Detection of target compounds using nucleic acid ligands

申请号 JP53628297 申请日 1997-03-28 公开(公告)号 JP2000508169A 公开(公告)日 2000-07-04
申请人 ネクスター ファーマスーティカルズ,インコーポレイテッド; 发明人 ゴールド,ラリー; ジャヤセナ,スメドハ; ドロレット,ダン;
摘要 (57)【要約】 本発明は、核酸リガンドを検出分子として用いて、物質中の標的化合物の存在を決定するための新規な検出法を開示する。 具体的には、物質を、ブロット法で用いられるような固体支持体マトリックスに結合し、核酸リガンドの標的分子に対するアフィニティーと特異性を用いて標的分子の検出を行なう。 前記核酸リガンドの同定および調製に本明細書で用いられる方法は、SELEXと呼ばれる。 本発明の方法は、様々な物質から標的化合物を分離するのにも用いられる。
权利要求
  • 【特許請求の範囲】 1. 標的化合物を含む可能性のある物質における前記標的化合物の存在を検出する方法であって、 a) 前記標的化合物を含む可能性のある物質を固体支持体に付着させ、 b) 前記物質を、前記標的化合物に対する核酸リガンドに暴露し、前記核酸リガンドが前記標的化合物に結合して、核酸リガンド:標的化合物複合体を形成し、 c) 前記核酸リガンド:標的化合物複合体を検出することを含む、方法。 2. 前記核酸リガンドが、前記核酸リガンドに結合した酵素を含んでなる、請求項1に記載の方法。 3. 前記酵素が加水分解して、測定可能な色を生成することができる物質の添加によって検出を行なう、請求項2に記載の方法。 4. 前記酵素が、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびβ−ガラクトシダーゼからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。 5. 前記固体支持体が、ニトロセルロース、ナイロンおよび帯電紙からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。 6. 前記標的化合物がタンパク質である、請求項1に記載の方法。 7. 前記タンパク質が、VEGF、hCGおよびhTSHからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。 8. 前記物質が生物学的流体である、請求項1に記載の方法。 9. 前記生物学的流体が、血液、血漿、血清、痰、尿、精液、脳脊髄液、気管支吸引液、および浸軟組織からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。 10. 前記検出が、前記核酸リガンドのPCR増幅によって行なわれる、請求項1に記載の方法。 11. PCR増幅に用いられるプライマーが、更に検出残基を含んでなる、請求項10に記載の方法。 12. 前記検出残基が、ビオチンおよび酵素からなる群から選択される、請求項11に記載の方法。 13. 標的化合物を含む可能性のある物質における前記標的化合物の存在を検出する方法であって、 a)i) 核酸の候補混合物を前記標的化合物と接触させ、候補混合物に比較して前記標的に対するアフィニティーの高い核酸を、候補混合物の残りのものから分離することができ、 ii) アフィニティーの高い核酸を候補混合物の残りのものから分離し、 iii) アフィニティーの高い核酸を増幅して、リガンド含量の高い核酸の混合物を生成させ、 iv) 前記標的化合物のリガンドである前記核酸リガンドを同定することを含んでなる方法によって、核酸の候補化合物から核酸リガンドを同定し、 b) 前記標的化合物を含む可能性のある物質を固体支持体に付着させ、 c) 前記物質を、工程(a)の方法によって同定した、前記標的化合物に対する核酸リガンドに暴露し、前記核酸リガンドが前記標的化合物に結合して、核酸リガンド:標的化合物複合体を形成し、 c) 前記核酸リガンド:標的化合物複合体を検出することを含む、方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 核酸リガンドを用いる標的化合物の検出法発明の分野 本明細書には、検出分子として核酸リガンドを用いて物質中の標的化合物の存在を決定する方法が記載されている。 具体的には、物質をブロット法で用いられるような固体支持体マトリックスに結合させ、核酸リガンドの標的分子に対するアフィニティーおよび特異性を用いて標的分子の検出を行なう。 この核酸リガンドの同定および調製に本明細書で用いられる方法は、指数濃縮によるリガンドの体系的発生(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment)の頭字語であるSELEXと呼ばれる。 本発明は、生物学的流体、細胞培地および工業上の過程の流体のような物質中の標的化合物の存在を確認することができる各種の標的に結合する高アフィニティー核酸リガンドを包含し、更にその物質に見出だされる標的の絶対量を決定することも包含する。 物質を、あるやり方でブロット法で用いられるような固体支持体マトリックスに結合させる。 本発明の方法は、様々な物質から標的化合物を分離するのにも用いられる。 特に好ましい標的化合物は、タンパク質である。 ヒト血管内皮成長因子(VEGF)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)およびヒト甲状腺刺激ホルモン(hSH)に対する核酸リガンドを用いて、様々な物質中の同種の標的化合物を検出する分析法が開示される。 発明の背景標的分子に極めて特異的に結合する核酸分子のイン・ビトロ発生法が、開発されている。 SELEX結合化学工程と呼ばれる指数濃縮によるリガンドの体系的発生であるこの方法は、「指数濃縮によるリガンドの体系的発生」という表題の現在は放棄されている米国特許出願連続番号第07/536,428号明細書、 「核酸リガンド」という表題の現在は米国特許第5,475,096号である1 991年6月10日出願の米国特許出願連続番号第07/714,131号明細書、「核酸リガンドの同定法」という表題の現在は米国特許第5,270,16 3号である1992年8月17日出願の米国特許出願連続番号第07/931, 473号明細書(WO91/19813号明細書も参照されたい)に記載されており、前記特許明細書の内容は参考として本明細書に具体的に引用される。 本明細書ではまとめてSELEX特許出願と呼ぶこれらの出願明細書のそれぞれには、任意の所望な標的分子に対する核酸リガンドの基本的に新規な製造法が記載されている。 SELEX法は、候補オリゴヌクレオチドの混合物からの選択と、同じ一般的選択法を用いる結合、分離および増幅の段階的繰返しにより、実質的に任意の結合アフィニティーおよび選択性の所望な基準を達成することを包含する。 核酸、 好ましくはランダム化した配列のセグメントを含んでなる核酸の混合物から出発すると、SELEX法は、結合に適した条件下で混合物を標的と接触させ、未結合核酸を標的分子に特異的に結合している核酸から分離し、核酸−標的複合体を解離させ、この核酸−標的複合体から解離した核酸を増幅して、核酸のリガンド濃縮した混合物を生成させ、次いで標的分子に対する極めて特異的な高アフィニティー核酸リガンドを生成するのに所望なだけの多くのサイクル数で結合、分離、解離および増幅の段階を繰返す段階を含んでいる。 基本的なSELEX法は、多数の特定の目的を達成するために変更されてきた。 例えば、1992年10月14日出願の「構造に基づいた核酸の選択法」と題する米国特許出願連続番号第07/960,093号明細書には、ゲル電気泳動と組み合わせたSELEX法を用いて、曲がったDNAのような特異的な構造上の特徴を有する核酸分子を選択することが記載されている。 1993年9月17 日出願の「核酸リガンドの光選択」と題する米国特許出願連続番号第08/12 3,935号明細書には、標的分子と結合しおよび/または光架橋しおよび/または光不活性化することができる光反応性基を含む核酸リガンドを選択するためのSELEXを基本とする方法が記載されている。 1993年10月7日出願の「テオフィリンとカフェインとを識別する高アフィニティー核酸リガンド」と題する米国特許出願連続番号第08/134,028号明細書には、対向SELE Xと題する密接に関連した分子同士を識別することができる高特異的核酸リガンドの同定法が記載されている。 1993年10月25日出願の「指数濃縮によるリガンドの体系的発生:溶液SELEX」と題する米国特許出願連続番号第08/1 43,564号明細書には標的分子に対して高および低アフィニティーを有するオリゴヌクレオチド同士を高効率的に分離するSELEXに基づいた方法が記載されている。 1992年10月21日出願の現在は米国特許第5,496,93 8号として発行されている「HIV−RTおよびHIV−1 Revに対する核酸リガンド」と題する米国特許出願連続番号第07/964,624号明細書には、SELEX工程を行なった後に改良核酸リガンドを得る方法が記載されている。 1995年3月8日出願の「指数濃縮によるリガンドの体系的発生:化学S ELEX」と題する米国特許出願連続番号第08/400,440号明細書には、リガンドをその標的に共有結合する方法が記載されている。 SELEX方法は、向上したイン・ビボ安定性や向上した送達特性のような向上した特性をリガンドに付与する改良されたヌクレオチドを含む高アフィニティー核酸リガンドの同定を包含する。 このような変更の例としては、リボースおよび/またはリン酸および/または塩基位置における化学的置換が挙げられる。 修飾されたヌクレオチドを含むSELEXにより同定した核酸リガンドは、199 3年9月8日出願の「修飾ヌクレオチドを含む高アフィニティー核酸リガンド」 と題するピリミジンの5−および2'−位が化学的に修飾されたヌクレオチド誘導体を含むオリゴヌクレオチドが記載されている米国特許出願連続番号第08/ 117,991号明細書に記載されている。 上記の米国特許出願連続番号第08 /134,028号明細書には、2'−アミノ(2'−NH 2 )、2'−フルオロ(2'−F)および/または2'−O−メチル(2'−OMe)で修飾された1個以上のヌクレオチドを含む高特異的核酸リガンドが記載されている。 199 4年6月22日出願の「分子内親核置換反応による既知および新規の2'修飾ヌクレオチドの新規な製造法」と題する米国特許出願連続番号第08/264,0 29号明細書には、様々な2'−修飾ヌクレオチドの製造法が記載されている。 SELEX法は、1994年8月2日出願の「指数濃縮によるリガンドの体系的発生:キメラSELEX」と題する米国特許出願連続番号第08/284,0 63号明細書および1994年4月28日出願の「指数濃縮によるリガンドの体系的発生:混合SELEX」と題する米国特許出願連続番号第08/234,9 97号明細書にそれぞれ記載されているように、選択されたオリゴヌクレオチドと他の選択されたオリゴヌクレオチドおよび非オリゴヌクレオチド官能性単位との組み合わせを包含する。 これらの出願明細書により、オリゴヌクレオチドの広汎な形状および他の特性、および効率的な増幅および複製特性を、他の分子の所望な特性と組み合わせることができる。 基本的SELEX法の変法を記載している上記の特許出願明細書のそれぞれは、そっくり本明細書に参考として引用される。 SELEX法が有な方法であることは明らかである。 SELEX法によって得た核酸リガンドは、多くの性能で作用する能力を有する。 核酸リガンドが有する性能の一つは、標的化合物に特異的に結合する能力である。 SELEX法によって誘導されたリガンドは、1995年6月7日出願の「エンザイム・リンクト・オリゴヌクレオチド・アッセイ(Enzyme Linked Oligonucleotide Assays)ELONAS」と題する米国特許出願連続番号第08 /487,425号明細書、および1995年6月7日出願の「フロー・サイトメトリーにおける核酸リガンドの使用」と題する米国特許出願連続番号第08/ 479,729号明細書に記載されているように、他の診断用途に用いられており、これらの特許明細書の内容は、そのまま参考として本明細書に引用される。 特異的および高アフィニティー分子認識は、診断目的にとって重要である。 最近まで、標的を認識する分子の操作は、主としてタンパク質に限定されていた。 特異的標的を認識するタンパク質分子は、典型的には抗体として生じた。 その結果、抗体は、現在用いられている分析および分離法の開発に中心的な役割を与えられてきた。 主として抗体を用いる方法としては、固相酵素免疫検定法(ELI SAs)、ラジオイムノアッセイ、フローサイトメトリー診断法、ブロッティング法、蛍光異方性、膜検定法、バイオセンサーなどの免疫測定検定法が挙げられる。 免疫測定検定法は、多価標的または抗原、すなわち同時に2個以上の抗体と複合体形成を行なうことができる抗原性物質に特に適することが見出だされている。 このような検定法では、典型的には試験を行なう流体に不溶性の固体支持体に結合した一定量の未標識抗体と、固相抗体、抗原および標識抗体の間に形成された三元複合体の検出および/または定量的評価を行なうことができる酵素または放射性同位体のような標識を有する一定量の可溶性抗体が用いられる。 免疫測定検定法に関する詳細は、米国特許第4,486,530号明細書に提供されている。 ブロッティング法は、現在はHIVやC型肝炎のような様々な疾患状態の確認診断法試験として用いられている。 ブロッティング法は、研究室でも頻繁に用いられる。 免疫ブロットは、物質が特定の標的を含んでいるかどうかを決定するための高感度の免疫検定法である。 近年、免疫ブロットは、診断法および検討手段としても同様に用いられてきている。 通常は、抗原は、抗体に化学結合した検出酵素または放射能、蛍光などの検出可能な特性を有するある種の他の種によって抗原に特異的な抗体を用いて検出される。 典型的には、目的の標的化合物を含む可能性があるまたは可能のない物質を固体支持体に付着させる。 マトリックス結合した物質を、抗体と接触させる。 洗浄した後、検出系は、この物質と抗体との間に相互作用が起きているかどうかを示す。 この検出系は、当業者に知られている任意の検出系であることができ、酵素に結合した核酸リガンド、放射能標識した核酸リガンド、酵素に結合した二次抗体または万能抗体(Protein A)、および化学発光検出系を挙げることができるが、これらに限定されない。 タンパク質−核酸相互作用の分析における主な進歩は、1980年に起こり、 Brown et al. (Nucl.Acids Res.,(1980)8:1-20)は標識したDNAを、SD S−PAGEによって分離してニトロセルロースに移したタンパク質に結合することによってタンパク質−DNA相互作用を検出する方法を確立した(サウスウェスタンブロッティング」)。 この手順は、 125 Iで標識したRaus肉腫ウイルスRNAに結合するタンパク質を明らかにすることによるタンパク質−RNA結合(「ノースウェスタンブロッティング」)に敷衍された。 これらの相互作用は遺伝子発現の翻訳制御に重要であるが、特異的タンパク質と成熟mRNAとの間の相互作用を検出するためのノースウェスタンブロッティングの応用例は僅かしかない。 一般化したタンパク質−mRNA相互作用を検出するためのノースウェスタンブロッティング法の使用例は更に少ない。 これの一つの理由は、ノースウェスタンブロッティング法は、数百または数千のタンパク質の個数に関するRNA −結合タンパク質について探索するためのこの方法の応用は、通常はバックグラウンドが高く、再現性に欠けるため混乱するので、更に一般化した方法での応用は困難である。 抗体の他に、オリゴヌクレオチドも、別のやり方であるが、診断法に用いられている。 オリゴヌクレオチドプローブの配列情報を用いて、サザンブロッティング、インシトゥ(in situ)ハイブリダイゼーションおよびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)に基づいた増幅のような手法でゲノム相補的塩基配列を特異的に標的設定する。 しかしながら、オリゴヌクレオチドに蓄えられたこれらの工程情報は、核酸分子および天然に存在する核酸と結合するタンパク質を検出するのにだけ一般的に用いられる。 核酸の情報内容(線状配列)は、主としてワトソン/クリック塩基対に依存しており、DNAとRNAまたは配列特異的核酸結合タンパク質を識別することができるだけである。 現在のところ、オリゴヌクレオチドは、天然に存在するオリゴヌクレオチド結合タンパク質の検出のためだけにウェスタン・ブロッティング形式(ノースウェスタンブロット、上記)で用いられている。 特異的オリゴヌクレオチドプローブは、配列特異的または配列に依存しない核酸結合タンパク質を特異的に検出するのに用いられる(Chan et al.(1993)BBRC 191:18-25)。 今日までに知られている診断用核酸およびほとんどの抗体は、それぞれ核酸またはタンパク質内の線状エピトープを認識することが知られている。 ほとんどの抗体は、恐らくは抗原提示細胞によるペプチド断片の提示により、タンパク質内の線状エピトープを認識することが知られている。 しかしながら、SELEX法では、完全なタンパク質にアフィニティーを有するオリゴヌクレオチド中で次第に濃縮されたオリゴヌクレオチドのプールに、完全なタンパク質が繰返し提示される。 従って、SELEXにより誘導されるオリゴヌクレオチドリガンドは、立体配座的エピトープ(conformational epitopes)を認識する傾向がある。 構造内容(三次元構造)によっては、核酸リガンドを任意の種類の標的についての診断目的に用いることができる。 SELEX法の以前には、核酸の構造内容は本質的には理解されておらず、核酸の構造上の適応性を診断法に利用する方法はなかった。 ブロット型診断検定法は以前は抗体認識によって変化すると考えられていたが、この方法における核酸リガンドの使用は、これまでのところ明らかにされていない。 オリゴヌクレオチドの三次元構造に蓄えられたリガンド結合情報は、通常は核酸を結合する機能を示さないタンパク質標的などの物質中の標的分子の検出に有用である。 本発明は、同種の標的化合物に高アフィニティーで結合するオリゴヌクレオチドをマトリックス結合標的検出法における抗体の代わりに用いることができることを明らかにする。 更に具体的には、ヒトVEGF、hCGおよびhTSHに高アフィニティーで結合するSELEXにより誘導されたオリゴヌクレオチドをウェスタン・ブロット法の抗体の代わりに用いることができる。 発明の概要本発明は、物質を固体支持体に結合し、核酸リガンドを用いて標的化合物がこの物質に含まれているかどうかを決定する、新規な診断法を包含する。 本発明の好ましい方法は、核酸リガンドを用いるブロッティングの方法を包含する。 更に具体的には、本発明は、新規な核酸リガンドを検出分子として用いるブロッティング法を包含する。 本発明は、標的化合物を含む可能性のある物質における前記標的化合物の存在を検出する方法であって、a) 前記標的化合物を含む可能性のある物質を固体支持体に付着させ、b) 前記物質を、前記標的化合物に対する核酸リガンドに暴露し、前記核酸リガンドが前記標的化合物に結合して、核酸リガンド:標的化合物複合体を形成し、c) 前記核酸リガンド:標的化合物複合体を検出することを特徴とする、方法を提供する。 更に具体的には、本発明の核酸リガンドに基づいた方法は、VEGF、hCG およびhTSHの検出に有用である。 図面の簡単な説明図1は、SELEXにより誘導されたオリゴヌクレオチドNX−244(配列番号:1)はVEGF 165を認識するが、VEGF 121は認識しないことを示すタンパク質ブロット法の結果を表す。 タンパク質ブロットは、NX−244またはモノクローナル抗体(MAB)を検出プローブとして用いた。 レーン1および3 はVEGF 165 150ngを含み、レーン2および4はVEGF 121を含む。 キロダルトンでのタンパク質分子量マーカーの位置が示されている。 図2は、全細胞の細菌溶解物の10mgの分量を、ヒトVEGF 165の減少濃度を加えたタンパク質ブロット法の結果を表す。 細菌抽出物に加えたヒトVEG F 165の量を、各レーンの最上部にナノグラムで示す。 キロダルトンでのタンパク質分子量マーカーの位置を、左に示す。 図3は、Personal Densitometer(20分暴露)で読み取ったときの、密度対図2に示したブロットから得たVEGF 165濃度のプロットを表す。 フィルム上の密度は、加えたVEGF 165の量に比例する。 従って、この手法を用いて、複雑な混合物中のVEGF濃度を定量することができる。 図4は、hTSHに対する核酸リガンドはhTSHを認識するが、選択されたオリゴヌクレオチドプールは認識しないことを示すタンパク質ブロット法の結果を表す。 図5は、hTSHの入力濃度の関数としてのhTSHドットブロットのシグナルのホスホルイメージャー定量(phosphorimager quantitation)を表す。 図6は、雄尿試料に様々な量のhCGを加え、hCGに対する放射能標識した核酸リガンドによって検出するドットブロット法の結果を表す。 図7は、放射能標識した核酸リガンドがブロット法におけるhCGの濃度と相関するときの放射能標識した核酸リガンドの定量を表す。 図8は、コントロール尿と妊娠した雌の尿のhCGドットブロット法の結果を表す。 図9は、SELEX法によって誘導された核酸リガンドアフィニティーカラム画分のSDS−PAGEおよびタンパク質ブロット分析の結果を表す。 発明の詳細な説明本願は、免疫ブロットプロトコールのような任意のマトリックスに結合した標的検出プロトコールにおける各種の標的に対する高アフィニティー核酸リガンドの使用を説明する。 核酸リガンドは、本明細書では、標的化合物に対して特異的結合アフィニティーを有する天然に存在しない核酸として定義され、この標的化合物は、主としてワトソン/クリック塩基対または三重ら旋結合によって変化する機構を介して核酸リガンドに結合するポリヌクレオチド以外の三次元化学構造であり、核酸リガンドは標的化合物によって結合される既知の生理学的機能を有する核酸ではない。 好ましい態様では、核酸リガンドは一本鎖の核酸リガンドである。 好ましい態様では、核酸リガンドは、SELEX法として知られる方法により同定される。 SELEX法は、現在は放棄された「指数濃縮によるリガンドの体系的発生」と題する米国特許出願連続番号第07/536,428号明細書であり、1991年6月10日出願の「核酸リガンド」と題する米国特許出願連続番号第07/714,131号であって、現在は米国特許第5,475,096号明細書、1992年8月17日出願の「核酸リガンドの同定法」と題する米国特許出願連続番号第07/931,473号であって、現在の米国特許第5,27 0,163号明細書(WO91/19813号明細書も参照されたい)に記載されている。 これらの特許明細書の内容は、具体的に本明細書に参考として引用され、まとめてSELEX特許出願明細書と呼ばれる。 SELEX法は、その最も基本的な形態では、 1)異なる配列の候補混合物を調製する。 候補混合物は、一般に固定配列の領域(すなわち、候補混合物の一員が同じ位置に同じ配列)および無作為化配列の領域を含む。 固定配列領域は、(a)下記の増幅段階を補助し、(b)標的に結合することが知られている配列を模し、または(c)候補混合物における核酸の所定の構造配列の濃度を高める目的で選択される。 無作為化配列は、完全に無作為化し(すなわち、任意の位置に塩基を見出だす確率が1/4)、または部分的にだけ無作為化(例えば、任意の位置に塩基を見出だす確率を0〜100%の任意の準に選択することができる)することができる。 2)候補混合物を、標的と候補混合物の一員との間の結合に好ましい条件下で選択された標的と接触させる。 これらの状況では、標的と候補混合物の核酸との間の相互作用は、標的とこの標的に最強のアフィニティーを有する核酸との間に核酸−標的対を形成するものとして考えることができる。 3)標的に対して最高のアフィニティーを有する核酸を、標的に余りアフィニティーを持たない核酸から分離する。 最高のアフィニティーを有する核酸に相当する配列が極めて少数だけである(かつ場合によっては核酸の1分子だけである) ため、通常は分離基準を設定して、候補混合物中の核酸の有意量(約5〜50% )がそれぞれ分離段階中に保持されるようにするのが望ましい。 4)次に、分離中に標的に比較的高アフィニティーを有するものとして選択される核酸を増幅して、標的に比較的高アフィニティーを有する核酸濃度の高い新規な候補混合物を生成する。 5)前記の分離および増幅段階を繰返すことによって、新たに形成された候補混合物は、ユニーク配列含量がますます少なくなり、標的に対する核酸の平均的アフィニティー度は一般的に増加する。 極端な場合には、SELEX法は、標的分子に対して最高のアフィニティーを有する元の候補混合物からの核酸を表すユニーク核酸を1個または少数含む候補混合物を生じる。 SELEX特許出願には、この方法について極めて詳細に記載され、詳細に述べられている。 この方法で用いることができる標的、候補混合物内の核酸の分離法、および分離した核酸を増幅して濃縮した候補混合物を生成する方法が包含される。 SELEX特許出願には、多数の標的種に対して得られたリガンド、例えばタンパク質が核酸結合タンパク質である、および核酸結合タンパク質でない、 両方のタンパク質標的も記載されている。 SELEX特許出願には、多数の治療および診断上の使用を含む核酸リガンドの多くの使用が記載されている。 SELEX法は、標的分子の高アフィニティーリガンドを提供する。 これは、 核酸研究の分野で前例のない唯一の業績である。 SELEXにより誘導された核酸リガンドのアフィニティーは、構造的にずっと大きなモノクローナル抗体で見られるのと同一範囲にあることが多い。 1態様では、核酸リガンドは、(1)標的に対して所望な効果を達成することができる方法で標的に結合し、(2)所望な効果を得るためできるだけ小さく、 (3)できるだけ安定であり、かつ(4)選択された標的に対して特異的なリガンドであることが好ましい。 ほとんどの場合に、核酸リガンドが標的に対して最高の可能なアフィニティーを有するのが好ましい。 最近まで、分子認識が可能なバイオポリマーのデザインや生産は、主としてタンパク質(抗体)に限られていた。 しかしながら、SELEX法は、高アフィニティーおよび特異性を有する標的分子を認識する核酸配列の同定を行なうことができる。 この方法は、モノクローナル抗体の生成より速く、抗体を生成するのに必要な動物の使用を必要としない。 高アフィニティーリガンドの配列が一旦同定されれば、この材料を多量に化学的に合成することができる。 これは、抗体産生細胞系の加工および貯蔵に比較して明確な利点である。 更に、容易には免疫原性とはならない標的に対して特異的かつ高アフィニティー核酸リガンドを生成させることができる。 このことにより、この診断用途から得ることができる情報の種類に新たな次元が加わる。 明らかに、これまでは良好な診断検定法の主題となることがなかった標的化合物を、この新たな方法を用いて検出することができる。 本発明の核酸リガンドは、抗体に対して更に利点を提供する。 核酸リガンドは、1993年10月7日出願の「テオフィリンとカフェインとを識別する高アフィニティー核酸リガンド」と題する米国特許出願連続番号第08/134,02 8号明細書に記載されている通常の抗体によって示される特異性より標的化合物に対する大きな特異性を有することができ、前記特許明細書の内容は、参考として本明細書に引用される。 抗体は一般的に複数の結合部位を有するが、その内の2個だけが標的化合物にとって特異的であり、核酸リガンドの分子全体を標的化合物の結合に利用することができる。 本発明の核酸リガンドを同定して、単一の特異的結合部位を含むように調製することができる。 従って、核酸リガンドをイムノアッセイに用いるときには、非皮膚化合物の非特異的結合は、潜在的にずっと少なくなる。 これにより、標的化合物の存在について一層信頼性のある検出シグナルが提供される。 本発明の最大の利点の一つは、既知配列の比較的小さなオリゴヌクレオチドを多くの実験室で容易に複製することができ、抗体とは異なり、同一の結合特性を有することである。更に、オリゴヌクレオチドを容易に修飾して、ビオチンだけでなく、他の同様に有用な残基、例えばフルオレセインのような蛍光色素、リン32( 32 P)、コレステロールまたはジゴキシゲニンのようなステロイド、およびペプチドを含むようににすることができる。様々な修飾により、検出残基を選択することができる。とりわけ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、またはβ−ガラクトシダーゼのようなリポーター酵素に直接オリゴヌクレオチドを共有または非共有結合することができる。イムノアッセイで核酸リガンドを用いる追加の利点は、ある種の標的化合物が核酸リガンドに結合するが、抗体には結合しないことである。このような化合物の例は、大きなタンパク質に接合してマウスやウサギで免疫応答をイリシット( illicit)することができないグルコースのような小分子、およびエピネフリン、ノルエピネフリンおよびα−3−デオキシ−D−マンノ−オクツロソン酸(クラミジア生物に特異的な三糖類)のようなカテコールアミンである。更に、核酸リガンドは、大きさが(抗体に比較して)小さいため、細胞内染色に有効であることが期待され、すなわち核酸リガンドを細胞レベルでの標的分子の発現を検出するのに用いることができる。本発明は、標的化合物を含む可能性のある物質における前記標的化合物の存在を検出する方法であって、a) 前記標的化合物を含む可能性のある物質を固体支持体に付着させ、b) 前記物質を、前記標的化合物に対する核酸リガンドに暴露し、前記核酸リガンドが前記標的化合物に結合して、核酸リガンド:標的化合物複合体を形成し、c) 前記核酸リガンド:標的化合物複合体を検出することを含む、方法を提供する。本発明は、あらゆる固相またはマトリックス結合した検出系に適用される。 A. 固体支持体への物質の付着ポリアクリルアミドゲル電気泳動、タンパク質電気ブロッティング、および免疫検出の手法が組み合って、複雑なタンパク質混合物のような物質の分析および特性決定の極めて強力で感受性の高い方法を提供する。ポリアクリルアミドゲル電気泳動(一次および二次元PAGE)は、様々な物質の分析および特性決定のための最も広汎に用いられている手法の一つである。ゲルは直接染色することができ、タンパク質のような物質成分は、様々な異なる方法によって可視化することができる。物質の電気泳動による移動、例えばPAGEによって分離されたタンパク質の固定膜の表面への移動により、様々な試薬やプローブへ一層接近しやすくなる。本発明において、移動した物質を、核酸リガンドで検査する。このような材料の分析としては、放射能標識または酵素に接合した核酸リガンドまたは二次抗体によって可視化することができる核酸リガンドの使用によって固定した抗原の同定および特性決定が挙げられる。核酸リガンドが膜に固定されると、それらは選択されたタンパク質によるプロービングによって同定および特性決定することはできない。この手法の限界は、膜に結合したタンパク質が変性すると、元のタンパク質に含まれる同一の配座および構造決定基を最早含まないことがあるということである。任意の適当な固体支持体が、本発明で有用である。本発明の固体支持体としては、膜、帯電紙、ナイロン、ビーズ、または実質的にあらゆる他の種類の固体支持体が挙げられるが、これらに限定されない。数種類の移動膜が、現在利用可能である。最も普通に用いられる支持体である標準的なニトロセルロースの他に、数社では、合成支持体で浸漬したニトロセルロースであって、性能を変更することなく耐久性および柔軟性を向上させるものを提供している。ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)膜は、Millipore(ベットフォード、マサチューセッツ)からImmobilonという商品名で発売されている。そのタンパク質結合容量はニトロセルロースより若干低いが、それは機械的強度が高く、また多くの有機溶媒とも相溶性である。これにより、クーマジーブルーでタンパク質を直接染色することができ、移動したタンパク質の直接的アミノ酸組成および配列を、次の核酸リガンドについての使用を妨げることなく、分析することができる。多種多様な移動法が開発されてきた。しかしながら、最適移動および次の特異的タンパク質の膜への結合の条件は、経験的に決定しなければならず、異なるタンパク質試料で変化する可能性がある。多くのパラメーターがタンパク質移動の効率に影響し、それらのほとんどは容易に操作することができる。幾つかの種類の移動単位は、市販されている。 Bio-Rad Transblot単位(リッチモンド、カリフォルニア)Hoefer単位(サンフランシスコ、カリフォルニア)、およびElectroblot装置(E.C.Apparatus Corp.、セント・ピータースバーグ、フロリダ)では、それぞれ実験当たり4〜6リットルの緩衝液が必要であり、タンパク質を効率的かつ再現性よく移動するのに日常的に用いられている。緩衝液組成の選択は、選択されるゲルおよび膜の種類によって変化する。ある方法では、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むトリス−グリシンpH8. 3緩衝液が記載されている。再循環する氷冷した高イオン強度緩衝液の補助を用いて、ゲルが移動の際にメタノールの非存在下で膨潤して、膜上のタンパク質を余り分割できなくするのを防止する。タンパク質の電気泳動によるニトロセルロースへの移動の様々な変法が報告されているが、移動溶液からアルコールを省いた手順が一般に最適である。アルコールの非存在下ではSDSは速やかにタンパク質から除去されないので、洗剤に結合したタンパク質は総て最初は負に帯電し、一層定量的なタンパク質の移動が行なわれる。更に、アルコールまたは他の試薬は分子を変更または修飾する可能性があり、従って幾つかの抗原決定基を破壊することがある。最初にTowbin et al. (Proc.Nat.Acad.Sci.USA(1979)76:4350)によって記載され、 Anderson et al. (Electrophoresis(1982)3:135)によって改良された方法は、 ニトロセルロース(Bio-Rad)またはPVDF(Millipore)への効率的かつ再現性のあるタンパク質移動を生じる。この手順は、物質、通常はタンパク質のSDS− PAGE分離を行なうことを包含する(一次または二次元分離、フルサイズまたはミニゲル)。通常は、予備染色した分子量マーカーを包含することが好ましく、電気泳動の際のそれらの分離、およびそれらの電気泳動による膜への移動の効率を目視により監視することができる。様々なこれらの標準が、現在市販されている。当業者に知られている総てのブロット法が、本発明に適用可能である。 B. 核酸リガンドへの物質の暴露固定された物質は、核酸リガンドに暴露して、標的化合物:核酸リガンド複合体を形成しなければならない。標的化合物抗原の核酸リガンドによる検出の手順は、免疫検出の当業者に知られているほとんどの手法と適合する。簡単にいえば、この手順は、下記のように記載することができ、またはその変法を含むことができる。本発明は、PVDGまたはニトロセルロース膜と適合性である。非脂肪性の乾燥乳の3〜5%溶液、ウシ血清アルブミンなどは、ほとんどの非特異的結合部位を効率的にブロックする。しかしながら、含まれている炭水化物が、炭水化物決定基を認識する核酸リガンドの結合を妨害することがある。他のよく見られるブロッキング試薬としては、PVP−40(ポリビニルピロリドン、平均分子量= 40,000)およびTween 20のような非イオン性洗剤が挙げられる。タンパク質移動を完了した直後に、膜を(タンパク質側を上にして)皿に入れて、100 〜150mlのブロッキング溶液でインキュベーションし、回転または振盪台上で室温で6〜24時間攪拌する。次いで、膜を100〜150mlのTBS/アジドで2回それぞれ20分間洗浄する。核酸リガンドを、膜をちょうど完全に被覆する容積のブロッキング溶液に溶解する。核酸リガンドの量は、核酸リガンドアフィニティーによって変化し、20mlからの範囲であることができる(ブロッキング溶液60ml中で1〜10ml)。核酸リガンド溶液を膜に加えて、激しく攪拌しながら約6時間インキュベーションする。具体的なインキュベーション時間は、核酸リガンドの力価および性状によって減少させることができる。 C. 標的化合物:核酸リガンド複合体の検出標的化合物:核酸リガンド複合体が一旦形成されたならば、複合体を検出しなければならない。核酸リガンドは、一連の既知の化合物の一つを含んでなることができる検出系を含んでなる。検出系としては、酵素、蛍光体、放射能標識、抗体などの使用を挙げることができる。各種の検出系は、当業者には周知である。好ましい態様では、核酸リガンドは酵素を含むこともある。酵素または蛍光体のような適当な検出残基の核酸リガンドへの付着は問題ではなく、幾つかの場合には、蛍光体をリガンド自身の化学合成の際に付着させることができる。生物発光および化学発光物質の使用により、10 -15 〜10 -19 Mの範囲の標的化合物濃度を検出することができる。この検定法の感度は、核酸リガンドがアルカリホスファターゼ(AP)に付着するときには、生物発光または化学発光を用いて更に増加させることができる。もう一つの態様では、検出系は、核酸リガンド:標的化合物複合体の一部である核酸リガンドのPCR増幅であることができる。 PCR増幅法は、当業者には周知である。この態様では、増幅に用いられるPCRプライマーは、各種の検出残基またはリポーター分子を含んでなることもできる。リポーター分子は、酵素、ビオチンまたは他の既知のリポーター基であることができる。標的化合物または抗原は、酵素と接合した核酸リガンドを用いて移動膜上で直接可視化することができる。この方法に最もよく用いられる酵素である、アルカリホスファターゼおよび西洋ワサビペルオキシダーゼは着色生成物を形成し、膜の目視検査によって検出することができる。この種の試薬の高感受性は、利点と不利な点の両方を有する。結果は迅速に得られるが、極端に感度の高い検出法を用いると、特にバックグラウンドの染色レベルが高いときには、混乱することがある。シグナル対ノイズ非が低すぎるかまたはタンパク質の最適量が膜上に固定されず、所望な情報を得ることができないときには、膜は容易に再プローブしたり、ストリッピングすることはできない。しかしながら、放射能標識を用いると、オートラジオグラフィー暴露の時間を変化させて、最適シグナルを得ることができ、膜を容易に再プローブすることができ、バックグラウンドシグナルの蓄積は、酵素接合検出で可能なものより少ない。しかしながら、検出速度が最優先の問題であることが多いので、酵素接合プロトコールが選択された方法となることがある。本発明のもう一つの態様では、ゲルシフトアッセイを含む核酸リガンド:タンパク質ブロットが挙げられる。ゲルシフトアッセイは、核酸−タンパク質相互作用の解析のための強力な方法である。このアッセイ自身は、簡単である。核酸とタンパク質を互いに混合し、溶液をポリアクリルアミドにより電気泳動に付し、 次にゲルを通常は放射能標識した核酸のオートラジオグラフィーによって核酸について分析する。タンパク質の核酸への結合により、遊離の核酸とは異なる電気泳動移動度を有する複合体を生成することができる。一般に、複合体の移動度は未結合核酸リガンドと比較して遅く、従ってゲル遅延と呼ばれることが多い。しかしながら、環状核酸物質(典型的には、200〜400bpのミニ環)では、 核酸リガンド:タンパク質複合体は、遊離の核酸リガンドより速やかに移動することができる。遊離の核酸リガンドから複合体の分離、従って複合体の検出は、 様々な因子によって変化する。これらは、それぞれの系について実験的に決定しなければならない。しかしながら、容易に分析を行なうことができるとは、最適条件を速やかに見出だすことができることを意味する。核酸リガンド:タンパク質複合体の電気泳動移動度に影響する因子としては、タンパク質および核酸リガンドの分子量、電気泳動緩衝液のイオン強度およびpH、ゲルマトリックスの濃度、および温度が挙げられる。ゲルシフトアッセイで具体化される原理は、遊離核酸リガンドと核酸リガンド: タンパク質複合体のゲルマトリックスへの侵入により、2種の物理的分離を生じることである。次の電気泳動では、タンパク質は遊離核酸リガンドの移動度と差異を作ることができず、結合した核酸リガンドがタンパク質と結合したマーカーであれば、それは特徴的な移動度を有することになる。ゲルマトリックスは、核酸リガンドから離れたタンパク質の核酸を妨げることによって複合体を安定化することができるが、複合体は可逆的に解離した後、ゲル内で再会合することができることが示されている。しかしながら、結合した核酸リガンドが電気泳動中にタンパク質から解離しても、実験の開始時に遊離であった核酸リガンドを「取り戻す」ことはできない。従って、この方法は、ゲルへの侵入の時点に結合および遊離核酸リガンドの平衡を「凍結する」可能性を有する。それぞれの種の濃度を、次に決定することができる。この種のアッセイでは、タンパク質の核酸リガンドへの結合の平衡定数、および相互作用の速度論を生じることができ、後者は核酸リガンドをタンパク質と混合した後の様々な時点での試料を分析することによって得ることができる。本発明の好ましい使用は、生理学的条件の臨床診断のための物質の試料中の標的化合物の検出である。この物質は、通常は、目的とする標的化合物を含む可能性がある、またはない生物学的材料である。このような生物学的材料としては、 血液、血漿、血清、痰、尿、精液、脳脊髄液、気管支吸引液、および浸軟組織が挙げられる。標的化合物は、典型的には細菌、真菌、ウイルス、植物または動物供給源から誘導されたタンパク質、炭水化物または脂質である。本発明の免疫ブロットは、ヒトおよび獣医診断薬に有用である。本発明の免疫ブロットで分析することができる他の試料としては、食品および環境排出物、例えば廃液が挙げられる。例1では、SELEX法によって誘導された核酸リガンドを用いて、ウェスタン・ブロット法における天然では核酸に結合しない因子であるhVEGFを信頼性よく検出することができることを示す。例2では、SELEX法によって誘導された核酸リガンドが、ブロット法の全細胞の細菌溶解物の混合物におけるhVEGFを検出することができることを示す。例3および4では、SELEX法によって誘導された核酸リガンドが、ドットブロット法におけるhTSHおよびhCGをそれぞれ検出することができることを示す。例5では、SELEX法によって誘導された核酸リガンドを、実際のタンパク質分析に適用することができることを示す。 例1 ブロット法における精製hVEGFの検出この例では、SELEXによって誘導されたオリゴヌクレオチドを用いて、タンパク質ブロット法における天然では核酸に結合しない因子であるhVEGFを信頼性よく検出することができることを示す。 VEGFは、強力な内皮細胞マイトジェンおよび血管新生因子である。固形腫瘍成長および傷の治癒などの正常および異常な生理学的工程には血管新生が必要である。実際に、抗VEGF抗体の投与により、腫瘍の成長をイン・ビボで阻害することができる。正常および病理生理学的状態でのVEGF濃度は現在研究中であるが、ほとんどの状況下でのその分布および生成の知識は未だ極めて限られている。本明細書で記載されるアッセイは、フルオレセインをタグとしたSELEX法によって誘導された核酸リガンドであって、140pMのKdのヒトVEGF (配列番号:1)に結合するものからなる検出試薬を用いて行なった。このオリゴヌクレオチドNX−244を修飾して、ヌクレアーゼ耐性とした(Green et al.(1995)Chemistry & Biology 2:683-695、本明細書に参考として引用される) 。アルカリホスファターゼと接合した抗フルオレセインfab断片と最終的にインキュベーションした後、化学発光アルカリホスファターゼ検出系または着色染料検出系を用いてシグナルを生成した。分子量標準(Bio-Rad)とhVEGF 165およびhVEGF 121の試料150n gを、1mm厚みの12%トリス−グリシンSDSポリアクリルアミドゲル(Novex、サンディエゴ、カリフォルニア)を用いて分割した。電気泳動を12 5ボルトで90分間行なった。次に、分割したタンパク質をImmobilon-P膜(Millipore Corp.、ベッドフォード、マサチューセッツ)に移した。 NOVEXウェスタン移動装置を用いて、製造業者(Novex Inc.)の指示に従って40ボルトで移動を2時間進行させた。移動緩衝液は、25mMトリス−HCl、192mM グリシン、20%メタノール、0.1%SDS、pH8.3からなった。膜を、 TBS中Superblock Blocking緩衝液(Pierce Chemical Company)を用いて、室温で一晩ブロックした。翌日、膜を、VEGFに特異的なモノクローナル抗体(クローン26503.11)の0.5mg/ml溶液、またはフルオレセインをタグした核酸リガンド対VEGF、NX−244(配列番号:1)の1mg/ ml溶液を含む洗浄緩衝液(上記参照)中で2時間インキュベーションした。次に、膜を、洗浄緩衝液10mlで3回洗浄した。適当な検出試薬を、アルカリホスファターゼ(AP)と接合したウサギ抗マウス抗体(Pierce Chemical Co.)の洗浄緩衝液中で1:1000倍に希釈したもの、またはAP接合抗フルオレセインFAB断片の洗浄緩衝液(Boehringer Mannheim)の洗浄緩衝液中で1:100 0倍に希釈したものを加えた。室温で1時間インキュベーションした後、膜を上記と同様に洗浄した後、脱イオン水10mlで更に2回洗浄した。最後に、 Western Blue基質10ml0加えた(Promega Corp.、マジソン、ウィスコンシン)。所望な強度で、水で濯いで発色を停止した。膜を乾燥して、写真撮影をした。図1に示されるように、ブロットをモノクローナル抗体でプローブしたときには、両形態のVEGFを検出することができた。しかしながら、ブロットをNX −244でプローブしたときには、VEGF 165だけが検出された。従って、これらの結果は、SELEXによって誘導されたオリゴヌクレオチドをウェスタン・ブロット法に用いることができ、オリゴヌクレオチドの特異性はモノクローナル抗体の特異性に対して相補性となることができることを示す。同様なタンパク質ブロッティング実験では、電気泳動の前に10mMをジチオトレイトールを用いて二量体を減少させると、NX−244は一本鎖VEGF 165も検出できなかった(データは図示せず)。 例2 ブロット法における細菌の全細胞タンパク質溶解物へ添加したhVEGFの検出この例では、各種の量のVEGF 165をE. coliの全細胞溶解物の10mg分量に加えた。これらの複合タンパク質混合物をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分割し、電気泳動によって膜に移動し、異なるSELEXによって誘導された核酸リガンドを用い(NX−295)(配列番号:2)、化学発光検出系を用いてフィルムを露出したことを除き、例1に記載したのと同様にしてブロッティングした。ヒトVEGF 165試料を100ng〜0.75ngの範囲の様々な濃度でアセトンで沈澱した全E. coli細胞溶解物10mgに加え、80℃で5分間加熱した。タンパク質混合物を、1mm厚みの12%トリス−グリシンポリアクリルアミドゲル(Novex)を用いて、分子量マーカー(Novex)と共に分割した。電気泳動を1 25ボルト/ゲルで1.5時間行なった。分割したタンパク質をImmobilon-P膜に、移動緩衝液中でSDSを含まないこと以外は前記と同様にして30ボルトで2時間移動した。膜を、1×TBS、2g/L BSA、100mg/L酵母t RNA、および0.05%Tween 20を含む緩衝液中で室温で5分間ブロックした後、インキュベーション緩衝液(1×TBS、2g/L BSA、100mg/ L酵母tRNA、および0.05%Tween 20)で1回濯いだ。 NX−295をインキュベーション緩衝液に溶解2mg/ml溶液10mを加え、室温で1時間インキュベーションした。次いで、ブロットを、インキュベーション緩衝液で4回洗浄した(それぞれ30秒)。 Fluorx-AP(アルカリホスファターゼ接合抗フルオレセイン抗体、Novex,Inc.)をインキュベーション緩衝液で1:2000倍に希釈したものを加え、室温で30分間インキュベーションした。次に、膜を前記と同様にして洗浄した後、Milli-Q水を用いて2回の追加洗浄工程を行なった。膜の最終的な5分間のインキュベーションを、DEA緩衝液(1%w/vジエタノールアミンpH10、1mM塩化マグネシウム、0.02%ナトリウムアジド、および1%w/vCSPD)中で行なった。このインキュベーションの後、 膜をプラスチックラップで包み、フィルム(Bio-Max,Kodak)に10分間露出した。フィルムを現像した後、デンシトメトリーをPersonal Densitometer(Molecu lar Dynamics)を用いて製造業者の指示に従って行なった。データをGraphPad Pr ism(GraphPad Prism Software)を用いて、1個の部位に結合するハイパーボーラモデルに当てはめた。この分析の結果を、図2に示す。オリゴヌクレオチドNX−295は、この複合体混合物でVEGFを検出できることは明らかであった。オリゴヌクレオチドは幾つかの細菌タンパク質に結合したが、これは膜上でhVEGF濃度を定量する能力に影響を与えなかった。このような非特異的結合は、抗体についても同様に見られることがあった。図3は、図2に示したフィルムのデンシトメトリー走査の結果を示す。この曲線の形状は、典型的な飽和結合等温線であり、レーンにおける1ng程度の少量のCEGFを検出することができた。 例3 ドットブロット法を用いるhTSHの検出ドットブロット法を用いて、固有のhTSHを、シグナルとしてhTSHに対する放射能標識した核酸リガンドを用いて検出した。 hTSHは、甲状腺ホルモンの合成を刺激する糖質ホルモンである。血清hTSH濃度の測定は、甲状腺機能冗進症および甲状腺機能低下症のような下垂体および甲状腺異常の診断に重要である。 SELEXによって誘導された核酸リガンドであって、1995年6月7日出願の「絨毛性ゴナドトロピンホルモンおよび関連の糖タンパク質ホルモンに対する高アフィニティーオリゴヌクレオチドリガンド」と題する米国特許出願連続番号第08/488,402号明細書(参考として本明細書に引用)に記載の方法でhTSHに結合するリガンドT−15(配列番号:3)は、ブロット法において検出試薬として作用することができる。リガンドT−15は、hTSHとのその相互作用について2.5nMのKdを有する高アフィニティーリガンドである。リガンドT−15のhTSHに対する特異性は、特に競合tRNAの存在下では、hCG、hLSおよびhFSHに高アフィニティーで結合することができないことによって示されている。これらの結果は、糖質ホルモンファミリーの密接に関連した一員に対してアフィニティーを有するリガンドに対して特異的な対選択を取り込まない直接選択条件下で得た。材料および方法の多くは、例1で用いたのと同様である。デオキシオリゴヌクレオチドは、標準的なシアノエチルホスホルアミダイト化学によって合成した。 2'−NH 2 −修飾UTPおよびCTPは、既知の方法によって合成した。 hT SH(M T =27,700、9IU(国際単位)/mgは、Becton Dickinson、 リサーチ・トライアングル・パーク、ノース・カロライナ)から入手した。 hTSHに高アフィニティーで結合するRNAリガンドを用いて、ドットブロット法におけるhTSHの存在を検出した。 RNAリガンドは、1995年6月7日出願の「絨毛性ゴナドトロピンホルモンおよび関連の糖タンパク質ホルモンに対する高アフィニティーオリゴヌクレオチドリガンド」と題する米国特許出願連続番号第08/488,402号明細書(参考として本明細書に引用)に記載の方法で同定した。 RNAリガンドはT−15と命名され、下記の配列を有した。 5'−GGGAGGACGAUGCGGAUGUUGGCAGCAGGGUC CGACGGCGUAACCUUGCCAGCUGCAGACGACUCGCC CGA−3'(配列番号:3)。総てのシトシンおよびウリジンは、2'−位でOH基の代わりにNH 2基で修飾されていた。 hTSHを、0.1%hSA(w/v)を含むTEM緩衝液(300ml)に懸濁し、吸引しながら、予め湿潤させたニトロセルロースフィルター(0.45 ミクロン、BioRad)に適用した。ゲル精製した内部標識した核酸リガンドT−1 5(配列番号:3)を次にTEM緩衝液(0.2ピコモル/ml)50ml中でブロットに適用し、緩やかに濾過した。フィルターを直ちに同一緩衝液中0.5 M尿素300mlで3回洗浄した。ブロットを乾燥して、ホスホルイメージャーおよびオートラジオグラフィーによって分析した。ニトロセルロース膜上にブロットした様々な濃度のhTSH(800nM(1 77mIU/ml)〜50nM(11mIU/ml))が放射能標識した核酸リガンドによって検出された結果を、図4に示す。 hTSHの非存在下で(しかし緩衝液中hSAを用いて)ニトロセルロースフィルターに対するRNAのバックグラウンド結合の極めて低いレベルは、結合緩衝液中0.5M尿素でブロットを洗浄することによって達成された。この段階はほとんどの非特異的結合を除去したが、リガンドT−15のhTSHへの特異的結合はほとんど影響されないままであった。ホスホルイメージャーによる、hTSHの入力濃度の関数としてのシグナルの定量を、図5に示す。放射能標識した未選択のランダム配列プールで得られた放射性シグナル(コントロールとして使用)は、ブロット上のhTSHの量と相関しなかった(図4および5)。しかしながら、アフィニティー選択した放射能標識したリガンドT−15では、ブロット上の放射性シグナルは、用いたhTSHの濃度と相関した。放射性シグナルと100mIU/mlまでの量には、線状関係があり、シグナルは、この濃度以上で飽和する。 例4 ドットブロット法を用いるhCGの検出この例は、hCGに対する核酸リガンドが免疫ブロット法における抗体を置換することができることを示す。 hCGに結合するSELEXによって誘導される核酸リガンドである、リガンドH−42(配列番号:4)は、1995年6月7 日出願の「絨毛性ゴナドトロピンホルモンおよび関連の糖タンパク質ホルモンに対する高アフィニティーオリゴヌクレオチドリガンド」と題する米国特許出願連続番号第08/488,402号明細書(参考として本明細書に引用)に記載の方法で、ブロット法における検出試薬として作用することができる。試験尿(妊婦から得た)およびコントロール尿(男性から得た)試料を、0.2mmポリスルホンフィルター(Gelman Sciences)を介して予備濾過して、粒状物質を除去した。様々な濃度までコントロール尿に懸濁したhCG(300ml)を、真空下で予備湿潤化したニトロセルロースフィルター(BioRad製)にブロットした。次に、hCGに対する放射能標識した核酸リガンドH−42RNA(配列番号:4 )(1ピコモル/ml)をブロットに加え、濾過した。ブロットを、直ちにTE M緩衝液300mlで2回洗浄した。ブロットを乾燥し、オートラジオグラフィーおよびホスホルイメージャー(Fuji)によって分析した。予備検討では、抗−hCG抗体を最初にニトロセルロースに適用してhCGを捕捉し、次に放射能標識したRNAを持ちいてホルモンを検出した。このような抗−hCG抗体は、hCGを緩衝液に懸濁するときにだけ必要であった。しかしながら、尿中のhCGを用いたときには、抗体の存在下および非存在下で有意な差はなかった。これは、膜上にhCGを有効に保持する非特異的キャリヤーとして作用する尿中の他のタンパク質の存在によるものと考えることができる。図6 は、様々な量のhCGを男性尿試料(コントロール尿)に加え、放射能標識したH42RNAによって検出したドットブロット法の結果を示す。図7に示されるように、ブロット上の放射能の定量は、保持された放射能標識したRNAの量がhCGの濃度と相関することを示している。シグナルは、高濃度のhCGで飽和する(>500nM)。 1,9nMのhCG濃度でも、バックグラウンドレベルを上回るシグナルが検出された。コントロールの男性尿(ブロット1〜3)と比較して、妊婦から得た尿(試験尿)は、RNAドットブロット法において明確なシグナル(ブロット4〜6)を与えた(図8)。コントロールブロットにおけるバックグラウンドレベルを上回るシグナルの欠如(緩衝液単独と比較して)は、 選択されたRNAリガンドのhCGに対する高特異性を示す。この分析法では、 しかしながら、放射性シグナルの強度は、RNAを懸濁する緩衝液の塩濃度に敏感である。低塩TESM緩衝液(10mMトリス−HCl,0.1Mm EDT A,100Mm NaClおよび2mM MgCl 2 (pH6.0))に懸濁したRNAは、標準的PBS緩衝液に懸濁したものより高いシグナルを与えた。 例5 LS−Rgの精製を行なうためのSELEXによって誘導された核酸リガンドタ ンパク質ブロット法の使用この例では、SELEX法によって誘導された核酸リガンドタンパク質ブロッティング法を実際のタンパク質分析に応用することができることを示す。この例では、SELEXによって誘導された核酸リガンド、並びに抗体を用いて、組換え融合タンパク質、L−セレクチンレセプターグロブリン(LS−Rg)の精製を行なった。 LS−Rgは、ヒトIgG1重鎖のヒンジCH1およびCH2ドメインのアミノ末端に融合したヒトL−セレクチンの細胞外ドメインからなっている。このタンパク質は、天竺ネズミ卵巣(CHO)細胞によって発現され、分泌される。本明細書に記載の分析は、SELEX法によって誘導されたL−セレクチンD NA核酸リガンドアフィニティーカラムにCHO−細胞でコンディショニングした10%FBSを含む培地100mlで加えることによって行なった。 SELE X法によって誘導されたL−セレクチンDNA核酸リガンド、5'−BGCGG TAACCAGTACAAGGTGCTAAACGTAATGGCGC−3'( 配列番号:5)は、Operon Technologies Inc.から得られ、「B」は5'−末端に結合したビオチンを示す。このSELEX法によって誘導された核酸リガンドは、1995年6月7日出願の「レクチンに対する高アフィニティー核酸リガンド」と題する米国特許出願連続番号第08/479,724号明細書に記載のLD201(配列番号:6)の修飾体であり、前記特許明細書の内容は本明細書にその全体を参考として引用される。実験は、室温で1.1ミリグラムアプタマー(aptamer)/ml樹脂の密度を有する1ml(0.5cm×5cm)カラムを用いて室温で行なった。用いた流速は0.75ml/分(230cm/時、線形流速)であった。添加を完了したならば、吸光度がベースラインに戻るまで、カラムをダルベッコのPBSで洗浄した。カラムを次に線形グラディエント(0m M〜50mM、10分)で溶出した。精製の進行を分析するため、カラム充填物(L)、フロー・スルー(F/T) および溶出画分(E)からの総タンパク質の1μgを4〜12%SDS−ポリアクリルアミドグラディエントゲル上で分割し、これを総タンパク質について染色し、またはタンパク質ブロッティング分析のために用いて、LS−Rgの分布を決定した(図9A〜9D)。図9A〜9Dのレーンは、右側に示した各マーカー(キロダルトン)についての大きさと共に分子量マーカーを含む。溶出画分における主要な種(図9A〜9Dのレーン3)は、LS−Rgタンパク質である。 アフィニティーカラム画分のSDS−PAGE分析クーマジー染色したSDS−PAGEによって、LS−Rgについて予想された分子量の単一バンドだけを溶出画分(図9A)で検出することができた。 1μ gの総タンパク質を用いて銀染色分析を行なったところ、多数の低レベルの混入物が認められた(図9B)。 アフィニティーカラム画分のタンパク質ブロット分析 L−セレクチンに特異的なモノクローナル抗体DREG56(図9C)またはSELEX法によって誘導されたL−セレクチンに特異的なDNA核酸リガンド(配列番号:5)(図9D)を検出試薬として用いるタンパク質ブロット分析により、同様な結果を得た。いずれの手法でも、クーマジーおよび銀染色したSD S−PAGE分析(上記参照)によって同定した溶出画分中の主要なタンパク質はLS−Rgであることを示していた。いずれの方法でも、カラム充填物またはフロー・スルー画分のLS−Rgを検出することはできなかった。ヒトL−セレクチンに特異的な抗体DREG56(LECAM−1)を、 Endogen、ケンブリッジ、マサチューセッツから得た。分子量標準(Novex)およびタンパク質試料を、1mm厚みのトリス−グリシンSDS−ポリアクリルアミドゲル(4〜12%アクリルアミドグラディエントゲル、Novex、サンデイエゴ、 カリフォルニア)を用いて分割した。電気泳動を150ボルトで90分間行なった。ブロットに対して、分割したタンパク質を電気泳動によってImmunobilon-P 膜(Millipore Corp.、ベッドフォード、マサチューセッツ)に移した。移動は、Novexウェスタン移動装置を用いて、製造業者の指示に従って40ボルトで2 時間行なった。移動緩衝液は、25mMトリス−HCl、192mMグリシン、 20%メタノール、pH8.3からなった。膜を、TBS中Superlock緩衝液(Pierce Chemical Company、ロックフォード、イリノイ)で室温で一晩ブロックした。翌日に、膜を、L−セレクチン特異的ネズミモノクローナル抗体(DR EG56)の1mg/ml溶液またはビオチンをタグとしたヒトL−セレクチン核酸リガンド(配列番号:5)の1.6mg/mlを含むSHMCK+緩衝液[20mMHepes,pH7.35、140mM NaCl、5mM KCl、1 mM CaCl 2 、1mM MgCl 2 、0.5g/Lカゼイン(I-block, Tropix)および0.05%Tween 20(Bio-Rad Laboratories,Inc.、ハーキュルス、カリフォルニア)]中で2時間インキュベーションした。次に、膜を、SH MCK+緩衝液10mlで3回洗浄した。適当な検出試薬、AP−接合ウサギ抗マウス抗体(Pierce Chemical Co.)のSHMCK+緩衝液での1:1000倍希釈液、またはAP−接合ストレプトアビシン(Tropix)のSHMCK+緩衝液での1:1000希釈液を加えた。室温で1時間インキュベーションした後、膜を前期と同様に洗浄した後、脱イオン水で更に2回洗浄した。最後に、ウェスタン・ ブルー基質10ml(Promega Corp.、マジソン、ウィスコンシン)を加えた。所望なシグナル強度で、膜を脱イオン水で洗浄して、色現像を停止した。 DREG 56抗体を用いるタンパク質ブロット分析は、溶出画分に3個の特異的バンドの存在を示したが、LS−Rgは、充填物およびカラムフロー・スルー画分には検出されなかった(図9C)。ビオチン化したSELX法によって誘導されたDN A−核酸リガンド(配列番号:5)を用いるタンパク質ブロットでは、同様な結果を示した(図9D)。両タンパク質ブロット分析によって検出された主要なバンドは、クーマジー染色したSDS−PAGEによって同定された主要なバンドに相当した。

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