Combinatorial libraries and methods for their including pouches as packages for library elements

申请号 JP2002567597 申请日 2001-07-09 公开(公告)号 JP2004532821A 公开(公告)日 2004-10-28
申请人 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー; 发明人 ディー. コーチャー,スティーブン; ジェイ. サーノホウス,ジェフリー; エイチ.ジュニア シコルスキ,ウィリアム; ピー. ダニエルス,マイケル; エフ. デュアー,ブルック; マ,ジンジン; エイチ. マッキントッシュ,レスター; ビー. ロスコー,スティーブン;
摘要 流体 不浸透性で、シールされているかまたはシールが可能で、フレキシブルで自立性のあるパウチを含むコンビナトリアルアレイであって、それぞれのパウチがその内部に材料のライブラリの1種または複数の要素を含んでいる。 さらに、そのようなライブラリの要素を製造する方法も開示されている。 その方法では、パウチの中に成分を導入するのに自動化法を用いることもできる。 生成物は、破壊法によっても、あるいは非破壊法によっても分析できる。
权利要求
  • 流体不浸透性でフレキシブルで自立性のあるパウチを含み、それぞれのパウチがその内部に材料のライブラリの要素を含む、コンビナトリアルアレイ。
  • 前記パウチが、ポリマーフィルム、金属箔、ならびに、ポリマーフィルム、金属箔、紙材料、織布材料、不織布材料およびバイオマテリアルの1種または複数の複合材料からなる群より選択される、請求項1に記載のアレイ。
  • 前記パウチが、粘弾性を任意に有するポリマーフィルムを含む、請求項2に記載のアレイ。
  • 前記パウチが、シール可能であり、前記パウチの1つまたは複数が任意にシールされている、請求項1に記載のアレイ。
  • 前記パウチの1つまたは複数が、化学線照射に対して透過性である、請求項1に記載のアレイ。
  • 前記材料が、化合物、ポリマー、ならびに、前述のいずれかのブレンドおよびアロイの1種または複数を含む、請求項1に記載のアレイ。
  • 前記材料が生物学的種を含む、請求項1に記載のアレイ。
  • 前記材料が、溶液およびエマルションからなる群より選択される、請求項1に記載のアレイ。
  • 縦方向または横方向の一方または双方に組織化されている、請求項1に記載のアレイ。
  • コンビナトリアル化学的要素およびコンビナトリアル物理的要素の一方または双方を含む、請求項1に記載のアレイ。
  • 前記パウチが、ポリオレフィン、ポリジエン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミン、ポリシクロオレフィン、ポリホスファジン、ポリアセテートおよびポリアクリレートのホモポリマーおよびコポリマーからなる群より選択される、単層フィルムまたは複層の積層フィルムを含む、請求項1に記載のアレイ。
  • 前記パウチが、第2、3、4、5、6、7および8族金属の金属箔を含む、請求項1に記載のアレイ。
  • 材料のコンビナトリアルライブラリを合成するための方法であって、以下の、
    a)複数の、流体不浸透性でフレキシブルで自立性のあるパウチを準備する工程であって、それぞれのパウチの内部には、1種または複数の、材料のコンビナトリアルライブラリの要素を製造するための成分が含まれている工程、およびb)前記パウチを調節した環境に暴露し、前記成分の間で相互作用を起こし、それによって材料の前記コンビナトリアルライブラリを作製する工程、を含む方法。
  • 前記成分が、同時的および逐次的の一方または双方によって添加される、請求項13に記載の方法。
  • 前記成分の1種または複数が、前記パウチがシールされた後で添加される、請求項13に記載の方法。
  • 前記成分が1つまたは複数の内蔵パウチから添加される、請求項15に記載の方法。
  • 前記調節した環境が、さらに添加のエネルギーを含み、ここで前記添加エネルギーが任意に、熱、放射線、機械的、および超音波エネルギーからなる群より選択される、請求項13に記載の方法。
  • 前記成分の相互作用が、化学反応を含む、請求項13に記載の方法。
  • 前記成分の相互作用が、物理反応を含む、請求項13に記載の方法。
  • 前記材料のライブラリが、縦方向または横方向の一方または双方に組織化されている、請求項13に記載の方法。
  • 前記成分が、前記パウチの中に自動化プロセスにより導入される、請求項13に記載の方法。
  • 前記製造された材料のコンビナトリアルライブラリを非破壊法または破壊法によって分析する工程をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  • 前記材料がマクロスケールの量で製造される、請求項13に記載の方法。
  • 請求項13の方法により製造される生成物のコンビナトリアルライブラリ。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    コンビナトリアルライブラリには、ライブラリの要素を製造し、含むための、シールされたフレキシブルで自立性のあるパウチを含む。
    【背景技術】
    【0002】
    コンビナトリアルアレイの作製には、ライブラリを構成する莫大な数の試料を合成すること、およびそれぞれの試料の有効性を決定するために設計された評価法によりそれらの試料を迅速にスクリーニングすることの、両方に焦点をあてた探索方法が含まれる。 この方法はそのスピードと徹底性が特徴で、医薬品産業においては革新的な技術としてすでにその地位を占めている。 この方法の態様は、材料やプロセスの研究にも応用されてきた。
    【発明の開示】
    【発明が解決しようとする課題】
    【0003】
    より具体的には、研究の別な分野としてコンビナトリアル合成が始まったのは、固形ポリマーピンのアレイの上でのオリゴペプチドの固相合成であった(PCT国際公開、WO84/03504)。 このアプローチが、小さなポリマー球体上への各種の化合物の合成に急速に発展し、それを分離混合(split−and−mix)合成にかけようとするものとなった(たとえば、Acc.Chem.Res.special issue、1996年、29(3)巻、144〜154頁参照)。 このアプローチを使用することで、10 6以上の個別の分子のライブラリを形成し、生物学的活性をスクリーニングすることができた。 しかしながら、これらの方法には大きな弱点がある。 その無視できない弱点の一つは、合成中、対象の分子を表面に化学的に結合させる必要があるということである。 表面に付着させた生物学的ポリマーのアレイを合成するのに成功した例もあるが(米国特許第5,143,854号)、その技術は、材料への応用に関しては一般性に欠けている。 さらに、セラミックスのような広義のアレイ固相は、そのような表面担持法では作製できない。 別の標準的なコンビナトリアル化学技術で、一つの容器の中で広い範囲の別々な分子を調製し、次いで所望の性質(典型的には生物学的活性)でスクリーニングしようとするものは、個別の成分の応答では大きなライブラリを識別することが事実上不可能なような材料の合成には適用できない。 それに加えて、材料の性質は典型的には分子、原子またはイオンの集合体の性質であるので、個々の成分の性質が複合混合物の性質に反映されえないこともある。
    【0004】
    材料の平行合成の研究は、薄膜合成に重点を置いていた。 たとえば、J. J. ハナク(Hanak)、J. マーテル(Mater)のJ. Mater. Sci. 1970年、5巻、964〜971頁および米国特許第5,985,356号およびWO00/04362を参照されたい。 そのような方法の応用には限度があるが、その理由は、多くの材料では、気相前駆体から調製するには信頼性が乏しく、反応させても、マクロスケールの合成で示されるのと同じ性質を与えることができないからである。 WO98/36826およびWO99/52962には、それぞれ、無機および有機材料をマクロスケールで調製することが記載されている。 しかしながら、これらの方法には、小スケールでライブラリ要素を合成することが含まれているため、同一の材料を工業的に調製するのとは、重要な点(滞留時間、熱移動など)において必然的に違いが生じてしまう。 大規模で生産される商業的な材料の最終的な性質には、製造工程のパラメータが重要な役割を果たしているのは、業界周知のことである。
    【0005】
    材料のライブラリを合成する条件の探索は、単一基材(米国特許第5,345,213号、米国特許第5,356,756号)や複数基材(米国特許第6,004,617号)で条件を変更して検討されてきた。 しかしながら、いずれの場合においても得られる試料は薄いフィルムである。 市販されている機器を用いて、各種の製造工程条件を評価することは可能であり、そのような機器としてはたとえばアルゴノウト・ノウチラス・オーガニック・シンセサイザー(Argonaut Nautilus organic synthesizer)(アルゴノウト・テクノロジーズ(Argonaut Technologies)、カリフォルニア州、サンカルロス(San Carlos CA))がある。 しかしながら、この場合も試料が得られるのは小スケールであるので、スケールアップに関する問題点は依然として残っている。
    【0006】
    化合物の1次元アレイは公知で(WO99/42605)、そこでは、化合物を細長い支持体(糸)の上で合成し、それぞれの成分の表れる頻度により同定を行っている。 WO99/32705には、パウチとしての糸が記載されており、それぞれに別々の化合物を収めるように考えられている。 このパウチはマイクロフィラメントのポリプロピレンでできていて、流体が浸透でき、照射による処理が可能となっているので、ライブラリの要素をパウチの表面に付着させることが可能である。 各種のパウチを使わない設計も提案されていて、分子ライブラリをテープの上に支持するようなものもある(WO00/15653、GB2,295,152)。
    【課題を解決するための手段】
    【0007】
    簡潔に示せば、本発明は、流体不浸透性でフレキシブルで自立性のあるパウチを含むコンビナトリアルアレイを提供するものであって、それぞれのパウチの内部には、1種または複数の、材料の組織的なライブラリの要素が含まれる。
    【0008】
    別の態様においては、本発明は、材料のコンビナトリアルライブラリを合成するための方法を提供するものであって、それには、
    a)複数の、流体不浸透性でフレキシブルで自立性のあるパウチを準備する工程であって、それぞれのパウチの内部には、1種または複数の、材料のコンビナトリアルライブラリの要素が含まれている工程、
    b)前記パウチを調節した環境に暴露し、成分の間での相互作用を起こさせ、それによって材料のコンビナトリアルライブラリを作製する工程、およびc)任意に、非破壊法および破壊法の一方または双方を用いて、こうして得られた材料のライブラリの要素を分析する工程、
    が含まれる。
    【0009】
    本発明の方法においては、コンビナトリアルライブラリの要素を作製するための反応混合物の成分は、同時にまたは逐次的に、フレキシブルなパウチの中に添加することができる。 このパウチは、自立性があり好ましくは単一構成であるが、それぞれ互いに対して時間的に間隔を置くこともできる。 それぞれ個々のシールされたパウチを、特定の反応ゾーンを好ましくは1列の形で(in linear fashion)通過させることで、化学的または物理的反応を起こさせる。 このシールされたパウチを外部環境に対するバリアーとすることで、パッケージが、材料のそれぞれのライブラリの要素を合成、分析、貯蔵するための場所となる。 ほとんどの実施態様において、ライブラリの要素がパウチの表面の内部には付着しないのが好ましい。
    【0010】
    パウチの中に別々に収納されている試料を、そのままの形で、たとえば、IR(赤外)分光光度法、遠赤外分光光度法、UV(紫外)分光光度法、インピーダンス測定、超音波などを用いてスクリーニングすることができる。 さらに、そのような試料にはラベル(たとえば、バーコードなど)を付けることも可能で、任意に他のパウチから分離して、ラベルを付けてから個別に保管することも、または一群のパウチとしてさらに次の反応または分析にかけることもできる。
    【0011】
    本明細書において使用する場合、次のように定義する:
    「化学線照射」とは、電磁照射、好ましくはUV、マイクロ波および赤外線の照射を意味する;
    「アロイ」とは、成分の均一な混合物を意味する;
    「ブレンド」とは、成分の不均一な混合物を意味する;
    「内蔵(captive)」パウチとは、主パウチより小さなパウチで、主パウチの中に封入されるものを意味する;
    「化学的結合(chemical binding)」とは、共有結合またはイオン結合またはその他の化学結合を意味する;
    「コンビナトリアル化学アレイ」とは、パウチのマトリックスまたはライブラリであって、その内容物が成分の化学反応によって製造されて、たとえば化合物またはポリマーとなったものを意味する;
    「コンビナトリアル物理アレイ」とは、パウチのマトリックスまたはライブラリであって、その内容物が成分のブレンド、混合またはアロイ生成による物理反応によって得られたものを意味する;
    「フレキシブル」とは、直径10cm、好ましくは2cm、より好ましくは1または2mm、最も好ましくは0.25mm以下の丸棒の周りに曲げることが可能であることを意味する;
    「フィルム」とは、シート状の材料でパウチにするのに適したものを意味する;
    「不浸透性」とは、処理工程の間に、パウチを通過して反応を妨害する程の移動が無いことを意味する;
    「マクロスケール」とは、反応混合物の量が、約0.1g、好ましくは0.5g、最も好ましくは1.0g以上で、商業的に生産するのに適した量であることを意味する;
    「物理的結束(physical binding)」とは、クリップ、テープ、接着剤などの物理的な結束手段を意味する;
    「パウチ」とは、フィルムから作った、フレキシブルで自立性がある、バッグ、パッケージまたは反応容器を意味し、このフィルムは好ましくは、その内部の材料に対しては不活性で、周囲の環境中の流体に対しては不浸透性であるのが好ましい;
    適合性のある材料を組み合わせて使用してもよいが、単一構成であるのが好ましい;
    「主パウチ(primary pouch)」とは、その内部に、1種または複数の個別のコンビナトリアルライブラリの要素またはその前駆体を含み、任意に1つまたは複数の内蔵パウチを収納しているものを意味する;
    「照射エネルギー」とは、化学線照射、可視光照射、電子線、ガンマ線、X線などを意味する;
    「自立性のパウチ」とは、コンベアで移動させることが可能であるが、個々のパウチまたはパウチをまとめたものが自立性があって、支持体に化学的に接着されていないことを意味する;
    「時間的に別々に(separated temporally)」とは、リニアアレイにおけるように、ある地点を時間的に別に、すなわち逐次的に通過することを意味する;そして、
    「単一構成」とは、セプタム(septum)が存在する場合を除いて1種の材料でできていることを意味するが、セプタムは異なった材料でできていても構わない。
    【0012】
    たとえば米国特許第5,985,356号、米国特許第5,677,195号およびWO84/03564などに例示されている、従来からのハイスループットな合成方法よりも、本発明の方法を使用する方が、明らかに有利である。 そのような利点の一つとして、本明細書に記載されている方法は、所望に応じてライブラリにパウチを加えることで、連続法として実施できることがある。 そのようにすれば、使用されるマイクロタイタープレートのサイズによる制限を受けることがないので、この方法で形成されるライブラリを大きくすることが可能となる。 本発明は連続法とすることが可能なので、典型的なコンビナトリアル法とは異なって、より容積の大きな反応容器を用いて、高速で実施することができる。 本発明においては、ライブラリ要素は、マクロスケールな量の要素、一般には数g、好ましくは1gを超える量で製造することができる。 パウチの中の材料は、10gにも、あるいは100g以上にもすることができる。
    【0013】
    本発明のまた別の利点は、パウチの内部で実施する反応を、商業生産規模に容易にスケールアップすることが可能なことで、それには使用するパウチのサイズを大きくするか、および/または、所望の反応を実施するパウチの数を増やせばよい。 商業生産に使用するパウチのサイズは、どのような大きさであってもよいが、典型的には13cm×5cmから100cm×100cmとすることができる。 また、同一のタイプのパウチの中で、広い範囲の反応化学を実施することが可能であって、これはすなわち、そのような反応は、化合物、ポリマー、またはブレンドおよびアロイ、さらには生物学的種(biological species)などを得るための、化学的または物理的反応の基づいたものとすることができる。 これらの反応は、反応ゾーンに加えるエネルギーのタイプによって調節することが可能である。 典型的なコンビナトリアル合成法とは異なって本発明の方法は、反応条件だけでなく、それぞれのパウチが反応条件に置かれる時間の長さも、変更または調節する能を備えている。 本発明の方法はさらに、反応の工程の途中に、個々の試料を瞬時に添加、抜き出しあるいは変更することも可能となっている。
    【発明を実施するための最良の形態】
    【0014】
    本発明は化学合成した、または物理的に混合した材料のライブラリをハイスループットで調製する新規な方法を提供する。 本発明により合成したライブラリは、空間的、時間的に分離することができる。 使用する反応容器のタイプの効果で、これらのライブラリはそれ以上の加工を必要とせず容易に保存することができる。 本発明では、たとえば米国特許第5,985,356号に例示されているように、複数の成分を同時にまたは逐次的に組み合わせる工程を採用して、ライブラリまたはアレイを得ることができる。 本発明によれば、ライブラリまたはアレイの要素は、反応容器中に収納され、その反応容器はフレキシブルパウチである。 個々のパウチを反応ゾーンまたは操作ゾーンを通過させることによって、それぞれのフレキシブルパウチの中で化学反応または物理的混合を可能にさせる。 パッケージ材料によって、好ましくは内部の成分に対しては不活性で、かつ外部に対するバリアーとなる環境が与えられる。 多くの用途においては、成分や生成物がパウチの表面に付着しないことが好ましいが、実施態様によっては付着する方が有利となることもあり得る。 次いで、個々のフレキシブルパウチの内容物を各種の非破壊法または破壊法の手段によって分析し、反応や混合の進行状況やさらには得られた材料の性質を知ることができる。 別な方法としては、このパウチをライブラリとして保存しておいて、後程再利用したり分析をすることもできる。 本発明においては、ラベリング方法、限定される訳ではないが、たとえばバーコードまたは電波方式認識(radio frequency identification、RFID)タグなどを組み入れれば、合成した材料のライブラリの分類、貯蔵、再使用のための迅速かつ効率的な手段となろう。
    【0015】
    化合物や生物学的種は、各種の方法を用いて製造することができるが、そのような方法としてはたとえば、溶液反応で、反応生成物が反応媒体の中に溶解したまま残るもの、懸濁反応で、反応生成物が反応媒体には不溶で懸濁しているもの、あるいは2相反応で反応物を別々の相に存在させるもの、などがある。 後者のタイプの反応では、反応は分離している相の界面で起きる。 これらの方法によって製造できる化合物は、当業者には公知で、たとえば、WO95/18972(「選択された性質を有するアミンイミドおよびオキサゾロン系の分子の系統的モジュール方式生産」(Systematic Modular Production of Aminimide− and Oxazolone Based Molecules Having Selected Properties))や、WO91/17271(「組み換えライブラリスクリーニング方法」(Recombinant Library,Screening Method))などを参照されたい。 本発明の方法は、発熱反応には特に好適で、それは、容積に対する表面積が大きいので、効率的に熱放散させることが可能だからである。
    【0016】
    本発明を使用して実施できるポリマー合成手法としては、アニオン性、カチオン性、カルボカチオン性、フリーラジカル性、グループトランスファーおよび錯体触媒反応などがある。 これらの手法は、化合物や生物学的種の合成に使用されるのと類似の重合技術を用いることで達成されるが、そのようなものとしては、溶液重合、懸濁重合、それに沈殿重合などがあり、この最後のものでは、反応生成物がその組成または分子量が原因で反応媒体には不溶となり、そのためある閾値の濃度を超えると沈殿してくる。 さらなる方法としては乳化重合もあり、その場合には最終の生成物が充分に小さくて、ラテックスまたは分散液を形成する。
    【0017】
    さらに、化合物、生物学的種、ポリマーまたは生成するポリマーのブレンドおよびアロイを変性するために使用可能な補助剤を、最初の成分と共に加えてもよいし、あるいは所望のタイミングで添加してもよい。 これらの補助剤の例を挙げれば、限定する訳ではないが、粘着付与剤、増粘剤、充填剤、連鎖移動剤、抗酸化剤、架橋剤、抗菌剤、相溶化剤またはUV安定剤などがある。 それらの例としては、接着剤コンパウンドの合成において粘着付与剤としてのグリセロールおよびペンタエリスリトールエステルの使用(米国特許第5,257,491号)、あるいは、生物学的種のための抗酸化剤としてのアスコルビン酸の使用(Pharm.Res.、2000年、17巻、999〜1006頁)などがある。 さらに、公知のことであるが、ブチルメルカプタンのような硫黄化合物を連鎖移動剤として使用して、フリーラジカル化学により製造するポリマーの分子量を調節することもできる(たとえば、米国特許第5,932,675号を参照)。 補助剤は、性質に所望の変性を与えうるのに充分な量で使用するのがよい。 たとえば、連鎖移動剤は典型的には、アクリル酸またはメタクリル酸エステルを共重合させる場合には、全モノマー100部に対して、約0.001部から約10重量部の量で使用する(たとえば、米国特許第5,804,610号を参照されたい)。
    【0018】
    フレキシブルなパウチを作るには各種の方法があるが、たとえば、液状物用形成充填シール機(liquid form−fill−seal machine)(たとえば、ジェネラル・パッケージング社(General Packaging、テキサス州、ヒューストン(Houston TX))の70A2C型)のような設備を用いるか、手作業によって、2枚の熱可塑性フィルムを底部とそれぞれ側部の縁を合わせてシールし、1つの端部が開放されているパウチを形成する。 また、1枚のフィルムを折り曲げて2つの端部をシールし、成分を注入してから、残っている端部をシールすることもできる。 別な方法で、筒状のフィルムの1つの端部をシールし、成分を注入してから、反対側の端部をシールすることもできる。 パウチは使用可能であればどのような形状でもよいが、長方形または正方形の面を有するパウチが好ましい。
    【0019】
    一般には、成分をパウチに導入したら、それをヒートシールして成分を完全に包囲する。 シーリング温度は、パウチを製造するのに使用したフィルムの軟化点を超え、融点未満とするのが普通である。 シーリングに先立って、パウチの内部からほとんどの空気を除去しておくのが好ましい。 そのためには、たとえば、減圧にしたり機械的に圧縮したりすればよい。 フィルムの長さ方向および横方向に任意の数と配置でシールをして、複数のパウチを形成させてもよい。 たとえば、側部の縁をシールするのに加えてフィルムの中心部にもシールをし、さらに上端および下端をシールすれば、2つのパッケージが形成される。 この2つのパッケージは、中央のシールで互いにつながったままにしておいてもよいし、切り離して個別のパウチとしてもよい。 また別の実施態様においては、1つまたは複数のパウチ、本明細書では内蔵パウチと称するものを、元のパウチの内部に存在させて、追加の成分を添加する目的に使用することもできる。 これを実施するには、追加の成分を1つまたは複数の小さな個別の内蔵パウチの中にあらかじめ封入しておき、それを初期成分を注入するときに加えておいてもよいし、あるいは、元のパウチの内側に小さな内部パウチとして組み込んでおくこともできる。 この内蔵パウチは自由に浮かせておいてもよいし、あるいは、主パウチの1つまたは複数の端部にあらかじめシールしておいてもよい。 追加の成分を入れる内蔵パウチは、主パウチよりは破裂させやすい材料で作ればよく、主成分に追加の成分を接触させるのに使用される。 内蔵パウチを主パウチよりは薄い材料で作るか、または融点が主パウチよりは低い積層パウチを使用すれば、内蔵パウチを破裂させやすくなる。 前者の場合には、内蔵パウチを捏ねたり圧迫して機械的な力を加えることで破裂させることができる。 後者の場合には、高温と好ましくは機械的な力も加えることで、内蔵パウチを破裂させることができる。 それらに代わる実施態様としては、内蔵パウチを化学線照射(または他のタイプのエネルギー)で分解するような材料で作製しておき、それによってパウチを破裂させて内容物を放出させることもできる。 別な実施態様では、主パウチにセプタム型の出入口を設けて、追加の成分をパウチの中に注入したり、生成物の分析のために試料を抜き出したりした後に再シールすることが可能としておくこともできるが、これによれば、保存する際のパウチの完全性を損なうこともない。
    【0020】
    パウチは、フレキシブルなフィルムから作るのが好ましく、実施態様によってはUVまたはIR透過性を有するのが好ましい。 熱可塑性フィルムは、多くの商業的な供給業者、たとえば、ハンツマン・パッケージング社(Huntsman Packaging、イリノイ州、ロックフォード(Rockford IL))などから入手可能である。 どの熱可塑性フィルムを使用するかは、パウチの内部に含まれる成分および生成物の組成と融点でほとんど決まってくるが、フィルムの軟化点は一般には125℃未満である。 単層または多層積層のパウチは、フレキシブルな熱可塑性ポリマーフィルムから作製できるが、そのようなポリマーとしては、たとえばポリオレフィン、ポリジエン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリエーテル、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリイミン、ポリシクロオレフィン、ポリホスファジン、ポリアセテートおよびポリアクリレートなどのホモポリマーおよびコポリマーがある。 好ましい熱可塑性フィルム材料としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVF)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、エチレンおよび酢酸ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニル、テトラフルオロエチレンならびにプロピレンとのコポリマーなどがある。 フィルムのシートは上述のようにして市場で入手できるが、それらはパッケージの要素を製造するのに有用である。 本発明のコンビナトリアルライブラリのために有用なそのようなパウチについては、たとえば、米国特許第5,902,654号などに開示されている。 粘弾性を有する組成物(たとえば、ホットメルト接着剤のような接着剤)を調製するのに、前粘弾性(pre−viscoelastic)組成物(たとえば、前接着剤組成物)をパッケージ材料と組み合わせて透過性エネルギーにより重合させる方法は、米国特許第5,804,610号および同第5,932,298号に開示されている。 オレフィン性モノマー(類)と遷移金属種を含んだモノマーの重合をもたらす触媒系とをパッケージにした重合を含む方法は、米国特許第5,902,654号に開示されている。 この方法によれば、得られたポリマーを、さらなる各種の加工をすることなく、使用することができる。 本発明で使用できるその他のフィルムとしては、金属フィルム、たとえば銅、アルミニウムおよび周期律表第2、3、4、5、6、7および8族の各種金属の箔、さらには、ポリマーフィルム、金属箔、紙材料、および綿、羊毛、ガラス繊維、ポリマー繊維のような織布ならびに不織布材料などを組み合わせた複合材料などがある。
    【0021】
    主パウチに使用するフィルムの厚みは一般に、約5μm〜3mm、好ましくは25〜250μm、より好ましくは50〜150μmの間で選択する。 フィルムの厚みはまた、パウチの成分がさらされる温度および条件によっても変わり、高温または低温用途の場合や、機械的な操作が必要とされるような用途では厚めのフィルムを使用する。 内蔵パウチは主パウチと同一の材料から作ってもよいし異なった材料から作ってもよく、その厚みも主パウチと同じでも薄くしてもよいが、好ましくは約1μm〜1mm、より好ましくは5〜150μm、最も好ましくは15〜50μmの間の厚みとする。 パウチのサイズは所望の寸法としてよい。 しかしながら、当業者のよく知るところであるが、パウチの寸法によって、パウチ内部で到達させることが可能な反応条件を調節することができる。 たとえば、バルクの反応では濃度が高いので、溶液反応や懸濁反応の場合よりはパウチの寸法を小さくする必要がある。 その理由は、反応種の濃度が高く、その典型的な化学反応の間に発生する熱エネルギーを除去するのに大きな面積が必要だからである。 一方、溶液反応や懸濁反応では、反応種の濃度が低く、その結果熱エネルギー除去に必要な面積は小さくてよい。 バルク反応の場合の主パウチの寸法は、各種のサイズとすることができるが、一般には約100cm×100cm未満、好ましくは約20cm×20cm未満、より好ましくは約13cm×7cm未満、あるいはさらに2cm×1cm未満とする。 内蔵パウチのサイズについても同様な制約があるが、主パウチの中に収まりさえすればどのような大きさでもよい。 当業者のよく知るところであるが、その内蔵パウチから放出される(単一または複数の)追加成分のタイプによって、主パウチのサイズを決めることができる。 たとえば、添加成分が触媒の場合には、内蔵パウチの大きさは極めて小さく、たとえば1cm×1cm程度でよいが、一方、内蔵パウチに溶液共重合のためのコモノマーを入れる場合には、その内蔵パウチは極めて大きな、たとえば50cm×50cm以下、好ましくは10cm×10cm以下、最も好ましくは約4cm×5cmから約5mm×5mmまでとする。
    【0022】
    成分を含むパウチは、互いに縦方向および/または横方向につながっていてもよいし、あるいは互いに物理的に分離されていてもよい。 シールした後でそれらを、反応ゾーンを通過させるが、それによって、それぞれのパウチに、同一または異なった反応条件や滞留時間を与えることができる。 これによって、個々のライブラリの中に含まれる反応の範囲と数を実質的に増加させることになる。 この反応ゾーンは、定温の浴のような単純なものでもよいし、調節温超音波浴のような手のこんだものであってもよい。 典型的には、それぞれのパウチの反応時間は、使用する反応ゾーンの長さで調節することができる。 反応時間を長くとろうとすれば、反応ゾーンを長くする必要がある。 パウチの内部で成分を混合するには、機械的撹拌、たとえば練りローラーを使用したり、密閉浴中で調節された圧力勾配を持たせたり、超音波撹拌をかけたりすればよいが、これらに限定されるわけではない。
    【0023】
    より具体的には、この反応ゾーンは、液状、ガス状または固体状の浴で、化学的または物理的反応を開始、促進させたり、および/または、温度を調節したりするものであればよい。 化学的または物理的反応による本発明のライブラリアレイの生成は、各種のエネルギー手段、限定される訳ではないがたとえば、化学線照射、熱的、機械的または超音波を含めたエネルギーによってもたらすことができる。 反応ゾーン用の浴の例を挙げれば、水浴、対流炉、塩浴、流動床などがあるが、これらに限定される訳ではない。 反応ゾーンを通過させてから、パウチを任意に分離して、各種の評価を行ったり、保管して後ほど評価や分析をしてもよい。
    【0024】
    本発明の一実施態様においては、分離した自立性のあるパウチを1つまたは複数の反応ゾーンに手作業で出し入れすることもできる。 この実施態様の場合、この方法は機械的に連続しないので、得られた生成物は以下の実施態様と同様な制約を受け、個々のパウチを異なった反応ゾーン、そして異なった滞留時間におくことができる。
    【0025】
    それらに代わる好適な実施態様においては、主パウチは分離されていて(separated)、独立した(自立した;self standing)自立性の(self−supported)ものであって、互いに時間的に間隔をおくことができる。 それらは、たとえば反応ゾーンの中を通して輸送するための移動ベルトまたは軌道のような輸送装置に、たとえばピンまたはクランプの手段を用いて支持させたりあるいは個別に固定することが可能である。 これは、反応ゾーンでの条件(たとえば、温度、照射エネルギー、機械的エネルギー、超音波エネルギーなど)を変更したり、反応ゾーンにおける滞留時間を変更することによって、連続プロセスとすることができるが、反応条件は、要望があれば、個々のパウチ毎に変更することも可能である。
    【0026】
    最も好ましい実施態様においては、パウチを縦方向および/または横方向に1つまたは複数の縁で繋ぐことができる。 上述のように、それらはコンベア装置に支持させたり、固定させたりすることができる。 この実施態様においては、パウチはさらにそれぞれ互いに時間的に間隔をおき、反応ゾーンの中を各種の手段、たとえばローラー、ベルト、あるいはスプールの上を転がしながら移動させることができる。 この場合もまた、連続プロセスとすることが可能で、条件および反応ゾーン内での滞留時間の長さは、所望に合わせて、それぞれのパウチ毎に変えることができる。
    【0027】
    パウチを反応ゾーンから取り出し、化学的または物理的な反応が完了したら、パウチの内容物を、パウチの一体性に関して破壊法または非破壊法のいずれかの方法を用いて、分析することができる。 非破壊法では、パウチの内容物をパウチを通過させる手段で分析し、パウチに針を刺したり開封したりはしない。 非破壊法の例を挙げれば、IR、UV、可視光、またはラマン分光光度法、屈折率、音響的測定などがある。 物理的な方法で、たとえば圧縮試験なども使用することができる。 破壊法の例を挙げれば、これらに限定される訳ではないが、核磁気共鳴(NMR)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、示差走査熱量計(DSC)、熱重量分析(TGA)、動的機械分析(DMA)、X線回折(XD)、および質量スペクトル分析(MS)などがある。 これらの方法では、必ずパウチを開封して、試料を取り出さねばならない。 所望の分析を完全にするのに充分な試料を取り出したら、そのパウチを再びシールすることも可能である。 それに代わる実施態様では、たとえばパウチに組み込んであるセプタムを通してシリンジによって試料を取り出すことも可能であるし、あるいは、パウチに直接シリンジを突き通して試料を抜き出すこともできる。 後者の場合、たとえば感圧テープや少量の接着剤を使用したり、ヒートシールしたりして、そのパウチを再びシールすることが可能である。
    【0028】
    1つの実施態様においては、化合物または材料のライブラリを、たとえば、個々のパウチに異なった比率で成分を各種組み合わせて入れ、次いでその成分を反応チャンバに通して反応を起こさせることによって、作ることも可能である。
    【0029】
    好ましい実施態様においては、試料を別々にパウチの内部に入れておき、反応装置を通過させている間に、それを互いに結合させたり、させなかったりすることもできる。 ライブラリの要素のいずれか、または全体を、大きな量で得たい場合には、同一の試料を同様の大きさのパウチで連続的にくり返して作り、所望の量になるまで続ければよい。 それらは、機械的なコンベアに支持または固定して移動させてもよいし、流体の流れに浮かせてもよいし、あるいは、他の適当な手段を用いてもよい。
    【0030】
    反応の進行状態(または、関心のある性質、たとえばポリマーの分子量など)を、容器を通過することが可能な(光学的、分光学的などの)手段を用いて評価してもよいし、あるいは、容器を開封して内容物をサンプリングしてもよい。 容器を開ける必要のない方法が、特にプロセス内でのスクリーニングでは価値がある。
    【0031】
    これらのパウチは、ラベルを付けて、別々に保管して、互いに結合したままの状態にしておいてもよい。 容器は別々にすることも可能なので、このラベルは内部に含まれる試料の素性を示すマーカーとなる。 どのようなタイプのアレイであっても、その試料の位置を表す必要はない。
    【0032】
    本発明の方法では、逐次的な反応を以下のような各種の方法で実施することができる。
    ・再シールが可能なパウチ、たとえばジプロック(ZIPLOC、商標)バッグ(SC ジョンソン(Johnson)、ウィスコンシン州、ラシーン(Racine WI))を適当な移動システムで使用する、
    ・内部の内臓パウチとして破裂させることが可能なものを使用し、エネルギー(熱、照射、機械的仕事、化学エネルギーなど)を与えることでさらなる成分を放出させて、次の反応をさせる、
    ・膨潤可能なポリマーを使用して、エネルギー(熱、照射など)を与えても与えなくてもよいが、さらなる成分を放出させる。
    【0033】
    本発明では、有機合成、光化学、ポリマー合成、および生物学的種の合成において有用な、ライブラリの創出を開示している。 この方法は、次の点で他の公知のコンビナトリアル法とは区別される、すなわち本発明の方法は、フレキシブルで不浸透性でシールが可能なパウチの中で、好ましくは0.5gまでの量で、ライブラリ試料の縦方向および/または横方向のアレイを提供することができる。
    【0034】
    この方法は、商業的な材料を大スケールで生産するのに応用できる。 この方法の例をあげれば、1つの配合を含むパウチを手作業で作り、それに続けて異なった配合を含む第2のパウチを作り、次々とくり返していく。 自動化した方法を使用することができれば好ましく、反応剤、モノマーなどをそれぞれのパウチに充填する量を、自動注入システムを用いることで変化させることが可能で、それらのパウチを互いに繋いでおくことも可能である。 成分を組み合わせるそのような自動化の方法は、たとえば、米国特許第5,902,654号に開示されている。
    【0035】
    本発明の目的と利点を以下の実施例を用いてさらに説明するが、それらの実施例に記載された特定の材料やその量、さらにその他の条件や詳細などは、本発明を不当に限定するものとみなしてはならない。
    【実施例】
    【0036】
    本発明を以下の実施例を用いてさらに説明するが、これらは本発明の範囲を限定することを目的としているものではない。 実施例においては、特に断らない限り、すべての部、比、パーセントは重量基準である。 すべての原料は、特に断らない限り、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company、ウィスコンシン州、ミルウォーキー(Milwaukee WI))から入手したものである。 以下の試験方法を用いて、実施例中の感圧粘着剤の特性を測定した。
    【0037】
    試験方法180度粘着剥離試験幅1.25cm、長さ15cmの大きさの感圧粘着剤(PSA)の試料について、ガラス基材に対する180度剥離粘着性の試験を行った。 このPSA試料を試験基材の上に、2.1kgのローラーで6回押さえて圧着させた。 調節した温度および湿度条件下(約温度22℃、相対湿度50%)で約24時間エージングさせてから、このテープを3M90型滑り・剥離試験機(アイマス社(Imass Inc.)、マサチューセッツ州、アコード(Accord、MA))を用いて試験をしたが、特に記さない限り、度は180度、剥離速度は30.5センチメータ/分(cm/分)である。
    【0038】
    室温剪断強さ試験剪断強さは、保持時間で表すが、調節した温度および湿度条件下(約温度22℃、相対湿度50%)でPSA試料について測定した。 試料を、調節した温度および湿度条件下(約温度22℃、相対湿度50%)で24時間エージングさせた。 PSA試料の大きさは12.5mm×12.5mmで、ステンレススチールに2.1kgのローラーで6回押さえて圧着させた。 次いで、1000gの錘をそれぞれの試料にぶら下げた。 錘が落下するまでの時間を記録した。 試料が落下しない場合には、10,000分で試験を中止した。
    【0039】
    プローブタック試験試料を小袋に入っていたPSA試料から取り出して(0.2g)、滑らかなステンレスプレート板の表面に圧着して(25〜50℃、10分)、0.4mmの厚みのフィルムとした。 プローブタック試験には、TA−X2テクスチャー・アナライザー(テクスチャー・テクノロジーズ社(Texture Technlogies Corp.)、ニューヨーク州、スカーズデール(Scarsdale、NY))を使用し、プローブはステンレススチール製であった(#57R型、直径7mm)。 この試験では、プローブを下向けに2.0mm/秒の速度でPSA表面の中に移動させていき、機器が1.0gの力を検出するまで続けた。 次いでこの試験のプログラムでは、プローブがさらに下方向へ、試験速度1.0mm/秒で移動して、450gの力を0.01秒間加えた。 この時間が経過したら、プローブを表面から0.5mm/秒の速度で離していき、ピーク応力と力・時間曲線の下の面積を計算、記録した。
    【0040】
    分子量の測定約25mgの試料に10mLのテトラヒドロフラン(THF)を加えて試料を調製した。 この溶液を0.2μmのPTFEシリンジフィルターを用いて濾過した。 次いで、150μLの溶液を、ウォーターズ(Waters)717オートサンプラー(ウォーターズ社(Waters Corp.)、マサチューセッツ州、ミルフォード(Milford、MA))とウォーターズ590ポンプを備えたGPC成分システム中の、ポリマー・ラブズ・PLゲル・ミクスドB(Polymer Labs PLgel−Mixed B)カラム(ポリマー・ラボラトリーズ社(Polymer Laboratories)、マサチューセッツ州、アマースト(Amherst、MA))に注入した。 このシステムは室温で運転し、溶出液としてはTHFを0.95mL/分の速度で流した。 濃度変化をエルマ(Erma)ERC−7515A屈折率検出器(エルマ・CR社(Erma CR Inc.)、日本、東京)を用いて検出した。 その分子量は、分子量分布が狭いポリスチレンを複数(分子量範囲、6.30×10 6 g/モル〜595g/モル)使用して作ったキャリブレーションカーブを使用して、計算した。 実際の計算には、キャリバー(Caliber、商標)(ポリマー・ラブズ社(Polymer Labs)によるソフトウェア)を使用した。
    【0041】
    粒径特性(characterization)
    デュアルヘリウム・ネオン光源を備えたホリバ(堀場)LA−910動的光散乱式粒径分布測定装置(ホリバ社(ホリバ Ltd.)、カリフォルニア州、アーヴィン(Irvine、CA))を使用して、エマルションの粒径を測定した。 この方法では、約5mLの重合させたポリマーエマルションをガラスウールで濾過してから、ガラス製シンチレーションバイアルに入れ、脱イオン水で稀釈した。 この試料を分析のためにホリバのフラクションセル中に置き、さらに脱イオン水で稀釈して、透過率が70〜95%になるように調整した。 必要な稀釈倍率はサンプル毎に少しずつ異なっていたが、典型的には1000倍のオーダーであった。 適切な透過率となったら、分析を行い、平均粒径をミクロン(μm)の単位で求めた。
    【0042】
    ゲル試験2.54cm×2.54cmのPSAテープ試料を切り出して、あらかじめ秤量してあるワイヤメッシュのトレイ(2組)に入れた。 このトレイと試料を次いで、秤量、記録した。 これらの試料を次にガラス容器に入れ、THF(安定剤入り)を、トレイの上端のすぐ下まで加えた。 ジャーに蓋をして、PSAテープを入れたトレイをこの溶媒中に24時間静置した。 次いでこのトレイをパンの中に置き、乾燥器の中で70℃、10分間乾燥させた。 次に乾燥させたパン、トレイおよび試料を秤量して、残っている重量との差からゲル化パーセントを計算した。
    【0043】
    略号と商品名AA:アクリル酸AIBN:2,2'アゾビスイソブチロニトリル、熱重合開始剤ANIS:m−アニスアルデヒドBENZ:ベンズアルデヒドs−BULi:sec−ブチルリチウムn−BuOH:1−ブタノールs−BuOH:2−ブタノールCBENZ:4−クロロベンズアルデヒドCBr 4 :四臭化炭素、連鎖移動剤DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、ヒンダードアミン塩基DEABENZ:4−ジエチルアミノベンズアルデヒドDCBENZ:2,4−ジクロロベンズアルデヒドDMA:N,N−ジメチルアセトアミドEAA:アセト酢酸エチルEBA:アセト酢酸エチルベンジル2−EHA:アクリル酸2−エチルヘキシルIOA:アクリル酸イソオクチルIOTG:イソオクチルチオグリコレート、連鎖移動剤(ハンプシャー・ケミカル社(Hampshire Chemical Corp.)、マサチューセッツ州、レキシントン(Lexington、MA))
    イルガキュア(IRGACURE、商標)651:ベンジルジメチルケタール光重合開始剤、チバ・ガイギー社(Ciba Geigy、ニューヨーク州、アーズリー(Ardsley、NY))から市販メイゾン(MAZON、商標)SAM−211:不飽和ポリ(アルコキシエチル)スルフェート、重合性界面活性剤、ピーピージー社(PPG Industries、ペンシルバニア州、ピッツバーグ(Pittsburgh、PA))から入手可能MeOH:メタノールM n :数平均分子量M w :重量平均分子量PDI:多分散性指数、M w /M n
    PGPE:プロピレングリコールプロピルエーテルピコラスティック(PICCOLASTIC、商標)A−75:ハーキュレス社(Hercules Inc.、デラウェア州、ウィルミントン(Wilmington、DE))より入手可能なポリスチレン樹脂、M n =731、PDI=1.77、軟化点=75℃
    PS:ポリスチレンSS:ステンレススチール。
    【0044】
    実施例1−UV重合開始剤を用いてバルクフリーラジカル重合により製造したコポリマーのライブラリの合成と性質7cm×11cmポリエチレンパウチを48個、厚み0.15mmのポリエチレンの筒(マクマスター・カー社(McMaster Carr)、イリノイ州、シカゴ(Chicago、IL))から作製した。 18mLの3種の異なったモノマーの各種混合物と、0.15mLのUV光重合開始剤(ダロキュア(DAROCUR、商標)1173、チバ・ガイギー社(Ciba−Geigy))をパウチに入れ、次いでヒートシールした。 この3種のモノマーは、アクリル酸イソボルニル(IBA)、2−EHA、IOTG、およびアクリル酸テトラヒドロフルフリル(THFA)の中から選択した。 IOTGを、分子量を調節するための連鎖移動剤として使用した。 それぞれの試料の容積比は下記の表1に示したとおりである。
    【0045】
    【表1】

    【0046】


    一連の試料をキャリッジに載せて、それぞれの要素を逐次的に、UV−Aランプ(強度3.5mW/cm

    2 )を取り付けた温度調節(16℃)した浴に通した。 ランプの下での試料の移動速度を調節して、それぞれの試料が全部で9.3分間照明下に置かれるようにした。 得られたポリマーのガラス転移温度(T

    g )は、示差走査熱量計により測定した。


    【0047】


    この表のデータは、3元またはより高次のコポリマーライブラリの調製と、ラジカル開始剤の使用およびUV照射による光開始を示している。 さらに、モノマー比が同じで、連鎖移動剤の量が異なるものを含む関連のサブライブラリの使用も示している。


    【0048】


    実施例2−ポリマーのブレンドおよび化合物のライブラリの安定化のための最適条件の決定ポリマーのブレンドおよび化合物を、ポリマーと、各種の量の補助剤、たとえば抗酸化剤およびUV安定剤を用いて、2次元アレイで作成することができる。 ポリマーを一連のパウチのそれぞれに入れ、さらに選択した補助剤を加える。 それぞれのパウチに加える抗酸化剤の量は、一連のパウチのそれぞれに決められた範囲内で増加させていき、それに対して、UV安定剤の量は、決められた範囲内で減少させていく。 次いでこれらのパウチをシールして、自動または手動で反応ゾーンに送り込む。 このタイプの実験のための反応ゾーンは、オフセットローラー付きの加熱水浴でできていて、ローラーによってパウチの中のポリマーと補助剤の混合物を物理的に捏ねて、均一化を促す。 反応ゾーンからパウチを取り出した後、試料を各パウチから出して、熱エネルギー、湿度、およびUV照射にかけて安定性の試験をする。 この方法により、ポリマーに相乗的な効果を与えて、安定性を向上させるような、特定の補助剤のレベルを決定することができる。 このデータによって、それぞれのポリマーの安定性が最適となる条件が明らかになるであろう。


    【0049】


    実施例3−PSAの化合物として有用なアクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸コポリマーの90要素ライブラリの合成90個のパウチに、各種の量の2−EHA、AA、ベンジルジメチルケタール、光重合開始剤(イルガキュア(IRGACURE、商標)651、(チバ・ガイギー社(Ciba Geigy))および数部のIOTGを充填した。この例で用いたマトリックスは下記の表2に示す。充填したパウチ(厚み150μmのポリエチレンフィルム(ハンツマン・パッケージング(Huntsman Packaging)、イリノイ州、ロックフォード(Rockford、IL))を、次いで手作業で、上部を横方向にヒートシールして、3.25cm×12.5cmの大きさのパウチとした。このパウチには、18.3gの組成物を入れた。次いでそれぞれのパウチを、連続の直線状のベルトに載せて、加工した。これらの実施例では、パウチをベルトの上に載せ、そのベルトを温度を約21℃〜32℃に保った水浴を通し、強度が約2.0mW/cm

    2の紫外線照射に8.33分暴露した。この照射に用いたランプは、その放射の約90%が300〜400ナノメータ(nm)にあり、そのピークは351nmであった。得られたパウチ入りの試料を、以下の方法でホットメルトコンパウンディング(hot−melt compounded)して、塗布した。


    【0050】


    パウチ入りのPSAをスタティックミキサー要素の加熱部(240〜370℃)に入れた。 往復動ポンプを使用して試料をミキサー要素にくり返し通し、パウチ入りのPSAを完全に混合した。 充分な混合ができたら、この材料をホットダイ(240〜370℃)を通して、移動させている基材の上に塗布した。 基材の移動速度は典型的には、2.3〜10.7m/分の範囲であった。 典型的な塗布厚みは37.5〜50.0μmの範囲で、それは材料の粘度と移動している基材の速度で直接決まってくるものであった。


    【0051】


    分子量(M

    w )、多分散性(PDI)およびゲル%を、パウチに入ったPSAについて測定し、一方、タック、剥離、剪断試験は得られた塗布済みのPSAテープについて測定した。 このライブラリのそれぞれの試料について得られたデータを、以下の表3および4に示す。


    【0052】


    【表2】


    【0053】


    【表3】


    【0054】


    【表4】


    【0055】


    実施例4−熱可塑性材料として有用なホモポリマーの20要素ライブラリを製造するための、再シール可能なパウチの中でのアニオン重合実施例3に記載したものを少し変形させたパウチを用いて、スチレンモノマーをアニオン重合させた。 この20要素ライブラリでは、ジッパー・ロック・シール(zipper lock seal)付きの6.5cm×10.0cmの大きさで厚み100μmのポリエチレンパウチ(全容積約20mL)に、スチレンとシクロヘキサンを各種の量で充填した。 このパウチに入れた溶液を、アルゴンで5分間パージしてから、0℃にまで冷却した。 次いでsec−ブチルリチウムをパウチの中に注入して、重合を開始させ、パウチは直ちに手作業でシールしてから、氷水浴中に沈めた。 30分後にジッパー・シール・ロックを開いて、1〜2mLのイソプロパノールをパウチの中に加えて重合を停止させた。 次いで試料をTHFに溶解させ、撹拌しながらイソプロパノール中に注いで、ポリマーを沈殿させた。 このポリマースラリーを次に濾過してから、真空下(10mmHg)60℃で2時間乾燥させた。 この実験に使用した試料のマトリックスは下記の表5に示す。 試料のそれぞれについて得られた分子量(M

    w )およびPDIのデータを、下記の表5に示す。


    【0056】


    【表5】


    【0057】


    実施例5−合成ゴムとして有用なコモポリマーの10要素ライブラリを製造するための、再シール可能なパウチの中でのアニオン重合実施例3に記載したものを少し変形させたパウチを用いて、スチレンモノマーをアニオン重合させた。 この10要素ライブラリでは、ジッパー・ロック・シール付きの6.5cm×10.0cmの大きさで壁厚100μmのポリエチレンパウチ(パウチ容積約20mL)に、スチレンのシクロヘキサン中50重量%の溶液を10mL充填した。 このパウチに入れた溶液を、アルゴンで5分間パージしてから、0℃にまで冷却した。 次いでsec−ブチルリチウムをパウチの中に注入して、重合を開始させ、パウチは直ちに手作業でシールしてから、氷水浴中に沈めた。 30分後にそれぞれのパウチのジッパー・ロック・シールを再び開けて、ジフェニルエチレンを添加した。 パウチを再びシールしてから15分後、パウチを再度開けて、アクリル酸2−エチルヘキシルを添加した。 その粘稠な溶液を15分間反応させてから、ジッパー・ロック・シールを再び開けて、1〜2mLのイソプロパノールをパウチの中に加えて、重合を停止させた。 試料をTHFに溶解させ、撹拌しながらメタノール中に注いで、ポリマーを沈殿させた。 このポリマースラリーを集め、真空下(10mmHg)60℃で2時間乾燥させた。 このライブラリのそれぞれの試料について得られた、分子量(M

    w )、PDIおよびNMRから決定した組成データを、下記の表4に示す。


    【0058】


    【表6】


    【0059】


    実施例6−熱硬化性材料として有用なポリマーを製造する目的で、最初の重合成分を含む再シール可能な主パウチの内部に、1種の反応剤/モノマーが内蔵パウチに封入されている、ホモポリマーの20要素ライブラリを製造するためのアニオン重合この実施例の20要素のライブラリは、実施例3に記載されたパウチの中で合成された。 さらに、重合のための開始剤を含む内蔵パウチをそれぞれのパウチの中に加えてから、ヒートシールした。


    【0060】


    このライブラリでは、壁厚150μmで、6.5cm×10cm(パウチ容積約20mL)のポリエチレンパウチに各種の量のスチレンとシクロヘキサンとを充填した。 次いで、パウチに入れた溶液をアルゴンで5分間パージした。 別のポリエチレンパウチで壁厚37.5μm、サイズが4cm×5cm(パウチ容積約2.5mL)のものに、sec−ブチルリチウムを入れ、それをヒートシールしてから主パウチの内部に入れた。 次いでこの主パウチを加熱シールしてから、開始剤を含む内蔵パウチを手で押さえて破裂させて、重合を開始させ、ただちにパウチを氷水浴に沈めた。 この溶液は30分間反応させてから、1〜2mLのイソプロパノールを注入して、重合を停止させた。 試料をTHFに溶解させ、撹拌しながらイソプロパノール中に注いで、ポリマーを沈殿させた。 このポリマースラリーを次に濾過してから、真空下(10mmHg)60℃で2時間乾燥させた。 この実験に使用した試料のマトリックスは表7に示す。 試料のそれぞれについて得られた分子量(M

    w )およびPDIのデータを、下記の表7に示す。


    【0061】


    【表7】


    【0062】


    実施例7−PSAとして有用なポリマーの24要素ライブラリを製造するためのエマルション共重合この実施例の24要素のライブラリは、実施例3に記載されたパウチの中で製造した。 これらの重合に用いた条件は米国特許第6,048,611号に記載されているのにしたがったが、この特許はここに引用することにより、本明細書に組み入れたものとする。 具体的にはこの実施例では、所定の量の、脱イオン水(147g)、共重合可能な界面活性剤(メイゾン(MAZON)SAM−211)(5.25〜15.95g)、アクリル酸イソオクチル(245g)、アクリル酸(8.5g)、酢酸ビニル(16.5g)、ポリスチレン(5.5g)、および四臭化炭素(0.55g)を1Lのステンレス鋼ウェアリングブレンダーに入れて、高速で1分間撹拌してエマルション化させた。 いずれの場合にも、それぞれ100gのエマルションに、FeSO

    4・7H

    2 Oの1%溶液を1滴添加して穏やかに混合した。 次いでそれぞれの溶液の容積25mLを、壁厚150μmで、6.5cm×10cm(パウチ容積約25mL)のポリエチレンパウチに仕込んだ。 次いで、レドックス系開始剤の組合せ(過硫酸カリウム/メタ重亜硫酸ナトリウム)またはフリーラジカル開始剤(過硫酸カリウム)のいずれかの所定量を、パウチの中に仕込んだ。 次いでパウチを手作業でシールして、60℃の水浴の中に30分入れた。 次いで浴の温度を80℃まで上げ、さらに3.5時間保った。 その後得られた溶液について、固形分%と粒径を分析した。 ライブラリの詳細と分析結果を以下の表8に示す。 下記の表8の全ての試料で、理論固形分%は計算上32.6%である。


    【0063】


    【表8】


    【0064】


    実施例8−ジヒドロピリミジンの18要素ライブラリの合成この実施例では、18個の、壁厚150μmの13cm×7cmポリエチレンパウチにそれぞれ、表9に示した成分を仕込み、さらに0.01gのp−トルエンスルホン酸ナトリウム塩および12.0mLのメタノールを加えた。


    【0065】


    【表9】


    【0066】


    このパウチは次いでシールし、内容物を簡単に混合した。 連続プロセスを模するために、パウチを互いにヒートシールして電動コンベアに載せ、60℃に保った水浴を通した。 コンベアの速度を調節して、それぞれ個別のパウチが定温の水浴に2.5時間漬かっているようにした。 全部の試料が水浴を通過したら、それらを乾燥させてから、−17℃のフリーザーに7日間保管した。 次いでこれらのパウチの口を開き、内容物を過剰のメタノールで洗ってから濾過した。 真空下(10mmHg)60℃で18時間乾燥させると、各種の色をした生成物が得られた。 これらの化合物を、直接熱脱離イオン化質量分析法(プローブMS)で分析したが、それにはザブスペック(Zabspec)磁気セクター質量分析計(マイクロマス社(Micromass Inc.)、マサチューセッツ州、ビバリー)を用いた。 収量および質量スペクトル分析データも、上記の表9に示した。


    【0067】


    実施例9−ポリマーブレンドおよびアロイの21要素ライブラリの溶液配合この実施例では、21個の壁厚150μmで6cm×7cmの再シール可能なポリ酢酸ビニル(アンカー・ペーパー社(Anchor Paper)、ミネソタ州ブルックリンセンター(Brooklyn Center、MN))パウチのそれぞれに、下記の表10に示した量の、ポリスチレン(M

    w =800〜5,000、ポリサイエンシズ社(Polysciences Inc.)、ペンシルバニア州、ワリントン(Warrington、PA))およびポリブタジエン(Mn=5,000、1−2付加単位20%、アルドリッチ社(Aldrich、ウィスコンシン州、ミルウォーキー(Milwaukee、WI))を仕込み、さらに10.0mLのTHFを添加した。次いで、このパウチをヒートシールし、機械的に4時間撹拌した。それぞれのパウチをハサミで開封して、それぞれの混合物の部分試料(約0.10mL)を取り出し、風袋秤量済みのDSCパンの中に入れて、THFを蒸発させ、さらに真空下(10mmHg)40℃で18時間乾燥させた。次いでパンを秤量してからシールし、DSC分析にかけたが、その測定温度は−100℃から150℃までで、昇温速度は10℃/分であった。DSC分析はデュポン(Dupont)912示差走査熱量計(デュポン社(Dupont)、デラウェア州、リサーチステーション(Research Station、DE))で行った。見かけのT

    gを下記の表10に示した。


    【0068】


    【表10】


    【0069】


    表10のデータから、ポリブタジエンを15〜80重量%の間で含む試料は、2つのT

    g (それぞれ試料中のポリブタジエンおよびポリスチレン画分による)を示すことが判るが、これは非混和性のポリマー、すなわちポリマーブレンドであることに対応している。 残りの試料(ポリブタジエンが5〜10重量%、および80〜95重量%)はT

    gを1つしか示さず、このことは、混和性のポリマー、すなわちポリマーアロイが形成されていることに対応している。


    【0070】


    実施例10−重合と官能化の反応を直交させた場合の内蔵パウチの使用厚み150μmのポリエチレンチューブから30個の7cm×11cmポリエチレンパウチを準備した。 これらのパウチに、5.74mLのビニルジメチルアズラクトン(VDM)、1.0mLのAIBNの0.25M溶液、および量を各種変更して連鎖移動剤(トリエチルシラン)を入れた。 パウチ1〜15にはさらに、数種類のアルコールからの1種、0.12mLのDBU(触媒)、および充分な量の酢酸エチルを加えて全量を18mLとし、ヒートシールした。 パウチ16〜30には、10.8〜11.3mLの酢酸エチルと、4cm×6cmのポリエチレンパウチ(壁厚37.5μm)に上記で使用したのと同じ量のアルコールおよびDBUを入れてシールしたものとを加えた。 それらのパウチを次いでヒートシールした。 したがって、この全体のライブラリは2つのサブライブラリによって構成され、第1のものはそれぞれの試料の成分が1つのパウチに共存している試料1〜15であり、第2のものは、成分が主パウチと内蔵パウチに別々に存在している試料16〜30である。 これらのパウチを60℃の水浴の中で、一夜加熱した。 次いで内蔵パウチを、外側のパウチに機械的な圧力をかけて破裂させ、すべての試料を60℃の水浴に戻して、さらに12時間加熱した。


    【0071】


    得られたアルコール官能化ポリマーT

    gについて、DSCで−50℃から200℃までの範囲で分析したが、その結果を下記の表11に示す。


    【0072】


    【表11】


    【0073】


    この実施例では、内蔵パウチを使用することによって、反応性モノマーが重合している間に、求核試薬との反応を並行的にではなく、逐次的に起こし得ることが可能となることを示している。 第2のサブライブラリで2種類のパウチを使用すると、重合が実質的に完了した後に、アズラクトン環とアルコールの反応をはじめさせることが可能となるのに対し、第1のサブライブラリでは、重合と開環反応が同じ時期に起きてしまう。


    【0074】


    本発明の範囲と内容から逸脱することなく、本発明の各種の修正や変更が可能であることは当業者には明らかであろうが、本発明は、本明細書に述べた説明的な実施態様に不当に限定されるものではないことは理解されたい。

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