High-density array and its methods and compositions for the proteome analysis

申请号 JP2000529613 申请日 1999-01-29 公开(公告)号 JP2002502038A 公开(公告)日 2002-01-22
申请人 コミノ,ジョン ニコラス; サブコウム インベストメンツ プロプライアタリー リミティド; ハンフリー−スミス,イアン; プラサス,スティーブン ジョージ; ミラー,サミュエル; 发明人 ハンフリー−スミス,イアン;
摘要 (57)【要約】 本発明は、一次タンパク質アレイ及び二次 抗体 アレイを含んで成る高 密度 アレイを提供し、ここで前記二次アレイは一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に特異的に又は非特異的に結合するモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を含んで成り、そして前記二次アレイは細胞、組織、器官又は完全な 生物 、又はそれらからの細胞抽出物、溶解物又はタンパク質画分のタンパク質プロフィールを決定するために使用される。 特に診断及び治療用途に関して、本発明の高密度タンパク質アレイを用いて、細胞、組織、器官及び完全な生物、及びそれらに由来する細胞抽出物、溶解物又はタンパク質画分のエピトーププロフィールを決定するための方法もまた提供される。 本発明はさらに、一次 抗原 アレイに対する二次抗体アレイをスクリーンする場合に得られる認識パターンにより定義されるように、興味ある抗原をユニークに認識する1又は複数の抗体を用いることによって、細胞タンパク質の複雑な混合物からの生来のタンパク質の富化を提供する。 さらに、1又は複数の抗体が、標的抗原のためのユニーク標識を生成するために使用され、そして細胞タンパク質の複雑な混合物の発現レベルを追跡するために使用され、そして分離科学に関係なく行われる。 類似するアプローチが、健康及び 疾病 のサンプル、又は診断目的のための試験又は対照実験状況における生物学的サンプルグループの認識又は診断において有用のパターンを提供する多数の個々の抗原の認識に基づいて、生物学的サンプルのフィンガープリントを生成するために使用される。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 生物学的サンプルのタンパク質プロフィールを決定するための方法であって、 (i )生物学的サンプルが由来する細胞、組織、器官、生物の抗原多様性の有意な部分をエミュレートするよう設計された多数のタンパク質要素を含んで成るタンパク質a 1 (Xn, Yn) , a 2 (Xn, Yn) , a 3 (Xn, Yn) , ………,a n (Xn, Yn)の一次アレイを調製し、ここでa 1 , a 2 , a 3 , ………, a nはタンパク質であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;Ynは前記アレイの第2 次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;そしてn
    はいずれか正の有限数であり; (ii)前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に結合する、複数のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を決定するために、それらの抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体、又はその減じられたプールにより前記アレイを、1度に1回スクリーンし; (iii )モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体Ab 1 (Xn, Yn) ,
    Ab 2 (Xn, Yn) , Ab 3 (Xn, Yn) , ………, Ab n (Xn, Yn)の二次アレイを調製し、ここでAb 1 , Ab 2 , Ab 3 ,………,Ab nは前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に特異的に又は非特異的に結合するモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の座標であり;Ynは前記アレイの第2次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;そしてnはいずれか正の有限数であり;そして (iv)前記二次アレイにおける1又は複数のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に独得に定義できる態様で結合する、前記生物学的サンプルにおけるそれらのタンパク質を決定するために、前記生物学的サンプルにより前記二次アレイをスクリーンする; ことを含んで成る方法。
  • 【請求項2】 前記(iv)で決定されたような二次アレイの要素と抗原−抗体複合体を形成する、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質を同定する段階をさらに含んで成り、ここで前記段階が前記二次アレイにおける1又は複数のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に結合する、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質の座標(Xn,Yn)を同定することを含んで成る請求項1記載の方法。
  • 【請求項3】 前記二次アレイにおける1 又は複数のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に結合する、生物学的サンプルからの1又は複数のタンパク質を単離する段階をさらに含んで成る、請求項1又は2記載の方法。
  • 【請求項4】 前記単離されたタンパク質、及び/ 又は前記一次アレイにおいて同定された、前記同定されたタンパク質及び/ 又は複数のタンパク質のアミノ酸配列及び/ 又は後−翻訳修飾を決定する段階をさらに含んで成る請求項2又は3記載の方法。
  • 【請求項5】 前記単離されたタンパク質、及び/ 又は前記一次アレイにおいて同定された1又は複数のタンパク質をコードするDNA 分子を単離し、そして前記一次アレイにおいて同定される1又は複数の組換えタンパク質を生成するために、前記DNA を発現することをさらに含んで成る請求項4記載の方法。
  • 【請求項6】 前記一次アレイが、二次元ゲル電気泳動により分解されるタンパク質の1又は複数の複合体混合物に由来する要素を含んで成る請求項1〜5
    のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項7】 前記一次アレイ及び二次アレイが、スクリーニングされる前、固体多孔性又は非多孔性支持体又はマトリックスに結合される請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項8】 前記固体多孔性又は非多孔性支持体又はマトリックスが、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜、ニトリセルロース膜、ナイロン膜又は他の多孔性又は非多孔性膜を含んで成り、前記一次アレイのタンパク質及び/ 又は二次アレイのモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体がその膜に移行される、請求項7記載の方法。
  • 【請求項9】 前記固体支持体又はマトリックスが、多数のポリマーピンを含んで成る請求項7記載の方法。
  • 【請求項10】 前記固体支持体又はマトリックスが、多数のマイクロタイターウェルを含んで成る請求項7記載の方法。
  • 【請求項11】 前記固体支持体又はマトリックスが、1又は複数の珪素チップを含んで成る請求項7記載の方法。
  • 【請求項12】 前記一次アレイをスクリーンするために使用されるモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体が、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に結合する抗体を発現するハイブリドーマ又は他の細胞に由来する請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項13】 前記一次アレイをスクリーンするために使用される抗体変異体又は誘導体が、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に結合する抗体を発現するバクテリオファージ又はウィルス粒子に由来する請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項14】 前記一次アレイのタンパク質が、合成ペプチド、合成オリゴペプチド又は合成ポリペプチドである請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項15】 前記一次アレイのタンパク質が、組換えペプチド、組換えオリゴペプチド又は組換えポリペプチドである請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項16】 前記合成又は組換えペプチド、オリゴペプチド又はポリペプチドが、1又は複数のペプチドライブラリー、及び/ 又は誘発されたペプチド発現ライブラリー、及び/ 又は複数のクローン化された遺伝子ライブラリー内から発現されたタンパク質に由来する請求項14又は15記載の方法。
  • 【請求項17】 前記一次アレイのタンパク質が、天然に存在するペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質又は酵素である請求項1〜13のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項18】 前記二次アレイをスクリーンするために使用される生物学的サンプルにおけるタンパク質が、1又は複数のレポーター分子により前記二次アレイをスクリーンする前、それらのレポーター分子によりラベルされる請求項1〜17のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項19】 前記レポーター分子が、FLAGペプチド、ポリ−His アミノ酸配列又はポリ−Lys アミノ酸配列、又は他の既知のアミノ酸群を含んで成る請求項18記載の方法。
  • 【請求項20】 前記レポーター分子が、同位体、蛍光又は酵素標識を含んで成る請求項18記載の方法。
  • 【請求項21】 前記一次アレイのスクリーニング及び/ 又は前記二次アレイのスクリーニングが、シグナル強度の濃度−依存性変動及び/ 又は抗原−特異的変動を低めるか又は除去するために標準化される請求項1〜20のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項22】 前記一次アレイのスクリーニングが濃度−依存性変動を低めるか又は除去するために標準化され、前記標準化が、 (i )前記アレイのタンパク質を、1又は複数のレポーター分子によりラベルし; (ii)前記ラベルされた一次アレイを、前記レポーター分子に対する抗体によりスクリーニングし; (iii )前記レポーター分子に対する抗体を用いて得られるシグナル、及び前記モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を用いて得られるシグナルの両者を決定し;そして (iv)前記レポーター分子に対する抗体を用いて得られるシグナル強度により決定されるようにタンパク質の濃度を評価するために、前記モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を用いて得られるシグナル強度を調節することを含んで成る請求項21記載の方法。
  • 【請求項23】 前記レポーター分子が、免疫原性ペプチド又はタンパク質領域又は他の免疫原性アミノ酸配列である請求項22記載の方法。
  • 【請求項24】 前記免疫原性ペプチドもしくはタンパク質領域又は他の免疫原性アミノ酸配列が、前記一次アレイのタンパク質に融合される請求項23記載の方法。
  • 【請求項25】 前記免疫原性ペプチドもしくはタンパク質領域又は他の免疫原性アミノ酸配列が、FLAGペプチド、ポリ−His アミノ酸配列もしくはポリ−
    Lys アミノ酸配列又は他の既知のアミノ酸鎖を含んで成る請求項23又は24記載の方法。
  • 【請求項26】 前記一次アレイのスクリーニングが抗原−特異的変動を低めるか又は除去するために標準化され、前記標準化が同じタンパク質上の異なったエピトープに結合する、モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を用いて得られるシグナル強度を平均することを含んで成る請求項21記載の方法。
  • 【請求項27】 前記二次アレイのスクリーニングが濃度−依存性変動を低める又は除去するために標準化され、前記標準化が、 (i )前記二次アレイを、前記アレイにおけるすべてのモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に結合する1又は複数のレポーター分子によりスクリーニングし; (iii )レポーター分子を用いて得られるシグナル、及び生物学的サンプルを用いて得られるシグナルの両者を決定し;そして (iv)レポーター分子を用いて得られるシグナル強度により決定されるタンパク質の濃度を評価するために前記生物学的サンプルを用いて得られるシグナル強度を調節することを含んで成る請求項1記載の方法。
  • 【請求項28】 前記レポーター分子が、前記二次アレイのモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に結合する、プロテインA 、レクチン又は第2抗体を含んで成る請求項27記載の方法。
  • 【請求項29】 細胞、組織、器官もしくは生物、又はそれらに由来する生物学的サンプル間で差別的に発現される1又は複数のタンパク質を決定するための方法であって、 (i )生物学的サンプルが由来する細胞、組織、器官、生物の抗原多様性の有意な部分をエミュレートするよう設計された多数のタンパク質要素を含んで成るタンパク質a 1 (Xn, Yn) , a 2 (Xn, Yn) , a 3 (Xn, Yn) , ………,a n (Xn, Yn)の一次アレイを調製し、ここでa 1 , a 2 , a 3 , ………, a nはタンパク質であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;Ynは前記アレイの第2 次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;そしてn
    はいずれか正の有限数であり; (ii)前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に結合する、複数のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を決定するために、それらの抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体、又はその減じられたプールにより前記アレイを、1度に1回スクリーンし; (iii )モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体Ab 1 (Xn, Yn) ,
    Ab 2 (Xn, Yn) , Ab 3 (Xn, Yn) , ………, Ab n (Xn, Yn)の二次アレイを調製し、ここでAb 1 , Ab 2 , Ab 3 ,………,Ab nは前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に特異的に又は非特異的に結合するモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の座標であり;Ynは前記アレイの第2次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;そしてnはいずれか正の有限数であり;そして (iv)前記細胞、組織、器官又は生物に由来する複数の生物学的サンプルにより前記二次アレイを別々にスクリーニングし、そして差別的に発現されるそれらのタンパク質を決定するために前記個々の生物学的サンプルを用いて得られるシグナルを比較する; ことを含んで成る方法。
  • 【請求項30】 前記(iv)で決定された二次アレイの要素と抗原−抗体複合体を形成する、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質を同定する段階をさらに含んで成り、ここで前記段階が前記二次アレイにおける1又は複数のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に結合する、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質の座標(Xn,Yn)を同定することを含んで成る請求項29記載の方法。
  • 【請求項31】 1又は複数の前記差別的に発現されるタンパク質を単離する段階をさらに含んで成る請求項29又は30記載の方法。
  • 【請求項32】 前記単離されたタンパク質、及び/ 又は前記一次アレイにおいて同定された、前記同定されたタンパク質及び/ 又は複数のタンパク質のアミノ酸配列及び/ 又は後−翻訳修飾を決定する段階をさらに含んで成る請求項29
    〜31のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項33】 前記単離されたタンパク質、及び/ 又は前記一次アレイにおいて同定された1又は複数のタンパク質をコードするDNA 分子を単離し、そして前記一次アレイにおいて同定される1又は複数の組換えタンパク質を生成するために、前記DNA を発現することをさらに含んで成る請求項32記載の方法。
  • 【請求項34】 前記一次アレイが、二次元ゲル電気泳動により分解されるタンパク質の1又は複数の複合体混合物に由来する要素を含んで成る請求項29〜
    33のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項35】 前記一次アレイ及び二次アレイが、スクリーンされる前、
    固体多孔性又は非多孔性支持体又はマトリックスに結合される請求項29〜34のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項36】 前記固体多孔性又は非多孔性支持体又はマトリックスが、
    ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜、ニトリセルロース膜、ナイロン膜又は他の多孔性又は非多孔性膜を含んで成り、前記一次アレイのタンパク質及び/ 又は二次アレイのモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体がその膜に移行される、請求項35記載の方法。
  • 【請求項37】 前記固体支持体又はマトリックスが、1又は複数の珪素チップを含んで成る請求項35記載の方法。
  • 【請求項38】 前記固体支持体又はマトリックスが、多数のマイクロタイターウェルを含んで成る請求項35記載の方法。
  • 【請求項39】 前記固体支持体又はマトリックスが、多数のポリマーピンを含んで成る請求項15記載の方法。
  • 【請求項40】 前記一次アレイをスクリーンするために使用されるモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体が、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に結合する抗体を発現するハイブリドーマ又は他の細胞に由来する請求項29〜31のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項41】 前記一次アレイをスクリーンするために使用される抗体変異体又は誘導体が、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に結合する抗体を発現するバクテリオファージ又はウィルス粒子に由来する請求項29〜31のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項42】 前記一次アレイのタンパク質が、合成ペプチド、合成オリゴペプチド又は合成ポリペプチドである請求項29〜41のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項43】 前記一次アレイのタンパク質が、組換えペプチド、組換えオリゴペプチド又は組換えポリペプチドである請求項29〜41のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項44】 前記合成又は組換えペプチド、オリゴペプチド又はポリペプチドが、1又は複数のペプチドライブラリー、及び/ 又は誘発されたペプチド発現ライブラリー、及び/ 又は複数のクローン化された遺伝子ライブラリー内から発現されたタンパク質に由来する請求項42又は43記載の方法。
  • 【請求項45】 前記一次アレイのタンパク質が、天然に存在するペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質又は酵素である請求項29〜41のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項46】 前記二次アレイをスクリーンするために使用される生物学的サンプルにおけるタンパク質が、1又は複数のレポーター分子により前記二次アレイをスクリーンする前、それらのレポーター分子によりラベルされる請求項
    29〜45のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項47】 前記レポーター分子が、FLAGペプチド、ポリ−His アミノ酸配列又はポリ−Lys アミノ酸配列、又は他の既知のアミノ酸群を含んで成る請求項46記載の方法。
  • 【請求項48】 前記レポーター分子が、同位体、蛍光又は酵素標識を含んで成る請求項46記載の方法。
  • 【請求項49】 前記一次アレイのスクリーニング及び/ 又は前記二次アレイのスクリーニングが、シグナル強度の濃度−依存性変動を低めるか又は除去するために標準化される請求項29〜48のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項50】 前記一次アレイのスクリーニングが濃度−依存性変動を低めるか又は除去するために標準化され、前記標準化が、 (i )前記アレイのタンパク質を、1又は複数のレポーター分子によりラベルし; (ii)前記ラベルされた一次アレイを、前記レポーター分子に対する抗体によりスクリーニングし; (iii )前記レポーター分子に対する抗体を用いて得られるシグナル、及び前記モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を用いて得られるシグナルの両者を決定し;そして (iv)前記レポーター分子に対する抗体を用いて得られるシグナル強度により決定されるタンパク質の濃度を評価するために、前記モノクローナル抗体及び/
    又は抗体変異体又は誘導体を用いて得られるシグナル強度を調節することを含んで成る請求項49記載の方法。
  • 【請求項51】 前記レポーター分子が、免疫原性ペプチド又はタンパク質領域又は他の免疫原性アミノ酸配列である請求項50記載の方法。
  • 【請求項52】 前記免疫原性ペプチド又はタンパク質領域又は他の免疫原性アミノ酸配列が、前記一次アレイのタンパク質に融合される請求項51記載の方法。
  • 【請求項53】 前記免疫原性ペプチド又はタンパク質領域又は他の免疫原性アミノ酸配列が、FLAGペプチド、ポリ−His アミノ酸配列又はポリ−Lys アミノ酸配列又は他の既知のアミノ酸群を含んで成る請求項51又は52記載の方法。
  • 【請求項54】 前記二次アレイのスクリーニングが濃度−依存性変動を低める又は除去するために標準化され、前記標準化が、 (i )前記二次アレイを、前記アレイにおけるすべてのモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に結合する1又は複数のレポーター分子によりスクリーンし; (iii )レポーター分子を用いて得られるシグナル、及び陽性シグナルを生成する1 又は複数の生物学的サンプルを用いて得られるシグナルの両者を決定し;
    そして (iv)レポーター分子を用いて得られるシグナル強度により決定されるタンパク質の濃度を評価するために前記1 又は複数の生物学的サンプルを用いて得られるシグナル強度を調節することを含んで成る請求項49記載の方法。
  • 【請求項55】 前記レポーター分子が、前記二次アレイのモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に結合する、プロテインA 、レクチン又は第2抗体を含んで成る請求項54記載の方法。
  • 【請求項56】 前記生物学的サンプルが、健康及び疾病状態の細胞、組織、器官又は生物に由来する請求項29〜55のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項57】 細胞、組織、器官もしくは生物、又はそれらに由来する生物学的サンプルのタンパク質プロフィールの決定に使用するためのアレイであって、 (i )生物学的サンプルが由来する細胞、組織、器官、生物の抗原多様性の有意な部分をエミュレートするよう設計された多数のタンパク質要素を含んで成るタンパク質a 1 (Xn, Yn) , a 2 (Xn, Yn) , a 3 (Xn, Yn) , ………,a n (Xn, Yn)の一次アレイ(ここでa 1 , a 2 , a 3 , ………, a nはタンパク質であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;Ynは前記アレイの第2 次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;そしてn はいずれか正の有限数である);及び (ii)モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体Ab 1 (Xn, Yn) , Ab 2 (Xn, Yn) , Ab 3 (Xn, Yn) , ………, Ab n (Xn, Yn)の二次アレイ(ここでAb 1 , A
    b 2 , Ab 3 ,………,Ab nは前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に特異的に又は非特異的に結合するモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の座標であり;Ynは前記アレイの第2次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;そしてnはいずれか正の有限数である)を含んで成るアレイ。
  • 【請求項58】 Ab 1 (Xn, Yn) , Ab 2 (Xn, Yn) , Ab 3 (Xn, Yn) , ………, Ab n (Xn, Yn)を含んで成るモノクローナル抗体又は抗体変異体又は誘導体の二次アレイ(ここでAb 1 , Ab 2 , Ab 3 ,………,Ab nは前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に特異的に又は非特異的に結合するモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の座標であり;Ynは前記アレイの第2次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;そしてnはいずれか正の有限数である)であって、 (i )生物学的サンプルが由来する細胞、組織、器官、生物の抗原多様性の有意な部分をエミュレートするよう設計された多数のタンパク質要素を含んで成るタンパク質a 1 (Xn, Yn) , a 2 (Xn, Yn) , a 3 (Xn, Yn) , ………,a n (Xn, Yn)の一次アレイを調製し、ここでa 1 , a 2 , a 3 , ………, a nはタンパク質であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;Ynは前記アレイの第2 次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;そしてn
    はいずれか正の有限数であり; (ii)前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に結合する、複数のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を決定するために、それらの抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体、又はその減じられたプールにより前記アレイを、1度に1回スクリーンし; (iii )前記モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の二次アレイを、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に特異的又は非特異的結合するそれらのモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を用いて調製する; ことを含んで成る方法により調製されるアレイ。
  • 【請求項59】 前記一次アレイが、二次元ゲル電気泳動により分解されるタンパク質の1又は複数の複合体混合物に由来する要素を含んで成る請求項57又は58項記載のアレイ。
  • 【請求項60】 前記一次アレイ及び二次アレイが、固体多孔性又は非多孔性支持体又はマトリックスに結合される請求項57〜59のいずれか1項記載のアレイ。
  • 【請求項61】 前記固体多孔性又は非多孔性支持体又はマトリックスが、
    ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜、ニトリセルロース膜、ナイロン膜又は他の多孔性又は非多孔性膜を含んで成り、前記一次アレイのタンパク質及び/ 又は二次アレイのモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体がその膜に移行される、請求項60記載のアレイ。
  • 【請求項62】 前記固体支持体又はマトリックスが、多数のポリマーピンを含んで成る請求項60記載のアレイ。
  • 【請求項63】 前記固体支持体又はマトリックスが、多数のマイクロタイターウェルを含んで成る請求項60記載のアレイ。
  • 【請求項64】 前記固体支持体又はマトリックスが、1又は複数のシリコンチップを含んで成る請求項60記載のアレイ。
  • 【請求項65】 前記アレイの1又は複数のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体が、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に結合する抗体又は抗体変異体又は誘導体をそれぞれ発現するハイブリドーマ又は他の細胞に由来する請求項57〜64のいずれか1項記載のアレイ。
  • 【請求項66】 前記アレイの1又は複数の抗体変異体又は誘導体が、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に結合する抗体又は抗体変異体又は誘導体をそれぞれ発現するバクテリオファージ又はウィルスに由来する請求項57
    〜64のいずれか1項記載のアレイ。
  • 【請求項67】 前記一次アレイのタンパク質が、合成ペプチド、合成オリゴペプチド又は合成ポリペプチドである請求項57〜66のいずれか1項記載のアレイ。
  • 【請求項68】 前記一次アレイのタンパク質が、組換えペプチド、組換えオリゴペプチド又は組換えポリペプチドである請求項57〜66のいずれか1項記載のアレイ。
  • 【請求項69】 前記合成又は組換えペプチド、オリゴペプチド又はポリペプチドが、1又は複数のペプチドライブラリー、及び/ 又は誘発されたペプチド発現ライブラリー、及び/ 又は複数のクローン化された遺伝子ライブラリー内から発現されたタンパク質に由来する請求項67又は68記載のアレイ。
  • 【請求項70】 前記一次アレイのタンパク質が、天然に存在するペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド、タンパク質又は酵素である請求項57〜66のいずれか1項記載のアレイ。
  • 【請求項71】 前記1 又は複数のモノクローナル抗体又は抗体変異体又は誘導体が、1又は複数のレポーター分子によりラベルされる請求項57〜70のいずれか1項記載のアレイ。
  • 【請求項72】 前記レポーター分子が、免疫原性ペプチド又はタンパク質領域、FLAGペプチド、ポリ−His アミノ酸配列又はポリ−Lys アミノ酸配列又は他の既知のアミノ酸群、プロテインA 、レクチン、第2抗体、同位体、蛍光又は酵素標識である請求項71記載のアレイ。
  • 【請求項73】 医学的状態、慢性的病気、疾病もしくは免疫応答、又は前記医学的状態、慢性的病気もしくは疾病に関する素因についてヒト又は動物対象を診断する方法であって、 (i )細胞、組織又は器官サンプル、体液サンプル、血液又は血清サンプル、
    又はいずれか1又は複数の前記サンプルの画分、誘導体又はタンパク質抽出物を含んで成る、前記対象に由来する生物学的サンプルにより、請求項57〜72のいずれか1項記載のアレイをスクリーンし;そして (ii)健康な個人に由来する生物学的標準について検出されたタンパク質と、
    (i )での生物学的サンプルについて検出されたタンパク質とを比較することを含んで成り、ここで前記生物学的サンプルと前記生物学的標準との間の差異が前記医学的状態、慢性的病気、疾病又は素因を示すことを含んで成る方法。
  • 【請求項74】 スクリーニングの前、前記対象から生物学的サンプルを得ることをさらに含んで成る請求項73記載の方法。
  • 【請求項75】 前記生物学的サンプルによるスクリーニングのためのアレイを調製することを含んで成る請求項73又は74記載の方法。
  • 【請求項76】 前記アレイが、健康的個人、及び生物学的サンプルと同じ、細胞型、組織型、器官型、体液型、血液型、又は血清型に由来する、一次アレイにおけるタンパク質に結合するモノクローナル抗体又は抗体変異体を選択することによって調製される請求項75記載の方法。
  • 【請求項77】 医学的状態、慢性的病気、疾病又は免疫応答、又は前記医学的状態、慢性的病気又は疾病に関する素因についてヒト又は動物対象を診断する方法であって、 (i )請求項57〜72のいずれか1項記載のアレイの一次アレイ及び/ 又は二次アレイのいずれか又は両者を、 (a )細胞、組織又は器官サンプル、体液サンプル、血液又は血清サンプル、又はいずれか1又は複数の前記サンプルの画分、誘導体又はタンパク質抽出物を含んで成る、前記対象に由来する生物学的サンプル;及び (b )健康な個人に由来する生物学的標準により別々にスクリーンし;そして (ii)前記生物学的サンプルについて検出されたタンパク質と、(i )での前記生物学的標準について検出されたタンパク質とを比較することを含んで成り、
    ここで前記生物学的サンプルと前記生物学的標準との間の差異が前記医学的状態、慢性的病気、疾病又は素因を示すことを含んで成る方法。
  • 【請求項78】 前記生物学的サンプル及び生物学的標準が同じ細胞型、組織型、器官型、体液型、液体型又は血清型に由来する請求項77記載の方法。
  • 【請求項79】 スクリーニングの前、前記対象から生物学的サンプルを得ることをさらに含んで成る請求項77又は78記載の方法。
  • 【請求項80】 前記生物学的サンプル及び生物学的標準によりスクリーニングするためのアレイを調製することをさらに含んで成る請求項77〜79のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項81】 前記アレイが、健康的個人、及び生物学的サンプルと同じ、細胞型、組織型、器官型、体液型、血液型、又は血清型に由来する、一次アレイにおけるタンパク質に結合するモノクローナル抗体又は抗体変異体を選択することによって調製される請求項80記載の方法。
  • 【請求項82】 前記生物学的サンプルが、血液又は血清、又はその画分、
    誘導体又はタンパク質抽出物を含んで成る請求項77〜81のいずれか1項記載の方法。
  • 【請求項83】 前記生物学的標準が、血液又は血清、又はその画分、誘導体又はタンパク質抽出物を含んで成る請求項82記載の方法。
  • 【請求項84】 請求項57〜72のいずれか1項記載のアレイをスクリーニングすることによって同定された、疾病発生及び/ 又は疾病感受性に関する一連のタンパク質要素及び/ 又は応答性抗体要素、及び医学的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を含んで成る、ヒト又は他の動物対象の治療又は予防処理のための組成物。
  • 【請求項85】 前記組成物が、対象に投与される場合、その対象において免疫応答を誘発するか又は刺激する請求項84記載の組成物。
  • 【請求項86】 前記免疫応答が、保護細胞性及び/ 又は体液性免疫抗体反応である請求項85記載の組成物。
  • 【請求項87】 医学的状態、慢性病気、又は疾病についてのヒト又は動物対象の治療処理方法であって、請求項84〜86のいずれか1項記載の組成物を、前記対象に、前記医学的状態、慢性病気又は疾病の徴候を緩和するのに十分な時間及び条件下で投与することを含んで成る方法。
  • 【請求項88】 医学的状態、慢性病気、又は疾病についてのヒト又は動物対象の予防処理方法であって、請求項84〜86のいずれか1項記載の組成物を、前記対象に、抗体応答又は保護免疫応答を生ぜしめるのに十分な時間及び条件下で投与することを含んで成る方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 発明の分野: 本発明は、一般的にプロテオーム(proteome)分析のための高密度タンパク質アレイに関する。 より具体的には、本発明は、一次タンパク質アレイ及び二次抗体アレイを含んで成る高密度アレイを提供し、ここで前記二次アレイは前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に特異的に又は非特異的に結合する、モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を含んで成り、そして後者の情報が細胞、組織、器官又は完全な生物、又はそれらに由来する細胞抽出物、溶解物又はタンパク質画分から複数の個々のタンパク質の発現レベルのタンパク質プロフィールの同時決定のための前記二次アレイの使用を可能にする。

    【0002】 好ましくは、本発明の高密度アレイを用いていずれかの生物学的サンプルに関して得られるプロフィールは、一次タンパク質アレイにおける1又は複数のタンパク質とも免疫学的に交差反応する前記生物学的サンプルの合計抗原多様性を含んで成る。 本発明はまた、一般的に診断及び治療用途に関して、本明細書に記載される高密度タンパク質アレイを用いて、細胞、組織、器官及び完全な生物、並びにそれに由来する細胞抽出物、溶解物又はタンパク質画分のエピトーププロフィールを決定するための方法も関する。

    【0003】 全般: 本明細書に言及される出版物の引用文献の詳細は、この記載の最後で集められている。 本明細書において使用される場合、用語“〜に由来する”とは、特定された完全体が、必ずしも直接的ではないが、特定の源から得られることを示すために用いられるであろう。

    【0004】 この明細書を通して、特にことわらない限り、用語“含んで成る(comprise)
    ”、又はその変形、たとえば“含んで成る(comprises )”又は“含んで成る(c
    omprise)”とは、単一の言及される段階又は要素又は完全体、又は一群の段階又は要素又は完全体の包含を含むが、しかし単一のいずれか他の段階又は要素又は完全体又は一群の要素又は完全体の排除しないことを理解するであろう。

    【0005】 当業者は、本明細書に記載される発明が特別に記載される変動及び修飾以外の変動及び修飾に対して影響されやすいことを理解するであろう。 本発明はすべてのそのような変動及び修飾を包含することが理解されるべきである。 本発明はまた、本明細書に言及されるか又は示される段階、特徴、組成物及び化合物のすべてを、個々に又は集合的にいずれか及びすべての組み合わせ又はいずれか複数の前記段階又は特徴も包含する。 本発明は、本明細書に記載される特定態様により限定されず、そしてそれらは単なる例示目的のためである。 機能的に同等の生成物、組成物及び方法は、本明細書に記載されるように、明らかに、本発明の範囲内にある。

    【0006】 発明の背景: 核酸、たとえばcDNA及び合成オリゴヌクレオチドの高密度アレイは、生存系内の細胞活性をアッセイする手段を非常に改良した(Fraser and Fleischmann, 19
    97による再考を参照のこと)。 なぜなら、生存系は最少費用でアレイの高度の自動化、反復分析及び複製を可能にするからである。 多くの医薬会社は現在、cDNA
    の非常に大きなグリッドアレイ(たとえば、Research Genetics から入手される
    IMAGE 協会cDNA)に、核酸ハイブリダイゼーションアッセイを適用しており、そしてつい最近には、それらの技法はアレイの小型化により相当な利点を提供するシリコンチップ技法と適合できるようになって来た(Goffeau, 1997 )。

    【0007】 さらに、そのようなシステムは、健康な組織と疾病組織との間の差異について多数の個人又は集団をスクリーンし、そして老化、種々のストレス、薬物投与、
    発生/ 細胞周期、感染、疾病、等の効果をモニターするための可能性を付与する利点を有する。 核酸に基づくアレイにより提供される利点にもかかわらず、そのようなシステムは、生存生物における細胞過程又は疾病関連性に対する限定された情報を提供する。

    【0008】 なぜならば、遺伝子発現を調節するDNA/タンパク質相互作用の可能性ある例外を伴って、核酸発現よりもむしろ、タンパク質発現の知識が細胞工程の分析において最大の有用性を有するからである。 細胞、組織、器官又は完全な生物のタンパク質プロフィールは、タンパク質合成及びターンオーバー、及び細胞、組織、
    器官又は生物の健康か否かの真の表示に対する重要な情報を提供する。 生存細胞の表現型は、いずれかの所定の時間又は発生段階で、そこで生成されるタンパク質遺伝子−生成物に依存する。

    【0009】 細胞過程を分析するためのタンパク質に基づくアプローチは、Humphery-Smith
    and Blackstock (1997)及びHumphery-Smithなど., (1997) により総説されている。 その技法は現在、タンパク質の混合物を個々の分析物に分離し、そして/ 又は個々の分析物を富化するために、従来のタンパク質分離技法、たとえば二次元ゲル電気泳動、クロマトグラフィー法(Pharmacia, Uppsala, Swedenにより供給されるFPLC及びSMART のより急速な技法を包含する)、細管電気泳動技法及び質量分光法に基づく絶対的信頼性を包含するいくつかの要因、すなわち完全なプロテオーム(すなわち、細胞、組織、器官又は生物の可能性あるタンパク質生成物)の検出を妨げる感受性の欠失、及び一回のアッセイで、単なる個々のタンパク質よりもむしろ完全なプロテオームを分析する無能性により制限される。

    【0010】 特に、ほとんどの従来のタンパク質分離技法は、高価で、非常に技術的に大きな動を要し、そして個々のタンパク質の分離及び/ 又は富化のために手探りアプローチを必要とする。 さらに、遺伝子発現の一時的に特異的な及び発生的に特異的な性質は、すべてのタンパク質が、所定の生物内のすべての細胞又は組織において、すべての生理学的条件下でいつでも生成されるわけではないことを意味する。 従って、生物の特定の発生段階に由来するか、又は他方では、特定の時点に由来するタンパク質の一回の細胞抽出物に基づく信頼性は、細胞、組織、器官又は生物の完全なプロテオームの通常の分析を促進しなかった。

    【0011】 タンパク質に基づくスクリーニングアプローチへの核酸に基づくスクリーニングアプローチにおいて使用される技術の直接的な移行は、核酸及びタンパク質の基本的に異なった性質のために、可能ではない、たとえば、核酸に基づくアプローチにポリメラーゼ鎖反応(PCR )の使用により提供される利点は、タンパク質に基づいてのアプローチとは無関係である。

    【0012】 なぜならば、その技術はタンパク質の増幅をもたらさず、そしてプロテオーム、又はタンパク質の混合物でさえ、インビトロでの増幅のための適切な手段が存在しないからである。 さらに、いずれかのタンパク質が構造遺伝子鋳型、又はそれを含んで成る発現遺伝子構造体の使用を伴わないでは、インビトロで生成され得る手段が存在せず、そして細胞、組織、器官又は生物の完全なプロテオームの代表である発現遺伝子構造体マトリックスの高密度アレイを生成する遺伝子操作は可能ではない。

    【0013】 本発明を導く研究において、本発明者は完全なプロテオームの分析に容易に適用される複数のアレイスクリーニングシステムを開発することに努めて来た。 特に、本発明者は、タンパク質の一次高密度アレイ内に含まれる個々の要素に、二次アレイにおけるユニーク標識、たとえば1又は複数の動物由来の又はファージ由来のモノクローナル抗体を提供するために、一次及び二次アレイを含んで成る高密度アレイ及びそれらと共に使用するためのスクリーニングシステムを開発して来た。

    【0014】 本発明者により開発される高密度アレイは、少なくとも1つの標識がいずれかの生物のほぼ全体のプロテオームのタンパク質当たりで得られる手段を提供する。 二次アレイの多くの抗体は非常に非特異的であるけれども、1又は複数の抗体、たとえば数百の抗体の組み合わせは、ユニークな応答を生ぜしめることができ、そしてその非特異的応答は、内部対照として実験方法を有効にし、又は他方ではまたはさらに、同じタンパク質分子の異なった領域に標識を提供するために使用され得る。

    【0015】 発明の要約: 本発明は、細胞、組織及び生物、又は前記のいずれかの分画中のプロテオーム含有(proteome contenz)を、一次高密度タンパク質アレイ及び二次高密度抗体アレイの使用により実質的に決定する方法を提供する。

    【0016】 従って、本発明の1つの観点は、生物学的サンプルのタンパク質プロフィールを決定するための方法を提供し、ここで前記方法は、 (i )生物学的サンプルが由来する細胞、組織、器官、生物の抗原多様性の有意な部分をエミュレートするよう設計された多数のタンパク質要素を含んで成るタンパク質a 1 (Xn, Yn) , a 2 (Xn, Yn) , a 3 (Xn, Yn) , ………,a n (Xn, Yn)の一次アレイを調製し、ここでa 1 , a 2 , a 3 , ………, a nはタンパク質であり;Xnは前記アレイの第1次元(first dimension)に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;Ynは前記アレイの第2 次元(second dimension)に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;そしてn はいずれか正の有限数であり;

    【0017】 (ii)前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に結合する、複数のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を決定するために、それらの抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体、又はその減じられたプールにより前記アレイを、1度に1回スクリーニングし; (iii )モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体Ab 1 (Xn, Yn) ,
    Ab 2 (Xn, Yn) , Ab 3 (Xn, Yn) , ………, Ab n (Xn, Yn)の二次アレイを調製し、ここでAb 1 , Ab 2 , Ab 3 ,………,Ab nは前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に特異的に又は非特異的に結合するモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の座標であり;Ynは前記アレイの第2次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;そしてnはいずれか正の有限数であり;そして

    【0018】 (iv)前記二次アレイにおける1又は複数のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に独得に定義できる(uniquely definable)態様で結合する、前記生物学的サンプルにおけるそれらのタンパク質を決定するために、前記生物学的サンプルにより前記二次アレイをスクリーニングすることを含んで成る。

    【0019】 本発明の好ましい態様においては、前記二次高密度抗体アレイは、一次高密度タンパク質アレイの個々の要素を生成するために使用される要素の複合スープ(
    composite soup)に対するポリクローナル免疫応答の手段に由来する。 好ましくは、前記一次高密度タンパク質アレイは、抗原アレイである。 他の態様においては、本発明のこの観点は、“試験サンプル”のタンパク質プロフィールが、発現されたタンパク質について、生物学的標準又は対照に対するいずれかの差異を有するかどうかを決定するために、比較目的のために使用される。

    【0020】 従って、本発明のさらなる観点は、細胞、組織、器官又は生物、又はそれらに由来する生物的サンプル間で差別的に発現される1 又は複数のタンパク質を決定するための方法を提供し、ここで前記方法は、 (i )生物学的サンプルが由来する細胞、組織、器官、生物の抗原多様性の有意な部分をエミュレートするよう設計された複数のタンパク質要素を含んで成るタンパク質a 1 (Xn, Yn) , a 2 (Xn, Yn) , a 3 (Xn, Yn) , ………,a n (Xn, Yn)の一次アレイを調製し、ここでa 1 , a 2 , a 3 , ………, a nはタンパク質であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;Ynは前記アレイの第2 次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;そしてn
    はいずれか正の有限数であり;

    【0021】 (ii)前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に結合する、複数のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を決定するために、それらの抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体、又はその減じられたプールにより前記アレイを、1度に1回スクリーニングし; (iii )モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体Ab 1 (Xn, Yn) ,
    Ab 2 (Xn, Yn) , Ab 3 (Xn, Yn) , ………, Ab n (Xn, Yn)の二次アレイを調製し、ここでAb 1 , Ab 2 , Ab 3 ,………,Ab nは前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に特異的に又は非特異的に結合するモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の座標であり;Ynは前記アレイの第2次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;そしてnはいずれか正の有限数であり;そして

    【0022】 (iv)前記細胞、組織、器官又は生物に由来する複数の生物学的サンプルにより前記二次アレイを別々にスクリーニングし、そして差別的に発現されるそれらのタンパク質を決定するために前記個々の生物学的サンプルを用いて得られるシグナルを比較することを含んで成る。

    【0023】 上記の両態様においては、(iv)で決定されたような二次アレイの要素と抗原−抗体複合体を形成するアレイにおける1又は複数のタンパク質はまた、二次アレイをスクリーンすることによって検出されるモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に結合する前記タンパク質の座標(Xn, Yn)を決定することによっても同定され得る。

    【0024】 生物学的サンプルから単離されたいずれかのタンパク質が本発明の方法を用いて一旦同定されると、本発明は、そのようなタンパク質に明確に拡張する。 生物学的サンプルにおける多くの特異的タンパク質を同時に検出するために有用である高密度スクリーニングアレイの構成方法を提供することはまた、本発明の目的である。

    【0025】 本発明は、抗原の免疫捕獲のために抗体及び抗体誘導体、特にモノクローナル抗体の適切な感受性の利用に基づかれる。 抗体生成に固有の、分子多様性の生成のためのクローナル選択又は組換え分子方法は、多数の抗原に対する抗体の同時生成を可能にする。 しかしながら、現在、スクリーニング方法は、ポリクローナル応答内からの多くのモノクローナル要素を同時に詳細に分析することには向けられず、又はそれらは細胞タンパク質含有物の全体を理解することに向けらている。

    【0026】 従って、本発明は、所定の免疫化方法に続いて、1つよりも多くの抗原を検出するポリクローナル免疫応答の天然の能力を利用し、そしてこの能力を、1度に
    1 回(one at a time)、1つのモノクローナル抗体により1つの抗原をスクリーンすべきことの回避に利用することに基づく。 次に高密度アレイに配置される多数の抗体は、生物学的サンプルに由来するタンパク質をスクリーンするために使用され得る。 特に、抗体特異性の特徴化及び二次抗体アレイの創造のために、モノクローナル又はファージ由来の抗体と同時に高密度抗体アレイをスクリーニングする同時作用が細胞又は排泄されるタンパク質の発現レベルを検出するために使用され得ることが見出された。

    【0027】 2つの高密度アレイ(すなわち、一次アレイ及び二次アレイ)の実質的な使用は、時間効果的及び費用効果的態様でプロテオームの分析を促進し、そして特に、高い処理環境下で個々の抗体特異性及び交差反応性の予定された知識を得る時間効果的及び費用効果的手段を提供する。 この方法は、一次アレイ内に得られる複数のタンパク質要素に関して、初期抗体スクリーニング及び抗体特異性試験の一段階への組み合わせを可能にする。

    【0028】 従って、本発明のさらなる観点は、細胞、組織、器官又は生物、又はそれらに由来する生物学的サンプルのタンパク質プロフィールを決定することに使用するためのアレイを提供し、ここで前記アレイは、 (i )生物学的サンプルが由来する細胞、組織、器官、生物の抗原多様性の有意な部分をエミュレートするよう設計された多数のタンパク質要素を含んで成るタンパク質a 1 (Xn, Yn) , a 2 (Xn, Yn) , a 3 (Xn, Yn) , ………,a n (Xn, Yn)の一次アレイ(ここでa 1 , a 2 , a 3 , ………, a nはタンパク質であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;Ynは前記アレイの第2 次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;そしてn はいずれか正の有限数である);及び

    【0029】 (ii)モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体Ab 1 (Xn, Yn) , Ab 2 (Xn, Yn) , Ab 3 (Xn, Yn) , ………, Ab n (Xn, Yn)の二次アレイ(ここでAb 1 , A
    b 2 , Ab 3 ,………,Ab nは前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に特異的に又は非特異的に結合するモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の座標であり;Ynは前記アレイの第2次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;そしてnはいずれか正の有限数である)を含んで成る。

    【0030】 本発明は、本明細書に記載される一次タンパク質アレイをスクリーニングすることによって生成される、モノクローナル抗体又は抗体変異体又は誘導体のアレイに明らかに拡張する。 従って、本発明のさらなる観点は、Ab 1 (Xn, Yn) , Ab 2 (Xn, Yn) , Ab 3 (Xn, Yn) , ………, Ab n (Xn, Yn)を含んで成るモノクローナル抗体又は抗体変異体又は誘導体の二次アレイ(ここでAb 1 , Ab 2 , Ab 3 ,………,Ab nは前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に特異的に又は非特異的に結合するモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の座標であり;Ynは前記アレイの第2次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;そしてnはいずれか正の有限数である)を提供し、ここで前記アレイは、

    【0031】 (i )生物学的サンプルが由来する細胞、組織、器官、生物の抗原多様性の有意な部分をエミュレートするよう設計された多数のタンパク質要素を含んで成るタンパク質a 1 (Xn, Yn) , a 2 (Xn, Yn) , a 3 (Xn, Yn) , ………,a n (Xn, Yn)の一次アレイを調製し、ここでa 1 , a 2 , a 3 , ………, a nはタンパク質であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;Ynは前記アレイの第2 次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;そしてn
    はいずれか正の有限数であり;

    【0032】 (ii)前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に結合する、複数のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を決定するために、それらの抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体、又はその減じられたプールにより前記アレイを、1度に1回スクリーンし; (iii )前記モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の二次アレイを、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に特異的又は非特異的結合するそれらのモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を用いて調製することを含んで成る方法により調製される。

    【0033】 好ましくは、前記二次抗体アレイは、前記アレイをスクリーンするために使用される生物学的サンプルと同じ細胞型、組織型、器官型、体液型、血液型又は血清型に由来する、一次アレイにおけるタンパク質に結合するモノクローナル抗体又は抗体変異体を選択することによって調製される。 適切な数の抗体生成動物を要求することなく、数万の抗体を作ることの困難性を克服することがまた、目的である。

    【0034】 従って、本発明の好ましい態様においては、1又は複数のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体は、一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に結合する抗体又は抗体変異体又は誘導体をそれぞれ発現するハイブリドーマは、他の細胞、又は他方では、組換えバクテリオファージ又はウィルスに由来する。 より好ましくは、前記ハイブリドーマ又は他の細胞、又は組換えバクテリオファージ又はウィルスは、特異的又は非特異的態様で、一次アレイにおけるタンパク質に結合する抗体又は抗体変異体又は誘導体をそれぞれ発現する。

    【0035】 本発明のさらなる観点は、医学的状態に関するヒト及び他の動物の診断、及び予防及び治療処理への本発明の二次抗体アレイの適用に関する。 そのような態様においては、好ましくは、前記二次抗体アレイは、診断され又は処理される医学的状態に関連する徴候を示さない健康な個人に由来する、一次アレイにおけるタンパク質に結合するモノクローナル抗体又は抗体変異体を選択することによって調製される。

    【0036】 従って、本発明のさらなる観点は、医学的状態、慢性的病気、疾病又は免疫応答、又は前記医学的状態、慢性的病気又は疾病に関する素因についてヒト又は動物対象を診断する方法を提供し、ここで前記方法は、 (i )細胞、組織又は器官サンプル、体液サンプル、血液又は血清サンプル、
    又はいずれか1又は複数の前記サンプルの画分、誘導体又はタンパク質抽出物を含んで成る、前記対象に由来する生物学的サンプルにより、請求項57〜72のいずれか1項記載のアレイをスクリーンし;そして (ii)健康な個人に由来する生物学的標準について検出されたタンパク質と、
    (i )での生物学的サンプルについて検出されたタンパク質とを比較することを含んで成り、ここで前記生物学的サンプルと前記生物学的標準との間の差異が前記医学的状態、慢性的病気、疾病又は素因を示すことを含んで成る。

    【0037】 本発明のさらなる観点は、医学的状態、慢性的病気、疾病又は免疫応答、又は前記医学的状態、慢性的病気又は疾病に関する素因についてヒト又は動物対象を診断する方法提供し、ここで前記方法は、 (i )本発明の一次アレイ及び/ 又は二次アレイのいずれか又は両者を、 (a )細胞、組織又は器官サンプル、体液サンプル、血液又は血清サンプル、又はいずれか1又は複数の前記サンプルの画分、誘導体又はタンパク質抽出物を含んで成る、前記対象に由来する生物学的サンプル;及び (b )健康な個人に由来する生物学的標準により別々にスクリーンし;そして (ii)前記生物学的サンプルについて検出されたタンパク質と、(i )での前記生物学的標準について検出されたタンパク質とを比較する; ことを含んで成り、ここで前記生物学的サンプルと前記生物学的標準との間の差異が前記医学的状態、慢性的病気、疾病又は素因を示すことを含んで成る。

    【0038】 本発明のこの観点によれば、特に好ましくは、前記生物学的サンプル及び生物学的標準は、同じ細胞型、組織型、器官型、体液型、血液型又は血清型に由来する。 好ましくは、本発明の方法がヒト又は動物対象において免疫応答を診断するために使用される予定である場合、好ましくは、前記生物学的サンプルは、血液又はその個々の画分又は誘導体を含んで成る。

    【0039】 本明細書に記載される診断方法は、生物学的サンプルが、スクリーニングの前、対象から得られ、又は他方では、アレイが生物学的サンプル及び/ 又は生物学的標準によるスクリーニングのために調製される用途に明らかに拡張する。 そのような調製は、健康な個人、及び生物学的サンプルと同じ細胞型、組織型、器官型、体液型、血液型、又は血清型に由来する、一次アレイにおけるタンパク質に結合するモノクローナル抗体又は抗体変異体の選択を包含することができる。

    【0040】 本発明のさらなる観点は、ヒト又は他の動物対象の治療又は予防処理のための組成物に拡張し、ここで前記組成物は、本発明の一次及び/又はニ次アレイをスクリーニングすることによって同定され、好ましくは、続いて単離された、疾病発生及び/ 又は疾病感受性に関する一連のタンパク質要素及び/ 又は応答性抗体要素、及び医学的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を含んで成る。

    【0041】 本発明のこの観点によれば、特に好ましくは、そのような組成物の活性生物は、天然に存在する細胞スープにおける少数のタンパク質に対する応答を単に生成するよりもむしろ、前記組成物が投与される対象において、前記個々のタンパク質成分に対する抗体応答、好ましくは前記個々のタンパク質成分に対する体液性及び/ 又は細胞性免疫応答を生成するためにそれぞれ個々のタンパク質成分の十分に高い濃度で、ほぼ等モル濃度比で使用される。

    【0042】 本発明のこの観点はさらに、治療、診断及び介在性プロトコールへの、又は薬物スクリーニングプログラム又は分子特徴化における包含のためへのそのような組成物の使用に拡張する。 従って、本発明のさらなる観点は、医学的状態、慢性病気、又は疾病についてのヒト又は動物対象に前記組成物を、前記医学的状態、慢性病気、又は疾病の徴候を緩和するのに十分な時間及び条件下で投与することを含んで成る、前記対象の治療処理方法に関する。

    【0043】 本発明のさらなる観点は、医学的状態、慢性病気、又は疾病の素因を有するヒト又は動物対象に前記組成物を、抗体応答又は保護免疫応答を生ぜしめるのに十分な時間及び条件下で投与することを含んで成る、前記対象の予防処理方法にも関する。

    【0044】 発明の特定の記載: 本発明の1つの観点は、細胞、組織、器官又は生物、又はそれらに由来する生物学的サンプルのタンパク質プロフィールの決定への使用のためのアレイを提供し、ここで前記アレイは、 (i )生物学的サンプルが由来する細胞、組織、器官、生物の抗原多様性の有意な部分をエミュレートするよう設計された多数のタンパク質要素を含んで成るタンパク質a 1 (Xn, Yn) , a 2 (Xn, Yn) , a 3 (Xn, Yn) , ………,a n (Xn, Yn)の一次アレイ(ここでa 1 , a 2 , a 3 , ………, a nはタンパク質であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;Ynは前記アレイの第2 次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;そしてn はいずれか正の有限数である);及び

    【0045】 (ii)モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体Ab 1 (Xn, Yn) , Ab 2 (Xn, Yn) , Ab 3 (Xn, Yn) , ………, Ab n (Xn, Yn)の二次アレイ(ここでAb 1 , A
    b 2 , Ab 3 ,………,Ab nは前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に特異的に又は非特異的に結合するモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の座標であり;Ynは前記アレイの第2次元に沿ってのいずれか特定のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体であり;そしてnはいずれか正の有限数である)を含んで成る。

    【0046】 複雑な細胞抽出物に存在するタンパク質の発現レベルの検出を同時に提供するために、2種の高密度アレイを有することが本発明に必須である。 一次及び二次アレイの成分の予定された特異性及び交差反応性は、一次アレイにおける単一の又はグループの関連する抗原上のユニークシグナル又は標識を、二次アレイにおける1又は複数のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に提供する。 これは、約50,000〜100,000/年の割合で、完全な一次アレイに対する1又は複数のファージ由来の抗体要素のハイブリドーマ上清液及び/ 又は個々のロットの高−処理ウェスターンブロットにより達成される。

    【0047】 一般的に、一次アレイは、ゲノムによりコードされる抗原多様性の有意な部分を含む要素のスープである。 それは非常に再現性が高く、そして患者の血清の大規模ウェスターンブロット、タンパク質:タンパク質相互作用の分析、さらなる研究、診断キット及び試薬の開発のための興味ある多量の組換えタンパク質の合成、及びアレイの個々の要素に関する細胞免疫応答のスクリーニングに使用され得る。 一次アレイにおける要素のスープはまた、誘発された発現ライブラリーからも誘導され得、そして免疫化/ ワクチン接種のための接種物としても使用され得る。

    【0048】 一次アレイのサイズ及び冗長性のために、“スープ”の要素はほぼ等モル濃度で存在し、そして低い発生量分子は生物学的サンプルにおいてそれらの通常の発生量に関してアップレギュレートされる。 従って、一次アレイは、完全な遺伝子発現ライブラリー内の特定のアレイ分子の発生の統計学的見込みに基づいて、Th
    1及びTh2,及びTh1/Th2誘発要素と共にサブユニットワクチンとして使用され得る。

    【0049】 一般的に、二次高密度タンパク質アレイ、及び細胞抽出物に対する陽性応答体は、凍結貯蔵され得る興味ある抗体の連続的供給を提供し、そしてさらなる特徴化、分子診断、及び治療用マジック弾丸の生成のために興味ある生来のタンパク質の細胞抽出物からの親和性富化を提供する。 本明細書に記載される二次アレイは、高密度一次アレイへの接近性なしでは、高−処理及び効果的態様で構成され得ない。 一次又は二次アレイのいずれかにおいて陽性応答体に対応する遺伝子及び/ 又は遺伝子生成物は、本明細書に提供される記載から明らかなように、薬物スクリーニングプログラムに包含され、そして/ 又は介在方法の設計に使用される。

    【0050】 本明細書において使用される場合、用語“アレイ”とは、多数の特定化された完全体のいずれかの規則された配置、たとえば多数のタンパク質及び/ 又はモノクローナル抗体又は抗体変異体又は誘導体の線状及び非線状配置を意味する。 本発明においては、用語“アレイ”とは、一次元又は二次元ゲル電気泳動又はクロマトグラフィーにより分離されたタンパク質、又はペプチド又はタンパク質発現ライブラリーの複合体混合物に由来するいずれかの要素、及びグリッド、たとえばマイクロタイターウェル又は膜支持体又は珪素チップ上の、又は多数のポリマーピンを含んで成るグリッド上のタンパク質又は抗体変異体又は誘導体の規則された配置を包含する。

    【0051】 本明細書に記載される一次及び二次アレイは、2つの次元で規定された、それぞれ、多数のタンパク質及び抗体を含んで成り、ここで個々の次元におけるタンパク質又は抗体の数は少なくとも1つである。 従って、前記一次及び/ 又は二次アレイは、多数のタンパク質又は抗体の単一の列を含んで成ることができる。 “
    多数”とは、いずれかの大きな数を意味する。単一のタンパク質又は抗体は、それらが多数のタンパク質又は抗体として適切ではないので、本発明内の“アレイ”を構成しない。単一のタンパク質は、細胞、組織、器官又は完全な生物の抗原多様性の有意な部分をエミュレートするよう設計された多数のタンパク質要素も含まない。

    【0052】 一次アレイ内の個々のタンパク質は、そこにおけるその識別を促進するために座標(Xn, Yn)を割り当てられる。 同様に、二次アレイにおける個々のモノクローナル抗体又は抗体変異体又は誘導体は、そこにおけるその識別を促進するために座標(Xn, Yn)を割り当てられる。 タンパク質と抗体との間の特定の抗原関係の性質は、一次アレイにおいて特定の座標を有するタンパク質への、二次アレイにおいて特定の座標を有するモノクローナル抗体又は抗体変異体又は誘導体の結合を分析することによって決定され得る。 そしてそれにより、細胞抽出物からの生来の及び/ 又は変性されたタンパク質へのそれらの暴露の前、1又は複数の抗体の抗原−結合能力の従来の知識に基づいて、所定の抗原の多数性の決定を可能にする。

    【0053】 図1は、多数の抗原の平行したスクリーニングの機能性、並びに多数のモノクローナル抗体への結合親和性の及び混合された豊富さを示す。 当業者に明らかなように、そのような平行したスクリーニングは、プロテオーム発現を分析するために二次元ゲル電気泳動に独占的に依存する、従来の技術よりも有意な進歩性を提供する。

    【0054】 一次アレイ及び二次アレイを構成するタンパク質又は抗体の正確な数は、プロテオームが関連する、細胞、組織、器官又は生物源の抗原多様性に依存するであろう。 従って、現在記載されるアレイ(すなわち、一次及び二次アレイ)に関しては、nの値は、本発明のアレイが由来する種のプロテオームの複雑性に依存して変化するであろう。 たとえば、細菌の場合、それらは、ヒトプロテオームに関して100,000 〜300,000 の遺伝子生成物であるのに比較して、約4,000 〜20,000
    の遺伝子生成物であり得る。

    【0055】 本明細書に提供される記載から明らかなように、nの正確な値は本発明においては必須ではない。 なぜならば、一次アレイに表されるべきいずれかのプロテオームの抗原多様性の有意な部分、及び結果として、本発明の二次アレイに含まれるべきモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の適切な数を提供する技法が使用され得るためである。

    【0056】 しかしながら、本発明の両アレイに表されるタンパク質及び抗体の数が多くなるほど、細胞、組織、器官又は完全な生物のタンパク質プロフィールの決定へのその利用性が高くなるであろう。 好ましくは、一次アレイは、好ましくは1又は複数のタンパク質発現ライブラリの使用を通して、プロテオーム又はその有意な部分の抗原多様性をエミュレートする傾向を高めるために冗長(redundant)タンパク質を含んで成る。

    【0057】 好ましくは、二次アレイは、冗長モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を含んで成る。 二次アレイにおいては、そのような冗長性は分子当たり標識される部位の数を高め、得られる応答における高められた実験信頼性、及び比較アッセイの場合、たとえば生物学的サンプルと生物学的対照との間又は疾病の及び健康な個人又は個人グループ間で、検出されるべき示差応答のための可能性における高められた実験信頼性を提供する。 従って、二次アレイにおける冗長性は、アッセイされるあらゆるサンプル又はサンプル組のためのユニーク特性を生成するために、1又は複数の抗体の組み合わせにより、所定の抗原を独特に同定する(uniquely identify)可能性を高める。

    【0058】 “タンパク質プロフィール”とは、細胞、組織、器官又は生物の可能性あるタンパク質生成量を包含する細胞の“プロテオーム”とは異なり、細胞、組織、器官又は生物、又はそのいずれかの誘導体画分の発現されたタンパク質の範囲を意味する。 従って、本発明は、細胞、組織、器官又は完全な生物のプロテオームを代表するアレイ、及び前記アレイをスクリーニングするための方法の両者の提供により、いずれかの時間で又は発生段階又は疾病状態で、生物又は完全な生物自体の細胞、組織、又は器官において発現される特定のタンパク質の決定のために特に有用である。

    【0059】 “プロテオームを代表する”とは、本明細書に記載されるアレイがプロテオームに近づき、又はそれを記載することを意味する。 好ましくは、一次アレイは、図2により例示されるように、細胞、組織、器官又は生物の抗原多様性の有意な部分を代表する冗長アレイである。 “プロテオームの有意な部分を代表する”とは、本明細書に記載されるアレイがプロテオームの有意な部分に近づき又はそれを記載することを意味する。

    【0060】 本明細書において使用される場合、用語“タンパク質”とは天然に存在する及び/ 又はグリコシル化された及び/ 又はアシル化された及び/ 又は天然に存在しないアミノ酸残基の配列を含んで成るいずれかの分子、たとえば非アミノ酸置換基、たとえば炭化物及び/ 又は脂質を含んで成る融合タンパク質又は融合分子を意味する。 中でも、組換えポリペプチド、化学的に合成されたペプチド(たとえば、Fmoc化学により生成された)、及び化学物質又は酵素分解により、試薬、
    たとえばCNBr, トリプシン又はキモトリプシンにより、十分な長さのタンパク質から誘導されたペプチド、オリゴペプチド及びポリペプチドが、“タンパク質”
    の定義の範囲に包含される。

    【0061】 用語“組換えポリペプチド”及び“組換えペプチド”とは、本明細書において使用される場合、適切なプロモーターの制御下でいずれかのポリペプチド又はペプチド分子をコードする遺伝子配列のウィルス粒子又は細胞における発現により生成される前記分子を意味し、ここで遺伝子操作が前記発現を達成するために行われている。

    【0062】 本発明において使用され得る遺伝子操作は、当業界に知られているが、しかし核酸単離、制限エンドヌクレアーゼ消化、エンドヌクレアーゼ消化、E.コリDNA
    ポリメラーゼI 又はT4 DNAポリメラーゼ酵素のクレノウフラグメントを用いての末端フィリング、T4 DNAポリメラーゼ又はExoIII酵素を用いてのDNA 分子のブラント(平滑)末端化(blunt-ending)、特定部位の突然変異誘発、連結及び増幅反応に限定されない。 当業者に知られているように、追加の技法、たとえば核酸ハイブリダイゼーション及びヌクレオチド配列分析はまた、組換えポリペプチド及びペプチド分子、及び核酸分子を含んで成る遺伝子構造体をコードする核酸分子の本体の確立の際、前記分子の調製においても使用され得る。

    【0063】 本発明の1つの例示においては、一次アレイのタンパク質は、それらのアミノ又はカルボキシル末端への1又は複数のアミノ酸の付加により修飾される。 その付加されたアミノ酸は、もう1つのペプチド又はポリペプチド、大きなキャリヤータンパク質、又は固体支持体へのタンパク質のカップリングのために有用である。 それらの目的のために有用であるアミノ酸は、チロシン、リシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン及びそれらの誘導体を包含するが、但しそれらだけには限定されない。

    【0064】 もう1つのポリペプチド、タンパク質又はペプチド分子又は支持体へのタンパク質のカップリングのための追加の手段を提供するために、追加のタンパク質修飾技法、たとえばNH 2 −アセチル化又はCOOH−末端アミノ化が使用され得る。 タンパク質のお互いへの、又はキャリヤータンパク質又は固体支持体へのカップリングのための方法は、当業界において良く知られている。 従って、カルボキシル−又はアミノ−末端のいずれかで上記特別なアミノ酸残基を含み、そしてキャリヤー又は固体支持体にカップリングされていないか又はカップリングされているタンパク質は、本発明の一次アレイを生成するために使用されてるタンパク質の範囲内である。

    【0065】 本発明のさらなる態様においては、一次アレイのタンパク質は、前記タンパク質の検出を促進するためにそれに結合される1又は複数のレポーター分子の追加により修飾される。 本明細書において使用される場合、用語“レポーター分子”とは、識別できるか又は検出できる結果を生成することができるいずれかの分子を意味するであろう。

    【0066】 好ましいレポーター分子は次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:放射性化学物質、蛍光化合物、たとえばローダミン、ビオチン、DIG 、
    免疫学的に相互活性のペプチド、たとえばFLAGペプチド、ポリ−His アミノ酸配列又はポリ−Lys アミノ酸配列又は他の既知のアミノ酸群、及び機能的酵素、たとえばアルカリホスファターゼ、ホースラディシュペルオキシダーゼ、E.コリβ
    −ガラクトシダーゼ酵素、ホタルルシフェラーゼタンパク質(Owなど、1986;Th
    ompsonなど、1991)及び緑色蛍光タンパク質(Prasher など、1992;Chalfie など、1994;Inouye and Tsuji, 1994;Cormack など、1996;Haasなど、1996;またGenBanc Accession No. U55762も参照のこと)。

    【0067】 好ましくは、一次アレイは、高密度タンパク質アレイであろう。 本明細書において使用される場合、用語“高密度タンパク質アレイ”とは、少なくとも約10個のタンパク質/cm 2 , より好ましくは少なくとも約50個のタンパク質/cm 2 , さらにより好ましくは少なくとも約100 個のタンパク質/cm 2 , そしてさらにより好ましくは少なくとも約500 個のタンパク質/cm 2を含んで成るアレイを意味する。

    【0068】 高められた量のコードされるタンパク質又はペプチドを合成するために、IPTG
    により誘発されるcDNAクローンを含む個々の細菌コロニーに由来する誘発された懸濁液の移行に適用されるような現在のロボット技法を用いれば、約30,000のタンパク質要素が、2つのグリッドロボットにより、1日当たり90の速度で達成される標準の96−ウェルマイクロタイタープレートの蓋内に配置されるか又はそれに結合される固体支持体に、約450 ミクロンのピッチで移行され得る(KB Engin
    eering, UK;図3)。 より高い密度が達成され得るが、しかし毎日の生成速度は遅められる。

    【0069】 従って、100 、好ましくは1000、より好ましくは10,000、及びさらにより好ましくは100,000 のタンパク質が、一次アレイに含まれ得る。 当業者は、できるだけ技術的に実施可能な高い密度で一次アレイを提供することの利点を、時間の節約及び費用有効性により認識するであろう。 “抗原多様性”とは、タンパク質又はそのペプチドフラグメントもしくは領域の種々のエピトープ(すなわち、免疫原性領域)を意味する。 用語“抗原多様性の有意な部分”又は類似する用語は、そのプロテオームを表示する細胞、組織、器官又は完全な生物内に含まれるすべてのタンパク質に関連する異なった線状及びコンホメーションエピトープの有意な画分又は部分を意味するであろう。

    【0070】 従って、タンパク質の一次アレイは、多数のB 細胞エピトープを含んで成る。
    しかしながら、B 細胞による抗体、たとえば中和抗体の生成は決定的には、同種のT 細胞の助けに依存し、そしてT 細胞により認識される抗原決定基は、しばしば、B 細胞により認識されるそれらの決定基とは異なり、T 細胞エピトープの同定または、細胞、組織、器官又は完全な生物の抗原多様性の有意な部分の組成を考慮する場合、重要である。 従って、好ましくは、一次アレイは、多数のB 細胞エピトープ及びT 細胞エピトープを含んで成る。

    【0071】 B 細胞エピトープ及びT 細胞エピトープの両者を含んで成る一次アレイは、たとえば、T 細胞マイトジェンアッセイ及びγ−IFN アッセイ(たとえば、酸化窒素生成の刺激)を用いることによって、細胞及び体液免疫応答に包含されるタンパク質の生物学的サンプルの同定を可能にする。 当業者は、B 細胞エピトープ及びT 細胞エピトープがいくつかの固有の因子、
    たとえばタンパク質及び/ 又はタンパク質領域/ ドメインの接近性、親水性及び移動性により決定されることに気づくであろう。

    【0072】 B 細胞エピトープは、B 細胞上の免疫グロブリン分子と交差反応するタンパク質の領域である。 タンパク質の領域は、免疫原性であるためには、B 細胞上の免疫グロブリン分子に接近できる必要がある。 好ましくは、B 細胞エピトープは、
    タンパク質の表面上に位置するであろう。 タンパク質折りたたみは、水性環境に暴露される親水性残基を残しながら、その折りたたまれたタンパク質の内部に疎水性残基を隠す傾向がある。 従って、タンパク質の親水性領域は、疎水性領域よりも免疫原性である。 タンパク質の領域におけるポリペプチド主鎖のセグメンタル移動性は、タンパク質のより移動性の領域がより低い移動性の領域よりも、B
    細胞上の免疫グロブリン分子とより相互作用するので、免疫原性に関連している(Tainerなど、1984)。

    【0073】 種々の方法が、たんぱく質にB 細胞エピトープを配置するために開発されて来た。 それらの方法は、断定的(predictive)及び非断定的(non-predictive)技法を包含する。 断定的技法は、たとえば、タンパク質の主要配列を試験し、又は他方では、遺伝子におけるイントロ−エキソン境界を同定することによる、タンパク質の親水性又は移動性領域についての研究を包含する(Tainerなど、1984)
    。 それらの技法により同定される領域が実際、免疫原性であるかどうかを確認するために、予測されるアミノ酸配列を含む合成ペプチドが合成される。

    【0074】 次に、T ヘルパー細胞エピトープを提供するためにキャリヤータンパク質にしばしば結合されるこの合成ペプチドは、動物を免疫するために使用される。 次に、その動物により生成される抗血清における抗体が、それが生ぜしめられた、ペプチド又はタンパク質のいずれかに結合する能力について試験される。 抗体結合は、予測される免疫原領域が実際、B 細胞エピトープであることを確かめる。

    【0075】 本明細書に記載される一次アレイの生成においては、特に好ましくは、非断定的アプローチが取られるが、しかしながら、断定的アプローチは、十分に配列決定されたゲノムにおける高められた適用又は終結のために、及び/ 又は一次アレイにおける冗長性を高めるために、及び/ 又は一次アレイに示されるB 細胞エピトープの数を最大にするために、遺伝子−ライブラリーにおける不安定クローンに対応する毒性遺伝子に関して使用され得る。 このアプローチにおいては、動物は、ポリクローナル抗血清を生成するために、1又は複数のタンパク質又は完全な細胞、組織又は器官抽出物により免疫化される。

    【0076】 この抗血清は、ランダムに生成された合成又は組換えペプチドへの結合について試験される。 当業者に良く知られている種々の技法が、種々の長さのペプチド、たとえばペンタペプチド又はヘキサペプチドを含むペプチドライブラリーを生成するために開発されて来た(Geysenなど、1987;Scott and Smith, 1990 ; Ho
    ughtonなど、1991;Lam など、1991;du Plessisなど、1994)。 それらのペプチドは、タンパク質からのオーバーラピング配列又はランダム配列のいずれかを含むことができる。 ポリクローナル血清に結合する合成又は組換えペプチドは、本発明の一次アレイにおいて有用であるB 細胞エピトープを表す。

    【0077】 T 細胞エピトープはまた、主要組織適合性複合体(MHC )分子の特異性により主に決定される、タンパク質の特異的領域も含んで成る(Schaeffer など、1989
    )。 T 細胞により認識されるほとんどのアミノ酸配列は、連続した長さのペプチドから構成される(Streitcherなど、(1982);Delisi and Berzofsky, 1985 ;
    Margalitなど、1987)。 個々の異なったMHC 分子は、MHC クラスI 分子の場合、
    約8〜9個のアミノ酸残基、又はMHC クラスII分子の場合、13〜14個のアミノ酸残基の異なったモチーフを有するペプチドに結合する(Falkなど、1991;Rudens
    kyなど、1991)。 従って、特定のペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド又はタンパク質に応答する動物T 細胞の能力は、本発明の一次アレイの構成に使用するためのT 細胞エピトープを同定するためにアッセイされ得る。

    【0078】 一次アレイを生成するためには、細胞、組織、器官又は生物の抗原多様性の有意な部分を、集合的に又は別々に代表するいくつかのタンパク源(すなわち、多数のタンパク質要素)、すなわち次のものが本発明において考慮されるが、但しそれらだけには限定されない:合成ペプチド、たとえば合成ランダムアミノ酸配列、及び/ 又は特徴的なアミノ酸配列を含んで成るペプチド、及び/ 又は組換え分子、たとえば1又は複数のクローン化された遺伝子ライブラリー内からタンパク質発現により、ペプチドライブラリー及び/ 又は誘発されたペプチド発現ライブラリーにおいて生成されるそれらの分子、及び/ 又は天然に存在するタンパク質、たとえば生物学的サンプルの二次元ゲル電気泳動から誘導されたタンパク質、及び/ 又は複数−誘発されたタンパク質合成(RIPS)により、急速に分裂する細胞において生成された天然に存在するタンパク質から成る群から選択された1
    又は複数のペプチド、オリゴペプチド、ポリペプチド又はタンパク質。

    【0079】 好ましくは、一次アレイを構成するために使用されるタンパク質は、それらの免疫原性を改良するために、MHC クラスI 及びMHC クラスII分子と適合できるよう生成される。 “合成ペプチド”は、当業者に知られているいずれかの方法、たとえばFmoc化学を用いることによって生成される、前に定義されたような天然に存在いないタンパク質である。 クローン化された核酸挿入体の発現から生成される合成ペプチド又は組換えペプチドは、それらを調製するためにより時間節約且つ費用有効性であるので、特に好ましい。

    【0080】 一次アレイの構成に使用するために好ましい合成ペプチドは、少なくとも5個の長さのアミノ酸残基、より好ましくは約5〜約80個の長さのアミノ酸残基、及びより好ましくは約10〜約20個の長さのアミノ酸残基を含むであろう。 使用されるペプチドの最終長さは、合成の費用及びより短いペプチドの免疫原性に依存する。 しかしながら、より短いペプチドの使用が非常に所望される場合(たとえば、予算的制限のために)、より短い合成ペプチド分子の低められた免疫原性にもかかわらず、それらは、基本ペプチドに関して高められた免疫原性のペプチドクラスターの形成を促進し、又は他方では、ハプテン又は他の分子へのペプチドの結合を促進するために、1又は複数のN −末端又はC −末端の塩基性アミノ酸残基、特に、1又は複数のリシン残基を組み込むことができる。

    【0081】 好ましくは、合成ペプチドは、代表される配列の数を最大にするために、ランダムアミノ酸配列を含むであろう。 当業者は、抗原決定基についてスクリーンされ得るランダムアミノ酸配列を有するペプチドを化学的に合成することが可能であることを気づくであろう。 従って、そのような配列は細胞、組織、器官又は生物から誘導され得ないが、それらはプロテオームの要素へのそれらの免疫学的交差反応性により、細胞、組織、器官又は生物のプロテオームを“記載する”ために有用である。 ランダム合成ペプチドはプロテオームにおけるタンパク質の非線状(すなわち、コンホメーショナル)エピトープの類似体として特に有用である。

    【0082】 なぜならば、そのようなエピトープは一般的に、タンパク質において非連続的領域から形成され、そしてランダム合成ペプチドは連続アミノ酸配列の形でその免疫原性同等物を提供するからである。 プロテオームのB 細胞及び/ 又はT 細胞エピトープと交差反応するランダム合成ペプチドは、プロテオームのT 細胞及び
    / 又はB 細胞エピトープに結合するポリクローナル抗体により、そのような配列のライブラリーをスクリーニングすることによって同定され得、ここで前記抗体は、急速に分裂する細胞及び/ 又は組織及び/ 又はその誘導体タンパク質画分に由来する完全なタンパク質により動物、たとえばマウス又はウサギを免疫化することによって生成される。

    【0083】 他方では、ランダム合成ペプチドを同定するために使用される抗体は、粗又は精製された形でのモノクローナル又は組換え抗体であり得る。 T 細胞エピトープを含んで成るそれらのランダム合成ペプチドは、インビトロでT 細胞の細胞毒性又は増殖応答を刺激するそれらの能力により同定され得る。

    【0084】 当業者は、プロテオームにおけるすべてのタンパク質が同等に豊富であり又は同等に免疫原性であるとは限らず、そして結果として、細胞又は組織抽出物に対して生成されるポリクローナル血清は抗体特異性のゆがめられた分布を含んで成り、そしてプロテオーム又はその一部を真には表さないことを気づくであろう。
    急速に分裂するリンパ球の使用は、そのような抽出物において、生物のゲノムにおいてあらゆる読み取り枠によりコードされるタンパク質が複製−誘発されたタンパク質合成により表されるであろうより高い傾向が存在するので、特に好ましい。

    【0085】 一次アレイ中に組み込むための有用な合成ペプチドを同定するためのスクリーニングのための抗体の調製においては、プロテオームにおけるタンパク質の免疫原及び/ 又は抗原活性は、ヘプテン、たとえばKLH への、又は酵素分解に対してそれらを低感受性にし、そしてより選択性のある置換基へのそれらの接合により高められ得る。 たとえば、プロリン類似体、すなわち2−アミノシクロペンタンカルボン酸(βAC 5 c)は、天然に存在するポリペプチドの免疫原活性を20倍以上、高めることが示されている(Mierkeなど、1990;Portogheseなど、1990;Good
    man など、1987)。

    【0086】 他の態様においては、合成ペプチドは、特徴的なアミノ酸配列を含むであろう。 “特徴的アミノ酸配列”とは、特定種類のタンパク質又は酵素(たとえば、ホスファターゼ、キナーゼ、ヘリックス−ループ−ヘリックスタンパク質、亜鉛−
    フィンガー(III )タンパク質、等)を表すアミノ酸配列、又はタンパク質の特定領域又はドメイン(たとえば、DNA −結合ドメイン、転写因子の活性化領域、
    ATP −結合部位、等)を表すアミノ酸配列を意味する。

    【0087】 特徴的アミノ酸配列の決定は、その保存された領域を決定するために、他のアプローチの中でも、コンピューター駆動プログラム及びアルゴリズム、たとえば
    Computer Genetics Group, Inc., University Research Park, Madison, Wiscon
    sin, United States of America のMOTIFSプログラム(Devereaux など、1984)
    、及びデータベース、たとえばEMBL及びGenBANK データベース上に存在する整列されたアミノ酸配列を用いる場合、主として断定的である。 特徴的アミノ酸配列を決定するためのそのような分析を促進するためには、特に、複数のアミノ酸配列が比較される場合、Thompsonなど(1994)のClustal W プログラムが使用され得る。

    【0088】 それに代えて又はそれに加えて、特徴的アミノ酸配列は、基質−結合ドメイン、B 細胞エピトープ、T 細胞エピトープ又は他の機能的領域又はドメインを含んで成るタンパク質における特定の二次、三次又は四次構造を同定するために、核磁気共鳴分光学(NMR )及びX −線結晶学を用いて、及び次に、そのような構造を形成する特定のアミノ酸配列を決定することによって、実験的に決定され得る。 当業者は、NMR がアミノ酸の量及び異なったアミノ酸残基のプロトンの近く(
    ここで、炭素主鎖に沿って2つのプロトンの交互の効果が構造モチーフの特徴的である)を測定することを気づくであろう。

    【0089】 たとえば、B 細胞エピトープは、抗原:抗体複合体のNMR 及び/ 又はX −線結晶学分析により同定され得、ここで、X −線技法は結晶化されるべき複合体を必要とするが、NMR は液体状態での複合体の分析を可能にする。 便利さのために、そのような実験的アプローチを用いて同定されたタンパク質の線状ドメインは、それらを含んで成る合成ペプチドがそれらから容易に生成されるので、好ましい。

    【0090】 タンパク質の非線状ドメインの場合、その非線状ドメインの機能を模倣する第2の世代の合成ペプチドを生成することが必要である。 たとえば、タンパク質の
    B 細胞又はT 細胞エピトープを模倣する第2世代の合成ペプチドは、それぞれ、
    抗体−結合活性又はT 細胞増殖応答について合成ランダムペプチドをスクリーニングすることによって生成され得る。 好ましくは、特徴的アミノ酸配列を含んで成るペプチドは、疎水性領域、タンパク質に内因性である領域、又はプロリンに富んでいる及び/ 又はシステインに富んでいるアミノ酸配列を含んで成る領域を含まない。

    【0091】 特徴的アミノ酸配列を含んで成るペプチドはまた、組換えペプチドとしても生成され得る。 組換えタンパク質、たとえばcDNA挿入体の発現に由来するそれらのタンパク質は多くのコンホメーショナルエピトープをエミュレートすることができるが、しかしながら生来のタンパク質においては必ずしもそうでない。 組換えペプチド、たとえば特徴的アミノ酸配列を含んで成るそれらのペプチドは、1又は複数のExpressed Sequence Tags (EST) に由来するヌクレオチド配列、増幅生成物、たとえばPCR 生成物又は等温増幅生成物、cDNA配列、単離された遺伝子のエキソン領域、又はランダムに剪断されたゲノムDNA を含んで成る単離された核酸分子から好ましくは誘導されるであろう。

    【0092】 組換えペプチドは、当業者に知られている標準手段により生成され得る、その唯一の必要条件は、前記ペプチドをコードする核酸分子のヌクレオチド配列が発現可能な型で表されることである。 本明細書において使用される場合、用語“発現可能な型”とは、プロモーター又は他の調節配列と作用可能に連結して配置される核酸分子のタンパク質コード領域が細胞又は細胞フリーシステムにおける発現を調節できることを示すために採用されるであろう。

    【0093】 好ましくは、プロモーターと作用可能に連結して配置される核酸分子は、興味あるプロテオームタンパク質(すなわち、一次アレイに包含されるべきタンパク質)をコードするヌクレオチド配列、及びインテイン(intein)及び/ 又は高い免疫原性のペプチドをコードする1又は複数のヌクレオチド配列を含んで成る。

    【0094】 本明細書において使用される場合、用語“インテイン”(intein)とは、親和性カラムからの融合タンパク質のすべて又は一部の回収のための切断部位に連結され、そしてベクタークローニング部位に又はその近くにコードされる、切断できるタンパク質要素又はいずれかの数のタンパク質精製/ 富化標識を意味する。
    本発明の組換えペプチドへのインテインの包含は、それと共に同時発現されたいずれか他の組換えアミノ酸配列からの興味ある組換えプロテオームタンパク質又はそのフラグメントの切断を促進することである。 より好ましくは、興味ある組換えプロテオームタンパク質又はそのフラグメントをコードするヌクレオチド配列は、インテインをコードするヌクレオチド配列を端に有する。 これは、興味ある組換えプロテオームタンパク質又はそのフラグメントが、その発現及び続く精製に続いて、予測できる長さのタンパク質として得ることができることを確信する。

    【0095】 高い免疫原性タンパク質をコードする好ましいヌクレオチド配列は、中でも、
    コレラトキシン、インターロイキン又はインターフェロン分子により得られるTh
    2 −型及び/ 又はTh1/Th2 −型応答を促進するタンパク質をコードするそれらの配列を包含する。 そのような配列の包含の目的は、興味あるプロテオームタンパク質に対する特異的抗体が必要とされ、そして特に、一次アレイの構成に使用される多数の構成要素が免疫応答を生ぜしめるために使用される用途において、前記タンパク質により動物を免疫化することによって得られる一次及び二次抗体応答を促進することである。

    【0096】 本明細書において言及される“プロモーター”とは、その広範囲な情況において採用され、そして従来のゲノム遺伝子の転写調節配列、たとえばCCAAT ボックス配列を伴って又は伴わないで、正確な転写開始のために必要とされるTATAボックス、及び発生及び/ 又は外部刺激に応答して、又は組織特異的態様で遺伝子発現を変更する追加の調節要素(すなわち、上流の活性化配列、エンハンサー及びサイレンサー)を包含する。

    【0097】 本明細書においては、用語“プロモーター”または、タンパク質をコードする核酸分子の発現を付与し、活性化し、又は増強する、組換え、合成又は融合分子、又は誘導体を記載するために使用される。 好ましいプロモーターは、発現をさらに増強し、そして/ 又は前記核酸分子の空間的発現及び/ 又は一次的発現を変更するために、1又は複数の特異的調節要素の追加のコピーを含むことができる。

    【0098】 プロモーター配列の調節制御下への核酸分子の配置は、発現がプロモーター配列により制御されるように前記分子を位置決定することを意味する。 プロモーターは一般的に、それらが制御する遺伝子の5'側(上流)に配置されるが、しかしそれは必ずしも必要ではない。 異種プロモーター/ 構造遺伝子組み合わせの構成においては、プロモーターと、それがその天然の設定下で制御する遺伝子、すなわちプロモーターが由来する遺伝子との間の距離とほぼ同じである、遺伝子開始部位からの距離で前記プロモーターを位置決定することが、一般的に好ましい。

    【0099】 さらに、プロモーターを含んで成る調節要素は通常、遺伝子の転写の開始部位の2kb以内に位置決定される。 当業界において知られているように、この距離におけるいくらかの変動は、プロモーター機能の損失なしに適応され得る。 同様に、その制御下に配置されるべき異種遺伝子に関しての調節配列要素の好ましい位置決定は、その天然の設定下での前記要素、すなわちそれが由来する遺伝子の位置決定により定義される。 再び、当業界において知られているように、この距離におけるいくらかの変動はまた、存在し得る。

    【0100】 細菌、たとえばE.コリにおいて損なわれていないポリペプチドを生成するための先行必要条件は、効果的にリボソーム結合部位を有する強力なプロモーターの使用である。 細菌細胞、たとえばE.コリにおける発現のために適切な典型的なプロモーターは、laczプロモーター、感温性λ L又はλ Rプロモーター、T7プロモーター又はIPTG−誘導性tac プロモーターを包含するが、但しそれらだけには限定されない。 E.コリにおいて本発明の核酸分子を発現するための多くの他のベクターシステムは、当業界において良く知られており、そしてたとえばAusubel など、1987又はSambrookなど、1989に記載される。

    【0101】 細菌における発現のための適切なプロモーター配列、及び効果的なリボソーム結合部位を有する多くのプラスミド、たとえば中でも、pKC30 ( λL :Shimatak
    e and Rosenberg, 1981)、pKK173-3 (tac :Amann and Brosius, 1985 )、pE
    F3 (T7:Studier and Moffat, 1986) 、pFLEX シリーズの発現ベクター(Pfizer
    Inc., CT, USA)又はpQE シリーズの発現ベクター(Qiagen, CA)は、記載されている。 真核細胞のウィルス及び真核細胞における発現のために適切な典型的なプロモーターは、中でも、SV40後期プロモーター、SV40初期プロモーター及びサイトメガウィルス(CMV )プロモーター、CMV IE (サイトメガロウィルス即初期
    ) プロモーターを包含する。

    【0102】 単離された核酸分子、又は前記を含んで成る遺伝子構造体を、発現のための細胞中に導入するための手段は、当業者に良く知られている。 所定の生物のために使用される技法は、既知の好都合な技法に依存する。 動物細胞中に組換えDNA を導入するための手段は、中でも次のものを包含する:マイクロインジェクション、DEAE−デキストランにより介在されるトランスフェクション、リポソーム、たとえばリポフェクタミン(Gibco, MD, USA)及び/ 又はセルフェクチン(Gibco,
    MD, USA )を用いることによって介在されるトランスフェクション、PEG −介在性DNA 摂取、エレクトロポレーション、及びDNA −被覆されたタングステン又は金粒子を用いることによる微粒子衝撃(Agracetus Inc., WI, USA )。

    【0103】 本発明の他の態様においては、一次アレイへの包含のためのタンパク質は、組換えペプチドライブラリーの形で生成される。 本明細書において使用される場合、用語“ペプチドライブラリー”とは、1組の種々のアミノ酸配列をコードするいずれかの1組の種々のヌクレオチド配列の誘発性タンパク質生成物を意味し、
    ここで前記ヌクレオチド配列は好ましくは、細胞宿主における維持及び/ 又は複製のために適切であるプラスミド、コスミド、バクテリオファージ又はウィルスベクター分子内に含まれる。

    【0104】 用語“ペプチドライブラリー”はランダムペプチドライブラリー(ここで、アミノ酸配列又はヌクレオチド間の多様性の程度は種々である)、及び前記配列間でより低い程度の多様性が存在する限定されたペプチドライブラリーを包含する。 用語“ペプチドライブラリー”はさらに、細胞源に由来するランダムアミノ酸配列を包含し、ここで前記アミノ酸配列は、他のアプローチの中でも、制限エンドヌクレアーゼを用いてゲノムDNA の剪断又は部分的消化により得られた、中でも、細菌ゲノムフラグメント、酵母ゲノムフラグメント、昆虫ゲノムフラグメント又は小脊椎動物ゲノムフラグメントを含んで成る第2ヌクレオチド配列によりコードされる。

    【0105】 “ペプチドライブラリー”はさらに、種々の組の個々のアミノ酸配列又はヌクレオチド配列を含んで成る、細胞、ウィルス粒子及びバクテリオファージ粒子を包含する。

    【0106】 好ましくは、ペプチドライブラリーは、表示ライブラリーとして導入され、ここで一次アレイへの包含のためのタンパク質は、適切な細菌宿主細胞中に導入されている線状ファージ(すなわち、ファージ表示ライブラリー)の表面上で、又はポリソーム又は他の適切な表示システム上で発現される。 ファージ表示は、ペプチドライブラリーの化学的及び構造的多様性を利用するため広範囲の技法として急速に完成されて来た。

    【0107】 存在するファージ表示技法を用いる場合、生物学的活性の又は免疫的相互活性の分子として、線状バクテリオファージ、たとえばM13 の表面上で、ペプチドライブラリーからの1又は複数の組換えタンパク質を発現することが可能である(
    再考のためには、Burritt など、1996;Burton, 1995;Clackson and Wells, 19
    94; Cortese など、1995;Daniels など、1995;Lowman, 1997;O'Neil and Hoe
    ss, 1995;及びSternberg and Hoess, 1995 を参照のこと)。 組み合わせのライブラリーからのタンパク質の表示のための他のシステムもまた、記載されている(Mattheakisなど、1994;Winter, 1994)。

    【0108】 本発明のこの態様に従っての好ましいペプチドライブラリーは、誘発されたペプチド発現ライブラリーである。 他方では又はさらに、本発明のこの態様に従っての好ましいペプチドライブラリーは、特定された長さのペプチドをコードするヌクレオチド配列のすべての可能な組み合わせを包含する、1組のアミノ酸配列又はそれをコードするヌクレオチド配列を含んで成る“代表的なライブラリー”である。

    【0109】 好ましくは、ペプチドライブラリーは、細胞、ウィルス粒子又はバクテリオファージ粒子におけるヌクレオチド配列の発現を方向づけることができるプロモーター配列の制御下で作用可能に配置される種々の組みのアミノ酸配列(すなわち、プロテオームたんぱく質)をコードする種々の組みのヌクレオチド配列を含んで成る、細胞、ウィルス粒子又はバクテリオファージ粒子を含んで成る。 本発明の態様によれば、プロテオームタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、ランダムに合成されたオリゴヌクレオチド、及びより好ましくは、ランダムに剪断されたゲノムDNA から誘導される。

    【0110】 ペプチドライブラリー、たとえばタンパク質発現がファージ表示ライブラリーを包含する1又は複数のクローン化された遺伝子ライブラリーからであるそれらのライブラリーは、適切なプラスミドベクター又は他の発現ベクター、たとえばλZAP シリーズのベクター中への前記ヌクレオチド配列のプールの“ショットガン”クローニングにより生成され(Stratagene, Inc., CA., USA)、それにより、酵母及び/ 又は細菌細胞における多数のペプチド又はポリペプチドコードのクローニングを促進することが、本明細書における開示から明らかであろう。

    【0111】 好ましくは、発現可能な型でのプロテオームタンパク質をコードするヌクレオチド配列は、それが発現される細胞の表面にタンパク質を標的化する配列(たとえば、トランス−メンブランドメイン)をさらに包含し、又は他方では、ウィルス−介在性又はバクテリオファージ−介在性発現の場合、プロテオームタンパク質は、損なわれていない細胞、ウィルス粒子又はバクテリオファージを用いて、
    発現されたタンパク質の免疫反応性を促進するために、ウィルス又はバクテリオファージのコートタンパク質により融合タンパク質として生成され得る。

    【0112】 本発明のさらにもう1つの態様においては、一次アレイは、天然に存在するタンパク質を用いて構成される。 “天然に存在するタンパク質”とは、ウィルス粒子、バクテリオファージ、細胞、組織、器官又は生物、たとえば部分的に精製された、又は精製された生成物に由来するタンパク質を意味する。 この態様の1つの例示においては、タンパク質スポットに由来するアレイ要素は、天然に存在するタンパク質混合物の二次元ゲル電気泳動から電気溶離される。 他の態様においては、天然に存在するタンパク質混合物の二次元ゲル電気泳動が、ニトロセルロース又はPVDF膜に移行され、そして個々のタンパク質がスポットとして前記膜から切り出される。 より好ましくは、タンパク質は、ロボットの助けにより(図3)、高密度アレイとしてグリッド上に移される。

    【0113】 “プロテオームコンチグ(proteomic contigs )”(Humphery−Smith and Bl
    ackstack, 1997;Humphery−Smith など、1997)の使用により最初に分離されたタンパク質はまた、高密度アレイとして、グリッド上に、より好ましくはロボットの助けにより(図3)移行される一次アレイの構成にも使用され得る。 “プロテオームコンチグ”は、タンパク質発現の窓である。 本明細書に記載されるようにして生成されたプロテオームコンチグは、生物の完全なプロテオーム又はその有意な画分を表すために順序正しくされる。

    【0114】 一次アレイのタンパク質は好ましくは、モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体によるスクリーニングを促進するために固体支持体又はマトリックスに結合される。 前記固体支持体は典型的には、ガラス又はポリマーであり、
    最も通常使用されるポリマーは、セルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、
    ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、又はポリプロピレンである。

    【0115】 前記固体支持体は次の形で存在することができる:管、ビーズ、ディスク、珪素チップ、マイクロプレート、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜、ニトロセルロース膜、ナイロン膜、他の多孔性膜、非多孔性膜(たとえば、中でもプラスチック、ポリマー、パースペクス、珪素)、多数のポロマーピン又は多数のマイクロタイターウェル、又はタンパク質を固定し、そして/ 又はイムノアッセイを行うために適切ないずれか他の表面。 結合方法は、当業界においてよく知られており、そして一般的には、固体支持体にタンパク質分子を交差共有結合すること又は物理的に吸着することから成る。

    【0116】 すべての場合、類似する量で抗原がアレイ上に又はアレイに組み込まれることが所望されるが、類似するレベルの個々の抗原がグリッドされたアレイ上に又はアレイに組み込むことは困難であることが予測されるが、しかしたとえば、試験又は対照グループに関しての応答は、単独で又は比較上、疾病(たとえば、癌)
    又は感染に関連して完全な生物又は疾病組織に対する免疫応答を検出する際、相当に重要であると思われる。 タンパク質に結合されるレポーター分子は、一次アレイ上に又はそこに導入されるタンパク質の量の差異を考慮するために、標準化を促進することができる。

    【0117】 二次アレイは、任意には、固体多孔性又は非多孔性支持体又はマトリックスに結合され、そして任意には、それらの定量化及び/ 又は検出を促進するために1
    又は複数のレポーター分子によりラベルされた、モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を含んで成る。

    【0118】 好ましくは、二次アレイは、一次アレイにおける複数の抗原決定基に結合する、モノクローナル抗体及び/ 又はそれを生成するハイブリドーマ、及び/ 又は抗体変異体及び/ 又は誘導体のアレイである。 より好ましくは、前記モノクローナル抗体及び/ 又はそれを生成するハイブリドーマ、及び/ 又は抗体変異体及び/
    又は誘導体はそれぞれ、一次アレイ上の1又は複数の抗原決定基に結合する。 そのような分子の抗原認識のパターンは、一次アレイにおけるタンパク質の座標及び二次アレイにおけるモノクローナル抗体の座標のデータから決定され、そして一次アレイのタンパク質における共有されるエピトープの性質を詳細するために使用され得る。

    【0119】 好ましくは、二次アレイは、高密度抗体アレイであろう。 本明細書において使用される場合、用語“高密度抗体アレイ”とは、1cm 2当たり少なくとも10のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体及び/ 又は誘導体、より好ましくは、
    1cm 2当たり少なくとも50のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体及び/
    又は誘導体、さらにより好ましくは、1cm 2当たり少なくとも約100 のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体及び/ 又は誘導体、及びさらにより好ましくは、1cm 2当たり少なくとも約500 のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体及び/ 又は誘導体を含んで成るアレイを意味する。

    【0120】 本発明のさらにより好ましい態様においては、二次アレイは、1cm 2当たり約
    100,000 のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体及び/ 又は誘導体を含んで成る。 したがって、100 、好ましくは1000、より好ましくは10,000及びさらにより好ましくは100,000 の抗体が、二次アレイに含まれ得る。 当業者は、時間節約及び費用有効性に関して、技術的に実施可能なほど高い密度で二次アレイを提供することの利点を認識するであろう。

    【0121】 本明細書において使用される場合、用語“モノクローナル抗体”とは、ハイブリドーマにより生成される免疫グロブリン分子及び1又は複数の免疫グロブリン分子を生成するハイブリドーマの両者を、前記免疫グロブリン分子の特異性が同じであろうと又はなかろうと関係なく、包含するであろう。 モノクローナル抗体は、適切な遺伝子生成物、エピトープ、ペプチド、又は遺伝子生成物のフラグメント、又は他方では、多数の前記のものを含んで成る混合物による免疫化により得ることができる。 モノクローナル抗体は、組換え又は天然に存在する源に由来する、1又は複数のエピトープ、ペプチド又はタンパク質フラグメントに対して生ぜしめられた天然に存在するモノクローナル抗体から選択され得る。

    【0122】 モノクローナル抗体を生成するためには、抗体生成細胞(リンパ球)が、タンパク質により免疫化された動物から収穫され、そして標準の体細胞融合方法により骨髄腫細胞により融合され、従って、それらの細胞を不滅化し、そしてハイブリドーマ細胞を生成する。 そのような技法は、当業界において良く知られている(たとえば、Douillard and Hoffman, 1981 を参照のこと)。

    【0123】 たとえば、ハイブリドーマ技法は始め、Kohler and Milstein (1975)により開発され、そしてさらに他の技法、たとえばヒトB −細胞ハイブリドーマ技法(Ko
    zborなど、1983)、ヒトモノクローナル抗体を生成するためのEBV −ハイブリドーマ技法(Coleなど、1985)及び結合性抗体ライブラリーのスクリーニング(Hu
    seなど、1989)が存在する。 ハイブリドーマ細胞は、ペプチドと特異的に反応する抗体及びそれから単離されたモノクローナル抗体の生成のために免疫化学的にスクリーンされ得る。

    【0124】 用語“抗体変異体”とは、いずれかの合成抗体、組換え抗体又は抗体ハイブリッド、たとえば免疫グロブリンL 及び/ 又はH 鎖可変及び/ 又は不変領域のファージ−表示により生成される一本鎖抗体分子、又は当業者に知られているイムノアッセイ型で抗原に結合することができる他の免疫相互活性分子(但し、それらだけには限定されない)を言及するであろう。

    【0125】 バクテリオファージ又はウィルス粒子の表面上に、たとえばファージ表示ライブラリーに発現される、免疫グロブリンL 及びH 鎖可変及び不変領域を含んで成る組換え抗体が好ましい。 結合性抗体ライブラリーのファージ表示による高−親和性抗体の最適化(Crosby and Schorr, 1995; Winter など、1994)は、従来のハイブリドーマ及び免疫化技法に代わるものとして、天然の抗体多様性のための免疫選択の強い模倣である。

    【0126】 ヒトFab,一本鎖抗体(de Kruifなど、1995; Dengなど、1995;zdanovなど、19
    94)又はジスルフィド安定化されたFv(Brinkmann など、1995)は、外来性又は自己(Ditzel and Burton, 1995 )のいずれかの標的化された抗原、ハプテン(
    Short など、1995)、炭水化物(Dengなど、1995;zdanovなど、1994)、タンパク質、すなわちDNA (Barbasなど、1995)又はRNA (Powersなど、1995)に対する特異性により単離され得る。 さらに、細胞副集団−特異的モノクローナル抗体はまた、合成ファージ抗体ライブラリーから誘導され得る(de Kruifなど、1995
    )。 ファージ表示ライブラリーにおける組換え抗体の生成のための技法は当業界において良く知られている(Crosby snd Cchorr, 1995; Winter など、1994)。

    【0127】 いくつかのバクテリオファージ−基礎のベクターシステムは、線状ファージの表面上に免疫グロブリンFab フラグメント、すなわちL 鎖及びH 鎖を発現するために、ファージ表示ライブラリー、たとえばλlmmunoZAP ベクターシリーズ、たとえばλlmmunoZAP L,λlmmunoZAP H,λlmmunoZAP H/L 及びλSurfZAP における免疫グロブリンの発現のために利用できる(Hogrefe など、1993;Mullinaxなど、1990;Shopes, 1992;Stratagene, CA, USA )。

    【0128】 使用する場合、冗長及び非冗長性タンパク質の一次アレイは、前記のようにして構成され得、そして動物−基礎の又はファージ−基礎のシステムにおけるポリクローナル応答内からモノクローナル要素を平行して切除するために使用され得、そして前記動物−基礎の又はファージ−基礎のシステムから生成される抗体の特異性が同時に決定され得る。 たとえば、ファージ−基礎の抗体ライブラリーのバイオパンニングは、図1に示されるようにして、実質的に行われ得る。

    【0129】 用語“抗体誘導体”とは、当業者に知られているイムノアッセイ型において抗原に結合することができるいずれかの修飾された抗体分子、たとえば抗体のフラグメント(Fab フラグメント)、又はもう1つのペプチド又はポリペプチドに、
    大きなキャリヤータンパク質に、又は固体支持体への抗体のカップリングを促進するために、1又は複数のアミノ酸又は他の分子(たとえば、中でもアミノ酸チロシン、リシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン及びそれらの誘導体、NH 2 −アセチル基又はCOOH−末端アミド基)の付加により修飾される抗体分子を言及する。

    【0130】 好ましくは、二次アレイの抗体分子、又は抗体変異体又は誘導体は、それらの検出を促進するためにそれらに結合される1又は複数のレポーター分子の付加により修飾される。 この態様によれば、中でも種々の手段、たとえば蛍光、化学発光体、同位体決定、酵素ラベリングにより、抗原のラベルされた混合物における1又は複数の抗原決定基を検出することが可能である。

    【0131】 抗体に共有又は非共有結合するための好ましいレポーター分子は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:放射性化学物質、蛍光化合物、
    たとえばローダミン、ビオチン、DIG 、免疫学的に相互活性のペプチド、たとえばFLAGペプチド、ポリ−His 又はポリ−Lys アミノ酸配列又は他の既知のアミノ酸群、プロテインA 、レクチン(たとえば、植物凝集素A )、第二抗体及び機能的酵素、たとえばアルカリホスファターゼ、ホースラディシュペルオキシダーゼ、E.コリβ−ガラクトシダーゼ酵素、ホタルルシフェラーゼタンパク質(Owなど、1986;Thompsonなど、1991)及び緑色蛍光タンパク質(Prasher など、1992;
    Chalfie など、1994;Inouye and Tsuji, 1994;Cormack など、1996;また、Ge
    nBank Accession No. U55762も参照のこと)。

    【0132】 免疫学的に相互活性の(interactive)ペプチド又は機能的酵素を含んで成るレポーター分子の場合、それらは好ましくは、免疫グロブリン及びレポーター分子成分の両者を含んで成る融合タンパク質を生成することによって、組換え抗体に連結され、ここで前記成分をコードするその対応する遺伝子領域は読み取り枠において一緒にスプライスされ、そして組換え核酸分子は適切な細胞、ウィルス又はバクテリオファージ発現システムにおいて発現される。 そのような融合分子を生成するための技法は、当業界においてよく知られている。

    【0133】 二次アレイの構成に使用されるモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体は、モノクローナル又はポリクローナル抗体源に由来する。 たとえば、免疫グロブリン可変L 及びH 鎖をコードするヌクレオチド配列は、モノクローナル又はポリクローナル抗体の生成に関して、抗原により前もって免疫化されている動物に由来するハイブリドーマ又はリンパ球から誘導され得る。 従来の免疫化方法は、ポリクローナル又はモノクローナル抗体生成、又は抗体誘導体の生成を促進するために使用され得、ここで前記方法は、次のものによる動物、特にウサギ又はマウスの免疫化を包含する:

    【0134】 (i )完全な細胞、組織、器官又は完全な生物又はその非細胞画分又は溶解物、その抽出物又は他の誘導体;及び/ 又は (ii)細胞、組織又は器官及びその溶解物のすべて又は画分に対応する生物学的サンプルに由来するDNA (すなわち、DNA ワクチン);及び/ 又は (iii )分離方法、たとえば二次元ゲル電気泳動にゆだねられている生物学的サンプルに由来するタンパク質;及び/ 又は (iv)特徴的アミノ酸配列を含んで成る合成又は組換えペプチド;及び/ 又は (v )EST の読み取り枠、エキソン配列、cDNA分子又は生物の読み取り枠によりコードされる合成又は組換えペプチド;及び/ 又は (vi)一次アレイを生成するために使用される要素又はその複数の部分を含んで成る“スープ”。

    【0135】 マウスにおける一次抗体応答についての最良な評価は、結合多様性を包含する合計の可能性あるレパートリーのためであるが、しかし約109 〜約1011の二次応答の間の体細胞突然変異のためではない。 ファージ−基礎の抗体はたぶん、非常に多数の抗原を特異的に検出することができるはずであるが、しかしながら、多様性についてのこの能力は多数のクローンをスクリーンする必要性をもたらす。

    【0136】 従って、動物の免疫化、続く従来のモノクローナル抗体生成及びスクリーニングは、始めに二次アレイを構成するための好ましい手段であるが、しかし両者は、標的抗原当たりの冗長性及び複数シグナルを高める観点から使用される。 これは、単一又はグループの関連する抗原上にユニークシグナル又は標識を生成する応答、及び健康と疾病との間の差異及び/ 又は1又は複数の生物学的サンプルと生物学的標準との間の差異を示すために標的抗原に沿って複数の標識部位を生成する応答の組み合わせのシグナル確証を可能にする。

    【0137】 本発明者は、約4,000 の抗原を含んで成る小さな細菌プロテオームに関して、
    12〜20匹までのマウスが、合計のプロテオームの25〜75%、タンパク質当たり少なくとも1つのエピトープを表すために複合タンパク質混合物に対して十分なモノクローナル抗体を生成するために必要とされるであろうことを予測する。 残るモノクローナル抗体、又は抗体変異体又は誘導体は、単一のタンパク質に対する抗体から誘導されるであろう。 他方では又はさらに、追加のマウスが免疫化され得る。

    【0138】 天然においては、より複雑なプロテオーム、たとえばヒトプロテオームの場合、12〜20匹以上のマウス及び特に100 匹までのマウス、より好ましくは約500 匹までのマウスが、合計のプロテオームの25〜75%を表すために、複合タンパク質混合物に対して十分なモノクローナル抗体を生成するために使用され得る。 さらに、一次アレイはその一次アレイ内の冗長性を高め、そしてそれにより、細胞、
    組織、器官又は完全な生物のプロテオームに見出される抗原多様性を良好にエミュレートするために、高−処理ウェスターンブロットにより上昇する数の抗体誘導体に暴露される。

    【0139】 二次アレイの構成に使用するためのモノクローナル又はポリクローナル抗体を得るためには、良好な免疫原応答が、前記抗体が一次アレイのタンパク質における個々のエピトープ特異的に(すなわち、ユニークに)または非特異的に(すなわち、必ずしもユニークではない)、結合する能力を有することを確かめるために必要とされる。 これに関しては、一次アレイの1又は複数のタンパク質への抗体の特異的結合が、細胞、組織、器官又は生物のタンパク質プロフィールの決定に、組み合わされた情報結合特性を提供する。

    【0140】 免疫化の進行は、血漿又は血清における抗体力価の検出によりモニターされ得る。 標準のELISA 又は他のイムノアッセイは、抗体のレベルを評価するための高原として免疫原と共に使用され得る。 免疫化に続いて、抗血清が得られ、そして所望には、ポリクローナル抗体に対応するIgG 分子がその抗血清から単離され得る。

    【0141】 抗体を誘発するためのすべての免疫原組成物に関しては、免疫化タンパク質の免疫原的に効果的な量が実験的に決定されるべきである。 考慮されるべき要因は、ペプチドがアジュバント又はキャリヤータンパク質又は他のキャリヤーと複合体化されるか又は共有結合されても又はされなくてもいずれにせよ、生来のペプチドの免疫原性、組成物の投与路(すなわち、静脈内、筋肉内、皮下、等)、及び投与されるべき免疫化投与量の回数を包含する。 そのような要因はワクチン技術において知られており、そしてそれは不適切な実験を行わないで、そのような決定を行うためには免疫学者の技術の範囲内である。

    【0142】 抗体の調製においては、抗原の混合物、より好ましくは、約10〜約100 種の抗原の混合物によりマウスを同時に免疫化することが特に好ましい。 より好ましくは、そのような抗原混合物における改良された免疫原性に関連する十分に発現された抗原は、ほぼ等モル比で発現される。 これに代えて、又はこれに加えて、細胞抗原の天然に存在する混合物における不良に発現されたタンパク質に対応する、それらの混合物における最も低い発生抗原が良好に発現される(当業者に知られているように、それらの低い細胞内発生のために、それらの抗原はしばしば、不十分な免疫原性である)。

    【0143】 この目的を達成するためには、個々の免疫化されたマウスから得られる複合抗原混合物に対する応答レベルにより決定されるように(付随する例におけるように及び図4に概略されるように)、応答体のマウスにおいてスクリーンされるハイブリドーマの数を最大に高めることが所望され (マウス当たり、通常約600
    〜約1,000 個のハイブリドーマ)、そして抗体が前記のようにして構成される一次タンパク質アレイに対してスクリーンされる。 いずれかの従来のイムノアッセイ型(たとえば、ELISA, RIA, ウェスターンブロット、及び同様のもの)が、一次アレイをスクリーンするために使用され得る。 1又は複数の抗原に結合する抗体を生成するそれらのハイブリドーマは、興味ある生物学的材料のスクリーニングに使用するためのユニークで且つ/ 又は所望の認識を生成するために使用され得る。

    【0144】 ハイブリドーマ又は他の抗体生成細胞又はウィルス又はファージ粒子のスクリーニングは、一次アレイの有用な部分に、又はユニークには、多数の読み取り枠に由来するいずれかのタンパク質の同定を促進し、又はユニークには、ゲノムによりコードされ又は生成されるすべてのタンパク質異性型を同定するために結合する、モノクローナル抗体、又は抗体変異体又は誘導体が同定される場合、完結される。 要素の数が高まるにつれて、二次アレイの利用性も高まる。 完結されると、モノクローナル抗体、又は抗体変異体又は誘導体は二次アレイ中に指図される。

    【0145】 従って、前記ニアレイは、個々の新しいモノクローナル抗体又は抗体変異体又は誘導体が検出されるように、新規のより完全で且つ/ 又はより冗長性の二次アレイを形成するために、先存のアレイに抗体バッチを添加することにより、方法論的に構成され得る。 二次アレイのモノクローナル抗体、又は抗体変異体又は誘導体は固体支持体に結合されることが好ましい。 使用される固体支持体の性質、及び固体支持体に二次アレイのモノクローナル抗体、又は抗体変異体又は誘導体を結合する態様は、
    前記のように、一次アレイのタンパク質に関して同じである。

    【0146】 二次アレイの抗体はまた、単一の精製段階として、又は他方では、タンパク質の精製のための他の既知の方法と組合して、それが結合するタンパク質の親和性−精製又は富化のためにも有用である。 一般的に、タンパク質は、ゲル電気泳動、サイズ排除クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー又は親和性クロマトグラフィーの1つ又は組み合わせを用いて、それらのサイズ、電荷、又は損なわれていないポリペプチドに対する抗体に特異的に結合する能力に基づいて精製され得る。

    【0147】 精製/ 富化の後、減じられた数のタンパク質バンド又はスポットが、一次元又は二次元ゲル電気泳動により検出できるべきである。 抗体を用いてのタンパク質の親和性精製のための方法は、当業者によく知られている。 重要なことには、本発明は、当業者により良く知られているいずれかの数の分析及び/ 又は構造的方法論により、さらなるタンパク質特徴化を促進するために、細胞スープからの生来のタンパク質の精製/ 富化を提供するであろう。

    【0148】 単離されたタンパク質のN −末端の又は完全な配列決定がまた、行われ得る。
    これは、タンパク質の配列とデータベースにおける知られているタンパク質とを比較する可能性を提供し、一次アレイの構成に使用される要素をコードするcDNA
    クローンの分析により(たとえば、溶液における又は寒天上に被覆された膜上で誘発されたタンパク質を発現する細胞の分析及びそこにおける抗原への接近を可能にするために前記細胞の溶解により)、到達され得る。

    【0149】 本発明の第2の観点は明らかに、上記二次アレイを包含し、ここで前記アレイは、 (i )生物学的サンプルが由来する細胞、組織、器官、生物の抗原多様性の有意な部分をエミュレートするよう設計された多数のタンパク質要素を含んで成るタンパク質a 1 (Xn, Yn) , a 2 (Xn, Yn) , a 3 (Xn, Yn) , ………,a n (Xn, Yn)の一次アレイを調製し、ここでa 1 , a 2 , a 3 , ………, a nはタンパク質であり;Xnは前記アレイの第1次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;Ynは前記アレイの第2 次元に沿ってのいずれか特定のタンパク質の座標であり;そしてn
    はいずれか正の有限数であり;

    【0150】 (ii)前記一次アレイにおける1 又は複数のタンパク質に結合する、多数のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を決定するために、それらの抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体、又はその減じられたプールにより前記アレイを、1度に1回スクリーンし; (iii )前記モノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の二次アレイを、前記一次アレイにおける1又は複数のタンパク質に特異的又は非特異的結合するそれらのモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体を用いて調製することを含んで成る方法により調製される。

    【0151】 中でも、従来のイムノアッセイ、たとえばELISA, RIA, ウェスターンブロット免疫電気泳動、又はロケット免疫電気泳動が、本発明のこの態様に従っての一次アレイのスクリーニングを行うために使用され得る。 広範囲のイムノアッセイ技法が、アメリカ特許第4,016,043 号、第4,424,279
    号及び第4,018,653 号による引例により見出され得るように、入手できる。 もちろん、それらは、非競争型の単一部位及び2つの部位又は“サンドイッチ”アッセイ、及び競争結合アッセイの両者も包含する。 一次アレイにおける標的タンパク質へのラベルされた抗体の直接的な結合がまた、本発明により包含される。 本発明のこの態様を行うために標準のイムノアッセイをいかにして改良し、又は最適化するかは、当業者にとって明らかであり、そしてすべてのそのような改良及び最適化は本発明により包含される。

    【0152】 サンドイッチアッセイは、中でも最も有用で且つ通常使用されているアッセイであり、そして本発明への使用のためにも好ましい。 サンドイッチ技法の多くの変更が存在し、そしてそれらのすべては、本発明により包含される。 手短には、
    本発明に適用されるような典型的な前方向アッセイにおいては、固体支持体上に固定される一次アレイ(一次アレイ自体)のラベルされていないタンパク質が、
    試験されるべきモノクローナル抗体、又は抗体変異体又は誘導体と接触せしめられる。

    【0153】 適切なインキュベーション期間の後、抗体−抗原複合体の形成を可能にするのに十分な時間及び条件下で、検出できるシグナルを生成できる1又は複数のレポーター分子によりラベルされた、最初に言及された抗体に対して特異的な第2抗体が添加され、そして抗原−抗体−ラベルされた抗体のもう1つの複合体の形成のために十分な時間インキュベートされる。 いずれかの反応されていない材料は洗浄され、そして第一アレイのタンパク質へのモノクローナル抗体又は抗体変異体又は誘導体の結合は、レポーター分子により生成されるシグナルの観察により決定される。

    【0154】 前方向アッセイに基づく変型は、同時アッセイを包含し、ここでモノクローナル抗体又は抗体変異体又は抗体誘導体、及びラベルされた抗体の両者が結合されたタンパク質に同時に付化される。 最も通常使用されるレポーター分子は、酵素、蛍光団又は放射性核種を含む分子(すなわち、放射性同位体)、生物発光及び化学発光分子である。

    【0155】 酵素イムノアッセイの場合、酵素は、一般的にグルタルアデヒド又は過ヨウ素酸塩により、第2抗体に接合される。 しかしながら、容易に認識されるように、
    当業者により容易に入手できる広範囲の種類の異なった接合技法が存在する。 通常使用される酵素は、中でもホースラディシュペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ及びアルカリホスファターゼを包含する。 特定の酵素により使用されるべき基質は一般的に、対応する酵素による加水分解に基づいて、検出できる色の変化の生成について選択される。 適切な酵素の例は、
    アルカリホスファターゼ及びペルオキシダーゼを包含する。

    【0156】 上記に示されるクロモゲン基質よりもむしろ蛍光生成物を生成する蛍光原基質を使用することも可能である。 すべての場合、酵素ラベルされた抗体が、第1のタンパク質−抗体複合体に添加され、結合を可能にされ、そして次に、過剰の試薬が洗浄される。 次に、適切な基質を含む溶液が第3の抗原−抗体−抗体複合体に付加される。 基質は、第2抗体に連結される酵素と反応し、サンプルに存在したハプテンの量を表示するために、さらに、通常、分光光学的に定量化され得る定性可視シグナルを生成する。

    【0157】 あるいは、蛍光化合物、たとえばフルオレセイン及びロータミンが、それらの結合能力を変更しないで、抗体に化学的に結合され得る。 特定波長の光による照射により活性化される場合、蛍光色素によりラベルされた抗体は光エネルギーを吸着し、分子における状態の励起能力を誘発し、続いて光顕微鏡により視覚的に検出できる特徴的な色での光の発光を伴う。 酵素イムノアッセイ(EIA )におけるように、蛍光ラベルされた抗体は、第1のタンパク質−抗体複合体への結合を可能にされる。 結合されなかった試薬を洗浄した後、次にその残る第3の複合体が適切な波長の光に照射され、観察される蛍光が興味あるハプテンの存在を示す。 免疫蛍光及びEIA 技法は両者とも、当業界において非常に良く確立されており、そして特に、本発明の方法のために好ましい。

    【0158】 結果は、レポーター分子により生成される可視シグナルの単純な観察により、
    定性的であり得、又は既知量のタンパク質を含む対照サンプルと比較することによって定量化され得る。 タンパク質、又はモノクローナル抗体変異体又は誘導体が結合される固体表面は典型的には、ガラス又はポリマーであり、最も通常使用されるポリマーはセルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル又はポリプロピレンである。 固体支持体は、管、ビーズ、マイクロプレートのディスクの形、又はイムノアッセイを行うために適切ないずれか他の表面の形で存在し得る。 結合工程は当業界において良く知られており、そして一般的に、架橋、共有結合又は物理的吸着から成る。

    【0159】 当業者は、いずれかのイムノアッセイ、たとえば本発明の一次アレイのスクリーニングに適用されるそれらのイムノアッセイにより検出される結合が、次の少なくとも2種の源からの変動に対して敏感であることを気づくであろう: (i )イムノアッセイにおいて固体支持体に結合されるタンパク質(抗原)の異なった量;及び (ii)結合反応においてそれらの特定の抗原に対する抗体の異なった会合及び解離定数。 従って、本発明のさらなる態様は、二次アレイを構成するために抗体により一次アレイをスクリーニングする段階で、シグナル強度における濃度−依存性変動の補正を提供する。

    【0160】 好ましくは、これは、固体支持体又はマトリックスへのそれらの結合の前、1
    又は複数のレポーター分子により前記アレイのタンパク質をラベルし、そして前記固体支持体又はマトリックスに結合されるタンパク質の量を表示する、得られたシグナルを決定することによって達成される。 レポーター分子に対する抗体による、前記ラベルされた一次アレイのスクリーニング及び上記態様での定量化に続いて、レポーター分子から得られるシグナル及びイムノアッセイにおいて得られるシグナルが比較される。 次にイムノアッセイのために得られるシグナル強度が、レポーター分子を用いて得られるシグナル強度により決定されるように、タンパク質の濃度を説明するために調節される。

    【0161】 固体支持体に結合されるタンパク質の量を検出するための適切なレポーター分子は、次のものを包含するが、但しそれらだけには限定されない:免疫原ペプチド又はタンパク質領域、たとえばFLAGペプチド、ポリ−His 又はポリ−Lys アミノ酸配列、又は他の既知のアミノ酸群。 そのようなアミノ酸配列の使用が特に好ましい(ここで一次アレイのタンパク質は組換え又は合成タンパク質である)。
    なぜならば、免疫原ペプチド又はタンパク質領域が前記組換え又は合成タンパク質と読み取り枠を整合した融合体として生成され得るからである。 天然においては、免疫ペプチドレポーター分子の検出の好ましい態様は、標準のイムノアッセイ型が使用され得る場合、そのような配列に特異的に結合する抗体分子の使用である。

    【0162】 二次アレイは、標準のイムノアッセイ型において、固体支持体上の抗原に対する結合特異性及び/ 又は交差反応性のレベルを決定するために、細胞タンパク質の複合体混合物、たとえば蛍光的に、同位体的に、酵素的に、又は当業者に知られている他の手段によりラベルされたそれらの混合物をスクリーンするために使用される。

    【0163】 そのようなイムノアッセイは、モノクローナル抗体、又は抗体変異体又は誘導体により一次アレイをスクリーンするために、イムノアッセイにより同時に行われ得る。 しかしながら、レポーター分子に対する抗体又はスクリーンされる抗体のいずれか(但し、両者ではない)に特異的に結合する2種の異なった第2抗体が使用され、そして個々の第2抗体が、得られるシグナルの分離を促進するために、異なったレポーター分子によりラベルされることが好ましい。 あるいは、本明細書に記載されるいずれか他の適切なレポーター分子が一次アレイのタンパク質をラベルするために使用され得るが、但し、前記レポーター分子は前記タンパク質へのモノクローナル抗体又は抗体変異体又は誘導体の結合を検出するために使用されるその分子とは異なる。

    【0164】 一次アレイのスクリーニングはまた、得られるシグナル強度を平均化することによって、結合反応において抗体の異なった会合及び解離定数から発生する変動を低め、又は除去するために標準化され得、ここでいくつかの抗原的に異なったモノクローナル抗体、又は抗体変異体又は誘導体が同じタンパク質に結合することは、実施されるスクリーニングから知られている。 この態様は、同じタンパク質上の異なったエピトープに結合するいくつかのモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体の使用に関連する。

    【0165】 本発明のアレイは、前記アレイがプロテオームを表示する生物と同じか又は密接に関連する生物に由来する生物学的サンプルのタンパク質プロフィールを決定するために特に有用である。 これは、特定の生物により調製された本発明のアレイがその生物の抗原多様性の有意な部分を示し、そして結果として、健康又は疾病状態において、又は外部刺激物、たとえば化合物又は生物学的剤(たとえば、
    菌類又はウィルス病原体)への特定の細胞、組織、器官又は完全な生物の暴露に続いて、いずれかのサブセットの生物のプロテオーム、たとえば特定細胞、組織又は器官のタンパク質プロフィールを確かめるために使用され得るためである。

    【0166】 この議論から明らかであろうように、本発明は、特定の疾病又は感染を有する患者のタンパク質プロフィールの変化を決定するために、又は他方では、薬物による処理の間、タンパク質プロフィールの変化をモニターするために、医薬及び薬理学的分野に特に使用される。 本発明のこの態様を実施する場合、前記二次アレイは、ユニークに定義できる(uniquely definable)態様で、1又は複数のモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に結合する、生物学的サンプルにおけるそれらのタンパク質を決定するために、前記生物学的サンプルによりスクリーンされる。

    【0167】 生物学的サンプルは、細胞、組織、器官又は完全な生物のいずれかの溶解物又は抽出物、又はそれらの誘導体画分であり得、その唯一の必要条件は、前記生物学的サンプルがイムノアッセイ(正しいpH及び緩衝液組成)を行うために適切な形で存在し、そしてさらに、前記生物学的サンプルが二次アレイの抗体を免疫学的に交差反応するよう調製された生物に十分に密接に関連している生物に由来することである。

    【0168】 この態様の特に好ましい生物学的サンプルは、体液、たとえば涙、唾液、尿、
    精液又は他の滲出物、血清、又は皮膚、心臓、肝臓、腎臓、肝、腸又は胎児細胞を含んで成る組織生検、又はいずれか1又は複数の前記サンプルに由来するタンパク質抽出物を包含する。 他の生物学的サンプルもまた、本発明により包含され、これは一般的に、アッセイされるか、又は対象のアッセイが行われる生物学的サンプルに適用でき、そしてそのサンプルの源により制限されない。

    【0169】 二次アレイのスクリーニングは、前記イムノアッセイに類似する標準のイムノアッセイ型を用いて行われ得る。 しかしながら、直接的な結合アッセイが特に好ましく、ここで生物学的サンプルが抗体−タンパク質複合体の発生に十分な時間及び条件下で二次アレイと接触せしめられ、そして次に、前記複合体が、結合されなかった成分を除去するために、洗浄される。

    【0170】 好ましくは、生物学的サンプルにおけるタンパク質は、結合に続くそれらの検出を促進するために、適切なレポーター分子によりラベルされる。 レポーター分子は、複合体タンパク質混合物におけるタンパク質に通常、接合され得るいずれかのレポーター分子であり得、又は他方では、タンパク質は結合されなかった分子が洗浄された後、ラベルされ得る。 便利のために、蛍光化合物、たとえばフルオレセイン及びローダミン、又は放射性同位体が好ましい。 これに代えて、又はこれに加えて、NMR 、円二色性、電流の変化、X 線回析又はレーザ技法が、抗体分子へのタンパク質の結合を検出するために使用され得る。

    【0171】 結合及び洗浄段階に続く陽性シグナルは、二次アレイにおけるモノクローナル抗体、又は抗体変異体又は誘導体に特異的に結合される特定のタンパク質を含んで成る。 次に生物学的サンプルに存在するタンパク質の知識が、二次アレイにおける検出されたモノクローナル抗体、又は抗体変異体又は誘導体が、それに対するその特異的結合に基づいて選択される、一次アレイにおけるタンパク質への参照により得られる。 これは、二次アレイにおける1又は複数のモノクローナル抗体及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に結合する、一次アレイにおけるそれらのタンパク質の座標(Xn, Yn)への参照により達成される。

    【0172】 あるいは、前記のように、検出される興味あるタンパク質が、標準の方法により物理学的サンプルから精製され得、そして任意には、そのような精製されたタンパク質のアミノ酸配列、及び/ 又は単離されたタンパク質の後―翻訳修飾が決定され得る。 さらに一次アレイにおける同定される1又は複数のアミノ酸配列は、それは必ずしも知られる必要はないが、決定され得る。 さらに、一次アレイにおける対応する反応性タンパク質への接近性を通して、
    前記タンパク質をコードするDNA のヌクレオチド配列が、標準の方法を用いて決定され得る。 次に、単離されたDNA は、再び、当業者に知られている標準の方法を用いて、一次アレイに使用された組換えタンパク質を生成するために使用され得る。

    【0173】 一次アレイのスクリーニングに関して、生物学的サンプルによる二次アレイのスクリーニングは、イムノアッセイにおける固体支持体に結合される抗体の異なった量、又は結合反応におけるそれらの特異的抗原に対する抗体の異なった会合及び解離定数からの変動に対して敏感であり得る。 従って、本発明のさらなる態様は、生物学的サンプルによる二次アレイのスクリーニング段階で、シグナル強度の濃度−依存性変動の補正を提供する。

    【0174】 好ましくは、前記標準化は、二次アレイにおけるすべてのモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体に結合する1又は複数のレポーター分子により二次アレイをスクリーニングし、生物学的サンプルを用いてイムノアッセイにおいて得られたシグナルと、前記レポーター分子を用いて得られたシグナルとを比較し、そして最終的に、レポーター分子を用いて得られるシグナル強度により決定されるように、結合された抗体の量を考慮するために生物学的サンプルを用いて得られたシグナル強度を調節することによって達成される。

    【0175】 一般的に抗体に結合する分子は、当業界において良く知られており、そしてプロテインA 、レクチン及び第2抗体を包含する。 第2抗体が支持体に結合される抗体の量及び二次アレイ抗体への生物学的抽出物におけるタンパク質の結合の両者を検出するために使用される場合、好ましくは、個々の第2抗体は、得られるシグナルの分離を促進するために、異なったレポーター分子によりラベルされる。

    【0176】 抗体/ 抗原の異なった会合/ 解離定数について考慮するために一次アレイの標準化に関しては、二次アレイのスクリーニングが、同じタンパク質上の異なったエピトープに結合する、いくつかのモノクローナル抗体、及び/ 又は抗体変異体又は誘導体への同じタンパク質の結合について、得られるシグナル強度を平均することによって標準化され得、ここで前記結合は、一次アレイに基づいてサンプルにより結合される抗体の座標を“調節する(keying)”ことから明らかに成るであろう。

    【0177】 前記スクリーニング方法の変動性は、たとえばプロテオームの特異的タンパク質の異なった発現を確かめることが重要である用途において、生物学的サンプルの比較に適用され得る。 本発明の有意な用途は、ヒト及び他の動物及び生物からの健康及び疾病組織の比較であり、又はたとえば、処理の効能を決定するために特定の疾病の処理の間、ヒト又は他の生物に投与されるいずれかの化学物質の効果をモニターすることである。 本発明は、疾病、たとえばヒト又は他の生物の主要疾病(たとえば、1又は複数の疾病:中でも癌、遺伝子的に受け継いだ障害、
    自己免疫疾患、感染、及び環境性組織損傷心臓疾患)に病因的に関連する多遺伝子形質及び他の多タンパク質現象に対する有意な寄与を提供する。

    【0178】 他方では、本発明は、ヒト又は動物対象における免疫応答の診断又は決定に適用され得、ここでアレイを用いてアッセイされる動物学的サンプルは、血液又は血清、又はその画分又は誘導体を含んで成る。 そのような情報は、自己免疫疾患、又は他方では、病原体による宿主動物の過去又は現在の感染の診断の場合、特に重要であり得る。

    【0179】 本発明のこの態様を行うためには、同じ生物−特異的ニ次アレイが、複数のサンプルを用いて、本明細書に記載のようにして別々にスクリーンされ、そして前記個々の生物学的サンプルを用いて得られるシグナルが、異なって発現されるそれらのタンパク質を決定するために比較される。 その決定されたタンパク質はさらに、分析される特定の表現型とのそれらの関係について特徴づけられ得る。 アッセイされる表現型は、いずれかの多タンパク質−基礎の表現型であり得るが、
    しかしながら、本発明はもちろん、生物学的システムにおける単一タンパク質−
    基礎の表現型/ 現象の分析に適用され得る。

    【0180】 すでに言及されたように、本発明は、ヒト及び他の生物における多タンパク質−基礎の疾病状態の分析のために有用である。 従って、本発明のさらなる観点は、医学的状態、慢性病気又は疾病、又は前記医学的状態、慢性病気又は疾病についての免疫応答又は素因について、ヒト又は動物対象を診断するための方法を提供し、ここで前記方法は、前記対象に由来する生物学的サンプルにより本発明のアレイをスクリーニングし、そしてそのタンパク質プロフィールと、健康な個人に由来する生物学的標準のタンパク質プロフィールとを比較することを含んで成り、ここで前記生物学的サンプルと生物学的標準との間の差異が前記医学的状態、慢性病気、疾病又は素因を表す。

    【0181】 生理学的標準は、前もって決定され得、又は他方では、試験サンプル及び標準によるアレイのスクリーニングは同時に行われ得る。 好ましくは、生物学的標準は、試験される生物学的サンプルと同じ細胞型、組織型、器官型、体液型、血液型又は血清型に由来する。

    【0182】 本発明は明らかに、スクリーニングの前、生物学的サンプルを得、そして/ 又はその生物学的サンプル及び/ 又は生物学的標準によりスクリーニングするためのアレイを調製する段階を包含する。 この態様によれば、アレイは、健康な個人、及び生物学的サンプルと同じ細胞型、組織型、器官型、体液型、血液型又は血清型に由来する一次アレイにおけるタンパク質に結合するサブセットのモノクローナル抗体又は抗体変異体を選択することによって、スクリーニングのために調製され得る。 この態様においては、前記サブセットが生物学的試験サンプルによりスクリーンされる場合に観察される結合のいずれかの差異が直ちに明白になるであろう。

    【0183】 本明細書に記載される診断方法は、ヒト及び他の動物において疾病状態に関連する特定のタンパク質を解明し、このタンパク質はワクチン組成物を生成し、又は病状個人の変更されたタンパク質発現を補正する化合物を同定するために使用され得る。 従って、本発明のさらなる観点は、ヒト又は他の動物対象の治療又は予防処理のための組成物に拡張し、ここで前記組成物は、本発明の一次及びニ次アレイをスクリーニングすることによって同定され、好ましくは,続いて単離された、疾病発生及び/ 又は疾病感受性に関する一連のタンパク質要素及び/ 又は応答性抗体要素、及び医学的に許容できるキャリヤー又は希釈剤を含んで成る。

    【0184】 本発明のこの観点によれば、そのような組成物の活性生物は、個々のタンパク質成分に対する抗体応答を生成するために前記タンパク質成分の十分に高い濃度で、ほぼ等モル比で使用される、一次アレイの構成に使用される多数の要素の複合材料であることが特に好ましい。 好ましくは、免疫応答は、前記組成物が投与される対象においては、天然に存在する細胞ソープにおける少数のタンパク質に対する単なる応答よりもむしろ、
    活性成分を形成するタンパク質成分の個々に対する体液及び/ 又は細胞性免疫応答である。

    【0185】 本明細書において使用される場合、“医薬的に許容できるキャリヤー及び/ 又は希釈剤”とは、いずれかの及びすべての溶媒、分散液媒体、被膜剤、抗菌剤及び抗カビ剤、等張及び吸収遅延剤及び同様のものを包含する。 医薬活性物質のためへのそのような媒体及び剤の使用は当業界において良く知られている。 但し、
    従来の媒体又は剤が活性成分と適合できない限り、治療組成物へのその使用は予期される。 補充活性成分はまた、組成物中に組み込まれ得る。

    【0186】 組成物が予防のために使用される場合、それらは、投与される場合、抗体応答又は保護免疫応答を生成することが特に好ましい。 好ましくは、組成物は、処理の必要な対象に投与される場合、免疫応答を誘発するか又は刺激する。 より好ましくは、免疫応答は、一次又は二次抗体応答である。 さらにより好ましくは、タンパク質又は抗体に対する免疫応答は、保護免疫応答である。 本発明の組成物が治療処理のために意図される場合、それらは前記医学的状態、慢性病気又は疾病の徴候の緩和のために十分な時間及び条件下で、対象に投与される。

    【0187】 免疫応答を誘発するための組成物は、従来の態様、たとえば経口、静脈内(ここでは、水溶性)、筋肉内、皮下、鼻腔内、経皮内又は坐剤経路又は移植(たとえば、持効性分子を用いての)により投与され得る。 投与の経路に依存して、そこに含まれる免疫原タンパク質は、前記免疫原を不活性化する、酵素、酸及び他の天然の条件の作用からそられを保護するために、ある種の材料により被覆される必要がある。 非経口投与以外により組成物を投与するためには,それらはその不活性化を妨げる材料により被覆され、又はその材料と共に投与されるであろう。 たとえば、免疫原タンパク質は、酵素インヒビターと共に同時投与されるアジュバント、又はリポソームにおいて投与され得る。

    【0188】 “アジュバント”とは、本明細書において使用される場合、その広範囲の意味で知られおり、そしていずれかの免疫刺激化合物、たとえばサイトカイン分子、
    レソルシノール、非イオン性界面活性剤、たとえばポリオキシエチレンオレイルエーテル又はn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルを包含する。 酵素インヒビターは、膵臓トリプシンインヒビター、ジイソプロピルフルオロホスフェート(DEP )及びトラシロールを包含する。

    【0189】 リポソームは、水中、油中水エマルジョン(water-in-oil-in-water emulsion
    s )及び従来のリポソームを包含する。 本発明の組成物はまた、非経口または腹腔内投与され得る。 免疫原タンパク質成分の分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、及びそれらの混合物、及び油において調製され得る。 貯蔵及び使用の通常の条件下で、それらの調製物は、微生物の増殖を妨げるために保存剤を含むことができる。

    【0190】 注射使用のための適切な形は、無菌注射用溶液又は分散液の即座の調製のためには、無菌水溶液(ここでは、水溶性)又は分散液、及び無菌粉末を包含する。
    すべての場合、前記形は無菌であるべきであり、そして容易な注射可能性が存在する程度まで流体であるべきである。 それは、構造及び貯蔵の条件下で安定すべきであり、そして微生物、たとえば細菌及び菌類の汚染作用に対して保存されるべきである。

    【0191】 キャリヤーは、たとえば水、エタノール、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール、及び同様のもの)
    、その適切な混合物、及び植物油を含む、溶媒又は分散液媒体であり得る。 流動性は、たとえば被膜、たとえばレシチンの使用により、分散体の場合、必要とされる粒度の維持により、及び界面活性剤の使用により維持され得る。 微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤及び抗カビ剤、たとえばパラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサール及び同様のものによりもたらされ得る。 多くの場合、等張剤、たとえば糖又は塩化ナトリウムを含むことが好ましい。
    注射用組成物の延長された吸収性は、吸収を遅延する剤、たとえばアルミニウムステアレート及びゼラチンの組成物への使用によりもたらされ得る。

    【0192】 無菌注射用溶液は、上記列挙された種々の他の成分と共に、適切な溶媒に、免疫原生タンパク質成分を必要とされる量、組み込み、必要とされる場合、続いて、照射又は他の適切な殺菌手段により殺菌することによって調製される。 一般的に、分散液は、基本的な分散媒体及び上記に列挙された成分からの必要とされる他の成分を含む無菌ビークル中に、細菌された種々の活性成分を組み込むことによって調製される。 無菌粉末の場合、無菌注射用溶液の調製のための好ましい調製方法は、活性成分の粉末、及び前もって殺菌濾過されたその溶液からのいずれかの追加の所望する成分を生成する真空乾燥及び凍結乾燥技法である。

    【0193】 組成物が上記のように適切に保護される場合、それらは、不活性希釈剤又は同化できる食用キャリヤーと共に経口投与され得、又はハード又はソフトシェルゼラチンカプセルに封入され得、又は錠剤に圧縮され得、又はダイエット食品と共に直接的に導入され得る。

    【0194】 経口投与のためには、組成物は賦形剤と共に混合され、そして摂取できる錠剤、頬錠剤、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロップ、オブラート及び同様のものの形で使用される。 そのような組成物及び製剤は、少なくとも1重量%の活性成分を含むべきである。 組成物及び製剤中の百分率はもちろん、変更され得、そして便利には、単位当たり約5〜約80%の間である。 そのようなワクチン製剤における免疫原タンパク質の量は、効果的な免疫化が1〜5の用量の前記ワクチンにより達成されるような量である。

    【0195】 錠剤、トローチ、ピル、カプセル及び同様ののもはまた、次のものを含むことができる:結合剤、たとえばトラガカンドゴム、アカシア、コーンスターチ又はゼラチン;賦形剤、たとえばリン酸二カルシウム;砕解剤、たとえばコーンスターチ、ジャガイモスターチ、アルギン酸、及び同様のもの;滑剤、たとえばステアリン酸マグネシウム;及び甘味剤、たとえばスクロール、ラクトース又はサッカリン;風味剤、たとえばペパーミント、ヒメコウジ油、又はサクランボ風味剤。

    【0196】 投与単位形がカプセルである場合、それは、上記の型の材料の他に、液体キャリヤーを含むことができる。 種々の他の材料が、被膜として、又は投与単位の物理的形を改良するために、存在することができる。 たとえば、錠剤、ピル又はカプセルは、セラック、糖又は両者により被覆され得る。 シロップ又はエリキシルは、活性化合物、甘味剤としてのスクロース、保存剤としてのメチル及びプロピルパラベン、色素及び風味剤、たとえば、サクランボ又はオレンジ風味剤を含むことができる。 もちろん、いずれの投与単位形でも調製することに使用される。

    【0197】 いずれの材料でも、医薬的に純粋であり、そして使用される量で、実質的に非毒性である。 さらに、組成物は持効性製剤及び配合物中に組み込まれ得る。 容易な投与及び投与量の均質性のために、非経口組成物を、用量単位形で配合することが特に好都合である。 本明細書において使用されるような用量単位形とは、処理されるべきヒト又は動物対象のための単位投与量として適切な物理的に別々の単位を言及し;個々の単位は、必要とされる医薬的に許容できるキャリヤーと共に、所望する治療効果を生成するために計算された予定された量の活性材料を含む。 本発明の範囲は、次の非制限的な例によりさらに例示されるであろう。

    【0198】 〔実施例〕 例1ポリクローナル応答の分離図5は、生存B 細胞ハイブリドーマ培養物上清液のスクリーニングのために、
    ポリクローナル応答内からのモノクローナル要素の同時の分離を示す概略図である。 モノクローナル抗体特異性の予定された知識に依存する、本明細書に示されるスキームはまた、本明細書に記載されるようなファージー基礎の抗体スクリーニング及びバイオパンニングにも適用できる。

    【0199】 この例は、本発明の原理、特に複数の特異的抗体の生成を可能にするのに十分な良好な免疫応答を同時に生ぜしめるために、及び少なくとも1つの大きさの程度の抗原の同時スクリーニングを提供し、それにより、従来技術により提供されるよりも、モノクローナル抗体の生成のために高い処理能力、及び減じられた時間及び費用、及び同時に、抗原及び/ 又は抗体のスクリーニングに関連する低められた費用を付与するための本発明の可能性を示す。 本明細書に記載される方法は、使用される抗原の数、たとえば本明細書に記載される、2、3、4又はそれ以上の大きさの程度の複雑性を含んで成る抗原の数に関係なく適用できる。

    【0200】 従って、高い処理力の設定で抗体を生成する本明細書に記載される例は、ヒトゲノムの出力のスクリーニングへの本発明の一般的な適用能力を示す。 本発明に関連する減じられた時間及び費用は、最初に、特異性及び続いて、交差−反応性又は特異性の程度(これはしばしば、モノクローナル抗体生成における最高の費用要素である)について、実験動物又はファージ由来の分子工程を包含する方法により試験する、本明細書に記載される段階の組み合わせにより非常に促進される。

    【0201】 さらに、ハイブリドーマ又はファージ由来の抗体誘導体は、現在、ゲノムに関連する抗原多様性の有意な部分を表示する抗原に対してスクリーンされず、そして組織断片又は発現ライブラリーの場合、抗原は、本明細書に例示される本発明のアレイの次元座標に比較して、修正でき且つ再生できるデータ座標内に含まれない。 従って、本発明を用いて達成できる交差反応性又は特異性のいずれも、本明細書において例示される精度と同じレベルの精度で、既知のスクリーニング方法により達成され得ない。

    【0202】 等モル濃度で12種の抗原の混合物50μg を含んで成る免疫原を、アジュバンドの存在下で、4匹のマウス(2×Balb/C、2×CBA )を免疫化するために使用した。 約1ヶ月後、マウスを抗原混合物25μg 及びアジュバントにより追加免疫化した。 9日後、マウスを放血し、血清を得た。 使用される免疫化混合物の組織は、表1に列挙されている。

    【0203】 免疫化されたマウスから得られた血液を、免疫化混合物に含まれる12種の個々の抗原の個々に対してELISA によりスクリーンした。 手短かには、ELISA プレートを、10μg/ml及び1μg/mlのレベルで、個々の抗原により被覆した。 抗原を、
    被覆の前、pH9.6 での標準の炭酸塩被覆緩衝液に希釈し、そして適切な濃度での抗原溶液50μl を、個々のマイクロタイターウェルに添加し、そして適切な濃度での抗原溶液50μl を、個々のマイクロタイターウェルに添加し、そして4℃で一晩インキュベートした。

    【0204】 次に、マイクロタイターウェルを、リン酸緩衝液(PBS )中、0.2 %(w/v )
    のカゼインにより、周囲温度で1時間、阻止した。 プレートをPBS/Tween により3度洗浄し、そしてTBS/BSA/Tween において1:50〜1:400 (2倍)にタイトレーションされた個々のマウスからの血清50μl を個々のウェルに添加し、そして37
    ℃で1時間インキュベートした。

    【0205】 プレートを前記のようにして洗浄し、そしてTBS/BSA/Tween 中、ホースラディシュペルオキシダーゼ(HRP ;Silenus 製品コードDAH )に接合された抗−マウスIgG の1:4,000 希釈溶液50μl を添加し、そして37℃で1時間インキュベートした。 プレートを再び、前記のようにして洗浄した。 OPD 基質を添加し、そしてプレートを周囲温度で10分間インキュベートし、そして492 nmでの吸光度を決定した。 データは、表2〜表7に示される。 混合物中の個々の抗原に対する個々のマウスの応答レベルは、表8に要約される。

    【0206】

    【表1】

    【0207】

    【表2】

    【0208】

    【表3】

    【0209】

    【表4】

    【0210】

    【表5】

    【0211】

    【表6】

    【0212】

    【表7】

    【0213】

    【表8】

    【0214】 表8に示されるデータは、本明細書に例示されるよりもかなり多数のハイブリドーマ上清液及び/ 又はファージ由来の抗体要素をスクリーンするために使用される、より複雑な一次アレイをエミュレートする。 本明細書に例示される対象物とそのような大規模スクリーニングとの唯一の差異は、後者のものが多量のサンプルを取り扱うために自動化及びロボットに非常に依存し、そしてデータ処理を取り扱うために計算に基づくより高い信頼性に依存することである。

    【0215】 それらの12種の免疫化抗原に対するマウス血液のドットブロットをまた行った。 10μg/mlでの個々の抗原10μg がグリッドパターンで5枚のニトロセルロース紙上にスポットされるよう、抗原をニトロセルロース上にドットした。 ニトロセルロース紙を周囲温度で2時間、乾燥せしめ、そして5%(w/v )のBlottoを用いて、周囲温度で1時間、ブロックした。 個々の免疫化されたマウス(マウス#1
    −マウス#4)及び免疫化されていない対照(すなわち、マウス#15 )から得られたマウス抗血清をBlott により1:400 に希釈し、そして前記ニトロセルロース紙と共に室温で1時間インキュベートした。 それぞれ12種の抗原を含む個々のシートを、試験されるマウス血清あたり使用した。

    【0216】 次に、ニトロセルロース紙を、PBS/Tween 溶液により、1 回の洗浄あたり5分間、3度洗浄した。 5%(w/v )Blottoにより1 :1000に希釈された羊抗−マウス接合体(AMRAD Silenus 製品コードDAH )を、ニトロセルロース紙に添加し、
    そして室温で1時間インキュベートした。 洗浄を前記のようにして反復した。 次に、Renaissance 増強された化学発光基質(New England Nuclear )を添加し、
    そして2時間インキュベートし、そして次にニトロセルロース紙を、2分間、フィルムに感光した。 結果は、図6及び表9に示される。

    【0217】 得られるデータは、混合物における個々の抗原についてのバックグラウンド(
    すなわち、マウス#5)を、個々の試験マウスにおける抗原について得られたシグナルから控除することによって標準化された。 その標準化されたデータは、表10
    に示される。

    【0218】

    【表9】

    【0219】

    【表10】

    【0220】 表8及び10に示されるデータの比較は、ほとんどの抗原が、マウス# 3を除くすべてのマウスに関して、ELISA において高い反応性ではないが、しかしドットブロットアッセイにおいては、すべてのマウスに関して、高い反応性である抗原
    11(アルブミン)を除いて、ELISA 及びドットブロットにおいて類似して遂行することを示す。

    【0221】 それらのデータは、抗原の混合物によりマウスを免疫化し、そしてポリクローナル応答をそのモノクローナル要素に分離することの可能性を示す。 従って、それらのデータは、動物が複数抗原、及び1つよりも多くのモノクローナル抗体を発現するハイブリドーマから調製されたハイブリドーマにより同時免疫化される場合に得られるポリクローナル応答のモノクローナル特異性を分離する可能性を提供する。

    【0222】 特に、本明細書に記載される一次タンパク質アレイ又はその複製体は、二次抗体アレイ中に組み込まれ得るポリクローナル混合物における個々のモノクローナル抗体についてスクリーンするために使用される。 免疫応答のモノクローナル要素を、1 度に1回、暴露し、異なったエピトープに結合するモノクローナル抗体及び/ 又は異なった会合/ 解離定数を有するモノクローナル抗体を同定する。

    【0223】 例2二次アレイの構成前記例に記載される12種の抗原の一次アレイを、それらの12種の抗原の混合物により免疫化された2匹の最高の応答マウス(すなわち例1に記載されるマウス#4)から調製されたモノクローナル抗体によりスクリーンした。 より特定には、マウスを、融合の3日前、PBS 中、12種の抗原の混合物15μg
    により腹腔内追加免疫化した。 融合の日、脾臓をマウス#3及びマウス#4(CB
    A )から除去し、そして単一細胞懸濁液を個々から製造した。

    【0224】 次に、個々のマウスからの脾臓細胞を、10 8個のSP2/O メラノーマ細胞と共に、遠心分離した。 融合体を、軽く混合しながら、1 分間、個々の脾臓細胞/ メラノーマ細胞ペレットに1mlのPEG (1600)を添加することを行い、そして次に、
    細胞懸濁液を10分間にわたって、DME によりゆっくりと希釈した。

    【0225】 融合された細胞を軽く遠心分離し、そして10%(v/v )のウシ胎児血清(FCS
    )、10%(v/v )のIL−6 −含有培地及びHAT 培地(すなわち、H/10/10/HAT 培地)を含むハイブリドーマ血清フリー媒体(HSFM)に再懸濁した。 個々の融合体を、マイクロタイターウェル当たり200 μl の融合混合物を用いて、約12のマイクロタイタープレート(すなわち、12のハイブリドーマプレート)上にプレートした。 培地を融合後、4日及び8日で、上清液を除去し、そして新鮮なH/10/10/
    HAT 培地を添加することによって変えた。 上清液を、融合後12日で、ELISA によるアッセイのために除去した。

    【0226】 マウス#3に由来する融合細胞培養物上清液の一次ELISA スクリーニングを行うために、6個のFLISA プレート(12×96のマイクロタイタイープレート)をそれぞれ、前記例において言及された免疫化混合物からの12種の個々の抗原(すなわち、一次アレイ)50μl により被覆した。 個々の抗原を、被服の前、炭酸塩緩衝液(pH9.6 )により、10μg/mlに希釈した。 プレートを4℃で20時間インキュベートした。 一次アレイの配置は、表11に示されている。

    【0227】

    【表11】

    【0228】 一次アレイプレートを、ウェル当たり50μl の0.2 %カゼイン/PBSにより温室で1 時間ブロックした。 プレートを、PBS/Tween 溶液により3度、洗浄し、そしてハイブリドーマ上清液をPBS により1:2 に希釈し、個々のウェルに添加した。

    【0229】 個々のハイブリドーマを、抗原被覆されたプレート1〜72に、ハイブリドーマ1〜12からの個々の希釈された融合細胞培養物上清液50μl を移すことによって、個々の抗原をスクリーンするために使用した(すなわち、ハイブリドーマプレート1からの上清液を抗原被覆されたプレート1、7、13、19、25、31に移し;
    ハイブリドーマプレート2からの上清液を抗原被覆されたプレート2、8、14、
    20、26、32に移し;ハイブリドーマプレート3からの上清液を抗原被覆されたプレート3、9、15、21、27、33に移し;

    【0230】 ハイブリドーマプレート4からの上清液を抗原被覆されたプレート4、10、16
    、22、28、34、に移し;ハイブリドーマプレート5からの上清液を抗原被覆されたプレート5、11、17、23、29、35に移し;ハイブリドーマプレート6からの上清液を抗被覆されたプレート6、12、18、24、30、36、に移し;ハイブリドーマプレート7からの上清液を抗原被覆されたプレート37、43、49、55、61、67に移し;ハイブリドーマプレート8からの上清液を抗原被覆されたプレート38、44
    、50、56、62、68に移し;

    【0231】 ハイブリドーマプレート9からの上清液被覆されたプレート39、45、51、57、
    63、69に移し;ハイブリドーマプレート10からの上清液を抗原被覆されたプレート40、46、52、58、64、70に移し;ハイブリドーマプレート11からの上清液を抗原被覆されたプレート41、47、53、59、65、71に移し;そしてハイブリドーマプレート12からの上清液を、抗原被覆されたプレート42、48、54、60、66、72に移した)。

    【0232】 プレート1 〜72を湿潤されたボックスにおいて73℃で1 時間インキュベートし、PBS/Tween を用いて3度清浄し、そしてTBS/BSA/Tween 溶液中、HRP (Silenu
    s 製品コードDAH )に結合される抗−マウス血清の1:4,000 希釈溶液50μlを個々のウェルに添加した。 次に、プレートを37℃で1時間インキュベート、PBS/Tw
    een により前記のようにして3度洗浄し、そしてOPD 基湿50μL を個々のウェルに添加した。 P を温室で30分間インキュベートし、そして620nm の対照波長を伴って、492nm での吸光度を決定した。

    【0233】 結果は表12〜18に示される。 陽性サンプルを、凍結による貯蔵のために保持した。 陽性サンプルを、0.2 単位の492 nmでの吸光度を有するそれらのサンプルとして定義した。 抗原#1(アプロチニン)を除くすべての抗原に関して、陽性ハイブリドーマにより生成されるより高い抗体力価に基づいて、0.3 単位又はそれ以上の492 nmでの吸光度値を生成する貯蔵のための陽性ハイブリドーマサンプルを選択することが可能である。 単なる少数の低レベル反応体をハイブリドーマを抗原#1に対して得、これを選択し、そして確認スクリーンにより試験する。

    【0234】 貯蔵のために選択されたハイブリドーマを、H/10/10/HAT 培地における1ml のマイクロタイターウェルに移した。 細胞が集密的に成るにつれて、それらを凍結するために6mlのウェルに拡張した。 6mlのハイブリドーマ培養物からの約2〜
    3×10 6個の細胞を管に集め、遠心分離し、そして上清液を集めた。 細胞を、1
    mlの凍結培地(90%のFCS, 10%のDMSO)に再懸濁し、凍結バイアルに移し、ゆっくり凍結し、そして長期の貯蔵のために液体窒素に移した。 上清液を、使用するまで、−20℃で凍結貯蔵した。

    【0235】 一次スクリーニングから得られた約100 個の陽性ハイブリドーマから得られた約100 個の陽性ハイブリドーマからのハイブリドーマ細胞培養物の上清液を、前記と類似する条件(但し、上清液は希釈しないで使用され、そして個々の上清液を、前記と類似する条件(但し、上清液は希釈しないで使用され、そして個々の上清液は個々の抗原に対してスクリーンされた)を用いて、ELISA により再スクリーンした。 一次アレイを構成するために、1〜12の番号を付けられた12種のプレートを、
    抗原番号1〜12により被覆した。

    【0236】 さらに、プレート#13及びプレート#14のさらなる2種のプレートを次の通りにして被覆した: プレート#13:カラム1、抗原5;カラム3、抗原8;カラム5、抗原7;カラム7、抗原12;カラム9、抗原11;及びカラム11、抗原2。 プレート#14:カラム1、抗原6;カラム3 、抗原9;カラム5、抗原10;カラム7、抗原1;カラム9、抗原4;及びカラム11、抗原3。 プレート1〜12の個々上のハイブリドーマ上清液の配置は表19に示されている。 プレート13及び14の個々のハイブリドーマ上清液の配置は表20に示されている。

    【0237】 表21〜表26に示されるデータは、本発明の二次アレイの代表であり、そしてバックグラウンド応答(すなわち、陽性応答)以上の2よりも高い標準偏差での1
    又は複数の抗体の認識パターンを通して、試験される12種の標的抗原の個々にフィンガープリントまたはユニーク標識を生成する本発明の能力を例示する。 本明細書に提供されるデータは、非常に複雑な細胞抽出物における抗原にフィンガープリント又はユニーク標識を生成する本発明の一般的適応性を示し、ここで大きな一次及び二次アレイ、たとえば小型化されたアレイが高い感受性の検出システムと一緒に使用される。

    【0238】

    【表12】

    【0239】

    【表13】

    【0240】

    【表14】

    【0241】

    【表15】

    【0242】

    【表16】

    【0243】

    【表17】

    【0244】

    【表18】

    【0245】

    【表19】

    【0246】

    【表20】

    【0247】

    【表21】

    【0248】

    【表22】

    【0249】

    【表23】

    【0250】

    【表24】

    【0251】

    【表25】

    【0252】

    【表26】

    【0253】 文献: 1. Amann and Brosius (1985) Gene 40:183. 2. Ausubel. FM, Brent. R., Kingston. RE. Moore. DD, Seidman. J.
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    【図面の簡単な説明】

    【図1】 図1は、動物基礎又はファージ基礎の発現システムにおけるポリクローナル応答内からのモノクローナル要素の同時分離を示す概略図である。

    【図2】 図2は、通常数匹のマウスに関して、ハイブリドーマ生成の間及び一連の希釈の前の、スクリーニング工程の間、通常にサンプリングされた及び免疫化されたマウス内のB 細胞の集団(ベル形状曲線)を示すグラフである。 個々の場合、約
    400 〜600 の生存ハイブリドーマ融合後現象(----- )が、マウス当たり少なくとも1つの大きさの程度のクローンを含んで成る、マウス当たりサンプリングされる予定であるプレークローン的に希釈されたハイブリドーマの集団( )に対するものとして、得られる。 従って、抗体生成方法の効率は、場合により、マウス免疫系、又はいずれか他の宿主の免疫に表される抗原に関して、免疫化プロトコールの効率に依存する。

    【図3−I】 図3−I は、1又は複数回、発現ライブラリー中に浸す複数組みのピンを用いて、アレイに容易に接近できる現在のグリッド技法を用いて、IPTH−誘発された発現ライブラリーの高処理ウェスターンブロットのための又はIPTG含有寒天上での増殖及び誘発のためのコロニーをグリッド化するための30,000の異なった抗原を含むことができるマイクロタイタープレート−分類されたPVDF又はニトロセルロース膜を示す図解である。 前者は、増殖の間、コロニースミア形成又は没入化の傾向を減じるために好ましい。

    【図3−II】 図3−IIは、図3−I に示されるマイクロタイタープレート−分類されたPVDE
    又はニトロセルロース膜の積み重ねを示す図解である。

    【図4】 図4は、所定のゲノムによりコードされる合計の可能性ある抗原多様性(長方形)及びゲノムのための発現ライブラリーに関連して、一次アレイ上に暴露される前記合計の可能性ある抗原多様性の割合(長円形)を示す概略図である。 不良な遺伝子ライブラリー品質の結果として単純にクローン化されない構造エピトープ及び抗原、又は毒性タンパク質をコードするか、又はクローン化される場合、
    不安定である遺伝子は、長円形領域外に存在する。

    【図5】 図5は、モノクローナル抗体特異性の予定された知識に基づいて、生存B 細胞ハイブリッド培養上清液のスクリーニングのためのポリクローナル応答内からモノクローナル要素の同時分離を示す概略図である。

    【図6】 図6は、マウスを免疫化するための混合物として使用された12種の免疫化抗原に対してのマウス血液のドットブロットの写真のコピーである。 抗原がニトロセルロース上にドットされ、そして4匹の免疫化されたマウスの個々から得られた抗血清によりスクリーンされた。 この図は、12種の抗原の4種のパネルを示し、
    個々のパネルはスクリーニング使用される異なったマウス抗血清に対応する。 個々のパネルの側面での番号は、抗血清が得られたマウスの数を示す。 個々のパネル内の番号は抗原(表1)を示す。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE, KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,L T,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE, SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,U A,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 コミノ,ジョン ニコラス オーストラリア国,ニューサウスウェール ズ 2030,ボウクルーズ,ホープトウン アベニュ 11 (71)出願人 サブコウム インベストメンツ プロプラ イアタリー リミティド パプア・ニューギニア国,ポート モアス ビー,チャンピオン パレード,モグル モト ビルディング,レベル 4,ブレイ ク ドーソン ワルドロン ロウヤーズ (72)発明者 ハンフリー−スミス,イアン オランダ国,エヌエル−3981,ベーエー ブニック,プリンセス マルグリーストラ ート 2 Fターム(参考) 2G045 AA34 BB14 BB29 BB46 BB50 BB51 CA26 DA36 FB03 FB05 FB07 GC10

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