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Compositions and methods for enhancing transport across biological membranes

申请号 JP55071698 申请日 1998-05-21 公开(公告)号 JP2002502376A 公开(公告)日 2002-01-22
申请人 ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティ; 发明人 エイ. ウェンダー,ポール; ビー. ロスバード,ジョナサン;
摘要 (57)【要約】 薬物および高分子を 生物 学的膜を横切って輸送するための方法および組成物が開示される。 1つの実施態様において、本発明は、生物学的膜を横切る選択された化合物の輸送を増強するための方法を含み、ここで生物学的膜は、輸送ポリマーに共有結合される生物学的に活性な因子を含む結合体と 接触 される。 1つの実施態様において、ポリマーは、6〜25のサブユニットからなり、そのうちの少なくとも50%は、グアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分を含む。 ポリマーは、結合された因子に、非結合体形態での因子の膜貫通輸送の速度より大きい、生物学的膜を横切る膜貫通輸送の速度を与えるのに有効である。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. キャリアに共有結合した生物学的に活性な因子を含む結合体であって、該キャリアは、非ペプチドバックボーンを有し、そして非結合形態の生物学的に活性な因子の送達と比較して、生物学的膜を横切る該結合体の送達を増大するに十分なグアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分を含む、結合体。 2. 請求項1に記載の結合体であって、前記キャリアが5〜25のグアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分を含む、結合体。 3. 請求項2に記載の結合体であって、前記キャリアが6〜20の連続したグアニジノ側鎖部分を含む、結合体。 4. 請求項1に記載の結合体であって、前記キャリアが少なくとも6の連続したグアニジノ側鎖部分および/またはアミジノ側鎖部分を含む、結合体。 5. 請求項1に記載の結合体であって、前記キャリアが6〜25のサブユニットを含み,該サブユニットの各々が側鎖を含み、該側鎖の少なくとも50%がグアニジノ部分またはアミジノ部分を含む、結合体。 6. 請求項1に記載の結合体であって、前記生物学的膜を横切る前記結合体の送達速度が増大する、結合体。 7. 請求項1に記載の結合体であって、前記生物学的膜を横切る前記結合体の量が増大する、結合体。 8. 請求項1に記載の結合体であって、前記生物学的膜を横切る前記結合体の送達が、残基49〜57からなる塩基性HIV tatペプチドに結合された生物学的に活性な因子の送達よりも顕著に高い、結合体。 9. 請求項8に記載の結合体であって、前記生物学的膜を横切る前記結合体の送達が、前記塩基性HIV tatペプチドに結合された生物学的に活性な因子の送達よりも少なくとも約2倍高い、結合体。 10. 請求項9に記載の結合体であって、前記生物学的膜を横切る前記結合体の輸送速度が、前記塩基性HIV tatペプチドに結合された生物学的に活性な因子の輸送速度よりも少なくとも約6倍大きい、結合体。 11. 請求項1に記載の結合体であって、前記非ペプチドバックボーンが、炭素、酸素、イオウ、リン、および窒素からなる群より選択される原子を含む、結合体。 12. 請求項1に記載の結合体であって、前記非ペプチドバックボーンが、チオエーテルに結合したアルキル部分、スルホニル基、カルバメート基、ポリエチレンイミン、またはアミノアルデヒド、ヒドロキシ酸エステル、およびアザアナログからなる群より選択され、ここでα炭素は窒素に置換される、結合体。 13. 請求項12に記載の結合体であって、前記非ペプチドバックボーンが、N 置換アミド、エステル、ケト−メチレン、還元型またはメチレンアミノ、チオアミド、ホスフィネート、ホスホンアミデート、ホスホンアミデートエステル、レトロペプチド、トランス−アルケン、フルオロアルケン、ジメチレン、チオエーテル、ヒドロキシエチレン、メチレンオキシ、テトラゾール、レトロチオアミド、スルホンアミド、メチレンスルホンアミド、レトロスルホンアミド、およびペプトイドからなる群から選択される、結合体。 14. 請求項12に記載の結合体であって、前記非ペプチドバックボーンは、マロネートおよび/またはgem-ジアミノアルキルサブユニットを含む、結合体。 15. 請求項1に記載の結合体であって、前記グアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分が、少なくとも約2のリンカー鎖原子を含む側鎖リンカーで前記バックボーンに結合している、結合体。 16. 請求項15に記載の結合体であって、前記側鎖リンカーが、2〜5のリンカー鎖原子を含む、結合体。 17. 請求項15に記載の結合体であって、前記側鎖リンカーが、炭素、酸素、 イオウ、リン、および窒素からなる群より選択される原子を含む、結合体。 18. 請求項1に記載の結合体であって、前記生物学的に活性な因子が有機低分子である、結合体。 19. 請求項1に記載の結合体であって、前記生物学的に活性な因子が、少なくとも2つのキャリアに結合している、結合体。 20. 請求項1に記載の結合体であって、少なくとも2つの生物学的に活性な因子が、前記キャリアに結合している、結合体。 21. 生物学的膜を横切る選択された化合物の輸送を増強するための方法であって、以下の工程: 生物学的膜を、請求項1に記載の結合体と接触させる工程であって、それによって該接触させる工程が、非結合形態の該生物学的に活性な因子の送達と比較して、生物学的膜を横切る該結合体の送達を増加させるに有効である、工程、包含する、方法。 22. 請求項21に記載の方法であって、前記生物学的膜が真核生物細胞膜である、方法。 23. 請求項21に記載の方法であって、前記生物学的膜が原核生物細胞膜である、方法。 24. 請求項21に記載の方法であって、前記接触させる工程がインビトロで行われる、方法。 25. 請求項21に記載の方法であって、前記キャリアが6〜25のグアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分を含み、そして少なくとも6の連続したグアニジノ側鎖部分および/またはアミジノ側鎖部分を含む、方法。 26. 請求項21に記載の方法であって、前記キャリアが7〜20の連続したグアニジノ側鎖部分を含む、方法。 27. 請求項21に記載の方法であって、前記結合体の前記膜貫通輸送速度が、 残基49〜57からなる塩基性HIV tatペプチドに結合された前記生物学的に活性な因子の輸送速度よりも顕著に高い、方法。 28. 請求項27に記載の方法であって、前記結合体の輸送速度が、前記塩基性HIV tatペプチドに結合された生物学的に活性な因子の輸送速度よりも少なくとも約2倍高い、方法。 29. 請求項28に記載の方法であって、前記結合体の輸送速度が、前記塩基性HIV tatペプチドに結合された生物学的に活性な因子の輸送速度よりも少なくとも約6倍高い、方法。 30. 切断可能なリンカーによってキャリアに共有結合した生物学的に活性な因子を含む結合体であって、該キャリアは、非結合形態の生物学的に活性な因子の送達と比較して、生物学的膜を横切る該結合体の送達を増大するに十分なグアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分を含み、ここで該リンカーがインビトロで切断される、結合体。 31. 請求項30に記載の結合体であって、前記キャリアが6〜25のグアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分を含む、結合体。 32. 請求項30に記載の結合体であって、前記キャリアが少なくとも6の連続したグアニジノ側鎖部分および/またはアミジノ側鎖部分を含む、結合体。 33. 請求項31に記載の結合体であって、前記キャリアが7〜20の連続したグアニジノ側鎖部分を含む、結合体。 34. 請求項30に記載の結合体であって、前記キャリアがD-アルギニン残基またはL-アルギニン残基を含む、結合体。 35. 請求項30に記載の結合体であって、前記切断可能なリンカーが、酵素によって切断可能である、結合体。 36. 請求項30に記載の結合体であって、前記切断可能なリンカーが、化学的に切断可能である、結合体。 37. 請求項30に記載の結合体であって、前記切断可能なリンカーが、光切断可能である、結合体。 38. 請求項30に記載の結合体であって、前記切断可能なリンカーがエステルを含む、結合体。 39. 請求項30に記載の結合体であって、前記切断可能なリンカーがジスルフィド結合を含む、結合体。 40. 請求項30に記載の結合体であって、前記切断可能なリンカーが、前記因子に対して遠位にある第1の切断可能な基、および該因子に対して近位にある第2の切断可能な基を含み、これによって、該第1の切断可能な基の切断が該第2 の切断可能な基を切断するように分子内反応する求核性部分を含むリンカー−因子結合体を生じ、それによって該因子を該リンカーおよび該キャリアから放出する、結合体。 41. 請求項30に記載の結合体であって、前記生物学的膜を横切る前記結合体の送達が、残基49〜57からなる塩基性HIV tatペプチドに結合された生物学的に活性な因子の送達よりも顕著に高い、結合体。 42. 請求項41に記載の結合体であって、前記生物学的膜を横切る前記結合体の送達が、前記塩基性HIV tatペプチドに結合された生物学的に活性な因子の送達よりも少なくとも約2倍高い、結合体。 43. 請求項42に記載の結合体であって、前記生物学的膜を横切る前記結合体の送達が、前記塩基性HIV tatペプチドに結合された生物学的に活性な因子の送達よりも少なくとも約6倍高い、結合体。 44. 生物学的膜を通して選択された化合物の輸送を増強するための方法であって、以下の工程: 生物学的膜を、請求項30に記載の結合体と接触させる工程であって、それによって該接触させる工程が、非結合形態の前記生物学的に活性な因子の送達と比較して、生物学的膜を横切る該結合体の送達を増加させるのに有効である、工程、包含する、方法。 45. 請求項44に記載の方法であって、前記切断可能なリンカーが、前記生物学的膜を通過した後に切断され、遊離の生物学的に活性な因子を放出する、方法。 46. 請求項45に記載の方法であって、前記切断可能なリンカーが酵素によって切断可能なリンカーであり、そして前記遊離の生物学的に活性な因子が、前記結合体を、該リンカーを切断する酵素と接触させることによって放出される、方法。 47. 請求項45に記載の方法であって、前記切断可能なリンカーが、光切断可能な切断可能リンカーであり、そして前記遊離の生物学的に活性な因子が、前記結合体を光と接触させることによって放出される、方法。 48. 請求項45に記載の方法であって、前記切断可能なリンカーが化学的に切断可能なリンカーである、方法。 49. 請求項48に記載の方法であって、前記切断可能なリンカーがジスルフィド結合を含み、そして前記リンカーの切断が、還元またはジスルフィド交換によってもたらされる、方法。 50. 請求項45に記載の方法であって、前記キャリアが6〜25のグアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分を含む、方法。 51. 請求項45に記載の方法であって、前記キャリアが少なくとも6の連続したグアニジノ側鎖部分および/またはアミジノ側鎖部分を含む、方法。 52. 請求項45に記載の方法であって、前記キャリアが7〜20の連続したグアニジノ側鎖部分を含む、方法。 53. 請求項45に記載の方法であって、前記生物学的膜を横切る前記結合体の送達が、残基49〜57からなる塩基性HIV tatペプチドに結合された生物学的に活性な因子の輸送速度よりも顕著に大きい、方法。 54. 請求項53に記載の方法であって、前記生物学的膜を横切る前記結合体の送達が、前記塩基性HIV tatペプチドに結合された生物学的に活性な因子の送達よりも少なくとも約2倍高い、方法。 55. 請求項54に記載の結合体であって、前記生物学的膜を横切る前記結合体の送達が、前記塩基性HIV tatペプチドに結合された生物学的に活性な因子の送達よりも少なくとも約6倍高い、方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 生物学的膜を横切る輸送を増強するための組成物および方法発明の分野 本発明は、生物学的膜を横切る、生物学的に活性な因子(例えば、有機化合物、ポリペプチド、オリゴサッカライド、核酸、および金属イオン)の輸送を増加させるために有効である、方法および組成物に関する。

    本出願内で引用されるすべての参考文献は、本明細書中において参考として援用される。 発明の背景 細胞の形質膜は、多くの有用な治療剤の通路に障壁を提供する。 一般に、薬物は、細胞に侵入するために、身体の性区画、および薬物が通過しなければならない脂質層の両方において自由に可溶性でなくてはならない。 特に、高度に荷電した分子は、膜を横切って通過する際に困難を経験する。 多くの治療用高分子( 例えば、ペプチドおよびオリゴヌクレオチド)はまた、特に、膜貫通輸送について扱いにくい。 従って、バイオテクノロジーがより多くの潜在的に価値のある治療法を利用可能にしてきたが、バイオアベイラビリティの考慮がそれらの医学的有用性を頻繁に妨げている。 従って、薬物(特に、高分子)を細胞に輸送する確実な手段の必要性が存在する。 従来、多くのトランスポーター分子が、生物学的膜を分子が横切るのを補助することが提唱されている。 Ryserら(1979)は、細胞膜を横切る種々の分子の輸送を増加させるための、高分子量のリジンポリマーの使用を教示し、ここで非常に高い分子量が好まれる。 著者は、他の正電荷の残基(例えば、オルニチンおよびアルギニン)のポリマーを意図したが、そのようなポリマーの作動性は示されなかった。 Frankelら(1991)は、選択した分子をHIVのtatタンパク質に結合することが、それらの分子の細胞性取り込みを増加させ得ることを報告した。 しかし、tat タンパク質の使用は、特定の不利益(好ましくない凝集および不溶性特性を含む)を有する。 Barsoumら(1994)およびFawellら(1994)は、tat塩基性領域を含むtatタンパク質のより短いフラグメント(配列RKKRRQRRRを有する残基49〜57)の使用を提唱した。 Barsoumらは、Ryserら(前出)の示唆とは対照的に、中程度に長いポリアルギニンポリマー(MW 5000〜15000ダルトン)が細胞膜を横切るβ-ガラクトシダーゼの輸送を可能にし損なったことを記述した(例えば、Barsoumの3頁)。 他の研究は、Antennapediaホメオドメイン由来の16アミノ酸ペプチド−コレステロール結合体が、培養されたニューロンによって迅速にインターナリゼーションされることを示している(Brugidouら、1995)。 しかし、このペプチドのわずかに短いバージョン(15残基)は、細胞によって有効に取り込まれない(Deross iら、1996)。 本発明は、連続的な高度に塩基性のサブユニット(特に、グアニジル部分(gua nidyl moiety)またはアミジニル部分(amidinyl moiety)を含むサブユニット)から構成される特定のポリマーの、低分子または高分子への結合が、生物学的膜を横切る結合した分子の輸送を顕著に増強するに有効であるという、本出願人の発見に一部基づく。 さらに、輸送は、残基49〜57からなる塩基性HIV tatペプチドによって提供される輸送速度より顕著に高い速度で生じる。 発明の要旨 1つの局面において、本発明は、生物学的膜を横切る選択された化合物の輸送を増強するための方法を含む。 本方法において、生物学的膜は、少なくとも1つの輸送ポリマーに共有結合される生物学的に活性な因子を含む結合体と接触される。 結合体は、非結合形態の生物学的因子の膜貫通輸送速度より高い速度で、生物学的膜を横切る因子の輸送を促進するのに有効である。 1つの局面において、ポリマーは、6〜25のサブユニットからなり、そのうちの少なくとも50%は、グアニジノ側鎖部分(guanidino sidechain moiety)またはアミジノ側鎖部分(amidino sidechain moiety)を含み、ここでポリマーは少なくとも6、より好ましくは少なくとも7のグアニジン側鎖部分またはアミジン側鎖部分を含む。 別の実施態様において、ポリマーは、6〜20、7〜20、または7〜 15のサブユニットからなる。 より好ましくは、ポリマー中のサブユニットの少なくとも70%は、グアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分を含み、より好ましくはなお90%である。 好ましくは、グアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分は、別のグアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分と、1より多い非グアニジノサブユニットまたは非アミジノサブユニットで分離されない。 より特定の実施態様において、ポリマーは、少なくとも6の連続したサブユニットを含み、それぞれは、グアニジノ基またはアミジノ基のいずれかを含み、そして好ましくは少なくとも6または7の連続したグアニジノ側鎖部分を含む。 別の実施態様において、輸送ポリマーは、6〜25の連続したサブユニット、7 〜25、6〜20、または好ましくは7〜20の連続したサブユニットを含み、その各々はグアニジノ側鎖部分またはアミジノ側鎖部分を含む(必要に応じて、連続したサブユニットのうちの1つが、因子が結合する非アルギニン残基を含み得るという条件で)。 1つの実施態様において、各連続したサブユニットは、少なくとも6の連続したアルギニン残基を含むポリマーによって例示されるように、グアニジノ部分を含む。 好ましくは、各輸送ポリマーは直鎖状である。 好ましい実施態様において、因子は、輸送ポリマーの末端に結合する。 別の特定の実施態様において、結合体は、単一の輸送ポリマーを含む。 好ましい実施態様において、輸送増強ポリマーは、アルギニン残基がサブユニットを構成するペプチドによって例示される。 そのようなポリアルギニンペプチドは、すべてD-アルギニン、すべてL-アルギニン、またはD-アルギニンとL-アルギニンとが混合したもののいずれかから構成され得、そしてさらなるアミノ酸を含み得る。 より好ましくは、生物学的標的への結合体の輸送の間の、ポリマーの生物学的安定性を増強するために、少なくとも1つ、好ましくはすべてのサブユニットがD-アルギニン残基である。 本方法は、任意の多くの生物学的膜(真核生物細胞膜、原核生物細胞膜、および細胞壁を含むがこれらに限定されない)を横切る、選択された治療剤の輸送を増強するために使用され得る。 例示的な原核生物細胞膜には、細菌膜が挙げられる。 目的の例示的な真核生物細胞膜には、樹状細胞、上皮細胞、内皮細胞、ケラチノサイト、筋細胞、真菌細胞、細菌細胞、植物細胞などの膜が挙げられるが、 これらに限定されない。 本発明の好ましい実施態様に従って、本発明の輸送ポリマーは、室温(23℃) または37℃にて測定される場合、実施例6の手順によってtat(49〜57)ペプチドについて測定される親和性より少なくとも10倍高い、そして好ましくは少なくとも100倍高い見かけの親和性(Km)を有する。 生物学的に活性な因子(治療剤を含む)には、以下が挙げられるが、それらに限定されない:金属イオン(代表的には、金属キレートとして送達される);抗ガン分子(例えば、タキサン)および抗菌分子(例えば、酵母のような細菌または真菌に対する)のような、有機低分子;ならびに高分子(例えば、核酸、ペプチド、タンパク質、およびそのアナログ)。 1つの好ましい実施態様において、 因子は、核酸または核酸アナログ(例えば、必要に応じて、増強された安定性のための1つ以上の2'-デオキシヌクレオチドサブユニットを含むリボザイム)である。 あるいは、因子は、ペプチド核酸(PNA)である。 別の好ましい実施態様において、因子は、タンパク質抗原のようなポリペプチドであり、そして生物学的膜は、抗原提示細胞(APC)の細胞膜である。 別の実施態様において、選択された腫瘍抗原に対する免疫応答を促進または誘発する因子が選択される。 別の好ましい実施態様において、因子は、タキサンまたはタキソイド(taxoid)抗ガン化合物である。 別の実施態様において、因子は、非ポリペプチド因子、好ましくは非ポリペプチド治療剤である。 より一般的な実施態様において、因子は、好ましくは10kDa未満の分子量を有する。 因子は、結合体内に立体配置可撓性を与え、そして因子とその生物学的標的との間の相互作用を促進し得る連結部分によって、ポリマーに連結され得る。 1つの実施態様において、連結部分は、例えば、酵素または溶媒媒介切断によって切断可能である、エステル、アミド、またはジスルフィド基のようなリンカー基を含む切断可能なリンカーである。 別の実施態様において、切断可能なリンカーは、光切断可能な基を含む。 より特定の実施態様において、切断可能なリンカーは、生物学的に活性な因子に対して遠位にある第1の切断可能な基、および因子に対して近位にある第2の切断可能な基を含み、その結果、第1の切断可能な基の切断は、第2の切断可能な基を切断するように分子内反応し得る求核性部分を含むリンカー−因子結合体を生じ、それによって因子をリンカーおよびポリマーから放出する。 別の実施態様において、本発明は、選択された生物学的活性について多数の結合体をスクリーニングするために使用され得る。 ここで、結合体は、多数の候補因子から形成される。 結合体は、細胞への結合体の取り込みの際に検出可能なシグナルを示す細胞と接触され、その結果、シグナルの大きさは、選択された生物学的活性に関する結合体の効を示す。 本方法は、特に、生物学的活性を示すために細胞にそれ自体では侵入し得ないか、または不十分にしか侵入し得ない因子の活性を試験するために有用である。 1つの実施態様において、候補因子は、コンビナトリアルライブラリーから選択される。 本発明はまた、上記の方法でのスクリーニングに有用である結合体ライブラリーを含む。 別の局面において、本発明は、生物学的膜を横切って生物学的に活性な因子を送達するための薬学的組成物を含む。 組成物は、上記のような少なくとも1つの輸送ポリマーに共有結合した生物学的に活性な因子を含む結合体、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む。 ポリマーは、非結合形態の因子の膜貫通輸送速度より高い、膜貫通輸送の速度を因子に与えるのに有効である。 組成物はさらに、組成物を使用するための説明書とともにパッケージングされ得る。 別の局面において、本発明は、上記の薬学的組成物で、哺乳動物被験体(特に、ヒト被験体)を処置するための治療方法を含む。 本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、以下の発明の詳細な説明が添付の図面と組み合わせて読まれる場合により十分に明らかになる。 図面の簡単な説明 図1Aおよび1Bは、ペプチド濃度の関数として、tat塩基性ペプチド(49〜57、 配列番号1)、ポリ-Lys(K9、配列番号2)、およびポリ-Arg(R4〜R9およびr4 〜r9、それぞれ配列番号3〜8および12〜17)を含む特定のポリペプチド−蛍光結合体の細胞性取り込みのプロットであり;図1Cは、12.5μMの濃度での結合体について測定された、結合体の取り込みレベルの棒グラフである(実施例2〜 3); 図2A〜2Fは、フルオレセインに結合した6.25μMのtat(49〜57)(パネルAおよびD)、フルオレセインで標識した7マーのポリ-L-アルギニン(R7)(パネルBおよびE)、またはフルオレセインで標識した7マーのポリ-D-アルギニン(r7 )(パネルCおよびF)との37℃にて10分間のインキュベーションの後、Jurkat細胞からの放射蛍光(2A〜2C)および透過光(2D〜2F)を示す、共焦点顕微鏡のコンピューター生成画像を示す(実施例4)。 図3は、結合体濃度の関数として、特定のポリ-Arg-蛍光結合体(r9、R9、R15 、R20、およびR25、それぞれ配列番号17および8〜11)の細胞取り込みを示す( 実施例5); 図4は、0.5%アジ化ナトリウムの非存在下(左側の4つの棒)および存在下(右側の4つの棒)での、フルオレセイン結合tat(49〜57)、およびポリ-Arg −フルオレセイン結合体(それぞれ、R9、R8、およびR7)の細胞性取り込みの棒グラフを示す(実施例7); 図5A〜5Cは、結合体濃度の関数としての選択されたポリマー結合体(K9、R9、r 4、r5、r6、r7、r8、およびr9)の、細菌細胞による取り込みレベルのプロットを示し;図5Aは、E. coli HB 101細胞とともにインキュベートされる場合、結合体濃度の関数としてのR9およびr9結合体について観察される取り込みレベルを比較し;図5Bは、E. coli HB 101細胞とともにインキュベートされる場合、K9およびr4〜r9結合体について観察される取り込みレベルを示し;図5Cは、Strep. Bovis 細胞とともにインキュベートされる場合、r9およびK9の結合体の取り込みレベルを比較する。 図6A〜6Eは、切断可能なリンカー部分を含む、本発明の例示的な結合体を示し;図6Fおよび6Gは、パクリタキセルおよび「TAXOTERE」についての構成バックボーン原子の化学構造および慣習的な番号付けを示し;図6Hは、トキソイド化合物についての一般化学構造および環原子の番号付けを示す;および 図7は、センス-PNA-r7結合体(配列番号18)、アンチセンスPNA-r7結合体( 配列番号19)、および非結合体アンチセンスPNA(配列番号20)の濃度の関数として、マウスT細胞によるγ-インターフェロン(γ-IFN)の分泌の阻害を示し、 ここでPNA配列は、γ-インターフェロンについての遺伝子由来の配列に基づく。 発明の詳細な説明I.

    定義本明細書中で使用される場合、用語「生物学的膜」は、細胞または細胞の群を細胞外空間から分離する、液体を含有する障壁をいう。 生物学的膜には、原型質膜、細胞壁、細胞内オルガネラ膜(例えば、ミトコンドリア膜、核膜など)が含まれるが、これらに限定されない。 用語「膜貫通濃度」は、特定の組成物が加えられた膜の側に対して反対の、または「トランス」である膜の側に存在する化合物の濃度をいう。 例えば、化合物が細胞の細胞外液に加えられる場合、続いて測定される細胞内の化合物の量が、 化合物の膜貫通濃度である。 「生物学的に活性な因子」または「生物学的に活性な物質」は、細胞による取り込みに際して、細胞の構造、機能、または組成に観察可能な変化を引き起こす、低分子、高分子、または金属イオンのような化学物質をいう。 観察可能な変化には、1つ以上のmRNAの発現の増加または減少、1つ以上のタンパク質の発現の増加または減少、タンパク質または他の細胞成分のリン酸化、酵素の阻害または活性化、結合ペアのメンバー間の結合の阻害または活性化、代謝物の合成速度の増加または減少、細胞増殖の増加または減少、などが含まれる。 本明細書中で使用される場合、用語「高分子」は、巨大分子(分子量が1000ダルトンより大きい)をいい、生物学的または合成起源のペプチド、タンパク質、 オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドが例としてあげられるが、これらに限定されない。 「有機低分子」は、1000ダルトン以下の分子量(MW)を有する、炭素を含有する因子をいう。 用語「治療因子」「治療組成物」および「治療物質」は、非限定的に、哺乳動物種の利益のために使用され得る任意の組成物をいう。 このような因子は、例えば、イオン、有機低分子、ペプチド、タンパク質もしくはポリペプチド、オリゴヌクレオチド、およびオリゴ糖の形態を取り得る。 用語「非ポリペプチド因子」および「非ポリペプチド治療因子」は、輸送増強ポリマーを含まず、そしてポリペプチド以外の生物学的に活性な因子である、輸送ポリマー結合体の一部をいう。 非ポリペプチド因子の例は、アンチセンスオリゴヌクレオチドであり、これは、ポリアルギニンペプチドに結合して、生物学的膜を横切る、増強される送達のための結合体を形成し得る。 用語「ポリマー」は、共有結合によって結合された2つ以上の同一のまたは同一でないサブユニットの直鎖をいう。 ペプチドは、ペプチド結合によって結合された、同一または同一でないアミノ酸サブユニットから構成され得るポリマーの例である。 本明細書中で使用される場合、用語「ペプチド」は、ペプチド結合によって結合された、D-またはL-アミノ酸またはD-およびL-アミノ酸の混合物の単一鎖から作られる化合物をいう。 一般的に、ペプチドは少なくとも2アミノ残基、および約50アミノ酸長未満を含む。 本明細書中で使用される場合、用語「タンパク質」は、ペプチド結合によって連結された直鎖状に配列されたアミノ酸からなるが、ペプチドとは対照的に、十分に限定されたコンホメーションを有する化合物をいう。 タンパク質は、ペプチドとは反対に、一般的に50以上のアミノ酸の鎖からなる。 本明細書中で使用される場合、「ポリペプチド」は、1つ以上のペプチド結合を含む、少なくとも2つのアミノ酸残基のポリマーをいう。 「ポリペプチド」は、ポリペプチドが十分に限定されたコンホメーションを有するかどうかに関係なく、ペプチドおよびタンパク質を含む。 用語「グアニジル(guanidyl)」「グアニジニル(guanidinyl)」および「グアニジノ(guanidino)」は、 式 -HN=C(NH

    2 )NH(非プロトン化型) を有する部分をいうために交換可能に用いられる。 例として、アルギニンはグアニジル(グアニジノ)部分を含み、そしてまた2-アミノ-5-グアニジノバレリック酸(valeric acid)またはα-アミノ-δグアニジノバレリック酸とも呼ばれる。 「グアニジニウム(guanidium)」は、正に荷電した共役酸形態をいう。 「アミジニル(amidinyl)」および「アミジノ(amidino)」は、式-C(=NH)(N H

    2 )を有する部分をいう。 「アミジニウム(amidinium)」は、正に荷電した共役酸形態をいう。 用語「ポリアルギニン」または「ポリArg」は、連続するアルギニン残基からなるポリマーの配列をいう;ポリ-L-アルギニンは、すべてL-アルギニンであることをいう;ポリ-D-アルギニンは、すべてD-アルギニンであることをいう。 ポリ-L-アルギニンはまた、大文字「R」、続いてペプチドにおけるL-アルギニンの数によって略記される(例えば、R8は連続するL-アルギニン残基の8量体を示す);ポリ-D-アルギニンは、小文字「r」、続いてペプチドにおけるD-アルギニンの数によって略記される(r8は連続するD-アルギニン残基の8量体を示す) 本明細書中でアミノ酸残基は、それらのフルネームでまたは標準的な1文字表記または3文字表記で呼ばれる:A,Ala,アラニン;C,Cys,システイン;D,A sp,アスパラギン酸;E,Glu,グルタミン酸;F,Phe,フェニルアラニン;G,G ly,グリシン;H,His,ヒスチジン;I,Ile,イソロイシン;K,Lys,リジン; L,Leu,ロイシン;M,Met,メチオニン;N,Asn,アスパラギン;P,Pro,プロリン;Q,Gln,グルタミン;R,Arg,アルギニン;S,Ser,セリン;T,Thr,スレオニン;V,Val,バリン;W,Trp,トリプトファン;X,Hyp,ヒドロキシプロリン;Y,Tyr,チロシン。 II.

    ポリマー部分の構造 1つの実施態様において、本発明に従う輸送ポリマーは、上記のように6〜25 サブユニットまでの短い長さのポリマーを含む。 結合体は、非結合体化生物学的因子単独の輸送速度に比較して、生物学的膜を横切る結合体の輸送速度を増強するために有効である。 例示的なポリマー組成物はペプチドであるが、以下でさらに議論するように、ポリマーは非ペプチドバックボーンおよび/またはサブユニットを含み得る。 本発明の重要な局面において、本発明の結合体は、因子がそれらの生物学的な効果を示すために膜貫通輸送を必要とするタイプの因子であり、そして表面のレセプターに結合することによって(すなわち、因子の流入が起こらないような場合)主にそれらの生物学的効果を示さないタイプの因子である場合、細胞膜またはオルガネラ膜を横切って生物学的活性因子を輸送するのに特に有用である。 さらに、結合体は、因子がそれらの生物学的な効果を示すために膜貫通輸送を必要とするタイプであり、そしてそれら自体によっては(輸送ポリマーまたはいくつかの他の修飾物への結合なしでは)生物学的活性を示すために細胞に入ることができないか、またはほんのわずかしか入れないタイプの生物学的活性因子の輸送に特に有用である。 一般的な問題として、結合体に使用される輸送ポリマーは、好ましくはサブユニットの直鎖状バックボーンを含む。 バックボーンは通常、炭素、窒素、酸素、 イオウ、およびリンから選択されるヘテロ原子を含み、バックボーン鎖原子の大部分は通常炭素からなる。 各々のサブユニットは、末端グアニジノまたはアミジノ基を含む側鎖部分を含有する。 隣接する側鎖部分の間隔は通常、サブユニットからサブユニットで一致しているが、本発明で使用されるポリマーはまた、バックボーンに沿った側鎖部分間の可変性の間隔を含み得る。 側鎖部分は、中心のグアニジノまたはアミジノ炭素原子(NH

    2基がそこに結合される)が好ましくは少なくとも2つのリンカー鎖原子、より好ましくは2〜5 の鎖原子を含む側鎖リンカーによってバックボーンに連結されるように、中心の炭素原子がバックボーンから第3〜第6鎖原子であるように、バックボーンから広がる。 鎖原子は好ましくはメチレン炭素原子として提供されるが、酸素、イオウ、または窒素のような、1つ以上の他の原子もまた存在し得る。 好ましくは、 アルギニン側鎖によって例証されるように、バックボーンとグアニジノまたはアミジノ基の中心炭素原子の間の側鎖リンカーは4鎖原子長である。 本発明の輸送ポリマー配列は、1つ以上の非グアニジノ/非アミジノサブユニット、またはアミノカプロン酸基のようなリンカーによって隣接され得、これは例えば、グリシン、アラニン、およびシステインのような対応するポリマー含有結合体の膜輸送の速度に有意な影響を与えない。 また、任意の遊離のアミノ末端基は、アセチル基またはベンジル基といったブロッキング基によってキャップされ得、インビボでのユビキチン結合を妨げる。 多くの実施態様に従って、輸送される因子が輸送ポリマーに連結され得る。 1 つの好ましい実施態様において、輸送ポリマーの末端への連結、または適切な連結基を介するポリマー内の内部サブユニットへの連結のいずれかを介して、因子は単一の輸送ポリマーに連結される。 第2の実施態様において、因子は、上記と同様の様式で1つより多いポリマーに連結される。 この実施態様は、隣接する細胞の架橋をもたらし得るので、いくぶんより好ましくない。 第3の実施態様において、結合体はポリマーの各々の末端に付着する2つの因子部分を含む。 この実施態様のために、因子は10kDa未満の分子量を有することが好ましい。 今述べた第1および第3の実施態様に関して、因子は一般的には任意の1つのグアニジノまたはアミジノ側鎖に結合されず、その結果、側鎖は標的膜と自由に相互作用できる。 本発明の結合体は、直線的な合成スキームによって調製され得る。 さらに、結合体産物は、通常、長さおよび組成において実質的に均一であり、その結果、結合体は、それらの効果において不均一な混合物よりもより良好な一貫性および再現性を提供する。 本発明の重要な局面に従って、生物学的に活性な因子の種々のタイプのいずれかに対する単一の輸送ポリマーの結合が、たとえ結合体中の大きな疎水性部分の存在を必要としなくても、生物学的膜を横切る因子の取り込みの速度を実質的に高めるのに十分であることが、出願人らによって見出された。 実際、大きな疎水的部分を結合することは、脂質二重層への疎水性部分の接着によって、膜を横断する輸送を有意に妨害または防止し得る。 従って、本発明は、脂質や脂肪酸分子といった大きな疎水性部分を含まない結合体を含む。 別の実施態様において、血液脳関門を通る送達を必要としない、被験体における非中枢神経系(non-CNS) 状態を処置する方法が使用される。 A.

    ポリマー成分

    アミノ酸 。 1つの実施態様において、輸送ポリマーは、DまたはLアミノ酸残基からなる。 輸送ポリマー中の天然に存在するL-アミノ酸残基の使用は、分解産物が細胞または生物体に対して比較的非毒性であろうという利点を有する。 好ましいアミノ酸サブユニットは、アルギニン(α-アミノ-δ-グアニジノバレリック酸)およびα-アミノ-ε-アミジノヘキサン酸(等配電子のアミジノ類縁体)である。 アルギニンにおけるグアニジニウム基は、約12.5のpKaを有する。 より一般的には、各々のポリマーサブユニットは、高度に塩基性の側鎖部分を有し、それは、(i)11より大きい、より好ましくは12.5以上のpKaを有し、そして(ii)そのプロトン化形態において、部分に2座の性質を与える共鳴安定化正電荷を共有する、少なくとも2つの二重のアミノ基(NH

    2 )を含むことが好ましい。 α-アミノ-β-グアニジノプロピオン酸、α-アミノ-γ-グアニジノ酪酸、またはα-アミノ-ε-グアニジノカプロン酸のような、他のアミノ酸もまた、使用され得る(バックボーン鎖と中心グアニジニウム炭素との間にそれぞれ2、3、または5個のリンカー原子を含む)。 D-アミノ酸もまた、輸送ポリマーに使用され得る。 排他的にD-アミノ酸を含む組成物は、酵素的分解が減少するという利点を有する。 しかし、D-アミノ酸はまた、大部分インタクトなまま標的細胞内に残存し得る。 このような安定性は、ポリマーがまだ結合している場合に因子が生物学的に活性であるならば、一般的には問題ではない。 結合体形態において不活性である因子にとって、作用の部位において切断され得る(例えば、細胞内において、酵素または溶媒によって仲介される切断によって)リンカーは、細胞またはオルガネラにおける因子の放出を促進するために結合体内に含まれるべきである。

    他のサブユニット 。 アミノ酸以外のサブユニットもまた、輸送ポリマーを形成するうえでの使用のために選択され得る。そのようなサブユニットは、ヒドロキシアミノ酸、N−メチルアミノ酸アミノアルデヒドなど(これらは還元されたペプチド結合を有するポリマーを生ずる)を含み得るがそれらに限定されない。他のサブユニットタイプは、次のセクションで議論するように、選択されるバックボーンの性質に依存して使用され得る。 B.

    バックボーンタイプ種々のバックボーンタイプが、側鎖のグアニジノおよび/またはアミジノ部分の順序付けおよび位置付けのために使用され得、これらは例えば、チオエーテルまたはスルホニル基によって結合されたアルキルバックボーン部分、ヒドロキシ酸エステル(アミド結合をエステル結合で置き換えた等価物)、α炭素を窒素で置き換えてアザアナログを形成すること、カルバメート基、ポリエチレンイミン(PEI)およびアミノアルデヒドによって結合されたアルキルバックボーン部分であり、これらは2級アミンからなるポリマーを生ずる。より詳細なバックボーンリストは、N-置換アミド(CONRがCONH結合を置き換える)、エステル(CO

    2 )、ケトメチレン(COCH

    2 )、還元されたまたはメチレンアミノ(CH

    2 NH)、チオアミド(CSNH)、ホスフィネート(phosphinate)(PO

    2 RCH

    2 )、ホスホンアミデート(phosphonamidate)およびホスホンアミデートエステル(PO

    2 RNH)、レトロペプチド(NHCO)、トランスアルケン(CR=CH)、フルオロアルケン(CF=CH)、ジメチレン(CH

    2 CH

    2 )、チオエーテル(CH

    2 S)、ヒドロキシエチレン(CH(OH)CH

    2 )、メチレンオキシ(CH

    2 O)、テトラゾール(CN

    4 )、 レトロチオアミド(NHCS)、レトロ還元型(retroreduced)(NHCH

    2 )、スルホンアミド(SO

    2 NH)、メチレンスルホンアミド(CHRSO

    2 NH)、レトロスルホンアミド(NHSO

    2 )およびペプトイド(peptoid)(N-置換グリシン)ならびに(例えば、Fletcherら(1998)によって概説され、そしてそこで引用されている文献に詳述されるように)マロン酸および/またはgem-ジアミノアルキルサブユニットを伴うバックボーンを含む。ペプトイドバックボーン(N-置換グリシン)もまた、使用され得る(例えば、Kessler,1993;Zuckermannら、1992;およびSimonら、1992)。前述の置換の多くが、α-アミノ酸から形成されるバックボーンに比較しておよそ等配電子のポリマーバックボーンを生ずる。本発明を支持して実行される研究は、ポリペプチドを利用してきた(例えば、 ペプチドバックボーン)。しかし、上記で述べたもののような、他のバックボーンは、生物学的安定性の増強を提供し得る(例えば、インビボにおける酵素的分解に対する耐性)。 C.

    ポリマー性輸送分子の合成ポリマーは、当該分野で公知の任意の方法によって構築される。例示的なペプチドポリマーは、合成的に産生され得、好ましくはペプチドシンセサイザー(Ap plied Biosystems Model 433)を使用するか、または当該分野で周知の方法によって組換え的に合成され得る。組換え的な合成は、一般的には、輸送ポリマーがポリペプチドまたは目的のタンパク質に融合されるペプチドである場合に、使用される。 N-メチルおよびヒドロキシアミノ酸は、固相ペプチド合成において従来のアミノ酸に置換され得る。しかし、還元されたペプチド結合を有するポリマーの産生は、還元されたペプチド結合を含むアミノ酸のダイマーの合成を必要とする。このようなダイマーは、標準的な固相合成手順を用いてポリマーに組み込まれる。他の合成手順は周知であり、そして例えば、Fletcherら(1998)、Simonら(199 2)およびそこで引用される参考文献に見出され得る。 III.

    輸送ポリマーの生物学的活性因子への結合本発明の輸送ポリマーは、化学的または組換え的方法によって生物学的活性因子に共有結合的に結合され得る。 A.

    化学的結合有機低分子および高分子のような生物学的に活性な因子は、当該分野で公知の多くの方法(例えば、Wong,1991を参照のこと)を介して、直接的に(例えば、 カルボジイミドを用いて)または結合部分を介してのいずれかで、本発明の輸送ポリマーに結合され得る。特に、カルバメート、エステル、チオエーテル、ジスルフィド、およびヒドラゾン結合は、一般的に容易に形成され、そして大部分の適用に適切である。エステルおよびジスルフィド結合は、細胞膜を横切る物質の輸送後に、結合がサイトゾル中でたやすく分解されるはずである場合に好ましい。種々の官能基(ヒドロキシル、アミノ、ハロゲンなど)が、輸送ポリマーに生物学的に活性な因子を結合させるために使用され得る。生物学的に活性な因子の活性部位の一部として知られていない基が、特に、ポリペプチドまたはその任意の部分が送達後に物質に結合したまま残る場合に好ましい。実施例1に従って産生されるペプチドのようなポリマーは、一般的には、FMOC のようなアミノ末端保護基を用いて産生される。合成樹脂からのポリペプチドの切断および側鎖の脱保護に使用される条件を凌ぎ得る生物学的に活性な因子について、FMOCは、完成した樹脂結合ポリペプチドのN-末端から切断され得、その結果、因子は遊離のN-末端アミンに連結し得る。このような場合において、結合される因子は、代表的には当該分野で周知の方法によって活性化され、ポリマーのアミノ基とそれぞれアミドまたはカルバメート連結を形成するのに効果的な活性なエステルまたは炭酸部分を産生する。当然ながら、他の結合化学もまた使用され得る。副反応を最小限にするのを補助するために、グアニジノおよびアミジノ部分は、従来の保護基(例えば、カルボベンジルオキシ基(CBZ)、ジ-t-BOC、PMC、Pb i、N-NO2など)を用いてブロックされ得る。カップリング反応は、多数の溶媒のいずれか(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリジノン(N-methyl pyrrolidinone)、ジクロロメタン、水など)における公知のカップリング法により行われる。例示的なカップリング試薬としてはO-ベンゾトリアゾリルオキシテトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(O-benzotriazolyloxy tetramethyluronium hexafluoro phosphate)(HATU)、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ブロモ-トリス(ピロリジノ)ホスホニウムブロミド(bromo-tris(pyrrolidino)phosphonium bromide)(P yBroP)などが挙げられる。 N,N-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、4-ピロリジノピリジン(4-pyrrolidino pyridine)、N-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシベンゾトリアゾールなどの他の試薬もまた挙げられ得る。結合した輸送ポリマーが放出されるまで不活性な生物学的に活性な因子について、リンカーは好ましくは容易に切断可能なリンカーであり、これは、インビボにおける酵素媒介性または溶媒媒介性の切断に感受性であることを意味する。この目的のために、カルボン酸エステルおよびジスルフィド結合を含むリンカーが好ましく、前者の基は、酵素的にまたは化学的に加水分解され、後者は、ジスルフィド交換によって(例えば、グルタチオン存在下で)切断される。 1つの好ましい実施態様において、切断可能なリンカーは、第1の切断可能な基(因子より遠位)および第2の切断可能な基(因子に近位)を含み、その結果第1の切断可能な基は、第2の切断可能な基を切断する分子内反応が可能な求核性部分を含むリンカー−因子結合体を生じ、それによりリンカーおよびポリマーから因子を放出する。この実施態様は、以下に議論する種々の低分子結合体によって、さらに説明される。 B.

    融合タンパク質本発明の輸送ペプチドポリマーは、当該分野で周知の方法に従い、目的のポリペプチドおよび輸送ペプチドを含む融合タンパク質についてのベクターを構築することによる組換え手段により生物学的に活性なポリペプチド因子と結合され得る。一般的に、輸送ペプチド成分は、(必要に応じて、短いペプチドリンカーを介して)目的のポリペプチドのC末端またはN末端に結合される。 IV.

    生物学的膜を横切る生物学的に活性な因子の輸送の増強 A.

    生物学的膜を横切る輸送の測定生体分子および他の治療的物質を生物学的膜を横切って輸送する、本発明のポリマーの能力を評価するためのモデル系は、共有結合した蛍光分子を膜を横切って輸送するポリマーの能力を測定する系を含む。例えば、フルオレセイン(分子量約376)は、有機低分子輸送のためのモデルとして役立ち得る(実施例2)。高分子の輸送について、輸送ポリマーは、オボアルブミン(分子量45kDa;例えば、実施例14)のような大きなポリペプチドと融合され得る。高分子の取込みの検出は、蛍光タグを結合することにより促進され得る。細胞の取込みはまた、 共焦点顕微鏡によって分析され得る(実施例4)。 B.

    生物学的膜を横切る輸送の増強本発明を支持して行われる実験において、膜貫通輸送および付随する細胞の取込みは、フルオレセインに連結した輸送ペプチドの取込みによって評価される( 実施例2および3に記載の方法に従う)。手短に言えば、細胞懸濁液は、37℃ 、23℃または3℃で、種々の時間、緩衝液中に懸濁された蛍光結合体とインキュベートされた。インキュベートの後、反応が停止され、細胞は遠心分離によって回収され、そして蛍光細胞分析分離(FACS)を用いて蛍光について分析された。使用した条件下において、細胞の結合体の取込みは、飽和性ではなかった。結果として、ペプチドについてED

    50値は計算され得なかった。代わりに、データをヒストグラムで表し、単一の結合体濃度での細胞の取込みの直接的な比較を可能にした。図1A〜1Cは、4〜9アルギニンサブユニット長の範囲のL−アルギニン( R;図1A)またはD−アルギニン(r;図1B)ポリマーを、ジャーカット細胞内へのフルオレセイン輸送能について試験した研究からの結果を示す。比較のために、HIV tat残基49〜57(「49〜57」)およびL−リジンの九量体(K9) についての輸送レベルもまた試験した。図1Cは、12.5μMの濃度での結合体の取込みレベルのヒストグラムを示す。図に示されるように、6残基以上のアルギニンよりなる蛍光標識したペプチドポリマーは、tat配列49〜57よりも、より効率的に細胞内に侵入した。特に、取り込みは、tat49〜57の取込みレベルの少なくとも約2倍に増強され、tat49〜57 の取込みレベルの約6〜7倍程度であった。フルオレセイン単独の取込みは、無視できた。また、リジン九量体(K9)は、非常に少量の取込みを示し、これは、匹敵する長さのグアニジニウム(guanidinium)含有ポリマーと比較した場合に、短いリジンポリマーは膜貫通輸送としては効果的でないことを示す。図1Bに関して、D−アルギニンのホモポリマーは、L−アルギニンのホモポリマーよりもなお高い輸送活性を示した。しかし、取込みレベルの程度は、およそ同じであった。 D−ホモポリマーについて、7〜9アルギニンを有するペプチドは、およそ同じ活性を示した。六量体(R6またはr6)は、いくぶん、より効果的でなかったが、tat(49〜57)より、なお少なくとも2〜3倍高い輸送活性を示した。 D−およびL−アルギニンポリマーが、膜貫通輸送を増強する能力は、共焦点顕微鏡によって確証された(図2A〜2Fおよび実施例4)。上記のFACSデータと一致して、R9(図2Bおよび2E)またはr9(図2Cおよび2F)のいずれかとインキュベートした細胞のサイトゾルは、明るく蛍光性であった。このことは、細胞内への高レベルの結合体輸送を示す。対称的に、同濃度のtat(49〜57 )は、弱い染色のみを示した(図2Aおよび2D)。共焦点顕微鏡写真はまた、 D−アルギニンポリマー(図2C)がL−アルギニンよりなるポリマー(図2F )よりも細胞内への侵入においてより効果的であるという点を強調した。上記より、本発明の輸送ポリマーは、細胞の原形質膜を横切る薬物の輸送において、HIV tatペプチド47〜59よりも有意により効果的であることが明らかである。さらに、ポリリジン九量体は輸送体として効果的ではなかった。グアニジニウムを含有する連続したホモポリマーについての最適な長さが存在するのかを決定するために、一組のより長いアルギニンホモポリマー結合体(R1 5、R20、R25、およびR30)を試験した。実質的により長いポリマーの効果を試験するために、平均分子量約12,000ダルトン(約100アミノ酸)を有するL−アルギニンポリマーの混合物もまた試験した(実施例5)。しかし、沈殿の問題を避けるために、アッセイにおける血清レベルを、分子量約12,000のポリマー物質との結合体を試験するために、減少しなければならなかった。上記のように、細胞の取込みをFACSで分析し、そして生細胞の平均蛍光を測定した。各結合体の細胞毒性もまた、測定した。図3に関して、15以上のアルギニンとのL−アルギニンホモポリマー結合体の取込みは、9以下のアルギニンを含むポリマーとは明確に異なる細胞取込みパターンを示した。より長い結合体の曲線は、より平坦であり、R9およびr9結合体の曲線と交差した。より高い濃度(>3μM)において、R9およびr9の取込みは、より長いポリマーよりも有意により良好であった。しかし、より低い濃度において、より長いペプチドとインキュベートされた細胞は、より大きな蛍光を示した。このデータに基づき、r9およびR9は、15以上の連続するアルギニンを含むポリマーよりもより速い速度で細胞に進入するようである。しかし、R9(L −ペプチド)の生物学的半減期は、より長い結合体よりもより短かった。これはおそらく、より長いペプチドのタンパク質分解(血清酵素に起因する)が輸送活性を保持するフラグメントを生成するからである。対称的に、D−アイソマー(r9)は、タンパク質分解的分解の証拠を示さず、このことはL−ポリペプチドに対する血清プロテアーゼの高度な特異性と一致した。従って、全体としての輸送ポリマーの輸送効率は、(i)膜貫通取込み速度(約15未満の連続するアルギニンを有するポリマーがより良好である)対タンパク質分解的不活性化に対する感受性(より長いポリマーがより良好である)の組合せに依存するようである。従って、7〜20の(そして好ましくは7〜15の) 連続するグアニジニウム残基を含むポリマーが、好ましい。特に、高分子量のポリアルギニン結合体(12,000MW)は、検出可能な取込みを示さなかった。この結果は、Barsoumら(1994)の観察と一致し、そしてアルギニンポリマーがリジンポリマーによって示され得る輸送の特質と有意に異なる輸送の特質を有することを示唆する。さらに、12,000ポリアルギニン結合体は、高度に毒性であることが見出された(実施例5)。一般的に、ポリマーの毒性は、 長さとともに増加するが、分子量12,000の結合体のみが、試験をした全ての濃度において高い毒性を示した。 D−およびL−アルギニンのポリマーの細胞取込みをミカエリス‐メンテン反応速度論で分析した場合(実施例6)、アッセイを3℃(氷上)で行うと、ジャーカット細胞による取込み速度は、正確なKm値のみが得られ得るほど効率的であった。輸送の最大速度(Vmax)および推定レセプターについてのペプチドの見かけの親和性のミカエリス定数(Km)を、30、60、120、および240秒間D− およびL−アルギニンの九量体の種々の濃度でのインキュベート後にジャーカット細胞での観察されたラインウィーバー‐バークプロットから導いた。反応速度論分析はまた、アルギニンに富むポリマーは、例えば、tat(49〜57) ペプチドよりも、推定細胞輸送部位に対し、より良好に結合し横切る能力を示した。なぜなら、九量体ポリL−アルギニンの輸送についてのKm(44μM)は、ta tペプチドのKm(722μM)より実質的に低いからであった。さらに、九量体のD −アルギニンはこのアッセイで試験したポリマーにおいて最も低いKm(7μM) を示した(表1)。すなわち、約100倍大きい見かけの親和性であった。本発明の好ましい実施態様に従い、本発明の輸送ポリマーは、室温(23℃)または37℃で測定した場合、実施例6の手順によってtatについて測定された親和性よりも、少なくとも10倍大きく、そして好ましくは少なくとも100倍より大きい見かけの親和性(Km)を有する。 本発明を支持して行われた実験は、ポリマーに促進された輸送が、細胞の代謝の完全性に依存することを示した。 アジ化ナトリウムの毒性量(0.5% w/v)の細胞への添加は、結合体の取込みの約90%までの阻害を生じた(実施例7)。 図4に示されるこの結果は、(i)膜貫通輸送のアジ化ナトリウム感受性(エネルギー依存性(細胞取込み)を示唆する)、そして(ii)HIV tat(49〜57)と比較して本発明のポリグアニジニウムポリマー(R9、R8、R7)の優位性を実証する。 いかなる理論にも帰さずに、データは、輸送プロセスが、細胞の原形質膜において存在する分子トランスポーターによるグアニジニウムまたはアミジニウム(a midinium)含有ポリマーの特異的認識に媒介されるエネルギー依存的プロセスであることを示唆する。 本発明を支持する別の実験は、本発明の結合体は、種々の細胞型(ヒトT細胞(ジャーカット細胞)、B細胞(マウスCH27)、リンパ腫T細胞(マウスE L−4)、肥満細胞腫細胞(マウスP388)、いくつかのマウスT細胞ハイブリドーマ、神経細胞(PC−12)、線維芽細胞(マウスRT)、腎臓細胞(マウスHELA)、骨髄芽細胞(マウスK562);および初代組織細胞(Tリンパ球およびBリンパ球のようなすべてのヒト血球細胞(赤血球を除く)を含む)、マクロファージ、樹状細胞、および好酸球(eiosinophile)、好塩基球、マスト細胞、内皮細胞、心臓組織細胞、肝細胞、脾臓細胞、リンパ節細胞、およびケラチノサイト)を含む)の膜を横切る生物学的に活性な因子の輸送に効果的であることを示した。 結合体はまた、実施例8および図5A〜5Cに開示されるように、グラム陰性およびグラム陽性細菌細胞の両方を横断するのに効果的である。 一般的に、D- アルギニンサブユニットのポリマーは、グラム陽性およびグラム陰性細菌の両方に、L−アルギニンのポリマーで観察された輸送速度よりも有意に速い速度で侵入することが見出された。 このことは、図5Aに示される。 この図は、E.coli H B101(原核生物)細胞とともにインキュベートされた場合、R9結合体(L−アルギニン)よりも、r9結合体(D−アルギニン)についての非常により大きな取込みレベルを示す。 この観察は、細菌酵素によるL−ポリマーのタンパク質分解性の分解に起因し得る。 図5Bは、E.coli HB101細胞とともにインキュベートされた場合、ポリL−リジン結合体(K9)と比較した長さの関数としてのD−アルギニン結合体(r4 〜r9)の取込みレベルを示す。 見出され得るように、ポリアルギニン結合体は、真核生物細胞において観察された図2Bの傾向と類似の傾向(r6より短いポリマーは、低い取込みレベルを示し、取込みレベルは、長さの関数として増加する)を示した。 グラム陽性細菌(Strep.bovisによって例示される)はまた、図5Cに示されるように、(リジンではなく)アルギニンポリマーを用いて効果的に染色された。 より一般的に、細菌による最大の取込みレベルは、37℃で観察された。 しかし、有意な染色は、インキュベーションが室温または3℃のいずれかで行われた場合に観察された。 共焦点顕微鏡は、0.5%アジ化ナトリウムを用いた細菌の前処理はグラム陽性およびグラム陰性細菌の両方の原形質内膜を横切る輸送を阻害したが、ペリプラズム空間への細胞壁(グラム陽性細菌)を横切る輸送を阻害しなかったことを明らかにした。 従って、本発明は、微生物増殖または感染の防止または阻害における使用のため、そして医学的安全性を改善するための表面の消毒のための、抗細菌または抗真菌化合物のような抗菌剤を含む結合体を含む。 さらに、本発明は、植物細胞、 特に緑葉植物への輸送のために使用され得る。 本発明を支持するさらなる研究は、細菌膜を横切る転位置は、エネルギーおよび温度の両方に依存することを示し、これは他の細胞型について以前に記述された観察と一致する。 V.

    治療的組成物 A.

    有機低分子有機低分子治療剤は、本明細書において記載される直線状ポリマー性組成物に有利に結合され得、生物学的膜を横切る輸送を促進または増強する。 例えば、レボドパ(L-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン;L-DOPA)のように高度に荷電された因子の送達は、本明細書において記載されるポリマー性輸送分子との連結による恩恵をうける。 ペプトイドおよびペプチド模倣剤もまた、意図される(例えば、Langston、1997;Giannisら、1997)。 また、本発明は、血清および水性生理食塩水のような水溶液において、低い溶解度を有する有機低分子の送達にとっても有利である。 従って、その低い溶解度により治療的効力が制限される化合物は、本発明に従ってより大量の投薬量で投与され得、そして結合体形態において、非結合型形態と比較した場合、細胞によるより大きな取込みレベルに起因して、モルベースでより効果的であり得る。 低分子のトポロジー的な表面の有意な部分は、生物学的活性にしばしば関与し、それゆえ必要とされるので、特定の場合の結合体の低分子部分は、標的の生物学的膜を横切った後に、低分子因子が生物学的活性を発揮するために、結合された輸送ポリマーおよびリンカー部分(存在する場合)から切り出されることが必要であり得る。 そのような状況のために、結合体は、好ましくは、生物学的膜を通過した後に、遊離の薬物を放出するための切断可能なリンカーを含む。 1つのアプローチにおいて、結合体は図6Aに示されるようなジスルフィド結合を含み得、これはリンカーの役目を果たすN-アセチル保護化システイン基により、細胞毒性薬剤である6-メルカプトプリンに連結される輸送ポリマーTを含む結合体(I)を示す。 従って、細胞毒性薬剤は、ジスルフィド結合によって、6- メルカプト基に結合され、そして輸送ポリマーは、アミド結合を介してシステインのカルボニル部分に結合する。 還元またはジスルフィド交換によるジスルフィド結合の切断は、遊離の細胞毒性薬剤の放出を生じる。 ジスルフィド含有結合体の合成方法は、実施例9Aにおいて提供される。 産物は、Arg残基の七量体を含み、これはN-アセチル-Cys-Ala-Alaリンカーによって6-メルカプトプリンと連結され、ここで、Ala残基は、ジスルフィドがチオールに対してより近づきやすいように、そして細胞内での因子の切断を減少させるための付加的なスペーサーとして含まれる。 この実施例のリンカーはまた、アミド結合の使用を例示し、これは細胞内で酵素的に切断され得る。 別のアプローチにおいて、結合体は、電磁放射線への曝露によって切断される光切断可能リンカーを含む。 例示的なリンカーは、図6Bに例示され、これは、 輸送ポリマーT(これはメタニトロベンゾエート結合部分を介して6-メルカプトプリンへ結合される)を含む結合体(II)を示す。 ポリマーTは、ベンゾエートカルボニル基へのアミド結合によってニトロベンゾエート部分に結合され、そして細胞傷害性薬剤は、p-メチレン基へその6−メルカプト基を介して結合される。 化合物は、加熱による、NaOCH

    3 /メタノールの存在下でのp-ブロモメチル-m-ニトロ安息香酸と6-メルカプトプリンを反応させることによって、続いて輸送ポリマー(例えば、ポリマー(実施例9B)に結合するγ-アミノブチル酸リンカーのアミノ基)とベンゾエートカルボン酸とのカップリング反応によって形成され得る。 結合体の光照射は、ニトロ基(これは、メルカプトメチル部分のオルト位である)の効力によって6-メルカプトプリンの遊離を生じる。 このアプローチは、特に、身体の選択された領域への薬物活性化を局在化するために、当該分野で公知であるような光治療方法における有用性を見出す。 好ましくは、以下のアプローチによって例示されるように、切断可能なリンカーは、第一および第二切断可能基(これは、生物学的に活性薬剤からポリマーを切断するために協調作用し得る)を含む。 すなわち、切断可能リンカーは、薬剤に対して遠位である第一切断可能基、および薬剤に対して近位である第二切断可能基を含み、その結果、例えば、第一切断可能基はの切断は、第二切断可能基を切断するために分子内的に反応し、それによってリンカーおよびポリマーから薬剤を遊離し得る求核性部分を含むリンカー薬剤結合体を産生する。 図6Cは、抗ガン剤である5-フルオロウラシル(5FU)に結合した輸送ポリマーT を含む結合体(III)を示す。 ここで、この連結は、改変されたリジル残基によって提供される。 輸送ポリマーは、αアミノ基に連結され、そして5-フルオロウラシルは、αカルボニルを介して連結される。 リジルε-アミノ基は、o-ヒドロキシメチルニトロベンゼンのカルバメートエステルへ改変されている(これは、結合体の第一感光性切断可能基を含む)。 光照射は、結合体からニトロベンゼン部分を分離し、カルバメート(これもまた、有効な求核試薬である遊離のεアミノ基を提供するために迅速に分解する)を残す。 5-フルオロウラシル基へのアミドリンカーとのεアミノ基の分子内反応は、5−フルオロウラシル基の遊離を伴う環化を導く。 図6Dは、抗ガン剤であるパクリタキセルの2'酸素に連結された輸送ポリマーT を含む結合体(IV)を例示する。 この連結は、(i)輸送ポリマーに結合された窒素原子、(ii)窒素原子のパラ位に位置されるリン酸モノエステル、および(iii)窒素原子のメタ位のカルボキシメチル基を含む、連結部分によって提供される。 これは、カルボン酸エステル連結によってパクリタキセルの2'酸素に結合される。 結合体からのリン酸基の酵素的切断は、遊離のフェノールヒドロキシル基を生じる。 次いで、この求核性基は、その生物学的標的に結合するために、遊離のパクリタキセルを放出するようにカルボン酸エステルと分子内的に反応する。 実施例9Cは、この型の結合体を調製するための合成プロトコルを記載する。 図6Eは、なお別のアプローチであり、ここで輸送ポリマーが、アミノアルキルカルボン酸によって、生物学的に活性な薬剤(すなわち、パクリタキセル)に連結される。 好ましくは、リンカーアミノ基は、3〜5鎖原子(n=3〜5)(好ましくは、3または4鎖原子のいずれか)によってリンカーカルボキシル基の炭素に連結され、これは、好ましくはメチレン炭素として提供される。 図6Eに見られるように、リンカーアミノ基は、アミド結合によって輸送ポリマーと連結され、そしてエステル結合によってパクリタキセルに結合される。 アミド結合の酵素的切断は、ポリマーを遊離し、そして遊離の求核性アミノ基を産生する。 次いで、遊離のアミノ基は、パクリタキセルからリンカーを遊離するようにエステル基と分子内的に反応し得る。 図6Dおよび6Eは、本発明の別の局面の例示であり、対応する非結合体化形態に比べて膜貫通輸送速度を増強させるタキサンおよびタキソイド抗ガン結合体を含む。 結合体は、ガン細胞の増殖を阻止するために特に有用である。 タキサンおよびタキソイドは、細胞機能に有害である程度まで微小管の重合を促進すること(および脱重合を阻止すること)細胞複製を阻止すること、および究極的には細胞死へと導くことによって、これらの抗ガン効果を達成すると考えられている。 用語「タキサン」とは、パクリタキセル(図6F、R'=アセチル、R''=ベンジル) をいい、商標「TAXOL」のもとにまた公知であり、そして図6Gに例示されるように、パクリタキセルのA、B、CおよびD環を含む幹核を有する天然に存在する、合成の、または生体操作されたアナログをいう。 図6Fはまた、「TAXOTERE

    TM 」(R' =H、R''=BOC)の構造を示す。 これは、Rhone-Poulencによって販売されたパクリタキセルよりいくらか可溶性の合成アナログである。 「タキソイド」とは、図6Hに示されるような、パクリタキセル(パクリタキセルの塩基性A、BおよびC環を含む)の天然に存在する、合成の、または生体操作されたアナログをいう。 実質的な合成および生物学的情報は、Suffness(1995)(特に、第12章から第14章において)ならびに以下のパクリタキセルの文献において総説されるように、種々のタキサンおよびタキソイド化合物の合成および活性において利用可能である。 さらに、細胞株の宿主は、例えば、Suffnessにおいて第8章および13章で記載されるような特定のガン型に対してこれらの化合物の抗ガン活性を予測するために利用可能である。 輸送ポリマーは、タキサンまたはタキソイドにおける結合の任意の適切な部位を介してタキサンまたはタキソイド部分に結合する。 簡便には、輸送ポリマーは、上記のような連結戦略を使用して、C2'酸素原子、C7酸素原子を介して連結される。 C7酸素を介する輸送ポリマーの結合体化は、この位置での結合にもかかわらず、抗ガン活性および抗腫瘍活性を有するタキサン結合体をもたらす。 従って、リンカーは、切断可能または切断不可能であり得る。 C2'酸素を介した結合体は、抗ガン活性を有意に減少する。 そのために切断可能なリンカーが、この部位への結合のために好ましい。 他の結合部位(例えば、C10)もまた、使用され得る。 本発明のタキサンおよびタキソイド結合体は、タキソール(約0.25μg/mL)およびタキソテール(6〜7μg/mL)と比較して改良された水溶性を有することが理解される。 それゆえ、大量の可溶化剤(例えば、「CREMOPHOR EL」(ポリオキシエチル化ひまし油)、ポリソルビン酸80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸、「Tween 80」としてもまた知られる))、およびエタノールは、必要とされず、そのためにこれらの安定化剤と代表的に関連する側鎖効果(例えば、アナフィラキシー、呼吸困難、低血圧、および顔面紅潮)は、減少され得る。 B. 金属 金属は、キレート剤(例えば、テキサフィリンまたはジエチレントリアミン5 酢酸(DTPA))を使用して、真核細胞および原核細胞へ輸送され得、実施例10で説明されるように、本発明の輸送膜に結合され得る。 これらの結合体は、造影または治療のための金属イオンの送達に有用である。 例示的な金属イオンは、Eu、 Lu、Pr、Gd、Tc99m、Ga67、In111、Y90、Cu67、およびCo57を含む。 結合体候補物を用いる予備的な膜輸送研究は、以下の実験節に記載されるような細胞ベースのアッセイを使用して実施され得る。 例えば、ユーロピウムイオンを使用して、 細胞取り込みは、時間分解蛍光測定によってモニターされ得る。 細胞傷害性である金属イオンに関しては、取り込みは、細胞傷害性によってモニターされ得る。 C.高分子 本発明の増強された輸送方法は、多くの高分子について生物膜を横切る輸送を増強するために特に適している。 これら高分子は、タンパク質、核酸、ポリサッカライド、およびこれらのアナログを含むが、これらに限定されない。 例示的な核酸は、DNAおよびRNA、およびこれらのアナログ(これは、相補的な標的(例えば、一本鎖または二本鎖標的のためのアンチセンス配列)へのハイブリダイゼーションのために、または核酸転写物または配列によってコードされるタンパク質を発現するために設計された選択された配列を有する)から形成されるオリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドを含む。 アナログは、荷電された、および好ましくは非荷電骨格アナログ(例えば、ホスホネート(好ましくはメチルホスホネート)、ホスホロアミダイト(N3'またはN5')、チオホスフェート、非荷電モルフォリンベースのポリマー、およびタンパク質核酸(PNA))を含む。 このような分子は、種々の治療療法(例えば、酵素置換治療、遺伝子治療、およびアンチセンス治療を含む) において使用され得る。 例として、タンパク質核酸(PNA)は、DNAのアナログ(これは骨格が、デオキシリボース骨格と構造的に同形である)である。 これは、核酸塩基に結合しているようなN-(2−アミノエチル)グリシン単位からなる。 すべての4つの天然の核酸塩基を含むPNAは、ワトソンークリック塩基対合の法則に従って、相補的なオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、そして塩基対認識(Egholmら、1993)の点からいうと、真のDNA模倣物である。 PNAの骨格は、リン酸エステルではなくペプチド結合によって形成され、これによりPNAは、アンチセンス適用に十分適切になる。 骨格は非荷電であるので、形成するPNA/DNAまたはPNA/RNA二重鎖は、通常よりも高い熱安定性を示す。 PNAは、ヌクレアーゼによってもプロテアーゼによっても認識されないというさらなる利点を有する。 さらに、PANは、標準的なt-Boc 化学を使用して自動ペプチド合成機で合成され得る。 次いでPNAは、本発明の輸送ポリマーに容易に連結される。 細胞内へのその輸送が本発明の方法を使用して増強され得るアンチセンスオリゴヌクレオチドの例は、例えば、米国特許第5,594,122号に記載される。 このようなオリゴヌクレオチドは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)を処置するように標的化される。 アンチセンスオリゴヌクレオチドと輸送ポリマーとの結合体化は、例えば、十分に確立された方法に従って、コハク酸リンカーを介してペプチドとオリゴヌクレオチドの5'末端との間にアミド結合を形成することによってもたらされ得る。 PNA結合体の使用は、実施例11においてさらに説明される。 図7は、実施例11に詳述されるように、T細胞でγ-インターフェロン(γ- IFN)の分泌を阻害するためのPNA配列を含む本発明の結合体によって得られた結果を示す。 見られ得るように、アンチセンスPNA結合体は、結合体が約10μMより多いレベルで存在した場合、γ-IFN分泌を阻止するために有効であった。 対照的に、センスPNA結合体または非結合アンチセンスPNA単独では、阻止はみられなかった。 生物膜を通って輸送され得る高分子の別のクラスは、タンパク質(および、特に酵素において)によって例証される。 治療タンパク質は、置換酵素を含むがこれらに限定されない。 治療酵素は、リゾチームグルコセレブロシド欠損症(ゴーシェ病)の処置での使用のためのアルグルセラーゼ、ムコ多糖症Iの処置の使用のためのイズロニダーゼ、サンフィリポB症候群の処置での使用のためのα-N-アセチルグルコサミダーゼ、膵不全の処置の使用のためのリパーゼ、重症複合免疫不全症候群の処置での使用のためのアデノシンデアミナーゼ、およびにトリオースリン酸イソメラーゼ欠損に関連する神経筋機能障害トリオースリン酸イソメラーゼを含むが、これに限定されない。 さらに、そして本発明の重要な局面に従って、タンパク質抗原は、抗原提示細胞(APC)の細胞質ゾル区画に送達され得、ここでペプチドに分解される。 次いで、ペプチドは、小胞体へ輸送され、ここで新生HLAクラスI分子と結合し、そして細胞表面に表れる。 このような「活性化」APCは、抗原特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)に限定されるクラスIの誘導因子として役立ち得、次いで特定の抗原を提示する細胞を認識しそして破壊するように進展する。 このプロセスを行い得るAPCは、特定のマクロファージ、B細胞および樹状細胞を含むが、これらに限定されない。 1つの実施態様において、タンパク質抗原は、腫瘍細胞に対して免疫応答を誘発することまたは促進することのための腫瘍抗原である。 CTLの引き続く活性化による、APCの細胞質ゾルへの単離されたまたは可溶性タンパク質の輸送は、例外である。 なぜなら、少ない例外によって、単離されたまたは可溶性タンパク質の注入は、APCの活性化またはCTLの誘導のいずれも生じないからである。 従って、本発明の輸送増強組成物に結合される抗原は、インビトロおよびインビボにおける細胞免疫応答を刺激するために役立ち得る。 実施例14は、本発明(例示的なタンパク質抗原、卵白アルブミンが、R7ポリマーへの結合体化後、APCへ送達される)の援助において実施される実験の詳細を提供する。 細胞傷害性Tリンパ球(CTL)へのAPCの引き続きの添加は、CD8+アルブミン特異的細胞傷害性T細胞(刺激されたCTL)を生じた。 対照的に、未改変卵白アルブミンヘ曝露されたAPCは、CTLを刺激しなかった。 並行実験では、組織適合性樹上細胞(APCの特異的型)を、卵白アルブミンR7 結合体へ曝露し、次いでマウスへ注射した。 これらのマウスからの血液の引き続く分析はアルブミン特異的CTLの存在を示した。 コントロールマウスに、未改変卵白アルブミンへ曝露した樹状細胞を与えた。 コントロールマウスは、アルブミン特異的なCTL応答を示さなかった。 これらの実験は、細胞への一般的な高分子、および特にタンパク質の送達に関連する1つの特定の有用性を例示する。 別の実施態様では、本発明は、微生物感染のような有害な生物学的プロセスを妨害するための、細胞質ゾルへの免疫特異的抗体または抗体フラグメントを送達するために有用である。 最近の実験は、細胞内抗体が、植物および哺乳動物細胞における有効な抗ウイルス薬剤であり得ることを示している(例えば、Tavlador akiら、1993;およびShaheenら、1996)。 これらの方法は、代表的に使用される単一の可変領域フラグメント(scFv)(ここで抗体重鎖および軽鎖は、単鎖ポリペプチドとして合成され得る)を有する。 可変重鎖および軽鎖は、通常、可撓性リンカーペプチド(例えば、15アミノ酸の)によって分離され、高度な親和性リガンド結合部位を保持する28kDa分子を産生する。 この技術の適用を広げるための原理的障壁は、感染細胞への取り込み効率であった。 しかし、scFvフラグメントへの輸送ポリマーの結合によって、細胞取り込みの程度が増加され得た。 これは、免疫特異的フラグメントが重要な微生物成分(例えば、HIV Rev、HIV逆転写酵素、およびインテグラーゼタンパク質)へ結合しそして無能にすることを可能にする。 D.ペプチド 本明細書に記載される増強された輸送方法によって送達されるべきペプチドは、エフェクターポリペプチド、レセプターフラグメントなどを含むが、これらに限定されない。 例は、細胞内シグナルを媒介するタンパク質によって使用されるリン酸化部位を有するペプチドを含む。 このようなタンパク質の例は、タンパク質キナーゼC、RAF-1、p21Ras、NF-κB、C-JUN、および膜レセプター(例えば、I L-4レセプター、CD28、CTLA-4、V7、およびMHCクラスIおよびクラスII抗原)の細胞質テイルを含むが、これらに限定されない。 輸送増強分子もまた、ペプチドである場合、合成は、上述されるような自動ペプチド合成機の使用または組換え方法(ここで、融合ペプチドをコードするポリヌクレオチドが産生される)によってのいずれかで達成され得る。 本発明の援助において実施される実験(実施例15)では、膜貫通タンパク質V7 (CD101としてもまた公知である)の細胞質テイル領域の10アミノ酸セグメントは、このC末端のR7ポリマー配列を伴って合成された。 このテイル領域は、細胞活性化のMAPキナーゼ経路において重要な酵素であるRAF-1キナーゼの活性化と物理的に会合し、そして仲介することが公知である。 V7-R7結合体は、T細胞に添加され、その後界面活性剤によって溶解された。 可溶性画分を、ヤギ抗マウスIgG と組み合わせた抗V7マウス抗体によって、免疫沈澱について試験した。 ペプチド処置しない場合は、V7と会合し、そしてV7との会合によって不活化されることが公知のキナーゼであるRAF-1は、V7と共沈殿した。 ペプチド処理細胞では、RAF-1タンパク質は、V7免疫複合体から除去された。 同様のペプチド処置は、RAF-1およびp21Rasからなる複合体を破壊しなかった。 このことは、V7ペプチドによって、RAF-1の任意の非特異的改変を除外する。 これらの結果は、細胞質テイル領域V7ペプチドは、本発明の膜輸送増強ペプチドに結合した場合、細胞質テイル領域V7ペプチドは標的細胞内へ入りそして生理学的エフェクター分子である、RAF-1と特異的に会合することを示した。 このような会合は、細胞内プロセスを壊すために使用され得る。 第2のセットの研究では、結合体のV7部分が、タンパク質キナーゼCを使用してインビトロでリン酸化された。 T細胞の抗RAF-1沈殿物(これは、リン酸化V7テイルペプチドに曝露されたが、非リン酸化V7テイルペプチドに曝露されなかった)は、RAFキナーゼ活性の強力な阻止を証明した。 これらの研究は、2つの原理を証明する。 第1に、本発明の輸送ポリマーは、細胞膜を通過する高度に荷電された(リン酸化された)分子の輸送をもたらし得る。 第2に、リン酸化および非リン酸化V'テイルペプチドの両方が、RAF-1に結合し得るが、リン酸化ペプチドのみがRAF-1キナーゼ活性を改変した。 VI.スクリーニングアッセイ方法およびライブラリー 別の実施態様において、本発明は、選択された生物学的活性について、1つ以上の結合体をスクリーニングするために使用され得る。 ここで、結合体は1つ以上の候補薬剤から形成される。 結合体は、シグナルの大きさが、選択された生物学的活性に関して結合体の有効性の指標となるように細胞内への結合対の取り込みについて検出可能なシグナルを示す細胞と接触される。 この実施態様の1つの利点は、それら自身は細胞内へ侵入して生物学的活性を示すことが不可能であるかまたはわずかに可能である薬剤の活性を試験するために特に有用であることである。従って、本発明は、活性薬剤(これは、さもなければ、細胞または細胞小器官への薬剤を輸送する有効および便利な方法の欠如のために、大量規模スクリーニングプログラムによって到達可能でないかもしれない)を同定するための特に効果的な方法を提供する。好ましくは、1つ以上の候補薬剤が、結合体の組み合わせライブラリーとして提供される。この結合性は、当該分野で公知である任意の数の組み合わせ合成方法を使用して調製される。例えば、ThompsonおよびEllman(1996)は、固体支持体状の組み合わせライブラリーを処理するための、少なくとも5つの異なる一般的なアプローチを認識した。これらは、(1)別個の化合物の合成、(2)分割合成(分割およびプール)、(3)可溶性ライブラリー逆重畳積分、(4)分析方法による構造決定、および(5)活性候補物の化学的組成物が特異な標識によって決定されるコード戦略を、アッセイにおける生物学的活性のためのポジティブの試験後、コード化するものである。溶液中のライブラリーの合成は、少なくとも(1)空間的な分離合成および(2)プールの合成(Thompson、前出)を含む。組み合わせ合成方法のさらなる記載は、Lamら(1997)(これは、1ビーズ1化合物アプローチを特に記載する)において見られ得る。これらのアプローチは、必要に応じて適切な保護スキームを含ませて、本発明に従って結合体を調製するに容易に適合される。例えば、1以上の個体支持体において構築されたライブラリーについて、輸送ペプチド部分は、まず、支持体に付着され、次いで、適切な反応性官能基を介してポリマーへと組み合わせて候補薬剤を構築または接着させ得る。代替例において、薬剤のコンビナトリアルライブラリを、1以上の固体支持体において形成させ、次いで、各固定化した候補薬剤へと輸送ポリマーを付着させる。類似または異なるアプローチは、溶液相合成について使用され得る。固体支持体上で形成したライブラリーは、好ましくは、 公知の方法(Thompsonら、およびLamら、前出)によって開裂可能な連結基を介して支持体から切断される。 1以上の結合体候補は、結合体の効力に比例した検出可能なシグナルを誘発する、任意数の細胞に基づくアッセイを用いて試験され得る。簡便には、候補は、 マルチウェルプレートにおいて細胞とインキュベートされ、そして生物学的効果は、プレートリーダーを用いて定量され得るシグナル(例えば、蛍光、反射、吸収、または化学発光)を介して測定される。あるいは、インキュベーション混合物は、さらなる処理および/または分析のためにウェルから取り出され得る。活性および必要に応じて、不活性の化合物の構造を、公知でない場合に決定し、そしてこの情報を用いて、リード化合物を同定し、そしてさらなる合成およびスクリーニングの努力に焦点を当てる。例えば、実施例11に詳述されるγインターフェロン分泌アッセイは、マルチウェル形式に容易に適合され、その結果、活性分泌インヒビターは、ユーロピウムに基づく蛍光検出によってプレートリーダーを用いて検出され得る。抗ガン薬剤は、樹立されたガン細胞株(例えば、National Institute of Health(NIH)およびNational Cancer Institute(NCI)によって提供される)を用いてスクリーニングされ得る。抗ガン剤の細胞傷害性効果は、例えば、トリパン染色排除によって決定され得る。他の例は、細胞シグナル伝達の阻害に関するアッセイ(例えば、IL-4レセプター阻害;細胞増殖を阻害するためのアッセイ、および遺伝子発現アッセイ)を含む。代表的な遺伝子発現アッセイにおいて、目的の遺伝子は、適切なプロモーターの制御下に置き、そしてβガラクトシダーゼまたはホタルルシフェラーゼのようなレポーター種を生成するための遺伝子が下流に続く。阻害効果は、レポーターシグナルの減少に基づいて検出され得る。本発明はまた、上記方法におけるスクリーニングに有用な結合体ライブラリーを含む。ライブラリーは、1以上の選択された生物学的活性についての複数の候補薬剤を含み、その各々は、本発明の輸送ポリマーの少なくとも1つに結合する。好ましくは、結合体ライブラリーは、コンビナトリアルライブラリーである。別の実施態様において、本発明は、目的の活性薬剤を試験しそして同定するための、索引付けされそして索引付け可能な複数のサンプルウェル中に分散した異なるポリマー薬剤結合体の規則正しいアレイを含む。 VI.有用性 本発明の組成物および方法は、ヒトおよび獣医学の治療の領域において特定の有用性を有する。一般に、投与される投薬量は、効果部位に、ピコモル〜マイクロモル濃度の治療的組成物を送達するに有効である。適切な投薬量および濃度は、治療的組成物または薬物、意図される送達部位、ならびに投与経路のような因子(これらはすべて、当該分野で周知な方法に従って経験的に導き出され得る) に依存する。さらなる指針は、当該分野で公知なように、投薬量を評価するための実験動物モデルを用いる研究から得られ得る。適切な薬学的賦形剤を必要に応じて用いる本発明の化合物の投与は、受容される投与様式のいずれかを介して実施され得る。従って、投与は、例えば、静脈、 局所、皮下、経皮、筋肉内、経口、関節内、非経口、腹腔内、鼻内、または吸入により得る。処方物は、固体、半固体、凍結乾燥粉末または液体投薬形態の形態、例えば、錠剤、丸剤、カプセル、粉末、溶液、懸濁物、乳濁物、坐剤、保持浣腸、クリーム、軟膏、ローション、エアロゾルなど、好ましくは、正確な投薬量の単回投与のために適切な単位投薬形態をとり得る。組成物は、代表的に、従来の薬学的キャリアまたは賦形剤を含み、そして他の医薬用薬剤、キャリア、アジュバントなどをさらに含み得る。好ましくは、組成物は、本発明の化合物(単数または複数)の約5〜約75重量%であり、残りは適切な薬学的賦形剤からなる。適切な賦形剤は、当該分野で周知な方法例えば、( Gennaro、1990)により、特定の組成物および投与経路へと改変され得る。経口投与について、このような賦形剤は、薬学的等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、 セルロース、グルコース、ゼラチン、スクロース、炭酸マグネシウムなどを含む。組成物は、溶液、懸濁物、錠剤、丸剤、カプセル、粉末、徐放性処方物などの形態をとり得る。いくつかの実施態様において、薬学的組成物は、丸剤、錠剤、またはカプセルの形態をとり、従って、組成物は、生物学的に活性な結合体とともに、以下のいずれかを含み得る:ラクトース、スクロース、リン酸二カルシウムなどのような希釈剤;デンプンまたはその誘導体のような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムなどのような潤滑剤;ならびにデンプン、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、セルロース、およびそれらの誘導体のような結合剤。処方物の活性化合物は、坐剤に処方され得、これは例えば、約0.5〜約50%の本発明の化合物を含み、これは、ポリエチレングリコール(PEG)キャリア(例えば、PEG1000(96%)およびPEG4000(4%))中に配置され得る。液体組成物は、化合物(約0.5%〜約20%)を、および必要に応じて薬学的アジュバントを、例えば、生理食塩水(例えば、0.9%w/v塩化ナトリウム)、デキストロース水溶液、グリセロール、エタノールなどのようなキャリア中に溶解または分散させることによって調製して、例えば静脈投与のための溶液または懸濁物を形成し得る。活性化合物はまた、保持浣腸へと処方され得る。所望であれば、投与される組成物はまた、少量の非毒性補助物質(例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤(例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリル酸ソルビタン、またはオレイン酸トリエタノールアミン))含み得る。局所投与について、組成物は、任意の適切な形式(例えば、ローションまたは経皮パッチ)で投与される。吸入による送達について、組成物は、乾燥粉末(例えば、Inhale Therapeutics)としてまたは噴霧器を介する液体形態において送達され得る。このような投薬形態の調製方法は公知であるかまたは当業者に明白である;例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences(1980)を参照のこと。投与される組成物は、いずれにせよ、ある量のプロドラッグおよび/または活性化合物を、本発明の教示に従って投与される場合に処置される状態の緩和のついて薬学的有効量で含む。一般に、本発明の組成物は、治療有効量、すなわち、処置をもたらすに充分な投薬量で投与され、そしてこれは、個体および処置される状態に依存して変動する。代表的に、治療的に有効な一日量は、1日当たり薬物0.1〜100mg/kg体重である。ほとんどの状態が、一日当たり総量約1〜約30mg/kg体重の総投薬量、すなわち、70kgのヒトについて1日当たり約70mg〜約2100mgの投与に応答する。結合体の安定性は、ポリマーの骨格および側鎖の組成および立体化学によってさらに制御され得る。ポリペプチドポリマーについて、D異性体は、一般に、内因性プロテアーゼに耐性であり、従って、血清および細胞内でより長い半減期を有する。従って、D−ポリペプチドポリマーは、より長い活性時間が所望される場合に、適切である。 L-ポリペプチドポリマーは、プロテアーゼに対する感受性に起因してより短い半減期を有し、それゆえ、より短い活性効果を付与するように選択される。このことにより、副作用が観察されたらすぐに治療を中止することによってより容易に、副作用を回避させることができる。 D及びL残基の混合物を含むポリペプチドは、中程度の安定性を有する。ホモ−D−ポリマーが一般に好ましい。以下の実施例は、本発明を例示することを意図するが、限定することは意図しない。

    実施例1

    ペプチド合成ペプチドを、Applied Biosystems Peeptide合成機上で、当該分野で周知の方法(Bonifaci)に従って、FastMOC

    TM化学および市販のWang樹脂およびFmoc保護アミノ酸を用いて、固相技術を用いて合成した。ペプチドを、C4またはC18逆相H LPCカラムを用いて精製し、そしてそれらの構造を、アミノ酸分析および質量スペクトル分析を用いて確認した。

    実施例2

    蛍光アッセイ蛍光ペプチドを、アミノカプロン酸でのペプチドのアミノ末端の改変に続いてN−メチルピロリドンに溶解した(2-1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)-1,1,3, 3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート/N−ヒドロキシベンゾトリアゾールの存在下でのフルオレセインイソチオシアネートとの反応により合成した。産物をゲル濾過により精製した。懸濁細胞(10

    6 /mL)を、種々の時間、37℃、23℃、または4℃で、ある範囲の濃度のペプチドまたは結合体を用いて、96ウェルプレートにおいて2%仔ウシ血清を含むPBS(pH7.2)(PBS/FCS)中で、インキュベートした。 15分間のインキュベーション後、細胞を遠心分離によりペレット化し、1%アジ化ナトリウムを含むPBS/FCSで3回洗浄し、37℃で5分間トリプシン/EDTA(Gibco)とインキュベートし、次いで、PBS/FCS/NaN

    3でさらに2回洗浄した。ペレット化した細胞を、2%FCSおよび0.1%ヨウ化プロピジウムを含むPBS中に再懸濁し、そしてFACScan(Becton Dickenson、Mountain View,CA)上で分析した。ヨウ化プロピジウムについて陽性である細胞を分析から除外した。アルギニンのポリマーの分析について、光電子増倍管の電位を、より正確な測定を可能にするような桁にまで減少させた。

    実施例3

    Tat

    塩基性ペプチド対ポリアルギニンペプチド以下のポリペプチドの取り込みレベルを、実施例2の方法で測定した:(1) HIV tat残基49−57(Arg-Lys-Lys-Arg−Arg-Gln-Arg-Arg-Arg=配列番号1)を含むポリペプチド、(2)L-Lys残基のノナマー(K9、配列番号2)、および(3)4 〜9のArg残基を含むホモ−Lまたはホモポリペプチド(配列番号3〜8、および12〜17)。結果を図2A〜2Cに示す。

    実施例4

    共焦点細胞顕微鏡蛍光ポリアルギニンペプチドとインキュベートした細胞を、結合アッセイについて上記に記載のように調製し、そしてCell Sciences Imaging Facility(Stan ford University,Stanford、CA)で、走査型単一光線レーザ共焦点顕微鏡を用いて、488nmの励起波長(アルゴンイオンレーザー)および発光帯域幅510〜550nm を帯域通過フィルタを用いて使用して分析した。 tat(49−57)を含む結合体(6 .25μM)、R7、またはフルオレセイント結合したr7をJurkat細胞と37℃で10分間インキュベートした。図2A〜2Fは、tat(49−57)(図2Aおよび2C)、R7(図2Bおよび2E)およびr7(図2Cおよび2F)についての発光蛍光について(図2A〜2C)および透過光(2D〜2F)についての結果を示す。

    実施例5

    長さの幅の研究ポリアルギニンの以下のホモポリマーを、実施例2における蛍光アッセイによって、細胞のペレット化の前に37℃で15分間インキュベーションを行って試験し:r9、R9、R15、R20、R25、およびR30。さらに、平均分子量12,000ダルトン(約100アミノ酸)を有するL-アルギニンポリマーの混合物もまた、フルオレセインイソチオシアネートで標識した後に試験し(Sigma Chem.Co.)、そしてゲル濾過(「SEPHADEX」G-25)によって精製した。細胞を、FACSで分析し、そして生細胞の平均の蛍光を測定した。各結合体の細胞傷害性もまた、ヨウ化プロピジウムで染色した細胞(これは、死細胞の特徴である)の百分率を計算することによって測定した。 r9、R9、R15、R20、およびR25結合体についての取り込み結果を、図3に示す。市販のポリアルギニン(12,000MW)は、血清においてタンパク質(おそらくはα1酸糖タンパク質である)を沈澱させた。従って、仔ウシ血清のレベルを、この材料から調製した結合体についてのアッセイにおいて10倍減少させた。 12,000MWポリArg組成物は、800nM〜50μMの濃度で毒性であり、そして図3から除外した。 20アルギニン残基以上を含むポリ−L−Arg結合体は、12μMより濃い濃度で、毒性は長さとともに増加するように毒性であった。

    実施例6

    取り込み反応速度論細胞取り込みのVmaxおよびKmパラメーターを測定するために、実施例2のアッセイ方法を、以下の改変を用いて使用した。ペプチドを、三連で、96ウェルプレートにおいて50μLのPBS/FCS中で、4℃で0.5、1、2、および4分間、細胞とインキュベートした。インキュベーションの最後に、反応を、5mLのPBS/FCS中でサンプルを希釈すること、遠心分離すること、およびPBS/FCSで一回、トリプシン/EDTA、および最後にPBS/FCSで再度洗浄すること、ならびにFACScanでの分析のためにヨウ化プロピジウムを含むPBS/FCS中でペレットを取り出すことによってクエンチさせた。 FACSデータを、Michaelis-Menten反応速度論についてのLi neweaver-Burk等式に適合させた。 tat(49−57)、R9、およびr9の蛍光結合体についての反応速度論データを上記の表1に示す。

    実施例7

    輸送に対する代謝インヒビターの効果懸濁細胞(10

    6 /ml)を、30分間、2%のFCSを含むPBS中で0.5%アジ化ナトリウムとインキュベートした。インキュベーションの最後に、蛍光ペプチド(tat (49-57)、R7、R8、またはR9)を、最終濃度12.5μMで添加した。 30分のインキュベーション後、細胞を、すべての洗浄緩衝液が0.1%のアジ化ナトリウムを含んだこと以外は実施例2におけるとおりに洗浄した。 結果を図5に示す。

    実施例8

    細菌細胞への輸送グラム陰性細菌(E.coli HB101株)およびグラム陽性細菌(Strep.bovis)を、適切な培地で対数増殖期まで増殖させた。細胞培養物(4×10

    8 /mL)を、30分間、37℃で、L-アルギニン(R4〜R9)、D-アルギニン(r4〜r9)、またはL-リジン(K9)の線状ポリマーを含む種々の濃度の蛍光結合体とインキュベートした(結合体濃度3〜50μM)。細胞を洗浄し、そしてヨウ化プロピジウム含有PBS中で取り込ませ(死細胞を区別するために)、そしてFACSおよび蛍光顕微鏡により分析した。結果を、上記のように図5A〜5Cにおいて示す。

    実施例9

    例示の切断可能なリンカーを有する結合体 A.

    6-

    メルカプトプリンシステインジスルフィド結合体 A1.

    チオール活性化 。 N-アセチル-Cys(SH)-Ala-Ala-(Arg)7-CO

    2 H(12.2mg、 0.0083mmol)を、周囲温度にて撹拌しながら、3mLの3:1のAcOH:H

    2 O中に溶解させた。この溶液に、ジチオ-ビス(5-ニトロピリジン)(DTNP)(12.9mg、0. 0415mmol、5当量)を添加した。この溶液を、周囲温度で24時間撹拌した後、この混合物は明るい黄色を呈した。溶媒を真空中で除去し、そして残渣を5mLのH

    2

    O中に再溶解させ、そして酢酸エチルを用いて3回抽出して、過剰のDTNPを除去した。水層を凍結乾燥し、そして生成物を、さらに精製することなく使用した。 A2.

    薬物の付加 。 N-アセチル-Cys(SH)-Ala-Ala-(Arg)7-CO

    2 H(0.0083mmol) を、撹拌しながら、アルゴン下で、室温にて、1mLの脱気したH

    2 O(pH=5)中に溶解させた。 DMF(0.5mL)中の6-メルカプトプリン(1.42mg、0.0083mmol、1当量)溶液を、この混合物に添加した。この反応物を、不活性雰囲気下、周囲温度にて、18時間撹拌した。 18時間後、明るい黄色に顕色した(devloped)(これは遊離した5-ニトロ-2-チオピリジンの存在を示す)。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣をHPLCにより精製し、所望の生成物(I、図6A)を得た(全収率50% )。 B.

    光切断可能なタキソール結合体 3-ニトロ-4-(ブロモメチル)安息香酸(100mg、0.384mmol)を、窒素雰囲気下で無水メタノール(5mL)中に溶解させる。この溶液に、ナトリウムメトキシド(88μL、メタノール中25%(w/w)、0.384mmol、1当量)を添加し、次いで6- メルカプトプリン(58.2mg、0.384mmol、1当量)を添加する。この混合物を加温して還流し、そして3時間撹拌する。次いで、反応混合物を冷却し、濾過し、 そして6N HClを用いる酸性化によりクエンチする。次いで、反応物の容積を2分の1に減少させた点で、生成物が沈殿し、そしてこの生成物を濾過により回収する。残渣をメタノール中に再溶解させ、濾過し(必要ならば)、そして減圧下で濃縮して、所望のスルフィド(II、図6B)を、50%の収率で、黄色の粉末固体として得る。 C.

    リン酸切断可能なタキソール結合体 C1. H

    2 O(39mL)中のo-ヒドロキシフェニル酢酸(15.0g、0.099mol)の懸濁液に、0℃にて、硝酸溶液(H

    2 O(8mL)中の65%硝酸(12mL))を、ピペットでゆっくりと添加した。溶液をさらに0℃にて1.5時間撹拌した。次いで、混合物を、 周囲温度まで加温し、そしてさらに0.5時間撹拌した。この不均一溶液を、氷(1 0g)上に注ぎ、そして濾過して、不溶性オルト-ニトロ異性体を除去した。赤みがかった溶液を減圧下で濃縮し、そして濃厚な残渣を、6N HCl中に再溶解させ、そしてセリットを通して濾過した。溶媒を減圧下で再び除去して、所望の2-ヒドロキシ-4-ニトローフェニル酢酸を、明るい茶色がかった赤色の固体として得た(収率40%)。生成物(IV-a)を、さらに精製することなく、次の工程で用いた。 C2.生成物IV-a(765mg、3.88mmol)を、アルゴン雰囲気下で、新たに蒸留したTHF(5mL)中に溶解させた。溶液を0℃に冷却し、そしてボラン-THF(THF 中1.0M、9.7mL、9.7mmol、2.5当量)を、シリンジで滴下し、このとき明らかに水素が発生した。反応物をさらに16時間撹拌し、室温までゆっくりと加温した。反応を、1M HCl(激しくバブリング(bubbling)しながら)および10mLの酢酸エチルをゆっくりと添加することによりクエンチした。層を分離し、そして水層を酢酸エチルで5回抽出した。合わせた有機層をブラインを用いて洗浄し、そして硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を真空中でエバポレートし、そして残渣を迅速なカラムクロマトグラフィー(1:1のヘキサン:酢酸エチル)により精製して、所望のニトローアルコール(IV-b)を、明るい黄色固体として得た(収率85%)。 C3.ニトロ-アルコール(IV-b)(150mg、0.819mmol)を、ジ-t-ブチルジカーボネート(190mg、1.05当量)および10%Pd-C(10mg)を含有する乾燥DMF(5 mL)中に溶解させた。この混合物をParr装置に入れ、そして5回加圧/パージした。次いで、この溶液を47psiに加圧し、そして24時間振盪した。この反応物を、セリットを通した濾過によりクエンチし、そして溶媒を減圧下にて除去した。残渣をカラムクロマトグラフィー(1:1のヘキサン:酢酸エチル)により精製し、保護されたアニリン生成物(IV-c)を、褐色の結晶固体として得た(収率70 %)。 C4. TBDMS-Cl(48mg、0.316mmol)を、アルゴン雰囲気下にて、新たに蒸留したジクロロメタン(4mL)中に溶解させた。この溶液に、イミダゾール(24mg 、0.347mmol、1.1当量)を添加すると、直ちに白色沈殿物が形成した。溶液を室温にて30分間撹拌し、この時点で、生成物IV-c(80mg、0.316mmol、1.0当量)を、ジクロロメタン/THF(1.0mL)中の溶液として、速やかに添加した。得られた混合物を、さらに18時間、周囲温度にて撹拌した。反応を、飽和塩化アンモニウム水溶液を添加することによりクエンチした。層を分離し、そして水層を酢酸エチルで3回抽出し、そして合わせた有機層をブラインを用いて洗浄し、そして硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。有機層を濃縮して、シリルエーテルーフェノール生成物(IV-d)を、明るい黄色のオイルとして得た(収量90%)。 C5.シリルエーテルーフェノールIV-d(150mg、0.408mmol)を、アルゴン下で、新たに蒸留したTHF(7mL)中に溶解させ、そしてこの溶液を0℃に冷却した。次いで、n-BuLi(ヘキサン中2.3M、214μL)を、シリンジを用いて滴下した。明るい黄色から深い赤色への色の変化が直ちに観察された。 5分後、テトラベンジルピロリン酸(242mg、0.45mmol、1.1当量)を、アルゴン下にて、撹拌溶液に速やかに添加した。この溶液を、不活性雰囲気下でさらに18時間撹拌し、ゆっくりと室温まで加温した。この時間の間、白色の沈殿が生じる。反応を、飽和塩化アンモニウム水溶液および10mLの酢酸エチルを添加することによりクエンチした。層を分離し、そして水層を酢酸エチルを用いて5回抽出した。合わせた有機層を、ブラインを用いて洗浄し、そして硫酸マグネシウムにより乾燥させた。溶媒をエバポレーションにより除去し、そして残渣を迅速なカラムクロマトグラフィー(1:1のヘキサン:酢酸エチル)により精製し、所望のホスフェート−シリルエーテル(IV-e)を、明るい橙色のオイルとして得た(収率90%)。 C6.ホスフェートーシリルエーテル(IV-e)(10mg、0.0159mmol)を、室温にて、乾燥エタノール(2mL)に溶解させた。撹拌溶液に、20μLの濃HCl(1% v:v溶液)を添加し、そしてこの混合物を、TLC分析により反応が完結したことが示されるまで撹拌した。固体炭酸カリウムを添加して反応をクエンチし、そしてこの混合物をシリカゲルを通して速やかに濾過し、そして濃縮して、粗アルコール-ジベンジルホスフェート生成物(IV−f)を、明るい黄色のオイルとして得た(収率100%)。 C7.アルコールIV-f(78mg、0.152mmol)を、アルゴン雰囲気下にて、新たに蒸留したジクロロメタン(10mL)中に溶解させた。この溶液に、Dess-Martin ペリオジナン(periodinane)(90mg、0.213mmol、1.4当量)を添加した。この溶液を撹拌し、そして反応の進行をTLC分析によりモニターした。一旦TLCが完結を示すと、反応を、1:1の飽和炭酸ナトリウム水溶液:飽和チオ亜硫酸ナトリウム水溶液の添加によりクエンチした。二層性混合物を、周囲温度で1時間撹拌した。層を分離し、そして水層を、酢酸エチルを用いて3回抽出した。合わせた有機層をブラインを用いて洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、アルデヒド生成物(IV-g)を明るい褐色のオイルとして得た(収率100%)。 C8.アルデヒドIV-g(78mg、0.152mmol)を、不活性雰囲気下にて、t-ブタノール/水(3.5mL)中に溶解させた。速く撹拌している溶液に、2-メチル-2-ブテン(THF中1.0M、1.5mL)、リン酸ナトリウム一塩基酸(105mg、0.76mmol、5 当量)、および亜塩素酸ナトリウム(69mg、0.76mmol、5当量)を添加した。この溶液を、室温にて、さらに8時間撹拌した。この溶液を濃縮して、そして残渣を酸性化し、そして酢酸エチルを用いて3回抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この溶液を、減圧下で再び濃縮し、そして残渣をカラムクロマトグラフィー(2:1の酢酸エチル:ヘキサン)により精製して、所望のカルボン酸-ジベンジルホスフェート(IV-h)を、明るい黄色のオイルとして得た(収率65%)。 C9.酸IV-h(8.0mg、0.0152mmol、1.1当量)を、アルゴン下、周囲温度にて、新たに蒸留したジクロロメタン(2mL)中に溶解させた。この混合物に、パクリタキセル(12mg、0.0138mmol、1当量)、次いでDMAP(2mg、0.0138mmol、1 当量)およびDCC(3.2mg、0.0152、1.1当量)を添加した。この混合物を、さらに4時間、室温にて撹拌し、この間に明るい沈殿が形成した。一旦、TLC分析により反応が完結したことが示されると、溶媒を減圧下にて除去し、そして残渣を迅速なカラムクロマトグラフィー(1:1のヘキサン:酢酸エチル)により精製し、パクリタキセル-C2'-カルボキシレートエステル(IV−i)を、白色の結晶性固体として得た(収率65%)。 C10.エステルIV-i(5.0mg)を、アルゴン雰囲気下、室温にて、ニートなギ酸(1.0mL)中に溶解させ、そして30分間撹拌した。一旦、TLCにより反応が完結したことが示されると、溶液を減圧下にて濃縮し、そして残渣をシリカゲルを通して速やかに濾過することにより精製し、所望のアニリン-タキソール化合物(I Vj)を、白色粉末として得た(収率50%)。 C11.乾燥DMF中の(ポリジ-CBZ)-保護AcHN-RRRRRRR-CO2H(1.2当量、0.1〜 1.OM)の溶液に、O-ベンゾトリアゾリルオキシテトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、1.0当量)および触媒量のDMAP(0.2当量)を添加した。この溶液を、周囲温度にて、不活性雰囲気下で5分間撹拌した。次いで、この混合物に、タキソール-アニリン誘導体(IV-j)を乾燥DMF(溶解するための最小容量)中の溶液として添加した。得られた溶液を、室温にて、さらに5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮することにより、反応を終結させた。次いで、粗反応混合物をHPLCにより精製して、所望の物質を得た(IV、図6D)。

    実施例10

    金属イオンの輸送 DTPA(3.93g)をHEPES緩衝液(100ml)に溶解させ、そして8mlのHEPES緩衝液に溶解させた塩化ユーロピウム原子標準溶液(Aldrich)(1.52ml)を添加し、そして室温にて30分間撹拌する。クロマトグラフィーによる分離および凍結乾燥により、Eu-DTPAキレート錯体を得る。次いで、この錯体を、固相ペプチド化学により、ポリペプチドのアミノ末端に結合させる。細胞によるユーロピウムイオンの取り込みを、時間分解蛍光(time resolved fluorescence)によりモニターし得る。

    実施例11

    PNA-

    ペプチド結合体の取り込み PNAペプチド結合体を、市販のFmoc試薬(PerSeptive Biosystems、Cambridge 、MA)を用いる、Applied Biosystems 433Aペプチドシンセサイザー上またはMil lipore Expedite核酸合成システム上でのいずれかでの固相化学を用いて、合成した。 D-アルギニンまたはL-アルギニンのポリマーを、PNAのアミノ末端またはカルボキシル末端(これらは、それぞれ、核酸の5'末端および3'末端と類似する)に結合させた。アミノカプロン酸スペーサーを結合体のアミノ末端に付加し、 次いでビオチンまたはフルオレセインを結合させることにより、この結合体をまた、フルオレセインまたはビオチンを含むように修飾した。 95%TFA、2.5%トリイソプロピルシラン、および2.5%水性フェノールを用いて、PNA-ペプチド結合体を、固相樹脂から切断した。樹脂を濾過により除去し、そして残存する酸をエバポレーションにより除去した。生成物を、C-18逆相カラムを用いるHPLCにより精製し、そして生成物を凍結乾燥した。所望のPNA-ポリマー結合体を、レーザー脱離質量分析法を用いて同定した。 A.

    γ-IFNの細胞分泌の阻害 1.

    PNA-

    ペプチド結合体 。以下のセンスおよびアンチセンスのPNA-ペプチド結合体を、γ-IFN産生を阻害するために調製した。ここで、rはD-アルギニンであり、そしてRはL-アルギニンである: センス: アンチセンス: 蛍光アンチセンス: ここで、Xはフルオレセイン−アミノカプロエートであるビオチニル化アンチセンス: ここで、Zはビオチン−アミノカプロエートである 2.

    T細胞による取り込み 。 PNA-ポリアルギニン結合体が細胞に効果的に入ることを示すために、上記の蛍光アンチセンス結合体(X-配列番号19)を、アミノカプロン酸スペーサーを用いてフルオレセインイソチオシアネートを配列番号18のアミノ末端に結合させることにより、合成した。 細胞の取り込みを、種々の量(100nM〜50μM)のフルオレセイン標識したセンスおよびアンチセンスのPNA-r7結合体を有する、0.5%アジ化ナトリウムまたはリン酸緩衝化生理食塩水のいずれかを用いて30分間予め処理したJurkatヒトT細胞株(5×10

    5細胞/ウェル)、ならびにアンチセンスPNA単独(r7セグメントなし)とともにインキュベートすることにより、アッセイした。 細胞に入ったアンチセンスPNAの量を、共焦点顕微鏡検査法およびFACSにより分析した。 両方の場合において、蛍光シグナルは、アジ化物に曝露されていない細胞中にのみ存在し、そして、蛍光シグナルは、蛍光結合体の用量ならびにインキュベーションの温度および持続期間に依存した。 3.

    γ-IFNアッセイ 。 マウスT細胞株(クローン11.3)により分泌されるγ -インターフェロンの量を、96ウェルプレート中で、10

    5のT細胞を、種々の量の抗原(マッコウクジラミオグロビンの残基110-121からなるペプチド)およびDBA /2マウス(H-2d、5×10

    5 )由来の組織適合性脾臓細胞(これは、抗原提示細胞(APC)として作用する)と共にインキュベートすることにより、測定した。 37 ℃にて24時間にわたるインキュベーションの後、100μLの上清を、市販の抗γ-I FNモノクローナル抗体(Mab)でコーティングされたマイクロタイタープレート(Pharmingen、San Diego、CA)に移した。 室温にて1時間インキュベーションした後、プレートを、1%の仔ウシ血清および0.1%のTween 20を含有するPBSで洗浄し、その後、第2のビオチン化γ-IFN Mabを添加した。 2回目の1時間のインキュベーション後、プレートを上記のように洗浄し、そしてユーロピウム(Eu )-ストレプトアビジン(Delphia-Pharmacia)を添加した。 再度、1時間のインキュベーションの後、酸性緩衝液を添加してEuを遊離させ、これをDelphiaプレートリーダー上の時間分解蛍光分析法により測定した。 蛍光の量は、産生されたγ-IFNの量に比例しており、標準曲線を作成するための既知量のγ-IFNを用いて正確に定量することが可能であった。 4.

    結合体によるγ-IFN産生の阻害 。 種々の濃度の上記γ-IFN結合体を、最適以下の用量のペプチド抗原(0.5μM)と共に、クローン11.3T細胞および組織適合性脾臓細胞の混合物に添加することにより、PNA-ポリアルギニン結合体がγ -IFNの分泌を阻害する能力をアッセイした。 ポリアルギニン部分を欠くPNA配列および非結合体化D-アルギニンヘプタマーもまた試験した。 24時間後、培養上清のアリコートを取り、そして上記第3節で記載した蛍光結合アッセイを用いて、γ-IFNの量を測定した。 アンチセンスPNA-r7結合体を用いた細胞の処理により、IFN分泌が70%より多く低減したが、一方、等モル量のセンスPNA-r7、r7を欠くアンチセンスPNA、またはr7単独は、全て、阻害を示さなかった(図7)。

    実施例12

    大きなタンパク質抗原のAPCへの輸送ポリ-L-アルギニンヘプタマーに結合したオボアルブミンの結合体を、システイン含有ポリペプチドポリマー(Cys-Ala-Ala-Ala-Arg

    7 、配列番号21)とオボアルブミン(45kDa)とをスルホ-MBS(ヘテロ二官能性架橋剤(Pierce Chemical C o.、Rockford、IL))の存在下で反応させることにより形成した。 オボアルブミンに結合したペプチドのモル比を、アミノ酸分析により定量した。 結合体生成物を、OV-R7と命名した。 この結合体をB細胞(抗原提示細胞(APC)とも呼ぶ)に添加し(最終濃度約10μM)、これを標準的方法に従って単離した。 APCをOV-R7 とともにインキュベートし、次いで、標準的な方法により単離された細胞傷害性Tリンパ球の調製物に添加した。 OV-R7とともにインキュベートしたAPCへのCTL の曝露により、CD8+アルブミン特異的CTLが産生した。 対照的に、未修飾オボアルブミンに曝露したAPCは、CTLを刺激しなかった。 別の実験において、組織適合性樹状細胞(APCの特異的な型)をアルブミン-R7 結合体に曝露し、次いでマウスに注射した。 これらのマウス由来の血液の引き続く分析により、アルブミン特異的CTLの存在が明らかになった。 コントロールのマウスに、未修飾アルブミンに曝露した樹状細胞を与えた。 コントロールのマウスは、アルブミン特異的CTL応答を示さなかった。

    実施例13

    V7

    由来ペプチドの増強された取り込み配列KLSTLRSNT(配列番号22:Rueggら、1995年)を有するV7(白血球表面タンパク質)のC末端細胞質テール領域の一部からなる結合体を、そのC末端に結合した7アルギニン残基を用いて、ペプチドシンセサイザー(Applied Biosystems M odel 433)を用いる標準的方法に従って合成した。 この結合体を、標準的方法により単離されたT細胞に添加し(最終濃度約10μM)、そしてこれを37℃にて数時間〜一晩にわたってインキュベートした。 細胞を、界面活性剤(1%Triton X -100)を用いて溶解した。 DNAを除去し、そして可溶性の(タンパク質含有)画分を、抗V7マウスモノクローナル抗体をヤギ抗マウスIgGと組み合わせて用いる免疫沈降に供した。 RAF-1は、V7と会合しかつV7との会合により不活性化されるキナーゼである。 ペプチド処理しない場合、RAF-1タンパク質は、V7と共沈殿(co-precipitate )した。 ペプチド処理した細胞においては、RAF-1タンパク質は、V7免疫複合体から除去された。 同じペプチドは、RAF-1およびp21 Rasからなる複合体を破壊することが不可能であり、V7ペプチドによりRAF-1の非特異的修飾が妨害された。 第2の研究において、V7-ポリアルギニン結合体のV7ペプチド部分を、インビトロでプロテインキナーゼCを用いてリン酸化した。 リン酸化V7テールペプチドに曝露したが非リン酸化V7テールペプチドには曝露していないT細胞の抗RAF-1 沈殿物は、RAF-キナーゼ活性の強力な阻害を示した。 本発明を、特定の方法および実施態様を参照して記載したが、種々の改変および変更が、本発明の精神から逸脱することなくなされ得ることが理解される。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR, NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,KE,L S,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL ,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR, BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,DK,E E,ES,FI,GB,GE,GH,GM,GW,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ウェンダー,ポール エイ. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94025, メンロ パーク,シスキュー ドライブ 930 【要約の続き】

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