合成アブラナ属由来葉緑体輸送ペプチド

申请号 JP2014555790 申请日 2013-02-01 公开(公告)号 JP6349261B2 公开(公告)日 2018-06-27
申请人 ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー; 发明人 リラ,ジャスティン,エム.; チッキロ,ロバート,エム.; ヤークズ,カーラ; ロビンソン,アンドリュー,イー.;
摘要
权利要求

配列番号6または配列番号8のアミノ酸配列からなるポリペプチドに少なくとも90%同一である合成葉緑体輸送ペプチド(CTP)をコードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子。前記合成CTPをコードするポリヌクレオチドにインフレームで作動可能に連結している、対象とするポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをさらに含み、前記ポリヌクレオチドが前記合成CTPおよび前記対象とするポリペプチドを含むキメラタンパク質をコードする、請求項1に記載の単離された核酸分子。前記合成CTPが、配列番号6または配列番号8のアミノ酸配列からなるポリペプチドに対して少なくとも95%同一である、請求項1に記載の単離された核酸分子。前記合成CTPが、配列番号6または配列番号8のアミノ酸配列からなるポリペプチドに対して少なくとも98%同一である、請求項3に記載の単離された核酸分子。前記合成CTPが、配列番号6または配列番号8のアミノ酸配列からなるポリペプチドである、請求項4に記載の単離された核酸分子。前記対象とするポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結しているCTPをコードする少なくとも1つのさらなるポリヌクレオチドをさらに含む、請求項2に記載の単離された核酸分子。前記さらなるCTPが、原核生物、下等光合成真核生物および緑藻植物からなる群から選択される生物に由来する、請求項6に記載の単離された核酸分子。前記合成CTPおよび対象となるポリペプチドをコードする前記ポリヌクレオチドが、1種または複数の調節配列に作動可能に連結している、請求項2に記載の単離された核酸分子。前記合成CTPおよび前記対象となるポリペプチドを含む、請求項2に記載の核酸分子によってコードされるキメラタンパク質。前記対象とするポリペプチドが、プラスチド含有細胞中のプラスチドにターゲッティングされる、請求項9に記載のキメラタンパク質。前記合成CTPが、前記対象とするポリペプチドが、プラスチドにターゲッティングされると除去される、請求項10に記載のキメラタンパク質。前記対象とするポリペプチドが、生物学的に活性なポリペプチドである、請求項9に記載のキメラタンパク質。前記対象とするポリペプチドが、蛍光ポリペプチドである、請求項9に記載のキメラタンパク質。前記対象とするポリペプチドが、酵素である、請求項9に記載のキメラタンパク質。前記対象とするポリペプチドが、細胞のプラスチドにおいて正常に発現され、前記ポリペプチドが天然に発現される、請求項9に記載のキメラタンパク質。前記対象とするポリペプチドが、ウイルス抵抗性、細菌病原体抵抗性、昆虫抵抗性、線虫抵抗性、真菌抵抗性、草勢、植物の収量、温度耐性、土壌条件耐性、低光量レベル耐性、低分レベル耐性、高水分レベル耐性、化学的環境耐性、種子色、デンプン変性、アミノ酸合成、光合成、脂肪酸の合成、油の合成、カロテノイドの合成、テルペノイドの合成、デンプンの合成および除草剤抵抗性からなる群から選択される植物プロセスに関与している、請求項9に記載のキメラタンパク質。前記対象とするポリペプチドが、ゼアキサンチンエポキシダーゼ、コリンモノオキシゲナーゼ、フェロケラターゼ、オメガ3脂肪酸不飽和化酵素、グルタミンシンセターゼ、プロビタミンA、ホルモン、およびBt毒素タンパク質からなる群から選択される、請求項9に記載のキメラタンパク質。前記対象とするポリペプチドが、前記対象とするポリペプチドを発現する植物細胞に除草剤抵抗性を付与する、請求項9に記載のキメラタンパク質。前記対象とするポリペプチドが、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、突然変異ALS、ALSの前駆体、3−エノールピルビルシキミ酸−5−リン酸シンセターゼ(EPSPS)、CP4 EPSPSおよびクラスIII EPSPSからなる群から選択される、請求項18に記載のキメラタンパク質。前記分子が、植物発現ベクターであり、前記調節配列が植物細胞において機能するプロモーターである、請求項8に記載の核酸分子。請求項8に記載の核酸分子を含む植物材料であって、前記調節配列が植物細胞において機能するプロモーターである、植物材料。植物細胞、植物組織、植物組織培養物、カルス培養物、植物の一部および全植物体からなる群から選択される、請求項21に記載の植物材料。前記対象とするポリペプチドをさらに含む、請求項21に記載の植物材料。前記対象とするポリペプチドが前記植物材料の細胞中で葉緑体にターゲッティングされる、請求項23に記載の植物材料。前記プロモーターに作動可能に連結している、合成CTPおよび対象とするポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが、前記植物材料から得た細胞のゲノムに安定に組み込まれる、請求項21に記載の植物材料。全植物体である、請求項22に記載の植物材料。アラビドプシス属、アルファルファ、アブラナ属、マメ、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、ワタ、キュウリ、ナス、レタス、メロン、エンドウマメ、コショウ、ピーナッツ、ジャガイモ、カボチャ(pumpkin)、ダイコン、ナタネ、ホウレンソウ、ダイズ、カボチャ(squash)、サトウダイコン、ヒマワリ、タバコ、トマト、スイカ、トウモロコシ、タマネギ、コメ、ソルガム、コムギ、ライムギ、アワ、サトウキビ、カラスムギ、ライコムギ、スイッチグラスおよびシバクサからなる群から選択される植物に由来する、請求項22に記載の植物材料。トランスジェニック植物材料を製造する方法であって、 植物材料を、請求項8に記載の核酸分子を用いて形質転換することを含み、前記調節配列が植物細胞において機能するプロモーターである、方法。前記植物材料が、植物細胞、植物組織、植物組織培養物、カルス培養物、植物の一部および全植物体からなる群から選択される、請求項28に記載の方法。前記植物材料が、全植物体ではない、請求項28に記載の方法。請求項8に記載の核酸分子を含むトランスジェニック植物材料であって、前記調節配列が植物細胞において機能するプロモーターである、トランスジェニック植物材料。請求項8に記載の核酸分子を含むトランスジェニック植物であって、前記調節配列が植物細胞において機能するプロモーターである、トランスジェニック植物。請求項8に記載の核酸分子を含む、トランスジェニック植物商品生産物であって、前記調節配列が植物細胞において機能するプロモーターである、トランスジェニック植物商品生産物。前記対象とするポリペプチドが、生物学的に活性なポリペプチドである、請求項31に記載のトランスジェニック植物材料。前記対象とするポリペプチドが、ウイルス抵抗性、細菌病原体抵抗性、昆虫抵抗性、線虫抵抗性、真菌抵抗性、植物の勢い、植物の収量、温度耐性、土壌条件耐性、低光量レベル耐性、低水分レベル耐性、高水分レベル耐性、化学的環境耐性、種子の色、デンプン変性、アミノ酸合成、光合成、脂肪酸の合成、油の合成、カロテノイドの合成、テルペノイドの合成、デンプンの合成および除草剤抵抗性からなる群から選択される植物プロセスに関与している、請求項31に記載のトランスジェニック植物材料。前記対象とするポリペプチドが、ゼアキサンチンエポキシダーゼ、コリンモノオキシゲナーゼ、フェロケラターゼ、オメガ3脂肪酸不飽和化酵素、グルタミンシンセターゼ、プロビタミンA、ホルモン、およびBt毒素タンパク質からなる群から選択される、請求項31に記載のトランスジェニック植物材料。前記対象とするポリペプチドが、前記対象とするポリペプチドを発現する植物細胞に除草剤抵抗性を付与する、請求項31に記載のトランスジェニック植物材料。前記対象とするペプチドが、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、突然変異ALS、ALSの前駆体、3−エノールピルビルシキミ酸−5−リン酸シンセターゼ(EPSPS)、CP4 EPSPSおよびクラスIII EPSPSからなる群から選択される、請求項37に記載のトランスジェニック植物材料。同種の野生型植物材料と比較した場合に、増大した除草剤抵抗性または除草剤耐性を示す、請求項37に記載のトランスジェニック植物材料。

说明书全文

優先権の主張 本願は、2012年2月1日に出願された米国特許仮出願番号第61/593,555号および2012年4月17日に出願された米国特許仮出願番号第61/625,222号の利益を主張する。

37 C.F.R.§ 1.821(c)または(e)に従う声明−ASCIIテキストファイルとして提出された配列表 37 C.F.R.§ 1.821(c)または(e)に準拠して、配列表のASCIIテキスト版を含有するファイルが、本願とともに提出されている。

本開示は、プラスチド含有細胞のプラスチドへターゲッティングされるポリペプチドを遺伝的にコードし、発現するための組成物および方法に関する。特定の実施形態では、本開示は、ポリペプチドを葉緑体(例えば、高等植物の)にターゲッティングするアミノ酸配列および/またはそれをコードする核酸分子に関する。特定の実施形態では、本開示は、キメラポリペプチドのプラスチドへの輸送を制御するアミノ酸配列を含むキメラポリペプチドおよび/またはそれをコードする核酸分子に関する。

植物細胞は、特徴的な膜系によって区切られており、細胞内で特殊な機能を果たす、一般に「プラスチド」と呼ばれる、個別の細胞内オルガネラを含有する。個々のプラスチドは、光合成、ならびに特定の化学化合物の合成および保存に関与している。すべてのプラスチドは、植物の成長点領域中に存在するプロプラスチドに由来する。プロプラスチドは、例えば、葉緑体、エチオプラスト、有色体、ゲロントプラスト(gerontoplasts)、白色体、アミロプラスト、エライオプラストおよびプロテイノプラストに発達し得る。プラスチドは、細胞内に半自律的に存在し、自身の遺伝子系およびタンパク質合成機構を含有するが、その発達および生合成活性において核細胞質系との密接な協関係に依存している。

高等植物の光合成葉細胞では、最も顕著なプラスチドは葉緑体である。葉緑体の最も必須の機能は、光合成の光によって駆動される反応の実施である。しかし、葉緑体はまた、植物細胞にとって重要な多数のその他の生合成プロセスも実施する。例えば、細胞の脂肪酸のすべては、葉緑体ストロマに局在する酵素によって、そこで容易に入手可能なATP、NAOPHおよび炭化物を使用して製造される。さらに、光活性化された電子の還元力は、葉緑体における亜硝酸化合物(NO2)のアンモニア(NH3)への還元を駆動し、このアンモニアが、植物に、アミノ酸およびヌクレオチドの合成に必要な窒素を提供する。

葉緑体はまた、農業化学産業において特に重要なプロセスに参加する。例えば、多くの除草剤が、葉緑体内で実施される機能を遮断することによって作用するということがわかっている。最近の研究によって、いくつかの除草剤の特異的標的が同定された。例えば、トリアジン由来除草剤は、プラストキノン分子を、光化学系IIの32kDポリペプチド中のその結合部位から移動させることによって光合成を阻害する。この32kDのポリペプチドは、葉緑体ゲノム中にコードされ、オルガネラ機構によって合成される。トリアジン除草剤に対して耐性である突然変異体植物が得られている。これらの植物は、トリアジン除草剤によってプラストキノンが、もはや移動され得ない突然変異体32kDポリペプチドを含有する。スルホニル尿素は、葉緑体においてアセト乳酸シンターゼを阻害する。アセト乳酸シンターゼは、イソロイシンおよびバリン合成に関与している。グリホサートは、芳香族アミノ酸の合成に関与する酵素である、5−エノールピルビル−3−ホスホシキミ酸シンターゼ(EPSPS)の機能を阻害する。すべてのこれらの酵素は、核ゲノムによってコードされるが、葉緑体中に転位置され、そこで実際のアミノ酸合成が起こる。

ほとんどの葉緑体タンパク質は、植物細胞の核中にコードされ、サイトゾルにおいて大きな前駆体タンパク質として合成され、翻訳後、葉緑体中に輸送される。ストロマへの外包膜および内包膜を越える輸送は、ストロマ、チラコイド膜およびチラコイドルーメンに向かう予定であるタンパク質が入るための主要な手段である。チラコイド膜およびチラコイドルーメンへの輸送される前駆体タンパク質の局在性は、細菌タンパク質輸送系と相同である2種を含めた4種の別個の機序によって達成される。したがって、葉緑体におけるタンパク質局在性のための機序は、幾分かは、原核生物の内部共生体に由来する。Cline and Henry (1996), Annu. Rev. Cell. Dev. Biol. 12:1-26。

葉緑体発現に向かう予定である前駆体タンパク質は、葉緑体輸送ペプチド(CTP)として知られるN末端伸長部分を含有する。輸送ペプチドは、葉緑体表面の特異的認識および葉緑体包膜を越える、ゆえに、葉緑体内の種々のサブコンパートメント(例えば、ストロマ、チラコイドおよびチラコイド膜)へのプレタンパク質の翻訳後転位置の媒介に役立つ。これらのN末端輸送ペプチド配列は、葉緑体タンパク質のプラスチド中への輸送に必要な情報のすべてを含有し、輸送ペプチド配列は、プラスチド輸送にとって必要であり、十分である。

そのN末端に天然にコードされる輸送ペプチド配列を有すると報告される植物遺伝子として、リブロース−1,5−二リン酸カルボキシラーゼ(RuBisCo)の葉緑体小サブユニット(de Castro Silva-Filho et al. (1996), Plant Mol. Biol. 30:769-80; Schnell et al. (1991), J. Biol. Chem. 266:3335-42);EPSPS(例えば、Archer et al. (1990), J. Bioenerg. and Biomemb. 22:789-810および米国特許第6,867,293号、同7,045,684号およびRe.36,449を参照のこと);トリプトファンシンターゼ(Zhao et al. (1995), J. Biol. Chem. 270:6081-7);プラストシアニン(Lawrence et al. (1997), J. Biol. Chem. 272:20357-63);コリスミ酸シンターゼ(Schmidt et al. (1993), J. Biol. Chem. 268:27447-57);集光性葉緑素a/b結合タンパク質(LHBP)(Lamppa et al. (1988), J. Biol. Chem. 263:14996-14999);およびシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の葉緑体タンパク質(Lee et al. (2008), Plant Cell 20:1603-22)が挙げられる。米国特許出願公開US2010/0071090は、クラミドモナス(Chlamydomonas)種に由来する特定の葉緑体ターゲッティングペプチドを提供する。

しかし、葉緑体ターゲッティングペプチドによってコードされる情報の構造的必要要件は、その高レベルの配列多様性および共通またはコンセンサス配列モチーフの欠如のためにわかりにくいままであるが、独立した構造モチーフを有する葉緑体ターゲッティングペプチドの別個のサブグループがある可能性がある。Lee et al. (2008)、前掲。さらに、これらの配列の一部のものが、高等植物における葉緑体にターゲッティングされるタンパク質の異種発現において有用である。

本発明は以下を提供する。 [1]第1のアブラナ属葉緑体輸送ペプチドの連続するアミノ酸配列を含み、第2の葉緑体輸送ペプチドの連続するアミノ酸配列をさらに含むペプチドをコードする合成アブラナ属由来ヌクレオチド配列 を含む、単離された核酸分子。 [2]上記合成アブラナ属由来ヌクレオチド配列に作動可能に連結している、対象とするヌクレオチド配列をさらに含む、上記[1]に記載の単離された核酸分子。 [3]上記第1のアブラナ属葉緑体輸送ペプチドが、セイヨウアブラナ(Brassica napus)由来である、上記[1]に記載の単離された核酸分子。 [4]上記第2の葉緑体輸送ペプチドが、第1のアブラナ属葉緑体輸送ペプチド以外のアブラナ属種に由来する、上記[3]に記載の単離された核酸分子。 [5]上記第2の葉緑体輸送ペプチドが、アラビドプシス属種に由来する、上記[1]に記載の単離された核酸分子。 [6]上記第2の葉緑体輸送ペプチドが、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)に由来する、上記[5]に記載の単離された核酸分子。 [7]上記第1のアブラナ属葉緑体輸送ペプチドが、3−エノールピルビルシキミ酸−5−リン酸シンセターゼ遺伝子に由来する、上記[1]に記載の単離された核酸分子。 [8]上記第2の葉緑体輸送ペプチドが、3−エノールピルビルシキミ酸−5−リン酸シンセターゼ遺伝子に由来する、上記[1]に記載の単離された核酸分子。 [9]上記ペプチドが、配列番号6および8からなる群から選択される葉緑体輸送ペプチドに対して少なくとも80%同一である、上記[1]に記載の単離された核酸分子。 [10]上記ペプチドが、配列番号6および8からなる群から選択される葉緑体輸送ペプチドに対して少なくとも85%同一である、上記[9]に記載の単離された核酸分子。 [11]上記ペプチドが、配列番号6および8からなる群から選択される葉緑体輸送ペプチドに対して少なくとも90%同一である、上記[10]に記載の単離された核酸分子。 [12]上記ペプチドが、配列番号6および8からなる群から選択される葉緑体輸送ペプチドに対して少なくとも95%同一である、上記[11]に記載の単離された核酸分子。 [13]上記ペプチドが、配列番号6および8からなる群から選択される葉緑体輸送ペプチドに対して少なくとも98%同一である、上記[12]に記載の単離された核酸分子。 [14]上記ペプチドが、配列番号6および8からなる群から選択される、上記[13]に記載の単離された核酸分子。 [15]上記対象とするヌクレオチドコード配列が、配列番号1または配列番号3のペプチドをコードしない、上記[1]に記載の単離された核酸分子。 [16]上記ペプチドをコードするヌクレオチド配列が、配列番号6および8からなる群から選択されるヌクレオチド配列と特異的にハイブリダイズ可能である、上記[1]に記載の単離された核酸分子。 [17]各々、葉緑体輸送ペプチドをコードする、少なくとも1種のさらなるヌクレオチド配列をさらに含み、上記さらなるヌクレオチド配列が、上記対象とするヌクレオチド配列に作動可能に連結している、上記[2]に記載の単離された核酸分子。 [18]上記少なくとも1種のさらなるヌクレオチド配列が、原核生物、下等光合成真核生物および緑藻植物からなる群から選択される生物に由来する、上記[17]に記載の単離された核酸分子。 [19]上記合成アブラナ属由来ヌクレオチド配列および対象とするヌクレオチド配列が、1種または複数の調節配列に作動可能に連結している、上記[2]に記載の単離された核酸分子。 [20]上記対象とするヌクレオチド配列によってコードされるペプチドおよび上記合成アブラナ属由来ヌクレオチド配列によってコードされるペプチドを含むキメラポリペプチドをコードする、上記[2]に記載の単離された核酸分子。 [21]上記[20]に記載の核酸分子によってコードされるキメラポリペプチド。 [22]上記対象とするヌクレオチド配列によってコードされるペプチドが、プラスチド含有細胞中のプラスチドにターゲッティングされる、上記[21]に記載のキメラポリペプチド。 [23]上記対象とするヌクレオチド配列によってコードされるペプチドが、プラスチドにターゲッティングされると除去される葉緑体輸送ペプチドを含む、上記[22]に記載のキメラポリペプチド。 [24]上記対象とするヌクレオチド配列によってコードされるペプチドが、生物学的に活性なペプチドである、上記[21]に記載のキメラポリペプチド。 [25]上記対象とするヌクレオチド配列によってコードされるペプチドが、蛍光ペプチドである、上記[21]に記載のキメラポリペプチド。 [26]上記生物学的に活性なペプチドが、酵素である、上記[24]に記載のキメラポリペプチド。 [27]上記生物学的に活性なペプチドが、細胞のプラスチドにおいて正常に発現され、ペプチドが天然に発現される、上記[24]に記載のキメラポリペプチド。 [28]上記生物学的に活性なペプチドが、除草剤抵抗性、ウイルス抵抗性、細菌病原体抵抗性、昆虫抵抗性、線虫抵抗性、真菌抵抗性、草勢、植物の収量、温度耐性、土壌条件耐性、低光量レベル耐性、低水分レベル耐性、高水分レベル耐性、化学的環境耐性、種子色、デンプン変性、アミノ酸合成、光合成、脂肪酸の合成、油の合成、カロテノイドの合成、テルペノイドの合成、デンプンの合成および除草剤抵抗性からなる群から選択されるプロセスに関与している、上記[24]に記載のキメラポリペプチド。 [29]上記生物学的に活性なペプチドが、ゼアキサンチンエポキシダーゼ、コリンモノオキシゲナーゼ、フェロケラターゼ、オメガ3脂肪酸不飽和化酵素、グルタミンシンセターゼ、プロビタミンA、ホルモン、Bt毒素タンパク質および対象とする形質を含む植物の同定において有用なマーカーからなる群から選択される、上記[24]に記載のキメラポリペプチド。 [30]上記生物学的に活性なペプチドが、除草剤抵抗性に関与している、上記[28]に記載のキメラポリペプチド。 [31]上記生物学的に活性なペプチドが、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、突然変異ALS、ALSの前駆体、3−エノールピルビルシキミ酸−5−リン酸シンセターゼ(EPSPS)、CP4 EPSPSおよびクラスIII EPSPSからなる群から選択される、上記[26]に記載のキメラポリペプチド。 [32]上記[2]に記載の核酸分子を含む植物発現ベクター。 [33]上記[2]に記載の核酸分子を含む植物材料。 [34]植物細胞、植物組織、植物組織培養物、カルス培養物、植物の一部および全植物体からなる群から選択される、上記[33]に記載の植物材料。 [35]上記ペプチドを含むポリペプチドをさらに含む、上記[33]に記載の植物材料。 [36]上記対象とするヌクレオチド配列が、植物材料の細胞中のプラスチドにターゲッティングされるポリペプチドの一部をコードする、上記[35]に記載の植物材料。 [37]上記核酸分子が、上記植物材料から得た細胞のゲノムに安定に組み込まれる、上記[33]に記載の植物材料。 [38]全植物体である、上記[33]に記載の植物材料。 [39]アラビドプシス属、アルファルファ、アブラナ属、マメ、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、ワタ、キュウリ、ナス、レタス、メロン、エンドウマメ、コショウ、ピーナッツ、ジャガイモ、カボチャ(pumpkin)、ダイコン、ナタネ、ホウレンソウ、ダイズ、カボチャ(squash)、サトウダイコン、ヒマワリ、タバコ、トマト、スイカ、トウモロコシ、タマネギ、コメ、ソルガム、コムギ、ライムギ、アワ、サトウキビ、カラスムギ、ライコムギ、スイッチグラスおよびシバクサからなる群から選択される植物に由来する、上記[33]に記載の植物材料。 [40]トランスジェニック植物材料を製造する方法であって、 上記[2]に記載の単離された核酸分子を得ることと、 植物材料を、上記核酸分子を用いて形質転換することと を含む、方法。 [41]上記植物材料が、植物細胞、植物組織、植物組織培養物、カルス培養物、植物の一部および全植物体からなる群から選択される、上記[40]に記載の方法。 [42]上記植物材料が、全植物体ではない、上記[40]に記載の方法。 [43]上記[40]に記載の方法によって製造されるトランスジェニック植物材料。 [44]上記[43]に記載のトランスジェニック植物材料から再生されたトランスジェニック植物。 [45]上記[43]に記載の植物材料から製造されたトランスジェニック植物商品生産物。 [46]上記対象とするヌクレオチド配列が、生物学的に活性なペプチドをコードする、上記[43]に記載のトランスジェニック植物材料。 [47]上記生物学的に活性なペプチドが、除草剤抵抗性、ウイルス抵抗性、細菌病原体抵抗性、昆虫抵抗性、線虫抵抗性、真菌抵抗性、植物の勢い、植物の収量、温度耐性、土壌条件耐性、低光量レベル耐性、低水分レベル耐性、高水分レベル耐性、化学的環境耐性、種子の色、デンプン変性、アミノ酸合成、光合成、脂肪酸の合成、油の合成、カロテノイドの合成、テルペノイドの合成、デンプンの合成および除草剤抵抗性からなる群から選択されるプロセスに関与している、上記[46]に記載のトランスジェニック植物材料。 [48]上記生物学的に活性なペプチドが、ゼアキサンチンエポキシダーゼ、コリンモノオキシゲナーゼ、フェロケラターゼ、オメガ3脂肪酸不飽和化酵素、グルタミンシンセターゼ、プロビタミンA、ホルモン、Bt毒素タンパク質および対象とする形質を含む植物の同定において有用なマーカーからなる群から選択される、上記[46]に記載のトランスジェニック植物材料。 [49]上記生物学的に活性なペプチドが、除草剤抵抗性に関与している、上記[47]に記載のトランスジェニック植物材料。 [50]上記生物学的に活性なペプチドが、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、突然変異ALS、ALSの前駆体、3−エノールピルビルシキミ酸−5−リン酸シンセターゼ(EPSPS)、CP4 EPSPSおよびクラスIII EPSPSからなる群から選択される、上記[46]に記載のトランスジェニック植物材料。 [51]同種の野生型植物材料と比較した場合に、増大した除草剤抵抗性または除草剤耐性を示す、上記[49]に記載のトランスジェニック植物材料。 [52]上記ポリペプチドを葉緑体にターゲッティングするためのアブラナ属由来の手段を含む単離された核酸分子。 [53]上記ポリペプチドを葉緑体にターゲッティングするためのアブラナ属由来の手段に作動可能に連結している対象とするヌクレオチド配列をさらに含む、上記[52]に記載の単離された核酸分子。 [54]上記対象とするヌクレオチド配列によってコードされるペプチドを含むキメラポリペプチドをコードする、上記[53]に記載の単離された核酸分子。 [55]上記[54]に記載の核酸分子によってコードされるキメラポリペプチド。 [56]上記対象とするヌクレオチド配列によってコードされるペプチドが、プラスチドを含有する細胞中のプラスチドにターゲッティングされる、上記[55]に記載のキメラポリペプチド。 [57]上記対象とするヌクレオチド配列によってコードされるペプチドが、プラスチドにターゲッティングされると除去される葉緑体輸送ペプチドを含む、上記[56]に記載のキメラポリペプチド。 [58]上記対象とするヌクレオチド配列によってコードされるペプチドが、生物学的に活性なペプチドである、上記[55]に記載のキメラポリペプチド。 [59]上記生物学的に活性なペプチドが、除草剤抵抗性、ウイルス抵抗性、細菌病原体抵抗性、昆虫抵抗性、線虫抵抗性、真菌抵抗性、草勢、植物の収量、温度耐性、土壌条件耐性、低光量レベル耐性、低水分レベル耐性、高水分レベル耐性、化学的環境耐性、種子色、デンプン変性、アミノ酸合成、光合成、脂肪酸の合成、油の合成、カロテノイドの合成、テルペノイドの合成、デンプンの合成および除草剤抵抗性からなる群から選択されるプロセスに関与している、上記[58]に記載のポリペプチド。 [60]上記生物学的に活性なペプチドが、ゼアキサンチンエポキシダーゼ、コリンモノオキシゲナーゼ、フェロケラターゼ、オメガ3脂肪酸不飽和化酵素、グルタミンシンセターゼ、プロビタミンA、ホルモン、Bt毒素タンパク質および対象とする形質を含む植物の同定において有用なマーカーからなる群から選択される、上記[58]に記載のポリペプチド。 [61]上記生物学的に活性なペプチドが、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、突然変異ALS、ALSの前駆体、3−エノールピルビルシキミ酸−5−リン酸シンセターゼ(EPSPS)、CP4 EPSPSおよびクラスIII EPSPSからなる群から選択される、上記[58]に記載のポリペプチド。 [62]上記[53]に記載の核酸分子を含む植物発現ベクター。 [63]上記[53]に記載の核酸分子を含む植物材料。 [64]上記核酸分子が、植物材料から得た細胞のゲノムに安定に組み込まれる、上記[63]に記載の植物材料。 [65]全植物体である、上記[63]に記載の植物材料。 [66]アラビドプシス属、アルファルファ、アブラナ属、マメ、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、ワタ、キュウリ、ナス、レタス、メロン、エンドウマメ、コショウ、ピーナッツ、ジャガイモ、カボチャ(pumpkin)、ダイコン、ナタネ、ホウレンソウ、ダイズ、カボチャ(squash)、サトウダイコン、ヒマワリ、タバコ、トマト、スイカ、トウモロコシ、タマネギ、コメ、ソルガム、コムギ、ライムギ、アワ、サトウキビ、カラスムギ、ライコムギ、スイッチグラスおよびシバクサからなる群から選択される植物に由来する、上記[63]に記載の植物材料。 [67]トランスジェニック植物材料を製造する方法であって、 上記[53]に記載の単離された核酸分子を得ることと、 植物材料を、上記核酸分子を用いて形質転換することと を含む、方法。 [68]植物材料が、植物細胞、植物組織、植物組織培養物、カルス培養物、植物の一部および全植物体からなる群から選択される、上記[67]に記載の方法。 [69]植物材料が、全植物体ではない、上記[67]に記載の方法。 [70]上記[67]に記載の方法によって製造されるトランスジェニック植物材料。 [71]上記[70]に記載のトランスジェニック植物材料から再生されたトランスジェニック植物。 [72]上記トランスジェニック植物材料が、全植物体である、上記[70]に記載の植物材料。 [73]上記[70]に記載のトランスジェニック植物材料から製造されたトランスジェニック植物商品生産物。 [74]上記対象とするヌクレオチド配列が、生物学的に活性なペプチドをコードする、上記[70]に記載のトランスジェニック植物材料。 [75]植物体を生成するよう再生できない植物細胞である、上記[34]に記載の植物材料。 [76]上記植物材料が、植物体を生成するよう再生できない植物細胞である、上記[41]に記載の方法。 植物におけるポリペプチドのプラスチドターゲッティングのための組成物および方法が、本明細書において記載される。いくつかの実施形態では、組成物は、対象とするヌクレオチド配列と作動可能に連結している合成アブラナ属由来葉緑体輸送ペプチド(例えば、TraP12ペプチドおよびTraP13ペプチド)をコードする少なくとも1種のヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。特定の実施形態では、このような核酸分子は、単子葉植物または双子葉植物における、対象とするヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドの発現およびターゲッティングにとって有用であり得る。対象とするヌクレオチド配列と作動可能に連結している合成アブラナ属由来葉緑体輸送ペプチドをコードする少なくとも1種のヌクレオチド配列を含む核酸分子を含むベクターが、さらに記載される。

いくつかの実施形態では、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列は、アブラナ属種遺伝子(例えば、セイヨウアブラナ(B. napus)、B.ラパ(rapa)、カラシナ(B. juncea)およびアビシニアガラシ(B. carinata))から得られた参照ヌクレオチド配列に由来するヌクレオチド配列またはその機能的変異体であり得る。いくつかの実施形態では、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列は、アブラナ属種遺伝子に由来するヌクレオチド配列をコードする部分CTPまたはその機能的変異体を含むキメラヌクレオチド配列であり得る。特定の実施形態では、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列は、参照アブラナ属種CTPおよびアブラナ属種の異なる遺伝子、異なるアブラナ属種または異なる生物(例えば、植物、原核生物および下等光合成真核生物)に由来するCTPまたは前記のもののいずれかの機能的変異体の各々から得られた連続するヌクレオチド配列を含有し得る。特定の実施形態では、連続するヌクレオチド配列は、参照アブラナ属種遺伝子(例えば、異なるアブラナ属種ゲノム)の異なる生物のオーソログから得られる参照アブラナ属CTPのオーソロガスヌクレオチド配列から得られ得る。これらおよびさらなる実施形態では、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列は、2種以上のCTPをコードするヌクレオチド配列を含むキメラヌクレオチド配列であり得る。

いくつかの例では、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列は、セイヨウアブラナ(B. napus)由来の部分CTPヌクレオチド配列またはその機能的変異体を含むキメラヌクレオチド配列であり得る。特定の例では、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列は、セイヨウアブラナ(B. napus)から得られた連続ヌクレオチド配列またはその機能的を変異体を含有し得る。なおさらなる例では、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列は、アブラナ属種遺伝子から得られる連続するヌクレオチド配列またはその機能的変異体およびアラビドプシス(Arabidopsis)種遺伝子から得られる連続するヌクレオチド配列またはその機能的変異体を含有し得る。

いくつかの実施形態では、組成物は、ポリペプチドを葉緑体にターゲッティングするための少なくとも1種のアブラナ属由来の手段を含む核酸分子を含む。対象とするヌクレオチド配列と作動可能に連結している、ポリペプチドを葉緑体にターゲッティングするための少なくとも1種のアブラナ属由来の手段を含む核酸分子を含む核酸分子がさらに記載される。特定の実施形態では、このような核酸分子は、単子葉植物または双子葉植物における、対象とするヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドの発現およびターゲッティングにとって有用であり得る。本開示の目的上、ポリペプチドを葉緑体にターゲッティングするためのアブラナ属由来の手段とは、特定の合成ヌクレオチド配列を指す。特定の実施形態では、ポリペプチドを葉緑体にターゲッティングするためのアブラナ属由来の手段は、TraP12およびTraP13と本明細書において呼ばれるヌクレオチド配列からなる群から選択される。

また、対象とするヌクレオチド配列と作動可能に連結している合成アブラナ属由来CTPをコードする少なくとも1種のヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む植物材料(例えば、限定するものではないが、植物、植物組織および植物細胞)も本明細書において記載される。いくつかの実施形態では、植物材料は、そのゲノム中に安定に組み込まれたこのような核酸分子を有し得る。いくつかの実施形態では、植物材料は、対象とするヌクレオチド配列と作動可能に連結している合成アブラナ属由来CTPをコードする少なくとも1種のヌクレオチド配列を含む核酸分子の産物を一時的に発現し得る。

プラスチド含有細胞(例えば、植物)において、プラスチド含有細胞のプラスチド(例えば、葉緑体)においてヌクレオチド配列を発現するための方法も記載される。特定の実施形態では、対象とするヌクレオチド配列と作動可能に連結している合成アブラナ属由来CTPをコードする少なくとも1種のヌクレオチド配列を含む核酸分子は、対象とするヌクレオチド配列の発現生成物と融合している合成アブラナ属由来CTPを含む前駆体融合ポリペプチドが、植物細胞の細胞質において産生され、次いで、融合ポリペプチドが、植物細胞の葉緑体中にin vivoで輸送されるよう、植物細胞を形質転換するために使用され得る。

対象とするヌクレオチド配列と作動可能に連結している合成アブラナ属由来CTPをコードする少なくとも1種のヌクレオチド配列を含む核酸分子を含むトランスジェニック植物の製造のための方法がさらに記載される。また、このようなトランスジェニック植物から製造される植物商品生産物(例えば、種子)も記載される。

以下およびその他の特徴は、添付の図面を参照して進行するいくつかの実施形態の以下の詳細な説明から、より明らかとなる。

対象とするヌクレオチド配列に作動可能に連結している、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列(例えば、TraP12、およびTraP13)の特定の例を代表するmRNA分子を示す図である。いくつかの実施形態において、mRNA分子(例えば、示されているもの)は、対象とするヌクレオチド配列に作動可能に連結している、合成アブラナ属由来CTPをコードする配列を含むオープンリーディングフレームを含むDNA分子から転写され得る。対象とするヌクレオチド配列は、いくつかの実施形態において、対象とするペプチドをコードする配列であってもよく、例えば、限定されないが、プラスチドにターゲティングされるマーカー遺伝子産物またはペプチドであってもよい。

セイヨウアブラナ(Brassica napus)(配列番号2)とシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)(配列番号4)由来のEPSPSタンパク質について予測された葉緑体輸送ペプチドのアラインメントを示す図である。アスタリスクは、配列が切断され、再結合されて、TraP12とTraP13を形成した場所を示す。

プラスミドマップpDAB101981を示す図である。

プラスミドマップpDAB101989を示す図である。

プラスミドマップpDAB101908示す図である。

タバコ葉組織の葉緑体に移動したタバコ葉組織に浸潤させたTraP12−YFPの顕微鏡画像を示す図である。

タバコ葉組織の葉緑体に移動したタバコ葉組織に浸潤させたTraP13−YFPの顕微鏡画像を示す図である。

タバコ葉組織の葉緑体に取り込まれなかったタバコ葉組織に浸潤させた非標的化YFP対照の顕微鏡画像を示す図である。

トウモロコシプロトプラストの葉緑体に移動した、トウモロコシプロトプラストに形質転換して入れたTraP12−YFPの顕微鏡画像を示す図である。

プラスミドマップpDAB105528を示す図である。

プラスミドマップpDAB105529を示す図である。

プラスミドマップpDAB107686を示す図である。

プラスミドマップpDAB107687を示す図である。

プラスミドマップpDAB112711を示す図である。

プラスミドマップpDAB11479を示す図である。

プラスミドマップpDAB112712を示す図である。

プラスミドマップpDAB112710を示す図である。

プラスミドマップpDAB017540を示す図である。

プラスミドマップpDAB107617を示す図である。

I.いくつかの実施形態の概要 葉緑体輸送ペプチド(CTP)(またはプラスチド輸送ペプチド)は、CTPを含むポリペプチドをプラスチド(例えば、葉緑体)に向かわせるよう、同時翻訳的または翻訳後に機能する。本発明のいくつかの実施形態では、内因性葉緑体タンパク質または異種タンパク質のいずれかが、CTPを含む大きな前駆体ポリペプチドとして、このようなタンパク質の発現によって葉緑体に向けられ得る。特定の実施形態では、CTPは、例えば、限定されるものではないが、異なる生物から得られたオーソロガス遺伝子に由来する少なくとも1種の連続する配列またはその機能的変異体を組み込むことによって、アブラナ属種遺伝子から得られたヌクレオチド配列から駆動され得る。

例示的な一実施形態では、各々、CTPをコードする核酸配列を、セイヨウアブラナ(Brassica napus)から得られたEPSPS遺伝子配列(NCBIデータベース受託番号P17688)から単離した。CTPをコードする核酸配列は、EPSPS遺伝子配列を、ChloroP予測サーバーを用いて解析することによって単離した。Emanuelsson et al. (1999), Protein Science 8:978-84(cbs.dtu.dk/services/ChloroPで入手可能)。単離されたCTPをコードする配列の予測されるタンパク質産物は、およそ60〜70個のアミノ酸長の輸送ペプチドである。CTPをコードする核酸配列を、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)から得られたオーソロガスEPSPS遺伝子(NCBI受託番号NP_182055)から単離した。この例では、天然セイヨウアブラナ(B. napus)CTPを、参照配列として使用し、セイヨウアブラナ(B. napus)CTP中の特定の位置にアラビドプシス属CTPから得られた連続する配列を融合することによって例示的合成アブラナ属由来CTPを設計した。この設計プロセスは、アブラナ属およびアラビドプシス属種核酸配列からの、いくつかの態様による、新規合成CTPの開発を例示する。これらの例示的合成アブラナ属由来CTPは、本開示内容を通じて、TraPs12および13と呼ばれる。これらの例示的合成TraPを、プラスチドをターゲッティングする機能について試験し、個々に、少なくとも、天然アブラナ属配列について観察されたものと同程度に好都合であるプラスチドターゲッティングを示すとわかった。

さらなる例示的一実施形態では、各々、本発明の合成TraPペプチドをコードする核酸配列を独立に合成し、黄色蛍光タンパク質(YFP)をコードする核酸配列と作動可能に連結させて、各々、キメラTraP:YFP融合ポリペプチドをコードする合成核酸分子を製造した。各々、キメラTraP:YFPポリペプチドをコードするこのような核酸分子を、各々、TraP:YFPをコードする核酸配列が、AtUbi10プロモーターと作動可能に連結されるよう、各々、バイナリーベクターに導入した。

なおさらなる例示的一実施形態では、各々、AtUbi10プロモーターと作動可能に連結されたTraP:YFPをコードする核酸配列を含むバイナリーベクターを、独立に、アグロバクテリウム媒介性形質転換によってタバコ(Nicotiana benthamiana)に一時的に形質転換した。共焦点顕微鏡観察およびウエスタンブロット解析によって、各TraPが、YFPをタバコ葉緑体に成功裏にターゲッティングしたことを確認した。

さらなる例示的一実施形態では、各々、本発明の合成TraPペプチドをコードする核酸配列を独立に合成し、農業的に重要な遺伝子配列をコードする核酸配列に作動可能に連結させた。TraP配列を、除草剤耐性形質(例えば、dgt−28およびdgt−14)に融合して、各々、キメラTraP:DGT−28またはTraP:DGT−14融合ポリペプチドをコードする合成核酸分子を製造した。各々、キメラTraP:DGT−28またはTraP:DGT−14ポリペプチドをコードするこのような核酸分子を、各TraP:dgt−28またはTraP:dgt−14をコードする核酸配列が、プロモーターおよびその他の遺伝子調節エレメントと作動可能に連結されるようにバイナリーベクター中に導入した。TraP:dgt−28またはTraP:dgt−14をコードする核酸配列を含有するバイナリーを使用して、種々の(varopis)植物種を形質転換した。トランスジェニック植物を、DGT−28またはDGT−14酵素の葉緑体への発現および転位置の結果としての除草剤耐性についてアッセイした。

さらなる例示的一実施形態では、各々、本発明の合成TraPペプチドをコードする核酸配列を独立に合成し、農業的に重要な遺伝子配列をコードする核酸配列に作動可能に連結させた。TraP配列を、昆虫耐性形質(例えば、cry2Aa、vip3ab1、cry1F、cry1Acおよびcry1Ca)と融合して、各々、キメラTraP:Cry2Aa、TraP:Vip3Ab1、TraP:Cry1F、TraP:Cry1AcまたはTraP:Cry1Ca融合ポリペプチドをコードする合成核酸分子を製造した。各々、キメラTraP:cry2Aa、TraP:vip3ab1、TraP:cry1F、TraP:cry1AcまたはTraP:cry1Caポリペプチドをコードするこのような核酸分子を、各TraP:cry2Aa、TraP:vip3ab1、TraP:cry1F、TraP:cry1AcまたはTraP:cry1Caをコードする核酸配列が、プロモーターおよびその他の遺伝子調節エレメントと作動可能に連結されるように、各々、バイナリーベクターに導入した。TraP:cry2Aa、TraP:vip3ab1、TraP:cry1F、TraP:cry1AcまたはTraP:cry1Caをコードする核酸配列を含有するバイナリーを使用して、種々の植物種を形質転換した。トランスジェニック植物を、Cry2Aa、Vip3Ab1、Cry1F、Cry1AcまたはCry1Ca酵素の葉緑体への発現および転位置の結果としての昆虫抵抗性についてバイオアッセイした。

上記の詳細な実施例を考慮して、本発明の合成アブラナ属由来CTP配列およびそれをコードする核酸は、任意のポリペプチドを、様々なプラスチドを含有する細胞中のプラスチドに向かわせるために使用され得る。例えば、本開示によって当業者に利用可能になった方法によって、任意の第2のペプチド配列のN末端に融合された合成アブラナ属由来CTP配列を含むキメラポリペプチドを、第2のペプチド配列のプラスチドターゲッティングのためにプラスチド含有宿主細胞中に導入してもよい(またはそこで発現させてもよい)。したがって、特定の実施形態では、本発明のTraPペプチドは、天然CTPと比較した場合に、プラスチド発現が望まれるペプチドの輸送およびプロセシングの増大された効率を提供し得る。

II.略語 CTP 葉緑体輸送ペプチド Bt バチルス・チューリンゲンシス(bacillus thuringiensis) EPSPS 3−エノールピルビルシキミ酸−5−リン酸シンセターゼ YFP 黄色蛍光タンパク質 Ti 腫瘍誘導性(A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)に由来するプラスミド) T−DNA トランスファーDNA

III.用語 本開示の種々の実施形態の再調査を容易にするために、特定の用語の以下の説明を提供する:

葉緑体輸送ペプチド:本明細書において、用語「葉緑体輸送ペプチド」(CTP)(または「プラスチド輸送ペプチド」)とは、ポリペプチドのN末端に存在する場合に、ポリペプチドの輸送を、プラスチドを含有する細胞(例えば、全植物体または植物細胞培養物などの中の植物細胞)のプラスチド中に向かわせるアミノ酸配列を指し得る。CTPは、一般に、タンパク質の輸送を、宿主細胞のプラスチド(例えば、一次、二次または葉緑体などの三次プラスチド)中に向かわせるのに必要であり、十分である。推定葉緑体輸送ペプチドは、いくつかの利用可能なアルゴリズム(例えば、PSORTおよびChloroP(cbs.dtu.dk/services/ChloroPで入手可能))のうち1種によって同定され得る。ChloroPは、CTPの特に良好な予測を提供し得る。Emanuelsson et al. (1999), Protein Science 8:978-84。しかし、機能的CTPの予測は、いずれの既存のアルゴリズムによっても100%の効率では達成されない。したがって、同定された推定CTPが、例えば、in vitroまたはin vivo方法論において意図されるように実際に機能することを確認することは重要である。

葉緑体輸送ペプチドは、プラスチド中に輸送されるポリペプチドのN末端に位置し得る。CTPは、CTPを含むポリペプチドの、プラスチドへの同時翻訳輸送または翻訳後輸送を容易にし得る。葉緑体輸送ペプチドは、通常、約40個から約100個の間のアミノ酸を含み、このようなCTPは、特定の共通する特徴を含有することが観察された。例えば、CTPは、あったとしても、極めて少ない負に帯電したアミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギンまたはグルタミンなど)しか含有しない;CTPのN末端領域は、帯電したアミノ酸、グリシンおよびプロリンを欠く;CTPの中央領域はまた、極めて高い割合の塩基性またはヒドロキシル化アミノ酸(セリンおよびトレオニンなど)を含有する可能性が高い;CTPのC末端領域は、アルギニンが豊富であり、両親媒性のベータシート構造を含む能力を有する可能性が高い。プラスチドプロテアーゼは、ポリペプチドのプラスチド中への輸送後に、CTPを、CTPを含むポリペプチドの残部から切断し得る。

接触:本明細書において、用語、細胞、組織または生物(例えば、植物細胞;植物組織;および植物体)「と接触する」または「によって取り込まれる」は、核酸分子に関して、核酸分子の、生物への内部移行、例えば、限定されるものではないが、生物を核酸分子を含む組成物と接触させること;および生物を核酸分子を含む溶液に浸漬することを含む。

内因性:本明細書において、用語「内因性」とは、特定の生物、組織または細胞内に起因する物質(例えば、核酸分子およびポリペプチド)を指す。例えば、植物細胞において発現された「内因性」ポリペプチドは、同一種の遺伝子操作されていない植物から得られた同一種の細胞において正常に発現されるポリペプチドを指し得る。いくつかの例では、アブラナ属種から得られた内因性遺伝子(例えば、EPSPS遺伝子)が、参照アブラナ属CTP配列を得るために使用され得る。

発現:本明細書において、コード配列(例えば、遺伝子または導入遺伝子)の「発現」とは、核酸転写単位(例えば、ゲノムDNAまたはcDNAを含む)のコードされた情報が、細胞の作動可能な、作動可能でない、または構造的部分に変換されるプロセスを指し、タンパク質の合成を含むことが多い。遺伝子発現は、外部シグナル;例えば、遺伝子発現を増大または減少させる薬剤に対する細胞、組織または生物の曝露によって影響を受け得る。遺伝子の発現はまた、DNAからRNAへ、タンパク質への経路のどこでも調節され得る。遺伝子発現の調節は、例えば、転写、翻訳、RNA輸送およびプロセシング、mRNAなどの中間分子の分解に対して作用する制御によって、または特定のタンパク質分子の、製造された後の活性化、不活性化、コンパートメント化もしくは分解によって、またはそれらの組合せによって起こる。遺伝子発現は、当技術分野で公知の任意の方法、例えば、限定されるものではないが、ノーザンブロット;RT−PCR;ウエスタンブロット;またはin vitro;in situ;およびin vivoタンパク質活性アッセイ(複数可)によって、RNAレベルまたはタンパク質レベルで測定され得る。

遺伝物質:本明細書において、用語「遺伝物質」は、DNAおよびRNAなどのすべての遺伝子および核酸分子を含む。

異種:本明細書において、用語「異種」とは、特定の生物、組織または細胞内に起因しない物質(例えば、核酸分子およびポリペプチド)を指す。例えば、植物細胞において発現された「異種」ポリペプチドとは、同一種の遺伝子操作されていない植物から得られた同一種の細胞において正常には発現されないポリペプチド(例えば、同一生物の異なる細胞または異なる生物の細胞において発現されるポリペプチド)を指し得る。

単離された:本明細書において、用語「単離された」とは、分子が天然に存在する生物の細胞において、分子が正常には関連している同種のその他の分子(例えば、その他の核酸分子およびその他のポリペプチド)から実質的に分離または精製されている分子(例えば、核酸分子およびポリペプチド)を指す。例えば、単離された核酸分子は、核酸分子が天然に存在する生物の細胞において、染色体DNAまたは染色体外DNAから実質的に分離または精製され得る。したがって、この用語は、その他の核酸分子、ポリペプチドおよび細胞成分が除去されるように生化学的に精製された組換え核酸分子およびポリペプチドを含む。この用語はまた、組換え核酸分子、化学合成された核酸分子および組換えによって製造されたポリペプチドを含む。

本明細書において、用語「実質的に精製された」とは、その天然状態ではそれと正常に関連しているその他の分子から分離されている分子を指す。実質的に精製された分子が、組成物中に存在する主な種であり得る。実質的に精製された分子は、例えば、天然混合物中に存在する溶媒以外に、その他の分子を少なくとも60%含まない、少なくとも75%含まない、または少なくとも90%含まないものであり得る。用語「実質的に精製された」は、その天然状態で存在する分子を指さない。

核酸分子:本明細書において、用語「核酸分子」とは、ヌクレオチドのポリマー形態を指し、RNA、cDNA、ゲノムDNAのセンスおよびアンチセンス鎖の両方ならびに上記のものの合成形態および混合ポリマーを含み得る。ヌクレオチドは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドまたはいずれかの種類のヌクレオチドの修飾形態を指す場合もある。本明細書において「核酸分子」とは、「核酸」および「ポリヌクレオチド」と同義語である。核酸分子は、特に断りのない限り、普通、少なくとも10塩基長である。この用語は、DNAの一本鎖および二本鎖形態を含む。核酸分子は、二量体の(いわゆる、タンデム)形態および核酸分子の転写産物を含む。核酸分子は、天然に存在する、および/または天然に存在しないヌクレオチド結合によって一緒に連結している、天然に存在するヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオチドのいずれかまたは両方を含み得る。

当業者には、容易に理解されるように、核酸分子は、化学的または生化学的に修飾され得るか、または非天然もしくは誘導体化ヌクレオチド塩基を含有し得る。このような修飾として、例えば、標識、メチル化、天然に存在するヌクレオチドのうち1個または複数の類似体との置換、ヌクレオチド間修飾(例えば、無電荷結合:例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホラミデート、カルバメートなど;電荷結合:例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど;懸垂部分:例えば、ペプチド;介入物:例えば、アクリジン、ソラレンなど;キレート剤;アルキル化剤;および修飾された結合:例えば、アルファアノマー核酸など)が挙げられる。用語「核酸分子」はまた、一本鎖、二本鎖、部分二本鎖、三本鎖、ヘアピン、環状およびパドロック型(padlocked)コンホメーションを含めた任意のトポロジカルコンホメーションも含む。

本明細書において、DNAに関して、用語「コード配列」、「構造的ヌクレオチド配列」または「構造的核酸分子」とは、適当な調節配列の制御下に置かれた場合に、転写およびmRNAによってポリペプチドに最終的に翻訳されるヌクレオチド配列を指す。RNAに関して、用語「コード配列」とは、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質に翻訳されるヌクレオチド配列を指す。コード配列の境界は、5’末端の翻訳開始コドンおよび3’末端の翻訳停止コドンによって決定される。コード配列として、それだけには限らないが、ゲノムDNA;cDNA;EST;および組換えヌクレオチド配列が挙げられる。

いくつかの実施形態では、本発明は、例えば、例えば、イオン交換クロマトグラフィーなどの分離方法を使用して;分子の大きさに基づく排除によって、または親和性によって、種々の溶媒における溶解度に基づく分画技術ならびに増幅、クローニングおよびサブクローニングなどの遺伝子工学の方法によって、単離、精製または部分精製され得るヌクレオチド配列を含む。

配列同一性:本明細書において、2種の核酸またはポリペプチド配列に関連して、用語「配列同一性」または「同一性」とは、特定の比較ウィンドウにわたって最大一致を求めてアラインされた場合に同一である2種の配列中の残基を指し得る。

本明細書において、用語「配列同一性のパーセンテージ」とは、2種の最適にアラインされた配列(例えば、核酸配列およびアミノ酸配列)を比較ウィンドウにわたって比較することによって決定される値を指し得、ここで、比較ウィンドウ中の配列の部分は、2種の配列の最適アラインメントを求めて参照配列(付加または欠失を含まない)に対して比較されると付加または欠失(すなわち、ギャップ)を含み得る。パーセンテージは、両配列中に同一ヌクレオチドまたはアミノ酸残基が生じる位置の数を決定し、対応する位置の数を得ること、対応する位置の数を、比較ウィンドウ中の位置の総数によって除することおよび結果に100を乗じて、配列同一性のパーセンテージを得ることによって算出される。

比較のために配列をアラインするための方法は、当技術分野で周知である。種々のプログラムおよびアラインメントアルゴリズムが、例えば、Smith and Waterman (1981), Adv. Appl. Math. 2:482; Needleman and Wunsch (1970), J. Mol. Biol. 48:443; Pearson and Lipman (1988), Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 85:2444; Higgins and Sharp (1988), Gene 73:237-44; Higgins and Sharp (1989), CABIOS 5:151-3; Corpet et al. (1988), Nucleic Acids Res. 16:10881-90; Huang et al. (1992), Comp. Appl. Biosci. 8:155-65; Pearson et al. (1994), Methods Mol. Biol. 24:307-31; Tatiana et al. (1999), FEMS Microbiol. Lett. 174:247-50に記載されている。配列アラインメント方法および相同性算出の詳細な検討事項は、例えば、Altschul et al. (1990), J. Mol. Biol. 215:403-10に見出すことができる。

米国国立バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)Basic Local Alignment Search Tool(BLAST(商標);Altschul et al. (1990))は、いくつかの配列解析プログラムに関連して使用するために、米国国立バイオテクノロジー情報センター(Bethesda、MD)およびインターネットを含め、いくつかの供給源から入手可能である。このプログラムを使用して配列同一性を決定する方法の説明は、BLAST(商標)の「ヘルプ」セクションの下でインターネットで入手可能である。核酸配列を比較するために、BLAST(商標)(Blastn)プログラムの「BLAST2配列」機能が、デフォルトパラメータに設定されたデフォルトBLOSUM62マトリックスを使用して用いられ得る。参照配列に対してさらに大きな類似性を有する核酸配列は、この方法によって評価されると、増大する同一性パーセンテージを示す。

特異的にハイブリダイズ可能な/特異的に相補的な:本明細書において、用語「特異的にハイブリダイズ可能な」および「特異的に相補的な」とは、核酸分子および標的核酸分子間で安定な、特異的な結合が生じるよう、十分な相補性度を示す用語である。2種の核酸分子間のハイブリダイゼーションは、2種の核酸分子の核酸配列間の逆行性アラインメントの形成を含む。次いで、2種の分子は、反対の鎖の対応する塩基と水素結合を形成して二本鎖分子を形成でき、これは十分に安定である場合には当技術分野で周知の方法を使用して検出可能である。核酸分子は、特異的にハイブリダイズ可能であるその標的配列に対して100%相補的である必要はない。しかし、特異的であるハイブリダイゼーションのために存在しなくてはならない配列相補性の量は、使用されるハイブリダイゼーション条件の関数である。

特定の程度のストリンジェンシーをもたらすハイブリダイゼーション条件は、選択されるハイブリダイゼーション方法の性質および組成物およびハイブリダイズする核酸配列の長さに応じて変わる。一般に、ハイブリダイゼーションの温度およびハイブリダイゼーションバッファーのイオン強度(特に、Na+および/またはMg++濃度)が、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを左右するが、洗浄時間も、ストリンジェンシーに影響を及ぼす。特定の程度のストリンジェンシーを得るのに必要なハイブリダイゼーション条件に関する計算は、当業者には公知であり、例えば、Sambrook et al. (ed.) Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nded., vol. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY, 1989, chapters 9 and 11;およびHames and Higgins (eds.) Nucleic Acid Hybridization, IRL Press, Oxford, 1985に論じられている。核酸のハイブリダイゼーションに関するさらなる詳細な指示および案内は、例えば、Tijssen, 「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays」, in Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology-Hybridization with Nucleic Acid Probes, Part I, Chapter 2, Elsevier, NY, 1993;およびAusubel et al., Eds., Current Protocols in Molecular Biology, Chapter 2, Greene Publishing and Wiley-Interscience, NY, 1995に見出すことができる。

本明細書において、「ストリンジェントな条件」は、ハイブリダイゼーションが、ハイブリダイゼーション分子および標的核酸分子内の相同配列間に20%未満のミスマッチがある場合にのみ起こる条件を包含する。「ストリンジェントな条件」は、さらに特定のレベルのストリンジェンシーを含む。したがって、本明細書において、「中程度のストリンジェンシー」条件とは、20%を超える配列ミスマッチを有する分子が、ハイブリダイズしないものであり;「高ストリンジェンシー」の条件とは、10%を超えるミスマッチを有する配列が、ハイブリダイズしないものであり;「極めて高ストリンジェンシー」の条件とは、5%を超えるミスマッチを有する配列が、ハイブリダイズしないものである。

以下は、代表的な、限定するものではないハイブリダイゼーション条件である。 高ストリンジェンシー条件(少なくとも90%の配列同一性を共有する配列を検出する):65℃で16時間の5×SSCバッファー中でのハイブリダイゼーション;室温で各15分の2×SSCバッファーでの2回の洗浄;および65℃で各20分間の0.5×SSCバッファーでの2回の洗浄。 中程度のストリンジェンシー条件(少なくとも80%の配列同一性を共有する配列を検出する):65〜70℃で16〜20時間の5×〜6×SSCバッファー中でのハイブリダイゼーション;室温で各5〜20分の2×SSCバッファーでの2回の洗浄;および55〜70℃で各30分間の1×SSCバッファーでの2回の洗浄。 非ストリンジェント対照条件(少なくとも50%の配列同一性を共有する配列がハイブリダイズする):室温〜55℃で16〜20時間の6×SSCバッファーでのハイブリダイゼーション;室温〜55℃で各20〜30分の2×〜3×SSCバッファーでの少なくとも2回の洗浄。

本明細書において、用語「実質的に相同な」または「実質的相同性」とは、連続する核酸配列に関して、ストリンジェントな条件下で、参照核酸配列とハイブリダイズする連続するヌクレオチド配列を指す。例えば、参照核酸配列に対して実質的に相同である核酸配列とは、ストリンジェントな条件(例えば、上記で示される、中程度のストリンジェンシー条件)下で、参照核酸配列とハイブリダイズする核酸配列である。実質的に相同な配列は、少なくとも80%配列同一性を有し得る。例えば、実質的に相同な配列は、約80%〜100%配列同一性、例えば、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%約95%、約96%、約97%、約98%、約98.5%、約99%、約99.5%、および約100%を有し得る。実質的相同性の特性は、特異的ハイブリダイゼーションと密接に関連している。例えば、核酸分子は、特異的結合が望まれる条件下で、例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、核酸の、非標的配列との非特異的結合を避けるための十分な程度の相補性がある場合に、特異的にハイブリダイズ可能である。

本明細書において、用語「オーソログ」(または「オーソロガス」)とは、共通の先祖ヌクレオチド配列から進化した2種以上の種における遺伝子を指し、2種以上の種において同一機能を保持し得る。

本明細書において、2種の核酸配列分子は、5’から3’方向に読まれる配列のどのヌクレオチドも、3’から5’方向に読まれる場合のもう一方の配列のどのヌクレオチドとも相補的である場合に、「完全相補性」を示すといわれる。参照ヌクレオチド配列に対して相補的であるヌクレオチド配列は、参照ヌクレオチド配列の逆相補配列に対して配列同一性を示す。これらの用語および説明は、当技術分野で十分に定義されており、当業者に容易に理解される。

アミノ酸配列間の配列同一性パーセンテージを決定する場合には、アラインメントによって提供された所与の位置におけるアミノ酸の同一性は、アラインされた配列を含むポリペプチドの所望の特性に影響を及ぼすことなく異なり得るということは、当業者には周知である。これらの例では、配列同一性パーセントは、保存的に置換されたアミノ酸間の類似性を説明するよう調整され得る。これらの調整は、当業者には周知であり、よく使用される。例えば、Myers and Miller (1988), Computer Applications in Biosciences 4:11-7を参照のこと。

本発明の実施形態は、例示的プラスチド輸送ペプチドアミノ酸配列の機能的変異体およびそれをコードする核酸配列を含む。例示的輸送ペプチド配列の機能的変異体は、例えば、例示的輸送ペプチドアミノ酸配列の断片(N末端またはC末端断片など)、または全長の例示的輸送ペプチドアミノ酸配列もしくは例示的輸送ペプチドアミノ酸配列の断片の修飾された配列であり得る。例示的輸送ペプチドアミノ酸配列は、修飾され得、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を導入し得る。「保存的」アミノ酸置換とは、アミノ酸残基が、同様の機能的側鎖、同様の大きさおよび/または同様の疎水性を有するアミノ酸残基によって置き換えられているものである。保存的置換を導入するために同一ファミリーの別のアミノ酸を置き換えるために使用され得るアミノ酸のファミリーは、当技術分野で公知である。例えば、これらのアミノ酸ファミリーとして、塩基性アミノ酸(例えば、リシン、アルギニンおよびヒスチジン);酸性アミノ酸(例えば、アスパラギン酸およびグルタミン酸);無電荷(生理学的pHで)極性アミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシンおよびシトシン);非極性アミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニンおよびトリプトファン);ベータ−分岐アミノ酸(例えば、トレオニン、バリンおよびイソロイシン);および芳香族アミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファンおよびヒスチジン)が挙げられる。例えば、Sambrook et al. (Eds.), 前掲;およびInnis et al., PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, 1990, Academic Press, NY, USAを参照のこと。

作動可能に連結された:第1のヌクレオチド配列は、第1のヌクレオチド配列が、第2のヌクレオチド配列と機能的関係にある場合に、第2のヌクレオチド配列と「作動可能に連結している」。例えば、プロモーターは、プロモーターが、コード配列の転写または発現に影響を及ぼす場合に、コード配列と作動可能に連結している。組換えによって作製された場合には、作動可能に連結しているヌクレオチド配列は、一般に、連続しており、2つのタンパク質コード領域をつなげる必要がある場合には、同一リーディングフレーム中にある。しかし、ヌクレオチド配列は、作動可能に連結されるよう連続している必要はない。

用語「作動可能に連結された」とは、調節配列およびコード配列に関して使用される場合には、調節配列が、連結されたコード配列の発現に影響を及ぼすことを意味する。「調節配列」または「制御エレメント」とは、関連しているコード配列の転写のタイミングおよびレベル/量、RNAプロセシングもしくは安定性または翻訳に影響を及ぼすヌクレオチド配列を指す。調節配列は、プロモーター;翻訳リーダー配列;イントロン;エンハンサー;ステム−ループ構造;リプレッサー結合性配列;終結配列;ポリアデニル化認識配列などを含み得る。特定の調節配列は、それに作動可能に連結しているコード配列の上流および/または下流に配置され得る。また、コード配列と作動可能に連結している特定の調節配列は、二本鎖核酸分子の関連する相補鎖上に配置され得る。

2種以上のアミノ酸配列に関連して使用される場合には、用語「作動可能に連結している」とは、第1のアミノ酸配列が、少なくとも1種のさらなるアミノ酸配列と機能的関係にあることを意味する。例えば、輸送ペプチド(例えば、CTP)は、輸送ペプチドが、ポリペプチドまたは第2のアミノ酸配列の発現または輸送に影響を及ぼす場合に、両配列を含むポリペプチド内の第2のアミノ酸配列と作動可能に連結している。

プロモーター:本明細書において、用語「プロモーター」とは、転写の開始から上流であり得る、RNAポリメラーゼおよび転写を開始するためのその他のタンパク質の認識および結合に関与し得るDNAの領域を指す。プロモーターは、細胞における発現のためにコード配列と作動可能に連結され得るか、またはプロモーターは、細胞における発現のためにコード配列と作動可能に連結され得るシグナル配列をコードするヌクレオチド配列と作動可能に連結され得る。「植物プロモーター」は、植物細胞において転写を開始できるプロモーターであり得る。発達制御下にあるプロモーターの例として、葉、根、種子、繊維、木部導管、仮導管または厚壁組織などの特定の組織における転写を優先的に開始するプロモーターが挙げられる。このようなプロモーターは、「組織優先型」と呼ばれる。特定の組織においてのみ転写を開始するプロモーターは、「組織特異的」と呼ばれる。「細胞種特異的」プロモーターは、主に、1種または複数の器官中の特定の細胞種、例えば、根または葉中の維管束細胞において発現を駆動する。「誘導可能な」プロモーターとは、環境制御下にあるプロモーターであり得る。誘導プロモーターによる転写を開始し得る環境条件の例として、嫌気性条件および光の存在が挙げられる。組織特異的、組織優先的、細胞種特異的および誘導性プロモーターは、「非構成的」プロモーターのクラスを構成する。「構成的」プロモーターとは、ほとんどの環境条件下で活性であり得るプロモーターである。

本発明のいくつかの実施形態では、任意の誘導プロモーターが使用され得る。Ward et al. (1993), Plant Mol. Biol. 22:361-366参照のこと。誘導プロモーターを用いると、誘導物質に応じて転写の速度が増大する。例示的誘導プロモーターとして、それだけには限らないが、銅と反応するACEI系;ベンゼンスルホンアミド除草剤解毒剤と反応するトウモロコシ由来のIn2遺伝子;Tn10由来のTetリプレッサーに由来するプロモーター;およびステロイドホルモン遺伝子由来の誘導プロモーターが挙げられ、糖質コルチコステロイドホルモンによってそれらの転写活性が誘導され得る(Schena et al. (1991), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88:0421)。

例示的構成プロモーターとして、それだけには限らないが、CaMV由来の35Sプロモーター;コメアクチン遺伝子由来のプロモーター;ユビキチンプロモーター;pEMU;MAS;トウモロコシH3ヒストンプロモーター;およびALSプロモーター、セイヨウアブラナ(Brassica napus)ALS3構造遺伝子の5’のXba1/NcoI断片(または前記Xba1/NcoI断片と同様のヌクレオチド配列)(国際PCT出願番号WO96/30530)などの植物ウイルス由来のプロモーターが挙げられる。

本発明のいくつかの実施形態では、さらに、任意の組織特異的または組織優先的プロモーターが利用され得る。組織特異的プロモーターと作動可能に連結しているコード配列を含む核酸分子で形質転換された植物は、もっぱら、または優先的に特定の組織においてコード配列の産物を製造し得る。例示的組織特異的または組織優先的プロモーターとして、それだけには限らないが、ファゼオリン遺伝子由来のものなどの根優先的プロモーター;cabまたはリブロース二リン酸カルボキシラーゼ由来のものなどの葉特異的および光誘導性プロモーター;LAT52由来のものなどの別の特異的プロモーター;Zm13由来のものなどの花粉特異的プロモーター;およびapg由来のものなどの小胞子優先的プロモーターがある。

形質転換:本明細書において、用語「形質転換」または「形質導入」とは、1種または複数の核酸分子の細胞への転移を指す。細胞は、核酸分子の細胞ゲノムへの組み込みまたはエピソーム複製のいずれかによって、核酸分子が細胞によって安定に複製されるようになった場合に、細胞に軽質導入される核酸分子によって「形質転換される」。本明細書において、用語「形質転換」は、核酸分子が、このような細胞中に導入され得るすべての技術を包含する。例として、それだけには限らないが:ウイルスベクターを用いるトランスフェクション;プラスミドベクターを用いる形質転換;エレクトロポレーション(Fromm et al. (1986), Nature 319:791-3);リポフェクション(Felgner et al. (1987), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413-7);マイクロインジェクション(Mueller et al. (1978), Cell 15:579-85);アグロバクテリウム媒介性転移(Fraley et al. (1983), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803-7);直接DNA取り込み;および微粒子銃(Klein et al. (1987), Nature 327:70)が挙げられる。

導入遺伝子:外因性核酸配列。いくつかの例では、導入遺伝子は、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードする配列であり得る。特定の例では、導入遺伝子は、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPおよびプラスチド発現が望ましい、少なくとも1種のさらなるペプチド配列(例えば、除草剤抵抗性を付与するペプチド配列)を含むポリペプチドをコードし得る。これらおよびその他の例では、導入遺伝子は、導入遺伝子のコード配列と作動可能に連結している調節配列(例えば、プロモーター)を含有し得る。本開示の目的上、用語「トランスジェニック」は、生物(例えば、植物)を指すために使用される場合には、外因性核酸配列を含む生物を指す。いくつかの例では、外因性核酸配列を含む生物は、分子形質転換技術によって核酸配列が導入された生物であり得る。その他の例では、外因性核酸配列を含む生物は、例えば、遺伝子移入または植物における他家受粉によって核酸配列が導入された生物であり得る。

輸送:本明細書において、用語「輸送」、「ターゲッティング」、および「転移」とは、宿主細胞の核から宿主細胞のプラスチドへの、アミノ酸配列を含むポリペプチドの移動を促進する、本発明の特定のアミノ酸配列の特性を指す。特定の実施形態では、このようなアミノ酸配列(すなわち、合成アブラナ属由来CTP配列)は、アミノ酸配列を含むポリペプチドの約100%、少なくとも約95%、少なくとも約90%、少なくとも約85%、少なくとも約80%、少なくとも約70%、少なくとも約60%、および/または少なくとも約50%を、宿主細胞のプラスチド中に輸送できる可能性がある。

ベクター:例えば、形質転換された細胞を製造するために、細胞中に導入されるような核酸分子。ベクターは、複製起点などの、宿主細胞においてそれが複製するのを可能にする核酸配列を含み得る。ベクターの例として、それだけには限らないが、プラスミド;コスミド;バクテリオファージ;または外因性DNAを細胞中に運ぶウイルスが挙げられる。ベクターはまた、1種または複数の遺伝子、アンチセンス分子および/または選択マーカー遺伝子および当技術分野で公知のその他の遺伝子エレメントを含み得る。ベクターは、細胞を形質導入、形質転換または感染し、それによって、細胞に、ベクターによってコードされる核酸分子および/またはタンパク質を発現させ得る。ベクターは、任意選択で、核酸分子の細胞(例えば、リポソーム、タンパク質コーティングなど)への侵入の達成を補助する物質を含んでもよい。

具体的に示され、暗示されない限り、用語「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、本明細書において「少なくとも1つの」を示す。

具体的に説明されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。分子生物学における一般的な用語の定義は、例えば、Lewin B.,Genes V, Oxford University Press, 1994 (ISBN 0-19-854287-9);Kendrew et al. (eds.), The Encyclopedia of Molecular Biology, Blackwell Science Ltd., 1994 (ISBN 0-632-02182-9);およびMeyers R.A. (ed.), Molecular Biology and Biotechnology: A Comprehensive Desk Reference, VCH Publishers, Inc., 1995 (ISBN 1-56081-569-8)に見出すことができる。別に記載されない限り、すべてのパーセンテージは、重量によるものであり、すべての溶媒混合物割合は、容量によるものである。すべての温度は、摂氏度である。

IV.合成アブラナ属由来CTPをコードする配列を含む核酸分子 いくつかの実施形態では、本開示は、対象とするヌクレオチド配列と作動可能に連結している合成アブラナ属由来CTPをコードする少なくとも1種のヌクレオチド配列を含む核酸分子を提供する。特定の実施形態では、対象とするヌクレオチド配列は、対象とするポリペプチドをコードするヌクレオチド配列であり得る。特定の例では、TraP12またはTraP13配列が対象とするポリペプチドのN末端と融合しているポリペプチドをコードする単一の核酸分子が、提供される。

合成アブラナ属由来CTPは、アブラナ属EPSPS遺伝子に由来し得る。このような実施形態の特定の例では、アブラナ属EPSPS遺伝子は、配列番号1に示される核酸配列、異なるEPSPS遺伝子に由来する相同核酸配列または配列番号1として示される核酸配列を含むアブラナ属EPSPS遺伝子のオーソログを含み得る。

いくつかの実施形態では、合成アブラナ属由来葉緑体輸送ペプチドは、キメラアブラナ属由来CTPであり得る。合成キメラアブラナ属由来CTPは、参照アブラナ属CTP配列内に含まれる第1の連続するアミノ酸配列を、異なるCTP配列(例えば、アラビドプシス属(Arabidopsis)の種から得られたCTP配列)内に含まれる第2の連続するアミノ酸配列をつなげることによって参照アブラナ属CTP配列から導くことができる。特定の実施形態では、第2の連続するアミノ酸配列を含む異なるCTP配列は、参照配列が得られたアブラナ属の種のもの以外(例えば、異なるアブラナ属の種、アブラナ属の種以外の植物;下等光合成真核生物、例えば、緑藻植物;および原核生物、例えば、シアノバクテリアまたはアグロバクテリウム)のゲノムから得られた相同遺伝子配列によってコードされ得る。したがって、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列は、参照アブラナ属CTP配列の連続するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を、参照アブラナ属CTP配列の残部と相同である異なるCTP配列に由来する連続するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と融合することによって、参照アブラナ属CTPをコードする遺伝子配列から導くことができる。これらおよびその他の例では、参照アブラナ属CTP配列の連続するアミノ酸配列は、合成アブラナ属由来CTPの5’末端または3’末端に位置され得る。

いくつかの実施形態では、合成キメラアブラナ属由来CTPは、1種のアブラナ属CTP配列内に含まれる連続するアミノ酸配列を、異なるアブラナ属CTP配列内に含まれる連続するアミノ酸配列とつなげることによって複数のアブラナ属CTP配列(参照アブラナ属CTP配列を含む)から導くことができる。特定の実施形態では、複数のアブラナ属CTP配列は、異なるアブラナ属の種中のオーソロガス遺伝子配列によってコードされ得る。いくつかの例では、複数のアブラナ属CTP配列は、正確に2種のアブラナ属CTP配列であり得る。したがって、合成キメラアブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列は、一方のアブラナ属CTP配列の連続するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を、第1のアブラナ属CTP配列の残部と相同であるもう一方のアブラナ属CTP配列に由来する連続するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と融合することによって、2種の相同な(例えば、実質的に相同な)アブラナ属CTPをコードする遺伝子配列(例えば、オーソロガス遺伝子配列)から導くことができる。TraP12およびTraP13は、このような合成キメラアブラナ属由来CTPの具体例である。

いくつかの実施形態では、合成キメラアブラナ属由来CTPは、参照アブラナ属CTP配列内に含まれる連続するアミノ酸配列を、異なる生物から得られた第2のCTP配列内に含まれる連続するアミノ酸配列とつなげることによって、参照アブラナ属CTP配列から導くことができる。特定の実施形態では、第2のCTP配列は、異なる生物中のオーソロガス遺伝子配列によってコードされ得る。合成キメラアブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列は、参照アブラナ属CTP配列の連続するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を、参照アブラナ属CTP配列の残部に対して相同である、異なる生物から得たCTP配列に由来する、相同な(例えば、実質的に相同な)CTPをコードする遺伝子配列(例えば、オーソロガス遺伝子配列)から得た連続するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列と融合することによって、参照アブラナ属CTP配列から導くことができる。TraPs12および13は、アブラナ属およびシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)に由来するCTP配列を含むこのような合成キメラCTPの具体例である。

当業者ならば、参照アブラナ属CTP配列内の第1の連続するアミノ酸配列の選択後に、前述の誘導プロセスに従う、相同なCTP配列の残部からの連続するアミノ酸配列の同定および選択は、明白なものであり、自動的であるということは理解されよう。いくつかの例では、第1の連続するアミノ酸配列は、約25から約41個の間のアミノ酸長(例えば、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41および42個のアミノ酸長)であり得る。いくつかの実施形態では、参照アブラナ属CTP配列内の第1の連続するアミノ酸配列は、一部のアブラナ属EPSPS遺伝子内で保存されている「SVSL」(配列番号9)モチーフの3’末端の位置によって定義される。

前記のプロセスに従う、合成キメラアブラナ属由来CTP配列の例は、配列番号6および8によって表される。当業者によれば、遺伝暗号の縮重を考慮して、これらのペプチドをコードするヌクレオチド配列の種類は、すぐに思い浮かぶ。これらの特定の例は、セイヨウアブラナ(B. napus)ESPSP遺伝子のいくつかのESPSPオーソログの1種から得た相同CTPに由来する連続する配列を組み込むことによって、合成キメラアブラナ属由来CTPの構造的特徴を例示する。

いくつかの実施形態は、合成アブラナ属由来葉緑体輸送ペプチドおよび/またはそれをコードする核酸の機能的変異体を含む。このような機能的変異体として、例えば、限定するものではないが、配列番号1として示されるアブラナ属CTPをコードする配列の相同体および/もしくはオーソログから導かれた合成アブラナ属由来CTPをコードする配列ならびに/またはそれによってコードされるCTP;配列番号2内の連続するアミノ酸配列を含む合成アブラナ属由来CTPをコードする核酸および/またはそれによってコードされるCTP;配列番号5、7、11、12、13、15、17および19のうち1種内の連続する核酸配列を含む末端切断型合成アブラナ属由来CTPをコードする配列;配列番号5、7、11、12、13、15、17および19のうち1種に対して実質的に相同である、連続する核酸配列を含む末端切断型合成アブラナ属由来CTPをコードする配列;配列番号6および8内の連続するアミノ酸配列を含む末端切断型合成アブラナ属由来CTP;配列番号6および8のうち1種内の連続するアミノ酸配列を含む合成アブラナ属由来CTPをコードする核酸および/またはそれによってコードされるCTP;1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を有する、配列番号6および8のうち1種内の連続するアミノ酸配列を含む合成アブラナ属由来CTPをコードする核酸および/またはそれによってコードされるCTP;ならびに、作動可能に連結しているペプチドをプラスチドを含有する細胞中のプラスチドに向けると実証されている、1つまたは複数の非保存的アミノ酸置換を有する、配列番号6および8のうち1種内の連続するアミノ酸配列を含む合成アブラナ属由来CTPをコードする核酸および/またはそれによってコードされるCTPが挙げられる。

したがって、本発明のいくつかの実施形態は、1つまたは複数の保存的アミノ酸置換を含む合成キメラアブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列を含む核酸分子を含む。このような核酸分子は、例えば、分子生物学の技術における本発明のCTPをコードする配列の製造を容易にすることにおいて有用であり得る。例えば、いくつかの実施形態では、本発明のCTPをコードする配列は、発現ベクターに配列をサブクローニングするために適したベクター中に導入され得るか、または本発明のCTPをコードする配列は、対象とするヌクレオチド配列と作動可能に連結しているCTPをコードする配列を含むさらなる核酸分子の製造を容易にする核酸分子中に導入され得る。これらのおよびさらなる実施形態では、合成キメラアブラナ属由来CTPの配列中の1つまたは複数のアミノ酸位置が欠失している場合がある。例えば、合成キメラアブラナ属由来CTPの配列は、配列中の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20位のアミノ酸(複数可)が欠失されるよう修飾され得る。相同CTP配列のアラインメントを使用して、どのアミノ酸が、合成CTPの機能に影響を及ぼすことなく欠失され得るかについてのガイダンスが提供され得る。

特定の例では、合成アブラナ属由来葉緑体輸送ペプチドは、80個未満のアミノ酸長である。例えば、合成アブラナ属由来CTPは、79、78、77、76、75、74、73、72、71、70、69、68、67、66、65、64、63、62、61、60個またはそれより少ないアミノ酸長であり得る。特定の例では、合成アブラナ属由来CTPは、約65、約68、約72または約74個のアミノ酸長であり得る。これらおよびさらなる例では、合成アブラナ属由来CTPは、配列番号6および8のうち1種に示されるアミノ酸配列または前記のもののいずれかの機能的変異体を含み得る。したがって、合成アブラナ属由来CTPは、合成アブラナ属由来CTPの長さが、80個未満のアミノ酸長である、配列番号6および8のうち1種を含むアミノ酸配列またはその機能的変異体を含み得る。特定の例では、合成アブラナ属由来CTPは、例えば、配列番号6および8のうち1種に対して、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも92%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%同一であるアミノ酸配列を含み得る。

特定の合成アブラナ属由来CTP、例えば、配列番号6のTraP12ペプチド、配列番号8のTraP13ペプチドまたは任意の特定の欠失および/もしくは保存的アミノ酸置換を含む前記のもののいずれかの機能的変異体をコードするヌクレオチド配列のすべてが、本開示を考慮して当業者には認識されよう。遺伝暗号の縮重は、特定のアミノ酸配列について有限数のコード配列を提供する。合成アブラナ属由来CTPをコードするよう特定の配列を選択することは、実施者の判断の自由の範囲内にある。異なる適用では、異なるコード配列が望ましいものであり得る。例えば、特定の宿主における合成アブラナ属由来CTPの発現を増大するために、宿主のコドン使用バイアスに影響を及ぼすコード配列が、選択され得る。例として、合成アブラナ属由来CTPは、配列番号5、7、11、12、13、15、17および19の1種として示されるヌクレオチド配列によってコードされ得る。

本発明のいくつかの実施形態において提供される核酸分子では、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列の最後のコドンおよび対象とするヌクレオチド配列の第1のコドンは、例えば、イントロンまたは「停止」をコードしない任意の数のヌクレオチドトリプレットによって離れている場合もある。いくつかの例では、天然前駆体ポリペプチドにおいて葉緑体輸送ペプチドと普通関連している成熟タンパク質の第1のアミノ酸をコードする配列が、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列の最後のコドンと、対象とするヌクレオチド配列の第1のコドンの間に存在し得る。合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列と、対象とするヌクレオチド配列の第1のコドンを分離する配列は、例えば、コードされるアミノ酸配列が、キメラポリペプチドの翻訳およびプラスチドへのその転位置を大幅に変更する可能性が低いような任意の配列からなり得る。これらおよびさらなる実施形態では、合成アブラナ属由来葉緑体輸送ペプチドをコードするヌクレオチド配列の最後のコドンは、位相レジスタにおいて、対象とするヌクレオチド配列の第1のコドンとそれと直接連続して、または合成ヌクレオチドリンカー(例えば、融合を達成するために使用されることばあるヌクレオチドリンカー)によってコードされるような短いペプチド配列だけそれから離れて融合され得る。

いくつかの実施形態では、例えば、特定の宿主におけるコード配列の発現を増強するために、対象とするヌクレオチド配列および/または単一コード配列にそれと融合している合成アブラナ属由来CTPをコードする配列のヌクレオチドを修飾することが望ましい場合がある。遺伝暗号は、64種の可能性あるコドンと重複しているが、ほとんどの生物は、これらのコドンのサブセットを優先的に使用する。種において最も多く利用されるコドンは、最適コドンと呼ばれ、あまり多くは利用されないものは、稀に使用されるコドンまたは低使用コドンとして分類される。Zhang et al. (1991), Gene 105:61-72.コドンは、「コドン最適化」と呼ばれることもあるプロセスにおいて、特定の宿主の好ましいコドン使用を反映するよう置換され得る。例えば、翻訳の速度を高めるよう、または望ましい特性(例えば、最適化されていない配列から製造された転写物と比較して、より長い半減期)を有する組換えRNA転写物を製造するよう、個々の原核生物または真核生物宿主によって好まれるコドンを含有する最適化されたコード配列が調製され得る。

合成アブラナ属由来CTP配列を組み込むことによって、任意のポリペプチドが、プラスチドを含有する細胞のプラスチドにターゲッティングされ得る。例えば、いくつかの実施形態では、連結しているポリペプチド−CTP分子が発現される細胞において、ポリペプチドをプラスチドに向かわせるために、ポリペプチドが合成アブラナ属由来CTP配列に連結され得る。特定の実施形態では、合成アブラナ属由来CTP配列の組み込みによってプラスチドにターゲッティングされるポリペプチドは、例えば、ポリペプチドが天然に発現される細胞のプラスチドにおいて普通発現されるポリペプチドであり得る。例えば、限定するものではないが、合成アブラナ属由来CTP配列の組み込みによってプラスチドにターゲッティングされるポリペプチドは、除草剤抵抗性、ウイルス抵抗性、細菌病原体抵抗性、昆虫抵抗性、線虫抵抗性または真菌抵抗性に関与しているポリペプチドであり得る。例えば、米国特許第5,569,823号;同5,304,730号;同5,495,071号;同6,329,504号;および同6,337,431号を参照のこと。合成アブラナ属由来CTP配列の組み込みによってプラスチドにターゲッティングされるポリペプチドは、別法として、例えば、限定するものではないが、草勢または収量に関与するポリペプチド(極端な温度、土壌条件、光量レベル、水分レベルおよび化学的環境に対する耐性に関与しているポリペプチドを含む)または対象とする形質(例えば、選択マーカー遺伝子産物、種子色に関与しているポリペプチドなど)を含む植物を同定するためのマーカーとして使用され得るポリペプチドであり得る。

本発明のいくつかの実施形態において、合成アブラナ属由来CTP配列と連結され得る、除草剤抵抗性に関与しているポリペプチドの限定されない例として、アセトラクターゼシンターゼ(ALS)、突然変異ALSおよびALSの前駆体(例えば、米国特許第5,013,659号を参照のこと);CP4 EPSPSまたはクラスIII EPSPSなどのEPSPS(例えば、米国特許第4,971,908号および同6,225,114号を参照のこと);光合成および脂肪酸、アミノ酸、油、カロテノイド(arotenoid)、テルペノイド、デンプンの合成などを含めたプラスチドにおいて生じる生理学的プロセスを修飾する酵素が挙げられる。特定の実施形態において、合成アブラナ属由来葉緑体輸送ペプチドと連結され得るポリペプチドのその他の限定されない例として、ゼアキサンチンエポキシダーゼ、コリンモノオキシゲナーゼ、フェロケラターゼ、オメガ3脂肪酸不飽和化酵素、グルタミンシンセターゼ、デンプン変性酵素、必須アミノ酸の合成に関与しているポリペプチド、プロビタミンA、ホルモン、Bt毒素タンパク質などが挙げられる。前記のペプチドをコードするヌクレオチド配列は、当技術分野で公知であり、このようなヌクレオチド配列は、合成アブラナ属由来CTPと連結している対象とするポリペプチドを含むポリペプチドに発現されるよう、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列と作動可能に連結され得る。さらに、前記のポリペプチドのいずれかをコードするさらなるヌクレオチド配列は、当業者によって同定され得る(例えば、特定のポリペプチドをコードするその他の遺伝子に対して高い相同性を有する遺伝子のクローニングによって)。このようなヌクレオチド配列が同定されると、同定されたヌクレオチド配列と作動可能に連結された合成アブラナ属由来CTPをコードする配列を含むヌクレオチド配列または同等のポリペプチドをコードする配列を設計することが簡単なプロセスである。

V.合成アブラナ属由来葉緑体輸送ペプチドを含むポリペプチドの発現 いくつかの実施形態では、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドまたはその機能的同等物をコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1種の核酸分子が、そこでのポリペプチドの発現のために細胞、組織または生物中に導入され得る。特定の実施形態では、核酸分子は、合成アブラナ属由来CTPをコードするヌクレオチド配列と作動可能に連結している対象とするヌクレオチド配列を含み得る。例えば、核酸分子は、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPと、対象とするヌクレオチド配列によってコードされる少なくとも1種のさらなるペプチド配列を含むポリペプチドをコードするコード配列を含み得る。いくつかの実施形態では、本発明の核酸分子が、プラスチドを含有する宿主細胞、組織または生物(例えば、植物細胞、植物組織および植物体)中に導入され得、その結果、ポリペプチドが、プラスチドを含有する宿主細胞、組織または生物中の核酸分子から発現され得、発現されたポリペプチドが、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPおよび対象とするヌクレオチド配列によってコードされる少なくとも1種のさらなるペプチド配列を含む。特定の例では、このような発現されたポリペプチドの合成アブラナ属由来CTPは、少なくともさらなるペプチド配列を含むポリペプチドの一部を、宿主細胞、組織または生物のプラスチドへのターゲッティングを容易にし得る。

いくつかの実施形態では、本発明の核酸分子は、当業者に公知の方法論のいずれかのうち1種によってプラスチドを含有する細胞中に導入され得る。特定の実施形態では、宿主細胞、組織または生物は、細胞、組織または生物中に核酸分子を導入するために本発明の核酸分子と接触され得る。特定の実施形態では、細胞は、核酸分子が細胞中に導入され、核酸分子が、細胞のゲノム中に安定に組み込まれるように、本発明の核酸分子を用いて形質転換され得る。いくつかの実施形態では、対象とするヌクレオチド配列と作動可能に連結している合成アブラナ属由来CTPをコードする少なくとも1種のヌクレオチド配列を含む核酸分子が、細胞、例えば、プラスチドを含有する細胞(例えば、植物細胞)の形質転換のために使用され得る。発現を開始または増強するために、核酸分子は、1種または複数の調節配列を含んでもよく、この調節配列は、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結され得る。

核酸分子は、例えば、例えば、直鎖または閉じた環状プラスミドを含めたベクター系であり得る。特定の実施形態では、ベクターは、発現ベクターであり得る。本発明の核酸配列は、例えば、核酸配列が、1種または複数の調節配列と作動可能に連結されるようベクター中に挿入され得る。多数のベクターが、この目的のために利用可能であり、特定のベクターの選択は、例えば、ベクター中に挿入される核酸の大きさおよびベクターを用いて形質転換される個々の宿主細胞に応じて変わり得る。ベクターは、通常、種々の成分を含有し、その同一性は、ベクターの機能(例えば、DNAの増幅およびDNAの発現)およびベクターが適合する個々の宿主細胞(複数可)に応じて変わる。

いくつかの実施形態は、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードする1種または複数のヌクレオチド配列と作動可能に連結している上記の調節配列のうち少なくとも1種を含むヌクレオチド配列を含む植物形質転換ベクターを含み得る。1種または複数のヌクレオチド配列は、ポリペプチドの少なくとも一部を、植物細胞、組織または生物のプラスチドにターゲッティングする合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドを製造するよう、植物細胞、組織または生物において調節配列(複数可)の制御下で発現され得る。

いくつかの実施形態では、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と作動可能に連結している調節配列は、核酸分子が増幅される細菌細胞または核酸分子が発現される植物細胞などの宿主細胞において機能するプロモーター配列であり得る。本発明の核酸分子における使用に適したプロモーターとして、誘導可能、ウイルス性、合成または構成性であるものが挙げられ、そのすべてが、当技術分野で周知である。本発明の実施形態において有用であり得るプロモーターの限定されない例は、米国特許第6,437,217号(トウモロコシRS81プロモーター);同5,641,876号(コメアクチンプロモーター);同6,426,446号(トウモロコシRS324プロモーター);同6,429,362号(トウモロコシPR−1プロモーター);同6,232,526号(トウモロコシA3プロモーター);同6,177,611号(構成的トウモロコシプロモーター);同5,322,938号、同5,352,605号、同5,359,142号および同5,530,196号(35Sプロモーター);同6,433,252号(トウモロコシL3オレオシンプロモーター);同6,429,357号(コメアクチン2プロモーターおよびコメアクチン2イントロン);同6,294,714号(光誘導性プロモーター);同6,140,078号(塩誘導性プロモーター);同6,252,138号(病原体誘導性プロモーター);同6,175,060号(亜リン酸欠乏誘導性プロモーター);同6,388,170号(双方向性プロモーター);同6,635,806号(γ−コイキシン(coixin)プロモーター);および米国特許出願番号第09/757,089号(トウモロコシ葉緑体アルドラーゼプロモーター)によって提供される。

さらなる例示的プロモーターとして、ノパリンシンターゼ(NOS)プロモーター(Ebert et al. (1987), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84(16):5745-9);オクトピンシンターゼ(OCS)プロモーター(アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)の腫瘍誘導性プラスミドで実施される);カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)19Sプロモーターなどのカリモウイルスプロモーター(Lawton et al. (1987), Plant Mol. Biol. 9:315-24);CaMV 35Sプロモーター(Odell et al. (1985), Nature 313:810-2;ゴマノハグサ(figwort)モザイクウイルス35Sプロモーター(Walker et al. (1987), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84(19):6624-8);スクロースシンターゼプロモーター(Yang and Russell (1990), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:4144-8);R遺伝子複合体プロモーター(Chandler et al. (1989), Plant Cell 1:1175-83);クロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子プロモーター;CaMV35S(米国特許第5,322,938号、同5,352,605号、同5,359,142号および同5,530,196号);FMV35S(米国特許第6,051,753号および同5,378,619号);PC1SVプロモーター(米国特許第5,850,019号);SCP1プロモーター(米国特許第6,677,503号);およびAGRtu.nosプロモーター(GenBank受託番号V00087;Depicker et al. (1982), J. Mol. Appl. Genet. 1:561-73;Bevan et al. (1983), Nature 304:184-7)が挙げられる。

特定の実施形態では、本発明の核酸分子は、組織特異的プロモーターを含み得る。組織特異的プロモーターは、生物のその他の組織と比較して、プロモーターが特異的である組織において、作動可能に連結しているヌクレオチド配列のより高レベルの転写を指示するヌクレオチド配列である。組織特異的プロモーターの例として、限定するものではないが、タペータム特異的プロモーター;別の特異的プロモーター;花粉特異的プロモーター(例えば、米国特許第7,141,424号および国際PCT出願番号WO99/042587を参照のこと);胚珠特異的プロモーター;(例えば、米国特許出願第2001/047525号 A1を参照のこと);果実特異的プロモーター(例えば、米国特許第4,943,674号および同5,753,475号参照のこと);および種子特異的プロモーター(例えば、米国特許第5,420,034号および同5,608,152号参照のこと)が挙げられる。いくつかの実施形態では、発達段階特異的プロモーター(例えば、発達の後期段階で活性なプロモーター)が、本発明の組成物または方法において使用され得る。

いくつかの実施形態において、核酸分子と作動可能に連結され得るさらなる調節配列として、翻訳リーダー配列として機能するプロモーター配列とコード配列の間に位置する5’UTRが挙げられる。翻訳リーダー配列は、完全にプロセシングされたmRNA中に存在し、一次転写物のプロセシングおよび/またはRNA安定性に影響を及ぼし得る。翻訳リーダー配列の例として、トウモロコシおよびペチュニア熱ショックタンパク質リーダー(米国特許第5,362,865号)、植物ウイルスコートタンパク質リーダー、植物リブロース二リン酸カルボキシラーゼリーダーおよびその他のものが挙げられる。例えば、Turner and Foster (1995), Molecular Biotech. 3(3):225-36を参照のこと。5’UTRの限定されない例は、GmHsp(米国特許第5,659,122号);PhDnaK(米国特許第5,362,865号);AtAnt1;TEV(Carrington and Freed (1990), J. Virol. 64:1590-7);およびAGR腫瘍(GenBank受託番号V00087;およびBevan et al. (1983), Nature 304:184-7)によって提供されている。

いくつかの実施形態において、核酸分子と作動可能に連結され得るさらなる調節配列はまた、3’非翻訳配列、3’転写終結領域またはポリアデニル化領域も含む。これらは、ヌクレオチド配列の下流に位置する遺伝子エレメントであり、ポリアデニル化シグナルおよび/または転写もしくはmRNAプロセシングに影響を及ぼすことができるその他の調節シグナルを提供するポリヌクレオチドを含む。ポリアデニル化シグナルは、植物において、mRNA前駆体の3’末端へのポリアデニル化(polyadenylate)ヌクレオチドの付加を引き起こすよう機能する。ポリアデニル化配列は、様々な植物遺伝子から、またはT−DNA遺伝子から導かれ得る。3’転写終結領域の限定されない例として、ノパリンシンターゼ3’領域(nos3’;Fraley et al. (1983), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803-7)がある。異なる3’非翻訳領域の使用の例が、Ingelbrecht et al., (1989), Plant Cell 1:671-80に提供されている。ポリアデニル化シグナルの限定されない例として、エンドウ(Pisum sativum)RbcS2遺伝子に由来するもの(Ps.RbcS2-E9; Coruzzi et al. (1984), EMBO J. 3:1671-9)およびAGRtu.nos(GenBank受託番号E01312)が挙げられる。

本発明の組換え核酸分子またはベクターは、植物細胞などの形質転換された細胞に選択可能な表現型を付与する選択マーカーを含み得る。選択マーカーはまた、本発明の組換え核酸分子を含む植物または植物細胞を選択するために使用され得る。マーカーは、殺生物剤抵抗性、抗生物質抵抗性(例えば、カナマイシン、ジェネテシン(G418)、ブレオマイシン、ハイグロマイシンなど)または除草剤抵抗性(例えば、グリホサートなど)をコードし得る。選択マーカーの例として、それだけには限らないが、カナマイシン抵抗性をコードし、カナマイシン、G418などを使用して選択され得るneo遺伝子;ビアラホス抵抗性をコードするbar遺伝子;グリホサート抵抗性をコードする変異株EPSPシンターゼ遺伝子;ブロモキシニルに対する抵抗性を付与するニトリラーゼ遺伝子;イミダゾリノン(imidazolinone)またはスルホニル尿素抵抗性を付与する変異株アセト乳酸シンターゼ遺伝子(ALS);メトトレキサート抵抗性DHFR遺伝子が挙げられる。アンピシリン、ブレオマイシン、クロラムフェニコール、ゲンタマイシン、ハイグロマイシン、カナマイシン、リンコマイシン、メトトレキサート、ホスフィノトリシン、ピューロマイシン、スペクチノマイシン、リファンピシン、ストレプトマイシンおよびテトラサイクリンなどに対する抵抗性を付与する複数の選択マーカーが利用可能である。このような選択マーカーの例は、例えば、米国特許第5,550,318号;同5,633,435号;同5,780,708号および同6,118,047号に例示されている。

本発明の組換え核酸分子またはベクターはまた、またはあるいは、スクリーニング可能なマーカーを含み得る。スクリーニング可能なマーカーは、発現をモニタリングするために使用され得る。例示的なスクリーニング可能なマーカーとして、β−グルクロニダーゼまたは種々の発色基質が公知である酵素をコードするuidA遺伝子(GUS)(Jefferson et al. (1987), Plant Mol. Biol. Rep. 5:387-405);植物組織におけるアントシアニン色素(赤色)の産生を調節する産物をコードするR遺伝子座遺伝子(Dellaporta et al. (1988),「Molecular cloning of the maize R-nj allele by transposon tagging with Ac.」In 18th Stadler Genetics Symposium, P. Gustafson and R. Appels, eds. (New York: Plenum), pp. 263-82);β−ラクタマーゼ遺伝子(Sutcliffe et al. (1978), Proc. Natl. Acad. Sci. USA 75:3737-41);種々の発色基質が公知である酵素をコードする遺伝子(例えば、PADAC、発色性セファロスポリン);ルシフェラーゼ遺伝子(Ow et al. (1986), Science 234:856-9);発色性カテコールを変換できるカテコールジオキシゲナーゼをコードするxylE遺伝子(Zukowski et al. (1983), Gene 46(2-3):247-55);アミラーゼ遺伝子(Ikatu et al. (1990), Bio/Technol. 8:241-2);チロシンをDOPAおよびドーパキノンに酸化でき、それが、順に、メラニンに縮合する酵素をコードするチロシナーゼ遺伝子(Katz et al. (1983), J. Gen. Microbiol. 129:2703-14);およびα−ガラクトシダーゼが挙げられる。

宿主細胞の形質転換に適した方法として、例えば、限定するものではないが、プロトプラストの形質転換によって(例えば、米国特許第5,508,184号を参照のこと);乾燥/阻害媒介性DNA取り込みによって(例えば、Potrykus et al. (1985), Mol. Gen. Genet. 199:183-8を参照のこと);エレクトロポレーションによって(例えば、米国特許第5,384,253号を参照のこと);シリコンカーバイドファイバーを用いる撹拌によって(例えば、米国特許第5,302,523号および同5,464,765号を参照のこと);アグロバクテリウム媒介性形質転換によって(例えば、米国特許第5,563,055号、同5,591,616号、同5,693,512号、同5,824,877号、同5,981,840号および同6,384,301号を参照のこと);およびDNAがコーティングされた粒子の加速によって(例えば、米国特許第5,015,580号、同5,550,318号、同5,538,880号、同6,160,208号、同6,399,861号および同6,403,865号を参照のこと)など、DNAが細胞中に導入され得る任意の方法が挙げられる。これらなどの技術の適用によって、実質的にいかなる種の細胞も、安定に形質転換され得る。いくつかの実施形態では、形質転換DNAは、宿主細胞のゲノム中に組み込まれる。多細胞性種の場合には、トランスジェニック細胞は、トランスジェニック生物に再生され得る。例えば、トランスジェニック植物のゲノム中に本発明の1種または複数の核酸配列を含むトランスジェニック植物を生成するために、これらの技術のいずれも使用され得る。

発現ベクターを植物中に導入するために最も広く利用されている方法は、アグロバクテリウムの天然形質転換システムに基づいている。A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)およびA.リゾゲネス(A. rhizogenes)は、植物細胞を遺伝的に形質転換する植物病原性土壌細菌である。A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)およびA.リゾゲネス(A. rhizogenes)のTiおよびRiプラスミドは、それぞれ、植物の遺伝子形質転換に関与する遺伝子を保持する。Ti(腫瘍誘導性)プラスミドは、形質転換された植物に転移されるT−DNAとして知られる大きなセグメントを含有する。Tiプラスミドの別のセグメント、vir領域が、T−DNA転移に関与している。T−DNA領域は、末端反復に隣接している。一部の修飾されたバイナリーベクターでは、腫瘍誘導性遺伝子が欠失されており、T−DNA境界配列に隣接している外来DNAを転移させるために、vir領域の機能が利用される。T−領域はまた、例えば、トランスジェニック植物および細胞の効率的な回収のための選択マーカーならびに合成アブラナ属由来CTPをコードする核酸などの転移のための配列を挿入するための多重クローニング部位を含有し得る。

したがって、いくつかの実施形態では、植物形質転換ベクターは、A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)のTiプラスミド(例えば、米国特許第4,536,475号、同4,693,977号、同4,886,937号および同5,501,967号;および欧州特許EP0122791を参照のこと)またはA.リゾゲネス(A. rhizogenes)のRiプラスミドから導くことができる。さらなる植物形質転換ベクターとして、例えば、限定するものではないが、Herrera-Estrella et al. (1983), Nature 303:209-13;Bevan et al. (1983), Nature 304:184-7;Klee et al. (1985), Bio/Technol. 3:637-42;によって、および欧州特許EP0120516において記載されたものおよび前記のいずれかから誘導されたものが挙げられる。植物と天然に相互作用する、シノリゾビウム(Sinorhizobium)、根粒菌(Rhizobium)およびメソリゾビウム(Mesorhizobium)などのその他の細菌が、いくつかの多様な植物への遺伝子導入を媒介するよう修飾され得る。これらの植物と関連する共生細菌は、武装解除されたTiプラスミドおよび適したバイナリーベクターの両方を獲得することによって遺伝子導入に適任にされ得る。

外因性DNAをレシピエント細胞に提供した後、一般に、さらなる培養および植物再生のために形質転換された細胞が同定される。形質転換された細胞を同定する能力を改善するために、形質転換体を生成するために使用されるベクターとともに、先に示されたような選択可能なまたはスクリーニング可能なマーカー遺伝子を使用することが望ましい場合がある。選択マーカーが使用される場合には、形質転換された細胞は、細胞を、選択物質(単数または複数)に曝露することによって、形質転換された可能性のある細胞集団内で同定される。スクリーニング可能なマーカーが使用される場合には、細胞は、所望のマーカー遺伝子形質についてスクリーニングされ得る。

選択物質に対する曝露を生き延びる細胞またはスクリーニングアッセイにおいて陽性とスコアされた細胞が、植物の再生を支持する培地で培養され得る。いくつかの実施形態では、任意の適した植物組織培養培地(例えば、MSおよびN6培地)は、成長調節物質などのさらなる物質を含むことによって修飾され得る。組織は、植物再生の試みを開始するのに、または手作業での選択の反復ラウンド後に十分な組織が利用可能になるまで、組織の形態が再生に適するまで(例えば、少なくとも2週間)、成長調節物質を含む基本培地で維持され、次いで、シュート形成につながる培地に移され得る。培養物は、十分なシュート形成が起こるまで周期的に移される。シュートが形成されると、それらは、根形成につながる培地に移される。十分な根が形成されると、植物は、さらなる成長および成熟度のために土壌に移され得る。

再生植物における対象とする核酸分子(例えば、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列)の存在を確認するために、様々なアッセイが実施され得る。このようなアッセイとして、例えば、サザンおよびノーザンブロッティング、PCRおよび核酸配列決定などの分子生物学的アッセイ;例えば、免疫学的手段によって(ELISAおよび/またはウエスタンブロット)、または酵素機能によってタンパク質産物の存在を検出することなどの生化学的アッセイ;葉または根のアッセイなどの植物部分アッセイ;および再生した植物体全体の表現型の解析が挙げられる。

例として、組み込み事象は、例えば、対象とするヌクレオチド配列に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーを使用するPCR増幅によって解析され得る。PCR遺伝子型判定は、ゲノムに組み込まれた、対象とする核酸分子を含有すると予測される単離された宿主植物組織に由来するゲノムDNAのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅と、それに続くPCR増幅産物の標準的なクローニングおよび配列解析を含むが、それに限定されないと理解される。PCR遺伝子型判定の方法は、十分に記載されており(例えば、Rios, G. et al. (2002), Plant J. 32:243-53を参照のこと)、任意の植物種(例えば、トウモロコシ(Z. mays)またはダイズ(G. max))または細胞培養物を含めた組織種に由来するゲノムDNAに適用され得る。

アグロバクテリウム依存性形質転換法を使用して形成されたトランスジェニック植物は、通常、1つの染色体に挿入された単一の組換えDNA配列を含有する。単一組換えDNA配列は、「トランスジェニック事象」または「組み込み事象」と呼ばれる。このようなトランスジェニック植物は、挿入されたDNA配列についてヘテロ接合性である。いくつかの実施形態では、導入遺伝子に関してホモ接合性のトランスジェニック植物体は、単一の外因性遺伝子配列を含有する独立した分離個体のトランスジェニック植物を、自身と性的に交配すること(自家受粉)によって得られ得る、例えば、F1種子を製造するためのF0植物。製造されたF1種子の4分の1が、導入遺伝子に関してホモ接合体となる。F1種子を発芽させることが、通常、SNPアッセイまたはヘテロ接合性とホモ接合性間の区別を可能にする熱増幅アッセイ(すなわち、接合状態アッセイ)を使用してヘテロ接合性について試験され得る植物をもたらす。

特定の実施形態では、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含む少なくとも1種のポリペプチドのコピーが、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含む少なくとも1種のポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む少なくとも1種の核酸分子が導入されているプラスチドを含有する細胞において製造される。少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含む各ポリペプチドは、異なる形質転換事象において導入された複数の核酸配列から、または単一の形質転換事象において導入された単一の核酸配列から発現され得る。いくつかの実施形態では、複数のこのようなポリペプチドが、単一プロモーターの制御下で発現される。その他の実施形態では、複数のこのようなポリペプチドが、複数のプロモーターの制御下で発現される。複数のペプチド配列を含み、ペプチド配列の各々が、プラスチドにターゲッティングされるべき、単一のポリペプチドが、発現され得る。

組換え核酸分子を用いる植物の直接形質転換に加えて、少なくとも1つのトランスジェニック事象を有する第1の植物を、このような事象を欠く第2の植物と交雑させることによってトランスジェニック植物が調製され得る。例えば、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む組換え核酸分子を、形質転換を受け入れる第1の植物株に導入して、トランスジェニック植物を製造してもよく、このトランスジェニック植物を、第2の植物と交雑させて、ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を第2の植物株中に遺伝子移入してもよい。

VI.合成アブラナ属由来葉緑体輸送ペプチドによって指示されるポリペプチドを含む植物材料 いくつかの実施形態では、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む植物細胞を含む植物が、提供される。特定の実施形態では、このような植物は、植物組織または植物細胞の形質転換および全植物体の再生によって製造され得る。さらなる実施形態では、このような植物は、市販の供給源から、または少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む核酸の生殖質への遺伝子移入によって得られ得る。少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む植物細胞を含む植物材料も提供される。このような植物材料は、植物細胞を含む植物から得られ得る。さらなる実施形態では、植物材料は、植物体を生成するよう再生できない植物細胞である。

少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含むトランスジェニック植物または植物材料は、いくつかの実施形態では、以下の特徴:植物の細胞におけるポリペプチドの発現;植物の細胞のプラスチドにおけるポリペプチドの一部の発現;植物の細胞のサイトゾルから細胞のプラスチドへのポリペプチドの輸送;植物の細胞におけるポリペプチドのプラスチド特異的発現;および/または植物の細胞におけるポリペプチドの局在性のうち1種または複数を示し得る。このような植物は、コードされるポリペプチドの発現以外の1種または複数の望ましい形質をさらに有し得る。このような形質は、例えば:昆虫、その他の有害生物および疾患を引き起こす物質に対する抵抗性;除草剤に対する耐性;増強された安定性、収率または有効期間;環境耐性;薬剤製造;工業製品製造;および栄養強化を含み得る。

本発明のトランスジェニック植物は、本発明の核酸分子を用いて形質転換され得る任意の植物であり得る。したがって、植物は、双子葉植物または単子葉植物であり得る。本方法において使用可能な双子葉類植物の限定されない例として、アラビドプシス属、アルファルファ、マメ、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、ハクサイ、ワタ、キュウリ、ナス、レタス、メロン、エンドウマメ、コショウ、ピーナッツ、ジャガイモ、カボチャ(pumpkin)、ラディッシュ、ナタネ、ホウレンソウ、ダイズ、カボチャ(squash)、サトウダイコン、ヒマワリ、タバコ、トマトおよびスイカが挙げられる。本方法において使用可能な単子葉類植物の限定されない例として、トウモロコシ、アブラナ属、タマネギ、コメ、ソルガム、コムギ、ライムギ、アワ、サトウキビ、カラスムギ、ライコムギ、スイッチグラスおよびシバクサが挙げられる。本発明のトランスジェニック植物は、任意の方法で使用または栽培され得る。

いくつかの実施形態はまた、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードする1種または複数のヌクレオチド配列を含有する商品生産物、例えば、1種または複数のこのようなヌクレオチド配列を含有する組換え植物または種子から製造される商品生産物を提供する。少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードする1種または複数のヌクレオチド配列を含有する商品生産物として、例えば、限定するものではないが、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードする1種または複数のヌクレオチド配列を含む、食品、食事、油または破砕された穀類もしくは全粒または植物の種子が挙げられる。1種または複数の商品または商品生産物における少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードする1種または複数のヌクレオチド配列の検出は、商品または商品生産物が、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードする1種または複数のヌクレオチド配列を含む植物から、少なくとも幾分かは製造されたという事実上の証拠である。特定の実施形態では、本発明の商品生産物は、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードする核酸配列の検出可能な量を含む。いくつかの実施形態では、このような商品生産物は、例えば、トランスジェニック植物を得ることおよびそれから食物または餌を調製することによって製造され得る。

いくつかの実施形態では、少なくとも1種の合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含む導入遺伝子を含むトランスジェニック植物または種子はまた、限定するものではないが、iRNA分子;殺虫性タンパク質(例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacilus thuringiensis)殺虫性タンパク質)をコードする遺伝子;除草剤耐性遺伝子(例えば、グリホサートに対する耐性を提供する遺伝子);およびトランスジェニック植物において望ましい表現型(例えば、増大した収量、変更された脂肪酸代謝または細胞質雄性不稔の回復)に貢献する遺伝子が転写されるトランスジェニック事象を含めた、少なくとも1種のその他のトランスジェニック事象を、そのゲノム中に含み得る。

VII.プラスチドへの、遺伝子産物の合成アブラナ属由来葉緑体輸送ペプチド媒介性局在 本発明のいくつかの実施形態は、プラスチド(例えば、葉緑体)への遺伝子産物の発現および/または局在のための方法を提供する。特定の実施形態では、遺伝子産物は、マーカー遺伝子産物、例えば、蛍光分子であり得る。合成アブラナ属由来CTPを含むポリペプチドの一部としての遺伝子産物の発現は、特定の合成アブラナ属由来CTP配列のプラスチド局在能を評価するためのシステムを提供し得る。いくつかの実施形態では、合成アブラナ属由来CTPを含有するポリペプチドの一部としてのマーカー遺伝子産物の発現は、マーカー遺伝子産物の発現を、ポリペプチドが発現される細胞のプラスチドにターゲッティングするために使用される。特定の実施形態では、このようなマーカー遺伝子産物は、宿主細胞のプラスチド(複数可)に局在している。例えば、マーカー遺伝子産物は、プラスチド(複数可)において、宿主細胞のサイトゾルまたはその他のオルガネラよりも高レベルで発現され得るか;マーカー遺伝子産物は、本質的にプラスチド(複数可)のみにおいて発現され得るか;またはマーカー遺伝子産物は、サイトゾルまたは非プラスチドオルガネラにおける発現が検出され得ないよう、プラスチド(複数可)において完全に発現され得る。

いくつかの実施形態では、マーカー遺伝子産物と作動可能に連結している、合成アブラナ属由来CTPの機能的変異体を含むポリペプチドは、機能的変異体ペプチドの特徴を評価するために使用される。例えば、合成アブラナ属由来CTPの配列は、例えば、少なくとも1つの保存的突然変異を合成アブラナ属由来CTP中に導入することによって変更され得、得られた変異体ペプチドは、マーカー遺伝子産物に連結され得る。適した宿主細胞(例えば、発現構築物中の1つまたは複数の調節エレメントが作動可能である細胞)における発現後、マーカー遺伝子産物の発現が決定され得る。参照合成アブラナ属由来CTP−マーカー構築物と変異体ペプチド−マーカー構築物間のマーカー遺伝子産物の細胞内局在性を比較することによって、変異体ペプチドが、例えば、より大きなプラスチド局在性を提供するか、または実質的に同一のプラスチド局在性を提供するかどうかが決定され得る。このような変異体は、機能的変異体と考えられ得る。より大きなプラスチド(plastic)局在性を提供する合成アブラナ属由来CTPの機能的変異体を同定することによって、このような変異体における突然変異が、合成アブラナ属由来CTPのさらなる変異体に組み込まれ得る。この評価プロセスの複数ラウンドを実施すること、続いて、同定された好都合な突然変異を合成アブラナ属由来CTP配列に組み込むことは、合成アブラナ属由来CTP配列の最適化のための反復プロセスをもたらし得る。このような最適化された合成アブラナ属由来CTP配列およびそれをコードするヌクレオチド配列は、このような最適化された合成アブラナ属由来CTP配列が、さらなる突然変異によってさらに最適化され得るか否かにかかわらず、本発明の一部と考えられる。

本明細書で議論される参考文献は、単に、本願の出願日に先立つその開示のために提供される。本明細書において、先行発明のために、本発明者らがこのような開示に先行する権利がないという承認と解釈されるべきものはない。

以下の実施例は、特定の個々の特徴および/または態様を例示するために提供される。これらの実施例は、本開示を、記載される個々の特徴または態様に制限すると解釈されてはならない。 [実施例]

キメラ葉緑体輸送ペプチド(TraP)配列の設計および生成 プラスチドは、高等植物種に見出される細胞小器官であり、すべての植物組織中に存在する。葉緑体は、本質的な生理機能に関与している緑色の光合成組織に見られる特定のタイプのプラスチドである。例えば、このような1つの主要な生理機能は、植物に必要とされる芳香族アミノ酸の合成である。核コードされた酵素は、この生合成経路に必要とされ、細胞質から葉緑体の内部に輸送される。これらの核コードされた酵素は、通常、葉緑体のストロマへのペプチド輸送を促進するために、葉緑体の膜と相互作用するN末端輸送ペプチドを有する。Bruce B. (2000) Chloroplast transit peptides: structure, function, and evolution. Trends Cell Bio. 10: 440-447。取り込み時に、間質ペプチダーゼは輸送ペプチドを切断し、葉緑体に取り込まれた成熟機能性タンパク質を残す。Richter S, Lamppa GK. (1999) Stromal processing peptidase binds transit peptides and initiates their ATP-dependent turnover in chloroplasts. Journ. Cell Bio. 147: 33-43。葉緑体輸送ペプチドは、長さ、組成および機構において高度に分岐している可変配列である。Bruce B. (2000) Chloroplast transit peptides: structure, function, and evolution. Trends Cell Bio. 10: 440-447。葉緑体輸送ペプチドの配列類似性は、異なる植物種由来の相同タンパク質間で有意に分岐する。異なる植物種から得られた相同タンパク質は、プロセシングされた成熟機能性タンパク質を比較する場合、典型的に、比較的高レベルの配列類似性を共有することを考慮すると、葉緑体輸送ペプチド間の分岐量は予期されない。

新規なキメラ葉緑体輸送ペプチド配列を設計し、生成し、in plantaにおいて試験した。新規なキメラ葉緑体輸送ペプチドは、葉緑体内への農学的に重要なタンパク質の取り込みのための効果的な移行およびプロセシング特性を有することが示された。最初に、異なる植物種由来の天然の5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSPS)タンパク質配列は、http://www.cbs.dtu.dk/services/ChloroP/にて利用可能なChloroP(商標)コンピュータプログラムを介して分析され、推定上の葉緑体輸送ペプチド配列を同定した(Emanuelsson O, Nielsen H, von Heijne G, (1999) ChloroP, a neural network-based method for predicting chloroplast transit peptides and their cleavage sites, Protein Science 8; 978-984)。天然の葉緑体輸送ペプチドを同定した後、第1の葉緑体輸送ペプチド配列を第2の生物由来の第2の葉緑体輸送ペプチド配列と整列させた。図2は、セイヨウアブラナ(Brassica napus)(NCBI受託番号:P17688)およびシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)(NCBI受託番号NP_182055)のEPSPS葉緑体輸送ペプチド配列のアラインメントを示す。葉緑体輸送ペプチド配列アラインメントを利用して、新規なキメラ葉緑体輸送ペプチドは、およそ1:1の比率で、第1の生物由来の葉緑体輸送ペプチド配列の第1の半分と、第2の生物由来の葉緑体輸送ペプチド配列の第2の半分を組み合わせることによって設計された。新たに設計されたキメラ葉緑体輸送ペプチドの例示的な配列は、Trap12(配列番号6)およびTraP13(配列番号8)である。これらの新規なキメラ葉緑体輸送ペプチド配列は、セイヨウアブラナ(Brassica napus)(NCBI受託番号:P17688)およびシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)(NCBI受託番号NP_182055)のEPSPSタンパク質由来である。Trap12(配列番号6)キメラ葉緑体輸送ペプチド配列はセイヨウアブラナ(Brassica napus)由来であるN末端を含み、葉緑体輸送ペプチドのC末端はシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)由来である。TraP13(配列番号8)葉緑体輸送ペプチド配列はシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)由来であるN末端を含み、葉緑体輸送ペプチドのC末端はセイヨウアブラナ(Brassica napus)由来である。キメラ葉緑体輸送ペプチドは、一過性in planta発現システムを含む複数のアッセイを介して、農学的に重要な導入遺伝子配列に融合された遺伝子発現エレメントを含む安定な形質転換事象として遺伝子導入的に試験された。

キメラ葉緑体輸送ペプチド(TraP)配列の一過性in planta試験 タバコ一過性アッセイ: 最初に、一過性in plantaアッセイを介して、TraP12およびTraP13のキメラ葉緑体輸送ペプチド配列を試験した。TraP12(配列番号5)およびTraP13(配列番号7)のキメラ葉緑体輸送ペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を合成した。リンカー配列(配列番号10)をTraP配列とyfpコード配列間に組み込んだ。得られた構築物は2つの植物転写単位(PTU)を含有した。第1のPTUは、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10プロモーター(AtUbi10プロモーター;Callis, et al, (1990) J. Biol. Chem., 265: 12486-12493)、TraP−黄色蛍光タンパク質融合遺伝子(TraP−YFP;米国特許出願公開第2007/0298412号)、およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ORF23 3’非翻訳領域(AtuORF23 3’UTR;米国特許第5,428,147号)で構成された。第2のPTUは、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター(CsVMVプロモーター;Verdaguer et al, (1996) Plant Molecular Biology, 31 : 1 129-1139)、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT;Wohlleben et al., (1988) Gene, 70: 25-37)、およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ORF1 3’非翻訳領域(AtuORF1 3’UTR;Huang et al, (1990) J. Bacteriol, 172: 1814-1822)で構成された。構築物pDAB101981は、TraP12のキメラ葉緑体輸送ペプチドを含有する(図3)。構築物pDAB101989は、TraP13のキメラ葉緑体輸送ペプチドを含有する(図4)。yfp遺伝子の上流に葉緑体輸送ペプチド配列を含んでいなかった対照プラスミド、101908は、構築され、研究に含まれていた(図5)。構築物を制限酵素消化および配列決定を介して確認した。最後に、構築物をアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に形質転換し、グリセロールストックとして保存した。

アグロバクテリウムグリセロールストックから、凍結培養物で満ちたループを14mlの滅菌チューブ中のYPD(100μg/mlスペクチノマイシン)の2mlに接種した。接種した培地を200rpmで振とうしながら、28℃にて一晩インキュベートした。翌日、約100μlの培養物を用いて、125mlの滅菌したトリバッフル付きフラスコ中に25mlのYPD(100μg/mlスペクチノマイシン)を接種し、200rpmで振とうしながら一晩28℃にて一晩インキュベートした。翌日、滅菌ddH2O(pH8.0)中でOD600が0.5になるまで培養物を希釈した。希釈されたアグロバクテリウム株は、1:1の比率でP19ヘルパータンパク質を含有する第2のアグロバクテリウム株と混合した。培養物は、Voinnet O, Rivas S, Mestre P, and Baulcombe D., (2003) An enhanced transient expression system in plants based on suppression of gene silencing by the pi 9 protein of tomato bushy stunt virus, The Plant Journal, 33: 949-956の方法を介して、タバコ葉浸潤に使用された。浸潤されたタバコ植物は、アッセイするまで、少なくとも3日間、24℃にて16時間の光に設定されたConviron(商標)に置かれた。

顕微鏡の結果: アグロバクテリウム浸潤したタバコの葉を植物から切断し、脱水を防ぐために水とともにペトリ皿に入れた。浸潤したタバコの葉は、YFPレポータータンパク質を首尾よく発現している葉の損傷がない領域を同定するために、Dark Reader Hand Lamp(商標)(Clare Chemical Research Co.;Dolores、CO)を用いて、適所に保持されたロングパスフィルターガラスを用いた青色光励起下で観察された。具体的に同定された葉の領域は葉から切断され、共焦点顕微鏡(Leica TCS−SP5 AOBS(商標);Buffalo Grove、IL)による画像化のために水中でマウントされた。YFPレポータータンパク質は、マルチラインアルゴンイオンレーザーを用いて、514nmのレーザー線で励起した。検出スリットの幅は、バックグラウンドの葉の自己蛍光を排除するために、非発現(暗)対照の葉試料を用いて調整された。クロロフィルの自己蛍光は、葉緑体の局在を決定するための蛍光レポータータンパク質シグナルとの直接比較のために第2のチャネルに同時に回収された。

顕微鏡撮像の結果は、TraP12またはTraP13の葉緑体輸送ペプチドを含むYFP蛍光タンパク質が、タバコ細胞の細胞質の葉緑体に移行しなかった対照YFP蛍光タンパク質と比較して、タバコ細胞の細胞質に位置した葉緑体内に蓄積したことを示した(図6および図7)。これらの顕微鏡撮像の結果は、葉緑体へのYFPタンパク質の移行が、TraP12またはTraP13の葉緑体輸送ペプチドの結果であったことを示唆している。図6および図7に示すように、YFP蛍光シグナルは、顕微鏡撮像条件下での自己蛍光に起因して、赤色蛍光も発する葉緑体に局在する。比較的に、図8は、葉緑体輸送ペプチドを含まない対照構築物pDAB101908で浸潤されたタバコ葉組織の顕微鏡画像を与える。この画像内の葉緑体は、顕微鏡撮像条件下で自己蛍光に起因して、赤色蛍光だけを発し、TraP浸潤されたタバコ細胞において示されるいずれものYFP蛍光シグナルを欠いている。むしろ、対照タバコ植物細胞におけるYFP蛍光シグナルは、タバコ植物細胞の細胞質全体に拡散的に発現される。

ウエスタンブロットの結果: 浸潤したタバコ植物の試料をウエスタンブロッティングを介してアッセイした。リーフパンチを収集し、ビーズミルに供した。約100〜200mgの葉材料は、Kleco(商標)ビーズミル中で3分間、2BB(Daisy;Rogers、AR)および500mlのPBSTと混合された。次に、試料を14,000×g、4℃にて遠心機でスピンダウンした。上清を除去し、ウエスタンブロットまたは免疫沈降のいずれかを介して直接分析した。製造業者のプロトコールに従って、Pierce Direct IPキット(商標)(Thermo Scientific;Rockford、IL)を用いて免疫沈降を行った。およそ50μgの抗YFPを樹脂に結合させた。試料を樹脂とともに一晩、4℃にてインキュベートした。次に、試料を洗浄し、翌朝溶出した。等量の2×8M尿素試料緩衝液を合わせ、その後、試料を5分間煮沸することによって分析用に準備した。MOPS緩衝液中の4〜12%SDS−Bis Trisゲル上で煮沸試料を40分間泳動した。次に、製造業者のプロトコールに従って、Invitrogen iBlot(商標)(Life Technologies;Carlsbad、CA)を用いてゲルをブロットした。ブロットしたメンブレンをPBS−Tween溶液中の5%脱脂粉乳を用いて10分間ブロックした。PBS−Tween溶液中の5%脱脂粉乳で1:1000希釈で使用した一次抗体(ウサギのモノクローナル抗GFP)を用いてメンブレンを1時間探査した。次に、すべての未結合の一次抗体を除くために、PBS−Tweenを用いて5分間3回、メンブレンを濯いだ。1:1000希釈で使用したヤギの二次モノクローナル抗ウサギ抗体(Life Technologies)を用いてメンブレンを60分間探査した。メンブレンを上記に記載の通りに洗浄し、Themo BCIP/NBT基質を添加することによって発色させた。比色基質は、5〜10分間発色させ、続いて、乾燥させる前にブロットを水で濯いだ。

ウエスタンブロットの結果は、YFPタンパク質が浸潤したタバコ細胞で発現したことを示した。pDAB101981とpDAB101989浸潤したタバコ植物葉組織はともに、YFP抗体に反応したタンパク質バンドの存在によって示されるように、YFPタンパク質を発現し、YFP対照構築物で浸潤されたタバコ植物葉組織から得られたYFPタンパク質バンドと大きさにおいて同等であった。さらに、これらの結果は、TraPキメラ葉緑体輸送ペプチドがプロセシングされ、YFPタンパク質から切断されたことを示した。Trap12−YFPおよびTraP13−YFP構築物は、対照YFPタンパク質よりも分子量が大きい事前にプロセシングされたタンパク質バンドを発現する。対照YFPとサイズにおいて同等であるウエスタンブロット上のバンドの存在は、TraP12とTraP13の葉緑体輸送ペプチド配列がプロセシングされ、それによって、YFP対照と同等である分子量の大きさにYFPの大きさを小さくしたことを示す。

トウモロコシプロトプラスト一過性アッセイ: TraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドをコードするポリヌクレオチド配列(配列番号5)とリンカー配列(配列番号10)は、黄色蛍光タンパク質遺伝子の上流にクローニングされ、トウモロコシプロトプラストの一過性in plantaアッセイを介した試験のために構築物に組み込まれた。得られた構築物は、以下の植物転写単位(PTU)を含有した。第1のPTUは、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター(ZmUbi1プロモーター;Christensen, A., Sharrock R., and Quail P., (1992) Maize polyubiquitin genes: structure, thermal perturbation of expression and transcript splicing, and promoter activity following transfer to protoplasts by electroporation, Plant Molecular Biology, 18: 675-689)、TraP−黄色蛍光タンパク質融合遺伝子(TraP12−YFP;米国特許出願公開第2007/0298412号)、およびトウモロコシ(Zea mays)ペルオキシダーゼ5 3’非翻訳領域(ZmPer5 3’UTR;米国特許第6384207号)で構成された。制限酵素消化および配列決定を介して構築物を確認した。

トウモロコシ(Zea mays)変種B104の種子は、2〜3滴のTween 20を含む50%Clorox(3%次亜塩素酸ナトリウム)中で、約20分間激しく振とうすることによって表面を滅菌した。種子を滅菌蒸留水で十分に濯いだ。無菌種子は、Phytatrayまたは類似タイプのボックス中で1/2MS培地に播種され、暗所(28℃)にて12〜20日間成長させた。トウモロコシプロトプラスト一過性アッセイを用いて、B104−トウモロコシの葉からのトウモロコシプロトプラストを得てトランスフェクトした。このトウモロコシプロトプラストアッセイは、Yoo, S.-D., Cho, Y.-H., and Sheen, J., (2007), Arabidopsis Mesophyll Protoplasts: A Versitile Cell System for Transient Gene Expression Analysis, Nature Protocols, 2: 1565-1572によって記載されているシステムの変法である。溶液をYooら(2007)によって記載されるように調製したが、以下の実験に使用したマンニトール濃度を0.6Mに変更したことを除く。

100〜500μlのプロトプラスト(1−5×105)のトランスフェクションは、室温にて、約40μgのプラスミドDNA(pDAB106597)を含む2mlの微量遠心管にプロトプラストを添加することによって完了した。DNAの体積は、好ましくは、プロトプラストの体積の約10%に維持された。プロトプラストおよびDNAは、時々、5分間のインキュベーション期間中に混合された。等体積のPEG溶液を1回につき2滴、プロトプラストとDNAにゆっくりと添加し、PEG溶液の液滴の添加間に混合した。チューブは、時々穏やかに混合しながら約10分間インキュベートした。次に、1mlのW5+溶液を添加し、チューブを数回反転させることによって混合した。チューブ(複数可)を4℃の温度にて75×gで5分間遠心分離した。最後に、上清を除去し、ペレットを1mlのWI溶液に再懸濁し、プロトプラストを小さなペトリ皿(35×10mm)または6ウェルのマルチウェルプレート中に置き、一晩、暗所にて室温でインキュベートした。YFPの蛍光を、12時間のインキュベーション後に顕微鏡で観察した。前述した顕微鏡の条件を撮像のために使用した。

顕微鏡撮像の結果は、TraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドを含むYFP蛍光タンパク質が、タバコ細胞の細胞質の葉緑体内に移行しない対照YFP蛍光タンパク質と比較して、タバコ細胞の細胞質に位置する葉緑体に蓄積されたことを示した(図9)。これらの顕微鏡撮像の結果は、葉緑体へのYFPタンパク質の移行が、TraP12のキメラ葉緑体輸送ペプチドの結果であったことを示唆している。

アラビドプシス属における農学的に重要な導入遺伝子の発現のためのキメラ葉緑体輸送ペプチド(TraP)配列 大腸菌(Esherichia coli)の5−エノールピルビルシキミ酸3−リン酸シンターゼ酵素(EPSPシンターゼ)における1アミノ酸突然変異(G96A)は、グリホサート非感受性をもたらすことができる(Padgette et al, (1991); Eschenburg et al., (2002); Priestman et al, (2005); Haghani et al, (2008))。この突然変異はグリホサートに対する耐性を付与するが、その天然基質であるホスホエノールピルビン酸(PEP)によるEPSPシンターゼの結合に悪影響を及ぼすことも知られている。基質結合効率において生じた変化は、グリホサートに対するin plantaにおける耐性を提供するために、突然変異した酵素を不適当なものにし得る。

EPSPシンターゼ酵素内の、該酵素の大腸菌(E.coli)バージョンに導入したG96A突然変異と類似した位置でアラニンを天然に含有するEPSPシンターゼタンパク質配列とポリヌクレオチド配列についてインシリコにおいてNCBI Genbankデータベースをスクリーニングした(Padgette et al, (1991); Eschenburg et al, (2002); Priestman et al, (2005); Haghani et al, (2008))。

この位置で天然のアラニンを含むことが同定された1つの酵素は、ストレプトマイセス・スビセウス(Streptomyces sviceus)ATCC29083由来のDGT−28(GENBANK受託番号:ZP_06917240.1)であった。さらに、インシリコのデータマイニングは、DGT−28;DGT−31(GENBANK受託番号:YP_004922608.1);DGT−32(GENBANK受託番号:ZP_04696613);およびDGT−33(GENBANK受託番号:NC_010572)により高い相同性を有する3つの他の固有のストレプトマイセス酵素を示した。これらの酵素のそれぞれは、EPSPシンターゼ酵素内の、該酵素の大腸菌(E.coli)バージョンに導入されたG96A突然変異と類似した位置で天然のアラニンを含有する。図1。

異なる生物由来のEPSPシンターゼタンパク質は長さが異なるため、EPSPシンターゼ酵素の大腸菌(E.coli)バージョンの突然変異の番号付けは、他の生物由来のEPSPシンターゼ酵素の突然変異の番号付けと必ずしも対応しない。これらの同定されたEPSPシンターゼ酵素は、グリホサート耐性またはPEP基質親和性に関して従前特徴付けられていなかった。さらに、これらのEPSPシンターゼ酵素は、EPSPシンターゼ酵素の新しいクラスを表し、前述のクラスI(米国再発行特許第39247号にさらに記載されている植物由来の配列)、II(米国再発行特許第39247号にさらに記載されている細菌由来の配列)、およびIII(国際特許出願WO2006/110586にさらに記載されている細菌由来の配列)のEPSPシンターゼ酵素を特徴付けるために使用されているいずれもの配列モチーフを含まない。

新規なDGT−14、DGT−28、DGT−31、DGT−32、およびDGT−33酵素は、クラスIのEPSPシンターゼ酵素と比較することによって、グリホサート耐性およびPEP基質親和性について特徴付けられた。以下のクラスIの酵素;ダイズ(Glycine max)由来のDGT−1、セイヨウアブラナ(Brassica napus)由来のDGT−3(GENBANK受託番号:P17688)、およびコムギ(Triticum aestivum)由来のDGT−7(GENBANK受託番号:EU977181)は比較のためのものであった。クラスIのEPSPシンターゼ酵素およびその変異改変体を合成し、評価した。植物EPSPシンターゼ酵素に導入された突然変異は、酵素の大腸菌(E.coli)バージョン由来のG96A突然変異と同様の位置で、EPSPシンターゼ酵素内でなされたグリシンからアラニンへの突然変異からなっていた。さらに、トレオニンからイソロイシンおよびプロリンからセリンの突然変異は、Funke et al., (2009)において記載されているように、大腸菌(E.coli)のEPSPシンターゼにおけるアミノ酸97(TからI)とアミノ酸101(PからS)の突然変異と類似した位置で、これらのクラスIのEPSPシンターゼ酵素内に導入された。

DGT14: dgt−14導入遺伝子に融合されたTraP12とTraP13のキメラ葉緑体輸送ペプチドを含有するトランスジェニックT1アラビドプシス属植物は、米国特許出願第11/975,658号に記載されているように作製された。トランスジェニック植物は、異なる比率のグリホサートで噴霧された。増加した比率を含む様々な濃度のグリホサート比率の分布は、抵抗性の相対レベル(105、420、1,680、または3,360g ae/ha)を決定するために、この研究において適用された。グリホサートの典型的な1×フィールド使用率は1,120g ae/haである。この研究で使用したT1アラビドプシス属植物は、dgt−14導入遺伝子のコピー数において変動した。低コピー数のdgt−14 T1アラビドプシス属植物は、分子確認アッセイを用いて同定され、自家受粉し、使用して、T2植物を作製した。表1は、グリホサート除草剤抵抗性遺伝子であるdgt−1(米国特許出願番号12558351に記載されている)を含む対照植物と比較して、dgt−14トランスジェニック植物に対する抵抗性を示す。

アラビドプシス属T1形質転換体は、最初に、グルホシネート選択スキームを使用して、非形質転換種子のバックグラウンドから選択された。3フラット、または30,000個の種子をそれぞれのT1構築物について分析した。選択されたT1植物は分子的に特徴付けられ、該植物は、その後、個別のポットに移植され、前述のように、様々な比率の市販のグリホサートで噴霧された。これらの植物の用量反応は、処置から2週間後(WAT)、視覚的損傷%の観点から提示される。損傷がほとんどないもしくは全くない(<20%)、中程度の損傷(20〜40%)、または重度の損傷(>40%)を提示する個々の植物を示すデータが、下記の表に示されている。算術平均および標準偏差は、アラビドプシス属形質転換のために使用されるそれぞれの構築物について提示される。個別の応答における範囲もまた、それぞれの比率および形質転換に関して、最後の列に示されている。野生型、非形質転換アラビドプシス属(栽培品種コロンビア)は、グリホサート感受性対照として用いた。

植物応答のレベルはT1アラビドプシス属植物において変化した。この差異は、それぞれの植物が独立した形質転換事象を表すという事実に起因することができ、したがって、対象とする遺伝子のコピー数は、植物ごとに変動する。比率による全体的な集団の損傷平均は表1に示され、様々な比率のグリホサートに対して、TraP12 v2またはTraP13 v2の葉緑体輸送ペプチド対dgt−1および非形質転換の野生型対照と連結されたdgt−14構築物のそれぞれによって提供される耐性を実証する。事象は、構築物pDAB105528(図10)に含まれるTraP12 v2(配列番号11)および構築物pDAB105529(図11)に含まれるTraP13 v2(配列番号12)と連結されたdgt−14を含有した。T1植物のグリホサート選択からのデータは、dgt−14がこれらの葉緑体輸送ペプチドと連結された場合、高レベルのグリホサートに対する強固な耐性が提供されたことを実証した。比較的に、非形質転換(または野生型)対照は、類似した比率のグリホサートで処理したとき、高濃度のグリホサートの処理に対して耐性を提供しなかった。さらに、dgt−14の3つ以上のコピーを含有することが示された事象が、増大した比率のグリホサートに対してより感受性である例があった。これらの例は、表1に示される視覚的な損傷範囲の割合内で実証される。アラビドプシス属植物内での高いコピー数の導入遺伝子の存在が、dgt−14導入遺伝子の存在にもかかわらず、導入遺伝子サイレンシングまたはグリホサートに対する感受性をもたらす他のエピジェネティックな効果をもたらす可能性がある。

導入遺伝子の挿入物の低コピー数(1〜3コピー)を含むことが同定された、選択されたT1アラビドプシス属植物は、グリホサート耐性のさらなる評価のために自家受粉され、第2世代を生成した。TraP12とTraP13のキメラ葉緑体輸送ペプチドに融合した1〜3コピーのdgt−14導入遺伝子を含んだ第2世代のアラビドプシス属植物(T2)は、グリホサート耐性およびグルホシネート耐性についてさらに特徴付けられた(グルホシネート抵抗性は、PAT発現カセットが無傷であり、T1植物の自殖の際に再配列を受けなかったことを示した)。T2世代において、ヘミ接合およびホモ接合植物は、それぞれの事象についての試験に利用可能であり、したがって、試験されたそれぞれの比率のグリホサートに含まれた。ヘミ接合植物は、遺伝子座で同じ2つの対立遺伝子を含むホモ接合植物と比較して、遺伝子座で2つの異なる対立遺伝子を含む。T2植物のコピー数と倍数性レベルは、分子分析プロトコールを用いて確認された。同様に、グリホサートは、前述のような方法および比率を用いて適用された。植物の用量反応は、処置から2週間後(WAT)、視覚的損傷%に関して示される。データは、損傷がほとんどないもしくは全くない(<20%)、中程度の損傷(20〜40%)、または重度の損傷(>40%)を提示する個体のヒストグラムとして示される。算術平均および標準偏差は、アラビドプシス属形質転換のために使用される各構築物について提示されている。個別の応答における範囲もまた、それぞれの比率および形質転換に関して、最後の列に示される。野生型、非形質転換アラビドプシス属(栽培品種コロンビア)は、グリホサート感受性対照として用いた。さらに、グリホサート除草剤抵抗性遺伝子であるdgt−1(米国特許出願番号12558351に記載されている)を含む植物を正の対照として含めた。

T2世代では、単一コピーおよび低コピー(2または3コピー)のdgt−14事象の両方がグリホサート耐性について特徴付けられた。比率による全体的な集団の損傷平均は表2に示され、様々な比率のグリホサートに対して、葉緑体輸送ペプチド対dgt−1および非形質転換の野生型対照と連結されたdgt−14構築物のそれぞれによって提供される耐性を実証する。T2世代の事象は、TraP12 v2(pDAB105528)およびTraP13 v2(pDAB105529)と連結されたdgt−14を含有した。これらの事象の両方は、グリホサートに対して非常に抵抗性である。結果は、T2アラビドプシス属植物についての損傷範囲が、試験されたグリホサートのすべての濃度について20%未満であったことを示した。比較的に、非形質転換(または野生型)対照は、類似した比率のグリホサートで処理したとき、高濃度のグリホサートの処理に対して耐性を提供しなかった。全体的に、結果は、TraP12とTraP13のキメラ輸送ペプチドタンパク質に融合したDGT−14を含み、発現する植物が、フィールド比率の最大3倍(1120g ae/ha)のレベルにグリホサートに対する市販レベルの抵抗性をもたらしたことを示した。

導入遺伝子の挿入物の低コピー数(1〜3コピー)を含むことが同定された、無作為に選択されたT2アラビドプシス属植物は、グリホサート耐性のさらなる評価のために自家受精され、第3世代を生成した。第3世代(T3)からのアラビドプシス属種子を植え、先に記載したのと同じプロトコールを用いてグリホサート耐性について評価した。T3世代で試験された事象は、ホモ接合性のそれぞれの系統からの反復を含んでいた(高度な植物のいずれかが導入遺伝子の分離を示したかどうかを識別するためにグルホシネート抵抗性スクリーニングを使用することによって決定された)。これらの事象は、植物がDGT−14タンパク質を発現していることを確認するために、LC−MS−MSによってアッセイされた。グリホサートの比率による全体的な集団の損傷平均に関するT3世代の結果は表3に示され、この表は、様々な比率のグリホサートについて、dgt−14構築物のそれぞれが提供するグリホサートに対する耐性を示している。典型的な抵抗性T3事象は、TraP12 v2(pDAB105528)およびTraP13 v2(pDAB105529)と連結されたdgt−14を含んでいた。これらの事象の両方は、グリホサートに対して非常に抵抗性である。結果は、T3アラビドプシス属植物についての損傷範囲が、試験されたグリホサートのすべての濃度について20%未満であったことを示した。比較的に、非形質転換(または野生型)対照は、類似した比率のグリホサートで処理したとき、高濃度のグリホサートの処理に対して耐性を提供しなかった。全体的に、結果は、DGT−14を含み、これを発現する植物が、フィールド比率の最大3倍(1120g ae/ha)のレベルにグリホサートに対する市販レベルの抵抗性をもたらしたことを示した。

DGT−28 新たに設計された、双子葉植物の最適化されたdgt−28 v5ポリヌクレオチド配列は配列番号18に列挙されている。新たに設計された、単子葉植物の最適化されたdgt−28 v6ポリヌクレオチド配列は配列番号19に列挙されている:この配列は、制限酵素部位を導入するために、第2のアミノ酸位置でアラニンを含むことによって僅かに改変された。得られたDNA配列は、高度なコドン多様性、所望の塩基組成を有し、戦略的に配置された制限酵素認識部位を含み、遺伝子の転写または生成物mRNAの翻訳を干渉し得る配列を欠損している。

6個のフレーム終止(コード配列の3’端に追加された全6個のリーディングフレームに位置した終止コドン)およびクローニングのための5’制限部位などの追加配列を含有する配列番号18と配列番号19を含むDNA断片の合成は、商業的供給業者(DAN2.0、Menlo Park、CA)によって行われた。次に、合成核酸分子は、発現ベクターにクローニングされ、以下の実施例に記載されるように、植物または細菌に形質転換された。

同様のコドン最適化戦略を用いて、dgt−1、dgt−3 v2(G173A)、dgt−3 v3(G173A;P178S)、dgt−3 v4(T174I;P178S)、dgt−7 v4(T168I;P172S)、dgt−32 v3、dgt−33 v3、およびdgt−31 v3を設計した。これらの遺伝子のコドン最適化バージョンは、それぞれ、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、および配列番号27として列挙されている。

植物バイナリーベクター構築。標準的なクローニング法は、インフレーム融合としてdgt−28に連結した葉緑体輸送ペプチドポリヌクレオチド配列を含有するエントリーベクターの構築に使用された。dgt−28に融合した輸送ペプチド(TraP)を含むエントリーベクターは、IN−FUSION(商標)Advantage Technology(Clontech、Mountain View、CA)を用いて組み立てられた。融合の結果として、第1のアミノ酸であるメチオニンをdgt−28から除いた。輸送ペプチドTraP4 v2(配列番号28)、TraP5 v2(配列番号29)、TraP8 v2(配列番号30)、TraP9 v2(配列番号31)、TraP12 v2(配列番号32)、およびTraP13 v2(配列番号33)は、それぞれ、DNA2.0(Menlo Park、CA)によって合成され、最大で固有のAccI制限エンドヌクレアーゼ認識部位を含むdgt−28の5’端の断片に融合させた。

様々なTraPおよびdgt−28発現カセットを含んだバイナリープラスミドをシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10プロモーター(AtUbi10 v2;Callis, et al, (1990) J. Biol. Chem., 265: 12486-12493)によって駆動させ、隣接してアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のオープンリーディングフレームの23個の3’非翻訳領域(AtuORF23 3’UTR v1;米国特許第5,428,147号)を並べた。

組み立てられたTraPおよびdgt−28発現カセットは、GATEWAY(登録商標)技術(Invitrogen、Carlsbad、CA)を用いて遺伝子操作され、アグロバクテリウムを媒介した植物形質転換を介して植物に形質転換させた。制限エンドヌクレアーゼをNew England BioLabs(NEB;Ipswich、MA)から得て、T4 DNAリガーゼ(Invitrogen)をDNAライゲーションのために使用した。選択マーカーカセットキャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター(CsVMV v2;Verdaguer et al, (1996) Plant Mol. Biol, 31: 1129-1139)−DSM−2(米国特許出願第2007/086813号)−アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のオープンリーディングフレームの1つの3’非翻訳領域(AtuORFl 3’UTR v6;Huang et al, (1990) J. Bacteriol. 172: 1814-1822)を含む単一のデスティネーションベクターに1つのエントリーベクターを組み込むことによって、GATEWAY(登録商標)LR CLONASE(登録商標)酵素ミックス(Invitrogen)を用いてGateway反応を行った。プラスミド調製は、供給業者の指示に従って、NUCLEOSPIN(登録商標)プラスミドキット(Macherey−Nagel Inc.、Bethlehem、PA)またはプラスミドMidiキット(Qiagen)を用いて行われた。DNA断片は、アガロース、Tris−アセテートゲル電気泳動後、QIAquick(商標)ゲル抽出キット(Qiagen)を用いて単離された。

すべての組み立てられたプラスミドのコロニーは、最初に、ミニプレップDNAの制限消化によってスクリーニングされた。選択されたクローンのプラスミドDNAを、市販のシークエンシングベンダー(Eurofins(商標)MWG Operon、Huntsville、AL)によって配列決定された。配列データを組み立て、SEQUENCHER(商標)ソフトウェア(Gene Codes Corp.、Ann Arbor、MI)を用いて分析した。

以下のバイナリー構築物は、様々なTraP:dgt−28融合遺伝子配列を発現する:pDAB107527はTraP4 v2:dgt−28 v5(配列番号34)を含む;pDAB105530はTraP5 v2:dgt−28 v5(配列番号35)を含む;pDAB105531はTraP8 v2:dgt−28 v5(配列番号36)を含む;PDAB105532はTraP9 v2:dgt−28 v5(配列番号37)を含む;pDAB105533はTraP12 v2:dgt−28 v5(配列番号38)を含む;pDAB105534はTraP13 v2:dgt−28 v5(配列番号39)を含む。pDAB105534のdgt−28 v5配列は修飾され、第1のコドン(GCA)を(GCT)に変更した。

追加の植物バイナリーベクター構築。上述したものと類似したクローニング戦略を用いて、dgt−31、dgt−32、dgt−33、dgt−1、dgt−3、およびdgt−7を含むバイナリープラスミドを構築した。

微生物由来の遺伝子;dgt−31、dgt−32、およびdgt−33は、先に記載したものとは異なる葉緑体輸送ペプチドと融合させた。以下の葉緑体輸送ペプチドを使用した;TraP14 v2(配列番号40)、TraP23 v2(配列番号41)、TraP24 v2(配列番号42)。pDAB107532は、TraP14 v2(配列番号43)に融合させたdgt−32 v3を含み、pDAB107534は、TraP24 v2(配列番号44)と融合させたdgt−33 v3を含み、最後の構築物は、TraP23 v2(配列番号45)に融合させたdgt−31 v3を含む。dgt発現カセットは、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10プロモーター(AtUbi10プロモーターv2)によって駆動され、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のオープンリーディングフレームの23個の3’非翻訳領域(AtuORF23 3’UTR v1)を並べた。キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター(CsVMV v2)−DSM−2−アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のオープンリーディングフレームの1つの3’非翻訳領域(AtuORF1 3’UTR v6)を含むDSM−2選択マーカーカセットもバイナリーベクターに存在した。

dgt−31 v3、dgt−32 v3、およびdgt−33 v3が先に記載された葉緑体輸送ペプチド配列に融合している追加のバイナリーを構築する。例えば、TraP8 v2配列は、dgt−31 v3、dgt−32 v3、およびdgt−33 v3に融合され、上記したバイナリーベクターにクローニングされる。

クラスI遺伝子(dgt−1、dgt−3、およびdgt−7)を含むバイナリーベクターを構築した。以下のバイナリーベクターを構築し、植物に形質転換した:米国特許出願公開第2011/0124503号に記載されているdgt−1 v4配列を含むpDAB4104を米国特許出願公開第2009/0064376号に記載されているニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)オスモチン配列;pDAB102715;pDAB102716;pDAB102717;およびpDAB102785と並べる。dgt−28、dgt−31、dgt−32、およびdgt−33に融合させた様々なTraP葉緑体輸送ペプチドは、これらの植物由来の配列は天然の植物葉緑体輸送ペプチドを有するため、クラスI遺伝子に追加されなかった。これらのベクターは、表4においてさらに詳細に記載されている。

シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の形質転換。アラビドプシス属は、CloughおよびBent(1998)のフローラルディップ法を用いて形質転換された。上記のバイナリープラスミドの1つを含む選択されたアグロバクテリウムコロニーを使用して、スペクチノマイシン(100mg/L)およびカナマイシン(50mg/L)を含むYEPブロスの1つまたは複数の100mLの前培養物を植菌した。培養物を225rpmで一定に撹拌しながら一晩28℃にてインキュベートした。細胞を10分間、室温にて約5000×gでペレットにし、得られた上清を捨てた。5%(w/v)スクロース、10μg/Lの6−ベンジルアミノプリン、および0.04%Silwet(商標)L−77を含有する400mLの液体培地において穏やかに再懸濁させた。約1カ月齢の植物は、穏やかに撹拌しながら5〜10分間、培地中に浸漬させた。植物は、それらの側面を下に置き、2〜3時間、透明または不透明なプラスチックバッグで覆い、その後、直立に配置された。植物は、22℃にて16時間の明/8時間の暗の光周期で成長させた。浸漬から約4週間後、種子を回収した。

形質転換植物の選択。新たに回収したT1種子[dgtとDSM−2発現カセットを含む]を7日間室温にて乾燥させた。T1種子は、26.5×51cmの発芽トレイに播種され、それぞれは、予め40mLの0.1%アガロース溶液に懸濁され、4℃にて2日間保存された、層状にしたT1種子の200mgアリコート(約10,000個の種子)を受け、休眠要件を完了し、同期種子発芽を確保した。

Sunshine Mix LP5は微細なバーミキュライトで覆われ、湿るまでホーグランド液で地下灌漑され、次に、重力排出を可能にした。層状にした種子のそれぞれ40mLのアリコートは、ピペットを用いてバーミキュライト上に均一に播種され、4〜5日間、湿気ドームで覆われた。ドームは、グルホシネート出芽後噴霧(同時形質転換されたDSM−2遺伝子を選択する)を使用した最初の形質転換体選択の1日前に外された。

植え付け後(DAP)7日とさらに11DAPに、T1植物は、適用あたり280g ai/haグルホシネートの有効比率を達成するために、DeVilbiss圧縮空気噴霧チップを用いて、10mL/トレイ(703L/ha)の噴霧体積で、Liberty除草剤(200g ai/Lグルホシネート、Bayer Crop Sciences、Kansas City、MO)の0.2%溶液で噴霧された。生存者(活発に成長している植物)は、最終噴霧から4〜7日後に特定され、ポッティングメディア(Metro Mix 360)を用いて調製された3インチ(7.6cm)のポットに個別に移植された。移植された植物は、3〜4日間、湿気ドームで覆われ、前述のように22℃の成長チャンバー内に置かれ、または温室に直接移された。その後、ドームを外し、植物を温室(22±5℃、50±30%RH、14時間の明:10時間の暗、最小500μΕ/m2s1自然+補助照明)で育てた。分子確認分析は、生存T1植物について完了し、グリホサート耐性遺伝子が植物のゲノムに安定に組み込まれたことを確認した。

分子確認。pDAB107527、pDAB105530、pDAB105531、pDAB105532、pDAB105533、またはpDAB105534で形質転換されたアラビドプシス属植物のゲノム内でdgt−28およびDSM−2導入遺伝子の存在が確認された。これらのポリヌクレオチド配列の存在は、加水分解プローブアッセイ、遺伝子発現カセットPCR(植物転写単位PCR−−PTU PCRとも記載される)、サザンブロット分析、および定量的逆転写PCR分析によって確認された。

T1アラビドプシス属植物は、最初に、TAQMAN(商標)に類似した加水分解プローブアッセイを介してスクリーニングされ、DSM−2およびdgt−28導入遺伝子の存在を確認した。事象は、遺伝子発現カセットPCRによりスクリーニングされ、dgt発現カセットが、再配列することなく、植物ゲノムに完全に組み込まれたかどうかを決定した。これらの研究から得られたデータを用いて、自家受精およびT2世代への進行に関して、導入遺伝子のコピー数を決定し、選択アラビドプシス属事象を同定した。また、進行したT2アラビドプシス属植物を加水分解プローブアッセイによりスクリーニングし、植物染色体内にDSM−2遺伝子とdgt遺伝子の存在を確認し、そのコピー数を推定した。最後に、サザンブロットアッセイを用いて、T1アラビドプシス属植物のサブセット上の推定コピー数を確認した。

同様のアッセイを用いて、pDAB4101で形質転換された植物由来のdgt−1導入遺伝子の存在、pDAB107532で形質転換された植物由来のdgt−32導入遺伝子の存在、pDAB107534で形質転換された植物由来のdgt−33導入遺伝子の存在、pDAB102715で形質転換された植物由来のdgt−3導入遺伝子の存在、pDAB102716で形質転換された植物由来のdgt−3導入遺伝子の存在、pDAB102717で形質転換された植物由来のdgt−3導入遺伝子の存在、およびpDAB102785で形質転換された植物由来のdgt−7導入遺伝子の存在を確認した。

加水分解プローブアッセイ。後述する加水分解プローブアッセイを用いて、T1とT2アラビドプシス属植物におけるコピー数を決定した。様々な数の導入遺伝子を有する植物を同定し、その後のグリホサート耐性研究に進めた。

組織試料を96ウェルプレートに回収し、2日間凍結乾燥した。組織浸軟は、KLECO(商標)組織粉砕機とタングステンビーズを用いて実施された(Environ Metal INC.、Sweet Home、Oregon)。組織浸軟後、製造業者が示唆するプロトコールに従って、Biosprint(商標)96植物キット(Qiagen(商標)、Germantown、MD)を用いて、ハイスループット形式でゲノムDNAを単離した。ゲノムDNAをQUANT−IT(商標)PICO GREEN DNAアッセイキット(Molecular Probes、Invitrogen、Carlsbad、CA)によって定量した。定量されたゲノムDNAは、BIOROBOT3000(商標)自動化液体ハンドラー(Qiagen、Germantown、MD)を用いて、加水分解プローブアッセイのために約2ng/μLに調整された。加水分解プローブアッセイによる導入遺伝子のコピー数の決定は、LIGHTCYCLER(登録商標)480システム(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)を用いたリアルタイムPCRによって行われた。アッセイは、DSM−2、dgt−28および内部参照遺伝子、TAFII15(Genbank ID:NC003075;Duarte et al., (201) BMC Evol. Biol., 10:61)について設計された。

増幅のために、LIGHTCYCLER(登録商標)480プローブマスターミックス(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)は、DSM−2とdgt−28用のそれぞれ0.1μMのプライマー、TAFII15についてそれぞれ0.4μMのプライマーおよび0.2μMのそれぞれのプローブを含有する10μL体積の多重反応物において1×最終濃度で調製された。表5.二段階増幅反応は、60℃にて40秒間の伸長を用いて行い、蛍光を得た。すべての試料を実施し、平均サイクル閾値(Ct)をそれぞれの試料の分析に使用した。リアルタイムPCRデータの分析は、相対的な定量モジュールを用いるLightCycler(商標)ソフトウェアリリース1.5を使用して行い、ΔΔCt法に基づいている。このために、1コピーの較正物質由来のゲノムDNAの試料と既知の2コピーチェックをそれぞれの実行に含めた。加水分解プローブスクリーニングのコピー数の結果は、T1およびT2トランスジェニックアラビドプシス属植物について決定された。

サザンブロット分析を介したdst−28組み込み確認。サザンブロット分析を用いて、挿入されたT−鎖DNA断片の組み込みパターンを確立し、dgt−28を含有する事象を同定した。データを作成し、アラビドプシス属ゲノム内の導入遺伝子挿入物の組み込みと完全性を実証した。サザンブロットデータは、T−鎖DNAの無傷のコピーの単純な組み込みを同定するために使用された。詳細なサザンブロット分析は、dgt−28遺伝子発現カセットに特異的なPCR増幅されたプローブを用いて行われた。特定の制限酵素で消化されたゲノムDNAとプローブのハイブリダイゼーションは、特定の分子量のゲノムDNA断片を同定した。そのパターンを用いて、次世代への進行のための完全長の単一挿入物T1トランスジェニック事象を同定した。

組織試料を2mLのコニカルチューブ(Eppendorf(商標))に回収し、2日間凍結乾燥した。組織浸軟は、KLECKO(商標)組織粉砕機とタングステンビーズを用いて実施された。組織浸軟後、CTAB単離手法を用いてゲノムDNAを単離した。Qiagen(商標)Genomic Tipsキットを用いて、ゲノムDNAをさらに精製した。ゲノムDNAをQuant−IT(商標)Pico Green DNAアッセイキット(Molecular Probes、Invitrogen、Carlsbad、CA)によって定量した。定量されたゲノムDNAは、一定濃度にするために4μgに調整された。

それぞれの試料について、制限酵素SwaI(New England Biolabs、Beverley、MA)を用いて、4μgのゲノムDNAを完全に消化し、25℃で一晩インキュベートし、次に、反応にNsiIを添加し、37℃にて6時間インキュベートした。消化されたDNAは、製造業者が示唆したプロトコールに従って、Quick Precipitation Solution(商標)(Edge Biosystems、Gaithersburg、MD)を用いて沈殿させて濃縮された。その後、65℃にて1時間、25μLの水にゲノムDNAを再懸濁した。再懸濁した試料は、1×TAE中で調製された0.8%アガロースゲルに装填され、1×TAE緩衝液中で1.1V/cmで一晩電気泳動された。連続的に、ゲルは、30分間の変性(0.2MのNaOH/0.6MのNaCl)、および30分間の中和(0.5MのTris−HCl(pH7.5)/1.5MのNaCl)に供された。

ナイロンメンブレンへのDNA断片の転写は、クロマトグラフィーペーパーの芯や紙タオルを使用することによって、処理されたIMMOBILON(商標)NY+転写メンブレン(Millipore、Billerica、MA)上にゲルを介して一晩20×SSC溶液を受動的に吸い上げることによって行われた。転写後、メンブレンは、簡単に、2×SSCで洗浄し、STRATALINKER(商標)1800(Stratagene、LaJolla、CA)を用いて架橋し、80℃にて3時間、真空乾燥させた。

モデル400ハイブリダイゼーションインキュベータ(Robbins Scientific、Synnyvale、CA)を用いて、ガラスローラーボトル中で1時間65℃にてプレハイブリダイゼーション溶液(Perfect Hyb plus、Sigma、St.Louis、MO)とともにブロットをインキュベートした。プローブは、全コード配列を含むPCR断片から調製された。PCRアンプリコンは、QIAEX(商標)IIゲル抽出キットを用いて精製され、Random RT Prime IT(商標)標識キット(Stratagene、La Jolla、CA)を介して、α32P−dCTPで標識された。ブロットは、ブロットあたり約200万カウント/mLまでハイブリダイゼーション緩衝液に直接添加された変性プローブを用いて、一晩65℃にてハイブリダイズされた。ハイブリダイゼーション後、ブロットは、連続して、65℃にて0.1×SSC/0.1%SDSで40分間洗浄された。最後に、ブロットをストレージリン光イメージングスクリーンに曝露し、Molecular Dynamics Storm 860(商標)イメージングシステムを用いて撮像した。

この研究において完成されたサザンブロット分析を用いて、コピー数を決定し、その選択された事象がアラビドプシス属のゲノム内のdgt−28導入遺伝子を含有していることを確認した。

PCR分析を介したdgt−28遺伝子発現カセットの確認。T1の植物事象に含まれるdgt−28遺伝子発現カセットの存在は、エンドポイントPCR反応によって検出された。AtUbi10プロモーターv2とdgt−28遺伝子発現カセットのAtuORF23 3’UTR v1領域に特異的なプライマー(表6)を検出のために使用した。

PCR反応は、遺伝子発現カセットを増幅するために、標準的な三段階のPCRサイクリングプロトコールを必要とした。すべてのPCR反応は、以下のPCR条件を使用して完了された:94℃にて3分間、続いて、94℃にて30秒間、60℃にて30秒間、および72℃にて3分間の35サイクル。製造者の指示に従って、EX−TAQ(商標)PCRキット(TaKaRa Biotechnology Inc.、Otsu、Shiga、Japan)を用いて、反応を完了させた。最終サイクル後、反応を72℃にて10分間インキュベートした。TAEアガロースゲル電気泳動を用いて、PCRアンプリコンのサイズを決定した。予想されるサイズのPCRアンプリコンは、全長遺伝子発現カセットの存在がトランスジェニックアラビドプシス属事象のゲノム中に存在することを示した。

定量的逆転写PCR分析を介したdgt−28相対転写の確認。dgt−28トランスジェニック植物の組織試料を96ウェルプレートに回収し、80℃にて凍結した。組織浸軟は、KLECO(商標)組織粉砕機とタングステンビーズ(Environ Metal INC.、Sweet Home、Oregon)を用いて行った。組織浸軟の後、全RNAは、製造業者が示唆したプロトコールにしたがって、カラム上のオプションのDnaseI処置を含めたQiagen(商標)Rneasy 96キット(Qiagen(商標)、Germantown、MD)を用いたハイスループット形式で単離された。その後、このステップは、溶出された全RNAの追加のDnaseI(Ambion(商標)、Austin、TX)処理に続いた。cDNA合成は、製造業者が示唆した手法にしたがって、オリゴヌクレオチド、TVNを加えて、High Capacity cDNA Reverse Transcription(商標)キット(Applied Biosystems、Austin、TX)を用いて、鋳型として全RNAを使用して行われた。発現の定量は、加水分解プローブアッセイによって完了し、LIGHTCYCLER(登録商標)480システム(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)を用いたリアルタイムPCRにより行われた。アッセイは、LIGHTCYCLER(登録商標)プローブデザインソフトウェア2.0を用いて、dgt−28および内部参照遺伝子「未知タンパク質」(Genbank受託番号AT4G24610)について設計された。増幅のために、LIGHTCYCLER(登録商標)480プローブマスターミックス(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)は、0.4μMのそれぞれのプライマー、および0.2μMのそれぞれのプローブを含む10μL体積の一重反応中で1×最終濃度で調製された。表7。

二段階の増幅反応は、60℃にて40秒間の伸長を用いて行われ、蛍光を得た。すべての試料は3重にして行い、平均サイクル閾値(Ct)をそれぞれの試料の分析に使用した。マイナス逆転写反応をそれぞれの試料について行い、gDNA汚染がないことを確認した。リアルタイムPCRデータの分析はΔΔCt法に基づいて行った。このアッセイを用いて、ヘミ接合性およびホモ接合性であることが決定されたトランスジェニックアラビドプシス属事象におけるdgt−28の相対的発現を決定した。dgt−28 mRNAの相対的転写レベルは、内部対照より2.5倍から207.5倍高い範囲であった。これらのデータは、dgt−28トランスジェニック植物が、機能的dgt−28遺伝子発現カセットを含有し、植物がdgt−28導入遺伝子を転写することができたことを示している。

ウエスタンブロッティング分析。DGT−28は、トランスジェニックシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)植物から得られる葉の試料において検出された。dgt−28トランスジェニック植物由来の植物抽出物とDGT−28タンパク質標準は、DTTを含有するNUPAGE(登録商標)LDS試料緩衝液(Invitrogen、Carlsbad、CA)とともに、90℃にて10分間インキュベートされ、アクリルアミドプレキャストゲルにおいて電気泳動的に分離された。次に、タンパク質は、製造者のプロトコールを用いて、ニトロセルロースメンブレン上に電気的に転写された。WESTERNBREEZE(登録商標)ブロッキングミックス(Invitrogen)を用いてブロッキング後、DGT−28タンパク質を抗DGT−28抗血清、次にヤギ抗ウサギホスファターゼによって検出した。検出されたタンパク質は、化学発光基質BCIP/NBTウエスタン分析試薬(KPL、Gaithersburg、MD)によって可視化された。ウエスタンブロットを介した無傷のDGT−28タンパク質の生産は、アッセイされたdgt−28トランスジェニック植物がDGT−28タンパク質を発現したことを示した。

dgt−28導入遺伝子を含むトランスジェニックT1アラビドプシス属植物は、異なる比率のグリホサートで噴霧された。高い比率がこの研究において適用され、抵抗性の相対的なレベル(105、420、1,680または3,360g ae/ha)を決定した。グリホサートの典型的な1×フィールド使用率は1120g ae/haである。この研究で使用されたT1アラビドプシス属植物は、様々なコピー数のdgt−28導入遺伝子であった。低コピーのdgt−28 T1アラビドプシス属植物を自家受粉し、これを用いてT2植物を生成させた。表8は、グリホサート除草剤抵抗性遺伝子、dgt−1、および野生型対照を引用したdgt−28トランスジェニック植物の比較を示す。表9は、グリホサート除草剤抵抗性遺伝子、dgt−1、および野生型対照を引用したdgt−32とdgt−33の比較を示す。表10は、新規な微生物EPSPシンターゼ酵素と、クラスIのEPSPシンターゼ酵素およびグリホサート比率が1,680g ae/haの対照の比較を示す。

形質転換されたdgt−28アラビドプシス属植物のグリホサート選択の結果。アラビドプシス属T1形質転換体は、最初に、グルホシネート選択スキームを使用して、非形質転換の種子のバックグラウンドから選択された。3フラットまたは30,000個の種子は、各T1構築物について分析された。上記で選択されたT1植物は、分子的に特徴付けられ、その後、高いコピー数の植物は、個別のポットに移植され、前述のように様々な比率の市販のグリホサートで噴霧された。これらの植物の応答は、処理から2週間後(WAT)、視覚的損傷%の観点から提示される。データは表に示され、損傷がほとんどないもしくは全くない(<20%)、中程度の損傷(20〜40%)、または重度の損傷(>40%)を提示する個々の植物を示す。算術平均および標準偏差は、アラビドプシス属形質転換のために使用されるそれぞれの構築物について提示される。個別の応答における範囲もまた、それぞれの比率および形質転換に関して、最後の列に示されている。野生型、非形質転換アラビドプシス属(栽培品種コロンビア)は、グリホサート感受性対照として用いた。

植物応答のレベルは変化した。この差異は、それぞれの植物が独立した形質転換事象を表すという事実に起因することができ、したがって、対象とする遺伝子のコピー数は、植物ごとに変動する。導入遺伝子を含んでいたいくつかの植物はグリホサートに耐性ではなく;これらの植物が導入遺伝子を発現したかどうかを判断する徹底的な分析が完了しなかったことに気付いた。T1アラビドプシス属植物内での高いコピー数の導入遺伝子の存在は、dgt−28導入遺伝子の存在にもかかわらず、導入遺伝子サイレンシングをもたらしたかまたはグリホサートに対する感受性をもたらした他のエピジェネティックな効果をもたらした可能性がある。

比率による全体的な集団の損傷平均は、1,680g ae/haでのグリホサートの比率について表10に示され、dgt−3、dgt−7、dgt−28、dgt−32およびdgt−33対dgt−1および野生型対照で形質転換された植物の間に有意な差を実証する。

新規な細菌EPSPシンターゼによって提供される耐性は、特異的酵素に依存して変化した。DGT−28、DGT−32、およびDGT−33は、予想外にグリホサートに有意な耐性を示した。dgt遺伝子は、試験したすべての輸送ペプチド全体で個々のT1アラビドプシス属植物に除草剤抵抗性を付与した。このように、追加的な葉緑体輸送ペプチド(すなわち、TraP8−dgt−32またはTraP8−dgt−33)の使用は、所定の処置内で報告されているのと同様の損傷レベルでグリホサートに対する保護を提供する。

選択マーカーとしてのdgt−28。グリホサート選択剤のための選択マーカーとしてのdgt−28の使用は、上記のアラビドプシス属形質転換植物を用いて試験される。約50個のT4世代アラビドプシス属種子(dgt−28についてホモ接合)は、約5,000個の野生型(グリホサートに感受性である)の種子に混ぜられる。種子は発芽され、苗木はグリホサートの選択用量で噴霧される。グリホサートのいくつかの処理を比較する:植物のそれぞれのトレイは、以下の処置スキーム:7DAP(植え付け後の日数)、11DAP、または7DAPの後11DAPの1つにおいて、グリホサートの1回または2回の適用時期のいずれかを受ける。すべての植物はまた、同じ形質転換ベクターにグルホシネート抵抗性遺伝子を含んでいるため、グリホサートを用いて選択されたdgt−28を含む植物は、グルホシネートを用いて選択されたDSM−2またはpatを含む植物と直接比較することができる。

前述のように、グリホサート処置は、DeVilbiss(商標)噴霧チップを用いて適用される。dgt−28を含有するトランスジェニック植物は、「抵抗性」または「感受性」17DAPとして同定される。植え付け後(DAP)7日および11日に適用された26.25〜1680g ae/haグリホサートの処理は、dgt−28を含むトランスジェニックアラビドプシス属植物について有効な選択を示す。感受性および抵抗性の植物をカウントし、グリホサート耐性植物の数は、植え付けられるdgt−28導入遺伝子を含むトランスジェニック種子の元の数と相関することが見出される。これらの結果は、dgt−28が、形質転換されたアラビドプシス属の集団に対して代替的な選択マーカーとして効果的に使用できることを示す。

遺伝可能性。確認されたトランスジェニックT1アラビドプシス属事象は、T2種子を生産するために自家受粉された。これらの種子は、100個の無作為なT2同胞に、グルホシネート(200g ae/ha)を含有するIgnite(商標)除草剤を適用することによって後代検定を行われた。それぞれの個々のT2植物は、噴霧適用(187L/ha適用量(applications rate)でのトラック噴霧器)前に7.5cmの正方形ポットに移植された。T1ファミリー(T2植物)は、カイ二乗分析(P>0.05)によって決定したメンデル遺伝を用いた優性遺伝単一遺伝子座について、予期される3抵抗性:1感受性モデルに分離した。期待されたメンデル遺伝を用いて分離されたT1ファミリーの割合は表11に示され、dgt−28形質はT2世代にメンデル遺伝を介して渡されることを実証する。種子は、5〜15個のT2個体(T3種子)から回収された。3〜4個の無作為に選択されたT2ファミリーのそれぞれからの25個のT3同胞について前述のように後代検定を行った。データは分離を示さず、したがって、dgt−28およびdgt−3は、染色体内に安定に組み込まれ、少なくとも3世代にメンデル様式で遺伝されることを実証した。

T2アラビドプシス属データ。低コピー数のdgt−28導入遺伝子を含んだ選択されたT1アラビドプシス属事象の第2世代植物(T2)は、グリホサート耐性についてさらに特徴付けられた。グリホサートを前述のように適用した。植物の応答は、処置から2週間後(WAT)、視覚的損傷%の観点から提示される。データは、損傷がほとんどないもしくは全くない(<20%)、中程度の損傷(20〜40%)、または重度の損傷(>40%)を提示する個体のヒストグラムとして示される。算術平均および標準偏差は、アラビドプシス属形質転換のために使用されるそれぞれの構築物について提示される。個別の応答における範囲もまた、それぞれの比率および形質転換に関して、最後の列に示されている。野生型、非形質転換アラビドプシス属(栽培品種コロンビア)は、グリホサート感受性対照として用いた。T2世代において、ヘミ接合およびホモ接合植物は、それぞれの事象についての試験に利用可能であり、したがって、試験されたそれぞれの比率のグリホサートに含まれた。遺伝子座で同じ2つの対立遺伝子を含むホモ接合植物と比較して、ヘミ接合植物は、遺伝子座で2つの異なる対立遺伝子を含む。グリホサートに対する応答の変動性は、ホモ接合植物と比較して、ヘミ接合性についての遺伝子量の差の結果として、T2世代で期待される。グリホサートへの応答の変動性は、標準偏差と応答の範囲に反映される。

T2世代において、1コピーとマルチコピーのdgt−28事象の両方はグリホサート耐性について特徴付けられた。事象内では、1コピーの植物はグリホサートに対して同レベルの耐性を示した。1コピーT2事象について特徴的データを表12に示す。TraP5 v2と連結されたdgt−28を含む事象は、他のTraP輸送ペプチドを含有したdgt−28構築物と比較して、グリホサートに対する強固な耐性を提供しなかった。しかしながら、dgt−28 Trap5構築物は、非形質転換コロンビア対照と比較して、低レベルのグリホサート耐性を提供した。2以上のコピーのdgt−28を含有することが示された事象が高比率のグリホサートにより感受性であるという例があった(データ示さず)。グリホサートに対する感受性のこの増加は、高いコピー数のdgt−28導入遺伝子も含有したT1植物について先に記載されたデータに類似する。アラビドプシス属植物内の高いコピー数の導入遺伝子の存在は、dgt−28導入遺伝子の存在にもかかわらず、導入遺伝子サイレンシングまたはグリホサートに対する感受性をもたらす他のエピジェネティックな効果をもたらす可能性がある。

これらの事象は、TraP5 v2(pDAB105530)、TraP12 v2(pDAB105533)およびTraP13 v2(pDAB105534)と連結したdgt−28を含んでいた。

dgt−28に加えて、dgt−3で形質転換されたT2アラビドプシス属事象を表13に示す。表12においてdgt−28事象について記載したように、データ表は、それぞれの構築物についてのグリホサートに対する応答に特徴的である代表的な事象を含む。dgt−3の特徴付けのために、AtUbi10プロモーターによって駆動されるdgt−3遺伝子を有する単一PTU(植物形質転換単位)を含む構築物(pDAB102716とpDAB102715)は、遺伝子の2PTU(pDAB102719;pDAB102718)を含む同遺伝子を有する構築物と比較された。2PTUを含んだ構築物は、該遺伝子の1コピーを駆動するためにAtUbi10プロモーターを使用し、他のコピーを駆動するためにCsVMVプロモーターを使用した。二重PTUの使用は、dgt−3トランスジェニック植物と、2コピーの導入遺伝子を含有したdgt−28トランスジェニック植物を比較するために組み込まれた。データは、単一のPTUのみを有する1コピーのT2 dgt−3事象が、試験された1コピーのdgt−28事象よりもグリホサートに対して感受性であるが、非形質転換対照より高い耐性であることを実証した。dgt−3遺伝子の2PTUを含むT1ファミリーは、1PTU構築物と比較して、グリホサートに対して高いレベルの視覚的耐性を提供した。いずれの場合も、T1ファミリーは、dgt−1および野生型対照と比較された。T2データは、dgt−28が1コピー事象として強固な耐性を提供することを実証している。

T3アラビドプシス属データ。低コピー数のdgt−28導入遺伝子を含んだ選択されたT1アラビドプシス属事象の第3世代植物(T2)は、グリホサート耐性についてさらに特徴付けられた。グリホサートを前述のように適用した。植物の応答は、処置から2週間後(WAT)、視覚的損傷%の観点から提示される。データは、損傷がほとんどないもしくは全くない(<20%)、中程度の損傷(20〜40%)、または重度の損傷(>40%)を提示する個体のヒストグラムとして示される。算術平均および標準偏差は、アラビドプシス属形質転換のために使用されるそれぞれの構築物について提示される。個別の応答における範囲もまた、それぞれの比率および形質転換に関して、最後の列に示されている。野生型、非形質転換アラビドプシス属(栽培品種コロンビア)は、グリホサート感受性対照として用いた。T3世代において、ヘミ接合およびホモ接合植物は、それぞれの事象についての試験に利用可能であり、したがって、試験されたそれぞれの比率のグリホサートに含まれた。遺伝子座で同じ2つの対立遺伝子を含むホモ接合植物と比較して、ヘミ接合植物は、遺伝子座で2つの異なる対立遺伝子を含んでいる。グリホサートに対する応答の変動性は、ホモ接合植物と比較して、ヘミ接合性についての遺伝子量の差の結果として、T3世代で期待される。グリホサートへの応答の変動性は、標準偏差と応答の範囲に反映される。

形質転換植物の選択。新たに回収したT1種子[dgt−31、dgt−32、およびdgt−33 v1遺伝子]を室温にて乾燥させ、試験のためにインディアナポリスに搬送した。T1種子は、26.5×51cmの発芽トレイ(T.O.Plastics Inc.、Clearwater、MN)に播種され、それぞれは、予め40mLの0.1%アガロース溶液に懸濁され、4℃にて2日間保存された、層状にしたT1種子の200mgアリコート(約10,000個の種子)を受け、休眠要件を完了し、同期種子発芽を確保した。

Sunshine Mix LP5(Sun Gro Horticulture Inc.、Bellevue、WA)は微細なバーミキュライトで覆われ、湿るまでホーグランド液で地下灌漑され、次に、重力排出を可能にした。層状にした種子のそれぞれ40mLのアリコートは、ピペットを用いてバーミキュライト上に均一に播種され、4〜5日間、湿度ドーム(KORD(商標)Products、Bramalea、Ontario、Canada)で覆われた。ドームは、グルホシネート出芽後噴霧(同時形質転換されたdsm−2遺伝子を選択する)を使用した最初の形質転換体の選択前に植物が発芽した時点で外された。

植え付け後(DAP)6日とさらに10DAPに、T1植物(それぞれ子葉と2−4−lf段階)は、適用あたり200g ae/haグルホシネートの有効比率を達成するために、DeVilbiss(商標)圧縮空気噴霧チップを用いて、10mL/トレイ(703L/ha)の噴霧体積で、IGNITE(商標)除草剤(280g ai/Lグルホシネート、Bayer Crop Sciences、Kansas City、MO)の0.1%溶液で噴霧された。生存者(活発に成長している植物)は、最終噴霧から4〜7日後に特定された。生存植物は、ポッティングメディア(Metro Mix 360(商標))を用いて調製された3インチ(7.6cm)のポットに個別に移植された。植物は、コピー数分析のための組織サンプリングの少なくとも1日前に温室において生育された。

T1植物をサンプリングし、dgt−31、dgt−32、およびdgt−33 v1遺伝子についてのコピー数分析を完了した。次に、コピーの範囲が、それぞれの比率にあるように、T1植物を様々な比率のグリホサートに割り当てた。アラビドプシス属について、26.25g ae/haのグリホサートは、感受性の植物と意味のあるレベルの抵抗性を有する植物を区別するのに有効な用量である。高い比率は、相対的レベルの抵抗性(105、420、1680、または3360g ae/ha)を決定するために適用された。表16は、dgt−1を引用した比較を示す。

すべてのグリホサート除草剤適用は、187L/haの噴霧体積でトラック噴霧器によってなされた。使用されたグリホサートは、市販のDurangoジメチルアミン塩製剤(480g ae/L、Dow AgroAciences、LLC)であった。グルホシネートまたはグリホサートのいずれかに耐性を示した低コピーのT1植物は、T2世代においてさらに評価された。

最初のアラビドプシス属形質転換は、dgt−31、dgt−32、およびdgt−33 v1を用いて行われた。T1形質転換体は、最初に、グルホシネート選択スキームを用いて、非形質転換種子のバックグラウンドから選択された。3フラットまたは30,000個の種子は、各T1構築物について分析された。形質転換頻度を計算し、T1のdgt−31、dgt−32、およびdgt−33構築物の結果は表15に列挙する。

その後、上記で選択されたT1植物は、個別のポットに移植され、様々な比率の市販のグリホサートで噴霧された。表16は、アラビドプシス属T1形質転換体にグリホサート抵抗性を付与するdgt−31、dgt−32およびdgt−33 v1ならびに対照遺伝子の応答を比較する。応答は、2WATで視覚的損傷%の観点から提示される。データは、損傷がほとんどないもしくは全くない(<20%)、中程度の損傷(20〜40%) 、または重度の損傷(>40%)を提示する個体のヒストグラムとして示される。算術平均および標準偏差は、それぞれの処理について提示される。個別の応答における範囲もまた、それぞれの比率および形質転換に関して、最後の列に示されている。野生型、非形質転換アラビドプシス属(栽培品種コロンビア)は、グリホサート感受性対照として用いた。輸送ペプチド(TraP23)を含むDGT−31(v1)遺伝子は、陰性対照と比較して、個々のT1アラビドプシス属植物に対してわずかに除草剤耐性を付与した。DGT−32とDGT−33はともに、それぞれの葉緑体輸送ペプチド(それぞれTraP14とTraP24)を用いて試験された比率でグリホサートに対して強固な耐性を実証した。所与の処理中で、植物応答のレベルは非常に変化した。これは、それぞれの植物が独立した形質転換事象を表すという事実に帰することができ、したがって、対象とする遺伝子のコピー数は植物ごとに変動する。重要にも注目すべきことに、試験したそれぞれのグリホサート比率で、他よりも耐性である個体があった。比率による全集団の損傷平均は表16に示され、dgt−31、dgt−32、およびdgt−33 v1対dgt−1 v1または野生型対照で形質転換された植物間で有意な相違を実証する。

トウモロコシ形質転換。標準的なクローニング方法は、上述した通りであり、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)を媒介したトウモロコシの形質転換において使用するためのバイナリーベクターの構築に用いた。表17は、トウモロコシ形質転換のために構築されたベクターを列挙する。以下の遺伝子エレメントはdgt−28を含んだベクターにおいて使用された;トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター(ZmUbi1;米国特許第5,510,474号)を用いて、トウモロコシ(Zea mays)リパーゼ3’非翻訳領域(ZmLip 3’UTR;米国特許第7179902号)に並べられたdgt−28コード配列を駆動し、選択マーカーカセットは、トウモロコシ(Zea mays)リパーゼ3’非翻訳領域に並べられたaad−1コード配列(米国特許第7,838,733号)を駆動するために使用されたトウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーターからなる。aad−1コード配列は、例えば、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)およびアリールオキシフェノキシプロピオネート(AOPP)除草剤などのフェノキシオーキシン除草剤に対する耐性を付与する。

dgt−28構築物は、標準的なバイナリーベクターおよびアグロバクテリウムスーパーバイナリーシステムベクター(Japan Tobacco、Tokyo、JP)として構築された。標準的なバイナリーベクターとしては、pDAB107663、pDAB107664、pDAB107665、およびpDAB107665が挙げられる。アグロバクテリウムスーパーバイナリーシステムベクターには、pDAB108384、pDAB108385、pDAB108386、およびpDAB108387が含まれる。

黄色蛍光タンパク質(yfp;米国特許出願公開第2007/0298412号)レポーター遺伝子を含有しているさらなる構築物を完成した。pDAB109812は、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーターによって駆動され、トウモロコシ(Zea mays)per5 3’非翻訳領域(Zm per5 3’UTR;米国特許第7179902号)に並べられたyfpレポーター遺伝子カセットを含み、選択マーカーカセットは、aad−1発現を駆動するために使用され、トウモロコシ(Zea mays)リパーゼ3’非翻訳領域に並べられたサトウキビ桿菌状ウイルスプロモーター(SCBV;米国特許第5,994,123号)からなる。pDAB101556は、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーターによって駆動され、トウモロコシ(Zea mays)per5 3’非翻訳領域に並べられたyfpカセットを含み、選択マーカーカセットは、aad−1発現を駆動するために使用され、トウモロコシ(Zea mays)リパーゼ3’非翻訳領域に並べられたトウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーターからなる。pDAB107698は、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーターによって駆動され、トウモロコシ(Zea mays)リパーゼ3’非翻訳領域に並べられたdgt−28カセットを含み、yfpカセットは、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーターによって駆動され、トウモロコシ(Zea mays)per5 3’非翻訳領域に並べられ、選択マーカーカセットは、aad−1発現を駆動するために使用され、トウモロコシ(Zea mays)リパーゼ3’非翻訳領域に並べられたサトウキビ桿菌状ウイルスプロモーターからなる。これらの構築物の3つすべてが標準的なバイナリーベクターである。

穂の滅菌および胚の単離。トウモロコシ未熟胚を得るために、トウモロコシ(Zea mays)の同系交配株B104の植物を温室で生育させ、自家受粉または同胞受粉し、穂を生成した。受粉後の約9〜12日目に穂を回収した。実験日に、穂は、次亜塩素酸ナトリウム(5%)の20%溶液に浸漬することによって表面を滅菌し、20〜30分間振とうし、次に、滅菌水で3回濯いだ。滅菌後、未熟接合胚(1.5〜2.4mm)は、それぞれの穂から無菌的に切除し、液体感染培地(LS基礎培地、4.43g/L;N6ビタミン溶液[1000×]、1.00mL/L;L−プロリン、700.0mg/L;スクロース、68.5g/L;D(+)グルコース、36.0g/L;10mg/mlの2,4−D、150μL/L)を含む微量遠心管に無作為に分配した。所与の実験セットについて、3つの穂からプールされた胚をそれぞれの形質転換に使用した。

アグロバクテリウム培養開始: 上記のバイナリー形質転換ベクターを含むアグロバクテリウムのグリセロールストックは、適切な抗生物質を含むAB最小培地プレート上に筋状にし、20℃にて3〜4日間で増殖させた。単一のコロニーを採取し、同じ抗生物質を含むYEPプレート上に筋状にし、28℃にて1〜2日間インキュベートした。

アグロバクテリウム培養および共培養。アグロバクテリウムコロニーをYEPプレートから採取し、50mL使い捨てチューブ中の10mL感染培地に懸濁した。細胞密度は、分光光度計を用いてOD600nmが0.2〜0.4になるように調整した。アグロバクテリウム培養物を125rpm、室温にてロータリーシェーカー上に置き、胚切除を行った。サイズが1.5〜2.4mm間の未熟接合胚は、滅菌トウモロコシ穀粒から単離し、1mLの感染培地に入れ、同じ培地で1回洗浄した。アグロバクテリウム懸濁液(2mL)をそれぞれのチューブに加え、チューブを10〜15分間振とうプラットホーム上に置いた。胚を共培養培地(MS塩、4.33g/L;L−プロリン、700.0mg/L;ミオ−イノシトール、100.0mg/L;カゼイン酵素加水分解物 100.0mg/L;30mMジカンバ−KOH、3.3mg/L;スクロース、30.0g/L;Gelzan(商標)、3.00g/L;改変されたMS−ビタミン[1000×]、1.00ml/L;8.5mg/mlのAgNo3、15.0mg/L;DMSO、100μΜ)に移し、胚盤を上に向けて配向し、50μmole m−2sec−1光強度の24時間光の下で25℃にて3日間インキュベートした。

カルス選択および推定事象の再生。共培養期間後、胚を残りの培地(MS塩、4.33g/L;L−プロリン、700.0mg/L;1,2,3,5/4,6−ヘキサヒドロキシシクロヘキサン、100mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]0.500g/L;カゼイン酵素加水分解物 100.0mg/L;30mM ジカンバ−KOH、3.3mg/L;スクロース、30.0g/L;Gelzan 2.30g/L;改変されたMS−ビタミン[1000×]、1.00ml/L;8.5mg/ml AgNo3、15.0mg/L;カルベニシリン、250.0mg/L)(選択剤を含まない)に移し、50μmole m−2sec−1光強度の24時間光の下で25℃にて3日間インキュベートした。

増殖阻害用量応答実験により、0.25mM以上のグリホサート濃度が非形質転換B104トウモロコシ株において細胞増殖を阻害するのに十分であることが示唆された。胚は、0.5mMグリホサートを含む選択1培地(MS塩、4.33g/L;L−プロリン、700.0mg/L;ミオイノシトール、100.0mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]0.500g/L;カゼイン酵素加水分解物 100.0mg/L;30mM ジカンバ−KOH、3.3mg/L;スクロース、30.0g/L;Gelzan(商標)2.30g/L;改変されたMS−ビタミン[1000×]、1.00ml/L;8.5mg/ml AgNo3、15.0mg/L;カルベニシリン、250.0mg/L)に移され、暗所および/または50μmole m−2sec−1光強度の24時間光の下で28℃にて7〜14日間インキュベートされた。

増殖中の胚発生カルスは、1.0mMグリホサートを含有する選択2培地(MS塩、4.33g/L;1,2,3,5/4,6−ヘキサヒドロキシシクロヘキサン、100mg/L;L−プロリン、700.0mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]0.500g/L;カゼイン酵素加水分解物 100.0mg/L;30mM ジカンバ−KOH、3.3mg/L;スクロース、30.0g/L;Gelzan(商標)2.30g/L;改変されたMS−ビタミン[1000×]、1.00ml/L;8.5mg/mL AgNo3、15.0mg/L;カルベニシリン、250.0mg/L;R−ハロキシホップ酸0.1810mg/L)に移し、暗所および/または50μmole m−2sec−1光強度の24時間光の下で28℃にて14日間インキュベートされた。この選択工程は、トランスジェニックカルスをさらに増殖および分化させた。カルス選択期間を3〜4週間継続した。

増殖中の胚発生カルスは、0.5mMグリホサート含有PreReg培地(MS塩、4.33g/L;1,2,3,5/4,6−ヘキサヒドロキシシクロヘキサン、100mg/L;L−プロリン、350.0mg/L;MES[(2−(n−モルホリノ)−エタンスルホン酸)、遊離酸]0.250g/L;カゼイン酵素加水分解物 50.0mg/L;NAA−NaOH 0.500mg/L;ABA−EtOH 2.50mg/L;BA 1.00mg/L;スクロース、45.0g/L;Gelzan(商標)2.50g/L;改変されたMS−ビタミン[1000×]、1.00ml/L;8.5mg/ml AgNo3、1.00mg/L;カルベニシリン、250.0mg/L)に移し、50μmole m−2sec−1光強度の24時間光の下で28℃にて7日間培養された。

シュート様芽を有する胚発生カルスは、0.5mMグリホサート含有再生培地(MS塩、4.33g/L;1,2,3,5/4,6−ヘキサヒドロキシシクロヘキサン、100.0mg/L;スクロース、60.0g/L;Gellan Gum G434(商標)3.00g/L;改変されたMS−ビタミン[1000×]、1.00ml/L;カルベニシリン、125.0mg/L)に移し、50μmole m−2sec−1光強度の24時間光の下で7日間培養された。

一次根を有する小さなシュートは、Phytotray中の発根培地(MS塩、4.33g/L;改変されたMS−ビタミン[1000×]、1.00ml/L;1,2,3,5/4,6−ヘキサヒドロキシシクロヘキサン、100mg/L;スクロース、60.0g/L;Gellan Gum G434(商標)3.00g/L;カルベニシリン、250.0mg/L)に移し、140〜190μmole m−2sec−1光強度の16/8時間の明/暗で27℃にて7日間インキュベートされた。推定されるトランスジェニック苗木は、上述のプロトコールを用いて、導入遺伝子のコピー数について分析され、土壌に移された。

トウモロコシ植物内のdgt−28およびaad−1導入遺伝子の存在の分子確認。dgt−28およびaad−1のポリヌクレオチド配列の存在は、加水分解プローブアッセイによって確認された。単離されたT0トウモロコシ植物は、最初に、aad−1とdgt−28導入遺伝子の存在を確認するために、TAQMAN(商標)に類似した加水分解プローブアッセイを介してスクリーニングされた。これらの研究から生じたデータは、導入遺伝子のコピー数を決定するために使用され、T1世代へ戻し交配および進行のためのトランスジェニックトウモロコシ事象を選択するために使用された。

組織試料を96ウェルプレートに回収し、組織浸軟は、Qiagen(商標)RLT緩衝液中でKLECO(商標)組織粉砕機およびステンレス製ビーズ(Hoover Precision Products、Cumming、GA)を用いて行った。組織浸軟後、製造業者が示唆するプロトコールに従って、ゲノムDNAは、Biosprint 96(商標)Plantキット(Qiagen、Germantown、MD)を用いて、ハイスループット形式で単離された。ゲノムDNAは、Quant−IT(商標)Pico Green DNAアッセイキット(Molecular Probes、Invitrogen、Carlsbad、CA)によって定量した。定量されたゲノムDNAは、BIOROBOT3000(商標)自動化液体ハンドラー(Qiagen、Germantown、MD)を用いて、加水分解プローブアッセイのために約2ng/μLに調整された。TAQMAN(登録商標)アッセイに類似した加水分解プローブアッセイによる導入遺伝子のコピー数の決定は、LIGHTCYCLER(登録商標)480システム(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)を用いたリアルタイムPCRによって行われた。アッセイは、LIGHTCYCLER(登録商標)Probe Design Software 2.0を用いて、aad−1、dgt−28および内部参照遺伝子インベルターゼ(Genbank受託番号:U16123.1)について設計された。増幅のために、LIGHTCYCLER(登録商標)480プローブマスターミックス(Roche Applied Science、Indianapolis、IN)は、aad−1とdgt−28についての0.4μMの各プライマーおよび0.2μMの各プローブを含有する10μL体積の多重反応において1×最終濃度にて調製された(表18)。

二段階の増幅反応は、60℃にて40秒間の伸長を用いて行われ、蛍光を得た。すべての試料を行い、平均サイクル閾値(Ct)をそれぞれの試料の分析に使用した。リアルタイムPCRデータの分析は、相対的な定量モジュールを用いたLightCycler(登録商標)ソフトウェアリリース1.5を使用して行われ、ΔΔCt法に基づいている。対照は、それぞれの実行に含まれた単一コピー較正因子と既知の2つのコピーチェックからのゲノムDNAの試料を含んだ。表19は、加水分解プローブアッセイの結果を列挙する。

dgt−28形質転換されたトウモロコシにおける除草剤耐性。トウモロコシ(Zea mays)dgt−28形質転換事象(T0)は、温室で順化させ、植物が、組織培養から温室生育条件(すなわち、2〜4の新しく、通常に見える葉が渦巻きから出現していた)に移行するまで成長させた。植物を温室で、27℃にて16時間の光:8時間の暗所の条件で生育した。次に、植物を2%w/vの硫酸アンモニウムの添加とともに、DURANGO DMA(商標)(除草剤グリホサートを含む)の市販製剤で処理した。除草剤適用は、187L/haの噴霧量、50cmの噴霧高でトラック噴霧器を用いて行われた。T0植物は、非形質転換トウモロコシ株に重大な損傷を与えることができる280〜4480g ae/haのグリホサートの範囲のグリホサートで噴霧された。致死量は、近交系B104に対して>95%損傷を引き起こす比率として定義される。

T0 dgt−28トウモロコシ植物の結果は、グリホサートに対する耐性が最大4480g ae/haまでの比率で達成されたことを実証した。特定の媒体タイプをT0世代に使用した。非形質転換対照と比較した、形質転換植物の最小発育阻害および全体の植物成長は、TraP5、TraP8、およびTraP23葉緑体輸送ペプチドに連結されたとき、dgt−28がグリホサートに対する強固な耐性を提供することを実証した。

選択されたT0植物は、次世代におけるさらなる特徴付けのために自家受粉され、または戻し交配される。T1植物を含む100個の選ばれたdgt−28株は、140〜1120g ae/haのグルホシネートまたは105〜1680g ae/haのグリホサートで噴霧される。選択マーカーとグリホサート抵抗性遺伝子の両方は、同じプラスミド上に構築される。したがって、1つの除草剤耐性遺伝子が除草剤で噴霧することによって選択される場合、両方の遺伝子が存在すると考えられる。14DATで、抵抗性および感受性植物は、カイ二乗分析によって決定された単一遺伝子座の優性メンデル形質(3R:1S)として分離された株の割合を決定するためにカウントされる。これらのデータは、dgt−28が、単子葉植物種において強固なグリホサート抵抗性遺伝子として遺伝され得ることを実証する。グリホサート比率の増加は、dgt−28遺伝子によって提供される耐性および保護をさらに特徴付けるために、T1またはF1生存者に適用される。

dgt−28で形質転換されたT0トウモロコシにおける発芽後の除草剤耐性。TraP4、TraP5、TraP8およびTraP23と連結されたdgt−28のT0事象は、アグロバクテリウム形質転換によって生成され、2〜4枚の新しく、通常に見える葉が渦巻きから出現するまで、制御された成長チャンバー条件下で順化させた。植物は、個々の識別番号が割り当てられ、dgt−28とaad−1の両方のコピー数分析のためにサンプリングされた。コピー数分析に基づいて、タンパク質発現分析のための植物を選択した。植物を新しい成長培地とともに大きなポットに移植し、温室で27℃にて16時間の光:8時間暗所の条件で生育した。次に、タンパク質発現のためにサンプリングされなかった残りの植物を2%w/vの硫酸アンモニウムの添加とともにDURANGO DMA(商標)(グリホサート)の市販製剤で処理した。植物のそれぞれのグループがコピー数を変化させるT0事象を含むように処置を分配させた。除草剤適用は、187L/haの噴霧量、50cmの噴霧高でトラック噴霧器を用いて行われた。T0植物は、非形質転換トウモロコシ株に重大な損傷を与えることができる280〜4480g ae/haのグリホサートの範囲のグリホサートで噴霧された。致死量は、近交系B104に対して>95%損傷を引き起こす比率として定義される。B104は、形質転換体の遺伝的バックグラウンドであった。

T0 dgt−28トウモロコシ植物の結果は、グリホサートに対する耐性が最大4480g ae/haまで達成されたことを実証する。表20。非形質転換対照と比較した、形質転換植物の最小発育阻害および全体の植物成長は、TraP5、TraP8、およびTraP23に連結されたとき、dgt−28がグリホサートに対する強固な保護を与えることを実証した。

標準的なELISAによるタンパク質発現分析は、試験された構築物全体で12.6〜22.5ng/cm2のDGT−28タンパク質の平均範囲を実証した。

温室条件下でのF1世代におけるグリホサート耐性の確認。噴霧されなかった1コピーのT0植物は、次世代においてさらなる特徴付けのために、非形質転換のバックグラウンドB104に戻し交配された。T1世代において、グリホサート耐性は、dgt−28遺伝子の遺伝を確認するために評価された。T1植物について、除草剤ASSURE II(商標)(35g ae/haのキザロホップ−メチル)は、AAD−1タンパク質を選択するためのV1成長段階で適用された。選択マーカーとグリホサート抵抗性遺伝子の両方は、同じプラスミド上に構築される。したがって、1つの遺伝子が選択される場合、両方の遺伝子が存在すると考えられる。7DAT後、抵抗性および感受性植物をカウントし、ヌル植物を集団から除去した。これらのデータは、dgt−28(v1)は、単子葉植物種において強固なグリホサート抵抗性遺伝子として遺伝することができることを実証する。標準的なELISAおよびRNA転写レベルによるDGT−28タンパク質の特徴付けのために植物をサンプリングした。抵抗性植物は、前述のように、560〜4480g ae/haのグリホサートで噴霧された。データは、4480g ae/haのグリホサートまで、葉緑体輸送ペプチドTraP4、TraP5、TraP8およびTraP23と連結されたdgt−28の強固な耐性を実証する。

タンパク質発現データは、T1世代のタンパク質発現を確立する、T1事象および試験された構築物全体で、42.2〜88.2ng/cm2のある範囲の平均DGT−28タンパク質を実証する。

野外条件下のdgt−28トウモロコシの特徴付け。1コピーのT1事象は、さらなる特徴付けのために、ハイブリッドヘミ接合種子と近交系ホモ接合種子の両方を作製するために野外場所に搬送された。ハイブリッド種子は、トウモロコシ形質転換株B104におけるT1事象を、事象について1:1(ヘミ接合:ヌル)を分離するハイブリッド集団を生成する近交株4XP811に交配させることによって作製された。得られた種子は、2つの別々の場所に搬送された。構築物あたり5つの1コピー事象の合計は、3重の無作為化された完全ブロック設計のそれぞれの場所で植え付けられた。野外は、V4成長段階で生じさせるためのグリホサート適用、およびV8成長段階で適用される植物の別のグループについて設計された。4XP811/B104の従来のハイブリッドを陰性対照として使用した。

実験行は、ヌル分離体を排除するために、184g ae/haのASSURE II(商標)(106g ai/Lのキザロホップ−メチル)で処理された。すべての実験エントリーは、ASSURE II(商標)適用に関して1:1(感受性:抵抗性)(p=0.05)を分離した。選択された抵抗性植物は、標準的なELISAによってDGT−28タンパク質の定量化のためにそれぞれの事象からサンプリングされた。

キザロホップメチル抵抗性植物は、V4またはV8成長段階のいずれかで2.5%w/v硫酸アンモニウムの添加とともに、市販の除草剤DURANGO DMA(商標)(480g ae/Lのグリホサート)で処理された。除草剤適用は、187L/haの体積、50cmの噴霧高を送達するように較正されたブーム噴霧器を用いて行われた。植物は、非形質転換トウモロコシ株に対して重大な損傷を与えることができる1120〜4480g ae/haのグリホサートのある範囲のグリホサートで噴霧された。致死量は、4XP811近交系に対して>95%損傷を引き起こす比率として定義される。視覚的損傷評価は、7、14および21DAT(処置後の日数)での視覚的な白化の割合、壊死の割合、成長阻害の割合および全視覚的損傷について行われた。評価は、それぞれの株および陰性対照について、未処理チェックと比較された。

すべての評価時期の視覚的損傷データは、場所と適用時期の両方で、最大4480g ae/haまでのDURANGO DMA(商標)に対する強固な耐性を実証した。V4適用に関する代表的な事象は1つの場所から示され、他の事象、適用時期および場所と一致している。表22。TraP23(pDAB107665)と連結されたdgt−28を含む構築物からの1つの事象は、AAD−1タンパク質についてASSURE II(商標)選択に対して耐性であったが、適用されたすべての比率のグリホサートに感受性であった。

追加の評価は、4480g ae/haのグリホサート比率について、再生成長段階中に行われた。房、受粉時期および穂の膨らみの視覚的評価は、すべての構築物、適用時期および場所について、それぞれの株の未処理チェックと同様であった。DGT−28タンパク質の定量結果は、186.4〜303.0ng/cm2のある範囲の平均タンパク質発現を実証した。データは、最大4480g ae/haのグリホサートまで再生成長段階を通じて、野外条件下でdgt−28形質転換されたトウモロコシの強固な耐性を実証する。また、データは、噴霧耐性結果に基づいて、DGT−28タンパク質の検出および機能を実証した。

ホモ接合状態におけるdgt−28トウモロコシの遺伝可能性および耐性の確認。T1S2から種子は、前述のように、温室条件下で植え付けられた。野外条件下で特徴付けた同じ5つの1コピー株は均一な状態で特徴付けた。植物は、V3成長段階まで成長させ、1120〜4480g ae/haのグリホサート(DURANGO DMA(商標))の範囲の3つの比率のグリホサートおよび処理あたり4つの複製に分離された。適用は、前述のようにトラック噴霧器で行われ、2.0%w/vの硫酸アンモニウムにおいて製剤化された。硫酸アンモニウムの適用は、それぞれの株に対して未処理のチェックとして用いた。前述のように、視覚的評価は処置から7日後および14日後に行われた。データは、試験されたすべての事象について、最大4480g ae/haのグリホサートまで強固な耐性を実証した。表23。

野外条件下で耐性でないpDAB107665からの株はグリホサートに対して耐性を示さず、したがって、野外観察と一致する(データ示さず)。前述の1つの株を除いて、株からグリホサートで処理したすべての複製物は、グリホサートに対して感受性でなかった。したがって、データは、メンデル様式でdgt−28トウモロコシの均質な集団に対する遺伝可能性を実証する。標準的なELISAによるDGT−28タンパク質の発現は、グリホサートに耐性であった1コピー事象全体で27.5〜65.8ng/cm2のある範囲の平均タンパク質発現を実証した。データは、機能的タンパク質、および世代全体でDGT−28タンパク質の安定性を実証する。

選択マーカーとしてのグリホサートの発芽後の除草剤耐性使用。前述したように、T0形質転換植物を組織培養から移動させ、温室内で順化させた。試験された事象は、Trap5、TraP8、およびTraP23葉緑体輸送ペプチドに連結されたdgt−28を含有した。これらのT0植物は最大4480g ae/haまでのグリホサートに強固な耐性を提供し、非形質転換植物は、280g ae/ha程度に低い濃度のグリホサートで制御されたことが実証された。これらのデータは、dgt−28が、280〜4480g ae/haの範囲のグリホサートの濃度を用いる選択マーカーとして利用され得ることを実証する。

dgt−28導入遺伝子を含むトウモロコシの固定された株からの多数の種子が、多数の非形質転換トウモロコシ種子に混ぜられた。種子を植え付け、V1〜V3発育段階まで生育させ、その時点で、苗木は、280〜4480g ae/haの範囲でグリホサートの選択用量を用いて噴霧される。7〜10日後に、感受性および抵抗性植物をカウントし、グリホサート耐性植物の量は、植え付けられるdgt−28導入遺伝子を含むトランスジェニック種子の元の数と相関する。

dgt−28トウモロコシのスタッキング。AAD−1タンパク質は、研究目的のためにdgt−28形質転換されたトウモロコシにおいて選択マーカーとして使用される。また、aad−1遺伝子は、作物における最大V8適用までに強固な2,4−D耐性を提供するために、トウモロコシにおける除草剤耐性の形質として利用することができる。構築物pDAB107663(TraP4::dgt−28)、pDAB107664(TraP8::dgt−28)およびpDAB107666(TraP5::dgt−28) からの4つの事象は、グリホサートおよび2,4−Dのタンク混合適用の耐性について特徴付けられた。特徴付け研究は、温室条件下でF1種子を用いて完了された。適用は、前述されるように、以下の比率:1120〜2240g ae/haのグリホサート(dgt−28遺伝子について選択的である)、1120〜2240g ae/haの2,4−D(aad−1遺伝子について選択的である)、または記載される比率での2つの除草剤のタンク混合物でトラック噴霧器において行われた。植物は7および14DATで等級付けされた。2240g ae/haの除草剤の適用についての噴霧結果を表24に示す。

結果は、dgt−28がaad−1と首尾よく積層できることを確認し、したがって、対象とする作物に適用され得るスペクトル除草剤(dgt−28およびaad−1についてそれぞれグリホサート+フェノキシ酢酸)を増やす。防除が難しい広葉雑草または抵抗性雑草生物型が存在する作物生産において、積層は雑草防除および対象とする作物の保護の手段として使用され得る。追加のインプットまたはアウトプット特性はまた、トウモロコシおよび他の植物におけるdgt−28遺伝子を用いて積層することができる。

ダイズ形質転換。安定に組み込まれたdgt−28導入遺伝子を含むトランスジェニックダイズ(Glycine max)は、アグロバクテリウムを媒介したダイズ子葉節外植片の形質転換を介して生成される。機能的dgt−28を含有するバイナリーベクターを担持する安全化されたアグロバクテリウム株は、形質転換を開始するために使用される。

アグロバクテリウムを媒介した形質転換は、Zengら(Zeng P., Vadnais D.A., Zhang Z., Polacco J.C., (2004), Plant Cell Rep., 22(7): 478-482)の修正された半子葉節手法を用いて行われる。簡単に説明すると、ダイズ種子(品種マーベリック)が基本培地で発芽され、子葉節が単離され、アグロバクテリウムで感染させた。シュート開始、シュート伸長、および発根培地には、アグロバクテリウムを除去するためのセフォタキシム、チメンチンおよびバンコマイシンが補足される。除草剤を介した選択は、非形質転換シュートの生育を阻害するために使用される。選択されたシュートは、根の発育のために発根培地に移され、次に、苗木の順化のための土壌ミックスに移される。

選択された苗木の末端の小葉は、推定の形質転換体をスクリーニングするために、除草剤(葉塗装技術)で局所的に処理される。スクリーニングされた苗木は、温室に移され、順化させ、次に、除草剤で葉を塗装し、耐性を再確認する。これらの推定の形質転換されたT0植物をサンプリングし、分子分析を用いて、除草剤選択マーカーおよびdgt−28導入遺伝子の存在を確認する。T0植物を温室で自家受粉させ、T1種子を作製する。

第2のダイズ形質転換法を用いて、追加のトランスジェニックダイズ植物を作製することができる。機能的dgt−28を含むバイナリーベクターを担持する安全化されたアグロバクテリウム株を使用して、形質転換を開始する。

アグロバクテリウムを媒介した形質転換は、Paz et al.(Paz M., Martinez J., Kalvig A., Fonger T., and Wang K., (2005) Plant Cell Rep., 25: 206-213)の修正された半種子手法を用いて実施される。簡単に説明すると、成熟ダイズ種子は、塩素ガスで一晩滅菌され、アグロバクテリウムを媒介した植物形質転換の20時間前に滅菌H2Oを吸収させる。種子は、種子を分離し、種皮を除去するために、へそに沿って長手方向の切り込みによって半分に切断される。胚軸は切除され、いずれもの軸方向のシュート/芽は子葉節から除去される。得られた半種子の外植片をアグロバクテリウムで感染させる。シュート開始、シュート伸長、および発根培地には、アグロバクテリウムを除去するためのセフォタキシム、チメンチンおよびバンコマイシンが補足される。除草剤選択は、非形質転換シュートの生育を阻害するために使用される。選択されたシュートは、根の発育のために発根培地に移され、次に、苗木の順化のための土壌ミックスに移される。

選択された苗木の末端の小葉は、推定の形質転換体をスクリーニングするために、除草剤(葉塗装技術)で局所的に処理される。スクリーニングされた苗木は、温室に移され、順化させ、次に、除草剤で葉を塗装し、耐性を再確認する。これらの推定の形質転換されたT0植物をサンプリングし、分子分析を用いて、選択マーカーおよびdgt−28導入遺伝子の存在を確認する。いくつかの事象は、導入遺伝子を含むものとして同定される。これらのT0植物は、さらなる分析に進められ、温室で自家受粉され、T1種子を生じさせる。

T1世代へのdgt−28の遺伝可能性の確認。T1世代へのDGT−28タンパク質の遺伝可能性は、2つの方法のうちの1つにおいて評価された。第1の方法は、メトロミックス培地にT1種子を植え付け、第1の三つ葉成長段階で発芽した植物に411g ae/haのIGNITE(商標)280SLを適用することを含んだ。第2の方法は、ボールベアリングとジェノグラインダーを用いて、全8回の反復について種子を均質化することからなっていた。次に、PATタンパク質を検出するためのELISAストリップ試験は、選択マーカーがdgt−28と同じプラスミド上にあるため、遺伝可能な事象を検出するために使用された。単一の植物がグルホシネートに耐性であった場合、またはPAT ELISAストリップ試験で検出された場合のいずれの方法について、事象は、T1世代への遺伝可能性を実証した。

全5つの構築物は、前述のように、遺伝可能性についてスクリーニングされた。プラスミドは、TraP4、TraP8およびTraP23と連結されたdgt−28を含んだ。構築物全体の事象は、T1世代へのPAT::DGT−28タンパク質の遺伝可能性が68%であることを実証した。

dgt−28形質転換T1ダイズにおける発芽後の除草剤耐性。前述のスクリーニング法によって、遺伝可能性であることが決定されたT1事象由来の種子は、温室条件下でメトロミックス培地に植え付けられた。第1の三つ葉が完全に展開されるまで植物を生育させ、前述のように、pat遺伝子の選択のために411g ae/haのIGNITE(商標)280SLで処理した。それぞれの事象由来の抵抗性植物は、固有の識別子が与えられ、dgt−28遺伝子の接合性分析のためにサンプリングされた。接合性データは、十分な植物が存在する場合に処理あたり全4つの複製物について可能にする、適用されたそれぞれの比率のグリホサートに、2つのヘミ接合複製物と2つのホモ接合複製物を割り当てるために使用された。これらの植物は、野生型のプチハバナタバコと比較された。すべての植物は、187L/haで設定されたトラック噴霧器で噴霧された。植物は、560〜4480g ae/haの範囲のDURANGO(商標)ジメチルアミン塩(DMA)から噴霧された。すべての適用は、2%w/vの硫酸アンモニウム(AMS)の添加とともに水中で製剤化された。植物は、処理の7日および14日後に評価された。植物は、全体的な視覚的な発育阻害、白化、および壊死に関して損傷評価が割り当てられた。T1世代は分離されているので、いくつかの変数応答は接合性の違いにより期待される。

T2世代における高いグリホサート率に対するdgt−28保護。45個の植物の後代検定は、構築物あたりdgt−28の2〜5個のT2株に対して行われた。ホモ接合体株は、前の世代に完成した接合性分析に基づいて選択された。前述のように種子を植え付けた。次に、植物は、前述のようなpat選択マーカーの選択のために、411g ae/haのIGNITE 280SLで噴霧された。3DAT後、抵抗性および感受性植物をカウントした。

dgt−28と連結されたTraP4を含む構築物(pDAB107543およびpDAB107548)について、試験された12個の株のうち9個は分離せず、それによって、T2世代において均一な株を確認した。dgt−28と連結されたTraP8を含む株(pDAB107545)は、4つの株のうち2つは分離がないことを実証し、ダイズにおけるdgt−28の少なくとも2つの世代を介したメンデル遺伝を実証した。組織試料は、抵抗性植物から採取され、DGT−28タンパク質は、標準的なELISA法によって定量された。データは、試験された非分離のT2株について、32.8〜107.5ng/cm2のある範囲の平均DGT−28タンパク質を実証した。構築物pDAB107553(TraP23::dgt−28)由来の株は、グルホシネートで以前に選択されなかった。グリホサートの用量反応は、均質性と高い比率のグリホサートに対する耐性を試験するために利用された。構築物pDAB107553由来の株からの複製物は、560〜4480g ae/haのグリホサートの範囲の比率に耐性であり、したがって、少なくとも2つの世代で均質な集団であり、遺伝可能性であることが確認された。

560〜4480g ae/haのグリホサートの範囲のDURANGO DMAの比率は、前述のように2〜3個の三つ葉のダイズに適用された。14DATの視覚的損傷データは、T1世代において実証された耐性結果を確認した。

dgt−28を用いたイネの形質転換。典型的な形質転換法において、安定に組み込まれたdgt−28導入遺伝子を含むトランスジェニックイネ(コメ(Oryza sativa))は、滅菌したイネ種子のアグロバクテリウムを媒介した形質転換を介して生成される。機能的dgt−28を含むバイナリーベクターを担持する安全化されたアグロバクテリウム株は、形質転換を開始するために使用される。

培養培地は、1MのKOHでpH5.8に調整され、2.5g/lのPhytagel(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)で固化される。胚発生カルスは、30mlの半固形培地を含む100×20mmのペトリ皿中で培養される。イネ苗木は、MAGENTAボックス中の50mlの培地上で生育される。細胞懸濁液は、35mLの液体培地を含む125mlのコニカルフラスコ中で維持され、125rpmで回転させる。胚発生培養の誘導および維持は、25〜26℃にて暗所で発生させ、植物再生および全植物体培養は、16時間の光周期(Zhangら、1996)を用いて照明の部屋で発生させる。

胚発生カルスの誘導および維持は、前述されるような改変されたNB基礎培地(Liら、1993)上で行われ、ここで、培地は、500mg/Lのグルタミンを含むように適合される。懸濁培養物は、マルトースの代わりに30g/Lのスクロースを含む、SZ液体培地(Zhangら、1998)中で開始され、維持される。浸透培地(NBO)は、それぞれ0.256Mのマンニトールとソルビトールの添加を伴うNB培地からなる。除草剤抵抗性カルスは、3〜4週間、適切な除草剤選択剤が補足されたNB培地上で選択される。プレ再生は、1週間、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)、1mg/lのα−ナフタレン酢酸(NAA)、5mg/lのアブシジン酸(ABA)と選択的除草剤を含むNB培地からなる培地(PRH50)上で行われる。苗木の再生は、推定上、トランスジェニックシュートが再生されるまで、2,4−D、0.5mg/lのNAAおよび選択的除草剤を含有するNB培地を含む再生培地(RNH50)上での培養に続く。シュートは、1%スクロースと選択的除草剤が補足された、半強度のMurashigeおよびSkoog基本塩とGamborgのB5ビタミンを含む発根培地に移される。

コメ(Oryza sativa)L.ジャポニカ品種Taipei309の成熟乾燥種子は、Zhangら、1996に記載されるように滅菌される。胚発生組織は、暗所においてNB培地上で滅菌成熟イネ種子を培養することによって誘導される。約1mm径の一次カルスは、胚盤から取り出され、SZ液体培地中で細胞懸濁を開始するために使用される。次に、懸濁液は、Zhang、1996に記載されるように維持される。懸濁誘導された胚発生組織は、先の継代培養から3〜5日後、液体培地から取り出され、NBO浸透培地上に配置され、ペトリ皿全体において約2.5cmの円を形成し、照射前4時間、培養される。照射の16〜20時間後、組織をNBO培地からNBH50選択培地に移し、照射表面が上を向いていることを確認し、暗所にて14〜17日間インキュベートされる。次に、新たに形成されたカルスは、元の照射された外植片から分離され、同じ培地上で、近くに配置される。さらに8〜12日後、比較的にコンパクトであり、不透明なカルスは、視覚的に識別され、暗所での7日間、PRH50プレ再生培地に移される。次に、よりコンパクトで不透明になる成長中のカルスは、16時間の光周期の下で14〜21日間、RNH50再生培地上で継代培養される。再生中のシュートは、1/2のMSH50培地を含むMAGENTAボックスに移される。単一の外植片から再生された複数の植物は、同胞種であると考えられ、1つの独立した植物株として処理される。植物は、厚く、白い根を生成し、1/2のMSH50培地上で積極的に成長している場合、dgt−28遺伝子について陽性として採点される。苗木がMAGENTAボックスの最上部に達すると、100%湿度で1週間、6cmポット中の土壌に移され、次に、30℃にて14時間の光周期の成長チャンバーに移動させ、温室において13cmポットに移植される前に、21℃にて2〜3週間、暗所に配置される。種子を回収し、4℃で保存する前に1週間、37℃で乾燥させる。

dgt−28イネのT0分析。アグロバクテリウム形質転換を介して生成された植え付けられたイネ形質転換体を培地に移植し、温室条件に順化させた。すべての植物は、dgt−28のPCR検出のためにサンプリングされ、結果は、pDAB110827(TraP8::dgt−28)について22個のPCR陽性事象と、pDAB110828(TraP23::dgt−28)について16個のPCR陽性事象の最小を実証する。PCR陽性事象のdgt−28についてのサザン分析は、両方の構築物について単一(1〜2コピー)事象を実証した。選択されたT0事象のタンパク質発現は、DGT−28タンパク質の発現が、検出レベル未満から130ng/cm2の範囲であることを実証した。構築物pDAB110828からの選択されたT0事象は、前述されるように2240g ae/haのDURANGO DMA(商標)で処理され、処置の7および14日後に評価された。データは、適用されたグリホサートの比率に強固な耐性を実証した。すべてのPCR陽性植物は、さらなる特徴付けのためにT1種子を生成させた。

イネにおけるdgt−28遺伝可能性。100個の植物後代検定は、葉緑体輸送ペプチドTraP8を含む構築物pDAB110827からのdgt−28の4つのT1株において行われた。種子は、培地で満たされたポットに植えられた。次に、すべての植物は、前述されるように、dgt−28遺伝子の選択について、560g ae/haのDURANGO DMA(商標)で噴霧された。7DAT後、抵抗性および感受性の植物をカウントした。それぞれの構築物について試験された4つの株のうちの2つは、カイ二乗分析によって決定されるように、単一の遺伝子座の優性メンデル形質(3R:1S)として分離された。dgt−28は、複数種における遺伝可能なグリホサート抵抗性遺伝子である。

dgt−28形質転換されたT1イネにおける発芽後の除草剤耐性。後代検定において使用されるそれぞれの事象からのT1抵抗性植物は、固有の識別子が与えられ、dgt−28遺伝子の接合性分析のためにサンプリングされた。接合性データは、処理あたり全4つの複製物について可能にする、適用されたそれぞれの比率のグリホサートに、2つのヘミ接合複製物と2つのホモ接合複製物を割り当てるために使用された。これらの植物は、野生型のキタアケイネと比較された。すべての植物は、187L/haで設定されたトラック噴霧器で噴霧された。植物は、560〜2240g ae/haの範囲のDURANGO DMA(商標)から噴霧された。すべての適用は、2%w/vの硫酸アンモニウム(AMS)の添加とともに水中で製剤化された。植物は、処理の7日および14日後に評価された。植物は、全体的な視覚的な発育阻害、白化、および壊死に関して損傷評価が割り当てられた。T1世代は分離されているので、いくつかの変数応答は接合性の違いにより期待される。

噴霧結果は、7DAT(処置後の日数)で、高い比率のグリホサートに対する最小植物損傷が検出されたことを実証する(データ示さず)。

DGT−28のタンパク質検出は、pDAB110827から試験された4つすべてのT1株からの複製物について評価された。データは、DGT−28平均タンパク質が、ヘミ接合複製物とホモ接合複製物について、それぞれ20〜82ng/cm2と21〜209ng/cm2の範囲であることを実証した。これらの結果は、T1世代に対する安定なタンパク質発現と、選択のために使用された560g ae/haのグリホサート適用後の最大2240g ae/haのグリホサートまでのdgt−28イネの耐性を実証した。

dgt−28を用いたタバコの形質転換。タバコ(cv. Petit Havana)の葉片は、dgt−28導入遺伝子を含むアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)を用いて形質転換される。dgt−28導入遺伝子を含むプラスミドを含有する単一コロニーは、スペクチノマイシン(50μg/mL)とストレプトマイシン(125μg/mL)を含有する4mLのYEP培地に植菌され、190rpmの振とう機上で一晩28℃にてインキュベートされる。その後、4mLの種子培養物を用いて、125mLのバッフルされた三フラスコ中で同じ培地の25mLの培養物を植菌する。この培養物は、OD600が約1.2に達するまで190rpmで振とうしながら28℃にてインキュベートされる。次に、10mLのアグロバクテリウム懸濁液は、滅菌した60×20mmのペトリ(商標)皿に配置される。

PhytaTrays(商標)(Sigma、St.Louis、MO)における30g/Lのスクロースを含むMS培地(Phytotechnology Labs、Shawnee Mission、KS)上で無菌で成長させた植物の新鮮なカットされた葉片(0.5cm2)は、アグロバクテリウムの10mLの一晩培養物に数分間浸漬させ、滅菌ろ紙上にブロット乾燥させ、次に、1mg/Lインドール酢酸および1mg/Lの6−ベンジルアミノプリンの添加を伴う同じ培地上に配置された。3日後、dgt−28導入遺伝子を保有するアグロバクテリウムと共培養された葉片は、5mg/LのBasta(商標)および250mg/Lのセフォタキシムを含む同じ培地に移される。

3週間後、個々のT0苗木は、土壌に移植され、温室に移される前にさらに3週間、10mg/LのBasta(商標)および250mg/Lのセフォタキシムを含むMS培地に移される。選択されたT0植物(上述の分子分析プロトコールを用いて同定される)は、自家受粉され、完全に乾燥したとき、種子をカプセルから回収する。T1実生は、接合性およびレポーター遺伝子発現(後述)についてスクリーニングされ、dgt−28導入遺伝子を含む選択された植物を同定する。

植物は、根から寒天を洗浄し、13.75cmの正方形ポット中の土壌に移植し、ポットをZiploc(登録商標)バッグ(SC Johonson & Son,In.)に置き、バッグの底に水道水を入れ、間接光中の30℃の温室に1週間置くことによって温室に移動された。3〜7日後、バッグを開封した;植物を受精し、植物が温室で順化されるまで開封したバッグで成長させた。その時点でバッグを除去した。植物は、通常の暖かい温室条件(日中27℃、夜間24℃、日中16時間、最小の自然光+補足光=1200μΕ/m2s1)下で成長させた。

繁殖前に、T0植物をDNA分析のためにサンプリングし、リアルタイムPCRによってインサートdgt−28のコピー数を決定した。新鮮な組織をチューブに入れ、4℃にて2日間凍結乾燥した。組織が完全に乾燥した後、タングステンビーズ(Valenite)をチューブ中に配置し、試料をKelcoビーズミルを用いた1分間の乾式粉砕に供した。次に、標準のDNeasy(商標)DNA単離手法を続けた(Qiagen、DNeasy 69019)。抽出したDNAのアリコートをピコグリーン(Molecular Probes P7589)で染色し、既知の標準とともに蛍光光度計(BioTek(商標))において読み出し、濃度(ng/μl)を得た。総DNAの全100ngを鋳型として使用した。PCR反応は、9700Geneamp(商標)サーモサイクラー(Applied Biosystems)において実施され、試料を94℃で3分間と、94℃で30秒間、64℃にて30秒間および72℃で1分45秒の35サイクル、ならびに72℃で10分間に供した。PCR産物をEtBrで染色した1%アガロースゲル上の電気泳動によって分析し、サザンブロットによって確認した。

異なる葉緑体輸送ペプチド配列を含む3つの構築物(TraP4、TraP8とTraP23)からのdgt−28遺伝子の1〜3コピーを有する5〜9個のPCR陽性事象を再生し、温室に移した。

すべてのPCR陽性植物は、標準的なELISAによってDGT−28タンパク質の定量のためにサンプリングされた。DGT−28タンパク質は、すべてのPCR陽性植物において検出され、タンパク質濃度が増加する傾向は、dgt−28のコピー数の増加とともに注目された。

タバコにおけるaad−12(v1)遺伝可能性。100個の植物の後代検定は、構築物あたりdgt−28の5つのT1株について行われた。構築物は、以下の葉緑体輸送ペプチド配列:TraP4、TraP8またはTraP23の1つを含んだ。種子は、大部分、上記で例示されたアラビドプシス属手法のように、層状にし、播種され、植え付けられたが、ヌル植物は、植え付け前に初期の選択によって除かれなかったことを除く。次に、すべての植物は、前述されるように、pat選択マーカーの選択のために、280g ae/haのIGNITE 280SLで噴霧された。3DAT後、抵抗性および感受性植物をカウントした。

それぞれの構築物について試験された5つの株のうちの4つは、カイ二乗分析によって決定されるように、単一の遺伝子座の優性メンデル形質(3R:1S)として分離された。dgt−28は、複数種における遺伝可能なグリホサート抵抗性遺伝子である。

dgt−28形質転換されたT1タバコにおける発芽後の除草剤耐性。後代検定において使用されるそれぞれの事象からのT1抵抗性植物は、固有の識別子が与えられ、dgt−28遺伝子の接合性分析のためにサンプリングされた。接合性データは、処理あたり全4つの複製物について可能にする、適用されたそれぞれの比率のグリホサートに、2つのヘミ接合複製物と2つのホモ接合複製物を割り当てるために使用された。これらの植物は、野生型のプチハバナ(Petite havana)タバコと比較された。すべての植物は、187L/haで設定されたトラック噴霧器で噴霧された。植物は、560〜4480g ae/haの範囲のDURANGO DMA(商標)から噴霧された。すべての適用は、2%w/vの硫酸アンモニウム(AMS)の添加とともに水中で製剤化された。植物は、処理の7日および14日後に評価された。植物は、全体的な視覚的な発育阻害、白化、および壊死に関して損傷評価が割り当てられた。T1世代は分離されているので、いくつかの変数応答は接合性の違いにより期待される。

噴霧結果は、7DAT(処置後の日数)で、高い比率のグリホサートに対する最小植物損傷が検出されたことを実証する(データ示さず)。14DAT後、視覚的損傷データは、構築物TraP8とTraP23からの単一コピーの事象と比較して、TraP4を含む構築物の単一コピー事象を用いて損傷の増加を実証する。表28。

これらの結果は、最大4480g ae/haのグリホサートまでのdgt−28の耐性、ならびにdgt−28遺伝子に連結された葉緑体輸送ペプチド配列によって与えられる耐性における相違を実証した。

T2世代における高いグリホサート比率に対するdgt−28保護。25個の植物の後代検定は、構築物あたりdgt−28の2〜3個のT2株について行われた。ホモ接合体株は、前の世代において完成された接合性分析に基づいて選択された。前述のように、種子を層状にし、播種し、および移植した。次に、すべての植物は、前述のように、pat選択マーカーの選択のために、280g ae/haのIgnite 280SLで噴霧された。3DAT後、抵抗性と感受性の植物をカウントした。それぞれの構築物について試験されたすべての株は分離せず、それによって、T2世代において均一な株を確認し、タバコにおけるdgt−28の少なくとも2つの世代を介したメンデル遺伝を実証した。

420〜3360g ae/haのグリホサートの範囲のDURANGO DMA(商標)の比率は、前述したように、2〜3枚の葉タバコに適用された。視覚的損傷データ14DATは、T1世代において実証された耐性の結果を確認した。TraP4を含む構築物由来の2コピー株からの葉面結果が単一コピーのTraP8とTraP23株と同様の耐性を示した(データは示さず)。

データは、非形質転換対照と比較して、2つの世代を通じて最大3360g ae/haのグリホサートまでdgt−28タバコの強固な耐性を実証する。

それぞれの事象から選択された植物は、標準的なDGT−28 ELISAによって、DGT−28タンパク質の分析のために、グリホサート適用前にサンプリングされた。データは、72.8〜114.5ng/cm2の範囲の構築物全体で単一(1〜2コピー)株のDGT−28平均タンパク質発現を実証した。データは、形質転換されたタバコのT2世代において、dgt−28がタンパク質を発現していることを実証し、耐性データは、機能的なDGT−28タンパク質を確認する。

除草スペクトルを増加させるためのdgt−28のスタッキング。ホモ接合dgt−28(pDAB107543とpDAB107545)およびaad−12 v1(pDAB3278)植物(後者についてPCT/US2006/042133参照)はともに相互交雑され、F1種子を回収した。それぞれの遺伝子の2つの相互交雑からのF1種子は層状にされ、それぞれの交雑の処理された6個の代表は、1120g ae/haのグリホサート(dgt−28遺伝子について選択的である)、1120g ae/haの2,4−D(aad−12遺伝子について選択的である)、または記載される比率での2つの除草剤のタンク混合物で処理された。植物は、14DATで等級付けされた。噴霧結果を表30に示す。

結果は、dgt−28がaad−12(v1)と首尾よく積層され得ることを確認し、したがって、対象とする作物に適用され得るスペクトル除草剤(dgt−28およびaad−12についてそれぞれグリホサート+フェノキシ酢酸)を増やす。防除が難しい広葉雑草または抵抗性雑草生物型が存在する作物生産において、積層は雑草防除および対象とする作物の保護の手段として使用され得る。追加のインプットまたはアウトプット特性はまた、dgt−28遺伝子を用いて積層することができる。

コムギにおけるグリホサートに対する抵抗性。DGT−28をコードするバイナリーベクターの製造。DGT−28発現およびPAT選択カセットを含むバイナリーベクターを設計し、当該技術分野において一般的に知られている技法および技術を用いて組み立てた。それぞれのDGT−28発現カセットは、プロモーター、トウモロコシ(Zea mays)由来のユビキチン(Ubi)遺伝子からの5’非翻訳領域とイントロン(Toki et al., Plant Physiology 1992, 100 1503-07)、続く5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ遺伝子(DGT−28)の合成バージョンの5’端に融合された4つの輸送ペプチドのうちの1つ(TraP4、TraP8、TraP23またはTraP5)からなるコード配列を含み、植物における発現にコドン最適化されている。DGT−28発現カセットは、トウモロコシ(Z. mays)由来のリパーゼ遺伝子(Vp1)の転写ターミネーターとポリアデニル化部位を含む3’非翻訳領域(UTR)(Paek et al., Mol. Cells 1998 30;8(3) 336-42)を用いて終了させた。PAT選択カセットは、プロモーター、コメ(Oryza sativa)由来のアクチン(Act1)遺伝子からの5’非翻訳領域とイントロン(McElroy et al., The Plant Cell 1990 2( 2) 163-171)、続くストレプトマイセス・ビリドクロモゲネス(Streptomyces viridochromogenes)から単離されたホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)遺伝子の合成バージョンから構成され、植物における発現にコドン最適化されている。PAT遺伝子は、ホフィノトリシン、グルホシネート、およびビアラホスを含むグルタミン合成酵素の阻害剤に対する抵抗性を付与するタンパク質をコードする(Wohlleben et al., Gene 1988, 70(1), 25-37)。選択カセットは、転写ターミネーターとカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)の35s遺伝子(Chenault et al., Plant Physiology 1993 101 (4), 1395-1396)からのポリアデニル化部位を含む3’UTRで終了された。

選択カセットは、市販の遺伝子合成販売会社(GeneArt、Life Technologies)によって合成され、およびゲートウェイ対応のバイナリーベクターにクローニングされた。DGT−28発現カセットをpDONR221にサブクローニングした。得られたエントリークローンは、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)発現カセットをコードするゲートウェイ対応のバイナリーベクターを用いて、LRクロナーゼII(Invitrogen、Life Technologies)反応に使用された。すべての組み立てられたプラスミドのコロニーは、最初に、New England BioLabs(NEB;Ipswish、MA)とPromega(Promega Corporation、WI)から得られた制限エンドヌクレアーゼを用いて、精製されたDNAの制限消化によってスクリーニングされた。プラスミドDNA調製物は、供給業者の指示に従って、QIAprep Spin Miniprepキット(Qiagen、Hilden)またはPure Yield Plasmid Maxiprepシステム(Promega Corporation、WI)を用いて実施された。選択されたクローンのプラスミドDNAは、ABI Sanger SequencingとBig Dye Terminator v3.1サイクル配列決定プロトコール(Applied Biosystems、Life Technologies)を用いて配列決定された。配列データを集め、SEQUENCHER(商標)ソフトウェア(Gene Codes Corporation、Ann Arbor、MI)を用いて分析した。

得られた4つのバイナリー発現クローン:pDAS000122(TraP4−DGT28)、pDAS000123(TraP8−DGT28)、pDAS000124(TraP23−DGT28)およびpDAS000125(TraP5−DGT28)はそれぞれ、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株EHA105に形質転換された。

dgt−28発現構築物を用いたトランスジェニックコムギ事象の生成。4つのDGT−28発現構築物のうちの1つを発現するトランスジェニックコムギ植物は、Wuら、Transgenic Research 2008、17:425-436に類似したプロトコールに従って、ドナーコムギ株Bobwhite MPB26RHを使用して、アグロバクテリウムを媒介した形質転換によって生成された。推定されるT0トランスジェニック事象は、ホスフィノトリシン(PPT)耐性について選択され、表現型はPAT選択マーカーによって付与され、土壌に移された。T0植物を温室の閉じ込められた条件下で成長させ、T1種子を作製した。全体として、約45個の独立したT0事象が、それぞれのDGT−28発現構築物について生成された。

T0コムギdgt−28コムギ事象におけるグリホサート抵抗性。T0事象を温室で順化させ、2〜4枚の新しく、通常に見える葉が渦巻きから出現するまで成長させた(すなわち、植物は、組織培養から温室生育条件に移行された)。植物は、成熟するまで温室で12時間の補足照明下で、25℃にて成長させた。グリホサート耐性とTaqman分析の初期スクリーニングは、前述したように、同じ条件下で成長させたT1植物について完了された。データは、さらに特徴付けられる遺伝可能なT1事象の決定を可能にした。6つの低コピー(1〜2コピー)と2つのマルチコピーT1事象は、温室条件下で植え替えられ、3葉期まで成長させた。T1植物は、非形質転換のコムギ株に重大な損傷を与えることができる420〜3360g ae/haの範囲のグリホサートの市販製剤(Durango DMA(商標))で噴霧された。2%w/vの硫酸アンモニウムの添加は適用に含まれた。致死量は、Bob White MPB26RH非形質転換対照に対して>75%損傷を引き起こす比率として定義される。除草剤を適用した。

この実施例では、グリホサート適用は、T1世代におけるdgt−28遺伝子の分離を決定すること、ならびにグリホサートの増加レベルに対する耐性を実証することについて利用された。植物の応答は、処理から21日後(DAT)の視覚的損傷の規模に関して提示される。データは、25%未満の視覚損傷(4)、25%〜50%の視覚損傷(3)、50%〜75%の視覚損傷(2)、および75%を超える損傷(1)を提示する個体のヒストグラムとして示される。算術平均および標準偏差は、コムギ形質転換のために使用される各構築物について提示されている。個別の応答におけるスコア範囲もまた、それぞれの比率および形質転換に関して、最後の列に示される。野生型、非形質転換コムギ(栽培品種Bob White MPB26RH)は、グリホサート感受性対照として用いた。T1世代において、ヘミ接合およびホモ接合植物は、それぞれの事象についての試験に利用可能であり、したがって、試験されたグリホサートのそれぞれの比率について含まれた。ヘミ接合植物は、ホモ接合植物としての遺伝子の用量の半分を含み、したがって、グリホサートに対する応答の変動性は、T1世代で予想され得る。

T1のdgt−28コムギ植物の結果は、グリホサートに対する耐性が、葉緑体輸送ペプチドTraP4、TraP5、TraP8およびTraP23を用いて、最大3360g ae/haの比率で達成されることを実証した。表31。データは、低コピーのT1事象のものであるが、それぞれの構築物について、集団の代表的なものである。

21DATで、抵抗性および感受性植物をカウントし、カイ二乗分析によって決定されるように、単一の遺伝子座の優性メンデル形質(3R:1S)として分離された株の割合を決定する。表32。これらのデータは、dgt−28が単子葉植物種において強固なグリホサート抵抗性遺伝子として遺伝可能であることを実証する。

Cry2Aa: シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)におけるCry2Aaタンパク質発現に対するTraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドの有効性を評価した。Cry2Aaタンパク質に融合したTraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドを含有したトランスジェニックアラビドプシス属植物は、ダイズシャクトリムシ(SBL)とニセアメリカタバコガ(TBW)に対する昆虫耐性についてアッセイされた。

TraP12キメラ葉緑体輸送ペプチド配列は、植物発現pDAB107540構築物にクローニングされ、アラビドプシス属において試験された。TraP12 v3(配列番号13)キメラ葉緑体輸送ペプチド配列をコードするポリヌクレオチド配列を合成し、プラスミド構築物に組み込んだ。得られた構築物は、2つの植物転写単位(PTU)を含んだ。第1のPTUは、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10プロモーター(AtUbi10 プロモーター; Callis, et al., (1990) J. Biol. Chem., 265: 12486-12493)、TraP−cry2Aa融合遺伝子(TraP−Cry2Aa)、およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ORF23 3’非翻訳領域(AtuORF23 3’UTR;米国特許第5,428,147号)で構成された。第2のPTUは、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター(CsVMVプロモーター;Verdaguer et al., (1996) Plant Molecular Biology, 31 : 1 129-1 139)、dsm−2遺伝子(DSM2;米国特許出願公開第2011/0107455号)、およびアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)ORF1 3’非翻訳領域(AtuORF1 3’UTR;Huang et al., (1990) J. Bacteriol, 172: 1814-1822)で構成された。構築物pDAB107540は、TraP12 v3キメラ葉緑体輸送ペプチドを含む(図18)。cry2Aa遺伝子の上流に葉緑体輸送ペプチド配列を含まない対照プラスミドである107617を構築し、研究に含めた(図19)。構築物は、制限酵素消化および配列決定を介して確認された。最後に、構築物は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に形質転換され、グリセロールストックとして保存された。

pDAB107540構築物は、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)を媒介した植物形質転換によりシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)に形質転換された。簡単に説明すると、12〜15個のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)植物(コロンビア生態型、Col−0)は、250μmol/m2の光強度、25℃、18/6時間の明/暗を有する温室において、4インチ(10.2cm)ポットで成長させた。一次花の茎は、形質転換の1週間前にトリミングされた。アグロバクテリウム接種は、225rpmで72時間振とうしながら、100mlのLBブロス(100mg/Lのスペクチノマイシン、50mg/Lのカナマイシン)中で10μlの組換えアグロバクテリウムグリセロールストックを28℃でインキュベートすることにより調製された。アグロバクテリウム培養物の量を分光計で測定し、細胞が0.8のOD600に達したとき、遠心分離により細胞を回収した。次に、細胞は、5%スクロースおよび0.04%Silwet−L77および10μg/Lのベンズアミノプリン(BA)浸潤培地の3〜4体積中に再懸濁された。植物の地上部は、穏やかに撹拌しながら、5〜10分間、アグロバクテリウム溶液中に浸漬された。次に、植物は、結実するまで、定期的な水やりと肥料を与えて、正常な成長のために温室に移された。

約200mgのバルクT1種子は、選択トレイ(10.5インチ(26.1cm)×21インチ(53cm)×1インチ(2.5cm)発芽トレイ T.O.Plastics Inc.、Clearwater、MN)に均等に植え付けられた。実生は、播種の5日後と、再度播種の10日後、DeVilbiss圧縮空気噴霧チップを用いて、10ml/トレイ(703L/ha)の噴霧体積中グルホシネート除草剤(Liberty)の0.20%溶液(20μl/10mL dH2O)で噴霧された。グルホシネートの第2の適用後の4〜7日の間に、除草剤抵抗性植物を同定し、T2種子生産のために移植した。得られたT2種子を以下に記載される研究において使用した。

それぞれの事象についてT2種子の少量のアリコート(約100〜200個の種子)は、0.1%アガロース溶液の40ml中に懸濁され、4℃にて24時間、冷却して層状にされた。次に、層状にされた種子は、繁殖フラットにおいて、4つのフラットの表面に10mlピペットで播種された。フラットは、Sunshine#5土壌培地(Sun Gro;Bellevue、WA)で満たされ、微細なバーミキュライトで軽く覆われた。トレイは、播種前に、その後、必要に応じて、Hoaglandの肥料で飽和された。播種後、湿気ドームはトレイを覆うために使用され、その後、16時間の光周期の24℃に設定されたConviron(商標)成長チャンバーに入れられた。白熱灯および蛍光灯は、200PARの光レベルを提供した。5日後、種子が発芽し、ドームを除去した。形質転換体の第1の除草剤選択は、6日目であり、第2の除草剤選択は10日目であった。Liberty除草剤(暫定的にグルホシネート−アンモニウム)は、200g ai/haの比率でDeVilbiss噴霧器ハンドスプレーを用いて適用され、ヌルを除いた。期待したように、およそ25%がヌルであった。一列の野生型チェックも選択に含まれ、それらは、2つの除草剤適用後に100%致死率であった。14日で、植物は移植のための準備ができた。12個の植物は、バイオアッセイのためにそれぞれの事象から採取され、微細なバーミキュライトの軽い覆いを有したSunshine#5土壌で満たされた3インチ(7.6cm)ポットに移植された。フラットは、移植前、その後必要に応じて、Hoagland肥料で予備浸漬された。移植は、補足光が14時間である、25℃に設定されたエアーコンディショナーがない温室で繁殖させた。長角果の発育は、ハサミを用いてトリミングすることによって阻害され、したがって、試験のためにより多くの植物組織を作製した。植物は、16〜18日でDNAサンプリングのために準備され、約23日でバイオアッセイのために準備された。推定上のトランスジェニック植物は、分子確認アッセイを用いてスクリーニングされ、同定された事象は、タンパク質分析およびバイオアッセイの結果のために進められた。

形質転換された植物は、一般に、健常な表現型を示したが、いくつかの植物は、野生型と視覚的に比較した場合、サイズが小さかった。それぞれのアラビドプシス属構築物についての遺伝子コピー数の分析は、すべての構築物について同等の挿入結果を示し、約50%の植物は、対象とするcry2Aa遺伝子の≧3コピーを有し、約50%が該遺伝子の1〜2コピーを有した。

T1アラビドプシス属事象のCry2Aaタンパク質発現レベルは広い範囲であった。タンパク質検出は、Cry2Aaタンパク質発現を定量するために、ELISAアッセイを用いて完了した。一般に、タンパク質発現レベルは、それぞれの事象について、T鎖挿入物のコピー数と相関した。一般に、高いT鎖コピー数の事象(例えば、>3の挿入事象)は、アラビドプシス属形質転換事象の両セット(例えば、TraPを含まないCry2Aaを発現するpDAB107617事象とTraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドを有するCry2Aaを発現するpDAB107540事象)について、低いT鎖コピー数の事象よりも高い平均タンパク質発現レベルを生成した。

アラビドプシス属植物のT2世代は、T1アラビドプシス属植物の発現値と比較して減少したCry2Aaタンパク質値を示した。これらの結果は、タンパク質発現が事象のそれぞれのセット間で可変であることを示した。ホモ接合事象から得られた平均タンパク質発現レベルは、試験された植物事象のすべてについて、ヘミ接合事象から得られた平均タンパク質発現レベルよりも大きかった(例えば、TraP[pDAB107617]を含まない事象とTraP12[pDAB107540]を有する事象)。T鎖挿入物の2を超えるコピーを含んだアラビドプシス属事象は、単一コピーのみを含んだアラビドプシス属事象よりも高い発現レベルを有した。T1からT2世代へのタンパク質発現レベルの減少にもかかわらず、構築物内のTraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドの取り込みは、Cry2Aaタンパク質を発現するトランスジェニックアラビドプシス属事象をもたらした。

T1アラビドプシス属事象の両セットは、昆虫バイオアッセイ実験において試験された。一般に、Cry2Aaタンパク質のより多い量を発現する高コピー数の事象は、低コピー数の事象と比較して、より少ない量の葉の損傷をもたらした。タンパク質発現と、TraP(r2=0.49(SBL)、0.23(TBW))を含まないCry2Aaを発現するアラビドプシス属事象およびTraP12(r2=0.57(SBL)、0.30(TBW))を有するCry2Aaを発現するアラビドプシス属事象についてのSBLとTBWの両方に対する葉の保護間に相関があった。結果として、タンパク質発現の増加は、葉の損傷に対する有意な保護を引き起こした(Pr<0.05)。

アラビドプシス属植物は、TraP12と非TraPのアラビドプシス属事象の両方においてSBLから保護された。TraP12の有無によるCry2Aaの発現は、30%より低い葉の損傷をもたらし、最小タンパク質発現は、TraP12:Cry2Aa事象については約0.75ng/cm2であり、TraPを含まないCry2Aa事象については約1.5ng/cm2であった。TraP12の有無によるCry2Aaのアラビドプシス属事象発現の評価は、20%より低い葉の損傷をもたらし、最小タンパク質発現は、TraP12アラビドプシス属事象については約1.1ng/cm2であり、非TraPのアラビドプシス属事象については約2.0〜2.5ng/cm2であった。

アラビドプシス属植物は、TraP12と非TraPのアラビドプシス属事象の両方によって、TBWから保護された。アラビドプシス属事象から得られた植物材料を供給したとき、TBWはSBLよりCry2Aaタンパク質に対してより感受性であった。Cry2Aaタンパク質をそれぞれTraP12とTraPなしを組み合わせて発現させた場合、約0.75および1.5ng/cm2のCry2Aa程度の低いタンパク質濃度は、30%より低い葉の損傷をもたらした。20%の葉の損傷の切除時点で、TraP12のアラビドプシス属事象からの葉の保護は、Cry2Aaタンパク質の約1.1ng/cm2のレベルに起因し、一方、発現したCry2Aaタンパク質の2.0〜2.5ng/cm2は、TraPを持たないアラビドプシス属事象から必要とされた。

TraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドは、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)におけるCry2Aaタンパク質発現の有効性を低下させなかった。Cry2Aaタンパク質と融合させたTraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドを含有したトランスジェニックアラビドプシス属植物は、ダイズシャクトリムシ(SBL)とニセアメリカタバコガ(TBW)に対する昆虫耐性を提供した高レベルのCry2Aaタンパク質を発現した。

トウモロコシにおける農学的に重要な導入遺伝子を発現させるためのキメラ葉緑体輸送ペプチド(TraP)配列 Cry2Aa: バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来のCry2Aaタンパク質は、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)(CEW)およびヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)(ECB)に対して活性を実証した。cry2Aa遺伝子(配列番号14)の単一バージョンは、トウモロコシのための偏ったコドンであり、トウモロコシにおいて試験された。この実験では、Cry2Aaは、単独で、およびトウモロコシにおけるTraP12 v4キメラ葉緑体輸送ペプチドと組み合わせて評価され、昆虫耐性活性を決定し、TraP12 v4キメラ葉緑体輸送ペプチド配列がトウモロコシにおけるCry2Aaタンパク質の発現に及ぼす効果を評価した。

Trap12v4キメラ葉緑体輸送ペプチド配列(配列番号15)およびGCAコドンリンカーは、cry2Aa遺伝子の上流にクローニングされ、トウモロコシ植物における昆虫耐性試験のために構築物pDAB107686に組み込まれた(図12)。得られた構築物は2つの植物転写単位(PTU)を含有した。第1のPTUは、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター(ZmUbi1プロモーター;Christensen, A., Sharrock R., and Quail P., (1992) Maize polyubiquitin genes: structure, thermal perturbation of expression and transcript splicing, and promoter activity following transfer to protoplasts by electroporation, Plant Molecular Biology, 18:675-689)、TraP12−cry2Aa融合遺伝子(TraP12 Cry2Aa)、およびトウモロコシ(Zea mays)リパーゼ3’非翻訳領域(ZmLip 3’UTR;米国特許第7,179,902号)で構成された。第2のPTUは、サトウキビ桿菌状ウイルスプロモーター(SCBVプロモーター;米国特許第6,489,462号)、MSVリーダーとアルコールデヒドロゲナーゼ1イントロン6を含有するaad−1除草剤耐性遺伝子(AAD−1;米国特許第7,838,733号、およびMSVリーダー配列;Genbank受託番号FJ882146.1、およびアルコールデヒドロゲナーゼイントロン;Genbank受託番号EF539368.1)、およびトウモロコシ(Zea mays)リパーゼ3’非翻訳領域(ZmLip 3’UTR)で構成された。cry2Aa遺伝子の上流に葉緑体輸送ペプチド配列を含まない対照プラスミドであるpDAB107687を構築し、研究に含めた(図13)。プラスミドは、植物形質転換用のアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に導入された。

トウモロコシ(Zea mays)の栽培品種B104由来の穂を受粉から10〜12日後に回収した。回収された穂は脱穀され、市販の漂白剤(Ultra Clorox(登録商標)殺菌漂白剤、6.15%次亜塩素酸)とTween 20の2滴の20%溶液中で20分間浸漬させることによって表面殺菌し、層流フード内で滅菌した脱イオン水中で3回濯いた。未熟接合胚(1.8〜2.2mmの長さ)は、それぞれの穂から無菌的に切り出され、2μlの10%Break−Thru(登録商標)S233界面活性剤を添加した2.0mlのアグロバクテリウム懸濁液を含む1つまたは複数の微量遠心管に分配された。

胚単離活動が完了すると、胚のチューブを閉じ、5分間ロッカープラットフォーム上に置いた。チューブの内容物は、共培養培地のプレートに注ぎ出し、液体アグロバクテリウム懸濁液は、無菌の使い捨てトランスファーピペットを用いて取り出された。胚を含む共培養プレートは、30分間、蓋を少し開けた層流フードの背面に配置させた;その時間後、胚は、顕微鏡を用いて、胚盤が上を向くように配向させた。次に、胚との共培養プレートは、さらに15分間、蓋を少し開けた層流フードの背面に戻された。その後、プレートを閉じ、3Mマイクロポアテープで密封し、約60μmolのm−2s−1の光強度で24時間/日の光を用いて、25℃にてインキュベーターに置かれた。

共培養期間後、胚を休息培地に移した。36個以下の胚をそれぞれのプレートに移した。プレートを3Mマイクロポアテープでラップし、7〜10日間、約50μmolのm−2s−1の光強度で24時間/日の光を用いて、27℃にてインキュベートした。次に、カルス胚を選択I培地に移した。18個以下のカルス胚を選択I培地のそれぞれのプレートに移した。プレートを3Mマイクロポアテープでラップし、7日間、約50μmolのm−2s−1の光強度で24時間/日の光を用いて、27℃にてインキュベートした。次に、カルス胚を選択II培地に移した。12個以下のカルス胚を選択IIのそれぞれのプレートに移した。プレートを3Mマイクロポアテープでラップし、14日間、約50μmolのm−2s−1の光強度で24時間/日の光を用いて、27℃にてインキュベートした。

この段階で、抵抗性カルスをプレ再生培地に移した。9個以下のカルスをプレ再生のそれぞれのプレートに移した。プレートを3Mマイクロポアテープでラップし、7日間、約50μmolのm−2s−1の光強度で24時間/日の光を用いて、27℃にてインキュベートした。次に、再生中のカルスをPhytatray(商標)中の再生培地に移し、7〜14日間またはシュートが発生するまで、約150μmolのm−2s−1の光強度で、1日あたり16時間光/8時間暗所で28℃にてインキュベートした。5個以下のカルスをそれぞれのPhytatray(商標)に置いた。次に、一次根を有する小さなシュートを単離し、シュート/根培地に移した。約6cm以上の高さの根ざした苗木を土壌に移植し、ハードニングのために成長チャンバーに移動させた。

トランスジェニック植物は、全体で固有の識別子が割り当てられ、温室に定期的に移された。植物は、成長培地(Premier Tech Horticulture、ProMix BX、0581P)で充填された小さなポットに、Phytatray(商標)から移植され、加湿ドームで覆われ、植物を順化させた。植物は、V3〜V4段階に達するまで、Conviron(商標)成長チャンバー(28℃/24℃、16時間の光周期、50〜70%RH、200μmolの光強度)内に配置された。この段階は、土壌および厳しい温度に植物を順化させることに役立つ。次に、植物を温室(光曝露タイプ:光または同化;光の上限:1200PAR;16時間の日の長さ;日中27℃/夜間24℃)に移動させ、小さなポットから5.5インチ(14cm)ポットに移植した。大きなポットに移植してから約1〜2週間後、植物をバイオアッセイのためにサンプリングした。事象あたり1つの植物をバイオアッセイした。

選択事象は、遺伝子のコピー数に基づく次世代への進行、ウエスタンブロットによるタンパク質検出、およびバイオアッセイ昆虫に対する活性について同定された。スペクチノマイシン抵抗性遺伝子を含む事象が注目されたが、必ずしも進行から省略されなかった。進行のために選択された事象は、5ガロン(19L)のポットに移植された。観察は、いずれかの異常な表現型を追跡するために定期的に行われた。浮遊花粉による交雑汚染を防止するために、シュート袋を毛(silk)の出現前にシュート上に置いた。覆いの前に毛を生成しているいずれものシュートを注目し、シュートを除去した。次に、第2のシュートを覆い、受粉のために使用した。異常シュートを生成した植物またはシュートが全くない植物をデータベースに記録した。受粉の前日に毛を刈り込み、花粉を受け入れるように均一なブラシを与え、植物を自家受粉させた。

T1選択のための植物は、播種の7日後に噴霧された。それらは、フラットあたり15ポットで、Metro 360の鉢植え用土の4インチ(10.2cm)ポットにおいて成長させた。実生の成長段階は、V1〜V1.5であった。発芽が乏しいまたは非常に小さな植物(渦巻きがまだ閉じている)を含むポットに印を付け、それらを選択評価に含めなかった。次に、植物の全フラットは、トラック噴霧器適用用の二次キャリアトレイに入れられた。トレイは、Mandelトラック噴霧器において一度に2つ配置され、8002Eフラットファンノズル(Tee Jet)を使用して標的領域に体積187L/haを送達するように較正された。35g ae/haのAssure II(キザロホップ)+1%COC(穀物油濃縮物)の溶液は適用のために製剤化された。15ml/噴霧の体積を用いて、必要とされる総噴霧溶液を算出した。計算;(35g ae/ha)×(1ha/187L)×(1L/97.7g ae Assure II)=0.192%溶液または28.74μl/15ml H2O+1%v/v)。次に、適用後、植物を温室に戻す前に、噴霧室で1時間乾燥させた。大きなポットに移植してから約1〜2週間後、植物をバイオアッセイのためにサンプリングした。事象あたり1つの植物はバイオアッセイした。

分子解析スクリーニングを通過したT0事象のすべては、Cry2Aaタンパク質発現レベルについて分析された。TraPを含まないCry2Aaを含む対照構築物であるpDAB107687からの事象は、TraP12を含むpDAB107686(1.4ng/cm2)からの事象と比較して、Cry2Aaの有意に高い平均発現レベル(15.0ng/cm2)を有していた。pDAB107686事象の発現レベルの低下にもかかわらず、これらの事象はなおもCry2Aaタンパク質を発現した。

また、T1事象はCry2Aaタンパク質発現レベルについて分析された。TraPを含まないCry2Aaを含む対照構築物であるpDAB107687からの事象は、TraP12を含むpDAB107686(約2〜3.7ng/cm2)からの事象と比較して、Cry2Aaの有意に高い平均発現レベル(55および60ng/cm2)を有した。pDAB107686事象の発現レベルの低下にもかかわらず、これらの事象はなおもCry2Aaタンパク質を発現した。

cry2Aa遺伝子を含むT鎖の単一コピーを含むトランスジェニック植物は、該トランスジェニック植物からの葉の上に新生児鱗翅類の幼虫を用いて行われたバイオアッセイにおける殺虫活性について試験された。アッセイされた鱗翅目種は、ヨーロピアンコーンボーラー、ヨーロッパアワノメイガ(Ostrinia nubilalis)(Hubner)(ECB)、およびトウモロコシイヤーワーム、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)(CEW)であった。

32ウェルトレイ(C−D International、Pitman、NJ)は、2%寒天溶液で部分的に満たされ、寒天を固化させた。葉のセクションの約2つのうち1つは、それぞれの植物から採取され、32ウェルトレイのウェルに単独で入れられた。1枚の葉片をそれぞれのウェルに入れ、2つの葉片を植物あたりおよび昆虫あたり試験した。昆虫は、ペイントブラシを用いて大量に群棲させ、それぞれのウェルに10匹の新生児幼虫を入れた。トレイは、試験中に換気を可能にする有孔粘着性の蓋で密封された。トレイは、28℃にて、40%RH、16時間光:8時間暗所で3日間置かれた。試験期間後、単純な損傷割合スコアをそれぞれの葉片について得た。それぞれの試験についての損傷スコアを平均し、相関分析を行うために、タンパク質発現解析と一緒に使用した。

T0とT1のバイオアッセイの結果は、TraP12キメラ葉緑体輸送ペプチド配列が、バイオアッセイにおいて試験された昆虫に対して保護を与えたpDAB107686事象として機能的であることが示された。T1事象では、TraPを含まないCry2Aaタンパク質(pDAB107687)を発現する植物は、試験されたすべての昆虫種全体でTraP12を有するCry2Aaタンパク質(pDAB107686)を発現する植物よりも有意に大きい平均の葉損傷を有した。TraP12を有するpDAB107686事象はTraPを含まない事象と比較して多くの葉損傷を有したが、pDAB107686事象は、バイオアッセイされた昆虫に対する保護を与えた。

VIP3Ab1: バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)由来のVip3Ab1タンパク質は、アメリカタバコガ(Helicoverpa zea)(CEW)およびツマジロクサヨトウ(FAW)および抵抗性ツマジロクサヨトウ(rFAW)に対する活性を実証した。Vip3Ab1 v6(配列番号16)およびVip3Ab1 v7(配列番号17)遺伝子を発現させ、トウモロコシにおける昆虫耐性について試験した。この実験では、Vip3Ab1 v6とVip3Ab1 v7は、単独で、およびトウモロコシにおけるTraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドと組み合わせて評価され、昆虫耐性活性を決定し、TraP12 v2キメラ葉緑体輸送ペプチド配列がトウモロコシにおけるVip3Ab1 v6とVip3Ab1 v7タンパク質の発現に及ぼす影響を評価した。

Trap12 v2キメラ葉緑体輸送ペプチドをコードするポリヌクレオチド配列(配列番号11)およびGCAコドンリンカーを含むpDAB112711(図14)構築物は、トウモロコシ植物における昆虫耐性試験のためにVip3Ab1v6遺伝子の上流にクローニングされた。得られた構築物は2つの植物転写単位(PTU)を含有した。第1のPTUは、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター(ZmUbi1プロモーター;Christensen, A., Sharrock R., and Quail P., (1992) Maize polyubiquitin genes: structure, thermal perturbation of expression and transcript splicing, and promoter activity following transfer to protoplasts by electroporation, Plant Molecular Biology, 18:675-689)、TraP12−Vip3Ab1v6融合遺伝子(TraP12−Vip3Ab1v6)、およびトウモロコシ(Zea mays)ペルオキシダーゼ5 3’非翻訳領域(ZmPer5 3’UTR)で構成された。構築物は、制限酵素消化と配列決定を介して確認された。第2のPTUは、サトウキビ桿菌状ウイルスプロモーター(SCBVプロモーター;米国特許第6,489,462号)、MSVリーダーとアルコールデヒドロゲナーゼ1イントロン6を含有するaad−1除草剤耐性遺伝子(AAD−1;米国特許第7,838,733号、およびMSVリーダー配列;Genbank受託番号FJ882146.1、およびアルコールデヒドロゲナーゼイントロン;Genbank受託番号EF539368.1)、およびトウモロコシ(Zea mays)リパーゼ3’非翻訳領域(ZmLip 3’UTR)で構成された。Vip3Ab1v6遺伝子の上流に葉緑体輸送ペプチド配列を含まない対照プラスミドであるpDAB111479を構築し、研究に含めた(図15)。プラスミドは、植物形質転換用のアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に導入された。

Trap12 v2キメラ葉緑体輸送ペプチド配列(配列番号11)およびGCAコドンリンカーを含むpDAB112712(図16)構築物は、トウモロコシ植物における昆虫耐性試験のためにVip3Ab1v7遺伝子の上流にクローニングされ、試験された。得られた構築物は2つの植物転写単位(PTU)を含有した。第1のPTUは、トウモロコシ(Zea mays)ユビキチン1プロモーター(ZmUbi1プロモーター;Christensen, A., Sharrock R., and Quail P., (1992) Maize polyubiquitin genes: structure, thermal perturbation of expression and transcript splicing, and promoter activity following transfer to protoplasts by electroporation, Plant Molecular Biology, 18:675-689)、TraP12−Vip3Ab1v7融合遺伝子(TraP12−Vip3Ab1v7)、およびトウモロコシ(Zea mays)ペルオキシダーゼ5 3’非翻訳領域(ZmPer5 3’UTR)で構成された。構築物は、制限酵素消化と配列決定を介して確認された。第2のPTUは、サトウキビ桿菌状ウイルスプロモーター(SCBVプロモーター;米国特許第6,489,462号)、MSVリーダーとアルコールデヒドロゲナーゼ1イントロン6を含有するaad−1除草剤耐性遺伝子(AAD−1;米国特許第7,838,733号、およびMSVリーダー配列;Genbank受託番号FJ882146.1、およびアルコールデヒドロゲナーゼイントロン;Genbank受託番号EF539368.1)、およびトウモロコシ(Zea mays)リパーゼ3’非翻訳領域(ZmLip 3’UTR)で構成された。Vip3Ab1v7遺伝子の上流に葉緑体輸送ペプチド配列を含まない対照プラスミドであるpDAB112710を構築し、研究に含めた(図17)。プラスミドは、植物形質転換用のアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)に導入された。

トウモロコシ形質転換、タンパク質発現および昆虫バイオアッセイは、前述されるプロトコールに従って完了し、結果を表33に示す。昆虫バイオアッセイの結果は、TraP12キメラ葉緑体輸送ペプチド配列が機能的であり、pDAB112711とpDAB112712事象が、バイオアッセイにおいて試験された昆虫種に対して保護を与えたたことを示した。試験された事象では、TraPを含まないVip3Ab1v6タンパク質を発現する植物事象(pDAB111479)は、CEWとFAW昆虫種の両方について、TraP12を含むVip3Ab1v6タンパク質を発現する植物事象(pDAB112711)よりも高い葉損傷レベルを有した。しかしながら、TraPを含まないVip3Ab1v7タンパク質を発現する植物(pDAB112710)は、TraP12を含むVip3Ab1v7タンパク質を発現する植物(pDAB112712)と比較して有意差がない平均の葉損傷を有した。TraPを含まないVip3Ab1v7タンパク質(pDAB112710)とTraP12を含むVip3Ab1v7タンパク質(pDAB112712)の両方は、CEWとFAW種に対する昆虫防除を付与する植物事象を生成した。結論として、ウエスタンブロットおよびバイオアッセイは、試験された事象のすべてがVip3Ab1タンパク質を発現したことを示した。

キメラ葉緑体輸送ペプチド(TraP)配列の植物体内切断 TraP12とTraP13キメラ葉緑体輸送ペプチドの切断部位は、MALDI分析法およびN末端エドマン分解配列決定により決定された。植物材料は、TraP12−dgt14、TraP12−dgt28、TraP13−dgt14、およびTraP13−dgt28融合遺伝子を含むトランスジェニック植物から得られ、葉緑体内の転位中に生じたキメラ葉緑体輸送ペプチドの切断位置を決定するためにアッセイされた。

MALDI結果: 植物試料からの半精製タンパク質をSDS−PAGEにより分離した。YFPの分子量に相当するサイズのタンパク質バンドをゲルから切り出し、脱染色し、乾燥させた。次に、乾燥させたタンパク質バンドは、25mM重炭酸アンモニウム中のトリプシン(Promega;Madison、WI)で、一晩、37℃にてゲル内消化された。ペプチドは、C18 ZipTip(商標)(Millipore、Bedford、MA)によって精製され、50%アセトニトリル/0.1%TFAを用いて溶出された。試料は、マトリックスα−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸と1:1の比率で混合され、混合物は、MALDI試料プレートに示され、空気乾燥された。

ペプチドのマススペクトルは、Voyager DE−PRO MALDI−TOF質量分析器(商標)(Applied Biosystems;Framingham、MA)を用いて生じさせた。外部較正は、Calibration Mixture2(商標)(Applied Biosystems)を用いることによって行われた。内部較正は、m/z842.508、1045.564および2211.108でトリプシン自己分解ピークを用いて行われた。すべてのマススペクトルは陽イオン反射モデルに回収された。ペプチドのマスフィンガープリント(PMF)分析は、試料が標的タンパク質であるかどうかを検証するために、試料のPMFを標的タンパク質の理論上のPMFと照合することによって、Proteometrics LLCからのPAWS(商標)(タンパク質分析ワークシート)フリーウェアを用いて行われた。タンパク質同定は、NCBI NRタンパク質データベースに対するMASCOT(MatrixScience、London、UK)を用いたデータベース検索によって行われた。

エドマン化学分解を介したN末端配列決定: N末端配列決定は、Applied Biosystems(Foster City、CA)からのProcise Protein Sequencer(モデル494)で実施された。タンパク質試料は、最初にSDS−PAGEによって分離され、次にPVDF膜上でブロットされた。タンパク質バンドを膜から切り出し、Procise Sequencerに装填した。8サイクルのエドマン化学分解は、N末端で5個のAA残基を得るために、それぞれの試料について実施された。20個のPTH−アミノ酸の標準混合物(Applied Biosystems)は、それぞれの試料を用いて行われた。それぞれのエドマン分解からのアミノ酸残基は、標準に対するC18カラムからのそれらの保持時間に基づいて決定された。

MALDI配列決定の結果は、DGT−28およびDGT14タンパク質が発現し、TraPキメラ葉緑体輸送ペプチド配列がプロセシングされたことを示した。表34は、N末端エドマン分解およびMALDI配列決定を用いることによって得られたプロセシングされた配列を列挙する。

キメラ葉緑体輸送ペプチド(TraP)配列を含むポリヌクレオチド配列のスタッキング TraP12キメラ輸送ペプチドがアラビドプシス属内でタンパク質の発現を増強させるかまたは低減させるかを決定するために、TraP12キメラ輸送ペプチドは、マルチPTUプラスミド構築物において積層されたcry1Ac、cry1Caおよびcry1F遺伝子配列の5’端に融合された。

表35に列挙された構築物は、当該分野で認められた方法を用いて組み立てられた。その後、構築物は、前述されるアグロバクテリウムを媒介した形質転換プロトコールを用いてシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)に形質転換された。トランスジェニックアラビドプシス属植物が得られ、タンパク質発現をウエスタンブロッティングとELISAアッセイによって決定した。

タンパク質定量の結果は、TraP12がCry1Ac、Cry1Ca、およびCry1Fの発現の総発現レベルに様々な効果を有することを示した。TraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドの添加は、Cry1Fの発現レベルの減少、およびCry1CaとCry1Acの発現レベルの増加をもたらした。発現レベルの変動性にかかわらず、試験された植物事象のすべてがタンパク質を発現させ、TraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドが、導入遺伝子のタンパク質発現を阻害しなかった。最後に、TraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドは、葉緑体に発現されたタンパク質を指向した。葉緑体への発現タンパク質の移行は、TraP12キメラ葉緑体輸送ペプチドの有無による発現タンパク質に関して同様の分子量サイズを示したウエスタンブロットによって証明された。

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