Intermediates and enzymes of the non-mevalonate isoprenoid pathway

申请号 JP2002581475 申请日 2002-04-10 公开(公告)号 JP2005505248A 公开(公告)日 2005-02-24
申请人 バッハー,アーデルバート; ローディッヒ、フェリックス; 发明人 アイゼンライヒ、ヴォルフガング; アダム、ペトラ; アムスリンガー、サビーネ; バッハー、アデルバート; ヘヒト、ステファン; ローディッヒ、フェリックス;
摘要 本発明は、イソプレノイドの非メバロン酸経路の、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸の1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特にその(E)型への酵素的変換に機能する形のタンパク質を提供する。 本発明はまた、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特にその(E)型をイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸への酵素的変換に機能する形のタンパク質も提供する。 さらに、これらのタンパク質の阻害物質のスクリーニング法も提供する。 さらに、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、その調製の化学的及び酵素的方法を提供する。
权利要求
  • 2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸を、特に(E)型の1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸に酵素的に変換するのに機能的な形態のタンパク質。
  • NADH及び/又はNADPHの存在下で前記変換に機能的な請求項1記載のタンパク質。
  • Co 2+の存在下で前記変換に機能的な請求項2記載のタンパク質。
  • 大腸菌のispG(以前はgcpE)でコードされる配列又は前記配列の機能保存的相同体を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のタンパク質。
  • 特に(E)型の1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸を、イソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸に酵素的に変換するのに機能的な形態のタンパク質。
  • FAD及びNAD(P)Hの存在下で前記変換に機能的な形態の請求項5記載のタンパク質。
  • マンガンイオン、鉄イオン、コバルトイオン、又はニッケルイオンの群から選択される金属イオンの存在下で前記変換に機能的な形態の請求項6記載のタンパク質。
  • 大腸菌のispH(以前はlytB)でコードされる配列又は前記配列の機能保存的相同体を有する請求項5〜7のいずれか一項に記載のタンパク質。
  • 植物性タンパク質、特にシロイヌナズナ由来の植物性タンパク質である請求項1〜8のいずれか一項に記載のタンパク質。
  • 細菌タンパク質、特に大腸菌由来の細菌タンパク質である請求項1〜8のいずれか一項に記載のタンパク質。
  • 原虫タンパク質、特に熱帯熱マラリア原虫由来の原虫タンパク質である請求項1〜8のいずれか一項に記載のタンパク質。
  • 請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンパク質及び/又は請求項5〜8のいずれか一項に記載のタンパク質をコードする、イントロンを含む又は含まない精製単離された核酸。
  • 請求項12記載の核酸の配列を含むDNA発現ベクター。
  • イソプレノイド生合成の阻害物質のケミカルライブラリーをスクリーニングするための請求項1〜11のいずれか一項に記載のタンパク質の使用。
  • 請求項12記載の核酸の配列又は請求項13記載のベクターを組換えによって付与された細胞、細胞培養物、生物、又はその部分であって、前記細胞が細菌細胞、原虫細胞、真菌細胞、植物細胞、昆虫細胞、及び哺乳動物細胞からなる群から選択される細胞、細胞培養物、生物、又はその部分。
  • 請求項15記載の細胞、細胞培養物、生物、又はその部分であって、請求項1〜4のいずれか一項に記載のタンパク質及び/又は請求項5〜8のいずれか一項に記載のタンパク質をコードする核酸配列を含むベクターを組換えによって付与され、前記細胞が、大腸菌のdxs、dxr、ispD(以前はygbP)、ispE(以前はychB)、ispF(以前はygbB)、又はその機能保存的相同体、あるいは上記遺伝子のいずれかの機能保存的な融合変異体、欠失変異体、又は挿入変異体の群から選択される少なくとも1つの遺伝子をさらに与えられていてもよい細胞、細胞培養物、生物、又はその部分。
  • 形質転換又はトランスフェクトされていない細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分と比較して、特に(E)型の1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の形成率が増大するように形質転換又はトランスフェクトされた細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分。
  • 形質転換又はトランスフェクトされていない細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分と比較して、(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸のイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸への変換率が増大するように形質転換又はトランスフェクトされた細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分。
  • 形質転換又はトランスフェクトされていない細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分と比較して、請求項1〜4のいずれか一項のタンパク質及び/又は請求項5〜8のいずれか一項のタンパク質の発現レベルが増大するように形質転換又はトランスフェクトされた請求項15記載の細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分。
  • 大腸菌のispC(以前はdxr)、ispD、ispE、ispF、ispG(以前はgcpE);又はispC、ispD、ispE、ispF、ispG、ispH(以前はlytB);又はdxs、ispC、ispD、ispE、ispF、ispG;又はdxs、ispC、ispD、ispE、ispF、ispG、ispH;又はdxs、ispC、ispG;又はdxs、ispC、ispG、ispH、
    のセットの遺伝子、又はその機能保存的相同体、及び/又は上記遺伝子のいずれかの機能保存的な融合変異体、欠失変異体、又は挿入変異体を組換えによって付与されたことを特徴とする請求項15又は16に記載の細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分。
  • C5イソプレノイドの下流にある生合成段階で機能的な遺伝子を組換えによってさらに付与されたことを特徴とする請求項20記載の細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分。
  • 前記の組換えによって付与された少なくとも1つの遺伝子が、人工のリボソーム結合部位が存在しない場合の速度と比較して増強された速度で対応する遺伝子生成物を発現する人工のリボソーム結合部位を備えた請求項15〜21のいずれか一項に記載の細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分。
  • 前記の組換えによって付与された少なくとも1つがコピー数の多い複製ベクターによるものである請求項15〜22のいずれか一項に記載の細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分。
  • 細菌、原虫、真菌、植物、又は動物由来の請求項15〜23のいずれか一項に記載の細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分。
  • 同位体標識されていてもよい1−デオキシ−D−キシルロース又はグルコースを場合によって与えることによって、非メバロン酸イソプレノイド生合成経路の場合によって同位体標識された生合成中間体又は生成物のイン・ビボでの生成率を高めるための又は効率的なイン・ビドロ生成のための請求項15〜24のいずれか一項に記載の細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分又はその分裂生成物の使用。
  • 前記中間体又は生成物がC5−イソプレノイド中間体化合物、>C5−イソプレノイド化合物、又はテルペノイド化合物である請求項25記載の使用。
  • CTP源を供給することによって形成率又は生成率を上昇させる請求項25又は26に記載の使用。
  • CTP源がシチジン及び/又はウリジン及び/又はシトシン及び/又はウラシル及び/又はリボース及び/又はリボース5−リン酸及び/又はCTPの任意の生合成前駆体である請求項27記載の使用。
  • リン酸化の増強源を供給することによって形成率又は生成率を上昇させる請求項25〜28のいずれか一項に記載の使用。
  • リン酸化の増強源がグリセロール3−リン酸及び/又はホスホエノールピルビン酸及び/又は無機リン酸及び/又は無機ピロリン酸及び/又は任意の有機リン酸又はピロリン酸である請求項29記載の使用。
  • 還元等価物源を供給することによって形成率又は生成率を上昇させる請求項25〜30のいずれか一項に記載の使用。
  • 還元等価物源がサクシネート及び/又は脂質及び/又はグルコース及び/又はグリセロール及び/又はラクテートである請求項31記載の使用。
  • 下記の式Iの同位体標識されていてもよい化合物又はその塩。
    [式中、R 及びR は互いに異なり、R 及びR の一方は水素であり、他方は−CH −O−PO(OH)−O−PO(OH) 、−CH −O−PO(OH) 、及び−CH OHからなる群から選択され、Aは−CH OH又は−CHOである]
  • Aが−CH OHである請求項33記載の同位体標識されていてもよい化合物。
  • Aが−CHOである請求項33記載の同位体標識されていてもよい化合物。
  • がHであり、R が−CH −O−PO(OH)−O−PO(OH) 及び−CH −O−PO(OH) からなる群から選択される請求項33〜35のいずれか一項に記載の同位体標識されていてもよい化合物。
  • がHであり、R が−CH −O−PO(OH)−O−PO(OH) 及び−CH −O−PO(OH) からなる群から選択される請求項33〜35のいずれか一項に記載の同位体標識されていてもよい化合物。
  • 前記群が−CH −O−PO(OH)−O−PO(OH) からなる請求項33〜37のいずれか一項に記載の同位体標識されていてもよい化合物。
  • 同位体標識されていてもよい1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸塩又はそのプロトン付加体。
  • 同位体標識されていてもよい(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸塩又はそのプロトン付加体。
  • 同位体標識されていてもよい(Z)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸塩又はそのプロトン付加体。
  • 電子供与体の存在下でイン・ビトロ又はイン・ビボで、イソプレノイドもしくはテルペノイド生合成の遺伝子、酵素、又は阻害物質をスクリーニングするための請求項33〜41のいずれか一項、特に請求項38に記載の化合物の使用。
  • 免疫調節剤としての請求項33〜41のいずれか一項、特に請求項40に記載の化合物の使用。
  • γδT細胞を活性化するための請求項33〜41のいずれか一項、特に請求項40に記載の化合物の使用。
  • 医薬調製のための請求項33〜41のいずれか一項、特に請求項40に記載の化合物の使用。
  • 請求項33〜41のいずれか一項、特に請求項36又は40に記載の化合物及び薬剤として許容される担体を含む薬剤組成物。
  • 抗生作用活性化合物をさらに含む請求項46記載の薬剤組成物。
  • 抗生作用活性化合物が静菌性である請求項47記載の薬剤組成物。
  • 抗生作用活性化合物が細菌性タンパク質合成を阻害する請求項47記載の薬剤組成物。
  • 請求項46〜49のいずれか一項に記載の薬剤組成物を投与することを含む病原体感染を治療する方法。
  • 請求項33〜41のいずれか一項の化合物に対するモノクローナル又はポリクローナル抗体。
  • 請求項51の抗体を使用して、病原体、特に体液中の病原体を検出する方法。
  • 2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸を1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特に(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸に変換するための酵素的にコンピテントな形態のタンパク質を生成するための請求項15〜24のいずれか一項に記載の細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分の使用。
  • (E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸をイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸に変換するための酵素的にコンピテントな形態のタンパク質を生成するための請求項15〜24のいずれか一項に記載の細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分の使用。
  • 2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸をイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸に変換するための酵素的にコンピテントな形態のタンパク質を生成するための請求項15〜24のいずれか一項に記載の細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分の使用。
  • (a)宿主細胞をispG及び/又はispH遺伝子で形質転換させるステップと、
    (b)ステップ(a)の形質転換宿主細胞をispG及び/又はispHの効率的な発現に適した条件下で増殖させて、非形質転換細胞の発現レベルと比較して形質転換細胞中のispG及び/又はispH遺伝子生成物のレベルを変化させるステップ、
    を含む細胞中のispG及び/又はispHの遺伝子生成物の発現レベルを変化させる方法。
  • 非メバロン酸イソプレノイド経路の2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸の1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4二リン酸、特にそのE体への変換に機能的な酵素の阻害物質を同定する方法であって、
    (a)潜在的な阻害物質の存在下及び不存在下で、前記酵素を、同位体標識されていてもよいその基質である2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸と共に含む混合物を前記変換に適した条件下でインキュベートするステップと、
    (b)次いで、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸及び/又は1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の濃度を決定するステップと、
    (c)前記潜在的な阻害物質の存在下及び不存在下で濃度を比較するステップ、
    による方法。
  • 非メバロン酸イソプレノイド経路の1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4二リン酸、特にそのE体のイソペンテニル二リン酸又はジメチルアリル二リン酸への変換に機能的な酵素の阻害物質を同定する方法であって、
    (a)潜在的な阻害物質の存在下及び不存在下で、前記酵素を、同位体標識されていてもよいその基質1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4二リン酸と共に含む混合物を前記変換に適した条件下でインキュベートするステップと、
    (b)1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4二リン酸及び/又はイソペンテニル二リン酸又はジメチルアリル二リン酸の濃度を決定するステップと、
    (c)前記潜在的な阻害物質の存在下及び不存在下の濃度を比較するステップ、
    による方法。
  • ステップ(a)をFADの存在下で実施する請求項58記載の方法。
  • 前記酵素をコードする遺伝子を組換えによって付与された細胞を調製するステップと、前記細胞を培養するステップと、前記細胞の粗製抽出物を調製するステップと、前記粗製抽出物をステップ(a)で使用するステップをさらに含む請求項57〜59のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記酵素が植物の酵素である請求項57〜60のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記酵素が熱帯熱マラリア原虫の酵素である請求項57〜60のいずれか一項に記載の方法。
  • 前記酵素が細菌の酵素である請求項57〜60のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(a)のインキュベーションをスルフヒドリル還元剤、例えばジチオスレイトールの存在下で実施する請求項57〜60のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(a)のインキュベーションをホスファターゼ阻害物質の存在下で実施する請求項57〜64のいずれか一項に記載の方法。
  • ホスファターゼ阻害物質がフッ化アルキルである請求項65記載の方法。
  • ステップ(a)のインキュベーションをNADH又はNADPHの存在下で実施する請求項57〜66のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(a)のインキュベーションをイソペンテニル二リン酸又はジメチルアリル二リン酸の下流で作用する酵素の阻害物質の存在下で実施する請求項57〜67のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(a)のインキュベーションをCo 2+ 、Mn 2+ 、Fe 2+ 、Ni 2+塩の群から選択された塩の存在下で実施する請求項57〜68のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(b)を逆相イオン対HPLCクロマトグラフィーで実施する請求項57〜69のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(b)をNADH又はNADPHの消費を決定することによって実施する請求項57〜69のいずれか一項に記載の方法。
  • 高スループットスクリーニングと同時に又は連続的に多くの潜在的な阻害物質について実施する請求項57〜71のいずれか一項に記載の方法。
  • 同位体標識されていてもよい、塩形態又はプロトン付加体の1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特に(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸;又はイソペンテニル二リン酸もしくはジメチルアリル二リン酸を効果的にイン・ビボ合成するための方法であって、
    (a)請求項15〜24のいずれか一項に記載の組換えによって付与された細胞、好ましくは細菌細胞を、所定の温度で所定の時間前記合成するために培養するステップと、
    (b)グルコースを所定の最終濃度まで加え、所定の時間さらに培養してもよいステップと、
    (c)細胞を回収するステップと、
    (d)回収した細胞から粗製抽出物を調製するステップと、
    (e)同位体標識されていてもよい、塩形態又はプロトン付加体の1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4二リン酸、特に(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸;又はイソペンテニル二リン酸もしくはジメチルアリル二リン酸を、調製用クロマトグラフィーで分離及び精製してもよいステップ、
    による方法。
  • 特に中間体1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特に(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸及び/又はイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸の生合成を妨げることにより、イソプレノイドの生合成の阻害の存在下又は不存在下でケミカルライブラリーをスクリーニングするための方法であって、前記スクリーニングが、
    (a)請求項15に従って組換えによって付与された細胞、好ましくは細菌細胞を所定の温度で所定の時間培養するステップと、
    (b)グルコースを所定の最終濃度まで加え、所定の時間さらに培養してもよいステップと、
    (c)細胞を回収するステップと、
    (d)回収した細胞から粗製抽出物を調製するステップと、ここで、ステップ(a)から(d)を有望な阻害物質の存在下及び不存在下で実施し、
    (e)有望な阻害物質の存在下と不存在下の間での1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特に(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸及び/又はイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸のレベルの差異を検出するステップと、
    (f)上記で定義した阻害の存在下又は不存在下で前記検出した差異を相関させるステップ、
    を含む方法。
  • イソプレノイド又はテルペノイドへの非メバロン酸経路の生合成生成物又は中間体を効率的に形成する細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分であって、
    (a)1−デオキシ−D−キシルロースから1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸を生合成するのに機能的な遺伝子による第1の組換えによる第1の付与、
    (b)1−デオキシ−D−キシルロースを取り込む能力、
    (c)1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸を前記経路の所望の下流のC5中間体に変換するのに機能的な遺伝子の組換えによる付与、
    を特徴とする細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分。
  • 前記第2の組換えによる供与の前記遺伝子が、非メバロン酸イソプレノイド経路の以下のC5中間体、
    (a)2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸、
    (b)4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール、
    (c)4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール2−リン酸、
    (d)2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸、
    (e)1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、
    (f)イソペンテニル二リン酸、及び(g)ジメチルアリル二リン酸、
    の少なくとも1つを形成するための酵素をコードする請求項75記載の細胞、細胞培養物、又は生物、もしくはその部分。
  • 大腸菌の以下の遺伝子のセット、
    (a)xylB、dxr、又は(b)xylB、dxr、ispD(以前はygbP)、又は(c)xylB、dxr、ispD、ispE(以前はychB)、又は(d)xylB、dxr、ispD、ispE、ispF(以前はygbB)、又は(e)xylB、dxr、ispD、ispE、ispF、ispG(以前はgcpE)、又は(f)xylB、dxr、ispD、ispE、ispF、ispG、ispH(以前はlytB)、
    あるいはその機能保存的相同体及び/又は上記遺伝子のいずれかの機能保存的な融合変異体、欠失変異体、又は挿入変異体の組換えによる供与を特徴とする請求項75又は76に記載の細胞、細胞培養物、生物、又はその部分。
  • 大腸菌のxylB及びispG(以前はgcpE)並びに、dxr、ispD(以前はygbP)、ispE(以前はychB)、及びispF(以前はygbB)の群から選択される少なくとも1つの遺伝子であってもよく、あるいはその機能保存的相同体、又は上記遺伝子のいずれかの機能保存的な融合変異体、欠失変異体、又は挿入変異体の組換えによる供与を特徴とする請求項75記載の細胞、細胞培養物、生物、又はその部分。
  • 大腸菌のxylB及びispH(以前はlytB)並びに、dxr、ispD(以前はygbP)、ispE(以前はychB)、ispF(以前はygbB)、及びispG(以前はgcpE)の群から選択される少なくとも1つの遺伝子であってもよく、あるいはその機能保存的相同体、又は上記遺伝子のいずれかの機能保存的な融合変異体、欠失変異体、又は挿入変異体の組換えによる供与を特徴とする請求項75記載の細胞、細胞培養物、生物、又はその部分。
  • 大腸菌のxyl、ispG(以前はgcpE)、及びispH(以前はlytB)並びに、dxr、ispD(以前はygbP)、ispE(以前はychB)、及びispF(以前はygbB)の群から選択される少なくとも1つの遺伝子であってもよく、あるいはその機能保存的相同体、又は上記遺伝子のいずれかの機能保存的な融合変異体、欠失変異体、又は挿入変異体の組換えによる供与を特徴とする請求項75記載の細胞、細胞培養物、生物、又はその部分。
  • 同位体標識されていてもよい、塩形態又はプロトン付加体の2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸;4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール;4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール2−リン酸;2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸;1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特に(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸;又はイソペンテニル二リン酸もしくはジメチルアリル二リン酸を効果的にイン・ビボ合成するための方法であって、
    (a)請求項75〜80のいずれか一項に記載の組換えによって付与された細胞、好ましくは細菌細胞を、所定の温度で所定の時間前記合成するために培養するステップと、
    (b)1−デオキシ−D−キシルロースを所定の最終濃度まで加え、所定の時間さらに培養するステップと、
    (c)細胞を回収するステップと、
    (d)回収した細胞から粗製抽出物を調製するステップと、
    (e)同位体標識されていてもよい、塩形態又はプロトン付加体の2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸;4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール;4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール2−リン酸;2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸;1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特に(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸;又はイソペンテニル二リン酸もしくはジメチルアリル二リン酸を、調製用クロマトグラフィーで分離及び精製するステップ、
    による方法。
  • ステップ(a)テリフィックブロス培地で実施する請求項73、74又は81に記載の方法。
  • CTP、好ましくはシチジン又はウリジン源をステップ(a)に加える請求項73、74、81又は82に記載の方法。
  • リン酸化活性源、好ましくはグリセロール3−リン酸及び/又は無機リン酸をステップ(a)に加える請求項73、74及び81〜83のいずれか一項に記載の方法。
  • 還元等価物、好ましくはコハク酸及び/又は脂質及び/又はグルコース及び/又はグリセロール及び/又は乳酸をステップ(a)に加える請求項73、74及び81〜84のいずれか一項に記載の方法。
  • 特に中間体2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸及び/又は4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール及び/又は4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール2−リン酸及び/又は2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸及び/又は1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特に(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸及び/又はイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸の生合成を妨げることにより、イソプレノイドの生合成の阻害の存在又は不存在のケミカルライブラリーをスクリーニングするための方法であって、前記スクリーニングが、(i)有望な阻害物質の存在下及び不存在下で請求項81のステップ(a)から(d)を好ましくは請求項82〜85のいずれか一項と組み合わせて実施し、(ii)有望な阻害物質の存在下と不存在下の間での1−デオキシ−D−キシルロース及び/又は1−デオキシ−Dキシルロース5−リン酸及び/又は2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸及び/又は4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール及び/又は4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール2−リン酸及び/又は2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸及び/又は1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特に(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸及び/又はイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸のレベルの差異を検出するステップと、(iii)上記で定義した阻害の存在下又は不存在下で前記検出した差異を相関させるステップを含む方法。
  • 前記ステップ(ii)の検出をHPLC及び/又はNMR分光法で実施する請求項74又は86に記載の方法。
  • 請求項75〜80のいずれか一項で定義した組換えによる供与の1つをコードする配列を含むベクター。
  • 式Iの化合物又はその塩を化学的に調製する方法であって、
    (式中、Aは−CH OHを表し、R 及びR は互いに異なり、R 及びR の一方は水素であり、他方は−CH −O−PO(OH)−O−PO(OH) 、−CH −O−PO(OH) 、及び−CH OHである)、
    (a)以下の式(II)の化合物
    (式中、Bは保護基である)をウィッティヒ試薬又はホーナー試薬で以下の式(III)又は(IV)の化合物
    (式中、基Dは−CH −OH基に還元的に変換できる前駆体基である)に変換するステップと、
    (b)基Dを−CH −OH基に還元的に変換するステップと、
    (c)ステップ(b)で得た基−CH −OHをそれ自体知られた方法で−CH −O−PO(OH)−O−PO(OH) 、−CH −O−PO(OH) 、又はその塩に変換してもよいステップと、
    (d)所望の塩に変換してもよいステップと、
    (e)保護基Bを除去するステップ、
    による方法。
  • 前記保護基Bが式(II)の化合物の残りの部分と共にアセタールを形成する請求項89記載の方法。
  • 前記保護基Bが2−テトラヒドロピラニル基である請求項89又は90に記載の方法。
  • 基Dがアルコキシカルボニル基である請求項89〜91のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(b)の前記還元を水素化金属、特に水素化アルミニウム又は水素化ホウ素で実施する請求項89〜92のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(c)が前記−CH −OH基を−CH −ハライド基に変換することを含む請求項89〜93のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(c)が前記−CH −OH基をスルホン酸ハロゲニド、特にトシルクロリドと反応させることを含む請求項89〜94のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(c)がリン酸、二リン酸、又はその塩との反応を含む請求項89〜95のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(a)から(c)を非プロトン溶媒で実施する請求項89〜96のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(e)を酸加水分解で実施する請求項89〜97のいずれか一項に記載の方法。
  • 式Iの化合物又はその塩を化学的に調製する方法であって、
    (式中、Aは−CH OH又は−CHOを表し、R は水素であり、R は−CH −O−PO(OH)−O−PO(OH) 、−CH −O−PO(OH) 、又は−CH OHである)、
    (a)2−メチル−2−ビニル−オキシランを4−クロロ−2−メチル−2−ブテン−1−アールに変換するステップと、
    (b)4−クロロ−2−メチル−2−ブテン−1−アールをそのアセタールに変換するステップと、
    (c)ステップ(b)の生成物の塩素原子をヒドロキシル基、リン酸基、又はピロリン酸基で置換するステップと、
    (d)ステップ(c)で得られたアセタールを加水分解して、アルデヒド基を生成するステップと、
    (e)ステップ(d)の生成物のアルデヒド基を−CH −OH基に変換してもよいステップ、
    による方法。
  • ステップ(a)をCuCl の存在下で実施する請求項99記載の方法。
  • ステップ(b)をギ酸のオルトアルキルエステルの存在下で実施する請求項99又は100に記載の方法。
  • が−CH −O−PO(OH)−O−PO(OH) 又は−CH −O−PO(OH) であり、ステップ(b)の生成物をテトラ−アルキルアンモニウムピロリン酸又はテトラ−アルキルアンモニウムリン酸とそれぞれ極性非プロトン溶媒中で反応させることによりステップ(c)を実施する請求項99〜101のいずれか一項に記載の方法。
  • ステップ(e)を水溶液中のアルカリ金属ホウ化水素で実施する請求項99〜102のいずれか一項に記載の方法。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸依存性生合成経路の生合成生成物又は中間体又は酵素の効率的な形成のための細胞、細胞培養物又は生物、又はその部分に関する。 さらに、本発明は、これらを生成するためのベクターに関する。 さらに、本発明は前記生合成経路の中間体又は生成物又は酵素の形成又は生成へのそれらの使用並びに酵素及び中間体に関する。 さらに、本発明は前記生合成経路の阻害物質又は酵素のスクリーニングに関する。
    【背景技術】
    【0002】
    どの生物の生合成経路の系も非常に効率的であり、少数の中心幹経路(trunk pathway)が非常に多数の末梢経路に枝分かれしている。 中心幹経路には、高度に統合された出発物質が含まれている。 従って、中心又は幹経路は高度に制御されている。 同時に、これらの経路は、阻害物質又は代謝エンジニアリングのいずれかによって任意の生物の代謝を干渉しようとする試みにとって非常に重要である。
    【0003】
    イソプレノイド経路はこの代謝機構の最も重要な例である。 この経路は非常に長く、高度に分岐しており、約30000種のイソプレノイド又はテルペノイド化合物を導く。 これらの化合物はすべて、イソペンテニル二リン酸(IPP)及びジメチルアリル二リン酸(DMAPP)から得られるものと思われる。 これらは2つの別々な幹経路で生成される(Eisenreichら、2001に総説)。 Bloch、Cornforth、Lynenらの古典的な研究により、イソペンテニル二リン酸(IPP)及びジメチルアリル二リン酸(DMAPP)はメバロン酸を介したイソプレノイドの生合成の主要な中間体として確立された。 しかし、いくつかの細菌、すべての植物のプラスチド及び原虫である熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)は、1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸を介した別の経路でIPP及びDMAPPを合成する。 この経路の発見は主として、大腸菌から得たメナキノンのイソプレノイド側鎖への同位体標識1−デオキシ−D−キシルロースの取り込みによるものであった。 このメバロン酸非依存性経路はこれまで、部分的にしか探索されていない(図1)。 本発明のこれらの態様をより理解するために、この経路を簡単に説明する。 この経路は3つの部分に分けることができる。
    【0004】
    図1に示す第1の経路部分では、ピルビン酸(1)がグリセロアルデヒド3−リン酸(2)又は1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸(DXP)(3)と縮合する。 続いて、リアレンジメントと還元を含む2段階反応によって、DXPは2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸(MEP)に変換される。 これによって5炭素イソプレノイド骨格が確立される。
    【0005】
    メバロン酸非依存性経路(図1)の次の部分では、MEP(4)は先ず、4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトールシンターゼによってCTPと縮合して、4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール(CDP−ME)(5)になる(PCT/EP00/07548)。 続いて、CDP−ME(5)は4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトールキナーゼによりATP依存的にリン酸化されて、4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール2−リン酸(CDP−MEP)(6)になる。 この中間体は続いて、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸シンターゼにより2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸(cMEPP)(7)になる(PCT/EP00/07548)になる。 これらの3つの酵素的ステップにより、イソプレノイドC 骨格を第3経路部分のために活性化する生合成単位を形成する(Rohdichら、1999;Luttgenら、2000;Herzら、2000)。
    【0006】
    バイオインフォマティックスの研究(ドイツ特許出願第10027821.3)及びSynechocystis sp. の変異株(Cunninghamら、2000)及び大腸菌(Escherichia coli)の変異株(Camposら、2001;Altincicekら、2001)の研究は、イソプレノイド経路にlytB遺伝子及びgcpE遺伝子が関与していることを示している。 しかし、対応の遺伝子生成物が触媒する機能及び反応についてはまだ知られていない。
    【0007】
    最近、1−デオキシ−D−キシルロースの1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸への高率の変換を触媒するキナーゼ(XyIB)が記載されている(Wungsintaweekulら、2000)。 さらに下流の反応に参加する遺伝子及び酵素が記載されている。 しかし、遺伝子機能、中間体及び生成物へ導く機構についてはまだ知られていない。
    【0008】
    多数の病原性真性細菌及びマラリア原虫(P.falciparum)には、非メバロン酸経路に関与する酵素が必須である。 病原性真性細菌及びP. falciparumはメバロン酸非依存性経路の中間体を環境から同化することができない。 代替イソプレノイド経路の酵素は哺乳類には存在せず、哺乳類はメバロン酸経路を介してのみ哺乳類のイソプレノイド及びテルペノイドを合成する。 さらに、この経路の反応の特異性により他の酵素、特に哺乳類の酵素との交差阻害の危険性が低い。
    【0009】
    したがって、代替イソプレノイド経路の酵素は、病原性微生物に対する新規作用剤及び除草剤の標的として特に適しているように思われる。 このためには、未知のステップの解明やこれらの標的、例えばこれらの経路の遺伝子及び同族酵素の解明が必要である。
    【0010】
    非メバロン酸経路が興味深い別の理由は、Mycobacteria、Plasmodia、Escherichiaなどのある種の病原体がこの経路を使用してγδT細胞を活性化しているということである(Fournie及びBonneville、1996)。 したがって、γδT細胞はこのような病原体による感染に対する防御の最前線として作用するように思われる。 非メバロン酸経路の中間体はγδT細胞活性化を担っていることが示唆されている(Jomaaら、1999)。 最近、大腸菌(E.coli)株は、dxr遺伝子又はgcpE遺伝子がノックアウトされると、γδT細胞刺激能を失うことが示されている(Altincicekら、2001)。
    【0011】
    さらに、これらの経路は有用なビタミン及びイソプレノイド又はテルペノイド生成物を導くので、これらの経路に対してバイオテクノロジー的に大きな興味が持たれている。
    【0012】
    これらの目標に到達するための以前の試みは、これまで研究されていた野生型細胞でのこれらの経路による生合成率が低いことによって阻まれてきた。
    【発明の開示】
    【発明が解決しようとする課題】
    【0013】
    本発明の目的は、酵素、前記酵素をコードする核酸及び2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸をイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸に変換するための中間体を提供することである。
    【0014】
    驚くべきことに、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸からイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸への変換の中間体が1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸であることが発見された。 この中間体は、大腸菌ゲノムではgcpEと呼ばれる遺伝子がコードする酵素により形成される。 また、この酵素は還元剤としてNADH又はNADPHを好むことも発見された。 さらに、これはCo 2+により促進されることも発見された。
    【0015】
    上記中間体は、大腸菌ゲノムでlytGと呼ばれる遺伝子がコードする酵素によって、イソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸に変換される。 後者の酵素は還元剤としてNADH又はNADPH、メディエータとしてFADを好む。 さらに、これは、マンガン、鉄、コバルト、ニッケルから選択される金属のイオンで促進することができる。
    【0016】
    これらの知見により、ここで、幹経路の第3部分が確立された。 これらの知見の中心は、中間体1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特にE型の1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸である。 この結果、この中間体への反応、この中間体からの反応に関する本発明の統合された原理が確立される。
    【0017】
    さらに、本発明の目的は、1−デオキシ−D−キシルロース及び/又はグルコールからの1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸の生成に依存する非メバロン酸生合成経路のイソプレノイド生成物又は中間体の効率的な生合成のための細胞、細胞培養物、生物、又はその部分を提供することである。
    【0018】
    本発明は、未知の中間体の構造解明及び代替イソプレノイド生合成経路の推定的な遺伝子又は同族酵素の生物学的機能の割当に使用することができる新規なin vivoの系を作成する。 例示として、イソプレノイド生合成のメバロン酸非依存性経路へのgcp遺伝子(今はispGと示されている)及びlytB遺伝子(今はispHと示されている)の機能の割当を達成する。
    【0019】
    より具体的には、前記のin vivoの系は、D−キシルロキナーゼの遺伝子(xylB)並びにテルペノイド生合成のさらに下流ステップの遺伝子、例えば大腸菌由来のdxs、dxr及び/又はispP、及び/又はispE、及び/又はispF、及び/又はgcpE、及び/又はlytB、及び/又はErwinia uredovora由来のカロテノイド遺伝子クラスターを担持し、発現するベクター構築体を有する組換え大腸菌株からなる。
    【発明を解決するための手段】
    【0020】
    本発明の一態様では、遺伝子改変した株に1−デオキシ−D−キシルロース、特に同位体標識された1−デオキシ−D−キシルロースを与えることができ、これは高い率でメバロン酸非依存性テレプレノイド経路の共通の中間体である1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸に変換され、さらに、前記経路の別の中間体である、2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸、4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール、4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール2−リン酸、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、イソペンテニル二リン酸及びジメチルアリル二リン酸などに変換される。 さらに、グルコール及び解糖中間体を供給して、前記経路の前記別の中間体への変換を実施することができる。
    【0021】
    前記の系は、生合成経路のこれまで理解されていない中間体の構造の解明のため、新規抗生物質、抗マラリア剤及び除草剤のin vivoでのスクリーニングのため、並びに外因性1−デオキシ−D−キシルロース及び/又はグルコースの、テルペノイド生合成の非メバロン酸経路の中間体及び生成物への生体変換(bioconversion)のプラットフォームとしても有用である。 前記系は、メバロン酸非依存性イソプレノイド経路の遺伝子、すなわち、dxs、dxr、ispD、isjoE、ispF、gcpE及びlytBの遺伝子生成物の潜在的な阻害物質の存在下又は不在下でin vivoで生成されるある種の中間体の量を検出、測定することによって、潜在的な除草剤及び/又は抗マラリア剤及び/又は抗微生物物質の化学ライブラリーをスクリーニングするにも使用することができる。
    【0022】
    前記系はさらに、例えば供給材料としてグルコースを使用することにより、非メバロン酸経路を介するイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸の生合成を増強することにより、カロテン、α−トコフェロール又はビタミンなどのより高級なイソプレノイド(例えば炭素原子を20、15、20、30、又は40個有するイソプレノイド)の生成に使用することもできる。 使用できる別の供給材料は、グリセルアルデヒド3−リン酸又はピルビン酸などの解糖の中間体又は生成物である。
    【0023】
    さらに、本発明は式I(下記参照)の新規化合物、特に1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸及び前記化合物を調製する酵素的及び化学的方法を提供する。 本明細書に示すように、(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸はgcpE遺伝子生成物により2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸から生成される。
    【0024】
    本明細書にはさらに、lytB遺伝子生成物により(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸がジメチルアリル二リン酸及びイソペンテニル二リン酸に変換されることも示す。
    【発明を実施するための最良の形態】
    【0025】
    1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸は、2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸を介した代替テルペノイド経路の共通の中間体である。 この後者の経路は細菌、ある種の原虫、最も重要なことには植物のプラスチドで機能し、この経路は、天然ゴム、カロテノイド、メントール、メントン、樟脳又はパクリタキセルなどの多くの重要なテルペノイド生成物の生合成を担っている。 代替テルペノイド経路は今、熱心に研究されている。 しかし、これまで、グリセルアルデヒド3−リン酸及びピルビン酸から、1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸及び2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸、4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール、4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール2−リン酸及び2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸を介した最初のステップ(図1)しか解明されていない。
    【0026】
    中間体1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸はいくつかの商用の目的で非常に重要な意味を有する。
    (1)代替テルペノイド経路の生合成の下流酵素の潜在的な阻害物質に関する商用のスクリーニング手順のための重要な中間体として使用することができる。
    (2)テルペノイド又はその中間体のin vitroでの生成の重要な中間体として使用することができる。
    (3)グリセルアルデヒド3−リン酸及びピルビン酸の酵素的縮合生成物としてテルペノイド生合成でin vivoに生じる。 グリセルアルデヒド3−リン酸及びピルビン酸は代謝の中心的な中間体及び多くの生合成経路の必須の出発材料である。 したがって、天然又は組換えにより当該経路を与えた微生物又は細胞培養物で、細胞の基本的な中間代謝に影響を与えることなく、テルペノイド又はその中間体の生合成を増強するために、外来源から、したがって、グリセルアルデヒド3−リン酸及びピルビン酸のプールとは独立して、in vivoで1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸を高いレベルで生成することが望ましい。
    (4)1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸は1−デオキシ−D−キシルロースから、xylB遺伝子生成物の触媒作用によって生成することができる。 xylB遺伝子を有する組換え株を使用すると、この反応がin vivoで起こり、外因性の1−デオキシ−D−キシルロースは高い率で細胞内1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸に変換される。
    (5)1−DXPは、解糖酵素及びDXPシンターゼの触媒作用によってグルコールから生成することができる。 dxs遺伝子を有する組換え株を使用すると、この反応がin vivoで起こり、外因性グルコールが高い率で細胞内1−DXPに変換される。
    【0027】
    1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸依存性経路の生合成の率が増大するように1−デオキシ−D−キシルロースを前駆体として使用することは本発明の1態様である。 1−デオキシ−D−キシルロースは、様々な発表された手順で調製することができる(Blagg及びPoulter、1999;Kennedyら、1995;Piel及びBoland、1997;Shonoら、1983;Giner、1998)。
    【0028】
    様々な同位体標識された形で1−デオキシ−D−キシルロースを使用することは本発明の一態様である。 1−デオキシ−D−キシルロースはC( 13 C又は14 C)、H(D又はT)又はO( 17 O又は18 O)の放射性同位体又は非放射性同位体の任意の組み合わせで標識することができる。
    【0029】
    同位体標識された1−デオキシ−D−キシルロースは、同位体標識されたグルコース及び/又はピルビン酸から、枯草菌(Bacillus subtilis)の1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸シンターゼ及び市販の解糖酵素及びホスファターゼを使用して酵素的に調製することができる(PCT/EP00/07548)。 1−デオキシ−D−キシルロースは遊離の酸又は塩として、好ましくはアルカリ(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)塩又はアンモニウム若しくはアミン塩として使用することができる。
    【0030】
    生合成生成物又は中間体又は酵素の生成又は抗微生物剤、抗マラリア剤又は除草剤のスクリーニングのために組換え細胞、細胞培養物、又は生物若しくはその一部を使用することは本発明の一態様である。
    【0031】
    本発明を実施するために、分子生物学、微生物学及び組換えDNA技術の様々な手法を使用するが、これらは総合的にSambrockら、分子クローニング(Molecular Cloning)第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Sprind Harbor、ニューヨーク;DNAクローニング:実践的な方法(DNA Cloning:A Practical Approach)第1巻及び第2巻、1985(D.N.Glover編);オリゴヌクレオチド合成(Oligonucleotide Synthesis)、1984(M.L.Gait編);及び転写及び翻訳(Transcription and Translation)(Hames及びHiggins編)に記載されている。
    【0032】
    核酸
    本発明は、原核生物、原虫及び植物の配列又は誘導配列を含む核酸を含む。 誘導配列は、配列又はそのオルソログの領域に対応する又はその「配列保存的」若しくは「機能保存的」変異体に相補的な核酸配列に関連する。
    【0033】
    配列はよく知られている手法から単離することができ、あるいは市販されている(Clontech、Palto Alto、CA;Stratagene、LaJolla、CA)。 また、PCRによる方法を使用して、cDNA又はゲノムDNAから関連配列を増幅することができる。
    【0034】
    本発明の核酸は様々な量で、プリン及びピリミジン含有ポリマーを、ポリリボヌクレオチド又はポリデオキシリボヌクレオチド又はポリリボ−ポリデオキシリボヌクレオチド混合物のいずれかで含んでいる。 核酸は細胞から直接単離することができる。 あるいは、鋳型として化学合成した鎖又はゲノム材料を使用して、PCRにより核酸を調製することもできる。 PCRに使用するプライマーは、本発明で提供される配列情報又はデータベースからの配列情報を使用して合成し、さらに組換え発現ベクターでのクローニングを容易にするために任意選択の新しい制限部位を使用して構築することができる。
    【0035】
    本発明の核酸は天然の調節配列に隣接してよく、あるいはプロモーター、エンハンサー、反応要素、シグナル配列、ポリアデニル化配列、イントロン、5'及び3'非コード領域などと結合していてもよい。 核酸はよく知られている方法に基づいて修飾することができる。 これらの修飾の非限定的な例には、メチル化、「キャップ」、1つ又は複数の天然ヌクレオチドのアナローグでの置換、ヌクレオチド間修飾、すなわち、非荷電結合によるもの(すなわち、メチルホスホナート、ホスホトリエステル、ホスホルアミダート、カルバマートなど)及び荷電結合(すなわち、ホスホロチオアート(phoshorothiacte)など)を有するものである。 核酸は、タンパク質(すなわち、ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリL−リジンなど)、インターカレーター(すなわち、アクリジン、プソラレンなど)、キレーター(すなわち、金属、放射活性金属、鉄、酸化性金属など)及びアルキレーター(alkylator)などの追加の共有結合した単位を有していてもよい。 核酸はメチル又はエチルホスホトリエステル結合又はアルキルホスホロアミダート結合の形成によるものであってもよい。 さらに、本発明の核酸は標識によって修飾することができ、この標識は直接又は間接的に検出可能なシグナルを提供する。 これらの標識の例には、放射性同位体、蛍光分子、ビオチンなどがある。
    【0036】
    ベクター
    本発明は核酸ベクターを提供し、このベクターは、本発明により提供される配列又はその誘導体を含む。 プラスミド又は真菌用ベクターを含む様々なベクターが、様々は真核宿主及び原核宿主での複製及び/又は発現に関して記述されている。 本発明の目的では高コピー数複製ベクターが好ましい。 非限定的な例には、pKKプラスミド(Clontech)、pUCプラスミド(Invitrogen、サンジエゴ、CA)、pETプラスミド(Novagen社、マジソン、WI)又はpRSET若しくはpREP(Invitrogen)及びよく知られた手法に基づく様々な適した宿主細胞が含まれる。 組換えクローニングベクターはしばしば、1種を超えるクローニング及び発現用の複製系、1種又は複数の宿主選択用マーカー、すなわち抗生物質耐性、及び1種又は複数の発現カートリッジを含んでいる。 適した宿主を、エレクトロポレーション、CaCl −媒介DNA取り込み、スナノミ感染、ミクロ注入、ミクロ衝撃又は他の確立された方法を含む適した方法で形質転換/トランスフェクト/感染させることができる。
    【0037】
    適した宿主は、細菌、古細菌、真菌、特に酵母、植物、特にシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、Mentha piperita又はイチイ種(Taxus sp.)及び動物細胞、特に哺乳動物細胞が含まれる。 最も重要なものは、大腸菌、枯草菌、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces carlsbergensis、Schizosaccharomyces pombe、SF9細胞、C129細胞、293細胞、アカパンカビ及びCHO細胞、COS細胞、HeLa細胞、並びに不滅化したミエロイド及びリンフォイド哺乳動物細胞などである。 好ましい複製系には、M13、ColEl、SV40、バキュロウイルス、ラムダ、アデノウイルスなどがある。 多数の転写、開始(リボソーム結合部位を含む)、終結制御領域が単離されており、それらの異種タンパク質の転写及び翻訳の効率は様々な宿主で証明されている。 これらの領域、単離方法及び使用方法の例はよく知られている。 発現に適した条件下で、組換え合成タンパク質源として宿主細胞を使用することができる。
    【0038】
    発現系
    好ましいベクターは、酵素ドメインに機能的に結合した転写要素(すなわちプロモーター)を含むことができる。 場合により、プロモーターは、オペレーター領域及び/又はリボソーム結合部位の一部を含むことができる。 大腸菌と相容性のある細菌プロモーターの非限定的な例には、trcプロモーター、β−ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)プロモーター、ラクトースプロモーター、トリプトファン(trp)プロモーター、アラビノースBADオペロンプロモーター、ラムダ由来のP1プロモーター及びN遺伝子リボソーム結合部位並びにtrp及びlacのUV5プロモーターの配列由来のハイブリッドTacプロモーターがある。 酵母プロモーターの非限定的な例には、3−ホスホグリセレートキナーゼプロモーター、グリセルアルデヒド3−リン酸脱素酵素(GAPDH)プロモーター、ガラクトキナーゼ(GAL1)プロモーター、ガラクトエピメラーゼプロモータ及びアルコール脱水素酵素(ADH)プロモーターがある。 哺乳動物細胞の適したプロモーターには、ウイルスプロモータ例えば、すなわち、シミアンウイルス40(SV40)、ルイス肉腫ウイルス(RSV)、アデノウイルス(ADV)及びウシパピローマウイルス(BPV)などがあるが、これらに限定されるものではない。 哺乳動物細胞はターミネーター配列及びポリA配列及びエンハンサー配列を必要とすることもあり、これらは発現を増加させることができる。 遺伝子を増幅する配列も好ましいことがある。 さらに、細胞からの組換えタンパク質の分泌を容易にする配列も含むことができ、この配列は細菌、酵母又は動物細胞の、例えば、すなわち、分泌シグナル配列及び/又はプレホルモン配列であってよいが、これらに限定されるものではない。
    【0039】
    xylB及び代替C5イソプレノイド経路の他の遺伝子と、場合により、より高級なイソプレノイド又はテルペノイドの遺伝子を組み合わせて付与した組換え体がこれらの経路を増強することは本発明の重要な態様である。 好ましくは、xylBを遺伝子の完全なセットと組み合わせて、1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸を所望の中間体又は最終生成物に変換させる。 C5−イソプレノイド経路の中間体のためには、請求項76に記載の遺伝子の組み合わせの1つを細胞に付与するのが好ましい。
    【0040】
    本明細書に引用した遺伝子については、一般的な大腸菌の標記を使用した。 大腸菌又は他の生物由来の他の遺伝子(オルトローガス遺伝子)も、同じ機能を有していれば(機能保存的遺伝子)、特に遺伝子生成物が同じ反応を触媒すれば、使用することができる。 さらに、欠失又は挿入変異体又はこれらの遺伝子と他の遺伝子又は核酸との融合体も、これらの変異体が機能保存的である限り、使用することができる。 上記の遺伝子は細菌、原虫又はより高級な又は低級な植物由来であってよい。
    【0041】
    gcpEの機能がispFのすぐ下流にあると決定されたことが本発明の別の重要な態様である。 本発明者らの知見は、gcpE遺伝子生成物が、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸からの新規化合物1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の生成に関与していることを示している。 したがって、本発明者らはgcpEの名称をispGと変更した。
    【0042】
    本発明の別の態様では、化学合成した1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の(E)及び(Z)異性体との比較により、gcpEの遺伝子生成物が2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸からの1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸のE−異性体の形成に関与していることが示された。 したがって、本発明はさらに、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸塩又はそのプロトン付加体の(E)及び(Z)異性体に関する。
    【0043】
    lytBの機能がispGのすぐ下流であると決定されたことが本発明の別の重要な態様である。 したがって、この名称はispHと変更する。 ispHが、(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸のイソペンテニル4−二リン酸及び/又はジメチルアリル4−二リン酸への変換に関与していることは本発明者らの知見である。
    【0044】
    「1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−リン酸」及び「1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸」はそれぞれ、遊離のリン酸及び二リン酸、その単一又は多重脱プロトン化体、すなわち任意のカチオン(Na、K、NH 、Li、Mg、Ca、Zn、Mn及びCoカチオン)の塩であってよい塩を含むものと理解されたい。 水溶液中での(二)リン酸エステル及びリン酸誘導体又はその共役塩のプロトン化の状態は、当業者に公知のように、溶液のpHに依存する。 他のリン酸エステル又はリン酸誘導体についても同様である。
    【0045】
    本発明の別の態様では、(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸をトウガラシ(Capsicum annuum)の葉緑体の液体可溶性画分に取り入れることに成功した。 14 C標識した本発明化合物を、C. annuumの葉緑体のゲラニルゲンラニオール、β−カロテン、フィトエン及びフィトフルエン画分に取り込ませて、(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸が非メバロン酸経路の2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸の下流、イソペンテニル二リン酸の上流にある中間体であることを確立した。
    【0046】
    組換え工学用ベクター内で、xylBをgcpE及び場合により、代替C5イソプレノイド経路及び/又はより高級なイソプレノイド経路の他の遺伝子と合わせることができることが本発明の別の態様である。
    【0047】
    gcpE(現在のsipG)に関する本発明者らの知見の結果、遺伝子lytBはgcpEの下流で作用し、したがって、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸のIPP及び/又はDMAPPへの変換に作用する。 したがって、遺伝子lytBをxylB、及び場合により一般的なC5−イソプレノイド経路及び/又はより高級なイソプレノイド経路の他の遺伝子を組み合わせることが本発明の別の態様である。
    【0048】
    本発明者らの知見は、任意の所望の標識を有する、イソプレノイド経路の中間体又は生成物、特に次の中間体、2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸、4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール、4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトール2−リン酸、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、イソペンテニル二リン酸及びジメチルアリル二リン酸の効率的な形成又は生成を可能にする。
    【0049】
    本発明の方法により、テルペノイド経路の最終生成物(例えば、β−カロチン、ゼアキサンチン、パクリタキセル、メントール、メントン、カンナビノイド類)の形成を促進することができる。
    【0050】
    組換えプラスミドを有する株は、15から40℃で、慣用の培地、好ましくはテリフィックブロス(terrific broth)で培養することができる。 好ましい温度は37℃である。 大腸菌株を600nmでの光学密度0.5から5で、0.5から2mMのイソプロピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)で誘導する。 1−デオキシ−D−キシルロースを、0.001mMから1Mの濃度、好ましくは0.01から30mMの濃度で加えた後、細胞を30分間から15時間、好ましくは1から5時間インキュベートする。
    【0051】
    本発明の遺伝子操作した生物によりイソプレノイド中間体又は生成物を生成する方法は、CTP源、例えば、シチジン及び/又はウリジン及び/又はシトシン及び/又はウラシル及び/又はリボース及び/又はリボース5−リン酸及び/又はCTP生合成前駆物質を、0.01から10mMの濃度、好ましくは0.3から1mMの濃度で供給すること、及び/又はリン酸化活性源、例えば、グリセロール3−リン酸及び/又はホスホエノールピルビン酸及び/又はリボース5−リン酸を0.1から100mMの濃度、好ましくは0.5から10mMの濃度で、及び/又は無機ホスフェート及び/若しくは無機ピロホスフェートを1から500mMの濃度、好ましくは10から100mMの濃度で、及び/又は任意の有機ホスフェート及び/又は有機ピロホスフェートを供給すること、還元等価物源を例えば0.1から1000mM、好ましくは10から1000mMで、ラクテート及び/又はサクシネート及び/又はグリセロール及び/又はグルコース及び/又は脂肪を0.1から100mMの濃度、好ましくは0.5から10mMの濃度で供給することにより、強化できることが発見された。 特に効率の高い生成方法は請求項72及び80から84に特定する。
    【0052】
    本発明の方法は、検出するイソプレノイドの中間体又は生成物の選択に応じて、関与する酵素又は下流の酵素の阻害物質のスクリーニングに非常に有利に使用することもできる。 酵素dxs、dxr、ispD、ispE、ispF、ispG(以前はgcpE)及びispH(以前はytB)は動物には存在しない。 したがって、dxs、dxr、ispD、ispE、ispF、ispG(以前はgcpE)及びispH(以前はytB)に対する阻害物質は、(a)雑草及び藻に対する除草剤、(b)病原性細菌に対する抗生物質、(c)熱帯熱マラリア原虫、マラリア病原体など原虫に対する作用剤として非常に有用である。
    【0053】
    前記酵素の活性は(潜在的な阻害物質の存在下及び不在下で)、好ましくはTLC、HPLC又はNMRで生成物の生成又は中間体の消費を測定することによって検出することができる。
    【0054】
    1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸が非メバロン酸テルペノイド経路の中間体であるという発見により、本発明者らは、阻害物質の構造の本質的な決定因子を獲得した。 すなわち、阻害物質のサブセットの構造は、出発物質、又は生成物、又は出発物質例えば2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸から生成物例えば1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の間への移行状態の少なくとも一部と類似しているべきである。
    【0055】
    本発明は、次の式Iの新規な化合物又はその塩を開示する。
    【0056】
    【化1】

    (式中、R

    及びR

    は互いに異なり、R

    及びR

    の一方は水素であり、他方は−CH

    −O−PO(OH)−O−PO(OH)

    、−CH

    −O−PO(OH)

    及び−CH

    OHからなる群から選択され、Aは−CH

    OH又は−CHOである。)これらの化合物は同位元素で標識することができる。


    【0057】


    式Iで、Aは好ましくは−CH

    OHである。


    【0058】


    及びR

    では、R

    は好ましくは水素であり、R

    は好ましくは−CH

    −O−PO(OH)−O−PO(OH)

    及び−CH

    −O−PO(OH)

    の群から選択する。


    −CH

    −O−PO(OH)−O−PO(OH)

    及び−CH

    −O−PO(OH)

    の群では、−CH

    −O−PO(OH)

    が好ましい。


    【0059】


    式Iの化合物が塩である場合、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム、マンガンの塩であってよい。 これらの塩は(二)リン酸部分の単一又は多重脱プロトン化によるものであってよい。


    【0060】


    本明細書に開示の新規化合物は、例えば、電子供与体の存在下でin vitroでの又はin vivoでの、イソプレノイド又はテルペノイドの生合成の遺伝子、酵素又は阻害物質のスクリーニングなどの様々な用途に有用である。


    【0061】


    本発明はさらに、下記ステップによる式Iの化合物又はその塩の、化学的調製法も提供する。


    【0062】


    【化2】


    (式中、Aは−CH

    OHであり、R

    及びR

    は異なっており、R

    及びR

    の一方は水素であり、他方は−CH

    −O−PO(OH)−O−PO(OH)

    、−CH

    −O−PO(OH)

    又は−CH

    OHである。)


    【0063】


    (a)下記式(II) の化合物を【化3】


    (式中、Bは保護基である)、ウィッティヒ試薬又はホルナー試薬により、下記式(III)又は(IV)の化合物に変換するステップ【0064】


    【化4】


    (式中、基Dは還元により−CH

    −OH−基に変換される前駆体基である)、


    (b)基Dを還元により−CH

    −OH−基に変換するステップ、


    (c)場合により、それ自体公知の方法で、ステップ(b)で得られた−CH

    −OH−基を−CH

    −O−PO(OH)−O−PO(OH)

    又は−CH

    −O−PO(OH)

    又はその塩に変換するステップ、


    (d)場合により、所望の塩に変換するステップ、


    (e)保護基Bを除去するステップ。


    【0065】


    上記方法で、前記保護基Bはそれが結合している位置でヒドロキシ基を再生することができる任意の基であってよい。 前記保護基Bは、ステップ(a)からステップ(d)の条件下で安定であることが好ましい。 前記保護基Bは、ヒドロキシ基を生成するために前記方法のステップ(e)で除去する。 ヒドロキシ基の保護基は当業者に公知である。 基Bは例えば、式(II)、(III)又は(IV)の化合物の残りの部分と共にアセタール基を形成することができる。 アセタールは酸性条件下で加水分解することができる。 最も好ましくは、基Bは2−テトラヒドロキシピラニル基である。


    【0066】


    上記方法で、前記基Dは還元によって−CH

    −OH−基に変換できる前駆体基である。 基Dは炭酸の誘導体であってよい。 このような基の例には、アルコキシカルボニル及びアミノカルボニル基が含まれる。 前記アミノカルボニル基は、アミノ基を1個又は2個のアルキル基で置換することができる。 アルコキシカルボニル基を使用することが最も好ましい。 前記アルコキシカルボニル基のアルキル基又は前記アミノカルボニル基の前記アルキル基は、直鎖又は分岐アルキル基であってよく、一置換又は多置換されていてもよい。 メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル又はヘキシル基などのC

    〜C

    アルキル基が好ましい。 メチル基又はエチル基が最も好ましい。 前記基Dの最も好ましい例はエトキシカルボニル基である。


    【0067】


    式(II)の前記化合物は、ヒドロキシアセトンのヒドロキシ基を前記基Bで保護することにより調製することができる。 基Bがテトラヒドロキシピラニル基の場合、式(II)の化合物は、好ましくはピリジニウムトルエン−4−スルホン酸を触媒として使用して、ヒドロキシアセトンと3,4−ジヒドロ−2H−ピランから調製することができる。 アセトニルテトラヒドロピラニルエーテルを調製する具体的な方法は実施例24に示す。


    【0068】


    前記方法のステップ(a)では、式(II)の化合物を、ウィッティヒ試薬又はホルナー試薬により、式(III)又は(IV)の化合物に変換する。 ウィッティヒ型反応及び試薬は当業者に公知である(例えば、Watanabeら、1996及びその引用文献参照)。 上記反応に使用すべき一般的なウィッティヒ試薬は、メチレン−トリフェニルホスホランであり、これはメチレン基が置換されていてよい。 本発明の上記方法には、メチレン基が上記基Dで置換されているメチレン−トリフェニルホスホランを使用する。 このようなウィッティヒ試薬は市販されているか、公知の方法で調製することができる。


    【0069】


    ステップ(a)で生成するオレフィンは、式(III)及び(IV)のシス/トランス異性体の混合物として形成することができる。 前記異性体の一方が好ましい場合、当業界で公知の方法、好ましくはクロマトグラフィーにより富化又は他方の異性体から分離することができる。 あるいは、前記異性体の分離は以下のステップ(b)から(e)の1つの後で実施することができる。


    【0070】


    上記方法のステップ(b)では、式(III)又は(IV)の化合物又は前記化合物の混合物の基Dを還元により−CH

    −OH−基に変換する。 当技術分野では、このような還元を実施する様々な方法が知られている。 基Dが還元され、オレフィン部分は還元されないように条件を選択する。 このステップで使用すべき還元剤の例は、分子水素又は金属水素化物である。 有用な金属水素化物の例には、水素化ホウ素ナトリウムなどのホウ素水素化物、水素化アルミニウムリチウム又は水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAH)などのアルミニウム水素化物、水素化ナトリウム又は水素化カルシウムなどのアルカリ金属又は土類金属水素化物が含まれる。 ステップ(b)を実施する具体的な例は実施例24に記載する。


    【0071】


    前記方法の所望の最終生成物が、R

    又はR

    が−CH

    −OH−基である式(I)の化合物の場合、ステップ(b)で得られた化合物又は化合物の混合物を直接ステップ(d)又はステップ(e)にかけることができる。 好ましくは、ステップ(e)を実施して、保護基Bを除去する。 前記方法の所望の最終生成物が、R

    又はR

    が−CH

    −O−PO(OH)−O−PO(OH)

    又は−CH

    −O−PO(OH)

    である式(I)の化合物の場合、ステップ(b)で得られた化合物又は化合物の混合物を前記方法のステップ(c)にかけて、ステップ(b)で得られた−CH

    −OH−基を−CH

    −O−PO(OH)−O−PO(OH)

    又は−CH

    −O−PO(OH)

    に変換する。


    【0072】


    ステップ(c)は当業者に公知のいくつかの方法で実施することができる。 ステップ(c)は、ステップ(b)で得られた前記−CH

    −OH−基のヒドロキシ基を脱離基で置換することを含むことができる。 ステップ(c)は、ハロゲン化剤による前記−CH

    −OH−基の−CH

    −ハライド基への変換を含むことができる。 硫酸、スルホン酸又はリン酸のハロゲン化物をハロゲン化剤として使用することができる。 トシルクロリドが最も好ましい。 前記ハロゲン化物は、フッ化物、塩化物、臭化物又はヨウ化物であってよく、好ましくは塩化物である。 前記−CH

    −ハライド基を有する化合物は好ましくは単離する。 前記脱離基は、ステップ(b)で得られた前記−CH

    −OH−基を、スルホン酸ハロゲン化物、好ましくはトシルクロリドと反応させて生成することもできる。


    【0073】


    前記脱離基を有する前記中間体を次に、リン酸又は二リン酸又はその単一又は多重脱プロトン化体と反応させることができる。 好ましくは、リン酸又は二リン酸のアルキルアンモニウム塩を使用し、より好ましくはテトラアルキルアンモニウム塩、最も好ましくはテトラブチルアンモニウム塩を使用する。 極性非プロトン溶媒がこの反応には好ましい。 好ましくは、得られた化合物又は化合物の混合物を標準的な手順により精製する。 ステップ(c)を実施する具体的な例は実施例24に記載する。


    【0074】


    ステップ(d)では、ステップ(c)で得られた化合物又は化合物の混合物を所望の塩に変換することができる。 ステップ(d)を実施する方法はよく知られている。 このような方法は、水溶液のpHを適当な酸又は塩で所望のpH値に調製することを含むことができる。


    【0075】


    ステップ(e)では、ステップ(b)から(d)の1つで得られた化合物の保護基Bを除去して、Aが−CH

    −OH−基である式(I)の化合物を得る。 保護基を除去する方法は、保護基の種類に依存する。 このような方法はよく知られている。 保護基がアセタールを形成する場合、前記保護基の除去は酸加水分解により実施できる(実施例24参照)。


    【0076】


    本発明は、好ましくはNADH及び/又はNADPHの存在下及び/又はCo

    2+の存在下での、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸の1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特にその(E)型への酵素的変換に機能的な形態のタンパク質を提供する。 前記酵素は好ましくは、大腸菌のispE(以前はgcpE)遺伝子がコードする配列又は前記配列の機能保存的相同体を有し、すなわち、前記相同体は前記タンパク質と同じ機能を行うことができる。 前記タンパク質の多くの用途では、融合タンパク質、特にマルトース結合タンパク質との融合タンパク質として発現、精製することができる。 この方法で、酵素活性のあるタンパク質を容易に得ることができる。


    【0077】


    本発明はさらに、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特にその(E)型のイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸への酵素的変換に機能的な形態のタンパク質を提供する。 前記タンパク質は好ましくは、その機能のためにFAD及びNAD(P)Hを必要とする。 さらに、前記タンパク質は、マンガン、鉄、コバルト又はニッケルイオンの群から選択される金属イオンを必要とすることがある。 前記タンパク質は好ましくは、大腸菌のispE(以前はgcpE)遺伝子がコードする配列又は前記配列の機能保存的相同体でコードされる配列を有する。 前記タンパク質の多くの用途では、融合タンパク質、特にマルトース結合タンパク質との融合タンパク質として発現、精製することができる。 この方法で、酵素活性のあるタンパク質を容易に得ることができる。


    【0078】


    上記タンパク質は植物タンパク質、特にシロイヌナズナ由来の植物タンパク質、細菌タンパク質、特に大腸菌由来のタンパク質、又は原虫タンパク質、特に熱帯熱マラリア原虫由来のタンパク質とすることができる。


    【0079】


    本発明はまた、イントロンを含む又は含まない上記タンパク質の一方又は両方をコードする精製単離された核酸を提供する。 さらに、本発明は前記精製単離核酸の配列を含むDNA発現ベクターを提供する。


    【0080】


    本発明はさらに、前記精製単離核酸の配列又は前記DNA発現ベクターを組換えによって付与された細胞、細胞培養物、生物、又はその部分も提供し、前記細胞は、細菌細胞、原虫細胞、真菌細胞、植物細胞、昆虫細胞及び哺乳動物細胞からなる群から選択される。 前記細胞、細胞培養物、生物、又はその部分にはさらに、次の群、大腸菌のdxs、dxr、ispD(以前はygbP)、ispE(以前はychB)、ispF(以前はygbB)又はその機能保存的相同体又は上記遺伝子の機能保存性な融合変異体、欠失変異体又は挿入変異体から選択される少なくとも1種の遺伝子を付与することができる。


    【0081】


    本発明はまた、形質転換又はトランスフェクションされていない細胞、細胞培養物、生物、又はその部分と比較して、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特にその(E)型の形成率が増大するように形質転換又はトランスフェクションされた細胞、細胞培養物、生物、又はその部分も提供する。 形質転換又はトランスフェクションは好ましくは、大腸菌のgcpE又は他の生物、例えば植物又は原虫生物由来の機能保存的相同体の付与を含む。


    【0082】


    本発明はまた、形質転換又はトランスフェクションされていない細胞、細胞培養物、生物、又はその部分と比較して、(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸のイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸への変換率が増大するように形質転換又はトランスフェクションされた細胞、細胞培養物、生物、又はその部分も提供する。 形質転換又はトランスフェクションは好ましくは大腸菌のlytB又は他の生物、例えば植物又は原虫生物由来の機能保存的相同体の付与を含む。


    【0083】


    本発明はまた、形質転換又はトランスフェクションされていない細胞、細胞培養物、生物、又はその部分と比較して、請求項1から4までの一項に記載のタンパク質及び/又は請求項5から8までの一項に記載のタンパク質の発現レベルを上昇させるために形質転換又はトランスフェクションされた細胞、細胞培養物、生物、又はその部分も提供する。


    【0084】


    さらに、本発明は、ispG及び/又はispH又は他の生物由来のその機能保存的相同体又はその変異体の遺伝子生成物の細胞内での発現レベルを変化させる方法を提供し、この方法は、


    (a)宿主細胞をispG及び/又はispH遺伝子で形質転換させるステップ、及び(b)ステップ(a)の形質転換宿主細胞を、ispG及び/又はispHの効率的な発現に適した条件下で増殖させて、非形質転換細胞の発現レベルと比較して形質転換細胞でのispG及び/又はispH遺伝子生成物のレベルを変化させるステップを含む。


    【0085】


    さらに、本発明は、下記のステップ(a)潜在的な阻害物質の存在下及び不在下で、前記酵素を場合により同位体標識されたその基質である2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸と共に含む混合物を前記変換に適した条件下でインキュベートするステップ、


    (b)続いて、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸及び1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の濃度を決定するステップ、及び(c)前記潜在的な阻害物質の存在下及び不在下の濃度を比較するステップにより、非メバロン酸イソプレノイド経路の2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸の1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特にその(E)型への変換に作用する酵素の阻害物質を同定する方法を提供する。


    【0086】


    さらに、本発明は、下記のステップ(a)潜在的な阻害物質の存在下及び不在下で、前記酵素を場合により同位体標識されたその基質である1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸と共に含む混合物を前記変換に適した条件下でインキュベートし、前記混合物は好ましくはFADを含むステップ、


    (b)1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸及び/又はイソペンテニル二リン酸又はジメチルアリル二リン酸の濃度を決定するステップ、及び(c)前記潜在的な阻害物質の存在下及び不在下の濃度を比較するステップにより、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸、特にその(E)型のイソペンテニル二リン酸又はジメチルアリル二リン酸への変換に作用する酵素の阻害物質を同定する方法を提供する。


    【0087】


    阻害物質を同定する上記方法は好ましくは、特徴的な吸収スペクトルを利用してNADPH又はNADHの消費を追跡することにより実施する。 あるいは、約340nmで励起させると、NADH又はNADPHの蛍光を追跡することができる。 阻害物質を同定する上記方法は有利には特に、NADH又はNADPHの消費の光度測定による検出と組み合わせて、阻害物質のハイスループットスクリーニングアッセイとして実施することができる。 さらに、1種又は複数のフラビン類似体(例えば、FAD、FMN)を、好ましくは触媒量で、前記方法のインキュベーション混合物に加えることができる。 FADの添加が最も好ましい。 前記酵素は前記方法で、マルトース結合タンパク質との融合タンパク質として使用することができ(実施例38から41、44、45)、マルトース結合タンパク質は酵素活性型の前記酵素の直接的な発現及び精製を可能にする。 前記同定法の別の実施形態はこれらの方法のサブクレームに定義する。


    【0088】


    非メバロン酸経路の中間体が様々な病原性細菌のγδT細胞の活性化を担っていることは知られている。 γδT細胞の活性化に続いて、T細胞の増殖、サイトカイン及びケモカインの分泌が起こり、γδT細胞の活性化は病原体に感染した後の免疫応答の制御に重要である可能性が非常に高い(Altincicekら、2001及びその引用文献)。 dxr又はgcp遺伝子がノックアウトされると、大腸菌株はγδT細胞刺激能を失うことが明らかになっており、gcpEのすぐ下流、イソペンテニルピロリン酸の上流にある中間体が最も強抗原活性を示すことを強く示唆している(Altincicekら、2001)。 しかし、この経路でgcpE遺伝子生成物により生成される中間体はまだ知られていない。 本発明で、驚くべきことに、この中間体がこれまで知られていない化合物として同定され、この化合物の新規な用途の全範囲がもたらされた。


    【0089】


    式Iの化合物は免疫調節剤又は免疫刺激剤として、例えば、γδT細胞の活性化に使用することができる。 前記化合物によるγδT細胞の活性化を介した免疫調節は、病原体に対する戦いを支持するだけではなく、免疫系の刺激が望ましい様々な状態にも有用であることを証明することができる。 したがって、本発明の新規な化合物は病原体感染の医学的治療に使用することができる。 このような治療は、病原体に対する免疫系の活性を刺激する。 好ましくは、R

    がHであり且つ/又はAが−CH

    OHである化合物をこの用途に使用する。 あるいは、A=CHOである酸化生成物は非常に活性であることが証明される。 式Iの化合物から、当技術分野で公知の試験系(例えば、Altincicekら、2001に記載のもの)で、最も高い又は最も適したγδT細胞刺激活性を有するものを選択することができる。 重要なことは、本発明の化合物は抗生物質として作用しないので、耐性の発生は、本明細書に開示の治療法にとっては問題ではない。


    【0090】


    有利な実施形態では、病原体感染を治療するために、前記化合物を抗生物質として活性な化合物と組み合わせることができる。 このような治療は、抗生物質による病原体増殖の阻害と、病原体に対して免疫系を刺激することの利点を組み合わせ、その結果、より迅速でより効率のよい治療が得られる。 このような抗生活性作用活性化合物は静菌的な抗生物質(例えば、テトラサイクリン)である。


    【0091】


    したがって、本発明の新規化合物は、医薬品の調製に使用することができる。 本発明はさらに、式Iの化合物と薬剤として許容される担体を含む薬剤組成物に関する。 前記薬剤組成物はさらに上記の抗生作用活性化合物を含むことができる。


    【0092】


    本発明はさらに、式Iの化合物に対する抗体を含む。 前記抗体は、ポリクローナルでもモノクローナルでもよく、慣用の手法で作製することができる。 このような抗体の作製は、免疫原性とするために、ハプテンとしての式Iの化合物をタンパク質などの大分子の担体と結合することを含む。 このような式Iの免疫原性化合物はさらにワクチンとして使用することができる。


    【0093】


    本発明の抗体は、式Iの化合物の検出に使用することができる。 前記化合物は非メバロン酸イソプレノイド経路を有する生物で生成されるので、前記抗体を使用してこのような生物を検出することができる。 診断方法で体液中のこのような生物を検出し、それによって非メバロン酸経路を有する病原体による感染を示唆できると好ましい。 このような診断方法での陽性結果は同時に、本発明の化合物による可能な治療を示唆する。


    【0094】


    本発明の抗体を式Iの化合物の検出に使用するとき、測光による検出を可能にするように標識すること及び/又は支持体に固定することが好ましい。 このような方法は当技術分野でよく知られている。


    【0095】


    本発明はさらに、下記ステップによる、式Iの化合物又はその塩の化学的調製法も提供する(図7参照)。


    【0096】


    【化5】


    (式中、Aは−CH

    OH又は−CHOであり、R

    は水素であり、R

    は−CH

    −O−PO(OH)−O−PO(OH)

    、−CH

    −O−PO(OH)

    又は−CH

    OHである。)


    (a)2−メチル−2−ビニル−オキシランを4−クロロ−2−メチル−2−ブテン−1−アルに変換するステップ、


    (b)4−クロロ−2−メチル−2−ブテン−1−アルをそのアセタールに変換するステップ、


    (c)ステップ(b)の生成物の塩素原子を、ヒドロキシル基、リン酸基又はピロリン酸基で置換するステップ、


    (d)ステップ(c)で得られたアセタールを加水分解して、アルデヒド基を生成するステップ、


    (e)場合により、ステップ(d)のアルデヒド基を−CH

    OH基に変換するステップ。


    【0097】


    この方法の好ましい実施形態はサブクレームに定義しており、実施例42に例示している。


    【0098】


    以下に、具体的な実施例を参照して本発明を詳細に記述する。


    【実施例1】


    【0099】


    D−キシルロキナーゼを転写及び発現できる大腸菌のxylB遺伝子を担持するベクターの構築Meadeら、1982の方法に従って、大腸菌株XL1−Blue由来の染色体DNA(Bullockら、1987;商業源:Stratagene、LaJolla、カリフォルニア州、米国)を単離する。


    【0100】


    塩基対(bp)位置8596から10144の大腸菌ORFxylB(受託番号gbAE000433)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−CCGTCGGAATTCGAGGAGAAATTAACCATGTATATCGGGATAGATCTTGG−3'、10pmolのプライマー5'−GCAGTGAAGCTTTTACGCCATTAATGGCAGAAGTTGC−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec、Seraing、ベルギー)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0101】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃75秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0102】


    Qiagen(Hilden、ドイツ)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0103】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、1.0μgのベクターpBluescriptSKII

    (Stratagene)及び0.5μgの精製PCR生成物をEcoRI及びHindIIIで消化する。 制限反応混合物を顧客(New England Biolabs、Frankfurt am Main、ドイツ(NEB))から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0104】


    20ngの精製ベクターDNA及び20ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpBSxylBを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 Dowerら、1988の方法に従って、1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpBSxylBを単離する。


    【0105】


    Perkin Elmer(Norwalk、米国)製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions(Foster city、米国)製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法(サンガーら、1992)により、プラスミドpBSxylBのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000433)のDNA配列と同一である。


    【実施例2】


    【0106】


    D−キシルロキナーゼ及びDXPレダクトイソメラーゼを転写及び発現できる大腸菌のxylB遺伝子及びdxr遺伝子を担持するベクターの構築塩基対(bp)位置9887から11083の大腸菌ORFdxr(受託番号gbAE000126)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−CTAGCCAAGCTTGAGGAGAAATTAACCATGAAGCAACTCACCATTCTGG−3'、10pmolのプライマー5'−GGAGATGTCGACTCAGCTTGCGAGACGC−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0107】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃75秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0108】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0109】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、1.2μgのベクターpBSxylB(実施例1)及び0.6μgの精製PCR生成物をHindIII及びSalIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0110】


    20ngの精製ベクターDNA及び18ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpBSxylBdxrを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpBSxylBdxrを単離する。


    【0111】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpBSxylBdxrのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000126)のDNA配列と同一である。


    【0112】


    ベクター構築物pBSxylBdxrのDNA配列を添付Aに示す。


    【実施例3】


    【0113】


    D−キシルロキナーゼ、DXPレダクトイソメラーゼ、及びCDP−MEシンターゼを転写及び発現できる大腸菌のxylB遺伝子、dxr遺伝子、及びispD遺伝子を担持するベクターの構築塩基対(bp)位置6754から7464の大腸菌ORFispD(受託番号gbAE000358)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−CCGGGAGTCGACGAGGAGAAATTAACCATGGCAACCACTCATTTGGATG−3'、10pmolのプライマー5'−GTCCAACTCGAGTTATGTATTCTCCTTGATGG−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0114】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃30秒、50℃30秒、及び72℃45秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0115】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0116】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、1.5μgのベクターpBSxylBdxr(実施例2)及び0.8μgの精製PCR生成物をSalI及びXhoIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0117】


    20ngの精製ベクターDNA及び12ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpBSxylBdxrispDを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpBSxylBdxrispDを単離する。


    【0118】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpBSxylBdxrispDのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000126)のDNA配列と同一である。


    【0119】


    ベクター構築物pBSxylBdxrispDのDNA配列を添付Bに示す。


    【実施例4】


    【0120】


    D−キシルロキナーゼ、DXPレダクトイソメラーゼ、CDP−MEシンターゼ、及びcMEPPシンターゼを転写及び発現できる大腸菌のxylB遺伝子、dxr遺伝子、ispD遺伝子、及びispF遺伝子を担持するベクターの構築塩基対(bp)位置6275から7464の大腸菌ORFのispD及びispF(受託番号gbAE000358)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−CCGGGAGTCGACGAGGAGAAATTAACCATGGCAACCACTCATTTGGATG−3'、10pmolのプライマー5'−TATCAACTCGAGTCATTTTGTTGCCTTAATGAG−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0121】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃75秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0122】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0123】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、1.4μgのベクターpBSxylBdxr(実施例2)及び0.7μgの精製PCR生成物をSalI及びXhoIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0124】


    20ngの精製ベクターDNA及び18ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpBSxylBdxrispDFを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpBSxylBdxrispDFを単離する。


    【0125】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpBSxylBdxrispDFのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000126)のDNA配列と同一である。


    【実施例5】


    【0126】


    D−キシルロキナーゼ、DXPレダクトイソメラーゼ、CDP−MEシンターゼ、CDP−MEキナーゼ、及びcMEPPシンターゼを転写及び発現できる大腸菌のxylB遺伝子、dxr遺伝子、ispD遺伝子、ispE遺伝子、及びispF遺伝子を担持するベクターの構築塩基対(bp)位置5720から6571の大腸菌ORFispE(受託番号gbAE000219)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−GCGAACCTCGAGGAGGAGAAATTAACCATGCGGACACAGTGGCCC−3'、10pmolのプライマー5'−CCTGACGGTACCTTAAAGCATGGCTCTGTGC−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0127】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃45秒、50℃45秒、及び72℃60秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0128】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0129】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、1.2μgのベクターpBSxylBdxrispDF(実施例4)及び0.6μgの精製PCR生成物をXhoI及びKpnIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0130】


    20ngの精製ベクターDNA及び15ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpBScycloを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpBScycloを単離する。


    【0131】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpBScycloのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000219)のDNA配列と同一である。 ベクター構築物pBScycloのDNA配列を添付Cに示す。


    【実施例6】


    【0132】


    転写及び発現できる大腸菌のgcpE遺伝子を担持するベクターの構築塩基対(bp)位置372から1204の大腸菌ORFgcpE(受託番号gbAE000338)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−CGTACCGGATCCGAGGAGAAATTAACCATGCATAACCAGGCTCCAATTC−3'、10pmolのプライマー5'−CCCATCGTCGACTTATTTTTCAACCTGCTGAACGTC−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0133】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃90秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0134】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0135】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、2.0μgのベクターpACYC184(Chang and Cohen 1978、NEB)及び0.7μgの精製PCR生成物をBamHI及びSalIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0136】


    20ngの精製ベクターDNA及び20ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpACYCgcpEを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpACYCgcpEを単離する。


    【0137】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpACYCgcpEのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000338)のDNA配列と同一である。


    【0138】


    ベクター構築物pACYCgcpEのDNA配列を添付Dに示す。


    【実施例7】


    【0139】


    βカロチンをin vivoで生成することができる氷核活性細菌由来のカロチノイドオペロンを担持するベクターの構築塩基対(bp)位置2372から6005の氷核活性細菌(受託番号gbD90087)由来のカロチノイドオペロンのオープンリーディングフレームcrtY、crtI、及びcrtBを、染色体氷核活性細菌DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−CATTGAGAAGCTTATGTGCACCG−3'、10pmolのプライマー5'−CTCCGGGGTCGACATGGCGC−3'、40ngの氷核活性細菌の染色体DNA、8UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、20nmolのdNTP、及びTaqエクステンダー(Stratagene)を、1×Taqエクステンダーバッファー(Stratagene)の総量100μlに含む。


    【0140】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃300秒のPCRを40サイクル行う。 72℃で20分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0141】


    Qiagen(Hilden、ドイツ)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0142】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、1.0μgのベクターpBluescript SKII

    (Stratagene)及び2.0μgの精製PCR生成物をHindIII及びSalIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0143】


    20ngの精製ベクターDNA及び40ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpBScaro34を得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpBScaro34を単離する。


    【0144】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpBScaro34のDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbD90087)のDNA配列と同一である。


    【0145】


    塩基対(bp)位置175から1148の氷核活性細菌ORFcrtE(受託番号gbD90087)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−CCGCATCTTTCCAATTGCCG−3'、10pmolのプライマー5'−ATGCAGCAAGCTTAACTGACGGC−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec、Seraing、ベルギー)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0146】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃45秒、50℃45秒、及び72℃60秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0147】


    Qiagen(Hilden、ドイツ)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0148】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、1.5μgのベクターpBScaro34(上記参照)をEcoRI及びHindIIIで消化し、精製PCR生成物0.6μgをMfeI及びHindIIIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0149】


    20ngの精製ベクターDNA及び16ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpBScaro14を得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpBScaro14を単離する。


    【0150】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpBScaro14のDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbD90087)のDNA配列と同一である。 プラスミドpBScaro14のDNA配列を添付Eに示す。


    【0151】


    5μgのベクターpBScaro14(上記参照)をBamHI及びSalIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 この制限反応混合物をアガロースゲルで分離し、2237及び2341塩基対サイズの断片をQiagen製のゲル抽出キットで精製する。


    【0152】


    3μgのベクターpACYC184(上記参照)をBamHI及びSalIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 この制限反応混合物をアガロースゲルで分離し、3968塩基対サイズの断片をQiagen製のゲル抽出キットで精製する。


    【0153】


    30ngの精製ベクターDNAとそれぞれ25ngの精製2237及び2341塩基対断片を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpACYCcaro14を得る。 この連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 連結混合物1μlを形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpACYCcaro14を単離する。


    【0154】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpACYCcaro14のDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbD90087)のDNA配列と同一である。 プラスミドpACYCcaro14のDNA配列を添付Fに示す。


    【実施例8】


    【0155】


    [U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸の酵素的調製150mMのトリス塩酸塩、pH8.0中、960mgの[U−

    13

    ]グルコース(5.1mmol)、6.1gのATP(10.2mmol)、337mgのチアミンピロリン酸、1.14gの[2,3−

    13

    ]ピルビン酸(10.2mmol)、10mMのMgCl

    、5mMのジチオスレイトールを含む反応混合物を調製する。 410ユニットのトリオースリン酸イソメラーゼ(ウサギ筋肉由来、タイプIII−S、E.C.5.3.1.1、Sigma)、100Uのヘキソキナーゼ(Bakers Yeast製、タイプVI、E.C.2.7.1.1、Sigma)、100Uのホスホグルコースイソメラーゼ(Bakers Yeast製、タイプIII、E.C.5.3.1.9、Sigma)、100Uのホスホフルクトキナーゼ(中等度好熱菌由来、タイプVII、E.C.2.7.1.11、Sigma)、50Uのアルドラーゼ(ウサギ筋肉由来、E.C.4.1.2.13、Sigma)、及び枯草菌由来の12Uの組換えDXPシンターゼを加えて、最終量を315mlにする。 この反応混合物を37℃で終夜インキュベートし、インキュベート中pHを8.0の一定に保つ。 反応を

    13 C NMR分光法で監視する。


    【実施例9】


    【0156】


    [3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸の酵素的調製150mMのトリス塩酸塩、10mMのMgCl

    、1.0gの[U−

    13

    ]グルコース(5.4mmol)、0.23g(1.5mmol)のジチオスレイトール、0.3g(0.7mmol)のチアミンピロリン酸、0.1g(0.2mmol)のATP(ジナトリウム塩)、及び2.2g(11mmol)のホスホエノールピルビン酸(カリウム塩)を含む溶液に8Mの水酸化ナトリウムを加えてpHを8.0に調整する。 403U(2.8mg)のピルビン酸キナーゼ(ウサギ筋肉由来、E.C.2.7.1.40)、410ユニットのトリオースリン酸イソメラーゼ(ウサギ筋肉由来、タイプIII−S、E.C.5.3.1.1、Sigma)、100Uのヘキソキナーゼ(Bakers Yeast製、タイプVI、E.C.2.7.1.1、Sigma)、100Uのホスホグルコースイソメラーゼ(Bakers Yeast製、タイプIII、E.C.5.3.1.9、Sigma)、100Uのホスホフルクトキナーゼ(中等度好熱菌由来、タイプVII、E.C.2.7.1.11、Sigma)、50Uのアルドラーゼ(ウサギ筋肉由来、E.C.4.1.2.13、Sigma)、及び枯草菌由来の12Uの組換えDXPシンターゼを加えて、最終量を300mlにする。 この反応混合物を37℃で終夜インキュベートする。


    【実施例10】


    【0157】


    1−デオキシ−D−キシルロースの酵素的調製実施例8又は9で得た反応混合物のpH値を9.5に調整する。 塩化マグネシウムを加えて濃度を30mMにする。 50mg(950ユニット)のウシ腸粘膜由来のアルカリホスファターゼ(Sigma、E.C.3.1.3.1)を加え、この反応混合物を16時間インキュベートする。 変化を

    13 C−NMR分光法で監視する。 pHを7.0に調整し、溶液を14000rpmで5分間遠心分離する。 標識グルコース(実施例8又は9)から出発して、1−デオキシ−D−キシルロースの総収率は約50%である。


    【0158】


    上清又は凍結乾燥上清を取り込み実験で使用する(実施例11から17参照)。


    【実施例11】


    【0159】


    [3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを使用する組換え大腸菌XL1−pBSxylBの取り込み実験アンピシリン36mgを含むLuria Bertani(LB)培地0.2リットルに、プラスミドpBSxylBを収容した大腸菌株XL1−Blueの終夜培養物10mlを接種する(実施例1参照)。 細胞は振盪培養物中37℃で増殖させる。 0.6の光学密度(600nm)において、2mMのIPTGで培養物を誘導する。 IPTGでの誘導の2時間後に、50ml(0.9mmol)の粗製[3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース(pH7.0)(実施例9及び10参照)を加える。 アリコート25mlを30分間隔で取り、5000rpm、4℃で20分間遠心分離する。 細胞を0.9%のNaClを含む水で洗浄し、上述の通り遠心分離する。 細胞を700μlのD

    O中の20mMのNaFに懸濁し、氷冷し、デューティーサイクル出力90%、制御値4に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で3×10秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpmで15分間遠心分離する。 さらに精製することなく上清の

    13 C NMRスペクトルをBruker AVANCE DRX 500分光計(Karlsruhe、ドイツ)で直接記録する。 NMR分析は公表されたシグナル割当(Wungsintaweekulら、2001)に基づく。


    【0160】


    [3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを加えた30分後に、[3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸の形成が認められる。 [3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸の最大収率は、[3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを培地に加えた3〜5時間後に認められる。

    13 C NMRシグナルは、モル比ほぼ1:9の[3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースと[3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸の混合物を示す。 [3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸の細胞内濃度は、定量的NMR分光法により20mMと推定される。


    【実施例12】


    【0161】


    [U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを使用する組換え大腸菌XL1−pBSxylBdxrの取り込み実験アンピシリン22mgを含むLuria Bertani(LB)培地0.12リットルに、プラスミドpBSxylBdxrを収容した大腸菌株XL1−Blueの終夜培養物10mlを接種する(実施例2参照)。 細胞は振盪培養物中37℃で増殖させる。 0.6の最適密度(600nm)において、2mMのIPTGで培養物を誘導する。 IPTGでの誘導の2時間後に、約1.0mmolの粗製[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース(pH7.0)(実施例8及び10参照)を加える。 アリコート25mlを1時間間隔で取り、5000rpm、4℃で20分間遠心分離する。 細胞を0.9%のNaClを含む水で洗浄し、上述の通り遠心分離する。 細胞を700μlのD

    O中の20mMのNaFに懸濁し、氷冷し、デューティーサイクル出力90%、制御値4に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で3×10秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpmで15分間遠心分離する。 さらに精製することなく上清のNMRスペクトルをBruker AVANCE DRX 500分光計(Karlsruhe、ドイツ)で直接記録する。


    【0162】


    HMQC及びHMQC−TOCSY実験により、それぞれモル比約6.6:7:1の[U−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸、[U−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール、及び[1,2,2',3,4−

    13

    ]4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトールの

    H−

    13 C及び

    H−

    Hスピン系が示される。 [U−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸の細胞内濃度は、定量的NMR分光法により10mMと推定される。


    【0163】


    表1で要約したNMRデータは、信頼できる化合物の公表されたNMRデータと同一である(Takahashiら、1998;Rohdichら、1999)。


    【0164】


    【表1】


    【実施例13】


    【0165】


    [3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを使用する組換え大腸菌XL1−pBSxylBdxrispDFの取り込み実験アンピシリン18mgを含むLuria Bertani(LB)培地0.1リットルに、プラスミドpBSxylBdxrispDFを収容した大腸菌株XL1−Blueの終夜培養物10mlを接種する(実施例4参照)。 細胞は振盪培養物中37℃で増殖させる。 0.5の最適密度(600nm)において、2mMのIPTGで培養物を誘導する。 IPTGでの誘導の2時間後に、約1.0mmolの粗製[3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース(実施例9及び10参照)を加える。 3時間後、細胞を回収し、5000rpm、4℃で20分間遠心分離する。 細胞を0.9%のNaClを含む水で洗浄し、上述の通り遠心分離する。 細胞を1.5mlのD

    O中の20mMのNaFに懸濁し、氷冷し、デューティーサイクル出力90%、制御値4に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で3×15秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpmで15分間遠心分離する。 さらに精製することなく上清のNMRスペクトルをBruker AVANCE DRX 500分光計(Karlsruhe、ドイツ)で直接記録する。


    【0166】


    HMQC及びHMQC−TOCSY実験により、[1,3,4−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸、[1,3,4−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール、及び[1,3,4−

    13

    ]4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトールの

    H−

    13 C及び

    H−

    Hスピン系が示される(表1)。 [1,3,4−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸、[1,3,4−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール、及び[1,3,4−

    13

    ]4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトールのモル比はそれぞれ1:0.6:0.9である。


    【0167】


    この結果は、4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトールの合成に必要なCTPの細胞内量が限定的であることを示す。 このため、修正された発酵作用プロトコルが開発された(実施例14参照)。


    【実施例14】


    【0168】


    [3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを使用する組換え大腸菌XL1−pBSxylBdxrispDFの取り込み実験アンピシリン18mgを含むLuria Bertani(LB)培地0.1リットルに、プラスミドpBSxylBispDFを収容した大腸菌株XL1−Blueの終夜培養物10mlを接種する(実施例4参照)。 細胞は振盪培養物中37℃で増殖させる。 0.5の最適密度(600nm)において、2mMのIPTGで培養物を誘導する。 IPTGでの誘導の2時間後に、10mg(0.041mmol)のシチジン、5mlの1MのNaKHPO

    (pH7.2)、及び約1.0mmolの粗製[3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース(実施例9及び10参照)を加える。 3時間後、細胞を回収し、5000rpm、4℃で20分間遠心分離する。 細胞を0.9%のNaClを含む水で洗浄し、上述の通り遠心分離する。 細胞を700μlのD

    O中の20mMのNaFに懸濁し、氷冷し、デューティーサイクル出力90%、制御値4に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で3×10秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpmで15分間遠心分離する。 さらに精製することなく上清のNMRスペクトルをBruker AVANCE DRX 500分光計で直接記録する。


    【0169】


    HMQC及びHMQC−TOCSY実験により、それぞれモル比が約1:3.4:4.2の[1,3,4−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸、[1,3,4−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール、及び[1,3,4−

    13

    ]4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトールの

    H−

    13 C及び

    H−

    Hスピン系(表1)が示される。 [1,3,4−

    13

    ]4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトールの相対量は実施例13の相対量と比較して2倍に増大する。 [1,3,4−

    13

    ]4−ジホスホシチジル−2C−メチル−D−エリスリトールの細胞内濃度は定量的NMR分光法により10mMと推定される。 2C−メチル−D−エリスリトールの相対量が高いことは、非特定的なホスファターゼが中間体として形成した2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸を2C−メチル−D−エリスリトールに変換することを示す。 このため、十分な量の有機リン酸を細胞に供給し、ホスファターゼの活性を抑制するために、修正された発酵作用プロトコルが開発された(実施例15から17参照)。


    【実施例15】


    【0170】


    [U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを使用する組換え大腸菌XL1−pBScycloの取り込み実験アンピシリン36mgを含むLuria Bertani(LB)培地0.2リットルに、プラスミドpBScycloを収容した大腸菌株XL1−Blueの終夜培養物10mlを接種する(実施例5参照)。 細胞は振盪培養物中37℃で増殖させる。 1.3の最適密度(600nm)において、2mMのIPTGで培養物を誘導する。 IPTGでの誘導の2時間後に、30mg(0.12mmol)のシチジン、300mg(0.95mmol)のDL−α−グリセロール3−リン酸、及び10mlの1MのNaKHPO

    (pH7.2)を加える。 30分後に、約1mmolの[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース(実施例8及び10参照)を加える。 アリコート25mlを1時間間隔で取り、5000rpm、4℃で20分間遠心分離する。 細胞を0.9%のNaClを含む水で洗浄し、上述の通り遠心分離する。 細胞を700μlのD

    O中の20mMのNaFに懸濁し、氷冷し、デューティーサイクル出力90%、制御値4に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で3×10秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpmで15分間遠心分離する。 さらに精製することなく細胞を含まない抽出液のNMRスペクトルをBruker AVANCE DRX 500分光計(Karlsruhe、ドイツ)で直接記録する。

    13 C NMR並びにHMQC及びHMQC−TOCSYスペクトルにより、[U−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸(Herzら、2000)が唯一の生成物であることが確定した。 [U−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸の形成は[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを加えた30分後に認められ、最大収率は[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを加えた5時間後に認められる。 [U−

    13

    ]2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸の細胞内濃度は定量的NMR分光法により20mMと推定される。 [U−

    13

    ]2C−メチル−エリスリトールなどの任意のその他の同位体標識生成物の形成は完全に抑制される。


    【実施例16】


    【0171】


    [2−

    14 C]1−デオキシ−D−キシルロース及び[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを使用する組換え大腸菌XL1−pBScyclo−pACYCgcpEの取り込み実験アンピシリン36mg及びクロラムフェニコール2.5mgを含むTerrific Broth(TB)培地0.2リットルに、プラスミドpBScyclo及びpACYCgcpEを収容した大腸菌株XL1−Blueを接種する(実施例5及び6参照)。 細胞は振盪培養物中37℃で終夜増殖させる。 4.8から5.0の最適密度(600nm)において、30mg(0.1mmol)のシチジン、300mg(0.94mmol)のDL−α−グリセロール3−リン酸、及び10mlの1MのNaKHPO

    (pH7.2)を加える。 30分後、2.6μmolの[2−

    14 C]1−デオキシ−D−キシルロース(15μCiμmol

    −1 )(Wungsintaweekulら、2001)及び1mlの粗製[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース(0.02mmol)(実施例8及び10参照)の混合物を加える。 1.5時間後、細胞を回収し、5000rpm、4℃で10分間遠心分離する。 細胞を0.9%のNaClを含む水で洗浄し、上述の通り遠心分離する。 細胞を20mMのNaF(2ml)及びメタノール(2ml)の混合物に懸濁し、氷冷し、デューティーサイクル出力90%、制御値4に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で3×15秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpmで15分間遠心分離する。 上清の放射能をシンチレーション計数(Beckmann、LS7800)で測定する。

    14 C標識1−デオキシ−D−キシルロースとして最初に加えた放射能の10%が上清中に検出される。 アリコートを実施例19で記載の通りにTLC及びHPLCによって分析し、生成物を実施例20で記載の通りに精製する。 これらのデータを基に、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸及び2−C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸を、モル比7:3の生成物として同定した(実施例17及び18もまた参照)。


    【実施例17】


    【0172】


    [U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース又は[3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを使用する組換え大腸菌XL1−pBScyclo−pACYCgcpEの取り込み実験アンピシリン36mg及びクロラムフェニコール2.5mgを含むTerrific Broth(TB)培地0.2リットルに、プラスミドpBScyclo及びpACYCgcpEを収容した大腸菌株XL1−Blueを接種する。 細胞は振盪培養物中37℃で終夜増殖させる。 4.8から5.0の最適密度(600nm)において、30mg(0.1mmol)のシチジン、300mg(0.93mmol)のDL−α−グリセロール3−リン酸、及び10mlの1MのNaKHPO

    (pH7.2)を加える。 30分後、3mlの粗製[3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース又は[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース(0.05mmol)(実施例8、9、及び10参照)を加える。 アリコート25mlを1時間間隔で取り、5000rpm、4℃で20分間遠心分離する。 細胞を0.9%のNaClを含む水で洗浄し、上述の通り遠心分離する。 細胞を700μlのD

    O中の20mMのNaF又はメタノールと10mMのNaFを含むD

    O(6:4;v/v)の混合物700μlに懸濁し、氷冷し、デューティーサイクル出力90%、制御値4出力に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で3×10秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpmで15分間遠心分離する。 細胞を含まない抽出液のNMRスペクトルをBruker AVANCE DRX 500分光計(Karlsruhe、ドイツ)で直接記録する。 後処理中の劣化を避けるために、さらに精製することなく生成物の構造をNMR分光法で決定する(実施例18参照)。


    【実施例18】


    【0173】


    1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の構造決定[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを出発材料とする

    Hデカップルド

    13 C NMRスペクトルは、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸(Herzら、2000)に属する5つの

    13 C−

    13 Cカップルドシグナル及び未知の代謝生成物に属する5つの

    13 C−

    13 Cカップルドシグナルを14.7、64.5、68.6、122.7、及び139.5ppm(表2)に示す。 未知の代謝生成物の化学シフトは、二重結合モチーフ(122.7及び139.5ppmのシグナル)、メチル基(14.7ppmのシグナル)、及びOR(R=未知)に結合した2つの炭素原子(64.5及び68.6ppmのシグナル)を示唆している。 sp

    ハイブリダイゼーションを有する炭素原子を示す3つのシグナル(14.7、64.5、及び68.5ppm)は、カップリング定数40〜50Hzを有する1つの隣接した

    13 C原子との

    13 C−

    13 Cカップリングを示す(表2)。 122.7ppmのシグナルは2つの隣接した

    13 C隣接基との

    13 Cカップリングを示し(カップリング定数、74及び50Hz)、一方、141.5ppmのシグナルは3つの隣接した

    13 C原子との

    13 Cカップリングを示す(カップリング定数、74、43、及び43Hz)。 化学シフト位相幾何学と合わせると、このカップリングシグネチャーは2−メチル−2−ブテニル骨格を示している。 HMQC及びHMQC−TOCSY実験は、

    13 C−

    H及び

    H−

    Hスピン系(表3)と共に

    H NMR化学シフトが示す(表3)。 より具体的には、122.7ppmの

    13 C NMRシグナルは、CC二重結合に結合したH原子の典型的な化学シフト領域内である5.6ppmの

    H NMRと相関している。 一方、139.5ppmのシグナルは

    13 C−

    Hの相関を与えない。 64.5及び68.6ppmのシグナルは、それぞれ4.5及び3.9ppmで

    Hシグナルへの

    13 C−

    H相関を与える。 14.7ppmのメチルシグナルは1.5ppmのプロトンシグナルと相関する。

    13 C−

    13 Cカップリングパターン(表2)及び

    H−

    13 C長領域相関(HMBC実験、表3)と共に、これらのデータは1,4−ジヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル系を確定している。


    【0174】


    供給材料としての[3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースから、新たな生成物のそれぞれ原子4、1、及び3を表す64.5、68.6、及び122.7ppmの3つのシグナルが認められる。 新たな生成物の1、3、及び4位の炭素原子は[3,4,5−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース5−リン酸の3、4、及び5位の炭素原子と生物発生的に同等であると判断することができる。 このカップリング位相幾何学は2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸のカップリングパターンと同様であり(実施例13参照)、新たな化合物が2C−メチル−D−エリスリトール4−リン酸を介して導出されることが確認される。


    【0175】


    64.5及び122.7ppmのC−4及びC−3

    13 C NMRシグナルは、それぞれ5.5及び8.0Hzの

    13 C−

    31 Pカップリングを示す。 これらのカップリングは2−メチル−2−ブテニル骨格の4位にリン酸基又はピロリン酸基が存在することを示す。


    【0176】


    この観察と一致して、この生成物の

    Hデカップルド

    31 P NMRスペクトルは−9.2で二重線(

    31 P−

    31 Pカップリング定数、20.9Hz)及び−10.6ppmで二重−二重−二重線(

    31 P−

    13 Cカップリング定数、5.8及び7.4Hz、

    31 P−

    31 Pカップリング定数、20.9Hz)を示す。

    Hデカップリングなしで、−10.6ppmの

    31 P NMRシグナルはブロードであり、一方、−9.2ppmのシグナルは

    Hカップリングの影響を受けていない。 化学シフト並びに認められたカップリングパターンは、4位に遊離の二リン酸部分が存在することを確認している。


    【0177】


    要約すると、これらのデータすべては、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸としての構造を確定している。


    【0178】


    【表2】


    【0179】


    【表3】


    【実施例19】


    【0180】


    非メバロン酸経路のリン酸化代謝生成物の検出TLC法による方法A)


    上述の通り調製した組換え細胞からの細胞を含まない抽出物のアリコート(10μl)(実施例16参照)をPolygram(登録商標)SIL NH−R薄層プレート(Macherey−Nagel、Duren、ドイツ)にスポットする。 次いで、TLCプレートをn−プロパノール:酢酸エチル:水、6:1:3(v/v/v)の溶媒系中で展開する。 実験時間は約4時間である。 ラジオクロマトグラムを監視し、蛍光体イメージャー(Storm860、Molecular Dynamics、米国)で評価する。 研究した化合物のR

    値を表4に示す。


    【0181】


    【表4】


    【0182】


    HPLC法による方法B)


    上述の通り調製した組換え細胞からの細胞を含まない抽出物のアリコート(100μl)(実施例16参照)を、10mMのテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(TBAS)、pH6.0、流量0.75ml/分

    −1で15分間平衡化したMultospher120RP18−AQ−5(4.6×250mm、粒径5μm、CS−Chromatographic Service GmbH、Langerwehe、ドイツ)を使用するHPLCで分析する。 試料を注入した後、カラムを10mMのTBASで20分間、次いで10mMのTBAS中0〜42%(v/v)のメタノールの直線勾配で60分間展開する。 流出物を連続流ラジオ検出器(Beta−RAM、Biostep GmbH、Jahnsdorf、ドイツ)で監視する。 研究した化合物の保持体積を表5に示す。


    【0183】


    【表5】


    【実施例20】


    【0184】


    1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の精製[2−

    14 C]1−デオキシ−D−キシルロース及び[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース(実施例16参照)を使用する組換え大腸菌XL1−pBScyclo−pACYCgcpEでの供給実験で得られた粗製細胞を含まない抽出物を凍結乾燥する。 残渣を水600μlに溶解し、14000ppmで10分間遠心分離する。 アリコート90μlをNucleosil 10 SB(4.6×250mm、Macherey&Nagel、Duren、ドイツ)のカラムにかけ、70ml中0.1〜0.25Mのギ酸アンモニウムの直線勾配により流量2ml/分

    −1で展開する。 2C−メチル−D−エリスリトール−2,4−シクロ二リン酸及び1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の保持体積はそれぞれ25及び44mlである。 画分を集め、凍結乾燥する。 1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸のNMRデータは実施例18、表2で示したデータと同一である。


    【実施例21】


    【0185】


    D−キシルロキナーゼ、DXPレダクトイソメラーゼ、CDP−MEシンターゼ、CDP−MEキナーゼ、cMEPPシンターゼ、及び1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸シンターゼを転写及び発現できる大腸菌のxylB遺伝子、dxr遺伝子、ispD遺伝子、ispE遺伝子、ispF遺伝子、及びispG遺伝子を担持するベクターの構築塩基対(bp)位置372から1204の大腸菌ORFispG(受託番号gbAE000338)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−GCGGGAGACCGCGGGAGGAGAAATTAACCATGCATAACCAGGCTCCAATTCG−3'、10pmolのプライマー5'−CGCTTCCCAGCGGCCGCTTATTTTTCAACCTGCTGAACG−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0186】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃90秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0187】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0188】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、1.4μgのベクターpBScyclo(実施例5)及び0.8μgの精製PCR生成物をSacII及びNotIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0189】


    20ngの精製ベクターDNA及び18ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpBScyclogcpEを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpBScyclogcpEを単離する。


    【0190】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpBScyclogcpEのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000338)のDNA配列と同一である。


    【0191】


    ベクター構築物pBScyclogcpEのDNA配列を添付Hに示す。


    【実施例22】


    【0192】


    D−キシルロキナーゼ、DXPレダクトイソメラーゼ、CDP−MEシンターゼ、CDP−MEキナーゼ、cMEPPシンターゼ、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸シンターゼ、及びLytBを転写及び発現できる大腸菌のxylB遺伝子、dxr遺伝子、ispD遺伝子、ispE遺伝子、ispF遺伝子、ispG遺伝子、及びlytB遺伝子を担持するベクターの構築塩基対(bp)位置7504から8454の大腸菌ORFlytB(受託番号gbAE005179)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−AAATCGGAGCTCGAGGAGAAATTAACCATGCAGATCCTGTTGGCC−3'、10pmolのプライマー5'−GCTGCTCCGCGGTTAATCGACTTCACGAATATCG−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0193】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃45秒、50℃45秒、及び72℃60秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0194】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0195】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、1.3μgのベクターpBScyclogcpE(実施例21)及び0.7μgの精製PCR生成物をSacI及びSacIIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0196】


    20ngの精製ベクターDNA及び16ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpBScyclogcpElytBを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpBScyclogcpElytBを単離する。


    【0197】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpBScyclogcpElytBのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE005179)のDNA配列と同一である。


    【実施例23】


    【0198】


    [U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを使用する組換え大腸菌XL1−pBScyclogcpEの取り込み実験アンピシリン18mgを含むTerrific Broth(TB)培地0.1リットルに、プラスミドpBScyclogcpEを収容した大腸菌株XL1−Blueを接種する。 細胞は振盪培養物中37℃で終夜増殖させる。 4.8から5.0の最適密度(600nm)において、30mg(0.1mmol)のシチジンを加える。 1.2gの乳酸リチウム(12.5mmol)及び6mlの粗製[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース(0.05mmol)(実施例8、9、及び10参照)を0.1Mのトリス塩酸塩(pH=7.5)を含む溶液を最終量30mlで2時間以内に連続的に加える。 アリコート25mlを1時間間隔で取り、5000rpm、4℃で20分間遠心分離する。 細胞を0.9%のNaClを含む水で洗浄し、上述の通り遠心分離する。 細胞を700μlのD

    O中の20mMのNaF又はメタノールと10mMのNaFを含むD

    O(6:4;v/v)の混合物700μlに懸濁し、氷冷し、デューティーサイクル出力90%、制御値4出力に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で3×10秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpmで15分間遠心分離する。 細胞を含まない抽出液のNMRスペクトルをBruker AVANCE DRX 500分光計(Karlsruhe、ドイツ)で直接記録する。 後処理中の劣化を避けるために、さらに精製することなく生成物の構造をNMR分光法で決定する。


    【0199】


    1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸に対する相対量は、乳酸リチウムを培地に加えることにより約2〜3倍に増大することができる。


    【実施例24】


    【0200】


    (E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル二リン酸三アンモニウム(8)の調製一般:化学物質は、Acros Organics(Fisher Scientific GmbH、Schwerte、ドイツ)、SIGMA−ALDRICH(Deisenhofen、ドイツ)、及びMERCK(Darmstadt、ドイツ)から入手し、さらに精製することなく使用する。 溶媒は蒸留及び/又は乾燥して使用する。 クロマトグラフィーはシリカゲル60(230〜400メッシュ、Fluka Riedel−de Haen、Taufkirchen、ドイツ)、DOWEX 50 WX8(200〜400メッシュ、SERVA、Heidelberg、ドイツ)、及びCellulose(Avicel、Cellulose mikrokristallin、Merck、Darmstadt、ドイツ)で実施する。 TLCは、シリカゲル60F

    254プラスチックシート(MERCK)又はセルロースFプラスチックシート(MERCK)で実施し、アニスアルデヒド溶液(アニスアルデヒド:H

    SO

    :HAc=0.5:1:50v/v/v)で検出する。 NMRスペクトルは、BRUKER AMX 400、DRX 500、及びAC 250分光器で室温において記録する。


    【0201】


    アセトニルテトラヒドロピラニルエーテル(12)(Hagiwaraら、1984)


    ピリジニウム−トルエン−4−スルホネート339mg(1.35mmol)、ヒドロキシアセトン9.35ml(10.0g、0.135mol)、及び3,4−ジヒドロ−2H−ピラン24.7ml(22.7g、0.270mol)の混合物を室温で2.5時間攪拌する。 残留する3,4−ジヒドロ−2H−ピランを減圧下で除去する。 粗製混合物をシリカゲルのFC(ヘキサン/アセトン=4:1、6.5×20cm)で精製し、無色の液体18.7g(0.118mol、88%)を得る。


    【0202】


    (E,Z)−エチル−2−メチル−1−テトラヒドロピラニルオキシ−ブト−2−エノエート(13)(Watanabeら、1996)


    (エトキシカルボニルメチレン)−トリフェニルホスホラン33.0g(94.8mmol)を窒素雰囲気下、室温で乾燥トルエン500mlに溶解する。 次いで、10.0g(63.2mmol)のアセトニルテトラヒドロピラニルエーテル12を加え、この混合物を加熱還流する。 この温度で39時間後、溶媒を減圧下で蒸発させて橙色の油状物を得る。 過半量のトリフェニルホスフィンオキシドをヘキサン/アセトン(9:1)100mlを加えることにより沈殿させる。 濾過後、濾液を濃縮し、さらに100mlのヘキサン/アセトン(9:1)を加える。 固体を濾去し、溶媒を除去して橙色の油状物18gを得、これをシリカゲルのFC(ヘキサン/アセトン=9:1、6.5×28cm)で精製して(E)−13/(Z)−13=5:1の混合物12.9g(56.5mmol、89%)を得る。


    【0203】


    (E,Z)−2−メチル1−テトラヒドロピラニルオキシ−ブト−2−エン−4−オール(14)(Watanabeら、1996)


    乾燥CH

    Cl

    100ml中のエステル13(8.73g、38.2mmol)の溶液を−78℃に冷却する。 次いで、ヘキサン中の91.8ml(91.8mmol)の1.0MのDIBAHを窒素雰囲気下で徐々に加える。 得られる溶液を−78℃で3時間攪拌し、1.5mlの1MのNaOHを加えることにより反応をクエンチする。 室温まで加温した後、溶媒を減圧下で除去する。 得られる粘着性の残渣を、100mlのMeOHを2回加えることによって広く溶解する。 得られる混合物をSiO

    のカラムに通し、溶媒から蒸発させ、1400mlのMeOHでパージしたSiO

    /Na

    SO

    のカラムに負荷する。 溶媒を蒸発させると無色の液体9.5gが得られ、これをシリカゲルのFC(ヘキサン/アセトン=1:3、6.5×16cm)で精製して、6.98g(37.4mmol、98%)の無色の液体(E)−14/(Z)−14=6:1を得る。


    【0204】


    (E,Z)−4−クロロ−2−メチル1−テトラヒドロピラニルオキシ−ブト−2−エン(15)(Hwangら、1984)


    10mlの乾燥CH

    Cl

    中のアルコール14(1.00g、5.37mmol)の溶液に、10mlの乾燥CH

    Cl

    中のDMAP(918mg、7.52mmol)及び10mlの乾燥CH

    Cl

    中のp−TsCl(1.23g、6.44mmol)を加える。 得られる溶液を室温で1時間攪拌する。 減圧下で溶媒を蒸発させた後、残渣をシリカゲルのFC(CH

    Cl

    、5×20cm)で精製して693mg(3.39mmol、63%)の無色の液体(E)−15/(Z)−15=6:1を得る。


    【0205】


    (E,Z)−2−メチル1−テトラヒドロピラニルオキシ−ブト−2−エニル二リン酸三アンモニウム(16)(Davissonら、1986)


    1.3mlのMeCN中のクロリド15(260mg、1.27mmol)の溶液に、3.0mlのMeCN中のトリス(テトラ−n−ブチルアンモニウム)水素ピロリン酸1.38g(1.52mmol)を室温で徐々に加え、橙赤色の溶液を得る。 反応後に

    H−NMRを実施し、H−3の多重線のアップフィールドシフトを利用する。 2時間後に反応は終了し、溶媒を減圧下で除去する。 橙色の油状物を2.5mlのH

    Oに溶解し、カラム2個分の量(40ml)の25mMのNH

    HCO

    で平衡化したDOWEX 50 WX8(2.5×3cm)カチオン交換樹脂(NH

    形)のカラムを通す。 カラムを60mlの25mMのNH

    HCO

    で溶離する。 得られた溶液を凍結乾燥し、イソプロパノール/100mMのNH

    HCO

    (1:1)5mlに溶解し、イソプロパノール/100mMのNH

    HCO

    (1:1)で溶離するセルロースカラム(2×18cm)に負荷する。 流出物を凍結乾燥して、495mg(1.25mmol、98%)の(E)−16/(Z)−16=6:1を白色固形物として得る。


    【0206】


    (E,Z)−1−ヒドロキシ−2−メチル−ブト−2−エニル二リン酸三アンモニウム(8)(Davissonら、1986)


    268mg(0.675mmol)の保護されたピロリン酸16を2.0mlのD

    Oに溶解し、40μlのD

    O中の37%DClを加えることによりpHを1に調整する。 このpHで1分後、40μlのD

    O中の40%NaODを加えることにより中和し、

    H NMRを測定すると、50%の脱保護を示した。 この手順を脱保護が終了するまで繰り返すと、ほんの少量の分解生成物が形成し、合計7分、pH1で得られる。 イソプロパノール/100mMのNH

    HCO

    (1:1)2mlをセルロースカラム(イソプロパノール/100mMのNH

    HCO

    (1:1)、2×10.5cm)に加えることによって希釈された中性溶液を負荷することにより精製すると、193mg(0.616mmol、91%)の(E)−8/(Z)−8=7:1の白色固形物が得られる。


    【0207】


    試薬及び条件(図4:1のステップ(a)から(f)):(a)DHP、PPTS、25℃(2.5時間);(b)Ph

    PCHCO

    Et、トルエン、還流(39時間);(c)(1)DIBAH、CH

    Cl

    、−78℃(3時間)、(2)1MのNaOH/H

    O;(d)p−TsCl、DMAP、CH

    Cl

    、25℃(1時間);(e)((CH

    CH

    CH

    CH

    N)

    HP

    、MeCN、25℃(2時間);(f)HCl/H

    O、pH1、25℃(7分間)。


    【実施例25】


    【0208】


    (E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の同定GcpE生成物の構造を1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル4−二リン酸の合成試料の化学シフトと比較することによってさらに分析する。


    【0209】


    そのために、[U

    13

    ]−1−デオキシ−D−キシルロースを供給した(実施例16参照)、xylB、ispC、ispD、ispE、ispF、及びgcpE遺伝子を発現する人工遺伝子構築物を与えられ生物工学処理された大腸菌細胞から得られた細胞抽出物に[2−

    14 C]1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル4−二リン酸(0.36μCi)を加える。 この細胞抽出物の上清を、HPLC(Nucleosil 5 SB、7.5×250mm、100mMから250mMのNH

    HCOOの勾配で展開、流量2ml/分、35分間)で精製する。 生成物を23分で溶離し、集める。 凍結乾燥後、残渣をD

    O(pH6)に溶解し、

    H NMR分析にかける(図3−A)。


    【0210】


    次に、合成的に調製した(E,Z)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸(E/Z=7:1)(D

    O、pH7)の溶液40μlをNMR試料に加え、

    H NMR分光法で再び分析する(図3−B)。 一方では、図3−Bで示した通り、(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニルを示すシグナルは選択的に増大し、生物学的に生成した構造は合成的に生成したもの、すなわち、(E)−異性体と同一である証拠を提供している。 他方では、少ない方の(Z)−異性体は生物学的に得られた生成物のシグナルとはいかなる相関もなく増大する。 図3−Cは、合成的に調製した(E,Z)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の溶液をさらに40μl加えた後の同じ効果を示す。


    【実施例26】


    【0211】


    トウガラシ有色体の脂溶性画分への(E)−1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の取り込みCamara(Camara、1985;Camara、1993)の方法をわずかに修正することによって有色体を単離する。 赤トウガラシ(650g)の果皮を、1mMのDTE、1mMのEDTA、及び0.4Mのスクロースを含む600mlの50mMのHepes(pH8.0)(バッファーA)中、4℃で均質化する。 この懸濁液をナイロン布(50μm)4層で濾過し、遠心分離して(10分間、4500rpm、GSAローター)、200mlのバッファーAに均質化された粗製有色体のペレットを得る。 この懸濁液を遠心分離する(10分間、4500rpm、GSAローター)。 ペレットを均質化し、1mMのDTEを含む50mMのHepes(pH7.6)3mlに再懸濁する。 この懸濁液をナイロン布(50μm)1層で濾過する。


    【0212】


    反応混合物は、100mMのHepes(pH7.6)、2mMのMnCl

    、10mMのMgCl

    、5mMのNaF、2mMのNADP

    、1mMのNADPH、6mMのATP、20μMのFAD、及び有色体2mgを含む。 8.8nmolの[2−

    14 C]2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸、[2−

    14 C]1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル二リン酸、又は[2−

    14 C]イソペンテニル二リン酸(具体的濃度15.8μCi/μmol)を加え、混合物を30℃で終夜インキュベートする。 塩化メチレン抽出で反応を終了する。 有機相を窒素流下で濃縮する。 アリコートをシリカゲルプレート(Polygram SIL−G、UV254、Macherey−Nagel、Duren、ドイツ)上にスポットする。 プレートをヘキサン:エーテル=6:1(系I)及び/又はヘキサン:トルエン=9:1(系II)でそれぞれ展開する。 クロマトグラムを蛍光体イメージャー(Storm 860、Molecular dynamics、Sunnyvale、カリフォルニア州、米国)で監視する。 系Iのゲラニルゲラニオール及びカロチン画分のR

    値はそれぞれ0.35及び0.9である。 系IIのβカロチン、フィトエン、及びフィトフルエンのR

    値はそれぞれ0.65、0.60、及び0.55である。


    【0213】


    クロマトグラムを評価することにより、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル二リン酸からトウガラシ有色体のゲラニルゲラニオール、βカロチン、フィトエン、及びフィトフルエン画分に放射能を効果的に転じることができ、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル二リン酸が2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸の下流かつイソペンテニル二リン酸の上流の非メバロン酸経路の実際の中間体であることを示している。


    【実施例27】


    【0214】


    転写及び発現できる大腸菌のispG(gcpE)遺伝子及びispH(lytB)遺伝子を担持するベクターの構築塩基対(bp)位置5618から6568の大腸菌ORFispH(lytB)(受託番号gbAE000113)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−GCTTGCGTCGACGAGGAGAAATTAACCATGCAGATCCTGTTGGCCACC−3'、10pmolのプライマー5'−GCTGCTCGGCCGTTAATCGACTTCACGAATATCG−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0215】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃45秒、50℃45秒、及び72℃60秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0216】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0217】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、2.4μgのベクターpACYC184(Chang and Cohen 1978、NEB)及び0.7μgの精製PCR生成物をSalI及びEagIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0218】


    20ngの精製ベクターDNA及び18ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpACYClytBを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpACYClytBを単離する。


    【0219】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpACYClytBのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000113)のDNA配列と同一である。


    【0220】


    塩基対(bp)位置372から1204の大腸菌ORFispG(gcpE)(受託番号gbAE000338)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−CGTACCGGATCCGAGGAGAAATTAACCATGCATAACCAGGCTCCAATTC−3'、10pmolのプライマー5'−CCCATCGTCGACTTATTTTTCAACCTGCTGAACGTC−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0221】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃90秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0222】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0223】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、2.0μgのベクターpACYClytB及び0.9μgの精製PCR生成物をBamHI及びSalIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0224】


    20ngの精製ベクターDNA及び23ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpACYClytBgcpEを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpACYClytBgcpEを単離する。


    【0225】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpACYClytBgcpEのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000338)のDNA配列と同一である。


    【0226】


    ベクター構築物pACYClytBgcpEのDNA配列を添付Iに示す。


    大腸菌由来のispH(lytB)のDNA及び対応するアミノ酸配列を添付Jに示す。


    【実施例28】


    【0227】


    D−キシルロキナーゼ、DXPレダクトイソメラーゼ、CDP−MEシンターゼ、CDP−MEキナーゼ、cMEPPシンターゼ、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸シンターゼ、及びIPP/DMAPPシンターゼを転写及び発現できる大腸菌のxylB遺伝子、dxr遺伝子、ispD遺伝子、ispE遺伝子、ispF遺伝子、ispG遺伝子、及びispH遺伝子を担持するベクターの構築大腸菌ORFispG(以前はgcpE)及びispH(以前はlytB)を、プラスミドpACYClytBgcpE(実施例27参照)を鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−GCGGGAGACCGCGGGAGGAGAAATTAACCATGCATAACCAGGCTCCAATTCAACG−3'、10pmolのプライマー5'−AGGCTGGCGGCCGCTTAATCGACTTCACGAATATCG−3'、2ngのpACYCgcpElytB DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0228】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃150秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で20分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0229】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0230】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、1.7μgのベクターpBScyclo(実施例5)及び1.3μgの精製PCR生成物をSacII及びNotIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0231】


    22ngの精製ベクターDNA及び19ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpBScyclogcpElytB2を得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpBScyclogcpElytB2を単離する。


    【0232】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpBScyclogcpElytB2のDNA挿入物の配列決定をする。 ベクター構築物pBScyclogcpElytB2のDNA配列を添付Kに示す。


    【実施例29】


    【0233】


    [U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを使用する組換え大腸菌XL1−pBScyclogcpElytB2の取り込み実験アンピシリン18mgを含むTerrific Broth(TB)培地0.1リットルに、プラスミドpBScyclogcpElytB2を収容した大腸菌株XL1−Blueを接種する。 細胞は振盪培養物中37℃で終夜増殖させる。 1.3から1.7の最適密度(600nm)において、乳酸リチウム2.4g(25mmol)及び粗製[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロース10ml(0.05mmol)(実施例8参照)を最終量30ml(pH=7.4)で2時間以内に連続的に加える。 アリコート40mlを30分間隔で取り、5000rpm、4℃で20分間遠心分離する。 細胞を0.9%のNaClを含む水で洗浄し、上述の通り遠心分離する。 細胞をメタノールと10mMのNaFを含むD

    O(6:4;v/v)の混合物700mlに懸濁し、氷冷し、デューティーサイクル出力90%、制御値4出力に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で3×10秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpmで15分間遠心分離する。 細胞を含まない抽出液のNMRスペクトルをBruker AVANCE DRX 500分光計(Karlsruhe、ドイツ)で直接記録する。 後処理中の劣化を避けるために、さらに精製することなく生成物の構造をNMR分光法で決定する。


    【実施例30】


    【0234】


    イソペンテニル二リン酸(IPP)及びジメチルアリル二リン酸(DMAPP)の構造決定[U−

    13

    ]1−デオキシ−D−キシルロースを出発材料とする

    Hデカップルド

    13 C NMRスペクトルは(実施例8及び30参照)、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸(Herzら、2000)に属する5つの強い

    C−

    13 Cカップルドシグナル、及び1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸(実施例18参照)に属する強度の低い5つの

    13 C−

    13 Cカップルドシグナル(2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸と1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の比率100:3の2−メチル

    13 C NMRシグナル強度)を示す。


    【0235】


    さらに、21.1(二重線)、39.6(三重線)、59.3(二重線)、111.8(二重線)、及び143.2ppm(三重線の二重線)(未知の代謝生成物B)のシグナルを伴う、21.6(二重線)、37.8(三重線)、64.1(二重線)、111.6(二重線)、及び143.3ppm(三重線の二重線)(未知の代謝生成物A)の5つの

    13 C−

    13 Cカップルドシグナルの一組を検出する。 2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸の2−メチルシグナルと21.6ppm(代謝生成物A)及び21.1ppm(代謝生成物B)の未知の化合物の推定メチルシグナルの比は、それぞれ100:24:4である。


    【0236】


    さらに、17.1(二重線)、24.9(二重線)、62.7(二重線)、119.6(二重二重線)、及び139.4ppm(多重線)の別の未知の化合物(代謝生成物C)に属する強度の低い

    13 Cカップルドシグナルが検出される。 21.6(代謝生成物A)、17.1及び24.9(代謝生成物C)の推定メチルシグナルの強度比は、それぞれ100:13:13である。


    【0237】


    反応混合物の

    31 P NMRスペクトルは、2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸の強いシグナルによって特徴付けられる(Herzら、2000)。 さらに、

    31

    31 Pカップルドブロードシグナルは有機二リン酸に典型的な化学シフト範囲(−6から−13ppm、

    31

    31 Pカップリング定数、20Hz)で認められる。


    【0238】


    代謝生成物A


    111.6及び143.3ppmの代謝生成物Aのシグナルは、二重結合モチーフの助けとなり、64.1、37.8、及び21.6ppmのシグナルは3個の脂肪族炭素原子を反映し、そのうちの1つ(64.1ppmのシグナル)はOH又はOR(R=未知)に結合していると思われる。


    【0239】


    未知の代謝生成物Aの構造に関する追加情報は、

    13 Cカップリングパターンから見つけることができる。

    13 C NMRシグナルのうちの3つ(21.6、64.1、及び111.6ppm)は分断されて二重線となることにより3つの

    13 C原子がそれぞれただ1個の

    13 C標識隣接基に結合していることを表し、1つのシグナル(37.8ppm)はプソイド三重線シグネチャーを示すことにより2個の隣接する

    13 C原子を有する

    13 C原子を表し、1つのシグナル(143.3ppm)は分断されて三重線の二重線となることにより3つの

    13 C結合を有する

    13 C原子を表す。 化学シフトと合わせると、この結合性パターンは代謝生成物Aをイソペンテニル誘導体として確立している。


    【0240】


    143.3ppmのシグナルの複雑なシグネチャーは、より詳細な分析に値する。 大きなカップリング(71Hz)は炭素−炭素二重結合に関与する炭素原子間の

    13

    13 Cカップリングで典型的である。 71Hzのカップリングは111.6ppmの二重線シグナルでも見られ、これは二重結合の第2の炭素を表す。 カップリングパターン及び化学シフトにより、エキソ−メチレン官能性が存在することは明らかである。 さらに2つの

    13 Cカップリングが143.3ppmのシグナルの三重線サブ構造に見られ、これらは両方とも41Hzであり、各炭素を構造の分岐点として確立している。


    【0241】


    HMQC実験は

    H NMR化学シフト並びに

    13 C−

    H及び

    Hスピン系を表す。 より具体的には、111.6ppmの

    13 C NMRシグナルは4.73ppmの

    H NMRシグナルと相関する。 一方、143.3ppmのシグナルは

    13 C−

    H相関を与えない。 64.1、37.8、及び21.6ppmのシグナルは、それぞれ4.00、2.31、及び1.68ppmの

    Hシグナルに

    13 C−

    H相関を与える。 HMQC−TOCSY実験が示す通り、2.31及び4.00のプロトンシグナルは連結され、一方、4.73及び1.68ppmのシグナルはHMQC−TOCSY実験の一重線として見られる。 認められた

    H NMR化学シフトをカップリングパターンと組み合わせてみると、代謝生成物Aが1位に単結合のヘテロ原子(殆どの場合O)を有するイソペンテニル誘導体であることを示している。


    【0242】


    イソペンテニル二リン酸(IPP、同じ溶媒混合物中で測定)の確実な試料の

    31 C及び

    H化学シフトは、代謝生成物Aの化学シフトと同一である。 したがって、代謝生成物Aは[U−

    13

    ]IPPであると同定する。


    【0243】


    代謝生成物B


    上記の通り、

    13 C NMRシグナル並びにHMQC及びHMQC−TOCSYスペクトルで認められた代謝生成物Bのカップリング及び相関パターンは、代謝生成物A(IPP)と事実上同じであり、代謝生成物BとIPPの炭素結合性は同一であることを示唆している。 代謝生成物BとIPPのNMRデータ間の最も重要な差異は、IPPのC−1シグナル(64.1ppm)に対応する代謝生成物B(59.3ppm)の1つの二重線シグナルの

    13 C NMR化学シフトが4.9ppmアップフィールドシフトしていることである。 これは、代謝生成物BのC−1でリン酸部分が失われていることを示唆する。 したがって、代謝生成物Bは[U−

    13

    ]イソペンテン−1−オールである。 イソペンテン−1−オールは、実験系内に存在するピロホスファターゼとホスファターゼの触媒作用によって形成すると思われる。


    【0244】


    代謝生成物C


    代謝生成物A(IPP)に関して上記した通り、代謝生成物Cの構造はNMR分析によって与えられる。 代謝生成物Cのシグナル(3つの二重線、1つの二重二重線、1つの多重線)の

    13 Cカップリングパターンは、この化合物が別のイソペンタン誘導体であることを示唆している。 二重二重線(119.6ppm)及び多重線(139.4ppm)で認められた化学シフトは、炭素−炭素二重結合が分子のC−2(2個の

    13 C隣接基と連結)とC−3(3つの

    13 C隣接基を結合していることを示す。


    【0245】


    代謝生成物Cの

    H NMR化学シフトはHMQC及びHMQC−TOCSY実験によって明らかにされ、1.75及び1.71ppmで2つの一重線並びに5.43及び4.45ppmにシグナルを含むスピン系を示す。 化学シフトと合わせると、この相関パターンは代謝生成物Cがジメチルアリル誘導体であることを示す。


    【0246】


    ジメチルアリル二リン酸(DMAPP)の確実な試料の

    13 C及び

    H NMR化学シフトは、代謝生成物Cのシグナルの化学シフトと同一である。 これにより、代謝生成物Cは、疑いなく[U−

    13

    ]ジメチルアリル二リン酸(DMAPP)である。


    【0247】


    代謝生成物A(IPP)及び代謝生成物C(DMAPP)のNMRデータを表6及び7に要約する。


    【0248】


    【表6】


    【0249】


    【表7】


    【実施例31】


    【0250】


    シロイヌナズナ由来のispG遺伝子(断片)のクローニング2週齢のシロイヌナズナのコロンビア系統(茎及び葉)1gから公表された手法(Logemannら、1987)によりRNAを単離する。


    【0251】


    2.75μgのRNA、50nmolのdNTP、1μgのランダムヘキサマーのプライマー、1μgのT

    15プライマー、及び20%のファーストストランド5×バッファー(Promega)を含む総量50μlの混合物を95℃で5分間インキュベートし、氷冷し、500UのM−MLV由来逆転写酵素Promegaを加える。 混合物を42℃で1時間インキュベートする。 92℃で5分間インキュベートした後、RNアーゼA(20U)及びRNアーゼH(2U)を加え、混合物を37℃で30分間インキュベートする。


    【0252】


    得られるcDNA(この混合物1μl)を使用してPCRによりispGを増幅する。


    【0253】


    塩基対(bp)位置2889から6476の推定リーダー配列のコード領域を有さないシロイヌナズナORFispG(受託番号dbjAB005246)を、シロイヌナズナ由来のcDNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 反応混合物は、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100中、総量100μlの25pmolのプライマーCCTGCATCCGAAGGAAGCCC、25pmolのプライマーCAGTTTTCAAAGAATGGCCC、1μlのcDNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec、Seraing、ベルギー)、及び20nmolのdNTPを含む。


    【0254】


    この混合物を95℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃90秒のPCRを40サイクル行う。 72℃で20分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。 Qiagen製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。 精製PCR生成物1.7μgが得られる。


    【0255】


    PCR増幅生成物を第2のPCR反応の鋳型として使用する。 反応混合物は、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μl中、25pmolのプライマーTGAATCAGGATCCAAGACGGTGAGAAGG、25pmolのプライマーTCCGTTTGGTACCCTACTCATCAGCCACGG、2μlの第1のPCR増幅生成物、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec、Seraing、ベルギー)、及び20nmolのdNTPを含む。


    【0256】


    この混合物を95℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃90秒のPCRを40サイクル行う。 72℃で20分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0257】


    PCR増幅生成物をQiagen製のPCR精製キットで精製する。 精製PCR生成物1.4μgが得られる。 2.0μgのベクターpQE30及び1.4μgの精製PCR生成物をBamHI及びKpnIで消化して粘着末端を生成する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から提供された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNA及びPCR生成物をQiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0258】


    20ngのベクターDNA及び12ngのPCR生成物を、1UのT4リガーゼ(Gibco)及び総量10μl中のT4リガーゼバッファー(Gibco)2μlで連結すると、プラスミドpQEgcpEaraが得られる。 連結混合物を4℃で終夜インキュベートする。 連結混合物2μlを形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue及びM15[pREP4](Zamenhofら、1972)細胞にする。 プラスミドpQEgcpEaraを上述の通りに単離する。 7μlのプラスミドDNAを得る。


    【0259】


    プラスミドpQEgcpEaraのDNA挿入物を上述の通りに配列決定する。 このDNA配列はデータベース中の配列(受託番号dbjAB005246、添付L参照)と同一ではないことが分かる。


    【実施例32】


    【0260】


    IspG(GcpE)酵素活性のスクリーニングXL1−pACYClytBgcpE細胞の0.2gを50mMのトリス塩酸塩1ml(pH7.4)及び2mMのDTTに懸濁し、氷冷し、デューティーサイクル出力80%、制御値4出力に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で3×7秒間超音波処理する。 この懸濁液を14000rpmで15分間遠心分離する。 上清を下記の通りのアッセイ中の粗製細胞抽出液として使用する。


    【0261】


    アッセイ混合物は、総量150μl中、100mMのトリス塩酸塩(pH7.4)、1.2mMのジチオスレイトール、10mMのNaF、1mMのCoCl

    、2mMのNADH、20mM(18μCimol

    −1 )の[2−

    14 C]2C−メチル−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸、0.5mMのパミドロネート、XL1−pACYClytBgcpEの細胞抽出物100μlを含む。 この混合物を37℃で10から45分間インキュベートし、氷冷する。 30%(g/v)のトリクロロ酢酸10μlを加え、混合物を20μlの1MのNaOHで中和する。 混合物を14000rpmで10分間遠心分離する。 上清130μlのアリコートをMultospher120RP18−AQ−5(4.6×250mm、CS−Chromatographie Service GmbH、Langerwehe、ドイツ)のカラムを使用する逆相イオン対HPLCにより分析する。 このカラムを、10mMのテトラ−n−ブチルアンモニウム水素リン酸(pH6.0)20ml中の7〜21%(v/v)のメタノールの直線勾配、流量1ml/分

    −1で、さらに10mMのテトラ−n−ブチルアンモニウム水素リン酸(pH6.0)15ml中の21〜49%(v/v)のメタノールの直線勾配で展開する。 カラムを10mMのテトラ−n−ブチルアンモニウム水素リン酸(pH6.0)5ml中の49%(v/v)のメタノールで洗浄した後、10mMのテトラ−n−ブチルアンモニウム水素リン酸(pH6.0)20ml中の7%(v/v)のメタノールで平衡化する。 流出物を連続流ラジオ検出器(Beta−RAM、Biostep GmbH、Jahnsdorf、ドイツ)で監視する。 2C−メチル−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル−4−二リン酸、及びDMAPP/IPPの保持体積は、それぞれ18、24、及び39mlである。


    【0262】


    10分間インキュベートした後、約13%の2C−メチル−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸をそれぞれ1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル−4−二リン酸(5%)及びDMAPP/IPP(8%)に変換した。


    【0263】


    45分後、アッセイ混合物中に1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル−4−二リン酸はなかったが、約21%のDMAPP/IPPが見つかった。


    【実施例33】


    【0264】


    IspH(LytB)活性のスクリーニングアッセイ混合物は、総量150μl中、100mMのトリス塩酸塩(pH7.4)、1.2mMのDTT、10mMのNaF、0.5mMのNADH、60μMのFAD、0.004μM(18μCiμmol

    −1 )の[2−

    14 C]1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル−4−二リン酸、0.5mMのパミドロネート(Dunfordら、2001)、及びM15−pMALlytB細胞の粗製細胞抽出物(実施例2で記載の通りに調製)20μlを含む。 この混合物を37℃で30分間インキュベートする。 氷冷することによって反応を終了し、30%(g/v)のトリクロロ酢酸10μlを加え、1Mの水酸化ナトリウム20μlで即座に中和する。 混合物を遠心分離し、上清のアリコート(130μl)をMultospher120RP18−AQ−5(4.6×250mm、CS−Chromatographie Service GmbH、Langerwehe、ドイツ)のカラムを使用する逆相イオン対HPLCにより分析し、Multospher120RP18−AQ−5(4.6×250mm、CS−Chromatographie Service GmbH、Langerwehe、ドイツ)のカラムを使用する逆相イオン対HPLCにより分析する。 このカラムを、10mMのテトラ−n−ブチルアンモニウム水素リン酸(pH6.0)20ml中の7〜21%(v/v)のメタノールの直線勾配、流量1ml/分

    −1で、さらに10mMのテトラ−n−ブチルアンモニウム水素リン酸(pH6.0)15ml中の21〜49%(v/v)のメタノールの直線勾配で展開する。 カラムを10mMのテトラ−n−ブチルアンモニウム水素リン酸(pH6.0)5ml中の49%(v/v)のメタノールで洗浄した後、10mMのテトラ−n−ブチルアンモニウム水素リン酸(pH6.0)20ml中の7%(v/v)のメタノールで平衡化する。 流出物を連続流ラジオ検出器(Beta−RAM、Biostep GmbH、Jahnsdorf、ドイツ)で監視する。


    【0265】


    標準アッセイ条件下で、基質1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル4−二リン酸に対応するHPLCピークは完全に減少し、一方、大腸菌M15−pMALlytB細胞の粗製細胞抽出物をタンパク源として使用する場合、DMAPP及びIPPに対応する2つの新たなピークが現れる。 大腸菌野生型の粗製細胞抽出物をタンパク源として使用する場合、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル4−二リン酸のDMAPP及びIPPへの変換は認められない。 この発見は、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル4−二リン酸のDMAPP及びIPPへのFAD及びNADH−又はNADPH依存の変換が組換えLytBタンパク質で触媒されることを明らかに示す。 アッセイ混合物にパミドロネートを加えると、大腸菌抽出物に存在する高度に活性なプレニルトランスフェラーゼによるIPP及びDMAPPのさらなる代謝を妨げ、そのため、1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル4−二リン酸のDMAPP及びIPPへの完全な変換に影響する。


    【実施例34】


    【0266】


    転写及び発現できるdxs、xylB、及びispC遺伝子を担持するベクターの構築塩基対(bp)位置193991から195892の枯草菌ORFdxs(受託番号dbjD84432)を、pBSDXSBACSUプラスミドDNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する(特許出願PCT/EP00/07548参照)。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−GGCGACTCGCGAGAGGAGAAATTAACCATGGATCTTTTATCAATACAGGACC−3'、10pmolのプライマー5'−GGCACCCGGCCGTCATGATCCAATTCCTTTGTGTG−3'、20ngのpBSDXSBACSUプラスミドのDNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0267】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃120秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0268】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0269】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、2.4μgのベクターpACYC184(Chang and Cohen 1978、NEB)及び1.8μgの精製PCR生成物をNruI及びEagIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0270】


    20ngの精製ベクターDNA及び19ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpACYCdxsを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpACYCdxsを単離する。


    【0271】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpACYCdxsのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(dbjD84432)のDNA配列と同一である。


    【0272】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、2.0μgのベクターpACYCdxs及び8μgのベクターpBScyclo(実施例XXx参照)をEagI及びSalIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0273】


    20ngの消化し精製したpACYCdxsベクターDNA及び30ngのDNA電気泳動で分離し精製した2.7kbのEagI/SalI断片(大腸菌由来のORFxylB及びispCを含む)を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpACYCdxsxylBispCを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpACYCdxsxylBispCを単離する。


    【0274】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpACYCdxsxylBispCのDNA挿入物の配列決定をする。


    【実施例35】


    【0275】


    転写及び発現できるdxs、xylB、ispC、及びispG、並びに場合によりispH遺伝子を担持するベクターの構築塩基対(bp)位置5618から6568の大腸菌ORFispH(lytB)(受託番号gbAE000113)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−GCTTGCGTCGACGAGGAGAAATTAACCATGCAGATCCTGTTGGCCACC−3'、10pmolのプライマー5'−GCTGCTCTCGAGTTAATCGACTTCACGAATATCG−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0276】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃45秒、50℃45秒、及び72℃60秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0277】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0278】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、2.5μgのベクターpACYCdxsxylBispC(実施例34参照)をSalIで線状化し、精製PCR生成物0.9μgをSalI及びXhoIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0279】


    15ngの精製ベクターDNA及び18ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpACYCdxsxylBispClytBを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpACYCdxsxylBispClytBを単離する。


    【0280】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpACYCdxsxylBispClytBのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000113)のDNA配列と同一である。


    【0281】


    塩基対(bp)位置372から1204の大腸菌ORFispG(gcpE)(受託番号gbAE000338)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−GGTCGAGTCGACGAGGAGAAATTAACCATGCATAACCAGGCTCCAATTC−3'、10pmolのプライマー5'−CCCATCCTCGAGTTATTTTTCAACCTGCTGAACGTC−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0282】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃90秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0283】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0284】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、それぞれ2.0μgのベクターpACYCdxsxylBispC(実施例34参照)及びpACYCdxsxylBispClytB(上記参照)をSalIで線状化し、精製PCR生成物1.1μgをSalI及びXhoIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0285】


    18ngの精製ベクターDNA及び23ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpACYCdxsxylBispCgcpE及びpACYCdxsxylBispClytBgcpEを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpACYCdxsxylBispCgcpE及びpACYCdxsxylBispClytBgcpEを単離する。


    【0286】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpACYCdxsxylBispCgcpE及びpACYCdxsxylBispClytBgcpEのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000338)のDNA配列と同一である。


    【実施例36】


    【0287】


    [U−

    13

    ]グルコースを使用する組換え大腸菌XL1−pACYCdxsxylBispCgcpEの取り込み実験クロラムフェニコール5mgを含むTerrific Broth(TB)培地0.2リットルに、プラスミドpACYCdxsxylBispCgcpEを収容した大腸菌株XL1−Blueを接種する。 細胞は振盪培養物中37℃で終夜増殖させる。 1.7から2.4の最適密度(600nm)において、乳酸リチウム1g(10mmol)及び[U−

    13

    ]グルコース200mg(1.1mmol)を含む溶液を最終量24ml(pH=7.4)で2時間以内に連続的に加える。 次いで、1時間後にアリコート40mlを取り、5000rpm、4℃で20分間遠心分離する。 細胞を0.9%のNaClを含む水で洗浄し、上述の通り遠心分離する。 細胞をメタノール−d

    と10mMのNaFを含むD

    O(6:4;v/v)の混合物700μlに懸濁し、氷冷し、デューティーサイクル出力90%、制御値4出力に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で3×10秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpmで15分間遠心分離する。 細胞を含まない抽出液のNMRスペクトルをBruker AVANCE DRX 500分光計(Karlsruhe、ドイツ)で直接記録する。 後処理中の劣化を避けるために、さらに精製することなく生成物の構造をNMR分光法で決定する。


    【0288】


    13 C−NMRにより、主要な生成物として1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル4−二リン酸(表2及び4、実施例18参照)のシグナルが示された。 2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸の形成は認められなかった。


    【実施例37】


    【0289】


    グルコースを使用する組換え大腸菌XL1−pACYCdxsxylBispClytBgcpEの取り込み実験グルコースを使用して組換え大腸菌XL1−pACYCdxsxylBispClytBgcpEで実施例36を実施することにより、グルコースをイソペンテニル二リン酸及び/又はジメチルアリル二リン酸に変換することができる。


    【実施例38】


    【0290】


    大腸菌のispG遺伝子のクローニング及びマルトース結合融合タンパク質(MBP−lspG)としての発現塩基対(bp)位置372から1204の大腸菌ORFispG(gcpE)(受託番号gbAE000338)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−GAACCGGAATTCATGCATAACCAGGCTCCAATTC−3'、10pmolのプライマー5'−CGAGGCGGATCCCATCACG−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0291】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃60秒、50℃60秒、及び72℃90秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0292】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0293】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、2.2μgのベクターpMAL−C2(NEP)及び精製PCR生成物0.8μgをEcoRI及びBamHIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0294】


    20ngの精製ベクターDNA及び15ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpMALgcpEを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpMALgcpEを単離する。


    【0295】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpMALgcpEのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000338)のDNA配列と同一である。


    【実施例39】


    【0296】


    大腸菌のispH遺伝子のクローニング及びマルトース結合融合タンパク質(MBP−lspH)としての発現塩基対(bp)位置5618から6568の大腸菌ORFispH(lytB)(受託番号gbAE000113)を、大腸菌染色体DNAを鋳型として使用するPCRにより増幅する。 この反応混合物は、10pmolのプライマー5'−TGGAGGGGATCCATGCAGATCCTGTTGGCCACC−3'、10pmolのプライマー5'−GCATTTCTGCAGAACTTAGGC−3'、20ngの染色体DNA、2UのTaqDNAポリメラーゼ(Eurogentec)、及び20nmolのdNTPを、1.5mMのMgCl

    、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸塩(pH8.8)、及び0.1%(w/w)のトリトンX−100を含む総量100μlに含む。


    【0297】


    この混合物を94℃で3分間変性させる。 次いで、94℃45秒、50℃45秒、及び72℃60秒のPCRを30サイクル行う。 72℃で10分間さらにインキュベートした後、混合物を4℃に冷却する。 アリコート2μlをアガロースゲル電気泳動にかける。


    【0298】


    Qiagen(Hilden)製のPCR精製キットでPCR増幅生成物を精製する。


    【0299】


    重複末端を有するDNA断片を生成するために、2.2μgのベクターpMAL−C2(NEP)及び精製PCR生成物0.7μgをBamHI及びPstIで消化する。 制限反応混合物を顧客(NEB)から供給された条件に従って調製し、37℃で3時間インキュベートする。 消化したベクターDNAとPCR生成物は、Qiagen製のPCR精製キットを使用して精製する。


    【0300】


    20ngの精製ベクターDNA及び14ngの精製PCR生成物を総量10μl中の1UのT4リガーゼ(Gibco)及び2μlのT4リガーゼバッファー(Gibco)で連結し、プラスミドpMALlytBを得る。 連結混合物を25℃で2時間インキュベートする。 1μlの連結混合物を形質転換してエレクトロコンピテント大腸菌XL1−Blue細胞にする。 Qiagen製のプラスミド単離キットでプラスミドpMALlytBを単離する。


    【0301】


    Perkin Elmer製のABI Prism 377(商標)DNAシーケンサー及びApplied Biosystems Divisions製のABI Prism(商標)配列決定分析ソフトウェアを使用する自動化ジデオキシヌクレオチド法により、プラスミドpMALlytBのDNA挿入物の配列決定をする。 これは、データベースエントリー(gbAE000113)のDNA配列と同一である。


    【実施例40】


    【0302】


    組換えIspGマルトース結合融合タンパク質(MRP−lspG)の調製及び精製アンピシリン90mgを含むLuria Bertani(LB)培地0.5リットルに、プラスミドpMALgcpEを収容した大腸菌株XL1−Blueの終夜培養物10mlを接種する。 この培養物は振盪培養物中37℃で増殖させる。 0.7の最適密度(600nm)において、2mMのIPTGで培養物を誘導する。 培養物をさらに5時間増殖させる。 5000rpm、4℃で20分間遠心分離することにより細胞を回収する。 細胞を20mMのトリス塩酸塩(pH7.4)で洗浄し、上述の通り遠心分離し、−20℃で冷凍して保存する。


    【0303】


    細胞2gを20mMのトリス塩酸塩(pH7.4)、0.2Mの塩化ナトリウム、及び0.02%(g/v)のナトリウム酸(バッファーA)20ml中、1mg/ml

    −1のリゾチーム及び100μg/ml

    −1のDNアーゼIの存在下で解凍する。 この混合物を37℃で30分間インキュベートし、氷冷し、デューティーサイクル出力70%、制御値4出力に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で6×10秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpm、4℃で30分間遠心分離する。 細胞を含まない抽出液を、バッファーAにより流量2ml/分

    −1で予め平衡化したアミロース樹脂FFのカラム(カラム容量25ml、NEB)にかける。 このカラムを130mlのバッファーAで洗浄する。 MRP−lspGをバッファーA中0〜10mMのマルトースの直線勾配で溶離する。 画分を含むMRP−lspGをSDS−PAGEに従って合わせ、100mMのトリス塩酸塩(pH7.4)で終夜透析する。 MRP−lspGの均一性をSDS−PAGEで決定する。 84kDaの1つのバンドは可視であり、計算した分子の質量と一致する。 純粋なMRP−lspGの収量は9mgである。


    【実施例41】


    【0304】


    組換えIspHマルトース結合融合タンパク質(MRP−lspH)の調製及び精製アンピシリン90mgを含むLuria Bertani(LB)培地0.5リットルに、プラスミドpMALlytBを収容した大腸菌株XL1−Blueの終夜培養物10mlを接種する。 この培養物は振盪培養物中37℃で増殖させる。 0.7の最適密度(600nm)において、2mMのIPTGで培養物を誘導する。 培養物をさらに5時間増殖させる。 5000rpm、4℃で20分間遠心分離することにより細胞を回収する。 細胞を20mMのトリス塩酸塩(pH7.4)で洗浄し、上述の通り遠心分離し、−20℃で冷凍して保存する。


    【0305】


    細胞2gを20mMのトリス塩酸塩(pH7.4)、0.2Mの塩化ナトリウム、及び0.02%(g/v)のナトリウム酸(バッファーA)20ml中、1mg/ml

    −1のリゾチーム及び100μg/ml

    −1のDNアーゼIの存在下で解凍する。 この混合物を37℃で30分間インキュベートし、氷冷し、デューティーサイクル出力70%、制御値4出力に設定したBranson Sonifier 250(Branson SONIC Power Company)で6×10秒間超音波処理する。 この懸濁液を15000rpm、4℃で30分間遠心分離する。 細胞を含まない抽出液を、バッファーAにより流量2ml/分

    −1で予め平衡化したアミロース樹脂FFのカラム(カラム容量25ml、NEB)にかける。 このカラムを130mlのバッファーAで洗浄する。 MRP−lspHをバッファーA中0〜10mMのマルトースの直線勾配で溶離する。 画分を含むMRP−lspHをSDS−PAGEに従って合わせ、100mMのトリス塩酸塩(pH7.4)で終夜透析する。 MRP−lspHの均一性をSDS−PAGEで決定する。 78kDaの1つのバンドは可視であり、計算した分子の質量と一致する。 純粋なMRP−lspHの収量は14mgである。


    【実施例42】


    【0306】


    1−ヒドロキシ−2−メチル−ブト−2−エニル−4−二リン酸の合成(図7参照)


    4−クロロ−2−メチル−2−ブテン−1−アール(Choiら(1999)J.Org.Chem.64、8051〜8053)


    酢酸エチル10ml中の1.17mlの2−メチル−2−ビニル−オキシラン(12mmol)、1.6gのCuCl

    (12mmol)、及び510mgのLiCl(12mmol)を含む溶液を80℃に30分間加熱した。 氷50gを加えることにより反応を停止させた。 減圧下において焼結ガラス漏斗で混合物を濾過した。 100mlのCH

    Cl

    を加え、有機相を分離した。 水層を100mlのCH

    Cl

    で2回抽出した。 合わせた有機相を無水MgSO

    で乾燥し、濾過し、濃縮した。 粗製生成物をシリカゲルのクロマトグラフィー(CH

    Cl

    、3×37cm)で精製すると、黄色の液体(6.4mmol、53%)0.755gが得られた。


    【0307】


    4−クロロ−2−メチル−2−ブテン−1−アール−ジメチル−アセタール184mgの4−クロロ−2−メチル−2−ブテン−1−アール(1.55mmol)、600μlのHC(OMe)

    (5.6mmol)、及び触媒量のp−TsOHの溶液を室温で3時間インキュベートした。 粗製混合物をシリカゲルのクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル7:3)で精製すると、無色の液体(1.08mmol、72%)177mgが得られた。


    【0308】


    (E)−3−ホルミル−2−ブテン−1−二リン酸三アンモニウム(Davissonら(1986)J.Org.Chem.51、4768)


    250μlのMeCN中の4−クロロ−2−メチル−2−ブテン−1−アール−ジメチル−アセタールクロリド(25mg、0.15mmol)の溶液に、400μlのMeCN中の0.162g(0.18mmol)のトリス(テトラ−n−ブチルアンモニウム)水素ピロリン酸の溶液を室温で徐々に加え、橙赤色の溶液にした。 2時間後、反応を終了させ、溶媒を減圧下で除去した。 橙色の油状物を3mlのH

    Oに溶解し、20mlの25mMのNH

    HCO

    で平衡化したDOWEX50WX8(1×4cm)カチオン交換樹脂(NH

    体)のカラムを通した。 カラムを20mlの25mMのNH

    HCO

    で溶離した。 得られた溶液を凍結乾燥した。 得られた固形物を水2mlに溶解し、水性HClで酸化してpH3にした。 2分後、溶液を中和し、凍結乾燥した。


    【0309】


    [1−

    H]1−ヒドロキシ−2−メチル−ブト−2−エニル−4−二リン酸50mCi(15μmol)のNaBH

    T、15μmolの3−ホルミル−2−ブテン−1−二リン酸三アンモニウム及び100mMのトリス/HCl(pH8)を含む溶液を室温で30分間インキュベートした。 1MのHClを加えることによって溶液を酸化してpH2にした。 2分後、1MのNaOHを加えることにより溶液を中和した。


    【0310】


    イオン交換クロマトグラフィーで生成物を特性付けた(実施例20及び25参照)。


    【実施例43】


    【0311】


    γδT細胞刺激アッセイ健常なドナー(ドナーA及びドナーB)由来のPBMCをFicoll−Hypaque(Amersham Pharmacia Biotech、Freiburg、ドイツ)による密度遠心分離でヘパリン化した末梢血から単離する。 10%のヒトAB血清(Klinik rechts der lsar、Munchen、ドイツ)、2mMのL−グルタミン、10μMのメルカプトエタノールを補充した1mlのRPMI1640培地で5×10

    PBMC/ウェルを培養する。 組換えヒトIL−2(Eurocetus、Amsterdam、オランダから提供を受けた)及び基質の量はそれぞれ1から10U及び10から0.1μMの間で変化する。 20μMのIPP(Echelon、Research Laboratories Inc.、Salt Lake City、米国)をポジティブ対照とし、培地のみをネガティブ対照とする。 37℃で7日間、7%のCO

    の存在下でインキュベートする。 回収した細胞をフルオレセインイソチオシアネート(FITC)コンジュゲートマウス抗ヒトモノクローナル抗体Vδ2TCR及びフィコエリスリン(PE)コンジュゲートモノクローナルCD3抗体で二重染色する。 Cellquest(Becton Dickinson、Heidelberg、ドイツ)で支持したFACScanを使用して細胞を分析する。


    【0312】


    基質(E)−1−ヒドロキシ−3−メチル−ブト−2−エニル4−二リン酸(HMBPP)及び3−ホルミル−ブト−2−エニル1−二リン酸(Aldehyd)を上述の通り合成的に調製した。


    【0313】


    合成的に調製した基質(HMBPP及びAldehyd)はどちらも、IPP試料の濃度の200分の1の濃度で使用した場合、IPPと比較して少なくとも2倍の刺激を示すことがわかる(表8)。


    【0314】


    【表8】


    【実施例44】


    【0315】


    1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル4−二リン酸シンターゼ(IspG)活性の高スループットスクリーニングアッセイアッセイ混合物は、総量1ml中、20mMのリン酸カリウム(pH7.0)、0.4mMのNADH、0.5mMのCoCl

    、0.2mMの2C−メチル−D−エリスリトール2,4−シクロ二リン酸、及び50μlのタンパク質を含む。 この混合物を37℃でインキュベートする。 NADHの酸化を340nmで測光的に監視する。 別法として、NADHの濃度を340nm励起/460nm放射でのNADHの相対蛍光を測定することによって決定する。


    【実施例45】


    【0316】


    1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル4−二リン酸還元酵素(IspH)活性の高スループットスクリーニングアッセイアッセイ混合物は、総量1ml中、20mMのリン酸カリウム(pH7.0、pH8.0)、0.4mMのNADH、20μMのFAD、0.5mMのCoCl

    、0.2mMの1−ヒドロキシ−2−メチル−2−(E)−ブテニル4−二リン酸、及び50μlのタンパク質を含む。 この混合物を37℃でインキュベートする。 NADHの酸化を340nmで測光的に監視する。 別法として、NADHの濃度を340nm励起/460nm放射でのNADHの相対蛍光を測定することによって決定する。


    【0317】


    (参考文献)


    【0318】



    【図面の簡単な説明】


    【0319】


    【図1】メバロン酸非依存性経路を介したイソプレノイド前駆体であるイソペンテニルピロリン酸及びジメチルアリルピロリン酸の生合成を示す図である。


    【図2】メバロン酸非依存性イソプレノイド生合成などの生合成経路の、場合により同位体標識された中間体を生成するための、及びカロテノイドなどの高級テルペノイドを生成するための大腸菌のin vivoの系のスキームである。


    【図3】実施例25により得られたD

    O(pH6)中での

    H NMRスペクトルを示す図である。 *は不純物を示す。


    【図4】実施例24による1−ヒドロキシ−2−メチル−2−ブテニル4−二リン酸の調製を示す図である。 試薬及び条件は次の通りであった。 :(a)DHP、PPTS、25℃(2.5時間);(b)Ph

    PCHCO

    Et、トルエン、還流(39時間);(c)(1)DIBAH、CH

    Cl

    、−78℃(3時間)、(2)1M NaOH/H

    O;(d)p−TsCl、DMAP、CH

    Cl

    、25℃(1時間);(e)((CH

    CH

    CH

    CH

    N)

    HP

    、MeCN、25℃(2時間);(f)HCl/H

    O pH1、25℃(7分)。


    【図5】ispH(以前はlytB)遺伝子生成物により触媒される反応を示す図である。


    【図6】ispG(以前はgcpE)遺伝子生成物により触媒される反応を示す図である。


    【図7】3−ホルミル−ブト−2−エニル1−二リン酸の化学的調製(実施例42参照)を示す図である。

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