カチオンキレーターホットスタート

申请号 JP2016548369 申请日 2015-01-15 公开(公告)号 JP2017504336A 公开(公告)日 2017-02-09
申请人 キアゲン ゲーエムベーハー; キアゲン ゲーエムベーハー; 发明人 アレクサンダー アザウイ,; アレクサンダー アザウイ,; ラルフ パイスト,; ラルフ パイスト,;
摘要 本発明は、核酸改変反応における酵素的活性の制御の分野におけるものである。本発明は、キレート剤の反応組成物への添加によって酵素的活性を制御する方法を記載し、二価カチオンのこれらのキレート剤への結合と一般的に使用される緩衝剤のpHとの両方が、 温度 依存性であるという事実を利用する。非特異的な副産物によって妨げられるPCR実験は制御され得、それにより、標的配列は、より特異的な様式で増幅される。核酸改変反応は、学究的背景と産業的背景との両方における現代の 生物 学的研究および薬学的研究において中心的な役割を担う。
权利要求

(i)a.少なくとも1種の酵素であって、該酵素の活性が、反応組成物における二価カチオンの存在に依存する、酵素、 b.二価カチオン、 c.キレート剤であって、該カチオンの該キレート剤への結合が、該反応組成物のpHおよび/または温度に依存している、キレート剤、 d.酸解離定数が温度依存性であり、それにより温度における変化が該反応組成物のpHの変化をもたらす、緩衝系、 e.該酵素のための基質 を含む反応組成物を提供する工程、および (ii)該反応組成物において温度を変化させる工程であって、それによりキレート剤に結合する二価カチオンが、これらの錯体から放出され、ここで、該酵素は、これにより活性化されるか、またはその活性が上昇される、工程、 の工程を含む、反応組成物における酵素活性の制御のための方法。前記酵素が、核酸改変酵素である、請求項1に記載の方法。前記核酸改変酵素が、ポリメラーゼ、逆転写酵素およびヌクレアーゼを含む群から選択される、請求項1〜3に記載の方法。前記核酸改変酵素の活性が、基質結合および基質プロセシングを含む、請求項2に記載の方法。前記核酸改変酵素からの前記二価カチオンの除去が、低下した活性または活性の消失をもたらす、請求項1〜4に記載の方法。前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコールビス(アミノエチル)N,N’−四酢酸(EGTA)およびニトリロ三酢酸(NTA)を含む群から選択される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。前記二価カチオンが、Mg2+、Ca2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+およびCo2+を含む群から選択される、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。前記キレート剤が、EDTAであり、前記カチオンが、Mg2+、Ca2+、Mn2+、Cu2+、Ni2+、Zn2+およびCo2+から選択される、前記請求項のいずれかに記載の方法。前記キレート剤がEGTAであり、前記カチオンがCa2+および/またはMg2+である、前記請求項のいずれかに記載の方法。前記キレート剤がNTAであり、前記カチオンがCa2+および/またはCu2+および/またはCo2+である、前記請求項のいずれかに記載の方法。前記反応組成物が、緩衝系、好ましくはTris緩衝系を含み、前記二価カチオンが、好ましくは0.01と20mMとの間の濃度の、Mg2+であり、前記キレート剤が、0.05と50mMとの間の濃度のEGTAであり、前記核酸改変酵素が、DNAポリメラーゼ、好ましくはホットスタートポリメラーゼである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。前記反応組成物が、緩衝系、好ましくはTris緩衝系を含み、前記二価カチオンが、Mg2+、Ca2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+およびCo2+の群から選択され、前記キレート剤が、EGTA、EDTAおよびNTAの群から選択され、前記核酸酵素が、ヌクレアーゼである、前記請求項のいずれか1項に記載の方法。i.緩衝系 ii.キレート剤 iii.核酸改変酵素 iv.前記酵素のための二価カチオン を含む、核酸改変反応を行うためのキット。

说明书全文

本発明の分野 本発明は、核酸化学の分野に関連する。より詳細には、本発明は、核酸改変反応の分野における酵素活性の制御に関連する。

背景 核酸改変反応は、学究的背景と産業的背景との両方における現代の生物学的研究および薬学的研究において中心的な役割を担う。そのような反応は、核酸増幅反応から、制御されかつ特異的な核酸の切断にまで及ぶ、広い範囲の応用をカバーする。これらは、過去数十年の間に広範に研究された酵素によって媒介される。

標的核酸配列の増幅は、現代の生物学的産業および薬学的産業に重要である。産業的研究において使用される大規模なロボット設備は、標的配列が下流の応用のために正確に増幅されることを保証するために、増幅条件の精確かつ効率的な制御に依存する。

しかしながら、そのような酵素の活性の制御は、些末な課題ではない。ポリメラーゼの場合において、効率的な増幅は、プライマーの長さ、プライマー配列と標的配列との両方のGC含量ならびに反応緩衝剤のイオン強度および組成などのパラメーターの複雑な相互作用に依存している。更に、プライマーの非特異的結合は、増幅サイクルの間により低い温度でしばしば観察される。これは、非特異的な副産物の画分を増大させ、全体としての増幅反応の効率を低下させる。

これに対処するために、ポリメラーゼの分野における最近の展開は、「ホットスタート」ポリメラーゼを記載する。このクラスの酵素は、化学的に不活性化されているか、または特異的な抗体もしくはアプタマーの結合によってブロックされた活性部位を有するかのいずれかである。高温での活性化工程の後、化学修飾は切断され、酵素が活性化される。

「ホットスタート」ポリメラーゼに加えて、いわゆる「ホットスタート」プライマーおよび「ホットスタート」ヌクレオチドもまた開発された。これらは、化学的に修飾されたプライマーであって、当該修飾は、高温で切断され、それにより当該プライマーは、機能的になり、そしてその標的配列にハイブリダイズできる。しかしながら、そのようなプライマーの合成は、高価でありかつ標準的なプライマーよりも多くの時間を必要とする。「ホットスタート」プライマーと「ホットスタート」ポリメラーゼとの両方の場合において、熱で誘導される化学修飾の除去が非可逆性であるため、ブロックする特性は一度しか利用可能でない。

酵素および基質の精巧な修飾を含まずに、酵素的活性の制御を可能にする方法についての必要性が存在する。

本発明の簡潔な記載 本発明は、反応組成物において二価カチオンの濃度を調整することによって、酵素的活性を制御する方法に関連する。

反応組成物は、少なくとも1種の酵素(前記酵素の活性は、二価カチオンに依存している)、キレート剤、二価カチオン(前記カチオンの前記キレート剤への結合は、反応組成物のpHおよび/または温度に依存している)、緩衝系(酸解離定数は温度依存性であり、それにより、温度における変化が性溶液のpHの変化をもたらす)および前記酵素の基質を含む。加えて、反応組成物において温度を変化させることは、キレート剤に結合する二価イオンが、これらの錯体から放出されることをもたらし、それによって当該酵素は活性化されるか、または活性を上昇させる。前記カチオンをキレートすることは、構造についての影響を有しない(前記カチオンを選択的に錯体化することは、活性を調節する)。活性における変化は、可逆性である(キレートすることによる不活性化は、温度上昇で前記カチオンを放出することによって逆転され得る)。

本発明はまた、核酸改変反応を行うためのキットに関連し、緩衝系、キレート剤、核酸改変酵素および前記酵素のための二価カチオンを含む。

キレート剤の選択。 EDTA、EGTAおよびNTAのpK値のpH依存性。pK値の対数値が、pH値に対してプロットされる。

HugI PCR増幅実験のアガロースゲル。 レーンは、以下のように注釈を付けられる:1:DNAラダー、2:MMA+5mM Mg、3:MMA+6mM Mg、4:MMA+7mM Mg、5:MMA+8mM Mg、6:MMA+9mM Mg、7:MMA+10mM Mg、8:DNAラダー、9:DNAラダー、10:MMB+0.5mM Mg、11:MMB+1mM Mg、12:MMB+2mM Mg、13:MMB+3mM Mg、14:MMB+4mM Mg、15:DNAラダー。 Mg濃度における上昇は、標的産物「特異的PCR産物」の成功裡の増幅を導くが、多くの非特異的産物が見える(レーン10〜レーン12)。Mg濃度の更なる上昇は、非特異的PCR産物の生成を導く(レーン14、4mM Mg Cl

2)。対照的に、5〜10mM MgCl

2の存在下での5mM EGTAの添加は、特異的PCR産物をもたらすが(レーン2〜レーン7)、非特異的副産物(by product)の量は、Mg濃度が上昇されるのと同時に上昇する。

融解曲線(EGTA滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:0.25mM EGTA、C:0.5mM EGTA、D:0.75mM EGTA、E:1mM EGTA、F:1.5mM、G:2mM EGTA、H:4〜10mM。

融解曲線(EGTA滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:0.25mM EGTA、C:0.5mM EGTA、D:0.75mM EGTA、E:1mM EGTA、F:1.5mM、G:2mM EGTA、H:4〜10mM。

融解曲線(EGTA滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:0.25mM EGTA、C:0.5mM EGTA、D:0.75mM EGTA、E:1mM EGTA、F:1.5mM、G:2mM EGTA、H:4〜10mM。

融解曲線(EGTA滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:0.25mM EGTA、C:0.5mM EGTA、D:0.75mM EGTA、E:1mM EGTA、F:1.5mM、G:2mM EGTA、H:4〜10mM。

融解曲線(EGTA滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:0.25mM EGTA、C:0.5mM EGTA、D:0.75mM EGTA、E:1mM EGTA、F:1.5mM、G:2mM EGTA、H:4〜10mM。

融解曲線(EGTA滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:0.25mM EGTA、C:0.5mM EGTA、D:0.75mM EGTA、E:1mM EGTA、F:1.5mM、G:2mM EGTA、H:4〜10mM。

融解曲線(EGTA滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:0.25mM EGTA、C:0.5mM EGTA、D:0.75mM EGTA、E:1mM EGTA、F:1.5mM、G:2mM EGTA、H:4〜10mM。

融解曲線(EGTA滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:0.25mM EGTA、C:0.5mM EGTA、D:0.75mM EGTA、E:1mM EGTA、F:1.5mM、G:2mM EGTA、H:4〜10mM。

融解曲線(Mg滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:5mM EGTA、C:5mM EGTA+0,1mM Mg、D:5mM EGTA+0.2mM Mg、E:5mM EGTA+0.3mM Mg、F:5mM EGTA+0.4mM Mg、G:5mM EGTA+0.5mM Mg、H:5mM EGTA+0.6mM Mg。

融解曲線(Mg滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:5mM EGTA、C:5mM EGTA+0,1mM Mg、D:5mM EGTA+0.2mM Mg、E:5mM EGTA+0.3mM Mg、F:5mM EGTA+0.4mM Mg、G:5mM EGTA+0.5mM Mg、H:5mM EGTA+0.6mM Mg。

融解曲線(Mg滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:5mM EGTA、C:5mM EGTA+0,1mM Mg、D:5mM EGTA+0.2mM Mg、E:5mM EGTA+0.3mM Mg、F:5mM EGTA+0.4mM Mg、G:5mM EGTA+0.5mM Mg、H:5mM EGTA+0.6mM Mg。

融解曲線(Mg滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:5mM EGTA、C:5mM EGTA+0,1mM Mg、D:5mM EGTA+0.2mM Mg、E:5mM EGTA+0.3mM Mg、F:5mM EGTA+0.4mM Mg、G:5mM EGTA+0.5mM Mg、H:5mM EGTA+0.6mM Mg。

融解曲線(Mg滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:5mM EGTA、C:5mM EGTA+0,1mM Mg、D:5mM EGTA+0.2mM Mg、E:5mM EGTA+0.3mM Mg、F:5mM EGTA+0.4mM Mg、G:5mM EGTA+0.5mM Mg、H:5mM EGTA+0.6mM Mg。

融解曲線(Mg滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:5mM EGTA、C:5mM EGTA+0,1mM Mg、D:5mM EGTA+0.2mM Mg、E:5mM EGTA+0.3mM Mg、F:5mM EGTA+0.4mM Mg、G:5mM EGTA+0.5mM Mg、H:5mM EGTA+0.6mM Mg。

融解曲線(Mg滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:5mM EGTA、C:5mM EGTA+0,1mM Mg、D:5mM EGTA+0.2mM Mg、E:5mM EGTA+0.3mM Mg、F:5mM EGTA+0.4mM Mg、G:5mM EGTA+0.5mM Mg、H:5mM EGTA+0.6mM Mg。

融解曲線(Mg滴定実験)。 曲線は、以下のように注釈を付けられる:A:添加剤なし、B:5mM EGTA、C:5mM EGTA+0,1mM Mg、D:5mM EGTA+0.2mM Mg、E:5mM EGTA+0.3mM Mg、F:5mM EGTA+0.4mM Mg、G:5mM EGTA+0.5mM Mg、H:5mM EGTA+0.6mM Mg。

異なる温度でのDNaseアッセイおよびEGTAの影響のアガロースゲル解析。 レーンは、以下のように注釈を付けられる:レーン2〜7におけるサンプルに相当する反応は氷上で行われ、それ故「氷上」とラベルされることに留意のこと。同様に、レーン8〜13におけるサンプルに相当する反応は42℃で行われ、したがって「42℃」とラベルされる。両方の温度での反応は、100μM EGTAの非存在下および存在下(それぞれ「0μM EGTA」および「100μM EGTA」)で行った。 レーンM:GelPilot High Range Ladder(6μl)、レーン1:1μg WGA gDNA(DNaseを添加していない)、 レーン2およびレーン3:1μl DNase(1U)5分および15分、レーン4およびレーン5:0.1μl DNase(0.1U)5分および15分、レーン6およびレーン7:0.01μl DNase(0.01U)5分および15分、レーン8およびレーン9:1μl DNase(1U)5分および15分、レーン10およびレーン11:0.1μl DNase(0.1U)5分および15分、レーン12およびレーン13:0.01μl DNase(0.01U)5分および15分。

異なる温度でのDNaseアッセイおよびEDTAの影響のアガロースゲル解析。 レーン1〜6におけるサンプルに相当する反応は氷上で行われ、それ故「氷上」とラベルされる。レーン7〜12におけるサンプルに相当する反応は42℃で行われ、したがって「42℃」とラベルされる。レーンは、以下のように注釈を付けられる:レーンK:1μg WGA gDNA。 レーン1:1U DNase、レーン2:0.5U DNase、レーン3:0.1U DNase、レーン4:1U DNase+100μM EDTA、レーン5:0.5U DNase+100μM EDTA、レーン6:0.1U DNase+100μM EDTA。 レーン7:1U DNase、レーン8:0.5U DNase、レーン9:0.1U DNase、レーン10:1U DNase+100μM EDTA、レーン11:0.5U DNase+100μM EDTA、レーン12:0.1U DNase+100μM EDTA、レーンM:GelPilot 1kb Ladder(3μl)。

本発明の詳細な記載 本発明は、反応組成物における酵素活性の制御のための方法に関連する。反応組成物は、少なくとも1種の酵素(前記酵素の活性は、二価カチオンに依存している)、キレート剤、二価カチオン(前記カチオンの前記キレート剤への結合は、反応組成物のpHおよび/または温度に依存している)、緩衝系(酸解離定数は温度依存性であり、それにより、温度における変化が水性溶液のpHの変化をもたらす)および前記酵素の基質を含む。加えて、反応組成物において温度を変化させることは、キレート剤に結合する二価イオンが、これらの錯体から放出されることをもたらし、それによって当該酵素は活性化されるか、または活性を上昇させる。前記カチオンをキレートすることは、構造についての影響を有しない(前記カチオンを選択的に錯体化することは、活性を調節する)。活性における変化は、可逆性である(キレートすることによる不活性化は、温度上昇で前記カチオンを放出することによって逆転され得る)。

好ましい実施形態において、本発明は、反応組成物における酵素活性の制御のための方法に関連する。反応組成物は、少なくとも1種の酵素(前記酵素の活性は、二価カチオンに依存している)、キレート剤、二価カチオン(前記カチオンの前記キレート剤への結合は、反応組成物のpHに依存している)、緩衝系(酸解離定数は温度依存性であり、それにより、温度における変化が水性溶液のpHの変化をもたらす)および前記酵素の基質を含む。加えて、反応組成物において温度を変化させることは、キレート剤に結合する二価イオンが、これらの錯体から放出されることをもたらし、それによって当該酵素は活性化されるか、または活性を上昇させる。前記カチオンをキレートすることは、構造についての影響を有しない(前記カチオンを選択的に錯体化することは、活性を調節する)。活性における変化は、可逆性である(キレートすることによる不活性化は、温度上昇で前記カチオンを放出することによって逆転され得る)。

本発明の1つの実施形態において、酵素は、核酸改変酵素である。

1つの実施形態において、核酸改変酵素の活性は、基質結合活性および基質プロセシング活性を含む。

好ましい実施形態において、核酸改変酵素は、ポリメラーゼ、転写酵素およびカチオン依存性ヌクレアーゼの群から選択される。

より好ましい実施形態において、ポリメラーゼは、Thermus、Aquifex、Thermotoga、Thermocridis、Hydrogenobacter、Thermosynchecoccus、Thermoanaerobacter、Pyrococcales、Thermococcus、Bacilus、Sulfolobusおよび非好熱菌を含む生物の群から選択される。好ましくは、ウイルス性逆転写酵素は、MMLV、AMV、HIV、EIAV由来であり、かつ/またはヌクレアーゼは、ウシDNaseである。

最も好ましい実施形態において、ポリメラーゼは、Aquifex aeolicus、Aquifex pyogenes、Thermus thermophilus、Thermus aquaticus、Thermotoga neopolitana、Thermus pacificus、Thermus eggertssoniiおよびThermotoga maritimaを含む生物の群から選択される。

特に、本発明はまた、前記二価カチオンの除去が前記核酸改変酵素の低下した活性または活性の消失をもたらす、方法を記載する。

これは、反応組成物における二価カチオンの濃度のレベルで、酵素的活性および基質結合を制御するための選択肢を表す。例えば、ポリメラーゼおよび多数のヌクレアーゼの場合において、マグネシウム、カルシウムおよびその他などの二価イオンの濃度は、酵素の活性に決定的である。低減したレベルの前記カチオンは、大いに低下した活性を導くか、または酵素的活性を廃しさえする。ポリメラーゼの場合、プライマーの標的配列へのハイブリダイゼーションの安定性が大きく低減される。多くのヌクレアーゼは、基質のプロセシングに決定的である活性部位に、二価カチオンを保持する。イオン濃度のレベルで酵素的活性を制御する方法は、酵素的反応混合物において慣用的に使用される緩衝剤のpH値とキレート剤がイオンに結合する能との両方が、温度依存性であるという事実を活用する。ポリメラーゼに加えて、ヌクレアーゼなどの他の核酸改変酵素もまた、それらの活性部位で二価イオンに依存し、それゆえ上で記載されるように制御され得る。

本発明はまた、前記核酸改変酵素の活性は、増幅、逆転写、等温増幅、シークエンシングおよびエステル結合の加水切断(好ましくは、増幅、逆転写およびエステル結合の加水切断)を含む群から選択される、方法に関連する。

本発明の好ましい実施形態において、キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレングリコールビス(アミノエチル)N,N’−四酢酸(ethylene glycol bis(amino ethyl)N, N’−tetra acetic acid)およびニトリル酢酸(nitrile acetic acid)(NTA)を含む群から選択される。特に好ましくは、EGTAである。

1つの実施形態において、二価カチオンは、Mg2+、Ca2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+およびCo2+を含む群から選択される。好ましい実施形態において、キレート剤は、EDTAであり、カチオンは、Mg2+、Ca2+、Mn2+、Cu2+、Ni2+、Zn2+および/またはCo2+から選択される。

1つの実施形態において、Mg2+、Ca2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+およびCo2+を含む群から選択される数種のカチオンが、当該反応において存在する。

1つの実施形態において、キレート剤は、EGTAであり、カチオンは、Ca2+および/またはMg2+である。

1つの実施形態において、キレート剤は、NTAであり、カチオンは、Ca2+および/またはCu2+および/またはCo2+である。

本発明の別の実施形態において、緩衝剤は酵素的反応に適切である。好ましくは、緩衝剤は表4から選択される。Tris緩衝剤が、酵素的反応において使用される(好ましくはPCR実験において)。Tris緩衝剤のpH値は、温度依存性である。室温で、当該pHは約8.7である。1℃あたり0.03pH単位のpHにおけるシフトが観察される。それゆえ、95℃で当該pHは6.6である。

1つの実施形態において、緩衝系の濃度は、0.01mMと100mMとの間であり、好ましくは0.1mMと50mMとの間であり、より好ましくは1mMと30mMとの間であり、最も好ましくは5mMと15mMとの間である。

1つの実施形態において、反応における二価カチオンの濃度は、0.01mMと20mMとの間であり、好ましくは0.1mMと10mMとの間であり、最も好ましくは1mMと8mMとの間である。

1つの実施形態において、キレート剤の濃度は、0.05mMと50mMとの間であり、より好ましくは0.1mMと20mMとの間であり、さらにより好ましくは0.5mMと10mMとの間であり、最も好ましくは1mMと8mMとの間である。

1つの実施形態において、pHは、反応の間に温度変化に応答して、少なくとも0.05pH単位、好ましくは少なくとも0.1pH単位、より好ましくは少なくとも0.5pH単位、さらにより好ましくは少なくとも1pH単位、最も好ましくは少なくとも2pH単位で変化する。

本発明は、反応組成物が緩衝系(好ましくはTris緩衝系)を含み、ここで、二価カチオンがMg2+であって(好ましくは0.01mMと20mMとの間の濃度で)、キレート剤がEGTAであって(0.05mMと50mMとの間の濃度で)、核酸改変酵素がDNAポリメラーゼである(好ましくはホットスタートポリメラーゼ)、方法に関連する。好ましいEGTA濃度は、0.1mMと20mMとの間であり、より好ましくは0.5mMと10mMとの間である。

本発明はまた、反応組成物が緩衝系(好ましくはTris緩衝系)を含み、ここで、二価カチオンがMg2+、Ca2+、Mn2+、Cu2+、Fe2+、Ni2+、Zn2+およびCo2+を含む群から選択され、キレート剤がEGTA、EDTAおよびNTAの群から選択され、核酸酵素がヌクレアーゼである、方法に関連する。

更に、本発明は、緩衝系、キレート剤、核酸改変酵素および前記酵素のための二価カチオンを含む、核酸改変反応を行うためのキットに関連する。

キレート剤の選択 Tris緩衝剤は、PCR緩衝剤において慣用的に使用される。室温で、Trisに基づくPCR緩衝剤のpHは、8.7である。Trisは、1℃あたり0.03pH単位のpH値における温度依存性のシフトを示す。これは、95℃でpH値が6.6であることを意味する。PCR実験のためのキレート剤を選択するために、3種の異なるキレート剤、NTA、EDTAおよびEGTAの結合定数のpH依存性を調べた。それぞれのキレート剤についての文献から公知であるpK値を使用し、錯体形成のpH依存性を決定した(図1)。EGTAについての相関曲線は、pH値と結合定数との間の強力な相関を示す。それゆえ、EGTAをこの後の実験のために選択した。

エンドポイントPCR 増幅実験を、非特異的な副産物をもたらす傾向のあることが公知である試験系を使用して行った。1.2kbのゲノムDNA配列が、標的配列であった。プライマーHugAおよびプライマーHugBを使用した。 プライマー配列は、次の通りである:

EGTAを含む反応およびEGTAを含まない反応を並列に行った。セットAにおいて、マグネシウム濃度を1mMステップで変化させた(開始点および最終点はそれぞれ5mMおよび10mMであった)。セットBにおいて、開始点は0.5mMであり、最終点は4mM Mgであった。当該セットアップは、表2に記載される。

増幅プログラムは、以下の通りであった(表3):

35サイクルを行った。 アガロースゲルでのPCR反応の解析(図2)は、キレート剤としてEGTAを含有する反応が、EGTAを含まない反応と比較して少ない副産物を有することから、より特異的であることを示す。酵素的反応において慣用的に使用される他の緩衝剤は、表4に列挙される。

EGTA/EDTAを使用して化学的に不活性化されたTaq DNAポリメラーゼの残存活性の調節 以下の実験は、残存活性を有するTaqポリメラーゼ分子を使用して、PCR反応混合物におけるプライマーダイマーの形成を検出するための系を使用した。ここでは、重亜硫酸処理したDNAが、鋳型として使用される。重亜硫酸処理(非メチル化シトシンのウラシルへの化学的修飾を伴う)の結果として、前記鋳型は、3種の塩基のみからなる。重亜硫酸処理は一本鎖DNAを使用する場合でのみはたらくため、前記重亜硫酸処理の完了後の大部分のDNAは、一本鎖である。そのようなDNA配列の増幅のために使用されるプライマーは、3種の塩基のみからなるため、低減した複雑性により特徴付けられる。それゆえ、これらのプライマーは、ダイマー形成の傾向があり、前記重亜硫酸処理したDNAに100.000倍超結合できる可能性が非常に高い。

ゲノムDNAを、Qiagen REPLI g Midi Kitを使用して、製造者のプロトコルに従って増殖した。その後、1μgの前記ゲノムDNAを、当該DNAをEpiTect Bisulfite Kitを使用する重亜硫酸処理、次いで精製に供する、10の独立した反応において使用した。各反応の結果として生じるDNAをプールし、その後の増幅反応において使用した。プライマー配列は、表5に示される。

最終のEGTA濃度は、0.25mMと10mMとの間であった。

2つの反応からなるサンプルの1セットを氷上で120分間インキュベートし、一方で同様に2つの反応からなる他のサンプルのセットを、室温で120分間インキュベートした。その後、両方のサンプルのセットを、Rotor−Gene Q 5plex HRM Systemを使用して解析した。サイクルプログラムは、表7に示される。

Ct値は表8にまとめられ、図3はそれぞれの融解曲線を示す。

氷上でEGTAの添加なしでインキュベートされたサンプルは、25.28のCt値および特異的な融解曲線を示したが(図3A)、一方で室温でインキュベートされたサンプルの場合におけるCt値は、右へシフトされる(24.92)。この場合において、特異的な産物は、観察されなかった。0.75mMの最終濃度までのEGTAの添加は、Ct値に影響を及ぼさずに特異性の上昇をもたらした。特異的な産物の量は、急速に上昇した。2mMを上回ったEGTA濃度の場合において、成功裡の増幅は阻害された(図3H)。

引き続いての実験において、前記プライマーおよび前記重亜硫酸処理したDNAを増幅反応において使用し、マグネシウム依存性を解析した。反応混合物の組成は、表9に示される。

EGTAの最終濃度は、5mMであった。HRM master mixに0.1 0.6mMマグネシウムを追加した。

同じものからなる反応の2セットを、増幅実験において使用した。サンプルの1セットを氷上で120分間インキュベートし、一方でサンプルの他のセットを室温で120分間インキュベートした。その後、当該サンプルをRotor−Gene Q 5plex HRM Systemを使用して解析した。サイクルプログラムは、表6に示されるものと同一であった。結果は、表9および図4に示される。室温および氷上でそれぞれインキュベートされたサンプルに相当するCt値は、表10に示される。図4は、それぞれの融解曲線を示す。

当該実験は、氷上でEGTAの添加なしでインキュベートされたサンプルの場合において、25.46のCt値および特異的な融解曲線が得られたが、一方で室温でのインキュベーションはCt値のシフトをもたらし(22.62)、かつ特異的な増幅産物が観察されなかったことを示した。5mMの最終濃度までのEGTAの添加は、上昇した特異性を導いた。5mM EGTAを使用する場合のCt値は、それぞれ28.77および28.82であった。マグネシウム濃度を上昇させることは、特異性を維持すると同時に、より低いCt値をもたらした。

DNase活性の調節 このセットの実験において、DNase(ウシ膵臓から単離されたヌクレアーゼ)の活性を調節する手段を調べた。

ヒトゲノムDNAを、REPLI g Midi Kit(Qiagen)を使用して、製造者の指示に従って増殖した。DNase活性を、10μl反応において解析した。各反応は、反応緩衝剤として50mM Tris pH8.2、約1μgゲノムDNA、1mM MgCl2および50μM CaCl2を含有した。3種の異なる量のDNase(0.01、0.1および1U)を使用した。当該サンプルを、42℃および氷上の2つの異なる温度で、それぞれ5分間および15分間インキュベートした。DNA分解は、EDTAを8.33mMの最終濃度まで添加することによって終わらせ、サンプルは、0.5%アガロースゲルを使用する反応産物の解析の前に、氷上でインキュベートした。その結果は、図5に示される。当該ゲルは、DNaseが、氷上で活性を有することを示す。反応時間およびDNaseの量は、酵素的消化の完全性に強く影響を及ぼす。1U DNaseを使用して氷上で15分間前記ゲノムDNAをインキュベートすることは、当該サンプルの完全な分解を導いた(レーン3)。42℃でのインキュベーションは、いずれの量の酵素を使用する場合にも、5分後には既に完全な分解を導いた(レーン8〜13「42℃」)。

100μMの最終濃度までのEGTAの添加は、使用されたいずれの量のDNaseについて分解のほぼ完全な阻害を導いた(レーン2〜7「氷上」「100μM EGTA)。これから免れるものは、1U DNaseを使用する15分間の反応だけである(レーン3「氷上」「100μM EGTA)。しかしながら、この場合において、分解は、EGTAを含まないサンプルと比較して有意に低減した。42℃まで温度を上昇させることは、DNase活性を大きく回復した(レーン8〜13「42℃」「100μM EGTA」)。

引き続いての実験において、EDTAをキレート剤として使用した。ゲノムDNA増殖の手順ならびに緩衝剤および反応条件は、上に記載される実験と等価であった。

反応産物を、0.5%アガロースゲルを使用して解析した(図6)。レーン1〜6は、反応が氷上で行われたサンプルに相当する。レーン1〜3とレーン4〜6との比較は、EDTAの添加が酵素的活性を大きく低減させたことを示す。反応温度における42℃までの上昇は、結合したCa2+イオンが、EDTAを含む錯体から放出され、これにより酵素的活性を回復させることをもたらす。完全なDNA分解は、レーン7〜12において観察され得る。

要約すると、両方の実施例は、キレート剤がDNase活性を阻害するために使用され得ること、および反応温度をシフトすることが酵素的活性を回復させることを示しており、これにより前記活性制御の系を実証している。

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