Vascular static substances and methods for their use

专利类型 发明专利 法律事件
专利有效性 有效专利 当前状态
申请号 JP2005500378 申请日 2003-10-02
公开(公告)号 JP2006515317A 公开(公告)日 2006-05-25
申请人 ターゲジェン インコーポレーティッド; 申请人类型 其他
发明人 ウォルフガング ウラシドロ; シャンチャン ゴン; ウテ スプリットゲーバー; ニンニン チャオ; ジョン ドゥーカス; エレーナ ドネプロブスカイア; グレン ノロニャ; ジョン ディー. フッド; イボワール ロイストン; 第一发明人 ウォルフガング ウラシドロ
权利人 ターゲジェン インコーポレーティッド 权利人类型 其他
当前权利人 ターゲジェン インコーポレーティッド 当前权利人类型 其他
省份 当前专利权人所在省份: 城市 当前专利权人所在城市:
具体地址 当前专利权人所在详细地址: 邮编 当前专利权人邮编:
主IPC国际分类 C07D209/14 所有IPC国际分类 C07D209/14A61J1/05A61J3/00A61K31/337A61K31/404A61K31/405A61K31/4439A61K31/498A61K31/4985A61K31/519A61K31/525A61K31/53A61K31/5377A61K31/661A61K31/704A61K31/724A61K38/00A61K39/395A61P9/00A61P9/10A61P11/00A61P17/02A61P19/02A61P27/02A61P29/00A61P35/00A61P37/06A61P43/00C07D209/02C07D209/04C07D209/48C07D239/88C07D239/90C07D239/95C07D241/42C07D241/44C07D253/08C07D253/10C07D401/12C07D403/12C07D405/04C07D405/12C07D471/04C07D475/02C07D475/06C07D475/08C07D487/04C07D519/00
专利引用数量 0 专利被引用数量 3
专利权利要求数量 0 专利文献类型 A
专利代理机构 专利代理人
摘要 易障害性血管静態に関連した障害を治療する組成物および方法が提供される。 本発明の方法および組成物は、例えば、卒中、心筋梗塞、癌、虚血性/再潅流性損傷、リウマチ様関節炎のような自己免疫疾患、網膜症または黄斑変性または他の硝子体網膜疾患のような眼疾患、 炎症 疾患、血管漏出症候群、浮腫、移植拒絶反応、成人/急性呼吸促迫症候群(ARDS)などを含む、様々な障害の治療において有用である。
权利要求
  • 構造(I)の化合物:
    [式中、各R 0は独立して、-H、-COOH、-OR'、-SO 3 Hであり、R'が、-Hまたは低級アルキルであり、もしくはxが2である場合、各R 0は一体となって1,3-ジオキソリル環を形成する、または 各R 0は独立して、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、ハロゲン、アミノ、アミド、ニトロ、もしくはチオアルキルであり;
    R 1およびR 2は各々独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、もしくは置換されたアリールアルキニルであり;
    Gは、NH、O、S、または(CR" 2 ) pであり、R"は、-H、低級アルキル、もしくはアセトアミドであり、およびpは、0〜3であり;
    Arは、アリールもしくはヘテロアリールであり;ならびに
    xおよびyは、各々独立して1〜4である。 ]。
  • R 0は-COOHであり、xは1であり、ならびにR 1およびR 2は各々水素である、請求項1記載の化合物。
  • 構造(II)の化合物:
    [式中、各R 0は、-COOH、-OH、-SO 3 H、または-Hであり;
    R 1およびR 2は、各々独立して水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、または置換されたアリールアルキニルであり;ならびに
    xおよびyは各々独立して1〜4である。 ]。
  • R 0は-COOHであり、xは1であり、ならびにR 1およびR 2は各々水素である、請求項3記載の化合物。
  • 構造(III)の化合物:
    [式中、Z 1 -Z 6は各々独立して、C、-C=O、N、またはNR aであり、R aは、-H、アルキル、または置換されたアルキルであり、置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソまたはアミノであり;
    各Xは独立して、ハロゲン、-OR b 、-NR b 2 、または-SR bであり、R bは、-H、低級アルキル、-(CH 2 ) 2 NH(CH 2 CH 3 )、-(CH 2 ) 3モルホリン-1-イル、-(CH 2 ) 3 (N-メチルピペラジニン-1-イル)、アリール、ヘテロアリール、-(NH-NH-R c )、-(N=N-NH-R c )であり、R cは、Hまたは低級アルキルであり;
    各Yは、独立して-OR d 、-NR d 2 、-SR d 、もしくは-OPO 3 H 2であり、R dは、-H、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、-(CH 2 ) 2 NH(CH 2 CH 3 )、-(CH 2 ) 3モルホリン-1-イル、または-(CH 2 ) 3 (N-メチルピペラジニン-1-イル)であり;または 各Yは独立して、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、もしくはハロゲンであり、置換基は、ハロゲン、-OR e 、-NR e 2 、-SR e 、-P(O)(OH) 2から選択され、R eは、-H、低級アルキル、アリール、もしくはヘテロアリールであるか;または 各Yは独立して、CH 2グリシニル、CH 2 NHエトキシ、CH 2 NHCH 2アルキル、CH 2 NHCH 2 t-Bu、CH 2 NHCH 2アリール、CH 2 CHCN 2置換されたアリール、CH 2 NHCH 2ヘテロアリール、CH 2 NHCH 2置換されたヘテロアリールであり;または
    nが2である場合、各Yは一体となって融合した芳香環またはヘテロ芳香環システムを形成し;ならびに
    mおよびnは各々独立して、1〜4であり;
    Z 1 、Z 3 、Z 5 、およびZ 6が各々Nである場合、Xは、NH 2であり、ならびにm=n=2である場合、Yはフェニルまたは4-ヒドロキシフェニルではない。 ]、またはそれらの互変異性体。
  • 構造(IV)の化合物:
    [式中、Lは、アリーレン、置換されたアリーレン、オキシアリーレン、または置換されたオキシアリーレン連結部分であり;
    Cは、5-または6-員の芳香環またはヘテロ芳香環であり;
    各Xは独立して、H、OR、NR 2 、またはSRであり、Rは、Hまたは低級アルキルであり;
    Z 1 -Z 4は各々独立して、CHまたはNであり;および
    mは1〜4である。 ]。
  • 構造(V)の化合物:
    [式中、各R 1は、独立して水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、または置換されたアリールアルキニルであり;
    R 3は、-H、-SO 3 H、または-SO 2 NMe 2であり;
    Mは、NH、CO、SO 2 、(CH 2 ) pであり、pは0〜2であり;
    Gは、アリールまたはヘテロアリールであり;ならびに
    xおよびyは各々独立して0〜4である。 ]。
  • 易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法であって、有効量の化合物をそれが必要な対象へ投与することを含み、化合物は、構造I、II、III、IIIa、IV、Vで示されるか、またはそれらのいずれかの組合せである、方法。
  • 障害が、心筋梗塞、卒中、うっ血性心不全、虚血性もしくは再潅流性損傷、癌、関節炎もしくは他の関節症、網膜症または硝子体網膜疾患、黄斑変性、自己免疫疾患、血管漏出症候群、炎症疾患、浮腫、移植拒絶反応、火傷、または、急性もしくは成人呼吸促迫症候群(ARDS)である、請求項8記載の方法。
  • 障害が、血管漏出症候群(VLS)である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、癌である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、硝子体網膜疾患である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、ARDSである、請求項9記載の方法。
  • 障害が、自己免疫疾患である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、火傷である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、卒中である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、心筋梗塞である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、虚血性または再潅流性損傷である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、関節炎である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、浮腫である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、移植拒絶反応である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、炎症疾患である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、うっ血性心不全である、請求項9記載の方法。
  • 障害が、キナーゼに関連している、請求項9記載の方法。
  • キナーゼが、チロシンキナーゼである、請求項24記載の方法。
  • キナーゼが、セリンキナーゼまたはトレオニンキナーゼである、請求項24記載の方法。
  • キナーゼが、Srcファミリーキナーゼである、請求項24記載の方法。
  • 易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法であって、下記構造を有する化合物の有効量を必要とする対象へ投与する段階を含み、その結果、障害を治療する、方法:
    [式中、各Xは独立して、H、OR、NR 2 、またはSRであり、RはHまたは低級アルキルであり;
    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、もしくは置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく;または
    nが2である場合、各Yは一体となって少なくとも1個の芳香環を含む融合された芳香環システムを形成し;
    mは、1〜4であり;および
    nは、1または2である。 ]。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項28記載の方法。
    [式中、Xは、OR、NR 2 、またはSRであり、RはHまたは低級アルキルであり;
    Yは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、または置換されたヘテロアリールであり;および
    nは、1または2である。 ]。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項28記載の方法。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項28記載の方法。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項28記載の方法。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項28記載の方法。
  • 易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法であって、下記構造を有する化合物の有効量を必要とする対象へ投与する段階を含む方法:
    [式中、各Xは独立して、H、OR、NR 2 、もしくはSRであり、RはHまたは低級アルキルであり;
    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、もしくは置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく;または
    nが2である場合、各Yは一緒に、少なくとも1個の芳香環を含む、融合された芳香環システムを形成し;ならびに
    mおよびnは、各々独立して1または2である。 ]。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項34記載の方法:
    [式中、Xは、OR、NR 2 、またはSRであり、RはHまたは低級アルキルであり;
    Yは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、または置換されたヘテロアリールであり;および
    nは、1または2である。 ]。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項34記載の方法。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項34記載の方法。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項34記載の方法。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項34記載の方法。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項34記載の方法。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項34記載の方法。
  • 易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法であって、下記構造を有する化合物の有効量を必要とする対象へ投与する段階を含む、方法:
    [式中、Zは、N、O、もしくはSであり;
    各Xは独立して、H、OR、NR 2 、もしくはSRであり、RはHまたは低級アルキルであり;
    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、もしくは置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく;または
    nが2である場合、各Yは一緒に、少なくとも1個の芳香環を含む、融合された芳香環システムを形成し;
    mが、1〜4であり;および
    nが、1または2である。 ]。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項42記載の方法:
    [式中、各Xは独立して、H、OR、NR 2 、またはSRであり、RはHまたは低級アルキルであり;
    Yは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、または置換されたヘテロアリールであり;および
    mは、1〜4である。 ]。
  • 障害が、心筋梗塞、卒中、うっ血性心不全、虚血性もしくは再潅流性損傷、癌、関節炎もしくは他の関節症、網膜症もしくは硝子体網膜疾患、黄斑変性、自己免疫疾患、血管漏出症候群、炎症疾患、浮腫、移植拒絶反応、火傷、または、急性もしくは成人呼吸促迫症候群(ARDS)である、請求項42記載の方法。
  • 障害が、血管漏出症候群(VLS)である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、癌である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、硝子体網膜疾患である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、ARDSである、請求項44記載の方法。
  • 障害が、自己免疫疾患である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、火傷である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、卒中である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、心筋梗塞である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、虚血性または再潅流性損傷である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、関節炎である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、浮腫である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、移植拒絶反応である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、炎症疾患である、請求項44記載の方法。
  • 障害が、うっ血性心不全である、請求項44記載の方法。
  • 構造(VII)を有する化合物の有効量を必要とする対象へ投与する段階を含む、易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法:
    [式中、A、B、CおよびDは各々独立して、C、N、O、またはSであり、
    各Xは独立して、H、OR、NR 2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、
    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、または置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく、ならびに
    mおよびnは各々独立して、1〜4である。 ]。
  • 障害が、心筋梗塞、卒中、うっ血性心不全、虚血性もしくは再潅流性損傷、癌、関節炎もしくは他の関節症、網膜症もしくは硝子体網膜疾患、黄斑変性、自己免疫疾患、血管漏出症候群、炎症疾患、浮腫、移植拒絶反応、火傷、または急性もしくは成人呼吸促迫症候群(ARDS)である、請求項58記載の方法。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項59記載の方法:
    [式中、各Xは独立して、OR、NR 2 、またはSRであり、RはHまたは低級アルキルであり;
    各Yは独立して、アリールまたは置換されたアリールであり;
    mは1または2であり、および
    nは1〜4である。 ]。
  • 化合物が、下記構造を有する、請求項59記載の方法:
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、もしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを、薬学的に許容できる担体中に含有する、薬学的組成物。
  • 包装材料および包装材料内に含まれた薬学的組成物を含む製品であって、包装材料は、薬学的組成物を、易障害性血管静態に関連した障害の治療に使用することができることを示すラベルを備え、ならびに薬学的組成物は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを含有する、製品。
  • 包装材料および包装材料内に含まれた薬学的組成物を含む製品であって、包装材料は、薬学的組成物を、血管透過性漏出、もしくは心筋梗塞、卒中、うっ血性心不全、虚血性もしくは再潅流性損傷、癌、関節炎もしくは他の関節症、網膜症もしくは硝子体網膜疾患、黄斑変性、自己免疫疾患、血管漏出症候群、炎症疾患、浮腫、移植拒絶反応、火傷、または急性もしくは成人呼吸促迫症候群(ARDS)から選択された易障害性血管静態に関連した障害の治療に使用することができることを示すラベルを備え、ならびに、薬学的組成物は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを含有する、製品。
  • 障害が、癌である、請求項65記載の製品。
  • 易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法であって、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せ、またはそれらの薬学的に許容できる塩、水和物、溶媒和物、結晶形および個別のジアステレオマーの少なくとも1種を治療有効量、そのような治療を必要とする対象へ投与することを含む、方法。
  • 障害が、血管漏出症候群(VLS)である、請求項67記載の方法。
  • 障害が、癌である、請求項67記載の方法。
  • 障害が、硝子体網膜疾患である、請求項67記載の方法。
  • 障害が、ARDSである、請求項67記載の方法。
  • 障害が、自己免疫疾患である、請求項67記載の方法。
  • 障害が、火傷である、請求項67記載の方法。
  • 障害が、卒中である、請求項67記載の方法。
  • 障害が、心筋梗塞である、請求項67記載の方法。
  • 障害が、虚血性または再潅流性損傷である、請求項67記載の方法。
  • 障害が、関節炎である、請求項67記載の方法。
  • 障害が、浮腫である、請求項67記載の方法。
  • 障害が、移植拒絶反応である、請求項67記載の方法。
  • 障害が、炎症疾患である、請求項67記載の方法。
  • 易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法であって、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せ、またはそれらの薬学的に許容できる塩、水和物、溶媒和物、、結晶形および個別のジアステレオマーの少なくとも1種を治療有効量、抗炎症剤、化学療法剤、免疫調節剤、治療用抗体またはプロテインキナーゼインヒビターと共に、そのような治療を必要とする対象へ投与する段階を含む、方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、心筋梗塞を有するまたは心筋梗塞になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、血管漏出症候群(VLS)を有するまたは血管漏出症候群になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、癌を有するまたはガンになる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療する段階を含む、卒中を有するまたは卒中になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、ARDSを有するまたはARDSになる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、火傷を有するまたは火傷になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、関節炎を有するまたは関節炎になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、浮腫を有するまたは浮腫になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、血管漏出症候群(VLS)を有するまたは血管漏出症候群になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、網膜症または硝子体網膜疾患を有するもしくは網膜症または硝子体網膜疾患になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、虚血または再潅流に関連した組織損傷または障害を有するもしくは虚血または再潅流に関連した組織損傷または障害になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、自己免疫疾患を有するまたは自己免疫疾患になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、移植拒絶反応を有するまたは移植拒絶反応になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの治療有効量を対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、炎症疾患を有するまたは炎症疾患になる危険性のある対象を治療する方法。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せ、またはその薬学的に許容できる塩、水和物、溶媒和物、結晶形の塩および個々のジアステレオマー、ならびに薬学的に許容できる担体との組合せを一緒にすることを含む、薬学的組成物の製造法。
  • 下記構造のいずれかひとつを有する、請求項1記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項1記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項1記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項1記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造のいずれかを有する、請求項5記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項5記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項5記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項5記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項5記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項5記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項5記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項5記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項5記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造のいずれかを有する、請求項5記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項5記載の化合物、または、それらの薬学的に許容できる塩。
  • 下記構造を有する、請求項5記載の化合物。
  • 下記構造を有する、請求項5記載の化合物。
  • 薬学的に許容できる担体中に、構造Iに示された化合物を含有する、薬学的組成物。
  • 薬学的に許容できる担体中に、構造IIに示された化合物を含有する、薬学的組成物。
  • 薬学的に許容できる担体中に、構造IIIに示された化合物を含有する、薬学的組成物。
  • 薬学的に許容できる担体中に、構造IIIaに示された化合物を含有する、薬学的組成物。
  • 薬学的に許容できる担体中に、構造IVに示された化合物を含有する、薬学的組成物。
  • 薬学的に許容できる担体中に、構造VaまたはVbに示された化合物を含有する、薬学的組成物。
  • 薬学的に許容できる担体中に、構造VIIIに示された化合物を含有する、薬学的組成物。
  • 構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された構造の化合物、またはそれらのいずれかの組合せを有効量のIL-2と組合せ、それが必要な対象へ投与し、これにより対象における血管漏出を軽減することを含む、対象における血管漏出を阻害または軽減する方法。
  • 化合物が、図1に示されている、請求項122記載の方法。
  • 化合物が、N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸である、請求項122記載の方法。
  • 化合物が、6,7-ビス-(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミンである、請求項122記載の方法。
  • IL-2および構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの少なくとも1種を、IL-2投与に関連した血管漏出を軽減するのに有効な濃度で含有する、薬学的組成物。
  • 化合物が、図1に示されている、請求項126記載の組成物。
  • 化合物が、N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸または6,7-ビス-(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミンである、請求項126記載の組成物。
  • 有効量の治療用抗体、化学療法剤または免疫毒製剤を、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せと組合わせて、それが必要な対象へ投与し、これにより対象において癌または腫瘍を治療することを含む、対象の癌または腫瘍を治療する方法。
  • 化合物が、図1に示されている、請求項129記載の組成物。
  • 治療的物質、および構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せの少なくとも1種を、対象において癌を治療するのに有効な濃度で含有する薬学的組成物。
  • 化合物が、図1に示されている、請求項131記載の組成物。
  • 癌が、消化器系/胃腸管癌、結腸癌、肝臓癌、皮膚癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、リンパ腫、白血病、腎臓癌、肺癌、筋肉癌、骨癌、膀胱癌または脳癌である、請求項131記載の方法。
  • 癌が、結腸癌または肺癌である、請求項133記載の方法。
  • 治療的物質が、代謝拮抗物質、DNA架橋剤、アルキル化剤、トポイソメラーゼIインヒビター、微小管インヒビター、ビンカアルカロイド、マイトマイシン系抗生物質、およびブレオマイシン系抗生物質である、請求項131記載の方法。
  • 化学療法剤が、メトトレキセート、シスプラチン/カルボプラチン;カンブシル;ダクチノマイシン;タキソール(パクリタキソール)、抗葉酸剤、コルヒチン、デメコリン、エトポシド、タキサン/タキソール、ドセタキソール、ドキソルビシン、アントラサイクリン系抗生物質、ドキソルビシン、ダウノルビシン、カルミノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサトロン、ミトキサントロン、4-デメトキシ-ダウノマイシン、11-デオキシダウノルビシン、13-デオキシダウノルビシン、アドリアマイシン-14-ベンゾエート、アドリアマイシン-14-オクタノエートまたはアドリアマイシン-14-ナフタレンアセテートである、請求項131記載の方法。
  • 治療的物質が、ドキソルビシン、ドセタキソール、またはタキソールである、請求項131記載の方法。
  • 治療的物質が、HER2蛋白質、増殖因子もしくは増殖因子受容体、またはインテグリン受容体に結合する抗体である、請求項131記載の方法。
  • 治療的物質が、トラスツマブ、ベバシズマブ、OSI-774またはVitaxinである、請求項138記載の方法。
  • 说明书全文

    発明の技術分野
    本発明は全般的には、血管機能に関連した障害の治療、より詳細に述べるとそのような障害を治療するための化合物および方法に関する。

    発明の背景
    血管システムは、恒常性の最も重要なメディエーターであり、正常な生理的機能の維持において重要な役割を果たしている。 例えば、血管内皮の障壁機能は、液体、電解質および蛋白質の組織への侵入を調節するのに役立ち、血管の緊張(tone)は、組織灌流の調節に貢献し、ならびに血管内皮の低い有糸分裂指数は、組織増殖の調節に貢献する。 用語「血管静態(vasculostasis)」は、この恒常的血管機能を維持することを意味し、および「血管均衡性(vasculostatic)物質」は、血管静態の喪失の防止または回復または維持により、血管静態が障害を受けやすい条件に対処することが求められる物質を意味する。

    易障害性血管静態(compromised vasculostasis)は、重篤な病的な結果を有する。 例えば、血管透過性が管理できるレベルを超えて増大する場合、生じる浮腫は、組織および器官の機能に、および最終的には生存に、負の影響を及ぼすことがある。 過剰な血管透過性が特に有害な作用につながる例は、浮腫、脳浮腫、および心臓性腫を含む(Ritchie AC:Boyd's Textbook of Pathology、London Lea and Febiger、1990)。 しかし一般に、あらゆる組織または器官の浮腫は、正常な機能の若干の喪失につながり、その結果罹患リスク、更には致死リスクにもつながる。 同様に、過剰な内皮増殖は、組織を損傷するか(例えば、増殖性網膜症における網膜)、または望ましくない組織増殖を煽ることがある(腫瘍増殖によるものなど)。

    多くの病理および疾患状態は、血管静態における複数の調節不能により特徴づけられる。 新脈管形成は、例えば、増強された血管の増殖性および透過性の両方を包含するが、その理由は新たに形成された血管は一般に、良く確立されたまたは成熟した血管と同じレベルの血管障壁を示さないからである。 このような高透過性の血管構造の例は、癌、血管増殖性疾患、網膜の疾患、およびリウマチ様関節炎において認めることができる。 新脈管形成と高透過性の間のつながりは、一部、内皮増殖および血管透過性の両方を誘導する血管内皮増殖因子(VEGF)のような因子の二元的な作用から生じることがある。 このつながりは、正常な血管障壁機能を確立する細胞内および/もしくは細胞外構造または機構は、依然完全には形成されていない、脈管形成性血管の未熟な性質も反映することがある。 同じく新脈管形成および血管透過性は、共通の細胞機序に同時依存することにより連結される場合もあり、例えば、傍細胞透過性および細胞移動の両方(両方とも脈管形成のプロセスの構成要素である)を増大するために利用される細胞接合部の分解の場合である。 その結果多くの疾患の包括的治療は、血管静態調節不良(例えば、細胞内シグナル伝達カスケードに沿った作用のそれらのレベルを基にした)の1種または複数種の構成要素に作用する血管静態化物質に関連している。 このような例のひとつは、新脈管形成および血管透過性の両方に影響を及ぼす単独の治療的物質であろう。

    血管静態に影響を及ぼすひとつの方式は、環境シグナル(低酸素など)または血管作用性物質に対する内皮細胞反応に影響することによるものである。 例えば、血管内皮は、経細胞透過性(transcellular permeability)(小胞のネットワークを介した内皮細胞を超える液体および蛋白質の移動)および傍細胞透過性(内皮細胞間接合部の間の液体および蛋白質の移動)の両方を調節することにより、液体バランスを調節する。 浮腫は、内皮細胞間障壁の破壊の結果と、最も一般的に考えられ、これは毛細管および後毛細管小静脈レベルの増加した傍細胞透過性につながる。 機械的に、傍細胞の血管漏出は、接着結合の溶解により、ならびに正常な細胞並置(cell-to-cell apposition)を維持する細胞骨格支持エレメントにおける変化に組合わされた、細胞間接合部の完全性の破壊の結果である。 いくつかの血管作用性メディエーターは、これらの細胞エレメントの溶解の引き金を引き、これはヒスタミン、ブラジキニン、トロンビン、一酸化窒素、エイコサノイド(例えばトロンボキサンおよびロイコトリエン)、血小板活性化因子(PAF)、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン(例えばIL-1およびIL-6)、肝細胞増殖因子(HGF)、および血管内皮増殖因子(VEGF)を含む。 VEGFを例として用いると、血管漏出につながる事象の順番は、一般に以下のように考えられる:低下した血流(例えば血栓形成の結果)は、組織の低酸素につながり、これはVEGF産生のアップレギュレーションをもたらし、次に血管漏出を引き起こす。 このVEGF作用は、内皮細胞レベルでのことであり、別の表現をすると内皮細胞上に発現された特異的VEGF受容体へのVEGF結合は、正常な細胞間障壁機能の喪失を頂点に達させる細胞内事象のカスケードにつながる。 その結果、これらの細胞内事象が影響することにより、血管静態化物質は、低酸素またはVEGFなどの血管作用性メディエーターのような環境シグナルの負の作用に逆らうことができ、その結果血管静態を回復するように働く。

    内皮障壁機能の喪失につながる事象のカスケードは、複雑であり、理解が不完全である。 データは、このプロセスの少なくともひとつの局面としてのキナーゼの役割を裏付けている。 例えば、VEGF-媒介型浮腫は、Srcファミリーキナーゼ、プロテインキナーゼC、およびAktキナーゼによる細胞内シグナル伝達に関与することが示されている。 キナーゼは、β-カテニンおよび血管内皮(VE)-カドヘリンのような接合部蛋白質のリン酸化を媒介し、アドヘレンスジャンクションの溶解およびカドヘリン-カテニン複合体のそれらの細胞骨格アンカーからの解離につながると考えられている。 加えて、ミオシン軽鎖キナーゼ(MLCK)およびミオシン軽鎖(MLC)のような細胞間収縮機構を調節する蛋白質も活性化され、細胞収縮を生じ、その結果、細胞間接合部を開放する。

    血管静態を維持または回復することは、いくつか例を挙げると、炎症、アレルギー疾患、癌、脳卒中、心筋梗塞、肺および心臓の不全、腎不全、および網膜症などの状態の全ての患者の転帰に有益であるはずである。 加えて浮腫形成は、免疫療法、癌の化学療法および放射線療法などの、多くの治療的介入において認められるが望ましくない結果であり、その結果血管透過性を阻害する血管静態化物質を、そのような療法の有害な副作用を軽減するために、同時療法において使用することができる。 更に多くの症例において、浮腫形成は罹患した組織への治療的物質の不均等な送達を引き起こし、その結果血管透過性を阻害する血管静態化物質を、そのような療法の送達および効能を増強するために同時-療法において使用することができる。 最後に、浮腫は組織低酸素症の一般的結果であるので、これは、血管漏出の阻害は、組織低酸素症治療の可能性のある方法を提示すると結論付けることができる。 例えば、病的状態(血栓形成など)または医学的介入(心停止法、臓器移植、および血管再建など)または身体的外傷による血流の途絶は、血管透過性を低下する血管静態化物質を緊急および予防の両面で使用し治療することができる。

    発明の概要
    本発明は、ある種の化学的化合物は、有効な血管静態化物質であるという発見を基にしている。 本発明の化合物は、例えば心筋梗塞(MI)、卒中、虚血性または再潅流性組織損傷、および癌のような適応症の治療に有効である。 従って、例えば過剰な血管透過性または血管漏出の結果の浮腫、ならびに網膜疾患および癌に関連した新脈管形成であるような、易障害性血管静態に関連した障害の治療のための組成物および方法が提供される。 本明細書に説明されたいくつかの化合物は、効果的キナーゼインヒビターであり、これはチロシン、セリンまたはトレオニンキナーゼインヒビター、例えばSrcファミリーインヒビターを含むが、これらに限定されるものではない。

    このような血管静態化物質は、単独でまたは他の物質と組合せて、血管透過性または漏出または新脈管形成のブロックにおいて有効である。 ひとつの態様において、本発明は、本発明の化合物の治療的有効量を薬学的に許容できる担体中に含有する組成物を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、血管均衡性である化合物の有効量をそれを必要とする対象へ投与することを含む、対象における易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法を提供する。 例証的例において、この方法は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIにおいて示された少なくとも1種の化合物またはそれらのいずれかの組合せの使用を含む。 ひとつの局面において、この化合物は図1に示されている。

    ひとつの態様において、構造(I)を有する化合物が提供される:

    (式中、


    各R

    0は独立して、-H、-COOH、-OR'、-SO

    3 Hであり、ここでR'は、-Hまたは低級アルキルであり、もしくはx=2である場合、各R

    0は一緒に1,3-ジオキソリル環を形成するか、または 各R

    0は独立して、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、ハロゲン、アミノ、アミド、ニトロ、またはチオアルキルであり、


    R

    1およびR

    2は各々独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、または置換されたアリールアルキニルであり、


    Gは、NH、O、S、または(CR"

    2 )

    pであり、ここでR"は、-H、低級アルキル、またはアセトアミドであり、およびpは、0〜3であり、


    Arは、アリールまたはヘテロアリールであり、ならびに


    xおよびyは各々独立して1〜4である。 )。

    更に別の態様において、構造(II)を有する化合物が提供される:

    (式中、


    R

    0 、R

    1 、R

    2 、xおよびyは先に定義されたものである。 )。

    別の態様において、構造(III)を有する化合物が:

    (式中、


    Z

    1 -Z

    6は各々独立して、C、-C=O、N、またはNR

    aであり、ここでR

    aは、-H、アルキル、または置換されたアルキルであり、ここで該置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソまたはアミノであり、


    各Xは独立して、ハロゲン、-OR

    b 、-NR

    b

    2 、または-SR

    bであり、ここでR

    bは、-H、低級アルキル、-(CH

    2 )

    2 NH(CH

    2 CH

    3 )、-(CH

    2 )

    3モルホリン-1-イル、-(CH

    2 )

    3 (N-メチルピペラジニン-1-イル)、アリール、ヘテロアリール、-(NH-NH-R

    c )、-(N=N-NH-R

    c )であり、ここでR

    cは、Hまたは低級アルキルであり、


    各Yは、独立して-OR

    d 、-NR

    d

    2 、-SR

    d 、または-OPO

    3 H

    2であり、ここでR

    dは、-H、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、-(CH

    2 )

    2 NH(CH

    2 CH

    3 )、-(CH

    2 )

    3モルホリン-1-イル、または-(CH

    2 )

    3 (N-メチルピペラジニン-1-イル)であり;または 各Yは独立して、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、またはハロゲンであり、ここで該置換基は、ハロゲン、-OR

    e 、-NR

    e

    2 、-SR

    e 、-P(O)(OH)

    2から選択され、ここでR

    eは、-H、低級アルキル、アリール、またはヘテロアリールであるか;もしくは、各Yは独立して、CH

    2グリシニル、CH

    2 NHエトキシ、CH

    2 NHCH

    2アルキル、CH

    2 NHCH

    2 t-Bu、CH

    2 NHCH

    2アリール、CH

    2 CHCN

    2置換されたアリール、CH

    2 NHCH

    2ヘテロアリール、CH

    2 NHCH

    2置換されたヘテロアリールであり;または、nが2である場合、各Yは一緒に、融合した芳香環またはヘテロ芳香環システムを形成し;ならびに


    mおよびnは各々独立して、1〜4であり;


    ここでZ

    1 、Z

    3 、Z

    5 、およびZ

    6が各々Nである場合、Xは、NH

    2であり、ならびにm=n=2であり、Yはフェニルまたは4-ヒドロキシフェニルではない。 )


    またはそれらの互変異性体が提供される。

    更に別の態様において、構造(IV)を有する化合物が提供される:

    (式中、


    Lは、アリーレン、置換されたアリーレン、オキシアリーレン、チオアルキレン、置換されたチオアルキレンまたは置換されたオキシアリーレン連結部分であり、


    Cは、5-または6-員の芳香環またはヘテロ芳香環であり、


    各Xは独立して、H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRは、Hまたは低級アルキルであり、


    Z

    1 -Z

    4は各々独立して、CHまたはNであり、および


    mは1〜4である。 )。

    更に別の態様において、構造(V)を有する化合物が提供される:

    (式中、


    各R

    1 、xおよびyは先に定義されたものであり、


    R

    3は、-H、-SO

    3 H、または-SO

    2 NMe

    2であり、


    Mは、NH、CO、SO

    2 、(CH

    2 )

    pであり、ここでpは0〜2であり、


    Gは、アリールまたはヘテロアリールであり、ならびに


    xおよびyは各々独立して0〜4である。 )。

    更なる態様において、易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法が提供され、これは有効量の構造(VI)を有する化合物をそれが必要な対象へ投与すること:

    (式中、


    AおよびBは各々独立して5-または6-員の芳香環であり、ここで少なくとも1個のAおよびBは、ヘテロ環式環に少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族ヘテロ環式環であり、


    各Xは独立して、-H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、またはオキソであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく、


    またはnが2である場合、各Yは一緒に、少なくとも1個の芳香環を含む融合された芳香環システムを形成し、ならびに


    mおよびnは各々独立して1〜4である。 )、


    これにより、障害を治療することを含む。

    更に別の態様において、本発明の方法は、有効量の構造(VII)を有する化合物をそれが必要な対象へ投与すること:

    (式中、


    A、B、CおよびDは各々独立して、C、N、O、またはSであり、


    各Xは独立して、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく、ならびに


    mおよびnは各々独立して、1〜4である。 )、


    これにより障害を治療することを含む。

    別の態様において、本発明は、易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法を提供し、これは有効量の下記構造を有する化合物をそれが必要な対象へ投与すること:

    (式中、


    各Xは独立して、H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、または置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく、または


    nが2である場合、各Yは一緒に、少なくとも1個の芳香環を含む融合された芳香環システムを形成し、


    mは1〜4であり、およびnは1または2である。 )、


    これにより障害を治療することを含む。

    別の態様において、本発明は、易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法を提供し、これは有効量の下記構造を有する化合物をそれが必要な対象へ投与することを含む:

    (式中、


    各Xは独立して、H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、または置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく、または


    nが2である場合、各Yは一緒に、少なくとも1個の芳香環を含む融合された芳香環システムを形成し、


    mおよびnは各々独立して1または2である。 )。

    別の態様において、本発明は、易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法を提供し、これは有効量の下記構造を有する化合物をそれが必要な対象へ投与することを含む:

    (式中、


    Zは、N、O、またはSであり;


    各Xは独立して、H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、または置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく、または


    nが2である場合、各Yは一緒に、少なくとも1個の芳香環を含む、融合された芳香環システムを形成し、および


    mは1〜4であり、および


    nは1または2である。 )。

    別の態様において、本発明は、易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法を提供し、これは有効量の構造(VII)を有する化合物をそれが必要な対象へ投与し:

    (式中、


    A、B、CおよびDは各々独立して、C、N、O、またはSであり、


    各Xは独立して、H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、または置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく、ならびに


    mおよびnは各々独立して、1〜4である。 )、


    これにより障害を治療することを含む。

    ひとつの態様において、本発明は、易障害性血管静態に関連した障害を治療する方法を提供し、これは有効量の化合物をそれが必要な対象へ投与することを含み、ここで化合物は、構造I、II、III、IIIa、IV、Vで示されるか、またはそれらのいずれかの組合せである。 障害は、心筋梗塞、卒中、うっ血性心不全、虚血性または再潅流性損傷、癌、関節炎または他の関節症、網膜症または硝子体網膜疾患、黄斑変性、自己免疫疾患、血管漏出症候群、炎症疾患、浮腫、移植拒絶反応、火傷、または急性もしくは成人呼吸促迫症候群(ARDS)であるが、これらに限定されるものではない。

    更に別の態様において、包装材料およびその包装材料内に含まれた薬学的組成物を含む製品が提供され、ここで薬学的組成物は、易障害性血管静態に関連した障害を治療することが可能であり、ここで薬学的組成物は、前述の構造のいずれかひとつを有する少なくとも1種の化合物を含有する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、もしくはVIIに示された化合物またはそれらのいずれかの組合せを、薬学的に許容できる担体中に含有する薬学的組成物を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、包装材料および該包装材料内に含まれた薬学的組成物を含む製品を提供し、ここで該包装材料は、該薬学的組成物を、易障害性血管静態に関連した障害の治療に使用することができ、ならびにここで該薬学的組成物は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物またはそれらのいずれかの組合せを含むことが示されたラベルを備えている。

    ひとつの態様において、本発明は、包装材料および該包装材料内に含まれた薬学的組成物を含む製品を提供し、ここで該包装材料は、該薬学的組成物を、血管透過性漏出、または心筋梗塞、卒中、うっ血性心不全、虚血性または再潅流性損傷、癌、関節炎または他の関節症、網膜症または硝子体網膜疾患、黄斑変性、自己免疫疾患、血管漏出症候群、炎症疾患、浮腫、移植拒絶反応、火傷、または急性もしくは成人呼吸促迫症候群(ARDS)から選択される、易障害性血管静態に関連した障害の治療に使用することができ、ならびにここで該薬学的組成物は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物またはそれらのいずれかの組合せを含むことが示されたラベルを備えている。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された少なくとも1種の化合物、またはそれらのいずれかの組合せ、またはそれらの薬学的に許容できる塩、水和物、溶媒和物、結晶形および個別のジアステレオマーを治療有効量、そのような治療を必要とする対象へ投与することを含む、易障害性血管静態の障害を治療する方法である。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された少なくとも1種の化合物、またはそれらのいずれかの組合せ、またはそれらの薬学的に許容できる塩、水和物、溶媒和物、結晶形および個別のジアステレオマーの治療有効量を、抗-炎症剤、化学療法剤、免疫調節剤、治療用抗体またはプロテインキナーゼインヒビターと共に、そのような治療を必要とする対象へ投与することを含む治療的有効量投与することを含む、血管静態に関連した障害を治療する方法である。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、心筋梗塞を有するまたはそれiiなる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、血管漏出症候群(VLS)を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、もしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、癌を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、卒中を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、ARDSを有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、火傷を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、関節炎を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、浮腫を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、血管漏出症候群(VLS)を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、網膜症または硝子体網膜疾患を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、虚血または再潅流に関連した組織損傷または障害を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、自己免疫疾患を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、移植拒絶反応を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せを治療有効量、対象へ投与し、これにより対象を治療することを含む、炎症疾患を有するまたはそれになる危険性を有する対象を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された化合物、またはそれらのいずれかの組合せ、またはそれらの薬学的に許容できる塩、水和物、溶媒和物、結晶形および個別のジアステレオマーを、薬学的に許容できる担体と組合せて含有する薬学的組成物を製造する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、薬学的に許容できる担体中に、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIIもしくはVIIIに示された化合物を含有する薬学的組成物を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、IL-2の有効量を、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された構造の化合物またはそれらの組合せと組合せて、それを必要とする対象へ投与し、これにより対象の血管漏出を軽減することを含む、対象における血管漏出を阻害または軽減する方法を提供する。 ひとつの局面において、この化合物は、N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸または6,7-ビス-(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミンである。

    ひとつの態様において、本発明は、IL-2、および構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された少なくとも1種の化合物またはそれらのいずれかの組合せを、IL-2投与に関連した血管漏出を軽減するために有効な濃度で含有する薬学的組成物を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、有効量の治療用抗体、化学療法剤または免疫毒製剤を、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された構造の化合物またはそれらの組合せと組合せて、それを必要とする対象へ投与し、これにより対象の癌または腫瘍を治療することを含む、対象の癌または腫瘍を治療する方法を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、治療的物質、および構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された少なくとも1種の化合物またはそれらのいずれかの組合せを、対象における癌の治療に有効な濃度で含有する薬学的組成物を提供する。 この癌は、消化器系/胃腸管癌、結腸癌、肝臓癌、皮膚癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、リンパ腫、白血病、腎臓癌、肺癌、筋肉癌、骨癌、膀胱癌または脳癌を含むが、これらに限定されるものではないいずれかの癌であってよい。

    ひとつの態様において、本発明は、構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された少なくとも1種の化合物、またはそれらのいずれかの組合せ、またはそれらの薬学的に許容できる塩、水和物、溶媒和物、結晶形および個別のジアステレオマーの治療有効量を、そのような治療を必要とする対象へ投与することを含む、T-細胞媒介型障害を治療する方法を提供する。

    発明の詳細な説明
    本発明は、血管静態化物質である化合物およびそれらの使用法を提供する。 本発明の化合物は、心筋梗塞、卒中、血管漏出症候群(VLS)、眼および網膜の疾患、骨疾患、胸水、浮腫および虚血を含むが、これらに限定されるものではない、様々な障害の治療において有用である。 ここで用語「血管静態」は、恒常性のある血管機能の維持を意味し、および「血管均衡性物質」は、血管静態の喪失の防止または回復または維持により、血管静態が易障害性とされた状態に対処することを求める物質を意味すると定義される。

    ひとつの態様において、本発明は、構造(I)の化合物を提供する:

    (式中、


    各R

    0は独立して、-H、-COOH、-OR'、-SO

    3 Hであり、ここでR'は、-Hまたは低級アルキルであり、もしくはx=2である場合、各R

    0は一緒に1,3-ジオキソリル環を形成するか、または 各R

    0は独立して、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、ハロゲン、アミノ、アミド、ニトロ、またはチオアルキルであり、


    R

    1およびR

    2は各々独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、または置換されたアリールアルキニルであり、


    Gは、NH、O、S、または(CR"

    2 )

    pであり、ここでR"は、-H、低級アルキル、またはアセトアミドであり、およびpは、0〜3であり、


    Arは、アリールまたはヘテロアリールであり、ならびに


    xおよびyは各々独立して0〜4である。 )。

    ひとつの態様において、R 0は-COOH、x=1、各R 1およびR 2は水素である。

    構造Iの化合物の例は以下を含む:

    別の本発明の態様において、構造(II)の化合物が提供される:

    (式中、


    R

    0 、R

    1 、R

    2 、xおよびyは先に定義されたものである。 )。

    ひとつの態様において、R 0は-COOH、x=1、R 1およびR 2は各々水素である。

    更に別の本発明の態様において、構造(III)の化合物:

    (式中、


    Z

    1 -Z

    6は各々独立して、C、-C=O、N、またはNR

    aであり、ここでR

    aは、-H、アルキル、または置換されたアルキルであり、ここで該置換基は、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソまたはアミノであり、


    各Xは独立して、ハロゲン、-OR

    b 、-NR

    b

    2 、または-SR

    bであり、ここでR

    bは、-H、低級アルキル、-(CH

    2 )

    2 NH(CH

    2 CH

    3 )、-(CH

    2 )

    3モルホリン-1-イル、-(CH

    2 )

    3 (N-メチルピペラジニン-1-イル)、アリール、ヘテロアリール、-(NH-NH-R

    c )、-(N=N-NH-R

    c )であり、ここでR

    cは、Hまたは低級アルキルであり、


    各Yは、独立して-OR

    d 、-NR

    d

    2 、-SR

    d 、または-OPO

    3 H

    2であり、ここでR

    dは、-H、低級アルキル、アリール、ヘテロアリール、-(CH

    2 )

    2 NH(CH

    2 CH

    3 )、-(CH

    2 )

    3モルホリン-1-イル、または-(CH

    2 )

    3 (N-メチルピペラジニン-1-イル)であり;または 各Yは独立して、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、またはハロゲンであり、ここで該置換基は、ハロゲン、-OR

    e 、-NR

    e

    2 、-SR

    e 、-P(O)(OH)

    2から選択され、ここでR

    eは、-H、低級アルキル、アリール、またはヘテロアリールであるか;もしくは、各Yは独立して、CH

    2グリシニル、CH

    2 NHエトキシ、CH

    2 NHCH

    2アルキル、CH

    2 NHCH

    2 t-Bu、CH

    2 NHCH

    2アリール、CH

    2 CHCN

    2置換されたアリール、CH

    2 NHCH

    2ヘテロアリール、CH

    2 NHCH

    2置換されたヘテロアリールであり;または、nが2である場合、各Yは一緒に、融合した芳香環またはヘテロ芳香環システムを形成し;ならびに


    mおよびnは各々独立して、1〜4であり;


    ここでZ

    1 、Z

    3 、Z

    5 、およびZ

    6が各々Nである場合、Xは、NH

    2であり、ならびにm=n=2であり、Yはフェニルまたは4-ヒドロキシフェニルではない。 )、またはそれらの互変異性体が提供される。

    構造IIIの化合物の例は、下記のようなプテリジンおよびキノキサリンを含む:

    特に有効な構造IIIの血管静態化物質は、ヒドロキシ-置換されたアリール環を持つ化合物を含む。 この態様の化合物の例を以下に示す:

    構造(III)の化合物の追加例を、下記に示す:

    構造(III)の化合物の追加例は、下記構造を有するプテリジンを含む:

    (式中、


    X

    1 =X

    2 =-NHRである場合、Rは、-H、アリール、または置換されたアリールであり、Y

    1およびY

    2は、下記構造III-1からIII-24を含むが、これらに限定されるものではない:


    更に例証的プテリジンは、構造X 1 =X 2 =ORを有し、ここでRは、-H、アリール、または置換されたアリールであり、ならびにY 1およびY 2は、下記構造III-25からIII-48を含むが、これらに限定されるものではない:

    更に例証的プテリジンは、構造X 1 =ORおよびX 2 =NHRを有し、ここでRは、-H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY 1およびY 2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:

    更に例証的プテリジンは、構造X 1 =NHRおよびX 2 =ORを有し、ここでRは、-H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY 1およびY 2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:

    追加の例証的プテリジンは、下記構造を有し:

    式中、X

    1 =NHRであり、ここでRは、-H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    更により例証的プテリジンは、下記構造を有し:

    式中、X

    1 =NHRであり、ここでRは、-H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    追加の例証的プテリジンは、下記構造を有し:

    式中、X

    1 =ORであり、ここでRは、-H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    追加の例証的プテリジンは、下記構造を有し:

    式中、X

    1 =ORであり、ここでRは、-H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    更なる態様において、例証的プテリジンは、下記構造を有し:

    式中、X

    1 =X

    2 =ClまたはNHRであり、ここでRは、H、(CH

    2 )

    2 NHEt、(CH

    2 )

    3モルホリン-1-イル、(CH

    2 )

    3 (N-メチルピペラジニン-1-イル)であり;Y

    1 =CH

    2グリシニル、CH

    2 NHエトキシ、CH

    2 NHCH

    2アルキル、CH

    2 NHCH

    2 t-Bu、CH

    2 NHCH

    2アリール、CH

    2 NHCH

    2置換されたアリール、CH

    2 NHCH

    2ヘテロアリール、CH

    2 NHCH

    2置換されたヘテロアリールであり、ここで置換基はOH、およびOMeであり、ならびにY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    追加の構造(III)の例証的化合物は、下記構造を有する化合物を含み:

    式中、X

    1 =NHRであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    更に別の構造(III)の例証的化合物は、下記を含み:

    式中、X

    1 =ORであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    構造(III)の化合物は、下記も含み:

    式中、X

    1 =NHRであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    更に別の構造(III)の例証的化合物は、以下を含み:

    式中、X

    1 =ORであり、ここでRは、-H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    追加の構造(III)の例証的化合物は、下記構造を有するキノキサリンを含む:

    式中、X

    1 =NHRおよびX

    2 =NHRであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    本発明の実践における使用が想起された追加のキノキサリンは、下記を含む:

    式中、X

    1 =X

    2 =ORであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    より更なる例証的キノキサリンは下記を含み:

    式中、X

    1 =ORおよびX

    2 =NHRであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    追加の例証的キノキサリンは、下記構造を有し:

    式中、X

    1 =NHRおよびX

    2 =ORであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    より更なる例証的キノキサリンは、下記構造を有し:

    式中、X

    1 =NHRであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    追加の例証的キノキサリンは、下記構造を有し:

    式中、X

    1 =NHRであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    更に別の例証的キノキサリンは、下記構造を有し:

    式中、X

    1 =ORであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    更なる例証的キノキサリンは、下記構造を有し:

    式中、X

    1 =ORであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    更に別の構造(III)の例証的化合物は、下記を含み:

    式中、X

    1 =NHRであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    追加の構造(III)の化合物は、下記構造を有し:

    式中、X

    1 =ORであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    更に別の構造(III)の例証的化合物は、下記を有し:

    式中、Y

    1およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    追加の構造(III)の例証的化合物は、下記を含み:

    式中、X

    1 =NHRであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、ならびにY

    1 =NHRまたはRであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    更に別の構造(III)の例証的化合物は、下記のような、非対称のトリアジンを含み:

    式中、Y

    1 =NHRまたはRであり、ここでRは、H、アリールまたは置換されたアリールであり、およびY

    2は、下記構造を含むが、これらに限定されるものではない:


    更に別の本発明の態様において、構造(IV)を有する化合物が提供され:

    式中、Lは、アリーレン、置換されたアリーレン、オキシアリーレン、または置換されたオキシアリーレン連結部分であり、


    Cは、5-または6-員の芳香族またはヘテロ芳香環であり、


    各Xは独立して、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRは、Hまたは低級アルキルであり、


    Z

    1 -Z

    4は各々独立して、CHまたはNであり、および


    mは1〜4である。

    一部の態様において、下記構造により例示されるように、連結部分Lは、アリーレン部分であり、およびZはNである:

    (式中、Z=NまたはCH、X

    1 =HまたはOH、およびX

    2 =NH

    2またはOHである。)。

    別の態様において、下記構造により例示されるように、連結部分Lは、オキシアリーレン部分である:

    (式中、Z=NまたはCH、X

    1 =HまたはOH、およびX

    2 =NH

    2またはOHである。)。

    更に別の態様において、構造(V)を有する化合物が提供される:

    (式中、R

    1 、x、およびyは先に定義されたものであり、


    R

    3は、-H、-S0

    3 H、または-SO

    2 NMe

    2であり、


    Mは、NH、CO、S0

    2 、(CH

    2 )

    pであり、ここでpは0〜2であり、


    Gは、アリールまたはヘテロアリールであり、ならびに


    xおよびyは各々独立して0〜4である。 )。


    追加の態様において、ビス-プテリジン化合物が提供される。 本発明の例証的ビス-プテリジン化合物は、下記構造を有する:


    本明細書において使用される用語「ヘテロ環」は、芳香環を説明するために使用される場合、芳香環が少なくとも1個のヘテロ原子を含むことを意味する。 本明細書において使用される用語「ヘテロ原子」は、N、O、Sなどを意味する。

    本明細書において使用される用語「アルキル」は、1〜約12個の炭素原子を有する一価の直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味し、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、n-ヘキシルなどを含む。

    本明細書において使用される「置換されたアルキル」は、ヒドロキシ、アルコキシ、メルカプト、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アリールオキシ、置換されたアリールオキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、アミド、-C(O)H、アシル、オキシアシル、カルボキシル、スルホニル、スルホンアミド、スルフリルなどから選択される1個または複数個の置換基を更に持つアルキル基を意味する。

    本明細書において使用される「低級アルキル」は、1〜約6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。

    本明細書において使用される「アルケニル」は、1個または複数個の炭素-炭素二重結合を有し、および約2個から最大12個の範囲の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖のヒドロカルビル基を意味し、ならびに「置換されたアルケニル」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するアルケニル基を意味する。

    本明細書において使用される「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有し、および約2個から最大12個の範囲の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖のヒドロカルビル基を意味し、ならびに「置換されたアルキニル」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するアルキニル基を意味する。

    本明細書において使用される「アリール」は、6個から最大14個の範囲の炭素原子を有する芳香族基を意味し、ならびに「置換されたアリール」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するアリール基を意味する。

    本明細書において使用される「ヘテロアリール」は、環構造の一部として1個または複数個のヘテロ原子(例えばN、O、Sなど)を含み、および3個から最大14個の範囲の炭素原子を有する、芳香環を意味し、ならびに「置換されたヘテロアリール」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するヘテロアリール基を意味する。

    本明細書において使用される「アルコキシ」は、部分-O-アルキル-を意味し、ここでアルキルは先に定義されたものであり、および「置換されたアルコキシ」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するアルコキシ基を意味する。

    本明細書において使用される「シクロアルキル」は、約3個から最大8個の範囲の炭素原子を有する環を含むアルキル基を意味し、および「置換されたシクロアルキル」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するシクロアルキル基を意味する。

    本明細書において使用される「ヘテロ環」は、芳香環に関連して使用されない場合は、環構造の一部として1個または複数個のヘテロ原子(例えばN、O、Sなど)を有し、および3個から最大14個の範囲の炭素原子を有する、環式(すなわち、環を含む)基を意味し、ならびに「置換されたヘテロ環」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するヘテロ環式基を意味する。

    本明細書において使用される「アルキルアリール」は、アルキル-置換されたアリール基を意味し、および「置換されたアルキルアリール」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するアルキルアリール基を意味する。

    本明細書において使用される「アリールアルキル」は、アリール-置換されたアルキル基を意味し、および「置換されたアリールアルキル」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するアリールアルキルを意味する。

    本明細書において使用される「アリールアルケニル」は、アリール-置換されたアルケニル基を意味し、および「置換されたアリールアルケニル」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するアリールアルケニルを意味する。

    本明細書において使用される「アリールアルキニル」は、アリール-置換されたアルキニル基を意味し、および「置換されたアリールアルキニル」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するアリールアルキニルを意味する。

    本明細書において使用されるように、6個から最大14個の範囲の炭素原子を有する二価の芳香族基であり、および「置換されたアリーレン」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するアリーレン基を意味する。

    本明細書において使用される「オキシアリーレン」は、「O-アリーレン」部分を意味し、ここでアリーレンは先に定義されたものであり、および「置換されたオキシアリーレン」は、前述の1個または複数個の置換基を更に有するオキシアリーレンを意味する。

    本発明の化合物は、当業者に周知の様々な方法により調製することができる。 例えば、反応式Aは、構造(I)の本発明の化合物の3種の例証的合成を図示している。
    反応式A

    反応式Bは、構造(II)の本発明の化合物の例証的合成を図示している。
    反応式B

    反応式Cは、構造(III)の本発明の化合物のいくつかの例証的合成の中の2種を図示している。
    反応式C

    反応式Dは、構造(IV)の本発明の化合物の例証的合成を図示している。
    反応式D

    下記反応式Eは、構造(V)の本発明の化合物の例証的合成を図示している。
    反応式E

    本発明の更なる態様において、下記構造(VI)を有する化合物を有効量、それを必要とする対象へ投与し、これにより障害を治療することを含む、障害を治療する方法が提供される:

    (式中、


    AおよびBは各々独立して、5-または6-員の芳香環であり、ここでAおよびBの少なくとも一方は、ヘテロ環式環内に少なくとも1個のヘテロ原子を有する芳香族ヘテロ環式環であり、


    各Xは独立して、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、または置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく、または


    nが2である場合、各Yは一緒に、少なくとも1個の芳香環を含む融合された芳香環システムを形成し、ならびに


    mおよびnは各々独立して、1〜4である。 )。

    環AおよびBは一緒に、本発明の実践における使用に適した様々な融合された芳香族ヘテロ環式基を形成してもよい。 例えば、環AおよびBは一緒に、キノキサリン、プテリジン、ベンゾオキサジン、ベンゾオキサゾール、ベンズイミダゾール、1,2-ベンゾジアゾール、インドール、イソインドール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キナゾリン、シンノリン、プリン、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、クロメンなどの、芳香族ヘテロ環を形成してもよい。 ひとつの態様において、環AおよびBは一緒にキノキサリンを形成する。 更なる態様において、環AおよびBは一緒にプテリジンを形成する。 更に別の態様において、環AおよびBは一緒にベンズイミダゾールを形成する。

    本発明の方法における使用が想起されたキノキサリンは、下記構造を有する:

    (式中、


    各Xは独立して、H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではないか、または


    nが2である場合、各Yは一緒に、少なくとも1個の芳香環を含む融合された芳香環システムを形成し、


    mは1〜4であり、ならびにnは1または2である。 )。

    ひとつの態様において、本発明の方法における使用が想起されたキノキサリンは、下記構造を有する:

    (式中、Xは、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、または置換されたヘテロアリールであり、ならびにnは1または2である。 )。

    本発明の方法における使用が想起されたプテリジンは、下記構造を有する:

    (式中、


    各Xは独立して、H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、または置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではないか、または


    nが2である場合、各Yは一緒に、少なくとも1個の芳香環を含む融合された芳香環システムを形成し、


    mおよびnは各々独立して1または2である。 )。

    ひとつの態様において、本発明の方法における使用が想起されたプテリジンは、下記構造を有する:

    (式中、Xは、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    Yは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、または置換されたヘテロアリールであり、ならびにnは1または2である。 )。

    本発明の方法における使用が想起されたベンズイミダゾール、オキサゾール、またはチアゾールは、下記構造を有する:

    (式中、


    Zは、N、O、またはSであり、


    各Xは独立して、H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、または置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではないか、または


    nが2である場合、各Yは一緒に、少なくとも1個の芳香環を含む融合された芳香環システムを形成し、


    mは1〜4であり、およびnは1または2である。 )。

    ひとつの態様において、本発明の方法における使用が想起されたベンズイミダゾールは、下記構造を有する:

    (式中、


    各Xは独立して、H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリールであり、および


    mは1〜4である。 )。

    更なる本発明の態様において、下記構造(VII)を有する化合物を有効量、それを必要とする対象へ投与し、これにより障害を治療することを含む、血管透過性および/または新脈管形成および/または他の易障害性血管静態の局面に関連したような障害を治療する方法が提供される:

    (式中、


    A、B、C、およびDは各々独立して、C、N、O、またはSであり、


    各Xは独立して、H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ヘテロ環、置換されたヘテロ環、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、アルキルアリール、置換されたアルキルアリール、アリールアルキル、置換されたアリールアルキル、アリールアルケニル、置換されたアリールアルケニル、アリールアルキニル、置換されたアリールアルキニル、アロイル、置換されたアロイル、アシル、または置換されたアシルであり、但し少なくとも1個のYは水素ではなく、および


    mおよびnは各々独立して1〜4である。 )。

    この態様のひとつの局面において、化合物は下記構造を有する:

    (式中、各Xは独立して、H、OR、NR

    2 、またはSRであり、ここでRはHまたは低級アルキルであり、


    各Yは独立して、アリールまたは置換されたアリールであり、


    mは1または2であり、および


    nは1〜4である。 )。

    この態様の更なる局面において、化合物は下記構造を有する:

    ひとつの態様において、本発明は、インターロイキン-2(IL-2)およびIL-2療法時に投与されるそのいくつかは有効なキナーゼインヒビターである本明細書に説明された化学的化合物を含む併用療法は、IL-2の有害作用を緩和または軽減するという発見を基にしている。 特定の理論に結びつけることを欲するものではないが、この作用は、疾患または障害が治療されるように、IL-2の有益な作用を維持または増強する間に、生じるであろう。 IL-2は、具体例として本明細書において説明されているが、本発明は、チロシン、セリンまたはトレオニンキナーゼインヒビター、例えばSrc-ファミリーインヒビターなどの血管静態化物質を含むが、これらに限定されるものではない本発明の化合物、および免疫調節分子を含む併用療法を含むことは理解されなければならない。 特に、このような免疫調節分子は、血管漏出を生じるものを含む。 サイトカイン、および特にIL-2は、そのような免疫調節分子の例である。

    そのようなインヒビターは、IL-2と組合せ、典型的にはIL-2投与に関連した血管漏出をブロックする作用がある。 従って、VLSに関連した障害を治療する組成物および方法が提供される。 ひとつの態様において、本発明は、治療的有効量のIL-2および本明細書に説明された血管静態化物質または化合物を、薬学的に許容できる担体中に含有する組成物を提供する。

    これらの化合物の一部は、Src-ファミリーチロシンキナーゼなどの、キナーゼインヒビターであり、従ってIL-2投与に関連した障害の治療に加え、異常なキナーゼ活性により生じた様々な障害の治療において有用である。 キナーゼ-関連した障害は、異常なキナーゼ活性から生じた障害、および/またはキナーゼファミリー内の1種または複数種の酵素の阻害により軽減される障害である。 例えば、Lckインヒビターは、多くのこのような障害の治療(例えば、自己免疫疾患の治療)において価値があり、その理由はLck阻害は、T細胞活性化をブロックするからである。 同様に、Src阻害は、腫瘍細胞の浸潤、転移および生存に影響を及ぼすので、Srcファミリーインヒビターは、様々な癌治療において価値がある。

    本発明の化合物および方法は、単独でまたは本明細書に説明された他の物質(例えば化学療法剤または蛋白質性治療物質)との組合せのいずれかで投与された場合に、例えば、下記を含むが、これらに限定されるものではない、易障害性血管静態に関連した様々な障害の治療において有用である:卒中、心臓血管疾患、心筋梗塞、うっ血性心不全、心筋症、心筋炎、虚血性心疾患、冠動脈疾患、心臓性ショック、血管性ショック、肺高血圧症、肺浮腫(心臓性肺浮腫を含む)、癌、胸水、リウマチ様関節炎、糖尿病性網膜症、色素性網膜炎、ならびに糖尿病性網膜症および未熟児網膜症を含む網膜症、炎症疾患、再狭窄、浮腫(癌のような病態に関連した浮腫、および化学療法のような医学的介入により引き起こされた浮腫を含む)、喘息、急性または成人呼吸促迫症候群(ARDS)、狼瘡、血管漏出、移植(臓器移植、緊急移植または異種移植片または同種移植片(火傷治療において使用されるような))の拒絶反応;臓器移植、移植耐性誘導(transplantation tolerance induction)時に侵害される虚血性または再潅流性損傷のような、虚血性または再潅流性損傷からの保護;血管形成術後の虚血性または再潅流性損傷;関節炎(例えばリウマチ様関節炎、乾癬性関節炎または変形性関節炎);多発性硬化症;潰瘍性大腸炎およびクローン病を含む炎症性腸疾患;狼瘡(全身性エリスマトーデス);移植片対宿主疾患;接触過敏症、遅延型過敏症、およびグルテン性腸症(セリアック病)を含む、T-細胞媒介型過敏症;1型糖尿病;乾癬;接触性皮膚炎(ツタウルシにより生じるものを含む);橋本甲状腺炎;シェーグレン症候群;グレーブス病などの、自己免疫型甲状腺機能亢進;アジソン病(副腎の自己免疫疾患);自己免疫性多内分泌腺疾患(自己免疫性多内分泌腺症候群としても公知);自己免疫性脱毛;悪性貧血;白斑;自己免疫性下垂体機構低下症;ギヤン-バレー症候群;他の自己免疫疾患;結腸癌および胸腺腫のような、Src-ファミリーキナーゼのようなキナーゼが活性化または過剰発現されるもの、またはキナーゼ活性が腫瘍の成長または生存を促進する癌を含む癌;糸球体腎炎、血清病;蕁麻疹(uticaria);呼吸器系アレルギー(喘息、花粉症、アレルギー性鼻炎)または皮膚アレルギーなどの、アレルギー疾患;菌状息肉腫;急性炎症反応(例えば、急性または成人呼吸促迫症候群および虚血性/再潅流性損傷);皮膚筋炎;円形脱毛症;慢性光線性皮膚炎;湿疹;ベーチェット病;掌蹠嚢胞症状;壊疽性膿皮症;セザリー症候群;アトピー性皮膚炎;全身性硬化症;限局性強皮症;末梢四肢虚血および虚血性四肢疾患;骨粗鬆症、骨軟化症、副甲状腺機能亢進症、パジェット病、および腎性骨ジトロフィー症などの、骨疾患;IL-2のような化学療法または免疫調節剤により誘導された血管漏出症候群を含む、血管漏出症候群;脊髄および脳の損傷または外傷;緑内障;黄斑変性を含む、網膜疾患;硝子体網膜疾患;膵炎;脈管炎、川崎病、閉塞性血栓性血管炎、ヴェーゲナー肉芽腫症、およびベーチェット病を含む、血管炎(vasculatides);強皮症;子癇前症;サラセミア;カポシ肉腫;フォン・ヒッペル・リンダウ症候群など。

    本明細書において使用される「癌の治療」は、癌患者に治療的恩恵を提供することを意味し、例えばこの療法は、患者の平均生存期間を延長し、所定の時点でで生存している患者の割合を増大し、疾患進行の平均時間を延長し、腫瘍組織量を減少もしくは安定化し、または患者の生活の質もしくは例えば前述のいずれかを改善する。 特定の理論に結びつけることを欲するものではないが、本発明の化合物の一部は細胞増殖抑制性であり、その結果腫瘍細胞への直接的活性を有する。

    本明細書において使用される「キナーゼ」は、蛋白質残基へのリン酸基の付加を触媒するいずれかの酵素を意味し、例えばセリンおよびトレオニンキナーゼは、セリンおよびトレオニン残基へのリン酸基の付加を触媒する。

    本明細書において使用される用語「Srcキナーゼ」または「Srcキナーゼファミリー」または「Srcファミリー」は、哺乳類のSrcキナーゼファミリー、例えば、広範に発現されたc-Src、Fyn、YesおよびLynキナーゼを含むもの、ならびに造血-限定性(restricted)キナーゼHck、Fgr、LckおよびBlkに属する関連したホモログまたはアナログを意味する。 本明細書において使用される用語「Srcキナーゼシグナル伝達経路」または「Srcカスケード」は、Srcシグナル伝達カスケードの上流および下流の両方の構成要素を意味する。

    Lck以外のSrc-ファミリーチロシンキナーゼ、例えばHckおよびFgrは、好中球のFcγ受容体が誘導した呼吸バーストに加え、単球およびマクロファージのFcγ受容体反応において重要である。 本発明の組成物および方法は、好中球のFcγ誘導した呼吸バースト反応を阻害することにおいて重要であり、ならびに同じくTNFαのFcγ依存型産生の阻害において有用であることもできる。 Fcγ受容体依存型の好中球、単球およびマクロファージ反応を阻害する能は、本発明の方法において使用された化合物についての追加の抗-炎症活性を生じるであろう。 この活性は、例えば、関節炎または炎症性腸疾患などの炎症疾患の治療において、特に価値がある。 本発明の組成物および方法は、自己免疫型糸球体腎炎ならびにFcγ受容体反応を引き起こしおよび腎損傷につながり得るような免疫複合体の腎臓への沈着により引き起こされたその他の糸球体腎炎の例の治療においても有用である。

    加えてある種のSrc-ファミリーチロシンキナーゼ、例えばLynおよびSrcは、喘息、アレルギー性鼻炎、および他のアレルギー疾患において重要な役割を果たすマスト細胞および好塩基球のFcε受容体が誘導した脱顆粒において重要であることができる。 Fcε受容体は、IgE-抗原複合体により刺激される。 本発明の方法において使用される化合物は、Fcεが誘導した脱顆粒反応を阻害することができる。 Fcε受容体依存型マスト細胞および好塩基球を阻害する能力は、T細胞に対するそれらの作用を超えた本化合物についての追加の抗-炎症活性を生じることができる。

    本発明は、包装材料および該包装材料内に含まれた薬学的組成物を含有する製品も提供し、ここで該包装材料は、該薬学的組成物は、障害の治療に使用することができ、ならびにここで該薬学的組成物は、本発明の化合物を含有していることを記しているラベルを備える。 従ってひとつの局面において、本発明は、治療薬および本発明の化合物の両方を含有する薬学的組成物を提供し(例えば、図1参照)、ここでこの化合物は、副作用として血管漏出を有する適応または治療薬に関連した血管漏出を軽減するのに有効な濃度で存在する。 例えば、本発明の化合物の投与は、IL-2、免疫毒製剤、抗体または化学療法剤と併用される。 これらの場合において、IL-2、免疫毒製剤、抗体または化学療法剤の濃度は、標準の治療方式に従うかまたは例えばin vivo動物アッセイによる決定として、当業者により決定することができる。

    本発明は、IL-2、免疫毒製剤、抗体または化学療法剤、および血管透過性を阻害するのに有効量の少なくとも1種の本発明の化合物、ならびに薬学的に許容できる溶剤または希釈剤を含有する薬学的組成物も提供する。 本発明の組成物は、以下に説明されるような治療的物質も含有することができ、および例えば薬学的製剤の技術分野において周知であるもののような常用の固形または液体の溶剤または希釈剤、更には望ましい投与様式に適した種類の薬学的添加剤(例えば、賦形剤、結合剤、保存剤、安定剤、香料など)を使用することにより、製剤することができる。

    本発明の化合物は、天然(natural)形または塩形として治療的組成物に製剤することができる。 薬学的に許容できる無毒の塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または第二鉄の水酸化物などの無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミノ-エタノール、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基に由来することができる塩基付加塩(遊離カルボキシル基または他のアニオン基を伴い形成される)を含む。 このような塩は、遊離のカチオン基を伴う酸付加塩としても形成することができ、一般に例えば、塩酸、硫酸またはリン酸などの無機酸、または酢酸、クエン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸により形成されるであろう。 本発明の塩は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸による、アミノ基のプロトン化により形成されたアミン塩を含む。 本発明の塩は、p-トルエンスルホン酸、酢酸などの有機酸による、アミノ基のプロトン化により形成されたアミン塩も含む。 本発明の実践における使用が想起される追加の賦形剤は、当業者に利用可能なものであり、例えば「米国薬局方(USP)」第XXII巻および「米国医薬品規格(NF)」第XVII巻(US Pharmacopeia Convention Inc.、ロックビル、MD(1989))に認められるものであり、それらの関連内容は本明細書に参照として組入れられている。 加えて本発明の化合物の多形が本発明に含まれる。

    本発明の薬学的組成物は、いずれか適当な手段により、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤または散剤などの形で経口的に;舌下;口腔内;皮下、静脈内、筋肉内、髄腔内、またはクモ膜下槽内への注射または注入技術(例えば無菌の注射可能な水溶液または非水溶液または懸濁液)などにより、非経口的に;吸引スプレーなどにより点鼻的に;クリーム剤または軟膏剤などの形で、外用で;または、坐剤の形で、経直腸的に;無毒の薬学的に許容できる溶剤または希釈剤を含有する単位剤形で投与することができる。 本発明の化合物は、例えば、即時放出または持続放出に適した形で投与してもよい。 即時放出または持続放出は、本発明の化合物を含有する適当な薬学的組成物の使用により、または特に持続放出の場合は、皮下インプラントまたは浸透圧ポンプなどの装置の使用により、実現することができる。 本発明の化合物は、リポソームにより投与しても良い。

    ヒトなどの霊長類に加え、様々な他の哺乳類を、本発明の方法に従い治療することができる。 例えばウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモット、ラットまたは他の種、羊種、馬種、犬種、猫種、齧歯種またはマウス種を含むが、これらに限定されるものではない哺乳類を、治療することができる。 しかしこの方法は、トリ種(例えばニワトリ)などの、他の種において実践することもできる。

    用語「治療的有効量」は、研究者、獣医、医師または他の臨床関係者により、例えば血管静態の回復もしくは維持または易障害性の防止または血管静態の(or)喪失;腫瘍組織量の低下;罹患率および/または死亡率の低下と考えられる、組織、全身、動物またはヒトの生物学的または医学的反応を誘起するであろう化合物または薬学的組成物の量を意味する。

    「薬学的に許容できる」は、担体、希釈剤または賦形剤は、製剤の他の成分と相溶性がなければならず、およびそのレシピエントに有害でないことを意味する。

    用語化合物の「投与」および/または「投与する」は、本発明の化合物または薬学的組成物を、治療が必要な対象へ提供することを意味すると理解されなければならない。

    単独でまたはIL-2、免疫毒製剤、抗体もしくは化学療法剤との併用のいずれかの態様の化合物の投与のための薬学的組成物は、通常単位剤形で提供されてよく、および薬学の分野において周知の方法により調製される。 全ての方法は、活性成分を、1種または複数種の付属成分を構成している担体と会合させる工程を含む。 概して、薬学的組成物は、活性成分を、液体担体もしくは細分された固形担体のいずれか、または両方と会合させ、その後必要ならば生成物を所望の製剤に成形することにより、均質かつ密に調製される。 薬学的組成物において、目的の活性化合物は、疾患のプロセスまたは状態に対し、所望の作用を生じるのに十分量で含まれる。 活性成分を含有する薬学的組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、水性または油性の懸濁剤、分散可能な散剤または顆粒剤、乳剤、硬または軟カプセル剤、もしくはシロップ剤またはエリキシル剤などの経口使用に適した形であることができる。

    経口使用が意図された組成物は、薬学的組成物の製造について当該技術分野に公知のいずれかの方法で調製することができ、そのような組成物は、薬学的に優れた(elegant)口当たりの良い調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群より選択される1種または複数種の物質を含有することができる。 錠剤は、活性成分を、錠剤の製造に適している無毒の薬学的に許容できる賦形剤と混合して含有する。 これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムなど;顆粒化剤および崩壊剤、例えば、コーンスターチ、またはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン、またはアカシアゴム;ならびに、滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであってよい。 これらの錠剤は、コートされないか、または胃腸管における崩壊および吸収を遅延しおよびこれにより長期間の持続作用を提供するために公知の技術によりコートされてもよい。 例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの遅延物質を使用してもよい。 これらは、制御された放出のための浸透圧治療用錠剤を形成するために、コートされてもよい。

    経口使用のための製剤は、活性成分が不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合されている硬ゼラチンカプセル剤、または活性成分が水性または油性媒体、例えばピーナッツ油、液体パラフィン、またはオリーブ油と混合されている軟ゼラチンカプセル剤として提供されてもよい。

    水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合された活性物質を含む。 このような賦形剤は、懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ-プロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントガム、およびアカシアガムなどであり;分散剤または湿潤剤は、例えばレシチンなどの天然のホスファチド、または例えばポリオキシエチレンステアレートなどのアルキレンオキシドの脂肪酸との縮合生成物、または例えばヘプタデカエチレンオキシセタノールなどのエチレンオキシドの長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、または例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなどのエチレンオキシドの脂肪酸およびヘキシトール由来の部分的エステルとの縮合生成物、または例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートなどのエチレンオキシドの脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分的エステルとの縮合生成物であることができる。 例えばポリエチレングリコールは、可溶化剤としても有用である。 水性懸濁剤は、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エチル、もしくはp-ヒドロキシ安息香酸n-プロピルなどの1種または複数種の保存剤、1種または複数種の着色剤、1種または複数種の香味剤、および1種または複数種の甘味剤、例えばショ糖またはサッカリンを含有しても良い。

    油性懸濁剤は、活性成分を、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナッツ油などの植物油、または液体パラフィンなどの鉱油の中に懸濁することにより製剤することができる。 油性懸濁剤は、増粘剤、例えばビーズワックス、固形パラフィンまたはセチルアルコールなどを含有してもよい。 前述のもののような甘味剤、および香味剤を、口当たりの良い経口調製物を提供するために添加してもよい。 これらの組成物は、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加により保存しても良い。

    水の添加による水性懸濁剤の調製に適した分散可能な散剤および顆粒剤は、活性成分の、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤および1種または複数種の保存剤との混合を提供する。 適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤は、既述のものにより例示される。 追加の賦形剤、例えば甘味剤、香味剤および着色剤も存在して良い。

    シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトールまたはショ糖と共に製剤して良い。 そのような製剤は、粘滑剤、保存剤および香味剤および着色剤も含有してよい。

    薬学的組成物は、無菌の注射用水性または油性懸濁剤の形であってよい。 この懸濁剤は、前述の適当な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用し、公知の技術に従い製剤されてもよい。 無菌の注射用調製物は、非経口的に許容できる希釈剤または溶媒または補助溶媒または複合剤または分散剤または賦形剤もしくはそれらの組合せ、例えば例えば 1,3-ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エタノールまたは他のアルコール、ポビドン、Tween、ドデシル硫酸ナトリウム、デオキシコレートナトリウム、ジメチルアセトアミド、ポリソルベート、ポロキサマー、シクロデキストリン、脂質、ならびに賦形剤、例えば無機塩(例えば塩化ナトリウム)、緩衝剤(例えばクエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム)、ならびに糖類(例えばサッカロースおよびデキストロース)中の、無菌の注射用液剤または懸濁剤であってよい。 許容できる溶剤および溶媒の中でも、水、デキストロース溶液、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液を使用することができる。 加えて、無菌の不揮発性油が、溶媒または懸濁媒質として常用される。 この目的のためには、合成のモノ-またはジ-グリセリドを含む、あらゆる銘柄の不揮発性油を使用することができる。 加えてオレイン酸のような脂肪酸の、注射可能な調製物における使用を認めることができる。

    治療される状態に応じて、これらの薬学的組成物は、全身用または局所用に製剤および投与してもよい。 製剤および投与の技術は、「レミントン薬科学」(Mack Publishing Co.、Easton Pa.)の最新版に見ることができる。 適当な経路は、例えば経口または経粘膜投与;加えて、筋肉内、皮下、髄内、髄腔内、脳室内、静脈内、腹腔内または鼻腔内投与を含む、非経口送達を含むことができる。 注射用の本発明の薬学的組成物は、水溶液、好ましくはハンクス液、リンゲル液、または生理的に緩衝された生理食塩水などの生理的相溶性のある緩衝液中に製剤されてもよい。 組織または細胞への投与のためには、透過されるべき特定の障壁に適した浸透剤を製剤中で使用される。 このような浸透剤は概して、当該技術分野において公知である。 非経口投与のための薬学的製剤は、水溶性の形状の活性化合物の水溶液を含む。 加えて、活性化合物の懸濁液を、適当な油性注射用懸濁液として調製してもよい。 適当な親油性溶媒または溶剤は、ゴマ油のような脂肪族油、またはオレイン酸エチルまたはトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル、またはリポソームがある。 水性注射用懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、またはデキストランなどの懸濁液の粘度を増大する物質を含有しても良い。 任意に、懸濁液は、高濃度の溶液を調製することができるように、適当な安定化剤または化合物の溶解度を増加する物質を含有してもよい。

    本発明の化合物は、薬物の直腸投与のために、坐剤の形で投与することもできる。 これらの組成物は、常温で固形であるが直腸温度で液体であり、結果的に直腸で溶融し薬物を放出するような、適当な非刺激性賦形剤と、薬物の混合により調製することができる。 このような物質は、ココアバターおよびポリエチレングリコールである。

    外用用途のために、本発明の化合物を含有するクリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、液剤または懸濁剤などを使用することができる。 (塗布を目的として、外用塗布は口腔洗浄剤および含嗽剤を含む。)。

    ひとつの局面において、本発明の化合物は、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、化学療法剤、免疫調節剤、治療用抗体またはプロテインキナーゼインヒビター、例えばチロシンキナーゼインヒビターと組合せて、そのような治療が必要な対象へ投与することができる。 限定を意図するものではないが、化学療法剤は、メトトレキセートなどの代謝拮抗物質、シスプラチン/カルボプラチンなどのDNA架橋物質;カンブシル(canbusil)などのアルキル化剤;ダクチノマイシンなどのトポイソメラーゼIインヒビター;タキソール(パクリタキソール)などの微小管インヒビターなどを含む。 他の化学療法剤は、例えば、ビンカアルカロイド、マイトマイシン系抗生物質、ブレオマイシン系抗生物質、抗葉酸剤、コルヒチン、デメコリン(demecoline)、エトポシド、タキサン、アントラサイクリン系抗生物質、ドキソルビシン、ダウノルビシン、カルミノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサトロン、ミトキサントロン、4-デメトキシ-ダウノマイシン、11-デオキシダウノルビシン、13-デオキシダウノルビシン、アドリアマイシン-14-安息香酸エステル、アドリアマイシン-14-オクタン酸エステル、アドリアマイシン-14-ナフタレン酢酸エステル、アムサクリン、カルムスチン、シクロホスファミド、シタラビン、エトポシド、ロバスタチン、メルファラン、トペテカン(topetecan)、オキサルプラチン、クロラムブシル、メトトレキセート、ロムスチン、チオグアニン、アスパラギナーゼ、ビンブラスチン、ビンデシン、タモキシフェンまたはメクロレタミンを含む。 限定することを欲するものではないが、治療用抗体は、HER2蛋白質に対する抗体、例えばトラスツマブ;増殖因子または増殖因子受容体に対する抗体、例えば血管内皮増殖因子を標的とするベバシツマブ、および上皮増殖因子を標的とするOSI-774;インテグリン受容体を標的とする抗体、例えばVitaxin(MEDI-522としても公知)などがある。 本発明の組成物および方法における使用に適した抗癌剤の種類は、以下を含むが、これらに限定されるものではない:1)アルカロイドで、微小管インヒビター(例えばビンクリスチン、ビンブラスチンおよびビンデシンなど)、微小管安定化剤(例えばパクリタキソール[タキソール]、およびドセタキセル、タキソテレなど)、ならびにエピポドフィロトキシンなどのトポイソメラーゼインヒビター(例えば、エトポシド[VP-16]、およびテニポシド[VM-26]など)、およびトポイソメラーゼIを標的化する物質(例えばカンプトテシンおよびIsirinotecan[CPT-11]など)を含むクロマチン機能インヒビターを含むもの;2)共有的DNA-結合物質[アルキル化剤]で、ナイトロジェンマスタード(例えばメクロレタミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、Iホスファミド、およびブスルファン[Myleran]など)、ニトロソ尿素(例えばカルムスチン、ロムスチン、およびセムスチンなど)、および他のアルキル化剤(例えばダカルバジン、ヒドロキシメチルメルアミン、チオテパ、およびマイトマイシンなど)を含むもの;3)非共有的DNA結合剤[抗腫瘍抗生物質]であり、核酸インヒビター(例えばダクチノマイシン[アクチノマイシンD]など)、アントラサイクリン(例えばダウノルビシン[ダウノマイシン、およびセルビジン]、ドキソルビシン[アドリアマイシン]、およびイダルビシン[イダマイシン]など)、アントラセンジオン(例えば[ミトキサントロン]のようなアントラサイクリンアナログなど)、ブレオマイシン(ブレオキサン)など、ならびにプリカマイシン(ミトラマイシン)などを含むもの;4)代謝拮抗物質であり、抗葉酸剤(例えばメトトレキセート、フォレックス、およびメキセートなど)、プリン代謝拮抗物質(例えば6-メルカプトプリン[6-MP、プリネトール]、6-チオグアニン[6-TG]、アザチオプリン、アシクロビル、ガンシクロビル、クロロデオキシアデノシン、2-クロロデオキシアデノシン[CdA]、および2'-デオキシコフォルマイシン[ペントスタチン]など)、ピリミジンアンタゴニスト(例えばフルオロピリミジン[例えば5-フルオロウラシル(Adrucil)、5-フルオロデオキシウリジン(FdUrd)(Floxuridine)]など)、およびシトシンアラビノシド(例えばCytosar[ara-C]およびフルダラビンなど)を含むもの;5)L-アスパラギナーゼ、およびヒドロキシ尿素などを含む、酵素;6)糖質コルチコイド、抗エストロゲン(例えばタモキシフェンなど)、非ステロイド系抗アンドロゲン(例えばフルタミドなど)、およびアロマターゼ阻害薬(例えばアナトロゾール[Arimidex]など)を含む、ホルモン;7)白金化合物(例えばシスプラチンおよびカルボプラチンなど);8)抗癌剤、毒素および/または放射性物質などと複合された、モノクローナル抗体;9)生体反応修飾剤(例えばインターフェロン[例えばIFN-αなど]およびインターロイキン[例えばIL-2など]など);10)養子免疫療法;11)造血系増殖因子;12)腫瘍細胞分化を誘導する物質(例えば全て-trans-レチノール酸など);13)遺伝子療法技術;14)アンチセンス療法技術;15)腫瘍ワクチン;16)腫瘍転移に対する治療(例えばBatimistatなど);および、17)新脈管形成のインヒビター。

    本発明の薬学的組成物および方法は、前述の病態の治療において通常適用される本明細書に記したような、他の治療的活性化合物を更に含んでも良い。 他の治療的物質の例は、以下を含む:シクロスポリン(例えばシクロスポリンA)、CTLA4-Ig、抗体、例えばICAM-3、抗-IL-2受容体(抗-Tac)、抗-CD45RB、抗-CD2、抗-CD3(OKT-3)、抗-CD4、抗-CD80、抗-CD86、CD40とgp39の間の相互作用をブロックする物質、例えば、CD40および/またはgp39(すなわちCD154)に特異的な抗体、CD40およびgp39から構築された融合蛋白質(CD40IgおよびCD8gp39)、インヒビター、例えば、核移行のインヒビター、NF-κB機能のインヒビター、例えばデオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)(DSG)、コレステロール生合成インヒビター、例えばHMG CoAレダクターゼインヒビター(ロバスタチンおよびシンバスタチン)、イブプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、およびロフェコキシブなどのシクロオキシゲナーゼインヒビター、プレドニソンまたはデキサメタゾンなどのステロイド、金化合物、メトトレキセートなどの増殖抑制剤、FK506(タクロリマス、プログラフ)、マイコフェノレートモフェティル、アザチオプリンおよびシクロホスファミドなどの細胞毒、テニダップなどのTNF-αインヒビター、抗-TNF抗体または可溶性TNF受容体、ならびにラパマイシン(シロリマスまたはRapamune)またはそれらの誘導体。

    本発明の化合物と併用投与してもよいその他の物質は、サイトカイン、免疫調節物質および抗体などの、蛋白質性治療的物質を含む。 本明細書において使用される用語「サイトカイン」は、ケモカイン、インターロイキン、リンホカイン、モノカイン、コロニー刺激因子、および受容体関連蛋白質、ならびにそれらの機能断片を含む。 本明細書において使用される用語「機能断片」は、定義された機能アッセイにより同定される生物学的機能または活性を有するポリペプチドまたはペプチドを意味する。

    サイトカインは、内皮単球活性化ポリペプチドII(EMAP-II)、顆粒球-マクロファージ-CSF(GM-CSF)、顆粒球-CSF(G-CSF)、マクロファージ-CSF(M-CSF)、IL-1、IL-2、IL-3、IL-4、IL-5、IL-6、IL-12、およびIL-13、インターフェロンなどを含み、これは、細胞または細胞機構の特定の生物学的、形態的、または表現的変更に関連している。

    本発明において使用される用語抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体の完全な分子に加え、抗原決定基に結合することが可能であるそれらの断片、例えばFabおよびF(ab') 2 、FvおよびSCA断片を含むことを意味する。

    他の治療的物質が本発明の化合物と組合せて使用される場合、これらは例えば「医家向け医薬品便覧(PDR)」に記された量またはさもなければ当業者により決定された量で使用することができる。

    易障害性血管静態に関連する状態の治療または予防において、適当な用量レベルは一般に、約0.01〜500mg/kg患者体重/日で、単回または反復投与量で投与され得る。 好ましくい用量レベルは、約0.01〜約250mg/kg/日であり;より好ましくは、約0.5〜約100mg/kg/日である。 適当な用量レベルは、約0.01〜250mg/kg/日、約0.05〜100mg/kg/日、または約0.1〜50mg/kg/日もしくは1.0mg/kg/日である。 この範囲内で、用量は例えば、0.05〜0.5、0.5〜5または5〜50mg/kg/日であることができる。 実施例の項は、例証的化合物のひとつは0.1mg/kg/日が好ましいのに対し、別のものは約1.0mg/kg/日で効果があることを示している。 経口投与に関して、この組成物は、治療されるべき患者へ、用量の症候性調節のために、活性成分を1.0〜1000mg含有する、特に活性成分を1.0、5.0、10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0、150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0、800.0、900.0、および1000.0mg含有する錠剤の形で、提供されることが好ましい。 この化合物は、1日1〜4回の様式、好ましくは1日1または2回で投与することができる。 投与しない期間に別の投与様式を続けることもできる。 好ましくは、この化合物の投与は、IL-2投与のスケジュールに密接に関係している。 例えば、投与は、IL-2投与の前、同時または直後であることができる。

    しかし、いずれか特定の患者に対する具体的投与量レベルおよび投与頻度は、変動することができ、使用される具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用期間、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与様式および時刻、排泄経路、併用薬、特定の状態の重症度、および宿主が受けている療法を含む、様々な要因に応じて決まることは理解されるであろう。

    本発明において説明された別の態様は、血管静態化物質である化合物は、単独でまたは有効量の治療用抗体(またはそれらの治療的断片)、化学療法剤または免疫毒製剤と組合せて、例えば腫瘍の治療のための有効な治療様式であるという発見を基にしている。 ドキソルビシン、ドセタキセル、またはタキソールは、化学療法剤の具体例として本出願において説明されているが、本発明は、チロシン、セリンまたはトレオニンキナーゼインヒビター、例えばSrc-ファミリーインヒビターなどの血管静態化物質を含むが、これらに限定されるものではない本発明の化合物、ならびにいずれかの化学療法剤または治療用抗体を含む併用療法を含むことは理解されるべきである。

    このような血管静態化物質は、化学療法剤または治療用抗体と組合せて、血管透過性および/または血管漏出および/または新脈管形成のブロックにおいて有効である。 ひとつの態様において、本発明は、治療的有効量の化学療法剤および血管静態化物質を薬学的に許容できる担体中に含有する組成物を提供する。

    ひとつの態様において、本発明は、有効量の化学療法剤を、血管静態化物質である化合物と組合せてそれが必要な対象へ投与することを含む、対象における腫瘍組織量を減少する方法を提供する。 例証的例において、本方法は、例えば構造I、II、III、IIIa、IV、V、VIもしくはVIIに示された本発明の化合物またはそれらの組合せの少なくとも1種を、化学療法剤と一緒の使用を含む。 ひとつの局面において、この化合物は図1に示されている。 対象における腫瘍組織量は、外科的切除術、化学療法、放射線治療または当業者に公知の他の方法を通じ、本発明の化合物による治療前に減少することができることは理解されるべきである。

    本発明の化合物は、1個または複数個の不斉炭素原子を含んでも良く、従ってラセミ体およびラセミ混合物、単独のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物および個別のジアステレオマーとして生じることができる。 用語「立体異性体」は、分子内において異なる基の空間における配向のみが互いに異なる化学的化合物を意味する。 立体異性体は、別のものと同じ分子量、化学組成、および構成を有するが、異なる群化された原子を有する。 すなわち、ある同じ化学部分は、空間において異なるように配向し、その結果純粋な場合は、偏光面に対する旋回能を有する。 しかし一部の純粋な立体異性体は、現在の機器では検出不可能であるほどわずかである旋光を有することがある。 これらの化合物の全てのこのような異性体は、本明細書に含まれる。

    各立体的(stereogenic)炭素は、RまたはS配置である。 本出願において例証された具体的化合物は、特定の配置において示されているが、所定のキラル中心の反対の立体化学を有する化合物またはそれらの混合物のいずれも考慮される。 キラル中心が本発明の誘導体において認められる場合、本発明は全ての可能性のある立体異性体を包含していることが理解される。 用語「光学的に純粋な化合物」または「光学的に純粋な異性体」は、化合物の立体配置とは関わりなくキラル化合物の単独の立体異性体を意味する。

    本発明の方法において使用されるいくつかの例証的化合物は、キナーゼインヒビターであり、従って異常なキナーゼ活性から生じる多種多様な障害の治療において有用である。 キナーゼの例は、Src-ファミリーチロシンキナーゼおよびそれに関連した障害を含み、これは異常なチロシンキナーゼ活性の結果生じ、および/またはSrcファミリーの1種または複数種の酵素の阻害により軽減される。 例えば、Src阻害は腫瘍細胞遊走および生存をブロックするので、Srcインヒビターは癌の治療において価値がある。 本発明の多くの化合物は、広範なスペクトルのキナーゼインヒビターでもあり、Src-ファミリーチロシンキナーゼまたは非-Srcファミリーキナーゼに加え、他のキナーゼを阻害する。

    本発明の化合物単独によりまたは本発明の併用療法として治療される癌は、例えば消化器系/胃腸管癌、肝臓癌、皮膚癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、リンパ腫、白血病、腎臓癌、肺癌、筋肉癌、骨癌、膀胱癌または脳癌である、1種または複数種の癌の具体的形を含む癌腫または肉腫を含むが、これらに限定されるものではない。

    本発明は、包装材料および該包装材料内に含まれた薬学的組成物を含有する製品も提供し、ここで該包装材料は、該薬学的組成物を障害の治療に使用することができおよび該薬学的組成物は本発明の化合物を含有することを示すラベルを備える。 従ってひとつの局面において、本発明は、化学療法剤、免疫毒製剤または治療用抗体および本発明の化合物(例えば図1に示す)の両方を含む薬学的組成物を提供し、ここでこの化合物は、例えば腫瘍組織量を低下するのに有効な濃度で存在する。 ひとつの局面において、本発明は、本発明の化合物を含む薬学的組成物を提供し、ここで化合物は、例えば血管透過性を低下するのに有効な濃度で存在する。 この濃度は、標準の治療様式に従い当業者により決定するかまたは例えばin vivo動物アッセイにより決定することができる。

    本発明の製品の構成要素として使用される薬学的組成物は、固形物、溶液、乳剤、分散剤、ミセル、リポソームなどの形で使用することができ、ここで得られる組成物は、活性成分として1種または複数種の先に説明された化合物を、中枢または末梢での適用に適している有機または無機の担体または賦形剤と混合して含有する。 本発明の製品の構成要素としての使用のために利用される化合物は、例えば、錠剤、ペレット剤、カプセル剤、坐剤、液剤、乳剤、懸濁剤、および使用に適した他の形のための、通常の無毒の、薬学的に許容できる担体と組合せることができる。 使用することができる担体は、固形、半固形または液体の形の、ブドウ糖、乳糖、アカシアゴム、ゼラチン、マンニトール、デンプンペースト、マグネシウムトリシリケート、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ジャガイモデンプン、尿素、中鎖トリグリセリド、デキストラン、および工業的調製における使用に適した他の担体を含む。 加えて、助剤、安定化剤、増粘剤および着色剤ならびに香料を使用してもよい。

    本発明は、少なくとも1種の本発明の化合物を、腫瘍、または癌を治療するのに有効量、単独でまたは化学療法剤、免疫毒製剤、免疫調節剤もしくは治療用抗体および薬学的に許容できる溶剤または希釈剤と組合せて含有する薬学的組成物も提供する。 同様に、本発明は、血管静態に関連した障害を治療することが可能である、少なくとも1種の本発明の化合物を有効量含有する薬学的組成物を提供する。 本発明の組成物は、本明細書に説明されたような他の治療的物質を含有してもよく、および薬学製剤の技術分野において周知のもののような技術に従い、例えば、通常の固形または液体の溶剤または希釈剤、更には望ましい投与様式に適した型の薬学的添加剤(例えば、賦形剤、結合剤、保存剤、安定化剤、香料など)を使用することにより、製剤してもよい。

    用語化合物の「投与」または「投与する」は、本発明の化合物または薬学的組成物を治療を必要とする対象へを提供することを意味すると理解されるべきである。 例えば、血管静態化物質の投与は、本発明の化合物または他の物質の投与の前、同時または後であることができる。 本明細書に提供された実施例において、典型的には本発明の化合物は、化学療法剤と同時に共投与される。

    制限することを欲するものではないが、化学療法剤は、メトトレキセートなどの代謝拮抗物質、シスプラチン/カルボプラチンなどのDNA架橋物質;カンブシルなどのアルキル化剤;ダクチノマイシンなどのトポイソメラーゼIインヒビター;タキソール(パクリタキソール)などの微小管インヒビターなどを含む。 他の化学療法剤は、例えば、ビンカアルカロイド、マイトマイシン系抗生物質、ブレオマイシン系抗生物質、抗葉酸剤、アムサクリン、カルムスチン、シクロホスファミド、シタラビン、エトポシド、ロバスタチン、メルファラン、トペテカン、オキサルプラチン、クロラムブシル、メトトレキセート、ロムスチン、チオグアニン、アスパラギナーゼ、ビンブラスチン、ビンデシン、タモキシフェン、メクロレタミン、コルヒチン、デメコリン、エトポシド、タキサン、アントラサイクリン系抗生物質、ドキソルビシン、ダウノルビシン、カルミノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサトロン、4-デメトキシ-ダウノマイシン、11-デオキシダウノルビシン、13-デオキシダウノルビシン、アドリアマイシン-14-安息香酸エステル、アドリアマイシン-14-オクタン酸エステルまたはアドリアマイシン-14-ナフタレン酢酸エステルを含む。

    本発明の方法において使用される化合物、それらのプロドラッグまたは代謝産物は、血管透過性および/または血管漏出および/または新脈管形成のインヒビターなどの、血管静態化物質である。 加えて本発明の方法において使用されるいくつかの例証的化合物は、キナーゼのインヒビターであり、従って異常なキナーゼ活性により生じた多種多様な障害の治療において有用である。 キナーゼ-関連障害は、異常なキナーゼ活性から生じた、および/または1種または複数種のキナーゼの阻害により軽減されるような障害である。

    しかし、特定の患者に関する具体的投与量レベルおよび投与頻度は変動することができ、使用される具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用期間、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与様式および時刻、排泄経路、併用薬、特定の状態の重症度、および宿主が受けている療法を含む、様々な要因に応じて決まることは理解されるであろう。

    以下に記す実施例は、本発明の局面の代表例を含む。 これらの実施例は、本発明の範囲を制限することは意味せず、むしろ例証目的で利用される。 加えて本発明の様々な局面を、下記の説明によりまとめることができる。 しかしこの説明は、本発明の範囲を制限することは意味せず、むしろ本発明の様々な局面を強調するものである。 当業者は、本発明の追加の局面および態様を容易に理解することができる。

    実施例1
    血管静態化物質の合成
    実験全般的分析法 全ての溶媒は更に精製せずに使用した。 反応は、特に記さない限りは、通常不活性気体大気を伴わずに行った。 全ての1 H NMRは、500MHz Bruker NMR上で試行した。 化学シフトは、デルタ(δ)単位、テトラメチルシランからの下方シフト(ppm)で報告する。 結合定数は、ヘルツ(Hz)で記した。 Water LC/MSシステムを、同一性および純度分析に使用した。 このシステムは、2795分離モジュール、996ホトダイオードアレイ検出器およびZQ2000質量分析装置を備える。 Zorbax SBカラム(150x4.6mm 3.5μ、Agilent Technologies)を、LCに用いた。 カラム温度は40℃であった。 化合物は、移動相が水(0.05%TFA(A))およびアセトニトリル(0.05%TFA(B))の溶離勾配を用いて分離した。 流量は、1ml/分であった。 分離に使用した勾配プログラムは、0〜15分間:5〜60%B;15〜15.5分間:60〜100%B;15.5〜17分間:100%Bであった。

    下記勾配プログラムを、分析した試料の疎水性を基に使用した:(1)0〜15分間:30〜70%B;15-15.5分間:70〜90%B;15.5〜17分間:90%B、化合物4-ヒドロキシ-N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-ベンズアミド;3,4-ジヒドロキシ-N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-ベンズアミド;N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-2-フェニル-アセトアミド;2-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-アセトアミド;N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-3-フェニル-プロピオンアミド;3-(4-ヒドロキシ-フェニル)-N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-プロピオンアミド;N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-3-(2-メトキシ-フェニル)-プロピオンアミド;3-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-プロピオンアミドについて;(2)0〜15分間:30〜50%B;15〜15.5分間:50〜90%B;15.5〜17分間:90%B、化合物N-(2-(2,3-ジヒドロ-1H-インドール-2-イル)-フェニル)-2-ヒドロキシ-ベンズアミドについて;(3)0〜15分間:20〜40%B;15〜15.5分間:40〜90%B;15.5〜17分間:90%B、化合物4-(4-アミノ-6-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル)ベンゼン-1,2-ジオール;(4)0〜15分間:5〜60%B;15〜15.5分間:60〜90%B;15.5〜17分間:90%B、化合物2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-アセトアミドについて;(5)0〜15分間:40〜100%B;15.〜17分間:100%B、化合物N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-2-(2-メトキシ-フェニル)-アセトアミドおよび2-ベンゾ(1,3)ジオキソール-5-イル-N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-アセトアミドについて。

    質量分析装置は、エレクトロスプレープローブを装着した。 給源温度は、120℃であった。 全ての化合物は、質量スキャン範囲100〜800で、ポジティブモードを用い同定した。

    インドールに関する一般的手法
    2-(2-アミノフェニル)インドールおよび出発材料の酸(2当量)を、アセトニトリルに溶解した。 この溶液に、EDC(ジメチルアミノプロピルエチルカルボジイミド塩酸塩)2当量を粉末として添加した。 この混合液、室温(23℃)またはわずかに上昇した温度(50℃)のいずれかで、3〜16時間攪拌した。

    この溶媒を除去し、残渣をメタノール:酢酸エチル(5〜10%)に溶解した。 この溶液を、1M HCl、更には飽和炭酸水素ナトリウム溶液で抽出した。 水相を、各々EtOAcで再抽出した。 一緒にした有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥した。 生成物を、カラムクロマトグラフィー(シリカ、典型的には移動相としてEtOAc-ヘキサンを使用)ならびに/またはメタノールおよびアセトニトリルを含む異なる溶媒からの再結晶により精製した。

    2-(4-ヒドロキシ-フェニル)-N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-アセトアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドール1g(4.8mmol)を、アセトニトリル200ml中に溶解した。 4-ヒドロキシフェニル酢酸1.46g(9.6mmol, 2当量)をアセトニトリル50ml中に溶解し、前述の溶液に添加した。 この混合液に、EDC(ジメチルアミノプロピルエチルカルボジイミド塩酸塩)1.84g(9.6mmol, 2当量)を添加した。 この反応混合液を、23℃で16時間攪拌した。 溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル:メタノール(10:1)100ml中に溶解した。 これを、1M HCl水溶液100mlで2回、更に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mlで抽出した。 水相を、各々、EtOAcで再抽出した。 一緒にした有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥した。 粗生成物を、シリカ上、酢酸エチル/ヘキサン勾配(10%〜50%)を使用するクロマトグラフィーにかけ、アミド1.23gを、桃色に着色した粉末として得、全体の収率は75%であった。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析[M+H + ]=343.9;

    4-ヒドロキシ-N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-ベンズアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよび4-ヒドロキシ安息香酸から、手法1に従い調製し、全体の収率は35%であった。 生成物は、シリカ上のクロマトグラフィーにかけ、アセトニトリルから再結晶した。 LC/MS(230 DAD)による純度95.6%。 質量分析(M+H + )=329.8;

    3,4-ジヒドロキシ-N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-ベンズアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよび3,4-ジヒドロキシ安息香酸から、手法1に従い調製し、全体の収率は54%であった。 生成物は、シリカ上でクロマトグラフィーにかけた。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析(M+H + )=345.83。

    2-ヒドロキシ-N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-ベンズアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよびサリチル酸から、手法1に従い調製し、収率は46%であった。 化合物は、酢酸エチル/ヘキサン勾配を使用し、シリカ上でクロマトグラフィーにかけた。 LC/MS(230 DAD)による純度%。 質量分析(M+H + )=329, 1 H NMR (MeOH-d 4 ):6.66 s (1H), 6.86 dd。

    N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-2-フェニル-アセトアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよびフェニル酢酸から、手法1に従い調製し、収率は62%であった。 生成物は、メタノールから結晶化した。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析(M+H + )=327,

    N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-2-(2-メトキシ-フェニル)-アセトアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよび2-メトキシフェニル酢酸から、手法1に従い調製し、収率は53%であった。 生成物は、アセトニトリルから結晶化した。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析(M+H + )=357,

    2-(2-ヒドロキシ-フェニル)-N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-アセトアミド

    生成物は、N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-2-(2-メトキシ-フェニル)-アセトアミドから調製した。 このメチルエーテルの切断は、1.8当量のBBr 3 (ジクロロメタン中1M溶液)を用い、-78℃から室温(23℃)で実現し、引き続き加水分解した(収率32%)。 HPLC(ELSD)による純度96%。 質量分析[M+H + ]=343。

    2-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-アセトアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよび3,4-ジヒドロキシフェニル酢酸から調製し、収率17%であった。 生成物を、シリカ上でクロマトグラフィーにかけた。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析[M+H + ]=359。

    2-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-アセトアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよび3,4-(メチレンジオキシ)フェニル酢酸から調製し、収率は55%であった。 生成物を、アセトニトリルから結晶化することにより精製した。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析[M+H + ]=371。

    N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-3-フェニル-プロピオンアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよびヒドロケイヒ酸から手法1に従い調製し、収率は54%であった。 生成物は、メタノールから再結晶した。 LC/MS(230 DAD)による純度99%。 質量分析[M+H + ]=341。

    3-(4-ヒドロキシ-フェニル)-N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-プロピオンアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよび3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸から手法1に従い調製し、収率は55%であった。 生成物は、シリカ上でクロマトグラフィーにかけ、およびアセトニトリルから再結晶した。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析[M+H + ]=357。

    N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-3-(2-メトキシ-フェニル)-プロピオンアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよび3-(2-メトキシフェニル)プロピオン酸から手法1に従い調製し、収率は62%であった。 生成物は、アセトニトリルから結晶化した。 LC/MS(TIC, DAD)による純度96%。 質量分析[M+H + ]=371。

    3-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)-N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-プロピオンアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよび3,4-ジヒドロキシヒドロケイヒ酸から手法1に従い調製し、収率は19%であった。 生成物は、シリカ上でクロマトグラフィーにかけ、およびアセトニトリルから結晶化した。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析[M+H + ]=373。

    2-(4-ヒドロキシ-フェノキシ)-N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-アセトアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよび(4-ヒドロキシフェノキシ)酢酸から手法1に従い調製し、収率は30%であった。 生成物は、メタノールから結晶化した。 LC/MS(230 DAD)による純度89%。 質量分析[M+H + ]=359。

    2-アセチルアミノ-3-(4-ヒドロキシ-フェニル)-N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-プロピオンアミド

    2-(2-アミノフェニル)インドールおよびN-アセチル-L-チロシンから手法1に従い調製し、収率は69%であった。 生成物は、シリカ上でクロマトグラフィーにかけた。 LC/MS(230 DAD)による純度99%。 質量分析[M+H + ]=414。

    手法2
    N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-フタルアミド酸

    2-(2-アミノフェニル)インドール958mg(4.6mmol)およびDMAP(ジメチルアミノピリジン)675mg(5.52mmol, 1.2当量)を、無水ジクロロメタン35mlに溶解した。 この混合液を10分間攪拌した。 無水ジクロロメタン3ml中の無水フタル酸954mg(6.44mmol, 1.4当量)を添加し、この混合液を23℃で3時間攪拌した。 この混合液に、ジクロロメタン20mlを添加した。 これを、1M HCl水溶液50mlで抽出した。 水相を、ジクロロメタン30mlで再抽出した。 一緒にした有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥した。 粗生成物を、シリカ上で、移動相として酢酸エチル/ヘキサン勾配(10%〜90%)を用いるクロマトグラフィーにかけた。 溶媒を除去し、生成物を、酢酸エチル:ヘキサン(70:30)から再結晶し、象牙色の結晶654mgを得、これは全体の収率40%であった。

    LC/MS(230 DAD)による純度95%。 質量分析[M+H + ]=357。

    2-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニルカルバモイル]-ニコチン酸

    2-(2-アミノフェニル)インドール104mg(0.5mmol)およびDMAP(ジメチルアミノピリジン)74mg(0.6mmol, 1.2当量)を、無水ジクロロメタン5ml中に溶解した。 この混合液を10分間攪拌した。 2,3-ピリジンジカルボン酸無水物104mg(0.7mmol, 1.4当量)を添加し、この混合液を23℃で3時間攪拌した。

    この混合液にジクロロメタン20mlを添加した。 これを飽和NaCl溶液20mlで抽出した。 水相をジクロロメタン20mlで再抽出した。 一緒にした有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥した。 粗生成物を、シリカ上でクロマトグラフィーにかけ、およびアセトニトリルから再結晶した。 HPLC(UV, 230nm)による純度100%。 質量分析[M+H + ]=358。

    3,4,5-トリヒドロキシ-N-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]-ベンズアミド

    攪拌棒および隔壁を取り付けた25-mlの一首回収用フラスコに、没食子酸(176mg;1.03mmol;1.00当量)を投入した。 ジクロロメタン5mlを添加し、無色透明な溶液が形成された。 固形EDC(197mg;1.03mmol;1.00当量)および2-(2-アミノフェニル)インドール(194mg;0.932mmol;0.904当量)を、固形物として順次添加した。 反応を徐々に進行させ、24時間後に、NaHCO 3 (飽和、水性)10mlで抽出した。 有機相を乾燥し(無水硫酸ナトリウム)、濾過し、回転蒸発器で濃縮し、黄色の油状ペーストを得た。 この未精製物を、DCM-MeOH(19:1)を用いて精製し、淡黄色の固形物(230mg;68%)を得た。

    構造IIの化合物の代表的合成
    化合物II-1

    磁気攪拌棒および隔壁を取り付けた100-mlの一首丸底フラスコに、2-(2-アミノフェニル)インドール(210mg;1.01mmol)を投入した。 インドールを、ジクロロメタン約7mlに溶解し、非常に青みがかった黄色の溶液を得た。 DMAP(143mg;1.17mmol;1.16当量)および無水フタル酸(179mg;1.21mmol;1.20当量)を、順次添加し、各々完全に溶解し、黄色溶液を得た。 この溶液を室温で攪拌し、反応をTLCで追跡し、約30分で2-(2-アミノフェニル)インドールの消失により示された完全な転換を示した。 この反応混合液を、125-mlの分別ロートに注ぎ、HCl 15ml(水性、約1M)で抽出した。 水相を、CH 2 C1 2 (2x5ml)で抽出し、一緒にした有機層を乾燥し(無水Na 2 SO 4 )、濾過し、回転蒸発により濃縮し、カナリア黄色の泡状固形物(0.377g)のN-[2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル]フタルアミド酸を得た。 MS(M+H + :計算値357;実測値357)。

    攪拌羽根およびテフロン製ストッパーを取り付けた5-mlの反応バイアルに、N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)フタルアミド酸(140mg;0.393mmol)およびキノリン0.500mlを投入した。 暗茶色から黒色のこの溶液に、酢酸亜鉛二水和物(98.0mg;0.464mmol;1.16当量)を添加し、得られる溶液を120℃で約2時間加熱した。 酢酸エチル1mlを添加し、明黄褐色の固形物を生じた。 この固形物を、1M HCl(4x10ml)で、次に酢酸エチル-ヘキサン(1:1)10mlで、引き続き酢酸エチル10mlで洗浄した。 この固形物を、真空デシケーターで五酸化リン上で乾燥し、淡黄褐色の固形物80.1mg(71%)で得た。 MS(M+H + :計算値339;実測値339)。

    プテリジン、および置換されたプテリジンの合成

    実験手法
    6,7-(4,4'-ジヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イル-3-モルホリン-4-イル-プロピル)-アミン塩酸塩

    6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン1.19g(3.59mmol)を、N-(3-アミノプロピル)モルホリン10mlに溶解し、およびスルファミン酸0.697g(7.18mmol, 2.0当量)を添加した。 反応混合液を、160℃で18時間加熱した。 その後これを室温に冷却し、メタノール20mlで希釈し、ジエチルエーテル1Lに滴下した。 得られた油状物を分取-HPLCにより精製し、画分を収集し、溶媒を真空で除去し、赤色油状残渣を得、これをメタノール20mlに溶解した。 このメタノール溶液に、アンバーライトクロリド-交換樹脂5gを添加した。 反応混合液を、室温で一晩反応し続け、その後濾過し、樹脂をメタノールで洗浄した。 メタノール洗浄液を一緒にし、溶媒を真空で除去した。 得られた残渣を、メタノール2mlに再溶解し、ジエチルエーテル45mlに滴下した。 形成された明黄色沈殿を遠沈し、ジエチルエーテル40mlで2回洗浄し、真空で乾燥し、生成物を黄色固形物として281.0mg(全体で26.2%)得た。 質量分析[ES + ]=459.2。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。

    4-{7-(4-アセトキシ-フェニル)-4-アミノ-プテリジン-6-イル]-フェニル酢酸エステル

    6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン662.6mg(2.0mmol)を、トリフルオロ酢酸20mlに溶解した。 この混合液に、塩化アセチル1.0ml(14.06mmol, 7.0当量)をシリンジを使って添加した。 80℃まで加熱した時点で、反応混合液の泡立ちおよび気体HClの発生が認められた。 この反応混合液を、80℃で40分間加熱し、この時点でLC/MSは、出発材料の二酢酸エステルへの完全な転換を示した。 溶媒を真空で除去し、明-黄色油状物を得、これは静置している間に固化した。 ジエチルエーテル40mlを添加し、固形物をスパーテルで砕き、遠沈し、ジエチルエーテル45mlで2回洗浄し、真空で乾燥し、生成物を淡黄色固形物として1.034g(97.7%)得た。 LC/MS(230 DAD)による純度97.5%。 質量分析[ES + ]=416.5

    4-[2-(4-アセトキシ-フェニル)-6-アミノ-ピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル]-フェニル酢酸エステル

    2,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-ピリド[2,3-b]ピラジン-6-イルアミン201.0mg(0.5mmol)を、トリフルオロ酢酸10ml中に溶解した。 この混合液に、塩化アセチル0.355ml(5.0mmol, 10.0当量)をシリンジを使って添加した。 80℃まで加熱した時点で、反応混合液の泡立ちおよび気体HClの発生が認められた。 この反応混合液を、80℃で1時間加熱し、この時点でLC/MSは、出発材料の二酢酸エステルへの完全な転換を示した。 溶媒を真空で除去し、褐色固形物を得た。 この固形物をメタノール3.0mlに溶解し、この溶液をジエチルエーテル40mlに添加した。 約1時間静置した時点で、褐色沈殿が形成された。 これを遠沈し、ジエチルエーテル45mlで2回洗浄し、真空で乾燥し、生成物を薄茶色固形物として191.9mg(79.0%)得た。 LC/MS(230 DAD)による純度98%。 質量分析[ES + ]=415.5。

    4-置換された6-フェニル-プテリジン-4-イル-アミン合成

    全般的手法
    アミン0.55mmolを、酢酸4ml中に懸濁した。 この混合液を還流し、溶液にN'-(3-シアノ-5-フェニル-ピラジン-2-イル)-N,N'-ジメチル-ホルムアミド0.5mmolを添加した。 この反応液を、2〜5時間還流した。 反応の進行は、LC/MSにより追跡した。 反応が完了した後、反応混合液を周囲温度に冷却し、酢酸を真空で除去した。 得られた残渣にメタノール5mlを添加し、これをスパーテルで粉砕し細かい懸濁液とした。 この懸濁液に、ジエチルエーテル45mlを添加した。 固形物を遠沈し、ジエチルエーテル45mlで2回洗浄し、真空で乾燥し、固形物として生成物を得た。

    (3,4-ジメトキシ-フェニル)-(6-フェニル-プテリジン-4-イル)-アミン

    収率95.7%。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析[ES + ]=360.9。

    (3-クロロ-4,6-ジメトキシ-フェニル)-(6-フェニル-プテリジン-4-イル)-アミン

    LC/MS(230 DAD)による純度96%。 質量分析[ES + ]=394.9。

    (3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-(6-フェニル-プテリジン-4-イル)-アミン

    収率79.5%。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析[ES + ]=346.9。

    (4-ヒドロキシ-フェニル)-(6-フェニル-プテリジン-4-イル)-アミン

    収率86.0%。 LC/MS(230 DAD)による純度98%。 質量分析[ES + ]=316.8。

    (2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-フェニル)-(6-フェニル-プテリジン-4-イル)-アミン

    収率76.8%。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析[ES + ]=344.9。

    2-ヒドロキシ-5-(6-フェニル-プテリジン-4-イルアミノ)-ベンゼンスルホン酸

    収率70.1%。 LC/MS(230 DAD)による純度83%。 質量分析[ES + ]=396.8。

    2-ジエチルアミノメチル-4-(6-フェニル-プテリジン-4-イルアミノ)-フェノール

    収率94.3%。 ELSDによる純度98.8%。 質量分析[ES + ]=402.0。

    5-(6-フェニル-プテリジン-4-イルアミノ)-キノリン-8-オール塩酸塩

    収率79.9%。 LC/MS(230 DAD)による純度85%。 質量分析[ES + ]=367.7。

    ベンジル-(6-フェニル-プテリジン-4-イル)-アミン

    収率50.5%。 LC/MS(230 DAD)による純度95.2%。 質量分析[ES + ]=314.2。

    4-[(6-フェニル-プテリジン-4-イルアミノ)-メチル]-ベンゼン-1,2-ジオール

    収率39.8%。 LC/MS(230)による純度100%。 質量分析[ES + ]=346.2。

    インダン-2-イル-(6-フェニル-プテリジン-4-イル)-アミン

    収率53.9%。 LC/MSによる純度96.6%。 質量分析[ES + ]=340.2。

    {2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-エチル]-(6-フェニル-プテリジン-4-イル)-アミン

    収率66.5%。 LC/MS(230 DAD)による純度95.5%。 質量分析[ES + ]=388.2。

    4-置換された7-フェニル-プテリジン-4-イル-アミンの合成

    4-(4-アミノ-プテリジン-7-イル)-フェノール

    1N NaOH水溶液を、水20ml中の4,5,6-トリアミノピリミジン硫酸塩1.33g(5.95mmol)懸濁液に、pH8に到達するまで添加した。 この溶液に、メタノール20ml中の4-ヒドロキシフェニルグリオキサール1.0g(5.95mmol)を添加した。 反応混合液を攪拌しながら周囲温度で18時間放置した。 黄色沈殿の形成が観察された。 これを収集し、水20ml、メタノール20ml、ジエチルエーテル45mlを3回で洗浄し、真空で乾燥し、生成物を淡黄色固形物として1.513g得た。 収率100%。 LC/MS(230 DAD)による純度97.5%。 質量分析[ES + ]=。

    全般的手法
    4-(4-アミノ-プテリジン-7-イル)-フェノール239.2mg(1.0mmol)を、アミン3ml中に懸濁し、スルファミン酸194.2mg(2.0mmol)をこの混合液に添加した。 反応混合液を、160〜180℃で18時間加熱した。 その後周囲温度に冷却し、メタノール5〜10ml中に溶解した。 メタノール溶液を、ジエチルエーテル45mlに滴下し、この混合液を激しく攪拌し、遠沈した。 溶媒をデカントし、残渣を分取-HPLCにより精製した。

    4-(4-ベンジルアミノ-プテリジン-7-イル)-フェノール

    収率79%。 LC/MS(230 DAD)による純度98.5%。 質量分析[ES + ]=330.2。

    置換された(6-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロ-プテリジン-4-イル)-アミンおよび(7-フェニル-5,6,7,8-テトラヒドロ-プテリジン-4-イル)-アミン

    全般的手法 無水メタノール15ml中のプテリジン(5.0mmol)の攪拌溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(5mmol)を室温で添加した。 反応混合液を30分間攪拌し、その後酢酸で中和した。 溶媒を真空で除去し、残渣を水、冷メタノール、ジエチルエーテルで洗浄し、および真空で乾燥した。 得られた固形物を、逆相分取-HPLCにより精製した。

    6,7-二置換されたプテリジン;方法A

    方法B
    ピリジンまたはピリミジンは、酸を中和するための当量で正確な量を用いるか、またはpHを中性からわずかに塩基性(約7-9)に調節することにより、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムまたは水酸化ナトリウムを固形または液体で用い遊離塩基とした。 ベンジルまたはグリオキサールを添加し、この溶液を1〜5時間加熱した。 遊離塩基は、溶液から沈殿を析出し、これを水、メタノール、次にエーテルで連続的に洗浄した。 固形物を真空デシケータで乾燥した。

    この反応は、方法Aにより、ピリミジン23.5mgおよびピリジル22.5mgを用い実行した。 反応混合液を1時間加熱した。 生成物を1:1のEtOAc-エーテル5mlに沈殿し、濾過し、エーテル50mlで洗浄した。 M+H計算値および実測値400。

    6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン 攪拌羽根およびテフロン製キャップを備えた5-mlの反応容器に、3,3'-ジヒドロキシベンジル(Midori Kagaku Co.;121mg;0.500mmol)およびm-クレゾール(Acros)0.700mlを投入し、これは約50℃に温めた時点でくすんだ黄色溶液を生じた。 透明な溶液を、室温では反応溶液に不溶性でありおよび約200℃に加熱すると溶液となる、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン硫酸塩(Aldrich;119mg;0.500mmol;1.00当量)で処理し、約30分〜45分で、ほとんど完全に均質な暗緑色がかった溶液を得た。 更に1.5時間200℃〜220℃に加熱し、その後室温に冷却し、無水ジエチルエーテル40mlへ注ぐことにより沈殿を生じ、緑色がかった黄色沈殿を得た。 固形物を遠心し、上清をデカントし、固形沈殿を、ジエチルエーテル5x40mlで洗浄し、真空デシケーターで乾燥し、黄-緑色固形物0.275g(124%)を得た。 唯一の明らかに多い不純物は、反応溶媒m-クレゾールであった。 MS(M+H + :計算値347;実測値347)。

    精製した6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミンが必要である場合は、粗3-[2,4-ジアミノ-6-(3-ヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]フェノールを、メタノールに溶解し、2.0当量〜2.2当量の炭酸水素ナトリウム(または過剰な炭酸水素ナトリウム)の水溶液を、酸を中和するように添加し、pHが6〜8の間であることを確認し、確実に遊離塩基とした。 遊離塩基は、メタノール-水混合液から数秒以内で析出した。 この場合、沈殿は生じず、過剰なメタノールが沈殿を保証した。 黄色がかった固形物を分離し、アセトニトリル-水またはイソプロパノール-水の混合物、その後メタノール-エーテルで、次にエーテル(x3)で洗浄した。 生成物を乾燥し、遊離塩基6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミンとして貯蔵した。

    精製した硫酸塩が必要な場合は、濃硫酸水溶液(1.0当量)を、MeOH中のこの化合物のスラリーに添加することにより、遊離塩基をMeOH中でプロトン化した。 均質にプロトン化された生成物は、このメタノールへのエーテルの添加により析出した。

    6-ピリジン-2-イル-7-ピリジン-3-イルプテリジン-4-アミン硫酸塩

    攪拌羽根およびテフロン製キャップを備えた5-ml反応容器に、ピリジル(22.5mgl)およびm-クレゾール(Acros)0.500mlを投入し、これは約50℃に温めた時点でくすんだ黄色溶液を生じた。 透明な溶液を、室温では反応溶液に不溶性でありおよび約200℃に加熱すると溶液となる2,4,5-トリアミノピリミジン硫酸塩(Aldrich;23.5mg)で処理し、約30分〜45分で、ほとんど完全に均質な暗色溶液を得た。 更に0.5時間200℃〜220℃に加熱し、その後室温に冷却し、無水ジエチルエーテル40mlへ注ぐことにより沈殿を生じ、くすんだ黄色沈殿を生じた。 固形物を遠心し、上清をデカントし、固形沈殿を、ジエチルエーテル4x40mlで洗浄し、真空デシケーターで乾燥し、黄色固形物を得た。 MS(M+H + :計算値302;実測値302)。

    6,7-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)プテリジン-2,4-ジオール

    攪拌羽根およびテフロン製キャップを備えた5-ml反応容器に、3,3',4,4'-テトラヒドロキシベンジル(137mg;0.500mmol)およびm-クレゾール(Acros)1.00mlを投入し、これはこれは約50℃に温めた時点で黄色-茶色スラリーを生じた。 この溶液を、室温では反応溶液に不溶性でありおよび約200℃に加熱すると溶液となる硫酸塩である5,6-ジアミノ-2,4-ジヒドロキシピリミジン硫酸塩(120mg;0.500mmol;1.00当量)で処理し、約200℃に加熱し、均質な暗色溶液を得た。 更に2時間200℃〜220℃に加熱し、その後室温に冷却し、無水ジエチルエーテル40mlへ注ぐことにより沈殿を生じ、淡黄色沈殿を生じた。 固形物を遠心し、上清をデカントし、固形沈殿を、ジエチルエーテル4x40mlで洗浄し、真空デシケーターで乾燥し、黄色固形物を得た。 MS(M+H + :計算値381;実測値381)。

    6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン二塩酸塩

    攪拌棒および隔壁を備えた125-mlの琥珀色の瓶に、粗6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン(135mg;0.304mmol)およびメタノール5mlを投入した。 得られた暗茶色がかった緑色溶液に、アンバーライト(Cl - )樹脂(GFS Chemical;5.20g)を添加した。 均質な混合物を約16時間穏やかに攪拌し、この溶液は明らかに色が薄くなったことが目視された。 この溶液を濾過し、樹脂ビーズを除去し、これをMeOH 5x8mlですすいだ。 薄茶色の溶液を回転蒸発器で濃縮し、暗茶色油状物133mgを得た。 この油状物を、MeOH約2mlに再溶解し、ジエチルエーテル40mlに添加し、塊状の黄色沈殿を得、これを遠心により分離し、上清をデカントした。 固形物を、ジエチルエーテル4x40mlで洗浄し、真空デシケーターで乾燥し、緑色がかった-黄色生成物(94.0mg;0.246mmol;2工程について81%)を得た。 LC/MS(230 DAD)による純度98%。 質量分析[ES + ]=347.7。

    方法B

    6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン

    2,4,5,6-テトラアミノピリミジン硫酸塩4.76g(20.0mmol)を、水100ml中の炭酸水素ナトリウム溶液3.36g(40.0mmol)に少しずつ、激しく攪拌しながら添加した。 気体CO 2の活発な発生が観察された。 得られた懸濁液を80℃に加熱し、この混合液に3,3'-ジヒドロキシベンジル4.84g(20.0mmol)を添加した。 反応混合液を3時間還流し、この時点で明黄色沈殿が多量に形成された。

    この沈殿を濾過し、水、次にメタノール、引き続きジエチルエーテルで洗浄し、真空で乾燥し、明黄色固形物6.46g(収率93.3%)を得た。 LC/MS(230 DAD)による純度98.10%。 質量分析[ES + ]=347.7。

    6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミンメタンスルホン酸塩

    6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン2.66g(7.68mmol)を、MeOH 20ml中のメタンスルホン酸1.55g(16.13mmol)の溶液に攪拌しながら添加した。 プテリジンは即時溶解し、暗緑色がかった溶液を生じた。 この反応混合液を30分間攪拌し、ジエチルエーテル400mlを激しく攪拌しながら滴下した。 形成された黄色沈殿を収集し、エーテルで繰返し洗浄し、真空で乾燥し、生成物を淡黄色粉末として3.36g(収率99.1%)得た。 LC/MS(230 DAD)による純度95.5%。 質量分析[ES + ]=347。

    6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン二臭化水素酸塩塩

    この塩を、メタノールおよび臭化アセチル(10当量〜12当量)を-78℃で使用し、HBr含有するメタノール溶液を作成し、および遊離塩基をこの溶液に添加することにより生成し、得られる溶液の濃度は0.4M未満であった。 淡黄色溶液を約30分〜60分間攪拌し、回転蒸発により黄色固形物へ濃縮し、その後エーテル、またはエーテル-ヘキサンで洗浄し、真空デシケーターで乾燥した。

    LC/MS(230 DAD)による純度98.8%。 質量分析[ES + ]=347。

    6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン

    4,5,6-トリアミノピリミジン硫酸塩2.23g(10.0mmol)を、水50ml中の炭酸水素ナトリウム1.68g(20.0mmol)溶液に、激しく攪拌しながら少量づつ添加した。 気体CO 2の活発な発生が観察された。 得られた懸濁液を80℃に加熱し、この混合液に3,3'-ジヒドロキシベンジル2.42g(10mmol)を添加した。 反応混合液を1時間還流し、その間に出発材料は完全に溶解しおよび生成物が淡黄色固形物として析出した。

    沈殿を収集し、水、その後メタノール、引き続きジエチルエーテルで洗浄し、真空で乾燥し、生成物を淡黄色固形物として3.14g(収率94.8%)得た。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析[ES + ]=332.8。

    6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン塩酸塩

    6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン4.4g(13.27mmol)を、MeOH 35mlに懸濁した。 この懸濁液に、MeOH 5ml中の水性HCl(26.55mmol, 12.1N)の2.61g溶液を添加した。 反応混合液は、5分間の攪拌の内に均質となり始めた。 これを30分間攪拌し続け、その後ジエチルエーテル400mlに激しく攪拌しながら添加した。 得られた沈殿を収集し、エーテルで繰返し洗浄し、真空で乾燥し、生成物を明-黄色固形物として4.62g(収率94.7%)得た。 LC/MS(230 DAD)による純度98.3%。 質量分析[ES + ]=332.8。

    6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミンメタンスルホン酸塩

    MeOH 10ml中のメタンスルホン酸1.308g(13.63mmol)を、MeOH 10ml中の6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン2.15g(6.48mmol)の懸濁液に添加した。 この混合液は均質で、色は橙色-赤色になり始めた。 これを30分間攪拌し、その後ジエチルエーテル400mlに激しく攪拌しながら滴下した。 形成された黄色沈殿を収集し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空で乾燥し、生成物を淡黄色固形物として2.69g(収率97.11%)得た。 質量分析[ES + ]=332.8。

    6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン

    硫酸塩1.5mmol(6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩のm-クレゾールとの1:1複合体)を、MeOH/H 2 Oの1:1溶液10ml中に溶解した。 この溶液に、固形NaHCO 3の2.0当量を添加した。 10〜15分間攪拌する間に、CO 2の活発な発生が観察され、淡黄色沈殿が形成され始めた。 この混合液を一晩攪拌し続け、黄色沈殿が多量に形成された。 水20mlを添加し、形成された沈殿を濾過し、水で2回洗浄し、Na 2 SO 4を除去し、冷MeOHで洗浄し、Et 2 Oで繰返し洗浄し、真空で乾燥し、生成物を2工程につき収率81.3%で得た(m-クレゾール中の反応および遊離塩基合成)。 LC/MS(230 DAD)による純度95.5%。 質量分析[ES + ]=332.8。

    6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩

    6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン1.97gを、MeOH 50ml中の濃硫酸0.585g溶液に添加した。 均質な混合液を周囲温度で2時間攪拌し続け、その後ジエチルエーテル400mlに滴下した。 形成された橙色の沈殿を収集し、エーテルで繰返し洗浄し、真空で乾燥し、生成物を淡橙色の綿毛状の粉末として2.36g(収率92.5%)得た。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析[ES + ]=332.8。

    6,7-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン

    6,7-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン二塩酸塩105.0mg(0.253mmol)を、水3mlに溶解し、この溶液に固形NaHCO 3 42.53mgを添加した。 反応混合液を30分間攪拌した。 黄色沈殿のスラリーが形成され、これを遠沈し、溶媒をデカントした。 暗-黄色残渣を、MeOH 3ml中に溶解し、ジエチルエーテル40mlに滴下した。 形成された黄色沈殿を収集し、エーテルで洗浄し、真空で乾燥し、生成物を黄色の綿毛状の粉末として92.5mg(収率96.5%)得た。 LC/MS(230 DAD)による純度97%。 質量分析[M+H + ]=379.3。

    6,7-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン二塩酸塩

    質量分析[ES + ]=379.8。

    6,7-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン塩酸塩または4-[4-アミノ-6-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]ベンゼン-1,2-ジオール塩酸塩

    攪拌羽根およびテフロン製キャップを備えた5-ml反応容器に、3,3',4,4'-テトラヒドロキシベンジル(Midori Kagaku Co Ltd.、;548mg;2.00mmol)、4,5,6-トリアミノピリミジン硫酸塩およびm-クレゾール3.00mlを投入した。 この均質でない混合液を加熱し、これは、約150℃で溶解する間に最初に橙色になり、その後200℃〜220℃で約2時間加熱する間に血液のような暗赤色溶液となった。 この透明な溶液を更に30分間加熱し、引き続き室温に冷却し、無水ジエチルエーテル40mlへ注ぐことにより沈殿させ、暗赤色-橙色の沈殿を生じた。 この固形物を遠心し、ジエチルエーテル5x40mlで洗浄し、真空デシケーターで乾燥し、橙色-赤色固形物を1.20g(128%)得た。 唯一明らかな大きな不純物は、反応溶媒m-クレゾールであった。

    質量分析[ES + ]=364.8。

    6,7-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミンまたは4-[4-アミノ-6-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]ベンゼン-1,2-ジオール

    質量分析[ES + ]=364.8。

    6,7-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミンメタンスルホン酸塩または4-[4-アミノ-6-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]ベンゼン-1,2-ジオールメタンスルホン酸塩

    LC/MS(230 DAD)による純度98.07%。 質量分析[ES + ]=364.8。

    4-(2,4-ジアミノプテリジン-6-イル)フェノール

    攪拌棒、還流冷却器および加熱マントルを備えた50-mlの回収用フラスコに、塩酸ヒドロキシルアミンおよび4-ヒドロキシフェニルグリオキサールを各々1mmol充填した。 これらの物質を、メタノール(5ml)に溶解した。 この黄色溶液に、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン硫酸塩および水20mlを添加した。 この均質でない溶液を、還流温度で2時間加熱した。 黄色沈殿が形成された。 この溶液を冷却し、反応混合液をわずかに塩基性NaOH(4M、水性)でpH約8とした。 沈殿した遊離塩基を分離し、水(2x40ml)、メタノール(1x40ml)およびエーテル(1x40ml)で順次洗浄し、真空デシケーターデ乾燥した。

    攪拌羽根およびテフロン製キャップを備えた5-ml反応容器に、ベンジル(420mg;2.00mmol)およびm-クレゾール(Acros)2.00mlを投入し、これは約50℃に温めた時点でくすんだ黄色溶液を生じた。 透明な溶液を、室温では反応溶液に不溶性でありおよび約200℃に加熱すると溶液となる5,6-ジアミノ-2,4-ジヒドロキシピリミジン硫酸塩(Aldrich;482mg;2.00mmol;1.00当量)で処理し、約30分〜45分でほとんど完全に均質な暗色溶液を得た。 更に1.5時間200℃〜220℃で加熱し、その後室温に冷却し、無水ジエチルエーテル40mlに注ぎ、くすんだ黄色沈殿を得た。 固形物を遠心し、上清をデカントし、固形沈殿を、ジエチルエーテル4x40mlで洗浄し、真空デシケーターで乾燥し、黄色固形物960mg(99%)を得た。 MS(M+H+:計算値317;実測値317)。

    4-(2,4-ジアミノ-プテリジン-6-イル)-フェノール
    (M+H)+計算値および実測値255。 LC(UV-PDA 230nm)純度98%;

    2,3-ジフェニル-ピリド[3,4-b]ピラジン-8-イルアミン塩酸塩

    3,4,5-トリアミノピリミジン塩酸塩60.0mg(0.37mmol)およびベンジル86.3mg(0.41mmol)を、m-クレゾール1.0ml中で190℃で1時間加熱した。 その後混合液を室温に冷却し、ジエチルエーテル35mlと混合した。 形成された茶色沈殿を収集し、エーテルで繰返し洗浄し、真空で乾燥し、生成物を茶色の粉末として51.1mg(収率45.8%)得た。 質量分析[M+H+]=299.2。

    2,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-ピリド[3,4-b]ピラジン-8-イルアミン塩酸塩

    3,4,5-トリアミノピリミジン塩酸塩60.0mg(0.37mmol)および4,4'-ジヒドロキシベンジル99.6mg(0.41mmol)を、m-クレゾール中で、190℃で1時間加熱した。 その後この混合液を室温に冷却し、ジエチルエーテル35mlと混合した。 形成された茶色沈殿を収集し、エーテルで繰返し洗浄し、真空で乾燥し、生成物を暗-緑色粉末として91.3mg(収率66.6%)得た。 質量分析[M+H+]=331.4。

    2,3-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ピリド[3,4-b]ピラジン-8-イルアミン塩酸塩

    3,4,5-トリアミノピリジン塩酸塩60mg(0.37mmol)および3,3',4,4'-テトラヒドロキシベンジル112.6mg(0.41mmol)を、m-クレゾール1mlに溶解した。 この反応混合液を190℃で1時間加熱し、この時点で混合液は、色は均一で暗茶色となり始めた。 反応液を室温に冷却し、ジエチルエーテル35mlと混合した。 形成された茶色沈殿を激しく攪拌し、収集し、ジエチルエーテルで繰返し洗浄し、真空で乾燥し、生成物111.0mg(収率82%)を得た。 質量分析[M+H+]=363.2。

    2,3-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-ピリド[3,4-b]ピラジン-8-イルアミン塩酸塩

    3,4,5-トリアミノピリミジン塩酸塩60.0mg(0.37mmol)および3,3'-ヒドロキシベンジル99.6mg(0.41mmol)を、m-クレゾール1.0ml中で190℃で1時間加熱した。 その後この混合液を室温に冷却し、ジエチルエーテル35mlと混合した。 形成された茶色沈殿を収集し、エーテルで繰返し洗浄し、真空で乾燥し、生成物を緑がかった-茶色粉末として93.9mg(収率68.5%)を得た。 質量分析[M+H+]=331.4。

    2,3-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-ピリド[2,3-b]ピラジン-6-イルアミン二塩酸塩

    2,3,6-トリアミノピリミジン二塩酸塩197.0mg(1.0mmol)および3,3'-ジヒドロキシベンジル242.4mg(1.0mmol)を、ジオキサン-水の1:1混合物3.0mlに溶解した。 この反応混合液を、3時間還流し、その後溶媒を真空で除去した。 得られた緑色がかった固形物を、MeOH 3mlに溶解し、この溶液を、激しく攪拌しているジエチルエーテル40mlに添加した。 形成された沈殿を収集し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空で乾燥し、生成物を淡緑色粉末として342.9mg(収率85.0%)得た。 LC/MS(230 DAD)による純度99.0%。 質量分析[ES + ]=331.8。

    2,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-ピリド[2,3-b]ピラジン-6-イルアミン二塩酸塩

    2,3,6-トリアミノピリミジン二塩酸塩1.97g(10.0mmol)および4,4'-ジヒドロキシベンジル2.42g(10.0mmol)を、ジオキサン-水の1:1混合物30mlに溶解した。 この反応混合液を、6時間還流し、その後溶媒を蒸留除去した。 得られた暗茶色の固形物を、MeOH 20mlに懸濁し、この懸濁液を、激しく攪拌しているジエチルエーテル400mlに添加した。 形成された暗茶色の沈殿を収集し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空で乾燥し、生成物を茶色の綿毛状の粉末として3.35mg(収率83.1%)得た。 LC/MS(230 DAD)による純度92.6%。 質量分析[ES + ]=331.8。

    4,4'-ジヒドロキシベンジルのリン酸エステル

    攪拌棒および隔壁を備えた50-mlの一首丸底フラスコに、4,4'-ジヒドロキシベンジル(512mg;2.11mmol;1.00当量)およびアセトニトリル(8ml)を投入した。 この一部溶解した混合物に、トリエチルアミン(1.06g;14.9mmol;7.06当量)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)(478mg;3.91mmol;1.85当量)およびジクロロメタン(DCM)を補助溶媒として投入した。 反応混合液を、室温で3日間攪拌した後に、回転蒸発器で濃縮し、黄色白色のスラリーを得た。 この油状スラリーを、炭酸水素ナトリウム(飽和、水性)およびジクロロメタン(DCM)の間で分配した。 水層を、DCM(2x5ml)で再洗浄し、その後一緒にした有機層を1M HCl 10mlで抽出した。 DCM層は乾燥し(無水MgSO 4 )、濾過し、回転蒸発器で濃縮し、所望の物質を薄黄色でわずかに粘稠な油状物として得た。 この化合物は、精製は必要ではなかったが、DCM-EtOAc(1:1)を用いるカラムクロマトグラフィーにより容易に精製された。 クロマトグラフィーにより精製された物質は、黄色油状物であった(911mg;89%)。

    この化合物は、ピリミジンおよび4,4'-ジヒドロキシベンジルのリン酸エステルを用い、プテリジン合成の方法Bにより生成した。

    この化合物は、酢酸エチルを用い、シリカプラグを通過することにより精製した。 (M+H)+:計算値604;実測値604。 LCによる純度96%(230nmでのDAD)。

    脱保護されたリン酸エステル 前記ジエチルエステル化合物は、アセトニトリル中で、TMSBrを用い、脱保護した。 反応は、水の添加、その後回転蒸発器による濃縮により完了し、固形物を乾燥した。

    ピリドピラジンのリン酸エステル

    脱保護されたリン酸エステル

    この化合物は、先に説明したものと同様の様式で生成した。

    プテリジンの長鎖エステル ベンジルは、DCM中で塩基としてDMAPを伴う酸塩化物を用いて修飾した。 次に修飾したベンジルをピリミジンと縮合し、下記生成物を得た。

    4-(4-アミノ-プテリジン-7-イル)-ベンゼン-1,2-ジオール
    この化合物は、1:1の比の適当なグリオキサールとピリミジンの遊離塩基とを、水中で、pH7で約3時間攪拌することにより生成した。 生成物を沈殿した遊離塩基の濾過により分離し、水(2x40ml)、メタノール(1x40ml)およびエーテル(2x40ml)で逐次洗浄し、真空デシケーターで乾燥した。

    4-(2,4-ジアミノ-プテリジン-7-イル)-ベンゼン-1,2-ジオール この化合物は、1:1の比の適当なグリオキサールとピリミジンの遊離塩基とを、水中で、pH7で約3時間攪拌することにより生成した。 生成物を沈殿した遊離塩基の濾過により分離し、水(2x40ml)、メタノール(1x40ml)およびエーテル(2x40ml)で逐次洗浄し、真空デシケーターで乾燥した。

    4-(4-アミノ-プテリジン-7-イル)-フェノール この化合物は、1:1の比の適当なグリオキサールとピリミジンの遊離塩基とを、水中で、pH7で約3時間攪拌することにより生成した。 生成物を沈殿した遊離塩基の濾過により分離し、水(2x40ml)、メタノール(1x40ml)およびエーテル(2x40ml)で逐次洗浄し、真空デシケーターで乾燥した。

    4-(2,4-ジアミノ-プテリジン-7-イル)-フェノール この化合物は、1:1の比の適当なグリオキサールとピリミジンの遊離塩基とを、水中で、pH7で約3時間攪拌することにより生成した。 生成物を沈殿した遊離塩基の濾過により分離し、水(2x40ml)、メタノール(1x40ml)およびエーテル(2x40ml)で逐次洗浄し、真空デシケーターで乾燥した。

    4-フェニル-プテリジン-4-イル-アミン この化合物は、酢酸アンモニウムを適当なピラジンと共に、酢酸中で1時間加熱することにより調製した。 この生成物は、回転蒸発器により溶液を濃縮することにより分離し、エーテルで洗浄した。

    実験手法
    4-[2-(6-フェニル-プテリジン-4-イルアミノ)-エチル]ベンゼン-1,2-ジオール

    氷酢酸4ml中の3-ヒドロキシチラミン塩酸塩(189.6mg, 1.0mmol)の懸濁液に、N'-(3-シアノ-5-フェニル-ピラジン-2-イル)-N,N'-ジメチル-ホルムアミド(251.3mg, 1.0mmol)を添加した。 この反応液を、1.5時間還流した。 反応の進行は、LC/MSにより追跡した。 反応が完了した後、反応混合液を周囲温度に冷却し、酢酸を真空で除去した。 得られた残渣に、メタノール5mlを添加し、これをスパーテルで細かい懸濁液に粉砕した。 アセトニトリル/水の1:1混合物10mlを、懸濁液に添加した。 固形物を遠沈し、アセトニトリル/水の1:1混合物20mlで2回、メタノール10ml、ジエチルエーテル40mlで洗浄し、真空で乾燥し、生成物を緑色がかった黄色固形物として得た。 収率58.5%。 LC/MS(230 DAD)による純度96.9%。 質量分析[ES

    + ]=360.5。


    4-[(フェニル-プテリジン-4-イルアミノ)-メチル]-ベンゼン-1,2-ジオール

    氷酢酸4ml中の3,4-ジヒドロキシベンジルアミン臭化水素酸塩(220.1mg, 1.0mmol)の懸濁液に、N'-(3-シアノ-5-フェニル-ピラジン-2-イル)-N,N'-ジメチル-ホルムアミド(251.3mg, 1.0mmol)を添加した。 反応液を4時間還流した。 反応の進行は、LC/MSにより追跡した。 反応が完了した後、反応混合液を周囲温度に冷却し、酢酸を真空で除去した。 得られた残渣に、メタノール5mlを添加し、これをスパーテルで細かい懸濁液に粉砕した。 ジエチルエーテル45mlを、懸濁液に添加した。 固形物を遠沈し、ジエチルエーテル45mlで2回洗浄し、真空で乾燥し、生成物を黄色固形物として得た。 生成物は、分取-HPLCにより精製し、主要な生成物を収集し、溶媒を真空で除去した。 LC/MS(230 DAD)による純度99.6%。 質量分析[ES

    + ]=346.5。


    2,3-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ピリド[2,3-b]ピラジン-6-イルアミン二塩酸塩

    2,3,6-トリアミノピリミジン二塩酸塩107.07mg(1.0mmol)および3,3',4,4'-テトラヒドロキシベンジル274.23mg(1.0mmol)を、ジオキサン-水の1:1混合物4mlに溶解した。 反応液を8時間還流した。 その後溶媒を真空で除去した。 暗黄色の残渣を、メタノール2mlに溶解し、この溶液をジエチルエーテル40mlに滴下した。 形成された暗黄色沈殿を収集し、エーテルで洗浄し、真空で乾燥し、生成物370.0mg(収率85%)を得た。 LC/MS(230 DAD)による純度100%。 質量分析[ES

    + ]=363.8。


    2,3-ビス(3-ヒドロキシフェニル)キノキサリン-6-イルアミン二塩酸塩

    1,2,4-ベンゼントリアミン二塩酸塩40.4mg(0.206mmol)および3,3'-ジヒドロキシベンジル50mg(0.20mmol)を、ジオキサン-水の1:1混合物2mlに溶解した。 反応液を3時間還流した。 その後溶媒を真空で除去した。 残渣をメタノール2mlに溶解し、この溶液をジエチルエーテル40mlに滴下した。 形成された暗-赤色沈殿を収集し、エーテルで洗浄し、真空で乾燥し、生成物69.8mg(収率92.6%)を得た。 LC/MS(230 DAD)による純度97.6%。 質量分析[ES

    + ]=330.8。


    2,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)キノキサリン-6-イルアミン二塩酸塩

    1,2,4-ベンゼントリアミン二塩酸塩98.04mg(0.5mmol)および4,4'-ジヒドロキシベンジル121.2mg(0.5mmol)を、ジオキサン-水の1:1混合物2mlに溶解した。 反応液を3時間還流した。 その後溶媒を真空で除去した。 残渣をメタノール2mlに溶解し、この溶液をジエチルエーテル40mlに滴下した。 形成された暗-赤色沈殿を収集し、エーテルで洗浄し、真空で乾燥し、生成物168.3mg(収率83.7%)を得た。 LC/MS(230 DAD)による純度98.7%。 質量分析[ES

    + ]=330.8。


    2,3-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)キノキサリン-6-イルアミン二塩酸塩

    1,2,4-ベンゼントリアミン二塩酸塩98.0mg(0.5mmol)および3,3',4,4'-テトラヒドロキシベンジル137.1mg(0.5mmol)を、MeOH 3mlに溶解した。 反応液を6時間還流した。 その後反応混合液を室温に冷却し、ジエチルエーテル40mlに滴下した。 形成された暗-赤色沈殿を収集し、エーテルで洗浄し、真空で乾燥し、生成物184.0mg(収率84.7%)を得た。 LC/MS(230 DAD)による純度97.7%。 質量分析[ES

    + ]=362.8。


    2-ヒドロキシ-5-(6-フェニル-プテリジン-4-イルアミノ)-ベンゼンスルホン酸

    収率70.1%。 LC/MS(230 DAD)による純度83%。 質量分析[ES

    + ]=396.8。


    5-(6-フェニル-プテリジン-4-イルアミノ)-キノリン-8-オール塩酸塩

    収率79.9%。 LC/MS(230 DAD)による純度85%。 質量分析[ES

    + ]=367.7。


    一般的手法
    反応式A

    反応式B:


    7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド

    20ml容器中で、4-ブロモ-2-ニトロ-フェニルアミン(2.48g, 11.4mmol)を、シンナミド(1.51g, 36mmol)と混合した。 この混合物を100℃に加熱し、混合物を全て融解させた。 この混合液を室温に冷却し、濃HCl 6.5mlを添加した。 混合液を100℃で40分間加熱し、氷水で冷却した。 14M NaOH 6.5mlを、前記反応混合液に慎重に添加した。 得られた混合液を、100℃で2時間加熱し、その後室温に冷却した。 濾過後、沈殿を、水、メタノールおよびジエチルエーテルで数回洗浄し、出発材料を除去した。 生成物0.739gを得た。 収率:27%。

    7-ブロモ-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド

    20ml容器中で、4-ブロモ-2-メチル-6-ニトロ-フェニルアミン(1g, 4.33mmol)を、シンナミド(0.5g, 12mmol)および5g塩酸ピリジンと混合した。 混合物を一晩還流温度で加熱した。 混合物を室温に冷却し、10%NaOHを慎重に添加した。 得られた混合物を100℃で2時間加熱し、その後室温に冷却した。 濾過後、沈殿を、水、アセトンおよびジエチルエーテルで数回洗浄し、出発材料を除去した。 生成物0.4gを得た。 収率:36%。

    7-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド

    20m容器中で、6ml N,N-ジメチルアセトアミドに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(50mg, 0.21mmol)の溶液に、1mlエタノールに溶解した3,4-(メチレンジオキシ)フェニルボロン酸(68.6mg, 0.41mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(32.4mg, 0.3mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)を、この混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 得られた残渣を、分取HPLCにより精製した。 7-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド20mgを分離した。 収率:34.5%;


    7-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン

    隔壁付きの20ml容器中で、7-ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド10mgを、N,N-ジメチルアセトアミド2mlおよびエチルアルコール1mlの混合液に溶解した。 触媒量の炭素上に担持された10%Paを、この混合液に添加した。 水素を充満したバルーンを、容器の上端に配置した。 混合液を室温で2時間攪拌した。 セライトを用い、パラジウムおよび炭素を除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 7-(2,6-ジメチル-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン5mgを得た。 収率:53%;


    7-(2,6-ジメチル-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド6mlに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(100mg, 0.42mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2,6-ジメチルフェニルボロン酸(240mg, 1.6mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(64mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 残渣を、隔壁付きの20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlおよびエチルアルコール1mlの混合液中に溶解した。 触媒量の炭素上に担持された10%Paを、この混合液に添加した。 水素を充満したバルーンを、容器の上端に配置した。 混合液を室温で2時間攪拌した。 セライトを用い、パラジウムおよび炭素を除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 7-(2,6-ジメチル-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン60mgを得た。 収率:60%;


    7-(4-フェノキシ-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド6mlに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(100mg, 0.42mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した4-フェノキシフェニルボロン酸(177mg, 0.83mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(64mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 残渣を、隔壁付きの20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlおよびエチルアルコール1mlの混合液中に溶解した。 触媒量の炭素上に担持された10%Paを、この混合液に添加した。 水素を充満したバルーンを、容器の上端に配置した。 混合液を室温で2時間攪拌した。 セライトを用い、パラジウムおよび炭素を除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 3-(3-アミノ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-7-イル)-ベンゾニトリル20mgを得た。 収率:15.4%;


    7-(2,6-ジメトキシ-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド6mlに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(100mg, 0.42mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2,6-ジメトキシ-フェニルボロン酸(302mg, 1.66mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(64mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 残渣を、隔壁付きの20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlおよびエチルアルコール1mlの混合液中に溶解した。 触媒量の炭素上に担持された10%Paを、この混合液に添加した。 水素を充満したバルーンを、容器の上端に配置した。 混合液を室温で2時間攪拌した。 セライトを用い、パラジウムおよび炭素を除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 7-(2,6-ジメトキシ-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン40mgを得た。 収率:34.2%;


    7-(4-t-ブチル-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド6mlに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(100mg, 0.42mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した4-t-ブチル-フェニルボロン酸(148mg, 0.83mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(64mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 残渣を、隔壁付きの20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlおよびエチルアルコール1mlの混合液中に溶解した。 触媒量の炭素上に担持された10%Paを、この混合液に添加した。 水素を充満したバルーンを、容器の上端に配置した。 混合液を室温で2時間攪拌した。 セライトを用い、パラジウムおよび炭素を除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 7-(4-t-ブチル-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン20mgを得た。 収率:18%;


    7-(2-トリフルオロメチル-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド6mlに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(100mg, 0.42mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2-トリフルオロメチルフェニルボロン酸(157mg, 0.83mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(64mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 残渣を、隔壁付きの20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlおよびエチルアルコール1mlの混合液中に溶解した。 触媒量の炭素上に担持された10%Paを、この混合液に添加した。 水素を充満したバルーンを、容器の上端に配置した。 混合液を室温で2時間攪拌した。 セライトを用い、パラジウムおよび炭素を除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 7-(2-トリフルオロメチル-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン20mgを得た。 収率:16.5%;


    7-ビフェニル-4-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド6mlに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(100mg, 0.42mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した4-ビフェニルボロン酸(164mg, 0.83mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(64mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 残渣を、隔壁付きの20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlおよびエチルアルコール1mlの混合液中に溶解した。 触媒量の炭素上に担持された10%Paを、この混合液に添加した。 水素を充満したバルーンを、容器の上端に配置した。 混合液を室温で2時間攪拌した。 セライトを用い、パラジウムおよび炭素を除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 7-ビフェニル-4-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン15mgを得た。 収率:12.1%;


    7-ベンゾフラン-2-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド6mlに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(100mg, 0.42mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2-ベンゾフランボロン酸(134mg, 0.83mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(64mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 残渣を、隔壁付きの20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlおよびエチルアルコール1mlの混合液中に溶解した。 触媒量の炭素上に担持された10%Paを、この混合液に添加した。 水素を充満したバルーンを、容器の上端に配置した。 混合液を室温で2時間攪拌した。 セライトを用い、パラジウムおよび炭素を除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 7-ベンゾフラン-2-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン10mgを得た。 収率:9.3%;


    7-ジベンゾフラン-4-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド6mlに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(100mg, 0.42mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した4-ジベンゾフランボロン酸(176mg, 0.83mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(64mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 残渣を、隔壁付きの20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlおよびエチルアルコール1mlの混合液中に溶解した。 触媒量の炭素上に担持された10%Paを、この混合液に添加した。 水素を充満したバルーンを、容器の上端に配置した。 混合液を室温で2時間攪拌した。 セライトを用い、パラジウムおよび炭素を除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 7-ジベンゾフラン-4-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン5mgを得た。 収率:3.9%;


    7-ナフタレン-1-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド6mlに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(100mg, 0.42mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した1-ナフチルボロン酸(143mg, 0.83mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(64mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 残渣を、隔壁付きの20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlおよびエチルアルコール1mlの混合液中に溶解した。 触媒量の炭素上に担持された10%Paを、この混合液に添加した。 水素を充満したバルーンを、容器の上端に配置した。 混合液を室温で2時間攪拌した。 セライトを用い、パラジウムおよび炭素を除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 7-ナフタレン-1-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン10mgを得た。 収率:8.8%;


    3-(3-アミノ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-7-イル)-フェノール

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド6mlに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(100mg, 0.42mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した3-ヒドロキシフェニルボロン酸(114.5mg, 0.83mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(64mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 残渣を、隔壁付きの20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlおよびエチルアルコール1mlの混合液中に溶解した。 触媒量の炭素上に担持された10%Paを、この混合液に添加した。 水素を充満したバルーンを、容器の上端に配置した。 混合液を室温で2時間攪拌した。 セライトを用い、パラジウムおよび炭素を除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 3-(3-アミノ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-7-イル)-フェノール15mgを得た。 収率:15%;


    [7-(2,6-ジメチル-フェニル)-ベンゾ [1,2,4]トリアジン-3-イル]-フェニル-アミン

    7-(2,6-ジメチル-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン(24mg, 0.096mmol)をアニリンに溶解し、スルファミン酸(18mg, 0.19mmol)を添加した。 この混合液を一晩還流した。 最終生成物は、分取HPLCにより分離した。 収率:32%。


    (7-ブロモ-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル)-フェニル-アミン

    20ml容器中で、7-ブロモ-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(266mg, 1.04mmol)を、酢酸5mlに溶解し、水数滴を滴下し、引き続きFe粉末100mgを添加した。 この混合物を、100℃で30分間維持した。 溶媒を真空下で除去した。 残渣を、アニリン5mlに溶解し、混合液にスルファミン酸(202mg, 2.08mmol)を添加した。 この混合液を140℃で一晩加熱した。 最終生成物は、分取HPLCにより分離した。 収率:18.3%。 ESI-MS:[M+H]

    + , 315, 317。

    (7-ブロモ-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル)-[3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロピル]-アミン

    20ml容器中で、7-ブロモ-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(200mg, 0.78mmol)を、酢酸5mlに溶解し、水数滴を滴下し、引き続きFe粉末100mgを添加した。 この混合物を、100℃で30分間維持した。 溶媒を真空下で除去した。 残渣を、3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロピルアミン5mlに溶解し、混合液にスルファミン酸(152mg, 1.57mmol)を添加した。 この混合液を140℃で一晩加熱した。 最終生成物は、分取HPLCにより分離した。 収率:67.3%。


    [5-メチル-7-(2,4,6-トリメチル-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル]-フェニル-アミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlに溶解した(7-ブロモ-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル)フェニル-アミン(10mg, 0.032mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2,4,6-トリメチルフェニルボロン酸(21mg, 0.128mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(6.4mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(1mg, 0.0038mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(1mg, 1.09umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、濾過し、分取HPLCにより精製した。 [5-メチル-7-(2,4,6-トリメチル-フェニル)-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル]-フェニル-アミン3mgを分離した。 収率:26.8%;


    [7-(2-フルオロ-6-メトキシ-フェニル)-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル]-フェニル-アミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlに溶解した(7-ブロモ-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル)フェニル-アミン(10mg, 0.032mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2-フルオロ-6-メトキシ-フェニルボロン酸(22mg, 0.128mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(6.4mg, 0.06mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(1mg, 0.0038mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(1mg, 1.09umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、濾過し、分取HPLCにより精製した。 [7-(2-フルオロ-6-メトキシ-フェニル)-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル]-フェニル-アミン2mgを分離した。 収率:17.5%;


    [7-(2,6-ジメトキシ-フェニル)-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル]-フェニル-アミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlに溶解した(7-ブロモ-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル)フェニル-アミン(10mg, 0.032mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2,6-ジメトキシ-フェニルボロン酸(23mg, 0.126mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(6.4mg, 0.06mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(1mg, 0.0038mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(1mg, 1.09umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、濾過し、分取HPLCにより精製した。 [7-(2,6-ジメトキシ-フェニル)-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル]-フェニル-アミン5mgを分離した。 収率:42.4%;


    [7-(2,6-ジメチル-フェニル)-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル]-フェニル-アミン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド3mlに溶解した(7-ブロモ-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル)フェニル-アミン(60mg, 0.19mmol)の溶液に、エタノール2mlに溶解した2,6-ジメトキシ-フェニルボロン酸(114mg, 0.76mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(31mg, 0.3mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(4.5mg, 0.0171mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(4.5mg, 4.9umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、濾過し、分取HPLCにより精製した。 [7-(2,6-ジメチル-フェニル)-5-メチル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イル]-フェニル-アミン30mgを分離した。 収率:46%;


    7-ナフタレン-2-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド6mlに溶解した7-ブロモ-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド(100mg, 0.42mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2-ナフチルボロン酸(143mg, 0.83mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(64mg, 0.6mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(9mg, 0.034mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(9mg, 9.83umol)をこの混合物に添加した。 混合物を一晩還流した。 粗生成物を、飽和NaHCO

    3溶液50mlに注ぎ、CH

    2 Cl

    2を用い、生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を、真空中で除去した。 分取HPLCを用い、最終生成物を分離した。 7-ナフタレン-2-イル-ベンゾ[1,2,4]トリアジン-3-イルアミン-1-オキシド20mgを得た。 収率:16.7%。


    6-アルキル置換されたプテリジン合成の一般的手法

    6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン

    無水N,N-ジメチルアセトアミド2ml中のジブロモトリフェニルホスフィン(2.4337g, 5.76mmol)の溶液に、(2,4-ジアミノ-プテリジン-6-イル)-メタノール臭化水素酸塩(335.8mg, 1.747mmol)を添加した。 この混合液を、室温で一晩攪拌した。 溶液をベンゼンで処理した。 その後濾過した固形物を、ベンゼンおよびエーテルで連続処理し、蒸発させ固形物を残留させた。 この残渣を、最小48%HBrに室温で溶解し、これに次にMeCNを添加し、褐色の固形物沈殿を得た。 氷水浴中に固形物を収集し、これをMeCNおよびエーテルで洗浄した。 生成物352mgを得た。 収率60%;


    2-[(2,4-ジアミノ-プテリジン-6-イルメチル)-アミノ]-3-(4-ヒドロキシ-フェニル)-プロピオン酸tert-ブチルエステル

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(31.2mg, 0.116mmol)の溶液に、2-アミノ-3-(4-ヒドロキシ-フェニル)-プロピオン酸tert-ブチルエステル(30.22 mg, 0.127mmol)を添加した。 この反応混合液を、50℃で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物17.2mgを得た。 収率71%;


    6-[{(ピリジン-2-イルメチル)-アミノ]-メチル}-2,4-プテリジンジアミン

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(51mg, 0.2mmol)の溶液に、2-(アミノメチル)ピリジン(22.48ul, 0.22mmol)を添加した。 この反応混合液を、50℃で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物32.3mgを得た。 収率57%;


    6-{[(ナフタレン-1-イル-メチル)-アミノ]-メチル}-2,4-プテリジンジアミン

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(51mg, 0.2mmol)の溶液に、1-アミノメチル-ナフタレン(31.67ul, 0.22mmol)を添加した。 この反応混合液を、50℃で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物9mgを得た。 収率15%;


    6-(ベンジルアミノ-メチル)-2,4-プテリジンジアミン

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(35.7 mg, 0.106mmol)の溶液に、ベンジルアミン(28.6ul, 0.212mmol)を添加した。 この反応混合液を、50℃で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物17.7mgを得た。 収率62%;


    6-{[(アダマンタン-1-イル-メチル)-アミノ]-メチル}-2,4-プテリジンジアミン

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(41.6mg, 0.124mmol)の溶液に、1-アミノメチルアダマンタン(35.43ul, 0.2mmol)を添加した。 この反応混合液を、50℃で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物12.7mgを得た。 収率40%;


    6-(3,4-ジメトキシ-ベンジルアミノ)-2,4-プテリジンジアミン

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(59mg, 0.176mmol)の溶液に、3,4-ジメトキシ-ベンジルアミン(51.15ul, 0.3512mmol)を添加した。 この反応混合液を、50℃で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物20.3mgを得た。 収率34%;


    6-[2,2-ジメチル-プロピルアミノ)-メチル]-2,4-プテリジンジアミン

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(75.2mg, 0.2237mmol)の溶液に、2,2-ジメチル-プロピルアミン(136.48ul, 1.16mmol)を添加した。 この反応混合液を、室温で一晩攪拌した。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物8.3mgを得た。 収率14.2%;


    6-{[2-(3,4-ジメトキシ-フェニル)エチルアミノ]-メチル}-2,4-プテリジンジアミン

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(55mg, 0.1638mmol)の溶液に、2-(3,4-ジメトキシフェニル)エチルアミン塩酸塩(55ul, 0.32mmol)を添加した。 この反応混合液を、50℃で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物3.8mgを得た。 収率19.6%;


    6-{[2-(3,4-ジヒドロキシ-フェニル)エチルアミノ]-メチル}-2,4-プテリジンジアミン

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(67.3mg, 0.2003mmol)の溶液に、2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)エチルアミン(43.6mg, 0.23mmol)を添加した。 アルゴン陽圧下で、iPr

    2 EtN(32.63ul)を添加した。 この反応混合液を、50℃で4時間、その後室温で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物14.8mgを得た。 収率22.6%;


    4-{2-[ジ(2,4-ジアミノプテリジン-6-イル-メチル)-アミノ]-エチル}-ベンゼン-1,2-ジオール

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(67.3mg, 0.2003mmol)の溶液に、2-(3,4-ジヒドロキシフェニル)エチルアミン塩酸塩(43.6mg, 0.23mmol)を添加した。 アルゴン陽圧下で、iPr

    2 EtN(32.63ul)を添加した。 この反応混合液を、50℃で4時間、その後室温で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物3.2mgを得た。 収率6.4%;


    6-{[2-(3,4-ジヒドロキシ)-ベンジルアミノ]-メチル}-2,4-プテリジンジアミン

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(64mg, 0.1905mmol)の溶液に、2-(3,4-ジヒドロキシベンジル)アミン塩酸塩(36.795mg, 0.23mmol)を添加した。 アルゴン陽圧下で、iPr

    2 EtN(40.15ul)を添加した。 この反応混合液を、50℃で4時間、その後室温で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物7.8mgを得た。 収率13.1%;


    3-(4-tert-ブトキシ-フェニル)-2-[(2,4-ジアミノ-プテリジン-6-イルメチル)-アミノ]-プロピオン酸tert-ブチルエステル

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(53.7mg, 0.1598mmol)の溶液に、2-アミノ-3-(4-tert-ブトキシ-フェニル)-プロピオン酸tert-ブチルエステル塩酸塩(51.58mg, 0.1758mmol)を添加した。 アルゴン陽圧下で、iPr

    2 EtN(33.69ul)を添加した。 この反応混合液を、50℃で4時間、その後室温で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物27.6mgを得た。 収率41%;


    1-{[ジ-(2,4-ジアミノプテリジン-6-イル-メチル)]-アミノ-メチル}-ナフタレン

    無水N,N-ジメチルアセトアミド中の6-ブロモメチル-2,4-プテリジンジアミン臭化水素酸塩(51mg, 0.2mmol)の溶液に、1-アミノメチル-ナフタレン(31.67ul, 0.22mmol)を添加した。 この反応混合液を、50℃で一晩攪拌した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液に注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物9mgを得た。 収率15%;


    キナゾリン
    3H-キナゾリン-4-オン合成の一般的手法方法1:

    方法2:

    6-ブロモ-3H-キナゾリン-4-オン

    2-アミノ-5-ブロモ-安息香酸(10.817g, 50mmol)を、ホルムアミド70mlに溶解した。 この混合液を、180℃で7時間加熱した。 冷却した溶液を、冷水100mlで希釈し、濾過した。 褐色固形物を、蒸留水(di water)で洗浄し、更に精製することなく次工程の反応において使用した。 生成物10.2gを得た。 収率:90%。


    6-(2,6-ジメチルフェニル)-3H-キナゾリン-4-オン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlに溶解した6-ブロモ-3H-キナゾリン-4-オン(43.1mg, 0.1915mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2,6-ジメトキシ-フェニルボロン酸(114.9mg, 0.76mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(26.7mg, 0.193mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(5mg, 0.019mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(3.5mg, 3.8umol)をこの混合物に添加し、これを一晩還流した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液50mlに注ぎ、塩化メチレンを用い生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を真空下で除去した。 得られた残渣を分取HPLCにより精製した。 生成物19.2mgを得た。 収率40%。


    6-(2,6-ジメトキシフェニル)-3H-キナゾリン-4-オン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlに溶解した6-ブロモ-3H-キナゾリン-4-オン(43.1mg, 0.1915mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2,6-ジメチルフェニルボロン酸(139.4mg, 0.76mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(26.7mg, 0.193mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(5mg, 0.019mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(3.5mg, 3.8umol)をこの混合物に添加し、これを一晩還流した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液50mlに注ぎ、塩化メチレンを用い生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を真空下で除去した。 得られた残渣を分取HPLCにより精製した。 生成物38.2mgを得た。 収率71%。


    6-(2-クロロ-6-メトキシフェニル)-3H-キナゾリン-4-オン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlに溶解した6-ブロモ-3H-キナゾリン-4-オン(38.9mg, 0.1728mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2-クロロ-6-メトキシ-フェニルボロン酸(128.88mg, 0.6914mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(26.28mg, 0.19mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(4.5mg, 0.017mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(3.2mg, 3.5umol)をこの混合物に添加し、これを一晩還流した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液5mlに注ぎ、塩化メチレンを用い生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を真空下で除去した。 得られた残渣を分取HPLCにより精製した。 生成物3.4mgを得た。 収率24.3%。


    6-(2,4,6-トリメチルフェニル)-3H-キナゾリン-4-オン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlに溶解した6-ブロモ-3H-キナゾリン-4-オン(43.1mg, 0.1915mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解した2,4,6-トリメチルフェニルボロン酸(114.9mg, 0.76mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(26.7mg, 0.193mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(5mg, 0.019mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(3.5mg, 3.8umol)をこの混合物に添加し、これを一晩還流した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液50mlに注ぎ、塩化メチレンを用い生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を真空下で除去した。 得られた残渣を分取HPLCにより精製した。 生成物19.2mgを得た。 収率40%。


    6-(ナフタレン-1-イル)-3H-キナゾリン-4-オン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlに溶解した6-ブロモ-3H-キナゾリン-4-オン(45.2mg, 0.2mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解したナフタレン-1-ボロン酸(69.4mg, 0.4mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(30.5mg, 0.22mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(5.27mg, 0.02mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(3.6mg, 4umol)をこの混合物に添加し、これを一晩還流した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液50mlに注ぎ、塩化メチレンを用い生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を真空下で除去した。 得られた残渣を分取HPLCにより精製した。 生成物32.9mgを得た。 収率62%。


    6-(ナフタレン-2-イル)-3H-キナゾリン-4-オン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlに溶解した6-ブロモ-3H-キナゾリン-4-オン(47.1mg, 0.2093mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解したナフタレン-1-ボロン酸(73mg, 0.4244mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(32.7mg, 0.2366mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(5.5mg, 0.021mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(3.8mg, 4.1umol)をこの混合物に添加し、これを一晩還流した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液50mlに注ぎ、塩化メチレンを用い生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を真空下で除去した。 得られた残渣を分取HPLCにより精製した。 生成物26.3mgを得た。 収率46%。


    6-(4-フェノキシ-フェニル)-3H-キナゾリン-4-オン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド2mlに溶解した6-ブロモ-3H-キナゾリン-4-オン(44.8mg, 0.199mmol)の溶液に、エタノール1mlに溶解したナフタレン-1-ボロン酸(85.22mg, 0.3981mmol)および水1mlに溶解した炭酸カリウム(30.26mg, 0.2198mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(5.2mg, 0.020mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(3.64mg, 4.0umol)をこの混合物に添加し、これを一晩還流した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液50mlに注ぎ、塩化メチレンを用い生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を真空下で除去した。 得られた残渣を分取HPLCにより精製した。 生成物25.3mgを得た。 収率41%。


    6-ブロモ-3-(3-ヒドロキシ-プロピオニル)-3H-キナゾリン-4-オン

    N,N-ジメチルアセトアミド20ml中のNaH(鉱油中60%, 199mg)の懸濁液に、6-ブロモ-3H-キナゾリン-4-オン(0.9335mg, 4.148mmol)を添加した。 この混合液を、室温で40分間攪拌し、透明な赤色溶液を得た。 塩化アクロイル(471.8ul, 5.8072mmol)を添加した。 この溶液を70℃で8時間加熱し、室温に冷却し、氷水30mlに注いだ。 塩化メチレンを添加し、生成物が水相中に生じた。 水溶媒を、真空で蒸発させた。 得られた残渣を分取HPLCにより精製した。 生成物1.1gを得た。 収率:74.7%;


    6-(2,6-ジメチルフェニル)-3-(3-ヒドロキシ-プロピオニル)-3H-キナゾリン-4-オン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド1mlに溶解した6-ブロモ-3-(3-ヒドロキシ-プロピオニル)-3H-キナゾリン-4-オン(9.8mg, 0.033mmol)の溶液に、エタノール0.5mlに溶解した2,6-ジメチルフェニルボロン酸(9.89mg, 0.066mmol)および水0.5mlに溶解した炭酸カリウム(5mg, 0.036mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(0.87mg, 3.3umol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(0.6mg, 0.6umol)をこの混合物に添加し、これを一晩還流した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液5mlに注ぎ、塩化メチレンを用い生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を真空下で除去した。 得られた残渣を分取HPLCにより精製した。 生成物5.2mgを得た。 収率49%。


    6-(2-クロロ-6-メトキシフェニル)-3-(3-ヒドロキシ-プロピオニル)-3H-キナゾリン-4-オン

    20ml容器中で、N,N-ジメチルアセトアミド1mlに溶解した6-ブロモ-3-(3-ヒドロキシ-プロピオニル)-3H-キナゾリン-4-オン(11.6mg, 0.039mmol)の溶液に、エタノール0.5mlに溶解した2-クロロ-6-メトキシ-フェニルボロン酸(14.55mg, 0.078mmol)および水0.5mlに溶解した炭酸カリウム(5.92mg, 0.043mmol)を添加した。 トリフェニルホスフィン(1mg, 3.8umol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)(0.7mg, 0.78umol)をこの混合物に添加し、これを一晩還流した。 粗生成物を、飽和炭酸水素塩溶液5mlに注ぎ、塩化メチレンを用い生成物を抽出した。 有機相中の溶媒を真空下で除去した。 得られた残渣を分取HPLCにより精製した。 生成物3.4mgを得た。 収率24.3%。


    2-ヒドロキシ-4-アミノキナゾリン

    4-アミノ-8-ブロモ-6-ニトロ-キナゾリン-2-オール

    2-アミノ-3-ブロモ-5-ニトロ-ベンゾニトリル(1.9003g, 7.85mmol)を、尿素(1.8862g, 31.4mmol)と共に、180〜185℃で3時間加熱した。 冷却した混合液を、炭酸水素塩溶液に注ぎ(powered)処理し、濾過し、水で洗浄した。 固形物を収集し、エタノール、エーテルで洗浄し、これを更に精製することなく次工程で使用した。 生成物2.0gを得た。 収率89%;


    8-ブロモ-4-[3-(4-メチル-ピペラジン-1イル)-プロピルアミノ]-6-ニトロ-キナゾリン-2-オール

    4-アミノ-8-ブロモ-6-ニトロ-キナゾリン-2-オール(24.1mg, 0.0845mmol)、スルファミン酸(16.4mg, 0.169mmol)および1-(3-アミノプロピル)-4-メチルピペラジン(1ml)の混合物を、還流温度で7時間加熱した。 冷却した反応混合液を氷水10mlに注いだ。 得られた沈殿を収集し、分取HPLCにより精製した。 生成物19.2mgを得た。 収率:40%;


    (6,7-ジフェニル-プテリジン-4-イル)-(3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロピル)-アミンの調製

    6,7-ジフェニル-プテリジン-4-イルアミン(200mg, 0.669mmol)およびスルファミン酸(300mg, 1.91mmol)を、1-(3-アミノプロピル)-4-メチルピペラジン4mlに溶解した。 混合液を一晩還流した。 分取HPLCを用い、生成物を分離した。 (6,7-ジフェニル-プテリジン-4-イル)-(3-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)-プロピル)-アミン50mgを得た。 収率:17%。 ESI-MS:[M+H]

    + , 441。

    構造IVの化合物の代表的合成
    化合物IV

    攪拌羽根およびテフロン製キャップを装着した3-ml反応フラスコに、ビス(ベンジル)種(122mg;0.324mmol)および5,6-ジアミノ-2,4-ジヒドロキシピリミジン硫酸(156mg;0.649mmol;2.00当量)を充填した。 この容器を約210℃で2時間加熱し、その後内容物を、エーテル30mlに注ぎ、得られた固形物を音波により激しく攪拌し、遠心した。 得られた固形物を酢酸エチル-エーテル(1:1)2x20mlで洗浄し、真空デシケーターで乾燥し、橙色固形物ビス(プテリジン)120mg(96%)を生じた。 MS(M+H

    + :計算値647;実測値647)。

    構造Vの化合物の代表的合成
    化合物V

    攪拌棒および隔壁を備えた5-ml一首丸底フラスコに、2-アミノメチルベンズイミダゾール(119mg;0.500mmol;1.00当量)を充填した。 これは加熱してもDMF 3mlには溶解しなかった。 このスラリーに、イサチン(73.8mg;0.502mmol;1.00当量)を添加した。 この溶液は明橙色-黄色であった。 氷酢酸数滴を添加し、反応液を15分間攪拌し、その後シアノ水素化ホウ素ナトリウム(62.0mg;0.980mmol;1.97当量)を添加した。 この溶液は、30分で淡麦わら色-黄色に変わった。 室温で2日間攪拌した後、この混合液を50:50飽和炭酸水素ナトリウム水溶液-氷に注ぐことにより、反応を徐々に進行した。 形成された白色沈殿を、酢酸エチル(2x20ml)により抽出した。 一緒にした有機層を、飽和炭酸水素ナトリウム10mlにより再度抽出し、乾燥し(無水Na

    2 SO

    4 )、濾過し、回転蒸発器により濃縮し、橙色-黄色油状物を得、これは放置している間に固化した。 粗成生物を、酢酸エチル-ヘキサンにより再結晶し、橙色泡状物98.9mgを得た。 MS(M+H

    + :計算値279;実測値279)。

    実施例2
    血管静態化物質による抗-癌療法
    下記実験は、癌治療のための、本発明の血管静態化物質の、単独でまたは化学療法剤との組合せた使用を示している。 図2は、図1に図示した6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩(化合物A−本実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)を、ドキソルビシン(本実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)を利用する、薬物併用療法の相乗結果を示している。 図2に示した実験において、Balb/Cマウスにおいて肺転移を確立するために、同系のLewis肺癌細胞を静脈内注射した。 細胞の注射後10日目から、ドキソルビシン(3mg/kg)および/または6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩(化合物A−示した異なる投与量)を、3日毎に3サイクル腹腔内投与した。 動物は、20日目に屠殺し、肺を摘出し、秤量した。 正味の腫瘍組織量は、(腫瘍を生じる肺の質量)−(正常対照肺質量の平均)である。 N=5/群、p<0.02。 図2に示されたように、6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩(化合物A)は、動物における腫瘍組織量に際だった作用を有し、典型的には腫瘍組織量を、単独の物質として25%、またはドキソルビシンとの併用で90%より大きく減少した。

    図3は、結腸癌を治療するために、6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩(化合物A−本実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)、および6,7-ジフェニル-プテリジン-2,4-ジアミン(化合物B−この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)をドキソルビシンと共に用いた結果を示している。 Balb/Cマウスにおいて肺転移を確立するために、同系のCT-26結腸癌細胞を静脈内注射した。 細胞の注射後10日目から、被験物質を、3日毎に3サイクル腹腔内投与した。 動物は、20日目に屠殺し、肺を摘出し、秤量した。 正味の腫瘍組織量は、(腫瘍を生じる肺の質量)−(正常対照肺質量の平均)である。 N=5/群、p<0.02。 このモデルにおいて、図3に示されたように、6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩(化合物A)は、典型的には腫瘍組織量を、単独の物質として35%、またはドキソルビシンとの併用で60%より大きく減少した。 同様にこのモデルにおいて、6,7-ジフェニル-プテリジン-2,4-ジアミン(化合物B)は、典型的には腫瘍組織量を、単独の物質として35%、またはドキソルビシンとの併用で65%より大きく減少した。

    図4は、本明細書に説明されたようなドセタキセル(タキソテレ(登録商標)−この実施例においてCremaphore 12.5%:エタノール12.5%:通常の生理食塩水75%中に製剤)との薬物併用療法について本発明の化合物の作用を図示している。 Balb/Cマウスにおいて肺転移を確立するために、同系のCT-26結腸癌細胞を静脈内注射した。 細胞の注射後10日目から、指定した被験物質を、3日毎に3サイクル腹腔内投与した。 動物は、20日目に屠殺し、肺を摘出し、秤量した。 正味の腫瘍組織量は、(腫瘍を生じる肺の質量)−(正常対照肺質量の平均)である。 N=5/群、p<0.02。 図1の6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩(化合物A−この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)および6,7-ジフェニル-プテリジン-2,4-ジアミン(化合物B−この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)を、図4に示した。 このモデルにおいて、図4に示されたように、6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩(化合物A)は、典型的には腫瘍組織量を、単独の物質として25%、またはドセタキセルとの併用で80%より大きく減少した。 同様にこのモデルにおいて、6,7-ジフェニル-プテリジン-2,4-ジアミン(化合物B)は、典型的には腫瘍組織量を、単独の物質として20%、またはドキソルビシンとの併用で70%より大きく減少した。

    図5は、6,7-ジフェニル-プテリジン-2,4-ジアミン(化合物B−この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)およびドキソルビシン(この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)による、図3に示した実験の代表的肺試料の写真を示している。 肺の腫瘍は、溶剤(対照)肺において明らかであり、血管静態化物質とドキソルビシンで処理した肺は、腫瘍組織量の劇的な低下を示している。

    図6は、図4に示された転移性結腸癌(CT-26腺癌)のin vivoモデルにおける、ドセタキセル(タキソテレ(登録商標)-この実施例において12.5%Cremaphore:12.5%エタノール:75%通常の生理食塩水中に製剤)と併用投与された化合物の作用を図示している。 図1の2,3-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ピリド[2,3-b]ピラジン-6-イルアミン二塩酸塩(化合物C-この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)は、図6において化合物Cとして示している。 N=5/群、p<0.02。 このモデルにおいて、図6に示したように、2,3-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ピリド[2,3-b]ピラジン-6-イルアミン二塩酸塩(化合物C)は、典型的には腫瘍組織量を、単独の物質として65%、またはドセタキセルとの併用で85%より大きく減少した。

    同様に、2,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-ピリド[2,3-b]ピラジン-6-イルアミン二塩酸塩は、ここで説明されたように単独でまたはドセタキセル(タキソテレ(登録商標)−この実施例において12.5%Cremaphore:12.5%エタノール:75%通常の生理食塩水中に製剤)との薬物併用療法で、腫瘍組織量を阻害した。 Balb/Cマウスにおいて肺転移を確立するために、同系のCT-26結腸癌細胞を静脈内注射した。 細胞の注射後10日目から、指示された被験物質を、3日毎に3サイクル腹腔内投与した。 動物は、20日目に屠殺し、肺を摘出し、秤量した。 正味の腫瘍組織量は、(腫瘍を生じる肺の質量)−(正常対照肺質量の平均)である。 N=5/群、p<0.02。2,3-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-ピリド[2,3-b]ピラジン-6-イルアミン二塩酸塩(50%PEG400:50%水中)は、典型的には腫瘍組織量を、単独の物質として63%、またはドセタキセルとの併用で78%より大きく減少した。

    実施例3
    血管透過性の阻害
    転移性黒色腫および腎細胞癌を治療するためにIL-2が臨床において用いられており、IL-2の投与量を制限する毒性は血管漏出症候群(VLS)である。 個別の化学型のシリーズからのふたつの代表例を、IL-2-誘導したVLSの減少における初期試験のために選択した(図1の化合物参照)。 これらの化合物は、血管透過性のin vivo低下について予めスクリーニングし、20-倍の高投与量で単独の物質としてのひどい(gross)毒性は観察不可能であった。

    図7-8に示した試験の結果は、本発明の代表的化合物は、in vivoにおいて血管漏出の阻害を示すことを明らかにしている。 処方された投与量範囲でT細胞増殖に対する作用はなく(図10-11参照)、IL-2の抗-腫瘍活性に対する作用もなかった(黒色腫モデル;図9参照)。 下記の実験は、薬物併用療法の結果を例示している。

    BalbCマウスに、指示された投与量のマウスIL-2(この実施例において5%ウシ血清アルブミンを含む生理食塩水中に製剤)および/または本発明の化合物を4日間にわたり9回注射した。 その後動物を屠殺し、引き続き心臓、肺、および脾臓を摘出し、水分を吸い取りおよび秤量した(湿量)。 その後臓器を80℃で24時間乾燥し、秤量した(乾量)。 N=5/群、p<0.02。 N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸(化合物D−1mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)および6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン硫酸塩(化合物E-0.1mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)は、典型的には心臓においてVLSを>100%減少した。 この結果を図7に示す。

    BalbCマウスに、指定された投与量のマウスIL-2および/または本発明の化合物を4日間にわたり9回注射した。 その後動物を屠殺し、引き続き心臓、肺、および脾臓を摘出し、水分を吸い取りおよび秤量した(湿量)。 その後臓器を80℃で24時間乾燥し、秤量した(乾量)。 N=5/群、p<0.02。 N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸(化合物D−1mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)および6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン硫酸塩(化合物E-0.1mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)は、典型的には脾臓においてVLSを>100%低下した。 この結果を図8に示す。

    C57マウスにおいて肺転移を確立するために、同系のB16黒色腫細胞を、静脈内注射した。 細胞を注射した10日後から、IL-2 100,000Uおよび/または指定された本発明の化合物を、8時間毎に5日間腹腔内注射した。 動物は18日目に屠殺し、肺を摘出し、画像解析ソフトウェアを用いてスコア化した。 N=5/群、p<0.02。 N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸(化合物D−1mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)および6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン硫酸塩(化合物E-0.1mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)は、典型的にはIL-2の抗-腫瘍活性には有意な影響を及ぼさなかった。 本発明の化合物濃度は括弧内にmg/kgで記し、IL-2濃度は括弧内にキロユニットで記した。 結果を図9に示した。

    IL-2依存型ヒトT細胞株CTLL2を用い、ヒト組換えIL-2(R&D Systems)50pgおよび指示された化合物の存在下での、96時間にわたるIL-2依存型増殖を、XTTアッセイを用い評価した。 N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸(化合物D−1mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)は典型的には、IL-2が誘導したT-細胞増殖には有意な影響を有さなかった。 結果を図10に示した。

    IL-2依存型ヒトT細胞株CTLL2を用い、ヒト組換えIL-2(R&D Systems)50pgおよび指示された化合物の存在下での、96時間にわたるIL-2依存型増殖を、XTTアッセイを用い評価した。 6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン硫酸塩(化合物E-0.1mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)は典型的には、治療用範囲において(<1μM)、IL-2が誘導したT-細胞増殖には有意な影響を有さなかった。 結果を図11に示した。

    従って、本明細書の二つの個別の化学型のシリーズからの代表例(図1に示した)は、例えば、N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸(化合物D−1mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)および6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン硫酸塩(化合物E-0.1mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)は、in vivoにおけるVLSの80〜100%の低下に有効であることを示している。

    両方の例証的化合物は、重要な初期試験において良好に作用し、これは、1)IL-2の常用量および増大量でVLSを阻害すること;2)IL-2が媒介した抗-腫瘍活性との相互作用がないこと;3)恐らく治療的投与量範囲においてIL-2が誘導したT細胞増殖を阻害しないこと;ならびに、4)いずれの化合物も、ひどい観察可能な毒性を誘起しないことを示している。 これらの結果は、本発明の化合物をIL-2と併用し、投与量を制限するVLSを防ぎ、これによりIL-2の臨床適用および治療的投与量範囲を増大することを示している。

    急性呼吸促迫症候群(ARDS)は、肺への液体漏出を引き起こす両肺のほとんどまたは全ての急性の重度の損傷である。 ARDS患者は、重度の息切れを経験し、時には呼吸不全のために人工呼吸器(生命維持)が必要となる。 ARDSは、下記の用語で呼ばれることもある:非-心臓性肺浮腫;透過性亢進肺浮腫;硬直肺(Stiff lung);ショック肺;成人呼吸促迫症候群;急性呼吸促迫症候群。 本発明のふたつの代表的化合物を、ARDS軽減の初期試験のために選択した。

    NIH Swissマウスに、オレイン酸1.5mg/kg(この実施例において生理食塩水中に製剤)および/または本発明の化合物を腹腔内注射した。 注射後4時間で、動物は屠殺し、肺を摘出し、水分を吸い取りおよび秤量した(湿量)。 その後肺を80℃で24時間乾燥し、秤量した(乾量)。 N=4/群。 6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン硫酸塩(化合物E−0.5mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)は典型的には、ARDSが誘導した浮腫を>50%軽減したのに対し、4-[4-アミノ-6-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]ベンゼン-1,2-ジオール(化合物F−0.5mg/kgのレンジ、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)は典型的には、ARDSが誘導した浮腫を>100%軽減した。 結果を図12に示す。

    実施例4
    VEGFが誘導した浮腫の阻害
    マイルズ(Miles)アッセイデータ 血管浮腫の齧歯類モデルのマイルズアッセイを用い、化合物をVEGFが誘導した浮腫を阻害するそれらの能力についてスクリーニングした。 下記表は、本明細書に列挙された化合物がうまく浮腫形成を阻害した試験のいくつかの例を示している。

    スプラーグ-ドーリー系ラットに、最初に溶剤単独または被験物質を静脈内注射し、引き続きEvansブルー色素を静脈内注射し、その後生理食塩水およびVEGF(200 ng/注射部位)を剃毛した両側に沿って皮内注射した。 45分後、皮内注射部位を写真撮影し、その後盲検化された観察者が、Evansブルー色素の真皮への溢出(真皮の青み)について、4点スコア化システムに従いスコア化した(3=最大青み、溶剤-処理した動物において≧75%の反応;2=中等度の青み、溶剤-処理した動物において≧25%、<75%の反応;1=最小の青み;溶剤-処理した動物において≦25%;0=同じ動物の生理食塩水注射部位と同等の青み)。 4個の注射部位に関する個々のスコア(2匹の個別の動物について)をまとめ、0-12のスケールで示しているが、低いスコアはより大きい抗-浮腫活性を示している;前述のスコア化システムを基に、全ての溶剤-処理群は12より大きい値をスコア化したことに注意。

    被験物質のVEGF以外のアゴニストにより誘導された浮腫に影響を及ぼす能力も試験した。 本明細書に列挙された化合物は、例えば以下に示すように、アゴニストとしてヒスタミンを用い誘導された浮腫を阻害した。

    浮腫をブロックする能力を、アゴニストとしてVEGFまたはヒスタミンのいずれか(各々、200ngおよび10μg/注射部位)を用いて試験した以外は、被験物質の血管浮腫に影響を及ぼす能力を、前述のように試験した。

    実施例5
    心筋梗塞の軽減
    心筋梗塞のデータ 急性心筋梗塞の齧歯類モデルは、近位左前方下行冠動脈(LAD)を60分間閉塞し、引き続き再潅流したものであるが、これを用い、被験物質は24時間で梗塞サイズを減少するかどうかを決定した。 本明細書に列記した化合物のいくつかの例は、対照と比べ、梗塞サイズを有意に減少した。

    心筋梗塞は、スプラーグ-ドーリー系ラット(体重200〜300g)において、LADを60分間閉塞し、引き続きLADを再潅流することにより引き起こした。 再潅流後90分で、溶剤単独または被験物質のいずれかを静脈内注射した。 処置後24時間で、虚血ゾーン(リスク領域、AAR)を、LAD再結紮しその後アルカリブルー色素を静脈内注射することにより輪郭を描き、その後心臓を短軸に沿って切断し、トリフェニルテトラゾリウムクロリドを用いて染色し、梗塞を起こした心筋から生存部分を描き出した。 その後撮像を、形態計測ソフトウェアを用いて解析し、リスク領域の割合として梗塞領域を算出した。
    試験1:群サイズN=5-6;6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩は、溶剤対照とは異なる(P<0.0005)。
    試験2:群サイズN=5;6,7-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン塩酸塩は、溶剤対照とは異なる(P<0.035)。
    試験3:群サイズN=3-5;3-[2,4-ジアミノ-6-(3-ヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]フェノール二塩酸塩は0.1mg/kgで、溶剤対照とは異なる(P<0.03)。
    試験4:群サイズN=4-5;4-[4-アミノ-6-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]ベンゼン-1,2-ジオールクロリド塩および6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン塩酸塩処置群は全て、溶剤対照とは異なる(P<0.02)。 試験5:3-[2,4-ジアミノ-6-(3-ヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]フェノールジブロミド塩は、8%PEG400(溶剤)中で送達されたのに対し、6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミンは、3種の製品製剤のひとつとして送達された(PF1=20mM(pH3)クエン酸緩衝液中、2.8%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、1.84%PEG400、および0.009%EDTA;PF2=20mM(pH3)クエン酸緩衝液中、1.8%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンおよび0.06%ポリビニルピロリドン;PF3=20mM(pH3)クエン酸緩衝液中、0.8%スルホンブチルエーテル-β-シクロデキストリンおよび0.03%ポリビニルピロリドン)。 群サイズN=5-6;全ての処置は、溶剤対照と異なった(P<0.05)。

    下記試験は、3-[2,4-ジアミノ-6-(3-ヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]フェノール二塩酸塩投与(0.1mg/kg)の時点を変更する以外は、先に説明されたように行った。 ひとつの群において、3-[2,4-ジアミノ-6-(3-ヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]フェノール二塩酸塩は、閉塞後60および240分の両方で投与した。

    群サイズN=4-5;3-[2,4-ジアミノ-6-(3-ヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]フェノール二塩酸塩処置群は全て、溶剤対照とは異なった(P<0.001)。

    卒中データ 脳卒中の齧歯類モデルは、中大脳動脈が永久閉塞したものであるが、これを用い、被験物質は24時間で梗塞サイズを減少するかどうかを決定した。 本明細書に列記した化合物のいくつかの例は、対照と比べ、梗塞サイズを有意に減少し、それはSrcキナーゼインヒビターとして文献に記されている2種の市販の化合物(PP1およびSU6656)よりも遙かに大きい程度であった。

    脳卒中は、焼灼器具を用い中大脳動脈を永久結紮したマウスにおいて引き起こし、60分後に、溶剤単独(水中50%PEG400)または被験物質(1mg/kgBW)のいずれかを静脈内注射した。 24時間後、脳を切片とし、トリフェニルテトラゾリウムクロリドを用いて染色し、梗塞を起こした組織から生存部分を描き出した。 その後撮像を、形態計測ソフトウェアを用いて解析し、リスク領域の割合として梗塞領域を算出した。
    試験1:群サイズN=5-6;6,7-ジフェニル-プテリジン-2,4-ジオール群およびN-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸群は、溶剤対照とは異なった(各々、P<0.05およびP<0.01)。
    試験2:群サイズN=6-7;6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩群は、溶剤対照とは異なった(P<0.006)。

    実施例6
    Src-ファミリーキナーゼc-SrcおよびYesの阻害
    化合物のふたつのSrc-ファミリーキナーゼ(c-SrcおよびYes)の活性を阻害する能力を直接試験した。 下記表は、いくつかの化合物に関するデータであり、ここでほとんどの場合は、一方または両方のキナーゼを濃度≦10μMで阻害した。

    キナーゼ反応は、96-ウェルプレートにおいて、組換えヒトc-SrcまたはYes(280ng/ウェル、Panvera、Madison、WI)、ATP(3μM)、チロシンキナーゼ基質(PTK2、250μM、Promega Corp.、Madison、WI)、および被験物質(濃度1nM〜100μMの範囲)を混合し行った;使用した緩衝液は、Srcキナーゼ反応緩衝液(Upstate USA、Lake Placid、NY)であった。 室温で90分間反応した後、残留するATPを、キナーゼ活性を測定するルシフェラーゼ-ベースのアッセイ(KinaseGlo、Promega Corp.)を用い決定した。 その後4個のウェルからのデータを平均化し、被験化合物のIC 50値を決定するために使用した(Prismソフトウェアパッケージ、GraphPad Software、San Diego、CA)。 ND:未決定。

    実施例7
    本発明の化合物の新脈管形成に対する作用
    図13および14を参照し、新脈管形成のマウスモデルを用い、化合物を新脈管形成を阻害するそれらの能力についてスクリーニングした。 グラフは、in vivoにおける新脈管形成をうまく阻害した本明細書に列記された化合物の代表例を示している。 このグラフにおいて、化合物Aは6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩である。 Athymic WeHi(nu/nu)マウスには最初に、氷冷した腫瘍由来の細胞外マトリックス基質マトリゲル(Becton-Dickinson)400μlを注射し、bFGFまたはVEGF(R&D Systems)400ng/mlを注入し、これらは体温で迅速に固化し皮下プラグとなった。 マウスには、10mg/kgの指示された化合物を1日2回、4日間皮下注射した。 4日目にマウスに、0.5mgのFITC-複合した内皮特異的レクチン(Banderiea Simplifica, Vector Laboratories)を静脈内注射した。 レクチン注射の20分後、マウスを安楽死させ、その後マトリゲルプラグを摘出し、機械的粉砕器によりPBS中に可溶化させ、各プラグの蛍光含量を定量した。 値は、5群からの対照値に対して正規化した。

    本発明は現在の好ましい態様を参照し説明されているが、本発明の精神から逸脱することなく、様々な修飾を行うことができることは理解されなければならない。 従って、本発明は「特許請求の範囲」によってよみ制限される。

    (図1)本発明の化合物の例を示す。
    (図2)肺転移を治療するための、6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩およびドキソルビシンの結果を示す。 Balb/Cマウスにおいて肺転移を確立するために、同系Lewis肺癌細胞を、静脈内注射した。 細胞の注射後10日目から、ドキソルビシン(3mg/kg)および/または6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩(示された異なる用量で)を、3日毎に3サイクル腹腔内注射した。 動物を20日目に屠殺し、肺を収集し、秤量した。 正味の腫瘍組織量は、(腫瘍を生じる肺の質量−正常対照肺質量の平均)である。 N=5/群、p<0.02。
    (図3)転移性結腸癌(CT-26腺癌)のin vivoモデルにおける、ドキソルビシンと併用して投与された化合物の作用を図示している。 Balb/Cマウスにおいて肺転移を確立するために、同系のCT-26結腸癌細胞を、静脈内注射した。 細胞の注射後10日目から、指示された被験物質を、3日毎に3サイクル腹腔内注射した。 動物を20日目に屠殺し、肺を収集し、秤量した。 正味の腫瘍組織量は、(腫瘍を生じる肺の質量−正常対照肺質量の平均)である。 N=5/群、p<0.02。 これらのグラフにおいて、化合物Aは、6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩であり、および化合物Bは、6,7-ジフェニル-プテリジン-2,4-ジアミンである。
    (図4)本明細書に説明したようなタキソテレとの併用薬物療法に関する本発明の化合物の作用を図示している。 図3に示されたようなBalb/Cマウスにおける肺転移を確立するために、同系のCT-26結腸癌細胞を使用した。 図1の6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩(化合物A)および6,7-ジフェニル-プテリジン-2,4-ジアミン(化合物B)を、図4に示した。
    (図5)6,7-ジフェニル-プテリジン-2,4-ジアミン(化合物B)およびドキソルビシンによる、図4に示した実験の代表的肺試料の写真である。
    (図6)図4に説明された転移性結腸癌(CT-26腺癌)のin vivoモデルにおける、ドセタキセルと併用投与された化合物の作用を表している。 図1の2,3-ビス(3,4-ジヒドロキシフェニル)-ピリド[2,3-b]ピラジン-6-イルアミン二塩酸塩(化合物C)は、図6に化合物Cとして示した。 N=5/群、p<0.02。
    (図7および8)図7および8は、IL-2が誘導したVLSを阻害するそれらの能力に関する本発明の化合物の作用を図示している。 これらのグラフは、本出願に列挙された化合物の代表例およびそれらのVLSに対する作用を表している。 これらのグラフにおいて、化合物Dは、N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸であり、および化合物Eは、6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミンである。
    (図9)IL-2が誘導した抗-腫瘍作用に対するそれらの作用に関する、本発明の化合物の作用を図示している。 このグラフは、本出願に列挙された化合物の代表例およびそれらの転移性黒色腫腫瘍組織量のIL-2媒介した減少に対する作用を表している。 このグラフにおいて、化合物Dは、N-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸であり、および化合物Eは、6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミンである。 本発明の化合物の濃度は、mg/kgで括弧内に列記し、IL-2濃度はキロユニットで括弧内に示した。
    (図10および11)図10および11は、IL-2が誘導したT-細胞増殖を阻害するそれらの能力に関する、本発明の化合物の作用を図示している。 これらのグラフは、本出願に列挙された化合物の代表例およびそれらのT-細胞増殖に対する作用を表している。 これらのグラフにおいて、化合物DはN-(2-(1H-インドール-2-イル)-フェニル)-フタルアミド酸であり、および化合物Eは、6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミンである。
    (図12)急性呼吸促迫症候群(ARDS)に関連した浮腫を阻害するそれらの能力に関する、本発明の化合物の作用を図示している。 NIH Swissマウスに、オレイン酸(この実施例においては生理食塩水中に製剤)1.5mg/kgおよび/または本発明の化合物を腹腔内注射した。 注射後4時間で、動物を屠殺し、肺を収集し、水分を吸い取りおよび秤量した(湿量)。 その後肺を80℃で24時間乾燥し、秤量した(乾量)。 N=4/群。 6,7-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-2,4-ジアミン硫酸塩(化合物E-0.5mg/kg範囲で、この実施例において50%PEG400:50%水中に製剤)は典型的には、ARDS-関連した浮腫を>50%減少したのに対し、4-[4-アミノ-6-(3,4-ジヒドロキシフェニル)プテリジン-7-イル]ベンゼン-1,2-ジオール(化合物F-0.5mg/kg範囲で、この例において50%PEG400:50%水中に製剤)は典型的にはARDS-誘導した浮腫を>100%減少した。
    (図13および14)図13および14は、in vivoにおける新脈管形成を阻害するそれらの能力に関する、本発明の化合物の作用を図示している。 このグラフは、in vivoにおける新脈管形成をうまく阻害する、本出願に列挙された化合物の代表例を表している。 記載された増殖因子160ngを注入された腫瘍細胞外マトリックスを、Balb/Cマウスに皮下注射した。 記載された本発明の化合物は、5日間記載された濃度で毎日注射した。 5日後、動物を屠殺し、および新脈管形成を、蛍光標識した内皮特異性FITC-レクチンの結合を基に、定量した。 このグラフにおいて、化合物Aは、6,7-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-プテリジン-4-イルアミン硫酸塩である。

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