New reagents for labeling nucleic acid

申请号 JP2001272569 申请日 2001-09-07 公开(公告)号 JP3684182B2 公开(公告)日 2005-08-17
申请人 エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲーF. Hoffmann−La Roche Aktiengesellschaft; 发明人 サグナー グレゴール; ハインデル ディーター; マーツ ヘリベルト; フォン ダー エルツ ヘルベルト;
摘要
权利要求
  • 構造
    〔式中、
    Mは、 4' 位で NHCO と結合するフルオレセインである標識であり、
    Lは、構造-(CH 2 ) p -または構造-(CH 2 ) p -CO-NH-を有するリンカーを表わし、
    Zは、CHまたはNのいずれかであり、
    Sは、除去可能な保護基であり、
    n、m、およびpは、互いに独立して、1〜15の自然数であり、
    OKは、ホスホアミダイトまたはK=-VTのいずれかであり、ここで、Tは、固相担体物質であり、そしてVは、開裂可能な結合を含有する連結基である。 〕
    を有する標識試薬。
  • 構造
    〔式中、
    Mは、 4' 位で NHCO と結合するフルオレセインである標識であり、
    Lは、構造-(CH 2 ) p -または構造-(CH 2 ) p -CO-NH-を有するリンカーを表わし、
    Zは、CHまたはNのいずれかであり、
    Sは、除去可能な保護基であり、
    n、m、およびpは、互いに独立して、1〜15の自然数であり、
    Tは、固相担体物質であり、そして
    Vは、開裂可能な結合を含有する連結基である。 〕
    を有する標識された反応性担体。
  • 構造
    〔式中、
    Mは、 4' 位で NHCO と結合するフルオレセインである標識であり、
    Sは、除去可能な保護基であり、
    n、m、およびpは、互いに独立して、1〜15の自然数であり、
    Tは、固相担体物質であり、そして
    Vは、開裂可能な結合を含有する連結基である。 〕
    を有する標識された反応性担体であって、
    Lが、構造
    -(CH 2 ) p -CO-NH-
    を有するリンカーを表わし、そしてpが1〜15の自然数であることを特徴とする、担体。
  • 前記担体物質が、規定された細孔サイズを有するガラス粒子からなることを特徴とする、請求項2または3に記載の担体。
  • 請求項2〜 のいずれか1項に記載の担体を製造するための、構造
    M-NH-CO-(CH 2 ) p -COOH
    〔式中、pは1〜15の自然数を表わし、そしてMは 4' 位で NHCO と結合するフルオレセインである標識である。 〕
    を有する分子の使用。
  • 請求項2〜 のいずれか1項に記載の担体を製造する方法であって、
    a) 2個の反応性ヒドロキシル基と1個の反応性アミノ基とを含有する三官能性スペーサーを製造するステップ、
    b) ヒドロキシル基に保護基を導入するステップ、
    c) 請求項 に記載の分子のカルボン酸基を活性化エステルに変換するステップ、
    d) 該活性化エステルを該三官能性スペーサーの反応性アミノ基にカップリングさせるステップ、
    e) 遊離状態のままである該三官能性スペーサーのヒドロキシル基を前記担体物質にカップリングさせるステップ、
    を含んでなる、方法。
  • 請求項2〜 のいずれか1項に記載の担体を製造するための、構造
    〔式中、
    Zは、CHまたはNのいずれかであり、
    Lは、構造-(CH 2 ) p -または構造-(CH 2 ) p -CO-NH-を有するリンカーであり、そして
    m、n、およびpは、互いに独立して、1〜15の自然数である。 〕
    を有する三官能性スペーサーの使用。
  • 請求項2〜 のいずれか1項に記載の担体を製造する方法であって、
    a) 請求項 に記載の三官能性スペーサーを製造するステップ、
    b) ヒドロキシル基に保護基を導入するステップ、
    c) 該三官能性スペーサーのカルボン酸基を活性化エステルに変換するステップ、
    d) 4' 位に遊離アミノ基を有するフルオレセインを、該活性エステルと該アミノ基との反応によりカップリングさせるステップ、
    e) 遊離状態のままであるヒドロキシル基を前記担体物質にカップリングさせるステップ、
    を含んでなる、方法。
  • 3'標識された核酸を合成するための、請求項2〜 のいずれか1項に記載の担体の使用。
  • 請求項2〜 のいずれか1項に記載の担体を利用して製造される3'標識された核酸分子。
  • 部分構造
    -CH 2 -CO-NH-M
    〔式中、Mは、 4' 位で NHCO と結合するフルオレセインである標識である。 〕
    を有する置換基を3'末端リボースの3'位に含有してなる 、請求項10に記載の核酸分子。
  • OKがホスホアミダイトであることを特徴とする、請求項1に記載の標識試薬。
  • 標識された核酸を合成するための、請求項 12に記載の標識試薬の使用。
  • 請求項 12に記載の標識試薬を利用して製造される標識された核酸分子。
  • 部分構造
    -CH 2 -CO-NH-M
    〔式中、Mは、 4' 位で NHCO と結合するフルオレセインである標識である。 〕
    を有する置換基を含有してなる、請求項 14に記載の核酸分子。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、合成により製造された核酸を標識する分野に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    広範にわたる多種多様な分子生物学的および分子診断学的方法を実施するために、検出可能な標識を備えた合成(デオキシ)-オリゴヌクレオチドが必要である。
    【0003】
    合成(デオキシ)-オリゴヌクレオチドは、通常、ホスホアミダイトの化学を利用して固相上で調製される。 規定されたサイズの細孔を有するガラスビーズ(以下、CPG = controlled pore glassと略記する)が、通常、固相として用いられる。 最初のモノマーは、固相合成が終了した後で遊離オリゴヌクレオチドを切り離すことができるように、開裂可能な基を介して担体に結合される。 最初のモノマーには更に、保護されたヒドロキシル基が含まれており、通常、ジメトキシトリチル(DMT)が保護基として用いられる。 保護基は、酸処理により除去することができる。 この場合、次に、DMT保護基を同様に備えた(デオキシ)-リボヌクレオシドの3'-ホスホアミダイト誘導体が、サイクルプロセスにおいて、DMT保護基を除去した後で逐次的に生じる各反応性基にカップリングされる。
    【0004】
    従来技術によれば、いわゆる三官能性担体物質を用いることにより、3'末端で標識されたオリゴヌクレオチドが調製される。 このために、2個の反応性ヒドロキシル基ともう一つの他の反応性基、好ましくはアミノ基とを有する三官能性スペーサーが最初に調製される。 ヒドロキシル基にDMT保護基を導入した後、合成の第二段階において、検出可能な標識が三官能性スペーサーの反応性アミノ基にカップリングされる。 しかしながら、このほかに、検出可能な標識は、反応性アミノ基を介するだけでなく、第三のヒドロキシル基またはSH基をも介して三官能性スペーサーにカップリングされる(米国特許第5,451,463号、国際公開第92/11388号)。
    【0005】
    第三段階において、三官能性スペーサーは、遊離状態のままであるそのヒドロキシル基を介して、分離可能な結合を備えた固相物質の連結基に結合される。
    【0006】
    このほか、実際のオリゴヌクレオチド合成が終了するまで検出可能な標識をカップリングさせない方法もある(米国特許第5,141,837号)。 しかしながら、この場合には多数の独立したカップリング反応が必要になるため、そのような製造方法は、労やコストがかかる上に自動化することができない。
    【0007】
    5'末端で標識されたオリゴヌクレオチドを合成するために、C 3 12リンカーを介してマーカー基がホスホアミダイトに連結されている標識されたホスホアミダイトが、通常、用いられる。
    【0008】
    従って、この場合にも、ホスホアミダイトのストラテジーにより、検出可能な標識を導入することができる(Synlett 1999, 10, 1667-1678)。 このために、同じ三官能性スペーサーをCPG物質の合成用として使用することができる。 この方法では、ヒドロキシル基の一つを固相に結合させる代わりに、このヒドロキシル基はホスホアミダイトに変換される。 得られたホスホアミダイトは、標準的なアミダイトと同じようにオリゴヌクレオチド合成に使用することができる。 原理的には、そのようなホスホアミダイトは、合成サイクル時に標準的なヌクレオシドホスホアミダイトを蛍光団標識ホスホアミダイトで置換することにより内部標識化に使用することもできる。 しかしながら、内部標識化は鎖中の塩基対合を中断するので、5'標識を行うために使用することが好ましい。
    【0009】
    フルオレセインのような蛍光標識を備えたオリゴヌクレオチドは、PCR反応のリアルタイム測定の場合のように、分子生物学で使用されることが多い(国際公開第97/46707号)。 蛍光染料は、従来技術により二つの異なる方法で三官能性スペーサーのアミノ基にカップリングさせることができる。
    【0010】
    一方では、場合によりそれ自体がオリゴヌクレオチド合成時の保護用として開裂可能な保護基を備えることのできる蛍光染料をイソチオシアネートの形態でアミノ基と反応させることによりチオ尿素結合が形成される。 しかしながら、これには、そのようなチオ尿素結合がオリゴヌクレオチド合成時に安定でないため、蛍光標識されたオリゴヌクレオチドを高い合成収率で得ることができないという欠点がある(Bioconjugate Chemistry 1998, 9, 627-632)。 もう一つの方法では、蛍光団-カルボン酸のN-ヒドロキシ-スクシンイミドエステル(NHS-エステル)をスペーサーの遊離アミノ基と反応させることによりアミド結合が形成される。 しかしながら、アミド結合の電子受容体効果により蛍光染料のスペクトル特性が変化し、結果として、アミドカップリング誘導体の発光スペクトルは、チオ尿素カップリング誘導体の発光スペクトルと比較して、より長い波長の方向にシフトすることがわかった。
    【0011】
    【発明が解決しようとする課題】
    従って、本発明の目的は、標識されたオリゴヌクレオチドを合成するための標識試薬であって、標識が強い電子受容体効果を受けることがなくしかもオリゴヌクレオチド合成時に安定な状態を維持する標識試薬を提供することである。
    【0012】
    本発明の目的はまた、特に、蛍光標識されたオリゴヌクレオチドを合成するための担体物質であって、一方では、オリゴヌクレオチド合成時に蛍光染料の適度に安定なカップリングを保証し、他方では、チオ尿素リンカーでカップリングされた誘導体と比較して蛍光染料のスペクトル特性に影響を及ぼさない担体物質を提供することである。
    【0013】
    【課題を解決するための手段】
    従って、本発明は、構造【化5】

    〔式中、


    Mは、検出可能な標識であり、


    Lは、構造-(CH

    2 )

    p -または構造-(CH

    2 )

    p -CO-NH-を有するリンカーを表わし、


    Zは、CHまたはNのいずれかであり、


    Sは、除去可能な保護基であり、


    n、m、およびpは、互いに独立して、1〜15の自然数であり、


    OKは、ホスホアミダイトまたはK=-VTのいずれかであり、ここで、Tは、固相担体物質であり、そしてVは、開裂可能な結合を含有する連結基である。 〕


    を有する標識試薬に関する。


    【0014】


    従って、本発明は、このほかに、構造【化6】


    〔式中、


    Mは、検出可能な標識であり、


    Lは、構造-(CH

    2 )

    p -または構造-(CH

    2 )

    p -CO-NH-を有するリンカーを表わし、


    Zは、CHまたはNのいずれかであり、


    n、m、およびpは、互いに独立して、1〜15の自然数であり、


    Sは、除去可能な保護基であり、そして


    Tは、固相担体物質である。 〕


    を有する標識された反応性担体にも関する。


    【0015】


    リンカーLは、好ましくは、構造


    -(CH

    2 )

    p -CO-NH-


    〔式中、pは、1〜15の自然数である。 〕


    を有する。


    【0016】


    規定された細孔サイズを有する多孔性のガラス粒子またはポリスチレン粒子が、通常、固相担体物質として用いられる。 除去可能な保護基Sは、通常、ジメトキシトリチル(DMT)、ピキシル、またはNPEOCのような光化学的に除去可能なニトロベンジル基である(Tetrahedron 53, p.4247-4264 (1997))。


    【0017】


    本発明の多数の適用可能な用途のために、反応性担体は、検出可能な標識としてフルオレセインのような蛍光染料を備えている。 蛍光団がフルオレセインの場合のようにヒドロキシル基などの反応性基を含有する場合、オリゴ合成時におけるホスホアミダイトとの望ましくない反応を防止するために、これらのヒドロキシル基を保護しなければならない。 例えば、ピバロイルは、オリゴ合成の終了後に標準的な条件下で切断することにより除去することができるので、好適な保護基である。


    【0018】


    本発明はさらに、本発明に係る反応性担体を製造するための、構造


    M-NH-CO-(CH

    2 )

    p -COOH


    〔式中、pは1〜15の自然数を表わし、そしてMは検出可能な標識を表わす。 〕


    を有する分子の使用に関する。


    【0019】


    この合成は、好ましくは、以下のステップ:


    a) 2個の反応性ヒドロキシル基と1個の反応性アミノ基とを含有する三官能性スペーサーを製造するステップ、


    b) ヒドロキシル基にDMTのような保護基を導入するステップ、


    c) 上記の分子のカルボン酸基を活性化エステル、好ましくはN-ヒドロキシスクシンイミドエステルに変換するステップ、


    d) 活性化エステルを三官能性スペーサーの反応性アミノ基にカップリングさせるステップ、


    e) 遊離状態のままである三官能性スペーサーのヒドロキシル基を担体物質にカップリングさせるステップ、


    を含んでなる方法により行われる。


    【0020】


    このほか、本発明に係る反応性担体は、構造【化7】


    〔式中、Lは、構造


    -(CH

    2 )

    p -


    または構造


    -(CH

    2 )

    p -CO-NH-


    を有するリンカーを表わし、そしてpは、1〜15の自然数である。 〕


    を有する三官能性スペーサーを用いて製造することもできる。


    【0021】


    そのような方法には、好ましくは、以下のステップ:


    a) 上記の三官能性スペーサーを製造するステップ、


    b) ヒドロキシル基に保護基を導入するステップ、


    c) 三官能性スペーサーのカルボン酸基を活性化させて活性化エステルを生成するステップ、


    d) 活性エステルを検出可能な分子の遊離アミノ基と反応させるステップ、


    e) 遊離状態のままであるヒドロキシル基を担体物質にカップリングさせるステップ、


    が含まれる。


    【0022】


    本発明はさらに、(デオキシ)-オリゴヌクレオチドのような3'標識された核酸を合成するための本発明に係る反応性担体の使用と、本発明に係る担体を利用して合成した結果として3'末端に新しい化学構造を有する3'標識された核酸分子に関する。 本発明はまた、特に、部分構造


    -CH

    2 -CO-NH-M


    〔式中、Mは、蛍光染料のような検出可能な標識である。 〕


    を有する置換基を3'末端リボースの3'位に有してなる核酸分子に関する。


    【0023】


    本発明はまた、構造【化8】


    〔式中、


    Mは、検出可能な標識であり、


    Lは、構造-(CH

    2 )

    p -または構造-(CH

    2 )

    p -CO-NH-を有するリンカーを表わし、


    Zは、CHまたはNのいずれかであり、


    Sは、除去可能な保護基であり、


    n、m、およびpは、互いに独立して、1〜15の自然数であり、


    OKは、ホスホアミダイトである。 〕


    を有するホスホアミダイトに関する。


    【0024】


    これに関連して、「ホスホアミダイト」という用語には、当業者にホスホアミダイトとして知られているすべての化合物が含まれるものと解釈される(Beaucage, Methods in Molecular Biology, ed. S. Agrawal, Vol.20, p.33-61, 1993)。


    【0025】


    標識は、好ましくは、場合により保護基を備えているフルオレセインのような蛍光染料である。


    【0026】


    本発明はまた、標識された核酸を合成するための本発明に係るホスホアミダイトの使用に関する。 これらのホスホアミダイトを利用して標識された核酸もまた、本発明に包含される。 そのような分子には、構造要素-CH

    2 -CO-NH-M〔式中、Mは、蛍光染料のような検出可能な標識を表わす。 〕を有する置換基が含まれている。 好ましい実施形態では、置換基は、標識された核酸の5'末端リボースの5'位に共有結合される。


    【0027】


    【発明の実施の形態】


    本発明の範囲内において、使用される用語のいくつかは以下のように定義される。


    【0028】


    反応性基とは、好適な条件下で他の分子と反応して共有結合を形成することのできる分子の基を意味する。 反応性基の例は、ヒドロキシル基、アミノ基、およびカルボン酸基である。


    【0029】


    保護基とは、多段階合成反応において特定の非保護反応性基1個だけが所望の反応相手と反応することのできるように分子の1個またはいくつかの反応性基と反応する分子を意味する。 頻繁に使用される保護基の例は、好ましくはヒドロキシル基を保護するために用いられるジメトキシトリチル(DMT)および好ましくはアミノ基を保護するために用いられるFmocである。


    【0030】


    三官能性スペーサーとは、中心炭素原子または中心窒素原子を有すると共に、本質的に炭素から構成される3個の側鎖を含んでなり、各側鎖の末端に反応性基を有する分子である。


    【0031】


    固相担体物質とは、他の分子を固定することのできる反応性基含有固相を形成する高分子物質を意味する。 オリゴヌクレオチド合成の場合、これは、通常、規定された細孔サイズを有する多孔性ガラスビーズ(CPG)である。 このほか、ポリスチレン樹脂ならびに他の有機ポリマーおよびコポリマーを使用することもできる(J. Indian Chem. Soc. 1998, 75, 206-218)。 合成後、オリゴヌクレオチドを担体上に固定した状態で保持する場合、固相担体物質としてガラスまたは半導体チップを使用することもできる。


    【0032】


    標識された反応性担体とは、検出可能な標識と未保護のままの反応性基とを含有する他の化合物が固定されている固相担体物質であると解釈される。


    【0033】


    1〜15個のC原子の長さを有する炭素鎖とは、リンカーを意味する。 そのようなリンカー鎖は、1個の窒素原子またはいくつかの窒素原子を更に含有することもできる。 このほか、リンカーは、1個のエチレングリコール単位またはいくつかのエチレングリコール単位を含有することもできる。


    【0034】


    検出可能な標識とは、分析法により検出することのできる物質であると解釈される。 こうした物質としては、例えば、質量分析法、免疫アッセイ、またはNMRを用いて検出することのできる物質が挙げられる。 特に、検出可能な標識にはまた、フルオレセインまたはローダミンのような蛍光染料が含まれると解釈される。


    【0035】


    ホスホアミダイトとは、ヌクレオシドまたはヌクレオシド誘導体の5'末端にカップリングさせることのできる三価リン原子を有する分子を意味する。 従って、ホスホアミダイトは、オリゴヌクレオチドを合成するために使用することができる。 鎖伸長に用いられる(デオキシ)-リボヌクレオチドホスホアミダイトのほかに、標識で誘導体化されたホスホアミダイトも存在し、これを同様な方法で用いてオリゴヌクレオチドの合成中または合成終了時にオリゴヌクレオチドを標識することもできる(Beaucage, Method in Molecular Biology, ed. S. Agrawal, vol.20, p.33-61 (1993)), (Synlett 10, 1667-1678 (1999))。


    【0036】


    「オリゴヌクレオチド」という用語には、本発明に関して、(デオキシ)-オリゴ-リボヌクレオチドだけでなく、メチルホスホネート、ホスホチオエート、または2'-O-アルキル誘導体のようなすべてのDNAおよびRNA誘導体、ならびにLNA、HNAのようなDNA類似体(18, p.1365-1370 (1999))、ならびに核酸または7-デアザプリンのような改変された塩基をも含有するその類似体、更には、異なるタイプの核酸を含有するキメラまたはその類似体が包含される。


    【0037】


    構造【化9】


    を有する標識された反応性担体は、オリゴヌクレオチド合成に特に好適であることがこれまでに実証されている。 これに関連して、Lとは、リンカーを意味する。 従来技術によれば、このリンカーには、炭素原子を標識に直接連結させるアミド結合が含まれている。


    【0038】


    Tとは、固相担体物質を意味し、好ましくは、市販されているCPG(例えば、Proligo, CPG Inc.)である。 そのような市販の担体物質の表面は、アミノ基で改変されている。


    【0039】


    担体Tは、開裂可能な結合を含有するいわゆる連結基Vを介して分子の残りの部分に連結させることができる。 開裂可能な結合を含有する連結基とは、本発明の範囲内で、三官能性スペーサーと、単純な化学反応により切り離すことのできる固相担体物質と、の間に位置する基であると解釈される。 こうした基としては、スクシニル基またはオキサリル基あるいは開裂可能なエステル結合を含有する他の連結基が挙げられる。 他の連結基は、当業者には公知である(J. Indian. Chem. Soc. 1998, 75, 206-218)。


    【0040】


    そのような連結基は、合成の終了後に溶液中に存在させることが意図されているオリゴヌクレオチドを合成すべく担体物質を適用するのに不可欠である。 これとは対照的に、合成後、担体物質の表面にオリゴヌクレオチドを保持しなければならない場合、例えば、核酸アレイを調製する場合(米国特許第5,624,711号、Nucl. Acids. Res. vol.25, p.1155-1161 (1997))、開裂可能な連結基は不必要であり、むしろ、開裂不能な連結基の方が好ましい。


    【0041】


    担体物質は、1〜15個のC原子を含有する炭素鎖を介して、好ましくは同様に炭素であるかまたは窒素である三官能性中心原子Zに連結される。 除去可能な保護基S、好ましくはDMTが末端に存在する1〜15個のC原子を含有する更なる炭素鎖が、この中心C原子上に位置する。 この保護基は、オリゴヌクレオチド合成の開始前に、弱酸処理により除去することができる。 その後、(デオキシ)-リボヌクレオシドの3'ホスホアミダイト誘導体を、遊離した反応性基にカップリングさせることができる。


    【0042】


    検出可能な標識Mは、好ましくは、蛍光染料である。 そのような標識にオリゴヌクレオチド合成を妨害する可能性のある反応性基が含まれている場合、オリゴヌクレオチド合成の過程で非特異的反応を防止するために、蛍光染料には、当業者に公知の保護基が導入される。 フルオレセインのような蛍光染料は、ピバロイルにより効果的に保護することができる。


    【0043】


    検出可能な標識は、通常、空間的リンカーを介して中心原子に連結される。 このリンカーは、本発明に係る以下の特徴的構造


    M-NH-CO-(CH

    2 )

    p -Z


    または


    M-NH-CO-(CH

    2 )

    p -CO-NH-Z


    〔式中、pは、1〜15の自然数である。 〕


    を有する。


    【0044】


    言い換えると、これは、標識MとリンカーLまたは中心原子Zとの間のアミド結合の方向が従来技術から公知の化合物と比較して反対になっていることを意味する。


    【0045】


    従って、部分構造


    M-NH-CO-


    は、本発明のリンカー構造に特有のものである。


    【0046】


    これにより、上記のアミド結合の電子受容体効果が従来技術から公知の構造


    M-CO-NH-


    の電子受容体効果よりも実質的に小さいことが保障される。


    【0047】


    このことには次のような利点がある。 すなわち、例えば、蛍光染料標識の場合、本発明に従ってコンジュゲートされた蛍光染料のスペクトル特性は、アミド結合の方向が原因で、チオ尿素法によりコンジュゲートされた染料のスペクトル特性とほぼ同等である。 しかしながら、チオ尿素カップリングと比較して、本発明に係るリンカー構造を用いると、オリゴヌクレオチド合成時にも安定に保持されるより一層安定な化合物が得られる。


    【0048】


    本発明に係る標識された反応性担体は、基本的には、二つの異なる方法により合成することができる。 第一の実施形態では、2個の反応性ヒドロキシル基と1個の反応性アミノ基とを含有する反応性三官能性スペーサーを、検出可能な標識のNHS活性化カルボン酸基と反応させる。 もう一つの方法では、反応性カルボン酸基を含有する三官能性スペーサーを、最初に、活性化エステルに変換し、次に、検出可能な分子の反応性アミノ基と反応させる。


    【0049】


    両方法とも本発明の一部分であるので、これらについて以下で更に説明する。 一般的には、合成の各段階を実施するために、当業者に公知である有機化学の調製方法が用いられる。 記載の方法は、単に選択可能な方法の例を示しているにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。


    【0050】


    a) 反応性アミノ基を含有する三官能性スペーサーから出発する本発明に係る担体の製造中心炭素原子とフリーの窒素原子とを含有する市販のスペーサーとして、例えば、セリノールを使用することができる。 中心窒素原子を含有する三官能性スペーサーは、市販の化合物2-ヒドロキシエチルヒドラジンとオキシランとから得ることができる。


    【0051】


    最初のプロセスステップでは、三官能性スペーサーの反応性ヒドロキシル基の一つに保護基を導入することにより、後続の合成ステップ時にこの側鎖が他の反応相手と反応できないようにする。 ジメトキシトリチル(DMT)が、通常、公知の方法により保護基として導入される(J. Am. Chem. Soc. 1963, 85, 3821)。 反応の終了時、1個の保護基だけを有する分子が、当業者に公知のカラムクロマトグラフィー法により単離される。


    【0052】


    遊離末端アミノ基を有する検出可能な標識物質Mは、同様に当業者に公知である有機合成法を用いて、ジカルボン酸無水物のような適切な活性化ジカルボン酸との反応により、アミド結合を形成させつつ、構造


    M-NH-CO-(CH

    2 )

    p -COOH


    〔式中、CH

    2鎖の長さpは、少なくとも1、多くとも15である。 〕


    を有する分子に変換することができる。 カルボン酸残基を有するそのような化合物は、当業者に公知の条件下でN-ヒドロキシスクシンイミドとの反応によりN-ヒドロキシスクシンイミドエステルに変換することができる。 特に、蛍光染料分子は、この方法で対応するNHSエステル誘導体に変換することができる。 しかしながら、標識基Mにヒドロキシル基のような遊離反応性基が含まれている場合、これらは、予め、当業者に公知の適切な保護基を備えていなければならない。


    【0053】


    更なる反応ステップでは、標識されたNHSエステルが、標準的な方法により三官能性スペーサーの遊離アミノ基にカップリングされる。 続いて、遊離状態のままである三官能性スペーサーのヒドロキシル基が、通常はCPGである担体物質に従来の方法で固定される。 ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、またはカルボキシル基のような反応性基を有する誘導体化担体物質は、この目的に使用される。


    【0054】


    固定を行った後、遊離状態のままである担体物質の反応性基は、当業者に公知のいわゆるキャッピング反応により不活性化しなければならない(Pon RT, Methods in Molecular Biology, vol. 20, ed. S. Agrawal Humana Press Inc. New Jersey, chap.19 p.481-482 (1993))。 従って、例えば、遊離状態のままであるアミノ基は、アシル化反応により不活性化される。


    【0055】


    かくして、構造要素


    M-NH-CO-(CH

    2 )

    p -


    を有する固定された化合物が本発明に係る方法により生成される。 また、この化合物は、先に記載の有利な性質の結果として、特に、3'末端標識された核酸を合成するために使用することができる。


    【0056】


    b) 反応性カルボン酸基を含有する三官能性スペーサーから出発する本発明に係る担体の製造


    2個の遊離ヒドロキシル基と1個の遊離アミノ基とを含有する従来の三官能性スペーサーから出発して、最初に、従来の方法を用いてジカルボン酸との反応によりアミド結合を生成させつつ、一般式【化10】


    〔式中、Zは、CHまたはNのいずれかであり、Lは、構造-(CH

    2 )

    p -または構造-(CH

    2 )

    p -CO-NH-を有するリンカーを表わし、それと同時に、m、n、およびpは、互いに独立して、1〜15の自然数である。 〕


    で表わされる化合物を製造する。


    【0057】


    以下の構造を有する化合物が好ましい。


    【化11】


    〔式中、m、n、およびpは、互いに独立して、1〜15の自然数である。 〕


    【0058】


    好ましい方法として、中心窒素原子を有するスペーサー:


    【化12】


    〔式中、m、n、およびpは、この場合にも、互いに独立して、2〜15の自然数である。 〕


    から出発することもできる。 nおよびm = 2である市販のビシンのような分子が特に有利である。 その理由は、中心N原子と2個の末端ヒドロキシル基との間に少なくとも2個のC原子が存在すると、そのような化合物の安定性に関して有利であるからである。


    【0059】


    次に、DMTのような保護基を反応性ヒドロキシル基の一つに導入することにより、後続の合成ステップ時にこの保護基が他の反応相手と反応できないようにする。 反応の終了時、1個の保護基だけを有する分子が、当業者に公知の分取カラムクロマトグラフィー法により単離される。


    【0060】


    続いて、遊離状態のままであるカルボン酸基を当業者に公知の条件下で活性化させる。 特に、トリホスゲンおよびDMFを用いて活性化することがとりわけ好適であることが実証された。


    【0061】


    更なる反応ステップでは、蛍光染料分子のような反応性アミノ基を含有する検出可能な分子を三官能性スペーサーにカップリングさせることができる。 このようにすると、a)のところに記載したように、ヒドロキシル基がジメトキシ-トリチルで保護され、中心原子がリンカーを介して標識基に連結され、しかも遊離ヒドロキシル基が含まれている三官能性スペーサーが生成される。


    【0062】


    最後に、遊離状態のままである三官能性スペーサーのヒドロキシル基が、a)のところに記載されている方法と類似した標準的な方法により通常はCPGである担体物質に固定される。 この場合にも、固定を行った後、遊離状態のままである担体物質の反応性基を、当業者に公知のいわゆるキャッピング反応により不活性化しなければならない。


    【0063】


    本発明のもう一つの実施形態では、標識試薬は非ヌクレオシド型ホスホアミダイトであってもよい。


    【0064】


    反応性担体を製造するための本発明の方法と同じように、最初のステップで、以下の一般式で表わされる中間生成物が調製される。


    【化13】


    〔式中、Mは、検出可能な標識であり、そしてZは、CHまたはNのいずれかである。 Sは、除去可能な保護基を表わし、Lは、構造-(CH

    2 )

    p -または構造-(CH

    2 )

    p -CO-NH-を有するリンカーを表わし、そしてn、m、およびpは、互いに独立して、1〜15の自然数を表わす。 〕


    【0065】


    この実施形態では、保護基Sは、好ましくはジメトキシトリチルである。 標識に存在する可能性のある反応性基が保護基を備えている場合も同様に有利である。


    【0066】


    次に、こうした前駆体を、第二ステップにおいて、遊離状態のままであるヒドロキシル基の反応により公知の方法で本発明に係るホスホアミダイトに変換することができる(例えば、B. Meyer RB Methods in Mol. Biol. vol.26 ed. S. Agrawal, Humana Press Inc. 1994, chapter 2 p.80)。


    【0067】


    そのような本発明のホスホアミダイトは、核酸を標識するために、特に、オリゴヌクレオチドを標識するために、使用することができる。 標識は、5'末端に、3'末端に、またはオリゴヌクレオチド中のいわゆる「非塩基性(abasic)部位」として内部に、導入することができる。


    【0068】


    5'末端ヌクレオチドのリボースの5'位の5'標識の場合、オリゴヌクレオチド合成の終了時に従来の方法により導入が行われる(Beaucage, Methods in Molecular Biology, ed. S. Agrawal, vol.20, p.33-61 (1993))。 続いて、残存する保護基(通常、DMT)が除去される。 このようにすると、構造要素-CH

    2 -CO-NH-Mを含有する置換基を5'末端リボースの5'位に有するオリゴヌクレオチドが得られる。


    【0069】


    ホスホアミダイトにより導入された保護基を再び除去した後、古典的なオリゴヌクレオチド合成の一部分として、遊離ヒドロキシル基上で3'-5'方向に鎖伸長を行うことができる。 いわゆる内部「非塩基性部位」を含有する内部標識された核酸分子は、このようにして生成される。


    【0070】


    3'末端における標識化は、次の原理に従って行われる。 市販の3'-ホスフェート-CPG(例えば、Glenn Research)が担体として使用される。 合成の最初のサイクルで、本発明に係るホスホアミダイトが使用される。 これには追加のトリチル化ヒドロキシル基が含まれているので、DMT保護基を切り離した後、遊離状態になったヒドロキシル基で標準的なオリゴヌクレオチド合成を開始させることができる。 次いで、担体から切り離した後、構造要素-CH

    2 -CO-NH-Mを含有する置換基を3'末端リボースの3'位に有するオリゴヌクレオチドが得られる。


    【0071】


    【実施例】


    以下の実施例により本発明の特徴について更に説明する。


    【0072】


    (実施例1)

    ジピバロイルフルオレセイン

    -NHS

    エステルの調製


    A)

    ジピバロイルニトロフルオレセイン


    【化14】


    ジクロロメタン100mlとピリジン8mlとジメチルホルムアミド6mlとの混合物に4-ニトロフルオレセイン(TCI 199) 5g(13mmol)を加えた懸濁液に、氷で冷却しながら、ピバロイルクロリド(Merck 801276) 8ml(65mmol)を滴下した。 続いて、得られた透明黄色溶液を室温で2.5時間攪拌した。 この方法では、濾過により除去された白色沈澱物(ピリジニウム塩酸塩)が生成される。 ジクロロメタン20mlおよび水50mlを濾液に添加して分液漏斗に移した。 有機相を分離し、水50mlで1回洗浄した。 分離した有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下で蒸発乾固させた。 得られた残渣をジイソプロピルエーテル100mlから再結晶した(収量: 6.5g)。


    【0073】


    B)

    ジピバロイルアミノフルオレセイン


    【化15】


    ジピバロイルニトロフルオレセイン6.5g(11.9mmol)をジオキサン100mlに溶解させた。 次に、エタノール20mlに溶解されたパラジウム/活性炭(Merk 807104)650mgを添加し、振盪しながら水素を2.5時間送入した。 その後、混合物を二重フィルター(丸形フィルター層+ザイツフィルター層)に通して濾過し、続いて、減圧下のロータリーエバポレーター中で蒸発乾固させた。 得られた残渣をシリカゲル60カラム(直径=8.5cm、高さ=30cm)にかけて分離した。 移動溶媒として酢酸エチル/ヘキサン2/1(v/v)の混合物を使用した(収量: 3.0g)。


    【0074】


    C)

    ジピバロイル

    -4-

    アミノグルタリルフルオレセイン


    【化16】


    クロロホルム75mlにジピバロイルアミノフルオレセイン2.6g(5mmol)、グルタル酸無水物2.3g(20mmol)、ジメチルアミノピリジン(Fluka 39405) 123mg(1mmol)、およびトリエチルアミン1.4ml(10mmol)を加えた混合物を、還流下で4時間煮沸した。 室温まで冷却した後、水50mlを添加し、更に15分間攪拌した。 分液漏斗で有機相を分離し、それぞれ水50mlで2回洗浄した。 硫酸ナトリウムで脱水した後、ロータリーエバポレーター中で減圧して蒸発乾固させた。


    【0075】


    残渣をシリカゲル60カラム(直径=8.5cm、高さ=30cm)にかけて分離した。 トルエン/酢酸エチル/メタノールを4/1/2(v/v/v)の比で含有する混合物を移動溶媒として使用した(収量: 3.0g)。


    【0076】


    D)

    ジピバロイル

    -4-

    アミノグルタリルフルオレセイン

    NHS

    エステル


    【化17】


    無水ジクロロメタン250ml(4.1mmol)にジピバロイル-4-アミノグルタリルフルオレセイン2.6g(4.1mmol)を加えた溶液に、N-ヒドロキシスクシンイミド1.4g(12.2mmol)をアルゴン下で添加した。 続いて、モルホリノエチルイソシアニド1.93ml(14.0mmol)を添加し、室温で18時間攪拌した。 減圧下のロータリーエバポレーター中で蒸留により溶剤を除去した。 酢酸エチル600mlとジエチルエーテル100mlとの混合物を残渣に添加した。 分液漏斗中において有機溶液を、それぞれ0.2N HCl 150mlで3回、次に飽和塩化ナトリウム溶液150mlで1回洗浄した。 分離した有機相を硫酸ナトリウムで脱水した。 濾過を行った後、ロータリーエバポレーター中で減圧蒸留することにより溶剤を除去した。 高減圧下で残渣を0.5時間乾燥させた(収量: 2.7g)。


    【0077】


    (実施例2)

    三官能性スペーサーとしての

    DMT-Fmoc

    化合物の調製


    A) N-Fmoc 1,3-

    ジヒドロキシ

    -2-

    アミノプロパン


    【化18】


    Fmoc-NHS (Novabiochem. 01-63-001) 21.6g(64mmol)をジオキサン300mlに溶解させ、そしてセリノール(Aldrich 35,7898) (60mmol)、水(VE) 200ml、および炭酸水素ナトリウム6.8g(80mmol)と逐次的に混合した。 次に、混合物を室温で一晩攪拌した。 翌日、生成した沈澱を濾過により除去した。


    【0078】


    水1.2 Lおよび飽和NaCl溶液50mlを濾液に添加することにより生成物を沈澱させた。 ガラスフリットを用いて上澄み液を吸引濾過した後、デシケーター中で塩化カルシウムを用いて生成物を一晩乾燥させた。 続いて、シリカゲル60カラム(直径=8.5cm、高さ=30cm)にかけて分離した。 体積比5/1の酢酸エチル/メタノール混合物を移動溶媒として使用した(収量: 12.35g)。


    【0079】


    B) N-Fmoc 1-

    ジメトキシトリチルオキシ

    3-

    ヒドロキシ

    -2-

    アミノプロパン


    【化19】


    無水ピリジン55mlにジメトキシトリチルクロリド13.85g(41mmol)を加えた溶液を、無水ピリジン60mlにN-Fmoc 1,3-ジヒドロキシ-2-アミノプロパン12.19g(38.9mmol)を加えた溶液にアルゴン下で添加し、室温で一晩攪拌した。 続いて、ロータリーエバポレーター中で減圧して溶剤を除去し、残渣を酢酸エチル500mlに溶解させ、そして水250ml/飽和NaCl溶液250mlで1回抽出した。 有機相を分離して、硫酸ナトリウムで脱水した。 濾過を行った後、ロータリーエバポレーター中で減圧蒸留することにより溶剤を除去した。


    【0080】


    続いて、シリカゲルを用いて分離した。 トルエン/酢酸エチル/メタノールを4/1/0.5(v/v/v)の比で含有する混合物にトリエチルアミンを0.1%(v)添加し、これを移動溶媒として使用した(収量: 15g)。


    【0081】


    C) 1-

    ジメトキシトリチルオキシ

    -3-

    ヒドロキシ

    -2-

    アミノプロパン


    【化20】


    N-Fmoc 1-ジメトキシトリチルオキシ-3-ヒドロキシ-2-アミノプロパン14g(22.7mmol)を酢酸エチル200mlに溶解させ、続いて、攪拌しながらピペリジン200mlを添加した。 室温で一晩攪拌した後、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下で蒸発乾固させた。 シリカゲルを用いて残渣を分離した。 移動溶媒: 体積比4/1/0.5のトルエン/酢酸エチル/メタノールにトリエチルアミンを0.1%(v)添加したもの(収量: 6.0g)。


    【0082】


    (実施例3)

    本発明に係るフルオレセイン

    CPG

    の調製


    A) 1-

    ジメトキシトリチルオキシ

    -3-

    ヒドロキシ

    -2-

    アミノプロパンを含有するグルタリルアミノ

    -

    ビスピバロイルフルオレセイン

    NHS

    エステルの反応


    【化21】


    (フルオレセインおよび

    DMT

    で置換された本発明の三官能性スペーサーの調製)


    湿分を除去しながら、グルタリルアミノ-ビスピバロイルフルオレセインNHSエステル2.7g(3.7mmol)および1-ジメトキシトリチルオキシ-3-ヒドロキシ-2-アミノプロパン2.0g(5.09mmol)をピリジン2.5ml中で一晩攪拌した。 続いて、ロータリーエバポレーターを用いて減圧蒸留することにより溶剤を除去した。 シリカゲル60を用いて残渣を分離した。 酢酸エチル/メタノールを8/1(v/v)の比で含有する混合物にトリエチルアミンを0.1%(v)添加し、これを移動溶媒として利用した。 収量: 2.4g (TLC: シリカゲル60 Merck 105735 トルエン/酢酸エチル/メタノール 4/1/1 Rf:0.45)。


    【0083】


    B)

    スクシニル化


    (フルオレセイン、

    DMT

    、および反応性カルボキシル基で置換された三官能性スペーサーの調製)


    【化22】


    Aから得られた生成物2.33g(2.3mmol)と無水コハク酸0.49g(5mmol)とDMAP 61.5mg(0.5mmol)と無水ピリジン30.5mlとの混合物を室温においてアルゴン下で一晩攪拌した。 続いて、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下で溶剤を除去した。 シリカゲル60を用いて残渣を分離した。 トルエン/酢酸エチル/メタノールを4/1/1(v/v/v)の比で含有する混合物にトリエチルアミンを0.1%(v)添加し、これを移動溶媒として利用した(収量: 2.2g)。 (TLC: シリカゲル60 Merck 105735 トルエン/酢酸エチル/メタノール, 4/1/1 Rf:0.42)。


    【0084】


    C)

    下記の構造を有するフルオレセイン

    -CPG

    の調製


    (本発明に係るフルオレセイン

    -CPG

    の調製)


    【化23】


    ステップB)から得られたスクシネート2.2g(2.0mmol)とN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC) 2.0g(10.4mmol)とDMAP 200mg(1.64mmol)とからなる懸濁液を、EDCがすべて溶解するまで、500ml丸底フラスコ内の無水DMF80mlと無水ピリジン44mlとの混合物中においてアルゴン下で攪拌した。 次に、Icaa - CPG 500 A (CPG-Inc) 28gを添加した。 続いて、湿分を除去しながら、懸濁液を室温で穏やかに16時間振盪した。


    【0085】


    その後、D3ガラスフリットを用いて減圧濾過し、DMF 220ml、THF 220ml、およびエーテル150mlで逐次的に洗浄し、次いで減圧乾燥させた。


    【0086】


    キャッピングを行うためにピリジン80mlおよびアセトアンヒドリド(acetanhydride)22mlを500mlフラスコ内のCPGに添加し、混合物を室温で穏やかに1時間振盪した。


    【0087】


    次に、D3ガラスフリットを用いて減圧濾過し、そして残渣をTHF 440mlおよびエーテル125mlで逐次的に洗浄した。 その後、CPG物質を高減圧下で4時間乾燥させた(収量:28.4g)。


    【0088】


    D)

    トリチル除去を利用した充填量の検査


    CPG物質4.37mgをDMT除去試薬(Roth 2257.2) 25ml中に懸濁させ、498nmにおける吸光度を測定した(A=0.51)。


    ε

    498nm

    DMT = 14300 (L*/mol*cm)


    計算結果は以下の通りであった。


    14.3 (L*mmol

    -1 *cm

    -1 )*25ml*A

    498nm /重量(mg) = μmol/g CPG


    14.3*25ml*0.514/4.37mg = 42.05μmol/g CPG


    【0089】


    (実施例4)

    本発明に係るフルオレセイン

    -CPG

    の調製


    A)

    ジメトキシトリチル

    -

    ビシン


    【化24】


    ピリジン50mlにジメトキシトリチルクロリド3.38g(10mmol)を溶解した溶液を、ピリジン200mlと無水ビシン6.56g(40mmol)との混合物に激しく攪拌しながら添加した。 次に、室温で湿分を除去しながら18時間攪拌した。 続いて、ロータリーエバポレーターを用いて減圧蒸留により溶剤を除去した。 その後、酢酸エチル200mlを添加して10分間振盪した。 次に、懸濁液を減圧濾過した。 残渣を酢酸エチル200mlと一緒に10分間攪拌し、再び減圧濾過した。 濾液を合わせ、ロータリーエバポレーターを用いて減圧下で30mlまで濃縮した。 次に、攪拌しながら溶液にヘキサン700mlを滴下した。 これにより生成物の凝集が起こる。 続いて、吸引濾過し、ヘキサン200mlで再洗浄し、そして高減圧下で乾燥させた(収量: 1.1g)。


    【0090】


    B) N-(2-

    ヒドロキシエチル

    )-N (2-

    ジメトキシトリチルオキシエチル

    )-5-(2-

    アミノ

    -

    エチルカルボキサミド

    )-

    ビスピバロイルフルオレセイン


    【化25】


    ビストリクロロメチルカーボネート(トリホスゲン) 0.52g(1.75mmol)をアルゴン下で無水THF 30mlに攪拌しながら溶解させた。 続いて、氷で冷却しながらDMF 0.370mlを添加して0℃で1時間攪拌した。 室温まで加熱した後、トリエチルアミン2.20mlを添加し、次いで、ジメトキシトリチル-ビシン2.33g(5mmol)およびジピバロイル-(4'-アミノ)-フルオレセイン2.60g(5mmol)をTHF 20mlに溶解させた混合物を添加し、そして次に室温で16時間攪拌した。


    【0091】


    続いて、ロータリーエバポレーターを用いて減圧蒸留することにより溶剤を除去した。 シリカゲル60を用いて残渣を分離した。 トルエン/酢酸エチル/メタノールを4/1/1(v/v/v)の比で含有する混合物にトリエチルアミンを0.1%添加し、これを移動溶媒として利用した(収量: 0.6g)。


    【0092】


    スクシニル化およびCPG担体へのカップリングは、実施例3の記載に従って行った。


    【0093】


    (実施例5)

    3'

    標識されたフルオレセイン

    27

    量体オリゴヌクレオチドの合成および精製


    DNA自動合成機(Applied Biosystems, model ABI 392-08)を利用して合成を行った。 合成スケールは1μmolであった。 このために、実施例3から得られたフルオレセイン-CPG物質24mgを空の合成カラム(Glenn Research)に充填し、このカラムを合成機の適切な位置に取り付けた。 標準的な3'-ホスホアミダイト([(MeO)

    2 Tr]ib

    2 G

    d 、[(MeO)

    2 Tr]bz

    6 A

    d 、[(MeO)

    2 Tr]bz

    4 C

    d 、[(MeO)

    2 Tr]T

    d )を合成に使用した。


    【0094】


    オリゴマー合成は、DNA合成機で常用されるホスホアミダイトプロトコルに準拠してトリチル・オフ・モードで行った。 25%NH

    3 /H

    2 Oを用いてオリゴヌクレオチドを開裂または脱保護した(55℃で8時間)。 精製するために、MonoQ(5.0×50mmカラム、Amersham Pharmacia Biotech製)を用いてイオン交換クロマトグラフィーを行った(A: 10mM水酸化ナトリウム/水 B: 1M塩化ナトリウムを含む10mM水酸化ナトリウム/水、流量: 1ml/分、30分以内で0%Bから100%Bへ)。 標識されたオリゴマーを透析またはゲル濾過により脱塩し、そして凍結乾燥させた。


    【0095】


    図1は、HPLCクロマトグラムを示している。 HPLC条件は次の通りである: カラム: RP18 Bischoff Hypersil ODS 5μ NC (250×4.6mm) part 25461805、緩衝液A: 0.1M酢酸トリエチルアンモニウムpH6.8、緩衝液B: 1 l A + 1 l アセトニトリル、グラジエント: 0%Bで2分間、23分間で100%Bへ、100%Bで8分間、流量: 1ml/分、260nmで検出。


    【0096】


    図2は、MALDI MSスペクトルを示している(Voyager DE, PerSeptive Biosystems、マトリックス: 3 ヒドロキシピコリン酸)。 m/z=8798.2のピークは、オリゴヌクレオチドの質量に対応し、そしてm/z=10598.2のピークは、内部標準である。


    【0097】


    これらの図はいずれも、本発明に係る3'標識されたオリゴヌクレオチドを高純度で合成できることを示している。


    【図面の簡単な説明】


    【図1】 3'末端にフルオレセイン標識を有する本発明により合成されたオリゴヌクレオチドのHPLCクロマトグラムを示す図である。


    【図2】本発明により合成された同じオリゴヌクレオチドの質量スペクトルを示す図である。

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