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含窒素縮合環誘導体、それを含有する医薬組成物およびその医薬用途

专利类型 发明专利 法律事件
专利有效性 有效专利 当前状态
申请号 JP2009533140 申请日 2008-09-17
公开(公告)号 JPWO2009038057A1 公开(公告)日 2011-01-06
申请人 キッセイ薬品工業株式会社; 申请人类型 企业
发明人 伏見 信彦; 信彦 伏見; 米窪 滋; 滋 米窪; 孝介 大野; 孝介 大野; 貴史 宮城; 貴史 宮城; 第一发明人 伏見 信彦
权利人 キッセイ薬品工業株式会社 权利人类型 企业
当前权利人 キッセイ薬品工業株式会社 当前权利人类型 企业
省份 当前专利权人所在省份: 城市 当前专利权人所在城市:
具体地址 当前专利权人所在详细地址: 邮编 当前专利权人邮编:
主IPC国际分类 C07D401/12 所有IPC国际分类 C07D401/12A61K31/517A61K31/519A61K31/55A61P1/04A61P5/02A61P5/26A61P5/30A61P5/32A61P13/08A61P15/00A61P15/04A61P15/08A61P17/10A61P17/14A61P25/28A61P35/00A61P43/00C07D471/04C07D475/02C07D487/04C07D495/04
专利引用数量 0 专利被引用数量 0
专利权利要求数量 0 专利文献类型 A1
专利代理机构 专利代理人
摘要 本発明は、性ホルモン依存性疾患等の予防又は治療剤として有用な化合物を提供する。すなわち、本発明は、GnRH拮抗作用を有する下記一般式(I)で表される含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、それを含有する医薬組成物及びその医薬用途等を提供する。式(I)中、環A及び環Bは、独立して、アリール又はヘテロアリール;RA及びRBは、独立して、ハロゲン、ニトロ、アルキル、−OW1、−COW2、−NW3W4等;Eは、酸素 原子 等;Uは、単結合等;Xは、−SO2−Y、−O−(アルキレン)−Y等(YはZ又はアミノ等;Zは、ヘテロシクロアルキル、アリール等);等である。
权利要求
  • 一般式(I):
    〔式中、
    環A及び環Bは、独立して、アリール又はヘテロアリール;
    及びR は、独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換可低級アルキル基、置換可低級アルケニル基、置換可低級アルキニル基、ヒドロキシイミノメチル基、置換可低級アルキルスルホニル基、置換可低級アルキルスルフィニル基、−OW 、−SW 、−COW 、−NW 、−SO NW 、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基;
    mは、0〜3の整数(mが2以上である場合、複数のR は同じでも異なっていてもよい。);
    nは、0〜2の整数(nが2である場合、複数のR は同じでも異なっていてもよい。);
    Eは、酸素原子又は硫黄原子;
    Uは、単結合又は置換可低級アルキレン基;
    Xは、Y、−CO−Y、−SO −Y、−S−L−Y、−O−L−Y、−CO−L−Y、−COO−L−Y、−SO−L−Y、−SO −L−Y、−S−Z、−O−Z、−COO−Z、−N(Q)−L−Y、−N(Q)−CO−Y、−N(Q)−SO −Y、−N(Q)−L−CO−Y、−N(Q)−L−SO −Y、−N(Q)−CO−L−Y又は−N(Q)−SO −L−Yで表される基;
    (式中、
    は、水素原子、置換可低級アルキル基、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基;
    は、水素原子、水酸基、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、−NW 、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基;
    及びW は、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基、−COW 、−SO 、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい;
    及びW は、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基(但し、同時に置換可低級アルコキシ基ではない)であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい;
    は、水素原子、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、−NW 10 、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基;
    は、置換可低級アルキル基、−NW 10 、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基;
    及びW 10は、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基(但し、同時に置換可低級アルコキシ基ではない)であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい;
    Lは、置換可低級アルキレン基;
    Yは、Z又は−NW 1112 〔W 11及びW 12は、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基又はZ(但し、同時に水素原子ではなく、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい)〕で表される基;
    Zは、縮環していてもよい置換可シクロアルキル基、縮環していてもよい置換可ヘテロシクロアルキル基、縮環していてもよい置換可アリール基又は縮環していてもよい置換可ヘテロアリール基;
    Qは、W 及びW と独立して、W 及びW と同義(但し、QはR とともに置換可ヘテロアリール基又は置換可ヘテロシクロアルキル基を形成してもよい);である)
    である〕で表される含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • Eが酸素原子である、請求項1記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • が、ハロゲン原子、ニトロ基、置換可低級アルキル基、−OW 、−COW 又は−NW (式中のW 〜W は請求項1と同じ意味である)である、請求項1又は2記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • が、ハロゲン原子及び−OW (式中のW は請求項1と同じ意味である)である、請求項1〜3の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • 環Aが、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環又はオキサゾール環である、請求項1〜4の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • 環Aが、式
    の何れかで表される環である、請求項5記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • 環Aが、R が環A上の下記式
    で表される位置に結合している何れかの環である、請求項6記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • 環Bがベンゼン環である、請求項1〜7の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • nが1又は2であり、式
    の何れかで表される、請求項8記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • Uが単結合であり、Xが−SO −Y及び−O−L−Yで表される基(式中、L及びYは請求項1と同じ意味である)である、請求項1〜9記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • LがC 1−3アルキレン基である、請求項1〜10の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • Zが、縮環していてもよい置換可アリール基である、請求項1〜11の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • 請求項1〜12の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
  • 性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤である、請求項13記載の医薬組成物。
  • 性ホルモン依存性疾患の予防もしくは治療剤、生殖調節剤、避妊薬、排卵誘発剤又は性ホルモン依存性癌術後再発予防剤である、請求項13記載の医薬組成物。
  • 性ホルモン依存性疾患が、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、紅斑性狼瘡、多毛症、小人症、睡眠障害、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸症候群、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌及び下垂体腫瘍からなる群から選択される疾患である、請求項15記載の医薬組成物。
  • 経口投与用である、請求項13記載の医薬組成物。
  • 請求項1〜12の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩を有効量投与することからなる、性ホルモン依存性疾患の予防又は治療方法。
  • 性ホルモン依存性疾患が、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、紅斑性狼瘡、多毛症、小人症、睡眠障害、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸症候群、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌及び下垂体腫瘍からなる群から選択される疾患である、請求項18記載の予防又は治療方法。
  • 請求項1〜12の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩を有効量投与することからなる、生殖調節方法、避妊方法、排卵誘発方法又は性ホルモン依存性癌術後再発予防方法。
  • 性ホルモン依存性疾患の予防又は治療用の医薬組成物を製造するための、請求項1〜12の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • 生殖調節、避妊、排卵誘発又は性ホルモン依存性癌術後再発予防のための医薬組成物を製造するための、請求項1〜12の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
  • GnRH超作動薬、化学療法剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤を更に組み合せてなる、請求項13記載の医薬組成物。
  • GnRH超作動薬が酢酸リュープロレリン、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンから選択される薬剤である、請求項23記載の医薬組成物。
  • 化学療法剤がイホスファミド、アドリアマイシン、ペプロマイシン、シスプラチン、シクロフォスファミド、5-FU、UFT、メトトレキセート、マイトマイシンC、マイトキサントロン、パクリタキセル及びドタキセルから選択される薬剤である、請求項23記載の医薬組成物。
  • ペプチド性GnRH拮抗薬がセトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、オザレリクス、イツレリクス、デガレリクス及びテベレリクスから選択される薬剤である、請求項23記載の医薬組成物。
  • 5α−レダクターゼ阻害薬がフィナステリド及びデュタステリドから選択される薬剤である、請求項23記載の医薬組成物。
  • αアドレナリン受容体阻害薬がタムスロシン、シロドシン及びウラピジルから選択される薬剤である、請求項23記載の医薬組成物。
  • アロマターゼ阻害薬がファドロゾール、レトロゾール、アナストロゾール及びフォルメスタンから選択される薬剤である、請求項23記載の医薬組成物。
  • 副腎系アンドロゲン産生阻害薬がリアロゾールである、請求項23記載の医薬組成物。
  • ホルモン療法剤が抗エストロゲン剤、黄体ホルモン剤、アンドロゲン剤、エストロゲン剤及び抗アンドロゲン剤から選択される薬剤である、請求項23記載の医薬組成物。
  • GnRH超作動薬、化学療法剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤を組み合せて投与することからなる、請求項18又は19記載の性ホルモン依存性疾患の予防又は治療方法。
  • GnRH超作動薬、化学療法剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤を更に組み合せて投与することからなる、請求項20記載の生殖調節方法、避妊方法、排卵誘発方法又は性ホルモン依存性癌術後再発予防方法。
  • 性ホルモン依存性疾患の予防又は治療用の医薬組成物を製造するための、(A)請求項1〜12の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、及び(B)GnRH超作動薬、化学療法剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤の使用。
  • 生殖調節、避妊、排卵誘発又は性ホルモン依存性癌術後再発予防のための医薬組成物を製造するための、(A)請求項1〜12の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、及び(B)GnRH超作動薬、化学療法剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤の使用。
  • 说明书全文

    本発明は、含窒素縮合環誘導体に関するものである。

    さらに詳しく述べれば、本発明は、性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗作用を有し、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症等の性ホルモン依存性疾患の予防又は治療剤などに用いることができる含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ、又はその薬理学的に許容される塩、及びそれを含有する医薬組成物等に関するものである。

    性腺刺激ホルモン放出ホルモン(Gonadotropin Releasing Hormone : GnRH、又は黄体形成ホルモン放出ホルモン Luteinizing Hormone Releasing Hormone : LHRH とも呼ばれる。以下、「GnRH」という。)は視床下部より分泌される10個のアミノ酸から成るペプチド(pGlu-His-Trp-Ser-Tyr-Gly-Leu-Arg-Pro-Gly-NH2)である。 下垂体門脈中に分泌されたGnRHは下垂体前葉に存在すると考えられている受容体(GnRH受容体)を介して下垂体前葉ホルモンである性腺刺激ホルモン(黄体形成ホルモンLuteinizing Hormone : LH、卵胞刺激ホルモンFollicle Stimulating Hormone : FSH)の産生・分泌を促進する。 これら性腺刺激ホルモンは性腺(卵巣、精巣)に作用して卵胞の発育・排卵・黄体化や精子形成を促進する一方、性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、アンドロゲン)の産生・分泌を促進する(非特許文献1)。 したがって、このGnRH受容体に対する特異的かつ選択的な拮抗薬はGnRHの作用を調節し、性腺刺激ホルモン及び性ホルモンの産生・分泌を制御するため性ホルモン依存性疾患の予防・治療薬として期待される。

    GnRH受容体の機能を抑制する薬剤としてGnRH受容体超作動薬(以下、「GnRH超作動薬」という。)が前立腺癌、乳癌及び子宮内膜症等の性ホルモン依存性疾患の治療薬として用いられている。 GnRH超作動薬はGnRH受容体に結合し、投与初期に一過性の性腺刺激ホルモン分泌刺激作用(フレアーアップ現象)を呈したあとに性腺刺激ホルモンの枯渇及びGnRH受容体のダウンレギュレーションを引き起こすことによりその機能を抑制する。 したがって、GnRH超作動薬には投与初期の性腺刺激ホルモン分泌亢進に基づき、一時的に病勢が悪化するという問題がある。 一方、GnRH受容体拮抗薬(以下、「GnRH拮抗薬」という。)はその抑制機序がGnRH受容体への結合阻害であるため、性腺刺激ホルモン分泌を伴うことなく抑制作用を迅速に発現することが期待される。 近年、GnRH拮抗薬としてアバレリクス及びセトロレリクス等のペプチド性GnRH拮抗薬が開発され、前立腺癌や不妊症等の治療に使用されている。 しかしながら、これらペプチド性GnRH拮抗薬は難経口吸収性であることより皮下あるいは筋肉内への投与を余儀なくされており、注射部位の局所反応性の回避及び柔軟な用量の調節性が期待される経口投与可能な非ペプチド性GnRH拮抗薬の開発が待望される(非特許文献2参照)。

    N−芳香環置換ピリミジノン誘導体として、特許文献1には鎮痛剤等として、特許文献2には抗癌剤として、特許文献3及び4には抗喘息薬等として種々の化合物が挙げられている。 しかしながら、これらの文献には、本発明の縮合ピリミジノン誘導体が、GnRH拮抗作用を有することは記載も示唆もされていない。
    「標準生理学」、第5版、医学書院、p. 882−891 「産科と婦人科」、2004年、第71巻、3号、p. 280−285、p. 301−307

    欧州特許出願公開第260817号明細書

    米国特許6037345号明細書

    欧州特許出願公開第994113号明細書

    特開2002−308774号公報

    本発明は、GnRH拮抗作用を有する化合物を提供することを課題とする。

    本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、下記一般式(I)で示される含窒素縮合環誘導体が、優れたGnRH拮抗作用を発揮することを見出し、本発明を完成させた。

    すなわち、本発明は、
    〔1〕 一般式(I):

    〔式中、


    環A及び環Bは、独立して、アリール又はヘテロアリール;


    及びR

    は、独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換可低級アルキル基、置換可低級アルケニル基、置換可低級アルキニル基、ヒドロキシイミノメチル基、置換可低級アルキルスルホニル基、置換可低級アルキルスルフィニル基、−OW

    、−SW

    、−COW

    、−NW

    、−SO

    NW

    、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基;


    mは、0〜3の整数(mが2以上である場合、複数のR

    は同じでも異なっていてもよい。);


    nは、0〜2の整数(nが2である場合、複数のR

    は同じでも異なっていてもよい。);


    Eは、酸素原子又は硫黄原子;


    Uは、単結合又は置換可低級アルキレン基;


    Xは、Y、−CO−Y、−SO

    −Y、−S−L−Y、−O−L−Y、−CO−L−Y、−COO−L−Y、−SO−L−Y、−SO

    −L−Y、−S−Z、−O−Z、−COO−Z、−N(Q)−L−Y、−N(Q)−CO−Y、−N(Q)−SO

    −Y、−N(Q)−L−CO−Y、−N(Q)−L−SO

    −Y、−N(Q)−CO−L−Y又は−N(Q)−SO

    −L−Yで表される基;


    (式中、


    は、素原子、置換可低級アルキル基、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基;


    は、水素原子、水酸基、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、−NW

    、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基;


    及びW

    は、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基、−COW

    、−SO

    、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい;


    及びW

    は、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基(但し、同時に置換可低級アルコキシ基ではない)であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい;


    は、水素原子、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、−NW

    10 、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基;


    は、置換可低級アルキル基、−NW

    10 、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基;


    及びW

    10は、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、置換可アリール基、置換可ヘテロアリール基、置換可シクロアルキル基又は置換可ヘテロシクロアルキル基(但し、同時に置換可低級アルコキシ基ではない)であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい;


    Lは、置換可低級アルキレン基;


    Yは、Z又は−NW

    11

    12 〔W

    11及びW

    12は、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基又はZ(但し、同時に水素原子ではなく、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換可環状アミノ基を形成してもよい)〕で表される基;


    Zは、縮環していてもよい置換可シクロアルキル基、縮環していてもよい置換可ヘテロシクロアルキル基、縮環していてもよい置換可アリール基又は縮環していてもよい置換可ヘテロアリール基;


    Qは、W

    及びW

    と独立して、W

    及びW

    と同義(但し、QはR

    とともに置換可ヘテロアリール基又は置換可ヘテロシクロアルキル基を形成してもよい);である)


    である〕で表される含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩;

    〔2〕 Eが酸素原子である、前記〔1〕記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩;
    〔3〕 R が、ハロゲン原子、ニトロ基、置換可低級アルキル基、−OW 、−COW 又は−NW (式中のW 〜W は前記〔1〕と同じ意味である)である、前記〔1〕又は〔2〕記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
    〔4〕 R が、ハロゲン原子及び−OW (式中のW は前記〔1〕と同じ意味である)である、前記〔1〕〜〔3〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
    〔5〕 環Aが、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環又はオキサゾール環である、前記〔1〕〜〔4〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。

    〔6〕 環Aが、式

    の何れかで表される環である、前記〔5〕記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。

    〔7〕 環Aが、R が環A上の下記式

    で表される位置に結合している何れかの環である、前記〔6〕記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。


    〔8〕 環Bがベンゼン環である、前記〔1〕〜〔7〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。

    〔9〕 nが1又は2であり、式

    の何れかで表される、前記〔8〕記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。


    〔10〕 Uが単結合であり、Xが−SO

    −Y及び−O−L−Yで表される基(式中、L及びYは前記〔1〕と同じ意味である)である、前記〔1〕〜〔9〕記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。


    〔11〕 LがC

    1−3アルキレン基である、前記〔1〕〜〔10〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。


    〔12〕 Zが、縮環していてもよい置換可アリール基である、前記〔1〕〜〔11〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。


    〔13〕 前記〔1〕〜〔12〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。


    〔14〕 性腺刺激ホルモン放出ホルモン拮抗剤である、前記〔13〕記載の医薬組成物。

    〔15〕 性ホルモン依存性疾患の予防もしくは治療剤、生殖調節剤、避妊薬、排卵誘発剤又は性ホルモン依存性癌術後再発予防剤である、前記〔13〕記載の医薬組成物。
    〔16〕 性ホルモン依存性疾患が、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、紅斑性狼瘡、多毛症、小人症、睡眠障害、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸症候群、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌及び下垂体腫瘍からなる群から選択される疾患である、前記〔15〕記載の医薬組成物。
    〔17〕 経口投与用である、前記〔13〕記載の医薬組成物。
    〔18〕 前記〔1〕〜〔12〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩を有効量投与することからなる、性ホルモン依存性疾患の予防又は治療方法。
    〔19〕 性ホルモン依存性疾患が、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、紅斑性狼瘡、多毛症、小人症、睡眠障害、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸症候群、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌及び下垂体腫瘍からなる群から選択される疾患である、前記〔18〕記載の予防又は治療方法。
    〔20〕 前記〔1〕〜〔12〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩を有効量投与することからなる、生殖調節方法、避妊方法、排卵誘発方法又は性ホルモン依存性癌術後再発予防方法。
    〔21〕 性ホルモン依存性疾患の予防又は治療用の医薬組成物を製造するための、前記〔1〕〜〔12〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
    〔22〕 生殖調節、避妊、排卵誘発又は性ホルモン依存性癌術後再発予防のための医薬組成物を製造するための、前記〔1〕〜〔12〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩。
    〔23〕 GnRH超作動薬、化学療法剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤を更に組み合せてなる、前記〔13〕記載の医薬組成物。
    〔24〕 GnRH超作動薬が酢酸リュープロレリン、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン及びレシレリンから選択される薬剤である、前記〔23〕記載の医薬組成物。

    〔25〕 化学療法剤がイホスファミド、アドリアマイシン、ペプロマイシン、シスプラチン、シクロフォスファミド、5-FU、UFT、メトトレキセート、マイトマイシンC、マイトキサントロン、パクリタキセル及びドタキセルから選択される薬剤である、前記〔23〕記載の医薬組成物。
    〔26〕 ペプチド性GnRH拮抗薬がセトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、オザレリクス、イツレリクス、デガレリクス及びテベレリクスから選択される薬剤である、前記〔23〕記載の医薬組成物。
    〔27〕 5α−レダクターゼ阻害薬がフィナステリド及びデュタステリドから選択される薬剤である、前記〔23〕記載の医薬組成物。
    〔28〕 αアドレナリン受容体阻害薬がタムスロシン、シロドシン及びウラピジルから選択される薬剤である、前記〔23〕記載の医薬組成物。
    〔29〕 アロマターゼ阻害薬がファドロゾール、レトロゾール、アナストロゾール及びフォルメスタンから選択される薬剤である、前記〔23〕記載の医薬組成物。
    〔30〕 副腎系アンドロゲン産生阻害薬がリアロゾールである、前記〔23〕記載の医薬組成物。
    〔31〕 ホルモン療法剤が抗エストロゲン剤、黄体ホルモン剤、アンドロゲン剤、エストロゲン剤及び抗アンドロゲン剤から選択される薬剤である、前記〔23〕記載の医薬組成物。
    〔32〕 GnRH超作動薬、化学療法剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤を組み合せて投与することからなる、前記〔18〕又は〔19〕記載の性ホルモン依存性疾患の予防又は治療方法。
    〔33〕 GnRH超作動薬、化学療法剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤を更に組み合せて投与することからなる、前記〔20〕記載の生殖調節方法、避妊方法、排卵誘発方法又は性ホルモン依存性癌術後再発予防方法。
    〔34〕 性ホルモン依存性疾患の予防又は治療用の医薬組成物を製造するための、(A)前記〔1〕〜〔12〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、及び(B)GnRH超作動薬、化学療法剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤の使用。
    〔35〕 生殖調節、避妊、排卵誘発又は性ホルモン依存性癌術後再発予防のための医薬組成物を製造するための、(A)前記〔1〕〜〔12〕の何れかに記載の含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩、及び(B)GnRH超作動薬、化学療法剤、ペプチド性GnRH拮抗薬、5α−レダクターゼ阻害薬、αアドレナリン受容体阻害薬、アロマターゼ阻害薬、副腎系アンドロゲン産生阻害薬及びホルモン療法剤の群から選ばれる少なくとも1種の薬剤の使用;等に関するものである。

    本発明の含窒素縮合環誘導体(I)もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩は、優れたGnRH拮抗作用を有するので、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの作用を調節し、性腺刺激ホルモン及び性ホルモンの産生・分泌を制御することにより、性ホルモン依存性疾患の予防又は治療剤として用いることができる。

    本明細書における用語の意味は次のとおりである。
    「アリール」とは、フェニル又はナフチルを意味する。
    「ヘテロアリール」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から任意に選択されるヘテロ原子を1又は2以上有する単環式ヘテロアリール(例えば、チアゾール、オキサゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、フラザン等)を意味し、1H−ピリジン−2−オン、1H−ピリミジン−2−オンのように、窒素原子に隣接する炭素原子上に水酸基を有した場合に異性化したものも含まれる。
    「置換可」とは、置換基を有していてもよいことを意味する。

    「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
    「低級アルキル」とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル等の炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキルを意味する。
    「低級アルケニル」とは、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、2−メチルアリル等の炭素数2〜6の分岐していてもよいアルケニルを意味する。
    「低級アルキニル」とは、エチニル、2−プロピニル等の炭素数2〜6の分岐していてもよいアルキニルを意味する。
    「低級アルキルスルホニル」とは、上記低級アルキルで置換されたスルホニルを意味する。
    「低級アルキルスルフィニル」とは、上記低級アルキルで置換されたスルフィニルを意味する。
    「低級アルキレン」とは、メチレン、エチレン、メチルメチレン、トリメチレン、ジメチルメチレン、エチルメチレン、メチルエチレン、プロピルメチレン、イソプロピルメチレン、ジメチルエチレン、ブチルメチレン、エチルメチルメチレン、ペンタメチレン、ジエチルメチレン、ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、ジエチルエチレン等の炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキレンを意味する。
    「C 1−3アルキレン」とは、炭素数1〜3の上記低級アルキレンを意味する。
    「低級アルコキシ」とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、tert−ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等の炭素数1〜6の分岐していてもよいアルコキシを意味する。

    「シクロアルキル」とは、炭素数3〜8の単環式シクロアルキル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル基等の単環式シクロアルキル)を意味する。
    「ヘテロシクロアルキル」とは、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から任意に選択されるヘテロ原子を1又は2以上有し、オキソ基を1〜2個有していてもよい3〜8員環ヘテロシクロアルキル(例えば、ピロリジニル、ピペリジニル、オキソピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、オキソピペラジニル、チオモルホリニル、アゼパニル、ジアゼパニル、オキサゼパニル、チアゼパニル、ジオキソチアゼパニル、アゾカニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキサゾリジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル等)を意味し、環内に硫黄原子を有する場合には、その硫黄原子は酸化されていてもよい。

    「縮環していてもよい」とは、上記シクロアルキル、上記ヘテロシクロアルキル、上記アリール及び上記ヘテロアリールから選択される1個の環と縮合していてもよいことを意味する。 「縮環していてもよいシクロアルキル」、「縮環していてもよいヘテロシクロアルキル」、「縮環していてもよいアリール」及び「縮環していてもよいヘテロアリール」としては、例えば、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、インドリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、インダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、インドリニル、イソインドリニル、2,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[b]オキセピニル、6,7,8,9−テトラヒドロ� �5H−ベンゾシクロヘプテニル、クロマニル等が挙げられ、結合手はいずれの環から出ていても良い。

    「環状アミノ」とは、上記の縮環していてもよいヘテロシクロアルキルのうち、環内に結合部位を有する少なくとも1個の窒素原子を有する基を意味し、例えば、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−ピペラジニル、4−モルホリニル、4−チオモルホリニル、ピロリジン−2−オン−1−イル、オキサゾリジン−2−オン−3−イル、モルホリン−3−オン−4−イル、2,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−イル、1−インドリニル、2−イソインドリニル、3,4−ジヒドロ−1,5−ナフチリジン−1(2H)−イル、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−1−イル、3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル、3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、オクタヒドロキノリン−1� ��2H)−イル、オクタヒドロイソキノリン−2(1H)−イル、パーヒドロキノリン−1−イル、2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾオキサジン−4−イル、2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾチアジン−4−イル、3,4−ジヒドロキノキサリン−1(2H)−イル、2,3−ジヒドロ−4H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−4−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1−ベンゾアゼピン−1−イル、1,3,4,5−テトラヒドロ−2H−2−ベンゾアゼピン−2−イル、3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾオキサゼピン−5(2H)−イル、2,3−ジヒドロ−4,1−ベンゾチアゼピン−1(5H)−イル、3,4−ジヒドロ−1,5−ベンゾチアゼピン−5(2H)−イル、2,3−ジヒド� �−4,1−ベンゾオキサゼピン−1(5H)−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,5−ベンゾジアゼピン−1−イル、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,4−ベンゾジアゼピン−1−イル、5,6,7,8−テトラヒドロ−4H−チエノ[3,2−b]アゼピン−4−イル、3,4,5,6−テトラヒドロ−1−ベンゾアゾシン−1(2H)−イル基等が挙げられる。

    「ハロ低級アルキル」とは、上記ハロゲン原子で置換された上記低級アルキルを意味する。
    「低級アルキルチオ」とは、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、tert−ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等の炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキルチオを意味する。
    「低級アルコキシカルボニル」とは、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数2〜7の分岐していてもよいアルコキシカルボニル基を意味する。
    「低級アシル」とは、炭素数2〜7の分岐していてもよい脂肪族カルボン酸アシル、シクロアルキルカルボン酸アシル、ヘテロシクロアルキルカルボン酸アシル、アリールカルボン酸アシル、ヘテロアリールカルボン酸アシルを意味する。
    「(ジ)低級アルキルカルバモイル」とは、上記低級アルキルでモノ又はジ置換されたカルバモイルを意味し、ジ置換の2個の低級アルキル基は異なっていてもよく、2個の低級アルキル基は両者が結合して隣接する窒素原子とともに環状アミノ基を形成してもよい。
    「(ジ)低級アルキルアミノ」とは、上記低級アルキルでモノ又はジ置換されたアミノを意味し、ジ置換の2個の低級アルキル基は異なっていてもよく、2個の低級アルキル基は両者が結合して隣接する窒素原子とともに環状アミノ基を形成してもよい。

    一般式(I)において、環Aとしては、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環又はオキサゾール環が好ましく、ベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環又はチオフェン環がより好ましい。 この場合、環Aの窒素原子又は硫黄原子が、下記式(A)における(A1)部分が(A2)の何れかで表される位置にあるものが好ましい。

    mが2以上である場合、複数のR は同じでも異なっていてもよい。 環Aがベンゼン環又はピリジン環であり、mが1である場合、環AはR が下記式

    の何れかで表される位置に結合しているものが好ましい。


    としては、ハロゲン原子、ニトロ基、置換可低級アルキル基、−OW

    、−COW

    又は−NW

    (式中のW

    〜W

    は前記〔1〕と同じ意味である)等が好ましい。

    環Bとしては、ベンゼン環、ピリジン環又はチオフェン環が好ましい。 環Bの結合位置は、下記式

    (式中、左側の結合手は縮合ピリミジン環の窒素原子との結合を、右側の結合手はUとの結合を示す)の何れかで表されるものが好ましい。 環Bがベンゼン環であり、nが1又は2である場合、下記式

    の何れかで表される化合物が好ましい。

    としては、ハロゲン原子又は−OW (式中のW は前記〔1〕と同じ意味である)等が好ましい。 nが2である場合、複数のR は同じでも異なっていてもよい。 更に、環Bが下記式

    で表される位置にR

    B1又はR

    B2が結合している何れかのベンゼン環である場合は、R

    B1としてはフッ素原子又は塩素原子が好ましく、R

    B2としてはハロゲン原子又は−OW

    (W

    は前記〔1〕と同じ意味である)が好ましい。

    一般式(I)において、Uとしては単結合、メチレン基又はエチレン基が好ましい。
    Uが単結合である場合、Xとしては−SO −Y又は−O−L−Yで表される基(式中、L及びYは前記〔1〕と同じ意味である)が好ましい。
    Lとしては、C 1−3低級アルキレン基が好ましい。
    Zとしては、縮環していてもよい置換可アリール基又は縮環していてもよい置換可へテロアリール基が好ましく、縮環していてもよい置換可アリール基がより好ましい。 この場合、置換可アリール基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子又は−OW 13 (W 13は後述と同じ意味である)が好ましい。

    置換可環状アミノ、置換可シクロアルキル又は置換可ヘテロシクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、例えば、オキソ基、ハロゲン原子、シアノ基、置換可低級アルキル基、置換可低級アルケニル基、置換可低級アルキニル基、置換可低級アルキルスルホニル基、置換可低級アルキルスルフィニル基、−OW 13 、−SW 13 、−COW 14 、−NW 1516 、−SO NW 1516 、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基等が挙げられ、これらの基が同一又� ��異なって複数置換していてもよい。

    置換可アリール又は置換可ヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換可低級アルキル基、置換可低級アルケニル基、置換可低級アルキニル基、置換可低級アルキルスルホニル基、置換可低級アルキルスルフィニル基、−OW 13 、−SW 13 、−COW 14 、−NW 1516 、−SO NW 1516 、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基等が挙げられ、これらの基が同一又は異なって複数置換していてもよ� ��。

    縮環していてもよい置換可シクロアルキル基、縮環していてもよい置換可ヘテロシクロアルキル基、縮環していてもよい置換可アリール基及び縮環していてもよい置換可ヘテロアリール基においては、上記の置換基が、縮環する同一又は異なった複数の環に置換していてもよい。

    上記のW 13は、水素原子、置換可低級アルキル基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;
    14は、水素原子、水酸基、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、−NW 1718 、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;
    15及びW 16は、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基、−COW 19 、−SO 20 、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換基群Bから選択される基で置換されていてもよい環状アミノ基を形成してもよい;
    17及びW 18は、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基(但し、同時に置換可低級アルコキシ基ではない)であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換基群Bから選択される基で置換されていてもよい環状アミノ基を形成してもよい;
    19は、水素原子、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、−NW 2122 、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;
    20は、置換可低級アルキル基、−NW 2122 、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;
    21及びW 22は、独立して、水素原子、置換可低級アルキル基、置換可低級アルコキシ基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基(但し、同時に置換可低級アルコキシ基ではない)であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換基群Bから選択される基で置換されていてもよい環状アミノ基を形成してもよい;である。

    置換可低級アルキル、置換可低級アルキレン、置換可低級アルケニル、置換可低級アルキニル、置換可低級アルキルスルホニル、置換可低級アルキルスルフィニル又は置換可低級アルコキシ基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、シアノ基、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルキルスルホニル基、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルキルスルフィニル基、−OW 23 、−SW 23 、−COW 24 、−NW 2526 、−SO NW 2526 、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置� �基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基等が挙げられ、これらの基が同一又は異なって複数置換していてもよい。

    上記のW 23は、水素原子、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルキル基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;
    24は、水素原子、水酸基、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルキル基、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルコキシ基、−NW 2728 、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;
    25及びW 26は、独立して、水素原子、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルキル基、−COW 29 、−SO 30 、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換基群Bから選択される基で置換されていてもよい環状アミノ基を形成してもよい;
    27及びW 28は、独立して、水素原子、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルキル基、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルコキシ基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基(但し、同時に置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルコキシ基ではない)であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換基群Bから選択される基で置換されていてもよい環状アミノ基を形成してもよい;
    29は、水素原子、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルキル基、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルコキシ基、−NW 3132 、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;
    30は、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルキル基、−NW 3132 、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基;
    31及びW 32は、独立して、水素原子、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルキル基、置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルコキシ基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいアリール基、置換基群Aから選択される基で置換されていてもよいヘテロアリール基、置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいシクロアルキル基又は置換基群Bから選択される基で置換されていてもよいヘテロシクロアルキル基(但し、同時に置換基群Cから選択される基で置換されていてもよい低級アルコキシ基ではない)であるか、両者が結合して隣接する窒素原子とともに置換基群Bから選択される基で置換されていてもよい環状アミノ基を形成してもよい;である。

    〔置換基群A〕
    ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、水酸基、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルフィニル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アシル基、カルバモイル基、(ジ)低級アルキルカルバモイル基、アミノ基、(ジ)低級アルキルアミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基 〔置換基群B〕
    オキソ基、ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、低級アルキル基、ハロ低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルフィニル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アシル基、カルバモイル基、(ジ)低級アルキルカルバモイル基、アミノ基、(ジ)低級アルキルアミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基 〔置換基群C〕
    ハロゲン原子、シアノ基、水酸基、低級アルコキシ基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルスルフィニル基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、低級アシル基、カルバモイル基、(ジ)低級アルキルカルバモイル基、アミノ基、(ジ)低級アルキルアミノ基、アリール基、ヘテロアリール基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基

    本発明の一般式(I)で表される含窒素縮合環誘導体の製造方法の一例を以下に示す。

    式中のL は、ハロゲン原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシであり、L は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子又はトリフルオロメタンスルホニルオキシであり、Rは、水素原子又は低級アルキル基であり、R 、R 、環A、環B、m、n、E、U及びXは前記と同じ意味をもつ。

    工程1
    カルボン酸化合物( )は、脱離基を有する化合物( )とアミン化合物( )とを、塩基性条件下、パラジウム条件下等での一般的なカップリング法により縮合させることにより、製造することができる。

    塩基性条件下でのカップリング法は、脱離基を有する化合物( )とアミン化合物( )とを、例えば、不活性溶媒(例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン又はそれらの混合溶媒等)又は無溶媒中、銅粉末等の添加剤の存在下又は非存在下、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、水素化ナトリウム、水素化カリウム、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化セシウム、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド等)の存在 下、通常、−78℃〜還流温度で、30分間〜1日間反応させればよい。

    パラジウム条件下でのカップリング法は、脱離基を有する化合物( )とアミン化合物( )とを、例えば、不活性溶媒(例えば、1,4−ジオキサン、2−プロパノール、tert−ブタノール、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、水又はそれらの混合溶媒等)中、触媒(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)及び配位子(例えば、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2'−メ� �ルビフェニル、ビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル等)を用いて、塩基(例えば、炭酸セシウム、炭酸カリウム、フッ化セシウム、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド等)の存在下、通常、室温〜還流温度で、1時間〜3日間反応させればよい。

    工程2
    カルボン酸化合物( )は、アミン化合物( )と脱離基を有する化合物( )とを、一般的なカップリング法により縮合させることにより、製造することもできる。 縮合反応は、アミン化合物( )と脱離基を有する化合物( )とを、例えば、不活性溶媒(例えば、1,4−ジオキサン、2−プロパノール、tert−ブタノール、1,2−ジメトキシエタン、トルエン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン、水又はそれらの混合溶媒等)中、触媒(例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)等)及び配位子(例えば、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2'−メチルビフェニル、ビス(2−� �フェニルホスフィノフェニル)エーテル等)を用いて、塩基(例えば、炭酸セシウム、炭酸カリウム、フッ化セシウム、カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド等)の存在下、通常、室温〜還流温度で、1時間〜3日間反応させればよい。

    上記工程1及び工程2において、Rが低級アルキル基である場合には、各工程に続いて、不活性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、水又はそれらの混合溶媒等)中、塩基(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)の存在下、通常、室温〜還流温度で、1時間〜3日間反応させることにより、カルボキシ基へと加水分解すればよい。

    工程3
    カルボン酸化合物( )を、一般的なアミド化反応に供することにより、アミド化合物( )を製造することができる。 アミド化反応は、例えば、カルボン酸化合物( )を、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド又はそれらの混合溶媒等)中、添加剤(例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等)の存在下又は非存在下、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等)の存在下又は非存在下、試薬(例えば、1,1'−カルボニルジイミダゾール、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド 塩酸塩等)及び窒素源(例えば、アンモニア、塩化アンモニウム等)を用いて、通常、氷冷〜室温で、30分間〜1日間反応させればよい。

    工程4
    アミド化合物( )を、一般的な環化反応に供することにより、本発明の含窒素縮合複素環誘導体(I)を製造することができる。 環化反応は、例えば、アミド化合物( )を、不活性溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、塩化メチレン又はそれらの混合溶媒等)中、試薬(Eが酸素原子の場合、例えば、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン、1,1'−カルボニルジイミダゾール等;Eが硫黄原子の場合、例えば、二硫化炭素、チオホスゲン等)を用いて、塩基(例えば、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)の存在下又は非存在下、通常、氷冷〜還流温度で、30分間〜1日間反応させればよい。

    上述した製造方法で原料化合物として用いられるアミン化合物( )は、例えば、市販品の、又は文献記載の方法もしくは一般的合成手法を組み合わせた方法等に従い合成したニトロ化合物(7)を、一般的な還元法等により還元して得ることもできる。 例えば、以下の方法で製造することができる。

    式中の環B、R 、n、U及びXは前記と同じ意味をもつ。

    工程5
    ニトロ化合物( )のニトロ基を、一般的な接触還元法又は還元剤法等により還元することにより、アミン化合物( )を製造することができる。 接触還元法は、例えば、ニトロ化合物( )を、水素雰囲気下、不活性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、酢酸、水、それらの混合溶媒等)中、触媒(例えば、パラジウム炭素粉末、白金炭素粉末等)の存在下、通常、室温から還流温度で、30分間〜1日間反応させればよい。 還元剤法は、例えば、ニトロ化合物( )を、不活性溶媒(例えば、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、水又はそれらの混合溶媒等)中、還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロサルファイトナトリウム等)を用いて、添加剤(例えば、臭化ニッケル(II)、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)の存在下又は非存在下、通常、氷冷〜還流温度で、30分間〜1日間反応させればよい。

    なお、上述した製造方法で用いる化合物又は生成する化合物が反応条件で変化したり、反応の進行を阻害する官能基を有するとき、これを当業者が慣用する適当な保護基を用いて保護し、適当な段階で除去することは言うまでもない。

    上述した製造方法において得られる本発明の一般式(I)で表される含窒素縮合環誘導体は、慣用の分離手段である分別再結晶法、クロマトグラフィーを用いた精製法、溶媒抽出法、固相抽出法等により単離精製することができる。

    本発明の一般式(I)で表される含窒素縮合環誘導体は、常法によりプロドラッグ化試薬を反応させることにより、そのカルボキシル基、水酸基及び/又はアミノ基が変換したプロドラッグとすることができる。 また、本発明の一般式(I)で表される含窒素縮合環誘導体のプロドラッグは、「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁(広川書店)に記載の生理条件下で本発明の化合物(I)に変換されるものであってもよい。

    一般式(I)で表される含窒素縮合環誘導体又はそのプロドラッグは、常法により、その薬理学的に許容される塩とすることができる。 このような塩としては、例えば、塩酸及び硝酸等の無機酸塩;酢酸及びメタンスルホン酸等の有機酸塩、並びにナトリウム塩及びカリウム塩;N,N'−ジベンジルエチレンジアミン及び2−アミノエタノール等の有機塩基との付加塩が挙げられる。

    一般式(I)で表される含窒素縮合環誘導体もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩には、水やエタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。

    さらに、一般式(I)で表される含窒素縮合環誘導体又はそのプロドラッグについて、互変異性体、幾何異性体及び/又は光学異性体が存在することがあるが、本発明においては、そのいずれの異性体も用いることができ、またその混合物も用いることができる。

    本発明の含窒素縮合環誘導体(I)は、優れたGnRH拮抗作用を有しており、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの作用を調節し、性腺刺激ホルモン及び性ホルモンの産生・分泌を制御することができる。 したがって、本発明の含窒素縮合環誘導体(I)もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩は、例えば、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、紅斑性狼瘡、多毛症、小人症、睡眠障害、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸症候群、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌、下垂体腫瘍等の性ホルモン依存性疾患等の予防もしくは治療剤、生殖調節剤、避妊薬、排卵誘発剤又は性ホルモン依存性癌術後再発予防剤等として極めて有用である。

    本発明の含窒素縮合環誘導体(I)もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩と慣用されている製剤担体とを混合することにより医薬組成物を調製することができる。

    製剤担体は、後述する投与形態に応じて、適宜、組み合わせて用いればよく、例えば、乳糖等の賦形剤;ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤;カルボキシメチルセルロース等の崩壊剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の結合剤;マクロゴール等の界面活性剤;炭酸水素ナトリウム等の発泡剤;シクロデキストリン等の溶解補助剤;クエン酸等の酸味剤;エデト酸ナトリウム等の安定化剤;リン酸塩等のpH調整剤などが挙げられる。

    本発明の医薬組成物の投与形態としては、例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤等の経口投与剤;注射剤、貼付剤、坐剤等の非経口投与剤などが挙げられ、経口投与剤が好ましい。

    本発明の一般式(I)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩が、成人1日当たり、経口投与剤では0.1〜1000mg、注射剤では0.01〜100mgの範囲で投与されるように、上記製剤を製造するのが好ましい。

    また、本発明の医薬組成物には、さらに他の薬剤を含有させてもよい。 このような薬剤としては、例えば、GnRH超作動薬(例えば、酢酸リュープロレリン、ゴナドレリン、ブセレリン、トリプトレリン、ゴセレリン、ナファレリン、ヒストレリン、デスロレリン、メテレリン、レシレリン等)、化学療法剤(例えば、イホスファミド、アドリアマイシン、ペプロマイシン、シスプラチン、シクロフォスファミド、5-FU、UFT、メトトレキセート、マイトマイシンC、マイトキサントロン、パクリタキセル、ドタキセル等)、ペプチド性GnRH拮抗薬(例えば、セトロレリクス、ガニレリクス、アバレリクス、オザレリクス、イツレリクス、デガレリクス、テベレリクス等)、5α−レダクターゼ阻害薬(例えば、フィナステリド、デュタステリド等)、αアドレナリン受容体阻害薬(例えば、タムスロシン、シロドシン、ウ� �ピジル等)、アロマターゼ阻害薬(例えば、ファドロゾール、レトロゾール、アナストロゾール、フォルメスタン等)、副腎系アンドロゲン産生阻害薬(例えば、リアロゾール等)、ホルモン療法剤(例えば、抗エストロゲン剤(タモキシフェン、フルベストラント等)、黄体ホルモン剤(メドロキシプロゲステロン等)、アンドロゲン剤、エストロゲン剤、抗アンドロゲン剤(オキセンドロン、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド等)等)等が挙げられる。

    本発明の内容を以下の参考例、実施例及び試験例でさらに詳細に説明するが、本発明はその内容に限定されるものではない。

    参考例1
    2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)アニリン 1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(3.12g)及び炭酸水素ナトリウム(2.66g)のテトラヒドロフラン(60mL)懸濁液に水(6mL)及び4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルホニルクロリド(5.4g)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液を順次加え、室温で一晩撹拌した。 反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水、1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を減圧下留去して1−[(4−クロロ−3−ニトロフェニル)スルホニル]−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(5.0g)を得た。 これをテトラヒドロフラン(45mL)に溶解し、メタノール(45mL)、臭化ニッケル(II)(0.15g)及び水素化ホウ素ナトリウム(1.61g)を氷冷下加え、同温で30分間ついで室温で30分間撹拌した。 反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を減圧下留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して標記化合物(4.33g)を得た。

    参考例2
    対応する原料物質を用いて参考例1と同様の方法で得た。

    参考例3
    3−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)−1−ブロモベンゼン 1,2,3,4−テトラヒドロキノリン(1.25g)、トリエチルアミン(0.95g)及び4−ジメチルアミノピリジン(96mg)の塩化メチレン(30mL)混合物に3−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(2g)を加え、室温で一晩撹拌した。 反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を1mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して、標記化合物(2.02g)を得た。

    参考例4
    2−アミノ−5−ベンジルオキシ安息香酸メチル 5−ヒドロキシ−2−ニトロ安息香酸(1g)及び炭酸カリウム(1.89g)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)混合物にベンジルブロミド(1.96g)を加え、室温で三日間撹拌した。 反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水(2回)及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣にエタノール(10mL)、テトラヒドロフラン(10mL)及び5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(6mL)を加え、室温で一晩撹拌した。 反応混合物に1mol/L塩酸を加え酸性とし、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)に溶解し、炭酸カリウム(1.72g)及びヨウ化メチル(1.41g)を加え、室温で3日間撹拌した。 反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水(2回)及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1〜3/1)で精製して、5−ベンジルオキシ−2−ニトロ安息香酸メチル(1.15g)を得た。 得られた5−ベンジルオキシ−2−ニトロ安息香酸メチル(0.5g)をテトラヒドロフラン(6mL)に溶解し、メタノール(6mL)、臭化ニッケル(II)(19mg)及び水素化ホウ素ナトリウム(0.2g)を氷冷下加え、同温で30分間ついで室温で30分間撹拌した。 反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して、標記化合物(0.43g)を得た。

    参考例5
    2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルブロミド 2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルアルコール(1.05g)及びトリエチルアミン(1.09mL)の酢酸エチル(12mL)溶液に、氷冷下メタンスルホニルクロリド(0.51mL)を加え、同温で30分間撹拌した。 不溶物を濾去し、不溶物を酢酸エチル(20mL)で洗浄した。 濾液と洗浄液を合わせ、臭化リチウム(1.56g)を加え、60℃で1時間撹拌した。 反応混合物を水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して、標記化合物(1.42g)を得た。

    参考例6
    5−フルオロ−2−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)アニソール 2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルブロミド(1.42g)、4−フルオロ−2−メトキシフェノール(0.94g)及び炭酸カリウム(1.24g)のN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)混合物を室温で一晩撹拌した。 反応混合物を水中に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出した。 抽出物を1mol/L水酸化ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して、標記化合物(1.68g)を得た。

    参考例7
    5−フルオロ−2−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−ニトロアニソール 5−フルオロ−2−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)アニソール(1.68g)及び無水酢酸(11mL)の混合物に、氷冷下60%硝酸(0.6mL)を加え、氷冷下45分間撹拌した。 反応混合物に水を滴下して加え、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣固体を混合溶媒(n−ヘキサン/酢酸エチル=9/1)に懸濁して濾取し、同溶媒で洗浄後、減圧下乾燥して、標記化合物(1.56g)を得た。

    参考例8
    2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシアニリン 5−フルオロ−2−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−ニトロアニソール(0.86g)及び10%パラジウム炭素粉末(0.2g)のテトラヒドロフラン(15mL)混合物を水素雰囲気下室温で6時間撹拌した。 不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮して、標記化合物(0.77g)を得た。

    参考例9
    2−クロロ−5−ニトロニコチン酸 濃硫酸(14mL)に氷冷下2−ヒドロキシニコチン酸(5g)を加えた。 混合物に発煙硝酸(3.57mL)を滴下して加え、室温で15分間撹拌後、50℃で5時間撹拌した。 反応混合物を室温に冷却後、氷中に注ぎ、室温で10分間撹拌した。 析出した結晶を濾取し、冷水で洗浄後、減圧下乾燥して、2−ヒドロキシ−5−ニトロニコチン酸(5.4g)を得た。 2−ヒドロキシ−5−ニトロニコチン酸(5.4g)及びオキシ塩化リン(24.7g)の混合物を3時間加熱還流した。 反応混合物を氷冷後、氷水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。 残渣固体を混合溶媒(ジエチルエーテル/n−ヘキサン=1/3、200mL)に懸濁し、上澄み液を傾斜法で除去した。 固体を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄した。 無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去して、標記化合物(0.93g)を得た。

    参考例10
    4−フルオロ−3−ニトロベンゼンスルホニルクロリド 2−フルオロニトロベンゼン(2.33g)に発煙硫酸(20mL)を加え、60℃で30分間撹拌した。 反応混合物を室温に冷却し、塩化カリウム(10g)を含んだ氷中に注ぎ、室温で30分間撹拌した。 析出した結晶を濾取し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、4−フルオロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸(3.15g)を得た。 オキシ塩化リン(85mL)に、氷冷下4−フルオロ−3−ニトロベンゼンスルホン酸(3.15g)及び五塩化リン(2.82g)を加え、一晩加熱還流した。 反応混合物を室温に冷却し、減圧下濃縮した。 残渣に氷水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。 抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン〜n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製して、標記化合物(2.65g)を得た。

    参考例11
    対応する原料物質を用いて参考例1と同様の方法で得た。

    実施例1
    1−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 2−クロロニコチン酸(0.22g)及び2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)アニリン(0.5g)のN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)混合物に、銅粉末(10mg)及び炭酸カリウム(0.21g)を加え、150℃で3時間撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をテトラヒドロフラン(8mL)に溶解し、1,1'−カルボニルジイミダゾール(0.5g)を加え、室温で30分間撹拌した。 反応混合物に28%アンモニア水溶液(4mL)を加え、2時間撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜1/2)で精製して、2−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニルアミノ]ニコチン酸アミド(61mg)を得た。 これをN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、水素化ナトリウム(55%、13mg)を加え、室温で5分間撹拌した。 反応混合物に1,1'−カルボニルジイミダゾール(34mg)を加え、室温で1時間撹拌した。 反応混合物に1mol/L塩酸を加え、析出した結晶を濾取し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、標記化合物(45mg)を得た。

    実施例2〜実施例4
    対応する原料物質を用いて実施例1と同様の方法で得た。

    実施例5
    1−[3−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]チエノ[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 2−アミノチオフェン−3−カルボン酸メチル(89mg)、3−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)−1−ブロモベンゼン(0.2g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)・一クロロホルム和物(29mg)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(16mg)及び炭酸セシウム(0.46g)の1,4−ジオキサン(4mL)−tert−ブタノール(2mL)混合物をアルゴン雰囲気下、90℃で一晩撹拌した。 不溶物を濾去し、不溶物を酢酸エチルで洗浄した。 濾液と洗浄液を合わせ、1mol/L塩酸及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製して、2−[3−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニルアミノ]チオフェン−3−カルボン酸メチル(0.17g)を得た。 これにエタノール(4mL)、テトラヒドロフラン(2mL)及び5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.8mL)を加え、室温で一晩撹拌した。 反応混合物に1mol/L塩酸を加え酸性とし、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をテトラヒドロフラン(8mL)に溶解し、1,1'−カルボニルジイミダゾール(0.13g)を加え、室温で30分間撹拌した。 反応混合物に28%アンモニア水溶液(4mL)を加え、2時間撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製して、2−[3−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニルアミノ]チオフェン−3−カルボン酸アミド(89mg)を得た。 これをN,N−ジメチルホルムアミド(4mL)に溶解し、水素化ナトリウム(55%、20mg)を加え、室温で5分間撹拌した。 反応混合物に1,1'−カルボニルジイミダゾール(53mg)を加え、室温で1時間撹拌した。 反応混合物に1mol/L塩酸を加え、析出した結晶を濾取し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、標記化合物(88mg)を得た。

    実施例6〜実施例7
    対応する原料物質を用いて実施例5と同様の方法で得た。

    実施例8
    2−アミノチオフェン−3−カルボン酸メチルの代わりに、2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)アニリンを用い、3−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)−1−ブロモベンゼンの代わりに、2−クロロ−4−ヨードニコチン酸メチルを用い、実施例5と同様の方法で得た。

    実施例9
    1−[3−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]ピリミド[4,5−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 4−アミノピリミジン−5−カルボン酸(79mg)、3−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)−1−ブロモベンゼン(0.2g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)・一クロロホルム和物(29mg)、4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン(16mg)及び炭酸セシウム(0.46g)の1,4−ジオキサン(4mL)−tert−ブタノール(2mL)混合物をアルゴン雰囲気下、90℃で一晩撹拌した。 不溶物を濾去し、不溶物を酢酸エチルで洗浄した。 濾液と洗浄液を合わせ、1mol/L塩酸及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、1,1'−カルボニルジイミダゾール(0.2g)を加え、室温で30分間撹拌した。 反応混合物に28%アンモニア水溶液(5mL)を加え、2時間撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2〜酢酸エチル)で精製して、4−[3−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニルアミノ]ピリミジン−5−カルボン酸アミド(50mg)を得た。 これをN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、水素化ナトリウム(55%、11mg)を加え、室温で5分間撹拌した。 反応混合物に1,1'−カルボニルジイミダゾール(30mg)を加え、室温で1時間撹拌した。 反応混合物に1mol/L塩酸を加え、析出した結晶を濾取し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、標記化合物(40mg)を得た。

    実施例10
    対応する原料物質を用いて実施例9と同様の方法で得た。

    実施例11
    6−ブロモ−1−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 5−ブロモ−2−クロロニコチン酸(0.55g)及び2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)アニリン(0.5g)の1−メチル−2−ピロリドン(8mL)混合物に、水素化ナトリウム(55%、0.14g)を加え、100℃で6時間撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解し、1,1'−カルボニルジイミダゾール(0.73g)を加え、室温で30分間撹拌した。 反応混合物に28%アンモニア水溶液(10mL)を加え、2時間撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/1)で精製して、5−ブロモ−2−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニルアミノ]ニコチン酸アミド(0.28g)を得た。 これをN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、水素化ナトリウム(55%、48mg)を加え、室温で5分間撹拌した。 反応混合物に1,1'−カルボニルジイミダゾール(0.13g)を加え、室温で1時間撹拌した。 反応混合物に1mol/L塩酸を加え、析出した結晶を濾取し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、標記化合物(0.26g)を得た。

    実施例12
    対応する原料物質を用いて実施例11と同様の方法で得た。

    実施例13
    1−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]ピリミド[4,5−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 4−クロロピリミジン−5−カルボン酸エチル(0.4g)及び2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)アニリン(0.69g)の1−メチル−2−ピロリドン(8mL)混合物に、水素化ナトリウム(55%、98mg)を加え、100℃で2時間撹拌した。 反応混合物を0.5mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1)で精製して、4−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニルアミノ]ピリミジン−5−カルボン酸エチル(0.42g)を得た。 これにテトラヒドロフラン(2mL)、エタノール(8mL)及び5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.8mL)を加え、室温で3日間撹拌した。 反応混合物に1mol/L塩酸を加え酸性とし、析出した結晶を濾取し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、4−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニルアミノ]ピリミジン−5−カルボン酸(0.37g)を得た。 これをテトラヒドロフラン(8mL)に溶解し、1,1'−カルボニルジイミダゾール(0.29g)を加え、室温で30分間撹拌した。 反応混合物に28%アンモニア水溶液(4mL)を加え、2時間撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣固体を酢酸エチルに懸濁して濾取し、酢酸エチルで洗浄後、減圧下乾燥して、4−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニルアミノ]ピリミジン−5−カルボン酸アミド(0.11g)を得た。 これをN,N−ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解し、水素化ナトリウム(55%、23mg)を加え、室温で5分間撹拌した。 反応混合物に1,1'−カルボニルジイミダゾール(62mg)を加え、室温で1時間撹拌した。 反応混合物に1mol/L塩酸を加え、析出した結晶を濾取し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、標記化合物(50mg)を得た。

    実施例14
    6−ブロモ−1−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 5−ブロモ−2−クロロニコチン酸(1.38g)及び2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシアニリン(1.83g)のテトラヒドロフラン(20mL)混合物に、−78℃でリチウムヘキサメチルジシラジド(1.05mol/L n−ヘキサン溶液、16.6mL)を加え、自然昇温で室温とし、室温で一晩撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜酢酸エチル)で精製した。 得られた生成物をジエチルエーテルに懸濁して濾取し、ジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、5−ブロモ−2−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニルアミノ]ニコチン酸(0.44g)を得た。 これをテトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、1,1'−カルボニルジイミダゾール(0.28g)を加え、室温で30分間撹拌した。 反応混合物に28%アンモニア水溶液(7.5mL)を加え、2時間撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣固体をジエチルエーテルに懸濁して濾取し、ジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して、5−ブロモ−2−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニルアミノ]ニコチン酸アミド(0.28g)を得た。 これをN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)に溶解し、水素化ナトリウム(55%、72mg)を加え、室温で5分間撹拌した。 反応混合物に1,1'−カルボニルジイミダゾール(0.18g)を加え、室温で1時間撹拌した。 反応混合物に1mol/L塩酸を加え、析出した結晶を濾取し、水で洗浄後、減圧下乾燥して、標記化合物(0.3g)を得た。

    実施例15
    6−ヒドロキシ−1−[3−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン 6−ベンジルオキシ−1−[3−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(96mg)のテトラヒドロフラン(4mL)溶液に10%パラジウム炭素粉末(30mg)を加え、水素雰囲気下室温で一晩撹拌した。 不溶物を濾去し、濾液を減圧下濃縮した。 残渣固体をジエチルエーテルに懸濁して濾取し、ジエチルエーテルで洗浄後、減圧下乾燥して標記化合物(55mg)を得た。

    実施例16
    6−(n−ブトキシカルボニル)−1−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 6−ブロモ−1−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.3g)、酢酸パラジウム(II)(12mg)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(23mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.48mL)及びn−ブタノール(6mL)のジメチルスルホキシド(8mL)混合物を、一酸化炭素雰囲気下、105℃で一晩撹拌した。 不溶物を濾去し、不溶物を酢酸エチルで洗浄した。 濾液と洗浄液を合わせ、0.5mol/L塩酸、水及び飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1〜1/1)で精製して、標記化合物(0.18g)を得た。

    実施例17
    対応する原料物質を用いて実施例16と同様の方法で得た。

    実施例18
    6−カルボキシ−1−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 6−(n−ブトキシカルボニル)−1−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(0.18g)、テトラヒドロフラン(4mL)、メタノール(2mL)及び水(2mL)の混合物に、水酸化リチウム・一水和物(0.13g)を加え、室温で3時間撹拌した。 反応混合物に1mol/L塩酸を加え酸性とし、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し,溶媒を減圧下留去した。 残渣固体をメタノールに懸濁して濾取し、メタノールで洗浄後、減圧下乾燥して、標記化合物(79mg)を得た。

    実施例19
    対応する原料物質を用いて実施例18と同様の方法で得た。

    実施例20
    6−カルバモイル−1−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 6−カルボキシ−1−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(24mg)のテトラヒドロフラン(2mL)溶液に、1,1'−カルボニルジイミダゾール(15mg)を加え、室温で30分間撹拌した。 反応混合物に28%アンモニア水溶液(1mL)を加え、2時間撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去して、標記化合物(23mg)を得た。

    実施例21
    6−ヒドロキシメチル−1−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 6−カルボキシ−1−[2−クロロ−5−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イルスルホニル)フェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(70mg)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液に、氷冷下ボラン・テトラヒドロフラン錯体(1.2mol/Lテトラヒドロフラン溶液、0.26mL)を加え、室温で1.5日間撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/3)で精製して、標記化合物(27mg)を得た。

    実施例22
    対応する原料物質を用いて実施例14と同様の方法で得た。

    実施例23
    対応する原料物質を用いて実施例15と同様の方法で得た。

    実施例24
    6−アセチルアミノ−1−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン 6−アミノ−1−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(30mg)のピリジン(1mL)溶液に、無水酢酸(13mg)を加え、室温で5時間撹拌した。 反応混合物を1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製して、標記化合物(30mg)を得た。

    実施例25
    対応する原料物質を用いて実施例24と同様の方法で得た。

    実施例26
    1−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]−6−(3−メトキシウレイド)ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(39mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)溶液に、トリエチルアミン(0.07mL)及び1,1'−カルボニルジイミダゾール(76mg)を加え、室温で10分間撹拌した。 混合物に6−アミノ−1−[2−フルオロ−5−(2,3−ジフルオロ−6−メトキシベンジルオキシ)−4−メトキシフェニル]ピリド[2,3−d]ピリミジン−2,4(1H,3H)−ジオン(30mg)を加え、室温で5時間撹拌した。 反応混合物に1mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。 抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:n−ヘキサン/酢酸エチル=1/2)で精製して、標記化合物(33mg)を得た。

    実施例27
    対応する原料物質を用いて実施例14と同様の方法で得た。

    実施例28
    対応する原料物質を用いて実施例16及び実施例18と同様の方法で得た。

    上記参考例化合物1〜11の化学構造及び H−NMRデータを表1及び2に、上記実施例化合物1〜28の化学構造及び H−NMRデータを表3〜5に、それぞれ示す。

    表中の略号は、Ref No. は、参考例番号、Ex No. は、実施例番号、Strcは、化学構造式、Solvは、 H−NMR測定溶媒を、それぞれ示す。

    〔試験例1〕
    1)ヒトGnRH受容体1(GnRHR1)のクローニング及び発現ベクターへの組み換え ヒト下垂体由来のcDNA(ベクトンディッキンソン社)を鋳型として、Kakarらにより報告されたヒトGnRHR1(Accession No.L03380)の45番から1115番までの塩基配列をPCR法により増幅し、pcDNA3.1(+)(インビトロジェン社)のマルチクローニング部位に挿入した。 挿入したDNAの塩基配列は報告されていた塩基配列と完全に一致していた。

    2)ヒトGnRH受容体1安定発現HEK293細胞株の樹立 ヒトGnRHR1発現ベクターをXhoIで消化して直鎖状DNAとした後、HEK293細胞にリポフェクション法(Lipofectamine2000:インビトロジェン社)にて導入した。 1mg/mLのG418(インビトロジェン社)にてネオマイシン耐性細胞株を得、後述する方法にてGnRH刺激による細胞内カルシウムの動きを測定した。 最も強い反応を示した株を選択して、hGnRHR1#1とし、以後、0.5mg/mLのG418存在下で培養した。

    3)GnRHによる細胞内カルシウムの動きの阻害効果の測定 ヒトGnRHR1に対する化合物のアンタゴニスト作用は、GnRH刺激による細胞内のカルシウムの動きの阻害度合により評価した。 96穴プレートにhGnRHR1#1を1.5X10 個/穴で播種し1日間培養した。 培地を除去し、1穴あたり200μLの洗浄用緩衝液(Hanks' Balanced Salt Solutions、20mM N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N'−2−エタンスルホン酸、1.3mM塩化カルシウム、0.5mM塩化マグネシウム、0.4mM硫酸マグネシウム)で一回洗浄した後、カルシウムイオンに反応する色素溶液(FLIPR Calcium Assay Kit、モレキュラーデバイス社製)を100μL添加し、5%CO インキュベーターにて37℃、1時間インキュベートした。 その後細胞内カルシウム濃度はFLEXSTATION(登録商標)(モレキュラーデバイス社製)を用いて以下の条件で測定した。 37℃に温められた庫内で測定用緩衝液(0.1%胎児血清アルブミンを含む洗浄用緩衝液)で希釈した被験物質を50μL添加し、その1分後に10nMのGnRHを50μL添加した。 GnRH刺激による細胞内のカルシウムの動きを50%阻害する濃度(IC 50値)は、ロジットプロットにより算出した(表6)。

    本発明の含窒素縮合環誘導体(I)もしくはそのプロドラッグ又はその薬理学的に許容される塩は、優れたGnRH拮抗作用を有するので、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの作用を調節し、性腺刺激ホルモン及び性ホルモンの産生・分泌を制御することにより、性ホルモン依存性疾患の予防又は治療剤として用いることができる。 それゆえ、本発明により、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮線維腫、思春期早発症、無月経症、月経前症候群、月経困難症、多嚢胞性卵巣症候群、紅斑性狼瘡、多毛症、小人症、睡眠障害、ニキビ、禿頭症、アルツハイマー病、不妊症、過敏性腸症候群、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、乳癌もしくは下垂体腫瘍の予防もしくは治療剤、生殖調節剤、避妊薬、排卵誘発剤又は性ホルモン依存性癌術後再発予防剤等を提供することができる。

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