Synthesis of combinatorial libraries, characterization, assay method and apparatus

申请号 JP2000598462 申请日 2000-02-11 公开(公告)号 JP2002536653A 公开(公告)日 2002-10-29
申请人 アベンティス・クロップサイエンス・エス・アー; 发明人 アベデイ,ジアレ・アズミ; スミス,ヘンリー・デイビツド,ザ・サード; マツコーム,スーザン・マリー; モネ,ピエール; リベイユ,イブ;
摘要 (57)【要約】 組合せライブラリーに使用するための多数の化合物を合成、精製及び分析するためのデバイス及び方法を開示する。 前記方法は、一連の化合物を多ウェルプレートまたは多チューブラックにおいて作成し、反応混合物を精製し、精製した化合物を分析し、任意に前記化合物に対してバイオアッセイを実施することを含む。 化合物に関する情報は中央データベースに蓄積される。 前記デバイスは、1つ以上の多チューブ構造物、精製デバイス、前記チューブの内容物を移す手段、溶媒蒸発器、分析装置及び任意に秤量器具を含む。 多チューブ構造物は、任意にコンピューター制御により該構造物に被せたりまたは該構造物から外すことができるカバーを含む。 チューブの配列を1段階から次段階に相関させることにより、各チューブよりもむしろ各多チューブ構造物に対して1つのバーコードまたは他の識別子を使用することができる。 こうして、多数の化合物に対するデーター収集が簡素化される。 本明細書に記載のインターフェースにより、1つの業者からのラック及び他の業者からの他の構成部品を使用することができる。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 a)一連の化合物を第1多ウェルまたは多チューブ構造物において合成し、b)前記ウェルまたはチューブの内容物を液体クロマトグラフィー精製デバイスに移し、前記内容物を精製して、1つ以上の溶出画分を生成し、
    c)溶出画分を、第2多チューブ構造物中の1つ以上のチューブに移し、d)チューブの内容物を分析することを含む先導最適化ライブラリーにおいて複数の化合物を合成、精製及び分析する方法であって、前記した第2多チューブ構造物中のチューブの位置は第1多ウェルまたは多チューブ構造物中のチューブの位置と相関しており、各化合物の合成、化合物の分析、各種多チューブ構造物または多ウェルプレートにおける各化合物の位置及び分析データに関する情報が該情報が第1多ウェルプレートまたは多チューブ構造物中の各チューブまたはウェルの位置に相関し得るようにデーターベースに蓄積され、前記した液体クロマトグラフィー精製デバイスは分取HPLCまたはカラムクロマトグラフィーであることを特徴とする前記方法。
  • 【請求項2】 チューブが個々に標識されていないことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  • 【請求項3】 精製し、溶出画分を第2多チューブ構造物中のチューブに移した後溶媒をチューブに除去することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  • 【請求項4】 溶出画分を受容する前であって溶媒を除去した後に第2多チューブ構造物中のチューブを秤量することを特徴とする請求の範囲第3項に記載の方法。
  • 【請求項5】 各精製化合物の重量を、第2多チューブ構造物中の溶媒蒸発後のチューブの重量から空のチューブの重量を差し引くことにより求め、情報をデーターベースに蓄積することを特徴とする請求の範囲第4項に記載の方法。
  • 【請求項6】 第1及び第2の多チューブ構造物を横座標及び縦座標コンフィギュレーションに配置することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  • 【請求項7】 多チューブ構造物の少なくとも1つがコンピューター制御により取り外し可能なカバーを含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の方法。
  • 【請求項8】 カバーが、構造物中のチューブと相関関係にある複数の孔または他の開口を含み、前記開口は、チューブをカバーを外すことなく構造物から取出せず、アイテムはチューブをラックから取出すことなく該チューブに添加され得るかまたは該チューブから除去され得るような大きさを有することを特徴とする請求の範囲第7項に記載の方法。
  • 【請求項9】 合成し、精製し、分析した化合物を更に1つ以上のバイオアッセイにかけることを特徴とする請求の範囲第7項に記載の方法。
  • 【請求項10】 各チューブの内容物のバイオアッセイの結果を情報と相関させることを特徴とする請求の範囲第9項に記載の方法。
  • 【請求項11】 a)複数のチューブからなる構造物であって、各チューブが少なくとも1つのコア化合物を収容し、各チューブが構造物中の定位置にある構造物を剛性支持体上に配置し、b)前記コア化合物に対して化学反応を実施して、反応生成物のコンフィギュレーションを含む反応混合物のコンフィギュレーションを形成し、c)反応混合物を精製し、反応生成物を分離し、d)反応生成物を1つ以上の分析機器を用いて特徴付け、e)任意にステップa〜dの1つ以上を繰り返すことを含む自動化学合成方法であって、前記ステップの少なくとも1つ以上を前記構造物で全体的に実施し、少なくとも1つのステップを各チューブで個々に実施し、合成の最初の反応物及び最終生成物を構造物上のそれらの位置により同定し、前記位置を剛性支持体上のチューブの位置を用いてコンピョーター手段により記録することを特徴とする前記方法。
  • 【請求項12】 チューブが個々に標識されていないことを特徴とする請求の範囲第11項に記載の方法。
  • 【請求項13】 各チューブ中の単離反応生成物の量を、該チューブの風袋重量を秤量し、化合物をチューブ中で単離し、すべての溶媒を除去した後の既に風袋秤量したチューブの重量を測定し、チューブの風袋重量を反応生成物を含むチューブの重量から差し引くことにより計算することを特徴とする請求の範囲第11項に記載の方法。
  • 【請求項14】 a)1つ以上の多チューブ構造物、b)精製デバイス、c
    )チューブ内容物を移す手段、d)溶媒蒸発器、e)チューブへの溶媒添加手段、f)分析装置、及びg)前記した多チューブ構造物中の各チューブの内容物に関する情報を蓄積するための適当なソフトウェア制御を備えたコンピューターを含むことを特徴とする複数の化合物を逐次合成、精製及び特徴付けるための装置。
  • 【請求項15】 更に、秤量器具を含むことを特徴とする請求の範囲第14
    項に記載のデバイス。
  • 【請求項16】 多チューブ構造物が、コンピューター制御により取り外し自在であり、コンピューター制御によりチューブを所与の配置でロックするかまたはロックを外すカバーを含むことを特徴とする請求の範囲第14項に記載のデバイス。
  • 【請求項17】 精製デバイスが1つ以上の分取HPLCカラムを含み、2
    つ以上のHPLCカラムを使用するときこれらは平行に設置されることを特徴とする請求の範囲第14項に記載のデバイス。
  • 【請求項18】 チューブの内容物を移す手段がロボットアームであることを特徴とする請求の範囲第14項に記載のデバイス。
  • 【請求項19】 溶媒蒸発器が複数の多チューブ構造物を収容するように構成されている遠心装置であることを特徴とする請求の範囲第14項に記載のデバイス。
  • 【請求項20】 分析装置がNMR機器、UV分光計及びIR分光計からなる群から選択される1つ以上の分析機器を含むことを特徴とする請求の範囲第1
    4項に記載のデバイス。
  • 【請求項21】 デッキ及びラック上に存在する取付け具と併用するように構成されている取付け具を用いて多チューブラック及び自動化学合成に使用される構成部品上のデッキに取付けるためのインターフェースであって、多チューブラックの底面への取付け手段を含む上面、及び液体ハンドラーまたは自動化学合成に使用される他の構成部品のデッキの上面への取付け手段を含む下面を含むことを特徴とする前記インターフェース。
  • 【請求項22】 デッキ及び/またはラックの取付け手段が雄及び/または雌部品からなることを特徴とする請求の範囲第21項に記載のインターフェース。
  • 【請求項23】 デッキ及び/またはラックの取付け手段が電磁石からなることを特徴とする請求の範囲第21項に記載のインターフェース。
  • 【請求項24】 デッキ及び/またはラックの取付け手段が万力からなることを特徴とする請求の範囲第21項に記載のインターフェース。
  • 【請求項25】 万力が透明な端部を含むことを特徴とする請求の範囲第2
    4項に記載のインターフェース。
  • 【請求項26】 ラックの取付け手段が、インターフェース中の1つ以上の孔に嵌合するように構成されている1つ以上のベンチドッグからなることを特徴とする請求の範囲第21項に記載のインターフェース。
  • 【請求項27】 インターフェースが金属からなる材料から作られることを特徴とする請求の範囲第21項に記載のインターフェース。
  • 【請求項28】 金属がアルミニウム及びステンレス鋼からなる群から選択されることを特徴とする請求の範囲第27項に記載のインターフェース。
  • 【請求項29】 金属が空気中での酸化に対して耐性を有する金属であることを特徴とする請求の範囲第27項に記載のインターフェース。
  • 【請求項30】 インターフェースがガラス、プラスチックまたはポリマーからなる材料から作られることを特徴とする請求の範囲第21項に記載のインターフェース。
  • 【請求項31】 更に、ラックを加熱及び/または冷却する手段を含むことを特徴とする請求の範囲第21項に記載のインターフェース。
  • 【請求項32】 更に、インターフェースを同定する手段を含むことを特徴とする請求の範囲第21項に記載のインターフェース。
  • 【請求項33】 手段がバーコードであることを特徴とする請求の範囲第3
    2項に記載のインターフェース。
  • 【請求項34】 別のデッキへの取付け手段を有する2つ以上のラックがインターフェースに取付けられ得るように2つ以上のラック取付け手段を含むことを特徴とする請求の範囲第21項に記載のインターフェース。
  • 【請求項35】 別のラックへの取付け手段を有する2つ以上のデッキがインターフェースに取付けられ得るように自動化学合成において使用される液体ハンドラーまたは他の構成部品のデッキを取付けるための2つ以上の手段を含むことを特徴とする請求の範囲第21項に記載のインターフェース。
  • 【請求項36】 多ウェルプレートまたは多チューブアレーを受容するための第1非対称把持手段を有する上面、及び自動合成デバイスを係合するための第2非対称把持手段を有する底面を含むことを特徴とする自動合成用インターフェースプレート。
  • 【請求項37】 上面、底面、及び前記上面における縦軸に沿って前記底面に向かうが底面を貫通せずに延びる複数のボイドからなるブロックを含むチューブを保持するための多チューブラックであって、a)前記ボイドは、ブロックの上面に該ブロックの底面を貫通しない範囲で実質的に丸い開口を形成し、b)前記ボイドは上部、底部及び底面からなり、i)前記上部は底部に連結し、底部は底面に連結しており、ii)前記上部は実質的に一定の直径を有する実質的に円筒形であり、iii)前記底部は直径が底面に近づくにつれて実質的に直線的に狭くなる実質的に円筒形であり、iv)底面は実質的に平らであるかまたはチューブの底部を受容するように湾曲していることを特徴とする前記ラック。
  • 【請求項38】 底面が平らであることを特徴とする請求の範囲第37項に記載のラック。
  • 【請求項39】 底面がチューブの底面を受容するように湾曲していることを特徴とする請求の範囲第37項に記載のラック。
  • 【請求項40】 ブロックが金属からなることを特徴とする請求の範囲第3
    7項に記載のラック。
  • 【請求項41】 金属がアルミニウム及びステンレス鋼からなる群から選択されることを特徴とする請求の範囲第40項に記載のラック。
  • 【請求項42】 ブロックがガラスまたはポリマーからなることを特徴とする請求の範囲第37項に記載のラック。
  • 【請求項43】 ブロックがカバーへの取付け手段を含むことを特徴とする請求の範囲第37項に記載のラック。
  • 【請求項44】 カバーがラックに気体または真空を導入するための手段を含むことを特徴とする請求の範囲第37項に記載のラック。
  • 【請求項45】 ブロックがボイドの加熱及び/または冷却手段を含むことを特徴とする請求の範囲第37項に記載のラック。
  • 【請求項46】 1つ以上のボイドが実質的にチューブで充填されていることを特徴とする請求の範囲第37項に記載のラック。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 (発明の分野) 本発明は、包括的には化合物の組合せライブラリーを合成、精製及び特徴づけるための新規な方法及び装置に関する。 本発明はまた、化学合成、精製等を実施するための複数のチューブを保持する多チューブラックに取付け、また自動化学合成に使用される構成部品上のデッキに取付けるように設計されたインターフェースにも関する。 本発明は更に、化学合成、精製等を実施するための複数のチューブを配置するための多チューブラックにも関する。

    【0002】 (発明の背景) 組合せ化学は、通常多数の化合物を一度に製造、精製、特徴付け及び/またはアッセイするために使用されている。 この方法は、更なる開発のために将来有望な化合物を同定するために使用され得る。 組合せ化学実験では、化学ライブラリー(構造の異なる化合物の大集団)は、しばしばコア化合物を各種部分と反応させて、コア構造は同じであるが置換基が異なる複数の化合物を提供することにより構築されている。 その後、構造/活性の関係(SAR)が活性について化合物を評価することにより決定され得る。

    【0003】 組合せライブラリーは、新規化合物の作成及び前記化合物の精製、分析及びスクリーニングの点で限定される。 しばしば、多くの化合物が合成され得るが、精製、化学分析及びバイオアッセイ段階で絞られる。

    【0004】 組合せライブラリーを合成、精製、分析及びスクリーニングするために幾つかの方法が開発された。 これらの方法の一部は多ウェルプレートにおいて化合物を作成することを含み、他の方法は多チューブ構造物での作成を含む。 多ウェルプレートの使用には、反応の規模がウェルの大きさのためにかなり制限される傾向にあり、複数のウェル中の各試料の重量を求めることが困難であるので化学収率を測定しにくいという欠点がある。 多チューブ構造物において化合物を合成すれば、合成の規模を多少拡大できるが、チューブの位置が固定されず、チューブを誤配置したときにヒューマンエラーが生ずる恐れがあるという欠点がある。

    【0005】 更に、組合せ化学分野では殆ど標準化されていない。 例えば、多チューブ構造物は大抵748または96個のチューブを含む。 しかしながら、自動精製及び化学分析装置は、必ずしも化合物を作成するために使用される多チューブ構造物中のチューブの数を考慮して設計されていない。 このため、合成、精製及び化学分析の段階へと進むにつれて化合物の正体及びその性質を追跡することが困難である。

    【0006】 上記した問題を解決するための従来の試みは、通常多チューブ構造物中の各チューブに個々に標識(例えば、バーコード)を貼付することを含む。 前記バーコードにより、ヒューマンエラーのために誤配置されたチューブを追跡し、そのチューブを1ラックあたりのチューブ数が異なる別の多チューブラックに移動させるチューブ及び該ラックから移動させたチューブを追跡し続けることができる。

    【0007】 化合物ライブラリーの合成、精製及び化学分析を追跡するためにバーコードを用いる組合せ方法の例は、MDS Panlabsが開発したシステムである。
    このシステムは、多チューブ構造物において1ミリモルの規模で化合物を合成し、前記化合物を分取HPLCにかけ、前記化合物をフローインジェクト質量分光法により分析する。 前記構造物中の各チューブをバーコードで同定し、合成、精製及び化学分析の段階からロボットアームを用いて移動させる。 前記バーコードは通常接着剤を用いて貼付されている。 この接着剤は、チューブが高い温度及び/または低い圧を含めた条件に曝されたときに任意の段階で蒸発する恐れがある。

    【0008】 多くの組合せライブラリーのサイズを考慮すると、複数のチューブに個々にバーコードを貼付し、追跡しつづけることはかなり負担であり得る。 化合物の合成、特徴付けまたは他の取り扱いのために使用される各チューブにバーコードを付す必要なく、多数の化合物を分析及びスクリーニングする新しいデバイス及び方法を提供することが有利である。 本発明はそのようなデバイス及び方法を提供する。

    【0009】 組合せ化学において標準化されていないことに関連する別の問題は、ある業者からの多チューブラックがしばしば他の業者からの自動合成装置中の構成部品と互換性でないことである。 多チューブラック全体を1つの装置から別の装置に移動することができ、機械に配置したときにラックを適所に固定し得、ある業者からの自動化学合成に使用される構成部品及び別の業者からの多チューブラックと互換性である自動化化学合成に使用される装置を提供することが有利である。 本発明はそのような装置を提供する。

    【0010】 チューブを確実に保持し得るが、チューブを破損することなくチューブをラックに導入及びラックから取出すロボットアームの動作に余裕を与える多チューブラックを提供することが有利である。 本発明はそのようなラックを提供する。

    【0011】 (発明の要旨) 本発明は、多数の化合物、特に組合せ及び/または先導作成及び/または先導最適化ライブラリーに使用するための化合物を合成、精製及び分析するためのデバイス及び方法に関する。

    【0012】 前記方法は、元の多ウェルプレートまたは多チューブ構造物中のチューブの位置を操作の次段階で作成または使用するチューブの位置と相関させる能力を維持しながら、多ウェルプレートまたは多チューブラックにおいて一連の化合物を作成し、各チューブの位置をコンピューターデバイスに蓄積し、各チューブの内容物を精製/特徴付けのためのクロマトグラフデバイスに移し、当該化合物を含む溶出画分から溶媒を除去し、化合物を化学的に分析し、その後任意に化合物をバイオアッセイにかけることを含む。

    【0013】 前記デバイスは、1つ以上の多チューブ構造物、クロマトグラフまたは他の精製デバイス、チューブの内容物を精製デバイスに移す手段、溶媒蒸発器、溶媒を溶媒蒸発後のチューブに添加する手段、分析装置、及び内容部の一部またはすべてを分析装置に及び任意に該装置から移す手段を含む。 任意に、前記デバイスは秤量器具を含む。

    【0014】 1具体例では、多チューブ構造物(multi-tube configuration)は、コンピューター制御により前記構造物に被せたりまたは前記構造物から外すことができるカバーを含む。 こうして、コンピューターによりチューブを多チューブ構造物から他の場所(例えば、秤量ステーション)に移動させることができ、チューブを手動移動から保護することができる。 これにより、結果的にチューブを誤配置するようなヒューマンエラーが最小限となり、しばしば試料の重量の10%以上であり得るバーコードラベル上の接着剤の蒸発に関連するエラーを最小限とするために各チューブ上に識別子(例えば、バーコード)を付す必要がなくなる。

    【0015】 幾つか具体例では、各ステップにおいて多チューブ構造物中のチューブの数は一定である。 或いは、チューブの数を段階毎に変更することもできる。 しかしながら、1つの段階からのチューブの配列と後続段階でのチューブの配列を相関させ得る。

    【0016】 1つの段階から後続段階へのチューブの配列を相関させることにより、各チューブよりもむしろ各多チューブ構造物に対して1つのバーコードまたは他の識別子を使用することができる。 こうすると、多数の化合物に関するデータ収集が簡素化される。

    【0017】 本明細書に記載の方法を用いて評価され得る化合物には、例えば医薬または農薬(例えば、殺虫剤、農薬、除草剤)が含まれる。

    【0018】 1具体例では、化合物を、共通構造を有する各種化合物のコンフィギュレーションの形態で多チューブ構造物に配置し、構造的に異なる組合せライブラリーを構築するために各化合物はコントロールしながら修飾する。 共通構造は、通常他の分子の添加により構造を変化させる反応を受けることができるサイトを好ましくは1つ、より好ましくは2つ有する。

    【0019】 1具体例では、化合物は本明細書に記載のデバイス及び方法を用いて合成されないが、予め作成した後精製、分析及び任意にバイオアッセイにかけられる。

    【0020】 上記したステップは、構造物において全体的にまたは各チューブにおいて個々に実施され得る。 例えば、合成ステップ中、試薬を各チューブに全体的に添加し得る。 精製ステップ中、チューブの内容物を個別に精製デバイスに移すことができる。 溶媒をチューブから除去したら、ラック全体を溶媒除去デバイスに配置することができる。 反応生成物を特徴づけたら、各チューブの内容物を個別に分析機器に送ることができる。 使用する特定デバイスに応じて、当業者はあるステップを全体的に実施することにより、あるステップを構造物中のチューブにおいて個別に実施することにより方法を容易に最適することができる。

    【0021】 多チューブラックを自動化学合成装置において適所に保持するためのインターフェースも開示されている。 前記インターフェースは上面及び底面を含み、前記上面は多チューブラックの底部に取付け、底面を自動化学合成並びに試料の自動精製、自動分析及び自動分配に使用される液体ハンドラーまたは他の構成部品のデッキの上部に取付けられる。 自動化学合成が本明細書に記載されている場合、
    インターフェースは試料の自動精製、自動分析及び自動分配において有用であることを当業者は認識している。 ラック、インターフェース及び自動合成装置のコネクションにより、ラックはデッキ上にしっかり載置される。

    【0022】 本明細書に記載のインターフェースは上面及び底面を含む。 前記底面は、自動化学合成に関与する液体ハンドラーまたは他の構成部品に取付けるための手段を含み、前記上面は多チューブラックに取付けるための手段を含む。

    【0023】 1具体例では、液体ハンドラー及びラックに取付けるための手段は雄/雌コネクション、例えば等しい大きさの丸い孔に嵌合する丸いペグを使用することを含む。 別の具体例では、磁気リンケージ、好ましくは電磁石を遮断することにより結合を外すことができる電磁石リンケージを用いて取付けられる。 別の具体例では、万力を用いて取付けられる。 好ましくは、万力の1端は、多チューブラックを同定するためのバーコードまたは他の手段を該万力を介して見ることができるように透明である。 インターフェースの上面上での使用に限定される更に別の具体例では、インターフェースの孔に嵌合させ、多チューブラック上にしっかり固定するように構成されたベンチドッグを用いて取付けられる。

    【0024】 取付け手段は、液体ハンドラー、自動合成装置の他の構成部品または組合せ化学に使用される構成部品をインターフェースに取付け、多チューブラックをインターフェースに取付けるならば適当に組み合わせて併用され得る。

    【0025】 好ましい具体例では、液体ハンドラーはスタッド付きデッキを含み、ラックは、受容したときにデッキの表面上をプレートが動けないようにするスタッドの受容手段を含むように改造されたGilson(登録商標)自動合成ラックである。

    【0026】 好ましくは、1つの機械から他の機械、例えば液体ハンドラーから他の構成部品にラックが容易に移動し得るように取付けられる。 これは、例えば特にコネクションの雌及び雄部品を雄部品を雌部品に垂直に挿入することにより連結したときにはラックをインターフェースまたはデッキから持ち上げることにより実施され得る。

    【0027】 多チューブラックも開示されている。 前記ラックは、複数のチューブを受容するように設計された複数のボイドを含む。 前記ボイドは、チューブを確実に保持するが、チューブの破損を最小限とするようにチューブをラックに導入及びラックから取出すロボットアームの移動の際のエラーを許容するように形成される。
    ボイドの断面を図1に示す。 チューブをボイドに配置した状態のボイドの断面を図2に示す。

    【0028】 化合物をチューブにおいて合成する場合、化合物を通常、該化合物を溶媒中に含む溶液として存在させる。 化合物の精製は、チューブの内容物をHPLCにピペッティングし、HPLCカラムから精製化合物を収集し、その後溶媒を除去することにより実施され得る。 溶媒は複数の方法で除去され得る。 1つの方法は、
    真空下での遠心分離による。 別の方法は、チューブを加熱して溶媒を追い出す、 ラックは、好ましくはチューブを加熱することによりチューブから溶媒を蒸発させ得るのに十分な熱を伝導する材料から作成される。 金属及びガラスが好適材料の例である。 前記ラックが高い熱安定性を有していることが好ましく、好ましくは加熱または冷却用気体または液体ラインが取付けられている。 ラックは任意にカバーを含み、このカバーには好ましくはボイド中のチューブの内容物に不活性雰囲気及び/または真空が与えられ得るように気体(好ましくは、N )及び/または真空ラインが取付けられている。

    【0029】 (図面の簡単な説明) 図1は、多チューブラック中のボイドの断面を示す。

    【0030】 図2は、多チューブラック中のボイドの断面及びボイド中に配置したチューブの断面を示す。

    【0031】 図3は、多チューブラック及び液体ハンドラー上のデッキを相互連結するためのインターフェースの図である。

    【0032】 (発明の詳細説明) 第1具体例:組合せライブラリーを合成、特徴付け、アッセイするための方法 及び装置 本発明は、多ウェルプレート及び/または多チューブラックを用いて多数の化合物、特に組合せライブラリー、先導作成(lead generation)及び/または先導最適化(lead optimization)ライブラリーのために作成される化合物を合成、精製及び分析するためのデバイス及び方法に関する。 本明細書中、組合せライブラリーは先導化合物を見つける及び/または作成するために作成した化合物のライブラリーであり、先導最適化ライブラリーは既に同定されている先導化合物を取り巻いて構築された化合物のライブラリーである。 本明細書中、実質的に純粋な化合物は少なくとも40〜60%、好ましくは80%、より好ましくは85%以上の純度を有する。 本明細書中、チューブは本明細書に記載されている方法中約200μg〜約1gの化合物、好ましくは約1〜約100mgの化合物を収容し得る適当な容器である。

    【0033】 本発明の方法は、a)多チューブラックまたは多ウェルプレートにおいて一連の化合物を合成し、b)各チューブまたはウェルの位置をコンピューターデバイスに蓄積し、c)各チューブまたはウェルの内容物を個別に精製デバイスに移し、d)各精製画分から溶媒を除去し、e)任意に、溶媒を除去後の各チューブを秤量して、収率に関する情報を得、f)精製化合物に対して1つ以上の化学分析を実施し、任意にg)化合物を後続のバイオアッセイのために1つ以上の多ウェルプレートに移し、及びh)任意に精製化合物に対してバイオアッセイを実施することを含む。

    【0034】 方法の各段階で、前段階におけるチューブ(化合物を多ウェルプレートで合成する場合にはウェル)の位置を後続段階におけるチューブの位置と相関させ得る。 こうして、各チューブに個別にバーコードを付ける必要がなくなる。 むしろ、
    本発明の方法により各多チューブ構造物または多ウェルプレートに対して1つのコードを使用することができ、多数の化合物に関するデーター収集が簡素化される。

    【0035】 前記デバイスは、多チューブ構造物、クロマトグラフまたは他の精製デバイス、チューブの内容物を精製デバイスに移す手段、溶媒蒸発器、任意に蒸発後の試料を秤量する手段、溶媒蒸発後のチューブに溶媒を添加する手段、分析装置、及び前記内容物の一部または全部を分析装置に及び任意に該装置から移す手段を含む。

    【0036】 本明細書に記載のデバイス及び方法により、各チューブをバーコードで同定する必要なく、化合物ライブラリー全体の合成、精製及び/または分析を完全にコントロールすることができる。 識別子としてバーコードを含まないので、精度が高くなり、エラーの可能性が低下する。 これは、測定する化合物の量がチューブの取り扱い中蒸発して損失する接着剤の量と同一規模であるときに特に適切であり得る。

    【0037】 各チューブの内容物を秤量し得るので、製造した各化合物の量を測定することができる。 この情報はLD 50を測定する際及び化学合成を最適化する際に有用であり得る。

    【0038】 化合物の溶液を調製し、該溶液を後続のバイオアッセイのために別の多ウェルプレートに導入することにより、バーコードを除去する必要なく洗浄後チューブを再使用することができる。 前記チューブを一度に洗浄し、再秤量することができ、またはチューブを個々に洗浄し、チューブの重量を再測定することなく既に蓄積されているチューブの風袋重量を再利用できるように構造物の元の位置に戻すことができる。

    【0039】 I. 化合物の合成 (A) 合成可能な化合物の種類 任意の種類の化合物が本明細書に記載の方法に従って合成され得る。 特に、医薬化合物及び農薬化合物のライブラリーが合成され得る。 通常、化合物はコア構造を有し、このコア構造はライブラリー(例えば、化合物の組合せまたは先導最適化ライブラリー)を構築するために少なくとも1つのサイト、好ましくは2つ以上のサイトで多種多様の官能基で修飾され得る。

    【0040】 合成可能な農薬化合物には、例えば殺虫剤、農薬、殺菌剤、除草剤、殺ダニ剤等が含まれる。 殺虫剤の例には、1−アリールピラゾール類、ピロール類、ピロリドン類及びニコチン酸誘導体類が含まれる。

    【0041】 合成可能な医薬化合物には、ステロイド類、ホルモン類、ペプチド類、タンパク質類、オリゴヌクレオチド類、オリゴリボヌクレオチド類、酵素類、各種受容体に結合するリガンド類等が含まれるが、これらに限定されない。

    【0042】 好適なコア構造には、ペプチド類、タンパク質類、オリゴヌクレオチド類、オリゴリボヌクレオチド類、オリゴサッカライド類、アルカノイド類、キノリン類、イソキノリン類、ベンゾイミダゾール類、ベンゾチアゾール類、プリン類、ピリミジン類、チアゾリジン類、イミダゾピラジノン類、オキサゾロピリジン類、
    ピロール類、ピロリジン類、イミダゾリドン類、キノロン類、アミノ酸類、マクロライド類、ペネム類、サッカロイド類、キサンチン類、ベンゾチアジアジン類、アントラサイクリン類、ジベンゾシクロヘプタジエン類、イノシトール類、ポルホィリン類、コリン類及びゲノム固体(例えば、デドカヘドラン)を示す炭素骨格が含まれるが、これらに限定されない。 前記コア構造は天然に存在する化合物から誘導され得るか、または非天然修飾(すなわち、天然に存在しないアミノ酸及びヌクレオチド)を含み得る。

    【0043】 コア構造に対する好適な修飾を下記に例示する: 1)すべての天然に存在するα−アミノ酸、天然側鎖の誘導体、変異体または擬似体を有する種を含めた天然及び合成アミノ酸残基;N−置換グリシン残基;
    アミノ酸残基に機能的に似ていることが公知の天然及び合成種(例えば、スタチン、ベスタチン等)を含めたアミノ酸誘導体。

    【0044】 2)天然及び合成ヌクレオチド(例えば、アデノシン、チミン、グアニジン、
    ウリジン、シトシン)、前記の誘導体、プリン環、糖環、ホスフェート結合の変異体及び擬似体、及び前記の幾つかまたは全部の組合せを含めたヌクレオチド誘導体。 考えられるすべての構造修飾を含めたヌクレオチドプローブ(2〜25ヌクレオチド)及びオリゴヌクレオチド(25を越えるヌクレオチド);ホモ及びヘテロ合成組合せ及び天然に存在するヌクレオチドの変形物;合成プリンまたはピリミジン種を含む誘導体及び変異体、その擬似体;各種の糖環擬似体;非限定的にホスホジエステル、ホスホロチオネート、ホスホロジチオネート、ホスホロアミデート、アルキルホスホトリエステル、スルファメート、3'−チオホルムアセタール、メチレン(メチルイミノ)、3−N−カルバメート、モルホリノカルバメート及びペプチド核酸アナログを含めた各種の交互骨格アナログ。

    【0045】 3)天然の生理学的活性炭化物;グルコース、ガラクトース、シアル酸、β
    −D−グルコシルアミン及びノジョリマイシンのような関連化合物(両者はグルコシダーゼ阻害剤である);炎桿菌の増殖を阻害することが公知の5a−カーボ−2−D−ガラクトピラノースのようなシュウド糖(n=1);前記(n=1
    )の合成炭水化物残基及び誘導体;及び公知の抗生物質ストレプトマイシンである高マンノースオリゴサッカライドを含めた天然に見られる前記の複合体オリゴマー変形物(n>1)を含めた炭水化物誘導体。

    【0046】 4)天然に存在するかまたは合成有機構造モチーフ。 用語「モチーフ」は生物学的活性を有する特定構造を持つかまたは含む有機分子(例えば、酵素活性サイトに対して相補的な構造を有する分子)として規定される。 この用語は、薬作用発生団を含めた医薬化合物またはその代謝物の公知の基本構造を含む。 前記した基本構造には、細菌細胞壁生合成を阻害することが公知のβ−ラクタム(例えば、ペニシリン)、CNS受容体に結合することが公知であり、抗うつ剤として使用されるジペンゾアゼピン、細菌リボシームに結合することが公知のポリケチドマクロライド等が含まれる。 前記構造モチーフが通常リガンド受容体に対して特異的な所望の結合特性を有することは公知である。

    【0047】 5)リポーター要素、例えば天然または合成染料、またはスルファミンイミド構造または反応スキームに合成により組み込まれ得、基のリポーター機能に負に干渉したり悪影響を及ぼすことなく基を介して結合し得る反応基を有するフォトグラフ増幅し得る残基。 好ましい反応基はアミノ、チオ、ヒドロキシ、カルボン酸、カルボン酸エステル(特にメチルエステル)、酸クロリド、イソシアネート、アルキルハライド、アリールハライド及びオキシラン基である。

    【0048】 6)重合可能な基(例えば、二重結合)または縮重合または共重合を受け得る他の官能基を含む有機部分。 好適な基には、ビニル基、オキシラン基、カルボン酸、酸クロリド、エステル、アミド、アズラクトン、ラクトン及びラクタムが含まれる。 R及びR'に関して定義されているような他の有機部分を使用することもできる。

    【0049】 7)結合種のリガンド−受容体分子への結合が悪影響されず、結合官能基の相互活性が巨大分子により決定もしくは制限されるように上記した各種反応基を介してスルファミンイミドモジュールに結合し得る巨大分子成分、例えば巨大分子面または構造。 巨大分子成分の例には、正相及び逆相クロマトグラフ分離、水精製、塗料用顔料等の各種用途に通常使用されている多孔質及び非多孔質無機成分(例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタニア等)、及びタンパク質精製、水軟化及び他の各種用途に通常使用されている多孔質及び非多孔質有機巨大分子成分(例えば、スチレンビニルベンゼンビーズ、各種メタクリレートビーズ、
    PVAビーズ等のような合成成分;アガロース及びキチンのような官能化セルロース、ナイロン、ポリエーテルスルホンまたは上記した材料から作られるシート及び中空繊維のような天然成分)が含まれる。 前記した巨大分子の分子量は約1
    ,000ダルトン〜可能な限り高い範囲であり得る。 巨大分子はナノ粒子(dp
    =1,000〜5,000Å)、ラテックス粒子(dp=1,000〜5,00
    0Å)、多孔質または非多孔質ビーズ(dp=0.5〜1,000ミクロン)、
    膜、ゲル、巨視表面、機能化または被覆された変形物または複合物の形態をとり得る。

    【0050】 好適な化学修飾には、適当な有機部分、放射性部分、、水素原子、適当な求電子基(例えば、アルデヒド、エステル、アルキルハライド、ケトン、ニトリル、
    エポキシド等)、適当な求核基(例えば、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシレート、アミド、カルボアニオン、尿素等)、または下記する他の各種構造要素の1
    つを含む有機部分への化学結合を含み得る。 更に、化学的修飾は、環、二環式または三環式系、または以下の式により規定される化合物の反復単位の末端に結合するかまたは他の部分に別に結合し得る構造の形態をとり得る。

    【0051】 (B) 実施可能な反応の種類 慣用の組合せ化学法で通常実施される任意の種類の反応を本明細書に記載されているデバイス及び方法及び空気感受性反応を用いて実施し得る。 合成反応の規模は約200μgを越える範囲、より好ましくは1〜100mgの範囲であるが、規模は特定用途に必要な化合物の量に応じて変更可能であり得る。

    【0052】 化学反応は固相または液相化学を用いて実施され得る。 液相化学が有利である。 なぜならば、通常スケールアップを固相化学よりもしやすいからである。 更に、広範囲の反応及び反応条件が通常液相化学で使用可能である。 しかしながら、
    固相化学を当該化合物を合成するために使用してもよい。

    【0053】 固相または液相で実施され得る反応の例には、例えば空気感受性反応、アミド、エステル、尿素、イミン及びリン化合物を製造するための縮合反応が含まれる。 各種の炭素−炭素結合形成反応は固相及び液相化学を用いて実施することができる。 その例には、スズキ反応、有機亜鉛反応、Stilleカップリング反応、Heck反応、エノラートアルキル化、ウィッティッヒ反応、Horner−
    Wadsworth−Emmons反応、メタセシス反応(例えば、ポリマー結合オレフィンのルテニウム触媒メタセシス)、ミツノブ反応、ペプチドのサブモノマー製造における支持体結合a−ブロモアミドの求核置換、チオールアルキル化、第1級アルキルハライドによるアニリドアルキル化、1,4−ベンゾジアゼピン−2,5−ジオンの固相合成における1ポット環化及びアニリドアルキル化、逐次アミドアルキル化(既存の組合せペプチドライブラリーからの新しい組合せペプチドライブラリーの構築)、ベンゾフェノンイミン−α−炭素アルキル化、支持体結合フェノールのアルキル化またはスルホニル化、エノラートモノアルキル化、ピラゾール及びイソオキサゾールの固相合成における支持体結合1,3
    −ジケトンのアルキル化、第1級または第2級アミンでのトシル置換、グリニヤール反応、SNAr反応、ミカエル付加、ヨードエーテル化反応、酸化、還元(
    例えば、還元アルキル化)、Pictet−Spengler反応等が含まれる。

    【0054】 特定ライブラリーを構築するために使用される反応の種類は、ライブラリー中の化合物の種類及び実施する置換の種類に応じて変更すると予測される。 当業者は当該ライブラリーを構築するための反応及び反応条件の適当な組を容易に決定することができる。

    【0055】 (C) 多チューブ構造物における化合物修飾の組織化 化合物は、多チューブ構造物または多ウェルプレートに化合物のコンフィギュレーションの形態で所望通りに配置され得る。 例えば、化合物は構造の多様性を最大とするように配置され得る。

    【0056】 (D) 反応の実施 化合物ライブラリーを合成するために必要な化学反応を実施するために、化学反応を実施するために1つ以上の反応サイトを有する化合物を複数のチューブに導入する。 所望の化学反応を実施するために適当な試薬をチューブに添加し、反応を実施する。 ロボットアーム及び多ピペットデバイスを使用して、適当な試薬を適当なチューブに添加することができる。 適当ならば、化学反応を不活性雰囲気で実施することができる。 チューブの各々に汚染を避けるためにゴム製隔膜を被せ、試薬は注入口を介して添加する。

    【0057】 好ましくは、合成をコンピューター制御下で実施する。 すなわち、多チューブ構造物中の各チューブまたは多ウェルプレート中の各ウェルの位置をコンピューターに蓄積し、合成する化合物の正体をコンピューター中に化合物のデーターをチューブまたはウェルの位置と相関させる「メモリーマップ」または他の手段で蓄積する。

    【0058】 或いは、化学反応を手動で、好ましくは多チューブラックまたは多ウェルプレートで実施し、情報をコンピューターに蓄積し得る。 チューブ中の化合物を後続の段階で精製し、化学的に分析し、任意にバイオアッセイにかけられ得る。

    【0059】 好ましくは、合成段階における多チューブ構造物中のチューブの数または多ウェルプレート中のウェルの数は精製段階及び化学分析及び任意のバイオアッセイを含めたすべての後続段階で使用される多チューブラック中のチューブの数と同一である。 しかしながら、1具体例では、各段階におけるチューブの数は、1段階からのチューブの配列が後続の各段階におけるチューブの配列と相関されるならば異なっていてもよい。 この相関は通常、各チューブの内容物に関する各種の情報がデーターベースに蓄積される関連データーベースソフトウェアを用いて実施される。

    【0060】 II. デバイス (A) 多ウェルプレートまたは多チューブ構造物 組合せ化学で通常使用されている任意のタイプの多ウェルプレートまたは多チューブ構造物を使用することができる。 好ましくは、ウェルまたはチューブの数は30を超え、各多チューブ構造物中の位置の少なくとも60%にチューブが存在する。 好ましくは、ラックは四または三角であり、チューブはデカルト座標系を用いて同定される。

    【0061】 チューブは、チューブ中で行われる化学反応の種類に応じて、例えばプラスチック、ポリマー、ガラスまたは金属(例えば、ステンレス鋼)から作成され得る。 チューブは任意に隔膜でカバーされ得、これにより例えば試薬が注射器を介して添加され得、またチューブが実際に壊れたときは問題外としてチューブが激しくぶつかったりまたは誤って取り扱っても生成物の損失が最小限となる。

    【0062】 1具体例では、多チューブ構造物はカバーを含み、前記カバーはコンピューター制御により構造物に被せたり構造物から外され得る。 前記カバーは、好ましくは構造物中のチューブに対応する複数の孔または他の開口を含む。 前記孔は、チューブが偶発的に取出されるほどに大きくないが試料を除去したり溶媒を添加するのに十分な大きさであることが好ましい。 このようにして、コンピューターは試薬のチューブへの添加及び該チューブからの除去を制御し得る。

    【0063】 カバーの取り外しは、例えばカバーを適所に固定する螺を挿入・外すことにより、または他の固定メカニズムを用いて実施され得る。 こうして、コンピューターによりチューブを多チューブ構造物から他の場所(例えば、秤量ステーション)へ移動させることができ、チューブを手動で移動できない。 これにより、結果的にチューブが誤配置される種類のヒューマンエラーを最小限とするために各チューブにバーコードを付ける必要がなくなる。

    【0064】 カバーを構造物に被せ、隔膜を各チューブ上に配置するときには、試薬のチューブへの添加及び該チューブからの除去並びに構造物からのチューブの取出しをコンピューターにより制御することができる。 ヒューマンエラーの可能性が有意に最小限となる。

    【0065】 (B) チューブの内容物を移す手段 チューブ及びチューブ内容物を1段階から次段階、例えば精製デバイスから分析デバイスに移すことができる任意のロボットアームを使用することができる。
    適当なロボットアーム及びロボットデバイスは組合せ化学の当業者に公知であり、Zymart、Gilson、Hamilton、Bodhan及びTeca
    n製のものが含まれる。 好ましいロボットはGilson 215ロボットである。 組合せ化学においてチューブを移動させるためにロボットアームを使用することは当業者に公知である。

    【0066】 (C) 精製デバイス 各チューブから試料を採取し、生じた化合物を精製し得る任意のデバイスを使用することができる。 好ましくは、前記デバイスは使用する化学反応に応じて分取HPLC、GC、分離用超臨界流体クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィーのようなクロマトグラフデバイスであり、他のデバイスも考えられ得る。

    【0067】 好ましくは、クロマトグラフカラム(HPLC、GCまたはカラムクロマトグラフィー)を使用する具体例では、デバイスは当該化合物がカラムから溶出するときを同定し得る。 当該化合物がカラムから溶出されるときを同定するために、
    UV、IR、TLC、GC−MS、FID、NMR、ELSD、窒素検出等を含めた各種手段が通常使用されてきた。 前記手段及び他の当業者に公知の手段を単独でまたは組合せて使用することができる。

    【0068】 UV活性化合物を製造する場合、クロマトグラフカラムからの全溶出液をUV
    検出器、次いで質量分光計に送られる。 試料の収集はUVまたは質量分光法の信号が溶出化合物の存在を示すときに開始し、UV信号が化合物がカラムから溶出し終えたことを示すときに終了し得る。 質量分光法により、溶出化合物が実際当該化合物であることが証明され得る。

    【0069】 1具体例において、精製前のチューブの位置を精製後の複数のチューブと相関し得、よって1つの反応からの各種反応生成物を分析することができる。 従って、データーベースは使用した反応条件、得られた各生成物の重量、各生成物の化学分析値、及び任意に生成物のバイオ活性に関する情報を蓄積し得る。

    【0070】 クロマトグラフ支持体が反応混合物の成分と特異的に結合する分子を有している場合には、該成分を反応混合物から分離させ、その後実験条件(例えば、緩衝液、緊縮度等)を変更することにより遊離させ得る。 この種の分離は「アフィニティークロマトグラフィー」として公知であり、効率的で広く使用されている分離方法である。 従って、アフィニティークロマトグラフィーを実施するために好適な条件を設計することが可能であるときには、化合物を分離するためにアフィニティークロマトグラフィーを使用することが好ましい。

    【0071】 自動試料収集を当該化合物を含む溶出画分を収集するために使用する。 ロボットアームを使用して、当該化合物を含む溶出画分を第2多チューブ構造物に移し、そこでは元の多チューブ構造物におけるチューブの位置が第2チューブ構造物におけるチューブの位置と相関されている。

    【0072】 精製デバイスを当該化合物を溶出後すべての不純物をカラムから自動的に洗い流すために使用する。 当業者は、ラン間に精製デバイスを洗浄する手段を容易に決定することができる。 更に、前記デバイスに対して精製すべき次の種類の化合物を精製するための適当な溶媒系を再構築することは当業界では日常的に行われている。

    【0073】 精製デバイスが自動的に試料を収集し、当該化合物を溶出後にカラムから不純物を洗い流し、次試料を精製する前に溶媒平衡を再確立する能力を有していることが好ましい。

    【0074】 好ましくは、1つのカラムを洗浄しながら、他のカラムで反応混合物を精製し得るように2つの以上の精製デバイスを直列または平行に設け得る。 複数の精製デバイスを使用すると、精製段階のスピードが有利に上がる。

    【0075】 1つの市販されている高処理量の精製装置はBiotage Paralle
    x高処理量精製ステーションである。 この装置は、平行に設けた4つの分取HP
    LCカラムを含む。 4つのポンプ、及び4つの試料ループへの弁をつけている1
    つのインジェクタを含む。 前記ポンプは、例えば第1期には勾配溶媒混合物を用いて、第2期には洗浄サイクル及び第3期には平衡サイクルを実施し得る。 Bi
    otageシステムは、信号−雑音スロープ及び閾値により引き起こされる知能画分収集装置を含む。 前記装置により、クロマトグラフ分離後各チューブから2
    つ以上の化合物を収集することができる。

    【0076】 (D) 溶媒除去装置 各種の当該化合物を含む溶出画分を収容している多チューブ構造物中の溶媒を、多チューブ構造物全体を溶媒を除去する条件にかけることにより同時に除去し得る。 好ましい具体例では、溶媒を、複数の多チューブラックを受容し得る遠心分離機を用いて除去する。

    【0077】 チューブから溶媒を除去するための別の手段は、真空オーブン中に多チューブラックを配置するか、または各チューブ上に適合するように設計された複数のブロワーを備えたデバイスを配置し、溶媒が実質的に除去されるまでチューブの内容物上に不活性気体を流すことを含むか、または溶媒を除去するための当業者に公知の手段を含み得る。

    【0078】 (E) 画分の溶出手段 幾つかの具体例において、各合成で得られた物質の量を測定するために各チューブを秤量することが望ましい。 これは、(好ましくは、予め秤量した)チューブを秤りに移し、その後多チューブラックの元の位置に戻すことにより容易に実施され得る。 情報を例えばコンピューターデーターベースに蓄積し得る。 化合物が存在する規模にとって十分に正確な秤りを使用し得る。 好ましくは、各段階から次段階にチューブを移動するために使用されるロボットアームと互換性である秤りを使用する。

    【0079】 (F) 溶出画分の再溶解手段 ロボットアームまたは他の好適な手段を、後続の化学分析に適当な溶媒中に蒸発後の画分を再溶解させるために溶媒蒸発後のチューブに適当な溶媒を添加するために使用することができる。 1具体例では、前記手段は多ピペット収容アームを含み、各アームにより多チューブラック中の各チューブに適量の溶媒を分配することができる。

    【0080】 溶媒の選択は、一部は当該化合物に対して実施すべき分析の種類に依存する。
    例えば、化合物をNMR(例えば、 H NMRまたは13 C NMR)により分析する場合には、重水素化溶媒を使用することができる。 幾つかのNMR機器は溶媒ピークを差し引くことができ、この器具では重水素化溶媒を使用する必要がない。 しかしながら、化合物をGC−MS、IR、UVまたは他の分析にしかかけない場合にはこれは要件でない。 当業者は、特定の化学情報において使用するのに適当な溶媒または溶媒系を容易に決定することができる。

    【0081】 好ましくは、当該化合物を重水素化溶媒に溶解し、約1mg以下の化合物を含む画分を H NMRにより分析する。 非常に強力なNMR機器を使用するときには、少量の試料でも評価することができる。 場合により、NMR分析後、試料をNMRチューブまたはフローセルから取出し、元のチューブに戻すことができ、これにより生成物のロスが最小限となる。

    【0082】 前記NMRは当該化合物の溶液をNMRチューブに移し、NMRを実施し、N
    MRチューブから化合物の溶液を移し、チューブを自動的に洗浄し、評価すべき次の化合物の溶液をNMRューブに移す能力を有することが好ましい。 Vari
    an(登録商標)からの少なくとも1つの市販されているNMR装置はこの能力を有する。

    【0083】 好ましくは、化合物をNMR、GC−MS、LC、ELSD及びUVにより分析する。 化学分析後、化合物のラックを、バイオアッセイを実施するまで保存装置に移され得る。 1具体例では、化学物質をバイオアッセイ前に化合物が有意に分解しない十分に低い温度(例えば、−15〜−20℃)で保存する。

    【0084】 (G) バイオアッセイ 化学分析後、当該化合物のバイオ活性を評価することが望ましい。 多チューブラックバイオアッセイを実施する方法は公知である。 従って、例えばプレートに対する単一バーコードで同定される多チューブラック中の当該化合物をバイオアッセイのために取出すことができ、ラック中の各チューブをプレート上の位置により同定される。 この情報は電子的に、例えばコンピューターシステムに蓄積され得る。

    【0085】 特定種類の化合物にとって有用なバイオアッセイは公知であるかまたは化合物の特定所期用途に応じて容易に開発され得る。 化合物を各種受容体に対する結合のために開発される場合、組合せアプローチに容易に適合され得る複数の結合研究が開発されており、文献に記載されている。

    【0086】 (H) コンピューターシステム及び関連ソフトウェア 前記デバイスは、多チューブラック中のチューブまたは多ウェルプレート中のウェルの相対位置及び各チューブについて得たデーターを蓄積し得るコンピューターシステムを含む。 データー管理用ソフトウェアはコンピューターに蓄積されている。

    【0087】 関係データーベースソフトウェアを使用して、方法の各段階のチューブでの位置を各化合物の正体、各化合物からの分析データー、化合物を得るために使用した化学反応の収率及び各化合物についての任意のバイオアッセイと相関させることができる。 多数の関係データーベースソフトウェアプログラムが、例えばOr
    acle、Tripos、MDL、Oxford Molecular(“ケミカルデザイン”)、IDBS(“活性ベース”)及び他のソフトウェア業者から市販されている。

    【0088】 関係データーベースソフトウェアは、本明細書に記載の方法中に得たデーターを管理するための好ましい種類のソフトウェアである。 しかしながら、方法の各段階でのチューブの位置の「メモリーマップ」を作成し、その情報を他の異なる段階で得た情報と相関させ得るソフトウェアを使用することができる。 この種のソフトウェアは当業者に公知である。

    【0089】 III. 同定及び分析方法 各チューブまたはウェル中に配置された複数の異なる化合物を含む多チューブラックまたは多ウエルプレートは下記するように精製及び分析される。

    【0090】 (A) 化合物の精製 上記したコンピューターソフトウェア及びハードウェアを用いて、個々のチューブ、よって各チューブ内の化合物の相対位置がデーターベースに蓄積される。

    【0091】 各チューブの内容物を移すための手段を有するロボットアームを、チューブの内容物を一つずつ化合物精製用デバイス個別に、段階的に移すために使用される。

    【0092】 精製後、当該化合物を含む溶出画分を精製デバイスから第2多チューブ構造物中のチューブに移す。 第2多チューブ構造物中のチューブの位置は第1多チューブ構造物または多ウェルプレート中のチューブまたはウェルの位置と相関されている。 第2多チューブ構造物中の各チューブの重量は、溶媒を除去し、溶媒除去後のチューブの重量を測定後化合物の重量、従って収量を測定し得るようにデーターベースに予め記録されていることが好ましい。

    【0093】 第1多チューブ構造物中のチューブに収容されている化合物を精製し、第2多チューブ構造物に移したら、第2多チューブ構造物は溶媒蒸発ステップにかけられ得る。

    【0094】 溶媒除去後、(好ましくは、約80%を越える純度を有する)精製化合物は任意に秤量され、その後化学分析にかけられる。 物質の重量及び化学分析の結果をデーターベースに蓄積することが好ましい。

    【0095】 (B) 化学分析 溶媒除去後、第2多チューブ構造物のチューブ中の内容物を適当な溶媒に再溶解し、チューブの内容物をNMR、UV、IR、GC、GC−MS等のような分析のために各種のデバイスに移すことにより化学分析にかけることができる。 こうして得た分析データーはコンピューターに蓄積され、当該化合物に相関させ得る。

    【0096】 (C) バイオアッセイ 第2多チューブ構造物または化合物の一部を移した第3多チューブ構造物中の当該化合物をバイオアッセイで分析して、特定適応のためのバイオ活性を測定することができる。

    【0097】 1具体例では、前記アッセイは、化合物が特定サイトに結合する能力を評価する結合アファニフィー検査を含む。 前記検査は当業界で日常的であり、通常大量の材料を用いない。 この検査を用い、検査の結果を化合物を同定し、特徴付けるために使用される同一データーべースを用いて該化合物と相関させると、比較的少量の物質を用いて比較的短時間に大量のバイオ活性データーを得ることができる。

    【0098】 通常、バイオアッセイは、こうして作成した化合物のインビドロ及びインビボスクリーニング試験、例えば殺虫、殺菌、除草、医薬またはveleunary
    試験を含む。

    【0099】 本明細書に記載の装置及び方法は以下の非限定的実施例を参照してより理解されるであろう。

    【0100】 一般的合成、精製、分析及び分配方法 96個の化合物のライブラリーを、96個のウェルが縦及び横の2次元コンフィギュレーションに配置されている96ウェルプレートにおいて化学反応により合成する。 各ウェルの内容物を個々に分取高速液体クロマトグラフィー(HPL
    C)システムに移す。 96個の(質量分光検出器で確認して)精製生成物を同定用バーコードで標識したラック中の一連のチューブに集める。 各チューブの内容物の正体、ラック中のその位置及びラックのバーコードをコンピューターデーターベースのデーターベースに記録する。 ラックを分析HPLCに移し、バーコードを読み取る。 分析HPLCトレースを紫外(UV)検出器及び電子光散乱検出器(ELSD)を用いて記録し、このデータをデーターベースに記録する。

    【0101】 ラックを遠心分離蒸発器に移し、溶媒をすべてのチューブから一度に除去する。 次いで、ラックをロボットアーム、バーコードリーダー、及び各チューブの重量を記録することができるように秤りを備えたシステムに移す。 別の具体例では、蒸発ステップ後、各チューブを秤量して各チューブ中の生成物の重量を測定し、その重量をデーターベースに記録してもよい。 その後、各チューブの内容物を所定濃度に希釈し、各チューブの内容物を核磁気共鳴分光法、分析HPLC及び質量分光分析を含めた適当な分析手段により分析される。 この情報を、各チューブの風袋重量が既に記録されている中央サーバーに移し、よって各チューブ中の物質の重量を計算することができる。 ラックを液体ハンドラーに移し、バーコードを読取り、チューブの内容物を中央サーバーに記録されている物質の重量を用いて所定濃度に希釈する。

    【0102】 ラックをNMRに移し、バーコードを読取り、 HNMRを記録し、中央サーバーに蓄積する。 すべての分析データーを見て、必要とされる生物学的試験を決定し、中央サーバーに記録する。 ラックを分配デバイスに移し、バーコードを読取り、試験用試料を中央サーバーに記録した決定に基づいて作成する。 過剰の物質は保存容器に移される。 ラック中のチューブを新しいチューブと交換し、ラックは方法中リサイクルされる。

    【0103】 すべての変換において、コンピユーターデーターベースは、こうして合成した化合物の移動を96ウェルプレートから方法の最後まで追跡する。 ラックは同定用バーコードを付した唯一のデバイスである。

    【0104】 第2及び第3具体例−インターフェース及び多チューブラック 自動合成(例えば、組合せ化学)で通常使用される自動合成装置は、通常多チューブラックを受容するためのデッキを含み、及び各チューブへの成分の添加及び該チューブからの成分の除去、チューブのラックへの導入及びラックからの取出し、及びラックの自動化学合成に使用される各種構成部品への導入及び該構成部品からの取出しを含めた各種操作を実施することができるロボットアームをも含む液体ハンドラーを含む。

    【0105】 自動合成装置における構成部品をすべて同一の製造業者から入手したとき、液体ハンドラーのデッキ及びラックの底部は適合部品、典型的には雄及び雌部品を含み、これらはラックをデッキ上に設置し得、雄及び雌部品を相互連結することにより適所に物理的に保持され得るように配置されている。 しかしながら、自動化学合成に使用される液体ハンドラーまたは他の構成部品の製造業者とは別の製造業者からの多チューブラックを使用することがしはしば望ましい。 そのため、
    ある業者からの多チューブラックが他の構成部品と適合しないことがある。

    【0106】 ラックを本明細書に記載のインターフェースで取付ける利点は、インターフェースが自動化学合成に使用される他の構成部品と標準化され得ることである。 本明細書に記載のインターフェースにより、ある業者からのラック及び他の業者からの他の構成部品を使用することができる。 通常、インターフェースは、各チューブを手動変位することなくラックを装置の異なるピースから移動させることができるように機能する。 前記機能によって、チューブの重量、位置及び偶発的破損のエラーが排除される。

    【0107】 I. ラック 本明細書に記載のラックはチューブを保持するための多チューブラックであり、上面及び底面を有するブロックを含む。 前記ブロックは、底面を貫通せずに底面に向かう軸に沿って延びる多数のボイドを上面に含む。 前記ボイドは、ブロックの上面に実質的に丸い開口を形成し、その開口はブロックの底面を貫通するまで延びていない。 前記ボイドは上部及び底部及び底面を含む。 上部は底部と接続し、また底部は底面に接続している。 上部は実質的に一定の直径を有する実質的に円筒形である。 底部は、直径が底面に近づくにつれて実質的に直線的に狭くなる実質的に円筒形である。 前記底面は実質的に平らであるかまたはチューブの底部を受容するように湾曲している。

    【0108】 本明細書に記載のラックは、化合物の組合せライブラリーを好ましくは自動的に構築するために平行合成するための装置における構成部品として使用され得る。 平行合成は固体支持体上または溶液中で実施され得るが、好ましくは溶液中で実施される。

    【0109】 ラックは任意の各種形状を有し得るが、好ましくは長方形または正方形である。 ラックはチューブを受容するために多数のボイドを有し得るが、好ましくはボイドの数は30個/ラックを越える。 ボイドの好ましい数は、組合せ化学において使用される一般的な多チューブラック中のチューブの一般的な数である96である。

    【0110】 ボイドの大きさは、特に実施する化学反応の規模に応じて変更可能である。 当業者は合成に使用されるチューブに応じて適当なボイドの大きさを容易に決定することができる。

    【0111】 ボイドは、該ボイドの壁がボイドに挿入されるチューブと比較的ぴったり嵌合するように設計される。 ボイドの断面を図1に示す。 勿論、実際のボイドは、テーパー円筒形を形成するボイドの下端(その部分はテーパーで示す)を有する多少円筒形であり、底部は平らであるかまたは或る具体例ではチューブの底部を受容するように設計された湾曲している。

    【0112】 ボイドの傾斜した下端により、チューブは移動させやすくなる。 これは、ロボットアームがラックからチューブを持ち上げたりまたはチューブをラックに据えるときに重要である。 移動の自由度が増すと、チューブの破損率が低下する。 ボイド中に存在させたチューブの断面を図2に示す。 図2に示すように、チューブの壁とボイドの壁の間はかなり接触しており、よってチューブの内容物へ十分に熱伝導するために使用され得、またボイドの底部近くでは壁とチューブの間に十分な空間があり、自由空間なしにチューブを受容するように設計されたボイド(
    すなわち、ボイドはチューブとぴったり嵌合するように設計されている)と比較してロボットアームの誤作動によりチューブが破損する可能性が少ない。

    【0113】 (A) 不活性雰囲気または真空の作成 ある方法及び化学では、反応基が分子状酸素、水蒸気または空気中に通常存在する他の物質と反応するのを防止するために化学反応物質(反応物質、溶媒、溶液中に溶解させた反応物質であり得る)を不活性または無水雰囲気下に保たなければならない。 雰囲気または湿気感受性化学の例には、ペプチド化学、核酸化学、有機金属化学、ヘテロ環式化学、及び組合せ化学ライブラリーを構築するために通常使用される化学が含まれる。 従って、前記化学物質は、アルゴン、窒素、
    他の気体または気体混合物のような無水または不活性雰囲気下に保存、使用しなければならない。 組合せ化学で不活性雰囲気を使用しなければならないときには、前記雰囲気を与えるようにラックを改造し得る。

    【0114】 チューブを外部空気からシールして保つ1つの手段は、各チューブに気体不透過性隔膜を被せることである。 別の手段は、ラック全体に、大気気体が入らないように保ち且つ不活性雰囲気を与える(及び/または真空を与える)ように設計されたカバーを被せることである。 カバー(または隔膜の使用)により、ラックが激しくぶつかってもチューブの内容物が漏れないようにチューブが保護され得る。

    【0115】 不活性雰囲気を維持するとき、有効シールを形成することが重要である。 前記シールを作成するために、カバーにラバーガスケットを取付け、ラックに固定することができる。

    【0116】 不活性雰囲気または真空が必要なとき、カバーは気体(不活性気体)雰囲気を作るためにまたは真空を作るために入口ポート及び出口ポートを含むことが好ましい。 圧力ポートはカバーしたラック内の調節不活性気体源及び圧力コントロール手段の両方に接続され得、真空ポートはカバーしたラック内の真空コントロール手段に接続され得る。 圧力コントロール手段は手動で操作し得るが、カバー中の圧力をコントロールするために電子圧力コントロールデバイスを設置することが好ましい。 真空コントロール手段も手動操作されるかまたは自己調節され得る。

    【0117】 (B) コントロール加熱及び冷却 自動試料作成及びオンライン分析では、しばしば最適結果を得るために試料の加熱及び冷却をコントロールしなければならない。 ラックのボイドに置かれたチューブ中に保存されている試料及びアナライトをコントロール下で加熱及び冷却するために熱電ユニットが利用され得る。 例えば、Gilson(登録商標)はその使用のためにペルチエ(熱電)ユニットを与える。 1具体例では、ラックは加熱または冷却ブロックへの取付け手段を含む。 適当な加熱及び冷却ブロックは当業者に公知である。

    【0118】 別の具体例では、ラックは気体または液体ポートを含む。 ラックの内部は、所望により加熱または冷却用気体または液体を(チューブを受容するためのボイドを通してではなく)流し得る通路を含むように機械加工され得る。

    【0119】 ラックが高い熱安定性または熱質量を有する材料(例えば、6061アルミニウム)から作られる場合、この構成では、加熱または冷却を必要とする化学のためにラックを迅速且つ効率的に加熱または冷却することができる。 好ましくは、
    ラックは、ボイドを取り巻く壁を加熱し、よって熱伝達によりチューブ及びその内容物を加熱することにより溶媒をチューブから蒸発させ得るのに十分な熱を伝導する材料から作成される。 金属及びガラスが好適材料の例である。

    【0120】 別の具体例では、ラックは電気抵抗を介して熱を伝導する手段を含む。

    【0121】 (C) ラックの同定手段 ラックは同定し易くするためにカラーコードを付けてもよく、側面内に機械加工するかまたは側面上に印刷して識別番号を付してもよく、または機械により同定するために側面上に印刷したバーコードを付けてもよい。

    【0122】 ラックの使用 ラックは、有利には、組合せ化学において合成反応を実施するチューブを受容するために使用される。 チューブ中で生じた生成物をその後、不活性気体流下で揮発性成分を除去することによりまたは真空下で濃縮することにより乾燥させ得る。 1具体例では、通常真空下で実施する遠心により溶媒をチューブから除去する。 この具体例では、ラックは遠心分離機により受容されるように設計されている。 遠心分離機によりラックを受容し得る方法は当業者に公知である。

    【0123】 本明細書に記載のラックは、組合せ及び/または先導作成ライブラリーを構築するために必要な多くのまたはすべてのステップを自動的に実施するデバイスの一部として使用され得る。 本明細書に記載のラックを受容し得る市販の自動化組合せ化学ライブラリー合成装置を使用し得る。 前記合成装置は当業者に公知である。 合成装置での使用を容易にするために、ラックはロボット操作を容易とする取付け具を有することが好ましい。 前記取付け具は当業者に公知である。

    【0124】 例えば、ラックの端部はロボット把持具による取り扱いを容易とするためにピンまたは他の好適な手段で取付けられ得る。 ラックの各側面は、ラックのドッキングステーション上への固定を容易とするためにピンで固定され得る。 ラックのロボット操作により合成方法の自動化を容易とすることができる。 例えば、ラックをドッキングステッションまたはピペットティングワークステーションに固定した場合、試薬はラックのボイドに配置したチューブに導入され得る。 その後、
    ラックを別のドッキングステーション、渦巻き撹拌テーブル、加熱または冷却チャンバ、または材料の合成または収集に有用な他の場所またはデバイスに移動し得る。 かなりの時間を要する反応では、反応を実施しながらラックを別のドッキングステーションまたは他の場所に手動またはロボットを用いて移動させることが有利であり得る。

    【0125】 自動化組合せ化学ライブラリー合成装置の例は、ケンタッキー州ルイビルに所在のAdvanced Chem. Tech. Inc. (“ACT”)製モデル396 MPS完全自動化多ペプチド合成装置である。

    【0126】 モデル396 MPSは、合成が同時に起こる1回のランで最高96の異なるペプチドまたは小分子を作成し得る。 市販されているモデルでは、合成は96反応チャンバを有するACT専有プラスチック反応ブロック中で生ずる。 本明細書に記載のラックを反応ブロックの代わりに使用することができる。 少なくとも幾つかの具体例では、ボイドが加熱及び冷却され得るので本明細書に記載のラックを使用することが有利であるのに対して、慣用のデバイスでは前記加熱及び冷却によりプラスチック反応ブロックが損傷される恐れがある。

    【0127】 好適な自動化ピペッティングワークステーションの別の例は、スイス国Hom
    brechtikon CH−8634,Feldbachstrasse 8
    0に所在のTECAN AG製TECAN 5032自動化ピペッティングワークステーションであり、これは1つ以上のロボットアームを含む。 前記アームはチューブをラックから取出すために使用され得、本明細書に記載の有利な形状を有するラックにより、チューブをTECANワークステーション中のロボットアームのようなロボットアームによりラックに配置したりまたはラックから取出すときのチューブの損傷が保護される。

    【0128】 ラックの作成 ラックを6061アルミニウムのような(容易に金属加工され、良好な耐腐食性を有する)金属から機械加工し、その後更に腐蝕保護膜を形成するために陽極処理することが好ましい。 前記ラックに陽極処理してハードコートを設けた後テフロン(登録商標)を含浸させ得る。 更に、ラックを適当な金属、エンジニアリ ングプラスチック、充填剤入りプラスチック、結晶性プラスチック、セラミック 、機械加工可能なセラミック、またはラックが曝される温度、圧力及び化学環境 に耐え得る他の材料から機械加工または成形し得る。 非金属材料を使用する場合 、生成物反応がマイクロ波を当てることにより強化し得る。 紫外(UV)光に対 して透明な材料を使用する場合、UV光により触媒される反応がラックにおいて 実施され得、生成物は固体支持体から酸性または塩基性試薬を必要とすることな く(適用された)UV光を用いて開裂され得る。

    【0129】 本明細書に記載のラック中のボイドは、例えば実質的に一定の厚さを有する上部及びボイドの底面の最終厚さに先細りする狭い厚さを有するように形成される底部を有するように成形されたドリルビットを用いてブロックに孔をあけることにより形成され得る。 ボイドが実質的に平らな底面または湾曲した底面を有するかに依存して、ドリルビットは設計され得る。 均一でない形状に孔をあけ、切断する手段は当業者に公知である。

    【0130】 また、ラックをポリプロピレン、ポリエチレンやテフロンのようなポリマー、
    ガラス、またはラックが曝される温度、圧力及び化学環境に耐え得る他の不活性材料から作成する場合には、該ラックを射出成形または押出成形により作成され得る。

    【0131】 本発明を1つ以上の特定具体例を参照して記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく多くの変更をなし得ることは当業者は認識している。 前記具体例及びその自明な変更のいずれも請求の範囲で規定される本発明の趣旨及び範囲に包含されると見做される。

    【0132】 II. インターフェース インターフェースは上面及び底面を含み、前記上面は多チューブラックの底部に取付けられ、前記底面は自動化学合成(例えば、組合せ化学)に使用される液体ハンドラーまたは他の構成部品のデッキの上部に取付けられる。 ラック、インターフェース及び自動合成装置の間の取付け(相互連結)により、ラックはデッキ上にしっかりと載置される。 本明細書中、「デッキ」は多チューブラックを受容するように設計された自動化学合成において使用される構成部品の一部である。

    【0133】 インターフェースの大きさは、通常ラックをインターフェースを用いて取付ける自動合成装置において使用される液体ハンドラーまたは他の構成部品のデッキのフットプリントと同じかまたはそれよりも小さい。 通常、インターフェースは、端部でスタッド付デッキと係合する別のプレートと隣接し得るように長方形を有する。 1具体例では、インターフェースの大きさは330〜340mmの長さ及び120〜130mmの幅を有する。 好ましくは、インターフェースの厚さは2〜20mm、好ましくは3〜10mmである。

    【0134】 プレートは公知の材料から構成され得、使用時に通常剛性である。 好適な材料には、プラスチック、金属、複合材料、または自動化学合成に関連する物理的及び化学的条件に耐え得る他の材料が含まれる。 前記材料が多くの有機溶媒及び水に対して化学的に耐性であることが好ましい。

    【0135】 ラックとインターフェース及びインターフェースと自動化学合成に使用される液体ハンドラーまたは他の構成部品上のデッキを相互連結するために各種手段を使用することができる。 ラックの取付け(相互連結)手段は、ラックをプレートと重ねたりまたは並べて(好ましくは、重ねる)配置するように構成される。 自動合成に使用される構成部品の取付け手段も同様に構成される。

    【0136】 (A) 雄/雌コネクション 好ましい具体例では、液体ハンドラー及びラックへの取付け手段は雄/雌コネクション、例えば等しい大きさの丸い孔に嵌合する丸いペグを使用することを含む。

    【0137】 雄及び雌部品を用いて取付ける具体例では、上面及び/または底面は、多チューブラック及びデッキが雄または雌部品を有するかに大きく依存して雄または雌部品を含む。 適当なインターフェースの例を、例えば図3に示す。 この図は面A
    、A'、B及びB'を有する長方形インターフェースプレートを示す。 液体ハンドラーのデッキを把持する手段を与える複数の孔1〜9がプレートを上面から底面を貫通して存在する。 孔は、液体ハンドラーのデッキから延びる雄突起部により係合される。 突起部10〜12は、別のプレートの雌ボイドを係合させるべくプレートの上面から延びる非対称把持手段を形成する。 好ましくは、前記突起部はプレートの上面から約0.3〜1.0cmの高さである。 プレートの上面から底面まで通常均一の距離であるプレートの厚さは、好ましくは約0.3〜1.0
    cmである。

    【0138】 好ましい具体例では、雄部品はスタッドであり、このスタッドの受容手段は、
    自動合成に使用されるラックまたは構成部品を係合するための手段からプレートの反対側にあるプレート中の孔またはプレート中の凹部窪みである。 当業者に公知の他の手段には、すべてのタイプの雄及び雌コネクタ、例えばスロット、溝、
    ピン等が含まれる。

    【0139】 プレートには通常2〜20個の孔及び/または窪み、好ましくは3〜15個の孔及び/または窪み、最も好ましくは5〜12個の孔及び/または窪みがある。
    自動合成に使用される液体ハンドラーまたは他の構成部品のデッキ上のスタッドまたは他の雄部品と係合すると、プレートはハンドラーの面を横方向に動かない。

    【0140】 通常、ラックの取付け手段は1〜10個のポスト、好ましくは2〜4個のポストを含み、これらのポストはラックの底面の対応穴に挿入される。 好ましいラックはウィスコンシン州ミッドレトンに所在のGilson Inc. から入手される。

    【0141】 非常に好ましい具体例では、インターフェース上の雄部品は、ラックが1層でプレートを重層するように配列される。 任意の具体例では、ラックは2層でプレートを重層し得るが、ラックを1つの構成部品から他の構成部品に移すときにエラーが余り生じないように1層が好ましい。

    【0142】 (B) 磁気コネクション 別の具体例では、磁気リンケージ、好ましくは電磁石を遮断することにより排除され得る電磁石リンケージにより取付けられる。 この具体例は、ラック及び/
    またはデッキが金属から作られる場合に好ましい。

    【0143】 (C) 万力 更に別の具体例では、万力により取付けられる。 好ましくは、万力の少なくとも1端が万力を介してバーコードまたは多チューブラックを同定する手段を目視することができるように透明であることが好ましい。 この具体例は、ラックの大きさが自動合成に使用される液体ハンドラーまたは他の構成部品上のデッキよりも有意に小さい場合または大きさの異なる複数のラックを使用する場合に好ましい。 万力を使用すると、雄/雌コネクションを使用するときよりもラックの大きさは自由であり得る。

    【0144】 (D) ベンチドッグ インターフェースの上面上での使用に限られる別の具体例では、インターフェースの孔に嵌合し、多チューブラック上にしっかり固定されるように構成されたベンチドッグを使用して取付けられる。 この具体例により、万力を使用したときと同じ多くの作用効果が得られる。

    【0145】 (E) 他の具体例 更に別の実施態様では、インターフェースは上面及び底面を含み、前記上面は多ウェルプレートまたは多チューブ構造物を受容するための第1非対称把持手段を有し、前記底面は自動合成デバイスを係合するための第2非対称把持手段を有する。 インターフェースプレートは好適な材料から作成され得、好ましくは自動合成で通常使用される溶媒に対して耐性である。 第1及び第2の非対称把持手段は、プレートに取付けたときにプレートまたは構造物の1つの配列のみを与える手段、例えば相互連結する雄及び雌コネクタ、ピン、スロット、孔またはプレートである。

    【0146】 好ましい具体例では、インターフェースは、2つ以上のタイプの構成部品のデッキ及び/または2つ以上のタイプのラックと互換性である1つ以上の取付け手段を含む。 例えば、(存在する場合)インターフェースの底部上の孔(雌部品)
    は、別の業者から各種構成部品がインターフェースの底部上の雌部品と適合するように配列され得る。 また、(存在する場合)インターフェースの上部上の雌部品は、別の業者からラックの雄部品がインターフェースの上部上の雌部品と適合するように作られ得る。

    【0147】 III. 自動合成に使用される構成部品 自動合成に使用される適当な構成部品は本明細書に記載のインターフェースと併用され得る。 好適な構成部品の例には、液体ハンドラー(例えば、Tecan
    (登録商標)液体ハンドラー)、遠心分離機、秤量ステーション、HPLCステーションを含めた分析機器、保存器具、自動合成装置、生物学的評価装置、蒸発器、デシケーター等を含む。

    【0148】 IV. コントロール加熱及び冷却 自動試料作成及びオンライン分析では、最適結果を得るために試料の加熱及び冷却をコントロールしなければならない。 ラックのボイドに置かれたチューブ中に保存されている試料及びアナライトをコントロール下で加熱及び冷却するために熱電ユニットが利用され得る。 例えば、Gilson(登録商標)はその使用のためにペルチエ(熱電)ユニットを与える。 1具体例では、インターフェースは加熱または冷却ブロックへの取付け手段を含む。 適当な加熱及び冷却ブロックは当業者に公知である。

    【0149】 別の具体例では、インターフェースそれ自体は電気抵抗を介して熱を伝導する手段を含む。 別の具体例では、インターフェースは液体または液体ポートを含む。 インターフェースの内部を、所望により加熱または冷却用気体または液体を流すことができる通路を含むように機械加工することができる。

    【0150】 インターフェースが高い熱安定性または熱質量を有する材料(例えば、606
    1アルミニウム)から作られる場合、この構成では、インターフェースを迅速且つ効率的に加熱または冷却することができ、多チューブラックを加熱または冷却できる。 これは、前記加熱または冷却を必要とする化学にとって有用である。 好ましくは、インターフェースは、ボイドを取り巻く壁を加熱し、よって熱伝達によりチューブ及びその内容物を加熱することにより溶媒を多チューブラック中のチューブから蒸発させ得るのに十分な熱を伝導する材料から作成される。 金属及びガラスがインターフェース及びラックを作成するための好適材料の例である。

    【0151】 V. ラックの同定手段 ラック及び/またはインターフェースは同定し易くするためにカラーコードを付けてもよく、側面内に機械加工するかまたは側面上に印刷して識別番号を付してもよく、または機械により同定するために側面上に印刷したバーコードを付けてもよい。 無線周波数チップトラッキングデバイスを使用することもできる。

    【0152】 VI. ラック/インターフェースの使用 インターフェースは、有利には自動化学合成(例えば、組合せ化学)で使用される1つ以上の構成部品の上に多チューブラックを適所に保持するために使用される。 多チューブラックは、合成反応が自動合成に使用される他の成分に対して実施されるチューブを受容する。 チューブ中で生じた生成物をその後不活性気体流下で揮発成分を除去するかまたは真空下で濃縮することにより乾燥させる。

    【0153】 1具体例では、溶媒は、通常真空下で行われる遠心によりチューブから除去される。 この具体例では、インターフェースは、ラックに取付けるための適当な雄または雌部品または他の相互連結手段を含む遠心分離機により受容されるように設計され得る。 当業者はインターフェース、よってインターフェースに取付けた多チューブラックを受容するように遠心分離機を改造するために本明細書の記載を容易に参照し得る。

    【0154】 本明細書に記載のインターフェースは、組合せ及び/または先導作成ライブラリーを構築するために必要な多くのまたはすべてのステップを自動的に実施するデバイスの一部として使用され得る。 本明細書に記載のラックを受容し得る市販の自動化組合せ化学ライブラリー合成装置を使用し得る。 前記合成装置は当業者に公知であり、または前記ラックを受容するように本明細書の教示を用いて改変し得る。 合成装置での使用を容易にするために、インターフェース及び/またはラックはロボット操作を容易とする取付け具を有することが好ましい。 前記取付け具は当業者に公知である。

    【0155】 例えば、インターフェース及び/またはラックの端部はロボット把持具による取り扱いを容易とするためにピンまたは他の好適な手段で取付けられ得る。 インターフェース及び/またはラックの各側面は、ラックのドッキングステーション上への固定を容易とするためにピンで固定され得る。 インターフェース及び/またはラックのロボット操作により合成方法の自動化を容易とすることができる。
    例えば、ラックをドッキングステッションまたはピペッティングワークステーション上に固定した場合、試薬はラックのボイドに配置したチューブに導入され得る。 その後、ラックを別のドッキングステーション、渦巻き撹拌テーブル、加熱または冷却チャンバ、または物質の合成または収集に有用な他の場所またはデバイスに移動させ得る。 かなりの時間を要する反応では、反応を実施させながらラックを別のドッキングステーションまたは他の場所に手動またはロボットを用いて移動させることが有利であり得る。

    【0156】 自動化組合せ化学ライブラリー合成装置の例は、ケンタッキー州ルイビルに所在のAdvanced Chem. Tech. Inc. (“ACT”)製モデル396 MPS完全自動操作多ペプチド合成装置である。

    【0157】 好適な自動化ピペッティングワークステーションの別の例は、スイス国Hom
    brechtikon CH−8634,Feldbachstrasse 8
    0に所在のTECAN AG製TECAN 5032自動化ピペッティングワークステーションであり、これは1つ以上のロボットアームを含む。 前記アームはチューブをラックから取出すために使用され得、本明細書に記載の有利な形状を有するラックにより、チューブをTECANワークステーション中のロボットアームのようなロボットアームによりラックに設置したりまたはラックから取出すときのチューブの損傷が保護される。

    【0158】 VII. インターフェースの作成 インターフェースを6061アルミニウムのような(容易に金属加工され、良好な耐腐食性を有する)金属から機械加工し、その後更に腐蝕保護膜を形成するために陽極処理することが好ましい。 前記インターフェースに陽極処理してハードコートを設けた後テフロンを含浸させ得る。 更に、インターフェースを適当な金属、エンジニアリングプラスチック、充填剤入りプラスチック、結晶性プラスチック、セラミック、機械加工可能なセラミック、またはインターフェースが曝される温度、圧力及び化学環境に耐え得る他の材料から機械加工または成形し得る。 非金属材料を使用する場合、生成物反応がマイクロ波を当てることにより強化され得る。 紫外(UV)光に対して透明な材料を使用する場合、UV光により触媒される反応がラックにおいて実施され得、生成物は固体支持体から酸性または塩基性試薬を必要とすることなく(適用された)UV光を用いて開裂され得る。

    【0159】 本明細書に記載のインターフェース中の雄及び/または雌部品は、例えばブロック(雌部品)に孔をあけることによりまたはインターフェースの上面または底面に対して適当な雄部品を取付けることにより作成され得る。 或いは、雄部品以外の材料のすべてをラックの適当な表面からまたはインターフェースの上面及び/または底面から除去することにより、雄部品をラックまたはインターフェースの上面または底面上に存在させることができる。 前記形状に孔をあけ、切断する手段は当業者に公知である。

    【0160】 本明細書に記載のインターフェースは、該インターフェースをポリプロピレン、ポリエチレンやテフロンのようなポリマー、ガラス、またはラックが曝される可能性のある温度、圧力及び化学環境に耐え得る他の不活性材料から作成する場合には、前記インターフェースを射出成形または押出成形により作成され得る。

    【0161】 本発明を1つ以上の特定具体例を参照して記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく多くの変更をなし得ることは当業者は認識している。 前記具体例及びその自明な変更のいずれも請求の範囲で規定される本発明の趣旨及び範囲に包含されると見做される。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 多チューブラック中のボイドの断面を示す。

    【図2】 多チューブラック中のボイドの断面及びボイド中に配置したチューブの断面を示す。

    【図3】 多チューブラック及び液体ハンドラー上のデッキを相互連結するためのインターフェースの図である。

    【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書

    【提出日】平成13年5月15日(2001.5.15)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】特許請求の範囲

    【補正方法】変更

    【補正の内容】

    【特許請求の範囲】

    【手続補正2】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図3

    【補正方法】変更

    【補正の内容】

    【図3】

    【手続補正書】

    【提出日】平成13年10月30日(2001.10.30)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】特許請求の範囲

    【補正方法】変更

    【補正の内容】

    【特許請求の範囲】

    【手続補正2】

    【補正対象書類名】図面

    【補正対象項目名】図3

    【補正方法】変更

    【補正の内容】

    【図3】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/04 G01N 30/62 E 30/62 30/74 E 30/74 30/88 C 30/88 37/00 103 37/00 103 24/08 510N (31)優先権主張番号 60/156,375 (32)優先日 平成11年9月28日(1999.9.28) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/157,191 (32)優先日 平成11年9月30日(1999.9.30) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/157,475 (32)優先日 平成11年10月1日(1999.10.1) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),HU,JP,U S (72)発明者 アベデイ,ジアレ・アズミ アメリカ合衆国、ノース・カロライナ・ 26713、ローリー、サンニーストーン・ウ エイ・2601 (72)発明者 スミス,ヘンリー・デイビツド,ザ・サー ド アメリカ合衆国、ノース・カロライナ・ 27513、ケアリー、ダツチエス・ドライ ブ・220 (72)発明者 マツコーム,スーザン・マリー アメリカ合衆国、ノース・カロライナ・ 27513、ケアリー、アローヘツド・ウエ イ・110 Fターム(参考) 4G075 AA22 AA39 BA10 DA02 EA01 EB21 EE02 FB02 FB06 FB12 4H006 AA04 AD17 BD80

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