Analyzing method and reading device of microarray

申请号 JP2011205865 申请日 2011-09-21 公开(公告)号 JP2012168159A 公开(公告)日 2012-09-06
申请人 Toray Ind Inc; 東レ株式会社; 发明人 OZAKI KUMIE; SASAMOTO HIROKATA; NAGINO KUNIHISA;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an analyzing method and device capable of performing alignment processing appropriately even when analyzing a DNA chip on which no positive control is spotted or a chip to which a sample containing a small number of DNAs has been applied.SOLUTION: The analyzing method of a microarray is irradiating a microarray in which a probe is spotted on a substrate surface having a convex-concave pattern with excitation light and obtaining fluorescence amount from each probe excited by the excitation light as numerical data. The method comprises: a step (a) of measuring the fluorescence amount from the probe to obtain fluorescence image data; a step (b) of receiving reflected light and/or scattered light from the substrate surface to obtain the convex-concave pattern on the substrate surface of the microarray as image data for alignment from the intensity of the received light; and a step (c) of determining the location of each probe in the fluorescence image data based on the image data for alignment.
权利要求
  • 凹凸形状を有する基板表面にプローブが配置されたマイクロアレイに励起光を照射し、励起光で励起された各プローブからの蛍光量を数値データとして得るマイクロアレイの解析方法であって、プローブの蛍光量を測定して蛍光画像データを取得するステップ(a)と、基板表面からの反射光及び/又は散乱光を受光して、該光の受光強度からマイクロアレイの基板表面の凹凸形状をアライメント用画像データとして取得するステップ(b)と、前記アライメント用画像データに基づいて前記蛍光画像データにおける各プローブの位置を決定するステップ(c)と、を含む、マイクロアレイの解析方法。
  • 前記基板表面からの反射光及び/又は散乱光は、前記励起光を照射する光源からの光が前記マイクロアレイで反射及び/又は散乱した光である、請求項1に記載のマイクロアレイの解析方法。
  • 前記ステップ(c)は、前記アライメント用画像データにおいて、受光強度の差に基づいて前記マイクロアレイの3つ以上の基準点Aを検出するステップ(c1)と、検出した基準点Aを基に前記蛍光画像データの歪みを補正するステップ(c2)とを含んでいる、請求項1または2に記載のマイクロアレイの解析方法。
  • 前記ステップ(c1)は、少なくとも8つの所定の観察領域それぞれにおいて前記基板の輪郭線上の点である輪郭基準点aを算出するステップ(c11)と、重複しない所定の少なくとも2つの観察領域を組とし、各組において複数の輪郭基準点aに対する近似直線を求めるステップ(c12)と、各組で求めた近似直線の交点を算出して該交点を前記基準点Aとするステップ(c13)とを含んでいる、請求項3に記載のマイクロアレイの解析方法。
  • 前記ステップ(c2)が、前記基準点Aからプローブを配置しているスポットの配列角度θx、θyを得て、該スポットの配列角度θx、θyおよび下記式から、前記蛍光画像データの剪断変形歪みを補正するものである、請求項3または4に記載のマイクロアレイの解析方法。
  • 前記ステップ(c1)は、4つの基準点Aを検出し、その4つの基準点Aを直線で結んで形成される四角形が平行四辺形でない場合には、さらに該四角形を平行四辺形に近似し、該平行四辺形の頂点を基準点Aとして設定しなおす、請求項3〜5のいずれかに記載のマイクロアレイの解析方法。
  • 前記マイクロアレイがDNAマイクロアレイである、請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロアレイの解析方法。
  • 凹凸形状を有する基板表面にプローブが配置されたマイクロアレイに励起光を照射するレーザー光源と、前記基板表面で反射した励起光と前記プローブからの蛍光の光束を平行光にする対物レンズと、前記基板表面で反射した励起光をカットするとともに前記プローブからの蛍光を透過する光学フィルタと、前記光学フィルタを透過した蛍光を受光して蛍光画像データを取得する結像レンズおよび検出器と、を備えたマイクロアレイの読取り装置であって、前記結像レンズおよび検出器は、前記基板表面で反射及び/または散乱した光を受光して、マイクロアレイの基板表面の凹凸形状が表れたアライメント用画像データを取得可能であり、更に、前記アライメント用画像に基づいて前記蛍光画像データにおける各プローブの位置を検出する演算処理装置を備えているマイクロアレイの読取り装置。
  • 前記結像レンズと前記検出器の間に、被写体深度を制限するピンポールを有する、請求項8に記載のマイクロアレイの読取り装置。
  • 说明书全文

    本発明は、マイクロアレイの解析方法およびマイクロアレイの読取り装置に関する。

    1990年以降、生物学、医学、薬学方面でマイクロアレイと呼ばれる技術の開発が進み利用されるようになってきた。 マイクロアレイは、ガラスやプラスチックなどの基板上に、数十から数万のプローブを固定したもので、蛍光分子などで標識されたサンプル(ターゲット)をこの基板にアプライし、プローブとサンプルとの結合反応を蛍光などで検出するものである。 マイクロアレイの特徴としては一度に網羅的な測定が可能であり、今後テーラーメード医療に必須のものになると期待されている。

    基板に固定するプローブの種類には、後述するようなものがあり、その種類により名称がつけられている。 すなわち、プローブとしてDNAを基板に固定したDNAマイクロアレイ(DNAチップ)、タンパク質を基板に固定したタンパク質マイクロアレイ、多数の微小標本を基板に固定化した組織マイクロアレイ、多数の低分子化合物を基板に固定化した化合物マイクロアレイなどが知られている。

    このうち、DNAマイクロアレイ(以下DNAチップ)は、最も実用化が進んでおり、疾患に関連する遺伝子の探索や、その遺伝子を用いて検査、診断を行おうとする研究が活発に行われており、一部は実用化されている。

    以下にマイクロアレイの一形態であるDNAチップについて、詳細に説明する。

    DNAチップとは、ガラスや樹脂等からなる基板の上にDNAをグリッド状にスポット(固定化)したものをいう。 DNAチップ上には、標識されるDNAサンプルと特異的に反応可能なプローブとして、DNA(プローブDNA)がスポットされている。 一方、解析すべき未知のDNAサンプルには光学的に検出可能な発光又は蛍光マークを付けておく。 こうすると、解析すべき未知のDNAサンプルを前記DNAチップ上に流し込むことで、該DNAサンプルが、スポットされたDNAと相補的な関係にあれば、結びついて二重鎖になる。 したがって、プローブDNAと結びつかなかったDNAサンプルをすべて洗い流し、DNAチップ上に残存する判定したいDNAサンプルを発光させ、これを読取り装置(スキャナー)により読みとると、二重鎖となったDNAの状況を画像として観察することができる。 すなわち、DNAチップ上で発光するマークの分布を解析することで、求める遺伝子の存在や、ある遺伝子が発現しているか否か、またはどの程度発現しているかを解析することができる。 このように、DNAチップ上に既知のプローブDNAセットを構成し、このプローブDNAを多種類DNAチップ上に搭載することで、遺伝子の変異や遺伝子の発現量などを検出することができる。

    以下、図1に、DNAチップ解析の一連の処理工程の詳細を示す。

    図1に示す前処理工程においては、検体から抽出したDNAサンプル中に含まれる未知のDNAを増幅し、これらのDNAに蛍光マークを付与する。

    次にハイブリダイゼーション工程において、多種類のプローブDNAが搭載されたDNAチップの基板上に、蛍光マーク(例えば、Cy3,Cy5など)を付与したDNAサンプルを滴下する。 ここで、DNAサンプルがスポットされたDNAと相補的な関係にあれば、結びついて二重鎖になる。

    次に、洗浄工程において、所定の洗浄液により、ハイブリダイズされたDNAチップを洗浄する。 これにより、グリッド状に配置されたプローブDNAと結びつかなかったDNAサンプルがすべて洗い流される。

    続いて、洗浄されたDNAチップをスキャニングする。 スキャニング工程においては、読取り装置内にて、蛍光マーク(例えば、Cy3,Cy5など)を励起するのに適した所定の波長のレーザー光をDNAチップに照射し走査する。 これにより、スポットされた各DNA(遺伝子)の発光量が測定され、それに基づいて解析処理を行う蛍光画像データを取得する。

    解析工程においては、得られた蛍光画像データに対してテンプレートを利用して各スポットの蛍光強度を算出し、各種の解析を実行する。

    ここで、図2に、DNAチップ解析に用いられるDNAチップ1の一例を示す。 図2に示すDNAチップ1は、基板2の上に、個々の遺伝子に対応するプローブDNAが行方向および列方向に所定数、マトリクス状に配列されたブロックを有している(以下、当該ブロックに配置されているプローブDNAを「スポット」3と称する)。 なお、基板2上に配置されるスポット3は、既にその塩基配列が解読されている互いに異なる遺伝子にそれぞれ対応するものであり、基板2上におけるその配置位置は予め定められている。

    また、図3に、DNAチップの蛍光画像データに対して適用されるテンプレートの一例を示す。 図3に示すように、テンプレートは、例えば1〜32などの複数のブロックに分割されており、各ブロック内においてはm行n列(図3では22×22)のマトリクス状に配置された検出エリア(DNAチップの個々のスポットに対応する)が設けられている。

    上記の解析工程においては、読みとったDNAチップの蛍光画像データ中の個々のスポットに、解析ツールが提供するテンプレートの検出エリアを当てはめ(アラインメント)、当該検出エリアにおいて各スポットの蛍光強度を算出する。 このとき、正確な解析を実行するためには画像上の個々のスポットに対してテンプレートの個々の検出エリアが正しく設定されるよう、アラインメント処理が正確に実行される必要がある。

    このアライメントの方法としては、ブロック単位でアライメントを行うパターンマッチング法や投影法などがある。 そして、特許文献1に示す通り、ポジティブコントロールと呼ばれる蛍光物質やどのような検体にでも含まれているハウスキーピング遺伝子をスポットしたチップを使用して、アライメントを正確に行なおうとする試みもなされている。

    特開2005−172840号公報

    しかしながら、ブロック単位でアライメントを行う典型的なパターンマッチング法や投影法は、いずれも、ハイブリダイズしたサンプルDNAの量が多く、十分な強さの蛍光を発するスポットが1/4から半数程度存在しないと、正しくアライメント出来ない。 そのため、検体から抽出したサンプル中に含まれるDNA量が少ない場合、アライメントが正常に行えない場合がある。 一方、ポジティブコントロールと呼ばれる蛍光物質を配置する方法は、十分な強さの蛍光を発するスポットが少なくてもアライメントが行えるという利点があるものの、配置可能なDNA数が減少し、チップ製造時におけるコストアップ等の問題がある。 また、蛍光物質をポジティブコントロールとして利用した場合、ハイブリダイゼーション中に、それが遊離し、ポジティブコントロールの周辺を汚染してしまい、データを得られない恐れもある。 また、ハウスキーピング遺伝子に対応するDNAプローブを配置した場合においては、サンプルに含まれるDNA量が少ない時、ポジティブコントロールからの蛍光も小さく、結果的にアライメントが困難になってしまうという問題もある。

    本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ポジティブコントロールを配置していないDNAチップの解析においても、もしくは、サンプルに含まれるDNA量が少ないチップの解析においても、アライメント処理を適切に行うことが可能な解析方法および装置を提供することにある。

    上記目的を達成する本発明は、以下のいずれかの構成を特徴とするものである。
    (1) 凹凸形状を有する基板表面にプローブが配置されたマイクロアレイに励起光を照射し、励起光で励起された各プローブからの蛍光量を数値データとして得るマイクロアレイの解析方法であって、プローブの蛍光量を測定して蛍光画像データを取得するステップ(a)と、基板表面からの反射光及び/又は散乱光を受光して、該光の受光強度からマイクロアレイの基板表面の凹凸形状をアライメント用画像データとして取得するステップ(b)と、前記アライメント用画像データに基づいて前記蛍光画像データにおける各プローブの位置を決定するステップ(c)と、を含む、マイクロアレイの解析方法。
    (2) 前記基板表面からの反射光及び/又は散乱光は、前記励起光を照射する光源からの光が前記マイクロアレイで反射及び/又は散乱した光である、前記(1)に記載のマイクロアレイの解析方法。
    (3) 前記ステップ(c)は、前記アライメント用画像データにおいて、受光強度の差に基づいて前記マイクロアレイの3つ以上の基準点Aを検出するステップ(c1)と、検出した基準点Aを基に前記蛍光画像データの歪みを補正するステップ(c2)とを含んでいる、前記(1)または(2)に記載のマイクロアレイの解析方法。
    (4) 前記ステップ(c1)は、少なくとも8つの所定の観察領域それぞれにおいて前記基板の輪郭線上の点である輪郭基準点aを算出するステップ(c11)と、重複しない所定の少なくとも2つの観察領域を組とし、各組において複数の輪郭基準点aに対する近似直線を求めるステップ(c12)と、各組で求めた近似直線の交点を算出して該交点を前記基準点Aとするステップ(c13)とを含んでいる、前記(4)に記載のマイクロアレイの解析方法。
    (5) 前記ステップ(c2)が、前記基準点Aからプローブを配置しているスポットの配列度θx、θyを得て、該スポットの配列角度θx、θyおよび下記式から、前記蛍光画像データの剪断変形歪みを補正するものである、前記(3)または(4)に記載のマイクロアレイの解析方法。

    (6) 前記ステップ(c1)は、4つの基準点Aを検出し、その4つの基準点Aを直線で結んで形成される四角形が平行四辺形でない場合には、さらに該四角形を平行四辺形に近似し、該平行四辺形の頂点を基準点Aとして設定しなおす、前記(3)〜(5)のいずれかに記載のマイクロアレイの解析方法。
    (7) 前記マイクロアレイがDNAマイクロアレイである、前記(1)〜(6)のいずれかに記載のマイクロアレイの解析方法。
    (8) 凹凸形状を有する基板表面にプローブが配置されたマイクロアレイに励起光を照射するレーザー光源と、前記基板表面で反射した励起光と前記プローブからの蛍光の光束を平行光にする対物レンズと、前記基板表面で反射した励起光をカットするとともに前記プローブからの蛍光を透過する光学フィルタと、前記光学フィルタを透過した蛍光を受光して蛍光画像データを取得する結像レンズおよび検出器と、を備えたマイクロアレイの読取り装置であって、前記結像レンズおよび検出器は、前記基板表面で反射及び/または散乱した光を受光して、マイクロアレイの基板表面の凹凸形状が表れたアライメント用画像データを取得可能であり、更に、前記アライメント用画像に基づいて前記蛍光画像データにおける各プローブの位置を検出する演算処理装置を備えているマイクロアレイの読取り装置。
    (9) 前記結像レンズと前記検出器の間に、被写体深度を制限するピンポールを有する、前記(8)に記載のマイクロアレイの読取り装置。

    本発明によれば、ポジティブコントロールを配置していないDNAチップの解析や、サンプルに含まれるDNA量が少ないチップの解析の場合にも、アライメント処理を適切に行うことができ、解析が可能となる。

    DNAチップ解析の一連の工程を示す概略図である。

    DNAチップ解析に用いられるDNAチップの一例を示す概略図である。

    DNAチップ解析において、DNAチップの蛍光画像データに対して適用されるテンプレートの一例を示す模式図である。

    本発明の一実施形態を示す、DNAチップの解析装置の概略模式図である。

    DNAチップの読取り装置における光学系の一実施形態を示す概略模式図である。

    スポット配列の行方向と列方向とが垂直に直交するDNAチップをスキャニングしたにも関わらず歪みが生じて該スポット配列が垂直にならない蛍光画像データの一例を示す模式図である。

    DNAチップの読取り装置で得られたアライメント用画像の一例である。

    DNAチップの解析方法の一実施形態を示すブロック図である。

    DNAチップの読取り装置で得られたアライメント用画像における四隅の座標を示す図である。

    図6におけるStep4、Step5の処理を示す図である。

    本発明で解析に供したアライメント用画像データ(a)ならびに蛍光画像データ(b)、(c)の一例である。

    基準点の検出方法の一例を示す図である。

    アライメント用画像データにおいてDNAチップに回転がかかっているときの一例である。

    台形を平行四辺形に近似する方法を示す図である。

    本発明のマイクロアレイの解析装置は、プローブとしてのDNAを基板に固定したDNAマイクロアレイ(DNAチップ)や、プローブとしてのタンパク質を基板に固定したタンパク質マイクロアレイ、多数の微小標本を基板に固定化した組織マイクロアレイ、多数の低分子化合物を基板に固定化した化合物マイクロアレイなどを解析する装置であって、マイクロアレイの基板表面の凹凸形状を利用して、得られる蛍光画像データのアライメントを行うものである。 該解析装置においては、凹凸形状を有する基板表面にプローブが配置されたマイクロアレイに励起光を照射し、励起光で励起された各プローブからの蛍光量を数値データとして得るが、その際、プローブの蛍光量を測定して蛍光画像データを取得するとともに(ステップ(a))、該ステップ(a)とは別に、基板表面からの反射光及び/又は散乱光を受光して、該光の受光強度からマイクロアレイの基板表面の凹凸形状をアライメント用画像データとして取得する(ステップ(b))。 そして、ステップ(b)で得られたアライメント用画像データに基づいて、ステップ(a)で得られた蛍光画像データにおける各プローブの位置を決定する(ステップ(c))。

    本発明でいうマイクロアレイとは、ガラスやプラスチックなどの基板上に、例えば数十から数万のプローブを固定したものである。 蛍光分子などで標識されたサンプル(ターゲット)をこのマイクロアレイの基板にアプライし、プローブとサンプルとの結合反応を蛍光で検出する。 前述のように、基板に固定するプローブの種類により、名称がつけられおり、プローブとしてDNAを基板に固定したDNAマイクロアレイ(DNAチップ)、タンパク質を基板に固定したタンパク質マイクロアレイ、多数の微小標本を基板に固定化した組織マイクロアレイ、多数の低分子化合物を基板に固定化した化合物マイクロアレイなどが挙げられる。

    以下、本発明を、マイクロアレイの代表例であるDNAチップの解析方法および解析装置を例に、説明する。

    DNAチップなどのマイクロアレイの解析は、例えば図4に示すように、スキャナー4と、スキャナー制御用PC5と、画像サーバー6と、解析用PC7などを用いて行われる。

    スキャナー4は、レーザー光源、光学フィルタ、対物光学系、蛍光画像データおよびアライメント用画像データを取得する検出器、等から構成される。 さらに詳しくは、スキャナー4は、例えば図5に示すように、DNAチップ1などの基板を二方向に走査するための走査機構(図示しない、また本明細書においてはチップの長手方向をy軸、それに直交する方向をx軸とする)と、DNAチップなどの基板を複数載置するオートローダー機構(図示しない)と、それぞれ特定波長の励起光を基板表面に出射するレーザー光源501、502と、該励起光を受光したプローブからの光(蛍光)および該励起光の基板表面からの反射光・散乱光の光束を平行光にする対物レンズ504と、レーザー光源501からの励起光をカットしつつプローブからの蛍光を透過させる励起光カットフィルタ508と、レーザー光源502からの励起光をカットしつつプローブからの蛍光を透過させる励起光カットフィルタ507と、プローブからの蛍光を受光・結像することによって蛍光画像データを取得するとともに、基板表面からの反射光及び/又は散乱光を受光・結像し、その受光強度からマイクロアレイの基板表面の凹凸形状をアライメント用画像データとして取得する、結像レンズ509および検出器511とを備えている。

    なお、図5に示す態様においては、装置を小さくするために、励起光をミラー512、513により屈折させてDNAチップ1に到達させる。

    また、走査機構の基準軸は、歪みの無い画像を得るために、直交していることが好ましい。 走査機構としては、一般的に2軸共、スライダーを用いることが好ましい。

    上記実施態様は、DNAサンプルに2種の蛍光マークを付け、それらの読み取りを行う装置としたため、当該2種の蛍光マークに対応した波長の光を出射するレーザー光源501、502と、出射される励起光の波長にそれぞれ対応した励起光カットフィルタ508、507とを備えている。 しかしながら、DNAサンプルに1種のみの蛍光マークをつけ、その読みとりを行う装置としてもよいし、3種以上の蛍光マークをつけ、それらの読み取りを行う装置としてもよい。 いずれの場合も、用いる蛍光色素に対応したレーザー光源と励起光カットフィルタを設ければよい。

    解析用PC7(演算処理装置)には、前記検出器511で取得するアライメント用画像に基づいて蛍光画像データにおける各プローブの位置を検出するための演算処理を行うプログラムが導入されている。

    以上のような装置においては、基本的に、発光性のマーカーによりマーキングされたDNAサンプルを滴下したDNAチップを、レーザー光により励起し、蛍光画像データを取得する。 蛍光画像データを取得する際には、スキャナー制御用PC5により、スキャナー4におけるDNAチップ1の走査や画像取得の制御を行う。 当該スキャナー制御用PC5としては、汎用パーソナルコンピュータなどを用いる。

    得られた蛍光画像データは、DNAチップ画像ファイル8として画像サーバー6に保存される。 DNAチップ1は、後述するように、例えば蛍光色素Cy3,Cy5に対応する励起波長でスキャンされ、1つのDNAチップ1に対応してそれぞれの励起波長に対応した蛍光画像データが得られるが、この蛍光画像データは、例えば、16ビットグレイスケールTiffフォーマット、BMPフォーマット、JPEGフォーマットなどのファイル形式で保存される。

    解析用PC7は、画像サーバー6に保存されたDNAチップ画像ファイル8を読み込む。 さらに解析実行用のパラメータ等を定義する解析定義ファイル9を読み込んで、DNAチップ画像の解析を実行し、数値化された解析結果データを数値化データファイル10として出する。 この解析用PC7には、後述のアライメント処理を含んだ解析処理を実行するためのプログラムが導入される。

    基本的には以上のような方法でDNAチップなどマイクロアレイの解析が行われるが、本発明においては、蛍光画像データを取得する工程((上記ステップ(a))とは別に、マイクロアレイの基板表面からの反射光および/または散乱光を受光して、該基板の凹凸形状をアライメント用画像データとして取得し(上記ステップ(b))、得られたアライメント用画像データに基づいてアライメント処理を行って蛍光画像データにおける各プローブの位置を決定する(上記ステップ(c))。

    次に、スキャナー4での蛍光画像データおよびアライメント用画像データの取得方法とアライメント処理方法について詳しく説明する。

    まず、図5を用いて上記ステップ(a)に対応する画像取得方法について説明する。 なお、以下では蛍光色素としてCy5、Cy3を用いた態様を説明するが、サンプルを標識するための蛍光色素はいずれか一方でもよいし、またこれらに限定されるものではない。 蛍光色素としては例えば、Fluorescin、FITC、Alexa Fluor 555、Rodamine、Cy3.5、Texas Red、TAMURA、Oyster 650、Cy5.5などを用いることができる。

    例えば、最初に蛍光色素Cy5を読み取るために、Cy5用のレーザー光源501(例えば波長635nmのレーザー光源)からレーザー光(すなわち蛍光色素Cy5の励起光)を照射する。 レーザー光は、穴あきミラー503および対物レンズ504を介してDNAチップ1に照射される。 照射されたレーザー光により励起発光した蛍光分子からの蛍光505ならびにチップ表面で反射および/または散乱したレーザー光506は、対物レンズ504で互いに略平行となるよう集光される。 その後、該蛍光505ならびにレーザー光506は、穴あきミラー503で反射され、Cy5用の励起光カットフィルタ508に入射する。 なお、チップ表面で正反射したレーザー光は、穴あきミラー503の穴を通過する。 励起発光した蛍光分子からの蛍光505は、この励起光カットフィルタ508を透過し、結像レンズ509で集光される。 一方、励起光カットフィルタ508に到達した励起光(チップ表面で反射および/または散乱した光)はカットされる。 結像レンズ509で集光された蛍光505は、ピンホール510により、結像レンズ509の焦点位置付近以外の光がカットされ、検出器511に入射する。 検出器511は、光の強弱に応じた電気信号を出力する。 このような工程を、スキャナー制御用PC5により、DNAチップ1を二方向に走査させて繰り返しつつ、検出器511から出力された電気信号をA/D変換して蛍光画像データを作成する。

    続いて、蛍光色素Cy3の読み込みを行う。 蛍光色素Cy3の読み込みは、Cy5用のレーザー光源501をCy3用のレーザー光源502(例えばレーザー波長532nmのレーザー光源)に置き換えるとともに、Cy5用の励起光カットフィルタ508をCy3用の励起光カットフィルタ507に置き換える以外は、蛍光色素Cy5の読み込みと同様に行えばよい。 すなわち、Cy3用のレーザー光源502からレーザー光(すなわち蛍光色素Cy3の励起光)を照射するとともに、Cy3用の励起光カットフィルタ507にて該励起光カットフィルタ507に到達した励起光(すなわちチップ表面で反射および/または散乱した光)を除去することで、Cy5と同様に蛍光画像データを作成する。

    ここで、スキャナーの走査機構が2つのスライダーを備えたものである場合、これらスライダーが必ずしも直交しているとは限らない。 装置組み立て時、もしくは時間の経過等に伴って、ずれてしまうことある。 そのため、スキャナーで読み取ったDNAチップの画像も、例えば図6(a)に示すように傾いている可能性がある。 このように、走査機構のx軸とy軸が直交しない場合は得られた蛍光画像データが歪んでしまい、テンプレートの検出エリアを得られた画像に正しく位置合わせすることが出来ない。

    このため、画像から直交度のズレを検出して、スライダーが直交する走査機構で得られる画像と同等になるように補正することが好ましい。 より具体的には、蛍光画像データをx軸に対してy軸方向に投影し、座標X毎の積算強度(各画素値の積算値)を算出する。 この処理を、座標原点周りに蛍光画像データを予め設定した角度ずつ回転させて繰り返す。 投影方向とスポットのy軸方向の配列方向がずれている場合の積算強度グラフは、図6(b)に示すように振幅のないグラフになる。 一方、投影方向とスポットのy軸方向の配列方向が一致した場合の積算強度グラフは、図6(c)に示すとおり、信号の振幅が最大となる。 投影データのこのような特徴を利用し、積算強度の標準偏差が最大値をとる角度を求めることで、スポットのy軸に対する配列の角度を検出することができる。 同様にx軸に対する配列の角度を求め、せん断変形等の画像処理を施すことでスポットの配列方向を直交させることが可能である。

    以上のようにして蛍光画像データを取得する場合、検体から抽出したサンプル中に含まれるDNAが非常に少ないと、Cy5、Cy3ともに、発光するスポット数が少なくなるためブロックの境界がわからず、また画像の直交度補正も出来ないため、アライメント処理が不可能となる。

    そこで本発明においては、上記のような蛍光画像データの他に、チップを再セットすることなく以下のようなアライメント用画像データも取得する(上記ステップ(b))。 すなわち、DNAチップ1に光を照射し、該チップの基板表面からの反射光及び/又は散乱光を受光することで、アライメント用画像データを得る。 これは、凹凸形状を有する基板表面からの反射光及び/又は散乱光を積極的に受光し、該光の受光強度に基づいて基板表面の凹凸形状を画像化し、該凹凸形状をアライメントに用いるためである。

    DNAチップにおけるスポット位置は、該DNAチップを再セットするまで変化しない。 そのため、アライメント用画像データにおけるスポット位置とCy5およびCy3の蛍光画像データにおけるスポット配置とは一致する。 したがって、本発明においては、アライメント用画像データで得られるアライメント結果をCy5およびCy3の蛍光画像データへ適用することで、該蛍光画像データのアライメント処理が可能になる。

    ここで、具体的に上記した構成の装置においてアライメント用画像データを取得するには、Cy5用のレーザー光源501からレーザー光を照射するとともに、Cy3用の励起光カットフィルタ507を使用することが好ましい。 Cy3用の励起光カットフィルタ507には一般的に550〜600nmのバンドパスフィルターを用いることが多いが、該励起光カットフィルタ507は、一般的に、Cy5の励起光の波長の光(635nm)をわずかに透過するので(例えば、635nmの光のOD値が約5)、例えば図7(a)に示すとおり、DNAチップの凹凸形状を画像化することが可能である。 すなわち、特定波長の光によって励起発光した蛍光分子からの蛍光ではなく、基板表面からの反射光や散乱光を受光して、該基板そのものの凹凸形状を画像化することができる。 なお、図7(a)のP−P'線分における画素値のプロファイルを図7(b)に、対応する場所のDNAチップの高さプロファイルを図7(c)に示す。 このようにレーザー光を積極的に受光することで、結像レンズ509の焦点付近でかつレーザーの光軸に垂直なDNAチップの表面からの光の受光強度が強くなるため、図7(a)のような、基板表面の凹凸形状が表れたアライメント用画像データが得られる。

    アライメント画像データ取得用の光源については、スキャナーの部品点数を少なくできることから、蛍光分子を励起するための励起光を出射する光源を用いることが好ましいが、別途、アライメント画像データ取得用光源を設けてもかまわない。

    また、アライメント用画像データの取得時にフィルタを使わない方法も採用しうる。 しかしながら、フィルタを用いない場合は、検出器に入る光量が大きくなりすぎるために検出器を傷める可能性がある。 よって、上記したように、Cy5用のレーザー光源501からレーザー光を照射する場合には励起光カットフィルタ507を使用するなど、照射する光源の波長をわずかに透過するフィルタを用いることが好ましい。 反対に、Cy3用のレーザー光源502からレーザー光を照射して励起光カットフィルタ508を用いてもよい。 また、励起光カットフィルタ507、508の代わりにNDフィルタを用いたり、励起光カットフィルタ507、508やNDフィルタを使用せずに前記レーザー光の出力自体を弱くしてアライメント用画像データを得ても構わない。 もちろん、これらの組み合わせも適用できる。

    なお、アライメント用画像データには、DNAチップをスキャナーにセットする際に回転ずれや位置ずれが生じる虞がある。 しかし、これらの回転ずれや位置ずれの量も、DNAチップを再セットするまで一定である。 このため、アライメント用画像データにおけるスポット位置とCy5およびCy3の蛍光画像データにおけるスポット配置とは一致する。

    次に、このアライメント用画像データに基づいて蛍光画像データにおける各プローブの位置を決定し(上記ステップ(c))、マイクロアレイの解析を行う。 以下に、この方法の詳細について、図8に示すブロック図を用いて説明する。 ただし、図8におけるStep1,2は前記した工程に相当する工程である。

    まず、Step1では、スキャナーにDNAチップをセットし、前述のとおり、蛍光色素Cy5およびCy3の蛍光画像データを読み込む(上記ステップ(a))。 続いて、Step2では、DNAチップをセットしたまま、Cy5用のレーザー光源501から励起光を照射するとともに、Cy3用の励起光カットフィルタ507を使用し、アライメント用画像を読み込む(上記ステップ(b))。 なお、本工程においては、Cy3用のレーザー光源502から励起光を照射するとともにCy5用の励起光カットフィルタ508を使用してもよい。 また別の光源を用意して、その光のDNAチップからの反射光及び/又は散乱光を受光して、アライメント用画像を取得してもよい。

    そして、Step3以降で、アライメント用画像データを使用して蛍光画像データにおける各プローブの位置を決定し(上記ステップ(c))、解析する。

    具体的には、まずStep3で、アライメント用画像データにおける少なくとも3つの基準点Aを検出する(ステップ(c1))。 ここで、少なくとも3つの基準点Aとしては、例えば図9に示すとおり、アライメント用画像での4隅の座標を挙げることができる。 かかる四隅の座標の検出方法は、明暗情報を用いたエッジ検出や、同様に明暗情報を用いる、四隅の画像をマスタ画像としたパターンマッチング等が望ましい。

    続いて、Step4、5において、前記基準点Aに基づいて蛍光画像データの歪みを補正する(ステップ(c2))。

    具体的には、Step4において、例えば前述の四隅の座標から、スポットのx軸に対する配列角度(最も近くに隣接するスポットを直線的に結んだ線のx軸に対する傾斜角度)θx、スポットのy軸に対する配列角度(最も近くに隣接するスポットを直線的に結んだ線のy軸に対する傾斜角度)θyを検出する。 θx、θyは、四隅の座標を結んだ4本の線分について、該当方向の2本の線分の角度の平均値を取ることが望ましい。 なお、基準点が3点であっても、θx、θyを算出可能である。 そして、図10(a)、(b)に示すとおり、スポットのy軸に対する配列角度θyを補正角度として用い、蛍光画像データを回転させて、スポットをy軸に対して平行にする。

    さらに、Step5において、回転後の画像に対して、上述のように検出した二方向に規則的に配列されているスポットの配列角度θx、θyおよび下記式に基づいて、変換(せん断変形)を実施する。 これにより、画像のせん断変形歪みを補正する。 この変換後の画像を図10(c)に示す。 なお、下記式の(x、y)は変換前の座標、(X、Y)は変換後の座標である。 また、スキャナーの走査機構のずれ(走査機構の基準軸の直交度)に相当するθxyは、数4に示すように、スポットのx軸に対する配列角度θxからy軸に対する配列角度θyを減じて求める。

    さらに、DNAチップ1が樹脂成型品である場合、ハイブリダイゼーション工程や洗浄工程での吸湿や温度変化により樹脂が膨張する場合がある。 各工程での処理時間にもよるが、数十μm膨張する場合があり、アライメントの精度に影響を与える。

    このため、Step6、7において、例えば前記四隅の座標からx軸方向およびy軸方向のチップ長さを算出するとともに、設計値と一致するように、蛍光画像データを収縮させる。

    続いて、上記のようにして、回転補正、せん断変形補正、収縮補正をした蛍光画像データに対して、アライメントを行なう。 予め解析定義ファイルに保存しているテンプレートにおける各スポットの位置情報は、例えばチップ左上の隅を原点とした、各スポットの中心座標となっている。 このため、Step7で収縮補正した後の画像について、例えば左上隅の座標を原点とし、各スポット枠を計算することで、図11(b)、(c)に示すとおりアライメントが可能である(Step8)。 なお、図11(b)がCy3の蛍光画像データに対してアライメントを行った結果を示す画像、図11(c)がCy5の蛍光画像データに対してアライメントを行った結果を示す画像である。 また、確認のため、Step2で得られたアライメント用画像データに対してアライメントを行った結果を図11(a)に示す。 各図において点線で描画した円の内部が、テンプレートで規定された検出エリアである。

    その後、Step9においては、Step8で求めた各スポットの中心座標から、スポット半径内の画素の信号強度について、平均値、メディアン値、標準偏差等の統計量を算出し、スポットの属するブロック番号、スポットの行列番号、配置されているプローブDNA名と合わせて、各種数値データをファイルとして出力する。

    なお、上記のような図8に示す工程において、上記Step1、2の順序は入れ替わってもよい。

    また、ハイブリダイゼーションの際の検体流動性を良くするためなどの理由から、DNAチップの四隅は角が丸く成形されている場合がある。 このため、Step3での基準点Aの検出に際しては、DNAチップの輪郭線上の点の座標に基づいて基準点Aを検出することが望ましい。

    すなわち、図12に示すように、DNAチップの四隅それぞれの近傍に、実質的にx軸方向に続く輪郭線を含むような輪郭点検出用ウインドウ(観察領域)Wyと、実質的にy軸方向に続く輪郭線を含むような輪郭点検出用ウインドウWxを設定する。 そして、該輪郭点検出用ウインドウWx、Wyそれぞれにおいて、DNAチップの輪郭線上の一点に相当する輪郭基準点aを検出し、ウインドウWyにおける輪郭基準点aのy座標と、ウインドウWxにおける輪郭基準点aのx座標とから、DNAチップの角に相当する基準点Aの座標を算出する。 これをたとえば四隅について行う。

    さらに、四隅のそれぞれに対して輪郭点検出用ウインドウWx、Wyがそれぞれ1つずつしか設定されていない場合、DNAチップがスキャナーの固定治具に斜めに固定されたりすると、図13(a)、及び図13(a)の二点鎖線で囲まれた部分を拡大した図13(b)に示すように、検出すべき基準点Aの位置と実際に検出された基準点Aとの位置に誤差が生じ、スポットをうまくアライメントできない。

    そのため、本発明においては、輪郭点検出用ウインドウWx、Wyをそれぞれ少なくとも4つずつ、すなわち合計8つ以上設定することが好ましい。 具体的には、図13(c)に示すとおり、四隅それぞれに対して、少なくとも2つの輪郭点検出用ウインドウWx(1301,1302)、ならびに少なくとも2つの輪郭点検出用ウインドウWy(1303,1304)を設定することが好ましい(ステップ(c11))。

    そして、四隅それぞれに対して、それら少なくとも2つの輪郭点検出用ウインドウWx(1301,1302)を組とし、該組における複数の輪郭基準点aに対する近似直線を求めるとともに、少なくとも2つの輪郭点検出用ウインドウWy(1303,1304)を組として、該組における複数の輪郭基準点aに対する近似直線を求める(ステップ(c12))。 このようにして得られた2本の近似直線の交点を求め、該交点を基準点Aとする(ステップ(c13))。

    このようにすることで、チップが斜めに固定された場合でも精度良く基準点Aを検出することが可能となる。

    なお、本発明においては、必ずしも四隅で基準点Aを求める必要がなく、三隅で基準点Aを算出するのでもよい。

    さらに、上記のように基準点Aを検出する場合、検出部にキズやゴミ等があると測定誤差が生じる。 そのため、基板の四隅の角に相当する4つの基準点Aを検出しても、それら4つの基準点Aを結んで形成される形状が平行四辺形(長方形・正方形を含む)でない、台形などの四角形になる場合がある。 しかしながら、後の処理Step5におけるせん断変形歪みの補正は、検出した基準点で形成される形が平行四辺形であることが前提であり、そのため、上記のような場合にはスポットをうまくアライメントできないおそれがある。

    そこで本発明においては、図14に示すように、一旦検出した4つの基準点A600〜603で形成される四角形が平行四辺形(長方形および正方向を含む)でない場合には、平行四辺形に近似し、近似した平行四辺形の頂点を改めて基準点A700〜703として設定しなおすことが好ましい。

    最初に検出した4つの基準点A600〜603で形成される四角形を平行四辺形に近似するにあたっては、たとえば、対辺となる2つの線分1401と1402の傾きの平均と線分1401と1402それぞれの中点を求め、これら中点を通りかつ前記平均傾きを有する2本の直線を求める。 これを別の2つの線分についても同様に行い、得られた4本の直線の交点を平行四辺形近似後の基準点A700〜703として改めて設定する。 これにより、一旦検出された基準点に測定誤差がある場合でも、精度よくアライメントを行うことができる。

    本発明においては、このようにして遺伝子の発現に基づいて得られた蛍光画像データを処理して所望の数値データを取得するが、得られる各種の数値データは、検体内で、求める遺伝子の存在や、ある遺伝子が発現しているか否か、またはどの程度発現しているかを解析するため等に用いられる。

    また、以上のようなDNAチップの解析においては、DNAチップの凹凸を利用して画像の補正、アライメントを行う。 そのため、検体から抽出したサンプル中に含まれるDNA量が少なく発光するスポットが少ない画像、さらに、走査機構の精度が悪い読取り装置によって得られた画像に対しても、DNAチップの基板上に配置された検出エリアの位置決め処理を高精度に実行可能となる。

    上記実施形態においては、マイクロアレイにDNAがスポットされたDNAチップの実施形態を説明したが、本発明は、RNA、タンパク質、微小標本、低分子化合物、細胞等をスポットしたチップに対しても適用可能である。

    例えば、上記で説明した凹凸形状を有するDNAチップの基板にDNAの代わりにタンパク質(抗体)を固定化し、検体との反応の有無や定量化を蛍光にて検出する場合でも、同様な方法を用いることができる。 試料細胞の溶解液に存在するタンパクをCy5、コントロール細胞溶解液に存在するタンパクをCy3で標識して、両者を混合して抗体アレイと反応する場合や、タンパクを蛍光標識する代わりにビオチン標識し、抗体アレイに結合後、酵素標識アビジンを用いてシグナルを増感する手法などがある。 このような場合でも、本発明により、精度よくアライメントが可能となり、蛍光強度の各種数値データをファイルとして出力可能である。 RNAアレイの場合でも、凹凸形状を有する基板上に固定化されたRNAと蛍光標識したDNAやRNAとのハイブリダイゼーションを蛍光で検出する場合に本手法を用いることができる。 微小標本・細胞アレイにおいても、凹凸形状を有する基板上に固定化された微小標本や細胞と蛍光標識検体(例えば抗体)との結合反応を蛍光により検出する際に、本発明を適応することが可能である。

    1 DNAチップ2 基板3 スポット4 スキャナー5 スキャナー制御用PC
    6 画像サーバー7 解析用PC
    8 DNAチップ画像ファイル9 解析定義ファイル10 数値化データファイル501 レーザー光源(Cy5用)
    502 レーザー光源(Cy3用)
    503 穴あきミラー504 対物レンズ505 蛍光分子からの蛍光506 基板表面で反射および/または散乱したレーザー光507 励起光カットフィルタ(Cy3用)
    508 励起光カットフィルタ(Cy5用)
    509 結像レンズ510 ピンホール511 検出器512 ミラー513 ミラー600〜603 一旦検出された基準点A
    700〜703 平行四辺形に近似後の基準点A
    1101 アライメント画像の基準点1102 計算されたスポット枠1301、1302 輪郭点検出用ウインドウWx
    1303、1304 輪郭点検出用ウインドウWy
    1401〜1402 線分

    QQ群二维码
    意见反馈