Fluorine-based reaction and separation system

申请号 JP50431998 申请日 1997-06-26 公开(公告)号 JP2000514062A 公开(公告)日 2000-10-24
申请人 ユニヴァーシティ オブ ピッツバーグ; 发明人 パトリック イェーガー; ピーター ウィプフ; デニス ピー カーラン; スン ヨウン キム; アルミド シュトゥーデル; マサヒデ ハシノ; ルアー サビーン ハディーダ; ラファエル フェルリット;
摘要 (57)【要約】 本発明は、有機/フッ素系相分離技術により効果的に分離を行うことができるいくつかの合成方法及び分離方法を提供する。 本発明はまた、フッ素を含有するSi,Sn,Ge化合物を含有する材料についての新規な化合物を提供する。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. 第1の有機化合物をすくなくとも第2の有機化合物を含有する混合物から分離するための方法であって、該方法は、 a. 前記第1の有機化合物をフッ素化反応成分と選択的に反応させ、前記第1 の有機化合物に有機/フッ素系相分離技術によって前記第2の化合物から分離することができるのに充分なフッ素を含有するフッ素化成分を付加してフッ素含有化合物を得るステップと、 b. 前記フッ素含有化合物を有機/フッ素系相分離技術によって前記第2の化合物から分離するステップとを有することを特徴とする方法。 2. さらに前記フッ素含有化合物を反応させて前記第1の化合物を再生するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。 3. 前記第1の有機化合物及び前記第2の有機化合物は、前記第1の有機化合物に前記フッ素成分が選択的に反応させる際に前記第2の有機化合物と混合されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 4. 前記フッ素含有化合物は、少なくとも約20重量%のフッ素を含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。 5. 前記フッ素含有化合物は、少なくとも約50重量%のフッ素を含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。 6. 前記有機/フッ素系相分離技術は、有機/フッ素系液相−液相抽出を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 7. 前記フッ素化反応成分は、化学式が XM[(R)(Rf)] 3 であって、Xは、H,F,Cl,Br,I,N 3 ,OR 1 ,OH,OOH,OOR 1 ,SR 1 ,SeR 1 ,CN,NC,NR 1 R 2 ,環状基,置換された環状基,ヘテロサイクリック基,置換されたヘテロサイクリック基,直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,アルケニル基,置換されたアルケニル基,アルキニル基, 置換されたアルキニル基,アシル基,置換されたアシル基,M'((R')(Rf')) 3 ,OM '((R')(Rf')) 3 ,又はOOM'((R')Rf')) 3であり、M'は、Si,Ge又はSnであり、R 1及びR 2は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良いH,直鎖又は分岐鎖のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,環状アルキル基,置換された環状アルキル基,アルキルスルホニルオキシ基,パーフロロアルキルスルホニルオキシ基,アシル基,置換されたアシル基,又はパーフロロアシルオキシ基であり、Mは、Si,Ge,Snであり、R及びR'は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良い炭素数1〜6のアルキレン基,又は炭素数1〜6の置換されたアルキレン基であり、Rf及びRf'は、それぞれ独立して炭素数3〜20の直鎖のパーフロロアルキル基,炭素数3〜20の分岐鎖のパーフロロアルキル基又は炭素数3 〜20のヒドロフロロアルキル基であって、該ヒドロフロロアルキル基は、それぞれ2つのフッ素原子に対して1つ以下の水素原子を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。 8. Xは、Br,F,又はOHであり、Rは、-CH 2 CH 2 -であり、Rfは、-C 6 F 13又は-C 1 0 F 21であることを特徴とする請求項7に記載の方法。 9. 前記有機/フッ素系相分離技術は、有機/フッ素系固相抽出を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の方法。 10. 有機目的分子を合成する方法であって、該方法は、 a. 第1の有機化合物と第1のフッ素化反応成分とを反応させ、フッ素成分を前記第1の有機化合物に結合させて第2のフッ素化反応成分を得、前記フッ素化成分は、前記第2のフッ素化反応成分から形成されるフッ素含有目的生成物が充分なフッ素を含有しており、反応スキームが有機/フッ素系相分離技術によって過剰ないかなる第2の有機化合物及び前記反応スキームにおいて生成されるいかなる有機バイプロダクトからも分離可能な少なくとも前記第2の有機化合物と反応させる少なくとも1つの反応を有するステップと、 b. 前記反応スキーム中で前記第2のフッ素化反応成分を反応させて前記フッ素含有目的生成物を得るステップと、 c. 前記フッ素含有目的生成物をいかなる第2の有機化合物及びいかなる有機バイプロダクトからも分離するステップと、 d. 前記フッ素含有目的生成物を反応させて前記フッ素領域を除去して前記有機目的生成物を得るステップとを有することを特徴とする方法。 11. 前記フッ素含有目的化合物は少なくとも約20重量%のフッ素を含有することを特徴とする請求項10に記載の方法。 12. 前記フッ素含有目的化合物は、少なくとも約50重量%のフッ素を含有することを特徴とする請求項10に記載の方法。 13. 前記第1のフッ素化反応成分は、化学式が XM[(R)(Rf)] 3 であって、Xは、H,F,Cl,Br,I,N 3 ,OR 1 ,OH,OOH,OOR 1 ,SR 1 ,SeR 1 ,CN,NC,NR 1 R 2 ,環状基,置換された環状基,ヘテロサイクリック基,置換されたヘテロサイクリック基,直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,アルケニル基,置換されたアルケニル基,アルキニル基,置換されたアルキニル基,アシル基,置換されたアシル基,M'((R')(Rf')) 3 , OM'((R')(Rf')) 3 ,OOM'((R')Rf')) 3であり、M'は、Si,Ge,Snであり、R 1及びR 2は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良いH,直鎖又は分岐鎖のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,環状アルキル基,置換された環状アルキル基,アルキルスルホニルオキシ基,パーフロロアルキルスルホニルオキシ基,アシル基,置換されたアシル基,又はパーフロロアシルオキシ基であり、 Mは、Si,Ge,Snであり、R及びR'は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良い炭素数1〜6のアルキレン基,又は炭素数1〜6の置換されたアルキレン基であり、Rf及びRf'は、それぞれ独立して炭素数3〜20の直鎖のパーフロロアルキル基,炭素数3〜20の分岐鎖のパーフロロアルキル基又は炭素数3〜20 のヒドロフロロアルキル基であって、該ヒドロフロロアルキル基はそれぞれ2つのフッ素原子に対して1つ以下の水素原子を有することを特徴とする請求項10 に記載の方法。 14. Xは、Br,F,又はOHであり、Rは、-CH 2 CH 2 -であり、Rfは、-C 6 F 13又は- C 10 F 21であることを特徴とする請求項13に記載の方法。 15. 化学式が XSi[(R)(Rf)] 3 であって、Xは、F,Br,I,N 3 ,OR 1 ,OH,OOH,OOR 1 ,SR 1 ,SeR 1 ,CN,NC,NR 1 R 2 ,環状基,置換された環状基,ヘテロサイクリック基,置換されたヘテロサイクリック基,直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,アルケニル基,置換されたアルケニル基,アルキニル基,置換されたアルキニル基,アシル基,置換されたアシル基,M'((R')(Rf')) 3 ,OM'((R')(Rf ')) 3 ,OOM'((R')Rf')) 3であり、M'は、Si,Ge,Snであり、R1及びR2は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良いH,直鎖又は分岐鎖のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,環状アルキル基,置換された環状アルキル基,アルキルスルホニルオキシ基,パーフロロアルキルスルホニルオキシ基,アシル基,置換されたアシル基,又はパーフロロアシルオキシ基であり、R及びR'は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良い炭素数1〜6のアルキレン基,又は炭素数1〜6の置換されたアルキレン基であり、Rf及びRf' は、それぞれ独立して炭素数3〜20の直鎖のパーフロロアルキル基,炭素数3 〜20の分岐鎖のパーフロロアルキル基又は炭素数3〜20のヒドロフロロアルキル基であって、該ヒドロフロロアルキル基は、それぞれ2つのフッ素原子に対して1つ以下の水素原子を有することを特徴とする化合物。 16. Xは、Br,F,又はOHであり、Rは、-CH 2 CH 2 -であり、Rfは、-C 6 F 13又は- C 10 F 21であることを特徴とする請求項15に記載の化合物。 17. Rfは、炭素数7〜20の直鎖のパーフロロアルキル基,炭素数7〜20 の分岐鎖のパーフロロアルキル基,又は炭素数7〜20のヒドロフロロアルキル基であって、該ヒドロフロロアルキル基は、それぞれ2つのフッ素原子に対して1つ以下の水素原子を有していることを特徴とする請求項15に記載の化合物。 18. 化学式が X 1 Si[(R)(Rf)] 3 であって、Xは、H又はClであり、Rは、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数1〜6の置換されたアルキレン基であり、Rfは、炭素数7〜20の直鎖のパーフロロアルキル基,炭素数7〜20の分岐鎖のパーフロロアルキル基,又は炭素数7〜20のヒドロフロロアルキル基であり、該ヒドロフロロアルキル基は、それぞれ2つのフッ素原子に対して1つ以下の水素原子を有していることを特徴とする化合物。 19. 化学反応を行うための方法であって、該方法は、 実質的にフツ素化反応成分を溶解させ、また有機生成物へと反応スキーム内で変換可能な少なくとも1つの有機反応成分を実質的に溶解させるように選択された溶媒系を含んだ有機/フッ素系可溶化液相を形成するステップであって、前記フッ素化反応成分は、有機/フッ素系相分離技術によっていかなる過剰なフッ素化反応成分及び前記反応スキームによって形成される前記フッ素化反応成分のいかなるフッ素含有バイプロダクトからも分離できるように前記有機生成物に対して充分にフッ素を含有するステップと、 前記フッ素化反応成分と前記有機反応成分とを、該フッ素化反応成分と前該有機反応成分とが所望するように反応するような好適な条件下で前記有機/フッ素系可溶化液相中で接触させるステップと、 前記有機生成物の製造後、前記有機生成物を過剰ないかなるフッ素化反応成分及びいかなるフッ素含有バイプロダクトからも分離するステップとを有する方法。 20. 前記有機生成物の製造後、前記有機生成物を過剰ないかなる前記フッ素化反応成分及びいかなる前記フッ素含有バイプロダクトからも分離するステップは、フッ素系液相と有機相とに相分離させるステップを含み、前記フッ素化反応成分は、いかなる過剰なフッ素化反応成分及びフッ素含有バイプロダクトに対しても良好に前記フッ素系相中に分配されるように充分なフッ素を含有していることを特徴とする請求項19に記載の方法。 21. 前記フッ素化反応成分は、化学式が XM[(R)(Rf)] 3 であって、Xは、H,F,Cl,Br,I,N 3 ,OR 1 ,OH,OOH,OOR 1 ,SR 1 ,SeR 1 ,CN,NC,NR 12 ,環状基,置換された環状基,ヘテロサイクリック基,置換されたヘテロサイクリック基,直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,アルケニル基,置換されたアルケニル基,アルキニル基,置換されたアルキニル基,アシル基,置換されたアシル基,M'((R')(Rf')) 3 ,OM'((R' )(Rf')) 3 ,OOM'((R')Rf')) 3であり、M'は、Si,Ge,Snであり、R 1及びR 2は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良いH,直鎖又は分岐鎖のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,環状アルキル基,置換された環状アルキル基,アルキルスルホニルオキシ基,パーフロロアルキルスルホニルオキシ基,アシル基,置換されたアシル基,又はパーフロロアシルオキシ基であり、Mは、Si,Ge,Snであり、R及びR'は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良い炭素数1〜6のアルキレン基,又は炭素数1〜6の置換されたアルキレン基であり、Rf及びRf'は、それぞれ独立して炭素数3〜20の直鎖のパーフロロアルキル基,炭素数3〜20の分岐鎖のパーフロロアルキル基又は炭素数3〜 20のヒドロフロロアルキル基であって、該ヒドロフロロアルキル基は、それぞれ2つのフッ素原子に対して1つ以下の水素原子を有することを特徴とする請求項19に記載の方法。 22. 化学反応を行うための方法であって、該方法は、 実質的にフッ素化反応成分を溶解させる溶媒系を含んだ有機/フッ素系可溶化液相を形成するステップであって、前記フッ素化反応成分は、式(R) d (Rf) eを有する少なくとも1つのフッ素領域を含むように機能化されており、(R) dは、存在していても存在していなくとも良い有機スペーサ基であり、dは、少なくともともゼロに等しい整数であり、(Rf) eは、少なくとも1つのフッ素含有基であり、 eは、整数であり、前記溶媒系はまた、前記フッ素化反応成分の存在下で生成物へと変換可能な少なくとも1つの有機反応性成分を実質的に溶解させるように選択されているステップと、 前記フッ素化反応成分と前記有機反応成分とを、該フッ素化反応成分と前該有機反応成分とが前記生成物を与えるような好適な条件下で前記有機/フッ素系可溶化液相中で接触させるステップと、 前記生成物の生成後にフッ素系液相と有機相とに相分離させるステップとを含み、前記フッ素化反応成分は、いかなる過剰なフッ素化反応成分及び前記フッ素化反応成分のいかなるフッ素含有バイプロダクトに対しても前記フッ素系相中に良好に分配されるように充分な数のフッ素領域を有していることを特徴とする方法。 23. 前記生成物を前記フッ素化反応成分から分離するステップを有することを特徴とする請求項22に記載の方法。 24. 前記試薬は、触媒であることを特徴とする請求項22に記載の方法。 25. 前記フッ素化反応成分は、化学式XM((R) d (Rf) e ) 3であって、前記Mは、 スズ,ゲルマニウム,シリコンからなる群から選択され、Xは、前記有機反応成分と反応するように選択された領域であることを特徴とする請求項22に記載の方法。 26. 前記フッ素化反応成分は、化学式が XM[(R)(Rf)] 3 であって、Xは、H,F,Cl,Br,I,N 3 ,OR 1 ,OH,OOH,OOR 1 ,SR 1 ,SeR 1 ,CN,NC,NR 1 R 2 ,環状基,置換された環状基,ヘテロサイクリック基,置換されたヘテロサイクリック基,直鎖又は分岐鎖の炭素数が1〜20のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,アルケニル基,置換されたアルケニル基,アルキニル基,置換されたアルキニル基,アシル基,置換されたアシル基,M'((R')(Rf')) 3 ,OM'((R ')(Rf')) 3 ,OOM'((R')Rf')) 3であり、M'は、Si,Ge,Snであり、R 1及びR 2は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良いH,直鎖又は分岐鎖のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,環状アルキル基,置換された環状アルキル基,アルキルスルホニルオキシ基,パーフロロアルキルスルホニルオキシ基, アシル基,置換されたアシル基,又はパーフロロアシルオキシ基であり、Mは、 Si,Ge,Snであり、R及びR'は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良い炭素数1〜6のアルキレン基,又は炭素数1〜6の置換されたアルキレン基であり、Rf及びRf'は、それぞれ独立して炭素数3〜20の直鎖のパーフロロアルキル基,炭素数3〜20の分岐鎖のパーフロロアルキル基又は炭素数3〜20のヒドロフロロアルキル基であって、該ヒドロフロロアルキル基は、 それぞれ2つのフッ素原子に対して1つ以下の水素原子を有することを特徴とする請求項25に記載の方法。 27. 前記Xは、アリール基,置換されたアリール基,ヘテロアリール基,又は置換されたヘテロアリール基であることを特徴とする請求項26に記載の方法。 28. 前記Mは、Snであることを特徴とする請求項26に記載の方法。 29. 前記Xは、H,F,Cl,Br,N 3 ,OH,OSn(CH 2 CH 2 Rf) 3 ,アリル基,フェニル基, 4−メトキシフェニル基、2−ピリジル基,又は2−フリル基であることを特徴とする請求項28に記載の方法。 30. 前記Rは、炭素数1〜6の直鎖のアルキレン基であることを特徴とする請求項28に記載の方法。 31. 前記Rは、-CH 2 CH 2 -であることを特徴とする請求項30に記載の方法。 32. 前記Rfは、炭素数6〜12の直鎖のパーフロロアルキル鎖であることを特徴とする請求項30に記載の方法。 33. 化学式が XM[(R)(Rf)] 3 であって、Xは、H,F,Cl,Br,I,N 3 ,ORI,OH,OOH,OOR 1 ,SR 1 ,SeR 1 ,CN,NC,NR 1 R 2 ,環状基,置換された環状基,ヘテロサイクリック基,置換されたヘテロサイクリック基,直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜20のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,アルケニル基,置換されたアルケニル基,アルキニル基,置換されたアルキニル基,アシル基,置換されたアシル基,M'((R')(Rf') ) 3 ,OM'((R')(Rf')) 3 ,OOM'((R')Rf')) 3であり、M'は、Si,Ge,Snであり、R 1及びR 2 は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良いH,直鎖又は分岐鎖のアルキル基,置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基,環状アルキル基,置換された環状アルキル基,アルキルスルホニルオキシ基,パーフロロアルキルスルホニルオキシ基,アシル基,置換されたアシル基,又はパーフロロアシルオキシ基であり、Mは、Si,Ge,Snであり、R及びR'は、それぞれ独立して同一でも異なっていても良い炭素数1〜6のアルキレン基,又は炭素数1〜6の置換されたアルキレン基であり、Rf及びRf'は、それぞれ独立して炭素数3〜20の直鎖のパーフロロアルキル基,炭素数3〜20の分岐鎖のパーフロロアルキル基又は炭素数3〜 20のヒドロフロロアルキル基であって、該ヒドロフロロアルキル基は、それぞれ2つのフッ素原子に対して1つ以下の水素原子を有することを特徴とする化合物。 34. 前記Xは、アリール基,置換されたアリール基,ヘテロアリール基,又は置換されたヘテロアリール基であることを特徴とする請求項33に記載の化合物。 35. 前記Mは、Snであることを特徴とする請求項33に記載の化合物。 36. 前記Xは、H,F,Cl,Br,N 3 ,OH,OSn(CH 2 CH 2 Rf) 3 ,アリル基,フェニル基, 4−メトキシフェニル基、2−ピリジル基,又は2−フリル基であることを特徴とする請求項35に記載の方法。 37. 前記Rは、炭素数1〜6の直鎖のアルキレン基であることを特徴とする請求項35に記載の化合物。 38. 前記Rは、-CH 2 CH 2 -であることを特徴とする請求項37に記載の化合物。 39. 前記Rfは、炭素数6〜12の直鎖のパーフロロアルキル鎖であることを特徴とする請求項38に記載の化合物。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 フッ素系反応及び分離システム 関連参照文献 本出願は、1996年6月28日出願の米国特許出願第08/871,945 号、名称「フッ素系反応システム」の一部係属出願であり、上記出願の開示内容は、本件出願明細書の記載に含まれるものとする。 発明の分野 本発明は、新規組成物及び化学反応を行うための方法に関する。 発明の背景 有機化合物は、世界中で数え切れないほどの数の研究、商業的実験室、プラント等において日々精製されている。 化学、医薬及びこれら以外の工業によって開発され、販売される有機化合物についての費用のうち、かなりの部分は、精製のためのコストが占めている。 精製のためのクロマトグラフと言った方法は、限りなく重要ではあるが、また、費用がかかり、時間を必要とする。 簡単ではあるが有効性に乏しい方法としては、相分離技術に基づく方法を挙げることができる。 気相、固相、有機相及び相と言った2つの液相の4つの相が通常標準的な実験室的な分離のために用いられる。 相分離技術の中では、有機化合物の精製のため、液相−液相抽出が省時間の役割を担っている。 これらの抽出は、ほとんど常に有機溶媒と水を用いて行われる。 最も頻繁には、相分離は、無機化合物から有機化合物を分離(すなわち、精製)するために用いられる。 有機−水抽出において、より低い頻度であるものの、依然として重要な応用としては、酸−塩基抽出を挙げることができる。 有機合成科学者によって広く認識されているわけではないが、「第3の液相」、 すなわちフロロカーボン(又はフッ素系)相が存在する。 これらの成分は、水とも多くの有機溶媒とも混和されることがない。 例えば、フッドリッキー(Hudlick ey).M,「有機フッ素化合物の化学」、エリスホーウッド(Ellis Horwood):チチェスター(Chichester)、1992年を参照されたい。 本発明で用いる用語「フッ素系液相」とは、炭素−フッ素結合のリッチな1つ以上の溶媒を指す。 フッ素系液相は、実質的に「有機相」とは混和せず、有機相と液相−液相のバイフェーズ混合物を形成する。 本発明においては、用語「フッ素系」とは、有機(炭素含有)分子に関連して用いる場合には、概ね炭素−フッ素結合のリッチなドメイン又は部分を有する有機分子、例えばフロロカーボン類、フロロハイドロカーボン類、フッ素化されたエーテル類、フッ素化されたアミン類のことを言う。 このように、このような部分は、フッ素化合物の一部を構成するか又はフッ素化合物の全体を構成する。 概ね、フッ素部分を高い重量で含有する化合物は、フッ素/有機液相2相混合物においてフッ素系液相に良好に分配される。 これについては、例えば米国特許第5 ,463,082号を参照されたい。 本発明では、用語「フロロカーボン」及び「 パーフロロカーボン」とは、炭素原子に結合したすべての水素原子が、フッ素原子によって置換された有機化合物を言う。 用語「フロロハイドロカーボン」及び「 ヒドロフロロカーボン」とは、炭素原子に結合した少なくとも1つの水素原子がフッ素原子によって置換された有機化合物を言う。 表面化学、生物学、エンジニアリングにおいては、飽和パーフロロカーボン流体が重要な用途を有している。 ほとんどの有機化合物は、フロロカーボン流体には完全に、又は実質的に溶解せず、多くの有機溶媒は、フロロカーボン流体には混和しないが、これの混和性は、ある程度フッ素系−有機系ペアリングに依存しているためである。 カーボンテトラクロリド、エーテル、THFと言った溶媒は、フロロカーボン流体とは最も高い溶解性を有しており、これらの溶媒とフロロカーボン流体のペアリングにより、混和可能としているか又は僅かに加熱するだけで混和可能とさせている。 商品名において「フルーテック(Flutec)」(登録商標)及び「フロリネート(Fluo rinert)」(登録商標)と言った市販に広く利用できる種類のフロロカーボン流体がある。 これらの流体は、化学的又は電気化学的なフッ素化プロセスによって工業的に製造されている。 これらはほとんどが類似の沸点を有するフロロカーボンの混合物(ある場合には、フッ素化されたエーテルを含有する)である。 これらの混合物は、有機化学においてしばしば用いられる「石油エーテル」溶媒にある程度は類似している。 フッ素化されたエーテル及びフッ素化されたアミンはまた、市販のものを用いることができる。 上述したように、これらのフロロカーボン「流体」は、有効な溶媒である。 伝統的な有機合成の領域におけるフロロカーボン溶媒の第1の応用は、1993年にDWツ(zhu)がフロリネートフラッド(Fluorinert Fluid)(登録商標)FC− 77(ほとんどのC 8 F 18異性体を含む混合物であり、沸点が97℃である)において、一連のトランスエステリフィケーション(transesterification)反応を発表したことによりなされた(ツ,DW、シンセシス(Synthesis),953〜54頁、 1993年)。 その実験に記載されているように、低沸点のアルコールは、高沸点のアルコールに置換され、2つの段階において相分離が用いられている。

    まず、「インバースディーンースターク(inverse Dean-Stark)」トラップが反応混合物から低沸点アルコールを分離するために用いられ、平衡とされる。 次いで、FC−77から、製造されたエステルが冷却により分離されている。 別の一般的なフロロカーボン流体は、FC−72(登録商標)であり、沸点が56℃のC

    6

    F

    14異性体の混合物である。 FC−72及びFC−77は、3Mから市販のものが利用できる。 ツ(zhu)による発表のすぐ後、ホルバス(Horvath)及びラバイ(Rabai)は、「フッ素系」フォスフィンリガンドの合成を開示し、標準的なハイドロフォルミル化のためのロジウム触媒を製造するため、これを使用することを開示している(ホルバス,IT.及びラバイ,J,サイエンス、第266巻、72〜75頁、1994 年)。 また、米国特許第5,463,082号及びグラディッツ(Gladysz),JA、サイエンス第266巻、第55頁、1994年)を参照されたい。 このハイドロフォルミレーションは、CO/H

    2雰囲気中、パーフロロメチルシクロヘキサン(フッ素系可溶溶媒)とトルエン(有機可溶溶媒の液体2相混合物中で下記のように行われる。 この生成物は、2つの液体反応相を触媒から分離し、フッ素系相から触媒が再生されて、別のハイドロフォルミレーションに連続して再使用される。 フッ素系液体相の際だった物理化学的特性は、これまでと異なった改善された生成収率、反応性及び/又は選択性と言った予期せぬ溶媒効果を効果的にもたらすために用いることができる。 同様に、フッ素系分子と有機(すなわち非フッ素系)分子の間の物理化学的差は、分離を有効とするための価値ある道具として用いることができる。 したがって、さらに別のフッ素系反応成分、反応系、反応スキーム及び分離スキームを開発することが強く望まれていた。 発明の要約 本発明で用いる結合合成に関連して用いる用語「試薬」とは、反応のためには必要とされるが、結合合成の生成物へと変化しないか、又は生成物の一部には全く寄与しない化学種のことを言う。 本発明で用いる結合合成に関連して用いる用語「反応体」とは、概ね結合合成の製造物へと変化する部分に寄与するタイプの分子を言う。 用語「反応体」と「試薬」の区別は、「通常の」(非結合)有機合成と紛らわしいが、当業者によれば、しばしば目標とする生成物に全く寄与しないか、あるいは少ししか寄与しないか、又は炭素原子を目的生成物に全く与えない反応体を試薬として引用している。 本発明においては、用語「試薬」とは、半化学量論的に用いられる場合には、触媒を含むものである。 本発明においては、用語「基質」とは、概ね合成反応の通常では前段階で製造される主要な出発材料を言う。 用語「目的生成物」とは、概ね媒質中で別の反応成分による基質との反応によって変換されるターゲット又は所望する分子(あるいは複数の分子)のことを言う。 用語「副生成物」又は「バイプロダクト」とは、概ね目的生成物ではなく、目的生成物から分離することが望ましい反応媒質中におけるいずれかの成分によって得られる生成物を言う。 用語「有機/フッ素系相分離技術」とは、概ねフッ素成分または分子のフッ素基の存在下で、フッ素基を有する化合物とフッ素基を有しない化合物を分離するための技術を言う。 このような技術としては、フッ素系液体と有機液体との簡単な抽出を含むものであるが、これに制限されるわけではない。 フッ素含有相はまた、そこから分離される液体又は固体のフッ素成分を含有する。 また、向流分配及び「固相抽出」も含有するものである。 固相抽出としては、例えば高度にフッ素化されたポリマー又は有機又は有機/水といった移動相と組み合わせた固定相を用いるものを挙げることができる。 結合された固定相を有するクロマトグラフ材料としては、例えば「S-OSi-(Me)

    2 (CH

    2 )

    n Rf」(ここで、「S」は、シリカゲルと言った標準的な担体であり、「n」は、2又は3であり、Rfは、直鎖又はパーフロロアルキル基である)が知られている。 これらの固定相のいくつかのものは、( すなわちフッ素系固定相)市販の(例えばフルオリックス(Fluorix)(登録商標)カラムが、キーストーンサイエンティフィック(Keystone Scientific)社(USA) 及びNEOS Co.(日本)と言った会社からのものが利用できる。高度にフツ素化された化合物は、有機又は有機/水が移動相として流された場合に、これらのカラムによって強固に保持され、有機化合物は、通過することが知られている。例えば、HAHビレー(Biliet)等、ジャーナルオブクロマトグラフィー(JC hromat.)、第218巻、第443頁、1981年、及びGEベレンセン(Berends en)等、アナリティカルケミストリー(Anal.Chem.)、第52巻、1990頁、1 980年を参照されたい。しかしながら、フッ素系移動相による溶離は、保持されたフッ素系化合物をすべて放出させる。好ましい場合には、標準的な「通常」( シリカ、アルミナ等)又は「逆相」(Cl8)固定相を用いることができるが、この理由としては、フッ素基の存在は、フッ素基を含有しないものに比べて著しくフッ素基を含有するものの、流動性を変化させることを挙げることができる。すべての好ましい有機/フッ素系相分離技術は、フッ素系化合物と非フッ素系化合物の分離を比較的簡単にさせる。 用語「フッ素系基質(fluorous substrate)」、「フッ素化反応体(fluorous react ant)」、「フッ素化試薬(fluorous reagent)」等、(すなわち概ね「フッ素化反応成分」)とは、概ね炭素−フッ素結合のリッチな部分を含む反応成分を言う。フッ素化反応成分は、概ねフッ素含有相内に(又はフッ素含有相上に)良好に分離される。しかしながら、用語「反応成分」とは、また(1)炭素−フッ素結合がリッチな部分を有し(2)、フッ素含有相へと良好に分離されず、(3)反応中に炭素−フッ素結合がリッチな部分を含有するフッ素化生成物及び/又はバイプロダクトを形成するものをも言う。このフッ素化生成物及び/又はバイプロダクトは、フッ素含有相へと良好に分離される。用語「有機基質」、「有機反応体」、「有機試薬」等(すなわち概ね「有機反応成分」)は、概ね炭素−フッ素結合がリッチな部分を含まない反応成分を言う。有機反応成分及び有機化合物は、概ね有機(すなわち非フッ素系)相(例えば有機/フッ素系液体抽出における有機相)へと良好に分離される。 本発明者等は、これまで他により検討されたフッ素系相と非フッ素系相とを含有する液体2相反応系は、多くの反応系に用いることができないことを見出した。 実際、多くの場合には、反応成分の分配係数(すなわち、試薬、反応体、触媒) は、2相系の液相の間の相分離を生じさせ、著しく反応を禁止したり、妨げることになる。 反応プロセスと相分離(すなわち生成物の回収)とは、別々にすることが好ましいことが見出された。 したがって、本発明の1つの態様においては、本発明の反応のすべての反応成分は、「有機/フッ素系可溶化液体相」に好ましくは実質的に溶解する試薬又は反応体を含むものである。 本発明においては、用語「有機/フッ素系可溶化液体相」とは、有機反応成分及びフッ素化反応成分の双方を実質的に可溶化させるように適合又は選択された溶媒系を含有する液相を言う。 これらの反応成分が完全に上述の有機/フッ素系可溶化液相にいかなる場合にでも常時反応中に完全に溶解していることは必要ではない。 各反応成分(有機又はフッ素系)は、少なくとも約0.1mmol、より好ましくは、少なくとも約1mmolの溶解性を有していることが好ましい。 目的生成物及び/又はどのようなバイプロダクトも、上述の有機/フッ素系可溶化液相に実質的に溶解する必要はない。 実際には、目標生成物及び/又はいかなるバイプロダクトは、例えば混和しない液相又は不溶の固相を形成しても良い。 有機/フッ素系可溶化液相内での反応のための上述の有機/フッ素系可溶化液相は、(i)有機溶媒又は有機溶媒の混合物(例えば四塩化炭素、THF、及び/又はエーテル);(ii)有機溶媒とフッ素系溶媒(又は複数のフッ素系溶媒)の均一混合物(又は複数の溶媒)(例えば四塩化炭素、エーテル、又はTHFと混合されたFC−72)又は有機溶媒(又は複数の有機溶媒)とフッ素系溶媒( 又は複数のフッ素系溶媒)のどちらかあるいは双方と組み合わせても用いられるハイブリッド有機/フッ素系溶媒;を含有していても良い。 上述した溶媒系は、 当業界において周知である。 有機/フッ素系可溶化液相は、有機相及びフッ素系液相に関して均一な液相のことを言う。 本発明では、用語「均一液相」とは、内部に液体−液体の物理的な界面(例えばメニスカス)が有機相とフッ素系相の間において目視できない液相のことを言う。 例えば、CRCハンドブックオブケミストリーアンドフィジックス、第61版、C−691、1980年(界面メニスカスの観測又は不存在に基づく混和性の決定)を参照されたい。 したがって、本発明の有機/フッ素系可溶化液相には、内部にフッ素系−有機系の物理的界面は観測されない。 このような有機/フッ素系可溶化液相は、しかしながら、水が存在するとある種の反応では、水相との液相−液相の物理的界面を形成する場合もある。 本発明における用語「ハイブリッド有機/フッ素系溶媒」とは、有機(例えば炭化水素)部分又はドメイン及びフッ素系(例えばフロロカーボン又はフロロハイドロカーボン)部分又はドメインの双方を有する溶媒を言う。 概ね、有機溶媒又はフッ素系溶媒と混合された場合には、ハイブリッド有機/フッ素系溶媒は、 2相系又は混合物を形成しない。 いくつかのハイブリッド有機/フッ素系溶媒は、有機溶媒又はフッ素系溶媒と2相混合物を形成する場合もある(例えばFC− 72及びCF

    3 CH

    2 OHは、2相混合物を形成する)が、このようなハイブリッド有機/フッ素系溶媒は、単独でも、又は別の溶媒との組み合わせにおいても有機/フツ素系可溶化液相を形成するためには有用である。 ハイブリッド有機/フッ素系溶媒の例としては、ベンゾトリフロリド(BTF;C

    6 H

    5 CF

    3 )、トリフロロエタノール、p−クロロベンゾトリフロリド(ClC

    6 H

    4 CF

    3 )及び1,4−ビス(トリフロロメチル)ベンゼン(CF

    3 C

    6 H

    4 CF

    3 )を挙げることができるが、これらの化合物に限定されるわけではない。 ハイブリッド有機/フッ素系溶媒と有機溶媒及び/ 又はフッ素系溶媒の本発明における均一混合物としては、BTF/CH

    2 Cl

    2 ,H

    2 O/ BTF/THF/アセトン、BTF/FC−72、BTF/FC−72/エーテルを挙げることができる。 ハイブリッド有機/フッ素系溶媒は、有機溶媒とも水とも2相混合物を形成しないハイブリッド有機/水系溶媒、例えばアルコール( 例えば有機部分と水性(水様)部分とを有する(CH

    3 CH

    2 OH))と幾分か類似している。 本発明は、したがって概ね溶媒系を含有する有機/フッ素系可溶化液相を形成させるステップを有する化学反応を行う方法を提供する。 この溶媒システムは、 フッ素系反応成分又は複数の反応成分(すなわちフッ素化試薬、フッ素化触媒及び/又はフッ素化反応体)を実質的に可溶化させるように選択又は適合化されている。 このフッ素系反応成分は、少なくとも式−(R)

    d (Rf)

    eを有するフッ素領域を有するように修飾されている。 (Rf)

    eは、少なくとも1つのフッ素系基でありeは、整数である。 (R)

    dは、例えば炭化水素と言った有機スペーサ基であり、このスペーサ基は、存在していても良く又は存在していなくとも良く、dは、少なくともゼロに等しい整数である。 溶媒システムはまた、実質的に有機反応成分又は複数の反応成分を実質的に溶解させ、1つ以上の反応を含む反応スキーム内において有機生成物へと変換するように適合化されている。 有機/フッ素化可溶化液相内での有機生成物の合成の後、有機/フッ素系相分離技術が有機目的生成物がどのような残留フッ素系反応成分又は反応により形成されたどのようなフッ素系バイプロダクトからも分離するために用いられる。 好ましい態様においては、共溶媒(co-solvent)又は複数の共溶媒を有機/フッ素系可溶化液相へと加えて、少なくともフッ素系相と有機液体相へと相分離させることが好ましい。 固相、気相及び/又は水相はまた、存在していても良い。 いくつかの場合には、上述の共溶媒又は複数の共溶媒を添加する前に、有機/フッ素系可溶化液相の一部又は全部を留去することによって除去することもできる。 フッ素化反応成分は、したがって充分に多くのフッ素含有領域を有しており、 どのような過剰のフッ素化反応成分及びこのフッ素化反応成分から得られるフッ素含有バイプロダクトであっても容易に有機/フッ素系相分離技術によって分離できるようにされていることが好ましい。 有機/フッ素系液相抽出においては、 例えば過剰のフッ素化反応成分及び/又はフッ素含有バイプロダクトは、1回の抽出又は連続した抽出の後にフッ素系液相内に良好に分配されるようになっていることが好ましい。 有機スペーサ基(R)

    dは、H及びCを含有していても良く、又O,N,S,P,As, Siの他、追加のH及びCを主鎖又は置換基に有する基を含有していても良い。 概ね、(R)

    dは、(Rf)

    eに比較して、水素原子がリッチとされていることが好ましい。 dは、少なくともゼロ又はどのような整数とされていることが好ましい。 dは、4より小さな整数であることがより好ましく、dは、0,1,2,3 とされていることが最も好ましい。 多くの場合には、有機スペーサグループは、 フッ素基の強い電子吸引性のため、好ましく、又必要とされる。 フッ素含有基と反応性成分との間にスペーサ基として炭化水素基(例えば-CH

    2 -CH

    2 -基)を加えることは、反応成分のフッ素含有基の電子吸引性効果を低減させる。 ある場合には、フッ素含有基の電子吸引性は、反応成分に対して全く効果を有しないか又は有用な効果を有しない。 このような場合には、上述の有機スペーサ基を用いないこともできる(すなわちd=0である)。 フッ素化反応成分は、しばしば全反応成分の分子量のフッ素原子のうちのかなりの割合を占める複数のフッ素含有領域(例えばQ-[(R)

    d (Rf)

    e ]

    z 、ここに、Qは、標準的な反応成分であり、Z>1である。)を含んでいても良い。 このフッ素含有領域は、フッ素含有反応性成分の同一の原子に結合されていても良く、又フッ素反応性成分の別の原子に結合されていても良い。 充分なフッ素含有領域を用いて、残留するどのようなフッ素含有反応成分及び又はどのようなフッ素含有バイプロダクトでも有機/フッ素相分離技術によって有機目的生成物から分離されるようにすることが好ましい。 しかしながら、アンダーラインで示す反応性成分Qの化学活性は、フッ素部分(Rf)

    eの付加によってはわずか又は全く変化しないことが好ましい。 フッ素系反応成分が完全に反応しない場合には、フッ素化反応成分の全重量のうちの少なくとも約20重量%〜約90重量%、より好ましくは約50重量%〜 90重量%がフッ素を含有することが好ましい。 このような場合すべてにおいては、充分なフッ素系成分及び適切な構造が、フッ素化反応成分が有機/フッ素系相分離技術例えば相分離後にフッ素系液相へと良好に分配できるように用いられ、有機目的生成物から分離されるようにされていることが好ましい。 フッ素化反応成分が、完全に反応してしまう量で用いられる場合には、得られるフッ素含有バイプロダクトを、有機目的生成物から分離する必要がある。 このような場合には、フッ素系バイプロダクトの全重量の少なくとも約20重量%〜 約90重量%、より好ましくは約50重量%〜90重量%が、フッ素原子を含有していることが好ましい。 当業者によれば明らかなように、フッ素化反応成分が対応するバイプロダクトのどのような有機部分に比較して大きな場合には、フッ素化反応成分のフッ素の重量%を、20重量%未満とすることができる。 また、 当業者には明らかなように、フッ素化反応成分のフッ素含有相への良好な分配は、これらの場合には重要でない。 概ね、有機/フッ素系相分離技術によって有機化合物から分離されるどのようなフッ素化合物であっても、分離を容易にするためには少なくとも約20重量%のフッ素を含有していることが好ましく、少なくとも50重量%のフッ素を含有していることがより好ましい。 典型的には、知られた標準的な(非フッ素系)反応は、本発明では対応する標準的な反応条件において、本発明の1つ以上のフッ素により機能化された反応成分の存在下で反応が行われる。 本発明は、等しく適用可能であるが、新規に開発された有機反応である。 フッ素化反応成分は、別のフッ素を含有する反応成分又は全合成によって出発反応成分のフッ素化又はフッ素−官能基化によって製造される。 例えば、フッ素化されたスズ反応成分は、1ステップ又はより多くのステップによって容易に製造することができる。 フッ素化されたスズ反応体の合成の例示的な方法は、知られた求核基、例えばRfCH

    2 CH

    2 MgBrといったグリニャール試薬と知られたスズ電気吸引性基Cl

    3 SnXとを結合させることである。 このような結合は、直接的又は1つ以上の付加的な変換を通して行うことができる。 ここで、1つの基Xは、フッ素含有反応成分[RfCH

    2 CH

    2 ]

    3 SnXの新しい部類を生成するために置換することができる。 有機化学において、この基Xを互いに交換することは、当業者には周知であり、スズ前駆体において生成X基の求核性前駆体をX基のみを残して(例えばハロゲン又はトリフレート(triflate))スズ前駆体(例えばアルコールのスタンニル化)により反応させる反応か、又はスズ求核体(X=金属)を生成X基に付加又は置換する(例えばスタンニル金属とアリルハライドとを置換する)反応か、 又はスズSnX結合を多重結合に付加する反応(例えば、アルケン又はカルボニル基の水素スタンニル化)等、多くの種類によって行うことができる。 同様にして、別の求核体及びスズ吸電子体の別の部類を使用して、スズに別のフッ素置換基を試薬に関連させつつ導入することもできる。 類似の変換は、概ね関連するシリコン及びゲルマニウム反応成分の合成にも適用することができる。 本発明の方法による変換は、概ね周知の「非フッ素含有」反応成分の変換と並列に行うことができ、フッ素化反応成分及びフッ素化反応成分から導かれるいかなるフッ素化バイプロダクトであっても1回以上の有機/フッ素系相分離技術によって除去可能とする効果をもたらす(例えば有機/フッ素系液相−液相抽出)。 回収されたフッ素系反応成分は、しばしば直接再利用されたり、又再利用できる形態へと標準的な反応により再生される。 これらは、標準的な反応成分に比較して著しい効果をもたらす。 本発明の方法はまた、現在のフッ素多相反応に対して著しい有効性をもたらすものである。 これについては、米国特許第5,463,082号を参照されたい。 多相システムにおいては、触媒及びこれ以外の有機反応のいくつかのタイプが行えるという利点があるものの、有機反応の大多数は、キー反応成分が実質的に溶解性を有する液相において行われることが好ましい。 混和しないフッ素系液体相及び有機液体相へと分離することは、多くの重要な反応の部類において利点が望まれるものではなく、またしばしばながら悪影響を与えることになる。 本発明の方法においては、フッ素化反応成分と有機反応成分は、相方ともが同一の有機/フッ素系可溶化液相に実質的に可溶な条件で反応させることができる。 例えば、スズ、ゲルマニウム、シリコン試薬R

    3 MX(ここで、Mは、Si,Ge,Snであり、Xは、有機化合物との反応を行わせる原子又は基である)の有機反応は、 ルーチンとして当業者によって行われており、多くの異なった有機変換が行われている。 これらの反応成分によるほとんどの反応は、均一の液相中で行われることが好ましい。 これらの反応成分に類似のフッ素系反応体[(Rf)

    e (R)

    d ]

    3 MXは、同様に均一の液相で行われることが好ましい。 例えば、試薬[C

    6 F

    13 CH

    2 CH

    2 ]

    3 SiX(ここで、本発明で説明する方法において、ハイドロシリレーション及び還元(X=H )又はシリレーション(C=Cl)の反応を行うために用いるためのXが、H及びClのものが既知であり、これらは、標準的な(非−フッ素含有)試薬R

    3 SiX(X=H 又はClであり、R=アルキル基又はシクロアルキル基である)と同様にして用いられる。同様にして、フッ素含有アリル基、ビニルスズ基、アリル基及びビニルシラン反応性分は、典型的なイオン性アリレーション及びビニレーション、フッ素含有アリル基及びビニルスズ反応成分は、典型的なラジカルアリレーション及びビニレーションと同様に用いることができる。これらは、化学的に知られたスズ、ゲルマニウム、シリコン等多くものから選択した数少ない例示にすぎない。 本発明の反応の後に残留するフッ素化合物は、例えば簡単な液相−液相抽出によって有機化合物から分離でき、多くの反応では、従来クロマトグラフィーやより望ましい技術のいくつかのものを用いて行われていた、多くの反応に対して極めて実質的な精製を行うことを可能とする。本発明は、「通常」の及び「結合」 有機合成の双方において著しい効果を奏するものである。 通常の有機合成においては、個々のステップは、最終的な目的分子又は生成物が得られるまで連続して行われる。結合有機合成においては、目的物は、単一の分子ばかりではなく、数千万の分子のライブラリとされる。多重の反応は、ともに、あるいは並列的に行われて、個々の化合物又は混合物として多数の生成物が得られる。結合化学の技術は、新規薬剤の発見又は最適化のため、医薬工業において極めて広く用いられる技術である。結合合成においては、精製の簡単な方法が有する価値は、通常の合成よりも遥かに高いともいえる。一人では数百または数千のサンプルについてクロマトグラフを行うことはできない。この理由のため、結合合成は、現在のところほとんどすべてが固相(ポリマー)相において行われており、精製は、単にろ過することによりなされている。不都合なことに、固相の精製の魅は、合成における利点を減じてしまう。液相反応を行うことは、 ポリマーが反応溶媒に完全には溶解しないため困難な場合がある。 結合合成は、通常では自動化されている。固相におけるよりも液相において基質を用いることで、有機合成を自動化することが好ましいと言う、いくつかの特徴がある。 下記に様にこれらのうち4つについて考察を加える。 まず、利用可能な多くの相があることを挙げることができる。 三番目の相として水(中性、酸性、 塩基性)を含めると、7つの異なった相が提供される。 このため、このような手法によれば、より多くの相とより分離の可能性とがあるため、自由度が広げられることになる。 第2に、フッ素化反応成分を用いる液相の手法においては、基質は、いかなる相にも固定されていないので、「フェーズスイッチング」による生成物の精製がこの場合随意に行うことができることである。 フェーズスイッチングとは、簡単には基質を1つの相から別の相へと分配されるように修飾することをいう。 このようなフェーズスイッチングは、いくつかの異なった相の間において行うことができるとともに、合成のいかなる段階においても行うことができる。 第3に、固相へと基質を「取り付ける」又は「取り外す」必要を無くすることができることを挙げることができる。 反応条件からポリマー及びリンカの安定性についてのすべての留意点を省くことができる。 留意するべき点は、基質についてのみである。 第4番目には、多くの反応は、均一液相中で行われることにある。 これは、固相合成とは正反対のことであり、固相においては、真の均一性は決して得られることはない。 本発明は、例えばまた、有機化合物の合成及び分離のための実質的に汎用の方法を提供するものである。 これらの方法は、特に結合合成技術に対して有用であるが、どのような合成及び/又は1つの有機化合物を別の有機化合物から分離することが必要な分離において有効である。 本発明は、したがって概ね第1の有機化合物を少なくとも第2の有機化合物を含有する混合物から分離する方法を提供するものである。 この方法によれば、第1の有機化合物は、フッ素化反応成分とまず選択的に反応されて、フッ素領域又はフッ素「相タグ」が上述の第1の有機化合物へと結合されて、フッ素化された第1の化合物が与えられる。 この第1の有機化合物は、フッ素化反応成分と選択的に反応される前に、第2の有機化合物と混合することもできる。 これとは別に、第2の有機化合物は、フッ素化された化合物を形成した後に形成又は添加することもできる。 このフッ素化された領域は、充分に大きな分子量を有していて、 有機/フッ素系相分離技術によってこのフッ素化された化合物を第2の有機化合物から分離するようにされている。 このフッ素化された化合物は、その後第2の有機化合物から有機/フッ素系相分離技術により分離される。 このフッ素化された化合物は、フッ素系液体相中に分配されることで、有機/フッ素系液体−液体抽出において分離されるようになっていることが好ましい。 この分離されたフッ素化された化合物は、所望により反応されて上述した第1の有機化合物が再生されても良い。 本発明はまた、概ね有機目的分子を生成し、この有機目的分子を過剰な反応成分及び/又は有機バイプロダクトを含有する別の有機化合物から分離するための方法を提供する。 この方法によれば、第1の有機化合物は、第1のフッ素化反応成分と反応されて、第1の有機化合物にフッ素領域又はフッ素相タグが取り付けられ、第2のフッ素化反応成分が得られる。 このフッ素系領域は、充分なフッ素含有量を有していて、単一の反応又は反応のシーケンスを含む反応スキーム内でフッ素化された目的生成物が過剰な有機反応成分及び/又は有機バイプロダクトから有機/フッ素系相分離技術により分離できるようにさせている。フッ素化された目的生成物は、フッ素系液相へと良好に分配され、有機/フッ素系液相−液相抽出により分離可能とされていることが好ましい。フッ素化反応成分は、少なくとも第2の有機化合物/反応成分と反応されて、 フッ素化目的生成物が得られる。単一の「第2の」有機化合物又は別の有機化合物との多数の付加的な反応は、フッ素化された目的化合物の合成が完了する前に行うことができる。このフッ素化された目的化合物は、その後いかなる残留する第2の有機化合物及び/又はいかなる有機バイプロダクトを含有する有機化合物から有機/フッ素系相分離技術により分離される。このように分離されたフッ素化された目的化合物は、その後反応されてフッ素領域を取り外し、有機目的分子を得る。 「フッ素系相タギング」反応/分離方法は、有機/フッ素系2相混合物においても有機/フッ素系可溶化液相においても等しく有効である。本発明はまた、フッ素化反応成分及び/又はフッ素系相タグに好適に用いられるSi,Ge,Snの化合物を提供するものである。この点について言えば、本発明は、 概ね下記式の化合物 XM[(R)(Rf)]

    3

    を提供するものである。上式中、Mは、Si,Ge,Snである。 Xは、H,F,Cl,Br,I,N

    3 ,OR

    1 ,OH,OOH,OOR

    1 ,SR

    1 ,SeR

    1 ,CN,NC,NR

    1 R

    2 ,例えばアリール基と言った環状基、 例えば置換されたアリール基と言った置換された環状基、例えばヘテロアリール基と言った置換されたヘテロ環状基、又は例えば置換されたヘテロアリール基と言った置換されたヘテロ環状基といった環状基である。このような環状基は、炭素原子が5〜25とされていることが好ましい。 Xはまた、炭素数1〜15の直鎖又は分岐鎖のアルキル基とすることができる。 MがSn又はGeの場合には、直鎖又は分岐鎖のアルキル基は、炭素数3〜15とされていることが好ましい。さらに、Xは、置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、置換されたアルケニル基、アルキニル基、置換されたアルキニル基、アシル基、置換されたアシル基であっても良い。これらの基は、炭素原子数が1〜20とされていることが好ましい。 Xはまた、M'((R')(Rf'))

    3 ,OM'((R')(Rf'))

    3又はOOM'((R')(Rf'))

    3であって、 M'は、Si,Ge,Snとされていることが好ましい。 R

    1及びR

    2は、それぞれの独立に同一であっても異なっていても良く、H、直鎖又は分岐鎖のアルキル基、置換された直鎖又は分岐鎖のアルキル基、環状アルキル基、置換された環状アルキル基、アルキルスルフホニルオキシ基(alkylsulfonyloxy group)、パーフロロアルキルスルホニルオキシ基(perfluoroalkylsulfonyloxy group)、アシル基、置換されたアシル基、パーフロロアシルオキシ基(perfuluoroacyloxy group)とされていても良い。 R及びR'は、それぞれ独立しており、同一でも異なっていても良く、炭素数1〜6のアルキレン基又は炭素数1〜6の置換されたアルキレン基である。 Rf及びRf'は、それぞれ独立しており、同一でも異なっていても良く、炭素数3〜20の直鎖のパーフロロアルキル基、炭素数3〜20の分岐鎖のパーフロロアルキル基、炭素数3〜20のヒドロフロロアルキル基であって、このヒドロフロロアルキル基は、各フッ素原子2つあたりに1つの水素原子を含有している。用語「アルキル」、「アリール」及びその他の基については、概ね特に断らない限り、未置換又は置換された基を含むものである。アルキル基は、飽和又は不飽和であっても、分岐鎖でも分岐していなくとも良い。置換基の好適な置換体としては、C,H,Cl,F,Br,I,N,S,P,As,Siを挙げることができるがこれらのものに限定されるわけではない。用語「アルキレン」とは、環状炭素鎖のアシル又は飽炭素鎖の飽和した環状アシル基を言い、式-C

    n H

    2n -(例えば-CH

    2 CH

    2 -)であり、水素原子は、1価の置換体によって置換されていても良い。多くの好適な実施例においては、Mは、Snであり、Xは、H,F,Cl,Br,I,N

    3 ,OH, OSn(CH

    2 CH

    2 Rf)

    3 、アリル基、フェニル基、4−メトキシフェニル基、2−ピリジル基又は2−フリル基である。 Rは、炭素数1〜5の直鎖のアルキレン基であることが好ましい。 Rfは、炭素数6〜12の直鎖のパーフロロアルキル鎖であることが好ましい。概ね、より大きな分子をフッ素系とするには、すなわち分子量をより高くするためには、フッ素含有量をより高くすることが必要である。概ね、本発明は、標準的なSn,Ge,Siといった化合物に類似のフッ素化された化合物を提供するものである。標準的な有機金属反応成分は及び反応は、デイビス(Davis),A.等による「コンプリヘンシブ有機金属化学II」(Comprehensive Or ganometallic ChemistryII)、ペルガモンプレス、オックスフォード、第2巻、 217頁〜304頁、1995年にレビューされている。図面の簡単な説明 図1は、新規な合成スキームによって還元された有機基質を示した図である。図2Aは、現在の結合合成スキームを示した図である。図2Bは、本発明の結合合成の態様を示した図である。図3は、本発明による結合合成の結果を示した図である。図4Aは、標準的なスティール(Stille)カップリングを示した図である。図4Bは、本発明のスティールカップリングを示した図である。図4Cは、収率とともに、本発明によるスティールカップリングのいくつかの実施例を示した図である。図5は、相タギングスキームを示した図である。図6は、ニトリルオキシド合成及びシクロ付加(cycloaddition)のin-situ法を示した図である。図7は、フッ素化によりタグを付けたアリルアルコールを用いたニトリルオキシドのシクロ付加を示した図である。図8は、フッ素系フェーズスイッチングの実施例を示した図である。図9は、フッ素系フェーズスイッチングによるグリニャール生成物の精製を示した図である。図10は、残留反応成分又はバイプロダクトにフッ素系タグを行った図である。図11は、フッ素化試薬とフッ素系相タグを結合させたところを示した図である。図12は、フッ素系ウジ(Ugi)反応のいくつかの実施例を示した図である。図13は、ビギネリ(Biginelli)反応に類似するフッ素系反応の実施例を示したである。図14は、図13の反応の手法と収率とを示した図である。発明の詳細な説明1.有機/フッ素系可溶化液相中での合成 本発明の有機フッ素系可溶化液相における合成を、一般式 XM((R)(Rf))

    3

    の反応成分(堪能体、試薬、触媒)を用いた新規なフッ素系合成スキームのいくつかの実施例を用いて説明する。 この一般式中、Rfは、パーフロロ化された炭素数が3〜20のフッ素系基であり、(XM[(R)

    d (Rf)

    e ])

    zにおいて、d=e=1及びz=3であることが好ましい。 (R)は、炭化水素基であり、-CH

    2 CH

    2 -基であることが好ましい。Mは、シリコン、ゲルマニウム、スズを含む群から選択されることが好ましい。Xは、有機置換体と反応する際に含まれる原子又は基である。これらの反応成分は、合成において多くの異なった方法で用いられるとともに、後述するように有機分子を精製するために用いられる。 有機目的生成物を得るためのフッ素化試薬を用いる有機基質反応 この合成スキームにおいては、有機基質は、一般式XM((R)(Rf))

    3で与えられるフッ素化試薬と反応が行われる、この試薬は、所望により過剰に用いることができる。有機/フッ素系可溶化液相内での反応の後、適切な共溶媒を添加することにより有機−フッ素系抽出/分離を行い、有機液相中に目的生成物、及び過剰のフッ素化試薬とこれから生成した生成物をフッ素系液相中に得る。この方法は、既存の方法に対して目的生成物の精製を容易にするばかりではなく、再使用できる元の試薬へと再生するために好適な状態でフッ素化副生成物を回収することを可能とする。ある場合には、元の試薬は、直接的に再生される。したがって、 精製及び廃棄の双方のコストが低減できる。 1つの検討においては、フッ素化試薬として、トリス(2−(パーフロロヘキシル)エチル)スズヒドリド3[(C

    6 F

    13 CH

    2 CH

    2 )

    3 SnH]を合成した。与えられたフッ素スズヒドリド試薬3の名前は、トリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7 ,7,8,8,8−トリデカフロロオクチル)スズヒドリドである。この試薬は、「標準的」な(すなわち非─フッ素化された)スズヒドリド試薬とラジカル還元において極めて類似した挙動を示すことが見出され、さらには著しい実際上の(及び又エコロジー的な)効果を通常用いられる化合物トリブチルスズヒドリド、トリス(トリメチルシリル)シリコンヒドリド、及びそれらに関連する試薬に対して示すことを見出した。検討を加えた反応においては、ハイブリッド有機/ フッ素系溶媒としては、ベンゾトリフルオリド(BTF、C

    6 H

    5 CF

    3 、トリフロロメチルトルエン)又はベンゾトリフルオリドをtert−ブタノールに混合したものを用い、均一反応媒体すなわち相を得た(有機/フッ素系可溶化液相である)。 均一な液相溶媒は、有機溶媒とフッ素系溶媒とを混合したものが知られており、 また本発明の反応に用いることができる。フッ素系試薬が実質的に可溶な有機溶媒(例えばヘキサン、THF及び/又はエーテル)はまた、用いることができる。ベンゾトリフルオリド(BTF)は、好ましい特徴及び低コストのために用いた。 下記の式は、新規なフッ素化スズヒドリド試薬3を生成するために用いる好ましい方法をまとめたものである。2−パーフロロヘキシル−1−ヨウ化エタンとフェニルトリクロロスズからのグリニャール試薬を冷却することによって式1a の新規な中間生成物を得た。フェニル−スズ結合のブロミノリシス(brominolysi s)及びエーテル中におけるリチウムアルミニウムヒドリドによる新規なスズ臭素化合物2の還元によって、新規なフッ素スズヒドリド試薬3を得た。この生成物は、真空蒸留による精製の後、透明な液体として全収率82%で分離された。 典型的な有機基質を還元させる試みとして、1−ブロモアダマンタンをツによって用いられた方法と同様にして、フッ素化条件下でフッ素化スズヒドリド試薬3を用いて行ったところ、反応速度が遅く、かつ許容できないほど低収率であった。 同様に、ホルバス及びラバイにより用いられたフッ素系2相条件又はベンゼンとの様な通常の有機溶媒中では、また許容できないほど反応速度が遅く、また許容できないほど収率が低かった。 これらの反応成分の分配係数は、相分離により、ブロモアダマンタンからのラジカル連鎖を抑制してしまうためと考えている。 簡単な抽出により、分配係数のおよその見積もりが可能である。 フッ素化スズヒトリド試薬3(1.0g)をPFMC(10ml)と有機溶媒(10ml)の間で分配フアンネル中で5分間振トウさせることで分配した。 有機相を留去して、下記重量を得た。 ベンゼン,22mg;MeOH,30mg;CH

    2 Cl

    2 ,47mg, EtOAc,104mg;CHCl

    3 ,141mgである。 対照的に、フッ素化スズヒドリド試薬3の1.2euiv及び10%のAIB Nでヨウ化パーフロロドデシルをPFMC乾留下処理して下記式で示される様に、収率72%で対応する還元された化合物4を得た。 この完全にフッ素化した反応の成功により(すなわち、フッ素系溶媒、フッ素化試薬、フッ素化基質、フッ素化生成物)、均一媒質が重要であることが示された。 アダマンチルブロミドを、BTFを還流下フッ素化スズヒドリド試薬の1.2 equivで約3時間反応かけて充分に還元させた(量論的手法である)。 BTF の留去の後、液相−液相抽出(PFMC-CH

    2 Cl

    2 )により、スズ生成物を分離し、 アダマンタンを90%の収率で単離した(GC積分値により決定した)。 この量論的な手法の下で、フッ素化スズヒドリド試薬3は、ハライドに比較して数多くの別の官能基を還元した。 これが図1に示されている。 これらの基質において、ニトロ基、フェニルセレノ基(phenylseleno)、又はキサンテン(xanthate)基は、水素により置換された。 触媒的手法を、また、10%フッ素化スズヒドリド試薬3とNaCNBH

    3 1 . 3eqivとを用い、BTF及びter−t−ブタノールの1/1混合物中において還流させて行った。 この手法は、ストーク(Stork)によって行われた非フッ素含有スズヒドリドの「標準的」反応に類似した手法である。 ストーク,G及びシェア(Sher),PM、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティー(J.Am.Ch em.Soc.)、第108巻、303頁、1986年を参照されたい。 約3時間後、1 −ブロモアダマンタンの還元は完了した。 蒸留した後、生成物を3つの液相を用いて分配させることにより分離した。 水により無機塩を除去し、塩化メチレンによりアダマンタンを抽出し(92%の収率で分離)、パーフロロメチルシクロヘキサンによりスズ生成物を抽出した。

    1 H NMR及び

    19 F NMRによる分析(検出限界の見積もりは、1〜2%である) によれば、塩化メチレン相の残査からは、いかなるフッ素化された生成物も検出されなかった。 同様に、フッ素系抽出物中には、アダマンタンは全く検出されなかった。 フッ素系抽出物の残査は、5回再利用して、触媒的作用の収率の低下を招かずにブロモアダマンタンを還元できた。 分離実験においては、フッ素化スズヒドリド試薬3の1%程度でも1−ブロモアダマンタンを良好に還元できた。 比較例としての実験では、上述した条件下で約24時間かけても1−ブロモアダマンタンは、NaCNBH

    3単独によっては還元できなかった。 合成化学者は、トリブチルスズヒドリドのイオン性及びラジカル反応性を長い間重宝してきているが、その分離及び毒性の問題に悩まされてきた。 本検討の結果によれば、フッ素化スズヒドリド試薬3は、トリブチルススヒドリドの重宝な反応性を保持している。 しかしながら、フッ素化スズヒドリド試薬3は、液相− 液相抽出によって有機生成物から分離することができる。 フッ素化スズヒドリド試薬3を使用いた場合の触媒能力とフッ素化された残査の繰り返し使用性という能力は、大量のスズを合成したり、廃棄する必要がないために、フッ素化スズヒドリド試薬3が大スケールにおける使用又は実用的使用に好適であることを示している。 スズ試薬に関連する部類は、別の重要な有機反応に対して同様な実用的利点を提供する。 非フッ素化(標準的な)スズの反応についての総説は、ペレイレ(Pereyre),M;クインタード(Quintard),JP及びラーム(Rahm),Aによる「有機合成におけるスズ」(Tin in Organic Synthesis),ブッターワース(Butterworths ):ロンドン、1986年に与えられている。 フッ素化スズヒドリド試薬3といったフッ素化試薬はまた、結合合成において重要な用途を有している。 最も最近の結合合成手法は、ポリマー固体相(P)上に基質を配置し(図2A参照)、ろ過といった相分離技術によって、反応混合物を別の化合物から分離することができるようにされている。 しかしながら、基質を有機液相中に含有させることは、多くの合成上の効果を、特に比較的小さなライブラリ(例えば数十から数百の化合物)の合成といった結合合成に対して提供する。 フッ素化試薬は、これらのタイプの合成に対し、フッ素化試薬及び基質(有機可溶)が抽出と言った相分離技術によって分離できることができるため、新たな随意性を提供することができる。 これについては図2Bを参照されたい。 可能性を例示するために、「フッ素化/有機」ステップを均一液相結合合成において並列して一連のラジカル付加を行うことによりシミュレートした。 これらの結果を図3に示す。 3つのハライドを3つのアルケンと結合させ、触媒手法によって9つの別々のバイアル中において同時に還元反応を行った。 9つの生成物を3相液相−液相抽出によって「精製」(有機反応バイアル中で)し、蒸留した。 収率をその後内部標準の存在下においてNMRスペクトルを測定することによって決定した。 粗生成物は、全く純粋であり(キャピラリGCにより分離される大量の出発材料を含まず、又は副生成物も全く含まない)、条件が許せばシーケンスにおける次のステップに直接用いることができた。 抽出の自動化は、並列してより多くの反応を行うことができる可能性を与えることになる。 有機液相内における基質を用いる結合合成は、すべての別の試薬が揮発性であり、水溶性であり、又は固相であればクロマトグラフを行うことなく行うことができる。 フッ素化試薬の場合においては、空間的に離れて行うことができるというように、液相結合合成の可能性が飛躍的に拡大される。 ろ過のように、抽出及び留去と言った相分離技術はまた、成分の容易な分離を可能とし、過剰に試薬を用いることが可能となる。 有機基質とフッ素化された試薬をともに用いることは、従来の(非水系を含む)全領域の反応を均一液相条件下で行うことができるとともに、生成物及び試薬が抽出によって分離できることから、特に重要性を有することが期待できる。 簡単に言えば、相分離による合成の問題点は、精製における効果により解消することができるのである。 有機目的分子を得るためのフッ素化試薬と有機基質の反応 この合成スキームの特徴は、フッ素化反応体が有機試薬成分と反応する点を除き、上述したものと類似する。 本発明の方法を、図4Bに示す結合スティーレカップリングを用いて例示する。 標準的なスティーレカップリングは、図4Aに例示した。 図4Aに例示する標準的なスティーレ反応は、遷移金属触媒の類を用いるクロスカップリング反応において重要な要素であり、現代における有機化学に普通にに用いられているとともに、近年においては固相における結合合成にまで用いられるようになっている。 これについては、スティーレ,JK,Angew.Chem.Int.Ed.Eng l.,第25巻、508頁、1986年;ミッチェル(Mitchell),TN,シンセシス(Synthesis)、 803頁、1992年;デスファンデ(Desphande),M. S.,テトラヘドロンレターズ(Tetrahedron Lett.)、第35巻、5613頁、1994年を参照されたい。 標準的なスティーレ反応の特徴的な構成は、カップリングパートナーの1つがトリアルキルオルガノスズ化合物とされることである(図4A参照) 。 アルキル置換体は、ほとんど常にメチル基又はブチル基である。 スティーレ反応は、スズ試薬が比較的空気及び水分に対して安定で、容易に合成できるとともに精製でき保護された又は未保護の官能基の広い種類に用いることができるため、広く用いられている。 このスティーレ反応の後、スズは、トリメチルスズバイプロダクトが、容易に除去できるものの毒性があり、トリブチルスズ化合物は、 毒性は低いが除去するのが困難であるという問題を生じさせる。 本発明者等は、一般式ArSn(CH

    2 CH

    2 C

    6 F

    13 )

    3の構造の化合物が代表的なスティーレカップリングにおいて分配性を有しており、本発明におけるフッ素化合成スキームのすべての効果を与えながらバイアリール類及びジアリールメタン類を形成することができることを見出した。 本検討によれば、液相結合合成の明らかな分野の新規な任意性を開示することができる。 フッ素化フェニルスズ反応体1aをスティーレカップリングのための反応体の1つとして用いた。 上述した1aのブロミノリシスにより、スズブロミド2が得られた。 このスズブロミド2をアリールリチウム又はアリールグリニャール試薬と標準的に反応させて、p−メトキシフェニル(1b)、2−フリル(1c) 、2−ピリジル(1d)フッ素化スズ反応体のための前駆体とした。 スティーレ反応は、図4Bに示した標準的なセットを用いて行った。 これ等の条件は、フッ素化アリルスズ反応体1a〜dについて行った多くの試行実験に基づいて選択した。 スティーレ反応は、一般には2相条件では行われないため、有機基質とフッ素化スズ反応体とを双方溶解させ、かつ所定時間内で完全に変換させてしまうような溶媒系を用いた。 DMFとTHFは、双方とも有効であるが、 反応は低速であった(約2日)。 DMF/THFを等量部用いた溶媒と、DMF/ C

    6 H

    5 CF

    3を等量部用いた溶媒の双方を用いて均一液相反応(観測により判定した)を行わせ、80℃において充分な反応速度を得た(<22時間)。 DMF/TH F混合物(1/1)は、標準実験のために用いた。 1.2equivのフッ素化スズ反応体(1a〜d)、leqivのハライド又はトリフレート(5a〜e、0.2mmol)、2%PdCl

    2 (PPh

    3 )

    2 、3equi vのLiClとを1/1DMF/THF(1mL)中に混合し、80℃に加熱した。 反応は、個々の容器内で5つのグループに分けて行った(すべての5つのパートナーに対して一つのスズ試薬を用いた)。 約22時間後、各混合物をエバポレータによって溶媒を留去し、その後水(上層)ジクロロメタン(中層)FC−72 (下層)の3相中で分配した。 FC−72相を留去して、フッ素化スズクロリド8(C

    6 F

    13 CH

    2 CH

    2 )

    3 SnClを得た(80〜90%)。 フッ素化スズクロリド8の残査の10〜20%は、ほとんど有機相中に残留していた。 所望により、この残査量は、FC−72によって洗浄することによって除去することが可能であった。 回収されたフッ素化スズクロリド8は、ルーチン的に再利用することができた。 有機相を留去して、粗有機生成物を得、これをさらにプレパラティブTLCによって精製して主にクロスカップリングされたバイアリール体又はジアリールメタン6 をスズ反応体によって得られる対称的なバイアリール体7(5〜10%)を少量としつつ、得ることができた。 この対称的バイアリール体は、標準的なスティーレカップリングにおける共通のバイプロダクトである。 クロスカップリングされた生成物の収率は、フッ素化スズ反応体1a〜1cについて図4Cに示されている。 これらの反応体は、極めて純粋な粗生成物を与え、 目的生成物6の単離収率は、フリルスズ反応体についての生成物が幾分か揮発性であるケースを除いて概ね高かった(>80%)。 2−ピリジルトリブチルスズ試薬の標準的なスティーレカップリングの場合のように、ピリジルスス反応体1 dから5つの粗生成物が得られたが、これらは極めて純粋というわけではないので、これらの反応混合物は、完全には精製されたものではなかった。 これについては、グロノビッツ(Gronowitz),S等、ジャーナルオブオルガノメタリックケミストリー(J.of Organometallic Chem.)、第460巻、127頁、1993年を参照されたい。 クロスカップリングされた生成物の著しい量(25〜50%と見積もられる)は、p−ニトロフェニルトリフレート及びブロミド並びにヨウ化ベンゼンを用いて得られた。 しかしながら、純粋な生成物の収率は決定されなかった。 0.40gのp−ブロモニトロベンゼン(2mmol)と2.97gのフェニルスズ反応体1a(2.4mmol)を用い、10mLの1/1DMF/THF中で80℃約22時間合成反応を行った。 双方の反応体は、TLC分析によれば消費されていた。 トルエンを用いた75℃での共沸蒸留の後(溶媒のある程度を除去するためである)、3相抽出を上述のようにして行った。 塩化メチレン相を、その後水及びFC−72を共に用いて3回洗浄して、DMF及びフッ素化生成物を除去した。 粗有機化合物を、フラッシュクロマトグラフイーによって精製して、 337mgの4−ニトロビフェニル(85%)及び17mgのビフェニル(5% )を得た。 FC−72からの粗フッ素化スズクロリド(99%)は、フェニルマグネシウムブロミドと反応させて、中性アルミナのショートカラムを通過させて精製後、2.85gの有機スズ反応体1a(全収率96%)を得た。 類似のスズヒドリドを用いる従来のラジカル及びイオン反応を用いたスティーレ反応の成功は、別のフッ素化スズ反応体が一般により実際的で、かつより環境に対して影響を与えることなく有機化学におけるより広いレパートリーを提供することができることを示している。 2. 合成及び分離におけるフッ素相タギング 下記の技術を有機分子に対して「フッ素相タギング」又は「フッ素タグ」を付加することによってフッ素化することに関連して説明する。 このフッ素タグされた有機分子は、有機(非フッ素化)分子から有機/フッ素系相分離技術を用いて分離可能である。 例えば、フッ素タグされた分子は、フッ素/有機液相−液相抽出によりフツ素系液相中に良好に分配される。 この技術は、フッ素タグが存在する又は存在しない有機分子を分離するための方法を与えることが可能である。 図5に示すように、親核部Nuを有する有機分子O(又は有機分子のライブラリから選択される)には、有機分子とフッ素タグ試薬との標準的な有機反応によりフッ素相タグL[(R)

    d (Rf)

    e ]

    gに付加される。 図5は、親核置換反応により、この付加を行うのが示されている。 この例示は、単に1一例として示したものにすぎない。 標準的な別の多くの反応を用いることができる。 ある場合には、このフッ素タグはそれ自体又はタギングプロセス自体を「標準」(すなわち非フッ素系)保護基として用いることができる。 例示的な標準的保護基としては、例えばグリーネ(Greene),T. W.及びウッツ(Wuts),P. G. M.による「有機合成における保護基」 (Protective Groups in Organic Synthesis)、ワイリー−インターサイエンス:ニューヨーク、1991年に開示されているものを挙げることができる。 本発明のこのフッ素タギング法は、しかしながら上述した設計に制限されるわけではない。 例えば、別の手法においてはフッ素タグは、最終生成物中における別の原子又は基の代わりに用いることができる。 フッ素相タグL[(R)

    d (RF)

    e ]

    gは、フッ素領域(又は複数の領域)(R)

    d (Rf)

    e部分( R,Rf,d,eは、上述したと同一であり、gは、1以上の整数である。)を有機分子Oに連結させるためのリンカLを有している。 ある場合には、1分子あたり1つ以上のタグを有していることが望ましく、又これらのタグは同一でも異なっていても良い。 Rは、上述したように存在していても存在していなくとも良い。 リンカLは、同様に存在していても存在していなくとも良いが、リンカLの存在は、フッ素タグを付加・除去するための良好な手段となるため多くの場合に好ましい。 リンカLは、どのような標準的な原子又は官能基とされていても良く、有機又はフッ素系でも良く、標準的な反応条件において付加又は必要に応じて除去することができることが好ましい。 フッ素化された目的生成物を得るための有機反応体とフッ素基質との反応 この合成スキームは、例えば多くの巨大分子合成及び結合合成化学に用いられているポリマーの通常の使用に代わるものである。 本発明の方法は、上述した固相技術に勝る効果を有しており、標準的な液相試薬及び反応条件をルーチン的に用いることを可能とする。 合成から説明すると、有機基質には、フッ素含有基を結合させて(例えばシリル基又はスタンニル基)、このフッ素含有基をフッ素層タグとして機能させる。 反応又は反応シーケンスを、その後行い、生成物が例えば液相−液相相分離技術(有機又は水の可溶な試薬反応体、不純物)、ろ過(ポリマー又は固体の試薬、反応体、不純物)又は蒸留(揮発性の試薬、反応体、不純物)によって精製される。 合成の最後には、目的有機生成物からは、フッ素タグが取り去られ、その後すべてのフッ素生成物から、例えば有機/フッ素系液相−液相抽出又は目的生成物が固体である場合にはろ過によって分離される。 フッ素系液相反応のための試験反応として、フッ素タグされた簡単な不飽和アルコールへのニトリルオキシドのシクロ付加(cycloaddition)を選択した。 これらの反応は、最終的にアルケン及びアルキンを高収率で与えるとともに、関心のあるヘテロ環類を生成する。 ニトリルオキシドシクロ付加は、これらが異なった試薬と、したがって異なった精製を与えるような2つの通常の方法によりニトリルオキシドが製造されるため良好な試験反応となる。 これらの2つの方法は、フィスゲン(Huisgen)法及びムカイヤマ(Mukaiyama)法であり、これらについては図6にまとめられている。 これについては、例えばカーメラ(Carmella),P.及びグリュナンガー(Grunanger),P.による「1,3−ダイポーラシクロアディションケミストリー」(1,3-Dipolar Cycloaddition Chemistry)、ワイリー−インターサイエンス、ニューヨーク、第1巻、291頁、1984年を参照されたい。 ニトリルオキシド前駆体が過剰に用いられると、双方の方法において生成物をニトリルオキシドダイマー(フロキサン;furoxan)から分離する必要がある。 反応混合物のより広く用いられているムカイヤマ法における精製は、2つの試薬(R

    3 CH

    2

    NO

    2及びPhNCO)、フロキサンダイマー、必然的に生じるsym-ジフェニル尿素(PhNH CONHPh)副生成物がすべて有機化合物であるため、特に試みる必要がある。 分離のため、クロマトグラフ法が通常用いられている。 ニトリルオキシドシクロ付加反応の実験は、アリルアルコールを例にとって図7に示してある。 全プロセスの5つの例(中間にクロマトグラフイー又はキャラクタリゼーションを用いない)は、結合合成を例にとって説明する。 全プロセスの中間クロマトグラフィー及びキャラクタリゼーションを用いる付加的な例は、 後述する実験例において説明する。 相タギング試薬9は、有機合成において通常用いられる通常のトリアルキルシリル類保護基の類似のフッ素化体として設計し、これは、容易にg単位で多量に利用できる。 相タギング試薬9については、Br は、有機分子を付加させるための目的で残されている基である。 リンカLは、Si であり;Rは、CH

    2 CH

    2であり、dは、1であり;Rfは、C

    6 F

    13であり;eは、1 であり;gは、3である。 アリルアルコールのシリレーションは、過剰のアルコール10(2〜4equ iv)をTHF中で標準的な条件下で反応させて行った。 手順及び精製は、蒸留及び水(上層)CH

    2 Cl

    2 (中層)FC−72(下層)を用いる3相液相抽出を含むものである。 未反応のアルコールを含有する有機相及びアミンヒドロブロミド(a mine hydrobromide)(及びこれらの基質の場合には幾分かのアルコール)を含有する水相を捨て、フッ素含有相を濃縮して所望するフッ素化タグされたシリルエーテル11を得た。 この段階で、この方法によればタグされた生成物11からの有機基質10の分離が容易になるが、これは、過剰のアルコールを意図的に用いるためである。 いくつかの例又は低分子量のアルコールすべてについては、過剰のアルコールは、蒸留段階において除去される。 ニトリルオキシドシクロ付加を、その後標準的なムカイヤマ法(R

    3 =Pr及びMe) 又はフイスゲン法(R

    3 =tBu又はPh)条件の下で行った。 完結させるために必要な及び分離の際に意図的に不純物を与えるため、すべての試薬を4倍から10 倍過剰に用いて行った。 フィスゲン反応は、CH

    2 Cl

    2中で行い、フッ素化された置換体11の溶媒としては、完全に溶解させるものではないが(裸眼で観測した)、 ムカイヤマ反応では、ベンゾトリフルオリド(トリフロロメチルベンゼンC

    6 H

    5 CF

    3 )中で行うので、基質11は、完全に溶解していた。 反応後、3相抽出をべンゼンを有機相抽出溶媒として用いたことを除き上述したようにして行った。 水( 中層)及び有機相(上層)を再度捨て、フッ素含有相(下層)をその後有機物( 及び無機物)不純物が実質的に含まない状態で環状アダクト12を得た。 フッ素タグは、その後生成物12をEt

    2 O中室温においてHF・ピリジンにより脱シリル化して除去した。 このフッ素タグを除去した後、アンモニウムクロリド水溶液(上層)CH

    2 Cl

    2 (中層)FC−72(下層)の最終的な3相抽出において有機相は、所望する生成物を含有していた。 CH

    2 Cl

    2相を蒸発させた後、最終生成物13が得られ、この最終生成物13は、高収率であるとともに、さらにどの様な精製を必要としないほど高純度であった。 全シーケンスを結晶化又はクロマトグラフィーを用いずに行い、3つの段階がシーケンスとされている13a〜eについて分離された全収率が、それぞれの最終生成物に対して図7に示されている。 単離された後の収率は良好であり(13dの場合には、低収率の原因は、材料の蒸発による損失である)、特に故意に量論的な誤りを生じさせるように大量のバイプロダクトを形成するようにしたにもかかわらずGC純度は極めて良好である。 興味深いことに13eについて得られたanti/syn比は、通常の(非フッ素系) トリアルキルシリルエーテルを用いるニトリルオキシドのシクロ付加において得られる比とほぼ一致した。 これについては、ホーク(Houk),K. N. 等ジャーナルオブアメリカンケミカルソサエティー(J.Am.Che.Soc.)、第106巻、3880 〜82頁、1984年を参照されたい。 この1段階合成(層タグを取り付け取り去ることを含まない)は、1段階及び多段階のフッ素系相合成の可能性を示している。 有機合成に用いられる既存の試薬及び反応体の主要なもの及びこれらの試薬及び反応体によって形成されるバイプロダクトは、有機又は無機分子である。 基質に対してフッ素化された別部分( すなわち、比較的容易に分離することができる)をタキングすることで、タグされた基質及びすべてのその後の生成物(タグが除去されるまで)には、反応において添加されるものはない。 このようにタグ付けすることにより、ポリマーに対して有機分子を結合させることよりも多くの重要な効果が得られる。 まず、パーフロロカーボンセグメントRfよりもより強固なタグを想定することは困難であることを挙げることができる。 パーフロロカーボンは、知られている炭素化合物のうちで最も安定である。 ( これについては、フッドリッキー、前掲を参照)。 またリンカL及び基Rは、( 存在する場合には)フッ素化セグメントRfよりも安定である必要はなく、固相合成において必要とされるリンカは、液相合成においては必須ではない。 実際、本発明のフッ素タグは、しばしば従来の保護基と類似するように考えられる。 こ観点から言えば、上述のフッ素タグは、機能を保護するとともに、分子の相選択性を変化させるための基として双方に機能する。 したがって、タグは、合成のシーケンスにおいて有用な保護基とする様に2重の設計を行うことができる。 対照的にリンカ及び固相合成におけるポリマーは、精製のために用いられるが、しばしば実際の合成ステップにおいて問題を生じる場合がある。 固相合成では、基質の相が試薬及び反応体の相と異なるため、過剰の試薬及び反応体を基質上において反応を完結させるために用いることができる。 実際に、 基質は、生成物と同一の相とされ、したがって相分離技術では分離できないために基質を完全に消費することが重要である。 ここがすべての「単一相」を用いる技術におけるアキレスとなる。 基質の相は、基質から得られる所望する生成物及び基質から得られるどのようなバイプロダクトの相とも同じである。 したがって、これらの化合物は、通常では単一相分離技術によっては分離できない。 「単一相」技術においては、基質上において定量的又はほぼ定量的に生じる反応における大きな分離上の問題を解決されない。 したがって、結合合成は、基体の種々の集団に対して定量的に行われるる反応の一般的な種類に対して制限でではなく例外があるという点で制限を受ける。 フッ素タグされた分子を用いたフェーズスイッチング分離 本発明者等は、この問題点を溶液に対し選択的に「有機/フッ素系相スイッチ」を用いることによって解決できることを見出した。 このプロセスにおいては、 1つの生成物の相(又は生成物の副次的な相)は、一時的に変更され、同一の相内の別の生成物から分離することができる。 この分離の後、変更された生成物の相が切り替えられ、元の有機相へと戻されるようになっている。 いわゆる酸/塩基抽出は、「フェーズスイッチング」の例として挙げることができる。 例えば、有機アミンは、他の有機巻化合物から酸で抽出することによって分離され(有機相から水相へのスイッチング)、次いで中和することで有機相へと戻されるようにされている。 不都合なことに、pKaのスイッチングは、充分に一般的ではない。 この点について言えば、有機化合物の多くの類は、いかなるpHにおいても安定なので水によっては抽出されない。 有機/フッ素系フェーズスイッチングは、概ね一般化することができ、かつ、 有機反応又は有機化合物の混合物の精製方法として有力であることが見出された。スイッチングのトリガは、有機分子とフッ素タグの選択的な反応による。タグ付けされた生成物は、その後タグ付けされていない生成物から抽出と言った有機/フッ素系相分離技術により分離される。このフッ素タグは、その後取り外されて、所望により元の相へと精製された化合物が戻されるようになっている。この方法が、図8に示されている。フッ素系フェーズスイッチングのためのフッ素タグは、上述したと同様に一般的な特徴を有している。この実施例では例えば選択性は、目標官能基X"に基づいて行われる。有機合成における化学選択的な情報は、フッ素系フェーズスイッチングを設計するための基礎として用いることができ、これは、より一般的なことであるとともに、有機混合物の簡単な精製における従来の酸/塩基スイッチングよりも有用である。 この技術について図9に示したシーケンスにより例示的に示す。アルデヒドと1.5equivのグリニャール試薬との標準的なグリニャール反応の後、過剰のフッ素タグ9を結合させる。フッ素化されたエーテル生成物14は、その後3 相抽出によって分離される。この粗生成物をフッ化セシウム(CsF)により処理して、さらに第2の3相柚出を行いアルコール生成物15を図9に示す収率と純度で得た。これらの反応は、生成物をタグ付けしてフッ素系相へと抽出することもできるという例示としてものである。この技術による精製の特徴は、また明白である。例えば、アルデヒドがグリニャール試薬よりも過剰に用いられる場合には、その後に第1の反応における未反応のアルデヒドが有機相中に残留する。標準的な手法により、過剰にグリニャール試薬を用いる場合には、残留した試薬を等当量のシリル化試薬と反応させ、RSi(CH

    2 CH

    2 C

    6 F

    13 )

    3を形成するものと仮定して反応させる。このシラン体は、第1の抽出によりフッ素系相内に所望するシリルエーテルとして抽出される。しかしながら、これはCsFとは反応しないため、アルコールが有機相へとスイッチングされて、戻された場合には、第2の抽出の間はフッ素系相内に残留する。このため、シリルエーテル14は、「一時的にフッ素化され」るが、シランは、「本来がフッ素親和性」であることによる。これらは、したがって2つの異なったトリガにより引き起こされることになる。その1 つはフッ素系相内へのスイッチングでありもう1つのフッ素系相外へのスイッチングである。シリレーションは、フッ素タグを用いることができる多くの標準的な反応のうちのただ1つでしかない。これ以外の反応としては、フッ素化されたアシル基による有機アルコール、アミン又別の基、スルホニル基又は関連する基のアシレーション(又はこの逆)、有機アルデヒド又はケトンのフッ素化されたジオールとのケタリゼーション(ketalization)(又はこの逆)、有機酸素−窒素−又は炭素を基礎とする親核基とフッ素系ハライド、メシレート(mesylate)又は関連するアルキル化試薬によるアルキレーション(又はこの逆)等多くを挙げることができる。設計に際し、所望する生成物が有機物であり、不純物がフッ素化物である場合にはフェーズスイッチングを完了させるために第2のトリガを用いる必要はない。このことが図10に簡単なラジカル付加及びニトリルオキシドのシクロ付加反応を用いて示されている。双方の場合において、過剰のアルケンが用いられている。このようにすることによってラジカル反応においては高収率を得るために本質的ではあるが、特にニトリルオキシドのシクロ付加においては必要とされるものではない。反応が完了した後、充分な量のフッ素化スズヒドリド3をすべての未反応アルケンをヒドロスタンニレートとするために添加した。反応物は、これまでと同様に有機相とフッ素系相とに分配させて行った。双方の場合において、有機相は、未反応アルケンフリーの所望する生成物を含有する。このタイプのフッ素タグ方法は、反応成分からバイプロダクトを除去するために拡張することができることは明白である(未反応成分に相対して)。これらのフッ素タグは、フッ素化されており、第1の抽出又は第2の抽出によって有機生成物から分離されるため、過剰に用いることができる。これらのタイプのフッ素タグの実施例は、精製のためだけにのみ用いられる。しかしながら、多くのタイプの反応においては、既存の試薬を「再構成」させて、直接トリガーとしての特徴を付与することができる。このような例としては、 図11に示されるスズアジド16を挙げることができる。スズアジド16は、トリブチルスズアジドとの類似しており、ニトリル類からテトラゾール類を形成するために広く用いられている。これについては、アキド(Akido),K等、ジャーナルオブオルガノメタルケミストリー(J.Organometal.Chem)、第33巻、337 頁、1971年を参照されたい。反応においては、有機ニトリル17は、2倍の過剰量で用いられ(不完全な変換をシミュレートするためである)、フッ素化されたアジド16とベンゾトリフルオリド中で80℃12時間反応させ、フッ素化されたテトラゾール18を有機/フッ素系相分離(ベンゼン/FC−72)により未反応のニトリルと別の有機バイプロダクトを除去した後に得た。フッ素化されたテトラゾール18をエーテルを含有するHCLにより僅かに接触させ、次いでフッ素/有機抽出(アセトニトリル/FC−72)により抽出し、有機(アセトニトリル)相を蒸留して、示されている収率で純粋なテトラゾール19を得た。これらの収率は、試薬トリブチルスズアジドを用いる反応において期待される程度の収率である。上述した実施例は、フッ素相スイッチが定量的な収率でおいて行われない反応の場合にでも、純粋な有機生成物を与えることができることを示すものであるとともに、有機生成物からフッ素化試薬及びバイプロダクトを除去することができる能力を示す効果を有することを示している。この反応の最終的なフッ素化生成物は、(C

    6 F

    13 CH

    2 CH

    2 )

    3 SnCl 8であり、これは最終的なフッ素系相から容易に取り去ることができ高収率で再利用することができる。これらの反応を行うためにより通常の方法では、反応を完全に完了させるためにスズアジドをニトリル基質上で過剰に用いるものである。実際、1当量のp− トルニトリルは、3当量のスズアジド16と標準的な条件においては用いられて、純粋なトルテトラゾール19(R

    7 =tol)がほとんど定量的に得られる。最終的にフェーズスイッチング法はまた、合成ステップのシーケンスの従来のステップにおける問題点を解決することができる。これは、簡単なドーピング実験によって例示することができる。ニトリルは、通常ではハライドから形成され、1equivのp−トルニトリルに過剰な当量4−ブロモトルエンがドープされ、その後反応が行われて図11のシーケンスによる抽出が行われる。 4−ブロモトルエンは、スズアジド16とは反応せず、第1の抽出において有機相中に分配される。最終的には、所望するテトラゾール19(R

    7 =tol)は、ブロム化物を含有しない実験とほぼ同一の収率で単離され、また純度を得ることができる。フッ素化された多成分の反応 多成分反応は、基質及び2つ以上の反応体と組み合わされて、単一のステップで生成物を与えるようにすることができる。これらの反応は、混合し種々の反応成分を適合させることによって、構造的に異なった生成物のライブラリが迅速に形成できるため、特に結合合成において重要である。本発明において説明したフッ素化技術は、容易に多成分反応へと適用することができるとともに、生成物の簡単な精製を可能とするものである。 「ウジの4成分縮合」は、異なった4つの成分を互いに結合して、アミノ酸アミド類を形成するため特に重要な多成分反応である。これについては、ウジ. I ,Angew. Chem.,Int. Ed. Engl.、第21巻、810頁、1982年を参照されたい。ウジの4成分縮合をフッ素化して変更を加えたのが図12に示されている。フッ素化された酸20は、「実験例」のセクションにおいて説明するように標準的な反応セットによって形成した。フッ素化した酸20は、別の3つの成分アミンR

    8 NH

    2 、アルデヒドR

    9 CHO、イソニトリルR

    10 NCよりも大過剰に(概ね17eq uiv)用いている(アミン及びアルデヒドは、縮合してイミンを形成することが知られており、例示のためには、予めイミンを形成しておくことも又いくつかの実施例では好適である)。次いで、2相抽出(ベンゼン/FC−72)及びフッ素系相を蒸留してフッ素化されたウジ生成物を得た(図示せず)。未反応物又は一部が反応した成分及びバイプロダクトは、有機相中に残留させた。さらに精製することなく、フッ素化されたウジ生成物をテトラブチルアンモニウム(TBA F)を用いて脱シリル化した。抽出精製によってフッ素化されたタグ及びこれ以外の別のフッ素化された化合物が分離され、有機ウジ生成物21から分離され、 さらに最終的な有機相を蒸留することによって単離した。生成物のシリーズにおける収率及び純度は、図12に示されている。これらの収率及び純度は、特に生成物21が混合物中において全部で52のモル当量のうち4当量しか用いられていない反応であることを考慮すれば驚くべきことである。したがって、反応成分から得られる未反応成分及びバイプロダクトは、元の粗反応生成物の主要部を占めていることになる。ビギネリ反応は、近年では固相の形態へとその従来の溶液から移行しているものの、別の重要な多成分反応である。これについては、例えばウイプフ(Wipf),P ;カニンガム(Cunningham),A.,テトラヘドロンレターズ、第36巻、7819 頁、1995年を参照されたい。図13は、フッ素タギングによってビギネリ反応を行なわせるための方法について例示している。この方法は、図14の従来のビギネリ反応と比較する。過剰のケト−エステル(keto-ester)及びアルデヒド( 3equiv)を用いて従来のビギネリ反応を完了させ、最終生成物25をクロマトグラフィーによって過剰の反応体及びバイプロダクトを除去して精製が行われている。図13に示されるように、フッ素化したビギネリ反応ではクロマトグラフフィーは必要とされない。尿素の22から得られる酸臭化物への付加により、必要なフッ素化基質23が得られ、これを、フッ素/有機抽出によって精製する。ビギネリ反応を大過剰のケトエステルとアルデヒド(10equiv)を用いて再度行い、双方により反応を完結させて故意に分離すべき大量の有機反応成分を生じさせた。成分を50℃で3時間HCLを含有する2/1THF/BTF中で加熱した。フッ素化された生成物24を、その後3相抽出によって分離した。テトラブチルアンモニウムフロリド(TBAF)により脱シリレーションを行い、次いで抽出精製を行って、通常の手法によって得られる生成物と同一の純粋な有機生成物25を得た。従来の手法による収率(収率1)及びフッ素化した方法による収率(収率2)は、図14に示されている。生成物の純度及び収率は、どのようなクロマトグラフィーも用いずとも異なった絶対的収率範囲において良好であった。これらの変換は、フッ素化する手法が多成分反応を行う上で効果を有することを示している。さらには、これらはまた、中間の大きさの「薬剤サイズ」の有機分子がフッ素化技術によって合成できることを示すものである。これらの多成分反応における最終的な有機生成物は、典型的には400〜500の分子量を有している。また、フッ素タグしたこれらの生成物の前駆体は、連続してフッ素系相へと抽出されて精製が行われる。酸20はまた、フッ素化タグが保護基としてばかりではなく、別の原子又は基の代わりに用いられることを示す。この場合には、このタグは、最終生成物における水素の代わりとされる。上述したフッ素層タギング及び分離方法は、互いに相容れないものではなく、 多成分シーケンスにおいて容易に同時に用いることができる。例えば、有機化合物は、合成における中間段階でフッ素化が行われ、その後1つ以上の追加の変換をフッ素化基質が有機相へと戻される前に行われるようにされていても良い。本発明のフッ素化方法は、また既存の固相及び液相方法へにスムースに適用することができる。将来的には、小分子ライブラリの多段の反応シーケンスによる定量的な収率で行われなかった結合合成へと、反応混合物の精製のための簡単な方法の要求が増大するにつれて適用されることになろう。従来考慮されていた技術による精製の結果レジオ(regio)、及びステレオ制御、保護基等と言った検討を加える必要が生じていた。このような状況下において、本発明のフッ素化方法は、結合合成及びこれ以外の合成における精製に対して新たな随意性を提供することができる。実験例1.トリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフロロオクチル)フェニルスズ、(トリス(2−パーフロロヘキシルエチル) フェニルスズ)(1a)の製造:2−パーフロロヘキシル−1−ヨウ化エタン(1 00g、211mmol)、マグネシウム(6.53g、269mmol)、乾燥エーテル(150ml)から製造したグリニャール試薬に乾燥ベンゼン(100 mL)に溶解させたフェニルスズトリクロリド(15.9g、52.7mmol )を加えた。 4時間還流させた後、25℃で反応物を16時間攪拌した。この反応混合物をNH

    4 Cl溶液で加水分解し、有機相を5%Na

    2 S

    2 O

    3溶液及び脱イオン水により洗浄し、その後無水MgSO

    4上で乾燥させた。この溶媒を蒸発乾固させた。主要なバイプロダクトであるビス(1,4−パーフロロヘキシル)ブタンを真空蒸留(87〜92℃,0.2mmHg)によって除去した後、得られた残査を中性アルミナを用いヘキサンによるカラムクロマトグラフィーで精製して純粋な化合物1a(56.1g,86%)を無色のオイルとして得た。 2. ブロモトリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフロロロオクチル)スズ、(ブロモトリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズ)(2)の製造:臭素(5.38g,36.5mmol)をエーテル(10 mL)に加え、これを氷で冷却した1a(43.0g,34.8mmol)の乾燥エーテル(80mL)溶液中に滴下して加えた。 この混合物を攪拌しつつ2時間かけて25℃へと加熱した。 エーテル、ブロモベンゼン、過剰の臭素を減圧下で蒸留して除去してオレンジのオイルを得た。 真空蒸留による精製(150〜15 2℃,0.5mmHg)により、化合物2(42.4g,98%)を無色のオイルとして得た。 3. トリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフロロオクチル)スズヒドリド、(トリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズヒドリド)(3)の製造:LiAlH

    4 (0.8mL,0.8mmol)のエーテル溶液(1M)を氷冷したトリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズブロミド(1.0g,0.8mmol)のエーテル(20mL)溶液中に滴下して加え、 0℃で3時間加熱したこの反応混合物を水(5mL)をゆっくり加え、続いて酒石酸ナトリウムカリウムの20%溶液(20ml)をゆっくり加えて冷却した。 エーテル層を分離した後、水相をエーテル(3x25mL)で抽出し、混合した抽出物を無水MgSO

    4上で乾燥させた。 蒸留によるエーテルの除去後僅かに黄色の液体が得られた。 これを減圧下で分留した。 3mmHgにおいて145〜150 ℃の沸点の流出成分を回収してヒドリド体3を910mg(97%)で無色のオイルとして得た。 4. フッ素化スズヒドリドの還元のための代表的な量論的実験手法:1−ブロモアダマンタン(100mg,0.46mmol)とトリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズヒドリド(640mg,0.55mmol)のベンゾトリフルオリド(9.2mL)の攪拌した溶液中に、AIBNを触媒量で添加した。 この反応混合物を還流温度において約3時間加熱した。 この溶媒を留去して粗残査をジクロロメタン(20mL)及びパーフロロメチルシクロヘキサン(10mL )により分配した。 これら2つの層を濃縮して純粋な化合物としてアダマンタンを得た(56mg,90%)。 5. フッ素化スズヒドリド還元のための代表的な触媒実験手法:1−ブロモアダマンタン(347mg,1.60mmol),ブロモトリス2−(パーフロロヘキシル)エチルスズ(200mg,0.16mmol),ナトリウムシアノボロヒドリド(sodium cyanoborohydride)(138mg,2.1mmol),AIBN(触媒量),ベンゾトリフルオリド(1.6mL),tert−ブタノール(1.6m L)の懸濁液を密閉した管内で還流させつつ3時間加熱した。 この溶媒を蒸留し、粗残査を水(10mL),ジクロロメタン(15mL),パーフロロメチルシクロヘキサン(10mL)を用いて分配させた。 3相が分離し、ジクロロメタン層をMgSO

    4上で乾燥させ、蒸留後純粋な化合物としてのアダマンタンを得た(200m g,92%)。 6. フッ素化スズヒドリド還元付加のための代表的な結合化学実験手法:典型的な実験では、ヨウ化アルキル(0.1mmol),オレフィン(0.5mmol) ,ブロモトリス2−(パーフロロヘキシル)エチルスズ(12.4mg,0.0 1mmol)、ソジウムシアノボロヒドリド(9.6mg,0.13mmol)、 AIBN(触媒量),BTF(0.5mL),tert−ブタノール(0.5mL) の懸濁物を密閉したバイアル中で12時間還流下加熱した。 冷却した反応混合物にPFMC(2mL)及びジクロロメタン(1mL)を添加した。 2相に分離させた後、ジクロロメタン相をさらにPFMC(1mL)を追加して抽出し、さらに水(1mL)により抽出した。 有機相を、中性アルミナによりろ過し蒸発させて乾固させた。 この反応による収率は、CH

    2 Cl

    2及び内部標準としてヘキサメチルジシロキサンを用いた

    1 H NMRを用いて決定した(図3 参照)。 7. フッ素化スズヒドリド還元的環化のための代表的な実験手法:ヘキセニルブロミド(0.32mmol)、ブロモトリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズ(40mg,0.032mmol),ソジウムシアノボロヒドリド(28mg ,0.42mmol),AIBN(触媒量),BTF(3.2mL)、tert−ブタノール(3.2mL)の懸濁物を密閉した管内で還流下加熱した。 反応の進行は、TLCによりモニタした。 この溶媒を蒸発させて、粗残査を水(8mL),ジクロロメタン(15mL),FC−72(12mL)を用いて分配させた。 3相へと分離させ、ジクロロメタン相(中層)をFC−72により2度(2x10mL )抽出し、MgSO

    4上で乾燥させて蒸発させた後、シクロペンタン誘導体を得た。 6−ブロモ−1,1−ジフェニルヘキセン,7−ブロモヘプト−2−エンニトリルから出発し、ジフェニルメチルシクロペンタン,シクロペンタンアセトニトリルがそれぞれ75%,66%の収率で得られた。 8. アルデヒドのフッ素化スズヒドリドイオン還元のための代表的手法:アルデヒド(0.144mmol),塩化亜鉛(393mg,2.88mmol),トリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズヒドリド(104mg,0.09mm ol),エーテル(2.9mL)の溶液を密閉した管内で還流させて加熱した。 反応の進行は、TLCによってモニタした。 溶液を蒸留し、粗残査に水(2mL) ,ジクロロメタン(5mL),PFMC(4mL)を加えた。 このようにして得られた3相を分離し、ジクロロメタン層(中層)をPFMC(2x5mL)で2度抽出し、MgSO

    4上で乾燥させ、シリカでろ過し、減圧下で蒸留して純粋のアルコールを得た。 このようにしてベンジルアルコール,p−ニトロベンジルアルコール,3−フェニル−1−プロパノールがベンズアルデヒド,p−ニトロベンズアルデヒド,3−フェニルプロパンアルデヒドからそれぞれ78%,64%,68 %の収率で得られた。 9. トリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフロロオクチル)(4'−メトキシフェニル)スズ、(トリス(2−パーフロロヘキシルエチル)(4'−メトキシフェニル)スズ)(1b)の製造:4−ブロモアニソール(681mg,3.64mmol),マグネシウム(102mg,4. 20mmol),乾燥エーテル(20mL)を用いて製造したグリニャール試薬を2(3.47g,2.80mmol)の乾燥エーテル(10mL)溶液に加えた。 1時間還流させた後、反応物を25℃で16時間攪拌した。 この反応混合物をNH

    4 Cl溶液で冷却し、エーテルで希釈し、有機相を脱イオン水で洗浄し、その後無水MgSO

    4上で乾燥させた。 その溶媒を蒸発させて乾固させた。 真空蒸留(1 66℃,0.25mmHg)及びヘキサンを用いた中性アルミナによるカラムクロマトグラフイーによる精製の後、純粋な化合物1b(5.20g,74%)を無色のオイルとして得た。 10. トリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフロロオクチル)(2'−フリル)スズ,(トリス(2−パーフロロヘキシルエチル)(2'−フリル)スズ(1c)の製造:フラン(667mg,9.80m mol)の乾燥THF(25mL)溶液を0℃においてLDAのシクロヘキサン(6.53mL,9.80mmol)の1.5M溶液に添加した。0℃で1時間攪拌した後、得られた混合物を2(8.67g,7.00mmol)の乾燥TH F(15mL)溶液で処理した。この反応混合物を25℃まで1時間かけて加熱し、その後25℃で16時間加熱した。この反応混合物をNH

    4 Cl溶液で冷却し、 エーテルで希釈した。分離の後、有機相を脱イオン水で洗浄し、その後無水MgSO

    4上で乾燥させた。この溶媒を蒸発させて乾固した。中性アルミナによるヘキサンを用いたカラムクロマトグラフィーにより、純粋な化合物1c(2.44g, 28%)を無色のオイルとして得た。 11. トリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフロロオクチル)(2'−ピリジル)スズ,(トリス(2−パーフロロヘキシルエチル)(2'−ピリジル)スズ(1d)の製造:2−ブロモピリジン(822 mg,5.20mmol),マグネシウム(146mg,6.20mmol),乾燥エーテル(30mL)により製造したグリニャール試薬を2(2.48g,2 .00mmol)の乾燥エーテル(5mL)溶液に加えた。1分間還流させた後、反応物を17時間25℃で攪拌した。この反応混合物をNH

    4 Cl溶液で冷却した。分離した後、エーテルで希釈し、有機相を脱イオン水で洗浄し、その後無水Mg SO

    4上で乾燥させた。溶媒を蒸発させて乾固し、得られた残差をトルエン及びF C−72で分配させた。2相に分離した。このFC−72相をトルエンで洗浄し、濃縮して純粋な化合物1d(2.18g,88%)を淡黄色オイルとして得た。 12. スティーレカップリングのための一般的な手法:窒素下で封入した管にスズ試薬(0.24mmol),基質(0.20mmol),リチウムクロリド(2 5.4mg,0.60mmol),ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン) パラジウム(II)(2.8mg,0.004mmol),乾燥DMF(0.5m L),乾燥THF(0.5mL)を加えた。 この混合物を80℃で22時間加熱した。 溶媒を蒸留し、残査を水(10mL),ジクロロメタン(15mL),FC− 72(10mL)で分配した。 3相に分離させ、ジクロロメタン相を無水MgSO

    4

    上で乾燥させた。 FC−72を蒸発させて、クロロトリス(3,3,4,4,5 ,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフロロオクチル)スズ,クロロトリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズ 8を得、これをルーチン的に再利用した。 ジクロロメタン相を蒸留して粗有機生成物を得、シリカゲルプレパラティブTLCにより精製してクロスカップリングされた主生成物6(図4Cを参照)及び少量(5〜10%)の対称的なバイアリール体7とスズ反応物として得た。 13. クロロ(トリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8, 8−トリデカフロロオクチルスズ 8,(クロロトリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズ 8): 14. スティーレカップリングのための代表的実施例:窒素下で封入した管にスズ反応体1a(2.97g,2.40mmol)、1−ブロモ−4−ニトロベンゼン(404mg,2.00mmol),リチウムクロリド(254mg,6.0 0mmol),ジクロロビス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(II)( 28.1mg,0.04mmol),乾燥DMF(5mL),乾燥THF(5mL )を加えた。 この混合物を80℃に加熱し、均一溶液を得た。 この混合物を80 ℃で22時間攪拌した。 トルエンと75℃における共沸蒸留(THF及びある程度のDMFを除去するため)し、得られた残査を水(40mL),ジクロロメタン(60mL),FC−72(40mL)に分配させた。 3相に分離させた。 FC− 72相を蒸留して、2.31g(1aに対して80.6%)のスズクロリド8を無色のオイルとして得た。 ジクロロメタン相を水(40mL)及びFC−72( 40mL)で3回以上洗浄した。 混合されたFC−72相(1回目の相を含む) を蒸留して2.85g(1aに対して99.4%)のスズクロリド8を得た。 最後のジクロロメタン相を無水MgSO

    4上で乾燥させ蒸発させて、フッ素化反応体1 a及びフッ素化スズハライドを含有しない黄色結晶を得た。 粗有機生成物をさらにシリカゲルによるカラムクロマトグラフイーにより精製し、クロスリンクされた生成物4−ニトロビフェニル(337mg、85%)の黄色結晶及びホモカップリングされた生成物のビフェニル(17mg、5%)を白色結晶として得た。 15. スズ反応体の再利用の代表的実施例:上述したスティーレカップリングの後にFC−72相を蒸発させることにより分離されたスズクロリド8(2.8 5g)をフェニルマグネシウムブロミドのエーテル(1.04mL,3.12m mol)の3M溶液を用い乾燥エーテル(25mL)中で25℃で6時間攪拌して処理した。 この反応混合物をNH

    4 Cl溶液で加水分解し、エーテルで希釈し、この有機相を脱イオン水で洗浄して、無水MgSO

    4上で乾燥させた。 この溶液を蒸発乾固した。 中性アルミナを用いたヘキサンによるカラムクロマトグラフィーにより、純粋な1a(2.85g,上述のセクションにおける1aに対して全体で9 6%の収率)を無色のオイルとして得た。 16. ビス[トリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8 −トリデカフロロオクチル)]スズオキシド,(ビス[トリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズ]オキシド[(C

    6 F

    13 CH

    2 CH

    2

    3 Sn]

    2 O;スズヒドリド3の製造のための別手法:8.4mLの水中の水酸化ナトリウム(254mg,6.33 mmol)をトリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズブロミド(5.23 mg、4.22mmol)のアセトン(55mL)の溶液に加えた。この混合物を12時間還流した。溶媒混合物を蒸発させた。この残査に対して無水トルエン10mLを加え、得られた溶液をディーン−スタークタイプの水トラップを取り付けた還流装置内で12時間加熱した。トルエン溶液を蒸発させ、残査をP2O 5上で真空デシケータ内で12時間乾燥させた。この残査を乾燥ヘキサンで抽出した。回収した有機物分留物を濃縮してビス[トリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズ]オキシド(3g,61%)を粘重な黄色オイルとして得た。 ビス[トリス(2−パーフロロヘキシル)エチルスズ]オキシド(3g,1.2 8mmol)とポリメチルヒドロシロキサン(191mL;3.22mmol) の混合物を25℃で12時間攪拌した。 エーテルの添加後、スズヒドリドの存在は、確実なサンプルとTLCで比較を行って示された。 17. トリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフロロオクチル)アリルスズ,(トリス(2−パーフロロヘキシルエチル) アリススズ),[(C

    6 F

    13 CH

    2 CH

    2 )

    3 SnCHCH

    2 ]の製造:アリルマグネシウムブロミド( 0.10ml,0.10mmol)の1Mエーテル溶液をエーテル(4mL)中の2(100mL,0.08mmol)溶液に添加した。 この混合物を攪拌しつつ加熱還流した。 反応物を0℃に冷却し、塩化アンモニウムの飽和水溶液(3m L)及びエーテル(5mL)を添加した。 2相に分離した後、水相をエーテル( 2x10mL)で2回抽出した。 エーテル層をMgSO

    4上で乾燥させて、蒸発させた後、アリル化誘導体(62mg,64%)を白色のオイルとして得た。 18. ブロモトリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8 −トリデカフロロオクチル)シラン、(ブロモトリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラン 9:トリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7, 8,8,8−トリデカフロロオクチル)シラン(1.00g,0.94mmol ;ジャーナルオブフロリンケミストリー(J.Fluorine Chem.)、第60巻、211 頁、1993年に記載)FC−72(4mL)に25℃においてアルゴン下溶解させた。臭素(0.08mL,1.41mmol)をゆっくりと添加し、得られた溶液を25℃で8時間攪拌した。この反応混合物をCH

    2 Cl

    2で2回洗浄した。フッ素含有相の蒸発により、ブロモシラン9を無色のオイルとして得た:(1.0 8g,99%): 19. アリルオキシ−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラン(1 1):アリルアルコール10(0.06mL,0.91mmol)、トリエチルアミン(0.13mL,0.91mmol)を乾燥THF(2mL)にアルゴン下で溶解させた。 THF(2mL)中のブロモトリス「2−(パーフロロヘキシル)エチル」シラン 9(260mg,0.23mmol)を上記混合物に25℃ において徐々に添加した。 得られた混合物を25℃で3時間攪拌した。 溶媒を除去した後、残査をFC−72(10mL),CH

    2 Cl

    2 (10mL),H

    2 O(10mL )により3相抽出した。 有機−水の2相に対し、さらにFC−72(10mL) により抽出を行った。 混合されたフッ素抽出物の蒸留の後、この残査をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン-Et

    2 O,50:1)によりさらに精製を行い、 アリルオキシ−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラン 11を無色のオイル(115mg,45%)として得た: 20. トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル](2−メチルアリルオキシ) シラン:2−メチル−2−プロペン−1−オール(0.47mL,5.59mm ol)及びトリエチルアミン(0.79mL,5.59mmol)を乾燥THF (10mL)にアルゴン下で溶解させた。 ブロモトリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラン 9(1.60g,1.39mmol)のTHF(5mL )の混合物を徐々に上記溶液に25℃において加えた。 得られた混合物を25℃ で2時間攪拌した。 溶媒除去後、残査をFC−72(20mL),CH

    2 Cl

    2 (20m L),H

    2 O(20mL)で3相抽出を行った。 有機−水2相をさらにFC−72 (20mL)により2回抽出した。 混合されたフッ素含有抽出物の蒸留の後、残査をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン-Et

    2 O,50:1)によりさらに精製し、トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]−(2−メチル−アリルオキシ)シランを無色のオイルとして得た(602mg,46%): 21. トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル](prop−2−イニルオキシ(ynyloxy))シラン:プロパギルアルコール(0.10mL,1.74mmo l)とトリエチルアミン(0.26mL,1.74mmol)を乾燥THF(1 0mL)中にアルゴン下溶解させた。 THF(2mL)とブロモトリス[2−( パーフロロヘキシル)エチル]シラン 9(1.00g,0.87mmol)の混合物を徐々に上述の溶液中に25℃において加えた。 得られた懸濁物を25℃ で3時間攪拌した。 溶媒の除去後、残査をFC−72(15mL),CH

    2 Cl

    2 (15 mL),H

    2 O(15mL)で3相抽出を行った。 有機−水2相をさらにFC−72 (15mL)により2回抽出した。 混合されたフッ素含有抽出物を蒸発させることにより、トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル](prop−2−イニルオキシ)シラン及びシラノールを87:13の比で無色のオイルとして得た(9 60mg,98%): 22. イソオキサゾール(リン)の製造のためのムカイヤマの方法(一般的方法1)による一般的手法:BTF(4mL)中のシリルエーテル(0.10mm ol)溶液にニトロアルカン(0.99mmol)、フェニルイソシアネート(0 .22mL,1.98mmol)及び2滴のトリエチルアミンを加えた。 この反応混合物を25℃において3日間攪拌した。 溶媒除去後、残査をFC−72(2 0mL),H

    2 O(20mL),及びベンゼン(20mL)を用いて3相抽出により精製した。 有機−水2相をさらに2度FC−72(20mL)で抽出した。 混合したフッ素抽出物を蒸発して所望するイソオキサゾール(リン)を得た。 (小スケールの反応のため、粗反応混合物は、ベンゼンにより希釈し、3回FC−72により抽出した。混合されたフッ素抽出物をろ過し、蒸発させた。) 23. フィスゲンの方法によるイソオキサゾール(リン)の製造ための一般的な手法(一般手法2):シリルエーテル(0.09mmol)とオキシム(0. 36mmol)をCH

    2 Cl

    2 (6mL)中に添加し、トリエチルアミン(0.36m mol)を加え、反応混合物を25℃で24時間攪拌した。 溶媒を除去した後、 残査をFC−72(15mL),H

    2 O(15mL),ベンゼン(15mL)を用いた3相抽出によって精製した。 有機−水の2相をさらに2回FC−72(15mL )で抽出した。 混合したフッ素を含有する抽出物を蒸留して、所望するイソオキサゾール(リン)を得た。 (小スケールの反応のため、粗反応混合物をベンゼン中に懸濁させ、3回FC−72により抽出を行った。 24. 3−メチル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラニル−オキシメチル−4,5−ジヒドロキイソオキサゾール:一般的手法1にしたがって製造したアリルシリルエーテル11(0.050g,0.044mmol)、 BTF(2mL)、ニトロメタン(0.03mL,0.44mmol)、フェニルイソシアネート(0.10mL,0.88mmol)によりイソオキサゾリン(5 3mg,99%)を得た: 25. 3−フェニル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラニル−オキシメチル4,5−ジヒドロイソオキサゾール:一般手法2にしたがって、アリルシリルエーテル11(0.069g,0.061mmol)、フェニルヒドロキシイミノ酸クロリド(38.0mL,0.25mmol)、トリエチルアミン(0.037mL,25mmol)を用いてCH

    2 Cl

    2 (4mL)中でイソオキサゾリン(73mg,96%)を得た: 26. 3−tert−ブチル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラニル−オキシメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール:一般手法2 にしたがって、アリルシリルエーテル11(0.054g,0.048mmol) 、tert−ブチルヒドキシイミノ酸クロリド(46.0mg,0.34mmo l)、トリエチルアミン(0.05mL,0.34mmol)を用いてCH

    2 Cl

    2 ( 4m L)中でイソオキサゾリン(59mg,99%)を得た: 27. 3−プロピル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラニル−オキシメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール:アリルシリルエーテル11(0.111g,0.099mmol)、BTF(4mL)、ニトロブタン(0 .10mL,0.99mmol)、フェニルイソシアネート(0.22mL,1 .98mmol)を用いて一般的手法1にしたがい、イソオキサゾリン(125 mg,99%)を得た: 28. 3,5−ジメチル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラニル−オキシメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール:アリルシリルエーテル(0.107g,0.094mmol)、BTF(4mL)、ニトロエタン(0 .07mL,0.94mmol)、フェニルイソシアネート(0.20mL,1 .88mmol)を用いて一般的手法1にしたがい、イソオキサゾリン(112 m g,99%)を得た: 29. 3−tert−ブチル−5−メチル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]−シラニルオキシメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール:アリルシリルエーテル(0.104g,0.091mmol)、tert−ブチルヒドロキシイミノ酸クロリド(50.0mg,0.36mmol)、トリエチルアミン(0.054mL,0.364mmol)を用い、CH

    2 Cl

    2 (4mL)中で一般的手法2にしたがい、イソオキサゾリン(115mg,99%)を得た: 30. 5−メチル−3−プロピル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル) エチル]−シラニルオキシメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール:アリルシリルエーテル(0.100g,0.088mmol)、BTF(4mL)、ニトロブタン(0.09mL,0.88mmol)、フェニルイソシアネート(0.19 mL,1.76mmol)を用いて一般的手法1にしたがい、イソオキサゾリン及び出発物質のシラン(比94:6,106mg)を得た: 31. 5−メチル−3−フェニル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル) エチル]−シラニルオキシメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール:アリルシリルエーテル(0.098g,0.086mmol)、フェニルヒドロキシイミノ酸クロリド(53.0mg,0.34mmol)、トリエチルアミン(0.05 1mL,0.34mmol)を用いてCH

    2 Cl

    2 (4mL)中で一般的手法2にしたがい、イソオキサゾリン及びシラン(比97:3)を得た: 32. 3−メチル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラニル−オキシメチルイソオキサゾール:プロパギルシリルエーテル(0.100g, 0.089mmol)、BTF(6mL)、ニトロエタン(0.064mL,0.8 9mmol)、フェニルイソシアネート(0.18mL,1.78mmol)を用いて一般的手法1にしたがい、イソオキサゾリン(105mg,99%)を得た: 33. 3−tert−ブチル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラニル−オキシメチルイソオキサゾール:プロパギルシリルエーテル(0. 100g,0.089mmol)、tert−ブチルヒドロキシイミノ酸クロリド(97.0mg,0.72mmol)、トリエチルアミン(0.11mL,0. 72mmol)を用いてCH

    2 Cl

    2 (6mL)中で一般的手法2にしたがい、イソオキサゾリン(108mg,99%)を得た: 34. 3−プロピル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラニル−オキシメチルイソオキサゾール:プロパギルシリルエーテル(0.100g ,0.089mmol)、BTF(6mL)、ニトロブタン(0.09mL,0.8 9mmol)、フェニルイソシアネート(0.18mL,1.78mmol)を用いて一般的手法1にしたがい、イソオキサゾリン(107mg,99%)を得た: 35. 3−フェニル−5−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラニル−オキシメチルイソオキサゾール:プロパギルシリルエーテル(0.100g ,0.089mmol)、フェニルヒドロキシイミノ酸クロリド(110mg,0 .71mmol)、トリエチルアミン(0.11mL,0.71mmol)を用いてCH

    2 Cl

    2 (6mL)中で一般的手法2にしたがい、イソオキサゾリン及びシラノール(1H NMRにより40%がシラノールと決定された)を得た。 36. シリル基切断の一般的方法(一般手法3)シリル化されたイソオキサゾール(リン)(0.079mmol)をEt

    2 O(THF)(3mL)に25℃で溶解した。 HF・ピリジン(0.1mL)を添加し、この溶液を25℃で1時間攪拌した。 溶媒除去後、残査をCH

    2 Cl

    2 (20mL)に溶解させた。 飽和NH

    4 Cl(10m L)水溶液を加え、有機一水2相をFC−72(10mL)によって2回洗浄した。 相を分離した後、水相をCH

    2 Cl

    2で2回抽出した。 混合した有機相を乾燥させて(MgSO

    4 )蒸発させた後、保護基が切断されたイソオキサゾール(リン)を得た。 純度はGC分析によって決定した。 37. (3−フェニル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メタノール:イソオキサゾリン(0.097g,0.078mmol)、HF・ピリジン(0.1mL)を用いてTHF(3mL)中で一般手法3にしたがい抽出後イソオキサゾリン(13.6mg,99%)を95%の純度で得た。 物理的データは、文献に報告されたデータと一致した。 38. (3−メチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メタノール:シリルイソオキサゾリン(0.300g,0.254mmol)、HF・ピリジン(0.2mL)を用いてEt

    2 O(6mL)中で一般手法3にしたがい抽出後イソオキサゾリン(8.5mg,29%)を93%の純度で得た。 物理的データは、文献に報告されたデータと一致した。 39. (3−tert−ブチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メタノール(13a):シリルイソオキサゾリン(0.085g,0.069 mmol)、HF・ピリジン(0.1mL)を用いてTHF(3mL)中で一般手法3にしたがい抽出後イソオキサゾリン(10.6mg,99%)を91%の純度で得た。 物理的データは、文献に報告されたデータと一致した。 40. (3−プロピル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メタノール(13b):シリルイソオキサゾリン(0.096g,0.079mmol) 、HF・ピリジン(0.1mL)を用いてTHF(3mL)中で一般手法3にしたがい抽出後イソオキサゾリン(5.4mg,48%)を94%の純度で得た: 41. (3,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル) メタノール(13d):シリルイソオキサゾリン(0.120g,0.100mm ol)、HF・ピリジン(0.1mL)を用いてTHF(3mL)中で一般手法3にしたがい抽出後イソオキサゾリン(4mg,31%)を99%の純度で得た: 42. (3−tert−ブチル−5−メチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メタノール:シリルイソオキサゾリン(0.113g,0.0 91mmol)、HF・ピリジン(0.1mL)を用いてEt

    2 O(3mL)中で一般手法3にしたがい抽出後イソオキサゾリン(15.6mg,99%)を99% の純度で得た。 43. (5−メチル−3−プロピル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5 −イル)メタノール:シリルイソオキサゾリン(0.062g,0.051mm ol)、HF・ピリジン(0.1mL)を用いてEt

    2 O(3mL)中で一般手法3 にしたがい抽出後イソオキサゾリン(8mg,99%)を99%の純度で得た: 44. (5−メチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5 −イル)メタノール:シリルイソオキサゾリン(0.080g,0.064mm ol)、HF・ピリジン(0.1mL)を用いてTHF(3mL)中で一般手法3にしたがい抽出後イソオキサゾリン(11.5mg,95%)を98%の純度で得た。 物理的データは、文献のデータと一致した。 45. (3−tert−ブチルィソオキサゾール−5−イル)メタノール:シリルイソオキサゾール(0.099g,0.073mmol、約10%がシラノール)、HF・ピリジン(0.1mL)を用いEt

    2 O(3mL)中で一般手法3にしたがい抽出後イソオキサゾール(11.4mg,99%)を99%の純度で得た: 46. (3−プロピルイソオキサゾール−5−イル)メタノール(13c): シリルイソオキサゾール(0.102g,0.076mmol、約10%がシラノール)、HF・ピリジン(0.1mL)を用いEt

    2 O(3mL)中で一般手法3 にしたがい抽出後イソオキサゾール(10.7mg,99%)を97%の純度で得た。 物理データは、文献に報告された値と一致した。 47. (3−メチルイソオキサゾール−5−イル)メタノール:シリルイソオキサゾール(0.098g,0.075mmol、約10%がシラノール)、HF ・ピリジン(0.1mL)を用いEt

    2 O(3mL)中で一般手法3にしたがい抽出後イソオキサゾール(8.5mg,99%)を99%の純度で得た。 物理データは、文献に報告された値と一致した。 48. (3−フェニルイソオキサゾール−5−イル)メタノール:シリルイソオキサゾール(0.05g,0.04mmol)、HF・ピリジン(0.1mL) を用いEt

    2 O(3mL)中で一般手法3にしたがい抽出後イソオキサゾリン(6. 8mg,99%)を98%の純度で得た。 物理データは、文献に報告された値と一致した。 49. 中間体のキャラクタリゼーションを行わない結合合成のシミュレーション: 50. (3−tert−ブチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メタノール(13a):アリルシリルエーテル11を上述したように0.65 mmolのブロモトリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラン9を用いて製造した。 一般手法2にしたがってシクロ付加をtert−ブチルヒドロキシイミノ酸クロリド(440mg,3.20mmol)、トリエチルアミン(0.48 mL,3.20mmol)をCH

    2 Cl

    2 (20mL)中で行いイソオキサゾリンを得た。 シリル基の切断は、一般手法3にしたがって、HF・ピリジン(0.5mL )を用いてEt

    2 O(20mL)中で行い、抽出後イソオキサゾリン(68mg、6 6%)を99%の純度で得た。 51. (3−プロピル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル)メタノール(13b):アリルシリルエーテルを上述したように0.38mmolのブロモトリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラン9を用いて製造した。 一般手法1にしたがってシクロ付加をニトロブタン(0.38mL,3.80m mol)、フェニルイソシアネート(0.73mL,7.20mmol)をBT F(15mL)中で行ってイソオキサゾリンを得た。 シリル基の切断は、一般手法3にしたがって、HF・ピリジン(0.4mL)を用いてEt

    2 O(12mL)中で行い、抽出後イソオキサゾリン(39.5mg、73%)を94%の純度で得た。 52. (3,5−ジメチル−4,5−ジヒドロイソオキサゾール−5−イル) メタノール(13d):アリルシリルエーテルを上述したように0.38mmo1 のブロモトリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラン9を用いて製造した。 一般手法1にしたがってシクロ付加をニトロエタン(0.27mL,3.80 mmol)及びフェニルイソシアネート(0.73mL,7.20mmol)をBTF(15mL)中で行ってイソオキサゾリンを得た。 シリル基の切断は、 一般手法3にしたがって、HF・ピリジン(0.4mL)を用いてEt

    2 O(12m L)中で行い、抽出後イソオキサゾリン(15.5mg、32%)を99%の純度で得た。 53. (3−プロピルイソオキサゾール−5−イル)メタノール(13c):シリルプロパギルエーテルを上述したように0.31mmolのブロモトリス[2 −(パーフロロヘキシル)エチル]シラン9を用いて製造した。 一般手法1にしたがってシクロ付加をニトロブタン(0.31mL,3.10mmol)及びフェニルイソシアネート(0.63mL,6.20mmol)をBTF(15mL )中で行ってイソオキサゾールを得た。 シリル基の切断は、一般手法3にしたがって、HF・ピリジン(0.5mL)を用いEt

    2 O(10mL)中で行い、抽出後イソオキサゾリン(37.3mg、83%)を97%の純度で得た。 54. エリトロ/トレオ−a−メチル−3−フェニル−2−イソオキサゾリン)−5−メタノール(13e):rac−3−ブテン−2−オール(0.083m L,0.960mmol)、トリエチルアミン(0.14mL,0.96mmo l)を乾燥THF(4mL)にアルゴン下で溶解させた。 ブロモトリス[2−( パーフロロヘキシル)エチル]シラン9(275mg,0.24mmol)のT HF(2mL)中の混合物を徐々に上述の溶液へと25℃で添加した。 得られた懸濁物を25℃で3時間攪拌した。 アリルシリルエーテルの製造に関して上述した手順により粗rac−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル1−(1− メチル−アリルオキシ)シランを得た。 シクロ付加を一般手法2にしたがい、r ac−トリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]−(1−メチル−アリルオキシ)シラン(100mg)、フェニルヒドロキシイミノ酸クロリド(53mg,0 .35mmol)、トリエチルアミン(0.055mL,0.37mmol)をC H

    2 Cl

    2 (6mL)中で行ってイソオキサゾリンを得た。 シリル基の切断を一般手法3にしたがって、HF・ピリジン(0.5mL)を用いEt

    2 O(20mL)中で行い、抽出後エリトロ/トレオ−a−メチル−3−フェニル−2−イソオキサゾリン−5−メタノール(10.4mg,62%)を70:30のジアステレオマー混合物として97%の純度で得た。 ジアステレオマーの比は、

    1 H NMR 分析で決定した。 55. フッ素系フェーズスイッチ。 グリニャール反応/シリレーションの代表的な実験手法:グリニャール試薬(エーテル中3M,0.75mmol,0.2 5mL)を0℃においてカルボニル誘導体(0.5mmol)の乾燥THF(5 mL)溶液中に加えた。 この混合物を0℃で15min.攪拌し、その後30m in.25℃で攪拌した。 FC−72(6ml)中にブロモトリス[2−(パーフロロヘキシル)エチル]シラン(9)(1mmol,約10〜15%のC

    6 F

    13 (CH

    2 )

    4 C

    6 F

    13を含有)を上述の混合物中に加えた。 14時間後、残査を蒸留し、水(2 0mL)クロロホルム(20mL)、FC−72(1x15mL及び2x10mL )によって3相抽出した。 この混合した有機相をクロロホルム(1x10m)で洗浄した。 クロロホルム抽出物を分離した後、残った水相をクロロホルム(1x 10mL)で洗浄した。 混合した有機相(CHCl

    3 )をMgSO

    4で乾燥し、蒸発させた。 得られた残査をアセトニトリル(15mL)で抽出し、2相抽出すべくFC− 72(1x10mL、その後(2x5mL)で洗浄した。3相及び2相抽出によって得られたフッ素含有相を混合し、蒸発させた後、この残査を1:1THF: ベンゾトリフルオリド(10mL)で希釈した。KHCO

    3 (100mg)、フッ化セシウム(2mmol、2mLの1MMeOH)を25℃で加え、この混合物を2 時間攪拌した。残査を蒸留の後に得、水(20mL)、FC−72(20mL)、クロロホルム(3x15mL)で抽出した。フッ素含有相をアセトニトリル(1x 10mL)によって洗浄した。混合された有機相(クロロホルム及びアセトニトリル)相をMgSO

    4で乾燥させ、蒸発させた。残査をアセトニトリル(15mL) で希釈し、これをFC−72(1x10mL、その後2x5ml)で洗浄した。 アセトニトリル溶液を蒸発させ、対応するアルコール15を得た。すべてのアルコールは既知化合物である。 56. バイプロダクトのフッ素タギング。ラジカル付加及びハイドロスタンニレーションのための一般的な手法:1ヨウ化アダマンタン(26.2mg,0. 1mmol)、ベンジルアクリレート(81.1mg,0.5mmol)、トリス(2−パーフロロヘキシルエチル)スズヒドリド(3)(11.6mg,0.0 1mmol)、ソジウムシアノボロヒドリド(sodium cyanoborohydride)(9.6 mg,0.13mmol)、BTF(0.5mL)中触媒のAIBN及びt−ブタノール(0.5mL)の懸濁物を窒素下12時間還流させた。冷却後、トリス(2−パーフロロヘキシルエチル)スズヒドリド(696mg,0.6mmol )及びBTF(0.2mL)中触媒のAIBNの混合物を反応混合物中に添加した。その後この混合物を90℃に窒素下で24時間加熱した。冷却後、反応混合物をクロロホルム(10mL)に溶解させ、FC−72(10mL)によって3 回抽出した。有機相を中性アルミナによってろ過し、減圧下で蒸留してアルケンを含まない生成物(246mg,82%)を得た。 57. 1,3−ダイポーラシクロ付加及びハイドロスタンニレーションの一般的手法:スチレン(31.3mg,0.3mmol)、トリエチルアミン(12. 1mg,0.13mmol)ジクロロメタン(1mL)の溶液にジクロロメタン(1mL)で希釈したtert−ブチルヒドロキシイミノ酸クロリド(13.6 mg,0.1mmol)を25℃で滴下した。 この混合物を12時間攪拌した。 溶媒を蒸発させた後、トリス(2−パーフロロヘキシルエチル)スズヒドリド3 (348mg,0.3mmol)及び触媒としてのAIBNをBTF(1mL) に溶解して粗残査に添加し、この混合物を窒素下で24時間90℃に加熱した。 冷却後、この反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、これをFC− 72(10mL)で3回抽出した。 この有機層を減圧下で蒸留してアルケンを含まない生成物(20mg,99%)を得た。 58. トリス(2−(パーフロロヘキシル)エチル)スズアジド(16);トリス(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフロロオクチル)スズアジド:トリス(2−(パーフロロヘキシル)エチル)スズブロミド(2)(10g,8.06mmol)のエーテル(14mL)溶液に、水(2 ml)中のナトリウムアジド(629mg,9.67mmol)溶液を加えた。 エーテル(20mL)、水(20mL)をこの反応混合物に加えた。 得られた2相を分離し、エーテル相を水(3x20mL)で洗浄し、無水MgSO

    4上で乾燥させた。 溶媒を蒸発させて乾固し、スズアジド(9.4g、97%収率)を無色のオイルとして得た: 59. 5−置換のテトラゾール19の製造のための代表的な実験手法:トリス(2−(パーフロロヘキシル)エチル)スズアジド16(0.5g,0.416 mmol)、p−トルニトリル(97.5mg,0.832mmol)、ベンゾトリフルオリド(BTF,0.84mL)を、密閉した管内で80℃で12時間加熱した。 このBTFを蒸留し、粗生成物をベンゼンとFC−72(それぞれ10 mL)に分配した。 2層を分離した後、ベンゼン相をFC−72中で2回洗浄した(10mL)。 ベンゼン相の蒸発によって未反応のp−トルニトリルを得た。 フッ素を含有する相を蒸発させ、飽和したエーテルのHCL溶液(10mL)を残査に加えた。 この混合物を12時間25℃で攪拌した。 エーテルの蒸発後、残査をFC−72及びアセトニトリル(各10mL)に溶解した。 2層を分離した後、有機相をFC−72(3x10mL)で洗浄した。 アセトニトリル相を蒸発させて5−p−トリルテトラゾール(41mg,収率61%)を得、確実な試料と物理的データ及びスペクトルデータを比較して同定した。 (製造した別のテトラゾールはまた、既知の化合物である。)FC−72相を同様にして蒸発させて、 トリス(2−(パーフロロヘキシル)エチル)スズクロリド8(449mg,9 0%)を無色のオイルとして得た。 60. トリス[2−(パーフロロデシル)エチル]シラン:マグネシウム粉末( 0.45g,18.5mmol)を乾燥Et

    2 O(20mL)に懸濁させ、1−ヨウ化−1H,1H,2H,2H−パーフロロドデカン(0.50g,0.77mm ol)を添加した。 得られた懸濁物を30min.超音波処理した。 1−ヨウ化1H,4H,2H,2H−パーフロロドデカン(9.50g,14.7mmol )のEt

    2 O(70mL)溶液を徐々に添加した。 この混合物を2時間還流下加熱した。 トリクロロシラン(0.40mL,3.87mmol)を徐々に加え、反応混合物を還流下で16時間攪拌した。 25℃に冷却した後、飽和NH

    4 Cl水溶液及びCH

    2 Cl

    2を加えた。 濁った2相を5回FC−72で抽出した。 混合したフッ素抽出物を蒸発させて白色固体として粗生成物を得た。 バルブ−バルブ蒸留(0.5 Torr, 210℃)により不純物(ダイマー,ウルツカップリング生成物)を除去してトリス[2−(パーフロロドデシル)エチル]シランを白色固体として得た(4.7g ,76%)を得た:mp 76−78℃; 61. ブロモトリス[2−(パーフロロドデシル)エチル]シラン:トリス[2 −(パーフロロドデシル)エチル]シラン(0.56g,0.34mmol)をFC−72(10mL)中にアルゴン下で溶解させた。 臭素(0.03mL,0 .50mmol)を加え、この混合物を25℃で12時間攪拌させた。 FC−7 2(40mL)を加え、フッ素相をCH

    2 Cl

    2で洗浄した。 フッ素層の蒸発の後、ブロモトリス[2−(パーフロロデシル)エチル]シランを白色固体(586mg, 99%)として得た:mp 80−81℃; 62. トリプロピル4−ブロモオルトチオベンゾエート:4−ブロモ安息香酸(2.00g,9.95mmol)をチオニルクロリド(3mL,41.2mm ol)に懸濁させ、60min.加熱下で還流させた。 過剰のチオニルクロリドを除去し、真空乾燥を行って4−ブロモベンゾイルクロリドを無色の固体として得た。 プロパンチオール(10mL,109mmol)を徐々に4−ブロモ安息香酸クロリド及び無水AlCl

    3 (5.30g,39.7mmol)の混合物に加えた。 この混合物を60℃で48時間加熱し、冷却して、氷冷し攪拌した4N NaOH水溶液(75mL)中にゆっくり注いだ。 エーテルで抽出し、有機相を食塩水で洗浄して乾燥後(MgSO

    4 )粗生成物を赤色オイルとして得た。 フラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO

    2 ,NEt

    3を1%含有するヘキサン)により無色のオイルとしてオルトチオベンゾエート(1.78g,45%)を得た: 63. 4−トリス[2−(パーフロロデシル)エチル]シリル−チオベンゾイックS−プロピルエステル22:トリプロピル4−ブロモオルトチオベンゾエート(250mg,0.66mmol)をアルゴン下でEt

    2 O(7.5mL)中に溶解させ−78℃に冷却した。 t−BuLi(ペンタン中1.7モル、0.82mL,1 .39mmol)をゆっくりと加え、得られた黄色の溶液を上記の温度で45m in.攪拌した。 黄色のアリールリチウム相液をその後カニューレを通じてBT F(15mL),FC−72(2.5mL)中のブロモトリス[2−(パーフロロドデシル)エチル]シラン(500mg,0.29mmol)へと25℃で移した。 反応混合物を30min.25℃で攪拌させた。 H

    2 Oの添加後、この反応混合物をCH

    2 Cl

    2で3回抽出した。 混合した有機相を乾燥(MgSO

    4 )し、蒸発させて得られたオイルをFC−72により抽出し、ベンゼンで洗浄した。 このベンゼン層をさらに2回FC−72で抽出した。 混合したフッ素含有層を蒸発させて粗オルトチオエステルを得、これをBTF(7.5mL),THF(7.5mL),アセトン(5mL),H

    2 O(0.5mL)に25℃で溶解させた。 AgNO

    3 (135mg,0. 80mmol)を加え、得られた懸濁物を25℃で12時間攪拌した。 ろ過及びろ過物の蒸発後、この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(SiO

    2 ,E t

    2 O/ヘキサン;1/40)で精製し、4−トリス[2−(パーフロロデシル)エチル]シリルチオベンゾイックS−プロピルエステルを無色の固体(319mg ,60%)として得た:mp 69-71℃; 64. 4−トリス[2−(パーフロロデシル)エチル]シリル安息香酸 20: 4−トリス[2−(パーフロロデシル)エチル]シリル−チオベンゾイックS−プロピルエステル(210mg,0.11mmol)をFC−72(15mL)に溶解した。 臭素(0.05mL,0.83mmol)を25℃で加え、この混合物を3時間攪拌した。 FC−72(15mL)の添加後CH

    2 Cl

    2で洗浄し、フッ素含有層を蒸発させて4−トリス[2−(パーフロロドデシル)エチル]シリル安息香酸ブロミドを無色の固体として得た。 この酸ブロミドをTHF(12mL),B TF(3mL)中に溶解した。 H

    2 O(1.5mL)を加え、溶液を25℃で12 時間攪拌した。 溶媒の蒸発後、4−トリス[2−(パーフロロドデシル)エチル] シリル安息香酸を無色の固体として得た(196mg,97%)。 mp 134-136℃; 65. ウジの4成分縮合の一般的手法:4−トリス[2−(パーフロロデシル)エチル]シリル安息香酸(20)(26.2mg,0.015mmol)、アミン(0.25mmol)、アルデヒド(0.25mmol)、イソシアナイド(isocy anide)(0.25mmol)を密封した管内にCF

    3 CH

    2 OH(0.3mL)とともに加えた。 (いくつかの例では、予め形成したイミンを用いた)。 この懸濁物をアルゴン下で90℃48時間加熱した。 溶媒を除去した後、残査をFC−72中(1 5mL)に溶解し、ベンゼン(15mL)で洗浄した。 このベンゼン層をさらにFC−72(15mL)によって2回洗浄した。 混合したフッ素含有相を蒸発させてパーフロロシリレート化されたアミノ酸アミドを得た。 このアミノ酸アミドの脱シリル化をするため、THF(2mL)に25℃で溶解し、TBAF(TH F中1モル,0.22mL,0.22mmol)を加え、得られた溶液を25℃ で30min.攪拌した。 溶媒除去後、残査をベンゼン(30mL)で抽出し、 FC−72(15mL)で2回洗浄した。 Et

    2 O(30mL)をこの有機相に加え,0.1N HCL,飽和Na

    2 CO

    3水溶液,食塩水(各15mL)で洗浄した。 得られた有機相を乾燥(MgSO

    4 )させ、蒸発させて、ベンゾイル化されたアミノ酸アミドを得た。 純度は、GC分析によって確認した。 66. N−ベンゾイル−N−ベンジル−フェニルグリシン−tert−ブチルアミド:一般手法に従って得た酸(20)(26.2mg,0.015mmol) ,ベンジルベンジリデンアミン(51mg,0.25mmo1)、tert−ブチルイソシアナイド(30mL,0.25mmol)を用いて、シリル化されたアミノ酸を得た: 上述した一般手法による脱シリル化をTHF(2mL)中でTBAF(0.02 2mL,0.022mmol)を用いて行い、N−ベンゾイル−N−ベンジル− フェニルグリシン−tert−ブチルアミド(5.0mg,83%)を85%の純度で得た: 67. N−ベンゾイル−N−ベンジル−4−メトキシフェニルグリシン−te rt−ブチルアミド:一般手法に従って得た酸(20)(26.1mg,0.0 15mmo1),ベンジルアミン(27mL,0.25mmol)、アニスアルデヒド(30mL,0.25mmol)、tert−ブチルイソシアナイド(30m L,0.25mmol)を用い、脱シリル化後、N−ベンゾイル−N−ベンジル−4−メトキシフェニルグリシン−tert−ブチルアミド(5.1mg,81 %)を87%の純度で得た: 68. N−ベンゾイル−N−ベンジルシクロヘキシルグリシン−tert−ブチルアミド:一般手法に従って得た酸(20)(24.0mg,0.013mm ol),ベンジルアミン(27mL,0.25mmol)、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド(carboxaldehyde)(30mL,0.25mmol)、tert−ブチルイソシアナイド(30mL,0.25mmol)を用い、脱シリル化後、N −ベンゾイル−N−ベンジル−シクロヘキシルグリシン−tert−ブチルアミド(1.7mg,32%)を89%の純度で得た: 69. N−ベンゾイル−N−プロピル−シクロヘキシルグリシン−シクロヘキシルアミド:一般手法に従って得た酸(20)(26.4mg,0.015mm ol),プロピルアミン(21mL,0.25mmol)、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド(30mL,0.25mmol)、シクロヘキシルイソシアナイド(31mL,0.25mmol)を用い、脱シリル化後、N−ベンゾイル−N −プロピル−シクロヘキシルグリシン−シクロヘキシルアミド(5.7mg,9 9%)を>95%の純度で得た:mp 110-112℃; 70. N−ベンゾイル−N−ベンジルフェニルグリシン−シクロヘキシルアミド:一般手法に従って得た酸(20)(27.1mg,0.015mmol),ベンジルベンジリデンアミン(51mL,0.25mmol)、シクロヘキシルイソシアナイド(31mL,0.25mmol)、を用い、脱シリル化後、N−ベンゾイル−N−ベンジル−フェニルグリシン−シクロヘキシルアミド(5.2mg, 92%)を80%の純度で得た: 71. N−ベンゾイル−N−プロピルバリン−シクロヘキシルアミド:一般手法に従って得た酸(20)(25.8mg,0.014mmol),プロピルアミン(21mL,0.25mmol)、イソブチルアルデヒド(23mL,0.25 mmol)シクロヘキシルイソシアナイド(31mL,0.25mmol)を用い、脱シリル化後、N−ベンゾイル−N−プロピルバリン−シクロヘキシルアミド(3.5mg,71%)を>95%の純度で得た。 物理データは、文献によって報告されたデータと一致した。 72. N−ベンゾイル−N−ベンジルバリン−シクロヘキシルアミド:一般手法に従って得た酸(20)(26.1mg,0.015mmol),ベンジルアミン(27mL,0.25mmol)、イソブチルアルデヒド(23mL,0.25 mmol)、シクロヘキシルイソシアナイド(31mL,0.25mmol)を用い、脱シリル化後、N−ベンゾイル−N−ベンジルバリン−シクロヘキシルアミド(3.5mg,61%)を>95%の純度で得た:mp 131-133℃; 73. N−ベンゾイル−N−ベンジル−シクロヘキシルグリシン−シクロヘキシルアミド:一般手法に従って得た酸(20)(26.2mg,0.015mm ol),ベンジルアミン(27mL,0.25mmol)、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド(30mL,0.25mmol)、シクロヘキシルイソシアナイド(31mL,0.25mmol)を用い、脱シリル化後、N−ベンゾイル−N− ベンジルシクロヘキシルグリシン−シクロヘキシルアミド(5.3mg,84% )を>95%の純度で得た:mp 181-182℃; 74. 従来のビギネリ反応の一般的手法:174mg(0.84mmol)のベンゾイルオキシエチル尿素のTHF(5mL)溶液を3equivのβ−ケトエステル、3equivのアルデヒド、conc.HCL(25μL)で処理した。 この溶液反応が完結するまで攪拌し(TLC)、真空中で濃縮してSiO

    2 (酢酸エチル/ ヘキサン1:1)のクロマトグラフィーで精製した。 75. 1−(ベンゾイルオキシエチル)−6−メチル−2−オキソ−4−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル:mp 129℃; 76. 1−(ベンゾイルオキシエチル)−6−メチル−2−オキソ−4−(2 −ナフチル)−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル: 77. 1−(ベンゾイルオキシエチル)−6−メチル−2−オキソ−4−(4 −メトキシフェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル:mp 75℃; 78. 1−(ベンゾイルオキシエチル)−6−メチル−2−オキソ−4−(2 −ナフチル)−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−カルボン酸メチルエステル:mp 116℃; 79. 1−(ベンゾイルオキシエチル)−6−エチル−2−オキソ−4−(2 −ナフチル)−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル: 80. 1−(ベンゾイルオキシエチル)−6−エチル−2−オキソ−4−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン−5−カルボン酸エチルエステル:mp 111℃; 81. 4−(トリス(パーフロロデシルエチル)シリル)ベンゾイルオキシエチル尿素 23:4−(トリス(パーフロロデシルエチル)シリル)安息香酸プロピルチオエステル22(88mg,47.6μmol)のFC−72(6mL 9溶液を臭素(30μmL,0.58mmol)で処理した。5時間後、この混合物をジクロロメタン(10mL)で抽出した。ジクロロメタン相をFC−72 (3x10mL)で抽出した。混合したフッ素含有相を蒸留した。このジクロロメタン相をFC−72(3x10mL)で抽出した。得られた酸ブロミド(88 mg)をBTF(1mL)希釈し、ヒドロキシエチル尿素(27mg,0.26 mmol)、トリエチルアミン(36μL,0.26mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(3mg,25μmol)の乾燥ジオキサン(0.50mL)懸濁液に35℃で加えた。35℃で22時間攪拌した後、揮発成分を真空中で除去し、FC−72(20mL)、水(10mL)、トルエン(5mL)を加えた。混合した水/トルエン相をFC−72(5x10mL)で洗浄した。混合したフッ素含有相をろ別し、濃縮して白色固体として23を得た(79mg,89%): 82. ビギネリ反応のための一般的手法。 THF/BTF(2/1,0.75 mL)の23(18mg、9.6μmol)の溶液を25℃で10equivのβ−ケトエステル、10equivのアルデヒド、conc.HCL(1μL)で処理した。 50℃で3日後、揮発分を真空中で除去し、FC−84、トルエン(それぞれ10mL)を加えた。 トルエン相をFC−84(5x5mL)で抽出した。 混合したフッ素含有相をろ別し、濃縮した。 得られた白色固体24をTHF/BT F(1:1,0.50mL)によって希釈し、1Mトリブチルアンモニウムフロリド(TBAF)のTHF(10μL,10μmol)溶液を滴下して処理した。 25℃で0.5時間攪拌した後、揮発分を真空中で除去し、FC−84とトルエンを加えた(それぞれ10mL)。 フッ素含有相をトルエン(3x5mL)で抽出した。 混合したトルエン相を飽和NaHCO

    3水溶液(3x10mL)及び食塩水( 3x10mL)で抽出し、乾燥後(Na

    2 SO

    4 )ろ別し濃縮した。 得られた生成物2 5(図14)は、分光法(1H NMR)により従来の手法によって製造された製造物と同一であった。 上述の実施例に関連させて本発明を詳細に説明してきたが、これらは例示のために挙げたにすぎず、当業者によれば、請求の範囲により制限される本発明の趣旨を離れることなく変更を加えることができることが理解されよう。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 231/10 C07C 231/10 233/81 233/81 C07D 261/08 C07D 261/08 C07F 7/08 C07F 7/08 B 7/22 7/22 F G 7/30 7/30 A B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG ,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT, LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG ,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG, UZ,VN (72)発明者 ハシノ マサヒデ 栃木県宇都宮市豊郷台2―34―4 (72)発明者 シュトゥーデル アルミド スイス ツェーハー5430 ヴェッティンゲ ン ハルトシュトラーセ 55 (72)発明者 ウィプフ ピーター アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 15213 ピッツバーグ テックヴィュー テラス 135 (72)発明者 イェーガー パトリック スイス ツェーハー5600 レンツブルク ノイマートシュトラーセ 13 (72)発明者 キム スン ヨウン アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 15213 ピッツバーグ メルウッド アベ ニュー ナンバー 403―222 (72)発明者 フェルリット ラファエル イタリー イ―37138 ヴェローナ ヴィ ア パラディオ 24

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