Chemical reaction processing apparatus

申请号 JP2000030320 申请日 2000-02-08 公开(公告)号 JP4009712B2 公开(公告)日 2007-11-21
申请人 独立行政法人物質・材料研究機構; 发明人 高義 佐々木; 卓午 大滝; 郁夫 柳瀬; 遵 渡辺;
摘要
权利要求
  • 複数種の無機物質原料を異なる組み合わせ比率で混合してなる試料を多数生成し分析する化学反応処理装置において、
    前記複数の原料を所定の比率で混合して混合比の異なる複数の試料を生成し、この複数の試料を一枚の反応トレー上に所定量づつ配列する秤量混合部と、
    前記反応トレー上の複数の試料を一度に加熱処理するための加熱処理部と、
    前記反応トレー上の複数の試料に対して順次所定の計測を行なう計測部と、
    前記計測部による計測結果を分析する分析部と を有 し、前記秤量混合部は、前記原料が分注、混合される複数の混合容器を保持する混合容器保持部と、この混合容器から前記トレー上に試料を分取するための分取機構とを有するものであることを特徴とする化学反応処理装置。
  • 請求項1記載の化学反応処理装置において、
    前記原料は、スラリー状のものであることを特徴とする化学反応処理装置。
  • 請求項1記載の化学反応処理装置において、
    前記原料は、液状のものであることを特徴とする化学反応処理装置。
  • 請求項1記載の化学反応処理装置において、
    前記秤量混合部は、
    前記原料の容量によって秤量を行なうと共にその原料を分注する分注機構を有することを特徴とする化学反応処理装置。
  • 請求項 記載の化学反応処理装置において、
    前記分注された後の混合原料の容積が、前記全ての混合容器間で略等しくなると共に、各混合原料中の複数成分のモル数の和が略等しくなるように設定されていることを特徴とする化学反応処理装置。
  • 請求項 記載の化学反応処理装置において、
    前記秤量混合部は、前記混合容器保持部に接続され、前記混合容器中の試料を攪拌するための攪拌手段を有するものであることを特徴とする化学反応処理装置。
  • 請求項 記載の化学反応処理装置において、
    前記分取機構による前記試料のトレーへの分配は、少量づつ数回に分けて行なうものであることを特徴とする化学反応処理装置。
  • 請求項1記載の化学反応処理装置において、
    さらに、前記トレーに分配された試料の表面を平坦化する平坦化手段を備えることを特徴とする化学反応処理装置。
  • 請求項 記載の化学反応処理装置において、
    前記平坦化手段は、
    トレーに分配された試料に液剤を供給する手段と、
    液剤供給後の試料をプレスして表面をほぼ平面に整形する手段と を備えるものであることを特徴とする化学反応処理装置。
  • 複数種の無機物質原料を所定の比率で分注混合して混合比の異なる複数の試料を生成する分注手段と、
    この複数の試料を一枚の反応トレー上に所定量づつ分取配列する分取手段と を有 し、前記原料が分注、混合される複数の混合容器を保持する混合容器保持部と、この混合容器から前記トレー上に試料を分取するための分取機構とを有するものであることを特徴とする秤量混合装置。
  • 請求項 10記載の 秤量混合装置において、
    前記原料は、スラリー状のものであることを特徴とする秤量混合装置。
  • 請求項 10記載の秤量混合装置において、
    前記分注手段は、
    前記原料の容量によって秤量を行なうと共にその原料を分注する分注機構を有することを特徴とする秤量混合装置。
  • 請求項 10記載の秤量混合装置において、
    前記分注手段により分注された後の混合原料の容積が、前記全ての混合容器間で略等しくなると共に、各混合原料中の複数成分のモル数の和が略等しくなるように設定されていることを特徴とする秤量混合装置。
  • 請求項 10記載の秤量混合装置において、
    前記混合容器保持部に接続され、前記混合容器中の試料を攪拌するための攪拌手段を有するものであることを特徴とする秤量混合装置。
  • 請求項 10記載の秤量混合装置において、
    前記分取機構による前記試料のトレーへの分配は、少量づつ数回に分けて行なうものであることを特徴とする秤量混合装置。
  • 請求項 10記載の秤量混合装置において、
    さらに、前記トレーに分配された試料の表面を平坦化する平坦化手段を備えることを特徴とする秤量混合装置。
  • 請求項 16記載の秤量混合装置において、
    前記平坦化手段は、
    トレーに分配された試料に液剤を供給する手段と、
    液剤供給後の試料をプレスして表面をほぼ平面に整形する手段とを備えるものであることを特徴とする秤量混合装置。
  • 複数種の無機物質原料を異なる組み合わせ比率で混合してなる試料を多数生成し分析する化学反応処理方法であって、
    前記複数の原料を所定の比率で混合して混合比の異なる複数の試料を生成し、この複数の試料を一枚の反応トレー上に所定量づつ配列する秤量混合工程と、
    前記反応トレー上の複数の試料を一度に加熱処理する加熱処理工程と、
    前記反応トレー上の複数の試料に対して順次所定の計測を行なう計測工程と、
    前記計測部による計測結果を分析する分析工程と を有 し、前記秤量混合工程は、前記複数の原料を混合容器中に所定の比率で分注し、この混合容器中で混合させる混合工程と、この混合容器から前記トレー上に試料を分取する分取工程とを有するものであることを特徴とする化学反応処理方法。
  • 請求項 18記載の化学反応処理方法において、
    前記原料は、スラリー状のものを用いることを特徴とする化学反応処理方法。
  • 請求項 18記載の化学反応処理方法において、
    前記秤量混合工程は、
    前記原料の容量によって秤量を行ないつつその原料を分注する工程を有することを特徴とする化学反応処理方法。
  • 請求項 18記載の化学反応処理方法において、
    前記分注工程は、
    前記分注された後の混合原料の容積が、前記全ての混合容器間で略等しくなると共に、各混合原料中の複数成分のモル数の和が略等しくなるように前記複数の原料を分注するものであることを特徴とする化学反応処理方法。
  • 請求項 18記載の 化学反応処理方法において、
    前記混合容器中の試料を攪拌するための攪拌工程を有するものであることを特徴とする化学反応処理方法。
  • 請求項 18記載の化学反応処理方法において、
    前記分取工程は、
    前記試料のトレーへの分配を、少量づつ数回に分けて行なうものであることを特徴とする化学反応処理方法。
  • 請求項 18記載の化学反応処理方法において、
    さらに、前記トレーに分配された試料の表面を平坦化する平坦化工程を有することを特徴とする化学反応処理方法。
  • 請求項 24記載の化学反応処理方法において、
    前記平坦化工程は、
    トレーに分配された試料に液剤を供給し試料を柔軟化する柔軟化工程と、
    液剤供給後の試料をプレスして表面をほぼ平面に整形する成形工程とからなることを特徴とする化学反応処理方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    この発明は、例えば、コンビナトリアル手法を用いて多数の生成物を得て、この多数の生成物の機能を高効率に解析することができる化学反応処理装置及び化学反応処理方法及びこれらに用いるための秤量混合装置に関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    近年、ファインセラミックス技術の進歩により、セラミックス材料の結晶構造、組成、結晶粒の大きさをミクロン〜ナノスケールで制御できるようになっている。 このため、セラミックス材料の電子材料への応用展開の途が急激に拡大している。
    【0003】
    なかでも、セラミックス酸化物は、誘電特性や磁気特性、電気導電性等において、幅広い物性を有する。 セラミックス材料の機能の多様性は、セラミックス材料として制御すべきパラメーターがその不定比性、結晶構造の異方性等も含めて極めて多様であることを意味している。
    【0004】
    その結果、従来のように物質を一つ一つ作成し、その性質を調べる方法では、目的の物質材料に到達するまでに膨大な時間がかかるばかりでなく、勘と経験の及ばない偶然な発見につながる可能性はきわめて低いということがある。 新規セラミックス材料の探索には、より多種の原料の多様な組み合わせを如何に系統的に制御しつつ生成しうるかが、キーポイントととなる。
    【0005】
    【発明が解決しようとする課題】
    この発明は、以上のような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、容易な制御により、多種多数の化学生成物を得ることができると共に、それらを高効率で分析評価することのできる化学反応処理装置、化学反応処理方法及びこれらに用いる秤量混合装置を提供することにある。
    【0006】
    上記目的を達成するため、この発明の第1の主要な観点によれば、複数種の無機物質原料を異なる組み合わせ比率で混合してなる試料を多数生成し分析する化学反応処理装置において、前記複数の原料を所定の比率で混合して混合比の異なる複数の試料を生成し、この複数の試料を一枚の反応トレー上に所定量づつ配列する秤量混合部と、前記反応トレー上の複数の試料を一度に加熱処理するための加熱処理部と、前記反応トレー上の複数の試料に対して順次所定の計測を行なう計測部と、前記計測部による計測結果を分析する分析部とを有し、前記秤量混合部は、前記原料が分注、混合される複数の混合容器を保持する混合容器保持部と、この混合容器から前記トレー上に試料を分取するための分取機構とを有するものであることを特徴とする化学反応処理装置が提供される。
    【0007】
    このような構成によれば、例えばコンビナトリアル手法により1度に多種多数の生成物を得ることができると共に、それらを高効率で分析評価することができる。 また、原料を、一旦混合容器中で混合してからトレー上に分取するようにしたから、直接トレー上に分取混合する場合と比較して材料の混合をより効果的に行なえる。
    【0008】
    また、前記原料は、スラリー状のもの、若しくは液状のものであることが好ましい。 この場合、前記装置は、これらの原料を容量によって秤量すると共にその原料を分注する分注機構をさらに有することが望ましい。
    【0009】
    このような構成によれば、原料の秤量をピペットによる吸引若しくは吐出容量で行うことができ構成及び分注制御が簡略化する。 さらに、スラリー状の原料を使用することにより、原料の混合が効率的に行なえる。 なお、より効果的に均一な混合を行なうためには、前記混合部は、攪拌手段を設けることが好ましい。
    【0012】
    さらに、ここで、前記ピペット機構により分注された後の混合原料の容積が前記全ての混合容器間で略等しくなると共に、各混合原料中の複数成分のモル数の和が略等しくなるように設定されていることが好ましい。
    【0013】
    このようにすると、異なるモル比率で2以上の原料を混合して複数の試料を生成した場合であっても、各試料の単位当りのモル数は等しくなる。 このことにより、分析工程での測定条件の調整が試料間で容易に行なえる。
    【0014】
    また、前記分取ピペットによる前記試料のトレーへの分配は、少量づつ数回に分けて行なうものであることが好ましい。
    【0015】
    このような構成によれば、試料の乾燥が効果的に行なえる。
    【0016】
    一方、この装置は、前記トレーに分配された試料の表面を平坦化する平坦化手段を備えることが好ましく、この平坦化手段は、トレーに分配された試料に液剤を供給する手段と、液剤供給後の試料をプレスして表面をほぼ平面に整形する手段とを備えるものであることが望ましい。
    【0017】
    このような構成によれば、試料の表面が平坦化されるから、前記計測部による計測を精度良く行なうことが可能である。
    【0018】
    また、この発明の第2の主要な観点によれば、複数種の無機物質原料を所定の比率で分注混合して混合比の異なる複数の試料を生成する分注手段と、この複数の試料を一枚の反応トレー上に所定量づつ分取配列する分取手段とを有し、前記原料が分注、混合される複数の混合容器を保持する混合容器保持部と、この混合容器から前記トレー上に試料を分取するための分取機構とを有するものであることを特徴とする秤量混合装置が提供される。 この秤量混合装置は、この発明の第1の観点に係る前記化学反応処理装置に用いられることが好ましく、この化学反応処理装置の前記秤量混合部の前述した特徴を備えるものであることがさらに好ましい。
    【0019】
    さらに、この発明の第3の主要な観点によれば、複数種の無機物質原料を異なる組み合わせ比率で混合してなる試料を多数生成し分析する化学反応処理方法であって、前記複数の原料を所定の比率で混合して混合比の異なる複数の試料を生成し、この複数の試料を一枚の反応トレー上に所定量づつ配列する秤量混合工程と、前記反応トレー上の複数の試料を一度に加熱処理する加熱処理工程と、前記反応トレー上の複数の試料に対して順次所定の計測を行なう計測工程と、前記計測部による計測結果を分析する分析工程とを有し、前記秤量混合工程は、前記複数の原料を混合容器中に所定の比率で分注し、この混合容器中で混合させる混合工程と、この混合容器から前記トレー上に試料を分取する分取工程とを有するものであることを特徴とする化学反応処理方法が提供される。
    【0020】
    このような構成によれば、例えばコンビナトリアル手法により1度に多種多数の生成物を得ることができると共に、それらを高効率で分析評価することができる。
    【0021】
    なお、この発明の他の特徴と顕著な効果は、次の項で説明する実施形態と図面を参酌することによって当業者により明確に理解できる。
    【0022】
    【発明の実施の形態】
    以下、この発明の一実施形態としてのコンビナトリアル合成システムを例にとり、図面を参照して説明する。
    【0023】
    図1に示すように、このシステムは、無機物質原料を秤量・分注・混合するための秤量混合部1と、分注・混合された試料を焼成するための加熱装置部2と、焼成した試料をX線回折分析するためのX線回折装置部3と、これら装置1〜3間で試料等を搬送するための搬送機構4とからなる。 また、このシステムは、中央制御部5を有し、この中央制御部5は、秤量、分注、混合、分取、雰囲気調整、熱処理、X線回折測定の各要素操作を自動的に連続的に実行させる機能を有する。 また、この中央制御部5は、例えば、データ照合解析装置部6に接続されており、この照合解析装置部6は、最終的にデータベースとの照合により相同定と反応図を作成する機能を有する。
    【0024】
    また、図2(a)〜(d)は、上記システムによる処理プロセスを模式化したものであり、図3は、前記秤量混合部1の制御系統を示した図である。 以下、上記各構成要素を、図1〜図3を参照してさらに詳しく説明する。
    【0025】
    (秤量混合部)
    秤量混合部1は、図1に示すように、スラリー状の原料を保持する原料ボトル10を保持する複数の原料ボトル保持部11と、各原料が分注され所定の比率で混合される複数の混合容器12(例えば試験管)を保持する混合容器保持部13と、前記混合容器12内の各試料が各々分配される複数の凹部14を有する反応トレー15を保持する反応トレー保持部16とを有する。 この実施形態では、図1及び図2(a)に示すように、前記混合容器12は25個用意され、原料混合比の異なる25種類の試料を作成できるようになっている。 そして、反応トレー15は、混合容器12の数に対応した所定容量の25個の凹部14(Well)を有する。
    【0026】
    また、この秤量混合部1は、前記搬送機構4によって前記原料ボトル10と混合容器12との間を移動する分注ピペット17と、混合容器12と反応トレー15との間を移動する分取ピペット18を具備する。 この分注ピペット17及び分取ピペット18は、同図に点線で示すように、前記搬送機構4の搬送ヘッド19に着脱可能に保持され、分注及び分取動作に使用される。
    【0027】
    さらに、前記混合容器保持部13には、前記混合容器12に振動を与えて攪拌を行なうための攪拌機構20が取り付けられている。 さらに、前記反応トレー保持部16には、ヒータ等の加熱部(図3に示す22)が設けられていると共に、このトレー保持部15に対向する位置には、前記搬送機構4の搬送ヘッド19に着脱可能に取り付けられて前記トレー15を把持搬送するためのハンド32が設けられている。
    【0028】
    図3は、この秤量混合部1の制御系統を示すブロック図である。
    【0029】
    この図のうち、以上で述べていない構成について説明すると、吸引吐出量制御部24は、前記分注ピペット17及び分取ピペット18に接続され、この分注ピペット17及び分取ピペット18による原料の吸引量及び吐出量を制御するものである。 雰囲気ガス供給部25は、この秤量混合部1内の雰囲気を好適に制御するため例えば、所定温度の乾燥空気を連続的に供給するものである。 なお、この雰囲気ガス供給部25は、前記加熱装置部2及びX線回折装置部3中の雰囲気についても個別に制御できるようになっている。
    【0030】
    さらに、この図に示す秤量混合部制御部26は、前記中央制御部5内に設けられたものである。 この秤量混合部制御部26には、混合パターン設定部27、分注シーケンス格納部28、分取シーケンス格納部29及び雰囲気制御シーケンス格納部30が接続されている。 混合パターン制御部27は、前記各混合容器12に対する原料の混合パターンが、後で詳しく説明するように例えばモル比で規定されて格納されたものである。 分注シーケンス及び分取シーケンスは、分注及び分取動作時の前記搬送機構4(ピペット17、18)の移動経路を格納したものである。 さらに、前記雰囲気制御シーケンスは、前記雰囲気ガス供給部25の動作タイミングを格納したものである。
    【0031】
    次に、各装置の動作を詳しく説明する。
    【0032】
    まず、分注動作について説明する。
    【0033】
    分注動作では、図2(a)に示すように前記分注ピペット17を利用し、前記各原料ボトル10から所定容量の原料を採取し、これを、各混合容器12に対して異なる混合比となるように分注する。 ここで、この実施形態においては、スラリー状の原料を用いる。 このことにより、原料をピペット17、18による吸引容量で秤量することができ、かつ、均一な混合が可能になる。
    【0034】
    ここで、スラリーとは、細かい固体粒子(粒径数十〜数百nmの微粒子を前提とする)を液体の中に懸濁させてなる流動性のある泥漿状のものである。 この実施形態で用いる金属酸化物(例えば、TiO ,SnO ,Al 等)等のスラリーは、粘土にを加えてなるスラリーに類似する。 この実施形態では、原料スラリーは30〜100nm(1mm=10 nm)の金属酸化物等の微粒子を水または有機溶媒(例えば、エタノール)に懸濁させたものであることが好ましい。 また、今回用いる原料スラリーの濃度は、最大で40重量%(例えば、水60g+酸化物40g)、最小で5重量%程度である。
    【0035】
    一般には、異種の原料スラリーを混合する場合、異種微粒子間で凝集が起きやすく、均質なスラリーとなりにくいが、この実施形態では、これを克服するため、前記攪拌機構20を有する。 また、このような機械的な攪拌に限らず、例えば、超音波印加、不活性ガスのバヴリングまたは化学的(例えば、特殊な界面活性剤等の添加)な手法によって凝集問題を克服するようにしても良い。
    【0036】
    図4(a)〜(c)に一例として酸化チタンと酸化スズのアルコールスラリーを混合した例を示す。 混合比は混合モル比で0.75/0.25である。 図4(a)、(b)に混合前の各スラリー中の粒径分布を、図4(c)に混合後の粒径分布を示す。 この例は、前記攪拌機構20を作動させていない例であるが、図4(c)
    から分かるように凝集はなく、混合の均質性も優れている。 また、この試料による焼成結果もルチル構造固溶体の単一相が生成することを示した。
    【0037】
    また、ピペット17の吸引容量により秤量を行なう場合、複数のピペット17で同じモル数の原料を吸引するための各ピペットの1回当りの容量v(秤量容積)は、次のように設定することが好ましい。
    【0038】
    すなわち、原料成分(種類)をA、B、C、・・・、N、それらの分子量をMa,Mb,Mc,・・・,Mn(但し、成分MxOyの分子量を[M]とするとき、ここでいう分子量は[M]/xで定義される)、スラリー濃度をCa,Cb,Cc,・・・Cn、それらの最大秤量容積をVa,Vb,Vc,・・・,Vn、それらの1回当たりの秤量容積をva,vb,vc,・・・,vnで表すと、そのとき、以下の両式が成立するようにV及びvを設定する必要がある。
    (Va×Ca)/Ma=(Vb×Cb)/Mb=(Vc×Cc)/Mc=・・・=(Vn×Cn)/Mn…式(1)
    及びVa/va= Vb/vb=Vc/vc=・・・=Vn/vn…式(2)
    【0039】
    また、原料を選択するとき、以下の条件に近い選択をすることが好ましい。
    Ca/Ma≒Cb/Mb≒Cc/Mc≒・・・≒Cn/Mn…式(3)
    このようにするとVa≒Vb≒Vc≒・・・≒Vc 、及び va≒vb≒vc≒・・・≒vc…式(4)
    となり、各混合容器12に対して異なるモル比率で各原料を混合した場合でも、異なる混合容器12中の混合スラリーの合計容積および単位容積当りの全モル数が近似する。 すなわち、配合比をモル分率で設定した場合に、容量による秤量が行なえ、かつ各混合スラリーの単位容積当りの各成分のモル数の和がほぼ同一になる。 このことにより、分注における制御が非常に簡略化され、その分精度が向上する。 なお、出荷原料をこのように調整しておくと、合成操作上非常に都合が良い。
    【0040】
    なお、配合比であるモル分率は、fa,fb,fc,・・・,fn(但し、fa+fb+fc+・・・+fn=1)で表され、評価の際には、例えば、成分数が3の場合は、正三形の3辺をモル分率座標軸としてそれぞれ3成分のどれかに対応させ、それらの混合割合(即ち混合組成)をプロットして行なう。 例えば、3成分が同じ割合で含まれる場合は、正三角形の重心の位置にプロットされる。
    【0041】
    次に、分取工程について説明する。
    【0042】
    分取工程は、前記各混合容器12内で混合された試料を、前記分取ピペット18で採取し、前記反応トレー15上の凹部14に分取する工程である。 この工程では、各凹部14に分取された試料の乾燥を十分に行なうため、一度に多くの分配を行なうことはせず、前記加熱部22で前記トレー15を80℃〜200℃に加熱すると共に少量ずつ配分することによって乾燥を促進させる。 そして、全凹部14について必要量を分取後、各凹部14の試料に若干のエタノールを滴下し、反応トレー15上に成形用プレス板を移動し、全凹部14の試料群を一括してプレス・モールディングし試料上面を平坦に成形する。
    【0043】
    すなわち、各凹部14には、容器に飯(ライス)を盛るように試料が分取されるので、それらの山状試料群を平板でプレスし、頂上を平らにする。 乾燥後は変形しにくいので盛り上げられた反応物に少量のアルコール等を滴下しある程度柔軟性をもたせた後プレスする。 なお、各凹部14の試料群の間で頂上のレベルが近似していることが好ましいので、分取の時点で山の大きさを近似させると同時に、プレス成形は一括して実施することが好ましい。
    【0044】
    なお、上記エタノールの滴下及びプレス成形は、熱処理後にX線回折測定を行う時に必要な試料表面の平面性、平坦性を確保するために行うものである。 したがって、必ずしもこの時点で行なう必要はなく、場合によってはX線回折測定装置3の直前で行なわれるように構成されていても良い。 また、エタノールの滴下に代えて他の手段によって試料を柔軟化させても良い。 一方、柔軟化を図る必要がない場合にはそのままプレス整形するようにしても良い。 さらに、別の方法、例えば切削加工により試料の上部を削り取ることにより試料の平面性を確保するようにしても良い。
    【0045】
    (加熱装置部)
    次に、加熱装置部2による加熱処理工程について説明する。
    【0046】
    前記分取が終了したならば、前記搬送機構4は、図1に32に示すハンドを利用して前記トレー15を把持し、このトレー15を前記加熱装置部2に搬送する。
    【0047】
    この加熱装置部2は、試料群を所定の雰囲気、合成温度、反応時間で熱処理する合成炉である。 具体的には、図2(b)に示すように、前記トレー15は、加熱コイル中に位置され、加熱される。
    【0048】
    なお、複数枚の反応トレー15を一括して熱処理することも可能である。 特に、原料数すなわち成分数が3種類を越すような場合には、例えば成分数3とすると各成分の割合を0〜1の間で0.1刻みにするだけでも約66の組み合わせができることになり、これらを同一の反応温度、雰囲気等の条件下で一括熱処理することは、効率及び同一反応条件の確保の視点から望ましい。
    【0049】
    また、反応トレー15の加熱は、コイルを用いた方式に限定されるものではなく、他の方式、例えば、高周波加熱やセラミックス発熱体等による方式等を採用することも可能である。
    【0050】
    (X線回折装置部及び分析)
    前記加熱装置部2による加熱処理工程が終了したならば、前記搬送機構4は、前記ハンド32を利用して前記トレー15を把持し、このトレー15をX線回折装置部3に搬送する。
    【0051】
    このX線回折装置部3は、前記反応トレー15を所定の試料測定位置へ搬送して固定した後、図2(c)に示すように、トレー15上の各試料を順次入射X線ビームL中に晒すように位置調整を行い、X線回折線を計測し、その収録データをJCPDSファイル(JCPDSは著名なX線回折データファイルである)に照合できる形式に変換する。 ついでそのデータを反応トレー15上の各試料と1対1に対応させて出する機能を有する。
    【0052】
    出力されたデータは、前記中央制御部5を介して照合解析装置部6に送られ、その解析・照合が行なわれる。
    【0053】
    すなわち、この照合解析装置部6は、反応トレー15上の各試料から測定されたX線回折データ(X線強度を回折角度の関数として得る)を既存のデータファイル(JCPDSファイル)と照合し、生成物中の既知相を抽出および未知相の回折図を抽出する操作を行なう。 そして、この照合解析装置部6は、この操作を反応トレー15上の全ての試料について行い、原料数をnとしてn次元空間に解析照合結果をプロットし、図2(d)に示すような反応図を作成、登録、印刷する。
    【0054】
    次に、図2(d)を参照して、この反応図を詳細に説明する。
    【0055】
    この図は、A1,A2,A3,・・Anをn個の元素とし、それらの酸化物をA1O,A2O2,A32O3,・・AnO2で表すとき、AmxOy(m:1〜n、x:1〜2、y:1〜3)それぞれの含有量を座標軸とし、n次元座標系を形成する。 そのn次元座標系においてそれぞれの成分酸化物が100%のときを1とし、混合組成の場合はその混合割合を表す地点に、その混合物を所定の温度条件等で加熱して得られた生成物の内容(複数の生成相を含む場合はその生成割合)をプロットしたものである。 同様にして各地点に関して合成結果をプロットして、n次元座標系を完成したものが反応図である。
    【0056】
    図(d)は、n=3、原料がAO 、B 、C O、温度Tの場合を図示したものである。
    【0057】
    以上述べたように、この発明によれば、容易な制御により、コンビナトリアル手法による多種多数の生成物を得ることができると共に、それらを高効率で分析評価することのできる物質合成分析装置を提供することができる。
    【0058】
    また、この実施形態によれば、原料の秤量をピペット17による吸引若しくは吐出容量で行うことができるから、構成及び分注制御が簡略化する。 さらに、スラリー状の原料を使用することにより、原料の混合が効率的に行なえる。
    【0059】
    さらに、上記実施形態で、前記スラリー状の原料について単位容積当りのモル数が等しく設定されていれば、異なるモル比率で2以上の原料を混合して複数の試料を生成した場合であっても、各試料の単位容積当りのモル数は略等しくなる。 このことにより、分析工程での測定条件の調整が試料間で容易に行なえる。
    【0060】
    また、前記分取ピペット18による前記試料のトレー15への分配は、少量づつ数回に分けて行なうようにしているから、試料の乾燥が効果的に行なえ、より高品質な焼成品を得ることができる。
    【0061】
    なお、この発明は、上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
    【0062】
    例えば、上記一実施形態では、前記搬送機構は、直線状に移動するヘッドを備えていたが、XYZ方向に移動するもの、θRZ方向(極座標系)に移動するものであっても良い。
    【0063】
    さらに、上記一実施形態では、2種類の原料のみを使用するものであったが、これに限定されるものではない。
    【0064】
    また、上記一実施形態では、スラリー状の原料を用いていたが、金属アルコキシドのように水やアルコールなどの溶媒に溶解することにより混合性が良好になるもの、あるいは数十〜数百nm程度の金属や酸化物微粒子などのように適度な液剤を加えることにより混合性を良好にできる物質類などであれば、これに代えて使用することができる。
    【0065】
    さらに、上記一実施形態では、セラミックスのコンビナトリアル合成装置を例にとって説明したが、これに限定されるものではなく、多様な化学反応処理装置として種々応用可能である。 例えば、前記秤量混合部の機能は、粉末物質の酸処理条件の最適化の一括処理や自己組織化反応処理などにも適用できる。
    【0066】
    【発明の効果】
    以上述べたように、この発明によれば、容易な制御により、コンビナトリアル手法による多種多数の生成物を得ることができると共に、それらを高効率で分析評価することのできる化学分析処理装置及びその方法を提供することができる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】この発明の一実施形態を示す概略構成図。
    【図2】同じく、処理工程を示す模式図。
    【図3】同じく、秤量混合部のシステム構成を示すブロック図。
    【図4】同じく、スラリーの粒度分布を示すチャート。
    【符号の説明】
    1…秤量混合部2…加熱装置部3…X線回折装置部4…搬送機構5…中央制御部6…データ照合解析装置部10…原料ボトル11…原料ボトル保持部12…混合容器13…混合容器保持部14…凹部15…反応トレー16…反応トレー保持部17…分注ピペット18…分取ピペット19…搬送ヘッド20…攪拌機構22…試料加熱部24…吸引吐出量制御部25…雰囲気ガス供給部26…秤量混合部制御部27…混合パターン制御部28…分注シーケンス格納部29…分取シーケンス格納部30…雰囲気制御シーケンス格納部32…ハンド

    QQ群二维码
    意见反馈