New therapeutic agents that modulate alpha-. 1A adrenergic receptor

申请号 JP2000553110 申请日 1999-06-07 公开(公告)号 JP2002517463A 公开(公告)日 2002-06-18
申请人 アドバンスド メディスン インコーポレーテッド; 发明人 ジョン エイチ. グリフィン,; ジー. ロジャー トーマス,; エドマンド ジェイ. モーラン,;
摘要 (57)【要約】 α−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合する新規の多結合化合物(薬剤)が開示される。 本発明の化合物は、複数のリガンドを含み、これらのリガンドの各々はこのようなレセプターに結合し得、それによってその 生物 学的プロセス/機能を調節する。 これらのリガンドの各々は、同一であり得るかまたは異なり得るリンカー(単数または複数)に共有結合して多結合化合物を提供し得る。 このリンカーは、そのように構築された多結合化合物がα−1Aアドレナリン作動性レセプターにより媒介される生物学的プロセスの向上した調節を示すように選択される。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 以下の式I: (L) p (X) q (I) によって表される多結合化合物およびその薬学的に受容可能な塩であって; ここで: 各Lは、各存在において同一であるかまたは異なり得るリガンドであり; 各Xは、独立して、以下の表1の構造から選択されるリンカーであり; 【表1】 pは2から4の整数であり;そして qはpよりも小さい整数であり、 ここで、該リガンドの各々はα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンドドメインを含む、 多結合化合物およびその薬学的に受容可能な塩。
  • 【請求項2】 前記α−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンドの各々が、テラゾシン、プラゾシン、ドキサソシン、アルフゾシン、タムスロシン、RS100975、A−131701、L−794−191、L75
    7464、REC 15−2739、KMD−3213、それらの誘導体および薬学的に受容可能な塩からなる群から独立して選択される、請求項1に記載の多結合化合物。
  • 【請求項3】 薬学的に受容可能な賦形剤および請求項1または2に記載の有効量の多結合化合物を含有する、薬学的組成物。
  • 【請求項4】 前記組成物が、哺乳動物における良性前立腺肥大および/または高血圧を処置するための方法において使用される、請求項3に記載の薬学的組成物。
  • 【請求項5】 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するための方法であって、該方法が、以下の工程: (a)リガンドまたはリガンドの混合物を同定する工程であって、ここで、各リガンドが少なくとも1つの反応性官能基を含み、そしてα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンド結合ドメインを有する、工程; (b)リンカーのライブラリを同定する工程であって、ここで、該ライブラリ中の各リンカーが、該リガンドの該反応性官能基の少なくとも1つに相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有する、工程; (c)(a)で同定した少なくとも2化学量論当量の該リガンドまたはリガンドの混合物を、(b)で同定した該リンカーのライブラリと、該相補的な官能基が反応して該リンカーと少なくとも2つの前記リガンドとの間に共有結合を形成する条件下で合わせることにより、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程;および (d)上記(c)で調製した該ライブラリにおいて生成した該多量体リガンド化合物をアッセイし、多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定する工程; を包含する、方法。
  • 【請求項6】 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するための方法であって、該方法が、以下の工程: (a)リガンドのライブラリを同定する工程であって、ここで、各リガンドが少なくとも1つの反応性官能基を含み、そしてα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンド結合ドメインを有する、工程; (b)リンカーまたはリンカーの混合物を同定する工程であって、ここで、各リンカーが、該リガンドの該反応性官能基の少なくとも1つに相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有する、工程; (c)(a)で同定した少なくとも2化学量論当量の該リガンドのライブラリを、(b)で同定した該リンカーまたはリンカーの混合物と、該相補的な官能基が反応して該リンカーと少なくとも2つの該リガンドとの間に共有結合を形成する条件下で合わせることにより、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程;および (d)上記(c)で調製した該ライブラリにおいて生成した該多量体リガンド化合物をアッセイし、多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定する工程; を包含する、方法。
  • 【請求項7】 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するための反復方法であって、該方法が以下: (a)多量体化合物の第1のコレクションまたは第1の反復を調製する工程であって、該多量体化合物の第1のコレクションまたは第1の反復は、α−1Aアドレナリン作動性レセプターを標的とする少なくとも2化学量論当量のリガンドまたはリガンドの混合物をリンカーまたはリンカーの混合物と接触させることにより調製され、ここで該リガンドまたはリガンドの混合物は、少なくとも1つの反応性官能基を含み、そしてα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンド結合ドメインを有し、そして該リンカーまたはリンカーの混合物は、
    該リガンドの少なくとも1つの該反応性官能基に対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有し、ここで該接触させる工程が、該相補的な官能基が反応して該リンカーと少なくとも2つの該リガンドとの間に共有結合を形成する条件下で実施される、工程; (b)多量体化合物の該第1のコレクションまたは第1の反復をアッセイし、
    該多量体化合物のうち、多結合特性を有するものが存在するならば、どの多量体化合物が有するのかを評価する工程; (c)上記の(a)および(b)のプロセスを、少なくとも1つの多量体化合物が多結合特性を有すると見い出されるまで繰り返す工程; (d)どの分子制約が、上記の(a)〜(c)に記載される該第1の反復で見い出される該多量体化合物(単数または複数)に、多結合特性を付与したかまたは一貫して付与するかを評価する工程; (e)該第1の反復で見い出される該多量体化合物(単数または複数)に、多結合特性を付与する特定の分子制約を作成する多量体化合物の第2のコレクションまたは第2の反復を作製する工程; (f)どの分子制約が、上記の(e)に記載される該第2のコレクションまたは第2の反復で見い出された該多量体化合物(単数または複数)に、増大した多結合特性を付与したかまたは一貫して付与するかを評価する工程; (g)工程(e)および工程(f)を必要に応じて繰り返して、該分子制約をさらに作成する工程; を包含する、方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、哺乳動物のレセプターに結合し、そしてその活性を調整する新規治療剤に関する。 より詳細には、本発明は、哺乳動物のα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し、そして多結合化合物として作用することによりインビボにおいてその活性を調整する新規の治療剤に関する。 本明細書中に記載されるこれらの治療剤または多結合化合物は、リンカーに連結された少なくとも2つのリガンドを有し、ここで1価の状態にあるこれらのリガンドはα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し、そして/またはそれらの活性を調節し得る。 この結合部分は、そのように構築された多結合化合物が個々の単位のリガンドと比較して増加した生物学的活性を実証するように選択される。 本発明はまた、このような化合物を使用する方法、このような化合物を調製する方法およびそれらを含有する薬学的組成物に関する。

    【0002】 これらの多結合化合物は、特に、リガンドにより標的化されるα−1Aアドレナリン作動性レセプターにより媒介される、哺乳動物の状態(例えば、良性前立腺肥大(「BPH」)および高血圧)を処置するために有用である。 従って、本発明はまた、薬学的に受容可能な賦形剤および有効量の本発明の多結合化合物を含有する薬学的組成物に関する。

    【0003】 さらに、多結合化合物はアフィニティークロマトグラフィーのためのアフィニティー樹脂として有用である。 そのように使用される場合、本発明の化合物は免疫沈降の道具として使用され得る。 これらの化合物はまた、インビトロ、例えば、顕微鏡法、電気泳動法およびクロマトグラフィーにおいてレセプターを同定するために使用され得る。

    【0004】 (参考文献) 以下の刊行物は、上付き文字の数字として本出願において援用される:

    【0005】

    【表2】

    上記の刊行物は全て、各刊行物が個々に詳細かつ独立してその全体が参考として援用されることを記載される場合と同程度に、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。

    【0006】 (最新技術) レセプターとは、1個以上のリガンドと可逆的に複合体化する1個以上の結合ドメインを備える生物学的構造体であって、ここで、この複合体化は生物学的な結果を有する。 レセプターは、完全に細胞の外部(細胞外レセプター)、細胞膜の内部(しかし、レセプターの一部を細胞外部の環境および細胞質ゾルに提示する)、または完全に細胞の中(細胞内レセプター)に存在し得る。 これらはまた、細胞とは無関係に機能し得る(例えば、血塊形成)。 細胞膜内部のレセプターは、細胞を、その境界の外部の空間と連絡(例えば、シグナル伝達)させ、そして細胞の内側および外側への分子およびイオンの輸送において機能させる。

    【0007】 リガンドは、特定のレセプターまたはレセプターのファミリーに対する結合パートナーである。 リガンドは、レセプターに対する内因性のリガンドであり得るか、またはその代わりに、薬物、薬物候補物、もしくは薬理学的手段のようなレセプターに対する合成リガンドであり得る。

    【0008】 細胞性レセプターに結合するリガンドは以下のように詳細に分類され得る: 1)完全アゴニスト−結合した場合に天然のリガンドにより見られる最大活性を引き出すリガンド; 2)部分的アゴニスト−結合した場合に最大未満の活性を引き出すリガンド; 3)アンタゴニスト−結合した場合にレセプターに結合する天然のリガンドから生じる活性を阻害または防止するリガンド。 アンタゴニストは、克服可能な(
    surmountable)クラスのもの(これはアゴニストに対する最大反応を減少させることなく用量依存様式でアゴニストの用量反応曲線の右への平行な移動を生じる)であり得るか、または克服不可能な(insurmountab
    le)クラスのもの(これは、平行シフトを伴うかまたは伴わない、所定のアゴニストに対する最大反応の減少を生じる)であり得る; 4)逆アンタゴニスト−結合した場合に非結合型のレセプター(もしあれば)
    の基底活性を減少させるリガンド。

    【0009】 リガンドのそのレセプターとの相互作用に寄与する4つの基本的な測定可能な特性が存在する: 1)リガンドのレセプターに対する親和性、これは結合のエネルギー論に関する; 2)リガンドのレセプターに対する有効性、これはリガンドの機能的な下流の活性に関する; 3)リガンドのレセプターに対する動学、これは作用の発生および作用期間を規定する;ならびに、 4)レセプターのリガンドに対する脱感作。

    【0010】 リガンドに関しては、機能応答の性質を規定するための基礎を提供するのは、
    これらの特性の組み合わせである。 それゆえ、活性化リガンド(すなわちアゴニスト)はレセプターに対する親和性および下流(downstream)有効性を有する。 対照的に、阻害性のリガンド(アンタゴニスト)は、レセプターに対して親和性を有するが、有効性は有さない。

    【0011】 選択性は、2つのレセプターにわたって比較した所定のリガンドの親和性または有効性の比を規定する。 特定の薬剤に対する選択性は必要とされる生物学的プロフィールを提供する。

    【0012】 レセプターを標的化する現在の薬剤(リガンド)は、低有効性、低親和性、低い安全性プロフィール、意図されるレセプターに対する選択性の欠如または過剰な選択性、ならびに最適ではない作用期間および作用開始のうちの1つ以上により確認される、臨床的な欠点を有する。 従って、改善された親和性、有効性、選択性、作用開始および作用時間を有するリガンドを開発することは利点である。

    【0013】 (標的レセプターに対するリガンドの親和性) 標的レセプターに対するリガンド親和性の増加は、所望とされる治療効果を誘導するために必要とされるリガンドの用量の減少に寄与し得る。 リガンド親和性の減少は活性を取り除き、そしてリガンドに対する選択性プロフィールに寄与し得る。

    【0014】 (標的レセプターでのリガンドの有効性(機能的効果)) 標的レセプターでの増加したリガンド有効性は所望の治療効果を媒介するために必要とされる用量の減少を導き得る。 この有効性の増加はリガンドの改善された正の機能的反応から生じ得るか、または部分的アゴニストプロフィールから完全アゴニストプロフィールへの変化から生じ得る。 完全アゴニストの部分的アゴニストまたはアンタゴニストへの有効性の減少は、生物学的反応を調整することにより臨床的利点を提供し得る。

    【0015】 (レセプターサブタイプにわたって比較したリガンドの選択性) レセプターサブタイプにわたるリガンドの選択性の増加は、他のレセプターでのリガンドの親和性または有効性が所望のレセプターと比較して減少されることを必要とする。 リガンドの選択性の減少もまた所望され得る。

    【0016】 (作用開始) 生物学的反応をもたらすためのリガンドのより迅速な作用開始が、しばしば好ましい。

    【0017】 (作用時間) 生物学的反応をもたらすため、リガンドの作用時間の増加が好ましくあり得る。 例えば、β 2アドレナリン作動性アゴニスト(例えば、アルブテロール)は、
    3〜4時間の比較的短い作用時間を有し、そして作用時間の増加は、この薬剤(
    リガンド)の投与に対して必要とされる投薬レジメを単純化する。

    【0018】 (リガンドに対するレセプターの脱感作) 脱感作は、レセプターのそのGタンパク質との機能的相互作用が影響される種々のプロセスとして最も良好に定義される。 これらのプロセスは最終的には活性化アゴニストに対する細胞反応の減少を導く。 このような現象は、レセプターの長期刺激の間に最も頻繁に観察される。 レセプター脱感作に対する2つの主要な経路は、レセプター密度の減少またはリン酸化機構によるレセプター構造の変化である。

    【0019】 レセプター密度はレセプターの隔絶(sequestration)により変化する。 これは、数分以内に観察され得る可逆的なプロセスであり、そしてレセプターの動的な入れ替え(sorting)であり、このプロセスでレセプターは膜へとそして膜から循環される。 他方、レセプターのダウンレギュレーションは、一般的に時間(hour)の単位でよりゆっくりと行なわれ、そして不可逆的であり、これはレセプターの破壊を伴う。 最終的に、レセプター密度は合成速度の変化により影響され得る。 あるいは、レセプターの脱感作はレセプター構造の変化(例えば、レセプターのリン酸化)を介して生じ得る。

    【0020】 レセプターのオリゴマー化もまた、レセプター機能に役割を果たす。 このファミリーα−1アドレナリン作動性レセプター(α−1A、α−1B、α−1Dおよびα−1L)は、カテコールアミン、エピネフリンおよびノルエピネフリンの結合を介して末梢交感神経系の種々の機能を媒介する8

    【0021】 ヒトアドレナリン作動性レセプターは膜一体型タンパク質であり、このタンパク質は大きく2つのクラス(αおよびβアドレナリン作動性レセプター)に分類される。 両方の型は、カテコールアミン、ノルエピネフリンおよびエピネフリンが結合した場合に末梢交感神経系の作用を媒介する。

    【0022】 ノルエピネフリンはアドレナリン作動性神経末端により産生され、他方、エピネフリンは副腎髄質により産生される。 アドレナリン作動性レセプターのこれらの化合物に対する結合親和性は、分類の1つの原則を形成する。 αレセプターはエピネフリンよりも強く、そして合成化合物であるイソプロテレノールよりも非常に強くノルエピネフリンに結合する。 これらのホルモンの結合親和性はβレセプターに関しては逆転する。 多くの組織において、αレセプターの活性化により誘導される機能的反応(例えば、平滑筋収縮)は、βレセプター結合により誘導される反応と反対である4

    【0023】 良性前立腺肥大(「BPH」)は進行性の病気であり、これは尿道の妨害を生じる結節性の前立腺組織の腫脹により特徴付けられる6 。 この病気は60歳を超える男性人口の50%より多くで生じ、そして、排尿頻度の増加、夜間多尿症、
    尿量減少(a poor urine stream)および排尿躊躇または尿流出開始の遅延を含む種々の泌尿器学的な症状を導く6 。 さらに、BPHは、下位尿路感染症および良性前立腺腫脹を導き得る。 現在、種々のα−1アドレナリン作動性レセプターアンタゴニストが前立腺の平滑筋を弛緩させるBPHを処置するために、臨床的に使用される6 。 しかしながら、これらの薬剤は、おそらく、レセプターサブタイプのいずれか1つに対する選択性の欠如の結果として、めまい、血圧低下、鼻の充血およびインポテンスを含む重篤な副作用を引き起こすことが示されている。 これらのアンタゴニストの例としては、プラゾシン、テラゾシン、ドキサゾシンおよびアルフゾシン(alfuzosin)が挙げられる 6 。 α−1Aサブタイプはヒト前立腺の平滑筋収縮を媒介する優位(predo
    minant)レセプターである。 従って、α−1A選択性アンタゴニストは、
    BPHの処置において非選択性α−1アンタゴニストよりも良好な有効性を示し、これは減少した副作用を有する。

    【0024】 さらに、α−1Aサブタイプは血管平滑筋収縮を媒介するので、高血圧および他の関連する心血管障害の処置に有用である。

    【0025】 従って、所望される有効性および治療効果を有する、α−1Aアドレナリン作動性レセプターに対する新規リガンドが、哺乳動物患者における良性前立腺肥大および高血圧を処置するために特に所望される。 このような新規リガンドは、効力、親和性、安全性プロフィール、選択性、作用時間および/または作用開始に関する1つ以上のリガンド特性を調整することにより所望の有効性および治療効果を好ましくは達成する。

    【0026】 (発明の要旨) 本発明は、様々な多量体化合物の大きなライブラリーを産生するための一般的な合成方法に関し、この多量体化合物は多結合特性を有することについての候補物である。 本発明により提供される様々な多量体化合物ライブラリーは、多量体化合物のライブラリーを提供するためにリンカー(単数または複数)をリガンド(単数または複数)と組み合わせることにより合成され、ここで、リンカーおよびリガンドの各々は共有結合を可能にする相補的官能基を有する。 好ましくは、
    リンカーのライブラリーは価数、リンカー長、リンカージオメトリおよび堅さ、
    性または疎水性、両親媒性、酸性度、塩基性度および極性のような様々な特性を有するように選択される。 好ましくは、リガンドのライブラリーは、同一のリガンド上に異なる結合点、そうでなければ同一のリガンドの同一の部位に異なる官能基などを有するように選択される。

    【0027】 本発明はまた、異なる多量体化合物のライブラリーに関し、この多量体化合物は多結合特性を有することについての候補物である。 これらのライブラリーは、
    上記の方法を介して調製され、そしてどの分子の制約がレセプターを標的化するリガンドまたはあるクラスのリガンドに対する多結合特性を付与するかの迅速かつ効率的な評価を可能にする。

    【0028】 部分的には、本発明はα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合する新規な多結合化合物に関し、結果としてこれらの化合物はα−1Aアドレナリン作動性レセプターにより媒介される状態(良性前立腺肥大および高血圧)を処置するために使用され得る。

    【0029】 従って、組成物の1つの局面において、本発明は、多結合化合物(これは、同一かまたは異なり得る1個以上のリンカー(単数または複数)に共有結合される、同一かまたは異なり得る2〜10個のリガンドを含み、ここで、上記リガンドの少なくとも1つはα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンドドメインを含む)およびその塩に関する。 これらのリガンドの好ましくは少なくとも2個、そして好ましくは各々がα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンドドメインを有する。

    【0030】 本発明の多結合化合物は、好ましくは以下の式Iによって表されるか、あるいはその薬学的に受容可能な塩である: (L) p (X) q I ここで、各Lは、独立して、α−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンドドメインを含むリガンドから選択され;Xは、独立して、リンカーであり;pは、2〜10の整数であり;そして、qは、1〜20の整数である。 好ましくは、qはpよりも小さい。

    【0031】 組成物の別の局面において、本発明は薬学的に受容可能な賦形剤および有効量の多結合化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を含有する薬学的組成物に関し、ここでこの多結合化合物は、同一かまたは異なり得るリンカー(単数または複数)に共有結合した、同一かまたは異なり得る2〜10個のリガンドを含有し、これらのリガンドの少なくとも1つは1つ以上のα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンドドメインを包含する。

    【0032】 好ましくは、このリガンドは、哺乳動物における良性前立腺肥大を調整する1
    つ以上のα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンドドメインを含有する。 より好ましくは、上記リガンドはテラゾシン、プラゾシン、ドキサソシン、アルフゾシン、タムスロシン、RS 100975(Roche Bi
    osciences)、A−131701(Abbott)、L794−191
    (Merck)、L757464(Merck)、REC 15−2739(S
    B216469、Recordati/SKB)、KMD−3213(Kiss
    ei Pharmaceuticals)、およびそれらの誘導体からなる群から選択される。

    【0033】 組成物のさらに別の局面において、本発明は薬学的に受容可能な賦形剤および式Iによって表される有効量の多結合化合物およびその薬学的に受容可能な塩を含有する薬学的組成物に関する: (L) p (X) q I ここで、各Lは、独立して、α−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンドドメインを含むリガンドから選択され;Xは、リンカーであり;pは、2〜10の整数であり;そして、qは、1〜20の整数である。 好ましくは、
    qはpよりも小く、そしてより好ましくは、リガンドはテラゾシン、プラゾシン、ドキサソシン、アルフゾシン、タムスロシン、RS 100975(Roch
    e Biosciences)、A−131701(Abbott)、L794
    −191(Merck)、L757464(Merck)、REC 15−27
    39(SB216469、Recordati/SKB)、KMD−3213(
    Kissei Pharmaceuticals)、およびそれらの誘導体からなる群から選択される。

    【0034】 方法の1つの局面において、本発明は、α−1Aアドレナリン作動性レセプターにより媒介される哺乳動物における良性前立腺肥大および/または高血圧を処置する方法に関し、この方法は、薬学的に受容可能な賦形剤および多結合化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する薬学的組成物の有効量を、上記哺乳動物に投与する工程を包含し、ここでこの多結合化合物は、同一かまたは異なり得るリンカー(単数または複数)に共有結合した、同一かまたは異なり得る2〜
    10個のリガンドを含有し、これらのリガンドの少なくとも2つはα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンドドメインを包含する。

    【0035】 方法の別の局面において、本発明は、α−1Aアドレナリン作動性レセプターにより媒介される哺乳動物における良性前立腺肥大および/または高血圧を処置する方法に関し、この方法は、薬学的に受容可能な賦形剤および式Iにより表される多結合化合物またはその薬学的に受容可能な塩を含有する薬学的組成物の有効量を、上記哺乳動物に投与する工程を包含する: (L) p (X) q I ここで、各Lは、独立して、α−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンドドメインを含むリガンドから選択され;Xは、リンカーであり;pは、2〜10の整数であり;そして、qは、1〜20の整数である。

    【0036】 好ましくは、qはpよりも小く、そしてより好ましくは、リガンドはテラゾシン、プラゾシン、ドキサソシン、アルフゾシン、タムスロシン、RS 1009
    75(Roche Biosciences)、A−131701(Abbot
    t)、L794−191(Merck)、L757464(Merck)、RE
    C 15−2739(SB216469、Recordati/SKB)、KM
    D−3213(Kissei Pharmaceuticals)、およびそれらの誘導体からなる群から選択される。

    【0037】 従って、方法の1局面において、本発明は、多結合特性を有する多量体のリガンド化合物を同定するための方法に関し、この方法は、以下の工程を包含する: (a) リガンドまたはリガンドの混合物を同定する工程(ここで、各リガンドは、α−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得、そして少なくとも1
    個の反応性官能基を含む); (b) リンカーのライブラリを同定する工程(ここで、このライブラリ中の各リンカーは、リガンドの反応性官能基の少なくとも1個に対して相補的な反応性を有する少なくとも2個の官能基を含む); (c) この相補的な官能基が反応して、このリンカーと少なくとも2個のリガンドとの間で共有結合を形成するような条件下で、(a)で同定した少なくとも2化学量論当量のリガンド、またはリガンドの混合物と、(b)で同定したリンカーのライブラリとを組合せることで、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程;および (d) 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するために、上記(
    c)で生成した多量体リガンド化合物をアッセイする工程。

    【0038】 この方法の別の局面において、本発明は、多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するための方法に関し、この方法は、以下を含む: (a) リガンドのライブラリを同定する工程(ここで、各リガンドは、α−
    1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得、そして少なくとも1個の反応性官能基を含む); (b) リンカーまたはリンカーの混合物を同定する工程(ここで、各リンカーは、リガンドの反応性官能基の少なくとも1個に対して相補的な反応性を有する少なくとも2個の官能基を含む); (c) この相補的な官能基が反応して、このリンカーと少なくとも2個のリガンドとの間で共有結合を形成するような条件下で、少なくとも2化学量論当量の(a)で同定したリガンドのライブラリと、(b)で同定したリンカーまたはリンカーの混合物を組合せることで、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程;および (d) 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するために、上記(
    c)で生成した多量体リガンド化合物をアッセイする工程。

    【0039】 この多量体リガンド化合物ライブラリの調製は、(a)で同定した2以上の化学量論当量のリガンドと、(b)で同定したリンカーとの連続的または同時的な組合せのいずれかにより達成される。 連続的な添加は、ヘテロ二量体のまたは多量体化合物を確実に調製するために、異なるリガンドの混合物が使用される場合に好ましい。 リガンドの同時的な添加は、調製される多量体化合物の少なくとも一部が、ホモ多量体化合物である場合に好ましい。

    【0040】 (d)で記載されるアッセイのプロトコールは、上記(c)で生成される多量体リガンド化合物ライブラリにおいて実施され得、または好ましくは、このライブラリの各メンバーは、分取液体クロマトグラフィー質量分析測定(LCMS)
    によって単離される。

    【0041】 この組成物の1局面において、本発明は、多価の特性を有し得る多量体リガンド化合物のライブラリに関し、このライブラリは、以下を含む方法によって調製される: (a) リガンドまたはリガンドの混合物を同定する工程(ここで、各リガンドは、α−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得、そして少なくとも1
    個の反応性官能基を含む); (b) リンカーのライブラリを同定する工程(ここで、このライブラリ中の各リンカーは、リガンドの反応性官能基の少なくとも1個に対して相補的な反応性を有する少なくとも2個の官能基を含む);および (c) この相補的な官能基が反応して、このリンカーと少なくとも2個のリガンドとの間で共有結合を形成するような条件下で、(a)で同定した少なくとも2化学量論当量のリガンド、またはリガンドの混合物と、(b)で同定したリンカーのライブラリとを組合せることで、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程。

    【0042】 この組成物の別の局面において、本発明は、多価の特性を有し得る、多量体リガンド化合物のライブラリに関し、このライブラリは、以下の方法によって調製される: (a) リガンドのライブラリを同定する工程(ここで、各リガンドはα−1
    Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得、そして少なくとも1個の反応性官能基を含む); (b) リンカー、またはリンカーの混合物を同定する工程(ここで、各リンカーは、リガンドの反応性官能基の少なくとも1個に対して相補的な反応性を有する少なくとも2個の官能基を含む);および (c) この相補的な官能基が反応して、このリンカーと少なくとも2個のリガンドとの間で共有結合を形成するような条件下で、少なくとも2化学量論当量の(a)で同定したリガンドのライブラリと、(b)で同定したリンカーまたはリンカーの混合物を組合せることで、多量体リガンド化合物ライブラリを調製する工程。

    【0043】 好ましい実施態様において、本発明の方法またはライブラリ局面のいずれかで使用される、リンカーのライブラリは、以下からなる群から選択される:可撓性リンカー、堅いリンカー、疎水性リンカー、親水性リンカー、異なるジオメトリのリンカー、酸性リンカー、塩基性リンカー、異なる分極および/または分極率のリンカーならびに両親媒性リンカー。 例えば、1つの実施態様において、リンカーライブラリにおける各リンカーは、異なる鎖長のリンカーおよび/または異なる相補的な反応性基を有するリンカーを包含し得る。 このようなリンカー長は、好ましくは約2〜100Åの範囲であり得る。

    【0044】 別の好ましい実施態様において、リガンドまたはリガンドの混合物は、上記リガンドの異なる部位において反応性官能基を有するように選択され、その結果、
    上記多量体リガンド化合物の上記リガンドの配向性の範囲を提供する。 このような反応性官能基には、例として以下のものが挙げられる:カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、カルボキシルエステル、アミン、ハライド、擬ハライド(ps
    eudohalide)、イソシアネート、ビニル性不飽和、ケトン、アルデヒド、チオール、アルコール、酸無水物、ボロネートおよびそれらの前駆体。 リガンドの反応性官能基は、リンカーの反応性基の少なくとも1つに対して相補的であるように選択され、その結果、リンカーとリガンドとの間で共有結合が形成され得ることが、当然のことながら、理解される。

    【0045】 他の実施態様において、多量体リガンド化合物はホモマー(すなわち、各リガンドは異なる位置に取り付けられ得るが、各々のリガンドは、α−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンド結合ドメインを有して、同一である)であるか、またはヘテロ量体(すなわち、少なくとも1つのリガンドが他のリガンドと異なる)である。

    【0046】 本明細書中に記載のコンビナトリアルな方法に加えて、本発明は、どのような分子の制約が、レセプターを標的化するあるクラスの多量体化合物またはリガンドに、多結合特性を付与するかを理論的に評価する、反復的なプロセスを提供する。 詳細には、この方法の局面は、多結合特性を有する、多量体リガンド化合物を同定するための方法に関し、この方法は以下の工程を包含する: (a) 多量体化合物の第1コレクションまたは第1反復(iteratio
    n)を調製する工程であって、これは、レセプターを標的とする少なくとも2化学量論当量のリガンドまたはリガンドの混合物を、リンカーまたはリンカーの混合物と接触させることで調製され、ここで、上記リガンドまたはリガンドの混合物は少なくとも1つの反応性官能基を含有し、そして上記リンカーまたはリンカーの混合物は、リガンドの少なくとも1つの反応性官能基に対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有する;ここで、上記接触工程は、上記リンカーと少なくとも2つの上記リガンドとの間に共有結合を形成するように相補的な官能基が反応する条件下で行われる; (b) 多量体化合物の上記第1コレクションまたは第1反復をアッセイし、
    上記の多量体化合物のいずれかが多結合特性を有するならば、どの多量体化合物が有するのかを評価する、工程: (c) 少なくとも1つの多量体化合物が多結合特性を有すると見い出されるまで、上記の工程(a)および(b)のプロセスを繰り返す工程; (d) 上記(a)〜(c)に記載の第1反復で発見された多量体化合物(単数または複数)に、どのような分子の制約が多結合特性を与えるかを評価する工程; (e) 上記第1反復で発見された多量体化合物(単数または複数)に多結合特性を与える特定の分子の制約を作成する多量体化合物の第2コレクションまたは第2反復を生成する、工程; (f) 上記(e)に記載の第2コレクションまたは第2反復で見出された多量体化合物(単数または複数)に、どのような分子の制約が増大した多結合特性を与えたかを評価する工程; (g) 必要に応じて、工程(e)および(f)を繰り返して、上記分子の制約をさらに作成する、工程。

    【0047】 好ましくは、工程(e)および(f)は、少なくとも2回、より好ましくは、
    少なくとも2〜50回、さらに好ましくは、少なくとも3〜50回、さらにより好ましくは、少なくとも5〜50回繰り返される。

    【0048】 (発明の詳細な説明) リガンド(薬物)の細胞性レセプターとの相互作用は、リガンドとレセプターとの分子相互作用/認識により制御される。 次いで、このような相互作用は、これらのレセプターの生物学的プロセス/機能の調整または破壊を生じ得、いくつかの場合においては、細胞死を導く。 従って、細胞性レセプターが哺乳動物の病理学的な状態を媒介する場合、これらのリガンドの細胞性レセプターとの相互作用はこれらの状態を処置するために使用され得る。 特に興味深いものは、哺乳動物における前立腺の平滑筋の収縮および弛緩を媒介することが公知である哺乳動物α−1Aアドレナリン作動性レセプターである。 上記のように、本発明は、部分的には、α−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合する多結合化合物に関する。

    【0049】 α−1Aアドレナリン作動性レセプターおよびそれに対するリガンドの「親和性」および「特異性」は、分子結合表面の相補性(complementari
    ty)および複合体形成のエネルギー的損失に依存する。 「親和性」は、複合体形成の平衡定数によりしばしば定量される。 特異性は、細胞性レセプターの異なるリガンド結合部位に結合する同一のリガンドの間の親和性の差異に関する。

    【0050】 本発明の多結合化合物は、多結合薬剤として機能し得、そしてこれらの化合物の驚くべき活性は、少なくとも部分的には、多価様式で哺乳動物α−1Aアドレナリン作動性レセプターと結合する能力から生じる。 多価結合相互作用は、複数のリガンドの、1つ以上のα−1Aアドレナリン作動性レセプター上の複数のリガンド結合部位との同時相互作用により特徴付けられる。 多価結合相互作用は、
    向上した生物学的効果および/または治療効果を付与するという点で、個別の一価の相互作用のコレクションとは異なる。 一価の結合相互作用に対して、多価結合相互作用(例えば、三価)の例を、以下に示す:

    【0051】

    【化1】

    ちょうど、多価結合が結合親和性を増幅し得るように、結合特異性および親和性の向上を生じる結合親和性の差異もまた増幅され得る。

    【0052】 (定義) 本発明をさらに詳細に議論する前に、まず、以下の用語を定義する。

    【0053】 用語「アルキル」は、分枝または分枝していない飽和炭化水素鎖のモノラジカルを表し、好ましくは1〜40個の炭素原子、より好ましくは1〜10個の炭素原子を有し、そしてさらにより好ましくは1〜6個の炭素原子を有する。 この用語は、以下のような基により例示される:メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、n−ヘキシル、n−デシル、テトラデシルなど。

    【0054】 用語「置換アルキル」とは、以下からなる群から選択される1〜5個の置換基、および好ましくは1〜3個の置換基を有する上記で定義されたアルキル基のことをいう:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、
    アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO
    −アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−
    SO 2 −ヘテロアリール。

    【0055】 用語「アルキレン」とは、好ましくは、1〜40個の炭素原子、より好ましくは1〜10個の炭素原子、そしてさらにより好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する、分枝または非分枝飽和炭化水素鎖のジラジカルをいう。 この用語は、メチレン(−CH 2 −)、エチレン(−CH 2 CH 2 −)、プロピレン異性体(例えば、−CH 2 CH 2 CH 2 −、および−CH(CH 3 )CH 2 −)などのような基によって例示される。

    【0056】 用語「置換アルキレン」は、以下からなる群から選択される1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有する、上記で定義したような、アルキレン基をいう:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、
    シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、
    チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、
    ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−
    アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−S
    2 −ヘテロアリール。 さらに、このような置換アルキレン基としては、アルキレン基の2つの置換基が縮合されて1個以上の以下のもの(これは、このアルキレン基と縮合している)を形成するものが挙げられる:シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、複素環式基またはヘテロアリール基。 好ましくは、このような縮合した基は、1〜3個の縮合環構造を含む。

    【0057】 用語「アルカリール」は、以下の基をいう:−アルキレン−アリールおよび−
    置換アルキレン−アリール(ここで、アルキレン、置換アルキレンおよびアリールは、本明細書中で定義されるとおりである)。 このようなアルカリール基は、
    ベンジル、フェネチルなどによって例示される。

    【0058】 用語「アルコキシ」は、以下の基をいう:アルキル−O−、アルケニル−O−
    、シクロアルキル−O−、シクロアルケニル−O−、およびアルキニル−O−(
    ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびアルキニルは本明細書で定義されるとおりである)。 好ましいアルコキシ基は、アルキル−O−であり、例として以下のものが挙げられる:メトキシ、エトキシ、
    n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、se
    c−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシなど。

    【0059】 用語「置換アルコキシ」は、以下の基を示す:置換アルキル−O−、置換アルケニル−O−、置換シクロアルキル−O−、置換シクロアルケニル−O−、および置換アルキニル−O−(ここで、置換アルキル、置換アルケニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニルおよび置換アルキニルは本明細書で定義されるとおりである)。

    【0060】 用語「アルキルアルコキシ」は、以下の基をいう:−アルキレン−O−アルキル、−アルキレン−O−置換アルキル、−置換アルキレン−O−アルキル、および−置換アルキレン−O−置換アルキル(ここで、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンは本明細書で定義されるとおりである)。 好ましいアルキルアルコキシ基は、アルキレン−O−アルキルであって、例として以下が挙げられる:メチレンメトキシ(−CH 2 OCH 3 )、エチレンメトキシ(−C
    2 CH 2 OCH 3 )、n−プロピレン−iso−プロポキシ(−CH 2 CH 2 CH 2 OCH(CH 32 )、メチレン−t−ブトキシ(−CH 2 −O−C(CH 33
    など。

    【0061】 用語「アルキルチオアルコキシ」は、以下の基をいう:アルキレン−S−アルキル、アルキレン−S−置換アルキル、置換アルキレン−S−アルキル、および置換アルキレン−S−置換アルキル(ここで、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンは本明細書で定義されるとおりである)。 好ましいアルキルチオアルコキシ基は、アルキレン−S−アルキルであって、例として以下が挙げられる:メチレンチオメトキシ(−CH 2 SCH 3 )、エチレンチオメトキシ(−CH 2 CH 2 SCH 3 )、n−プロピレン−iso−チオプロポキシ(−C
    2 CH 2 CH 2 SCH(CH 32 )、メチレン−t−チオブトキシ(−CH 2 SC
    (CH 33 )など。

    【0062】 用語「アルケニル」は、分枝または分枝していない不飽和炭化水素基のモノラジカルをいい、好ましくは、2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子、そしてさらにより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、かつ、少なくとも1部位、好ましくは1〜6部位のビニル性不飽和を有する。 好ましいアルケニル基には、エテニル(−CH=CH 2 )、n−プロぺニル(−CH 2 CH=
    CH 2 )、iso−プロぺニル(−C(CH 3 )=CH 2 )などが挙げられる。

    【0063】 用語「置換アルケニル」は、上記で定義したアルケニル基であって、以下からなる群から選択される、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有する基を表す:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−S
    O−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0064】 用語「アルケニレン」は、分枝または分枝していない不飽和炭化水素基のジラジカルであって、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子そしてさらにより好ましくは、2〜6個の炭素原子を有し、かつ、少なくとも1部位、そして好ましくは、1〜6部位のビニル性不飽和を有する基をいう。 この用語は、エテニレン(−CH=CH−)、プロペニレン異性体(例えば、−CH 2 CH=CH−および−C(CH 3 )=CH−)などのような基によって例示される。

    【0065】 用語「置換アルケニレン」は、上記で定義したアルケニレン基であって、以下からなる群から選択される1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基を有する基を示す:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、
    −SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。 さらに、このような置換アルケニレン基は、アルケニレン基の2個の置換基が縮合されて、1個以上の以下を形成する基を含む:このアルケニレン基と縮合した、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、複素環式基またはヘテロアリール基。

    【0066】 用語「アルキニル」は、不飽和炭化水素基のモノラジカルであって、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜20個の炭素原子、そしてさらにより好ましくは、2〜6個の炭素原子を有し、かつ、少なくとも1部位、そして好ましくは、1〜6部位のアセチレン性(三重結合)不飽和を有する基を示す。
    好ましいアルキニル基には、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CH 2
    C≡CH)などが挙げられる。

    【0067】 用語「置換アルキニル」は、上記で定義したアルキニル基であって、以下からなる群から選択される1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基を有する基を示す:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−S
    O−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリール、および−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0068】 用語「アルキニレン」は、不飽和炭化水素のジラジカルであって、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは、2〜6個の炭素原子を有し、かつ、少なくとも1部位、好ましくは、1
    〜6部位のアセチレン性(3重結合)不飽和を有する基を示す。 好ましいアルキニレン基としては、エチニレン(−C≡C−)、プロパルギレン(−CHC≡C
    −)などが挙げられる。

    【0069】 用語「置換アルキニレン」は、上記で定義したアルキニレン基であって、以下からなる群から選択される1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基を有する基をいう:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、
    −SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0070】 用語「アシル」は、以下の基をいう:HC(O)−、アルキル−C(O)−、
    置換アルキル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、シクロアルケニル−C(O)−、置換シクロアルケニル−C(O
    )−、アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−および複素環式−C
    (O)−(ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、
    および複素環式は、本明細書中で定義されるとおりである)。

    【0071】 用語「アシルアミノ」は、基−C(O)NRRを表し、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環式であるか、または、両方のR基が結合し、複素環式基(例えば、モルホリノ)を形成する(ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式は、本明細書中で定義されるとおりである)。

    【0072】 用語「アミノアシル」は、基−NRC(O)Rを示し、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式である(ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式は、本明細書中で定義されるとおりである)。

    【0073】 用語「アミノアシルオキシ」は、基−NRC(O)ORを示し、ここで、各R
    は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式である(ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式は、本明細書中で定義されるとおりである)。

    【0074】 用語「アシルオキシ」は、以下の基をいう:アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換シクロアルキル−
    C(O)O−、アリール−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−、および複素環式−C(O)O−(ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式は、本明細書中で定義されるとおりである)。

    【0075】 用語「アリール」は、6〜20個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環式基を示し、単環(例えば、フェニル)または複数の縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する。 好ましいアリールとしては、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。

    【0076】 アリール置換基に関する他の定義によって拘束されない限り、このようなアリール基は、必要に応じて、1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基で置換され得、それらの置換基は以下からなる群から選択される:アシルオキシ、
    ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、
    ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−アルキル、
    −SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2
    −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリール、−SO 2 −ヘテロアリールおよびトリハロメチル。 好ましいアリール置換基としては、アルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、およびチオアルコキシが挙げられる。

    【0077】 用語「アリールオキシ」は、基アリール−O−を示し、ここで、アリール基は上記で定義されたとおりであって、必要に応じて置換アリール基(これらも、上記で定義されたとおり)を含む。

    【0078】 用語「アリーレン」は、以上で定義したようなアリール(置換アリールを含む)から誘導されるジラジカルをいい、そして、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,2−ナフチレンなどによって例示される。

    【0079】 用語「アミノ」は、基−NH 2を示す。

    【0080】 用語「置換アミノ」は、基−NRRをいい、ここで、各Rは、独立して以下からなる群から選択される:水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式であり、ただし、両方のRは水素ではない。

    【0081】 用語「カルボキシアルキル」は、以下の基をいう:「−C(O)O−アルキル」、「−C(O)O−置換アルキル」、「−C(O)O−シクロアルキル」、「
    −C(O)O−置換シクロアルキル」、「−C(O)O−アルケニル」、「−C
    (O)O−置換アルケニル」、「−C(O)O−アルキニル」および「−C(O
    )O−置換アルキニル」(ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、
    置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニルは、本明細書中で定義されたとおりである)。

    【0082】 用語「シクロアルキル」は、3〜20個の炭素原子の環状アルキル基をいい、
    単環式環または複数の縮合環を有する。 このようなシクロアルキル基には、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどのような単環状構造、またはアダマンタニルなどのような多環状構造が挙げられる。

    【0083】 用語「置換シクロアルキル」は、1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基を有するシクロアルキル基を示し、それらの置換基は以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−S
    O−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0084】 用語「シクロアルケニル」は、単環式環および少なくとも1個の内部不飽和を有する4〜20個の炭素原子を有する環状アルケニル基をいう。 適切なシクロアルケニル基の例には、例えば、シクロブト−2−エニル、シクロペント−3−エニル、シクロオクト−3−エニルなどが挙げられる。

    【0085】 用語「置換シクロアルケニル」は、1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基を有するシクロアルケニル基を示し、それらの置換基は以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、
    −SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0086】 用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を示す。

    【0087】 用語「ヘテロアリール」は、(1個より多くの環が存在する場合に)少なくとも1個の環内で、1〜15個の炭素原子、および酸素、窒素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族基をいう。

    【0088】 他のヘテロアリール置換基に関する定義によって束縛されない限り、このようなヘテロアリール基は、必要に応じて、1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3
    個の置換基で置換され得、それらの置換基は以下からなる群から選択される:アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、
    アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、
    置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO
    −アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリール、−SO 2 −ヘテロアリールおよびトリハロメチル。 好ましいアリール置換基には、アルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、およびチオアルコキシが挙げられる。 このようなヘテロアリール基には、単環(例えば、ピリジルまたはフリル)または複数の縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)を有し得る。 好ましいヘテロアリールには、ピリジル、ピロリルおよびフリルが挙げられる。

    【0089】 用語「ヘテロアリールオキシ」は、基ヘテロアリール−O−を示す。

    【0090】 用語「ヘテロアリーレン」は、上記で定義したようなヘテロアリール(置換ヘテロアリールを含む)から誘導されるジラジカル基を示し、そして、基2,6−
    ピリジレン(pyridylene)、2,4−ピリジレン(pyridiyl
    ene)、1,2−キノリニレン、1,8−キノリニレン、1,4−ベンゾフラニレン、2,5−ピリドニレン(pyridnylene)、2,5−インドレニルなどによって例示される。

    【0091】 用語「複素環」または「複素環式」は、単環または複数の縮合環を有するモノラジカルの飽和または不飽和基を示し、環内に1〜40個の炭素原子、および窒素、硫黄、リン、および/または酸素から選択される1〜10個のヘテロ原子、
    好ましくは1〜4個のヘテロ原子を有する。

    【0092】 他の複素環式置換基に関する定義に束縛されない限り、このような複素環式基は、必要に応じて、1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基で置換され得、その置換基は以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、
    ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、
    −SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。 このような複素環式基は、単環または複数の縮合環を有し得る。 好ましい複素環式には、モルホリノ、ピペリジニルなどが挙げられる。

    【0093】 窒素複素環およびヘテロアリールの例を以下に挙げるが、これらに限定されない:ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、
    ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、
    イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、モルホリノ、ピペリジニル、テトラヒドロフラニルなど、ならびにN−アルコキシ−窒素含有複素環。

    【0094】 好ましい種類の複素環式には「クラウン化合物」が挙げられ、これは式[−(
    CH 2 −) m Y−]の1つ以上の繰り返し単位を有する特定の種類の複素環式化合物のことをいい、ここで、mは、2以上であり、それぞれ間隔をあけて存在するYは、O、N、SまたはPであり得る。 クラウン化合物の例には、例のみとして、[−(CH 23 −NH−] 3 、[−((CH 22 −O) 4 −((CH 22 −NH
    2 ]などが挙げられる。 典型的には、このようなクラウン化合物は、4〜10
    個のヘテロ原子および8〜40個の炭素原子を有し得る。

    【0095】 用語「ヘテロシクロオキシ」とは、複素環式−O−基のことをいう。

    【0096】 用語「チオヘテロシクロオキシ」とは、複素環式−S−基のことをいう。

    【0097】 用語「ヘテロシクレン」とは、本明細書中で定義された複素環から形成されるジラジカル基のことをいい、これは、基2,6−モルホリノ、2,5−モルホリノなどによって例示される。

    【0098】 用語「オキシアシルアミノ」とは、−OC(O)NRR基のことをいい、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式であり、ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式は本明細書中で定義されるとおりである。

    【0099】 用語「チオール」とは、−SH基のことをいう。

    【0100】 用語「チオアルコキシ」とは、−S−アルキル基のことをいう。

    【0101】 用語「置換チオアルコキシ」とは、−S−置換アルキル基のことをいう。

    【0102】 用語「チオアリールオキシ」とは、アリール−S−基のことをいい、ここで、
    アリール基は上記で定義されたとおりであり、アリール基は、また上記で定義された置換アリール基を必要に応じて含む。

    【0103】 用語「チオヘテロアリールオキシ」とは、ヘテロアリール−S−基のことをいい、ここで、ヘテロアリール基は上記で定義されたとおりであり、これはまた上記で定義された置換アリール基を必要に応じて含む。

    【0104】 1つ以上の置換基を含有する上記の任意の基について、このような基は、立体的に実行不可能および/または合成的に不可能である任意の置換または置換パターンを含まないということはもちろん理解される。 さらに、本発明の化合物は、
    これらの化合物の置換から生じる全ての立体化学的異性体を含む。

    【0105】 用語「薬学的に受容可能な塩」とは、本発明の多結合化合物の生物学的効果および性質を保持する塩のことをいい、これは、生物学的にまたはその他の点で所望されなくはない。 多くの場合、本発明の多結合化合物は、アミノおよび/またはカルボキシル基あるいはそれらに類似の基の存在によって、酸性および/または塩基性塩を形成し得る。

    【0106】 薬学的に受容可能な塩基付加塩は、無機および有機塩基から調製され得る。 無機塩基から誘導される塩には、例のみとして、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩が挙げられる。 有機塩基から誘導される塩には、1級、2級および3級アミン(例えば、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、2置換シクロアルキルアミン、3置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、2置換シクロアルケニルアミン、3置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、複素環式アミン、二複素環式アミン、三複素環式アミン、混合されたジおよびトリアミン(このアミン上の少なくとも2つの置換基は異なり、アルキル、置換アルキル、
    アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式などからなる群から選択される))の塩が挙げられるが、これらに限定されない。 2個または3個の置換基がアミノ窒素と一緒になって複素環式またはヘテロアリール基を形成するアミンもまた含まれる。

    【0107】 適切なアミンの例には、例のみとして、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソ−プロピル)アミン、トリ(n−プロピル)アミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン(hyd
    rabamine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N
    −アルキルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルピペリジンなどが挙げられる。 他のカルボン酸誘導体(例えば、カルボキサミド、低級アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミドなどを含むカルボン酸アミド)は、本発明の実施において有用であるということもまた理解されるべきである。

    【0108】 薬学的に受容可能な酸付加塩は、無機および有機酸から調製され得る。 無機酸から誘導される塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸硝酸、リン酸などが挙げられる。 有機酸から誘導される塩としては、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。

    【0109】 用語「保護基」または「ブロック基(blockiing group)」は、この化合物(それらの中間体を含む)の1つ以上のヒドロキシル、チオール、
    アミノまたはカルボキシル基に結合される場合にこれらの基で反応が起こるのを防止する任意の基をいい、そしてこの保護基は、従来の化学的または酵素的工程によって除去され、ヒドロキシル、チオール、アミノまたはカルボキシル基を再構築し得る3 。 使用される特定の除去可能なブロック基は、重要ではなく、そして好ましい除去可能なヒドロキシルブロック基としては、従来の置換基、例えば、アリル、ベンジル、アセチル、クロロアセチル、チオベンジル、ベンジリジン、フェナシル(phenacyl)、t−ブチル−ジフェニルシリル、およびヒドロキシル官能基に化学的に導入されそして後に生成物の性質と適合性の穏やかな条件で化学的または酵素的方法のいずれかによって選択的に除去され得る任意の他の基が挙げられる。

    【0110】 好ましい除去可能なアミノブロック基としては、従来の置換基、例えば、t−
    ブトキシカルボニル(t−BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)等が挙げられ、これらは生成物の性質と適合性の従来の条件によって除去され得る。

    【0111】 好ましいカルボキシル保護基は、エステル(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルなど)を含み、これらは生成物の性質と適合性の穏やかな加水分解条件によって除去され得る。

    【0112】 用語「任意の」または「必要に応じて」は、引き続いて記載される事象、現象、または置換が起こっても起こらなくてもよく、そしてこの記載は、上記の事象または現象が起こる場合、および起こらない場合を含むことを意味する。

    【0113】 本明細書中で使用される用語「不活性有機溶媒」または「不活性溶媒」は、これらの用語と組み合わせて記載される反応の条件下で不活性な溶媒を意味する[
    例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン(「THF
    」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、クロロホルム(「CHCl 3 」)
    、塩化メチレン(すなわち、ジクロロメタンまたは「CH 2 Cl 2 」)、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどが挙げられる。 特にそうでないとの記載がなければ、本発明の反応において使用される溶媒は、不活性溶媒である。

    【0114】 「良性前立腺肥大」(「BPH」)は、非悪性の前立腺の腫脹(enlarg
    ement)であり、これは腺(gland)の腺(glandular)および間質(stromal)の要素の両方の細胞性肥大の直接的な原因である5
    これは、組織学的に診断され、前立腺の尿道周囲の転移領域で発症する5 。 BP
    Hは頻繁に良性の前立腺の腫脹に進行し、そして良性の前立腺の閉塞および下方尿路症状を引き起こし、これはしばしば症候性BPHと呼ばれる5 。 BPHは、
    男性においての現在最も潜在的な泌尿器系疾患である5 。 BPHに対する現在の治療としては、外科手術、超音波およびアンドロゲン−抑制療法が挙げられる5

    【0115】 α−1Aアドレノレセプター(alpha−1A adrenorecept
    or)としても公知の「α−1Aアドレナリン作動性レセプター(alpha−
    1A adrenergic receptor)」は、Gタンパク質結合型膜貫通レセプターであり、これは前立腺平滑筋収縮を引き起こす7 。 α−1Aアドレナリン作動性レセプターは、ヒト前立腺7および血管平滑筋組織に最も高い濃度で存在する。 このレセプターのアンタゴニストは、例えば、前立腺の平滑筋を弛緩し、それによって膀胱排出抵抗を減少させ、そして排尿平滑筋の収縮性に影響を与えることなく尿流出を容易にする7

    【0116】 生物学的多価結合相互作用に寄与するα−1Aアドレナリン作動性レセプターが、分子間および分子内会合(例えば、細胞性レセプターは1つの構造体に共有結合され得るか、多量体構造に非共有的に会合され得るか、膜またはポリマー性マトリックス内に埋め込まれ得るなど)により種々の程度で拘束され、それによって、同一の細胞性レセプターが溶液中にモノマーとして存在する場合よりも並進自由度および回転自由度が低くなることが理解されるべきである。

    【0117】 用語「ライブラリ」は、少なくとも3、好ましくは10 2 〜10 9 、より好ましくは10 2 〜10 4個の多量体化合物をいう。 好ましくは、これらの化合物は、その合成を容易にし得る単一溶液または反応混合物中の多数の化合物として調製される。 1つの実施態様において、多量体化合物のライブラリは、多結合特性に関して直接アッセイされ得る。 別の実施態様において、多量体化合物のライブラリの各メンバーは、まず単離され、そして必要に応じて特徴付けられる。 このメンバーは、次いで、多結合特性に関してアッセイされる。

    【0118】 用語「コレクション」は、連続してまたは同時に(例えば、コンビナトリアルに)のいずれかで調製される多量体化合物のセットをいう。 このコレクションは、少なくとも2個のメンバー;好ましくは2〜10 9個のメンバー、なおより好ましくは10〜10 4個のメンバーを含む。

    【0119】 本明細書中で使用される用語「リガンド結合部位」は、リガンドドメインを認識し、そしてそのリガンドに結合パートナーを提供する、α−1Aアドレナリン作動性レセプター上の部位を示す。 リガンド結合部位は、単量体または多量体構造によって定義され得る。 この相互作用は、独自の生物学的効果(例えば、アゴニズム、アンタゴニズム、調整効果など)を生じ得るか、または進行中の生物学的事象を維持し得る。

    【0120】 本明細書中で使用される用語「リガンド」または「α−1Aアドレナリン作動性リガンド」は、α−1Aアドレナリン作動性レセプターの結合パートナーであり、そして相補性によりそのレセプターに結合される化合物を記載する。 α−1
    Aアドレナリン作動性レセプターにより認識されるリガンドの特定の領域(単数または複数)は、「リガンド結合ドメイン」と命名される。 リガンドは、それ自体によりレセプターに結合され得るか、または結合のための1つ以上の非リガンド成分の存在を要求し得る(例えば、Ca +2 、Mg +2 、または水分子)かのいずれかであり得る。

    【0121】 さらに、用語「リガンド」または「α−1Aアドレナリン作動性リガンド」は、α−1Aアドレナリン作動性レセプター結合化合物として有用であることが知られている化合物(例えば、公知薬物)に限定されることは意図されないことが理解される。 また、特定の分子認識および結合活性に必須では無いリガンド構造の部分は実質的に変化され得、無関係の構造で置換され得、そしていくつかの場合では結合相互作用に影響を与えることなく完全に取り除かれることが理解されるべきである。 リガンドについて最も必要とされることは、上に定義したようなリガンドドメインを有することである。 当業者は、この用語、リガンドが、α−
    1Aアドレナリン作動性細胞性レセプター結合特性について通常は関連しない分子に等しく適用され得ることを理解する。 さらに、モノマーとして最低限の活性を示すか、または有用な活性を欠いているリガンドは、多価によって与えられる利点のため、多価化合物として非常に活性であり得ることに留意すべきである。
    リガンドについてただ1つ必要とされることは、上に定義したリガンド結合ドメインを有することのみである。

    【0122】 したがって、本発明に有用なリガンドの例としてはテラゾシン、プラゾシン、
    ドキサソシン、アルフゾシン、タムスロシン、RS 100975(Roche
    Biosciences)、A−131701(Abbott)、L794−
    191(Merck)、L757464(Merck)、REC 15−273
    9(SB216469、Recordati/SKB)、KMD−3213(K
    issei Pharmaceuticals)、およびそれらの誘導体が挙げられる。 これらのリガンドの各々は、BPHおよび/または高血圧の処置に有用であることが公知である。

    【0123】 「多量体化合物」は、以下に定義するような多価のものであり得る化合物をいい、そしてこれは同一かまたは異なり得る1つ以上のリンカーに共有結合される2〜10個のリガンドを有する。 この化合物は、多結合特性を有しても有さなくてもよい。 少なくとも1つのリガンドは、α−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンド結合ドメインを有する。 多結合化合物は、同一か、または異なり得る、1つ以上のα−1Aアドレナリン作動性レセプターに結合し得るリガンドドメインを有する連結されていないそれに等価のリガンドの集合体よりも大きな、生物学的および/または治療学的効果を提供する。 すなわち、多結合化合物に接続されたα−1Aアドレナリン作動性リガンドの生物学的および/または治療学的効果は、リガンド結合部位に結合するのに利用可能とされる同数の連結されていないα−1Aアドレナリン作動性リガンドによって達成される効果よりも大きい。

    【0124】 成句「増大された生物学的または治療学的効果」は例えば、以下を含む:標的に対する増大された親和性;標的に対する増大された特異性、標的に対する増大された選択性、増大された効力、増大された有効性、減少された毒性、作用の改善された持続期間、減少された副作用、増大された治療指数、改善されたバイオアベイラビリティー、改善された薬物動態、改善された活性スペクトルなど。 本発明の多結合化合物は、少なくとも1つ、そしてより好ましくは1つより多い上記効果を示す。

    【0125】 本明細書中で使用される「一価」は、本明細書中で定義されるような1つのリガンド結合部位と、本明細書中に定義されるような1つのリガンドとの間の単結合相互作用をいう。 リガンド(単数または複数)の複数のコピーを有する分子は、ただ1つのリガンドがリガンド結合部位と相互作用する場合、一価を示すことに留意すべきである。 一価相互作用の例は、以下に示される。

    【0126】

    【化2】

    本明細書中で使用される「多価」は、2〜10個の連結されるリガンド(これらは同じでも異なってもよい)、およびレセプター(これらのレセプターは同じでも異なってもよい)上の2個以上の対応するリガンド結合部位の同時発生の結合をいう。

    【0127】 例えば、2つのリガンド結合部位に同時に結合するリンカーによって連結される2つのリガンドは、二価とみなされ;このように連結される3つのリガンドは、三価の例である。 3つのリガンドを有する多結合剤対一価結合の相互作用を例示する、三価の結合の例は、以下に示される:

    【0128】

    【化3】

    リンカーに連結されるリガンドの複数のコピーを含むすべての化合物が、多価の現象(すなわち、多結合剤の生物学的および/または治療学的効果が、リガンド結合部位に結合するのに利用可能とされた連結していないリガンドの集合体の合計よりも大きい)を必ずしも示さないことが理解されるべきである。 多価が起こるために、リンカーによって結合されるリガンドは、所望のリガンド配向結果を生じ、その結果として、多結合剤を生成するために、特定の様式で、リンカーによってそれらのレセプターに提示されなければならない。

    【0129】 本明細書中で使用される「効力(potency)」は、リガンドが所望の生物学的または治療学的効果を達成し得る最小濃度をいう。 リガンドの効力は、典型的に、そのリガンド結合部位に対するその親和性に比例する。 いくつかの場合において、効力は、その親和性と非直線的に相関関係があり得る。 2つの薬物(
    例えば、多結合薬剤、およびその連結されないリガンドの集合体(aggreg
    ate))の効力を比較すると、それぞれの用量−反応曲線は、同一試験条件下(例えば、ヒト患者のような適切な動物モデルでのインビトロまたはインビボアッセイで)で測定される。 多結合薬剤が、集合体非連結リガンドよりも低い濃度で(例えば、重量あたり、1モルあたり、または1リガンドあたりを基準として)等価の生物学的または治療学的効果を生じるという知見は、増大された効力を示す。

    【0130】 用語「選択性」または「特異性」は、異なるリガンド結合部位についてのリガンドの結合優先度の指標である。 リガンドの、異なるリガンド結合部位に関するその標的リガンド結合部位についての選択性は、K d (すなわち、各リガンド−
    レセプター複合体についての解離定数である)のそれぞれの値の比、または生物学的効果がK dより低く観察される場合、それぞれのEC 50 (すなわち、2つの別個のリガンド結合部位と相互作用するリガンドに対する最大応答の50%を生成する濃度)の比によって与えられる。

    【0131】 用語「アゴニズム」および「アンタゴニズム」は、当該分野において周知である。 用語「調整効果」は、リガンドが、リガンド結合部位への結合によりアゴニストまたはアンタゴニストの活性を変化させる能力をいう。

    【0132】 用語「部分的アゴニスト」は、レセプターに結合した場合の完全反応を、いかにその部分的アゴニストの濃度が高かろうとも完全には排除することができないレセプターアゴニストをいう。 部分的アゴニストは、レセプターと組み合わせられ得るが、結合の完全な影響は排除されない。 この用語は当該分野において周知であり、そしてその議論はTextbook of Receptor Pha
    rmacology ch 1.4,J. ForemanおよびT. Johan
    sen編、CRC Press、1996に見出され得る。

    【0133】 用語「処置」は、特にヒトにおける、良性前立腺肥大(BPH)および/または高血圧の処置をいい、そして以下を含む: (i)BPHおよび/または高血圧の症状の緩和; (ii)予防的処置によるBPHおよび/または高血圧の抑制;あるいは、 (iii)BPHおよび/または高血圧の除去または軽減、例えば、病気の期間、激しさおよび/または重篤度の除去または軽減。

    【0134】 用語「治療有効量」は、上記に定義されるような処置の必要がある哺乳動物に投与される場合、このような処置を行うのに十分な多結合化合物の量をいう。 治療有効量は、処置される被験体および疾患状態、被験体の体重および年齢、疾患状態の重篤度、投与の様式などに依存して変化し、これは当業者により容易に決定され得る。

    【0135】 記号「X」を割り当てられて同定される用語「リンカー」は、2以上のリガンド結合部位を有する少なくとも1つの細胞性レセプターの存在下では多価であり得る化合物を提供する様式で、2〜10個の(上記に定義される)リガンドを共有結合させる基をいう。 リンカーとは、リガンドの複数のコピー(同一でも異なっていてもよい)の、そのリンカーへの結合を可能にする、キラルまたはアキラルであり得るリガンド配向性実態(ligand−orienting ent
    ity)である。 いくつかの場合において、リンカーは、生物学的に活性であり得る。 しかし、用語リンカーは、固体不活性支持体(例えば、ビーズ、ガラス粒子、繊維など)を包含することには及ばない。 しかし、本発明の多結合化合物は、所望される場合、例えば、分離および精製プロセスにおける使用ならびに同様の用途のために固体支持体に結合され得ることが理解されるべきである。

    【0136】 本発明の多結合薬剤を有するリガンドおよびリンカー、ならびに多結合化合物自体は、種々の立体異性体形態(エナンチオマーおよびジアステレオマーを包含する)を有し得る。 本発明は、多結合化合物の全ての可能な立体異性形態、ならびにそれらの混合物を意図することが理解されるべきである。

    【0137】 多価結合が実現される程度は、リガンドと連結するリンカーが、1つ以上のレセプター上のリガンド結合部位にそれらを提示する効率に依存する。 リガンド結合部位との多価相互作用のためのこれらのリガンドを示す以上に、このリンカーは、これらの相互作用がリンカーによって規定されるディメンジョン内で起こるように、空間的に束縛する。 従って、リンカーの構造的特徴(価数、ジオメトリ、配向、サイズ、可撓性、化学組成)は、それらの活性を決定する際に重要な役割を果たす多価化合物の特徴である。

    【0138】 (方法論) リガンドに共有結合された場合、リンカーは生体適合性の、実質的に非免疫原性の、本発明の多結合化合物を提供する。 多結合化合物の生物学的活性は、リンカーの価数、ジオメトリ、組成、大きさ、可撓性または堅さ等、ならびにアニオン性またはカチオン性の荷電の存在もしくは非存在、リンカーの相対的な疎水性/親水性などにより非常に影響を受け易い。 一般に、リンカーは、2つ以上のリガンドをレセプターに方向付けて多価を可能にする任意の有機分子構成物から選択され得る。 この点に関して、リンカーは、望ましいリガンド配向結果を生じ、
    それによって多結合化合物を生成するようにリガンドが配置される「枠組み」とみなされ得る。

    【0139】 リンカーの水溶性/親水性を増強し、それによって得られる多結合化合物の水溶性/親水性を増強する補助(ancillary)基が、本発明の実施に有用である。 従って、例えば、ポリ(エチレングリコール)、アルコール、ポリオール(例えば、グリセリン、グリセロールプロポキシレート、サッカリド(モノ−
    、オリゴ−およびポリサッカリドを含む)など)、カルボキシレート、ポリカルボキシレート(例えば、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸など)、アミン、ポリアミン、(例えば、ポリリシン(polylycine)、ポリ(エチレンイミン)など)のような補助基を使用して、本発明の多結合化合物の水溶性および/または親水性を増強することは、本発明の範囲内である。 好ましい実施態様において、水溶性/親水性を改善するために使用される補助基はポリエーテルである。 特に好ましい実施態様において、補助基はポリ(エチレングリコール)である。

    【0140】 本明細書中に記載される多結合化合物の親油性および/または疎水性を増強するための親油性補助基のリンカー構造内への組み込みは、本発明の範囲内である。 本発明のリンカーを用いる場合に有用である親油性基として、単なる例示として、アリールおよびヘテロアリール基が挙げられ、これらは上記のように他の基で置換されていないか、または置換され得るが、少なくとも、リンカーへの共有結合を可能にする基で置換される。 本発明のリンカーでの使用で有用である他の親油性基としては、高濃度になるまで水性媒体中で二重層を形成しない脂肪酸誘導体が挙げられる。

    【0141】 リポソームまたはミセルのようなビヒクル中に組み込まれる多結合化合物を生じる補助基の使用もまた、本発明の範囲内にある。 用語「脂質」とは、脂質物質の疎水性部分が二重層の方に向き、他方親水性部分が水相の方を向くように二重層を形成し得る任意の脂肪酸誘導体をいう。 親水性特性は、ホスファト、カルボキシリック、スルファト、アミノ、スルフヒドリル、ニトロ、および他の当該分野において周知の類似の基の存在に由来する。 疎水性は、20個までの炭素原子の長鎖の飽和および不飽和脂肪族炭化水素基、ならびに1個以上のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび/または複素環式基により置換されるそのような基を含む基を含有することによって与えられ得るが、これらに限定されない。 好ましい脂質はホスホグリセリドおよびスフィンゴ脂質であり、その代表的な例には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルエオイル(palmitoyleoyl)ホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジル−エタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイル−ホスファチジルコリンまたはジリノレオイルホスファチジルコリンが使用され得る。 リンを含まない他の化合物(例えば、スフィンゴ脂質およびグリコスフィンゴ脂質ファミリー)はまた、脂質として示される基の範囲内である。 さらに、上記に記載される両親媒性脂質は、トリグリセリドおよびステロールを含む他の脂質と混合され得る。

    【0142】 リンカーの可撓性は、かさ高くそして/または堅い補助基を含むことによって操作され得る。 嵩高いかまたは堅い基の存在は、リンカー内の結合、またはリンカーと補助基との間の結合、またはリンカーと官能基との間の結合の回りの自由な回転を妨げ得る。 堅い基には、例えば、コンホーメーションの不安定性が、環および/または多重結合(例えば、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび複素環式基)の存在によって制限される基が挙げられ得る。 堅さを付与し得る他の基には、オリゴ−またはポリプロリン鎖のようなポリペプチド基が挙げられる。

    【0143】 堅さはまた、静電的に付与され得る。 従って、補助基が正また負のいずれかに帯電している場合、同種に帯電した補助基は、存在するリンカーを、同じ電荷の各々の間で最大の距離を与える配置に強いる。 同じ電荷の基をお互いに接近させるエネルギー的損失は、そのリンカーを、同じ電荷の補助基の間の分離を維持する配置に保持する傾向にある。 さらに逆の電荷を帯びる補助基は、それらの逆の電荷の片割れに引き付けられ、そして潜在的に分子間および分子内の両方のイオン結合をし得る。 この非共有結合メカニズムは、リンカーを、逆電荷の基の間の結合を可能にするコンホーメーションに保持する傾向にある。 帯電しているか、
    あるいはリンカーへの付加に続いて脱保護した場合に潜在的な電荷を帯びる補助基の付加は、pHの変化、酸化、還元、または当業者に公知の他のメカニズムによるカルボキシル、ヒドロキシル、チオールまたはアミノ保護基の脱保護を含み、これは、本発明の範囲内である。

    【0144】 かさ高い基には、例えば、大きな原子、イオン(例えば、ヨウ素、硫黄、金属イオンなど)または大きな原子を含む基、多環式基が挙げられ得、この多環式基は芳香族基、非芳香族基および1個以上の炭素−炭素多重結合(すなわち、アルケンおよびアルキン)を組み込む構造を含む。 かさ高い基にはまた、分岐または直鎖状の種であるオリゴマーおよびポリマーが挙げられ得る。 分枝した種は、直鎖の種よりも単位分子量当たりの構造の堅さを増加させることが期待される。

    【0145】 好ましい実施態様では、剛性は、環状の基(例えば、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環式など)の存在により付与される。 なおさらに好ましい実施態様では、その環は、例えば、フェニルまたはナフチルのようなアリール基である。 他の好ましい実施態様では、リンカーは、剛性ではないが、コンホーメーションエントロピーを介してリンカーのコンホーメーションを保持する1
    つ以上の6員環またはクラウン基を含有する。

    【0146】 上記の観点では、適切な配向、エントロピーおよび物理−化学特性を提供するリンカー基の適切な選択が、十分当該分野の範囲内であることは明らかである。
    本明細書中に記載の多結合化合物の抗原性の排除または減少もまた、本発明の範囲内である。

    【0147】 上記に説明されるように、本明細書中で記載される多結合化合物は、リンカーに結合されるα−1Aアドレナリン作動(adrenergic)のための2〜
    10個のリガンドを含み、このリンカーは、多価相互作用のためにそれらがα−
    1Aアドレナリン作動性レセプターに提示されるように、それらのリガンドを結合させる。 このリンカーは、このリンカーにより規定されるディメンジョン内でこれらの相互作用が起きるように、空間的に束縛され、このことにより、単結合形態で使用される同数のリガンドと比較して多結合化合物の生物学的活性は非常に増加する。

    【0148】 本発明の多結合化合物は好ましくは、実験式(L) p (X) q (ここで、L、X
    、pおよびqは上記定義の通りである)により表される。 これは、これらのリガンドが、多価の目的を達成するため、ともに結合され得る幾つかの様式を包含することが意図され、より詳細な説明は以下に記載される。

    【0149】 先に記載したように、このリンカーは、リガンドが結合される枠組みとみなされ得る。 従って、これらのリガンドは、この枠組みの任意の適切な位置(例えば、直鎖の末端、または任意の中間の位置)で結合され得ると認識されるべきである。

    【0150】 最も単純でかつ最も好ましい多結合化合物は、L−X−Lとして表され得る二価化合物であり、ここで、Lは、同一または異なるリガンドであり、そしてXはリンカーである。 三価の化合物はまた、直線状の様式(すなわち、繰り返し単位L−X−L−X−Lの配列として)で表され得、ここで、Lはリガンドであり、
    そしてそれぞれの場合において同一または異なり、Xも同様であり得る。 しかしながら、三量体はまた、中心コアに結合した3個のリガンドを含有する多結合化合物であり得、それゆえ(L) 3 Xとして表される、ここで、リンカーXとしては、例えば、アリールまたはシクロアルキル基が挙げられ得る。 四価化合物は、
    例えば、以下の直線状の配列で L−X−L−X−L−X−L または、以下の四面体の配列で

    【0151】

    【化4】

    (ここで、XおよびLは、本明細書中で定義される通りである)で表され得る。

    【0152】 同様の配慮が、5〜10個のリガンドを含む本発明のより高次の多結合化合物に適用される。 しかしながら、アリールまたはシクロアルキルのような中心リンカーに結合される多結合剤に関して、存在するリガンドの数を収容するのに十分なリンカー上の結合部位がなければならないという自明の制約があり;例えば、
    ベンゼン環は、6個より多くのリガンドを直接的には収容できず、一方、多環リンカー(例えば、ビフェニル)は、より多数のリガンドを収容し得る。

    【0153】 上記に記載した化合物の特定のものは、以下の環状の鎖の形態およびその改変体として表され得る:

    【0154】

    【化5】

    上記変形の全ては、式(L)

    p (X)

    qにより定義した本発明の範囲内にあると意図される。

    【0155】 リンカーの上記記載の観点から、用語「リンカー」は、用語「多結合化合物」
    と組み合わせて使用される場合、その多結合化合物内に共有結合的に隣接する単一リンカー(例えば、L−X−L)および複数の共有結合的に隣接しないリンカー(L−X−L−X−L)の両方を含むことが理解される。

    【0156】 (多結合化合物の調製) 本発明の多結合化合物は、容易に入手可能な出発物質から、以下の一般的な方法および手順を用いて調製され得る。 典型的または好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、
    そうでないことが記載されない限り、他のプロセス条件もまた使用され得ることが理解される。 最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒によって変化し得るが、そのような条件は当業者により慣用的な最適化手順によって決定され得る。

    【0157】 さらに、当業者に明らかなように、特定の官能基が所望ではない反応を受けるのを防ぐために、従来的な保護基が必要であり得る。 特定の官能基のための適切な保護基の選択、ならびに保護および脱保護のための適切な条件も同様に、当該分野において周知である。 例えば、多くの保護基、ならびにそれらの導入および除去が、T. W. GreeneおよびG. M. Wuts、Protecting
    Groups in Organic Synthesis、第2版、Wil
    ey、New York、1991、およびその中で引用された参考文献に記載される。

    【0158】 α−1Aアドレナリン作動性レセプターに関するリガンドとして機能する任意の化合物が、本発明のリガンドとして使用され得る。 α−1Aアドレナリン作動性レセプターを調節するため、またはBPHおよび/もしくは高血圧の病気を減らすまたは緩和するためには、リガンドがアンタゴニストまたは部分的アゴニストであることが望ましい。

    【0159】 本発明の化合物において有用であるリガンドとしては、テラゾシン、プラゾシン、ドキサソシン、アルフゾシン、タムスロシン、RS 100975(Roc
    he Biosciences)、A−131701(Abbott)、L79
    4−191(Merck)、L757464(Merck)、REC 15−2
    739(SB216469、Recordati/SKB)、KMD−3213
    (Kissei Pharmaceuticals)、およびそれらの誘導体が挙げられる。 これらのリガンドは、本明細書中に記載されるように、組み合わせられてホモ−またはヘテロマーを形成し得る。 詳細には、多量体は、テラゾシン、プラゾシン、ドキサソシン、アルフゾシン、タムスロシン、RS 10097
    5(Roche Biosciences)、A−131701(Abbott
    )、L794−191(Merck)、L757464(Merck)、REC
    15−2739(SB216469、Recordati/SKB)、KMD
    −3213(Kissei Pharmaceuticals)、およびそれらの誘導体から選択される任意のリガンドを、テラゾシン、プラゾシン、ドキサソシン、アルフゾシン、タムスロシン、RS 100975(Roche Bio
    sciences)、A−131701(Abbott)、L794−191(
    Merck)、L757464(Merck)、REC 15−2739(SB
    216469、Recordati/SKB)、KMD−3213(Kisse
    i Pharmaceuticals)、およびそれらの誘導体からなる群から選択される、1つ以上の任意のリガンドと、リンカーを介して連結することにより形成される。 本発明のリガンドは、本明細書中においてL−1〜L−11と呼ばれ、ここで、L−1〜L−11の各々はテラゾシン、プラゾシン、ドキサソシン、アルフゾシン、タムスロシン、RS 100975(Roche Bios
    ciences)、A−131701(Abbott)、L794−191(M
    erck)、L757464(Merck)、REC 15−2739(SB2
    16469、Recordati/SKB)、KMD−3213(Kissei
    Pharmaceuticals)、およびそれらの誘導体からなる群から選択されるリガンドに対応する。 さらに、L−1〜L−11の各名称は、それぞれのリガンドの誘導体およびアナログを包含することを意味する。

    【0160】 (コンビナトリアルライブラリ) 多結合特性を有する多量体化合物を同定するためのコンビナトリアルアプローチをここに議論する。

    【0161】 詳細には、標的上の結合部位に関連するアレイに関して、多結合化合物の個々のリガンドの適切な並置(juxtaposition)のような因子は、多結合化合物とその標的との相互作用を最適化する際に、そして多価による生物学的利点を最大にするために重要である。 1つのアプローチは、特定の標的に関連する多結合パラメータに及ぶ特性を有する候補多結合化合物のライブラリを同定することである。 これらのパラメータには以下が含まれる:(1)リガンドの同定、(2)リガンドの配向、(3)その構成物の価数、(4)リンカーの長さ、(
    5)リンカーのジオメトリ、(6)リンカーの物理的性質、および(7)リンカーの化学的官能基。

    【0162】 潜在的に多価結合特性を有し(すなわち、候補多結合化合物)、そして多数のそのような複数の変数を含む多量体化合物のライブラリが調製され、次いでこれらのライブラリは、選択されたリガンドおよび所望の多結合パラメータに対応する従来のアッセイによって評価される。 これらの可変の各々に関連する考察は、
    以下に記載される。

    【0163】 (リガンドの選択) 単一のリガンドまたはリガンドのセットは、候補多結合化合物のライブラリへの組み込みのために選択され、このライブラリは特定の生物学的標的を標的化する。 選択されるリガンドのただ1つの必要条件は、そのリガンドが選択された標的と相互作用し得るということである。 従って、リガンドは公知の薬剤、公知の薬剤の改変形態、公知の薬剤の基本骨格(substructure)または公知の薬剤の改変形態の物質であり得るか(これらは標的と相互作用する能力がある)、あるいは他の化合物であり得る。 好ましくは、リガンドは、多結合形態に持ち越されるか(carry over)またはその形態において増幅され得るよう工夫され得る公知の好ましい特性に基づいて選択される。 好ましい特性としては、ヒト患者において立証された安全性および有効性、インスリン感受性を高める能力、血清トリグリセリド、コレステロールおよび/または脂肪酸レベルなどを低下させる能力が挙げられる。 しかしながら、先に列挙したものの中でも好ましくない特性を示すリガンドが、多結合化合物の形成プロセスを通してより好ましい特性を得ることができる;すなわち、リガンドは、必ずしもこのようなことに基づいて排除されるべきではない、ということに留意するべきである。 例えば、ヒト患者において有効であるほどには特定の標的では十分に強力でないリガンドが、多結合形態で提示された場合に非常に強力かつ有効になり得る。 効力がありそして有効であるが、メカニズムと関連しない毒性の副作用のため役に立たないリガンドは、多結合化合物として増加した治療指数(毒性に対する増加した効力)を有し得る。 短いインビボ半減期を示す化合物は、多結合化合物として伸ばされた半減期を有し得る。 それらの有用性を限定するリガンドの物理的性質(
    例えば、低い溶解度、疎水性、親水性のための乏しいバイオアベイラビリティ)
    は、多結合形態において合理的に調節され得、所望の有用性と一致する物理的特性を有する化合物を提供する。

    【0164】 (配向:リガンド結合位置の選択および結合化学) リガンドがリンカーに結合する幾つかの位置が、各リガンドについて選択される。 結合するためのリガンド/リンカー上の選択される位置は、相補的な反応性官能基を含むよう官能基化される。 このことは、リガンドを、多数の相対的配向でそれらのレセプターに提示する効果(これは、重要な多結合設計パラメータである)を精査するのを可能とする。 結合位置を選択する唯一の要件は、少なくとも1つのこれらの位置に結合することにより、そのリガンドの活性を抑制しないことである。 結合のためのこのような位置は、利用可能な場合、構造的情報により同定され得る。 あるいは、核磁気共鳴によるリガンド/標的結合の評価は、リガンド/標的結合のために重要でない部位の同定を可能とする。 例えば、Fes
    ikら、米国特許第5,891,643号を参照のこと。 このような構造的情報が利用可能でない場合、リガンドについての構造活性相関(SAR)の利用が、
    実質的構造変化が許容される位置および許容されない位置を示唆する。 構造およびSAR情報の両方がない場合、ライブラリは単に、多数の別個の配向におけるリガンドの提示を可能とする多数の結合位置で選択される。 このライブラリの引き続く評価は、どの位置が結合のために適切であるかを示す。

    【0165】 単量体リガンドの活性を抑制する結合位置はまた、そのような化合物が固有の活性を抑制しないように結合される少なくとも1つのリガンドを保有する場合、
    ライブラリの候補多結合化合物に有利に含まれ得るということを強調することが重要である。 この選択は、例えば、単一標的分子の状況でのヘテロ二価相互作用に由来する。 例えば、標的レセプターに結合したレセプターアンタゴニストリガンドを考慮し、次いで、同一リガンドの第二のコピーをリガンドにリンカーを用いて結合することによりこのリガンドを改変することを考慮する(このリンカーは、第二のリガンドと、そのアンタゴニスト結合部位に対して近位の部位で同一レセプター分子との相互作用を可能とし、この結合部位は、正式のアンタゴニスト結合部位の部分でないレセプターの要素および/または膜のようなそのレセプターを取り巻くマトリクスの要素を含む)。 ここで、第二のリガンド分子とレセプター/マトリクスとの相互作用のための最も好ましい配向は、正式なアンタゴニスト結合部位でのリガンドの活性を抑制する位置で、それをそのリンカーに結合することにより達成され得る。 このことを考える別の方法は、多結合構造に関連する個々のリガンドのSARがしばしば、単量体形態における同一リガンドのSARと異なることである。

    【0166】 上述の議論は、異なる結合位置(その1つは、単量体リガンドの結合/活性を抑制し得る)によって単一のリンカーに結合された同一リガンドの2つのコピーを保有する二量体化合物の二価の相互作用に焦点を合わせた。 二価の利点はまた、共通または異なる標的に結合する2つの異なるリガンドを保有するヘテロ二量体構成物で達成され得ることがまた理解されるべきである。 例えば、テトラゾシンおよびアルフゾシンは、単量体リガンドのそれらの各々のレセプター部位に対する結合親和性を抑制しない結合位置を通じてリンカーに結合され得る。 この二量体化合物は、テトラゾシンリガンドと正式なアルフゾシンリガンド結合部位に対して近位の要素との間の好ましい相互作用、およびアルフゾシンリガンドと正式なテトラゾシンリガンド結合部位に対して近位の要素との間の好ましい相互作用に起因して、両方のレセプターに対して増加した親和性を達成し得る。 従って、この二量体化合物は、α−1Aアドレナリン作動性レセプターのより強力かつ選択的アンタゴニストであり、そして良性前立腺肥大の優れた療法であり得る。

    【0167】 一旦、リガンド結合位置が選択されると、これらの位置で可能である化学結合の型が同定される。 最も好ましい型の化学的連結は、リガンド(またはそのリガンドの保護された形態)の全体の構造と適合性であり、容易かつ一般的に形成され、典型的な化学的および生理的条件下で安定かつ本質的に無害であり、そして多数の利用可能なリンカーと適合性であるものである。 アミド結合、エーテル、
    アミン、カルバメート、ウレア、およびスルホンアミドは、好ましい結合のほんの数例である。

    【0168】 (リンカー:価数、リンカーの長さ、リンカーのジオメトリ、堅さ、物理的性質および化学的官能基の選択を介して全体に関連する多結合パラメータ) 候補多結合化合物のライブラリを生成するのに使用されるリンカーのライブラリにおいて、このリンカーのライブラリにおいて使用されるリンカーの選択は以下の因子を考慮する。

    【0169】 (価数) ほとんどの例において、リンカーのライブラリは二価のリンカーで開始される。 リガンドの選択および2つのリガンドの結合部位に関するそれらの適切な並置により、このような分子が、生物学的利点を付与するに非常に十分な標的結合親和性および特異性を示すことが可能になる。 さらに、二価のリンカーまたは構築物もまた、典型的な中程度のサイズのものであり、その結果、これらは低分子の所望される生体分布特性を保持する。

    【0170】 (リンカーの長さ) リンカーは一定の範囲の長さで選択され、所定の二価の相互作用に好ましい距離を含む一定の範囲のリガンド間の距離の広がりを可能にする。 いくつかの例において、好ましい距離は標的(典型的には、酵素および可溶性レセプター標的)
    の高解像度構造情報からかなり正確に評価され得る。 他の例において、高解像度構造情報が利用可能では無い場合、単純なモデルを使用することにより、隣接するレセプター上か、または同一のレセプター上の異なる位置のいずれかでの結合部位間での最大距離を見積もり得る。 同一の標的上に2つの結合部位(または多価サブユニット標的に対する標的サブユニット)が存在する場合、好ましいリンカー距離は2〜20Åであり、より好ましいリンカー距離は3〜12Åである。
    2つの結合部位が異なる(例えば、タンパク質)標的部位上に備わっている場合、好ましいリンカー距離は20〜100Åであり、より好ましい距離は30〜7
    0Åである。

    【0171】 (リンカーのジオメトリおよび堅さ) リガンド結合部位、リンカーの長さ、リンカーのジオメトリーおよびリンカーの堅さの組み合わせにより、多価結合化合物候補のリガンドが3次元で示され、
    そしてそれによって結合部位に提示され得る可能な様式が決定される。 リンカーのジオメトリーおよび堅さは、名目上、化学組成および結合パターンにより決定され、これらは、多結合アレイにおける別のスパニング機能として制御され得、
    そして系統的に変化される。 例えば、リンカーのジオメトリーは、2つのリガンドをベンゼン環のオルト位、メタ位およびパラ位に結合することにより、またはシクロヘキサン核の1,1−対1,2−対1,3−対1,4−位でのシス−もしくはトランス−配置で結合することにより、またはエチレン不飽和点でのシス−
    またはトランス−配置で結合することにより、変化される。 リンカーの堅さは、
    リンカーにとって可能な異なるコンホーメーション状態の数および相対的エネルギーを制御することにより変化される。 例えば、1,8−オクチルリンカーにより連結される2つのリガンドを有する二価の化合物は、2つのリガンドがビフェニルリンカーの4,4'位に結合される化合物よりもかなり高い自由度を有し、
    それゆえ剛性が低い。

    【0172】 (リンカーの物理的性質) リンカーの物理的性質は、名目上、リンカーの化学的構造および結合パターンによって決定され、そしてリンカーの物理的性質はリンカーが含まれる多価結合化合物候補の全体の物理的性質に影響を与える。 リンカーの組成の範囲は、典型的には、多価結合化合物候補にある範囲の物理的性質(疎水性、親水性、両親媒性、極性、酸性、および塩基性)を与えるように選択される。 リンカーの物理的性質の特定の選択は、それらが結合するリガンドの物理的性質の関係内で行われる。 そして、好ましくは、目標は好ましい特性を有する分子を産生することである。 例えば、リンカーは、インビボで容易に吸収されおよび/または分布されるためにはあまりにも親水性であるもの、またはあまりにも疎水性であるものは避けるように選択され得る。

    【0173】 (リンカーの化学的官能基) リンカーの化学的官能基は、リンカーをリガンドに結合させるために、およびこのパラメータの最初の試験にまたがるに十分な物理的性質の範囲を与えるために選択された化学に適合性であるように選択される。

    【0174】 (コンビナトリアル合成) 上記で概略を述べたプロセスによって、n個のリガンド(nは選択されたリガンドそれぞれの異なる結合位置の数の合計によって決定される)およびm個のリンカーの1セットを選択して、(n!)m個の二価多結合化合物候補のライブラリを調製する。 それは特定の標的に対する関連する多結合設計パラメータにまたがる。 例えば、全ての可能な組み合せで結合した2つのリガンド(2つの結合位置(A1、A2)を有するものおよび3つの結合位置(B1、B2、B3)を有するもの)から産生されたアレイは、多結合化合物の以下の少なくとも15の可能な組み合せを提供する: A1−A1 A1−A2 A1−B1 A1−B2 A1−B3 A2−A2
    A2−B1 A2−B2 A2−B3 B1−B1 B1−B2 B1−B3
    B2−B2 B2−B3 B3−B3。

    【0175】 これらの組み合せのそれぞれが10の異なるリンカーによって結合される場合、150の多結合化合物候補のライブラリが生じる。

    【0176】 ライブラリのコンビナトリアルな性質を考慮すると、好ましくは共通の化学が、リガンド上の反応性の官能基を、リンカー上の相補的な反応性の官能基と結合するのに使用される。 従って、ライブラリは有効なパラレル合成法に役立つ。 コンビナトリアルライブラリは当該分野で周知の固相化学を使用し得る。 ここでリガンドおよび/またはリンカーは固体支持体に結合される。 あるいは、好ましくは、コンビナトリアルライブラリは溶液相で調製される。 合成の後、多価結合化合物候補は、必要に応じて、例えばクロマトグラフィー法(例えばHPLC)により、活性についてのアッセイの前に精製される。

    【0177】 (生化学的、分析的、薬理学的、およびコンピューターを使用する方法によるアレイの分析) どの化合物が多結合特性を有するかを決定するために、種々の方法がライブラリの多結合化合物候補の性質および活性を特徴付けるために使用される。 種々の溶媒条件下での溶解性およびlogD/clogDの値のような物理的定数が決定され得る。 NMR分光学およびコンピューターを使用する方法の組み合せが、
    流体媒体中の多結合化合物候補の、低エネルギーのコンホーメーションを決定するために使用される。 ライブラリのメンバーの、所望される標的および他の標的に結合する能力は、種々の標準的な方法で決定され、これらの方法には、レセプターおよびイオンチャネルの標的に関しては放射性リガンド置換アッセイ、ならびに多くの酵素標的に関しては速度論的阻害分析が挙げられる。 レセプターアゴニストおよびアンタゴニスト、イオンチャネル遮断薬、および抗菌活性に関するような、インビトロの有効性もまた決定され得る。 経口吸収、反転腸浸透(ev
    erted gut penetration)、他の薬物動態学的パラメータおよび有効性のデータを含む薬理学的データが適切なモデルで決定され得る。 この方法では、重要な構造−活性相関が、次いで、将来の研究を方向付けるために使用される多結合設計パラメータのために得られる。

    【0178】 本明細書中で定義されたような多結合特性を示すライブラリのメンバーは、従来の方法によって容易に決定され得る。 まず、多結合特性を示すメンバーが、上記で記載されたように従来のアッセイ(インビトロおよびインビボの両方)を含む従来の方法によって同定される。

    【0179】 第2に、多結合特性を示す化合物の構造を、当該分野で認められた手順で確かめ得る。 例えば、ライブラリの各メンバーは、暗号化されるか、または後に関連するメンバーの構造の決定を可能にする適切な情報でタグ化され得る。 例えば、
    Dowerら、国際出願公開第WO93/06121号;Brennerら、P
    roc. Natl. Acad. Sci. ,USA、89:5181(1992)
    、Gallopら、米国特許第5,846,839号を参照のこと。 これらはそれぞれ本明細書中で全体として参考として援用される。 あるいは、関連する多価化合物の構造はまた、可溶性およびタグ化されていない多価化合物候補のライブラリから、Hindsgaulら、1998年7月11日に公開されたカナダ特許出願第2,240,325号に記載される方法のような当該分野で公知の方法によって決定され得る。 そのような方法は、構造および多結合化合物候補のレセプターに対する相対的な結合親和性を両方決定するために、質量分析とフロンタルアフィニティークロマトグラフィーとを組み合せる。

    【0180】 二量体の多結合化合物候補に関して上記で述べたプロセスは、もちろん三量体の化合物候補およびそのより高次のアナログに拡大し得る。

    【0181】 (さらなるアレイの後処理合成および分析) 最初のライブラリの分析によって得られた情報に基づいて、プロセスの任意の要素は、特定の相対的なリガンドの配向、リンカーの長さ、リンカーのジオメトリーなどで定義される、1つ以上の有望な多結合「リード」化合物を確かめることである。 次いで構造活性相関に関してさらに情報を提供するために、さらなるライブラリをこれらのリードのまわりに産生し得る。 標的親和性、および/または標的での活性(拮抗作用、部分的アゴニズムなど)をさらに最適化する、そして/または物理的性質を変化させる努力において、これらのアレイは典型的には、リンカー構造においてより集中したバリエーションを有する。 伝統的な医療化学、生化学、および薬理学のアプローチと共に新規の多価結合設計の原理を用いた反復性の再設計/分析によって、その標的に対して、および治療剤として生物学的な利点を示す、最適な多結合化合物を調製および同定し得る。

    【0182】 この手順にさらに磨きをかけるために、適切な二価のリンカーとしては、単なる例証として、ジカルボン酸、ジスルホニルハロゲン化物、ジアルデヒド、ジシュードハライド、ジケトン、ジハロゲン化物、ジイソシアネート、ジアミン、ジオール、ジボロネート、ならびにカルボン酸、ハロゲン化スルホニル、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化物、イソシアネート、アミン、およびジオールの混合物から得られるものが挙げられる。 それぞれの場合で、カルボン酸、ハロゲン化スルホニル、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化物、イソシアネート、アミンおよびジオール官能基が、リガンド上の相補的な官能基と反応して共有結合を形成する。 そのような相補的な官能基は、以下の表(これは単なる例示である)で例示されるように当該分野で周知である:

    【0183】

    【表3】

    例示のリンカーは、以下の表1に記載されるX−1〜X−418として同定される以下のリンカーを含む:

    【0184】

    【化6】

    本発明での使用のための代表的なリガンドには、例示の目的で、上に同定されたL−1〜L−11が挙げられる。

    【0185】 本発明1個あたりのリガンド(L)とリンカー(X)との組み合わせには、単なる例示として、ホモ−およびヘテロ−二量体が挙げられ、ここで、第1のリガンドは、上記L−1〜L−11から選択され、そして第2のリガンドおよびリンカーは、以下から選択される:

    【0186】

    【化7】

    (薬学的処方物) 医薬品として用いられる場合、式Iの化合物は通常、薬学的組成物の形態で投与される。 これらの化合物は経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、および鼻腔内を含む様々な経路によって投与され得る。 これらの化合物は注射および経口の組成物としてどちらも有効である。 このような組成物は当該薬学分野において周知の様式で調製され、少なくとも1つの活性化合物を含む。

    【0187】 本発明はまた、薬学的組成物を包含し、この薬学的組成物は、活性成分として、薬学的に受容可能なキャリアと会合した、1つ以上の上記式Iの化合物を含有する。 本発明の組成物の作製時に、活性成分は通常、賦形剤と混合、賦形剤で希釈、またはカプセル、サシェ(sachet)、紙もしくは他の容器の形態であり得るキャリア中に封入される。 賦形剤が希釈剤として働く場合、それは固体、
    半固体、または液体物質であり得、それは活性成分のビヒクル、キャリアまたは媒体として作用する。 従って、これらの組成物は錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、サシェ剤(sachet)、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルジョン、溶液、シロップ剤、エアロゾル剤(固体としてまたは液体の媒体中で)、例えば10重量%までの活性化合物を含む軟膏、軟および硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、滅菌注射溶液、および滅菌包装散剤の形態であり得る。

    【0188】 処方物の調製において、他の成分と組み合せる前に、適当な粒径を提供するために活性化合物を製粉する必要があり得る。 活性化合物が実質的に不溶性である場合、それは通常200メッシュより小さい粒径まで製粉される。 活性化合物が実質的に水溶性である場合、処方物中で実質的に均一な分布を提供するために、
    この粒径は、通常、製粉することによって、例えば約40メッシュに調節される。

    【0189】 適切な賦形剤のいくつかの例は、ラクトース、デキストロース、スクロース、
    ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、珪酸カルシウム、微結晶性セルロース、
    ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースを含む。 処方物はさらに以下を含み得る:タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油のような滑沢剤;湿潤剤;乳化および懸濁剤;メチル−およびプロピルヒドロキシ−安息香酸のような保存剤;甘味料;および矯臭剤。 本発明の組成物は、当該分野で公知の手順を用いることによって、患者に投与した後に活性成分の迅速な放出、持続性の放出または遅延した放出を提供するために処方され得る。

    【0190】 上記の組成物は好ましくは単位投与量形態で処方され、それぞれの投与量は約5から約100mg、より通常には約10から約30mgの活性成分を含む。 「
    単位投与量形態」という用語は、ヒト被験体および他の哺乳動物の単位投与量として適切な、物理的に分離した単位を指し、それぞれの単位は、適切な薬学的賦形剤と組み合せて、望ましい治療的効果を生じるように計算された、所定量の活性物質を含む。 好ましくは、上記の式Iの化合物は、薬学的組成物の約20重量%を超えずに、より好ましくは、約15重量%を超えずに用いられ、残りは、薬学的に不活性なキャリアである。

    【0191】 活性化合物は広い投与量範囲にわたって有効であり、一般的には薬学的に有効な量で投与される。 しかし、実際に投与される化合物の量は、処置される状態、
    選択される投与経路、投与される実際の化合物、およびその相対的な活性、個々の患者の年齢、体重、および応答、患者の症状の重篤度などを含む、関連する状況を考慮して、医師または獣医によって決定されることが理解される。

    【0192】 錠剤のような固体の組成物を調製するために、主な活性成分は、薬学的賦形剤と混合されて、本発明の化合物の均一な混合物を含む固体の予備処方組成物を形成する。 これらの予備処方組成物が均一であると言う場合、活性成分が組成物全体に均等に分散していて、その結果、組成物が、等しく有効な単位投与量形態(
    例えば、錠剤、丸剤、およびカプセル剤)に、容易に細分割され得ることを意味する。 この固体の予備処方物は次いで、例えば0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含む、上記で記載された種類の単位投与量形態に細分割される。

    【0193】 本発明の錠剤または丸剤は、延長した作用の利点を与える投与量形態を提供するために、コーティングまたは別な方法で調合され得る。 例えば、錠剤または丸剤は内部投与構成成分および外部投与構成成分を含み得、後者は前者を覆う被膜の形態である。 2つの構成成分は、腸溶性層によって分離され得、この腸溶性層は、胃での分解に抵抗し、内部構成成分を完全なままで十二指腸を通過させるように働くか、または放出を遅らせるように働く。 様々な物質が、そのような腸溶性層またはコーティングのために使用され得、そのような物質には、多くのポリマー性酸、ならびにポリマー性酸の、セラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースのような物質との混合物が挙げられる。

    【0194】 経口または注射による投与のために本発明の新規組成物が組み込まれ得る液体の形態は、水溶液、適切に味をつけたシロップ、水性または油性の懸濁液、およびコーン油、綿実油、ごま油、ココナッツオイル、またはピーナッツ油のような食用油を含む味つけしたエマルジョン、ならびにエリキシル剤および同様の薬学的ビヒクルを含む。

    【0195】 吸入または吸送のための組成物は、薬学的に受容可能な水性または有機溶媒中の溶液および懸濁液、あるいはその混合物ならびに粉末を含む。 液体または固体組成物は、前出で記載されたように、適切な薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。 好ましくは、組成物は、局所または全身効果のために、経口または鼻呼吸経路によって投与される。 好ましくは薬学的に受容可能な溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧され得る。 噴霧溶液は、噴霧デバイスから直接吸入され得るか、またはこの噴霧デバイスは、フェイスマスクテント、または間欠的陽圧呼吸器に接続され得る。 溶液、懸濁液、または粉末組成物は、好ましくは経口または鼻腔内に、適当な様式で処方物を送達するデバイスから投与され得る。

    【0196】 以下の処方例は、本発明の代表的な薬学的組成物を例示する。

    【0197】 (処方例1) 以下の成分を含有する硬ゼラチンカプセルを調製する:

    【0198】

    【表4】

    上記の成分を混合し、そして硬ゼラチンカプセルに340mg分量で充填する。

    【0199】 (処方例2) 錠剤処方を以下の成分を使用して調製する:

    【0200】

    【表5】

    この成分をブレンドし、そして圧縮して、各々が240mgの重量である錠剤を形成する。

    【0201】 (処方例3) 乾燥粉末吸入器処方を調製し、これは以下の成分を含有する。

    【0202】

    【表6】

    活性成分をラクトースと混合し、そしてこの混合物を乾燥粉末吸入器具へ添加する。

    【0203】 (処方例4) 錠剤(各々は30mgの活性成分を含有する)を以下のように調製する:

    【0204】

    【表7】

    活性成分、デンプンおよびセルロースをNo. 20メッシュU. S. ふるいを通過させ、そして徹底的に混合する。 ポリビニルピロリドンの溶液を得られる粉末と混合し、次いでこれを16メッシュU. S. ふるいを通過させる。 そのように作製した顆粒を50℃〜60℃で乾燥し、そして16メッシュU. S. ふるいを通過させる。 カルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびタルク(予めNo.30メッシュU.S.ふるいを通過させる)を次いでこの顆粒に添加し、混合後、これを錠剤機で圧縮して、各々が120mgである錠剤を得る。

    【0205】 (処方例5) カプセル剤(各々は40mgの医薬を含有する)を以下のように作製する:

    【0206】

    【表8】

    活性成分、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.


    20メッシュU. S. ふるいを通過させ、そして150mg分量で硬ゼラチンカプセルに充填する。

    【0207】 (処方例6) 坐剤(各々は25mgの活性成分を含有する)を以下のように作製する:

    【0208】

    【表9】

    活性成分をNo. 60メッシュU. S. ふるいを通過させ、そして必要な最小の熱を使用して予め融解させた飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁させる。 次いで、


    この混合物を名目上2.0g容量の坐剤鋳型に注ぎ、そして冷却させる。

    【0209】 (処方例7) 懸濁剤(各々は5.0mL用量当たり50mgの医薬を含有する)を以下のように作製する:

    【0210】

    【表10】

    活性成分、スクロースおよびキサンタンガムをブレンドし、No. 10メッシュU. S. ふるいを通過させ、次いで、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび微結晶性セルロースの予め作製した水溶液と混合する。 安息香酸ナトリウム、矯臭剤、および着色料をいくらかの水で希釈し、そして攪拌しながら添加する。 次いで十分な水を添加し、必要とされる容量にする。

    【0211】 (処方例8)

    【0212】

    【表11】

    活性成分、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.


    20メッシュU. S. ふるいを通過させ、そして425.0mgの分量で硬ゼラチンカプセルに充填する。

    【0213】 (処方例9) 処方物を以下のように調製し得る:

    【0214】

    【表12】

    (処方例10) 局所的な処方物を以下のように調製し得る:

    【0215】

    【表13】

    白色軟質パラフィンを融解するまで加熱する。 液体パラフィンおよび乳化ワックスを組み込み、そして溶解するまで攪拌する。 活性成分を添加し、そして分散するまで攪拌を続ける。 次いでこの混合物を固化するまで冷却する。

    【0216】 本発明の方法において使用される別の好ましい処方物は、経皮送達デバイス(
    「パッチ」)を利用する。 このような経皮パッチは、本発明の化合物の連続的または非連続的温浸(infusion)を制御される量で提供するために使用され得る。 薬剤の送達のための経皮パッチの構造および使用は、当該分野において周知である。 例えば、1991年6月11日発行の米国特許第5,023,25
    2号(これはそのの全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。
    このようなパッチは、連続の、断続的な(pulsatile)、または要求に応じての薬剤の送達のために構築され得る。

    【0217】 しばしば、薬学的組成物を脳に、直接的かまたは間接的に導入することが望ましいか、または必須である。 直接的な技術は通常、宿主の脳室(ventric
    ular)系に薬物送達カテーテルを配置して血液脳関門をバイパスする工程を包含する。 身体の特定の解剖学的領域に生物学的因子を輸送するために使用される1つのこのような移植可能送達システムは、米国特許第5,011,472号(これは本明細書中に参考として援用される)に記載される。

    【0218】 通常好ましい間接的な技術は、親水性薬物を脂溶性薬物に変換することにより薬物の潜伏(latentiation)を提供する組成物を処方することを、
    通常包含する。 潜伏は、通常、薬物上のヒドロキシ基、カルボニル基、スルフェート基、および1級アミン基のブロックを介して達成され、これによって薬物はより脂溶性になり、そして血液脳関門を通過しやすくなる。 あるいは、親水性薬物の送達は、一過的に血液脳関門を開口させ得る高張液の動脈内注入により増強される。

    【0219】 本発明における使用のために適切な他の処方物は、Remington's
    Pharmaceutical Sciences 2に見出され得る。

    【0220】 以下のアッセイは、本発明の多結合化合物を評価するために使用される。

    【0221】 (インビトロ結合アッセイ) Fordら9により記載されるα−1−アドレノセプター結合アッセイを使用して、α−1Aアドレナリン作動性レセプターとの親和性(pKi)を本発明の多結合化合物について決定する。

    【0222】 (エキソビボモデル) Haynesら11により記載されるモルモット前立腺アッセイを使用して、本発明の多結合化合物に対する前立腺収縮応答を測定する。

    【0223】 (インビボモデル) Hancockら12により記載される意識のあるイヌモデルを使用して、前立腺筋肉の反応に対する多結合化合物の効果を試験する。

    【0224】 さらに、多結合化合物の有効性を測定するために尿道内圧負荷(challe
    nge intrauretheral pressure)(cIUP)モデルを使用し得、そして多結合化合物の選択性を測定するために自然発症高血圧ラット(「SHR」)モデルを使用し得る。 これらのモデルは両方とも、Meye
    rら13により記載される。

    【0225】 (用途) 本発明の化合物は、α−1Aアドレナリン作動性レセプター活性を調節するために有用であり、従って、動物(ヒトを含む)の良性前立腺肥大および/または高血圧を処置するために使用され得る。 より詳細には、これらの化合物は哺乳動物における医学的病態および獣医学的病態の処置に使用され得る。

    【0226】 本発明の化合物は、1つの形態または他の形態のα−1Aアドレナリン作動性レセプター活性により媒介される良性前立腺肥大の処置に特に有用である。 従って、本発明はまた、薬学的に受容可能な賦形剤および有効量の本発明の化合物を含有する薬学的組成物に関する。

    【0227】 さらに、本発明の化合物はアフィニティークロマトグラフィーのためのアフィニティー樹脂に結合され得る。 本発明の化合物は、免疫沈降における道具として使用され得る。 これらの化合物は、インビトロで、例えば、顕微鏡法、電気泳動およびクロマトグラフィーでレセプターを同定するために使用され得る。

    【0228】 本発明およびその利点をさらに例示するために、以下の詳細な実施例を提供するが、これはいかなる方法でも特許請求の範囲を限定することは意味しない。

    【0229】 (実施例) 以下の実施例において、全ての温度は、摂氏温度(他に示されない限り)であり、そして全てのパーセントは、重量パーセント(これも、他に示されない限り)である。 さらに、以下の実施例に記載される反応スキームで使用されるXは、
    以下に付随する実験の文脈で記載されるように、ハライド、好ましくは臭化物または塩化物を示す。

    【0230】 実施例1〜19は、本発明の化合物の調製方法の代表例として提供する。

    【0231】 以下の実施例において、以下の略語は以下の意味を有する。 略語が定義されていない場合、通常受け入れられている意味を有する。 Å =オングストローム cm =センチメートル DIC =2−ジメチルアミノイソプロピルクロリドヒドロクロリド DCC =N,N−ジシクロへキシルカルボジイミド DCM =ジクロロメタン DIPEA =ジイソプロピルエチルアミン DMA =N,N−ジメチルアセトアミド DMAP =4−N,N−ジメチルアミノピリジン DMF =N,N−ジメチルホルムアミド DMSO =ジメチルスルホキシド DPPA =ジフェニルホスホリルアジド g =グラム HBTU =1−ヒドロキシベンゾトリゾール HPLC =高速液体クロマトグラフィー Hunig's塩基 =ジイソプロピルエチルアミン MFC =最小殺真菌濃度 mg =ミリグラム MIC =最小阻止濃度 min =分 mL =ミリリットル mm =ミリメートル mmol =ミリモル N =規定 PyBOP =ピリジンベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート t−BOC =tert−ブチルオキシカルボニル TBAF =テトラブチルアンモニウムフルオリド TFA =トリフルオロ酢酸 THF =テトラヒドロフラン μL = マイクロリットル。

    【0232】 α−1Aアドレナリン作動性レセプターンタゴニストおよび現在利用可能な物質についての基本的薬理学(pharmacophore)に基づいて、いくつかのクラスの二価のα−1Aアドレナリン作動性レセプターンタゴニストを設計し、そしてその合成を以下に記載する。

    【0233】 (実施例1) 式Iの化合物(ここで、pは2、qは1、そしてリガンドLはアミノ基を介してリンカーXに連結されたタムスロシンのフェネチルアミン部分である)の調製

    【0234】

    【化8】

    Rは、好ましくは、アルキル、アルキル−エーテル結合、ヒドロキシル基、水素結合アクセプター、アリールオキシ、ヘテロアリール基を含有する。

    【0235】 2,2'−オキシビス(エチルアミン)(1mmol)のメタノール(4mL
    )溶液を、窒素雰囲気下で酢酸でpH6.6(pHメーター)まで酸性化する。
    ケトンである1−(4−メチオキシ(methyoxy)−3−アミノスルホニル)フェニル−2−オキソプロパン(Chem.Pharm.Bull.199
    2,40,1443−51;2mmol)をニートで、続けてシアノボロヒドリドナトリウム(2.1mmol)を添加する。 反応の過程を薄層クロマトグラフィーで追跡する。 反応が生じた後に、反応溶液を水でクエンチし、そして水性混合物のpHを水性Na 2 CO 3で9〜10に調節する。 この混合物をエーテルで抽出し、この有機抽出物を半飽和(half−saturated)生理食塩水で洗浄し、乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物(ここで、Rは−CH 2 CH 2 OCH 2 CH 2 −である)を得る。

    【0236】 (実施例2) 式Iの化合物(ここで、pは2、qは1、そしてリガンドLはアリールオキシ基を介してリンカーXに連結されたO−デセチル−タムスロシンである)の調製タムスロシンアナログ Rは、好ましくは、アルキル、アルキル−エーテル結合、ヒドロキシル基、水素結合アクセプター、アリールオキシ、ヘテロアリール基を含有する。

    【0237】

    【化9】

    (工程1) 1−(2−アミノエトキシ)−2−ベンジルオキシベンゼン(Chem.Ph


    arm. Bull. 1988,36,4121−35;1mmol)のメタノール(4mL)溶液を、窒素雰囲気下で酢酸でpH6.6(pHメーター)まで酸性化する。 ケトンである1−(4−メチオキシ(methyoxy)−3−アミノスルホニル)フェニル−2−オキソプロパン(Chem.Pharm.Bul


    l. 1992,40,1443−51;1mmol)をニートで、続けてシアノボロヒドリドナトリウム(1.1mmol)を添加する。 反応の過程を薄層クロマトグラフィーで追跡する。 反応が生じた後に、反応溶液を水でクエンチし、そして水性混合物のpHを水性Na

    2 CO

    3で9〜10に調節する。 この混合物をエーテルで抽出し、この有機抽出物を半飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥し(Na

    2


    SO

    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPL


    Cを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0238】 (工程2) BOC−無水物(5mmol)およびトリエチルアミン(0.1mL)のCH 2 Cl 2 (5mL)溶液を不活性雰囲気下で撹拌する。 これに先の反応の生成物(
    2mmol)のCH 2 Cl 2 (2mL)溶液を添加し、そして得られた溶液を撹拌する。 反応の進行をTLCで追跡し、そして完了時に水性Na 2 CO 3を添加することにより反応系をクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し、この有機抽出物を半飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望のN−BOC生成物を得る。

    【0239】 (工程3) 先の反応由来の化合物のエチルアルコール(10mL)溶液を、大気圧下で1
    0%炭素担持パラジウム(100mg)の存在下で、tlcの証拠が反応が完了したことを示すまで水素化する。 この混合物をCeliteでろ過してフィルターパッドをエタノールで十分に洗浄する。 合わせたろ液を減圧下で濃縮し、粗生成物を提供する。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0240】 (工程4) ジエチルアゾジカルボキシレート(2mmol)を、トリフェニルホスフィン(2mmol)のTHF(5mL)中の撹拌溶液に、室温でシリンジにより滴下する。 これに、先の反応由来の生成物(2mmol)および2,2'−(1,2
    −フェニレンジオキシ)ジエタノール(1mmol)のTHF(3mL)溶液を添加する。 得られた溶液を室温で撹拌し、そして反応の進行をtlcで追跡する。 反応が生じた後に、溶媒をエバポレーションにより減圧下で除去し、そして残渣をHPLCにより精製し、所望の化合物を得る。

    【0241】 (工程5) 先の反応からの生成物およびトリフルオロ酢酸(3mL)のCH 2 Cl 2 (5m
    L)溶液を室温で撹拌する。 反応の進行をtlcで追跡する。 反応が生じた後に、さらなるCH 2 Cl 2を添加し、そしてこの溶液を水性Na 2 CO 3 、そしてH 2
    Oで洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物(ここで、Rは1,2−フェニレンジオキシエチレンである)を得る。

    【0242】 (実施例3) 式Iの化合物(ここで、pは2、qは1、そしてリガンドLはスルホンアミド基を介してリンカーXに連結されたタムスロシンである)の調製

    【0243】

    【化10】

    2−フェニルケトンのエナンチオ選択性還元的アルキル化におけるキラルなオキサアザボロリジンの使用については、Hett,Robert;Fang,Qu


    n Kevin;Gao,Yun;Hong,Yaping;Butler,H


    al T. ;ら、Tetrahedron Lett. 38;7;1997;1


    125〜1128を参照のこと。

    【0244】 (工程1) BOC−無水物(5mmol)およびトリエチルアミン(0.1mL)のCH 2 Cl 2 (5mL)溶液を不活性な雰囲気下で撹拌する。 これに、タムスロシン(
    2mmol)のCH 2 Cl 2 (2mL)溶液を添加し、そして得られた溶液を撹拌する。 反応をTLCで追跡し、完了時に水性のNa 2 CO 3を添加することによりクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し、この有機抽出物を半飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望のN−BO
    C−タムスロシンを得る。

    【0245】 (工程2) NaH(2.1mmol)およびDMF(1mL)の混合物を、撹拌子および乾燥チューブを備えたフラスコ中で、不活性な雰囲気下で調製する。 これに、まず、N−BOC−タムスロシン(2mmol)の乾燥DMF(3mL)の溶液を添加し、続けて乾燥DMF(1mL)中の、リンカー分子である1,5−ジブロモペンタン(1mmol)を添加する。 得られた混合物を撹拌し、そして一連の反応を薄層クロマトグラフィーにより追跡する。 反応が生じた後に反応系を冷した水性希Na 2 CO 3でクエンチし、そして塩化メチレンで抽出する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0246】 (工程3) 先の反応の生成物(2mmol)およびトリフルオロ酢酸(3mL)のCH 2
    Cl 2 (5mL)溶液を室温で撹拌する。 反応の進行をtlcで追跡する。 反応が生じた後に、さらなるCH 2 Cl 2を添加し、そしてこの溶液を水性Na 2 CO 3で、そしてH 2 Oで洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物(ここで、Rは−(CH 25 −である)を得る。

    【0247】 (実施例4) 式Iの化合物(ここで、pは2、qは1、そしてリガンドLはアミド基を介してリンカーXに連結された(R)−KMD−3213である)の調製

    【0248】

    【化11】

    (工程1) KMD−3213(E.P.0 600 675 B1;4mmol)のメタノール(4mL)溶液および水性1M KOH(8mL)を不活性な雰囲気下で撹拌し、そして反応が生じるまで加温する。 反応の進行をtlcで追跡する。 反応の完了時に1N HClを添加することにより溶液のpHを1と2との間に調整する。 次いで、この溶液を凍結乾燥し、そして粗反応生成物を乾燥させて以下に記載する次の工程に直接使用した。

    【0249】 (工程2) BOC−無水物(3mmol)とトリエチルアミン(0.15mL)のCH 2
    Cl 2 (5mL)溶液を不活性な雰囲気下で撹拌する。 これに、先の反応の生成物(3mmol)のCH 2 Cl 2 (2mL)溶液を添加し、そして得られた溶液を撹拌する。 反応の進行をTLCにより追跡し、反応の完了時に反応系を希水性H
    Clの添加によりクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し、有機抽出物を半飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望のN−BOC−生成物を得る。

    【0250】 (工程3) 先の反応からの生成物(2mmol)、1,7−ジアミノヘプタン(1mmo
    l)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.5mmol)の乾燥DMF
    溶液(5mL)を氷水浴で冷却し、そして不活性な雰囲気下で撹拌する。 この撹拌した溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド(2.1mmol)を添加する。
    反応の経過をtlcで追跡する。 冷却浴を取り除き、そして反応が生じた後に、
    この反応混合物を塩化メチレンと飽和水性NaHCO 3とで分配する。 この有機層を水およびブラインで洗浄し、乾燥し、そして減圧下で濃縮する。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0251】 (工程4) 先の反応からの生成物(1mmol)およびトリフルオロ酢酸(3mL)のC
    2 Cl 2 (5mL)溶液を室温で撹拌する。 反応の進行をtlcで追跡する。 反応が生じた後に、さらなるCH 2 Cl 2を添加し、そしてこの溶液を水性Na 2
    3 、そしてH 2 Oで洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物(ここで、Rは1,7−ヘプタンジイルである)
    を得る。

    【0252】 ラセミ体KMD−3213を工程1で使用する場合、この方法により調製される式Iの化合物はラセミ体として得られる。

    【0253】 (実施例5) 式Iの化合物(ここで、pは2、qは1、そしてリガンドLはジヒドロインドールのアミノ基を介してリンカーXに連結された(R)−5−[2−[N−BO
    C−2−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチルアミノ]プロピル]インドリン−7−カルボキサミド[N−des−(3−ヒドロキシプロピル)−KMD−3213]である)の調製

    【0254】

    【化12】

    (1,5−ジブロモ−3−ペンタノール−O−TBDMSの調製) tert−ブチルジメチルシリルクロリド(0.1mol)を、1,5−ジブロモ−3−ペンタノール(0.05mol)およびイミダゾール(0.05mo


    l)の乾燥ピリジン(10mL)溶液に添加し、得られた溶液を室温で撹拌する。 反応の進行をtlcにより追跡する。 反応の完了時に水(25mL)をこの溶液に添加し、次いで減圧(>25mmHg、30℃)下でエバポレーションにより濃縮する。 この残渣をEtOAcに溶解し、そしてこの溶液を飽和水性CuS


    4で抽出して残りのピリジンを取り除く。 このEtOAc溶液を水で洗浄し、


    乾燥し(Na

    2 SO

    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して純粋な生成物を得る。

    【0255】 (化合物の調製) (工程1) (R)−5−[2−[N−BOC−2−[2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)フェノキシ]エチルアミノ]プロピル]インドリン−7−カルボキサミド(EP 0600675、この化合物の(R)、(S)およびラセミ体は本願対応EP明細書の24頁の表の最初の3つの項目として見出され得る;2mmo
    l)および1,5−ジブロモ−3−ペンタノール−O−TBDMS(1mmol
    )、ならびにジイソプロピルエチルアミン(0.2mL)のDMF(3mL)溶液を、不活性雰囲気下で撹拌し、そして加温する。 反応の進行をtlcで追跡し、そして反応の完了時に溶液を水性5%NaHCO 3に注ぎ、そして水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 有機抽出物の溶液を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0256】 (工程2) 先の反応により調製された化合物およびトリフルオロ酢酸(3mL)のCH 2
    Cl 2 (5mL)溶液を室温で撹拌する。 反応の進行をtlcにより追跡する。
    反応が生じた後にさらなるCH 2 Cl 2を添加し、そしてこの溶液を水性Na 2
    3 、そしてH 2 Oで洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して式Iの所望の化合物[ここで、Rは−CH 2 CH 2 CH(OH)CH 2
    CH 2 −]を得る。

    【0257】 工程1で(S)−KMD−3213が使用される場合、この方法により調製された式Iの化合物は、両方のリガンドにおいて(S)立体配置のものである。 同様に、両方のリガンドの(R)立体配置の式Iの化合物は、(R)−KMD−3
    213が工程1で使用される場合に得られる。 ラセミKMD−3213が工程1
    で使用される場合は式Iの化合物はラセミ体として得られる。

    【0258】 先の実施例の1,5−ジブロモ−3−ペンタノール−O−TBDMSを他のリンカー分子で置きかえることにより、式Iの他の化合物が調製される。

    【0259】 (実施例6) 式Iの化合物(ここで、pは2、qは1、そしてリガンドLはヒドロキシル基を介してリンカーXに連結された(R)−KMD−3213である)の調製

    【0260】

    【化13】

    (工程1) トリメチルシリルクロリド(4mmol)を(R)−KMD−3213(2m


    mol)およびイミダゾール(2mol)の乾燥ピリジン(5mL)溶液に添加し、そして得られた溶液を室温で撹拌する。 反応の進行をtlcにより追跡する。 反応の完了時にこの溶液に水(5mL)を添加し、次いで、この溶液を減圧(


    >25mmHg、30℃)下でエバポレートすることにより濃縮する。 この残渣をEtOAcに溶解し、そしてこの溶液を飽和水性CuSO

    4で抽出して残りのピリジンを取り除く。 このEtOAc溶液を水で洗浄し、乾燥し(Na

    2 SO

    4


    、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して純粋な生成物である(R)−KMD


    −3213−O−TMSを得る。

    【0261】 (工程2) (R)−KMD−3213−O−TMS(2mmol)、ジ−tert−ブチルカルボネート(2.5mmol)、ジオキサン(5mL)および水性2N N
    aOH(2mL)の混合物を室温で24時間撹拌する。 減圧下でのエバポレーションによりジオキサンを取り除く。 この水性混合物に水(50mL)を添加し、
    そしてこの混合物をCH 2 Cl 2 (4×25mL)で抽出する。 合わせた有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して純粋な(R)
    −N−BOC−KMD−3213−O−TMSを得る。

    【0262】 (工程3) 先の反応により調製した(R)−N−BOC−KMD−3213−O−TMS
    (2mmol)およびEt 3 N−(HF) 3のMeCN(5mL)溶液を室温で撹拌する。 tlcにより検出される反応が生じた後、この溶液をEtOAcで希釈し、次いで水−ブラインで洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCの使用により精製して所望の化合物である(R)−N−BOC−KMD−3213を得る。

    【0263】 (工程4) NaH(2.1mmol)および乾燥DMF(1mL)の混合物を、不活性雰囲気下で撹拌子および乾燥チューブを備えたフラスコ中で調製する。 これに先の反応により調製した化合物(2mmol)の乾燥DMF(3mL)溶液を添加する。 次いで、1,4−ジヨードブタン(1mmol)の乾燥DMF(2mL)溶液を添加し、そして得られた混合物を撹拌し、加温し、そして反応をtlcによりモニターする。 反応が生じた後、この反応溶液を水(25mL)およびブライン(25mL)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2 (4×20mL)で抽出し、そして合わせた有機抽出物を水(3×)で逆洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0264】 (工程5) 先の反応からの生成物およびトリフルオロ酢酸(3mL)のCH 2 Cl 2 (5m
    L)溶液を室温で撹拌する。 反応の進行をtlcにより追跡する。 反応が生じた後、さらなるCH 2 Cl 2を添加し、そしてこの溶液を水性Na 2 CO 3 、そしてH 2 Oで洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して式Iの所望の化合物[ここで、Rは−(CH 24 −]を得る。

    【0265】 この方法により調製された式Iの化合物は、工程1でラセミKMD−3213
    が使用される場合にはラセミ体として得られる。 (S)立体配置のリガンドを有する式Iの化合物は、工程1で(S)−KMD−3213を使用する場合に得られる。

    【0266】 (実施例7) 式Iの化合物(ここで、pは2、qは1、そしてリガンドLはアミノ基を介してリンカーXに連結されたKMD−3213のN−(3−ヒドロキシ)プロピル−7−アミノカルボニル−5−(2−アミノ)プロピルジヒドロインドール部分である)の調製

    【0267】

    【化14】

    (工程1) 1−アセチル−5−(2−アジドプロピル)インドリン−7−カルボニトリル(EP 0 600 675 B1;2mmol)の水性5N NaOH(2m


    L)およびエタノール(4mL)の溶液を室温で撹拌する。 この反応の経過をt


    lcで追跡し、そして完了時に、冷1N NaOHを添加することにより反応溶液をアルカリ性にする。 この混合物をエーテルで抽出し、このエーテル抽出物を水およびブラインで洗浄し、乾燥し(Na

    2 SO

    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の5−(2−アジドプロピル)インドリン−7−カルボニトリルを得る。

    【0268】 (工程2) 5−(2−アジドプロピル)インドリン−7−カルボニトリル(2mmol)
    のDMSO(3mL)溶液に30%過酸化水素(0.5mL)を添加する。 この得られた混合物を室温で20分間撹拌し、次いで水性5N NaOH(0.5m
    L)の溶液に移す。 この混合物を室温で撹拌し、そして反応の進行をtlcで追跡する。 完了時に酢酸を添加することによりこの混合物を中和し、水を添加し、
    そしてこの混合物を酢酸エチルで抽出する。 この有機層を希水性炭酸ナトリウム、そして水で洗浄し、乾燥し、ろ過し、そして減圧下で濃縮する。 粗生成物をH
    PLCを用いることにより精製して所望の5−(2−アジドプロピル)インドリン−7−カルボキサミドを得る。

    【0269】 (工程3) 5−(2−アジドプロピル)インドリン−7−カルボキサミド(2mmol)
    および3−ブロモプロパン−1−オール(2mmol)のジオキサン溶液を炭酸カリウムと共に加熱し、そして撹拌する。 反応の進行をtlcで追跡し、そして完了時に減圧下でのエバポレーションにより溶媒を除去する。 残渣を希水性炭酸水素ナトリウムと酢酸エチルとの間で分配する。 この有機抽出物の層を水、そしてブラインで洗浄し、乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCの使用により精製して所望の1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−(2−アジドプロピル)インドリン−7−カルボキサミドを得る。

    【0270】 (工程4) トリメチルシリルクロリド(4mmol)を1−(3−ヒドロキシプロピル)
    −5−(2−アジドプロピル)インドリン−7−カルボキサミド(2mmol)
    およびイミダゾール(2mol)の乾燥ピリジン(5mL)の溶液に添加し、そして得られた溶液を室温で撹拌する。 反応の進行をtlcにより追跡する。 反応の完了時に、水(5mL)をこの溶液に添加し、次いでエバポレーションにより減圧(>25mmHg、30℃)下で濃縮する。 この残渣をEtOAcに溶解し、そしてこの溶液を飽和水性CuSO 4で抽出して残りのピリジンを取り除く。
    このEtOAc溶液を水で洗浄し、乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して純粋な1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−(2−アジドプロピル)インドリン−7−カルボキサミド−O−TMSを得る。

    【0271】 (工程5) 1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−(2−アジドプロピル)インドリン−
    7−カルボキサミド−O−TMSの酢酸エチル(10mL)溶液を、反応が完了したことがtlcにより示されるまで10%炭素担持パラジウム(100mg)
    の存在下で大気圧下で水素化する。 この混合物をCeliteでろ過し、そしてフィルターパッドを酢酸エチルで徹底的に洗浄する。 合わせたろ液を減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−(2−アミノプロピル)インドリン−
    7−カルボキサミド−O−TMSを得る。

    【0272】 (工程6) 1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−(2−アミノプロピル)インドリン−
    7−カルボキサミド−O−TMS(2mmol)および1,2−ビス(2−ブロモエトキシ)ベンゼン(Aldrich;1mmol)、ならびにジイソプロピルエチルアミン(0.2mL)のDMF(3mL)溶液を撹拌し、そして不活性雰囲気下で加温する。 反応の進行をtlcにより追跡し、そして反応の完了時にこの溶液を水性5% NaHCO 3に注ぎ、そして水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 この有機抽出溶液を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0273】 (工程7) 先の反応の生成物のHOAc−H 2 O(4:1)(5mL)溶液を不活性な雰囲気下で室温で撹拌する。 この反応をtlcで追跡し、そして完了時にEtOA
    cで希釈し、そして水および希水性Na 2 CO 3で数回洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物を得る。

    【0274】 (実施例8) 式Iの化合物(ここで、pは2、qは1、そしてリガンドLはアミノ基を介してビスカテコールリンカーXに連結されたKMD−3213のN−(3−ヒドロキシ)プロピル−7−アミノカルボニル−5−(2−アミノ)プロピルジヒドロインドール部分である)の調製

    【0275】

    【化15】

    (1,5−ビス[o−(2−ブロモエトキシ)フェノキシ]ペンタン)の調製 (工程A) ジエチルアゾジカルボキシレート(2mmol)をシリンジを介してトリフェニルホスフィン(2mmol)のTHF(5mL)撹拌溶液に室温で滴下する。


    これに、o−ベンジルオキシフェノール(2mmol)および2−ブロモエタノール(2mmol)のTHF(1mL)溶液を添加する。 この得られた溶液を室温で撹拌し、そして反応の進行をtlcで追跡する。 反応が生じた後、減圧下でのエバポレーションにより溶媒を除去し、そして残渣をHPLCにより精製して所望される1−ベンジルオキシ−2−(2−ブロモエトキシ)ベンゼンを得る。

    【0276】 (工程B) 1−ベンジルオキシ−2−(2−ブロモエトキシ)ベンゼンの酢酸エチル(1
    0mL)溶液を10%炭素担持パラジウム(100mg)の存在下で大気圧下で、反応が完了したことがtlcにより示されるまで水素化する。 この混合物をC
    eliteでろ過し、そしてフィルターパッドを酢酸エチルで徹底的に洗浄する。 合わせたろ液を減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望のo−(2−ブロモ)エトキシフェノールを得る。

    【0277】 (工程C) ジエチルアゾジカルボキシレート(2mmol)をシリンジを介してトリフェニルホスフィン(2mmol)のTHF(5mL)撹拌溶液に室温で滴下する。
    これに、o−(2−ブロモエトキシ)フェノール(2mmol)およびペンタン−1,5−ジオール(1mmol)のTHF(1mL)溶液を添加する。 この得られた溶液を室温で撹拌し、そして反応の進行をtlcで追跡する。 反応が生じた後、減圧下でのエバポレーションにより溶媒を除去し、そして残渣をHPLC
    により精製して、所望される1,5−ビス[o−(2−ブロモエトキシ)フェノキシ]ペンタンを得る。

    【0278】 (化合物の調製) (工程1) 1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−(2−アミノプロピル)インドリン−
    7−カルボキサミド−O−TMS(2mmol)、1,5−ビス[o−(2−ブロモエトキシ)フェノキシ]ペンタン(1mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.2mL)のDMF(3mL)溶液を不活性な雰囲気下で撹拌し、
    そして加温する。 反応の進行をtlcにより追跡し、そして反応の完了時に、この溶液を水性5% NaHCO 3に注ぎ、そしてこの水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 この有機抽出溶液を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0279】 (工程2) 先の反応の生成物のHOAc−H 2 O(4:1)(5mL)溶液を不活性な雰囲気下で室温で撹拌する。 この反応をtlcで追跡し、そして完了時にEtOA
    cで希釈し、そして水および希水性Na 2 CO 3で数回洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物を得る。

    【0280】 (実施例9) 式Iの化合物(ここで、pは2、qは1、そしてリガンドLはアミドを介してピペラジンアミノ基にを経てリンカーXに連結された4−アミノ−2−(N−ピペラジニル)−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリンである)の調製

    【0281】

    【化16】

    4−アミノ−2−(N−ピペラジニル)−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリン(2mmol)、2,3−ジメトキシベンゼン−1,4−ジカルボン酸(1m


    mol)および4−ジメチルアミノピリジン(10mg)のCH

    2 Cl

    2 (5mL


    )溶液を、アルゴン下で磁気スターラーおよび乾燥チューブを備えたフラスコ中で調製する。 この溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(固体、2.2mm


    ol)を添加する。 反応の進行をtlcにより追跡し、そして反応が生じた後、


    この反応溶液を水でクエンチし、水性炭酸水素ナトリウムを添加し、そして水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 この有機層を水性Na

    2 CO

    3 、そしてH

    2


    で洗浄し、乾燥し(Na

    2 SO

    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物を得る。

    【0282】 (実施例10) 式Iの化合物(ここで、pは2、qは1、そしてリガンドLはカルバメートを介してピペラジンアミノ基を経てリンカーXに連結された4−アミノ−2−(N
    −ピペラジニル)−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリンである)の調製

    【0283】

    【化17】

    ジ(エチレングリコール)(2mmol)およびピリジン(2.5mmol)


    の乾燥THF(4mL)の溶液を、不活性雰囲気下で、冷却(氷水浴)し、かつ撹拌する。 これに、4−ニトロフェニルクロロホルメート(2.1mmol)の乾燥THF(1mL)溶液を滴下する。 添加が完了した後、氷水冷却浴を取り除いて、この溶液を撹拌し、そして周囲温度に到達させる。 この反応をtlcにより追跡し、そして反応が完了した後、減圧下でTHFを除去する。 この残渣を大気中の湿気から保護し、そして乾燥DMF(2mL)に溶解する。 この溶液に、


    4−ジメチルアミノピリジン(1mg)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(


    3mmol)および4−アミノ−2−(N−ピペラジニル)−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリン(4mmol)の乾燥DMF(2mL)溶液を添加する。 この得られた溶液を室温で撹拌し、そして反応の進行をtlcで追跡する。 完了時に反応溶液を冷水性Na

    2 CO

    3およびブラインの添加によりクエンチする。 この混合物を塩化メチレンで抽出し、この有機層を合わせ、水そしてブラインで洗浄し、乾燥し(Na

    2 SO

    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。


    粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物(ここで、Rは−CH

    2 CH

    2 OCH

    2 CH

    2 −)を得る。

    【0284】 (実施例11) 式Iの化合物(ここで、リガンドL 1であるTamsulosinのフェネチルアミン部分はアミノ基を介してリガンドL 2であるSalmeterolのフェニルブトキシヘキシル部分に連結される)の調製

    【0285】

    【化18】

    (工程1) ベンジルアミン(2mmol)のメタノール(4mL)溶液を、窒素雰囲気下で酢酸でpH6.6(pHメーター)まで酸性化する。 ケトンである1−(4−


    メトキシ−3−アミノスルホニル)フェニル−2−オキソプロパン(Chem.


    Pharm. Bull. 1992,40,1443−51;2mmol)をニートで添加し、続いてシアノボロヒドリドナトリウム(2.1mmol)を添加する。 反応の経過を薄層クロマトグラフィーにより追跡する。 反応が生じた後、反応溶液を水でクエンチし、そして水性混合物のpHを水性Na

    2 CO

    3で9〜10


    まで調整する。 この混合物をエーテルで抽出し、この有機抽出物を半飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥し(Na

    2 SO

    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0286】 (工程2) 先の反応の生成物、n−(4−フェニル)ブチル−n−(6−ブロモ)ヘキシルエーテル(または1−ブロモ−11−フェニル−7−オキサウンデカン)(2
    mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.2mL)のDMF(3mL
    )溶液を、不活性雰囲気下で撹拌し、そして加温する。 反応の経過をtlcで追跡し、そして反応の完了時に溶液を水性5%NaHCO 3に注ぎ、そして水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 この有機抽出物の溶液を乾燥し(Na 2 SO 4
    、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCにより精製して所望の化合物を得る。

    【0287】 (工程3) 先の反応由来の化合物のエタノール溶液(5mL)を、水素下で10%炭素担持パラジウム(100mg)の存在下で大気圧下で、反応が完了したことがtl
    cにより示されるまで撹拌する。 この混合物をCeliteでろ過し、そしてフィルターパッドを酢酸エチルで徹底的に洗浄する。 合わせたろ液を減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物を得る。

    【0288】 (実施例12) 式Iの化合物(ここで、リガンドL 1であるKMD−3213のジヒドロインドール部分はアミノ基を介してリガンドL 2であるSalmeterolのフェニルブトキシヘキシル部分に連結される)の調製

    【0289】

    【化19】

    (工程1) 1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−(2−アミノプロピル)インドリン−


    7−カルボキサミド−O−TMS(2mmol)のメタノール(4mL)溶液を、窒素雰囲気下で、酢酸を用いてpH6.6(pHメーター)まで酸性化する。


    ベンズアルデヒド(2.2mmol)をニートで添加し、続けてシアノボロヒドリドナトリウム(2.1mmol)を添加する。 反応の経過を薄層クロマトグラフィーで追跡する。 反応が生じた後に、この反応溶液を水でクエンチし、そして水性混合物のpHを水性Na

    2 CO

    3で9〜10に調整する。 この混合物をエーテルで抽出し、この有機抽出物を半飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥し(Na

    2 SO

    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0290】 (工程2) 先の反応の生成物およびn−(4−フェニル)ブチル−n−(6−ブロモ)ヘキシルエーテル(または1−ブロモ−11−フェニル−7−オキサウンデカン)
    (2mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.2mL)のDMF(3
    mL)溶液を不活性雰囲気下で撹拌し、そして加温する。 反応の進行をtlcで追跡し、そして反応の完了時にこの溶液を水性5%NaCO 3に注ぎ、そして水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 この有機抽出物の溶液を乾燥し(Na 2
    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLC
    を使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0291】 (工程3) 先の反応からの化合物のエタノール(5mL)溶液を、水素下で大気圧下で、
    10%炭素担持パラジウム(100mg)の存在下で、反応が完了したことがt
    lcにより示されるまで撹拌する。 この混合物をCeliteでろ過し、そしてフィルターパッドを酢酸エチルで徹底的に洗浄する。 合わせたろ液を減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0292】 (工程4) 先の反応の生成物のHOAc−H 2 O(4:1)(5mL)溶液を不活性な雰囲気下で室温で撹拌する。 この反応をtlcで追跡し、そして完了時にEtOA
    cで希釈し、そして水および希水性Na 2 CO 3で数回洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物を得る。

    【0293】

    【化20】

    (実施例13) 式Iの化合物(ここで、リガンドL

    1であるKMD−3213のジヒドロインドール部分は、アミノ基を介してリガンドL

    2であるTamsulosinのフェネチルアミン部分に連結される)の調製(上記の図を参照のこと) (工程1) 1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−(2−アミノプロピル)インドリン−


    7−カルボキサミド−O−TMS(2mmol)のメタノール(4mL)溶液を、窒素雰囲気下で、酢酸を用いてpH6.6(pHメーター)まで酸性化する。


    1−(4−メチオキシ(methyoxy)−3−アミノスルホニル)フェニル−2−オキソプロパン(2mmol)をニートで添加し、続けてシアノボロヒドリドナトリウム(2.1mmol)を添加する。 反応の経過を薄層クロマトグラフィーで追跡する。 反応が生じた後に、この反応溶液を水でクエンチし、そして水性混合物のpHを水性Na

    2 CO

    3で9〜10に調整する。 この混合物をエーテルで抽出し、この有機抽出物を半飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥し(Na

    2 SO

    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0294】 (工程2) 先の反応の生成物のHOAc−H 2 O(4:1)(5mL)溶液を不活性な雰囲気下で室温で撹拌する。 この反応をtlcで追跡し、そして完了時にEtOA
    cで希釈し、そして水および希水性Na 2 CO 3で数回洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物を得る。

    【0295】 (実施例14) 式Iの化合物(ここで、リガンドL 1であるKMD−3213のジヒドロインドール部分は、アミノ基を介してリガンドL 2であるTamsulosinのデスメチル−フェネチルアミン部分に連結される)の調製(上記の図を参照のこと) (工程1) 1−(3−ヒドロキシプロピル)−5−(2−アミノプロピル)インドリン−
    7−カルボキサミド−O−TMS(2mmol)のメタノール(4mL)溶液を、窒素雰囲気下で、酢酸を用いてpH6.6(pHメーター)まで酸性化する。
    1−(4−メトキシオキシ−3−アミノスルホニル)フェニルアセトアルデヒド(2mmol)をニートで添加し、続けてシアノボロヒドリドナトリウム(2.
    1mmol)を添加する。 反応の経過を薄層クロマトグラフィーで追跡する。 反応が生じた後に、この反応溶液を水でクエンチし、そして水性混合物のpHを水性Na 2 CO 3で9〜10に調整する。 この混合物をエーテルで抽出し、この有機抽出物を半飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0296】 (工程2) 先の反応の生成物のHOAc−H 2 O(4:1)(5mL)溶液を不活性な雰囲気下で室温で撹拌する。 この反応をtlcで追跡し、そして完了時にEtOA
    cで希釈し、そして水および希水性Na 2 CO 3で数回洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物を得る。

    【0297】 (実施例15) 式Iの化合物(ここで、pは2であり、qは1であり、そしてリガンドLは、
    鎖のアミノ基を介してリンカーXに連結された実施例13で調製される化合物である)の調製

    【0298】

    【化21】

    (工程1) 実施例13、工程1の生成物(2mmol)および2,2'−(1,2−フェニレンジオキシ)ジエチルブロミド(1mmol)ならびにジイソプロピルエチルアミン(0.2mL)のDMF(3mL)溶液を不活性雰囲気化で撹拌し、そして加温する。 反応の進行をtlcにより追跡し、そして完了時にこの溶液を水性5%NaHCO

    3に注ぎ、そして水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 この有機抽出物溶液を乾燥し(Na

    2 SO

    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0299】 (工程2) 先の反応の生成物のHOAc−H 2 O(4:1)(5mL)溶液を不活性な雰囲気下で室温で撹拌する。 この反応をtlcで追跡し、そして完了時にEtOA
    cで希釈し、そして水および希水性Na 2 CO 3で数回洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物を得る。

    【0300】 (実施例16) 式Iの化合物(ここで、pは2であり、qは1であり、そしてリガンドLは鎖のアミノ基を介してリンカーXに連結された、実施例14で調製された化合物である)の調製

    【0301】

    【化22】

    (工程1) 実施例14、工程1の生成物(2mmol)および2−ブロモエチルエーテル(1mmol)ならびにジイソプロピルエチルアミン(0.2mL)のDMF(


    3mL)溶液を不活性雰囲気化で撹拌し、そして加温する。 反応の進行をtlc


    により追跡し、そして完了時にこの溶液を水性5%NaHCO

    3に注ぎ、そして水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 この有機抽出物溶液を乾燥し(Na

    2


    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLC


    を使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0302】 (工程2) 先の反応の生成物のHOAc−H 2 O(4:1)(5mL)溶液を不活性な雰囲気下で室温で撹拌する。 この反応をtlcで追跡し、そして完了時にEtOA
    cで希釈し、そして水および希水性Na 2 CO 3で数回洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物を得る。

    【0303】 (実施例17) 式Iの化合物(ここで、pは2であり、qは1であり、そして第1のリガンドL 1は鎖のアミノ基を介してリンカーXに連結された、KMD−3213のジヒドロインドール部分であり、そして第2のリガンドL 2はアミノ基を介してXに連結されたTamsulosinのフェネチルアミン部分である)の調製

    【0304】

    【化23】

    (工程1) 4−アミノ−1−ブタノール(2mmol)のメタノール(4mL)溶液を、


    窒素雰囲気下で、酢酸を用いてpH6.6(pHメーター)まで酸性化する。 1


    −(4−メチオキシ−3−アミノスルホニル)フェニル−2−オキソプロパン(


    2mmol)をニートで添加し、続けてシアノボロヒドリドナトリウム(2.1


    mmol)を添加する。 反応の経過を薄層クロマトグラフィーで追跡する。 反応が生じた後に、この反応溶液を水でクエンチし、そして水性混合物のpHを水性Na

    2 CO

    3で9〜10に調整する。 この混合物をエーテルで抽出し、この有機抽出物を半飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥し(Na

    2 SO

    4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0305】 (工程2) 4−ジメチルアミノピリジン(2〜10mg)を含有する、先の反応の生成物(2mmol)のピリジン(5mL)溶液を、氷浴で冷却し、そしてベンジルクロロホルメート(0.5mL)を添加する。 この冷却浴を取り除き、そして反応溶液を室温で撹拌する。 反応の進行をtlcにより追跡し、そして完了時にこの溶液を酢酸エチルで希釈し、5%水性硫酸水素ナトリウムで洗浄し、乾燥し(N
    2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHP
    LCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0306】 (工程3) 先の反応の生成物(2mmol)および4−メチルモルホリンN−オキシド(
    NMO、3mmol)のMeCN(10mL)および塩化メチレン(5mL)の溶液を、4−Aモレキュラーシーブ(50mg)で処理し、そして周囲温度で1
    0分間撹拌する。 過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム(TPAP、0.
    05mmol)を添加し、そして反応混合物を室温で撹拌する。 反応の進行をt
    lcで追跡し、そして完了時にその反応物を塩化メチレンで希釈し、そして混合物をシリカゲルでろ過する。 ろ液を濃縮して、粗生成物を得る。

    【0307】 (工程4) 実施例12、工程1の生成物(2mmol)のメタノール(4mL)溶液を、
    窒素雰囲気下で、酢酸を用いてpH6.6(pHメーター)まで酸性化する。 これに、先の工程により調製したアルデヒド(2mmol)のメタノール(1mL
    )溶液を添加し、続けてシアノボロヒドリドナトリウム(3mmol)を添加する。 反応の経過を薄層クロマトグラフィーにより追跡する。 反応が生じた後に、
    この反応溶液を水でクエンチし、そしてこの水性混合物のpHをNa 2 CO 3を用いてpH9〜10に調整する。 この混合物をエーテルで抽出し、有機抽出物を半飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0308】 (工程5) 先の反応の生成物のHOAc−H 2 O(4:1)(5mL)溶液を不活性な雰囲気下で室温で撹拌する。 この反応をtlcで追跡し、そして完了時にEtOA
    cで希釈し、そして水および希水性Na 2 CO 3で数回洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0309】 (工程6) 先の反応からの化合物の酢酸エチル(10mL)溶液を、大気圧下で、10%
    炭素担持パラジウム(100mg)の存在下で、反応が完了したことがtlcにより示されるまで水素化する。 この混合物をCeliteでろ過し、そしてフィルターパッドを酢酸エチルで徹底的に洗浄する。 合わせたろ液を減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物を得る。

    【0310】

    【化24】

    (実施例18) 式Iの化合物(ここで、pは2であり、qは1であり、そして一方のリガンドL

    1は鎖のアミノ基を介してリンカーXに連結された、KMD−3213のジヒドロインドール部分であり、そして第2のリガンドL

    2はピペラジンアミノ基を介してXに連結されたCarduraの(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2


    −キナゾリニル)ピペラジン部分である)の調製 (工程1) 4−アミノ−2−(N−ピペラジニル)−6,7−ジメトキシ−2−キナゾリン(2mmol)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.2mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(10mg)のCH

    2 Cl

    2 (5mL)中の混合物を、窒素雰囲気下で、磁気スターラーおよび乾燥チューブを備えたフラスコ中で調製した。 この撹拌した混合物に6−ブロモヘキサン酸(1mmol)のCH

    2


    2 (3mL)溶液を添加する。 この混合物を室温で撹拌し、そして反応の進行をtlcで追跡する。 反応が生じた後に、この反応溶液を水でクエンチし、そして水性炭酸水素ナトリウムを添加し、この水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 この有機層を水性Na

    2 CO

    3 、そしてH

    2 Oで洗浄し、乾燥し(Na

    2 SO

    4


    、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0311】 (工程2) 先の反応の生成物(1mmol)および実施例12、工程1で調製したジヒドロインドール誘導体(1mmol)、ならびにジイソプロピルエチルアミン(0
    . 2mL)のDMF(3mL)溶液を、不活性雰囲気下で、撹拌し、そして加温する。 反応の進行をtlcにより追跡し、そして反応の完了時に、この溶液を水性5%NaHCO 3に注ぎ、そしてこの水性混合物を塩化メチレンで抽出する。
    この有機抽出物の溶液を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0312】 (工程3) 先の反応の化合物の酢酸エチル(10mL)溶液を、大気圧下で、10%炭素担持パラジウム(100mg)の存在下で、反応が完了したことがtlcにより示されるまで水素化する。 この混合物をCeliteでろ過し、そしてフィルターパッドを酢酸エチルで徹底的に洗浄する。 合わせたろ液を減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0313】 (工程4) 先の反応の生成物のHOAc−H 2 O(4:1)(5mL)溶液を不活性な雰囲気下で室温で撹拌する。 この反応をtlcで追跡し、そして完了時にEtOA
    cで希釈し、そして水および希水性Na 2 CO 3で数回洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物(ここで、Rは−(CH 24 −である)を得る。

    【0314】 (実施例19) 式Iの化合物(ここで、pは2であり、qは1であり、そして一方のリガンドL 1は鎖のアミノ基を介してリンカーXに連結されたTamsulosinのフェネチルアミン部分であり、そして第二のリガンドL 2はピペラジンアミノ基を介してXに連結されたCarduraの(4−アミノ−6,7−ジメトキシ−2
    −キナゾリニル)ピペラジン部分である)の調製(上記の図を参照のこと) (工程1) 実施例17、工程1の方法により調製された生成物(1mmol)および1−
    (4−メトキシ−3−アミノスルホニル)フェニル−2−ベンジルアミノプロパン(実施例11、工程1におけるように調製;1mmol)、ならびにジイソプロピルエチルアミン(0.2mL)のDMF(3mL)溶液を不活性雰囲気下で撹拌し、そして加温する。 反応の進行をtlcで追跡し、そして反応の完了時に、この溶液を水性5%NaHCO 3に注ぎ、そしてこの水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 この有機抽出物の溶液を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0315】 (工程2) 先の反応からの化合物の酢酸エチル(10mL)溶液を、大気圧下で、10%
    炭素担持パラジウム(100mg)の存在下で、反応が完了したことがtlcにより示されるまで水素化する。 この混合物をCeliteでろ過し、そしてフィルターパッドを酢酸エチルで徹底的に洗浄する。 合わせたろ液を減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の化合物を得る。

    【0316】 (工程3) 先の反応の生成物のHOAc−H 2 O(4:1)(5mL)溶液を不活性な雰囲気下で室温で撹拌する。 この反応をtlcで追跡し、そして完了時にEtOA
    cで希釈し、そして水および希水性Na 2 CO 3で数回洗浄する。 この有機層を乾燥し(Na 2 SO 4 )、ろ過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を得る。 粗生成物をHPLCを使用することにより精製して所望の式Iの化合物(ここで、Rは−(CH 24 −である)を得る。

    【0317】 本発明をその特定の実施態様を参考として記載したが、本発明の真の精神および範囲から逸脱すること無く種々の変更が行なわれ得ること、そして等価物が置換され得ることが、当業者に理解されるべきである。 さらに、多数の改変が、本発明の目的の精神および範囲に対する特定の状況、材料、物質の組成、プロセス、プロセスの工程に適応するためにおこなわれ得る。 これらの改変の全ては添付の特許請求の範囲内であることが意図される。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/08 A61P 13/08 4C086 43/00 111 43/00 111 4C204 C07B 61/00 C07B 61/00 A 4C206 C07D 209/08 C07D 209/08 4H006 239/95 239/95 401/12 401/12 471/04 104 471/04 104A 495/04 101 495/04 101 G01N 33/15 G01N 33/15 Z 33/50 33/50 Z 33/566 33/566 37/00 102 37/00 102 // A61K 31/404 A61K 31/404 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 モーラン, エドマンド ジェイ. アメリカ合衆国 カリフォリニア 94127, サン フランシスコ, チェイブス 131 (72)発明者 トーマス, ジー. ロジャー アメリカ合衆国 カリフォルニア 94010, バーリンゲーム, パーク アベニュー 812 Fターム(参考) 2G045 AA40 CB17 DA36 DA80 FB06 JA20 4C063 AA01 BB09 CC31 DD06 EE01 4C065 AA03 AA18 BB04 CC09 DD01 EE02 HH01 JJ07 KK01 LL07 PP01 PP03 PP09 PP14 4C071 AA01 BB01 CC22 DD02 EE13 FF23 GG01 HH28 JJ01 JJ05 LL01 4C076 CC41 DD39 DD49 EE23 EE59 4C086 AA01 AA02 AA03 BC13 BC50 GA07 GA12 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 NA14 ZA42 ZA81 ZC41 4C204 BB01 BB09 CB03 DB01 EB02 FB17 GB22 4C206 AA01 AA03 JA14 KA01 MA01 MA02 MA03 MA04 MA05 NA14 ZA42 ZA81 ZC41 4H006 AA01 AA03 AB20 AB23

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