Polyvalent agonist of Gaba receptor, partial agonist and antagonist

申请号 JP2000553007 申请日 1999-06-07 公开(公告)号 JP2002517421A 公开(公告)日 2002-06-18
申请人 アドバンスド メディスン インコーポレーテッド; 发明人 ジョン エイチ. グリフィン,; デイビッド ビーティー,; エドマンド ジェイ. モーラン,;
摘要 (57)【要約】 神経性障害に関与する、GABAレセプターの、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、部分逆アゴニストまたはアンタゴニストである多結合化合物が開示される。 本発明の多結合化合物は、1つ以上のリンカーに共有結合した2〜10個のリガンドを含む。 各リガンドは、GABAレセプターの、アゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、部分逆アゴニストまたはアンタゴニストである。 本発明の多結合化合物は、神経性障害(例えば、不安、うつ病、睡眠およびてんかん障害、嘔吐およびベンゾジアゼピン型薬物の過量服用、ならびに鎮静作用の発生、 催眠 、逆向性健忘症、および敏捷の増強など)の処置に有用である。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 以下の式I: (L) p (X) q I の多結合化合物およびその薬学的に受容可能な塩であって、ここで、 各Lは、独立して、以下の式A−Fの化合物: 【化1】 から選択されるリガンドであり、 ここで、 Z aiは、独立して、リガンドLをリンカーXに結合するのに役立つ原子または原子の群であり、そしてここで、 R 1-4およびR 9は、独立して、H、アルキル置換アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、 R 5-6は、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリールまたはハロであり、 R 8 、R 8' 、R 2'およびR 2''は、独立して、H、置換アルキル、アリール、ハロまたはニトロであり、 ここで、各Xは、独立して、リンカーであり、pは、2から10の整数であり、そしてqは、1から20の整数である、多結合化合物。
  • 【請求項2】 請求項1に記載の多結合化合物であって、ここで、各リンカーが、独立して、以下の式を有し: −X a −Z−(Y a −Z) m −Y b −Z−X a − ここで、 mは、0から20の整数であり、 各々独立して存在するX aは、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、−
    C(O)O−、−C(O)NR−、−C(S)−、−C(S)O−、−C(S)
    NR−または共有結合からなる群から選択され、ここでRは以下の定義通りであり、 Zは各々独立して存在し、アルキレン、置換アルキレン、シクロアルキレン、
    置換シクロアルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレン、置換アルキニレン、シクロアルケニレン、置換シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、ヘテロシクレンまたは共有結合からなる群から選択され、 各々独立して存在するY aおよびY bは、−C(O)NR'−、−NR'C(O
    )−、−NR'C(O)NR'−、−C(=NR')−NR'−、−NR'−C
    (=NR')−、−NR'−C(O)−O−、−N=C(X a )−NR'−、−
    P(O)(OR')−O−、−S(O) n CR'R''−、−S(O) n −NR'
    −、−S−S−および共有結合からなる群から選択され、ここで、nは0、1または2であり、そして各々独立して存在するR、R'およびR''は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から選択される、多結合化合物。
  • 【請求項3】 前記化合物が以下の式IIを有し: L'−X'−L' II ここで、各L'が、独立して、式A−Fの化合物からなる群から選択されるリガンドであり、X'がリンカーである、請求項1に記載の多結合化合物、およびその薬学的に受容可能な塩。
  • 【請求項4】 請求項3に記載の多結合化合物であって、ここで、X'が以下の式を有し: −X a −Z−(Y a −Z) m −Y b −Z−X a − ここで、 mは、0から20の整数であり、 各々独立して存在するX aは、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、−
    C(O)O−、−C(O)NR−、−C(S)、−C(S)O−、−C(S)N
    R−または共有結合からなる群から選択され、ここでRは以下の定義通りであり、 Zは各々独立して存在し、アルキレン、置換アルキレン、シクロアルキレン、
    置換シクロアルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレン、置換アルキニレン、シクロアルケニレン、置換シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、ヘテロシクレンまたは共有結合からなる群から選択され、 各々独立して存在するY aおよびY bは、−C(O)NR'−、−NR'C(O
    )−、−NR'C(O)NR'−、−C(=NR')−NR'−、−NR'−C
    (=NR')−、−NR'−C(O)−O−、−N=C(X a )−NR'−、−
    P(O)(OR')−O−、−S(O) n CR'R''−、−S(O) n −NR'
    −、−S−S−および共有結合からなる群から選択され、ここで、nは0、1または2であり、そして各々独立して存在するR、R'およびR''は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から選択される、多結合化合物。
  • 【請求項5】 薬学的に受容可能なキャリアおよび有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の多結合化合物を含有する、薬学的組成物。
  • 【請求項6】 請求項5に記載の薬学的組成物であって、該組成物が、神経性障害を有する患者においてGABAレセプターによって媒介される神経性障害を処置する方法に使用される、組成物。
  • 【請求項7】 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するための方法であって、該方法が以下: (a)リガンドまたはリガンドの混合物を同定する工程であって、各リガンドが少なくとも1つの反応性官能基を含む、工程; (b)リンカーのライブラリーを同定する工程であって、該ライブラリー中の各リンカーが、該リガンドの該反応性官能基の少なくとも1つに対して相補的な反応性を有する、少なくとも2つの官能基を含有する、工程; (c)少なくとも2化学量論当量の(a)で同定した該リガンドまたはリガンドの混合物と、(b)で同定した該リンカーのライブラリーとを、相補的な官能基が反応して該リンカーと少なくとも2つの該リガンドとの間に共有結合を形成する条件下で合わせることにより、多量体リガンド化合物ライブラリーを調製する工程;および (d)上記(c)で調製した該ライブラリーにおいて生成した該多量体リガンド化合物をアッセイし、多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定する工程; を包含する、方法。
  • 【請求項8】 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するための方法であって、該方法が以下: (a)リガンドのライブラリーを同定する工程であって、各リガンドが少なくとも1つの反応性官能基を含む、工程; (b)リンカーまたはリンカーの混合物を同定する工程であって、各リンカーが、該リガンドの該反応性官能基の少なくとも1つに対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有する、工程; (c)少なくとも2化学量論当量の(a)で同定した該リガンドのライブラリーと、(b)で同定した該リンカーまたはリンカーの混合物とを、相補的な官能基が反応して該リンカーと少なくとも2つの該リガンドとの間に共有結合を形成する条件下で合わせることにより、多量体リガンド化合物ライブラリーを調製する工程;および (d)上記(c)で調製した該ライブラリーにおいて生成した該多量体リガンド化合物をアッセイし、多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定する工程; を包含する、方法。
  • 【請求項9】 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するための反復方法であって、該方法が以下: (a)多量体化合物の第1のコレクションまたは反復を調製する工程であって、
    該多量体化合物は、レセプターを標的とする少なくとも2化学量論当量のリガンドまたはリガンドの混合物と、リンカーまたはリンカーの混合物とを接触させることにより調製され、ここで該リガンドまたはリガンドの混合物は、少なくとも1つの反応性官能基を含有し、そして該リンカーまたはリンカーの混合物は、該リガンドの反応性官能基の少なくとも1つに対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有し、ここで該接触させる工程が、該相補的な官能基が反応して該リンカーと少なくとも2つの該リガンドとの間に共有結合を形成する条件下で実施される、工程; (b)該多量体化合物の第1のコレクションまたは反復をアッセイし、多結合特性を有するものが存在するならば、どの多量体化合物が有するかを評価する工程; (c)上記の(a)および(b)のプロセスを、少なくとも1つの多量体化合物が多結合特性を有することが見出されるまで繰り返す工程; (d)どの分子制約が、上記の(a)〜(c)に列挙される該第1の反復で見出される単数または複数の該多量体化合物に、多結合特性を付与したか、または一貫して付与するかを評価する工程; (e)該第1の反復で見出される単数または複数の該多量体化合物に、多結合特性を付与する特定の分子制約を作成する多量体化合物の第2のコレクションまたは反復を作製する工程; (f)どの分子制約が、上記(e)に列挙される該第2のコレクションまたは反復で見出される単数または複数の該多量体化合物に、増大した多結合特性を付与したか、または一貫して付与するかを評価する工程; (g)工程(e)および工程(f)を必要に応じて繰り返して、該分子制約をさらに作成する工程; を包含する、方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、GABAレセプターに選択的に結合する新規化合物に関する。 本発明はまた、そのような化合物を含む薬学的組成物に関する。 本発明はさらに、鎮静、催眠、逆向性健忘症を生じるため、ならびに敏捷さおよび記憶を増強するための、不安、恐慌性障害、うつ病、睡眠および発作(seizure)障害、ベンゾジアゼピン型薬物の過剰服用、ならびに嘔吐を処置することにおけるそのような化合物の使用に関する。

    【0002】 (技術準) 大多数の患者が、不安および関連する障害に苦しんでいる。 これらの障害には、広場恐怖症を伴わない恐慌性障害、広場恐怖症を伴う恐慌性障害、恐慌性障害の病歴のない広場恐怖症、特定の恐怖症、社会恐怖症、強迫性障害、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス障害、全般性不安障害、全身の医学的状態に起因する不安障害、物質誘発性不安障害、および別の特定されない不安障害が挙げられる。 不安障害は、一般に、カウンセリングおよび/または薬物で処置される。

    【0003】 中枢神経系(CNS)において、神経インパルスの伝達は、発信するニューロンによって放出される神経伝達物質と、受信するニューロン上の表面レセプターとの間の相互作用によって制御される。 この相互作用は、その受信するニューロンの興奮(excitation)を引き起こす。 研究の努は、不安および関連する障害を処置または予防するために、中枢神経系における種々のレセプターと相互作用する化合物を開発することに集中している。

    【0004】 γ−アミノ酪酸(GABA)は、哺乳動物の脳における主要な阻害性(inh
    ibitory)アミノ酸伝達物質である(RobertsおよびFranke
    l,J. Biol. Chem. 187:55〜63、1950;Udenfri
    end,J. Biol. Chem. ,187:65〜69、1950)。 GAB
    Aは、発作障害、睡眠、不安、および認識(cognition)の病因に関係している(TallmanおよびGallager,Ann.Rev.Neur
    oscience,8:21〜44、1985)。

    【0005】 GABAは、哺乳動物の脳中に、一様ではないが広範に分布しており、脳中のシナプスの約30%での伝達物質である。 脳のほとんどの領域において、GAB
    Aは局所的な阻害性ニューロンと結合しており、そして2つの領域においてのみ、GABAはより長い突出部(projection)と結合している。 GAB
    Aは、細胞体および神経終末の両方に局在化しているタンパク質の複合体を通じて、その作用の多くを媒介し;これらは、GABA Aレセプターである。 GAB
    Aに対するシナプス後応答は、一定不変ではないが一般に細胞の過分極を導く塩素イオンコンダクタンスにおける変質を通じて媒介される。 シナプス後GABA
    応答と関連するタンパク質の複合体は、GABAに対するシナプス後応答を改変し得る構造的に関連しない多くの化合物についての主要な作用部位である。 相互作用の様式に依存して、これらの化合物は、活性のスペクトル(鎮静、抗不安および鎮痙、または不眠、発作および不安のいずれか)を生じ得る。

    【0006】 1,4−ベンゾジアゼピンは、不安および関連する障害を処置するために広範に使用される。 ベンゾジアゼピンの例には、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、フルラゼパムおよびトリアゾラムが挙げられる。 これらの化合物は、抗不安剤、鎮静性催眠剤(sedative−hypnotics)、筋弛緩剤および鎮痙剤として使用される。 ベンゾジアゼピンの主要な作用は、GABA作用性(G
    ABAergic)阻害の増強である。 ベンゾジアゼピンは、GABA媒介事象である、単シナプスの前根反射のシナプス後阻害を増強する(Schmidtら、Arch.Exp.Path.Pharmakol.258:69〜82(1
    967));Tallmanら、Science,207:274〜81(19
    80)、Haefleyら、Handb. Exptl. Pharmacol. 3
    3:95〜102(1981))。

    【0007】 GABAとベンゾジアゼビンとの間の相互作用の性質が理解されるにつれ、ベンゾジアゼピンと異なる神経伝達物質系との行動的に重要な相互作用は、大部分には、これらの系を改変するGABA自体の能力の増強に起因するようである。
    それぞれの改変された系は、順に行動の表現と関連し得る。

    【0008】 GABAおよび関連するアナログは、GABA結合部位にて低い親和性(1m
    M)で相互作用し、クロナゼパム感受性部位へのベンゾジアゼピンの結合を増強し得る(Tallmanら、Nature,274:383〜85(1978)
    )。 この増強は、GABA部位の占有に起因する、ベンゾジアゼピン結合部位の親和性の増加によって引き起こされる。 GABA部位およびベンゾジアゼピン部位の両方は、タンパク質の複合体の部分として、膜においてアロステリックに結合される。 多くのGABAアナログについて、最大の50%でジアゼパム結合を増強する能力と、50%で脳膜へのGABAの結合を阻害する能力とは、直接的に相関付けされ得る。 例えば、GABAアゴニストによるベンゾジアゼピン結合の増強は、GABAレセプターアンタゴニスト(+)ビククリンによってブロックされる(Tallmanら、Nature,274:383〜85(1978
    ))。

    【0009】 複数の「イソレセプター」、すなわちGABAレセプターの対立遺伝子形態が存在する(TallmanおよびGallager,Ann.Rev.Neur
    osci,8,21〜44(1985))。 イソレセプターは、精神医学的障害の病因において重要であると考えられる。

    【0010】 GABA Aレセプターサブユニットは、ウシおよびヒトのcDNAライブラリーからクローニングされている。 多くの異なるcDNAが、クローニングおよび発現によってGABA Aレセプター複合体のサブユニットとして同定されている。 これらは、α、β、δおよびεに分類され、そしてGABA Aレセプター不均質性についての分子基礎、および異なる局所薬理学を提供する。 γ−サブユニットは、ベンゾジアゼピンのような薬物がGABAレセプターを改変するのを可能にするようである。 GABA Aレセプターへのリガンドの結合における低いHi
    ll係数の存在は、サブタイプ特異的薬理学的作用の特有のプロフィールを示す。

    【0011】 GABA Aレセプターにて相互作用する薬物は、GABAの作用を改変するそれらの能力に依存する薬理学的活性のスペクトルを有し得る。 例えば、β−カルボリンは、最初、ジアゼパムのその結合部位への結合を競合的に阻害する能力に基づいて単離された(Nielsenら、Life Sci.,25:679〜
    86(1979))。 そのレセプター結合アッセイは、そのような化合物の生物学的活性については完全には予測せず;アゴニスト、部分アゴニスト(part
    ial agonist)、逆アゴニスト(inverse agonist)
    およびアンタゴニストは結合を阻害し得る。

    【0012】 例えば、β−カルボリンのような化合物およびそのアナログは、ジアゼパムの作用を行動的にアンタゴナイズ(antagonize)し得る(TenenおよびHirsch,Nature,288:609〜10(1980))。 β−
    カルボリンは、ベンゾジアゼピンの活性とは反対のそれら自体の固有の活性を有し、従って逆アゴニストとして知られる。

    【0013】 多くの化合物(例えば、イミダゾジアゼピン(Hunkelerら、Natu
    re,290:514〜516(1981))は、ベンゾジアゼピンレセプターの特異的アンタゴニストであり、そしてベンゾジアゼピンの結合を阻害し得る。
    イミダゾジアゼピンは、ベンゾジアゼピンおよびβ−カルボリン結合の高親和性競合インヒビターであり、そしてこれらの両方のクラスの化合物の薬理学的作用をブロックし得る。 単独では、イミダゾジアゼピンは、動物およびヒトにおいて固有の薬理学的活性をほとんど有さない(Hunkelerら、Nature,
    290:514〜16(1981);Darraghら、Eur. J. Clin
    . Pharmacol. 14:569〜70(1983))。 この化合物は、G
    ABA Aレセプターへの結合についての最上のリガンドである。 なぜなら、この化合物は、レセプターサブタイプ特異性を有さず、そしてそのレセプターの各状態を測定するからである。

    【0014】 ベンゾジアゼピンに類似の活性を有する化合物は、アゴニストと呼ばれる。 ベンゾジアゼピンとは逆の活性を有する化合物は、逆アゴニストと呼ばれ、そして両方の型の活性をブロックする化合物は、アンタゴニストと呼ばれている。 この分類は、広範な種々の化合物が薬理学的効果のスペクトルを生じ得るという事実を強調するように、化合物が同じレセプターで相互作用し、反対の効果を生じ得ることを示すように、そしてβ−カルボリンと固有の抗不安性効果を有するアンタゴニストは同義ではないことを示すように規定されている。 ベンゾジアゼピンレセプターと相互作用する化合物の薬理学的特性および行動特性についての生化学試験は、GABA作用性系(GABAergic system)との相互作用を強調し続ける。 GABAに起因するそれらの親和性における増加を示すベンゾジアゼピン(Tallmanら、Nature,274:383〜85(19
    78),Tallmanら、Science,207:274〜81(1980
    ))とは対照的に、アンタゴニスト特性を有する化合物は、GABAシフト(すなわち、GABAに起因するレセプター親和性における変化)をほとんど示さず(MohlerおよびRichards Nature,294:763〜65
    (1981))、そして逆アゴニストは、実際には、GABAに起因した親和性における減少を示す(BraestrupおよびNielson Nature
    ,294:472〜474(1981))。 従って、GABAシフトは、一般にその化合物の予測された行動特性を予測する。

    【0015】 GABAレセプターと相互作用するための新規化合物を開発することが有利である。 本発明は、そのような化合物を提供する。 利点には、効力の増加、GAB
    A stotpesについての選択性の増加、効率の制御(すなわち、部分アゴニスト)が挙げられる。

    【0016】 (発明の要旨) 本発明は、GABAレセプターのアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストおよびアンタゴニストである新規な多結合化合物(薬剤)に関する。 本発明の多結合化合物は、GABAレセプターによって媒介される障害の処置および予防、
    例えば不安、うつ病、睡眠および発作障害、ベンゾジアゼピン型薬物の過剰服用、ならびに嘔吐の処置および予防、そして敏捷さおよび記憶の増強において有用である。

    【0017】 従って、この組成物の1つの局面において、本発明は、多結合化合物(上記多結合化合物は、1個以上のリンカーに共有結合される2〜10個のリガンドを含み、ここで、上記リガンドの各々は、独立して、GABAレセプターのアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストおよびアンタゴニストを含む)、およびその薬学的に受容可能な塩を提供する。

    【0018】 この組成物の別の局面において、本発明は、以下の式Iの多結合化合物およびその薬学的に受容可能な塩、を提供する: (L) p (X) q I ここで、各Lは、独立して、GABAレセプターに結合するリガンドであり;各Xは、独立して、リンカーであり;pは、2〜10の整数であり;そしてqは、
    1〜20の整数である。

    【0019】 好ましくは、qは、本発明の多結合化合物中におけるpよりも小さい。

    【0020】 好ましくは、式Iの多結合化合物の各リガンドLは、独立して、以下の式(A
    )〜(F)の化合物から選択される:

    【0021】

    【化2】

    【0022】 ここでZ aiは、リンカーXにリガンドLを結合するように作用する原子または原子の群であり得;そしてここで R 1-4およびR 9は、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリールまたはシクロアルキル、好ましくは低級アルキル、より好ましくはメチルまたはエチルであり得; R 5-6は独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、好ましくは低級アルキル、より好ましくはメチルまたはハロ、好ましくはクロロであり得; R 8 、R 8' 、R 2'およびR 2''は、独立して、H、ハロ、置換アルキル、アリール、好ましくはF、ClもしくはBr、またはニトロであり得る; この組成物のさらに別の局面において、本発明は、以下の式IIの多結合化合物およびその薬学的に受容可能な塩、を提供する: L'−X'−L' II ここで、各L'は、独立して、GABAレセプターのアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストまたはアンタゴニストであるリンカーであり、そしてX'はリンカーである。

    【0023】 この式の化合物の例を、以下に示す:

    【0024】

    【化3】

    【0025】 好ましくは、式IIの多結合化合物において、各リガンドL'は、好ましくは独立して、式A〜Fからなる群から選択され;そして X''はリンカーである;および薬学的に受容可能な塩。

    【0026】 好ましくは、上記の実施態様において、各リンカー(すなわち、X、X'またはX'')は、独立して、以下の式を有する: −X a −Z−(Y a −Z) m −Y b −Z−X a − ここで、 mは、0〜20の整数であり; X a (各別個の存在において)は、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−
    、−C(O)O−、−C(O)NR−、−C(S)、−C(S)O−、−C(S
    )NR−または共有結合からなる群から選択され、ここでRは以下に定義されるとおりである; Z(各別個の存在において)は、以下からなる群から選択される:アルキレン、置換アルキレン、シクロアルキレン、置換シクロアルキレン、アルケニレン、
    置換アルケニレン、アルキニレン、置換アルキニレン、シクロアルケニレン、置換シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、ヘテロシクレン、または共有結合; Y aおよびY b (各別個の存在において)は、以下からなる群から選択される:
    −C(O)NR'−、−NR'C(O)−、−NR'C(O)NR'−、−C(
    =NR')−NR'−、−NR'−C(=NR')−、−NR'−C(O)−O
    −、−N=C(X a )=NR'−、−P(O)(OR')−O−、−S(O) n
    CR'R''−、−S(O) n −NR'−、−S−S−、および共有結合;ここでnは、0、1または2であり;そしてR、R'、およびR''(各別個の存在において)は、以下からなる群から選択される:水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、
    ヘテロアリールおよび複素環式。

    【0027】 この組成物のなお別の局面において、本発明は、薬学的に受容可能なキャリア、および1個以上のリンカーに共有結合する2〜10個のリガンドを含む有効量の多結合化合物(ここで、このリガンドの各々は、独立して、GABAレセプターのアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストまたはアンタゴニストを含む)
    、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩を含む薬学的組成物を提供する。

    【0028】 本発明はまた、薬学的に受容可能なキャリア、および式A〜Fのリガンドから誘導される有効量の多結合化合物を含む薬学的組成物に関する。

    【0029】 本発明の多結合化合物は、多くの神経学的障害に関与する、GABAレセプターの効果的なアゴニスト、部分アゴニストまたはアンタゴニストである。 従って、その方法の1つの局面において、本発明は、患者における、GABAレセプターによって媒介される種々の神経学的障害を処置するための方法、薬学的に受容可能なキャリア、および1個以上のリンカーに共有結合する2〜10個のリガンドを含む治療的に有効量の多結合化合物(ここで、このリガンドの各々は、独立して、GABAレセプターのアゴニスト、部分アゴニストまたはアンタゴニストを含む)、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩を含む薬学的組成物を、神経学的障害を有する患者に投与する工程を包含する方法を提供する。

    【0030】 本発明はまた、多様な多量体化合物の大きなライブラリーを生成するための一般的合成方法に関し、この多量体化合物は、GABAレセプターに対して多結合特性を有する候補物である。 本発明によって提供される多様な多量体化合物のライブラリーは、多量体化合物のライブラリーを提供するために、リンカー(単数または複数)とリガンド(単数または複数)とを合わせることで、合成され、ここで、このリンカーおよびリガンドの各々は、共有結合を可能とする相補的な官能基を有する。 好ましくは、このリンカーのライブラリーは、原子価、リンカーの長さ、リンカーのジオメトリおよび硬さ、親水性または疎水性、両親媒性、酸性度、塩基性度、および分極性ならびに/あるいは分極のような多様な特性を有するように選択される。 好ましくは、リガンドのライブラリーは、同じリガンド上に多様な結合点、さもなければ同じリガンドの同じ部位に異なる官能基、などを有するように選択される。

    【0031】 本発明はまた、多様な多量体化合物の大きなライブラリーを生成するための一般的合成方法に関し、この多量体化合物は、GABAレセプターに対して多結合特性を有する候補物である。 本発明によって提供される多様な多量体化合物のライブラリーは、多量体化合物のライブラリーを提供するために、リンカー(単数または複数)とリガンド(単数または複数)とを合わせることで、合成され、ここで、このリンカーおよびリガンドの各々は、共有結合を可能とする相補的な官能基を有する。 好ましくは、このリンカーのライブラリーは、原子価、リンカーの長さ、リンカーのジオメトリおよび硬さ、親水性または疎水性、両親媒性、酸性度、塩基性度、および分極性ならびに/あるいは分極のような多様な特性を有するように選択される。 好ましくは、リガンドのライブラリーは、同じリガンド上に多様な結合点、さもなければ同じリガンドの同じ部位に異なる官能基、などを有するように選択される。

    【0032】 本発明はまた、多様な多量体化合物のライブラリーに関し、この多量体化合物は、GABAレセプターに対して多結合特性を有する候補物である。 これらのライブラリーは、上記の方法によって調製され、そして、どのような分子制約が、
    GABAレセプターを標的とするリガンドまたはあるクラスのリガンドに、多結合特性を与えるかの迅速でかつ効率的な評価を可能とする。

    【0033】 従って、この方法の1局面において、本発明は、GABAレセプターに対して、多結合特性を有する多量体のリガンド化合物を同定するための方法に関し、この方法は、以下を含む: (a) GABAレセプターに結合するリガンドまたはリガンドの混合物を同定する工程(ここで、各リガンドは、少なくとも1個の反応性官能基を含む); (b) リンカーのライブラリーを同定する工程(ここで、このライブラリー中の各リンカーは、リガンドの反応性官能基の少なくとも1個に、相補的な反応性を有する少なくとも2個の官能基を含む); (c) この相補的な官能基を反応させて、このリンカーと少なくとも2個のこのリガンドとの間で共有結合を形成するような条件下で、(a)で同定した少なくとも2化学量論当量のリガンド、またはリガンドの混合物と、(b)で同定したリンカーのライブラリーとを合せることで、多量体リガンド化合物ライブラリーを調製する工程;および (d) 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するために、上記(
    c)で生成した多量体リガンド化合物をアッセイする工程。

    【0034】 この方法の別の局面において、本発明は、多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するための方法に関し、この方法は、以下を含む: (a) GABAレセプターに結合するリガンドのライブラリーを同定する工程(ここで、各リガンドは、少なくとも1個の反応性官能基を含む); (b) リンカーまたはリンカーの混合物を同定する工程(ここで、各リンカーは、リガンドの反応性官能基の少なくとも1個に相補的な反応性を有する、少なくとも2個の官能基を含む); (c) この相補的な官能基を反応させて、このリンカーと少なくとも2個のこのリガンドとの間で共有結合を形成するような条件下で、少なくとも2化学量論当量の(a)で同定したリガンドのライブラリーと、(b)で同定したリンカーまたはリンカーの混合物を合せることで、多量体リガンド化合物ライブラリーを調製する工程;および (d) 多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するために、上記(
    c)で生成した多量体リガンド化合物をアッセイする工程。

    【0035】 この多量体リガンド化合物ライブラリーの調製は、(a)で同定した2以上の化学量当量のリガンドと、(b)で同定したリンカーとの連続的または同時的な組合せのいずれかにより達成される。 連続的な添加は、異なるリガンドの混合物が、ヘテロ二量体のまたは多量体化合物が調製されることを保証するために使用される場合に、好ましい。 リガンドの同時的な添加は、調製される多量体化合物の少なくとも一部が、ヘテロ多量体化合物である場合に、行なう。

    【0036】 (d)で記載されるアッセイのプロトコールは、上記(c)で生成される多量体リガンド化合物ライブラリーに導入され得、または好ましくは、このライブラリーの各メンバーは、分取液体クロマトグラフィー質量分光測定(LCMS)によって単離される。

    【0037】 この組成物の1局面において、本発明は、多価の特性を有し得る多量体リガンド化合物のライブラリーに関し、このライブラリーは、以下を含む方法によって調製される: (a) GABAレセプターに結合するリガンドまたはリガンドの混合物を同定する工程(ここで、各リガンドは、少なくとも1個の反応性官能基を含む); (b) リンカーのライブラリーを同定する工程(ここで、このライブラリー中の各リンカーは、リガンドの反応性官能基の少なくとも1個に、相補的な反応性を有する少なくとも2個の官能基を含む); および (c) この相補的な官能基を反応させて、このリンカーと少なくとも2個のこのリガンドとの間で共有結合を形成するような条件下で、(a)で同定した少なくとも2化学量論当量のリガンド、またはリガンドの混合物と、(b)で同定したリンカーのライブラリーとを合せることで、多量体リガンド化合物ライブラリーを調製する工程。

    【0038】 この組成物の別の局面において、本発明は、多価の特性を有し得る、GABA
    レセプターに結合する多量体リガンド化合物のライブラリーに関し、このライブラリーは、以下を含む方法によって調製される: (a) GABAレセプターに結合するリガンドのライブラリーを同定する工程(ここで、各リガンドは、少なくとも1個の反応性官能基を含む); (b) リンカー、またはリンカーの混合物を同定する工程(ここで、各リンカーは、リガンドの反応性官能基の少なくとも1個に、相補的な反応性を有する少なくとも2個の官能基を含む); および (c) この相補的な官能基を反応させて、このリンカーと少なくとも2個のこのリガンドとの間で共有結合を形成するような条件下で、少なくとも2化学量論当量の(a)で同定したリガンドのライブラリーと、(b)で同定したリンカーまたはリンカーの混合物を組合せることで、多量体リガンド化合物ライブラリーを調製する工程。

    【0039】 好ましい実施態様において、本発明の方法またはライブラリー局面のいずれかで使用される、リンカーのライブラリーは、以下を含む群から選択される:フレキシブルリンカー、リジッドリンカー、疎水性リンカー、親水性リンカー、異なるジオメトリのリンカー、酸性リンカー、塩基性リンカー、異なる極性のリンカーならびに/または極性および両親媒性リンカー。 例えば、1つの実施態様において、リンカーライブラリーにおける各リンカーは、異なる鎖長のリンカーおよび/または異なる相補的な反応性基を有するリンカーを包含し得る。 このようなリンカー長は、好ましくは約2〜100Åの範囲であり得る。

    【0040】 別の好ましい実施態様において、リガンドまたはリガンドの混合物は、上記多量体リガンド化合物の上記リガンドの配向性の範囲を提供するために上記リガンドの異なる部位において反応性官能基(reactive functiona
    lity)を有するように選択される。 このような反応性官能基には、例として以下のものが挙げられる:カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、カルボキシルエステル、アミン、ハライド、擬ハライド、イソシアネート、ビニル性不飽和、
    ケトン、アルデヒド、チオール、アルコール、ボロネート、酸無水物、およびそれらの前駆体。 リガンドの反応性官能基は、リンカーの反応性基の少なくとも1
    つと相補的であるように選択され、その結果、リンカーとリガンドとの間で共有結合が形成され得ることは、勿論、理解される。

    【0041】 他の実施態様において、多量体リガンド化合物はホモマー(すなわち、各リガンドは異なる位置に取り付けられ得るが、各々のリガンドが同一である)であるか、またはヘテロ二量体(すなわち、少なくとも1つのリガンドが他方のリガンドと異なる)である。

    【0042】 本明細書中に記載の組み合わせ方法に加えて、本発明は、どのような分子の制約が、GABAレセプターを標的とする多量体化合物またはリガンドのクラスに対し、多結合性特性を与えるかを理論的に評価する、相互作用的なプロセスを提供する。 詳細には、この方法の局面は、GABAレセプターに対する多結合性特性を有する、多量体リガンド化合物を同定するための方法に関し、この方法は以下の工程を包含する: (a) 多量体化合物の第1コレクションまたは第1反復(iteratio
    n)を調製する工程であって、これは、GABAレセプターを標的とする少なくとも2化学量論当量のリガンドまたはリガンドの混合物を、リンカーまたはリンカーの混合物と接触させることで調製され、ここで、上記リガンドまたはリガンドの混合物は少なくとも1つの反応性官能基を含有し、上記リンカーまたはリンカーの混合物は、リガンドの少なくとも1つの反応性官能基に対して相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含有し、ここで、この上記接触工程は、
    このリンカーと少なくとも2つの上記リガンドとの間に共有結合を形成するように相補的な官能基が反応する条件下で行われる; (b) 多量体化合物の上記第1コレクションまたは第1反復をアッセイし、
    多結合特性を有するものが存在するならば、どの多量体化合物が有するかを評価する工程; (c) 多結合性特性を有する少なくとも1つの多量体化合物が発見されるまで、上記の工程(a)および(b)のプロセスを繰り返す工程; (d) 上記(a)〜(c)に記載の第1反復で見出された多量体化合物(単数または複数)に対して、どのような分子の制約が多結合性特性を与えるかを評価する工程; (e) 上記第1反復で見出された多量体化合物(単数または複数)に対して多結合性特性を与える特定の分子の制約を作成する多量体化合物の第2コレクションまたは第2反復を生成する、工程; (f) 上記(e)に記載の第2コレクションまたは第2反復で見出された多量体化合物(単数または複数)に対して、どのような分子の制約が増大した多結合性特性を与えるかを評価する工程; (g) 必要に応じて、工程(e)および(f)を繰り返して、上記分子の制約をさらに作成する、工程。

    【0043】 好ましくは、工程(e)および(f)は、少なくとも2回、より好ましくは2
    〜50回、さらに好ましくは、3〜50回、さらにより好ましくは、少なくとも5〜50回繰り返される。

    【0044】 (発明の詳細な説明) 本発明は、種々の障害(不安、うつ病、恐慌性障害、睡眠および発作(sei
    zure)障害、ベンゾジアゼピン型薬物の過剰服用、ならびに嘔吐を含む)を処置または予防するため、鎮静、催眠、逆向性健忘症を生じるため、そしてまた敏捷さおよび記憶を増強するための、GABAレセプターのアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニストまたはアンタゴニストである多結合化合物、そのような化合物を含む薬学的組成物および方法に関する。 そのような化合物、組成物または方法を議論する場合、以下の用語は、他に示さない限り以下の意味を有する。
    任意の規定されていない用語は、それらの技術分野で認識された意味を有する。

    【0045】 用語「アルキル」は、分枝または分枝していない飽和炭化水素鎖のモノラジカルを表し、好ましくは1〜40個の炭素原子、より好ましくは1〜10個の炭素原子を有し(「低級アルキル」)、そしてより好ましくは1〜6個の炭素原子を有する。 この用語は、以下のような基により例示される:メチル、エチル、n−
    プロピル、イソ−プロピル、−ブチル、イソ−ブチル、n−ヘキシル、n−デシル、テトラデシルなど。

    【0046】 用語「置換アルキル」は、以上で定義したアルキル基であって、以下からなる群から選択される1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有するアルキル基を表す:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−
    SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリール、−
    SO 2 −ヘテロアリール。

    【0047】 用語「アルキレン」は、分枝または分枝していない飽和炭化水素鎖のジラジカルを表し、好ましくは1〜40個の炭素原子、より好ましくは、1〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは、1〜6個の炭素原子を有する。 この用語は、以下のような基によって例示される:メチレン(−CH 2 −)、エチレン(−CH 2 CH 2 −)、プロピレン異性体(例えば、−CH 2 CH 2 CH 2 −および−CH(C
    3 )CH 2 −)など。

    【0048】 用語「置換アルキレン」は、以上で定義したようなアルキレン基であって、以下からなる群から選択される1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有するアルキレン基を示す:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−S
    O−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2
    アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。 さらに、このような置換アルキレン基には、アルキレン基の2つの置換基が縮合されて1個以上の以下を形成するものが含まれる:シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アルキレン基と縮合した複素環式基またはヘテロアリール基。 好ましくは、このような縮合した基は、1〜3個の縮合環構造を含む。

    【0049】 用語「アルカリール」は、以下の基を示す:−アルキレン−アリールおよび−
    置換アルキレン−アリール(アルキレン、置換アルキレンおよびアリールは、本明細書中で定義されるとおりである)。 このようなアルカリール基は、ベンジル、フェネチルなどによって例示される。

    【0050】 用語「アルコキシ」は、以下の基を示す:アルキル−O−、アルケニル−O−
    、シクロアルキル−O−、シクロアルケニル−O−、およびアルキニル−O−(
    ここで、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびアルキニルは本明細書で定義されるとおりである)。 好ましいアルコキシ基は、アルキル−O−であり、例として以下のものが挙げられる:メトキシ、エトキシ、
    n−プロポキシ、イソ−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、se
    c−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシなど。

    【0051】 用語「置換アルコキシ」は、以下の基を示す:置換アルキル−O−、置換アルケニル−O−、置換シクロアルキル−O−、置換シクロアルケニル−O−、および置換アルキニル−O−(ここで、置換アルキル、置換アルケニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニルおよび置換アルキニルは本明細書で定義されるとおりである)。

    【0052】 用語「アルキルアルコキシ」は、以下の基を示す:アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−置換アルキル、置換アルキレン−O−アルキル、および置換アルキレン−O−置換アルキル(ここで、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンは本明細書で定義されるとおりである)。 好ましいアルキルアルコキシ基は、アルキレン−O−アルキルであって、例として以下が挙げられる:メチレンメトキシ(−CH 2 OCH 3 )、エチレンメトキシ(−CH 2 CH 2 OCH 3 )、n−プロピレン−イソ−プロポキシ(−CH 2 CH 2 CH 2 OCH(C
    32 )、メチレン−t−ブトキシ(−CH 2 OC(CH 33 )など。

    【0053】 用語「アルキルチオアルコキシ」は、以下の基を示す:アルキレン−S−アルキル、アルキレン−S−置換アルキル、置換アルキレン−S−アルキル、および置換アルキレン−S−置換アルキル(ここで、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンは本明細書で定義されるとおりである)。 好ましいアルキルチオアルコキシ基は、アルキレン−S−アルキルであって、例として以下が挙げられる:メチレンチオメトキシ(−CH 2 SCH 3 )、エチレンチオメトキシ(−CH 2 CH 2 SCH 3 )、n−プロピレン−イソ−チオプロポキシ(−CH 2 CH 2 CH 2 SCH(CH 32 )、メチレン−t−チオブトキシ(−CH 2 SC(
    CH 33 )など。

    【0054】 用語「アルケニル」は、分枝または分枝していない不飽和炭化水素基のモノラジカルを示し、好ましくは、2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子、そしてさらにより好ましくは2〜6個の炭素原子を有し、かつ、少なくとも1部位、好ましくは1〜6部位のビニル性不飽和を有する。 好ましいアルケニル基には、エテニル(−CH=CH 2 )、n−プロぺニル(−CH 2 CH=
    CH 2 )、イソ−プロぺニル(−C(CH 3 )=CH 2 )などが挙げられる。

    【0055】 用語「置換アルケニル」は、以上で定義したアルケニル基であって、以下からなる群から選択される、1〜5個の置換基、好ましくは1〜3個の置換基を有する基を表す:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−S
    O−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0056】 用語「アルケニレン」は、分枝または分枝しない不飽和炭化水素基のジラジカルであって、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子そしてさらにより好ましくは、2〜6個の炭素原子を有し、かつ、少なくとも1部位、そして好ましくは、1〜6部位のビニル性不飽和を有する基を示す。 この用語は、エテニレン(−CH=CH−)、プロペニレン異性体(例えば、
    −CH 2 CH=CH−および−C(CH 3 )=CH−)などのような基によって例示される。

    【0057】 用語「置換アルケニレン」は、以上で定義したアルケニレン基であって、以下からなる群から選択される1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基を有する基を示す:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、
    −SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。 さらに、このような置換アルケニレン基は、アルケニレン基の2個の置換基が縮合されて、1個以上の以下を形成する基を含む:アルケニレン基と縮合した、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、複素環式基またはヘテロアリール基。

    【0058】 用語「アルキニル」は、不飽和炭化水素基のモノラジカルであって、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜20個の炭素原子そして、さらにより好ましくは、2〜6個の炭素原子を有し、かつ、少なくとも1部位、そして好ましくは、1〜6部位のアセチレン性(3重結合)不飽和を有する基を示す。
    好ましいアルキニル基には、エチニル(−C≡CH)、プロパルギル(−CH 2
    C≡CH)などが挙げられる。

    【0059】 用語「置換アルキニル」は、以上で定義したアルキニル基であって、以下からなる群から選択される1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基を有する基を示す:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−S
    O−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリール、および−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0060】 用語「アルキニレン」は、不飽和炭化水素基のジラジカルであって、好ましくは2〜40個の炭素原子、より好ましくは2〜10個の炭素原子、さらにより好ましくは、2〜6個の炭素原子を有し、かつ、少なくとも1部位、好ましくは、
    1〜6部位のアセチレン性(3重結合)不飽和を有する基を示す。 好ましいアルキニレン基には、エチニレン(−C≡C−)、プロパルギレン(−CH 2 C≡C
    −)などが挙げられる。

    【0061】 用語「置換アルキニレン」は、以上で定義したアルキニレン基であって、以下からなる群から選択される1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基を有する基を示す:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、
    −SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0062】 用語「アシル」は、以下の基を示す:HC(O)−、アルキル−C(O)−、
    置換アルキル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、シクロアルケニル−C(O)−、置換シクロアルケニル−C(O
    )−、アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−および複素環式−C
    (O)−(ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、
    および複素環式は、本明細書中で定義されるとおりである)。

    【0063】 用語「アシルアミノ」または「アミノカルボニル」は、基−C(O)NRRを表し、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、
    ヘテロアリール、複素環式であるか、または、両方のR基が結合し、複素環式基(例えば、モルホリノ)を形成する(ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式は、本明細書中で定義されるとおりである)。

    【0064】 用語「アミノアシル」は、基−NRC(O)Rを示し、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式である(ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式は、本明細書中で定義されるとおりである)。

    【0065】 用語「アミノアシルオキシ」または「アルコキシカルボニルアミノ」は、基−
    NRC(O)ORを示し、ここで、各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式である(ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式は、本明細書中で定義されるとおりである)。

    【0066】 用語「アシルオキシ」は、以下の基を示す:アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換シクロアルキル−
    C(O)O−、アリール−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−、および複素環式−C(O)O−(ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式は、本明細書中で定義されるとおりである)。

    【0067】 用語「アリール」は、6〜20個の炭素原子の不飽和芳香族炭素環式基を示し、単環(例えば、フェニル)または多縮合環(例えば、ナフチルまたはアントリル)を有する。 好ましいアリールには、フェニル、ナフチルなどが挙げられる。

    【0068】 アリール置換基に関する定義によって他に束縛されなければ、このようなアリール基は、必要に応じて、1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基で置換され得、それらの置換基は以下からなる群から選択される:アシルオキシ、
    ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、
    ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−アルキル、
    −SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2
    −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリール、−SO 2 −ヘテロアリールおよびトリハロメチル。 好ましいアリール置換基には、アルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、およびチオアルコキシが挙げられる。

    【0069】 用語「アリールオキシ」は、基アリール−O−を示し、ここで、アリール基は以上で定義されたとおりであって、必要に応じて置換アリール基(これらも、以上で定義されたとおり)を含む。

    【0070】 用語「アリーレン」は、以上で定義したようなアリール(置換アリールを含む)から誘導したジラジカルを示し、そして、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,2−ナフチレンなどによって例示される。

    【0071】 用語「アミノ」は、基−NH 2を示す。

    【0072】 用語「置換アミノ」は、基−NRRを示し、ここで、各Rは、独立して以下からなる群から選択される:水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式であり、ただし、両方のRは水素ではない。

    【0073】 用語「カルボキシアルキル」または「アルコキシカルボニル」は、以下の基を示す:「−C(O)O−アルキル」、「−C(O)O−置換アルキル」、「−C
    (O)O−シクロアルキル」、「−C(O)O−置換シクロアルキル」、「−C
    (O)O−アルケニル」、「−C(O)O−置換アルケニル」、「−C(O)O
    −アルキニル」および「−C(O)O−置換アルキニル」(ここで、アルキル、
    置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルおよび置換アルキニルは、本明細書中で定義されたとおりである)。

    【0074】 用語「シクロアルキル」は、3〜20個の炭素原子の環状アルキル基を示し、
    単環式環または多縮合環を有する。 このようなシクロアルキル基には、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどのような単環状構造、またはアダマンタニルなどのような多環状構造が挙げられる。

    【0075】 用語「置換シクロアルキル」は、1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基を有するシクロアルキル基を示し、それらの置換基は以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−S
    O−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0076】 用語「シクロアルケニル」は、4〜20個の炭素原子を有する環状アルケニル基を示し、単環式環および少なくとも1個の内部不飽和を有する。 適切なシクロアルケニル基の例は、例えば、シクロブト−2−エニル、シクロペント−3−エニル、シクロオクト−3−エニルなどが挙げられる。

    【0077】 用語「置換シクロアルケニル」は、1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基を有するシクロアルケニル基を示し、それらの置換基は以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、
    −SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。

    【0078】 用語「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を示す。

    【0079】 用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1個の環内で(1個より多くの環が存在する場合)、1〜15個の炭素原子、ならびに酸素、窒素、および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を有する芳香族基を示す。

    【0080】 ヘテロアリール置換基に関する定義によって他に束縛されなければ、このようなヘテロアリール基は、必要に応じて、1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3
    個の置換基で置換され得、それらの置換基は以下からなる群から選択される:アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、
    アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロ、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、
    置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO
    −アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリール、−SO 2 −ヘテロアリールおよびトリハロメチル。 好ましいアリール置換基には、アルキル、アルコキシ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリハロメチル、およびチオアルコキシが挙げられる。 このようなヘテロアリール基には、単環(例えば、ピリジルまたはフリル)または多縮合環(例えば、インドリジニルまたはベンゾチエニル)
    を有し得る。 好ましいヘテロアリールには、ピリジル、ピロリルおよびフリルが挙げられる。

    【0081】 用語「ヘテロアリールオキシ」は、基ヘテロアリール−O−を示す。

    【0082】 用語「ヘテロアリーレン」は、以上で定義したようなヘテロアリール(置換ヘテロアリールを含む)から誘導したジラジカル基を示し、そして、基2,6−ピリジレン、2,4−ピリジレン、1,2−キノリニレン、1,8−キノリニレン、1,4−ベンゾフラニレン、2,5−ピリドニレン(pyridnylene
    )、2,5−インドレニルなどによって例示される。

    【0083】 用語「複素環」または「複素環式」は、単環または多縮合環を有するモノラジカルの飽和または不飽和基を示し、環内に、1〜40個の炭素原子および窒素、
    硫黄、リン、および/または酸素から選択される1〜10個のヘテロ原子、好ましくは1〜4個のヘテロ原子を有する。

    【0084】 複素環式置換基に関する定義によって他に束縛されなければ、このような複素環式基は、必要に応じて、1〜5個の置換基、好ましくは、1〜3個の置換基で置換され、その置換基は以下からなる群から選択される:アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、複素環式、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO 2 −アルキル、−SO 2 −置換アルキル、−SO 2 −アリールおよび−SO 2 −ヘテロアリール。 このような複素環式基は、単環または多縮合環を有し得る。 好ましい複素環式には、モルホリノ、ピペリジニルなどが挙げられる。

    【0085】 窒素複素環およびヘテロアリールの例を以下に挙げるが、これらに限定されない:ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、
    ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、
    イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、モルホリノ、ピペリジニル、テトラヒドロフラニルなど、ならびにN−アルコキシ−窒素含有複素環。

    【0086】 用語「ヘテロシクロオキシ」は、基複素環式−O−を示す。

    【0087】 用語「チオヘテロシクロオキシ」は、基複素環式−S−を示す。

    【0088】 用語「ヘテロシクレン」は、本明細書中で定義したような複素環から形成したジラジカル基を表し、そして、基2,6−モルホリノ、2,5−モルホリノなどによって例示される。

    【0089】 用語「オキシアシルアミノ」または「アミノカルボニルオキシ」は、基−OC
    (O)NRRを表し、ここで、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環式であり、ここで、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、および複素環式は本明細書で定義したとおりである。

    【0090】 用語「スピロ−結合シクロアルキル基」は、両方の環に共通の炭素原子1個を介し、別の環と結合したシクロアルキル基を示す。

    【0091】 用語「チオール」は、基−SHを表す。

    【0092】 用語「チオアルコキシ」は、基−S−アルキルを示す。

    【0093】 用語「置換チオアルコキシ」は、基−S−置換アルキルを示す。

    【0094】 用語「チオアリールオキシ」は、基アリール−S−を示し、ここで、アリール基は以上で定義した通りであり、また、必要に応じて、以上で定義した置換アリール基も含む。

    【0095】 用語「チオヘテロアリールオキシ」は、基ヘテロアリール−S−を示し、ここで、ヘテロアリール基は以上で定義した通りであり、また、必要に応じて、以上で定義した置換アリール基も含む。

    【0096】 1個以上の置換基を含む任意の上記の基に関して、このような基は、立体的に実施不可能および/または合成的に可能性のない、置換または置換パターンはいずれも含まないことが当然理解される。 さらに、本発明の化合物は、これらの化合物の置換から生じる全ての立体化学的な異性体を、その異性体がリガンド、リンカー、またはリガンドおよびリンカーを含む多価構築物中のいずれで生じる異性体であっても含む。

    【0097】 用語「薬学的に受容可能な塩」は、本発明の多結合化合物の生物学的な効果および特性を保持する塩、および生物学的、または他の場合においても、望ましくないことはない塩を示す。 多くの場合、本発明の多結合化合物は、アミノ基および/またはカルボキシル基あるいはそれらと同様な基の存在によって、酸および/または塩基の塩の形成が可能となる。

    【0098】 薬学的に受容可能な、塩基付加塩は、無機および有機塩基から調製され得る。
    無機塩基から誘導した塩には、以下のものが挙げられるが、これらは例にすぎない:ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩。 有機塩基から誘導した塩には、以下の塩が挙げられるが、これらに限定されない:一級、二級および三級アミン、例えば、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、二置換シクロアルキルアミン、三置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニル)アミン、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、二置換シクロアルケニルアミン、三置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、複素環式アミン、ジ複素環式アミン、トリ複素環式アミン、混合ジ−およびトリ−アミン、ここで、アミン上の少なくとも2つの置換基は異なり、そして置換基は、以下からなる群から選択される:アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、
    シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環式など。 2個または3個の置換基が、アミノ窒素と共に、複素環式またはヘテロアリール基を形成するアミンがまた含まれる。

    【0099】 適切なアミンの例には、以下のものが挙げられるが、これらは例に過ぎない:
    イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリ(イソ−プロピル)アミン、トリ(n−プロピル)アミン、エタノールアミン、2−ジメチルアミノエタノール、トロメタミン(tromethamine)、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン(hydrabam
    ine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、N−アルキルグルカミン(N−alkylglucamine)、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、N−エチルピペリジンなど。 また、他のカルボン酸誘導体(例えば、カルボキサミド、低級アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミドなどを含む、カルボン酸アミド)は、本発明の実施に有用であることもまた理解されるべきである。

    【0100】 薬学的に受容可能な酸付加塩は、無機および有機酸から調製され得る。 無機酸から誘導される塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸硝酸、リン酸などが挙げられる。 有機酸から誘導される塩としては、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエン−スルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。

    【0101】 用語「薬学的に受容可能なカチオン」は、薬学的に受容可能な塩のカチオンをいう。

    【0102】 用語「保護基」または「ブロック基(blocking group)」は、
    この化合物(それらの中間体を含む)の1つ以上のヒドロキシル、チオール、アミノまたはカルボキシル基に結合される場合、これらの基で反応が起こるのを防止する任意の基をいい、そしてここで、保護基は、従来の化学的または酵素的工程によって除去され、ヒドロキシル、チオール、アミノまたはカルボキシル基を再構築し得る。 使用される特定の除去可能なブロック基は、重要ではなく、そして好ましい除去可能なヒドロキシルブロック基は、従来の置換基、例えば、アリル、ベンジル、アセチル、クロロアセチル、チオベンジル、ベンジリジン、フェナシル(phenacyl)、t−ブチル−ジフェニルシリル、およびヒドロキシル官能基に化学的に導入されそしてその後で生成物の性質と適合性の穏やかな条件で化学的または酵素的方法のいずれかによって選択的に除去され得る任意の他の基を含む。

    【0103】 好ましい除去可能なチオールブロック基は、ジスルフィド基、アシル基、ベンジル基などを含む。

    【0104】 好ましい除去可能なアミノブロック基は、従来の置換基、例えば、t−ブトキシカルボニル(t−butyoxycarbonyl)(t−BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、フルオレニルメトキシカルボニル(FMOC)
    、アリルオキシカルボニル(ALOC)などを含み、これらは生成物の性質と適合性の従来の条件によって除去され得る。

    【0105】 好ましいカルボキシル保護基は、エステル(例えば、メチル、エチル、プロピル、t−ブチルなど)を含み、これらは生成物の性質と適合性の穏やかな条件によって除去され得る。

    【0106】 用語「任意の」または「必要に応じて」は、引き続いて記載される事象、現象、または置換が起こっても起こらなくてもよく、そしてこの記載は、上記の事象または現象が起こる場合、および起こらない場合を含むことを意味する。

    【0107】 本明細書中で使用される用語「リガンド」は、GABAレセプターのアゴニスト、部分アゴニスト、逆アゴニスト、逆部分アゴニストまたはアンタゴニストである化合物を示す。 レセプターによって認識されるリガンドの特定の領域(単数または複数)は、「リガンドドメイン」として表される。 リガンドは、単独でレセプターに結合され得るか、または結合のための1つ以上の非リガンド成分の存在を要求し得る(例えば、Ca +2 、Mg +2 、または水分子は、リガンドの、種々のリガンド結合部位への結合のために必要とされる)かのいずれかであり得る。

    【0108】 本発明に有用なリガンドの例は、本明細書中に記載される。 当業者は、特定の分子認識および結合活性に不可欠ではないリガンド構造の部分は、実質的に変化され、無関係の構造で(例えば、以下に定義されるような付属的な基で)置きかえられ、または置換され得、そしてある場合においては結合相互作用に影響を与えずに全体的に省略され得ることを理解する。 リガントについての第1の必要条件は、これが上記に定義されるようなリガンドドメインを有することである。 用語、リガンドは、GABAレセプターへの結合において有用であることが知られている化合物(例えば、公知薬物)に限定されることは意図されないことが理解される。 当業者は、この用語、リガンドが、レセプター結合特性について通常関連しない分子に等しく適用され得ることを理解する。 さらに、モノマーとして最低限の活性を示すか、または有用な活性を欠いているリガンドは、多価によって与えられる利点のため、多価化合物として高度に活性であり得ることに留意すべきである。

    【0109】 「多結合化合物または多結合剤(multibinding agent)」
    は、以下に定義されるような多価であり得、そして1つ以上のリンカー(これは、同じでも異なってもよい)に共有結合される2〜10個のリガンドを有する化合物をいう。 多結合化合物は、結合のために利用可能とされる、それに等価の連結されていないリガンドの集合体よりも大きな、生物学的および/または治療学的効果を提供する。 すなわち、多結合化合物に接続されたリガンドの生物学的および/または治療学的効果は、リガンド結合部位(レセプター)に結合するのに利用可能とされる同数の連結されていないリガンドによって達成される効果よりも大きい。 成句「増大された生物学的または治療学的効果」は例えば、以下を含む:増大された親和性、標的に対する増大された選択性、標的に対する増大された特異性、増大された効力、増大された有効性、減少された毒性、活性または作用の改善された持続期間、減少された副作用、増大された治療指数、改善されたバイオアベイラビリティー、改善された薬物動態、改善された活性スペクトルなど。 本発明の多結合化合物は、少なくとも1つ、好ましくは1つより多い上記効果を示す。

    【0110】 用語「効力(potency)」は、リガンドが所望の生物学的または治療学的効果を達成し得る最小濃度をいう。 リガンドの効力は、典型的に、そのリガンド結合部位に対するその親和性に比例する。 ある場合において、効力は、その親和性と非直線的に相関関係があり得る。 2つの薬物(例えば、多結合剤、およびその連結されないリガンドの集合体(aggregate))の効力の比較において、それぞれの用量−応答曲線は、同一試験条件下(例えば、適切な動物モデルで、インビトロまたはインビボアッセイで)で測定される。 多結合剤が、集合体非連結リガンドよりも低い濃度で等価の生物学的または治療学的効果を生じるという知見は、増大された効力を示す。

    【0111】 本明細書中で使用される「一価」は、本明細書中に定義されるような1つのリガンドと、本明細書中で定義されるような1つのリガンド結合部位との間の単結合相互作用をいう。 リガンド(単数または複数)の複数のコピーを有する化合物は、1つのみのリガンドがリガンド結合部位と相互作用する場合、一価を示すことに留意すべきである。 一価相互作用の例は、以下に示される。

    【0112】

    【化4】

    【0113】 本明細書中で使用される用語「多価」は、2〜10個の連結されるリガンド(
    これらは同じでも異なってもよい)、および1つ以上のレセプター上の2個以上の対応するレセプター(リガンド結合部位)(これらは同じでも異なってもよい)の同時発生の結合をいう。

    【0114】 例えば、2つのリガンド結合部位に同時に結合するリンカーによって連結される2つのリガンドは、二価としてみなされ;このように連結される3つのリガンドは、三価の例である。 3つのリガンドを有する多結合化合物を例示する三価の結合対一価の結合の相互作用の例は、以下に示される:

    【0115】

    【化5】

    【0116】

    【化6】

    【0117】 リンカー(単数または複数)に連結されるリガンドの複数のコピーを含むすべての化合物は、多価の現象(すなわち、多結合剤の生物学的および/または治療学的効果が、リガンド結合部位(レセプター)に結合するのに利用可能にされた連結していないリガンドの集合体の合計よりも大きい)を必ずしも示さないことが理解されるべきである。 多価が起こるためには、リンカー(単数または複数)
    によって接合されるリガンドは、所望のリガンド配向結果をもたらし、従って、
    多結合事象を生成するために、特定の様式で、リンカー(単数または複数)によってそれらのリガンド結合部位に示されなければならない。

    【0118】 用語「選択性」または「特異性」は、異なるリガンド結合部位(レセプター)
    についてのリガンドの結合優先度の程度である。 リガンドの、別のリガンド結合部位に関するその標的リガンド結合部位についての選択性は、K d (すなわち、
    各リガンド−レセプター複合体についての解離定数)のそれぞれの値の比、または生物学的効果がK dより低く観察される場合、それぞれのEC 50 (すなわち、
    2つの別個のリガンド結合部位(レセプター)と相互作用するリガンドに対する最大応答の50%を生成する濃度)の比によって与えられる。

    【0119】 用語「リガンド結合部位」は、リガンドドメインを認識し、そしてそのリガンドに結合パートナーを提供する、GABAレセプター上の部位を示す。 リガンド結合部位は、単量体または多量体構造によって定義され得る。 この相互作用は、
    独自の生物学的効果(例えば、アゴニズム、アンタゴニズム、調整効果)を生じ得、進行中の生物学的事象などを維持し得る。

    【0120】 用語「アゴニズム(agonism)」および「アンタゴニズム(antag
    onism)」は、当該分野において周知である。 完全アゴニストであるリガンドは、結合された場合に、天然のリガンドによって見られる最大の活性を誘発するリガンドである。 部分アゴニストであるリガンドは、結合された場合に、最大未満の活性を誘発するリガンドである。 アンタゴニストであるリガンドは、結合された場合に、レセプターに結合する天然のリガンドから生じる活性を阻害または妨害するリガンドである。 アンタゴニストは、克服可能なクラス(アゴニストについての最大応答を低減することなく、アゴニストの用量応答曲線の、用量応答様式における右側への平行移動を生じる)、または克服不能なクラス(平行シフトありまたはなしで、所定のアゴニストについての最大の応答の低下を生じる)であり得る。 逆アゴニストであるリガンドは、結合された場合に、結合されていないレセプターの基本活性を低減するか、または天然のアゴニストとは逆の(
    opposive)活性を提供するリガンドである。

    【0121】 リガンドは、リガンドとレセプターとの相互作用に関する測定可能な特性を有する。 これには、以下が挙げられる:レセプターに対するリガンドの親和性(これは、結合のエネルギー学に関する)、レセプターに対するリガンドの効力(これは、リガンドの機能的に下流の活性に関する)、レセプターに対するリガンドの速度論(これは、作用の開始および作用の持続期間を規定する)、およびリガンドに対するレセプターの感受性の減少。 選択性は、2つのレセプターを横切るリガンドの親和性および/または有効性の比を規定する。 用語「調整効果」は、
    リガンド結合部位への結合を通じて、アゴニストまたはアンタゴニストの活性を変化するリガンドの能力をいう。 機能的な応答の性質を規定するための基礎を提供するのは、これらの特性の組合せである。

    【0122】 生物学的多価結合相互作用に関与するレセプターのリガンド結合部位は、それらの分子内および分子間会合によって変動する程度に束縛され(例えば、このような高分子構造は、単一構造に共有結合され、多量体構造において非共有結合的に会合され、膜またはポリマーマトリクスなどに組み込まれ得る)、それゆえ、
    同じ構造が溶液中のモノマーとして存在する場合よりも、小さな並進および回転自由度を有することが認識されるべきである。

    【0123】 用語「不活性有機溶媒」は、それらと組み合わせて記載される反応の条件下で不活性である溶媒を意味し、以下が挙げられるが、これらは例に過ぎない:ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなど。 他に反対の記載がなければ、本明細書中に記載される反応において使用される溶媒は、不活性溶媒である。

    【0124】 用語「処置」は、哺乳動物(特に、ヒト)における病理的状態の任意の処置をいい、そして以下の(i)〜(iv)を含む: (i)病理的状態が被験体において生じるのを予防することであって、この被験体は、この状態にかかりやすくあり得るが、この状態であるとまだ診断されておらず、従って、この処置は疾患状態のための予防的処置を構成する; (ii)病理的状態を阻害すること(すなわち、その発達を阻止すること); (iii)病理的状態を軽減すること(すなわち、病理的状態の後退を起こすこと);あるいは (iv)病理的状態により媒介される状態を軽減すること。

    【0125】 用語「リガンドを用いる処置によって調整される病理的状態」は、一般にGA
    BAレセプターに対するリガンドを用いて有用に処置されることが、一般に当該分野において認識されるすべての疾患状態(すなわち、病理的状態)、および本発明者らの発明の特定の多結合化合物によって有用に処置されることが見出された疾患状態を包含する。 このような疾患状態は、以下を含むが、これらは例に過ぎない:不安、うつ病、睡眠および発作障害、嘔吐、ならびにベンゾジアゼピン型薬物の過剰服用の予防または処置、そして敏捷さの増強など。

    【0126】 「嘔吐(emesis)」は、吐くこと(vomiting)の行動または症例である。 「催吐性因子(emetic agent)」は、吐くことを誘導する因子である。 嘔吐はまた、吐気を含む。 本発明において、催吐性因子は、化学療法および放射線療法において使用される化合物を含む。

    【0127】 「化学療法誘導嘔吐」は、化学療法および/または抗ガン処置(例えば、とりわけシスプラチン、アドリアマイシン、アポモルフィン、シクロヘキサミド、シクロホスファミド、硫酸銅、トコン、ムスチンおよび放射能での処置)への曝露によって誘導される催吐性エピソードをいう。 化学療法誘導催吐性エピソードは、急性であり得るか、または数日まで遅延され得る。 一般に、3つの型の化学療法誘導嘔吐(急性、遅延型および予測性(anticipatory)(条件性))が存在する。 急性化学療法誘導吐気および吐くことは、一般に、薬物投与後の最初の24時間以内に生じるものであると考えられる。 遅延型嘔吐は、一般に、最後の処置の約24時間以上後に開始する催吐性エピソードとして規定される。 条件性すなわち予測性嘔吐は、急性または遅延型嘔吐の制御の乏しさから生じる。 これは、代表的には、化学療法の次の投与前の不安、続く、化学療法の投与前、投与間またはおそらく投与後の吐気または吐くことと関連する。

    【0128】 用語「治療学的有効量」は、上記に定義されるような処置の必要がある哺乳動物に投与される場合、このような処置をもたらすのに十分な多結合化合物の量をいう。 治療学的有効量は、処置される被験体および疾患状態、被験体の体重および年齢、疾患状態の重篤度、投与の様式など(これは、当業者により容易に決定され得る)に依存して変化する。

    【0129】 用語「リンカー」(適切な場合、記号X、X'またはX''によって同定される)は、多価であり得る化合物を提供する様式で、2〜10個のリガンド(上記に定義される通り)と共有結合する基(単数または複数)をいう。 他の特徴の中で、リンカーは、そこへのリガンドの複数のコピー(これは、同じでも異なってもよい)の連結を可能にする、リガンド方向付け要素(ligand−orie
    nting entity)である。 いくつかの場合において、リンカーは、それ自体、生物学的に活性であり得る。 しかし、用語「リンカー」は、固体不活性支持体(例えば、ビーズ、ガラス粒子、繊維など)を包含することには及ばない。 しかし、本発明の多結合化合物は、所望される場合、固体支持体に連結され得ることが理解される。 例えば、固体支持体へのこのような連結は、分離および精製プロセスにおける使用ならびに同様の用途のために、なされ得る。

    【0130】 用語「ライブラリー」は、少なくとも3、好ましくは10 2 〜10 9 、より好ましくは10 2 〜10 4個の多量体化合物をいう。 好ましくは、これらの化合物は、
    その合成を容易にし得る単一溶液または反応混合物中の多数の化合物として調製される。 1つの実施態様において、多量体化合物のライブラリーは、多結合特性に関して直接アッセイされ得る。 別の実施態様において、多量体化合物のライブラリーの各メンバーは、まず単離され、そして必要に応じて特徴付けられる。 このメンバーは、次いで、多結合特性に関してアッセイされる。

    【0131】 用語「コレクション(collection)」は、連続してまたは同時に(
    例えば、コンビナトリアル)のいずれかで調製される多量体化合物のセットをいう。 このコレクションは、少なくとも2個のメンバー;好ましくは2〜10 9個のメンバー、なおより好ましくは10〜10 4個のメンバーを含む。

    【0132】 用語「多量体化合物」は、少なくとも1つのリンカーを介して共有結合される2〜10個のリガンドを含む化合物をいい、ここで、この化合物は、多結合特性(本明細書中に定義される)を有しても有さなくてもよい。

    【0133】 用語「擬ハライド」は、ハロゲンに類似の様式で、置換反応において反応する官能基をいう。 このような官能基は、例として、メシル、トシル、アジドおよびシアノ基を含む。

    【0134】 (リンカー) 多価結合が実現される程度は、リガンド類を連結するリンカーまたはリンカー類が、これらのリガンド類を利用可能なリガンド結合部位のアレイに提示する効率に依存する。 リガンド結合部位との多価相互作用のためにこれらのリガンドを提示することを越えて、このリンカーまたはリンカー類は、これらの相互作用を、このリンカーまたはリンカー類により規定される大きさ内で起こるように空間的に束縛する。 従って、このリンカー構造的特徴(原子価、ジオメトリ、配向、
    サイズ、可撓性、化学的組成など)は、それらの活性を決定することにおいて重要な役割を果たす多結合剤の特徴である。

    【0135】 本発明で用いられるリンカーは、GABAレセプターのリガンド結合部位へのリガンドの多価結合を可能にするように選択され、どんな場合でも、このような部位は、このレセプタージオメトリ上に位置する。

    【0136】 これらリガンドは、このリンカーまたはリンカー類へのリガンドの共有結合を提供する従来の化学的技法を用いて、このリンカーまたはリンカー類に共有結合される。 このような結合を生じる反応化学は、当該分野で周知であり、そしてこのリンカーおよびリガンド上の相補的官能基の使用を含む。 好ましくは、リンカー上のこの相補的官能基は、結合のためにリガンド上で利用可能な官能基に対して選択されるか、またはそれは、結合のためにこのリガンド上に導入され得る。
    ここで再び、このような相補的官能基は、当該分野で周知である。 例えば、適切な周知の活性化剤の存在下の、リンカーまたはリガンドのいずれかのカルボン酸と、リガンドまたはリンカーの一級アミンまたは二級アミンとの間の反応は、このリガンドをリンカーに共有結合で連結するアミド結合の形成を生じ;リンカーまたはリガンドのいずれかのアミン基と、リガンドまたはリンカーのスルホニルハライドとの反応は、このリンカーへリガンドを共有結合するスルホンアミド結合の形成を生じ;そしてリンカーまたはリガンドのいずれかのアルコール基またはフェノール基と、リガンドまたはリンカーのアルキルまたはアリールハライドとの間の反応は、このリンカーへリガンドを共有結合するエーテル結合の形成を生じる。

    【0137】 以下の表Iは、多くの相補的反応性基、およびそれらの間の反応により形成された得られる結合を例示する。

    【0138】

    【表1】

    【0139】 リンカーは、リガンドに、リガンドドメイン−リガンド結合部位相互作用を保持し、そしてそれが、このリガンドのリガンドドメインそれ自身をリガンド結合部位に結合するように配向することを特異的に許容する位置で結合する。 結合に対するこのような位置および合成プロトコルは当該分野で周知である。 用語リンカーは、リガンドの一部分であるとは考えられないすべてのものを包含する。

    【0140】 リガンドドメインが提示される相対的配向は、リンカーへのリガンドの結合の特定の点(単数または複数)に由来し、そして骨格ジオメトリ上にある。 受容可能な置換が、リガンド上のどこで作製され得るかの決定は、代表的には、リガンドおよび/または同属種および/またはリガンド−レセプター複合体についてのジオメトリ的情報(例えば、X線結晶学、NMRなど)のジオメトリ−活性関係(SAR)の先の知識に基づく。 このような位置および共有結合のための合成方法は当該分野で周知である。 選択されたリンカーへの結合(またはリンカーの重要部分、例えば、リンカーの2〜10原子への結合)の後、一価リンカー−リガンド結合体は、関連するアッセイにおける活性の保持について試験され得る。

    【0141】 現在のところ、多結合剤は、二価化合物、例えば、リンカーXに共有結合される2つのリガンドであることが好ましい。

    【0142】 (方法) リンカーは、リガンドの複数コピーに共有結合した場合、生体適合性の、実質的に非免疫原性の多結合化合物を提供する。 この多結合化合物の生物学的活性は、リンカーの原子価、ジオメトリ、組成、サイズ、可撓性または堅さなど、および、順番に、リンカー上の多結合化合物の全体ジオメトリ、ならびにアニオン性またはカチオン性荷電の存在または不在、リンカーの相対的疎水性/親水性などに高度に感受性である。 従って、好ましくは、リンカーは、この多価結合化合物の生物学的活性を最大にするように選択される。 このリンカーは、分子の生物学的活性を増大するように選択され得る。 一般に、このリンカーは、2つ以上のリガンドを、多価の原子価を可能にするそれらのリガンド部位に配向する任意の有機分子構築物から選択され得る。 この観点から、このリンカーは、所望のリガンド−配向結果を引き起こし、そしてそれ故多結合化合物を生成するために、その上にリガンドが並べられる「骨格」として考慮され得る。

    【0143】 例えば、異なる配向は、アリールおよび/またはヘテロアリール基を含む、単環または多環基、または1つ以上の炭素−炭素多重結合(アルケニル、アルケニレン、アルキニルまたはアルキニレン基)を取り込むジオメトリを含む骨格基中に含めることにより達成され得る。 その他の基はまた、分枝鎖または直鎖種であるオリゴマーおよびポリマーを含み得る。 好適な実施態様では、堅さは、環状基(例えば、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環式など)の存在により与えられる。 その他の好適な実施態様では、この環は、6または10員環である。 なおさらに好適な実施態様では、この環は、例えば、フェニルまたはナフチルのような芳香族環である。

    【0144】 リンカーの異なる疎水性/親水性特徴および荷電部分の存在または不在は、当業者により容易に制御され得る。 例えば、ヘキサメチレンジアミン(H 2 N(C
    26 NH 2 )または関連ポリアミン由来のリンカーの疎水的性質は、アルキレン基を、市販の「Jeffamine」に見出されるようなポリ(オキシアルキレン)基で置換することによって実質的により親水性であるように改変され得る。

    【0145】 上記の結合パターンが、リンカーの成分として採用され得る分子ジオメトリの例を以下に示す。

    【0146】

    【化7】

    【0147】 リガンドドメイン提示のための適切な骨格ジオメトリおよびサイズの同定は、
    増加した活性を有する多結合化合物の構築に重要な工程である。 系統的な空間調査の戦略が、反復プロセスによる好ましい骨格の同定の支援に使用され得る。

    【0148】 本明細書で示されるようなコアジオメトリ以外のコアジオメトリを、リガンド類の最適骨格提示配向を決定するために使用し得る。 このプロセスは、同じ中央コアジオメトリの複数コピーまたは異なるタイプの提示コアの組み合わせの使用を要求し得る。

    【0149】 上記のプロセスは、3量体およびより高い原子価の化合物に拡大し得る。

    【0150】 上記のように生成したコレクションの個々の化合物の各々のアッセイは、所望の増加した活性(例えば、効力、選択性など)を有する化合物のサブセットに導く。 Ensemble Molecular Dynamicsのような技術を使用するこのサブセットの分析は、所望の特性を支持する骨格の配向を提供する。 幅広い多様性のリンカーが市販されている(例えば、Available C
    hemical Directory(ACD)を参照のこと)。 本発明の使用に適切であるリンカーの多くが、この範疇に入る。 他は、当該分野で周知の方法により容易に合成され得、そして/または以下に記載される。

    【0151】 好ましい骨格ジオメトリを選択する場合、リンカーの物理的特性は、それらの化学的組成を変化させることにより、最適化され得る。 リンカーの組成は、多数の方法で変化され、多結合化合物のための所望の物理的特性を達成し得る。 例えば、リンカーの疎水性または親水性を調節することにより、血液脳関門を横切る化合物の能力を改変し得る。

    【0152】 それゆえ、リンカーの組成のための多数の可能性が存在すると理解され得る。
    リンカーの例には、脂肪族部分、芳香族部分、ステロイド部分、ペプチドなどが挙げられる。 特定の例は、ペプチドまたはポリアミド、炭化水素、芳香族基、エーテル、脂質、カチオン性またはアニオン性基、あるいはそれらの組み合わせである。

    【0153】 例が下記に示されるが、種々の変化がなされ得、そして等価なものが本発明の真の精神および範囲を逸脱することなく置換され得ると理解するべきである。 例えば、リンカーの特性は、補助基(ancillary group)をリンカーの中にまたはリンカー上に添加または挿入することにより調節され、例えば、
    多結合化合物の溶解度(水、脂肪、脂質、生物学的流体中、など)、疎水性、親水性、リンカーの可撓性、抗原性、安定性などを変化し得る。 例えば、リンカー上へまたはリンカー中への1つ以上のポリ(エチレングリコール)(PEG)基の導入は、多結合化合物の親水性および水溶性を高め、分子量および分子の大きさの両方を増加し、そして非PEG化リンカーの性質に依存して、インビボでの保持時間を増加し得る。 さらに、PEGは抗原性を減少し得、そして潜在的にリンカーの全体の堅さを高める。

    【0154】 リンカーの水溶性/親水性を高める補助基、およびその結果として得られた多結合化合物は、本発明の実施に有用である。 従って、例えば、エチレングリコール、アルコール、ポリオールの小さな繰り返し単位(例えば、グリセリン、グリセロールプロポキシレート、単糖およびオリゴ糖を含む糖類など)、カルボキシレート(例えば、グルタミン酸、アクリル酸などの小さな繰り返し単位)、アミン(例えば、テトラエチレンペンタミン)など)のような補助基を使用して、本発明の多結合化合物の水溶性および/または親水性を高めることは本発明の範囲内である。 好ましい実施態様において、水溶性/親水性を改善するために使用される補助基はポリエーテルである。

    【0155】 本明細書中に記載される多結合性の親油性および/または疎水性を高めるためにリンカーのジオメトリ内に親油性補助基を組み込むことはまた、本発明の範囲内である。 本発明のリンカーに有用な親油性基には、例のみとして、上記のような、非置換であるかまたは他の基で置換されるかのいずれかであり得るアリールおよびヘテロアリール基が挙げられるが、リンカーへのそれらの共有結合を可能とする基で少なくとも置換される。 本発明のリンカーに有用な他の親油性基には、高濃度に達するまで水性媒体中で二分子層を形成しない脂肪酸誘導体が挙げられる。

    【0156】 ベシクルあるいは他の膜ジオメトリ(例えば、リポソームまたはミセル)に取り込まれるかまたは固定される多結合化合物を生じる補助基の使用はまた、本発明の範囲内である。 用語「脂質」とは、二分子層またはミセルを形成し得る任意の脂肪酸誘導体のことを言い、その結果、脂質物質の疎水性部分はこの二分子層の方へ向き、一方、親水性部分は水相の方へ向く。 親水性の特性は、リン酸基、
    カルボン酸基、硫酸(sulfato)基、アミノ基、スルフヒドリル基、ニトロ基および当該分野で周知の他の類似の基の存在から誘導される。 疎水性は、2
    0個までの炭素原子の長鎖の飽和および不飽和脂肪族炭化水素基、および1個以上のアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび/または複素環式基(単数または複数)により置換されるそのような基を含む基を含有することによって与えられ得るが、これらに限定されない。 好ましい脂質はホスホグリセリドおよびスフィンゴ脂質であり、その代表的な例には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルエオイル(palmitoyleoyl)
    ホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジル−エタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジステアロイル−ホスファチジルコリンまたはジリノレオイルホスファチジルコリンが使用され得る。 リンを含まない他の化合物(例えば、スフィンゴ脂質およびグリコスフィンゴ脂質ファミリー)はまた、脂質として示される基の範囲内である。 さらに、上記に記載される両親媒性脂質は、トリグリセリドおよびステロールを含む他の脂質と混合され得る。

    【0157】 リンカーの可撓性は、嵩高くそして/または堅い補助基を含むことによって操作され得る。 嵩高いかまたは堅い基の存在は、リンカー内の結合、またはリンカーと補助基(単数または複数)との間の結合、またはリンカーと官能基との間の結合の回りの自由な回転を妨げ得る。 堅い基には、例えば、立体配座の不安定性が、その基(例えば、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニルおよび複素環式基)の中の環および/または多重結合の存在によって制限される基が挙げられ得る。 堅さを付与し得る他の基には、オリゴ−またはポリプロリン鎖のようなポリペプチド基が挙げられる。

    【0158】 堅さはまた、内部水素結合により、または疎水性の収縮(hydrophob
    ic collapse)により付与され得る。

    【0159】 嵩高い基には、例えば、大きな原子、イオン(例えば、ヨウ素、硫黄、金属イオンなど)または大きな原子を含む基、多環式基が挙げられ得、この多環式基は芳香族基、非芳香族基および1個以上の炭素−炭素多重結合(すなわち、アルケンおよびアルキン)を組み込む構造を含む。 嵩高い基にはまた、分枝鎖または直鎖状の種であるオリゴマーおよびポリマーが挙げられ得る。 分枝する種は、直鎖の種よりも単位分子量当たりの構造の堅さをより増加すると期待される。

    【0160】 好ましい実施態様では、堅さは、環状の基(例えば、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、複素環式など)の存在により付与される。 他の好ましい実施態様では、リンカーは1個以上の6員環を含む。 なおさらに好ましい実施態様では、その環は、例えば、フェニルまたはナフチルのようなアリール基である。

    【0161】 堅さはまた、静電的に付与され得る。 従って、補助基が正また負のいずれかに帯電している場合、同種に帯電した補助基は、提示するリンカーを、同じ電荷の各々の間で最大の距離を与える配置に強いる。 同じ電荷の基をお互いに接近させるエネルギー的損失は、そのリンカーを、同じ電荷の補助基の間の分離を維持する配置に保持する傾向にある。 さらに逆の電荷を帯びる補助基は、それらの逆の電荷の対応物に引き付けられ、そして潜在的に分子間および分子内の両方のイオン結合をなし得る。 この非共有結合的メカニズムは、リンカーを、逆電荷の基の間の結合を可能にする立体配座に保持する傾向にある。 帯電しているか、あるいはリンカーへの添加に続いて脱保護した場合に潜在的な電荷を帯びる補助基の付加には、pHの変化、酸化、還元、または保護基の除去を生じる当業者に公知の他のメカニズムによるカルボキシル、ヒドロキシル、チオールまたはアミノ基の脱保護が挙げられ、これは、本発明の範囲内である。

    【0162】 上記の観点では、適切な配向、制限された/制限されない回転、所望の程度の疎水性/親水性などを提供するリンカー基の適切な選択は、十分当該分野の範囲内であることは明らかである。 本明細書中に記載される多結合化合物の抗原性の除去または減少はまた、本発明の範囲内である。 特定の場合では、多結合化合物の抗原性は、例えば、ポリ(エチレングリコール)のような基の使用により除去または減少され得る。

    【0163】 上記に説明されるように、本明細書中で記載される多結合化合物は、リンカーに結合される2〜10個のリガンドを含み、このリンカーは、それらが、そこで(thereon/therein)リガンド結合部位との多価相互作用のためレセプターに提示されるような様式で、リガンドと結合する。 このリンカーは、
    これらの相互作用が、このリンカーにより規定される大きさ内で起きるように、
    空間的に束縛する。 このおよび他の因子は、単結合形態で利用可能な同数のリガンドでなされる活性と比較して多結合化合物の生物学的活性を増加させる。

    【0164】 本発明の化合物は好ましくは、実験式(L) p (X) q (ここで、L、X、pおよびqは上記定義の通りである)により表される。 これは、これらのリガンドが、多価の目的を達成するため一緒に結合され得る幾つかの様式を含むことを意図され、より詳細な説明が以下に記載される。

    【0165】 上記に記載したように、このリンカーは、リガンドが結合される骨格としてみなされ得る。 従って、これらのリガンドは、この骨格の任意の適切な位置(例えば、直鎖の末端、または任意の中間の位置)で結合され得ると認識されるべきである。

    【0166】 最も単純でかつ最も好ましい多結合化合物は、L−X−Lとして表され得る二価化合物であり、ここで、各Lは独立して、同一または異なっても良いリガンドであり、そして各Xは独立してそのリンカーである。 このような二価化合物の例は、図1(ここで、陰影付きの丸の各々がリガンドを表す)で提供される。 三価の化合物はまた、直線状の様式(すなわち、繰り返し単位L−X−L−X−Lの配列のような)で表され得、ここで、Lはリガンドであり、そしてそれぞれの出現で同一かまたは異なり、Xも同様であり得る。 しかしながら、三量体はまた、
    中心コアに結合した3個のリガンドを含有するラジカル多結合化合物であり得、
    それゆえ(L) 3 Xとして表される(リンカーXには、例えば、アリールまたはシクロアルキル基が挙げられ得る)。 本発明の三価および四価化合物の例証は、
    それぞれ図2および3に見出され、ここでまた陰影付きの丸がリガンドを表す。
    四価化合物は、例えば、以下の直線状の配列で L−X−L−X−L−X−L 例えば、以下の分枝した配列で

    【0167】

    【化8】

    【0168】 (ブタンの異性体と類似の分枝構成−−n−ブチル、iso−ブチル、sec−
    ブチルおよびt−ブチル)または例えば、以下の四面体の配列で

    【0169】

    【化9】

    【0170】 (ここで、XおよびLは、本明細書中で定義される通りである)で表され得る。
    あるいは、これは、コアリンカーに4個のリガンドが結合した上記のようなアルキル、アリールまたはシクロアルキル誘導体として表され得る。

    【0171】 同様の配慮が、図4に例示されるような5〜10個のリガンドを含む本発明のより高次の多結合化合物に適用される。 しかしながら、アリールまたはシクロアルキルのような中心リンカーに結合される多結合剤に関して、存在するリガンドの数を収容するのに十分なリンカー上の結合部位がなければならないという自明の制約があり;例えば、ベンゼン環は、6個より多くのリガンドを直接収容し得ず、一方、多環リンカー(例えば、ビフェニル)は多数のリガンドを収容し得る。

    【0172】 あるいは、上記に記載した化合物の特定のものは、以下の環状の鎖の形態およびその変形として表され得る:

    【0173】

    【化10】

    【0174】 上記変形の全ては、式(L) p (X) qにより定義した本発明の範囲内にあると意図される。

    【0175】 上記を考慮すると、好ましいリンカーは、次式 −X a −Z−(Y a −Z) m −Y b −Z−X a − により表され得: ここで、 mは0〜20の整数であり; 各々別個に出現するX aは、−O−、−S−、−NR−、−C(O)−、−C
    (O)O−、−C(O)NR−、−C(S)、−C(S)O−、−C(S)NR
    −または共有結合からなる群から選択され(ここで、Rは下記に定義した通りである); 各々別個に出現するZは、アルキレン、置換アルキレン、シクロアルキレン、
    置換シクロアルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレン、置換アルキニレン、シクロアルケニレン、置換シクロアルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、ヘテロシクレン(heterocyclene)または共有結合からなる群から選択され; 各々別個に出現するY aおよびY bは、以下:

    【0176】

    【化11】

    【0177】 −S−S−または共有結合からなる群から選択され;ここで、nは0、1または2であり;そして、 各々別個に出現するR、R'およびR''は、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、
    ヘテロアリールおよび複素環式からなる群から選択される。

    【0178】 さらに、リンカー部分はその中の任意の原子で、1個以上のアルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、
    シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環式基により、必要に応じて置換され得る。

    【0179】 本発明の1つの実施態様では、リンカー(すなわち、X、X'またはX'')
    は表IIに示したものから選択される:

    【0180】

    【表2】

    【0181】

    【0182】 本発明の別の実施態様では、リンカー(すなわち、X、X'またはX'')は以下の式を有し:

    【0183】

    【化12】

    【0184】 ここで、 各R aは、共有結合、アルキレン、置換アルキレンおよびアリーレンからなる群から独立に選択され; 各R bは、水素、アルキルおよび置換アルキルからなる群から独立して選択され;そして n'は、1から約20までの範囲の整数である。

    【0185】 リンカーの上記記載の観点から、用語「リンカー」は、用語「多結合化合物」
    と組み合わせて使用される場合、その多結合化合物内に共有結合的に隣接する単一リンカー(例えば、L−X−L)および複数の共有結合的に隣接しないリンカー(L−X−L−X−L)の両方を含むことが理解される。

    【0186】 (リガンド) GABAレセプターのアゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニスト、
    部分インバースアゴニストもしくはアンタゴニストであって、本明細書に記載のリンカーに共有結合的に連結され得る任意の化合物が、本発明においてリガンドとして使用され得る。 以下にさらに詳細に議論するように、多くのこのようなレセプターアゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニスト、部分インバースアゴニストおよびアンタゴニストは、当該分野において公知であり、そしてこれらの公知化合物もしくはそれらの誘導体のうち任意のものが、本発明においてリガンドとして用いられ得る。

    【0187】 (GABA A ) GABA Aレセプターは、一般には、リガンド依存性クロライドイオンチャンネルである。 これらはヘテロペンタマー複合体であり、サブユニットが非共有結合しており、中心のコアの周囲に偽対称に配置されている。 各レセプターに少なくとも3つの異なるサブユニットが存在するので、高レベルの構造的多様性が存在する。 それぞれのサブユニットは、5つの構造的および遺伝的に異なるファミリー、すなわちα(6)、β(3)、γ(3)、δ(1)およびε(1)遺伝子、のうちの1つに由来する。 GABA親和性および効力(複数レベルのクロライドイオンコンダクタンス)は、サブユニット組成に依存する。

    【0188】 高親和性GABA結合部位は、αおよびβサブユニットの界面に局在する。 このレセプターは、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、ニューロステロイドおよびエタノールについてのアロステリック調節結合部位を含む。 ベンゾジアゼピンアゴニストの結合は、チャンネルの開口頻度を増大させる。 バルビツレートおよびニューロステロイドは、GABA Aチャンネルの開口時間を増大させる。

    【0189】 GABA依存性電流のベンゾジアゼピン媒介増幅には、3つの異なるサブユニットの存在が必要である。 クラスα、アイソフォーム6のサブユニットは、ベンゾジアゼピン認識部位を含む。 クラスβ、アイソフォーム4のサブユニットは、
    GABA認識部位を含む。 クラスγ、アイソフォーム3のサブユニットは、ベンゾジアゼピン活性の完全な発現に必須である。 クラスδ、アイソフォーム1のサブユニットは、GABA Aレセプターアゴニストに対する高親和性に関連する。
    レセプターがクラスρ、アイソフォーム2のサブユニットを含む場合、それらはビククリン非感受性(GABA C )である。

    【0190】 完全アゴニストの例は、ジアゼパム、ミダゾラム、クロルジアゼポキシド、トリアゾラム、ロラゼパム、アルプラゾラムを含み、抗不安活性、鎮静、運動失調、耐性、依存性、および記憶障害に関連する。 部分アゴニストの例は、アベカルニル(Schering、Sandoz)および他のβカルボリン誘導体、ブレタゼニル(Roche)、クロナゼパム、FG8205および他のイミダゾベンゾジアゼピン、ジバプロン(divaplon;RU32698)および他のイミダゾ[1,2a]ピリミジン(Gardner,Drug.Dev.Res.
    ,12,1−28(1988))、アルピデムおよび他のイミダゾピリジン、パゴクロン(pagoclone;Rhone−Poulenc)、およびイミダゼニル(imidazenil)を含む。 これらは、一般に、完全アゴニストより顕著に少ない副作用を有する抗不安活性を有することが公知である。 フルマゼニルはアンタゴニストの例である。 FG7412およびRO15−4513は部分インバースアゴニストの例であり、RO19−4603、B−CCMおよびD
    MCMは完全インバースアゴニストの例である。 これらは、不安発生(anxi
    ogenesis)、錯乱、動揺、攻撃、および記憶増強に関連する。 いくつかの化合物、例えば、完全アゴニストであるゾルピデム(Synthelabo)
    は、サブタイプ選択性でさえある。 各化合物について観察された正確な薬理学は、各GABA Aレセプターサブタイプにおける効力の程度および親和性に依存性である。

    【0191】 内因性のアゴニストとインバースアゴニストとの間の生理学的な平衡が存在すると仮定されている。 この平衡は、内因性のインバース拮抗の増加または内因性拮抗の減少により乱され得、結果的に不安を生じる。 アゴニストまたは部分アゴニストの投与は、しばしば、この平衡を回復させる。

    【0192】 (GABAb) GABAbレセプターは、Gタンパク質結合7TMレセプターであり、アデニル酸シクラーゼと抑制的に結合している。 神経発火は、過分極(カリウムイオンコンダクタンスの増加)または神経伝達物質放出の減弱(カルシウムイオン流入の減少)を介して抑制される。 Bountraらに対する米国特許第5,719
    ,185号は、例えば、嘔吐が、ガンの化学療法剤、放射線宿酔、放射線療法、
    毒物、毒素、妊娠、前庭性障害(vestibular disorder)、
    術後疾患、胃腸管閉塞、胃腸管運動性減少、内臓疼痛、片頭痛、頭蓋内圧上昇、
    頭蓋内圧減少、またはオピオイド鎮痛薬により誘導される場合の嘔吐の処置における、GABA Bレセプターでアゴニスト作用を有するGABAアゴニストの使用を開示する。 GABA Bアゴニストはまた、CNS障害の処置(例えば、脊髄痙性、心血管障害、喘息、過敏性腸症候群のような消化管運動性障害における筋肉弛緩)の処置において有用であることが知られ、そしてプロキネティクス(p
    rokinetic)および鎮咳薬として知られている。

    【0193】 GABA Bレセプターにおいてアゴニスト作用を有する特異的なGABAアゴニストは、4−アミノ−3−(5−クロロ−2−チエニル)酪酸および GB1017439(例えば、バクロフェン)、米国特許第4,656,298
    号(例えば、3−アミノプロピルホスホン酸(3−aminopropylph
    osphonous acid)(3−アミノプロピルホスフィン酸))、EP
    0356128(すなわち、3−(アミノプロピル)メチルホスフィン酸)、およびEP0463969(例えば、3−(2−イミダゾリル)−4−アミノブタン酸)に包括的および具体的に開示される化合物を含む(こららの開示は本明細書に参考として援用される)。 本発明における使用に特に好ましい化合物は、バクロフェンである。

    【0194】 バクロフェンは、本発明において使用される場合、異性体の混合物(例えば、
    ラセミ混合物)または分離された異性体(すなわち、S(+)異性体もしくはR
    (−)異性体)の形態であり得る。 好ましくは、バクロフェンのR(−)異性体が使用される。 2−OHサクロフェン(saclofen)およびファクロフェン(phaclofen)は、選択的アンタゴニストの例である。

    【0195】 (GABA C ) GABA Cレセプターもまた、リガンド依存性クロライドイオンチャンネルである。 これは、GABA Aレセプターと比較して、GABAに対してより感受性で、より脱感作し難く、そしてクロライドチャンネル開口時間のより緩慢なオンセット時間およびオフセット時間ならびにより長い持続時間を有する。 これらは、主として、網膜、小脳、海馬、および大脳皮質において発現される。 これらは、過分極(クロライドイオンの流入)を介して神経発火を抑制する。 これらは、
    ビククリン、ファクロフェンおよびベンゾジアゼピン非感受性である。 1,2,
    5,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)メチルホスフィン酸は、選択的アンタゴニストの例である。

    【0196】 代表的には、リガンドとしての使用に関して選択される化合物は、少なくとも1つの官能基(例えば、アミノ、ヒドロキシル、チオール、またはカルボキシル基など)を有する。 この官能基により、その化合物をリンカーへ容易に結合することが可能になる。 このような官能性を有する化合物は、当該分野において公知であるか、または従来の試薬および手順を使用する公知化合物の慣用的な改変により調製され得るかのいずれかである。 以下に示される特許および刊行物は、本発明においてリガンドとして使用され得る、GABAレセプターの適切に官能化されたアゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニスト、部分インバースアゴニスト、およびアンタゴニスト、およびその中間体の多数の例を提供する。

    【0197】 本発明における使用に好ましいリガンドの第1の群は、式A〜Fを有するリガンドである: Z ai 、R 1-9 、R 8' 、R 2' 、およびR 2''は本明細書に規定されるとおりである。

    【0198】 式A〜Fのリガンド(およびそれらの前駆体)は、当該分野において周知であり、そして当該分野において認められた出発物質、試薬、および反応条件を使用して容易に調製され得る。 説明のために、以下の特許および刊行物は、式A〜F
    のリガンドまたは本発明における使用に適切な関連化合物の調製に有用な化合物、中間体、および手順を開示する。

    【0199】

    【化13】

    【0200】 これらの特許および刊行物のそれぞれは、個々の特許または刊行物それぞれが、参考としてその全体が本明細書に援用されると具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、参考としてその全体が本明細書に援用される。

    【0201】 (多結合化合物の調製) 本発明の多結合化合物は、容易に入手可能である出発物質から、以下の一般的な方法および手順を使用して調製され得る。 代表的なまたは好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が与えられる場合、他に言及がない限り、他のプロセス条件もまた使用され得ることが理解される。 最適な反応条件は、使用される特定の反応物または溶媒により変化し得るが、このような条件は、慣用的な最適化手順により当業者によって決定され得る。

    【0202】 さらに、当業者に明らかなように、従来の保護基は、特定の官能基が所望でない反応を受けることを防ぐために必要であり得る。 特定の官能基に適切な保護基ならびに保護および脱保護の適切な条件の選択は、当該分野において周知である。 例えば、多くの保護基ならびにその導入および除去は、T. W. Greene
    およびG. M. Wuts,Protecting Groups in Org
    anic Synthesis,第2版,Wiley,New York,19
    91およびそこに引用された参考文献に記載される。

    【0203】 リガンドは、そのリガンド上の任意の利用可能な位置を介してリンカーに共有結合され得る。 ただし、このリガンドがそのリンカー(リンカーのうちの少なくとも1つ)に接着された場合、そのリガンドは、ベンゾジアゼピン結合部位で特異的に、GABAレセプターに結合する能力を保持する。 用語リンカーは、リガンドの一部とみなされないすべてのものをいう。

    【0204】 リンカーとの共有結合は、所望の治療効果を誘導するに必要なリガンドの用量を減少させることに寄与し得る。 これは、例えば、GABAレセプターのリガンド効力を(部分アゴニストから完全アゴニストまで)変化させることおよび/または結合の可逆性を変更することによって引き起こされ得る、例えば、親和性におけるGABAレセプターに対する増加した能力に起因し得る。 結合の可逆性を変更することにより、本明細書に記載される多価化合物は、より長い作用持続時間を生じ得る。

    【0205】 公知の構造−活性関係(WalserらによるEP 0 573 982 A
    1;Gilmanら、J. Org. Chem. ,58:3285−98(199
    3);Georgeら、Il Farmaco 46(Suppl1):277
    −288(1991)Trapaniら、J. Med. Chem. ,40:31
    09−3118(1997);HesterおよびVon Voigtland
    er、J. Med. Chem. ,22:1390−98(1979);Hest
    erら、J. Med. Chem. ,23:392−402(1980);Hes
    terら、J. Med. Chem. ,23:873−77(1980);およびHesterら、J. Med. Chem. ,23:643−47(1980);
    これらの各内容は、本明細書により参考として援用される)に基く、リガンドへのリンカーの特定の接着部位が好ましい。 好ましくは、リンカーは、構造−活性研究が広範囲に種々の置換基がレセプター活性の損失なく寛容されることを示す、リガンド上の部位に接着される。 例えば、多くの公知のGABAレセプターアゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニスト、部分インバースアゴニスト、およびアンタゴニストが、他の構造的特徴の中でも、ベンゾジアゼピン基を含む。 構造−活性研究は、非常に小さな改変のみが、ベンゾジアゼピン環系上で許容されることを示すが、側鎖は、GABAレセプターに対する結合親和性に有害に影響することなく存在し得ることを示す。

    【0206】 以下の方法が、本発明の他の多結合化合物を調製するために使用され得ることが、当業者により理解される。 リガンド前駆体、例えば、脱離基または求核基を含むリガンドは、従来の試薬および条件を使用して、求核基または脱離基を含むリンカー前駆体に共有結合され得る。 例えば、ハライド、トシラート、または他の脱離基を有する2当量のリガンド前駆体は、2つの求核基(例えば、アミン基)を含むリンカー前駆体に容易に結合されて、ダイマーを形成し得る。 本反応に用いられる脱離基は、任意の従来の脱離基であり得、これには、クロロ、ブロモまたはヨードのようなハロゲン、またはトシル、メシルなどのようなスルホネート基が例として含まれる。 求核基がフェノールである場合、フェノールのヒドロキシル基を効果的に脱プロトン化する任意の塩基が使用され得、これには、例示として、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムエトキシド、トリエチルアミン、
    ジイソプロピルエチルアミンなどが含まれる。 求核置換反応は、代表的には、不活性希釈剤(例えば、テトラヒドロフラン、N,N,−ジメチルホルムアミド、
    N,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、2−ブタノン、1−メチル−2−ピロリジノンなど)中で行われる。 反応が終了した後、このダイマーは、代表的には、従来の手順(例えば、抽出、濾過、クロマトグラフィーなど)を使用して単離される。

    【0207】 さらなる例示として、親水性リンカーを有するダイマーは、求核基を含むリガンド前駆体および脱離基、例えば、ポリ(オキシエチレン)ジブロミド(オキシエチレン単位の数が代表的には1から約20までの整数である場合)を含むポリオキシエチレンを使用して生成され得る。 本反応において、2モル当量のリガンド前駆体を、過剰な炭酸カリウムの存在下で、1モル当量のポリ(オキシエチレン)ジブロミドと反応させて、ダイマーを得る。 この反応は、代表的には、N,
    N−ジメチルホルムアミド中で、約25℃〜約100℃の範囲の温度にて約6〜
    約48時間行われる。

    【0208】 あるいは、リガンドを接続するリンカーは、いくつかの工程で調製され得る。
    詳細には、リガンド前駆体は、まず、「アダプター」すなわち、一端に脱離基を有し、そして他端に別の官能基(これがこのアダプターを中間のリンカー基に結合させることを可能にする)を有する二官能性基に結合され得る。 いくつかの場合において、中間リンカーに結合させるために使用される官能基は、保護基(「
    PG」)で一時的にマスクされる。 アダプターの代表例には、例示として、te
    rt−ブチルブロモアセテート、1−Fmoc−2−ブロモエチルアミン、1−
    トリチル−2−ブロモエタンチオール、4−ヨードベンジルブロミド、プロパルギルブロミドなどが含まれる。 リガンド前駆体がアダプターに結合され、そして(保護基が存在する場合)保護基がそのアダプターの官能基から除去されて、中間体が生成された後、次いで2モル当量のこの中間体が中間リンカーと結合されてダイマーが形成される。

    【0209】 リガンド前駆体は、脱離基および保護基の両方を含むアダプターと結合されて保護された中間体を生成し得る。 この反応に用いられる脱離基は任意の従来の脱離基であり得、これには、例として、クロロ、ブロモ、またはヨードのようなハロゲン、トシル、メシルなどのようなスルホネート基が含まれる。 同様に、任意の従来の保護基が用いられ得、これには、例として、メチル、tert−ブチル、ベンジル(「Bn」)および9−フルオレニルメチル(「Fm」)エステルのようなエステルが含まれる。

    【0210】 保護された中間体は、次いで、従来の手順および試薬を使用して脱保護されて、脱保護された中間体が得られ得る。 例えば、tert−ブチルエステルは、ジクロロメタン中95%のトリフルオロ酢酸で容易に加水分解され;メチルエステルは、テトラヒドロフラン/水中の水酸化リチウムで加水分解され得、ベンジルエステルは、触媒(例えば、炭素上のパラジウム)の存在下での水素化分解により除去され得、そして9−フルオレニルメチルエステルは、DMF中20%のピペリジンを使用して容易に切断される。 所望であれば、他の周知の保護基および脱保護手順がこれらの反応において用いられて、脱保護された中間体が形成され得る。

    【0211】 同様に、アミン官能基を有するアダプターを有するリガンド前駆体が調製され得る。 リガンド前駆体は、脱離基および保護されたアミン基を含むアダプターと結合されて、保護された中間体が生成され得る。 この反応に用いられる脱離基は任意の従来の脱離基であり得る。 同様に、任意の従来のアミン保護基が用いられ得、これには、例として、トリチル、tert−ブトキシカルボニル(「Boc
    」)、ベンジルオキシカルボニル(「CBZ」)、および9−フルオレニルメトキシ−カルボニル(「Fmoc」)が含まれる。 リガンド前駆体へアダプターを結合させた後、得られる保護された中間体は、従来の手順および試薬を使用して脱保護されて、アミン基を含むリガンド前駆体を与える。 例えば、トリチル基は、アセトン中の塩化水素を使用して容易に除去され;Boc基は、ジクロロメタン中の95%のトリフルオロ酢酸を使用して除去され;CBZ基は、触媒(例えば、炭素上のパラジウム)の存在下での水素化分解により除去され得;そして9
    −フルオレニルメトキシカルボニル基は、DMF中20%のピペリジンを使用して容易に切断されて、脱ブロックされたアミンが得られる。 他の周知のアミン保護基および脱保護手順がこれらの反応において用いられて、アミン含有中間体および関連化合物が生成され得る。

    【0212】 アダプターを有するリガンド前駆体、例えば、遊離カルボン酸基または遊離アミン基を含むものが、相補的な官能基を有する中間リンカーと容易に結合されて、本明細書に記載の多結合化合物が生成され得る。 例えば、一方の成分が、カルボン酸基を含み、そして他方がアミン基を含む場合、結合反応は、代表的には、
    従来のペプチド結合試薬を使用し、そして従来の結合反応条件下で、代表的にはエチルジイソプロピルアミンのようなトリアルキルアミンの存在下で行われる。
    この反応における使用に適切な結合試薬には、例として、カルボジイミド(例えば、エチル−3−(3−ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド(EDC)、
    ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(
    DIC)など)および他の周知の結合試薬(例えば、N,N'−カルボニルジイミダゾール、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−tris(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)など)が含まれる。 必要に応じて、周知の結合促進剤(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(
    HOAT)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)など)が本反応に用いられ得る。 代表的には、この結合反応は、約0℃から約60℃までの範囲の温度にて、約1〜約72時間の間、THFのような不活性な希釈剤中で行われてダイマーが得られる。

    【0213】 本明細書に記載される多結合化合物はまた、広範囲の種々の他の合成反応および試薬を使用して調製され得る。 例えば、ヨウ化アリール、カルボン酸、アミンおよびホウ酸官能基を有するリガンド前駆体が調製され得る。 ヒドロキシメチルピロールは、Mitsunobu反応条件下で、種々のフェノールに容易に結合されて、脱保護後、官能化中間体を提供し得る。 Mitsunobu反応は、代表的には、周囲温度にて約48時間、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEA
    D)およびトリフェニルホスフィンを使用してヒドロキシメチルピロールおよび適切なフェノールを反応させることによって行われる。 次いで、必要であれば、
    従来の手順および試薬を使用する脱保護により、官能化中間体が得られる。

    【0214】 官能化中間体は、多結合化合物の合成において用いられ得る。 例えば、ヨウ化アリール中間体は、bis−ホウ酸リンカーと結合されて、ダイマーを提供し得る。 代表的には、この反応は、2モル当量のヨウ化アリールおよび1モル当量のbis−ホウ酸を、還流トルエン中のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、カルボン酸ナトリウム、および水の存在下で接触させることにより行われる。

    【0215】 ヨウ化アリール中間体はまた、アクリレート中間体またはアルキン中間体と結合されて、ダイマーを産生し得る。 これらの反応は、代表的には、2モル当量のヨウ化アリール中間体を1モル当量のアクリレートもしくはアルキンのいずれかと、N,N−ジメチルホルムアミド中のジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ヨウ化銅(I)およびジイソプロピルエチルアミンの存在下で接触させて、それぞれのダイマーを得ることにより行われる。

    【0216】 当業者に容易に理解されるように、本明細書に記載の合成手順または当該分野において公知の合成手順は、本発明の範囲内の広範囲な種々の化合物を得るために、容易に改変され得る。

    【0217】 (コンビナトリアルライブラリー) 本明細書に記載した方法は、多結合特性を有する多量体化合物を同定するためのコンビナトリアルアプローチに役立つ。

    【0218】 詳細には、標的上の結合部位の関連配置に関する、多結合化合物の個々のリガンドの適切な対置(juxtaposition)のような因子は、多結合化合物とその標的との相互作用を最適化することに、そして多価により生物学的利点を最大にするために重要である。 1つのアプローチは、特定の標的について関連する多結合パラメータにわたる特性を有する候補多結合化合物のライブラリーを同定することである。 これらのパラメータには以下が含まれる:(1)リガンドの同一性、(2)リガンドの配向、(3)その構成物の原子価、(4)リンカーの長さ、(5)リンカーのジオメトリ、(6)リンカーの物理的性質、および(
    7)リンカーの化学的官能基。

    【0219】 潜在的に多結合特性を有し(すなわち、候補多結合化合物)、そして複数のそのような変量を含む多量体化合物のライブラリーが調製され、次いでこれらのライブラリーは、選択されたリガンドおよび所望の多結合パラメータに対応する従来のアッセイによって評価される。 これらの変量の各々に関連する考察は、以下に記載される。

    【0220】 (リガンドの選択) 単一のリガンドまたはリガンドのセットは、特定の生物学的標的(すなわち、
    GABAレセプターへの結合)に関する候補多結合化合物のライブラリーに組み込むため選択される。 選択されるリガンドの唯一の要件は、それらが選択された標的と相互作用し得ることである。 従って、リガンドは、公知の薬物、公知薬物の改変された形態、公知薬物または公知薬物の改変された形態の基質のサブ構造(標的と相互作用するのに適する)、あるいは他の化合物であり得る。 リガンドは、好ましくは、多結合形態に引き継がれるか(carry over)または多結合形態で増幅されるように計画され得る公知の好ましい特性に基づいて選択される。 好ましい特性には、ヒト患者において立証された安全性および効力、適切なPK/ADMEプロフィール、合成の容易さ、および溶解度、logPなどのような望ましい物理的性質が挙げられる。 しかし、以前のリスト中の好ましくない特性を示すリガンドが、多結合化合物形成のプロセスによってより好ましい特性を獲得し得ることに留意することが重要である;すなわち、リガンドはこのような基準で必ずしも除外すべきではない。 例えば、ヒト患者において有効であるためには特定の標的で十分には強力でないリガンドが、多結合形態で提示される場合、高度に強力で有効になり得る。 強力で有効であるが、メカニズムと関連しない毒性の副作用のため役に立たないリガンドが、多結合化合物として増加した治療指数(増加した効力対毒性)を有し得る。 短いインビボ半減期を示す化合物は、多結合化合物として延長された半減期を有し得る。 有用性を限定するリガンドの物理的性質(例えば、低い溶解度、疎水性、親水性に起因する乏しいバイオアベイラビリティー)は、多結合形態において合理的に調整され得、所望の有用性と一致する物理的特性を有する化合物を提供する。

    【0221】 (配向:リガンド結合位置の選択および結合化学) リガンドがリンカーに結合するいくつかの点が、各リガンド上で選択される。
    結合のためにリガンド/リンカー上で選択される点は、相補的な反応性官能基を含むよう官能基化される。 このことにより、リガンドを、複数の相対的配向でそれらの標的結合部位に提示する効果、すなわち重要な多結合性設計パラメータを精査することが可能となる。 結合点を選択する唯一の要件は、これらの点のうちの少なくとも1つへの結合が、そのリガンドの活性を抑制しないことである。 結合のためのこのような点は、利用可能な場合、構造的情報により同定され得る。
    例えば、標的に結合したリガンドの共結晶構造の検査により、リンカー結合がリガンド/標的相互作用を排除しない1以上の部位を同定することが可能となる。
    あるいは、核磁気共鳴によるリガンド/標的結合の評価により、リガンド/標的結合に必須でない部位の同定が可能となる。 例えば、Fesikら、米国特許第5,891,643号(この開示はその全体が参考として本明細書に援用される)を参照のこと。 このような構造的情報が利用可能でない場合、リガンドについての構造−活性関係(SAR)の利用により、実質的な構造的変動が許容される位置および許容されない位置が示唆される。 構造的情報およびSAR情報の両方がない場合、単に、複数の別個の配向でのリガンドの提示を可能とする複数の結合点を有するライブラリーが選択される。 このライブラリーのその後の評価により、どの位置が結合に適切であるかが示される。

    【0222】 有利には、単量体リガンドの活性を失わせる結合位置もまた、その候補多結合化合物が、固有の活性を失わない様式で結合された少なくとも1つのリガンドを保有する場合、ライブラリー中の候補多結合化合物に含まれ得ることを強調することが重要である。 この選択は、例えば、単一標的分子に関しては、ヘテロ二価相互作用に由来する。 例えば、標的に結合したリガンドを考え、次いで、このリガンドに、同じリガンドの第2のコピーを、その第2のリガンドを第1の結合部位に近位の部位で同じ標的と相互作用することを可能にするリンカーで結合することによりそのリガンドを改変することを考えてみよ。 第1の結合部位に近位の部位は、正式のリガンド結合部位の部分ではない標的の要素および/または正式の結合部位を取り巻くマトリクス(例えば、膜)の要素を含む。 ここで、第2のリガンド分子の相互作用に最も好ましい配向は、第1の結合部位におけるリガンドの活性を失わせる位置で、その第2のリガンド分子をリンカーに結合することにより達成され得る。 このことを考える別の方法は、多結合性構造に関しては、
    個々のリガンドのSARが、しばしば、単量体形態での同じリガンドのSARと異なることである。

    【0223】 上述の議論は、異なる結合点(そのうちの1つは、単量体リガンドの結合/活性を失い得る)を介して単一のリンカーに結合された同じリガンドの2つのコピーを保有する二量体化合物の二価相互作用に焦点を当てた。 二価の利点はまた、
    共通のまたは異なる標的に結合する2つの異なるリガンドを保有するヘテロ二量体構成物で達成され得ることも理解されるべきである。

    【0224】 一旦、リガンド結合点が選択されると、これらの点で可能である化学結合の型が同定される。 最も好ましい型の化学結合は、代表的な化学的および生理学的条件下で安定かつ本質的に無害な、容易にそして一般的に生成されるリガンドの全体構造(またはそのリガンドの保護された形態)と適合する型の化学結合であって、そして大多数の利用可能なリンカーと適合する型の化学結合である。 アミド結合、エーテル、アミン、カルバメート、ウレア、およびスルホンアミドが、ほんの数例の好ましい結合である。

    【0225】 (リンカーの選択) 候補多結合化合物のライブラリーを生成するのに使用されるリンカーのライブラリーにおいて、このリンカーのライブラリーにおいて使用されるリンカーの選択は以下の因子を考慮する。

    【0226】 (原子価) ほとんどの例において、リンカーのライブラリーは二価のリンカーで開始される。 リガンドの選択および2つのリガンドの結合部位に関するそれらの適切な並置により、このような分子が、生物学的利点を付与するに非常に十分な標的結合親和性および特異性を示すことが可能になる。 さらに、二価のリンカーまたは構築物もまた、典型的な中程度のサイズのものであり、その結果、これらは低分子の所望される生体分布特性を保持する。

    【0227】 (リンカーの長さ) リンカーは一定の範囲の長さで選択され、所定の二価の相互作用に好ましい距離を含む一定の範囲のリガンド間の距離にわたることを可能にする。 いくつかの例において、好ましい距離は標的の高解像度構造情報からかなり正確に評価され得る。 他の例において、高解像度構造情報が利用可能では無い場合、単純なモデルを使用することにより、隣接するレセプター上か、または同一のレセプター上の異なる位置のいずれかでの結合部位間での最大距離を見積もり得る。 同一の標的上に2つの結合部位(または多サブユニット標的に対する標的サブユニット)
    が存在する場合、好ましいリンカー距離は2〜20Åであり、より好ましいリンカー距離は3〜12Åである。 2つの結合部位が異なる標的部位上に備わっている場合、好ましいリンカー距離は20〜100Åであり、より好ましい距離は3
    0〜70Åである。

    【0228】 (リンカーのジオメトリーおよび堅さ) リガンド結合部位、リンカーの長さ、リンカーのジオメトリーおよびリンカーの堅さの組み合わせにより、多結合化合物候補のリガンドが3次元で示され、そしてそれによって結合部位に提示され得る可能な様式が決定される。 リンカーのジオメトリーおよび堅さは、名目上、化学組成および結合パターンにより決定され、これらは、多結合アレイにおける別のスパニング機能として制御され得、そして系統的に変化される。 例えば、リンカーのジオメトリーは、2つのリガンドをベンゼン環のオルト位、メタ位およびパラ位に結合することにより、またはシクロヘキサン核の周りの1,1−対1,2−対1,3−対1,4−位でのシス−
    もしくはトランス−配置で結合することにより、またはエチレン不飽和点でのシス−またはトランス−配置で結合することにより、変化される。 リンカーの堅さは、リンカーにとって可能な異なる立体配座状態の数および相対的エネルギーを制御することにより変化される。 例えば、1,8−オクチルリンカーにより連結される2つのリガンドを有する二価の化合物は、2つのリガンドがビフェニルリンカーの4,4'位に結合される化合物よりもかなり多い自由度を有し、それゆえ剛性が低い。

    【0229】 (リンカーの物理的性質) リンカーの物理的性質は、名目上、リンカーの化学的構造および結合パターンによって決定され、そしてリンカーの物理的性質はリンカーが含まれる多結合化合物候補の全体の物理的性質に影響を与える。 リンカーの組成の範囲は、典型的には、多結合化合物候補における物理的性質(疎水性、親水性、両親媒性、極性、酸性、および塩基性)の範囲を与えるように選択される。 リンカーの物理的性質の特定の選択は、それらが結合するリガンドの物理的性質の関係内で行われる。 そして、好ましくは、目標は好ましいPK/ADME特性を有する分子を産生することである。 例えば、リンカーは、インビボで容易に吸収されおよび/または分布されるためにはあまりにも親水性であるもの、またはあまりにも疎水性であるものは避けるように選択され得る。

    【0230】 (リンカーの化学的官能基) リンカーの化学的官能基は、リンカーをリガンドに結合させるために、およびこのパラメータの最初の試験にまたがるに十分な物理的性質の範囲を与えるために選択された化学に適合性であるように選択される。

    【0231】 (コンビナトリアル合成) 上記で概略を述べたプロセスによって、n個のリガンド(nは選択されたリガンドそれぞれの異なる結合位置の数の合計によって決定される)およびm個のリンカーの1セットを選択して、(n!)m個の二価多結合化合物候補のライブラリーを調製する。 それは特定の標的に対する関連する多結合設計パラメータにまたがる。 例えば、全ての可能な組み合せで結合した2つのリガンド(2つの結合位置(A1、A2)を有するものおよび3つの結合位置(B1、B2、B3)を有するもの)から産生されたアレイは、多結合化合物の以下の少なくとも15の可能な組み合せを提供する: A1−A1 A1−A2 A1−B1 A1−B2 A1−B3 A2−A2
    A2−B1 A2−B2 A2−B3 B1−B1 B1−B2 B1−B3
    B2−B2 B2−B3 B3−B3。

    【0232】 これらの組み合せのそれぞれが10の異なるリンカーによって結合される場合、150の候補多結合化合物のライブラリーが生じる。

    【0233】 ライブラリーのコンビナトリアルな性質を考慮すると、好ましくは共通の化学が、リガンド上の反応性の官能基を、リンカー上の相補的な反応性の官能基と結合するのに使用される。 従って、ライブラリーは有効なパラレル合成法に役立つ。 コンビナトリアルライブラリーは当該分野で周知の固相化学を使用し得る。 ここでリガンドおよび/またはリンカーは固体支持体に結合される。 あるいは、好ましくは、コンビナトリアルライブラリーは溶液相で調製される。 合成の後、多結合化合物候補は、必要に応じて、例えばクロマトグラフィー法(例えばHPL
    C)により、活性についてのアッセイの前に精製される。

    【0234】 (ライブラリーの分析) どの化合物が多結合性質を有するかを決定するために、種々の方法がライブラリーの多結合化合物候補の性質および活性を特徴付けるために使用される。 種々の溶媒条件下での溶解性およびlogD/clogDの値のような物理的定数が決定され得る。 NMR分光学およびコンピューターを使用する方法の組み合せが、流体媒体中の多結合化合物候補の、低エネルギーの立体配座を決定するために使用される。 ライブラリーのメンバーの、所望される標的および他の標的に結合する能力は、種々の標準的な方法で決定され、これらの方法には、レセプターおよびイオンチャネルの標的に関しては放射性リガンド置換アッセイ、ならびに多くの酵素標的に関しては速度論的阻害分析が挙げられる。 レセプターアゴニストおよびアンタゴニスト、イオンチャネル遮断薬、および抗菌活性に関するような、インビトロの有効性が決定され得る。 経口吸収、反転腸浸透(everted
    gut penetration)、他の薬物動態学的パラメータおよび有効性のデータを含む薬理学的データが適切なモデルで決定され得る。 この方法では、重要な構造−活性相関が、次いで、将来の研究を方向付けるために使用される多結合設計パラメータのために得られる。

    【0235】 本明細書中で定義されたような多結合性質を示すライブラリーのメンバーは、
    従来の方法によって容易に決定され得る。 まず、多結合性質を示すメンバーが、
    上記で記載されたように従来のアッセイ(インビトロおよびインビボの両方)を含む従来の方法によって同定される。

    【0236】 第2に、多結合性質を示す化合物の構造を、当該分野で認められた手順で確かめ得る。 例えば、ライブラリーの各メンバーは、暗号化されるか、または後に関連するメンバーの構造の決定を可能にする適切な情報でタグ化され得る。 例えば、Dowerら、国際出願公開第WO93/06121号、Brennerら、
    Proc. Natl. Acad. Sci. ,USA、89:5181(1992
    )、Gallopら、米国特許第5,846,839号を参照のこと。 これらはそれぞれ本明細書中で全体として参考として援用される。 あるいは、関連する多価化合物の構造はまた、可溶性およびタグ化されていない多価化合物候補のライブラリーから、Hindsgaulら、1998年7月11日に公開されたカナダ特許出願第2,240,325号に記載されるような当該分野で公知の方法によって決定され得る。 そのような方法は、構造および多結合化合物候補のレセプターに対する相対的な結合親和性を両方決定するために、質量分析とフロンタルアフィニティークロマトグラフィーとを組み合せる。

    【0237】 二量体の多結合化合物候補に関して上記で述べたプロセスは、もちろん三量体の化合物候補およびそのより高次のアナログに拡大し得る。

    【0238】 (さらなるライブラリーの後処理合成および分析) 最初のライブラリーの分析によって得られた情報に基づいて、プロセスの任意の要素は、特定の相対的なリガンドの配向、リンカーの長さ、リンカーのジオメトリーなどで定義される、1つ以上の有望な多結合「リード」化合物を確かめることである。 次いで構造−活性相関に関してさらに情報を提供するために、さらなるライブラリーをこれらのリードのまわりに産生し得る。 標的親和性、および/または標的での活性(拮抗作用、部分的アゴニズムなど)をさらに最適化する、そして/または物理的性質を変化させる努力において、これらのアレイは代表的には、リンカー構造においてより集中したバリエーションを有する。 伝統的な医薬品化学、生化学、および薬理学のアプローチと共に新規の多結合設計原理を用いた反復性の再設計/分析によって、その標的に対して、および治療剤として生物学的な利点を示す、最適な多結合化合物を調製および同定し得る。

    【0239】 この手順にさらにみがきをかけるために、適切な二価のリンカーは、単なる例証として、ジカルボン酸、ジスルホニルハロゲン化物、ジアルデヒド、ジケトン、ジハロゲン化物、ジイソシアネート、ジアミン、ジオール、ならびにカルボン酸、ハロゲン化スルホニル、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化物、イソシアネート、アミン、およびジオールの混合物から得られるものを含む。 それぞれの場合で、カルボン酸、ハロゲン化スルホニル、アルデヒド、ケトン、ハロゲン化物、
    イソシアネート、アミンおよびジオール官能基が、リガンド上の相補的な官能基と反応して共有結合を形成する。 そのような相補的な官能基は、以下の表で例示されるように当該分野で周知である。

    【0240】

    【表3】

    【0241】 例示のリンカーは、下記で述べるようにX−1〜X−418として同定される以下のリンカーを含む:

    【0242】

    【化14】

    【0243】

    【0244】

    【0245】

    【0246】

    【0247】

    【0248】

    【0249】

    【0250】

    【0251】

    【0252】

    【0253】

    【0254】

    【0255】

    【0256】

    【0257】

    【0258】

    【0259】

    【0260】

    【0261】

    【0262】

    【0263】

    【0264】

    【0265】

    【0266】

    【0267】 (薬学的処方物) 医薬品として用いられる場合、本発明の化合物は通常、薬学的組成物の形態で投与される。 これらの化合物は経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内、および鼻腔内を含む様々な経路によって投与され得る。 これらの化合物は注射用および経口用の組成物としてどちらも有効である。 このような組成物は当該薬学分野において周知の様式で調製され、少なくとも1つの活性化合物を含む。 好ましい化合物は、1mM未満の濃度で1以上のGABAレセプターに対するレセプター結合活性を有するものである。

    【0268】 本発明はまた、薬学的組成物を包含し、この薬学的組成物は、活性成分として、薬学的に受容可能なキャリアと会合した、1つ以上の本明細書中で記載される化合物を含有する。 本発明の組成物の作製時に、活性成分は通常、賦形剤と混合、賦形剤で希釈、またはカプセル、袋、紙または他の容器の形態であり得るキャリア中に封入される。 賦形剤が希釈剤として働く場合、それは固体、半固体、または液体物質であり得、それは活性成分のビヒクル、キャリアまたは媒体として作用する。 従って、これらの組成物は錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、サシェ剤(sachet)、カシェ剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルジョン、溶液、シロップ剤、エアロゾル剤(固体としてまたは液体の媒体中で)、例えば10重量%までの活性化合物を含む軟膏、軟および硬ゼラチンカプセル剤、坐剤、滅菌注射溶液、および滅菌包装散剤の形態であり得る。

    【0269】 処方物の調製において、他の成分と組み合せる前に、適当な粒径を提供するために活性化合物を製粉する必要があり得る。 活性化合物が実質的に不溶性である場合、それは通常200メッシュより小さい粒径まで製粉される。 活性化合物が実質的に水溶性である場合、処方物中で実質的に均一な分布を提供するために、
    この粒径は、通常、製粉することによって、例えば約40メッシュに調節される。

    【0270】 適切な賦形剤のいくつかの例は、ラクトース、デキストロース、スクロース、
    ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカント、ゼラチン、珪酸カルシウム、微結晶性セルロース、
    ポリビニルピロリドン、セルロース、滅菌水、シロップ、およびメチルセルロースを含む。 処方物はさらに以下を含み得る:タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油のような滑沢剤;湿潤剤;乳化および懸濁剤;メチル−およびプロピルヒドロキシ−安息香酸のような保存剤;甘味料;および矯臭剤。 本発明の組成物は、当該分野で公知の手順を用いることによって、患者に投与した後に活性成分の迅速な放出、持続性の放出または遅延した放出を提供するために処方され得る。

    【0271】 この組成物は好ましくは単位投与量形態で処方され、それぞれの投与量は約0
    . 001から約1g、より通常には約1から約30mgの活性成分を含む。 「単位投与量形態」という用語は、ヒト被験体および他の哺乳動物の単位投与量として適切な、物理的に分離した単位をいい、それぞれの単位は、適切な薬学的賦形剤と組み合せて、望ましい治療的効果を生じるように計算された、所定量の活性物質を含む。 好ましくは、上記の式Iの化合物は、薬学的組成物の約20重量%
    を超えずに、より好ましくは、約15重量%を超えずに用いられ、残りは、薬学的に不活性なキャリアである。

    【0272】 活性化合物は広い投与量範囲にわたって有効であり、一般的には薬学的に有効な量で投与される。 しかし、実際に投与される化合物の量は、処置される状態、
    選択される投与経路、投与される実際の化合物、およびその相対的な活性、個々の患者の年齢、体重、および応答、患者の症状の重篤度などを含む、関連する状況を考慮して、医師によって決定されることが理解される。

    【0273】 錠剤のような固体の組成物を調製するために、主な活性成分は、薬学的賦形剤と混合されて、本発明の化合物の均一な混合物を含む固体の予備処方組成物を形成する。 これらの予備処方組成物が均一であると言う場合、活性成分が組成物全体に均等に分散していて、その結果、組成物が、等しく有効な単位投与量形態(
    例えば、錠剤、丸剤、およびカプセル剤)に、容易に細分割され得ることを意味する。 この固体の予備処方物は次いで、例えば0.1〜約500mgの本発明の活性成分を含む、上記で記載された種類の単位投与量形態に細分割される。

    【0274】 本発明の錠剤または丸剤は、延長した作用の利点を与える投与量形態を提供するために、コーティングまたは別な方法で調合され得る。 例えば、錠剤または丸剤は内部投与構成成分および外部投与構成成分を含み得、後者は前者を覆う被膜の形態である。

    【0275】 2つの構成成分は、腸溶性層によって分離され得、この腸溶性剤は、胃での分解に抵抗し、内部構成成分を完全なままで十二指腸を通過させるように働くか、
    または放出を遅らせるように働く。 様々な物質が、そのような腸溶性層またはコーティングのために使用され得、そのような物質には、多くのポリマー性酸、およびポリマー性酸の、セラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースのような物質との混合物が挙げられる。

    【0276】 経口または注射による投与のために本発明の新規組成物が組み込まれ得る液体の形態は、水溶液、適切に味をつけたシロップ、水性または油性の懸濁液、およびコーン油、綿実油、ごま油、ココナッツオイル、またはピーナッツ油のような食用油を含む味つけしたエマルジョン、ならびにエリキシル剤および同様の薬学的ビヒクルを含む。

    【0277】 吸入または吸送のための組成物は、薬学的に受容可能な水性または有機溶媒中の溶液および懸濁液、あるいはその混合物ならびに粉末を含む。 液体または固体組成物は、前出で記載されたように、適切な薬学的に受容可能な賦形剤を含み得る。 好ましくは、組成物は、局所または全身効果のために、経口または鼻呼吸経路によって投与される。 好ましくは薬学的に受容可能な溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧され得る。 噴霧溶液は、噴霧デバイスから直接吸入され得るか、またはこの噴霧デバイスは、フェイスマスクテント、または間欠的陽圧呼吸器に接続され得る。 溶液、懸濁液、または粉末組成物は、好ましくは経口または鼻腔内に、適当な様式で処方物を送達するデバイスから投与され得る。

    【0278】 以下の処方物は、本発明者らの薬学的組成物の例示的な代表的薬学的組成物を例示する。 (処方実施例1) 以下の成分を含有する硬ゼラチンカプセル剤を調製する:

    【0279】

    【表4】

    【0280】 上記の成分を混合し、そして硬ゼラチンカプセル340mg分量で充填する。

    【0281】 (処方実施例2) 錠剤処方を以下の成分を使用して調製する。

    【0282】

    【表5】

    【0283】 この成分をブレンドし、そして圧縮して錠剤を形成し、各々は240mgの重量である。

    【0284】 (処方実施例3) 乾燥粉末吸入器処方を調製し、これは以下の成分を含有する。

    【0285】

    【表6】

    【0286】 活性成分をラクトースと混合し、そしてこの混合物を乾燥粉末吸入器具へ添加する。

    【0287】 (処方実施例4) 錠剤(各々は30mgの活性成分を含有する)を以下のように調製する:

    【0288】

    【表7】

    【0289】 活性成分、デンプンおよびセルロースをNo. 20メッシュU. S. シーブを通過させ、そして徹底的に混合する。 ポリビニルピロリドンの溶液を得られる粉末と混合し、次いでこれを16メッシュU. S. シーブを通過させる。 そのように作製した顆粒を50℃〜60℃で乾燥し、そして16メッシュU. S. シーブを通過させる。 カルボキシメチルスターチナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、およびタルク(予めNo.30メッシュU.S.シーブを通過させる)を次いでこの顆粒に添加し、混合後、これを錠剤機で圧縮して、各々が120mgである錠剤を得る。

    【0290】 (処方実施例5) カプセル剤(各々は40mgの医薬を含有する)を以下のように作製する:

    【0291】

    【表8】

    【0292】 活性成分、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.
    20メッシュU. S. シーブを通過させ、そして150mg分量で硬ゼラチンカプセルに充填する。

    【0293】 (処方実施例6) 座薬(各々は25mgの活性成分を含有する)を以下のように作製する:

    【0294】

    【表9】

    【0295】 活性成分をNo. 60メッシュU. S. シーブを通過させ、そして必要な最小の熱を使用して予め融解させた飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁させる。 次いで、
    この混合物を名目上2.0g容量の座薬鋳型に注ぎ、そして冷却させる。

    【0296】 (処方実施例7) 懸濁剤(各々は5.0mL用量当たり50mgの医薬を含有する)を以下のように作製する:

    【0297】

    【表10】

    【0298】 活性成分、スクロースおよびキサンタンガムをブレンドし、No. 10メッシュU. S. シーブを通過させ、次いで、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび微結晶性セルロースの予め作製した水溶液と混合する。 安息香酸ナトリウム、香料、および着色料をいくらかの水で希釈し、そして攪拌しながら添加する。 次いで十分な水を添加し、必要とされる容量にする。

    【0299】 (処方実施例8) 処方物を以下のように調製し得る:

    【0300】

    【表11】

    【0301】 活性成分、デンプン、およびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.
    20メッシュシーブを通過させ、そして425.0mgの分量で硬ゼラチンカプセルに充填する。

    【0302】 (処方実施例9) 処方物を以下のように調製し得る:

    【0303】

    【表12】

    【0304】 (処方実施例10) 局所的な処方物を以下のように調製し得る:

    【0305】

    【表13】

    【0306】 白色軟質パラフィンを融解するまで加熱する。 液体パラフィンおよび乳化ワックスを組み込み、そして溶解するまで攪拌する。 活性成分を添加し、そして分散するまで攪拌を続ける。 次いでこの混合物を固化するまで冷却する。

    【0307】 本発明の方法において使用される別の好ましい処方物は、経皮送達デバイス(
    「パッチ」)を利用する。 このような経皮パッチは、本発明の化合物の連続的または非連続的注入を、制御される量で提供するために使用され得る。 薬剤の送達のための経皮パッチの構造および使用は、当該分野において周知である。 例えば、1991年6月11日発行の米国特許第5,023,252号(これはその全体が本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。 このようなパッチは、
    連続の、断続的な(pulsatile)、または要求に応じての薬剤の送達のために構築され得る。

    【0308】 本発明における使用のために他の適切な処方物は、Remington's
    Pharmaceutical Sciences、Mace Publish
    ing Company、Philadelphia、PA、第17版、198
    5年)に見られ得る。

    【0309】 (用途) 本発明の多結合化合物は、GABAレセプターの、アゴニスト、部分アゴニスト、インバースアゴニスト、部分インバースアゴニスト、もしくはアンタゴニストであり、これらは、神経学的疾患を媒介することが知られている。 従って、本発明の多結合化合物および薬学的組成物は、GABAレセプターによって媒介される種々の神経学的疾患(例えば、不安、睡眠および発作の障害、ならびにベンゾジアゼピン型薬物、覚醒の促進剤などの過剰用量)の処置および予防に有用である。

    【0310】 このような状態の処置または回復において使用される場合、本発明の化合物は、代表的には、薬学的に受容可能な希釈剤および有効量の本発明の少なくとも1
    つの化合物を含む薬学的組成物によってこのような処置を必要とする患者に送達される。 患者に投与される化合物の量は、どの化合物および/または組成物が、
    投与されるか、投与の目的(例えば、予防または治療)、患者の状態、投与の様式、などに依存して変化する。 治療的適用において、少なくとも部分的にその症状を低減するのに十分な量の組成物が、例えば、不安をすでに患っている患者に投与される。 この使用のための有効量は、患者における疾患の程度または重篤度、患者の年齢、体重、および全体的な健康状態などのような要因に依存して、担当医の判断に依存する。 本発明の薬学的組成物は、本発明の1つより多い化合物を含み得る。

    【0311】 上記のように、患者に投与される化合物は、上記の薬学的組成物の形態であり、これは、種々の経路(経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内などを含む)
    によって投与され得る。 これらの化合物は、注射可能および経口送達可能な薬学的組成物の両方として有効である。 このような組成物は、製薬の分野で周知の様式で調製され、そして少なくとも1つの活性化合物を含む。

    【0312】 本発明の多結合化合物はまた、プロドラッグの形態で(すなわち、生物学的に活性な化合物へとインビボで変換される誘導体として)投与され得る。 このようなプロドラッグは、代表的には、例えば、カルボン酸基、ヒドロキシル基、またはチオール基が、生物学的に不安定な基(例えば、インビボで加水分解してそれぞれの基に回復する、エステル基、ラクトン基もしくはチオエステル基)に変換される化合物を含む。

    【0313】 その化合物は、どの多量体リガンド化合物が多結合特性を有するかを同定するためにアッセイされ得る。 第1に、各々が少なくとも1つの反応性の官能性を含むリガンド、またはリガンドの混合物、ならびに各々が、そのリガンドの反応性の官能基の少なくとも1つに対する相補的な反応性を有する少なくとも2つの官能基を含むリンカーのライブラリーを同定する。 次に、多量体リガンド化合物ライブラリーを、リガンドまたはリガンドの混合物の少なくとも2つの化学量論的な当量を、リンカーのライブラリーと、その相補的な官能基が反応して、リンカーと少なくとも2つのリガンドとの間で共有結合を形成する条件下で、合わせることによって、調製する。 ライブラリーにおいて産生された多量体リガンド化合物は、多結合特性を有する多量体リガンド化合物を同定するためにアッセイされ得る。 その方法はまた、リガンドのライブラリーおよびリンカーもしくはリンカーの混合物を使用して行われ得る。

    【0314】 多量体リガンド化合物ライブラリーの調製は、リガンドの2つ以上の化学量論な当量の、そのリンカーとのの組み合わせの、連続的もしくは同時的のいずれかで達成され得る。 多量体リガンド化合物は、二量体(例えば、ホモもしくはヘテロ)であり得る。 ヘテロリガンド化合物ライブラリーは、第1および第2のリガンドを連続的に添加することによって調製され得る。

    【0315】 多量体リガンド化合物ライブラリーの各メンバーは、例えば、調製用液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)によって、ライブラリーから単離され得る。 リンカー(単数もしくは複数)は、可撓性のリンカー、堅いリンカー、疎水性のリンカー、親水性のリンカー、異なるジオメトリーのリンカー、酸性リンカー、塩基性リンカー、異なる分極(polarization)および/もしくは分極率(polarizability)のリンカー、または両親媒性リンカーであり得る。 リンカーは、異なる鎖長のリンカーおよび/もしくは異なる相補性反応性基を有するリンカーを含み得る。 1つの実施態様において、そのリンカーは、約2〜100Åの範囲の異なるリンカー長を有するように選択される。 リガンドもしくはリガンドの混合物は、リガンド上の異なる部位で反応性官能基を有し得る。 反応性の官能性は、リガンド上での反応性の官能性が、リンカー上の少なくとも1つの反応性の基と相補的であり、その結果、共有結合が、そのリンカーとリガンドとの間で形成され得る限り、例えば、カルボン酸、カルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸エステル、アミン、ハロゲン化物、擬似ハロゲン化物(
    pseudohalide)、イソシアネート、不飽和ビニル、ケトン、アルデヒド、チオール、アルコール、無水物、ボロネート(boronate)、およびこれらの前駆体であり得る。

    【0316】 多価特性を有する多量体リガンド化合物のライブラリーは、このようにして形成され得る。

    【0317】 多結合特性を有する多量体リガンド化合物は、第1の収集物を調製することによる反復法において、またはGABAレポーターを標的とする少なくとも2化学量論当量のリガンドもしくはリガンドの混合物を、リンカーまたはリンカーの混合物と接触させることによる多量体化合物の反復によって、同定され得、ここで、上記のリガンドもしくはリガンドの混合物は、少なくとも1つの反応性の官能性を含み、そして上記のリンカーもしくはリンカーの混合物は、リガンドの少なくとも1つの反応性の官能基に対して相補的反応性を有する少なくとも2つの官能基を含む。 そのリガンドおよびリンカーは、そのリンカーと少なくとも2つのそのリガンドとの間で共有結合を形成する条件下で反応される。 第1の収集物または多量体化合物の反復は、任意の化合物が、多結合特性を有するか否かを評価するためにアッセイされ得る。 そのプロセスは、少なくとも1つの多量体化合物が、多結合特性を有することが見出されるまで、繰り返され得る。 多量体化合物もしくは第1の反復における化合物に多結合特性を付与されたか、または付与することと一致している特定の分子的制約を評価することによって、第2の収集物または特定の分子的制約を評価する多量体化合物の反復が、アッセイされ得、そして工程は、必要に応じて反復され、その分子の制約をさらに評価する。 例えば、その工程が、2回と50回の間から、より好ましくは、5回と50回の間、反復され得る。

    【0318】 以下の合成実施例および生物学的実施例は、本発明を例示するために提供され、そして本発明の範囲を制限するようには、いかなる様式においても解釈されない。 特に断らない限り、全ての温度は、摂氏度である。

    【0319】 (実施例) 以下の実施例において、以下の略語は、以下の意味を有する。 略語が定義されていない場合、それは、その一般的に許容される意味を有する。 Å = オングストローム cm = センチメーター DDC = ジシクロヘキシカルボジイミド DMF = N,N−ジメチルホルムアミド DMSO = ジメチルスルホキシド EDTA = エチレンジアミン四酢酸 g = グラム HPLC = 高速液体クロマトグラフィー MEM = 最小必須培地 mg = ミリグラム MIC = 最小阻害濃度 min = 分 mL = ミリリットル mm = ミリメーター mmol = ミリモル N = 規定 THF = テトラヒドロフラン μL = マイクロリットル μm = ミクロン。

    【0320】 (実施例A:[ 3 H]フルニトラゼパム結合アッセイ) 3 Hジアゼパムもしくは3 Hフルニトラゼパムを使用する実験は、薬理学的レセプターについての基準(例えば、飽和能(saturability)、可逆性、立体選択性、およびこのクラスのその薬物のインビボ活性との有意な相関性)
    を満足するCNS膜調製物における特定の結合部位を実証した。 ベンゾジアゼピンレセプターの異質性は、報告されている(Klepnerら、1979、Su
    pavilaiおよびKarobath 1980、Hafelyら 1993
    、Daviesら、1994)。

    【0321】 (組織調製物) 雄Wistarラットは、断頭され、そしてその脳が迅速に除去される。 その大脳皮質を除去し、重量を測定し、そしてPotter−Elvejhemホモジナイザーで20容量の氷冷0.32Mスクロースにおいてホモジナイズされる。 このホモジネートを、1000gで10分間遠心分離し、そのペレットを捨て、そしてその上清を30,000gで20分間遠心分離する。 その得られる膜ペレットを、0.05M Tris緩衝液(pH6.9)の40容量において再懸濁する。

    【0322】 (アッセイ) 1ml 0.05Tris緩衝液、pH6.9 560ml H 2 O 70ml 0.5M Tris緩衝液、pH6.9 50ml 3 H−フルニトラゼパン 20ml ビヒクル(完全結合のための)、または0.1mMクロナゼパン(非特異的結合のための)、または適切な薬物濃度 300ml 組織懸濁液。

    【0323】 3 Hフルニトラゼパム、緩衝液、薬物およびH 2 Oを含有するチューブを、0〜
    4℃で氷浴でインキュベートする。 300mlのアリコートの組織懸濁液を、1
    0秒間隔でチューブに添加する。 そのタイマーを、その第1のチューブへの混合物の添加によって開始する。 次いで、そのチューブを0〜4℃で20分間インキュベートし、そしてそのアッセイをWhatmanGF/Bフィルターを通しての真空濾過によって停止する。 この工程を、10秒間間隔で行う。 各フィルターを、氷冷緩衝液(pH6.9)の3回の5mlでの洗浄により、迅速にリンスする。 そのフィルターを、10mlの液体シンチレーションカウンティングカクテル中で計数する。

    【0324】 (評価) 特異的結合を、総結合とクロナゼパムの存在下での結合との差として規定する。 特異的結合は、総リガンド結合の約97%である。 各薬物濃度でのパーセント阻害は、3連の決定の平均である。 IC50の計算は、logプロビット分析を使用して行う。

    【0325】 (参考文献)

    【0326】

    【化15】

    【0327】

    【0328】 (実施例B: 36 Cl -フラックス) 新鮮な大脳皮質組織を、10容量の冷緩衝液A(mmol/l:0.5M T
    ris塩基によってpH7.5に調整された、NaCl 145、KCl 5、
    MgCl 2 4、KH 2 PO 4 1、Hepes 10、ATP 2)中でホモジナイズし、そして15分間770gで遠心分離する。 そのペレットを、緩衝液B
    (mmol/l:KCl 100、NaCl 45、残りは緩衝液Aと同一である)中で再懸濁し、そして再び15分770gで遠心分離する。 緩衝液A中でのさらなる回の洗浄サイクルの後、そのペレットを懸濁して、10.6mg/ml
    のタンパク質濃度にする。 GABA刺激塩素イオンのフラックスを測定する前に、1.6mgのタンパク質を含有する膜懸濁液のアリコートを、調査下のベンゾジアゼピンありまたはなしで、予めインキュベートし、0.2%BSAを含有する緩衝液A中に10分間、30℃で溶解する。 次いで、予め暖めたGABAおよび放射活性な塩化物溶液( 36 Cl - ;New England Nuclear
    ;13.5mCi/g、1mCi/ml最終濃度)を、400mlの最終容量に添加する。 その反応混合物を、簡単にボルテックスし、3秒間30℃でインキュベートする。 そのフラックスを、100mMのビククリンおよび0.01%BS
    Aを含有する4mlの冷緩衝液Aを添加しすることによって停止させ、その直後に、0.1%のポリエチレンイミン中に予め浸したWhatman GF/Bフィルターを通して濾過する。 チューブおよびフィルターを、4mlの停止溶液でリンスし、そしてそのフィルターを、各1mlの10部でさらに洗浄する。 フィルター上に維持した組織中の放射能を、シンチレーションカウンターで測定する。 GABAの非存在下での非特異的フラックスは、各容量から差し引きされ、その特異的なGABA刺激塩化物フラックスを得る。 この手順のさらなる詳細は、
    HarrisおよびAllan、Science、228,1108−1110
    (1985)に記載される。

    【0329】 (実施例C:マウスにおける4つのプレート試験) マウスにおける4つのプレート試験は、マイナーなトランキライザーの迅速なスクリーニングのための方法としてBoissierら(1968)によって記載されている。

    【0330】 (手順) 試験ボックスは、長方形(25×18×16cm)の形状を有する。 そのフロアを、4mmのギャップによって互いに分離した4つの同一の長方形の金属プレート(8×11cm)で覆う。 そのプレートを、2つの近接するプレートに、0
    . 35Maの穏やかな電気ショックを0.5秒かける連続流の供給源に連結する。 これは、動物の明確な飛行反応を誘発する。 17〜23gの重量の成体雄Sw
    iss白色種マウスを、異なる群にランダムに分配する。 その試験の30分前に、その動物に、試験薬物およびビヒクルを腹腔内に注射する。 その試験の始めに、そのマウスをプレートに静かに落とし、そして15秒間その包囲(enclo
    sure)を探索させる。 その後、その動物が1つのプレートから別のプレートを横切る毎に、実験者は、0.5秒間全フロアに電気を流し、これは、しばしば2〜3プレートを横切るマウスの明確な飛行反応を引き起こす。 そのマウスが走り続ければ、新たなショックはその後3分間の間送達されない。

    【0331】 (評価) その装置に電気がかけられた回数は、10分間毎分計数される。 ショックの送達が、その運動活性を劇的に減少する。 最初の1分間に受けられたショックの回数は、パラメータとして採られる。 この数は、マイナーなトランキライザー(例えば、ベンゾジアゼピン)によって、増大されるが、神経遮断薬および精神異常発作発現薬によっては増大されない。

    【0332】 (その方法の重要な評価) この試験は、マイナーなトランキライザー(例えば、ベンゾジアゼピン抗不安剤)を、神経遮断剤と区別するのに価値がある。

    【0333】 (参考文献)

    【0334】

    【化16】

    【0335】 (実施例D:明暗モデル) 明暗モデルにおいて、マウスまたはラットの探究は、齧歯類に高度に有害である明るい照明によって阻害される(CrawleyおよびGoodwin 19
    80)。 これらの動物を、2区画のチャンバーの明るく照らされた側に配置し、
    そして明るい側と暗い側との間の横断数を記録する。 抗不安薬は、横断の用量依存性の増加を生じる。

    【0336】 (手順) ケージ(40×60cm)の3分の1をカバーで暗くし、そして壁を用いて他方の明るく照射した領域と分離する。 丸い穴(直径13cm)は、ラットが照射した区画から暗くした区画へ通過することを可能にする。 このケージをAnime
    x(登録商標)活性カウンター上に配置する。 このセッションの30分前に試験化合物で動物を経口的に処理する。 試験の開始時に、ラットをこのケージの照射した部分の中間に配置する。 横断数を10分間記録する。 6〜8匹の動物群を各用量について使用する。

    【0337】 (評価) 処置群における平均横断数を、生理食塩水で処理したコントロールと比較する。

    【0338】 (本方法の重要な評価) 種々の抗不安薬(ジアゼパム、ペントバルビタールおよびメプロバメートを含む)は、横断の用量依存性の増加を生じるが、非抗不安薬剤はこの促進効果を有さないことが示された。 さらに、2区画のチャンバーでの探究行動の増加における抗不安薬の相対的な効力は、臨床試験で見出された効力と一致する。

    【0339】 (参考文献)

    【0340】

    【化17】

    【0341】 (実施例E:開放領域試験) ケージ(「開放領域」)中のラットまたはマウスの運動の測定法として光ビームの妨害は、多くの著者(例えば、Dews(1953)、Saelensら(
    1968)NakatsuおよびOwen(1980))によって使用されている。 最近開発されたデバイスは、一般的な運動活性だけでなく、移動、立ち上がりおよび移動速度の測定を可能にする(Ericsonら、1991)。

    【0342】 (手順) ラットを、赤外線感受性の2列の8個の光電管(それぞれフロアの上40mm
    および125mmに配置した)を備えた正方形の開放領域アリーナ(68×68
    ×45cm)において観察する。 光電管は90mmの間隔をあけ、そして列の最後の光電管は、壁から25mmの間隔をとる。 測定を、換気した音響減衰ボックスの暗部にて行う。 光電管ビームの妨害は、マイクロコンピューターによって収集され得、そして以下の変数が評価され得る:運動活性:下方の列における光ビームの全ての妨害;立ち上がり:上方の列における光ビームの全ての妨害;移動:動物が同じ方向で運動する場合の下方の列の光電管の連続的な妨害。 体重28
    0g〜320gの成体雌性Sprague−Dawleyラットを使用する。 薬物は、試験前10〜40分に皮下注射する。 ラットを15分間観察し、これによって1分あたりの計数を3分間隔で平均化する。

    【0343】 (参考文献)

    【0344】

    【化18】

    【0345】 (実施例F:ロータロッド法) この試験を用いて、運動協調を妨げる薬剤の活性を評価する。 1956年、D
    unhamおよびMiyaは、試験化合物によって誘導された骨格筋弛緩を、マウスまたはラットのロッドを回転し続ける能力を試験することによって評価し得ることを示唆した。 この強制された運動活性は、その後、多くの研究者に使用されている。 マウスのロッドを回転し続ける能力の50%を修復する用量を、指標とみなす。

    【0346】 (手順) この装置は、1分あたり2回転にスピードが調整されたモーターに接続された、直径3cmのゴムで被覆された水平の木製ロッドまたは金属ロッドからなる。
    このロッドは75cm長であり、そしてこのロッドをプラスチックディスクによって6つのセクションに分割し、これによって、6匹のマウスの同時の試験を可能にする。 このロッドは、動物がローラーから飛び降りることを止まらせるために、テーブルの一番上から約50cmの高さにある。 セクション下のケージは、
    動物がローラーから落ちる場合に、その動物の運動を制限するのに役立つ。 体重20〜30gの雄性マウス(CD−1 Charles River stra
    in)は、この装置で予備試験を受ける。 少なくとも1分間ロッドを回転し続ける能力を実証した動物のみを、試験に使用する。 この試験化合物を腹腔内投与または経口投与する。 腹腔内投与30分後または経口投与60分後に、このマウスを回転ロッド上に1分間配置する。 この間にこの回転ロッドから落ちた動物の数を計数する。 異なる用量を使用して、ED 50値が算出され得る。 さらに、種々の時間間隔で試験することによって、時間応答曲線が得られ得る。 試験期間内にロータロッドから落ちた動物のパーセントを、試験した全ての薬物濃度に対して算出する。 ED 50は、試験動物の50%がロータロッドから落ちる薬物の用量として定義する。

    【0347】 (本方法の重要な評価) 多くの中枢抑鬱(central depressive)薬剤は、この試験において活性である。 ベンゾジアゼピン(例えば、ジアゼパムおよびフルラゼパム)は、1mg/kg i. p. 未満のED 50値を有する。 神経弛緩薬(例えば、クロルプロマジンまたはハロペリドール)の活性は、同じ範囲である。 この方法において、この試験は抗不安薬と神経弛緩薬との間を容易には区別しないが、
    ベンゾジアゼピンのような一連の化合物における筋弛緩効力を評価し得る。 さらに、この試験は、神経毒性を試験するために毒性学で使用されている。

    【0348】 (参考文献)

    【0349】

    【化19】

    【0350】 (実施例G:ヘキソバルビタール睡眠時間の相乗作用) この試験を用いて、薬物のCNS活性特性を解明する。 催眠薬、鎮静薬およびトランキライザだけでなく高用量の抗うつ薬もまた、ヘキソバルビタールの単回用量後にヘキソバルビタール誘導性睡眠を延長することが公知である。 立直り反射の損失を、ヘキソバルビタール誘導性睡眠時間の継続時間の判断基準として測定する。 この試験ではマウスを使用する。 なぜなら、ヘキソバルビタールの代謝除去が、この種において迅速であるからである。

    【0351】 (手順) 平均体重18〜22gの10匹の雄性NMRIマウスの群を使用する。 これらに、試験化合物または参照スタンダード(例えば、3mg/kgのジアゼパム(
    経口))あるいはビヒクルを、経口的、腹腔内(i.p.)、または皮下(s.
    c. )投薬する。 i. p. またはs. c. 注射の30分後あるいは経口投薬の6
    0分後に、60mg/kgのヘキソバルビタールを静脈内注射する。 これらの動物を、温めた(37℃)パッド上に仰向けに配置し、そして立直り反射の損失の持続時間(ヘキソバルビタール注射時に開始する)を、これらの動物がその立直り反射を回復するまで測定する。 60mg/kgのヘキソバルビタールの注射は通常約15分間の麻酔を引き起こす。 立直り反射の再現性に関するなんらかの疑いがある場合、被験体を再度やさしく仰向けに配置し、そして1分以内にそれ自体で立直る場合、この時間を終点とみなす。 ED 50は、50%の動物において麻酔の継続時間に100%の延長を引き起こす薬物の用量として定義する。

    【0352】 (参考文献)

    【0353】

    【化20】

    【0354】 (実施例H:依存性マウスにおける離脱症候群) DBA/2Jマウス(12〜20g)を、17日間、試験化合物で1日2回経口的に処置する。 最後の投薬の5時間後に、低効力のベンゾジアゼピンレセプター逆アゴニストである、サルマゼニル(sarmazenil)(Ro15−3
    505)を、意識のあるマウスの尾静脈内に注射する。 次いで、各マウスを、振せん、乱暴な運動(wild running)、間代性および/または強直性痙攣の出現について30分間観察する。

    【0355】 (実施例I:ステップスルー(step−through)) この試験は、マウスおよびラットの正常な行動を用いる。 これらの動物は、明るい光を避け、そして薄暗い照射を好む。 暗い囲まれた部分と連結された、明るく照射された空間に配置される場合、これらは、迅速に暗い区画に進入し、そこにとどまる。 標準的な技術は、JarvikおよびKopp(1967)によってマウスについて開発され、そしてKingおよびGlasser(1970)
    によってラット用に改変された。 これは、記憶活性化合物の効果を試験する際に広く使用される(Feketeおよびde Wied、1982、HockおよびMcGaugh,1985,Hockら、1989、Hock 1994)。

    【0356】 (手順) いずれかの性のマウスおよびラットを使用する。 試験装置は、ギロチンドアを介してより大きな暗いチャンバーに連結された小さいチャンバーからなる。 この小さいチャンバーを、7W/12Vの電球で照射する。 試験動物を獲得試験に供し、24時間後保持試験に供する。 獲得試験において、この動物をギロチンドアから最大距離の照射した区画に配置し、そして暗い区画に進入する潜伏時間を測定する。 カットオフ時間(90秒(マウス)または180秒(ラット))内にドアを通過(ステップスルー)しない動物は使用しない。 動物が暗い区画に侵入する直後に、そのドアが自動的に閉まり、そして不可避的にフットショック(フットショック:1mA;1秒−マウス;1.5mA;2秒−ラット)を送達する。
    次いで、動物を装置からすばやく(10秒以内)取り出し、そしてそのホームケージ内に戻す。 この試験手順を、薬物を用いて、または用いずに繰り返す。 2日目のカットオフ時間は、それぞれ300秒(マウス)または600秒(ラット)
    である。 習得期の間に通過する時間を測定し、そして保持試験の間の時間を測定する。 この試験において、ステップスルー潜伏時間の延長は、実験状況に特異的である。 ステップスルー潜伏時間の増加を、習得として定義する。

    【0357】 (参考文献)

    【0358】

    【化21】

    【0359】 (合成実施例) (実施例1) (6−(2−ブロモフェニル)−8−フルオロ−l−ヒドロキシメチル−4H
    −イミダゾ[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボキサミド(
    3)の調製) (工程1) 7−クロロ−5−(2−フルオロフェニル)−α−ヒドロキシイミノ−3H−
    1,4−ベンゾジアゼピン−2酢酸エチルエステル(Walser,A.ら、J
    . Heterocyclic Chem. ,23,1303−14(1986)
    ;4ミリモル)、Raneyニッケル(1.5g)、THF(40mL)、エタノール(4mL)、およびメタノール(0.4L)中の20%(v/v)アンモニアの混合物を、大気圧下で水素消費が終了するまで水素付加する。 触媒を濾過によって除去し、そして濾液を濃縮する。 残渣を、塩化メチレン(10mL)およびエタノール(10mL)中に溶解し、これにグリコールアルデヒドダイマー(0.5g)を加える。 この溶液を120分間攪拌し、この時点で活性化MnO 2 (1.5g)を加え、攪拌をさらに1時間続ける。 固体を濾過によって除去し、そして濾液を濃縮して粗生成物を与える。 クロマトグラフィー後、所望の生成物を純粋形態で得る。

    【0360】 (工程2) 前述の反応から得られた生成物を6N HCl(20mL)に懸濁し、そしてスチームバス上で加熱して、その後この反応が完了したことをTLCで確認する。 この溶液を減圧下でエバポレートし、そして残渣を酢酸ナトリウム(0.8g
    )を含有する熱水(5mL)中で温浸し、これによって結晶固体として粗生成物を得る。 エタノール−水からの再結晶によって純粋なカルボン酸を得る。

    【0361】 (工程3) メチレンクロリド(75mL)中の、前述の反応由来のカルボン酸(3mmo
    l)と五塩酸リン酸(4mmol)との混合物を室温で3時間攪拌する。 この混合物にアンモニアガスの気泡を送り、この混合物を塩基性にする。 濃アンモニア水溶液(10mL)を添加し、この混合物を攪拌する。 この反応をTLCで追跡し、完了時に有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 HPLCによる精製後に、所望の生成物3を得る。

    【0362】 (実施例2:8−クロロ−l−メチル−4−ヒドロキシメチル−6−フェニル−4H−s−トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(11)の調製) THF(10mL)中の8−クロロ−l−メチル−6−フェニル−4H−s−
    トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−4−カルボン酸エチルエステル(Hester,Jr.,J.B.ら J.Med Chem.198
    0,23,643−7;2mmol)の溶液をLiBH 4 (5mmol)と共に不活性雰囲気下、室温にて攪拌する。 反応の進行をTLCでモニターし、そして反応が完了した時に、水(1mL)を添加し、そしてこの混合物を攪拌して過剰の水素化試薬を破壊する。 溶媒を減圧下で除去し、残渣を、水とCH 2 Cl 2の間で分配する。 これらの層を分離して、そして水層をさらにCH 2 Cl 2で抽出する。 この合わせた有機抽出物を、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の8−クロロ−l−メチル−4−ヒドロキシメチル−6−フェニル−4H−s−トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(11)を得る。

    【0363】 (実施例3:pが2であり、qが1であり、そしてリガンドLがリンカーXにカルボキサミド基を介して結合するイミダゼニルのベンゾジアゼピン核である、
    式Iの化合物の調製)

    【0364】

    【化22】

    【0365】 ピリジン(0.5mL)含有CH 2 Cl 2 (5mL)中の6−(2−ブロモフェニル)−8−フルオロ−4H−イミダゾ[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボニルクロライド(1、E.P.0573982A1;2mmo
    l)の溶液を不活性雰囲気下で攪拌する。 この溶液に、1,6−ジアミノヘキサン(1mmol)を添加し、そして攪拌を継続する。 この反応の進行を、TLC
    でモニターし、そして反応が完了した時に、水およびさらなるCH 2 Cl 2を添加し、混合物を振盪し、これらの層を分離して、そして水層をさらにCH 2 Cl 2で抽出する。 この合わせた有機抽出物を、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の式Iの化合物[2、ここで、R=−(CH 24 −;R 1 =H;R 8 =F;
    およびR 2' =Br]を得る。

    【0366】 (実施例4:pが2であり、qが1であり、そしてリガンドLがリンカーXにC−1メチレン基を介して結合するイミダゼニルのベンゾジアゼピン核である、
    式Iの化合物の調製)

    【0367】

    【化23】

    【0368】 水素化ナトリウム(2mmol)を、不活性雰囲気下で攪拌した、乾燥DMF
    (5mL)中の6−(2−ブロモフェニル)−8−フルオロ−ヒドロキシメチル−4H−イミダゾ[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボキサミド(3,2mmol)を添加する。 これに、乾燥DMF(1mL)中の1,6
    ジブロモヘキサン(1mmol)の溶液を添加し、生じた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCで反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(2
    5mL)およびブライン(25mL)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2 (3×20mL)で抽出し、そしてこの合わせた有機抽出物を水で洗い戻す。 この有機層を、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の式Iの化合物[4
    、ここで、R=−(CH 24 −;R1=R2=H;R 8 =F;およびR2'=B
    r]を得る。

    【0369】 (実施例5:pが2であり、qが1であり、そしてリガンドLがリンカーXにカルボキサミド基を介して結合するゾルピデム(zolpidem)のイミダゾピリジン核である、式Iの化合物の調製)

    【0370】

    【化24】

    【0371】 ピリジン(0.5mL)含有CH 2 Cl 2 (5mL)中の6−メチル−2−(4
    −メチルフェニル)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−アセチルクロライド(5、Trapani,G.;ら、J.Med.Chem.1997,40,3
    109−18;2mmol)の溶液を不活性雰囲気下で攪拌する。 この溶液に、
    N,N−ジメチル−1,8−ジアミノオクタン(1mmol)を添加し、そして攪拌を継続する。 この反応の進行を、TLCでモニターし、そして反応が完了した時に、水およびさらなるCH 2 Cl 2を添加し、混合物を振盪し、これらの層を分離して、そして水層をさらにCH 2 Cl 2で抽出する。 この合わせた有機抽出物を、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の式Iの化合物[6、ここで、R=−(CH 26 −;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 ]を得る。

    【0372】 (実施例6:pが2であり、qが1であり、そしてリガンドLがリンカーXにC−4'メチレン基を介して結合するゾルピデムのイミダゾピリジン核である、
    式Iの化合物の調製)

    【0373】

    【化25】

    【0374】 ジエチルアゾジカルボキシレート(2mmol)を、THF(5mL)中のトリフェニルホスフィン(2mmol)の攪拌溶液中に、不活性雰囲気かつ室温下で、シリンジによって滴下する。 この溶液に、THF(1mL)中のN,N−6
    −トリメチル−2−(4−ヒドロキシメチルフェニル)イミダゾ[1,2−a]
    ピリジン−3−アセトアミド(7、Georges,P;Allen,J.FR
    25 81646 A1 861114;Chem. Abstr. 107,59
    03 1;2mmol)およびヒドロキノン(2mmol)の溶液に添加する。
    得られる溶液をRTで攪拌し、この反応の進行をTLCで追跡する。 反応が生じた後、溶媒を、減圧下でエバポレーションによって除去し、そして残渣をHPL
    Cで精製し、所望の式Iの化合物[8、ここで、R=1,4−C 64 −;R 3
    4 =R 6 =CH 3 ]を得る。

    【0375】 (実施例7:pが2であり、qが1であり、そしてリガンドLがリンカーXにC−1メチレン基を介して結合するアルプラゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核である、式Iの化合物の調製)

    【0376】

    【化26】

    【0377】 THF(20mL)中の8−クロロ−l−クロロメチル−6−フェニル−4H
    −s−トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(9、Heste
    r,Jr. ,J. B. ;ら、J. Med. Chem. 1980,23,392−
    402;2mmol)、1,4−ジアミノブタン(1mmol)、およびKI(
    2mmol)の混合物を、不活性雰囲気下、室温で攪拌する。 この反応の進行を、TLCでモニターし、そして反応が完了した時に、減圧下で除去する。 水をこの残渣と混合し、CH 2 Cl 2で抽出する。 この有機抽出物を、半飽和ブラインで洗浄し、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の式Iの化合物[10、
    ここで、R=−(CH 22 −;R 8 '=Cl;R 2 ''=R 9 =H]を得る。

    【0378】 (実施例8:pが2であり、qが1であり、そしてリガンドLがリンカーXにC−4メチレン基を介して結合するアルプラゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核である、式Iの化合物の調製)

    【0379】

    【化27】

    【0380】 水素化ナトリウム(2mmol)を、不活性雰囲気下で攪拌した、乾燥DMF
    (1mL)中の8−クロロ−l−メチル−4−ヒドロキシメチル−6−フェニル−4H−s−トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(11,2
    mmol)の溶液に添加する。 これに、乾燥DMF(1mL)中の1,8−ジブロモオクタン(1mmol)の溶液を添加し、生じた混合物を攪拌し、加温し、
    そしてTLCで反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25m
    L)およびブライン(25mL)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2 (3
    ×20mL)で抽出し、そしてこの合わせた有機抽出物を水で洗い戻す。 この有機層を、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の式Iの化合物[12、
    ここで、R=−(CH 26 −;R 8 '=Cl;およびR 2 ''=H]を得る。

    【0381】 (実施例9:pが2であり、qが1であり、そして1つのリガンドL 1がリンカーXにカルボキサミド基を介して結合するイミダゼニルのベンゾジアゼピン核であり、そして第二のリガンドL 2がC−1メチレン基を介して結合するイミダゼニルのベンゾジアゼピン核である、式Iの化合物の調製)

    【0382】

    【化28】

    【0383】 工程1.6−(2−ブロモフェニル)−8−フルオロ−4H−イミダゾ[1,
    5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボニルクロライド(1、E.P
    . 0573982 A1;2mmol)、3−アミノプロパン−1−オール(2
    mmol)および50%NaOH水溶液と氷との混合物を、激しく混合し、反応の進行をTLCで反応を追跡する。 反応完了時に、混合物をジエチルエーテルで抽出する。 この合わせたエーテル抽出物を水および半飽和ブラインで洗浄し、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の化合物[13、ここで、R=−C
    2 −;R 1 =H;R 8 =F;およびR 2' =Br]を得る。

    【0384】 工程2. CH 2 Cl 2 (10mL)中の、化合物13(2mmol)、トリフェニルフホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する、氷水浴の温度に冷却した溶液を、調製および攪拌する。 冷却浴を取り外し、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行をTLCで追跡し、反応が生じた後、溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液、水、および半飽和ブラインで洗浄する。 有機層を分離し、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の化合物[14、ここで、R=−CH 2 −;R 1 =H;R 8 =F;およびR 2 ' =Br]を得る。

    【0385】 工程3. 水素化ナトリウム(2mmol)を、不活性雰囲気下で攪拌した、乾燥DMF(5mL)中の3(2mmol)の溶液に添加する。 これに、乾燥DM
    F(1mL)中の4の溶液(2mmol)の溶液を添加し、生じた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCで反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25mL)およびブライン(25mL)でクエンチする。 この混合物をC
    2 Cl 2 (3×20mL)で抽出し、そしてこの合わせた有機抽出物を水で洗い戻す。 この有機層を、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の式Iの化合物[15、ここで、R=−CH 2 −;R 1 =R 2 =H;R 8 =F;およびR 2 '=
    Br]を得る。

    【0386】 (実施例10:pが2であり、qが1であり、そして1つのリガンドL 1がリンカーXにカルボキサミド基を介して結合するゾルピデムのイミダゾピリジン核であり、そして第二のリガンドL 2がC−4'メチレン基を介して結合するイミダゾピリジン核である、式Iの化合物の調製)

    【0387】

    【化29】

    【0388】 工程1.5(2mmol)、N−メチルエタノールアミン(2mmol)および50%NaOH水溶液と氷との混合物を、激しく混合し、反応の進行をTLC
    で追跡する。 反応完了時に、混合物をジエチルエーテルで抽出する。 この合わせたエーテル抽出物を水および半飽和ブラインで洗浄し、乾燥(Na 2 SO 4 )し、
    濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の化合物(16、ここで、R=単結合;R 3 =R 5 =R 6
    CH 3 )を得る。

    【0389】 工程2. CH 2 Cl 2 (10mL)中の、化合物16(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する、
    氷水浴の温度に冷却した溶液を、調製および攪拌する。 冷却浴を取り外し、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行をTLCで追跡し、反応が生じた後、溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液、水、および半飽和ブラインで洗浄する。 有機層を分離し、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、
    所望の化合物(17、ここで、R=単結合;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 )を得る。

    【0390】 工程3. 水素化ナトリウム(2mmol)を、不活性雰囲気下で攪拌した、乾燥DMF(5mL)中の7(2mmol)の溶液に添加する。 これに、乾燥DM
    F(1mL)中の17の溶液(2mmol)の溶液を添加し、生じた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCで反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25mL)およびブライン(25mL)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2 (3×20mL)で抽出し、そしてこの合わせた有機抽出物を水で洗い戻す。 この有機層を、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の式Iの化合物(18、ここで、R=単結合;R 3 =R 4 =R 5 =R 6 =CH 3 )を得る。

    【0391】 (実施例11:pが2であり、qが1であり、そして1つのリガンドL 1がリンカーXにC−1メチレン基を介して結合するアルプラゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核であり、そして第二のリガンドL 2がC−4メチレン基を介して結合するトリアゾロベンゾジアゼピン核である、式Iの化合物の調製)

    【0392】

    【化30】

    【0393】 工程1. THF(20mL)中の、8−クロロ−l−ヒドロキシメチル−6−
    フェニル−4H−s−トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(
    9,2mmol)、N−メチル−6−アミノ−1−ヘキサノール(2mmol)
    およびKI(2mmol)の混合物を、不活性雰囲気下、RTで攪拌する。 反応の進行をTLCで反応をモニターし、そして反応完了時に、溶媒を減圧下で除去する。 水をこの残渣と混合し、CH 2 Cl 2で抽出する。 この有機抽出物を、半飽和ブラインで洗浄し、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の式Iの化合物(19、ここで、R=−(CH 24 −;R 8 '=Cl;R 2 ''=R 9 =H)
    を得る。

    【0394】 工程2. CH 2 Cl 2 (10mL)中の、化合物19(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する、
    氷水浴の温度に冷却した溶液を、調製および攪拌する。 冷却浴を取り外し、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行をTLCで追跡し、反応が生じた後、溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液、水、および半飽和ブラインで洗浄する。 有機層を分離し、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、
    所望の化合物(20、ここで、R=−(CH 24 −;R 8 '=Cl;R 2 ''=R 9 =H)を得る。

    【0395】 工程3. 水素化ナトリウム(2mmol)を、不活性雰囲気下で攪拌した、乾燥DMF(5mL)中の11(2mmol)の溶液に添加する。 これに、乾燥D
    MF(1mL)中の20の溶液(2mmol)の溶液を添加し、生じた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCで反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25mL)およびブライン(25mL)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2 (3×20mL)で抽出し、そしてこの合わせた有機抽出物を水で洗い戻す。 この有機層を、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の式I
    の化合物(21、ここで、R=−(CH 24 −;R 8 '=Cl;R 2 ''=R 9
    H)を得る。

    【0396】 (実施例12:pが2であり、qが1であり、そして1つのリガンドL 1がリンカーXにカルボキサミド基を介して結合するイミダゼニルのベンゾジアゼピン核であり、そして第二のリガンドL 2がカルボキサミド基を介して結合するゾルピデムのイミダゾピリジン核である、式Iの化合物の調製)

    【0397】

    【化31】

    【0398】 工程1. ピリジン(0.5mL)含有CH 2 Cl 2 (5mL)中の、6−メチル−2−(4−メチルフェニル)イミダゾ[1,2−]ピリジン−3−アセチルクロライド(5,2mmol)の溶液を、不活性雰囲気下で攪拌する。 この溶液に、N−メチル−N'−フタルイミドリル−1,3−ジアミノプロパン(2mmo
    l)を添加し、攪拌を継続する。 反応の進行をTLCで反応をモニターし、そして反応完了時に、水およびさらなるCH 2 Cl 2を添加し、混合物を振盪し、これらの層を分離して、水層をさらにCH 2 Cl 2で抽出する。 この合わせた有機抽出物を、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の化合物[22、ここで、
    R(CH 2 )−;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 ]を得る。

    【0399】 工程2. 無水エタノール中の22(2mmol)およびヒドラジン水和物(4
    mmol)の混合物を、不活性雰囲気下で、75℃に加温し、そして攪拌する。
    反応の進行をTLCでモニターし、反応完了時に、この混合物を氷浴中で冷却し、そして固体を濾過によって収集する。 この固体をエタノールおよびCH 2 Cl 2で洗浄する。 この合わせた濾液を冷半飽和ブラインと混合し、CH 2 Cl 2で抽出した。 この合わせた有機層を水で洗浄し、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の化合物[23、ここで、R=−(CH 2 )−;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3
    ]を得る。

    【0400】 工程3. ピリジン(0.5mL)含有CH 2 Cl 2 (5mL)中の、6−(2−
    ブロモフェニル)−8−フルオロ−4H−イミダゾ[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボニルクロリド(1,2mmol)の溶液を、不活性雰囲気下で攪拌する。 この溶液に、CH 2 Cl 2 (5mL)中の23(2mmol
    )の溶液を添加し、攪拌を継続する。 反応の進行をTLCで反応をモニターし、
    そして反応完了時に、水およびさらなるCH 2 Cl 2を添加し、混合物を振盪し、
    これらの層を分離して、水層をさらにCH 2 Cl 2で抽出する。 この合わせた有機抽出物を、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の式Iの化合物[23
    、ここで、R=−(CH 2 )−;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 ;R 8 =F;およびR 2'
    Br]を得る。

    【0401】 (実施例13:pが2であり、qが1であり、そして1つのリガンドL 1がリンカーXにカルボキサミド基を介して結合するイミダゼニルのベンゾジアゼピン核であり、そして第二のリガンドL 2がC−4'メチレン基を介して結合するゾルピデムのイミダゾピリジン核である、式Iの化合物の調製)

    【0402】

    【化32】

    【0403】 工程1.6−(2−ブロモフェニル)−8−フルオロ−4H−イミダゾ[1,
    5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボニルクロリド(1,2mmo
    l)、6−アミノ−l−ヘキサノール(2mmol)、および50%NaOH水溶液と氷との混合物を、激しく混合し、反応の進行をTLCで追跡する。 反応完了時に、混合物をジエチルエーテルで抽出する。 この合わせたエーテル抽出物を水および半飽和ブラインで洗浄し、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の化合物[25、ここで、R=−(CH 24 −;R 1 =H;R 8 =F;およびR 2' =Br]を得る。

    【0404】 工程2. CH 2 Cl 2 (10mL)中の、化合物25(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する、
    氷水浴の温度に冷却した溶液を、調製および攪拌する。 冷却浴を取り外し、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行をTLCで追跡し、反応が生じた後、溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液、水、および半飽和ブラインで洗浄する。 有機層を分離し、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、
    所望の化合物[26、ここで、R=−(CH 24 −;R 1 =H;R 8 =F;およびR 2 '=Br]を得る。

    【0405】 工程3. 水素化ナトリウム(2mmol)を、不活性雰囲気下で攪拌した、乾燥DMF(5mL)中の11(2mmol)の溶液に添加する。 これに、乾燥D
    MF(1mL)中の26(2mmol)の溶液の溶液を添加し、生じた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCで反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25mL)およびブライン(25mL)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2 (3×20mL)で抽出し、そしてこの合わせた有機抽出物を水で洗い戻す。 この有機層を、乾燥(Na 2 SO 4 )し、濾過し、そして減圧下で濃縮して粗生成物を与える。 この粗生成物のHPLCでの精製によって、所望の式I
    の化合物[27、ここで、R=−(CH 24 −;R 1 =H;R 3 =R 4 =CH 3 ;R 8 =F;およびR 2 '=Br]を得る。

    【0406】 (実施例14:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してカルボキサミド基を介して連結したイミダゼニル(imidazenil)のベンゾジアゼピン核であり、そして第2のリガンドL 2は、C−1メチレン基を介して連結したトリアゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核である)の調製)

    【0407】

    【化33】

    【0408】 (工程1) CH 2 Cl 2 (10ml)およびピリジン(0.5ml)中の6−(2−ブロモフェニル)−8−フルオロ−4H−イミダゾ[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピンアゼ−3−カルボニルクロリド(1.2mmol)およびN−フタロイル−2,2'−オキシビス(エチルアミン)(2mmol)の溶液をRTで撹拌し、そして反応の進行をTLCにより追跡する。 反応が完了した場合、水を添加し、そして混合物をCH 2 Cl 2で抽出する。 合わせた有機抽出物を水で洗浄し、
    そして半飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(28、ここでR=−CH 2 OC
    2 −;R 1 =H;R 8 =F;R 2 '=Br)を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0409】 (工程2) 無水エタノール中の28(2mmol)およびヒドラジン水化物(4mmol
    )の混合物を、75℃に加温し、そして不活性雰囲気下で攪拌する。 反応の進行を、TLCによりモニターし、そして反応が完了した場合、混合物を氷浴中で冷却し、そして個体を濾過により集める。 この固体をエタノールおよびCH 2 Cl 2で洗浄する。 合わせた濾液を、冷却した半飽和ブラインと混合し、そしてCH 2
    Cl 2で抽出する。 合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(29、ここでR=−CH 2 OCH 2 −;R 1 =H;R 8 =F;R 2 '=Br)を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0410】 (工程3) THF(20mL)中の9(2mmol)、29(2mmol)、およびKI
    (2mmol)の混合物をRTで不活性雰囲気下で攪拌する。 反応の進行をTL
    Cによりモニターし、そして反応が完了した場合、溶媒を減圧下で除去する。 水を残渣と混合し、そしてCH 2 Cl 2で抽出する。 有機抽出物を半飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(30、ここでR=−CH 2 OCH 2 −;R 1 =H;
    8 =F;R 2 '=Br、R 8 '=Cl;R 2 ''=H)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0411】 (実施例15:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してカルボキサミド基を介して連結したイミダゼニルのベンゾジアゼピン核であり、そして第2のリガンドL 2は、C−4メチレン基を介して連結したトリアゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核である)の調製)

    【0412】

    【化34】

    【0413】 (工程1) 50%NaOH水溶液とともに、6−(2−ブロモフェニル)−8−フルオロ−4H−イミダゾ[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボニルクロリド(1.2mmol)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(2mm
    ol)および氷の混合物を激しく撹拌し、そして反応の進行をTLCにより追跡する。 反応が完了したとき、混合物をジエチルエーテルで抽出する。 合わせたエーテル抽出物を水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na 2
    SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(
    31、ここでR=−CH 2 OCH 2 −;R 1 =H;R 8 =F;R 2 '=Br)を、H
    PLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0414】 (工程2) CH 2 Cl 2 (10ml)中の化合物31(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する溶液(氷浴の温度まで冷却した)を調製し、そして攪拌する。 冷却浴を取り除き、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行を、TLCによりモニターし、そして反応が生じた後、この溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液で洗浄し、水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄する。 有機相を分離し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(32、ここでR=−CH 2 OCH 2 −;R 1 =H;R 8 =F;R 2 '=Br)
    を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0415】 (工程3) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(3ml)中の溶液11(2mmol)に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1m
    L)中の32(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、
    加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25ml)でクエンチする。 この混合物をC
    2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機相を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(33、ここでR=−CH 2 OCH 2 −;R 1
    =H;R 8 =F;R 2 '=Br、R 8 '=Cl;R 2 ''=H)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0416】 (実施例16:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してC−1メチレン基を介して連結したイミダゼニルのベンゾジアゼピン核であり、そして第2のリガンドL 2は、カルボキサミド基を介して連結したゾルピデムのイミダゾピリジン核である)の調製)

    【0417】

    【化35】

    【0418】 (工程1) 50%NaOH水溶液とともに、5(2mmol)、N−メチル−6−アミノヘキサノール(2mmol)および氷の混合物を徹底的に混合して、そして反応の進行を、TLCにより追跡する。 反応が完了した場合、この混合物をジエチルエーテルで抽出する。 合わせたエーテル抽出物を水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(34、ここでR=−(CH 24 −;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 )を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0419】 (工程2) CH 2 Cl 2 (10ml)中の化合物34(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する溶液(氷浴の温度まで冷却した)を調製し、そして攪拌する。 冷却浴を取り除き、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行を、TLCにより追跡し、そして反応が生じた後、この溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液で洗浄し、
    水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄する。 有機相を分離し、乾燥させ(N
    2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(35、ここでR=−(CH 24 −;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 )を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0420】 (工程3) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の3
    (2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1m
    L)中の35(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、
    加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25ml)でクエンチする。 この混合物をC
    2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機相を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(36、ここでR=−(CH 24 −;R 1
    2 =H;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 ;R 8 =F;そしてR 2 '=Br)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0421】 (実施例17:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してC−1メチレン基を介して連結したイミダゼニルのイミダゾベンゾジアゼピン核であり、そして第2のリガンドL 2は、C−4'
    メチレン基を介して連結したゾルピデムのイミダゾピリジン核である)の調製)

    【0422】

    【化36】

    【0423】 (工程1) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の3
    (2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1m
    l)中の6−ブロモ−1−ヘキサノール−O−TMS(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25
    ml)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4
    、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(37、ここでR=−(CH 24 −;R 1 =R 2 =H;R 8 =F;そしてR 2 '=Br)をHP
    LCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0424】 (工程2) HOAc−H 2 O(4:1)(5ml)中の37の溶液を不活性雰囲気下で室温で攪拌する。 反応をTLCにより追跡し、そして完了した場合、反応物をEt
    OAcで希釈し、そして何回か水で洗浄し、そしてNaHCO 3水溶液で希釈する。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望のアルコール(38、ここでR=−(CH 24 −;R 1 =R 2
    H;R 8 =F;そしてR 2 '=Br)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0425】 (工程3) CH 2 Cl 2 (10ml)中の化合物38(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する溶液(氷浴の温度まで冷却した)を調製し、そして攪拌する。 冷却浴を取り除き、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行を、TLCにより追跡し、そして反応が生じた後、この溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液で洗浄し、
    水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄する。 有機層を分離し、乾燥させ(N
    2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の臭化物(39、ここでR=−(CH 24 −;R 1 =R 2 =H;R 8 =F;そしてR 2 '=B
    r)を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0426】 (工程4) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の7
    (2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1m
    l)中の39(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、
    加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25ml)でクエンチする。 この混合物をC
    2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機相を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(40、ここでR=−(CH 24 −;R 1
    2 =H;R 3 =R 4 =R 6 =CH 3 ;R 8 =F;そしてR 2 '=Br)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0427】 (実施例18:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXにC−1メチレン基を介して連結したイミダゼニルのイミダゾベンゾジアゼピン核であり、そして第2のリガンドL 2は、C−1メチレン基を介して連結したアルプラゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核である)の調製)

    【0428】

    【化37】

    【0429】 (工程1) THF(20ml)中の8−クロロ−1−(3−クロロプロピル)1−6−フェニル−4H−s−トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(4
    1、Hester,Jr. ,J. B. ;ら、J. Med. Chem. 1980、
    23、392−402;2mmol)、3−アミノプロパノール−O−TMS(
    2mmol)、およびKI(2mmol)の混合物をRTで不活性雰囲気下で撹拌する。 反応の進行をTLCによりモニターし、そして反応が完了した場合、溶媒を減圧下で取り除く。 水を残渣と混合し、そしてCH 2 Cl 2で抽出する。 有機抽出物を半飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(42、ここでR=−(CH 2
    )−;R 8 '=Cl;R 2 ''=R 9 =H)を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0430】 (工程2) HOAc−H 2 O(4:1)(5ml)中の42の溶液を不活性雰囲気下で室温で攪拌する。 反応をTLCにより追跡し、そして完了したとき、反応物をEt
    OAcで希釈し、そして何回か水で洗浄し、そしてNa 2 CO 3水溶液で希釈する。 有機相を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望のアルコール(43、ここでR=−(CH 2 )−;R 8 '=Cl;
    2 ''=R 9 =H)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0431】 (工程3) CH 2 Cl 2 (10ml)中の化合物43(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する溶液(氷浴の温度まで冷却した)を調製し、そして攪拌する。 冷却浴を取り除き、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行を、TLCにより追跡し、そして反応が生じた後、この溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液で洗浄し、
    水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄する。 有機層を分離し、乾燥させ(N
    2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の臭化物(44、ここでR=−(CH 2 )−;R 8 '=Cl;R 2 ''=R 9 =H)を、HP
    LCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0432】 (工程4) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の3
    (2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1m
    l)中の44(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、
    加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25ml)でクエンチする。 この混合物をC
    2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(40、ここでR=−(CH 2 )−;R 1 =R 2 =R 2 ''=H;R 8 =F;;R 8 '=ClそしてR 2 '=Br)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0433】 (実施例19:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してC−1メチレン基を介して連結したイミダゼニルのイミダゾベンゾジアゼピン核であり、そして第2のリガンドL 2は、C−4メチレン基を介して連結したアルプラゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核である)の調製)

    【0434】

    【化38】

    【0435】 (工程1) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の3
    (2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1m
    l)中の12−ブロモ−1−ドデカノール−O−TMS(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(2
    5ml)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、
    そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機相を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(46、
    ここでR=−(CH 210 −;R 1 =R 2 =H;R 8 =F;およびR 2 '=Br)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0436】 (工程2) HOAc−H 2 O(4:1)(5ml)の溶液を不活性雰囲気下で室温で攪拌する。 反応をTLCにより追跡し、そして完了した場合、反応物をEtOAcで希釈し、そして何回か水で洗浄し、そしてNa 2 CO 3水溶液で希釈する。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望のアルコール(47、ここでR=−(CH 210 −;R 1 =R 2 =H;R 8
    F;およびR 2 '=Br)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0437】 (工程3) CH 2 Cl 2 (10ml)中の化合物47(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する溶液(氷浴の温度まで冷却した)を調製し、そして攪拌する。 冷却浴を取り除き、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行をTLCにより追跡し、そして反応が生じた後、
    この溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液で洗浄し、水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄する。 有機層を分離し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の臭化物(
    48、ここでR=−(CH 210 −;R 1 =R 2 =H;R 8 =F;およびR 2 '=B
    r)を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0438】 (工程4) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の1
    1(2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1
    ml)中の48(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25ml)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、
    粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(49、ここでR=−(CH 210 −;R 1 =R 2 =R 2 ''=H;R 8 =F;R 8 '=ClそしてR 2 '=Br)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0439】 (実施例20:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してカルボキサミド基を介して連結したゾルピデムのイミダゾピリジン核であり、そして第2のリガンドL 2は、C−1メチレン基を介して連結したアルプラゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核である)の調製)

    【0440】

    【化39】

    【0441】 (工程1) 50%NaOH水溶液とともに、5(2mmol)、4−(N−メチルアミノ)−1−ブタノール(2mmol)および氷の混合物を徹底的に混合して、そして反応の進行をTLCにより追跡する。 反応が完了した場合、この混合物をジエチルエーテルで抽出する。 合わせたエーテル抽出物を水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(50、ここでR=−(CH 22 −;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 )を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0442】 (工程2) CH 2 Cl 2 (10ml)中の化合物50(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する溶液(氷浴の温度まで冷却した)を調製し、そして攪拌する。 冷却浴を取り除き、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行をTLCにより追跡し、そして反応が生じた後、
    この溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液で洗浄し、水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄する。 有機層を分離し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(
    51、ここでR=−(CH 22 −;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 )を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0443】 (工程3) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の5
    2(Hester,Jr.、J.B.;ら、J.Med.Chem.1980、
    23、392−402;2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1ml)中の51(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25ml)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(53、ここでR=−
    (CH 22 −;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 ;R 8 '=Cl;そしてR 2 ''=H)をH
    PLCを使用する粗生成物のクロマトグラフィーにより得る。

    【0444】 (実施例21:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してカルボキサミド基を介して連結したゾルピデムのイミダゾピリジン核であり、そして第2のリガンドL 2は、C−4メチレン基を介して連結したアルプラゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核である)の調製)

    【0445】

    【化40】

    【0446】 (工程1) 50%NaOH水溶液とともに、5(2mmol)、N−メチル−N'−Cb
    z−1,6−ジアミノヘキサン(2mmol)および氷の混合物を徹底的に混合して、そして反応の進行をTLCにより追跡する。 反応が完了した場合、この混合物をジエチルエーテルで抽出する。 合わせたエーテル抽出物を水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(54、ここでR=−(CH 24
    ;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 )を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0447】 (工程2) 酢酸エチル(10ml)中の54の溶液を、TLCの証拠により反応が完了したことが示されるまで、10%のパラジウムオンカーボン(palladium
    −on−carbon)(100mg)の存在下で大気圧で水素化する。 混合物をセライトを通して濾過し、そしてフィルターパッドを酢酸エチルで徹底的に洗浄する。 合わせた濾液を減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(5
    5、ここでR=−(CH 24 −;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 )を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0448】 (工程3) CH 2 Cl 2 (5ml)中の55(1mmol)、8−クロロ−1−メチル−6
    −フェニル−4H−s−トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン−4−酢酸(56、Hester,Jr.、J.B.;ら、J.Med.Che
    m. 1980、23、643−7;1mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(10mg)の溶液を、マグネティックスターラーおよび乾燥管(dry
    ing tube)を備えたフラスコ中でアルゴン下で調製する。 この溶液に、
    ジシクロヘキシルカルボジイミド(固体、2.2mmol)を添加する。 反応の進行をTLCにより追跡し、そして反応が生じた後、反応溶液を水でクエンチし、炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、そしてこの水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 有機層をNa 2 CO 3水溶液で洗浄し、水で洗浄し、乾燥させ(Na 2
    SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(57、ここでR=−(CH 24 −;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 ;R 8 '=Cl
    およびR 2 ''=H)を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0449】 (実施例22:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してC−4'メチレン基を介して連結したゾルピデムのイミダゾピリジン核であり、そして第2のリガンドL 2は、C−1メチレン基を介して連結したアルプラゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核である)の調製)

    【0450】

    【化41】

    【0451】 (工程1) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の7
    (2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1m
    l)中の3−ブロモ−1−プロパノール−O−TMS(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25
    ml)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4
    、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(58、ここでR=−(CH 2 )−;R 3 =R 4 =R 6 =CH 3 )をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0452】 (工程2) HOAc−H 2 O(4:1)(5ml)中の58の溶液を不活性雰囲気下で室温で攪拌する。 反応をTLCにより追跡し、そして反応が完了したとき、反応物をEtOAcで希釈し、そして何回か水で洗浄し、そしてNa 2 CO 3水溶液で希釈する。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、
    粗生成物を得る。 所望のアルコール(59、ここでR=−(CH 2 )−;R 3 =R 4 =R 6 =CH 3 )をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0453】 (工程3) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の5
    9(2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1
    ml)中の9(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、
    加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25ml)でクエンチする。 この混合物をC
    2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(60、ここでR=−(CH 2 )−;R 3 =R 4 =R 6 =CH 3 ;R 8 '=ClおよびR 2 '=H)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0454】 (実施例23:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してC−4'メチレン基を介して連結したゾルピデムのイミダゾピリジン核であり、そして第2のリガンドL 2は、C−4メチレン基を介して連結したアルプラゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核である)の調製)

    【0455】

    【化42】

    【0456】 (工程1) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の7
    (2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1m
    l)中の7−ブロモ−1−ヘプタノール−O−TMS(2mmol)の溶液に添加し、そして得られた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25
    ml)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4
    、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(61、ここでR=−(CH 25 −およびR 3 =R 4 =R 6 =CH 3 )をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0457】 (工程2) HOAc−H 2 O(4:1)(5ml)中の61の溶液を不活性雰囲気下で室温で攪拌する。 反応をTLCにより追跡し、そして反応が完了したとき、反応物をEtOAcで希釈し、そして何回か水で洗浄し、そしてNa 2 CO 3水溶液で希釈する。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、
    粗生成物を得る。 所望のアルコール(62、ここでR=−(CH 25 −;R 3
    4 =R 6 =CH 3 )をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0458】 (工程3) CH 2 Cl 2 (10ml)中の化合物62(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する溶液(氷浴の温度まで冷却した)を調製し、そして攪拌する。 冷却浴を取り除き、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行をTLCにより追跡し、そして反応が生じた後、
    この溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液で洗浄し、水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄する。 有機相を分離し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(
    63、ここでR=−(CH 25 −;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 )を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0459】 (工程4) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の1
    1(2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1
    ml)中の63(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCにより反応をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25ml)でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、
    粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(64、ここでR=−(CH 25 −;R 3
    =R 4 =R 6 =CH 3 ;R 8 '=ClおよびR 2 ''=H)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0460】 (実施例24:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してカルボキサミド基を介して連結したイミダゼニルのベンゾジアゼピン核であり、そして第2のリガンドL 2は、C−3酸素原子を介して連結した4−アミノ酪酸である)の調製)

    【0461】

    【化43】

    【0462】 (工程1) 50%NaOH水溶液とともに、6−(2−ブロモフェニル)−8−フルオロ−4H−イミダゾ[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボニルクロリド(1)(2mmol)、6−アミノ−1−ヘキサノール(2mmol)
    および氷の混合物を徹底的に撹拌し、そして反応の進行をTLCにより追跡する。 反応が完了した場合、混合物をジエチルエーテルで抽出する。 合わせたエーテル抽出物を水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(65、
    ここでR=−(CH 24 −;R 1 =H;R 8 =F;およびR 2 '=Br)を、HP
    LCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0463】 (工程2) CH 2 Cl 2 (10ml)中の化合物65(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する溶液(氷浴の温度まで冷却した)を調製し、そして攪拌する。 冷却浴を取り除き、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行をTLCにより追跡し、そして反応が生じた後、
    この溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液で洗浄し、水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄する。 有機層を分離し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(
    66、ここでR=−(CH 24 −;R 1 =H;R 8 =F;およびR 2 '=Br)を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0464】 (工程3) 水素化ナトリウム(2mmol)を、攪拌された乾燥DMF(5ml)中の4
    −アジド−3−ヒドロキシ酪酸、エチルエステル(Kobayashi,K.ら、JP 08119935)(2mmol)の溶液に不活性雰囲気下で添加する。 これに、乾燥DMF(1ml)中の66(2mmol)の溶液を添加し、そして得られた混合物を攪拌し、加温し、そしてTLCにより反応の進行をモニターする。 反応が生じた後、この混合物を水(25ml)およびブライン(25ml
    )でクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し(3×20ml)、そして合わせた有機抽出物を水で洗浄しなおす。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物(67、ここでR=−(CH 24 −;R 1 =H;R 8 =F;およびR 2 '=Br)をHPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0465】 (工程4) エタノール(10ml)中の67(2mmol)の溶液を、5%のパラジウムオンカーボンに対して水素化する。 TLCにより決定されるように、反応が完了した場合、反応混合物をセライトを通して濾過し、そしてフィルターパッドをエタノールで洗浄し、そして合わせた濾液を減圧下で濃縮する。 所望の化合物(6
    8、ここでR=−(CH 24 −;R 1 =H;R 8 =F;およびR 2 '=Br)を、
    HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0466】 (実施例25:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXにカルボキサミド基を介して連結したゾルピデムのイミダゾピリジン核であり、そして第2のリガンドL 2は、3−アミノメチル基を介して連結した4−アミノ酪酸である)の調製)

    【0467】

    【化44】

    【0468】 (工程1) ピリジン(0.5ml)含有CH 2 Cl 2 (5ml)中の5(2mmol)の溶液を不活性雰囲気において撹拌した。 この溶液に、4−アミノ酪酸、メチルエステル(2mmol)を添加し、そして攪拌を続ける。 反応の進行をTLCによりモニターし、そして反応が完了したとき、水およびさらなるCH 2 Cl 2を添加し、そして混合物を振盪し、層分離させ、水層をさらにCH 2 Cl 2で抽出する。 合わせた有機抽出物を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(69、ここでR=−(CH 26 −;R 3 =R 5 =R 6 =CH 3 )を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0469】 (工程2) メタノール(9ml)および水(3ml)中の69(2mmol)および水素化リチウム(100mmol)の溶液を、室温で攪拌する。 反応を薄層クロマトグラフィーにより追跡する。 反応が生じた後、溶液のpHを希塩酸を添加することにより7に調節する。 溶媒を凍結乾燥により除去し、粗生成物(70)を次の反応に直接使用する。

    【0470】 (工程3) 塩化メチレン(20ml)中の粗70(1mmol)および5−アミノ−4−
    (Nベンジルオキシカルボニル)アミノペンタン酸、メチルエステル(1mmo
    l)を含有する溶液を、マグネティックスターラーおよび乾燥管を備えたフラスコ中でアルゴン下で調製する。 この溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(
    固体、1.1mmol)を添加する。 反応の経過を室温で攪拌しながら薄層クロマトグラフィーにより追跡する。 反応が生じた後、反応溶液を酢酸エチルで希釈し、水で洗浄し、Na 2 CO 3水溶液で洗浄する。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物71を、
    HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0471】 (工程4) ギ酸アンモニウム(96mg、1.5mmol)および10% Pd/C(5
    0mg)を、メタノール(2ml)およびTHF(1ml)中の71の溶液に添加する。 混合物を室温で攪拌する。 反応をTLCによりモニターし、そして反応が生じた後、混合物をセライトを通して濾過し、そして酢酸エチルでリンスする。 濾液を連続してNaHCO 3水溶液で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄し、次いで、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(
    72、ここでR=−(CH 22 −;R 3 =H;R 5 =R 6 =CH 3 )を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0472】 (実施例26:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してC−1メチレン基を介して連結したアルプラゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核であり、そして第2のリガンドは、2−アミノ基を介して連結した4−アミノ酪酸である)の調製)

    【0473】

    【化45】

    【0474】 (工程1) DMF(3ml)中の4−(N−BOC−アミノ)−2−アミノ酪酸、エチルエステル(73、Blandon,C.M.ら、Tetrahedron Le
    tt. 1989,30、1401−4;2mmol)および4−ブロモ−1−ブタノール−O−TMS(1mmol)、ならびにジイソプロピルエチルアミン(
    0.2ml)の溶液を、不活性雰囲気下で攪拌し、加温する。 反応の進行をTL
    Cにより追跡し、そして反応が完了したとき、溶液を5%NaHCO 3水溶液に注ぎ、そして水性混合物を塩化メチレンで抽出する。 有機抽出溶液を、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物74を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0475】 (工程2) CH 2 Cl 2 (5ml)中のBOC無水物(5mmol)およびトリエチルアミン(0.1ml)の溶液を不活性雰囲気下で攪拌する。 これに、CH 2 Cl 2 (2
    ml)中の74(2mmol)の溶液を添加し、得られた溶液を攪拌する。 反応をTLCにより追跡し、そして反応が完了したとき、この反応をNa 2 CO 3水溶液を添加することによりクエンチする。 この混合物をCH 2 Cl 2で抽出し、有機抽出物を半飽和生理食塩水で洗浄し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物75を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0476】 (工程3) HOAc−H 2 O(4:1)(5ml)中の75の溶液を不活性雰囲気下で室温で攪拌する。 反応をTLCにより追跡し、そして反応が完了したとき、反応物をEtOAcで希釈し、そして何回か水で洗浄し、そしてNa 2 CO 3水溶液で希釈する。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、
    粗生成物を得る。 所望の化合物76を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0477】 (工程4) CH 2 Cl 2 (10ml)中の化合物76(2mmol)、トリフェニルホスフィン(3mmol)、および四臭化炭素(4mmol)を含有する溶液(氷浴の温度まで冷却した)を調製し、そして攪拌する。 冷却浴を取り除き、そして溶液を室温で攪拌する。 反応の進行をTLCにより追跡し、そして反応が生じた後、
    この溶液をさらなるCH 2 Cl 2で希釈し、5%NaHCO 3水溶液で洗浄し、水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄する。 有機層を分離し、乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の臭化物7
    7を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0478】 (工程5) THF(20ml)中の8−クロロ−1−(3−アミノプロピル)−6−フェニル−4H−s−トリアゾロ[4,3−][1,4]ベンゾジアゼピン(78、
    Hester,Jr. ,J. D. ;ら、J. Med. Chem. 1980、23
    、392−402;2mmol)、77(2mmol)、およびKI(2mmo
    l)をRTで不活性雰囲気下で撹拌する。 反応の進行をTLCによりモニターし、そして反応が完了したとき、溶媒を減圧下で取り除く。 水を残渣と混合し、そしてCH 2 Cl 2で抽出する。 有機抽出物を半飽和ブラインで洗浄し、乾燥させ(
    Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の化合物79を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0479】 (工程6) CH 2 Cl 2 (5ml)中の79およびトリフルオロ酢酸(3ml)の溶液を室温で攪拌する。 反応の進行をTLCにより追跡する。 反応が生じた後、より多くのCH 2 Cl 2を添加し、そして溶液をNa 2 CO 3水溶液で洗浄し、そしてH 2
    で洗浄する。 有機層を乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。 所望の式Iの化合物(80、ここでR=−(CH 22 −;
    2 ''=H;R 8 '=Cl)を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0480】 (実施例27:式Iの化合物(ここで、p=2、q=1であり、1つのリガンドL 1は、リンカーXに対してカルボキサミド基を介して連結したイミダゼニルのベンゾジアゼピン核であり、そして第2のリガンドL 2は、C−1メチレン基を介して連結したトリアゾラムのトリアゾロベンゾジアゼピン核である)の調製)

    【0481】

    【化46】

    【0482】 (工程1) CH 2 Cl 2 (10ml)およびピリジン(0.5ml)中の6−(2−ブロモフェニル)−8−フルオロ−4H−イミダゾ[1,5−a][1,4]ベンゾジアゼピン−3−カルボニルクロリド(1.2mmol)および4−ブロモフェネチルアミン(2mmol)の溶液をRTで撹拌し、そして反応の進行をTLCにより追跡する。 反応が完了したとき、水を添加し、そして混合物をCH 2 Cl 2で抽出する。 合わせた有機抽出物を水で洗浄し、そして半飽和ブラインで洗浄し、
    乾燥させ(Na 2 SO 4 )、濾過し、そして減圧下で濃縮して、粗生成物を得る。
    所望の化合物(81、ここでR=−CH 2 CH 264 −;R 1 =H;R 8 =F;R 2 '=Br)を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【0483】 (工程2) トルエン(10ml)中の81(1mmol)、8−クロロ−1−[(N−メチル−N−プロパルギルアミノ)メチル]−6−フェニル−4H−s−トリアゾロ[4,3−a][1,4]ベンゾジアゼピン(82、Hester,Jr.,
    J. B. ;ら、J. Med. Chem. 1980、23、392−402;1m
    mol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O)(150m
    g)、およびトリエチルアミン(0.3ml)の溶液をヨウ化銅(I)(20m
    g)と攪拌する。 この混合物を100℃で攪拌し、そして反応の進行を薄層クロマトグラフィー(TLC)により追跡する。 反応が生じた後、混合物を冷却し、
    濾過し、そして溶媒を減圧下で除去して、粗反応生成物を得る。 所望の化合物(
    構造83、ここでR=−CH 2 CH 264 −;R 1 =R 2 ''=H;R 8 =F;R 2 '=Br;R 8 '=Cl)を、HPLCを使用して粗生成物の精製により得る。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 図1は、異なる形態でリンカーに取り付けられたリガンドを2つ含有する、多結合化合物の例を示す。

    【図2】 図2は、異なる形態でリンカーに取り付けられたリガンドを3つ含有する、多結合化合物の例を示す。

    【図3】 図3は、異なる形態でリンカーに取り付けられたリガンドを4つ含有する、多結合化合物の例を示す。

    【図4】 図4は、異なる形態でリンカーに取り付けられたリガンドを5〜10含有する、多結合化合物の例を示す。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/24 A61P 25/24 25/28 25/28 43/00 111 43/00 111 C07D 471/04 108 C07D 471/04 108A 487/04 154 487/04 154 155 155 156 156 519/00 311 519/00 311 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 グリフィン, ジョン エイチ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94027, アザートン, ウォルナット アベニュ ー 56 (72)発明者 モーラン, エドマンド ジェイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94127, サン フランシスコ, チェイブス 131 Fターム(参考) 4C050 AA01 BB05 BB06 CC11 EE03 EE04 FF02 FF05 GG02 HH04 4C065 AA03 BB06 CC01 DD02 EE02 HH02 KK04 PP20 QQ04 4C072 MM01 4C086 AA01 AA02 AA03 CB05 CB11 MA01 MA04 NA14 ZA05 ZA11 ZA12 ZA15 ZA71

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