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申请号 JP2000549625 申请日 1999-05-17 公开(公告)号 JP2002515588A 公开(公告)日 2002-05-28
申请人 イシス・イノベイション・リミテッド; 发明人 エルダー、ジョン・ケネス; サザン、エドウィン・メラー; シュチェピノフ、ミハイル・セルゲービッチ; ハウズビー、ジョン・ニコラス; ハミルトン、アラン・ルイス;
摘要 (57)【要約】 【解決手段】 標識された化合物のセットを、好ましくは、粒子状担体の使用により製造する方法であって、担体をロットに分割し、担体の各々のロットに対して異なる化学反応(例えば、化学残基を担体のそのロットに結合させる。)を行い、担体の各々のロットの画分を異なる標識によりタグ付けし、担体のロットを組み合わせることを具備する。 これらの工程は、数回繰り返し、好ましくは、オリゴマーのモノマー単位の性質及び 位置 を同定し、かつ担体から離脱し得るラベルを担持するオリゴマー分子を構築する。 好ましい標識は、質量分析法により分析に供される荷電基を提供するように解裂することにより化合物から放出され得るものであり、トリチル(トリメチルフェニル)ファミリーの基である。 これらの標識のライブラリー及びアッセイ及び核酸分析方法におけるそれらの使用も特許請求される。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 担体及び標識のセットを用いることにより、標識化合物のセットを製造する方法において、前記方法が、次の工程: a)少なくとも1の、第1又は中間工程であって、前記担体を複数個のロットに分割し、前記担体の各々のロットに対して異なる化学反応を行い、前記担体の当該ロットを修飾するか又は前記担体の当該ロットに化学残基を結合させ、前記担体の各々のロットの画分を異なる標識によりタグ付けし、及び前記担体の前記ロットを組み合わせることを含む工程、並びに b)少なくとも1の、中間又は最終工程であって、前記担体を複数個のロットに分割し、前記担体の各々のロットに異なる化学反応を行い、前記担体の当該ロットを修飾するか又は前記担体の当該ロットに化学残基を結合させ、前記担体の各々のロットの画分を異なる標識によりタグ付けすることにより、異なる工程で前記担体に結合した化学残基に各々の異なる標識が結合し、当該化学残基とともに、前記担体から分離し得る標識化合物を形成し、及び前記担体の前記ロットを組み合わせることを含む工程 を含む方法。
  • 【請求項2】 前記担体が、粒子状固形担体である請求項1の方法。
  • 【請求項3】 工程b)を行い、前記担体に予め結合した化学残基に対して、前記化学残基を結合させる請求項1又は2の方法。
  • 【請求項4】 前記化学残基がモノマー単位であり、前記標識化合物がオリゴマーである請求項3の方法。
  • 【請求項5】 前記標識化合物のセットが、n sオリゴマーのライブラリーであり(式中、nは、異なるモノマー単位の数であり、sは、各々の標識されたオリゴマーにおけるモノマー単位の数である。)、工程a)を1回行い、異なるモノマーユニットを前記担体の各々のロットに結合させ、及び工程b)をs−1
    回行う、請求項4の方法。
  • 【請求項6】 前記標識化合物のセットが、n×s個の異なる標識を有する請求項5の方法。
  • 【請求項7】 前記標識化合物の各々が、単一の標識及び少なくとも1つの化学残基を有する請求項1ないし6のいずれか1項の方法。
  • 【請求項8】 前記担体が、前記標識化合物を溶液中に放出するように処理される請求項1ないし7の何れか1項の方法。
  • 【請求項9】 前記担体の各々のロットの0.25%〜25%が、各々の工程で、異なる標識によりタグ付けされる請求項1ないし8の何れか1項の方法。
  • 【請求項10】 前記担体が、解裂し得るリンカーを有し、各々の解裂し得るリンカーが、化学合成のための基を少なくとも1つ及び標識のための別の基を1つ有する請求項1ないし9の何れか1項の方法。
  • 【請求項11】 前記標識が、解裂し、質量分析法のための荷電種を提供し得る結合により連結される請求項1ないし10の何れか1項の方法。
  • 【請求項12】 前記各々の標識が、式R 123 C−(式中、R 1 、R 2及びR 3は、同じでも異なっていてもよく、置換又は無置換の、単環又は縮合環芳香族基である。)の基である請求項1ないし11の何れか1項の基。
  • 【請求項13】 R 1 、R 2及びR 3の少なくとも1つが、無置換又はカルボン酸、スルホン酸、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール、第1級、第2級若しくは第3級アミノ、第1級若しくは第2級アミド、無水物、ハロゲン化カルボニル、又は活性エステルにより置換された、C 1 〜C 20アルコキシ又はヒドロカルビルから選択される置換基を有する請求項12の方法。
  • 【請求項14】 前記標識化合物が、標識されたオリゴヌクレオチドである請求項1ないし13の何れか1項の方法。
  • 【請求項15】 標識化合物のセットにおいて、前記セットの化合物の分子が、当該分子の成分の性質及び/又は位置を同定する単一の標識によりタグ付けされ、並びに同じ化合物の異なる分子が、異なる標識によりタグ付けされるセット。
  • 【請求項16】 前記標識される化合物が、固体担体に、放出し得るように固定されている請求項15のセット。
  • 【請求項17】 前記固体担体が、粒子である請求項16のセット。
  • 【請求項18】 前記標識化合物が、溶液中で混合される請求項15のセット。
  • 【請求項19】 前記標識が、質量分析法のための荷電種を提供するように解裂し得る結合により連結される請求項15ないし18の何れか1項のセット。
  • 【請求項20】 各々の標識が、式R 123 C−(式中、R 1 、R 2及びR 3は、同じでも異なっていてもよく、置換又は無置換の、単環又は縮合環芳香族基である。)の基である請求項15ないし19の何れか1項のセット。
  • 【請求項21】 R 1 、R 2及びR 3の少なくとも1つが、無置換又はカルボン酸、スルホン酸、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール、第1級、第2級若しくは第3級アミノ、第1級若しくは第2級アミド、無水物、ハロゲン化カルボニル、又は活性エステルにより置換された、C 1 〜C 20アルコキシ又はヒドロカルビルから選択される置換基を有する請求項20のセット。
  • 【請求項22】 前記標識化合物が、標識されたオリゴヌクレオチドである請求項15ないし21の何れか1項のセット。
  • 【請求項23】 請求項19ないし22の何れか1項のセット複数個からなるライブラリー。
  • 【請求項24】 オリゴマーの分子をその表面上に担持する固体担体を含み、異なるオリゴマー分子が、同じ配列を有する試薬において、前記オリゴマー分子が、いくつかのより短いオリゴマー分子を含み、前記より短いオリゴマー分子が、前記オリゴマーのモノマー単位の性質及び位置を同定する標識を含む試薬。
  • 【請求項25】 前記固体担体が、ビーズである請求項24の試薬。
  • 【請求項26】 前記標識が、質量分析法のための荷電種を提供するように光解裂し得る結合により連結される請求項24又は25の試薬。
  • 【請求項27】 各々の標識が、式R 123 C−(式中、R 1 、R 2及びR 3は、同じでも異なっていてもよく、置換又は無置換の、単環又は縮合環芳香族基である。)の基である請求項24ないし26の何れか1項の試薬。
  • 【請求項28】 R 1 、R 2及びR 3の少なくとも1つが、無置換又はカルボン酸、スルホン酸、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール、第1級、第2級若しくは第3級アミノ、第1級若しくは第2級アミド、無水物、ハロゲン化カルボニル、又は活性エステルにより置換された、C 1 〜C 20アルコキシ又はヒドロカルビルから選択される置換基を有する請求項24ないし27の何れか1項の試薬。
  • 【請求項29】 前記オリゴマーが、オリゴヌクレオチドである請求項24
    ないし28の何れか1項の試薬。
  • 【請求項30】 請求項24ないし29の何れか1項の試薬複数種からなるライブラリー。
  • 【請求項31】 標識されたオリゴヌクレオチド又は核酸を提供し、質量分析法に供される荷電種を提供するように解裂することにより、前記標識を除去することを含む方法。
  • 【請求項32】 請求項31の方法であって、標識されたプライマー及び/
    又は標識されたハイブリダイゼーションプローブ及び/又は標識された鎖伸長ヌクレオチド及び/又は標識された鎖停止ヌクレオチド類縁体の使用により、核酸配列決定が行われ、前記標識が、質量分析法に供される荷電種を提供するように解裂することにより除去されるものである方法。
  • 【請求項33】 標識されたプローブを、その一方が決定された2つの画分に区分するアッセイ方法において、前記プローブが、質量分析法に供される荷電種を提供するように解裂し得る結合により標識に連結したリガンドを含むものであるアッセイ方法。
  • 【請求項34】 前記リガントが、オリゴヌクレオチドである請求項33の方法。
  • 【請求項35】 前記標識が、式R 123 C−(式中、R 1 、R 2及びR 3は、同じでも異なっていてもよく、置換又は無置換の、単環又は縮合環芳香族基である。)の基である請求項31ないし34の何れか1項の方法。
  • 【請求項36】 R 1 、R 2及びR 3の少なくとも1つが、無置換又はカルボン酸、スルホン酸、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール、第1級、第2級若しくは第3級アミノ、第1級若しくは第2級アミド、無水物、ハロゲン化カルボニル、又は活性エステルにより置換された、C 1 〜C 20アルコキシ又はヒドロカルビルから選択される置換基を有する請求項35の方法。
  • 【請求項37】 質量分析法による分析のための荷電種を提供するように解裂し得る結合により標識に連結されたリガンドを各々含むプローブのライブラリーにおいて、各々の異なるプローブが、異なる標識を有するライブラリー。
  • 【請求項38】 前記リガントが、オリゴヌクレオチドである請求項37のライブラリー。
  • 【請求項39】 各々の標識が、式R 123 C−(式中、R 1 、R 2及びR 3は、同じでも異なっていてもよく、置換又は無置換の、単環又は縮合環芳香族基である。)の基である請求項37又は38のライブラリー。
  • 【請求項40】 R 1 、R 2及びR 3の少なくとも1つが、無置換又はカルボン酸、スルホン酸、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール、第1級、第2級若しくは第3級アミノ、第1級若しくは第2級アミド、無水物、ハロゲン化カルボニル、又は活性エステルにより置換された、C 1 〜C 20アルコキシ又はヒドロカルビルから選択される置換基を有する請求項39のライブラリー。
  • 【請求項41】 式R 123 CY(式中、Yは、求核種との反応のための離脱基であり、R 1 、R 2及びR 3は、同じでも異なっていてもよく、各々、単環又は縮合環芳香族基であり、その少なくとも1つが、無置換又はカルボン酸、スルホン酸、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール、第1級、第2級若しくは第3級アミノ、第1級若しくは第2級アミド、無水物、ハロゲン化カルボニル、
    又は活性エステルにより置換された、C 1 〜C 20アルコキシ又はヒドロカルビルから選択される置換基を有する。 但し、R 1 、R 2及びR 3は、一緒に、少なくとも2つのアミド基及び/又は少なくとも2つのN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基を有する。 )の化合物
  • 【請求項42】 R 123 C−が、置換モノメトキシトリチル基である請求項12、13、35及び38の何れか1項の方法。
  • 【請求項43】 R 123 C−が、置換モノメトキシトリチル基である請求項20もしくは21のセット、請求項27もしくは28の試薬、又は請求項4
    1もしくは42のライブラリー。
  • 【請求項44】 R 123 CYが、置換モノメトキシトリチル化合物である請求項41の化合物。
  • 【請求項45】 レーザー脱離イオン化質量分析のための標的としての使用のためのインサートにおいて、前記インサートが、分析に供する不動化化合物を担持するガラス又は有機ポリマーの標的表面を有するインサート。
  • 【請求項46】 前記標的化合物が、式R 123 C−(式中、R 1 、R 2及びR 3は、同じでも異なっていてもよく、各々、置換又は無置換の、単環又は縮合環芳香族基である。)の基を有する請求項45のインサート。
  • 【請求項47】 R 1 、R 2及びR 3の少なくとも1つが、無置換又はカルボン酸、スルホン酸、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール、第1級、第2級若しくは第3級アミノ、第1級若しくは第2級アミド、無水物、ハロゲン化カルボニル、又は活性エステルにより置換された、C 1 〜C 20アルコキシ又はヒドロカルビルから選択される置換基を有する請求項46のインサート。
  • 【請求項48】 R 123 C−が、置換モノメトキシトリチル基である請求項46又は47のインサート。
  • 【請求項49】 前記標的表面が、分析に供する不動化化合物の列を担持する請求項45ないし48の何れか1項のインサート。
  • 【請求項50】 前記化合物が、エポキシシラン化学又はイソチオシアネート化学又はメルカプトシラン化学又はポリリジンにより、ガラスの標的表面上に不動化される請求項45ないし49の何れか1項のインサート。
  • 【請求項51】 質量分析器、及びガラス又は有機ポリマーの標的表面を有する、レーザー脱離イオン化質量分析のためのターゲットとして使用するインサートの供給を具備するキット。
  • 【請求項52】 核酸を分析するためのシステムであって、 ・分析のための標的として又は標的を捕獲するためのプローブとして作用する核酸の列を担持する固体担体; ・質量分析法による分析に好適な残基によりタグ付けされたオリゴヌクレオチド試薬; ・前記タグ付けされたオリゴヌクレオチドと前記標的との間の特異的相互作用を可能にする生化学的方法のための試薬及び装置; ・試料を質量分析器内に導入する手段; ・質量分析器 を備えるシステム。
  • 【請求項53】 固体担体上の核酸を分析するためのシステムであって、 ・分析のための標的として又は標的を捕獲するためのプローブとして作用する核酸の列を担持する固体担体; ・質量分析法による分析に好適な残基によりタグ付けされたオリゴヌクレオチド試薬; ・前記固体担体表面上で行われる、前記タグ付けされたオリゴヌクレオチドと前記標的との間の特異的相互作用を可能にする生化学的方法のための試薬及び装置; ・前記固体担体を質量分析器内に導入する手段; ・質量分析器 を備えるシステム。
  • 【請求項54】 核酸を分析するための自動化システムであって、 ・質量分析法による分析に好適な残基によりタグ付けされたオリゴヌクレオチド試薬; ・質量分析器; ・分析を行うためのコンピューター; マススペクトラムを翻訳するためのソフトウエアー を備えるシステム。
  • 【請求項55】 質量分析による分析に好適なタグにより標識されたヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドであって、前記標識されたヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドが、酵素取り込みに好適なものにおいて、前記タグが、式R 123 CY(式中、Yは、求核種との反応のための離脱基であり、R 1 、R 2及びR 3は、同じでも異なっていてもよく、各々、単環又は縮合環芳香族基であり、その少なくとも1つが、無置換又はカルボン酸、スルホン酸、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール、第1級、第2級若しくは第3級アミノ、第1級若しくは第2級アミド、無水物、ハロゲン化カルボニル、又は活性エステルにより置換された、C 1 〜C 20アルコキシ又はヒドロカルビルから選択される置換基を有する。
    )。 の化合物であるヌクレオチド又はオリゴヌクレオチド。
  • 【請求項56】 4s個の異なる標識が用いられる請求項31ないし36の何れか1項の方法において、前記標識されたオリゴヌクレオチド又は核酸が塩基を含有し、各々の標識が、標識されたオリゴヌクレオチド又は核酸のヌクレオチド残基の位置及びアイデンティティーを示すものである方法。
  • 【請求項57】 前記標識されたオリゴヌクレオチド又は核酸の塩基位置のために、4つの可能性のある標識(それらの同位体変形も含む)の質量に対応するマススペクトラムの4つの領域を検査し、前記標識の期待されるマススペクトラムと比較する請求項56の方法。
  • 【請求項58】 s個の塩基を有する可能性のあるオリゴヌクレオチド又は核酸を、s個の異なるタグ領域を含むマススペクトラムに対して順に比較し、最も適合するオリゴヌクレオチドを同定する請求項31ないし36の何れか1項の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【従来の技術】

    本発明は、化学反応であることが多い段階的反応を用いて構築される生成物を含む種類の試薬、および合成経路および/又は使用される試薬を追跡する関連するタグ残基(associated tag moieties)に関する。 生成物はオリゴマーであることが多く、タグはオリゴマー中の少なくとも1つのモノマー残基(monomer resid
    ue)のアイデンティティーおよび位置を規定する。 この様な試薬は、単純な標識分析物より生ずることが可能な情報に比べ、より多くの情報を生ずることができるアッセイ法において有用である。 この様な試薬のセットおよびライブラリーは、組合せ化学により創製することができ、そして例えば生物学的活性に関する大量の化合物のスクリーニングに有益である。 発明による好ましいシステムでは、
    中性分子の、例えば光解裂の様な解裂により、マススペクトロメトリーによる分析に供される正に荷電したタグ基が生成される。

    【0002】 WO95/04160は: a)少なくとも2つの分析物残基を含む分析体成分を含み、そして b)マススペクトロメトリーによる検出に適した1またはそれ以上のレポーター基を含むタグ成分にあって、レポーター基が分析残基を指定し、タグ成分の各位置にあるレポーター基が分析成分の限定位置にある分析残基を指定する様に選択されるタグ成分に結合している試薬を記述している。 それぞれが異なる分析体成分を含んでいるこの様な試薬の多くは、標的基質を含むアッセイ法にて使用できる試薬のライブラリーを提供する。 タグ成分の分析は、標的基質に結合した分析体部分の性質を示す。

    【0003】 WO94/08051は、それぞれがビーズに結合した全オリゴマーのライブラリーを同時に作成するのに用いるシステムを記述している。 分割および混合工程により製造された各ビーズは、それぞれユニークな化学的生成物を担持しており、またこのことは同一合成経路を通過した各ビーズに共通する。 プロセス中の各ポイントにおいて、では2つのカップリング工程が用いられる:一方の工程はシントン又はリガンドに作用する;もう一工程はこれもビーズ上に担持されるタグの構造を変える。 タグはビーズが経てきた工程を同定するよう設計される。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】

    本発明の目的は、支持体上に合成され得、及びその支持体へ固定された状態または分離された状態で用い得る標識化合物のセット又はライブラリーを提供することである。

    【0005】

    【課題を解決するための手段】

    発明の一つの側面において、支持体および標識のセットの使用により、標識化合物のセットを製造する方法を提供することであり、その方法には以下の工程が含まれる: a)支持体をロットに分割すること、支持体の各ロット上で異なる化学反応を実施し、支持体のそのロットを修飾するか、又は支持体のそのロットに化学残基(c
    hemical moiety)を結合させること、支持体の各ロットの画分に異なる標識によるタグ付けをすること、及び支持体の該ロットを組み合わせることを含む少なくとも1の第1工程又は中間工程、並びに b)支持体をロットに分割すること、支持体の各ロット上にて異なる化学反応を実施し、支持体のそのロットを修飾するか、又は支持体のそのロットに化学残基を結合させること、支持体の各ロットの画分に異なる標識によるタグ付けをすることにより、別の工程において支持体に結合した化学残基に各々異なる標識を結合させ、その化学残基と共に支持体より分離可能な標識化合物を形成し、及び支持体の該ロットを組み合わせることを含む、少なくとも1の中間工程または最終工程。

    【0006】 上記方法は、後に組み合わされるロットに繰り返し分割される。 支持体は相当量の支持体、例えばフラットシートまたはシリコンチップ、あるいは例えば異なる化学反応を実施するために領域にマスキングすることで分割されるマイクロタイタープレートであろう。 支持体は幾つかの溶媒に可溶性であり、その他の溶媒には可溶性でなく、そして例えば沈殿または溶解によりロットに分割され又は組み合わされるポリマー材料であり得る。 通常、支持体は、例えばピン又は繊維のような粒子、又は毛細管であり、好ましくはビーズである。 分裂および混合戦略による組合せ化学の実施のための誘導化ビーズは市販されており、本発明に利用できる。 好ましい微粒子支持体は、解裂可能なリンカーを有するビーズを含み、
    各々の解裂可能なリンカーには、規定される化学的方法、例えばオリゴマー合成のための1個の基、および標識のためのもう一つの基が含まれる。 このことは、
    合成終了時において、例えば、オリゴマーのような標識化化学生成物を溶液中に回収できることを意味する。

    【0007】 発明の方法は、少なくとも1の工程a)および少なくとも1の工程b)を実施することを含み、通常は合計で少なくとも3工程を行うことを含む。 各工程は、
    通常は化学反応であるが、必ずしもそれである必要はない反応を実施することを含む。 これら反応の1例は、保護基を除去し第一級アミンまたはヒドロキシまたはカルボン酸基を残すものであろう。 通常、化学反応は支持体への化学残基の結合を含む。 化学残基は通常は有機化学基、例えばWO94/08051記載の如くの基である。 連続する化学残基は別のリンカーを介して支持体に結合してもよいが、より一般的には、連続する化学残基は相互に結合し支持体より延伸する鎖を形成する。 好ましくは、化学残基はオリゴマー鎖を形成する様形成されたモノマーユニットである。

    【0008】 本発明の好ましい方法では、標識化合物のセットはn 標識オリゴマーのライブラリである。 ここで、nは異なるモノマーユニットの数であり、sは各標識オリゴマー中のモノマーユニットの数であり、工程a)は支持体の各ロットに対し異なるモノマーユニットを結合させるために1回実施され、そして工程b)はs
    −1回実施される。

    【0009】 オリゴマーは例えばオリゴヌクレオチド又はオリゴペプチドである。 オリゴマーがオリゴヌクレオチド又は類似体の場合、一般にnは4である。 オリゴマーがオリゴペプチドの場合、天然のアミノ酸のみ使用する場合にはnは一般に約20
    である。 しかし発明の原理は、他の重合可能なモノマーより形成された他のオリゴマーにも等しく適用され得る。 sの値は重要ではなく、典型的には2〜100
    であり、例えば3〜20またはそれ以上である。

    【0010】 各工程においてタグが付けられる各々のロットの画分は、一般には50%未満である。 好ましくは各支持体の各ロットの0.25%ないし25%が、各工程にて異なる標識によりタグ付けされる。 好ましくは、支持体は解裂可能なリンカーを有し、各解裂可能なリンカーは。 化学反応、例えば化学合成に適した基を少なくとも1個、および標識化に適したもう一つの基を有する。 好ましくは、得られた各標識化合物は、単一の標識と少なくとも1個の化学残基を含む。

    【0011】 本発明の方法には、n×s個以下の異なる標識を含むセットの使用が含まれる。 標識体の性質は重要ではないが、各異なる標識は、標識の検出に用いられる分析的手段により区別可能であることが、発明の好ましい特徴である。 標識として利用される基は、一般に使用されている保護基(例えばヌクレオチドシントン中の5'又は3'−保護を提供するDMT基)に比べ、オリゴマー合成に含まれる酸性(又は他の化学的)処理に対し極めて安定でなければならない。 好ましい標識体は、解裂、例えばマススペクトロメトリーによる分析に適した中性分子の光解裂、により荷電基、好ましくは正に荷電した基が生ずるものである。 そのような好ましい標識の例は、以下に述べる。

    【0012】 好ましい実施形態では、分裂と混合戦略には、3個の腕−1つは解裂可能な結合を介した固体支持体へ結合するためのもの;1つは化学生成物、例えばオリゴマーの合成を開始するためのもの、そして三番目は、タグの結合の為ためのものである腕を持つ、解裂可能なリンカーを保持する固体支持体を必要とする。 シントンおよびタグモノマーの結合のための部位は、除去可能な基により随意保護されるだろう。 このプロセスは粒子状固体支持体上でのオリゴマー合成により例示できる。

    【0013】 合成経路の各ステージでは、まず支持体の粒子が組み合わされ、混合され、n
    個のロットに分けられ(ここで、nは、異なるモノマーの数であり、天然ヌクレオチドの場合、4である)、次いで、各モノマーは支持体の1つのロット上の部位に結合する。 次に、加えられたばかりのモノマーおよび配列中のその位置を代表するユニークなタグが、最終オリゴマー中のモノマーの数にほぼ対応するだけ支持体の画分に結合される。 あるいは、タグは、それが代表するモノマーの後ではなく前、あるいは同時に支持体の画分に結合されてもよい。 部分的結合は様々な方法にて達成できるだろう。 例えば、(i)その部分の保護基を部分的に除去する;(ii)終了画分に結合を実施する;(iii)支持体の画分を除去し、
    画分をプールに戻す前に結合を終了する。 結合工程が進むにつれ、オリゴマーは1回毎に1ユニット伸長し、タグが1回毎に1個加わる。 最終結果は、各粒子上の分子の混合体であり;各分子はオリゴマーにおけるモノマーの同一配列を有するが、s−merの1/sの画分はs結合工程の何れかにおいて加えられたタグを有するだろう。

    【0014】 本実施形態の例は添付図面の図1に示されている。 Aはそれぞれ2個の腕を持つ解裂可能リンカーで誘導されたビーズ形状の固体支持体が描写されている。 B
    には、各リンカーの2本の腕の一本がスクシンイミジル置換基を持つトリチル基と反応している。 Cでは、各リンカーのもう一つの腕が図Gに示されたヌクレオチド残基と反応している;そしてNHS基の一部は標識体R 1により置換されている。 Dでは、ダイマー鎖GTの形成によりオリゴヌクレオチド合成が継続されている;そしてNHS基の第2部分が第2標識R 2により置換されている。 Eでは、オリゴヌクレオチド合成は鎖GTTの形成により継続されている;そしてN
    HS基の第3部分が標識R 3により置換されている。 Fではビーズのアンモニア分解により、それぞれが異なるタグに結合した、同一配列中のオリゴヌクレオチドのプールが生じる。 Gでは、光分解がマススペクトロメトリーによる分析に適した、3種類の誘導化トリチル基を分離する。 分裂および混合法は、何れかのビーズに結合したオリゴヌクレオチドは全て同一のs−merの配列を有すること、ならびにビーズが、s個の異なる評せ引きの合計を保持し、それぞれの標識がオリゴマーの1モノマー残基の位置と特性を示すことを保証する。

    【0015】 部分的結合の別の方法は、伸長工程毎に、例えば、オリゴマーのような化学的化合物のフラクションの伸長を、安定なタグ基によりキャップするものである。
    例えば、オリゴヌクレオチド合成の場合、結合試薬は、マスタグとして以下に記す安定したトリチル基の一つにより保護された少量のホスホアミダイト(phospho
    ramidite)を含むことができる。 伸長は、所望する塩基を持つ主要部と、塩基の特性および位置をマーキングする対応するタグを持つ小画分を生ずるだろう。

    【0016】 本実施形態の例は添付図面の図2に描写されている。 オリゴヌクレオチド合成は誘導化ビーズ上で実施されA、合成の第1、第2、および第3ステージはB、
    CおよびDに示される。 各4種類のホスホアミダイト試薬は、極めて酸安定なN
    HS−置換トリチル基を有するキャッピングホスホアミダイトの小画分であって、オリゴマーの長さに依存して、好ましくは1/sより少ない小画分を含む。 合成の各ステージの後、全ての取り込まれたNHS基はアミンと反応させられ、それにより標識が結合する。 より長いオリゴヌクレオチドの合成の場合には、o−
    メチルホスホルアミダイトを利用することでアミノ化反応の反復に耐える様にできる。 B、CおよびDにて使用される3種類の標識体は、図2中R 1 、R 2およびR 3として表されている。 合成終了時、オリゴヌクレオチドはアンモニア処理により脱保護されるが、ビーズには結合したままである。 即ち、各ビーズは同一配列を持つ複数のs−merのオリゴマーを、それぞれがオリゴマーのモノマー単位の特性と位置を示す合計s種類の置換トリチル標識と共に保持している。 ビーズはアッセイ法に利用される。 その後、ビーズの光分解により、マススペクトロスコピーによる検出に適した電荷を持つ置換トリチル成分Eが生じる。 あるいは、標識化オリゴヌクレオチドは液中に放出できる。

    【0017】 別の態様では本発明は、標識化合物のセットを提供し、そのセットの化合物の分子が、その分子の成分の特性および/又は位置を特定する単一の標識体によるタグが付され、そして同一化合物の別分子に別の標識体がタグ付されている。 標識化合物のセットは、放出可能に固体支持体、例えばビーズに結合されるか、又は液中に共に混合され得る。

    【0018】 本発明による別の態様は、ここに規定された如くの標識化合物の複数のセットを含むライブラリー、例えばnが異なるモノマーユニットの数であり、sが各標識化合物内のモノマーユニットの数である、n s個の標識オリゴマーのライブラリーである。

    【0019】 別の態様(例えば図2に図示された様な)では、本発明は、同じ配列を有する異なるオリゴマー分子を有するオリゴマー分子を、その表面に担持する固体支持体を含む試薬を提供する。 前記オリゴマー分子には、いくつかのより短いオリゴマー分子が含まれ、1のより短いオリゴマー分子には、そのオリゴマー分子のモノマーユニットの特性及び位置を特定する標識が含まれる。 ライブラリーは、固体支持体が好ましくはビーズである複数の該試薬より構成される。

    【0020】 ここで使用される標識の好ましい特徴は: ・それらは、調製法に使用される化学的手段、および生じた化学的化合物の切り出し、例えば固体支持体からのオリゴマーの切り出しに用いられる化学的手段に対し安定である結合により固定されなければならない。

    【0021】 ・それらは、各化学残基または反応がユニークにタグ付けされることにより、
    それらの検出に利用される分析的手段によりn×s個の標識体を区別することができる特性を有していなければならない。 以下の実施例に示すように、36種類のタグモノマーを利用することで262144種類全てのノナヌクレオチドを特異的にコードすることができることが分かる。 この数は、下記トリチル誘導体を用い容易に達成できる。 あるいは、好ましさに於いて劣るが、9−merの同一数は、18種類のバイナリータグにより、又はWO94/08051記載の様な9種類のタグのユニークな組合せによってさえもコードすることができる。

    【0022】 ・親分子からの解裂に際して、例えば光解裂、酸性条件を利用した化学的解裂、酵素的方法のような解裂に際して、それらはマススペクトロメトリーによる分析に適した、中性分子または好ましくは、荷電したイオンのいずれにかの安定種を生じなければならない。 マススペクトロメトリーは分析の好ましい方法であり、数百の標識体の同時検出が可能である。 中性分子の光解裂による、好ましくは荷電基を生成するこの特性は、マトリックス添加を必要とすることなくイオンが気相内に持ち込まれることを保証する。 従って、マトリックスを加えた場合に必要とされる「ホットスポット」を探す必要は無い。 更にマトリックスが存在しないことで、オリゴヌクレオチド連結の様な別の生化学的プロセスも可能になる。
    酸を含むような特定の解裂方法では、マトリックスの添加は検出感度を上げ得る。

    【0023】 これらの基準を考慮すると、発明による好ましい標識は、式中のR 1 、R 2およびR 3が同一または異なるものであり、かつそれぞれが置換または非置換型の縮合環状芳香族基又は単環である、式R 123 C−の基である。 これらはトリチル(トリフェニルメチル)系の基である。 その他の可能な標識には、トロポニウムおよびWO97/27331に考察されるものが含まれる。 トリチル基は、マススペクトロメーター内のレーザー照射により容易に解裂されるという所望される特性を有している。 トリチル基の検出感度は、正に荷電したカルボニウムイオンが安定であることから高い。 この感度が、例えばトリチル標識分子が表面に共有結合的に結合される場合に結果として分子単層中に十分な量のトリチル基が存在するといった多くの利点を提供する。

    【0024】 好ましくは、R 1 、R 2およびR 3の少なくとも1つが、非置換型、又はカルボン酸、スルフォン酸、ニトロ、シアノ、ヒドロキシル、チオール、第1級、第2
    級、あるいは第3級アミノ、1級又は2級アミド、無物、ハロゲン化カルボニル又は活性化エステルにより置換されたC 1 〜C 20アルコキシ又はヒドロカルビルより選択される置換基を有する。 これら置換基の水素原子は、重水素またはフッ素の様なハロゲンにより部分的または全体的に置換されるだろう;これによりマススペクトロメトリーによる分析の利用可能域が改善される。

    【0025】 好ましくは、R 1 、R 2およびR 3それぞれはアリールであり、より好ましくはフェニルである。 置換基は芳香族(例えばフェニル)環の何れの位置にも存在できるが、パラ置換基が都合よく、好ましい。 置換基が存在することで、トリチル(又はその他の)基に望まれる物理的又は化学的特性を付与するだろう。 例えば電子求引性基がオルトまたはパラ位置にあると、酸加水分解に対するトリチル基の安定性が増す。 置換基の存在は、トリチル(又はその他)の基の式量を変更し、マススペクトロメトリーによる検出と識別を容易にする。 非放射活性同位元素置換基はこの目的に好適であり、例えば1、2または3重水素分子を含む小アルキル基である。 好ましい置換基はアミン又はアミド基である。 下表1に示すように、各種分子量を有する多数のアミンが市販されており、また識別し得る式量を有する置換トリチル基の提供に利用できる。

    【0026】 市販の多くのアミンの質量は50〜250Daの範囲にある。 幾つかの応用では、数百までの質量のタグを有することが望まれる。 TOF−マススペクトロメトリーによりタグを解像するためには、少なくとも4Daのタグの質量の差があれば十分でることが分かっている。 従って、アミンの上限域では約50種類のタグを生ずるに過ぎない。 アミンの同一プールを利用してこの量を増やすために、
    トリチル基当たり2又は4、あるいはそれ以上のアミド置換基さえ取り込むことが可能であり、そしてそれは以下実験欄に例示される。

    【0027】 システムの原理は添付図面の図3に図示されている。 AではオリゴヌクレオチドはCPG支持体上に合成される。 Bでは、オリゴヌクレオチドの5'−ヒドロキシ基はNHS−置換トリチル基により置換されている。 Cでは、式中のRが式量を特徴付けるアミド基NHRが導入されている。 Dでは標識化されたオリゴヌクレオチドはアッセイ法での利用を目的とし溶液中に放出される。 Eでは、NH
    R−置換トリチル基は光分解により蒸発させられ、マススペクトロメトリーにより検出された。

    【0028】 上記マススペクトロメトリー標識は様々な他の生化学的方法および操作に有用である。 即ち、別の態様によれば、本発明は、核酸決定方法を提供する。 この方法は、標識オリゴヌクレオチドまたは核酸を提供し、解裂により標識を除去し、
    マススペクトロメトリーに供される荷電種を供与することを含む。 好ましくは、
    配列決定または配列差の分析の様な核酸解析は、標識体が上記の如くである標識プライマーおよび/又は標識された鎖延長ヌクレオチド、および/又は標識化された鎖停止ヌクレオチド類似体を利用し、実施される。

    【0029】 別の態様では、本発明は、標識プローブを2つの画分であって、その一方が決定されたものに分離する方法を提供する。 前記標識プローブは、解裂によってマススペクトロメトリー分析に適した荷電種を供する結合により標識に結合するリガンドを含む。 本発明には更に、それぞれが解裂によってマススペクトロメトリー分析に適した荷電種を供する結合により標識に結合するリガンドを含むプローブであり、かつ各種プローブが異なるラベルを有するプローブのライブラリーが含まれる。 好ましくは、標識は上記したものである。

    【0030】 特定の標識は、それ自体が本発明による新規化合物と認識される。 これらは、
    式R 123 Yの化合物である;式中Yは、例えばチオール、アルコール又はアミン基の様な求核基による置換に適した、例えばハロゲン又はトシレートの様な脱離基であり;そしてR 1 、R 2およびR 3は上記に同じである。 但し、R 1 、R 2
    およびR 3は一緒に、例えばN−ヒドロキシスクシンイミドエステル基のようなカップリングに適した少なくとも2個の反応基および/又は少なくとも2個のアミン基を保持する。

    【0031】 更に、発明者はレーザー脱着イオン化型マススペクトロメトリー(laser desor
    ption ionisation mass spectrometry)の標的表面として使用するための、使い捨て型ガラス製インサート(insert)を製造した。 ガラス製標的はガラス表面上に直接スポットされ乾燥したサンプルの分析に使用できるだろう。 ガラス標的はまた、化学的に活性化でき、既存の方法を使った核酸またはその他の化合物の固定用個体支持体として利用できるだろう。 ガラス標的上に分離され、局在化した相補的核酸、かさのあるタグ付きオリゴヌクレオチド又はその他化合物はレーザー脱着イオン化型マススペクトロメトリーによる分析に直接供される。 固体支持体を利用する利点の一つは、連続検出用マススペクトロメトリーに直接導入でき、
    不要なサンプル液操作を避けることができることである。 ポリプロピレンの様な有機重合性表面はガラスの代替に成り得るだろう。

    【0032】 ガラスへ化合物を直接固定するために開発された表面化学を利用し、レーザー脱着イオン化型マススペクトロメトリー又はマトリックス支援レーザー脱着イオン化型マススペクトロメトリーに適した標的にこれら化合物を直接固定化することができるだろう。 核酸の結合については、例えば3−メルカプトプロピルシラン誘導化(Rogersら、1999)又はアミン誘導化(Beattleら、
    1995;Chenら、1999)がある。 ガラス製インサートは通常のインサートに比べ安価であり、かつ完全に使い捨て可能である。 マススペクトロメトリーの性能に影響しない(以下実施例4を参照)。

    【0033】 本発明は更にレーザー脱着イオン化マススペクトロメトリーの標的としての使用に適したインサートにあって、分析のための固定化化合物を保持している標的ガラス表面を持つインサートを提供する。

    【0034】 本発明は更に、マススペクトロメーターおよびガラス製の標的表面を有するレーザー脱着マススペクトロメトリーの標的としての利用に適したインサート供給物を含むキットを提供する。

    【0035】 本発明の好ましい実施形態では、核酸を分析するシステムは以下を含む: ・分析に適した標的又は標的を捕捉するプローブとして機能する核酸の列を含む個体支持体; ・マススペクトロメトリーによる分析に好ましい成分がタグ付けされたオリゴヌクレオチド試薬 ・タグ付けされたオリゴヌクレオチドと標的との間の特異的相互作用を可能にする生化学的操作に適した試薬および装置 ・マススペクトロメーター内にサンプルを導入する手段 ・マススペクトロメーター。

    【0036】 本発明のより好ましい実施形態では、固体支持体上の核酸を解析するのに適したシステムは以下を含む: ・分析に適した標的として作用するか、又は標的を捕捉するプローブとして作用する核酸の並びを保持する固体支持体; ・マススペクトロメトリーによる分析に好ましい残基でタグ付けされたオリゴヌクレオチド試薬; ・固体支持体表面で行われるタグ付けされたオリゴヌクレオチドと標的との間の特異的相互作用を可能にする生化学的操作に適した試薬および装置 ・マススペクトロメーター内にサンプルを導入する手段 ・マススペクトロメーター。

    【0037】 発明の更に好ましい実施形態では、核酸を解析用自動化装置は以下を含む: ・マススペクトロメトリーによる解析に好ましい残基でタグ付けされたオリゴヌクレオチド試薬 ・マススペクトロメーター ・分析を行うコンピューター ・マススペクトラムを解釈するソフトウエアー。

    【0038】 コンピュータープログラムは、マススペクトロメトリーによるオリゴヌクレオチド配列決定の為に提供される。 オリゴヌクレオチド内の各塩基および塩基位置にはユニークなマスタグ(mass
    tag)により関連付けられている。

    【0039】 長さsのオリゴヌクレオチドの場合、4 s個の可能なオリゴヌクレオチドを全て識別するには4s個のタグが必要とされる。 注意深くタグを選択することで、全てのタグが十分に異なる質量を有する様になり、マススペクトラム分析に際してタグの割付の不確実性を回避できる。 各タグの化学式は既知であり、従って各タグの単一同位体の質量を計算することができる。

    【0040】 タグ内の元素の同位体量も既知であることから、各タグの全ての同位体変種の完全な質量分布および各々のタグの有り全ての同位体変種の存在も計算することができる。 使用されるタグに関しては、タグの主要な重同位体は13 Cの存在によるものであり、典型的な同位体存在比分布は、同位体質量がそれぞれ400.228、4
    01.231および402.234である、相対同位体比73:22:3のC 27302 Nに関するものである。 これらの存在度分布はマススペクトラム中のタグの存在を特徴付けるものであり、スペクトラム中のその他の特性からタグを識別するのに役立つ。

    【0041】 塩素や臭素の様な元素の質量タグへの利用は、これら元素が炭素とは大きく異なる同位体存在比分布を持つことから、タグの検出と同定に更に役立つ; 35 Cl: 37 Clに関する存在比は76:24 78 Br、 81 Brのそれは51:49である。

    【0042】 従って、これら元素を含む質量タグは、それぞれ特徴的な同位体分布を有している。 一般に、化学的「ノイズ」のバックグランドに対して同定を容易にするための特徴的な質量のセットを持つタグを設計することが目的となる。

    【0043】 各スペクトラム中に質量スタンダードが含まれることで、スペクトラムの質量軸が計算可能になる。 タグ質量域内およびいずれかの領域端部に質量スタンダードを利用することで、この領域での正確な質量測定が保証される。 可能な質量の完全なセットを表すイオンがしばしばマススペクトラム中に見られ、これらは理想的なキャリブレーションセットを表す。

    【0044】 プログラムは、各タグ中の元素の既知質量および同位体存在比を利用して同位体存在比分布と質量タグに対応する同位体質量を計算する様に書かれている。 この情報は、タグ付きオリゴヌクレオチド内への利用に適した、利用可能な全ての質量タグについて計算されている。

    【0045】 第2プログラムはこの情報を利用して質量タグの存在を決定し、それによりオリゴヌクレオチドにより作られたマススペクトラム中の配列を決定し、更に以下の如く作動する。 オリゴヌクレオチド中の各塩基の位置に関しては、4種類の可能なタグ(それらの同位体変種も含む)の質量に対応するマススペクトラムの4
    領域を検証し、期待されるタグスペクトルと比較される。 比較は、スペクトルのピーク位置の同定および大きさ、ならびに潜在的タグの位置および大きさとの差、によるか、あるいは実験的スペクトラムと潜在的タグより予測されるスペクトラムとの差の平方の合計を測定することの何れかにて行われる。 いずれのケースでも、4種類のタグは選択された測定法によって等級付けされ、最善のタグを用いてそれら塩基位置に塩基が割り付けられる。

    【0046】 より強な方法は、可能な各オリゴヌクレオチドを順番に検証し、上記方法により全sタグ領域について適合度を調べ、次にこの結果に基づいてオリゴヌクレオチド配列を等級付けする方法である。

    【0047】

    【実施例】

    実験 コアのトリチル構造を有するフェニル環における様々な置換基を有する一連の化合物を作成した。 これらの化合物の内のいくつかは、新規であると思われ、そして本発明の別の態様を形成する。 関与した化学は、付随の図面の図4に例示される。 化合物およびそれらの特性は、以下のとおりである。

    【0048】 図4 a. SOCl 2 、還流。 b. 2−アミノ−2−メチルプロパノール−1、2.
    5当量。 c. 臭化フェニルマグネシウム。 d. 80%AcOH、48時間。 e.
    NHS、DCC。 f. AcCl、トルエン、還流。 g. グリニャール合成。 3は、ベンゾフェノンおよび4−ブロモフェニルオキサゾリンから選択的に合成される。

    【0049】 (例1) N−スクシンイミジル−4−[ビス−(4−メトキシフェニル)−クロロメチル]−ベンゾエート(1)を、報告された手段(1,2)によって合成した。 N−スクシンイミジル−4−[(4−メトキシジフェニル)−クロロメチル]
    −ベンゾエート(2)を、4−メトキシベンゾフェノンを、4,4'−ジメトキシベンゾフェノンの代わりにグリニャール合成に使用した以外は、報告された手段(1,2)によって合成した。 1 H-NMR(CDCl 3 , δ, md): 7.95-6.8(m, 13H, ar
    om.), 3.8(s, 3H, OCH 3 ), 2.88(s, 4H, NHS). Mass-spectrum, TOF(マトリックスなし):(MI+H + )。

    【0050】 N−スクシンイミジル−4−[ビス−(フェニル)−クロロメチル]−ベンゾエート(3)を、ベンゾフェノンを、4,4'−ジメトキシベンゾフェノンの代わりにグリニャール合成に使用した以外は、報告された手段(1,2)によって合成した。 1 H-NMR(CDCl 3 , δ, md): 8.0-6.8(m, 14H, arom.), 2.88(s, 4H, NHS
    ). Mass-spectrum, TOF(マトリックスなし):(MI+H + )。

    【0051】 2−(4−ブロモフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリンから得られるグリニャール試薬の形成は、アクチベータとしてRED−Al(登録商標)(アルドリッチ(Aldrich))を使用する場合でさえ、むしろ信頼できず、そして再生不可能である。 市販で入手可能なグリニャール試薬(アルドリッチ)の利点を得るために、発明者らは、4−カルボキシベンゾフェノンから出発して、オキサゾリル保護4−カルボキシベンゾフェノン(4)を合成した。 グリニャール反応に続いて、連続段階は、化合物1−3について使用されるものに類似した。

    【0052】 2−(4−ベンゾフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン(4
    )。 4−ベンゾイル安息香酸(50g、ミリモル)を、3時間、300mlの塩化チオニル中で還流させ、蒸散させ(生成物は、油状物から結晶化する)、そしてその後、トルエンで蒸散させた(2×30ml)。 残渣を、254mlの乾燥塩化メチレンに溶解させた。 この氷冷却溶液に、150mlの乾燥塩化メチレン中の46g(2.5当量)の2−アミノ−2−メチルプロパノール−1を2時間、滴加した。 その溶液を、室温で一夜攪拌させ、そして沈殿物を、塩化メチレンで数回洗浄した。 混合画分を、蒸散させ、注意深く350mlの塩化チオニルに溶解させ、そして4時間還流させた。 反応混合液を、1/3まで蒸散させ、2L
    の乾燥エーテルに注ぎ、そして4℃で一夜静置させた。 塩酸化物の沈殿物を、1
    0℃で、1Lの水に溶解させ、そして300mlの5M KOHを、攪拌しながらそれに添加した。 混合液を、クロロホルム(3×350ml)で抽出させ、有機層をCaCl 2上で乾燥させ、そして蒸散させた。 結晶生成物を、トルエンから得た。 42g(75%)白色結晶性固体、融点81℃。 1 H-NMR(CDCl 3 , δ, md
    ): 8.2-7.2(m, 9H, arom.), 4.18(s, 2H, CH 2 ), 1.45(s, 6H, CH 3 ). Mass-spect
    rum, MALDI-TOF: 279.091(MI), 302.085(MI+Na + ), 319.656(MI+K + )。

    【0053】 主な市販で入手可能なアミンの質量は、50〜250Daの範囲に入る。 ある種の用途については、数百までの質量のタグを有することが望ましい。 TOF質量スペクトロメーターでタグの分割は、多量のタグの間で少なくとも4Daの差異で十分であることが分かった。 したがって、上記範囲のアミンは、約50の異なるタグを得ることができるのみである。 同じ保存のアミンを使用してこの量を増加するために、発明者らは、2つの活性化カルボキシル基(6)を有する別のトリチル基本の化合物を合成し、そしてアミンとの反応でそれは、2つのアミド結合を形成し、したがって例えば(2)と比べるとき他の一連の質量タグを得た。 追加の質量の増加は、例えば、(8)を使用することによってトリチル・コアまでさらにいっそうアミンを付着させることによって達成できる。

    【0054】 4,4'−[ビス−(2−(4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリル))]
    −4''−メトキシトリタノール(5)。 ヨウ素で活性化された1.5gのマグネシウム分岐点に、150mlの乾燥THF中の15.34g(ミリモル)のブロモフェニルオキサゾリンおよび1滴のRED−A1(登録商標)を、攪拌しながら添加し、そして混合液を、3時間還流させ、室温まで冷却し、そして40m
    lの乾燥THF中の4.64g(ミリモル)のメチル4−メトキシベンゾエートを滴加した。 混合液を、6時間、穏やかに還流し、室温まで冷却し、そして10
    mlの水を、攪拌しながら添加した。 有機層を、注意深く分取し、そして残渣を、少量のTHFで数回洗浄した。 合せた有機画分を、蒸散させ、そして精製(フラッシュ−クロマトグラフィー)して、11.4g(84%)の明るい黄色の固体を得た。 Mass-spectrum, MALDI-TOF: 467.545(MI-OH), 484.869(MI), 1 H-NMR(
    CDCl 3 , δ, md): 7.95-6.75(m, 12H, arom.), 4.12(s, 4H, CH 2 ), 3.78(s, 3H,
    OCH 3 ), 1.37(s, 12H, CH 3 )。

    【0055】 4,4'−[ビス−(2−(スクシンイミジルカルボキシ)]−4''−メトキシトリチルクロリド(6)。250mlの80%酢酸中の5(10g、ミリモル)の溶液を、48時間、72℃で保持し、蒸散させ、そしてその後水(2×5
    0ml)で蒸散させた。 生成物を、75mlの50%EtOH/水に溶解させ、
    3時間還流させ、そして1/3まで蒸散させた。 その後、混合液を、100ml
    の水に溶解させ、そして3M HClでpH1〜2まで酸性化させた。 沈殿物を、クロロホルムに溶解させ、乾燥(Na 2 SO 4 )させ、そして乾固するまで蒸散させ、そしてさらに真空で一夜乾燥させた。 得られたジカルボン酸を、100m
    lの乾燥THFに溶解させた。 8.5g(ミリモル)のN−ヒドロキシスクシンイミドを添加し、そして混合液を0℃に冷却させた。 20mlの乾燥THF中のジシクロヘキシルカルボジイミド(8.5g、ミリモル)を攪拌しながら滴加した。 反応混合液を、0℃で1時間、そして室温で一夜攪拌した。 ジシクロヘキシルウレアを濾取し、そして有機層を、乾固するまで蒸散させ、そして精製(フラッシュ−クロマトグラフィー)して、8.5g(%)の白黄色−白色の固形物を得た。 Mass-spectrum, MALDI-TOF: 554.703(MI+OH), 570.794(MI). 1 H-NMR(CDCl 3 δ, md): 8.2-6.75(m, 12H, arom.), 3.81(s, 3H, OCH 3 ), 2.9(s, 8H, CH 2 )。

    【0056】 AcCl/トルエン中で、3時間攪拌することによって、この化合物を、対応のトリチルクロリドに変換させた。 その後、反応混合液を、1/3まで蒸散させた。 2/3の量のトルエンを添加し、混合液を、再度1/3まで蒸散させ、そしてさらに精製することなしに使用した。

    【0057】 オリゴヌクレオチド合成(図4)の間にタグ付け部分を導入するために、我々は、プロパンジオール構造に基づいて非ヌクレオシドホスホルアミダイトシントン7を合成し、そしてそれは、標準A、C、GおよびTホスホルアミダイトに類似する反応性を供した。 MMTr(NHS)Clは、DMTrClおよびDMT
    r(NHS)Clの両方と比較して反応性が減少されていることを示し、そして低温でトリチル化反応を行って、過剰のプロパンジオールと活性化カルボキシル基の間のエステル結合の形成を防止する(データは示さず)ことは、7を合成する場合、重要である。 ホスホルアミダイト7は、室温で、少なくとも2日間、アセトニトリル溶液中で安定であった。

    【0058】 O 1 −{[4−(スクシンイミジルカルボキシ)]−4'−メトキシトリチル}−1,3−プロパンジオール。

    【0059】 トリチル化段階は、触媒なしに一夜0℃で、ピリジン中で行った以外は、公表された手段(4)によって標記化合物を合成した。 フラッシュ−クロマトグラフィーの後、55%の収量を示すモノ保護プロパンジオールを、白色発泡体として得た。

    【0060】 Mass spectrum, MALDI-TOF(α-シアノ-4-ヒドロキシ桂皮酸): 488.76(MI). 1 H
    -NMR(CDCl 3 , δ, md): 8.15-6.8(m, 13H, arom.), 3.8(s, 3H, OCH 3 ), 3.79(t,
    2H, CH 2 OH), 3.28(t, 2H, J=6Hz, MMTr(NHS)OCH 2 ), 2.9(s, 4H, スクシンイミド
    ), 1.89(quin. 2H, CH 2 CH 2 CH 2 )。

    【0061】 O 1 {[4−(スクシンイミジルカルボキシ)]−4'−メトキシトリチル}
    −O 3 −(N,N−ジイソプロピルアミノ−2−シアノエトキシホスフィニル)
    −1,3−プロパンジオール(7)。

    【0062】 モノ保護プロパンジオールの亜リン酸化を、(4)に記述されるとおり行って、70%の収率で白色発泡体として標記ホスホルアミダイトを得た。 31 P-NMR(CD
    Cl 3 , δ, md): 144.512. Mass-spectrum, MALDI-TOF(ジヒドロキシ安息香酸): 6
    89.934(MI)。

    【0063】 トリチル基本タグの分析。 化合物1、2、3および6の0.1M溶液をTHF
    /ジオキサン(1:1)の混合液中で製造した。 110μlのこれらの溶液を4
    0μl(6の場合、80μl)の様々なアミン(表1)の0.5−1M溶液と混合した。 その後、直接的に、または様々の組合せで混合した場合のいずれかで、
    マトリックスを用いて、あるいはなしで混合液を分析した。

    【0064】 質量−タグのための前駆体としてこれらの修飾されたトリチルブロックを評価するために、化合物1および2を使用して、5'−保護チミジンを合成した。 2
    00μlのおのおののトリチル化化合物を、対応の量のアミン溶液と混合させ、
    そしてそれを5分間反応させることによって、これらのヌクレオシドの、およびさらにTHF中のHO形態(トリタノール)での化合物3および6の0.1M溶液を、THFまたはジオキサン中のアミンの0.5−1M溶液(モノ−HNS−
    基本化合物についてアミンの5当量、および6について10当量)と反応させた。 その後、1μlのこれらの混合物を、サンプル標的プレート上に塗布し、それを乾燥させることによって、反応混合液を、分子イオンの形成を防止するマトリックスなしの質量スペクトルによって分析した。 典型的結果は、表1に表される。 全てのトリチル誘導体については、最強のシグナルを示めす化合物を選択し、
    そして全てを混合し、1μlの混合液を標的プレートに塗布することによって、
    混合液として分析した。 マトリックスを用いて、またはなしの両方で、素晴らしい結果が達成された。

    【0065】 全ての合成されたトリチルブロックを、対応する5'−チミジレートの2−5
    %TsOHまたはHClO 4で処理すること、および飽和ジカルボン酸ナトリウムで急冷した後生成物をTLC分析することによって、酸不安定性について試験した。 予測されるとおり、DMTr、MMTrおよびTrの間の安定性において約1桁の規模の差があった。 対応するNHS−誘導体は、安定な場合の約2倍であった。 すなわち、安定性は、DMTr<DMTr(NHS)<MMTr<MM
    Tr(NHS)<Tr<Tr(NHS)

    【0066】 オリゴヌクレオチド合成におけるタグとして使用するために、トリチル基は、
    (MA)LDI−TOF分析で明らかに高い強度のシグナルを示すに違いなかった。 それは、オリゴヌクレオチド合成で5'−DMTr基を除去するのに使用される数段階の酸性処理にも耐える、すなわち関与した他の保護基と直交であるに違いなかった。 (NHS−基は、オリゴヌクレオチド合成の条件に対して安定である、実施例2参照)。 MMTr(NHS)基は、これらの要求の両方の適するものとして好ましい。 それは、ジクロロメタン中のトリクロロ酢酸の2倍希釈標準溶液および減少された脱保護時間を用いて、オリゴヌクレオチド合成での少なくとも5〜8サイクルの酸性脱保護の後、一次水酸基に付着したままであった。
    分析については、同じ溶液中の3−4%TFAを用いて、それは、容易に放出された(〜1〜3分)。

    【0067】

    【表1】

    【0068】

    【表2−1】

    【0069】

    【表2−2】

    【0070】 (例2) オリゴヌクレオチド三量体5'−GAA−3'を、標準3'−ホスホルアミダイトを用いて1μモル規模の合成でPEGグラフト化ラップビーズ上で直接合成した。 その後、そのビーズを、今回は、7と16の様々のアミンを用い、したがって、256の様々な7−merのライブラリーを生成しながら、図2に概略されるとおりスプリット・アンド・ミッスクス攻略法にしたがって、さらに4段階のオリゴヌクレオチド合成にかけた。 アンモニア脱保護の後、ビーズを洗浄し、
    そして以下に記述されるとおり0.05μモルの5'−Cy5−TTC. CAG
    . T(10)および5'−Cy5−TTC. TAT. T(11)にハイブリッド形成した。

    【0071】 オリゴヌクレオチド合成の前に、約3〜6モル%の7を、標準A、C、GおよびTホスホルアミダイトと混合した。 全塩基に5%添加剤として7を使用して合成された8−merのライブラリーについて、オリゴヌクレオチド合成の段階収量が約99%であると仮定すると、全長のオリゴヌクレオチドに占有されたビーズの全部位の約60%を示した。 最初のタグの濃度(全ての当初の部位の5%)
    は、最後のタグ(残りの60%の部位の5%)のものより約2倍大きく、そしてそれは、さらに、同じ混合液中のそれらの全てを検出することを可能にする。 4
    −カラムAB1装置でオリゴヌクレオチド合成を行った。 各酸化段階の後、カラムを除去し、そして様々のアミンで処理した。 特定の塩基/位置のコード化のために使用されるべきタグの質量を選択するとき、特定の原理は使用されなかった。 しかし、特に、基本型(すなわち、全Asは、400から500Daまでの範囲にあるタグによってコードされ、全Csは、500〜600Daの間隔にあるタグによってコードされる等)のいずれかをコードするのに、特定の質量範囲が使用できるか、または一方、その塩基の位置は、決定因子(すなわち、位置番号1、または3'−末端(A、C、GまたはT)は、400〜420Daまでの範囲にある質量タグによってコードされ、位置番号2は、420〜440Daによってコードされる)でありえた。

    【0072】 Cy5標識オリゴヌクレオチドとハイブリッド形成することによってビーズを選択した。 ラップ−ビースのサイズ(〜0.3mm)は、その保存物から裸眼で見ることができる陽性で確認されるビースの手動の除去に対処する。 小さなビーズについては、フローサイトメトリー(FACS)のような自動的方法を使用することができるかもしれない。 選択ビーズを、脱トリチル化し、そして放出されたタグの混合物を、質量スペクトルによって分析した。

    【0073】 オリゴヌクレオチド合成での脱トリチル化段階の間、MMTr基本タグをコードする徐々の損失のあらゆる問題を排除するために、5'−Fmoc−保護攻略法も使用され、したがって、一緒に酸性条件を使用することを省いた。 各酸化段階の後、カラムを、合成装置から取除き、そしてそのビースを、対応のアミンで処理し、アセトニトリルで洗浄し、その後、アセトニトリル中の0.1M DB
    Uで処理して、Fmoc−保護を除去した。 この攻略法を使用して合成された9
    −merのオリゴヌクレオチドをコードするタグを、(MA)LD1−TOF分析を用いて検出した。 長い配列については、5'−Fmoc保護ヌクレオチドの3'−メチルホスホルアミダイトを、シアノエトキシホスホルアミダイトの代わりに好ましく使用して、アミンおよびDBUで処理するためにCNET基の不順な損失を防止できた。

    【0074】 オリゴヌクレオチド合成。 製造業者のプロトコールに従って、市販で入手可能な標準A、C、GおよびT、PAC、フルオレセインおよびCy5ホスホルアミダイトを用いてオリゴヌクレオチド合成を行った。

    【0075】 コンビナトリアルライブラリーの合成。 ホスホルアミダイト7を、3〜6モル%の総量のホスホルアミダイトまで標準A、C、GおよびTホスホルアミダイトに添加した。 35−40mg(約2500ビーズ)のRapp テンタゲルマクロビーズを、4つのポリプロピレンDNA合成カラム(1μモル規模、グレン・
    リサーチ、米国)の各々に載せた。 ホスホルアミダイト混合液を用いて、1μモル規模でオリゴヌクレオチド合成を行った:製造業者のプロトコールに従って、
    A+7、C+7およびT+7。 しかし、カラムに対する脱保護試薬(塩化メチレンでそれの元の濃度の50%まで希釈した)の供給を、連続の待機段階(10秒)と、酸の別の部分(10秒)を伴い10〜15秒まで減少させた。 そのカラムのアセトニトリル洗浄を通した連続で、全DMTR+が放出されることを確認した。 各脱トリチル化段階の前に、カラムを、自動制御態様を用いてアセトニトリルで洗浄し、そしてその後、1分間、1mlシリンジを用いて対応のアミン(アミンの安定性によって、ジオキサン/THF中の0.3−0.5mlの0.5−
    1M溶液)で処理した。 その後、カラムを、アセトニトリルで過度に洗浄し、そして15分間、真空で乾燥させた。 その後、全カラムから得たビーズを、円筒形チャンバー(ピエロ(Pieror))で0.3ml反応バイアル中に一緒に合せ、混合し、そしてその後、再度アセトニトリル中のビーズの懸濁液(1容積のビーズ当たり約1容積の溶媒)を、1mlエフェンドルフチップを用いてピペットで採取することによって4つの部分に分けた。 その後ビーズを洗浄し、乾燥させ、55℃で1.5mlの濃縮アンモニア中で14時間脱保護し、その後、蒸留水で数回洗浄し、乾燥させ、そして4℃で保存した。

    【0076】 コンビナトリアルライブラリーおよび脱トリチル化のハイブリダイゼーション。 ビーズを、4mlバイアル中の1.5mlの3.5MのTMA緩衝液(51)
    中で5'−Cy5標識7−merオリゴヌクレオチド5'−TTC. CAG. T
    (10)および5'−TTC. TAT. T(11)にハイブリッド形成させ、それを、一夜、8℃でスパイラミックス10装置で回転させた。 その後、ビーズを、同じ温度でTMA緩衝液で5回洗浄し、7.5×5cm顕微鏡スライドの表面に移し、そして余分の緩衝液を、ティッシュペーパーで吸取ることにより除去した。 その後、着色またはさもなければ同定されたビーズを、ピンセットで除去(
    通常、約30〜50ビーズ)し、水、アセトンで洗浄し、乾燥させた。 標準De
    blok溶液(クルアケム;ジクロロメタン中のトリクロロ酢酸)中のトリフルオロ酢酸の3−4%(v/v)溶液0.08〜0.1mlでビーズを3〜4分間、処理することによって、トリチルタグを切断した。 アセトンまたはメタノールで数回、上清を蒸散させて、酸を除去し、そして残渣を、(MA)LDI−TO
    Fによって分析した。 素晴らしい品質の結果が得られた。

    【0077】 (例3) チオール化オリゴヌクレオチドは、PCR生成物を金の単層上に固定するのに先に使用された(例えば、Hegnerら)。 付着は、金とチオール基の間の結合による。 この化学反応を使用して、チオール結合を介して、質量スペクトルメトリー標的プレートの金メッキ表面上に任意の遺伝子または任意の遺伝子の領域を固定することが可能である。

    【0078】 この実施例は、質量スペクトルメトリー標的プレートの金メッキ表面上にPC
    R生成物を固定化することを例示する;対のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションおよびリゲーション、その内の1つは、遺伝子座を規定し、そして他方は、推定対立遺伝子を規定する。 その対立遺伝子は、質量スペクトルメトリーによってトリチルタグ(類)を検出することによって特徴づけられる。 示された実施例は、推定標的領域としてM13mp18ssDNAを使用する。

    【0079】 PCRおよび固定化(図5) 225塩基対のPCR生成物を、2つのオリゴヌクレオチドプライマー; A1 5'ACTGGCCGTCGTTTTAC3'−;B1 5'AAGGG
    CGATCGGTGCGG3'−を用いてM13mp18ssDNAから増幅させた。 A1を、従来のホスホルアミダイト化学を使用して5'末端に17原子リンカー分子、およびチオール基を添加して合成した(図参照)。 チオール基を、
    200倍過剰のDTTで活性化させ、そして5ngの生成物を、金標的プレート上にスポット付けした。 100%湿度で、一夜のインキュベーションが、PCR
    生成物を固定化するのに十分であった。 10mMトリス−HCl(pH7.5)
    でそのプレートを浮遊させることによって、過剰テンプレートを、除去した。

    【0080】 ハイブリダイゼーションおよびリゲーション(図6) 遺伝子座C1−5'GTAAAACGACGGCCAGT3'を規定するオリゴヌクレオチドを、5'末端に結合したホスフェートで合成した。 オリゴヌクレオチドを規定する2つの推定対立遺伝子を合成した、D1は、ジメトキシトリチルでタグ付けされ、そしてD2は、モノメトキシトリチルでタグ付けされたそれらの5'末端でのみ異なるD1およびD2−5'CACGACGTT3'である。 従来のホスホルアミダイト化学を用いて、両方のオリゴヌクレオチドを合成し、そしてPCR増幅生成物に完全に相補的であった。

    【0081】 リゲーションおよびハイブリダイゼーションは、一夜、100%湿度で、46
    ℃(HousbyおよびSouthern、1998年)であり、そしてオリゴヌクレオチドC1およびD1および/またはD2の飽和濃度下であった。 リゲーションについては、リゲーションにおけるその高温最適性と、基質オリゴヌクレオチドの3'末端についての差別化の程度が高いので、熱安定性DNAリガーゼTthを使用した。 残渣の未結合オリゴヌクレオチドを洗浄により除去した。

    【0082】 質量スペクトロメーター分析 モノメトキシトリチル(MMT、質量272)の質量スペクトルは、結合生成物からMMTを切断することを明らかに例示した。 イオン化を補助するのにマトリックスは使用されなかった。 対照サンプルは、272で検出可能なピークがなかったことを示した。

    【0083】 タグ付けオリゴヌクレオチドとしてジメトキシトリチルを使用する同じ例は、
    DMTも十分に「フライする(flies)」こと、および303質量単位でピークを示すことを例示する。 誘導されたT残渣は、記述されるとおりアミン化DMTおよびMMT誘導体と結合した。 DMTタグT残渣の選択を、一緒に混合し、そして質量スペクトロメトリーによって分析した(図7参照)。

    【0084】 (例4) レーザー脱離イオン化質量スペクトロメトリーのための標的表面として使用するための使い捨てガラス製挿入物を、1mmの普通のナトリウムガラスから製造し、長方形45mm×46mmに切断し、そして切断エッジをはすに切った。 標準金メッキ金属挿入物(パーキン・エルマー/パーセプティブ・バイオシステムズ部品番号VES503 405)は、組立て前にガラス挿入物の逆に位置配向マーキングに対するテンプレートとして使用しうる。 挿入物を、使い捨てサンプルプレート支持体(パーキン・エルマー/パーセプティブ・バイオシステムズ(
    Perkin Elmer/Perseptive Biosystems)部品番号VES700 314)に保持させた。 サンプル支持体の4つの小売の栓を除去し、ガラス挿入物を、後ろから上部長方形枠に載せ、そしてサンプル支持体を再組立した。 分析用のサンプルは、現存の方法を用いて行いうる。 パーキン・エルマー/パーセプティブ・バイオシステムズの商標「ボエジャー(Voya
    ger)」 TMバイオスペクトロメトリーTM・ワークステーションソフトウエア・
    バージョン4.03は、サンプルをプレート上に正確に配置するのに使用でき、
    そして現存の方法を用いて分析を行った。

    【0085】 図8に示される質量スペクトルは、ガラス標的に対する製造業者推奨の質量較正混合液の使用によって得られた。 その混合液(パーキン・エルマー/パーセプティブ・バイオシステムズ部品番号2−3243−00−000)は、3つのペプチドdes−arg1−ブラディキニン、アングロテンシン1およびglu1
    −フィブリノペプチドBを包含する。 標準法を用いて、分析を行った。 単独にプロトン化したイオンの理論的質量は、それぞれ、904.4681Da、129
    6.6853Daおよび1570.6774Daである。

    【0086】 (例5) ポリプロピレン ポリプロピレンの表面で直接的なオリゴヌクレオチドのin situ合成は、詳細に記述された(Matsonら、1994年;Southernら、19
    94年)。 特定の短い(10〜20塩基)配列の表面合成は、標的配列を捕捉するのに使用されうる。 いったん捕捉されると、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)は、捕捉された標的配列とハイブリッド形成されうる。 質量タグ付けオリゴヌクレオチドの連続リゲーションは、質量スペクトロメトリーで使用して、対立遺伝子を規定する。 質量スペクトロメトリーは、実施例4で記述されたものに類似の方法で使い捨てサンプルプレート支持体にポリプロピレン配列を確保することによって可能になった。

    【0087】 通常のホスホルアミダイトDNA合成の終わりにDMT左「オン」を有する9
    −merのオリゴヌクレオチドを、一片のポリプロピレンの上にスポット(20
    00ピコモル)付けした。 マトリックスなしのレーザー脱離/イオン化時間のフライト質量スペクトロメトリーが、309.3質量単位でピークを表した。 質量が高度に観察されたのは、使い捨て標的プレートの後ろに置かれるべきポリプロピレン(ストリップ)標的のためであり、それにより、イオン飛行距離を増やすためである。 プレートは、質量スペクトロメトリーのために確保されるポリプロピレンストリップを保持するのに使用された。

    【0088】 (例6) エポキシシラン化学 実施例4に記述されるとおり質量分光分析用のガラス製標的を作成する。 表面は、エポキシシラン(Beattieら、1995年)で処理することによって活性化され、そして標的DNAは、3'または5'末端のいずれかで末端アミンで合成される。 5μMのアミン化オリゴヌクレオチドを、活性化ガラス製プレートの表面にスポット付けし、そして2時間から一夜放置した。 表面を、60℃で、H 2 Oで、室温で10mMトリエチルアミン(pH9.2)で洗浄し、続いて熱水で2回洗浄した。 32放射性アイソトープで標識したプローブオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、3M TMAC、60mMトリス(pH7
    . 5)、6mMのEDTA、0.03%SDS中で1時間、続いて同じ緩衝液で1時間洗浄する。 ハイブリダイゼーション効率の分析は、リン光測定分析によって測定でき、そしてタグ付オリゴヌクレオチドの質量分光光度測定分析が対立遺伝子を決定する。

    【0089】 イソチオシアネート化学 この方法は、先に記述された(WeilerおよびHoheisel、199
    7年)。 これらの実験の目的については、ガラス製標的プレートは、10%Na
    OHで一夜浸漬し、続いてH 2 Oおよびメタノールで洗浄することによって、シラン化する。 その後、プレートを、メタノール中の3%アミノプロピルトリメトキシシラン中で超音波処理し、続いて水、続いてメタノールで洗浄する。 その後、プレートを、窒素中におき、そして15分間、110℃で焼付ける。

    【0090】 アミン化オリゴヌクレオチドの固定のために、フェニレンジイソチコシアネート(PDITC)によってプレートを活性化させる(WeilerおよびHoh
    eisel、1997年)。 5'または3'アミンで標的オリゴヌクレオチドを合成する。 室温で、2時間、0.001MのNaOH、0.1〜1.0μMオリゴヌクレオチド中で標的DNAの固定化を行う。 1時間、3×SSPEおよび0
    . 5%SDS中で32 P放射性標識した相補的プローブオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションを行い、続いて、同じ緩衝液中で洗浄し、そして連続ホスホルイメージャー分析する。 タグ付オリゴヌクレオチドのリゲーションおよび質量分光光度分析が、対立遺伝子を決定する。

    【0091】 メルカプトシラン修飾ガラス表面 メルカプトシラン修飾ガラス表面を誘導するためのこの方法は、先に記述されている(Rogersら、1999年)。 簡便には、ガラス製標的プレートは、
    25%水酸化アンモニウムナトリウム中で一夜洗浄され、10分間、水で洗浄し、続いて無水エタノールで簡便に洗浄する。 シラン化については、ガラス製プレートを、30分間、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPTS)の1%溶液、95%エタノール、16mM酢酸(pH4.5)で浸漬する。 最終的に、プレートを、95%エタノール/16mM酢酸(pH4.5)で洗浄し、そして2時間、150℃で真空オーブンで乾燥させる。

    【0092】 標的DNAを、チオール/ジスルフィド交換反応を介して固定化する。 チオール基は、標準ホスホルアミダイト化学を用いて任意のオリゴヌクレオチドの5'
    末端に容易に加えることができる。 一般に、チオール化オリゴヌクレオチドである場合、500mMのNaHCO 3 (pH9.0)中の10μMを、2時間、一夜まで活性化メルカプトシラン表面にスポット付けする。 その後、その表面を、
    TNTw緩衝液(10mMトリスHCl(pH7.5、150mM NaClおよび0.05%Tween20)で洗浄する。

    【0093】 40塩基の5'チオール化オリゴヌクレオチドは、メルカプトシラン化ガラス製標的に固定された。 32 P放射性標識した17塩基の相補的プローブ配列のハイブリダイゼーションは、ほとんどバックグランドハイブリダイゼーションなしの相補的標的配列に非常に特異性があることを示した。

    【0094】 (例7) ポリリシン 27−merのオリゴヌクレオチドを、ポリリシンで前処理したガラス製質量スペクトロメトリー標的に付着させた。 非特異的血およびグリニャールを阻害する処理の後、高い効率を示す相補的14−merの特異的ハイブリダイゼーションが、成功裏に例示された。

    【0095】 ガラス製MS標的(実施例4に記述された)を、清浄し、そしてポリリシン溶液(シグマP8920)で処理し、続いて以下に記述される一般の手段で処理した。

    【0096】 1. スライドラックの上にスライドを載せる。 ラックをチャンバーに入れる。 2. 清浄溶液を作成する。 280mLのddH 2 O中に70gのNaOHを溶解させる。 420mlの95%エタノールを添加する。 総量は、700ml(=
    2×350ml)である。 完全に混合するまで攪拌する。 溶液が曇りを残す場合、透明になるまでddH 2 Oを加える。

    【0097】 3. スライドと共にチャンバーに溶液を注ぐ。 ガラス製蓋でチャンバーを覆う。 2時間、軌道振蘯器で混合する。 スライドが透明になったら、それらを、できる限り少ない空気に曝すべきである。 塵粒子は、被覆および印刷に干渉する。 4. ddH 2 Oで充填した新たなチャンバーにラックを移す。 ラックを上げ下げすることによって激しく洗浄する。 ddH 2 Oで4回繰返し洗浄する。 それは、NaOH−エタノールの全ての軌跡を除去するために重要である。

    【0098】 5. ポリリシン溶液を製造する。 560ml水中の70mlポリ−L−リシン+70ml組織培養PBS。 プラスチック製勾配シリンダーおよびビーカーを使用する。 6. ポリリシン溶液にスライドを移し、そして15分−1時間、振蘯させる。 7. ddH 2 Oで充填した新たなチャンバーにラックを移行させる。 5回上げ下げして、洗浄する。

    【0099】 3つのオリゴヌクレオチドを、標準法を使用して作成した。 1a 5'Cy−GCAGTCAGTC ACAGAAGGTG TTTCTG
    A 3' 1b 5' GCAGTCAGTC ACAGAAGGTG TTTCTG
    A 3' 2 5'Cy−GAAACACCTT CTGT 3'

    【0100】 オリゴ1aは、蛍光シアニン染料で標識され、オリゴ1bは、未標識の同じ配列である。 オリゴ2も、標識されたシアニンであり、そしてオリゴ1aおよび1
    bの塩基11から24までに対する配列に相補的である。

    【0101】 オリゴ1aおよび1bの2倍の連続希釈を、500ng/μlから1ng/μ
    lまでの脱イオン化蒸留水中で作成した。 各機希釈の2つの二重1μlスポットを、ガラス標的に載せ、そして空気で乾燥させた。 ガラス標識を、処理して、以下に記述される一般手段に続いて非特異的DNA結合を阻害する。

    【0102】 1. スライドラックに配列を載せる。 軌道振蘯器で十分にスライドチャンバーを空にさせる。 2. 遮断溶液を作成する。 325mlの1−メチル−2−ピロリジノン中に5
    . 5gの無水コハク酸を溶解させる。 無水コハク酸を溶解させた直後に、25m
    lホウ酸ナトリウムを加える。

    【0103】 3. ホウ酸ナトリウム溶液を混合した直後、空のスライドチャンバーに溶液を注ぐ。 スライドラックを溶液に数回突っ込む。 軌道振蘯器で、15〜20分間混合する。 同時に、〜700ml水(スライドラックを覆うのに十分である)を、
    2リットルのビーカー中で95℃まで加熱する。 4.2分間、スライドラックを95℃の水に穏やかに突っ込む。 5.95%エタノール中にスライドラックを5回突っ込む。

    【0104】 蛍光を、STORM860蛍光読取機を用いて走査し、そして記録して、オリゴ1aの付着を確認した。 同じ配列の未標識オリゴ1bの付着が、推論される。

    【0105】 ハイブリダイゼーション溶液(4×SSC、0.25%SDS、240ピコモルのオリゴ2)を、総量52μlで作成し、2分間沸騰させ、ガラス標的に載せ、そして未処理ガラス標的で被覆した。 ハイブリダイゼーションは、室温で3×
    SSCを含む湿潤チャンバー中で8時間、進行させた。 その後、標的を2×SS
    Cで3回洗浄し、脱イオン化蒸留水で簡便に洗浄し、そして空気で乾燥させた。
    固定化された未標識の相補的配列オリゴ1bへの標識オリゴ2の付着は、蛍光走査によって確認された。

    【0106】 データ 非特異的結合を阻害する処理に続いて、結合オリゴ1aの蛍光を、500ng
    /μlから検出した。 ハイブリダイゼーション後、結合オリゴ2の蛍光は、50
    0ng/μlから1ng/μlまでの希釈の完全な範囲を越えて検出された。 非特異的バックグランド蛍光は、許容しうる。

    【0107】 (例8) 溶液実験 タグ付オリゴヌクレオチドのテンプレートDNAへのリゲーションを試験するために、溶液実験を行った。 9塩基のオリゴヌクレオチドは、タグ付けされているか、またはいなかった。 適合したオリゴヌクレオチドは、413.5単位の質量タグを示し、そしてミスマッチオリゴヌクレオチドは、402単位の質量タグを示した。 17塩基プライマーを、リゲーション処理を指示するのに使用した。
    反応は、各9−merのオリゴヌクレオチドの組合せから構成された。 テンプレートとタグ付オリゴヌクレオチドの濃度は、120fモルであった一方で、17
    塩基プライマーは、60fモルの濃度にあった。 プライマーを、ポリヌクレオチドキナーゼを用いて32 Pで放射性標識した。 各反応液は、50単位のサーモムスサモフィルス(Thermus thermophilus)DNAリガーゼを含み、そして37℃または46℃のいずれかで、4時間、インキュベートした。 反応液を、ホルムアミドでスポット付けし、そして生成物を、ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって分析した。

    【0108】 生じた結合バンドは、ゲルから削り、そしてDNAを、37℃で、一夜、高塩分緩衝液中でのインキュベーションによって溶出させた。 その後、DNAを精製し、そしてマトリックスなしの質量分光光度計によって分析した。 生じた413
    . 5の質量は、完全に相補的なオリゴヌクレオチドNのリゲーションに使用された質量タグに対応した。 402質量単位で、オリゴヌクレオチドMのミスマッチ配列に対応する検出可能なピークはなかった。 これは、リゲーション配列が、最近適合したオリゴヌクレオチドに非常に特異的であること、したがって、その手段が、高い処理量の遺伝子型に適合性があることの確認がされる。

    【0109】 (例9) 要約 ガラススライドを、乾燥トルエン中で(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシランでシラン化させた。 その後、末端チオール官能基を、2,2'−ジピリジルジスルフィドと反応させて、ピリジルジスルフィド結合を形成させた。 末端ホスホロチオエート基でその5'−末端に修飾した43−merのオリゴデオキシヌクレオチドを、修飾スライドに付着させた。

    【0110】 未処理ガラススライドを、6時間、乾燥トルエン中の5%(v/v)(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシランの溶液に漬けた。 スライドを、乾燥トルエン、続いてエタノールで洗浄した。 スライドを、イソプロパノール中の2,2
    '−ジピリジル・ジスルフィドの6.66g/lの溶液に連続して一夜漬けた。
    最後に、スライドを、イソプロパノールで洗浄し、空気乾燥させた。

    【0111】 そのオリゴヌクレオチドは、配列: 5'−p(s)−TTT TAG CAA TGG GCA GTC AGT CAC AGA AGG TGT TTC TGA GAC C 3' (p(s)=末端チオホスフェートである) を示した。

    【0112】 40μM、20μM、8μMおよび4μMのオリゴヌクレオチド溶液を、水中で作成した。

    【0113】 各希釈の20μlに、20μlの0.8Mクエン酸緩衝液(pH4)、20μ
    lエチレングリコールおよび40μlの水を添加した。

    【0114】 最終濃度は、10μM、5μM、2μMおよび1μMであった。

    【0115】

    【表3】

    【0116】 1μオリゴヌクレオチド溶液を各スポットに使用した。 スライドを、18時間、室温で保持し、水、続いてイソプロパノールで洗浄し、そして乾燥させた。

    【0117】 (例10) O 1 −{[4−(スクシンイミジルカルボキシ)]−4'−メトキシトリチル}−5−トリフルオロアセトアミド−1−ヘキサノール(2)。 周囲温度で、ピリジン(25ml)中のN−スクシンイミジル−4−[ビス−(フェニル)−クロロメチル]−ベンゾエート(1)(0.8g、1.7ミリモル)の溶液を、固形物として少量で添加された過剰の6−トリフルオロアセトアミド−1−ヘキサノール(0.91g、4.25ミリモル)で処理した。 得られる溶液を、窒素の雰囲気下で、周囲温度で一夜攪拌した。 その後、溶媒を真空下で除去して、光沢のある黄色油状物として得た。 フラッシュ・カラム・クロマトグラフィー(5:
    1 ジクロロメタン−酢酸エチル)は、白色発泡体として標記化合物をもたらした。 収量=0.39g(35%)。 δ(300MHz, CDCl 3 ) 8.02(2H, d, アリール),
    7.61(2H, d, アリール), 7.39-7.20(9H, m, アリール), 6.82(2H, d, アリール
    ), 6.27(1H, br, アミド), 3.78(3H, s, OCH 3 ), 3.32(2H, m), 3.03(2H, m), 2.
    87(4H, s, スクシミジル), 1.62-1.49(6H, m), 1.42-1.21(6H, m): IR(film) ν
    3345, 1770, 1730, 1708 cm -1 ; MS(ES+) 644(M+H 2 O )+

    【0118】 O 1 −{[4−(スクシンイミジルカルボキシ)]−4',4”−ジメトキシトリチル}−6−トリフルオロアセトアミド−1−ヘキサノール(3)を、上に記述される手段を用いて、N−スクシンイミジル−4−[(4−メトキシジフェニル)−クロロメチル]−ベンゾエート(4)(1.2g、2.5ミリモル)および6−トリフルオロアセトアミド−1−ヘキサノール(1.33g、6.25
    ミリモル)から製造した。 収量=白色発泡体として1.02g(62%)。 δ H (
    300MHz, CDCl 3 ) 8.02(2H, d, アリール), 7.61(2H, d, アリール), 7.24(4H, d,
    アリール), 6.81(4H, d, アリール), 6.26(1H, br, アミド), 3.78(6H, s, OCH 3 ×2), 3.32(2H, m), 3.02(2H, m), 2.86(4H, s, スクシンイミジル), 1.6-1.5(
    7H, m), 1.36-1.21(5H, m); IR(film) ν 3400, 1770, 1740, 1708 cm -1 : MS(ES
    +) 697(M+MeCN )+

    【0119】 O 1 −{[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4'−メトキシトリチル}−
    6−トリフルオロアセトアミド−1−ヘキサノール(5)。 アセトニトリル(5
    ml)中のO 1 −{[4−(スクシンイミジルカルボキシ)]−4'−メトキシトリチル}−6−トリフルオロアセトアミド−1−ヘキサノール(0.39g、
    0.63ミリモル)の溶液を、過剰の混ざりのないn−ブチルアミン(0.18
    g、2.5ミリモル、0.25ml)で処理した。 窒素の雰囲気下で、周囲温度で一夜溶液を攪拌した。 その後、溶媒を、真空下で除去し、そして残渣を、酢酸エチルおよび水の間に分配した。 有機層を分離し、Na 2 SO 4上で乾燥させ、そして濾過した。 濾液の濃縮で、継続して結晶化する透明な油状物を得た。 収量=
    0.35g(96%)。

    【0120】 δ H (300MHz, CDCl 3 ) 7.64(2H, d, アリール), 7.49(2H, d, アリール), 7.38(
    2H, d, アリール), 7.27-7.20(5H, m, アリール), 6.4(1H, br, アミド), 6.13(
    1H, br, アミド), 3.77(3H, s, OCH 3 ), 3.41(2H, m), 3.29(2H, m), 3.02(2H, m
    ), 1.57-1.50(7H, m), 1.38-1.21(5H, m), 0.91(3H, t, CH 3 (CH 2 ) 3 N); IR(film)
    ν 3303, 3083, 1707, 1637, 1543, 1508 cm -1

    【0121】 O 1 −{[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4',4”−ジメトキシトリチル}−6−トリフルオロアセトアミド−1−ヘキサノール(6)を、上に記述される手段を用いて、O −{[4−(スクシンイミジルカルボキシ)]−4'
    ,4”−ジメトキシトリチル}−6−トリフルオロアセトアミド−1−ヘキサノール(0.6g、0.76ミリモル)およびブチルアミン(0.22g、3.0
    ミリモル、0.3ml)から製造した。 収量=透明な油状物として0.45g(
    95%)。

    【0122】 δ H (300MHz, CDCl 3 ) 7.64(2H, m, アリール), 7.49(1H, d, アリール), 7.35(
    1H, d, アリール), 7.34-7.27(3H, m, アリール), 7.13(2H, d, アリール), 6.7
    9(4H, m, アリール), 6.36(1H, br, アミド), 6.05(1H, br, アミド), 3.77(6H,
    s, OCH 3 ×2), 3.63(1H, m), 3.46-3.28(6H, m), 1.55(7H, m), 1.37(4H, m), 0
    .91(4H, m); IR(film) ν 3301, 3033, 1708, 1637, 1544, 1508 cm -1 。 O 1 −{[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4'−メトキシトリチル}−
    6−アミノ−1−ヘキサノール(7)。 メタノール(5ml)中のO 1 −{[4
    −(ブチルアミドカルボキシ)]−4'−メトキシトリチル}−6−トリフルオロアセトアミド−1−ヘキサノール(0.35g、0.6ミリモル)の溶液を、
    周囲温度で、0.88spgのアンモニア水溶液(1ml)で処理した。 その溶液を一夜攪拌し、そしてその後、溶媒を真空下で除去した。 薄層クロマトグラフィー(4:1 ジクロロメタン−酢酸エチル)による分析は、アミノ基(ニンヒドリン)およびトリチル残基(アニスアルデヒド/酸)の存在について試験するときに、陽性の結果を示す新規で極性のある材料の存在を示した。 粗材料は、さらなる精製なしに使用された。

    【0123】 O 1 −{[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4',4”−ジメトキシトリチル}−6−アミノ−1−ヘキサノール(8)を、上に記述される手段を用いて、O −{[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4',4”−ジメトキシトリチル}−6−トリフルオロアセトアミド−1−ヘキサノール(0.45g、0.
    7ミリモル)およびアンモニア水溶液(1ml)から製造した。

    【0124】 O 1 −{[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4'−メトキシトリチル}−
    6−スクシンアミド−1−ヘキサノール(9)。 O 1 −{[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4'−メトキシトリチル}−6−アミノ−1−ヘキサノール(
    〜0.3ミリモル)を、周囲温度で、無水ピリジン(5ml)に溶解させた。 その後、無水コハク酸(0.07g、0.7ミリモル)を添加し、そして生じた溶液を、2時間、周囲温度で攪拌させた。 その後、溶媒を真空下で除去し、そして残渣を、tlc(4:1 ジクロロメタン−酢酸エチル)によって分析した。 新しい材料を観察し(R f 0.3)、そしてそれは、トリチル残基(アニスアルデヒド/酸)について試験したときに陽性を示したが、しかし、アミン(ニンヒドリン)の存在について試験したときには陽性を示さなかった。 粗生成物は、さらに精製することなしに使用した。

    【0125】 O 1 −{[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4',4”−ジメトキシトリチル}−6−スクシンアミド−1−ヘキサノール(10)を、上に記述される手段を用いて、O 1 −{[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4',4”−ジメトキシトリチル}−6−アミノ−1−ヘキサノール(〜0.35ミリモル)および無水コハク酸(0.09g、0.9ミリモル)から製造した。 生成物は、さらなる精製なしに使用された。

    【0126】 N−スクシンイミジル{O 1 −[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4'−
    メトキシトリチル}−6−スクシンアミド−1−ヘキサノエート(11)。 アセトニトリル中のO 1 −{[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4'−メトキシトリチル}−6−スクシンアミド−1−ヘキサノールおよびO−(N−スクシンイミジル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム・テトラフルオロボレートの溶液を、周囲温度で攪拌しながら、N,N−(ジイソプロピル)エチルアミンで処理した。 2時間攪拌した後、溶媒を真空下で除去し、そして残渣を、
    フラッシュカラムクロマトグラフィー(98:2 ジクロロメタン−メタノール)に掛けた。 部分的に精製された生成物を得て、その後、それは、分取薄層クロマトグラフィーを用い、そして9:1ジクロロメタン−メタノールで溶出して純化させた。 そのプレートを、十分に乾燥させ、その後、再度溶出させた。 tlc
    上のトリチル活性材料に対応するバンドを取り出し、9:1ジクロロメタン−メタノールで粉砕した。 シリカを濾取し、そして濾液を真空下で濃縮させて、少量の標記化合物を得た。 収量=10mg。

    【0127】 δ H (300MHz, d 3 -MeCN) 7.68(2H, d, アリール), 7.49(2H, d, アリール), 7.4
    2(2H, d, アリール), 7.33-7.23(5H, m, アリール), 7.1(1H, br, アミド), 6.8
    6(2H, d, アリール), 6.6(1H, br, アミド), 3.75(3H, δ, OCH 3 ), 3.34-3.27(2
    H, m), 3.10(2H, m), 2.99(2H, m), 2.56(4H, s), 2.55-2.38(4H, m), 1.56-1.4
    9(3H, m), 1.40-1.29(7H, m), 1.21(1H, m), 0.91(3H, t, CH 3 (CH 2 ) 3 N)。

    【0128】 N−スクシンイミジル{O 1 −[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4',
    4”−ジメトキシトリチル}−6−スクシンアミド−1−ヘキサノエート(12
    )を、O 1 −{[4−(ブチルアミドカルボキシ)]−4',4”−ジメトキシトリチル}−6−スクシンアミド−1−ヘキサノール(〜0.3ミリモル)、O
    −(N−スクシンイミジル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム・
    テトラフルオロボレート(0.27g、0.91ミリモル)およびN,N−(ジイソプロピル)エチルアミン(0.24g、1.9ミリモル、0.33ml)から製造された。 生成物を不純で得た。 収量=0.045g。

    【0129】 上記化合物の両方を、ジクロロメタン中の希釈溶液を製造し、その後過剰のn
    −ブチルアミンを添加することによって活性エステルの存在について試験した。
    反応液を、tlc(9:1ジクロロメタン−メタノール)によって実験し、そして両方の場合に、出発材料をよりいっそう極性を示す生成物に完全に変換することを示した。 アミノヌクレオチド誘導体との活性化エステルの反応は、類似のアミド結合生成物の形成を生じることが予想されえた。

    【0130】

    【化1】

    【0131】 (例11) 6−N−トリチルアミノスクシンイミジルヘキサノエート

    【化2】

    【0132】 N−トリチルアミノカプロン酸(214mg、0.57ミリモル)、ジクロロヘキシルカルボジイミド(154mg、0.75ミリモル)、4−N−ジメチルアミノピリジン(21mg、0.17ミリモル)およびN−ヒドロキシスクシンイミド(86mg、0.75ミリモル)を乾燥ジオキサン(5ml)に溶解させた。 反応混合液を、室温で、一夜攪拌させた。 ジシクロヘキシルウレアを濾取し、そして濾液を乾固するまで蒸散させ、そしてフラッシュ・クロマトグラフィー(2%メタノール/ジクロロメタンまでのジクロロメタンの濃度勾配)によって精製した。 光沢のある黄色発泡体を単離した(270mg、98%)。

    【0133】 1 H NMR(CDCl 3 , δ, md): 7.46-7.08(m, 15H, arom), 2.74(s, 4H, スクシンイミド), 2.53(t, 2H, NH- CH 2 ), 2.06(t, 2H, CO CH 2 ), 1.86-1.16(m, 6H, 3×CH 2 )
    。 Mass spectrum(Electrospray, +ve mode) 471.53[M+H] + , 243.28[トリチル] +

    【0134】 5−(アリル−3−ビスカプロミジル−15−N−トリチルアミノ)−2'−
    デオキシウリジン−5'−トリホスフェート

    【化3】

    【0135】 5−(アリル−3−カプロミジル−9−アミノ)−2'−デオキシウリジン−
    5'−トリホスフェート(500μlの炭酸緩衝液(pH8.5)中で2.5m
    g)を、マイクロスターラー棒を有するエフェンドルフに注入した。 アセトニトリルを添加(125μl)し、その後6−N−トリチルアミノスクシンイミジルヘキサノエート(45μlアセトニトリル中6mg)を添加し、続いてさらにアセトニトリル(45μl)を添加した。 反応混合液が、最初に濁り、その後さらに攪拌で透明になる室温で、溶液を攪拌させた。 5時間の攪拌の後、反応混合液を、濃縮ゾーンを有するシリカ分取プレート(5:4:1プロパン−2−オール:アンモニア:水)上で精製した。 生成物を含むシリカをプレート上から擦り取り、そして同じ溶出系で抽出し、蒸散し、50:50アセトニトリル:水に再溶解させ、そして生綿栓を通して濾過させた。 溶液を、微細な白色粉末になるまで蒸散させた。 精製の後のTLCでは、生成物が、出発トリホスフェートより高い流出量であり、そしてアニスアルデヒドで強力に加熱するときに茶色に染まる(
    糖の指標である)ことが示された。

    【0136】 Mass spectrum(Electrospray, + ve mode) 1014.11[M+Na] + , 243.28[トリチル
    ] + . (- ve mode) 990.35[MH] - , 910.18[MH 2 PO 3 ] -

    【0137】 ビオチン、ハプテン、染料および金属キレート剤のようなアリルアミノ−dU
    tpの接合体は、ポリメラーゼによる取込みのための基質として文献に報告された。

    【0138】 (例12) 大要 ハイブリッド形成第三オリゴを介して固形支持体上で質量タグ付オリゴヌクレオチドを固定した相補的DNA配列に結合させるシステムが、記述される。 そのシステムは、酵素的成分としてTthDNAリガーゼを使用し、そしてそれは、
    ハイブリッド形成「プローブ」オリゴ上へのDMT修飾オリゴ(「レポーター」
    配列)のリゲーションを触媒する。 溶液に使用されるプローブオリゴは、全ての操作および検出を通して固形支持体に付着されたままである繋がれた「テンプレート」オリゴへのハイブリダイゼーションによって起源を探り出される。 プローブまたはレポーターオリゴのいずれでもないハイブリダイゼーションは、それらの長さが短いので上昇した温度で起こるが、一貫して高いTmを示す結合生成物は、洗浄温度が上がったときに保有される。 リゲーションの成功は、固定されたテンプレート上の対応の塩基に対するレポーターでの3'塩基の正しいミスマッチ検出による。 Tthリガーゼは、この位置でミスマッチ塩基の存在下で反応を触媒しない。

    【0139】 付着化学 オリゴは、多様な入手可能で開発された化学を用いて、誘導されたガラス表面に特異的に付着された。 末端5'アミノ基を有するオリゴは、イソチオシアネートとエポキシド誘導ガラスの接合体に使用された一方で、チオール修飾オリゴは、メルカプトプロピルシランおよびピリジルジスルフィド法を用いて固定された。 この後者の方法は、この報告で記述された実験の主題である。 ハイブリダイゼーション実験 以下のオリゴ配列が使用された。

    【0140】 5'TTTTAGCAATGGGCAGTCAGTCACAGAAGGTGT
    TTCTGAGACC 3'(鋳型) TCAGTCAGTGTCTTCCACA
    AAGAC*(質量タグを有するレポーター) (プローブ)

    【0141】 プローブおよびレポーターオリゴは、それぞれ、42および26℃のTm値を示し、両方を、22℃の実験温度でアニールさせた。 高温での連続洗浄は、15
    −merのプローブについてチャート図1で例示される、アニールされたプライマーの量を減少させ、そして最大の減少は、オリゴのTmの領域で生じる。 このパターンは、分析されたオリゴの両方の濃度(8および6μM)に一致する。 これは、ハイブリダイゼーションが、高濃度のテンプレートについて生じる優れたシグナル対ノイズ比を示す、プローブとテンプレートとの間の相互作用の一次態様であることを示す。

    【0142】 チャート2では、テンプレート沈着濃度が下げられたときに、シグナル強度での減少が示される。 低いテンプレート濃度で、ハイブリダイゼーション強度が一致しないようなピリジルジスルフィド付着化学で考慮すべき変化がある。

    【0143】 同じテンプレート上へのプローブとレポーターオリゴの両方のリゲーションおよび質量スペクトロメトリーによる検出の表示を計数する。

    【0144】

    【表4】

    【0145】 チャート1.15マーのプローブオリゴを付着テンプレートにアニールする上での緊縮洗浄が増加した影響(条件 1×Tthリゲーション緩衝液、0.1%S
    DS)

    【表5】

    【0146】 チャート2. 標識プローブのハイブリダイゼーション・シグナルにおける増加は、付着テンプレート濃度に比例する。 (1×Tthリゲーション緩衝液中でのサンプル洗浄、22℃で0.1%SDS)。

    【0147】

    【表6】

    【0148】

    【図面の簡単な説明】

    添付図面は参照を目的としており、

    【図1】 図1は液中に於いてオリゴヌクレオチドに結合されるトリチルをベースとした質量タグを利用したコーディング法の図である。

    【図2】 図2は、ビーズに結合された質量タグとオリゴヌクレオチドを用いた、トリチルをベースとした質量タグを利用したコーディング法の図である。

    【図3】 図3は、MMT−タグ付きオリゴヌクレオチドの合成、および検出を示す図である。

    【図4】 図4は各種トリチルをベースとした質量タグの合成を示す。

    【図5】 図5は、ハイブリダイゼーションおよびリゲーション前のPCRおよび固定化法を示す図である。

    【図6】 図6は、ハイブリダイゼーションおよびリゲーション前のPCRおよび固定化法を示す図である。

    【図7】 図7は以下の条件にて得られるマススペクトラムである。

    【図8】 図8は以下の条件にて得られるマススペクトラムである。

    【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書

    【提出日】平成12年7月31日(2000.7.31)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項1

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正2】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項11

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正3】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項15

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正4】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項19

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正5】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項31

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正6】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項32

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正7】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項33

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正8】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項45

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正9】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項46

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【手続補正10】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】請求項51

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 7識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 シュチェピノフ、ミハイル・セルゲービッ チ イギリス国、オーエックス3・0ピーエ ヌ、オックスフォードシャー、オックスフ ォード、オールド・マーストン、バーン ズ・ハイ 8 (72)発明者 ハウズビー、ジョン・ニコラス イギリス国、オーエックス15・5エヌキュ ー、オックスフォードシャー、バンベリ ー、フック・ノートン、ハイ・ストリー ト、ガゼボ・コテージ(番地なし) (72)発明者 ハミルトン、アラン・ルイス イギリス国、エイチピー6・6エスエイ チ、バッキンガムシャー、リトル・チャル フォント、チャーチ・グローブ 15、アッ シュダウン (72)発明者 エルダー、ジョン・ケネス イギリス国、オーエックス5・2エーワ イ、オックスフォードシャー、オックスフ ォード、キドリントン、セント・メアリー ズ・クローズ 14 Fターム(参考) 2G045 AA35 AA40 DA12 DA13 DA14 FB02 FB07 FB15 FB20 4B024 AA11 CA09 HA12 4B029 AA21 BB20 CC03 CC13 4B063 QA01 QA18 QQ42 QQ52 QR32 QR56 QR62 QR83 QS25 QS34 QS36 QS39 QX07

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