マルチバンド検出を備えた蛍光走査ヘッド

申请号 JP2014508184 申请日 2012-04-30 公开(公告)号 JP5823028B2 公开(公告)日 2015-11-25
申请人 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド; 发明人 マックコラム トム;
摘要
权利要求

試料ウェルの平面アレイが配列された、試料プレート; 以下を含む走査ヘッド: (i)各々が前記蛍光ラベルのうちの一つを励起するように選択されている複数の励起波長の励起光を供給するように作動可能な光源; (ii)前記励起光により前記蛍光ラベルが励起されたときに該ラベルのうちの二つ以上により放射された放射光を受け取るように、及び、そうして受け取った該放射光を個々に区別可能な波長帯域で透過させるように配置された、複数のマルチバンド放射フィルターであって、各波長帯域が前記蛍光ラベルのうちの一つからの放射光を含む、複数のマルチバンド放射フィルター;及び (iii)前記マルチバンド放射フィルターのそれぞれのための別々の検出器であって、衝突する光を測定可能な信号に変換する非画像センサーであり、前記マルチバンド放射フィルターを透過した放射光を受け取るように配置されている、検出器;及び 連続して、試料ウェルのそれぞれの上で、前記走査ヘッドの並進運動を起こすための駆動モーターまたは機構 を含む、複数の試料のそれぞれにある、各々が別個の蛍光ラベルを有する複数の標的を検出及び識別するための走査システムであって、 異なるマルチバンド放射フィルターが異なる組み合わせの波長帯域で光を透過し、該組み合わせは波長帯域を重複することなく、かつ、該複数のマルチバンド放射フィルターが、共同で前記蛍光ラベルのすべてから放射される光を透過する、前記走査システム。前記光源が、連続して、前記複数の励起波長のそれぞれの励起光を供給するために作動可能である、請求項1記載の走査システム。前記複数のマルチバンド放射フィルターが、前記励起光の透過を妨害する、請求項1記載の走査システム。前記マルチバンド放射フィルターのそれぞれが、前記励起光の透過を妨害する、請求項1記載の走査システム。前記光源が、前記波長帯域の中で、選択的に複数の波長帯域の光を生じる単一の光源である、請求項1記載の走査システム。前記光源が、マルチエミッタLEDである、請求項5記載の走査システム。前記マルチエミッタLEDが、三色LEDである、請求項6記載の走査システム。前記マルチエミッタLEDが、四色LEDである、請求項6記載の走査システム。前記光源が、各々が異なる波長帯域の光を放射する個々の光源の組み合わせであり、一つの波長帯域が、フルオロフォアのそれぞれのための励起光を含む、請求項1記載の走査システム。前記非画像センサーがフォトダイオードである、請求項1記載の走査システム。前記複数のマルチバンド放射フィルターを透過する波長帯域が、幅が約10nm〜約30nmであり、隣接する波長帯域が、約30nm〜約75nm離れている、請求項1記載の走査システム。平面アレイに配置された複数の試料のそれぞれにおける、各々が別個の蛍光ラベルを有する複数の種の間の反応をモニタリングするための方法であって、該試料のそれぞれにおける該種のそれぞれを、該種が持っている蛍光ラベル用の励起波長の励起光により照射し、かつ該蛍光ラベルのそれぞれから放射される放射光を検出するために、請求項1記載の走査ヘッドで該平面アレイを走査する工程を含む、方法。前記平面アレイを静止させたまま、該平面アレイに対する前記走査ヘッドの並進運動により該平面アレイを走査する工程を含む、請求項12記載の方法。前記走査ヘッドを静止させたまま、該走査ヘッドに対する前記平面アレイの並進運動により該平面アレイを走査する工程を含む、請求項12記載の方法。前記平面アレイが直線アレイである、請求項12記載の方法。前記平面アレイが二次元アレイである、請求項12記載の方法。前記光源が、前記複数の励起波長のそれぞれの励起光を連続して放射するために作動可能である方法であって、複数の前記励起波長のそれぞれの励起光の連続した照射により各試料を照射する工程を含む、請求項12記載の方法。前記複数のマルチバンド放射フィルターが、励起光の透過を妨害する、請求項12記載の方法。前記光源が、前記波長帯域の中で、選択的に複数の波長帯域の光を生じる単一の光源である、請求項12記載の方法。前記光源が、マルチエミッタLEDである、請求項12記載の方法。前記光源が、三色マルチエミッタLEDである、請求項12記載の方法。前記光源が、四色マルチエミッタLEDである、請求項12記載の方法。前記複数のマルチバンド放射フィルターを透過する波長帯域が、幅が約10nm〜約30nmであり、隣接する波長帯域と約30nm〜約75nm離れている、請求項12記載の方法。前記走査ヘッドが、マルチバンド励起フィルターをさらに含む、請求項5記載の走査システム。前記走査ヘッドが、励起光および放射光のために異なる光経路を形成するよう構成された二色性ビームスプリッターをさらに含む、請求項1記載の走査システム。前記二色性ビームスプリッターが、励起光を透過しかつ放射光を反射するよう方向づけられている、請求項25記載の走査システム。前記二色性ビームスプリッターが、励起光を反射しかつ放射光を透過するよう方向づけられている、請求項25記載の走査システム。前記走査ヘッドが、50:50ビームスプリッターをさらに含む、請求項1記載の走査システム。前記走査ヘッドが、マルチバンドビームスプリッターをさらに含む、請求項1記載の走査システム。各検出器がそれ自体では異なる放射波長を区別しない、請求項1記載の走査システム。

说明书全文

関連技術の相互参照 この出願は、2011年4月28日に出願された米国仮特許出願第61/480,144に基づいて優先権を主張するものであり、その内容は、その全体が本明細書に参照によって組み入れられる。

1.発明の分野 この発明は、特に、それぞれの試料が、それぞれラベル付された二つ以上の標的を含む、生物学的試料のアレイのための走査システムの分野に属する。

2.先行技術の記載 多数の試料または反応混合物のそれぞれにある複数の種を検出する検出システムは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行うのに用いられるサーマルサイクラーに代表される。PCR及び他の類似のシステムにおいて、試料または反応混合物は、典型的には、従来のマイクロタイタープレートのような、二次元アレイに配置された個々のウェルに分配され、試料状態び各反応の進行のモニタリングは、ウェルの各標的種を別々に検出及び定量化することを必要とする。そのようなモニタリングは、通常、各標的に結合する別個のラベルを用いた、蛍光ラベルの標的種への付着によって達成され、標的の検出及び定量化は、各ラベルが、そのラベルに好適な一つの波長帯域の励起光を受け取り、かつ励起された各ラベルからもたらされる放射光が別々に検出される、光学走査によって達成される。発光帯と同様、異なるフルオロフォアの励起帯域が往々にして互いに近接しており、かつ往々にしてオーバーラップするので、通常の走査システムは、各フルオロフォア及び、ひいてはそれぞれの標的のために別々の光学システムを含む。例えば、6色システムは、走査ヘッドに6つの別々の光学チャンネルを含み、各チャンネルは、その独自の光源 (典型的には、発光ダイオード、またはLED)、その独自の励起フィルター、その独自のダイクロイックミラー、その独自の放射フィルター、その独自のレンズセット、及びその独自の検出器を含む。走査ヘッドは、一度に6個のウェルと整列され、一つの光学チャンネルが各ウェルに向けられ、ヘッドは、各ウェルが最終的に6個の光学システムすべてに曝露されるように、両軸に沿って1ウェル単位の増分でウェルアレイ全体にわたって操作される。コースの数は、標的の数、すなわち色の数によって変動する。しかし、すべての場合において、走査ヘッドは、パーツが多く、構造がかさ高く、コストが高くなる。

上記の従来の走査システムの限界は、本明細書において、複数の検出構成要素が、各々が一つのマルチバンド放射フィルター及び一つの検出器を含む一つ以上のマルチバンド蛍光検出チャンネルに置き換えられている走査ヘッドにより対処される。この配置によって、走査ヘッドは、試料ウェルのアレイ全体にわたって、先行技術の走査ヘッドと同様に操作され得、かつ、次のウェルに移る前に複数のフルオロフォアが検出されながら、励起光は、各ウェルによって受け取られ、放射光は各ウェルから検出される。したがって、走査は、より小さい走査ヘッドを用いてより簡単な走査動作で達成され得る。走査ヘッドが二つ以上のマルチバンド検出チャンネルを含む態様では、異なるチャンネルは、同一のマルチバンド放射フィルターまたは、異なるマルチバンド放射フィルターのどちらかを有し得る。同じ発光帯を透過させる二つ以上のマルチバンド放射フィルターを含むときは、走査ヘッドは並行して走査でき、それぞれは、平面アレイのウェルの一部分を走査し、それにより、単一の検出チャンネルに必要であろう時間の何分の一かの時間で走査できる。すなわち、二つのチャンネルは、半分の時間で同一のウェルの広がりを走査でき、三つのチャンネルは、三分の一の時間で走査できる等である。異なる発光帯を透過させる二つ以上のマルチバンド放射フィルターを含むときは、帯域は互いに相補的であり得、すなわち、共同で各ウェルの蛍光ラベルのすべてに対処することができる。しかし、走査ヘッドのある特定の態様は、単一のマルチバンド放射フィルター及び単一の検出器を有する、単一のマルチバンド蛍光検出チャンネルを含むであろう。本発明のある特定の態様では、励起光は、異なる波長帯域の光線を連続して発生させる単一のマルチバンド光源から供給され、各波長帯域は、種々の標的フルオロフォアのうちの一つを励起するために選択されている。フルオロフォアが、フルオロフォアの励起のオーバーラップが最小限であるか全く存在しないで個々に励起されることをさらに確実にするために、単一のマルチバンド光源は、ある特定の態様では、さらに、単一のマルチバンド励起フィルターと組み合わされる。 [本発明1001] 複数の試料のそれぞれにある、各々が別個の蛍光ラベルを有する複数の標的を検出及び識別するための走査システムであって、以下を含む走査システム: 試料ウェルの平面アレイが配列された、試料プレート; 以下を含む走査ヘッド: (i)各々が前記蛍光ラベルのうちの一つを励起するように選択されている複数の励起波長の励起光を供給するように作動可能な光源; (ii)前記励起光により前記蛍光ラベルが励起されたときに該ラベルのうちの二つ以上により放射された放射光を受け取るように、及び、そうして受け取った該放射光を個々に区別可能な波長帯域で透過させるように配置された、マルチバンド放射フィルターであって、各波長帯域が前記蛍光ラベルのうちの一つからの放射光を含む、マルチバンド放射フィルター;及び (iii)検出器に衝突する光を測定可能な信号に変換する検出器であって、前記マルチバンド放射フィルターを透過した放射光を受け取るように配置されている、検出器;及び 連続して、試料ウェルのそれぞれの上で、前記走査ヘッドの並進運動を起こすための駆動手段。 [本発明1002] 走査ヘッドが、単一の前記マルチバンド放射フィルター及び単一の前記検出器を含む、本発明1001の走査システム。 [本発明1003] 前記マルチバンド放射フィルターが、すべての前記蛍光ラベルから放射された光を透過させる、本発明1002の走査システム。 [本発明1004] 前記走査ヘッドが、複数の前記マルチバンド放射フィルター、及び、該マルチバンド放射フィルターのそれぞれのための別々の検出器を含む、本発明1001の走査システム。 [本発明1005] 前記マルチバンド放射フィルターのそれぞれが、前記蛍光ラベルのすべてから放射された光を透過させる、本発明1004の走査システム。 [本発明1006] 異なるマルチバンド放射フィルターが、異なる組み合わせの波長帯域の光を透過させ、該複数のマルチバンド放射フィルターが、共同で前記蛍光ラベルのすべてから放射される光を透過させる、本発明1004の走査システム。 [本発明1007] 前記光源が、連続して、前記複数の励起波長のそれぞれの励起光を供給するために作動可能である、本発明1001の走査システム。 [本発明1008] 前記マルチバンド放射フィルターが、前記励起光の透過を妨害する、本発明1001の走査システム。 [本発明1009] 前記マルチバンド放射フィルターのそれぞれが、前記励起光の透過を妨害する、本発明1004の走査システム。 [本発明1010] 前記光源が、前記波長帯域の中で、選択的に複数の波長帯域の光を生じる単一の光源である、本発明1001の走査システム。 [本発明1011] 前記光源が、マルチエミッタLEDである、本発明1010の走査システム。 [本発明1012] 前記マルチエミッタLEDが、三色LEDである、本発明1011の走査システム。 [本発明1013] 前記マルチエミッタLEDが、四色LEDである、本発明1011の走査システム。 [本発明1014] 前記光源が、各々が異なる波長帯域の光を放射する個々の光源の組み合わせであり、一つの波長帯域が、フルオロフォアのそれぞれのための励起光を含む、本発明1001の走査システム。 [本発明1015] 前記検出器が、非画像センサーである、本発明1001の走査システム。 [本発明1016] 前記非画像センサーがフォトダイオードである、本発明1015の走査システム。 [本発明1017] 前記検出器が、画像センサーである、本発明1001の走査システム。 [本発明1018] 前記画像センサーが、CCD及びCMOSからなる群より選択される、本発明1017の走査システム。 [本発明1019] 前記画像センサーが、前記試料ウェルそれぞれの個々の画像を作成し、かつ平面アレイ全体の画像を形成するために該個々の画像を組み合わせる、本発明1017の走査システム。 [本発明1020] 前記マルチバンド放射フィルターを透過する波長帯域が、幅が約10nm〜約30nmであり、隣接する波長帯域が、約30nm〜約75nm離れている、本発明1001の走査システム。 [本発明1021] 平面アレイに配置された複数の試料のそれぞれにおける、各々が別個の蛍光ラベルを有する複数の種の間の反応をモニタリングするための方法であって、該試料のそれぞれにおける該種のそれぞれを、該種が持っている蛍光ラベル用の励起波長の励起光により照射し、かつ該蛍光ラベルのそれぞれから放射される放射光を検出するために、本発明1001の走査ヘッドで該平面アレイを走査する工程を含む、方法。 [本発明1022] 前記平面アレイを静止させたまま、該平面アレイに対する前記走査ヘッドの並進運動により該平面アレイを走査する工程を含む、本発明1021の方法。 [本発明1023] 前記走査ヘッドを静止させたまま、該走査ヘッドに対する前記平面アレイの並進運動により該平面アレイを走査する工程を含む、本発明1021の方法。 [本発明1024] 前記平面アレイが直線アレイである、本発明1021の方法。 [本発明1025] 前記平面アレイが二次元アレイである、本発明1021の方法。 [本発明1026] 前記光源が、前記複数の励起波長のそれぞれの励起光を連続して放射するために作動可能である方法であって、複数の前記励起波長のそれぞれの励起光の連続した照射により各試料を照射する工程を含む、本発明1021の方法。 [本発明1027] 前記マルチバンド放射フィルターが、励起光の透過を妨害する、本発明1021の方法。 [本発明1028] 前記光源が、前記波長帯域の中で、選択的に複数の波長帯域の光を生じる単一の光源である、本発明1021の方法。 [本発明1029] 前記光源が、マルチエミッタLEDである、本発明1021の方法。 [本発明1030] 前記光源が、三色マルチエミッタLEDである、本発明1021の方法。 [本発明1031] 前記光源が、四色マルチエミッタLEDである、本発明1021の方法。 [本発明1032] 前記検出器が、CCD検出器またはCMOS検出器である方法であって、前記平面アレイにおける前記蛍光ラベルの画像を形成する工程をさらに含む、本発明1021の方法。 [本発明1033] 前記マルチバンド放射フィルターを透過する波長帯域が、幅が約10nm〜約30nmであり、隣接する波長帯域と約30nm〜約75nm離れている、本発明1021の方法。

発明の詳細な説明及び特定の態様 本明細書において記載される検出チャンネルにおける各マルチバンドフィルターは、選択された波長の放射光を透過させるだけでなく、透過させた放射光を、放射光が検出器に届く前に個別の帯域に精製するフィルターであり得る。この精製は、各帯域の幅を狭くしかつ各帯域の境界を鮮明にすることができ、かつ、隣接する帯域間に、より広い分離を提供することもできる。多くの場合において、下記のある特定の実施例が説明するように、各マルチバンド検出フィルターは、励起に用いられる波長の光の透過を妨害し、これは、励起光が試料から反射されてそうでなければ検出器に到達し得る場合に有用な効果である。これらの精製のすべては、検出システムが異なるフルオロフォアからの放射をより明確に区別して、誤ったシグナルを最小限にすることを可能にする。本発明の実施において検出チャンネルに使用されるのに好適なマルチバンドフィルターは当技術分野において公知であり、通常、蛍光顕微鏡及び保護メガネと組み合わせて使用される。公知のマルチバンドフィルターの中に、基材上に適用された複数の層、またはそうでなければ互いに積層された複数の層を含むものがあり、その複数の層は、屈折率において異なる。フェルスター共鳴エネルギー転移(FRET)フィルターセットのようなマルチバンドフィルターセットもまた使用され得る。FRETフィルターセットは、Horiba Instruments Inc., Ann Arbor, Michigan, USA及びChroma Technology Corp., Bellows Falls, Vermont, USAから入手可能であり、エネルギー転移を示すフルオロフォアの適合した対が使用される場合、すなわち、対のうちの一つのフルオロフォアからの放射が、二つ目のフルオロフォアからの二次的な放射を生み、二次的な放射が、検出される放射として使用される場合、有用である。

すべての種類のマルチバンドフィルターが、種々の波長帯域及び波長帯域の組み合わせにおいて商業的に入手可能である。多くの場合において、帯域は、50nm以下の幅であり、これらの場合の多くにおいて、帯域の幅は、約10nm〜約30nmである。隣接する帯域間の分離は往々にして少なくとも20nmであり、多くの場合、分離は約30nm〜約75nmの範囲内にある。これらの値及び幅は変動し得る。一般的に、帯域の数は、少なくとも、標的分子用のラベルとして使用される別個の蛍光ラベルの数と同じ数であろう。ほとんどの場合、フィルターは、少なくとも三つのオーバーラップしない帯域で通過させ、好ましくは、3〜8のオーバーラップしない帯域で通過させる。あつらえのフィルターは、当技術分野において公知の方法によって製造され、そのようなフィルターの商業的な供給業者から現在入手可能なマルチバンドフィルターは、二つ、三つ、または四つの帯域で光を放射する。

上記のように、この発明のある特定の態様は、ただ一つのマルチバンド放射フィルターを含む走査ヘッドを使用するが、一方他の態様は、二つ以上のマルチバンド放射フィルターを使用する。単一のマルチバンド放射フィルター及び単一の検出器を使用する態様では、任意の単一の試料に含まれるすべての蛍光ラベルにより放射される光を透過させ、したがって、単一の検出チャンネルで、ラベルの、完全な1セットの検出を走査ヘッドが行うことを可能にするフィルターが、使用されうる。各々が、同じ組み合わせの波長帯域を透過させるが別々の蛍光検出チャンネルにある二つ以上のマルチバンド放射フィルターを使用し、かつ、可能なら各チャンネル用に別々の光源を使用する態様では、検出チャンネルと等しい数の試料が、同時に照射及び検出され得、それにより、大きいアレイの試料が比較的短い時間で検出されることを可能になる。これらの態様では、異なる検出チャネルは一緒に動くか、あるいは試料アレイが動く静止したままであり、同期して、それらの機能を並行して行う。各々が異なる組み合わせの波長帯域を透過させる二つ以上のマルチバンド放射フィルターを使用する態様では、この異なる組み合わせが、ある特定の帯域をオーバーラップまたは重複する場合があるが、これらはまた、互いに重複することなく補完し合う場合もある。異なる波長の組み合わせが、重複する帯域を含むか含まないかにかかわらず、検出チャンネルは、すべてのチャンネルが、一度に単一のウェルからの放射光を受け取るように、または別々のウェルからの放射光を受け取るように配置され得、後者の場合、走査プロトコル、各ウェルからのすべての放射が検出されるようにデザインされる。複数の走査ヘッドも使用され得、それぞれが独自の光源、マルチバンド放射フィルター、及び検出器を有し、それぞれが試料アレイの一部分を走査し、そして共同でアレイのすべての点をバーする。複数のマルチバンド放射フィルターを使用する任意の態様において、そのようなフィルターの数は、一般的には2〜6であり、ほとんどの場合2または3である。

検出器は、衝突光を測定可能な信号に変換する任意の検出器、すなわち光検出器であり得る。画像センサー及び非画像センサーの両方が使用され得る。画像センサーの例は、CCD及びCMOSである。非画像センサーの例は、フォトダイオードである。他の例は、フォトレジスター、光電子増倍管、及びある特定のLEDである。異なる波長に対して異なる信号を発する光検出器と同様に、異なる放出波長をそれ自体は識別しない光検出器が用いられ得る。

光源は、マルチエミッタLEDまたはマルチエミッタ半導体レーザーのような、複数波長帯域の中で選択性を有する単一の光源であり得るか、または、異なる帯域で放射する個々の光源の一群であり得る。個々の光源が使用される場合、それらは、軸外照射を提供するように方向付けられうる。すなわち、単一のウェルの軸の周りに分配された、各々がウェルの中心に向かってある度に自身の光線を向けている複数の光源を用いる。個々の光源としては、LED、レーザー、光ファイバー、及び他の従来の構成要素が使用されうる。

マルチエミッタ光源、すなわち、単一の光源に統合された複数の励起帯域を有する光源が使用される場合、マルチバンド励起フィルターが、マルチバンド放射フィルターと同様に、試料ウェルを照射する励起帯域をさらに形づくるように含まれ得る。そのような、励起光経路における精製フィルターの使用は、各帯域に、より狭い帯域幅及びより鮮明な境界、さらには、隣接する励起帯域間のより幅広い分離を提供する。これらの調節は、個々のフルオロフォアに照射光をより厳密に適合させるためになされ得る。励起光経路に含めるためのマルチバンドフィルターは、検出チャンネルに含まれるマルチバンドフィルターのように、商業的に入手可能または取得可能であり、そのようなフィルターのすべてが、当技術分野において周知の従来の製造工程によって、特定の帯域用に製造され得る。マルチバンド励起フィルターの帯域幅の範囲及び隣接する帯域の分離は、マルチバンド放射フィルターについて上記で述べたのとほぼ同じである。

特定の色(波長帯域)、波長帯域幅、及び異なる色の数は幅広く変動し得るが、光源として働き得るマルチエミッタLEDの一例は、それぞれ赤、緑、及び青の三色を放射するものである。4番目の色として、黄色は一例であり、紫が別の例である。色のさらなる例と数は、当業者に容易に明らかになるであろう。三色システムの一例として、励起波長帯域は、485nm、555nm、及び650nmにピークを有するものであり、一方発光帯は、中心がそれぞれ515nm、600nm、及び730nmであり得る。別の例では、励起波長帯域は、473nm、545nm、及び640nmにピークを有するものであり、一方発光帯は、その中心がそれぞれ498nm、576nm、及び659nmであり得る。三番目の例では、励起波長帯域は、465nm、535nm、617nmにピークを有するものであり、一方発光帯は、その中心がそれぞれ502nm、575nm、675nmであり得る。さらに別の例も容易に明らかであろう。

特に、各試料中の種々のフルオロフォアからの放射光をそれ自体は識別しない光検出器を用いる場合は、フルオロフォア間の識別は、放射シグナルのタイミングを、励起光パルスのタイミングと関連付けることにより達成される。したがって、各放射シグナルは、特定のフルオロフォアに向けられた励起光パルス関連付けられ、得られたシグナルは、検出システムにおいて、タイミングメカニズムによって分類され得る。このように、任意の単一の試料中の各標的種は、個々に検出、同定、及び定量化され得る。

ビームスプリッターは、に、走査ヘッド及びウェルの軸に沿って励起が行われる場合に、励起光及び放射光のため異なる光の経路を形成するように、よく走査システムに含まれている。本発明の走査ヘッドにおいて、二色性ビームスプリッターが、二つの方向付けのどちらかに使用され得る。一つの方向付けにおいては、ビームスプリッターは、励起光を通過させ、それにより、励起光が鏡を透過することを可能にし、一方で、そうなければ励起光の経路に沿って元の方向に戻るであろう射光を、横向きに検出器へと反射するように、方向づけられる。別の方向付けにおいては、光源は、ウェルの軸の片側に位置づけされ、一方検出器は軸に沿っている。後者の場合のビームスプリッターは、励起光をウェルの軸に沿ってかつウェルの中に反射させるように方向付けられ、一方、放射光を検出器の方へ通過させる。他の方向付けは、当業者に容易に明らかになるであろう。軸外照射を用いて、ビームは、ビームスプリッターなしで容易に分離される。有用なビームスプリッターは、50:50ビームスプリッター、二色性ビームスプリッター、及びマルチバンドビームスプリッターを含む。50:50ビームスプリッターは、波長の違いに基づいて光をビームに分割しないが、望ましい波長の識別をもたらすために、マルチバンドフィルターと一緒に使用され得る。二色性ビームスプリッターは、励起波長が放射波長よりすべて低いかまたはすべて高い場合に、励起波長と放射波長とを識別するのに使用され得る。マルチバンドビームスプリッターは、特定の励起帯域及び放射帯域に適合されうる。したがって、マルチバンドビームスプリッターは、試料のフルオロフォアからの蛍光放射波長帯域の光を多く透過させながら、LED(マルチエミッタLEDが使用される場合)からの光を効率的に反射するようにデザインされうる。

さらなるバリエーションにおいて、照射及び検出は、両方とも、試料ウェルの頂部開口から、すなわち落射照明によって行われ得る。落射照明を用いて、ウェルアレイの走査は、ウェルアレイを静止状態で固定したまま、走査ヘッドの並進運動により、最も便利に達成される。各ウェルの下でかつウェルの床を通して照射が方向付けられ、検出は上で行われる、透過照明もまた、使用されうる。透過照明を用いて、ウェルアレイの走査は、アレイそれ自体を動かすことにより最も良好に達成される。透過照明を用いて、ウェルアレイの走査は、走査ヘッドを静止状態に固定したままのウェルアレイの並進運動により、最も便利に達成される。

本発明の走査システムによって走査されるウェルアレイは、直線アレイか、または二次元アレイであり得る。「平面アレイ」なる用語が、直線アレイ及び二次元アレイの両方を含むように本明細書で用いられる。いずれの場合でも、走査は、走査ヘッドもしくはアレイそれ自体、またはその両方の並進運動により達成されうる。二次元ウェルアレイの走査が走査ヘッドの並進運動により達成されるとき、走査ヘッドは、隣接した列は方向を交互に変えながら、各列全体にわたって連続して動き得る。並進運動は、従来のドライブプーリ及びモーター、ボイスコイルアクチュエーター等を含む、従来の手段で達成されうる。一つの実施例において、ボイスコイルアクチュエーターは、各列の長さに沿ってウェルを走査するように使用され、電気モーター及びドライブスクリューは、各列の終了時に走査ヘッドを一つの列から次の列に進ませるのに使用される。回転モーター、ステッパモーター、ウォーム歯車、及び他の従来のユニットも使用され得る。

上記の種々の態様は、リアルタイムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)、ならびに一次元または二次元アレイの複数の場所が、各場所にある二つ以上の種の検出及び望ましければ定量化のために照射される任意の用途、特に、多重分析のための使用において価値がある。

本明細書に添付された特許請求の範囲において、「一つの(a)」または「一つの(an)」なる用語は、「一つ以上」を意味することが意図される。「含む(comprise)」なる用語、ならびに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」のようなその変形は、工程または要素の言及に先立つ場合は、さらなる工程または要素の追加が任意であり除外されないことを意味することが意図される。本明細書で引用されたすべての特許、特許出願、及び他の公開された参考文献は、ここで、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。本明細書で引用されたいかなる参考文献または一般的ないかなる先行技術と、本明細書の明示された教示との間のいかなる矛盾も、本明細書の教示に立って解決されるように意図されている。これには、単語または語句の技術的な定義と、同じ単語または語句の本明細書で明示的に与えられた定義との間のいかなる矛盾も含まれる。

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