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アルコール飲料を木製樽で熟成している間に、望ましい官能評価を高めつつ、エタノール消失を減らすための方法

申请号 JP2016527123 申请日 2014-07-18 公开(公告)号 JP2016526891A 公开(公告)日 2016-09-08
申请人 クライオバック・インコーポレイテツド; 发明人 チダンバラクリシャン,シータラマン; ランガナタン,スミタ; バブロビチ,ロバート; モーガン,アンジェラ・エリサベス;
摘要 酸素透過速度が少なくとも50cc/m2/日、エタノール透過速度が30g/m2/日未満の膜によって樽を覆った後、アルコール飲料は、木製樽中で熟成される。この飲料は、膜を上に有さない木製樽で熟成したコントロールアルコール飲料中の同じ香気成分の1つ以上の量に対し、50%、75%、または100%の量の1つ以上の特定の香気成分を獲得する。樽を膜で覆うと、天使のわけまえの蒸発による消失が減り、熟成中に飲料の望ましい香気成分を増やすことができる。別の実施形態において、方法は、コントロールと区別できない官能評価を達成しつつ、天使のわけまえの蒸発による消失を減らす。
权利要求

アルコール飲料を熟成させるための方法であって、 (A)外側表面を有する第1の木製樽に未熟成アルコール飲料を充填すること、 (B)第1の木製樽の外側表面の少なくとも60%を、酸素透過速度が少なくとも50cc/m2/日であり、エタノール透過速度が30g/m2/日未満の膜で覆うこと、 (C)膜によって囲まれる前記第1の木製樽の中にアルコール飲料を少なくとも1ヶ月間入れたままで、周囲条件下で未熟成アルコール飲料を熟成させ、熟成したアルコール飲料を製造すること を含み、ならびに 熟成中、アルコール飲料は、バニリン、グアイアコール、シリンガアルデヒド、シリンゴール、オイゲノール、イソオイゲノール、cis−β−メチル−γ−オクタラクトン、o−クレゾール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、4−メチルシリンゴール、4−エチルグアイアコール、4−ビニルグアイアコール、バニリルメチルケトン、メトキシオイゲノール、シナップアルデヒドおよびフルフラールからなる群から選択される少なくとも1つの香気成分を得るか、または生成し、この結果、熟成したアルコール飲料は、少なくとも1つの香気成分を、熟成中にコントロール樽を膜で覆うことなく、コントロール木製樽中で熟成したコントロールアルコール飲料中の同じ香気成分の量と比較して少なくとも50%の量で含有する、方法。第1の木製樽の外側表面の少なくとも75%が膜で覆われ、熟成したアルコール飲料が、少なくとも1つの香気成分を、コントロールアルコール飲料中の同じ香気成分の量と比較して少なくとも75%の量で含有する、請求項1に記載の方法。熟成したアルコール飲料が、バニリン、グアイアコール、シリンガアルデヒド、シリンゴール、オイゲノール、イソオイゲノール、cis−β−メチル−γ−オクタラクトン、o−クレゾール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、4−メチルシリンゴール、4−エチルグアイアコール、4−ビニルグアイアコール、バニリルメチルケトン、メトキシオイゲノール、シナップアルデヒドおよびフルフラールからなる群のそれぞれの香気成分を、コントロールアルコール飲料中の対応するそれぞれの香気成分の量と比較して少なくとも75%の量で含有する、請求項2に記載の方法。膜が、第1の木製樽の外側表面を囲み、熟成したアルコール飲料が、シリンゴール、オイゲノール、cis−β−メチル−γ−オクタラクトン、o−クレゾール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、4−メチルシリンゴール、4−エチルグアイアコール、バニリルメチルケトンおよびフルフラールからなる群のそれぞれの香気成分を、コントロールアルコール飲料中の対応するそれぞれの香気成分の量と比較して100%より多い量で含有する、請求項1に記載の方法。膜が、第1の木製樽の外側表面を囲み、前記膜が、膜総重量を基準として15重量%から80重量%の量の環状オレフィンコポリマーを含み、前記膜は、厚みが1.5milから6milであり、熟成したアルコール飲料が、コントロールアルコール飲料中のオイゲノールの量と比較して少なくとも110%の量のオイゲノールを含有する、請求項1に記載の方法。膜が、膜総重量を基準として15重量%から80重量%の量の環状オレフィンコポリマーを含み、前記膜は、厚みが1.5milから6milであり、エタノール透過速度が1g/m2/日未満であり、酸素透過速度が少なくとも170cc/m2/日である、請求項1に記載の方法。膜が、膜総重量を基準として50重量%から82重量%の量のポリオレフィンを含む多層膜であり、環状オレフィンコポリマーが、膜総重量を基準として18重量%から50重量%の量であり、環状オレフィンコポリマーが、ポリオレフィンとのブレンド中に存在し、前記膜は、厚みが1.5milから4milである、請求項1に記載の方法。多層膜は、2つの外側層と1つの内側層とを含む3層を含み、内側層は、20重量%から80重量%のエチレンノルボルネンコポリマーと、80重量%から20重量%のエチレン/α−オレフィンコポリマーとのブレンドを含み、アルコール飲料製品が、蒸留物およびワインから選択される、請求項7に記載の方法。樽が、膜によって囲まれ、前記膜は、エタノール透過速度が1g/m2/日未満、酸素透過速度が少なくとも170cc/m2/日、蒸気透過速度が1g/m2/日未満であり、体積で30%未満のアルコールを含むか、または水で希釈され体積で30%未満のアルコールを含む、熟成したアルコール飲料は、ASTM E1879−00 Sensory Evaluation of Beverages Containing AlcoholおよびASTM E1885−04 Standard Method for Sensory Analysis−Triangle Testに従って評価して、コントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽と比較して区別できない芳香および香味を示す、請求項8に記載の方法。内側層は、40から60重量%のエチレンノルボルネンコポリマーと、60から40重量%のポリオレフィンとのブレンドを含み、膜は、厚みが2から3.5milであり、エタノール透過速度が0.5g/m2/日未満、酸素透過速度が少なくとも170から250cc/m2/日であり、体積で30%未満のアルコールを含むか、または水で希釈され体積で30%未満のアルコールを含む、第1の熟成したアルコール飲料は、ASTM E1879−00 Sensory Evaluation of Beverages Containing AlcoholおよびASTM E1885−04 Standard Method for Sensory Analysis−Triangle Testに従って評価して、コントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽と比較して区別できない色をさらに示す、請求項9に記載の方法。アルコール飲料を熟成させるための方法であって、 (A)外側表面を有する第1の木製樽に未熟成アルコール飲料を充填すること、 (B)前記第1の木製樽の外側表面の少なくとも60%を、酸素透過速度が少なくとも50cc/m2/日であり、エタノール透過速度が30g/m2/日未満の膜で覆うこと、 (C)前記膜によって覆われる前記第1の木製樽の中で未熟成アルコール飲料を熟成させ、熟成は、前記膜によって覆われる前記第1の木製樽の中にアルコール飲料を入れたままで、少なくとも1ヶ月間、周囲条件下で行われて熟成したアルコール飲料を製造することを含み、熟成中、アルコール飲料の天使のわけまえ部分が、木製樽および木製樽の外側表面を覆う膜を通って逃げ、天使のわけまえ部分が、コントロール樽中で熟成したコントロールアルコール飲料を含有する木製コントロール樽を通って逃げる対応する天使のわけまえ部分と比較して、少なくとも30%少なく、コントロール樽は、コントロール樽の任意の部分を覆う膜を有さずに周囲雰囲気と直接接触する外側表面を有し、 体積で30%未満のアルコールを含むか、または水で希釈され体積で30%未満のアルコールを含む、熟成したアルコール飲料が、ASTM E1879−00 Sensory Evaluation of Beverages Containing Alcoholと、ASTM E1885−04 Standard Method for Sensory Analysis−Triangle Testに従う評価において、コントロール樽中で熟成したコントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽と比較して区別できない芳香および香味を示し、熟成したコントロールアルコール飲料も、体積で30%未満のアルコールを含むか、または水で希釈され体積で30%未満のアルコールを含む、方法。第1の樽が、膜によって囲まれ、前記第1の木製樽および前記膜を通って逃げる天使のわけまえ部分が、コントロールアルコール飲料を含有する木製コントロール樽を通って逃げる天使のわけまえ部分よりも少なくとも70%少なく、前記膜がポリオレフィンを含む、請求項11に記載の方法。第1の樽が、膜によって囲まれ、前記第1の木製樽および前記膜を通って逃げる天使のわけまえ部分が、コントロールアルコール飲料を含有する木製コントロール樽を通って逃げる天使のわけまえ部分よりも少なくとも85%少なく、前記膜が、膜総重量を基準として30から85重量%のポリオレフィンと、70から15重量%のエチレン/ノルボルネンコポリマーとを含み、前記膜は、酸素透過速度が170から350cc/m2/日、エタノール透過速度が0.10から1.0g/m2/日、水蒸気透過速度が0.1から0.8g/m2/日である、請求項11に記載の方法。熟成中、第1の木製樽および膜を通って逃げる天使のわけまえ部分が、コントロールアルコール飲料を含有する木製コントロール樽を通って逃げる天使のわけまえ部分よりも少なくとも90%少なく、前記膜が、膜総重量を基準として40から60重量%のポリオレフィンと、60から40重量%のエチレン/ノルボルネンコポリマーを含み、前記膜は、酸素透過速度が170から250cc/m2/日、エタノール透過速度が0.17から0.27g/m2/日であり、体積で30%未満のアルコールを含むか、または水で希釈され体積で30%未満のアルコールを含む、熟成したアルコール飲料は、ASTM E1879−00 Sensory Evaluation of Beverages Containing AlcoholおよびASTM E1885−04 Standard Method for Sensory Analysis−Triangle Testに従って評価して、コントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽と比較して区別できない色をさらに示す、請求項13に記載の方法。アルコール飲料を熟成させるための方法であって、 (A)酸素透過速度が1から10cc/m2/日である木製樽に未熟成アルコール飲料を充填すること、 (B)前記木製樽の外側表面を、酸素透過速度が少なくとも50cc/m2/日であり、エタノール透過速度が30g/m2/日未満であり、厚みが1から10milの膜で覆うこと、 (C)前記膜によって覆われる前記木製樽の中に未熟成アルコール飲料を入れたままで、未熟成アルコール飲料を少なくとも1ヶ月間熟成させ、熟成したアルコール飲料を製造すること を含む、方法。膜は、酸素透過速度が少なくとも100cc/m2/日、エタノール透過速度が0.1から20g/m2/日であり、前記膜がポリオレフィンを含む、請求項15に記載の方法。膜は、厚みが1.5から5milである、請求項11に記載の方法。膜は、酸素透過速度が、少なくとも120cc/m2/日、エタノール透過速度が0.1から1g/m2/日であり、前記膜が、環状オレフィンコポリマーをさらに含み、アルコール飲料の熟成が少なくとも2ヶ月間行われる、請求項16に記載の方法。膜が、ポリオレフィンと環状オレフィンコポリマーのブレンドをさらに含み、環状オレフィンコポリマーが、エチレン/ノルボルネンコポリマーを含み、エチレンノルボルネンコポリマーが、前記膜中、膜総重量を基準として15から70重量%の量で存在し、ポリオレフィンが、前記膜中、膜総重量を基準として30から85重量%の量で存在し、アルコール飲料の熟成が少なくとも3ヶ月間行われ、前記膜は、厚みが2から4milであり、酸素透過速度が150から500cc/m2/日、エタノール透過速度が1g/m2/日未満、水蒸気透過速度が1g/m2/日未満である、請求項18に記載の方法。

说明书全文

本出願は、2013年7月18日に出願された米国仮特許出願第61/847,803号および2013年8月2日に出願された米国仮特許出願第61/861,563号からの優先権を主張し、それぞれ、この全体が本明細書に参考として組み込まれる。

本発明は、蒸留酒、ワインおよびビールのようなアルコール飲料の木製樽での熟成に関する。穀物および他の農場由来のものから誘導される蒸留酒の典型的な木製樽での熟成の間に、混合物中の蒸留したエタノールおよびの2重量%から50重量%以上が、木製樽の要素(樽板および頂部)の間へ、または要素を通って拡散し、その後、周囲雰囲気へと蒸発する。熟成期間中、拡散および蒸発がずっと続き、熟成期間は、数週間または数ヶ月から20年以上までの場合もある。蒸発の程度は、蒸留物の初期アルコール含有量、木製樽中の熟成期間、相対湿度、周囲温度などによって変わる。蒸留スピリッツ産業は、この消失を「天使のわけまえ」と定義する。

蒸発によって失われる水、エタノールなどの量は、53ガロンのホワイトオーク製樽で蒸留酒を1年間から20年間熟成させるとき、熟成中の周囲の状態、例えば、気候に依存して、約2%/年から約10%/年の範囲である。エタノールの消失は、水の消失より多いため、蒸留物は、蒸留方法から出ているときには、10年間熟成した後よりもかなり強い。熟成中のエタノールの消失は、アルコール自体の消失よりももっと悪い影響がある。空気中のエタノール含有量が高いと、火花または炎にさらされたときに爆発的に発火する可能性があるため、樽周囲の雰囲気へのアルコールの放出は、爆発の危険性を生じさせる。蒸発したエタノールが周囲雰囲気に放出されると、貯蔵所の壁、隣接する建物、車などに成長する黒色の真菌および/またはカビの栄養として働くこともある。

数十年にわたって、蒸留酒製造業者らは、木製の大樽中で蒸留酒およびワインを熟成させる間の天使のわけまえを減らそうと試みてきた。樽板および/または樽頂部の外側表面のコーティングを含むコーティングが樽に提供されてきた。樽板の間に結合剤が使用されてきた。非多孔性材料の中間層を有する再構築された樽板から樽が作られてきた。各側面にビニルを有するアルミニウム箔層を有する多層膜から作られた袋の内側に樽が配置され、大気を排気し、袋を熱密封によって密閉した。金属製樽内部のエタノール貯蔵部の上の第2の容器(例えば、金属製樽)に、木製樽が吊されてきた。系に酸素を供給しつつ、蒸留物を含有する金属製樽が、この蒸留物中に木製の樽板を吊すことによって熟成されてきた。蒸留物の熟成を促進するために、容器中で蒸留物に細かく粉砕した木材が加えられてきた。エタノールと大気中の酸素との反応を増加させることによって、蒸留物の熟成も促進されてきた。しかし、これらの解決策は、いずれも、アルコール飲料の官能特性を維持するか、または高めつつ、天使のわけまえを顕著に減らすことは実証されていない。天使のわけまえの拡散および蒸発に起因する消失を減らしつつ、望ましい官能特徴を高めることができる様式でアルコール飲料を熟成する様式を見出すことが望ましいだろう。

アルコール飲料の官能性の内容を維持するか、または高めつつ、アルコール飲料製品の熟成中の天使のわけまえによる消失を減らすための方法が見出された。

第1の態様は、アルコール飲料を熟成させるための方法であって、 (a)外側表面を有する第1の木製樽に未熟成アルコール飲料を充填すること、 (b)第1の木製樽の外側表面の少なくとも60%を、酸素透過速度が少なくとも50cc/m2/日であり、エタノール透過速度が30g/m2/日未満の膜で覆うこと、 (c)膜によって囲まれる第1の木製樽の中にアルコール飲料を少なくとも1ヶ月間入れたままで、周囲条件下で未熟成アルコール飲料を熟成させ、熟成したアルコール飲料を製造することを含み、熟成中、アルコール飲料は、バニリン、グアイアコール、シリンガアルデヒド、シリンゴール、オイゲノール、イソオイゲノール、cis−β−メチル−γ−オクタラクトン、o−クレゾール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、4−メチルシリンゴール、4−エチルグアイアコール、4−ビニルグアイアコール、バニリルメチルケトン、メトキシオイゲノール、シナップアルデヒドおよびフルフラールからなる群から選択される少なくとも1つの香気成分を得るか、または生成し、この結果、熟成したアルコール飲料は、少なくとも1つの香気成分を、熟成中にコントロール樽を膜で覆うことなく、コントロール木製樽中で熟成したコントロールアルコール飲料中の同じ香気成分の量と比較して少なくとも50%の量で含有する、方法に関する。

一実施形態において、第1の木製樽の外側表面の少なくとも75%が前記膜で覆われ、熟成したアルコール飲料が、前記少なくとも1つの香気成分を、コントロールアルコール飲料中の同じ香気成分の量と比較して少なくとも75%の量で含有する。

一実施形態において、熟成したアルコール飲料が、バニリン、グアイアコール、シリンガアルデヒド、シリンゴール、オイゲノール、イソオイゲノール、cis−β−メチル−γ−オクタラクトン、o−クレゾール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、4−メチルシリンゴール、4−エチルグアイアコール、4−ビニルグアイアコール、バニリルメチルケトン、メトキシオイゲノール、シナップアルデヒドおよびフルフラールからなる群のそれぞれの香気成分を、コントロールアルコール飲料中の対応するそれぞれの香気成分の量と比較して少なくとも75%の量で含有する。

一実施形態において、膜が、第1の木製樽の外側表面を囲み、熟成したアルコール飲料が、シリンゴール、オイゲノール、cis−β−メチル−γ−オクタラクトン、o−クレゾール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、4−メチルシリンゴール、4−エチルグアイアコール、バニリルメチルケトンおよびフルフラールからなる群のそれぞれの香気成分を、コントロールアルコール飲料中の対応するそれぞれの香気成分の量と比較して100%より多い量含有する。例えば、熟成したアルコール飲料が、コントロール中のそれぞれの香気成分の量の101%の量のそれぞれの香気成分を含有する場合、この方法は、この実施形態に従う。

一実施形態において、膜が、第1の木製樽の外側表面を囲み、この膜が、膜総重量を基準として15重量%から80重量%の量の環状オレフィンコポリマーを含み、この膜は、厚みが1.5milから6milであり、熟成したアルコール飲料が、コントロールアルコール飲料中のオイゲノールの量と比較して少なくとも110%の量のオイゲノールを含有する。例えば、熟成したアルコール飲料が、コントロール中のオイゲノールの量の111%の量のオイゲノールを含有する場合、この方法は、この実施形態に従う。

一実施形態において、膜が、膜総重量を基準として15重量%から80重量%の量の環状オレフィンコポリマーを含み、この膜は、厚みが1.5milから6milであり、エタノール透過速度が1g/m2/日未満であり、酸素透過速度が少なくとも170cc/m2/日である。

一実施形態において、膜が、膜総重量を基準として50重量%から82重量%の量のポリオレフィンを含む多層膜であり、環状オレフィンコポリマーが、膜総重量を基準として18重量%から50重量%の量であり、環状オレフィンコポリマーが、ポリオレフィンとのブレンド中に存在し、この膜は、厚みが1.5milから4milである。

一実施形態において、多層膜は、2つの外側層と1つの内側層とを含む3層を含み、内側層は、20重量%から80重量%のエチレンノルボルネンコポリマーと、80重量%から20重量%のエチレン/α−オレフィンコポリマーとのブレンドを含み、アルコール飲料製品が、蒸留物およびワインから選択される。

一実施形態において、樽が、前記膜によって囲まれ、膜は、エタノール透過速度が1g/m2/日未満、酸素透過速度が少なくとも170cc/m2/日、水蒸気透過速度が1g/m2/日未満であり、体積で30%未満のアルコールを含むか、または水で希釈され体積で30%未満のアルコールを含む、熟成したアルコール飲料は、ASTM E1879−00 Sensory Evaluation of Beverages Containing Alcoholと、ASTM E1885−04 Standard Method for Sensory Analysis−Triangle Testに従って評価して、コントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽と比較して区別できない芳香および香味を示す。

一実施形態において、内側層は、40重量%から60重量%のエチレンノルボルネンコポリマーと、60重量%から40重量%のポリオレフィンとのブレンドを含み、膜は、厚みが2milから3.5milであり、エタノール透過速度が0.5g/m2/日未満、酸素透過速度が少なくとも170cc/m2/日から250cc/m2/日であり、体積で30%未満のアルコールを含むか、または水で希釈され体積で30%未満のアルコールを含む、第1の熟成したアルコール飲料は、ASTM E1879−00 Sensory Evaluation of Beverages Containing Alcoholと、ASTM E1885−04 Standard Method for Sensory Analysis−Triangle Testに従って評価して、コントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽と比較して区別できない色をさらに示す。

第2の態様は、アルコール飲料を熟成させるための方法であって、(a)外側表面を有する第1の木製樽に未熟成アルコール飲料を充填すること、(b)第1の木製樽の外側表面の少なくとも60%を、酸素透過速度が少なくとも50cc/m2/日であり、エタノール透過速度が30g/m2/日未満の膜で覆うこと、(c)膜によって覆われる第1の木製樽の中で未熟成アルコール飲料を熟成させ、熟成は、膜によって覆われる第1の木製樽の中にアルコール飲料を入れたままで、少なくとも1ヶ月間、周囲条件下で行われ、熟成したアルコール飲料を製造することを含み、熟成中、アルコール飲料の天使のわけまえ部分が、木製樽および木製樽の外側表面を覆う膜を通って逃げ、天使のわけまえ部分が、コントロール樽中で熟成したコントロールアルコール飲料を含有し、コントロール樽の任意の部分を覆う膜を有さずに周囲雰囲気と直接接触する外側表面を有する木製コントロール樽を通って逃げる対応する天使のわけまえ部分と比較して、少なくとも30%少ない、方法に関する。体積で30%未満のアルコールを含むか、または水で希釈され体積で30%未満のアルコールを含む、熟成したアルコール飲料は、ASTM E1879−00 Sensory Evaluation of Beverages Containing Alcoholと、ASTM E1885−04 Standard Method for Sensory Analysis−Triangle Testに従う評価において、コントロール樽中で熟成したコントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽と比較して区別できない芳香および香味を示し、熟成したコントロールアルコール飲料も、体積で30%未満のアルコールを含むか、または水で希釈され体積で30%未満のアルコールを含む。

一実施形態において、第1の樽が、前記膜によって囲まれ、天使のわけまえが、コントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽と比較して少なくとも70%減り、前記膜がポリオレフィンを含む。

一実施形態において、第1の樽が、前記膜によって囲まれ、天使のわけまえが、コントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽よりも少なくとも85%減り、前記膜が、膜総重量を基準として30重量%から85重量%のポリオレフィンと、70重量%から15重量%のエチレン/ノルボルネンコポリマーとを含み、膜は、酸素透過速度が170cc/m2/日から350cc/m2/日、エタノール透過速度が0.10g/m2/日から1.0g/m2/日である。

一実施形態において、天使のわけまえが、コントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽よりも少なくとも90%減り、膜が、膜総重量を基準として40重量%から60重量%のポリオレフィンと、60重量%から40重量%のエチレン/ノルボルネンコポリマーを含み、膜は、酸素透過速度が170cc/m2/日から250cc/m2/日、エタノール透過速度が0.17g/m2/日から0.27g/m2/日であり、体積で30%未満のアルコールを含むか、または水で希釈され体積で30%未満のアルコールを含む、熟成したアルコール飲料は、ASTM E1879−00 Sensory Evaluation of Beverages Containing Alcoholと、ASTM E1885−04 Standard Method for Sensory Analysis−Triangle Testに従って評価して、コントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽と比較して区別できない色をさらに示す。

第3の態様は、アルコール飲料を熟成させるための方法であって、(a)酸素透過速度が1cc/m2/日から10cc/m2/日である木製樽に未熟成アルコール飲料を充填すること、(b)前記木製樽の外側表面を、酸素透過速度が少なくとも50cc/m2/日であり、エタノール透過速度が30g/m2/日未満であり、厚みが1milから10milの膜で覆うこと、(c)膜によって覆われる前記木製樽の中に未熟成アルコール飲料を入れたままで、未熟成アルコール飲料を少なくとも1ヶ月間熟成させ、熟成したアルコール飲料を製造することを含む、方法に関する。

一実施形態において、前記膜は、酸素透過速度が少なくとも100cc/m2/日、エタノール透過速度が0.1g/m2/日から20g/m2/日であり、前記膜がポリオレフィンを含む。

一実施形態において、前記膜は、厚みが1.5milから5milである。

一実施形態において、前記膜は、酸素透過速度が、少なくとも120cc/m2/日、エタノール透過速度が0.1g/m2/日から1g/m2/日であり、前記膜が、環状オレフィンコポリマーをさらに含み、アルコール飲料の熟成が少なくとも2ヶ月間行われる。

一実施形態において、前記膜が、ポリオレフィンと環状オレフィンコポリマーのブレンドを含み、環状オレフィンコポリマーが、エチレン/ノルボルネンコポリマーをさらに含み、エチレンノルボルネンコポリマーが、膜中、膜総重量を基準として15重量%から70重量%の量で存在し、ポリオレフィンが、膜中、膜総重量を基準として30重量%から85重量%の量で存在し、アルコール飲料の熟成が少なくとも3ヶ月間行われ、前記膜は、厚みが2milから4milであり、酸素透過速度が150cc/m2/日から500cc/m2/日、エタノール透過速度が1g/m2/日未満、水蒸気透過速度が1g/m2/日未満である。

第4の態様は、熟成に適した製品であって、(a)未熟成アルコールを囲み、酸素透過速度が1cc/m2/日から10cc/m2/日である木製樽内部の未熟成アルコール飲料と、(b)樽の外側表面の少なくとも60%を覆い、酸素透過速度が少なくとも50cc/m2/日、エタノール透過速度が30g/m2/日未満、水蒸気透過速度が1g/m2/日未満、ピーク負荷衝撃強度が少なくとも100ニュートン、厚みが1milから10milである膜とを含む製品に関する。

一実施形態において、膜が、樽を囲み、この膜が、膜総重量を基準として15重量%から80重量%の量の環状オレフィンコポリマーを含み、この膜は、エタノール透過速度が1g/m2/日未満であり、この膜は、酸素透過速度が175cc/m2/日から350cc/m2/日であり、この膜は、ピーク負荷衝撃強度が150ニュートンから200ニュートンであり、この膜は、合計厚みが2milから4milである。

第5の態様において、木製樽の外側表面を覆う膜を有する木製樽中、未熟成アルコール飲料を熟成するときに使用するのに適した膜であって、この膜が、ポリオレフィンと環状オレフィンコポリマーのブレンドを含み、環状オレフィンコポリマーがエチレン/ノルボルネンコポリマーを含み、エチレンノルボルネンコポリマーが、膜中、膜総重量を基準として15重量%から70重量%の量で存在し、ポリオレフィンが、膜中、膜総重量を基準として30重量%から85重量%の量で存在し、この膜は、ピーク負荷衝撃強度が少なくとも100ニュートンであり、厚みが2milから4milであり、酸素透過速度が150cc/m2/日から500cc/m2/日、エタノール透過速度が1g/m2/日未満、水蒸気透過速度が1g/m2/日未満である、膜に関する。

第6の態様において、木製樽の外側表面を覆う膜を有する木製樽中、未熟成アルコール飲料を熟成するときに使用するのに適した膜であって、この膜が、膜総重量を基準として80重量%から100重量%の量でポリオレフィンを含み、この膜は、厚みが2milから4milであり、酸素透過速度が150cc/m2/日から500cc/m2/日、エタノール透過速度が30g/m2/日未満、水蒸気透過速度が1g/m2/日未満であり、この膜は、ピーク負荷衝撃強度が少なくとも100ニュートンである、膜に関する。

図1は、エンドシール型袋の模式的な平面図である。

図2は、図1の切断線2−2によって切断された図1のエンドシール型袋の横断面図である。

図3は、サイドシール型袋の模式的な平面図である。

図4は、図3の切断線4−4によって切断された図3のサイドシール型袋の横断面図である。

図5は、L−シール型袋の模式的な平面図である。

図6は、図5の切断線6−6によって切断された図5のL−シール型袋の横断面図である。

図7は、図5の切断線7−7によって切断された図5のL−シール型袋の長手方向断面図である。

図8は、魚のヒレ型の背面縫い合わせを有する、背面縫い合わせされた袋の模式的な平面図である。

図9は、図8の背面縫い合わせされた袋の横断面図である。

図10は、重ね合わせた型の背面縫い合わせを有する、背面縫い合わせされた袋の模式的な平面図である。

図11は、図10の背面縫い合わせされた袋の横断面図である。

図12は、パウチ型袋の模式的な平面図である。

図13は、図12の切断線13−13によって切断された図12のパウチ型袋の横断面図である。

図14は、図12の切断線14−14によって切断された図12のパウチ型袋の長手方向断面図である。

図15は、熱収縮性袋を製造するために使用することが可能な熱収縮性膜を製造するために使用される方法の模式図である。

図16は、非熱収縮性袋を製造するために使用することが可能な非熱収縮性膜を製造するために使用される方法の模式図である。

図17は、密封により閉じられた袋に包まれた樽の模式図である。

図18は、膜のエタノール透過速度を測定するための方法の模式図である。

図19は、2つの異なる相対湿度条件で22番の膜から作られたパウチについて、時間の関数としての重量減少のグラフである。

図20は、2つの異なる相対湿度条件で21番の膜から作られたパウチについて、時間の関数としての重量減少のグラフである。

図21は、2つの異なる相対湿度条件で20番の膜から作られたパウチについて、時間の関数としての重量減少のグラフである。

図22は、2つの異なる相対湿度条件で17番の膜から作られたパウチについて、時間の関数としての重量減少のグラフである。

図23は、2つの異なる相対湿度条件で18番の膜から作られたパウチについて、時間の関数としての重量減少のグラフである。

図24は、2つの異なる相対湿度条件で19番の膜から作られたパウチについて、時間の関数としての重量減少のグラフである。

図25は、2つの異なる相対湿度条件で17番から22番の膜から作られたパウチ中の95%エタノール溶液について、時間の関数としての重量減少のグラフである。

図26は、2つの異なる相対湿度条件で17番から22番の膜から作られたパウチ中の100%水について、時間の関数としての重量減少のグラフである。

図27は、2つの異なる相対湿度条件で17番から22番の膜から作られたパウチ中の57%/43% エタノール/水溶液について、時間の関数としての重量減少のグラフである。

図28は、膜20および膜22から作られた種々の大きさのオーバーパウチに入れられた22番の膜から作られるパウチ中の95%エタノール溶液について、時間の関数としての重量減少のグラフである。

図29は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図30は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図31は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図32は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図33は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図34は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図35は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図36は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図37は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図38は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図39は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図40は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図41は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図42は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図43は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図44は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

図45は、種々の条件で熟成した熟成バージン小麦ウイスキー中に存在する種々の香気成分のGC/MSデータを与える。

本明細書で使用される場合、用語「樽(barrel)」は、蒸留物であるアルコール飲料、ワインおよびビールの熟成に使用される木製樽を指す。本明細書で使用される場合、「木製樽」という句は、少なくとも1つの木製樽板または頂部に少なくとも1つの木製の部を有する樽を指す。本明細書で使用される場合、用語「大樽(cask)」は、樽という用語と相互に置き換え可能に使用される。樽は、1クォート(またはリットル)またはこれ以下から250ガロン(1000リットル)またはこれ以上の任意の望ましい大きさであってもよい。一実施形態において、木材は、オークを含み、さらなる実施形態において、ホワイトオークを含む。樽の内側表面の少なくとも一部が黒焼きされている。

本明細書で使用される場合、「樽に充填する」という句は、樽を部分的に充填することや、樽を最大まで充填することを含む。通常、樽の充填は、最大までの充填である。

オーク製樽は、一般的に、酸素透過速度(OTR)が約2.5cc/m2/日から4cc/m2/日であり、温度、相対湿度、木材の厚み、樽内側の液体の量など、および相対湿度のような周囲の状態に伴って変動する。アルコール飲料の熟成は、アルコール飲料が熟成するのに伴う望ましい香味プロフィールの発生に必要な酸化反応を補助するために、樽内側の飲料が、樽内部への(即ち、樽板および末端を通って内側への)酸素の正味の透過を必要とするため、樽表面の2.5cc/m2/日から4cc/m2/日のOTRから利点を受ける。

本明細書で使用される場合、「樽を膜で覆う」との句は、樽の外側表面の少なくとも一部の上に膜を配置することを指し、例えば、樽の外側表面の少なくとも60%を覆うこと、または樽の外側表面の100%を覆うことさえある。本明細書で使用される場合、「樽を膜で囲む」という句は、樽の外側表面の100%被覆を指す。膜は、樽の周囲にきつく、またはゆるく存在するか否かにかかわらず、樽を100%被覆していてもよい。膜は、樽の末端は覆われない状態で残し、樽板の外側表面のみを覆うように使用することができ、または膜は、樽の末端のみを覆い、樽板の外側表面は覆われない状態で残して使用することができる。

木製樽は、第1の膜および第2の膜によって覆われていてもよく、第1の膜は、木製樽と第2の膜との間にある。第2の膜は、厚みが1milから20milであってもよい。第2の膜は、ASTM D 3763(本明細書にこの全体が参考として組み込まれる。)に従って測定して、30ポンドから200ポンドのピーク負荷衝撃強度を示す能を有する。第2の膜は、厚みが3milから20milであってもよく、第2の膜は、ASTM D 3763の手順によって測定して、50ポンドから200ポンドのピーク負荷衝撃強度を示す。第2の膜は、厚みが1milから2.9milであってもよく、第2の膜は、ASTM D 3763の手順によって測定して、30ポンドから65ポンドのピーク負荷衝撃強度を示す能力を有する。詰められたアルコール飲料製品は、樽の木製樽板を覆う1つ以上の膜の上に保護プラスチックメッシュをさらに含んでいてもよく、このプラスチックメッシュは、樽のたが部分も覆っている。

一実施形態において、樽板の外側表面全体を膜によって覆うことができ、樽の末端は覆われていない状態である。代替的な実施形態において、樽の片方または両方の末端が膜によって覆われており、樽板の外側表面は覆われていない状態である。

一実施形態において、樽板および、たが部分が両方とも膜によって覆われる。代替的な実施形態において、膜は、樽板と、たが部分との間にある。

樽が所定の厚み範囲内の膜で覆われる場合、膜は、この厚み範囲内の1つの別個の膜であってもよく、または、この膜は、この所定の厚み範囲内の合計膜厚を作成するために、膜自体の上部および樽を複数回くるんだ薄い膜の厚みの合計であってもよい。本明細書で使用される場合、用語「膜」は、膜であるか、またはシートであるかによらず、プラスチックウェブを含むように一般的な意味で使用される。好ましくは、本発明の膜および本発明で使用される膜は、厚みが0.25mm以下である。膜は、膜が使用される特定の包装操作に望ましい特性を与える限り、望ましい任意の合計厚みを有していてもよい。

さらに、膜は、自立膜とコーティング膜の両方を含む。「自立膜」という句は、本明細書で使用される場合、ダイを通って押し出された1つ以上の層から作られる膜を指す。本明細書で使用される場合、「コーティング膜」という句は、スプレーコーティング、浸漬によって表面に塗布された膜、またはブラシ、布、スパテラのような塗布具を用いて塗布されたコーティングを指す。上の任意の1つ以上の態様およびこれらの態様の任意の1つ以上の実施形態によれば、膜は、自立膜またはコーティング膜であってもよい。

本明細書で使用される場合、「酸素透過速度」という句および「O2透過速度」という句および「OTR」という頭字語は、すべて、ASTM D3985−05(2010)e1(この全体が本明細書に参考として組み込まれる。)の測定方法を用いた、大気O2(即ち、O2気体)が膜を通って透過する速度を指す。これは、ときには、「酸素気体透過速度」とも呼ばれ、頭字語は「O2GTR」である。酸素透過速度および酸素気体透過速度は、両方とも、1日あたり、膜の平方メートルあたりの立法センチメートルの単位で表すことができる。「cc/m2日」および「cc/m2/日」という表現は、それぞれ、「1日あたり、膜の平方メートルあたりの立法センチメートル」を表すと考えられる。測定は、1大気圧、23℃、相対湿度0%の標準化された条件で行われる。

上の態様またはこの実施形態において特に除外されていない限り、上の態様およびこの実施形態のいずれかのさらなる実施形態において、膜は、酸素透過速度が、少なくとも60cc/m2/日、または少なくとも70cc/m2/日、または少なくとも80cc/m2/日、または少なくとも90cc/m2/日、または少なくとも100cc/m2/日、または少なくとも110cc/m2/日、または少なくとも120cc/m2/日、または少なくとも130cc/m2/日、または少なくとも140cc/m2/日、または少なくとも150cc/m2/日、または少なくとも160cc/m2/日、または少なくとも170cc/m2/日、または少なくとも180cc/m2/日、または少なくとも190cc/m2/日、または少なくとも200cc/m2/日であってもよい。膜は、酸素透過速度が、50cc/m2/日から2000cc/m2/日、または60cc/m2/日から1800cc/m2/日、または70cc/m2/日から1700cc/m2/日、または80cc/m2/日から1500cc/m2/日、または80cc/m2/日から1200cc/m2/日、または80cc/m2/日から1000cc/m2/日、または80cc/m2/日から800cc/m2/日、または80cc/m2/日から700cc/m2/日、または80cc/m2/日から600cc/m2/日、または80cc/m2/日から500cc/m2/日、または90cc/m2/日から450cc/m2/日、または100cc/m2/日から400cc/m2/日、または110cc/m2/日から375cc/m2/日、または120cc/m2/日から350cc/m2/日、または130cc/m2/日から350cc/m2/日、または140cc/m2/日から350cc/m2/日、または150cc/m2/日から350cc/m2/日、または160cc/m2/日から340cc/m2/日、または170cc/m2/日から330cc/m2/日、または180cc/m2/日から320cc/m2/日、または190cc/m2/日から310cc/m2/日、または200cc/m2/日から300cc/m2/日であってもよい。

本明細書で使用される場合、「水蒸気透過速度」という句および「MVTR」という頭字語は、ASTM F1249−06(2011)e1(この全体が本明細書に参考として組み込まれる。)の測定方法を用いた、大気中の水分が膜を通って透過する速度を指す。「水蒸気透過速度」という句および頭字語「WVTR」も、MVTRと相互に置き換え可能に使用される。水蒸気透過速度は、1日あたり、膜の平方インチあたりのグラム数として表すことができる。「g/100in2日」および「g/100in2/日」という表現は、それぞれ、「1日あたり、膜100平方インチあたりのグラム数」を表すと考えられる。測定は、1大気圧、100°F(37.8℃)、相対湿度100%の標準化された条件で行われる。

上の態様またはこの実施形態において特に除外されていない限り、上の態様およびこの実施形態のいずれかのさらなる実施形態において、膜は、水蒸気透過速度が、15g/m2/日未満、または12g/m2/日未満、または10g/m2/日未満、または9g/m2/日未満、または8g/m2/日未満、または7g/m2/日未満、または6g/m2/日未満、または5g/m2/日未満、または4g/m2/日未満、または3g/m2/日未満、または2.5g/m2/日未満、または2g/m2/日未満、または1.5g/m2/日未満、または1.4g/m2/日未満、または1.3g/m2/日未満、または1.2g/m2/日未満、または1.1g/m2/日未満、または1g/m2/日未満、または0.9g/m2/日未満、または0.8g/m2/日未満、または0.7g/m2/日未満、または0.6g/m2/日未満、または0.1g/m2/日から30g/m2/日、または0.15g/m2/日から15g/m2/日、または0.2g/m2/日から12g/m2/日、または0.2g/m2/日から11g/m2/日、または0.3g/m2/日から10g/m2/日、または0.3g/m2/日から8g/m2/日、または0.3g/m2/日から6g/m2/日、または0.3g/m2/日から5g/m2/日、または0.3g/m2/日から4g/m2/日、または0.3g/m2/日から3g/m2/日、または0.3g/m2/日から2g/m2/日、または0.3g/m2/日から1.5g/m2/日、または0.35g/m2/日から1g/m2/日、または0.35g/m2/日から0.9g/m2/日、または0.35g/m2/日から0.8g/m2/日、または0.4g/m2/日から0.7g/m2/日、または0.45g/m2/日から0.65g/m2/日であってもよい。

本明細書で使用される場合、「エタノール透過速度」という句および頭字語「ETR」は、それぞれ、エタノールが膜を通って透過する速度を指し、セルの底部(膜より下)に過剰量のエタノールを有し、エタノールを含まない窒素流をセル上部(膜より上)に低速で、例えば、乾燥窒素10cc/分の速度で一定量パージしつつ、膜を取り付けたセルを用いて測定される。セルは、クラムシェル型に配置した噛み合う表面を有し、膜は、窒素気体流を挿入するための入口および出口を除き、セル内側の体積が密封されるように、この噛み合う表面の間に取り付けられる。当業者は、膜を通る酸素透過速度を測定するために使用されるMocon(R)Ox−Tran(R)装置中にこの種の配置が存在することを知っている。

概念的に、試験セルが図19に示され、膜の上のチャンバ部分を通り、乾燥窒素が流される。膜の下の高エタノール濃度雰囲気と、膜の上の低エタノール濃度雰囲気との間の分圧差によって、エタノール分子が、膜を通り、膜の上の低濃度雰囲気内に拡散する。膜を通るエタノールの一定拡散速度を維持するために、膜の上のチャンバ部分に流す気体を使用し、膜の上の雰囲気中の低エタノール濃度を維持する。

膜のエタノールバリア特徴は、エタノールの浸透速度を決定付け、膜の上の雰囲気を含むチャンバ部分を通って流れる窒素気体の出口流から連続して測定することができる。膜の上の雰囲気において、最終的に一定状態に達する。この一定状態は、達成するのに数日または数週間必要な場合がある。使用されるセンサが、チャンバの上側部分を出て流れる雰囲気中の一定の(即ち、変化しない)エタノール量を検出する場合、一定状態に達する。この応答は、真に一定または不変なのではなく、単に、時間に対するシグナルの変化が、ある種の定義される閾値未満である状態に達している。初期は、シグナルは時間に伴って大きく変化するが、最終的には、Δシグナル/Δ時間が顕著に小さくなる点に達するだろう。一定状態では、定義によれば、所与の時間内にチャンバの上側部分から出ていくエタノールの量は、同じ時間中に通過するエタノールの量と正確に対応する。任意の所与の時間内に膜を通過するエタノールの量を、試験される膜の面積で割り、所定の時間中に所定面積の膜を通るエタノールの透過速度を計算する。この透過速度は、例えば、1日あたり、平方メートルあたりのエタノールのグラム数の観点で表現することができる(即ち、g/m2/日、g/m2日とも表現される。)。透過速度は、以下の実施例に報告されるように、膜厚について正規化することもできる(例えば、g/100μ/m2/日)。

図18は、蒸留物製品、ワイン、またはビールのようなアルコール飲料を含有する木製樽の一部またはすべてを覆う膜に使用するための膜サンプルのETRの評価のための方法および装置を示す。図18において、膜サンプル172は、浸透セル170中、下側セル部材174と上側セル部材176との間に保持される。95%エタノール溶液の貯留部178は、下側部材174の内側に作られる凹部によって含まれる。貯留部178から蒸発するエタノール蒸気は、貯留部178の上側表面より上だが、膜サンプル172よりも下の大気180を通過する。

膜サンプル172の下の大気180中のエタノール蒸気は、膜サンプル172に浸透し、膜サンプル172と上側セル部材176の内側表面186とによって区切られたチャンバの上側体積184内に移動する。膜サンプル172を通過するエタノール浸透速度は、上側チャンバ体積184に窒素気体を連続的に流すことによって測定され、上側体積184から出る気体のエタノール含有量を断続的にサンプリングし、分析する。例えば、炎イオン化検出器(FID、示されていない。)を備えたガスクロマトグラフ(186として模式的に示される。)のような分析デバイスにサンプルを通すことによって、分析を行うことができる。発生した任意の他の構成要素からエタノールを分離し、次いで、FIDに通し、サンプル中のエタノール量に対応するピークを作成する。この様式で、上側体積から出るエタノールの量を決定することができ、このようにすることで、膜のエタノール透過速度を測定することができる。

ガスクロマトグラフ中の炎イオン化検出器または他の検出器の代わりに、ガスクロマトグラフ中で分離されたエタノールを、質量分析計検出器(MSD)188に通してもよい。このような場合、上側チャンバ体積184から流れたエタノールを、キャピラリーカラムガスクロマトグラフ186を用いて他の構成要素から分離し、その後、質量分析計によって作られた質量スペクトルフラグメント化パターンの特徴および強度によって同定し、定量し、上側チャンバ体積184から出る流れ中に含まれるエタノールの同定および定量化を行う。

この種のエタノール透過速度の測定を、本明細書に報告するエタノール透過速度のために使用する。これらのエタノール透過速度を、Mocon Inc.(MN55428、ミネアポリス、メンデルスゾーンアベニューN.、7500)によって測定した。エタノール透過速度は、「g/100μ/m2日」の膜厚について正規化された単位で示される。膜を38℃から40℃の周囲環境に置きつつ、分析を行う。一定状態に達するまで、または4週間の短い方で分析を行った。Moconは、FIDを取り付けたAgilent 6890ガスクロマトグラフにキャピラリークロマトグラフィーカラムを使用することを報告する。

上の態様またはこの実施形態において特に除外されていない限り、上の態様およびこの実施形態のいずれかのさらなる実施形態において、膜は、エタノール透過速度が、25g/m2/日未満、または20g/m2/日未満、または15g/m2/日未満、または10g/m2/日未満、または8g/m2/日未満、または6g/m2/日未満、または5g/m2/日未満、または4g/m2/日未満、または3g/m2/日未満、または2.5g/m2/日未満、または2g/m2/日未満、または1.5g/m2/日未満、または1.4g/m2/日未満、または1.3g/m2/日未満、または1.2g/m2/日未満、または1.1g/m2/日未満、または1.0g/m2/日未満、または0.9g/m2/日未満、または0.8g/m2/日未満、または0.7g/m2/日未満、または0.6g/m2/日未満、または0.5g/m2/日未満、または0.4g/m2/日未満、または0.3g/m2/日未満、または0.25g/m2/日未満であってもよい。膜は、エタノール透過速度が、0.05g/m2/日から40g/m2/日、または0.1g/m2/日から35g/m2/日、または0.2g/m2/日から1g/m2/日、または0.11g/m2/日から30g/m2/日、または0.12g/m2/日から25g/m2/日、または0.13g/m2/日から20g/m2/日、または0.14g/m2/日から15g/m2/日、または0.15g/m2/日から10g/m2/日、または0.15g/m2/日から8g/m2/日、または0.15g/m2/日から6g/m2/日、または0.15g/m2/日から4g/m2/日、または0.15g/m2/日から2g/m2/日、または0.16g/m2/日から1.5g/m2/日、または0.17g/m2/日から1.4g/m2/日、または0.18g/m2/日から1.3g/m2/日、または0.19g/m2/日から1.2g/m2/日、または0.2g/m2/日から1g/m2/日であってもよい。

上の態様またはこの実施形態において特に除外されていない限り、上の態様およびこの実施形態のいずれかのさらなる実施形態において、膜は、ピーク負荷衝撃強度(この全体が本明細書に参考として組み込まれるASTM D 3763に従って測定される。)が、少なくとも100ニュートン、または少なくとも110ニュートン、または少なくとも120ニュートン、または少なくとも130ニュートン、または少なくとも140ニュートン、または少なくとも150ニュートン、または100ニュートンから1000ニュートン、または110ニュートンから600ニュートン、または120ニュートンから500ニュートン、または130ニュートンから400ニュートン、または140ニュートンから300ニュートン、または145ニュートンから290ニュートンであってもよい。

上の態様またはこの実施形態において特に除外されていない限り、上の態様およびこの実施形態のいずれかのさらなる実施形態において、膜は、破断伸度(この全体が本明細書に参考として組み込まれるASTM D882に従って測定)が、少なくとも0.5ジュール、または少なくとも0.7ジュール、または少なくとも1ジュール、または少なくとも1.3ジュール、または少なくとも1.5ジュール、または少なくとも1.6ジュール、または少なくとも1.7ジュール、または少なくとも1.8ジュール、または少なくとも1.9ジュール、または少なくとも2ジュール、または1.7ジュールから4ジュール、1.7ジュールから4.1ジュール、または1.7ジュールから4ジュール、または1.7ジュールから3.5ジュール、または1.7ジュールから3ジュール、または1.7ジュールから2.5ジュール、または1.7ジュールから2.3ジュール、または1.7ジュールから2.2ジュールであってもよい。

本明細書で使用される場合、「自由収縮」という句は、選択した熱(即ち、特定の温度)にさらされるとき、10cm×10cm膜標本の寸法変化率を指し、定量的な決定は、1990 Annual Book of ASTM Standards、Vol.08.02、pp.368−371(この全体が本明細書に参考として組み込まれる。)に記載されるASTM D 2732に従って行われる。この試験は、指定の条件、即ち、1大気圧、23℃、相対湿度0%で行われる。

本明細書で使用される場合、「機械方向」という句は、本明細書では「MD」と省略され、膜の「長さに沿った」方向、即ち、押出成型および/またはコーティングによって膜が作られる方向を指す。本明細書で使用される場合、「横方向」という句は、本明細書で「TD」と省略され、機械方向または長手方向に垂直な膜を横切る方向を指す。

一実施形態において、膜は、ASTM D 2732に従って測定して、185°Fでの合計自由収縮(長手方向および横方向)が少なくとも10%である。膜は、ASTM D 2732に従って測定して、185°Fでの合計自由収縮が少なくとも30%であってもよい。膜は、ASTM D 2732に従って測定して、185°Fでの合計自由収縮が少なくとも50%であってもよい。一実施形態において、膜は、ASTM D 2732に従って測定して、185°Fでの合計自由収縮が10%未満である。

上の態様またはこの実施形態において特に除外されていない限り、上の態様およびこの実施形態のいずれかのさらなる実施形態において、膜は、厚み(即ち、合計膜厚)が1milから20mil、または1.2milから15mil、または1.3milから12mil、または1.4milから10mil、または1.5milから8mil、または1.6milから7mil、または1.7milから6.5mil、または1.8milから6mil、または1.9milから5.5mil、または2milから5mil、または2.5milから4mil、または2.5milから3.5mil、または2.7milから3.3milであってもよい。

膜は、単層膜または多層膜であってもよい。一実施形態において、膜は、エタノールバリア層として機能する内側膜層である第1の層と、第1の外側膜層であり、ヒートシール層として機能する第2の層と、第2の外側膜層であり、被酷使層(abuse layer)として機能する第3の層とを含む。

本明細書で使用される場合、用語「ヒートシール」および句「ヒートシールすること」は、膜表面の第1の別個の領域を膜表面の第2の別個の領域に対して密封することを指し、ヒートシールは、これらの別個の領域を、少なくともそれぞれの密封開始温度まで加熱することによって作られる。ヒートシール層に使用するのに適切なポリマーは、均一なエチレン/α−オレフィンコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマーおよびイオノマー樹脂である。

エタノールに対するバリアとなる層は、環状オレフィンポリマー(COP)を含んでもよく、または環状オレフィンコポリマー(COC)を含んでもよい。異なる種類の環状モノマーおよび重合方法に基づき、さまざまな種類の環状オレフィンコポリマーが存在する。環状オレフィンコポリマーは、8,9,10−トリノルボルナ−2−エン(ノルボルネン)または1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ−1,4:5,8−ジメタノナフタレン(テトラシクロドデセン)のような環状モノマーと、エチレンとの連鎖共重合によって、または種々の環状モノマーの開環メタセシス重合、その後水素化によって製造される。1種類のモノマーを用いたこれらの後者の材料は、もっと適切には、環状オレフィンポリマーと呼ばれる。

環状オレフィンコポリマーは、エチレン/ノルボルネンコポリマーを含んでいてもよい。環状オレフィンコポリマーは、エタノールおよび水蒸気の両方に対してバリアとなる。または、ポリオレフィンは、水蒸気に対して比較的高いバリア性を与えるが、環状オレフィンコポリマーよりはエタノールに対するバリア性が低い。

本明細書で使用される場合、用語「ポリオレフィン」は、エチレン/ノルボルネンのような環状オレフィンコポリマーを除く、すべての重合したオレフィンを指す。直鎖、分枝鎖、脂肪族、芳香族、置換または非置換のものが含まれる。さらに具体的には、ポリオレフィンという用語には、オレフィンのホモポリマー、オレフィンのコポリマー、オレフィンと、オレフィンと共重合可能な非オレフィン性コモノマー(例えば、ビニルモノマー)とのコポリマー、これらを改質したポリマーなどが含まれる。具体例としては、ポリエチレンホモポリマー、ポリプロピレンホモポリマー、ポリブテン、エチレン/α−オレフィンコポリマー、プロピレン/α−オレフィンコポリマー、ブテン/α−オレフィンコポリマー、エチレン/不飽和エステルコポリマー、エチレン/不飽和酸コポリマー(特に、アクリル酸エチルコポリマー、エチレン/アクリル酸ブチルコポリマー、エチレン/アクリル酸メチルコポリマー、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー)、改質されたポリオレフィン樹脂、イオノマー樹脂、ポリメチルペンテンなどが挙げられる。改質されたポリオレフィン樹脂は、オレフィンのホモポリマーまたはこのコポリマーと、不飽和カルボン酸、例えば、マレイン酸、フマル酸など、またはこの誘導体、例えば、無水物、金属塩のエステルなどとを共重合することによって調製される改質されたポリマーを含む。オレフィンホモポリマーまたはコポリマー、不飽和カルボン酸、例えば、マレイン酸、フマル酸など、またはこの誘導体、例えば、無水物、エステルまたは金属塩などに組み込むことによっても得ることができる。

環状オレフィンコポリマーを含有する少なくとも1つの層を有する膜において、膜の1つ以上のさらなる層は、大気中の酸素(即ち、O2)の比較的高い透過性を可能にするポリマー、例えばエチレンホモポリマー、エチレン/α−オレフィンコポリマー、プロピレンホモポリマーなどを含むポリオレフィンから作ることができる。この様式において、アルコールおよび水の透過速度は、高い酸素透過速度を与え、同時に高いピーク負荷衝撃強度の膜を与えることを組み合わせて小さくすることができる。

膜は、100重量%までのポリオレフィンを含んでいてもよい。膜は、90重量%までの環状オレフィンコポリマー、例えば、エチレン/ノルボルネンコポリマーを含んでいてもよい。膜は、ポリオレフィンと環状オレフィンコポリマーのブレンドを含んでいてもよい。

上の態様(実施形態を含む)のそれぞれの一実施形態において、膜は、ポリフェニレンスルフィドを含まず、ポリフェニレンスルフィドが存在しない。

上の態様(実施形態を含む)のそれぞれの一実施形態において、膜は、金属箔層または蒸着した金属層を含まず、金属箔層または蒸着した金属層が存在しない。

上の態様(実施形態を含む)のそれぞれの一実施形態において、膜は、アルミニウム箔を含まず、アルミニウム箔が存在しない。

上の態様(実施形態を含む)のそれぞれの一実施形態において、膜は、ポリ塩化ビニルを含まず、ポリ塩化ビニルが存在しない。

一実施形態において、膜は、伸長性膜である。伸長性膜および/または弾性膜は、厚みが約0.5milから5.0mil、伸び率が500%、弾性回復率が少なくとも10%であってもよい。

一実施形態において、膜は、例えば、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS)、ベンゾトリアゾールおよびヒドロキシル−ベンゾフェノン(hydroxyl−benophenone)を含む紫外線バリアを含む。

一実施形態において、膜は、例えば、立体的に嵩高いフェノール系酸化防止剤、例えば、IRGANOX(R)1010またはIRGANOX(R)1076、およびIRGAFOS(R)168(トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト)のような亜リン酸塩化合物を含む酸化防止剤を含む。

アルコール飲料は、蒸留したアルコール飲料製品および発酵したアルコール飲料製品から選択される少なくとも1つの選択肢を含んでいてもよい。アルコール飲料製品は、ワインを含んでいてもよい。アルコール飲料製品は、ビールを含んでいてもよい。一実施形態において、アルコール飲料製品は、ウイスキー、テキーラ、ラムコニャック、ウォッカ、ブランデー、シェリー、ポートワイン、ワインおよびビールからなる群から選択される少なくとも1つの選択肢を含む。蒸留物アルコール飲料製品は、ウイスキー、コニャック、ブランデー、シェリーおよびポートワインを含む。アルコール飲料は、水とエタノールの両方を含む。

本明細書で使用される場合、「未熟成アルコール飲料」という句は、完全に熟成していないアルコール飲料およびさらなる熟成が行われる中間段階の熟成状態であるアルコール飲料を含む。

熟成期間は、1ヶ月から30年、または1ヶ月から24年、または1ヶ月から18年、または1ヶ月から16年、または1ヶ月から14年、または1ヶ月から12年、または1ヶ月から10年、または1ヶ月から8年、または1ヶ月から5年、または1ヶ月から3年、または1ヶ月から1年、または1ヶ月から8ヶ月、または1ヶ月から6ヶ月、または1ヶ月から4ヶ月、または1ヶ月から3ヶ月、または2ヶ月から15年、または2ヶ月から6年、または3ヶ月から12年、または3ヶ月から5年、または4ヶ月から12年、または4ヶ月から14ヶ月、または6ヶ月から10年、または6ヶ月から6年、または6ヶ月から5年、または6ヶ月から1年、または1年から8年であってもよい。

本明細書で使用される場合、「天使のわけまえ」という句は、木製樽から拡散した後、大気に蒸発することによって失われるアルコール飲料の量を指す。失われるアルコール飲料の量は、飲料のすべての成分、例えば、水、エタノールおよび他の構成要素を含む。

ある地域で熟成する間、エタノールの消失に加え、樽からの水分の消失も関心事である。しかし、関心が大きいのは、樽からのエタノールの消失である。熱帯の気候では、エタノールの消失は、樽の中でアルコール飲料を熟成することによって獲得される官能特徴の付加価値よりも蒸発による消失が大きくなるほど十分に高い場合がある。

上の態様またはこの実施形態において特に除外されていない限り、上の態様およびこの実施形態のいずれかのさらなる実施形態において、樽の外側表面の少なくとも60%を覆う膜を用いると、天使のわけまえを、コントロール樽を覆う膜を有さずに熟成されたコントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽と比較して、少なくとも30%、または少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%減らすことができる。樽を囲む膜を用いると、天使のわけまえによる消失を、コントロール樽を覆う膜を有さずに熟成されたコントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽と比較して、30%から99.9%、または40%から99%、または50%から98%、または60%から97%、または70%から97%、または74.3%から96%、または82%から95.5%、または89.4%から95.5%減らすことができる。

対象となる熟成したアルコール飲料(即ち、膜によって覆われるか、または膜によって囲まれる樽中で熟成したアルコール飲料)の天使のわけまえによる消失および/または官能評価(芳香、香味および/または色)を、熟成したコントロールアルコール飲料(即ち、膜によって覆われていない樽中で熟成したアルコール飲料)に対して評価するときに、コントロールアルコール飲料を含有するコントロール樽は、アルコール飲料の熟成中において、膜で覆われた対象となる樽と同じ大きさ、組成、製造源および条件の樽である。さらに、コントロール樽を、対象となる樽中のアルコール飲料と同一の(例えば、同じ均一に混合したバッチから取った)アルコール飲料で満たす。最後に、コントロールアルコール飲料の熟成条件(温度、湿度など)は、対象となる樽中のアルコール飲料の熟成条件と同じである(例えば、同じ貯蔵所、同じ周囲状態)。

または、熟成中、1年あたりの天使のわけまえによる消失の重量%は、0.1重量%から1.8重量%、または0.2重量%から1.5重量%、または0.2重量%から1.3重量%、または0.3重量%から1.2重量%であってもよい。

アルコール飲料製品は、熟成中にプルーフレベルが増えてもよい。対象となる樽を覆うか、または囲む膜の水蒸気透過速度(MVTR)が、対象となる樽を覆うか、または囲む膜のエタノール透過速度(ETR)よりかなり高いときに、これが起こるだろう。

膜から作られた袋の中に樽を入れることによって、樽を膜で覆うことができる。クリップ、ヒートシール、ジッパー、面ファスナー、接着剤などで袋を閉じることができる。袋は、エンドシール型袋、サイドシール型袋、L−シール型袋、パウチ(即ち、Uシール型袋)、背面縫い合わせされた袋(魚のヒレ型の背面縫い合わせまたは重ね合わせた型の背面縫い合わせを用いる。)であってもよい。

図1は、平らに置いた状態の好ましいエンドシール型袋10の模式図である。図2は、図1の切断線2−2によって切断された袋10の横断面図である。図1と図2を一緒に見ると、袋10は、袋膜11と、開口した上部の輪郭を形成する上側縁部12と、第1の袋側面縁部13と、第2の袋側面縁部14と、下側縁部15と、エンドシール16とを備える。

図3および4は、サイドシール型袋18を示す。図3は、平らに置いた状態で見たサイドシール型袋18の模式図である。図4は、図3の切断線4−4によって切断された横断面図を示す。図3および図4を一緒に参照すると、サイドシール型袋18は、袋膜19と、開口した上部の輪郭を形成する上側縁部20と、下側縁部21と、第1のサイドシール22および第2のサイドシール23とで構成される。

図5は、平らに置いた状態の好ましいL−シール型袋26を平らに見た図である。図6は、図5の切断線6−6によって切断されたL−シール型袋26の横断面図である。

図7は、図5の切断線7−7によって切断されたL−シール型袋26の長手方向断面図である。図5、6および7を一緒に見ると、L−シール型袋26は、サイドシール28と、底部シール30と、開口上部32と、つなぎ目のない折り畳まれた袋側面縁部34と、つなぎ目のある袋側面縁部36とを有する。

図8および図9の魚のヒレ型の背面縫い合わせされた袋38は、開口上部40と、底部シール42と、第1の折り畳まれた側面縁部44と、第2の折り畳まれた側面縁部46と、下側縁部48と、背面縫い合わせシール50(自身にヒートシールされた内側膜層)と、背面縫い合わせヒレ部52とを備える。

図10および図11の重ね合わされた密閉部を有する背面縫い合わせされた袋54は、開口上部55と、底部シール56と、第1の折り畳まれた側面縁部58と、第2の折り畳まれた側面縁部60と、下側縁部62と、背面縫い合わせシール64(外側膜層にヒートシールされた内側膜層)とを有する。

図12、13および14は、2つの別個の平らな膜片を一緒に密封して作られるパウチ型袋66を示す。図12、13および14において、パウチ66は、開口上部68と、底部ヒートシール70と、下側縁部72と、第1のサイドシール74と、第1の側面縁部76と、第2のサイドシール78と、第2の側面縁部80とを有する。これと共に、第1のサイドシール74および第2のサイドシール76が底部シール70で接続し、2つの別個の平らな膜片を接続する「U型」のシールを形成し、パウチ型袋66を生成する。

図15は、熱収縮性袋を製造するために使用できる熱収縮性膜を製造するために用いられる方法の模式図である。図15の方法は、固体状態の配向を利用し、融点未満の温度でポリマーに応力を与え、これによって得られる配向した膜は、熱収縮性である。図15に示される方法において、固体ポリマーの球状物(図示せず)を複数の押出成型機80に供給する(単純化のために、1個の押出成型機のみが示されている。)。押出成型機80の中で、ポリマー球状物が前に進み、溶融し、脱気され、その後、得られた気泡を含まない溶融物は、ダイヘッド82内に進み、環状のダイを通って押し出され、厚みが5milから40mil、さらに好ましくは、厚みが20milから30mil、さらになお好ましくは、厚みが約25milの管状物84になる。

冷却リング86からの水噴霧によって冷却するか、または急冷した後、管状物84は、ピンチロール88によってつぶされ、その後、遮蔽部92によって囲まれる照射湾曲部90を通って供給され、ここで管状物84には、鉄コア変換促進部94から高エネルギー電子(即ち、電離放射線)が照射される。管状物84は、ロール96の上の照射湾曲部90によって導かれる。好ましくは、管状物84の照射は、約7MRのレベルである。

照射後、照射された管状物98が、ガイドロール100を超えて進み、その後、照射された管状物98が、水104を含有する水浴タンク102を通過する。ここでつぶされ、照射された管状物98は、少なくとも約5秒間の保持時間(即ち、膜を望ましい温度にするための時間)、熱水に沈められ、その後、照射された管状物98をこの周りに部分的に巻き取った複数の蒸気ロールと、任意要素の熱風ブロワとを備える補助的な加熱手段(図示せず)が、照射された管状物98の温度を約240°Fから約250°Fの望ましい配向温度まで上げる。その後、照射された膜98が、ニップロール106に向かい、バブル108が膨張し、これによって、照射された管状物98を横方向に伸長する。さらに、膨張させている(即ち、横方向に伸長されている)間、ニップロール114が、ニップロール106の表面速度より高い表面速度を有するため、照射された膜98が、ロール106とニップロール114との間から(即ち、長手方向に)引っ張られる。横方向に伸長し、長手方向に引っ張られた結果として、照射され、二軸配向され、膨張した管状物膜110が製造され、この膨張した管状物は、好ましくは、約1:1.5−1:6の比率で伸長され、さらに、約1:1.5−1:6の比率で引っ張られる。さらに好ましくは、伸長および引っ張りは、それぞれ、約1:2−1:4の比率で行われる。この結果、約1:2.25−1:36、さらに好ましくは、1:4−1:16の二軸配向となる。

バブル108が、ピンチロール106と114との間に維持される間、膨張した管状物110が、ロール112によってつぶされ、その後、ニップロール114を通り、ガイドロール116を横切って運ばれ、次いで、巻き取りロール118に捲かれる。アイドラーロール120は、良好な巻き取りを確保する。

図16は、溶融状態で配向され、熱収縮性ではない非熱収縮性膜(即ち、「熱膨張する」膜)を製造するための方法の模式図を示す。図16には1個の押出成型機139だけが示されているが、もっと多くの押出成型機、例えば、2個または3個の押出成型機が存在していてもよい。押出成型機130は、膜を生成するために溶融したポリマーを環状ダイ131に供給し、当該技術分野で知られているように、膜は、ダイの設計およびダイに対する押出成型機の配置に依存して、単層であってもよく、または多層であってもよい。押出成型機130は、膜を生成するのに適したポリマーペレットと共に供給される。押出成型機130は、ポリマーペレットに十分な熱および圧力を与え、ポリマーを溶融し、溶融した流れをダイ131によって前に進める。

押出成型機130には、スクリーンパック132と、ブレーカプレート133と、加熱部134とが設置されている。膜は、マンドレル135とダイ131との間に押し出され、得られた押出成型物が、空気リング136からの冷たい空気によって冷却される。溶融した押出成型物は、すぐに膨張され、膨張したバブル137になり、溶融して配向した膜を生成する。溶融して配向した膜は、バブル137の長さ方向に沿って上方向に進むにつれて、冷却し、固化する。固化した後、膜管状物は、ガイドロール138を通り、ニップロール139によって平らな層の形状につぶされる。つぶされた膜管状物は、場合により、トリーターバー140の上を通り、その後、アイドラーロール141の上を通り、次いで、ダンサーロール142(ダンサーロール142はつぶされた膜管状物143の張力を制御する。)の周りを迂回し、その後、つぶされた膜管状物が、巻き取り器145によってロール144として巻き取られる。

図17は、詰められたアルコール飲料製品150の模式図である。図17において、密封により閉じられた袋の中に樽152がある。樽152は、たが部分155によって一緒に保持された樽板154から作られ、頂部157および底部(図示せず)を有する。樽152は、上側縁部158と、上部ヒートシール160と、下側縁部162と、底部ヒートシール164とを有する袋156によって覆われる。

単なる説明であり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に対する限定として解釈すべきではない以下の実施例を参照することによって、本発明をさらに理解することができる。実施例の膜は、以下の表に特定される種々の樹脂を含んでた。

[実施例1] (比較例) 98個の空の使用済米国標準ホワイトオーク大樽の第1のセットを、それぞれ、以下に記載する透明で熱収縮性の1番の膜から作られるエンドシール型袋を用いてくるんだ(即ち、「袋に入れた」)。それぞれの木製の大樽は、長さが100センチメートル、最大直径が55センチメートルであった。それぞれの大樽の上に配置された袋は、平らに置かれた幅が115cm、長さが200cmのエンドシール型袋であった。それぞれの空の大樽は、末端に対して直立させて大樽を立たせ、エンドシール型袋の開口端を、エンドシールが大樽の頂部に接触するまで、直立した大樽を覆うように下側に下げることにより包んだ。次いで、大樽の周囲の所定位置に袋が保持された状態のままで、大樽を反転させた。

大樽を180度(即ち、他の端が上になるように)反転させた後、袋の開口端を上側に引っ張り、袋の余長部分を上側大樽末端の上側で集めた。感圧性包装テープ(Scotch(R)3750 Commercial Performance包装テープと同等または類似のもの)で、集めた袋の余長部分の周囲を、大樽の上側末端のすぐ上でくるみ、これによって、大樽を袋の内側に封入し、この袋の中に大樽を効果的に包み込んだ。

大樽を袋に入れた後、大樽の栓穴を、透明な膜を介して目に見えるように配置した。小さな袋膜片(即ち、直径が2.5cmから3.5cm)を切り取り、栓穴を露出させた。栓穴への経路を用い、浸漬タンクからのモルト蒸留物で大樽を満たし、栓を栓穴に入れ、大樽を密封して閉じた。栓穴の上の膜の切断された穴の上に膜片を固定しなかった。

98個の大樽の第1の10個の周囲にある袋を、袋に入れられた大樽を充填し、輸送し、熟成ラックの上に配置する前に、エアガンを用いて収縮させた。第1の10個の大樽の袋膜を収縮させる間、膜が鋼鉄製のたが部分に沿って歪み、膜が収縮する間に、たが部分近傍で膜が裂けたことに気づいた。さらに、このようにして得られた袋に入れられた大樽の輸送中に、収縮した膜は、熟成ラックに輸送する間に顕著な裂け目を示した。98個の大樽の10個をラックに入れた後、11番目の大樽に対して膜を収縮させないことを決定し、11番目の大樽の上の膜が、大樽の周囲で収縮させた膜よりも輸送中に少ない裂け目を示すことがわかった。結果として、残りの87個の大樽について、袋膜を収縮させなかった。

98個の、袋に入れ、充填した大樽の第1のセットを、それぞれ、袋に入れ、充填した場所から、蒸留物の熟成貯蔵所内の保存ラックに輸送した。袋に入れられた大樽の輸送中、袋が、大樽を回転させるかまたはアルコール飲料を熟成するための保存ラックに移す際に、樽板の上および、たが領域中に多数の穴および裂け目などの損傷を受け、収縮した膜は、収縮させなかった膜よりも多くの穴および裂け目を示した。

ラックは、室外の温度が冬期には12℃から30℃であり、夏期には22℃から40℃である貯蔵所内に存在した。98個の袋に入れられた大樽の第1のセットを、同じ蒸留物熟成ラックに入れ、ラックは、約115個の大樽が入る容量であった。98個の袋に入れられ、充填された大樽の第1のセットをこのラックに置いた。

袋に入れられた大樽の第1のセットをこのラックに1年間入れたままにし、動かさなかった。ラックの上でこの年数熟成した後、98個の大樽の第1のセットそれぞれの熟成したアルコール飲料を空の浸漬タンクに注ぎ、熟成したアルコール飲料の体積およびエタノール含有量を測定し、モルト蒸留物のアルコール飲料の初期の体積および初期のエタノール含有量と比較した。さらに、熟成したアルコール飲料について、官能特性を調べた。

それぞれの体積が53ガロンであり、同じ浸漬タンクからの蒸留物の同じバッチからの同じモルトスピリッツで満たした98個の空の使用済米国標準ホワイトオーク大樽の第2のセットを、袋に入れた大樽の第1のセットを熟成したのと同じ年数熟成した。第2のセットのオーク大樽は袋に入れず、くるまずに放置し、比較例として熟成させた。98個の袋に入れない比較例の大樽の第2のセットを、同じ貯蔵所内の大樽の第1のセットとは別の同様のラックに置いた。98個の袋に入れられていない大樽の第2のセットから熟成したアルコール飲料も、空の浸漬タンクにあけ、袋に入れられていない大樽から熟成したアルコール飲料の体積、エタノール含有量および官能特性を測定し、袋に入れられていない大樽の中に入れられたモルト蒸留物のアルコール飲料の初期の体積および初期のエタノール含有量と比較した。

98個の袋に入れられた熟成した大樽からの熟成したアルコール飲料について得られた試験結果を、98個の袋に入れられていない熟成した大樽について得られた試験結果と比較した。

1番の膜は、以下の層配置と層組成を有していた。

1番の膜は、8層を有し、収縮前の合計厚みが1milの熱収縮可能であり、ヒートシール可能な膜の多層膜である。層4は、厚みが0.09mmの鹸化されたエチレン/酢酸ビニルコポリマー(「エチレン/ビニルアルコールコポリマー」とも呼ばれる。)を含んでいた。層4は、膜層の中で最も低いOTRを有するため、膜全体の酸素透過速度を制御していた。1番の膜は、ヒートシール能および被酷使性を与える外側のエチレン系の層も有していた。

平らに置いた幅が115センチメートルのつなぎ目のない押出成型された管状物を横切ってヒートシールすることによって、それぞれのエンドシール型袋を製造した。エンドシールを作成した後、多層管状膜の内側層をこれ自体に対して200センチメートルの間隔でヒートシールした。横方向のヒートシールより約1cm下で管状物を横方向に切断し、エンドシール型袋を作成した。熱収縮性の1番の膜を、上に記載した図15に示される方法を用いて製造した。このエンドシール型袋は、上に記載した図1および図2に示されている。

バルクのリットル数に基づき、結果は、厚みが1milの1番の膜は、袋に入れられていない大樽での12.84%から、袋に入れられた大樽での10.52%まで消失を減少させたことを示し、これは、バルクのリットル数に基づき、拡散および蒸発による消失の18.07%の減少である。バルクのリットル数での消失の18.07%の減少は、プルーフのリットル数の消失の16.2%減少より大きいため、大樽を1番の膜の袋に入れると、大樽から水およびエタノール両方の消失が減少し、袋に入れると、エタノールの消失より水の消失が減少し、即ち、袋は、エタノールよりも水蒸気に対して大きなバリアであったことが明らかである。

12ヶ月間熟成した後、熟成した蒸留物の官能試験(即ち、味試験)から、袋に入れられた大樽中の蒸留物の官能特性と、袋に入れられていない比較例の大樽中の蒸留物の官能特性とに顕著な違いはないことがわかった。多くの穴および裂け目が、エステルなどのような望ましい官能要素を生成する酸化反応を可能にするのに十分な大気中の酸素が大樽の壁面を通り、蒸留物へと移動する原因となり得ることが認識された。従って、穴および裂け目は、部分的に、または全体的に、熟成した蒸留物が、袋に入れられていない大樽と同等の官能特性を有するという結果の原因となり得る。

実施例1の天使のわけまえのプルーフのリットル数の消失が16.2%減少するという知見は、12ヶ月の熟成期間中に袋に多くの穴および裂け目がある場合であっても起こり、1番の膜の袋が、丈夫な膜から作られる第2の膜でくるまれている場合にも、天使のわけまえのプルーフのリットル数の消失をもっと効果的に減少させることができるという概念が導かれた。この概念は、以下の実施例2の設計の基本となった。

[実施例2](比較) それぞれの体積が53ガロンの10個の使用済米国標準使用済ホワイトオーク大樽のセットを、浸漬タンクからのモルトスピリッツで満たした。この大樽自体は、実施例1で利用した大樽と同じであった。それぞれの大樽は、実施例1で使用される袋と同じである、透明で熱収縮性の1番の透明膜(上述のもの)から作られる袋に最初に入れられることによって、「二重に袋に入れられて」いた。得られた袋に入れられた大樽を、2番の透明膜から作られた第2の袋が、大樽の上および1番の膜から作られた袋の上に置かれることによって、再び袋に入れられた(即ち、「過剰に袋に入れられた」または「二重に袋に入れられた」)。

大樽の上に両方の袋を配置した後、両方の袋の開口端を上側に引っ張り、袋の余長部分を上側大樽末端の上側で集めた。実施例1の袋に入れられた大樽と同様に、感圧性包装テープで、集めた袋の余長部分の周囲を、大樽の上側末端のすぐ上でくるみ、これによって、大樽を第1の袋の内側に封入しつつ、同時に、第2の袋の中の大樽および第1の袋を封入した。

同じ種類の樽を用い、同じ浸漬タンクからの同じモルトスピリッツを用い、10個のコントロール大樽のセットも調製した。しかし、この10個のコントロール大樽は、膜によって覆わずに(即ち、熟成貯蔵所中の周囲環境と直接接触する大樽表面を有する状態で)熟成させた。

2番の膜は、以下の層配置および層組成を有していた。

1番の膜と同様に、2番の膜も熱収縮性であり、ヒートシール可能であった。2番の膜は、3層を有し、収縮前の合計厚みが3milの多層膜であった。2番の膜は、主にエチレン系ポリマーから製造された。2番の膜は、厚く丈夫であり、大樽を袋に入れた地域から熟成ラックへと移動する間に穴および裂け目が生成するのを防ぐ努力において、耐酷使性を与えた。しかし、2番の膜は、O2−バリア層を含んでいなかった。2番の膜も、上に記載した図15に示される方法を用いて製造した。

袋に入れられた大樽をこのラックに6ヶ月間入れたままにし、動かさなかった。コントロール大樽を、貯蔵所内の同様のラックの同様の高さで熟成した。モルトスピリッツを20個のそれぞれの大樽(即ち、実施例の10個の大樽と10個のコントロール大樽)に加えたとき、それぞれの大樽中のモルトスピリッツの平均体積は、200.25リットルであった。6ヶ月間熟成した後、10個のそれぞれの二重の袋に入れられた大樽の平均体積は、187リットルであり、一方、10個のそれぞれの二重の袋に入れられた大樽の平均体積は、181リットルであった。従って、袋に入れられた大樽は、平均流体消失が13.25リットル(即ち、6.6%)であり、一方、袋に入れられていないコントロール大樽は、平均流体消失が19.25リットルであった(即ち、約9.6%)。実施例2の10個の大樽の周囲に二重の袋を使用すると、10個の袋に入れられていないコントロール大樽で起こった9.6%の流体消失から、流体の消失レベルが約3.3%減少した(即ち、流体消失のレベルが約34.4%減少)。

これに加え、10個の袋に入れられた大樽からの熟成したモルトスピリッツと、10個の袋に入れられていないコントロール大樽からの熟成したモルトスピリッツの盲検味試験を行った。味試験者の感覚は、くるまれた大樽からの液体は、くるまれていない大樽からの液体よりも「なめらかな香り」を有しているということであった。さらに、くるまれた大樽からの液体は、コントロール大樽からの液体に対し、色がわずかに黒かった。

詰められたアルコール飲料製品の調製に使用するためにさらなる膜を調製した。これらの膜の幾つかは、エチレン/ノルボルネンコポリマーを含んでいた。エチレン/ノルボルネンコポリマーを使用し、(i)比較的低いエタノール透過速度、(ii)比較的低い水蒸気透過速度をあわせ与え、同時に、(iii)比較的高いO2透過速度を与える膜を製造することができることは既に見出されている。

以下に示される3番の膜から16番の膜を使用し、熟成に適した包装を用い、詰められたアルコール飲料製品を製造することができる。膜は、一つの包装において、単独で、または1つの膜の上部へのもう1つの膜として使用してもよい。アルコール飲料を木製樽の中に入れてもよく、その後、密封により閉じ、次いで、この膜で部分的に覆うか、または完全に覆う。比較的厚く、被酷使耐性を有する上述の2番の膜のような補助的な膜を、2番の膜から16番の膜の任意の1つ以上の上側に使用してもよい。

16番の膜は、100%の環状オレフィンコポリマーから作られ、エタノール透過速度0.0175g/m2/日、酸素(O2)透過速度(「OTR」)50cc g/m2/日および水蒸気透過速度(「MVTR」)0.078g/m2/日を示した。

17番から22番の膜から作られたパウチの重量減少試験 以下に示す17番から22番の膜を調製した。17番、18番および19番の膜は、上述の図16に示される方法に従って調製した、熱膨張した(即ち、非熱収縮性の)膜であった。20番、21番および22番の膜は、上述の図15に示される方法に従って製造した、配向した(即ち、熱収縮性の)膜であった。

以下は、17番から22番のそれぞれの膜について環状オレフィンコポリマー含有量と合計膜ゲージのまとめを与える表である。17番から22番のそれぞれの膜について、さらに詳細な情報は、以下の表20から25に存在する。

17番から22番のそれぞれの膜を使用して複数のパウチを製造し、種々の液体を充填し、密封により閉じ、包装された製品を製造した。包装された製品を、所定時間、条件を調整した貯蔵状態に置き、包装された製品の重量を測定することができるように、短時間で周期的に取り出した。

3種類の異なる液体をそれぞれ用い、17番から22番のそれぞれの膜を試験した。「二重の流体」と呼ばれる第1の流体は、「95%のエタノール」と、無水エステルを含んでいた。さらに具体的には、二重の流体は、5番のDuplicating Fluid、即ち、SolvChem,Inc.から得られるDPF 501であった。DPF 501は、85%から90%のエタノール(CAS番号64−17−5)[European EC番号200−578−6]、0%から10%の酢酸n−プロピル(CAS番号109−60−4)および0%から5%のイソプロパノール(CAS番号67−63−0)[European EC番号200−661−7]を含んでいた。第2の流体は、エタノールと水の60体積%/40体積%(52重量%/47重量%)混合物であった。第3の流体は、100%の水であった。

17番から22番のそれぞれの膜について、第1の流体(DPF 501)を詰めた5個のパウチの第1のセットを32℃、相対湿度40%で保存した。DPF 501を詰めた5個のパウチの第2のセットを32℃、相対湿度70%で保存した。第2の流体(60/40 エタノール/水混合物)を含有する5個のパウチの第1のセットを32℃、相対湿度70%で保存した。第2の流体を含有する5個のパウチの第2のセットを32℃、相対湿度40%で保存した。第3の流体(100%の水)を含有する5個のパウチの第1のセットを32℃、相対湿度70%で保存した。第3の流体(100%の水)を含有する5個のパウチの第2のセットを32℃、相対湿度40%で保存した。従って、重量減少試験において、合計180パウチ(即ち、試験した6種類それぞれの膜について30個のパウチ)を試験した。

重量の変化は、膜の層配置、層組成および層の厚み、包装中に含まれる液体の種類、保存中の周囲条件(即ち、温度および相対湿度)の関数として、膜の浸透性の証拠を与えた。この様式において、17番から22番のそれぞれの膜について、パウチ中の溶液の種類、パウチを保存した周囲条件、パウチ内にあった時間の長さの関数として重量変化を評価した。

米国標準オーク樽(53ガロン)内部の蒸留物の重量に対する、この樽の表面積の比率は、密度が0.89の53ガロン(即ち、流体の重量が178,557グラム)について、5643インチ2と計算され、重量(g)に対する表面積(SA)の比率は、178,557グラムに対し、5643インチ2であり、0.031インチ2/gであった。5ガロンオーク試験樽内の蒸留物の重量に対する、この試験樽の表面積の比率は、5ガロンの液体(16,845グラム)を含み、1465インチ2であると計算され、重量比に対する表面積は、16,845グラムに対し、1465インチ2であり、0.086インチ2/gであった。

180個のパウチを用いて作られた包装された製品は、蒸留物の重量値に対する樽の表面積について上で計算した値よりも、重量に対する表面積の比率が8倍から11倍大きかった。それぞれの包装された製品は、長さが6インチ、幅が4インチの1つの膜片から作られた。これを半分に折り畳み、それぞれの側面縁部に沿って密封し、幅が4インチ、長さが3インチの平らに置かれた寸法を有し、上述の図3および図4のサイドシール型袋と実質的に対応する外観を有するパウチを得た。パウチ内の液体の重量に対するパウチの表面積の比率を以下のように計算した。100%の水について、内表面積は、24インチ2であると推定され、100グラムの水をパウチに入れ、重量に対する表面積の比率は24インチ2/100gであり、0.24インチ2/gであり、米国標準樽のSA/gの約8倍である。60/40 エタノール/水ブレンドについて、内表面積は、24インチ2であると推定され、80グラムのブレンドをパウチに入れ、重量に対する表面積の比率は24インチ2/80gであり、0.30インチ2/gであり、米国標準樽のSA/gの約10倍である。DPF501を充填したパウチについて、内表面積は、24インチ2であると推定され、70グラムのブレンドをパウチに入れ、重量に対する表面積の比率は24インチ2/70gであり、0.34インチ2/gであり、米国標準樽のSA/gの約11倍である。この様式において、流体のグラム数あたりの表面積が大きいほど、同じ膜によって囲まれる標準オーク樽を用いて起こると思われる重量変化量に対し、パウチ内の液体の相対的な重量変化量を促進する可能性を与えた。

図19から図24は、180個のパウチの重量減少試験から得られたデータのグラフ図である。図19は、22番の膜の試験結果を与える。図20は、21番の膜の試験結果を与える。図21は、20番の膜の試験結果を与える。図22は、17番の膜の試験結果を与える。図23は、18番の膜の試験結果を与える。図24は、19番の膜の試験結果を与える。

図19から図24からわかるように、重量減少率は、液体の性質、保存条件、膜の種類の関数として変動した。最も多い量の環状オレフィンコポリマーを含む膜(19番および20番の膜、それぞれ49%および18.25%の環状オレフィンコポリマーを含む。)は、少ない環状オレフィンコポリマーを含有する膜と比較して、最も低い重量減少率を示し(それぞれ、相対湿度40%で0.48%および0.8%の水の消失)、実際に、DPF501を含有するサンプル中、重量増加を示した。これとは対照的に、最も少ない量の環状オレフィンコポリマーを含む膜(17番および22番の膜、それぞれ0%の環状オレフィンコポリマーを含む。)は、より多くの環状オレフィンコポリマーを含有する膜と比較して、最も高い重量減少率を示し、実際に、相対湿度40%で、DPF501を含有するサンプル中、それぞれ14%および11%の重量減少を示した。中間レベルの環状オレフィンコポリマーを含む2種類の膜(18番および21番の膜)は、重量減少に関し、中間的な結果を与えた。

図19から図24のデータを図25から図27に再整理している。図25は、DPF501液体を含有するすべてのサンプルについて時間の関数としての重量減少のプロットであり、熱膨張した膜であった17番の膜は、固体状態で配向した(即ち、熱収縮性の)膜であった22番の膜よりも大きな重量減少率を示したことがわかる。図25は、環状オレフィンコポリマーを含有するすべての膜が、実際に、時間の関数として、重量減少ではなく重量が増加したことも示す。

図26は、100%の水を含有するすべてのパウチについて時間の関数としての重量減少のプロットである。図26は、膜厚が大きいほど、また、環状オレフィンコポリマーの量が多いほど、パウチから水が失われる割合が小さくなることがわかった。

図27は、60/40のエタノールと水のブレンドを含有するすべてのパウチについて時間の関数としての重量減少のプロットである。上に指摘したように、0%の環状オレフィンコポリマーを含む膜は、最も高い重量減少率を示し、一方、最も低い重量減少率を示す膜は、最も高い割合の環状オレフィンコポリマーを含んでいた。

図28は、最も内側のパウチが、それぞれの場合に、DPF501流体を充填した22番の膜(0%の環状オレフィンコポリマーを含有する。)から作られたパウチインパウチを含む配置について、時間の関数としての重量減少のプロットである。3種類のサンプルを、0%の環状オレフィンコポリマーを含有する22番の同じ膜を用いたパウチに入れた。1つのパウチは、大きく(折り畳まれた寸法が6インチ×8インチ)、1つのパウチは、中程度の大きさであり(折り畳まれた寸法が4.5インチ×6.5インチ)、1つのパウチは、折り畳まれた寸法が3.5インチ×5インチであり、小さかった(即ち、小型)。内側のパウチの他の半分が、18.25%の環状オレフィンコポリマーを含有した20番の膜に入れられ、6インチ×8インチ、4.5インチ×6.5インチ、3.5インチ×5インチの同じ3種類の大きさの重ね合わせたパウチを用いた。図28に示されるように、18.25%の環状オレフィンコポリマーを含有する外側パウチを利用するパウチインパウチの結果は、0%の環状オレフィンコポリマーを含有する外側パウチを利用するパウチインパウチの結果よりも低い重量減少率を示した。さらに、小型の外側パウチを有する小型のパウチインパウチを含むサンプルは、大きな外側パウチを有する対応するサンプルよりも低い重量減少率を示した。

17番から20番および22番から25番の膜に包まれた小さな大樽中での蒸留物熟成 以下に示される17番から25番の膜を調製した。17番、18番、19番および23番の膜は、上述の図16に示される方法に従って調製した、熱膨張した(即ち、非熱収縮性の)膜であった。20番、21番、22番、24番および25番の膜は、上述の図15に示される方法に従って製造した、配向した(即ち、熱収縮性の)膜であった。幾つかの大きな袋を、17番から20番および22番から25番の膜からそれぞれ製造した。それぞれの袋の中に、蒸留液体を充填したオーク樽(53ガロン)を入れた。17番から20番および22番から25番のそれぞれの膜について、蒸留物を充填した3個または4個の樽を袋で包み、袋に入れられた樽を、蒸留物を熟成するためのラックの上に置いた。

上の種々の膜は、以下の特性を示した。

以下のように、さらなる膜を調製するか、または得た。

37番の膜は、長手方向および横方向それぞれにおいて、95,000psiの弾性率を示した。

39番の膜 100%のPVCから作られる単層膜

40番の膜 この膜は、Shield Pack Specialty Packagingから得たSP Class PPD Barrier Packaging Filmであった。合計厚みは3.9mil、OTRは0.003cc/100in2/日未満、WVTRは0.003g/100in2/日未満であった。以下の層配置を有する4層構造であった。

41番の膜において、BOPETは、片側をアクリル結合剤でコーティングした二軸配向ポリエステル膜であった。BOPETは、Kurehaから得た。厚みが0.52mil、密度が1.4g/ccであった。

天使のわけまえの重量減少試験1 収縮によってくるんだ樽および真空状態で包んだ樽 対 コントロール すべての樽を水にあらかじめ浸して2日間から10日間水和した。樽が膨潤し、飽和点に達したとき、樽は、60%の5番の二重の流体の無水物(ロット番号82013826198)と、40%の水とで満たされる準備ができたと考えられた。次いで、この樽を以下に記載する膜でくるんだ。この樽を室内のキャビネットに保存し、週に1回計量した。既に示したプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

4個の1リットルコントロール樽は、くるまなかった。4個の1リットル樽は、36番の膜で収縮によってくるんだ。4個の1リットル樽は、22番の膜で収縮によってくるんだ。4個の1リットル樽は、19番の膜に真空状態で詰めた。4個の1リットル樽は、25番の膜で収縮によってくるんだ。2個の3リットル樽は、25番の膜で収縮によってくるんだ。2個の5リットル樽は、25番の膜で収縮によってくるんだ。収縮によってくるんだ樽および真空状態で包んだ樽を45日間熟成させた。それぞれの処理について平均重量減少率を計算した。

上の表のデータから明らかなように、コントロール樽は、処理によってくるまれたすべての樽よりも顕著に多くの量(天使のわけまえ)を失った。処理によってくるまれたすべての樽は、45日間保存したとき、統計学的に同様の天使のわけまえによる減少があった。

天使のわけまえの重量減少試験2 収縮スリーブ、収縮袋およびゆるい袋に包装された樽 対 コントロール 上の重量減少試験1と同様に、すべての樽をあらかじめ浸しておき、飽和させ、くるみ、保存した。試験2は、以下の24個の樽からなっていた。36番の膜で収縮スリーブ包装した4個の1リットル樽;25番の膜で収縮スリーブ包装した4個の1リットル樽;25番の膜で収縮袋包装した4個の1リットル樽;25番の膜でゆるい袋により包装した4個の1リットル樽;くるまれていない2個の3リットルコントロール樽;くるまれていない2個の5リットルコントロール樽;くるまれていない4個の1リットルコントロール樽。この試験を42日間(1リットル樽)および45日間(3Lまたは5Lの樽)について行い、それぞれの処理について平均重量減少率を計算した。

25番の膜で収縮袋包装された樽および25番の膜でゆるい袋により包装された樽は、コントロール樽と比較して、天使のわけまえが顕著に減少した。しかし、36番の膜および25番の膜で収縮スリーブ包装された樽は、コントロール樽と比較して、天使のわけまえが顕著には減少しなかった。

天使のわけまえの重量減少試験3 パレット上でくるまれた樽、2インチ片でくるまれた樽、6インチ片でくるまれた包装済樽 対 コントロール 上の重量減少試験1と同様に、すべての樽をあらかじめ浸しておき、飽和させ、くるみ、保存した。試験3は、以下の20個の樽からなっていた。くるまれていない4個の1リットル樽;25番の膜を用い、パレット上に樽を置いて6インチの膜片で個々に伸ばしてくるまれた4個の1リットル樽;25番の膜から作られた袋を用い、樽とパレットで1つの包装として一緒にくるまれた4個の1リットル樽;25番の膜を用い、2インチ幅の膜片で個々に伸ばしてくるまれた(しかし、合計厚みが0.75milの膜であるが、3回くるまれ、2.25milの合計厚みを得た)4個の1リットル樽;25番の膜の2インチ片で伸ばしてくるまれた(しかし、合計厚みは1.1milであった)4個の1リットル樽。この試験を49日間行い、それぞれの処理について平均重量減少率を計算した。

処理A1の2インチ片(0.75mil)にくるまれた樽、袋内で25番の膜によりパレットとくるまれた樽、および4Cの2インチ片(1.1mil)にくるまれた樽は、コントロール樽/コントロールパレットと比較して、「天使のわけまえ」の有意な減少を示した。しかし、25番の6インチの膜片でくるまれた樽は、コントロールと比較して「天使のわけまえ」の統計学的に有意な減少を示した。25番の膜のパレットごとくるんだ袋は、「天使のわけまえ」を最も大きく減少させ、他のすべての処理とは統計学的に異なっていた。

天使のわけまえの重量減少試験4 パレット上でくるまれた樽、2インチ片でくるまれた樽、6インチ片でくるまれた包装済樽 対 コントロール 上の重量減少試験1と同様に、すべての樽をあらかじめ浸しておき、飽和させ、くるみ、保存した。樽試験4は、以下の24個の樽からなっていた。19番の膜で包まれた(袋の中に包まれた)4個の1リットル樽;41番の1.1mil膜で包まれた(2インチ片にくるまれた)4個の1リットル樽;42番の0.7mil膜で包まれた(2インチ片にくるまれた)4個の1リットル樽;42番の1.1mil膜で包まれた(2インチ片にくるまれた)4個の1リットル樽;42番の1.1mil膜で包まれた(3インチ片にくるまれた)1個の3リットル樽;42番の1.1mil膜で包まれた(2インチ片にくるまれた)1個の5リットル樽;4個のコントロール(くるまれていない。)1リットル樽;1個のコントロール(くるまれていない。)3リットル樽;1個の(くるまれていない。)5リットル樽。すべての樽は、樽の末端を開放したままであった。樽をくるみ、くるんだとき、約2.2milの厚みを達成した。以前に述べたプロトコルおよび手順に従ってこの試験を行った。この試験を49日間行い、それぞれの処理について平均重量減少率を計算した。

天使のわけまえの重量減少試験5 COCでくるまれた、箔でくるまれた、バリア性膜であるPVCでくるまれた包装済樽 対 コントロール 上の重量減少試験1と同様に、すべての樽をあらかじめ浸しておき、飽和させ、くるみ、保存した。樽試験5は、10個の樽の中のバージン小麦ウイスキーを使用した。2個の樽は、19番の膜で包まれ、2個の樽は、40番の膜に由来する箔で包まれ、2個の樽は、39番のPVC膜で包まれ、くるまれていない2個のコントロール樽を利用した。0日目および49日目に重量を測定した。この試験は、成熟中に酸化を起こすことができないときの結果を示した。種々のサンプルについて官能試験を行った。

感覚的な消費者の味パネル試験1 (i)コントロール樽(くるまれていない。)で熟成した穀物中性スピリッツ(GNS)サンプルおよび(ii)19番の膜でくるまれた樽で熟成したGNSサンプル、または(iii)16番の膜でくるまれた樽で熟成したGNSサンプル、または(iv)1番の膜でくるまれた樽で熟成したGNSサンプルの間に色、芳香または香味の違いが存在するかどうかを評価するために、3種類のトライアングル試験を行った。

GNSは、Pharmco Product Inc.から得た、トウモロコシのみから誘導される190プルーフ(USP/NFグレード)であった。GNSは、逆浸透処理されたH2Oを用いて60%までプルーフが下げられ、これを使用し、5ガロンの新しいオーク樽に充填した。

このトライアングル試験および以下に開示するさらなるトライアングル試験において、サンプルについて好みの情報も必要であった。しかし、好みの応答は不完全であり、統計学的に有意であるとはみなされなかった。

樽は、内側が炭化された5ガロンの新しいオーク樽であった。サンプルを249日間熟成した。すべての樽を同じ貯蔵環境で熟成した。樽(コントロールおよび19番、17番および1番の膜でくるみつつ熟成した樽)をサンプリング前に計量した。4個の車輪がついた台車を用い、樽をそれぞれ3分間攪拌した。攪拌時間の半分で樽を排気し、回転させた。商業的な無菌法を用いてすべてのサンプルを集め、使用前にすべての装置を洗浄し、衛生的にした。サンプル間の相互汚染を防ぐために、それぞれのサンプルに別個の装置を使用した。密閉部の周囲をパラフィンでくるんだガラス瓶でサンプルを保存した。酸素および光が入り込むのを防ぐために、瓶を箔の袋に入れた。プルーフ試験のために100ミリリットル、官能試験のために500ミリリットル、分析試験のために200ミリリットルの800ミリリットルのGNSをそれぞれの樽から集めた。Mettler Toledo AD−1260番(中国)を用い、Alcodens Version 2.5分析プログラムを用いてプルーフ試験を行った。貯蔵所の温度は、サンプリング中、50°Fであった。分析試験サンプルを、密閉部の周囲をパラフィンでくるんだ褐色バイアルに保存した。

分析試験のために提出されたGNSサンプルを分析し、成熟中に増えた化合物が4つのサンプル間で違いがあるかどうかを決定した。分析データは、探求されるすべての化合物がそれぞれのGNSサンプル中に存在することを決定した。1番の膜にくるまれた樽からのGNSサンプルは、最も高い濃度のグアイアコール、コニフェリルアルデヒドおよびシリンゴールを含んでいたが、その他は同様のプロファイルを有していた。Standard Guide for Sensory Evaluation of Beverages Containing Alcohol ASTM E1879−00(この全体が本明細書に参考として組み込まれる。)に従って、消費者のパネル試験を行った。合計で16人の消費者のパネリストが存在した。このパネルは、典型的な消費者の簡便なサンプルであった。パネル試験1を行う前に、パネルメンバーに一般的な官能試験の実施方法を説明した。

試験した仮説は、消費者のパネリストが、コントロールサンプル(くるまれていない樽からのもの)と、19番の膜、17番の膜および1番の膜にくるまれた樽からのサンプルとの間の官能特性の違いを検出することができるかどうかであった。パネリストは、コントロールサンプルと、1番の膜にくるまれた樽からのサンプルとの違いを検出した。コントロールと、1番の膜にくるまれた樽からのサンプルとの主な違いは、色(コントロールサンプルの方が明るい。)であり、その後に、香味と芳香の違いであった。

他の2つのトライアングル試験について、パネリストは、コントロールサンプル(くるまれていない樽からのもの)と、19番の膜および17番の膜にくるまれた樽からのサンプルとの違いを検出することができなかったため、仮説は否定された。

57%を超える高いサンプルのアルコール度数(ABV)と、パネリストの感覚を圧倒するという問題により、ASTM E1879−00に従って、これらのサンプルを脱イオン水を用いて50/50に希釈し、約30%のABVを得た。すべてのサンプルを室温で保存し、注いでいる間のパネリストの偏見を防ぐため、ティッシュ紙を用いて色をコード付けした。ガラスの透明度を有する1オンスのプラスチックバイアルにすべてのサンプルを入れた。味覚を新しくするために無塩クラッカーと水をパネリストに与えた。これに加え、吐き出すためのカップを与えた。

それぞれのトライアングル試験は、異なるサンプルコードを有する別個の評価シートを有していた。すべてのコードをランダムに選択し、処理に割り当てた。それぞれのパネリストにも番号を割り当て、3つのトライアングル試験を行う順序はランダム化した。

パネリストは、最初に製品の色を評価するように求められ、その後に芳香、最後に香味を評価するように求められた。次いで、パネリストは、異なるサンプルを選択するように求められた。以下のフォローアップ情報も要求された。(a)このサンプルにはどのような違いがあるか。弱い、から非常に強いまでのスケールを記す。(b)なぜこのサンプルに違いがあるか(色、芳香、香味または上のすべて)。(c)パネリストが、異なるサンプルの方を好むかどうか(はいまたはいいえ)。

トライアングル試験1は、19番の膜(49重量%の環状オレフィンコポリマー)でくるまれた樽からのGNSの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

トライアングル試験2は、17番の膜(0重量%のCOC)でくるまれた樽からのGNSの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

トライアングル試験3は、1番の膜(EVOH酸素バリア層を含む。)でくるまれた樽からのGNSの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

以下の表は、分析試験および官能試験のためのサンプルを集める前に測定されたパラメータをまとめている。それぞれの樽を熟成前に計量し(初期重量)、次いで、熟成後(最終重量)を攪拌する前に測定した。次いで、初期サンプルをプルーフ測定のために集め、温度を監視した。

トライアングル試験1の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 19番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):正しい異なるサンプルを選択したパネリストが10人より少なかったため、仮説は否定された。わずか7人のパネリストが、違いを検出することができた。

トライアングル試験2の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 17番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):正しい異なるサンプルを選択したパネリストが10人より少なかったため、仮説は否定された。わずか5人のパネリストが、違いを検出することができた。

トライアングル試験3の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 1番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):少なくとも10人のパネリストが、正しい異なるサンプルを選択したため、仮説は受け入れられた。11人のパネリストが、違いを検出することができた。

以下のそれぞれの化合物の存在について、分析実験室が試験した。バニリン、オイゲノール、シリンガアルデヒド、グアイアコール、クレゾール異性体、コニフェリルアルデヒド、シリンゴール、4−メチルグアイアコールおよびメチルオクタラクトン。分析データを用いて官能データを補正しようとする企てにおいて、研究者らは、1番の膜によって覆われる樽からの熟成した蒸留物を他の3種類のサンプル(コントロール、19番の膜および17番の膜)と比較した違いを調べた。分析データから、4種類のGNSサンプルそれぞれにすべての化合物が存在することがわかった。1番の膜によって覆われる樽からのGNSサンプルは、高い濃度のグアイアコール、コニフェリルアルデヒドおよびシリンゴールを含んでいたが、その他は同様のプロファイルを有していた。グアイアコールは、リグニンから抽出され、樽が作られるオーク中で生成し、「スモーキー」な芳香および香りを与える。高すぎる濃度で存在する場合、「異臭」が生じることがある。

パネリストが1番の膜によって覆われた樽からの熟成した蒸留物の違いを判別できるのは、1番の膜によって覆われた樽からの熟成した蒸留物とコントロールとの色の違いがあるためと仮定される。1番の膜によって覆われた樽からのサンプルは、コントロールより黒い色を有していた。成熟中の色の生成は、熟成した蒸留物中の没食子酸およびエラグ酸(水溶性タンニン)の含有量と関係がある。これらの化合物は、GNSサンプル中の渋さも導く。これらの化合物を後で酸化し、香味化合物を得ることができる。1番の膜によって覆われた樽からのサンプルは、コントロール、19番の膜および17番の膜と比較して、最も大きな酸素バリア性(即ち、最小の酸素透過速度)を有しており、これらの化合物が酸化されるのを防ぐことができる。pHの読みは、3.95(17番の膜によって囲まれる樽)から4.42(コントロール)の範囲であった。

サンプルのパネル試験1および分析的な分析の結果から、以下の結論を導き出した。(1)1番の膜によって覆われる樽からの熟成したGNSは、官能試験方法によって、コントロールサンプルと比較して、有意に違いのある官能特性を有していた。(2)消費者の味パネリストは、コントロール(くるまれていない樽)中で熟成したGNSと、19番の膜によって囲まれる樽中で熟成したGNSの違い、またはコントロール(くるまれていない樽)中で熟成したGNSと、17番の膜によって囲まれる樽中で熟成したGNSの違いを検出することができなかった。(3)1番の膜中で熟成したGNSは、他のサンプルよりも色が黒く、グアイアコール、コニフェリルアルデヒドおよびシリンゴールの生成が多かった。

感覚的な消費者の味パネル試験2 (i)20番の膜でくるまれた新しい5ガロンオーク樽で熟成した穀物中性スピリッツGNSサンプルに対して、または(ii)22番の膜でくるまれた樽で熟成したGNSサンプルに対して、または(iii)16番の膜でくるまれた新しい5ガロンオーク樽で熟成したGNSサンプルに対して、新しい5ガロンオークコントロール樽(くるまれていない。)で熟成した(GNS)の間に色、芳香または香味の違いが存在するかどうかを評価するために、3種類のトライアングル試験を行った。試験した仮説は、消費者のパネリストが、コントロールサンプル(くるまれていない樽からのもの)と、20番の膜、22番の膜または16番の膜にくるまれた樽からのサンプルとの間の官能特性の違いを検出することができるかどうかであった。パネリストによって、すべてのくるまれた樽サンプルと、コントロールサンプルとの違いが検出された。主な違いは、色(コントロールサンプルの方が明るい。)であり、その後に、香味と芳香の違いであった。

樽は、内側が炭化された5ガロンの新しいオーク樽であった。サンプルを249日間熟成した。すべての樽を同じ貯蔵環境で熟成した。4個の樽(コントロールおよび20番、22番および16番の膜でくるみつつ熟成した樽)をサンプリング前に計量し、上のパネル試験1と同様に、樽を攪拌し、排気し、回転させ、サンプルを集めた。使用した装置、サンプルの保存およびサンプル体積の採取も、上のパネル試験1のように行った。貯蔵所の温度は、サンプリング中、58°Fであった。分析試験サンプルを、密閉部の周囲をパラフィンでくるんだ褐色バイアルに保存した。

分析試験の結果は、すべての化合物がそれぞれのGNSサンプル中に存在することを決定した。コントロールGNS(くるまれていない。)は、常に、最も低い濃度のそれぞれの化合物を含んでいた。22番の膜で包装されたGNSは、ヘキソース、グアイアコール、シリンゴールおよびグアイアシルアセトンを除き、最も高い濃度のそれぞれの化合物を含んでいた。

以下のそれぞれの化合物の存在について、サンプルを試験した。バニリン、オイゲノール、シリンガアルデヒド、グアイアコール、クレゾール異性体、コニフェリルアルデヒド、シリンゴール、4−メチルグアイアコール、s−ヒドロキシメチルフラン、ピロガロール、シナピンアルデヒド、メトキシオイゲノール、アセトシリンゴン、安息香酸、ホモバニリン酸メチル、シリンガ酸、4−メチルグアイアコール、4−メチルシリンゴール、4−ビニルグアイアコール、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、エラグ酸、o−トリメチルエラグ酸、ケルセチン(2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−3,5,7−トリヒドロキシ−4H−クロメン−4−オン、フルフラール(2−フランアルデヒド)、ウイスキーラクトン、5−フランカルボキサアルデヒド、グアイアシルアセトン、ヘキソース、β−d−グルコピラノースおよびメチルオクタラクトン。サンプルのpHも調べた。分析データを用いて官能データを補正しようとする企てにおいて、研究者らは、包装された樽サンプルをコントロール(未包装のGNS)と比較した違いを調べた。分析データから、GNSサンプルそれぞれにすべての化合物が存在することを決定した。未包装のコントロールGNSサンプルは、常に、最も低い濃度のそれぞれの化合物を含んでいた。NFX 2131で包装されたGNSは、ヘキソース、グアイアコール、シリンゴール、フルフラール、ウイスキーラクトン、5−フランカルボキサアルデヒドおよびグアイアシルアセトン(他の処理と同様の量を有している。)を除き、最も高い濃度のそれぞれの化合物を含んでいた。PPSで包装されたGNSは、フルフラール、ウイスキーラクトンおよび5−フランカルボキサアルデヒドが多かった。NFX2133で包装されたGNSは、ヘキソース、シリンゴールおよびグアイアシルアセトンが高かった。

パネリストが、包装された樽サンプルをコントロールから区別することができるのは、主に色の違いによると仮定される。包装されたサンプルは、色が黒かった。成熟中の色の生成は、没食子酸およびエラグ酸(水溶性タンニン)と関係がある。炭化/焼き上げ中または熟成する間にタンニンが分解し、樽の木材を通って酸素がウイスキーに浸透し、溶質を酸化する。ウイスキーのタンニンは、グルコースに結合したピロガロールの開環によって作られる。

パネル試験2を行うためにThe Standard Guide for Sensory Evaluation of Beverages Containing Alcohol ASTM E1879−00を使用した。このパネルは、典型的な消費者の簡便なサンプルであった。パネル試験2を行う前に、パネルメンバーに一般的な官能実施を説明する発表を与えた。

57%を超える高いサンプルのアルコール度数(ABV)と、パネリストの感覚を圧倒するという問題により、ASTM E1879−00に従って、このサンプルを脱イオン水を用いて50/50に希釈し、約30%のABVを得た。すべてのサンプルを室温で保存し、注いでいる間のパネリストの偏見を防ぐため、ティッシュ紙を用いて色をコード付けした。ガラスの透明度を有する1オンスのプラスチックバイアルにすべてのサンプルを入れた。味覚を新しくするために無塩クラッカーと水をパネリストに与えた。これに加え、吐き出すためのカップを与えた。それぞれのトライアングル試験は、異なるサンプルコードを有する別個の評価シートを有していた。すべてのコードをランダムに選択し、処理に割り当てた。それぞれのパネリストにも番号を割り当て、3つのトライアングル試験を行う順序はランダム化した。

パネリストは、最初に製品の色を評価するように求められ、その後に芳香、最後に香味を評価するように求められた。次いで、パネリストは、異なるサンプルを選択するように求められた。以下フォローアップ情報も要求された。(a)サンプルにどのような違いがあるか。弱い、から非常に強いまでのスケールを記す。(b)なぜサンプルに違いがあるか(色、芳香、香味または上のすべて)。(c)パネリストが、異なるサンプルの方を好むかどうか(はいまたはいいえ)。

トライアングル試験1は、16番の膜(100%のポリフェニレンスルフィド膜、ゆるく、強くくるまれていない。)で囲まれた樽からの熟成したGNSの2個のサンプルおよびコントロール樽(くるまれていない樽)からの1個の熟成したGNSサンプルの3個のサンプルからなっていた。上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

トライアングル試験2は、22番の膜(0%のCOC、熱収縮によってきつくくるまれている。)で囲まれた樽からの熟成したGNSの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

トライアングル試験3は、20番の膜(18%COC、熱収縮によってきつくくるまれている。)で囲まれた樽からの熟成したGNSの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

以下の表は、分析試験および官能試験のためのサンプルを集める前に測定されたパラメータをまとめている。それぞれの樽を攪拌前に計量し、次いで、温度を監視しながら初期サンプルをプルーフ測定のために集めた。

トライアングル試験1の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 20番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):正しい異なるサンプルを選択したパネリストが14人より多かったため、仮説は受け入れることができる。20人のパネリストが、違いを検出することができた。主な違いは、色(コントロールサンプルの方が明るい。)であり、その後に、香味と芳香の違いであった。

トライアングル試験2の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 22番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):正しい異なるサンプルを選択したパネリストが14人より多かったため、仮説は受け入れることができる。15人のパネリストが、違いを検出することができた。主な違いは、色(コントロールサンプルの方が明るい。)であり、その後に、香味と芳香の違いであった。

トライアングル試験3の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 16番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):正しい異なるサンプルを選択したパネリストが14人より多かったため、仮説は受け入れることができる。21人のパネリストが、違いを検出することができた。主な違いは、色(コントロールサンプルの方が明るい。)であり、その後に、香味と芳香の違いであった。

パネル試験2の結果から、以下の結論を導き出した。(1)すべての包装されたGNSは、コントロールサンプルと比較して、有意に違いのある官能特性を有していた。(2)消費者の味パネリストの何人かは、コントロール(くるまれていない樽)と比較して、包装処理をした樽に保存されたGNSを好んだ。

感覚的な消費者の味パネル試験3 上述のように、コントロールと、16番、20番および22番膜の熟成GNSとの間の色の違いから、即ち、単に、コントロールサンプルが、16番、20番および22番の膜によって覆われる樽から採取される熟成した蒸留物サンプルよりも色が明るいため、パネル試験2のパネリストが、コントロールサンプル(くるまれていない。)を特定することができることが推測された。結果として、パネル試験3において、新しいパネルにパネル試験2を繰り返した。パネル試験2を終了した後に熟成された蒸留物が十分に残ったため、パネル試験3で使用する熟成した蒸留物を、パネル試験2に使用した熟成した蒸留物を供給し、保存するために使用されたガラス容器から採取した。しかし、パネル試験3においては、芳香および香味にのみ関与する最初の3つのトライアングル試験中、色の偏見を除去するため黒色のカップを使用し、色のみを評価するために、消費者パネルは、透明なカップを用いて3つのさらなる別個のトライアングル試験を行う。

従って、6種類のトライアングル試験を行った。パネル試験2の官能試験のために採取したサンプルは、パネル試験3の6種類のトライアングル試験を行うのに十分なそれぞれの樽からの余分のGNSを含んでいた。パネル試験3の最初の3つのトライアングル試験で黒色のカップを使用することを除き、使用した手順は、パネル試験2と同じであった。以前のように、即ち、The Standard Guide for Sensory Evaluation of Beverages Containing Alcohol ASTM E1879−00に従って、パネル試験を行った。

トライアングル試験1は、16番の膜(100%のポリフェニレンスルフィド膜、ゆるく、強くくるまれていない。)で囲まれた樽からの熟成したGNSの2個のサンプルおよびコントロール樽(くるまれていない樽)からの1個の熟成したGNSサンプルの3個のサンプルからなっていた。この試験は、香味および芳香のみを評価する黒色のカップ中で行われた。その他、上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

トライアングル試験2は、22番の膜(0%のCOC、熱収縮によってきつくくるまれている。)で囲まれた樽からの熟成したGNSの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。この試験も、香味および芳香のみを評価する黒色のカップ中で行われた。その他、上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

トライアングル試験3は、20番の膜(18%COC、熱収縮によってきつくくるまれている。)で囲まれた樽からのGNSの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。この試験も、香味および芳香のみを評価する黒色のカップ中で行われた。その他、上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

トライアングル試験4は、16番の膜(100%のポリフェニレンスルフィド膜、ゆるく、強くくるまれていない。)で囲まれた樽からの熟成したGNSの2個のサンプルおよびコントロール樽(くるまれていない樽)からの1個の熟成したGNSサンプルの3個のサンプルからなっていた。この試験は、透明のカップ中で行われ、パネリストは、色のみを評価するように指示を受けた。その他、上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

トライアングル試験5は、22番の膜(0%のCOC、熱収縮によってきつくくるまれている。)で囲まれた樽からの熟成したGNSの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。この試験は、透明のカップ中で行われ、パネリストは、色のみを評価するように指示を受けた。その他、上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

トライアングル試験6は、20番の膜(18%COC、熱収縮によってきつくくるまれている。)で囲まれた樽からのGNSの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。この試験は、透明のカップ中で行われ、パネリストは、色のみを評価するように指示を受けた。その他、上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

トライアングル試験1の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 20番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):正しい異なるサンプルを選択したパネリストが10人より少なかったため、仮説は否定することができる。黒色のカップにおいて、18人のパネリストのうち、わずか6人が、20番の膜によって囲まれる樽で熟成したサンプルからコントロールサンプルを選択することができた。

トライアングル試験2の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 22番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):正しい異なるサンプルを選択したパネリストが10人より少なかったため、仮説は否定することができる。黒色のカップにおいて、18人のパネリストのうち、わずか9人が、22番の膜によって囲まれる樽で熟成したサンプルからコントロールサンプルを選択することができた。

トライアングル試験3の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 16番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):10人より多いパネリストが、正しい異なるサンプルを選択したため、仮説は受け入れることができる。黒色のカップを用いた場合でさえ、18人のパネリストのうち12人が、16番の膜によって囲まれる樽で熟成したサンプルからコントロールサンプルを選択することができた。

トライアングル試験4の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 20番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):18人のパネリストのうち17人が、正しい異なるサンプルを選択したため、仮説は受け入れることができる。透明のカップにおいて、18人のパネリストのうち、わずか1人が、色のみに基づいて、20番の膜によって囲まれる樽で熟成したサンプルからコントロールサンプルを選択することができなかった。

トライアングル試験5の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 22番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):18人のパネリストのうち16人が、正しい異なるサンプルを選択したため、仮説は受け入れることができる。透明のガラスカップにおいて、18人のパネリストのうち、わずか2人が、色のみに基づいて、22番の膜によって囲まれる樽で熟成したサンプルからコントロールサンプルを選択することができなかった。

トライアングル試験6の結果(コントロール樽からの熟成したGNS 対 16番の膜によって囲まれる樽からの熟成したGNS):18人のパネリストのうち17人が、正しい異なるサンプルを選択したため、仮説は受け入れることができる。透明のガラスカップにおいて、18人のパネリストのうち、わずか1人が、16番の膜によって囲まれる樽で熟成したサンプルからコントロールサンプルを選択することができなかった。

以下は、消費者パネル試験3からの芳香および香味のみのトライアングル試験結果のまとめである。

以下は、消費者パネル試験3からの色のみのトライアングル試験結果のまとめである。

パネル試験3からの上の結果は、色が、パネル試験2で観察された有意な違いに寄与する属性であることを示した。第2のパネルでは、PPS処理のみが、コントロールと比較して、香味/香りに有意な違いが認められた。さらに、色が評価されるとき、すべてのサンプルが、コントロールと有意に違うものであった。パネル試験3からのデータは、20番の膜および22番の膜の両方がコントロールサンプルと区別することができない芳香および香味の特徴を示したことを示す。

感覚的な消費者の味パネル試験4

1.コントロール樽(くるまれていない。)で熟成したバージン小麦ウイスキー(VWW)サンプルと、19番の膜、39番の膜(PVC、従来技術による。)と、40番の膜(箔、従来技術による。)にくるまれた樽で熟成したVWWとの間に、色、芳香または香味の違いが存在するかどうかを評価するために、3種類のトライアングル試験を行った。すべての1リットル樽を約2ヶ月間熟成した。

2.天使のわけまえによる減少を計算するために、サンプリング前に4個の1リットルオーク樽を計量した。次いで、樽を3分間攪拌した。商業的な無菌法を用いてすべてのサンプルを集め、使用前にすべての装置を洗浄し、衛生的にした。サンプル間の相互汚染を防ぐために、それぞれのサンプルに別個の装置を使用した。密閉部の周囲をパラフィンでくるんだガラス瓶でサンプルを保存した。酸素および光が入り込むのを防ぐために、瓶を箔の袋に入れた。プルーフ試験のために100ミリリットル、官能試験のために500ミリリットル、分析試験のために200ミリリットルの、800ミリリットルの熟成したVWWをそれぞれの樽から集めた。分析試験サンプルを、密閉部の周囲をパラフィンでくるんだ褐色バイアルに保存した。

3.集めたGNSサンプルも、成熟中に増えた化合物が4つのサンプル間で違いがあるかどうかを決定するための同定試験のために分析実験室に提出した。以下の化合物の存在について、分析実験室が試験した。バニリン、オイゲノール、シリンガアルデヒド、グアイアコール、クレゾール異性体、コニフェリルアルデヒド、シリンゴール、4−メチルグアイアコール、s−ヒドロキシメチルフラン、ピロガロール、シナピンアルデヒド、メトキシオイゲノール、アセトシリンゴン、安息香酸、ホモバニリン酸メチル、シリンガ酸、4−メチルグアイアコール、4−メチルシリンゴール、4−ビニルグアイアコール、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、エラグ酸、o−トリメチルエラグ酸、ケルセチン、フルフラール(2−フランアルデヒド)、ウイスキーラクトン、5−フランカルボキサアルデヒド、グアイアシルアセトン、ヘキソース、β−d−グルコピラノースおよびメチルオクタラクトン。実験室は、サンプルのpHも調べた。

4.試験実行のために、The Standard Guide for Sensory Evaluation of Beverages Containing Alcohol ASTM E1879−00を使用した。このパネルは、典型的な消費者の簡便なサンプルであった。この試験を行う前に、一般的な官能実施を説明/教示する発表を行った。官能試験のために透明なカップを使用し、このため、パネリストは、サンプルの色の違いを比較することができた。

5.それぞれのトライアングル試験は、異なるサンプルコードを有する別個の評価シートを有していた。すべてのコードをランダムに選択し、処理に割り当てた。それぞれのパネリストにも番号を割り当て、3つのトライアングル試験を行う順序はランダム化した。

6.パネリストは、パネル試験1と同様に、最初に製品の色を評価するように求められ、その後に芳香、最後に香味を評価するように求められた。パネリストは、パネル試験1において上に記載したのと同じ質問にも答えた。しかし、パネル試験1とは異なり、官能試験のためにサンプルを約30%のABVになるまで希釈しなかった。サンプルは、ABVが少なくとも57%であった。

7.トライアングル試験1は、19番の膜でくるまれた樽からの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

a.トライアングル試験2は、40番の膜(箔)でくるまれた樽からの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

b.トライアングル試験3は、39番の膜(PVC)でくるまれた樽からの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。上のプロトコルおよび手順に従って、この試験を行った。

c.以下の表は、消費者パネル試験4のすべての3種類のトライアングル試験のまとめを与える。以下の表からわかるように、芳香および香味試験結果の正しい応答の数は、パネリストが、コントロールサンプル(くるまれていない。)と、19番、40番および39番の膜によって囲まれる樽からのサンプルとの違いを決定することができることを示すのに十分なほど高くなかった。

8.消費者パネル試験4からの香味および芳香のトライアングル試験結果

しかし、パネリストは、コントロールサンプルと、19番、40番および39番の膜によって囲まれる樽からのサンプルとの色の違いを検出することができることは明らかであった。

消費者の味パネルは、8人のパネリストを含んでいた。サンプル間の統計学的有意差はp=0.05であり、仮説が受け入れられるためには、最低でも6人のパネリストが、正しい「異なる」サンプルを選択することによって違いを検出する必要がある。

感覚的な消費者の味パネル試験5 パネル試験4において、それぞれのサンプルのアルコール濃度が非常に高い(ABVが少なくとも57%)ため、パネリストの感覚は、サンプルのABVによって圧倒され、これによって、あるサンプルを別のサンプルと区別することができないと推測された。従って、別のパネルが集められ、熟成したVWWサンプルを再び試験した。パネル試験4が終了した後に十分なVWWが残っていたため、パネル試験5に使用する熟成した蒸留物は、パネル試験4に使用された熟成した蒸留物を供給し、保存するために使用されたガラス容器から採取された。しかし、サンプルのABVが少なくとも57%と高く、パネル試験4のように、パネリストの感覚を圧倒するという問題により、ASTM E1879−00に従って、このサンプルを脱イオン水を用いて50/50に希釈し、約30%のABVを得た。

また、パネリストが、色の違いを利用して正しいコントロールサンプルを同定することができるという懸念に起因して、正しいコントロールサンプルをパネリストが選択するための根拠として色が除外されるように、芳香および香味の試験に黒色のカップを利用した。パネル試験5の芳香および香味のトライアングル試験およびパネル試験5の色トライアングル試験をASTM E1879−00に従って行った。

パネル試験5は、合計で6種類のトライアングル試験を含んでいた。トライアングル試験1から3において、色についてのパネリストの偏見を除去するため、サンプルを黒色のカップに入れ、パネリストは、味および香りのみを評価した。トライアングル試験4から6において、パネリストは、色のみを評価し、サンプルを透明のカップに入れた。

すべてのサンプルを室温で保存し、注いでいる間のパネリストの偏見を防ぐため、ティッシュ紙を用いて色をコード付けした。1オンスのプラスチックバイアルにすべてのサンプルを入れた。味覚を新しくするために無塩クラッカーと水をパネリストに与え、吐き出すためのカップを与えた。

以下の表は、分析試験および官能試験のためのサンプルを集める前に測定されたパラメータをまとめている。それぞれの樽を攪拌前に計量し、次いで、初期サンプルをプルーフ測定のために集め、温度を監視した。

トライアングル試験1は、19番の膜でくるまれた樽からの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。この試験を黒色のカップ中で行い、パネリストは、味および香りのみを評価した。

トライアングル試験2は、40番の膜(箔)でくるまれた樽からの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。この試験を黒色のカップ中で行い、味および香りのみを評価した。

トライアングル試験3は、39番の膜(PVC)でくるまれた樽からの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。この試験を黒色のカップ中で行い、味および香りのみを評価した。

以下の表は、パネル試験5の芳香および味のトライアングル試験1から3の結果のまとめを与える。

消費者試験パネルは、18人のパネリストを含んでいた。サンプル間の統計学的有意差はp=0.05であり、仮説が受け入れられるためには、最低でも10人のパネリストが、正しい異なるサンプルを選択することによって違いを検出する必要がある(Meilgaard、Civille and Carr、1991)。トライアングル試験1において、正しい異なるサンプルを選択したパネリストが10人より少なかったため、仮説は否定することができる。トライアングル試験2において、10人のパネリストが、正しい異なるサンプルを選択したため、仮説を受け入れることができる。トライアングル試験3において、10人のパネリストが、正しい異なるサンプルを選択したため、仮説を受け入れることができる。

次に、色のみに基づきサンプルを区別することに関するトライアングル試験に進み、トライアングル試験4は、19番の膜でくるまれた樽からの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。この試験を透明のカップで行い、色のみを評価する。トライアングル試験5は、箔でくるまれた樽からの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。この試験を透明のカップで行い、色のみを評価する。トライアングル試験6は、PVCでくるまれた樽からの2個のサンプルおよび1個のコントロールサンプル(くるまれていない樽)の3個のサンプルからなっていた。この試験を透明のカップで行い、色のみを評価する。

以下の表は、パネル試験5のトライアングル試験4から6の結果のまとめを与える。

トライアングル試験4において、正しい異なるサンプル(コントロール)を選択したパネリストが10人より少なかったため、仮説は否定することができる。トライアングル試験5において、正しい異なるサンプルを選択したパネリストが10人より多かったため、仮説を受け入れることができる。18人のパネリストが、異なるサンプル(コントロール)を同定することによって、違いを検出することができた。トライアングル試験6において、正しい異なるサンプルを選択したパネリストが10人より多かったため、仮説を受け入れることができる。17人のパネリストが、異なるサンプル(コントロール)を同定することによって、違いを検出することができた。

パネル試験4および5からの結果を比較すると、パネル試験4で試験されたサンプルの高いABVによって、パネリストの感覚を圧倒したことを示す。パネリストは、パネル試験4ではサンプルを区別することができなかったが、パネリストによって消費される前に熟成したVWWを水で50%に希釈したパネル試験5では区別することができた。

パネル試験5の試験1から3からの結果は、従来技術の箔に由来する膜および従来技術のPVCに由来する膜によって、コントロールから区別することができる芳香および味を生じたことが確立され、一方、作業例は、芳香および味に関し、コントロールから区別することができない。さらに、パネル試験4から6からの結果は、従来技術の箔に由来する膜によって囲まれる樽および従来技術のPVC膜によって囲まれる樽によって、コントロールから区別することができる色の違いが生じることが確立され、一方、作業例は、コントロールから区別することができない色を生じる。さらに、19番の膜によって囲まれる膜に関し、パネリストは、色、芳香および味について、作業例とコントロールとの間に有意な違いを検出することができなかった。

以下の表は、上に示される天使のわけまえによる重量減少試験および官能パネル試験の結果を編集したものである。さらに、種々の透過速度、衝撃強度、破断伸度を含め、この試験で使用される膜についての物理特性も与えられる。

官能パネル試験の結果は、19番、20番および22番の膜によって囲まれる樽で熟成したアルコール飲料によって、コントロールと区別することができない芳香および香味を有する熟成した製品が得られることを示す。19番の膜中で熟成したアルコール飲料は、芳香、香味および色の観点でコントロールと区別することができない唯一の熟成したアルコール飲料であった。

種々の比較例の膜は、16番の膜、37番の膜、39番の膜および40番の膜を含んでおり、それぞれを使用し、官能パネルがコントロールと区別することができた熟成アルコール飲料を生成した。

18番、24番、25番、34番および38番の膜は官能パネル試験を行わなかったが、エチレン/ノルボルネンの浸透性および存在が、19番および20番の膜と共通しており、この浸透性および存在によって、18番、24番、25番、34番および38番の膜は、19番および20番の膜の官能パネル試験の結果に類似する官能パネル結果を生み出すと思われる。

16番の膜は、必要な浸透性の組み合わせを有するが、以下に報告する熱分解−GCMS試験で示されるような悪臭成分DEHPを生成した。

ウイスキー成熟中に発生する揮発性物質および半揮発性物質を同定するためのTDU−熱分解GCMS試験 4個の1リットルの木製オーク樽に、バージン小麦ウイスキー(VWW)蒸留製品を充填し、周囲条件で2ヶ月間熟成させた。第1の樽は、膜でくるまず、コントロール樽であった。第2の樽は、19番の膜によって囲まれる。第3の樽は、40番の膜によって囲まれる。第4の樽は、39番の膜によって囲まれる。

2ヶ月の熟成期間の後、4個それぞれの樽からサンプルを採取し、4オンスの褐色瓶に入れた。5975C Mass Selective Detector(MSD)および液体窒素による冷却(LN2)を用い、プログラムされた温度での蒸気化(PTV)型の入口であったGERSTEL Cooled Injection System(CIS 4)を取り付けたAgilent 6890Nガスクロマトグラフ(GC)を用い、瓶の中のサンプルの分析を行った。サンプルの導入は、熱溶解インサートGERSTEL PYROを有するGERSTEL Thermal Desorption Unit(TDU)を取り付けたGERSTEL MultiPurpose Sampler(MPS)を用いて自動化された。TDU−PYROをCIS 4の入口に直接接続した。

目的は、樽を囲む異なる膜が、熟成中に、周囲に膜を有さないコントロール樽からの熟成した蒸留物に対し、19番の膜(作業例)、39番の膜(従来技術の比較例)および40番の膜(従来技術の比較例)によって囲まれる樽中の熟成した蒸留物製品の組成にどのような影響を与えるかを決定する目的のために分析試験を行うことであった。

さらに具体的には、それぞれの樽で熟成した蒸留物を、バニリン、グアイアコール、シリンガアルデヒド、シリンゴール、オイゲノール、イソオイゲノール、cis−β−メチル−γ−オクタラクトン、o−クレゾール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、4−メチルシリンゴール、4−エチルグアイアコール、4−ビニルグアイアコール、バニリルメチルケトン、メトキシオイゲノール、シナップアルデヒドおよびフルフラールを含む具体的な化合物の量について試験した。これらの化合物は、熟成するにつれて、蒸留物に望ましい芳香、香味および色の特徴を付与することが知られている。これらの化合物は、木製の樽から抽出されるか、または樽を構成する木材からの抽出物の反応生成物である。それに加え、第3の目的は、望ましくない芳香であるジ(2−エチルヘキシル)フタレート(「DEHP」)について行われた。

20マイクロリットルのそれぞれの熟成したウイスキーサンプルを、手動のマイクロタイターシリンジを用い、スリットを有する短い石英試験管形状の熱分解バイアルにピペットで別個に入れた。この管をガラスウールで固定し、熱分解アダプターに接続し、MPS中の98箇所の熱分解トレイに入れた。ウイスキーサンプルを300℃で熱分解し、揮発性化合物および半揮発性化合物を除去した。熱分解の後、サンプルを450℃で熱分解し、それぞれのサンプルから最大量の情報を得た。

分析条件は、以下のとおりであった。

図29から図45は、19番、39番および40番の膜によって囲まれた樽およびコントロール樽において、バニリン、グアイアコール、シリンガアルデヒド、シリンゴール、オイゲノール、イソオイゲノール、cis−β−メチル−γ−オクタラクトン、o−クレゾール、2−メトキシ−4−メチルフェノール、4−メチルシリンゴール、4−エチルグアイアコール、4−ビニルグアイアコール、バニリルメチルケトン、メトキシオイゲノール、シナップアルデヒド、フルフラールおよびジ(2−エチルヘキシル)フタレート(「DEHP」)それぞれについて、上のGC/MS分析試験の結果を与える。19番の膜は、3層を有する好ましい膜であり、環状オレフィンコポリマーである70重量%のエチレンノルボルネンコポリマーを含有するブレンドから作られるコア層を有する。19番の膜は、膜総重量を基準として49重量%の量で環状オレフィンコポリマーを含有していた。

図29から図44において、19番の膜によって囲まれた樽中の熟成した蒸留物中の種々の望ましい芳香および香気成分の量の比較は、コントロール樽中の熟成した蒸留物の同じ芳香および香気成分の量の50%より多かった。PVC(39番の膜)および箔に由来する膜(40番の膜)によって作られる同じ香気成分の量がかなり少ないという点で、これらの結果は予測されないものであった。さらに、図29から図44は、19番の膜によって囲まれた樽中の熟成した蒸留物中の種々の望ましい芳香および香気成分の量が、コントロール樽中の熟成した蒸留物の同じ芳香および香気成分の量の75%より多いレベルで存在し、これも予測されないさらなるレベルであった。

図32(シリンゴール)、33(オイゲノール)、35(cis−β−メチル−γ−オクタラクトン)、36(o−クレゾール)、37(2−メトキシ−4−メチルフェノール)、38(4−メチルシリンゴール)、39(4−エチルグアイアコール)、41(バニリルメチルケトン)、42(メトキシオイゲノール)および44(フルフラール)において、19番の膜によって囲まれた樽中の熟成した蒸留物中の芳香および香気成分の量が、樽の周囲に膜を有さない状態で熟成したコントロール蒸留物中の対応する芳香および香気成分の量を超えた(即ち、予測できないことに、この量の100%を超えた。)。この結果は、膜の存在が、これらの芳香および香気成分をより迅速な速度で生成することによって、これらの具体的な芳香および香気成分の熟成を促進したことを示唆するため、さらに重要である。これは、向上した品質および/または促進された熟成速度を有する熟成した蒸留物を製造する可能性を有する。

19番の膜によって囲まれた樽からの熟成した蒸留物および樽の周囲に膜を有さない状態で熟成したコントロール蒸留物とは対照的に、図29から図44は、39番の膜(従来技術のPVC)および40番の膜(従来技術のコーティングされた金属箔)によって囲まれる樽からの熟成した蒸留物は、コントロール蒸留物の香気成分の半分より少ない量の香気成分を生成したことを示す。ほとんどの場合に、39番および40番の膜は、コントロール蒸留物の香気成分の25%未満を生成した。2つの場合(図33:オイゲノール、図34:イソオイゲノール)において、39番の膜(PVC)および40番の膜(箔)によって囲まれる樽からの熟成した蒸留物の香気成分は、19番の膜を利用する作業例における同じ香気成分の10パーセント未満であった。

最後に、図45は、39番の膜(100%のポリ塩化ビニル(PVC))によって囲まれた樽からの熟成した蒸留物が、望ましくない芳香を与える化合物であるジ(2−エチルヘキシル)フタレート(DEHP)を比較的多い量含んでいた。このことは、パネリストが、39番の膜中で熟成したアルコール飲料と、19番、20番および22番の膜中で熟成したアルコール飲料との違いを検出することができたという理由の少なくとも一部であると考えられている。

本発明を、好ましい実施形態を参照しつつ記載してきたが、当業者なら容易に理解するように、本発明の原理および範囲を逸脱することなく、本発明の改変および変形が存在することを理解すべきである。従って、このような改変は、以下に記載する特許請求の範囲に従う。

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