【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電磁モータ等を駆動するのに好適な駆動制御回路、駆動制御方法および駆動制御回路を備える電子機器に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、電磁モータ等のアクチュエータを駆動する駆動制御回路として、トランジスタのコレクタ側にアクチュエータを接続し、トランジスタのベースに制御電圧を印加する回路が知られている。 この種の従来の駆動制御回路の回路図の一例を図7に示す。 図7において、101は制御演算部、102は駆動回路、103 はアクチュエータ部であり、104はアクチュエータ部103のロータマグネット103−2の駆動された位置を検出する位置検出ユニットである。 【0003】また、制御演算部101には、アクチュエータ部103を所望の位置まで回転制御させるある目標値と、位置検出ユニット104から出力される制御量信号とが入力されている。 制御演算部101内において、 目標値はインピーダンス素子(Z3)101−3を介してOPアンプ101−5の非反転入力端子に入力され、 制御量信号はインピーダンス素子(Z1)101−1を介してOPアンプ101−5の反転入力端子に入力される。 また、OPアンプ101−5の非反転入力端子とアース間にはインピーダンス素子(Z4)101−4が接続されており、OPアンプ101−5の反転入力端子と出力端子間には負帰還用のインピーダンス素子(Z2) 101−2が接続されている。 これらのインピーダンス素子は、抵抗単体、あるいは、抵抗とコンデンサとにより構成される。 【0004】このように構成された駆動制御回路の動作を説明すると、OPアンプ101−5には負帰還用インピーダンス素子101−2が接続されていることから、 非反転入力端子に入力される信号と、反転入力端子に入力される信号とが同一値となるような出力信号が出力されるようになる。 この場合、OPアンプ101−5の非反転入力端子には目標値が、インピーダンス素子101 −3とインピーダンス素子101−4とで分圧されて印加されており、反転入力端子には位置検出ユニット10 4からの制御量信号がインピーダンス素子101−1を介して入力されているので、目標値に制御量信号が一致するようなエラー信号がOPアンプ101−5から出力される。 駆動回路102はこのエラー信号が供給されて駆動されるようになり、駆動回路102のトランジスタ102−2のベースにエラー信号が印加されて、そのレベルに応じたエミッタ電流が流れるようになる。 【0005】この結果、トランジスタ102−2のエミッタ電流が目標値信号と制御量との差に応じた電流量とされ、このエミッタ電流量に応じてロータマグネット1 03−2が回転駆動されるようになる。 従って、アクチュエータ部103のロータマグネット103−2が目標値に応じた所定の回転角度まで回転されるようになる。 また、このロータマグネット103−2の回転量は、位置検出ユニット104により検出されて、制御演算回路101にフィードバックされ、目標値の位置にロータマグネット103−2が達するまで駆動回路102はエラー信号により駆動されるようになる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】前記した従来の駆動制御回路においては、駆動回路102のトランジスタ10 2−2のベースバイアス電圧がエラー電圧とされて、エミッタ電流がアナログ制御されることから、トランジスタ102−2は非飽和領域で動作するようになる。 従って、トランジスタ102−2においては、エミッタ電流(コレクタ電流)とコレクタ−エミッタ間電圧とを乗じた電力が消費されるようになる。 この電力は、熱として消費される無効な電力であるので、従来の駆動制御回路においては、駆動回路102の電力効率が悪いという問題点があった。 そこで、本発明は駆動回路の電力効率を向上することのできる駆動制御回路、駆動制御方法および電子機器を提供することを目的としている。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の駆動制御回路は、駆動手段の駆動位置を設定するための目標値、および、交流信号に基づいて生成された基準値と、制御量信号とを比較する比較回路と、 該比較回路の比較出力によりオン/オフされるスイッチング回路と、該スイッチング回路により駆動される前記駆動手段と、該駆動手段の駆動位置を検出し、該駆動手段の駆動位置に応じた前記制御量信号を出力する位置検出部とを備えている。 また、上記課題を解決する本発明の駆動制御方法では、駆動手段の駆動位置を設定するための目標値、および、交流信号に基づいて生成された基準値と、制御量信号とを比較し、その比較結果に応じてオン/オフされるスイッチング手段により、前記駆動手段が駆動されるようにされており、前記制御量信号が、 前記駆動手段の駆動位置を検出して生成されている。 【0008】そして、前記駆動回路および前記駆動方法において、前記交流信号を三角波としたり、不感帯を有する波形とすることができる。 さらに、前記制御量信号を位相補償回路により位相補償してもよい。 さらにまた、本発明の電子機器は前記駆動制御回路を備えているものである。 【0009】このような本発明によれば、スイッチング手段をオン/オフすることで駆動することができるので、スイッチング手段の電力ロスをきわめて小さくすることができる。 すなわち、スイッチング手段をトランジスタ等で構成したときに、トランジスタがオフとされたときの電力ロスはゼロであり、トランジスタがオンされてトランジスタに接続されたアクチュエータ等の負荷に電流が供給されたときは、トランジスタは飽和することになるので、そのコレクタ−エミッタ間の電圧は0.2 V程度の飽和電圧に過ぎないため、トランジスタではわずかな電力しかロスしないようになる。 このように、本発明の駆動制御回路では、従来の駆動制御回路に比べて電力効率を格段に向上することができる。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明の駆動制御方法を具現化した駆動制御回路が適用される電子機器の構成を示すブロック図を図1に示す。 ただし、図1には電子機器がビデオカメラ等の撮影機器とされ、そのカメラコントロールシステムの構成だけが示されている。 図1において、1 は複数のレンズ12,13,14,16からなるレンズ群と、アイリス(IRIS)15とからなるレンズブロック(LENS BLOCK)、2はレンズブロック1で捉えられた被写体からの光を受けて、その光を電気信号に変換するチャージ・カップルド・デバイス(CCD)、3はCCD 2からの撮像信号をサンプリングホールド(S/H)するサンプリングホールド回路と、撮像信号のゲインコントロールを行うAGC(Auto Gain Control )回路からなるS/H AGC回路、4はS/H AGC回路3から出力される撮像信号をディジタル信号に変換するA/ D変換器、5はディジタル信号とされた撮像信号の信号処理を行うカメラ処理部(CAMERA PROCESS)である。 【0011】また、6はカメラ処理部5から出力された輝度信号(Y signal)を検波する検波回路(DETECT CIR CUIT)であり、7は検波回路6により検波された輝度信号のレベル情報を受けてレンズブロック1,CCD2, およびS/H AGC回路3を制御するカメラ制御部(CAMERA CONTROL MCU)である。 なお、レンズブロック1内にはズームレンズ13が設けられており、ズームレンズ13をズームモータ(ZOOM MOTOR)17により前後に移動することにより、被写体の拡大・縮小のズーミングが可能とされている。 このズームモータ17はズームドライブ回路(ZOOM DRIVE CIRCUIT)11により駆動制御されている。 【0012】また、レンズブロック1内のフォーカスレンズ16は、フォーカスモータ(FOCUS MOTOR )19により前後に移動可能とされており、フォーカスモータ1 9によりその位置が制御されることにより、入射光をC CD2上に合焦するようにされている。 このフォーカスモータ19はフォーカスドライブ回路(FOCUS DRIVECIR CUIT )9により駆動制御されている。 さらにまた、アイリス15をアイリスアクチュエータ(IRIS ACTUATER )18により制御することにより、CCD2上に入射される光量が制御されるようにされている。 このアイリスアクチュエータ18はアイリスドライブ回路(IRIS D RIVE CIRCUIT)10により駆動制御されている。 さらにまた、CCD2はCCDドライブ回路(CCD DRIVE CIRC UIT )8により駆動されている。 【0013】前記したズームモータ17、アイリスアクチュエータ18やフォーカスモータ19は電磁モータとされており、それぞれの電磁モータは、カメラ制御部7 の制御の基で設定された目標値に向かって制御されるようになる。 これらの電磁モータの駆動は、前記したようにズームドライブ回路11,アイリスドライブ回路1 0,フォーカスドライブ回路9が行うようにされ、本発明においては各ドライブ回路である駆動制御回路は、電力ロスが極力生じないような回路とされている。 そこで、アイリスドライブ回路10を例に挙げて、本発明の駆動制御方法を具現化した本発明の駆動回路の第1の実施の形態の回路図を図2に示す。 【0014】図2において、24は制御演算回路、25 は駆動回路、26はアクチュエータ部であり、27はアクチュエータ部26のロータマグネット26−2の位置を検出するホール素子等から構成される位置検出ユニットである。 また、制御演算回路24には、アクチュエータ部26を所望の位置まで回転制御させる目標値が端子21から入力されると共に、位置検出ユニット27から出力される制御量信号29が入力されている。 制御演算回路24内において、目標値はOPアンプ24−1の非反転入力端子に入力され、制御量信号29はOPアンプ24−1の反転入力端子に入力される。 また、OPアンプ24−1の非反転入力端子には、端子22から入力された三角波等の交流信号が直流阻止用のコンデンサ(C 1)23を介して入力されている。 なお、OPアンプ2 4−1の反転入力端子と出力端子間には負帰還用のインピーダンス素子は接続されていない。 【0015】さらに、駆動回路25は制御演算回路のO Pアンプ24−1から出力された偏差28によりオン/ オフされるトランジスタ25−2と、このトランジスタ25−2により駆動制御されるアクチュエータコイル2 6−1の両端間に発生する高い誘起電圧を抑制するダイオード25−3から構成されている。 なお、抵抗(R 1)25−1はトランジスタ25−2に適切なベース電流を供給するためのものである。 さらにまた、アクチュエータ部26は、駆動回路25により駆動制御されるアクチュエータコイル26−1と、アクチュエータコイル26−1に流れる電流量に応じて回転されるロータマグネット26−2から構成されている。 【0016】このように構成された本発明の駆動制御回路の動作を図4に示す動作波形図を参照しながら説明する。 なお、図4には目標値信号(a)、三角波とされた場合の交流信号(b)、制御量信号(c)、偏差(d)、および駆動電流(e)の波形が時間軸上で示されている。 OPアンプ24−1には負帰還用インピーダンス素子が接続されていないことから、OPアンプ24 −1は比較器として動作するようになる。 したがって、 OPアンプ24−1の非反転入力端子に入力される信号と、反転入力端子に入力される信号とが比較されて、ハイレベルあるいはローレベルとされた比較出力が偏差2 8として出力されるようになる。 この場合、非反転入力端子には、目標値信号と交流信号とが入力されているため、非反転入力端子には、目標値信号のレベルでバイアスされた図4に(b)として示すレベルの三角波が入力されるようになる。 【0017】一方、OPアンプ24−1の反転入力端子には位置検出ユニット27から出力された図4に(c) として示す制御量信号29がそのまま入力される。 従って、両入力信号のレベルを比較したOPアンプ24−1 から出力される偏差28は、図4に(d)として示すようにハイレベルまたはローレベルのパルス状の波形となる。 この偏差28のパルス幅は、図4を参照すれば明らかなように、制御量(c)のレベルに応じたパルス幅とされている。 ここで、偏差28によりトランジスタ25 −2がオンとなるよう駆動されて、アクチュエータコイル26−1に駆動電流が供給されると、ロータマグネット26−2が目標値に向かって回転を開始し、その回転位置を検出する位置検出ユニット27から出力される制御量(c)が次第に上昇していく。 この時、偏差28はハイレベルを維持しトランジスタ25−2はオン状態に駆動されるが、偏差28の値が目標値(a)に接近して、目標値信号(a)でバイアスされた交流信号(b) を越えたレベルとなると、OPアンプ24−1の出力である偏差28はローレベルに反転するようになる。 【0018】しかしながら、交流信号(b)は図示するように振動を繰り返していることから、次の瞬間には上昇に転じて制御量(c)を越えるレベルとなるため、O Pアンプ24−1の出力である偏差28は再びハイレベルに反転するようになる。 このような動作が図示するように繰り返し行われることにより、ロータマグネット2 6−2は目標値とする位置まで回転することになり、偏差28のパルス幅は一定のデューティ比となる。 この場合、トランジスタ25−2はパルス波形とされている偏差28によりオン/オフされるため、トランジスタ25 −2による電力損失は微々たるものとなる。 すなわち、 トランジスタ25−2がオフされたときは、トランジスタ25−2のインピーダンスは極めて高いインピーダンスとなって、ほとんど電力は消費されず、トランジスタ25−2がオンされたときは、トランジスタ25−2が飽和してそのコレクタ−エミッタ間電圧は、0.2V程度の微少な電圧とされるため、トランジスタ25−2により消費される電力ロスは微少なものとなる。 【0019】また、この際にアクチュエータコイル26 −1に供給される駆動電流は、図4(e)に示すようになる。 すなわち、偏差28がパルス状となると、このパルスを積分した鋸歯状の電流波形となり、この駆動電流によりアクチュエータコイル26−1に発生した起磁力によりロータマグネット26−2が回転駆動されるようになる。 なお、トランジスタ25−2がオフされたときに、アクチュエータコイル26−1に高い誘起電圧が発生するが、この誘起電圧によりダイオード25−3に電流が流れて、誘起電圧は抑制されるようになる。 従って、ノイズ等が発生されることを防止することができる。 【0020】図2に示す本発明の駆動制御回路においては、上記したように駆動回路25における電力損失をほぼゼロとすることができるため、駆動回路25の電力効率を大幅に向上することができる。 また、図3に本発明の駆動制御回路の第2の実施の形態の回路図を示す。 この駆動制御回路においては、図2に示す駆動制御回路に比べて、位相補償回路29が設けられおり、位置検出ユニット27から出力される制御量信号を位相補償するようにしている。 このため第2の実施の形態においては、 制御特性がより向上されるようになる。 また、他の構成は第1の実施の形態と同様とされているので、この第2 の実施の形態の詳細な説明は省略するものとする。 【0021】さらに、図5(a)に本発明の駆動制御回路の第3の実施の形態の回路図を示す。 この第3の実施の形態においては、モータの回転量を制御するようにした駆動制御回路の例が示されている。 図5(a)において、24は制御演算回路、31はモータ32を駆動するブリッジ回路(H bridge)、32はブリッジ回路31により正逆回転駆動されるモータ、33はモータ32の回転位置を検出するホール素子等から構成される位置検出ユニットである。 また、制御演算回路24には、モータ32を所望の位置まで回転制御させる目標値が端子21 から入力されると共に、位置検出ユニット33から出力される制御量信号29が入力されている。 制御演算回路24内において、目標値はOPアンプ24−1の非反転入力端子に入力され、制御量信号29はOPアンプ24 −1の反転入力端子に入力される。 また、OPアンプ2 4−1の非反転入力端子には、端子22から入力された三角波等の交流信号が直流阻止用のコンデンサ(C1) 23を介して入力されている。 なお、OPアンプ24− 1の反転入力端子と出力端子間には負帰還用のインピーダンス素子は接続されていない。 【0022】さらに、ブリッジ回路31は図5(b)に示すように構成されている。 ブリッジ回路31は、縦続接続されると共に、ベース同士が接続されたPNPトランジスタ42およびNPNトランジスタ43と、縦続接続されると共に、ベース同士が接続されたPNPトランジスタ45およびNPNトランジスタ46からなり、さらにPNPトランジスタ42,45のエミッタ同士、および、NPNトランジスタ43,46のエミッタ同士が接続された構成とされている。 そして、その縦続接続点間にモータ32が接続されている。 このように構成されたブリッジ回路31には、制御演算回路24のOPアンプ24−1から出力された偏差28が入力されるが、この偏差28は一方の縦続接続回路のベースにそのまま入力されると共に、反転回路41により反転されて他方の縦続接続回路のベースに入力される。 【0023】このように構成された本発明の第3の実施の形態の駆動制御回路の動作を説明すると、OPアンプ24−1には負帰還用インピーダンス素子が接続されていないことから、OPアンプ24−1は比較器として動作するようになる。 したがって、OPアンプ24−1の非反転入力端子に入力される信号と、反転入力端子に入力される信号とが比較されて、その比較出力が偏差28 として出力されるようになる。 この場合、非反転入力端子には、目標値信号と交流信号とが入力されているため、非反転入力端子には、目標値信号のレベルでバイアスされた前記図4に(b)として示すレベルの三角波(交流信号を三角波とした場合)が入力されるようになる。 【0024】一方、OPアンプ24−1の反転入力端子には位置検出ユニット33から出力された前記図4に(c)として示す制御量信号29がそのまま入力される。 従って、両入力信号のレベルを比較したOPアンプ24−1から出力されたハイレベルもしくはローレベルの偏差28は、前記図4に(d)として示すようにパルス状の波形となる。 この偏差28のパルス幅は制御量信号29のレベルに応じたパルス幅となる。 ここで、偏差28が図4に(d)として示すパルス状の波形となる理由は前述した駆動制御回路と同様であるので省略するが、このパルス状の偏差28がハイレベルの時は、ブリッジ回路31のトランジスタ43,45がオンされるため、+B電源から供給された電流は、実線で示すようにトランジスタ45−モータ32−トランジスタ43を介してアースに流れ込むようになる。 これにより、モータ32は正(逆)方向に回転するようになる。 【0025】また、パルス状の偏差28がローレベルの時は、ブリッジ回路31のトランジスタ42,46がンされるため、+B電源から供給された電流は破線で示すようにトランジスタ42−モータ32−トランジスタ4 6を介してアースに流れ込むようになる。 これにより、 モータ32は逆(正)方向に回転するようになる。 このような動作を繰り返すことにより、モータ32は目標とする位置まで回転するようになる。 この場合、トランジスタ42〜46はパルス波形とされている偏差28によりオン/オフされるため、トランジスタ42〜46による電力損失は微々たるものとなる。 すなわち、トランジスタ42〜46がオフされたときは、トランジスタ42 〜46のインピーダンスは極めて高いインピーダンスとなって、ほとんど電力は消費されず、トランジスタ42 〜46がオンされたときは、トランジスタ42〜46が飽和してそのコレクタ−エミッタ間電圧は、0.2程度の微少な電圧とされるため、トランジスタ42〜46により消費される電力ロスは微少なものとなる。 【0026】従って、図5(a)(b)に示す駆動制御回路を図1に示すズームドライブ回路11やフォーカスドライブ回路9に適用すると、該ドライブ回路の電力効率を向上させることができるようになる。 ところで、交流信号は前述した例では三角波としているが、この三角波は、周期信号とされた矩形波を積分回路を通すことにより生成することができる。 また、交流信号は三角波に限らず、鋸歯状波等の他の形状の交流信号とすることができる。 また、交流信号を図6に示すような形状とすると、非線形に制御することができる。 すなわち、垂直に立ち上がる波形部分において制御量信号とクロスしている際に、制御量信号のレベルが垂直部分内において上下しても偏差の立ち上がり(立ち下がり)タイミングは変化しないようになる。 すなわち、この垂直部分により不感帯δを生じさせることができる。 このように不感帯を生じさせると、制御量と目標値とが接近している場合に、偏差のデューティを約50%とすることができる。 【0027】なお、以上説明した例では、交流信号を目標値に加算して制御演算回路に入力するようにしていたが、本発明はこれに限らず、交流信号を制御量信号に加算するようにしてもよい。 また、本発明の適用例として撮影機器の光量制御を上げたが、本発明はこれに限らず、電磁モータを使用する駆動制御回路を備える電子機器の全般に適用することができる。 【0028】 【発明の効果】本発明は以上のように構成されているので、スイッチング手段をオン/オフすることにより駆動することができ、スイッチング手段の電力ロスをきわめて小さくすることができる。 すなわち、スイッチング手段をトランジスタ等で構成したときに、トランジスタがオフとされたときの電力ロスは略ゼロであり、トランジスタがオンされてトランジスタに接続されたアクチュエータ等の負荷に電流が供給されたときは、トランジスタは飽和することになるので、そのコレクタ−エミッタ間の電圧は0.2V程度の飽和電圧に過ぎないため、トランジスタではわずかな電力しかロスしないようになる。 このように、本発明の駆動制御回路では、従来の駆動制御回路に比べて電力効率を格段に向上することができる。 【0029】また、駆動回路の電力効率を向上することができるため、携帯機器においては使用時間を向上することができるようになる。 さらに、交流信号の波形により、非線形な制御を比較的簡単に実現することができるようになる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の駆動制御回路を備える撮影機器のカメラ制御システムの構成例を示すブロック図である。 【図2】本発明の駆動制御回路の第1の実施の形態の回路を示す図である。 【図3】本発明の駆動制御回路の第2の実施の形態の回路を示す図である。 【図4】本発明の駆動制御回路の第1の実施の形態の回路における動作波形図を示す図である。 【図5】本発明の駆動制御回路の第3の実施の形態の回路を示す図である。 【図6】本発明の駆動制御回路における交流信号の他の波形の例を示す図である。 【図7】従来の駆動制御回路を示す図である。 【符号の説明】 1 レンズブロック、2 CCD、3 S/H AGC 回路、4 A/D変換器、5 カメラ処理部、6 検波回路、7 カメラ制御部、8 CCDドライブ回路、9 フォーカスドライブ回路、10 アイリスドライブ回路、11 ズームドライブ回路、12,13,14,1 6 レンズ、15 アイリス、17 ズームモータ、1 8 アイリスアクチュエータ、19 フォーカスモータ、24 制御演算回路、25 駆動回路、26 アクチュエータ部、27,33 位置検出ユニット、28 偏差、29 制御量、30 位相補償回路、31 ブリッジ回路、32 モータ |