連続向流スパイラルクロマトグラフィー

申请号 JP2019553382 申请日 2018-03-28 公开(公告)号 JP2020520787A 公开(公告)日 2020-07-16
申请人 クロマタン インコーポレイテッド; 发明人 シンカジ,オレグ; フェドレンコ,ドミトリー;
摘要 連続向流スパイラルクロマトグラフィーのためのシステム、モジュールおよび方法が、開示される。該モジュールは、投入溶液を受け取るための第一の投入口と、該投入溶液とリサイクルされた溶液とを混合して第一の混合された産出物を生成するための第一のミキサーと、該第一の混合された産出物を濃縮してステージI固体画分を生成するためのステージI分離装置と、該ステージI分離装置からの該ステージI固体画分と任意選択による緩衝溶液とを混合して第二の混合された産出物を生成するための第二のミキサーと、該第二の混合された産出物を濃縮してステージII固体画分を生成して、それを該モジュールから出すためのステージII分離装置と、を含む。少なくとも1つの分離装置は、スパイラル分離装置である。該システムは、複数のモジュールを含み、該複数のモジュールの少なくとも1つは、スパイラル分離装置を含む。該方法は、未精製の溶液を該複数のモジュールで精製することを含む。 【選択図】図4
权利要求

投入溶液を受け取るための第一の投入口と、 前記投入溶液と第二の投入口からのリサイクルされた溶液とを混合して第一の混合された産出物を生成するための第一のミキサーと、 前記第一の混合された産出物を濃縮してステージI固体画分を生成するためのステージI分離装置であって、ステージI液体画分が第一の産出口を介して前記ステージI分離装置を出る、ステージI分離装置と、 前記ステージI分離装置からの前記ステージI固体画分と第三の投入口からの任意選択による緩衝溶液とを混合して第二の混合された産出物を生成するための第二のミキサーと、 前記第二の混合された産出物を濃縮してステージII固体画分を生成するためのステージII分離装置であって、前記ステージII固体画分が第二の産出口を介して前記ステージII分離装置から前記モジュールを出て、ステージII液体画分が第三の産出口を介して前記ステージII分離装置から前記モジュールを出る、ステージII分離装置と、 少なくとも1つのポンプと、 を含む、連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュールであって、 前記第三の産出口からの前記リサイクルされた溶液が、前記投入溶液に対して向流に前記第二の投入口の中に流れ、 前記ステージI分離装置および前記ステージII分離装置の少なくとも一方が、スパイラル分離装置であり、前記スパイラル分離装置が、 少なくとも1つの入口と、 少なくとも1つのDean渦を発生するように配列および配置された曲線流路と、 少なくとも1つの液体画分出口と、 少なくとも1つの固体画分出口と、 を含む、連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール。前記ステージI分離装置および前記ステージII分離装置が両者とも、スパイラル分離装置である、請求項1に記載のモジュール。前記ステージI分離装置および前記ステージII分離装置の少なくとも一方が、タンジェンシャルフローフィルターである、請求項1に記載のモジュール。前記投入溶液が、樹脂および未精製の生成物溶液を含む、請求項1に記載のモジュール。前記ステージI液体画分が、廃液である、請求項1に記載のモジュール。前記ステージI液体画分が、生成物である、請求項1に記載のモジュール。前記第二のミキサーが、清浄な緩衝溶液を受け取る、請求項1に記載のモジュール。前記第二のミキサーが、清浄な緩衝溶液を受け取らない、請求項1に記載のモジュール。前記第一のミキサーおよび前記第二のミキサーが、スタティックミキサーである、請求項1に記載のモジュール。前記第一の投入口からの前記投入溶液が、シングルパスで前記ステージI分離装置および前記ステージII分離装置を流れる、請求項1に記載のモジュール。前記第一の産出口を出た前記ステージI液体画分から残留する固体材料を除去して、分離されたステージI液体画分と、リサイクルされたステージI固体画分と、を生成するための再捕捉分離装置をさらに含み、前記分離されたステージI液体画分が第四の産出口から前記モジュールを出て、前記リサイクルされたステージI固体画分が第五の産出口を通して前記再捕捉分離装置を出て、第四の投入口を通して前記第一のミキサーに供給されて前記投入溶液および前記リサイクルされた溶液と混合されて、前記第一の混合された産出物に入る、請求項1に記載のモジュール。前記再捕捉分離装置が、スパイラル分離装置である、請求項11に記載のモジュール。前記再捕捉分離装置が、タンジェンシャルフローフィルターである、請求項11に記載のモジュール。前記固体材料が、樹脂を含む、請求項11に記載のモジュール。少なくとも約10重量%の固体粒子負荷分離能をさらに含む、請求項11に記載のモジュール。未精製の生成物溶液からの生成物を樹脂スラリーと結合させるための結合ステップモジュールと、 前記樹脂スラリーからの不純物を洗浄するための洗浄ステップモジュールと、 前記樹脂スラリーを再生するための再生ステップモジュールと、 を含む、複数のモジュールを有する連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステムであって、 前記複数のモジュールの少なくとも1つが、前記複数のモジュールの前記少なくとも1つの中で樹脂スラリーの流れに対して向流方向の固体画分の流れを有する複数のステージを含み、 前記複数のモジュールの少なくとも1つが、スパイラル分離装置を含み、 前記スパイラル分離装置が、 少なくとも1つの入口と、 少なくとも1つのDean渦を発生するように配列および配置された曲線流路と、 少なくとも1つの液体画分出口と、 少なくとも1つの固体画分出口と、 を含む、連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム。精製された生成物溶液としての前記洗浄ステージモジュールの産出物を溶出するための溶出ステップモジュールと、適当な緩衝液を用いて前記システムを平衡にするための平衡ステップモジュールと、の少なくとも1つをさらに含む、請求項16に記載のシステム。前記複数のモジュールの少なくとも1つが、前記システムの動作の間に生成された液体画分から残留する樹脂を除去するための再捕捉分離装置を含み、前記システムが、前記再捕捉分離装置を欠く比較のシステムに比べて動作の間に樹脂の損失を低減する、請求項16に記載のシステム。複数のモジュールを含む連続向流スパイラルクロマトグラフィーにより未精製の溶液を精製するための方法であって、 前記未精製の溶液を受け取ること、 樹脂スラリーを含有するための樹脂スラリータンクから前記樹脂スラリーを受け取り、前記樹脂スラリータンクからの前記樹脂スラリーの放出後に前記スラリータンクが単離されること、 前記未精製の生成物溶液中の生成物を前記樹脂スラリータンクからの前記樹脂スラリーに結合させるための結合ステップ、 前記樹脂スラリーからの不純物を洗浄するための洗浄ステップ、 場合により、前記洗浄ステップ後に前記樹脂スラリーからの生成物を溶出するための溶出ステップ、 精製された生成物溶液を捕捉すること、 前記樹脂スラリーを浄化するための再生ステップ、および 前記ステップのための緩衝溶液を提供すること、 を含み、 前記複数のモジュールの少なくとも1つが、前記複数のモジュールの前記少なくとも1つの中で樹脂スラリーの流れに対して向流方向の固体画分の流れを有する複数のステージを含み、 前記複数のモジュールの少なくとも1つが、スパイラル分離装置を含み、 前記スパイラル分離装置が、 少なくとも1つの入口と、 少なくとも1つのDean渦を発生するように配列および配置された曲線流路と、 少なくとも1つの液体画分出口と、 少なくとも1つの固体画分出口と、 を含む、方法。前記未精製の溶液を精製することが、 商品の化学薬品、糖、アミノ酸、ナノ粒子、医薬品、抗生物質、スタチン、タンパク質、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、融合タンパク質、抗体薬物コンジュゲート、酵素、ウイルス様粒子、ワクチン、遺伝子療法薬またはそれらの組み合わせを精製すること、 塩を脱塩すること、 クロマトグラフィーでの:捕捉、フロースルー、プロテインA樹脂による抗体捕捉、イオン交換、疎水性相互作用、金属親和性、混合モード、ハイドロキシアパタイト分離、親和性リガンド分離、アプタマーに基づく分離、逆相分離、もしくはそれらの組み合わせを実施すること、または それらの組み合わせ、 を含む、請求項19に記載の方法。

说明书全文

関連出願の参照 本出願は、2017年3月28日に出願された表題「Continuous Countercurrent Spiral Chromatography」の米国特許仮出願第62/477,917号の優先権を主張するものであり、該仮出願の全体が、参照により本明細書に組み入れられる。

発明の分野 本発明は、一般に、クロマトグラフィーおよび吸着分離に関する。より詳細には本発明は、所望の生成物の分離を容易にしてクロマトグラフィー工程全体の効率を増大する、連続向流およびスパイラル分離装置を用いた連続向流スパイラルクロマトグラフィーの方法、システムおよび装置に関する。

発明の背景 モノクローナル抗体および他のタンパク質が主役を演じる新しい薬物の生成は、年間におよそ15〜20%の著しい持続的成長を遂げている。この成長は、薬物パイプラインの拡大に加え、より効率的な細胞株およびバイオリアクターでの生育最適化によるものである。バイオプロダクションにかかる年間コストは、現在、推定で26億ドルである。薬物製造業者が行うべき最も大きな投資の1つが、クロマトグラフィー工程である(年間におよそ30%または8億5千万ドル)。

タンパク質薬の生成における主要なコストの1つが、下流のバイオプロセシングであり、それは全製造コストの80%もの多くを占める可能性がある。現在、タンパク質精製に用いられる最も有な方法が、カラムクロマトグラフィーである。プロテインAアフィニティークロマトグラフィーは、非常に高い選択性およびロバスト性の高い動作により、ほとんど全てのモノクローナル抗体の精製に用いられている。しかし、カラムクロマトグラフィーに用いられるプロテインA樹脂は、非常に高額であり、モノクローナル抗体の初期捕捉用に設計された単一プロテインAカラムは、樹脂のみでおよそ1500万ドルを費やす。カラムクロマトグラフィーに関連する別の主要な問題は、それが高圧動作である、ということである。過去5年間の細胞培養技術における大きな発展により、生成物の抗体価が10倍増加し、それがより高い可撓性、より低いコストおよび連続的なオンデマンド製造を提供する単回使用のディスポーザブル工程へのバイオマニュファクチャリングの戦略的転換に導いた。単回使用機器は、新しい薬物の製品化までの時間を有意に削減し得る。

それぞれ、表題“Continuous Countercurrent Tangential Chromatography”および“Countercurrent Tangential Chromatography Methods, Systems and Apparatus”のOleg Shinkazhへの米国特許第7,947,175号および同第7,988,859号には、先行技術の難題の幾つかに取り組む連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーという新しい技術のための方法、システムおよび装置が開示されている。表題“High Efficiency Continuous Countercurrent Tangential Chromatography”のOleg Shinkazhへの米国特許出願第15/305,850号(米国特許出願公開第2017/0045483A1号として公開)には、連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーという新しい技術をさらに発展させた方法、システムおよび装置が開示されている。米国特許第7,947,175号および同第7,988,859号、ならびに米国特許出願公開第2017/0045483A1号は、全てを言い換えたのと同様に、全体として本明細書に組み入れられる。

樹脂粒子が固定床カラムに充填された従来のカラムクロマトグラフィーと対照的に、該連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーの工程は、図1および2で示されるような一連のスタティックミキサーおよびタンジェンシャルフロー濾過膜モジュールを流れるスラリーの形態の樹脂を使用する。連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーは、ディスポーザブルの流路での低圧動作(20psi未満)であり、したがってプロテインAクロマトグラフィーに関連する少なからぬ欠陥の一部を排除することができる。結合/溶出モードで運転する連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィー(CCTC)システムは、結合、洗浄、溶出、再生および平衡、という複数のステップの組み合わせである。しかし幾つかの実施形態は、より少ない、または追加のステップを有する場合がある。例として、CCTCフロースルー工程のモードは、溶出ステップを含まず、生成物は結合および洗浄ステップで回収される。樹脂は、各スタティックミキサーの前に設置された保持液ポンプ(retentate pump)を介して各ステージに導入される。各ステップを通して樹脂への向流的手法で緩衝液の流れを案内するポンプおよび準チェックバルブの両方として働く保持液ポンプの流れを利用することにより、力学が安定化される。各ステップは、閉鎖システムとして作用しているため、ステップへ送出される緩衝液は、透過液流れで生じた流速と等しくなるであろう。

CCTCシステムにおける樹脂と流体相の分離は、中空繊維膜により実施される。しかし、CCTCシステム内での膜の詰まりは、長期間の性能を阻害し得る。膜の詰まりの影響が、図3に示されている。経時的に圧力が徐々に上昇し、システムの性能が、典型的には24時間未満の長さであるフェドバッチ工程に限定される。

スパイラル流路の流れを利用した粒子分離および濃縮システムが、Leanらによる表題“Particle Separation and Concentration System”の米国特許第9,433,880号に記載されている。この特許には、スパイラル流路内の流れに生成される懸濁粒子のサイズおよび質量分離に基づく発明が、記載されている。スパイラル流路において、流体せん断機からの内側に向かう横方向圧が、外側に向かう遠心力と競合し、2つの対抗する力の規模が、流動速度、粒子サイズ、スパイラル区分の曲率半径、流路の寸法、および流体の粘度に依存し、粒子の分離が導かれる。

粒子集束および混合のための非長方形断面を有する湾曲した微小流路を有する微小流体デバイスが、Hanらによる表題“Micro−Fluidic Device and Uses Thereof”の米国特許第9,789,485号に記載されている。この特許では、それに記載された微小流体デバイスが、1種または複数の粒子をサイズにより粒子の混合物から分離し得ることが特許請求されている。このスパイラル微小流体分離デバイスは、台形断面を有し、Dean渦および慣性揚力を微小流路内に集束して、分離を提供する。特異的流動条件では、小さな成分ほど、外壁に向かって歪むDean渦に取り込まれ、大きな成分ほど、流路の内壁に留まる。米国特許第9,789,48号は、全てを言い換えたのと同様に、全体として本明細書に組み入れられる。

発明の簡単な記載 模範的実施形態において、連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュールは、第一の投入口と、第一のミキサーと、ステージI分離装置と、第二のミキサーと、ステージII分離装置と、少なくとも1つの液体画分ポンプと、を含む。第一の投入口は、投入溶液を受け取るためのものである。第一のミキサーは、投入溶液と第二の投入口からのリサイクルされた溶液とを混合して、第一の混合された産出物を生成するためのものである。ステージI分離装置は、第一の混合された産出物を濃縮して、ステージI固体画分を生成し、第一の産出口を介してステージI液体画分をステージI分離装置から出すためのものである。第二のミキサーは、ステージI分離装置からのステージI固体画分と、第三の投入口からの任意選択による緩衝溶液と、を混合して、第二の混合された産出物を生成するためのものである。ステージII分離装置は、第二の混合された産出物を濃縮してステージII固体画分を生成し、ステージII固体画分が第二の産出口を介してステージII分離装置からモジュールを出て、ステージII液体画分が第三の産出口を介してステージII分離装置からモジュールを出るためのものである。第三の産出口からのリサイクルされた溶液は、投入溶液に対して向流に第二の投入口の中に流れる。ステージI分離装置およびステージII分離装置の少なくとも一方は、少なくとも1つの入口と、少なくとも1つのDean渦を発生するように配列および配置された曲線流路と、少なくとも1つの液体画分出口と、少なくとも1つの固体画分出口と、を含むスパイラル分離装置である。

別の模範的実施形態において、複数のモジュールを有する連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステムは、未精製の生成溶液からの生成物を樹脂スラリーと結合させるための結合ステップモジュールと、樹脂スラリーからの不純物を洗浄するための洗浄ステップモジュールと、樹脂スラリーを再生するための再生ステップモジュールと、を含む。複数のモジュールのうちの少なくとも1つは、モジュールの少なくとも1つの中に樹脂スラリーの流れに対して向流方向の固体画分の流れを有する複数のステージを含む。該複数のモジュールの少なくとも1つは、少なくとも1つの入口と、少なくとも1つのDean渦を発生させるように配列および配置された曲線流路と、少なくとも1つの液体画分出口と、少なくとも1つの固体画分出口と、を有するスパイラル分離装置を含む。

別の模範的実施形態において、複数のモジュールを有する連続向流スパイラルクロマトグラフィーにより未精製の溶液を精製するための方法は、該未精製の溶液を受け取ること、該樹脂スラリーを含有するための樹脂スラリータンクから樹脂スラリーを受け取り、該樹脂スラリータンクからの樹脂スラリーの放出後に該樹脂スラリータンクが単離されること、該未精製の生成物溶液中の生成物を該樹脂スラリータンクからの樹脂スラリーに結合させるための結合ステップ、該樹脂スラリーからの不純物を洗浄するための洗浄ステップ、場合により該洗浄ステップの後に樹脂スラリーからの生成物を溶出するための溶出ステップ、精製された生成物溶液を捕捉すること、樹脂スラリーを浄化するための再生ステップ、および該ステップのために緩衝溶液を提供すること、を含む。複数のモジュールのうちの少なくとも1つは、複数のモジュールの少なくとも1つの中の樹脂スラリーの流れに対して向流方向の固形画分の流れを有する複数のステージを含む。複数のモジュールのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの入口と、少なくとも1つのDean渦を発生するように配列および配置された曲線流路と、少なくとも1つの液体画分出口と、少なくとも1つの固体画分出口と、を有するスパイラル分離装置を含む。

本発明の他の特色および利点は、以下の好ましい実施形態のより詳細な記載を、例えば発明の原理を示した、添付の図面と合わせることにより明白となろう。

連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーモジュールの略図である。

連続モードでの連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーシステムの略図である。

本開示の実施形態によるスパイラル分離装置の略図である。

本開示の実施形態による連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュールの略図である。

本開示の実施形態による、再捕捉分離を有する連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュールの略図である。

本開示の実施形態による、結合溶出モードの連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステムの略図である。

本開示の実施形態による、再捕捉分離を有する結合溶出モードの連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステムの略図である。

本開示の実施形態による、フロースルーモードでの連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステムの略図である。

本開示の実施形態による、再捕捉分離を有するフロースルーモードでの連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステムの略図である。

本開示の実施形態による結合状態の詰まりデータの比較を開示する。

本開示の実施形態による連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステムの溶出ステップの間の圧力プロファイルを開示する。

本開示の実施形態による連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステムの溶出UVプロファイルを開示する。

可能な限り、同じ参照数字が、図面全体で同じ部分を表すように用いられている。

発明の詳細な記載 定義:技術分野の次の用語は、本明細書を通して以下に起因する意味を有する。

「結合」ステップまたはモードは、樹脂および未精製の生成物が可逆的複合体を形成している間の(ポジティブクロマトグラフィーの場合)、または樹脂および不純物が可逆的複合体を形成している間の(ネガティブクロマトグラフィーの場合)、動作を示す。

「洗浄」ステップまたはモードは、生成物が結合された樹脂が洗浄緩衝液で洗浄されて不純物の樹脂を取り除く間の(ポジティブクロマトグラフィーの場合)、または不純物が結合された樹脂が洗浄緩衝液で洗浄されて結合ステップからの持越し生成物を洗い流す間の(ネガティブクロマトグラフィーの場合)、動作を示す。

「溶出」ステップまたはモードは、樹脂と生成物との複合体が逆戻りし、精製された生成物が回収される間の動作を示す。

「再生」ステップまたはモードは、再使用の目的で、または後のサイクルのために、樹脂が浄化される間の動作を示す。

「平衡」ステップまたはモードは、システムが中性緩衝液中で平衡にされる動作を示す。

「固体粒子の負荷分離能力」は、モジュールまたはシステムの工程効率および詰まり速度を有意に低減せずに該モードまたはシステムに導入され得る未精製溶液中の固体粒子含量の最大量である。

「ステージ」は、相互に連結された分離装置およびミキサーを示す。

「シングルパスモジュール」は、シングルパスでの結合、洗浄、溶出、および再生などのクロマトグラフィー動作の1つを実施するモジュールである。

模範的システム、モジュールおよび方法が、提供される。本開示の実施形態は、本明細書に開示された1つまたは複数の特色を用いないシステム、モジュールおよび方法と比較して、リサイクルの原理を利用して、有意に工程効率を上昇させ、動作スケールを上昇させ、樹脂コストを低減する、またはそれらを組み合わせた拡張性および信頼性があり使い捨て可能な技術を提供する。

CCTCシステムの中空繊維膜がスパイラル微小流動性粒子ソーターデバイスにより置き換えられると、予想外の利益が提供される。これらのスパイラルデバイスは、デバイスの流路の湾曲した外壁でDean渦を利用して樹脂を溶解された化学種から分離して、粒子を該デバイスの一方の壁に選択的に引き寄せる。それゆえこれらのデバイスは、樹脂粒子を溶解された化学種から分離するための膜などの物理的バリアを必要としない。CCTCシステムに比較した向流スパイラルクロマトグラフィーシステムの動作にある予想外の顕著な利益は、以下に記載されたものを包含し、その利益は、実施形態に応じて単独で、互いに組み合わせて、または全て一緒に提供され得る。

中空繊維膜をスパイラル微小流動性粒子ソーターデバイスに置き換えると、過去に膜デバイス中で見出された漸次的な詰まりがなくなることにより、スループットが有意に上昇し得る。さらに処理時間が、24時間から最大約30〜90日延長させることができ(スループットの最大90倍の上昇)、加えて、向流クロマトグラフィーシステムを還流バイオリアクターと直接統合される(最大約90日運転し得る)。

中空繊維膜をスパイラル微小流動性粒子ソーターデバイスに置き換えると、詰まりがないことで各向流クロマトグラフィーステージの圧力をもはや個別にモニタリングする必要がないため、ハードウエアおよびシステムのモニタリングが有意に簡素化され得る。これにより、典型的な向流クロマトグラフィー動作のための圧力ゲージの数を約20から約6に減少させることができ(3倍を超える減少)、簡素化されたハードウエアデザイン、より低コストのスキッドおよびフローパスと、システムモニタリングの有意な減少による使い易さの向上が可能になる。

中空繊維膜をスパイラル微小流動性粒子ソーターデバイスに置き換えると、スパイラルデバイスが3Dプリンティング、エッチングおよび射出成形などの様々な安価な製造法で作製され得るため、製造および供給連鎖のロバスト性が改善され得る。スパイラルデバイスの簡素性により、該スパイラスデバイスは、フローパスの製造および向流クロマトグラフィーの動作の両方で必要となる技術的支援を有意な減少させることができる。加えて、そのようなデバイスは、第三者からの膜モジュールの確保、品質テストおよびトラブルシューティングを管理する必要がなく、システム統合会社により直接製造されてもよい。

中空繊維膜をスパイラル微小流動性粒子ソーターデバイスに置き換えると、詰まりの挙動のために膜デバイスに与えられる時間がかかる資格証明がもはや必要でなくなるため、工程の開発要件が減少し、スパイラルデバイスの採用が増加し得る。向流クロマトグラフィー工程全体は、結合能力および速度のための樹脂の小カラムおよびビーカーテストを利用して、標準のベンチトップ実験から拡張可能になり得る。これにより、この工程のより大きな魅力を提供して、市場採用へのハードルを下げることができる。

中空繊維膜をスパイラル微小流動性粒子ソーターデバイスに置き換えると、スループット上昇に起因してコスト/精製された生成物のグラム数が有意に最大約80%減少し、膜モジュールに比較して該デバイスの製造コストが削減され、工程開発のための労力が低減し得る。

中空繊維膜をスパイラル微小流動性粒子ソーターデバイスに置き換えると、他の方法では膜フィルターを急速に詰まらせる場合がある大きな分子および凝集体(プラスミドDNA、ウイルスベクター粒子、ワクチンおよびRNAなど)の向流クロマトグラフィー精製のための能力を提供することができ、中空繊維膜を有するCCTCに比較して、この新技術のプラットフォームのための大きなさらなる市場機会を切り拓くことができる。

中空繊維膜をスパイラル微小流動性粒子ソーターデバイスに置き換えると、中空繊維膜を有するCCTCに比較して、固体粒子負荷分離能力が増大し得る。

米国特許第7,947,175号および同第7,988,859号、ならびに米国特許出願公開第2017/0045483A1号により完全に記載される通りの図1を参照すると、連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーモジュール100が、示されている(破線の内側)。投入溶液101が、第一の投入口102に入り、該投入溶液101は、第一のミキサー105の内部で第二の投入口104からのリサイクルされた溶液103と混合される。第一のミキサー105からの第一の混合された産出物106は、タンジェンシャルフローフィルター108であるステージI分離装置107に入り、そこからステージI液体画分109が、第一の産出口110でステージI分離装置107を出る。ステージI固体画分111は、第二のミキサー112に供給されるが、第三の投入口114からの任意選択による緩衝溶液113と混合されて第二の混合された産出物115を生成してもよい。第二のミキサー112からの第二の混合された産出物115は、タンジェンシャルフローフィルター108であるステージII分離装置116に供給される。ステージII固体画分117は、第二の産出口118を介してステージII分離装置116から連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーモジュール100を出て、ステージII液体画分119は、第三の産出口120を介してステージII分離装置116から連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーモジュール100を出る。ステージII液体画分119は、リサイクルされた溶液103であってもよい。連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーモジュール100は、少なくとも1つのポンプ122を含む。

米国特許第7,947,175号および同第7,988,859号、ならびに米国特許出願公開第2017/0045483A1号により完全に記載される通りの図2を参照すると、連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーシステム200が、連続モードで動作する。洗浄ステップモジュール220および溶出ステップモジュール230が第三のミキサー201およびステージIII分離装置202をさらに含むことを除き、結合ステップモジュール210、洗浄ステップモジュール220、溶出ステップモジュール230、再生ステップモジュール240、および平衡ステップモジュール250は、図1に示された連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーモジュール100の動作と類似の手法で動作する。結合ステップモジュール210は、第一の投入口102の樹脂スラリータンク203と、第三の投入口114の結合緩衝液タンク204と、に連結されている。洗浄ステップモジュール220は、結合ステップモジュール210および洗浄緩衝液タンク205に連結されている。溶出ステップモジュール230は、洗浄ステップモジュール220および溶出緩衝液タンク206に連結されている。再生ステップモジュール240は、溶出ステップモジュール230およびストリップ緩衝液タンク207に連結されている。平衡ステップモジュール250は、再生ステップモジュール240および平衡緩衝液タンク208に連結されている。

米国特許第9,789,485号により完全に記載される通りの図3を参照すると、スパイラル分離装置300は、少なくとも1つの入口301と、少なくとも1つのDean渦を発生するように配列および配置された曲線流路302と、少なくとも1つの液体画分出口303と、少なくとも1つの固体画分出口304と、を含む。該曲線流路302は、長方形断面、非長方形断面、台形断面、正方形断面、楕円形断面、円形断面、不規則な断面、丸長方形断面、角丸正方形断面、角丸台形断面、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。

図4を参照すると、一実施形態において、図1の連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーモジュール100内の少なくとも1つのタンジェンシャルフローフィルター108が、スパイラル分離装置300により置き換えられて、連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400を形成している。連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400は、投入溶液101を受け取るための第一の投入口102と、投入溶液101と第二の投入口104からのリサイクルされた溶液103とを混合して第一の混合された産出物106を生成するための第一のミキサー105と、第一の混合された産出物106を濃縮してステージI固体画分111を生成するためのステージI分離装置107であって、ステージI液体画分109が第一の産出口110を介してステージI分離装置107を出る、ステージI分離装置107と、ステージI分離装置107からのステージI固体画分111と第三の投入口114からの任意選択による緩衝溶液113とを混合して第二の混合された産出物115を生成するための第二のミキサー112と、第二の混合された産出物115を濃縮してステージII固体画分117を生成するためのステージII分離装置116であって、ステージII固体画分117が第二の産出口118を介してステージII分離装置116からモジュールを出て、ステージII液体画分119が第三の産出口120を介してステージII分離装置116から連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400を出る、ステージII分離装置116と、少なくとも1つのポンプ122と、を含む。第三の産出口120からのリサイクルされた溶液103は、投入溶液101と向流に、第二の投入口104に流れる。ステージI分離装置107およびステージII分離装置116の少なくとも一方は、スパイラル分離装置300である。ステージI液体画分109は、廃液であってもよく、または生成物であってもよい。

一実施形態において、ステージI分離装置107およびステージII分離装置116は両者とも、スパイラル分離装置300である。別の実施形態(図示しない)において、ステージI分離装置107およびステージII分離装置116の一方が、スパイラル分離装置300であり、一方が、タンジェンシャルフローフィルター108である。連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400がステージIII分離装置202を含むさらに別の実施形態(図示しない)において、ステージI分離装置107、ステージII分離装置116およびステージIII分離装置202のうちの1つが、スパイラル分離装置300であり、2つが、タンジェンシャルフローフィルター108であるか、ステージI分離装置107、ステージII分離装置116およびステージIII分離装置202のうちの2つが、スパイラル分離装置300であり、1つが、タンジェンシャルフローフィルター108であるか、またはステージI分離装置107、ステージII分離装置116およびステージIII分離装置202のうちのそれぞれが、スパイラル分離装置300である。

一実施形態において、投入溶液101は、樹脂および未精製の生成物溶液を含む。該未精製の生成物溶液は、非限定的に、商品の化学薬品、糖、アミノ酸、ナノ粒子、医薬品、抗生物質、スタチン、タンパク質、モノクローナル抗体、融合タンパク質、抗体薬物コンジュゲート、酵素、ウイルス様粒子、ワクチン、DNA、RNAまたはそれらの組み合わせをはじめとする任意の適切な産物を含んでいてもよい。

第一のミキサー105は、スタティックミキサーまたはノンスタティックミキサーであってもよい。第二のミキサー112は、スタティックミキサーまたはノンスタティックミキサーであってもよい。連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400が第三のミキサー201を含む一実施形態(図示しない)において、該第三のミキサー201は、スタティックミキサーまたはノンスタティックミキサーであってもよい。連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400は、スタティックミキサーとノンスタティックミキサーの任意の適切な組み合わせを含んでいてもよい。第二のミキサー112は、清浄な緩衝溶液を受け取ってもよく、または清浄な緩衝溶液を受け取らなくてもよい。

一実施形態において、該連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400は、第一の投入口102からの投入溶液101がシングルパスでステージI分離装置107およびステージII分離装置116を流れる、シングルパスモジュールである。

一実施形態において、該連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400は、比較の連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーモジュール100よりも高い、樹脂から緩衝液までの流速により動作可能であり、比較の連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーモジュール100よりも少ない緩衝液容量を使用する。該連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400は、比較の連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーモジュール100よりも高い生成物濃度で動作可能であり得る。

一実施形態において、該連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400は、少なくとも約10重量%、あるいは少なくとも約12重量%、あるいは少なくとも約14重量%、あるいは少なくとも約16重量%、あるいは少なくとも約18重量%、あるいは少なくとも約20重量%、あるいは少なくとも約22重量%、あるいは少なくとも約24重量%、あるいは少なくとも約26重量%、あるいは少なくとも約28重量%、あるいは少なくとも約30重量%の固体粒子負荷分離能力を含む。

図5を参照すると、一実施形態において、連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400は、第一の産出口110を出たステージI液体画分109から残留する固体材料を除去して、分離されたステージI液体画分501と、リサイクルされたステージI固体画分503と、を生成するための再捕捉分離装置500をさらに含み、該分離されたステージI液体画分501は、第四の産出口502から連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400を出て、該リサイクルされたステージI固体画分503は、第五の産出口504を通して再捕捉分離装置500を出て、第四の投入口505を通して第一のミキサー105に供給されて投入溶液101およびリサイクルされた溶液103と混合されて、第一の混合された産出物106に入る。再捕捉分離装置500は、スパイラル分離装置300(図示する)またはタンジェンシャルフローフィルター108(図示しない)であってもよい。該固体材料は、樹脂を含んでいてもよい。一実施形態において、該固体材料は、ステージI分離装置107によりステージI固体画分111中に分離されていない樹脂を含む。

図6〜9を参照すると、一実施形態において、図2の連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーシステム200における少なくとも1つのタンジェンシャルフローフィルター108が、スパイラル分離装置300と置き換えられて、連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600を形成している。連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600は、複数のモジュールを有し、未精製の生成物溶液からの生成物を樹脂スラリーと結合させるための結合ステップモジュール210と、樹脂スラリーからの不純物を洗浄するための洗浄ステップモジュール220と、樹脂スラリーを再生するための再生ステップモジュール240と、を含む。該複数のモジュールの少なくとも1つは、該複数のモジュールの少なくとも1つの中に樹脂スラリーと向流方向の固体画分の流れを有する複数のステージを含み、該複数のモジュールの少なくとも1つは、スパイラル分離装置300を含む。該複数のモジュールは、該複数のモジュールのそれぞれのために、連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーモジュール100と、連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400と、任意の適切な組み合わせを含んでいてもよい。該複数のモジュールは、精製された生成物溶液としての洗浄ステップモジュール220の産出物を溶出するための溶出ステップモジュール230、適当な緩衝液を用いて連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600を平衡にするための平衡ステップモジュール250、またはその両方をさらに含んでいてもよい。該適当な緩衝液としては、中性緩衝液を挙げることができるが、これに限定されない。

一実施形態において、該連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600は、少なくとも約10重量%、あるいは少なくとも約12重量%、あるいは少なくとも約14重量%、あるいは少なくとも約16重量%、あるいは少なくとも約18重量%、あるいは少なくとも約20重量%、あるいは少なくとも約22重量%、あるいは少なくとも約24重量%、あるいは少なくとも約26重量%、あるいは少なくとも約28重量%、あるいは少なくとも約30重量%の固体粒子負荷分離能力を含む。

図6および7を参照すると、一実施形態において、該連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600は、結合ステップモジュール210と、洗浄ステップモジュール220と、溶出ステップモジュール230と、再生ステップモジュール240と、平衡ステップモジュール250と、を含み、結合溶出モードで動作する。図8および9を参照すると、別の実施形態において、該連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600は、結合ステップモジュール210と、洗浄ステップモジュール220と、再生ステップモジュール240と、平衡ステップモジュール250と、を含むが、溶出ステップモジュール230は含まず、フロースルーモードで動作する。

図6および8を参照すると、一実施形態において、該連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600は、再捕捉分離装置500を有する連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400を含まない。図7および9を参照すると、別の実施形態において、該連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600は、再捕捉分離装置500を有する少なくとも1つの連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400を含む。該連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600は、零の連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム400から、単一の連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400、各連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400、およびそれらの間の連続向流スパイラルクロマトグラフィーモジュール400の任意の組み合わせの範囲内の、再捕捉分離装置500を有する任意の適切な数のモジュールを含んでいてもよい。連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600における少なくとも1つの再捕捉分離装置500の含有により、連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600の動作の間に生成された液体画分から残留する樹脂を除去し、再捕捉分離装置500を欠く比較のシステムに比べて動作の間に樹脂の損失を低減してもよい。

再度、図6〜9を参照すると、一実施形態において、該連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600は、約30psi未満、あるいは約20psi未満、あるいは約18psi未満、あるいは約15psi未満、あるいは約1psi〜約20psiの間、あるいは約2psi〜約18psiの間の動作圧力を含む。

図10を参照すると、連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600の結合ステップモジュール210の圧力プロファイルが、連続向流タンジェンシャルクロマトグラフィーシステム200の結合ステップモジュール210における圧力プロファイルと比較して示されており、該圧力プロファイルが、連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600において安定していて、連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600内に顕著な詰まりがないが、向流タンジェンシャルクロマトグラフィーシステム200が同条件下で膜の詰まりを生じていることが証明される。

図11を参照すると、連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600の4つの溶出ステップモジュール230を有する溶出ステップの圧力プロファイルが、示されており、連続向流スパイラルクロマトグラフィーシステム600の溶出部分の圧力プロファイルが、動作条件下で安定していて顕著な詰まりがないことが実証される。

図12を参照すると、溶出ステップモジュール230からの生成物として得られたタンパク質試料のUV A280プロファイルが、溶出ステップモジュール230の安定した動作を実証している。

一実施形態において、複数のモジュールを有する連続向流スパイラルクロマトグラフィーにより未精製の溶液を精製するための方法は、未精製の溶液を受け取ること、樹脂スラリーを含有するための樹脂スラリータンク203から樹脂スラリーを受け取り、樹脂スラリータンク203からの樹脂スラリーの放出後に該スラリータンク203が単離されること、未精製の生成物溶液中の生成物または不純物のいずれかを樹脂スラリータンク203からの樹脂スラリーに結合させるための結合ステップ、樹脂スラリーからの不純物を洗浄するため、または未結合の生成物を回収するための洗浄ステップ、場合により洗浄ステップ後に樹脂スラリーからの生成物を溶出するための溶出ステップ、精製された生成物溶液を捕捉すること、樹脂スラリーを浄化するための再生ステップ、および該ステップのための緩衝溶液を提供すること、を含む。

未精製の溶液の精製は、任意の適切な組成物を精製すること、塩水を脱塩すること、任意の適切なクロマトグラフィー工程を実施すること、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。適切な組成物としては、商品の化学薬品、糖、アミノ酸、ナノ粒子、医薬品、抗生物質、スタチン、タンパク質、モノクローナル抗体、二重特異性抗体、融合タンパク質、抗体薬物コンジュゲート、酵素、ウイルス様粒子、ワクチン、遺伝子療法薬またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。適切なクロマトグラフィー工程としては、クロマトグラフィーでの捕捉、クロマトグラフィーでのフロースルー、クロマトグラフィーでのプロテインA樹脂による抗体捕捉、クロマトグラフィーでのイオン交換、クロマトグラフィーでの疎水性相互作用、クロマトグラフィーでの金属親和性、クロマトグラフィーでの混合モード、クロマトグラフィーのハイドロキシアパタイト分離、クロマトグラフィーでの親和性リガンド分離、クロマトグラフィーでのアプタマーに基づく分離、クロマトグラフィーでの逆相分離、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。

したがって、本明細書に開示された方法を、特別な順序で実施された特別な動作を参照にして記載および図示したが、本発明の教示を逸脱することなく、これらの動作を組み合わせて、細分して、または並べ替えて、均等な方法を形成し得ることは、理解されよう。したがって、本明細書に具体的に示されない限り、該動作の順序および群分けは、本発明の限定ではない。

最後に、本発明を、特別な実施形態を参照して詳細に図示および記載したが、添付の特許請求の範囲に定義される通り、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく形態および細部における様々な他の変更が施され得ることは、当業者に理解されよう。

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