイに保持し、アレイを束に組み合わせた後、アレイ内にエポキシ樹脂を浸透させる。 こうして得られたTeflon


    (登録商標)細管部分を含む束を薄切りし、その切片をエポキシ樹脂装着媒体によりガラススライド上に装着する。 この切片を洗浄して再水和させた後、回復期抗血清に曝露する。 このチップを繰り返し洗浄して、蛍光染料フルオレセインを共役結合して含むヤギ由来抗ヒトIg


    Gに曝露する。 CCDカメラにより蛍光量を検出および測定して、回復期抗体を同定する。 実施例4:焼結ストリップを用いる診断用アレイの製造1/16インチ厚さの焼結したポリスチレンシートを、


    断面を四角形とする複数のストリップに切削し、それぞれを、ライノウィルス、単純疱疹ウィルス、インフルエンザウィルスA型、呼吸融合細胞ウィルス、水疱帯状疱疹ウィルス(水疱瘡)、結核菌、巨細胞ウィルス、エプスタインバーウィルス、B型肝炎ウィルス(表面抗原および別のコア抗原)、ポリオウィルス(1、2、3型)その他などのウィルスを含む一連の微生物に対する1モノクローナル抗体の希薄溶液に曝露した。 これらのストリップをすすぎ、乾燥させた後、アクリロニトリル接着剤で一まとめに接着して立体的アレイを形成する。 これを薄切りにして、5〜100ミクロン厚さのアレイを作製する。 ウィルス性疾病を持つ個体からの感染性ウィルスを含む生体試料を、核酸特異染料YOYO−1(Mole


    cular Probes)で蛍光染色して単離した後、遠心マイクロバンディングにより濃縮して感染性粒子をマイクロリットル量とする。 上記国際特許出願第W


    O099/46047号を参照されたい。 濃縮したウィルスをアレイに適用し、1時間、機械により攪拌してウィルス粒子をアレイ全体に拡散させる。 次にアレイを洗浄し、余分な流体を吸引して除去し、490nmの紫外線光で照射する。 その画像を520nmフィルタによりApogee CCDカメラでとらえる。 その画像をP


    MIS画像分析プログラムにより処理して定量データを得る。 実施例5:オリゴヌクレオチドを固定化して含む診断用アレイの製造および使用オリゴヌクレオチドを共有結合して含む固相オリゴヌクレオチド合成物からのポリスチレンビーズ(直径10〜


    50ミクロン)を緩衝液内に懸濁させ、内径を500ミクロンとする中空ガラスファイバ内に充填する。 このときの圧力は当初静水圧であるが、続いて500psi以下の大気圧として支持液を吐出させる。 次いで、この中身の一部を焼結するように調節した条件下において、このファイバを短時間加熱する。 上記実施例に記載した方法にしたがって、ファイバのアレイを作製し、間欠的に真空を形成して気泡を除去しながら低粘度エポキシ樹脂内に包埋した後、この樹脂を硬化させる。 ダイヤモンド鋸を用いて、この束を薄切りする。 このアレイを、上記米国特許第5,843,767号に記載されたように大型マルチウェルマイクロタイタプレートで行われた方法に類似した方法でその上の材料を操作できるフロースロー配置で使用する。 実施例6:マルチウェルプレートの製造市販のガラス毛細管アレイ(GCA)(Galile


    o)の形状は、寸法を2.5cm×2.5cm×0.5


    mm厚さとする薄いディスクである。 このGCAの面積のおよそ50%は、50μの穴あるいは合計容積をおよそ0.1mlとするおよそ156,000個の穴からなる。 このGCAの底面をシアノアクリレート接着剤(S


    UPERGLUE)でTeflon(登録商標)シートに接着する。 実施例7:ガラス毛細管アレイ内におけるクローニングおよび複製平板培養化膿連鎖球菌グループAのコロニーとグループBのコロニーとをプレートから選び、寒天培地内で混合して、微生物細胞(これ以外の微生物、動物あるいは植物細胞も同様に適用可能)の懸濁液を形成した。 これを、培地1


    ml当たり濃度およそ20,000個の細胞となるように希釈する。 約0.1mlの懸濁液をGCAの表面に適用する。 これにより100穴につき約1細胞の割合として、確実に1細胞のみをクローニングする。 このGCA


    を無菌ぺトリ皿内に配置し、蓋をして37℃にて一晩インキュベートする。 【0163】底部にTeflon(登録商標)シートを具備しないさらに2枚の無菌GCAに、1%アガロースを補充した0.1mlの加熱液体培養流体を充填する。


    次にこれがほぼ凝結するまで冷却し、これを、クローニングした細菌細胞を含むGCAの頂部に各GCAの穴が整合するように直接積み重ねる。 Teflon(登録商標)の頂部シートをきつく圧縮し、この積層体を互いに締付ける。 この積層体全体を上下逆さまにひっくり返し、室温にて5分間インキュベートする。 この積層体全体を横向きにして、37℃にて一晩インキュベートする。 次にこの積層体を縦にして、締め付け状態を解放し、各GCAを分離する。 元のGCAを、続けて利用できるように保有しておく。 【0164】追加した2枚のGCAのそれぞれをガラスフラスコ内に配置し、凍結乾燥器に装着して1時間にわたり真空乾燥させた。 GCAを取出し、化膿連鎖球菌グループAに対するFITC共役結合抗体(DIFCO


    製)0.1mlを各GCAに添加し、室温にて10分インキュベートする。 次に各GCAを吸収性ティッシュペーパー(KIMWIPE製)上にブロットして流体を取出す。 マイクロアレイを、PBS内に浸漬させて洗浄し、再度ブロットし、乾燥させる。 12.5μ画素であり、細胞クローンを含む穴の検出に必要な解像度25μ


    を有するCCDスキャナにより、GCAが含む蛍光性の穴と元のGCAが含む細菌含有穴とを検出する。 【0165】スキャナではまず蛍光量をスキャンし、次に細菌性クローンの有無を検出するために吸光度をスキャンする。 吸光度を利用して細菌の有無を示し、2枚のGCAの穴を整合させる。 元のGCAの細菌性クローンを含む穴では幾つかで蛍光を検出できるが、すべてではなく、これがグループS細菌の有無に相当する。 実施例8:モノクローナル抗体の選択懸濁液内のモノクローナル抗体分泌ハイブリドーマを、


    RPMI1640の1ml当たりおよそ20,000セルおよび5%胎仔ウシ血清の培養液に希釈し、0.1m


    lを実施例6のGCAに添加し、実施例7の方法を繰返した。 ただし、2日にわたりCO

    2インキュベータ内で37℃にてインキュベートし、GCAを10%ウシ胎児血清で30分間予備処理を行った。 別のGCAを、蛋白質を含まない食塩水で充填し、積み重ねて締付けた。 この積層体は全く回転させず、室温にて15分間インキュベートした。 上述したようにこの締付けを解放した後、


    真空乾燥させた。 この追加GCAに、約0.1mlのF


    ITC共有結合ヤギ由来抗マウス免疫グロブリンを添加し、上述のようにインキュベートし、取出し、洗浄し、


    蛍光をスキャンした。 抗体分泌ハイブリドーマをGCA


    の蛍光位置から推定する。 実施例9:生物学的性能用蛋白質スクリーニングライブラリBaekkeskov他著、Diabetes38


    (9):1133〜41頁(1989年)により、ヒト血清蛋白質を二次元電気泳動により分離する。 ゲルに2


    00個のスポットを切出し、各蛋白質をPBSの1ml


    内に透析する。 蛋白質溶液1mlを、触媒を含むアクリルアミドモノマー40mgと混合し、内径が1mmであり長さが1mであるポリプロピレンチューブ内に注入する。 このチューブの端部をヒートシールして、各チューブにタグを付ける。 数多くの比較用チューブを、形成時にマイクロアレイの正しい方向付けが容易に確認できるようにさまざまな染料を含有させて作製する。 一晩かけてアクリルアミドを重合させる。 チューブをブラケット内で位置合わせし、上述のように列の間を接着する。 凝固条件下において、束をマイクロトームにより、厚さ1


    0マイクロメートルの切片に薄切りし、このマイクロアレイを直ちにプラスチックシート上に固定する。 【0166】以下の抗原に対するマウスモノクローナル抗体(Vector Labs)をそれぞれ別個のマイクロアレイに接触させ、インキュベートし、洗浄、乾燥、FITC共有結合ヤギ由来抗マウス免疫グロブリンとの接触およびスキャンを上記実施例8と同様に行った。 試験対象である一般の抗原として、インシュリン、


    カルシトニン、グルカゴン、表皮細胞成長因子、インターフェロン、CEA、前立腺性酸性ホスファターゼおよびヒトIgGが挙げられる。 ホルモンレベルも腫瘍抗原レベルも半定量方法で特定できる。 実施例10:迅速な抗生物質感受性試験実施例2にしたがってマイクロアレイを作製する。 ただし、各チューブには、以下に記す構成でさまざまな抗生物質と混合した寒天培地を充填する。 有効なスペクトルで有用な濃度の抗生物質、エリスロマイシン、ペニシリンV、テトラサイクリン、アンピシリン、トリメトプリム/スルファメチゾール、セファクロル、オフロキサシンおよびニトロフラントインの2倍希釈液5本、およびそれぞれが抗生物質として利用できる候補である34種類の新規化合物の2倍希釈液10本を用いる。 【0167】患者の尿から増殖した大腸菌の未知試料のコロニーを、フルオレセインアセテートあるいはトリパンブルーを補充した培養液1ml内に懸濁させ、2枚のマイクロアレイのそれぞれに載せ、37℃でインキュベートした。 インキュベートの開始時および30分後に、


    このマイクロアレイの蛍光および吸光度をスキャンした。 蛍光が検出可能な増加量(スキャンした蛍光量−初期スキャンによる蛍光量)を呈したマイクロアレイセルではセルが増殖したと見なし、開始時から30分後でトリパンブルーの吸光度が増加したマイクロアレイでは死活したセルがあると見なした。 最小発育阻止濃度(MI


    C)および最小殺菌濃度(MBC)をこうして特定した。 同様に新たな候補化合物に見込まれる有効性を推定した。 【0168】大腸菌の未知試料を懸濁させた別のコロニーを含む生理食塩水1mlを、抗生物質ディスクを具備する従来のMueller−Hintonプレート上で平板培養し、一晩インキュベートした。 発育阻止領域の直径に基づき、次の日にMICを特定した。 このマイクロアレイのMICは、標準の発育阻止測定値に匹敵する。 例えば、ニトロフラントインでは、300mcgディスクにおけるミリメートルを単位とするその領域直径は>17mmであると感染しやすく、15〜16mmであれば中間、<14mmであれば耐性があり、これはそれぞれ、mcg/mlを単位とするMICの<32、6


    4および>128に相当する。 このマイクロアレイにおける2倍希釈のニトロフラントインは16、32、6


    4、128および256mcg/mlである。 【0169】この方法を、周知のさまざまなレベルの抗生物質耐性を有する周知の大腸菌株、およびさまざまなレベルの抗生物質耐性を有する数多くの種類の一般微生物で繰返す。 得られた結果から、34種類の候補化合物のいずれを潜在的抗生物質としてさらに試験するべきかがわかる。 実施例11:制癌特性および薬剤のスクリーニング実施例2に記載の方法にしたがって、白血病患者からの新しい細胞、数種類の白血病細胞株(HTB、ATCC


    など)、正常な末梢白血球細胞および正常な骨髄細胞のアルカリ溶解およびプロテアーゼK分解懸濁液を含むマイクロアレイを作製する。 このマイクロアレイを熱変性し、N−myc、C−myc、K−ras、p53、H


    ER−2/neuに対するジゴキシゲニン標識DNAプローブおよび診断を目的とする候補DNAプローブをこれに適用する。 テキサスレッド標識した抗ジゴキシゲニン抗体を添加し、結合のパターンおよび量を特定する。 実施例12:肝炎の試験患者に最良の治療を行うには、ウィルス性肝炎の種類およびその感染の程度を知っておくことが望ましい。 実施例2に記載したようにマイクロアレイを作製する。 ただし、HAV、HBsAg、HBcAg、HCV、HDV


    およびHEVに対するマウスモノクローナル抗体の2倍希釈液10本および同じ抗原に対する2倍希釈液を用いる。 それぞれに対して3本のチューブを準備し、比較例のパターンと共にマイクロアレイ内に使用する。 【0170】血清試料のおよそ3滴をこのマイクロアレイに接触させ、37℃の水浴で10分間インキュベートした後、PBSで4回洗浄する。 各抗原に対する非オーバーラップエピトープ、フルオレセイン標識マウス由来抗ヒトIgGおよびローダミン標識マウス由来抗ヒトI


    gMに対するフルオレセイン標識モノクローナル抗体の試薬約1mlをマイクロアレイに添加した後、37℃の水浴で10分間インキュベートし、PBSで4回洗浄する。 このマイクロアレイをフルオレセインおよびローダミン発光の双方の波長における蛍光をスキャンし、その結果から、マイクロアレイのうち蛍光を発光していたセル、その光の波長およびそのレベルを特定する。 【0171】このマイクロアレイは、初期診断と、回復期血清において抗原および抗体を検出することによる監視処置および寛解との双方を目的にしている。 2倍希釈液を用いて各セルにおいて蛍光量を測定することにより、定量結果が得られる。 実施例13:活性化合物候補のスクリーニング380種類の新たな候補化合物をファイバ内に導入する点を除き、マイクロアレイを実施例2にしたがって作製する。 グルタミン酸受容体2を含む溶液3滴をマイクロアレイに添加した後、37℃にて10分間インキュベートする。 上述したように、このマイクロアレイを洗浄し、乾燥させる。 グルタミン酸受容体2(Vector


    Labs)に対するマウス由来モノクローナル抗体の1:10希釈液を添加した後、上述したようにインキュベートし、洗浄し、乾燥させる。 FITC共役結合ヤギ抗マウスIgGを添加し、このマイクロアレイをスキャンする。 【0172】蛍光セルが、受容体に結合する化合物に相当する。 この受容体が、学習、記憶、発作および他の神経病学的条件に関わっているため、神経伝達物質グルタメートに結合することにより、アゴニストおよびアンタゴニストの双方が薬理学的に対象となる。 実施例14:蛍光によるマイクロアレイの形成および分析マイクロアレイを、a)ラット由来IgGに対する抗体を固定化したマイクロビーズを含む円柱状ポリメタクリレートファイバと、b)ヒトIgGに対する抗体を固定化したマイクロビーズを含む円柱状ポリメタクリレートファイバと、c)比較としてマイクロビーズを含まない円柱状ポリメタクリレートファイバとから作製する。 これらのファイバを長手軸方向に整列させてアレイを形成し、マイクロトームで薄切りした後、その切片をガラススライドに移した。 これらのスライドを蛍光イムノアッセイで試験し、ビーズに対する特異な蛋白質結合を以下のように実証した。 【0173】それぞれUltraLink Immob


    ilized Streptavidin Plusビーズ(直径50〜80ミクロン、ビーズ1ml当たりビオチン−BSA容量10mg、イリノイ州Rockfo


    rdのPierce Chemical Co. )約0.5mlをそれぞれ含む2つの使い捨てカラムを、


    0.05%アジ化ナトリウムを含むpH7.2リン酸緩衝生理食塩水で洗浄した。 これらのスライドを、一方のカラムでは0.5gのビオチン標識ヤギ抗ヒトIgGを含み、もう一方のカラムでは0.5gのビオチン標識ヤギ抗マウスIgGを含む溶液1mlで、5回連続して処理した。 これらのカラムを過剰分のビオチンで処理し、


    PBSで洗浄した。 【0174】使用した包埋材料は、製造業者の指示にしたがって調製したImmunoBed(ペンシルバニア州WarringtonのPolysciences,


    Inc. )であった。 乾燥触媒(225mg)を25g


    のImmunoBed Solution A内に溶解した。 この溶液に、1mlのImmunoBed So


    lution Bを添加した。 この混合物の温度を低く保持したまま、長さ4フィートのTeflon細管(内径1/32インチ)内に、この細管に装着した注射器を用いて導入した。 ImmunoBed樹脂で充填したこの細管を室温にて一晩放置した。 エッジカミソリ1枚刃で細管の端部周囲を切取ってファイバを露出させ、ファイバを細管からそっと引抜くことにより、重合したファイバをTeflon細管から抜き出すことができた。 【0175】ヒトIgGおよびラットIgGに対する抗体を含むUltraLinkビーズを上述のように調製した。 10分間2000rpmで遠心分離して約0.5


    mlのそれぞれを収集し、これらを、上述のように調製した5mlの低温のImmunoBed溶液(Solu


    tionA+触媒+SolutionB)と混合した。


    その後、ビーズを5℃にて2000rpmで10分間遠心分離した。 これを3回繰返した。 小球状となったビーズをImmunoBed溶液1ml内に再度懸濁させて、内径1/32インチのTeflon細管内に導入した。 この細管を束に折り曲げ、遠心分離機のバケット内に入れ、2500rpmで10分間遠心分離した。 このバケットを除去して室温にて一晩置き、ImmunoB


    edを重合させた。 この束を、折り曲げた頂端部を切削することにより切片を作製し、ストランドを押出した。 【0176】2本の比較ファイバおよび2本の実験ファイバを、それぞれ長さ1.5cmに切断した。 これらのファイバを長手軸方向に整合し、Teflonブロック内の溝に配置した。 ガラススライドをこのファイバの上に置き、一定位置に押付けて、約1mmの各ファイバを露出させた。 ImmunoBed溶液(Solutio


    nA+触媒+SolutionB)を、このファイバの露出先端部に注ぎ、ガラススライドの下を流動させて、


    ファイバの周囲およびファイバとファイバとの間の隙間を充填させた。 この構造体を一晩室温で放置し、完全に重合させた。 このアレイを型から取出し、LeicaM


    oddel RM−2155 Microtomeで薄切りにした。 この切片(10ミクロン)を、20μl液滴の水を含むガラススライドに移し、室温にて水を蒸発させた。 こうすることにより、切片をガラススライドに密着させた。 50ミクロン厚さの切片ではバックグラウンド蛍光が強くなる。 【0177】上記で作製し、ガラススライドに装着した10ミクロン厚さの切片を、1mg/mlBSAを含むPBSで1:50に希釈した正常ラット血清(IgG含有)100μlで60分間室温にて処理した。 この溶液をスライドから排液し、1時間100μlのPBS/BSAですすいだ後、廃液する前に5分間100μlのPBS/BSA


    で3回洗浄した。 最後の洗浄後、PBS/BSAで1:


    100に希釈したラットIgG(H+L)に対するRフィコエリトリン標識アフィニティ精製ヤギ抗体100μ


    lを添加し、室温にて60分放置した。 次にこの溶液を排液し、上述のように4回洗浄した。 蛍光免疫染色した後、切片を、Olympus ModelBX−40蛍光顕微鏡(ニューヨーク州MelvilleのOlym


    pusAmerica,Inc. )でグリーンフィルタ(励磁フィルタ510〜550nm、遮断器フィルタ5


    90nm)を用いて見た。 上記10ミクロン厚さスライスを含む4枚の円形スライスには、2枚の比較スライスも含まれており、一方は抗ヒトIgHを具備するビーズを含み、もう一方は抗ラットIgGを具備するビーズを含んでいた。 ラットIgGに対する抗体を含む円形スライスの蛍光は、抗ヒトIgHを含むスライスよりも強かったため、2枚の比較スライスは反応の特異性を実証した。 【0178】 【表2】 本明細書に開示した実施態様に対してさまざまな修正を加えられることを理解されたい。 したがって、上記の記述は制限的であると解釈されるものではなく、好適実施態様を単に例示したものにすぎない。 当業者であれば、


    本明細書に添付した請求の範囲および趣旨を逸脱することなく他の修正を加えられることが明白であろう。 【0179】本明細書に引用した特許および文献のすべてについて、その内容全体を本明細書内に引用したものとする。 参考文献著書Hermanson, Greg T. Bioconjugate Techniques. Acad


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    ns. US 4,289,623 Hollow fiber dialysis US 3,976,576 Dialyzer cartridge - Also, use of dia


    lyzer cartridge by filling hollow fibers and embed


    protein in fibers as they are formed beforethe ca


    rtridges are cut.

    【図面の簡単な説明】 【図1】マイクロアレイを作製する処理における中間段階の製品を示す略図である。 【図2】ゲル内に包埋された固定化リガンドを含む各細管を示す略図である。 【図3】リガンドを吸着したゲルを含む各細管を示す略図である。 【図4】リガンドをセルの内壁に吸着して含み、一表面を閉塞してマイクロウェルのセットを形成する手段を含むアレイの略図である。 【図5】束をスライスする前にファイバすべてがその正しいパターンに維持されていることを確認するための手段を示す略図である。 【図6】アレイを識別する手段を示す略図である。 【図7】アレイのスキャン方法を示す略図である。 【図8】ファイバ束を形成する別の方法を示す。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA G01N 33/566 G01N 33/566 37/00 102 37/00 102 C12Q 1/68 A // C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAF (72)発明者 アンダーソン,エヌ. ,レイ アメリカ合衆国,ワシントン,ディーシー 20009,エヌ. ダブリュー. ,ウィラー ド ストリート 1759 (72)発明者 ブラーツ,ジェイムズ,エー. アメリカ合衆国,メリーランド州 20705, ベルツヴィル,イェーツ ロード 4510 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA80 CA01 GA30 HA12 HA15 HA20 4B029 AA07 AA21 AA23 BB01 BB02 BB11 BB15 BB17 BB20 CC10 FA01 FA09 FA12 FA15 4B063 QA01 QA18 QQ42 QR32 QR55 QR82 QS34 QX01

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