【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】接触的なリホ−ミング又はハイドロフォ−ミングは、ナフサ又は直鎖状に延びるガソリンのオクタン価を改良するための、よく確率された精製方法である。 リホ−ミングは、シクロヘキサン類の脱水素化及びアルキルシクロペンタン類の脱水素異性化によって芳香族を生じること、パラフィンの脱水素化によってオレフィンを生じること、パラフィン類及びオレフィン類の脱水素環化によって芳香族類を生じること、n−パラフィン類の異性化、アルキルシクロパラフィン類の異性化によってシクロヘキサン類を生じること、置換芳香族の異性化、及びガスそして触媒に堆積するコ−クスを必然的に生じるパラフィン類のハイドロクラッキング、 以上によって造られる分子の変化又は炭化水素反応の全体的な効果として定義することが出来る。 接触的なリホ−ミングにおいて多機能触媒が通常は用いられ、そのような触媒は、多孔質の無機酸化物酸性支持体上に付着させた金属水素添加−脱水素化(水素転移)成分を含有している。 【0002】今日一般的に使用されている全てのリホ− ミング触媒は、アルミナ又はアルミナ−シリカ基体上に支持されたプラチナを含有している。 多くの場合、レニウムがプラチナと組合され、より安定な触媒を形成し、 このことがより低い圧力での運転を可能にしている。 プラチナは水素添加及び脱水素化反応のための触媒位置として役立つと考えられ、そしてハロゲン化されたアルミナは、異性化、環化及びハイドロクラッキング反応の為の酸の位置を提供する。 ハライド特にクロライドは、リホ−ミング触媒に加えられた時は、触媒促進剤であることが知られている。 【0003】酸化ジルコニウムもプラチナリホ−ミング触媒の為の支持体として知られているが、これは商業的な成功を達成していない。 【0004】 【課題を解決する手段】我々は非常に有効な酸化ジルコニウム基盤のリホ−ミング触媒を製造する手段を発見した。 この方法は酸化ジルコニウムに少量のタンタルをド−ピングすることを含んでいる。 【0005】本発明は酸化ジルコニウムを基にしたリホ−ミング触媒及びリホ−ミングにおけるその用途である。 酸化ジルコニウム(ZrO 2 )は市販品であり、容易に入手できる。 これはジルコニウム原子及び酸素原子の格子として存在し、そしてこの分野で「ド−ピング」 という用語は格子中のジルコニウムイオンを別の金属のイオンと置き換えることをさしており、本発明の場合はタンタルと置き換えることである。 従って、ド−ピングとは例えば、単に酸化ジルコニウム粒の表面上にタンタル又はタンタルの化合物を置くこととは区別される。 【0006】本発明の酸化ジルコニウム支持体は、0. 1〜20%のタンタル、好ましくは0.5〜10%、より好ましくは1〜5%のタンタルでド−ピングされる。 ド−ピングされたジルコニウムは、これら二つの金属の化合物の適当な量を混合し、続いて乾燥し、焼成することによって容易に造られる。 これは以下の実施例で示されている。 【0007】本発明の触媒は通常はプラチナを含有しているが、他の第VII族又は第VIII族金属、例えば、イリジウム、レニウム、ニッケル、ルテニウム、鉄、マンガンなども含有できる。 これらの多くは単独又は組合せで、リホ−ミング触媒成分として知られている。 第VII 又は第VIII族金属の量は0.05〜20%、通常は0. 1〜10%であろう。 【0008】リホ−ミングの為の触媒の完全な利点を達成する為には、酸性成分、例えばクロライド化されたアルミナが、ド−ピングされた酸化ジルコニウムと、通常は前者の後者に対する比率、0.1:1〜0.9:1で組合せられることができる。 アルミナ上のクロライドの量は、通常は0.01〜2%である。 酸性を酸化ジルコニウムに付与するための他の方法も使用できる。 例えば米国特許4,956,519及び4,918,041に記載された硫酸化手順を参照。 これらの手順は焼成する前に共加水分解されたジルコニウムとタンタルを硫酸化することによる本発明の方法で使用される触媒に適用できる。 【0009】本発明の触媒によるリホ−ミング操作は、 既知の方法で実施できる。 本発明に従うリホ−ミングのための適当な仕込み原料は、任意のガソリン範囲で沸騰する炭化水素性の仕込み原料である。 そのような仕込み原料の例には、軽質炭化水素油であって、約70゜から約500゜Fで沸騰するもの、好ましくは約180゜から約400゜Fで沸騰するものを含む。 そのような仕込み原料の例には、直鎖状ナフサ、合成的に製造されたナフサ、熱的又は接触的にクラッキングされたナフサ、ハイドロクラッキングされたナフサ、又はそれらのブレンド又はフラクションが含まれる。 リホ−ミングは通常50 0〜1500℃で水素の炭化水素に対する比1:1〜1 0:1で実施され、通常は2:1〜5:1である。 10 0〜1000psigの圧力及び1〜3のLHSVが半再生ユニットの為には通常用いられる。 より低い圧力が連続的な再生ユニットに対しては普通である。 【0010】 【実施例】ジルコニウムn−プロポキシド及びタンタルエトキシドの溶液をイソプロパノ−ル中で混合し、Z r:Taの適当な割合とすることによって、ジルコニウムn−プロポキシドとタンタルエポキシドの共加水分解でド−ピングされたジルコニアを製造した。 これらのアルコキシドは購入した。 一緒にした溶液を攪拌しながら水/イソプロパノ−ル溶媒中のわずかに過剰のNH 4 O Hの溶液に滴下した。 冷水ジャケットによって攪拌しながら温度を約30℃に1時間保った。 沈殿を次に瀘過し、110℃で一夜乾燥し、続いて静止床中で空気中で900℃で5時間焼成した。 【0011】触媒を製造するために250mlのビ−カ− に適当な量のクロロ白金酸の溶液を仕込みこれを次に水で希釈した。 この溶液が攪拌されている間に必要な量の支持体を加え、攪拌を約30分間続け、溶液を触媒担体中に浸した。 これに続いて水の殆どが蒸発し、攪拌が困難となるまで穏やかに加熱した。 加熱を弱くし、そして水が殆ど完全に蒸発するまで保った。 生じる固体残渣を約100℃でオ−ブン中で乾燥し、全ての残っている水を除去した。 【0012】金属成分を還元する為に触媒を200℃で1時間窒素流中で加熱した。 最後の痕跡の水が追出された後に、固体を水素粒中で同じ温度で5時間還元した。 還元に続いて触媒を窒素流中で冷却し、次に使用するまで貯蔵した。 【0013】通常は使用触媒は20メッシュ寸法のペレットであった。 しかしアルミナが物理的な混合物として加えられる時には、触媒を最初にアルミナと混合することは乳鉢中の粉末と乳棒を用いて行なった。 物理的に混合された試料を次にペレット化した。 ペレットを次に破壊し、20メッシュの正確な大きさに対して篩にかけた。 リホ−ミングの試験を約500℃の温度で6:1の水素/ヘプタン比で実施した。 圧力は約150psigであった。 結果は以下の表に示される。 表に示される速度は×10 -3であって、かつ1時間当り、触媒g当り(全ての加えられたアルミナを除外する)変換されたヘプタンのモルあたりである。 【0014】表1はさらに酸性成分を加えることをしない0.5%プラチナ又はZrO 2の効果を示している。 タンタルをジルコニウムに添加することはジルコニウム触媒の脱水素環化活性を2倍にし、そして同様に異性化も増加させることが明らかである。 脱水素環化とはベンゼン及びトルエンの形成をさし、異性化とはイソヘプタンの形成をさしている。 【0015】 表 1 Pt/ZrO 2をTa 2 O 5でド−ピングすることによる効果速 度 Ta 2 O 5重量% 0.0 1.0 2.0 温度℃ 495 501 494 脱水素環化 1.07 2.72 2.44 異性化 0.00 0.39 1.83 クラッキング 0.00 0.00 0.00 C 5 〜C 6 0.00 0.00 0.00 トルエン 0.00 0.50 0.64 【0016】表2は市販のPt+Reリホ−ミング触媒であるPR−8と比較した、クロライド化したガンマアルミナと1:1でブレンドした、2%Ta 2 O 5及びド− ピングしていないZrO 2上の0.5%Ptの使用を示している。 脱水素環化プラス異性化について、殆ど分子量の減少、又はクラッキングなしに優れた選択性が観測される。 この事はPR−8と比較してPt/2%Ta 2 O 5 −ZrO 2 +Cl/Al 2 O 3上での液体リホメ−トの収率増加につながっている。 【0017】 表 2 1%クロライド化アルミナの添加の効果 触媒 PR−8 Pt/ZrO 2 / Pt/ZrO 2 / 2% Ta 2 O 5 / 1%クロライド化 1%クロライド化 アルミナ アルミナ 温度゜ 498 500 497 500 速 度脱水素環化 13.24 7.22 9.23 9.16 異性化 38.16 15.91 38.28 27.74 クラッキング 5.49 2.82 2.21 3.97 C 5 〜C 6 9.30 4.92 5.42 5.13 トルエン 5.10 1.77 4.31 5.27 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 5識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 61/00 8827−4H C10G 35/06 6958−4H 45/04 Z 2115−4H (72)発明者 アリスティデス マクリス アメリカ合衆国 19603 ペンシルバニア 州 メディア チップムンク レイン 108 (72)発明者 ランガサミ− ピッチャイ アメリカ合衆国 19382 ペンシルバニア 州 ウエスト チェスタ− ファ−ラ− ドライブ 207 (72)発明者 ゼノホン イ−. ベリキオス ギリシャ国 パトラス ユニバ−シティオ ブパトラス デパ−トメントオブケミカル エンジニアリング |