内皮コロニー形成細胞様細胞の生成方法 |
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申请号 | JP2016556884 | 申请日 | 2015-03-11 | 公开(公告)号 | JP2017511125A | 公开(公告)日 | 2017-04-20 |
申请人 | インディアナ ユニバーシティ リサーチ アンド テクノロジー コーポレイション; インディアナ ユニバーシティ リサーチ アンド テクノロジー コーポレイション; | 发明人 | マービン ヨーダー; マービン ヨーダー; ヌタン プラセイン; ヌタン プラセイン; | ||||
摘要 | 本開示は、一般に細胞、組織 生物 学、及び治療に有用な方法及び組成物に関する。詳しくは、多能性細胞を細胞様細胞(ECFC様細胞)を形成している内皮コロニーに分化させるインビトロの方法を提供する。NRP−1+CD31+ECFC様細胞の単離されたヒト細胞集団を提供する。本開示は、前記ヒト細胞集団を用いる、治療及び診断薬のスクリーニング方法を提供する。 | ||||||
权利要求 | 以下のa)からc)のステップを含む、ヒト多能性幹細胞からヒト内皮コロニー形成細胞様細胞(ECFC様細胞)の単離集団を生成する方法。 a)多能性幹細胞を提供するステップ; b)多能性幹細胞を内皮分化へと誘導するステップであって、前記誘導は、 i)アクチビンA、BMP−4、VEGF、及びFGF−2を含む内皮分化培地で約24時間多能性幹細胞を培養すること、及び ii)その後、1または2日ごとにBMP−4、VEGF、及びFGF−2を含む内皮分化培地でステップi)の培地を交換すること を含み;及び c)分化誘導された細胞から、ECFC様細胞を単離するステップであって、前記ECFC様細胞はCD31+NRP−1+でありコブルストーン形態を示す。前記単離したECFC様細胞が、さらにCD144+、KDR+、及びα−SMA−発現、のうち1つ以上であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。アクチビンA、BMP−4、及びFGF−2のうち1つ以上が、約5〜25ng/mLの濃度で提供される、請求項1または2に記載の方法。VEGFが、約5〜50ng/mLの濃度で提供される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。前記誘導ステップが、共培養細胞、胚葉体形成、及び外来性TGF−β阻害のうち、一以上の不在下で実行される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。前記単離ステップが、分化10日目、11日目、または12日目に実行される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。前記単離ステップが、分化12日目に実行される、請求項6に記載の方法。前記細胞の単離が、フローサイトメトリー、または磁気活性化セルソーティング(Magnetic activated cell sorting)により行われる、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。前記単離されたECFC様細胞が、哺乳動物に同時移植細胞なしに移植された場合、血管形成能力を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。前記単離されたECFC様細胞集団の少なくとも約95%のECFC様細胞集が増殖する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。前記単離されたECFC様細胞集団の少なくとも約35〜50%のECFCsが、高増殖可能な(HPP)ECFC様細胞である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。前記HPP−ECFC様細胞が、開始細胞あたり少なくとも約2001個の細胞を生成する能力を有する、請求項11に記載の方法。前記HPP−ECFC様細胞が、自己再生能力を有する、請求項11または12に記載の方法。以下のステップd)をさらに含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。 d)前記単離したECFCsが、内皮増殖培地を含む組成物内で増殖するステップ。以下のステップe)をさらに含む、請求項14に記載の方法。 e)前記増殖細胞を18回まで継代するステップ。前記単離した細胞が、約3か月未満のうちに少なくとも約1兆個の細胞集団へ増殖する、請求項14または15に記載の方法。ヒトNRP−1+CD31+内皮性コロニー形成細胞(ECFC様細胞)の単離集団であって、前記単離ECFC様細胞が、哺乳動物に同時移植細胞なしに移植した場合に、血管形成能力を有し、かつ前記単離ECFC様細胞が、インビトロでのヒト多能性細胞由来である単離集団。前記ECFC様細胞の少なくとも約35%が、高増殖可能な(HPP)ECFC様細胞である、請求項17に記載の単離集団。前記ECFC様細胞の少なくとも約50%が、HPP−ECFC様細胞である、請求項18に記載の単離集団。前記HPP−ECFC様細胞が、開始細胞あたり少なくとも約2001個の細胞を生成する能力を有し、かつ自己再生能力を有する、請求項17に記載の単離集団。前記単離集団中のECFC様細胞が、さらに、CD144+、KDR+、及びα−SMA−のうちの1つ以上により特徴付けられる、請求項17〜20のいずれか一項に記載の単離集団。前記単離集団中の前記ECFC様細胞が、コブルストーン形態を示す、請求項17〜21のいずれか一項に記載の単離集団。前記単離集団中の前記ECFC様細胞が、マトリゲルで培養した時にキャピラリー様ネットワークを形成し得る、請求項17〜22のいずれか一項に記載の単離集団。前記単離集団中の前記ECFC様細胞が、インビトロで18回まで継代され得る、請求項17〜23のいずれか一項に記載の単離集団。請求項17〜24のいずれか一項に記載の単離集団であって、仮想的タンパク質LOC100132288、CUB及びSushiマルチプルドメイン1、リンパ限定膜タンパク質、アリルアセトアミドデアセチラーゼ(エステラーゼ)、フォリスタチン様5、ENSG00000215262、仮想的LOC84856、グアニル酸シクラーゼ活性剤2B(ウログアニリン)、ケラチン75、繊維芽細胞活性化タンパク質、アルファ(FAP)、22番染色体オープンリーディングフレーム34、ガスダーミンC、ENSG00000222954、ヒドロキシステロイド(11−ベータ)デヒドロゲナーゼ1、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ2、及びZicファミリーメンバー4の遺伝子の1つ以上の高発現が、臍帯血ECFCsに関連するECFC様細胞により行われる単離集団。請求項17〜25のいずれか一項に記載の単離集団であって、レセプター(化学感覚)トランスポータータンパク質4、染色体Xオープンリーディングフレーム61、アシル−CoA シンセターゼ中鎖ファミリーメンバー2A、セルピンペプチダーゼインヒビター、クレードA(アルファ−1 アンチプロテイナーゼ、アンチトリプシン)、メンバー3、ENSG00000218052、ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド23、48含有コイルドコイルドメイン、及びRAS(RAD及びGEM)−様GTPバインディング1の遺伝子の1つ以上の低発現が、臍帯血ECFCsに関連するECFC様細胞により行われる単離集団。請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法によって得られる、ヒトNRP−1+CD31+内皮コロニー形成様細胞(ECFC様細胞)の単離集団。前記集団の中の、少なくとも約95%の細胞が、ECFC様細胞であり、かつNRP−1+CD31+である、請求項27に記載の単離集団。請求項17〜28のいずれか一項に記載の単離細胞集団を前記対象に提供するステップを含む、単離細胞集団を必要とする対象への移植方法。請求項17〜28のいずれか一項に記載の治療有効量の細胞集団を前記対象に提供するステップを含む、上皮修飾を必要とする対象の治療方法。請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法により得られた内皮コロニー形成細胞様細胞(ECFC様細胞)を含む、医薬品組成物。以下のステップを含む、被験物質の細胞活動修正能力を調べる方法。 :請求項17〜28のいずれか一項に記載の前記細胞集団の少なくとも1つを被験物質に露出するステップ。 :細胞増殖及び細胞生存能のうち1つ以上において、前記被験物質の前記効果を観察するステップ。 |
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说明书全文 | 関連出願の相互参照 本出願は、2014年3月11日に出願された米国仮出願61/951,103号、(これは、すべての目的のために参照により組み込まれる)の優先権を主張する。 本発明は、細胞と組織生物学の分野に関する。より詳しくは、本発明は内皮コロニー形成細胞様細胞(ECFC様細胞)への多能性幹細胞の細胞系列特異的な分化に関する。 内皮コロニー形成細胞(ECFCs)は、希少循環内皮細胞であり、特に臍帯血に豊富で、クローンの増殖能及び内因性のインビボでの血管形成能力を有する1-6。ECFCsは、血液伸長内皮細胞(BOEC)とも呼ばれ7、ドナー骨髄の遺伝的標識を示す最も増殖的な循環BOECを含んでいる7、8ヒトの異性間骨髄移植患者で、直接移植できることが示された。ドナー骨髄中のどのタイプの細胞がECFCsを引き起こすかは不明である。培養されたECFCsを前臨床の齧歯類脈管損傷モデルで静脈内に注射すると、それらは血管遺伝子反応の開始を組織化するために、脈管損傷または組織虚血の部位にすばやく補充される9-11。ヒトECFCsは、脈管修復を強化し、心筋梗塞12、13、脳卒中9、虚血性網膜症14、15、虚血性肢損傷10、11、16、17、の後の血流を改善し、露出した脈管セグメントまたは移植片を生着し再内皮化することが報告されている18。末梢動脈疾患(PAD)と重要な肢虚血(CLI)のある高齢患者及び対象で、循環あるいは常在のECFCsは、反復可能な老化(すなわち、ECFCsは増殖能が欠如しているかもしれない)の傾向を有し得る、よって自己脈管修理を無力にする。少なくともこれらの理由により、脈管修復のために使用し得るECFCsの代替供給者を見つけることが望まれる。 ヒト多能性幹細胞(ヒト胚性幹細胞と誘導多能性幹細胞、総称してhPSCs)は、実質的に無制限の自己再生能力、及び動物の体でどんな細胞型にでも分化する能力を示す19-21。ヒト多能性幹細胞は、内皮系統細胞に分化することが報告されている22-31。しかし、インビトロのhPSC由来内皮細胞は不安定で(例えば、いろいろな非内皮表現型になることが報告される24,32)、5〜7回の継代のうちに、反復可能な老化に至る傾向と低い増殖能、及び/または支えとなる細胞の同時移植がない場合インビボでの血管形成能の欠如を呈する51。臍帯血ECFCs(CB−ECFCs)と同じかそれ以上の増殖能、及び共培養または同時移植された細胞の不存在化で、インビボで血管を作る能力が有する、内皮細胞のhPSCs由来のインビトロにおける公表された(発明者らによる以外の)証拠はない。 上記不足の一以上を軽減する、及び/または取り除くことが望まれている。 本発明は、大まかに要約すると、hPSCsから内皮コロニー形成細胞様細胞(ECFC様細胞)を生成する方法に関する。CB−ECFCsと類似する、分子、形態、機能的特性を有するECFC様細胞の集団へ再現的に分化するhPSCsのためのプロトコルを提供する。 本発明の一の態様において、以下のa)からc)のステップを含む、ヒト多能性幹細胞からヒト内皮コロニー形成細胞様細胞(ECFC様細胞)の単離集団を生成する方法を提供する。 a)多能性幹細胞を提供するステップ; b)多能性幹細胞を内皮分化へと誘導するステップであって、前記誘導は、 i)アクチビンA、BMP−4、VEGF、及びFGF−2を含む内皮分化培地で約24時間多能性幹細胞を培養すること;及び ii)その後、1または2日ごとにBMP−4、VEGF、及びFGF−2を含む内皮分化培地でステップi)の培地を交換すること を含み;及び c)分化誘導された細胞から、ECFC様細胞を単離するステップであって、前記ECFC様細胞はCD31+NRP−1+でありコブルストーン形態を示す。 本発明の他の態様において、ヒトNRP−1+CD31+内皮性コロニー形成細胞(ECFC様細胞)の単離集団であって、前記単離ECFC様細胞が、哺乳動物に同時移植細胞なしに移植した場合に、血管形成能力を有し、かつ前記単離ECFC様細胞が、インビトロでのヒト多能性細胞由来である単離集団が提供される。 本発明の他の態様において、本明細書に記載の方法によって得られるヒトNRP-1+CD31+内皮コロニー形成様細胞(ECFC様細胞)の単離集団が提供される。 本発明の他の態様において、本願に記載の単離細胞集団を前記対象に提供するステップを含む、単離細胞集団を必要とする対象への移植方法が提供される。 本発明の他の態様において、本願に記載の治療有効量の細胞集団を前記対象に提供するステップを含む、上皮修飾を必要とする対象の治療方法が提供される。 本発明の他の態様において、本願に記載の方法により得られた内皮コロニー形成細胞様細胞(ECFC様細胞)を含む、医薬品組成物が提供される。 本発明の他の態様において、 本願に記載の前記細胞集団の少なくとも1つを被験物質に露出するステップ、及び 細胞増殖及び細胞生存能のうち1つ以上において、前記被験物質の前記効果を観察するステップを含む、被験物質の細胞活動修正能力を調べる方法が提供される。 特許または出願書類は、少なくとも1つのカラー図面を含む。カラー図面による本特許また特許出願公開のコピーは、要求及び必要な料金の支払いにより米国特許庁により提供される。 本明細書の特徴は、添付の図面により参照される、以下の詳しい説明でより明らかになる: 図1A−Eは、hES及びhiPS細胞由来細胞をインビトロでOP9間質細胞と共培養することによって分化させた内皮細胞の、形態、内皮抗原表現、クローンの増殖能、及びインビトロ、及びインビボでの血管形成能の試験を示す。図1Aは、OP9細胞との共培養における内皮系統分化を経た後8日目のhES、及びhiPS細胞の典型的な位相差顕微鏡写真を示す(上のパネル);P1とP4の単離細胞の培養(中央のパネル);ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs)コントロール細胞の特徴的なコブルストーン内皮表現型。すべての実験は2連にて5回行った;スケールバーは100μmである。図1Bは、OP9細胞との共培養で得られたhiPS及びhES由来細胞(P4)のヒトCD31、CD144及びCD146に対するモノクローナル抗体による染色を示す。一番上のパネル中での等高線プロットのパーセンテージは、CD144、及びCD31の二重陽性細胞を示し、一番下のパネル中での等高線プロットのパーセンテージは、CD144、及びCD146の二重陽性細胞を示す。すべての実験は2連にて4回行った;典型的な等高線プロットは、グループごとに示す。図1Cは、OP9と共培養された、hiPS、及びhES由来細胞(P4)の典型的な顕微鏡写真であり、マトリゲル TMの上で毛細管状ネットワークの2、3の大きな分岐を形成した。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。図1Dは、CB−ECFCコントロールと比較したhES由来細胞(P3〜P4)の、OP9共培養でのクローン増殖解析の棒グラフである。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを表す。スチューデントt検定:**p<0.01、***p<0.001。スケールバーは100μmである。図1Eは、インビボで移植と同時に、マウス赤血球で満たされた機能的ヒト血管を形成できなかったOP9共培養hiPS及びhES由来細胞(P4)の典型的な顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。 図2A−Eは、hES、及びhiPS細胞の胚様体(EB)によって媒介される内皮系統分化から得られる内皮細胞の形態、内皮抗原発現、クローンの増殖可能性、及びインビトロとインビボの血管形成能の試験を示す。図2Aは、胚様体(EB)によって媒介される内皮系統分化7日目のhES、及びhiPS由来EB(上部のパネル);P1、及びP4における単離した細胞の培養(中央のパネル);そして、ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVECs;一番下のパネル)の特徴的コブルストーン内皮表現型の典型的な位相差顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。図2Bは、ヒトCD31、CD144、及びCD146に対するモノクローナル抗体で染色した、EBベースプロトコルで得られたhiPS及びhES由来の細胞(P4)を表す。一番上のパネルにおける等高線プロットのパーセンテージはCD144及びCD31に陽性な細胞を示し、一番下のパネルの等高線プロットのパーセンテージはCD144及びCD146に陽性な細胞を示す。すべての実験は2連にて4回行った。図2Cは、マトリゲル TM上で多数のより小さな不完全な枝で毛細管状ネットワークを形成した、EBベースのhiPS及びhES由来細胞(P4)の典型的な顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。図2Dは、EBベースのhES由来細胞(P3〜P4)の、CB−ECFCコントロール細胞と比較したクローン増殖解析を表す棒グラフである。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを表す。スチューデントt検定:**p<0.01、***p<0.001。図2Eは、インビボにおいて移植と同時に、マウス赤血球で満たされた機能的ヒト血管を形成することができなかった、EBベースのhiPS及びhES由来細胞(P4)の典型的な顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。 hES細胞のEBsプラス二次元ベースの内皮系統分化で得られた内皮細胞の、形態、内皮抗原表現、クローンの増殖能、及びインビトロにおけるマトリゲル TM上でのネットワーク形成能(TGF−β阻害剤存在下)の試験を示す。図3Aは、EBsプラス二次元ベースの分化プロトコルのhES細胞の内皮系統分化の略図である。前述 24の通りである。図3Bは、EBプラス二次元ベースの分化プロトコルでの異なる日における内皮系統分化を経たhES細胞の典型的な位相差顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。図3Cは、EBプラス二次元ベースの分化プロトコルでの異なる日における内皮系統分化を経たhES細胞の典型的等高線プロットを表す。14日の内皮系統分化を経ている間、細胞は異なる時点に様々なヒト内皮抗原に対するモノクローナル抗体で染色された。等高線プロットのパーセンテージは、NRP−1及びCD31の二重陽性細胞を示す。すべての実験は2連にて5回行った。図3Dは、EBプラス二次元ベースの分化プロトコルにおいて内皮系統分化を経た14日目hES細胞からソートされた細胞の異なるサブセット(NRP−1 +CD31 +、NRP−1 +CD31 -、NRP−1 -CD31 +、及びCD144 +CD146 +)の典型的な位相差顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。 図3Eは、EB−二次元ベースのhES由来の様々なサブセット(P4〜P3)を、CB−ECFCコントロールと比較したクローン増殖解析結果を示す棒グラフである。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを表す。 図4A−Gは、本明細書で提供される、EB形成またはTGF−β阻害を必要とせず、CB−ECFCsに類似したECFC様細胞を生産する、ワンステップ二次元無血清内皮系統分化プロトコルを示す。図4Aは、本明細書で提供される、10 4個のhESまたはhiPS細胞から始まり、61日で1兆以上のECFC様細胞にhES及びhiPS細胞を分化させるための内皮系統分化プロトコルの略図である。12日間の3×10 4個のhPS細胞生成は、左で示される。典型的なフローサイトメトリー等高線プロット(下部)は分化12日目細胞のNRP−1及びCD31の発現パーセントを示す。12日目のNRP−1 +CD31 +細胞は、広範囲な拡大を経た安定したECFC様細胞集団を引き起こす。 図4Bは、分化12日目の細胞がNRP−1 +CD31 +、及びNRP−1 -CD31 +にソートされ、内皮増殖のための転換培地で培養された細胞フラクションを示す棒グラフである。すべての実験は3連にて6回行った。値は平均±SDを表す。スチューデントt検定:***p<0.001。 図4Cは、特徴的コブルストーン形態を示し、各々のコロニーの中で内皮細胞の同種の集団を含んだ、NRP−1 +CD31 +細胞フラクションから得られたECFC様細胞コロニーの典型的な顕微鏡写真である。実験は2連にて8回行った。スケールバーは50μmである。図4Dは、典型的内皮マーカーであるCD31、CD144、及びNRP−1の細胞表面発現を示し、非内皮マーカーであるα−SMAを示さないECFC様細胞の、典型的な免疫蛍光顕微鏡写真である。左のパネルにおいて、NRP−1発現は緑で表し;CD31発現は赤で表す。右のパネルにおいて、α−SMA発現は緑で表し;CD144発現は赤で表す。DAPIは、核を青で染色するために用いた。すべての実験は2連にて3回行った。図4Eは、CB−ECFCコントロールと比較したhES、及びhiPS由来ECFC様細胞のクローン増殖解析を表す棒グラフである。すべての実験は3連にて4回行った。値は平均±SDを表す。 図4Fは、iPS由来ECFC様細胞の特徴的コブルストーン形態を示し、かつマトリゲル TM上で完全な毛細管状のネットワークを形成する、CB−ECFCsが示す能力と類似する能力を示す典型的な位相差顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。 図4Gは、ECFC様細胞が免疫不全マウスで恒久性、及び機能的なインビボのヒト脈管を作ることを示す。典型的な顕微鏡写真の中の矢は、抗ヒトCD31 +で染色した、ホストマウス赤血球の循環で灌流させた機能的なヒト血管を表す。スケールバーは50μmである。棒グラフ(下部)は、各々のグループでのmm 2あたりの機能的hCD31 +脈管の数を表す。すべての実験は3連にて6回行った。値は平均±SDを表す。スチューデントt検定:p=ns。スケールバーは50μmである。 ECFC様細胞プロトコルにおいて、hES、及びhiPS細胞の分化からのNRP−1 +CD31 +細胞出現の動態解析を示す。すべての実験は2連にて4回行った;値は平均±SDを表す。 NRP−1 -CD31 +細胞がECFCの特性を示さないことを示す。図6Aは、異質な形態を示すNRP−1 -CD31 +細胞から得た内皮コロニーの典型的な顕微鏡写真である。実験は2連にて8回行った。スケールバーは100μmである。図6Bは、NRP−1 -CD31 +細胞の典型的な免疫蛍光顕微鏡写真であり、ほとんどの細胞が内皮表面マーカーCD144を表さず、非内皮マーカーα−SMAの優勢発現を示している。CD144発現は赤で示し、α−SMA発現は緑で示し、そしてDAPIは核を青で染色するために用いた。実験は2連にて4回行った。スケールバーは100μmである。図6Cは、NRP−1 -CD31 +細胞の典型的な顕微鏡写真であり、移植と同時にインビボでマウス赤血球を満たした機能的ヒト脈管生成が不可能であることを示す。代わりに、前記NRP−1 -CD31 +細胞は、接合における欠陥を示唆するRBCs(矢で示される)なしで、小さな管腔(lumens)を形成した。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。図6Dは、マトリゲル TM上で不完全な毛細管状ネットワーク形成を示すNRP−1 -CD31 +細胞の典型的な位相差顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。図6Eは、hiPS由来NRP−1 -CD31 +、及びNRP−1 +CD31 +細胞の、単一細胞プレートCB−ECFCコントロールと比較したクローン増殖解析の結果を示す棒グラフである。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを表す。スチューデントt検定:***p<0.001。 安定したECFC様表現型を引き起こすNRP−1 +CD31 +細胞が分化9日目に現れ始め、そして、安定したECFC様細胞を引き起こすNRP−1 +CD31 +細胞の顕著な増加が分化12日目に起こることを示す。図7Aは、本明細書で提供されるECFC様細胞プロトコルを用いたヒトiPS細胞由来の、新生NRP−1 +CD31 +細胞の分化6日、9日、及び12日目のパーセンテージを表した棒グラフである。すべての実験は2連にて4回行った。値は平均±SDを表す。スチューデントt検定:***p<0.001。図7Bは、hiPS由来NRP−1 +CD31 +細胞から得た内皮コロニーの、分化6日、9日、及び12日目における典型的な顕微鏡写真である。12日目由来のNRP−1 +CD31 +細胞は、コブルストーン形態を示し、各々のコロニーの中に内皮細胞の同種の集団を含んでいた。すべての実験は2連にて8回行った。スケールバーは50μmである。図7Cは、本明細書で提供されるECFC様細胞プロトコルにより得たhiPS由来NRP−1 +CD31 +細胞フラクションの、分化6日、9日、及び12日目の典型的な等高線プロットである。等高線プロットに示されるパーセンテージは、CD144、及びCD31の二重陽性細胞を示す。すべての実験は2連にて4回行った。図7Dは、マトリゲル TMネットワーク形成能を示す典型的な位相差顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。 本明細書で提供されるECFC様細胞分化プロトコルから得られるhES由来内皮細胞の形態、内皮抗原発現、及びインビトロでのマトリゲル TMネットワーク形成能の試験を示す。図8Aは、本明細書で提供されるECFC様細胞分化プロトコルにおける内皮系統分化を経たhiPS細胞の、異なる日における、典型的な位相差顕微鏡写真である。2D培養でのヒトiPS細胞は、内皮様の形態を持った細胞のコロニーを作るようになり(6日目と9日目に)、12日目でコンフルエントになった。実験は2連にて8回行った。スケールバーは100μmである。図8Bは、ECFC様細胞分化を経ている細胞が異なる日において、典型的内皮マーカーCD31、CD144、及びNRP−1を細胞表面に発現し、非内皮マーカーα−SMAを発現しないことを示す典型的な免疫蛍光顕微鏡写真である。NRP−1 +CD31 +細胞は12日目に分化している大量の細胞中で、細胞のクラスターとなって現れ、α−SMA発現が完全に欠如していた。NRP−1発現は緑で表し;CD31発現は赤で表し;α−SMA発現は緑で表し;CD144発現は赤で表す;DAPIは核を青で染色するために用いられた。実験は2連にて4回行った。スケールバーは50μmである。 図8Cは、hiPS由来NRP−1 +CD31 +細胞フラクションから得られる内皮コロニーの6日、9日、及び12日目に調べられた典型的な顕微鏡写真である。12日目由来NRP−1 +CD31 +細胞は、各々のコロニーの中で内皮細胞の同種の集団を含んでいる特徴的コブルストーン形態を示した。すべての実験は2連にて8回行った。スケールバーは50μmである。図8Dは、ECFC様細胞プロトコルを使って得られる6日、9日、及び12日目のhiPS由来NRP−1 +CD31 +細胞フラクションの典型的な等高線プロットである。異なる日に由来するNRP−1 +CD31 +細胞は、内皮生育培地で培養され、コンフルエントな細胞の単層を形成した。典型的内皮遺伝子共発現の有無を試験するために、これらの細胞は、ヒトCD31、及びCD144内皮抗原に対するモノクローナル抗体で染色した。等高線プロットで示されるパーセンテージは、CD144、及びCD31の二重陽性細胞を示す。CD144、及びCD31を共発現している細胞の最も高いパーセンテージは、12日目由来のNRP−1 +CD31 +細胞で現れた。すべての実験は2連にて5回行った。図8Eは、マトリゲル TMネットワーク形成能を示す典型的な位相差顕微鏡写真である。ヒトiPS由来NRP−1 +CD31 +細胞フラクションは、ECFC様細胞分化プロトコルの6日、9日、及び12日目にECFC様細胞プロトコルを使って得られた。これらの各々の日由来のNRP−1 +CD31 +細胞を培養し増殖させた後に、マトリゲル TMをコートしたディッシュ上でインビトロでの毛細管状のネットワーク形成解析を行った。6日目由来の細胞が、マトリゲル TMにプレートしている不完全な毛細管状のネットワークを形成した間に、9日目と12日目由来の細胞は完全な毛細管状のネットワークを形成した。すべての実験は2連にて4回行った。スケールバー100μmである。 図9A−Eは、本明細書で提供されるECFC様細胞分化プロトコルから得られるhES由来内皮細胞の形態、内皮抗原表発現、及びインビトロでのマトリゲル TMネットワーク形成能試験を示す。図9Aは、ECFC様細胞分化プロトコルにおいて内皮系統分化を経ているhES細胞の、異なる日における典型的な位相差顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて8回行った。スケールバーは100μmである。図9Bは、典型的内皮マーカーCD31、CD144、及びNRP−1を細胞表面に発現し、非内皮マーカーα−SMAを発現しないことを示している、異なる日においてECFC様細胞分化が進行している細胞典型的な免疫蛍光顕微鏡写真である。NRP−1 +CD31 +細胞は12日目に分化している大量の細胞中で、細胞のクラスターとなって現れ、α−SMA発現が完全に欠如していた。NRP−1発現は緑で表し;CD31発現は赤で表し;α−SMA発現は緑で表し;CD144発現は赤で表す;DAPIは核を青で染色するために用いられた。すべての実験は2連にて4回行った。スケールバーは100μmである。図9Cは、hES由来NRP−1 +CD31 +細胞フラクションから得られる内皮コロニーの6日、9日、及び12日目に試験された典型的な顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて8回行った。スケールバーは50μmである。図9Dは、ECFC様細胞プロトコルを使って得られる6日、9日、及び12日目のhES由来のNRP−1 +CD31 +細胞フラクションの典型的な等高線プロットである。異なる日に由来するNRP−1 +CD31 +細胞は、内皮生育培地で培養され、コンフルエントな細胞の単層を形成した。等高線プロットで示されるパーセンテージは、CD144、及びCD31の二重陽性細胞を示す。すべての実験は2連にて4回行った。図9Eは、マトリゲル TMネットワーク形成能を示す典型的な位相差顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。 hiPSC由来ECFC様細胞がヒトの病気の臨床前動物モデルで虚血性網膜、及び肢の両方の脈管修復に関与する方法を表す。図10Aは、ビヒクル(左)またはhiPSC由来ECFC様細胞(右)を注射したC57/BL6マウスの平らにマウントした典型的な網膜である。網膜脈管構造は、イソレクチンB4で緑に染色した。無血管エリアは白線によって示した。すべての実験は4回以上行われ、無血管エリアのパーセンテージを計算した。スケールバーは1mmである。図10Bは、ビヒクル(左)またはhiPSC−EBT−CD144 +ECs(右)を注射したC57/BL6マウスの平らにマウントした典型的な網膜である。網膜脈管構造は、イソレクチンB4で緑に染色した。無血管エリアは白線によって示した。すべての実験4回以上行われ、無血管エリアのパーセンテージを計算した。スケールバーは1mmである。図10Cは、ビヒクル(左)またはhiPSC由来ECFC様細胞(右)を注射したC57/BL6マウスの典型的な病理学的網膜前新血管形成を示す。網膜前新血管は、反対側のhiPSC由来ECFCs様細胞を注射した目と比較して、ビヒクルを注射した目では主にふさ状分岐になって見える。矢は網膜前新血管のふさ状分岐を示す。すべての実験は4回以上行った。スケールバーは200μmである。 図10Dは、無胸腺のヌードマウスにおいてhiPSC由来ECFC様細胞によって治療的な新血管形成を示す典型的なレーザー・ドップラー灌流の画像である。ビヒクルまたはhiPSC−EBT−CD144+ECsを注射したグループより、hiPSC由来ECFC様細胞またはCB−ECFCsを移植したマウスの虚血性肢(矢印)で、肢血灌流のより大きな増加が観察された。すべての実験は10回以上行った。図10Eは、ビヒクル、hiPSC由来ECFC様細胞、hiPSC−EBT−CD144+ECs、またはCB−ECFCsの、移植後28日目における虚血性肢の生理的状態のパーセンテージ分布を示した積み上げ棒グラフである。すべての実験は10回以上行った。図10Fは、ビヒクル、hiPSC由来ECFC様細胞、hiPSC−EBT−CD144+ECs、またはCB−ECFCsの、移植後28日目における虚血性肢の生理的状態を表すテーブルである。すべての実験は10回以上行った。値は患肢温存、壊死、また喪失のパーセンテージを示す。パラメータのカイ二乗テスト:*P<0.05。 インビボでの虚血性網膜脈管系へのhiPSC由来ECFC様細胞の統合を表す。図11Aは、量子ドットで赤くラベルして虚血性網膜に注射し、その後レジデント脈管系(イソレクチンB4で緑に染色した)に取り込まれた、hiPSC由来ECFC様細胞(右上)またはhiPSC−EBT−CD144+ECs(左上)を表す。hiPSC−EBT−CD144+ECsと比較されるとき、hiPSC由来ECFC様細胞はホスト網膜でより多く、及びより広い配布において統合する。すべての実験は4回以上行った。スケールバーは50μmである。 図11Bは、単一細胞としてホスト脈管構造と緊密に存在し、さらに表層性網膜網状組織の構造のような脈管チューブを形成するように見える、赤い量子ドットでラベルしたhiPSC由来ECFC様細胞である。すべての実験は4回以上行った。スケールバーは25μmである。 hiPS由来CD31 +NRP−1 +ECFC様細胞が広範囲な拡大を経て、安定した内皮表現型を維持し、最終的に長期培養の後、老境にかかったようになる初代細胞の特性を示す。図12Aは、β−ガラクトシダーゼ染色を示すCB−ECFCsの典型的な位相差顕微鏡写真である。CB−ECFCsは、メーカーの指示に従ってβ−ガラクトシダーゼで染色した。CB−ECFCsはP7では、ほとんどβ−ガラクトシダーゼ陽性の青色細胞(円によって示される)を示さなかったが、P18では、これらの細胞のほぼ全てがβ−ガラクトシダーゼにより青く染色され陽性であった。すべての実験は2連にて8回行った。スケールバーは50μmである。図12Bは、β−ガラクトシダーゼ染色を示すhiPS由来ECFC様細胞の典型的な位相差顕微鏡写真である。hiPS ECFC様細胞はメーカーの指示に従ってβ−ガラクトシダーゼで染色された。hiPS由来ECFC様細胞はP7ではほとんどβ−ガラクトシダーゼ陽性の青色細胞(円によって示される)を示さなかったが、P18ではこれらの細胞のほぼ全てがβ−ガラクトシダーゼにより青く染色され陽性であった。すべての実験は2連にて4回行った。スケールバーは50μmである。 図12Cは、異なる継代回数におけるCB−ECFCs、及びhiPS由来ECFC様細胞でのβ−ガラクトシダーゼ陽性のパーセンテージを示す棒グラフである。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを表す。スチューデントt検定:***p<0.001。図12Dは、典型的内皮マーカーCD31、CD144、及びNRP−1を発現し、非内皮マーカーα−SMAを発現していないことを示しているhiPS由来ECFC様細胞の典型的な免疫蛍光顕微鏡写真である。上部のパネルにおいて、NRP−1発現は緑で表し;CD31発現は赤で表す。下部パネルにおいて、α−SMA発現は緑で表し;CD144発現は赤で表す。DAPIは、核を青で染色するために用いられた。すべての実験は2連にて3回行った。スケールバーは100μmである。 NRP−1 +CD31 +ECFC様細胞がCB−ECFCsに類似した分子サインを提示することを示す。図13Aは、個々の胚葉と、特定の系統を定めている遺伝子の選ばれたグループの相対的な転写レベルのヒートマップである。 図13Bは、前述 32のように、脈管、アンジオクライン、及び非脈管遺伝子の選ばれたグループの相対的な転写レベルのヒートマップを表す。ヒトiPS由来ECFC様細胞、及びhES由来ECFC様細胞は、多くの脈管(上のパネル)、及びアンジオクライン(中央のパネル)遺伝子で高発現プロフィールを示し、非脈管遺伝子(下のパネル)の発現は減少しており、CB−ECFCsによって示される発現に類似していた。 KDR、p130 Cas、及びPykリン酸化を示した全長ウエスタンブロットである。図14Aは、リン酸化されたKDRを確認するためにリン酸KDR抗体で最初に処理されたウエスタンブロットである。図14Bは、リン酸KDR抗体で最初に処理され、そして総KDR抗体でのインキュベートのためにストリッピングされたウエスタンブロットである。 図14Cは、リン酸p130 Casで処理されたウエスタンブロットである。図14Dは、リン酸−p130 Casで最初に処理され、そしてリン酸Pyk2抗体で再度インキュベートするためにストッリッピングされたウエスタンブロットである。 図14Eは、リン酸p130 Casで最初に処理され、そして総リン酸Pyk2抗体で再インキュベートするためにストッリッピングされたウエスタンブロットである。 NRP−1がhiPS細胞からのECFC様細胞の出現のために重要であることを示す。図15Aは、hiPS細胞からのECFC様細胞の出現における、NRP−1の役割を試験するために用いられる処理ストラテジーの略図である。図15Bは、コントロール(青)、Fc−NRP−1(赤)、及びNRP−b(緑)による処理4日後と6日後にのNRP−1 +CD31 +(二重の)陽性細胞の出現パーセンテージの定量化を表す折れ線グラフである。挿入しているフローサイトメトリー等高線プロットは、分化6日目のKDR、及びNRP−1の発現パーセントであり、大量のKDR発現とNRP−1発現の減少を示す。すべての実験は3連にて6回行った;値は平均±SDを示す。スチューデントt検定:**p<0.01、***p<0.001。図15Cは、KDR、p130 Cas、及びPyk2リン酸化を示すウエスタンブロットである。すべての実験は2連にて4回行った。 NRP−1がECFC様細胞の増殖能の維持のために重要であることを示す。図16Aは、CD31、CD144、及びNRP−1に対するモノクローナル抗体で染色した異なる継代回数(P4、P14、及びP18)のhiPS由来ECFC様細胞を表す。それぞれの等高線プロットのパーセンテージはCD31、及びCD144の二重陽性細胞(左のパネル)を示し、一方右のパネルの等高線プロットのパーセンテージはCD31、及びNRP−1の二重陽性細胞を示す。すべての実験は2連にて4回行った。図16Bは、異なる継代回数(P4、P14、及びP18)のhiPS由来ECFC様細胞における、培養7日後での拡大倍率を表す。すべての実験は3連にて3回行った;値は平均±SDを示す。スチューデントt検定:***p<0.001。図16Cは、KDR、及びNRP−1に対するモノクローナル抗体で染色した継代14回のhiPS由来ECFC様細胞を表す。各々の等高線プロットのパーセンテージは、NRP−1、及びKDRに対する陽性細胞を示す。すべての実験は2連にて4回行った。図16Dは、処理の3日後または7日後に拡大倍率の検査をするために、コントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bで処理された後期の継代(P14)のhiPS由来ECFC様細胞を表す。棒グラフはコントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bでの処理3日後(左の棒グラフ)、及び7日後(右の棒グラフ)のhiPS由来ECFC様細胞(P14)の拡大倍率を表す。すべての実験は3連にて5回行った;値は平均±SDを示す。スチューデントt検定:*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。図16Eは、コントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bで7日間処理された、メーカーの指示に従ってβ−ガラクトシダーゼで染色した、後期の継代(P14)のhiPS由来ECFC様細胞を表す。円はβ−ガラクトシダーゼ陽性の染色された細胞を表す。Fc−NRP−1処理は、コントロール処理細胞と比較してβ−ガラクトシダーゼ陽性の青色細胞(ドットで囲んだ)の数を減少させた。NRP−1−B処理は、コントロールと比較して青色細胞の数を増加させた。すべての実験は3連にて4回行った。スケールバーは50μmである。 図16Fは、後期の継代(P14)におけるhiPS−ECFC様細胞を、コントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bで7日間処理した後の、β−ガラクトシダーゼ陽性青色細胞のパーセンテージを示している棒グラフである。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを示す。スチューデントt検定:**p<0.01、***p<0.001。図16Gは、VEGF165を含む正常EGM−2培地、及びVEGF121を含むEGM−2培地で培養され、コントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bで7日間処理された、後期の継代(P14)におけるhiPS−ECFC様細胞を表す。7日後に、細胞を回収、カウントし、これら各々の処理群の中で、生細胞、アポトーシス促進細胞、及び死細胞の有無を試験するためにヨウ化プロピジウムとアネキシンVで染色した。棒グラフは、コントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bでの7日間処理に続き、培地を含んだVEGF121、及びVEGF165中でのアポトーシス促進細胞のパーセンテージを表す。VEGF121存在下で培養した細胞に比べて、培地を含んだVEGF165中で培養した細胞のFc−NRP−1、及びNRP−1−B処理群においてアポトーシス促進細胞のパーセンテージはかなり減少した。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを示す。スチューデントt検定:**p<0.01。図16Hは、VEGF 165をVEGF 121と入れ替えられた正常EGM−2培地で培養された後期の継代(P14)におけるhiPS由来ECFC様細胞を表す。これらの細胞は7日間、コントロール、Fc−NRP−1、またはNRP−1−Bで処理された。棒グラフは、コントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bでの7日間処理に続き、VEGF 121処理培地でのP14hiPS由来のECFC様細胞の拡大倍率を表す。Fc−NRP−1またはNRP−1−B処理はVEGF 121存在下のコントロールと比べて、これらの細胞の拡大倍率において重要な変更を起こさなかった。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを示す。図16Iは、VEGF 165を含む正常EGM−2培地とVEGF 121を含むEGM−2培地で培養された後期の継代(P14)回数のhiPS由来ECFC様細胞を表す。これらの細胞は、7日間コントロール、Fc−NRP−1、またはNRP−1−Bで処理された。7日後に、細胞は回収、カウントし、これら各々の処理群の中で、生細胞、アポトーシス促進細胞、及び死細胞の有無を試験するためにヨウ化プロピジウムとアネキシンVで染色した。コントロール(左のパネル)、Fc−NRP−1(中央のパネル)、またはNRP−B(右のパネル)で処理され、VEGF 121(上の列のパネル)、またはVEGF 165(下の列のパネル)の存在下での、各々の等高線プロットのパーセンテージは、生細胞、アポトーシス促進細胞、及び死細胞を示す。VEGF 121処理細胞で、Fc−NRP−1とNRP−1−Bは、コントロールと比較して死細胞とアポトーシス促進細胞のパーセンテージを上昇させた。しかし、VEGF 165処理細胞では、Fc−NRP−1が死細胞とアポトーシス促進細胞のパーセンテージを低下させ、コントロールと比較して生細胞のパーセンテージを上昇させ、NRP−1−Bは死細胞とアポトーシス促進細胞のパーセンテージを上昇させ、コントロールと比較して生細胞のパーセンテージを低下させた。すべての実験は3連にて4回行った;典型的な等高線プロットは、グループごとに示す。 PAD患者由来のECsにおいて、NRP−1発現の低下、及び初期の細胞老化が見られ、クローン増殖能の完全な階層を示すことができず、インビボでの脈管形成能が不十分であるが、PAD−ECsでの外性のNRP−1による処理が細胞老化を減少させ、多核細胞形成を減少し、PAD−ECの増殖能を救うことを説明する。図17Aは、下肢切断を受けた末梢動脈疾患患者に由来した動脈、及び末梢血ECsを表す。典型的な位相差顕微鏡写真は、PAD、及びCLIにおいて患者から得られるPB(左のパネル)と動脈(右のパネル)に由来する内皮細胞の同種の特徴的コブルストーン形態を示す。すべての実験は2連にて6回行った。スケールバーは50μmである。図17Bは、典型的内皮マーカーの発現力を決定するためにフローサイトメトリー解析を受けたPAD患者由来のECsを表す。PAD患者動脈またはPB由来の内皮細胞は、ヒトCD31、CD144、KDR、及びNRP−1に対するモノクローナル抗体で染色した。等高線プロットの右上四半部で示されるパーセンテージは、CD31、及びCD144の二重陽性細胞(左の等高線プロット)を示す。右の等高線プロットのパーセンテージは、NRP−1とKDRを共発現している細胞(右上);NRP−1発現(左上);右下はKDR発現のパーセンテージを示す。これらの細胞の全てがCD31とCD144の共発現の高水準を維持し、そして、細胞の60%以上がKDR発現を示し、細胞の10%未満はNRP−1発現を示した。すべての実験は3連にて5回行った。図17Cは、内皮マーカーCD31、CD144、NRP−1、及び非内皮マーカーα−SMAの表面発現を示しているhiPS由来ECFC様細胞、及びPAD動脈ECsの典型的な免疫蛍光顕微鏡写真である。上のパネルでは、緑でNRP−1発現を示し;赤でCD31発現を示した。下パネルでは、緑でα−SMA発現を示し;赤でCD144発現を示した。DAPIは、核を青で染色するために用いられた。hiPS ECFC様細胞は、NRP−1、及びCD31の共発現を示し、CD144に対し陽性染色され、α−SMA発現を完全に欠如していた。PAD−動脈−ECsはNRP−1、及びCD31の共発現は示さなかったが、それらはCD31、及びCD144に対し陽性染色され、α−SMA発現を完全に欠如していた。すべての実験は2連にて4回行った。スケールバーは100μmである。図17Dは、単一細胞増殖能アッセイを受けたCB−ECFCs、hiPS由来のECFC様細胞、及びPAD患者由来のECsを表す。これらのグループからの単一細胞は96ウェルプレートにプレートされ、14日後に記録された。PAD患者由来の内皮細胞はレジデント血管壁(動脈)のおよそ70%とPB由来内皮細胞の30%以上が、単一非分裂細胞として残り、不十分な増殖的ふるまいを示した。対照的に、プレートした単一CB−ECFCs細胞、及びhiPS由来ECFC様細胞グループでは、わずか2%が培養14日間後に非分裂細胞として残った。それらのPAD誘導細胞は、大部分は内皮集団を形成し(PAD−動脈−ECsの28%、及びPAD−PB−ECsの60%)、LPP−ECFC形成はほとんどせず(PAD−動脈−ECsの0.5%、及びPAD−PB−ECsの4%)、HPP−ECFCを引き起こさなかった。しかし、CB−ECFCs、及びhiPS由来ECFC様細胞グループの細胞は、ほとんど内皮集団を形成せず、大部分はLPP−ECFCs(CB−ECFCsの44.3%、及びhiPS ECFC様細胞の44.7%)、及びHPP−ECFCs(CB−ECFCsの35%、及びhiPS由来ECFC様細胞の43%)を形成した。すべての実験は3連にて4回行った。スチューデントt検定:***p<0.001。図17Eは、PAD患者由来の動脈、及び末梢血からのECsのマトリゲル TM上での毛細管状ネットワーク形成能を示す典型的な位相差顕微鏡写真である。すべての実験は2連にて5回行った。スケールバーは100μmである。図17Fは、免疫不全マウスに移植したPAD患者由来のECsである。ゲルは移植14日後に回収、固定、及び透過し、マウスのホスト細胞に交差反応しない特異的抗ヒトCD31抗体で染色した。典型的な顕微鏡写真の中で示される矢は、ホスト赤血球の循環で灌流したいくつかの小さな抗ヒトCD31 +血管を示す。すべての実験は3連にて5回行った。スケールバーは50μmである。 図17Gは、各々のグループが示すmm 2あたりの機能的hCD31 +脈管を定量化した棒グラフである。PAD患者由来ECsが示す機能的hCD31 +脈管は、CB−ECFCコントロールと比較してかなり減少していた。すべての実験は3連にて5回行った;値は平均±SDを示す。スチューデントt検定:***p<0.001。図17Hは、メーカーの指示に従ってβ−ガラクトシダーゼで染色したPAD−ECs、及びhiPS由来ECFC様細胞(P7)を表す。PAD−ECグループのほとんどの細胞はβ−ガラクトシダーゼ陽性の青色細胞を示したが、hiPS由来ECFC様細胞グループでは、わずかな細胞(円によって示される)がβ−ガラクトシダーゼ陽性であった。すべての実験は3連にて4回行った。スケールバーは50μmである。図17Iは、β−ガラクトシダーゼ陽性であるPAD−ECsのパーセンテージを、hiPS由来ECFC様細胞と比較した棒グラフである。PAD−ECsではhiPS由来ECFC様細胞と比較して、高いパーセンテージの細胞がβ−ガラクトシダーゼ陽性の青色細胞であった。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを示す。スチューデントt検定:***p<0.001。図17Jは、コントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bで7日間処理したPAD−動脈ECs(P7)を表す。棒グラフは、PAD−動脈ECsをコントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bで7日間処理した後の拡大倍率を示す。Fc−NRP−1処置群ではコントロールと比較してより高い拡大倍率が観察され、NRP−1−B処置群では、コントロールと比較してかなり減少した拡大倍率が観察された。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを示す。スチューデントt検定:**p<0.01***p<0.001。図17Kにおいて、PAD−動脈ECs(P7)は、コントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bで7日間処理し、メーカーの指示に従ってβ−ガラクトシダーゼで染色した。コントロール、及びNRP−1−B処置群ではほとんどすべての細胞がβ−ガラクトシダーゼ陽性であり染色されたが、Fc−NRP−1処置群ではいくつかの細胞がβ−ガラクトシダーゼ染色(円によって示される)に陽性ではなかった。すべての実験は3連にて4回行った。スケールバーは50μmである。 図17Lは、PAD−動脈内皮細胞をコントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bで7日間処理した後のβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞のパーセンテージを示した棒グラフである。Fc−NRP−1処理細胞で、コントロール処理細胞と比較してかなり減少したβ−ガラクトシダーゼ陽性青色細胞が観察された。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを示す。スチューデントt検定:*p<0.05***p<0.001。図17Mは、PAD−動脈ECs(P7)をコントロール、及びFc−NRP−1で7日間処理し、処理細胞の核の数をカウントするために得られた、細胞の顕微鏡写真である。典型的な顕微鏡写真では、コントロール(左のパネル)において矢は多核青色細胞を示し、円(右のパネル)は一つの核を有する非青色細胞を示す。すべての実験は3連にて4回行った。スケールバーは25μmである。図17Nは、Fc−NRP−1処理細胞の多核PAD−ECsのパーセンテージを、コントロールを比較した棒グラフである。Fc−NRP−1処理細胞における多核細胞のパーセンテージは、コントロール処理細胞と比較してかなり減少していた。すべての実験は3連にて4回行った;値は平均±SDを示す。スチューデントt検定:***p<0.001。 10 4個のhESまたはhiPS細胞から始まり、本明細書のECFC様細胞分化プロトコルを使用し、83日間で1兆細胞以上の推定された世代を表した略図である。12日目に誘導されたNRP−1+CD31+細胞は、1兆以上の細胞を引き起こす広範囲な拡大を経て、安定したECFC様細胞群体を生じた。この研究は、1つのhES株と3つのhiPS株で2回行った。
本発明は概して、多能性細胞(例えばヒト胚性幹細胞(hESC)または誘導多能性幹細胞(iPSC)(総称してヒト多能性幹細胞(hPSCs)))の内皮コロニー形成細胞様細胞(ECFC様細胞)へのインビトロにおける分化方法に関する。本明細書で提供される方法のいくつかの態様において、フィーダー細胞及び/または血清の使用を必要としないと定義した条件下で、多能性細胞は維持され、拡大し、そして分化しうる。一の態様において、得られるECFC様細胞は、共培養及び/または同時移植細胞が不在の場合、インビボにおいてさらに血管へと成長しうる。 いくつかの態様において、本明細書に記載の方法により生成したECFC様細胞は、インビトロで、OP9の様な細胞、または胎様体(EB)形成との共培養によってhESまたはhiPS細胞から派生した内皮細胞(ECs)と関連して高い増殖能(HPP)を有する。一の態様において、本明細書に記載の方法により生成したECFC様細胞は、ヒトの臍帯血から分離されたECFCsと同等、またはより大きな増殖能を有する。一の態様において、本明細書に記載された方法は、少なくとも1x108個の計算されたECFC様細胞からの再生可能な生成のために用いうる。 I.定義 本明細書で用いられる特定の用語の定義が以下に提供される。特に定義しない限り、本明細書で用いられる技術的及び科学的な用語は、一般に本開示が属する技術分野の通常の知識を有する者によって共通に理解されるものと同じ意味を有する。 本明細書において、「内皮コロニー形成細胞」及び「ECFC」は、単一細胞から内皮コロニーを増殖、形成する能力を示し、同時移植あるいは共培養された細胞が不在の場合インビボで血管形成能力を有する血液中に見られる一次内皮細胞を意味する。 本明細書において、「臍帯血ECFC」及び「CB−ECFC」は、臍帯血に由来する一次ECFCsを意味する。 本明細書において、「細胞様細胞を形成している内皮コロニー」及び「ECFC様細胞」は、インビトロにおいてヒト多能性幹細胞(hPSCs)から生成される非一次内皮細胞を意味する。ECFC様細胞は、少なくとも単一細胞から内皮コロニーを増殖、形成する能力を示し、同時移植あるいは共培養された細胞が不在の場合インビボで血管形成能力を含む、ECFCsのいくつかの特徴を有する。 本明細書において、用語「増殖能」及び「増殖能」は、適切な成長促進シグナルが提供される際の、細胞を分裂する能力を意味する。 本明細書において、用語「高い増殖能」、「高い増殖能」、及び「HPP」は、14日の細胞培養において、単一細胞がおよそ2000より多数の細胞に分裂する能力を意味する。好ましくは、HPP細胞は、自己補充能力を有する。例えば、本明細書で提供されるHPP−ECFC様細胞は自己補充能力を有する、つまりインビトロで再播種されるとき、二次HPP−ECFC様コロニーの中で、一以上のLPP−ECFC様細胞を生じさせる能力があることを意味する。いくつかの態様において、HPP−ECFC様細胞は、インビトロで再播種されるとき、二次HPP−ECFC様コロニーの中で、一以上のLPP−ECFC様細胞及びECFC様細胞クラスターを生じさせる能力をも有し得る。 本明細書において、用語「低い増殖能」、「低い増殖能」、及び「LPP」は、14日の細胞培養において、単一細胞がおよそ51−2000の細胞に分裂する能力を意味する。いくつかの態様において、LPP−ECFC様細胞は、ECFC様細胞クラスターを生じさせる能力をも有し得る。しかし、LPP−ECFC様細胞は、二次LPP−ECFC様細胞またはHPP−ECFC様細胞を生じさせる能力がない。 本明細書において、用語「ECFC様クラスター」は、14日間の細胞培養において約2〜50の細胞に分裂する能力があるECFC様細胞のクラスターを意味する。 本明細書において、用語「多能性細胞」は、任意の細胞型(例えば、3つの胚葉のいずれか一つの細胞:内胚葉、中胚葉、または外胚葉)に分化する可能性がある細胞を意味する。 本明細書において、用語「胚性幹細胞」、「ES細胞」、または「ESCs」は、初期胚に由来する多能性幹細胞を意味する。 本明細書において、用語「誘導多能性幹細胞」、「iPS細胞」、または「iPSCs」は、例えば成人の体細胞の様な非多能性細胞、または例えば線維芽細胞、造血細胞、筋細胞、ニューロン、または表皮細胞等の様な最終的に分化した細胞から、非多能性細胞に誘導すること、または一以上の再プログラミング因子を伴う非多能性細胞に接触させることにより調製される多能性幹細胞の種類を意味する。 本明細書において、用語「内皮分化培地」は、多能性細胞の内皮系統の細胞への分化をサポート及び/または促進する、全ての栄養培地を意味する。 本明細書において、用語「内皮成長培地」は、内皮系統の細胞の維持に適した全ての培地を意味する。 II:多能性細胞を内皮コロニー形成細胞様細胞(ECFC様細胞)に分化する方法 一の態様において、本明細書で提供される方法は、少なくとも以下の3ステップを含む: A:多能性幹細胞を提供するステップ; B:前記多能性幹細胞の内皮系統の細胞への分化を誘導するステップ;及び、 C:分化した内皮系統の細胞からECFC様細胞を単離するステップ。 いくつかの態様において、前記方法はさらに以下のステップを含む: D.単離したECFC様細胞を拡大させるステップ。 前述の方法における各ステップを、以下に説明する。本明細書で提供される方法のいくつかの態様は、「ECFC様プロトコル」、「ECFC様細胞プロトコル」、「hESC由来ECFC様細胞プロトコル」、または「hiPSC由来ECFC様細胞プロトコル」ということがある。 A.多能性幹細胞培養 一の態様において、インビトロで多能性細胞からECFCsの単離集団を生成する方法を提供する。本開示の方法における使用に適した多能性細胞は、種々のソースから得られる。例えば、一種の適切な多能性細胞は、胚盤胞の内部の細胞塊由来の胚性幹(ES)細胞である。さまざまなES細胞、例えばマウス、アカゲザル、コモンマーモセット、及びヒトの細胞を得る方法は良く知られている。前記方法で使用されるES細胞のソースは、例えば、一以上の確立したES細胞株であり得る。種々のES細胞株が知られており、それらの成長及び普及の条件が定義されている。事実上、あらゆるES細胞またはES細胞株は、本明細書で開示される方法で使用可能であると考えられる。一の態様において、多能性細胞は、体細胞を再プログラムすることによって誘導される誘導多能性幹(iPS)細胞である。誘導多能性幹細胞は、いくつかの公知の方法により得られる。事実上、あらゆるiPS細胞または細胞株が、本明細書に記載の方法で使用可能であると考えられる。他の態様において、多能性細胞は、ドナー核がスピンドルのない卵母細胞に移植される体細胞の核移動によって誘導されるES細胞である。核移動によって幹細胞を生産する種々の方法が知られている。実質的に、体細胞の核移動によって誘導される、あらゆるES細胞またはES細胞株は、本明細書で開示される方法で使用可能であると考えられる。 一の態様において、多能性細胞は、未分化状態の多能性細胞を維持するために適した条件下で培養される。インビトロ、すなわち未分化状態で、多能性細胞を維持する方法が知られている。一の態様において、多能性細胞は、未分化状態の多能性細胞を維持するために適した条件下で、二日間培養される。例えば、下記の実施例において、hESとhiPS細胞は、37℃、5%CO2で約2日間、10cm2の組織培養皿のマトリゲルTM上でmTeSR1完全培地により維持された。 多能性細胞を培養及び/または維持するための、さらなる及び/または代わりの方法を使用することができる。例えば、基本培地として、あらゆるTeSR、mTeSR1、アルファ.MEM、BME、BGJb、CMRL 1066、DMEM、イーグルMEM、フィッシャー培地、グラスゴーMEM、Ham、IMDM、Improved MEM Zinc Option、Medium 199、及びRPMI 1640、またはその組合せを、多能性細胞の培養及び/または維持するために使用することができる。 使用される多能性細胞培養培地は血清を含むか、または、無血清であり得る。無血清とは、未処理及び/または精製されていない血清を含まない培地を意味する。無血清培地は、例えば成長因子の様な、精製された血液由来の構成要素または動物の組織由来の構成要素を含んでもよい。使用される多能性細胞培地は、例えばノックアウト血清代替品(KSR)、化学的定義済み脂質濃縮物(ギブコ)、またはグルタマックス(ギブコ)の様な、血清に代わる一以上を含んでもよい。 多能性細胞の分割または継代方法は、良く知られている。例えば、以下の実施例では、多能性細胞のプレーティング後、培地は2日目、3日目、及び4日目に交換され、そして5日目に細胞を継代した。通常、一旦培地容器がいっぱい(すなわち、70〜100%コンフルエント)ならば、容器の細胞塊は分離に適した任意の方法によって凝集細胞または単一細胞に分割し、その凝集細胞または単一細胞は、継代のために新しい培地容器に移す。細胞の「継代」または「分割」は、細胞を活かしながら長期間インビトロで成長させるための公知の技術である。 B.内皮系統細胞への多能性細胞の指向された分化 本明細書に開示される一の態様において、インビトロの多能性細胞は、内皮分化を経るよう誘導される。内皮系統細胞に多能性細胞の分化を誘導するための、培地条件を含むいくつかの方法が知られている。本明細書で提供されるECFC様細胞プロトコルでは、化学的に定義された培地で多能性細胞の分化誘導をすることは、より望ましい。例えば、無血清造血拡大培地ステムラインIIは、基本内皮分化培地として使用することができる。本明細書で提供されるECFC様細胞プロトコルにおいて、いくつかの成長因子は、ECFC様細胞を含む内皮系統細胞への多能性細胞の分化を促進するために用いられる。例えば、アクチビンA、血管内皮成長因子(VEGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(FGF−2)、及び骨形成タンパク質4(BMP−4)は、ECFC様細胞を含む内皮系統の細胞への多能性細胞の分化を誘導するための化学的に定義された分化培地に含まれる。 本明細書で提供されるECFC様細胞プロトコルの一の態様において、基本培地(例えば、mTeSR1)での培養2日(−D2)後に、アクチビンA、BMP−4、VEGF、及びFGF−2の有効量を含む内皮分化培地で24時間細胞と接触することによって、多能性細胞の分化は内皮系統に指向された。24時間の分化に続いて、アクチビンAは、有効量のBMP−4、VEGF、及びFGF−2を含む内皮分化培地と、前記内皮分化培地を交換することによって培地から取り除かれた。「有効量」は、ECFC様細胞を含む内皮系統細胞への多能性細胞の分化を促進するための有効量を意味する。さらに、BMP−4、VEGF、及びFGF−2の有効量を含む内皮分化培地は1〜2日毎に交換することができる。 アクチビンAは、複数の経路を通して細胞分化を活性化するために知られているTGF−Bスーパーファミリーのメンバーである。アクチビンAは、中胚葉仕様の活性化を容易にするが、内皮形質の獲得(specification)とそれに続く内皮増幅のために重要でない。一の態様において、内皮分化培地はアクチビンAを約5〜25ng/mLの濃度で含む。一の好ましい態様において、内皮分化培地は、アクチビンAを約10ng/mLの濃度で含む。 骨形成タンパク質−4(BMP−4)は、成人のヒト骨髄(BM)で発現する中胚葉誘導物質であり、造血前駆細胞の増殖及び分化の可能性の調整に関係している(Bhardwajら、2001;Bhatiaら、1999;Chadwick2003)。さらにBMP−4は、ヒト胎児、新生児、及び成人の造血前駆細胞において、初期造血細胞の発育を調整することができる(Davidson及びZon(2000);Huberら、1998;Marshallら、2000)。一の態様において、前記内皮分化培地は、BMP−4を約5〜25ng/mLの濃度で含む。一の好ましい態様において、前記内皮分化培地は、BMP−4を約10ng/mLの濃度で含む。 血管内皮成長因子(VEGF)は、胚性循環系構造と血管新生に関係するシグナリング・タンパク質である。インビトロで、VEGFは内皮細胞有糸分裂と細胞遊走を刺激することができる。一の態様において、前記内皮分化培地は、VEGFを約5〜50ng/mLの濃度で含む。一の好ましい態様において、内皮分化培地は、VEGFを約10ng/mLの濃度で含む。一のより好ましい態様において、内皮分化培地は、VEGF165を約10ng/mLの濃度で含む。 bFGFまたはFGF−2とも呼ばれる塩基性線維芽細胞成長因子は、肢と神経系発達、創傷治癒、及び腫瘍の成長を含む多様な生物学的プロセスに関係する。bFGFは、ヒト胚性幹細胞のフィーダー非依存成長を支えるのに用いられる。一の態様において、前記内皮分化培地は、FGF−2を約5〜25ng/mLの濃度で含む。一のより好ましい態様において、前記内皮分化培地は、FGF−2を約10ng/mLの濃度で含む。 hPSCsからECsを生成するための従前のプロトコルとは対照的に、本明細書に記載の方法は、例えばOP9間質細胞の様な支えとなる細胞との共培養を必要としない。 hPSCsからECsを生成するための従前のプロトコルとは対照的に、本明細書に記載の方法は、胎様体(EB)形成を必要としない。 hPSCsからECsを生成するための従前のプロトコルとは対照的に、本明細書に記載の方法は、外因性のTGF−β阻害を必要としない。 C.分化した内皮細胞からのECFC様細胞の分離 本明細書に記載された方法の一の態様において、CD31+NRP−1+細胞は、選択され、内皮分化を経た細胞集団から分離される。一以上の特定の分子マーカーを有する細胞を選ぶための方法は知られている。例えば細胞は、蛍光活性化セルソーティングまたは磁気活性化セルソーティングを含むフローサイトメトリーによっていくつかの転写物の発現に基づき選ばれ得る。 一の態様において、CD31+NRP−1+細胞は、本明細書に記載される内皮分化を経た分化10日目、11日目または12日目の細胞集団から選択される。一の好ましい態様において、CD31+NRP−1+細胞は、進行中の内皮分化12日目における細胞集団から選択される。本発明者らは、進行中の内皮分化12日目の細胞集団が、分化の他の日に存在する細胞集団と比較してNRP−1+細胞をより高い割合で含むことを見出した。 以下の実施例において、接着性ECsは分化12日目に収穫され、単一細胞懸濁液になった。細胞は数えられ、抗ヒトCD31、CD144、及びNRP−1抗体染色のために調製された。CD31+CD144+NRP−1+細胞は、フローサイトメトリーを使用してソートされ、選択された。 一の態様において、前記選択された細胞は、ECFCsを含むECsに特有である、コブルストーン形態を示す。 一の態様において、前記選択された細胞は、ECFCsを含むECsに特有である、マトリゲルTMでコートされた皿上で毛細管状ネットワークの生成能力を有する。 一の態様において、前記選択された細胞は、それはECFCsに特有である、共培養及び/または同時移植された細胞が不在の場合インビボでの血管形成の能力を有する。 一の態様において、前記選択された細胞は、CB−ECFCsと同等またはそれ以上、またはインビトロでの既知のプロトコルで誘導されるECsより大きなクローン増殖能を示す。 一の態様において、前記選択された細胞は、高いクローン増殖能を示す。例えば、一の態様において、約95%以上の単離した単一のECFC様細胞は、少なくとも約35〜50%の単離した単一のECFC様細胞は、自己補充能力があるHPP−ECFC様細胞であり、それによりさらなるHPP−ECFC様細胞を発生させる。 D.単離したECFC様細胞の拡大 いくつかの態様において、前記単離したCD31+NRP−1+ECFC様細胞は、内皮成長に適した条件下で拡大する。一の態様において、前記単離したCD31+NRP−1+ECFC様細胞を拡大させるために、既知の内皮細胞成長の培養条件を使用することができる。さらに以下で議論される一の態様において、培養皿は細胞のためのマトリックスアタッチメントとして、タイプ1コラーゲンでコーティングされている。フィブロネクチン、マトリゲルまたは他の細胞マトリックスは、培養皿に細胞の付加を容易にするためにも使用することができる。さらに以下で議論される一の態様において、VEGF、IGF1、EGF、及びFGF2をプラスした内皮成長培地2(EGM2)、ビタミンC、ヒドロコルチゾン、及び子牛胎児の血清は、前記単離したCD31+NRP−1+ECFC様細胞を拡大するために使用することができる。 下記の実施例において、CD31+NRP−1+単離ECFC様細胞は、遠心分離され、1:1の内皮成長培地及び内皮分化培地で再懸濁された。 前記選択された細胞集団からECFC様細胞を生成するために、ウェルあたり約2500の選択細胞が、コラーゲンでコーティングした12ウェルプレート上に播かれた。2日後、培養培地は内皮成長培地と内皮分化培地の比率が3:1である培養培地と交換された。ECFC様コロニーはしっかりとした接着性の細胞として出現し、拡大7日目にコブルストーン形態を示した。 下記の実施例において、ECFC様細胞クラスターは、HPP−ECFC様細胞の実質的に純粋な集団を単離するために、クローン化された。「純粋」あるいは「実質的に純粋」は、総細胞集団を構成するHPP−ECFC様細胞に対して、少なくとも約75%(例えば、少なくとも75%、85%、90%、95%、98%、99%、またはそれ以上について)純粋である細胞の集団を意味する。言い換えると、用語「実質的に純粋」は、本明細書において、内皮細胞系統を得るための分化を指向するとき、約25%、20%、約10%または約5%より少ない非ECFC用細胞を含むECFC様細胞集団を意味する。用語「実質的に純粋」はまた、本明細書において、あらゆる濃縮、拡大ステップ、または分化ステップの前に単離された集団における約25%、20%、約10%または約5%より少ない非ECFC用細胞を含むECFC様細胞集団を意味する。いくつかのケースにおいて、本明細書で提供される方法によって生成するECFC様細胞の実質的に純粋な単離された集団は、総細胞集団を構成する内皮細胞に対して、少なくとも約95%(例えば、少なくとも95%、96%、97%、98%、99%について)純粋である。この分野で既知のクローン技術は、本明細書で提供される方法に使用し得る。 下記の実施例において、コンフルエントECFC様細胞は、シード密度がcm2につき10,000細胞でプレーティングすること、及び完全内皮成長培地(コラーゲンで被覆したプレートとcEGM−2培地)で、一日おきに培地交換をしてECFC様細胞を維持することにより継代された。既知の細胞継代技術は、本明細書で提供された方法において使用できる。 一の態様において、本明細書で提供される方法を用いて生成するECFC様細胞は、内皮成長培地を含む組成物で拡大することができ、安定なECFC様細胞表現型を維持しながら最大18回継代される。「安定なECFC様細胞表現型」は、コブルストーン形態を示し、細胞表面抗原CD31及びCD144を発現し、かつ共培養や同時移植された細胞の不存在化でインビボで血管新生能力がある細胞を意味する。一の好ましい態様において、安定した表現型を有するECFC様細胞は、CD144及びKDRを発現するが、α−SMA(アルファ−平滑筋アクチン)を発現しない。 III.ECFC様細胞の単離集団 一の態様において、ヒトNRP−1+/CD31+ECFC様細胞の単離集団を提供する。一の態様において、本明細書で提供されるhPSCsからECFC様細胞を生成するインビトロの方法により、生成されたNRP−1+/CD31+ECFC様細胞の分離されたヒト細胞集団が生成される。 下記の実施例において、本明細書で提供される方法は、NRP−1+とCD31+ECFC様細胞の精製されたヒト細胞集団を生成するために用いられる。前記集団の単離ECFC様細胞は、コブルストーン形態を示し、共培養や同時移植された細胞なしにインビボで血管形成する能力を有する。一の態様において、前記集団のECFC様細胞は、一以上のCD144+、KDR+、及びα−SMA−によってさらに特徴づけられる。 一の態様において、少なくとも、前記集団のECFC様細胞のいくつかは、CB−ECFCsの増殖能以上、かつ他の公知のプロトコルによりインビトロで生成したECsの増殖能以上の高い増殖能を有する。一の好ましい態様において、前記ECFC様細胞集団は、単一の開始多能性細胞から少なくとも1兆のECFC様細胞を生成する増殖能を有するHPP−ECFCsを含む。 一の好ましい態様において、単離ECFC様細胞集団は実質的に純粋である。 一の好ましい態様において、本明細書で提供される単離ECFC様細胞集団は、 少なくとも、以下の特徴を有する約35〜50%のECFC様細胞を含む。 A.特徴的ECFC様分子表現型、 B.インビトロにおいてマトリゲルTM上で毛細管状のネットワークを作る能力、 C.高い増殖能、 D.自己補充能、 E.インビボにおける共培養細胞非存在下での血管形成能、及び F.増加した細胞生存能、及び/または減少した老化。 前記のECFC様の特徴の各々は、以下でさらに議論される。 A.特徴的ECFC様分子表現型 内皮系統の細胞は、例えば、CD31、CD144、KDR、及びNRP−1を含む特徴的分子マーカーを有する。臍帯血ECsがCD31、CD144、KDR、及びNRP−1を含む種々の内皮マーカーを発現することが知られている。現時点では、本発明者らは、CB−ECFCsと血管由来の他のECsとを区別する特定のマーカーを知らない。ECFCsを含むECs中の分子表現パターンを測定する方法は知られている。例えば、本開示の方法を用いて生成した細胞において、種々のマーカーの発現を評価する種々の公知の免疫細胞化学技術である。 本明細書の実施例において、ECFC様細胞はCD31+/NRP−1+である。一の好ましい態様において、本明細書で提供される方法を用いて誘導されるECFC様細胞はまた、CD144とKDRを発現し、α−SMAを発現しない。これに対して、インビトロで、OP9細胞またはEB発展物(development)との共培養を必要とするプロトコルを用いたhPSCsから作り出されるECsは、しばしばα−SMAを発現する。 B.インビトロにおいてマトリゲルTM上で毛細管状のネットワークを作る能力 種々の他のECsのように、臍帯血由来のECFCsは、インビトロにおいてマトリゲルTM上で培養されるとき、毛細管状のネットワークを作ることができる。 一の態様において、本明細書で提供される方法を使用しているインビトロのhPSCs由来のECFC様細胞及び集団は、インビトロにおいてマトリゲルTM上で培養されるとき、毛細管状のネットワークを作る能力を有する。 C.高い増殖能 インビトロにおいて種々の異なるプロトコルを使用しているhPSCs由来の内皮細胞(ECs)は、CB−ECFCsと比較して異なる増殖能を有する。例えば、実施例に示すように、単一細胞CB−ECFCsの約45%は低い増殖能(LPP)を有し、単一細胞CB−ECFCsの約37%は高い増殖能(HPP)を有する。実施例に示すように、本明細書で提供される単離ECFC様細胞集団のECFC様細胞の少なくとも約35%は、HPP−ECFC様細胞である。好ましい態様において、本明細書で提供される単離ECFC様細胞集団のECFC様細胞の少なくとも約50%は、HPP−ECFC様細胞である。 これとは対照的に、インビトロにおいてOP9細胞での細胞の共培養を含むプロトコルにより生成した(例えば、Choiら;Stem Cells 2009)ECsは、3%未満の細胞が、HPP−ECsを引き起こすクローンの増殖能を示す。EB形成を含むインビトロのプロトコルにより生成した(例えばCimatoら、Circulation 2009)内皮細胞は、3%未満の細胞がHPP−ECsを引き起こす、クローンの増殖能を示した。外生のTGF−β阻害を含むインビトロのプロトコルにより生成した内皮細胞(例えば、Jamesら 2010)は、約30%の細胞がHPP−ECsを引き起こす、クローンの増殖能を示した、しかしTGF−β阻害が継続される場合のみであった(すなわち、外生のTGF−β阻害がこのプロトコルから除かれれば、ECsはその全てのHPP活性を喪失する)。 細胞の増殖能を測定するための種々の技術が知られており、ECFC様細胞の増殖能を確認するために、本明細書で提供される方法とともに利用することができる。実施例の中で、単一細胞アッセイはCB−ECFCs、iPS由来ECFC様細胞、EB由来ECs、及び末梢動脈疾患(PAD)由来ECsのクローン形成増殖能を評価するのに用いられた。手短に言うと、CB−ECFCs、ECFC様細胞、及びECsは、単一細胞懸濁液を得るために処理された。懸濁された細胞を数え、希釈して、単一細胞は、96ウェルプレートの各々のウェルで培養された。数日培地した後、各ウェルは、細胞数を数えるために精査した。二種以上の細胞を含むウェルは増殖能陽性として特定した。ECカウントが1であるウェルは分裂無しに分類し、ECカウントが2〜50のウェルは内皮細胞クラスター内皮細胞クラスター(ECCs)に、ECカウントが51〜500または501〜2000のウェルは低増殖能内皮細胞クラスター(LPP)に、そしてECカウントが2001以上のウェルは高増殖能内皮細胞クラスター(HPP)に分類した。 D.自己補充能 種々の異なるプロトコルにより生成した内皮細胞は、自己補充のための異なる能力を有する。「自己補充能」は、細胞のように分裂する能力を意味する。例えば、本明細書で提供されているHPP−ECFC様細胞は、インビトロで再プレートされるとき、二次HPP−ECFC様コロニーの中で一以上のHPP−ECFC様細胞を引き起こす能力を有する。一の態様において、自己補充HPP−ECFC様細胞は、細胞治療に適する、少なくとも治療的に十分な数のHPP−ECFC様細胞が、本明細書で提供される方法によりインビトロで生成されるからである。 E.インビボにおける共培養細胞非存在下での血管形成能 種々の異なるプロトコルにより誘導される内皮コロニー形成細胞は、インビボでの血管形成のための異なる能力を有する。例えば、インビボで例えばマウス等の哺乳類に移植されるとき、CB−ECFCsは血管を形成することができる。 これとは対照的に、ECsの生成のためにOP9細胞で細胞の共培養を含むChoiらのプロトコル(2009)を用いて生成したECsは、インビボで哺乳類に移植されるとき、機能的なヒト血管で満たされたホストマウス赤血球(RBC)を形成しない。ECsの生成のためのEB形成を含むCimatoらのプロトコル(2009)により生成したECsは、インビボで哺乳類に移植されるとき、機能的なヒト血管で満たされたホストRBCを形成しない。内皮細胞の生成のために外生のTGF−β阻害を含むJamesら(2010)のプロトコルを用いて生成したECsは、インビボで哺乳類に移植されるとき、極めて少ない機能的なヒト血管を形成する(すなわち、本明細書で提供されるプロトコルによる細胞より15倍少ない)。Jamesらの細胞は、インビボで哺乳類に移植されるとき、培養がTGF−βを含むように継続すれば、機能的なヒト血管を形成する;もしTGF−βが除かれれば、ヒト血管で満たされたRBCを形成する能力を完全に失う。12日目にCD31+NRP−1+細胞を選ぶステップが欠如しているSamuelらのプロトコル(Samuelら PNAS 2013)を用いて生成したECsは、ECsが支えとなる細胞(すなわち、間充織前駆細胞)とともに移植されれば、インビボで哺乳類に移植されるとき、血管だけを形成できる。 上記の従来の方法と対照的に、実施例において、ECFC様細胞集団の細胞は、インビボで哺乳類に移植されるとき、支えとなる細胞がない場合でも血管を形成することができる。 インビボ血管形成を測定する公知の様々な技術を使用することができる。実施例において、インビボ血管形成は、本明細書に記載の方法により生成したECFC様細胞3次元(3D)細分化コラーゲンマトリックスを加えることにより、評価した。ECFC様細胞懸濁液を含むコラーゲン混合物は、組織培養皿でゲルを形成するために重合した。細分化ゲルは、6〜12週齢のNOD/SCIDマウスの横腹に移植された。移植の2週後に、ゲルは回収され、マウス赤血球が還流するヒト内皮系血管の有無を調べた。 外因性の支えとなる細胞の非存在下のインビボでの血管形成能は、本明細書で提供される方法を用いて生産される細胞がECFCsであることの1つの指標だ。 F.増加した細胞生存能、及び/または減少した老化 種々の異なるプロトコルを用いて生成される内皮細胞は、CB−ECFCsに関連して、異なる細胞生存能力レベル、及び/または老齢のレベルを有する。例えば実施例において、生存能力のあるCB−ECFCsは、18回まで継代可能である。 対照的に、ECsの生成のためにOP9細胞で細胞の共培養を含むChoiら(2009)のプロトコルを用いて生成したEC細胞は、6回の継代の生存能力を有する。ECsの生成のためにEB形成を含むCimatoら(2009)のプロトコルを用いて生成したECsは、7回の継代の生存能力がある。内皮細胞の生成のために外生のTGF−β阻害を含むJamesら(2010)のプロトコルを用いて生成したECsは9回の継代の生存能力があり、TGF−β阻害剤の非存在下で、JamesらのECの間葉系細胞型に移行し、それにより内皮系の特徴を失った。12日目にCD31+NRP−1+細胞を選ぶステップが欠如しているSamuelらのプロトコルを用いて生成したECsは、15回までの継代へ拡大することができた。 インビトロでECsを生成する上記の方法と対照的に、実施例において、ECFC様細胞集団の生細胞は、最高18回の継代で拡大されることができた。CB−ECFCsは、15〜18回の間で継代され得る。 当該分野で知られている、細胞生存能力と老齢を測る種々の技術を、本開示において使用することができる。実施例では、細胞生存能力はトリパンブルー排除によって評価し、細胞老化は老齢アッセイキット(Biovision)を使用して評価した。当該分野で知られている、細胞生存能力や老齢を評価する他の方法を使用することができる。 IV.本明細書におけるECFC様細胞の使用 一次細胞であるECFCsに対して、本明細書で提供される方法により生成されたECFC様細胞は、下記のように、種々の臨床用途に使用可能なボリュームでインビトロで生成し得る。 A.治療 一の態様において、本開示は、細胞移植、細胞補充、及び/または細胞または組織置換に適した方法、細胞、及び組成物を提供する。方法は、必要により対象に、本明細書で提供される方法により得られた治療有効量のECFC様細胞を提供することを含み、それにより対象にECFC様細胞治療提供する。本明細書において、用語「治療有効量」は、上皮の修復に必要な対象の治療に有効な量を示す。本明細書で提供される細胞及び/または組成物は、ECFC様細胞を意図する組織部位に移植または移動し、機能的が欠損した部位で再構築または再生成することが可能な方法で対象に投与することができる。 本明細書で提供されるECFC様細胞を用いた受容治療に適した対象は、種々の種類の内皮機能障害及び/または損傷がある人々を含む。例えば、心血管疾患、心筋梗塞、心臓発作、または末梢動脈疾患(PAD)を有する対象は、本開示のECFC様細胞を用いた受容治療に適した対象であり得る。肺または腎臓の病気あるいは損傷がある対象は、本開示のECFC様細胞を用いた受容治療に適した対象であり得る。好ましい態様において、深刻な肢虚血(CLI)を有するPAD患者は、本開示のECFC様細胞を用いた受容治療に適した対象であり得る。 ある態様において、ECFC様細胞は、ヒトでの投与に適した医薬品組成物の形で、対象に提供することができる。例えば、組成物は、一以上の製薬上許容されるキャリア、緩衝剤、または賦形剤を含んでも良い。組成物は、さらに、一以上の移植ECFC様細胞の移植を促進する一以上の成分を、含む、あるいは、と共に対象に提供しても良い。例えば、医薬品組成物はまたさらに、移植細胞の生存及び/または生着を促進、血管新生を促進、細胞がいまたは間質マトリックスの組成物の調節、及び/または移植部位へ他の細胞型を補充する一以上の成長因子またはサイトカイン(例えば、血管形成サイトカイン)、を含む、あるいは、と共に対象に提供しても良い。 ある態様において、医薬組成物は、適切な無菌状態と安定性を提供する標準的な方法によって、調製、生産、及び保存することができる。 例えば、一の態様において、本明細書で提供されるECFC様細胞は、十分な血流が不足している組織(医者により判断)に、直接注射することができる。 一の態様において、本明細書で提供されるECFC様細胞は、コラーゲン、フィブロネクチンまたは合成材料から成るマトリックスに懸濁することができる、そしてこのゼリー状の懸濁液は、十分な血流が不足している組織(医者により判断)に、直接注射することができる。組織に注射するECFC様細胞の濃度は適宜調節することができ、例えば、送達ビヒクルまたはマトリックス材料に対して約10,000から約100,000細胞/マイクロリットルとすることができる。いくつかの態様において、他の組織が、適切な血流を回復するために長時間の多回及び連続的な注射を必要とする一方で、細胞は適切な血流の回復と共に一回で送達される。 対象へECFC様細胞を投与した後、本治療効果は改良可能である、要望があれば必要または要求に応じて繰り返してもよい。治療効果は、公知の臨床的に許容される基準、例えば、瘢痕組織が占める部、瘢痕組織の血管新生、及び狭心症(angina)の頻度と重症度の減少;発達した圧力、収縮期圧、拡張終期圧、対象の機動性(mobility)及び/または生活の質の改善として評価することができる。 ECFC細胞は、低酸素及び新血管形成から目を救うことができる。したがって、本明細書で提供されるECFC様細胞は、例えば早熟の網膜症、糖尿病性網膜症、中心静脈閉塞、または黄斑変性の様な、低酸素症及び心血管形成が起きる種々の眼病の治療に使用することができると考えられる。 また、本明細書で提供されるECFC様細胞は、少なくとも血管ステントの内側、及び必要に応じステント設置の際に内皮細胞が露出する部位を覆うために使用することができると考えられる。この場合、静脈内に注射されたECFC様細胞は、血栓形成を避けるために損傷部位および血管の再内皮化部位に、及び/または再狭窄を防ぐためステントが設置された部位に、結合するであろう。 狭窄領域と血液遮断を有する患者の動脈への移植片としてのヒト静脈(伏在または臍帯)の設置は、高確率で続いて起こる狭窄と血液遮断を伴う。これは、インビボでの血管のリモデリングプロセス早期における、血管内皮細胞の喪失と関係している。ここでは、本明細書で提供されるECFC様細胞が、移植された移植片の再内皮化及び血管の機能を保つ必要のある患者の脈管構造に静脈注射することが考えられる。 B.被験物質のスクリーニング 本明細書で提供されるECFC様細胞は、ECFC様細胞及びそこで形成されるあらゆる組織の特徴に影響を及ぼす要因(例えば溶媒、低分子薬、ペプチド、オリゴヌクレオチドの様な)または環境条件(例えば培地条件または操作の様な)を評価するために使用することができる。一の態様において、例えば医薬品組成物のような被験物質は、内皮の健康や修復への影響を調べるために、本明細書で提供されるECFC様細胞を用いてスクリーニングすることができる。例えば、スクリーニングは、組成物が内皮細胞に対する薬理学的効果を有するため、または他のどこかに効果を有するようにデザインされた化合物が内皮細胞に対する予期せぬ副作用を有するため、行うことができる。種々の態様において、本明細書で提供されるECFC様細胞は、培養された多能性細胞からインビトロで分化しているので、特に被験物質のスクリーニングのために有用である。これに対して、CB−ECFCsは、患者の血液から得られる一次細胞である。スクリーニング被験物質の方法が当該分野で知られており、本明細書で提供されるECFC様細胞と共に用いることができる。 例えば、被験物質の活性のスクリーニングは、i)一種のまたは他の物質を含む二種以上の被験物質と、本明細書で提供されるECFC様細胞とを結合すること、ii)形態、分子表現型、及び/またはECFC様細胞の機能的活性の変化を測定すること、及びiii)観察される変化と共に被験物資の効果を収集すること、を含む。 ある態様において、本明細書で提供されるECFC様細胞上の被験物質の細胞毒性は、被験物質が、一以上のECFC様細胞の生存能力(viability)、生存(survival)、形態、及び分子表現型、及び/またはレセプターを有するという効果により測定することができる。 ある態様において、ECFC様細胞活性は、ECFC様細胞の細胞表現型または活性を観察する標準的アッセイにより評価することができる。例えば、細胞培養において、または、インビボにおける一以上の分子表現または受容体結合は、本明細書で提供されるECFC様細胞により評価することができる。 C.キット ある態様において、本明細書で提供される方法及び細胞と共に用いるキットが考えられる。ある態様において、キットは、本明細書で提供される、一以上の密封されたバイアル中の分化及び/または成長培地を含むことができる。ある態様において、キットは、本明細書で提供されるように、多能性細胞やECFC様細胞の様な一以上の細胞を含むことができる。ある態様において、キットは、多能性細胞からECFC様細胞を生成するための指示書を含むことができる。ある態様において、キットは、本開示の用途のために、適当な容器と包装材料の中に種々の試薬を含むことができる。 本開示は、以下の非限定的な実施例を考慮することによりに、より完全に理解される。 実施例 実施例1:材料及び方法 hES、及びhiPS細胞の培養:ヒト胚性幹細胞(hESC)株H947、及び線維芽細胞由来のiPS細胞株(DF19−9−11T)48は、WiCell研究所(ウィスコンシン州マディソン)から購入した。いくつかの他のhiPS細胞株(FCB−iPS−1、及びFCB−iPS−2)はBroxmeyer及びYoder研究所由来であり、ECFCsを生成するために使われた20、21(表1)。mTeSR1完全培地(Stem Cell Technologies)で、hESC及びhiPSCsは37℃、5%CO2で10cm2組織培養皿のマトリゲルTMの上で維持された。細胞のプレート後、2、3、及び4日目に培地を交換した。細胞は、5日目に継代した。培地を吸引し、4〜5mLの培地を含むディスパーゼ(2mg/mL、Gibco)を各々のプレートに加え、そして3〜5分間、またはコロニーの端がプレートから浮いてくるまでの間、37℃でインキュベートした。ディスパーゼ含有培地をプレートから吸引し、残留する酵素を除去するためにDMEM−F12(Gibco)で3回、細胞を穏やかに洗浄した。それから、新しい培地を用いて5mLの使い捨てピペットを使い、泡を避けるように注意し力強く洗浄し削りとることで、コロニーを回収した。回収したコロニーは、5分間300×gで遠心分離した。上澄みは吸引し、ペレットはmTeSR1完全培地で再懸濁した。継代する前に、10cm2の組織培養皿はマトリゲルTMで30分間コートした。付着しなかったマトリゲルTMは組織培養皿から取り除き、7mLのmTeSR1完全培地を培養皿に添加した。コロニーは、mTeSR1培地へ均一に配布され各々のプレートに加えた。細胞は渦を巻いてしまうことを避けて、複数回の横〜横の振れ動作を使いて皿内に広げられた。培養物は2日目に成長の質及び形態をチェックした。前述20のように、奇形腫形成アッセイを行った。
hESC、及びhiPSCsのECFC様細胞を含むEC系統への、誘導された分化:mTeSR1培地での培養2日(−D2)後に、培養物はFGF−2、VEGF165、及びBMP4(10ng/mL)の24時間存在下で、アクチビンA(10ng/mL)の追加で中胚葉系統に向かった。翌日、アクチビンA含有培地を取り除き、FGF−2(Stemgent)、VEGF165(R&D)、及びBMP4(R&D)を含む8mlのStemlineII完全培地(シグマ)と入れ替えた。培地は、3、5、7、及び8日目に8mlの新しいステムラインII分化培地と交換した。9日目以降は10mLのステムラインII分化培地と交換した。 フローサイトメトリー:分化後の12日目に、接着細胞はTrypleEを用いて回収し、EGM−2培地で単一細胞懸濁液とした。細胞数を数え、細胞懸濁液の一定分量を抗体染色のために調製した。FcR遮断試薬(Miltyni Biotech cat#120−000−442)を、抗体の非特異的結合を防ぐために加えた。抗ヒトCD31(CD31−FITC、BD PharmingenクローンWM59、Cat#555445)、CD144(CD144−PE、ebioscienceクローン16B1、Cat#12−1449−82)、及びNRP−1(NRP−1−APC、Miltenyi BiotechクローンAD5−176、Cat#130−090−900)抗体を、あらかじめ滴定した濃度で使用した。死細胞染色のためにヨウ化プロピジウム(PI、Sigma)を細胞懸濁液に加えた。細胞表面抗原のフローサイトメトリー検出、及び細胞ソートを、それぞれ、LSR II、及びFACS Aria(Becton Dickinson)で行った。臍帯血由来ECFCsを用いた一回の陽性コントロールによって、補正をセットした。ターゲット細胞集団のゲート制御を、蛍光色ごとに1を引いた蛍光(FMO)コントロールに基づいて決定した。 ソートされた細胞の細胞培養:CD31+、CD144+またはKDR+、及びNRP−1+でソートされた細胞を、50%のEGM−2、及び50%の完全ステムラインII分化培地に再懸濁し、5分間300×gで遠心分離した。ソートされた集団からECFCsを生成するために、1ウェルにつき2500セルを、ラットテイルタイプIコラーゲンでコートした12ウェルプレートに播種した。2日後、培地を吸引し、EGM−2を3部及び分化培地1部を培地に加えた。ECFC様細胞集団は、強固に接着する細胞として現れ、7日目にコブルストーン形態を示した。時折、クローニングシリンダーを、ECFC様細胞コロニーを不均一な細胞集団から分離するため用いた。前述1、2、49のように、高増殖な内皮細胞の純粋な集団を単離するために、内皮細胞クラスターのクローニングを行った。コンフルエントECFC様細胞は、10000細胞/cm2の密度で継代し、ECFC様細胞は完全内皮成長培地(コラーゲンでコートしたプレート、及びcEGM−2培地)で一日おきに培地交換をし、前述1、2、49のように維持した。 マトリゲルTM上でのインビトロ毛細管状ネットワーク形成アッセイ:種々の異なるプロトコル由来の内皮細胞をトリプシン処理し、EGM−2培地で再懸濁した。細胞を、増殖因子を減らしたマトリゲルTM(BD Biosciences)50μLをコートした96ウェルプレートに1ウェルにつき1.0×104個の密度で3連にプレートした。ウェルプレートを37℃で一晩インキュベーションした。 8〜16時間のインキュベーションの後、対物レンズ10×CP−ACHROMAT/0.12 NAを装着した倒立顕微鏡ツァイスAxiovert25CFLを用いて、各ウェルの10倍の顕微鏡写真を撮影した。イメージは、SPOT RTカラーカメラ(Diagnostic Instruments)を用い、メーカーのソフトウェアにより得た。位相差コントラストイメージは、乾燥系対物レンズで撮影した。 免疫化学:ECFC様細胞は4%(w/v)のパラホルムアルデヒドで30分間固定し、0.1%(v/v)TritonX−100を含むPBSで5分間透過した。10%(v/v)ヤギ血清で30分間ブロックした後、細胞を以下の一次抗体中で4℃で一晩インキュベートした:抗CD31(Santa Cruz)、抗CD144(ebioscience)、抗NRP−1(Santa Cruz)、及びα−SMA(Chemicon)。PBSで細胞を洗浄し、Alexa−488またはAlexa−565(Molecular Probe)を接合した二次抗体でインキュベートして、2g/mlのDAPI(Sigma−Aldrich)で着色した後、共焦点顕微鏡検査によって視覚化した。共焦点イメージは、オリンパスFV1000 mpE共焦点顕微鏡を用い、オリンパスuplanSApo 60xW/1.2NA/eus対物レンズを用いて得た。すべての画像は、室温で、イメージの個々の10μの厚さのZ−スタックとして撮影し、FV10−ASW 3.0 Viewerを使って解析した。 単一細胞アッセイ:クローン形成増殖能を評価するため、CB−ECFCsまたはiPS由来ECFC様細胞、またはEB由来ECs、及びPAD由来ECsを単一細胞アッセイにかけた。手短に言うと、ECsを、単一細胞懸濁液を得るために、trypLEエキスプレス(Invitrogen)で処理した。96ウェル培養プレートの個々のウェルにつき0.68細胞の濃度にするために、細胞数カウントと連続希釈を行った。プレートした翌日に単一細胞の存在を確実にするため、ウェルをテストした。培養培地は4、8、及び12日目に交換した。培養14日目に、細胞をSytox試薬(Invitrogen)で染色し、そして、各ウェルを細胞数量測定のために蛍光顕微鏡で検査した(10倍拡大;対物レンズ10×CP−ACHROMAT/0.12NAを装着した、倒立顕微鏡ツァイスAxiovert25CFL)。二つ以上の細胞を含んでいるウェルを増殖が陽性であると特定した(10x拡大;対物レンズ10×CP−ACHROMAT/0.12NAを装着した、倒立顕微鏡ツァイスAxiovert25CFL)。前述1、2、49のように、EC数が1であるウェルは分裂なしと分類し、2〜50であるウェルは内皮細胞集クラスター(ECC)と分類し、51〜500または501〜2000であるウェルは低増殖可能(LPP)細胞と分類し、≧2001であるウェルは高増殖可能(HPP)細胞と分類した。 細胞生存能、老化、及び細胞増殖アッセイ:内皮細胞は、タイプIコラーゲンでコートした6ウェルまたは12ウェルプレートに、1ウェルあたり5×104または1×105の密度でプレートした。24時間後、培養培地はFc−コントロール、Fc−NRP−1二量体(R&D Systems)、またはNRP−1ブロッキング抗体を含有するEGM−2培地と7日間交換し、培地は一日おきに交換した。NRP−1A及びNRP−1B抗体は、Genentechにより寄贈を受けた42。細胞生存能及び増殖は、トリパンブルー排除によって評価し、染色されない細胞数を位相差顕微鏡の下で条件ごとに3回数えた。 老化アッセイキットを、Biovision(cat#K320−250)から購入し、メーカーの指示に従いアッセイを行った。手短に言うと、内皮細胞は、12ウェルプレート上にプレートして一晩培養し単分子層を形成した。翌日、細胞は室温において0.5mlの市販の定着溶液で10〜15分間固定した。細胞を、1mlの1×PBSで二回洗浄し、0.5mlの市販の染色溶液により、37℃で一晩染色した。細胞は、顕微鏡により青色の展開物として観察された。顕微鏡写真を、対物レンズ10×CP−ACHROMAT/0.12NAを装着した、倒立顕微鏡ツァイスAxiovert25CFLを用いて、10倍拡大で撮影した。イメージは、メーカーのソフトウェアでSPOT RTカラーカメラ(Diagnostic Instruments)を用いて得た。位相差コントラストイメージは、乾燥系対物レンズで撮影した。 マウス:すべての動物の手順は、実験動物の世話と使用のための指針に従って行い、インディアナ医科大学(インディアナ州インディアナポリス)で、Institutional Animal Care and Use Committees(IACUCs)の承認を得た。雄雌両方の6〜12週間目のNOD/SCIDマウス(T細胞及びB細胞欠損、補足障害)をすべての動物実験で使用した。NOD−SCIDマウスは、インディアナ大学実験動物資源センター(LARC)において、特定の病原体のない状況の下で維持された。この動物モデルの以前の研究を、統計的に有意な結果取得に必要な最小限の動物数を測定するために用いた1、50。以前の研究は、移植した10のマトリックス中8つが(1匹の動物は2つのマトリックスを受けた)ホスト血管構造で吻合し、そして、機能的な血管を持つ8つのマトリックス(4匹の動物)が統計有意性のためにグループごとに必要であることを示した1、50。サンプル及び動物を各々の実験群に割り当てている間、ランダム化の方法は使用しなかった。また、実験の間及び結果にアクセスする間のいずれも、実験者はグループ配分を把握していた。 インビボ血管形成アッセイ:前述4、50のように、ブタ皮タイプIコラーゲンを3次元(3D)細胞化コラーゲンマトリックスの生成に用いた。手短に言うと、タイプ1コラーゲンゲル混合物を、0.01N HCL中で氷冷豚皮膚コラーゲン溶液を混合して準備し、リン酸バッファー塩、及び0.1N NaOHでpH(7.4)まで中和した。中和したゲル混合物(〜1.5mg/mL)は、5%CO2で37℃まで暖めて重合を誘導する前に氷上に置いた。培養したCB−ECFCs、ECFC様細胞、またはECsを、最終濃度200万細胞/mlでコラーゲン混合物に加えた。細胞懸濁液含有コラーゲン混合物(250μL)を、48ウェル組織培養皿に加え、37℃で30分間CO2中でインキュベーションして重合させ、ゲルを形成した。得られたゲルは、37℃で一晩、5%CO2中で500μlの培養培地で重層した。 18時間の体外での培養後、前述1、49のように、細胞化ゲルを6〜12週齢のNOD/SCIDマウスの横腹(ホスト血管構造の近くの切り開いた皮下嚢)に移植した。コラーゲンゲルを移植する外科的手技は、麻酔と酸素を恒常的に供給しながら行った。切り傷を縫合し、マウスの回復を監視した。移植の2週後に、ゲルは、承認されたIACUCプロトコルにより、人道的犠牲として捧げられた動物から削ることによって回収した。ゲルにマウス赤血球で灌流したヒト内皮系統の血管がないか調べるために、H&E及び抗ヒトCD31染色を使用して以前記述されたように、免疫組織化学を行った。Spot−KEデジタルカメラ(Diagnostic Instruments,Sterling Heights、MI)を取り付けたライカDM 4000B顕微鏡(ライカMicrosystems、Bannockburn、IL)を使って各々の移植片のhCD31+血管を画像化した。機能的血管は、それらが少なくとも1つのマウス赤血球を含む場合のみカウントした。 酸素誘導網膜症モデル:すべての実験は、眼科及び視野研究における動物使用のためのARVO宣言、及び英国内務省規定のもとで行った。前述2のように、酸素誘導網膜症はC57/BL6野生タイプのマウスで誘導された。手短に言うと、出産の日(P)、7匹の新生仔マウス及びそれらに授乳をする親たちを75%の酸素に5日間さらした(Pro−Ox110 チャンバーコントローラー;Biospherix、Redfield、NY)。P12で、それらを室内空気へ移した。P13で、マウスは、前もってラベルをつけた(Qtracker655;Invitrogen)1×105個のhiPSC−ECFC様細胞、hiPSC−EBT−CD144+ECsまたはCB−ECFCsを含む1μl硝子体内注射を受けた。成長因子及び血清を含まない、フェノールレッドフリーDMEMをビヒクルとして用い、コントロールとして各々の仔マウスの左目に注射した。すべての仔マウスは、72h後にペントバルビタールナトリウムで安楽死させ、目を4%のパラホルムアルデヒドで固定した。網膜フラットマウントはイソレクチンB4(Sigma)及びストレプトアビジン−AlexaFlour488(Invitrogen)で染色し、染色した網膜は共焦顕微鏡を用いて視覚化し、画像化した。領域の定量化は、前述2のように3人の独立した、盲検試験者によってImageJソフトウェアを使用して行った。 マウス後肢虚血モデル:後肢虚血実験は我々が前述24したようにして行った。手短に言うと、6週間目の雄胸腺欠損ヌードマウス(体重25〜30g;Orient bioAnimal Inc.Seoul、韓国)に、ロンプン(20mg/kg)とケタミン(100mg/kg)で麻酔をかけた。大腿動脈及びその分枝は、皮膚切開の後、6−0絹(Ethicon)で結紮した。外腸骨動脈とそれより上流の動脈の全てを更に結紮した。大腿動脈は、外腸骨動脈の分岐としての近位の起源から、それが伏在及び膝窩動脈の二叉に分岐する末梢部の先まで切除した。動脈の解剖の直後に胸腺欠損マウスは、4つの実験群のうちの1つに無作為に割付けた。虚血性手術の後、hiPSC−ECFC様細胞、またはCB−ECFCs、またはhiPS−EBT−CD144+ECs(1マウスにつき1.0×106細胞)は200μlのEGM−2で懸濁し、そしてこれらの細胞またはビヒクルコントロールは29−ゲージツベルクリン注射器で、内側腿薄筋肉の6つの部位に筋内注射した。前述24のように、レーザードップラー血流画像化装置(Moor Instruments)は処理後0日目及び28日後に後肢での血流を測定するために用いた。膝関節からつま先までの領域で血流を定量化するために、デジタル色分けされたイメージを解析し平均血流値を計算した。後肢虚血実験のすべての動物のケアと実験的な手続きは、CHA大学(IACUC No.130024)の動物実験委員会の承認の元で行った。 末梢動脈疾患(PAD)患者からの動脈ECsの単離:告知に基づく同意の後、インディアナ大学ヒトIRBパネルの承認されたプロトコルにより、下肢切断を受けた末梢動脈疾患患者の疾患動脈(DA)ECsの提供を受けた。酵母のコンタミネーションという大きな危険性のために、進行中の蜂巣炎、排膿または湿性壊疽患者は、この研究では採用しなかった。同様に、B型肝炎またはC型肝炎、及びHIV保有患者は、この研究から除外された。切断の後、切断された足は手術室で手術フィールドと離れた無菌テーブル上で、動脈の適当な標本を直ちに探った。適当であると考えられるサンプルは、ハンクス平衡塩溶液水(HBSS;Invitrogen)で満たされる容器に入れ、処理のために研究室へ運んだ。無菌状態で、組織培養皿の長さに血管を開き、EGM−2培養培地(Lonza)に浸した。各々の血管の内膜は、セルスクレイパー(TPP、チューリッヒ、スイス)でこすり、DMEMで洗浄した。洗浄物からの細胞フラクションは1620rpmで10分間遠心分離し、ラットテイルタイプIコラーゲンでコートした6ウェルプレート上へ設置した。数日後、成長する内皮コロニーを顕微鏡検査を通して観察され、そしてこれらコロニーはクローニングシリンダーで単離してトリプシン処理し、間葉細胞コンタミネーションを防止するために新しい6ウェルプレートの上へ再度プレートした。精製されたECsは更に1〜2回継代し、そして低温保存の前にT−75組織培養フラスコ(TPP)で拡大した。 PAD患者の末梢血からの内皮細胞の培養:各々の患者の末梢血または臍帯血から分離した単核細胞は、ラットテイルタイプIコラーゲンでプレコートした6ウェルプレート上に播種し、10%FBS(2%ペニシリン・ストレプトマイシン)を添加した完全内皮成長培地(EGM−2)で培養した。細胞は37℃、5%CO2の加湿インキュベータ内で維持し、2〜3週間またはコブルストーンが出現する内皮コロニーが現れるまで、培地を一日おきに交換した。最初のコロニー出現の後、細胞は新しい6ウェルプレートへ移し、更に25cm2フラスコで85〜95%コンフルエントで継代した。約70%コンフルエントで3〜7回継代したPAD細胞をすべての研究において使用した。 ウェスタンブロット解析:細胞可溶化物を、溶解バッファー(20m Tris−HCl pH7.5、150mM NaCl、10%グリセロール、1%TritonX−100、2mM EDTA、1mM Na3VO4、1ug/ml アプロチニン及びロイペプチン)に再懸濁し、続いて20分間インキュベーションして準備した。不溶成分を、12,000×g15分間の遠心分離で除去した。タンパク質濃度をタンパク質アッセイキット(Bio−rad)で測定した。タンパク質を、4〜20%Tris−グリシン・ミニゲル上で電気泳動によって分離し、immobilon−FL PVDF膜(Millipore)に転写した。非特異的結合は、ブロッキングバッファーで室温で1時間ブロックし、リン酸PYK2(1:1,000;Cell Signaling)及びリン酸p130Cas(1:1,000;Cell Signaling)に対する一次抗体とともにオデッセイブロッキングバッファー中で、4℃で一晩インキュベートした。ブロットは0.1%Tween20含有PBSで洗浄し、抗ウサギ抗体(1:10,000;LI−COR)で、室温で1時間インキュベートした。免疫反応バンドはオデッセイ赤外線画像装置(LI−COR)により検出した。 RNA配列ライブラリー作成、配列の決定、及び解析:全RNAを、トリゾール試薬(Invitrogen)を用いてサンプルから分離し、そして前述32のようにRNAの特性を調べた。RNA配列ライブラリーを1μgの高品質全RNAを用いて生成し、Illumina HiSeq2000シーケンサーを用いて前述32のように配列の決定を行った。RNA配列解析を、分化0日目hiPSCs、分化3日目hiPSC由来細胞、分化12日目hiPS由来ECFC様細胞、hES由来ECFC様細胞、及びCB−ECFCsから分離される全RNAで行った。結果として生じるシーケンスリードを、デフォルトパラメータでTopHatを用いてヒトゲノム(hg18)にマッピングし、RefSeq(2010年6月)転写レベル(FPKMs)を、CuffLinksを用いて定量化した。個体胚葉及び系統に属する選択転写のヒートマップを、RNASeqデータからヒートマップ.2のR統計ソフトウェア・パッケージを用いた赤〜緑のスケールを使用してプロットすることにより解析した。 CB−ECFCsに関連するhiPS−ECFC様細胞において、差別的に発現した遺伝子を検出する転写発現の更なる解析は、(1)STARを用いたリードマッピング(Dobinら(2012)Bioinformatics、doi:10.1093/bioinformatics/bts635)(2)HTseqを用いた発現評価(Andersら(2014)Bioinformatics、doi:10.1093/bioinformatics/btu638)、及び(3)DESeqを使いた分化解析(Anders及びHuber(2010)Genome Biology 11:R106)を含んだ。最初に、特定の遺伝子モデル、すなわち、エクソンの位置とゲノムの交差点地域に基づく参照ゲノムに、RNA−Seq読み取りデータをマップした。STARは参照ゲノムを使い、GTFはファイルし、そしてRNA−Seqはその入力として読み、既知の交差点(既知のアイソフォームの交差点)、規範的な交差点(既知のエクソンの間の交差点)の新規の探知、非正規接合と融合のような空想的なコピーを見つけシーケンスを保存するために圧縮されていない接尾辞配列を使用する。具体的には、Ensembl版70遺伝子モデルを用いて、Human Genome GRCH37とともに、STAR 2.4.0が作動した。マッピング結果に基づいて、グループ2(分化3日目hiPSC由来細胞)、グループ3(hiPSC由来ECFC様細胞)、及びグループ4(CB−ECFCs)の発現値として各々の遺伝子に重なったマッピングの数を数えるために、HTseq 0.6.1を用いた。 一旦、リードカウントを得て、グループ2で発現せず、グループ3または4で少なくとも発現した遺伝子を考察した。DESeqを用いて、これら候補から異なる発現遺伝子を決定した。DESeqモデルにおいて、従来のポアソンモデル(すなわち、バリエーションは過小評価されるかもしれない)における過分散の問題を解決するために、負の二項分配(NB)を通して、サンプルにおけるデータを数えた。DESeqはまた、反復数が高くなく(この場合3つの反復)てもデータあてはめを改善するために、他のグループからのいくつかのモデルも含み、モデル予測は、違いを決定するためには十分強固なものである。 統計解析:すべての実験は3連にて3回以上行い、そしてデータは統計比較のため平均値±SDとして表す。統計的に有意な結果を得ることを要求されるサンプルサイズを計算するために、95%の信頼区間による解析の権限を用いた。使用するサンプリング番号は正規分布を得た。違いの有意性は、両側スチューデントt検定によって評価した。 実施例2:先行技術のプロトコルにより生成したhES、及びhiPS由来ECsは、臍帯血ECFCsの特性が欠如している。 ヒト内皮細胞は、ヒト多能性幹細胞から、OP9間質細胞22、25、30、31との共培養、または、胚様体(EB)形成23、24、26-29を経て誘導され、続いて種々の成長因子の投入及び/またはレセプターシグナリング経路阻害が内皮細胞の分化を促進する。 現在の研究において、hESまたはhiPS細胞は、OP9共培養またはEB条件の下で1週間分化し、続いて内皮培地で細胞を拡大する(それぞれ図1A及び2A)。 OP9共培養による分化(図1):8日目のOP9共培養分化細胞は、内皮様形態の細胞エリアを示した(図1A、上のパネル)。内皮培養培地中で単離及び培養すると、OP9共培養分化細胞は、最初に、P1で内皮コブルストーン様形態を示し(図1A、上部中央のパネル)、次第に、P4まで内皮コブルストーン形態を示しているわずかな細胞とともに、細胞の大部分が線維芽細胞様の外観を呈する不均一細胞集団になった(図1A、下部中央のパネル)。P4の細胞は、これらの抗原のそれぞれを発現する細胞の一塊のみを伴うCD31、CD144、及びCD146発現の不均一なパターンを含む(図1B)。マトリゲルTM上にプレートすると、OP9共培養細胞は、いくつかの大きな枝とともに血管様のネットワークを形成した(図1C)。P3またはP4で、単一細胞は、クローンの増殖能解析のためにプレートし、結果を、分裂なし、あるいは分裂して2〜50(ECクラスター)、51〜500(低増殖可能EC;LPP−ECFC)、501〜2000(LPP−EC)、または≧2000細胞(高増殖可能ECFC;HPP−EC)のコロニーを形成したと、前述1、2のように評価した。OP9共培養hES由来クローン細胞により形成されるHPP−EC及びLPP−ECコロニーの分布パターンは、CB−ECFCクローンで表示される分布パターンとは、有意な違いがあった(図1D)。 OP9共培養細胞由来のECsの2%未満は、HPP−ECsを生じ、実際、OP9共培養細胞由来のECsのほとんどは分裂しないか、またはECクラスターを生じた(図1D)。これらのECコロニー形成のパターンは、CB−ECFCs由来の単一ECsによって示されるパターンとは著しく異なった(図1D)。OP9共培養由来ECsの拡大は、複製老化のため、P7を越えることはできなかった(図1E)。更に、P5のECsは、移植と同時にインビボでヒト血管を生じることができなかった。 EB分化細胞(図2):KDR+NRP−1+細胞は、単離及び内皮培養培地中での培養の際、そこで内皮特徴を示した細胞の一塊と伴う場合にのみ、細胞形態の不均一な集団を呈した(図2A、上部中央のパネル)。更に拡大(P4)をすると、これらの細胞は、内皮コブルストーン形態でなく線維芽細胞様の外観の細胞を有意に含むようになった(図2A、下部の中央のパネル)。hiPS及びhES両方に由来するEC細胞において、これらの抗原(図2B)の各々を発現している細胞の一塊のみを伴うCD31、CD144、及びCD146発現の不均一なパターンを呈し、そしてEB培養細胞は、多数のより小さな不完全な芽キャベツのような枝を有する血管様のネットワークを形成した(図2C)。P3またはP4において、単一細胞は、クローンの増殖能解析のためにプレートし、結果を、分裂なし、あるいは分裂して2〜50(ECクラスター)、51〜500(低増殖可能EC;LPP−ECFC)、501〜2000(LPP−EC)、または≧2000細胞(高増殖可能ECFC;HPP−EC)のコロニーを形成したと、前述1、2のように評価した。EBベースのhES由来細胞により形成されるHPP−EC及びLPP−ECコロニーの分布パターンは、CB−ECFCクローンで表示される分布パターンとは、有意な違いがあった。EBベース細胞由来のECsの2%未満は、HPP−ECsを生じ、実際、EBベース細胞由来のECsのほとんどは分裂しないか、またはECクラスターを生じた(図2D)。これらのECコロニー形成のパターンは、CB−ECFCs由来の単一内皮細胞によって示されるパターンとは著しく異なった(図2D)。EBベース細胞由来のECsの拡大は、複製老化のため、P7を越えることはできなかった(図2E)。更に、P5のECsは、移植と同時にインビボでヒト血管を生じることができなかった。 外因性TGF−β阻害剤存在下で分化した細胞(図3):最初のEB形成に続く2D接着細胞培養(成長因子追加とともに)を含む、別の2ステップ内皮分化プロトコルをテストし、hES及び/またはhiPS細胞がECFC様細胞を生成するために用いることができるかどうかを決定した。発展33、34及びhES細胞の内皮系統分化23の間、内皮細胞の出現における経路をシグナリングする血管内皮成長因子(VEGF)の周知の重要性に基づいて、ECFC様細胞の出現を特定するマーカーとして、ニューロピリン−1(NRP−1)を使用したNRP−1は、VEGFコレセプターであり、内皮細胞、血管平滑筋細胞、及びリンパ球を含む種々の組織で発現しているセマフォリン3A結合多機能タンパク質である35。血管形成におけるNRP−1の役割は知られていないが、マウスにおけるNRP−1及びNRP−2のダブルノックアウトは、VEGFR−2ノックアウト35、36に類似する胚性の致死表現型を導く。hES(H9株)及びhiPS細胞由来EB(DF19−9−11T、FCB−iPS−1、及びFCB−iPS−2)を、4日間の懸濁培養において生成し、マトリゲルTMコートの培養皿の上に10日間播種した24(図3A、B)。このプロトコルは、7日目にTGF−β阻害を開始するために、継続的な内皮細胞の曝露を必要とした(図3A)。EBs(図3B、左から2枚目のパネル)が、4日目にマトリゲルTMでコートされたプレートに付着したとき、2D培地中のEB由来細胞は接着して、内皮様形態(6日目及び9日目に)の細胞区域を形成し、14日目までにコンフルエントになった。 NRP−1及びCD31(NRP−1+CD31+細胞)を共発現している細胞は、3日目(0.17%)に現れ継時的に増加し、14日目(1.6%)(図3C)でピークに達した。TGF−β阻害は、hESまたはhiPS細胞からの内皮系統分化を促進し、細胞が間葉系細胞に移行するのを防ぐことが報告されているので24、続いて、ソートされた細胞の異なるサブセットを、TGF−β阻害剤(10μM SB431542)を添加した内皮成長(EGM−2)培地で2週間培養した、NRP−1+CD31+サブセットは、CB−ECFCsによって示された形態に類似した特徴的な内皮コブルストーン形態の細胞を生じた(図3D、上のパネル)。大部分のhES由来細胞サブセットがマトリゲルTM上へプレートするのと同時に不完全な毛細管状ネットワークを形成したのに対し、NRP−1+CD31+細胞は、CB由来ECFCsによって示される構造に類似した完全な構造を形成した(図3D)。NRP−1+CD31-、NRP−1-CD31+、及びCD144+CD146+サブセットによって作られるHPP−EC及びLPP−ECコロニーの分布パターンは、CB−ECFCsによって示されるパターンと著しく異なっていた(図3E)。しかし、CB−ECFCクローンで表示されるパターンと、単一NRP−1+CD31+細胞によって形成されるHPP−EC及びLPP−ECコロニーの分布パターンは、類似していた(図3E)。クローンのレベルで、個々の、プレートしたNRP−1+CD31+細胞は全て分裂し、多数のクローン(37%)はHPP−ECsを形成したが、ほとんどのNRP−1+CD31-またはNRP−1-CD31+細胞は、HPP−ECsを形成しなった(図3E)。このように、内皮分化(EBプラス2Dプロトコル)を経たhES由来細胞NRP−1及びCD31の共発現は、高いクローンの増殖能及び血管形成活性を有するECsを生じる前駆体サブセットを特定したが、TGF−β阻害の継続的な存在下で培養される場合のみであった(前述24のようにTGF−β阻害剤の除去は低下した増殖能、内皮形態の欠損、及びアルファ−平滑筋アクチン[α−SMA]の増加した発現度と関係していた)。 要約すると、上述のテストされた方法の全ては、臍帯血ECFCsに類似の特性を有する安定なECsの出現を促進しなかった。 実施例3:hES及びhiPS細胞の両方から安定なNRP−1+CD31+ECFC様細胞を生成するプロトコル。 本発明者らは、ECFC様の特徴を有するNRP−1+CD31+細胞の、臨床的に有用な細胞量への細胞の拡大をサポートするために十分な収率を促すが、TGF−β阻害を必要としない内皮系統分化プロトコル開発をこころみた。 ヒト多能性細胞は、mTeSR1培地でマトリゲルTMコートのプレート上で2日間培養した37。内皮系統分化を誘導するために、分化0日目にmTeSR1培地を、10ng/mLのアクチビンA、BMP4、VEGF165、及びFGF−2で補われるステムラインII培地と交換した。組織培養培地は、CD31及びNRP−1抗原を共発現している細胞を解析した12日目まで、選択した成長因子を添加した新しいステムラインII培地で、次の日に置き換えた(図4A)。このプロトコルを使って、それぞれ、hiPS及びhES細胞から平均4.5%及び2%のNRP−1+CD31+細胞を収集することができた。NRP−1+CD31+細胞は7日間の培養においてNRP−1-CD31+細胞と比較して、60%多い内皮コロニー(図4B、左のパネル)及び15倍多い総内皮細胞(図4B、右のパネル)を生じた。NRP−1+CD31+の子孫は同種で、コブルストーン外観(図4C及び4F)を示し、NRP−1-CD31+細胞から得られるコロニーの中で不均一な細胞集団が観察された(図6A)。NRP−1-CD31+細胞と比較してNRP−1+CD31+細胞からの7日間の拡大培養で、総細胞数の重要な(15倍の)増加が観察された(図4B)。更に、NRP−1+CD31+でソートされたフラクションから成長した細胞は、CD31とNRP−1(図4D)の表面の共発現、及びCD144の均一な発現を示したが、NRP−1-CD31+の子孫(図6B)とは対照的に、α−SMA(図4D)の発現が完全に欠如していた。NRP−1+CD31+細胞サブセットのわずか2%は分裂ができず、そして48%は臍帯血ECFCs(図4E)に酷似したが、NRP−1-CD31+サブセットと大きく異なる分布パターンでHPP−ECFCs(図4E及び図6E)を形成した。更に、マトリゲルTM上にプレートした時、NRP−1-CD31+細胞がマトリゲルTM上で形成しなかった(図6D)非常に分岐している毛細管状構造をNRP−1+CD31+細胞は形成した(図4F)。 細胞化されたコラーゲンゲルに配置されているECFCs(CB−ECFCs及びhiPS由来ECFC様細胞)は、麻酔をかけた免疫不全(NOD/SCID)マウスの皮下嚢の中に移植した。ゲルは、移植の14日後にマウスを人道的に安楽死させた後、回収した。ゲルを、前述1、49のように、固定、透過、及びマウスホスト細胞に交差反応しない特異的抗ヒトCD31抗体で染色した。hES及びhiPS由来NRP−1+CD31+細胞は、前述1のようなCB−ECFCsの能力に類似のホストマウス血管と吻合する強固なインビボ血管形成能を有するECsを生じた(図4G及びF)。NRP−1+CD31+細胞は、24匹以上の免疫不全マウスへの移植の3ヵ月以上後でも奇形腫形成を誘発しなかった(データ示さず)。しかしながら、NRP−1-CD31+細胞は、機能的なヒト血管(図6C)を生成しなかった。全体的に、ECFC様細胞プロトコル12日目由来NRP−1+CD31+細胞は、実質的に純粋なコブルストーン形態(表された典型的内皮抗原)を示し、インビトロのマトリゲルTM上で毛細管状ネットワークを形成し、高いクローン増殖能を示し、及びホストマウス赤血球で満たされる強固なインビボヒト血管を生成した。よって、分化12日目hES及びhiPS由来NRP−1+CD31+細胞フラクションは、CB−ECFCsに類似した多数の特性を備える内皮細胞を生産した。本明細書において、この様な細胞をECFC様細胞と言う。 分化1日目のhES及びhiPS細胞は、CD31及びNRP−1の共発現をしていなかったが(図5)、NRP−1+CD31+細胞のパーセンテージは次第に上昇し、培養12日目に最も高いレベルに到達したことが明らかになった(図5;図7A)。ECFC分化を経ているhES及びhiPS細胞は9日目及び12日目にコブルストーン様形態の出現を表し(図7B、図8A、及び9A)、そして、NRP−1+CD31+細胞のコロニーは他の分化細胞の間での出現が観察された(図8B、及び9B)。CD144及びCD31の共発現細胞の最も高いパーセンテージは、12日目由来NRP−1+CD31+細胞から出現した(図7C;図9D)。6日目由来細胞は、マトリゲルTM上にプレートするのと同時に、不完全な毛細管状ネットワークを形成した(図9E)。9日目及び12日目由来細胞は、完全な毛細管状ネットワーク(図9E)を形成した。結局、12日目由来NRP−1+CD31+ECsは、間葉系抗原α−SMAの発現なしに代表的な内皮抗原の最高頻度の共発現を示すECFC様細胞を生じさせ(図8及び9)、そして更なる研究に用いた。 更に2つのモデルを、上述の皮下注入方法に加えて、hiPSC−ECFC様細胞の内皮機能を試験するために用いた。以下の3つの実験グループを比較した:(i)hiPSC−ECFC様細胞、(ii)hiPSC胚様体由来TGF−β阻害CD144+内皮細胞(hiPSC−EBT−CD144+ECs)(Jamesら 2010)、及び(iii)CB−ECFCs(Yoderら 2007;及びIngramら 2004)。 最初のモデルでは、高濃度酸素暴露新生仔マウスにおける血管形成の救出及び血管新生ふさ状分岐の縮小を測定した(Medinaら 2010)。新生仔の酸素誘発網膜症(OIR)は、過度に豊富な網膜低酸素反応の後の、網膜血管の低酸素によって誘発された損失から生じる。傷害後の無血管領域の重要な縮小は、hiPSC−ECFC様細胞を受けた網膜で起こり(≧36%の縮小;**P<0.01)、hiPSC−EBT−CD144+ECsを受けた網膜では起きなかった(無血管領域で≦14%の縮小;P=非有意(ns))(図10A、B)。さらに、hiPSC−ECFC様細胞だけは、網膜前血管新生ふさ状分岐を有意に減らした(図10C;hiPSC−EBT−CD144+EC結果示さず)。細胞配達の72時間後でのQdots655による細胞の前標識、及びイメージングは、hiPSC−ECFC様細胞がhiPSC−EBT−CD144+ECsと比較してより多く、及びホスト網膜組織のより広い配布で統合されることを示した(図11A)。hiPSC−EBT−CD144+ECsではなく、hiPSC−ECFC様細胞は、表層性網膜網状組織で血管チューブ構造を形成するように見えた(図11B)。 ヌードマウスの後肢大腿血管除去の第2のモデルがすでに研究されている24。虚血性肢と血流の救出は、hiPSC−EBT−CD144+ECsと比較して、hiPSC−ECFC様細胞によって大幅に向上した(P<0.05;図10D〜F、及びデータ示さず)。これらのアッセイでは、hiPSC−ECFC様細胞が、CB−ECFCsと同様に機能した。 一次細胞は無制限には増殖せず、代わりにインビトロでの長期培養の後老化を受ける38。代表的な内皮細胞機能を失わずに、P18までhiPS−ECFC様細胞及びCB−ECFCsの両方を拡大することができた(図12A、B)。ヒトiPS−ECFC様細胞は、CB−ECFCコントロールと類似の同種のコブルストーン内皮単分子層を呈した(図12A)。CB−ECFCs及びhiPS−ECFC様細胞は、P18(図12B)まで、成功裏に拡大した。hiPS−ECFC様細胞の3%のみが、P7で細胞老化マーカーβ−ガラクトシダーゼ発現を示し、80%以上の細胞は、P18でCB−ECFCコントロール細胞によって示される老化プロフィールと類似の複製老化を示した(図12C)。重要なことに、hiPS−ECFC様及びCB−ECFCsの大多数が老化し、P18で瀕死の一次細胞38の特徴を示したが、それらはまだ内皮コブルストーン形態を維持し、内皮抗原CD31、NRP−1、及びCD144の発現、α−SMAの非発現を維持していた(α−SMA発現は完全にこれらの細胞に欠損していた;図12D)。このように、hiPS由来ECFC様細胞は、長期拡大培養を通して安定した内皮表現型を維持した。 実施例4:NRP−1+CD31+ECFC様細胞は、CB−ECFCsと比較して類似点と相違点を有する分子プロフィールを示す。 種々のECサブセットのより複雑な分子比較を実行するために、全トランスクリプトーム配列(RNAseq)解析は、以下の分子プロフィール:i)未分化hiPS細胞(0日目hiPS);ii)分化3日目hiPS細胞(3日目hiPS);iii)12日目hiPS由来NRP−1+CD31+ECFC様細胞(hiPS−ECFC様細胞);iv)12日目hES由来NRP−1+CD31+ECFC様細胞(hES−ECFC様細胞);及びv)CB−ECFCsを確認し比較するため、前述32のように行った。 ヒトiPS−ECFC様細胞、及びhES−ECFC様細胞は、CB−ECFCsによって示される、それらに類似した相対的な遺伝子発現プロフィールを呈した(図13A)。ヒト0日目のiPS細胞は、多能性細胞に特有のトランスクリプトームプロフィールを一般的に分化細胞で典型的に見られる限られた転写物の発現を示した(図13A)。しかし、3日目のhiPS細胞は、複数の系統に特有の遺伝子発現の増加を示し(原始線条、内胚葉、中胚葉、造血性、及び軟骨−骨−脂肪生成遺伝子)、多能性細胞分化の開始を示した(図13A)。hiPS及びhESの両方に由来するECFC様細胞は、多能性で非内皮系統に特有の遺伝子転写物の減少を示したが(図13A)、内皮遺伝子転写物の発現は、CB−ECFCsに類似して増加していた(図13A、B)。 転写発現における種々の違いは、臍帯血由来ECFCsと比較したhiPS由来ECFC様細胞でも確認された(表2)。例えば、以下の遺伝子は、臍帯血由来ECFCsと比較してhiPS由来ECFC様細胞で過剰発現した:仮想的タンパク質LOC100132288、CUB及びSushiマルチプルドメイン1、リンパ限定膜タンパク質、アリルアセトアミドデアセチラーゼ(エステラーゼ)、フォリスタチン様5、ENSG00000215262、仮想的LOC84856、グアニル酸シクラーゼ活性剤2B(ウログアニリン)、ケラチン75、繊維芽細胞活性化タンパク質、アルファ(FAP)、22番染色体オープンリーディングフレーム34、ガスダーミンC、ENSG00000222954、ヒドロキシステロイド(11−ベータ)デヒドロゲナーゼ1、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ2、及びZicファミリーメンバー4。以下の遺伝子は、臍帯血由来ECFCsと比較してhiPS由来ECFC様細胞で過小発現した:レセプター(化学感覚)トランスポータータンパク質4、染色体Xオープンリーディングフレーム61、アシル−CoA シンセターゼ中鎖ファミリーメンバー2A、セルピンペプチダーゼインヒビター、クレードA(アルファ−1 アンチプロテイナーゼ、アンチトリプシン)、メンバー3、ENSG00000218052、ケモカイン(C−Cモチーフ)リガンド23、48含有コイルドコイルドメイン、及びRAS(RAD、及びGEM)−様GTPバインディング1。 実施例5:NRP−1は、ECFC様細胞出現の間にKDR媒介シグナリングの本質を高める。 心血管発生及び血管形成におけるNRP−1の役割は確立されているが35、36、39、NRP−1がECsで機能するメカニズムは完全には理解されていない。EC表面に存在するNRP−1がコレセプターとしてVEGF165と結合し、VEGFレセプター2(KDR)とシグナリング複合体を形成する、と提案されている40。NRP−1は小さな細胞質ドメインを持ち、それは定義済みの固有のキナーゼ活性を持たない。KDRは固有のキナーゼ活性を有し、NRP−1−VEGF165−KDRシグナリング複合体の形成は、VEGF−KDRによって媒介されるシグナリング活性、及び生物学的機能を高める40-43。NRP−1はKDRを通したVEGF165シグナリングの媒介に必要ではない42-44が、しかし最大のKDR活性、及び/またはKDRチロシンリン酸化35、40-43のため、及び内皮細胞でp130Cas/Pyk2の活性化を通して選択的にVEGF−KDRシグナリングを媒介するために必要であることが明らかに示された43、44。二量体Fc−NRP−1、膜NRP−1の代用45、及びVEGF(NRP−1−B)42と結合しているNRP−1をブロックする特定のモノクローナル抗体を、それぞれNRP−1によって媒介される活性を高め、及びブロックするために使用した。Fc−NRP−1は本来のオリゴマー形成された膜NRP−1の代用の働きをするが45、NRP−1−Bは特にNRP−1結合VEGF165をブロックする42。分化6日目hiPS細胞がKDR発現を大量に増加させ、NRP−1発現を(図15Bから挿入)制限することを本明細書で提供されるデータが示唆したので、発明者はNRP−1活性を増やすことがKDR活性化を高めるかもしれないと仮定した。再現できる結果(データ示さず、及び図15A)を矛盾なく提供する処理のための、特定の用量(Fc−NRP−1二量体 3.3nM、及びNRP−1−B 500ng/mL)及び時間の長さ(4〜6日)を確認するために、時間及び用量反応実験を、報告42、45されているように行った。処理の4日間後に、FC−NRP−1二量体で処理した細胞の中でNRP−1+CD31+細胞生成のかなりの増加(図15B)、及びブロッキング抗体NRP−1−BがNRP−1+CD31+細胞(図15b)の生成をかなり減少させたことが判明した。この影響は、12日目に更に強化された。(図15B) 図15Cを参照すると、上部のブロットにおいて、ECFC様細胞分化を経ているhiPS細胞を、Fc−コントロール(3.3nM)、Fc−NRP−1二量体(3.3nM)、またはNRP−1−B(500ng/mL)で図13Aに記載のとおりに処理した。細胞を、5.5時間欠乏させ、そして5分間VEGF165(30ng/mL)で刺激した。細胞可溶化物はリン酸KDR及び総KDRに対する抗体を用いたエウスタンブロット解析を行った。矢は、NRP−1二量体、及びNRP−1−Bで処理したhiPS細胞におけるリン酸KDRの発現を示す。下部パネルにおいて、各々のレーンにおける総KDRレベルを示す。 KDRリン酸化はVEGF刺激したグループで観察され、そしてFc−NRP−1二量体処理はコントロール処理細胞と比較してKDRのリン酸化を増加させた。しかし、減少したリン酸化は、NRP−1−B処理細胞(n=3)で観察された。一番下のブロットにおいて、ECFC様細胞分化を経ているhiPS細胞は示された濃度のFc−コントロール、Fc−NRP−1二量体、または、NRP−1−Bで処理した。細胞を飢餓状態にし、VEGF165(30ng/mL)で5分間刺激した。細胞可溶化物を、リン酸p130Cas、リン酸Pyk2、及び総Pyk2に対する抗体を用いたウスタンブロット解析にかけた。上部のパネルの矢は、リン酸p130Casの発現を示し、中央のパネルの矢はリン酸Pyk2の発現を示し;下部のパネルは、Fc−コントロール(C;3.3nM)、Fc−NRP−1二量体、及びNRP−1−B処理iPS細胞における総pyk2を示す。下部のパネルは、各々のレーンで総KDRレベルを示す。増加したP−130Cas及びPyk2リン酸化は、コントロール処理細胞と比較してFc−NRP−1二量体処理群において用量依存的に観察された。しかし、減少したP−130Cas及びPyk2リン酸化は、コントロール処理細胞と比較してNRP−1−B処理細胞において観察された。我々はまた、Fc−NRP−1二量体処理細胞における、増加したKDRの活性化、及びKDR40、44の活性化を媒介するNRP−1によって活性化される特異な下流分子として知られているp130Casの活性化を見いだした(図15C)。これとは対照的に、NRP−1−B処理細胞は、減少したKDRリン酸化を示し、下流分子の活性化を減少させた(図15C)。これらのデータは、NRP−1がKDRシグナリングを高めることによって、ヒト多能性幹細胞からECFC様細胞の生成を促進することを示唆した。 次に、本発明者らは、NRP−1が培養ECFC様細胞の増殖能の維持に関与してもいるかもしれないと仮定した。NRP−1発現が、後期継代hiPS−ECFC様細胞で次第に下方制御され、減少した全体の増殖能に関与したことが判明した(図16A、B)。後期継代(P14)ECsのKDR発現の解析は、40〜50%のKDR発現を示した(図16C)。しかし、Fc−NRP−1存在下で7日間培養されるとき、P14 ECsは有意義に増加した拡大を示したが、コントロール及びNRP−1−B処理群と比較してβ−ガラクトシダーゼ発現(老化マーカー)は減少した(図16D〜F)。 VEGF165含有の正常EGM−2培地、及びVEGF121含有EGM−2培地で培養し、コントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bで7日間処理した後期継代(P14)hiPS−ECFC様細胞で見られるように(図16G)、Fc−NRP−1処理したP14 ECsは、コントロール処理細胞と比較してアポトーシス促進細胞のパーセンテージがかなり減少した。7日後に、細胞を集めて数え、各々の処理群での、生細胞、アポトーシス促進細胞、及び死細胞を検査するためにヨウ化プロピジウム、及びアネキシンVで染色した。コントロール、Fc−NRP−1、及びNRP−1−Bで7日間処理したVEGF165及びVEGF121含有培地におけるアポトーシス促進細胞のパーセンテージは、VEGF121の存在下で培養した細胞と比較して、VEGF165含有培地で培養した細胞においてかなり減少した。 VEGF121は、Fc−NRP−1とP14 ECFC様細胞を支えるKDRとの間の相互作用を促進することができなかったため、KDR活性化おけるFc−NRP−1の効果はVEGF165の存在に依存していることが確認された(図16G〜I)。よって、VEGF165を経たKDRのFc−NRP−1活性化は、増殖を助ける役割を担い、、老化するhiPS由来ECFC様細胞において、老化マーカー及びアポトーシス促進細胞の動作の発現を減少させた。 予備研究において、PAD及びCLIの患者に由来する一次ECsは、低いレベルのNRP−1発現を示し、低いクローン増殖能を有し、老化マーカーを示し、そして免疫不全マウス(図17A〜G)で移植と同時に強力なインビボヒト血管を形成しないことが明らかになった。しかし、PAD及びCLIの患者から分離した、循環するレジデント動脈由来の内皮細胞において、Fc−NRP−1処理は、増殖、生存を促進し、老化の形跡を適切に減少させた(図17H〜N)。このように、老化していく後期継代hiPS−ECFC様細胞、及び患者由来のPAD−ECsのFc−NRP−1処理は、増殖能が増加し、アポトーシスを減少させ、VEGF165依存的な様式で老化マーカーを減少させる。 実施例6 考察 上記の実施例において、ここでECFC様細胞と記載する臍帯血ECFC様の特性を有するECsの実質的に純粋で安定したECs集団を再生可能に分化し分離する場目の方法が、提供され、テストされた。 ECFC様細胞は、CB−ECFCsに類似する特性を有する。NRP−1+CD31+細胞は、特徴的コブルストーン形態を有する均一な単層を形成し、高いクローンの増殖能を示し、マトリゲルTMの上で培養されるとき完全な毛細管様構造を形成することにより血管形成を示し、同時移植細胞の不存在化で免疫不全マウスに移植された際にインビボで着実に吻合した血管を形成した。これらのヒト多能性幹細胞由来ECFC様細胞は、安定で、長い培養(18回の継代)を通して非内皮細胞に移行せず、単一の開始多能性細胞(図18)から、3ヵ月未満で1兆以上のECsに拡大することができた。一次CB−ECFCsとは異なり、本明細書で提供されるECFC様細胞は、安定したECFC特徴を示し、種々の臨床応用における使用に適する量の細胞に拡大する可能性がある。さらに本明細書で提供されるECFC様細胞は、例えば、患者のiPSCs由来ならば、患者特有とすることができる ECFC様細胞は、従来のプロトコルによりインビトロで発生するECsとは異なる特徴を有する。ECFC様細胞由来の機能的ECsの高度に効率的なアウトプット(すなわち、3ヵ月未満での1兆を超えるECs)は、他の公知のプロトコルによるhPSCs由来ECsの報告された収率、0.622、7.424、及び11.646とは対照的である。さらに、他の公知のプロトコルによるhPSCs由来ECsは、インビボの共培養細胞非存在下で移植された場合、血管形成能を有しない。 NRP−1−VEGF165−KDRに媒介される活性化とその下流のシグナリング分子は、hPSCs由来のECFC様細胞の発生と誘導のため、及び後期継代、老化したhPSC由来ECFC様細胞、及び患者由来の老化したECFCsの生存及び分化能を強化するためのメカニズムであることが判明した。ここで提供される結果は、心血管系疾患の患者の治療法として患者由来のECFC様細胞の仕様を検討することは実現可能であると示唆する。 本開示は、特定の態様に関して記述されたが、種々の変更は、添付した特許請求の範囲に記載した本開示の目的と範囲から逸脱することなく、修飾当業者にとって明らかであろう。本明細書で提供されるいかなる実施例も、単に本開示を表す目的において含まれ、どんな形であれ本開示を制限することを目的とするものではない。本明細書で提供されるどんな図面も、単に本開示の種々の側面を示すためであり、どんな形であれ一定の比率や本開示を制限すること目的で描かれるものではない。本明細書で引用されるすべての先行技術の開示は、参照により完全にここに組み込まれる。 リファレンス 1.Yoder, M.C. et al. 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