Cell surface display of proteins of interest, screening, and production

申请号 JP2010500980 申请日 2008-03-26 公开(公告)号 JP2010522561A 公开(公告)日 2010-07-08
申请人 コドン デバイシズ インコーポレイテッド; 发明人 ダーサ リポフシェク,; ジェームス エー. レイクストロー,;
摘要 本発明の局面は、人工ポリペプチドを細胞表面にディスプレイするための組成物および方法を提供する。 本発明の局面により、固定化ポリペプチドを分泌させ、1つまたは複数の関心対象の機能的または構造的な特性を有する1つまたは複数の変異体を同定することができる。 本発明の局面は、関心対象の機能的または構造的な特性を有する人工のタンパク質またはタンパク質変異体を産生するための組成物および方法を提供する。 本発明の局面は、人工タンパク質を宿主細胞上に発現させ、ディスプレイする方法を含む。 本発明の局面は、核酸コンストラクト、発現されたタンパク質、宿主細胞、および/または単離されたタンパク質を含む。
权利要求
  • 人工タンパク質を宿主細胞にディスプレイするための方法であって、以下の工程を含む方法:
    宿主細胞が第1の結合パートナーをその表面にディスプレイすることを特徴とし、
    人工タンパク質が修飾モチーフを含み、人工タンパク質が発現する時に第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役されることを特徴とし、かつ 発現される人工タンパク質が宿主細胞から分泌され、第2の結合パートナーの第1の結合パートナーへの結合を介して細胞表面にディスプレイされることを特徴とする、
    第1の核酸を含む宿主細胞を第1の核酸によってコードされる人工タンパク質を発現するのに十分な条件下でインキュベートする工程。
  • 各々の異なる人工タンパク質が異なる宿主細胞内の異なる第1の核酸にコードされることを特徴とする、複数の異なる人工タンパク質をディスプレイする工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  • 異なる人工タンパク質が互いの配列変異体であることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  • 人工タンパク質が分泌ペプチドを含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  • 宿主細胞が酵母細胞であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  • 修飾モチーフがビオチン受容体ペプチドであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  • 第1の結合パートナーが、細胞表面に付着したさらなる第2の結合パートナーとの相互作用を介してディスプレイされることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  • 第1の結合パートナーがアビジン様タンパク質であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  • 第2の結合パートナーがビオチンであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  • 第2の結合パートナーの修飾モチーフへの共役が共役酵素によって触媒されることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  • 共役酵素が第2の核酸にコードされていることを特徴とし、第2の核酸がベクターまたは宿主細胞のゲノムに組み込まれた組換え核酸であることを特徴とする、請求項10記載の方法。
  • 共役酵素がビオチンリガーゼであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  • シャペロンタンパク質を宿主細胞内で発現させる工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  • 人工タンパク質を細胞表面にディスプレイするための方法であって、以下の工程を含む方法:
    宿主細胞が第1の結合パートナーをその表面に含むことを特徴とし、かつ第1の結合パートナーに特異的に結合する第2の結合パートナーを含む細胞壁タンパク質に結合することによって第1の結合パートナーが細胞表面に付着することを特徴とする、第1の核酸によってコードされる人工タンパク質を発現するのに十分な条件下で第1の核酸を含む宿主細胞をインキュベートする工程、
    第2の結合パートナーの第1の結合パートナーへの結合を介して標的分子を宿主細胞の表面に固定化するのに十分な条件下で第2の結合パートナーをも含む宿主細胞を標的分子と接触させる工程、
    人工タンパク質が標的分子に結合することを特徴とする、人工タンパク質の分泌をもたらす条件下で細胞をインキュベートし、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程。
  • 人工タンパク質が、抗体、単鎖抗体、スキャフォールドタンパク質、またはその断片であることを特徴とする、請求項14記載の方法。
  • 第2の結合パートナーが発現した人工タンパク質に共役されることを特徴とし、かつ 発現した人工タンパク質が分泌され、第2の結合パートナーの第1の結合パートナーへの結合を介して細胞表面にディスプレイされることを特徴とする、
    第1の結合パートナーを含む細胞表面を有する宿主細胞内で修飾モチーフを含む人工タンパク質を発現させる工程;および 細胞表面にディスプレイされた人工タンパク質の特性を評価する工程を含むタンパク質スクリーニング法。
  • 評価する工程が、活性のレベルをアッセイする工程、人工タンパク質が所定の機能を有するかどうかを決定する工程、人工タンパク質の特性を参照タンパク質の特性と比較する工程、細胞表面にディスプレイされた人工タンパク質の量を決定する工程、またはその任意の組み合わせを含むことを特徴とする、請求項16記載の方法。
  • 人工タンパク質が、抗体、単鎖抗体、スキャフォールドタンパク質、またはその断片で、評価されているタンパク質の機能がタンパク質の標的分子への結合親和性であることを特徴とし、標的分子が抗原および/またはエピトープを含むことを特徴とする、請求項16記載の方法。
  • 宿主細胞が、ディスプレイされた人工タンパク質の第1の所定の特性に基づいて選択されることを特徴とする、請求項16記載の方法。
  • ディスプレイされた人工タンパク質の第2の所定の特性に基づいて宿主細胞を選択する工程をさらに含む、請求項19記載の方法。
  • 少なくとも所定のレベルの人工タンパク質をディスプレイする選択された宿主細胞から人工タンパク質を放出する工程をさらに含む、請求項19記載の方法。
  • 活性のレベルをアッセイする工程が、人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかをアッセイする工程を含むことを特徴とする、請求項17記載の方法。
  • 基質が表面に共役されることを特徴とする、請求項22記載の方法。
  • 基質が、ポリペプチド、核酸、脂質、多糖、合成ポリマー、または合成化合物であることを特徴とする、請求項22記載の方法。
  • 基質を処理する工程が、基質に結合する工程、基質を解離する工程、基質にニックを入れる工程、基質を切断する工程、基質を活性化する工程、基質を失活させる工程、基質に電荷を与える工程、基質から電荷を奪う工程、基質の立体構造を変化させる工程、基質をコピーする工程、基質を複製する工程、分子を基質にコンジュゲートする工程、ペプチドを基質にコンジュゲートする工程、または基質を修飾する工程を含むことを特徴とする、請求項22記載の方法。
  • 人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかを評価するための方法であって、以下の工程を含む方法:
    a)人工タンパク質が分泌され、かつ b)基質が宿主細胞表面に共役されることを特徴とする、
    宿主細胞内での人工タンパク質の発現を誘導する工程、および 基質を処理する人工タンパク質によって生み出された検出可能なシグナルのレベルを測定する工程。
  • 基質が、ポリペプチド、核酸、脂質、多糖、合成ポリマー、または合成化合物であることを特徴とする、請求項26記載の方法。
  • 基質を処理する工程が、基質に結合する工程、基質を解離する工程、基質にニックを入れる工程、基質を切断する工程、基質を活性化する工程、基質を失活させる工程、基質に電荷を与える工程、基質から電荷を奪う工程、基質の立体構造を変化させる工程、基質をコピーする工程、基質を複製する工程、基質に分子をコンジュゲートする工程、基質にペプチドをコンジュゲートする工程、または基質を修飾する工程を含むことを特徴とする、請求項26記載の方法。
  • 宿主細胞がその細胞表面に共役した第1の結合パートナーを有することができることを特徴とし、
    人工タンパク質が修飾モチーフを含むことを特徴とし、かつそれが第2の結合パートナーの第1の結合パートナーへの相互作用結合を介して細胞表面にディスプレイされることができるように、人工タンパク質の発現が第2の結合パートナーの修飾モチーフへの共役および人工タンパク質の分泌をもたらすことを特徴とする、
    人工タンパク質をコードする第1の核酸を含む宿主細胞。
  • 宿主細胞が少なくとも10 個の人工タンパク質をディスプレイすることを特徴とする、請求項29記載の宿主細胞。
  • 請求項29記載の宿主細胞のライブラリー。
  • ライブラリーが少なくとも10 個の異なるメンバーを有することを特徴とする、請求項31記載のライブラリー。
  • 各々の核酸が人工タンパク質の異なる変異体をコードすることを特徴とし、かつ各々の変異体が結合パートナーを共役することができる同一の修飾モチーフを含むことを特徴とする、複数の核酸を含む、核酸のライブラリー。
  • 修飾モチーフがビオチン化モチーフであることを特徴とする、請求項33記載のライブラリー。
  • ライブラリーが少なくとも10 個の異なるメンバーを有することを特徴とする、請求項33記載のライブラリー。
  • それが所定の機能または所定のレベルの活性を有する場合に人工タンパク質を単離する工程をさらに含む、請求項17記載の方法。
  • 说明书全文

    関連出願
    本出願は、米国特許法施行規則119条(e)項の下、2007年3月26日に申請された、「表面ディスプレイ用のツールとしてのインビボタンパク質ディスプレイ」という題名の米国仮特許出願第60/920,378号、2007年3月26日に申請された、「所定のタンパク質機能の評価」という題名の米国仮特許出願第60/920,375号、2007年7月16日に申請された、「タンパク質の細胞表面ディスプレイ」という題名の米国仮特許出願第60/959,719号、および2007年12月1日に申請された「関心対象のタンパク質の細胞表面ディスプレイ、スクリーニング、および産生」という題名の米国仮特許出願第61/004,841号からの恩典を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み入れられる。

    本発明は、タンパク質スクリーニングならびにタンパク質スクリーニング用のライブラリーおよび構成要素の分野に属する。 本発明はまた、関心対象のタンパク質のディスプレイおよび産生に関する。

    組換え核酸および合成核酸は、研究、工業、農業、および医学において多くの用途を有する。 組換え核酸および合成核酸を用いて、様々な医学的、工業的、または農業的目的のために使用し得る酵素、抗体、成長因子、レセプター、およびその他のポリペプチドを含む、大量のポリペプチドを発現および取得することができる。 ファージディスプレイを含む、所定の機能または特性を持つポリペプチドのスクリーニングのための方法が記載されている。 しかしながら、現在のスクリーニング法は、ライブラリーの大きさ、ポリペプチドの長さおよび複雑さ、ならびに利用可能な機能アッセイによって限定されている。

    本発明の局面は、人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイするための組成物および方法に関する。 ある態様において、宿主細胞から分泌された時、修飾タンパク質が表面に固定化された結合パートナーに結合するようにタンパク質が修飾される結果をもたらす条件下で人工タンパク質を宿主細胞内で発現させる。

    したがって、本発明の局面は、人工タンパク質が分泌されて、宿主細胞の表面に保持されるように人工タンパク質を宿主細胞核酸から発現するのに有用である。 それゆえ、本発明の態様は、多くの異なる変異体タンパク質およびポリペプチドを宿主細胞表面に発現し、ディスプレイし、タンパク質ディスプレイライブラリーを作製するのに有用である。 これらのタンパク質ディスプレイライブラリーを用いて、タンパク質の1つまたは複数の構造的および/または機能的な特性をスクリーニングすることができる。 ひとたび宿主細胞が所望の特徴または機能を持つ表面にディスプレイされたタンパク質を有することが同定されれば、そのタンパク質をコードする核酸を単離し、特徴付けることができる。

    本発明の局面は、人工タンパク質を宿主細胞上に発現させ、ディスプレイする方法を含む。 本発明の局面は、核酸コンストラクト、発現されたタンパク質、宿主細胞、および/または単離されたタンパク質を含む。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質を宿主細胞にディスプレイするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーをその表面にディスプレイすることを特徴とし、人工タンパク質が修飾モチーフを含み、人工タンパク質が発現された時に第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役することを特徴とし、発現された人工タンパク質が宿主細胞から分泌されて、第2の結合パートナーの第1の結合パートナーへの結合を介して細胞表面にディスプレイされることを特徴とする、第1の核酸によってコードされる人工タンパク質を発現するのに十分な条件下で第1の核酸を含む宿主細胞をインキュベートする工程を含む方法を提供する。 ある態様において、本方法は、各々の異なる人工タンパク質が異なる宿主細胞内で異なる第1の核酸にコードされることを特徴とする、複数の異なる人工タンパク質をディスプレイする工程をさらに含む。 ある態様において、異なる人工タンパク質は互いの配列変異体である。 ある態様において、人工タンパク質は分泌ペプチドを含む。 ある態様において、宿主細胞は酵母細胞である。 ある態様において、修飾モチーフはビオチン受容体ペプチドである。 ある態様において、第1の結合パートナーは、細胞表面に付着したさらなる第2の結合パートナーとの相互作用を介してディスプレイされる。 ある態様において、第1の結合パートナーはアビジン様タンパク質である。 ある態様において、第2の結合パートナーはビオチンである。 ある態様において、第2の結合パートナーの修飾モチーフへの共役は共役酵素によって触媒される。 ある態様において、共役酵素は、第2の核酸がベクターまたは宿主細胞のゲノムに組み込まれた組換え核酸であることを特徴とする、第2の核酸にコードされる。 ある態様において、共役酵素はビオチンリガーゼである。 ある態様において、本方法は、シャペロンタンパク質を宿主細胞内で発現させる工程をさらに含む。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質を細胞表面にディスプレイするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーをその表面に含むことを特徴とし、第1の結合パートナーに特異的に結合する第2の結合パートナーを含む細胞壁タンパク質に結合することによって第1の結合パートナーが細胞表面に付着することを特徴とする、第1の核酸によってコードされる人工タンパク質を発現するのに十分な条件下で第1の核酸を含む宿主細胞をインキュベートする工程、第2の結合パートナーの第1の結合パートナーへの結合を介して宿主細胞の表面に標的分子を固定化するのに十分な条件下で第2の結合パートナーをも含む宿主細胞を標的分子と接触させる工程、人工タンパク質が標的分子に結合することを特徴とする、人工タンパク質の分泌をもたらす条件下で細胞をインキュベートし、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程を含む方法を提供する。 ある態様において、人工タンパク質は、抗体、単鎖抗体、スキャフォールドタンパク質、またはその断片である。

    ある態様において、本発明は、タンパク質をスクリーニングする方法であって、第2の結合パートナーが発現された人工タンパク質に共役することを特徴とし、発現された人工タンパク質が分泌され、第2の結合パートナーの第1の結合パートナーへの結合を介して細胞表面にディスプレイされることを特徴とする、第1の結合パートナーを含む細胞表面を有する宿主細胞内で修飾モチーフを含む人工タンパク質を発現する工程;および細胞表面にディスプレイされた人工タンパク質の特性を評価する工程を含む方法を提供する。 ある態様において、評価する工程は、活性のレベルをアッセイする工程、人工タンパク質が所定の機能を有するかどうかを決定する工程、人工タンパク質の特性を参照タンパク質の特性と比較する工程、または細胞表面にディスプレイされた人工タンパク質の量を決定する工程を含む。 ある態様において、人工タンパク質は抗体であり、評価されている抗体の機能は抗体の標的分子への結合親和性であり、標的分子は抗原および/またはエピトープを含む。 ある態様において、宿主細胞は、ディスプレイされた人工タンパク質の第1の所定の特性に基づいて選択される。 ある態様において、本方法は、ディスプレイされた人工タンパク質の第2の所定の特性に基づいて宿主細胞を選択する工程をさらに含む。 ある態様において、本方法は、少なくとも所定のレベルの人工タンパク質をディスプレイする選択された宿主細胞から人工タンパク質を放出する工程をさらに含む。 ある態様において、活性のレベルをアッセイする工程は、人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかをアッセイする工程を含む。 ある態様において、基質を表面に共役させる。 ある態様において、基質は、ポリペプチド、核酸、脂質、多糖、合成ポリマー、または合成化合物である。 ある態様において、基質を処理する工程は、基質に結合する工程、基質を解離する工程、基質にニックを入れる工程、基質を切断する工程、基質を活性化する工程、基質を失活させる工程、基質に電荷を与える工程、基質から電荷を奪う工程、基質の立体構造を変化させる工程、基質をコピーする工程、基質を複製する工程、分子を基質にコンジュゲートする工程、ペプチドを基質にコンジュゲートする工程、または基質を修飾する工程を含む。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかを評価するための方法であって、a)人工タンパク質が分泌され、b)基質が宿主細胞表面に共役することを特徴とする、人工タンパク質の発現を宿主細胞内で誘導する工程、および基質を処理する人工タンパク質によって生成された検出可能なシグナルのレベルを測定する工程を含む方法を提供する。 ある態様において、基質は、ポリペプチド、核酸、脂質、多糖、合成ポリマー、または合成化合物である。 ある態様において、基質を処理する工程は、基質に結合する工程、基質を解離する工程、基質にニックを入れる工程、基質を切断する工程、基質を活性化する工程、基質を失活させる工程、基質に電荷を与える工程、基質から電荷を奪う工程、基質の立体構造を変化させる工程、基質をコピーする工程、基質を複製する工程、分子を基質にコンジュゲートする工程、ペプチドを基質にコンジュゲートする工程、または基質を修飾する工程を含む。

    ある態様において、本発明は、宿主細胞がその細胞表面に共役した第1の結合パートナーを有することができることを特徴とし、人工タンパク質が修飾モチーフを含むことを特徴とし、それが第2の結合パートナーの第1の結合パートナーへの相互作用結合を介して細胞表面にディスプレイされることができるように、人工タンパク質の発現によって第2の結合パートナーの修飾モチーフへの共役および人工タンパク質の分泌がもたらされることを特徴とする、人工タンパク質をコードする第1の核酸を含む宿主細胞を提供する。 ある態様において、宿主細胞は、少なくとも10 個の人工タンパク質をディスプレイする。 ある態様において、宿主細胞は、少なくとも10 個の人工タンパク質をディスプレイする。 ある態様において、宿主細胞は、少なくとも10 個の人工タンパク質をディスプレイする。 ある態様において、宿主細胞は、少なくとも10 個の人工タンパク質、少なくとも10 個の人工タンパク質、またはそれより多くをディスプレイする。 ある態様において、本発明は、本明細書に記載された宿主細胞のいずれかのライブラリーを提供する。 ある態様において、ライブラリーは、少なくとも10 個の異なるメンバーを有する。 ある態様において、ライブラリーは、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも1000個、少なくとも10,000個、少なくとも100,000個、少なくとも1,000,000個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 10個、または少なくとも10 11個のメンバーを有する。

    ある態様において、本発明は、核酸のライブラリーであって、各々の核酸が人工タンパク質の異なる変異体をコードすることを特徴とし、各々の変異体が結合パートナーを共役することができる同一の修飾モチーフを含むことを特徴とする、複数の核酸を含むライブラリーを提供する。 ある態様において、修飾モチーフはビオチン化モチーフである。 ある態様において、ライブラリーは、少なくとも10 個の異なるメンバーを有する。 ある態様において、ライブラリーは、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも1000個、少なくとも10,000個、少なくとも100,000個、少なくとも1,000,000個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 10個、または少なくとも10 11個のメンバーを有する。

    ある態様において、本発明は、所定の機能または所定のレベルの活性を持つ人工タンパク質を単離する方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質を宿主細胞にディスプレイするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーをディスプレイすることを特徴とし、人工タンパク質が修飾モチーフを含み、人工タンパク質が発現された時に第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役することを特徴とし、発現された人工タンパク質が宿主細胞から分泌されて、第1の結合パートナーへの第2の結合パートナーの結合を介して細胞表面にディスプレイされることを特徴とする、第1の核酸によってコードされる人工タンパク質を発現するのに十分な条件下で第1の核酸を含む宿主細胞をインキュベートする工程を含む方法を提供する。 ある態様において、第1の結合パートナーはアビジン様タンパク質である。 ある態様において、第2の結合パートナーはビオチンである。 ある態様において、修飾モチーフはビオチン化ペプチドである。 ある態様において、第2の結合パートナーの共役は共役酵素によってなされる。 ある態様において、共役酵素はビオチンリガーゼである。 ある態様において、本方法は、シャペロンタンパク質を発現する工程をさらに含む。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質を細胞表面にディスプレイするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とする、人工タンパク質をコードする遺伝子を含むベクターを宿主細胞内に導入する工程、第2の結合パートナーに付着した標的分子を細胞表面の第1の結合パートナーに共役し、それにより標的分子を細胞表面に固定化する工程、人工タンパク質が標的分子に結合することを特徴とする、人工タンパク質の分泌をもたらす条件下で細胞をインキュベートし、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程を含む方法を提供する。 ある態様において、細胞壁タンパク質を介して第1の結合パートナーを細胞表面に付着させる。 ある態様において、人工タンパク質は抗体であり、標的分子は抗原である。 ある態様において、人工タンパク質はスキャフォールドタンパク質である。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質を細胞表面にディスプレイするための方法であって、宿主細胞が第3の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とする、人工タンパク質をコードする遺伝子を含むベクターを宿主細胞内に導入する工程、第2の結合パートナーが細胞表面での第2の結合パートナーのディスプレイをもたらす第3の結合パートナーに結合することを特徴とする、第3の結合パートナーをディスプレイする宿主細胞に第2の結合パートナーを添加する工程、第2の結合パートナーが宿主細胞表面での標的分子のディスプレイをもたらす第1の結合パートナーに結合することを特徴とする、第1の結合パートナーに付着した標的分子を第2の結合パートナーに添加する工程、人工タンパク質が標的分子に結合することを特徴とする、人工タンパク質の分泌をもたらす条件下で細胞をインキュベートし、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、タンパク質をスクリーニングする方法であって、第2の結合パートナーが発現された人工タンパク質に共役することを特徴とし、発現された人工タンパク質が分泌されて、第2の結合パートナーの第1の結合パートナーへの結合を介して細胞表面にディスプレイされることを特徴とする、第1の結合パートナーを含む細胞表面を有する宿主細胞内で修飾モチーフを含む人工タンパク質を発現する工程;および細胞表面にディスプレイされた人工タンパク質の機能を評価する工程を含む方法を提供する。 ある態様において、評価する工程は、活性のレベルをアッセイする工程、人工タンパク質が所定の機能を有するかどうかを決定する工程、または人工タンパク質を参照タンパク質と比較する工程を含む。 ある態様において、活性のレベルをアッセイする工程は、人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかをアッセイする工程を含む。 ある態様において、基質は、ポリペプチド、核酸、脂質、多糖、合成ポリマー、または合成化合物である。 ある態様において、基質を処理する工程は、基質に結合する工程、基質を解離する工程、基質にニックを入れる工程、基質を切断する工程、基質を活性化する工程、基質を失活させる工程、基質に電荷を与える工程、基質から電荷を奪う工程、基質の立体構造を変化させる工程、基質をコピーする工程、基質を複製する工程、分子を基質にコンジュゲートする工程、ペプチドを基質にコンジュゲートする工程、または基質を修飾する工程を含む。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかを評価するための方法であって、a)人工タンパク質が分泌され、b)基質が宿主細胞表面に共役することを特徴とする、宿主細胞内での人工タンパク質の発現を誘導する工程、および基質を処理する人工タンパク質によって生成された検出可能なシグナルのレベルを測定する工程を含む方法を提供する。 ある態様において、基質は、ポリペプチド、核酸、脂質、多糖、合成ポリマー、または合成化合物である。 ある態様において、基質を処理する工程は、基質に結合する工程、基質を解離する工程、基質にニックを入れる工程、基質を切断する工程、基質を活性化する工程、基質を失活させる工程、基質に電荷を与える工程、基質から電荷を奪う工程、基質の立体構造を変化させる工程、基質をコピーする工程、基質を複製する工程、分子を基質にコンジュゲートする工程、ペプチドを基質にコンジュゲートする工程、または基質を修飾する工程を含む。

    ある態様において、本発明は、宿主細胞がその細胞表面に共役した第1の結合パートナーを有することができることを特徴とし、人工タンパク質が修飾モチーフを含むことを特徴とし、それが第2の結合パートナーの第1の結合パートナーへの相互作用結合を介して細胞表面にディスプレイされることができるように、人工タンパク質の発現によって第2の結合パートナーの修飾モチーフへの共役および人工タンパク質の分泌が引き起こされることを特徴とする、人工タンパク質をコードする第1の核酸を含む宿主細胞を提供する。 ある態様において、宿主細胞は、少なくとも10 個の人工タンパク質をディスプレイする。 ある態様において、本発明は、宿主細胞のライブラリーを提供する。 ある態様において、ライブラリーは、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも1000個、少なくとも10,000個、少なくとも100,000個、少なくとも1,000,000個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 10個、または少なくとも10 11個のメンバーを有する。

    ある態様において、本発明は、核酸のライブラリーであって、各々の核酸が人工タンパク質の異なる変異体をコードすることを特徴とし、各々の変異体が同一の修飾モチーフを含むことを特徴とする、複数の核酸を含むライブラリーを提供する。 ある態様において、ライブラリーは、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも1000個、少なくとも10,000個、少なくとも100,000個、少なくとも1,000,000個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 10個、または少なくとも10 11個のメンバーを有する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質を細胞表面にディスプレイするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、人工タンパク質が修飾モチーフを含むことを特徴とする、人工タンパク質をコードする遺伝子を含むベクターを宿主細胞内に導入する工程、第2の結合パートナーを修飾モチーフに共役するのに十分な条件下で人工タンパク質を発現する工程、人工タンパク質を宿主細胞表面に分泌する工程;および第2の結合パートナーを細胞表面の第1の結合パートナーに結合し、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質を細胞表面にディスプレイするための方法であって、第1の結合パートナーをその細胞表面でディスプレイする宿主細胞を作製する工程、第2の結合パートナーまたは第2の結合パートナーのインビボ共役を可能にする修飾モチーフをコードする配列を含む人工タンパク質をコードする核酸を導入する工程、および第1の結合パートナーが第2の結合パートナーに結合することを特徴とする、人工タンパク質を分泌するのに十分な条件下で宿主細胞をインキュベートし、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質を細胞表面にディスプレイするための方法であって、第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイする宿主細胞を作製する工程、第2の結合パートナーを含む人工タンパク質をコードする遺伝子を含むベクターを導入する工程、人工タンパク質を分泌するのに十分な条件下で宿主細胞をインキュベートする工程、および第2の結合パートナーを細胞表面の第1の結合パートナーに結合し、それによって人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質を細胞表面にディスプレイするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とする、人工タンパク質をコードする遺伝子を含むベクターを宿主細胞内に導入する工程、標的分子を細胞表面の第1の結合パートナーに共役し、それにより標的分子を細胞表面に固定化する工程、人工タンパク質の分泌を誘導する工程;および人工タンパク質を標的分子に結合し、それにより、細胞表面に付着する第2の結合パートナーへの結合を通じて第1の結合パートナーが細胞表面に接続されることを特徴とする、人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、細胞表面にディスプレイされた人工タンパク質のライブラリーを作製するための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、各々のベクターが独自の人工タンパク質をコードする遺伝子を含むことを特徴とし、各々の人工タンパク質が固定化ペプチドに連結された独自のポリペプチドを含むことを特徴とし、固定化ペプチドが修飾モチーフを含むことを特徴とする、複数のベクターを宿主細胞の集団に導入する工程、a)第2の結合パートナーを修飾モチーフに共役し;b)人工タンパク質を宿主細胞表面に分泌するのに十分な条件下で人工タンパク質を発現する工程、および第2の結合パートナーを細胞表面の第1の結合パートナーに結合し、それにより細胞表面にディスプレイされた人工タンパク質のライブラリーを作製する工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、細胞表面にディスプレイされた人工タンパク質のライブラリーを作製するための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、各々のベクターが第2の結合パートナーに連結された独自の人工タンパク質をコードする遺伝子を含むことを特徴とする、複数のベクターを宿主細胞の集団に導入する工程、人工タンパク質を分泌するのに十分な条件下で人工タンパク質を発現する工程、および第2の結合パートナーを細胞表面の第1の結合パートナーに結合し、それにより細胞表面にディスプレイされた人工タンパク質のライブラリーを作製する工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、細胞表面の人工タンパク質のライブラリーを作製するための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面でディスプレイすることを特徴とし、各々のベクターが独自の人工タンパク質をコードする遺伝子を含むことを特徴とし、人工タンパク質が標的分子に対する親和性を有することを特徴とする、複数のベクターを宿主細胞の集団に導入する工程、標的分子を細胞表面の第1の結合パートナーに共役し、それにより標的分子を細胞表面に固定化する工程、人工タンパク質の分泌を誘導する工程、および人工タンパク質を標的分子に結合し、それにより細胞表面にディスプレイされた人工タンパク質のライブラリーを作製する工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質が所定の機能を有するかどうかを評価するための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面でディスプレイすることを特徴とし、a)人工タンパク質が修飾モチーフを含み;b)第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役し;c)人工タンパク質が分泌され;かつd)第2の結合パートナーが細胞表面の第1の結合パートナーに結合することを特徴とする、人工タンパク質の宿主細胞内での発現を誘導し、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面で提示する工程、および人工タンパク質が所定の機能を有するかどうかを評価する工程を含む、方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質の活性をアッセイするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、a)人工タンパク質が修飾モチーフを含み;b)第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役し;c)人工タンパク質が分泌され;かつd)第2の結合パートナーが細胞表面の第1の結合パートナーに結合することを特徴とする、人工タンパク質の宿主細胞内での発現を誘導し、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程、および人工タンパク質の活性をアッセイする工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質のタンパク質複合体が所定の機能を有するかどうかを評価するための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、a)人工タンパク質が修飾モチーフを含み;b)第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役し;c)人工タンパク質が分泌され;かつd)第2の結合パートナーが細胞表面の第1の結合パートナーに結合することを特徴とする、2つまたはそれより多くの人工タンパク質の宿主細胞内での発現を誘導し、それにより、2つまたはそれより多くの人工タンパク質が相互作用して人工タンパク質のタンパク質複合体を形成することを特徴とする、人工タンパク質を宿主細胞表面でディスプレイする工程、および人工タンパク質のタンパク質複合体が所定の機能を有するかどうかを評価する工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質のタンパク質複合体の活性をアッセイするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、a)人工タンパク質が修飾モチーフを含み;b)第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役し;c)人工タンパク質が分泌され;かつd)第2の結合パートナーが細胞表面の第1の結合パートナーに結合することを特徴とする、2つまたはそれより多くの人工タンパク質の宿主細胞内での発現を誘導し、それにより、2つまたはそれより多くの人工タンパク質が相互作用して人工タンパク質のタンパク質複合体を形成することを特徴とする、人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程、および人工タンパク質のタンパク質複合体の活性をアッセイする工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかを評価するための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、a)人工タンパク質が修飾モチーフを含み;b)第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役し;c)人工タンパク質が分泌され;かつd)第2の結合パートナーが細胞表面の第1の結合パートナーに結合する、人工タンパク質の宿主細胞内での発現を誘導し、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程;および人工タンパク質が基質と相互作用する場合、人工タンパク質が基質を処理することができることを特徴とする、人工タンパク質を基質と接触させる工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質の活性をアッセイするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、a)人工タンパク質が修飾モチーフを含み;b)第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役し;c)人工タンパク質が分泌され;かつd)第2の結合パートナーが細胞表面の第1の結合パートナーに結合することを特徴とする、人工タンパク質の宿主細胞内での発現を誘導し、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程;人工タンパク質を基質と接触させる工程、および人工タンパク質の活性をアッセイする工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質のタンパク質複合体が基質を処理することができるかどうかを評価するための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、a)人工タンパク質が修飾モチーフを含み;b)第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役し;c)人工タンパク質が分泌され;かつd)第2の結合パートナーが細胞表面の第1の結合パートナーに結合することを特徴とする、2つまたはそれより多くの人工タンパク質の宿主細胞内での発現を誘導し、それにより、2つまたはそれより多くの人工タンパク質が相互作用して人工タンパク質のタンパク質複合体を形成することを特徴とする、人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程、および人工タンパク質のタンパク質複合体が基質と相互作用する場合、人工タンパク質のタンパク質複合体が基質を処理することができることを特徴とする、人工タンパク質のタンパク質複合体を基質と接触させる工程を含む、方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質のタンパク質複合体の活性をアッセイするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、a)人工タンパク質が修飾モチーフを含み;b)第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役し;c)人工タンパク質が分泌され;かつd)第2の結合パートナーが細胞表面の第1の結合パートナーに結合することを特徴とする、2つまたはそれより多くの人工タンパク質の宿主細胞での発現を誘導し、それにより、2つまたはそれより多くの人工タンパク質が相互作用して人工タンパク質のタンパク質複合体を形成することを特徴とする、人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程、人工タンパク質のタンパク質複合体を基質と接触させる工程;および人工タンパク質のタンパク質複合体の活性をアッセイする工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかを評価するための方法であって、人工タンパク質の宿主細胞内での発現を誘導する工程、およびa)人工タンパク質が分泌され、かつb)基質が宿主細胞表面に共役することを特徴とする、基質を処理する人工タンパク質によって生成される検出可能なシグナルのレベルを測定する工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、候補人工タンパク質をスクリーニングするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、各々のベクターが独自の人工タンパク質をコードする遺伝子を含むことを特徴とする、複数のベクターを宿主細胞の集団に導入する工程、a)人工タンパク質が修飾モチーフを含み;b)第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役し;c)人工タンパク質が分泌され;かつd)第2の結合パートナーが細胞表面の第1の結合パートナーに結合することを特徴とする、人工タンパク質の宿主細胞内での発現を誘導し、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程、および人工タンパク質が所定の機能を有する場合、人工タンパク質が候補人工タンパク質であると同定されることを特徴とする、人工タンパク質が所定の機能を有するかどうかを決定する工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、候補人工タンパク質をスクリーニングするための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、各々のベクターが独自の人工タンパク質をコードする遺伝子を含むことを特徴とする、複数のベクターを宿主細胞の集団に導入する工程、a)人工タンパク質が修飾モチーフを含み;b)第2の結合パートナーが修飾モチーフに共役し;c)人工タンパク質が分泌され;かつd)第2の結合パートナーが細胞表面の第1の結合パートナーに結合することを特徴とする、人工タンパク質の宿主細胞内での発現を誘導し、それにより人工タンパク質を宿主細胞表面にディスプレイする工程、および人工タンパク質が基質と相互作用する場合、人工タンパク質が候補人工タンパク質であると同定されることを特徴とする、人工タンパク質を基質と接触させる工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、候補人工タンパク質をスクリーニングするための方法であって、各々のベクターが独自の人工タンパク質をコードする遺伝子を含むことを特徴とする、複数のベクターを宿主細胞の集団に導入する工程、a)人工タンパク質が分泌され、かつb)基質が宿主細胞表面に共役し、人工タンパク質が基質を処理する場合、検出可能なシグナルが発生し、かつ検出可能なシグナルが発生する場合、人工タンパク質が候補人工タンパク質であると同定されることを特徴とする、人工タンパク質の宿主細胞での発現を誘導する工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、標的分子に対する所定の親和性を有する人工タンパク質を産生するための方法であって、宿主細胞が第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイすることを特徴とし、各々のベクターが独自の人工タンパク質をコードする遺伝子を含むことを特徴とする、複数のベクターを宿主細胞の集団に導入する工程、標的分子を第1の結合パートナーに共役し、それにより標的分子を細胞表面に固定化する工程、人工タンパク質の分泌を誘導する工程、人工タンパク質を宿主細胞表面の標的分子に結合し、宿主細胞表面での人工タンパク質のライブラリーの作製をもたらす工程、標的分子に対する所定の親和性を有する関心対象の人工タンパク質を分泌する宿主細胞の亜集団を選択する工程、および宿主細胞の選択された亜集団から人工タンパク質を産生する工程を含む方法を提供する。

    ある態様において、本発明は、各々の宿主細胞が独自の人工タンパク質の遺伝子をコードするベクターを含むことを特徴とし、宿主細胞が基質をも含むことを特徴とし、基質が宿主細胞表面に共役することを特徴とする、宿主細胞のライブラリーを提供する。 ある態様において、本発明は、各々の宿主細胞が独自の人工タンパク質を発現し、基質を含むことを特徴とし、基質が宿主細胞表面に共役することを特徴とする、宿主細胞のライブラリーを提供する。 ある態様において、本発明は、各々の宿主細胞が独自の人工タンパク質を発現することを特徴とし、各々の人工タンパク質が固定化ペプチドに共役した独自のポリペプチドを含むことを特徴とする、宿主細胞のライブラリーを提供する。 ある態様において、本発明は、各々の宿主細胞がその表面に人工タンパク質をディスプレイすることを特徴とし、各々の人工タンパク質が固定化ペプチドに共役した独自のポリペプチドを含むことを特徴とする、宿主細胞のライブラリーを提供する。 ある態様において、本発明は、各々のベクターが独自の人工タンパク質をコードする核酸を含むことを特徴とし、各々の人工タンパク質が固定化ペプチドに共役した独自のポリペプチドを含むことを特徴とする、ベクターのライブラリーを提供する。 ある態様において、本発明は、各々の人工タンパク質が固定化ペプチドに共役した独自のポリペプチドを含むことを特徴とする、人工タンパク質のライブラリーを提供する。

    態様のいずれかにおいて、固定化ペプチドを、人工タンパク質のC末端またはN末端に連結させることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、固定化ペプチドを人工タンパク質のN末端に連結させることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、人工タンパク質は分泌ペプチドを含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、人工タンパク質をコードする遺伝子は細胞のゲノムに組み込まれ得るということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、人工タンパク質は、治療的ポリペプチド、ポリメラーゼ、リガーゼ、制限酵素、トポイソメラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、代謝酵素、触媒酵素、治療的酵素、薬学的酵素、環境酵素、工業的酵素、薬学的ポリペプチド、環境ポリペプチド、工業的ポリペプチド、結合タンパク質、抗体、抗体断片、シグナル伝達分子、サイトカイン、またはレセプターを含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、人工タンパク質はポリメラーゼを含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、ポリメラーゼはphi 29ポリメラーゼであることができるということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、人工タンパク質はスキャフォールドタンパク質であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、人工タンパク質はレポーター部分を含むことができるということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、固定化ペプチドは膜貫通ポリペプチドであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、固定化ペプチドはポリペプチド膜アンカーであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、固定化ペプチドはGPI連結ポリペプチドであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、固定化ペプチドは天然の表面ポリペプチドであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、天然の表面ポリペプチドはAga2であることができるということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、第2の結合パートナーの共役は、インビボで共役酵素によってなされることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、第2の結合パートナーの共役は、インビボで共役酵素によって触媒されることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、本方法は、共役酵素を発現する工程をさらに含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、共役酵素をベクターから発現させることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、共役酵素をコードする遺伝子を細胞のゲノムに組み込むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、共役酵素はビオチンリガーゼであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、共役酵素はBirAであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、共役酵素はBpl1であることができるということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、修飾モチーフはビオチン化ペプチドであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、ビオチン化ペプチドはBirAによって認識される配列を有することができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、第2の結合パートナーはビオチンであることができるということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、第2の結合パートナーは炭化物結合ドメインであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、炭水化物結合ドメインはレクチンであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、レクチンはコンカナバリンAであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、レクチンはフィトヘマグルチニンであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、炭水化物結合ドメインは凝集タンパク質の糖結合ドメインであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、凝集タンパク質は、Flo1、Flo5、およびFlo11からなる群より選択されることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、炭水化物結合ドメインは炭水化物結合モジュールであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、炭水化物結合モジュールはセルロース結合ドメインであることができるということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、本方法は、第1の結合パートナーをコードする遺伝子を含むベクターを宿主細胞内に導入する工程、および第1の結合パートナーを宿主細胞表面に発現するのに十分な条件下で宿主細胞をインキュベートする工程をさらに含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、第1の結合パートナーは、アビジン、ストレプトアビジン、またはニュートラアビジンであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、第1の結合パートナーは、少なくとも1つのアビジンまたはアビジン様タンパク質の単量体を含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、第1の結合パートナーは融合タンパク質であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、融合タンパク質はアンカーリングモチーフを含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、アンカーリングモチーフは、GPIアンカー、修飾されたGPIアンカー、α−アグルチニン、a−アグルチニン、凝集タンパク質、主要細胞壁タンパク質、CCW14、CIS3、CWP1、PIR1、およびPIR3からなる群より選択されることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、融合タンパク質は分泌ペプチドを含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、第1の結合パートナーを1本のポリペプチドとして発現させることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、第1の結合パートナーを、ビオチンスペーサーを介して細胞表面に接続することができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、ビオチンスペーサーはPEG部分を含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、第1の結合パートナーはビオチンであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、第1の結合パートナーはビオチン結合タンパク質またはその部分であることができるということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、人工タンパク質および第1の結合パートナーを発現するための条件は異なることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、人工タンパク質および第1の結合パートナーを発現するための条件は同じであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、条件は、宿主細胞の環境への薬剤の添加を含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、条件は、宿主細胞の環境の温度の変化を含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、条件は、宿主細胞の炭素源の変化を含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、第1の結合パートナーを細胞表面に共有結合でコンジュゲートすることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、本方法は、シャペロンポリペプチドの発現をさらに含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、細胞は哺乳動物細胞であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、細胞は酵母細胞であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、細胞は出芽酵母(S. cerevisiae)であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、細胞は細菌細胞であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、細胞は大腸菌(E. coli)であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、細胞は、低下したレベルのプロテアーゼ活性を有する細胞であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、細胞は、シャペロンタンパク質を発現していることができるということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、基質を細胞表面に共役することができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、基質は、ポリペプチド、核酸、脂質、多糖、合成ポリマー、または合成化合物であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、発現を誘導する前に基質を細胞に共役することができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、発現が誘導された後に基質を細胞に共役することができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、基質は宿主細胞表面に天然に存在しない部分であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、宿主細胞表面に天然に存在する部分に基質を共役させることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、ポリペプチドのアミノ酸側鎖に基質を共役することができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、基質はビオチンを含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、結合部分へのビオチンの結合を介して基質を細胞表面に固定化することができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、基質は核酸を含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、基質は鋳型およびプライマーを含むことができるということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、基質の処理は、基質に結合する工程、基質を解離する工程、基質にニックを入れる工程、基質を切断する工程、基質を活性化する工程、基質を失活させる工程、基質に電荷を与える工程、基質から電荷を奪う工程、基質の立体構造を変化させる工程、基質をコピーする工程、基質を複製する工程、分子を基質にコンジュゲートする工程、ペプチドを基質にコンジュゲートする工程、または基質を修飾する工程を含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、閾値レベルは対照ポリペプチドのシグナルのレベルであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、本方法は、シグナルのレベルが閾値レベルを上回る場合、人工タンパク質が候補人工タンパク質であると同定されることを特徴とする、シグナルを生み出す基質と人工タンパク質を接触させる工程をさらに含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、対照ポリペプチドまたは対照タンパク質は、ランダムコイル構造を持つポリペプチドであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、対照ポリペプチドまたはタンパク質は、野生型ポリペプチドであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、対照ポリペプチドまたは対照タンパク質は、市販のポリペプチドであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、基質処理は、1つまたは複数のヌクレオチドをプライマーに付加する工程を含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、基質処理は、蛍光部分を含む1つまたは複数のヌクレオチドをプライマーに付加する工程を含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、本方法は、検出可能なシグナルを対照タンパク質のシグナルと比較する工程をさらに含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、候補人工ポリペプチドを単離する行為は、閾値レベルを上回る検出可能なシグナルを同定することに基づくことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、検出可能なシグナルは人工タンパク質によって発生させることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、検出可能なシグナルは基質を処理することによって発生させることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、検出可能なシグナルは、人工タンパク質と基質処理の両方によって発生させることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、検出可能なシグナルは蛍光シグナルであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、候補人工ポリペプチドを単離する行為は、蛍光活性化細胞選別という行為を含むことができるということが理解されるべきである。

    本発明は、本発明の態様のいずれかによって同定される候補人工タンパク質も含むということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、人工タンパク質は抗体または抗体断片であることができ、標的分子は抗原であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、人工タンパク質は抗原であることができ、標的分子は抗体または抗体断片であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、人工タンパク質は抗原であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、人工タンパク質は抗体または抗体断片であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、人工タンパク質はレセプターであることができ、標的分子はリガンドであることができるということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、ライブラリーは、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも1000個、少なくとも10,000個、少なくとも100,000個、少なくとも1,000,000個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 10個、または少なくとも10 11個のメンバーを有することができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、宿主細胞は、細胞当たり少なくとも10 個の人工タンパク質をディスプレイすることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、固定化ペプチドはビオチン化ペプチドであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、固定化ペプチドは膜貫通ポリペプチドであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、固定化ペプチドはポリペプチド膜アンカーであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、固定化ペプチドはGPIポリペプチドであることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、固定化ペプチドは天然の表面ポリペプチドであることができるということが理解されるべきである。

    態様のいずれかにおいて、レポーター部分は蛍光タンパク質であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、本方法は、検出可能な作用物質のレポーター部分への結合をさらに含むことができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、検出可能な作用物質は抗体であることができるということが理解されるべきである。 態様のいずれかにおいて、抗体は蛍光部分を含むことができるということが理解されるべきである。

    各々の本発明の限定は、本発明の様々な態様を包括的に含むことができる。 それゆえ、いずれか1つの要素または要素の組み合わせを含む各々の本発明の限定を、本発明の各々の局面に含めることができるものと思われる。 本発明は、以下の説明で示されるかまたは図で例説されるコンストラクションの詳細および構成要素の配置へのその適用に限定されない。 本発明は、その他の態様が可能であり、様々な方法で実施することまたは実行することが可能である。 また、本明細書で用いられる用語および術語は、説明の目的のためのもであって、限定するものとみなされるべきではない。 「含む(including)」、「含む(comprising)」、または「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(involving)」、および本明細書におけるその変形の使用は、その後ろに列挙される項目およびその同等物だけでなく、追加の項目も包含するということを意味する。

    アビジン(第1の結合パートナー)がリンカーによって細胞表面に連結することを特徴とする、ビオチン化ペプチド(第2の結合パートナー)に連結した関心対象のタンパク質を含む人工タンパク質の発現の非限定的な概観を例説する。

    アビジン(第1の結合パートナー)が細胞表面に直接連結することを特徴とする、ビオチン化ペプチド(第2の結合パートナー)に連結した関心対象のタンパク質を含む人工タンパク質の発現の非限定的な概観を例説する。

    アビジンが共有結合で細胞にコンジュゲートする態様を示す。 パネルAは、ビオチン化蛍光での標識によるアビジンとのコンジュゲーションを示す。 パネルBは、経時的なアビジン−細胞接続の安定性を示す。

    2つのビオチン受容体ペプチド(BAP)に融合した人工細胞壁タンパク質が細胞表面で発現している態様を例説する。 図4Aは、細胞表面で発現したビオチン化された人工細胞壁タンパク質を示す。 図4Bは、ビオチン化された細胞壁タンパク質へのアビジン結合を示す。 図4Cは、ビオチン化された人工細胞壁タンパク質を発現しているまたは発現していない細胞の集団へのアビジン−フルオレセインの結合を示す。 図4Dは、ビオチン化された人工細胞壁タンパク質に結合したアビジンへのビオチン−フルオレセインの結合を示す。

    関心対象のタンパク質の細胞表面での発現およびディスプレイの態様を例説する。 図5Aは、ビオチン受容体ペプチド(BAP)およびエピトープタグに融合した関心対象のタンパク質を含む人工タンパク質をコードするベクターで形質転換した細胞を例説する。 図5Bは、細胞表面のビオチン化を例説する。 図5Cは、細胞表面でのアビジンのビオチンへの結合を例説する。 図5Dは、BAPおよびエピトープタグ(FLAG)に融合した関心対象のタンパク質の発現ならびにビオチンリガーゼの発現を例説する。 図5Eは、人工タンパク質のインビボビオチン化を例説する。 図5Fは、人工ビオチン化タンパク質の分泌および細胞表面でディスプレイされたアビジンへのその結合を例説する。

    関心対象のタンパク質の細胞表面での発現およびディスプレイの態様を例説する。 図5Aは、ビオチン受容体ペプチド(BAP)およびエピトープタグに融合した関心対象のタンパク質を含む人工タンパク質をコードするベクターで形質転換した細胞を例説する。 図5Bは、細胞表面のビオチン化を例説する。 図5Cは、細胞表面でのアビジンのビオチンへの結合を例説する。 図5Dは、BAPおよびエピトープタグ(FLAG)に融合した関心対象のタンパク質の発現ならびにビオチンリガーゼの発現を例説する。 図5Eは、人工タンパク質のインビボビオチン化を例説する。 図5Fは、人工ビオチン化タンパク質の分泌および細胞表面でディスプレイされたアビジンへのその結合を例説する。

    関心対象のタンパク質の細胞表面での発現およびディスプレイの態様を例説する。 図5Aは、ビオチン受容体ペプチド(BAP)およびエピトープタグに融合した関心対象のタンパク質を含む人工タンパク質をコードするベクターで形質転換した細胞を例説する。 図5Bは、細胞表面のビオチン化を例説する。 図5Cは、細胞表面でのアビジンのビオチンへの結合を例説する。 図5Dは、BAPおよびエピトープタグ(FLAG)に融合した関心対象のタンパク質の発現ならびにビオチンリガーゼの発現を例説する。 図5Eは、人工タンパク質のインビボビオチン化を例説する。 図5Fは、人工ビオチン化タンパク質の分泌および細胞表面でディスプレイされたアビジンへのその結合を例説する。

    標的分子の細胞表面でのディスプレイの態様を例説している。 図6Aは、アビジンへのその結合によって細胞表面でディスプレイされ、次に細胞表面でビオチンと結合する、抗体(標的分子)への抗原の結合を例説する。 図6Bは、抗原の標識を例説する。 図6Cは、抗原とディスプレイされた抗体の両方の標識を例説する。

    標的分子の細胞表面でのディスプレイの態様を例説している。 図6Aは、アビジンへのその結合によって細胞表面でディスプレイされ、次に細胞表面でビオチンと結合する、抗体(標的分子)への抗原の結合を例説する。 図6Bは、抗原の標識を例説する。 図6Cは、抗原とディスプレイされた抗体の両方の標識を例説する。

    標的分子の細胞表面でのディスプレイの態様を例説している。 図6Aは、アビジンへのその結合によって細胞表面でディスプレイされ、次に細胞表面でビオチンと結合する、抗体(標的分子)への抗原の結合を例説する。 図6Bは、抗原の標識を例説する。 図6Cは、抗原とディスプレイされた抗体の両方の標識を例説する。

    scFvタンパク質の発現の非限定的な態様を示す。 図7Aは、プロモーター、分泌リーダー配列(SL)、エピトープタグ、scFvタンパク質をコードするORF、ビオチン受容体ペプチド(BAP)、およびa接合因子アルファ終結因子配列を含むscFvタンパク質をコードするコンストラクトを例説する。 図7Bは、BAPをそのC末端におよびFLAGエピトープをそのN末端に持つscFvタンパク質を例説する。

    scFvタンパク質の細胞表面でのディスプレイおよび抗原に結合したscFvタンパク質を発現する細胞の選択の非限定的な態様を示す。 図8Aは、scFvタンパク質の発現ならびに抗原のFLAGエピトープおよびHIS6(配列番号11)を認識する抗体による標識を例説する。 図8Bおよび図8Cは、抗原に結合しているscFvタンパク質を発現する細胞の集団の濃縮のためのアッセイを示す。

    抗体のディスプレイの非限定的な態様を示している。 図9Aは、抗体が細胞表面で発現している態様を示す。 図9Bは、抗原結合を介した抗体を発現する細胞の集団の濃縮のためのアッセイを示す。 図9は、配列番号11として「HIS6」を開示する。

    熱安定性のタンパク質突然変異体の選択および濃縮倍数の非限定的な態様を示す(それぞれ、図10Aおよび10B)。

    細胞表面での抗体の発現およびディスプレイならびに抗体集団の濃縮の非限定的な態様を示す。

    タンパク質ディスプレイおよび細胞周期阻害の非限定的な態様を示す。 図12Aは、ノコダゾールの非存在下におけるビオチン化された細胞壁タンパク質に結合したアビジンへのビオチン−フルオレセインの結合を示す。 図12Bは、ノコダゾールの存在下におけるビオチン化された細胞壁タンパク質に結合したアビジンへのビオチン−フルオレセインの結合を示す。

    細胞にディスプレイされた基質の非限定的な態様を示している。 1つの態様において、NHS−PEG−ビオチンまたはヒドラジン−PEG−ビオチンで標識された細胞を提供する。 その後のアビジンの添加および結合と同時に、ビオチン化オリゴヌクレオチドを添加し、細胞表面に固定化する。 次の工程で、相補的な鎖または伸張プライマーを供給することができる。 1つの態様において、酵素的化学反応を、表面に発現した酵素により表面に結合したDNAコンストラクト上で行なうことができる。

    アビジンサンドイッチにより酵母の表面に固定化された1本鎖オリゴヌクレオチドを含むアッセイの蛍光シグナルの非限定的な態様を示している。 FAM標識された相補的オリゴヌクレオチドか、またはFAM標識された非相補的オリゴヌクレオチドのいずれかを細胞に添加した。 相補的オリゴヌクレオチドの特異的結合がFITC蛍光によって示されている。

    NheIまたはSceIとインキュベートした、I−SceI制限部位を含む表面に付着したFAM標識2本鎖オリゴヌクレオチドの経時的な蛍光シグナルの減少を描写する非限定的な態様を示している。 結果として生じるオリゴヌクレオチド切断は、減少したFAM蛍光によって示された。

    酵母の表面に付着した1本鎖DNA鋳型上で伸張したプライマーの蛍光シグナルの非限定的な態様を示す。 蛍光シグナルは、クレノー断片によるCy−5標識dNTPの取込みを示す。

    本発明の局面は、1つまたは複数の細胞発現分子を細胞表面にディスプレイするための方法および組成物に関する。 ある態様において、分子(例えば、人工タンパク質)を細胞表面でのそれらの固定化(例えば、人工タンパク質の固定化)をもたらす条件下で宿主細胞内で発現させる。 本発明の局面は、1つまたは複数のタンパク質をそれらが合成される細胞に固定化し、それにより1つまたは複数のタンパク質の各々をそれらの遺伝子型と関連させるのに有用である。 ディスプレイされるタンパク質を任意の好適なアッセイまたは実験系を用いて調べ、タンパク質の1つまたは複数の特性または機能(例えば、結合特性、酵素活性、安定性など、またはその任意の組み合わせ)を評価してもよい。 好ましいアッセイは、望ましい場合に(例えば、タンパク質をコードした核酸を特徴付けることによって)評価されているタンパク質の遺伝子型を回復させることができるように宿主細胞の完全性を維持する。 ある態様において、関心対象の1つのタンパク質を本発明の組成物および方法を用いてディスプレイし、評価してもよい。 ある種の態様において、異なるタンパク質のライブラリーを評価してもよい。 各々の異なるタンパク質は、ライブラリーの異なる宿主細胞内の異なる核酸によってコードされてもよい。 異なるタンパク質は、新規のおよび/または向上した特性(例えば、増大した活性、増大した安定性、増大した結合親和性など、またはその任意の組み合わせ)を同定または選択するために評価されている変異体であってもよい。 ある態様において、変異体は、タンパク質の大部分に対して共通のアミノ酸配列を共有するが、構造的および/または機能的に重要であると考えられる領域におけるアミノ酸配列が異なる。 例えば、抗体変異体は、1つまたは複数の共通のフレームワーク配列を共有してもよいが、(例えば、異なるCDR配列を持つ)異なる可変配列を有する。 レセプターライブラリーには、それらのリガンド結合ドメインに異なるアミノ酸配列を持つレセプター変異体が含まれてもよい。 同様に、酵素ライブラリーには、それらの活性部位領域に異なる配列を持つ酵素変異体が含まれてもよい。 本発明の局面を用いて、大きい配列空間をサンプリングしかつ検証し得るように、多数の変異体をディスプレイし、評価してもよい。 ある態様において、各々の宿主細胞は、評価すべきタンパク質変異体のうちのたった1種類を発現し、ディスプレイする。 しかしながら、本発明の局面は、多くのコピーのタンパク質を細胞表面に発現し、ディスプレイするのに有用である可能性がある。 本発明のディスプレイ系の高い容量は、ディスプレイされたタンパク質を(例えば、高スループットアッセイで)効果的かつ効率的にアッセイするのに有用である。 ある種の態様において、1つの宿主細胞は、2個またはそれより多く(例えば、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多く)の(例えば、タンパク質のプールを評価するための)異なるタンパク質変異体を発現し、ディスプレイしてもよい。

    本発明のその他の局面は、関心対象の分子を細胞内で産生するための方法および組成物に関する。 好ましい態様において、関心対象の分子は、タンパク質またはポリペプチドである。 本明細書で使用される場合、「タンパク質」および「ポリペプチド」という用語は互換的に用いられる。 「人工タンパク質」という用語は、天然タンパク質および合成ポリペプチドならびに例えば、固定化ペプチド、レポーターペプチド、分泌ペプチドのような、付加的なポリペプチド要素に連結した合成ポリペプチドまたは天然タンパク質を含むタンパク質コンストラクトを包含する。 タンパク質は、アミノ酸で完全に構成されてもよいしまたはアミノ酸で完全に構成されなくてもよい。 その他の非アミノ酸構成成分を含むタンパク質の部類の例として、糖タンパク質、リポタンパク質、およびプロテオグリカンが含まれるが、これらに限定されない。 本発明の局面によって、人工タンパク質は、配列変異体、組換えプロモーター、転写制御エレメント、融合ペプチド、その他の修飾、またはその2つもしくはそれより多くの任意の組み合わせを含むように人工的に改変し得る組換え核酸にコードされかつ/または組換え核酸から発現される。 ある態様において、タンパク質は、タンパク質の固定化によって細胞表面にディスプレイされる。 本発明のある態様において、タンパク質は、膜であるかまたは表面に結合しているペプチドを介して細胞表面に固定化されてもよい。 ある種の態様において、固定化は、結合パートナー間の特異的相互作用を含んでもよい。 例えば、関心対象のタンパク質は、第1および第2の結合パートナー間の相互作用を通じて宿主細胞表面に付着する。 ある態様において、第1の結合パートナーは、宿主細胞表面で付着していてもよく、人工タンパク質は、第1の結合パートナーと特異的に(例えば、約10 −7 M、約10 −8 M、約10 −9 M、約10 −10 M、約10 −11 M、約10 −12 M、約10 −13 M、約10 −14 M、または約10 −15 Mという解離定数によって表される結合親和性で)相互作用する第2の結合パートナーを含んでもよい。 ある態様において、人工タンパク質は、共役酵素によって修飾され、第2の結合パートナーの修飾モチーフへの共役をもたらす修飾モチーフを含む。 ある態様において、第2の結合パートナーは、人工タンパク質と細胞内で共役する。

    ある態様において、標的分子(例えば、標的タンパク質)が細胞表面に直接的に付着し、発現された人工タンパク質が標的タンパク質に結合し、それにより発現されたタンパク質をディスプレイする。 ある態様において、標的分子は宿主細胞に直接的には付着しないが、宿主細胞に付着する第1の結合パートナーに結合する第2の結合パートナーに付着する。 人工タンパク質および標的分子の組み合わせの非限定的な態様は、人工タンパク質が抗体でかつ標的分子が抗原であること、人工タンパク質が抗原でかつ標的分子が抗体であること、人工タンパク質がレセプターでかつ標的分子がリガンドであること、人工タンパク質が酵素でかつ標的分子が基質であることなど、またはその任意の組み合わせである。

    ある態様において、宿主細胞を誘導して、人工タンパク質を発現させる。 ある態様において、誘導工程は必要なく、宿主細胞をインキュベートすることによって人工タンパク質の発現がもたらされる。 ある態様において、第2の結合パートナーを含む人工タンパク質が分泌され、第1の結合パートナーに結合し、それにより人工タンパク質を細胞表面にディスプレイする。 ある態様において、第1の結合パートナーはアビジンであり、第2の結合パートナーはビオチンである。 ある態様において、アビジンを共有結合で細胞表面に(例えば、直接的または間接的に)コンジュゲートする。 さらにある態様において、第1の結合パートナーを細胞に発現させ、宿主細胞表面でディスプレイする。 例えば、結合パートナーの1つを細胞壁または細胞膜融合タンパク質などの融合タンパク質として宿主細胞に発現させ、宿主細胞の表面でディスプレイしてもよい。
    タンパク質の固定化 ある態様において、分泌された人工タンパク質を細胞表面に固定化する。 本発明は、例えば、融合タンパク質が(GPIモチーフのような)細胞膜アンカーを含む場合に、または融合タンパク質が膜にアンカーリングしたタンパク質の構成部分である場合に、人工タンパク質を細胞に直接的にアンカーリングすることを含む、人工タンパク質を細胞表面に固定化する任意の方法を包含する。 本発明は、細胞表面の人工タンパク質を、細胞表面に天然に存在する構成要素、または過剰発現によって細胞表面に導入することができる構成要素に固定化する方法をも包含する。 人工タンパク質は、例えば、スルフィド結合を介して(AGAの場合と同様に)または糖残基への結合を介して、後で固定化することができる。 固定化は自発的であることができ(例えば、宿主細胞の条件の変化が必要なく)、または人工タンパク質の固定化は、宿主細胞環境への薬剤の添加、もしくは温度もしくは光による共役反応の誘発などの、能動的な工程を必要としてもよい。 本発明によって包含されるその他の能動的な共役工程は、人工タンパク質の細胞表面への固定化を促進することができるタンパク質の発現の誘導、または発現の調節である。 固定化は、人工タンパク質を細胞壁に連結することができるリンカー、スペーサー、または任意の薬剤の添加を必要とする場合もある。

    ある態様において、人工タンパク質をアミノ酸修飾によって固定化する。 しかしながら、本発明は、そのように限定されるわけではなく、任意の1つまたは複数のアミノ酸、アミノ酸側鎖、アミノ酸骨格、ならびにその重複および組み合わせによって人工タンパク質を固定化してもよい。 ある態様において、人工タンパク質を固定化ペプチドによって固定化する。 ある態様において、人工タンパク質を、互いに対する親和性を有する2つの結合パートナー、例えば、アビジン−ビオチン、ストレプトアビジン−ビオチン、ニュートラアビジン−ビオチンなど、またはその任意の組み合わせの間の相互作用を通じて細胞表面で固定化し、ディスプレイする。 本発明の1つの局面において、第1の結合パートナーおよび第2の結合パートナーと融合した人工タンパク質(例えば、インビボビオチン化タンパク質)は、宿主細胞に共発現され、分泌される。 その結果として、結合パートナーが細胞内または細胞表面で会合してもよい。 1つの態様において、2つの結合パートナーは細胞内で会合し、輸送され、細胞表面で複合体としてディスプレイされる。 本発明の別の局面において、第1の結合パートナーおよび第2の結合パートナーと融合した人工タンパク質は別々に分泌される。 2つの結合パートナーが別々に発現する場合、第2の結合パートナーに融合した人工タンパク質の大部分と結合するのに十分な量で第1の結合パートナーが発現するように第1の結合パートナーの発現を調節してもよいし、または分泌細胞の細胞表面でディスプレイされるには十分な量であるが、細胞集団内のその他の細胞に結合するには不十分な量で融合タンパク質が発現する(少なくとも検出可能なレベルでは発現しない)ように融合タンパク質の発現を調節する。

    ある態様において、宿主細胞を、培地中での細胞発現産物の拡散の速度を落とす物質の存在下でインキュベートする。 液体培地の粘度を増大させることによって、宿主細胞に発現されるタンパク質が非分泌細胞よりも分泌細胞に捕捉される可能性の方がより高いと考えられるということを理解すべきである。 液体中のタンパク質の拡散の速度を落とすための方法は当技術分野において公知であり、例えば、PEG、ゼラチンなど、またはその任意の組み合わせを含む。
    ディスプレイおよびスクリーニング 本発明の局面は、分子(例えば、タンパク質)を細胞表面にディスプレイするための組成物および方法を提供する。 ある態様において、高分子量タンパク質の細胞表面でのディスプレイのための組成物および方法を提供する。

    本発明の局面は、所定の関心対象の機能を有する1つまたは複数の分子を同定するのに有用である場合がある。 細胞に発現されたタンパク質をそれが発現される細胞の表面にディスプレイする系を提供することによって、細胞表面で行なう(例えば、細胞表面にディスプレイされている1つまたは複数の分子を検出するための細胞調製物上で行なう)ことができる任意のアッセイを用いて関心対象のタンパク質を発現する細胞を同定することができる。 本発明の局面を用いて、タンパク質変異体を発現するライブラリーをスクリーニングし、関心対象の1つまたは複数のタンパク質を同定することができる。 本明細書で使用される場合、「変異体」は、参照ポリペプチドまたは参照ポリヌクレオチドとは異なるが、本質的な特性を保持するポリペプチドまたはポリヌクレオチドを指してもよい。 ポリペプチドの典型的な変異体は、アミノ酸配列が別の参照ポリペプチドと異なる。 通常、相違は、参照ポリペプチドおよび変異体の配列が全体的に極めて類似し、多くの領域で、同一であるように限定される。 変異体および参照ポリペプチドは、アミノ酸配列が1つまたは複数の修飾(例えば、置換、付加、および/または欠失)だけ異なっていてもよい。 ポリペプチドの変異体は、保存的に修飾された変異体であってもよい。 置換または挿入されたアミノ酸残基は、遺伝暗号によってコードされたアミノ酸残基であってもよいし、または遺伝暗号によってコードされていないアミノ酸残基(例えば、非天然のアミノ酸)であってもよい。 ポリペプチドの変異体は、アレル変異体などの天然に生じるものであってもよいし、またはそれは天然に生じることが知られていない変異体であってもよい。

    本発明の局面は、関心対象のタンパク質をコードする遺伝子型を同定するための最適化された方法を提供する。 関心対象のタンパク質を(例えば、直接的もしくは間接的に蛍光部分と共役した)レポーター部分を用いるかまたは機能アッセイによって同定することにより、関心対象のタンパク質を発現する細胞を容易に単離することができる。 本発明の局面は、細胞表面に発現したタンパク質の量によって関心対象のタンパク質を同定するための方法を提供する。 本発明の局面は、細胞表面にディスプレイすることができる多数のおよび/または高濃度の細胞発現分子により、広範囲のアッセイを細胞表面で行なうための機会を提供する。 関心対象のタンパク質を発現する細胞を、標的分子、抗原、リガンド、基質など、またはその任意の組み合わせに対するそれらの親和性に基づいて選択してもよい。 本発明の局面は、発現されたタンパク質およびそれらの基質または潜在的基質を細胞表面に同時に固定化するための方法を提供する。 関心対象のタンパク質を発現する細胞を、蛍光活性化細胞選別(FACS)、もしくは任意のその他の好適な細胞選別法、または任意のその他の高スループット細胞スクリーニング法および/もしくは単離法を用いて単離してもよい。

    本発明の1つの局面は、標的分子(例えば、リガンドまたは抗原)に対する望ましい親和性または特異性を持つタンパク質をディスプレイし、高レベルの関心対象のタンパク質を分泌する宿主細胞を選択するための方法を提供する。 例示的な態様において、まず、インビボまたはインビトロでビオチン化された宿主細胞を、可溶性アビジンの存在下で、ビオチン化されたリガンドまたは抗原と共にインキュベートする。 リガンドまたは抗原に対する親和性を有する関心対象の人工タンパク質を宿主細胞内で発現させることができる。 人工タンパク質の発現は、標的分子に対する親和性を有する人工タンパク質の細胞表面での固定化をもたらす。 標的分子に結合した関心対象のタンパク質を発現する細胞を、分泌タンパク質のレポーター部分に基づくかまたは関心対象のタンパク質に対する標識抗体を用いて検出することができる。 標的分子に対する望ましい親和性または選択性を有するタンパク質をディスプレイする宿主細胞または望ましいレベルの関心対象のタンパク質を発現する宿主細胞を、検出可能な標識の強度に基づいて選択することができる。 その後、選択された宿主細胞を、ビオチン化抗原の非存在下で、修飾モチーフを含む人工タンパク質の発現および分泌に好都合な条件下でインキュベートしてもよい。 好ましい態様において、修飾モチーフはビオチン受容体ペプチドであり、人工タンパク質はインビボでビオチン化される。 人工タンパク質の発現は、細胞表面のアビジン様タンパク質へのビオチン化タンパク質の結合を介したタンパク質の宿主細胞表面への固定化をもたらす。 高分泌型の宿主細胞が最初の選択過程の間に選択された場合には、その後、それらの細胞表面に関心対象のタンパク質をディスプレイする宿主細胞を、標識された標的分子(例えば、エピトープタグ抗原またはリガンド)とインキュベートすることができるということを理解すべきである。 宿主細胞を、例えば、上で考察したような標的分子に対する親和性または特異性に基づいて、後でスクリーニングし、選択することができる。 さらに別の態様において、まず、標的分子に対する望ましい範囲の親和性または特異性を持つタンパク質のディスプレイについて最初の選択過程の間に宿主細胞を選択し、その後、人工タンパク質の発現レベルに基づいて宿主細胞をスクリーニングし、選択することができる。 発現レベルは、関心対象の人工タンパク質に関連した検出可能な標識(例えば、関心対象のタンパク質に対する標識抗体、または関心対象のタンパク質がエピトープタグと融合している場合には、検出可能な抗エピトープ抗体)の定量化によって決定することができる。
    インビトロのタンパク質進化 インビトロのタンパク質進化は、多数のタンパク質機能および特徴を調査することを可能にする。 ある局面において、インビトロでのタンパク質進化は、2つの一般的工程:多様化および選択を含む。 多様化は、タンパク質をコードする核酸の高度に多様なライブラリーを作製する能に依存する。 選択は、ライブラリーを所望の表現型についてスクリーニングし、例えば、観察された表現型の原因となる遺伝子型を含むライブラリーのメンバーを同定することにより表現型を遺伝子型と連結することによって達成することができる。 核酸ライブラリーは、点突然変異、欠失、および挿入などの突然変異の導入によること、または組換え事象によることを含む様々な方法によって作製することができる。 変異体のライブラリーの作製のための方法は当技術分野において公知であり、エラー指向性PCR、DNA修復に障害のある細菌でのDNAの合成、およびDNAの化学修飾を含む。 組換えによるライブラリーの作製のための方法は当技術分野において公知であり、遺伝子シャッフリング、高度に組換えを誘発する細菌でのDNAのアセンブリ、合成核酸ライブラリーのアセンブリなど、またはその任意の組み合わせを含む。

    ある態様において、インビトロのタンパク質進化の第2の工程は選択である。 候補タンパク質を選択するために、変異体ライブラリー、または変異体ライブラリーの構成要素、およびライブラリーメンバーの所望の機能および特徴を評価しなければならない。 理想的な場合には、ライブラリーの各々の構成要素が評価に利用可能である。 タンパク質ライブラリーは、核酸ライブラリーによってコードされてもよく、したがって(例えば、細胞表面または細胞外の特性を調べるアッセイを用いて)特異的な表現型を評価するのに利用可能であるためには、核酸を発現させ、タンパク質を分泌および/またはディスプレイしなければならない。 インビトロのディスプレイ系では、タンパク質を発現および提示させ、それによりそれらを発現系の構成要素と連結することによって、それらを評価に利用可能にする。 インビボのディスプレイ系では、タンパク質を生物内で発現させ、その生物の表面にディスプレイする。 ある種のタンパク質ディスプレイ技術の概説については、Sergeevaら(2006, Advanced Drug Delivery Reviews 58:1622−1654)を参照されたい。

    核酸のライブラリーを複数の宿主細胞に導入し、各々の宿主細胞内でのライブラリーのメンバーの発現をもたらすことができる。 発現させるのに加えて、それらの機能または特徴を評価するためにタンパク質を提示させなければならない。 それらが宿主細胞から上清中に分泌された後にタンパク質を評価することができるが、それらが固定化される場合の方がタンパク質を評価するのがより簡単である。 さらに、固定化によって、関心対象のタンパク質を発現する宿主細胞を同定するのがより簡単になる。 タンパク質の発現およびディスプレイのための様々な技術が開発されている。 これらの系の例は、リボソームディスプレイ、mRNAディスプレイ、DNAディスプレイ、ファージディスプレイ、および細胞表面ディスプレイである。 これらのディスプレイは、ライブラリーメンバーによって産生されたポリペプチドをその対応する遺伝子型と物理的に連結する能力に基づく。

    本発明の局面はさらに、ライブラリーメンバーによって産生されたポリペプチドをその対応する遺伝子型と連結するための方法および組成物に関する。
    人工タンパク質の細胞表面への固定化 1つの局面において、本発明は、人工タンパク質を細胞表面に固定化するための方法を提供する。 ある態様において、本発明の人工タンパク質は、関心対象のポリペプチドおよび固定化ペプチドを最低限含む。 ある態様において、人工タンパク質は融合タンパク質を含む。 ある態様において、人工タンパク質は、人工タンパク質へのアミノ酸修飾の導入によって細胞表面に固定化される。 ある態様において、アミノ酸修飾は、インビボで(例えば、細胞内で)行なわれる。 ある態様において、修飾は、細胞外で、例えば、人工タンパク質が細胞膜を越えた直後に行なわれる。 ある態様において、修飾されるべきアミノ酸は、修飾モチーフの一部である。 修飾モチーフは、人工タンパク質の構成部分であることができるか、もしくはそれは関心対象のタンパク質のN末端もしくはC末端に連結しているペプチド配列に位置することができるか、またはその任意の組み合わせが可能であるということが理解されるべきである。 ある態様において、修飾モチーフを含むペプチド配列は、固定化ペプチドである。 ある態様において、固定化ペプチドは、関心対象のタンパク質に直接的には融合していないが、スペーサー配列が固定化ペプチドと関心対象のタンパク質の間に組み入れられている。 ある態様において、スペーサー配列は、関心対象のタンパク質のフォールディングおよび/または固定化ペプチドの修飾を可能にするために関心対象のタンパク質と固定化ペプチドの間に挿入されているアミノ酸の配列である。 ある態様において、スペーサーペプチドは、5個、10個、15個、20個、50個、100個、または最大1000個のアミノ酸残基である。

    ある態様において、人工タンパク質はリーダーペプチドをさらに含む。 本明細書で使用される場合、リーダーペプチドまたは分泌ペプチドまたは分泌リーダーペプチドという用語は、合成された融合タンパク質を翻訳部位から離れる方向に導く任意のシグナル伝達配列を指し、融合タンパク質が細胞膜を越えて分泌されるのをもたらすと考えられるシグナル伝達配列を含む。 リーダーペプチドまたは分泌ペプチドは、タンパク質が分泌経路に沿って細胞内区画の内腔に輸送されるのと同時にかまたは輸送された直後にタンパク質分解によって成熟タンパク質から取り除かれてもよい。 リーダーペプチドは、天然の配列であるかまたは合成の配列であってもよい。 ある態様において、リーダーペプチドは修飾モチーフを含む。 本発明は、任意の配列順序の関心対象のタンパク質、固定化ペプチド、およびリーダーペプチドを包含するということ、ならびにこれらの要素はスペーサー配列によって分離され得るということ、例えば、人工タンパク質は、リーダー配列 − 関心対象のタンパク質 − スペーサー − 固定化ペプチド、または関心対象のタンパク質 − リーダー配列 − 固定化ペプチドによって特徴付けられることができるということが理解されるべきである。 しかしながら、本発明は、この点において限定されるものではないので、その他の配列順序が用いられてもよい。

    本発明のある局面において、人工タンパク質を、細胞表面の標的分子との相互作用を通じて固定化してもよい。 本発明の目的のために、標的分子という用語は、抗体、抗体断片、もしくは抗体様ポリペプチド、レセプター、抗原、酵素など、またはその任意の組み合わせなどのタンパク質に結合特異性を伴って結合する分子を指す。 標的分子は、例えば、抗原、エピトープ、リガンド、基質など、またはその任意の組み合わせであることができる。 「標的分子」という用語は、酵素基質などの基質または結合を評価されている分子(例えば、リガンド、エピトープ、抗原、ホモもしくはヘテロの二量体パートナーなどの多量体化パートナーなど、もしくはその任意の組み合わせ)を指すために用いることができるということが理解されるべきである。 したがって、本明細書における「標的分子」に関する一般的説明は、基質および/または結合分子に関する態様に適用されてもよい。

    ある態様において、標的分子は細胞表面に直接的に付着する。 ある態様において、発現された人工タンパク質は標的分子に結合し、それにより人工タンパク質を細胞表面にディスプレイする。 しかしながら、標的分子が基質であるある態様において、人工タンパク質は、宿主細胞の表面に固定化されるかまたはディスプレイされるのに十分な親和性で結合しなくてもよい。 これらの態様において、酵素反応は細胞表面で人工タンパク質によって触媒されてもよい。 ある態様において、産物(例えば、検出可能な産物)は細胞表面に固定化されてもよい。 ある態様において、産物(例えば、検出可能な産物)は細胞表面から放出されてもよい。 ある態様において、第1の結合パートナーをその表面でディスプレイする細胞は、第2の結合パートナーに結合した可溶性の標的分子に結合し、それにより標的分子をその表面に固体化する。 第2の結合パートナーに連結した標的分子または基質分子は、第2の結合パートナーの細胞表面に付着した好適な第1の結合パートナーへの結合を通じて宿主細胞表面に固定化され得るということを理解すべきである。 例えば、基質は、ビオチンを含んでもよく(例えば、ビオチンに連結してもよく)、第1の結合パートナーとして働く、例えば、アビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、もしくは任意のその他の好適な結合部分、またはその任意の組み合わせとのその相互作用を通じて宿主細胞表面に固定化されてもよい。 第1の結合パートナーを直接的または間接的に宿主細胞表面にディスプレイし、付着させ、共役してもよい。 例えば、アビジンまたはアビジン様タンパク質は、第1の結合パートナーであってもよく、本明細書に記載された様々な方法で細胞表面に連結されてもよい。 例えば、ビオチンを細胞表面と化学的に共役してもよく、かつ可溶性のアビジンもしくはアビジン様タンパク質を細胞外から添加してもよいし、またはビオチンを好適なリンカーを介して細胞表面に化学的に付着させてもよく、かつ可溶性のアビジンもしくはアビジン様タンパク質を細胞外から添加してもよいし、または細胞表面タンパク質(例えば、細胞壁タンパク質もしくは細胞膜タンパク質)を(例えば、インビボのビオチン化によって)ビオチン化タンパク質として発現させてもよく、かつアビジンもしくはアビジン様タンパク質を細胞外から添加してもよい。 あるいは、例えば、アビジンを含む細胞表面融合タンパク質を発現させてもよいし、またはアビジンを細胞壁にコンジュゲートしてもよく、かつ可溶性ビオチンを添加してもよい。

    本発明は任意の第1の結合パートナーおよび/または第2の結合パートナーを包含するということが理解されるべきである。 本明細書で使用される場合、結合パートナーは、本発明の局面に好適な条件下でタンパク質またはその他の分子を細胞表面に固定化するのに十分な親和性で互いに結合する分子を指す。 多くの例がビオチンおよびアビジンの文脈で記載されているが、任意の好適な結合パートナーが使用され得るということが理解されるべきである。 例えば、環状ペプチドモチーフは、ニュートラアビジンおよびアビジンに結合することが示されている(Meyer et al., 2006, Chem. Biol. Drug Des. 68:3−10; Gaj et al., 2007, Protein Expr. Pur. 56(1):54−61)。 別の例示的な態様において、第1の結合パートナーは、DXaAXbPXc(ここで、XaはRまたはLであり、XbはSまたはTであり、かつXcはYまたはWである)を含む6残基の環状ペプチドであり、第2の結合パートナーは、アビジン、ニュートラアビジン、または任意のその他の好適な結合部分である。 しかしながら、ある態様において、第1の結合パートナーおよび第2の結合パートナーの内容を本明細書に記載されたように交換してもよい。

    ある態様において、人工タンパク質は、細胞壁に直接的に結合することができる融合タンパク質である。 ある態様において、融合タンパク質は、細胞表面タンパク質である。 ある態様において、人工タンパク質は、細胞表面に直接的に結合することによって細胞表面に発現され、ディスプレイされる。 ある態様において、細胞表面タンパク質が細胞表面に結合するので、人工タンパク質が細胞表面にディスプレイされる。

    別の局面において、本発明は、第2の結合パートナーと共役した細胞表面タンパク質を発現させ、第1の結合パートナーを第2の結合パートナーに結合させることによって、第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイするための方法を提供する。
    ベクター 本発明の1つまたは複数の人工タンパク質は、ヌクレオチド配列によってコードされてもよい。 ある態様において、ヌクレオチド配列は、(例えば、複製、選択など、またはその任意の組み合わせに有用な1つまたは複数の付加的な配列を含む)核酸ベクター上に位置する。 本発明は、プラスミド、ファージ、ウイルスなど、または任意その他の好適な核酸ベクターを含む核酸を含む任意のベクターを包括するということが理解されるべきである。 ベクターを人工タンパク質の発現の前に宿主細胞内に導入することができる。 ベクターを、トランスフェクション、エレクトロポレーション、感染、能動的タンパク質輸送を含む任意の手段によるかまたは核酸を細胞に導入する任意のその他の手段を介して導入することができる。 ベクターを発現の直前に導入することができるし、またはベクターを、発現前に多くの細胞分裂を経るように導入することができる。 ベクターを宿主細胞のゲノムに組み込むことができる。 ベクターを細胞内で独立した実体として維持することもできる。 ベクターは、複製ベクターであってもよいしまたは非複製ベクターであってもよい。 本発明は、ベクターのコレクションまたはライブラリーおよびベクターを取り込んだ細胞のライブラリーをも包含する。 ある態様において、人工タンパク質をコードする1つまたは複数の核酸は、任意の付加的なベクター配列を付けずに宿主細胞のゲノムに組み込まれてもよい。

    ベクターは、細胞の維持または人工タンパク質の発現のための様々な調節エレメントを含んでもよい。 調節エレメントは、プロモーターおよびベクターを取り込んだ細胞の陽性同定を可能にするマーカーを含む。 調節エレメントは種特異的であってもよい。 調節エレメントは当技術分野において公知であり、本発明は、人工タンパク質を発現させるのに必要とされるかまたは所望される任意の1つの調節エレメントまたは調節エレメントの組み合わせを包含する。
    タンパク質 本発明は、任意の人工タンパク質、タンパク質ドメイン、またはその機能部分を包含する。 本発明によって特に包含される人工タンパク質は、機能タンパク質、結合タンパク質、抗体、スキャフォールドタンパク質、または酵素である人工タンパク質である。 しかしながら、ある態様において、本発明の人工タンパク質は、構造タンパク質、貯蔵タンパク質、または任意のその他の関心対象のタンパク質であってもよい。 本発明のタンパク質または酵素は、治療的ポリペプチド、ポリメラーゼ、リガーゼ、制限酵素、トポイソメラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、代謝酵素、触媒酵素、治療的酵素、薬学的酵素、環境酵素、工業的酵素、薬学的ポリペプチド、環境ポリペプチド、工業的ポリペプチド、結合タンパク質、抗体、抗体断片、単抗体鎖、キメラ抗体、スキャフォールドタンパク質、免疫毒素、抗体様ポリペプチド、シグナル伝達分子、サイトカイン、またはレセプターであってもよいが、これらに限定されない。 ある態様において、人工タンパク質はポリメラーゼである。
    抗体 ある態様において、人工タンパク質は、抗体、抗体鎖、または抗体断片である。 ある態様において、人工タンパク質は、抗体、抗体鎖、または抗体断片である関心対象のタンパク質を含む。 典型的な抗体は、2つの同一の軽鎖および重鎖の対を持つ四量体構造を有する。 軽鎖および重鎖は両方とも、それらのアミノ末端に、標的抗原に対する特異的結合に関与する可変領域を有する。 各鎖のカルボキシ末端領域は定常領域を画定する。 抗体またはその断片を、特異的抗原に結合するそれらの能力について選択してもよい。 ある態様において、抗体またはその断片は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgAsec、IgD、IgEであるか、またはIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgAsec、IgD、IgEの免疫グロブリンの定常ドメインおよび/もしくは可変ドメインを有する。 その他の態様において、抗体は、二重特異性または多重特異性抗体である。 さらにその他の態様において、抗体は、組換え抗体、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、単鎖抗体、もしくはキメラ抗体、またはその2つもしくはそれより多くの組み合わせである。 ある態様において、抗体はヒト抗体である。 本発明の抗体断片は、Fab断片、F(ab') 断片、scFv断片、単鎖抗体、単ドメイン(V もしくはV )抗体、ラクダ抗体ドメイン、ヒト化ラクダ抗体ドメイン、(1つもしくは複数のフレームワーク領域、1つもしくは複数の定常領域、1つもしくは複数の可変領域、1つもしくは複数のCDR領域を含む)抗体領域など、またはその任意の組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。

    本発明の1つの局面において、抗体または抗体断片を、N末端からC末端にかけて:リーダーペプチド(例えば、分泌シグナル)、鎖の第1の鎖または断片および鎖の第2の鎖または断片(例えば、V およびV ;V −C およびV −C )を含む融合タンパク質として発現させる。 真核細胞では、リーダーペプチドは、融合タンパク質を、小胞体からゴルジ装置、ゴルジ装置から細胞膜へと導く。 ある例示的な態様において、重鎖および軽鎖のVドメインを、柔軟性のあるリンカー(例えば、[Gly −Ser] リンカー)でつながれた同じポリペプチド上に発現させて、単鎖FV断片(scFv)を形成させることができる(例えば、McCafferty et al., Nature, 1990, 348:552−554を参照されたい)。
    スキャフォールドタンパク質 ある態様において、人工タンパク質または関心対象のタンパク質はスキャフォールドタンパク質である。 ある態様において、スキャフォールドタンパク質は抗原に結合することができる。 ある態様において、人工タンパク質は、リガンドまたは抗原分子と相互作用する抗原結合部位を形成する非抗体性スキャフォールドおよび1つまたは複数の可変領域を提供する抗体模倣物または抗体様ポリペプチドである。 非抗体性スキャフォールドのあり得る利点の幾つかとして、選択、発現、および精製の容易さ、より具体的に生理学的用途および好都合な薬物動態に合わせた生化学的および生物学的特性が含まれる。 例えば、フィブロネクチンIII型ドメインは、抗体様ポリペプチドを創作するのに用いられている(例えば、Parker et al., Protein Engineering Design and Selection 2005 18(9):435−444を参照されたい)。

    ある態様において、スキャフォールドタンパク質は、ヒトのビタミンD結合タンパク質または修飾型のビタミンD結合タンパク質である。 ビタミンD結合タンパク質の利点の幾つかは、(1)タンパク質が非免疫原性であることを示唆するヒト血漿中のその高い濃度(0.5 mg/l);(2)血漿中での長い滞留をもたらす高い分子量(52kD)および低いpI(5.0)のその組み合わせ;(3)高い熱力学的安定性を与える広範囲に及ぶジスルフィド交差結合;(4)その他のタンパク質結合パートナーを受け取るように修飾することができる、天然のアクチン結合部位の存在;ならびに(5)その他の小分子結合パートナーを受け取るように修飾することができる天然のビタミンD結合部位の存在である。 ビタミンD結合タンパク質の結合部位を人工的に改変して、様々な標的分子に結合することができるタンパク質変異体のライブラリーを作製することができる。

    別の態様において、非抗体性スキャフォールドタンパク質は、Cu、Znスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)またはその修飾型である。 SODタンパク質は、細胞をスカベンジングスーパーオキシドラジカルから保護する必須酵素である。 ヒト型のタンパク質(HSOD)は、ベータ−バレルフォールドを取り、ホモ二量体を形成する。 2つの遊離のシステイン残基C6AおよびC111Sにおける突然変異は、熱安定型のタンパク質(HSOD−AS)を生じる。 HSOD−AS変異体は、野生型のフォールディングおよび活性を保持する。 HSODタンパク質およびHSOD−AS変異体の利点として、高い安定性、比較的小さいサイズ(154アミノ酸の単量体)、およびヒト起源が含まれる。 ある態様において、酵素活性を、1つまたは複数の活性部位触媒残基の突然変異によって取り除く。 ある態様において、設計されたスキャフォールドはホモ二量体として働き、ある態様において、設計されたスキャフォールドは安定な単量体として再設計される。 変異体のライブラリーを作製し、特異的な標的または基質への結合についてスクリーニングすることができる。 例えば、アミノ酸配列を、ベータシートエレメントを接続しているループ(例えば、ループ23−28;63−82、102−114、11−14;37−40;90−93;120−123;および141−144)の内部で変化させることができる。

    ある態様において、スキャフォールドタンパク質はヒト血清アルブミンまたは修飾型のヒト血清アルブミンである。
    発現系および宿主細胞 ある態様において、人工タンパク質をインビトロで発現させる。 インビトロ発現系は当技術分野において公知であり、細胞抽出物ならびにタンパク質発現および翻訳酵素の混合物を用いる発現系を用いる発現を含む。

    ある態様において、人工タンパク質をインビボで発現させる。 本発明の人工タンパク質を、任意の宿主細胞で発現させることができ、本発明は、細菌細胞、酵母細胞(例えば、サッカロミセス種および/またはピキア種)、昆虫細胞、ゼノパス細胞、ならびに哺乳動物細胞を含む、任意の原核細胞または真核細胞を包含する。 本発明の融合タンパク質の発現に特に適している細胞は、大腸菌、出芽酵母、CHO細胞、および293T細胞である。 細胞は「野生型」細胞であってもよいし、または細胞はタンパク質発現を助け得る特定の特徴もしくは特定の酵素機能が最適化されていてもよい。 これらの細胞には、核酸を取り込んで維持する最適化された性能を有する細胞、増大したタンパク質合成性能を有する細胞、および/または増大したタンパク質分泌性能を有する細胞が含まれる。 増大したDNA修復能力、低下した組換え能力、増大したタンパク質フォールディング能力、および/または低下したタンパク質分解(例えば、プロテアーゼ)能力を持つ細胞を含む、核酸および合成されたタンパク質の完全性を維持することができる細胞を特に包含する。

    ある態様において、関心対象の発現されたタンパク質が分解されないように1つまたは複数のプロテアーゼ欠損を有するように細胞を選択するかまたは人工的に改変してもよい(例えば、細胞は1つもしくは複数のプロテアーゼ酵素を欠き、かつ/またはそれらは1つもしくは複数のプロテアーゼ標的化タンパク質を欠く)。

    ある局面において、細菌または酵母ディスプレイ用の細胞を用いてもよい。 ある態様において、細胞ディスプレイ系は、細胞にDNAライブラリーをトランスフェクトすることおよびポリペプチドまたはタンパク質をコードするライブラリーを細胞外レセプターとの融合体として発現させることを特色とする。 細菌細胞、酵母細胞、および哺乳動物細胞は全て、細胞表面ディスプレイに用いることができる。

    これらの細胞による発現および/または分泌および/または固定化技術のいずれかを、本発明のディスプレイ技術と組み合わせて使用し得るということが理解されるべきである。
    細菌融合タンパク質 1つの局面において、本発明は、細胞表面にディスプレイするための融合タンパク質を提供することによって、1つまたは複数の人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせを細胞表面に固定化するための方法を提供する。

    1つの局面において、本発明は、細菌細胞表面にディスプレイするための融合タンパク質を提供することによって、1つまたは複数の人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせを細胞表面に固定化するための方法を提供する。 ある態様において、細菌融合タンパク質は、1つまたは複数の人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせを細菌にディスプレイするのに使用し得る、細菌表面タンパク質に基づく。 細菌細胞ディスプレイにおいて、外来遺伝子産物は、タンパク質ならびにOmpA、OmpC、PhoE、LamB、FhuA、およびBtuBなどの外膜タンパク質の表面接近可能な領域に融合されている(Lang, Int. J. Med. Microbiol. 2000, 290:579−585; Etz et al., J. Bacteriol 2001, 183:6924−6935)。 100より多くのアミノ酸残基のポリペプチドの挿入が、ある種の場合に許容されることができる。

    ディスプレイ用の別の部類の細菌表面タンパク質は、パッセンジャータンパク質の外膜トラフィッキングを仲介するトランスロケータードメインを含む、輸送体タンパク質である。 これらの輸送体の中性パッセンジャードメインを代わりのポリペプチド(例えば、1つまたは複数の人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)と置き換えることが、このポリペプチドを細菌表面上にトランスロケータードメインでディスプレイすることにつながる。 タンパク質を細菌の表面に提示するための関連する方法は、TraTのようなリポタンパク質、およびそれらのC末端を介してペプチドグリカン層に共有結合で付着しているが、関心対象のポリペプチドの融合のための遊離N末端を有する、ペプチドグリカン関連リポタンパク質(PAL)の使用によるものである(Dhillon et al., Lett. Appl. Microbiology (1999); 28:350−354)。

    1つの局面において、本発明は、細菌表面ディスプレイ用の新規融合タンパク質のための方法を提供する。 関心対象のタンパク質のディスプレイ用の細菌融合アンカーリングモチーフのリストを表1に載せる。 表1のアンカーリングモチーフは、関心対象のポリペプチドを細菌細胞壁に提示するそれらの能力に基づいて選択される。

    酵母表面ディスプレイ 1つの局面において、本発明は、1つまたは複数の人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせを酵母細胞表面にディスプレイするための融合タンパク質を提供することによって、1つまたは複数の人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせを細胞表面に固定化するための方法を提供する。 1つの態様において、本発明は、第2の結合パートナーと共役した細胞表面タンパク質を発現させ、第1の結合パートナーを第2の結合パートナーに結合させることによって、第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイするための方法を提供する。 タンパク質ディスプレイ用に一般に用いられる生物は酵母である。 酵母が効率的なフォールディングおよび活性のための小胞体(ER)特異的な翻訳後処理を必要するタンパク質を処理することができるという点で、酵母ディスプレイは細菌に基づく技術に優る利点を提供する。 哺乳動物細胞ディスプレイも翻訳後処理を促進するが、ベクターがより単純であることができ、ライブラリーをより容易に宿主細胞内に導入することができるので、酵母は核酸ライブラリーの作製の容易さという利点を提供する。 多くの酵母発現融合タンパク質は、細胞表面タンパク質の表面発現に重要な役割を果たし、酵母の生存に必須であるGPI(グリコシル−ホスファチジル−イノシトール)アンカータンパク質に基づいている。 1つのそのようなタンパク質である、アルファ−アグルチニンは、AGA1によってコードされるコアサブユニットからなり、ジスルフィド架橋を通じてAGA2によってコードされる小さい結合サブユニットに連結している。 核酸ライブラリーによってコードされるタンパク質を、AGA1のN末端領域かまたはAGA2のC末端もしくはN末端領域に導入することができる。 融合パートナーは両方とも、ポリペプチドの酵母細胞表面へのディスプレイをもたらすと考えられる。

    ある態様において、酵母ディスプレイ用の融合タンパク質には、真核細胞壁にアンカーリングすることができるタンパク質(例えば、α−アグルチニン、AGA1, Flo1、または下等真核生物の主要細胞壁タンパク質、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,027,910号および第6,114,147号を参照されたい)のN末端またはC末端の部分に融合した人工タンパク質、例えば、Flo1のGPI断片と融合したタンパク質またはFlo1機能ドメインに融合したタンパク質(Kondo et al., Appl. MicroBiol. Biotechn., 2004, 64:28−40) が含まれる。

    GPIアンカーモチーフを含む確立された融合タンパク質に基づく表面ディスプレイ法に加えて、本発明は、修飾されたGPIアンカーモチーフを含む新規の融合タンパク質に基づくディスプレイ法も包含する。 本発明の融合タンパク質は、ディスプレイされるべきタンパク質(例えば、1つまたは複数の人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)、GPIアンカー、および融合タンパク質が酵母内で発現した時に翻訳後修飾され得る、適当なシグナル伝達配列を含んでもよい。 GPIアンカーおよびC末端のシグナル伝達配列を含むタンパク質がERを通ってトラフィッキングされると、GPIアンカーに隣接するC末端シグナル配列上の疎水性領域がER膜に埋め込まれるようになり、そこでそれはERプロテアーゼによって切断される。 ERプロテアーゼがこのC末端シグナル配列を切断すると、それは同時に予め形成されたGPIアンカーを人工タンパク質(例えば、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)の新しいC末端に付着させ、最終的にタンパク質(例えば、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)の細胞表面へのディスプレイをもたらす(例えば、Kondo et al. Appl. MicroBiol. Biotechn. 2004, 64:28−40を参照されたい)。 本発明は、GPIアンカータンパク質を含む融合タンパク質の改良されたディスプレイをもたらす改良された処理特性を持つC末端配列を包含する。 改良されたディスプレイには、ディスプレイされるタンパク質の数の増加および/または正確に発現されるタンパク質の数の増加が含まれる。 ある態様において、当技術分野において公知の技術に従って変異体C末端配列を含むライブラリーをスクリーニングすることによって、改良された処理特性を持つC末端配列を進化させる。

    1つの局面において、本発明は、アンカーリングモチーフがGPIアンカーを含まないことを特徴とする、酵母ディスプレイ・アンカーリングモチーフを含む融合タンパク質を含む人工タンパク質(1つまたは複数の人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)をディスプレイするための方法を提供する。 酵母のアンカーリングモチーフは、その末端の一方で細胞外環境に部分的に露出している細胞表面タンパク質であってもよく、かつ高いコピー数を有していてもよい。 固定化されるべき関心対象のタンパク質(例えば、人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)を露出末端に融合してもよい。 ディスプレイされるべき関心対象のタンパク質をそれらのN末端またはC末端のいずれかを介してディスプレイ融合パートナーに融合することができる。 アンカーリングモチーフをそれら自体の分泌リーダー配列と共に発現させることができるし、またはアンカーリングモチーフを、発現および/もしくは分泌の向上をもたらすリーダー配列に取り付けることができる。 酵母のアンカーリングモチーフの非限定的な総覧を表2に提示する。

    コピー数は、Ghaemmaghami S, et al. (2003) Global analysis of protein expression in yeast. Nature 425(6959):737−41に基づく ある態様において、ディスプレイに用いる酵母融合タンパク質には、ディスプレイされるべき人工タンパク質をGPIアンカータンパク質の凝集ドメイン(例えば、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,192,764号に記載されているようなFlo1、Flo2、Flo3、Flo4、Flo5、Flo9、Flo1O、またはFlo11)にGPIアンカータンパク質のC末端部なしで融合することに基づく細胞表面ディスプレイ系が含まれる。 凝集ドメインの糖鎖は細胞壁の糖鎖に結合し、それにより人工タンパク質(例えば、人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)を細胞表面にディスプレイする。


    炭水化物結合 本発明の1つの局面は、細胞表面の1つまたは複数の構成要素への人工タンパク質(例えば、人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)の非共有結合による付着を包含する。 ある態様において、細胞表面は酵母細胞壁である。 ある態様において、人工タンパク質は、炭水化物結合ドメインを含むペプチドに融合した関心対象のタンパク質(例えば、人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)を含む。 ある態様において、分泌タンパク質を細胞表面に存在する炭水化物に非共有結合で付着させる。 ある態様において、分泌タンパク質を細胞表面の表面タンパク質に非共有結合で付着させる。 ある態様において、融合タンパク質の炭水化物結合ドメインは、細胞表面で輸送されつつある細胞壁構成要素と細胞内で相互作用してもよい。 ある態様において、炭水化物結合ドメインを、関心対象のタンパク質のC末端とまたは関心対象のタンパク質のN末端にまたは関心対象のタンパク質(例えば、人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)のC末端およびN末端の両方に融合する。 ある態様において、人工タンパク質は、多数の炭水化物結合ドメインを含む。 当業者は、細胞の表面に存在する任意の炭水化物または分子を用いて、融合タンパク質を細胞表面に付着させ、固定化することができるということを認識すると考えられる。 しかしながら、細胞表面に高いコピー数で(例えば、少なくとも100、1,000、10,000コピー)存在する分子に融合タンパク質(例えば、人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)を付着させることが好ましい。 炭水化物は酵母細胞表面の主要構成要素である。 表面炭水化物として、マンノタンパク質、1,3−β−グルカン、1,6−β−グルカン、およびキチンが含まれる。 マンノタンパク質は細胞壁質量の30〜50%を形成しており、その場合タンパク質は質量の4〜5%を占めるに過ぎず、炭水化物側鎖を含むタンパク質連結マンノースが残りの質量を占めている。 1,3−β−グルカンは細胞壁質量の30〜45%を構成し、鎖間水素結合によって安定化した連続的なネットワークを形成している。 1,6−β−グルカンは細胞壁質量の5〜10%を構成し、その他の細胞壁タンパク質または炭水化物とのネットワークを形成している。 キチンは細胞壁質量の1.5〜6%を構成し、細胞壁の細胞内側に主に存在している。 炭水化物ファミリーの分子に結合することが当業者に知られている任意のドメインを、細胞表面で固定化されるべきタンパク質に融合してもよい。 例えば、レクチンは、それらの糖部分に極めて特異的である公知の炭水化物結合タンパク質または糖タンパク質である。 レクチンの例として、内部および非還元末端のアルファ−マンノシル基に結合するコンカナバリンA(ConA)、2つの密接に関連のあるタンパク質PHA−LおよびPHA−Eからなるフィトヘマグルチニン(PHA)、ならびにマンノース結合レクチン(MBL)が含まれる。 炭水化物結合ドメインのさらなる部類は、炭水化物結合モジュール(CBM)である。 これらのモジュールは、最初はセルロース結合ドメイン(CBD)として分類されたが、セルロース以外の炭水化物に対する結合が見出された。 CBMは、触媒モジュールに付加され、酵素の触媒ドメインのその基質との会合を助長していることが天然で見出されている。 例として以下が含まれる。


    300よりも多くのCBMと推定される配列が50よりも多くの異なる種にあり、43個のファミリーに分類されている。 CBMは、異なるCBMが、セルロース、キチン、β−1,3−グルカンおよびβ−1,3−1,4−混合連結型グルカン、キシラン、マンナン、ガラクタン、ならびにスターチに結合することが知られている、様々な相互作用特異性、または様々な細胞表面グリカンへの結合を伴う「レクチン様」特異性を示す。 それらのオリゴ糖リガンドとの複合体になった10個の異なるファミリー由来の15個のCBMの構造を含む、少なくとも22個のCBMファミリーのメンバーについての結晶構造が入手可能である。

    上で同定されたものなどの公知または既存の炭水化物結合タンパク質を直接的に炭水化物結合ドメインとして用いてもよい。 ある態様において、より高い結合親和性、より特異的な結合、より高い安定性、増大した表面発現、および/または改良されたオリゴマー特性を特徴とする改良された炭水化物結合ドメインを用いる。 さらに、公知の炭水化物結合タンパク質のオリゴマー構造を変化させてもよい。 例えば、炭水化物結合ドメインと関心対象のタンパク質(結合パートナー、分子標的など)の1つのポリペプチド融合体を作るために、単鎖形態の高次オリゴマーを作り出してもよい。

    Flo1、Flo5、およびFlo10は3つのドメイン:マンノース結合ドメイン、中間反復トランス細胞壁ドメイン、ならびにC末端GPIアンカーシグナル配列およびモチーフを含む(Teunissen and Steensma, 1995, Yeast, Vol. 11, pp 1001−1003)。 野生型凝集素の過剰発現は、細胞がフロックを形成する傾向の増大をもたらす傾向があるということが示されている(Guo et al., 2001, PNAS早版, (2001))。 しかしながら、FLO1を介するディスプレイ系での初期の試みにおいて行なわれているように、この傾向は、N末端機能ドメインのみを含む切断型を標的タンパク質との融合体として発現させることによって幾分緩和することができる(Matsumoto et al., 2002, Applied and Environmental Microbiology, 68:9 4517−4522)。 本発明の1つの局面において、マンノース結合ドメインを含むFlo1またはFlo1ホモログタンパク質のN末端機能ドメインを酵母細胞内で発現させる。 発現される切断タンパク質は、GPIアンカーモチーフも細胞壁ドメインも含まないが、それが細胞壁中または細胞表面上のマンノース残基に結合するのを可能にするマンノース結合ドメインを含む。

    ある態様において、炭水化物結合ドメインは、特定の炭水化物結合特性を持たないタンパク質に由来する。 例えば、炭水化物結合ドメインを、単鎖抗体、その他の抗体形式、設計されたアンキリンリピートタンパク質(DARPin)、ロイシンリッチリピート(LRR)タンパク質、テトラトリコペプチドリピート(TPR)タンパク質、アルマジロリピート(ARM)タンパク質、アビマー、リポカルシン、Fn3(10Fn3、またはAdNectinを含む)、線状ペプチド、ジスルフィド拘束ペプチド、小型モジュラー式免疫製薬(SMIP)、テトラネクチン、T細胞レセプター、PDZドメイン、もしくはAドメインタンパク質など、またはその任意の組み合わせなどの一般的なタンパク質結合プラットフォームに由来してもよい。 さらなるスキャフォールドとして、細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CTLA−4)、テンダミスタット、ネオカルジノスタチン、ロドサーマス・マリナス(Rhodothermus marinus)由来のキシラナーゼのファミリー2の炭水化物結合モジュール4(CBM4−2)、免疫タンパク質9(Im9)、ジンクフィンガー、フィラメント状バクテリオファージのタンパク質VIII(pVIII)、GCN4、WWドメイン、srcホモロジードメイン3(SH3)ドメイン、srcホモロジードメイン2(SH2)ドメイン、TEM−1 β−ラクタマーゼ、緑色蛍光タンパク質、チオレドキシン、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、植物ホメオドメインフィンガー(PHDフィンガー)、キモトリプシンインヒビター2(C12)、ウシ膵臓トリプシンインヒビター(BPTI)、アルツハイマーのアミロイドβタンパク質前駆体インヒビター(APPI)、ヒト膵臓分泌トリプシンインヒビター(hPSTI)、エコチン、ヒトリポタンパク質関連凝固インヒビタードメイン1(LACI−D1)、ヒル由来トリプシンインヒビター(LDTI)、マスタードトリプシンインヒビター2(MTI II)、サソリ毒素、昆虫ディフェンシンA、テッポウウリ(Ecballium elaterium)トリプシンインヒビターII(EETI II)、およびセルロース結合ドメイン(CBD)が含まれる。

    ある態様において、炭水化物結合ドメインは、全体の解離速度を結合活性効果によって減少させるかまたは融合タンパク質の炭水化物への結合親和性を増大させるために、多数の相互作用ドメインから構成されている。 各々のドメインは、同一であっても、類似していてもよく、または異なるタンパク質配列を有していてもよい。 各々のドメインは、同じかまたは異なる炭水化物エピトープに結合してもよい。
    哺乳動物融合タンパク質 哺乳動物細胞を用いて、1つまたは複数のタンパク質(例えば、人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)をディスプレイすることもできる。 例えば、哺乳動物の細胞タンパク質、細胞膜タンパク質、細胞膜結合タンパク質、またはそのドメインを用いて、人工タンパク質(例えば、人工タンパク質、結合パートナー、分子標的、基質など、またはその任意の組み合わせ)を細胞表面にディスプレイすることができる。 哺乳動物細胞ディスプレイは、グリコシル化およびリン酸化などの正確な翻訳後修飾を持つヒトタンパク質を発現させるという利点を有する。 例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞株またはチャイニーズハムスター卵巣由来細胞株が、抗体などの価値ある治療的タンパク質を発現するように首尾よく開発されており、293T細胞が単鎖Fvの発現およびディスプレイに用いられている(Ho et al., PNAS 2006, 103:9637−9642)。
    発現 タンパク質を当技術分野において公知の方法を用いて核酸から発現させることができる。 ある態様において、タンパク質発現は構成的である。 構成的発現は、ゲノムに組み込まれている核酸からの発現と非組み込み型のベクター上にある核酸からの発現の両方を包括する。 ある態様において、活性化事象によって発現が開始される。 核酸を細胞内に導入すると同時に発現を開始することができる。 本発明は特に、シグナルの開始と同時にタンパク質を発現させる態様を包含する。 ある態様において、人工タンパク質をコードする核酸を、人工タンパク質の発現を調節するイニシエーター配列に機能的に接続する。 発現を誘導することができるイニシエーター配列は当技術分野において公知であり、誘導性のプロモーターを含む。 ある態様において、タンパク質発現を誘導する。 タンパク質発現を開始する方法は、当技術分野において公知であり、活性化薬剤(例えば、IPTG)の添加、温度の上昇、栄養組成物の変化、炭素源の変化(例えば、糖、メタノール、もしくはグリセロールの添加など)、または宿主細胞環境からの薬剤の回収を含む。 ある態様において、タンパク質の発現をもたらすと考えられる条件を用いて融合タンパク質をコードする核酸を含む宿主細胞をインキュベートする。 細胞が既に分裂中である時に条件を作り出してもよいし、または核酸を細胞に導入する時もしくは細胞の培養を開始する時に条件が既に整っていてもよい。 ある態様において、タンパク質発現を誘導する。

    ある態様において、タンパク質をコードする核酸を含む宿主細胞がインキュベートされ、別個の誘導工程が必要とされない時に、タンパク質発現が起こる。

    ある態様において、2つのタンパク質を2つの発現コンストラクトによって共発現させ、宿主細胞によって同時に分泌させる。 例えば、2つの人工タンパク質を、同じ培養条件下で発現および分泌させてもよい。 ある態様において、2つのタンパク質を連続的に発現させる。 2つの人工タンパク質を連続的に発現させる場合、2つの誘導性プロモーター(例えば、2つの異なる誘導性プロモーター)の制御下にある2つの発現コンストラクトを宿主細胞に同時にコトランスフェクトしてもよい。 第1のタンパク質の発現を、第1のタンパク質の発現を誘導するのに十分な条件下で宿主細胞をインキュベートすることによって開始し、第2のタンパク質の発現を、第2のタンパク質の発現を誘導するのに十分な条件下で開始する。 あるいは、宿主細胞に第1のタンパク質をコードする第1の発現ベクターをトランスフェクトし、その後、第2のタンパク質をコードする第2の発現ベクターをトランスフェクトしてもよい。 あるいは、宿主細胞は第1のタンパク質を構成的に発現し、その後に第2のタンパク質をコードする発現ベクターをトランスフェクトされるかまたはその発現ベクターで形質転換されてもよい。
    第1の結合パートナーのディスプレイ ある態様において、分泌される人工タンパク質を、人工タンパク質の修飾を通じて第1の結合パートナーに結合させる。 ある態様において、固定化ペプチドを修飾する。 ある態様において、分泌される人工タンパク質を、人工タンパク質に付着した第2の結合パートナー(例えば、固定化ペプチド)を介して第1の結合パートナーに結合させる。 1つの態様において、第1の結合パートナーはビオチン結合パートナーであり、第2の結合パートナーはビオチンまたはビオチン類似体である。 別の態様において、第1の結合パートナーはアビジンまたはアビジン様結合ペプチドであり、第2の結合パートナーはアビジンもしくはアビジン様タンパク質またはその変異体である。 さらに、別の態様において、第1の結合パートナーはビオチンまたはビオチン類似体であり、第2の結合パートナーはアビジンもしくはアビジン様タンパク質またはその変異体である。 アビジン様タンパク質を、ビオチンに対する強い親和性を有するタンパク質と定義する。 アビジン様タンパク質の非限定的な例は、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、およびその修飾体である。

    ある態様において、分泌される人工タンパク質を第1の結合パートナーに結合させ、それによって第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイさせてもよい。 第1の結合パートナーをインビトロかまたはインビボのいずれかで、直接的または間接的に、様々な方法で細胞表面に付着させ得るということが理解されるべきである。 好適なインビトロ法には、直接的なアミノ基への共役もしくはチオールへの共役かまたは(例えば、ビオチンもしくは抗体を介した)間接的な共役が含まれるが、これらに限定されない。 あるいは、第1の結合パートナーを宿主細胞によって発現および分泌させてもよい。 ある態様において、第1の結合パートナーをアンカーリングモチーフに融合し、細胞表面でディスプレイさせる。

    ある態様において、第1の結合タンパク質を1組の結合パートナーを介して細胞表面に付着させる。 ある態様において、細胞表面は第3の結合パートナーをディスプレイする。 ある態様において、第1の結合パートナーを、第3の結合パートナーに結合することができる、第4の結合パートナーに連結し、それにより第1の結合パートナーを細胞表面にディスプレイする。 ある態様において、第3および第4の結合パートナーは第1の結合パートナー、標的分子、または基質の細胞表面へのディスプレイに関係する。 第3および第4の結合パートナーは第1および第2の結合パートナーと同じ物理的実体であることができるということが理解されるべきである。 例えば、本発明の1つの態様において、第1および第3の結合パートナーが両方ともビオチンであり、その一方で第2および第4の結合パートナーが両方ともストレプトアビジンである。 本発明の別の態様において、第1および第4の結合パートナーがビオチンであり、その一方で第2および第3の結合パートナーがアビジンである。

    ビオチンの細胞表面でのディスプレイを、例えば、インビトロでの、例えばスルホ−NHS−ビオチン(Pierce Chemical社)またはビオチン・スルホスクシンイミジルエステル(Invitrogen)の使用による細胞表面タンパク質のビオチン化によって確立することができる。 しかしながら、細胞が分裂すると、娘細胞はビオチンを保持しないということを理解すべきである。 ある態様において、細胞表面タンパク質のビオチン化をインビボで遂行してもよい。 本発明のある局面において、ビオチン受容体ペプチド(すなわち、修飾モチーフを含む固定化ペプチド)を、アンカーリングしている細胞表面タンパク質または細胞壁タンパク質に融合し、(例えば、ビオチンリガーゼを用いて)インビボでビオチン化してもよく、表面タンパク質または細胞壁タンパク質およびビオチン化された受容体ペプチドを含む融合タンパク質を宿主細胞の細胞表面でディスプレイさせてもよい。 ある態様において、細胞表面タンパク質を、1つまたは複数のビオチン受容体ペプチドを含むように人工的に改変してもよい。 例えば、細胞表面タンパク質を、アンカーリングドメインもしくはモチーフ、細胞外ドメイン、および細胞外ドメインに融合したビオチン受容体ペプチドを含むように人工的に改変してもよいし、または細胞表面タンパク質を、1つよりも多くのビオチン受容体ペプチドをその細胞外末端および細胞外ドメインに含むように人工的に改変してもよい。 結果として生じるビオチン化された細胞表面タンパク質の発現は、構成的であってもよいしまたは誘導性であってもよい。 細胞表面は、好ましくは、細胞膜または細胞壁にネイティブに局在するタンパク質である。 そのようなタンパク質を、例えば、それらの発現レベル、それらのサイズ、およびそれらの構造的特色、ならびにその任意の組み合わせに基づいて選抜してもよい。 例えば、好ましい細胞表面タンパク質は、高いネイティブの発現レベルを有する。 好ましい態様において、タンパク質は、細胞外のN末端および/もしくはC末端、または第2(もしくは第4)の結合パートナー(例えば、ビオチン)が第1(もしくは第3)の結合パートナー(例えば、アビジン)と細胞表面で自由に相互作用するのを可能にするペプチドの挿入もしくは融合を施し易い細胞外ドメインを持つタンパク質内ループを有する。 酵母では、細胞表面タンパク質として、SAG1、HPS150(PIR2P)、CWP2、BIO5、SAG1、FLO5、FLO1、FIG1、FIG2、STE2、STE3など、もしくは上記タンパク質の変異体、または任意のその他の関連細胞壁タンパク質などのネイティブに存在する細胞壁タンパク質が含まれるが、これらに限定されない。

    好ましい態様において、少なくとも1つのビオチン受容体ペプチドを含む人工細胞表面タンパク質をビオチンリガーゼと共発現させ、ビオチン受容体ペプチドのインビボでのビオチン化をもたらし、それによりビオチンを宿主細胞表面でディスプレイする。 ある態様において、少なくとも1つのビオチン受容体ペプチドを含む人工細胞表面タンパク質を、ビオチン受容体ペプチドのインビボでのビオチン化およびビオチンの宿主細胞表面でのディスプレイをもたすシャペロンタンパク質と共発現させる。 シャペロンタンパク質は、人工タンパク質の輸送および/またはフォールディングを促進するタンパク質である。 シャペロンタンパク質は当技術分野において公知であり、非限定的な例として、BiP、GRP94、GRP170、クラネキシン、カルレティキュリン、HSP47、HSP60、HSP70、HSP90、HSP1OO、ERp29、ERp57、PDI、およびPPIが含まれる。 ある態様において、シャペロンタンパク質はBiPである。

    インビボでビオチン化された細胞を、捕捉アッセイまたはスクリーニングアッセイの過程の間の任意の時点で可溶性アビジンとインキュベートすることができる。 例えば、遊離の可溶性アビジンをアッセイの間の任意の時点で添加し、それにより娘細胞がアビジンまたはアビジン様タンパク質で標識され、ビオチン化された人工タンパク質を捕捉するのを可能にすることができる。 細胞がディスプレイされたビオチンに結合したアビジンを保持するように、宿主細胞の培養条件を最適化することができる。 ビオチンをディスプレイする細胞の表面に最適な数のアビジンを維持することを、例えば、増大したアビジン濃度(例えば、2 mg/ml、5 mg/ml、10 mg/mlなど)で細胞をインキュベートすること、細胞培養温度を(例えば、酵母用に20℃まで)低下させること;培地の粘度を(例えば、PEGの添加によって)増大させること、またはその任意の組み合わせにより達成してもよい。

    さらに別の態様において、細胞分裂を阻害し、ディスプレイアッセイで存在するアビジン標識細胞のパーセンテージを最大化する。 細胞表面タンパク質のビオチン化の後に細胞分裂が阻害される場合、「親」細胞は分裂しないと考えられ、娘細胞は生み出されず、大多数の細胞はそれらの細胞表面にアビジンを保有すると考えられるということを理解すべきである(図12参照)。 細胞分裂の速度を落とすための戦略として、温度変化、化学物質による処置、またはアッセイの時間規模の変更が含まれるが、これらに限定されない。 細胞分裂の速度を落とすのに用いられる化学物質として、ヒドロキシウレア、ノコダゾール、ファルネソール、a−接合因子、α−接合因子、レフルノミド、カルシウム不足培地、EGRA、リチウム、ミモシン、ロバスタチン、アフィディコリン、およびチミジンが含まれるが、これらに限定されない。

    ビオチン結合部分(例えば、アビジンおよびアビジン様タンパク質)は当技術分野において公知であり、アビジンならびにストレプトアビジンおよびニュートラアビジンなどのその変形体を含む。 アビジン(卵白由来)、ストレプトアビジン(ストレプトマイセス・アビジニイ(Streptomyces avidinii)由来)、およびニュートラアビジンは、約10 −15 Mというよく似た解離定数でビオチンと結合する関連タンパク質である(Green, 1975, Adv. Protein Chem., vol. 29, pp. 85−133)。 ニュートラアビジンタンパク質は、脱グリコシル化型のアビジンであり、より少ない程度にレクチンに結合する。 アビジンおよびアビジン様タンパク質は、非共有結合で付着した4つの同一のサブユニットから構築されており、その各々が1つのビオチン結合部位を持ち、同じ3次元フォールドを示す。 各々のタンパク質はホモ四量体として機能し、その場合4つの同一コピーの単量体が会合してネイティブな4次構造を取り、各々の単量体は1分子のビオチンと結合する。 2つの単量体が会合して1次二量体または構造二量体を形成し、その後、そのうちの2つが組み合わさって四量体を形成する(概説のために、例えば、Laitinen et al., Trends Biotech., Vol. 25, No8, pp 269−277, 2007を参照されたい)。 アビジンのビオチンへの結合の独特の特色は、アビジン−ビオチン複合体の形成の強さおよび特異性である。 アビジンについて1.6 x 10 −15 Mおよびストレプトアビジンについて2.5 x 10 −13 Mと推定される、結果として得られる親和性定数は、タンパク質および有機リガンドについて知られている最高のものである。 アビジンまたはストレプトアビジンのビオチンに対する強い親和性は、タンパク質の四量体形状に依存している。 アビジン単量体は極めて低下した親和性定数(10 −7 M、Laitinen et al., 2003, J Biol. Chem. Vol. 278, pp 4010−4014)を示す。 ある態様において、アビジンは、ディスプレイされるべき人工タンパク質と一緒に細胞によって発現される。 アビジンおよびストレプトアビジンの組換え形態が、電荷、オリゴマー化、およびリガンド特異性の修飾された特性を持つ真核生物および原核生物の発現系で人工的に作製され、産生されている。

    本明細書に記載された方法を、本明細書に記載された任意のアビジン、アビジン変異体、またはアビジン様タンパク質を用いて実行し得るということが理解されるべきである。

    オリゴマータンパク質は、アンカーリングモチーフと融合した1つのサブユニットを発現させ、残りのサブユニットを分泌させることによって、首尾よく細胞表面にディスプレイされている。 例えば、ヘテロオリゴマーの機能性抗体のFab断片は、軽鎖Fab断片を融合Fab−α−アグルチニンタンパク質としておよびFab重鎖の断片を分泌タンパク質として発現させることによって首尾よく酵母細胞表面にディスプレイされている(Lin Y. et al., 2003, Appl. Microbiol. Biotechnol., Vol. 62, pp 226−236)。 さらに、Furukawaらは、ネイティブなサブユニットおよびFlo1pの318アミノ酸のC末端と融合したアンカーサブユニットを共発現させることによってストレプトアビジンを酵母細胞表面にディスプレイすることができた(2006, Biotechnol. Prog., Vol. 22, pp 994−997)。 ある態様において、アンカーリングモチーフと融合したアビジン単量体を細胞表面にディスプレイさせる。 ある態様において、さらなるコピーのアビジンを宿主細胞によって発現および分泌させる。 ある態様において、アンカーリングモチーフと融合したディスプレイされたアビジン単量体は、宿主細胞によって分泌されたさらなるアビジンタンパク質に結合する。

    アビジンおよびアビジン様タンパク質を2つのポリペプチド二量体鎖(Nordlund et al., 2004, J. Biol. Chem., Vol. 279, pp36715−36719および国際公開公報第05047317号)としてまたは1つの四量体ポリペプチド鎖(Nordlund et al., Biochem. J., 2005, Vol. 392, pp 485−491)として発現させることもできるということが理解されるべきである。 1つの態様において、アビジンまたはアビジン様タンパク質を、1つの単鎖二量体をアンカーリングモチーフに融合したタンパク質として発現させ、第2の単鎖二量体を宿主細胞によって発現および分泌させることを特徴とする、2つの単鎖アビジン二量体として発現させる。 別の態様において、アビジンまたはアビジン様タンパク質をアンカーリングモチーフに融合した単鎖四量体として発現および分泌させる。 さらにその他の態様において、アビジンまたはアビジン様タンパク質の異なるサブユニットを、単鎖二量体のアビジン、単量体のアビジン、およびアンカーリングモチーフに融合した単量体のアビジンサブユニットとして共発現および分泌させる。 別の態様において、アビジンを単量体または二量体のアビジン−アンカリングモチーフタンパク質の融合体として宿主細胞の表面にディスプレイさせる。 アンカーリングモチーフには、任意の公知の細胞壁タンパク質(例えば、α−アグルチニン、Flo1p)、GPIアンカー、修飾されたGPIアンカー、AGA2など、または本明細書に記載されているかもしくは当業者に公知の任意のその他のアンカーリングモチーフが含まれるが、これらに限定されない。 人工の四量体、二量体、および単量体アビジンを、約10 −7 M、約10 −8 M、約10 −9 M、約10 −10 M、約10 −11 M、約10 −12 M、約10 −13 M、約10 −14 M、または約10 −15 Mという解離定数によって表される親和性でアビジンに結合するように設計してもよい。

    ある態様において、アビジン、ストレプトアビジン、またはアビジン様タンパク質などの第1の結合パートナーを細胞表面に直接コンジュゲートする(接続するとも言う)(図2参照)。 第1の結合パートナーを細胞表面に共有結合で結合させることができるしまたは第1の結合パートナーを、親和性に基づく結合相互作用を含む、その他の結合相互作用を通じて細胞表面に結合させることができる。 第1の結合パートナーの細胞表面への共有結合によるコンジュゲーションを様々なコネクターを用いて遂行することができる。 コネクターとは、結合部分を細胞表面に共有結合でコンジュゲートすることができる任意の分子である。 ある態様において、ヘテロ二官能性コネクターを用いる。 ヘテロ二官能性コネクターの非限定的な例は、C6−スクシンイミジル4−ヒドラジノニコチネートアセトンヒドラゾン(C6−SANH)、スクシンイミジル4−ヒドラジノニコチネートアセトンヒドラゾン(SANH)、スクシンイミジル4−ヒドラジドテレフタレート塩酸塩(SHTH)、スクシンイミジル4−ホルミルベンゾエート(SFB)、およびC6−スクシンイミジル4−ホルミルベンゾエート(C6−SFB)である。 ある態様において、コネクターは、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS;遊離アミンと反応することができる)およびアルデヒド反応性ヒドラジド官能基を含む。 NHSおよびヒドラジド基を含むコネクターの非限定的な例は、C6−SANHおよびSANHである。

    アビジンのような、遊離アミンを含む第1の結合パートナー、または炭水化物を含有する結合パートナーを細胞表面にコンジュゲートするのに用いることができるヘテロ二官能性コネクターの非限定的な例は、C6−スクシンイミジル4−ヒドラジノニコチネートアセトンヒドラゾン(C6−SANH)である。 結合パートナーをC6−SANHで標識することによって、第1の結合パートナーを細胞表面にコンジュゲートすることができる。 このコンジュゲーションは、NHS基を第1の結合パートナーの表面の遊離アミンと反応させることによって起こる(結合部分がポリペプチドである場合、溶媒に曝露されたリジンが遊離アミンを提供し得る)。 その後の工程で、ヒドラジド部分を細胞表面の遊離アルデヒドと反応させ、それにより第1の結合パートナーを細胞表面に共有結合でコンジュゲートしてもよい。 ある態様において、細胞を過ヨウ素酸塩で前処置し、細胞表面の炭水化物上に遊離アルデヒドを発生させる。 あるいは、第1の結合パートナーが炭水化物基を含む場合、細胞をC6−SANHと反応させて細胞表面上の遊離アミンとコネクターのNHSエステル部分の間で共有結合を形成させることによって、コンジュゲーションを行なうことができる。 その後、細胞を過ヨウ素酸塩で処置した結合部分と混合し、コネクターの遊離ヒドラジド基を用いて第1の結合パートナー上の酸化した炭水化物と細胞表面の間の安定な接続を作り出すことができる。 しかしながら、本発明はこの点において限定されるものではないので、任意のその他の好適な技術を用いて、第1の結合パートナーを細胞表面に接続させ得るということが理解されるべきである。

    ある態様において、結合パートナーを、スペーサーを介して細胞表面に接続させる。 ある態様において、第1の結合パートナーを、スペーサーを介して細胞表面に接続させる。 第1の結合パートナーをスペーサーに共有結合で結合させることができるし、または第1の結合パートナーを、親和性に基づく結合相互作用を含む、その他の結合相互作用を通じてスペーサーに結合させることができる。 ある態様において、スペーサーはビオチン部分を含み、ビオチンスペーサーと称される。 ある態様において、第1の結合パートナーは、アビジンなどのビオチン結合部分であり、スペーサーはビオチンおよびリンカーエレメントを含む。 ある態様において、リンカーを細胞表面に付着させる。 ある態様において、スペーサーは1組の結合タンパク質を含む。 ある態様において、第1の結合パートナーを、細胞表面に付着する、第3の結合パートナーに接続する、第4の結合パートナーに結合させる。

    スペーサーは結合パートナー間の相互作用に限定されず、本発明は、細胞壁と第1の結合パートナーの間のスペーサーとして機能することができる任意の部分を包含する。 ある態様において、ビオチンスペーサーを含む、スペーサーは任意の長さであることができ、アルカン、PEGなど、またはその任意の組み合わせを含む、任意の種類のリンカーを含む。 ある態様において、細胞壁結合タンパク質の作用を通じて、リンカーを細胞表面に付着させる。 好ましくは、スペーサーは化学的に不活性であり、宿主細胞の任意のその他の構成要素、人工タンパク質、または宿主細胞の細胞環境の薬剤と反応しない。 スペーサー中のリンカーに好適である分子は当技術分野において公知である。 スペーサーを細胞表面に接続してもよく、本発明は、糖、アミノ酸、および脂質を含む、任意の細胞表面部分へのスペーサーの連結を包含する。 ある態様において、スペーサーを(例えば、N−スクシミジルエステルの作用を介して)アミノ酸側鎖に連結させる。

    ある態様において、分泌される人工タンパク質およびスペーサーを同じビオチン結合部分に結合させる。 ある態様において、分泌される人工タンパク質をそのビオチンを介してアビジンに結合させ、アビジンもビオチンスペーサーのビオチン部分に結合させ、それにより人工タンパク質を細胞表面に固定化する。 ある態様において、1つよりも多くの人工タンパク質を1つのアビジンに結合させる。
    修飾モチーフ ある態様において、第2の結合パートナーの修飾モチーフへの共役は、アミノ酸修飾を含む。 ある態様において、「アミノ酸修飾」は、ペプチド骨格の修飾およびアミノ酸側鎖の修飾を含む、アミノ酸の修飾をもたらす任意の修飾事象の結果を含む。 ある態様において、アミノ酸側鎖を酸化するか、還元するか、または交差結合する。 ある態様において、薬剤をアミノ酸に共役させる。 ある態様において、アミノ酸の修飾は、第2の結合パートナーの共役を含む。 ある態様において、第2の結合パートナーを共役酵素によってアミノ酸修飾モチーフに共役させる。 ある態様において、修飾を細胞内で生じさせる。 例えば、アミノ酸修飾は、人工タンパク質の翻訳後修飾であってもよい。 本発明の局面は、2次的な修飾、例えば、融合タンパク質の第2のアミノ酸またはアミノ酸配列の修飾を次に誘導する第1のアミノ酸またはアミノ酸配列の修飾も組み入れる。

    ある態様において、修飾モチーフは、ある種の修飾事象を導くアミノ酸の配列である。 ある態様において、修飾モチーフは、ある種の修飾事象のための基質として作用するアミノ酸の配列である。 修飾モチーフはまた、化学反応を受けることができる配列であってもよく、例えば、配列は、二硫酸架橋を形成することができる、1つもしくは複数のシステイン、交差結合を形成することができる、1つもしくは複数の芳香環、または化学反応に関与することができる1つもしくは複数の側鎖を含んでもよい。 ある態様において、配列は、酵素による修飾事象のための基質として機能することができる。 酵素による修飾事象の非限定的な例は、リン酸化、グリコシル化、ユビキチン化、アセチル化、またはその他の側鎖修飾事象である。 酵素による修飾はまた、ペプチド、タンパク質、もしくはコレステロールのようなその他の生体分子、およびビオチンのような補酵素、またはその他の生体分子の共役であってもよい。

    第2の結合パートナーの共役はまた、非生体分子(例えば、細胞に天然には存在しない分子)の付加を含んでもよい。 本発明は、1工程修飾と多工程修飾の両方を包含する。 ある態様において、第2の修飾を受けることができる、第1の修飾を生じさせ、第2の結合パートナーの共役をもたらす。 ある態様において、第2の結合パートナーを細胞外で共役させる。

    関心対象のタンパク質の突然変異、または関心対象のタンパク質に修飾モチーフを含むペプチド配列を融合することによって、修飾モチーフを作り出し得るということが理解されるべきである。
    インビボビオチン化 ある態様において、修飾モチーフは、第2の結合パートナーの共役を受ける配列であってもよい。 好ましい態様において、修飾モチーフはビオチン受容体ペプチドであり、結合パートナーはビオチンである。 修飾を細胞内または細胞外で生じさせることができるということを理解すべきである。 例えば、ビオチン受容体を含む人工タンパク質を宿主細胞内で発現させ、宿主細胞表面でその細胞表面で分泌させてもよい。 その後、ビオチンを細胞外から培養培地中に供給してもよい。

    1つの局面において、本発明は、人工タンパク質のインビボビオチン化のための方法を提供する。 ビオチンは、植物、多くの細菌、および幾つかの菌類によって合成される必須の補酵素である。 ビオチンは、タンパク質結合型でかつ細胞内にあるビオチンが、ある部類の代謝酵素である、ビオチンカルボキシラーゼおよびデカルボキシラーゼに共有結合で付着した時のみ生物学的活性がある。 これらの酵素は、ビオチン補因子を可動性カルボキシル担体として用いることによって代謝物質へのおよび代謝物質間のCO の転移を触媒しており、かつ糖新生、脂質生成、アミノ酸分解、およびエネルギー変換の鍵酵素である。 ビオチンタンパク質リガーゼ(BPL)は、ビオチンをビオチンカルボキシラーゼおよびデカルボキシラーゼに付着させるのに関与する酵素である。 BPLは、ビオチンのカルボキシル基とカルボキシラーゼおよびデカルボキシラーゼの特定のリジン残基のε−アミノ基の間のアミド連結の翻訳後形成を触媒する(Chapman−Smith et al., Biomol. Engineering, 1999, 16:119−125)。 本発明は、タンパク質またはポリペプチドへのビオチンの共役を触媒する任意の酵素を包括する。 ある態様において、共役酵素はビオチンタンパク質リガーゼ(BPL)である。 ある態様において、BPLはBirA(大腸菌BPL)である。 Bir AポリペプチドおよびBirAをコードする核酸は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,255,075号および米国特許第5,723,584号に記載されている。 ヒト化型のBirAも当技術分野において公知である(J. Biotechnol. 2005, 0:245−249)。 BirAおよびBPLタンパク質の配列を表3に示す。 しかしながら、出芽酵母由来のBPL(Cronan et al. FEMS Kett 1995, 130:221)およびヒトBPL(Suzuki et al. Nat. Genetics 1994, 8:122−128)を含む、全てのBPLが本発明によって包括される。 本発明は、修飾型および突然変異型のBPLを含む、任意のBPLを任意の宿主細胞で用いること(例えば、大腸菌BPL(BirA)を出芽酵母で用いること)を包括する。 ある態様において、BPLは、温度を特異的なレベルまで下げるかまたは上昇させることによって活性化することができる、温度感受性BPLである。 BPLは、ビオチンをポリペプチドに共役するのにATPとビオチンの両方を必要とする。 ある態様において、宿主細胞を、ビオチンをポリペプチドに共役するのに十分な条件下で成長させる。 ある態様において、条件は、十分に高い濃度のATPおよび十分に高い濃度のビオチンである。 ある態様において、ATPおよび/またはビオチンを宿主細胞環境に添加し、ビオチンのポリペプチドへの共役を開始させるかまたは加速させる。 各々のBPLは、ビオチンが共役する天然のポリペプチド基質配列(ビオチン化配列)を有しており、本発明は、任意のBPL由来のビオチン化配列、合成のビオチン化配列、またはその任意の組み合わせを用いることを包含する。 BPL基質配列の例をChapmanら(Biomol. Engineering, 1999, 16:119−125)に見出すことができる。 市販のBPL基質ペプチドの例は、炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)に由来する72アミノ酸ペプチドを含む、InvitrogenのBioease(商標)Tag、15アミノ酸のペプチドを含む、Avidity(商標)のAviTag(商標)、および128アミノ酸ペプチドを含むPromegaのPinPoint(商標)である。 ビオチン化配列は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第5,723,584号、米国特許第5,252,466号、米国特許第5,874,239号、米国特許第6,265,552号にも記載されている。 BirAおよびBirAをコードするプラスミドを過剰発現する細胞はAvidity(Denver, CO)から市販されており、大腸菌系統AVB 99、AVB 100、およびAVB 101を含む。 ある態様において、修飾モチーフはビオチン化配列を含む。 ビオチン化モチーフを含むペプチドを、ビオチン化ペプチドまたはビオチン受容体ペプチドとも称する。 ある態様において、修飾モチーフはビオチン化ペプチドを含み、アミノ酸修飾はビオチンをビオチン化ペプチドに共役することを含む。

    ある態様において、共役酵素を人工タンパク質と同時に発現させる。 ある態様において、共役酵素をベクターから発現させる。 ある態様において、共役酵素をコードする遺伝子を宿主細胞のゲノムに組み込む。 ある態様において、共役酵素の遺伝子は、人工タンパク質の遺伝子と同じベクター上にある。

    ビオチン化法を用いて、本明細書に記載された任意の関心対象のタンパク質または細胞結合タンパク質をビオチン化し得るということが理解されるべきである。

    (表3)BirAおよびBPLタンパク質の配列
    配列番号:1 大腸菌BirA WT
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    配列番号:2 BirA v1
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    配列番号:3 BirA v2
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    配列番号:4 大腸菌BirA WTS
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    配列番号:5 BirA v1S
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    配列番号:6 BirA v2S
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    配列番号:7 出芽酵母BPL1 WT
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    配列番号:8 出芽酵母BPL1変異体1(KRからKKへ)
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    配列番号:9 出芽酵母BPL1変異体2(KRからKKへ、アグリコ型)
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    配列番号:10 出芽酵母BPL1変異体3(アグリコ型)
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    分泌 ある態様において、修飾モチーフおよび分泌リーダーペプチドを含む人工タンパク質を宿主細胞から分泌させる。 ある態様において、人工融合タンパク質の分泌をもたらす条件下で細胞を成長させる。 分泌はさらなる誘導なしで起こってもよく、タンパク質の発現の誘導によって開始される連続的過程であってもよく、または分泌を、発現の誘導とは無関係に、細胞環境における1つもしくは複数の条件を変化させることによって誘導してもよい。 ある態様において、人工タンパク質の分泌を、人工タンパク質の一部である分泌ペプチドによって導く。 さらに、人工タンパク質もしくはタンパク質複合体のより良いフォールディングをもたらすか、人工タンパク質の(例えば非機能的構造への)凝集傾向を低下させるか、もしくはより良い分泌トラフィッキングをもたらす、シャペロンタンパク質(例えば、PDI、BiPなど)、人工タンパク質を輸送することができるタンパク質によって、または小胞形成を促進することができるタンパク質を介して分泌を促進してもよい。 ある態様において、シャペロンタンパク質をコードする核酸を含むベクターを宿主細胞に構成的または誘導性プロモーターの制御下でトランスフェクトする。 ある態様において、宿主細胞は、シャペロンタンパク質を過剰発現している。 ある態様において、シャペロンタンパク質をコードする核酸を宿主細胞のゲノムに組み込む。 また、タンパク質分泌で役割を果たすその他のタンパク質を用いてもよい(例えば、関心対象のタンパク質と一緒に発現させてもよい)。 1つもしくは複数のシャペロンタンパク質またはその他のタンパク質は宿主細胞のゲノム上にコードされ、宿主細胞のゲノムから発現され得るということが理解されるべきである。 ある態様において、宿主細胞を分泌用に最適化する。 例えば、人工タンパク質の分泌を手助けするタンパク質の発現が増大している細胞株を用いてもよく、透過性などの最適化された細胞膜特徴を持ち、人工タンパク質による膜の横断を促進する、宿主細胞を用いてもよい。

    ある態様において、第1の結合パートナーまたは第1の結合パートナーを含む人工タンパク質および第2の結合パートナーを含む人工タンパク質を宿主細胞内で共発現させ、宿主細胞によって同時に分泌させる。 例えば、2つの人工タンパク質を同じ培養条件下で発現および分泌させてもよい。 2つの人工タンパク質を連続的に発現させる場合には、第1の結合パートナーまたは第1の結合パートナーを含む第1の人工タンパク質を第1の構成的または誘導性プロモーターの制御下にコードする核酸配列を含む1つの発現コンストラクト、および第2の結合パートナーを含む第2の人工タンパク質を第2の誘導性プロモーターの制御下にコードする核酸配列を含む第2の発現コンストラクトという、2つの発現コンストラクトを宿主細胞に同時にコトランスフェクトし、第1の結合パートナーを構成的に発現させるかまたは第1のプロモーターの誘導後に細胞の表面で発現させ、第2の結合パートナーを第2のプロモーターの誘導後に細胞によって発現および分泌させてもよい。

    あるいは、第1の結合パートナーを含む人工タンパク質をコードするベクターを、第1の結合パートナーが宿主細胞の表面で発現されるような条件下で宿主細胞にトランスフェクトしてもよい。 その後、第2の結合パートナーを含む第2の人工タンパク質をコードするベクターを、第2の結合パートナーを宿主細胞によって発現および分泌させるような条件下で培養細胞にトランスフェクトしてもよい。 あるいは、宿主細胞は第1の結合パートナーを含む人工タンパク質を構成的に発現してもよく、その後に第2の結合パートナーを含む人工タンパク質をコードするベクターを宿主細胞内に導入する。

    本発明の別の局面において、第2の結合パートナーを含む人工細胞表面タンパク質をコードするベクターを宿主細胞にトランスフェクトし、第2の結合パートナーが宿主細胞の表面で発現される条件下でインキュベートしてもよい。 その後、培養細胞を可溶性の第1の結合パートナーとインキュベートし、第1の結合パートナーのディスプレイをもたらしてもよい。 その後、第2の結合パートナーがインビボで共役することができる、人工タンパク質または第2の結合パートナーを含む人工タンパク質をコードするベクターを、第2の結合パートナーを含む人工タンパク質が宿主細胞によって発現および分泌されるような条件下で細胞にトランスフェクトしてもよい。

    別の態様において、宿主細胞は、第2の結合パートナーを含む人工細胞表面タンパク質および/または第2の結合パートナーを含む関心対象の人工タンパク質を構成的に発現してもよい。 あるいは、宿主細胞は、可溶性の第1の結合パートナー(例えば、アビジン)を構成的に発現するか、または宿主細胞は、可溶性の第1の結合パートナーを発現するように誘導されてもよい。 第1の結合パートナーを、上記のように直接的または間接的に宿主細胞表面に付着させるかまたは共役させてもよい。 例えば、第1の結合パートナー(例えば、アビジン)を、細胞表面に化学的に共役しているかまたは好適なリンカーを介して細胞表面に化学的に付着している第2の結合パートナー(例えば、ビオチン)を介して細胞表面に連結させてもよい。 宿主細胞に、第2の結合パートナーを含む人工タンパク質を構成的または誘導性プロモーターの制御下にコードするベクターをコトランスフェクトするかまたはそのベクターを後からトランスフェクトしてもよい。

    本明細書に記載されたタンパク質はまた、ベクターに加えて、またはベクターの代わりに、宿主細胞のゲノム上にコードされ得るということが理解されるべきである。
    標的分子のディスプレイ ある態様において、標的分子を細胞表面に発現させる。 ある態様において、標的分子に対する親和性を持つ人工タンパク質を発現させる。 発現された人工タンパク質は標的分子に結合し、人工タンパク質のディスプレイをもたらすことができる。

    本発明の別の局面において、第1の結合パートナーを含む人工細胞表面タンパク質をコードするベクターおよび標的分子に対する親和性を有する関心対象の人工タンパク質をコードするベクターを宿主細胞にコトランスフェクトしてもよい。 その後、第1の結合パートナーが宿主細胞の表面で発現する条件下で培養細胞をインキュベートしてもよい。 第2の結合パートナーの第1の結合パートナーへの結合によって表面での標的分子のディスプレイがもたらされることを特徴とする、第2の結合パートナーと共役した可溶性の標的分子の存在下で第1の結合パートナーをディスプレイする細胞をインキュベートする。 その後、関心対象の人工タンパク質が細胞によって発現および分泌される条件下および関心対象の人工タンパク質が宿主細胞の表面でディスプレイされた標的分子に結合するのに好都合な条件下で細胞をインキュベートしてもよい。 あるいは、宿主細胞が、第2の結合パートナーを含む人工細胞表面タンパク質および/または関心対象の人工タンパク質を構成的に発現してもよい。

    ある態様において、可溶性の第2の結合パートナーを、第3の結合パートナーをディスプレイする細胞に添加し、第2の結合パートナーの結合および第2の結合パートナーのディスプレイをもたらす。 第3の結合パートナーは、第1の結合パートナーと類似しているかまたは同じ部分であることができ、第3の結合パートナーをディスプレイする細胞を、第3の結合パートナーをディスプレイする細胞を作製するのと同じ方法で作製することができるということが理解されるべきである。 ひとたび第3の結合パートナーをディスプレイする細胞が作製されれば、可溶性の第2の結合パートナーを添加し、第2の結合パートナーのディスプレイを結果としてもたらすことができる。 次の工程として、第1の結合パートナーに付着した標的分子を添加し、標的分子のディスプレイをもたらすことができる。

    ある態様において、第1または第3の結合パートナーは、アビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン、アビジン様タンパク質、または任意のビオチン結合タンパク質であり、第2の結合パートナーはビオチンまたはアビジン結合ペプチドである。

    ある態様において、第1の結合タンパク質(例えば、アビジン)をコードするベクター、標的分子に対する親和性を有する関心対象の人工タンパク質をコードするベクター、ならびに標的分子および第2の結合パートナーを含むコンストラクトをコードするベクターを宿主細胞にトランスフェクトしてもよい。 このやり方で、3つ全ての原理構成要素をインビボで発現させ、処理させ、かつ分泌させ得るということを理解すべきである。 3つの構成要素を宿主細胞内で発現させ、宿主細胞により同時的または連続的に分泌させ、標的分子のディスプレイおよび人工タンパク質の標的分子への結合をもたらしてもよい。
    レポーター部分 ある態様において、人工タンパク質はレポーター部分を含む。 ある態様において、人工タンパク質は第1のレポーター部分を含み、かつ/または標的分子は異なる第2のレポーター部分を含む。 レポーター部分を、人工タンパク質の関心対象のタンパク質、および/もしくは標的分子のN末端もしくはC末端に連結させることができるし、またはレポーター部分を固定化ペプチドおよび/もしくは分泌ペプチドに連結させることができる。 本発明は、(固定化モチーフを含む)固定化ペプチドおよび任意で分泌ペプチド、および任意でレポーター部分、またはその任意の組み合わせを含む任意の形状の機能的に連結される人工タンパク質を包含する。 ある態様において、レポーター部分は蛍光タンパク質である。

    蛍光タンパク質は当技術分野において公知であり、緑色蛍光タンパク質(GFP)ならびにYFP(黄色蛍光タンパク質)およびDsRedのようなその色変異体を含む。 レポーター部分は、アッセイによって容易に検出することができる基質を処理することができるタンパク質またはポリペプチドも含む。 例えば、この群のタンパク質としてペルオキシダーゼが含まれる。 レポーター部分には、ポリペプチドを標識抗体に結合させることにより検出することができるポリペプチドがさらに含まれ、FLAG(登録商標)ペプチドおよびHis6親和性タグ(配列番号11)が含まれる。 レポーター部分は、人工タンパク質を分泌している細胞の選択を可能にする。 ある態様において、FACS(蛍光活性化細胞選別)を用いて、人工タンパク質を分泌する宿主細胞を同定および単離することができる。 しかしながら、その他の蛍光に基づく技術を用いてもよい(例、蛍光認識コロニーピッカー、例えば、Genetixから入手可能である)。
    抗原またはリガンドに結合するタンパク質のスクリーニング 本発明のある局面は、抗原またはリガンドなどの標的タンパク質に結合するタンパク質のディスプレイおよびスクリーニングに関する。 本発明のある局面は、抗体、抗体断片、およびスキャフォールドタンパク質を含む抗原結合タンパク質のディスプレイおよびスクリーニングに関する。 ある態様において、抗原結合タンパク質を、本発明の細胞ディスプレイ法のいずれかを用いて宿主細胞表面にディスプレイさせる。 ある態様において、抗原結合タンパク質を、第2の結合パートナーに共役させ、第1の結合パートナーへの結合によって細胞表面にディスプレイさせる。 ある態様において、抗原結合断片を、細胞表面に結合した標的分子(例えば、抗原)への結合によってディスプレイさせる。 ある態様において、抗体、抗体断片、抗体鎖、またはスキャフォールドタンパク質を含む抗原結合タンパク質を、分泌リーダーペプチド、(修飾モチーフを含む)ビオチン受容体ペプチド、および任意でFLAGエピトープを含む融合タンパク質として発現させる。 ビオチン受容体ペプチドをタンパク質のN末端で融合させることができ、かつFlagエピトープをタンパク質のC末端に融合させることができるか、またはビオチン化受容体ペプチドをタンパク質のN末端に融合させ、かつFlagエピトープをタンパク質のC末端に融合させることができる。

    ある態様において、抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子は同じプロモーターの制御下にある。 ある態様において、抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子は異なるプロモーターの制御下にある。 例えば、重鎖および軽鎖をコードする遺伝子を、酵母での抗体の発現用に反対方向にそれぞれGAL1よびGAL1OまたはGAL1OおよびGAL1プロモーター下にクローニングしてもよい。 酵母発現ベクターは当技術分野において公知であり、市販されている。 例示的なベクターとして、StratageneからのpESCベクターが含まれる。

    1つの局面において、軽鎖および重鎖の発現の割合を最適化するためにプロモーターのライブラリーを提供する。 ある態様において、ライブラリーは、プロモーターのコンセンサス配列内に突然変異を含む。 真核細胞では、TATAボックス(またはゴールドバーグ・ホグネスボックス)が、多くの遺伝子のプロモーター領域に見出されるDNA配列である。 TATAボックスは中心の5'−TATAAA−3' DNA配列を有する。 配列解析により、2番目の位置のヌクレオチド、例えば、ヌクレオチドAが酵母で高度に保存されていることが明らかにされている。 ある態様において、NANNNN配列という突然変異型TATAボックスライブラリーを作製する。 ある態様において、重鎖および軽鎖の発現を制御するプロモーターの各々1つについて、NANNNN配列という突然変異型TATAボックスライブラリーを作製する。 例として、1つの位置が保存され、5つの位置が保存されていない場合、コンビナトリアルライブラリーには、各々のプロモーターについて10 個のTATAボックス配列(例えば、NANNNN)が含まれる。 ある態様において、TATA配列のライブラリーをランダム突然変異生成によって作製する。 ある態様において、ライブラリーをスクリーニングし、所望の特性を有するTATAボックス変異体を同定する。 例えば、TATAボックスライブラリーをスクリーニングし、野生型TATAボックスよりも増大した抗体または抗体断片の発現を有するTATAボックスを同定してもよい。 TATAボックス変異体の制御下にある抗体または抗体断片の発現を、野生型TATAボックスの制御下にある抗体または抗体断片の発現と比較して少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍増大させてもよい。
    宿主細胞のスクリーニング 本発明の1つの局面において、分泌された人工タンパク質をディスプレイする宿主細胞を、人工タンパク質の発現レベル、人工タンパク質の安定性、および/または人工タンパク質の標的分子に対する親和性についてスクリーニングし、選択してもよい。

    本発明のある局面は、高レベルの関心対象のタンパク質を発現する細胞をスクリーニングするための方法に関する。 例示的な態様において、インビボまたはインビトロでビオチン化された細胞を可溶性アビジンと共にかつ関心対象のタンパク質を含むビオチン化人工タンパク質の分泌を可能にする条件下でインキュベートする。 人工タンパク質をディスプレイする細胞を、人工タンパク質を標識することによって検出する。 ある態様において、人工タンパク質をディスプレイする細胞を、関心対象のタンパク質に対する標識抗体に結合させるかまたは検出可能な抗クラス抗体を用いることによって検出する。 ある態様において、関心対象のタンパク質をエピトープタグ(例えば、Sigma−AldrichからのFLAGペプチド)と融合させ、関心対象のタンパク質を分泌する細胞を、検出可能な抗エピトープ抗体(例えば、モノクローナル抗FLAG抗体)を用いて標識してもよい。 高レベルの関心対象のタンパク質を発現する細胞の選択を、多数回の細胞選別および細胞培養成長による増幅を用いて実行することができる。 各回の選択は、蛍光などの検出可能な標識の強度に基づいた細胞の選別を含む。 蛍光活性化細胞選別(FACS)系、磁気細胞選別系(MACS)、または任意のその他の好適な細胞の分離もしくは選別の技術を含む当技術分野において公知の方法のいずれかによって分離を行なってもよい。

    本発明のある局面は、特異的な標的分子(例えば、抗原またはリガンド)と所望の特異性で相互作用することができる関心対象のタンパク質(例えば、抗体、抗体模倣タンパク質、スキャフォールドタンパク質、レセプター)を発現する細胞をスクリーニングするための方法に関する。 本発明のその他の局面は、標的分子に対する高い(例えば、最も高いまたは最適化された)特異性を有する関心対象のタンパク質(例えば、高い、例えば、最も高いまたは最適化された、抗原に対する親和性を有する抗体)の濃縮に関する。

    例示的な態様において、インビボまたはインビトロでビオチン化された宿主細胞をまず、可溶性アビジンの存在下でかつビオチン化されたリガンドまたは抗原とインキュベートする。 ある態様において、リガンドまたは抗原を、エピトープタグ(例えば、His6タグ(配列番号11))を用いて標識する。 その後、抗原をそれらの表面でディスプレイする細胞をインキュベートし、リガンドまたは抗原に対する親和性を有する関心対象のタンパク質(例えば、レセプター、抗体、酵素、スキャフォールドタンパク質、または任意のその他の関心対象のタンパク質)の分泌を可能にする。 抗原に結合した関心対象のタンパク質を発現する細胞を、分泌タンパク質、リガンド、またはその両方のレポーター部分に基づいて検出することができ、様々な方法で単離することができる。 ある態様において、分泌されるタンパク質またはリガンドはビオチン化されない。 ある態様において、細胞を、関心対象のタンパク質を検出するための関心対象のタンパク質に対する標識抗体かまたは検出可能な抗クラス抗体で標識し、かつ抗原に対する標識抗体かまたは抗原上のタグエピトープを認識する抗体で標識する。 あるいは、関心対象のタンパク質をエピトープタグ(例えば、Sigma AldrichからのFLAGペプチド)と融合させる場合、関心対象のタンパク質を分泌する細胞を、検出可能な抗エピトープ抗体(例えば、モノクローナル抗FLAG抗体)を用いて標識してもよい。

    例えば、高レベルの関心対象のタンパク質を分泌する宿主細胞のリガンドまたは抗原に対する高い親和性または特異性(例えば、極めて高い親和性または特異性)を示す宿主細胞の選択を、多数回の細胞選別および細胞培養成長による増幅を用いて実行してもよい。 各々の回の選択は、蛍光などの検出可能な標識に基づいた細胞の選別を含む。 ある態様において、候補タンパク質のライブラリーを、表面にディスプレイされた抗原に結合するそれらの能力についてスクリーニングする。 ディスプレイされたタンパク質のそのリガンドまたは抗原に対する所望の親和性に応じて、ある範囲のリガンドまたは抗原の濃度を異なる回の選別に用いてもよい。 蛍光活性化細胞選別(FACS)系、磁気細胞選別系(MACS)、または任意のその他の好適な細胞の分離もしくは選別の技術を含む当技術分野において公知の方法のいずれかによって分離を行なってもよい。

    本明細書に記載された技術を、2つまたはそれより多くの特性(例えば、発現、ディスプレイ、親和性、活性などのうちの2つまたはそれより多く)に基づいて細胞を選別し、スクリーニングし、選択し、かつ/または単離するのに使用し得るということが理解されるべきである。 ある態様において、1つまたは複数の特性に基づいて単離される細胞を、さらに評価してもよい(例えば、コードされる人工タンパク質を関心対象の1つもしくは複数の機能または特性についてアッセイしてもよい)。 例えば、細胞によってコードされたディスプレイされた人工タンパク質変異体の発現のレベルおよびまたは結合特性および/または酵素特性に基づいて細胞を単離してもよい。 その後、コードされたタンパク質を(例えば、細胞ディスプレイ系の文脈で、または宿主細胞からの単離および/もしくは精製の後に)1つまたは複数の類似または追加の特性について(例えば、インビトロアッセイで、非細胞環境で、および/または研究的もしくは薬学的な調製物として哺乳動物、例えば、ヒトなどの対象に投与した時に)アッセイしてもよい。
    人工タンパク質の評価 1つの局面において、本発明は、人工タンパク質が所定の機能または特性を有するかどうかを評価するための方法を提供する。 1つの局面において、本発明は、人工タンパク質の所定の機能または特性についてアッセイするための方法を提供する。 特性および機能は互換的に用いられることができ、ある量および/またはレベルの下記のいずれかを含むということが理解されるべきである:タンパク質発現、分泌、ディスプレイ、酵素活性、結合親和性(例えば、抗原および/もしくはリガンド結合)、安定性など、またはその任意の組み合わせ。 したがって、所定の機能または特性は、安定性、サイズ、構造、プロテアーゼに対する抵抗性、基質特異性を含む酵素特性、抗原もしくはリガンド結合を含む結合特性など、またはその任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない、タンパク質の任意の物理的、化学的、または生物学的特徴であってもよい。 所定のタンパク質機能は、特異的なタンパク質に対して所望され得るタンパク質機能、例えば、増大した安定性またはプロテアーゼに対する増大した抵抗性である。 さらに、所定の機能を、閾値レベルの機能性との比較によって評価してもよい。 ある態様において、一定レベルの所定の機能性または特性を持つタンパク質を選択してもよい。 ある態様において、ディスプレイされる人工タンパク質のレベルを、人工タンパク質に付着させられるレポーター分子、エピトープタグ、抗原、またはリガンドのレベルを検出することによってアッセイする。 ある態様において、タンパク質特性を、タンパク質を特異的な条件にさらすことによって評価することができる。 例えば、所定の特性がタンパク質安定性である場合、カオトロピック試薬に対する一定の抵抗性を超えるタンパク質を選択することができる。 その後、選択されたタンパク質を解析してもよい。 解析の方法は、1次配列および2次配列の決定を含んでもよい。 ある態様において、選択されたタンパク質をプールし、1回または複数回の選択に供してもよい。 ある態様において、選択されたタンパク質を1つもしくは複数の追加の構造または機能アッセイに供してもよい。

    人工タンパク質が所定の機能を有するかどうかを評価するために、人工タンパク質を宿主細胞内で発現させることができる。 ある態様において、宿主細胞の環境への薬剤の添加によって発現を誘導する。 人工タンパク質の発現は、人工タンパク質の第1の結合パートナーへの結合を介した人工タンパク質の細胞表面での固定化をもたらす。 本明細書に記載された態様のいずれかを用いて、第1の結合パートナーまたは標的分子が細胞表面に接続されていることを特徴とする、第1の結合パートナーまたは標的分子に結合した人工タンパク質を達成し、それにより人工タンパク質の固定化をもたらすことができる。 ひとたび固定化されれば、人工タンパク質を所定のタンパク質機能について評価することができる。 ある態様において、関心対象のタンパク質の変異体をコードする核酸のライブラリーを発現させ、所定の機能についてスクリーニングすることができる。 ある態様において、関心対象のタンパク質の変異体をコードする核酸を含む細胞のライブラリーを発現させ、所定の機能または特性についてスクリーニングすることができる。 関心対象のタンパク質の変異体をコードする核酸のライブラリーを多数の特性または機能についてスクリーニングすることができるということが理解されるべきである。 さらに、ライブラリーを、多数回の1つまたは複数の特性のスクリーニングに供し、その1つまたは複数の特性についてのライブラリーの濃縮を結果としてもたらすことができる。

    タンパク質機能を評価するための方法は当技術分野において公知である。 ある態様において、人工タンパク質は、蛍光部分などのレポーター部分を含み、レポーター部分のシグナルを用いて、特異的なタンパク質機能を評価することができる。 タンパク質機能を評価するのに用いる特異的なアッセイは、評価されている特定のタンパク質機能による。 例えば、所定の機能がタンパク質安定性である場合には、固定化された人工タンパク質を、カオトロピック試薬にさらすかまたは上昇した温度にさらすことができ、タンパク質の物理的構造(例えば、タンパク質のフォールディング)の変化を観察することができ、その場合、より高い安定性は、より高いカオトロピック濃度でタンパク質のフォールディングを維持する能力と相関する。

    タンパク質またはタンパク質変異体の安定性は、発現されたタンパク質の機能に決定的に重要な意味を持つ場合がある(例えば、単鎖抗体、例えば、Worn et al., J. Biol. Chem., 2000, 275:2795−2803を参照されたい)。 タンパク質の安定性を評価するための標準的なアプローチは、例えば、走査熱量測定を用いてタンパク質の融解温度(T )を測定することおよび/または例えば、グアニジン塩酸塩もしくは尿素による変性、続いで内部トリプトファン蛍光分析もしくは円二色性分析を用いて特異的な温度(例えば、25℃)でのアンフォールディングの自由エネルギー(ΔG)を測定することを含む。 熱安定性は、単鎖T細胞レセプターの分泌および酵母細胞表面ディスプレイと相関することが示されている(Shusta et al. J. Mol. Biol., 1999, 292:949−956および米国特許第6,300,065号)。 ある態様において、タンパク質またはタンパク質変異体の発現レベルの測定を用いて、より安定なタンパク質を選択してもよい。 本発明の局面によると、より安定なタンパク質はより高い発現レベルを有し、高度に発現したタンパク質(例えば、最初のタンパク質または参照タンパク質よりも高いレベルで発現するタンパク質)を単離することによって同定することができる。 ある態様において、発現レベルを、レポーター部分を用いてタンパク質を標識することによって決定し、細胞当たりまたは細胞表面積当たりの発現されたタンパク質の量を決定する。 より安定な変異体を発現する細胞の集団を、蛍光活性化細胞選別(FACS)によって同定および単離してもよい。 最も高度に発現する集団をFACSで回収し、次回の選別に供し、それによってより安定なタンパク質変異体を発現する細胞を持つ集団を濃縮してもよい。 ある態様において、タンパク質変異体のライブラリーをタンパク質発現についてスクリーニングし、向上した生物物理学的特性(例えば、安定性)を持つタンパク質変異体を選択してもよい。 1つの態様において、対応する野生型タンパク質よりも少なくとも5倍、10倍、20倍、40倍、または50倍高い発現レベルを示すタンパク質変異体を選択する。

    評価されるべき望ましい所定の機能がプロテアーゼに対する非感受性である場合、固定化されたタンパク質を増加濃度の1つまたは複数のプロテアーゼにさらすことができ、人工タンパク質の完全性をモニターすることができる。 所定の機能が、特異的な酵素活性などの生物学的機能である場合、その特定の酵素機能に適当なアッセイを行なうことができる。 酵素アッセイは当技術分野において日常的に行なわれており、当業者は特異的な酵素機能を評価するのにどのような酵素アッセイを用いるべきかということを知っていると考えられる。
    タンパク質複合体の評価 1つの局面において、本発明は、タンパク質複合体が所定の機能または特性を有するかどうかを評価するための方法を提供する。 1つの局面において、本発明は、タンパク質複合体の所定の機能をアッセイするための方法を提供する。 タンパク質複合体は、互いに相互作用する2つまたはそれより多くの人工タンパク質を含む。 タンパク質複合体が所定の機能を有するかどうかを評価するために、1つまたは複数の人工タンパク質を含むタンパク質複合体を産生し、所定の機能について評価する(例えば、1つまたは複数の人工タンパク質を、それらが相互作用し、インビボまたはインビトロで評価することができるタンパク質複合体を形成するのを可能にする条件下で発現させてもよい)。 タンパク質複合体の人工タンパク質は、人工タンパク質の1つまたは複数が発現し、宿主細胞表面に固定化された時に互いに相互作用することができる。 人工タンパク質を細胞表面に発現させ、固定化するための方法の態様は上で記載されている。 ある態様において、固定化されたタンパク質複合体を所定の機能について評価することができる。 タンパク質複合体の所定の機能を評価するのに用いる技術は、人工タンパク質の態様を評価するのに用いるものと同じ技術であってもよい。

    タンパク質複合体の人工タンパク質は同じように処理される必要がないということが理解されるべきである。 例えば、タンパク質複合体の第1の人工タンパク質を宿主細胞に一時的に存在するベクターから発現させることができ、その一方でタンパク質複合体の第2の人工タンパク質を細胞のゲノムに組み込まれた遺伝子から発現させる。 2つの人工タンパク質を同時に発現させることができるし、または第2の人工タンパク質の発現および固定化の前に第1のタンパク質を発現させ、細胞表面に固定化することができる。 ある態様において、第1の人工タンパク質を細胞表面に固定化し、第2のタンパク質を宿主細胞の環境に添加し、その後それが第1の人工タンパク質と相互作用してタンパク質複合体を形成する。 ある態様において、タンパク質複合体の人工タンパク質の1つがライブラリーの構成要素である一方で、第2の人工タンパク質はライブラリーの一部ではない。 この最後の態様は、第1の人工タンパク質のライブラリーの構成要素を、第2の人工タンパク質と共にタンパク質複合体を形成するかまたは特定の機能もしくは特定のレベルの活性を有する能力について評価することを可能にする。 ある態様において、分泌され、細胞表面にアンカーリングするようにタンパク質複合体の1つのタンパク質だけを人工的に改変するということが理解されるべきである。 細胞表面にアンカーリングされたタンパク質複合体の少なくとも1つのメンバーの存在を用いて、アンカーリングされたタンパク質と相互作用するタンパク質複合体のその他のメンバー(例えば、人工または非人工のタンパク質)を固定化してもよい。

    本明細書に記載された技術を、2つまたはそれより多くの特性(例えば、発現、ディスプレイ、親和性、活性などのうちの2つまたはそれより多く)に基づいてタンパク質またはタンパク質複合体を評価し、選別し、スクリーニングし、選択し、かつ/または単離するのに使用し得るということが理解されるべきである。

    細胞、タンパク質、タンパク質複合体についてのアッセイ、および/または本明細書に記載された基質解析はどれも、標準的な結合、検出、および/または酵素アッセイに基づき得るということが理解されるべきである。 例えば、ディスプレイのレベルは、レポーター分子(例えば、抗原および/もしくはエピトープ、検出可能な産物を産生する酵素レポーター、機能性レポーター、もしくは所定の発現および/もしくは活性のレベルに基づく定量化および/もしくは選択を可能にする任意のその他の検出可能もしくは選択可能なレポーター、またはその任意の組み合わせ)の検出に基づいてもよい。
    人工タンパク質による基質処理の評価 1つの局面において、本発明は、人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかを評価するための方法を提供する。 1つの局面において、本発明は、人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかをアッセイするための方法を提供する。 別の局面において、本発明は、所望の処理活性で基質を処理することができる人工タンパク質を選択するための方法を提供する。 ある態様において、人工タンパク質を特異的な酵素活性についてスクリーニングする。 関心対象の酵素として、ポリメラーゼ、リガーゼ、制限酵素、トポイソメラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、代謝酵素、工業的酵素など、またはその任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。 基質の処理は、人工タンパク質による基質の修飾または人工タンパク質の基質との相互作用を含んでもよい。 ポリペプチド、核酸、脂質、多糖、合成ポリマー、または合成化合物を含む任意の基質が本発明によって包含される。 基質の処理または基質との相互作用は、以下の過程:基質に結合すること、基質から解離すること、基質にニックを入れること、基質を切断すること、基質を活性化すること、基質を失活させること、基質に電荷を与えること、基質から電荷を奪うこと、基質をコピーすること、基質を複製すること、分子を基質にコンジュゲートすること、ペプチドを基質にコンジュゲートすること、または基質を修飾することのうちの1つまたは複数を含んでもよいが、これらに限定されない。 1つの態様において、人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかを評価するために、人工タンパク質を、本明細書に記載されたように、宿主細胞内で発現させ、人工タンパク質の結合パートナーへの結合を通じた人工タンパク質の細胞表面への固定化をもたらす。 その後、固定化された人工タンパク質を基質を処理する能力について評価することができる。 人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかを評価するのに用いられる特定のアッセイは、評価されている特異的な処理事象および/または基質によると考えられる。 人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかを評価するためのアッセイは当業者に公知である。 本発明のアッセイを用いて、関心対象のタンパク質の変異体をコードする核酸のライブラリーまたは関心対象のタンパク質の変異体をコードする核酸を含む宿主細胞のライブラリーをスクリーニングすることができる。
    細胞表面に共役した基質 ある態様において、基質を細胞表面に共役させる。 基質を細胞表面に共役させるための任意の方法が本発明によって包含される。 基質の細胞表面への共役は、基質の細胞表面への(例えば、表面炭水化物もしくは表面タンパク質への)直接的な共役を含んでもよいし、または基質の細胞表面への共役は、細胞表面に接続されているリンカーへの基質の共役を含んでもよい。 ある態様において、基質を細胞表面に接続されている結合パートナーに共役させる。 ある態様において、基質結合パートナーは、分泌された人工ポリペプチドが結合するのと同じ基質結合パートナーである。 ある態様において、基質はビオチン部分を含み、結合パートナーは、アビジンなどのビオチン結合パートナーである。 ある態様において、ビオチン結合部分をビオチンスペーサーに結合させ、それによりビオチン結合部分を細胞表面に接続させる。 ある態様において、ビオチンスペーサー、ビオチンを含む基質、および人工ポリペプチドを全て同じビオチン結合薬剤に結合させる。 ある態様において、基質および人工ポリペプチドを、異なるビオチン結合薬剤に結合させる。 ある態様において、多数の基質および/または多数の人工ポリペプチドを、固定化された結合パートナーに結合させる。 基質および人工タンパク質の両方を固定化することによって、それらを密に近接させ、それにより人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかを評価するための最適化されたアッセイを可能にしてもよい。 しかしながら、基質が細胞表面に共役していない場合でも、基質を処理するそれらの能力について人工タンパク質をなお評価することができるということが理解されるべきである。 例えば、基質を処理する能力を、宿主細胞環境に基質を添加することによって評価することができる。

    ある態様において、基質の処理は、検出可能なシグナルまたはシグナルのレベルもしくは種類の変化を発生させる。 シグナルの性質は、基質の処理を評価するのに用いられる特異的なアッセイによると考えられる。 ある態様において、シグナルは蛍光シグナルである。 蛍光シグナルを、様々な処理方法によって発生させることができる。 蛍光シグナルの発生の非限定的な例は、蛍光部分を基質の中に取り込むこと、または蛍光部分を基質に共役することである。 本発明は、蛍光シグナルの消失、例えば、基質の処理による蛍光部分の基質からの除去に基づくアッセイ、および蛍光シグナルの変化に基づくアッセイも包含する。 蛍光シグナルの変化に基づくアッセイには、蛍光シグナルの変化が2つの蛍光部分の間の距離の変化に依存する、FRET(蛍光共鳴転移)も含まれる。 蛍光シグナルに基づくアッセイは、2次的な事象による蛍光シグナルの発生に基づくアッセイも包括する。 例えば、蛍光標識抗体を処理されている途中の基質に添加し、特定の基質特徴の出現/消失をモニタリングすることができる。
    タンパク質複合体による基質処理の評価 1つの局面において、本発明は、タンパク質複合体が基質を処理することができるかどうかを評価するための方法を提供する。 1つの局面において、本発明は、タンパク質複合体が基質を処理することができるかどうかをアッセイするための方法を提供する。 タンパク質複合体は、互いに相互作用する1つまたは複数の人工タンパク質を含む。 ある態様において、タンパク質複合体の人工タンパク質を宿主細胞内で発現させ、宿主細胞表面に固定化し、タンパク質複合体の人工タンパク質の間の相互作用をもたらす。 タンパク質複合体が基質を処理することができるかどうかを評価するための態様は、本明細書に記載されたような、人工タンパク質が基質を処理することができるかどうかを評価するための態様と同様である。 ある態様において、基質を細胞表面に共役させる。
    候補人工タンパク質のスクリーニング 1つの局面において、本発明は、候補人工タンパク質をスクリーニングするための方法を提供する。 ある態様において、本方法は、宿主細胞の集団へのライブラリーまたは複数のベクターの導入を含む。 ある態様において、宿主細胞の集団は、第1の結合パートナーをその細胞表面でディスプレイする。 各々のベクターは、独自の人工タンパク質をコードする遺伝子および宿主細胞内での遺伝子の発現を可能にするための構成要素を含んでもよい。 さらに、各々の人工タンパク質は、修飾モチーフを含んでもよい。 ある態様において、修飾モチーフは各々の人工タンパク質について同じである。 人工タンパク質の発現を誘導し、修飾モチーフに修飾をもたらすのに十分な条件下で宿主細胞を成長させる。 ある態様において、修飾モチーフは固定化ペプチドであり、修飾は、第2の結合パートナーの修飾モチーフへの共役を含む。 修飾された人工タンパク質は分泌され、インビボまたはインビトロで細胞表面に接続される第1の結合パートナーに結合する。 ある態様において、第1の結合パートナーはアビジンであり、第2の結合パートナーはビオチンである。 さらにその他の態様において、第1の結合パートナーはビオチンであり、第2の結合パートナーはアビジンである。 ひとたび人工タンパク質を細胞表面に固定化すれば、タンパク質を所定の機能について評価することができる。 ある態様において、ライブラリーのメンバーを互いにまたは公知の所定の機能を持つ人工タンパク質と比較する。

    ある態様において、所定の機能は基質の処理を含む。 ある態様において、基質の処理は、シグナル(例えば、蛍光の変化、色の変化、または未処理の基質に元々取り込まれているそのようなシグナルの損失など)を結果として生じる。 ある態様において、基質の処理によって生み出されるシグナルを閾値レベルと比較する。 シグナルレベルを閾値レベルと比較することによって、所定の機能を持つ人工タンパク質の同定が促進される。 例えば、特定の基質処理事象についてのシグナルの閾値レベルが10であり、人工タンパク質をその特定の処理事象における能力について評価するならば、10よりも高いシグナルを持つ任意の人工タンパク質が候補人工タンパク質である。 対照的に、所望のタンパク質機能が、ある種の過程(例えば、望まない非特異的な副反応)についてより小さい活性を有することであるならば、10よりも低いシグナルを持つ人工タンパク質が候補人工タンパク質である。 ある態様において、閾値シグナルは、ランダムコイル構造を持つポリペプチドによって生み出されるシグナルである。 ある態様において、閾値シグナルは、野生型バージョンの人工候補タンパク質によって生み出されるシグナルである。 ある態様において、閾値シグナルは人工タンパク質の市販の変異体によって生み出されるシグナルである。

    本明細書に記載された結合アッセイまたは基質アッセイのいずれかを用いて、1つまたは複数のより新しいまたは変更された特性または機能を有するタンパク質または標的分子の変異体を同定または選択し得るということが理解されるべきである。 例えば、増大した処理能力、より低いエラー率、増大した塩安定性および/もしくは熱安定性など、またはその任意の組み合わせを持つポリメラーゼを、本発明の局面に従って同定および/または単離してもよい。
    ライブラリー 本明細書に記載されたタンパク質機能または特性のいずれかを、1種類の人工タンパク質を発現する1種類の細胞の文脈においてかまたは各々が異なる人工タンパク質もしくはタンパク質変異体を発現する細胞のライブラリーの文脈において、評価し、正に(もしくは負に)スクリーニングし、または正に(もしくは負に)選択し得るということが理解されるべきである。 1つの局面において、本発明は、人工タンパク質のライブラリー、または人工タンパク質のライブラリーを作製するのに用いることができる人工タンパク質をコードする核酸のベクターなどの、核酸および/もしくはポリペプチド構成要素のライブラリーを作製するための方法を提供する。 ある態様において、ライブラリーは、人工タンパク質またはその構成要素の2つまたはそれより多くの変異体、例えば、各々の変異体がほんのわずかなアミノ酸組成の変化を持つ独自の人工タンパク質を含むことを特徴とする、人工タンパク質の2つまたはそれより多くの変異体を含む。 ある態様において、ライブラリーは、2つまたはそれより多くの無関係な配列を含む。 例えば、酵素を阻害することができる候補人工タンパク質を同定するために、ランダム配列または所定の配列を持つ人工タンパク質のライブラリーを調べてもよい。 ライブラリーは、少なくとも2個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも1000個、少なくとも10,000個、少なくとも100,000個、少なくとも1,000,000個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 個、少なくとも10 10個、少なくとも10 11個のメンバーを有することができる。

    本発明のライブラリーは、各々の宿主細胞が独自の人工タンパク質を発現することを特徴とし、各々の人工タンパク質が固定化ペプチド(例えば、同じ固定化ペプチド)に結合した独自のポリペプチドを含むことを特徴とする、宿主細胞のライブラリーを含む。 ベクターは、宿主細胞のゲノムに組み込まれることができるし、またはベクターは、自由に複製する、例えば、宿主細胞に導入されているが宿主細胞のゲノムには組み込まれていないプラスミドであることができる。 ライブラリーは、自由に複製するベクターおよび組み込まれたベクターを含む宿主細胞の組み合わせを含むこともできる。 本発明のライブラリーはまた、各々の宿主細胞がその表面に独自の融合タンパク質をディスプレイすることを特徴とし、各々の人工タンパク質が固定化ペプチドに共役した独自のポリペプチドを含むことを特徴とする、宿主細胞のライブラリーであってもよい。

    ある態様において、ライブラリーは、細胞表面に固定化された高密度の人工タンパク質を持つ宿主細胞を提供する。 ある態様において、高密度は、多数の人工ポリペプチドを1つの結合パートナーに結合させることによって遂行される。 ある態様において、細胞当たりの人工タンパク質の数は、細胞当たり10 個より多いか、10 個より多いか、10 個より多いか、10 個より多いか、10 個より多いか、または10 個より多い人工タンパク質である。 ある態様において、固定化ペプチドはビオチン化ペプチドである。 ある態様において、固定化ペプチドは膜貫通タンパク質である。 ある態様において、固定化ペプチドはGPIアンカーを含む。 ある態様において、固定化ペプチドは、細胞表面に天然に存在するペプチドである。 ある態様において、固定化ペプチドは、細胞表面に天然に存在する1つまたは複数の分子(例えば、表面炭水化物または細胞表面のタンパク質)に結合するペプチドである。

    本発明は、各々のベクターが独自の人工タンパク質をコードする核酸を含むことを特徴とし、各々の人工タンパク質が固定化ペプチドに共役した独自のポリペプチドを含みかつ/または修飾モチーフを含むことを特徴とする、ベクターのライブラリーも包含する。

    本発明はまた、人工タンパク質のライブラリーを包含し、各々の人工タンパク質は固定化ペプチドに共役した独自のポリペプチドを含む。

    本発明のライブラリーのいずれかにおいて、人工タンパク質は、治療的ポリペプチド、ポリメラーゼ、リガーゼ、制限酵素、トポイソメラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、代謝酵素、触媒酵素、治療的酵素、薬学的酵素、環境酵素、工業的酵素、薬学的ポリペプチド、環境ポリペプチド、工業的ポリペプチド、結合タンパク質、抗体、抗体断片、シグナル伝達分子、サイトカイン、レセプター、またはその任意の2つもしくはそれより多くの組み合わせを含むことができる。

    ある態様において、抗体またはその他の結合タンパク質(例えば、単鎖抗体、スキャフォールドタンパク質など)のライブラリーを評価またはスクリーニングし、i)選抜された抗原および/もしくはエピトープおよび/もしくはその他の標的分子(例えば、新規の抗原および/もしくはエピトープ)に結合し、かつ/またはii)特定の抗原および/もしくはエピトープおよび/もしくはその他の標的分子に対する高い(例えば、増大した)親和性を有する変異体を同定および/または単離してもよい。 本発明の方法を、特定の抗原および/またはエピトープおよび/またはその他の標的分子に対する、約10 −7 M、約10 −8 M、約10 −9 M、約10 −10 M、約10 −11 M、約10 −12 M、約10 −13 M、約10 −14 M、または約10 −15 Mという解離定数によって表される結合親和性よりも大きい親和性を有する抗体またはその他の結合タンパク質を同定するように設計してもよい。 ある態様において、1つの抗体またはその他の結合タンパク質を標的分子のライブラリーに対してアッセイし、抗体またはその他の結合タンパク質に結合する1つまたは複数の標的ペプチド配列(例えば、新規のまたは修飾されたリガンド、抗原、エピトープ、レセプター、二量体化、多量体化、もしくはその他の結合モチーフ、またはタンパク質)を同定してもよい。 同様に、本発明の方法を、特定の抗体またはその他の結合タンパク質に対する、約10 −7 M、約10 −8 M、約10 −9 M、約10 −10 M、約10 −11 M、約10 −12 M、約10 −13 M、約10 −14 M、または約10 −15 Mという解離定数によって表される結合親和性よりも大きい親和性を有する標的ペプチド配列を同定するように設計してもよい。
    タンパク質の産生 関心対象のタンパク質を産生することができるように、選択された宿主細胞の核酸を昔から行なわれている方法で回収し、増幅し、発現ベクターにクローニングする。 例えば、選択された抗体、または関心対象のタンパク質を産生する細胞のDNAを宿主細胞から抽出し、増幅し、クローニングし、発現させて、所望の抗原特異性またはその他の特徴を持つタンパク質を産生することができる。

    本発明の1つの局面は、関心対象のタンパク質の宿主細胞でのディスプレイ、スクリーニング、および産生に関する。 1つの態様において、関心対象のタンパク質をディスプレイする宿主細胞を選択し、ディスプレイモードから産生モードに切り換えてもよい。 ディスプレイモードでは、タンパク質変異体のライブラリーを宿主細胞の集団によって発現させ、細胞表面で固定化する。 上記のように、ディスプレイモードは、それらの発現レベル、安定性、または標的分子に対する親和性に基づくタンパク質変異体のライブラリーのスクリーニングおよびタンパク質変異体の選別を可能にする。 産生モードでは、ディスプレイモードで選択されたタンパク質変異体を発現する細胞が、細胞外の培地中に関心対象のタンパク質を分泌する。 ディスプレイのモードによっては、ディスプレイ系の結合パートナーのうちの1つの発現/ディスプレイ/添加を含む1つの工程を省略することにより、関心対象のタンパク質の細胞からの分泌をもたらすことができるということを理解すべきである。 例えば、関心対象のタンパク質がインビボでのビオチン化を受けて細胞表面でディスプレイされる必要がある場合には、(抑制、非誘導などにより)BirA遺伝子を発現させないことにより、ビオチン化されていない細胞壁タンパク質の発現またはビオチン化されていない関心対象のタンパク質の発現がもたらされ、関心対象のタンパク質の分泌がもたらされると考えられる。 ディスプレイ系がアビジンを細胞表面のビオチンに結合させる工程を含む場合には、アビジンを含まない培地中での細胞のインキュベーションにより、関心対象のタンパク質の分泌がもたらされると考えられる。 あるいは、宿主細胞表面タンパク質がインビトロで化学的にビオチン化される場合には、細胞を、ビオチンを含まない培地中でインキュベートすることによっても、関心対象のタンパク質の分泌が結果としてもたらされると考えられる。 細胞をディスプレイモードから産生モードに切り換える任意の方法が本発明によって包含される。

    本発明の局面を、発現およびディスプレイ系の非限定的な態様に関する付随する図によって例説する。 例えば、図1〜2はインビボでビオチン化され、分泌され、細胞表面に付着したアビジンへの結合によって細胞表面にディスプレイされる人工タンパク質の態様を例説している。 図3〜4は、本発明の非限定的なディスプレイ法を用いた実験結果を提供している。 図5〜6は、本発明の方法および組成物を用いたタンパク質の修飾およびディスプレイのさらなる非限定的な例を例説している。 図7〜12は、本発明の組成物および方法を用いた抗体ディスプレイ適用の非限定的な例を例説している。 図13〜16は、本発明の組成物および方法を用いた基質ディスプレイアッセイの非限定的な例および実験結果を例説している。 本発明のこれらおよびその他の局面を以下の実施例によりさらに例説するが、それらは決してさらに限定するものとみなされるべきではない。 本出願の全体を通して引用された全ての参照(文献参照、公開された特許、公表された特許出願、および同時係属中の特許出願を含む)の内容全体は、参照により本明細書に明示的に組み入れられる。

    実施例1:細胞内ビオチン化によるタンパク質固定化 インビボでのタンパク質ディスプレイ法は、典型的には、タンパク質を細胞壁、細胞膜、またはファージ粒子のタンパク質との融合体として発現させることに依存している。 これらの昔からの方法に代わるものとして、タンパク質をベクターから発現させ、インビボでビオチン化してもよい。 その後、ビオチン化タンパク質を分泌させるか、またはビオチン化タンパク質が、ビオチンリンカーを介して細胞表面に付着しているアビジンに結合する可能性がある場合には、上清中に排出させてもよい。 この「ビオチン−アビジンサンドイッチ」により、ビオチン化タンパク質が細胞の表面に固定化される。 細胞に固定化されたタンパク質を蛍光標識し、表現型アッセイを行なって望ましい表現型を持つタンパク質を選択する。 望ましい表現型を持つ固定化されたタンパク質を持つ細胞を、フローサイトメトリーまたは固定化された抗原に対するパニングなどの別の形の選択によって単離する。 望ましい場合には、多数回の選択および単離を行なう。 単離された細胞を培養中で拡大し、望ましい表現型を持つタンパク質をコードする核酸を同定する。 任意で、N末端の分泌シグナルを真核細胞内での発現に用いる。 タンパク質を転写し、その後BirAビオチン化酵素の過剰発現によってビオチン化する。 次の工程で、タンパク質を上清中に分泌させるかまたは培地補充物の添加もしくは透過タンパク質の共発現によって行なわれる穏やかな細胞表面の透過処理によって排出させる。 最後に、ビオチン化タンパク質を、細胞表面に直接コンジュゲートされているかまたはビオチン−PEG−NHSリンカーもしくはビオチン化された細胞壁タンパク質を介して細胞表面にアンカーリングされている、アビジンによって細胞の表面に固定化する。 ビオチン化タンパク質人工改変系の一例の概要を図1および図2に示す。
    インビボビオチン化
    ビオチン化タンパク質を細胞表面に捕捉するための方法を、関心対象のタンパク質をビオチン化し、分泌させる方法と組み合わせることができる。 インビトロでのタンパク質ビオチン化は一般的な分子生物学の技術であり、インビボでも行なうことができる(Samols, D., Thornton, C.G., Murtiff, V.L., Kumar, G.K., Haase, F.C., and Wood, H.G. (1998) J. Biol. Chem, 263, 6461−6464)。 インビボで天然にビオチン化されているタンパク質の多くは、ビオチン輸送体として働く。 1つのそのような輸送体は、大腸菌におけるビオチンカルボキシル担体タンパク質(BCCP)である。 BCCPは、ビオチンハロ酵素シンセターゼ(BirA)と呼ばれる酵素によってリジン側鎖でビオチン化される(Fall, R.R. (1979) Methods in Enzymology, 62, 390−398; Barker, D.F. and Campbell, A.M. (1981) J. Molecular Biology, 146, 469−492; Howard, P.K. Shaw, J., and Otsuka, A.J. (1985) Gene, 35, 321−331; Barker, D.F.、およびCampbell, A.M., (1981b) J. Molecular Biology, 146, 451−467)。 関心対象のタンパク質にBCCPドメインまたはBCCPドメイン模倣物を融合させ、融合タンパク質をBirA遺伝子の過剰発現と併せて発現させることによって異種タンパク質(すなわち、ビオチン化の天然基質ではないタンパク質)のインビボビオチン化を遂行する(Cronan, J.E. (1990) J. of Biological Chemistry, 265, 10327−10333; Yamano, N., Kawata, Y., Kojima, H. Yoda, K., and Yamasaki, M. (1992) Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 56, 1017−1026; Schatz, P.J. (1993) BioTechnology, 11, 1138−1143; Tsao, K.L., DeBarbieri, B., Michel, H. and Waugh, D.S. (1996) Gene, 169, 59−64)。 興味深いインビボビオチン化系は、BIOTRXコンストラクト(Smith, P.A., Tripp, B.C., DiBlasio−Smith, E.A., Lu, Z., LaVallie, E.R., McCoy, J.M. (1998) Nucleic Acids Research, 36(6), 1414−1420)である。 このコンストラクトは、チオレドキシンのN末端領域に融合した小さいビオチン受容体ペプチドを含む。 チオレドキシンは、通常は細胞質の酸化還元に関与するが、異種タンパク質産生用の融合パートナーとして用いることもできる小タンパク質である。 BIOTRXコンストラクトは、ビオチン化IL−12のインビボでの産生を正確に導く。
    ビオチン化タンパク質の分泌/排出
    細胞を修復不可能なまでに損傷させることなくビオチン化タンパク質を上清中に排出または分泌させるように、インビボビオチン化系を設計する。 酵母などの真核生物系については、タンパク質をN末端分泌シグナル配列に融合させることによって、ビオチン化タンパク質を発現および分泌させる。 シグナル配列の数々の例が出芽酵母について存在し、それらのいずれか1つを用いて分泌を導くことができる。 分泌経路は、真核生物では空間的に細胞質から隔離されているので、分泌シグナルをN末端に付加することによってBirA遺伝子も分泌経路に導かれる必要がある。 BirAタンパク質を人工タンパク質と同時に分泌させるかまたはHDEL小胞体回収配列のC末端付加によって分泌経路に保持することができる。 大腸菌などの原核生物は、高等な分泌装置を欠いている。 それゆえ、ビオチン化タンパク質の上清中への送達は調整された成長条件かまたは特殊化された細胞株を必要とする場合がある。 グリシンなどの補充物、またはTriton X−100などの界面活性剤の細胞環境への添加は、細胞膜透過性を促進し、高度に発現されたタンパク質が軽度に障害された細胞膜を経由して細胞から離れるのを可能にすることができる(Jang, K.H., Seo, K.B., Song, K.B., Kim, C.H., Rhee, S.K., (1999), Bioprocess Engineering, 21, 453−458; Kaderbhai, M.A., Ugochukwu, C.C, Lamb, D.C., Kelly, S. (2000) Biochem. Biophys. Res. Comm. 279, 803−807; Yang, J., Moyana, T., Mackenzie, S., Xiz, Q., and Xiang, J. (1998) Applied Environmental Microbiology, 67, 1805−1814)。 kil、TolAIII、およびバクテリオシン放出タンパク質(BRP)などの細胞タンパク質の共発現は、タンパク質が膜を横断する孔を提供するかまたは細胞膜の透過性を増大させることによって細胞内タンパク質の放出を亢進させることができる(Zhou, S., Yomano, L.P1, Saleh, A.Z., Davis, F. C., Aldrich, H. C., Ingram, L.O. (1999) Applied Environmental Microbiology, 65, 2439−2445; Kujau, M.J., Hoischen, C., Riesenberg, D., Gumpert, J. (1998) Applied Microbial Biotechnology, 49, 51−58; Van der Wal, F. J., ten Hagen−Jounman, C.M., Oudega, B., Luirink, J., (1995) Applied Microbial Biotechnology, 44, 459−465)。 L型細胞と呼ばれる細胞壁に欠損のある細胞を用いて、細胞内タンパク質を上清中に分泌させることもできる。
    ビオチン化タンパク質の細胞表面への結合
    ビオチンとアビジンの間の相互作用は極めて堅固(K 〜10 −15 M)であり、2つの部分の間に共有結合様の相互作用を生じる。 アビジンを細胞の表面に接続し、関心対象のビオチン化タンパク質をアビジンに結合させることによってタンパク質人工改変用の強力なディスプレイ系を作り出す。 タンパク質を、それらがフローサイトメトリーまたは固定化された抗原に対するパニングによる選択に用いられる抗体による修飾または標識の影響を受け易くなるような方法で、アビジンを介して細胞表面に固定化する。 アビジンを細胞表面に共有結合でコンジュゲートすることができるし、またはアビジンを、スペーサーを介して細胞表面に接続することができる。
    スペーサーを介したアビジンの接続
    酵母および哺乳動物細胞において、ビオチンを、ポリエチレングリコールリンカーを介して細胞表面に付着させ、それをN−スクシミジルエステル(NHS)官能基の存在によって促進してもよい。 このNHS官能基は、PEGが細胞表面のタンパク質上に存在する遊離アミンに共有結合で付着するのを可能にする。 このPEGリンカーの他方の端には、ビオチンがある。 遊離ビオチンはアビジンに結合し、それが今度は、アビジンの4価の結合活性のために最大3つのその他のビオチン化タンパク質に結合する(図1)。
    アビジンの細胞表面への共有結合によるコンジュゲーション
    アビジンを、C6−SANHのようなヘテロ二官能性コネクターを介して細胞表面に共有結合でコンジュゲートすることができる(図2)。 酵母細胞を、pH 8.4に緩衝化した炭酸塩中で30分間室温でC6−SANHを用いて標識した。 同時に、200 μlの50 mg/ml アビジンを、pH 5.6に調整したリン酸緩衝剤に溶解した5 mM過ヨウ素酸塩中で30分間室温でインキュベートした。 インキュベーション後、過ヨウ素酸塩を、脱塩カラムを用いて取り除き、そこからアビジンをpH 5.6のリン酸緩衝剤中に溶出させた。 その後、過ヨウ素酸塩処置したアビジンを、洗浄したC6−SANH処置細胞と30分間室温で混合した。 インキュベーション後、細胞をPBS/BSA(pH 7.2)中で3回洗浄し、その後ビオチン化フルオレセインで標識して、どれくらい多くのアビジンが細胞表面と会合しているかを測定した。 氷上20分のインキュベーション後、細胞を洗浄し、フローサイトメトリーで解析した(図3A)。 アビジン−細胞表面接続の安定性を示すために、細胞をビオチン化フルオレセインで即座に標識する(0分)か、またはビオチン化フルオレセインで標識する前に1 mL PBS/BSA中で30分間室温でインキュベートする(30分)かのいずれかにした。 図3Bは、アビジン−細胞連結の経時的な安定性を示している。
    実施例2:遊離アビジンを用いて表面アビジンレベルを補充した酵母表面でのタンパク質ディスプレイ 酵母株JKI100(matα、GAL1プロモーター BirAリガーゼ::URA3、GAL1プロモータータンパク質ジスルフィドイソメラーゼ::LEU2、pep4::HIS、prb1Δ、trp1)を、BirAビオチン受容体ペプチド(BAP)のN末端に融合した小さい、単一ドメインのFLAGタグ付きタンパク質を運ぶCENプラスミドで形質転換した。 酵母を終夜5 mL SD−CAA培地中で30℃で成長させた。 細胞培養物を沈降し、5 mL YPG/ウシ血清アルブミン + 2.5 μg/mL ビオチン補充物に再懸濁し、6時間30℃で振盪した。 およそ1 x 10 個の細胞を取り除き、タンパク質−BAP融合体を発現しない細胞と1:300の割合で混合し(300個の非発現細胞毎に1個の発現細胞)、1 mL 炭酸塩緩衝剤(pH=8.4)中で3回洗浄した。 細胞の混合物を、40 μlの0.1 mg/ul NHS−PEG−ビオチンを含む炭酸塩緩衝剤に再懸濁し、30分間室温でインキュベートした。

    その後、細胞を1 mL PBS/BSA中で3回洗浄し、50 ulの20 mg/mLアビジン中で10分間2回インキュベートした。 細胞を、3 mLのビオチンを含まないディスプレイ培地(30 μlの100 mg/mLアビジンを、3 mLの濾過滅菌したビオチンを含まないYPG/BSA/PEG(30重量%)と混合することにより作製)の中に植菌し、6ウェルプレートの2つのウェルの中で終夜30℃でインキュベートした。 細胞をウェルの底から1 mL PBS/BSAで洗い流し、沈降し、1 mLの冷PBS/BSAで3回洗浄した。 その後、細胞を50 μlの1:50希釈ニワトリ抗FLAG抗体中で20分間氷上でインキュベートした。 500 μl PBS/BSA中で洗浄した後、細胞を50 ulの1:100希釈ヤギ抗ニワトリAlexa633および5O nMビオチン−フルオレセイン中で20分間氷上でインキュベートした。 標識後、細胞を500 μl PBS/BSAで1回洗浄し、FACSで実験を行なった。

    非発現細胞を内部陰性対照として用いて、(フローサイトメーター上のFLAG陽性集団によって示される)タンパク質捕捉が、タンパク質−BAP融合体のプラスミドを発現する細胞に限定されていることを示した。 FLAG発現とプラスミドの存在の間の特異的な関連を示すために、アビジン陽性/FLAG陽性集団をYPDプレート(非選択的な、リッチ培地)上に直接選別した。 2日後、FLAG/BAP融合体プラスミドを含む細胞にのみ選択的な培地上で、コロニーのレプリカ・プレーティングを行なった。 プラスミド陽性細胞が、全体として30倍の濃縮に当たる選別された細胞中の全集団の10%まで濃縮されていることが分かった。 この実験により、本明細書に記載されたディスプレイ法が、タンパク質人工改変用途に必要な表現型/遺伝子型の関連を実際に維持するということが示されている。
    実施例3:表面ディスプレイおよびIgGの選択 特異的な抗原に結合することができるタンパク質を単離するのにディスプレイ系が有用であることを「模擬選択」で検討した。 酵母株JKI100(matα、GAL1プロモーター BirAリガーゼ::URA3、GAL1プロモータータンパク質ジスルフィドイソメラーゼ::LEU2、pep4::HIS、prb1Δ、trp1)を、2つのIgGのうちの1つの両方の鎖を運ぶCENプラスミドで形質転換した(ある細胞はIgG−Aで形質転換し、ある細胞はIgG−Bで形質転換した)。 これらのコンストラクトにおいて、重鎖はビオチン受容体ペプチド(BAP)のN末端に融合されており、軽鎖はFLAGタグのC末端に融合されている。 酵母を終夜5 mL SD−CAA培地中で30℃で成長させた。 培養物を沈降し、5 mL YPG/ウシ血清アルブミン + 2.5 μg/mLビオチン補充物に再懸濁し、振盪下で7時間20℃で成長させた。 細胞を取り除き、IgG−A対IgG−Bを1:10,000の割合で混合した(10,000個のIgG−B発現細胞毎に1個のIgG−A発現細胞)。 1 OD 600 mLの混合物(〜1 x 10 細胞)を取り除き、1 mL 炭酸塩緩衝剤(pH=8.4)中で3回洗浄した。 細胞を、40 μlの 0.1 mg/μl NHS−PEG−ビオチンを含む炭酸塩緩衝剤に再懸濁し、30分間室温でインキュベートした。 1 mL PBS/BSA中で3回洗浄した後、細胞を50 μlの20 mg/mL アビジン中で10分間、2回インキュベートした。 細胞を、3 mLのビオチンを含まないディスプレイ培地YPG/BSA/PEG(3 mLのビオチンを含まない濾過滅菌したYPG/BSA/PEG(10重量%PEG)を含む30 μlの100 mg/mLアビジン)の中に植菌し、6ウェルプレートの2つのウェルの中で終夜20℃でインキュベートした。

    細胞をウェルの底から1 mL PBS/BSAで洗い流し、沈降し、その後1 mLの冷PBS/BSAで3回洗浄した。 細胞を1:20希釈の1 uM His6タグ付きIgG−A抗原中でインキュベートした。 その後、細胞を50 ulの1:50希釈のニワトリ抗FLAG抗体中で20分間氷上でおよび1:50希釈のマウス抗His6抗体中でインキュベートすることにより標識した。 細胞を500 μl PBS/BSAで1回洗浄し、その後50 μlの1:100希釈のヤギ抗ニワトリAlexa488および1:30希釈のヤギ抗マウスPEで20分間氷上でインキュベートした。 500 μl PBS/BSA中で洗浄した後、IgG−A抗原に結合している細胞をFACSで選別し、5 mL SD−CAA中に回収した。 細胞を拡大し、誘導し、選択アッセイにかけ、その後合計2回の選択になるようにもう1回選別した。 最後の選別からの細胞を拡大し、それらのDNAをシーケンシング用に調製した。 シーケンシング解析により、IgG−AクローンがIgG−B発現クローンよりも9,800倍濃縮されていたことが分かった。 全てのIgG発現細胞を2回の選択で採取する、等モルのクローンの混合物からなる対照も行ない、表面ディスプレイおよび選別とは無関係に起こった可能性のあるIgG−A選択を標準化した。 この対照により、そのような選択は起こらず、濃縮はIgG−A抗原の標識だけが原因であるということが示された。
    実施例4:scFvの表面ディスプレイ 酵母株JKI100(matα、GAL1プロモーター BirAリガーゼ::URA3、GAL1プロモータータンパク質ジスルフィドイソメラーゼ::LEU2、pep4::HIS、prb1Δ、trp1)を、抗原Aかまたは抗原Bのいずれかを認識する単鎖抗体を運ぶCENプラスミドで形質転換した。 融合タンパク質を、FLAGタグのC末端に融合した可変ドメイン重鎖のC末端に融合している可変ドメイン軽鎖のC末端で融合したビオチン受容体ペプチドを有するように人工的に改変した。

    形質転換後、酵母形質転換体を、10,000個の抗原B結合細胞に対して1個の抗原A結合scFvの細胞の割合で混合した。 混合物は、実施例3と同じ処置、一連の選択、および対照に従った。 抗原A結合酵母細胞は、2回のFACSによって110倍濃縮された。
    実施例5:ノコダゾール処置を伴ったIgGの表面ディスプレイ 細胞周期を阻害することによって集団内のアビジン標識細胞のパーセンテージを増大させるために、ノコダゾール処置を行なう。 酵母株JKI100(matα、GAL1プロモーター BirAリガーゼ::URA3、GAL1プロモータータンパク質ジスルフィドイソメラーゼ::LEU2、pep4::HIS、prb1Δ、trp1)を、IgGの両方の鎖を運ぶCENプラスミドで形質転換した。 重鎖はビオチン受容体ペプチド(BAP)のN末端に融合されており、軽鎖はFLAGタグのC末端に融合されている。 酵母を終夜5 mL SD−CAA培地中で30℃で成長させた。 培養物を沈降し、5 mL YPG/ウシ血清アルブミンおよび2.5 μg/mLビオチン補充物に再懸濁し、振盪下で7時間20℃で成長させた。 1 OD 600 mLの細胞(〜1 x 10 細胞)を取り除き、1 mL炭酸塩緩衝剤(pH=8.4)中で3回洗浄した。 細胞を、40 μlの0.1 mg/μl NHS−PEG−ビオチンを含む炭酸塩緩衝剤に再懸濁し、15分間室温でインキュベートした。 1 mL PBS/BSA中で3回洗浄した後、細胞を50 μlの20 mg/mLアビジン中で10分間インキュベートした。 0.3 mLの細胞を、1.2 mLのビオチンを含まないディスプレイ培地YPG/BSA/PEG(3 mLのビオチンを含まない濾過滅菌したYPG/BSA/PEG(10重量% PEG)を含む30 μlの100 mg/mLアビジン)の中に0 μg/mLノコダゾールまたは20 μg/mLノコダゾールと共に植菌し、6ウェルプレートの2つのウェルの中で終夜20℃でインキュベートした。 細胞をウェルの底から1 mL PBS/BSAで洗い流し、沈降し、その後1 mLの冷PBS/BSAで3回洗浄した。 細胞を1:20希釈の1 uM His6(配列番号11)タグ付き抗原中でインキュベートした。 その後、細胞を50 μlの1:50希釈のニワトリ抗FLAG抗体中で20分間氷上でおよび1:50希釈のマウス抗His6(配列番号11)抗体中でインキュベートすることにより標識した。 細胞を500 μl PBS/BSAで1回洗浄し、その後50 μlの1:100希釈のヤギ抗ニワトリAlexa488および 1:30希釈のヤギ抗マウスPEで20分間氷上でインキュベートした。 上記のFLAGおよび抗原の標識に加えて、細胞を50 μlの5O nMビオチン−フルオレセインで標識し、どの画分の酵母細胞がそれらの表面にアビジンを保有するかを検討した。

    ノコダゾールで処置しない細胞のうちの30%は、表面標識アビジンを保有しない。 これらの細胞はおそらく、それらの母親からアビジンを受け継がなかった娘細胞である。 20 ug/mLノコダゾールで処置した細胞は、5%の未標識アビジン細胞しか保有しなかった(図12)。 抗原および抗FLAG抗体による標識によって、ディスプレイされるタンパク質の発現および結合能力が処置によって最小限に乱されるということが示された。 さらに、200 mMおよび50 mM濃度のヒドロキシウレア、5 mM濃度のEGTA、ならびに25 uMのファルネソールの処置を用いて、同様の実験を実行した。 これらの処置も、量を変えることによってディスプレイされるタンパク質の発現または機能に重大な影響を与えることなく細胞分裂を遅らせた。
    実施例6:ビオチン化された細胞壁タンパク質の表面発現 酵母株JKI100(matα、GAL1プロモーター BirAリガーゼ::URA3、GAL1プロモータータンパク質ジスルフィドイソメラーゼ::LEU2、pep4::HIS、prb1Δ、trp1)を、細胞外ドメインにビオチン受容体ペプチドを含む細胞壁タンパク質SAG1の突然変異体を運ぶCENプラスミドで形質転換した(図4B)。 酵母を終夜5 mL SD−CAA培地中で30℃で成長させた。 培養物を沈降し、5 mL YPG/ウシ血清アルブミンおよび2.5 μg/mLビオチン補充物に再懸濁し、振盪下で7時間20℃で成長させた。 30℃での終夜インキュベーションの後、細胞を1 mL冷PBS/BSA中で3回洗浄した。 細胞を20 mg/mLアビジン中で10分間、2回インキュベートし、その後1 mL PBS/BSA中で1回洗浄した。 その後、細胞を50 μlの50 nMビオチン−フルオレセインで標識し、フローサイトメトリーで解析し、ビオチン化SAG1タンパク質をディスプレイする細胞にハイライトを当てた(P4、図4D)。 CENプラスミドは酵母の中では不安定なので、相当な部分の細胞はビオチン化SAG1タンパク質をディスプレイしない。 これらの細胞は図4Dの陰性のピークである。 この不安定性は、アビジンおよびビオチン−フルオレセイン標識がビオチン−SAG1タンパク質を発現する細胞だけに限られているということを示すための内部陰性対照としての役割も果たしている。
    実施例7:熱安定性のタンパク質突然変異体の選択 酵母株JKI100(matα、GAL1プロモーター BirAリガーゼ::URA3、GAL1プロモータータンパク質ジスルフィドイソメラーゼ::LEU2、pep4::HIS、prb1Δ、trp1)を、2つの小さい、単一ドメインタンパク質突然変異体のうちの1つを運ぶCENプラスミドで形質転換した。 1つの突然変異体は、示差走査熱量法によって決定した場合に42℃の融解温度を有する。 その他の突然変異体は、DSCによって決定した場合に82℃の融解温度を有する。 これらの突然変異体タンパク質を両方ともBAPビオチン受容体ペプチドへのC末端融合体およびFLAGタグへのN末端融合体として発現させた。

    形質転換後、酵母形質転換体を、100個のあまり熱安定性でない突然変異体に対して1個のより熱安定性の突然変異体の割合で混合した。 混合物は、FLAGタグを標識して、選択用の基準として用いることだけを除き、実施例3と同じ処置、一連の選択、および対照に従った。 2回の選択の後、単離されたクローンの配列解析を行ない、より熱安定性のクローンがあまり熱安定性でないクローンよりも45倍濃縮されていることが明らかになった(図10)。
    実施例8:DNA修飾酵素の指向性進化のための細胞表面へのDNA付着 指向性進化は、増強された結合または活性特徴を持つタンパク質を人工的に作製するための成功戦略である。 ポリメラーゼなどのDNA修飾タンパク質の指向性進化の多くは、バクテリオファージ中かまたは細胞溶解物のエマルジョン中で行なわれている(Tawfik D, Griffiths A. “Man−made Cell−like Compartments for Molecular Evolution.” Nature Biotechnology 1998, 16:652−656; Ghadessy F., Ong, J., Holliger, P., “Directed Evolution of Polymerase Function by compartmentalized Self−replication. ” PNAS USA 2001, 98:4552−4557; Ong, J.L., Loakes, D., Jaroslawski, S., Too, K., Holliger, P., “Directed Evolution of DNA Polymerase, RNA Polymerase, and Reverse Transcriptase Activity in a Single Polypeptide. ” Jour. Mol. Biol. (2006), 361:537−550; Jestin, J.L., Kristensen, P., Winter, G. “A Method for the Selection of Catalytic Activity Using Phage display and Proximity Coupling. ” Angew Chem. Int Ed Engl 1999, 38:1124−2237; Brunet, E., Chauvin, C., Choumet, V., Jestin, J.L. “A Novel Strategy for the Functional Cloning of Enzymes Using Filamentous Phage Display: the Case of Nucleotidyl Transferases. ” Nucleic Acids Res 2002, 30:e40; Xia, G., Chen, L., Sera, T., Fa, M., Schultz, P., Romesberg, F. “Directed Evolution of Novel Polymerase Activities: Mutation of a DNA Polymerase into an efficient RNA Polymerase. ” PNAS USA 2002, 99:6597−6602; Fa, M. , Radeghieri, A. , Henry, A. , Romesberg, F. “Expanding the Substrate Repertoire of a DNA Polymerase by Directed Evolution. ” J American Chem. Society 2004, 126:1748−1754)。 前者の場合、選択は、ポリメラーゼがビオチン化基質を取り込む能力に依存する。 後者の場合、選択は、ポリメラーゼが、新規の塩基対または触媒活性を取り込みながら、それ自身の遺伝子を完全に転写する能力に依存する。 その結果として、これらのアプローチは、ビオチン化dNTPの取込みまたはポリメラーゼの処理能力が必須であるか、または少なくとも許容される場合に限られる。 初期の限界を克服し、多くの異なるdNTPを用いるポリメラーゼの選択、またはより低い処理能力を持つポリメラーゼの選択を可能にする、新しい選択系を提示する。 図13〜16に概説した技術は、抗親和性のビオチン/アビジン相互作用を介してDNAオリゴを細胞に結合させる。 ひとたび細胞に付着すれば、DNAは、細胞表面に同じようにディスプレイされるかまたは上清中に分泌される酵素と相互作用することができる。
    細胞表面への核酸の付着(図13)
    核酸をディスプレイに基づくスクリーニングで用いるために、核酸を物理的に細胞に付着させる。 極めて高親和性である(K 〜10 −15 M)、ビオチン/アビジン相互作用は、DNAを細胞表面に付着させるのによく適している。 ビオチン/アビジン相互作用は、タンパク質を細胞表面に固定化するのに以前に用いられている(Manz, R., Assenmacher, M., Pfluger, E., Miltenyi, S., Radbruch, A. “Analysis and Sorting of Live Cells According to Secreted Molecules, Relocated to Cell−Surface Affinity Matrix. ” (1995) PNAS , 92(6):1921−1925; Rakestraw A., Baskaran, A., Wittrup, K.D., “A Flow Cytometric Assay for Screening Improved Heterologous Protein Secretion in Yeast. ” (2006) Biotechnology Progress , 22(4):1200−1208)。 細胞を、ポリエチレングリコール(PEG)リンカーを用いてビオチンで標識する。 1つの形態において、このリンカーは、ビオチンを一方の端に、遊離アミン反応性のN−スクシミジルエステル(NHS)基を他方の端に保有する。 この方法で、ビオチンを直接的に細胞表面のタンパク質にアルカリ緩衝剤中でコンジュゲートすることができる。 ビオチンを細胞壁の炭水化物に付着させ、それにより細胞表面タンパク質の完全性を保存することもできる。 この代案のために、細胞を過ヨウ素酸塩(炭水化物環を開き、隣接するヒドロキシルを酸化してアルデヒドにする化合物)または同様にではあるが、非化学的に炭水化物環構造を開く、ガラクトースオキシダーゼなどの酵素で処置する。 処置後、細胞を、酸化した糖の上の露出したアルデヒドを介してビオチンを表面に共有結合させるビオチン−ポリエチレングリコール−ヒドラジドで標識する。 細胞をNHS−PEG−ビオチンまたはヒドラジド−PEG−ビオチンで標識した後、標識細胞をアビジンに露出させ、アビジンのビオチンへの結合を生じさせる。 アビジンは4価であるので、それは最大3つのさらなるビオチン分子を受容することができる。 それゆえ、核酸オリゴマーの3'または5'末端にコンジュゲートされたビオチンによって、核酸鎖をアビジンに結合させることができる。 例えば、1本鎖DNAオリゴマーをアビジンに付着させる場合には、相補的な鎖またはプライマーをアニールさせることができるし、または1本鎖DNAを基質として用いる修飾を行なうことができる。 相補鎖のアニーリングによって2本鎖DNAが生じ、それを制限切断またはプライマー伸張などの酵素過程に供することができる(図15および図16)。 固定化されたDNAは、様々な酵素の評価を可能にする。 例えば、蛍光オリゴヌクレオチドの取込みによってポリメラーゼ活性を検出することができる。 蛍光の相補的なオリゴまたはdNTPの使用は、表面ディスプレイされたタンパク質および上清中のタンパク質両方の酵素活性のスクリーニングを可能にする。 細胞をフローサイトメトリーで単離し、最適化された特性を持つ酵素の選択を可能にすることができる。 ビオチン化されたRNA、ペプチド、および全長タンパク質を含む、様々な異なる部分を、アビジン連結を介して細胞表面に付着させることができる。 したがって、この方法論は、細胞の表面の多くの異なる種類のタンパク質および酵素的相互作用を評価するための手段を提供する。
    ビオチン化オリゴの付着
    オリゴヌクレオチド付着の準備として酵母をNHS−PEG−ビオチンおよびアビジンで標識した。 5'ビオチン化された1本鎖オリゴを添加し、アビジンサンドイッチを介して酵母表面に固定化した。 FAM(6−カルボキシフルオレセイン)蛍光標識した相補鎖を細胞表面にアニーリングさせることによって付着したオリゴヌクレオチドを検出した。 相補的および非相補的なFAM標識オリゴヌクレオチドについてのフローサイトメトリーデータを図14に示す。
    細胞上での制限消化
    アニーリングした2本鎖オリゴはI−SceIエンドヌクレアーゼ部位を含む。 細胞をI−SceIとインキュベートし、フローサイトメトリーで解析した。 DNAが切断された時に、フルオロフォアが表面から放出され、経時的なFAMシグナルの減少を引き起こした(図15)。 NheIによる処置を陰性対照として用いた。
    細胞上でのプライマー伸張
    小さい相補プライマーを、酵母細胞の表面に固定化されている、オリゴにアニーリングさせた。 その後、酵母を25 μM dUTP−Cy5蛍光色素を含むdNTPを含むPCR緩衝剤中でインキュベートした。 クレノー断片ポリメラーゼを混合物に添加した時、プライマーが伸長し、フローサイトメトリーで示されるように、表面コンストラクトに蛍光色素を取り込ませることができる(図16)。

    前述の書面の明細書は、当業者が本発明を実施するのを可能にするのに十分であると考えられる。 実施例は、本発明の1つの局面の1つの例説であることが意図されており、その他の機能的に同等の態様が本発明の範囲内であるので、本発明は、提供された実施例によって範囲が限定されるべきでない。 本明細書に示され、記載されたものに加えた本発明の様々な変更は、前述の説明から当業者に明白となり、付随する特許請求の範囲の範囲内に収まると考えられる。 本発明の利点および目的は、本発明の各々の態様に必ずしも包括的に含まれるわけではない。

    本出願の全体を通して引用された全ての参照、特許、および公表された特許出願の内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる。

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