A method and apparatus for reading the reporter label bead

申请号 JP2002534547 申请日 2001-10-12 公开(公告)号 JP3996056B2 公开(公告)日 2007-10-24
申请人 アムニス コーポレイション; 发明人 オルティン ウィリアム; フロスト キース; バシジ デイビッド; ペリー デイビッド; バウアー リチャード; フィンチ ロサリンド;
摘要
权利要求
  • 複数の異なる成分からの1つまたは複数の成分が付与されているとともに、複数の異なるレポーターの中から1つまたは複数のレポーターが関連付けられ、前記各レポーターは、前記複数の異なる成分のうちの異なる1つの成分を一意に同定 する、複数のエンコードビードを迅速にイメージしてデコードするための方法であって、 該方法が、前記複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードと関連するスペクトル比が同一であっても、他の1つから判別される複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードを与え、
    (a)エンコードビードからの光を集光経路に沿ってフォーカスするステップと、
    (b)前記光の複数の異なる判別可能な特性に応じて、前記集光経路に沿って進む光を複数の光ビームに分散するステップであって、当該複数の異なる判別可能な特性が、前記複数の異なるレポーターを示すステップと、
    (c)前記複数の光ビームの各々をフォーカスして、当該光ビームに対応するそれぞれのイメージを生成するステップと、
    (d) 該ステップ(c)により生成されたそれぞれのイメージに応答して複数のレポーター信号を発生するステップであって 、発生された前記各々のレポーター信号が、前記複数のレポーターの異なる1つが前記エンコードビード上に存在するかどうかを示し、 異なる複数のビードに対するスペクトル比が同一であっても、前記複数のレポーター信号が一意に同定する複数のレポーターの異なる結合を与えるステップと、
    (e)前記複数のレポーター信号を解析して、配列をデコードし、かつ、前記エンコードビードに付与された前記複数の成分の任意の1つまたは複数を同定するステップと、
    (f)前記複数のエンコードビードからの連続するエンコードビードに関して前記ステップ(a)〜(e)を繰り返すステップと、
    を備えていることを特徴とする方法。
  • 前記分散するステップは、前記複数の光ビームのそれぞれの波長に応じて、前記光を複数の光ビームに分割するステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記複数の信号を解析するステップは、デコードされる各々のエンコードビードに基づいて前記複数の成分の配列ライブラリを構成するステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記エンコードビードが移動している状態で、前記複数のエンコードビードを光によって照明するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記複数の信号を解析するステップは、
    (a)各々それぞれのイメージに関する前記信号に基づいて、ビードに関連付けられたレポーターの配置を求めるステップと、
    (b)前記ビード上のレポーターの配置に基づいて、当該ビードに関連付けられている各レポーターのシグニチャを求めるステップと、
    (c)前記ビードに関連付けられている各レポーターに応じて、前記1つまたは複数の成分と前記成分の配列とを同定するステップと を備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記シグニチャを求めるステップは、前記複数のそれぞれのイメージにおける任意の配置を求めるステップを含み、その配置に応答して生成される複数のレポーター信号は、1つのそれぞれのイメージでの判別可能な特性が別のそれぞれのイメージでの判別可能な特性と同じ場所に位置付けられていることを示すことを特徴とする請求項5に記載の方法。
  • 前記エンコードビードに付与された前記1つまたは複数の成分に関して冗長レポーターを提供するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記ビードに関する前記複数の信号が、所定数未満のレポーターが前記エンコードビードに関連付けられていることを示す場合に、前記エンコードビードに関して前記複数の信号を無視するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記解析するステップは、前記複数の成分の配列における特定の成分と特定の配置とに一意のレポーターの各々を関係させるエンコードビードレジェンドを参照するステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記複数の信号の1つが、エンコードビードが結合イベントを受けていないことを示す場合に、当該複数の信号を無視するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記分散するステップが前記複数の光ビームを重畳する場合に、前記解析するステップは、前記複数の信号を重畳解除するステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 前記分散するステップは、前記エンコードビードによって生成された結合信号に対応する1つのそれぞれのイメージを提供するステップを備えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • エンコードビードに付与されている成分の配列を同定するために、流体のフロー中に混入されている複数のエンコードビードをイメージするための方法であって、対応する 複数のレポーターは成分の前記配列に関連付けられており、 前記方法が、前記レポーターの異なる結合を有する複数のビードと関連するスペクトル比が同一であっても、他の1つから判別される複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードを与え、
    (a)前記流体のフロー中に含まれるエンコードビードをイメージするためのイメージングシステムを提供するステップであって、前記イメージングシステムが、当該イメージングシステムを通過する前記流体のフロー中のエンコードビードを照明するための少なくとも1つの光源を含むステップと、
    (b)前記流体のフローと位置合わせされていない方向で、前記エンコードビードからの光を集光経路に沿ってフォーカスするステップと、
    (c)前記光の複数の異なる判別可能な特性に応じて、前記集光経路に沿って進む光を複数の光ビームに分散するステップであって、前記複数の異なる判別可能な特性が、前記エンコードビードに付与することができる前記レポーターを示すステップと、
    (d)前記光ビームをそれぞれフォーカスして、当該光ビームに対応するそれぞれのイメージを生成するステップと、
    (e) 該ステップ(d)により生成されたそれぞれのイメージを検出するステップであって、前記エンコードビード上に存在する特定のレポーターを示すとともに、前記エンコードビード上にある前記特定のレポーターの位置を示す信号を発生し、 異なる複数のビードに対するスペクトル比が同一であっても、前記複数のレポーター信号が一意に同定する複数のレポーターの異なる結合を与えるステップと、
    (f)前記ビードに付与されている成分の前記配列を求めるために信号を解析するステップと、
    (g)前記流体のフロー中の連続するエンコードビードに関して前記ステップ(a)〜(f)を繰り返すステップと、
    を備えていることを特徴とする方法。
  • 前記信号を解析するステップは、
    (a)前記ビード上の前記レポーターの位置に基づいて、前記エンコードビームに関連付けられた各レポーターのシグニチャを求めるステップと、
    (b)前記エンコードビードに関連付けられた各レポーターに応じて成分の前記配列を同定するステップと を備えていることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記解析するステップは、同一のレポーターからの信号がすでに解析されている場合にレポーターに関する信号を無視するステップと、所定数未満のレポーターがエンコードビードに関連付けられていることを前記信号が示す場合に、当該エンコードビードに関する全ての信号を無視するステップとを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記解析するステップは、成分の前記配列中の特定の成分と当該特定の成分の特定の配置とに、一意のレポーターそれぞれを関係させるエンコードビードレジェンドを参照するステップを備えていることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記解析するステップは、エンコードビードが前記ビードレジェンドに対応していないと判定された場合に、当該エンコードビードに関する全ての信号を無視するステップを備えていることを特徴とする請求項16に記載の方法。
  • 前記分散するステップが前記複数の光ビードを重畳する場合に、前記解析するステップは、前記信号を重畳解除するステップを備えていることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記分散するステップは、前記エンコードビード自体によって生成される結合信号に対応する1つのそれぞれのイメージを提供するステップを備えていることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 前記1つのそれぞれのイメージが、エンコードビードが結合イベントを受けていないことを示す場合に、エンコードビードに関する全ての信号を無視するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項19に記載の方法。
  • エンコードビード上に含まれる一意のレポーターそれぞれを同定するために、当該エンコードビードの実質的に異なる部分に配置された複数のレポーターを同時にイメージする方法であって、 該方法が、前記複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードと関連するスペクトル比が同一であっても、他の1つから判別される複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードを与え、
    (a)実質的に離隔された複数の集光経路に沿って前記エンコードビードから光を受け取り、それにより前記エンコードビードの様々な部分に配置された前記レポーターからの光が、エンコードビードから受け取られる前記光に影響を及ぼすステップと、
    (b)前記エンコードビード上に含まれる一意のレポーターそれぞれを同定するために、前記複数の集光経路に沿って前記エンコードビードから受け取られた光を処理するステップであって、 異なる複数のビードに対するスペクトル比が同一であっても、前記複数のレポーター信号が一意に同定する複数のレポーターの異なる結合を与えるステップと、
    を備えていることを特徴とする方法。
  • 前記エンコードビード上に一意のレポーターそれぞれの冗長コピーを提供するステップをさらに備えていることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  • ビードをエンコードするのに必要な一意のレポーターの数を低減するステップと、9merと16merの間の長さによって特徴付けられるビードをエンコードするためにライブラリを選択するステップとをさらに備えていることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  • 複数の異なる成分からの1つまたは複数の成分が付与されるとともに、複数の異なるレポーターの中からの1つまたは複数のレポーターが関連付けられ 、前記各レポーターは、前記複数の異なる成分の異なる1つを一意に同定する、複数のエンコードビードをイメージしてデコードするためのイメージングシステムであって 、該システムが、前記複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードと関連するスペクトル比が同一であっても、他の1つから判別される複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードを与え、
    (a)各エンコードビードから進む光が集光レンズを通過し、集光経路に沿ってフォーカスされるように配設された集光レンズと、
    (b)前記集光レンズから光を受け取り、当該光の複数の異なる判別可能な特性に応じて、当該光を複数の光ビームに分散する分散構成要素であって、前記複数の異なる判別可能な特性が、前記複数の異なるレポーターを示す分散構成要素と、
    (c)少なくとも1つの画素化検出器と、
    (d)前記複数の光ビームそれぞれに対応するそれぞれのイメージを生成する、前記少なくとも1つの画素化検出器上に前記複数の光ビームそれぞれをフォーカスするイメージングレンズであって、前記少なくとも1つの画素化検出器が、各々それぞれのイメージに関する出力信号を提供し、各出力信号が、前記複数のレポーターの異なる1つが前記エンコードビード上に存在するかどうかを示し、 異なる複数のビードに対するスペクトル比が同一であっても、前記複数のレポーター信号が一意に同定する複数のレポーターの異なる結合を与えるようなイメージングレンズと、
    (e)前記少なくとも1つの画素化検出器から出力信号を受け取るように結合された信号プロセッサであって、前記出力信号を処理して前記複数の成分の配列をデコードする信号プロセッサと を備えていることを特徴とするイメージングシステム。
  • 前記信号プロセッサは、複数のエンコードビードを表す複数のデコード配列から配列コンティグを発生するように適合されていることを特徴とする請求項24に記載のイメージングシステム。
  • 前記配列コンティグは、ゲノムDNA配列、多型アレル、および発現遺伝子の少なくとも1つを同定することを特徴とする請求項25に記載のイメージングシステム。
  • 前記信号プロセッサは、
    (a)前記エンコードビード上での前記レポーターの配置を求めるため、
    (b)前記ビード上のレポーターの前記配置に基づいて、前記エンコードビードに関連付けられている各レポーターのシグニチャを求めるため、および (c)前記エンコードビードに関連付けられている各レポーターに応じて、成分の前記配列を同定するために 前記出力信号を解析するように適合されていることを特徴とする請求項24に記載のイメージングシステム。
  • 前記信号プロセッサは、同一のレポーターからの信号がすでに解析されている場合にレポーターに関係する全ての出力信号を無視し、かつ、所定数未満のレポーターがエンコードビードに関連付けられていることを前記信号が示す場合に、当該エンコードビードに関する全ての出力信号を無視するように適合されていることを特徴とする請求項24に記載のイメージングシステム。
  • 前記信号プロセッサは、成分の前記配列における特定の成分と特定の配置とに、一意のレポーターそれぞれを関係させるエンコードビードレジェンドを採用するように適合され、前記複数の成分の配列をデコードすることを特徴とする請求項24に記載のイメージングシステム。
  • 前記信号プロセッサは、エンコードビードが前記エンコードビードレジェンドに対応していないと判定された場合に前記エンコードビードに関する全ての出力信号を無視するように適合されていることを特徴とする請求項29に記載のイメージングシステム。
  • 前記信号プロセッサは、前記分散構成要素が前記複数の光ビームを重畳する場合に前記出力信号を重畳解除するように適合されていることを特徴とする請求項24に記載のイメージングシステム。
  • 前記分散構成要素は、前記エンコードビードによって生成される結合信号に対応する1つのそれぞれのイメージを提供することを特徴とする請求項24に記載のイメージングシステム。
  • 前記信号プロセッサは、エンコードビードが結合イベントを受けていないことを前記1つのそれぞれのイメージが示す場合にエンコードビードに関する全ての出力信号を無視するように適合されていることを特徴とする請求項32に記載のイメージングシステム。
  • 前記分散構成要素は、ダイクロイックフィルタおよびプリズムの1つを備えていることを特徴とする請求項24に記載のイメージングシステム。
  • 前記少なくとも1つの画素化検出器は、時間遅延積分(TDI)検出器を備えていることを特徴とする請求項24に記載のイメージングシステム。
  • 前記イメージングレンズは、前記少なくとも1つの画素化検出器の異なる領域上に前記複数の光ビームの各光ビームをフォーカスすることを特徴とする請求項24に記載のイメージングシステム。
  • 流体中に混入されている複数のエンコードビードを順次にイメージしてデコードするためのフローイメージングシステムであって、前記エンコードビードが、複数の異なる成分の中からの1つまたは複数の成分と、複数の異なるレポーターの中からの1つまたは複数のレポーターとを含み、各レポーターが、複数の異なる成分の異なる1つを一意に同定し、 前記システムが、前記複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードと関連するスペクトル比が同一であっても、他の1つから判別される複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードを与え、
    (a)前記フローイメージングシステムを通過する流体のフロー中のエンコードビードを照明するための少なくとも1つの光源と、
    (b)エンコードビードから進む光が集光レンズを通過し、集光経路に沿って進むように配設された集光レンズと、
    (c)前記集光レンズから光を受け取り、当該光の複数の異なる判別可能な特性に応じて、複数の光ビームに光を分散する分散構成要素であって、前記複数の異なる判別可能な特性が、前記複数の異なるレポーターを示す分散構成要素と、
    (d)少なくとも1つの画素化検出器と、
    (e)前記複数の光ビームそれぞれに対応するそれぞれのイメージを生成する、前記少なくとも1つの画素化検出器上に前記複数の光ビームそれぞれをフォーカスするイメージングレンズであって、前記少なくとも1つの画素化検出器が、各々それぞれのイメージに関する出力信号を提供し、各出力信号が、前記複数のレポーターの異なる1つがエンコードビード上に存在するかどうかを示し、 異なる複数のビードに対するスペクトル比が同一であっても、前記複数のレポーター信号が一意に同定する複数のレポーターの異なる結合を与えるようなイメージングレンズと、
    (f)前記少なくとも1つの画素化検出器から前記出力信号を受け取るように結合された信号プロセッサであって、当該出力信号を処理して、前記複数の成分の配列をデコードする信号プロセッサと を備えていることを特徴とするフローイメージングシステム。
  • 前記少なくとも1つの画素化検出器が時間遅延および積分(TDI)検出器を備えていることを特徴とする請求項37に記載のフローイメージングシステム。
  • 前記信号プロセッサは、
    (a)前記ビード上のレポーターの配置に基づいて、前記エンコードビードに関連付けられている各レポーターのシグニチャを求めるため、および (b)前記エンコードビードに関連付けられている各レポーターに応じて成分の前記配列を同定するために 前記出力信号を解析するように適合されていることを特徴とする請求項37に記載のフローイメージングシステム。
  • 前記信号プロセッサは、同一のレポーターからの信号がすでに解析されている場合にレポーターに関係する全ての出力信号を無視し、かつ、所定数未満のレポーターがエンコードビードに関連付けられることを信号が示す場合に当該エンコードビードに関する全ての出力信号を無視するように適合されていることを特徴とする請求項37に記載のフローイメージングシステム。
  • 前記信号プロセッサは、前記分散構成要素が複数の光ビームを重畳する場合に前記出力信号を重畳解除するように適合されていることを特徴とする請求項37に記載のフローイメージングシステム。
  • 前記分散構成要素は、前記エンコードビード自体によって生成される結合信号に対応する1つのそれぞれのイメージを提供することを特徴とする請求項37に記載のフローイメージングシステム。
  • 前記信号プロセッサは、エンコードビードが結合イベントを受けていないことを前記1つのそれぞれのイメージが示す場合にエンコードビードに関する全ての出力信号を無視するように適合されていることを特徴とする請求項 42に記載のフローイメージングシステム。
  • 流体中に混入されている複数のエンコードビードを順次にイメージしてデコードするためのフローイメージングシステムであって、前記エンコードビードが、複数の異なる成分の中からの1つまたは複数の成分と、複数の異なるレポーターの中からの1つまたは複数のレポーターとを含み、各レポーターが、前記複数の異なる成分の異なる1つを一意に同定し、 前記システムが、前記複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードと関連するスペクトル比が同一であっても、他の1つから判別される複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードを与え、
    (a)エンコードビードから進む光が集光レンズを通過し、集光経路に沿って進むように配設されている集光レンズと、
    (b)前記集光経路内に配設された複数の光反射要素であって、各光反射要素が、異なる事前定義された特性の光を反射し、かつ、事前定義された特性を有さない光を通し、エンコードビード上の前記レポーターが、前記集光経路に沿って進む光の特性を求め、各光反射要素が、前記集光経路に関して異なる位置に位置決めされて、他の光反射要素の方向とは異なる方向に、特定の事前定義された特性の光を反射し、各光反射要素が、前記集光経路の軸に沿って位置決めされ、それにより先の光反射要素によって反射されなかった通過光が最後の光反射要素に到達する複数の光反射要素と、
    (c)各光反射要素によって反射された光を受け取るように配設された少なくとも1つの画素化検出器であって、複数の画素化領域を備え、各画素化領域が、前記エンコードビードの少なくとも1つの特性を示し、これにより前記レポーターを示す出力信号を生成し、 異なる複数のビードに対するスペクトル比が同一であっても、前記複数のレポーター信号が一意に同定する複数のレポーターの異なる結合を与えるような少なくとも1つの画素化検出器と、
    (d)前記複数の領域から前記出力信号を受け取るように結合された信号プロセッサであって、前記複数のレポーターに応じて、前記複数の成分の配列をデコードするために前記出力信号を処理する信号プロセッサと、
    を備えていることを特徴とするフローイメージングシステム。
  • 前記複数の光反射要素は、ダイクロイックフィルタを備えていることを特徴とする請求項44に記載のフローイメージングシステム。
  • 流体中に混入されている複数のエンコードビードを順次にイメージしてデコードするためのフローイメージングシステムであって、前記エンコードビードが、複数の異なる成分の中からの1つまたは複数の成分と、複数の異なるレポーターの中からの1つまたは複数のレポーターとを備え、各レポーターが、前記複数の異なる成分の異なる1つを一意に同定し、 前記システムが、前記複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードと関連するスペクトル比が同一であっても、他の1つから判別される複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードを与え、
    (a)エンコードビード物体から進む光が集光レンズを通過して、集光経路に沿って進むように配設された集光レンズと、
    (b)前記集光レンズから光を受け取り、当該光の複数の異なる判別可能な特性に応じて、当該光を複数の光ビームに分散する分散構成要素であって、前記複数の異なる判別可能な特性が、前記複数の異なるレポーターを示す分散構成要素と、
    (c)少なくとも1つの検出器上に配設された複数の感光領域と、
    (d)前記複数の光ビームそれぞれに対応するそれぞれのイメージを生成する、前記複数の感光領域上に前記複数の光ビームのそれぞれをフォーカスするイメージングレンズであって、前記複数の感光領域が、各々それぞれのイメージに関する出力信号を提供し、各出力信号が、前記複数のレポーターの異なる1つが前記エンコードビード上に存在するかどうかを示し、 異なる複数のビードに対するスペクトル比が同一であっても、前記複数のレポーター信号が一意に同定する複数のレポーターの異なる結合を与えるようなイメージングレンズと、
    (e)前記出力信号を処理して、前記複数の成分の配列をデコードするための手段と を備えていることを特徴とするフローイメージングシステム。
  • 前記手段は、前記複数の領域から前記出力信号を受け取るように結合された信号プロセッサを備えていることを特徴とする請求項46に記載のフローイメージングシステム。
  • 前記手段は、
    (a)前記エンコードビード上でのレポーターの配置を求めること、
    (b)前記ビード上のレポーターの配置に基づいて、前記エンコードビードに関連付けられている各レポーターのシグニチャを求めること、および (c)前記エンコードビードに関連付けられている各レポーターに応じて成分の前記配列を同定すること によって前記複数の成分の配列をデコードすることを特徴とする請求項46に記載のフローイメージングシステム。
  • 前記手段は、同一のレポーターからの信号が前記エンコードビードに関してすでに解析されている場合にレポーターに関係する全ての出力信号を無視し、かつ、所定数未満のレポーターがエンコードビードに関連付けられていることを前記信号が示す場合に前記エンコードビードに関する全ての出力信号を無視することを特徴とする請求項46に記載のフローイメージングシステム。
  • 前記手段は、前記分散構成要素が前記複数の光ビームを重畳する場合に前記出力信号を重畳することを特徴とする請求項46に記載のフローイメージングシステム。
  • 複数のエンコードビードをイメージしてデコードするための方法であって、 該方法が、複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードと関連するスペクトル比が同一であっても、他の1つから判別される複数のレポーターの異なる結合を有する複数のビードを与え、
    (a)エンコードビードからの光を集光経路に沿って集光するステップと、
    (b)光の複数の異なる判別可能な特性に応じて、前記集光経路に沿って進む光を複数の光ビームに分散するステップと、
    (c)前記複数の光ビームのそれぞれをフォーカスして、当該光ビームに対応するそれぞれのイメージを生成し、それにより複数のイメージを発生し、各イメージが前記エンコードビードの同一性を示すステップと、
    (d)複数のイメージを検出するステップと、
    (e)前記エンコードビードの前記同一性を求めるために前記イメージを解析するステップであって、 異なる複数のビードに対するスペクトル比が同一であっても、前記複数のレポーター信号が一意に同定する複数のレポーターの異なる結合を与えるステップと、
    (f)前記複数のエンコードビードからの連続的なエンコードビードに関して前記ステップ(a)〜(e)を繰り返すステップと、
    を備えていることを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    (発明の分野)
    本発明は、一般に、エンコードレポーターラベルビード(encoded reporter labeled bead)をイメージするために採用される方法および装置に関し、より詳細には、静止状態で、または流体のフロー中に混入されているときにエンコードレポーターラベルビードをイメージすることができ、それによりそのようにして得られたイメージングデータを採用して、ビードに結合されたレポーターの同一性を判断することによって各エンコードビードをデコードすることができる方法および装置に関する。
    【0002】
    (発明の背景)
    単一ヌクレオチド多型(SNP)は、単一塩基置換が生じるゲノム中の位置である。 SNPは、約1:1000の頻度でヒトゲノム中に生じると推定されており、これは30億のヌクレオチドヒトゲノム中に300万個のSNPが存在することを意味する。 最も知られている遺伝子配列は、長さが1000塩基対程度であるので、各遺伝子が1つのSNPを含むことが予想される。 100000個のヒト遺伝子が存在すること、すなわち100000個のSNPが存在することが推定されており、結果として得られる蛋白質の機能および/または発現に直接影響を及ぼす可能性がある。
    【0003】
    ゲノム中のSNPの相対発生量は、遺伝子機能の解析のためのツールとして単一塩基置換の発生の位置および頻度を定量する努を促している。 SNPの検出方法には、オリゴヌクレオチド連結反応アッセイ(OLA)、単鎖コンフォメーション多型解析、アレル特異オリゴヌクレオチド(ASO)ハイブリダイゼーション、および単一塩基鎖伸展(SBCE:single base chain extension)アッセイが含まれる。
    【0004】
    SNPは豊富であるが、個々のSNPは情報がリッチではない。 ほとんどのSNPが、ゲノムの非コーディングまたは非調整領域内にあり、遺伝子発現に全く影響を及ぼさない可能性がある。 コーディング領域内に発生するSNPのうち、多くのものが、結果として得られる蛋白質の重要でない領域内に生じる可能性が高く、あるいは良性の(または存在しない)アミノ酸置換をもたらし、従って蛋白質の機能に殆どまたは全く関係しない可能性がある。 さらに、所与の時間に、遺伝子の総数のわずかな部分しか活性には発現せず、したがって、遺伝子内部のSNPの存在は、それが重要な表現型関連性(phenotypic relevance)を有することをアプリオリに示していない。 表現型の関連するSNP(phenotypically relevant SNPs)の部分は小さいので、生物学的に重要なものを識別するためには、SNPを解析する高スループット手段を有することが有用である。 一旦ゲノムが完全に解析され重要なSNPの位置および相対発生量が識別されれば、個体のデオキシリボ核酸(DNA)からのSNP解析の多重化方法が臨床的に有用である。 したがって、短時間で多数のSNPを解析するための高スループット方法を有することが望ましい。
    【0005】
    ゲノム中のSNPの位置および他の多型遺伝子座を、多数の個体からのゲノムの同一のセクションを配列して比較することによって求めることができる。 個体によって統計的に異なり得るところのゲノム中での位置は多型性をもつ。 所与の多型の生物学的関連性は、様々な対立遺伝子(allele)を疾病または他の表現型形質(phenotypic trait)の存在と相関させることによって求めることができる。 したがって、多型部位の位置および生物学的関連性を発見するために、遺伝子サイズ長さのDNAを配列決定するための、強固で、安価で、かつ広く利用可能な方法が必要とされる。
    【0006】
    1つのSNP解析方法は、多数の同一のオリゴが固体サポートに結合されるように、かつ異なるサポートが異なるオリゴ配列を担うように、サポートにオリゴヌクレオチドを結合する必要がある。 SNP解析に有用なオリゴヌクレオチドライブラリをエンコードする一方法は、組合せ化学合成中に固体サポート上に固有の光学レポーターを配置することである。 サポートへのレポーターの取付けは、共有結合、コロイド力、または他のそのような手段によるものであってよく、レポーターが固体サポートと接触して、または固体サポートに近接して留まることを確実にする。 固体サポートは、典型的には、化合物を簡単に合成することができ、レポーターを分割(split)/追加(add)/プール(pool)(SAP)組合せプロセスで付着することができるポリスチレン、シリカ、樹脂、または任意の他の物質のビード(bead)である。 各レポーターが、分子成分の同一性と、合成プロセスでのその配置との両方をエンコードする。 固体基質(solid substrate)に結合された各レポーターの光学特性を列挙することによって、10億の単位で番号付けされた一意の化合物のライブラリをデコードすることができる。 上述したように、有用な遺伝子アッセイは、所与のビードがいくつかの同一の共有結合オリゴを担い、ライブラリ中の各ビードが異なるオリゴ配列を担うように、ビードライブラリにオリゴヌクレオチドを組合せ合成することによって行うことができる。 そのオリゴ配列に加えて、各ビードが、事前定義された数の一意のレポーターを備える一意の光学シグニチャを担い、各レポーターが、様々な蛍光色素の事前定義された組合せを有する。 ビードの光学シグニチャは、合成プロセス中に各レポーターの追加配列に相関されて、ビード上での一意のヌクレオチド配列の同定を可能にする。 ビードをイメージすることによって、光学シグニチャを読み取り、対応するオリゴ配列と相関させることができる。
    【0007】
    DNA解析に加えて、レポーターラベル付け方法も、薬物候補スクリーニングでの後の解析のためにビード上に化学化合物の様々なライブラリを合成するのに有用である。 同様に、合成の塩基単位が20個のアミノ酸配列の1つであるビード上に蛋白質ライブラリを合成するのに同じ方法を使用することができる。
    【0008】
    一般に、いくつかのレポーターおよび色のみを用いれば、生成することができる一意のシグニチャの数がかなり大きくなる。 例えば、5色および5つのレポーターのみを使用して、10000個を超える一意のシグニチャを生成することができる。 6色および10個のレポーターを使用して、1億1500万個を超える一意のシグニチャを発生して、多様なビードライブラリを生成することができる。 明らかに、レポーターラベルビードを使用して同定することができる一意の組合せの数は大きい。 そのようなビードの一意のスペクトルシグニチャを識別するのに必要な装置の性質を、以下により詳細に論じる。
    【0009】
    レポーターラベルビードを解析するための基質ベース手法ビードのレポーターシグニチャを読み取るために、十分な空間解像度でビードのイメージを得て、個々のレポーターの位置を判別しなければならない。 レポーターのサイズまたは形状がシグニチャスキームで使用される場合、空間解像度を、これらのパラメータも判別するのに十分なものにしなければならない。 さらに、得られたイメージは、単一のレポーターから放出される複数の色を正確に判別するのに十分なスペクトル解像度を有さなければならない。 さらに、得られた各ビードのイメージの質は、ビード上のあらゆる一意のレポーターの少なくとも1つのコピーが視野内で明らかになることを保証するのに十分なものでなければならない。 複数の各レポーターがビードに結合されているときでさえ、所与のイメージにおいてあらゆる一意のレポーターが解像されているわけではない可能性がある。 レポーターはクリアフォーカスされない場合があり、または、ビード上でのそれらの配置により光学集光システムに露出されない場合がある。 そのような場合、異なる焦平面(focal plane)で、または異なる視点から各ビードの複数のイメージを得て、あらゆる一意のレポーターの少なくとも1つのコピーが正常に判別されることを保証すべきである。
    【0010】
    従来の蛍光顕微鏡装置を使用してビード上のレポーターシグニチャを読み取るために用いることができる一技法では、光学的に読取り可能なビードアレイを提示するために平坦基質上にビードを位置する必要がある。 基質に付着される前にビードがアッセイで使用される場合、アッセイプロセスは、結合されたレポーターシグニチャを壊すべきでない。 アッセイで使用される前に基質にビードが付着される場合には、自由なビードの大きな表面積対体積比に関連した、好都合な反応速度論が失われる。 それにもかかわらず、従来の顕微鏡技法の制限は、解析前に基質にビードが付着されるという要件を課し、それによりビードベースアッセイに多数の準備ステップを追加する。 これらの準備ステップは、時間および費用を追加し、それと同時に、ビードベースの解析プロセスの柔軟性および有用性を低減する。
    【0011】
    米国特許第5855753号で述べられている1つのビードアレイ方法では、ビードが基質上に配置されて、電界の使用によって固定単層を形成する。 アノードとカソードの間に配置された電解液中にビードを懸濁させることによって「電気化学サンドイッチ」が形成される。 時間にわたって適切にサンドイッチに印加される交流(AC)および/または直流(DC)を使用して、ビードは、基質上に単層として、特定のグループに凝集される。
    【0012】
    別のビードアレイ形成方法が国際特許出願WO97/40385号で説明されており、これは、基質上でのビード凝集に影響する動電学的な力をさらに制御する働きをする外部印加照明パターンに関連して特別な電極を使用することによって、電気化学サンドイッチ方法が改善されることを示している。 米国特許第5695934号は、ビードが基質上に位置し、基質の機能面とビード結合部分との化学親和性によって付着される別の方法を開示する。 基質上にビードを配列する他の方法が存在し、しかし全てのそのような方法において、目標は、ビード層が定位に固定され、ビードを読み取るプロセス中にビードの運動を防止することを保証することである。 典型的には、ビードを読み取るための任意の顕微鏡プロセスにおいて、ビード基質を2軸ステージに付着し、基質の各部分を読み取ることができるパターンでステージを移動させることが必要である。 このプロセスは、ステージ上に移動されたときに基質の加速および減速の多数のサイクルを含み、これは、ビードが基質に固定して付着されていない場合に、ビードの独立運動を誘導する可能性が高い。
    【0013】
    ビード運動は、プレーナ基板上でラベルビードを読み取ることに関連する唯一の難点ではない。 別の考察事項は、視野(FOV)にわたって正確なフォーカスを達成する必要性であり、これは、基質上の充填ビード(packed beads)の非平坦性によって、または基質自体の非平坦性によって損なわれる可能性がある。 これらの理由のために、ビードアレイの各部分に対するフォーカスを個別に達成して、適切な解像度を保証しなければならない。 当技術分野ではオートフォーカスシステムがよく知られているが、このフォーカスステップは、追加の時間、費用を必要とし、プロセスに変動性を加える。 ビード結合合図分子(bead-bound signaling molecules)およびレポーター自体の様々な蛍光発光スペクトルを判別するために追加のイメージが必要となる場合がある。 さらに、合図分子またはレポーターがビード上でランダムに分配される場合、プレーナFOVからの信号またはレポーターの不在によりビードの一部分から信号またはシグニチャを識別することができない場合がある。 プレーナ基質準備は、ビードを監視するための6つの可能な視点の1つのみ、またはせいぜい2つしか提示せず、レポーターがイメージングシステムから隠される可能性を高める。
    【0014】
    ライブラリ中のビードの数とは無関係に、ビードの配列に関わる複雑さが、ビードベース解析手法を妨げる。 解析ビードライブラリのサイズが、ほぼ100万ビードを超えて大きくなると、ビードイメージングへの基質ベース手法はかなり実用的でなくなる。 数千万から数十億個のビードを解析しなければならないとき、重大な難点が生じ、ビードアレイ基質のサイズをかなり大きくする必要がある。 均一であり、稠密であり、固定されたアレイを作成することに関わる難点は、アレイのサイズと共に大きく高まる。 さらに、イメージングプロセス中のアレイの正確かつ迅速な位置決めは、はるかに難しくなる。 そのようなシステムのサイズ、費用、および低スループットは、研究での、かつポイントオブケア(point-of-care)適用例での幅広い使用を除外する。 したがって、ビードを解析するための改善された方法が望まれる。 好ましくは、この方法は、基質上にビードを配置する必要性をなくし、複数の焦平面と複数のビードの向きとの同時イメージングを可能にする。 理想的には、この新たな方法は、同時に、ビード蛍光放出のスペクトル全体をイメージし、かつ各レポーターから発する色を判別するのに十分なスペクトル解像度を提供する。 最終的に、理想的な方法は、数十億のビードを簡単に取扱い、超高速イメージングを可能にして、数時間で大きなビードライブラリを解析する。
    【0015】
    (発明の概要)
    本発明によれば、レポーターラベルビードをイメージして読み取るための方法および装置が提供される。 本発明の方法および装置は、個々のエンコードビードをイメージすることができるようにし、そのビードに取り付けられた化合物を、イメージデータに応じて同定することができるようにし、それにより化合物の全てのサブユニットの同一性および配列が求められる。 一般に、単一のエンコードビードが、同じ化合物およびそれに関連付けられたレポーターの冗長コピー(redundant copy)を含む。 本発明の1つの好ましい適用例では、サブユニットがオリゴであり、結果として得られる化合物がオリゴヌクレオチドであり、各レポーターが、好ましくはその色によって判別可能である。 しかし、色以外の特性によって一意に判別可能な他のタイプの化合物およびレポーターを形成する他のタイプのサブユニットを、本発明の方法およびシステムを使用してイメージしてデコードすることができる。 本質的には、サイズや形状などイメージングによって決定可能な任意の特性を、レポーター特性として採用することができる。
    【0016】
    本発明の方法および装置を適用して、そのようなレポーターラベルビードを生成するために採用されるプロセスとは関係なく、レポーターラベルビードをイメージしてデコードすることができることも理解されたい。 推計学的合成、指向性合成、それらの組合せ、または前もって(または後で)エンコードされるレポーターラベルビードへの事前合成化合物の付与(attachment)などのプロセスを採用して、レポーターラベルビードを生成することが予想される。 推計学的SAPプロセスとは異なり、指向性合成では、各ビードの経路が、化合物合成およびレポーター追加中にあらかじめ決定される。 レポーターラベルビードが事前合成化合物と共に使用されるとき、全ての一意のレポータータイプを1ステップでキャリアに結合して、ビードに関する一意のシグニチャを作成することができる。 この場合、ビードに結合されたレポーターの一意の組合せは単に一意の同一性を与え、ビードに結合された化合物に関するサブユニット配列を必ずしもエンコードしない。 相互参照テーブルまたは他の手段を作成して、ビードシグニチャを化合物同一性に相関させることができる。 この場合、本発明を使用して、一意のビードシグニチャを同定して、相互参照テーブルを調査することによって化合物同一性を決定することができる。
    【0017】
    基本方法は、集光経路に沿ってエンコードビードからの光をフォーカスすること、およびエンコードビードに関連付けられている複数の異なるレポーターを表示する光の複数の異なる判別可能な特性に応じて、光を複数の光ビームに分散することを含む。 光ビームがそれぞれ、その光ビームに対応する各々のイメージを生成するようにフォーカスされる。 そのようにして生成されたそれぞれのイメージに応答して複数の信号が発生される。 発生された各信号は、複数のレポーターの異なる1つがエンコードビードに関連付けられているかどうかを示す。 信号を解析して、配列をデコードし、エンコードビードに取り付けられた成分を形成するサブユニットを識別し、これらのステップが、連続するエンコードビードに関して繰り返される。
    【0018】
    好ましくは、分散のステップが、光ビームの波長に応じて、光を複数の光ビームに分割するステップを含む。 また、好ましくは、複数の信号を解析するステップが、デコードされる各エンコードビードに基づいて、複数の成分の配列ライブラリを構成するステップを含む。
    【0019】
    エンコードビードを読み取ることができるように光を用いてエンコードビードを照明することが必要となる場合がある。 一実施形態では、エンコードビードは流体中に混入され、エンコードビードは流体のフロー中でイメージされる。 しかし、本発明は、ビードが流体フロー中でイメージされることを必要としない。
    【0020】
    好ましくは、エンコードビードは、一意のレポーターに対応する各イメージの1つまたは複数の部分を求め、次いでイメージデータに基づいて各レポーターのシグニチャを求めることによって解析される。 そのようにして同定されたレポーターは、エンコードビードに取り付けられた化合物を形成するサブユニットが追加された同一性および配列を決定する。
    【0021】
    事前定義された個数の一意のレポーターをエンコードビード上で検出すべきである。 この方法はまた、予想よりも少数のレポーターがエンコードビードに関連付けられることをエンコードビードに関する複数の信号が示す場合に、そのエンコードビードに関係する全ての信号を無視するステップも含むことができる。 このステップは、化合物を形成する配列中の特定のサブユニット、およびそのサブユニットの特定の配置に一意のレポーターそれぞれを関係させるエンコードビードレジェンド(legend)を参照することによって容易にすることができる。
    【0022】
    DNA配列を解析するために、または他のDNA関連研究にエンコードビードが有用であることにも留意されたい。 そのような適用例では、結合イベント(binding event)を受けていないエンコードビードに関するデータを収集しないことが好ましい。 結合イベントを受けているビードを本明細書では「ポジティブ」ビードと呼ぶ。 本発明の少なくとも1つの実施形態では、ポジティブビードからのデータのみが解析される。
    【0023】
    イメージング装置のいくつかの異なる実施形態が、エンコードビードをイメージしてデコードするために使用可能である。 一般に、装置は、所望の方向でエンコードビードから光を集光してフォーカスするための集光レンズと、集光レンズから光を受け取って、光の複数の異なる判別可能な特性に応じて光を複数の光ビームに分散する分散構成要素とを含み、それにより複数の異なる判別可能な特性が、複数の異なるレポーターを示す。 また、少なくとも1つの画素化検出器(pixelated detector)と、この少なくとも1つの画素化検出器上に複数の光ビームそれぞれをフォーカスするイメージングレンズとを含み、それにより、複数の光ビームそれぞれに対応する当該のイメージを生成する。 画素化検出器は、めいめい各々のイメージに関する出力信号を提供し、それにより各出力信号が、個別に、または他の出力信号と組み合わさって、別のレポーターがエンコードビード上に存在するかどうかを示す。 信号プロセッサを画素化検出器に結合して、その出力信号を受け取り、出力信号を処理して、エンコードビードに付与された化合物を形成するサブユニットの同一性および配列をデコードし、あるいは、相互参照テーブルを使用して化合物を同定するためにビードをデコードする。
    【0024】
    好ましくは、1つの例示適用例では、信号プロセッサは、複数のエンコードビードを表す複数のデコード配列から配列コンティグを発生するように適合されている。 好ましくは、そのような配列コンティグ(sequence contig)を使用して、ゲノムDNA配列、多型アレル、および発現遺伝子の少なくとも1つを同定する。
    【0025】
    信号プロセッサは、同一のレポーターからの信号がすでに解析されている場合、レポーターに関係する全ての出力信号を無視するように適合することができる。 同様に、所定数未満のレポーターがエンコードビードと関連付けられていることを信号が示す場合、エンコードビードに関する全ての出力信号を無視するように信号プロセッサを適合することができる。 信号プロセッサは、好ましくは、エンコードビードに関連付けられた化合物を備えるサブユニットの配列中の特定のサブユニットおよび特定の配置に一意のレポーターそれぞれを関係させるエンコードビードレジェンドを採用するように適合されている。 そのようなエンコードビードライブラリを採用することによって、信号プロセッサは、エンコードビードがエンコードビードレジェンドに対応していないと判定された場合に全ての出力信号を選択的に無視することができる。 別法として、信号プロセッサは、ビード同一性を化合物同一性に関係させるために、(図19のレポーターレジェンドなどの)相互参照テーブルを採用するように適合させることができる。 また、信号プロセッサを、ポジティブエンコードビードに関係する信号を解析するためのみに制御することができる。
    【0026】
    少なくとも1つの実施形態では、エンコードビードは、流体中に混入されて、流体がイメージングシステムを通って流れているときにイメージされる。 イメージングシステムは、イメージされていないエンコードビードを含むビードリザーバと、流体のフローを制御するための流体チャネルとを含む。 任意選択で、イメージされるエンコードビードを照明するために光源が含まれる。
    【0027】
    分散構成要素(dispersing component)は、好ましくは、プリズム、または複数のダイクロイックフィルタ(dichroic filter)である。 プリズムが採用される場合、イメージが重畳されて、信号プロセッサは、イメージを逆重畳(deconvolve)する必要がある。 好ましくは、1つまたは複数の時間遅延および積分(TDI)検出器がイメージングシステム内に含まれて、ビードからの光を検出する。 一実施形態では、複数のダイクロイックフィルタ、イメージングレンズ、および検出器が含まれる。
    【0028】
    本発明のさらなる別の態様は、エンコードビード上に含まれる一意のレポーターそれぞれを同定するために、エンコードビードの実質的に異なる部分に配設された複数のレポーターを同時にイメージするための方法に関する。 この方法は、実質的に離隔された複数の集光経路に沿ってエンコードビードから光を受け取るステップを含み、それによりエンコードビードの様々な部分に配設されるレポーターからの光が、エンコードビードから受け取られる光に影響を及ぼす。 光は、エンコードビード上に含まれる一意のレポーターそれぞれを同定するために処理される。
    【0029】
    本発明の最終的な態様は、DNA配列決定、多型解析、および発現解析の少なくとも1つに関するビード上にエンコードされたオリゴライブラリを採用するための方法を対象とする。 流体のフロー中で搬送されるエンコードビードの配列をデコードすることができるイメージングシステムが提供される。 本質的には、N−merオリゴの完全なエンコードビードライブラリが生成され、そのライブラリを使用して、DNA配列決定、多型解析、または発現解析を行う。 上述したものなどイメージングシステムによって生成されるイメージングデータを使用してポジティブビードがイメージされ、デコードされる。
    【0030】
    DNA配列決定が選択された解析機能であるとき、ゲノムDNA成分は、対象の延長配列に関するプライマを使用して増幅される。 多型解析機能が選択されるとき、ゲノムDNA成分は、対象の多型領域に関するプライマを使用して増幅される。 別法として、発現解析機能が選択されるとき、リボ核酸(RNA)成分が、対象の遺伝子に関するプライマを使用して増幅される。
    【0031】
    選択された特定の解析機能とは無関係に、増幅された成分が、エンコードビードライブラリにハイブリダイズ(hybridize)される。 上述したように、イメージングシステムを採用して、ハイブリダイズされたエンコードビードのオリゴ配列を同定する。 イメージングデータから、配列コンティグが、ゲノムDNA配列、多型アレル、または発現遺伝子を同定するためにイメージング解析によって同定されるオリゴ配列から構成される。 好ましい実施形態では、N−merオリゴは、長さ10を有するオリゴを含む。
    【0032】
    本発明の前述した態様、および関連する利点の多くは、以下の詳細な説明を添付図面と共に参照することによって本発明をより良く理解すると、より簡単に理解されよう。
    【0033】
    (好ましい実施形態の説明)
    本発明を、組み合わせて作り出されたビードと化合物、および、ビードと化合物の特定の指示された合成、に適用することができることが企図されている。 本発明のこれらの態様の両方に関するさらなる詳細を以下に論じる。
    【0034】
    レポーターラベルビードを解析するための新規の方法レポーターラベルビードを解析するための新規のビードイメージングシステムおよび方法は、任意の従来の手法を使用してビードを読み取る際に生じる、この解析作業の実施に関する問題に対処し、レポーターラベルビードの解析および取扱いに新規の能力を追加する。 イメージングシステムは、各ビードに付与された様々なレポーターの判別を可能にし、したがって、ビードに結合された完全なレポーターシグニチャおよびそれに対応する化学的同一性(例えばオリゴヌクレオチド配列)のデコーディングを可能にする。 懸濁液中のビードを好ましく取り扱い、流体力学的フォーカシングを使用することによって、数十億個のビード試料を、高速で、フローイメージングシステムの視野(FOV)を通して簡単に移動させることができる。 既存の非イメージングフロー血球計算器は、この組合せスキームと共に使用することができない。 これは、所与のビードで、同じ強度で共通の任意の色を有する様々なレポーターを、空間情報を用いずに互いに区別することができないからである。 同様に、イメージ情報を用いなければ、1つのレポーターシグニチャに含まれる情報の一部を与える場合がある様々なレポーターサイズまたは形状を判別することはできない。 本発明の1つの好ましい実施形態は、流体のフロー中に混入された状態でエンコードビードをイメージングすることを企図しているが、エンコードビードを静止状態でイメージし、フローを必要としない場合もあることに留意されたい。 流体のフロー中のエンコードビードのイメージングにより、多数のビードを迅速にイメージして解析できるようにすることが企図されている。 本発明によって提供される解像度により、レポーター自体を、一意の光学シグニチャをもつように製造または処理することができるポリスチレン、シリカ、樹脂、または任意の別の物質の小さなビードにすることができ、このとき、これらのレポーターは、より大きな(しかし依然として比較的小さな)基質ビードに関連付けられている。
    【0035】
    フロー中のビードを解析するための本発明の一実施形態は、(1)光信号収集およびスペクトル分解、(2)画素化検出、(3)照明、(4)ビード速度検出、および(5)試料取扱いの各作業を実施するためのサブシステムを含む。 これらのサブシステムそれぞれの1つまたは複数の実施形態を以下に詳細に説明する。
    【0036】
    本発明の1つの重要な態様は、固体基質(ビード)に取り付けられたレポーターによって発生される様々な蛍光発光スペクトルの位置を同時に判別することができる能力にある。 この能力は、ビードが視野(FOV)を通過した後に、結合イベントの有無および各ビード(すなわち、そのレポーターシグニチャ)の同一性を迅速に判定することができる。 流体力学的フォーカシングは、ビードがイメージングシステムの焦平面に、または焦平面付近にあることを保証する。 必要なときは、光補正を施して、流体力学的にフォーカスされたビードカラムの位置の微小変化を補償する。 さらに、イメージングシステムは、複数の度からビードを監視して、ビード面の異なる部分のイメージデータを生成するように構成することができ、各ビードの3次元表示の構成を可能にする。 この構成は、焦点誤差の補正も可能にする。 本発明は、フローに垂直な軸で各レポーターからの信号をスペクトル分解し、次いで、単一の検出器または複数の検出器上に、ビード上のレポーターのイメージを形成する。 図1にこのプロセスを概略的に例示する。
    【0037】
    図1に示されるように、複数のマーク付きビード11が、単一ファイル方位(single file orientation)でサンプリングカラム15を通過する。 図示したイメージングシステムは、複数の検出器13と、フォーカス要素(focussing element)またはレンズ17と、1つまたは複数の光源19とを含む。 このとき、検出器上でのイメージの位置は、レポーターから放出される信号のスペクトル内容と、ビードに対するレポーターの空間位置とによって決定される。 ビードのスペクトル分解およびイメージングを達成する本発明の5つの実施形態が存在する。
    【0038】
    スペクトル分解およびイメージングのための第1の実施形態スペクトル分解およびイメージングのためのシステムの第1の実施形態が図2Aに示されており、この実施形態は、2000年3月29日出願の「Imaging and Analyzing Parameters of Small Moving Objects Such as Cells」という名称の本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6211955号にも開示されており、ここではその図面および開示を参照により本明細書に特に組み込む。 この先行出願には、ビード上のレポーターの同定に関する論述がない。 しかし、以下の論述は、この先行出願で開示された装置を、ビードやビードに含まれるレポーターなどの対象物のスペクトル分解およびイメージングに採用することができる方法を説明する。 本発明に関して、レポーターを有するビードは、単に特定のタイプの対象物である(参照により本明細書に組み込む任意の文書の説明と、本発明の開示とに何らかの相違がある場合、本開示を優先することに留意されたい)。
    【0039】
    いくつかのタイプの画素化検出器を本発明で使用することができるが、多くの場合、時間遅延積分(TDI)検出器が好ましい。 TDI検出器は、以下に説明するように、専用の画素読出しアルゴリズムを採用する長方形電荷結合デバイス(CCD)を備えることが好ましい。 カメラでの2次元イメージングでは、非TDI CCDアレイが一般に使用されている。 標準的なCCDアレイでは、画素に入射する光子が、画素に捕捉される電荷を発生する。 各画素からの光子電荷は、1つの画素から次の画素に電荷をシフトし、次いで電荷に比例する電圧を出力コンデンサ上に発生することによって、検出器アレイから読み取られる。 画素読取りの間でコンデンサが放電され、このプロセスが、チップ上のあらゆる画素に関して繰り返される。 読出し中、アレイを任意の露光から遮蔽して、まだ読み取られていない画素での電荷発生を防止しなければならない。
    【0040】
    CCDアレイを備える1タイプのTDI検出器44では、CCDアレイは、画素が読み出されるときに露光されたままである。 読出しは、アレイの上から下に向かって、ある時間に1行ずつ行われる。 第1の行が読み出された後、残りの行は、今読み取られた行の方向に1画素だけシフトされる。 アレイ上にイメージされる対象物が画素の動きと同期して移動する場合、対象物からの光は、イメージぶれを生じずにTDI検出器の総読出し期間の持続時間にわたって積分される。 TDI検出器によって発生される信号強度は、TDI行の数に比例する積分期間と共に線形に増大し、しかし雑音は、積分期間の平方根に従ってのみ増大し、その結果、信号対雑音比の全体的な増大は、行数の平方根倍になる。 本発明で使用するのに適した1つのTDI検出器は、Dalsa社のType IL−E2イメージセンサであり、しかし他の等価な、またはより良いイメージセンサを別法として使用することもできる。 Dalsaイメージセンサは、96ステージまたは行を有し、それぞれが512画素を備える。 本発明で使用可能な他のタイプのイメージセンサは、行および列の異なる形状、または画素の非直線配列を有することもできる。 Dalsaセンサは、標準のCCDアレイの約96倍の感度を有し、ほぼ10倍の信号対雑音比を有する。 また、TDI検出に関連する長い積分時間が、一時的な、かつ空間的な照明の変動を平均化する働きをし、測定の一貫性を高める。
    【0041】
    本発明がTDI検出器、またはCCDタイプのTDI検出器に限定されないことを強調したい。 相補型金属酸化膜半導体(CMOS)やマルチチャネルプレートイメージングデバイスなど他のタイプのTDI検出器も、本発明でのTDI検出器に使用することができる。 デバイスに向けられた放射(radiation)に応答して生成される信号をデバイスを通して制御下で移動させることができる任意の画素化デバイス(すなわち、多数の感光領域を有する)が、本発明におけるTDI検出器として使用するのに適していることを理解するのが重要である。 典型的には、信号は、デバイス上に投影される移動するイメージと同期して移動し、それにより、ぶれを生じることなくイメージに関する積分時間を延ばす。 しかし、所望の影響を達成するのに必要なときは、信号の動きを、放射イメージの動きから選択的に非同期化することができる。
    【0042】
    それぞれ図2C、4、および11でのイメージングシステム45、70、250、およびイメージングシステムを通して対象物を搬送するために流体フローを採用する本発明の他の実施形態では、フロースルーキュベット(flow-through cuvette)またはジェット(図示せず)が、解析されるレポーターラベルビードまたは他の対象物を含む。 流体の速度および細胞濃度を、シリンジポンプ、ガス圧、または他のポンプ方法(図示せず)を使用して制御し、システムを通る試料溶液をTDI検出器の画素読出し速度に合致させることができる。 しかし、必要であれば、TDI検出器の読出し速度を、試料溶液の動きに合致するように選択的に制御することもできることを理解されたい。
    【0043】
    図2Bで明らかなように、図が、時間にわたる対象物24のイメージングを示す場合、流体フロー22と共に移動するときに対象物が位置26と位置28の両方に示される。 その結果、図2Bの右側に示されるように、対象物24のイメージが、検出器上で2つの異なる空間位置26'と28'に生成される。 TDI検出の場合、検出器上での信号を、対象物24のイメージと同期して移動させることができ、それにより信号は、検出器の横方向全体にわたって収集され、積分される。 別法として、図2Bが、単一の瞬間を示す場合、位置26と28は、位置26'と28'で検出器上に同時にイメージされる2つの個別の対象物の位置を示すことができる。
    【0044】
    図2Aに示されるように、よく画定された領域に流体力学的にフォーカスされたビード24のカラム22からの光は、集光レンズ32を通過することによってコリメートされる。 ビードからの光は、集光経路30に沿って進む。 集光経路内に配設されたスペクトル分散要素36が、ビードとイメージングシステムとの相対移動の方向に実質的に垂直な平面で、集光レンズを通過したコリメート光をスペクトル分散し、スペクトル分散光を生成する。 イメージングレンズ40が、スペクトル分散光を受け取るように配設されており、スペクトル分散光38からイメージを生成する。 また、画素検出器44が、イメージングレンズによって生成されたイメージを受け取るように配設されて含まれている。 移動が行われるとき、イメージングレンズによって生成されたビードのイメージは、検出器にわたって行から行に移動する。 前述したように、検出器は、特定の実施形態に応じて、TDIタイプ検出器またはフレームタイプ検出器にすることができる。
    【0045】
    この実施形態における集光レンズによる光コリメーションの結果、ビード上の第1の点から放出される全ての光が平行な光線として進む。 ビード上の第2の点から放出される光も平行な光線として進み、しかし第1の点からの光とは異なる角度である。 このようにすると、ビード中での空間情報は、集光レンズによって、集光経路での角度情報に変換される。 スペクトル分散要素は、ビードとイメージングシステムとの相対移動の方向に実質的に垂直な平面内で、様々なスペクトル成分が様々な角度でスペクトル分散要素を出るようにコリメート光に作用する。 このようにして、ビード中での空間情報とスペクトル情報の両方が、角度情報に変換される。 イメージングレンズは、分散要素からの光に作用し、様々な光角度を、検出器上での様々な位置に変換する。 ビード中での様々な位置からの光が、両軸で経路42に沿って検出器上の様々な位置に投影されるので、空間情報はシステムによって保たれる。 さらに、ビードから発する様々なスペクトル成分の光が、ビードとイメージングシステムとの相対移動に実質的に垂直な軸で検出器上の様々な位置に投影される。 このようにして、ビードからの空間情報が保たれ、それと同時に、高解像度で大きな帯域幅をカバーするスペクトル情報が収集される。
    【0046】
    本発明によるビード同定のために使用されるとき、この装置は、レポーターがビード内部で空間的に近接して配設されているときでさえ、検出器上でレポーター位置およびスペクトルを解像するのにかなり有用である。 スペクトルイメージングが本発明で行われるとき、検出器にビードのイメージを生成するために、ビードでの光の空間分布がその光のスペクトル分布と重畳される。 この重畳により、光のスペクトル帯域幅によっては、分散軸のぶれが生じる可能性がある。 狭いスペクトル帯域幅は、システムのスペクトル解像度によるぶれをほとんどまたは全く生じない。 本発明では、スペクトル解像度が画素当たり約3nmであり、対象空間での空間解像度が約1ミクロンであることが企図されている。 しかし、空間およびスペクトル解像度は、特定の適用例の要件に合致するように調節することができ、本明細書で述べた値は、本発明の範囲に対する制限とみなすべきでない。
    【0047】
    図2Aに例示され、ビードをイメージするのに有用なイメージングシステムの代替実施形態が、図2C〜4に示されている。 これらの代替実施形態は、以下に説明するように、様々な光学構成要素の数および向きが異なるが、一般には図2Aのイメージングシステムと同様に機能する。
    【0048】
    図2Cは、無関係の光が画素化検出器44に到達するのを防止するために使用されるスリット52を含むイメージングシステム45を例示する。 イメージングシステム45では、ビード24(または他の対象物)からの光46が、対物レンズ48によってスリット52にフォーカスされる。 図2Cに示されるスリット52は、対物レンズ48によってスリットにフォーカスされない光を阻止するように十分狭く、それにより無関係の光がスリットを通過するのを防止する。 スリットを通過した光30'は、上述した集光レンズ32によって集光され、レンズ32が、集光された光34を発生する。 やはり上述したように、集光された34は、プリズム36によってスペクトル分散され、イメージングレンズ40によって画素化検出器44上にイメージされる。 対象物24からの光以外の光が画素化検出器44に到達しないようにすることによって、検出器は、エンコードビードの実際のイメージのみに対応する出力信号を発生し、この信号は、除外された無関係の光による影響を受けない。 このようにして除外されない場合は、画素化検出器44に到達する周囲光が、画素化検出器からの出力信号の「雑音」を生成する。
    【0049】
    図2Aおよび2Cでの各イメージングシステムの図では光源が示されていないことに留意されたい。 これら第1の2つの実施形態は、最も一般的な形で例示してあり、対象物がルミネセンスである場合、すなわち対象物が光を発生する場合には、エンコードビードのイメージを発生するのに個別の光源が必要ないことを明白にしている。 しかし、ビードをイメージするためのイメージング装置のほとんどの使用例において、1つまたは複数の光源を使用して、イメージされるビードに入射する光を提供する。 光源の位置は、入射光とビード(または他の対象物)との相互作用、および画素化検出器上のイメージから得ることができる情報の種類に大きな影響を及ぼす。
    【0050】
    図3に、ビード24に入射する光を提供するのに有用な光源のいくつかの異なる位置が例示されている。 しかし、図3に示される位置に加えて多くの他の位置に光源を位置することができることを理解されたい。 採用される各光源の位置は、ビードのイメージングの種類、および画素化検出器によって生成される信号から導出されるビードに関するデータの種類に応じて決まる。 例えば、図に示される光源60aまたは光源60bの採用は、ビード24に入射され、ビードから集光レンズ32の光軸に散乱される光58を提供する。 集光レンズ32の光軸は、光源60aまたは60bからビード24に入射する光の方向に関して約90°の角度である。 逆に、光源62は、集光レンズ32の光軸と概して位置合わせされた方向で、光源から放出された光58がビードに向かうように配設され、それにより検出器44上に形成されるイメージは、ビード24によって吸収される光を含まない。 したがって、光源62を使用してビードを照明することによってビードの吸光特性を求めることができる。
    【0051】
    光源64は、集光レンズ32の光軸から約30〜45°ずれた経路に沿ってビードに向けられた光でビード24を照明するように配設されている。 この光58は、ビード24に入射するとビード24から反射(散乱)され、反射光または散乱光が検出器44上にイメージされる。 より直接的に反射される光は、集光レンズ32を通ってビード24に光の一部が反射されるように配設された部分反射面68に光58を向けるように配設されたエピ光源(epi light source)66によって提供される。 ビードに到達する光は、ビードから反射されて、集光レンズ32の軸に沿って戻り、少なくとも一部は、部分反射面68を通過して、画素化検出器44上にビードのイメージを形成する。 あるいは、部分反射面68の代わりに、その位置でダイクロイックミラーを採用して、ビード24からの蛍光発光または他の刺激発光を励起するようにエピ光源66からの光を指向することができる。 このとき、光源とは異なる波長でビード24から放出された光が、集光レンズ32によって少なくとも部分的に集光され、ダイクロイックミラーを通過して、検出器によるスペクトル分散および検出を受ける。
    【0052】
    図3に例示される光源はそれぞれ、ビードをイメージするためのイメージングシステムの適用例に応じてコヒーレント光、非コヒーレント光、広帯域光、または狭帯域光にすることができる光58を発生する。 したがって、狭帯域光源が必要とされない適用例ではタングステンフィラメント光源を使用することができる。 例えばレポーターからの蛍光の発光を刺激する適用例では、狭帯域光が好ましい。 これは、ビードによって散乱された光から、ビードのスペクトル分解された非捩れイメージ(spectrally-decomposed, nondistorted image)を生成することも可能になるためである。 任意のレポーターの発光スペクトルが光の波長とは異なる波長である限り、画素化検出器44上に生成されるレポーターからのこの散乱光イメージは個別に解像される。 光源は、連続波(CW)またはパルスタイプのものであってよい。 パルスタイプ照明源が採用される場合、画素化検出に関連する長い積分期間が、複数のパルスからの信号の積分を可能にすることもある。 さらに、光を、画素化検出器と同期してパルス化する必要はない。
    【0053】
    図4は、単一方向から見たときに重なっている形状(feature)を区別するために2つの異なる方向からのビードのイメージングを可能にする配置を例示する。 図2Aのイメージングシステムに関連して上述したように、図4における立体イメージングシステム70は、2つの画素化検出器44aおよび44bと、それらに関連付けられた光学構成要素とを含む。
    【0054】
    2つの画素化検出器に関する集光レンズ32の光軸を例えば90°だけ離隔されるように配置することによって、画素化検出器44aまたは44bの少なくとも一方で2つ以上のレポーターからイメージされるレポータータグ(reporter tag)のシグニチャを個別に解像することができる。 2つ以上のレポーターが、検出器の一方に生成されたイメージに関して重なる場合、それらは、他方の画素化検出器に生成されたスペクトル分散イメージで個別に解像される。 さらに、「立体または3次元構成」と呼ばれる場合があるイメージングシステム70での2つの画素化検出器の使用は、相対画素化読出し速度、軸方向向き、傾き、焦平面位置、および倍率などのパラメータを含めたシステムの各区間の構成の柔軟性を可能にする。 複数のビードまたは他の対象物を、垂直方向で同時に各検出器上にイメージすることができる。 ビードは画素化検出器での信号と同期して移動することができるので、イメージのぶれを防止するのにゲートまたはシャッタは必要ない。 前に述べたように、本発明は、トリガ機構を必要とせずに、パルスまたはCW光源を使用して、FOVでの粒子到着と一致するようにパルスのタイミングを合わせることができる。
    【0055】
    また、光源に関するいくつかの例示的な位置が図4に例示されており、これらの光源は、ここで例示したイメージングシステムに関連する様々な目的で有用である。 画素化検出器44aに関連して、光源62は、画素化検出器上に生成されるイメージからビードの吸光特性を求めることができるような方向からビード24の照明を提供する。 同時に、ビード24から散乱された、光源62によって提供された光を使用して、画素化検出器44b上に散乱イメージおよびスペクトル分散イメージを生成することができる。 光源74を採用して、画素化検出器44aと44bの両方でスペクトル分散および散乱イメージを生成することができる。 光源62および72が異なる波長であり、それぞれの集光レンズ32の光軸と位置合わせされた光源からの波長を阻止するために適切なフィルタが提供される場合、これら2つの光源を、ビードから散乱光を生成するために使用することができる。 例えば、光源72が、ビード24から散乱し、画素化検出器44aに向けられる波長Aの光を生成すると仮定する。 光源62によって生成される波長Bを阻止するフィルタ(図示せず)を含むことによって、波長Bでの光は、画素化検出器44a上に生成されるイメージに直接影響を及ぼさない。 同様に、光源72からの光が適切なフィルタ(図示せず)を用いて阻止され、それにより、ビード24から画素化検出器44b上に散乱される、光源62によって生成された光のイメージングと干渉しない。
    【0056】
    また、部分反射器68に関連して画素化検出器44a上にイメージを生成する際に使用するように、エピ光源66が例示されている。 光源64は、反射光を発生し、画素化検出器44a上にイメージを生成するように使用することができ、その一方でこの光源からの散乱光は、画素化検出器44bに向けられる。 光源のこれらの位置および他の取り得る位置は当業者に明らかであり、適宜、特定の適用例および望まれるビードに関する情報に応じて、イメージングを達成するのに必要なビードに対する入射光を提供する。
    【0057】
    図5は、画素当たり約10nmのスペクトル解像度および約0.5ミクロンの空間解像度を有する、本発明で使用される検出器を例示する。 図5〜8の以下の議論では、イメージングシステムの操作が、細胞と共に特定のDNAに結合された蛍光その場(in situ)ハイブリダイゼーション(FISH)プローブの同定を対象とする。 しかし、同じ方法および装置が、ビードに関連付けられているレポーターのイメージングから得られるスペクトルおよび空間情報に適用されることを当業者は理解されよう。 以下の論述に関して、細胞および核は、ビードと等価とみなすことができ、FISHプローブは、ビードに関連付けられている、またはビードに結合されているレポーターと等価とみなすことができる。
    【0058】
    図5は、レポータービードをイメージするのに有用なイメージングシステムを使用して、同じ発光スペクトルを有する2つのFISHプローブ144aと144bが配置されている核142を有する細胞140をイメージする方法を例示している。 上述したように、ビード解析では、FISHスポットをレポーターと類似のものとみなすことができる。 図5で、FISHプローブ144aおよび144bの発光スペクトル146は、幅が約10nmであり、例えば、「量子ドット」または狭帯域蛍光染料によって生成される。 狭帯域スペクトルの光学的重畳は、FISHスポット148aおよび148bの最小ぶれという結果をもたらし、それらを検出器44上で容易に解像することができるようにする。
    【0059】
    図6に、異なる発光スペクトルを有するFISHプローブ154と156が配置された核152を有する細胞150が例示されている。 FISHプローブ154および156の発光スペクトルはそれぞれ、周波帯158および160によって示される量子ドットからの発光スペクトルのように比較的狭く、したがって、図5と同様に、FISHスポット162および164の最小ぶれをもたらす。 さらに、TDI検出器44上の横方向位置に波長をマップする本発明のスペクトル分散は、細胞内でのFISHプローブ154と156の近接にもかかわらず、FISHスポット162と164の比較的広い物理的配置を生む。 まとめて見ると、図5および6は、本発明が、同じまたは異なる色のFISHプローブを判別し、それにより多数の遺伝形質の同時列挙を可能にする様子を例示する。 図10は、細胞およびその内部に含まれるFISHスポットが、本発明によって画素化検出器上にイメージされる様子を例示する。
    【0060】
    図7および8は、本発明をより広いスペクトル帯域幅の光と共に使用することもできることを示す。 この場合、追加の信号処理ステップを行って、広い発光スペクトルによる横方向ぶれを補正する。 これは、TDI検出器である画素化検出器の使用を必要とする逆重畳ステップを含むことに留意されたい。 図7には、核142を有する細胞140が示されており、共通の発光スペクトルを有するFISHプローブ170aおよび170bが核内に配設されている。 FISHプローブ170aおよび170bは、比較的広い発光スペクトル172を生成することによって特徴付けられる。 本発明によって提供されるスペクトル分散により光学的に重畳されたとき、FISHスポット174aおよび174bがTDI検出器44a上に生成され、しかしそれらのイメージは、それらの比較的広い発光スペクトルにより、画素化検出器44にわたって横方向にぶれる。 FISHスポットプローブ174aと174bの分離をより明確に解像するために、既知のFISH発光スペクトルを用いて、TDI検出器44aによって生成された信号に対して逆重畳が行われ、それによりディスプレイ176上に正確なFISHスポット表現178aおよび178bが生成される。 逆重畳ステップは、FISHスポットの数を列挙する能力を向上させる。 逆重畳ステップが、TDI検出器である画素化検出器の使用を必要とすることに留意されたい。
    【0061】
    図8は、細胞150の核152内部に配置されたFISHプローブ180と182の対応関係を例示する。 FISHプローブ180および182は、図に示されるように、比較的広い帯域の発光スペクトル184および186をそれぞれ生成することによって特徴付けられる。 スペクトル分散されたFISHプローブによって放出される蛍光の光学的重畳は、TDI検出器44上にFISHスポット188および190を生成する。 やはり、TDI検出器44によって生成される信号を用いて既知のFISH発光スペクトルを逆重畳することによって、FISHスポット192および194の、ディスプレイ176に示される対応イメージが回復される。 ここでも、TDI検出器44上の横方向位置に波長をマップする本発明のスペクトル分散は、細胞内でのFISHプローブ180と182の近接にもかかわらず、FISHスポット192と194の比較的広い物理的配置を生成する。 このようにして、様々な比較的広い発光スペクトルを有するFISHプローブによって生成されるFISHスポットのこれらのイメージを解像することができる。
    【0062】
    TDI検出器44aによって生成される信号を解析し、上述した逆重畳ステップを行うためのシステム230が図9に例示されている。 この図で、TDI検出器44aからの信号が増幅器232に印加され、増幅器232は、信号をバッファし、アナログデジタル(A/D)変換器234によって必要なレベルに到達するように信号を増幅する。 このA/D変換器は、増幅器232からのアナログ信号を、ラインバッファ236に入力されるデジタル信号に変換する。 ラインバッファ236は、CPU238によって処理することができるようになるまでデジタル信号を一時的に格納する。 上述した逆重畳を実施するために、スペクトルバッファ240に、使用される各FISHプローブに関する既知の発光スペクトルがロードされ、それによりそれらの発光スペクトルを、ラインバッファ236に格納された信号を用いて逆重畳することができる。 CPU238は、逆重畳および他の解析処置を実施するようにプログラムされた高速プロセッサであり、イメージされる対象物の所望の特性またはパラメータの識別を可能にする。 CPU238からの出力は、イメージラインバッファ242に一時的に格納され、バッファ242は、後の解析のためにイメージを表示する、またはその他の方法で記録することができるようにする。
    【0063】
    図10は、雄細胞200および雌細胞208を識別し、それらの対応するスキャッタイメージ212および220を生成するための上述したシステムの実際の適用例を例示する。 雄細胞200は、黄色蛍光染料で染色されている核202を含む。 さらに、FISHプローブ204は、蛍光橙色発光を発生し、核内のX染色体の存在を示し、FISHプローブ206は、赤色蛍光発光を発生し、Y染色体の存在を示す。 雄細胞200からの蛍光発光のスペクトル分解は、細胞が緑色光源からの光によって照明されるとき、イメージされる光の波長の関数として分離されたTDI検出器44上の一連のイメージをもたらす。 細胞に入射する緑色光は、狭い周波帯を有し、緑色光散乱によって生成される雄細胞200のイメージ212は、スペクトル分解プロセスによってわずかにしか重畳されない。 細胞200およびその核202の緑色光散乱イメージ212は、TDI検出器の左側に現れ、核202によって放出される黄色蛍光に対応する蛍光スポット214が、TDI検出器上の次の複数の列に現れる。 さらに、FISHプローブ204および206によって放出される蛍光の様々な波長の関数として、FISHスポット216および218が、検出器上の離れた位置に現れるが、それらの当該の発光スペクトルの幅によりTDI検出器44の列にわたってわずかにぶれる。 TDI検出器によって生成される信号を解析することによって、XおよびY染色体に応答するFISHプローブが検出され、細胞200が雄細胞であることを使用者が判定することができる。 これは、雄細胞がX染色体とY染色体の両方を含むからである。 同様に、スペクトル分解されたときに、雌細胞208も核210の特徴的な黄色蛍光を含むが、雄細胞と異なり、FISHプローブ204に対応する2つのFISHスポット216を含み、これは2つのX染色体の存在を示す。 TDI検出器44はまた、雄細胞200と雌細胞208の空間位置を区別するので、図10の左下に矢印によって示される方向に両方の細胞がイメージングシステムを通過するときに、これらの細胞に関する対応するスペクトル分解が容易に個別に解像される。 ここでも、TDI検出器44によって生成された信号に逆重畳を施して、例示した対応するFISHスポットのより良い解像度を提供することができることに留意されたい。
    【0064】
    ここでも、混乱を避けるために、レポーターラベルビードの解析に採用される本発明において、ここで含まれるFISHスポットの論述に関して、ビードが細胞に類似しており、レポーターがFISHスポットに類似していることを当業者には理解されたい。 図で明らかなように、1つの相違点は、FISHスポットが通常は単一の蛍光色素で構成されており、したがって単一のスペクトル範囲にわたって発光することである。 レポーターの場合、各レポーターを、複数の蛍光色素から構成することができ、したがって複数のスペクトルを同時に発光することができる。 上で参照した米国特許第6211955号に開示され、対象物およびFISHスポットに関して論じられたのと同じ信号処理技法を適用して、ビードに関連付けられている、またはビードに結合されている複数の蛍光色素の一意のレポーターを列挙することができる。 したがって、解析に使用されるイメージングシステムおよび技法を使用して、ビードに関連付けられている、またはビードに結合されている一意のレポーターを列挙して、ビードの一意のスペクトルシグニチャを識別することができることを理解されたい。
    【0065】
    図17は、レポーターラベルビードシナリオで検出器上のイメージを処理した結果を例示し、各レポーターからの発光スペクトルは逆重畳されている。 また、以下により詳細に論じる図17を使用して、次の節で論じる非重畳スペクトル分解およびイメージングシステムの使用を例示する。
    【0066】
    スペクトル分解およびイメージングのための装置の第2および第3の実施形態 本発明を実施するのに有用な装置の第2の実施形態では、放出帯域幅(emission bandwidth)によるイメージの捩れまたは重畳が生じないことを保証するという特徴を有するスペクトル分散構成要素が採用され、その結果、イメージデータを処理するのに逆重畳ステップが必要ない。 図11は、この第2の好ましい実施形態を例示する。 あらゆる波長が別の角度でプリズムを出るプリズムと異なり、共通の角度でダイクロイックビームスプリッタに入射した事前定義された帯域幅範囲内の全ての光が、ダイクロイックビームスプリッタを同じ角度で出る。 その結果、ビードを出る光の発光スペクトルとそのビードのイメージとの間に重畳が存在しない。 そのようなスペクトル分散構成要素を使用するとき、第1のスペクトル帯域幅の光が、事前定義された公称角度(nominal angle)で第1のダイクロイックビームスプリッタから反射される。 第2のスペクトル帯域幅の光が、第1のダイクロイックビームスプリッタを通って次のダイクロイックビームスプリッタに進められ、別の事前定義公称角度でそこから反射される。 第3のスペクトル帯域幅の光は、第1および第2のダイクロイックビームスプリッタを通って第3のダイクロイックビームスプリッタに進められ、第3の事前定義公称角度でそこから反射される。 ダイクロイックビームスプリッタは、適切なスペクトル通過帯域で所望の光スペクトルをカバーするように選択される。 図11に、5色積層楔形スペクトル分散フィルタアセンブリ252を例示する。 この第2の実施形態は、図2および3に示される実施形態と実質的に同様であり、ただし、スペクトル分散プリズム要素36(図2および3)が、スペクトル分散フィルタアセンブリ252によって置き換えられている点が異なる。 スペクトル分散フィルタアセンブリは、光を、様々な帯域幅を有する複数の光ビームに分割する。 そのようにして生成された各光ビームは、異なる公称角度で指向され、それにより検出器44の別の領域に入る。 スペクトル分散フィルタアセンブリ252によって生成される各帯域幅間の公称角度分離は、対象空間内のイメージングシステムのフィールド角よりも大きく、それにより検出器上で、様々な帯域幅のフィールドイメージの重なりを防止する。
    【0067】
    スペクトル分散フィルタアセンブリ252は、赤色ダイクロイックフィルタR、橙色ダイクロイックフィルタO、黄色ダイクロイックフィルタY、緑色ダイクロイックフィルタG、および青色ダイクロイックフィルタBを含む複数の積層ダイクロイック楔形フィルタを備える。 赤色ダイクロイックフィルタRは、集光レンズ32および32の光軸253に対して約44.0°の角度で向けられて、集光された光34の経路内に配置されている。 赤色波長およびそれよりも大きい波長、すなわち>640nmの光は、垂直光軸257から反時計回りに測定して1°の公称角度で赤色ダイクロイックフィルタRの表面から反射される。 赤色ダイクロイックフィルタRの例示スペクトル反射率特性R'が、スペクトル分散フィルタアセンブリ252で使用される他のダイクロイックフィルタに対応する例示スペクトル反射率特性と共に、図12にプロットされている。 図12で、O'は、橙色ダイクロイックフィルタOのスペクトル反射率特性を示し、Y'は、黄色ダイクロイックフィルタYのスペクトル反射率特性を示し、その他も同様である。 赤色ダイクロイックフィルタRによって反射された光は、スペクトル分散フィルタアセンブリ252を出て、イメージングレンズ40aおよび40bを通過し、このレンズにより、光はTDI検出器44の赤色光受取り領域上にイメージされ、この領域は、図11に示されるようにTDI検出器の右端に配置されている。
    【0068】
    橙色ダイクロイックフィルタOが、赤色ダイクロイックフィルタRのわずかに後方に配設され、光軸253に対して44.5度の角度で向けられている。 橙色波長およびそれよりも大きい波長、すなわち>610nmの光が、垂直光軸257に関して0.5°の公称角度で橙色ダイクロイックフィルタOによって反射される。 集光された光34の、640nmよりも長い波長を有する部分は、すでに赤色ダイクロイックフィルタRによって反射されているので、橙色ダイクロイックフィルタOの表面から反射される光は、610nmと640nmの間の橙色領域で効果的に帯域通過する。 この光は、垂直光軸257から0.5°の公称角度で進み、イメージングレンズ40aおよび40bによってイメージされ、それにより、TDI検出器の中心領域と赤色光受取り領域との間で、TDI検出器44の右側に配置された橙色光受取り領域に入る。
    【0069】
    黄色ダイクロイックフィルタYが、橙色ダイクロイックフィルタOのわずかに後方に配設され、光軸253に対して45°の角度で向けられている。 黄色波長、すなわち560nmおよびそれよりも長い波長の光が、垂直光軸257に関して0.0°の公称角度で黄色ダイクロイックフィルタYから反射される。 黄色ダイクロイックフィルタYによって反射される光の波長は、560nmと610nmの間の黄色領域内で効果的に帯域通過し、垂直光軸257付近でイメージングレンズ40aおよび40bによってイメージされ、それによりTDI検出器44の中心に向かって黄色光受取り領域に入る。
    【0070】
    ダイクロイックフィルタR、O、およびYと同様にして、ダイクロイックフィルタGおよびBは、TDI検出器44のそれぞれ緑色および青色光受取り領域に緑色および青色光帯域幅をイメージするように構成され、向けられており、それらの領域は、TDI検出器の左側に配置されている。 様々な事前定義角度でダイクロイックフィルタを積層することによって、スペクトル分散フィルタアセンブリ252は、一括して働いて、TDI検出器44の事前定義領域上に光スペクトルの事前定義周波帯内の光をフォーカスする。 スペクトル分散フィルタアセンブリ252で使用されるフィルタは、上述した特性および図12における特性とは異なるスペクトル特性を有することができることを当業者は理解されよう。 さらに、スペクトル特性は任意のものであってよく、所望の分散特性を達成するためにダイクロイックのものに限定しない。
    【0071】
    前の論述におけるダイクロイックフィルタの楔形状により、フィルタをほぼ接触した状態で、接触した状態で、または場合によっては一体に接合した状態で配置して、スペクトル分散フィルタアセンブリ252を形成することができる。 ダイクロイックフィルタ用の基質に加工された楔形状の角度は、スペクトル分散フィルタアセンブリ252の簡単な組立てを可能にし、隣接するダイクロイックフィルタ間に楔形基質が挟まれたモノリシック構造を形成する。 フィルタが互いに接触している、または一体に接合している場合、フィルタのスペクトル性能を決定する材料の組成物は、接触していないものとは異なる場合がある。 平坦な非楔形状基質を使用してスペクトル分散フィルタアセンブリ252を製造することもできることを当業者は理解されよう。 この場合、フィルタを機械的に取り付けるなど別の手段を使用して、フィルタ間の角度関係を保つことができる。
    【0072】
    前述した構成に加えて、非捩れスペクトル分散システム250は、任意選択で検出器フィルタアセンブリ254を含んで、帯域外信号に対して必要な拒絶の量に応じて、各光ビーム中の望ましくない信号をさらに減衰させることができる。 図13は、上述した5色帯域に対応する1つの例示検出器フィルタ254の構成を例示し、青色スペクトル領域256、緑色スペクトル領域258、黄色スペクトル領域260、橙色スペクトル領域262、および赤色スペクトル領域264を含み、それら全てが、図に示されるように並んで配置されている。 青色、緑色、黄色、橙色、および赤色スペクトル領域または周波帯の対応するスペクトル特性が、それぞれ図14A〜14Eに示されている。 図13に示される検出フィルタアセンブリは、共通の基質上に横並び構成で個別フィルタを接合することによって、または当業者によく知られている他の手段によって構成することができる。 さらに、別法として、フィルタをTDI検出器44のすぐ前ではなく、中間イメージ面に配置することができることを当業者は理解されよう。
    【0073】
    図11に示される実施形態では、光は、スペクトル分散フィルタアセンブリ252を出る前にスペクトル分散フィルタアセンブリ252内の各ダイクロイックフィルタを二回通過する場合がある。 この条件は、帯域外信号をさらに減衰させるが、帯域内信号も減衰させる。 図15は、光が反射後に別のダイクロイックフィルタを通過しない本発明で有用な第3の実施形態を例示する。 この実施形態では、赤色キューブフィルタ266、黄色キューブフィルタ268、緑色キューブフィルタ270、および青色キューブフィルタ272を含む複数のキューブダイクロイックフィルタが、任意のキューブフィルタを光が複数回通過しないことを保証するのに十分なだけ離隔されている。 図11の第2の実施形態と同様に、キューブダイクロイックフィルタは、事前定義された帯域幅内の光をTDI検出器274上の異なる領域にイメージするように適切な角度に向けられている。 光は、各キューブダイクロイックフィルタ266、268、270、および272から反射されると、イメージングレンズ40aおよび40bに向けられ、光の様々な帯域通過部分が、TDI検出器274の光受取り面上に画定された対応する赤色、黄色、緑色、および青色受取りセグメントまたは領域にフォーカスされる。 望みであれば、検出器フィルタアセンブリ254と同様の構成の光検出器フィルタアセンブリ276(ただし橙色スペクトル領域を有さない)を使用して、帯域外信号の拒絶を増進することができる。 この適用例では、キューブフィルタではなく個別の離隔プレート、またはペリクルビームスプリッタも使用することができることが当業者には明らかであろう。
    【0074】
    図15に例示される第3の実施形態では、イメージレンズ40aおよび40bは、レンズ40aおよび40bの開口(clear aperture)要件を最小限に抑えるために複数のキューブフィルタから十分な距離だけ離して配置しなければならない。 紙面に垂直な平面内での開口は、レンズと複数のキューブフィルタとの間の距離が増大するにつれて増大する場合があることを当業者は理解されよう。 したがって、レンズ40aおよび40bの配置は、両方の平面内の開口に適切に対処するように選択しなければならない。
    【0075】
    前の非重畳実施形態の前述の説明は、4色および5色システムの使用を例示する。 より多い、またはより少ないフィルタを有するスペクトル分散構成要素をこれらの構成で使用して、より広い、またはより狭いスペクトル領域、あるいは所与のスペクトル領域内での様々な通過帯域をカバーするシステムを構成することができることを当業者は理解されよう。 同様に、使用されるダイクロイックフィルタおよび/または帯域通過フィルタの数およびスペクトル特性を適切に選択することによって本発明のスペクトル解像度を増大または低減することができることを当業者は理解されよう。 さらに、フィルタの角度または向きを、TDI検出器での任意の所望の点に所与の帯域幅の光を向けるように調節することができることを当業者は理解されよう。 さらに、波長によって昇順または降順で光をフォーカスする必要がない。 例えば、蛍光イメージング適用例で、波長に対応するフィルタがシステムの光軸に関して向けられている角度を変えることによって、TDI検出器上で励起波長と放出波長との間により大きな空間分離をもたらすことが望まれる場合がある。 最後に、集光された光の分散は、角度、位置、偏光、位相、または他の光学特性を含めた非スペクトル特性に基づいて実施することができることが当業者に明らかであろう。
    【0076】
    図17は、3つのビードを考察した場合の、本発明のスペクトル分解実施形態に関して検出器上に投影されたイメージを例示する。 この例では、各ビードが、最大4つの異なる蛍光色素から構成された一連の4つの一意のレポーターを有する。 プリズムベースのスペクトル分解実施形態で行われる場合と同様に、レポーターイメージの広がりはない。 対象空間内でのフローに垂直なフィールド角も図17に示されている。 この特定の構成では、対象空間内のフィールド角は+/−0.25°未満である。 フィールド角をより大きく、またはより小さくすることができることを当業者は理解されよう。 例えばスライド上またはブロードフラットフロー(broad flat flow)中のより広い領域にわたって細胞をイメージするために、フィールド角がより大きくなる程度まで、検出器でのフィールド角は、使用される色の数に比例して増大する。 フロー軸と光軸の両方に垂直な軸で細長い断面を有する、フロー細胞290を含む図16Bに示される市販のフロー細胞を使用してブロードフラットフローを簡単に生み出すことができることを当業者は理解されよう。 ブロッドフラットフローの発生は、米国特許第5422712号を含む多くの参考文献で論じられている。
    【0077】
    スペクトル分解およびイメージングのための装置の第4の実施形態図16Aに例示されている本発明に関連するスペクトル分解およびイメージングに有用な装置の第4の実施形態は、第2および第3の実施形態と同様であり、スペクトル分解プロセスによる発光スペクトルとイメージとの重畳が生じない。 スペクトル分解は、前述したようにダイクロイックフィルタの使用によってフローに概して垂直な軸で行われる。 しかし、この実施形態では、個別のイメージングレンズおよび検出器が各スペクトル領域に関して使用される。 ダイクロイックフィルタ277は、光収差を最小限に抑えるために集光レンズ278の後で無限遠(対象物に関して)に配置されている。 各ダイクロイックフィルタ276aの後、個別イメージングレンズ280を使用して、対応する検出器282上に対象物のイメージを形成する。 この構成では、検出器282はそれぞれ、1つのスペクトル帯域のみをカバーするので、他の実施形態よりも画素が少ない。 この実施形態の6色バージョンが採用される場合、単一の検出器上のイメージは、図17に例示した検出器の1つの区域で見られるイメージと同様に現れる。 例えば、スペクトルの赤色部分での光を受け取るように構成された検出器上で見られるイメージは、図17の最も右の区域と同様に現れる。 各検出器の画素の総数が小さいので、これらの検出器は非常に高速で動作することができる。 図16Aに示される実施形態は、対象物からの光が各ダイクロイックフィルタ277を1回しか通過しないので、他の実施形態よりも効率が良いという利点を有する。 この実施形態のさらなる利点は、色ごとに各検出器282に個別にフォーカスすることができ、それにより長手方向色補正の制約を取り除くことによって光学設計を簡略化することができることである。 図2Cに示されるものなど追加の対物レンズ48およびスリット52を図16Aに示される実施形態に組み込んで、望ましくない光が画素化検出器の1つまたは全てにぶつかるのを防止することができる。
    【0078】
    スペクトル分解およびイメージングのための装置の第5の実施形態図16Bは、スペクトル分解イメージングのための別の実施形態を例示する。 これは前の実施形態と同様であり、しかし、検出器上にイメージを投影するのに必要なイメージングレンズの数を低減するという利点を有する。 図16Bのイメージングシステムでは、ビード(または他の対象物)からの光が対物レンズ281によってスリット283にフォーカスされる。 スリット283は、対物レンズ281によってスリットにフォーカスされない光を阻止するのに十分狭く、それにより無関係の光がスリットを通過するのを防止する。 スリットを通過した光は、集光レンズ284によって集光され、次いでイメージングレンズ285に向けられ、その両方が、ダイクロイックフィルタ286の前に配置されている。 各検出器287が、各検出器287の表面上に対象物をイメージするように光路に沿って適切な位置に配置される。 検出器287は、検出器287上にビードまたは他の対象物をイメージするために光路に沿って適切な位置に配置される。 フィルタは、対象物のイメージに関して収束空間内に配置され、したがって各フィルタは、その設計に応じて、非点収差、コマ収差、球面収差、および色収差を各下流検出器でのイメージに与えることができる。 徐々に大きくなるこれらの収差はそれぞれ、各後続のフィルタによって追加される。 本発明の典型的な実装形態では、フィルタ空間の開口数が約0.03である。 したがって、ダイクロイックフィルタに関してキューブ基質が採用される場合、コマ収差および非点収差は無視することができ、球面収差は、0.15波ピーク未満である。 長手方向色収差は、当該の色帯域に関する最良フォーカスの平面に検出器を移動させることによって効果的に相殺される。 理論上優れた光性能をもって、キューブの平面内でペリクル(pellicle)を使用することもできる。
    【0079】
    ダイクロイックフィルタ286に関してプレート基質が採用される場合、非点収差が収差の主なものになる。 非点収差は、プレートダイクロイックフィルタを通る伝送波面に与えられ、図16Cに示されるようなほぼ同じ厚さ、入射角、およびガラスタイプのクリア補正プレート360を挿入することによって効果的に打ち消すことができる。 しかし、補正プレート360は、ダイクロイックフィルタ361に関して軸Zの周りで90度回転しなければならない。 補正プレート360およびダイクロイックフィルタ361は、伝送波面において、等しいが反対の量の非点収差を与え、それにより互いに打ち消し合う。 したがって、光衝撃検出器342は非点収差を受けない。 この構成は、少量の残余コマ収差を残す。 しかし、光学的性能は回折限界に非常に近い。 検出器341にぶつかる光は、伝送光ではなく反射光であるので、非点収差にはほとんど関係ないことに留意されたい。
    【0080】
    光の伝搬に関して、厚さ、材料、および/または角度の調節を伴って、補正プレートを多くの代替位置に配置することができることを当業者は理解されよう。 集光レンズ340の後で採用されるいくつかの要素のみを含む光学システムの一部のみを図16Cに示してあることに留意されたい。 当然、フロー細胞、任意選択の光源、および追加の検出器(図16A参照)が完全なシステム内に含まれる。
    【0081】
    任意の非捩れスペクトル分散実施形態を、追加の対物レンズ48およびスリット52を使用して構成して、図16Bに示される共焦ストップ構成(confocal stop arrangement)を形成することができる。 図16Bはまた、ダイクロイックフィルタの伝送または反射経路内に検出器を配置することができることを例示している。 複数検出器実施形態はそれぞれ、図16Bに例示されるように、ダイクロイックフィルタを通って伝送される光、ダイクロイックフィルタによって反射される光、または伝送と反射の組合せでの光を検出器が受け取るように構成することができる。
    【0082】
    図16Bはまた、ポンプシステム、エンコードビードが混入されている流体用のリザーバ、およびすでにイメージされ読み取られたビード用のリザーバなど、本発明によるイメージングシステム内に有益に取り込むことができる任意選択の補助構成要素も示すことに留意されたい。 そのような構成要素は、本発明の他のイメージングシステム内に同様に組み込むこともできることを理解されたい。
    【0083】
    全てのスペクトル分解およびイメージング実施形態において、対象空間内の1つの検出器画素がほぼ単一レポーターのサイズとなるように倍率が設定されることが予想される。 検出器画素サイズを10ミクロンとし、レポーターサイズを1ミクロンとすると、倍率は約10Xに構成される。 同様に、レポーターが0.5ミクロンの場合、倍率は約20Xに設定される。
    【0084】
    上で参照した米国特許第6211955号に開示され、図1および4に図示されているように、スペクトル分解およびイメージングシステムの複数の区間を使用して、複数の視点からイメージおよび対応する信号を収集することができる。 図1に2つの区間が示されている。 しかし、図3および4に示されるようにエピ照明が適用された場合、4つの区間を使用して、キュベットの各側からビードを監視することができる。 ビードから放出された光はまた、開口数を改善するためにキュベットに光学的に直接結合することができる対物レンズを用いて集光することができる。 さらに、光学的区間はそれぞれ、複数の焦平面でビードをイメージして、別の焦平面で焦点外にある場合があるレポータービードに対するフォーカスを改善することができる。
    【0085】
    画素化検出画素化検出は、CCD検出器がフリーズフレーム様式でフロー中のビードを監視するフレームベースのCCDイメージ収集を採用する。 この方法は、ぶれを防止するために積分時間を非常に短くする必要がある。 短い積分時間は、ストロボ光源、あるいはシャッタまたはゲート検出器と組み合わせた連続光源を用いて達成される。 いずれの場合にも、短い積分時間が、信号対雑音比、および蛍光信号を用いる手法の最終的な感度を低減させる。 さらに、フレームベースのカメラは、画素化検出器外でデータを転送する時間を必要とし、その間、イメージが獲得されず、対象のビードが検出から漏れる可能性がある。 しかし、これらのタイプの検出器は、容易に利用可能であり、安価であり、フロー中のビードの速度の正確な知識を必要としない。
    【0086】
    画素化検出のための代替手法画素化検出のためのビードイメージングに有用な別の手法は、やはりフレームベースのCCDイメージ収集を採用するが、フリーズイメージ動作に対するストロボ照明またはシャッタ検出に依拠しない。 そうではなく、回転または振動ミラー(図示せず)を使用してビードの動きを補償して、検出器上に静止画像を生成する。 この技法は、連続照明を採用することができ、それにより蛍光を解析するときにストロボシステムよりも高いレベルの感度を達成する。 しかし、この手法は、ミラーの慣性がビード速度の急速な変化の補償を妨げるので、ビード速度の正確な測定と非常に安定した流体ポンプシステムとの両方を必要とする。
    【0087】
    画素化検出のためのさらなる技法画素化検出のためのさらに別の方法は、TDI CCDイメージ収集を使用する。 TDI検出では、入射イメージによって検出器内部で生成される電子信号が、イメージの動きと同期して検出器で進められる。 このようにすると、信号積分時間を、従来のフレームイメージングモードよりも1000倍以上高めることができる。
    【0088】
    ビード照明本発明のいくつかの実施形態に関連して前述したように、かつ図3および4に示したように、いくつかの異なる照明システムを採用して、フロー中のビードを照明することができる。 標準的な手法は、スペクトル分解およびイメージングシステムに垂直に向けられた経路に沿って光を提供する光源を用いてフロー中のビードを照明することを含む。 図3および4に示され、上で参照した米国特許第6211955号に開示されているものなどの代替照明モードは、明視野、暗視野、位相差、蛍光およびEPI蛍光イメージの発生を可能にする。 2000年10月11日出願の「Multipass Cavity for Illumination and Excitation of Moving Objects」という名称の米国特許出願第09/689172号は、ビードに入射する光子の数を10倍以上に高めることができる照明方法を開示する。
    【0089】
    照明システムの設計はまた、ビードフローと同期したストロボを必要とせずに、高感度蛍光測定のためにパルス光源または他のストロボ源を使用できるようにする。 また、高い縦横比が、キュベット内への直線アレイダイオード照明の効率の良いカップリングを可能にする。
    【0090】
    ビード速度測定ビード速度の正確な知識が必要とされる第2および第3の画素化検出技法では、2001年8月24日出願の「Measuring the Velocity of Small Moving Objects Such as Cells」という名称の米国特許出願第09/939292号にどちらも開示されている周波数領域速度測定(FDVM)技法または時間領域速度測定(TDVM)技法を採用することができる。 FDVMでは、大きなFOVが不透明バーと透明バーのルーリング上にイメージされる。 FOV内部の対象物の動きは、ルーリングにわたって進むときに、その強度の変調をもたらす。 変調周波数は、対象物の速度に比例し、高速フーリエ変換解析を使用して求めることができる。
    【0091】
    従来の飛行時間測定スキームで2つの検出器を使用して速度を求めることもできるが、非常に制限されたスループットである。 しかし、スループットが増大し、複数の対象物の飛行時間が同時に測定されるとき、飛行時間測定はより複雑になる。 そのようなシステムは、監視中の対象物の進入時間と退出時間の相関が失われたときに機能しなくなる。 使用されることが好ましい飛行時間システムは、進入および退出検出器によって生成される波形が相互相関して、速度の変化を示す位相変化を検出する、改善されたスキームに依拠する。
    【0092】
    試料取扱い従来技術のフロー血球計算器で使用されるタイプの標準ポンプ技法を使用して、キュベット内部でミクロンスケールの位置決め精度でビードを流体力学的にフォーカスすることができる。 ビードの流体力学的フォーカシングは、ビードが光学システムの焦平面内、または焦平面付近に位置することを保証する。 本発明における懸濁液中のレポーターラベルビードの取扱いは、基質上に単層でビードを配列する必要性をなくす。 10億個のビードを含む大きな試料を解析するとき、基質方法は、10億個以上のビードを搬送するのに必要な基質の数、または単一基質のサイズにより、実用的でなくなる。 40億個の10ミクロンビードの試料は、4.0cm 3または4.0ミリリットル程の体積を占める。 比較として、完全稠密単層(perfect tightly packed monolayer)に配列したとき、その40億個のビード試料は、一辺が24インチ(60.96cm)超の正方領域を占める。 あるいは、標準の顕微鏡スライドなど、より管理可能な形で生成されるとき、40億個のビードの試料は、1728スライドよりも多くを占める。 懸濁液中のビードを取り扱う他の利点は、高速で個々のビードを分類することができる能力、複数の視点からビードイメージを収集することができる能力、および収集システムの焦点面付近で厳密なフォーカス可能コアにビードを流体力学的にフォーカスすることができる能力を含む。 フロー中のスループットを高めるために、試料ストリームは、フローに垂直な平面内で高い縦横比を有することができる。 この技法は、米国特許第5422712号「Apparatus for Measuring Fluorescent Spectra of Particles in a Flow」で論じられており、その明細書および図を、一般にブロードフラットフローと呼ばれる技法に関する背景情報を提供する目的で参照により本明細書に特に組み込む。 ブロードフラットフローにより、対象物は、フロー細胞を通る単一ファイルではなく、平面内を流れることができる。 これは、厳密な焦点面を維持しながら互いに多少は平行にビードが流れることができるようにすることによってスループットを高める。 フロー軸と光軸の両方に垂直な軸で細長い断面を有するフロー細胞290を含む図16Bに示される市販のフロー細胞を使用して、ブロードフラットフローを簡単に生み出すことができることを当業者は理解されよう。
    【0093】
    画素化イメージに対する空間およびスペクトル補正第2から第5の実施形態では、デコーディングプロセスの完全性を改善するために、(1つまたは複数の)画素化検出器から出る信号に対して任意選択で空間およびスペクトル補正が施される。 そのようなシステムに関する方法および装置は、「Method and Apparatus for Cross-Talk and Spatial Registration Correction for Multi-channel Imaging」という名称の米国仮特許出願第60/286713号に開示されている。 このスキームでは、検出器上のチャネル間の空間見当合わせ誤差、または検出器間の空間見当合わせ誤差が補正されて、検出器に投影される光の原点をより正確に決定する。 同様に、空間補正が施された後、(1つまたは複数の)検出器上の各画素に投影される光のスペクトル内容をより正確に求めるために、チャネルまたは検出器間での任意のスペクトルクロストークを除去するようにスペクトル補正が施される。
    【0094】
    本発明におけるイメージングシステムを例示する全ての図では、画素化検出器を採用している。 いくつかの実施形態では、図11に例示されるように、レポーターラベルキャリアビードの複数のイメージが単一の検出器上に投影される。 図16Aに例示されるものなど他の実施形態では、複数の検出器が採用されて、それぞれが、同じレポーターラベルキャリアビードの異なるイメージを含む。
    【0095】
    理想的には、本発明によってイメージされるレポーターまたはキャリアがそれぞれ、特定のチャネルの通過帯域のエッジによって完全に境界を画された波長からなる光を送達する。 この場合、各光源タイプ(ビード蛍光色素)は、検出器の1つのチャネルのみに、または複数の検出器実施形態の場合には1つの検出器のみに現れる。 しかし多くの場合、レポーター、キャリア、または結合信号で使用される蛍光色素は、関連するイメージングフィルタの通過帯域よりも広い波長範囲にわたる。 これは、いくつかの蛍光色素の発光スペクトルが波長対強度のプロット上でいくつかのチャネルの通過帯域にわたって重畳されている図23に明らかに例示されている。 この場合、各光源201からの光が、2つまたは3つのチャネル202によって受け取られる。 このとき、各チャネルによって搬送される信号は、複数の光源からの情報の合成である。 これは、特にレポーターが強度コード化およびスペクトルコード化されるときにレポーター同定を困難にする。 したがって、様々な検出器またはチャネルからの信号を、各レポーター、キャリア、または結合信号に関するスペクトル内容および強度を正確に求めるためにクロストークを除去するようなかたちで操作しなければならない。
    【0096】
    基本的には、クロストークを除去するために、以下に示される一連の線形方程式を解かなければならない。
    【0097】
    1 =α 111 +α 122 +α 133
    2 =α 211 +α 222 +α 233
    3 =α 311 +α 322 +α 333
    ここで、
    j =チャネルjからの測定値s i =光源iの特性パラメータα ij =チャネルjへの光源iの重み付け係数【0098】
    重み付け係数は、測定値を収集するために使用される光源に関する情報およびチャネルに関する情報をもつ。 上の式は、変数s iおよびm jをベクトルとして処理し、変数α ijを行列として処理する線形代数の方法を使用して解かれる。 このプロセスに関する一般的な用語は「クロストーク補正」である。 これは、補正チャネルに隣接するチャネルに入った光源からの情報を除去するからである。 この情報スピルオーバー(spillover)は、電話使用者に他の回線からの会話が聞こえるバンドル式電話回線でのクロストークに類似している。
    【0099】
    一連の式を、各画素位置ごとに解かなければならない。 このとき、画素位置ごとに正しい測定値が式に入力されるように、全てのチャネルからのイメージを互いに精密に位置合わせすることが重要である。 したがって、クロストーク補正が施される前に、視野に属するイメージに計算プロセスが施される。 「視野」は、イメージ内で捕捉されるシーンである。 視野に属するイメージは、その視野に関する「イメージ集合」と呼ぶことができる。
    【0100】
    図24は、空間およびスペクトル補正を行うのに必要な操作のブロック図である。 これは、ブロック305で実行される空間補正を施す操作と、ブロック306で実行されるスペクトルクロストーク補正を施す操作との2つの重要なイメージ処理操作を含む。 ブロック305で、複数のチャネルからのイメージが空間的に位置合わせされ、ブロック306で、チャネル間クロストークを除去するために補正が施される。 ブロック305および306で実行される操作をサポートする2つのクラスの情報が存在する。 第1のクラスは、操作中の器具のオンライン較正から導出される較正定数のクラスである。 情報をサポートする第2のクラスは、定数の格納テーブルが操作中にアクセスされ、しかし修正されないものである。
    【0101】
    ブロック301で、複数のオフセットストライプ(較正イメージに関する空間オフセットが知られている)から生成される較正イメージを器具に導入する。 次いで、ブロック302で、器具が、ストライプ間の空間オフセットを計算する。 ブロック303で、X、Y(平および垂直)空間オフセットを求める。 そのような空間オフセットに応答可能なイメージ位置合わせ誤差は、操作中に変化する場合がある熱ドリフトおよび他の要因を受ける可能性があることに留意されたい。 ブロック305で、他の情報と共にX、Y空間オフセットを使用して、空間補正を施す。
    【0102】
    格納される定数は、イメージされる対象物の測定値および既知の特性から導出される。 ブロック306で実行されるクロストーク補正で適用されるものとは異なる格納された定数が、ブロック305で実行される空間補正に適用される。 例えば、互いに関するチャネルの一般的位置が知られており、これらの位置は、ブロック305で実行される空間補正に必要である。 ブロック308で、互いに関するチャネルの一般的位置に関する格納データが、ブロック305の空間補正を実行するプロセッサに提供される。 ブロック306で実行されるクロストーク補正に関して、ブロック309で、反転源係数(inverted source coefficient)に関係する格納データが提供される。 適切であれば、追加の格納測定値および既知の特性も第2のクラスに組み込み、空間補正操作またはクロストーク補正操作に提供することができることに留意されたい。
    【0103】
    イメージ処理ステージは、システム操作中にイメージが収集されるときにリアルタイムで、または格納イメージファイルへのオフラインアクセスによって適用することができる。 ブロック305および306で空間補正およびスペクトル補正されるイメージは、ブロック304によって提供される。 結果として得られた補正イメージは、ブロック307で出力され、さらなる処理および解析に適しており、クロストークおよび位置合わせ誤差によって生じる情報劣化を受けない。
    【0104】
    本発明の好ましい実施形態の一般的な操作のブロック図が図25に示されている。 「イメージ集合」は、一連のイメージを表し、全てのイメージが同じ視野を示し、しかしそれぞれが、特定のチャネルからの信号から構成されている。 集合中のイメージの数は、器具におけるチャネルの数に等しい。 イメージ集合は、ブロック401で生成される。
    【0105】
    位置合わせプロセスがイメージ集合に作用するためには、X(水平)およびY(垂直)オフセットが必要とされる。 これらのオフセットはブロック403で提供される。 図24に関して上述したように、これらのオフセット値を求めるために較正イメージが処理される。 較正プロセスは、器具の操作での予備ステップとして進めることができる。 較正は、例えば温度変化によって生じるイメージ見当合わせのドリフトを追跡するために定期的に繰り返される。 オフセットを発生するプロセスは、図26のブロック図によって例示されている。
    【0106】
    ブロック404で、行を画素増分だけシフトすることによってイメージが位置合わせされる。 ブロック406で、位置合わせされたイメージが、ブロック403で求められたX、Yオフセットに基づいてブロック405で生成された挿間カーネル(interpolation kernel)を使用して、浮動点挿間によって生成される。 ブロック407で、ブロック408によって提供されるスペクトル係数行列を使用して、上述したクロストーク補正プロセスが施される。 次いで、ブロック409で、8ビットグレースケールが回復され、ブロック402で出力するように最終的なイメージが準備される。
    【0107】
    次に図26のブロック図を参照すると、ブロック501によって表される各イメージに関して、空間オフセットの生成の第1の操作は、ブロック502および503で実行される境界検出の操作である。 ブロック502で求められた境界情報から、ブロック504でフーリエ変換が施され、次いで、基準チャネルで高速フーリエ変換が施される。 ブロック503で求められた境界情報から、ブロック505でフーリエ変換が施され、次いでデータチャネルで高速フーリエ変換が施される。 両方の高速フーリエ変換の結果が、ブロック508で乗算され、ブロック509で、その結果にフーリエ逆変換が施される。 次いで、ブロック510で、累積2Dコレログラム(データチャネル当たり1つ)が生成される。 追加のイメージごとにプロセスが繰り返される。 図26のブロック図で例示されるプロセスの詳細な説明を以下に提供する。 図27が補正前後の例示的なイメージを示していることに留意されたい。
    【0108】
    2次元勾配演算子を使用して、平坦面を抑え、対象物境界を改善する。 演算子は、強度の傾斜が垂直方向と水平方向の両方で大きい領域で信号を構築する。 この演算子に関する線形方程式は、以下のものである。
    【0109】
    【数1】

    【0110】


    対象物境界は、勾配演算子によって変換されるイメージ中の全てのエネルギーをもつ。 次に必要になるのは、基準イメージ上に各データイメージを重ねて、対象物境界を調整するのに垂直シフトおよび水平シフトがどれだけ必要かを測定する方法である。 相互相関が、イメージ間でこれらのシフト、すなわちオフセットを測定するための1つの好ましい方法である。


    【0111】


    2つの信号の相互相関は、2つの信号を重畳して、コレログラムと呼ばれる重畳操作の出力から情報を抽出することからなる。 時間領域内での重畳の操作は、以下の式によって定義される。


    【0112】


    【数2】


    【0113】


    どの時間サンプルtに関する重畳の値も、第2の関数を時間tだけオフセットした状態での、2つの関数の積の無限にわたる和である。 2つの信号間の時間遅延は、コレログラムにおけるピークを見出すことによって求めることができる。


    【0114】


    イメージ再位置合わせに関しては、以下のように、xy空間での関数に対して2次元で重畳が行われる。


    【0115】


    【数3】


    【0116】


    位置合わせ方法は、位置合わせすべきイメージ内に同様の構造が存在するという前提に基づいている。 理想的な場合には、第2のイメージが、xおよびy方向でのシフト以外は第1のイメージと同一である。 さらに、シフトは、その関数と2次元ディラックデルタ関数との重畳として表すことができる。 すなわち、


    【0117】


    【数4】


    【0118】


    イメージオフセットx

    0およびy

    0は、2次元コレログラムでのシフトから測定することができる。


    【0119】


    【数5】


    【0120】


    フーリエ変換は、定理で見られるように、2つのイメージの重畳を達成するための簡便な方法を提供する。


    【0121】


    【数6】


    【0122】


    このとき、周波数領域で、2次元重畳は、2つのイメージのスペクトルの行列乗算となる。 2次元コレログラムは、積のフーリエ逆変換を行うことによって得られる。


    【0123】


    対象物が数画素しか占めない場合があるので、かつイメージングシステムの解像度が画素幅程度である場合があるので、画素幅の一部分の解像度まで1つのイメージを次のイメージに位置合わせすることが正確なクロストーク補正に必要である。 コレログラムの真のピークが画素上で中心にあることはめったにない。 しかし、最大振幅の画素の周りの領域の形状を解析することによって真のピークを位置付けることができる。 その領域内でのコレログラム振幅に関して正確な式を定義することができる場合、ピークの真の位置を、単一画素幅よりも良い解像度で見出すことができる。


    【0124】


    クロストーク補正では、2次元挿間の適用によって位置合わせのためにイメージが再構成される。 このプロセスでは、イメージが、最近接画素に対する基準イメージと位置合わせされた後、各画素に関する新たな振幅値が、周囲の画素のグループの重み付けされた和として計算される。 挿間に関する重み付け係数の値は、垂直方向および水平方向で達成されるシフトの量に応じて決まる。 これらのシフト距離は、1画素幅よりも小さい。


    【0125】


    データイメージを定位に位置合わせして、クロストーク補正を達成することができる。 図27は、クロストーク補正前後のイメージを例示する。 イメージ1601は、未補正クロストークの存在時に検出器上にイメージされた対象物を明確に示す。 イメージ(imagery)1602は、クロストークが除去された後の同じイメージを例示する。 レポーター、蛍光色素、量子ドットなどをタグ付けするために使用される手段に応じて、(1つまたは複数の)検出器上に投影されるイメージからクロストークをデコーディング前に除去する必要がある場合も、その必要がない場合もある。


    【0126】


    本発明のフローイメージングシステムを使用するレポーターラベルビードの解析フローイメージングシステムの第2の実施形態によるレポーターラベルビードのデコーディングが図17に示されている。 各ビードおよびそれに関連付けられたレポーターは、検出器上の水平領域をカバーするいくつかの行にわたって複数回同時にイメージされ、各イメージが、異なる発光、反射率、または吸収バンドに対応する。 図17で、固体基質、またはキャリアビード346が大きな円によって示されており、レポーター348a、348b、348c、および348dは、より大きなビードに結合されたより小さな円として示されている。


    【0127】


    これらのレポーターそれぞれを、検出器の(任意選択の)基準チャネルで見ることができる。 このセクションでのイメージは、ビードおよびレポーターからの光源散乱信号によって、または帯域制限明視野照明から生成される吸収信号によって生成することができる。 光学シグニチャを一意に同定するために蛍光色素を使用するレポーターでは、各レポーターが少なくとも1タイプの蛍光色素を含む場合、基準チャネルが任意選択である。 結合信号は、検出器の結合信号セクション内の斜線付き円346bによって示されている。 このチャネルでの信号は、アッセイの結果、分析物がビードに結合していることを示す。 さらに、結合信号チャネルでの信号の強度を使用して、結合イベントをさらに特徴付けて、アッセイ中に存在する分析物の量を求めることができる。


    【0128】


    レポーター信号は、検出器の残りの青色、緑色、黄色、および赤色チャネルでイメージされる。 本発明は、各チャネルでの全てのレポーターイメージの相対位置を保つ。 したがって、レポーター348aは、検出器の黄色チャネルでのイメージ342aと、赤色チャネルでのイメージ342bとに関連付けられる。 レポーター348aは、黄色蛍光色素と赤色蛍光色素の両方を含み、青色または緑色チャネルには他のイメージが現れないので、他の蛍光色素はレポーター348aに存在しない。 同様に、レポーター348bは、青色チャネルでのイメージ343aと、赤色チャネルでのイメージ343bとに関連付けられ、レポーター348cは、緑色チャネルでのイメージ344aと、黄色チャネルでのイメージ344bとに関連付けられ、レポーター348dは、青色チャネルでのイメージ345aと、緑色チャネルでのイメージ345bとに関連付けられる。


    【0129】


    そのようなレポーターイメージは、特定のレポーターに関連付けられた対象物を同定するためには、既知のレポーターレジェンドに合致しなければならない。 レポーターラベルビードは、細胞、化学または生物学化合物など多くの異なるタイプの対象物と関連付けることができることに留意されたい。 発明の背景で論じたように、あるタイプのDNA関連調査は、上述したSAP技術を使用して生成されたオリゴライブラリなど合成化合物のライブラリの準備を含む。 そのような化合物は、より大きな化合物(例えばオリゴマー)を形成するために複数のサブユニット(例えばヌクレオチド塩基)を一体に組み合わせることによって生成される。 そのような化合物を生成するためにいくつかの異なる方法を採用することができるが、蛍光色素などの同定特性で各サブユニットが個々にタグ付けされている場合、レポーターの存在が、既知のレポーターレジェンドに基づいて、化合物中のサブユニットの同定と、他のサブユニットに対するそのサブユニットの位置とをエンコードする。 図19は、ヌクレオチド塩基からなるオリゴライブラリが生成されたときに生成されるレポーターレジェンドを例示する。 図19のレポーターレジェンドによれば、黄色赤色レポーター348aの存在が、ビード346に結合されたオリゴ中の第1の位置にあるシトシン(C)を示す。 青色緑色レポーター348dの存在は、ビード346に結合されたオリゴの最後の位置にあるアデニン(A)を示す。 このようにして、オリゴの全ての位置を、各レポーターに存在する色組合せを識別することによって求めることができる。 本発明を使用すると、ビード346上に合成された「CGTA」オリゴ配列をデコードすることが非常に容易になる。 さらに、結合信号(図17参照)の存在は、相補的「CGTA」配列がアッセイ中にビードに結合しているか否かを示す。 レポーターラベルビードは、個々にラベル付けされたサブユニットを含む化合物の全てのサブユニットを同定するのに有用であるが、サブユニットレベルではなく、単に化合物レベルで化合物をラベル付けする(かつ読み取る)のにも有用であると予想されることに留意されたい。 したがって、本発明の装置および方法は、個々にラベル付けされたサブユニットを含む化合物のみをイメージして読み取ることに限定されない。


    【0130】


    上述したデコーディングプロセスは、上述したフローイメージングシステムの第4および第5の実施形態と同一であるが、各スペクトル帯域が個別の検出器にイメージされている。 この実施形態はより多くの検出器を必要とするが、検出器当たりにスペクトル帯域が1つしか存在しないので、各検出器が比較的少数の画素列を有すればよい。 この実施形態はまた、分散構成要素を出て検出器に到達する前に光が各フィルタを2回通過しなければならない前の実施形態と異なり、検出器に到達する光がフィルタセットを1回だけ通るので、より光学的に効率が良い。


    【0131】


    検出器上のイメージから使用される蛍光色素の発光スペクトルをはじめに逆重畳することによってレポーターイメージを発生しなければならない点を除いて、第1の実施形態に関して使用されるデコーディングプロセスは、第2から第4の実施形態に関して採用されるプロセスと概念上は同様である。 ビードイメージからの発光スペクトルの逆重畳は、相当なイメージ処理を必要とし、これはリアルタイム解析には欠点となる。 しかし、この第1の実施形態の利点は、潜在的に、最高のスペクトル判別力を提供し、しかしただ1つの検出器およびただ1つの光分散要素しか使用せず、システムコストを低減することである。


    【0132】


    図18Aおよび18Bは、本発明によるレポーターラベルビードを読み取るために採用される一連の論理ステップを提供する流れ図310および410を含む。 図18Aを参照すると、開始ブロック312で、第1のビードを読み取る。 ブロック313で、検出器から画素化信号に任意選択でスペクトル補正および/または空間補正を施して、イメージの各画素でのスペクトル内容をより正確に求める。 次に、ブロック314で、ビードイメージングからのデータを、複数の異なるレポーターシグニチャチャネルに区分化する。 本発明でのシグニチャチャネルの数は、任意のレポーターに存在する異なる色の数と等しくなるか、またはそれよりも大きくなるように選択される。 図19で、レポーターレジェンドは、4色以下の色を備えるレポーターに基づいている。 したがって、図17は、「青」、「緑」、「黄」、および「赤」を含む4つの個別レポーターシグニチャチャネルを含む。


    【0133】


    ブロック316で上述した逆重畳ステップを行なうが、しかし、イメージングおよびスペクトル分解の第1の実施形態の場合のように、必要な場合のみである。 ブロック318で、分析物がビードに結合しているかどうか判定するために、結合信号チャネルをチェックして、試験する試料中の分析物の存在を示す。 結合信号が存在しない場合、決定ブロック324で、より多くのビードが読み取られるかどうか論理が判定する。 決定ブロック324で、それ以上ビードが読み取られないと判定された場合、図18Bに関して以下により詳細に述べるように、ブロック326でビード同一性および結合強度のリストが生成される。 決定ブロック324で、より多くのビードが読み取られると判定された場合、ブロック328で次のビードが読み取られて、論理は、上述したブロック313にループして戻る。


    【0134】


    決定ブロック318で結合信号が存在すると判定された場合、ブロック320で、結合信号の存在および/または強度をメモリに格納する。 ブロック322で、図18Bに関連して以下に詳細に説明するようにビードをデコードする。 デコーディングプロセスでは、有効なビードシグニチャが見出されたときに、結合インジケータと共にシグニチャまたは化合物同一性が格納される。 この時点で、上述したように決定ブロック324で、論理は、より多くのビードが読み取られるかどうか判定する。


    【0135】


    化合物同一性を求めるための方法が、図18Bで流れ図410によって例示されており、これは、図18Aのブロック420で述べたように、上述したように図18Aのブロック322で実行される。 ビードイメージが各チャネルで区分化された後、個々のレポーターが、それらの同一性を判定するために評価される。 ブロック422で、各レポーターに対応するイメージを各シグニチャチャネルに位置付ける。 これは、各シグニチャチャネルでのイメージを評価して左上のレポーターイメージおよび他のチャネル内のそれに対応するイメージを見出すことを含むが、しかしそれに限定されない任意の手段によって達成することができる。 各チャネルでの区分化領域にわたって左から右に、かつ上から下に移動すると、あらゆるレポーターが各チャネル内に位置する。 ブロック424で、レポーターを、そのスペクトル内容について評価し、その結果を格納する。 決定ブロック426で、論理は、より多くのレポーターが解析されるかどうか判定する。 より多くのレポーターが解析される場合、論理は、ブロック424にループして戻り、イメージ中で見出される各レポーターに関してプロセスを繰り返す。 決定ブロック426でそれ以上のレポーターが解析されないと判定されると、ブロック428で、図19のレポーターレジェンドに対してレポーターシグニチャが比較されて、化合物同一性が判定される。


    【0136】


    決定ブロック430で、論理は、ビードが有効なシグニチャを有するかどうか判定する。 シグニチャが有効でない場合、そのことをブロック432で記す。 シグニチャが有効である場合、ブロック434でそのシグニチャを格納する。 レポーターレジェンドによってサポートされない場合、シグニチャは無効である。 図18Bに例示されるプロセスは、各ビードごとに繰り返される。 そのようなプロセスが自動化され、計算デバイスによって実行されると、単一のビードを解析するプロセスが非常に迅速に行われることを理解されたい。


    【0137】


    DNA配列決定、多型解析、および発現解析のためのライブラリのフロー解析 長さNのDNAオリゴマーの完全なセットを備えるビードライブラリを仮定すると、ライブラリのサブセットは、長さが約N以上の単鎖目標DNAの任意の部分にハイブリダイズする。 ビードに対する目標DNAの相補性がN塩基未満である場合、(溶融温度T

    mによって測定される)ハイブリダイゼーション強度が落ちる。 バイナリエンコーディングスキームで採用される6つのレポーター色が、長さ16までのオリゴのビードライブラリをエンコードするのに十分である。 上述したように、オリゴ長の選択が、完全なライブラリに必要なビードの数、ライブラリをエンコードするのに必要なレポーターの数、およびハイブリダイゼーションの強度に影響を及ぼす。 より短いオリゴは、最小のビードセット、最少のレポーターを必要とし、ハイブリダイゼーション不一致に対して最小の公差を有する。


    【0138】


    最小の実際のオリゴ長は、約10merである。 完全な10merライブラリは、約100万ビードを必要とし、これは、毎秒数百ビードの速度で1時間未満に解析することができる。 完全な10mer補体のT

    mは、特にA/Tリッチ配列に関して室温に近く、したがって、いくつかの塩基の不一致により、目標DNAが室温でビードから解離する可能性が高くなる。 長さ11から16のオリゴは、室温よりもかなり高い溶融温度を有し、したがって、同じ反応の厳しさを仮定すると、長さ10のオリゴよりも多くの不一致を許容することができる。 以下の説明のために、全ての取り得る10merのビードライブラリが使用されることを仮定する。


    【0139】


    長さMの複数の同一コピーからなる目標DNAの試料が、完全なライブラリにハイブリダイズされる場合、約M−10を番号付けられたビードのサブセットは、取り付けられたオリゴの配列に基づいて目標DNAの様々な鎖にランダムにハイブリダイズする。 ハイブリダイズするオリゴはそれぞれ、図20に示されるように、ヌクレオチド1つ分ずれた配列を有し、配列の連続的に重なり合うストリングを形成する。 少なくとも1つのルミネセンスプローブを用いて直接的に、または間接的に目標DNAにラベル付けすることにより、DNAが結合されているビードが、プローブの特性発光スペクトルを有する光を放出する。 プローブスペクトルが、レポーターに関して使用されるスペクトルと異なる場合、図21に示されるようにハイブリダイゼーションを検出することができる。


    【0140】


    ハイブリダイゼーション後、ビードライブラリがフローイメージングによって解析され、結合信号を放出するビードは、それらに関連付けられたオリゴヌクレオチド配列を表すようにデコードされる。 次いで、これらの配列は、単一オリゴ配列から始めて、目標に結合されるオリゴ配列のセットの残りを調査して最も近い一致を見出すことによって、重なり合う配列の「コンティグ」に組み立てられる。 コンティグに追加される次のオリゴの端部付近にある数個を除く全ての塩基がコンティグの端部配列に重なり合わなければならないという知識によって、調査は大きく制約される場合がある。 ビードライブラリの配列決定能力は、DNAの単一伸長の配列決定中にコンティグが分岐しループする可能性、またはコンティグが、同時に配列される複数の断片にわたる可能性によって制約される。 DNA配列の最大長は、ビードライブラリのサイズのほぼ平方根である。 したがって、40億個を超えるビードの完全な16merライブラリが、約65000塩基長さのDNA伸長を配列決定することができる。


    【0141】


    図20に例示されるように、コンティグ中の各オリゴの単一塩基オフセットは、コンティグの端部を除くあらゆる場所でN倍の配列冗長が存在することを保証する。 さらに、ビードライブラリは、各独自のビード(および対応するオリゴ)の複数のコピーを含むことによって冗長を具体化することができる。 各タイプの複数のビードを有することにより、システムは、システム待ち時間(latency)、焦点ずれ、視野外レポーターなどによる未解析ビードのいくつかの部分を許容することができる。


    【0142】


    本明細書で説明する配列決定プロトコルは、単一目標DNA試料または複数の目標のプールを用いて実施することができ、これは複数のコンティグをもたらす。 目標DNAは、ゲノムDNA、ウイルスDNA、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの増幅反応によって生成されるDNAを含めた任意の源からのものであってよく、あるいは当業者に知られている任意の他の源からのものであってもよい。 さらに、RNAテンプレートによって生成されるDNA、RNA自体、またはペプチド核酸などDNAにハイブリダイズすることが知られている任意の他の分子を使用することができる。


    【0143】


    図21は、概して図22のステップに示されているSNPの同一性を判定するためのフローイメージング配列決定方法の適用を例示する。 目標DNA分子は、GまたはT成分を含む場合がある多型部位と共に示されている。 目標の配列決定時、SNP部位にわたってハイブリダイズする10個のビードが、ソースDNAが同型接合である場合にSNP位置でCまたはA成分を有する。 目標DNAが異型接合である場合、SNP部位にわたって結合するビードは、SNP位置でCまたはA成分を有する2つの集団からなる。 SNP領域の増幅のためのテンプレートとして使用されるDNAが多数の源からプールされている場合、所与のSNP位置での様々な多型の集団の相対周波数が、増幅生成物の相対発生量に反映される。 したがって、相対多型周波数は、SNP部位にわたる様々なビード配列の結合信号強度比にも反映される。 大きなゲノムでの多数の多型部位を、多型を組み込むゲノムからの短い領域を増幅して配列決定することによって同時に解析することができる。 例えば、SNPをフランク(flank)する50個のヌクレオチドは、解析のために約40〜50の別個のビードを必要とする。 この手法はDNA配列決定と等価であるので、ライブラリ能力の制約も同様である。 したがって、10merの100万ビードライブラリが、50個の塩基SNP断片のうち数十の相対周波数を解析することができる。 12merが採用される場合、ライブラリサイズは1600万まで大きくなり、約100SNPの詳細な解析を可能にする。


    【0144】


    SNPを解析するための代替手段は、目標DNAの生成中に多型選択増幅を採用することである。 すなわち、特定の多型が存在する場合、SNP領域から増幅される。 多型がなければ増幅は生じない。 多型選択性が増幅プロセスに固有であるので、ビード解析は、反応生成物の存在または不在を識別するためにのみ働く。 反応生成物の存在は、生成物と関連付けられたわずか1つの一意のビードでの結合信号によって判定することができ、これは、DNA配列決定の場合よりもビードライブラリの解析能力に対してはるかに緩い制約であり、解析能力を大幅に高める。 例えば、DNAの50塩基ストレッチが複数のSNP部位から増幅され、分析物に関してプールされる場合、各SNP断片は、少なくとも1つのビードが他の全ての断片と異なっていなければならない。 したがって、SNP断片ハイブリダイゼーションパターンの広範囲にわたる相互分岐(cross−branching)が存在する可能性がある。 したがって、ライブラリの解析能力は、所与のSNP断片にハイブリダイズするのに必要なビードの数で割ったライブラリのサイズに近づく。 50個の塩基断片を有する100万ビード10merライブラリの場合、10000個程度のSNPを同時に解析することができる。


    【0145】


    SNP遺伝子型決定の上述した方法に対するバリエーションは、SNP部位に存在する可能性がある各塩基ごとに異なるプローブ色を採用することである。 このようにすると、相対多型発生量を、SNP領域を配列決定する必要なく得ることができる。


    【0146】


    DNA配列決定および多型解析に加えて、ビード/オリゴライブラリのフローイメージングを使用して、遺伝子発現を解析することができる。 遺伝子発現解析の場合、対象の各遺伝子からの特定の配列がRNAから抽出される。 抽出は、RNA自体のセクションの切断およびラベル付け、または、例えば逆転写酵素PCRによるラベル付きDNAへのRNAの変換の形を取ることができる。 多型解析の第2の方法と同じ基本原理が発現解析に適用され、したがって、発現された遺伝子全体を配列決定する必要はない。 その代わり、増幅された発現配列に少なくとも1つの一意のビードを結合することによって示されるように、特定の断片の存在が特定の遺伝子の発現を示す。 多型部位を配列決定する場合と同様に、結合信号の強度が発現のレベルを示すことができる。


    【0147】


    ビード結合オリゴへのDNAのハイブリダイゼーションは、可逆性であり、ビードライブラリが複数回使用される可能性を高める。 各ビードシグニチャとそれに関連付けられたオリゴヌクレオチド配列との対応がビードロットの生成中に求められ、制御され、ロットからロットへと変わる可能性があるという事実に基づいて、ビードライブラリの再使用を制限するいくつかの方法が存在する。 解析中に検出されるビードシグニチャからのオリゴ配列をデコードするのに必要な情報は、ビードライブラリの無許可使用を防止するために制限される場合がある。 解析プラットフォームは、バーコードまたは他の識別機構によってビードライブラリの一意のロット番号を識別し、許可者によって分配される対応するデコーディングファイルを採用して、解析を1回または所与の回数行うことができる。 許可を制限する別の方法は、例えばインターネットを介して、解析時にビードロット番号を有する許可エンティティに使用者の解析プラットフォームを接触させる必要がある場合があり、その後、使用者の同一性および有効性が判定される。 あるいは、ビードを、例えば260nmの光を用いた照明によって解析中に物理的に変えることができ、結合オリゴヌクレオチドを破壊して、再使用を防止する。


    【0148】


    フローイメージングにおけるレポーターラベルライブラリの使用は、DNAおよびRNA解析に限定されない。 アミノ酸や薬物候補などビード上に合成することができる任意の分子をフロー中でエンコードして読み取ることができる。 この概念は、生体細胞にさえ拡張することができる。 異なるタイプの細胞を、それらの膜にラベルを取り付ける、または細胞自体の内部にラベルを位置付けることによってエンコードすることができる。 例えば、対応する特定の受容体特異抗体を識別する一意のシグニチャを有するレポーターが、細胞表面上にその受容体を発現する任意の細胞を標的にすることができる。 いくつかの場合、次いで、受容体抗体複合体の後続のエンドサイトーシスが、レポータービードも内在化する。 この結合は、特異受容体を発現する細胞を識別する。 レポーターは、ファゴサイトーシス、エンドサイトーシス、親油性接合、蛋白質転写を含めた、しかしそれらに限定されない様々な機構によって、あるいは、ストレプトリジンO、テタノリジン、E. coliヘモリジンなどの毒素への露出によって、電気穿孔法によって、または当業者に知られている他の手段を使用して細胞膜に作成される穴を介して、細胞により内在化することができる。 特定のレポーターを使用して、細胞年齢を示すために時間にわたって加えられる、かつ/または特定の薬物または環境条件に細胞を露出した際に組み込まれる細胞タイプを示すことができる。 多様な細胞タイプまたは細胞プロセスさえもエンコードするために、この概念を、レポーターラベルキャリアアセンブリを用いて細胞にタグ付けするように拡張することができる。 この場合、細胞は、他のレポーターラベルキャリアビードを搬送するキャリアビードとして作用する。 また、レポーターラベル化合物が、合成されるときにラベル付けされる複数成分化合物に限定されないことにも留意されたい。 単一成分、およびすでに合成された複数成分の化合物を、ビードに結合することができる。 次いで、レポーターを使用して、ビードに関連付けられた任意のそのような化合物にラベル付けすることができる。


    【0149】


    再び図22を参照すると、流れ図350は、遺伝子型決定、配列決定、または発現プロファイリングのためにエンコードビードライブラリを生成して使用するために採用される一連の論理ステップを提供する。 ブロック352で、N−merオリゴのライブラリを生成する。 上述した組合せSAPスキームを、指向性合成と同様、有益に採用することができる。 ほとんどの現行の議論は、区別特性として色を使用する光学レポーターを対象としているが、上述したように、他の区別特性を有する他のレポーターを、所望のサイズのエンコードビードライブラリを生成するために有益に採用することができることに留意されたい。 決定ブロック354で、使用者は、実施する解析のタイプ(遺伝子型決定、配列決定、または発現プロファイリング)を選択しなければならない。


    【0150】


    遺伝子型決定が選択される場合、論理はブロック356に進み、上述したように、対象の多型領域に関するプライマを使用してゲノムDNAを増幅する。 決定ブロック354で発現プロファイリングが選択解析として選択された場合、これも概して上述したように、ブロック358で、対象の遺伝子に関するプライマを使用してRNAを増幅する。 あるいは、配列決定が決定ブロック354で選択された場合、ブロック360で、使用者は、対象の延長配列に関するプライマを使用してゲノムDNAを増幅する。


    【0151】


    選択された解析とは無関係に、次のステップは、ブロック362で、増幅されたDNA/RNAをビードライブラリにハイブリダイズすることである。 ブロック364で、好ましくは、上述したフローイメージングシステムの1つを採用することによってビードを解析して、ポジティブビードのオリゴ配列を同定する。 ポジティブビードがイメージされた後、最終ステップは、ブロック366で、ゲノムDNA配列、多型アレル、または発現遺伝子を同定するために配列コンティグを構成することである。


    【0152】


    本発明を、本発明を実施する好ましい形、およびそれに対する修正形態に関連して説明してきたが、特許請求の範囲内で多くの追加の修正を本発明に加えることができることを当業者は理解されよう。 したがって、本発明の範囲は、上述の説明によって何らかの制限が加えられることは意図されず、特許請求の範囲を参照して完全に決定される。


    【0153】


    製薬化学化合物ライブラリ解析のためのライブラリのフロー解析現代の製薬研究は、しばしば、特異細胞受容体に結合し、それにより薬理的に有益な応答を生み出す新規のリガンドの発見に関わる。 リガンドは、製薬生成物として潜在的に有用なサイズおよび分子量の小さなペプチドまたは他のオリゴマーからなる場合がある。 本発明では、化合物の大きなライブラリを作成し、レポーターラベルビードに取り付けることができる。 これは、SAPプロセスによって、指向性合成によって、または事前エンコードされたレポーターラベルビードアセンブリに事前合成された化合物を結合することによって、化合物が合成されたときに同時に達成することができる。 本発明では、次いで、目標に蛍光ラベル付けが行われるアッセイにおいて受容体目標の多数のセットにライブラリ全体を露出し、競合結合アッセイ、または当業者に知られている他のアッセイ技法を行うことができる。 マイクロタイタープレートウェルまたはマイクロ流体デバイスで制御された形で露出を行うことができる。 好ましくは、化合物ライブラリの多数のコピーを、目標の複数のコピーと共に、マイクロタイタープレートウェル内にピペットすることができる。 十分な露出時間後、本発明に従ってウェルの内容物を引き出して解析し(またはその場(in situ)で解析し)、目標に対してどの化合物が結合親和性を示すかを判定する。 異なる目標を含む複数のウェルに関してプロセスを繰り返すことができる。 あるいは、目標が明確な蛍光色素でラベル付けされている場合、いくつかの目標を、化合物ライブラリを有する単一のウェル内に同時に問い合わせることができる。 この場合、図17に示されるチャネルの1つが二重の目的を果たし、キャリアビードのより大きなイメージにわたって重ね合わされた両方の小さなレポーターイメージを含み、それにより結合信号の存在を示すことができる。


    【0154】


    レポーターエンコード細胞のフロー解析上で開示したのと同様の様式で、本発明は、様々な化合物、ウイルス、バクテリア、または環境条件にさらされた細胞と共に使用することができる。 露出中、または露出前に、レポーターを用いて細胞をラベル付けし、露出履歴および/またはアッセイで使用される細胞タイプをエンコードすることができる。 本発明によれば、このプロセスは、マイクロタイタープレートのウェルで、マイクロ流体チップ内部で、または顕微鏡スライドなど固体支持上で行うことができる。 露出サイクルが完了した後、細胞を解析して、関連する生物学的影響を特徴付けることができる。 図17は、検出器上に投影されるときにこれらの細胞が現れる様子を例示する。 この場合、要素346および300は、細胞質および/または核のイメージを表す。


    【0155】


    本発明を、本発明を実施する好ましい形、およびそれに対する修正形態に関連して説明してきたが、多くの他の修正を本発明に加えることができることを当業者は理解されよう。 したがって、本発明の範囲は、上述した説明によって何らかの制限を受けることを意図されていない。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】 レポータービードをイメージするのに有用なイメージングシステムの一実施形態の等角図であって、複数の視点から光信号を収集するために、スペクトル分解およびイメージングに複数の区間が採用されている図である。


    【図2A】 光のスペクトル分散のためにプリズムを使用し、レポータービードをイメージするのに有用なイメージングシステムの、図2Cに示した実施形態と関連する実施形態の等角図である。


    【図2B】 対象物とイメージ空間の両方の動きの方向に沿って横切るビードを示す実施形態2Aの概略図である。


    【図2C】 光のスペクトル分散に関するプリズムを使用し、レポータービードをイメージするのに有用なイメージングシステムの、図2Aに示した実施形態と関連する実施形態の等角図であり、無関係の光を空間フィルタリングするためのスリットも含む図である。


    【図3】 1つまたは複数の光源に関する異なる位置を示す、図2Aでのイメージング装置の等角図である。


    【図4】 図2Aおよび図3でのイメージング装置の代替実施形態であり、イメージング構成要素と時間遅延積分(TDI)検出器の第2のセットが、ビードからの光を監視するために含まれており、異なるレポーター間での干渉を回避し、1つまたは複数の光源に関する代替位置を示す実施形態を示す図である。


    【図5】 細胞中の2つのFISHプローブを解像するために、本発明による狭い蛍光その場(in situ)ハイブリダイゼーション(FISH)発光スペクトルの光学的重畳を例示する概略図である。


    【図6】 TDI検出器でFISHプローブのイメージを解像するために、狭いFISH発光スペクトルの2つの異なる色の光学的重畳を示す概略図である。


    【図7】 より広いFISH発光スペクトルに関して、単一の色の2つのFISHプローブのイメージを解像するために逆重畳が提供される方法を例示する概略図である。


    【図8】 FISHプローブのイメージを解像するために、比較的広い2色FISHスペクトルの逆重畳を示す概略図である。


    【図9】 本発明におけるTDI検出器によって生成される信号を処理するために使用されるシステムの概略ブロック図である。


    【図10】 細胞が雄細胞か雌細胞かを判定するために本発明によるイメージングシステムが使用される方法を例示する概略図である。


    【図11】 光をスペクトル分離する複数の積層ダイクロイックフィルタを備えるスペクトル分散構成要素を採用する、本発明で使用可能なイメージングシステムに関する代替実施形態の平面図である。


    【図12】 図11に示された実施形態で採用されるダイクロイックフィルタに関する複数の典型的な通過帯域のX−Yプロットである。


    【図13】 帯域外の光をさらに抑えるために、図11に示した実施形態でTDI検出器の前に任意選択で配置することができる検出フィルタアセンブリの概略図である。


    【図14A】 TDI検出器の前に任意選択で配置することができる検出フィルタアセンブリのフィルタセグメントの対応する通過帯域に対応する伝送対波長のX−Yプロットである。


    【図14B】 TDI検出器の前に任意選択で配置することができる検出フィルタアセンブリのフィルタセグメントの対応する通過帯域に対応する伝送対波長のX−Yプロットである。


    【図14C】 TDI検出器の前に任意選択で配置することができる検出フィルタアセンブリのフィルタセグメントの対応する通過帯域に対応する伝送対波長のX−Yプロットである。


    【図14D】 TDI検出器の前に任意選択で配置することができる検出フィルタアセンブリのフィルタセグメントの対応する通過帯域に対応する伝送対波長のX−Yプロットである。


    【図14E】 TDI検出器の前に任意選択で配置することができる検出フィルタアセンブリのフィルタセグメントの対応する通過帯域に対応する伝送対波長のX−Yプロットである。


    【図15】 図11に示した構成の別の実施形態の平面図であり、スペクトル分散フィルタシステムが、スペクトル分散効果を生み出すために様々な角度で向けられた複数のダイクロイックキューブフィルタを備える図である。


    【図16A】 本発明によるイメージングシステムの別の実施形態を例示する図であり、スペクトル放出がイメージによって重畳されず、スペクトル分解が、各スペクトル領域に関して個別のダイクロイックフィルタ、イメージングレンズ、および検出器の使用によって、フローに垂直な軸で生じる図である。


    【図16B】 本発明によるイメージングシステムのさらに別の実施形態を例示する図であり、スペクトル放出がイメージによって重畳されず、スペクトル分解が、各スペクトル領域に関して1つのイメージングレンズおよび個別ダイクロイックフィルタ、ならびに検出器の使用によってフローに垂直な軸で行われる図である。


    【図16C】 収束空間内に配置されたプレートビームスプリッタによって誘発される非点収差を補正するために追加される補正プレートの等角図である。


    【図17】 3つのビードが視野内にあるときにスペクトル分解実施形態に関する検出器上に投影されるイメージを例示する図である。


    【図18A】 フロー中のレポーターラベルビードを読み取るための本発明の方法で採用されるステップを例示する流れ図である。


    【図18B】 レポーターラベルビード上でレポーターをデコードするための本発明の方法で採用されるステップを例示する流れ図である。


    【図19】 レポーターラベルビードの同定を補助するレポーターレジェンドを示す図である。


    【図20】 配列の連続して重なるストリングを形成する、ヌクレオチド1つ分だけずれた配列を有するハイブリダイズされたオリゴを例示する図である。


    【図21】 SNPの同一性を決定するためのフローイメージング配列決定方法の適用例を例示する図である。


    【図22】 DNA配列決定、多型アレル、または発現遺伝子を同定するための配列コンティグを構成するための本発明の方法で採用されたステップを例示する流れ図である。


    【図23】 レポータービード、キャリア、または結合信号で使用される共通の蛍光色素に関して発光スペクトルにわたって重ね合わされたチャネルスペクトル通過帯域のプロットを示す図である。


    【図24】 レポーターラベルビードアセンブリをデコードする前に、レポーターラベルビードイメージにクロストーク補正を施すための本発明の方法で採用される一般的なステップを例示するブロック図である。


    【図25】 レポーターラベルビートイメージにスペクトルおよび空間補正を施すステップに関するブロック図である。


    【図26】 データイメージと基準イメージの間に累積平均コレログラムを発生するステップのブロック図である。


    【図27】 スペクトルおよび空間補正の前後のイメージの一例を示す図である。

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