Diagnosis of autism, biomarkers and their use in the treatment |
|||||||
申请号 | JP2013544428 | 申请日 | 2011-12-13 | 公开(公告)号 | JP2014506244A | 公开(公告)日 | 2014-03-13 |
申请人 | オーティズム バイオダイアグノスティック リミテッド; | 发明人 | ナギ モメニ; ベント エル. ペルッソン; | ||||
摘要 | 本発明は、新規バイオマーカーである配列SSKITHRIHWESASLLR * を有するペプチドを提供し、式中、アステリスクで示されるC末端のアルギニンの側鎖が、通常は側鎖に存在するNH2-C=NH分子を欠く。 神経疾患および/または神経精神疾患(特に自閉症)の診断における本バイオマーカーの有用性が開示され、この新規バイオマーカーおよびこの新規バイオマーカーに対して向けられる 抗体 の濃度を測定するための方法も開示される。 補体因子I阻害剤を対象に投与する工程を含む自閉症の治療も提供される。 |
||||||
权利要求 | アミノ酸配列NH 2 -SSKITHRIHWESASLLR * -COOH(SEQ ID NO:1)を有するペプチドであって、R *で示されるC末端残基が式(I)に表される側鎖を有する、ペプチド: 。 試料中の請求項1に基づくペプチドの有無および/または濃度を測定する工程を含む、分析方法。 試料が生体試料である、請求項2記載の方法。 生体試料が、血液試料、血漿試料、ヘパリン加血漿試料、EDTA-血漿試料、血清試料、尿試料、唾液試料、涙液試料、脳脊髄液試料、腹水試料、組織試料および生検材料からなる群より選択される、請求項3記載の方法。 生体試料がヘパリン加血漿試料である、請求項4記載の方法。 測定する工程が、MALDI-TOF、SELDI-TOF、LC-MSもしくはLC-MS/MSなどの質量分析法に基づく方法を用いて、またはELISA、RIA、FIAもしくはDELFIAなどの免疫化学的アッセイを用いて実施される、請求項2〜5のいずれか一項記載の方法。 請求項1記載のペプチドに特異的な抗体。 モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項7記載の抗体。 請求項1記載のペプチドおよび/または請求項7もしくは請求項8記載の抗体を含む、診断における使用のための製品パッケージ。 プロテアーゼ阻害剤;請求項1記載のペプチドの濃度を測定するための説明書;SEQ ID NO:2のペプチド;SEQ ID NO:3のペプチド;SEQ ID NO:2に特異的な抗体;SEQ ID NO:3に特異的な抗体の一つまたは複数をさらに含む、請求項9記載の製品パッケージ。 (a)診断される対象からの試料を用意する工程; (b)該試料中の請求項1記載のペプチドの濃度を測定する工程;および (c)該濃度を、健常な対照者からの同様の試料中の請求項1記載のペプチドの濃度に基づく参照値と比較する工程を含む、神経疾患または神経精神疾患の診断方法であって、 前記試料中の濃度が前記参照値よりも低いことが、神経疾患または神経精神疾患の存在を示唆する、方法。 (d)前記試料中の の配列を有するペプチドの濃度を測定する工程;および (e)該濃度を、健常な対照者からの同様の試料中の同一のペプチドの濃度に基づく参照値と比較する工程をさらに含む、請求項11記載の方法であって、 前記試料中の濃度が前記参照値よりも高いことが、神経疾患もしくは神経精神疾患の存在をさらに示唆する、請求項11記載の方法。 濃度を測定する工程が請求項2〜6のいずれか一項記載の方法によって実施される、請求項11〜12のいずれか一項記載の方法。 疾患が、自閉症、アスペルガー症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、統合失調症、うつ病および双極性障害から選択される、請求項11〜13のいずれか一項記載の方法。 疾患が自閉症である、請求項14記載の方法。 診断方法における、請求項1記載のペプチドの使用。 前記方法が自閉症の診断のためである、請求項16記載の使用。 (a)診断される対象からの試料を用意する工程; (b)該試料中の補体因子Iの活性のレベルを測定する工程;および (c)該活性を、健常な対照者からの同様の試料中の該補体因子Iの活性のレベルに基づく参照値と比較する工程を含む、自閉症の診断方法であって、 前記試料中の活性が前記参照値よりも高いことが、前記対象における自閉症の存在を示唆する、方法。 試料が、血液試料、血漿試料、ヘパリン加血漿試料、EDTA-血漿試料、血清試料、尿試料、唾液試料、涙液試料、脳脊髄液試料、腹水試料、組織試料および生検材料からなる群より選択される、請求項18記載の方法。 請求項15記載の方法を実施する工程、および結果を統合する工程をさらに含む、請求項18または19記載の方法。 請求項18または19記載の方法を実施する工程、および結果を統合する工程をさらに含む、請求項15記載の方法。 それを必要とする対象に補体因子I阻害剤を投与する工程を含む、自閉症の治療方法。 補体因子I阻害剤が、6-アミジノ-2-ナフチルp-グアニジノベンゾエートジメタンスルホネート(FUT-175)、セルピン、ベンゼンスルホニルフルオライド、Pefabloc(登録商標)SC、スラミン、WAP型阻害剤、エラスターゼ特異的阻害剤(エラフィン)から選択される、請求項22記載の方法。 自閉症の治療用の薬剤の製造のための、補体因子I阻害剤の使用。 補体因子I阻害剤が、6-アミジノ-2-ナフチルp-グアニジノベンゾエートジメタンスルホネート(FUT-175)、セルピン、ベンゼンスルホニルフルオライド、Pefabloc(登録商標)SC、スラミン、WAP型阻害剤、エラスターゼ特異的阻害剤(エラフィン)から選択される、請求項24記載の使用。 自閉症の治療における使用のための補体因子I阻害剤。 6-アミジノ-2-ナフチルp-グアニジノベンゾエートジメタンスルホネート(FUT-175)、セルピン、ベンゼンスルホニルフルオライド、Pefabloc(登録商標)SC、スラミン、WAP型阻害剤、エラスターゼ特異的阻害剤(エラフィン)より選択される、請求項26記載の使用のための補体因子I阻害剤。 スラミンである、請求項26記載の使用のための補体因子I阻害剤。 FUT-175である、請求項26記載の使用のための補体因子I阻害剤。 エラフィンである、請求項26記載の使用のための補体因子I阻害剤。 (a)治療に先立って、対象における請求項1記載のバイオマーカーのレベルのベースライン値を測定する工程; (b)評価される治療を該対象に施す工程; (c)(b)に続いて、該対象における請求項1記載のバイオマーカーのレベルを測定する工程;ならびに (d)(a)および(c)で得られたレベルを比較する工程を含む、対象における自閉症の治療の有効性を評価するための方法であって、 請求項1記載のバイオマーカーのレベルの増加が、治療的応答を示唆する、方法。 (a)治療に先立って、対象における補体因子I活性のレベルのベースライン値を測定する工程; (b)評価される治療を該対象に施す工程; (c)(b)に続いて、該対象における補体因子I活性のレベルを測定する工程;ならびに (d)(a)および(c)で得られたレベルを比較する工程を含む、対象における自閉症の治療の有効性を評価するための方法であって、 該補体因子Iの活性の低下が、治療的応答を示唆する、方法。 請求項32記載の方法を実施する工程、および結果を統合する工程をさらに含む、請求項31記載の方法。 請求項31記載の方法を実施する工程、および結果を統合する工程をさらに含む、請求項32記載の方法。 |
||||||
说明书全文 | 発明の技術分野 本発明は生体ペプチド、特に生体試料における生体ペプチドを分析するための方法、ならびに神経疾患および/または神経精神疾患、特に自閉症の診断に関連する方法に関する。 本発明はさらに、自閉症の治療に関する。 発明の背景 医学の分野では、病理学的状態の診断または予後判定のためのおよび適用しようとする治療の有効性を評価するための新しい改善された生物学的マーカー(バイオマーカー)に対する一定の需要がある。 一般的に、患者試料からのバイオマーカーの濃度は、統計学に関連して、病理学的状態の存在、重症度またはリスクの指標と見なされる。 広く研究されたバイオマーカーのサブセットの一つは、血液、脳脊髄液または尿などの生体液中のペプチドである。 生体試料中に存在する異なるペプチドの数は、分析の方法および試料のタイプに応じて、数十から数万まで多様である。 従って、医学的に妥当性のある多くのペプチドバイオマーカーが未だに発見されていないことは明らかである。 補体C3と呼ばれるヒトタンパク質は自然免疫系のよく研究された成分であり、相当な量の補体C3が血液中を循環する。 古典的補体経路は典型的に、抗原:抗体複合体を活性のために必要とし(特異的免疫応答)、一方、代替のマンノース結合レクチン経路は、抗体の存在を伴うことなくC3加水分解または抗原によって活性化され得る(非特異的免疫反応)。 3つの経路すべてにおいて、C3転換酵素は補体C3を開裂および活性化して、C3aおよびC3bを生成し、さらなる開裂および活性化のイベントのカスケードを惹起する。 バイオマーカーとして有用な多くの補体C3ペプチドフラグメントが文献において公知である。 例えば、WO/2004/079371(特許文献1)は自閉症の診断において有用なマーカーとして補体C3のペプチドフラグメントを開示する。 別の例として、米国特許第20050048584A1号(特許文献2)は、補体C3に由来するペプチドバイオマーカーを用いてアルツハイマー病の検出およびアルツハイマー病を他の認知症と区別するための方法を開示する。 自閉症は、世界中の子供の1000人中約2〜5人、米国では恐らく1:110に至る程が冒される、様々な度合いの重症度を伴う神経精神疾患である。 自閉症の病因は分かっていないが、遺伝的および環境的な要因の双方が一因であると考えられている。 自閉症の診断には小児行動の専門家による評価が必要であり、診断が子供および家族に対してもたらす甚大な意味を考えると、確定診断を行うにはしばしば膨大な時間と労力を要する。 従って、自閉症を診断するための、生物学的変数の客観的な測定値に基づく臨床アッセイには、大きな需要がある。 自閉症の治療は、正の強化を用いた行動の訓練および管理、自助、ならびに行動およびコミュニケーションを改善するための社会的スキルの訓練を含む。 応用行動療法(ABA)、自閉症および関連領域のコミュニケーションに障害をもつ子供たちの治療と教育(TEACCH)、ならびに感覚統合を含む、複数の異なる治療セットが開発されている。 特化された療法には、言語療法、作業療法および理学療法が含まれる。 自閉症の標準的な内科的治療はないが、問題となる行動および症状は、抗うつ剤、抗精神病薬、抗痙攣剤およびメチルフェニデートなどの医薬で治療されることがある。 しかしながら、疾患修飾性治療は存在しない。 発明のいくつかの目的 このように、診断において有用な新しい生物学的マーカーを提供することが本発明の一つの目的である。 例えば、診断目的のために、試料中、例えば、生体試料中の新規のマーカーの濃度を測定するための分析方法を提供することが、本発明のもう一つの目的である。 さらに、特に自閉症、さらにはアスペルガー症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、統合失調症、うつ病および双極性障害などの神経疾患および/または神経精神疾患を診断するための生物学的マーカーに基づく新しい改善された方法を提供することも、本発明の一つの目的である。 本発明のさらにもう一つの目的は、単なる対症療法ではなく自閉症の疾患修飾性治療を提供することである。 第一の局面において、本発明はアミノ酸配列 *で示されるC末端残基は式(I)に示される通りの側鎖を有する:
第二の局面において、試料中の第一の局面に基づくペプチドの有無および/または濃度を測定する工程を含む、分析方法が提供される。 試料は好ましくは生体試料である。 より好ましくは、生体試料は、血液試料、血漿試料、ヘパリン加血漿試料、EDTA-血漿試料、血清試料、尿試料、唾液試料、涙液試料、脳脊髄液試料、腹水試料、組織試料および生検材料からなる群より選択される。 最も好ましくは、生体試料はヘパリン加血漿試料である。 前記ペプチドの有無および/または濃度の測定は、MALDI-TOF、SELDI-TOF、LC-MS、もしくはLC-MS/MSなどの質量分析法に基づく方法を用いて、またはELISA、RIA、FIAもしくはDELFIAなどの免疫化学的アッセイを用いて、実施することができる。 第三の局面において、本発明は、第一の局面に基づくペプチドに特異的な抗体を提供する。 本抗体はモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体であり得る。 第四の局面において、第一の局面に基づくペプチドおよび/または第三の局面に基づく抗体を含む、診断における使用のための製品パッケージが提供される。 本製品パッケージは、プロテアーゼ阻害剤;第一の局面のペプチドの濃度を測定するための説明書;SEQ ID NO:2のペプチド;SEQ ID NO:3のペプチド;SEQ ID NO:2に特異的な抗体;SEQ ID NO:3に特異的な抗体の一つまたは複数をさらに含み得る。 第五の局面において、 第五の局面の方法は、
第五の局面の方法において、濃度を測定する工程は第二の局面の方法を用いて実施してよい。 第五の局面の神経疾患または神経精神疾患は、自閉症、アスペルガー症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、統合失調症、うつ病および双極性障害から選択され得る。 最も好ましくは、前記疾患は自閉症である。 第六の局面において、診断方法における、第一の局面に基づくペプチドの使用が提供される。 好ましくは、前記ペプチドは、自閉症、アスペルガー症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、統合失調症、うつ病または双極性障害の診断において用いられる。 最も好ましくは、前記ペプチドは自閉症の診断において用いられる。 第七の局面において、 第七の局面の方法における試料は、血液試料、血漿試料、ヘパリン加血漿試料、EDTA-血漿試料、血清試料、尿試料、唾液試料、涙液試料、脳脊髄液試料、腹水試料、組織試料および生検材料からなる群より選択され得る。 最も好ましくは、試料は血漿試料である。 第七の局面の方法は、自閉症を診断するための第五の局面の方法を実施する工程、ならびに自閉症のより高い感度および/または選択性の診断を得るために結果を統合する工程をさらに含み得る。 自閉症を診断するための第五の局面の方法は、第七の局面の方法を実施するための工程、ならびに自閉症のより高い感度および/または選択性の診断を得るために結果を統合する工程をさらに含み得る。 第八の局面において、自閉症の治療方法であって、それを必要とする対象に補体因子I−阻害剤化合物を投与する工程を含む方法が提供される。 第九の局面において、自閉症の治療のための薬剤の製造における補体因子I−阻害剤化合物の使用が提供される。 第十の局面において、自閉症の治療における使用のための補体因子I−阻害剤化合物が提供される。 第八、第九または第十の局面の補体因子I−阻害剤化合物は、6-アミジノ-2-ナフチルp-グアニジノベンゾエートジメタンスルホネート(FUT-175)、セルピン、Pefabloc(登録商標)SCなどのベンゼンスルホニルフルオライド、スラミン、エラスターゼ特異的阻害剤(エラフィン)などのWAP型阻害剤からなる群より選択され得る。 好ましくは、化合物はFUT-175、エラフィンおよびスラミンから選択される。 第十一の局面において、 第十二の局面において、 第十一の局面の方法は、第十二の局面の方法を実施する工程、ならびに改善された感度および/または選択性を得るために結果を統合する工程をさらに含み得る。 第十二の局面の方法は、第十一の局面の方法を実施する工程、ならびに改善された感度および/または選択性を得るために結果を統合する工程をさらに含み得る。 定義 自閉症および自閉症スペクトラム障害(ASD)という用語は本発明の文脈において同一の意味を有して、DSM-IV基準(米国精神医学会精神障害の診断と統計の手引き:American Psychiatric Association Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)に基づく自閉症の診断を指す。 本発明の文脈における感度という用語は、そうであることが正しく同定された実際の陽性の対象の割合(例えば、症状を有すると正しく同定された自閉症対象のパーセント)を意味する。 本発明の文脈における特異性という用語は、そうであることが正しく同定された実際の陰性の対象の割合(例えば、自閉症でないと正しく同定された健常対象のパーセント)を意味する。 本明細書において、バイオマーカーは、時に、観察された概算の分子量を名称として用いて同定される。 表IIは、観察された分子量/名称、配列、およびSEQ ID NO.の間の相関性を示す。 発明の詳細な説明新規の修飾されたペプチドバイオマーカー 第一の局面において、本発明はアミノ酸配列 *で示されるC末端残基の側鎖はアルギニンに通常存在するNH 2 -C=NH分子を欠き、これによってR *残基の側鎖は式(I)に示される通りの構造を有する:
側鎖の修飾の性質をさらに例証するために、図1を参照する。 式(I)の側鎖を有するアミノ酸はオルニチンとして公知であるが、通常はポリペプチドでは発現しない。 分析方法 第二の局面において、本発明は、好ましくは生体試料における第一の局面のペプチドの有無および/または濃度を分析するための方法を開示する。 分析は、質量分析法に基づく方法(MALDI-TOF、SELDI-TOF、LC-MS、LC-MS/MSなどを含む)または適切な公知の免疫化学的な方法(ELISA、RIA、DELFIAなどを含む)などの、このような分析に適した当技術分野において公知の任意の手段によって実施することができる。 SELDI-TOFにおいて抗体でコーティングされたチップを用いるなど、分析のために免疫化学的方法と質量分析法に基づく方法とを組み合わせることも可能である。 いくつかの場合において、試料は分析の前に濃縮または精製してもよい。 濃縮は尿および脳脊髄液などの薄い試料において特に好ましい。 このような濃縮および/または精製は、例えば、限外濾過(バイオマーカーの保持が望ましい場合は、好ましくは約1.0〜1.5kDの適切なMWカットオフを用いる;またはより高い分子量のタンパク質を除去するために約10kDのMWカットオフを用いることもできる)を用いることによって、タンパク質の選択的な沈殿によって、または試料中の液体のすべてまたは一部を蒸発させることによって実施することができる。 クロマトグラフィーの技術も、試料を濃縮するためおよび精製を実施するための双方に有効である。 pH 7におけるCM10表面への結合特性(実施例3)は、クロマトグラフィーによる精製スキームを最適化するための適切な起点を提供する。 好ましくは、生体試料は、血液試料、血漿試料、ヘパリン処理した血漿試料、EDTA-血漿試料、血清試料、尿試料、唾液試料、涙液試料、脳脊髄液試料、腹水試料、組織試料および生検材料から選択される。 より好ましくは、生体試料はヘパリン血漿試料である。 最も好ましくは、生体試料は、EDTA無添加の阻害剤カクテル(Thermo Scientific, USAからのHaltプロテアーゼ阻害剤)(例えば、10μL/mL血漿)およびPefablock(登録商標)SC(Pentapharm Ltd Switzerland)(例えば、20μL/mL血漿)などのプロテアーゼ阻害剤で処理したヘパリン血漿試料である。 抗体 第三の局面において、本発明は第一の局面のペプチドに特異的な抗体に関する。 本明細書に示されるペプチド自体の開示を助けとして、当業者は本ペプチドに対する特異的なポリクローナルまたはモノクローナル抗体を得て、かつ特徴決定するために、当技術分野において周知の方法を応用することができる。 診断用の製品 第四の局面において、第一の局面のペプチドおよび/または第三の局面の抗体を含む診断用の製品(キットなど)が開示される。 好ましくは、診断用の製品は使用のための説明書;プロテアーゼ阻害剤;SEQ ID NO:2のペプチド;SEQ ID NO:3のペプチド;SEQ ID NO:2に特異的な抗体;SEQ ID NO:3に特異的な抗体の一つまたは複数をさらに含む。 ペプチドは陽性対照/参照試料として用いられてよく、抗体は分析の免疫学的方法での使用のための検出試薬として用いられてよい。 診断方法 第五の局面において、第一の局面のペプチドマーカーの測定に基づいて、好ましくは第二の局面の方法を用いて、神経疾患および/または神経精神疾患の診断方法が開示される。 SEQ ID NO:1のペプチドマーカーは、WO/2004/079371に開示されるもののように公知の診断マーカー(好ましくはSEQ ID NO:2およびSEQ ID NO:3)の測定と好都合に組み合わせることができる。 第一の局面のペプチドマーカーからの結果とさらなるマーカーを組み合わせると、改善された特性および/または感度を有する診断方法が提供される。 診断において有用であるためには、上記のマーカーまたはマーカーの濃度が参照値(「カットオフ」としても公知である)と比較されなければならない。 適切には、参照値は健常な対照者からの(最も好ましくは同様の方法および同様の試料を用いて)同一のマーカーの濃度を測定することによって、またはより好ましくは健常な対照者の群からの平均値を得ることによって得られる。 第一の局面のマーカーは健常な対照において見出されるが、自閉症などの神経疾患および/または神経精神疾患を有する対象では存在しないかまたはより低い濃度である傾向がある。 大半の現実の症例では健常な集団および疾患を有する集団のマーカー濃度はある程度、部分的にオーバーラップするので、当業者は、疾患の存在を示唆するものと見なされる参照値からの差のレベルはケースによって様々であることを認識する。 より大きな差を求めることは診断方法の特異性を高めるが、感度を引き替えにする;より小さな差を求めることは特異性の低下を犠牲にして感度を高める(例証として図4を参照)。 特異性および感度の望ましいレベルは状況によって異なる:例えば、疾患の事前の疑いのない対象を検査するスクリーニング手順においては、多数の偽陽性を避けるために極めて高い特異性が必要である;既に疾患を有している疑いのある対象を検査する際は、代わりに高い感度が優先されてより低い特異性が受け入れられる場合がある。 一つまたは複数のマーカーの測定された濃度も、濃度をアッセイするために用いられる特定の分析方法の特徴、さらには試料のタイプおよび試料の取り扱いに応じて異なる可能性がある。 これらの考慮すべき事項はすべて、当業者に周知である。 同様に、上記に示した問題点(例えば、カットオフ値の測定)に対する解決策は、本明細書の教示と単なる慣例的な実験法および最適化とを組み合わせることによって当業者の想到の範囲内である。 カットオフ値の決定に有用な統計学的なツールは受信者動作特性(ROC)曲線として公知であり、これは次のように作成することができる。 すべての対象(患者および対照)を測定されたパラメータに従ってランク付けする。 表の上部から始めて、新しい各測定値について順に、すべての対象について感度および100−特異性を算出する(感度=posP/allP、ここで、posPはこの測定値を用いて病気を有すると分類される患者(患者は病気を有する対象を意味する)の数であり、特異性はnegC/allCであり、ここでnegCは病気を有すると分類されない対照である)。 これらの値を、「100−特異性=x」として、感度をyとするxyの図にプロットするとROC-曲線が得られる。 カットオフは、病気の罹患率、特に病気の重症度の度合いを含む実際の状況に関して常に調整されるが、統計学的なプログラム(臨床の状況に関しては何も把握しない)は通常、ROC曲線の左上の隅からの距離を最小限にする、即ち、((100−感度)^2+(100−特異性)^2)を最小限にすることによってカットオフを算出し、ここで^は二乗を意味する(ピタゴラスの定理)。 図5〜8に示す「基準」(カットオフを意味する)、感度および選択性の値は、この方法を用いることによって得られた。 バイオマーカーの組み合わせに関して、患者と対照の判別に寄与するという意味で、事実上独立であるものを選別することが重要である(少なくともある程度−つまり例えば、あるピークは、別のピークと結合してはいるが、判別力に寄与する付加価値を有する)。 例えば、判別分析またはロジスティック回帰など、いくつかの公知の統計学的な方法を用いることができる。 さらなる詳細のために、http://www.medcalc.org/manual/index.phpにおいてオンラインで閲覧可能なMedCalc(登録商標)ソフトウェア(MedCalc Software, Mariakerke, Belgium)のマニュアルを参照されたい。 上記のことを考慮して、例示的な分析が実施された(実施例5)。 分析により、新規の1978マーカー(SEQ ID NO:1)が、公知のマーカーである2021(SEQ ID NO:3)および1865(SEQ ID NO:2)では判別力が同等である、自閉症の対象と自閉症でない対象との区別において大きな可能性を有することが明確に示された(表III、図3、5および6)。 新規の1978マーカーと公知のマーカーである1865および2021の一つまたは双方を組み合わせると診断方法が改善されるという仮説を検証するために、1978と2021の組み合わせ(図7)、ならびに1865、1978および2021の組み合わせ(図8)についてもROC曲線を作成した(判別分析後)。 図5および図6の曲線に対する図7のROC曲線の比較から、新規の1978マーカーを公知の2021マーカーと組み合わせると、いずれかのマーカー単独よりもより優れた結果が得られることが明らかである。 この分析に第二の公知のマーカーである1865を加えるとさらに優れた結果が得られる(図7との比較における図8)。 好ましくは、診断される神経疾患または神経精神疾患は、自閉症、アスペルガー症候群、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、統合失調症、うつ病および双極性障害から選択される。 より好ましくは、診断される神経疾患または神経精神疾患は自閉症である。 第七の局面において、 第七の局面の方法における試料は、血液試料、血漿試料、ヘパリン加血漿試料、EDTA-血漿試料、血清試料、尿試料、唾液試料、涙液試料、脳脊髄液試料、腹水試料、組織試料および生検材料からなる群より選択され得る。 好ましくは、試料は血漿試料である。 補体因子Iの活性のレベルの測定は、実施例6に記載される蛍光アッセイを用いて実施され得る(セクション6.1.2.2 参照)。 測定のためのその他の方法も当然、用いてよい。 補体因子Iの参照値は、必要な変更を加えて上記に開示する通り得ることができる。 第七の局面の方法は、自閉症を診断するための第五の局面の方法を実施する工程、および自閉症のより高い感度および/または選択性の診断を得るために結果を統合する工程をさらに含み得る。 統合は、例えば、補体因子I活性が決定因子と見なされる場合に上記のROC法を用いて実施され得る。 自閉症の診断のための第五の局面の方法は、第七の局面の方法を実施する工程、ならびに自閉症のより感度の高いおよび/または選択性の診断を得るために結果を統合する工程をさらに含み得る。 本発明は、診断方法、好ましくは自閉症を診断するための方法における、第一の局面のペプチドの使用をさらに開示する。 自閉症の治療 補体因子Iは、補体タンパク質C3bの分解に関与する、ヒト血漿中に存在するセリンプロテアーゼである。 補体因子I活性の欠乏はヒトにおいて感染の発生数の増加に関連する。 前掲の論文において、Momeniらは、ASD群における補体因子I活性の平均レベルが、典型的に発育した健常な小児の対照群におけるよりも有意に高いことを示し、補体因子Iの活性がASDの発症に影響を及ぼすことを示唆している。 そこで、補体因子Iの阻害剤を用いた自閉症のための治療が提供される。 6-アミジノ-2-ナフチルp-グアニジノベンゾエートジメタンスルホネート(FUT-175)、セルピン、Pefabloc(登録商標)SCなどのベンゼンスルホニルフルオライド、スラミン、エラスターゼ特異的阻害剤(エラフィン)などのWAP型阻害剤を含む、いくつかの補体因子I阻害剤化合物および化合物の分類が公知である(実施例7)。 当業者は、単なる慣例的な実験法および最適化によって補体因子I阻害剤の適切な投与の確立を実施することができる。 ヒトにおける使用に関する安全投与間隔が公知である公知の化合物の場合は、実験法における通常の起点は該間隔である。 治療の有効性(機能の改善)は、6.1.1の実施例において記載したパラダイムに基づいて繰り返される(例えば、週1回)評価により、ベースライン(即ち、治療開始前)と比較して追跡調査することができる。 FUT-175は経口投与してよい。 投与は0.1mg/kg/日から開始されてよく(1日2回用量に分割)、必要な場合は0.25mg/kg/日(1日2回または4回用量に分割)およびその後0.5mg/kg/日(1日4回用量に分割)に増量することができる。 スラミンは、週1回の静脈注射当たり0.1gから開始して、静脈内注射により投与してよい。 必要ならば、用量は0.1gずつ段階的に増量して注射1回当たり1gまで増量される。 エラフィンは、10mgを1日2回から開始して、静脈内注射により投与してよい。 必要ならば、用量は注射1回当たり20mg、100mg、200mgおよび続いて400mgに増量する。 自閉症の治療の有効性を評価するための方法 第十一の局面において、 数値の測定は、第五の局面において開示する方法で実施することができる。 第十二の局面において、 数値の測定は、第七の局面において開示する方法で実施することができる。 第十一の局面の方法は、第十二の局面の方法を実施する工程、ならびに向上した感度および/または選択性を得るために結果を統合する工程をさらに含み得る。 第十二の局面の方法は、第十一の局面の方法を実施する工程、ならびに向上した感度および/または選択性を得るために結果を統合する工程をさらに含み得る。 結論とする見解 以下の実施例は非限定的と見なされるべきである。 本明細書で用いられる参考資料は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。 1. 患者および対照の選択 自閉症スペクトラム障害(ASD)を有するすべての小児は、自閉症の臨床専門家により検査を受けた。 小児精神科医が、小児神経内科医または小児心理学者による検査も受けたすべての小児を調べた。 すべての立ち会い医はDSM-IV基準(米国精神医学会精神障害の診断と統計の手引き)に基づく自閉症の診断に同意した。 対照群は、同一の地域から募集された、神経疾患および/または神経精神疾患の徴候を持たない健常な小児から構成された。 検査時点で過去2週間に何らかの種類の感染症を有した対照小児は本試験から除外した。 年齢および性別に有意な差異はなかった。 ASD群の小児は自閉症リハビリセンターから募集した。 2. 試料採取 静脈血を3mLヘパリン試験管(Vacutainer System; Becton-Dickinson Inc., Plymouth, UK)に採取して、直ちに4℃において1300gで10分間の遠心分離によって血漿を分離した。 続いて、EDTA無添加の阻害剤カクテル(Thermo Scientific, USAからのHaltプロテアーゼ阻害剤)(10μL/mL血漿)および追加でPefablock SC(Pentapharm Ltd Switzerland)20μL/mLを、得られた血漿の試料に加えた。 得られた血漿を少量ずつ小分けして、直ちにドライアイスで凍結処理して、その後、さらなる保管のために(−80℃)に移した。 採血から凍結処理までの手順全体を20分以内に完了した。 3. 質量分析による分析(SELDI-TOF) 試験では、22名の対照および25名の患者からの試料を上記の通りSELDI-TOFにより分析した。 測定したデータは自然対数により標準化した(表I、図3)。 健常な対照小児およびASDの群からのスペクトルにおいて、観察された分子量1865、1978および2021を有するいくつかの示差的に発現したペプチドが検出された。 8名の対象(4名の異なる患者および4名の異なる対照)からの代表的なSELDI-TOFスペクトルを図2に示す。 (表I)約1865、1978および2021の分子量(MW)をそれぞれ有するマーカーの、標準化した(自然対数)ピーク強度 4. 示差的に発現したバイオマーカーの構造の決定 実施例3の示差的に発現したバイオマーカーの構造を、MALDI-TOFTOF MSを用いることによって決定し、LC-FTICR MS/MSの情報によって確認した。 関心対象のペプチド(SELDI-TOFによって同定されて、対照群と自閉症群で有意に異なったもの)を同定して配列を決定した。 血漿試料100μLを緩衝液(25mMリン酸ナトリウム緩衝液、pH 7.0)300μLおよびアセトニトリル(AcN)100μLで希釈して十分に混合した後、カットオフ10kDaのMicroconメンブレン(Millipore Bedford, MA, USA)を使用して限外濾過を実施した。 限外濾過液をSpeed vac遠心分離器で乾燥処理して、続いて、緩衝液(25mMリン酸ナトリウム、pH 7.0)の10μLで再構成して、ZipTip(登録商標)C 18カラム(Millipore, Bedford, MA, USA)で脱塩した。 再構成した試料5μLを、調製したSELDI-TOF CM-10ターゲット(Biorad, USA)に適用して、インキュベートし、洗浄処理して乾燥した。 飽和Matrix CHCA(25mg/mL)1.0μLを試料スポットに加えて、風乾させ、この工程をもう1回、反復した。 ペプチドの検証のために使用したMALDI-TOF-MSの装置はUltraflex II TOF/TOF(Bruker Daltonik GmbH, Bremen, Germany)であった。 この装置はSmartBeam(商標)レーザーを備えていた。 スペクトルはすべて、リフレクトロンモードを用いて取得した。 MS/MSスペクトルを取得するために、レーザーで惹起した解離によるポストソース分解(PSD)TOF/TOFを実施した。 MALDIアプローチのための選択の標的はSELDI-TOFターゲット(BioRad, USA)であった。 SELDI-TOFターゲット上の調製したマトリックス/試料スポットをUltraflex IIに導入して、調製した試料スポットからのMSスペクトルを記録した。 用いた較正は、外部近接較正(external near neighbor calibration)であった。 較正に用いた試料は、質量が1000から5000 Daの範囲にわたるペプチドの混合物であった。 取得したペプチドの質量(TOF MSデータ)から、後続の実験/配列決定に備えてペプチド候補を手作業で選択した。 スペクトルはデータ処理ソフトウェア(FlexAnalysis(商標))で注釈を付けて、最後にデノボで配列解析を支援するソフトウェア(BioTools(商標))により解釈した。 示差的に発現したペプチドの結果を以下の表IIに示す。 (表II)示差的に発現したペプチドの構造決定 5. 示差的に発現したバイオマーカーの、診断における価値 実施例3で得られた結果(表I)の統計学的分析は、MedCalc(登録商標)ソフトウェア(MedCalc Software, Mariakerke, Belgium)などのコンピュータプログラムを用いて実施した。 すべてのマーカーが対照群と自閉症群との間で統計学的な有意差(p<0.05)を示した(両側t検定)。 表IIIを参照されたい。 (表III)表IIに示すデータの統計学的分析 新規のマーカー1978は、公知のマーカーである2021および1865では同等の判別力を有する、自閉症の対象と自閉症でない対象の区別において、大きな可能性を明確に示した。 マーカー1978について、受信者動作特性(ROC)曲線を作成した(図5)。 比較のため、公知のマーカー2021についてもROC曲線を作成した(図6)。 上記のバイオマーカーの組み合わせの有用性を分析するために、臨床において病気の診断に用いることができると予想される判別に対する寄与に応じて、ピーク(対数値)に異なる重みを与えて、判別分析を用いた。 (表IV)ROC曲線作成のためのマーカーの組み合わせに関する判別分析 図7および8のROC曲線は、新規マーカー1978と公知のマーカーとの組み合わせが判別力の向上をもたらすことを明確に示している。 6. 自閉症患者では補体因子Iが過活性である。 6.1 材料および方法 (表V)参加者の年齢/歳、性別および投薬 ASD群の小児は、イラン、テヘランのUniversity of Social Welfare and Rehabilitation SciencesのAutism Rehabilitation Centreから募集した。 親からインフォームドコンセントを取得した後、血液を採取した。 ASDを有するすべての小児を自閉症の臨床専門家が検査した。 小児精神科医および小児神経科医または小児心理学者がすべての小児を検査した。 すべての立ち会い医がDSM-IV基準に基づく自閉症の診断に同意した。 但し、欧州および米国/カナダで適用される自閉症診断観察尺度(ADOS)および自閉症診断面接-改訂版を用いる診断手順は、イランで適用される診断過程では用いられなかった。 この欠陥は、2007年以降発表禁止の、米国小児科学会により述べられた自閉症におけるコア行動に精通した小児神経学者/小児精神科医による広範な臨床経験によって補われた。 対照群は、ASDを有する小児と同一の地域から募集された神経発生的な疾患の徴候を示さない典型的に発育した健常な小児からなった。 検査時点の過去2週間以内に何らかの種類の感染/感染症を有した小児は本試験から除外した。 試験は、Iran University of Medical Sciences, Tehranの倫理委員会より承認された(MT/1247)。 6.1.2 手順 6.1.2.2 アッセイ 蛍光発生基質の加水分解に基づく方法は、TsiftoglouおよびSim(Journal of Immunology, vol. 173, no.1, pp. 367-375, 2004)およびGuptaら(Journal of Autism and Developmental Disorders, vol. 26, no. 4, pp. 439-452, 1996)によって以前に説明されている。 以下のアッセイ手順は、血漿中の補体因子I(fI)のアッセイに最適であることが見出された。 血漿20μLを緩衝液(100mM リン酸緩衝液、pH 7.5、1mM EDTA、1mM DTTおよび1mM アジ化ナトリウムを含む)80μLと共に、温度平衡に達するように37℃で10分間、インキュベートした。 続いて、25mMリン酸緩衝液、pH 7.4中、基質液(200μM Boc-Asp(OBz)-Pro-Arg-7-アミノ-4-メチルクマリン;Bachem, Bubendorf, Switzerland)100μLを加えて、混合液を37℃で60分間、インキュベートした(図9 参照)。 反応を1.5M 酢酸 1mLの添加によって阻害して、7-アミノ-4-メチルクマリンの遊離を分光蛍光光度計(Hitachi-f 2000;λ ex ;360nm;λ em :440nm;スリット幅:2.5)で測定した。 測定はすべて無作為化して二反復で実施した。 基質の不在下での血漿の使用により、アッセイにおけるバックグラウンドの蛍光をモニターして、基質の存在下で得られる数値から引き算した。 6.1.3 データの分析および統計 血漿中fI活性は対数正規分布を示し、従って、ASD群と対照群の差の分析時には対数値を用いた。 年齢(中央値の5歳を用いて二分した)および性別について調整するために、要因ANOVAを用いた。 <0.05の値を統計学的に有意と判断した。 Statistica 8.0(StatSoft(著作権)、Tulsa, Okla, USA)を用いた。 血漿fI活性のアッセイ内およびアッセイ間の変動は、次式を用いて1回の測定の標準誤差(S 方法 )として表した: 方法は変動係数(%)として表された。 6.2 結果 性別および年齢に関して統計学的に有意な相互作用は見出されず、fI活性と年齢または性別の間に有意な関連性は見出されなかった(ANOVA;性別に関してp=0.25および2つの年齢群に関して0.42、図10b)。 ASD群では重度の自閉症を有する数人の小児が運動亢進および暴力的な行動を抑制するためにRisperdalの投薬下にあり、数名は注意力を向上させるためにRitalinの投薬下にあった(表V)。 実験計画を調節する目的で投薬を中止することは倫理的に問題であった。 実験者らは図10aに示すデータとASD群の小児が受けていた投薬のタイプを関連付けた。 実験者らは投薬と散布図のデータの分布の間にいかなる明らかな関連性も認めなかったが、パターンにおけるいくつかの差が投薬の影響を受け得たことを排除することはできない。 数値はASDを有する小児において統計学的に有意に高く、性別との弱い相関性があった。 しかし、年齢群の間には統計学的な有意差は見出されなかった。 方法上のアッセイ内誤差は小さく、0.5%であった。 アッセイ間の方法上の誤差は13%であった。 実験者らは、ほぼ同一年齢の対照群に比べて、ASDを有する小児において有意に高い補体因子I酵素活性を見出した。 このことは、実験者らが知る限り、ASDを有する小児におけるfI活性の機能障害に関する最初の報告である。 統計学的に有意ではなかったが、男児は女児よりも高いfI活性を示す傾向があり、対照群とASD群の差は、図10に示す通り、小児の年齢が低ければ低いほどより明白であった。 補体系の経路における調節因子としてのfIの役割に起因して、fIの異常はASDの発症において役割を担っている可能性がある。 この経路の異常により、個人は様々な炎症に対してより脆弱となる。 7. 補体因子I阻害剤を用いた自閉症の治療スラミン 自閉症と診断された患者に、週1回の静脈内注射当たり0.1gから開始して、スラミンを投与する。 必要ならば、用量を0.1gずつ段階的に増量して注射1回当たり1gまで増量する。 投与は、監督臨床医によって個別にさらに調整される。 重度の副作用がある場合は、用量を下げるか治療を中断する。 機能の改善は、上記の6.1.1で記載したパラダイムに基づいて週1回の評価によりベースラインと比較して追跡調査する。 治療のコース期間中、ベースラインと比較して、機能における有意な改善を観察する。 FUT-175(6-アミジノ-2-ナフチルp-グアニジノベンゾエートジメタンスルホネート) エラフィン 自閉症と診断された患者に、10mgを1日2回から開始して、エラフィンを静脈内注射により投与する。 必要ならば、用量は注射1回当たり20mg、100mg、200mgおよび続いて400mgまで増量する。 投与は監督臨床医によって個別にさらに調整される。 重度の副作用がある場合は、用量を下げる、または治療を中断する。 機能の改善は、上記の6.1.1で記載したパラダイムに基づいて週1回の評価によりベースラインと比較して追跡調査する。 治療のコース期間中、ベースラインと比較して、機能における有意な改善を観察する。 |