Provision of the property by the welding joints and ultrasonic impact treatment with novel properties

申请号 JP2007543140 申请日 2005-11-14 公开(公告)号 JP2008520443A 公开(公告)日 2008-06-19
申请人 ユー.アイ.ティー. リミテッド ライアビリティ カンパニー; 发明人 エフィム エス. スタトニコフ;
摘要 特定の新規または改善された性質を有する脱離不可能な溶接継手および超音波衝撃処理によるそのような脱離不可能な溶接継手の提供が記載され、溶接継手によって務められるタスクに基づいて所定の性質の形成を制御し、それにより、改善された品質および信頼性を継手に提供するように、選択処理パラメータを適合させることを含む。 処理パラメータは、超音波衝撃の繰返し率および長さ、処理される表面に対する超音波衝撃ツールに加えられるプレス 力 および衝撃振幅を含む。 これらのパラメータのいくつかは下記の図に記述されている。
权利要求
  • 超音波衝撃処理から得られる少なくとも一つの所定の構造的性質を含む超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手であって、該少なくとも一つの所定の構造的性質が、
    少なくとも約0.1μmの表面粗さおよび浮上り、
    少なくとも約0.5mmの表面間の半径、
    約2mmまでの、溶接止端線または応力集中区域中の任意の表面間の線に沿う開先の深さおよび約10mmまでの該開先の幅、
    強さに関して少なくとも約1.5倍、衝撃強さに関して少なくとも約1.2倍の、応力集中区域における材料の機械的性質の増大、
    約7mmまでの深さの、塑性変形、好都合な圧縮応力および微小硬さの好都合な相対変化、
    10mmまでの深さの、表面に対して垂直な断面における材料の塑性変形による弾性圧縮応力の分布、
    約12mmまでの深さの、材料の降伏強さの少なくとも約0.05の振幅を有する超音波変動応力波による方法誘発残留応力の緩和、
    タスク用途に基づく、少なくとも材料の降伏強さおよび極限強さの所定の深さの、表面上および表面下の第一および第二の種の好都合な残留応力、
    超音波衝撃処理適用なしで起こるものの少なくとも約40%の残留方法誘発変形の補正および約10倍までの応力腐食抵抗の増大、
    変動荷重下、約2.5倍までの腐食疲れ強さの増大および腐食環境中で約20倍までの寿命の増大、
    空気中、繰返し応力または変動応力下での少なくとも約1.5倍の疲れ限度の増大および継手強さを少なくとも1カテゴリー高める少なくとも約10倍の寿命の増大、または 少なくとも約50μmの深さの、白層またはアモルファス構造の形成との少なくとも一つを含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 超音波衝撃処理後でσ>500MPaの降伏強さを有する高強度鋼または合金で作られており、σ≦500MPaの鋼または合金のものより最低でも30%増の疲れ限度を有する、請求項1記載の超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 好都合な圧縮応力が約2mmの深さを有し、
    表面における振幅が、溶接継手の未処理のベース材料の降伏強さおよび疲れ限度の約1.5倍までの大きさである、請求項1記載の超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 溶接継手の降伏強さよりも約0.5小さい残留応力のレベル;該溶接継手に所定の寸法公差の約100%以下の残留溶接変形および/または該溶接継手の未処理のベース材料のもの以上の耐疲労性を有する、請求項1記載の超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • スポット溶接の疲れ限度が未処理のベース材料のものより少なくとも約1.3倍増大しており、溶接継手の未処理のベース金属材料と等しいかまたはそれ以上のレベルの耐疲労性、降伏点、極限強さおよび衝撃強さを有する、請求項1記載の超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 仮付け溶接の疲れ限度が溶接継手の未処理のベース材料のものよりも少なくとも約1.3倍大きく、
    耐疲労性、極限強さおよび衝撃強さが該未処理のベース材料と等しいかまたはそれ以上である、請求項1記載の超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 超音波衝撃処理から得られる構造的性質を含む超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手であって、
    該処理のパラメータが、
    ゼロよりも大きく約800kHzまでの発振システム振動数と、
    ゼロよりも大きく約50kgまでの超音波衝撃ツールに対する圧と、
    ゼロよりも大きく約120μmまでの衝撃中の超音波変換器振幅と、
    ゼロよりも大きく約2500Hzまでの範囲の超音波振動数と、
    ゼロよりも大きく約5mmまでの衝撃ツールの自励発振振幅と、
    少なくとも約1msである、該超音波衝撃ツールの衝撃の平均期間とを含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • σ>500MPaの降伏強さを有する鋼または鋼合金および超音波衝撃処理から得られる構造的性質を含む超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手であって、
    該処理のパラメータが、
    約27kHzの発振システム振動数と、
    ゼロよりも大きく約10kgまでの超音波衝撃ツールに対する圧と、
    少なくとも約30μmの衝撃中の超音波変換器振幅と、
    約80〜250Hzの範囲内の超音波振動数と、
    ゼロよりも大きく約2mmまでの衝撃ツールの自励発振振幅と、
    約3〜6.35mmのインデンタ直径と、
    約10〜35mmの範囲内にあるインデンタ長さとを含むものであり、
    少なくとも2mmの深さの好都合な圧縮応力を有する、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 溶接材料とベース材料との間の移行区域中に開先を含み、該開先が、該開先の境界で少なくとも約0.5mmの半径、ゼロよりも大きく約10mmまでの幅およびゼロよりも大きく約2mmまでの深さを有するものであり、超音波衝撃処理から得られる性質を含む、改善された応力集中を有する超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手であって、
    該処理のパラメータが、
    ゼロよりも大きく約80kHzまでの振動数でゼロよりも大きく約50μmまでの衝撃中の超音波振動振幅と、
    ゼロよりも大きく約500Hzまでの超音波振動数と、
    少なくとも約0.2mmの超音波衝撃ツールの自励発振振幅と、
    ゼロよりも大きく約0.5までの衝撃インパルスのオフデューティファクタと、
    少なくとも約3kgの超音波衝撃ツールに対する圧とを含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 炭素構造用鋼、ステンレス鋼またはアルミニウムおよびチタン合金の継手金属ならびに超音波衝撃処理から得られる性質を含む、改善された外部荷重性を有する超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手であって、
    該処理のパラメータが、
    ゼロよりも大きく約80kHzまでの振動数でゼロよりも大きく約50μmまでの衝撃中の超音波振動振幅と、
    少なくとも約1msである平均期間でゼロよりも大きく約500Hzまでの超音波振動数と、
    少なくとも約0.2mmの超音波衝撃ツールの自励発振振幅と、
    少なくとも約3kgの該超音波衝撃ツールに対する圧とを含み、
    該継手の応力集中区域における圧縮応力および強さが、供用中の亀裂を生じさせる外部作用力を補正するための超音波衝撃処理の非存在で該継手中に存在するものよりも大きい、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 超音波衝撃処理が、処理中に塑性変形を提供して圧縮応力を発生させ、分布させる、溶接継手の溶接止端および荷重側の荷重負担部品の超音波衝撃を含む、請求項10記載の溶接継手。
  • 引張り応力の残留効果を補正するのに十分な、少なくとも約2mmの深さの塑性変形区域中の圧縮応力および弾性変形区域中の対応する圧縮応力を有する溶接継手ならびに超音波衝撃処理から得られる性質を含む超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手であって、 該処理のパラメータが、
    ゼロよりも大きく約10kgまでの超音波衝撃ツールの圧力と、
    ゼロよりも大きく約500Hzまでの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約1msの超音波衝撃の平均期間と、
    ゼロよりも大きく約100kHzまでの超音波搬送振動数と、
    少なくとも約30μmの衝撃中のインデンタの超音波発振振幅と、
    少なくとも約0.2mmの衝撃振幅とを含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • K oはツールマークオーバラップ係数である1>K o >−1の値までの継手内の変形補正および超音波衝撃処理から得られる性質を含む超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手であって、
    該処理のパラメータが、
    少なくとも約4kgの超音波衝撃ツールの圧力と、
    少なくとも約100Hzの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約0.2mmの衝撃振幅と、
    少なくとも約1msの平均衝撃期間と、
    少なくとも約15kHzの搬送超音波振動数と、
    該溶接継手が鋼または鋼合金で作られている場合には少なくとも約30μmであり、該溶接継手がアルミニウム合金または約235MPaまでの降伏強さを有する金属で作られている場合には約30μmまたはより少ない、衝撃中の超音波振動振幅とを含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 性質が、残留溶接応力の後続の超音波緩和とで強固な付着を形成するための残留溶接変形の変化または溶接金属の超音波塑性変形および再分布を含む、請求項13記載の溶接継手。
  • 溶接継手の降伏強さの0.5以下の残留応力と、
    該溶接継手に固有の寸法公差の100%以下の残留溶接変形と、
    該溶接継手中のベース金属の耐疲労性以上の耐疲労性とを含み、
    該溶接継手の超音波衝撃処理のパラメータが、
    手作業処理の場合には少なくとも約3kgであり、機械化処理の場合にはゼロよりも大きく約20kgまでである、鋼インデンタを有する超音波衝撃ツールに対する圧と、
    少なくとも約0.2mmの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約15kHzのインデンタ超音波振動の搬送振動数と、
    金属が処理中に周囲温度よりも高い場合には少なくとも約20μmであり、金属が処理中に周囲温度であるかまたはその付近である場合には少なくとも約30μmである、衝撃中の超音波振動振幅を含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 継手の溶接金属のための鈍角フランク角を有するかど継手として構成された鋼継手を含む超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手であって、
    該かど継手が、
    手作業処理中では少なくとも約3kgまたは機械化処理中では少なくとも約25kgの超音波衝撃ツールの圧力と、
    ゼロよりも大きく約800Hzまでの超音波振動数と、
    少なくとも約0.2mmの超音波衝撃振幅と、
    少なくとも約18kHzの超音波振動搬送振動数と、
    約400℃を超える温度でゼロよりも大きく約20μmまでの衝撃中の超音波振動振幅、
    少なくとも約1msの超音波衝撃の平均期間とを含むパラメータの範囲内の該溶接継手の超音波衝撃処理に基づいて、ルート割れに対して抵抗を有するものであり、
    それによって、溶接金属が該かど継手中でフランジとウェブとの間で再分布している、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 超音波処理が、メニスカスを提供し、溶接継手の鋭いエッジを溶融させて、該処理ののち固化したとき、溶接と該溶接継手のベース金属との間に滑らかな移行部が提供されて、該溶接のルートにおける応力集中および疲労亀裂形成に対する継手の性質の抵抗を処理前の該溶接継手よりも高いレベルまで増大させる、請求項16記載の溶接継手。
  • 少なくとも約80Hzの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約0.2mmの振幅で少なくとも約1msの平均衝撃期間と、
    ゼロよりも大きく約100kHzまでの衝撃中のインデンタ超音波振動搬送振動数と、
    約5〜40μmの範囲内の衝撃中の超音波振動振幅と、
    約3〜30kgの衝撃ツールに対する圧力とを含むパラメータの範囲内のスポット溶接継手の超音波衝撃処理に基づいて、移動された引張り応力を有する炭素鋼またはアルミニウム合金スポット溶接継手を含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • ゼロよりも大きく約2000Hzまでの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約1msの超音波衝撃の平均期間と、
    少なくとも約0.2mmの衝撃振幅と、
    少なくとも約18kHzのインデンタ超音波振動搬送振動数と、
    炭素鋼の場合には少なくとも約25μmであり、アルミニウム合金の場合にはゼロよりも大きく約30μmまでである衝撃中のインデンタ超音波振動振幅と、
    少なくとも約3kgの被処理面に対する超音波衝撃ツールの圧力とを含むパラメータの範囲内の溶接継手の超音波衝撃処理に基づいて、溶接端における亀裂に対して抵抗を有する仮付け溶接または重ね溶接を有する炭素鋼またはアルミニウム合金の継手を含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • ゼロよりも大きく約1200Hzまでの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約1msの超音波衝撃の平均期間と、
    少なくとも約0.2mmの超音波衝撃振幅と、
    炭素鋼の場合には少なくとも約25μmであり、アルミニウム合金の場合には約30μm以下である衝撃中のインデンタ超音波振動振幅と、
    少なくとも約3kgの溶接継手の被処理面に対する超音波衝撃ツールの圧とを含むパラメータの範囲内のかど溶接継手の超音波衝撃処理に基づいて、少なくとも1.3倍に増大した疲れ限度を有する炭素鋼またはアルミニウム合金のかど溶接継手を含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 約0.1〜50kgの超音波衝撃ツールの圧と、
    約10〜800kHzの変換器における超音波振動搬送振動数と、
    約0.5〜120μmの搬送振動数における超音波ツールの無荷重条件下および衝撃中の超音波振動振幅と、
    約0.05〜5mmの超音波衝撃ツールの自励発振振幅と、
    少なくとも約1msの超音波衝撃の平均期間とを含むパラメータの範囲内の溶接継手の超音波衝撃処理に基づいて、該溶接金属の結晶化および再結晶化に基づいて溶接中のすべての方向に溶接金属構造の相均質性を有する溶接継手を含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • ゼロよりも大きく約2500Hzまでの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約0.2mmの超音波衝撃振幅と、
    少なくとも約1msの超音波衝撃の平均期間と、
    少なくとも約15kHzの超音波振動搬送振動数と、
    周囲温度ではない金属の場合には少なくとも約15μmであり、周囲温度または周囲温度付近の金属の処理の場合には約30μm未満である、衝撃中の超音波振動振幅と、
    手作業処理の場合には少なくとも約5kgまたは機械化処理の場合には少なくとも約10kgの被処理面に対する超音波衝撃ツールの圧力とを含むパラメータの範囲内の溶接継手の超音波衝撃処理に基づいて、活性化された結晶化および脆性破壊に対する抵抗を有する溶接を有するフェライト鋼の継手を含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • ゼロよりも大きく約500Hzまでの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約0.5mmの超音波衝撃振幅と、
    少なくとも約1msの超音波衝撃の平均期間と、
    少なくとも約15kHzの超音波振動搬送振動数と、
    少なくとも約20μmの衝撃中の超音波振動振幅と、
    少なくとも約5kgの被処理面に対する超音波衝撃ツールの圧力とを含むパラメータの範囲内の溶接継手の超音波衝撃処理に基づいて、応力腐食に対する抵抗を超音波衝撃によって処理されていない該継手よりも高いレベルまで増大させるために超音波衝撃によって変化された継手を含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 0.8mmのサンプリング長さで約5μm以上の表面粗さ、2.5mmのサンプリング長さで約15μm以上の波形、継手の降伏強さ以上の圧縮応力、約1.5mm以上の塑性変形および誘発残留応力の深さ、処理の非存在における場合の少なくとも2倍の耐腐食性ならびに継手の処理の非存在における該継手のものの約1.3倍以上の腐食疲れ強さを有する、請求項23記載の溶接継手。
  • 溶接継手構造中に少なくとも一つの割れ止め穴を含む該構造を含む超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手であって、
    該少なくとも一つの割れ止め穴が、該少なくとも一つの穴を包囲する構造中に圧縮応力を有し、
    該少なくとも一つの割れ止め穴を含む該溶接継手構造の超音波衝撃処理のパラメータが、
    ゼロよりも大きく約500Hzまでの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約0.5mmの超音波衝撃振幅と、
    少なくとも約1msの超音波衝撃の平均期間と、
    少なくとも約15kHzの超音波衝撃搬送振動数と、
    少なくとも約30μmの衝撃中の超音波振動振幅と、
    少なくとも約5kgの被処理面に対する超音波衝撃ツールの圧力とを含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • 溶接継手をブラケットおよびパネルとともに含む構造的組み合わせを含む超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手であって、
    該ブラケットと該パネルとの間に切欠き半径が存在し、
    該構造的組み合わせが、超音波衝撃処理によって処理されていない場合の該構造的組み合わせのものの少なくとも1.3倍の耐疲労性を有し、
    該構造的組み合わせの該超音波衝撃処理が、
    ゼロよりも大きく約300Hzまでの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約0.5mmの超音波衝撃振幅と、
    少なくとも約1msの超音波衝撃の平均期間と、
    少なくとも約15kHzの超音波振動搬送振動数と、
    少なくとも約30μmの衝撃中の超音波振動振幅と、
    少なくとも約3kgの被処理面に対する超音波衝撃ツールの圧力とを含むパラメータの範囲内である、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • ゼロよりも大きく約800Hzまでの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約0.5mmの超音波衝撃振幅と、
    少なくとも約1msの超音波衝撃の平均期間と、
    少なくとも約15kHzの超音波振動搬送振動数と、
    少なくとも約30μmの超音波衝撃と、
    少なくとも約10kgの被処理面に対する超音波衝撃ツールの圧力とを含むパラメータの範囲内の溶接継手の超音波衝撃処理に基づいて、減少したマルテンサイト分解を有する溶接継手を含む、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • コーティングを上に有する溶接継手を含む超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手であって、
    該コーティングが、超音波衝撃処理時に耐破断性であり、
    該処理が、
    ゼロよりも大きく約1500Hzまでの超音波衝撃振動数と、
    少なくとも約1mmの超音波衝撃振幅と、
    少なくとも約1msの超音波衝撃の平均期間と、
    少なくとも約20kHzの超音波振動搬送振動数と、
    ゼロよりも大きく約30μmまでの衝撃中の超音波振動振幅と、
    コーティング破断強さ以下の個々の超音波衝撃ツールマークの間の境界における接触圧および応力勾配と、
    少なくとも約3kgの表面に対する超音波衝撃ツールの圧力とを含むパラメータを有する、
    超音波衝撃処理された脱離不可能な溶接継手。
  • (1) 継手の溶接を形成する材料および溶接継手そのものの処理前性質を決定する工程と、
    (2) 該継手において提供されるべき処理後性質への(1)の性質の適合を決定する工程と、
    (3) 該継手において提供されるべき該処理後性質に関連して該継手に対して効果を及ぼす物理的要因を決定する工程と、
    (4) 該継手における処理後性質の提供に対する超音波衝撃処理のプラスの結果基準および効果を決定する工程と、
    (5) 変換器、超音波衝撃、インデンタ、圧、処理される材料の機械的性質および音響特性のパラメータと組み合わせて超音波衝撃処理条件を決定する工程を含め、該継手における該処理後性質の提供に関して該継手のための超音波衝撃処理の方法を決定する工程と、
    (6) (1)〜(5)で設定した決定にしたがって該継手に対して超音波衝撃処理を実施する工程とを含む、
    一つまたは複数の所定の性質を有するように該溶接継手を処理するための超音波衝撃処理を解析し、選択する方法。
  • (3)の物理的要因が、低振動数衝撃によって生じる塑性変形、衝撃処理中の超音波塑性変形、継手の材料における超音波応力波の振幅および減衰ならびに超音波衝撃中の接点における温度および熱拒絶率の一つまたは複数を含む、請求項29記載の方法。
  • (2)の処理後性質が、静的精度、残留変形およびその呼び寸法公差、継手および該継手の材料の構造セグメントの体積内で平衡した残留応力、継手の負荷能力の原因である許容しうる応力集中レベルおよび応力集中部の形態、低サイクルおよび高サイクル反転および変動荷重下での疲れ限度および耐疲労性、活動的な環境中、低サイクルおよび高サイクル反転および変動荷重ならびに溶接継手の性質下での腐食および腐食疲れ破損に対する疲れ限度および耐疲労性の一つまたは複数を含む、請求項29記載の方法。
  • (4)の基準が、誘発残留応力および変形レベル;継手の表面および移行区域の浮上り、粗さおよび幾何学的変化ならびに処理区域における材料の性質の変化;衝撃処理の前の継手の製造中に発生する残留応力の緩和および再分布;ならびに実働荷重に対する抵抗のタイプおよび条件に関する該継手の変化の一つまたは複数を含む、請求項29記載の方法。
  • (5)のパラメータが、約0.1〜50kgの範囲内にある超音波衝撃ツールに対する圧;約10〜800kHzである変換器の搬送超音波振動数;約0.5〜120μmの該搬送振動数における超音波振動の振幅;搬送超音波振動数における約2〜50振動周期の範囲におけるランダム超音波衝撃の期間で約5〜2500Hzであるツールの超音波衝撃振動数および自励発振振動数;約0.5〜5mmであるツールの自励発振振幅;請求項29に記載のパラメータの範囲内にある、該ツールの軸方向に自由運動するインデンタと変換器との間の接続のレベル;材料および継手のタスク、性質およびサイズ要件を考慮して選択される該パラメータ内の自由超音波衝撃の一つまたは複数を含む、請求項29記載の方法。
  • (a) 脱離不可能な溶接構造の溶接の少なくとも一部を超音波衝撃ツールによる繰返し超音波衝撃にさらして、該溶接における制御された塑性変形を生じさせ、該溶接構造の該溶接の表面および移行区域を変化させ、それにより、該溶接構造における一つまたは複数の材料性質を変化させる工程と、
    (b) 該繰返し超音波衝撃の一つまたは複数の選択パラメータを制御する工程によって(a)の材料性質を得る工程とを含む、脱離不可能な溶接構造を処理する方法であって、
    該選択パラメータが、
    (1) 約0.1〜50kgの範囲内にある該超音波衝撃ツールに対する圧;
    (2) 約10〜800kHzである該超音波衝撃ツールの超音波振動数;
    (3) 約0.5〜120μmである該超音波衝撃の振幅;
    (4) 搬送超音波振動数における約2〜50振動周期の範囲内にある超音波衝撃の期間で約5〜2500Hzである該超音波衝撃ツールの超音波振動数および自励発振振動数;
    (5) 約0.05〜5mmである該超音波衝撃ツールの自励発振振幅;
    (6) パラメータ(1)〜(5)の範囲で作用する、該超音波衝撃ツールの軸方向に自由運動するインデンタと該超音波衝撃ツールの変換器との間の接続のレベル;
    (7)該溶接構造のタスク、性質およびサイズに基づくパラメータ(1)〜(5)に当てはまる自由超音波衝撃からなる群の一つまたは複数のパラメータから選択されるものである、方法。
  • 超音波衝撃処理の自由超音波衝撃のパラメータを組み合わせて制御する工程を含み、該パラメータが、該衝撃からの変換器振動の制御とともに、該自由超音波衝撃のプレス、振幅、振動数および期間のパラメータである、脱離不可能な溶接継手の超音波衝撃処理のために超音波衝撃をチューニングする方法。
  • 溶接継手の少なくとも一部をランダムな超音波衝撃にさらし、その間に、衝撃と衝撃との間に休止を挟みながら一定の繰返し率でエネルギーを衝突させるようなやり方で超音波衝撃の振幅、長さおよび繰返し率を制御する工程を含み、
    該休止が、材料が静穏状態にあるときの該材料中の内部損失を超えない最小限の抵抗で材料状態の緩和および次の衝撃の準備に十分である、該溶接継手の構造的再配置の方法。
  • 溶接構造が、突き合わせ継手、すみ肉継手、重ね継手、ナローギャップ継手、スポット継手および継手構造中の開口からなる群より選択される、請求項34記載の方法。
  • 溶接構造が、突き合わせ継手、すみ肉継手、重ね継手、ナローギャップ継手、スポット継手および継手構造中の開口からなる群より選択される、請求項35記載の方法。
  • 溶接構造が、突き合わせ継手、すみ肉継手、重ね継手、ナローギャップ継手、スポット継手および継手構造中の開口からなる群より選択される、請求項36記載の方法。
  • 影響される材料性質が、表面粗さおよび浮上り、表面間に存在する半径、溶接止端線または応力集中区域中の表面間の線における開先の深さ、該開先の幅、衝撃強さ、塑性変形、圧縮応力、超音波変動応力、残留応力、応力腐食、白層/アモルファス構造形成および腐食疲れからなる群より選択される一つまたは複数の性質である、請求項34記載の方法。
  • 说明书全文

    発明の分野 本発明は、新規な強さおよび方法誘発性質を有する溶接継手ならびに超音波衝撃処理(UIT)によって溶接継手に当該性質を提供する方法に関する。 本発明の溶接継手は、改善された品質および信頼性を溶接継手に提供する固有の性質を有する。 溶接継手では、得られるまたは高められる性質は、該溶接継手が務めるタスクに基づいて、たとえば品質、信頼性および製造性の区域で決定される。

    発明の背景 米国特許第6,171,415 B1号(特許文献1)および第6,338,765 B1号(特許文献2)は、パルス衝撃エネルギー、特に超音波衝撃エネルギーを使用して溶接構造を処理するための超音波衝撃法を記載している。 これらの特許は、確率論的超音波衝撃処理に基づく溶接構造のための製造および補修処理を教示している。 超音波変換器の振動数および振幅は衝撃の基本的局面である。 断面収縮フィードバック信号が、指定された処理効果を得るために十分かつ必要なパラメータの選択を可能にする。

    今、溶接継手構造の性質をカスタマイズすることが望まれるということがわかった。 これは、特に、溶接継手に関して、継手の特定のタスクおよび対応する構造の観点で、継手の品質および信頼性をさらに高めるのに有益である。

    発明の目的および概要 したがって、本発明は、改善された性質を有する脱離不可能な溶接継手および溶接継手を超音波衝撃処理に付すときの溶接継手へのそのような性質の提供に関する。 溶接継手において、その溶接継手が遂行するものと期される特定のタスクの観点で新規な構造的性質が得られる。 本明細書の記載は、溶接継手に関連して述べる。 しかし、同等な脱離不可能な溶接構造を本発明にしたがって本明細書に記載のように処理することもでき、本明細書に記載する機械工学的解決手段は、他の同等な脱離不可能な溶接継手およびそれによって形成される構造にも適用することができる。

    本発明はまた、新規な所定の性質を有する溶接継手および構造に対する超音波衝撃の適用のためのパラメータの選択を含む。

    米国特許第6,171,415 B1号および第6,338,765 B1号に記載されている機械工学的解決手段と同様に、本発明もまた、確率論的超音波衝撃を使用して溶接継手を処理する。 しかし、本発明は、特定の超音波衝撃処理パラメータが組み合わさって溶接構造、特に溶接継手の技術的性質を改善するということを実証する。 これらのパラメータは、(1)超音波衝撃の繰返し率および長さ(または期間)、(2)処理される面に対する超音波衝撃ツールに加わる圧またはプレス、および(3)衝撃振幅を含む。 本発明の超音波衝撃処理の新規な条件はまた、超音波衝撃ツールのインデンタ中に搬送超音波発振振動数を発生させる超音波変換器を励起するための標準パラメータの範囲内の拡張を含む。 これらのパラメータの一定の組み合わせが、溶接継手において、その継手が務めるタスクの観点で、新たな性質を得ること、または既存の性質を変化させることを可能にする。 超音波衝撃処理のために選択されたパラメータは、超音波衝撃を制御し、溶接構造のための新たな品質および信頼性基準を決定し、溶接構造の所定のタスクを務めるのに適した溶接構造性質を得るために必要な条件を創造する。

    本発明は、いかなるタイプの脱離不可能な溶接構造に使用することもできるが、主として、有意な性能向上を結果的に生じさせる性質を有する溶接継手を提供する。 本発明の溶接継手構造の例は、高強度鋼中の溶接継手;応力集中を有する溶接継手;不平衡荷重に付される溶接継手、欠損または損傷区域、たとえば亀裂を有する溶接継手;所定の製造精度を要する溶接継手;補修された溶接継手;補修を要する溶接継手;重ね溶接継手;継手のための仮付け溶接;かど溶接継手;溶離、粗粒および気孔形成の傾向がある溶接継手;予備的加熱によって形成された溶接継手;所定の応力腐食抵抗を有する溶接継手、穴のある溶接継手;ブラケットまたは補強材中の溶接継手:ならびにマルテンサイト形成の傾向がある溶接継手を含む。

    米国特許第6,171,415 B1号

    米国特許第6,338,765 B1号

    発明の詳細な説明 超音波衝撃処理は、超音波変換器の励起から結果的に生じる振動を使用する。 図1に示すように、振動は、所定の期間、一定の振幅で発生する。 振動は、変換器が起動しているときに強制されることもできるし、休止中に自由振動であることもできる。 自由振動中、振幅は時間とともに減少する。 図2に示すように、図1に示す振動は、インパルス力を、軸方向に自由運動する衝撃要素またはインデンタにランダムに伝達する。 図1に示すような超音波変換器の強制振動は、荷重下の超音波変換器の自由振動に関する情報を得、振動子作動モードを修正するために中断される。 この情報の源は、休止中に能動素子の巻き線または電極から送られるフィードバック信号である。 この原理は、超音波変換器に使用されるすべてのタイプの能動材料、具体的には磁気ひずみまたは圧電セラミック材料に一般的であることに留意すること。 発生器、ひいては変換器の作動を分析し、修正するためには、断面収縮フィードバック信号が一般に使用される(1981年3月30日のロシア国特許第817931号に記載のとおり)。 したがって、特定の溶接継手のタスクにしたがって超音波衝撃処理条件を選択するためには、断面収縮フィードバック信号を使用し、無荷重および荷重条件下の変換器振動の振動数および振幅に合わせて技術的システムをチューニングする。

    超音波衝撃処理に重要である、超音波変換器振動パラメータの他に、継手の材料に超音波衝撃を加えることによって脱離不可能な溶接継手の性質、ひいては特性を得るまたは変化させるのに超音波衝撃の関連パラメータが重要であることがわかった。 特定のパラメータの選択およびそれらのパラメータの最適化により、改善された所定の性質を有する溶接継手を得ることができる。 超音波変換器振動パラメータおよび超音波衝撃パラメータの選択は、変換器・インデンタ・被処理物発振システムの関連の特性に基づき、それらの特性は、処理において継手に対して加えられる圧、継手材料の物理的および機械的性質ならびに継手そのものの音響性とで相互依存性である。 図3は、溶接継手および構造において新規な所定の性質を得るために本発明がいかにして超音波衝撃の長期化を生じさせ、ひいては被処理物への超音波エネルギー伝達の効率を改善するのかを示す。 したがって、超音波衝撃効率基準は、継手材料ならびに超音波衝撃の関連する長さ、振動数および振幅パラメータに対する直接的効果である。

    このような音響的かつ機械的システムのパラメータは、溶接継手構造における新規な性質または改変された性質を得るためのリンクを提供する。 選択パラメータの正しい組み合わせを決定する方法は:
    (a) 溶接および溶接継手を形成する材料の実際の物性を決定すること、
    (b) 特定の継手ための品質および信頼性要件を満たすために望まれる性質への(a)の物性の適合を決定すること、
    (c) 所望の性質を継手に提供することに関連して溶接継手に対する超音波衝撃処理から得られる物理的要因を決定すること、
    (d) 所望の継手性質の提供に対する超音波衝撃処理の効果の基準を決定すること、
    (e) 継手の所望の性質を提供するための超音波衝撃処理の条件を決定すること、
    (f) 変換器、超音波衝撃、インデンタ、圧、処理される継手材料の機械的性質および音響特性のパラメータと組み合わせて超音波衝撃処理条件を決定すること、および
    (g) 上記で設定した決定にしたがって継手に対して超音波衝撃処理を実施することを含む。

    上記に関してさらに具体的には、所定の新規な性質または改変された性質を有する脱離不可能な溶接継手を超音波衝撃処理によって提供するためには、まず、処理される溶接継手の実際の物性を従来の試験技術によって決定する。

    次いで、処理後に溶接継手において望まれる性質を、処理前の溶接継手の性質からの差に関して決定し、評価しなければならない。 これは、以下、所望の結果を達成するためのアルゴリムまたは一連の手続きステップと呼ぶ本発明によって達成することができる。 アルゴリズムは一般に、(1)指定された要件に対する継手材料の実際の性質の適合を決定すること、(2)溶接継手に対する超音波衝撃処理の物理的要因および機構を決定すること、(3)所望の溶接継手品質および信頼性を決定する際の基準を決定すること、(4)溶接継手に対する超音波衝撃処理の基本的基準を決定すること、(5)所望の性質を有する脱離不可能な溶接継手を提供するための超音波処理のパラメータを決定すること、および(6)所望の性質を提供するための溶接継手に対する超音波衝撃処理の結果を決定することを含む。 本発明のアルゴリズムを以下さらに詳細に説明する。 より具体的には、アルゴリズムは、はじめに、継手において望まれる性質に対する処理される脱離不可能な溶接継手の実際の性質の適合をその継手が務めるタスクの観点で決定すること、および溶接継手の所望の性質を得るために必要な超音波衝撃処理パラメータのセットに適合することを含む。

    溶接継手に対する超音波衝撃処理の物理的要因および機構は、低振動数衝撃によって生じる塑性変形;衝撃中の超音波塑性変形;低振動数衝撃および超音波塑性変形によって生じる塑性変形で飽和した層の超音波振動が衝撃中に起こるときの所与の継手の材料における超音波応力波の振幅および減衰(減衰率);ならびに衝撃中の接点における温度および熱拒絶率を含む。

    所望の溶接継手品質および信頼性を決定する際の基準は、静的精度;残留変形およびその呼び寸法公差;継手材料の継手および構造セグメントの体積内で平衡した残留応力;継手の負荷能力の原因である許容しうる応力集中レベルおよび応力集中部の形態;低サイクルおよび高サイクル反転および変動荷重下での疲れ限度および耐疲労性;ならびに活動的な環境中、低サイクルおよび高サイクル反転および変動荷重ならびに溶接継手材料の性質下での腐食および腐食疲れ破損に対する疲れ限度および耐疲労性を含む。

    溶接継手に対する超音波衝撃処理効果の基本的基準は、誘発残留応力および変形のレベル;表面およびその移行区域の浮上り、粗さおよび形状変化ならびに処理区域における材料性質の変化;超音波衝撃処理の前に所与の継手の製造技術によって生じる残留応力の緩和および再分布:ならびに継手タイプおよび実働荷重に対するその抵抗の状態の変化を含む。

    望ましい性質を有する脱離不可能な溶接継手を提供するための超音波衝撃処理(UIT)のパラメータは、(1)約0.1〜50kgの範囲内の超音波衝撃ツールに対する圧、(2)約10〜800kHzの変換器の搬送超音波振動数、(3)約0.5〜120μmの搬送振動数における超音波振動の振幅、(4)搬送超音波振動数における約2〜50振動周期の範囲におけるランダムな超音波衝撃の期間で約5〜2500Hzのツール・インデンタシステムの超音波衝撃振動数および自励発振振動数、(5)0.05〜5mmのツールの自励発振振幅、(6)上記UITパラメータの範囲に依存する、軸方向に自由運動するインデンタとツールの変換器との間の接続のレベル、および(7)材料および溶接継手のタスク、性質およびサイズにしたがって上述の範囲内にセットされたパラメータでの自由超音波衝撃を含む。

    所定の性質を提供するための溶接継手に対する超音波衝撃処理の結果は、以下のプラスの変化の少なくとも一つを含む:約0.1μmおよびそれ以上の表面粗さおよび浮上り;約0.5mmおよびそれ以上の表面間の半径;約2mmまでの、溶接止端線または応力集中区域中の任意の表面間の線に沿う開先の深さおよび約10mmまでの開先の幅;強さに関して少なくとも約1.5倍、衝撃強さに関して少なくとも約1.2倍の、応力集中区域における材料の機械的性質の改善;約7mmまでの深さの、塑性変形、好都合な圧縮応力および微小硬さの好都合な相対変化;10mmまでの深さの、表面に対して垂直な断面における材料の塑性変形による弾性圧縮応力の分布;約12mmまでの深さの、材料の降伏強さの少なくとも約0.05の振幅を有する超音波変動応力波による方法誘発残留応力の緩和;タスク決定に依存する、少なくとも材料の降伏強さおよび極限強さの所定の深さの、表面上および表面下の第一および第二の種の好都合な残留応力;UIT適用なしで起こるものの約40%以上の残留方法誘発変形の補正および約10倍までの応力腐食抵抗の改善;変動荷重下、約2.5倍までの腐食疲れ強さの改善および腐食環境中で約20倍までの寿命の改善;空気中、繰返しまたは変動応力下での約1.5倍以上の疲れ限度の改善および継手の強さを1カテゴリー以上高める約10倍以上の寿命の改善;約50μm以上の深さの白層またはアモルファス構造の形成。

    脱離不可能な溶接継手は、超音波衝撃処理の使用により、接合される材料の界面を溶融させても溶融させなくても、溶加材を用いても用いなくても、任意の接合材料で形成することもでき、溶接材料、一つの材料の別の材料中の固溶体の移行区域ならびに接合および非接合材料の構造および変形モードに対して変化した区域を集合体または組み合わせとして含むことができる。 脱離不可能な継手は、突き合わせ、すみ肉、重ね、ナローギャップまたはスポット溶接ならびに任意の所与の形の構造要素の開口沿いの溶接により、完全溶込み、部分溶込みまたは溶込み不良がある状態またはない状態で、エッジ加工がある状態またはない状態で形成することができ、種々の手段、たとえばアーク、抵抗、レーザ、電子ビーム、拡散、摩擦、加圧、サブマージアーク、被覆金属、ガスシールド、オープンサブマージアーク溶接、溶加材を用いる溶接、超音波溶接の裸火、はんだなどによって製造することができる。

    以下、本発明の特定の溶接継手を説明する。
    (A) 高強度鋼における溶接継手

    実際には、溶接継手の製造における高強度鋼の使用は、そのような鋼から製造された溶接継手の低い耐疲労性のせいで、低および平均的強度の鋼、すなわち、最低でも高強度鋼の2倍の低さの降伏強さおよび2倍までの高さの疲れ限度を有する低炭素および低合金鋼の場合に比べて限定される。 これらの鋼の間の条件的境界は、500MPaまでの降伏強さまたは極限強さの値であることが業界内で理解されている。

    得られる本発明の高強度鋼の溶接継手は、低および平均的強度の鋼の耐疲労性の最低でも2倍の高さである耐疲労性を有する。 これは、図4aおよび4bにグラフで示されている。 図4aは、高強度鋼1、低炭素または低合金鋼2および超音波衝撃処理なしの高強度鋼3の溶接継手の疲れ限度を示す。 図4bは、超音波衝撃処理後の高強度鋼4および超音波処理後の低炭素または低合金鋼5の溶接継手の疲れ限度を示す。 図示するように、本発明の超音波衝撃処理に付された材料は有意に改善されている。 高強度鋼および合金で作られた溶接継手は、本発明にしたがって決定され、上記で定めたパラメータに当てはまる超音波衝撃処理後でσ>500MPaの降伏強さを有して、溶接継手の材料においてσ≦500MPaの鋼および合金のものより最低でも30%大きい疲れ限度を提供する。

    より具体的には、上記を得るためには、超音波衝撃処理は、溶接の止端の危険な応力集中の区域に適用される。 したがって、本発明にしたがって、まず、溶接後の継手およびベース金属の特性が決定される。 500MPa以上のベース金属の強さに匹敵しうる溶接継手の疲れ限度を提供する必要性を考慮すると、超音波衝撃処理条件は、塑性変形および圧縮応力を発生させるのに十分な衝撃エネルギーを計算することによって決定される。 そして、超音波衝撃処理条件が実験的に検証され、タスクを務めるように修正される。 約27kHzの発振システム振動数および約10kgまでのツールプレス力の場合は、所望の性質を有する脱離不可能な溶接継手を提供するための超音波衝撃処理条件は以下のとおりである:約30μm以上の衝撃中の超音波変換器振幅、約80〜250Hzの範囲内の衝撃振動数、約2mmまでのツール自励発振振幅、約3〜6.35mmのインデンタ直径および溶接継手タイプに依存して約10〜35mmの範囲内のインデンタの平均長または期間。 上記超音波衝撃処理条件は、危険な引張り応力集中区域を強化し、その中に、約2mm以上の深さの好都合な圧縮応力(表面におけるその大きさはベース金属の降伏強さおよび疲れ限度の約1.5倍までの大きさである)を発生させる役割を担う。 そのような場合、超音波衝撃処理後の応力集中区域は、超音波衝撃によって生じる塑性変形によって形成され、溶接とベース金属との間で滑らかな移行部を提供する、約1mmまでの深さの規則的な開先の形態を達成する。

    したがって、溶接構造の製造および得られる溶接継手における高強度鋼の包含が可能である。
    (B) 応力集中を有する溶接継手

    継手の止端における材料の物理的および機械的性質、作用する応力の本質および応力集中区域におけるその分布は、止端における溶接とベース金属との間の移行部の形状に依存する集中係数とともに、応力集中を有する溶接継手のための基本的な強さおよび耐疲労性基準である。

    溶接継手は、本発明にしたがって、応力集中区域の超音波衝撃処理によって被処理溶接継手材料の強さ、延性および衝撃強さを溶接継手を形成する未処理材料に関する公称値よりも改善することによって得られる。 加えて、実施される応力集中区域の超音波衝撃処理が被処理区域中に好都合な残留圧縮応力を誘発するため、溶接継手は改変され、外部荷重に適合される。

    被処理区域の状態、特性および性質は、超音波およびインパルス塑性変形の特徴によって決まり、この特徴は、超音波衝撃の振幅および長さならびに超音波処理中のその繰返し率に依存する。 その結果、応力集中区域における溶接継手材料の極限強さおよび疲れ限度は、溶接継手を形成する材料のものよりも高くなる。

    このような条件下での溶接継手の変形モードは、残留応力ならびに同等な塑性および弾性変形によって決まる。 超音波衝撃処理による超音波塑性変形の区域における好都合な残留圧縮応力は、材料のより大きな公称降伏点未満ではない。 弾性変形および各弾性応力は、被処理材料の深さにおいて、弾性応力を平衡させる残留圧縮応力の最大値から指数関数的に低下するが、表面上および表面下の残留および弾性応力のレベルおよび分布は、環境効果および作用応力を補正するように確立される。

    本明細書に記載するアルゴリズムにしたがって実施された超音波衝撃処理の結果として、応力集中区域における応力および変形の分布がこの区域における材料性質の変化とともに図5に示されている。

    危険な応力集中が一般に溶接止端に局在することは周知である。 これは、溶接とベース金属との間の不都合な鋭い移行部、このゾーンにおける顕著な溶接欠陥(たとえばオーバーラップ、凹凸、アンダーカット)の存在ならびに冷却時の溶接収縮によって生じる引張り残留応力による。

    本発明にしたがって、超音波衝撃処理は、その境界で約0.5mmおよびそれ以上の半径ならびに金属厚さおよび溶接止端に依存してゼロよりも大きく約10mmまでの幅およびゼロよりも大きく約2mmまでの深さを有する開先を形成することにより、溶接とベース金属との間に滑らかな移行部を作り出す。 超音波衝撃処理条件は、浮上り、開先粗さ(Ra=75μin以上)、誘発圧縮応力の大きさおよび本質(材料の極限強さ以上)、塑性変形区域で約2mm以上、弾性変形区域で約5mm以上の深さのその効果ならびに元の状態の約20%以下の点までの残留溶接応力緩和を決定する。

    溶接継手を提供するためのパラメータは、ゼロよりも大きく約80kHzまでの振動数でゼロよりも大きく50μmまでの衝撃中の超音波振動振幅、ゼロよりも大きく約500Hzまでの衝撃振動数、約0.2mm以上のツール自励発振振幅、ゼロよりも大きく約0.5までの衝撃インパルスのオフデューティファクタ、少なくとも約3kgのプレス力ならびに、上記の結果として、圧縮応力を生じさせ、応力集中区域における材料の極限強さの性質を元の応力および強さの性質よりも高く変化させるのに同等かつ十分であり、外部作用力を補正するのに十分である衝撃エネルギーを含む。

    上述の条件下で方法にしたがって実施された炭素鋼の超音波衝撃処理は、上記で述べた物理的要因の組み合わせ作用の結果として溶接継手の疲れ限度を増大させ、ならびに、溶接継手材料を塑性変形させることによって溶接欠陥の除去を増大させた。
    (C) 平衡荷重および不平衡荷重に付される溶接継手

    元の条件で平衡荷重および不平衡荷重下で溶接継手が破損に耐える能力を決定する主要な要件は、本発明にしたがって性質を得るための超音波衝撃処理の後にこれらの継手に加わる荷重の不平衡性である。 しかし、溶接継手の最終的な応力状態は常に溶接継手に対する外部荷重の状態に依存する。 これに基づいて、溶接継手の超音波衝撃処理は、実際の荷重に近い、継手に対する平衡荷重または不平衡荷重と同時に、本発明のアルゴリズムにしたがって実施される。

    所与の溶接継手に対する外部荷重のレベルおよび本質ならびに実施される超音波衝撃処理の関連パラメータは、所与の溶接継手の作用中に亀裂形成を生じさせる要因の効果を補正するのに適切な条件によって決定され、適合される。

    本発明の一部として超音波衝撃処理の適切さを定格する手法は、以下に述べるような手法であることができる。

    まず、実荷重に適切である変動荷重を溶接後状態のサンプルまたは実際の溶接継手に加え、荷重による応力または同等な変形を従来手段によって計測する。 次いで、所要衝撃エネルギーを計算することにより、応力または変形を補正するための超音波衝撃処理のパラメータを決定する。 その後、超音波衝撃処理を変動荷重とともに加え、先に使用した計測手順によって危険な作用応力または変形の補正のレベルを設定する。 必要ならば、溶接継手が遂行するタスクによって決まる応力または変形を補正するように超音波衝撃処理の設計パラメータを修正する。

    荷重と並行に加えられる溶接継手の超音波衝撃処理は、非固定構造上で自由な状態で実施することもできるし、固定構造上の剛性付形物上で実施することもできるし、または一定の可変性および平衡荷重下で実施することもできる。

    上記のような問題を解決するため、炭素構造およびステンレス鋼ならびに所望の性質を有するアルミニウムおよびチタン合金から作られた溶接継手を提供するための超音波衝撃処理のパラメータは、ゼロよりも大きく80kHzまでの振動数でゼロよりも大きく約50μmまでの衝撃中の超音波振動振幅、平均で約1ms以上の一般的な衝撃期間でゼロよりも大きく500Hzまでの衝撃振動数、約0.2mmおよびそれ以上のツール自励発振振幅、約3kg以上のプレス力ならびに、上記の結果として、圧縮応力を生じさせ、応力集中区域における材料の極限強さの性質を元の圧縮応力および強さの性質よりも高く変化させるのに同等かつ十分であり、外部作用力を補正するのに十分である衝撃エネルギーを含む。

    外部要因の危険な効果を結果的に補正する同時超音波衝撃処理の結果としての荷重条件の変化が例示的なガーダ構造を通して図6aおよび6bに示されている。 図6aは、様々な応力荷重の下にあるガーダを示す。 ガーダ10は、静荷重Fcの下にあるガーダを示す。 ガーダ11は、周期荷重、変動荷重または動荷重Fvの下にある。 ガーダ12は、複合荷重、すなわちFc+Fvの下にある。 図6bは、超音波衝撃処理後の同じガーダにおける応力状態と比較したガーダ10、11、12ごとの応力集中区域における初期応力状態を示す。

    もう一つの例示的な構造が、図7aに示すいわゆる「ソケット溶接継手」である。 図7aでは、20はソケット溶接継手を示し、21は継手の溶接の処理における超音波衝撃ツールを示す。 この「ソケット溶接継手」に独特である特徴は、この継手が一般に、変動荷重および交番荷重の両方を有するとともに溶接継手を形成する材料の厚さが比較的小さい構造において使用されるということである。 この場合、本発明の応力集中区域の超音波衝撃処理は、被処理材料の厚さの約0.15mmを超えない寸法および深さの開先を形成する。 図7bは、超音波衝撃処理の前後の継手を示す。 処理後、溶接継手は、全体の厚さが約4mmである場合、最小で約0.5mmの半径22、ゼロよりも大きく約10mmまでの幅、ゼロよりも大きく約2mmまでの深さおよび約0.15mmのウェブ厚さを有する。

    したがって、応力集中区域における材料性質の変化は、結果的に、指定レベルの圧縮応力を継手の応力集中区域中に誘発させる。 溶接継手寸法に関連するそのような応力および開先寸法を創造するための条件ならびにソケット溶接継手を形成する材料の厚さが、集合体中のソケット溶接継手に対し、応力集中区域における継手材料の降伏強さを超える応力を誘発する変動荷重および周期荷重の下での優れた破断強さを与える。 図7cは、超音波衝撃処理の前後の継手の周期応力を比較して示す。 したがって、定荷重および/または変動荷重の局在がある溶接止端および負荷部品の荷重条件および超音波衝撃処理が、超音波塑性変形、圧縮応力の発生および分布ならびに溶接とベース金属との間の移行部の形成を開始させて、溶接止端および/またはルートに沿ってベース金属の降伏点を超える応力集中による使用中の亀裂の形成を生じさせる静応力または周期もしくは変動応力の影響を補正する。
    (D) 欠陥および損傷区域(亀裂を含む)を有する溶接継手

    溶接構造の製造および運用の実施は、溶接欠陥、材料構造欠陥、中間構造損傷および亀裂を有する溶接継手の寿命および信頼性の改善に伴う独立した群の問題を呈する。

    本発明にしたがって実施される超音波衝撃処理の利点は、上記欠陥が検出される溶接継手において、結果として信頼性の高い継手を得るための性質を提供することを可能にする。 そのような場合に溶接継手の改変に重要なことは、超音波塑性変形、外部力インパルス(衝撃)による変形および溶接継手の材料中に伝達される残留圧縮応力であり、それらは、材料状態に対する超音波衝撃効果のこれらの要因に関する上記パラメータの範囲内である。

    欠陥のある溶接継手を改変する際に決定的に重要なことは、超音波塑性変形、すなわち、溶接継手の材料中に伝達される衝撃および残留圧縮応力によって生じる、上記の欠陥をカバーし、作用荷重による外部力の下でのその展開を遅らせる変形である。

    亀裂が、溶接継手材料における危険な欠陥のもっとも一般的な例である。 事実、異なる亀裂サイズを使用すると、内部状態を決定し、外部力の下で他のタイプの欠陥によって生じる破損の初期状態または段階をシミュレーションすることができる。

    図8a〜8cに示すように、亀裂を含むすべてのタイプの溶接欠陥の危険区域が応力集中区域である。 同じく図8a〜8cには、超音波衝撃処理によって生じる、圧縮応力の場における欠陥遅延機構が示されている。 図8a中、30は、超音波衝撃処理の前の亀裂を含む欠陥溶接継手およびそれに対して存在する応力を示す。 図8bは、圧縮場を創造するための超音波衝撃ツール31による欠陥区域の処理を示す。 図8cは、超音波衝撃処理後の溶接継手32およびその中に存在する応力の変化を示す(図8aおよび8cを比較)。

    欠陥は、最大欠陥面積が投影される面に対して引張りベクトルが垂直である場合、もっとも深刻な危険を呈する。 図8a〜8cに示す場合では、亀裂の周囲が応力集中区域を画定する。 本発明の超音波衝撃処理によって欠陥が圧縮応力場に付されると、応力集中区域における不都合な引張り応力を補正し、それを、応力集中の危険性が低い材料領域に移動させることが可能になる。

    この場合、超音波衝撃処理は、生じうる引張り応力を、得られる圧縮応力を外部力作用の不都合な条件下に維持するのに十分な距離だけ、生じうる応力集中から離れさせるのに十分な寸法を有する表面に局在する。 この表面の寸法は、本明細書で記載したような欠陥発生および遅延条件をシミュレートする間に決定される。 この場合に所望の溶接継手を提供するための超音波衝撃処理パラメータは以下を含む:ゼロよりも大きく約10kgまでのツールプレス力;ゼロよりも大きく約500Hzまでの超音波衝撃振動数;平均で約1ms以上の超音波衝撃の有効期間;処理される材料の性質および表面状態要件に依存してゼロよりも大きく約100kHzまでの超音波搬送振動数;約30μm以上の衝撃中のインデンタの超音波発振振幅;ならびに約0.2mm以上の衝撃振幅。 方法にしたがって決定され、上記パラメータおよび対応するインデンタ質量によって表される衝撃エネルギーは、圧縮応力を、塑性変形区域では約2mm以上の深さまで、弾性変形区域では引張り応力の残留効果を補正するのに十分な深さまで発生させるようにセットされる。

    このようにして得られる新規な性質および溶接継手材料状態は、所与の溶接継手に対する作用荷重から生じる危険な応力の効果を補正することができ、ひいては、継手が使用されているときの欠陥発生を遅延させることができる。
    (E) 製造精度に対する指定要件を有する溶接継手

    溶接継手の静的精度が第一の品質および信頼性の特性である。 本発明の超音波衝撃処理は、この根本的な技術要件を満たすことを保証する機能のシステムを特徴とする。 これらの機能は、本質的に、超音波緩和(応力および変形の)、超音波およびインパルス塑性変形(材料再分布)ならびに圧縮応力の発生(引張りおよび圧縮応力および変形の再分布)を含む。

    したがって、溶接継手において指定された精度を得るための四つの方法は以下のとおりである:(1)本発明にしたがって剛性付着(固定位置)を使用して実施される超音波衝撃処理および固定によって生じる残留溶接応力の超音波緩和、(2)固定なしの溶接、本発明による継手区域における溶接およびベース金属の超音波およびインパルス塑性変形、継手中の材料再分布、収縮の補正、ひいては溶接変形、(3)超音波衝撃処理における上記(1)と(2)の組み合わせ、および(4)方向による溶接収縮の分割(その区別)およびそれらの方向における継手変形の補正を考慮した超音波衝撃処理。

    指定された形態精度要件の溶接継手を得る上記例は、タスクおよびその解決手段の指定条件に依存して、溶接中に高温(周囲温度を超える)の金属に対して適用されるか、溶接が冷めたとき、または溶接後の常温(およそ周囲温度)の金属に対して適用される。

    溶接変形補正の技術が、指向性の溶接収縮を考慮した対称なかど溶接継手を一例として使用する図9a、9bおよび9cに示されている。 図9aは、溶接継手40およびそれにおける公差を示す。 図9bは、超音波衝撃ツール41を用いた超音波衝撃処理後の溶接継手を示す。 変形および公差が図9bで以下のように指定されている:aおよびfはそれぞれ超音波衝撃処理後の残留変形を示し、bおよびeはそれぞれ公差を示し、cおよびdはそれぞれ残留溶接変形を示す。 図9cは変形補正方向整合を概略的に示す。 継手における残留溶接変形は、剛性付着を形成し、続いて残留溶接応力の超音波緩和または超音波およびインパルス塑性変形ならびに溶接金属の再分布によって補正されるか、これらの効果の組み合わせによって補正されるかのいずれかで、したがって、その際、溶接継手タイプおよび溶接法に依存して溶接金属の塑性変形の方向および大きさを、その縦方向収縮と横方向収縮との比率と整合させる。

    タスクによって指定される方向における変形を補正する間、超音波衝撃処理ツールマークオーバーラップ係数(K o )を選択する原理が使用される。 K oの最大値は、指定された精度を提供するために補正されるべき大きめの残留変形の方向に対応し、K oの最小値は、小さめの残留変形の方向に対応する。 様々な方向における残留変形は、それらの方向における溶接金属および近溶接ゾーンの収縮に対応し、変形補正は、超音波衝撃処理による塑性変形によって生じる溶接金属および近溶接ゾーンの局所体積の累積変位量の和に対応する。 K oを、プラスであり、かつ、圧こん直径差と圧こん中心間距離との間の関係に等しいとみなすと、表面がツールマークで完全に覆われ、圧こん間距離と圧こん中心間距離との比が間欠的処理中のマイナスのオーバーラップ係数に対応するとき、超音波衝撃処理は、1>K o >−1が真である数値範囲内で指定された方向における変形補正の制御を提供する。

    したがって、約90m/minのツールまたは加工物移動速度では、K oは、500Hzの超音波衝撃振動数および3mmの圧こん直径でさえプラスになる。 しかし、実際の超音波衝撃処理速度は、ゼロよりも大きく約5m/minまでの範囲内である。 これは、本発明の方法による超音波衝撃処理ならびに広い処理条件、すなわち、約4kgおよびそれ以上のツールに対するプレス力、約100Hzおよびそれ以上の衝撃振動数、約0.2mmおよびそれ以上の衝撃振幅、約1msおよびそれ以上の衝撃期間、約15kHz以上の搬送超音波振動数、鋼および高強度合金が処理される場合で約30μm以上であり、アルミニウム合金および350MPaまでの降伏強さを有する金属が処理される場合でゼロよりも大きく約30μm以下である衝撃時の超音波振動振幅の範囲内でのK oの可能な制御の信頼性を強調する。
    (F) 補修された溶接継手

    補修された溶接継手は、溶接構造の製造および運用の広い区域、たとえば溶接欠陥、破損および亀裂、その補強構造および要素の補修ならびに構造安定性および負荷能力におけるさらなる改善の提供ならびに製造および運用の過程における構造形態の修正をカバーする。 同時に、溶接継手の補修は、残留溶接応力、変形および応力集中区域、ひいては無秩序な金属疲労の根源である。

    本発明にしたがって実施される超音波衝撃処理は、これらの問題を解決し、補修された溶接継手が、改善された性質、すなわち溶接継手材料の降伏強さの約0.5以下の残留応力のレベル、所与の継手に指定される寸法公差の100%以下の残留溶接変形および所与の溶接継手のベース金属のもの以上の耐疲労性を有するという結果をもたらす。

    補修された溶接継手に対する作用の機構ならびに超音波衝撃処理による亀裂および応力の再分布が図10a〜10dに示されている。

    図10aに示すように、引張り力に対して垂直な面またはその面に近い空間面における亀裂は、そのような力による通常の設計応力よりも何倍もの大きさの応力の集中を生じさせる。

    補修された溶接継手はこの状況をいくらか改善する。 しかし、補修溶接の最後に、溶接付着の縦方向収縮によって生じる新たな残留引張り応力集中を生じさせる(図10b)。

    本発明の超音波衝撃処理(図10c)は、危険な溶接付着区域における圧縮応力によって取って代わられる不都合な残留引張り応力を再分布させる(図10d)。 これが起こると、引張り応力は、溶接継手負荷能力にとって安全であり、標準的手法を使用して計算することができる正常応力の領域に移動する。

    継手が務めるタスクによって決まる補修された溶接継手の超音波衝撃処理は、溶接の過程で、冷却されている金属および常温の金属に対して適用される。

    したがって、溶接金属の品質および構造的欠陥形成に対するその抵抗を改善するために、本発明の超音波衝撃処理は溶接中に実施される。 補修溶接区域に局在した残留溶接変形および応力を補正するために、本発明の超音波衝撃処理は、冷却されている金属に対して実施される。 超音波衝撃処理は、常温(周囲温度)の金属に対して実施されて、溶接継手金属を硬化させ、危険区域中に好都合な圧縮応力を発生させ、危険な引張り応力に取って代わり、それを緩和させる。

    溶接継手を提供するためにそれを実施する際には、鋼の手作業処理の際に超音波ツールに加わる圧力は約3kgおよびそれ以上であり、それが、機械化処理の場合で20kgに増すことができ、衝撃振動数は約80Hz以上であり、衝撃振動数は約0.2mm以上であり、衝撃長さは平均で約1ms以上であり、インデンタ超音波振動の搬送振動数は約15kHz以上であり、衝撃中の超音波振動振幅は、高温(周囲温度を超える)の金属を処理する場合で約20μm以上であり、冷却されている金属または常温の金属を処理する場合で約30μm以上である。 アルミニウム合金の溶接付着物を処理する場合、超音波振動数は、材料の強さにしたがって40%まで減少する。
    (G) ルート割れから防護された溶込み不良を有するかど継手

    ルート割れに対して防護され、負荷能力を有する溶接継手は、完全溶込み、部分溶込みまたは溶込み不良を有する溶接継手のタイプおよび寸法を選択することによって得られる。 継手が部分溶込みまたは溶込み不良を有する場合、この達成は特に困難である。

    ルート割れ形成の原因は、主として、かど継手によって例示されるような、ウェブ端およびフランジ面との、それらの間のルート間隔中の溶接金属のフランク角に関連する。 マイナスの(鋭角)フランク角の場合、亀裂形成は、溶接継手のこの区域における応力集中からの直接的な結果である。

    溶接中に実施される溶接継手の超音波処理が、溶接のルート中の溶融金属と固体金属との間の境界における熱交換条件を変化させることにより、この問題を解決する。 この現象は次のように説明することができる。 溶接中の超音波衝撃は、インパルスおよび超音波応力波を溶接金属中、ひいては溶融金属中に伝搬させる。 その結果、溶接ルート中の溶融・固体金属界面で強力な音波流が形成し、それが熱交換の活性化、ひいては金属表面のより大きな溶込みに寄与して、この区域におけるウェブとフランジとの間にルート間隔を形成させる。 したがって、手順発明に基づいて、溶接ルート中のウェブおよびフランジ金属の溶込み形態を制御するための機器を提供して、それにより、フランジ面およびウェブ端との、溶接金属のプラスの(鈍角)フランク角を有する溶接継手の実質的に新規な外観を生じさせることができ、それが他方で、所与の溶接継手が溶接ルート中の応力集中および疲労亀裂形成に抵抗することを保証する。

    ウェブおよびフランジ金属との、それらの間のルート間隔中の溶接金属のプラスの(鈍角)フランク角によるルート割れ形成から防護された溶接継手の形成が図11aおよび11bに示されている。 図11aは、超音波衝撃処理なしで形成された溶接50を示す。 図11bは、超音波衝撃ツールを使用して溶接中の初期作動位置52および連続的な作動位置53で超音波衝撃処理に付された溶接51を示す。

    図11aおよび11bに示すようなツール角および超音波衝撃処理区域の選択が、溶融池において、溶融池境界に対して特異的に向けられる音波流の形成を可能にする。 これが他方で、溶接金属がベース金属と好都合に突き合う方向においてフランジおよびウェブ金属溶込み強さを制御する可能性を提供する。

    したがって、フランジ側面が超音波衝撃処理を受けると(図11bの作動位置53)、ウェブと比較してより良好なフランジ金属の溶融のための先行必要条件が創造される。 フランジ面に対するツール角を45°超増すことにより(図11bの位置52)、近い効果を得ることができる。 処理中の処理条件、ツール角および位置の選択は、溶接継手の溶接法、材料および寸法に依存する。 炭素鋼で作られたこのタイプの溶接継手を提供するための上述の好ましい超音波衝撃処理条件は:手作業処理の場合で約3kg以上であり、機械化処理の場合でゼロよりも大きく約25kgまでであるツールプレス力;ゼロよりも大きく約800Hzまでの衝撃振動数;約0.2mmおよびそれ以上の衝撃振幅;約18kHzおよびそれ以上の超音波振動搬送振動数;約400℃を超える温度範囲ではゼロよりも大きく20μmまでであり、約400℃未満の温度範囲では約30μm以上である衝撃中の超音波振動振幅;ならびに平均で約1ms以上の超音波衝撃期間を含む。

    フランジとウェブとの間の溶接金属の好都合な再分布により、本発明の超音波衝撃処理は、残留溶接応力を溶接後の継手の変形の標準モードの最低40%減らす。

    上記の熱交換活性化効果と同時に、本発明の超音波衝撃は、溶融金属の表面張力低減効果を誘発し、この現象の結果として、溶融金属の流動性を高める。 すなわち、超音波衝撃処理の結果として超音波およびインパルス応力波が溶接金属を介して溶接されている材料に伝達され、ウェブおよびフランジ端上の溶融金属の、それらの間のルート間隔中の降伏、ひいては流動性を高める。 溶融池の温度が、音波流によって活性化されてエッジをさらに溶融させて、図12aおよび12bに示すような毛管中のものに類似した凹状のメニスカスを形成する。 300kHzまでの広い範囲の超音波振動搬送振動数および2500Hzまでの超音波衝撃繰返し率で溶融金属流動性が増大するということが確認された。 超音波衝撃処理パラメータは、本発明の方法にしたがって、溶接材料および消費材料の性質、溶接継手のタイプおよびサイズ、溶接法および条件に依存して決定される。 図12aおよび12bに示す溶接継手の概略図では、図12aは、超音波衝撃処理に付されていない溶接60およびその中に形成された亀裂を示す。 図12bは、超音波衝撃処理に付された溶接61を示す。 溶接ルート中のメニスカスが62によって指定されている。 超音波衝撃ツールは、溶接上の初期作動位置63および溶接の処理中の連続作動位置64で示されている。 溶接金属、フランジまたはウェブに対して裏溶接を実施する際に本発明のパラメータの範囲内で実施された超音波衝撃処理によって作られた、溶込み不良および/または部分溶込みのあるかど溶接継手は、ルート間隔中の溶接とベース金属との間の拡散または接着があるかないかにかかわらず、溶融金属が補剛材またはウェブ端とフランジまたはウェブプラントとの間のルート間隔を満たして(超音波衝撃下)、固化したとき、ベース金属と溶接金属との間の滑らかな移行部からメニスカス62および鋭いエッジの溶融を生じさせる結果をもたらして、それにより、溶接のルート中の応力集中効果および疲労亀裂形成に対する所与の溶接継手の抵抗を増大させる。

    したがって、一つのさらなる機構が、本発明の超音波衝撃処理の結果として、溶接金属とウェブ端およびフランジ面とのプラスの(鈍角)フランク角を可能にする。 これが、応力集中および疲れによるルート割れ形成から防護された新規な溶接継手が形成される方法を説明する。
    (H) スポット溶接継手

    耐疲労性基準に基づいて溶接継手の品質および信頼性を高める必要性に関連する特定のタスクはスポット溶接に関する。 主要な問題は、溶接継手区域における危険ゾーンが従来の応力集中処理技術にとってアクセス不可能であるということである。 これは、溶接継手の変形モードを溶接されている材料の厚さ全体にかけて変化させることを要する。 したがって、危険な熱の影響を受けるゾーンは、応力集中部を含み、溶接継手の境界に沿う円の直径に等しい平均直径を有する円またはリングを表すものとみなされなければならない。

    本発明の超音波衝撃処理を使用して作られたスポット溶接は、溶接区域の金属厚さ全体に及ぶ高レベルの超音波塑性およびインパルス変形を特徴とし、疲れ限度は未処理の継手のものの最低で約1.3倍の大きさであり、ベース金属のもの以上の極限強さを有する。

    スポット溶接継手の略図が図13a〜13eに示されている。 図13aは、未処理のスポット溶接継手70およびそれに関連する応力を示す。 図13bは、スポット溶接の処理における超音波衝撃ツール71をストッププレート73とともに示す。 図13cでは、2個の超音波衝撃ツール71および72をスポット溶接に対して使用している。 図13dは、スポット溶接に関するストッププレートまたはツール74およびツール75からの衝撃の接点の拡大図である。 図13eは、処理された継手76およびそれに関連する応力を示す。

    スポット溶接継手の超音波衝撃処理は、溶接中に実施することもできるし(溶接電極が同時に振動速度集中装置またはインデンタをも与える場合)、溶接後に実施することもできる。 インデンタは、溶接継手サイズおよびその溶接後状態に依存して、丸いフラットな周方向作用面を有することができる。

    実際、超音波衝撃処理は、パッシブまたはアクティブな共鳴音響デカップリング、パッシブな非共鳴音響デカップリングおよび「アンビル」として働く剛性のストップブロックを使用して適用することができる。 すなわち、溶接継手区域における塑性変形は、各側から順次に形成することもできるし、両側から同時に形成することもできる。

    図13aに示すように、最大引張り応力が作用するスポット溶接継手の危険区域は、「スポット溶接」境界に局在し、作用応力臨界集中ゾーン中に位置している。

    本発明の超音波衝撃処理は、溶接継手を好都合な圧縮応力区域に完全に付し、引張り応力区域を、応力集中の構造的先行必要条件を有しないゾーンに移動させる。

    したがって、実験データに基づくと、本発明の超音波衝撃処理は、スポット溶接の疲れ限度を少なくとも約1.3倍高め、耐疲労性、降伏点、極限強さおよび衝撃強さをベース材料のもの以上のレベルに改善する。

    炭素鋼およびアルミニウム合金で作られたスポット溶接継手を得るためには、超音波衝撃処理条件は、以下を含み、継手タイプおよび材料に基づく記載の量の範囲内で異なる:約80Hz以上の超音波衝撃振動数、約0.2mm以上の振幅で平均で約1ms以上の衝撃期間、ゼロよりも大きく約100kHzまでの衝撃中のインデンタ超音波振動搬送振動数、約5〜40μmの範囲内の衝撃中の超音波振動振幅および約3〜30kgのツール圧。 超音波衝撃処理による溶接中または超音波衝撃処理中のシステム「構造内のツール溶接継手」の共鳴振動数の安定化が、そのようなタイプの溶接継手の場合の方法処理終結基準である。
    (I) 重ね溶接継手および仮付け溶接

    重ねまたは仮付け溶接継手は、溶接端できわめて亀裂を起こしやすく、亀裂はすぐに短い溶接部分に伝搬する。 これらの継手における亀裂形成は、主として、溶接欠陥、不都合な溶接止端角、応力集中、局所安定性および継手強さの損失ならびに疲れのせいである。 これらの問題は、本発明の超音波衝撃処理に付されて溶接とベース金属との間で滑らかな移行部を形成する溶接継手を形成することによって解決することができる。 同時に、仮付け溶接端および溶接止端線におけるこのような移行部は超音波塑性変形を受け、仮付け溶接の疲れ限度は、未処理状態に比較して最低で約1.3倍の大きさであり、耐疲労性、極限強さおよび衝撃強さはベース金属のもの以上である。 溶接継手および超音波衝撃処理によるその変形のモードの概略が図14a〜14cに示されている。 図14aは、未処理の重ね継手およびそれに対する応力80を示す。 図14bは、超音波衝撃ツール82によって処理されて指定されたような圧縮応力区域をその上に形成する最中の重ね継手を示す。 図14cは、処理された重ね継手84およびそれに対応する応力を示す。

    より具体的に、図14aは、最大引張り応力が、その縦方向溶接収縮および、程度は低めであるが、横方向溶接収縮のせいで、仮付け溶接端に局在していることを示す。 この状況は、仮付け溶接端区域が作用応力集中区域と一致するという事実によって悪化する。

    本発明の超音波衝撃処理は、溶接継手変形モードの本質を変化させ、引張り応力を再分布させ、圧縮応力によってそれらに取って代わり、作用荷重による引張り応力を、応力集中が起こりにくい溶接継手領域に移動させる。 本発明の超音波衝撃処理は、所与の継手の設計特徴のせいである応力集中ならびに可変性および反転荷重サイクルの不都合な本質の下で金属疲労によって生じる亀裂の形成に対する所与の溶接継手の抵抗を改善する。

    したがって、図14a〜14cに示すように、超音波塑性変形中の溶接継手の材料性質を変化させることにより、残留応力再分布と並行に、亀裂形成に対する所与の溶接継手の抵抗の改善が達成される。

    所望の溶接継手を提供する本発明の超音波衝撃処理のパラメータは以下を含む:ゼロよりも大きく約2000Hzまでの超音波衝撃振動数、平均で約1ms以上の超音波衝撃長さ、約0.2mm以上の衝撃振幅、約18kHz以上のインデンタ超音波振動搬送振動数、炭素鋼の場合で約25μm以上であり、アルミニウム合金の場合で約30μm以下である衝撃中のインデンタ超音波振動振幅、約3kgおよびそれ以上の被処理面に対するツール圧。
    (J) かど溶接継手

    継手周囲に沿って変化する開先ならびに90°未満の変化するフランク角および完全溶接溶込みを有するかど溶接継手の製造精度および高い耐疲労性を得ることは困難な技術的問題である。 この問題は、存在する特定の溶接応力および変形分布ならびに溶接周囲に沿って空間継手中に向けられた複合体の形成の幾何学的条件に対する継手疲れ限度依存性によって悪化する。

    溶接中および常温金属に対して本発明にしたがって実施される超音波衝撃処理は、そのような複合継手の周囲に沿って指定された寸法精度を可能にし、疲れ限度を最低でも1.3倍高める。 超音波衝撃処理によって処理された、周囲に沿って変化する開先および90°未満の角度を有するかど溶接継手の略図が図15aおよび15bに示されている。 溶接継手は90と指定され、溶接は91と指定されている。 超音波衝撃ツール93は、異なる溶接処理位置で示されている。

    ウェブとフランジとの間の角度が<90°であり、完全溶込みまたは溶込み不良を有するかど溶接継手が広く使用されており、そのことが、技術費用を最小化するとともに寸法精度ならびに適切な疲れ限度および寿命を提供する問題を前面に押し出している。 本発明の超音波衝撃処理は、縦方向および横方向溶接収縮の超音波およびインパルス補正、ウェブに対するフランジの対称角変形、応力集中区域における材料性質および状態変化によってこの問題を解決する。 これは、ウェブとフランジとの間の角度が<90°である溶接継手を考慮し、指定された継手寸法精度ならびにそれぞれ1.3倍および10倍以上の疲れ限度および寿命の増大を得ることを考慮したものである。

    本発明の溶接かど継手の略図が図16aおよび16bに示されている。 図16aは、溶接の前にかどを形成するための加工物100を示す。 図16bは、超音波衝撃ツール102によって処理されているかど溶接101を含む加工物を示す。 超音波衝撃処理ののち、被処理材料の性質に変化が生じる。 超音波衝撃処理後の指定寸法の逸脱は、縦方向および横断方向の変形の公差範囲内である。 処理後の溶接かど継手の疲れ限度は、未処理状態の溶接かど継手のものの最低1.3倍の大きさである。 処理後の溶接かど継手の寿命は、未処理状態の溶接かど継手のものの最低10倍の長さである。

    したがって、図15a〜15bおよび16a〜16bに示すような、変化なる開先角および「一定の」開先角を有するかど溶接継手の製造およびメンテナンスは、一方ではそのような継手に必要な精度および他方ではその指定寿命を最小限の製造費で提供する機械工学的解決手段を探求する必要性を伴う。

    かど溶接継手の精度は、そのサービス信頼性、設計負荷能力および外部荷重抵抗を保証するべきである。 溶接継手の耐久性は、変動荷重および反転荷重に対する溶接継手の抵抗を介して表される寿命を保証するべきである。

    溶接継手精度は一般に、熱処理により、コスト高なコンダクタツールセットを使用して達成される。 溶接継手の耐久性は、ベース金属および溶接消耗品の選択のための特殊な手法、より大きな溶接寸法ならびに残留応力軽減のための熱処理によって達成される。

    本発明の超音波衝撃処理は、製造費を最小限にし、熱処理の必要性をなくし、溶接における多量の溶接金属の使用をなくす。 これは、残留溶接応力および変形の超音波緩和および再分布によって達成され、また、溶接継手材料性質を、溶接継手材料の超音波塑性変形によって影響される区域にあるベース材料のレベルになるように変化させることによって達成される。

    本発明の超音波衝撃処理は、製造条件および溶接法に依存して、溶接中の高温の金属、冷却中の金属または溶接後の常温の金属に適用することができる。

    本発明の超音波衝撃処理の成果は、溶接金属の層処理、応力集中区域における集中排除開先の形成および処理の過程における超音波衝撃処理結果のインプロセスまたはオンライン制御によって達成される。

    本発明のかど溶接継手のための超音波衝撃処理条件は:約1200Hzまでの超音波衝撃振動数、約1ms以上の超音波衝撃長さ、約0.2mm以上の衝撃振幅、約18kHzおよびそれ以上のインデンタ超音波振動搬送振動数、炭素鋼の場合で約25μm以上であり、アルミニウム合金の場合で30μm以下である衝撃中のインデンタ超音波振動振幅、手作業または機械化処理に付された場合で約3kgおよびそれ以上の被処理面に対するツール圧を含む。
    (K) 溶離、粒度、ガス抜きおよび気孔

    長期間および長い溶接金属冷却期間の条件下、多量の溶融池で作られた溶接継手は溶離しやすい。 この現象は主に、大きな粒子の成長およびベース金属とのその境界から中心への溶融池結晶化の方向によって説明される。

    溶接および溶接金属の冷却の間に本発明のパラメータ内に含まれる超音波衝撃処理が、溶融金属の多量の超音波結晶化ならびに大きな粒子の超音波およびインパルス再結晶化に基づいてこの問題を解決する。 溶融池中の多量の結晶化は、溶接に沿って伝搬する超音波からそれに対する超音波衝撃の結果として発生する超音波振動によって生じる音波流および増強したキャビテーションによって起こる。 溶接金属および近溶接区域は、溶接および冷却中の近溶接金属に対する超音波衝撃の直接的な作用の下、再結晶化する。 これは、溶接部分にかかるすべての方向において指定された溶接金属位相均質性を提供する。 構造的位相均質性を有する溶接継手は、代表的な部分が拡大されている図17aおよび17bに示す略図にしたがって形成することができる。 図17aは、溶接の中心に溶離110を有する溶接を示す。 図17bは、本発明のパラメータ範囲内で溶接を処理して超音波衝撃活性化結晶化111を有する溶接を提供する超音波衝撃ツール112を示す。 衝撃は、図17bに示す溶接に対し、矢印ならびに実線および破線で示すツール112によって示すように提供される。

    溶接継手の信頼性を担うもっとも重要な特性、たとえばサブゼロ温度ならびに高温および周囲温度における衝撃強さ、降伏および極限強さ、糸引き性および亀裂抵抗は粒度に依存する。 方法のパラメータの範囲内で、溶融金属の最大感度に対応するアークから結晶化中心形成までの距離で実行され、粒子成長の過程で金属を粒子再結晶に固化させる超音波衝撃処理がこの問題をうまく解決する。 したがって、溶接金属の微粒構造および熱影響ゾーンの理由で厳しい機械的強さ要件を満たし、指定された物理的および機械的性質を所有する新たなタイプの溶接継手が形成される。 このような継手が得られる方法の略図が図18aおよび18bに示されている。 図18cは、超音波衝撃処理から得られる、継手に関する機械的強さおよび衝撃強さを示すグラフである。 図18aは、超音波衝撃処理に付されなかった溶接120(説明のために拡大した部分がある)を示す。 図18bは、矢印ならびに実線および破線で示すツールにしたがって溶接に対して動く超音波衝撃ツール122による処理によって超音波衝撃活性化された結晶化(例示的な拡大部分で示す)を有する溶接121を示す。 図18cは、溶接120および溶接121に関するデータを示す。

    溶接継手の基本的な品質基準の一つは、溶接金属中の気孔の存在または不在である。 この性質は、主として、溶接の過程における溶融池ガス抜き効率によって決まる。 本発明の超音波衝撃処理は、溶接の過程における溶融池超音波ガス抜きの開始に基づき、この問題に対する効果的な解決手段を可能にする。

    この効果は、上記で述べたパラメータを使用して、溶融金属中のガス介在物の最小可溶度に等しい、溶融池液相に対応するアークからの距離で溶接金属または対応する金属に対して実施される超音波衝撃処理によって達成される。 溶接継手およびそのガス抜きの略図が図19aおよび19bに示されている。 図19aは、超音波衝撃処理に付されていない、溶接のルート区域に目に見える気孔を有する溶接130を示す。 図19bでは、溶接131は、超音波衝撃によって処理されてガス抜きを活性化しているため、気孔は見えない。 超音波衝撃ツール132による処理は、矢印ならびに実線および破線で示すツール132によって示すように溶接にかかっている。

    したがって、記載されているものは、新規な性質、たとえば多量の溶融金属における耐溶離性、信頼しうる再結晶化および微粒構造形成ならびに気孔形成に対する溶接金属抵抗を有する溶接継手を製造することに関する、溶接中の本発明の超音波衝撃処理の三つの可能な用途である。

    溶融金属の挙動、溶融金属および継手の全体としての構造および性質に対する本発明の超音波衝撃処理の効果は、溶融池からの超音波衝撃区域の距離および超音波衝撃パラメータの対応する方法選択に基づく。 各具体的な場合、本発明にしたがって溶接区域に対して実施される超音波衝撃処理区域場所の選択基準は、溶融金属および溶接金属それぞれの効果的な結晶化および再結晶化の温度範囲ならびに溶融池における最小ガス溶解度の温度範囲である。 この場合、本発明の超音波衝撃処理のパラメータは、非処理材料の性質および超音波衝撃処理区域における温度の条件により、以下の範囲内にセットされる:約0.1〜50kgのツール圧、約10〜800kHzの変換器における超音波振動搬送振動数、無荷重条件下、衝撃中の、約0.5〜120μmの搬送振動数における超音波振動振幅、約0.05〜5mmのツール自励発振振幅および約1ms以上の平均超音波衝撃期間。
    (L) 拡散

    鋼製、特にフェライト鋼製の厳しい脆性破壊抵抗要件を有する溶接継手は、溶接の前に予備的にまたは溶接中に同時に加熱されて、継手金属から拡散水素を排出する。 これは、結果として、オペレータの仕事場における高い温度、環境の汚染および構造の追加的加熱によって生じる残留溶接変形の増大を生じさせる。

    溶接中に本発明にしたがって溶融池から離れたところおよび/またはエッジの常温金属上でまたは溶接後に、いっしょになって拡散水素の最大移動度に対応する超音波衝撃の強さおよびスペクトルで実施される超音波衝撃処理は、脆性破壊に対する高い抵抗を有する溶接継手を製造する。 したがって、予備的および同時の加熱の要件が最小限になる。

    溶接継手の略図が図20aおよび20bに示されている。 図20cは、超音波衝撃処理後の継手の金属中の残留拡散水素含量の最小化を示すグラフである。 図20aは、超音波衝撃処理に付されておらず、したがって目に見える気孔を有する溶接140(例示的な拡大部分を有する)を示す。 図20bは、処理中に矢印ならびに実線および破線で示す超音波衝撃ツール142にしたがって溶接に対して動かされるツール142を使用する超音波衝撃処理に伴う冷却または常温エッジ加工によって活性化された結晶化(気孔なし)を有する溶接141(例示的な拡大部分を有する)を示す。 処理は、以下に記すパラメータの範囲内で起こる。 図20cは、鋼の場合の許容水素含量限界を示す。 鋼の場合、溶接の前に、溶接継手金属中の残留水素の許容可能レベルが5cm 3 /100gを超えないことが一般的である。 図20cは、対応する参照番号によって指示される、図20aおよび20bに示す溶接の場合の水素含量を示す。

    本発明の溶接継手の超音波衝撃処理は、金属が水素飽和を起こしやすいという事実を考慮して、任意の製造条件:すなわち溶接前の常温エッジに対してまたは溶接中に溶融池の前にいくらか離れたエッジに対してまたは溶接中に溶接池の後にいくらか離れた溶接金属に対してまたは溶接後の溶接金属に対して、新規な構造の製造、その革新、予防的メンテナンスまたは補修における一定の温度範囲内で実施される。

    上記で参照したすべての条件に関して、本発明の方法の処理の前に、効果的な拡散水素除去およびこの状態における金属の維持を提供するための温度範囲または一時的条件が決定される。

    図21に示す飽和図から、本発明の超音波衝撃処理が広い温度範囲内で拡散水素の含量を少なくとも2倍減らすということが見てとれる。

    上記に提示した結果を保証する本発明の超音波衝撃処理のパラメータは:約2500Hzまでの超音波衝撃振動数、約0.2mm以上の超音波衝撃振幅、約1ms以上の超音波衝撃の平均統計的長さ、約15kHzおよびそれ以上の超音波振動搬送振動数、処理される金属の温度およびグレードに依存して約15μm以上であり、常温金属が処理される場合には約30μm以上である衝撃中の超音波振動振幅、手作業処理の場合には約5kg以上であり、機械化処理の場合には約10kg以上である非処理面に対するツールのプレス力を含む。
    (M) 攻撃的環境―応力腐食(前および最中の処理)

    変動荷重下の応力腐食損傷または破損に対する溶接継手の抵抗が、長い作動サイクルを有する被荷重構造の信頼性および寿命を決定する。 主要なパイプラインおよび沖合プラットフォームがそのような構造の例である。 応力腐食に対するそれらの保護は非常にコスト高である。

    本発明にしたがって新規な性質を提供するための処理がこの問題を解決する。 以下、攻撃的環境における応力条件または変動荷重の下での金属表面に対する超音波衝撃処理効果の主要なパラメータを記載する:
    0.8mmのサンプリング長さで5μm以上である粗さおよび2.5mmのサンプリング長さで15μm以上である波形
    材料の降伏強さ以上である、超音波およびインパルス変形の区域における圧縮応力、
    1.5 mm以上である塑性変形の深さおよび誘導された残留圧縮応力、および
    50μm以上である、材料の性質に依存する白層の形成によるアモルファス微細構造変化。

    表面および材料性質が変形するため、未処理状態の継手に比較して、腐食性環境における種々の荷重の下、継手の応力腐食抵抗が少なくとも2倍増大し、極限腐食疲れ強さは少なくとも1.3倍増大し、寿命は少なくとも7倍増大する。 これらの性質が、新たに溶接される継手および作動中の溶接継手に等しく当てはまるということは有意である。

    高炭素含量の鋼で作られ、超音波衝撃処理に付された溶接継手の結果および性質が図21に示されている。 図21では、いかなる材料の表面ででも典型的に起こる不規則な腐食ののち、安定な過程が起こり、その間に、この方法にしたがって超音波衝撃処理によって処理された層の腐食速度が、最低でも、実験データに基づく溶接後の金属のものの4倍の低さであることが示されている。 本発明にしたがって超音波衝撃処理によって処理された炭素鋼が海水中の応力腐食に抵抗する最低等価期間は10年である。

    上記で提示した結果を保証する本発明の超音波衝撃処理のパラメータは:約500Hzまでの超音波衝撃振動数、約0.5mm以上の超音波衝撃振幅、約1ms以上の超音波衝撃の平均期間、約15kHz以上の超音波振動搬送振動数、約20μm以上の衝撃中の超音波振動振幅および約5kg以上の非処理面に対するツールのプレス力を含む。
    (N) 溶接継手中の穴

    溶接構造作動の実施は、ある程度、溶接継手の近くまたはその中の区域における割れ止め手段として穴を使用する必要性を伴う。 そのような継手における損傷は、そのような穴によって止められる亀裂から発生するだけでなく、穴そのものから発生することもある。 理由は、穴を開ける際に発生する表面の引き裂けにあり、これが作動中に応力集中区域になり、それが他方で疲れを生じさせる。

    割れ止め穴のある信頼しうる溶接継手を得るためには、本発明の超音波衝撃処理を、まず両方の亀裂側面に適用し、次いで穴に適用する。 穴は、穴を開ける際に入口および出口領域で金属が損傷するところで処理するが、ただし、損傷側からの穴の深さの1/5未満までにする。 材料の降伏強さ以上である残留圧縮応力が、超音波およびインパルス塑性変形に付された層の中に形成する。 この場合のインデンタ形状は、穴の損傷部分への自由なアクセスを提供するように選択されるということに留意すること。

    穴のある溶接継手の略図および処理の結果が図22aおよび22bに示されている。 図22aは、既知の対応する応力を生じさせる従来のチップ穿孔を使用して調製された溶接150中の二つの穴の間の亀裂を示す。 図22bは、従来のチップ穿孔ののち衝撃ツール152による超音波衝撃処理を使用して調製された溶接151中の二つの穴の間の亀裂を示す。 チップ穿孔から生じる対応する応力は、圧縮応力区域153の形成のせいで変化している。 図22bはまた、超音波衝撃ツール152のニードルインデンタ154ならびに穴155および穴のエッジ156を処理して亀裂の端部で穴の中に材料の引き裂きを生じさせる方法を示す。 穿孔後の穴区域の引張り応力が圧縮応力によって取って代わられ、可能な圧縮応力が、構造中の、作用応力集中、ひいては疲労亀裂の開始が起こりにくい領域中に移されることが示されている。

    非常に広い範囲の金属に関して上記に提示した結果を保証する本発明の超音波衝撃処理のパラメータは:約500Hzまでの超音波衝撃振動数、約0.5mm以上の超音波衝撃振幅、約1ms以上の超音波衝撃の平均期間、15kHz以上の超音波振動搬送振動数、約30μm以上の衝撃期間中の超音波振動振幅、約5kg以上の被処理面に対するツールのプレス力を含む。
    (O) ブラケット

    ブラケット面が主溶接と交差するところの半径切欠きを有するブラケットの溶接継手は、溶接構造の製造で広く使用されている典型的な溶接継手である。 そのような構造のもっとも危険は部品は、ブラケットがパネルに溶接されるときの切欠き区域の溶接端および溶接止端線である。 このような継手における寸法精度もまた非常に重大な問題を呈する。

    本発明のパラメータの範囲における、半径切欠き中のブラケットおよび溶接端に沿った溶接の超音波衝撃処理が、未処理の継手のものの1.3倍の耐疲労性の最小限の増大で寸法精度要件を満たす溶接継手を生じさせる。

    超音波衝撃処理の前後のブラケット溶接継手の略図が図23aおよび23bに示されている。 ブラケットパネル160は、超音波衝撃処理の不在の場合、ブラケット溶接の区域に亀裂161を有している。 ブラケット面は主溶接と交差し、パネルとの接続がブラケット端に対する縦方向すみ肉溶接によって半径切欠き中に形成されている。 図23bは、超音波衝撃によって処理されて処理ゾーン162を提供したブラケットを示す。 ブラケット沿いの溶接および半径切欠き中の溶接端における溶接の超音波衝撃処理は、溶接継手が寸法精度要件を満たし、未処理のブラケット構造の同じ性質と比較して1.3倍の耐疲労性の最小限の増大を生じさせることを保証する。

    切欠き区域の溶接端が本発明にしたがって超音波衝撃処理によって処理される場合、この区域へのインデンタのアクセスを提供するために特殊なツールヘッドが使用される。

    非常に広い範囲の金属に関して上記に提示した結果を保証する本発明の方法による超音波衝撃処理のパラメータは:約300Hzまでの超音波衝撃振動数、約0.5mm以上の超音波衝撃振幅、約1ms以上の超音波衝撃の平均期間、15kHzおよびそれ以上の超音波振動搬送振動数、約30μm以上の衝撃中の超音波振動振幅、約3kg以上の被処理面に対するツールのプレス力を含む。
    (P) マルテンサイト形成しやすい溶接継手

    残留溶接変形を最小限にすべきであるとき、特定の場合には、溶接処理の直後の溶接継手の強力な強制冷却が使用される。 これは、特に炭素鋼の場合に、マルテンサイトの放出を伴う周知の硬化効果および限られた延性を有する継手の形成を生じさせる。 マルテンサイト分解は、狭い指定温度範囲内での継手のさらなる強制加熱および長期間のソーキングによって達成される。 この手法は、大きなエネルギー消費を有し、狭い温度範囲内での加熱およびソーキングの条件の達成に関して複雑であり、不十分な結果の一貫性を特徴とする。

    マルテンサイト分解およびソルバイトもしくは焼き戻しマルテンサイトによるその置き換えの温度に対応する加熱アークからの距離における本発明のパラメータの範囲内でのこのタイプの継手の超音波処理は、この範囲の下限より最低でも約1.5倍の大きさである温度範囲で溶接継手構造を変化させるが、範囲そのものは、超音波衝撃処理の不在における上述の条件下でのマルテンサイト形成の可能性を下げるために溶接において必要であるそれより最低でも2倍の大きさである。 これが起こると、マルテンサイト分解時間は少なくとも10倍減る。 これは、マルテンサイト分解の急進的に増大した加工温度範囲で溶接継手を製造するが、範囲の平均温度は、この問題を解決するために必要な標準条件に対して低下する。

    例示的な鋼サンプル12XH3の場合の過冷却されたオーステナイト(マルテンサイト)分解の図が図24に示されている。 ライン1は、超音波処理に付されていないサンプルの場合の温度T1におけるマルテンサイト変態を示す。 ライン2によって示す、本発明の超音波衝撃処理に付されたサンプルは、温度T2でマルテンサイト変態を有する。 T1>T2。 標準的な熱処理中のマルテンサイト分解過程が495℃〜430℃の温度範囲内で最低3時間で起こることができるというがことが図24に示されている。 本発明の超音波衝撃処理中、同じ過程が260℃〜390℃の温度範囲内で3〜4分間続くことができる。

    非常に広い範囲の金属に関して上記に提示した結果を保証する本発明の超音波衝撃処理のパラメータは:約800Hzまでの超音波衝撃振動数、約0.5mm以上の超音波衝撃振幅、約1ms以上の超音波衝撃の平均期間、約15kHz以上の超音波振動搬送振動数、約30μm以上の衝撃中の超音波振動振幅、約10kg以上の被処理面に対するツールのプレス力を含む。

    これは、マルテンサイト分解の急進的に増大した加工温度範囲で溶接継手を製造するが、範囲の平均温度は、溶接構造の実際のフローライン自動またはコンピュータ援用製造の期間内でこの問題を解決するために必要な標準条件に対して減少する。
    (Q) 保護および/または硬化コーティングを有する溶接継手

    溶接継手のメンテナンスは、多くの点で、種々の金属または非金属コーティングを使用することによる保護または硬化の必要性に関連する。 このような場合、溶接、近溶接区域および溶接止端の塑性変形の公知の方法を含む任意のタイプの機械的作用の使用は、求められるコーティング結着性によって制限される。

    本発明の超音波衝撃による処理は、コーティング上に実施することができるため、上記問題を解決し、特定の新規な性質を有する溶接継手を製造することを可能にする。 この場合、溶接継手における指定された性質とともに保護または硬化コーティングの結着性および性質の改善が得られる。

    このような溶接継手の例が図25a、25bおよび25cに示されている。 図25aは、コーティングおよび超音波衝撃処理の前の溶接を示す。 図25bは、コーティング170を適用したのち、コーティングされた溶接の超音波衝撃処理の前の同じ溶接を示す。 図25cには、超音波衝撃処理の後のコーティングされた溶接が示されている。 溶接中の開先および応力集中部の改変がコーティング170上の171によって指定されている。 図25cの溶接継手において、ウェブの厚さが4mmである場合、半径は最低で0.5mmであり、幅は10mmまでであり、深さは2mmまでであり、コーティング厚さは0.15mmである。 図25a〜25cには、本発明の超音波衝撃処理が、特殊なコーティングを以下の順序で使用することにより、指定された性質を有する溶接継手を製造する方法を可能にするということが示されている:溶接による継手の製造、保護または硬化コーティングの適用および本発明の超音波衝撃処理。

    コーティング結着性を維持するために、本発明の超音波衝撃処理の条件は、コーティング面に対する接触圧および超音波衝撃処理区域における圧力勾配がコーティングの破断強さを超えないように選択される。

    非常に広い範囲の金属に関して上記に提示した結果を保証する本発明の超音波衝撃処理のパラメータは:約1500Hzまでの超音波衝撃振動数、約1mm以上の超音波衝撃振幅、約1ms以上の超音波衝撃の平均期間、約20kHz以上の超音波振動搬送振動数、約30μm以下の衝撃中の超音波振動振幅、コーティング破断強さを超えない、個々の超音波衝撃処理ツールマーク間の境界における接触圧および圧力勾配、約3kg以上の被処理面に対するツールのプレス力を含む。
    (R) 溶接構造

    上記の溶接継手およびその継手を得る方法は、高い品質および信頼性要件を満たす溶接構造の形成を可能にする。 本発明の下で得ることができる種々の溶接継手180を例示するための構造図が図26に概略的に示されている。 要素、詳細、継手および材料の集合または任意の組み合わせとしてのこのような構造は:パネル、パネルに対して垂直または斜めに溶接される連続または変動開先角を有する円柱形要素、平坦な構造要素、ウェブ、ブラケット、かど継手、重ね継手などを含むことができる。 溶接継手の品質および信頼性は、本発明による継手の超音波衝撃処理により、継手における改善された性質の提供によって改善される。

    当業者には明らかであるように、前記記載の範囲内で種々の改変を加えることができる。 当業者の能力の範囲内であるこのような改変は、本発明の一部を形成し、請求の範囲によって包含される。

    超音波衝撃を生じさせる超音波変換器の振動を振幅および時間に関して示す。

    超音波衝撃によってランダムに伝達されるインパルス力を振幅および時間に関して示す。

    本発明の方法を使用して得られる長期化された超音波衝撃を振幅および時間に関して示す。

    未処理の高強度鋼および本発明にしたがって処理された高強度鋼の疲れ限度をそれぞれ示す。

    溶接構造の材料の応力集中区域における応力および変形の分布を示す。

    ガーダおよびそれを用いて可能な荷重条件ならびに外部力の危険な効果を補正する超音波衝撃処理後の応力集中区域における変化を通して示される荷重条件の変化を一例として示す。

    本発明の処理の前後におけるソケット溶接継手および継手の応力に対する効果を示す。

    超音波衝撃によって誘発される圧縮応力に対する欠陥遅延機構を示す。 図8aは処理前の継手を示し、図8bは処理中の継手を示し、図8cは処理後の継手を示す。

    指向性溶接収縮を考慮して、一例として対称かど溶接継手を使用する溶接変形補正の技術を示す。 図9aは、超音波衝撃処理前の溶接継手およびその公差を示し、図9bは、超音波衝撃処理後の溶接継手およびその公差を示す。 図9cは、変形補正方向整合の略図を示す。

    超音波衝撃処理によって亀裂および応力を再分布させた溶接継手の補修の作用メカニズムを示す。

    溶接金属のプラスのフランク角によってルート割れ形成から防護された溶接継手の形成を示す。

    ルート割れ形成から防護されるように形成されたもう一つの溶接継手を示す。

    その超音波衝撃処理の前、最中および後のスポット溶接継手を示す。

    未処理の重ね継手を示す。

    処理中の重ね継手を示す。

    処理後の重ね継手を示す。

    本発明の処理の前後のかど溶接継手をそれぞれ示す。

    超音波衝撃処理の前後のもう一つのかど溶接継手をそれぞれ示す。

    超音波衝撃処理の前後の溶接継手の構造位相均質性(拡大部)をそれぞれ示す。

    未処理の溶接継手(拡大部を含む)および溶接継手における結晶化を活性化するための超音波衝撃処理後の溶接継手(図18b)を示す。

    処理された溶接継手および未処理の溶接継手を表すグラフである。

    超音波衝撃処理活性化ガス抜きを実施しない場合および実施した場合の溶接継手をそれぞれ示す。

    水素含量を有する溶接継手および水素含量を有しない溶接継手を示す。

    許容水素含量の継手を、超音波衝撃処理後の残留水素含量拡散を最小限化した継手と比較するグラフである。

    高い炭素含量の鋼の溶接継手の腐食速度を未処理の場合と本発明の超音波衝撃によって処理した場合とで示すグラフである。

    亀裂の先端に穴を有する溶接継手を、超音波衝撃処理の前および最中でそれぞれ示す。

    超音波衝撃処理の前後の溶接ブラケット継手をそれぞれ示す。

    鋼中の過冷却オーステナイト分解の図である。

    コーティングおよび超音波衝撃処理(UIT)前の溶接継手、保護コーティング適用後かつUIT前の溶接継手およびコーティング上にUITを施した後の溶接継手をそれぞれ示す。

    得ることができる溶接継手構造の例を示す。

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