4 stage continuous pcr, 4 stage block pcr or production method of gene targeting heterozygous fission yeast strain containing a strain-specific bar code using a gene synthesis method, |
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申请号 | JP2011506175 | 申请日 | 2008-08-27 | 公开(公告)号 | JP5608637B2 | 公开(公告)日 | 2014-10-15 |
申请人 | コリア リサーチ インスティテュート オブ バイオサイエンス アンド バイオテクノロジー; | 发明人 | リー ホー、クワン; ウク キム、ドン; スン ウォン、ミ; スク ユ、ヒャン; サップ キム、ドン; オウ パク、ハン; スク チュン、キュン; ジュ チャン、ヨン; ヨン ナム、ミ; ジョ ハン、サン; ジュン チェ、シン; テ ベク、スン; バイ キム、ヒョン; スン ホ、キュン; ミ リー、ヘ; ホ リー、ミン; ヨン パク、ジョ; | ||||
摘要 | |||||||
权利要求 | 1)ブロックPCRまたは遺伝子合成法により遺伝子標的化用欠損カセットを製造する工程と、2)工程1)の欠損カセットを分裂酵母へ導入する工程と、3)標的遺伝子が欠損カセットの選択マーカー遺伝子によって置換された、遺伝子標的化分裂酵母菌株を同定する工程とを含む、遺伝子標的化へテロ接合分裂酵母菌株の製造方法であって、前記工程1)の欠損カセットが、選択マーカー遺伝子、前記選択マーカー遺伝子の左右にそれぞれ配置された一対の遺伝子特異的バーコード配列、および選択マーカー遺伝子の上流及び下流に位置するバーコード配列の左右にそれぞれ配置された一対の相同組換え部位を含み、該相同組換え部位が5'および3'側それぞれで150bp〜450bpであることを特徴とする、方法。 前記欠損カセットが、選択マーカー遺伝子の5'側に配置されたバーコード配列の増幅用共通プライマーのペアー、および選択マーカー遺伝子の3'側に配置されたバーコード配列の増幅用共通プライマーのペアーをさらに含む、請求項1に記載の方法。 前記欠損カセットの相同組換え部位が、5'および3'側それぞれで250bp〜450bpサイズであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記標的遺伝子がerg1、rps901、rpa2、smb1、rps2402、rp11801、cct1、rpp13702およびpmm1からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記バーコード配列が、20〜30bpのサイズであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記バーコード配列が、配列番号18〜9993の塩基配列からなる群より選択され、2つのバーコード配列が選択マーカー遺伝子の上流及び下流にそれぞれ配置される、請求項1に記載の方法。 前記選択マーカー遺伝子がカナマイシン耐性遺伝子、ネオマイシン耐性遺伝子、ヒグロマイシン耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、栄養要求性マーカー、ヒスチジノールデヒドロゲナーゼ(hisD)、グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(gpt)、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(hprt)、ura3、bleおよびsacBからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の遺伝子標的化へテロ接合分裂酵母菌株の製造方法。 欠損カセットが、図1に示した構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記選択マーカー遺伝子がカナマイシン耐性遺伝子であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。 遺伝子標的化へテロ接合分裂酵母菌株が、欠損カセットを該菌株の染色体に導入することにより改変され、該欠損カセットが、選択マーカー遺伝子、前記選択マーカー遺伝子の左右に配置された一対の遺伝子特異的バーコード配列、および選択マーカー遺伝子の上流及び下流に位置するバーコード配列の左右に配置された一対の相同組換え部位を含み、該バーコード配列が、配列番号18〜9993の塩基配列からなる群より選択される 、遺伝子標的化へテロ接合分裂酵母菌株ライブラリー。 1)請求項10に記載の遺伝子標的化ヘテロ接合分裂酵母菌株ライブラリーを薬物で処理する工程と、2)前記薬物処理された分裂酵母菌株を培養する工程と、3)前記培養された菌株から染色体を抽出する工程と、4)前記抽出された染色体を用いて菌株の成長度合いを測定および比較することにより、相対的に成長が阻害されたヘテロ接合分裂酵母菌株を確認する工程とを含んでなることを特徴とする、薬物の作用点探索方法。 前記抽出された染色体をマイクロアレイ遺伝子チップまたはリアルタイムPCRに適用することで、菌株の成長度合いを測定することを特徴とする、請求項11に記載の薬物の作用点探索方法。 請求項10の遺伝子標的化ヘテロ接合分裂酵母菌株ライブラリーを含む、薬物の作用点のスクリーニングキット。 |
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说明书全文 | 本発明は、遺伝子標的化された分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)のヘテロ接合菌株(heterozygous straines)を体系的に製造する方法に関する。 さらに具体的には、本発明は、相同組換え(homologous recombination)に使用される欠損カセット(deletion cassette)を4段階連続的PCR(4−round serial PCR)、4段階ブロックPCR、または全遺伝子合成法を用いて効率よく製造し、これを用いて分裂酵母を形質転換して遺伝子標的化分裂酵母菌株を製造する方法に関する。 また本発明は、前記方法によって製造された遺伝子標的化分裂酵母ヘテロ接合菌株および遺伝子標的化分裂酵母ヘテロ接合菌株ライブラリーに関する。 また、本発明は、前記ライブラリーを用いた薬物作用点の探索方法および前記ライブラリーを含む薬物スクリーニングキットに関する。 2006年を基準とした場合の世界の医薬品市場規模は6430億ドルに、韓国における医薬品産業の総生産額は11兆4,728億ウォンにそれぞれ達したが、2007年における世界の医薬品市場規模は7350億〜7450億ドルに増加するものと予想される。 新薬開発には平均10〜15年の期間と1〜6億ドル以上の費用がかかるが、成功確率は1万分の1に過ぎない。 よって、未来型先端産業の一つである新薬開発のためには、生物情報学的(bioinformatics)分析によって、できる限り数多くの作用点のうち、疾病の原因となるべき可能性の高い「医薬作用点」が予測されなければならないので、実際疾病に直接関与する特定の作用点を体系的に探索することが非常に重要である。 このように新薬探索技術は、新薬を開発するときに薬物作用点をより容易に把握することを可能にするので、新薬開発期間を画期的に短縮する。 また、新薬探索技術は、薬物副作用として作用する薬物作用点も容易に把握することができる。 よって、薬物作用点の探索に関する源泉技術の開発が至急要求される。 本発明の好適な様態として使用される菌株のシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe:S.ポンベ)は、分裂酵母であって、出芽酵母としてのサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)と同様に子嚢菌類(ascomycetes)に属するが、S. セレヴィシエ(S.cerevisiae)と進化的にあまり密接に連関されてはいない。 S. ポンベ (Wood V. et al., Nature. 45:871−880, 2002)は、S. セレヴィシエ(Goffeau A. et al., Science, 274:546−567, 1996)以後、真核細胞の中でも遺伝子の塩基配列分析が完成された6番目の生物体である。 分析結果によれば、S. ポンベは、今まで塩基配列が決定された真核細胞のうち、遺伝子の機能的反復性が少ない効率的な染色体構造を持っており、タンパク質を決定する遺伝子が4,824個と最も少ないが、43%の遺伝子がイントロン(intron)を含有しているものと報告された。 また、S. ポンベには細胞周期調節、タンパク質分解(proteolysis)、タンパク質リン酸化(protein phosphorylation)、RNAスプライシング(RNA splicing)などの真核細胞内で重要な関連遺伝子が非常によく保存されており、S. ポンベにおける31%の遺伝子がS. セレヴィシエの遺伝子とは異なり、むしろヒトに近いものと報告された。 よってS. ポンベ遺伝子の機能を研究してS. セレヴィシエ(S.cerevisiae)と比較することにより、ヒト遺伝子の機能を研究することが効率的な方法として考慮されている。 本発明において、薬物作用点探索のために酵母菌株を形質転換させる方法として使用された「遺伝子標的化(ジーンターゲティング)」は、個体内の特定の遺伝子を相同組換え法でノックアウトする、或いは導入する遺伝学的技術である。 本技術を用いて特定の疾患に関連した特定の遺伝子を除去または挿入したマウスを製造し、ノックアウトされた遺伝子を有する生物の病理現象を介して、個体水準でノックアウトされた遺伝子本来の機能を研究することができる。 最初に遺伝子標的化マウスが誕生した1989年以来、遺伝子標的化は多様な技術として発展してきた。 その結果、現在は発生成長時期のもの、あるいは成体であっても標的遺伝子を注入することができ、ある特定の時期にのみ発現される突然変異遺伝子の注入も可能になった。 この方法を考案した功労として、Martin J. Evans、Oliver Smithies、Mario R. Capecchiなどの3名は2007年にノーベル医学賞を受賞した。 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:Polymerase Chain Reaction)は、DNAを複製・増幅させる分子生物学的技術(米国登録特許第4,683,195号、米国登録特許第4,683,202号、米国登録特許第4,800,159号、ヨーロッパ登録特許第0200362号、同第0201184号および同第0229701、およびMethods in Enzymology,Volume 155,1987,pp.335−350,Murakawa et al.,DNA 7;287−295(1988))であって、微量のDNA溶液によって所望する特定のDNA断片のみを選択的に増幅させることができる。 変性(denaturation)、アニーリング(annealing)、伸長(extension)の3工程を30〜40サイクル経て増幅されるが、このようなPCRの種類としては、多重PCR(Multiplex−PCR)、ネスト型PCR(Nested PCR)、定量PCR(Quantitative PCR)、リアルタイムPCR(real−time PCR)、逆転写PCR(RT−PCR)、タッチダウンPCR(Touchdown PCR)などが挙げられる。 PCRの一種であるリアルタイムPCRは、一般なPCRで必要なプライマーの他に特異的プローブをさらに添加し、増幅過程中に発色される蛍光色素の量をリアルタイムで測定して定量する方法である。 リアルタイムPCRは、PCR反応の後に増幅産物を電気泳動で確認する必要がないため、簡便且つ迅速に結果を得ることができるうえ、コンタミネーションのリスクが低いため、既存のPCRで検出していた遺伝子検査をリアルタイムPCRで検出しようとする試みも盛んに行われている。 形質転換とは、外部DNAを受け入れた結果、一つの生物体の形質が変わることであって、一般には、導入するDNAは選択マーカーで標識し、形質転換が成功した細菌を区別する。 選択マーカーの代表的なものとしては、アンピシリン、テトラサイクリンおよびカナマイシンなどを挙げることができ、形質転換を経た後、該当細菌を抗生剤含有培地で培養すると、形質転換が成功した細菌のみを収得することができる。 本発明では、ジーンターゲティングを介した形質転換によって分裂酵母の特定の遺伝子をノックアウトさせる一方で、該当する相同組換え部位に抗生剤に耐性の遺伝子が導入される。 また、本発明で使用される「遺伝子合成法」は、1990年代初めにPCR反応を介したオリゴ接合技術の開発以後から現在まで約200余編の論文が発表された公知の技術である(Edge et al.,Nature.292:756−62,Rouillard et al.,NAR.32:176−80,Smith et al.,NAR.10:4467−82,Dillon et al.,Biotechniques.9:298−300,Ciccarelli et al.,nucleic Acid Research.21:6007−13,Prodromou et al.,Protein Engineering.5:827−29,Stemmer et al.,Gene.164−49−53,Lin et al.,Gene.288:85−94,Venter et al.,Proceedings National Academy of Science.100:15440−45)。 原理は、20b〜60bpの長さのオリゴを互いに重畳させた後、接合(ligation)を介して所望の少量の2本鎖DNA断片を得た後、これをテンプレートとしてPCR法によって最終遺伝子を増幅することである。 1回の遺伝子合成で成功した遺伝子の長さは通常1000bp未満であり、これよりさらに長い遺伝子を合成するためには、成功した1000bp未満のDNA断片をPCRで接合する方法を使用する。 2003年、米国のCraig Venter博士は、このような方法によってファイX174バクテリオファージ遺伝子の全体(5,386bp)を合成したことがある。 本発明の「薬物作用点の探索方法」に関連して、現在まで薬物作用点を把握することが可能な道具として最も多用されてきた既存の方法は、インビトロ法である。 薬物をレジンに付着させた親和性カラムに細胞とタンパク質との混合物を通過させた後、付着するタンパク質を精製して質量分析器(MALDI−TOF)で分析する方法である(Schreiber et al.,Bioorg.Med.Chem.6:1127−1152)。 最近では、前述した2つの方法とは完全に異なる概念のインビボ探索法も試みられている(Lum et al,Cell.116:121−37)。 この方法は、ヒトタンパク質を探索する前述の2つの方法に比べて酵母のタンパク質を探索するという欠点はあるが、迅速(100個の薬物/1週)かつ簡便であり、成功率が高いという利点を持っている。 2004年、Merck社のShoemakerとLum博士のチームは、体系的な遺伝子標的化出芽酵母ライブラリーを用い、既存の80余個の薬物を対象として薬物作用点を探索し、作用点探索の成功率を既存の25%から70%に増大させた。 この方法の原理は薬物誘導型ハプロ不全(drug−induced haploinsufficiency)である。 大部分の遺伝子は1つの遺伝子のみでも正常的に成長し子孫を作ることができるが、ある遺伝子は1つのみでは正常的に成長することができないことがある。 このような現象をハプロ不全という。 出芽酵母の場合、6000余個の遺伝子の約3%、すなわち180個の遺伝子が、十分な栄養状態で培養しても野生型に比べてよく成長できないハプロ不全を示すものと報告された(Deutschbauer et al., Genetics. 169:1915−25)。 酵母のヘテロ接合突然変異菌株を用いて薬物作用点を探索する薬物誘導型ハプロ不全の原理は、このようなハプロ不全現象に基づいている。 例えば、ある薬物「a」の作用タンパク質が「A」であると仮定するとき、薬物「a」の処理濃度を、2つの野生性遺伝子で発現されるタンパク質「A」を50%抑制する濃度「IC 50 」に合わせると、遺伝子標的化ヘテロ接合菌株におけるタンパク質「A」は100%抑制される(ノックダウン)状況になる。 この際、薬物処理していない菌株との細胞成長を比較すると、成長速度が相対的に遅くなっている。 本発明では、このようなハプロ不全の原理を用いて薬物作用点を探索する方法を提供する。 本発明の遺伝子標的化菌株の製造成功率は、菌株ごとに異なる相同組換えの効率によって決定されるので、菌株の特性に依存する。 ところが、同一の菌株における相同組換えの効率は染色体相同部位の長さに比例する。 よって、遺伝子標的化菌株を効率的に製造するためには、遺伝子の染色体相同部位に該当するDNA断片の長さを長くしなければならない。 しかし、出芽酵母の場合には次のような試みがあったが(表1)、分裂酵母の場合にはこれまで高い成功率で実施された事例がなかった(Palaniyandie et al.,Nucl Acid Res.3:2799−2800;Michael et al.,Gene.159:113−17;Kaur et al.,Nucl Acid Res.25:1080−81)。 遺伝子標的化出芽酵母菌株の製造の際に、使用した相同組換え部位を長くする既存の方法は、遺伝子特異的なオリゴリンカーを媒介としたPCR法(gene specific linker−mediated PCR method)である。 Giaever博士などは、前記の方法を用いて出芽酵母全体の遺伝子6,000個の欠損カセットを製造したが、この際、相同組換え用5'側と3'側のDNA断片の長さは40〜60bpであった(Giaever et al., Nature Genetics 14:450−56;Wach et al.,Yeast.10:1793−1808)。 出芽酵母の場合には、欠損カセットの両側末端の染色体相同部位の長さが45〜60bpであれば、通常約81%の菌株製造成功率を示した(表1)。 但し、分裂酵母の場合には相同性の長さを40bpまで伸ばしても成功率が1〜3%に止まるという問題点があった。 分裂酵母におけるこのような低成功率は、相同組換えの効率が出芽酵母より低いので、菌株の製造が難しいという点を示唆している。 本発明は、分裂酵母において高効率の相同組換えを介して菌株を製造する方法を提供する。 技術的課題 報告によれば、分裂酵母の遺伝子標的化菌株の製造が、既存の出芽酵母の製造に比べて技術的に難しいというのは公知の事実である(Decottignies et al., Genome Research.13:399−406)。 本発明では、「4段階ブロックPCR」或いは「遺伝子合成法」を用いて欠損カセットの両末端に20−merの遺伝子特異的バーコードと250〜350bpの染色体相同部位を挿入することにより、効率的な遺伝子標的化菌株の製造方法の開発を目的とした。 これを用いると、遺伝子チップを用いてハイスループット・スクリーニングで薬物作用点を探索することができる。 したがって本発明の目的は、選択マーカー遺伝子とマイクロアレイ用バーコード塩基配列および相同組換え部位を含む遺伝子標的化欠損カセットを用いて、遺伝子標的化ヘテロ接合分裂酵母菌株の製造方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、前記製造方法によって製造された遺伝子標的化ヘテロ接合分裂酵母菌株を提供することにある。 本発明の別の目的は、前記製造方法によって製造された遺伝子標的化ヘテロ接合分裂酵母菌株ライブラリーを提供することにある。 本発明の他の目的は、前記遺伝子標的化ヘテロ接合分裂酵母菌株ライブラリーを用いた、薬物作用点の探索方法を提供することにある。 本発明の目的の目的は、前記遺伝子標的化ヘテロ接合分裂酵母菌株ライブラリーを含む、新規薬物スクリーニングキットを提供することにある。 本発明によって、世界で最初に、体系的に分裂酵母遺伝子標的化菌株の製造法を完成することができた。 分裂酵母の菌株製造の成功率は出芽酵母のそれより相対的に低いにもかかわらず、遺伝子標的化菌株の製造成功率を、酵母における成功水準である95%から99%に増加させた。 出芽酵母の場合、約6000種の遺伝子のうちヘテロ接合遺伝子標的化菌株は95%の約5700種のみが製造可能であった(「遺伝子標的プロジェクト」のホームページを参照、http://www−sequence.stanford.edu/group/yeast_deletion_project/not_made.html)。 ところが、本発明では、全遺伝子の1%に該当するwtf系列18個、Tf2系列11個、不確実(dubious)遺伝子系列26個など、合計55個の遺伝子群が、系列内の遺伝子相互間におけるDNA相同性が99.2%〜99.8%であって、理論上、遺伝子標的化菌株の製造が不可能であることを除いては、2007年6月20日を基準として、英国Sanger研究所の分裂酵母遺伝子データベース「S Pombe GeneDB」(http://www.genedb.org/genedb/pombe/index.jsp)で遺伝子として規定した5000(4989〜5014と推定される)個の99%、すなわち計4,945種の遺伝子標的化ヘテロ接合菌株の製造に成功した。 このように本発明のヘテロ接合菌株ライブラリーは、薬物の作用点を遺伝子水準で体系的に探索するのに用いられるため、新規薬物の発掘に非常に有用である。 r −バーコードモジュールの製造方法を示す図である。 50測定結果を示す図である。 本発明では、4段階連続的PCR、4段階ブロックPCRまたは遺伝子合成法によって欠損カセットを製造した後、この欠損カセットを用いて、形質転換された遺伝子標的化菌株を作り、当該菌株を用いたライブラリーを製作する一方で、これを用いて薬物作用点を探索する方法を提供する。 具体的に、一つの様態として、本発明は、(1)選択マーカー遺伝子、(2)前記選択マーカー遺伝子の左右に配置された1対のマイクロアレイ用バーコード塩基配列、および(3)前記バーコード塩基配列の左右に配置された相同組換え部位の1対を含むジーンターゲティング用欠損カセットを用いた遺伝子標的化ヘテロ接合分裂酵母菌株の製造方法であって、前記欠損カセットの相同組換え部位がそれぞれ150bp以上であることを特徴とする方法に関する。 以下、各構成要素をより詳細に説明する。 選択マーカー 分裂酵母において標的遺伝子の欠損のためのマーカーとして現在使用されるものには、アミノ酸または核酸の合成に要求される栄養要求性マーカーとしてのura4、leu1、his3などがある。 ところが、このようなマーカーを用いるためには、一つまたはそれ以上の栄養要求性突然変異を有する菌株を必ず使用しなければならない。 また、DNA導入による栄養要求性突然変異の遺伝子変換(gene conversion)が起こる恐れがあり、栄養要求性突然変異それ自体が他の突然変異と共に、浸透圧感受性または窒素欠乏による細胞分化(nitrogen−starvation regulated cellular differentiation)、胞子形成(sporulation)、仮性菌糸(pseudohyphae)などの予測し難い表現型を示すこともあり、また、多くの栄養要求性突然変異は一般的な培地で成長阻害を示すことがある。 このような栄養要求性マーカーの限界を克服するために、Philipsenの研究チームは、優性薬(dominant drug)耐性マーカーとしてのkanMXモジュールを開発した。 これは酵母の遺伝子を欠損させるサッカロマイセス・セレヴィシエ(Saccharomyces cerevisiae)の欠損プロジェクトにも使用された。 kanMXモジュールは、抗生剤としてのG418に抵抗性を示して選択マーカーとして使用できるように製造された。 G418のマーカーは、PCR−DNA断片の使用時にも遺伝子欠損の確率が高いため、栄養要求性マーカーに比べて利点がある。 現在、ヒグロマイシンB(hygromycin B)、ノーセオスリシン(nourseothricin)、ビアラホス/ホスフィノスリシン(bialaphos/phosphinothricin)の優性薬耐性マーカーが開発されている。 したがって、好適な様態として本発明で使用される選択マーカー810bpのKanMX4は、大腸菌(Escherichia coli)のトランスポゾン(transposon)Tn903遺伝子から起源したもので、アミノ−グリコシドリン酸基を伝達する活性(amino−glycoside phosphotransferase activity)を持つため、カナマイシンまたは誘導体G418の活性を抑制すると報告されている(Lang−Hinrichs et al.,Current Genetics.18:511−6,Oka et al.,J.Mol.Biol.147:217−26)。 抗生マーカーの一つであるkanMXモジュールは、大腸菌トランスポゾンTn903のkan rとして知られているオープン・リーディング・フレーム(以下、「ORF」という)を真菌アッシビヤゴシッピー(Ashbya gossypii)のTEF遺伝子の転写および翻訳調節部位に接合させたものであって、抗生剤G418に耐性を示し、選択マーカーとして使用できるように製造された。 遺伝子欠損の場合、PCR産物を使用すれば、或いは組換えが起こるべき標的遺伝子の相同部位が少なければ、間違った挿入の頻度が高く現れる。 G418マーカーは優性耐性(dominant resistance)を示す異種選択マーカー(heterologous selection marker)であって、PCR−DNA断片を使用する際にも遺伝子欠損の確率が高いという利点がある。 マイクロアレイ用バーコード塩基配列 好適な様態として、上記目的のために、20−merのオリゴからなる遺伝子特異的バーコードが、欠損カセットのKanMX4前後にそれぞれ1つずつ、計2つが配置されるが、DNA塩基の種類がG、A、T、Cの4種なので、理論的に可能なバーコードの種類は計4 20になる。 本発明の具体的な実施例では、図7〜図55に示したバーコード塩基配列を使用した。 相同組換え部位 本発明の一つの様態として、このような相同組換え部位は、5'および3'側それぞれで150bp以上であることを特徴とする。 本発明の好適な様態として、相同組換え部位が5'および3'側それぞれで150bp〜450bpサイズであることを特徴とする欠損カセットを提供する。 本発明のさらに好適な様態として、このような相同組換え部位が5'および3'側それぞれで250bp〜450bpサイズであることを特徴とする欠損カセットを提供する。 遺伝子標的化用欠損カセットの製造 本発明の好適な様態として、Tn903のカナマイシン耐性遺伝子を酵母において発現させるために、kanMX4モジュールの構造は、別の酵母の一種であるアッシビヤゴシッピー(Ashbya gossypii)のTEFプロモータである381bpを当該遺伝子の開始コドンATGの前に配置させ、アッシビヤゴシッピー(Ashbya gossypii)のTEFターミネータである242bpを当該遺伝子の終止コドンの後ろに配置させた形態となっている。 本発明の具体的な実施例として、カナマイシン耐性遺伝子(Kan R )をテンプレート(template)として、20bpのバーコードを含有した約70bp長さの5'および3'バーコードプライマー対を用いて1次PCRを行い、Kan R −バーコードモジュールを製造した後(図2)、さらにKan R −バーコードモジュールをテンプレートとして、染色体相同部位の40〜60bpとKan R −バーコードモジュールの両末端部位の20bpとを含む60〜80bpのプライマー対を用いて2次PCRを行ったところ、本発明の構成要素である欠損カセットが製造された。 欠損カセット製造のための4段階連続的PCR、4段階ブロックPCRおよび遺伝子合成法 (1)「4段階連続的PCR」は、4回のPCRを経る過程をいう。 上述したバーコード配列を含有した約70bpの長さの5'および3'バーコードプライマー対を用いて1次PCRを行うことにより、バーコードモジュールを製造し、製造されたバーコードモジュールをテンプレートとして50merのプライマー対で2回、40merのプライマー対で1回、合計3回の連続PCRをさらに行うことにより、菌株特異的なバーコードと染色体相同組換えのための80bpを提供する方法である。 (2)「4段階ブロックPCR」は、染色体相同組換え用5'と3'の350〜500bpのDNA断片をPCRで別途製造した後、前記精製されたKan r −バーコードモジュールと混合してブロックPCRを行い、欠損カセットを製造する方法である。 (3)「遺伝子合成法」は、PCR法とは全く異なる新しい方法であり、次の利点を持つ。 図1は、本発明で遺伝子合成によって製造した欠損カセットの詳細な構造図である。 前記方法(1)および(2)の共通点は、PCR法に基づいて欠損カセットを製造するという点であり、方法(3)が方法(1)および(2)と異なる点は、重合酵素連鎖反応ではなく、合成オリゴをライゲートして欠損カセットを製造するという点である。 本発明は、前述の方法で製造された欠損カセットを用いてヘテロ接合分裂酵母菌株を製造し、該当菌株を用いたライブラリーおよび注文制作された遺伝子チップを用いてハイスループットのインビボ(in vivo)薬物作用点探索システムを提供する。 ヘテロ接合分裂酵母 一つの好適な様態として、分裂酵母はシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)であってもよいが、必ずこれに限定されるのではなく、他の分裂酵母を使用してもよい。 本発明の好適な様態として実施される対象菌株「分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)」は、アフリカで昔から作られてきたビールから抽出された酵母であって、酒、パンなどの食品に用いられるうえ、真核生物のモデル生物としても優れた微生物である。 特に分裂酵母は、均等分裂によって増殖する細胞周期の研究に有用であり、高等真核生物型のように約43%の遺伝子にイントロン(intron)が存在しているため、より高等真核生物に近い特徴を持つと言える。 また分裂酵母は、最近約5000個のORF(open Reading Frame)を有するコンパクトなゲノム構造を有することが解明され、遺伝子解析研究に非常に適した材料となっており、ひいては薬剤探索系における応用も期待することができるため、新薬開発を含んだ生物科学分野に広く貢献することができるものと認識されている。 別の様態として、本発明は、選択マーカー遺伝子、マイクロアレイ用バーコード塩基配列および相同組換え部位を含む遺伝子標的化用欠損カセットを用いて製造された、遺伝子標的化ヘテロ接合分裂酵母菌株に関する。 別の様態として本発明は、前記製造方法によって製造された、遺伝子標的化ヘテロ接合分裂酵母菌株のライブラリーに関する。 別の様態として、本発明は、製造されたヘテロ接合分裂酵母のライブラリーに薬物を処理し、薬物処理された分裂酵母菌株のライブラリーを培養して、培養されたライブラリーから染色体を抽出し、抽出された染色体を用いてマイクロアレイ遺伝子チップに適用し、或いはリアルタイムPCRを行うことにより、薬物作用点を探索する方法に関する。 本発明は、薬物作用点を把握することが可能な道具としてヘテロ接合分裂酵母のライブラリーを提供するが、「薬物作用点」を把握することは既存の薬物の薬効増大および副作用の少ない薬物の開発に必須である。 薬物作用点の探索方法は、次の工程を含んでなる。 前記探索方法で処理される薬物としては、いずれの薬物でも適用可能である。 上述したように本発明の好適な実施例では、遺伝子erg1をターゲットとする抗真菌剤としてのテルビナフィン(terbinafine)を用いて、薬物作用点探索システムがよく作動するかを検証した。 培養された分裂酵母菌株から染色体を抽出する過程は当業界における公知のいずれの方法でも可能であり、本発明の好適な実施例では、Fungal/Bacterial DNAキット(Zymo Research、catalog#D6005)を用いて染色体DNAを収得した。 本発明内の「遺伝子チップ(GeneChip)」とは、生物の遺伝情報がどのように発現されているかを検出する装置であって、約1cm 3の固体表面に数百〜数万種類のDNA配列を配置することにより製造される。 表面に公知の遺伝情報データベースを有するDNAを配置した遺伝子チップを、予め蛍光物質などで標識しておいた目的のDNAが入っている溶液で濡らした後、洗浄すると、目的のDNAに結合する該当DNAが蛍光で標識されて該当遺伝子の発現を確認することができる。 このような遺伝子チップは遺伝子基礎研究に用いられるだけでなく遺伝関連疾患を迅速に検出することができるうえ、個人に応じる最適薬剤の選択などにまで広く応用できる、新しい次元の分析システムである。 本発明で使用される遺伝子チップは、菌株特異的に挿入されたバーコード配列を認識することが可能な遺伝子チップであればいずれでも可能である。 一つの好適な様態として、本発明では20bpの長さのバーコードを挿入し、これを認知するためのシステムであって、米国のアフィメトリクス社で注文者一連番号がKRIBBSP1−a520429である適切な遺伝子チップを注文して製作した。 本発明の別の様態としては、遺伝子チップを使用する方法の代わりに定量分析および定性分析が可能な当業界で通常使用されるリアルタイムPCRを行い、作用点を探索することもできる。 検出方法によって大きくインターキレート法と蛍光標識プローブを用いる方法に分けられるが、以下、プローブを用いた検出方法について述べる。 本発明の好適な様態として、蛍光標識プローブを用いたリアルタイムPCRを行う方法にはTaqManプローブ法とサイクリングプローブ法があるが、前者はTaq DNAポリメラーゼの5'→3'エクソヌクレアーゼ(exonuclease)活性を利用する方法であり、後者はDNAとRNAからなるキメラプローブとRNaseHを用いて、蛍光物質とクエンチャーがPCRの途中でRNaseHによって切断されて蛍光を示すように考案された方法である。 以下、TaqManプローブ法によって薬物の作用点を探索する方法について述べる。 本発明の好適な様態として、リアルタイムPCRでは共通プライマーの他に特異的プローブをさらに添加して反応を行うが、この際TaqManプローブを添加して行う。 TaqManプローブは、5'末端が蛍光物質で、3'末端はクエンチャー物質でそれぞれ修飾されたオリゴヌクレオチド(TaqMan TMプローブ)である。 このプローブは、アニーリング(annealing)段階でテンプレートDNAに特異的に結合するが、プローブ上ではクエンチャーによって蛍光発色が抑制される。 ところが伸長(extension)段階では、Taq DNAポリメラーゼが有する5'→3'エクソヌクレアーゼ活性によってテンプレートに結合したプローブが分解されながら蛍光色素が遊離され、クエンチャーによって抑制が解除されて初めて蛍光を示す。 この蛍光を感知して発現量を測定する。 プローブのオリゴヌクレオチド配列を本発明のバーコード配列で製作し、各プローブそれぞれに対してリアルタイムPCRを行うと、該当バーコードのリアルタイム発現量に対するデータを得ることができ、発現量が著しく増加または減少した部位を薬物作用点として判断することができる。 別の様態として本発明は、前記ヘテロ接合分裂酵母菌株ライブラリーを含む新規薬物スクリーニングキットに関する。 本発明のスクリーニングキットは、前述した本発明の薬物作用点の探索法および新規薬物スクリーニングに活用できる。 具体的に、 以下、本発明を実施例によって詳細に説明する。 但し、下記実施例は、本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容を限定するものではない。 実施例1:4段階連続的PCRおよび4段階ブロックPCR法による欠損カセットの製造 4段階連続的PCR法による欠損カセットの製造原理は、既存の出芽酵母と分裂酵母遺伝子標的化菌株を製造するために使用した方法と類似しているが、欠損カセットの両末端にある80bpの長さの染色体相同組換え部位を作る方法において相異する(Giaever et al.,Nature Genetics 14:450−56)。 出芽酵母の場合にはGiaever博士などがKan r −バーコードモジュールをテンプレートとして1回の追加PCRで通常45bpの染色体相同部位を提供し、全体で6,000個の遺伝子の90%以上をターゲティングするのに成功した。 しかし分裂酵母の場合には、45bp染色体相同部位の長さでは相同組換えが効率的に起こらないという問題があった。 したがって、本発明では、遺伝子標的化出芽酵母菌株の製造に使用した方法を応用し、前記精製されたKan r −バーコードモジュールをテンプレートとして50merのプライマー対で2回、40merのプライマー対で1回、すなわち合計3回の連続的PCRを行い、菌株特異的なバーコードと染色体相同組換えのための80bpを提供した(図3)。 50%以上の菌株製造の成功率を示す前記4段階連続的PCR法は、分裂酵母全遺伝子4,988種の1/4程度にのみ成功したが、残り3/4の遺伝子に対しては成功しなかった。 したがって染色体相同部位の長さを伸ばす改善策として、4段階ブロックPCR法を導入した(図4)。 4段階ブロックPCR法は、染色体相同組換え用5'と3'の350〜500bpのDNA断片とをPCRで別途に製造した後、前記精製されたKan r −バーコードモジュールと混ぜてブロックPCRを行うことにより欠損カセットを製造する方法である。 この方法を経ると、3つのKan r −バーコードモジュールおよび相同組換え用5'と3'の350〜500bpのDNA断片が一つのDNA断片となって互いに連結される。 この方法はによれば、相同組換えに使用される欠損カセットの両側末端の染色体相同部位の長さが既存の4段階連続的PCR法の80bpから350〜500bpにまで増加するので、遺伝子標的化菌株の製造効率が50%から90%に画期的に増大するという利点を持っている。 実施例2:遺伝子合成法による欠損カセットの製造 まず、遺伝子合成用欠損カセットを1)5'染色体相同部位および5'バーコード部位、 5'染色体相同部位はタンパク質コーディング開始コドンATGを基準として遺伝子のプロモータ方向に250bp、3'染色体相同部位はタンパク質コーティング終止コドンTGA、TAG或いはTAAを基準としてポリA方向に250bpを染色体から持ってきて使用した。 250bpの長さの5'と3'染色体相同部位の塩基配列は各遺伝子毎に相違し、通常の遺伝子情報に対する知識さえあれば誰でも容易に塩基配列を推定することができるので、省略する。 オリゴは相互間のギャップなしで重畳するように設計し、オリゴのみの重畳で、切れ目(nick)を有する2本鎖の欠損カセットDNA断片を製造した。 この際、全オリゴのTm値はSantaLuciaの計算式を用いて60±3℃で均一に設計し(SantaLucia PNAS. 95:1460−5)、欠損カセットの両末端部位は相対的に長さの短い12〜16bpのオリゴが配置されるように設計し、欠損カセットの両末端を平滑末端(blunt end)に作った。 次に、重畳した全てのオリゴ間の切れ目をリガーゼで処理して接合(ライゲーション)させ、2本鎖からなる欠損カセットDNA断片を製造した。 実施例3:欠損カセットの形質転換(transformation)および遺伝子標的化菌株の確認 CP5とCP3のオリゴ塩基配列は全ての遺伝子特異的に相違するが、通常の遺伝子の知識があれば容易に分かるので省略する。 カナマイシン耐性遺伝子内に存在するCPN1、CPN10、CPC1、CPC3のオリゴ部位の塩基配列および配列番号は下記表3に示した。 実施例4:遺伝子特異的バーコードの塩基配列の決定およびバーコードのPCR増幅 実施例5:遺伝子標的化2倍体分裂酵母菌株のライブラリーを用いた、薬物作用点の探索法 1)菌株ライブラリーの混合 製造された菌株全体を同一の量で混ぜた菌株混合物を作る方法は、下記図57に示した。 4,884種の遺伝子標的ヘテロ接合菌株ライブラリーを一度に取り扱う作業は容易ではないので、先ず96個の菌株を一つの小単位に括って作業を行った後、さらに小単位を一つに括る方法を採用した。 具体的には、96個の菌株を200mg/mL濃度のG418抗生剤が添加されたYES固体培地で30℃で3日間培養した後、さらに平板プレートに96ウェルの形態でさらに30℃で3日間培養した。 培養された菌株を51枚の平板プレートの培地から掻き集めて2倍濃度の5.5mLのYESに懸濁した後、最終濃度が30%となるようにグリセロールを添加し、1mLずつ小分して−80℃で冷凍して保管した。 薬物作用点の探索1回付き少なくとも一つの菌株当たり細胞の個数が10,000個以上となるように、合計5×10 7個の酵母を使用した。 2)冷凍した混合菌株液の活性化、薬物処理および試料採取(sampling) 薬物の処理濃度を決定するために、まず50%の細胞成長阻害薬物濃度(Inhibitory concentration 50、IC 50 )を測定した。 野生型菌株SP286をYES液体培地でO. D 600 =2.0まで培養させた後、薬物を5〜10倍で連続希釈してO. D 600 =0.1となるように接種し、30℃で24時間培養した。 各濃度で最終O. D 600値を測定して、X軸はLog[薬物濃度]、Y軸は最終O. D 600値にしてグラフを描いた後、プリズム(Prism Software version 3.0、GraphPad Software Inc.,San Diego、CA)プログラムを用いてIC 50を自動算出した。 薬物の処理濃度はIC 50値近くの適切な値を実験的経験値によって決定した。 3)染色体の抽出およびPCRによるバーコード標識子の増幅 Fungal/Bacterial DNAキット(Zymo Research、catalog#D6005)を用いて、前記で採取された試料200mgで通常2〜4μgの染色体DNAを抽出した。 抽出した染色体DNAは、20〜50倍希釈した後、200倍希釈したPico Green染料(Pico Green(R) dsDNA Assay Kit(Invitrogen Inc.cat#P11495)と1:1で混ぜた後、NanoDrop(ND−1000、NanoDrop Inc.)で定量して各200ngを標識PCRに使用した。 遺伝子チップのプローブとして使用するために、抽出された染色体上に存在するバーコード部位のみを、ビオチンで標識されたプライマーを用いてPCRで増幅した。 前記目的のために、まず2bpのバーコードの両側にバーコードを増幅させるための共通プライマーDNA配列を決定した。 共通プライマーの塩基配列は、分裂酵母の染色体との非特異的結合がなければならないことが重要なので、アルゴリズムと一連の実験によって決定した。 決定された共通プライマーの塩基配列と配列番号は下記表4に示した。 PCRでバーコードを増幅するときには、標識のためにカナマイシン遺伝子側に近いオリゴプライマーにビオチンを付着させて使用し、5'と3'のバーコード部位のPCR産物の長さはそれぞれ70bpと73bpである。 PCR増幅のための溶液の混合およびPCR条件は下記表5のとおりである。 PCR増幅済みの試料は、5μlずつを3%アガロースゲルで電気泳動してPCR産物の長さおよび量を確認した後、ハイブリダイゼーションの前まで4℃の冷蔵庫に保管した。 各ハイブリダイゼーションには約30μLのPCR産物を使用した。 4)アフィメトリクス社への遺伝子チップ注文製作 それぞれの菌株に特異的に挿入された20bp長さのバーコードを認知するためのシステムとして、米国アフィメトリクス社で注文者一連番号KRIBBSP1−a520429の適切な種類の遺伝子チップ(GeneChip)を注文して製作した(図58)。 製作されたDNAチップは、横0.8cm×縦0.8cmに100,000個のプローブが植えられており、プローブの大きさは横11μm×縦11μmであった。 100,000個のプローブの構成は次のとおりである:1)5'および3'のバーコード(各10,000)との完全一致(perfect match、PM)およびバーコードの中間における不一致(mismatch、MM)塩基が配定された合計20,000個のプローブの3回反復(合計60,000)、2)非特異的結合によって誘導されたプローブの間違った信号(false positive signal)を最小化するための対照群としての10,000個のプローブ、3)余裕分バーコード用の20,000個のプローブ、4)アフィメトリクス社のチップの製作、テキストオリゴの確認および区画に必要な10,000個の基本的プローブ。 5)ハイブリダイゼーション 前記過程4)で製造されたアフィメトリクス社の遺伝子チップと、過程3)で得られたバーコードのPCR増幅プローブとのハイブリダイゼーションは、下記のように行った。 6)発色と洗浄反応および発色の測定 ハイブリダイゼーション済みのチップは、フィコエリトリン(phycoerythrin)が結合したストレプトアビジンタンパク質を用いて発色反応(染色)を行った。 ストレプトアビジンは、ビオチンに強く結合して蛍光発色することにより、遺伝子チップのプローブと特異的に結合したビオチン標識バーコードの量を定量的に測定可能とする。 発色反応溶液(600μL=20倍SSPE 180.57μL+50倍デンハルト溶液 11.94μL+10% Tween20 0.597μL+フィコエリトリン−ストレプトアビジン 1.019μL+蒸留水405.874μL)をアフィメトリクス社の自動洗浄および発色機器Fludics P450に取り付けて機器の推薦使用方法によって遺伝子チップの自動洗浄および発色反応を下記表7に示すように行った。 この際、洗浄液A溶液の組成は1Lを基準として20倍SSPE 300mL、10% Tween 1mL、蒸留水699mLであり、洗浄液B)溶液の組成は1Lを基準として20倍SSPE 150mL、10% Tween1mL、蒸留水849mLであった。 自動洗浄と発色反応の終わった遺伝子チップの蛍光値は、アフィメトリクス社の自動蛍光測定機器であるGeneChip(登録商標)Scanner 3000G7を用いて測定した。 7)結果分析 PCRで増幅された正方向の遺伝子特異的標識バーコードが遺伝子チップに植えられた逆方向のオリゴと結合する度合いは、定量的蛍光値の強さで表示される。 この際、測定された蛍光値は、コンピュータにセルの拡張子名を持つファイルに格納される。 遺伝子チップにおいて強い信号を示す遺伝子は細胞成長が増加したことを意味し、弱い信号を示す遺伝子は細胞成長が減少したことを意味する。 前記データを抽出し、ANOVA法を用いて細胞成長が阻害されるヘテロ接合遺伝子標的化菌株を、公知の統計学的な方法としてのANCOVAモデルを用いて分析した。 ANCOVAモデルによれば、薬物による細胞成長の抑制度合いは減少した継代数で表現され、この値は次の公式で得る。 単位時間(12時間)当たりの薬物によって減少した継代数=薬物処理の際に単位時間(12時間)当たりの変化した継代数−薬物がないときに単位時間(12時間)当たりの変化した継代数 この際、継代数は次の公式で求める。 実施例6:遺伝子チップを用いた抗真菌剤テルビナフィン(terbinafine)の薬物作用点の探索および検証 40nMの濃度で混合菌株にテルボナフィンを処理し、下記表8に示すように、3継代(約12時間)ごとに30〜35継代まで試料を採取し、対照群13種および薬物処理群12種の試料を用いて遺伝子チップの分析を行った。 テルビナフィンで処理して、時間による菌株の細胞成長をANCOVA法で分析し、上位10位内の薬物作用遺伝子の候補群を下記表9にまとめた。 既存のテルビナフィン作用点として知られているerg1遺伝子が薬物ターゲットの1位として探索された。 遺伝子erg1は、スクアレンモノオキシダーゼ(squalene monooxygenase)であって、菌の細胞膜構成成分としてのエルゴステロール(ergosterol)を生合成する過程の重要な遺伝子である。 既存の出芽酵母を用いたテルビナフィンの薬物作用点探索においても、erg1遺伝子は1位として探索される。 前述の試料は本発明で製造された分裂酵母遺伝子標的化菌株ライブラリーを用いた薬物作用点探索システムもよく作動していることを示す。 遺伝子チップで探索された薬物作用点は、実験未熟およびチップ解析の誤りによって発生する、間違った結果(false positive)を含む場合があるので、上位10個の薬物作用点において遺伝子チップの分析で探索された上位10種の作用点の中から非特異的なリボソーム関連遺伝子群は除いて、テルビナフィンが含有されたYES固体培地で培養して再び検証する工程を行った。 図60に示すように、erg1とpmm1遺伝子はチップの結果と一致しており、smb1遺伝子はチップの結果と一致していない。 赤いボックスで表示されたerg1とpmm1遺伝子がテルビナフィンの特異的ターゲットであることを検証した。 本発明の「4段階ブロックPCR」或いは「遺伝子合成法」を用いて欠損カセットの両末端に20merの遺伝子特異的バーコードと250〜350bpの染色体相同部位を挿入することにより、効率的に遺伝子標的化菌株を製造することができ、前記菌株を用いたヘテロ接合菌株ライブラリーは、薬物の作用点を遺伝子水準で体系的に探索するのに利用できるため、新規薬物の発掘に非常に有用である。 以上、本発明の好適な実施例について本発明を説明の目的で開示したが、当業者であれば、添付した請求の範囲に開示された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変形、追加または置換を加え得ることを理解するであろう。 |