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Method of binding to the chemically modified nucleic acids and nucleic acid of the solid support

申请号 JP2000547274 申请日 1999-05-04 公开(公告)号 JP2002513814A 公开(公告)日 2002-05-14
申请人 ベイラー カレッジ オブ メディスン; 发明人 ウェイ ウェン カイ; アラン ブラッドレイ;
摘要 (57)【要約】 本発明は、ガラスなどの固体支持体に対する強化された反応性を有する新規な化学的に修飾された核酸に関する。 このような修飾された核酸は、固体支持体、例えば、ガラス表面に、ガラス表面を最初に誘導体化することなく容易に固定することができる。 このような修飾された核酸に基づく高 密度 マイクロアレイならびにこのようなマイクロアレイの調製方法もまた有用である。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 下記の式: R 1 −X−R 2 (式中、R 1はエポキシド基、 R 2はアルコキシシラン基、 Xは前記エポキシド基と前記アルコキシシラン基とを連結するために化学的に好適な部分である)を有する化合物に共有結合した核酸を含んでなる修飾された核酸。
  • 【請求項2】 前記エポキシド基がエチレンオキシドである請求項1の修飾された核酸。
  • 【請求項3】 前記アルコキシシラン基が、−Si(OCH 33 、−Si
    (OC 253 、−Si(OCH 3 )H 2 、−SI(OCH) 3 )(CH 3 2および−Si(OCH 32 CH 3からなる群より選択される請求項1の修飾された核酸。
  • 【請求項4】 前記化合物が3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランである請求項1の修飾された核酸
  • 【請求項5】 前記核酸がDNAである請求項1の修飾された核酸。
  • 【請求項6】 前記核酸がRNAである請求項1の修飾された核酸。
  • 【請求項7】 核酸を固体支持体に固定化する方法であって、 3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランを核酸と反応させて、誘導体化された核酸を得る工程;その後、 前記誘導体化された核酸を前記固体支持体と反応させる工程 を含む方法。
  • 【請求項8】 前記核酸がDNAである請求項7の方法。
  • 【請求項9】 前記核酸がRNAである請求項7の方法。
  • 【請求項10】 前記第1の反応工程が塩基性pHで行われる請求項7の方法。
  • 【請求項11】 前記第1の反応工程が約6〜約12のpHで行われる請求項8の方法。
  • 【請求項12】 前記第1の反応工程が約6〜約8.5のpHで行われる請求項9の方法。
  • 【請求項13】 前記pHが9.5よりも大きい請求項10の方法。
  • 【請求項14】 前記固体支持体がガラスである請求項7の方法。
  • 【請求項15】 前記第2の反応工程がほぼ中性pHで行われる請求項7の方法。
  • 【請求項16】 下記の式: R 1 −X−R 2 (式中、R 1はアミノ基、 R 2はアルコキシシラン基、 Xは前記エポキシド基と前記アルコキシシラン基とを連結するために化学的に好適な部分である)を有する化合物に共有結合した核酸を含んでなる修飾された核酸。
  • 【請求項17】 前記アミノ基が一級アミンである請求項16の修飾された核酸。
  • 【請求項18】 前記アルコキシシラン基が、−Si(OCH 33 、−S
    i(OC 253 、および 【化1】 (式中、R 1 、R 2およびR 3は、−H、−CH 3 、−OCH 3および−OC 2
    3からなる群より選択されるが、R 1 、R 2またはR 3の少なくとも1つは−
    OCH 3または−OC 23のいずれかである) からなる群より選択される請求項16の修飾された核酸。
  • 【請求項19】 前記化合物が3−アミノプロピルトリエトキシシランである請求項16の修飾された核酸。
  • 【請求項20】 前記核酸がDNAである請求項16の修飾された核酸。
  • 【請求項21】 前記核酸がRNAである請求項16の修飾された核酸。
  • 【請求項22】 前記核酸がシトシン残基を含有する請求項16の修飾された核酸。
  • 【請求項23】 核酸を固体支持体に固定化する方法であって、 3−アミノプロピルトリエトキシシランを核酸と反応させて、誘導体化された核酸を得る工程;その後、 前記誘導体化された核酸を前記固体支持体と反応させる工程 を含む方法。
  • 【請求項24】 前記核酸がDNAである請求項23の方法。
  • 【請求項25】 前記核酸がRNAである請求項23の方法。
  • 【請求項26】 前記核酸がシトシン残基を含有する請求項23の方法。
  • 【請求項27】 前記第1の反応工程が本質的には中性pHで行われる請求項23の方法。
  • 【請求項28】 前記第1の反応工程がpH約6.0〜約7.0で行われる請求項25の方法。
  • 【請求項29】 前記第1の反応工程が重亜硫酸ナトリウムの存在下で行われる請求項23の方法。
  • 【請求項30】 前記固体支持体がガラスである請求項23の方法。
  • 【請求項31】 遠位端および先細り状の近位端を有する多数の毛細管マイクロピペットを含む高密度マイクロアレイ作製用装置であって、前記マイクロピペットは、 実質的に密着充填された配列で赤道上に配列され;かつ それぞれの前記近位端で先細り状であり、そして 前記両端は本質的に平面状である装置。
  • 【請求項32】 前記マイクロピペットが密着充填された正方形配列で配列されている請求項31の装置。
  • 【請求項33】 前記マイクロピペットがフレームによって結束されている請求項31の装置。
  • 【請求項34】 前記マイクロピペットが基部に固定されている請求項33
    の装置。
  • 【請求項35】 固体支持体; 前記核酸を、3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランおよび3−アミノプロピルトリエトキシシランを含む群から選択されるエポキシドと反応させることによって調製され、かつ規則正しく離れたスポットで前記固体支持体に固定化されている修飾された核酸 を含んでなる高密度マイクロアレイ。
  • 【請求項36】 前記固体支持体がガラスである請求項35の高密度マイクロアレイ。
  • 【請求項37】 前記離れたスポットが直径約50ミクロンである請求項3
    5の高密度マイクロアレイ。
  • 【請求項38】 請求項35の修飾された核酸; 前記修飾された核酸試料を密着配置した試料の前記多数が設置されている固体支持体 を含んでなる高密度マイクロアレイ。
  • 【請求項39】 前記試料が高密度マイクロアレイ作製用装置を使用して前記固体支持体に設置されている請求項35の高密度マイクロアレイ。
  • 【請求項40】 核酸試料に対するハイブリダイゼーション法を行うためのキットであって、 固体支持体; DNAチップの配列を前記固体支持体につけるための装置 を含んでなるキット。
  • 【請求項41】 下記の式: R 1 −X−R 2 (式中、R 1は環状エーテル、 R 2は−NR 4であり、この場合、各R 3基は同一または異なるアルキル基、R 4は−Hまたはアルキル基であり;および Xは、前記エポキシド基と前記アルコキシシラン基とを連結するために化学的に好適な部分である)を有する化合物に共有結合した核酸を含んでなる修飾された核酸。
  • 【請求項42】 下記の式: 【化2】 (式中、R 1 、R 2およびR 3は同一または異なって、−−OCH 3 、−−OC 25 、−OC 37および−Clからなる群より選択され; Xは、前記核酸を前記化合物に連結するために化学的に好適な部分である)を有する化合物に共有結合した核酸を含んでなる修飾された核酸。
  • 【請求項43】 前記化合物が、−(CH 28 SiCl 3 、−(CH 2 8 Si(OCH 33 、−−(Cl 24 SiCl 2 CH 3および−CH 2 CH 2 CH 2 Si(OCH 33からなる群より選択される請求項42の修飾された核酸。
  • 【請求項44】 多数の修飾されたシラン部分が固定された固体支持体を含む高密度マイクロアレイであって、前記シラン部分は、−Si−(CH 2n
    −(ただし、n=3、4、5、6、7、8または9)および−Si−CH 2 −C
    2 −C 64 −CH 2 −CH 2 −Si−−からなる群より選択される高密度マイクロアレイ。
  • 【請求項45】 ガラス固体支持体の静電特性を調節する方法であって、前記固体支持体を、1,6−ビス−トリクロロシリルヘキサン、1,8−ビス−トリクロロシリルオクタン、1,6−ビス−トリメトキシシリルヘキサン、および1,4−ビス−トリメチルオキシシリルエチルベンゼンからなる群より選択されるシランと選択的に反応させる工程を含む方法。
  • 【請求項46】 前記核酸のグアニン塩基またはシトシン塩基をN−ブロモスクシンイミドと約8.0のpHで反応させて、臭素化された核酸を得る工程;
    および 前記臭素化された核酸を、式H 2 N−(CH 2n −Si(OC 253
    ただし、n=3、4、5、6、7、8または9)を有するシランと反応させる工程 によって調製される修飾された核酸。
  • 【請求項47】 式:−−HN−(CH 2n −Si(OR) 3 (ただし、
    n=3、4、5、6、7、8または9)を有する化合物に共有結合した核酸を含んでなる修飾された核酸。
  • 【請求項48】 Rが、−−OCH 3 、−−OC 25および−OC 37
    からなる群より選択される請求項47の修飾された核酸。
  • 【請求項49】 下記の式: 【化3】 (式中、Rは、−−CH 3 、−−C 25および−C 37からなる群より選択され; R 1およびR 2は同一または異なって、−H、−−CH 3 、−−C 25 、−−
    OCH 3 、−−OC 25 、−C 37および−OC 37からなる群より選択され;ならびに X連結基は、少なくとも部分的な脂肪族鎖を含む)を有する化合物に共有結合した核酸を含んでなる修飾された核酸。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 (発明の背景) 1. 発明の技術分野 本発明は、ゲノムの広範囲にわたる遺伝子マッピングおよび遺伝子の発現研究などの領域において結合させた核酸試料に対する科学的研究または日常的な試験を行うために核酸を固体支持体に固定するための非常に関連した一連の化合物、
    装置、および固定化技術に関する方法を特許請求する。

    【0002】 2. 先行技術 生化学分野における研究の大部分は、核酸(特に、デオキシリボ核酸、すなわち、DNA)が関与する研究に向いている。 DNAは、溶液(すなわち、系溶液)状態に置かれた場合に加水分解などで分解しやすい水溶性化合物である。 明らかなことではあるが、このために、DNAが関与する研究はいずれも期待通りにならず、従って、DNAが関与する正確で信頼性の高い研究には、DNAの一体性が保証される方法または装置が必要である。 DNAの研究を容易にするために、多くの場合、DNAを、ガラスの平滑なシートなどの固体表面に固定または固定化することは望ましい。 このような方法で所定の位置に固定されると、DN
    Aは容易に操作することができる(すなわち、他の物質と反応させることができる)。 DNAが長鎖であると考えられる場合、DNAの固定化は、鎖の一方の端が固体支持体に固定され、その結果、鎖の残り部分が修飾されず、特定の研究に依存するさらなる反応を自由に受けることを意味する。 実際、これは、DNAが関与する実験研究を行うために広く使用されている方法である。

    【0003】 DNAを固体支持体に固定化することに伴う大きな問題は、おそらくは、(実際に固体支持体に結合している比較的小さな部分を除いて)DNAを変化させることなく、いかにしてDNAを固定化するかということそのものである。 使用される固体支持体はどれも本質的に不活性でなければならないから、これは非常に難しい問題である。 すなわち、固体支持体は、DNAを固体支持体に単に固定化すること以外にDNAと反応してはならない。 ガラスは、安価で非常に不活性であるので特に好適な固体支持体である。 現在、現行の正統な慣行は、固体支持体(例えば、ガラスの表面)を、DNAの一方の端がその表面に結合できるように、最初に処理または誘導体化しなければならないことである。 これを行うための技術が多数存在する。

    【0004】 残念なことに、ガラスのそれ以外の点で不活性な表面を誘導体化することによって、DNAが関与する実験研究の結果を混乱させ得る様々な問題が生じている。 1つの問題は、ガラス表面を誘導体化することによって、正味の正の静電気電荷がガラス表面に生じることである。 DNAは(正味の)負の電荷を帯びているので、他のDNA(または研究の後期で使用されるが、ガラス表面に意図的に固定されないDNA)が(非特異的な静電気的引によって)ガラス表面に付着しやすい。 すなわち、(二本鎖よりもむしろ)一本鎖のDNAであるDNA「プローブ」が、多くの場合、固体支持体に固定されたDNA一本鎖のアレイと接触させられる。 プローブは既知のヌクレオチド配列を有し、かつ特定の一本鎖DNA
    は相補鎖に優先的に結合するので、プローブが反応する特定の固定化された鎖によって、以前には知られていない固定化された鎖のヌクレオチド配列が明らかにされる。 しかし、このタイプの簡便な実験(プローブ研究)は、誘導体化された(従って、静電気的に帯電した)ガラス表面にプローブが静電気的に付着することによってひどく混乱させられる。 例えば、プローブは、多くの場合、その存在が通常の放射線検出器で検出できるように放射性標識されている。 従って、検出器により示されるガラス表面におけるプローブの位置によって、(事前に知られ、指定されている)ガラス表面におけるその特定の位置に固定化されているDN
    A鎖の化学的同一性または配列が明らかにされる。 しかし、放射線検出器は、固体支持体に固定されたDNAの相補鎖に化学的に結合したプローブと、(DNA
    鎖に対してではなく)ガラス表面に単に静電気的に付着したプローブとを識別することができない。

    【0005】 第2に、誘導体化された表面は、「スプレッディング」として知られていることが生じる。 スプレッディングは、誘導体化されたときに固体支持体表面が親水性になるために生じる。 その結果、(固体支持体に固定化されることが望ましい)DNAを固体支持体の表面と接触させた場合、DNAは、離れた「スポット」
    で留まるのではなく広がる。 理想的には、DNAを、離れた「スポット」で留まるようにしなければならない。 なぜなら、放射性標識プローブが特定のスポットまたは別のスポットで検出されるかどうかによって、科学者は、プローブがあちこちの固定化されたDNAと反応したことを推定するかどうかを決定するからである。 スプレッディングは、アレイ密度(すなわち、1つの固体支持体上に配列させることができる種々の核酸試料の数)に対する大きな制約である。 従って、
    スプレッディングを縮小し、従って、アレイ密度を大きくする何らかの手段が非常に望ましい。

    【0006】 核酸試料を結合させるガラス表面を調製するために使用されている1つの非常に一般的な物質は、ポリ−L−リシンである。 例えば、デリシ(DeRisi)
    ら、ヒトのガンにおける遺伝子の発現パターンを分析するためのcDNAマイクロアレイの使用、14、Nature Genetics、457(1996)
    ;シャロン(Shalon)ら、2色蛍光プローブハイブリダイゼーションを使用する複雑なDNA試料を分析するためのDNAマイクロアレイシステム、6、
    Genome Res. 639(1996);およびシェナ(Schena)ら、相補的DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現パターンの定量的モニターリング、270、Science、467(1995)を参照のこと。 事前に誘導体化されたガラス支持体の他のタイプが市販されている(例えば、シリル化された顕微鏡スライドガラス)。 例えば、シェナ(Schena)ら、並行的なヒトゲノム分析:1000遺伝子のマイクロアレイ型発現モニターリング、93、P
    . N. A. S. 10614(1996)を参照のこと。

    【0007】 多数の他の表面コーティングが開示されている。 例えば、米国特許第5,63
    0,932号(承継人:Molecular Imaging Corp.)は、走査トンネル顕微鏡法で使用されるプローブ(白金)チップのコーティングを開示している。 多数の手段が、表面をコーティングするために開示されているが、Si(OCH 3 )CH 2 Iが注目される。 米国特許第5,610,287号(
    承継人:Molecular Tool)は、固体表面を塩またはカチオン性界面活性剤でコーティングして、核酸をその表面に非共有結合的に結合させることを開示している。 米国特許第5,024,933号(承継人:Enzo Bio
    chem)は、天然に存在するイガイの接着性タンパク質の単離物で固体支持体をコーティングすることを開示している。 米国特許第4,937,188号(承継人:Northeastern University)は、酵素の基質として作用する分子鎖を介して酵素を固体支持体に共有結合させることを開示している。 米国特許第4,818,681号(承継人:Molecular Diag
    nostics)は、ヌクレオシドの複素環部分を介してヌクレオシドホスフェートで固体支持体をコーティングすることを開示している。 この場合、核酸は、
    次いで、酵素的に結合させることによって固体支持体に固定化される。 米国特許第4,806,631号(承継人:Miles)は、ナイロン表面のアミン基の部分的な加溶媒分解によって(例えば、アルキル化基で処理することによって)
    ナイロンの固体支持体を活性化することを開示している。

    【0008】 この問題に対する別の取り組みには、固体支持体および固定化しようとする核酸の両方を誘導体化することが含まれる。 例えば、米国特許第5,641,63
    0号(承継人:AmgenおよびAbbott)は、結合させようとする核酸が同様に結合する複合化剤に結合する別の複合化剤で固体支持体をコーティングすることを開示している。 米国特許第5,554,744号(承継人:Hybri
    don)は、固体支持体をジイソプロピルカルボジイミドおよび酸触媒と接触させること、およびヌクレオシドを固定化するためのスクシニル化ヌクレオシドを開示している。 米国特許第5,514,785号(承継人:Becton Di
    ckinson)は、固体支持体を、好ましくは一級アミンおよび二級アミンでコーティングし、その後、塩化シアヌルを使用して核酸を活性化することを開示している。 米国特許第5,215,882号(承継人:Ortho Diagn
    ostic Systems)は、固定化しようとする核酸を一級アミンまたは等価物で修飾し、その後、修飾された核酸を還元剤の存在下で固体支持体(支持体は遊離のアルデヒド基を有しなければならない)と反応させることを開示している。

    【0009】 最後に、核酸を固体支持体物質に固定化するという問題に対する第3の取り組みには、新規な固体支持体を作製することが含まれる。 例えば、米国特許第5,
    055,429号、同第5,008,220号、同第4,963,436号、同第4,826,790号および同第4,826,789号(承継人:ECC イnternational)を参照のこと。 これらは、アルミノケイ酸塩物質から作られる固体支持体を開示している。

    【0010】 核酸試料を固定する前にガラス表面(の全体)を誘導体化することの上記欠点のために、固体支持体に対して、直接、核酸試料を合成することを含むいくつかの方法が開発されている。 例えば、ハシア(Hacia)ら、高密度オリゴヌクレオチドアレイおよび2色蛍光分析を使用するBRCA1におけるヘテロ接合変異の検出、14 Nature Genetics、441(1996);ロックハート(Lockhart)ら、高密度オリゴヌクレオチドアレイに対するハイブリダイゼーションによる発現のモニターリング、14、Nature Bi
    otechnology、1675(1996);マスコス(Maskos)およびサザン(Southern)、ガラス支持体でのオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション:オリゴヌクレオチド合成用の新規なリンカーおよびインサイチュで合成されたオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーション特性、20 N
    ucleic Acids Res. 1679(1992)(およびその引用参考文献、特に、5〜11)を参照のこと。

    【0011】 繰り返すが、現在、生化学分野における一般的な考えは、核酸を固体表面に効果的に固定化するために、固体支持体は、最初に誘導体化しなければならず、すなわち、化学的に不安定にしなければならず、そうすることによって、次に、核酸を固体支持体と反応させることができることである。 さらに、エポキシドは発ガン性であると知られている。 すなわち、エポキシドは、核酸(特に、DNA)
    に損傷を与えることが知られている。

    【0012】 従って、生化学分野における現在の知識水準とは全く逆に、今回提示された本発明は、修飾または誘導体化が行われていないガラス表面に核酸が容易に接着するように修飾されたDNA(より一般的には、核酸)を開示し、特許請求する。
    詳細には、本発明は、修飾されていない固体支持体に容易に固定されるエポキシド修飾された核酸(特に、DNA)を開示し、特許請求する。

    【0013】 (発明の開示) 本発明の目的の1つは、その後の生化学的研究が可能であるように固体表面に接着する修飾された核酸である。

    【0014】 従って、本発明の1つの側面により、環状エーテル基およびアルコキシシラン基の2つの極めて重要な官能基を含有する部分に共有結合した核酸を含む修飾された核酸が特許請求される。 本発明の他の側面により、上記の修飾された核酸を調製するための方法が特許請求される。

    【0015】 さらに、本発明の別の側面により、ガラスまたは他の不活性な表面を含む高密度マイクロアレイであって、多数の高度に区別される修飾型DNA試料のスポットをその表面にプリントすることによって作製される高密度マイクロアレイが特許請求される。

    【0016】 本発明の別の側面により、核酸およびハロゲン化シランから調製される別の修飾された核酸が特許請求される。

    【0017】 本発明のさらに別の側面により、核酸を臭素化部分と反応させ、その後、アミン化シランと反応することによって調製される別の修飾された核酸が特許請求される。

    【0018】 本発明の別の側面により、上記の高密度マイクロアレイのプリントを可能にする装置が特許請求される。

    【0019】 本発明のさらに別の側面により、試料密度および検出感度を最適化するために、当業者が固体表面の静電特性を調節させることができる修飾されたシランが特許請求される。

    【0020】 本発明は、先行技術を上回る多数の利点を有する。 そのような利点の多くは、
    典型的には通常のガラスである固体表面が非常に化学的に不活性のままであるという事実から得られる。 従って、ガラスに付着するプローブ(または他の反応物)の前記の問題は、「スプレッディング」と同様に完全に除かれる。 最大の結果は、特に、現在の技術水準の誘導体化された固体支持体と比較して、はるかにより大きな検出感度である。

    【0021】 さらに、固体支持体に固定化される核酸は容易に誘導体化される。 本発明のエポキシド誘導体の反応は簡単に実施することができ、穏和な条件のもとで生じる。 反応速度は速く、平衡は非常に有利である。 さらに、本発明のエポキシド修飾された核酸は、本質的には永久的に安定であり、従って、後で使用するために調製して保存することができる。 さらに、より具体的な利点が、本発明の特定の実施形態が議論されている下記に開示される。

    【0022】 他の目的、特徴および利点ならびにさらなる目的、特徴および利点は、開示の目的で示される本発明の現時点での好ましい実施形態の下記の説明から、添付された図面と組み合わせた場合に明らかである。

    【0023】 図面は必ずしも縮尺が合っていない。 本発明のいくつかの特徴は一定の割合で誇張されている場合があり、あるいは明快化および簡略化のために概略的な形式で示されている場合がある。

    【0024】 (好適な態様の詳細な説明) 様々な代替および改変を、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本明細書中に開示された本発明に対して行い得ることは、当業者には容易に理解される。

    【0025】 本発明の骨子は、固定化しようとする核酸の化学的修飾である。 この化学的に修飾された核酸は、次いで、ガラス表面などの固体支持体に対して容易に反応する。 これにより核酸は固定化される。 再度ではあるが、これは、核酸自体ではなく、むしろ固体支持体の修飾を教示する先行技術に対する直接的な否定である。

    【0026】 本発明の修飾された核酸は、ヒドロキシル基を有する様々な固体表面に容易に接着する。 これらには、石英ガラス、雲母、アルミナ(Al 23 )、チタニア(TiO 2 )、SnO 2 、RuO 2 、PtO 2 、ならびに多数の他の金属酸化物の表面が含まれるが、これらに限定されない。

    【0027】 一群の実施形態において、本発明の化学的に修飾された核酸は、環状エーテル基およびアルコキシシラン基の2つの極めて重要な官能基を有する化合物でそのように修飾される。 核酸を環状エーテルと反応させ、次いで、新たに修飾された核酸を、それ以外の点では不活性なガラス表面と接触させると、その表面でアルコキシシラン基がガラス表面のSi−OH基と反応する。

    【0028】 別の異なる種類の実施形態において、本発明の化学的に修飾された核酸は、アミノ基およびアルコキシシラン基の2つの極めて重要な官能基を有する化合物でそのように修飾される。 核酸をアミノ基と反応させ、次いで、新たに修飾された核酸を、それ以外の点では不活性なガラス表面と接触させると、その表面でアルコキシシラン基がガラス表面のSi−OH基と反応する。

    【0029】 さらに別の異なる種類の実施形態において、核酸は、ハロゲン化シラン化合物と反応させることによって修飾される。 さらに別の種類の実施形態において、核酸は、アミン含有シランおよび臭素化された核酸との最終的な反応を含む2段階プロセスによって誘導体化される。

    【0030】 他の実施形態は、本発明の先の実施形態の修飾された核酸を利用する高密度マイクロアレイの調製および最適化に関する。

    【0031】 実施例1 3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランを使用する修飾された核酸の調製 本実施例は、本発明の修飾された核酸の一形態を記載する。 化学的修飾の目的は、誘導体化されていない固体表面に核酸を容易に固定させることができることである。 本実施例において、核酸(好ましくは、DNA)は、図1に従って、3
    −グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン(GPTS)との反応によって修飾される。 GPTSは、実際には、(修飾されていない)DNA試料をその後で接触させて固定化するガラス表面を誘導体化するために以前から使用されている。 しかし、GPTSの使用は、これとは反対の目的のためである。 すなわち、誘導体化されていないガラス表面に対するその後の結合のためにDNAを修飾することは、以前には開示も示唆もされていない。 さらに、エポキシド基を含有しているために、GPTSはインビボでDNAを損傷することが知られている。 これらの理由のために、DNAを誘導体化するためにGPTSを使用することは、実際には先行技術によって思いとどまらされている。

    【0032】 概略的に記載すると、核酸を固体支持体に固定することは、本質的には2工程からなる。 最初の工程において、核酸をGPTS分子のエポキシド端と反応させ、第2の工程において、ガラス表面を反対側の端(すなわち、GPTSで修飾された核酸のシラン端)と反応させ、それによって、核酸は、誘導体化されていないガラス表面に固定される。 全体の反応は迅速であり、好ましい平衡を特徴とし、最少量の安価な試薬を使用する非常に穏和な条件のもとで生じる。 多数の方法が反応のどちらかの工程を行うために存在することは極めて明らかであるが、好ましい方法を本実施例および下記の実施例において示す。

    【0033】 図1に示されているように、環状エーテルおよびアルコキシシランを有する化学化合物(この場合、それぞれ、エチレンオキシドおよびトリメトキシシラン)
    は化合物の2つの端を構成する。 2つの端は、炭素が4個のエーテルリンカーで連結されている。 示される化合物は、3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン(すなわち、GPTS)である。 最初の工程において、DNAを、好ましくは9.5よりも高い塩基性pHでGPTSと反応させて、修飾されたDNAを得る。 次いで、この修飾されたDNAを、誘導体化していないガラス(または他のシラノール含有)表面と中性pHで反応させる。 このようにして、DNAがガラス表面に固定化される。 最初の工程において、環状エーテル官能基がDNAと反応する。 再度ではあるが、環状エーテルは、GPTSの場合のようにエチレンオキシドである必要はない。 しかし、小さな環が、比較的非反応性であるエーテル官能基の反応性を大きくするために好ましい。

    【0034】 誘導体化されたDNAに導く最初の反応は、DNAのリボース環の5位炭素が関与すると考えられる開環反応である。 この誘導体化されたDNAは極めて安定であり、実際に使用されるまでの長期間にわたって保存することができる。 誘導体化されたDNAをガラス表面に固定化する第2の反応は、ガラス表面においてSi−O−Si結合が生成する単純な置換反応であり、GPTS分子からのアルコキシ基の脱離反応である。

    【0035】 実施例2 3−アミノプロピルトリエトキシシランを使用する修飾された核酸の調製 本実施例は、本発明の修飾された核酸の別の好ましい形態を記載する。 化学的修飾の目的は、誘導体化されていない固体表面に核酸を容易に固定させることができることである。 本実施例において、核酸(好ましくは、DNA)は、図2に従って、3−アミノプロピルトリメトキシシランとの反応によって修飾される。
    実施例1の場合のように、核酸を固体支持体に固定することは、本質的には2工程からなる。 最初の工程において、核酸を3−アミノプロピルトリメトキシシラン分子のエポキシド端と反応させる。 第2工程において、ガラス表面を、反対側の端(すなわち、3−アミノプロピルトリメトキシシランで修飾された核酸のシラン端)と反応させる。 それによって、核酸は、誘導体化されていないガラス表面に固定化される。

    【0036】 実施例1の場合のように、全体の反応は迅速であり、好ましい平衡を特徴とし、最少量の安価な試薬を使用する非常に穏和な条件のもとで生じる。 多数の方法が反応のどちらかの工程を行うために存在することは極めて明らかであるが、好ましい方法を本実施例および下記の実施例において示す。

    【0037】 図2に示されているように、アミノ基およびアルコキシシランを有する化学化合物(この場合、それぞれ、−NH 2およびトリエトキシシラン)は化合物の2
    つの端を構成する。 2つの端はプロピル結合によってつながっている。 示される化合物は、3−アミノプロピルトリエトキシシランである。 最初の工程において、DNAを、好ましくは重亜硫酸ナトリウムの存在下、中性pHで3−アミノプロピルトリエトキシシランと反応させる。

    【0038】 誘導体化されたDNAに導く最初の反応は、核酸のシトシン残基のアミノ基転移反応である。 実施例1の場合のように、誘導体化されたDNAをガラス表面に固定化する第2の反応は、ガラス表面においてSi−O−Si結合が生成する単純な置換反応であり、GPTS分子からのアルコキシ基の脱離反応である。

    【0039】 実施例3 高密度マイクロアレイの調製 実施例1および2に記載される修飾された核酸などの本発明の修飾された核酸が調製されると、その後、そのような修飾された核酸を利用することができる。
    再度ではあるが、このような修飾された核酸(好ましくは、DNA)は、誘導体化されていない表面に修飾されたDNAを単に接触させることによってガラス表面に固定化することができる。 この重要性は、特に、スプレッディング(固定化しようとするDNAの所望する部位からの移動)および非特異的なプローブ付着(正味の負電荷のDNAが引き寄せられる表面での正味の正の静電電荷を生じさせるガラス表面の誘導体化によって生じる)が本質的になくなることである。

    【0040】 これらの利点によって、非常に望ましい極端に高密度のマイクロアレイの作製が可能になる。 例えば、スプレッディングがなくなり、プローブ付着が効果的になくなるために、1つの小さなガラス表面は、実際上、試験すべき数千のDNA
    試料を含有することができる。 この場合、そのそれぞれは、顕微鏡レベルの大きさであり、すべてが1つのガラス表面に固定化されている。 実際、ガラス表面に置かれた50ミクロンよりも小さい多数の単一試料スポットからなるマイクロアレイを組み立てることができる。

    【0041】 多数のDNA試料からなるこのタイプの高密度マイクロアレイはまた、本発明に従って容易に組み立てることもできる。 修飾されたDNAを、実際の使用に先立って、(例えば、実施例1および2に従って)良好に調製することができる。
    このような化学的に修飾されたDNA試料は、その後、例えば格子様式で、誘導体化されていないガラスシートに容易に「印刷」され得る「DNAチップ」の類似体である。 図3には、本発明のDNAチップを使用するそのような高密度マイクロアレイを調製するための装置の1つの実施形態が例示されている。 1つの好ましい実施形態において、この装置は、多数の安価な市販の毛細管マイクロピペットから作製される。 好ましくは10cmのマイクロピペットであるが、他の大きさも当然に使用される。 図3に示されているように、10cmのマイクロピペットはそれぞれ、一方の端を先細り状にするために引っ張られる。 マイクロピペットは六方最充填配列で配列させられ、正方形のフレームによって結束される。
    マイクロピペットは互いに接着され、フレーム内の安定なユニットを形成することができる。 先細り端(図3B)は切断され、研磨されて光学的平坦にされる。

    【0042】 マイクロアレイを調製するために、装置のチップが、(本発明に従って化学的に修飾された)試験すべきDNA試料を含有する多ウエル容器に浸漬される。 従って、そのウエルは装置のマイクロピペットとともに整列される。 チップをウエルと接触させたとき、少量の各DNA試料が、単なる毛細管作用によって、特定のウエルに対応するマイクロピペット内に入る。 スポットのサイズは、先細り端の大きさによって慎重に制御することができる。 この装置および本発明のDNA
    チップを使用して、数千の試料を、同時に、そして高価なロボット工学を必要とすることなく狭い領域に配列させることができる。 実際、本発明の(DNAチップおよびピペット装置を含む)方法は、高速度のスポット用ロボットを使用する方法よりもさらに効率的であることが示されている。 最後に、本発明の化合物、
    方法および装置は、市販される充填済みキットに容易に組み入れられる。

    【0043】 本発明の高密度マイクロアレイはまた、上記の先行技術の節に開示されたマイクロアレイシステムなどの先行技術のマイクロアレイシステムに容易に組み込むこともできる。 これらの方法、例えば、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)およびシャロン(Shalon)ら(2色蛍光プローブハイブリダイゼーションを使用する複雑なDNA試料を分析するためのDNAマイクロアレイシステム、6、Genome Res.639,1996)によって記載される方法は、参照により本出願において取り込まれる。 シャロン(Shalon
    )らの方法において、DNA試料のマイクロアレイをガラス基板上に作製すること、複雑な蛍光標識プローブとのハイブリダイゼーションによってそれらをプローブすること、およびレーザー走査顕微鏡を使用して、ハイブリダイゼーションを示す蛍光シグナルを検出することを含むマイクロアレイシステムが、DNA試料を分析するために提供されている。 同様に、サージェント(Sargent)
    ら(米国特許第5,601,982号)は、走査トンネル顕微鏡法で核酸を走査することを含む、ポリヌクレオチドの配列を決定するための方法および装置を開示している。

    【0044】 実施例4 ハロゲン化シランを使用する修飾された核酸の調製 本実施例は、本発明の修飾された核酸の別の形態を記載する。 再度ではあるが、ここで開示され特許請求される化学的修飾の目的は、誘導体化されていない固体表面(例えば、通常は石英ガラス)に核酸を容易に固定させることができることである。 図4に従って、本発明による修飾された核酸は、修飾されていない核酸を、ほぼ中性pHのもとで、好適なシラン化合物と反応させることによって調製される。 図4の「X」は任意のハロゲン化物を示し得るが、好ましくは、Cl
    、BrまたはIを示し;R 1 、R 2およびR 3は同一または異なっていてもよく、−−OCH 3および−−OC 25を含む。 特に、好ましい実施形態において、図4の矢印の左側に示されるハロゲン化シランは、8−ブロモオクチルトリクロロシラン、8−ブロモオクチルトリメトキシシラン、4−クロロブチルメチルジクロロシラン、および3−ヨードプロピルトリメトキシシランである。

    【0045】 図4に示される変換反応は、下記のように行われた。 ハロゲン化シランをジメチルホルムアミド(DMF)に約30mMの濃度で溶解した。 次に、3〜10μ
    gの核酸を100μlの0.01Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解した。 次いで、1〜3μgの30mMハロゲン化シランを加えて、溶液を十分に混合し、
    約37℃で約3時間反応させた(あるいは、周囲温度で一晩反応させることができる)。 反応後、所望する生成物(すなわち、修飾された核酸)をエタノール沈澱で精製し、次いで修飾された核酸を水に溶解する。

    【0046】 実施例5 スポット密度/サイズの制御 本出願を通して議論されているように、本発明の1つの特定の利点は、研究者が、核酸研究を行うための非常に高密度なマイクロアレイを調製できることである。 本実施例は、本発明による高密度マイクロアレイの調製が開示された実施例3に関連して最も良く理解される。 本実施例では、本発明に従って、固体支持体における個々の核酸「スポット」のサイズを制御するために強化された方法が開示される。

    【0047】 小さなスポットサイズは、高密度マイクロアレイに関連して、より高い試料密度(すなわち、単位面積あたり、より多くの試料)および優れた検出感度を可能にする(シグナルがほとんど拡散しないからである)。 従来の固体支持体システムでは、当業者は極めて重大なジレンマに直面している。 (本明細書に記載される実験で使用されるタイプの)通常の清浄な石英ガラス表面は、非常に親水性である。 従って、核酸試料は、ガラス表面に置かれた場合には自然に広がりやすい。 再度ではあるが、これは望ましくない。 スプレッディングを軽減するために、
    当業者は、例えば、表面を疎水性薬剤で前処理するか、または表面を単に脱水することのいずれかによって表面がより疎水性になるように処理することができる。 自然のことではあるが、このような選択肢はいずれも、ガラス表面のシラン修飾核酸に対する反応性を低下させる。

    【0048】 本実施例で議論される本発明の一群の実施形態において、当業者はこのジレンマから解放される。 より詳細に記載すると、本発明の別のタイプのシランを使用することによって、スプレッディングをなくすことができ、その上、修飾された核酸に対する表面の反応性を維持することができる。 例えば、加水分解後におけるこのようなシランの1つの極めて一般的な実施形態は、疎水性基で連結されたSi(OH) 3をそれぞれの端に含有する。 図6を参照のこと。 任意の様々な疎水性リンカーを使用することができる。 特に好ましい実施形態には、1,6−ビス−トリクロロシリルヘキサン、1,8−ビス−トリクロロシリルオクタン、1
    ,6−ビス−メトキシシリルヘキサン、および1,4−ビス−トリメトキシシリルエチルベンゼンが含まれる。 従って、本発明のこれらの実施形態により、シランの一方の端は表面に結合するが、もう一方の端は修飾された核酸に対する反応性を有したままである。 疎水性リンカーにより、疎水性が表面に付与される。 従って、当業者は、表面の静電特性(疎水性対親水性)を容易に調節させ得る方法を容易に理解することができる。 例えば、リンカーの鎖長を調節して疎水性を制御することができ、表面の反応性を、表面と接触するシランの量を調節することによって制御することができる。

    【0049】 本発明のこの側面に従って固体支持体を調節するために、ガラス表面を、ドラフト内で、約2時間、3M HCl中でゆっくり煮沸することによって清浄化した。 次に、表面を脱イオン水でリンスし、次いで、使用できるまで0.1M H
    Cl中で保管した。 使用できるようになった場合、表面を再蒸留脱イオン水でリンスし、存在する酸を除き、次いで無水エタノールでリンスした。 次に、表面を、直ちに、0.0005%〜0.002%の本発明のこの側面の二官能性シランを含有するエタノール溶液に移した。 次いで、表面を室温で約48時間処理した。 次いで、表面をエタノールでリンスし、風乾した。 最後に、使用できるまで、
    ガラス表面を無塵環境で保管した。

    【0050】 実施例6 アミン含有シラン化合物を使用する修飾された核酸の調製 本実施例は、本発明の修飾された核酸の別の形態を記載する。 この一群の実施形態において、修飾された核酸は、未処理の核酸をアミン含有シランと反応することによって調製される。 実践的に、アミン含有シランによる核酸の誘導体化は2工程からなる:(1)核酸のハロゲン化(または、示されるように、臭素化)
    (図5a、5b);および(2)ハロゲン化された核酸の誘導体化(図5c)。
    図5a、5bに示されているように、反応は、N−ブロモスクシンイミドの存在下、穏和なpH条件下で進行し得る。 これらの反応変数のいずれかを変更することによって、当業者たる生化学者は反応速度を制御することができる。 また、図5a、5bによって明らかであるように、反応は、通常、pHに依存してグアニン塩基またはシトシン塩基で生じる。 すなわち、中性からわずかに塩基性のpH
    はグアニン残基での反応に有利であり、より塩基性のpHはシトシン残基での反応に有利である。

    【0051】 少し異なる反応プロトコルが、好ましくは、核酸がDNAまたはRNAであるかに依存して使用される。 DNAの場合、5μgのDNAを100μlの0.1
    MのNaHCO 3に溶解し、pHを約9.5にした。 この溶液を氷上で約5分間保つ。 同時に、濃度が約10mMのN−ブロモスクシンイミド溶液を新しく調製し、これも氷上で冷却した。 次に、1μlのN−ブロモスクシンイミド溶液をD
    NA溶液に加える。 次いで、溶液を(渦が巻くまで)激しく攪拌した。 次いで、
    反応を氷上で約15分間進行させた。 次に、pHが約9.5〜12の0.5Mアミノシラン溶液の10μlを臭素活性化DNA溶液に加えた。 この新しい混合物を65℃で約2時間反応させた。 最後に、シランで修飾されたDNAを、当該技術分野でよく知られている方法で精製した。 好ましくは、エタノール沈澱で精製される。

    【0052】 類似するが、少し異なるプロトコルを使用した。 5μgのRNAを100μl
    の0.1Mリン酸緩衝液に溶解し、pHを約7.5にした。 この溶液を氷上で約5分間保つ。 同時に、濃度が約10mMのN−ブロモスクシンイミド溶液を新しく調製し、これも氷上で冷却した。 次に、1μlのN−ブロモスクシンイミド溶液をDNA溶液に加える。 次いで、溶液を(渦が巻くまで)激しく攪拌した。 次いで、反応を氷上で約15分間進行させた。 次に、pHが約8.0の1Mアミノシラン溶液の10μlを臭素活性化DNA溶液に加えた。 この新しい混合物を4
    5℃で約2時間反応させた。 最後に、シランで修飾されたDNAを、当該技術分野でよく知られている方法で精製した。 好ましくは、エタノール沈澱で精製される。

    【0053】 これらの実施形態において、下記のシランがこのような理由で利用することができる:

    【化4】

    さらに、下記の形態を取る加水分解後の任意の他のアミノシラン化合物が有用である:

    【化5】

    本明細書中において言及されているすべての特許、刊行物は、本発明が関係する分野の当業者の水準を示し得る。 本明細書中におけるすべての特許、刊行物は、個々の刊行物のそれぞれが参照により取り込まれるように明示的かつ個々に示されている場合には同じ程度に参照により取り込まれる。

    【0054】 当業者であれば、本発明の対象を実施し、言及されている目的および利点ならびにその固有的なそれらを得るために本発明を十分に適合させることを容易に理解するであろう。 化学的に修飾された核酸、その固体支持体への結合は、本明細書中に記載されている配列、方法、手順、アッセイ、分子、装置および特定の化合物とともに、現時点での好ましい実施形態を表し、例示であり、本発明の範囲に対する限定として意図されるものではない。 本発明の精神に包含され、かつ請求項の範囲によって規定される、本発明における変化および他の使用が当業者には考えられる。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 図1は、核酸(この場合、DNA)と3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシランとのカップリング反応、その後の新しく修飾されたDNAと固体支持体(この場合、ガラス表面)との反応を示す。 最終反応生成物、すなわち、固定化DNAを下段に示す。

    【図2】 図2は、核酸(この場合、DNA)と3−アミノプロピルトリエトキシシランとのカップリング反応、その後の新しく修飾されたDNAと固体支持体(この場合、ガラス表面)との反応を示す。 最終反応生成物、すなわち、固定化DNAを下段に示す。

    【図3】 図3は、高密度マイクロアレイを作製するための装置を示す。 上面図(図3A
    )および側面図(図3B)をともに示す。

    【図4】 図4は、ハロゲン含有シラン化合物のアルキル化による核酸のシラン処理を示す。

    【図5】 図5aは、アミン含有シラン化合物を使用する核酸のシラン処理における最初の工程を示す。 この場合、反応は、中性pHおよびわずかに塩基性pHにおいてグアニン塩基で優先的に生じる。 図5bは、アミン含有シラン化合物を使用する核酸のシラン処理における最初の工程を示す。 この場合、反応は、より塩基性pHにおいてシトシン塩基で優先的に生じる。 図5cは、アミン含有シラン化合物を使用する核酸のシラン処理における第2
    で最終の工程を示す。

    【図6】 図6は、本発明の1つの実施形態の概略図であり、疎水性リンカーによるシランリンカーを示す。

    【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書

    【提出日】平成12年3月2日(2000.3.2)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】特許請求の範囲

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【特許請求の範囲】

    【化1】

    (式中、R

    1 、R

    2およびR

    3は、−H、−CH

    3 、−OCH

    3および−OC

    2


    5からなる群より選択されるが、R

    1 、R

    2またはR

    3の少なくとも1つは−


    OCH

    3または−OC

    2

    3のいずれかである) からなる群より選択される請求項16の修飾された核酸。

    【化2】

    (式中、Rは、−−CH

    3 、−−C

    2

    5および−C

    3

    7からなる群より選択され; R

    1およびR

    2は同一または異なって、−H、−−CH

    3 、−−C

    2

    5 、−−


    OCH

    3 、−−OC

    2

    5 、−C

    3

    7および−OC

    3

    7からなる群より選択され;ならびに X連結基は、少なくとも部分的な脂肪族鎖を含む)を有する化合物に共有結合した核酸を含んでなる修飾された核酸。

    【化3】

    (式中、R

    1 、R

    2およびR

    3は同一または異なって、−OCH

    3 、−OC

    2

    5 、−OC

    3

    7および−Clからなる群より選択され; Xは、前記核酸を前記化合物に連結するために化学的に好適な部分である)を有する化合物に共有結合した核酸を含んでなる修飾された核酸。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/566 C12N 15/00 F Fターム(参考) 4B024 AA11 AA19 CA01 CA09 CA11 HA13 HA14 4B029 AA07 AA09 BB20 CC01 CC03 CC08 FA12 FA15 HA07 HA09 4B063 QA01 QA13 QA17 QQ42 QQ52 QR32 QR35 QR38 QR55 QR84 QS34 QX02 QX07 4C057 AA18 BB05 NN10

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