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Method of manufacturing a system and method and a microfluidic device for selecting library elements (microfluidic selection of library elements)

申请号 JP2011514187 申请日 2009-06-19 公开(公告)号 JP2011525109A 公开(公告)日 2011-09-15
申请人 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーションInternational Business Maschines Corporation; 发明人 ソリス、ダニエル、ジェイ; デラマルシェ、エマニュエル; ロブチク、ロバート;
摘要 【課題】 ファージ・ライブラリを効率よくしかも安価にスクリーニングするために使用できる方法を提供する。
【解決手段】 チップと、チップ内に配置された流路であって、入口ポートおよび出口ポートと連絡しており、入口ポートから出口ポートへのライブラリの流れを可能にするように働く流路と、チップ上に配置された 基板 であって、流路のための上部壁として作用するように働く基板と、基板上に配置された受容体であって、ライブラリからのエレメントと相互作用するように働く受容体とを含むシステムが、開示される。
【選択図】 図1
权利要求
  • チップと、
    前記チップ内に配置された流路であって、入口ポートおよび出口ポートと連絡しており、前記入口ポートから前記出口ポートへのライブラリの流れを可能にするように働く流路と、
    前記チップ上に配置された基板であって、前記流路のための上部壁として作用するように働く基板と、
    前記基板上に配置された受容体であって、前記ライブラリからのエレメントと相互作用するように働く受容体と、
    を含むシステム。
  • 前記流路が金属層でコーティングされる、請求項1記載のシステム。
  • 前記金属層が金を含む、請求項2記載のシステム。
  • 前記チップがシリコンを含む、請求項1記載のシステム。
  • 前記チップが有機重合体を含む、請求項1記載のシステム。
  • 前記チップが金属酸化物を含み、前記金属酸化物が、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、または上記の金属酸化物のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む、請求項1記載のシステム。
  • 前記流路が30〜130マイクロメートルの幅を有する、請求項1記載のシステム。
  • 前記流路が10〜50マイクロメートルの深さを有する、請求項1記載のシステム。
  • 前記流路が1〜150ミリメートルの長さを有する、請求項1記載のシステム。
  • 前記流路が曲がりくねった経路を有する、請求項1記載のシステム。
  • 前記基板がエラストマーを含み、前記エラストマーが、ポリシロキサン、天然ポリイソプレン、合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレンブタジエン共重合体、イソブチレンとイソプレンの共重合体、クロロブチルゴム、ブロモブチルゴム、ポリブタジエンとアクリロニトリルの共重合体、エピクロロヒドリンゴム、ポリアクリル系ゴム、フルオロシリコンゴム、クロロスルホン酸ポリエチレン、または上記のエラストマーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む、請求項1記載のシステム。
  • 前記基板がポリジメチルシロキサンを含む、請求項1記載のシステム。
  • 前記受容体が、酵素、ペプチド、タンパク質、無機粒子、細胞、グリカン、ウイルス粒子、重合体、抗体、抗原、または上記の受容体のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む、請求項1記載のシステム。
  • ポンプをさらに含み、前記ポンプが前記出口ポートと連絡している、請求項1記載のシステム。
  • ローディング・パッドをさらに含み、前記ローディング・パッドが前記入口ポートと連絡している、請求項1記載のシステム。
  • 請求項1記載のシステムを使用する製品。
  • マイクロ流体デバイスのローディング・パッド上にライブラリを配置するステップであって、前記マイクロ流体デバイスが、
    チップと、
    前記チップ内に配置された流路であって、入口ポートおよび出口ポートと連絡しており、前記入口ポートから前記出口ポートへのライブラリの流れを可能にするように働く流路と、
    前記チップ上に配置された基板であって、前記流路のための上部壁として作用するように働く基板と、
    前記基板上に配置された受容体であって、前記ライブラリからのエレメントと相互作用するように働く受容体と、
    を含む、前記配置するステップと、
    第1の溶液を前記ローディング・パッドに加えて、前記入口ポートを通って前記流路内に前記ライブラリのエレメントを移送するステップと、
    前記ライブラリの前記エレメントの小部分を前記受容体に結合して、エレメント−受容体複合体を形成するステップと、
    前記エレメント−受容体複合体を溶出するステップと、
    を含む方法。
  • 前記受容体に結合することができる前記ライブラリのエレメントを増幅するステップをさらに含む、請求項17記載の方法。
  • 前記受容体に結合することができる前記ライブラリのエレメントを分析するステップをさらに含み、前記分析が分析技法によって行われ、前記分析技法が、オリゴヌクレオチド配列決定、放射能、蛍光、化学発光、燐光、酵素力、質量分析、熱量測定、または上記の分析技法のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む、請求項17記載の方法。
  • 前記エレメント−受容体複合体の前記溶出が、第2の溶液を使用して実施される、請求項17記載の方法。
  • マイクロ流体デバイスを製造する方法であって、
    チップ内に流路を配置するステップと、
    前記チップ内に出口ポートおよびローディング・パッドを配置するステップと、
    前記流路のベース上に金属層を配置するステップと、
    前記チップ上に基板を配置するステップであって、前記基板が前記流路のための上部壁として作用するように働く、前記基板を配置するステップと、
    前記金属層に対向して配置された前記基板の表面上に受容体を配置するステップであって、前記受容体がライブラリからのエレメントと相互作用するように働く、前記受容体を配置するステップと、
    を含む方法。
  • 前記チップが微細加工される、請求項21記載の方法。
  • 前記チップが入口ポートを密閉せず、前記入口ポートが前記ローディング・パッドと連絡している、請求項21記載の方法。
  • 請求項21記載の方法によって製造された製品。
  • 说明书全文

    本発明は、ライブラリ・エレメント(library element)のマイクロ流体選択(microfluidic selection)に関する。

    特定の検体の存在および量を決定するために化学的または生化学的検定に基づくシステムを有することは、バイオメディカル・サイエンスの実質的にすべての分野で望ましいことである。 この要望は、生化学的経路が精密に計画され、それぞれの機能が疾病プロセスに相関している基礎科学研究所から、臨床的に関連する検体のレベルについて患者が日常的にモニターされる臨床診断に及ぶものである。 その他の分野としては、医薬品研究および薬物発見アプリケーション、DNA鑑定、獣医学、食品、ならびに環境アプリケーションを含む。 これらのケースのいずれでも、特定の検体または検体のグループの存在および量を決定しなければならない。

    薬理学、遺伝学、化学、生化学、バイオテクノロジー、分子生物学、その他の分野の分析の場合、1つまたは複数の分子構造の存在を検出し、分子構造間の相互作用を特徴付けることが有用である場合が多い。 関心のある分子構造としては、一般に、抗体抗原、代謝産物、タンパク質、薬物、小分子、酵素、核酸、その他の配位子および検体を含む。 また、分子構造は、細胞および微生物の内部または外部にある可能性もある。 たとえば、医学では、様々な疾病プロセスのマーカとして機能するか、生理的流体内に自然に存在するか、またはシステムに導入されている、受容体またはサイトカインなどの細胞成分あるいは抗体および抗原の存在を決定することが非常に有用である。 遺伝分析では、断片のDNAおよびRNA塩基配列分析は、診断、遺伝子検査および研究、農業、ならびに医薬品開発の際に非常に有用である。 正常なシステムおよび病気のシステムに関する理解ならびに分子細胞生物学の状態が急速に進歩しているので、より新しく、より迅速で、より正確な検出方法を求める要求が絶えず高まっている。

    このような分子構造ならびに分子構造間の相互作用を識別するための有用な技法は、往々にして「ライブラリ」と呼ばれる、化学薬品または生化学薬品の大規模集合のハイスループット・スクリーニングである。 ほとんどのハイスループット・スクリーンは、単一分子現象、たとえば、疾病状態などの何らかの生理的システムで役割を果たすと考えられる特定の酵素に及ぼす化合物の作用を測定する。 スクリーニング・プロセス以前に、このようなライブラリのエレメントは、スクリーンによって測定された分子現象または分子現象が役割を果たす疾病状態に対して作用することが実証されていない。 このようなスクリーンは、その特定の分子現象に影響を及ぼす化合物を識別するように設計され、したがって、その現象が役割を果たす生理的システムは識別された化合物の影響を受ける可能性がある。

    ライブラリのスクリーニングは、微量検定板およびビーズベースのスクリーニングを使用することによって行われる場合が多い。 微量検定板を使用してライブラリをスクリーニングする際に、関心のあるターゲット(たとえば、受容体)で微量検定板ウェルをコーティングする。 より一般的にはファージ・ライブラリと呼ばれるバクテリオファージ・ライブラリがスクリーニングのために使用される場合が多い。 これらのライブラリでは、化学的可変性がファージのゲノムに導入され、少量のライブラリに多数のファージを収容できるので、ファージの大幅な化学的多様性を達成することができる。 ファージ・ライブラリでは、1つのファージのゲノムの可変部を外殻タンパク質として表現し表示することができる。 したがって、ファージ・ライブラリのスクリーニングは、関心のある受容体とファージの表面上に表示された特定のタンパク質との相互作用を捜すことによって実施することができる。 次に、関心のある受容体を収容する分析装置のウェルと接触してファージ・ライブラリを配置する。 ファージの一部は受容体に結合する。 次に、受容体に結合されないファージを除去するために、ウェルを洗浄する。 結合していないファージの除去後、受容体に結合したファージを溶出する。 次に、結合したファージの一部のDNAの配列を決定して、スクリーニングの品質を査定する。 次に、溶出したファージをコピーして、その数を増加する(増幅)。 次に、結合したファージの遺伝子配列が「コンセンサス(consensus)」を示すまで、上記のステップを繰り返す。 コンセンサスの出現は、スクリーニングの結果、等しい確率で受容体に結合できる1つまたは複数のファージがライブラリから抽出されたことを示す。

    ビーズベースのスクリーニングでは、関心のある受容体で、約1〜約10マイクロメートルの平均粒度を有するラテックス、シリカ、またはその他の適切な材料のビーズをコーティングする。 ファージ・ライブラリは、溶解状態で自由にビーズと相互作用することができる。 複数の技術(磁気ビーズ、誘電泳動、蛍光)に基づく遠心分離または粒子選別機のいずれかを使用して、結合していないファージおよびビーズを分離する。 ビーズに結合したファージを溶出する。 上記の通り、溶出したファージに対して増幅を行い、続いてコンセンサスを示すために上述したものと同じ一連のステップを行う。

    ステップの数のために、微量検定板およびビーズベースのスクリーニングを伴う上述の方法はいずれも、費用がかかり、時間がかかり、大きな労働力を要するものである。 たとえば、ファージ・ライブラリは購入するには約1000ドルを要する可能性があり、2〜4回のスクリーニングは一般に約3週間かかる。 加えて、上記の方法はいずれも複数のサイクルを使用し、それにより汚染ならびに結果の品質劣化に対してその方法を開放することになる。

    したがって、ファージ・ライブラリを効率よくしかも安価にスクリーニングするために使用できる方法を有することが望ましい。

    本明細書では、チップと、チップ内に配置された流路であって、入口ポートおよび出口ポートと連絡しており、入口ポートから出口ポートへのライブラリの流れを可能にするように働く流路と、チップ上に配置された基板であって、流路のための上部壁として作用するように働く基板と、基板上に配置された受容体であって、ライブラリからのエレメントと相互作用するように働く受容体とを含むシステムが開示されている。

    本明細書では、マイクロ流体デバイスのローディング・パッド上にライブラリを配置するステップであって、マイクロ流体デバイスが、チップと、チップ内に配置された流路であって、入口ポートおよび出口ポートと連絡しており、入口ポートから出口ポートへのライブラリの流れを可能にするように働く流路と、チップ上に配置された基板であって、流路のための上部壁として作用するように働く基板と、基板上に配置された受容体であって、ライブラリからのエレメントと相互作用するように働く受容体とを含む、配置するステップと、第1の溶液をローディング・パッドに加えて、入口ポートを通って流路内にライブラリのエレメントを移送するステップと、ライブラリのエレメントの小部分を受容体に結合して、エレメント−受容体複合体を形成するステップと、エレメント−受容体複合体を溶出するステップとを含む方法が開示されている。

    本明細書では、チップ内に流路を配置するステップと、チップ内に出口ポートおよびローディング・パッドを配置するステップと、流路のベース上に金属層を配置するステップと、チップ上に基板を配置するステップであって、基板が流路のための上部壁として作用するように働く、配置するステップと、金属層に対向して配置された基板の表面上に受容体を配置するステップであって、受容体がライブラリからのエレメントと相互作用するように働く、配置するステップとを含む、マイクロ流体デバイスを製造する方法が開示されている。

    マイクロ流体デバイスの側面図の模範的な描写である。

    図1に描写されているマイクロ流体デバイスのAA'で取られた断面図の模範的な描写である。

    マイクロ流体デバイスの他の模範的な描写である。

    1回のスクリーニングにおけるライブラリの削減効率を示す棒グラフである。

    ローディング・パッドがビアで置き換えられたマイクロ流体デバイスの一実施形態の描写である。

    実施例2で溶出後に得られる配列の描写である。

    本明細書では、マイクロ流体デバイスを使用することによりライブラリからエレメントを選択するためのシステムおよび方法が開示されている。 このエレメントは、バクテリオファージ、ウイルス、小胞などの自己組織化構造(self-assembled structure)などにすることができる。 マイクロ流体デバイスは、入口ポートおよび出口ポートと連絡している流路を含み、そのポートを通ってライブラリを導入し除去することができる。 流路は、ライブラリからの所望のエレメントと相互作用するその能力について選択された受容体(ターゲットとも呼ばれる)でコーティングされた基板でさらに覆われている。 ライブラリからのエレメントは、流路を通るライブラリの移送中にターゲットと反応する。 ターゲットとエレメントとの反応に続いて、流路をすすぐことにより非結合エレメントを除去することができ、その場合、ターゲットと反応する特定のエレメントを分離し分析することができる。

    このシステムは、ライブラリを迅速に分析するために使用できるという点で有利である。 従来の微量検定板を使用するときは一般に2〜3回のスクリーニングを使用するが、本発明のシステムおよび方法では、1回だけでライブラリの大幅な削減を達成することができる。 このシステムでは、特定のライブラリ・エレメントとターゲットとの所望の反応が容易になるように拡散および結合の動力学などの反応パラメータがシフトするようにマイクロ流体チャネル内の流れ条件を制御することができる。 マイクロ流体チャネルはマイクロメートル程度のチャネル寸法を有するので、チャネル内の流体の流れは必ず層状になる。 これにより、効率の良いすすぎが可能になり、デッド・ボリュームの存在および影響が最小限になる。 その結果、溶液の流れは体積および流量が精密になる。 加えて、マイクロ流体デバイスのすすぎは非常に効率の良いものになる可能性がある。 反応の力学は劇的にスケールの影響を受け、流路の寸法および流れ条件を制御することにより、選択しやすいように拡散および結合の動力学などの反応パラメータをシフトすることができる。 さらに、マイクロ流体流路は閉鎖系であり、外部汚染を排除するために使用することができる。

    次に、図1および図2に関連して説明すると、模範的なマイクロ流体デバイス100は、そこに配置された入口ポート160、出口ポート110、および流路150を有するチップ120を含む。 入口ポート160および流路150はチップ120内に彫刻されている。 入口ポート160はローディング・パッド190と連絡しており、そのパッドもチップ120内に彫刻されている。 出口ポート110は、チップを貫通して彫刻されており、流路150が配置されている面に対向するチップ120の面上に開口部を形成する。 出口ポート110は、その上に配置されたリップ180を有する。 リップ180は任意選択のポンプ(図示せず)と流体で連絡することができる。 金属層130は、チップ全体120の上に付着しているか、または特にライブラリと接触する彫刻構造上に付着している。 これらの構造は、ローディング・パッド190、入口ポート160、流路150、および出口ポート110である。 パッシベーション層140は、マイクロ流体デバイスの表面全体を横切ってまたは所望であれば流路150内のみで金属層130上に配置することができる。

    スパッタリング技法、熱蒸発、無電解メッキ、または電気メッキを使用して、表面上に金を付着させることは容易なので、金属層140は一般に金を含む。 薄い層のみを使用するので、金のコストは問題ではない。 チップ120上に金が存在すると、チップのぬれおよびタンパク質−撥性特性を変更するのに役に立つ。 チップ上に必ず金を有することにより、金属層上にパッシベーション層140を配置するようにチップを製作するために使用される材料とは無関係に、一般的な表面処理を開発し適用することができる。 代わって、金以外の金属を使用することができ、あるいはチップの表面特性によってパッシベーション層140の直接付着が可能になる場合に金属層130を省略することができる。 複雑さの低いライブラリを使用し、このライブラリが受容体との直截的な相互作用を有するエレメントを有するという希有な事態では、金属層130とパッシベーション層140を省略することができる。 上述の通り、金属層130は、その内部をライブラリが通過するチップ120の構造をコーティングし、特に流路150をコーティングする。

    流路150は、金属層130上に配置されたパッシベーション層140を有する。 アクティブ・ポンピング(active pumping)を使用するかまたはパッシブ・ポンピング(passivepumping)を使用するかに応じて、パッシベーション層140は疎水性(hydrophobic)または親水性(hydrophilic)になる可能性がある。 パッシブ・ポンピングは、自発的にライブラリがチップ120を通って流れるようにするために毛管力を使用することを指す。 したがって、パッシブ・ポンピングでは、チップの彫刻構造が親水性である必要がある。 チップ120の彫刻構造が疎水性である場合でも、アクティブ・ポンピングを実行することができる。 その親水性/疎水性にかかわらず、パッシベーション層140は、流路150の表面上のライブラリ・エレメントの非特異付着または不要な付着を最小限にするかまたは防止しなければならない。 チップ120に固着するライブラリのエレメントはいずれもライブラリから抽出されることになり、受容体に結合するエレメントとして取り出され、誤って識別される可能性もある。 親水性パッシベーション層は、金属層130に合体させた薄い高分子フィルムを含むことができる。 一実施形態では、親水性高分子フィルムは、ポリエチレングリコールを含有する重合体を含む。 親水性パッシベーション層は、代わって、アルブミンなどの付着タンパク質の層を含むことができる。 疎水性パッシベーション層は、チップ120上に薄い疎水性重合体を付着させることによって形成することができる。 このために、たとえば、フッ化材料を使用することができる。

    基板170は、チップ120上に配置され、流路150、入口ポート160、および出口ポート110を密閉する。 基板は、流体の漏れを防止するためにチップ120に接触していなければならない。 基板170は適切なエラストマーから製造することができる。 基板170用の材料としてポリジメチルシロキサン(PDMS)を使用する場合、チップ120と基板170との間には自発的な接着接触が発生し、その結果として、チップ内の流路が効率よく密閉されることになる。 エラストマーのリストについては、基板に関連して以下に示す。 代わって、基板は、チップ120を作成するために適した材料から作成することができ、チップ120にクリップで留めるか、接合するか、または糊付けすることによって組み立てることができる。 一実施形態では、ライブラリのエレメントと、リップおよび受容体200によって覆われていない基板の領域との相互作用を防止するために、リップ180および基板170を処理しなければならない場合もある。 受容体200は基板170上に配置される。 受容体200は、ライブラリからの所望のエレメントと相互作用するその能力について選択される。

    チップ120は、様々な異なる材料から製造することができる。 模範的な材料は、半導体、金属、有機重合体、またはセラミックスである。 適切な半導体の例は、シリコン、二酸化シリコン、および窒化シリコンなど、あるいは上記の材料のうちの少なくとも1つを含む組み合わせである。 たとえば、シリコン・ウェハを使用することができる。 模範的な金属チップはアルミニウムまたはステンレス鋼である。

    有機重合体は、多種多様な熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂の混合物、熱硬化性樹脂の混合物、または熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の混合物から選択することができる。 有機重合体は、重合体の混合物、共重合体、三元重合体、または有機重合体のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含むことができる。 有機重合体は半結晶質重合体または非晶質重合体を含むことができる。 使用できる有機重合体の例は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ナイロン4,6、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12などのポリアミド;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル;ポリアリレート、ポリイミド、ポリアセタール、ポリアクリル酸、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン、ポリアミドイミド、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレートまたはポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのポリメタクリレート;ポリエーテルスルフォン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサンなど、あるいは上記の有機重合体のうちの少なくとも1つを含む組み合わせである。 また、有機重合体は、シリコン・エラストマーをベースにすることもできる。 たとえば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を使用することができる。

    適切なセラミックスの例は金属酸化物である。 適切な金属酸化物の例としては、シリカ(SiO 2 )、アルミナ(Al 23 )、チタニア(TiO 2 )、ジルコニア(ZrO 2 )、セリア(CeO 2 )など、あるいは上記の金属酸化物のうちの少なくとも1つを含む組み合わせを含む。 模範的なセラミック・チップは、シリカまたはアルミナあるいはその両方を含むものである。

    このチップは任意の所望の厚さを有することができる。 このチップに関する模範的な厚さは約0.3〜約5ミリメートルである。 上記の通り、チップ120は入口ポート160と出口ポート110とを含む。 入口ポート160は、その上にライブラリが配置されるローディング・パッド190と連絡している。 ローディング・パッド190は一般に、数平方ミリメートルのサイズであり、数十〜数百マイクロメートルの深さにすることができる。 模範的な一実施形態では、ローディング・パッド190は、約12mm 2のサイズであり、約20マイクロメートル以下の深さである。 ローディング・パッド190は、約100ナノリットル〜約10マイクロリットルの体積に対応することができる。 その場合、ライブラリの内容は入口ポート160を通って流路150内に移送される。

    出口ポート110は任意選択でリップ180に取り付けることができる。 リップ180は任意選択でポンプ(図示せず)と流体で連絡することができる。 このポンプは、入口ポート160から流路150を通って出口ポート110までの流体の移送を容易にするために使用することができる。 リップ180は一般に、マイクロ流体デバイス100内で調査されている、関心のある流体またはエレメントと反応しない材料から製造される。

    ポンプは、(たとえば、機械的に押したり引いたりされるシリンジを使用して)アクティブにするかまたは(たとえば、湿潤可能なパッシベーション層140を使用して)毛管ベースにすることができる。 模範的なシリンジは、Cetoni有限責任会社(ドイツのゲーラ)によるneMESYS(R)シリンジ・ポンプである。 アクティブ・ポンピングの場合、リップ180を使用して、チップ120およびポンプと連絡する毛管またはチューブをしっかりと取り付けることができる。 任意選択で、直径が数マイクロメートルの着色ビーズを使用して、マイクロ流体デバイス100内の流れ条件を較正しモニターすることができる。 ビーズまたはその他のフロー・トレーサ(flow tracer)をライブラリに追加して、スクリーニング中の流量を正確にモニターすることができる。

    金属層130はチップ120上に配置される。 上記の通り、金属層130は金にすることができる。 パッシベーション層を形成するためにその上に有機分子を合体または付着させることができるその他の金属も使用することができる。 たとえば、酸化皮膜を有する金属を使用することができる。 このような金属は、ニッケル、アルミニウム、およびチタンである。 共有結合またはイオンの相互作用を使用して、これらの金属の酸化物にパッシベーション層を取り付けることができる。 特に、金属層130が、ガラス、二酸化シリコン、およびその他の酸化表面に十分固着しない金などの貴金属である場合、金属層130とチップ120との間に任意選択のチタン層を配置することができる。 チタン層は、約1〜約5ナノメートルの厚さを有し、金属層130とチップ120との結合を容易にする定着剤として機能する。 金属層130は、約5〜約50ナノメートル、具体的には約8〜約40ナノメートル、より具体的には約10〜約25ナノメートルの厚さを有する。 模範的な一実施形態では、金属層130は約10〜約20ナノメートルの厚さを有する。

    上記の通り、流路150は、金属層130の上に配置され、そのベースとして金属層130を有する。 流路150は、入口ポート160および出口ポート110と流体で連絡している。 金属層130は、その上にパッシベーション層140が配置されている可能性がある。 パッシベーション層は疎水性または親水性になる可能性がある。 金属層130が金を含む場合、チップの上面は疎水性にすることができ、チップの彫刻構造(たとえば、ローディング・パッド190、入口ポート160、流路150、および出口ポート110)は上部金属表面上にヘキサデカンチオール(hexadecanethiol)をマイクロコンタクト・プリント(microcontactprint)することによって親水性にすることができ、上部金属表面はチップに接触しない金属表面である。

    ヘキサデカンチオールによるマイクロコンタクト・プリントは、その上にプリントされる表面上における液体インクの広がりを最小限にする「ドライ」プリント方法である。 ヘキサデカンチオールが上部金属表面上に存在すると、それはその後の化学薬品の付着をブロックする。 したがって、ヘキサデカンチオールによるプリント後に、チップ120は、その金属用のアンカー基(anchoring group)を有するポリ(エチレングリコール)のエタノール溶液に直接浸すかまたはそれで覆うことができる。 ポリ(エチレングリコール)は、ヘキサデカンチオールが存在しない領域内にパッシベーション層140を形成する。 金の表面を処理するために、ポリ(エチレングリコール)をチオール基で機能的なものにする。 ヘキサデカンチオールによるチップのプリントは数秒しかかからず、その後、チップ120の彫刻構造をポリ(エチレングリコール)で覆う。 この処理後、彫刻構造は、湿潤可能であり、ライブラリからのファージのタンパク質の付着に対して抵抗力のあるものになる。

    チップの上面が疎水性の層で覆われていることにより、基板170で密閉されたチップ120の領域内での漏れに対抗する。 また、これにより、ローディング・パッド内に配置された溶液がチップ120の他の領域に偶発的に広がるのを防止する。

    流路150は、ライブラリのスクリーニングにおいて重要な役割を果たし、ライブラリ・エレメントの実質的に大部分が流路150の内腔から受容体200に拡散できることを保証する幾何学的形状を有する。 流路150の幅および長さは、受容体に結合可能なライブラリからのすべてのエレメントについて十分な結合部位を有するように十分な受容体表面積を提供するものでなければならない。 流路150の長さ、幅、および深さが、希望するときに容易に変更できる場合でも、一般に、以下の設計考慮事項に固執しようと試みることが望ましい。 第一に、流路150は、基板170の崩壊を確実にするほど幅広なものであってはならない。 流路150は、短すぎたり、深すぎるものであってはならず、そうでなければ、流路150に入るライブラリ・エレメントがスクリーニング領域を出る前に流路150の大部分から受容体に拡散する可能性がなくなる場合がある。

    流路150の幾何学的形状に加えて、流れ条件、流路150内で変位した体積、ライブラリ・エレメントと受容体との結合の動力学、表面上の受容体の密度および配向温度、ライブラリ・エレメントの拡散定数、その中にライブラリ・エレメントが配置された溶液の粘性、ライブラリの濃度、および各タイプのライブラリ・エレメントのコピー数は、いずれもスクリーニングの結果に影響するように相互作用する。

    流路150は任意の断面形状を有することができる。 この断面は、長方形、正方形、半円形、円形、または多形にすることができる。 上記の幾何学的形状の組み合わせも使用することができる。 流路150の模範的な断面は長方形または正方形の断面である。 図2は、AA'で取られた図1の断面の描写であり、流路150の長方形の断面を描写している。

    入口ポート160と出口ポート110との間の流路150の幾何学的形状は、そのように希望する場合、線形または曲線状にすることができる。 一般に、流路150内の流体の流れの方向の鋭い角(たとえば、直角の角)の数を最小限にすることが望ましい。 一実施形態では、流路150に沿った流体の流れの方向に鋭い角がないことが望ましい。 流体の流れの方向に鋭い角が無いことにより、バクテリオファージなど、テストまたは検出すべきエレメントをトラップできるデッド・ボリュームが流路150内にまったくないことが保証される。 一般に、流路150の長さは、約1ミリメートル〜約150ミリメートルにすることができる。 希望する場合、この長さは150ミリメートルを超えることができる。 しかし、空間のためには、100ミリメートルより大きい長さを希望するときに、流路が入口ポート160と出口ポート110との間に曲がりくねった経路を有することが望ましい場合がある。 一実施形態では、曲がりくねった経路は蛇行形状を有することができる。 他の実施形態では、曲がりくねった経路は、図3に示されているように、互いに接続した対向するU字曲線を含むことができる。

    一実施形態では、流路150はマイクロメートルサイズの寸法を有する。 流路150の幅および深さの寸法がマイクロメートルサイズであることにより、流路150内の流体の流れが必ず層状になることが保証される。 これにより、関心のあるファージの溶出が可能になる。 流路150は、約30〜約130マイクロメートル、具体的には約40〜約120マイクロメートル、より具体的には約50〜約100マイクロメートルの幅を有する。 流路150の模範的な幅は約60マイクロメートルである。 流路150は、約10〜約50マイクロメートル、具体的には約15〜約40マイクロメートル、より具体的には約20〜約30マイクロメートルの深さを有する。 流路の模範的な深さは約20マイクロメートルである。

    次に、もう一度、図1に関連して説明すると、流路150は基板170で密閉される。 基板170は、チップ120上に配置されると、流路150用の上部壁として作用する。 受容体200は基板170上に配置される。 基板170は、セラミック(上記で列挙した通り)または有機重合体(上記で列挙した通り)などのエラストマーまたは非エラストマー材料を含むことができる。 その上に受容体が溶液から自発的に付着しない材料を使用する場合、まず、その材料を架橋剤または疎水分子で処理して、溶液からの受容体の付着を誘導することが望ましい。 一実施形態では、基板170を疎水性有機重合体で処理することが望ましい場合がある。 基板170として非エラストマー材料を使用する場合、その材料は密閉のためにチップ120に押し付けられるだけである場合もあれば、代わって、チップ120に糊付けまたは接合することもできる。

    一実施形態では、基板170は一般に、室温でテストしたときに、10 7メガパスカル(MPa)未満またはそれに等しく、具体的には約10 6 (MPa)未満またはそれに等しい圧縮弾性率(ヤング率とも呼ばれる)を有するエラストマーを含む。 基板のゴム状弾性により、基板はそれが配置されている微細構造を効率よく密閉する。 基板は一般に、入口ポート160から出口ポート110までの流路150を覆う。 基板はローディング・パッド190を覆わない。 エラストマーは親水性または疎水性になり得る。 模範的な一実施形態では、エラストマーが疎水性であることが望ましい。 したがって、親水性であるエラストマーは、1つの親水性領域と1つの疎水性領域とを有する二重ブロック(diblock)共重合体などの疎水性材料でそれをコーティングすることにより、その表面が疎水性に転化されている可能性がある。

    基板170に使用できる適切なエラストマーは、ポリジメチルシロキサンなどのポリシロキサン、天然および合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレンブタジエン共重合体、イソブチレンとイソプレンの共重合体、クロロブチルゴム、ブロモブチルゴム、ポリブタジエンとアクリロニトリルの共重合体、エピクロロヒドリンゴム、ポリアクリル系ゴム、フルオロシリコンゴム、クロロスルホン酸ポリエチレンなど、または上記のエラストマーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせである。 模範的なエラストマーはポリジメチルシロキサンである。

    基板170は一般に、約0.5〜約5ミリメートルの厚さを有する。 金属層130に対向する基板170の表面は、受容体200(ターゲットとも呼ばれる)で部分的にまたは完全に覆われている。 受容体は、ライブラリからの特定の所望のエレメントと相互作用するその能力に応じて選択される。 受容体は、酵素、ペプチド、タンパク質、無機粒子、受容体でコーティングされたビーズ、コーティングなしのビーズ、細胞、グリカン、ウイルス粒子、重合体、抗体、抗原、あるいはバクテリオファージによって表示されたタンパク質またはペプチドとの配位子−受容体タイプの相互作用を有することができるその他のタイプの分子または材料にすることができる。 受容体は、たとえば、ステンシル、インクジェット付着方法、または表面上にタンパク質をパターン形成するためのその他の方法を使用して、基板表面上にパターン形成することができる。 代わって、基板170で密閉した後に流路150内に受容体の溶液を流すことによって、基板上に受容体を付着させることができる。

    一実施形態では、マイクロ流体デバイス100を使用する1つの方法では、バクテリオファージのライブラリをローディング・パッド190上に配置する。 ここでは、特にバクテリオファージに関連してライブラリのエレメントについて説明する。 本明細書で開示されている方法はバクテリオファージのライブラリの使用について記述しているが、ウイルス、自己組織化分子などを含むその他のライブラリを使用することもできる。 第1の溶液をローディング・パッド190に加えて、入口ポート160を通って流路150内にバクテリオファージを移送する。 流路150内では、バクテリオファージが受容体に遭遇する。 受容体の選択に応じて、選択されたバクテリオファージと受容体との間で結合が行われる。 次に、リップと流体で連絡しているポンプを使用して、流路150内の第1の溶液をポンプで汲み出すことができる。 他の実施形態では、毛管現象を使用して、流路内の第1の溶液を流路から強制的に出すことができる。 さらに他の実施形態では、ある量の洗浄液を流路内に導入して、前に導入した第1の溶液を流路から変位させることができる。

    洗浄によって流路から第1の溶液を除去した後、ローディング・パッドおよび入口ポートを介して流路に溶出液を加えてバクテリオファージを溶出し、そのバクテリオファージを基板170上に配置された受容体に結合させる。 溶出ステップの目標は、たとえば、DNA塩基配列決定に基づく従来の方法を使用して分析のためにそれを取り出すために受容体からファージを分離することである。 代わって、溶出ステップの前にファージ−受容体の結合相互作用の何らかの特性を分析することができる。 このような相互作用は、放射能、蛍光、化学発光、燐光、酵素力、マイクロ熱量測定、質量分析などを使用して調査することができる。 典型的に、細菌性の宿主を使用して溶出したファージを繁殖させて、その数を拡大し、処理および分析するのにより便利なものにする。

    一実施形態では、マイクロ流体デバイスを製造する1つの方法では、従来のフォトリソグラフィおよび深い反応性イオン・エッチングによってウェハ内に流路150、入口ポート160、ローディング・パッド190、および出口ポート110を作成する。 2つ以上の光露光およびエッチング・ステップを使用すると、上記で列挙した構造を異なる深さで作成することが可能である。 たとえば、ローディング・パッドが数マイクロリットルの溶液に対応できるように、ローディング・パッドを流路より深いものにすることができる。 出口ポート110は、典型的に、リップ180とチップ120との結合を可能にするためにウェハを貫通してエッチングされる。 流路および受容体とは反対側のチップの面上にリップを設けることにより、流路とポンプとの連絡が単純化され、チップ120上の基板170の位置および密閉が妨害されない。 流路またはその他の構造を形成するために、化学エッチングなどのその他のエッチング方法を使用することもできる。 出口ポートは、たとえば、ドリルまたはレーザ・アブレーションで形成することができる。 任意選択のチタン層および金属層130は、スパッタリングによってウェハ上に配置することができる。 次に、チップ120の上面上にヘキサデカンチオールをマイクロコンタクト・プリントし、その後、チップの上にチオール化ポリ(エチレングリコール)のエタノール溶液を流し、その後でチップをエタノールですすぎ、送風乾燥することにより、金属層130上にパッシベーション層140を配置することができる。

    基板170は一般に、エラストマーのシートを所望のサイズに切断し、それをチップ120上に配置することによって製造される。 受容体200は、基板170の表面を受容体200の溶液に曝し、受容体200を基板170の表面に非可逆的に吸収させることによって基板170上に配置される。 基板170上の受容体200の配置は、一般に、流路150上の基板170の配置以前に行われる。 一実施形態では、受容体200が結合される基板170の表面は、まず、基板の表面に対する受容体の非可逆結合を強化するためにカップリング剤で処理することができる。 適切なカップリング剤はシラン・カップリング剤である。 次に、標準的な熱硬化性接着剤を使用してシールおよびリップ180をウェハに添付して、マイクロ流体デバイスを形成することができる。

    このデバイスは、多数のエレメントを含むライブラリを迅速にテストし分析できるようにするという点で有利である。 ほとんどのアプリケーションは生物分子の使用を伴うが、特定の結合相手が使用可能である場合またはその分子自体が上記のように受容体に付着可能である場合、事実上どの分子も検出することができる。

    以下の無制限的実施例によって、本発明についてさらに説明する。

    実施例実施例1
    この実施例は、ストレプトアビジンに対するライブラリのスクリーニングを実証するために行ったものである。 このマイクロ流体デバイスは、チップ用のシリコン・ウェハと、ポリジメチルシロキサン(PDMS)基板とを備えていた。 流路は、20マイクロメートルの深さと、60マイクロメートルの幅を有していた。 受容体はストレプトアビジンを含んでいた。

    PDMS基板上に固定化したストレプトアビジンに対して、ドデカペプチドをコード化するファージ・ディスプレイ・ライブラリ(New England Biolabs #E 8110SによるM13バクテリオファージ・ライブラリ)をスクリーニングした。 このスクリーニングに使用するマイクロ流体チップは図1および図3に示されており、どちらについても前に上述されている。 リン酸緩衝食塩水(PBS)中にストレプトアビジンを含む0.1マイクログラム/ミリリットル(μg−mL -1 )の溶液で一晩中、PDMS表面をコーティングすることにより、PDMS基板上にストレプトアビジン(ライブラリで提供)を付着させた。 PBS、脱イオン水ですすぎ、N 2の流れで乾燥させた後、ストレプトアビジンで最初に覆われていないPDMSの表面をブロックするために0.5%(重量)のウシ血清アルブミン(BSA)の溶液およびPBS中にストレプトアビジンを含む0.1μg−mL -1の溶液でPDMSを覆った。 このブロック・ステップは、ファージとベアPDMSとの不特定相互作用を防止するのに役に立つ。 PBS、脱イオン水ですすぎ、乾燥させた後、ローディング・パッドを覆わずに流路を有するシリコン・ウェハ上にPDMS基板を配置した。

    約4時間の間、トリス緩衝生理食塩水(TBS)に対してライブラリを透析した。 このステップ中にライブラリの体積は約10マイクロリットル(μL)から約50マイクロリットルに増加した。 約10μLの小部分を使用してこのライブラリをローディング・パッド上にピペットで移し、30マイクロリットル/時間(μL h -1 )の流量で流路を通過させた。 流路を通過させた後で収集したライブラリの小部分は「廃棄物(waste)」と呼ばれる。 廃棄物は、溶液中に存在するファージをカウントする今後の滴定のために保管した。 次に、0.1%のツイーン20(スイスのFlukaから入手可能な界面活性剤)を含有するTBSで流路をすすいだ。 PBS中に1〜3%のBSAの溶液または0.1%のツイーン20を含むTBSをPDMSの周りに配置し、PDMSをチップから分離し、0.1%のツイーン20を含むTBSですすいだ。 PBS中にビオチンを含む0.1mMの溶液を使用して、室温で1時間の間、結合したファージを表面から溶出した。 ライブラリの供給業者が推奨するプロトコルを使用して、溶出したファージの数を滴定し、宿主としての大腸菌と増殖培地としてのアガロース・プレートを使用して、溶出液を増幅した。

    増殖培養の希釈シリーズを実行し、それを使用してアガロース・プレートにすじを付けた。 プラーク形成単位(pfu)をカウントして、溶出液中のファージの濃度を査定した。 この方法を使用して、廃棄物中のファージの濃度も査定した。

    図4は、1回だけのスクリーニングにおけるライブラリの削減がどの程度効率がよいかを示す棒グラフである。 従来の微量検定板を使用するときは一般に2〜3回のスクリーニングを使用するが、ここでは、1回だけでライブラリの大幅な削減が達成された。 10μLあたりのファージの数は〜10 11ファージ(ライブラリ)から〜10 3ファージ(溶出液)まで減少した。 このライブラリ・サイズの大幅な削減は「マイクロ流体条件」下でのライブラリのスクリーニングから発生する。 マイクロ流体デバイスでは、デッド・ボリュームがまったく存在しない場合、層流はほとんど発生しない。 その結果、溶液の流れは体積および流量が精密であり、すすぎは非常に効率がよいものになる。 反応の力学は劇的にスケールの影響を受け、流路の寸法および流れ条件を制御することにより、選択しやすいように拡散および結合の動力学などの反応パラメータをシフトすることができる。 さらに、マイクロ流体チャネルは閉鎖系であり、外部汚染を排除するために使用することができる。 微量検定板およびラテックス・ビーズの表面化学の制御は、その表面の不完全さのために経験に基づくものである。 マイクロ流体デバイスにおいて明確な表面を使用することにより、表面パッシベーション、関心のあるターゲットへの結合、およびターゲットの可用性に対してより大規模な制御が可能になる。 ライブラリの結合エレメント間の競合を誘導するために、表面上のターゲットの全面積を削減することもできる。 弱い結合剤に取って代わるより強力な結合剤を有することにより、選択を増加することができる。 これは、PDMSの表面上にターゲットをパターン形成し、小さい流量を使用することにより、本発明で実行することができる。

    実施例2
    この実施例は、赤血球凝集素エピトープに関するライブラリをスクリーニングするために行ったものである。 抗原(Ab)ターゲットに対して、ドデカペプチドをコード化するファージ・ディスプレイ・ライブラリ(New England Biolabs #E 8110SによるM13バクテリオファージ・ライブラリ)をスクリーニングした。 このAbは、赤血球凝集素インフルエンザウイルスによる合成ペプチド(9アミノ酸配列YPYDVPYA)に対して向けられ、モノクローナル・マウスAb(米国マサチューセッツ州のUSBiologicalによる#H1200−3、IgG、クローン3H428B)である。 ライブラリの緩衝剤は、50%のグリセロールを含むTBS(トリス緩衝生理食塩水、すなわち、50mMのトリスHCl、pH7.5、150mMのNaCl)であった。 このライブラリの複雑さは2.7×10 9の形質転換体であった。 10μLのライブラリは各配列について約55個のコピーを含む。

    このライブラリをスクリーニングするために使用したマイクロ流体デバイスは、実施例1で説明したものと同様の設計を備えていたが、図5に示されているように、ライブラリをロードするためのローディング・パッドはビアで置き換えられていた。 ナノポート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)チューブ(直径2.286ミリメートル(0.09インチ)、長さ約10センチメートル)にビアを接続した。 このチューブをエッペンドルフ・チューブ(1.5mL以下)内に浸した。 ここでは、希望する場合に、大量の溶液および長いステップを都合良く使用することができる。 マイクロ流体デバイスの流路を基板で密閉した後、抗体は、約1〜約5μL min -1の流量で流路(深さ50μm、幅100μm、長さ15mmの流路)を通過させた。 20〜125μg mL -1の濃度で抗体をPBS中に希釈した。 15分後、約5〜約10μL min -1の流量で15分間、マイクロ流体チャネルをPBSですすいだ。 比較的高い流量ですすぐことは、基板に対して弱く結合されている抗体を除去するのに役に立つ可能性がある。 後続ステップでファージが不特定に付着するのを防止するために、抗体で覆われていない領域をBSAでブロックした。 これは、約1〜約5μL min -1の流量で60分間、PBS中にBSAを含む溶液(PBS中に1〜3%のBSAという濃度)を流すことによって行った。 最後に、約5〜約10μL min -1の流量で1時間の間、流路をTBSですすいだ。 ライブラリに使用した緩衝剤であるので、このすすぎステップのためにTBSを選択した。 PBSなどのその他の緩衝剤も使用することができる。

    グリセロールを除去するかまたはその初期濃度を下げるために、ライブラリを透析した(米国イリノイ州のPierceによるSlide−A−Lyzer、分子量遮断、3500ダルトン)。 一般に、10μLのライブラリをスクリーニングした場合、そのライブラリの体積の1.5倍を透析することになるであろう。 たとえば、1リットルのTBSにおいて室温で一晩中、15μLのライブラリを透析した。 より短い時間を使用することもできる。 この透析ステップはグリセロールを除去し、したがって、ライブラリ・サンプルの粘性を低下させ、それにより、溶液中のファージの拡散を改善する。 典型的に、0.1%のツイーン20を有する100μLのTBSに、透析したライブラリのうちの10μL(約4×10 10のファージに対応する)を追加した。

    次に、流れ停止条件(ここでは、2μL min -1の流量で21分、続いて流れなしで1分)下でライブラリを通過させ、流路を通って放出したライブラリの体積をチャネルの体積によって決定し、M13バクテリオファージに関する拡散定数に基づいてターゲット領域(すなわち、チャネル深さ)への拡散の最大長によって培養時間を決定した。 流れ停止条件に関する最後の制約は、チャネルの入口にあるチャネルの底部のファージには、それがチャネルを出る前にチャネルの最上部まで拡散するのに十分な時間がなければならないことであった。 ここで使用した流路は50μmの深さとわずか15mmの長さを有していたので、遅い流量を適用した。 加えて、流れ停止条件の正確さを改善するために、蛍光ビーズを使用して、ポンプ・システム内のヒステリシスの量(ポンプが停止してから、液体内のエレメントの流れが停止するまでの時間)を経験的に決定した。

    ライブラリは、20時間かけて(約5μL/時間)流路を通過させたが、その時間は流路をより幅広いかまたはより長いものにすることによって短縮することができる。 次に、流路を通って0.1%のツイーン20を含むTBSを放出し、続いて約10〜約15μL min -1の流量で約4〜約6時間の間、TBSを放出することによりすすぎを行った。 約5μL min -1の流量でYPYDVPYA制御ペプチド(600μLのPBS中に50μg)を流すことにより、流路内に保持されているファージを溶出した。 より遅い流量およびより速い流量も使用することができる。 30分の溶出増分でファージを収集し、大腸菌で増幅し、分析のために配列を決定した。 得られた配列は図6で報告されている。 注目すべきことには、1回だけで、最初の溶出部分標本は、ライブラリの統計レベル(ライブラリの商用パンフレットに記載されている方法を使用して計算)を十分上回る既知のエピトープHAとの類似性を有する配列を有するファージを含有していた。 これは、このマイクロ流体ベースのスクリーニング方法で選択が行われたことを実証するものである。

    上記の実施例はバクテリオファージ・ライブラリに基づくものであるが、他のタイプのライブラリを使用することもできる。 他のタイプのウイルスを使用するか、小胞などの自己組織化構造を使用するか、あるいはビーズまたはナノ粒子を使用するライブラリは、いずれもライブラリを形成するためにエレメントでコーティングすることができ、本明細書に開示されている方法を使用してスクリーニングすることもできる。 細胞に基づくライブラリも使用することができる。 本明細書に開示されている方法およびシステムを使用して、化学薬品、重合体、無機化合物、グリカン、天然活性化合物、ペプチド、およびオリゴヌクレオチドのライブラリをスクリーニングすることもできる。

    模範的な諸実施形態に関連して本発明について説明してきたが、当業者であれば、本発明の範囲を逸脱せずに、様々な変更を行うことができ、その諸要素の代わりに同等物を使用できることを理解するであろう。 加えて、その本質的な範囲を逸脱せずに、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために、多くの修正を行うことができる。 したがって、本発明は、本発明を実施するために企図されている最良の態様として開示されている特定の実施形態に限定されない予定である。

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