動的に構成可能なニューラルネットワークのための神経突起の成長の電界効果閉じ込め

申请号 JP2015552888 申请日 2014-01-14 公开(公告)号 JP6320422B2 公开(公告)日 2018-05-09
申请人 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー; セントレ ナショナル デ ラ リシェルシェ サイエンティフィック; Centre National De La Recherche Scientifique; 发明人 ヴォルドマン,ジョエル; オネゲル,ティボー; ペイレイド,デイビッド;
摘要
权利要求

試験管内の方法であって、 1つ以上の神経突起を含む以前に単離されたニューロンを供する段階; 不均一な交流電場を供する段階;及び、 前記不均一な交流電場を前記神経突起の伸張領域に位置させて、前記交流電場の領域において神経突起の成長を抑えることによって1つ以上の神経突起の伸張を指向的に誘導する段階、 を有し、 前記交流電場は神経突起の近くで50V/mから1,000,000V/mまでの間の大きさおよび100Hzから1MHzまでの間の周波数をもつ、 方法。可逆的に前記神経突起の成長を阻止し得る物理的ガイダンスキューを供する段階;及び、 前記物理的ガイダンスキューを用いて前記神経突起の成長を制御する段階、 をさらに有する、請求項1記載の方法。軸索突起ダイオードを形成する段階を有する、請求項1または2に記載の方法。前記電場の大きさは100V/m未満である、請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の方法。前記電場が、200μm以下の中心間の距離を有する2つ以上の電極によって生成される、請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の方法。前記伸張を指向的に誘導する段階が、基板上でまたは3次元スキャフォールド内部で軸索突起の伸張を指向的に誘導する段階を含む、請求項1乃至5のうちのいずれか一項に記載の方法。前記スキャフォールドがコラーゲンを含むゲルマトリックスである、請求項6に記載の方法。前記神経突起の伸張を指向的に誘導する段階が、電場が存在せず、電場が存在しないこと以外の条件が同じときの神経突起の伸張に比して神経突起の伸張を加速させる、請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の方法。前記神経突起の伸張を指向的に誘導する段階が、交流電場の領域のほうに向かう第1方位での神経突起の伸張を可逆的に阻止し、交流電場の領域を避ける第2方位での神経突起の伸張を可能にすることを含む、請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の方法。前記第2方位が、前記第1方位に対して90°以上である、請求項9に記載の方法。神経突起の伸張を指向的に誘導する段階が、該神経突起が第2神経突起に重なるようなものである、請求項1乃至10のうちのいずれか一項に記載の方法。前記神経突起の伸張を指向的に誘導することが、第1神経突起の個体群と第2神経突起の個体群との間でニューラルネットワークを構成するように、3次元スキャフォールド内で前記第1神経突起と前記第2神経突起の伸張を指向的に誘導する段階、を有する、請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の方法。前記電場の周波数が100Hz以上である、請求項1乃至12のうちのいずれか一項に記載の方法。前記第1神経突起が、前記第2神経突起とは異なるニューロンを起源とする、請求項12に記載の方法。生きている細胞を収容し、かつ、細胞の成長を促進することが可能なチャンバ; 前記チャンバに接続され、かつ、20μm以下の高さ及び/又は幅を有する、チャネル;並びに、 一の電極対は中心間の間隔が200μm以下の2つの電極を含む、複数の電極対、を有するシステムであって、 前記複数の電極対は前記チャネルと交差し、前記チャネルでの神経突起の成長を抑えるための交流電場を前記チャネル上に供するよう適応されており、 前記交流電場は神経突起の近くで50V/mから1,000,000V/mまでの間の大きさおよび100Hzから1MHzまでの間の周波数をもつ、 システム。第1チャネルに接続された第1チャンバ; 前記第1チャネルの少なくとも一部と位置合わせされた第1電極対であって、前記第1電極対の一部は前記第1チャンバの少なくとも一部と重なる、第1電極対; 第2チャネルに接続された第2チャンバ;及び、 前記第2チャネルの少なくとも一部と位置合わせされた第2電極対、を有するシステムであって、 前記第2電極対の一部は前記第2チャンバの少なくとも一部と重なり、 前記第1チャネルと前記第2チャネルは、10μmよりも高い高さを有する重なり領域で交差し、前記第1及び第2電極対は、神経突起の成長を抑えるための交流電場をそれぞれ前記第1及び第2チャネル上に供するよう適応されており、 前記交流電場は神経突起の近くで50V/mから1,000,000V/mまでの間の大きさおよび100Hzから1MHzまでの間の周波数をもつ、 システム。

说明书全文

神経突起を変化させるシステム及び方法が供される。

[関連出願] 本願は、2013年1月14日に出願された「動的に構成可能なニューラルネットワークのための神経突起の成長の電界効果閉じ込め」という名称の米国仮出願の優先権を主張する。この全ては本願に含まれる。 [政府による資金提供] 本願は、アメリカ国立科学財団による第DBI0852654番の補助金、及び、アメリカ国立衛生研究所による第RO1−NS066352番の補助金による政府支援によって完成した。政府は、本発明のある一定の権利を有する。 [背景技術] 生体内での神経突起の発達は、空間的及び時間的に変化するガイダンスキューの影響に従う。これらのガイダンスキューによって、ニューロンは、機能的なニューラルネットワークを構成することを可能にする。たとえば、アメリカツメガエルの幼生の網膜神経節細胞からの初期の神経突起は、視神経交差でX字形に交差することで、対側性接続を構成する。しかし後期の神経突起の一部は、ハイライトされたB型エフリン表現によって中央の線から反発されるので、交差しない。係るプロセスの研究及び操作には、神経突起の発達を時間的及び空間的に制御することの可能な方法及びシステムが必要とされる。それに加えて、短距離にわたって広がる少数の神経突起を含む小さなニューラルネットワーク、及び、長距離にわたって広がる多数の神経突起を含む大きなニューラルネットワークを形成することが可能な縮尺変更可能な方法及びシステムもまた必要とされている。

既存の方法は、神経突起の発達を動的に変化させることが不可能で、かつ/あるいは、容易に縮尺変更可能ではない。従って改善された方法及びシステムが必要である。

神経突起の成長を変化させるシステム及び方法が供される。本発明の対象は、場合によっては、相関する製造物、特定の問題に対する代替解決法、並びに/又は、1つ以上のシステム及び/若しくは製品の複数の異なる使用を含む。

一の組の実施例では、一連の方法が供される。一の実施例では、方法は、1つ以上の神経突起を含むニューロンを供する段階、交流電場を供する段階、及び、前記交流電場を用いることによって1つ以上の神経突起の伸張を指向的に誘導する段階を有する。

他の実施例では、方法は、交流電場を用いることによって神経突起の伸張を指向的に誘導する段階を有する。

他の実施例では、方法は、2つ以上の電極によって生成される電場によって神経突起の成長に影響を与える段階を有する。前記電極間の中心間の間隔は約200μm以下である。

他の実施例では、方法は、電場によって多方向での神経突起の成長に影響を与える段階を有する。前記電場は、前記神経突起の周辺で約100V/m以上の大きさを有する。

他の実施例では、方法は、神経突起を含むニューロンを供する段階、物理的ガイダンスキューを供する段階、及び、前記物理的ガイダンスキューを用いて前記神経突起の成長を制御する段階を有する。前記物理的ガイダンスキューは、可逆的に前記神経突起の成長を阻止して良い。

他の実施例では、方法は、第1方位での神経突起の成長を可能にする段階、及び、機械的に作用しない物理的ガイダンスキューを前記神経突起に印加することで、前記神経突起の成長が第2方位で起こるように前記神経突起に影響を与える段階を有する。

他の実施例では、方法は、各々が1つ以上の神経突起を含む2つ以上のニューロンを供する段階を有する。当該方法はまた、電場を供する段階、一の神経突起を他の神経突起とは独立に制御する段階、及び、前記2つ以上のニューロンからニューラルネットワークを構成する段階をも有する。

一の実施例では、方法は、ガイダンスキューを用いることによって、第1神経突起を第2神経突起に重ねる段階を有する。

他の実施例では、方法は、第1神経突起が第2神経突起に重なるように前記第1神経突起の成長を誘導する段階を有する。

一の実施例では、方法は、電場を用いることによって、第1個体群の神経突起と第2個体群の神経突起との間でニューラルネットワークを構成するように、3次元スキャフォールド内で第1神経突起と第2神経突起の伸張を指向的に誘導する段階を有する。

他の実施例では、方法は、電場を用いることによって、3次元スキャフォールド内で神経突起の伸張を加速させる段階を有する。

他の組の実施例では、一連の製品が供される。

一の実施例では、製品は、生きている細胞を収容し、かつ、細胞の成長を促進することが可能なチャンバ、チャネル、及び、複数の電極対を有する。前記チャネルは前記チャンバに接続される。前記チャネルは、約20μm以下の高さ及び/又は幅を有する。電極対は、中心間の間隔が約200μm以下の2つの電極を含む。複数の電極対は前記チャネルと交差する。

他の実施例では、製品は、第1チャネルと接続する第1チャンバ、前記第1チャネルの少なくとも一部に対して位置合わせされる第1電極対、第2チャネルと接続する第2チャンバ、及び、前記第2チャネルの少なくとも一部に対して位置合わせされる第2電極対を有する。前記第1電極対の一部は、前記第1チャンバの少なくとも一部と重なって良い。前記第2電極対の一部は、前記第2チャンバの少なくとも一部と重なって良い。場合によっては、前記第1チャネルと前記第2チャネルは、約10μmよりも高い重なり領域で交差する。

他の実施例では、製品は、第1チャンバ及び第2チャンバと接続する第1チャネル、並びに、前記第1チャネルの少なくとも一部に対して位置合わせされた第1電極対を有する。場合によっては、前記第1電極対の一部は前記第1チャンバの少なくとも一部と重なり、かつ、前記第1電極対間の中心間の間隔は約200μm以下である。

本発明の他の利点及び新規な特徴は、以降の本発明の様々な非限定的実施例の詳細な説明を、添付図面と共に考慮することで明らかとなる。本願明細書と参考文献として含まれる書類が、抵触及び/又は一貫しない開示事項を含む場合、本願明細書が支配する。

A−Eは、神経突起の成長の変化に概ね関する本発明のある実施例を表している。

A−Dは、神経連絡の形成に概ね関する本発明のある実施例を表している。

本発明の一の実施例によるニューラルネットワークを表している。

本発明の様々な実施例による電気系を表している。

本発明のある実施例による神経突起の成長を変化させるデバイスを表している。

本発明の様々な実施例による神経突起の成長を表している。

本発明の一の実施例による神経突起の成長を表している。

本発明の一の実施例によるデバイスの構成要素の特徴を表している。

A−Bは、本発明の一の実施例によるモデルの特徴を表している。

A−Bは、本発明の一の実施例によるモデルの特徴を表している。

A−Bは、本発明の一の実施例によるモデルの特徴を表している。

A−Bは、本発明の一の実施例によるモデルの特徴を表している。

本発明の様々な実施例による神経連絡を形成するデバイスを表している。

図13は、本発明のある実施例による神経突起の成長を表している。

A−Bは、本発明の一の実施例による活動電位の記録と蛍光画像を表している。

A−Bは、本発明のある実施例によるデバイスの構成要素の特徴を表している。

A−Cは、本発明のある実施例による神経突起の成長を変化させるデバイスを表している。

A−Bは、神経突起の方位の変化に概ね関する本発明のある実施例を表している。

A−Bは、ある領域内での神経突起の成長及び神経突起の伸張の加速に概ね関する本発明のある実施例を表している。

A−Bは、神経突起の伸張の表示に概ね関する本発明のある実施例を表している。

A−Cは、神経突起の方位の変化に概ね関する本発明のある実施例を表している。

A−Gは、本発明の一の実施例による神経突起を誘導するデバイスを表している。

A−Gは、本発明の一の実施例による神経突起を誘導するデバイスを表している。

A−Gは、本発明の一の実施例による神経突起を誘導するデバイスを表している。

A−Gは、本発明の一の実施例による神経突起を誘導するデバイスを表している。

A−Gは、本発明の一の実施例による神経突起を誘導するデバイスを表している。

A−Gは、本発明の一の実施例による神経突起を誘導するデバイスを表している。

A−Gは、本発明の一の実施例による神経突起を誘導するデバイスを表している。

A−Dは、本発明のある実施例によるスキャフォールドによってチャネルを充填する方法を表している。

A−Eは、本発明の一の実施例による、様々な電圧での細胞の生存能のグラフ及び様々な電圧での細胞の画像を表している。

本発明のある実施例による電極対間の領域での神経突起の成長を表している。

本発明の非限定的実施例が、添付図面を参照することによる例示によって説明される。添付図面は、概略的であって正しい縮尺で描かれているとは意図されない。図中、図示された各(略)同一の構成要素は一般的に、単一の数字によって表されている。簡明を期すため、全ての図において、すべての構成要素にラベルが付されているわけではなく、図示が当業者による本発明の理解を可能にするのに必要ない場合には、本発明の各実施例のすべての構成要素が図示される訳でもない。

本発明は概して、1つ以上のニューロンの神経伸張に関する。神経突起の成長を変化させるシステム及び方法が概ね記載されている。一部の実施例では、システム(たとえばマイクロ流体システム)は、神経突起(たとえば軸索(軸索突起ともいう))を含むニューロン、及び、物理的ガイダンスキュー(たとえば電場駆動力)を生成することが可能な構成要素を有して良い。物理的ガイダンスキューは、神経突起の成長を変化させるのに用いられて良く、かつ、神経突起の成長が空間的及び/又は時間的に変化し得るように時間的及び空間的に変化可能であって良い。一部の場合では、構成要素は電極であって良く、かつ、物理的ガイダンスキューは、電場(たとえば交流電場)によって生成される電場駆動力であって良い。一部の場合では、システムは、各々が神経突起を含む2つ以上のニューロンを有して良い。そのような場合の一部では、1つ以上の物理的ガイダンスキューは、神経突起間での一方向性接続を形成するのに用いられて良い。これらのシステムは、神経突起の成長、神経細胞の信号方式、及び、制御されてある方位をとるニューラルネットワークの形成の定量的研究の用途にとって特に適し得る。とはいえこれらのシステムは他の用途にも用いられ得る。

生命体における神経突起の成長は、機能的な神経連絡を形成するように、表現が空間的にも時間的にも変化するガイダンスキューによって誘導される。神経突起の成長の研究及び/又は神経連絡の形成のための既存のシステム並びに方法は、静的な幾何学配置を用い、かつ、神経突起に与えられるガイダンスキューを動的に変化させることができない。しかもこれらのシステム及び方法の多くは、長い距離にわたる多数の神経突起からニューラルネットワークを形成するように容易にスケール変更することができない。

本発明のある実施例の文脈の範囲内において、神経突起の成長の空間的及び時間的制御並びにスケーラブルな方位をとるニューラルネットワークの形成が、動的物理的ガイダンスキュー(たとえば界面動電現象)を利用することによって実現され得ることが発見された。神経突起の動的制御は、発生生物学(たとえば発達神経科学)から再生デバイス(たとえば末梢神経損傷用の)までの範囲の多数の用途の道を拓く。

動的物理的ガイダンスキューを用いて神経突起(たとえば軸索、樹状突起)の成長を変化させるデバイスの例が、図1Aに示されている。図1Aに図示されているように、デバイス10は、チャンバ25内に設けられていて1つ以上の神経突起20を含むニューロン15を有して良い。デバイスは、生きている細胞を収容し、かつ、神経突起が内部で成長可能なチャネル30、及び、物理的ガイダンスキューを発生させることが可能な電極35を有して良い。一部の実施例では、ニューロン細胞本体16がチャンバに閉じ込められる一方で、1つ以上の神経突起がチャネル30内へ入り込むように成長し得るように、チャンバとチャネルは構成されて良い。一例では、チャネルは、ニューロン細胞本体の寸法(たとえば高さ、幅、断面積)よりも小さいが、神経突起の平均寸法よりも大きな寸法を有して良い。チャネルの寸法は、一部の場合では、チャネルを占める神経突起の数と神経突起の指向性をも制限して良い。たとえばチャネルの断面積は、単一の神経突起がチャネルを占めることを可能にし得る。他の場合では、チャネルの断面積は、複数の神経突起(たとえば複数の神経突起の個体群)がチャネルを占めることを可能にし得る。ある実施例では、チャネルは、神経突起の成長を一次元に制限することによって神経突起の指向性を制限するように機能し得る。たとえば図1B−1Dに図示されているように、チャンバ25を第2チャンバ25−2へ接続するチャネル30の幅は、神経突起が方位を変化させるのを防止している。従って、チャネル30へ入り込むように成長する神経突起は、チャンバ25−2へ向かうように伸張する。他の実施例では、チャネルは多次元成長−たとえば方向と面の変化−を可能にし得る。一部の場合では、神経突起とニューロン細胞本体はチャネル30内で成長して良い。

一部の実施例では、1つ以上の電極35はチャネル30の少なくとも一部と交差して良い。場合によっては、1つ以上の電極はすべてチャネルと交差して良く、また別な場合では、1つ以上の電極はすべてのチャネルとは交差しなくて良い。ある実施例では、チャネルに対する電極の方位(たとえば交差)は、物理的ガイダンスキューの存在下での神経突起の変化の仕方に影響を及ぼす。たとえば物理的ガイダンスキューが力である実施例では、電極の方位は力の方向を決定し得る。一例では、図1Aに図示されているように、電極がチャネルに対して垂直な(90°の交差角をなす)場合、チャネルに対して平行な力が生成されて良い。電極は、神経突起に成長に対して物理的な障壁を課さず、かつ、非接触(無接触)物理的ガイダンスキューを生成するのに用いられ得ることに留意して欲しい。

ある実施例では、1つ以上の電極は、1つ以上のチャネルの少なくとも一部と位置合わせして重なって良い。場合によっては、1つ以上の電極の全長がチャネルと位置合わせして重なって良いし、別な場合では、1つ以上の電極の長さの一部がチャネルと位置合わせ及び/又は重ね合わせされなくて良い。ある実施例では、チャネルに対する電極の方位(たとえば1つ以上の電極のチャネルに対する平行な位置合わせ及び重なり)は、物理的ガイダンスキューの存在下での神経突起の成長の変化の仕方に影響を及ぼす。たとえば一部の実施例では、電極の方位は、神経突起の電極の方位は、神経突起の成長を特定の領域、経路、及び/又は面に制限して良い。

一部の実施例では、図1Aに図示されているように、電場36(たとえば交流電場、直流電場)が、2つの電極間に生成される。電場は、神経突起の成長を変化させ得る1つ以上の物理的ガイダンスキュー(たとえば界面動電現象、ジュール加熱)を発生させて良い。ある実施例では、物理的ガイダンスキューは、特定の周辺(たとえば電極間、電極付近)に局在化されて良い。たとえば物理的ガイダンスキューの発生は、ある大きさ(たとえば100V/m)を超えた電場を必要とすると考えられる。物理的ガイダンスキューは、電場の大きさの閾値未満の領域内では生成され得ない。

デバイス10内で神経突起の成長を変化させる例が図1B−1Dに図示されている。図1Bに図示されているように、デバイス10は、生きている細胞を収容し、かつ、細胞の成長を促進することのできるチャンバ25内に設けられる、第1神経突起20−1と第2神経突起20−2を有するニューロン15を含んで良い。電極35はチャネル30の一部と交差する。図1Bは、成長期間後のデバイス10内での神経突起20−1と20−2の成長の概略図である。成長期間中、神経突起20−1と20−2はそれぞれ、チャネル30−1と30−2へ入り込むように成長し、かつ、チャンバ25−2へ向かって伸張した。一部の実施例では、電圧が電極35Aと35Bにわたって印加される。それにより、電極35Bを超えた神経突起20−1の伸張を防止する物理的ガイダンスキューが生成される。物理的ガイダンスキューが存在しない状態の神経突起20−2は、図1Bに図示されているように、チャンバ25−2まで伸張し得る。

神経突起の成長を変化させる別の例が図1Eに表されている。図1Eに図示されているように、デバイス100は、生きている細胞を収容し、かつ、細胞の成長を促進することのできるチャンバ125−1内に設けられる、複数の神経突起(たとえば120−1、120−2、120−3、120−4)を有するニューロン115を含んで良い。一部の実施例では、デバイスは電極を有して良い。一部の実施例では、1つ以上の電極の少なくとも一部はチャネルと重なって良い。たとえば図1Eに表されているように、2対の電極−電極対135と電極対136−の一部はチャンバと重なって良い。ある実施例では、電極によって生成される物理的ガイダンスキューは、ニューロンから伸張する1つ以上の神経突起(たとえば120−1、120−2、120−3)を電極対内へ入り込むように誘導して良い。場合によっては、電極の少なくとも一部は、チャネル130の少なくとも一部と重なり、かつ、位置合わせして良い。たとえば図1Eに表されているように、電極135Aと136Aは、チャネル130の一部と位置合わせし、かつ、重なって良い。一部の実施例では、1つ以上の電極は、チャネルの壁に対して実質的に平行であって良い。場合によっては、電極の一部は、チャネルの壁に対して実質的に平行であって良い。成長期間中、神経突起120−1、120−2、120−3、及び120−4は、チャネル130内へ入り込むように成長し、かつ、チャンバ125−2へ向かって伸張した。一部の実施例では、電圧が電極135Aと136Aに印加される。それにより、成長(たとえば伸張)を電極135Aと136Aとの間の領域内に制限し、かつ、神経突起120−1、120−2、及び120−3がチャネル130によって画定される全領域内で成長することを防止する物理的ガイダンスキューが生成される。物理的ガイダンスキューが存在しない状態の神経突起120−4は、電極135Aと136Aとの間の領域外の領域内で成長して良い。

一部の実施例では、電極間に閉じ込められた神経突起は、電極間に閉じ込められていないが本質的に同一の条件(培養環境、温度、圧力、湿度等)下の神経突起と比較して、成長(たとえば伸張)を改善(たとえば加速)し得た。そのような実施例の一部では、電極対の少なくとも一部(たとえばチャネルと位置合わせして重なっている部分)に対して平行に測定された神経突起の長さは、電極対の外部に位置する(つまり電極対内部に閉じ込められていない)が本質的に同一の条件下で培養された神経突起の長さよりも長くて良い。理論に固執するわけではないが、物理的ガイダンスキュー(たとえば電場)によって生じた力が神経突起の成長円錐の実効的な探索領域を制限するために、神経突起の成長が改善されていると考える。領域が減少することで、実効的な探索領域が制限されない神経突起と比較して、環境を探索するのに費やされる合計時間が減少する。一部の実施例では、神経突起の伸張は、電場を用いることによって、3次元スキャフォールド内で加速され得る。そのような実施例の一部では、電場を生成するのに用いられる電極はスキャフォールド内部に含まれ得ない。

ある実施例では、神経突起の成長の変化は、図1C−1Dに表されているように再構成可能である。図1Cは、チャネル30内で成長する神経突起を有する複数のニューロンを含むデバイス10の画像を示している。電極35は、チャネル30−3でチャネル30と交差し、かつ、チャネル30−3内で物理的ガイダンスキューを生成する。一部の実施例では、図の細い矢印で示されているように、チャネル30−3内で成長する神経突起が、電極35Bを超えてチャンバ25−2へ向かうように伸張することが防止される。電極と交差しないチャネル30−4内で成長する神経突起は、図の太い矢印で示されているように、チャンバ25−2へ向かうように伸張し得る。一部の実施例では、電圧をオフにすることで、物理的ガイダンスキューが取り除かれる。それにより神経突起の成長の変化は反転し得る。図1Dに図示されているように、物理的ガイダンスキューの除去後、チャネル30−3内の神経突起は、図の太い矢印で示されているように、チャンバ25−2へ向かうように伸張し得る。

本願明細書で述べたように、神経突起の成長は物理的ガイダンスキューを用いることによって変化し得る。神経突起の成長を変化させることは、神経突起の1つ以上の成長特性を変化させることを含んで良い。たとえば神経突起の長さと方位の両方を変化させて良い。場合によっては、神経突起の成長の実質的に全ての特性を変化させて良い。神経突起の特性の非限定的例には、成長速度、神経突起の長さ、方位(たとえば方向)、位置(たとえば面、次元)、及び成長円錐の特性(たとえばアクチン偏光)が含まれる。他の成長特性もまた考えられ得る。一般的には、任意の適切な成長特性を変化させて良い。

一部の実施例では、キュー又はガイダンスキューという用語は、当業者にとって知られている通常の意味を有する。キューは、ニューロン細胞本体又は神経突起によって受け取られ、かつ、ニューロン細胞本体によって1つ以上の成長特性に関する命令に翻訳され得る信号(化学的なもの、力等)を指称して良い。ガイダンスは、ニューロン細胞本体又は神経突起によって1つ以上の成長特性に関する命令に翻訳された後に、本質的に同一条件下だがキューの存在しない(複数の)成長特性の通常の統計分布から1つ以上の成長特性を変化させ、かつ、成長特性の変化又は制御を可能にするキューを指称して良い。場合によっては、神経突起の成長を誘導する又は神経突起の成長に影響を及ぼすことは、拡張された期間(たとえば少なくとも1時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、少なくとも24時間、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも4日、少なくとも1週間)にわたる1つ以上の成長特性の通常の統計分布を変化させることを含んで良い。

一部の実施例では、物理的ガイダンスキューは、当業者にとって知られた通常の意味を有する。たとえば一部の実施例では、物理的ガイダンスキューは、神経突起によって受け取られ、かつ、神経突起によって1つ以上の成長特性に関する命令に翻訳され得る非化学的信号である。物理的ガイダンスキューの非限定的例には、界面動電現象(たとえば誘電泳動、電気浸透、電熱効果)、エネルギー(たとえば熱)、機械的な力(たとえば流体流によって生じる、構造バリアとの相互作用)、機械的に作用しない力、光キュー、及びこれらの結合が含まれる。たとえ物理的ガイダンスキューが、神経突起への化学種の直接的な印加を含まないとしても、物理的ガイダンスキューは、化学種を生成して神経突起の成長を変化させて良いし、かつ/あるいは、化学種に神経突起の成長を変化させて良いことに留意して欲しい。一部の実施例では、機械的に作用しない力は、1つ以上の機械的に作用しない素子によって生成されず、あるいは1つ以上の機械的に作用しない素子(たとえば回転するように機械的に作用する粒子)を起源としない非接触力を指称して良い。一部の実施例では、物理的ガイダンスキューは、神経突起と直接接触しない、かつ/あるいは、神経突起の成長への物理的バリアとして機能しない1つ以上の素子によって生成され、又は、前記1つ以上の素子を起源として良い。

物理的ガイダンスキューが神経突起の成長を変化させる方法は多数の因子−たとえば、成長特性が影響を受ける神経突起周辺での幾何学的制約(構造バリア)、他のガイダンスキューの存在、物理的ガイダンスキューの強度、物理的ガイダンスキューの時間的及び/又は空間的性質等−に依存し得る。2つ以上の神経突起が存在する実施例では、一の神経突起についての物理的ガイダンスキューが神経突起の成長を変化させる方法及び/又は成長変化の結果は、他の神経突起についてのものとは異なって良い。場合によっては、方法及び結果は実質的に同一であって良い。よって神経突起の成長変化の結果は実施例に従って変化して良い。

たとえば一部の実施例では、神経突起の成長を変化させることは、少なくとも1つの成長特性が神経突起の天然の成長特性とは異なるように、神経突起の成長に影響を及ぼすことを含んで良い。ある実施例では、神経突起の成長を変化させる結果、1つ以上の成長特性(たとえば神経突起の長さ、成長方向、成長速度)の制御が可能となる。一例では、物理的ガイダンスキューは、たとえば図1Aと図1Bに図示されているように、神経突起の成長速度を支配し、かつ、可逆的に成長を阻止して良い。他の例では、図1Eに図示されているように、物理的ガイダンスキューは、神経突起の成長速度を改善(たとえば加速)して良い。一部の実施例では、成長速度への物理的ガイダンスキューの影響は、物理的ガイダンスキューが存在する状態で成長する神経突起の拡張長さと、本質的に同一条件で物理的ガイダンスキューが存在しない状態で成長する神経突起の拡張長さとを比較することによって定量化されて良い。たとえば物理的ガイダンスキューが成長を抑制又は阻止する実施例では、物理的ガイダンスキューが存在しない状態で成長する神経突起の拡張長さに対する物理的ガイダンスキュー(たとえば非接触の物理的ガイダンスキュー)が存在する状態で成長する神経突起の拡張長さの比は、約1:1以下、約0.8:1以下、約0.6:1以下、約0.5:1以下、約0.4:1以下、約0.2:1以下、又は、約0.1:1以下である。

物理的ガイダンスキューが成長を改善する実施例では、物理的ガイダンスキューが存在しない状態で成長する神経突起の拡張長さに対する物理的ガイダンスキュー(たとえば非接触の物理的ガイダンスキュー)が存在する状態で成長する神経突起の拡張長さの比は、約1:1以上、約1.2:1以上、約1.3:1以上、約1.5:1以上、約1.8:1以上、約2:1以上、約3:1以上、約4:1以上、約5:1以上、約6:1以上、約7:1以上、又は約8:1以上であって良い。一部の実施例では、比は、約10:1以下、約9:1以下、約8:1以下、約7:1以下、約6:1以下、約5:1以下、約4:1以下、又は約2:1以下であって良い。上述の範囲をすべて組み合わせたもの(たとえば、約1.2:1以上で約10:1以下、約1.5:1以上で約10:1以下、約2:1以上で約10:1以下)も考えられる。神経突起の拡張長さは例12に記載されているように決定されて良い。

一部の実施例では、物理的ガイダンスキューは、神経突起に特別な指向性又は方位を与えることによって成長を変化させて良い。たとえば一部の実施例では、物理的ガイダンスキューは、電場領域内での成長を阻止する電場領域であって良い。そのような実施例の一部では、電場領域へ向かって成長(たとえば伸張)する神経突起は、電場領域に遭遇する前後での成長角度のゼロではない相対変化を有するように、電場領域を避けるように成長方向を変化して良い。たとえば図17Aに図示されているように、神経突起は、電場領域に遭遇する前の第1成長方向202A、及び、電場領域に遭遇した後の第2成長方向202Bを有して良い。第1成長方向と第2成長方向によって生成される角度はゼロでなくて良い。一部の実施例では、複数の神経突起の電場領域に遭遇する前後での成長角の平均相対変化はゼロでなくて良い。対照的に、一部の実施例では、物理的ガイダンスキューの存在しない状態(たとえば図17Aの制御領域)での複数の神経突起の成長角の平均相対変化は、ゼロであって良く、かつ/あるいは、物理的ガイダンスキューに遭遇する神経突起よりも顕著に小さくて良い。

たとえば一部の実施例では、物理的ガイダンスキュー(たとえば交流電場)に遭遇する前後の複数の神経突起の成長角の平均相対変化の大きさは、約10°以上、約15°以上、約25°以上、約30°以上、約45°以上、約60°以上、又は、約75°以上であって良い。場合によっては、物理的ガイダンスキュー(たとえば交流電場)に遭遇する前後の複数の神経突起の成長角の平均相対変化の大きさは、約90°以下、約85°以下、約80°以下、約75°以下、約60°以下、又は、約45°以下であって良い。上述の範囲のすべてを組み合わせたものも考えられる(たとえば、約30°以上で約90°以下、約45°以上で約90°以下)。一部の実施例では、成長角の平均相対変化は、電場のある大きさを超えたところで、顕著に増大して良い。たとえば一部の実施例では、成長角の平均相対変化は、電場の大きさが神経突起の周辺で約100V/m以上であるときには45°以上であって良い。

場合によっては、物理的ガイダンスキューは、1次元空間内、2次元空間内、又は3次元空間内内で特定の経路に沿って、神経突起の伸張を指向的に誘導して良い。場合によっては、神経突起を指向的に誘導することは、定められた方向へ神経突起の成長を誘導することを含む。たとえば図20Aに表されているように、物理的ガイダンスキュー245(たとえば機械的に作用しない物理的ガイダンスキュー)が、xy平面上にて第1方位250で成長する神経突起に印加され、かつ、神経突起を第2方位255−たとえばz方向(つまりxz平面又はyz平面)−に成長させて良い。

ある実施例では、物理的ガイダンスキューは、成長が2方向以上で変化するように多方向で神経突起の成長に影響を及ぼして良い。場合によっては、神経突起の成長は2回以上変化して良い。一般的には、神経突起の成長は任意の適切な回数変化して良い。たとえばデバイスは、同一の方法又は異なる方法で神経突起の成長に影響を及ぼす複数の物理的ガイダンスキューを有して良い。たとえば神経連絡を形成するデバイスは、第1方位(たとえばxy平面)から第2方位(たとえばyz又はxz平面)へ神経突起の方位を変化させる物理的ガイダンスキューのみならず、神経突起の制限及び/又は神経突起の伸張の加速を行う物理的ガイダンスキューを有して良い。一部の実施例では、神経突起の成長の多重変化が、神経連絡を形成することなく、第1個体群の神経突起を第2個体群の神経突起へ重ね合わせることを可能にするのに用いられて良い。

ある実施例では、物理的ガイダンスキューは、成長が2方向以上で変化するように多方向で神経突起の成長に影響を及ぼして良い。場合によっては、神経突起の成長は2回以上変化して良い。一般的には、神経突起の成長は任意の適切な回数変化して良い。たとえばデバイスは、同一の方法又は異なる方法で神経突起の成長に影響を及ぼす複数の物理的ガイダンスキューを有して良い。たとえば神経連絡を形成するデバイスは、第1方位(たとえばxy平面)から第2方位(たとえばyz又はxz平面)へ神経突起の方位を変化させる物理的ガイダンスキューのみならず、神経突起の制限及び/又は神経突起の伸張の加速を行う物理的ガイダンスキューを有して良い。一部の実施例では、神経突起の成長の多重変化が、神経連絡を形成することなく、第1個体群の神経突起を第2個体群の神経突起へ重ね合わせることを可能にするのに用いられて良い。一部の実施例では、物理的ガイダンスキューは連続的であって良い。たとえばキューは、本願全体を通して神経突起の成長を連続的に変化させて良い。成長が変化する方法及び/又は結果が時間及び/又は空間にわたって変化し得るので、連続的なガイダンスは必ずしも静的ガイダンスと等価な訳ではないことに留意して欲しい。ある実施例では、物理的ガイダンスキューは、キューが時間及び/又は空間にわたって変化するように不連続であって良い。たとえば交流電場(たとえば交流電場の不均一な電場)が、電極対をオンとオフとの間で切り換えることによって神経突起の成長を可逆的に阻止するのに用いられて良い。他の例では、電極対のアレイは、時間及び空間で変化する局所電場を供することによって伸張を動的に誘導するのに用いられて良い。

一部の実施例では、1つ以上の物理的ガイダンスキューが、電場によって生成されて良い。電場は、交流電場−たとえば不均一な交流電場−又は直流電場であって良い。一般的には、任意の種類の電場が用いられて良い。しかしある実施例(たとえば電極が近いとき、電圧が高いとき)では、DC電場は、電気分解の危険性及び/又は大規模なジュール加熱−これらはニューロン及び/又は電極にとって有害となり得る−のため用いられ得ない。そのような実施例の一部では、不均一な交流電場がDC電場の問題を克服できる。なぜなら高周波数が、有害な電気化学反応を抑制し、かつ、ジュール加熱を減少させることができるからである。一部の実施例では、不均一な交流電場は、たとえば均一な交流電場又は直流電場に代わって、所望の物理的キューを生成するのに必要と考えられる。

一般的には、電場は様々な機構で物理的ガイダンスキューを生成して良い。理論に固執するわけではないが、界面動電現象は、物理的ガイダンスキューの生成において重要な役割を果たし得ると考えている。ある実施例では、界面動電現象は、神経突起及び/又はその周辺環境に電場駆動力を作用させる。これらの力の特性は、物理的ガイダンスキューが神経突起の成長を変化させる方法を支配し得る。たとえば垂直な電場駆動力は成長を阻止し得る一方で、垂直ではない力は神経突起の方位を変化させ得る。ある実施例では、界面動電現象及びその結果生じる力は、交流(AC)電場及び直流(DC)電場とは異なり得る。他の実施例では、AC電場及びDC電場の界面動電現象及びその結果生じる力は実質的に同一であって良い。

一部の実施例では、電場のある特性(たとえば、大きさ、周波数)は、物理的ガイダンスキューの特性に影響を及ぼし、そのため神経突起の成長の変化に影響を及ぼし得る。たとえば所与の電圧では、低周波数のAC電場は、高周波のAC電場よりも神経突起の成長を大きく抑制し得る。ある実施例では、ある周波数範囲の交流電場が用いられて良い。たとえば一部の実施例では、AC電場の周波数は、約100Hz以上、約500Hz以上、約1000Hz以上、約5000Hz以上、約10000Hz以上、約50000Hz以上、約100000Hz以上、又は、約500000Hz以上であって良い。場合によっては、交流電場の周波数は、約1000000Hz以下、約500000Hz以下、約100000Hz以下、約50000Hz以下、約10000Hz以下、約5000Hz以下、約1000Hz以下、又は約500Hz以下であって良い。上述の範囲の組み合わせ(たとえば約100Hz以上で約1000000Hz以下)もまた考えられる。他の値もまた考えられる。

一部の実施例では、電場の大きさは物理的ガイダンスキューの特性に影響を及ぼして良い。一例では、物理的ガイダンスキューがある大きさ未満では生成され得ないような、物理的ガイダンスキューの生成の閾値が存在して良い。一般的には、電場の大きさは希望に応じて選ばれて良い。たとえば一部の実施例では、電場の大きさは、約50V/m以上、約100V/m以上、約200V/m以上、約500V/m以上、約1000V/m以上、約5000V/m以上、約10000V/m以上、約50000V/m以上、約100000V/m以上、又は約500000V/m以上であって良い。場合によっては、電場の大きさは、約1000000V/m以下、約500000V/m以下、約100000V/m以下、約50000V/m以下、約10000V/m以下、約5000V/m以下、約1000V/m以下、約500V/m以下、約200V/m以下であって良い。上述の範囲の組み合わせ(たとえば約100V/m以上で約1000000V/m以下)もまた考えられる。他の値もまた考えられる。

ある実施例では、電場を生成する電極の近傍は、物理的ガイダンスキューの特性に影響を及ぼし得る(たとえば、近傍への局在化、成長が変化する方法)。たとえば中心間の間隔の小さな(たとえば1μm)電極対は、局在化される電場を神経突起の成長円錐に印加する一方、中心間の間隔の大きな(たとえば200μm)電極対は、局在化した電場を印加できない。一般的には、電極上での中心間の間隔は、所望の結果を実現するように選ばれて良い。たとえば、一部の実施例では、電極間の中心間の間隔は、約200μm未満、約150μm以下、約125μm以下、約100μm以下、約75μm以下、約50μm以下、約30μm以下、約10μm以下、又は約1μm以下であって良い。場合によっては、電極間の中心間の間隔は、約0.1μm以上、約1μm以上、約5μm以上、約15μm以上、約30μm以上、約60μm以上、約100μm以上、約140μm以上、又は約180μm以上であって良い。上述の範囲の組み合わせ(たとえば約1μm以上で100μm以下)もまた考えられる。他の値もまた考えられる。

ある実施例では、他のガイダンスキューの存在は、物理的ガイダンスキューの特性に影響を及ぼし得る。たとえば一部の実施例では、物理的ガイダンスキューは、他のガイダンスキュー(たとえば機械的ガイダンスキュー)に起因する成長へのバリアを有する経路に沿って神経突起を指向的に誘導して良い。一部の実施例では、その経路に沿った神経突起の成長が抑制又は阻止されるように、他のガイダンスキューの力は、物理的ガイダンスキューに比例するか、又は、それによりも大きくて良い。ある実施例では、物理的ガイダンスキューは、神経突起の方位を、本来の方位よりも大きな実効的探索領域を有する経路へ変化させて良い。そのような実施例の一部では、神経突起の成長(たとえば伸張)は、物理的ガイダンスキューの存在しない状態で本来の方位で成長する神経突起に対して抑制され又は遅くなり得る。たとえば第1方位に位置合わせされた繊維(たとえばコラーゲン繊維)を有する3次元スキャフォールド内において第1方位で成長する神経突起は、神経突起の成長を促進する追跡線の機械的ガイダンスを供して良い。そのような実施例の一部では、神経突起は、第1方位でよりも第2方位で遅く成長し得る。

本願で述べたように、1つ以上の物理的ガイダンスキューが、2つ以上のニューロンからの神経突起の成長を変化させるのに用いられて良い。各々が少なくとも1つの神経突起を有するニューロンが2つ以上存在する実施例では、再構成可能な物理的ガイダンスキューが、指向性神経連絡−たとえば軸索ダイオード(axon diode)、神経回路、及びニューラルネットワーク−を形成するのに用いられて良い。再構成可能な物理的ガイダンスキューを用いた指向性神経連絡を形成するデバイス40の例が図2Aに示されている。一部の実施例では、デバイス40はデバイス10に似ていて良い。図2Aに表されているように、断面が示されたデバイス40は、チャンバ25内に設けられた第1神経突起20−1を有するニューロン15、及び、チャンバ25−2内に設けられた第2神経突起20−2を有する第2ニューロン15−2を含んで良い。デバイスは、生きている細胞を収容し、かつ、細胞の成長を促進することが可能な複数のチャンバ(たとえば25及び25−2)、2つのチャンバを接続し、かつ、内部で各ニューロンからの神経突起が成長可能な少なくとも1つのチャネル、及び、物理的ガイダンスキューを発生することが可能な電極35を有して良い。電極35は対を構成するように配置されて良い。たとえば3つの電極は、2つの電極対を構成するように配置されて良い。各電極対は、1つ以上の物理的ガイダンスキューを発生させる電場36を生成して良い。ある実施例では、各電極対はロックを備えるゲートとして機能して良い。ゲートは、電圧が電極に印加されているときに閉じられ(つまりロックされ)、かつ、電圧が存在しない状態では開いて良い。ある場合では、図2Aに表されているように、電極対はチャンバ付近でチャネルと交差する。別な場合では、存在する電極対の数のみならず、電極とチャネルとの交差位置も変化して良い。たとえば2つ以上の電極対は、チャネルとその長さに沿って任意の点で交差して良い。一般的には、電極対の位置は希望に応じて選ばれて良い。神経細胞本体がチャンバに閉じ込められる一方で、神経突起が各チャネルへ入り込むように成長し得るように、チャンバとチャネルは構成されても良い。

1つ以上の再構成可能な物理的ガイダンスキューを用いた指向性神経連絡を形成する例が、図2B−図2Cに図示されている。図2Bに表されているように、上面図で示されたデバイス40は、第1チャンバ25−1、第2チャンバ25−2、及び第3チャンバ25−3内にそれぞれ収容される第1ニューロン15−1、第2ニューロン15−2、及び第3ニューロン15−3を有して良い。デバイスは、第1チャネル30−1B、第2チャネル30−2B、及び第3チャネル30−3Bを有して良い。各チャネル内では神経突起が成長可能である。一部の実施例では、図2Bに図示されているように、各チャンバが単一のチャネルによって他のチャンバに接続され、各チャンバは2つのチャネルに接続されるように、デバイスが構成される。他の場合では、各チャンバは、2つ以上のチャネルによって他のチャンバに接続されて良い。図2Bに図示されているように、3つの電極(つまり2つのゲート)は、チャンバ付近で各チャネルと交差して良い。

一の組の実施例によるデバイス40を用いてチャネル内に指向性神経連絡(たとえば軸索ダイオード)を形成する方法が、図2C−図2Dに図示されている。図2Cは、図2Dの軸索ダイオードシステムの各画像の電場の存在(“x”で示されている)又は不存在(ダッシュで示されている)を示している。図2Ci及び図2Diに図示されているように、神経突起がチャネル(たとえば30−1B)の各終端部31と32へ入り込むときに軸索ダイオードの形成が始まる。2つの電極対(つまり3つの電極)は、各終端部付近に設けられ、かつ、ゲートとして機能する。一方向性接続を形成するため、各終端部で電圧がゲートに印加されることで、そのゲートがロックされて良い。一部の実施例では、神経連絡の指向性は、どのゲートが最初に開かれる(つまり電圧が除去される)のかによって定められる。たとえば図2Cii及び図2Diiに図示されているように、電圧は、終端部32付近の電極に印加される。場合によっては、電場は、神経突起の伸張を可逆的に阻止又は抑制する電極対の付近での物理的ガイダンスキューを発生させる。ニューロンがチャネルを貫通して成長するように、電圧は終端部31付近の電極には印加されない。ニューロンの成長円錐が白の矢印によって示されている。図2Ciiiと図2Diiiに図示されているように、一旦神経突起の成長円錐が31付近の2つのゲートを超えて32付近のゲートに接近すると、終端部32付近のゲートは開かれ、かつ、終端部31付近のゲートはロックされる。一部の実施例では、終端部31付近のゲートがロックされることで、他の神経突起のチャネル内での成長が防止される。それに加えて、終端部32付近のゲートは、神経突起の接続を可能にするように開かれる。ある実施例では、軸索ダイオードの形成後、全てのゲートは、チャネルへの他の神経突起の入り込みを防止するようにロックされる。一部の実施例では、このゲートを開閉する方法は、さらなる神経連絡を形成するために繰り返されて良い。

1つ以上の再構成可能な物理的ガイダンスキューを用いて指向性ニューラルネットワークを形成する例が図3に図示されている。一部の実施例では、デバイス40はニューラルネットワークを形成するのに用いられて良い。ニューラルネットワークを形成するため、上の例のように、チャンバ25−1と25−2との間及びチャンバ25−2と25−3との間に神経連絡が形成されるように、ゲートは開閉された。図3の“X”が付された矢印によって示されているように、連絡はチャンバ25−1と25−3との間には形成されなかった。ある実施例では、連絡は、図3に図示されているように一方向性であって良い。連絡の方向は矢印によって示されている。反対方向の指向性連絡が存在しないことは、“X”の付された矢印によって示されている。

一部の実施例では、1つ以上のガイダンスキュー(たとえば物理的な無接触ガイダンスキュー)が、2次元及び3次元での神経突起の成長の誘導及び複雑なニューラルネットワークの形成に用いられて良い。たとえば一部の実施例では、1つ以上のガイダンスキューは、たとえばガイダンスキュー(たとえば物理的な無接触ガイダンスキュー)を用いることによって、第1の神経突起又は神経突起の個体群を第2の神経突起又は神経突起の個体群に重ねるのに用いられて良い。そのような実施例の一部では、1つ以上のガイダンスキューを用いることで、神経連絡を形成することなく、又は、重なり領域において相対的にわずかな数の神経連絡を形成することなく、神経突起を重ね合わせることが可能となる。たとえば一部の実施例では、重なり領域にて第2個体群の神経突起との連絡を形成する第1個体群の神経突起の割合は、約10%以下、約8%以下、約5%以下、約3%以下、約2%以下、約1%以下、約0.75%以下、約0.5%以下、約0.25%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、約0.01%以下、又は約0.001%以下であって良い。

ある実施例では、第1個体群の神経突起は、3次元スキャフォールド内で第2個体群の神経突起と重なって良い。そのような場合の一部では、ガイダンスキューは非接触物理的ガイダンスキュー(たとえば電場)であって良い。一部の実施例では、ガイダンスキューを生成するのに用いられる対象物は、3次元スキャフォールド内に含まれなくて良い。たとえばガイダンスキューが電場である実施例では、電場を生成するのに用いられる電極は、スキャフォールド内に含まれなくて良い。他の実施例では、電場を生成するのに用いられる電極はスキャフォールド内に含まれて良い。

2つ以上の神経突起が重なる領域を形成するデバイスの非限定的例が図21Fに図示されている。一部の実施例では、デバイスは、1つ以上の生きている細胞を収容し、かつ、細胞の成長を促進するように配置され、かつ、第1チャネル305に接続される第1チャンバ300を有して良い。デバイスはまた、第1チャネルの少なくとも一部に対して位置合わせされた第1電極対310をも有して良い。その際、第1電極対の一部が第1チャンバの少なくとも一部と重なる。ある場合では、第1電極対中の少なくとも1つの電極(たとえば複数の電極の各々)は、図1Eに表されているように、第1チャンバの少なくとも一部とも重なる他の電極と対を形成して良い。デバイスはまた、1つ以上の生きている細胞を収容し、かつ、細胞の成長を促進するように配置され、かつ、第2チャネル325に接続される第2チャンバ320をも有して良い。場合によっては、デバイスは、第2チャネルの少なくとも一部に対して位置合わせされた第2電極対330を有する。第2電極対の少なくとも一部は第2チャンバの少なくとも一部と重なって良い。ある場合では、第2電極対中の少なくとも1つの電極(たとえば複数の電極の各々)は、図1Eに表されているように、第1チャンバの少なくとも一部とも重なる他の電極と対を形成して良い。一部の実施例では、重なり領域でのチャネルの高さは、以降で詳述するように、3次元での神経突起の成長を可能にする程度に十分高くて良い。たとえば、約20μmよりも高くて約100μm以下の高さ(たとえば、約20μmよりも高くて約500μm以下、約50μm以上で約1000μm以下、約20μmよりも高く、約50μm以上)を有する重なり領域で第1チャネルと第2チャネルは交差して良い。一部の実施例では、第1チャネルと第2チャネルの少なくとも一部は、以降で詳述するように、3次元スキャフォールドによって充填されて良い。場合によっては、第1チャネルと第2チャネルの全体が、3次元スキャフォールドによって充填されて良い。

一部の実施例では、図21Fに表されているように、第2電極対は、第1チャネルと重なる第2チャネルの一部において不連続であって良い。そのような場合の一部では、第2電極対は、ギャップ335を有して良い。ギャップ335は、第1電極対が、チャネルが複数の電極からなる第2電極のうちの少なくとも1つと交差するか又は重なる領域を交差することを可能にする。

ある実施例では、デバイスは、神経連絡を形成することなく、神経突起を重ねるのに用いられて良い。一部の実施例では、1つ以上のニューロン(たとえば第1個体群のニューロン)が第1チャンバ内で種付けされ、かつ、1つ以上のニューロン(たとえば第2個体群)が第2チャンバ内で種付けされる。チャネル内での神経突起の伸張がスキャフォールド内で起こるように、チャネルには3次元スキャフォールドが充填されて良い。一部の実施例では、第1チャンバと重なる電極の一部は、第1チャネルへ向かって伸張する神経突起を、電極対間の領域へ入り込むように誘導して良い。場合によっては、電極間のスキャフォールド内部へ入り込むように伸張する神経突起は、電極対中の1つ以上の電極を交差することによって抑制されて良い。理論に束縛されることなく、電極の端部周辺の電場が、神経突起が電極対の外部の領域内に伸張するのを抑制及び防止すると考える。そのような場合の一部では、神経突起は、電極間のスキャフォールド領域内で、場合によっては、1つ以上の電極に対して実質的に平行な方向に伸張するように閉じ込められる。一部の実施例では、第1電極対は、神経突起の少なくとも一部を、第1チャンバから第1電極対の端部(たとえば位置340)へ指向的に誘導するように機能する。電極は3次元スキャフォールド内部に存在しなくて良く、かつ、電極間の領域は、電極間だが必ずしも電極に直接物理的に接触するわけではない3次元空間を指称して良いことに留意して欲しい。

第2チャンバと重なる電極の一部はまた、第2チャネルへ向かって伸張する神経突起を、電極対間の領域へ入り込むように誘導し、かつ、神経突起の成長を、電極間の領域に制限しても良い。一部の実施例では、第2チャネル内の神経突起は、重なり領域へ向かって伸張し、かつ、第1電極対からの電場(たとえば交流電場)と遭遇して良い。第1対の電極によって生成される電場は、高電場領域(たとえば第1電極からの電場の大きさが約100V/m以上の場所)内での神経突起の成長を抑制して良い。ある実施例では、第2チャネル内での神経突起は、第1電極対によって生成される高電場領域を妨害するように方位を変化させて良い。たとえば、神経突起は、図20Aに表されているように高電場を妨害するように方位のz成分を変化させて良い。理論に束縛されずに、z軸の変化が、第1チャネル内の神経突起と第2チャネル内の神経突起との間での接触を防止することで、神経連絡の形成を防止するからと考える。ある実施例では、第2電極対の一部は、第1電極にわたる神経突起の伸張方向のx軸成分とy軸成分に影響を及ぼし続けて良い。そのような実施例の一部では、神経突起が第1電極対を超えて伸張した後、神経突起は、第2電極対間の領域へ再度送り込まれ、かつ/あるいは第2電極対間の領域内で伸張し続けて良い。

一部の実施例では、1つ以上のガイダンスキューが、第1個体群の神経突起と第2個体群の神経突起の伸張を指向的に誘導することで、ガイダンスキュー(たとえば物理的ガイダンスキュー)を用いて第1個体群の神経突起と第2個体群の神経突起との間にニューラルネットワークを形成するのに用いられて良い。ある実施例では、1つ以上のガイダンスキューは、第1個体群の神経突起と第2個体群の神経突起の3次元スキャフォールド内部での神経突起の伸張を指向的に誘導することで、ニューラルネットワークを形成するのに用いられて良い。そのような場合の一部では、ガイダンスキューは、非接触の物理的ガイダンスキュー(たとえば電場)であって良い。一部の実施例では、ガイダンスキューを生成するのに用いられる対象物は、3次元スキャフォールド内部に含まれなくて良い。たとえばガイダンスキューが電場である実施例では、電場の生成に用いられる電極は、スキャフォールド内部に含まれなくて良い。他の実施例では、電場を生成するのに用いられる電極はスキャフォールド内部に含まれて良い。

2つ以上の神経突起が重なっている領域を形成するデバイスの非限定的な例が、図21Gに図示されている。一部の実施例では、デバイスは、1つ以上の生きている細胞を収容し、かつ、細胞の成長を促進するように配置される第1チャンバ400及び第2チャンバ405と接続するチャネル402を有して良い。デバイスはまた、第1チャネルの少なくとも一部と位置合わせされた第1電極対410をも有して良い。第1電極対は、第1チャンバの少なくとも一部と重なって良い。第1電極間の中心間の間隔は約200μm以下(たとえば約150μm以下、約100μm以下、約50μm以下)である。ある実施例では、第1電極対は第2チャンバの少なくとも一部と重なって良い。一部の実施例では、第1チャネルの少なくとも一部は3次元スキャフォールドによって充填されて良い。場合によっては、第1チャネルの全体が3次元スキャフォールドによって充填されて良い。その結果、神経突起の伸張はスキャフォールド内で起こる。ある場合には、第1電極対中の少なくとも1つの電極(たとえば複数の電極の各々)は、図1Eに表されているように、第1チャンバの少なくとも一部とも重なる他の電極と対を形成して良い。

ある実施例では、デバイスは、ガイダンスキュー(たとえば交流電場)を用いて神経突起の伸張を指向的に誘導することで、神経突起間でニューラルネットワークを形成するのに用いられて良い。一部の実施例では、1つ以上のニューロン(たとえば第1個体群のニューロン)が第1チャンバ内で種付けされ、かつ、1つ以上のニューロン(たとえば第2個体群)が第2チャンバ内で種付けされる。チャネル内での神経突起の伸張がスキャフォールド内で起こるように、チャネルには3次元スキャフォールドが充填されて良い。一部の実施例では、第1チャンバと重なる電極の一部は、第1チャネルへ向かって伸張する神経突起を、電極対間の領域へ入り込むように誘導して良い。一部の実施例では、第2チャンバ内において1つ以上のニューロンから伸張する1つ以上の神経突起は、第1電極対間の領域内部で伸張して良い。第1電極の一部が第2チャンバと重なる実施例では、第2チャンバと重なる第1電極の一部もまた、電極対間の領域へ向かって伸張する神経突起を、電極対間の領域へ入り込むように誘導し、かつ、神経突起の成長を電極間の領域に制限しても良い。一部の実施例では、第1チャンバから伸張する1つ以上の神経突起及び第2チャンバから伸張する1つ以上の神経突起は、第1チャネル内で出会って、かつ、ニューラルネットワークを形成して良い。

一般的には、任意の適切なニューロンからの神経突起は、任意の他の適切なニューロンからの神経突起と重なって良いし、又は、任意の他の適切なニューロンとの神経連絡を形成しても良い。各異なるニューロン(たとえば各異なる細胞本体、各異なるニューロンの型、各異なるニューロンの分類等)又は同一のニューロン(たとえば各異なる細胞本体、各異なるニューロンの型、各異なるニューロンの分類等)からの神経突起が用いられて良いことに留意して欲しい。

本願明細書で述べたように、電気信号が、生きている細胞(たとえばニューロン)を培養可能なデバイスに印加されて良い。一部の実施例では、デバイスは、生きている細胞の維持及び成長を実行することが可能な環境(たとえば培養器)中に設けられる必要があり、かつ、電気信号をデバイスへ印加することを可能にするシステムに取り付けられて良い。本願明細書で述べたように、細胞の維持と成長を実行することが可能な環境中で電気信号をデバイスへ供することが可能なシステムが、図4に図示されている。一部の実施例では、図4に図示されているように、電気信号は、回路基板積層体125に接続されるコネクタ124を用いることによってチップ123上のデバイスに印加されて良い。回路基板積層体125は、電気信号を生成し、かつ、1つ以上の電極への電気信号を別ルートにする及び/又は維持して良い。ある実施例では、積層体125は、積層体全体を操作するミニコンピュータ121に接続されて良い。場合によっては、ミニコンピュータは、積層体の動作を自動的に制御して良い(たとえばデバイス内の電極にわたる電気信号の印加及び維持)。場合によっては、各電極用のパラメータ(たとえば電圧、周波数)が(たとえばインターネット120、リモートコンピュータ接続等を介して)リアルタイムで遠隔で変化し得るように、たとえばウエブサーバのような装置がミニコンピュータに設置されて良い。

本願明細書で述べたように、とりわけチャネル、チャンバ、及び電極を有するデバイスが、物理的ガイダンスキューを用いた神経突起の成長の変化及び神経連絡の形成に用いられて良い。一部の実施例では、デバイスの構成要素の特徴(たとえば寸法、製造材料、配置)は、デバイスの動作に影響を及ぼし得る。たとえば神経突起の成長を変化させるため、デバイスは、1つ以上のマイクロスケールの構成要素(たとえばチャンバ、チャネル、電極)を有して良い。ある場合では、デバイスはマイクロ流体デバイスであって良い。一般的には、デバイスの構成要素の特徴は希望に応じて選ばれて良い。

一部の実施例では、電極とチャネルとの交差角は、約0°以上、約15°以上、約45°以上、約90°以上、約135°以上、又は約150°以上であって良い。場合によっては、角度は、180°以下、約150°以下、約115°以下、約90°以下、約60°以下、又は、約30°以下であって良い。上述の範囲の組み合わせもまた考えられる(たとえば約0°以上で約135°以下)。他の値もまた考えられる。ある実施例では、一の電極は、他の電極とは異なる角度でチャネルと交差して良い。逆に、一の電極は、他の電極と実質的に同一の角度でチャネルと交差して良い。場合によっては、電極は、他のチャネルとは異なる角度で一のチャネルと交差して良い。別な場合では、電極は、他のチャネルと実質的に同一の角度で一のチャネルと交差して良い。

一部の実施例では、チャンバの寸法は、希望に応じて選ばれて良い。チャンバは、任意の適切な断面寸法を有して良いことに留意して欲しい。たとえば一部の実施例では、チャンバは、約2000μm以下、約1000μm以下、約750μm以下、約600μm以下、約500μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約25μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下の最大断面寸法を有して良い。場合によっては、チャンバは、約0.01μm以上、約0.1μm以上、約1μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約20μm以上、約50μm以上、約100μm以上、約200μm以上、約400μm以上、約600μm以上、約900μm以上、又は約1500μm以上の最大断面寸法を有して良い。上述の範囲の組み合わせ(たとえば約1μm以上で約1000μm以下)もまた考えられる。他の最大断面寸法の値もまた考えられる。

場合によっては、チャンバの少なくとも1つ又は少なくとも2つの断面寸法(たとえば高さと幅)は、約750μm以下、約500μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約20μm以下、約10μm以下、又は約5μm以下であって良い。場合によっては、チャンバの少なくとも1つ又は少なくとも2つの断面寸法は、約0.01μm以上、約0.1μm以上、約1μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約25μm以上、約50μm以上、約100μm以上、約200μm以上、約400μm以上、又は約600μm以上であって良い。上述の範囲の組み合わせもまた考えられる(たとえば約10μm以上で約500μm以下)。他の値もまた考えられる。

チャンバはある値の幅に対する高さの比を有する。ある場合では、チャンバの高さに対する幅の比は、約1:1以上、約2:1以上、約5:1以上、約10:1以上、約15:1以上、約20:1以上、約50:1以上、約100:1以上、約200:1以上、約300:1以上、又は約400:1以上であって良い。場合によっては、高さに対する幅の比は、約500:1以下、約400:1以下、約300:1以下、約200:1以下、約100:1以下、約50:1以下、約20:1以下、約15:1以下、約10:1以下、約5:1以下、又は約2:1以下であって良い。上述の範囲の組み合わせ(たとえば約1:1以上で約20:1以下)もまた考えられる。他の値もまた考えられる。

チャンバは、少なくとも2:1、より典型的には少なくとも3:1、8:1、又は20:1のアスペクト比をも有して良い。場合によっては、チャネル、チャネルのセグメント、又はチャネルの一部は、非常に大きなアスペクト比−たとえば少なくとも100:1、500:1、又は1000:1−を有する。

一部の実施例では、チャンバは、約1mm以上、約5mm以上、約10mm以上、約20mm以上、約40mm以上、約60mm以上、又は約80mm以上の長さを有して良い。場合によっては、長さは、約100mm以下、約90mm以下、約70mm以下、約50mm以下、約30mm以下、又は約10mm以下であって良い。上述の範囲の組み合わせ(たとえば約1mm以上で約100mm以下)もまた考えられる。他の長さの値もまた考えられる。

一部の実施例では、チャネルの寸法は希望に応じて選ばれて良い。一部の実施例では、チャネルの高さは、電場の存在する状態又は存在しない状態で成長するニューロンの方位に影響を及ぼし得る。たとえばチャネルの高さは、神経突起の成長を2次元又は3次元の平面に制限し得る。一例では、チャネルの高さは相対的に小さくて良い(たとえば約10μm以下、約5μm以下)ので、その結果成長円錐は、空間的に閉じ込められ、3次元に成長できず、かつ、たとえばz方向に沿うように制約される。場合によっては、チャネルの高さは相対的に高くて良い(たとえば約50μm以上、約100μm以上、約200μm以上、約300μm以上、約1000μm以上)ので、その結果成長円錐は空間的に閉じ込められず、3次元に成長し得る。

チャネルは任意の適切な断面寸法を有して良いことに留意して欲しい。たとえば一部の実施例では、チャネルは、約1cm以下、約5000μm以下、約2000μm以下、約1000μm以下、約500μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約25μm以下、約10μm以下、約5μm以下、又は約1μm以下の最大断面寸法を有して良い。場合によっては、チャネルは、約0.1μm以上、約1μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約25μm以上、約50μm以上、約100μm以上、約200μm以上、約300μm以上、約500μm以上、約1000μm以上、約2000μm以上、又は約5000μm以上の最大断面寸法を有して良い。上述の範囲の組み合わせ(たとえば約1μm以上で約2000μm以下)もまた考えられる。他の最大断面寸法の値もまた考えられる。

場合によっては、チャネルの少なくとも1つ又は少なくとも2つの断面寸法(たとえば高さ、高さと幅)は、約2000μm以下、約1000μm以下、約500μm以下、約300μm以下、約200μm以下、約100μm以下、約50μm以下、約30μm以下、約20μm以下、約10μm以下、約5μm以下、約2μm以下、又は約1μm以下であって良い。場合によっては、チャネルの少なくとも1つ又は少なくとも2つの断面寸法は、約0.01μm以上、約0.1μm以上、約1μm以上、約5μm以上、約10μm以上、約25μm以上、約50μm以上、約75μm以上、約125μm以上、約200μm以上、約300μm以上、約500μm以上、又は約1000μm以上であって良い。上述の範囲の組み合わせ(たとえば約0.1μm以上で約10μm以下、約1μm以上で約2000μm以下)もまた考えられる。他の値もまた考えられる。

チャネルはある幅に対する高さの比を有して良い。ある場合では、チャネルの高さに対する幅の比は、約1:1以上、約1.6:1以上、約3:1以上、約5:1以上、約10:1以上、約15:1以上、又は約20:1以上であって良い。場合によっては、幅と高さとの比は、約30:1以下、約20:1以下、約15:1以下、約10:1以下、約5:1以下、又は約2:1以下であって良い。上述の範囲の組み合わせ(たとえば約1:1以上で約20:1以下)もまた考えられる。他の値もまた考えられる。

チャネルはある幅に対する高さの比を有して良い。ある場合では、チャネルの高さに対する幅の比は、約1:1以上、約1.6:1以上、約3:1以上、約5:1以上、約10:1以上、約15:1以上、又は約20:1以上であって良い。場合によっては、幅と高さとの比は、約30:1以下、約20:1以下、約15:1以下、約10:1以下、約5:1以下、又は約2:1以下であって良い。上述の範囲の組み合わせ(たとえば約1:1以上で約20:1以下)もまた考えられる。他の値もまた考えられる。

チャネルは、少なくとも50:1、より典型的には少なくとも75:1、90:1、又は150:1のアスペクト比をも有して良い。場合によっては、チャネルは、非常に大きなアスペクト比−たとえば少なくとも200:1、500:1、1000:1、又は10000:1)を有して良い。

一部の実施例では、チャネルは、約50μm以上、約100μm以上、約200μm以上、約400μm以上、約600μm以上、又は約800μm以上の長さを有して良い。場合によっては、長さは、約1000μm以下、約750μm以下、約450μm以下、約250μm以下、約150μm以下、又は約75μm以下であって良い。上述の範囲の組み合わせ(たとえば約100μm以上で約750μm以下)もまた考えられる。他の長さの値もまた考えられる。

一部の実施例では、チャネルの少なくとも一部は3次元スキャフォールドで充填されて良い。3次元スキャフォールドは、生きている細胞又はその一部を収容し、かつ、細胞の成長と発達(たとえば神経突起の成長)を促進することが可能であって良い。一部の実施例では、3次元スキャフォールドは、多次元(たとえば3次元)での神経突起の成長を促進し得る。一般的には、スキャフォールドは、生きている細胞又はその一部を収容し、かつ、細胞の成長と発達を促進することが可能な任意の適切な材料で構成されて良い。当業者は、適切なスキャフォールド材料を知っている。適切なスキャフォールド材料の非限定的例には、コラーゲン、ラミニン、多糖類、ポリペプチド、ゲルマトリックス、細胞外複合体(たとえばマトリゲル(登録商標))、基質タンパク質(たとえばフィブロネクチン、ゼラチン)、ヒドロゲル、エラスチン、テネイシン、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、成長因子、及びこれらの結合が含まれる。

一部の実施例では、チャネルの一の表面の少なくとも一部が分子によって官能化されて良い。一部の実施例では、分子は、ニューロン及び/若しくは神経突起の成長を変化させ、並びに/又は、表面の一部へのニューロン及び/若しくは神経突起の付着を変化させ得る。場合によっては、分子は、細胞本体若しくは神経突起の成長及び/又は付着を改善(たとえば加速)させ得る。他の場合では、分子は、細胞本体若しくは神経突起の成長及び/又は付着を低下させ得る。ある場合では、分子は化学ガイダンスキューであって良い。当業者は、本願明細書の記載に基づく適切な分子の知見を有している。

一部の実施例では、ニューロン又は生きている細胞は、海馬ニューロン、後根神経節、網膜神経節細胞、ゴルジI型ニューロン、ゴルジII型ニューロン、籠細胞、ベッツ細胞、ルガロ細胞、中型有棘ニューロン、プルキンエ細胞、レンショウ細胞、ユニポーラブラシ細胞、顆粒細胞、前角細胞、運動ニューロン、紡錘細胞、擬ユニポーラニューロン、多極ニューロン、介在ニューロン、運動ニューロン、感覚ニューロン、星細胞、及びこれらの結合からなる群から選ばれて良い。一般的には、任意の適切なニューロンが用いられて良い。

2013年1月14に出願された“Electrokinetic Confinement of Neurite Growth for Dynamically Configurable Neural Networks”という題名の米国特許仮出願番号61/752183は、本願に組み込まれる。

以下の例は、本発明のある実施例を表すことを意図しているのであって、本発明の全技術的範囲を表すものではない。

この例は、交流(AC)電場を用いることで培養されたラットの海馬ニューロンにおける軸索突起の成長を動的に制御することについて記載している。105Hzのオーダーの周波数で穏やかに電圧を印加することで、発達する軸索突起が電極に隣接して止まり、その一方で電場から離れた軸索突起は抑制されない成長を示すことがわかった。電極のオンとオフを切り換えることによって、電極にわたる軸索突起の通過は、可逆的に抑制又は許されて良い。

AC電場駆動力が軸索突起の成長に影響を及ぼし得るのか否かを判断するため、図1Aと図5A−5Bに図示されているように、2つの広いマイクロ流体チャンバ−いずれか一ではニューロンが培養される−で構成される軸索突起を分離するデバイスに基づくマイクロ流体プラットフォームが開発された。2つのチャンバは、軸索突起の伸張を1次元に制限する平行なマイクロチャネルのアレイによって接続された。マイクロチャネル内部での交流電場の印加を可能にするため、マイクロ流体プラットフォームは、互いに組み合わせられた金の電極(15μmの幅でかつ15μm離間している)によって事前にパターニングされたガラスに結合された。電極がマイクロチャネルに対して垂直に延びるようにガラスとPDMSを結合することによって、チャネルに対して平行に作用することで1次元の軸索突起の成長を阻止するAC電場駆動力が印加されて良い。

培養チャンバにニューロンを加えると、拡張的な神経突起の伸張が、試験管(in vitro)にて4日(DIV)で起こった。このとき多くの神経突起がマイクロチャネルに入り込んだ(図5A)。図1Aは、マイクロ流体神経電場駆動プラットフォーム(the Microfluidic neuronal electrokinetic platform)のデバイスの断面を示している図5Aは、試験管内において4日でのデバイス内で成長したニューロンの画像である。図のスケールバーは50μmである。図5Bは、4つのウエルを有する流体インターフェースと電気インターフェースを示す写真である。スケールバーは1cmである。

次にAC信号が電極に印加され、かつ、軸索突起(axon)の成長がモニタリングされた。電極と交差しないマイクロチャネル内では、軸索突起は、マイクロチャネルの長さを貫通するように成長した(図1C−図1D)。しかし電極を備えるマイクロチャネル内での軸索突起は、電場が印加されたときには、電極で成長を止めた(図1C)。一旦電場がオフにされると、軸索突起は、マイクロチャネルを貫通する成長を再開した。このことは、軸索突起が生存可能のままだったことを示唆している。AC電場が軸索突起の成長に及ぼす影響を定量化するため、試験管内で7日間印加した後、AC信号の周波数と電圧振幅を変化させた。顕著な温度上昇(ΔT〜σV2/k。ここで、σは媒質の電気伝導度で、kは熱伝導率で、ここで最大電圧での細胞の培養媒質ではΔT〜7℃であった)又は(σm=0.98±0.08S/mで測定され)高伝導度の海馬培養媒質中での電気分解を回避するため、周波数は100kHz〜1MHz及び電圧は0〜3Vp−pの範囲にそれぞれ制限された。AC信号の周波数と電圧のいずれも、軸索突起の長さに顕著な影響を有した。このとき、より低周波数は、所与の電圧での軸索突起の伸張をより顕著に抑制した(図6)。

図1Cは、試験管内において4日での、組み合わせたれた垂直な電極を備えるマイクロチャネル内での軸索突起の成長の蛍光偽色画像である。ニューロンは、生きている細胞を視覚化する目的で、チューブリン−GFPバキュロウイルスによって感染させた。太い矢印は、マイクロチャネルを貫通するように成長する、電極のない制御チャネル内での軸索突起を表す。細い矢印は、電極端部で止まる、電極を備えるマイクロチャネル内での軸索突起を表している。周波数は100kHzで、かつ、電圧は2Vだった。スケールバーは150μmである。図1Dは、試験管内で4日間電場を印加した後に試験管内で6日経った時点での軸索突起の成長の蛍光偽色画像である。太い矢印は軸索突起の終端部を表している。図6は、電圧をオンにした状態でチップ内にて7日間培養した後での電圧に対する規格化された軸索突起の長さのグラフである。(***: p<0.001)。図中、nは2つの独立した複製実験にわたって測定された軸索突起の数を表す。

図7は、制御実験(電場は印加されない)及びAC界面動電効果によって阻止される軸索突起のための、プラットフォーム内で長時間にわたる軸索突起の長さを示している。第1電極への距離及びチャネル端部への距離がハイライトされている。主要な本体の区画からの軸索突起は約3日で第1電極に到達する一方で、ACによる阻止から軸索突起を解放した後の軸索突起の伸張は1日かからない。結果は、試験管内での4日と試験管内での6日の間での観測された軸索突起の伸張は、阻止された軸索突起の伸張によるものであり、細胞本体の区画から成長する新しい樹状突起ではないことを強く示唆している。

図8は、(培養媒質中において1mMの濃度での)時間依存蛍光強度を有するローダミンBとフルオロフォアを用いた電極周辺の温度の測定を示している。図8Aは電極周辺でのローダミンBの偽色画像である。色は温度の空間分布を表す。ローダミンBの蛍光強度は温度上昇と共に減少する。従って暗い色の領域は、オレンジ色の領域よりも温度が高いことを示唆している。従って電極の存在しないマイクロ流体チャンバ(領域1)はオレンジ(色)である一方、電極を備えるマイクロチャネル(領域3)は赤色(より暖かい)。電極がPDMSに結合される場所(領域2)、より具体的には溝の中であって電極に近い場所で、軸索突起が3.5Vp−pよりも高い電圧ではこれ以上成長しない場所で、最高温度領域を見つけることができる。スケールバーは50μmを示している。図8Bは得られた温度のプロットである。各点は、所与の周波数で5秒間電圧を印加し、かつ、各々が温度制御されたステージ上で37.5℃に設定された3つの異なる組み合わせられた電極のTRITCフィルタの組によって撮られた画像(露光時間500msでカメラの利得は一定である)によって得られた。各画像では、240×480μmの面積(領域2)からの蛍光強度は、3つの電極にわたって空間的に平均化され、かつ、校正用曲線と比較された。校正は、ホットプレートを用いてローダミンBの蛍光強度の温度依存を決定し、文献中に見つけた傾斜(−1.3/℃)と整合する測定傾斜を得ることによって実行された。測定された温度は、周波数に対して独立で、かつ、電圧に対して超線形的に増大する。これはジュール加熱のためと予想される。

この例は、神経突起の成長円錐への界面動電効果のモデル化を説明している。理論に束縛されず、モデルは、誘電泳動が、物理的ガイダンスキューを生じさせる原因となるAC界面動電効果であることを示唆している。

成長円錐は、その幅に対して10倍小さな軸索突起と接続して、ガラス表面付近で楕円形状だった。その大部分は、その成長を調整するアクチンフィラメントで構成される。成長円錐は、(1)アクチン層(幅a=2μm、高さb=200nm)、(2)細胞質層(均一な高さdcvt=300nm)、及び(3)細胞膜(均一な高さdmem=10nm)の3つのシェルで構成されるコア−シェル扁円物体としてモデル化された。この物体の固有長さはa1=b+dmem、及び、a2=a1+dcyto+dmemだった。この分極可能な物体は3つの力に曝された。前記3つの力とは、純粋な流体に作用する電気流体力学的な力であるAC電気浸透(ACEO)及び電熱効果(ETE)、並びに、成長円錐自体に作用する誘電泳動(DEP)である。

ACEOは、AC信号が印加されるときに電極表面付近に生成される流れを指称する。周波数に依存する流れは、接線方向の電場と誘起された二重層の電荷との積が最大値になる周波数で最大となる。共面電極ACEOをモデル化する従来方法に従って、電極上での時間平均ACEO速度(

ACEO>)が次式で与えられる。

ここで、ΩACEOは無次元の周波数で、εmは媒質の誘電率で、σmは媒質の伝導率で、V0は電極に印加される電位で、rは、力が評価される極座標で(ここでrは成長円錐の半分の長さに設定される)、λdは電解質/電極の界面のデバイ長で、ωはAC信号の周波数である。

第二に、電熱流が、電場が媒質内で印加されるときに誘起され、かつ、ジュール加熱を生じさせる。不均一な場(まさにこの実施例がそれに該当する)では、熱の発生には空間分布が存在する。その結果、局所的な誘電率と伝導率において空間勾配が生じる。これは、電場によって作用することで、流体全体の流れを誘起する。時間平均速度

ETE>は次式で表される。

ここで、ηmは媒質の粘度で、kは媒質の熱伝導度で、(r,θ)は、力が評価される極座標で、τmは媒質の緩和時間でτmmmで与えられ、α=−0.4%K−1で、β=2%K−1である。因子Πは、媒質の伝導度のために印加される周波数範囲では変化せず、一定値−0.022を有する。

ACEOとETE速度が合計されることで、定常状態の領域での楕円摩擦係数を介して成長円錐に作用する力

EHD>へ変換される大域的な正味のEHD速度

EHD>が与えられる。

EHD>=f・

EHD>=f・

EHD> (3) ここでfは次式で与えられる。

第3の力はDEP力である。Castellarnauと同一の方法を用いることによって、共面電極構成における扁円回転楕円体について、成長に作用するn次のDEP力が次式によって与えられるように外挿される。

DEP>=(32/3)a

1a

2a

3ε

m(V

0

2/d

3)exp(−πr/d)Re[CMF(ω)] ここでRe[CMF(ω)]は次式で与えられる。

ここで、dは電極間の距離(本実施例の設定ではd=15μm)で、Aは楕円の3つの軸のうちの1つに沿った脱分極因子の成分で、ε*pとε*mはそれぞれ、i番目の層の内側の区画と外側の区画の複素誘電率で、nは多重極の次数である。クラジウス−モソッティ因子(CMF)は、力の周波数依存性を取り込み、かつ、図10では広範囲の周波数及び複数の媒質の伝導度について表される。各層の誘電特性は、アクチン、ニューロンの細胞質及び細胞膜について、文献から取得された。電場強度が成長円錐の寸法にわたって大きく変化するので、JonesとWashizuによって1994年に導入された高次モーメントのクラジウス−モソッティ因子は、n=4まで考慮された。これらの高次多重極の全体的なDEP力への寄与は、古典的な双極子の寄与よりもはるかに小さい(〜105倍小さい)ことがわかった。これらの高次の力は、我々の結果及び文献が示してきたように、物体を退けるので、建設的にDEP力を加える。よってこれらの高次の力は、DEP力は、我々の動作条件でのEHD力よりも大きいという我々の発見と整合する。しかもこのモデルは、成長円錐がガラス表面に近接することに起因するDEP力における偏りを考慮していない。しかしLynch他は、ガラス表面に付着した赤血球のDEP力を測定し、かつ、力は古典的なコア−シェル孤立粒子モデルと良好な一致を示すことを発見した。従って我々のシステムでの成長円錐も同じように振る舞うと推定することができる。

すべての力は周波数と電圧に依存するので、誘起されたEHD力とDEP力の相対的な大きさが、ある周波数範囲と電圧振幅範囲にわたってプロットされ(図10B)、かつ、それらの力の絶対値が図11でプロットされている。DEP力とEDH流のいずれも、電極から成長円錐をはねつけるように協働して作用する。結果として得られるモデルは、傾向及び成長円錐に作用する力の大きさのオーダーに関する確かな情報を与える。EHD値からは、200kHz〜1MHzの周波数範囲にわたってほぼ一定の応答を有する。他方DEP力の大きさは周波数に強く依存する(図3SB)。DEP力は、加熱が最小となる低電圧(<2.70Vp−p)ではEHD力よりも大きいことがわかった。周波数に関しては、EHDは、〜250kHzより高い周波数でより顕著となる。なぜなら成長円錐のCMF(ひいてはDEP力)の大きさは、f>100kHzで減少するからである。

軸索突起を阻止するデータ(図1D)を検討すると、周波数が低い(f<250kHz)と、軸索突起の長さが最小となり、周波数が低い領域では、DEP/EHDの比が最大になる(図3b)ことがわかった。同様に、モデルは、高い周波数(f>250kHz)でDEP力の大きさが減少することを示している。他方、周波数が増大するときには、実験的に軸索突起の長さが増大した−つまりは界面動電効果が小さくなった−ことが観測された。しかもモデルは、所与の周波数では、DEP/EHD力が電圧の増大と共に増大することを示している一方で、実験は、100kHzを除くすべての周波数で電圧の増大と共に軸索突起の長さが増大することを示している。興味深いことに、この最低周波数は、周波数に対するDEP/EHDのプロットにおけるピークに対応し得る(図9B)。よって軸索突起の長さの定量的データにおける傾向(図1D)が、発達する軸索突起がDEP力によって作用する機構と最も良く整合する。モデル及びパラメータの値によって、成長に作用する最大のDEP力が〜66pNであることがわかった(図11)。これは、試験管内での脊柱交連神経細胞の軸索突起の成長円錐によって生じる引っ張り力と同じオーダーであり、かつ、成長円錐の引きつけを生じさせるネトリン1によって生じる力である。

このAC界面動電モデルは非限定的な仮説であるが、高強度のAC電場からの軸索突起の成長を抑制するのに考えられ得るプロセスに関する知見を与えることに留意して欲しい。代替機構は、細胞内で−たとえば電場誘起アクチン分極を介して−機能し、かつ、将来の研究にとって面白い方法である。

図9Aは、我々の解析で用いられた成長円錐モデルの概略図である。図9Bは、成長錐体へのDEP力とEHD力との間でのモデル化された力の比である。

図10は、シミュレートされた成長円錐モデルのクラジウス−モソッティ因子を示している。図10Aは、複数の媒質の伝導度についての1次(双極子)モデルを示している。図10Bは、神経媒質の伝導度での多重極の数を増大させる場合での1次のDEP力とn次の力との間での比を示している。プロットの挿入図は、成長円錐のCMFのn次多重極の詳細な図を表している。高次のDEP力は、1次の力よりも数桁小さい。

図11は、研究で用いられた周波数及び電圧の範囲にわたる誘電泳動(FDEP)力と電気流体力学的な力のシミュレーションによる値を示している。EHD力は、周波数にわたってほぼ一定の応答を有する一方で、DEP力の大きさは、200kHz〜1MHzの範囲内で強く周波数に依存する。これは、実験的に観測された傾向と整合する。

この例は、本発明の軸索突起の伸張の動的制御を利用して、軸索突起の通過を許可又は防止のいずれかを行う電極「ゲート」の対で構成される軸索突起をロックするシステムによって軸索突起ダイオードを生成する例について記載している。

電場駆動による軸索突起の阻止の動的性質は、軸索突起の一方向成長つまりは軸索突起ダイオードの形成に利用された。軸索突起ダイオードは、ロック内でゲートのように機能する2組の電極を用いて、一面のみからの軸索突起が成長することを可能にした(図2A)。デバイスは、正三角形として配置された3つのマイクロチャンバチップだった。各マイクロチャンバは、溶液を移送するための6つのウエルとインターフェースで接続する独自の流入容器と流出容器を有する(図12)。各マイクロチャンバは、軸索突起だけが成長可能(高さ〜3μm)なマイクロチャネルを介して他のマイクロチャンバに接続された。各マイクロチャネルは、そのマイクロチャネルの各端部に2組の電極(グランド−AC−グランド)を設けることによって形成される2つの軸索突起「ゲート」を有する(図2B)。軸索突起ダイオードを生成するため、マイクロチャンバの各対を接続するゲートが、動的に開閉された。ゲートのAC電圧がオフにされたとき、そのゲートは開かれ、かつ、軸索突起は電極を越えるように自由に成長した。AC信号がオンにされたとき、ゲートは閉じられ、かつ、軸索突起はゲートにわたって進展することができない。ゲートを閉じるように印加されたAC信号のパラメータが、f=100kHz及びV=3Vp−pに設定された。これらは、神経突起の伸張を阻止するのに有効であることがわかっていた(図1D)。

最初に、ゲートは最初閉じられていた(AC電圧が印加されている)3つのマイクロチャンバの各々の中にニューロンをまくことによってダイオードの機能を示した(図2Ci)。24時間後、マイクロチャネル内の2つのゲートのうちの1つが開かれた(AC電圧がオフに切り換えられた)ことで、「上流の」マイクロチャンバと呼ばれる一のマイクロチャンバからの軸索突起が、マイクロチャネルへ入り込むように伸張することが可能となる(図2Ci−ii)一方で、反対側の「下流の」マイクロチャンバ内の軸索突起は閉じられたゲートによって阻止されたままであった。神経連絡の指向性は、軸索突起が上流のマイクロチャンバから下流のマイクロチャンバへのみ通過する状態とするのに最初にどのゲートが開かれるのかによって定義される。一旦軸索突起が開いたゲートを越えて伸張すると、2つのゲートの状態は反転した。最初に開いていたゲートは閉じられ、かつ、過去に閉じられていたゲートは開かれた(図2C−iii)。その際、マイクロチャネル内の上流の軸索突起は、第2ゲートを越えて伸張し、かつ、下流のニューロンの個体群との連絡を確立する。ここで第1ゲートが閉じられたので、下流のマイクロチャンバからの軸索突起は、上流のマイクロチャンバへ向かってマイグレーションすることができず、マイクロチャネル内で捕獲されるか、又は、下流のマイクロチャンバ内にとどまる。最終的に、いずれのゲートも、さらなる軸索突起がマイクロチャネルを介してマイグレーションするのを防止するように閉じられた(図2Civ)。上流のマイクロチャンバから下流のマイクロチャンバまでの軸索突起(n=12)の長さが、このプロセスの間に測定された(図13)。電場がオンにされる限り、軸索突起は始動した電極にわたって通過しないことがわかった。しかも成長円錐は、始動した電極から戻らなかった(成長円錐媒質の位置の標準偏差は時間と共に消失した)。ゲートが開いたとき、軸索突起の成長プロセスは、42+7μm/日の速度で続いた。この速度は、チャネルの中央部で観測された成長速度(72+10μm/日)と比較してかなり遅い(相対誤差41%)。これは、成長円錐が、電場のためにこれまで接触できなかった表面を探索する時間によって説明することができる。最終的に、一旦ゲートがオンにされると、下流の軸索突起は、通過することなく上流のゲートの前方にとどまった。この電場駆動による軸索突起の阻止の具体的な時空間の応用は、「軸索突起ロックシステム」と呼ばれる。

図2Cは、軸索突起ダイオードの側面概略図を示している。図2Bと図12は、3つのマイクロチャンバと電極を示す軸索突起ダイオードチップの画像である。

図2Cは、軸索突起ロックシステムの概略図(左側)と位相画像(右側)である。図中、成長円錐が方向を有する白い矢印によってピンポイントで示されている。チャネルの中央部は白いスポットによってハイライトされている。ローマ数字は以下のことを表している。 (i)いずれのゲートも、軸索突起がマイクロチャネルへ入り込まないように閉じられている。 (ii)左側のゲートが開かれ、単一の軸索突起が左側から入り込む。 (iii)左側のゲートが閉じられて、右側のゲートが開かれる。 (iv)第1軸索突起がゲートを越えて完全に通過した後にいずれのゲートも閉じられる。 図13は、左側のゲートと右側のゲートの始動タイミングに対する上流のマイクロチャンバ(青色)及び下流のマイクロチャンバ(赤色)からマイグレーションする軸索突起の測定長さのグラフである。

この例は、機能を有するように制御されたニューラルネットワークの集合を示す、3つの軸索突起ロックによって分離された3つの個体群のニューロンで構成される神経回路の発達について記載している。活動電位の記録は、AC界面動電効果が軸索突起に害を及ぼさなかったことを示した。Ca2+イメージングは、シナプス結合の一方向的性質を示した。

軸索突起ロックシステムを用いることによって、機能性軸索突起ダイオードが構築されたことが示された。軸索突起ダイオードは、生体内での神経経路誘導の指向性を模倣するため、試験管内で発達及び使用された。指向性は、再生する軸索突起が、末梢神経損傷後であって発達中に適切な接続を形成するのにとって重要である。指向性接続の生成が可能な試験管内システムはわずかしかない。AC界面動電効果は、再構成可能性の利点を有する。なぜなら電場は意のままにオンとオフにできるからである。よって発達する軸索突起の成長を動的にロック又は解放する機能は、ニューラルネットワークを生成する魅力的な可能性を有する。特に、人工神経ガイド管内での軸索突起の選択的成長は、標的への軸索突起のルーティングを改善し、かつ、軸索突起の誤発芽(mis−sprouting)及び不適切な神経支配を防止することができる。

複数の軸索突起ダイオードを用いてニューラルネットワークを生成するため、電極ゲートは、軸索突起を誘導するように動的に開閉した。その際、チャンバ“A”が一の方向でチャンバ“B”に接続され、かつ、チャンバ“B”が一の方向でチャンバ“C”に接続され、他方、チャンバ“C”はいずれの方向でもチャンバ“A”には接続されなかった(図6A)。

我々は最初に、AC電場が、活動電位(AP)を生成及び伝播する軸索突起の機能に悪影響を及ぼさないことを確認するため、動いているゲートを通過した軸索突起の機能を検討した。活動電位を測定するため、我々は、刺激及び記録用電極としてゲート電極を転用することで、ダイオードを通過した軸索突起内でのAP伝播をモニタリングした。第1組の電極は刺激用電極として用いられた。第2組の電極は記録用電極として用いられた。

図14Aは、複数の軸索突起ロックの一を通過した軸索突起の組からの活動電位の読み取りを示している。各刺激パルスが印加されたとき、さらにダイオード全体を通過した軸索突起に沿ったAPが記録された。それにより、軸索突起ロックシステムが、APの生成又は伝播を妨害しないことが立証された。

続いて指向性ネットワークのシナプスが活性であるのか否かが判断された。Oregon Green(登録商標) BAPTA1が、活動電位がKClの添加によって誘起されたときに顕在化するCa++を視覚化する染色試薬として用いられた。KClの刺激は、他の外部容器を選択的に加圧することによって単一のマイクロチャンバに限定された(図15)。KClがチャンバ“A”に加えられたとき、3つのチャンバ内すべてにおいて脱分極が観測された(図14B左側)。他方、KClをチャンバ“B”に加えたことで、チャンバ“B”と“C”にのみおいてCa++の振動が誘起され(図14B中央)、かつ、KClをチャンバ“C”に加えたことで、チャンバ“C”においてのみ振動が誘起された(図14B右側)。これらの結果は、チャンバ“A”がチャンバ“B”とチャンバ“C”に接続され(図14B左側)たこと、及びさらに、機能性シナプスは、チャンバ“A”を起源とするニューロンからの信号を、チャンバ“B”を介してチャンバ“C”へ伝送し得ることを示している。それに加えて、刺激チャンバ“B”がチャンバ“C”内でのCa++の振動を誘起する(図14B中央)が、刺激チャンバ“C”はチャンバ“B”内でのCa++の振動を誘起しない(図14B右側)という観測事実は、2つのチャンバが軸索突起ダイオードによって指向的に接続されていることを示している。全体的に見れば、これらの結果は、我々の軸索突起ロックシステムにおける指向的に接続された海馬ニューロンのネットワークを生成することが可能であることを示している。

図3は、12日の軸索突起ロックシステムによって構成される試験管内ニューラルネットワークの蛍光偽色画像である。ただの矢印はダイオードの方向を表している。図14Aは、刺激信号(黒色)及び下流で記録された信号(有色)を示す活動電位の記録を示している。図14Aは、ニューロンの各個体群の一部を順次刺激するときのOregon Green(登録商標) BAPTA1によって染色されたニューロンの偽色蛍光画像である。スケールバーは50μmである。

図15は、様々な静圧を用いた流れのコンパートメント化を示している。圧力は、各マイクロチャンバに接続される流入容器と流出容器内に設けられる液体の容積によって誘起される。従って、正しい液体容積を設けることによって、一のマイクロチャンバから他のマイクロチャンバへ流れを誘導することで、一の個体群のニューロンのみへの化学物質の局所的付与を行うことが可能である。図15A−15Bは、流れが制限されないとき、及び、流れが制限されるときのそれぞれの3つのマイクロチャンバの蛍光画像である。矢印は、流束の方向を示唆している。容積は、流入口/流出口内に挿入される液体の量である。流れは、10μMのフルオレセインと1μMの蛍光ポリスチレンビーズを一の容器に挿入することによって可視化された。

この例は、実験に用いられる材料と方法について説明している。 「界面動電効果デバイスの微細作製及びニューロンプレーティングの準備」 マイクロ流体チップが、150mmのガラスウエハ上で作製された。標準的なフォトリソグラフィ工程に続いて、10/100nmのTi/Auの2層が電子ビームにより堆積され、かつ、アセトンによるリフトオフによって電極が現れた。続いてウエハは、個々のチップが得られるようにダイシングされた。マイクロチャネルは2種類の構成要素を有する。細胞注入用の高いチャネル(100μm)と軸索突起成長用の浅いチャネル(高さ3μm)である。マイクロチャネルは、薄いレジスト(SU−8 2005)と厚いレジスト(SU8−2050)による2段階リソグラフィによって作製されたSU−8(マイクロケム社)マスターから鋳型成形された。続いてマイクロチャネルは、脱ガス及び硬化されたPDMSによって鋳型成形された(9:1の質量比で、ダウコーニングのシルガード184(登録商標)硬化剤による)。続いてプラスチック製マスターが、最終的なPDMSの複製物用の将来の鋳型として用いられた。マイクロ溝が、大気プラズマ曝露(2分)及びメタノール中での浸漬(5分)後に双眼鏡で観察しながら手動で位置合わせされた。組み立てられたチップは30分間100℃で硬化された。

2つの異なるマイクロ流体チップはこのようにして構築された。第1チップ(図1)は、マイクロ溝(長さ450μm、幅5μm、高さ3μm)のアレイによって分離された長方形のマイクロチャネル(長さ4000μm、幅500μm、高さ100μm)で作られた2つの区画を有するチップだった。第2チップ(図4)は、正三角形内に設けられた3つのマイクロチャンバ(直径500μm、高さ100μm)に接続される5mmの穴があけられた流入容器と流出容器で作られた3区画チップだった。各容器は、マイクロチャネル(長さ450μm、幅50μm、高さ3μm)を介して他の容器に接続された。マイクロチャネルは、培養器中で24時間、0.1mg/mLのポリ−l−リジン(シグマ アルドリッチ社)によってコーティングされた。続いてチャネルは、蒸留水(DI)で3回洗浄され、かつ、2時間、20μg/mLのラミニン(シグマ アルドリッチ社)によってコーティングされた。チャネルは、DI水によって再度3回洗浄され、かつ、2mMのグルタミンと100U/mlのペニシリン/ストレプトマイシン(海馬培養媒質)を含むNeurobasal−B27(登録商標)によって3回洗浄及び充填された。マイクロ流体チップは、使用されるまで培養器内に設けられた。 「分離及び細胞の培養」 すべての動物の仕事は、MITの動物の保護に関する委員会(MIT Committee of Animal Care)及び比較医学部(Division of Comparative Medicine)によって承認され、かつ、動物福祉に関する研究所、州、及び連邦政府のガイドラインを遵守している。海馬は、E18 Sprague Dawleyラット(チャールズリバー研究所)から採取され、かつ、10mMのHEPES、pH7.3で緩衝された、よく冷えたHankの平衡塩溶液(HBSS)によって消化(digested)された。細胞組織は、20U/mlのパパイン(ワージントンバイオケミカル)、1mMのEDTA、及び1mMのL−システインを含む、HEPESで緩衝された2mlのHBSS中で30分間培養されたことで消化された。続いて細胞組織は、8mlの海馬培養媒質によって3回洗浄された。細胞は、1mlの海馬培養媒質中で穏やかに粉砕され、血球計算盤によって計数され、かつ、デバイス内へ流し込まれた。細胞は、37℃、5%のCO2で維持された。 「デバイス中でのニューロンの種付け」 種付け前、マイクロ流体チップの容器は、マイクロチャネルから媒質を除去することなく空であった。各流入容器では、4μLの高密度(>8×106の細胞/mL)で溶解したニューロン溶液が、マイクロチャネルの入口付近に設けられた。チップは、ニューロンをコーティングされたガラスに接合させるため、5分間培養器に戻された。種付けプロセスは、高い細胞濃度を達成するように3回繰り返された。最後に、流入容器と流出容器は海馬培養媒質によって迅速に充填され、かつ、チップは培養器に戻された。 「ニューロンのトランスフェクション」 プレーティング後24時間のニューロンが、販売業者によって示唆されているように、104の細胞に対して2μLの比で、チューブリン−GFPバキュロウイルス(ライフテクノロジー社、チューブリン−GFPバキュマム2.0ウイルス)によってトランスフェクションされた。続いて細胞は、16時間の培養後に蛍光中で撮像された。 「画像の取得」 画像は、冷却されたCCDカメラであるLaVision ImagerQE(LaVision)と自動ステージであるLudI MAC5000(LudI)に適合したAxiovert 200M(ザイス社)によって取得された。顕微鏡は、Metamorphソフトウエア(モレキュラーデバイス社)によって制御された。画像は、ImageJ及びMatlabソフトウエア(マスワーク社)を用いて解析された。 「培養器内部でAC電気信号を印加する試験管内プラットフォーム」 AC信号が、培養器内部に設けられた特注のプラットフォームによってマイクロ電極に印加された。マイクロ流体チップは、アルドゥイーノの自作プリント回路基板積層体に接続されたZIFコネクタに対して位置合わせされ、かつ、ZIFコネクタへ挿入された。ZIFコネクタは、チップの機械的及び電気的ホルダとして機能する。積層体は、3つのボード、マスターであるアルドゥイーノのボード、デジタル直接合成発振器によって発振されたAC信号のボード、及びルーティングボードで構成された。(ミッドナイトデザインソリューション社、DDS−60ドーターカードに基づく)DDSボードは、0〜60MHz及び0〜10Vp−pの範囲内でAC信号を発生させることが可能だった。(テキサスインスツルメント社、ADG333ABRスイッチ、アナログボード、及び74HC595シフトレジスタを用いた)ルーティングボードは、1つ以上の電極へのAC信号の再ルーティング及び維持が可能だった。USBによってアルドゥイーノに接続されたラズベリー・パイ ミニコンピュータは、積層体全体を操作した。各電極の周波数と電圧が、リアルタイムでウエブブラウザ経由で遠隔的に変化できるように、ウエブサーバが、ラズベリー・パイにインストールされた。電気信号は、電気スイッチとシフトレジスタで構成される自作のアルドゥイーノボードを介して各電極へ選択的に送られる。スイッチを閉じる命令は、ウエブサーバが常時動いているラズベリー・パイによってアルドゥイーノへ送られる。アルドゥイーノとZIFコネクタのいずれも、最終的には培養器中に設けられる。 「軸索突起の長さの測定」 全ての溝は落射蛍光下で撮像された。軸索突起の長さはMatlabによって測定された。撮像アルゴリズムは、最初にコントラストと輝度を改善する段階、続いて画像を(各画像にとって手動で最適化された閾値で)二値化する段階、続いてハフ変換を適用する段階、及び、最後にチャネルエッジと軸索突起の端部との間のギャップを測定する段階で構成される。各電圧と周波数について、規格化軸索突起長さが、観測された軸索突起の長さ(図6のAL)と、チャネル端部と第1電極との間の距離(図6のDCE)との比として定義された。軸索突起ロックシステムでは、軸索突起の長さは、これまでのものと同一のアルゴリズムによって測定された。成長円錐が電極によって隠されたとき、位置は、電極の幅程度の誤差で電極自体の中央にあると推定された。 「ニューラルネットワークの刺激」 ニューロンは、1時間Oregon Green(登録商標) BAPTA1(ライフテクノロジー社)によって染色され、かつ、媒質によって洗浄された。一の個体群の一部だけを刺激するため、90mMのKCl溶液20μLが、一のマイクロチャンバの流入口内にのみ注入された。他の個体群のニューロンの容器は、50μLの各媒質で充填された。それにより、KClが注入されたマイクロチャンバから流出するのを防止するように、チャンバ間に圧力差が生成された。この流体流のコンパートメント化の詳細は補足情報において与えられる。 「活動電位の記録」 活動電位は、軸索突起をロックする三角チップ内においてマイクロ電極自体を介して記録された。同一のマイクロチャネルからのマイクロ電極は、ZIFモジュールを介して刺激用電極及び記録用電極として接続された。パルス発生装置(TTi)は、電流変換器(アイソレータ−10、Axon Instruments社)に接続され、続いて刺激用電極に接続された。記録用電極は、ロックインアンプ(利得×104、ISO−80、World Precision Instruments社)とPCオシロスコープ(PicoScope、PCオシロスコープソフトウエア)に接続された。続いて信号は、Matlabに送られ、時間的に合成された。 「統計解析」 軸索突起の停止解析では、差異は、各実験条件が複製されて実行された2つの独立する実験からスチューデントのt検定によって解決された。すべての解析について、*p値は0.05未満で、**p値は0.05未満で、***p値は0.001未満だった。

この例は、電極を含むマイクロ流体デバイス(たとえば電気マイクロ流体チップ)内での3次元コラーゲンマトリックス(たとえばコラーゲンスキャフォールド)の選択的パターニングについて説明している。

コラーゲンは、さらなるパターニング用チャネル又はさらなる装置を必要とすることなく、マイクロ流体チャネル及び/又は他のマイクロ流体構造物内部で選択的にパターニングされた。

マイクロ流体チャネルの高さに依存して、方法は、マイクロ流体チップの画定された領域にコラーゲンをしみこませるように平衡となる毛管流に基づいた。簡潔には、コラーゲンは、マイクロ流体チップ全体へ流れ込み、かつ、チップ内で平衡となる流れのため、アクリル酸(AA)のみを用いることによって、あるマイクロチャネル内で除去された。AAは、コラーゲン原繊維間での安定な水素結合を妨害することで、コラーゲンスキャフォールドを可溶化させることが知られている。この手順の詳細は「実施例11」でさらに説明する。図16は、マイクロ流体チップの断面像とマイクロ流体チップ自身の写真を示している。図16Aは、チャンバ内に存在する神経細胞体と様々な高さのコラーゲンスキャフォールド内へ入り込むように成長可能な軸索突起を有するコンパートメント化された電気マイクロ流体チップの概略図である。図16Aは、試験管内で6日(DIV)後に電場のない高さ5μmのコラーゲンスキャフォールド内で軸索突起を発達する×10の明視野写真である。軸索突起は、コラーゲンスキャフォールド内で細胞体の区画から有向性成長を示した。図16Cはペトリ皿内のマイクロ流体チップの写真である。電気的接続が、チップの下部で視認可能である。

この例は、AC電場を用いて、5μmの高さを有するマイクロ溝内におけるコラーゲンスキャフォールド内での軸索突起の成長を誘導することについて説明している。電極の形状は軸索突起の成長に影響しなかった。しかし3Vp−p及び150kHzの交流電流を印加すると、高電場領域では軸索突起の成長が退けられ、かつ、低電場領域では、軸索突起が、方向を変化させ、かつ、成長した。

AC電場駆動力が、マイクロチャネルの幾何学的制約と電場分布とを組み合わせることによってコラーゲンスキャフォールド内において3次元に軸索突起の成長を誘導し得るという仮説を解決するため、マイクロ流体チップ−たとえば図16に示されたようなもの−が、共面電極及び官能化された表面上で成長するニューロンと共に用いられた。この仮説を解決するため、E−18海馬ニューロンの発達が、上述の「実施例5」と「実施例6」で説明した電気マイクロ流体チップ内で、溝の高さと電極の幾何学形状を変化させながら観測された。

マイクロ溝の高さ(h)が5μmであったとき、成長円錐が空間的に閉じ込められるので、軸索突起の成長は単一面に制限された。細胞容器内でのニューロンの種付け後24時間で、軸索突起は、マイクロチャネル内に入り込んで電極へ向かって拡張し始めた。この点では、電場は、3Vp−p及び150kHzの交流電流を印加することによって始動した。制御チップ内では、電場は不稼働のままだった。細胞は、成長と生存能力をモニタリングするために24時間毎に撮像された。

試験管内で4日(4DIV)以内で、制御チップ内の軸索突起は、図17に図示されているように、マイクロチャネル全体(600μm×600μm)を充填した。不稼働の電極にわたって成長する軸索突起と制御領域内(矢印201)で成長する軸索突起との間では、成長速度には差がないことが観測され得た。このことは、電極の形状(h=200nm)は成長に影響を及ぼさなかったことを示している。ここの細胞は、細胞の容器からマイクロチャネルへ入り込むようにマイグレーションした。高さ制限のため、発達する軸索突起からの誘導の手がかりに従って狭い開口部に押し込められたグリア細胞が最尤的に存在した。

始動したチップの制御領域(矢印201)内では、軸索突起は、不稼働チップ内と略同一の成長速度及び密度を示した。しかし対照的に、電場領域では軸索突起はほとんど成長しなかった。軸索突起は特に、第1電極の前方で反転し、かつ、低電場強度の領域(矢印202)に到達するまで電気力線に追随した。電極と平行な軸索突起との間の距離は略5〜10μmだった。

図17Bは、印加電圧の関数として評価される成長方向の変化を示している。各条件では、各々が一のチャネルを備える3つの異なる試料の電場領域が、最小で50の樹状突起を含む各被検査チャネルと共に解析された。図示された角度分布は、電場に遭遇する前後の成長角度の相対変化を表している。黒の線は各電圧の真ん中の値(median)となる角である。不稼働の電極(0V)によって、神経突起は、チャネルと平行に成長し(真ん中の値となる角=0°)、かつ、両側で等しく起こった成長方向のほんの小さく変化した(±10°)。同様な成長方向のずれは、1Vppで始動した電場について見いだされた。しかし中央の値となる角は、わずかに負の値にシフトした(−2.5°)。このことは電極から離れることを意味する。この電圧でのDEP力は最小である。観測された変化はAC界面動電性に関連しないと推測される。2Vppを印加することで、−50°〜−85°の範囲で平均して略−70°回転した。3Vppを印加することで、最大−90°の最大回転が起こり、かつ、図17Aで観測されたように電極に対して平行に成長した。2〜3Vppの範囲では、実施例2で説明したモデルは、成長円錐に作用する最大DEP力が66pNと推定している。この力は、成長円錐を体内で回転させる牽引力と同じオーダーだった。従ってDEPは、成長方向を変化させる最も有力な原因であった。最終的には、電極で4Vppが印加されることで、神経突起が損傷し、かつ、角度のずれを決定することはできなかった(0°での線)。これらの発見は、「実施例13」で説明する様々な電圧での細胞の製造能力試験の結果と整合した。

場合によっては、個々の軸索突起は側部から電場領域へ分岐した。これは、不均一な電場の結果であり、その結果組み合わせられた電極アレイの端部でDEPが減少したものと考えられる。一部の実験では、チャネル壁の隣に直接成長する個々の軸索突起の分岐が観測された。チャネル壁のような強い機械的キューが、DEP効果を超え、かつ、軸索突起が電場領域へ入り込むように成長することを可能にすることは考えられる。高さ5μmについては、チャネル内にスキャフォールドが存在してもしなくても、挙動は同一だった。成長円錐は、スキャフォールドと交互作用する代わりに、官能化された表面と大きく相互作用した。従って、チャネル高さが低い場合では、スキャフォールドが充填されたチャネルは、媒質が充填された高いチャネルに等しいとみなされ得る。

この例は、AC電場を用いてコラーゲンスキャフォールド内での軸索突起の成長速度を改善することについて説明している。この例は、軸索突起が化学的及び無接触で促進されることを示している。

図18Aに図示されているように、漏斗形状の電極が、信号及び接地電極の周辺内での軸索突起の界面動電的な閉じ込めの影響を研究するのに用いられた。白の破線は、制御領域(矢印205)内及び漏斗領域(青い矢印)内で発達する軸索突起の成長円錐を示している。軸索突起は、図18A内において収束効果を示すために追跡された。図18Aは、漏斗状に設計された電極(4DIV、100kHz、3Vp−p)を備える5μmの厚いコラーゲンが充填されたマイクロチャネル内での軸索突起の発達の画像である。漏斗形状の電極間に存在した軸索突起(矢印206)は、始動しなかった電極上方の軸索突起(制御、矢印205)よりも速く成長した。挿入図は、電極207の曲率を有する部分内での軸索突起の収束を示している。ここで個々の軸索突起の追跡経路は、収束効果を強調している。さらに閉じ込められていない軸索突起と比較して成長速度が増大することが観測された。その効果を定量化するため、発達する軸索突起の長さが測定された。図18Bは、様々な印加電圧及び制御チップ(電極が存在しない)について6DIV後での漏斗形状の領域内での拡張長さを示している。図18Bは、同一の電場下での6DIV後での神経突起の拡張長さのグラフである。漏斗形状内で軸索突起を閉じ込めることで、2〜3Vでは、2D表面(ガラス)上又は始動していない電極(0V)上方の厚さ5μmのゲル内の軸索突起と比較して、その閉じ込められた軸索突起の成長速度は顕著に改善される。(***, p<0.001; **, p<0.01)。制御用の不稼働電極と1Vpp(l1V=450μm)との間では顕著な差異は観測されなかった。電圧が2Vppまで増大することで、拡張長さは、l2V=680μmまで顕著に上昇した。はるかに強い3Vppの電場では、拡張長さ(l3V=960μm)は制御領域と比較して2倍となった。軸索突起の空間閉じ込めに加えて、成長速度の増大が観測された。AC電場駆動力が、実効探索領域を1Dの線に制限するので、成長円錐が環境を探索するのに必要な時間が短くなるという仮説が成立する。

この例は、AC電場を用いて、高さ10μmのマイクロ溝内部のコラーゲンスキャフォールドにおける軸索突起の成長を遅らせることについて説明している。電的な力と機械的な力の組み合わせが、軸索突起の成長を遅らせるのに用いられた 溝の高さはh=10μmにまで増大した。ニューロンはマイクロ流体チップ内で種付けされた。細胞容器内でのニューロンの種付けから24時間後、軸索突起は、マイクロチャネル内へ入り込み、電極へ向かって伸張し始めた。この点では、電場が始動され、かつ、1Vpp〜3Vppの様々な電位が一定の周波数150kHzで印加された。電極を備えないか、又は、不稼働の電極を備える制御チップが用いられた。

与えられたモデルに基づくシミュレーションは、150kHzで1VppではDEP力はわずか10pNであると予測した。従って成長円錐に印加された力は、基板のスティフネスのような他の誘導手がかりによって容易に超えられてしまう。これは、なぜ低電圧では伸張長さへの影響が観測されなかったのかの説明になり得る。対照的に、高電圧(2〜3Vpp)は、伸張長さの顕著な減少を誘起した。考えられ得る説明は、押し出され、かつ、電極から離れてチャネル上部へ向かわせる成長円錐の空間閉じ込めである。その結果、マイクロチャネルの物理的な閉じ込めと電場の斥力との間での競合が起こり、結果として伸張長さが減少する。

図19Aは、6DIV(100kHz、3Vp−p)後に厚さ10mmのコラーゲンが充填されたマイクロチャネル内での軸索突起の発達の画像である。電極上方で成長した軸索突起(矢印211)は、電極から離れた場所で成長した軸索突起(矢印210)よりも短い。図19Bは、様々な電場強度について、同一の電場で6DIV後の神経突起の伸張のグラフである。コラーゲン中での軸索突起の成長は、電圧の増大と共に減少し、かつ、2D表面(ガラス)上での成長よりも遅くなり得る。(***, p<0.001; **, p<0.01; *, p<0.1)。

この例は、軸索突起の伸張が多次元で起こるように、AC電場を用いて、高さ50μmのコラーゲンスキャフォールドの深さ内での軸索突起の成長を押し出すことについて説明している。

3次元成長環境を模倣するため、マイクロ溝の高さは、コラーゲンスキャフォールドが充填された50μmにまで増大された。電場がコラーゲン内で拡張することで、そのようなスキャフォールド内で成長する軸索突起は深さ内で偏向されるという仮説が成立した。細胞用域内でのニューロンの種付けから24時間後、神経突起は、スキャフォールドが充填されたマイクロチャネルへ入り込んで電極へ向かって伸張し始めた。この点では、電場が始動され、かつ、1Vpp〜3Vppの様々な電位が一定の周波数150kHzで印加された。電極を備えないか、又は、不稼働の電極を備える制御チップが用いられた。

図20Aは、50μmの高さで、6DIV後のコラーゲンが充填されたチャネル内で、電極が始動した(3Vpp、150kHz)状態で成長した軸索突起の概略図と共焦点画像を示している。共焦点画像は、図20A内において赤い線に沿ってスキャフォールドが充填されたマイクロチャネルを横切る蛍光軸索突起の側面図を示している。電場に曝されなければ(上側)、ほとんどの軸索突起は、チャネルのガラス底面に近づくように成長した。始動した電極(下部)にわたって成長した軸索突起は、z方向に偏向された。スキャフォールド内部での軸索突起の偏向は、共焦点顕微鏡によって観測及び定量化された。図20Bは、画像処理の出力、及び、共焦点顕微鏡によって生成される3D画像の側面再構成を示している。側面の共焦点画像は、始動していない電極(上部)と始動した電極(下部)についての図20Aの破線に沿ってチャネルを横切る軸索突起を示している。電場が存在しなければ、軸索突起は、チャネルの高さに沿って統計的に分布した。電場が存在すれば、電極に近づくように成長する軸索突起は、zステップ(実線)を行った。電場領域内での軸索突起の最低の高さは、水平な破線によって表された。図20Cは、制御状態と1Vppから3Vppまでの様々な電圧の第1軸索突起の平均高さを示している。制御状態は、電極を備えないチャネル又は不稼働の電場のいずれかによって実行された。電極を備えないチャネル内での成長、不稼働の電極による成長、又は150kHzで1Vppによる成長との間で、顕著な高さの差異は観測されなかった。印加電圧が2〜3Vppでは、z方向において電極へ近づくように成長した軸索突起が顕著に上昇した。2Vppでは、最低の軸索突起は7+1.5μmの平均高さにまで上昇し、3Vppでは、10+2μmにまで上昇した。

軸索突起の上昇は、電場領域後の下降よりもはるかに迅速に起こったことにも留意して欲しい。また電場通過後にチャネル底部に近づくように成長した軸索突起は少なかった。軸索突起は、電場駆動力によって迅速に上方へ反発され、かつ、統計的には高電場領域通過後に再度向きをとっているように見えた。電場駆動力は、上方及び電極端部から離れるように作用した。その結果、軸索突起は、高電場領域にわたって「ステップ」を行った。

この例は、AC電場を用いることで、第1個体群の神経突起と第2個体群の神経突起との間での神経連絡を形成することなく3次元マトリックス内部で第1個体群の神経突起と第2個体群とが重なる方法について説明している。

実施例6〜10で説明されたこれらの単位操作が、如何にして様々な用途に用いられ得るのかを示すため、調節可能な軸索突起の交差を生成する方法が開発された。上述した例で説明した停止、収束、及び押し出し機能が、軸索交差を生成するために組み合わせられた。 チップの設計図が図21Aに図示されている。チップの設計は以下で構成された。 1.蛍光染色されたコンパートメント化されて流体力学的に孤立する個々の個体群のニューロン 2.軸索突起ビームをチップの活性部分へ向かうように集束させたマイクロ流体集束溝 3.各溝について1対である、複数の漏斗形状の電極、及び、 4.重なり領域 活性領域又は重なり領域は、誘導電極及び押し出し電極、並びに、内部で軸索突起が押し出され得る局所的には50μmの高さのマイクロ溝の組み合わせだった。デバイス中では、コラーゲンは、溝内で選択的に注入され、かつ、細胞体が種付けされたマイクロチャネルから除去された。チャネル方向での軸索突起の成長を押し上げるため、ニューロンの区画間での静水圧(HP)の差異を維持し(図21Aの左側)、かつ、その区画にニューロンを入れない(図21Aの右側)ことで、軸索突起の成長は、少なくとも30%増大した(軸索突起は、HPが存在しない状態で他の区画と連絡するのに8〜9日かかった(HPが存在する状態では5〜6日かかった)。)。図21Aは、軸索突起ブリッジデバイスの透過縫合写真である(倍率20倍)。2つの流体力学的に孤立したニューロンの個体群は、マイクロチャネル内でプレーティングされ、かつ、各独立して染色された。コンパートメント化された溝によって、軸索突起は、挿入図内で改善されたブリッジ領域へ向かうように発達及び集束することが可能となる。それは、実際の無接触重なり領域の前に、軸索突起ビームを集束させた漏斗形状の電極で構成された。スケールバーは100μmを示した。

図21Bに図示されているように、電場又はHPが存在しなければ、軸索突起の成長は明らかに等方的だった。このとき初期の方向を維持する選択性を有している(蛍光定量化は、初期チャネルの同一方向において78±12%の成長速度を示した)。図21Bは、電場もマイクロチャネルからの静水圧も存在しない重なり領域の蛍光縫合写真(倍率20倍)を示している。スケールバーは100μmを示している。軸索突起の成長は、外部の溝へ誘導され、かつ、すべての隣接する溝内に存在する。この場合、いずれの個体群からの神経突起も重なり領域で重なるが、神経突起は、神経連絡を形成し、かつ、すべてのチャネル内で突出する。対照的に、図21Cに図示されているように、電場が始動され、かつ、HPが維持されるとき、重なり領域は明らかに、軸索突起ビームを集束させ、神経連絡を形成することなく重なり、他のチャネル内で出芽し、かつ、同一方向内での成長を増大させた。図21Cは電場が始動し、かつ、静水圧の存在するブリッジ領域の蛍光縫合写真(倍率20倍)を示している。スケールバーは100μmを示している。高い程度の軸索突起の束状配列が、重なり領域の出口で観測された。各状況(状況1,2)の隣接行列は次式のC1及びC2によって与えられる。

あるいはその代わりに、神経連絡は、2つの対向する個体群を用いて生成され得る。2つの対向するニューロンの個体群は、図7D−7Eに図示されているように、軸索突起ブリッジデバイス内において2方向で連絡した。神経連絡を構築するため、電場が始動され(150kHzで4Vpp)、かつ、HPは、出力に垂直な容器内で低く維持された。各状況(状況1,2)の隣接行列は次式のC1及びC2によって与えられる。

この例は、実施例6〜13で用いられる材料と方法について説明している。 「界面動電効果デバイスの微細作製」 マイクロ流体チップは、標準的な顕微鏡用ガラススライド(25×75×1.1mm、シグマ社)上に作製された。10/100nmのTi/Auの2層が、電子ビームを用いることによって、標準的な顕微鏡用ガラススライド(25×75×1.1mm、シグマ社)上に堆積された。続いて層は、標準的なリソグラフィを用いて構築され、かつ、250mLのH2O+200mLのHCl+100mLのHNO2中での4分間湿式エッチングされた。続いて、残りのチタンを除去するため、HCl:水(2:1)中で10分間第2湿式エッチングが行われた。

マイクロチャネルは2種類の構成要素を有する。細胞注入用の高いチャネル(100μm)と軸索突起成長用の浅いチャネル(高さ5〜50μm)である。マイクロチャネルは、薄いレジスト(SU−8 2005)と厚いレジスト(SU8−2050)による2段階リソグラフィによって作製されたSU−8(マイクロケム社)マスターから鋳型成形された。続いてマイクロチャネルは、脱ガス及び硬化されたPDMSによって鋳型成形された(9:1の質量比で、ダウコーニングのシルガード184(登録商標)硬化剤による)。マイクロ溝が、大気プラズマ曝露(2分)及びメタノール中での浸漬(5分)後に双眼鏡で観察しながら手動で位置合わせされた。組み立てられたチップは30分間100℃で硬化された。最初の鋳型成形後、プラスチック製のマスターが、デバイスのさらなる複製のために製造された。続いてPDMS鋳型が、立体顕微鏡(M80、ライカ社)を用いて電極に対して手動で位置合わせされ、かつ、大気プラズマへの2分間の曝露後にガラス基板上で結合された。組み立てられたチップは30分間80℃で硬化された。

複数のマイクロ流体チップはこのようにして構築された。コラーゲンスキャフォールド内での軸索突起へのAC電場の影響を評価するため、2区画のチップが作製された。平面(長さ600μm、幅600μm、高さ5〜50μm)のアレイによって分離された長方形のマイクロチャネル(長さ4000μm、幅500μm、高さ100μm)で作られた2つの区画を有するチップだった。軸索突起ブリッジチップは、正方形内に設けられた4つの内側容器(長さ1000μm、高さ100μm)に接続される5mmの穴があけられた流入容器と流出容器で作られた4区画チップだった。各容器は、マイクロチャネル(長さ500μm、幅50μm、高さ5μm)を介して他の容器に接続された。 「表面処理及びコーティング」 (電極を備えた)ガラス基板を洗浄するため、ガラス基板は、7X洗剤(MPバイオメディカル社)で1時間沸騰され、蒸留水中で10秒間洗浄され、アセトン、イソプロパノール、及び蒸留水で洗浄され、最後にオーブン中において200℃2時間でベーキングされた。ベーキング後、基板は、プラズマ洗浄され、かつ、PDMSマイクロフルイディクスに結合された。チャネルは、ポリ−D−リジン(0.1mg/ml、シグマ社)で充填され、かつ、37℃で少なくとも20時間培養された。緩いPDLを除去するため、チャネルは、主チャネルを空にすることなく蒸留水で2回洗浄された。その後チャネルは、ラミニン(20μg/ml、シグマ社)で充填され、かつ、37℃で2時間培養された。ラミニンは吸引された。チャネルは、プレーティング媒質(DMEM+10%FBS+1%FBS+1%PS+1%L−グルタミン)によって一の側から他の側へ3回洗浄された。このようにして官能化されたチップは、37℃での細胞の種付け前に最大2時間貯蔵された。海馬培養媒質は、2mMのグルタミンと100U/mlのペニシリン/ストレプトマイシンを含むNeurobasal−B27(登録商標)だった。 「コラーゲンスキャフォールドの選択的パターニング」 コラーゲン(10mg/ml、ギブコ社)は、氷上で緩衝溶液(250mM、pH7.4の2XPBS中のHEPESと2MのNaOH)と1分間混合された。緩衝溶液に対するコラーゲンの比は所望の最終コラーゲン濃度に依存したが、1:1付近だった。チップへ滴下する前、コラーゲン溶液は、繊維の厚を制御するため、氷上で10〜30分培養された。

最初に、結合されたチップは、細胞容器内で神経細胞たいが結合可能となるように、ポリ−d−リシンとラミニンによって官能化された。続いて、マイクロ流体チャネル全体が、スキャフォールド流入口を介してI型コラーゲン溶液で充填され、かつ、完全なゲル化まで37℃で培養された。酢酸(0.2M、pH3.5)が、コラーゲンを不安定化させるために細胞容器内に滴下された。酸がマイクロ流体チャネルをエッチングするのを防止するため、静水圧が、細胞媒質を流入口へ滴下することによって印加された。37℃で30分エッチングした後、不安定化したスキャフォールドは、細胞流出口を介して慎重に吸引された。酸と残留物を取り除くため、チャネルは、緩衝細胞媒質によって3回フラッシングされた。図22は、毛管の充填22−1とマイクロ流体パターニング22−2に用いられる手順を表している。図22Aは、媒質容器(破線)、細胞とスキャフォールド容器(100μm)、およびマイクロチャネル(50μm)を備える電気マイクロ流体チップを示している。図22Bは、コラーゲンによる構造物の充填及び完全なゲル化の後の電気マイクロ流体チップを表している。図22Cは、酸が細胞容器をエッチングした後でも、マイクロチャネルは、スキャフォールドが充填された容器からの静水圧の印加によって保護されている電気マイクロ流体チップを表している。図22Dは、不安定化したスキャフォールドが吸引され、かつ、過剰な酸と残留物が緩衝溶液によって取り除かれた後の電気マイクロ流体チップを表している。図22Eは、プロセスの経時変化画像である。500μm/分のエッチング速度を得ることができた。その結果、スキャフォールドは、電極チャネル内及び媒質容器内にのみ残る一方で、細胞容器は空でかつ細胞の種付けの準備ができている。 「分離及び細胞の培養」 すべての動物の仕事は、動物福祉に関する研究所、州、及び連邦政府のガイドラインを遵守している。海馬は、E18 Sprague Dawleyラット(チャールズリバー研究所)から採取され、かつ、10mMのHEPES、pH7.3で緩衝された、よく冷えたHankの平衡塩溶液(HBSS)によって消化(digested)された。細胞組織は、20U/mlのパパイン(ワージントンバイオケミカル)、1mMのEDTA、及び1mMのL−システインを含む、HEPESで緩衝された2mlのHBSS中で30分間培養されたことで消化された。続いて細胞組織は、8mlの海馬培養媒質によって3回洗浄された。細胞は、1mlの海馬培養媒質中で穏やかに粉砕され、血球計算盤によって計数され、かつ、35,000細胞/mm2の密度でプレーティングされた。細胞は、37℃、5%のCO2で維持された。細胞媒質は3日毎に50%について更新された。静水圧を維持するために、ニューロンの区画の容器が毎日媒質を系統的に満たされ、他は容器表面を乾かすことなく空にされた。 「デバイス中でのニューロンの種付け」 種付け前、マイクロ流体チップの容器は、マイクロチャネルから媒質を除去することなく空であった。各流入/流出容器では、6μLのプレーティング媒質が流出口に設けられ、直後に、4μLの高密度(>8×106の細胞/mL)溶解ニューロン溶液が、マイクロチャネルの入口付近に設けられた。チップは、ニューロンをコーティングされたガラスに接合させるため、5分間培養器に戻された。種付けプロセスは3回繰り返された。最後に、流入容器と流出容器は海馬培養媒質によって迅速に充填され、かつ、チップは培養器に戻され、かつ、実施例5で説明したAC電場を印加するため、試験管内プラットフォームに装着された。 「ニューロンのトランスフェクション」 各蛍光レンチウイルスについて、tdTomato又はEGFPのクローンが、CMVプロモーター後であって、ウッドチャック肝炎ウイルスの転写後調節エレメント(WPRE)前に、レンチウイルスの転写プラスミド内で作製され、かつ、Stbl3細胞内で増幅された。ウイルスを作製するため、少ない通路(10未満)で3百万のHEK293FT細胞(ライフテクノロジー社)が、10%のFBS(ハイクローン社)が補充されたDMEM内でのT−225フラスコ内でのトランスフェクション前の日に種付された。細胞は、100μmのリポフェクタミン2000(登録商標)と、20μgの転写プラスミド(tdTomato又はEGFPのいずれか)、15μgのpsPAX2、10μgのVSVg (アドジーン社)を有する200μlのプラス試薬(ライフテクノロジー社)を用いてOptiMEM内でトランスフェクトされた。6時間後、媒質は除去され、かつ、10%FBSと1%BSAが補充されたDMEMに置換された。60時間後、補充物が除去され、かつ、回転速度3000rpm及び4℃で10分間遠心分離された。この補充物は、0.45μmの低タンパク質結合フィルタ(ミリポア社)によって濾過された。300×の濃度のウイルス粒子を実現するため、濾過されたレンチウイルスは、回転速度24000rpm及び4℃で2時間超遠心分離され(ultracentrifuged)(Sorvall(商標))、その後、1%BSAが補充されたD10内において4℃で再懸濁された。アリコートが、ニューロンの形質導入(transduction)まで−80℃で貯蔵された。 「画像の取得」 画像は、冷却されたCCDカメラであるLaVision ImagerQE(LaVision)と自動ステージであるLudI MAC5000(LudI)に適合したAxiovert 200M(ザイス社)によって取得された。顕微鏡は、Metamorphソフトウエア(モレキュラーデバイス社)によって制御された。画像は、ImageJ及びMatlabソフトウエア(マスワーク社)を用いて解析された。画像の組は、フジのImageJプラグインによってまとめられた。 「ニューロンの数を定量化する画像解析」 細胞体が、ImageJプラグインMOSAICによって縫合された画像上で計数された。 「神経突起の偏差角、成長速度、及び軸索突起の高さを定量化する画像解析」 神経突起の位置合わせ及び長さの定量化が以下のようにして実行された。コラーゲンスキャフォールドを有する一のチャネルを含む3つの試料の画像が、各条件について解析され、かつ、Matlab(Math Works社)を用いて定量化された。一の試料は最小で50の樹状突起を含んでいた。反射強度の閾値は、神経突起をバックグラウンドから分離するように定義された。楕円を各樹状突起の主軸に合わせることによって、主チャネルの方向に対する神経突起の角度が決定された。位置合わせ方向に対して平行な樹状突起の方位は0°の角度に相当する。神経突起の角度分布は、(180の角度に分類された)方位角の相対周波数に基づき、かつ、ガウス分布の半値全幅(FWHM)へのフィッティングによって決定された。たとえば神経突起に沿った評価点での角度が、50μm(成長円錐の直径の5倍)前での評価点での角度と比較して10%よりも大きな変化を有する、といったように初期の軌跡のずれが定義された。続いてずれは、角度に対する評価点間の相対的な差異であるように記録された。各神経突起の長さは、コラーゲンが充填されたマイクロチャネルの開始点での原点から終端部まで測定された。そのコースに沿った方向の変化は、各伸張の全長に沿った追跡によって考慮された。単一で、かつ、明らかに孤立した伸張は、他の伸張との混合の可能性を排除するように測定された。その後成長速度は、測定された相対長さを、それらの測定間での時間経過で除することによって評価された。3Dにおける軸索突起の高さは、Matlab内での蛍光共焦点画像の積層体を後処理することによって決定された。スクリプトは、ノイズを減少させ、かつ、軸索突起の中心を決定するガウシアンフィルタを含んで良い。プロットは、チャネルの各独立するスライス内で検出された中心を含む。 「統計解析」 軸索突起の停止解析では、差異は、各実験条件が複製されて実行された2つの独立する実験からスチューデントのt検定によって解決された。すべての解析について、*p値は0.05未満で、**p値は0.05未満で、***p値は0.001未満だった。

この例は、高強度のAC電場での細胞の生存能力と電極内部での軸索突起の発達を制限する方法について説明している。 「高強度AC電場での細胞の生存能力」 ニューロンを高強度(E>105V/m)のAC電場へ曝す結果、軸索突起の発達に害悪を及ぼす恐れがある。この問題を解決するため、細胞と神経突起の外見が、実験中24時間毎に明視野顕微鏡によってモニタリングされた。それに加えて、様々な電圧に曝した後の細胞の生存が、カルセインAM(インビトロジェン社(商標))染色によって調査された。カルセインAMは、酵素反応によって生きている細胞内で蛍光する。

図23Aは、0−4Vppに曝して4日後の生存(蛍光)する細胞の数を示している。制御電圧、2Vpp、3Vpp及びの間で顕著な差異は観測されなかった。ほんの一部の細胞しか4Vppでは生き残れなかった。図23Aは、様々な電圧での生存可能な細胞の平均数のグラフである。図23Bは、3Vppでの生存可能な細胞の培養菌を示している。図23Cは、4Vppでわずかしか相互接続しない円形の白いニューロンを示している。図23Dは、制御チャネル内での健康な神経突起を示している。図23Eは、4Vppでの円形で不規則な神経突起を示している。細胞容器の明視野画像は、4Vppでの不健康な培養菌(図23C)(白い円形の細胞で、ほとんど相互接続をしない)と比較された3Vppでの健康な培養菌(図23B)を示した。マイクロチャネル内での軸索突起についても同一の観測結果が得られると思われる。制御チャネルからの生存可能な軸索突起(図23D)と比較して、4Vppの電場が印加された電極の隣で成長する軸索突起は、その数も少なく、かつ、円形の不規則な成長を示した。

実施例2で説明したモデルによると、媒質の加熱を含む電気流体力学効果は、3Vppよりも大きな電圧で有意となった。これは、細胞の生存可能性の実験の観測結果と整合した。しかし一部の実験では、細胞体は数日後に凝集した。これは、細胞結合分子(PDL及びラミニン)の劣化すなわち欠陥のある堆積に起因し、かつ、電場効果には関係ないと考えられる。細胞の生存可能性に対するAC界面動電性への影響は、媒質の過剰な加熱が起こらない中程度の電圧で最小となると結論づけられた。 「電極内での軸索突起の発達の制限」 ニューロンが電極自体の間でプレーティングされたとき、軸索突起は、電場付近で発達する。その結果、図24に図示されているように電極の端部間で閉じ込められる。

本発明の複数の実施例が本願において説明及び例示されているが、当業者は、本願明細書で述べた機能を実行し、並びに/又は、結果及び/若しくは1つ以上の利点を得る様々な他の手段及び/又は構造を容易に想到することが可能で、かつ、そのような変化型及び/又は修正型の各々は本発明の技術的範囲内に属すると考えられる。より一般的には、当業者は、本願で説明されたすべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成が例示であること、及び、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、具体的用途又は本発明の教示が利用される用途に依存することを容易に理解する。当業者は、もはや通常の実験を用いなくても、本願で説明された本発明の具体的実施例に多くの均等型を理解又は確認することができる。従って、前述の実施例は単なる例示であり、かつ、「特許請求の範囲」及びその均等型の技術的範囲内で、本発明は、具体的に説明及び請求項に記載されたもの以外の形態で実施可能であることに留意して欲しい。本発明は、本願で説明した各個別の特徴、システム、製品、材料、キット、及び/又は方法に関する。それに加えて、2つ以上の係る特徴、システム、製品、材料、キット、及び/又は方法の任意の組み合わせは、係る特徴、システム、製品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合には、本発明の技術的範囲内に含まれる。

本願で用いられている「及び/又は(並びに/又は、及び/若しくは)」という語句は、構成要素の「一方又は両方」が一緒になった、つまり、ある場合では接続した状態で存在する複数の構成要素で、また別な場合では、接続しない状態で存在する複数の構成要素を意味すると解される。任意で、「及び/又は(並びに/又は、及び/若しくは)」の項によって具体的に特定される構成要素以外の他の構成要素が存在しても良い。それは逆に明確に指定されない限り、具体的に特定されたそれらの構成要素の関係の有無にかかわらない。よって非限定的な例として、「A及び/又はB」は、制限のない語句−たとえば「有する(comprising)」−と併用されるときには、一の実施例では、BのないA(任意でB以外の構成要素を含む)を表し、他の実施例では、AのないB(任意でA以外の構成要素を含む)を表し、さらに他の実施例では、A及びB(任意で他の構成要素を含む)を表して良い。本願明細書と特許請求の範囲で用いられている「又は(若しくは)」は、上述の「及び/又は」と同じ意味を有すると解されなければならない。たとえばリスト中で項目を分けるとき、「又は」又は「及び/又は」は、包括的、つまり多数の又はリストにある構成要素及び任意で他のリストにない項目のうちの少なくとも1つだけではなく2つ以上を含む、と解される。逆に明確に示されている語句−たとえば「・・・のうちの1つだけ」若しくは「・・・のうちの厳密に1つ」又は請求項で用いられる「・・・からなる(consisting of)」−のみが、多数の又はリストにある構成要素のうちの厳密に1つを含むことを表す。一般的には、本願で用いられている「又は(若しくは)」という語句は、排他性の語句−たとえば「いずれか一方」、「・・・のうちの1つ」、「・・・のうちの1つだけ」、「・・・のうちの厳密に1つ」、「基本的には・・・からなる」−が前にあるときのみ排他性選択肢(つまり「一又は他だが、両方ではない」)を意味すると解され、請求項中で用いられるときには、特許法の分野で用いられている通常の意味を有する。

本願明細書と特許請求の範囲で用いられているように、1つ以上の構成要素を参照する「少なくとも1つ」という語句は、構成要素のリスト中の1つ以上の構成要素から選ばれる少なくとも1つの構成要素を意味するが、必ずしも、構成要素のリスト中で具体的に列挙されたすべての構成要素の少なくとも1つを含まなくて良く、構成要素のリスト中の複数の構成要素同士の任意の結合を排除しないと解されなければならない。この定義はまた、「少なくとも1つ」が指し示す構成要素のリスト内で具体的に特定された構成要素以外の構成要素が任意で存在できることを許可する。このことは、具体的に特定されたそれらの構成要素の関係の有無にかかわらない。よって非限定的な例として、「AとBのうちの少なくとも1つ」(又は、等価表現として、「A又はBのうちの少なくとも1つ」又は「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)は、一の実施例では、Bの存在しない少なくとも1つのA(任意で2つ以上を含む)を意味し、他の実施例ではAの存在しない少なくとも1つのB(任意で2つ以上を含む)を意味し、さらに他の実施例では少なくとも1つのA(任意で2つ以上を含む)と少なくとも1つのB(任意で2つ以上を含む)を意味し得る。

上述の明細書中のみならず請求項中でも、すべてのつなぎ言葉−たとえば「含む(comprising、including、containing、involving)」、「保持する(carrying、holding)」、「有する(having)」等−は、限定がない−つまり含むがそれに限定されない−と解される。「・・・からなる」及び「基本的に・・・からなる」というつなぎ言葉は、審査手順の米国特許庁マニュアルの2011年3月版で説明されているように限定的(closed)又は半限定的(semi-closed)である。 いくつかの態様を記載しておく。 〔態様1〕 1つ以上の神経突起を含むニューロンを供する段階; 交流電場を供する段階;及び、 前記交流電場を用いて1つ以上の神経突起の伸張を指向的に誘導する段階、 を有する方法。 〔態様2〕 交流電場を用いることによって神経突起の伸張を指向的に誘導する段階、を有する方法。 〔態様3〕 2つ以上の電極によって生成される電場によって神経突起の成長に影響を与える段階であって、前記電極間の中心間の間隔は約200μm以下である、段階、を有する方法。 〔態様4〕 多方向での神経突起の成長に影響を、前記神経突起の周辺で約100V/m以上の大きさを有する電場によって与える段階、を有する方法。 〔態様5〕 神経突起を含むニューロンを供する段階; 可逆的に前記神経突起の成長を阻止し得る物理的ガイダンスキューを供する段階;及び、 前記物理的ガイダンスキューを用いて前記神経突起の成長を制御する段階、 を有する方法。 〔態様6〕 第1方位での神経突起の成長を可能にする段階;及び、 機械的に作用しない物理的ガイダンスキューを前記神経突起に印加することで、前記神経突起の成長が第2方位で起こるように前記神経突起に影響を与える段階、 を有する方法。 〔態様7〕 各々が1つ以上の神経突起を含む2つ以上のニューロンを供する段階; 電場を供する段階; 一の神経突起を他の神経突起とは独立に制御する段階;及び、 前記2つ以上のニューロンからニューラルネットワークを構成する段階、 を有する方法。 〔態様8〕 生きている細胞を収容し、かつ、細胞の成長を促進することが可能なチャンバ; 前記チャンバに接続され、かつ、約20μm以下の高さ及び/又は幅を有する、チャネル;並びに、 一の電極対は中心間の間隔が約200μm以下の2つの電極を含む、複数の電極対、を有する製品であって、 前記複数の電極対は前記チャネルと交差する、 製品。 〔態様9〕 一方向性神経連絡を形成する段階を有する、態様1乃至の7うちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様10〕 軸索突起ダイオードを形成する段階を有する、態様1乃至7及び9のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様11〕 前記電場が再構成可能である、態様1乃至7、9、及び10のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様12〕 軸索突起の伸張を2次元に誘導する段階を有する、態様1乃至7及び9乃至11のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様13〕 軸索突起の伸張を3次元に誘導する段階を有する、態様1乃至7及び9乃至12のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様14〕 チャネルへの成長を抑制する段階であって、前記チャネル内での電場の大きさは100V/m未満である段階を有する、態様1乃至7及び9乃至13のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様15〕 前記電場を変化させることによって前記神経突起の成長を誘導する段階を有する、態様1乃至7及び9乃至14のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様16〕 前記電場が交流電場である、態様1乃至7及び9乃至15のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様17〕 前記電場の大きさが約100V/m以上である、態様1乃至7及び9乃至16のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様18〕 前記電場の周波数が約100Hz以上である、態様1乃至7及び9乃至17のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様19〕 前記神経突起の成長に影響を与える段階が神経突起の成長を阻止する段階を含む、態様1乃至7及び9乃至18のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様20〕 前記電場が、約200μm以下の中心間の距離を有する2つ以上の電極によって生成される、態様1乃至7及び9乃至19のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様21〕 前記伸張を指向的に誘導する段階が、3次元スキャフォールド内部で軸索突起の伸張を指向的に誘導する段階を含む、態様1乃至7及び9乃至20のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様22〕 前記スキャフォールドがゲルマトリックスである、態様1乃至7及び9乃至21のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様23〕 前記スキャフォールドがコラーゲンを含む、態様1乃至7及び9乃至22のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様24〕 前記神経突起の成長に影響を与える段階が、本質的に同一の条件下で前記電場が存在しない状態での神経突起の伸張に対する神経突起の伸張を加速させる段階を含む、態様1乃至7及び9乃至23のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様25〕 前記神経突起の成長に影響を与える段階が、第1方位での神経突起の伸張を阻止する段階、及び、第2方位での神経突起の伸張を可能にする段階を含む、態様1乃至7及び9乃至24のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様26〕 前記第2方位が、生成された電場に対して垂直な電極の軸に対して90°以上である、態様1乃至7及び9乃至25のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様27〕 前記第1方位がxy平面で、かつ、前記第1方位がyz平面又はxz平面である、態様1乃至7及び9乃至26のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様28〕 前記物理的ガイダンスキューが、機械的に作用しない物理的ガイダンスキューである、態様1乃至7及び9乃至27のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様29〕 前記ニューロンが、海馬ニューロン、後根神経節ニューロン、及び、網膜神経節細胞からなる群から選ばれる、態様1乃至7及び9乃至28のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様30〕 前記電場が不均一である、態様1乃至7及び9乃至29のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様31〕 第1チャネルが3次元スキャフォールドを含む、態様8に記載の製品。 〔態様32〕 前記スキャフォールドがゲルマトリックスである、態様8又は31に記載の製品。 〔態様33〕 前記スキャフォールドがコラーゲンを含む、態様8、31、又は32に記載の製品。 〔態様34〕 前記チャネルの高さが約20μm以下である、態様8及び31乃至33のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様35〕 前記チャネルの高さが約10μm以下である、態様8及び31乃至34のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様36〕 前記電極対が2つの平行な電極を有する、態様8及び31乃至35のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様37〕 前記中心間の距離が約100μm以下である、態様8及び31乃至36のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様38〕 前記中心間の距離が約50μm以下である、態様8及び31乃至37のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様39〕 前記生きている細胞がニューロンである、態様8及び31乃至38のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様40〕 前記ニューロンが、海馬ニューロン、後根神経節ニューロン、及び、網膜神経節細胞からなる群から選ばれる、態様8及び31乃至39のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様41〕 複数の電極対が前記3次元スキャフォールド内に含まれない、態様8及び31乃至40のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様42〕 ガイダンスキューを用いることによって、第1神経突起を第2神経突起に重ねる段階、を有する方法。 〔態様43〕 第1神経突起が第2神経突起に重なるように前記第1神経突起の成長を誘導する段階、を有する方法。 〔態様44〕 電場を用いることによって、第1個体群の神経突起と第2個体群の神経突起との間でニューラルネットワークを構成するように、3次元スキャフォールド内で第1神経突起と第2神経突起の伸張を指向的に誘導する段階、を有する方法。 〔態様45〕 電場を用いることによって、3次元スキャフォールド内で神経突起の伸張を加速させる段階、を有する方法。 〔態様46〕 第1チャネルに接続される第1チャンバ; 前記第1チャネルの少なくとも一部と位置合わせされる第1電極対であって、前記第1電極対の一部は前記第1チャンバの少なくとも一部と重なる、第1電極対; 第2チャネルに接続される第2チャンバ;及び、 前記第2チャネルの少なくとも一部と位置合わせされる第2電極対、を有する製品であって、 前記第2電極対の一部は前記第2チャンバの少なくとも一部と重なり、 前記第1チャネルと前記第2チャネルは、約10μmよりも高い高さを有する重なり領域で交差する、 製品。 〔態様47〕 第1チャンバ及び第2チャンバに接続される第1チャネル;及び、 前記第1チャネルの少なくとも一部と位置合わせされる第1電極対、を有する製品であって、 前記第1電極対の一部は前記第1チャンバの少なくとも一部と重なり、かつ、 前記第1電極対間の中心間距離は約200μm以下である、 製品。 〔態様48〕 前記第1チャネルと位置合わせされた第2電極対を有する、態様8、31乃至40、並びに態様46及び47のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様49〕 前記第1電極対が前記第1チャネルに対して実質的に平行である、態様8、31乃至40、及び態様46乃至48のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様50〕 前記第2電極対が前記第2チャネルに対して実質的に平行である、態様8、31乃至40、及び態様46乃至49のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様51〕 前記第2電極対が前記第1電極対に対して実質的に垂直である、態様8、31乃至40、及び態様46乃至50のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様52〕 前記第1チャネル及び/又は前記第2チャネルが、約10μm以下の高さを有する、態様8、31乃至40、及び態様46乃至51のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様53〕 前記重なり領域の高さが約500μm以下である、態様8、31乃至40、及び態様46乃至52のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様54〕 前記第1電極対の一部が、前記第2チャンバの少なくとも一部と重なる、態様8、31乃至40、及び態様46乃至53のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様55〕 前記第2電極対の一部が、前記第2チャンバの少なくとも一部と重なる、態様8、31乃至40、及び態様46乃至54のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様56〕 前記第2電極対間の中心間の距離が約200μm以下である、態様8、31乃至40、及び態様46乃至55のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様57〕 電場を印加する段階を有する、態様8、31乃至40、及び態様46乃至56のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様58〕 生きている細胞を有する、態様8、31乃至40、及び態様46乃至57のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様59〕 前記ニューロンが、海馬ニューロン、後根神経節ニューロン、及び、網膜神経節細胞からなる群から選ばれる、態様8、31乃至40、及び態様46乃至58のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様60〕 前記第1チャネル及び/又は前記第2チャネルが3次元スキャフォールドを有する、態様8、31乃至40、及び態様46乃至59のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様61〕 前記スキャフォールドがゲルマトリックスである、態様8、31乃至40、及び態様46乃至60のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様62〕 前記スキャフォールドがコラーゲンを含む、態様8、31乃至40、及び態様46乃至61のうちのいずれか一項に記載の製品。 〔態様63〕 前記第1電極と前記第2電極との間の中心間の距離が約200μm以下である、態様1乃至7及び9乃至30のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様64〕 前記電場が交流電場である、態様1乃至7、9乃至30、及び63のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様65〕 前記電場の大きさが約100V/m以上である、態様1乃至7、9乃至30、並びに63及び64のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様66〕 前記電場の周波数が約100Hz以上である、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至65のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様67〕 前記第1チャンバ及び前記第2チャンバが、生きている細胞を収容し、かつ、細胞の成長を促進するように、適合及び配置される、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至66のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様68〕 前記重なりが3次元スキャフォールド内で起こる、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至67のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様69〕 前記第1神経突起が、前記第2神経突起とは異なるニューロンを起源とする、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至68のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様70〕 前記第2神経突起が、前記神経突起とは異なるニューロンを起源とする、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至69のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様71〕 前記成長を誘導する段階がガイダンスキューを印加する段階を含む、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至70のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様72〕 前記ガイダンスキューが物理的ガイダンスキューである、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至71のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様73〕 前記ガイダンスキューが電場である、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至72のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様74〕 前記電場が交流電場である、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至73のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様75〕 前記第1神経突起と前記第2神経突起とが重なる場所で、前記第1神経突起の10%未満は、前記第2神経突起との神経連絡を形成する、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至74のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様76〕 神経突起が、神経連絡を形成することなく前記第2神経突起と重なる、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至75のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様77〕 前記神経突起が、海馬ニューロン、後根神経節ニューロン、及び、網膜神経節細胞からなる群から選ばれるニューロンを起源とする、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至76のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様78〕 前記スキャフォールドがゲルマトリックスである、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至77のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様79〕 前記スキャフォールドがコラーゲンを含む、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至78のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様80〕 前記電場が不均一である、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至79のうちのいずれか一項に記載の方法。 〔態様81〕 前記神経突起が軸索突起である、態様1乃至7、9乃至30、及び63乃至80のうちのいずれか一項に記載の方法。

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