Force reflecting haptic interface

申请号 JP2009048525 申请日 2009-03-02 公开(公告)号 JP2009148888A 公开(公告)日 2009-07-09
申请人 Massachusetts Inst Of Technol ; マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー; 发明人 MASSIE THOMAS H; SALISBURY J KENNETH JR;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an apparatus for physically exchanging a force with a user in a first user local environment. SOLUTION: The apparatus is used for physically exchanging the force with the user in the first user local environment, and comprises (a) a connecting component (202) for connecting to a user's body member, and (b) a linkage means for physically linking the connecting component to ground (118). The linkage means comprises (i) power means (120, 130, and 140) for supplying power at least three independent freedoms for the connecting component (202) to the ground (118); and (ii) means for maintaining a state where power is not supplied to at least two of the power freedoms for the connecting component (202) relative to the ground (118). COPYRIGHT: (C)2009,JPO&INPIT
权利要求
  • ユーザローカル環境におけるユーザと力を物理的に交換する装置であって、
    該装置は、
    それらの間で相対的な移動を提供することにより、つかむ動きをシミュレートするように構成された少なくとも2つのユーザ接続要素と、
    該2つのユーザ接続要素のうちの少なくとも1つに力フィードバックを提供する手段と を含む、装置。
  • 前記少なくとも2つのユーザ接続要素を少なくとも1つの基準に物理的にリンクする少なくとも1つのリンケージをさらに含む、請求項1に記載の装置。
  • 前記少なくとも1つのリンケージは、前記少なくとも2つの接続要素に対して少なくとも6つの独立の自由度を提供する、請求項2に記載の装置。
  • 前記少なくとも2つのユーザ接続要素に対する別のリンケージをさらに含む、請求項2に記載の装置。
  • 前記リンケージは、力フィードバックを供給するように構成された少なくとも1つのアクチュエータを含む、請求項4に記載の装置。
  • 前記リンケージは、位置フィードバックのために構成された少なくとも1つのセンサを含む、請求項4に記載の装置。
  • 前記リンケージは、3つの力フィードバックアクチュエートされる自由度を含む、請求項4に記載の装置。
  • 前記リンケージは、3つのパワー供給されない自由度をさらに含む、請求項7に記載の装置。
  • 少なくとも1つのユーザ接続要素は、はめ輪、ペン型入力機器、マウス、ジョイスティック、足装着要素、感覚支援からなる群から選択されたユーザインタフェースを含む、請求項1に記載の装置。
  • 各ユーザ接続要素は、クオータージンバル端アセンブリに接続する、請求項1に記載の装置。
  • 第1のユーザ接続要素は、ユーザの親指による操作のために構成されており、第2のユーザ接続要素は、ユーザの指による操作のために構成されている、請求項1に記載の装置。
  • 前記少なくとも1つのリンケージは、少なくとも2つのリンクされた直交ベアリングをさらに含む、請求項2に記載の装置。
  • 第3のユーザ接続要素をさらに含む、請求項1に記載の装置。
  • 前記第3のユーザ接続要素に関連付けられたリンケージをさらに含み、該第3のリンケージは、該第3のユーザ接続要素を前記少なくとも1つの基準にリンクする、請求項13に記載の装置。
  • 前記リンケージは、共通の基準に接続されている、請求項4に記載の装置。
  • 前記共通の基準は、固定された地面である、請求項15に記載の装置。
  • 前記共通の基準は、ユーザの身体の一部である、請求項15に記載の装置。
  • 前記ユーザ接続要素の相対的な移動は、共通の基準に対して行われる、請求項1に記載の装置。
  • ユーザローカル環境におけるユーザと装置との間で力を物理的に交換する方法であって、
    該方法は、
    それらの間で相対的な移動を提供することにより、つかむ動きをシミュレートするように構成された少なくとも2つのユーザ接続要素を含む装置を提供するステップと、
    該少なくとも2つのユーザ接続要素をユーザの少なくとも1つの身体部分に接続するステップと、
    該2つのユーザ接続要素のうちの少なくとも1つに力フィードバックを提供する手段を提供するステップと を含む、方法。
  • 说明书全文

    本発明は一般的にオペレータと機械との間のインターフェースに関する。 特定すれば、このインターフェースと接触状態にある人間オペレータに信号を提供するインターフェースの分野に関する。 さらに特定すれば、本発明は一般的には人であるオペレータに対してフォース(force:物理)信号を提供または提示する、あるいは、オペレータからフォース信号を受信するインターフェースに関する。 フォース信号は本来両方向性であるため、インターフェースとユーザはフォース信号を”交換”あるいは互いに”共有”すると言うこともできる。

    機械は現代生活には不可欠であり、あらゆる機械は人間のオペレータによって直接的、あるいは間接的にコントロールされなければならない。 機械をコントロールしたり、機械から情報を受け取るためのインターフェースは、機械が提供する機能に鑑みて可能な限りその利用が容易であることが望ましい。 このような機械の例には、オペレータが存在する環境(environment)とは異なる環境で作動するスレーブ(slave)ロボット機械がある。 他には、材料成形機、乗り物、パワー機械等がある。 コンピュータも機械の部類に入る。 コンピュータは、例えば、テキスト(ワープロ)、数字(スプレッドシート)、記録(データベース)、図形構成(作図と着色プログラム)等を表すデータを処理する。
    ユーザは、レバー、ジョイスティック、マウス(ボタンとトラッキング機構付き)、エクソスケルトン(exoskeleton)、キーボード、タッチスクリーン、デジタルパッドまたはタブレット、ヘッドマウス等の多様な装置を介してこのような機械をコントロールし、インターアクト(interact)する。 典型的には、ユーザは自身の環境にて”マスター”インプット装置を操作し、典型的には異なる環境にある”スレーブ”ロボットはユーザの指令に従って作動する。 マスター装置の形態はスレーブ装置の形態に合致することもあれば、幾分かは合致しないこともある。

    機械のロッド状従属物のような剛体に対しては、基準フレーム(reference frame)に対するその関係を明瞭に特定するのに必要なフリーダム(freedom:自由度)の数は典型的には6であると考えられている。 理論上は、3つのフリーダムで基準フレームに関する剛体上のポイントの位置特定で可能であり、3つの追加的フリーダムでその基準フレームまたは等価基準フレームに関する剛体のオリエンテーション(orientation:方位性)が特定できる。

    マスター装置のコンポーネントには典型的には多数のデグリー(degree:程度)のモーションフリーダムが与えられており、ユーザによる多様なモーションを可能にしている。 そのようなデグリー数は1から6、またはそれ以上ともなる。 これら多数のフリーダムは多数のジョントやアクチュエータによって提供される。 従って、マスターアーム(腕)は何本かのフィンガー(指)を備えたハンドボーション(手)を有することも可能であり、各フィンガーはいくつかのジョイント(関節)を有することができる。 このハンドはリストジョイント(手首関節)を介してフォアアームセクション(前腕部)に接続され、エルボージョイント(肘関節)を介してアッパーアームセクション(上腕部)に接続され、ショルダージョイント(肩関節)を介してトランク(本体)に接続可能である。 トランクから最も離れているフィンガーのジョイントの場合には、基準フレームに対するその状態は6のフリーダムで特定可能であり、そのうち3はそのポジション(position)に関するものであり、3はそのオリエンテーションに関するものである。 しかし、多数のジョイントと、それらの多様なフレキシビリティのためにアームアセンブリ全体ではこれら6フリーダムをはるかに越えたフリーダムを有するかも知れない。 末端指を同一状態に置くような他のアーム要素のいくつかの配置は可能である。 アームをドライブする多くの、または全部のアクチュエータは、1軸に沿った位置のごとき1フリーダムの状態の確立に貢献することができる。 従って、アーム全体は6を越える多くのフリーダムを有する。 しかし、アームのどの剛体ポーションの状態の特定にも6のモーションフリーダムが必要となるだけである。

    フォース感応システム(force reflecting system)として知られるこのようなマスター/スレーブ機械システムのいくらかは、多様なフリーダムデグリーを介したマスターコンポーネントのモーションが幾分かは影響を受けるか制限されるようにアクチュエータを提供している。 典型的には、これらのモーションは、スレーブが遭遇するフォースのごときスレーブロボット機械の環境の条件に基づいて影響を受ける。 従って、ユーザはマスター機械を掴んだりして機械と接触し、スレーブ環境に何等かの関係を有するモーションフリーダムに対するコンストレイント(constraint)を体験し、フォースフィードドバック信号を受信する。 テレオペレータとはこのような装置のことである。

    場合によっては、妨害ステージを含むマスターからスレーブへの接続を通じて遠隔的ではなく、あたかもスレーブ環境と直接的に接触しているかのようにユーザがそのフォースを感じることが望ましい。 これを達成するシステムは”フォース感応”システムと呼ばれることもある。 接触という人間の触覚システムに関係するため、このようなフォース感応インターフェースはまた”触覚(haptic)”インターフェースとも呼ばれる。 このようなインターフェースを設計するにおいて考察すべき典型的な事項は、ポジション及びフォースあるいはトルクフィードバックの忠実度、構造の単純さ、バックラッシュ(反動)の低減、モーションフリーダムの独立、ワークスペース形態、信頼度、反応度、感度、装置容積の減少、並びに反応のバンド幅(bandwidth)等である。 ここでのバンド幅とは、反応速度と、適用フォースとの組合せレンジを意味する。

    伝統的な物理機械のコントロールに加えて、人間のオペレータは物理的ではなく、コンピュータモデルにおいて”具現化された”あるいは存在するような”バーチャル”機械及びバーチャル環境をコントロールすることが知られている。

    単純な例は通常コンピュータの利用に関して無数に存在する。 例えば、コンピュータ作図及び着色プログラムを使用し、ユーザは互に移動、創作、破壊、変更、引延等が可能なバーチャル図形体の群をコントロールする。 他の例は、コンピュータファイルのディレクトリを示し、これらファイルの操作(コピー、削除、オープン、変更等)に関してユーザに命令を提供させるための、現在普及している”デスクトップ”メタフォール(metaphor)である。 ワープロプログラムの範囲においては、ユーザはバーチャルコントロールを操作してドキュメントテキストの異なる部分をスクロールし、一部を削除(”カット”)し、他の部分に追加(”ペースト”)する。 他にも多数の例が存在する。 基本的には、そのような例は、コンピュータインターフェースによって表されるようなデータ要素の表現にユーザが影響を及ぼすものをすべて含む。

    さらに複雑な例には、対象物のさらに複雑な可視化やセッティングを利用する等でさらに現実的な環境を創造するものや、ヘルメット、特殊眼鏡等の投影装置が含まれる。

    ユーザは前記のごとき多様な物理的インプット装置の手段によってバーチャル環境とインターアクトすることができる。 音響効果もまたインターフェースの一部となる。

    バーチャルあるいは人工環境は現実環境を再現またはシミュレーションすることもでき、外科手術、地質調査、危険貨物操作等の技術の実習等にも利用が可能である。

    多様なインターアクションシステムは、物理的強度を増加し、手の器用さを改善し、知覚力を増大させ、さらに、人間のユーザを現実または人工の遠隔環境または抽象環境に投影させることで人間の能力を拡張させることができる。 そのような遠隔環境は典型的な人間界のスケールよりもずっと大きくも、あるいは小さくもできる。

    フォースフィードバックの提供により、フォース感応システムは、飛行シミュレータのごとき周知タイプの模擬装置、リモコン装置とは異なるシステムとすることができる。 ユーザのスレーブ環境との物理的インターアクション感知力を向上させるためには、単に可視で可聴であるだけでは不足である。 接触は、環境との双方向インターフェースを提供する人間の5感の唯一のものである。 接触を利用して人間は環境に影響を及ぼし、同時に環境からの影響を感じることができる。 そのような直接的なフィードバックは、スレーブ環境での存在感または影響力をユーザに感じさせる。 事実、接触によってフォース信号は、手を握り合っている2人の人間によって共有される等価で反対方向のフォース同様にユーザと機械との間で交換されて共有される。

    フォース感応マスターの目的は、実際にはローカル環境(local environment:ユーザ環境)に存在しない物体と接触している感触をユーザに与えるというものである。 以下において”非ローカル環境(non-localenvironment:非ユーザ環境)”物体と呼称される物体は、物理力スレーブ機械によって操作されている現実物体であっても、コンピュータデータモデルとしてのみ存在する環境内での物体表現であってもよい。

    理想的な触覚インターフェースとは、操作対象の環境とは別物であるインターフェースと接触していることをユーザに気付かせないものである。 実物にタッチしているのか、装置を使用してバーチャル物体にタッチしているのかをユーザに区別させないものである。 さらに、ユーザの厄介物とならないようなものである。 理想的なインターフェースとは、ユーザが空間を自由に移動しているときにユーザに対して外力を一切作用させないものである。

    壁面等の剛質面は、高速で接触した場合においてさえも実際と同様に剛質と感じられなければならない。 固形物の部はシャープに感じられなければならない。 弾性面は弾性感触を提供すべきである。

    フォース感応インターフェースを構築するいくつかの周知な試みでは”エクソスケルトン(exoskeleton)”を使用している。 エクソスケルトンはユーザに着用され、しばしば、アームやフィンガーに沿ったいくつかのポイントでフォースを発生させる。 B. A. マーカス、B. アン、及びB. エバーマンの「ロボット装置用マスターコントローラのEXOSリサーチ」(”第5回年次ワークショップ:宇宙作業における適用及びその研究”誌:SOAR1991年、ページ238−245、1991年7月)参照。 エクソスケルトン装置の設計には多くの条件が付随している。 その構造は複数の身体部分に取り付けられなければならず、エクソスケルトンの関節は人体の関節と効果的にマッチしなければならない。 このような構造体に重量カウンタバランスさせ、それらに剛体であってカップリングされていない伝動装置を提供することは困難である。 そのような構造体は、ユーザにフィードバックシステムの人工的構造物として感じさせないように重量がカウンタバランスされていなければならない。 伝動装置は剛体であって、非ローカル環境との直接接触を感じさせるものでなければならない。

    別タイプのフォース感応インターフェースは外的にグランド(ground)されたジョイスティックを利用している。 これら装置の典型的なものは、伝統的な”ホットセル(hot-cell)”操作システムと、フォース感応ハンドコントローラである。

    従って、本発明のいくつかの目的には、それが物理的物体であろうとコンピュータ表現物体であろうと、高度な現実感での非ローカル環境との人によるインターアクションを可能にすることが含まれている。 本発明の1目的は、高度に忠実なポジションとトルクあるいはフォースフィードバックを提供し、ユーザに非ローカル環境の条件を高感度で提供することである。 ユーザインターフェースはユーザに対して明快で、可能な限りで邪魔にならないことが重要である。 この目的には当然ながら、システムのバックラッシュ(backlash)の低減化が含まれている。 本発明の別目的は、巨大過ぎたり、複雑過ぎる装置を使用せず、物理的に適したサイズのワークスペース(作業空間)でユーザの作業を可能にしたインターフェースの提供である。 さらに別目的は、現実感豊かなシミュレーションのために、非ローカル環境条件に充分に素早く反応し、適当なスティッフネス(stiffness)と感度とを表現し、さらに、比較的に大きな反応バンド幅を有し、比較的素早いモーションがユーザに感知されて伝達されるような装置の提供である。 さらに別目的は、衝撃等の非連続的出来事を表現することである。

    1好適実施例においては、本発明はユーザにローカルなユーザ環境におけるユーザとのフォース物理的交換のための装置である。 この装置はユーザの身体部分との物理的接続のための接続要素と、その接続要素とグランドとの間のリンケージとを含む。 このリンケージはグランドに対するその接続要素の少なくとも3つの独立フリーダムにてパワー供給(power)するためのパワー手段と、グランドに対するその接続要素の少なくとも1の独立フリーダムをパワーフリー(free)に維持するための維持手段とを含む。 その接続要素の3までの独立フリーダムをパワーフリーに維持し、5までの独立フリーダムにパワー供給することが可能である。 しかし、その接続要素のみのパワー供給されたフリーダムと、パワーフリーフリーダムの数は6を越えない。 リンケージもまた3つのリンクされたベアリングを含むことができ、それらのうち2ペアはジンバルアセンブリ(ginbalassembly)のごとくに直交している。 このベアリングの軸は基準ポイント(referencepoint)で交差している。 例えば、接続要素はユーザの指を挿入させるシンブル(thimble)であってもよく、その交差ポイントはシンブルに接続されたユーザの指の中であってもよい。

    このリンケージはグランド、相互、及び接続要素とに対して可動な少なくとも2の質量体を含むこともでき、これらアイテム間の中央部は接続要素のモーションに拘らずグランドに対して実質的に静止状態とされる。 これら質量体は複数のアクチュエータであってもよく、これらを1本のケーブルを介してローカルなグランドされた要素に接続することもできる。 他のユーザ接続要素は、頭、尻、足、手、腕、脚、舌、爪先等の他の身体部分を収容できるサイズのロッドあるいはスタイラス(stylus)またはシンブルを含む。

    パワー供給されていない(パワーフリー)フリーダムのモーションをトラック(track:追尾)することは時に有益である。 グランドは接続要素が接続される対象物以外のユーザ身体部分であってもよい。

    別実施例では、パワードフリーダム(powered freedoms)がトラックされ、そのフリーダムのトラッキングに基づいて信号が発生される。 この信号は非ローカル環境に伝達される。 この非ローカル環境は物理的環境であっても、バーチャルなコンピュータ在中の環境であってもよい。

    さらに別実施例では、本発明はユーザ環境である第1環境でフォースをユーザと物理的に交換するための装置である。 この装置はユーザ接続要素と、その要素をグランドに接続するためのリンケージとを含む。 このリンケージは1対のクォータジンバル(quartergimbal)を含んでおり、接続要素はこれらクォータジンバルの一方の1端に固定された回転ベアリングに固定されている。 他方のクォータジンバルの自由端は5本のバーリンケージの1本のバーの延長部に接続されている。 これら5本のバーリンケージは2つのアクチュエータで作動されるものであり、それぞれ、リンケージのバーの異なる1本と、アクチュエータよりもグランドに近い支持体との間で接続されている。 この支持体は第3アクチュエータでグランドに対して作動される。 これら3つのアクチュエータは結合され、接続要素の3つのフリーダムにパワー供給する。 これらジンバルは結合され、接続要素をパワーフリーの状態で維持する。

    本発明のさらに別実施例は特定のポイントで信号を発生させるための装置である。 この装置は両方とも同じケーブルでグランドに接続された1対のアクチュエータを含む。 両アクチュエータを特定のポイントに動的に接続するためにリンケージが提供されている。 これらアクチュエータは5本のバーリンケージを介して両方ともグランドとこの特定ポイントとの間に接続可能である。

    本発明のさらに別実施例はフォースを表す信号を発生させるための装置であり、これは実際にはバーチャルスイッチである。 この装置は、ユーザ基準フレームに対するユーザ基準ポイントの位置を表す信号を受信する受信機と、非ローカル基準フレーム、この非ローカル基準フレームに対するユーザ基準フレーム、及び、この非ローカル基準フレームに対するスイッチタイプでスプリングタイプの要素を含む非ローカル環境のアレンジの表現体を保存するためのモデルとを含む。 この非ローカル環境に対するユーザ基準ポイントの位置を比較するためにコンパレータが提供されている。 フォースを表す信号を発生させるためにはフォース発生機が提供されている。 フォース信号は非ローカル環境に対するユーザ基準ポイントの位置と、一連のフォースルール(rule)とに基づいている。 フォースルールは、スプリングタイプ要素の歪められた形態を表示するユーザ基準ポイントの位置信号に対応して、スイッチのアウトプットフォースを特定するスプリングフォースルールを含む。 このスイッチアウトプットフォース信号は非リニア関数で特定される。 従って、現実的なバーチャルスイッチが提供される。 本発明はフォースを表す信号とフォースルールのセットとに基づいて非ローカル環境の表現体を変更させるオペレータをも含む。 例えば、スイッチの表現体は非ローカル環境での位置を変化させる。

    本発明の別好適実施例はフォースを表す信号を発生させるための類似装置であり、非ローカル環境は、その領域面に垂直方向であるフォースに対応してその断面積を変化させるタイプの要素を含む。 このような要素は”ダイアゴナル(diagonal)”タイプの要素と定義される。 このような要素はブリストル(bristle)なブラシ(筆)あるいはスポンジを含む。 前記のバーチャルスイッチ実施例と類似したこのような実施例で、このフォースルールは、ダイアゴナルタイプ要素の歪んだ形状を表示するユーザ基準ポイントの位置信号に対応して、ダイアゴナル要素アウトプットフォース信号を特定するスプリングフォースルールを含む。 これは、歪みつつあるブラシの剛質部分をプッシュする際にユーザが得る感覚をシミュレートできる。 フォース信号に基づいて非ローカル環境への変化を計算するオペレータは、前記のダイアゴナルタイプ要素の選択領域の断面積の表示変化を特定する。 非ローカル環境は、作画用基板に押し付けられたときに絵の具が付着したブラシが提供するマークに類似した、ダイアゴナルタイプ要素の選択領域の断面積の表示をも含むことができる。 この装置はこの表示を長期に保存するための保存手段をも含むことができ、ユーザが加えた力に基づいて変化する太さを有した着色線を保存することができる。 この非ローカル環境はまたブラシの異なるサイズ、剛性、及び形状に類似した複数のそのようなフォースルールをも含むことができる。

    本発明の別好適実施例において、フォース発生機は非ローカル環境に対するユーザ基準ポイントの位置の時間記録に基づいてフォースを発生させることができる。 このフォースルールは、ユーザ基準ポイントの時間ポジション変化を示すユーザ基準ポイントの位置信号の時間記録に対応したフリクション(friction)アウトプットフォース信号を特定するフリクションタイプのルールを含む。

    本発明の別好適実施例は前記実施例に類似している。 非ローカル環境は基準ポイントがその上を移動する作図用基板の表現体を含む。 フォースルールは、移動する基準ポイントのためのルールを特定するのではなく、基板のためのフォース発生ルールを特定する。 フォース発生機は、非ローカル環境に対するユーザ基準ポイントの位置と、一連のフォースルールに基づいてフォースを表す信号を発生させるために提供されている。 これらルールは作図用基板−フォースルールを含んでおり、作図用基板タイプ要素の歪んだ形状を示すユーザ基準ポイントの位置信号に対応して、作図基板アウトプットフォース信号を特定する。 この装置はさらに、フォースを表す信号と一連のフォースルールに基づき、非ローカル環境の形態の表現体に変化を与える非ローカル環境反応計算機を含むこともできる。 作図用基板タイプ要素ルールは作図用基板タイプ要素の選択領域の表面形状の表示体での変化を特定する。 基板の表面の肌合を非ローカル環境に含ませたり、波打ち壁としてモデル化が可能である。

    本発明の別好適実施例は第1ユーザローカル環境における装置とユーザとの間でのフォースの物理的交換のための方法であり、ユーザの身体部分への物理的接続のための接続要素と、この接続要素とグランドとの間のリンケージとを有した前述装置の提供ステップを含む。 このリンケージはグランドに対して接続要素の少なくとも3つの独立フリーダムにパワー供給するパワー手段と、接続要素の少なくとも1の独立フリーダムをパワーフリーで維持する維持手段とを含む。 この方法はまた、ユーザの身体部分にその接続要素を接続し、接続要素のその少なくとも3つの独立フリーダムにパワー供給するステップを含む。

    本発明の別好適実施例は、例えばバーチャルペイントブラシ等のフォースを表す信号を発生させるための方法である。 この方法は、ユーザ基準フレームに対するユーザ基準ポイントの位置を表す信号を受信するステップを含む。 別ステップは、非ローカル基準フレーム、その非ローカル基準フレームに対するユーザ基準フレーム、並びに、その非ローカル基準フレームに対するダイアゴナルタイプでスプリングタイプの要素を含む非ローカル環境の形態の表現体を保存する保存ステップである。 ユーザ基準ポイントの位置は非ローカル環境に対して採用される。 非ローカル環境に対するユーザ基準ポイントの位置と一連のフォースルールとに基づいて、フォースを表す信号が発生される。 フォースルールは、ダイアゴナルタイプ要素の歪んだ形状を示すユーザ基準ポイントの位置信号に対応してダイアゴナル要素アウトプットフォース信号を特定するスプリングフォースルールを含む。 非ローカル環境の形態の表現体は、フォースを表す信号と一連のフォースルールとに基づいて変化される。 ダイアゴナル要素スプリングタイプルールはダイアゴナルタイプ要素の選択領域の断面積の表現体変化を特定する。

    本発明のこれら及び他の特徴、アスペクト、並びに利点に関しては、以下の詳細な説明、請求の範囲、及び添付の図面からさらに理解が進むであろう。

    図1は本発明の1好適実施例の一部を表す斜視図であり、3つのパワード及びトラックトモーションフリーダム(three powered andtracked freedoms of motion)を有した装置を提供する3つのアクチュエータと1つのリンケージとを示している。 この装置はさらに、3つのモーションフリーダムを有するユーザ接触アセンブリをも含む。

    図2Aは本発明の1好適実施例の一部を表す斜視図であり、ユーザの指が接触している3つのフリーデグリーフリーダムのジンバルとシンブルとを示している。

    図2Bは本発明の1好適実施例の一部を表す斜視図であり、ユーザ接続要素の回転アスペクトを測定可能とさせる軸を示している。

    図3は図1に示す本発明の実施例の逆方向斜視図であり、1つのアクチュエータが取り外されている。

    図4はキャプスタンとケーブルとを介してディスクに接続されたアクチュエータの斜視図である。

    図5は略式ブロック図であり、インターフェースと非ローカル環境に対する人間オペレータとコンピュータコントロールシステムとの間の信号交換を示している。

    図6はユーザに3つのフリーデグリーフリーダムで掴ませるためのスタイラスアレンジを有した本発明の1実施例の一部を斜視図で示している。

    図7はユーザに2つのフリーデグリーフリーダムと、1パワーデグリーフリーダムで掴ませてトルクを発生させるためのハンドルインターフェースを有した本発明の1実施例の一部を斜視図で示している。

    図8はユーザに1フリーデグリーフリーダムと、2パワーデグリーフリーダムで、ワンド(wand)に沿った多様なポイントにおけるバーチャル物体との接触をユーザに感じさせるワンドインターフェースを有した本発明の1実施例の一部を斜視図で示している。

    図9Aは図1に示す本発明の1実施例のワークスペースの略図である。

    図9Bは図1に示す本発明の1実施例のワークスペースの略図である。

    図10Aは図1と図3とに示す本発明の実施例の側面図であり、ユーザ接続アセンブリと、ホームポジションにあるアクチュエータとを示している。

    図10Bは図1と図3とに示す本発明の実施例の側面図であり、1つのアクチュエータがホームポジションにあり、他方はそこから移動している様子を示している。

    図10Cは図1と図3とに示す本発明の実施例の側面図であり、他方のアクチュエータがホームポジションにあり、図10Bでホームポジションにあった一方は移動している様子を示している。

    図11は3つのジンバルアセンブリに接続されたユーザの指の斜視図であり、各装置の残部は図示されていない。

    図12はブロック図であり、バーチャル環境をコントロールする本発明装置の1実施例の要素を略式に示している。

    図13はバーチャル環境のコントロールのための本発明の方法実施例のフローチャートである。

    本発明は、現実あるいはバーチャルである”非ローカル”環境とのインターアクトに使用可能な装置を含む。 このバーチャル環境とは典型的なコンピュータデータ処理タイプでも、一般的とは言えないような特殊タイプのものであってもよい。

    1実施例においては、ユーザの指と係合するシンブルが提供されている。 このシンブルはリンケージを介して支持されており、3つのモーションフリーダムが全く”非パワード(unpowered)”状態のユーザの指に提供されている。 非パワードまたは”パワーフリー(freeof power)”とはそれらがパワー供給されていないこと、あるいはこれらフリーダムを介してモーション(motion)に対していかなる抵抗(例えば、フリクションまたはダンピング)がないことを意味している。 (これら非パワードフリーダムを介したモーションのステータスまたはポジションはトラックされても、あるいはされなくともよい。トラックされなければ、本文中では”フリー”であるという。)この実施例においては、リンケージは3つの追加的モーションフリーダムが”パワー供給される(powered)”ようにアレンジされる。 ”パワー供給される”とは、非ローカル環境での条件によりこの装置がこれらフリーダムを介してモーションに抵抗するか、またはモーションをアシストする能力を有している(力が加わっている状態)ことであり、典型的には、これら3つのフリーダムに関するユーザのモーションをトラックする。 普通では望ましくはないが、パワー供給されてはいるがトラックされていない(非トラックト:untracked)フリーダムを有することは可能なことである。 従って、その実施例は説明しない。

    本明細書と請求の範囲とを通じて、”非ローカル環境”とはユーザが存在する環境ではない環境のことである。 非ローカル環境とはバーチャル環境でも、コンピュータ発生環境またはコンピュータ在住環境でも、あるいはスレーブ機械の環境でもよい。 例えば、医師と同じ部屋にいる患者体内のスレーブ機構を操作することは、通常の意味においては実質的に”ローカル”と判断されよう。 しかし、医師はマスター機械とスレーブ機械との間の接続を介して作動するスレーブ機械ではなくてマスター機械を操作する。 従って、患者体内の環境は、医師との物理的近距離にもかかわらず”非ローカル環境”である。

    本発明は2人(または3以上)の人間オペレータでも使用が可能であり、各々は異なる物理的インターフェースに係わる。 各オペレータのインターフェースは本発明によってコントロールされ、別オペレータの環境において、そのオペレータによって実施されたフォースとモーションとに対応したフォースとモーションとを発生させ、さらに、そのインターフェースに対して”ローカル”である環境においてそのオペレータによって実施されたモーションとフォースとをトラッキング(tracking)する。 従って、それら2人のオペレータは互いに”バーチャル”接触が可能であり、各インターフェースは通常の”スレーブ”及び”マスター”として機能する。

    ”非ローカル環境”相の別意味は、データを表現するコンピュータ発生環境である。 必要条件ではないが、そのデータは自身で物理的状況を表すことができる。 例えば、毎日の平均気温等の上下する数字のインデックスを反映するデータは、線グラフとして表すことができる。 この非ローカル環境はデータの上昇/下降グラフである。 この上昇下降グラフはユーザにより”感知”及び”審査”可能であり、このことはコンピュータメモリに表されている他のバーチャル物体が感知されるのと同じことである。

    図1に示すように、ユーザ接続要素200はリンク102の端部に搭載されている。 ユーザ接続要素200はジンバルアセンブリであり、リンク102の延長として定義される軸G 1周囲で自由回転し、フリクション(摩擦)のないベアリング103を介在させて搭載されている。 ジンバル(ユーザ接続要素)200は図2Aでさらに詳細に示されている。

    シンブル202は4半形ジンバル204で支持されており、エンド(4半形)ジンバル204に接続するバレル部206を通過する軸G 3周囲でスピン可能である。 それを介してシンブル202が搭載されているベアリング203は実質的にフリクションを発生させない。 4半ジンバル204自体もフリクションがないベアリング205を介して別4半ジンバル210のバレル部212に接続されている。 エンドジンバル204はバレル部212を通過し、シンブル202内で軸G 3と交差する軸G 2周囲を自由回転可能である。 ジンバル210、エンドジンバル204、及びシンブル202で構成されているジンバルアセンブリ200全体は、ジンバル210のバレル部214を通過する軸G 1周囲を自由回転可能である。 実質的に、軸G 1は他の2軸G 2とG 3とユーザ基準ポイントで交差する。

    従って、ユーザがシンブル202に指を挿入すると、ユーザはその縦方向、すなわち軸G 3周囲に指を回転させることができる。 さらにユーザは軸G 1周囲に指の根元をスイングすることができ、手の平を下側に向けた状態で外側に広げた手の親指と小指との間に広がる平面を移動させることができる。 同様に、ユーザは手の平と甲との間の平面にて軸G 2周囲にその指の根元をスイングできる。 これらのモーションフリーダムはユーザの指2002のオリエンテーションを1独立基準フレーム(referenceframe)あるいは”グランド(ground)”に対して説明するものであると考えられる。

    本発明の1アスペクトは、ユーザの指先と現実との多数のインターアクションを実現することであり、その環境は前記定義の指のオリエンテーションに関するフリーダムを介してモーションに抵抗しない。 さらに、これらのフリーダムに対するユーザの指のポジションはその環境のユーザによる感知に関係がなく、ユーザの指の活動に対するその環境の反応にも関係がない。 本質的には、その指は外世界と1点でインターアクトする。 従って、これらフリーダムを積極的にパワーすることは必要がなく、場合により、これらフリーダムを介したユーザのモーションをトラックしたり、これらフリーダムと協調させたりすることは不要である。 典型的な1実施例におけるパワー供給されたモーションフリーダムと、非パワードフリーダムとによって特徴付られる装置の簡単な説明の後に、本発明のこのアスペクトを以下においてさらに詳細に解説する。

    説明は、足、腕、舌、頭、尻等を含むユーザ身体部分の他の全ての部分と、3つのパワードフリーダムで3つの非パワードフリーダムとの組合せ以外のパワードフリーダムと非パワードフリーダムとの組合せにとの間のインターアクションにまで及ぶ。 1身体部分を使用したコンピュータとのインターフェースに加えて、例えば、下半身マヒの場合等ではユーザは口を含む身体開口部を使用する必要が生じるかも知れない。 さらに説明はポイントタイプ器具(鉛筆、スタイラス、スカルペル等)とそれらの環境との間のインターアクション、並びに、ラインタイプ器具(例えば、ラットテールファイル、剣、杖)とそれらの環境との間のインターアクションにも及んでいる。

    図1に示すように、ユーザ接続ジンバル200はペアとなった平行リンク106と104とにヒンジ(蝶番接続)されているリンク102上で自由回転式に支持されている。 ヒンジ体108と110とはリンク102を可能な限り摩擦を発生させないように平行リンク104と106とにそれそれヒンジ接続している。 リンク104と106とは、図1の破線で部分的に示されており、以下でさらに詳述する機構を介してディスク体112に接続されている。

    ディスク体112はフレーム体114を介してベース部116に支持されており、ベース部自身はグランドされたサポート体118に支持されている。 ベース部116とフレーム体114とは固定されており、軸B 1周囲を角度θ 1Bで共回転する。 図1には図示されていないが、それら両方を回転式に支持するようにベアリングが提供されている。 このベアリングもまた可能な限りフリクションがないものである。

    図示されていないが”グランド”は基準フレームとして作用するアイテムであり、グランドに退位してユーザ接続要素の全モーションとポジションとが計測される。 図示の実施例において、接続要素はシンブル202である。 多くの適用例では、グランドは地上に対して、またはユーザのローカル環境に対して固定されている。 従って、グランドは床、壁または家具に対して固定が可能である。 しかしこれは必須要件ではない。 ユーザの別身体部分をグランドとすることも可能である。 例えば、ユーザの頭、尻または胸をグランドとすることができる。 グランド自体は、中または液中のブイ、漂う風船、移動する自動車のような”漂流体”であってもよい。 重要なことは、グランドとは基準フレームであり、それに対する接続要素のモーションとポジションとが計測されることである。

    フレーム体114とベース部116とを介したグランドサポート体118への接続によって、軸B 1周囲のジンバルユーザ接続アセンブリ200のモーションが可能となる。 ジョイント部(ヒンジ体)108と110とはヒンジされており、ジンバルアセンブリ200をアーク状ではなく、直線的、例えば、図3のように軸yに沿って移動させることも可能である。

    軸B 1周囲のベース部116のモーションに関しては、制約にも、コントロールにも、パワーアシストにも言及してこなかった。 しかし、1好適実施例においてはアクチュエータ120が提供されており、軸B 1周囲のモーションを積極的にコントロールする。 (本文中の”アクチュエータ”とはモータユニットか、または他のフォース発生手段のことである。必須ではないが、しばしばアクチュエータにはエンコーダが装備される。)簡単に説明すれば、アクチュエータ120は本体122と、キャプスタン124が搭載される回転軸(図示せず)とを有している。 アクチュエータに電流が流されると(配線は図示せず)、キャプスタン124は本体122に対して軸上でスピンする。 本体はサポート体125に回転式に固定され、サポート体はグランドサポート体118に固定されている。 よって、キャプスタン124はグランドに対して回転し、本体は固定されたままである。 ケーブル126はキャプスタン周囲に巻き付けられており、いずれかの端部でベース部116に係留される。 ケーブルは、キャプスタン124が回転するとき、キャプスタンがケーブル126をその周囲で引っ張るように提供される。 従って、フレーム体114と前述のアセンブリ全体も軸B 1周囲を回転する。 よって、トルクがベース部116にかかることになる。

    アクチュエータ120はポジションセンサー能力をも提供する。 典型的には、アクチュエータ120は、キャプスタン124と本体122との間の相対的回転ポジションを継続的にトラックする通常のポジションエンコーダを含む。 よって、適切なジオメトリカル(geometrical)分析が提供されれば、軸B 1周囲のベース部116のポジションは決定可能となり、そのポジション信号はエンコーダによって発生が可能となる。 エンコーダの代用にポジショントランスジューサ(transducer)を使用することができる。 例えば、ポテンショメータ(potentiometer)、リゾルバー(resolver)、ホール効果センサー(halleffectsensor)等でよい。

    以下においてさらに詳細に説明するように、アクチュエータ140は、ディスク体112の中心を通過する軸B 2周囲でリンク106にトルクを発生させるように追加提供される。 追加アクチュエータ140はケーブル136を介してディスク体112と接続され、軸B 2周囲のアクチュエータのポジションを継続的にトラックするためにエンコーダ(図示せず)を含むこともできる。

    さらに、第3アクチュエータ130が同一ケーブル136を介してディスク体112と接続され、軸B 2周囲でリンク356にトルクを発生するようにアレンジされる。 アクチュエータ130は軸B 2に対して別ヒンジジョイント体(352、図3、10A。図1には図示せず)の回転位置を継続的にトラックするためのエンコーダ131をも含む。 リンク106、104、及び356と、ヒンジジョイント体110と108との間にあるリンク102の部分101とのジオメトリによって、軸B 2に対するヒンジジョイント体352のこのポジションを継続トラックすることは、軸B 3に対するヒンジジョイント体108のポジションを継続トラックすることと同じことである。 これは、2つのヒンジジョイント体110と108との間の距離が知られており、この場合にはヒンジジョイント体352と軸B 2との間の距離に等しく、さらに、リンク104と106のアレンジが知られており、この場合には平行状態であり、リンク356とリンク102の部分101の場合と同様だからである。

    前記の実施例ではリンク106と104とは平行であるが、その必要はない。 同様に、リンク101と356も平行である必要はなく、同一の長さである必要もない。 必要なことはそれらの相対的な長さが知られていることである。 ヒンジ体はリンク104と102、102と106、並びに106と356の間に提供される。 リンク106と356とは両方とも回転軸棒354周囲を回転し、回転軸354はディスク体112とフレーム体114とに接続されていることでグランドに接続されており、フレーム体114はグランドサポート体118に接続されている。 どのリンクを移動させても他の4のリンクのモーションを規制する。 しかし、リンクのモーションはグランドに対しては規制されず、回転軸354に対して規制される。 従って、このリンケージは5棒タイプリンケージである。 あるいは、回転軸354はリンク106あるいは356の一方に固定が可能であり、回転ベアリングを介してディスク体112に接続が可能である。

    ヒンジ体の相対的ポジションを知り、装置のジオメトリを知れば、軸G 1 、G 2 、G 3が交差するシンブル202先端内のユーザ基準ポイント222のグランドに対する位置を正確に特定することが可能となる。 従って、この装置はユーザの指先の正確な位置を決定することができる。

    図1、図3及び図10Aで図示されているように、アクチュエータ130と140とは両方とも1本のケーブル136を介してディスク体112に接続されている。 ディスク体112はフレーム体114を介して搭載されており、軸B 2周囲を回転することはできない。 各アクチュエータ130と140とはそれぞれリンク356と106とに搭載されており、アクチュエータの本体はそのリンクに対して回転できない。 アクチュエータに電流が提供されれば(配線は図示せず)、本体と、対応キャプスタンとの間、例えば、本体132とキャプスタン134との間に相対的回転が発生する。 ケーブル136はキャプスタン周囲に巻き付けられており、両端でディスク体112に係留され、キャプスタンは回転するときアクチュエータをディスク体周囲にてケーブル端のいずれか側に引っ張る。 この作用はアクチュエータと伝達要素の通常の使用態様とは異なる。 通常はアクチュエータは静止状態であり、伝達要素はグランドに対して移動する。 ケーブル136の張力はアクチュエータがスリップもバインドもせずにどちらの方向にも移動できるように提供される。 図8のケーブルの巻き付け形状(キャプスタンとディスク体112の周囲)によって、通常の単純ループ形状の場合よりも低い摩擦で高い張力が得られる。

    まずアクチュエータ130を考察してみる。 アクチュエータ130は軸B 2に沿ったディスク体112の中心を通過する軸354周囲をピボットする箱型フレーム355の一部である短アーム部356に接続されている。 短リンク(アーム部)356は中心を越えてヒンジジョイント体352まで延びており、そこで短リンク356は長リンク104にヒンジ接続される。 短リンク356は部分301を含み、部分301は回転軸354からヒンジジョイント体352に延びている。 リンク104はリンク102に接続されており、リンク102からはジンバルユーザ接続アセンブリ200が懸垂式に提供されている。

    4つのリンク301、101、106、及び104が名目上の”ホーム”ポジションにアレンジされて”方形”を形成しているとき(図10A)、もしユーザがリンク102の長軸と一般的に垂直にユーザ接続アセンブリ200を移動させ、ヒンジ体108をヒンジ体110周囲にアーク状で移動させ、ヒンジ体352を回転軸354周囲にアーク状で移動させ、アセンブリ200を図10Bに示す形状にさせるなら、短アーム体356は回転軸354周囲をピボットし、アクチュエータ130を他方のアクチュエータ方向に向けてケーブルに沿って移動させる。 アクチュエータ130のモーションによって、キャプスタン134とハウジング132との間の相対的回転が発生し、軸B 2に対するアクチュエータ130のポジションが決定可能となる。 アクチュエタ130のポジションから、ユーザ基準ポイント222のポジションのアスペクトが決定可能となる。

    アクチュエータ130に電流が流され、ユーザに適用されたトルクがそれに対抗するに不充分であれば、そのアクチュエータは動くことになる。 アクチュエータ130のディスク体112周囲のモーションは短アーム体356のモーションと、短リンク356にヒンジ体352でヒンジされたリンク104の端部のモーションとが発生し、結果としてリンク102にヒンジされた他端部のモーションが発生する。 同様に、このようなモーションはユーザ接続ジンバルアセンブリ200に対応モーションを引き起こす。

    アクチュエータ140も同様に作動する。 アクチュエータ140もアクチュエータ130を接続している同一ケーブル136を介してディスク体112に接続されている。 アクチュエータ140はリンク106の1端に搭載されており、リンク106はディスク体112の中心にて回転軸354(軸B 2 )周囲をピボットする。 (リンク106は”L”状リンク延長部306により、回転軸354を越えてアクチュエータ140に延びている。)リンク106はヒンジ体110を介してリンク102の端部に接続されており、リンク102にはジンバルアセンブリ200が接続されている。 従って、図10Aに示す、シャフト(リンク)102の長方向に一般的に平行である方法にて名目上の”ホーム”ポジションからの(図10Cに示すポジションへの)ユーザ接続アセンブリ200のモーションは、リンク106のヒンジ体110を回転軸354周囲に一般的にアーク状で動かす。 この結果、アクチュエータ140はディスク体112周辺を引かれ、アクチュエータ130から離れる。 アクチュエータ140のエンコーダ141は軸B 2周囲のそのポジションを決定できることになる。 このポジションから、ユーザ基準ポイント222のポジションのアスペクトが決定可能となる。

    同様に、もしアクチュエータ140に電流が流されれば、アクチュエータ140はディスク体112周辺を移動せられ、ジンバルアセンブリ200をそのホームポジションから図10Cに示すポジションへと移動させる。

    このように、アクチュエータ130、140、120に接続されたエンコーダ131、141、151の各々によって発生されるポジション信号を、様々なリンクの周知ジオメトリの組合せと合わせて考察すれば、ユーザ基準ポイント222のグランドに対する正確な相対ポジションが、軸G 1 、G 2 、G 3が交差するシンブル内に決定可能となる。 この位置は本システムの他の部分でも利用可能である。 例えば、コンピュータバーチャル環境に対するユーザの指先マッピング位置の決定に応用できる。 さらには、非ローカル環境の位置に対する非ローカル環境のどの位置にスレーブ装置を移動させるかに関するユーザの意図を決定するのにも使用が可能である。

    前記の実施例は、ユーザの指先に対して3つのパワード、トラックトモーションフリーダムと、3つのフリー(非パワード/非トラックト)モーションフリーダムとになるリンク構造を利用している。 前記同様に、パワーモーションフリーダム(poweredfreedom of motion)とは、そのメカニズムがそのモーションフリーダムを利用しようとするユーザの試行に対して抵抗(またはアシスト)を提供できることである。 図示の実施例においては、パワードフリーダム(poweredfreedoms)は同時に”トラック”されている。 すなわち、そのメカニズムはそのフリーダムに対するユーザポジションを同時に継続トラック可能であることを意味している。 非トラックトのパワードフリーダムを有することは典型的には有益ではないが、パワードフリーダムはトラックされても非トラックトでも可能である。 トラックされたフリーダムはパワー供給されていてもあるいは非パワードでもよい。 図示の例では、パワー供給されたフリーダムは3つのアクチュエータ120、130、140にて制御され、それらにはモータとエンコーダとが含まれている。 静止基準フレームをグランドと考えると、その3つのパワードフリーダムは、図3に示す軸x、y、zで示される3次元空間内のユーザの指先ポジションに関連させて考察することが可能である。

    これら3つのアクチュエータ120、130、140のいずれも、軸x、y、zに関する変換(translation)パワードフリーダムのいかなる随意の組合せを介しても個々にはモーションにパワー供給できない。 その代わり、それらは共同作用でそのようなモーションにパワーを供給してトラックする。 同様に、3つのアクチュエータのいずれもこれら3軸に関する随意フォースベクトルを確立するトルクを個々には提供することができない。 これに関しても共同でそのようなフォースを確立するように作用する。

    本例の3つのフリーフリーダムは静止基準フレームに対するシンブルの回転ポジションを定義すると考えることが可能である。 この回転ポジションは軸G 1 、G 2 、G 3が交差する基準ポイント222に変換(トランスレート)されたx、y、zフレームに関して測定される。 この変換基準フレームは図2Bにおいて軸a、b、cで表されている。 このような回転ポジションは回転のレストポジション、例えば、軸G 1 、G 2 、G 3が軸a、b、cとそれぞれ一致するようなポジションに関して測定される。

    これら3軸a、b、cと3軸G 1 、G 2 、G 3との間には相違がある。 G軸は装置に固定されており、ジンバル要素の相対的位置によってそれらのオリエンテーションを変える。 例えば、もしユーザがシンブルをその先端がリンク102を指すように旋回させれば、軸G 1とG 3とは一致するであろう。 しかし、軸a、b、cは常に直交しており、軸x、y、zの原点に原点を有する基準フレームに関して同一オリエンテーションに残る。 軸a、b、cの原点は3本のG軸が交差する基準ポイント222の変換で移動する。

    この例のフリーモーションフリーダムは、軸a、b、c周囲のシンブルの回転である。 その回転は、軸G 1周囲の中間四半ジンバル212のフリースピンと、軸G 2周囲のエンド四半ジンバル204のフリースピンと、軸G 3周囲のシンバル202のフリー回転とを介して提供される。 これらフリーダムは指を左から右、手の平から甲、及び、指長軸周囲の指回転の組合せに対応している。 これらフリーダムのいずれも図1のシステム実施例によっては妨害もアシストもされない。 図示の実施例においては、これらいずれのフリーダムもトラックもパワー供給もされていない。 よって、これらフリーダムを介したユーザモーションは検出も、記録も、非ローカル環境への伝達も一切されない。 その環境がそれらに影響を及ぼすこともない。

    本発明の主要アスペクトは、パワー(場合によってはトラックされた)フリーダム数を物理的に達成可能な最大フリーダム数よりも少なく制限することで達成可能である。 例えば、モータとエンコーダとをジンバルアセンブリの各ジョイント体と回転シンブルとに提供し、シンバルに6のパワードフリーダムを提供することは技術的には可能である。 しかし、このようなアレンジは欠点を有している。 さらに、特にポイントタイプとラインタイプの適用等の多数の有益な適用において、高フィデリティフォースフィードバックを提供する装置の提供にはさほど多くのパワードフリーダムの提供は必要ではない。

    例えば、ユーザの指先と物理界との間でのインターアクションを考察すると、ほとんどのインターアクションはポイントタイプインターアクションであると考えられ、実世界では指にはトルクがかからず、単に1点でフォースベクトルが適用されるだけである。 言い換えれば、ユーザの指が長軸周囲に捻られることのない多くのインターアクションが存在する。 同様に、指の長軸に直交する2直交軸周囲において無視できる程度のトルクが適用されるような多くのインターアクションが存在する。 さらに、指は1端で固定されており、これら2軸のいずれの周囲においても自由に回転できない。 これら2軸に関して提供されたいかなる限定トルクもフォースとして忠実にモデル化可能であり、手の平から甲、親指から小指、またはそれらの組合せのラインに沿っての方向付けが可能である。 前記の考察はボタンを押したり、ループを引っ張ったり、物体を押したり、探索したり、親指と他の指との間で物体を持ち上げたり、タップしたり、引っ掻いたり等に対して適用される。

    同様に、そのようなポイントタイプインターアクションに対しては、指先の変換ポジションが重要であるが、指の回転ステータスは関係しない。 もしユーザが単純ボタンを押せば、ユーザがボタンに指先の肉部分で接触しようが、爪部分で接触しようがそのボタンは同じように押されるであろう(摩擦は無視する)。 同様に、ボタンは指先の角度や左右(親指から小指)、上下(手の甲から手の平)には関係なく押される。

    物理的環境はしばしばそのようなフリーダムに影響を及ぼさないので、このシステムがユーザの指のそのようなフリーダム及びユーザ接続要素202に影響を及ぼすことができる必要性はない。 同様に、物理界はそのようなフリーダムに対するポジションに関わりなくユーザ活動に対して同様に反応するので、このシステムはそのようなフリーダムに対するポジションをトラックする必要はない。 しかし、ユーザ接続アセンブリ200の本質的に摩擦のないジョイント体とジンバルとに提供されるそのようなフリーダムを入手できることは重要である。

    今日まで、ほとんどの周知システムは、経験されるフリーダム(典型的には剛体に対して6)全部に対してパワートラックコントロールを提供しようと試みたか、または、例えば1軸周囲の回転を制限することで、利用可能なフリーダム数を限定しようと試みてきた。

    最大数のフリーダムに対してパワー供給され、トラックされたコントロールを提供するには多数のアクチュエータが必要となる。 アクチュエータは比較的に重くて通常は高価である。 それらの制御には追加的コンピュータパワーとプログラムとが必要である。 追加アクチュエータとの連絡には追加的伝達手段が必要である。 それらの重量はカウンタバランスされねばならず、あるいは、何等かの方法で対処され、ユーザにそれらの存在を察知されないようにしなければならない。 これらによって装置の複雑さが増加し、容積が増大する。 さらにユーザのモーションに対する対応を遅らせ、望むものよりも狭いバンド幅となる。

    3つのフリーダムのみにパワー供給し、図1に示すようなアレンジを使用することには別な利点もある。 ここではユーザ基準ポイントは装置に接続されたユーザの身体部分にあり、この場合はシンブル内の指にある。 このアレンジによってユーザはシャープで小さな物体を感じることができる。 ユーザの触覚は増強される。 なぜなら、装置は接触ポイントがユーザの身体部分内にあるかのように作用するからである。 この効果は、大きなグローブを取り去り、物体に皮膚面で接触することで達成される増強された触覚鋭敏度と同じである。 異なる点は、この場合にはその触覚感度が、皮膚と妨害肉部とを介して仲介されるフォースではなく、あたかもユーザの筋肉と骨とが直接的にフォースを交換しているかのように増強されることである。

    以上、本発明の1好適実施例を説明してきたが、その一般的な特性は以下で説明されている。 これら一般的な特性は多様な態様にて達成可能であるが、それらは全て「請求の範囲」に属するものである。

    アクチュエータは再現が求められるタイプの非ローカル環境を模擬あるいはシミュレーションするフォース(物理力)を創出できるサイズにて提供されなければならない。 この装置は、ユーザがアクチュエータを飽和状態とせずに表面剛性を経験できるだけの充分に大きなフォースを発生させるものでなければならない。 この提供によってユーザは壁を不動であると感じることができる。 大きな最大フォースは衝撃フォースをさらに正確に表示させる(例えば、スレーブ装置が壁を叩くとき)。 装置が発揮可能な最大フォースは、装置特有なバックドライブフリクション(backdrive friction:以下にて説明)に関しても検討されなければならない。 バックドライブフリクションに対して発揮可能な高比率の最大フォースを有することは望ましい。 なぜなら、高比率は装置が発揮できる大力学範囲のフォースに変換されるからである。

    1例として、人間の人差指が発揮できる平均最大フォースは約50ニュートン程度であり、過去の研究によれば、遠隔ロボットハンドマスターに対しては40ニュートンが適切な設計最大値であるとされている。 一般的な解説には、P. H. スッター、J. C. イアトリディス、N. V. タコールの「遠隔操作における指への反映−フォースフィードバックに対する反応」(proc./ナスダ会議/「スペース遠隔ロボット」ページ65−74、NASAJPL1989年1月)参照。 しかし、低フォース能力でも充分に目的を果たすことが発見された。 例えば、最大フォースが8ニュートンしかないアクチュエータが剛体壁のイメージを創出するに使用が可能であることが発見されている。

    カウンターバランスシステムの一部として作動するアクチュエータを有した前記実施例に対して、小型アクチュエータの使用でも素早い反応と、広いバンド幅と、さらにフレキシブルなカウンターバランスが提供可能である。 さらに、ユーザに対する危害や不快感のリスクをも低減している。 小型アクチュエータの使用はさらに、バックドライブフリクションを低減し、装置の慣性力を減少させるという2の望ましい追加的設計基準を満たしている。

    装置は可能な限り低いドライブフリクションを有するものでなければならない。 フリクションは装置がユーザに与えようとする(反映させようとする)フォースにノイズを加える。 さらに、非ローカル界が不自然であるという感覚をユーザに提供する。 大きなフリクションはユーザを疲労感をも与える。 前述のように、バックドライブフリクションに対する最大フォースの比が可能な限り高くて幅広い力学的範囲が提供されることが望ましい。 従って、特に、必要とされる最大可能フォースが小さいことも望ましいため、フリクションは可能な限り小さいことが望ましい。

    典型的な装置においてはフリクションは少なくとも次の3発生源から生じる。 すなわち、構造体のベアリングと、アクチュエータからリンケージへのトランスミッションと、アクチュエータ自体とからである。 ベアリングとトランスミッション内のフリクションは非常に低く抑えることができる。 従って、アクチュエータ技術では達成可能なフリクション下限と、バックドライブフリクションに対する最大フォース比の上限とが設定される。 フリクションフォースに対する最大フォース比はアクチュエータの選択によって定まるが、フォースの特定作動範囲はトランスミッション比によって決定される。

    装置は低慣性力のものでなければならない。 装置の慣性はユーザが一定速度で動いていれば大きな問題とはならない。 しかし、ユーザが加速したり減速するとき、システムの慣性力はユーザに対して外部質量による不快感をユーザに与えるであろう。 さらに、装置の慣性力は装置の命令に対する反応バンド幅をも制限する。 典型的には、全ての装置は小さなフォースをスロースピードで提供することができ、あるいは、一定状態で提供することができる。 よって、本装置の特徴は、バンド幅を決定する比較的に大きなフォースを素早く提供する能力である。 指操作式インターフェースにおいて、ユーザが感知する見かけの質量が100g以下に抑えれらていることが望ましい。 ユーザが感じる見かけの質量は構造体の慣性とモータの反映慣性(reflectedinertia)とに比例的に関係している。 モータ装置の反映慣性はトランスミッション比、N、2乗に比例する。

    装置は作動空間内の全ポイントにおいて静的にバランスされていなければならない。 フリクションの場合と同様に、装置のアンバランス部分に作用する重力によって発生する外部フォースは、ユーザが経験するフォースを汚染するかも知れない。 さらに、フォースの度重なるオフセットはユーザを急速に疲労させる。 機械的構造のアンバランスの積極的な矯正は可能であるが、このことはシステムのアクチュエータの力学的範囲の犠牲を伴う。 グランドに対して広範囲なオリエンテーションでバランスを維持することが望ましい。 例えば以下で説明するように、図1に示す本発明の実施例は、ベース部116がユーザ接続ジンバル200の重力的上方であろうと重力的下方に位置していようと10g以内で静的にバランスされている。

    いくつかの理由により、トランスミッションにはバックラッシュはほとんど発生すべきでない。 まず、装置のユーザ基準ポイントの位置はアクチュエータのポジションから計算されるものであるならば、計算されたポジションの誤差は最低でもトランスミッションのプレーに等しいであろう。 次に、バックラッシュはモータからユーザ接触アセンブリへ伝達されるフォースを断絶させる。 バックラッシュゾーン内にあれば、ユーザはトランスミッションの他方端部のモータ負荷を感じない。 しかし、ユーザあるいはモータが装置をバックラッシュゾーンから移動させるとき、モータは再度係合するので、過渡的ショックが発生する。 バックラッシュによって導入される非直線性もまたサーボアルゴリズム(servoalgorithm)を脱安定化させる傾向にある。

    指のポジションの細かな変化も人間のユーザには容易に察知される。 0.01インチ(0.254mm)以下程度のポジション変化でさえも感知され、よって許容できない。 さらに、トランスミッションでのバックラッシュによって創出されるフォース非直線性はモデル化することが困難であり、フォースコントロールを困難にする。 従って、バックラッシュがゼロであるシステムが使用されるべきである。

    構造、トランスミッション、及びサーボコントロールループのスティッフネス(安定度:stiffness)は装置全体のスティッフネスとバンド幅とを決定する。 構造とトランスミッションとのスティッフネスは非常に高くすることが可能である。 従って、開示された装置の限定スティッフネスはサーボループであると言える。

    安定サーボループで達成可能な最大閉鎖ループスティッフネスは、装置の慣性、装置に提供されるユーザの指のインピーダンス、トランスミッション比、サーボレート(servorate)、及びエンコーダ解析能力の関数である。 典型的にはトランスミッション比はこれらファクターのうちで変化させるのに最も容易なものである。

    最後に、装置のポジション解析度は2つの理由で高くなければならない。 まず、高解析度は装置にバーチャル環境のさらに正確なポジション情報を反映させる。 次に、エンコーダの解析度は、閉鎖可能なコントロールループのスティッフネスに制限を設定し、同様に、粘性/慣性である効果の発生を制限する。

    前述の本発明の1好適実施例は前述の触覚システムの相反する特性要件をクリアしている。 その装置は3つのパワード、トラックトモーションフリーダムと、3つのフリーモーションフリーダムとを使用している。 前述のように、このような装置は広範囲な指活動のため、ユーザの指先と現実との間のインターアクションを忠実に提供する。 装置は装置ジョイント部にかかるトルクを発生させるためにモータを使用し、ユーザの指とのデカルトフォースベクトルを発生させて抵抗することができる。 図5で略式に示されているデータ処理ユニットはデカルトフォースベクトルにヤコビ(関数)行列式の転置(transpose)を掛けて必要なモータトルクを算出する。 これはシステムのジオメトリとアクチュエータのポジションとに基づき、ユーザ基準ポイント222でモータトルクをフォースに関連させるものである。

    アクチュエータのサイズ決定には、ワークスペースの範囲、すなわち、リンク106、104、及び102の長さが選択されなければならない。 前述の実施例に対しては、装置は使用中のユーザの手首の位置より一般的に上方に位置した第1起動(actuated)ジョイント部を有しており、他要素のサイズは、装置のワークスペースを越えることなく、ユーザに手首、指の付け根、及び指関節の移動を最大限度まで許容するものである。 ベースディスク部分116は4.5インチ(11.43cm)の直径を有している。 ディスク体112は3インチ(7.62cm)の直径を有している。 軸B 2とヒンジ体110との間のリンクの長さは5.5インチ(13.97cm)であり、ヒンジ体110と交差ポイント222との間のリンクの長さは5.5インチ(13.97cm)であり、ヒンジ体110と108との間の距離は1.25インチ(3.175cm)である。

    望むモーション範囲と、望む最大発揮可能フォースと、トランスミッション比とを有したアクチュエータに関して、そのアクチュエータに対する必要最大トルクが見つけられる。 130gの重量を有し、最大トルクが24ニュートン−cmである適したアクチュエータの例は、スイスのマキソンインク社の”RE25−055−35EBA201A”である。 そのモータは、無鉄アーマチャ技術(ironlessarmature technology)を採用しており、トルクの乱れ(リップル:ripple)とアーマチャ慣性力とを減少させている。 この選択されたアクチュエータとの使用に適した高解析エンコーダは2,000カウント/回転を提供する。 この1例はカルフォルニア州パロアルトのヒューレットパッカード社のモデル5310である。

    一般的に、利用可能なギア減少(reduction)トランスミッションは前述のごとく望む値よりも大きなバックラッシュの影響を受ける。 場合によっては”ダイレクトドライブ”技術が使用可能である。 しかし、これには高いストールトルク(stalltorque)を備えたモータの使用が必要となる。 これには非常に大きくて重いモータの使用を要し、結果として慣性と容量とが増加する。 よって、ユーザの指と物理界とのインターアクションをシミュレーションするシステムに対しては、ダイレクトドライブシステムは欠点を有している。 しかし、多数の部分、例えば、ユーザの握り拳や足とのインターアクションのシミュレーションにはダイレクトドライブ技術が適していることがある。

    ケーブルトランスミッションは非常に小さなフリクションでゼロバックラッシュ特性を提供可能であり、トランスミッションリダクション(reduction)をも提供することができる。 バックラッシュはケーブルをプレテンション(予備緊張:pretension)させることでゼロとすることができる。 ケーブルトランスミッションの使用にはいくつかのファクターの考察が必要である。 ケーブ配線はモータとキャプスタンベアリングの放射フォース(radialforce)が最低限であることを条件とする。 プリー体周囲に1回転以上巻き付けられたケーブルは限定されたキャプスタン幅を必要とする。 なぜなら、それらはキャプスタンがスピンするときにキャプスタンを”ウォーク(walk)”するからである。 ドライブキャプスタンがケーブル上に維持できるテンションすなわち張力は、ドライブはe μθに比例しており、このμはケーブルとキャプスタンとの間のフリクションの係数であり、θはケーブルがキャプスタン周囲に巻き付く角度である。

    ケーブルは、その周囲にフリクションを発生させず、大きなケーブル疲労なく移動できる限定された最小プリー半径を有している。 例えば、前記実施例での使用に適したサバコーポレーション社のST−2032である直径0.028インチ(0.71mm)のケーブルに対しては、最小半径は0.2インチ(5.08mm)である。 トランスミッションは長スパンでの余分なフリーケーブル長を回避すべきである。 長いフリーケーブルはトランスミッションに追従(compliance)を導入する。 さらに、プレテンションされたケーブル長はエネルギー源として作用し、周波数によっては不都合な共鳴を引き起こす。 最後に、キャプスタンへの螺旋溝の提供は有益である。 この提供によりケーブルは毎度同様に移動し、相互に摩擦し合うこともない。 この螺旋溝はケーブルとキャプスタンとの間のフリクション係数を効果的に増加させ、ケーブル疲労を減少させる。 これらは両方とも装置に望ましい特性である。

    一般的に図1に示される本発明の実施例は優れたアレンジを提供しており、そのアレンジによって本発明の要素は互いにカウンターバランスし、静的なバランスが提供され、慣性が大幅に低減されている。 このアレンジはトランスミッションをも単純化している。 軸B 1に作用するモータ120はグランドに対して固定されており、よって、装置の慣性を増加させない。 しかし、アクチュエータ120とトランスミッションの一部を形成するベース部116は軸B 1周囲で装置の慣性を増加させる。 従って場合によっては、トランスミッションに必要ではないディスク体部分(例えばその半分)を慣性を減少させるために取り去ることが有利となる。 このような形態は全オリエンテーションに対してはバランスされない。 従って、全ての状況で部分ディスク体を使用することは必ずしも有利ではない。

    軸B 2に垂直な平面でのモーションを協調して起動させる2つのアクチュエータ130と140は、このアセンブリの他の部分とのカウンタウエイトとして作用し、それらが構造体をワープスペース内の全ポイントで実質的静的にバランスさせる。 (実際にこの装置は全位置において10g内で静的にバランスしている。)この形態の1利点は、その静的バランスの達成を目的として装置に不要な質量を一切追加していないことである。

    カウンターバランスを達成するための手段は図10A、10B、10Cに関して見られる。 アクチュエータ130と140、それらを運ぶリンク356と106、リンク106に平行なリンク104、リンク102、及びジンバル式ユーザ接触アセンブリ200の質量の中心は軸B 2に残っている。 例えば、もしリンク106がディスク体112に対して固定されていれば、アクチュエータ140もまた固定されている。 もし同時に、ジンバルアセンブリ200が軸B 2周囲にて逆時計回り(図10Aの場合)で図10Bのポジションへ移動すれば、リンク104と短リンク356とは、アクチュエータ130がディスク体112と軸B 2との周囲を逆時計回りに引っ張られるように移動する。 これらリンクの長さとそれら質量は、リンクのジオメトリに規制される所定の相対的モーションに対して、質量の中心は実質的に軸B 2に残るように選択される。

    同様に、図10Cに示すような軸B 2周囲で長シャフト体106を回転させるジンバルアセンブリ200のモーションは、同軸B 2周囲のアクチュエータ140の対応モーションを引き起こし、軸B 2の他方側のそのアセンブリ部分の重量に実質的カウンターバランスする。

    前述の別々の2例のカウンターバランスは協調し、ジンバル接続アセンブリ200のいかなるモーションも両アクチュエータの対応モーションによってカウンターバランスされる。

    1好適実施例においては、1ケーブル136のみが両アクチュエータ130と140とに対して使用される。 このことは、2アクチュエータに対して1本のケーブルのみを設置してプレテンションすればよいという利点を提供する。 さらに、そのケーブルはプレテンションが最低限の軸負荷と放射負荷とをモータベアリングに加えるように配線される。

    両アクチュエータ130と140とがその上をドライブするドライブキャプスタンと及び共有されたプリー体112の両サイズは複数のファクターで決定される。 それらの相対的サイズはリダクション(減少)比を最低とし、以下の制限を満足させるように選択される。 共有されたプリー体112はアクチュエータが接触せずに相互に30度の角度以内で移動できるように充分に大きくなければならない。 しかし、このプリー体112は通常使用時にユーザの手をブロックするほど大きい必要はない。 このプリー体のサイズを小さくし、2つのアクチュエータと、ベース軸B 1周囲のそれらのトランスミッションとの回転慣性力を小さくすることが有利である。 最低利用サイズ(前述)が0.4インチ(1.02cm)のキャプスタン144と134、及び半径3インチ(7.62cm)のディスク体112を使用すると、ディスク体112とキャプスタン(134または144)とのトランスミッション比は7.5:1となる。 よって、アクチュエータ130または140に対して、軸B 2周囲のトルクは、いずれかのアクチュエータによって発生されるトルクよりも7.5倍大きくなる。 プリー体112のサイズが与えられれば、装置のモーション範囲はその静的バランスが達成されるように調整されなければならない。

    同様な考慮が軸B 1に対するトランスミッションサイズの選択に貢献する。 図1に示す実施例においては、2つの理由によって少々大きなリダクション比が使用されている。 ベース軸周囲の慣性は他の2軸B 2とB 3周囲の慣性よりも相当に大きい。 ベース軸周囲のバンド幅が他の2軸周囲のバンド幅に対抗できるよう、その大きな慣性に対して大きなリダクション比が使用される。 さらに、この構造体のベアリングのフリクションはこの軸に対してモータによって引き起こされるフリクションよりも高い。 よって、そのトランスミッション比の増加はバックドライブフリクションをそれほど増加させないであろう。 従って、ベース軸に対するトランスミッション比は約8.75:1から、11:1あたりが適当であろう。

    前記の装置に対して、ワークスペースの中央部に位置する接触ジンバル200で発生可能な最大フォースは、長リンク106とペンジュラムリンク102とに平行な軸に沿って(このように配置されたとき)約8.5ニュートンである。 この多少高いトランスミッション比のため、軸B 1周囲の最大フォースは9.5ニュートンである。

    装置が移動するジオメトリの変化により、ユーザに感知される見かけの質量はワークスペース内の全ポイントで必ずしも一定ではない。 典型的には、いずれの方向の見かけ質量も60gから95gの範囲である。 装置はワークスペース内の全ポイントで10g以内に静的にバランスされている。 望むなら、このアンバランスはアクチュエータによって補正が可能である。

    プレロード(予備負荷)されたベアリングとプレテンションされたケーブルとを備えた図示のリンケージを使用すれば、図示の実施例のバックラッシュはゼロとなる。

    図1に示す実施例に可能なワークスペースの形状は図9Aと9Bとに示されている。 ワークスペースのサイズはリンケージの一般的なスケールによって定まる。 図9Aと9Bのハッチングされた半円で表されるワークスペースのディメンションは、もしユーザが全回転を自由にさせることができれば、2点破線で示すように実際には完全な円である。 このような場合、アクチュエータへ電流を送るどのワイヤにも特殊な工夫が必要となろう。 ジンバルアセンブリ200のポジションがxとy(図3、または図9Aと9Bに図示)の両方がゼロに近づくように変化するとき特異性が発生し、装置のxとy方向の見かけ質量は無限に近づくことは特筆すべきことである。

    前述のことは、本発明の多くのアスペクトを採用した典型的なフォース感応触覚式ユーザインターフェースの電子−機械アスペクトを解説するものである。 非ローカル環境(物理的またはバーチャル)に関して電子−機械的装置を使用するためには、その非ローカル環境へのコントロールインターフェースの提供が必須である。 典型的なインターフェースは図5に示されている。

    前記と類似した電子−機械的装置510は人の触覚システム512に接続されている。 人間の触覚システムとは人ユーザ接触感覚である。 この電子−機械的装置510は人間から装置、並びに装置から人間への両方向にフォース(F)とポジション(x)とを伝達させる手段を介して人の触覚システム512に接続される。 (以下で説明する本発明の他の実施例においては、これら2システム間のコミュニケーションは、フォース信号とポジション信号とではなく、またはそれらに加えてトルク(τ)信号と角(θ)信号をも含むことができる。本発明の一般的特性を説明する際のごとき本明細書と「請求の範囲」とに使用される”フォース”とは、線形フォースとトルク、及びそれらの派生力をも含むものである。同様に、”ポジション”または”位置”とは、線形ポジションと回転ポジションとの両方と、速度、加速等のそれらの派生ポジションをも含むものである。)
    この電子−機械的装置は、図1に示すシンブル202のごときダイレクトユーザ接続用または接触用の要素502を含む。 (別なユーザ接続要素であるスタイラス602は図6に示されており、以下で説明する。)この実施例は3つのフリーモーションフリーダムと3つのパワード、トラックトモーションフリーダムとを有しており、ユーザ接続要素502は、フォースとポジション信号とを伝達する接続体、すなわちベアリングを介してフリージンバル500に接続されている。 (一般的にはこのポイントで伝達可能であるが、このリンケージはトルク信号も角信号も伝達できない。)
    ジンバル500は機械式リンケージ506とケーブルトランスミッション536とを介してアクチュエータ540に接続されており、それら両方でフォース及びポジション信号(並びに恐らくはトルク及び角信号)をトルクと角信号のみに変換する。 逆方向において、機械式リンケージ506とケーブルトランスミッション536も共同でアクチュエータからのトルクと角信号とを、ジンバル500に提供されるフォースとポジション信号(及び恐らくはトルクと角信号)に変換する。

    前述のアクチュエータ120、130、及び140は回転ポジションエンコーダ550(前述においては121、131、141)を含み、これらはアクチュエータの回転軸の相対的回転ポジションをそれらに対応する本体に関して継続的にトラックする。 このポジションはパルス信号によって特定され、この信号は電子機械的装置510のエンコーダ550からエンコーダリーダ562へと伝達される。 エンコーダリーダ562は電気入力/出力インターフェースの一部であり、電子機械的装置510をコントロール装置570に接続する。 これは典型的には手元の目的のためにプログラムされている汎用コンピュータで実現される。 プログラムされた汎用コンピュータの代用として専用装置を提供することも可能である。 各エンコーダからのパルス信号はエンコーダリーダ562に受信され、そのパルス信号は各アクチュエータの本体に対する回転軸の角ポジションを表す信号に変換される。

    その角信号はコントロール装置570に伝達される。 運動分析ユニット572はモータの角ポジションを使用し、電子機械的装置510の静的一致化に関する情報を基にして、接続要素502、あるいは望まれる電子機械的装置510のいかなる他の部分のユーザ基準ポイントのユーザローカル環境内での位置を決定する。 装置の静的一致化あるいはコンフォメーションに関する情報にはその多様なリンケージの長さとオリエンテーション、トランスミッション比等が含まれている。

    典型的な適用においては、このユーザポジション信号は非ローカル環境のエンティティ(存在体:entyty)に伝達される。 このエンティティは遠隔物理的環境での物理的スレーブ装置であることもあり、バーチャルコンピュータ環境のエンティティのコンピュータ表現体であるかも知れない。 あるいは、時間あるいは空間に関する温度を表すデータのごときコンピュータ環境のデータを表すコンピュータ表現体であるかも知れない。

    説明の簡略化のため、この非ローカルエンティティは物理環境内の物理的装置であると当初に想定しよう。 ローカル環境の非ローカル環境への位置マッピングが存在する。 運動分析ユニット572から伝達されるポジションを表す信号は、比ローカル環境のスレーブ装置の一部をユーザが置きたいと願う位置の表現体であるかも知れない。 スレーブ装置をユーザポジション命令に従って移動させるために適当なコントロール装置が提供される。 その非ローカル環境においては、スレーブ装置は、装置がフォースをその上に感知するようにその非ローカル環境と遭遇する。 このフォースは、歪ゲージ、またはアクチュエータを流れる電流計等の、スレーブ装置と接続して提供される計器によって測定され、典型的には電気信号としてスレーブ環境からコントロール装置570へと戻される。 よって、略式ブロック580は物理的システムでもよく、スレーブ装置と、その環境と、それとの接続とを含む。

    1例を挙げれば、スレーブ装置は閉鎖スペースを移動する単純形状の指形ワンド体でもよい。 このワンド体がスレーブ環境で壁に接触すると、スレーブワンドと壁との間のフォースに関して信号が発生される。 別例においては、スレーブ装置はブロック510で略式に示す装置と同一でもよい。

    コントロール装置570はヤコビ行列適用ユニット(Jacobian application unit)574を含む。 これは非ローカル環境のフォースを表す電気信号を、ユーザとユーザ接続要素502との間で対応フォース信号を発生させるためにローカル環境のアクチュエータが適用しなければならないトルクを表す電気信号に変換する。 この変換を実行するため、このヤコビ行列適用ユニットは、電子機械的装置のコンフォメーションに関する情報と、ユーザ基準ポイント222のカレントポジション(currentposition)に関する情報とを含み、さらに操作する。 この情報は運動分析セクション572によって使用される情報に非常に類似し、関連している。

    このトルクコマンドはデジタル−アナログ変換ユニット566に送られ、使用されている特定アクチュエータの明細に基づいて電流に変換される。 この電流は典型的にはサーボアンプユニット566で増幅され、電子機械的装置510のアクチュエータ540に伝達される。 アクチュエータ540に適用された電流はその本体と回転軸との間のトルクとなり、接続されたリンケージを移動させるか、あるいは人間のユーザ触覚システム512に提供されるフォースとなる。 このフォースの強度及び実行されている仕事とによってユーザは動くか、あるいは動かないかが決定される。

    前記の説明は、非ローカル環境580が物理的スレーブ装置を有した物理的環境であると想定している。 非ローカル環境がバーチャルスレーブ装置を備えたバーチャルコンピュータ発生環境とすることも可能である。 例えば、非ローカル環境は多様な物体が全域に行きわたった閉鎖領域の表現体とすることも可能である。 スレーブ装置はバーチャル環境全域を動き、物体と閉鎖領域とに遭遇する1点(ポイント)とすることもできる。 バーチャル環境での移動ポイントのポジションは現実の物理的マスター機械でのユーザ基準ポイント222の位置によって決定される。 略図ブロック580で表されるバーチャル環境はフォース信号を発生する。 このフォース信号は、バーチャル環境が作動する法則に従って、ヤコビ分析ユニット574に戻される。 装置設計者は、バーチャル物体が存在するバーチャル位置にそのポイントが移動したときにフォース信号が発生されるようにすることができる。 このフォースの大きさと、それが存在する空間領域とは、設計者が不動物体、剛体または柔軟物体等の感知を願うか否かで決定されるものである。

    典型的には、このコントロールユニット570は適当にプログラムされた汎用デジタルコンピュータを含む。 前述実施例に対しては、66MHzで作動するゲートウエイ2000インテル80486ベースクローンのIBM社パソコンが適している。 電気インターフェース560は3つの12ビットデジタル−アナログコンバータと、マサチューセッツ州コプリコントロールコープ社の製品モデル#303である3つの電流制御サーボアンプと、パワーアンプと、他のベーシックなコンピュータインターフェース用電子機器で構成されている。

    前述のサーボループはそれに関連するゲイン(利得:gain)を有している。 このゲインは装置の全体的なスティッフネスの決定において重要なファクターである。 コンピュータがサーボループをモータ周囲で閉じることができるレートは、本発明の前述実施例に対するゲインを設定するときの重要な限定ファクターである。 1KHzのサーボレートで、16ニュートン/cmのスティッフネスが達成可能である。 また、2KHzのサーボレートで32n/cmのスティッフネスが達成可能である。 サーボレートに貢献するファクターは、サーボループを完成させるようにコンピュータをコントロールするプログラムに必要とされるクロックサイクル数と、その処理速度である。 処理速度の増加、あるいは必要な処理サイクル数の減少はサーボレートを増加させる。 すなわち、装置の効果的なスティッフネスを処理速度のある値まで増加させる。 その後に、他の考察が実効を発揮するようになる。

    前述の説明は、ユーザに接続されたマスター装置が非ローカル環境でスレーブ装置をドライブするようなアレンジに焦点を当ててきた。 フォースフィードバックは本質的に双方向性である理由により、本発明はそれぞれのローカル環境に存在する2(人)のユーザに使用が可能である。 各々のユーザは、フォースを他方に伝達するコントロール装置に接続された前記のごときユーザ接続装置を使用する。 従って、各装置はスレーブ装置及びマスター装置の両方の機能を有している。 各ユーザは他方のユーザとエンゲージし、他方のユーザを動かし、他方のユーザのモーションを感知することができる。

    本発明はその非ローカル環境の特質によって限定されない。 いかなる非ローカル環境も本発明のユーザ接触装置と共に利用が可能である。

    バーチャル環境とのユーザインターフェースを提供するのに使用が可能な要素の略式ブロック図は図12に示されている。 このような装置は図1に示す前述のハードウエア装置に接続される。 バーチャル環境は図5に一般的に示されているフォースコントロール要素580で発生される。 図12はバーチャル環境を発生させる要素をさらに詳細に示している。

    ジオメトリックモデルレジデンス(geometrical model residence)1230はバーチャル環境のジオメトリ記録を保存する。 このジオメトリは予め確立されている(preestablished)。 典型的には、このレジデンスはその環境の数学的表現でデータを保存し、領域(zone)、2次元及び3次元物体、境界、基準フレーム等を確立する。 これはコンピュータメモリあるいは他の等価装置で簡単に実行可能である。

    前述のように、図5に示す運動分析要素572は、ユーザのローカル環境の基準フレームに対する、図1に示すユーザ装置のユーザ基準ポイント(または以下に説明するライン)のポジションを表す信号である。 例えば、そのユーザ基準ポイントは3本のG軸の交点222でもよい。 そのジオメトリレジデンス1230はユーザのローカル環境に対する基準ポイントの表現をも含み、その基準フレームをバーチャル環境の何等かのアスペクトにマップする。

    運動分析ユニットの出力はコンパレータ1232に提供され、ユーザ基準ポイントまたはラインの位置をバーチャル環境の領域、物体、境界等の位置と比較する。

    ビデオスクリーン等の表示装置1238が存在すれば、そのような表示装置にバーチャル環境のグラフ表現を表示することは有益である。 さらに、ユーザ接触装置のグラフ表現または抽象概念、及びバーチャル環境に対するその位置を(物理的環境並びにバーチャル環境の基準フレーム間でのマッピングに即して)表示することは有益である。

    コンパレータには図5に示すフォース発生機に対応したフォース発生機580が接続されている。 この部材はユーザ基準ポイントの位置(及び、速度の位置派生体、加速度等)に対して、バーチャル環境の特徴に基づいてフォース関係ルールを適用し、フォースを表す信号を発生させる。 例えば、もしその環境が硬質壁に囲まれた閉鎖立方体であり、ユーザ基準ポイントの位置がどの壁とも一致していなければ、このフォース発生機580はユーザに戻されることとなるゼロフォースを表す信号を発生させる。 しかし、もしユーザが基準ポイントをいずれかの壁と一致する空間内に入るように移動すれば、そのフォース発生機はフォース信号を発生させる。 単純な例では、それらの壁は非常に剛性が高いバネ体としてモデル化され、F=kdの関係を有した構造関係を有している。 このFはフォース信号であり、kは定数であり、dはユーザ基準ポイントが接触前に壁平面を越えた距離である。 従って、そのポイントがバーチャル壁から遠くに”越えれば”越えるほど、その抵抗フォースは大きくなるであろう。

    体験上、非常に硬質な壁はその壁面からの侵入を一切拒む。 よって、もし非常に硬い壁がバーチャル世界に表現されたら、kは大きな数となる。 カーペット壁のように表面が柔らかい壁や、プラスチック窓のようなエラスチック壁は小さなk値で表される。

    伝統的制御理論の法則はkに対する許容値を定めている。 これらの値はシステムの全体的な精度と、その装置が必要な計算をする計算速度と、アクチュエータの解析度と、D/A変換機の解析度とによって決定されるものである。

    どの場合にも、フォース発生機580は、1点(ポイント)と壁の特性を有した物体との間に発生するであろうフォースを表す信号を、そのポイントの位置によって定まる形態(conformation)で発生させる。 このフォース信号はヤコビ適用ユニット574に送られる。 このユニットは接続要素にてユーザに適当なフォース、例えば、F=kdを感じさせるにはどの信号をモータに送るべきかを決定するものである。

    このフォース信号はバーチャル環境反応計算機1236にも送られる。 この計算機はバーチャル環境のジオメトリックな表現に変更が加えられるべきか否かを決定するものである。 前述したように、バーチャル環境内の領域は、もしフォースがそれら領域に適用されればどのように変換されるべきかを法則に則って定義される。 例えば、完全剛性である壁は変形せず、全く変化しない。 従って、ユーザがいかに頑張ってその壁位置を押そうが、その壁は移動しない。 よって、その壁の表現体は移動すべきでなく、ユーザは接続ポイントをその壁に一致する位置に移動させる度に発生されるフォースを感じなければならない。 しかし、もしバーチャル壁が柔質であれば、フォース計算機はその壁の静止面を越えるユーザの侵入に対応した限定フォースのみを発生させる。 もしユーザがこのフォースに対抗し続けるなら、この壁は構造関係式F=kdに応じた後退位置に留まる。 よって、バーチャル環境の表現体もまたこの壁の新ポジションを反映するように変化する。

    壁の代わりに、そのポイントが発見される領域を質量を有した移動物体を表す領域とすることもできる。 この場合、発生フォースとバーチャル環境の変化とを支配するルール(法則)は単純なF=kx関係とは異なり、そのポイント即ち物体の加速に関する情報を含むものである。 従って、反応計算機は移動ユーザ接続ポイントとバーチャル環境内の物体との充分な時間経緯記録を保存し、F=maタイプの関係に従って質量の反応が計算できるものでなければならない。 このFはユーザと装置との間のフォースであり、mはバーチャル物体の質量であり、aはその環境内のバーチャル物体の加速度である。

    反応計算機はバーチャル環境の新形態(conformation)を決定し、この情報をジオメトリモデルレジデンス1230と、(存在すれば)表示体1238とに提供する。

    本発明はさらに、ユーザ接続基準ポイントの物理的位置とバーチャル環境との間の比較の実行に基づいてフォースフィードバック信号を発生させる方法をも含む。 この方法のステップは図13に関して提供されている。 これら方法ステップは、使用されているハードウエアが全計算を行い、必要な全ての表示を実行するやいなや何度も反復されるものである。

    この方法は1310で始められる。 ユーザポイントの位置は1312で、例えば、運動分析ユニットから受信される。 次に、ユーザ基準ポイントの位置は1314で、バーチャル環境の基準フレームと物理的装置との間で設計者が選択するマッピングを利用して、バーチャル環境のジオメトリに関連づけられる。 その後に1316で、バーチャル環境のどの領域にマップされたユーザ基準ポイントが存在するか決定される。 この領域に基づき、適したフォース信号が1318で発生される。 この信号は前記のように、その領域の特定の構造関係式、その領域内のユーザ基準ポイントの位置、及び速度、加速度等の位置経緯記録に基づくものである。 このフォース信号は前記のごとくユーザ装置へ送られる。

    この構成法則は、ユーザ基準ポイントの位置とモーションとに基づいてバーチャル環境がどのように変化すべきかを規制する。 これらの必要な変化は1320で計算され、バーチャル環境の記録または映像、あるいは表現体はそれに合わせて変更される。 もし表示装置が使用されるなら、バーチャル環境とユーザ基準ポイントとの現況が1322で表示される。 このプロセスは1324で開始ステップにリターンされ、ユーザ基準ポイントの次の位置が得られ、バーチャル環境とユーザとの間の効果が再び決定される。

    前述の実施例は、3つの能動的パワード、トラックトフリーダムと、3つの受動的非トラックト、非パワードフリーダムとを備えた、その環境とのポイントタイプインターアクションをモデル化している。 このような装置は指、手、頭、尻、足、舌、口等のユーザの身体のどの部分ともインターアクトさせるのに使用が可能である。 この装置のサイズと形態、及びその接続要素タイプはこのような使用に対して採用が可能である。

    フリーダムの同一の組合せは、図6の602のようなスタイラス形状のユーザ接触要素と共に使用が可能である。 それ以外はこの装置は前記のものと同一である。 ユーザは適当であればどのようにでもスタイラスを掴むことができる。 ボールペン使用の場合と同様に、その長軸に対していかに回転されるかはペン機能には関係ない。 (このことは万年筆や平坦形ポイントペンには適用されない。)同様に、その長軸に垂直な2本の直交軸に関してペンがどのオリエンテーションを有しているかは一般的に重要なことではない。 重要なのはペン先の位置である。 すなわち、基材上にペン先があるか否かである。 ペン先が基材上を移動されたか、あるいは、基材から離されたか否かが重要なのである。

    スタイラスタイプの接続要素602においては、ユーザはスタイラスタイプスレーブ装置を非ローカル環境で操作することができる。 例えば、スレーブ装置は絵筆でもよい。 その絵筆は現実のものでも、あるいはバーチャルでもよい。 現実の絵筆であれば、ユーザはキャンバスに筆先が接触する位置や、絵の具源等だけのコントロールに留まらず、筆の接触後にどの程度の強さで筆先が押さえられ、筆先がどの程度広げられるか、すなわち、線の太さまでコントロールできるであろう。 さらにユーザは紙材質を感触でき、筆の性能、筆と紙との抵抗、並びに顔料の粘性等をも感知できるであろう。

    もしスレーブ装置がバーチャルであれば、装置設計者は、使用されているバーチャル基材とバーチャルスタイラスとが、現実の絵筆と基材との場合と同様な反発感をユーザに提供することができる。 すなわち、ユーザがバーチャル絵筆でバーチャル弾性基材を強く押してバーチャル基材に近づけば近づくほど、描かれたバーチャル模様は線太となるであろう。 このような実施例は、バーチャル基材平面を確立し、ユーザのスタイラスポジションを特定し、その剛毛部分を特定するソフトウエアを使用して提供が可能である。 バーチャル絵筆の剛毛部分がバーチャル基材に接触の後、その反発力(フォース)はアクチュエータに発生し、現実の剛毛の反発力を模擬する。 その反発フォースはバーチャル接触後にバーチャル絵筆が移動した距離に比例する。 描かれた模様の線幅もこの距離によって定まる。

    この技術は、従来のように線幅を予備設定するのではなく、自然のままに異なる幅の線を提供する現実的コンピュータスクリーン作画プログラムを提供する。 異なるタイプの絵筆も、そのフォースを移動幅と模様幅とに関連づける関係式を変化させることで模擬(シミュレーション)が可能とある。

    剛毛絵筆は、その断面に垂直であるコンポーネントで、フォースの影響下においてその断面を変化させる一般クラスの物体の特定な使用例である。 このようなものには、スポンジ、フェルトマーカー、エラストマー消しゴム、等が存在する。 これらのものは一般的に”ダイアゴナル(直交:daiagonal)”タイプのアイテムと言う。

    バーチャル基材にガラス、粗い水彩紙、キャンバス等の多様な材質を提供することも可能である。 同様に、その粘性特性に基づいて顔料もシミュレーションが可能である。 この達成のため、ユーザ基準ポイントの位置に加えて、その位置経緯も記録されなければならない。 なぜなら、顔料の粘性要素は相対的移動速度に基づく構成関係式を有するからである。

    同様に、模様が描かれるバーチャル基材の”へこみ”や反発性もシミュレーション可能である。 例えば、金属板に載せられた1枚の紙のごとき硬質面や、重ねられた紙の上に載せられた紙のように柔軟質面のような特性も多様にシミュレーション可能である。

    表面の材質は、ユーザ接続装置を選択基材の物理的サンプルと接触させ、その接触装置をその表面上で移動させ、物理的絵筆(あるいは他の器具)があたかも物理的基材上を引かれているときのように生じるユーザ接続装置の動きを発生させることでジオメトリモデルにおいてモデル化が可能である。 これらのモーションは記録可能であり、このタイプのサンプルのバーチャル面の定義に使用が可能である。 多様なタイプのサンプルはこのように処理することが可能であり、表面状態のライブラリが入手可能である。

    波打ち壁としての材質も、シミュレーションされるその材質によって定義される波形のディメンションと平面部とでシミュレーション可能である。

    図12に関して前述したハードウエア装置の説明のように、フォース発生機1380は、押引されているバーチャル剛毛要素の弾性に基づいたフォースを発生させる。

    前述の一般実施例の他の適用方法も本発明の着想内であり、当業技術者であれば理解するであろう。 コンピュータでモデル化が可能ないかなる状況でも本発明のインターフェースの利用対象である。 図1と図6とで説明した実施例は、シンブル及びスタイラスのごとき剛体で成るユーザ接触要素を有していることを特徴としている。 この装置はその剛体を移動させる3つのフリーダムをパワーし、さらに、これらのフリーダムを介したモーションをトラックする。 この剛体の他の3つのフリーダムに関しては、装置はそれらをパワーもトラックもしない。 しかし、それらはユーザが移動する媒体として利用が可能である。

    一般的に剛体の物理界とのインターアクションは6のモーションフリーダムによって説明され、通常は3本の直交軸に沿ったモーション及びフォースと、3本の直交軸に関する回転とトルクとで構築される。 前述したように、本発明の1つの重要なアスペクトは、物理的環境あるいはバーチャル環境との効果的なインターアクションが、接続装置の剛体部分の全部で6のモーションフリーダムよりも少なくパワー供給されているユーザインターフェースで可能となることである。 前記の例は3つのパワード及びトラックトフリーダムと3つの非パワード、非トラックトフリーダムとを利用している。 3つの非パワードフリーダムをトラックするがパワーしないこともまた可能である。

    4つのパワード及びトラックトフリーダムと、2つの非パワード、非トラックトフリーダムとを使用した本発明の実施例は図7において略式に示されている。 そのユーザ接触要素702は普通のスクリュードライバーと類似したハンドル体701を有している。 ハンドル体にしっかりと固定されたシャフト体703は、アクチュエータ706の回転軸を形成しており、またはそれに安定固定されており、その本体は4半(クォータ)ジンバル704のアームによってしっかりと保持されている。 それ以外はこの装置は図1に示すものと実質的に同一に形状化されている。

    このアクチュエータ706は前記アクチュエータ120、130、及び140と同様に内部エンコーダを装備しており、その本体に対するハンドル体の回転位置をトラックすることができる。 それは(図示しない電気ケーブルを使用して)モジュール570と類似したコントロール装置へのインターフェースに接続されており、それはエンコーダによって発生された位置情報を処理し、トルクコマンドを発生する。 発生されたトルクコマンドは電流信号に変換(トランスレート)されてアクチュエータ706に送られ、非ローカル環境での所定条件に従ってユーザモーションに対する適当な抵抗を提供する。 前述と同様に、この非ローカル環境は物理的であってもバーチャルであってもよい。

    この実施例は、ユーザが特定タイプのスクリュードライバーを使用する際に有用である。 このタイプの使用にはネジ締め、ネジ緩め、フォークでの”スパゲッティどり”等が含まれる。

    例えば、スクリュードライバーの使用シミュレーションのごとき場合には、アクチュエータをそのハンドル体701内に配置し、そのシャフト体703をその4半ジンバル704に固定することが有益である。 これでもフリーダムのパワー化は可能であり、モータの質量をハンドル体内に配置する。 この位置はスクリュードライバーの重心が存在する箇所である。 このように、現実界はアクチュエータの質量をカウンターバランスするための余分な質量を必要とせずにシミュレーションされる。

    ハンドル体702の回転ポジションは決定するが、このフリーダムを介してモーションをパワーするモータを含まないエンコーダを含むポジションセンサー706を提供することも有益である。 この実施例は、ポジションが情報を伝達するが、ユーザに対してトルクフィードバックを提供する必要がない状況で有益であろう。 このような状況には、ユーザが視覚的に確認できるポジションへとダイヤルを回転させることで選択するような状況が含まれる。 モータを排除することの利点は、まず重量が大幅に減少し、カウンターバランスと慣性の問題がさらに容易に克服されることである。 さらに、もしこのフリーダムを介したトルク計算が不要であるなら、そのコントロール装置は単純化される。

    本発明のユーザ接続アセンブリの別実施例は図8に略式に示されており、そこには2のパワード、トラックトフリーダムと、1の非パワード/非トラックトフリーダムとを有したアセンブリが示されている。 この装置の残余部分は実質的に前述のものと同じである。 すなわち、その他の3つのパワード、トラックトフリーダムを有している。 この場合のユーザ接触要素802はワンド体である。 このワンド体は長軸周囲に回転自由なエンド4半ジンバル804に、図6に関して前述したスタイラスと同様に接続されている。

    アクチュエータ816が提供され、その本体はリンク102に関して回転式に固定されている。 さらに、リンク102を介して本体はこの装置の残余部分とグランドとに接続されている。 アクチュエータ816の回転軸は中央4半ジンバル810の1端814に固定されている。 中央4半ジンバル810の他端は別アクチュエータ812の本体820に固定されている。 このアクチュエータ812の回転軸824はエンド4半ジンバル804の端部808に接続されており、それにはスタイラス802が前記のごとく自由回転式に取り付けられている。

    この装置は非ローカル環境とのユーザインターアクションをラインに沿って、あたかも盲人が杖でローカル環境の障害物の位置と、サイズと、形状とを特定するように提供する。 その盲人は杖でその環境を探索する。 杖は杖に沿い、その長軸周囲のいかなるポイントにおける物体にも遭遇することができる。 杖がその長軸に対してどのように置かれているかはユーザの環境との感触にとって問題とはならない。 同様に、その長軸周囲の回転オリエンテーションには関係なく、杖とのインターアクションに対しても環境は同様に作用する。 よって、この実施例においては、ユーザ基準ポイントの代わりにユーザ基準ラインが存在する。

    図8に示す両アクチュエータはポジションエンコーダとモータとを含むことができる。 しかし、前記のスクリュードライバータイプの実施例と同様に、特定の状況では1のフリーダムのみがパワー供給され、他のフリーダムはエンコーダでトラックされるだけであることが要求されることもある。 さらに、2つのポジショントランスジューサの提供も有利であろう。 この場合、そのいずれもアクチュエータのトルクトランスミッション能力を有しておらず、両方ともポジション感知のみを提供する。 偉大なオーケストラ指揮者のモーションを記録し、演奏終了後またはリアルタイムで模擬オーケストラを指揮させるのに使用することもできる。

    前記の例示は本発明の一般性を限定するものではない。 以下の表は本発明のアスペクトとして着想された多様な組合せによるパワー供給され(P)、トラックされ(T)、フリーである(F)(即ち、パワー供給もトラックもされていない)フリーダムのモーションを示している。 基本的に、少なくとも3つのパワード、トラックトフリーダムと、少なくとも1の非パワードフリーダムとを有した全てのフリーダム組合せは本発明に含まれている。

    本発明はさらにパワー供給されているフリーダムに対する全ての位置を対象としている。 例えば、図7におけるスタイラス長軸周囲のモーションはパワー供給されており、ジンバルアセンブリの他の2軸周囲のモーションはパワー供給されていない。 また、図示されている軸周囲ではなく、これら他の2軸のみのいずれか周囲のフリーダムがパワードフリーダムであれば、これも本発明の一部である。 同様に、図8に示すようにいかなる組合せの2軸にパワー供給することも本発明の一部である。

    図1の本発明は、ユーザ接触アセンブリ200の位置がグランドされたサポート体118よりも重力的に下側に位置しているものである。 ユーザ接触アセンブリがサポート体118よりも上となるよう、それを上から下までフリップ(flop)された状態で使用することもできる。

    この装置はいかなる別オリエンテーションにても使用が可能ではあるが、場合によっては互いにカウンターバランスしなければならないコンポーネントの形状と重量とを調整することが必要となることがある。 これは、仕様によってはそれらがバランスし、別仕様ではバランスしないからである。 前述したように、”グランド”とは装置設計者によって選択されるいかなる基準フレームでもよい。 グランドは、ユーザ基準ポイント222にて装置に接続される身体部分とは異なるユーザ身体の一部であってもよい。 あるいは、海上を漂うブイのように浮動状態のものでもよい。

    図11に略式に示されるように、少なくとも2つの装置を共同で使用することも便利である。 その1つはユーザの親指で操作されるもの1126であり、他方はユーザの他の指で操作されるもの1122と1124とであってよい。 このように、ユーザは非ローカル装置の2本以上の指の間で非ローカル環境の物体を掴むことができる。 シンブル202は片側にて妨害されるだけであり、よって、4半ジンバルエンドアセンブリの使用でこのアレンジは可能となる。

    本発明には多数の適用法が存在する。 それらには模擬または遠隔操作の機械あるいは楽器が含まれる。 例えば、ユーザは両手の各指と、ペダル用の1足に取付られた装置で非ローカル環境のピアノを演奏することができる。 ペダル操作スレーブ機械は、ユーザの足に取り付けられた装置で操作が可能である。 またこのような装置は医師による遠隔地の患者の弾傷の探索にも使用が可能であり、弾丸の破片を探し出すことができる。 あるいは外科医は、実際の患者からのデータを利用して特定手順の”ドライラン(dryrun)”にこの装置を使用することもできる。 例えば、患者頭部のスキャニングを実施することができる。 頭部を表す2次元または3次元のデータは非ローカル環境であり、実際には、腫瘍や損傷等を含んだバーチャル環境である。 バーチャル針プローブはこのスペースでナビゲーション可能であり、そのデータ領域の精度、質量、モーション等により決定される適当なフォース信号を発生させる。 これらのフォース信号は図6に示すようなスタイラスタイプのユーザ接続装置にフォースフィードバックを提供し、外科医に実際の患者でのその医療行為の実行はどのようなものであるかを教える。 このように、外科医は、封鎖物、障害物、等の問題を示すかも知れない”実地”シミュレーションを達成する。 外科医は接触感と視覚との両方を頼りに繊細な手術を計画することができる。

    本発明は1体のユーザ接続要素をユーザの両足の各々に取り付けることで、バーチャル地形を歩かせるのにも使用が可能である。

    本発明は、階段、壁、地面の穴などの実際の障害状況をシミュレーションし、盲人を完全に安全な環境で訓練するのにも使用が可能である。

    コンピュータインターフェースの一部としても本発明には多くの可能な使用法が存在する。 例えば、コンピュータファイルとドキュメント用の現在普及しているデスクトップメタフォールとでも使用することができる。 従来のインターフェースは典型的にはボタンとトラックボールとが付いたマウスを使用する。 デスクトップの表現体の現実感は本発明の使用によって増強可能である。 バーチャル環境内のアイテムは本発明によって従来方式よりもさらに現実味を帯びて利用可能である。 説明した装置はエッジ、重量、肌合等を有した物体に現実感をもって遭遇させる。 本のページは実際に掴むことでめくることができる。 書類等は軽く押したり、掴んだり、動かすことができる。 さらに大きくて重要なファイルは、さらに重く厚くすることができる。 異なる物体には異なる肌触りを与えることができる。

    別なコンピュータインターフェースの利用法は、バーチャルボタンを押したり、トッグル(toggle)タイプのスイッチのフリッキングである。 例えば、プッシュボタンはコンピュータスクリーン上に斜視図にて表示が可能である。 そのユーザ基準ポイントがボタンゾーンに遭遇すると、ユーザはその表面を感じることができる。 もしユーザがインターフェースを押すと、反発力がフォース発生機1380で発生され、ユーザは前述のごときF=kdの抵抗感を実感することができる。 もし通常の距離をこのフォースに対抗してユーザがスイッチを押すと、”しきい値”は通過され、その後にフォース発生機は抵抗力を全く発生させない。 さらに少々スイッチを押すと、フォース発生機はボタンがあたかも押された状態でロックされたかのように堅固な抵抗を発生させる。 よって、ユーザはそのしきい値を感知し、スイッチを押したことが確認できる。 言い換えれば、反発力と移動距離との関係を特定する機能は非直線的となる。

    同様に、壁電気スイッチのごときトッグルタイプスイッチにおいては、スイッチはしきい値を越えるまで一方から他方に移動する際に反発力を提供し、その後にスナップする。 マルチポジションとマルチエンゲージメントと、マルチリリースモードとを有した他のスイッチバリエーションも可能である。

    そのアクチュエータはロータリモータでも、リニアモータでも、油圧装置でも、他のいかなる適したフォースあるいはトルクトランスジューサでもよい。

    例えばシンブルあるいはスタイラスである、ユーザと装置との間の接続要素は耐張力、耐圧縮またはそれらの両方のタイプでもよい。 例えば、ストリングループは耐圧縮性であるが、耐張力性ではない。 ポイントタイプまたはフラットタイププレートは耐圧縮性であるが耐張力性はない。 ぴったりとフィットするシンブルや、掴まれたスタイラス等はそれら両方に耐えることができよう。

    本発明はコンピュータスクリーン等の可視表示装置上の3次元データ表示の有用性を増強するのにも使用が可能である。 そのようなデータは表示されるとき、3次元アイテムが2次元媒体に表示されている理由により、しばしば不明瞭となる。 本発明の使用でユーザはバーチャル3次元スペースにおいてそのデータ形態を実際に感じることができる。 3次元以上のデータは、肌合、モーション等で表される追加次元を有することで触覚に対して表現が可能となる。

    前記の実施例の1つは3つのフリーダムにパワー供給する3つのアクチュエータを使用している。 3つ以上のアクチュエータを使用して3つのフリーダムをパワーすることも普通のことである。 例えば、ポイントの位置を特定し、そのポイントを妨害物を越えてナビゲーションする能力を望む場合には3つ以上のアクチュエータを使用する。 このような場合には、追加肘タイプのジョイント体が障害物の回避には利用可能であろう。 同様に、4以上のフリージョイント体の使用は3つのフリーフリーダムの提供を可能にするであろう。 本発明はこのようなマルチジョイントタイプの装置をも含む。 必要なことはユーザ接続要素が存在することであり、そのユーザ接続要素の3つのフリーダムがパワー供給されており、その接続要素の少なくとも1のフリーダムがパワー供給されていないことである。

    前述の説明は本発明の例示を目的としたものであり、本発明の限定を意図したものではないことが理解されるべきである。 本発明は好適実施例に基づいて示されており、また解説されているが、当業技術者であれば、本明細書の「請求の範囲」に定義された本発明の精神とスコープとから離脱せずに形態と詳細の多様な変更が可能であることは理解しよう。

    本発明の「請求の範囲」は以下の通りである。

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