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消化器の健康、体重管理、免疫の強化および健康の改善のためのマルチ繊維プレバイオティクス組成物

阅读:576发布:2020-05-08

专利汇可以提供消化器の健康、体重管理、免疫の強化および健康の改善のためのマルチ繊維プレバイオティクス組成物专利检索,专利查询,专利分析的服务。并且消化器の健康、体重およびグルコースバランスの改善または維持、ならびに免疫の強化に使用のための、Bacillus coagulans構成成分とともに、キシロオリゴ糖、アラビノガラクタン、イヌリン、Ganoderma lucidumベータグルカン、不溶性 酵母 β(1,3/1,6)−グルカン、可溶性オートムギβ(1,3/1,4)−グルカン、および不溶性乾燥Saccharomyces cerevisiae発酵物から構成される組成物が提供される。,下面是消化器の健康、体重管理、免疫の強化および健康の改善のためのマルチ繊維プレバイオティクス組成物专利的具体信息内容。

キシロオリゴ糖、アラビノガラクタン、イヌリン、Ganoderma lucidumベータグルカン、不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカン、オートムギβ(1,3/1,4)−グルカン、不溶性乾燥Saccharomyces cerevisiae発酵物、およびBacillus coagulansを含む、組成物。酵母が、Saccharomyces cerevisiaeを含む、請求項1に記載の組成物。少なくとも1つの賦形剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。組成物が、食品、食事サプリメント、食料品の医療用食品、医薬製品、または栄養製品を含む、請求項1に記載の組成物。キシロオリゴ糖、アラビノガラクタン、イヌリン、Ganoderma lucidumベータグルカン、不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカン、オートムギβ(1,3/1,4)−グルカン、不溶性乾燥Saccharomyces cerevisiae発酵物、およびBacillus coagulansから本質的になる、組成物。対象の消化器の健康、免疫、体重およびグルコースバランスが改善または維持されるように、キシロオリゴ糖、アラビノガラクタン、イヌリン、Ganoderma lucidumベータグルカン、不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカン、オートムギβ(1,3/1,4)−グルカン、不溶性乾燥Saccharomyces cerevisiae発酵物、およびBacillus coagulansを含む組成物の有効量を、処置の必要な対象に投与することを含む、消化器の健康、免疫、体重およびグルコースバランスを改善または維持するための方法。

说明书全文

背景 ストレス、食事、ライフスタイルの選択、ならびに抗生物質および他の薬物の常用は、身体が、健康的な消化を維持し、疾病および疾患を撃退し、身体が必要とするすべての栄養を確実に摂取するのに必要なマイクロフローラの変更に貢献する。

プレバイオティクスは、「宿主の幸福と健康に利益をもたらす、胃腸内フローラの組成および/または活性の両方において特定の変化を可能にする選択的に発酵された成分」と定義されている(Roberfroid (2007) J. Nutr. 137(3 Suppl. 2):830S-7S; Gibson & Roberfroid (1995) J. Nutr. 125:1401-12)。プレバイオティクスは、様々な食品、特に特定の果物、野菜、穀物を含む高繊維食品において自然に発生する。プレバイオティクスは、時折、発酵性繊維としても知られている。それらは主にオリゴ糖、糖分子および可溶性繊維から構成されている。

すべての食事性炭化物がプレバイオティクスではない。プレバイオティクスとして分類するための基準は、胃の酸性度、哺乳動物の酵素による加水分解、および胃腸吸収に対する耐性;腸内マイクロフローラによる発酵;および健康と幸福に寄与するそれらの腸内細菌の増殖および/または活性の選択的刺激が含まれる(Gibson & Roberfroid (1995)同上)。

食物繊維の健康上の利点は、今では十分に確立されている。繊維は腸の健康に役割を果たす。摂取量の増加は、体重の低下、炎症の軽減、および血中コレステロールレベルの低下などの健康上の利点に関連している。食物繊維が腸内マイクロバイオータによって代謝されると、マクロファージと樹状細胞(DC)の炎症経路を減衰させ、制御性T(Treg)細胞の発達を促進し、腸の完全性と健康を維持することができる短鎖脂肪酸(SCFA)が生成される。生成されたSCFAは、糞便および結腸のpHを低下させ、結腸細胞にエネルギーを提供し、腸内マイクロバイオータを調節する。

プレバイオティクス食物繊維の有益な効果に加えて、プロバイオティクスは胃腸の健康を促進することも示されている(Pandey, et al. (2016) J. Food. Sci. Technol. 52:7577-7587; Li, et al. (2016) Biotechnol. Adv. 34:1210-1224)。その結果として、最近の研究では、全体的な健康に関してプレバイオティクスとプロバイオティクスとの連携した役割が検討されている。SCFAの産生および増加した繊維摂取の潜在的な直接的な利点に加えて、腸内マイクロバイオームの組成は、プレバイオティクスによって調節されることが示されている(Pandey, et al. (2016) J. Food. Sci. Technol. 52:7577-7587; Li, et al. (2016) Biotechnol. Adv. 34:1210-1224)。結腸に常在する2つの主要な細菌群であるラクトバチルス属とビフィドバクテリウム属は、プロバイオティクスであると考えられており、ヒトの健康に有益であることが知られている。しかしながら、最近の研究は、自閉症や様々な気分障害などの神経疾患と、腸内マイクロバイオームとの関連を含む、腸と消化器の健康を超えたそれらの役割を示唆している(Li, et al. (2016) Biotechnol. Adv. 34:1210-1224)。第2に、我々は高齢になるにつれ、ビフィドバクテリウム属集団は我々の腸内で減少し、したがって、補充される必要がある。これらの有益な微生物のレベルを十分な数に維持して、全体的な良好な健康を促進することが重要である。

キシロオリゴ糖は、植物のヘミセルロースに由来するキシランの可溶性オリゴマーである。擬似結腸システムを使用した研究において、プレバイオティクスであるキシロオリゴ糖の存在下でビフィドバクテリウム属の増殖が増加した(Makelainen, et al. (2010) Benefic. Microbes 1(1):81-91)。同様に、キシロオリゴ糖のヒト対象への供給は、腸内のビフィドバクテリウム属集団が増加させることが見出されている(Kobayashi, et al. (1991) Nippon Nogeikagaku Kaishi 65:1651-1653)。キシロオリゴ糖が添加された場合、糞便培養においてラクトバチルス属およびビフィドバクテリウム属のコロニーの増加が報告された(Muralikrishna, et al. (2011) Eur. Food Res. Technol. 232:601-61)。これらの研究は、キシロオリゴ糖が腸内マイクロバイオームに有益な効果を有することを示す。

アラビノガラクタンは、ニンジン、コムギ、ラディッシュおよびエンドウマメのような多種多様な植物に存在する天然の可溶性多糖類である。アラビノガラクタンは腸内マイクロバイオームによって発酵可能であり、プレバイオティクス食物繊維であると考えられている(Robinson, et al. (2001) J. Am. Coll. Nutr. 20:279-285; Grieshop, et al. (2002) J. Nutr. 132:478-482)。アラビノガラクタンは免疫調節活性を有することが示されている。ヒト末梢血単核細胞(PMBC)を活性化して、ナチュラルキラー細胞の活性を刺激するガンマインターフェロンを放出し、上気道感染症の発生を減少させることが示された。

イヌリンは、チコリ、ネギ、ゴボウ、キクイモおよびタマネギなどの多数の植物に存在する天然の貯蔵炭水化物である。結腸において、イヌリンは常在する微生物により急速に発酵され、結腸の健康に有益であるSCFAを形成する。イヌリンは、ラクトバチルス属およびビフィドバクテリウム属の増殖を刺激し、病原性細菌の数を減少させるプレバイオティクス活性を有している。糖尿病ラットを用いた研究は、経口投与した場合、イヌリンが血中の脂質とグルコースを減少させることができることを示した(Byung-Sung, et al. (2011) J. Anim. Vet. Adv. 10:2501-2507)。イヌリンはまた、ヒトの研究において抗コレステロール効果も示しており、結腸がんのリスクを減少させることに関連している。イヌリンのようなプレバイオティクスおよびプロバイオティクスを使用した肥満における腸内マイクロバイオータの調節もまた研究されている(Backhed, et al. (2011) Nat. Rev. Endocrinol. 7:639-646)。

オートムギふすまは、よく知られている食物繊維である。オートムギ由来のベータグルカンは、そのコレステロールを低下させる能について試験されている(Othman, et al. (2011) Nutr. Rev. 69:299-309)。オートムギふすまは、糖尿病、心血管疾患および免疫における有益な効果に関連している(Cheickna & Zhang (2012) Compre. Rev. Food Sci. Food Safety 11:355-365)。

ベータグルカンは、免疫を強化するその役割、特に薬用キノコに由来するものにおいて顕著である。ベータグルカンはグルコースポリマーであり、酵母とキノコの細胞壁を構成する。ベータグルカンはマクロファージを活性化して免疫を強化し、それらの免疫刺激特性と潜在的な抗発癌効果についてよく研究されている(Huang & Ning (2010) Int. J. Biol. Macromol. 47:336-341; Thyagarajan, et al. (2006) Int. J. Mol. Med. 18:657-64; Yu, et al. (2007) J. Food Sci. 72:S435-442)。3つの異なるビヒドバクテリウム属種であるB. infantis、B. longumおよびB. adolescentisは、ベータグルカン上で増殖し、SCFAを産生し得ることが報告されている。ヒトの研究において、Agaricusキノコからのベータグルカンは、潰瘍性大腸炎とクローン病の患者において炎症性サイトカインのレベルを低下させた。

パン酵母(Saccharomyces cerevisiae)の全細胞は、免疫を支持する多くの化合物と代謝物を含有する。それはホールフード(whole food)であり、様々なヒト試験は、この酵母が免疫強化特性を有することを示している(Moyad, et al. (2010) J. Alternat. Comple. Med. 16:213-218; Moyad, et al. (2009) Adv. Ther. 26:795-804; Jensen, et al. (2011) J. Medic. Food 14:1002-1010)。ラットの免疫モデルにおいては、酵母の発酵物の投与は、炎症を予防し、軽減した。

Bacillus coagulansは、注目を集めている別のプロバイオティクス生物であり、市販されている製品に一般に見出される。B. coagulansの投与は、Clostrisdium difficile関連疾患の患者に有益な効果を有することが示されている。

図1は、Lactobacillus acidophilusおよびBifidobacterium longumのin vitro増殖に関する本発明のマルチ繊維処方物の効果を示す。

図2は、好気性または嫌気性増殖条件のいずれかにおける、Bacillus coagulansのin vitro増殖に関する本発明のマルチ繊維処方物の効果を示す。

図3A、3Bおよび3Cは、構成成分としてB. coagulansを含む本発明のマルチ繊維組成物で処置された、上行結腸リアクター(図3A)、横行結腸(図3B)および下行結腸(図3C)における、酢酸(AA)、プロピオン酸(PA)、ブチル酸(BA)、および総SCFA(合計)の絶対値(上パネル)、比例値(中央パネル)、および正規化値(下パネル)を示す。2つの対照週間および3つの処置週間にわたって採取された3つのサンプルの結果が示される。

図4は、上行(AC;上)、横行結腸(TC;中央)、および下行結腸(DC;下)における酢酸産生に関する本発明のマルチ繊維組成物の効果を示す。左:対照週間または処置週間(n=3)における週あたりの平均酢酸産生、右:対照期間(n=6)および処置期間(n=9)にわたる平均酢酸産生(

*は、統計学的有意差を示す)。

図5は、上行(AC;上)、横行結腸(TC;中央)、および下行結腸(DC;下)におけるプロピオン酸産生に関する本発明のマルチ繊維組成物の効果を示す。左:対照週間または処置週間(n=3)における週あたりの平均プロピオン酸産生、右:対照期間(n=6)および処置期間(n=9)にわたる平均プロピオン酸産生(

*は、統計学的有意差を示す)。

図6は、上行(AC;上)、横行結腸(TC;中央)、および下行結腸(DC;下)におけるブチル酸産生に関する本発明のマルチ繊維組成物の効果を示す。左:対照週間または処置週間(n=3)における週あたりの平均ブチル酸産生、右:対照期間(n=6)および処置期間(n=9)にわたる平均ブチル酸産生(

*は、統計学的有意差を示す)。

図7A、7Bおよび7Cは、構成成分としてB. coagulansを添加しない本発明のマルチ繊維組成物で処置された、上行結腸リアクター(図7A)、横行結腸(図7B)および下行結腸(図7C)における、酢酸(AA)、プロピオン酸(PA)、ブチル酸(BA)、および総SCFA(合計)の絶対値、比例値、および正規化値を示す。2つの対照週間および3つの処置週間において採取された3つのサンプルの結果が示される。

図8は、上行(AC;上)、横行結腸(TC;中央)、および下行結腸(DC;下)における分岐SCFA産生に関する本発明のマルチ繊維組成物の効果を示す。左:対照週間または処置週間(n=3)における週あたりの平均分岐SCFA産生、右:対照期間(n=6)および処置期間(n=9)にわたる平均分岐SCFA産生(

*は、統計学的有意差を示す)。

図9A、9Bおよび9Cは、qPCRで査定された、上行結腸(AC;図9A)、横行結腸(TC;図9B)、および下行結腸(DC;図9C)における7つの微生物集団に関する本発明のマルチ繊維組成物の効果を示す。各バーは、対照期間および処置期間にわたる、平均コピー数を表す。

図10は、Caco−2/THP1−Blue共培養物上の経上皮電気抵抗(TEER、上パネル)ルシファーイエロー(LY)のおよび傍細胞輸送(下パネル)に関するSHIME収集サンプルの効果を示す。TEERは共培養の前処置の24時間後に測定し、各24時間の値をその対応する0時間の値に対して正規化し、初期値のパーセンテージとして示す。上部の点線は100%(初期値)を表す。LYの輸送は、共培養の48時間(24時間の前処置+24時間のLY)後に測定される。両方のプロットに描かれている下部の破線は、実験対照CM(完全培地)に対応する。(

*)は、各製品内のCとTとの間の統計的な有意差を表す。($)は、本発明のマルチ繊維組成物間の統計学的有意差を表す。C:SHIME対照サンプル;T:SHIME処置サンプル。

図11は、THP1−Blue細胞のNF−κB活性に関するSHIME収集サンプルの効果を示す。NF−κB活性レベルは、SHIME収集サンプルで最初に24時間前処置した共培養物のLPS処置6時間後に測定した。赤い破線は、実験対照LPS+に対応する。(

*)は、各製品内のCとTとの間の統計学的有意差を表す。本発明の2つのマルチ繊維組成物間において、統計的有意差は見られなかった。C:SHIME対照サンプル;T:SHIME処置サンプル。

図12は、IL−6(上パネル)およびIL−10(下パネル)レベルに関するSHIME収集サンプルの効果を示す。サイトカインレベルは、SHIME収集サンプルで最初に24時間前処置した共培養物のLPS処置6時間後に測定した。破線は、実験対照LPS+に対応する。(

*)は、各製品内のCとTとの間の統計学的有意差を表す。($)は、本発明のマルチ繊維組成物間の統計学的有意差を表す。C:SHIME対照サンプル;T:SHIME処置サンプル。

図13は、観測値間の類似性と変数間の相関とを示す、ジョイント(joint)PCA/相関バイプロットを示す。バイプロットは、変数をベクトルとして、観測値をシンボルとしてプロットする。バイプロット1)において、対照完全培地(CM)およびLPS+は1.0まで減少し、1つの単一の点(「+」、Ctrls)として描かれる;2)NaB(「x」);3)B. coagulansを含まないマルチ繊維組成物の対照期間(丸);4)B. coagulansを含むマルチ繊維組成物の対照期間(三形);5)B. coagulansを含まないマルチ繊維組成物の処置期間(四角);および6)B. coagulansを含むマルチ繊維組成物の処置期間(菱形)。

発明の概要 本発明は、キシロオリゴ糖、アラビノガラクタン、イヌリン、Ganoderma lucidumベータグルカン、不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカン(例えば、S. cerevisiae β(1,3/1,6)−グルカン)、オートムギβ(1,3/1,4)−グルカン、不溶性乾燥Saccharomyces cerevisiae発酵物、およびプロバイオティクスであるBacillus coagulansを含む、またはそれらから本質的になる組成物である。さらに他の態様において、処方物は、少なくとも1つの賦形剤を含む。いくつかの態様において、組成物は、食品、食事サプリメント、食料品の医療用食品、医薬製品、または栄養製品の形態をとる。前記組成物を使用して消化器の健康、体重、グルコースバランス改善または維持し、免疫を強化するための方法がまた提供される。

発明の詳細な説明 ライフスタイルや食習慣の変化による懸念である消化器の健康とは別に生ずる、他のヒトの健康上の懸念としては、免疫の低下、肥満、高コレステロールレベル、およびその他の代謝障害が含まれる。少ない食物繊維の摂取はなかでも、肥満、心血管疾患、および2型糖尿病などのリスクの増加に関連する(Cho, et al. (2013) Am. J. Clin. Nutr. 98:594-619; Liu, et al. (2003) Am. J. Clin. Nutr. 78:920-927; Trock, et al. (1990) J. Natl. Cancer Inst. 82:650-61; Ludwig, et al. (1999) JAMA 282:1539-1546)。ディスバイオシスまたはマイクロバイオームのアンバランスは、腸内細菌により産生される代謝物を変更し、それは、その後、自然および適応免疫応答を調節不全にし、最終的に炎症および/または感染に対する保護の喪失を導く可能性があると考えられている。特定の腸内細菌は、アンモニア、D−乳酸、エンドトキシン(リポ多糖)、および外毒素(エンテロトキシン)などの毒素を産生し得、これは腸の病変をさらに悪化させ得る。糞便サンプルの全ゲノム配列決定は、繊維消費に伴うバクテロイデス門:ファーミキューテス門の比のシフトが存在することを明らかにし(Holscher, et al. (2015) Am. J. Clin. Nutr. 101:55-64)、健康な成人の糞便マイクロバイオームの系統学的な構造と機能的能力に関する食物繊維の影響を示す。

いくつかの食物繊維はまた、「プレバイオティクス」活性としても知られている、結腸内の有益な細菌(プロバイオティクス細菌)の増殖を刺激する能力も有する。市販の繊維は主に消化器の健康のために処方されており、BENEFIBER(登録商標)(食物繊維サプリメント;Novartis AG)、METAMUCIL(登録商標)(食事サプリメント;Proctor & Gamble Co.)およびGlaxo Smith Klineから入手可能な食物繊維であるCITRUCEL(登録商標)(緩下剤;Merrell Dow Pharmaceuticals, Inc.)などの製品を含む。しかしながら、これらの市販の製品は、1種類の繊維のみから構成されている。本発明において、様々な健康上の懸念に対処し、プレバイオティクスとして働くことにより腸内マイクロフローラのバランスを回復するために使用することができる複数の繊維(可溶性および不溶性の両方)製品が開発された。

経口処方物中のプレバイオティクス構成成分とプロバイオティクス構成成分との混合物は、消化器の健康の改善と維持、健康的な体重の維持、グルコース管理の改善、および免疫の強化を含む、有益な健康効果を有することが現在見出されている。より具体的には、ヒトの腸に本来備わっている有益な微生物(例えば、ラクトバチルス属およびビヒドバクテリウム属種)の増殖を増強し、健康を改善するためのプラスの効果を提供するために使用するための、可溶性および不溶性プレバイオティクスの特定の組み合わせが現在同定されている。ヒトの健康における腸内マイクロバイオータの有益な役割と、自己免疫疾患、結腸がん、胃潰瘍、心血管疾患、慢性腎疾患、機能性腸疾患および肥満を含む疾患の予防可能性を考慮すると、本組成物は、消化器の健康、体重管理およびグルコースバランスの維持に用途が見出される。加えて、可溶性プレバイオティクスと不溶性プレバイオティクスとの組み合わせは、プロバイオティクスであるB. coagulansと組み合わせられ、ヒトの腸に本来備わっている有益な微生物(例えば、ラクトバチルス属およびビフィドバクテリウム属種)の増殖を増強するためのみならず、対象の免疫を強化するための組成物を提供する。本発明の組成物は、キシロオリゴ糖、アラビノガラクタン、イヌリン、Ganoderma lucidumベータグルカン、不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカン、オートムギβ(1,3/1,4)−グルカン、不溶性乾燥S. cerevisiae発酵物、およびB. coagulansを含むか、またはそれらからなる。

本発明の組成物は、腸のpHのバランスをとり、毒性廃棄物を除去する可溶性繊維と、脂肪酸に結合し、総コレステロールを低下させ、血糖を調整する不溶性繊維の両方を含むことを考慮すると、この発明の組成物は、抗発癌、抗微生物、脂質低下、免疫強化、およびグルコース調節活性を含む様々な活性を有する。さらに、このプレバイオティクス組成物は、ミネラルの吸収とバランスを改善し、ビヒドバクテリウム属およびラクトバチルス属ファミリーに属する細菌の増殖を刺激することができる。薬物動態学的に、この発明のプレバイオティクス構成成分およびプロバイオティクス構成成分は、ほぼ無傷で結腸に到達する。

キシロオリゴ糖、またはXOSは、β(1,4)グリコシド結合で結合された、2〜7個のキシロース分子から構成される可溶性の非消化性糖ポリマーを指す。キシロオリゴ糖は、果物、野菜、竹、蜂蜜および乳中に存在し、トウモロコシの穂軸、トウモロコシふすま、米糠、コムギふすま、およびサイリウムなどのキシランが豊富な食物成分のエンドキシラナーゼによる酵素加水分解により生産される。したがって、この発明のキシロオリゴ糖は、より大きな炭水化物分子の酵素消化により得られる。キシロオリゴ糖は、商業的な供給元(たとえば、Hangzhou, China)からも得ることができる。

キシロオリゴ糖は上部胃腸管での消化に抵抗するため、それらは、大腸で機能してビヒドバクテリウム属種の増殖を増加させ(JP 2003048901)、したがって胃の機能を改善することができる。加えて、キシロオリゴ糖は、血糖レベルと脂肪代謝を改善し、抗生物質、化学療法、または放射線療法後の正常な腸内フローラを回復し、ミネラル吸収とビタミンB産生を増加させ、腸内の腐敗を減少させる可能性を有する。動物モデルにおいて、XOSはトリグリセリドを減少させることも示されている(Beylot (2005) Br. J. Nutr. 93(suppl 1) S163-8)。XOSは、FOSとともに、1,2−ジメチルヒドラジン処置をした雄性Sprague-Dawleyラットの結腸において異常陰窩巣の数を減少させることが示された(Hsu, et al. (2004) J. Nutr. 134:1523-8)。擬似結腸システムを使用した研究は、プレバイオティクスとしてXOSを使用してビフィドバクテリウム属の増殖を増加させることが可能であることを示している(Makelainen, et al. (2010) Beneficial Microbes 1:81-91)。XOSのヒト対象へのその供給は、結腸中のビフィドバクテリウム属集団を増加させることが報告されている(Okazaki, et al. (1990) Bifidobacteria Microflola 9:77-86)。同様の結果は、日本人男性の集団においても報告された(Kobayashi, et al. (1991) Nippon Nogeikagaku Kaishi 65:1651-1653)。ラクトバチルス属とビフィドバクテリウム属の増加したレベルは、添加されたXOSを含む、糞便培養物において観察された(Muralikrishna, et al. (2011) Eur. Food Res. Technol. 232:601-61)。一緒に考えると、これらの研究は、XOS曝露が有益な微生物の増殖にプラスの影響を有したことを実証した。ヒトにおける使用に対するXOSの安全性は、米国食品医薬品局(FDA)による、一般に安全と認められている(GRAS)物質としてのその認識により実証されている。

アラビノガラクタンは、1:6の比でアラビノースとガラクトースから構成されている水溶性β(3,6)−D−ガラクタンである。ニンジン、コムギ、ラディッシュ、エンドウマメのような多種多様な植物に存在している。アラビノガラクタンは免疫調節剤であり、ヒト末梢血単核細胞(PMBC)を活性化して炎症誘導性サイトカインを放出し、NK細胞活性を刺激することが示されている(Hauer & Anderer (1993) Cancer Immunol. Immunother. 36:237-44; Riede, et al. (2013) Curr. Med. Res. Opin. 29:251-8)。アラビノガラクタンは、免疫系にプラスの様式で影響を与える、すなわち、免疫を強化することが示されている(Riede, et al. (2013) Curr. Med. Res. Opin. 29: 251-258)。

食事消費のために、アラビノガラクタンは、カラマツの木(カラマツ属種)の木材から単離され、米国食品医薬品局(FDA)によって食物繊維としての使用が承認されている。腸内細菌により発酵可能なカラマツアラビノガラクタン(Robinson, et al. (2001) J. Am. Coll. Nutr. 20:279-85; Grieshop, et al. (2002) J. Nutr. 132:478-82)は、おおよそ98%は、β(1,3)連結ならびにガラクトースβ(1,6)およびアラビノースβ(1,6および1,3)糖側鎖を特徴とする、ガラクタン骨格を有するアラビノガラクタンである。

アラビノガラクタンは、従来の方法により単離および/または精製することができる。例えば、アラビノガラクタンは、Larix occidentalisおよびL. laricinaとしてそれぞれ知られている、セイヨウカラマツおよび東カラマツ(Western and Eastern Larch)の木に見出される細部の内腔から、水性媒体(例えば、純水、または抽出を促進する有機酸または界面活性剤などの少量の溶解化合物を含む水)で抽出され得る。例えば、US 3,509,126を参照のこと。アラビノガラクタンの別の供給源は、インド原産の無毛で多肉の登山低木(climbing shrub)であるTinospora cordifoliaからである。あるいは、アラビノガラクタンは、商業的供給源(例えば、MAYPRO INDUSTRIES, Purchase, NY)から得ることができる。

イヌリンは、末端グルコース分子を含むオリゴフルクトースから構成される水溶性食物繊維である。それは、キクイモ(Helianthus tuberosus)、チコリの根およびリュウゼツランから得られる。キクイモからイヌリンを抽出するためのいくつかの方法は開発されている。例えば、キクイモの塊茎は、10〜15分間の沸騰水抽出を含む前処理ステップの含む、または含まずに(US 5,968,365)、熱湯と混合され得る(Yamazaki, et al. (1994) J. Sci. Food Agri. 64:461-5)。イヌリンは、商業的供給源、例えば、少なくとも90%のイヌリン、7%未満のフルクトース、3%未満のグルコース、2%未満のスクロース、および1%未満の他の炭水化物から構成される有機粉末である、MAYPRO INDUSTRIES(Purchase, NY)から得ることができる。

イヌリンは、ラクトバチルス属およびビフィドバクテリウム属の増殖を支持するプレバイオティクスであり(Garcia-Peris, et al. (2012) Nutr. Hosp. 27:1908-15)、血中脂質およびグルコースを低下させる(Byung-Sung, et al. (2011) J. Anim. Vet. Advance 10:2501-7)。イヌリンはまた、ヒト研究において、抗コレステロール効果を示し(Letexier, et al. (2003) Am. J. Clin. Nutr. 77:559-64)、結腸がんの減少において役割を示した(Pool-Zobel, et al. (2005) Br. J. Nutr. 93:s73-s90))。

Ganoderma lucidumベータグルカンは、Ganoderma lucidumの菌糸体に由来する水溶性炭水化物ポリマーを指すために本明細書において使用される。特に、この発明のG. lucidumベータグルカンは、β(1,3)骨格から生じる(coming off)短いβ(1,6)分岐である。ある態様において、ベータグルカンは、35000〜2000000Daの範囲の分子量を有する。研究は、このキノコベータグルカンが、最前線の免疫細胞を活性化することにより免疫系を効果的に支持し、それを過剰刺激することなく健康的で堅牢な免疫応答を支持することを実証している。ベータグルカンは、他の潜在的な脅威に対処するために、外来の侵入物を消費し、顆粒球(好中球、好酸球および好塩基球)、B細胞およびT細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞を含む免疫系の他の構成成分を「トリガー」する、マクロファージを活性化することにより免疫応答を増強する。ベータグルカンは、知られている方法(例えば、US 2009/0098619を参照のこと)に従って、トレハロースおよびマンノース中でG. lucidumを培養し、続いて、従来の方法、例えば、沸騰水抽出またはエタノール沈殿(例えば、US 2014/0031542を参照のこと)により、ベータグルカンを抽出および精製することにより得ることができる。あるいは、精製されたG. lucidumベータグルカンは、商業的供給源から得ることができる。例示的なキノコベータグルカンは、Super Beta Glucan Inc.(Irvine, CA)から入手可能であるIMMUNLINK MBG(キノコベータグルカンを含有する炭水化物ポリマー)である。

不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカンは、β(1,6)連結を介して連結される周期的なβ(1,3)分岐を有するβ(1,3)連結グルコース分子で主に構成される、酵母からの不溶性ベータグルカンを指すために本明細書で使用され、より正式にはポリ−(1,6)−β−D−グルコピラノシル−(1,3)−β−D−グルコピラノースとして知られている。不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカンの供給源は、例えば、Saccharomyces cerevisiae、S. delbrueckii、S. rosei、S. microellipsodes、S. carlsbergensis、S. bisporus、S. fermentati、S. rouxii、Schizosaccharomyces pombe、Kluyveromyces polysporus、Candida albicans、C. cloacae、C. tropicalis、C. utilis、Hansenula wingei、H. arni、H. henricii、H. americana、H. canadiensis、H. capsulata、H. polymorpha、Pichia kluyveri、P. pastoris、P. polymorpha、P. rhodanensis、P ohmeri、Torulopsis bovin、およびT. glabrataを含む酵母の任意の株の酵母細胞からであり得る。酵母細胞は、当該技術分野で知られている方法により培養されてもよい。典型的な増殖培地は、例えば、グルコース、ペプトンおよび酵母抽出物を含む。酵母細胞は、バイオマスを液体培地から分離するために典型的に適用される方法によって増殖培地から収穫および分離されてもよい。そのような方法は、典型的には、濾過または遠心分離などの固液分離プロセスを採用する。好ましくは、細胞は、酵母細胞中のグリコーゲンおよびキチンの量を最小化するために、中期から後期の対数増殖期で収穫される。この点で、不溶性酵母のβ(1,3/1,6)−グルカンは、50%グルカンを超えるグルカン含有量を有する。この点において、不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカンは、50%グルカンを超えるグルカン含有量を有する。ある態様において、残りは、細胞内脂質および/またはグリコーゲンから構成され得る。

不溶性酵母ベータグルカンの調製は、酵母を好適な濃度のアルカリ水溶液で処理することを含み、酵母の一部は可溶化し、主にβ(1,6)とβ(1,3)連結を有するアルカリ水酸化物不溶性ベータグルカン調製物を形成する。一般的に採用されるアルカリは、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物または同等物である。ある態様において、例えば、弱酸処理により、実質的にすべてのタンパク質材料を細胞から除去することが望ましい。そのような除去は、タンパク質の1パーセント未満が不溶性ベータグルカンとともに残る程度まで行われる。不溶性ベータグルカンは、必要に応じて、または望ましい場合、タンパク質およびコンタミナントのレベルを下げるために、さらに洗浄および抽出に供され得る。処理後、製品のpHは約6.0〜約7.8の範囲に調整され得る。抽出方法については、例えば、US 2006/0009419およびUS 5,849,720を参照のこと。不溶性酵母ベータグルカンはまた、例えば、MAYPRO Beta Clucan(MAYPRO INDUSTRIES, Purchase, NY)などの商業的供給源から得ることもできる。いくつかの態様において、ベータグルカンは、β(1,6)連結の量を減少させるために酸(例えば、酢酸)での化学的処理によって修飾され、したがって、これらの修飾されたグルカンの水溶液の粘度の増加により証明されるように、前記グルカンの流体力学的特性は変化する。

可溶性オートムギβ(1,3/1,4)−グルカンは、一般的なオートムギ(Avena sativa)から得られる、主に(1,3)連結セロトリオシルおよびセロテトラオシル単位(>90%)から構成される線状の多糖を指す。オートムギβ(1,3/1,4)−グルカンはコレステロール低下活性を有すること(Othman, et al. (2011) Nutr. Rev. 69(6):299-309)、および糖尿病、心血管疾患、および免疫に有益な役割を提供すること(Daou & Zhang (2012) Comp. Rev. Food Sci. Food Safety 11:355-365)が示されている。オートムギβ(1,3/1,4)−グルカンを得るための抽出方法は、熱水およびアルカリ溶液中のβ−グルカンの溶解度、等電沈殿による溶解タンパク質の分離、および硫酸アンモニウム、2−プロパノール、またはエタノールによるβ−グルカンの沈殿に基づく(Wood, et al. (1978) Cereal Chem. 55:1038-49)。オートムギふすまからの収率はより高く、61%であり、分離された画分は84%のベータグルカンを含有した。その後透析、限外濾過、またはアルコール沈殿による精製を伴う同様の方法は、オートムギベータグルカンを抽出するために使用されている(Beer, et al. (1996) Cereal Chem. 73:58-62)。上記の方法を使用して、60〜65%のベータグルカン含有量を有する調製物を生産することが可能であった。ある態様において、本発明に従って使用されるオートムギベータグルカンは、20%〜40%のベータグルカンを含む。オートムギβ(1,3/1,4)−グルカンはまた、商業的な供給源、例えば、21〜23%がベータ−グルカンから構成される、OATWELL 22 oat beta glucan(DSM Nutritional Products, Inc., Heerlen, The Netherlands)からも得ることができる。

不溶性乾燥S. cerevisiae発酵物は、S. cerevisiaeの不活性な酵母細胞全体と、酵母細胞の発酵によって作り出される、天然の発酵副産物を指す。したがって、乾燥発酵物は、醸造用酵母、活性酵母、または単離されたベータグルカンのみではない。乾燥発酵物は、水、窒素源、炭素源、微量栄養素を含有する培地中で、S. cerevisiaeの食品グレードの酵母株を要求する、従来の発酵によって得ることができる。所定の発酵期間の後、湿った製品全体(すなわち、培地中の酵母細胞)は脱水のために乾燥機に置かれる。脱水は、酵母細胞を死滅させるのに必要な温度で行われる。その後、製品は粉砕され、本組成物に使用される。乾燥S. cerevisiae発酵物はまた、商業的供給源、例えば、EPICOR dried S. cerevisiae farentate(Embria Health Sciences, Ankeny, IA)からも得ることができる。

ベータグルカンは、様々なベータ連結(例えば、1,3;1,4;1,6)から構成されるグルコースポリマーであり、酵母(例えば、S. cerevisiae)、酵母様真菌(例えば、Aureobasidium pullulans)およびキノコ(例えば、Lentinula edodes(Shiitake)、G. lucidum(Reishi))の細胞壁を構成する。これらは、補体系を活性化し、マクロファージおよびナチュラルキラー細胞を増強し、したがって、免疫を強化する。3つの異なるビヒドバクテリウム属種による、例えば、キノコおよびオオムギからのベータグルカンの発酵は査定され(Zhao & Cheung (2011) J. Agric. Food. Chem. 59:5986-5692)、B infantis、B longumおよびB adolescentisが、これらのベータグルカン上で増殖し、短鎖脂肪酸(SCFA)を産生することができたことを見出した。さらに、酵母由来ベータグルカンは、ヒトの研究において、総血漿コレステロールを低下させることができることが実証されている(Nicolosi, et al. (1999) Am. J. Clin. Nutr. 70:208-212)。他のヒトの臨床試験は、アレルギー性鼻炎(Kirmaz, et al. (2005) Eur. Cyto. Network 16:128-134)、乳がん(Demir, et al. (2007) Int. Immunopharmacol. 7:113-116)および過体重のヒトにおけるIL−10レベル(Kohl, et al. (2009) Nutr. Res. 29:248-254)において、酵母ベータグルカン消費の有益な効果を示す。

可溶性繊維成分および不溶性繊維構成成分に加えて、プレバイオティクス組成物はそれにプロバイオティクス生物であるB. coagulansが添加されている。プロバイオティクス細菌のほとんどは、ラクトバチルス属およびビフィドバクテリウム属のクラスに属する。これらの細菌は温度に敏感であり、これらの生物を含有する製品またはサプリメントは、冷蔵条件下で保存しなければならない。この問題は、Bacillus coagulansと改名された胞子形成ラクトバチルス属を使用することにより克服することができる。これはよく研究され、特徴付けられており、一般に安全と認められている(GRAS)ステータスを保持していると考えられている。ヒトの研究は、B. coagulansが、ウイルス感染を減少させ(Baron, (2009) Postgrad. Med. 121:114-118)、過敏性腸症候群の患者を助け(Hun (2009) Postgrad. Med. 121:119-124)、そして炎症を軽減する(Jenson, et al. (2010) BMC Immunol. 11:15)ことができることを示している。B. coagulants組成物は、10億〜50億CFU/gmであった(Nebraska cultures, Walnut Creek, CA)。

本発明の組成物は、食品、食事サプリメント、食料品の医療用食品、医薬製品、または栄養製品として調製され得る。本発明の目的のために、食品は、これらに限定されることなく、ヘルスバー(health bar)、健康飲料、ヨーグルト、ダヒ(dahi)、アイスクリーム、フローズンヨーグルトまたは他の冷凍食品を含む。ある態様において、プレバイオティクス組成物の繊維は、微粒子または粉末形態として提供される。前記製品の摂取は、腸に即時のプレバイオティクスを提供し、それにより、ヒトの腸に本来備わっている有益な微生物(例えば、ラクトバチルス属およびビフィドバクテリウム属種)の増殖を増強する。この点において、本製品の繰り返し摂取は、健康的な腸内微小環境を促進することが知られている微生物の大腸内への局在化および生着により、腸内マイクロフローラに高度に有益な効果を有するであろう。

プレバイオティクスとプロバイオティクスに加えて、本発明の組成物は、様々な賦形剤、増量剤、結合剤、甘味料、フレーバーおよび/または添加物をさらに含有し得る。本組成物の任意の賦形剤は、限定することなく、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸、またはタルクなどの潤滑剤;デンプンまたは糖などの結合剤;脂肪、抗酸化剤、アミノ酸、タンパク質、核酸、電解質、ビタミン、それらの誘導体またはそれらの組み合わせを含む。1つの態様において、本製品の添加物は、イナゴマメ粉、例えば、ローカストビーンガムである。別の態様において、添加物は、Agaricus bisporusからのキノコ抽出物である。特定の態様において、製品は、ステアリン酸マグネシウムおよび/またはステアリン酸などの賦形剤を含有する。

さらに、この発明の組成物の嗜好性を増加させるために、フレーバー、甘味剤、結合剤または増量剤を添加することが望ましい可能性がある。本組成物に任意に添加することができるフレーバーは、当該技術分野においてよく知られている。例は、これらに限定されないが、合成フレーバー油および/または植物の葉、花、果実などからの油を含み、それらの組み合わせは有用である。フレーバー油の例は、これらに限定されないが、スペアミント油、ペパーミント油、シナモン油、およびウィンターグリーンの油(サリチル酸メチル)を含む。レモン、オレンジ、ブドウ、ライムおよびグレープフルーツなどの柑橘油およびリンゴ、イチゴ、サクランボ、パイナップルなどの果実エッセンスなどの人工の、天然のまたは合成の果実フレーバーもまた有用である。甘味剤は、限定することなくそれらの塩およびそれらの混合物を含む、水溶性甘味剤、水溶性人工甘味剤およびジペプチドベースの甘味剤などの広範な材料から選択され得る。

結合剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、または他の好適なセルロース誘導体、アクリル酸およびメタクリル酸のコポリマー、薬学的グレーズ(pharmaceutical glaze)、ガム(例えばガムトラガカント)、乳誘導体(例えばホエー)、デンプン(例えばコーンスターチ)またはゼラチン、および誘導体、ならびに当業者によく知られている他の従来の結合剤などの広範な材料から選択することができる。増量物質の例は、これらに限定されないが、糖、ラクトース、ゼラチン、デンプンおよび二酸化ケイ素を含む。

上記の添加物が本発明の製品に含まれる場合、それらは一般的に総製品重量の15%未満である。特定の態様において、それらは総製品重量の5〜10%未満である。本発明の各構成成分の量は、本組成物の総重量の5%〜35%の範囲にある。ある態様において、キシロオリゴ糖、アラビノガラクタン、G. lucidumベータグルカン、不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカン、および不溶性乾燥S. cerevisiae発酵物は、本組成物の総重量の5%〜8%の範囲でそれぞれ存在し;そしてイヌリンおよびオートムギβ(1,3/1,4)−グルカンは、本組成物の総重量の25%〜32%の範囲でそれぞれ存在する。本組成物のB. coagulans構成成分は、本組成物の総重量の2〜10%の、10〜50億の範囲でそれぞれ存在し得る。

本発明の組成物は、錠剤、カプセル、小袋、粉末、丸薬、ソフトジェル、ジェルキャップ、液体として、またはバー(例えば、栄養バーまたはシリアルバー)のような固形食品、粉末飲料、乳製品、朝食用シリアル、ミューズリー、キャンディー、菓子、クッキー、ビスケット、クラッカー、チョコレート、チューインガム、デザートなど;またはソフトドリンク、ジュース、スポーツドリンク、ミルクドリンク、ミルクシェイク、ヨーグルトドリンクまたはスープなどの液体食料品、ならびにペット用おやつ、ペットフードなどの食品または飲料製品として、処方化することができる。

本発明の組成物は、乳化剤、安定剤、甘味料、フレーバリング剤、着色剤、保存剤、キレート剤、浸透圧剤、緩衝剤またはpH調整剤、増粘剤、テキスチャリング剤などの従来の食品添加物を任意に含むことができる。1つの態様において、組成物は、フレーバリング剤、例えばオレンジまたは柑橘類のフレーバーを含む。

製品がヒトの成人、小児または動物(例えば、愛玩動物または家畜)により消費されるかどうかによって、意図されたレシピエントにとって好適な様々なサイズおよび様々な成分でそれは生産され得る。さらに、本発明の組成物は一般的に安全であると認識されるため、それらは毎日1回、2回または3回以上で消費され得る。この発明の製品の繰り返し摂取は、健康的な腸内微小環境を促進することが知られている微生物の大腸内への局在化および生着により、腸内マイクロフローラに高度に有益な効果を有するであろう。

好ましくは、本発明の組成物の1日あたりの用量は、1日あたり1回または2回用量であり、各用量は2〜4グラムの繊維を含有する。ある態様において、組成物は、1日2回提供される2グラムの繊維を含有する錠剤として提供される。別の態様において、組成物は、1日2回投与される粉末として提供される(用量あたり4グラムの繊維)。

本組成物の活性を考慮すると、本発明はまた、消化器の健康、体重およびグルコースバランスを改善または維持するための方法にも関する。この方法は、消化器の健康が改善または維持され、体重が維持されまたは減少し、グルコースレベルが望ましくは正常範囲に維持されまたは低下するように、キシロオリゴ糖、アラビノガラクタン、イヌリン、Ganoderma lucidumベータグルカン、不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカン、オートムギβ(1,3/1,4)−グルカン、および不溶性乾燥S. cerevisiae発酵物から構成される本発明の製品の有効量を投与することを含む。例えば、正常で健康的な体重を有する対象は、18.5〜24.9の範囲の体格指数(BMI)を有する一方で、過体重の対象は、25〜29.9の範囲のBMIを有し、肥満の対象は、30以上のBMIを有する。さらに、正常な糖レベルは空腹時に100mg/dL未満、食後2時間で140mg/dL未満であるとみなされる。しかしながら、ほとんどの健康な人では、糖レベルはさらに低くなる。この発明の組成物の投与は、正常なBMIを維持し、またはBMIを正常な範囲まで低下させ、および/または糖レベルを正常な範囲に維持または低下させるだろう。

望ましくは、この発明の組成物の有効量は、臨床結果を含む、有益なまたは望ましい結果に影響を及ぼすのに十分な量である。そのようなものとして、本発明の組成物の有効量は、自己免疫疾患、結腸がん、胃潰瘍、心血管疾患、慢性腎疾患、機能性腸疾患および肥満を含む疾患の1以上の症状の緩和または回復をもたらすものであり、それは腸内マイクロバイオータにより仲介される。本組成物の投与は、疾患の程度を消滅させ、健康な腸機能を支持することにより疾患の状態を安定させ(すなわち悪化しない)、疾患の進行の遅延または減速させ、あるいは疾患状態の回復または緩和させ得る。回復はまた、処置を受けない場合の予測生存と比較した延長された生存を意味し得る。特定の態様において、本組成物は、肥満の対象に投与される。本発明の組成物は、がん治療を受けた対象において、エネルギー、ならびに全体的な健康および幸福の提供においてさらに有用性を有する可能性があることがさらに企図される。

投与される本発明の組成物の量および投与計画は、投与の目的(例えば、予防、緩和または処置)、個々の対照の年齢、性別および体重、ならびに/または対象の症状の重症度を含む様々な関連因子に照らして決定される。この点において、本発明の組成物は、医療専門家の監督下で投与、または自己投与され得る。

以下の非限定的な例は、本発明をさらに例証するために提供される。

例1:マルチ繊維組成物(KIBOW FORTIS(登録商標))による増強された微生物増殖 7つの異なる成分を含む本発明のマルチ繊維製品を、L. acidophilusおよびB. longumに対するその全体的な増殖促進活性について試験した。KIBOW FORTIS(登録商標)として知られている本発明の7つの成分製品は、in vitroで両方の有益な種の増殖を支持した(図1)。

本発明のマルチ繊維処方物が別の有益な微生物であるB. coagulansの増殖を支持することができるかどうかを試験するために、B. coagulansのin vitroでの増殖が、個々の可溶性繊維、および本発明の7成分マルチ繊維製品(KIBOW FORTIS(登録商標))の存在下において調査される実験を行った。B. coagulansの株は、好気性条件と嫌気性条件の両方で評価された。結果は、B. coagulansが、酸素の存在下および非存在下の両方において、個々の繊維のすべての存在下、ならびに本発明の7マルチ繊維製品の存在下において、よく増殖できたことを示した(図2)。

例2:7成分マルチ繊維製品(KIBOW FORTIS(登録商標))と市販製品との比較 マルチ繊維製品であるKIBOW FORTIS(登録商標)は、粉末(サンプル1、表1を参照のこと)または錠剤(サンプル2、表1を参照のこと)として望ましくは1日1回または2回消費され、ここで各用量は2〜4グラムの繊維を含有する。それゆえ、製品は、可溶性繊維と不溶性繊維の両方を含有し、1日あたり少なくとも4グラムの繊維を提供するので、市販の繊維サプリメントに比べて大きな利点を提供する(表1)。

KIBOW FORTIS(登録商標)のプレバイオティクス活性を、他の知られている食物繊維製品である(BENEFIBER(登録商標)(食物繊維サプリメント;Novartis AG)、Glaxo Smith Klineから入手可能である食物繊維であるCITRUCEL(登録商標)((緩下剤;Merrell Dow Pharmaceuticals, Inc)およびMETAMUCIL(登録商標)(食事サプリメント;Proctor & Gamble Co.)のそれと比較した。一般的な腸の健康を意図した製品であるBENEFIBER(登録商標)(食物繊維サプリメント;Novartis AG)は、コムギデキストリンに由来するオリゴ糖であり、これは容易に糖に加水分解される。METAMUCIL(登録商標)(食事サプリメント;Proctor & Gamble Co.)は、満腹感を提供し、カロリー摂取量を低減するサイリウムハスクを有し、一般顧客にアピールするために糖とフレーバーが添加されており;Glaxo Smith Klineから入手可能な食物繊維であるCITRUCEL(登録商標)(緩下剤;Merrell Dow Pharmaceuticals, Inc.)は、バルク形成繊維緩下剤であるメチルセルロースを含有する。それゆえ、KIBOW FORTISは、BENEFIBER(登録商標)(食物繊維サプリメント;Novartis AG)、CITRUCEL(登録商標)(緩下剤;Merrell Dow Pharmaceuticals, Inc.)およびMETAMUCIL(登録商標)(食事サプリメント;Proctor & Gamble Co.)と比較された。プロバイオティクス細菌であるL. acidophilusおよびB. longumは、通常の供給源である糖の代わりに、増殖のための「炭素」の唯一の供給源としてこれらのマルチ繊維を含有する固体寒天培地上で増殖した。

ビフィドバクテリウム属のカウントは、製品間で類似していたが;しかしながら、コロニーサイズにより見られるような豊富な増殖は、BENEFIBER(登録商標)(食物繊維サプリメント;Novartis AG)がビフィドバクテリウム属の増殖を最も支持しなかったことを示した。METAMUCIL(登録商標)(食事サプリメント;Proctor & Gamble Co.)およびGlaxo Smith Klineから入手可能な食物繊維であるCITRUCEL(登録商標)(緩下剤;Merrell Dow Pharmaceuticals, Inc.)は、製品中の添加された糖の存在により小さなコロニーを示した。糖はすべての細菌、さらには病原性生物によって容易に同化される。しかしながら、繊維は、ラクトバチルス属やビフィドバクテリウム属のようなプロバイオティクス細菌によってのみ発酵または代謝される。最大の増殖は、KIBOW FORTIS(登録商標)製品で見られ、これは、その7つのマルチ繊維成分が本発明の組成物内に見出される、7成分マルチ繊維製品である。

例3:肥満の回復および潜在的な体重減少の増強 肥満は現在、高カロリーの加工食品の消費とセデンタリー・ライフスタイルによって推進されている先進国において蔓延している。これは普遍的な問題であり、多くのグループが原因の理解とこの蔓延の軽減に取り組んでいる。多数のプロバイオティクス処方物は、消化器の健康のために市場で入手可能である。主にラクトバチルス属およびビフィドバクテリウム属であるプロバイオティクス細菌は、それらが効果的であるためには大量に消費される必要がある。研究は、ヒトの腸内マイクロバイオータを、バクテロイデス属、プレボテラ属またはルミノコッカス属に富む3つの異なるグループ/クラスターまたはエンテロタイプに分類した(Arumugam, et al. (2011) Nature 473:174-180)。タイプ1はバクテロイデス属に富んでおり、炭水化物とタンパク質からエネルギーを引き出し;エンテロタイプ2はムチン分解者(degrader)であるプレボテラ属に富んでおり、そしてエンテロタイプ3は、主に、ムチンと糖をエネルギーのために分解するルミノコッカス属である。マウスの肥満モデル(ob/obマウス)は、50%少ないバクテロイデス属とファーミキューテス門の比例的な増加を有することが示されており、これは腸内マイクロバイオータの性質が肥満において非常に重要な役割を有していることを示唆する(Ley, et al. (2005) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102:11070-5)。さらに、肥満および過体重の小児において、有益な細菌の不足、およびファーミキューテス門であるStaphylococcus aureusの増加が示された(Kalliomaki, et al. (2008) Am. J. Clin. Nutr. 87:534-538)。さらに、最近の研究は、炎症が肥満おいて大きな役割を有することが明らかになっている。データは、この炎症が腸内細菌によって引き起こされ、これらの細菌はまた、肥満の発症にも影響するという証拠を現在、提供している(Cani & Delzenne (2009) Curr. Pharm. Des. 15:1546-58; Ley (2010) Curr. Opin. Gastroenterol. 26:5-11; Vrieze, et al. (2010) Diabetologia 53:606-13)。

プロバイオティクスは、マウスおよびラットにおいて肥満についての様々な臨床試験で使用されている。ラットでの研究の多くは、最大100億CFU/日の用量でプロバイオティクス細菌の単一株を使用して実施され、体重と脂肪細胞サイズの減少が見られた。Sprague-Dawleyラットはまた、L. plantarumが供給された場合にレプチンの減少も示した。さらに、S. boulardiiの投与は、インターロイキン−1β、IL−6、IL−4およびTNF−αなどの低度の全身および肝臓の炎症マーカーの減少をもたらす。しかしながら、プロバイオティクスが効果的であるためには、数兆の本来備わっている腸の微生物と競合するために、それらは大量(数十億)に消費されなければならない。

あるいは、腸内マイクロフローラの増殖は、プレバイオティクスを使用して増強することができる。しかしながら、食物の摂取から得られるプレバイオティクスは、典型的には、消化されずに体から排出される。加えて、食物から有効量のプレバイオティクスを得るためには、毎日大量の食物(25〜35グラム)を消費する必要がある。

細菌増殖培地の糖の純粋な繊維での置き換えは、数千億のラクトバチルス属およびビフィドバクテリウム属の増強された増殖を導くことが、現在示されている。これは、消費者製品(例えば、微粒子または粉末形態)におけるこれらの純粋な食物繊維を消費することにより、腸内マイクロフローラを回復することができることを示す。選択された、可溶性と不溶性の両方のプレバイオティクス食物繊維は、免疫刺激、満腹感(satiety)、コレステロール低下、および、有益なラクトバチルス属およびビフィドバクテリウム属のはるかに大きな増殖を促進する能力をもまた含む、他の有益な特性を有する。データは、増殖培地中のたった1グラムの繊維で、ラクトバチルス属およびビフィドバクテリウム属のカウントが、それぞれ3,000億を超えて増加したことを明らかにした。結果は、炭素源としてプレバイオティクスを有するプロバイオティクス細菌種の増殖が対数的に増加することを示した。繊維の純粋な微粒子または粉末形態4〜8g/日のヒトの消費は、2.4兆〜4.8兆の有益な微生物を提供することが予測され、それによって肥満に関連するディスバイオシスを相殺する大きな可能性を有する。

肥満の処置における本組成物の効果を分析するために、肥満傾向ラット(OP−CD)が採用される。Crl:CD(SD)ラットの系統から開発されたOP−CDラットは、加速的な体重増加を有する将来のブリーダーを選択することにより得られた。この非近交系群体から、OP−CD(肥満傾向)およびOR−CD(肥満抵抗性)の2つの系統が開発される。OP−CDは、非応答者(non-responder)のサブ集団を排除し、高脂肪食を供給すると肥満になる。完全に機能するレプチン受容体を有しているにもかかわらず、多遺伝子性肥満は発生する。比較すると、OR−CDラットは、高脂肪食を供給しても肥満にならない(非応答者)。

ラット(n=6)は、標準的なラット用飼料中可溶性および不溶性のマルチ繊維プレバイオティクス(10%w/w)およびB. coagulansの処方物が自由に供給された。対照ラット(n=6)は、マルチ繊維/B. coagulans処方物を含まない通常のラット用飼料が供給された。体重、BMI、血圧、ならびに血液学的(CBC)および基本的な代謝マーカー(CRP、コレステロール、およびトリグリセリドのプロファイル)は、ベースライン、4週間、8週間、および12週間の期間、測定される。二次エンドポイントは、生化学的パラメーター(レプチン、グレリン、およびフェチュイン)、尿の採取、および糞便分析を含む。NF−κB、TNF−α、IL−6などの炎症性バイオマーカーも試験される。

本発明のマルチ繊維プレバイオティクス組成物は、ラットの腸内マイクロバイオームを調節し、それによって肥満傾向にあるラットの肥満を回復または処置することが期待される。

例4:ヘルスバー ヘルスバーは、この発明のプロバイオティック繊維(すなわち、キシロオリゴ糖、アラビノガラクタン、イヌリン、Ganoderma lucidumベータグルカン、不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカン、可溶性オートムギβ(1,3/1,4)−グルカン、および不溶性乾燥Saccharomyces cerevisiae発酵物)と共に、結合剤、添加物、フレーバリング剤、着色剤などの様々な賦形剤を組み合わせ、可塑性の塊の堅さとなるまで混合することにより調製され得る。その後、塊を押し出すか型に入れて、「キャンディバー」の形に形成し、その後乾燥または固化させて最終製品を形成する。

例5:医療食品 医療食品は、ロールドオートムギ、乾燥リンゴ、蜂蜜、イナゴマメ粉、シナモン、糖、バニラ抽出物、およびプレバイオティクス繊維(すなわち、キシロオリゴ糖、アラビノガラクタン、イヌリン、Ganoderma lucidumベータグルカン、不溶性酵母β(1,3/1,6)−グルカン、可溶性オートムギβ(1,3/1,4)−グルカン、および不溶性乾燥Saccharomyces cerevisiae発酵物)を組み合わせることにより調製され得る。これらの成分は適切な比率で混合され、長さおよそ12.5〜15センチメートル、幅3〜4センチメートルおよび高さ1センチメートルの長方形のバーに形成され、滅菌真空オーブン中に12〜24時間置かれ、所望の堅さの可食性食品を得る。

例6:クオラムセンシング阻害(QSI) 多くのラクトバチルス属は、Pseudomonas aeruginosa、Escherichia coli、Salmonella typhi、シゲラ属などの腸内病原体の病毒性または病原性特性を妨げることができる抗微生物化合物を産生することが示されている(Servin (2004) FEMS Microbiol. Rev. 28:405-440; Varma, et al. (2010) J. Food Sci. 75:M546-M551)。したがって、病毒性を弱めるための1つの戦略は、プロバイオティクス株によって産生される特定の代謝物の産生に基づく。例えば、可溶性分子は、Lactobacillus paracasei subsp paracasei CMGB 18の上清に蓄積することが見出されており、それは、多剤耐性P. aeruginosaおよびクオラムセンシング(QS)遺伝子発現に対して阻害特性を有する(Cotar, et al. (2010) Roum Arch. Microbiol. Immunol. 69:213-223; Cotar, et al. (2013) Curr. Organic Chem. 17:155-161)。このような化合物は、クオラムセンシングインヒビター(QSI)と名付けられている。

Staphylococcus aureusは外毒素を産生し、月経関連トキシックショック症候群を引き起こす。培養において、ヒト膣分離株L. reuterii RC-14は、環状ジペプチドであるシクロ(L−Phe−L−Pro)およびシクロ(L−Tyr−L−Pro)を産生し、これは病原性遺伝子の重要なレギュレーターである、staphylococcalのクオラムセンシングシステムagrを妨げ、かつ、S. aureus MN8における毒素の発現を抑制することが示唆されている(Li, et al. (2011) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 108:3360-3365)。

プレバイオティクスは、プロバイオティクスであるラクトバチルス属とビフィドバクテリウム属の増殖を促進する。本組成物がプレバイオティクス特性を有することを考慮すると、これは、有益な細菌および本来備わっているプロバイオティクス株の増殖を増加させるのに有用である。これらの有益な微生物の数兆のレベルまでの増加した増殖は、QSIとして作用することができる代謝物の産生を導き、これにより、悪性の病原性細菌の増殖を防ぎ、感染と炎症を軽減する。これらの有益な微生物の増加した増殖はまた、毒性代謝物の産生の減少も導く。このように、腸のディスバイオシスは修正され、バランスのとれた腸内マイクロバイオームはヒト対象の健康を回復する。

例7:In VitroでのB. coagulansを含むおよび含まないマルチ繊維処方物の効果 実験を行い、ヒト腸内微生物エコシステムのシミュレーター(Simulator of the Human Intestinal Microbial Ecosystem)(SHIME(登録商標);Molly, et al. (1994) Microbial Ecol. Health Dis. 7:191-200; Ranganathan, et al. (2006) ASAIO J. 52:70-79)として知られる、ヒト胃腸管の連続モデルを用いた長期投与研究において、2つの繊維混合物を比較した。このモデルは、様々な腸内領域の代表的な条件下で、長期間にわたって複雑な腸内マイクロバイオータの培養を可能にする。それゆえ、SHIMEモデルは、プロバイオティクスおよび/またはプレバイオティクス処方物の発酵プロファイルに関する詳細な情報の収集、ならびに処置によって影響を受ける腸内発酵活性の局在化に関する情報の収集が可能になる。実験は実行され、B. coagulans(KIBOW FORTIS(登録商標))を添加した場合とB. coagulansを添加しない場合の両方で、本マルチ繊維プレバイオティクス処方物の活性を並べて比較した。

使用されるSHIME(登録商標)の各ユニットは、上行、横行および下行結腸領域から構成された。簡単に言えば、2週間の対照期間中に、微生物活性(例えば、SCFA、乳酸、アンモニウム)についてのベースライン値および微生物組成は確立された。対照期間後、3週間の処置期間が開始され、その間に各製品は対照食に補充された。SHIME(登録商標)の各セグメントは、胃腸管の様々な部分(すなわち、胃および小腸;上行結腸;横行結腸;下行結腸)を摸倣する4つの連続するリアクターからなった。結腸のリアクター区画は、一定の容積とpH制御を備えた連続攪拌リアクターであった。2つのベッセルを使用して、胃と小腸を摸倣し、5つの結腸ベッセルは、2つのマルチ繊維組成物の効果を査定するために使用された。結腸ベッセルにおいて、各ユニットは、上行(pH5.6〜5.9;容積500ml)、横行(pH6.15〜6.4;容積800ml)および下行(pH6.6〜6.9;容積600ml)結腸区画からなった。実験は3つの段階:1)安定化期間;2)対照期間;および3)処置期間からなった。安定化期間の間、新鮮な糞便サンプルで結腸リアクターを接種した後、2週間の安定化期間は、微生物コミュニティーが局所環境条件に応じて異なるリアクターで差異が生じることを可能にする。この期間の間、糞便接種物中に元々存在していた腸内マイクロバイオータの多様性を最大限に支持するために、基本的な栄養マトリックスが提供された。対照期間(2週間の参照期間)の間、標準的なSHIME栄養マトリックスは、14日の期間、モデルにさらに投与された。この期間中のサンプルの分析は、異なるリアクター中のベースライン微生物コミュニティーの組成および活性の決定を可能にし、これは、マルチ繊維処置からの結果と比較するための参照として使用される。処置期間(3週間)の間、SHIME(登録商標)リアクターは、通常の条件であるが、通常の組成物に加えてマルチ繊維プレバイオティクス製品で補充された食事で操作された。

安定化期間の間の効果。安定化期間の間、モニタリングされる活性は、pHの低下と総ガス産生(発酵活性の指標)を含んだ。SHIME(登録商標)実験の対照部分および処置部分の間、モニタリングされるエンドポイントは、酸/塩基消費、微生物コミュニティー活性(週に2回)、微生物コミュニティー組成(週に1回)、および腸バリア活性を含んだ。

酸/塩基の消費については、結腸リアクター中の微生物代謝物の産生は、pHを変更することが知られている。(酸または塩基の添加による)連続的なpH制御がない場合、pHは固定間隔を超える。それゆえ、酸/塩基の消費は、SHIME(登録商標)実験の間に連続的にモニタリングされる。微生物コミュニティー活性に関して、短鎖脂肪酸(SCFA)濃度、乳酸レベル、およびアンモニウムイオンと分岐SCFAのレベルの両方が測定された。モニタリングされたSCFAは、酢酸、プロピオン酸、およびブチル酸の濃度を含んだ。乳酸に関して、ヒトの腸は、乳酸産生細菌と乳酸利用細菌の両方を宿している。乳酸は乳酸菌によって産生され、環境のpHを低下させ、抗微生物剤としても作用する。また、それは、他の微生物によって、酢酸、ブチル酸、プロピオン酸に迅速に変換され得る。アンモニウムおよび分岐SCFA(イソブチル酸、イソ吉草酸、イソカプロン酸)はタンパク質分解発酵のマーカーであり、宿主の健康に悪影響を与え得る。本発明のマルチ繊維組成物への曝露の前、最中および後に見出される微生物コミュニティーの組成に関して、以下の群がqPCRにより内腔で定量化された:1)ヒト腸内マイクロバイオームの2つの主要な細菌門、すなわちファーミキューテス門とバクテロイデス門;2)2つの有益なプロバイオティクス細菌であるビフィドバクテリウム属とラクトバチルス属;および3)Akkermansia muciniphila、Blautia coccoidesおよびEubacterium rectale、およびFaecalibacterium prausnitzii。腸壁機能の調節に関して、宿主に対する本発明の組成物の効果は、腸バリア活性(TEERおよびLY透過)、ならびに炎症誘導性および抗炎症誘導性サイトカイン(すなわち、NF−kB、TNF−α、IL8、IL6、およびIL10)の産生に関して評価された。

ガス圧は、両方のマルチ繊維製品について対照と比較して大幅に増加し、これは、両方の組成物が結腸マイクロバイオータによって発酵されたことを示す。両方のプレバイオティクス混合物は、インキュベーション期間(48時間)の終了時に同様のガス産生を生じた(すなわち、B. coagulansを含む組成物では89.7kPa、B. coagulansを含まない組成物では90.4kPa)。両方の製品が、4時間のインキュベーション後に著しいガス産生を示し、測定は、6時間〜24時間のインキュベーションの間のガス産生の量は、類似していたことを示した。おそらく製品の枯渇に起因して、24時間のインキュベーション後に有意なガス生産はなかった。

結腸インキュベーションの間のpHのモニタリングは、SCFAおよびアンモニウムイオン(NH4+)の産生の最初の兆候を提供した。一般に、SCFAと乳酸の形成に起因して、インキュベーションの最初の24時間の間にpHの低下が観察される。このpH低下に続いて、しばしば、タンパク質分解発酵に起因して最後の24時間のインキュベーションの間pHは上昇し、なかでもNH4+の産生がもたらされる。対照と比較して、大幅なpH低下は両方の製品の発酵に関連しており(少なくとも0.5pH単位の減少)、これは両方のマルチ繊維組成物が結腸マイクロバイオータによって発酵されたことを示す。pHの低下は両方の製品で類似しており、インキュベーションの最初の24時間の間に最も顕著であり、ガス産生測定で得られた結果を確認した。しかしながら、インキュベーションの2番目の24時間の間、おそらく繊維の枯渇とそれに続く細菌代謝のタンパク質分解発酵への切り替えに起因して、わずかなpH上昇が見られた。これらのデータは、大幅なpHの低下と組み合わされるガス生産の著しい増加は、両方の製品がヒトの腸内マイクロバイオームによって容易に発酵されることを示し、SCFAや乳酸などの健康に関連する可能性のあるいくつかの代謝物の形成がもたらされることを示す。

対照期間の間の効果。対照期間の間、SCFAレベルは非常に安定しており(対照期間の連続する時点の間で平均94.0%類似)、2つのSHIMEユニットのそれぞれの間で再現可能であった(平均91.5%類似)。これは、微生物コミュニティーが活性と組成の点で安定的であることを示した。この高い安定性は、処置の間に観察されるいずれかの効果が投与されたマルチ繊維組成物からもたらされる一方で、両ユニット間の高い再現性が組成物間の直接比較を可能にすることを示すので、データ解釈の観点から重要であった。

酸と塩基の消費は、SHIME(登録商標)実験を通して微生物活性全体を反映する。最適な環境条件を確実に維持するために、SHIME(登録商標)システムのpHは、pH制御装置によって上行結腸で5.6〜5.9、横行結腸で6.15〜6.4、下行結腸で6.6〜6.9の間で制御される。異なるリアクター中の微生物コミュニティーが安定化すると(接種後2週間から開始)、塩基−酸の消費は一般的に低くなる。しかしながら、処置の間、細菌は、SCFAの増加した量を産生する可能性がある。結果として、リアクター中の環境は酸性化し、それぞれのリアクターを事前に設定されたpH範囲に保つために、塩基をそれに投与することが要求される。結果として、酸/塩基の消費量が増加する。実験を通して酸/塩基の消費を測定することにより、マルチ繊維製品の潜在的な発酵は推定される。

両方のマルチ繊維製品は、それらが処置の投与直後の増加した塩基消費に関連したため、十分に発酵した。両方の組成物は、3つの結腸区画すべてにおいて、同様のレベルの酸性化(そして、したがって増加した塩基消費)をもたらし、上行結腸においてB. coagulansを含まない製品について、最初に大きい増加を伴った。観察された酸性化(塩基の添加により補償される)は、ベッセル中の増加したSCFAおよび/または乳酸のレベルに起因した。上行結腸および横行結腸と比較して、下行結腸中の両方の製品について塩基消費は比較的低かった。下行結腸における低い発酵は、先行する上行および横行結腸ベッセルにおける繊維の完全な分解に関連すると考えられる。

マルチ繊維組成物での処置の間の効果。次に、SHIME(登録商標)におけるSCFA生産に対するB. coagulansを含む、および、含まない、マルチ繊維組成物の効果を調査した。SCFA生産は、結腸における炭水化物代謝をもたらし、様々な健康効果に関連する。最も豊富なSCFAは、酢酸、プロピオン酸、およびブチル酸である。SCFAは、腸内の健康に重要な役割を果たすことがよく知られている。酢酸は、宿主のエネルギー源として、および体内での脂質合成のための潜在的な基質として使用され得る。さらに、それはブチル酸の合成における重要な副産物である。しかしながら、SCFAの健康促進効果は、主にプロピオン酸とブチル酸に起因し、これらは、腸上皮の主なエネルギー源として作用し(Cummings & Englyst (1987) Am. J. Clin. Nutr. 45:1243-1255)、炎症と結腸がんに対する保護効果を示している。プロピオン酸は、肝臓に輸送されることが知られており、そこでそれは血漿中のコレステロール低下効果を有し(Wright, et al. (1990) Exp. Biol. Med. 195:26-29; Demigne, et al. (1995) Br. J. Nutr. 74:209-219)、血糖管理にプラスの影響を与える(Wong, et al. (2006) J. Clin. Gastroenerology 40:235-243)。結腸が、構成成分としてB. coagulansを含むマルチ繊維組成物で処置された実験の結果は、図3A、3Bおよび3Cならびに図4〜6に示す。B. coagulansを含有するマルチ繊維組成物による処置は、1)試験された3つの結腸領域すべてにわたるプロピオン酸の増加した産生に主に起因する、総SCFA産生の即時の増加;2)上行結腸ベッセルにおける酢酸およびブチル酸のレベルの増加はなく、横行および下行結腸ベッセルにおける酢酸およびブチル酸のレベルのわずかな増加;3)酢酸優位プロファイルからプロピオン酸優位プロファイルへのSCFAレベルにおける移行;4)上行結腸における全処置期間の間の、絶対SCFAレベルと比例SCFAレベルの両方での一定レベル;および5)横行および下行結腸ベッセルについての第1週の最後のサンプリングポイントでの絶対SCFAレベルおよび比例SCFAレベルの安定化;に関連していた。上行結腸における製品の補充に対する即時の応答を考慮すると、マルチ繊維組成物の大部分は上行結腸で変換され、プロピオン酸の生産をもたらす可能性が高い。したがって、マルチ繊維組成物の少用量のみが、すべての供給サイクルで横行結腸および下行結腸に到達する可能性が高い。これらの遠位領域における、上行結腸と比べての、プロピオン酸(したがって総SCFA)レベルの段階的な増加は、上行結腸からのこれらのSCFAの洗い流しによるものであった一方で、少量の追加の酢酸、プロピオン酸、およびブチル酸は産生された。

処置がB. coagulansを含まないマルチ繊維組成物でされた実験の結果を図7A、7Bおよび7Cならびに図4〜6に示す。添加されるB. coagulansを含まないマルチ繊維組成物によるSHIME(登録商標)処置は、1)試験された3つの結腸領域すべてにわたる、酢酸およびブチル酸の増加した産生、およびわずかな程度のプロピオン酸に主に起因する、総SCFA産生の即時の増加;2)酢酸を犠牲にしたブチル酸の産生(比例産生レベル);および3)上行結腸における全処置期間の間の、一定の絶対SCFAレベルおよび比例SCFAレベル、横行および下行結腸ベッセルの第1週の最後のサンプリングポイントで安定的になる;に関連した。B. coagulansを含むマルチ繊維組成物を用いたSHIME処置で観察された結果と同様に、上行結腸と比較して、SCFAレベルのより段階的な増加は横行結腸および下行結腸において観察され、これは、上行結腸からのこれらの洗い流し効果によるものである可能性が高い。上行結腸における製品の補充に対する即時の応答を考慮すると、マルチ繊維組成物の大部分が上行結腸で変換され、その結果、低い用量が横行結腸に到達する。

ヒトの腸は、乳酸産生細菌と乳酸利用細菌の両方を宿している。乳酸は乳酸菌によって産生され、環境のpHを低下させる。特に、低pH値において、乳酸は病原体に対して強力な抗微生物効果を発揮し得る。乳酸の別の有益な効果は、Anaerostipes caccae、Anaerostipes hadrusまたはEubacterium halliiなどの特定の乳酸利用、ブチル酸産生微生物によるブチル酸へのその変換から生ずる。様々な微生物種が乳酸を産生および変換するので、乳酸濃度の増加は、増加する産生と変換の減少する変換から生じ得る。

対照期間の間(上記)、乳酸レベルは、処置期間の間に達成されるレベルと比較して、両方の製品について、すべての結腸区画で高かった。しかし、B. coagulansを含まないマルチ繊維組成物での処置の結果をすべてのベッセルにわたる対照期間と比較した場合にのみ、差は統計的に有意であった。乳酸は交差供給(cross-feeding)によりブチル酸に変換され得ることを考慮すると、B. coagulansを含まないこの組成物で処置するとブチル酸レベルが増加するので、乳酸濃度の低下は、おそらく、混合物へのB. coagulansの添加を伴う、ブチル酸へのより効率的な変換に寄与していた。

アンモニウム(NH4+)および分岐SCFA(イソブチル酸、イソ吉草酸、およびイソカプロン酸の合計)の産生は、典型的には、腸内のタンパク質分解から生じ、腸内マイクロバイオータのタンパク質分解活性を反映する。このような増加した活性は、直接的および間接的な有害な健康への影響(すなわち、結腸発癌)に関連付けられている一方で、アンモニウムイオンおよびSCFA産生の減少は有益であると考えられている。結果を図8に示す。現在の実験において、1)すべての腸内領域でB. coagulansを含むマルチ繊維組成物による処置の間に、SCFAとアンモニウムの産生は著しく減少し、処置期間を通じて維持されたこと;2)B. coagulansを含まないマルチ繊維での処置は、横行結腸領域および下行結腸領域でのみアンモニウムイオンの減少したレベルと関連する一方で、SCFAのレベルは下行結腸領域でのみ低下したこと;が示された。B. coagulansを含む製品によるすべての腸内領域におけるアンモニウムイオンと分岐SCFA濃度の減少は、この組成物がタンパク質分解発酵にプラスの効果を有することを示した。同様に、B. coagulansを含まないマルチ繊維組成物は、横行結腸ベッセルおよび下行結腸ベッセルにおけるアンモニウムイオン濃度を有意に減少させる一方で、分岐SCFA産生は下行結腸ベッセルで有意に減少した。一緒に考えると、これらの結果は、両方のプレバイオティクス組成物が、結腸において減少したタンパク質分解発酵を産生したことを示し、試験された製品が、繊維について他のものより報告されている効果と一致する健康促進効果を生み出すことができたことを実証する。

マイクロバイオーム生物集団に対する効果の分析。定量PCR(qPCR)は、増幅により特定の細菌配列(16 SrRNA遺伝子)の定量に基づく分子技術である。選択的プライマーの注意深い選択により、qPCRは、微生物エコシステムにおいて関心のある分類群の直接的な標的化された定量を可能にする。上行、横行および下行結腸ベッセルにおける7つの微生物集団に対する本発明のマルチ繊維組成物の効果。効果を、対照期間からのDNAコピー数と処置期間のDNAコピー数とを比較することにより査定した。ラクトバチルス属のレベルをモニタリングすることに関して、これらの細菌は、高濃度の乳酸を産生することができる有益な糖分解細菌とみなされている。乳酸は、その抗微生物菌特性のためにヒトの結腸環境における重要な代謝物であるが、他の細菌との一連の栄養的相互作用のドライバーでもあるので、下流の代謝物の生産をもたらす。結果は、試験されたマルチ繊維組成物の両方による結腸領域の処置が、3つの結腸領域のそれぞれにおいて、ラクトバチルス属種の増殖を刺激することを示した。ラクトバチルス属のように、ビフィドバクテリウム属は乳酸を産生するが、それらはまた、主たる酢酸生産者(producer)の1つでもあり;この細菌集団に対する効果は、しばしば酢酸産生レベルに反映される。それらは、ブチル酸それ自体を産生することはできない一方で、ビフィドバクテリウム属は、交差供給相互作用を介してブチル酸産生をしばしば刺激し得る。これらの実験の結果は、図9A、9Bおよび9Cに示される。結果は、B. coagulansを含まないマルチ繊維組成物での処置が、すべての腸内領域で強いビフィドジェニック(bifidogenic)効果を有した一方で、B. coagulansを含む組成物での処置は上行結腸でのみ増殖を刺激したことを示した。これらの結果は、B. coagulansを含まないマルチ繊維組成物がすべての腸内領域で酢酸およびブチル酸産生を刺激することが見出された一方で、B. coagulansを含む組成物は小さな効果のみを有したことを示す、酢酸およびブチル酸産生データ(上記)と一致した。バクテロイデス門は、最も豊富なプロピオン酸生産者を含む。したがって、いくつかの場合において、プロピオン酸の濃度とこれらの生物の豊富さとの関係が見出され得る。結果は、B. coagulansを含むマルチ繊維組成物が強いプロピオジェニック(propiogenic)効果を有することを示した。しかし、両方の組成物は、バクテロイデス門集団の増殖を弱く刺激したが、B. coagulans構成成分を含む組成物の効果はより大きかった。ファーミキューテス門は、クロストリジウム属クラスターIVおよびXIVaを含み、これは重要なブチル酸産生生物を含むことが知られている。Faecalibacterium prausnitziiはクラスターIVに属する一方で、Clostridium coccoides(最近Blautia coccoidesとして再分類される)とEubacterium rectaleは両方ともクロストリジウム属クラスターXIVaのメンバーである。両方のマルチ繊維プレバイオティクス製品は、ファーミキューテス門の増殖を刺激し、これは、観察されたブチル酸産生の増加に関連している可能性がある(上記)。両方の組成物は、F. prausnitziiの増殖を同様のレベルまで刺激し、これはおそらくブチル酸産生の増加に関連している。さらに、F. prausnitziiは腸内健康の指標であり(Miquel, et al. (2013) Curr. Opin. Microbiol. 16:255-61)、抗炎症効果が実証されている。F. prausnitziiの豊富さの減少は、ディスバイオシスとも関連している。試験した組成物のいずれも、B. coccoidesとE. rectaleの豊富さを変更しなかった。両方の組成物は、上行結腸でのA. muciniphilaの増殖を刺激したが、横行および遠位結腸ベッセルのコピー数のわずかな減少を導いた。

腸壁機能に対する効果。実施された最後の一連のin vitro研究は、腸の機能性に関する2つのマルチ繊維組成物の効果を調べることに向けられた。細菌は腸壁と密接に相互作用するため、マルチ繊維プレバイオティクスによる微生物活動と豊富さの調節は、腸壁機能に影響を与える可能性がある。これは、in vitroでの腸上皮透過性と特定の免疫マーカーを評価することにより査定された。SHIME実験から収集したサンプルを使用して、腸上皮バリア機能と免疫マーカーに対する発酵製品の効果をin vitroで評価した。これらは、両方の試験組成物(B. coagulansを含むおよび含まないマルチ繊維混合物)について、対照期間および処置期間の終わりに収集された上行、横行、および下行結腸ベッセルからのサンプルを含んだ。

Caco−2共培養実験を、以前に記載されているように実施した(Daguet, et al. (2016) J. Functional Foods 20:369-379)。簡単に言えば、Caco−2細胞(HTB-37;American Type Culture Collection)を1×105/インサートの密度で24ウェル半透過性インサート(0.4μm孔径)に播種した。Caco−2細胞単層は、300Ω/cm2を超える経上皮電気抵抗(TEER)を有する機能的細胞単層が得られるまで、週に3回の培地交換で14日間培養された。細胞は、25mMグルコースと4mMグルタミンを含有するダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で維持され、10mM HEPESと20%(v/v)熱不活性化(HI)ウシ胎児血清(FBS)で補充された。THP1−Blue(InvivoGen)細胞は、11mMグルコースと2mMグルタミンを含有するRoswell Park Memorial Institute(RPMI)1640培地で維持され、10mM HEPES、1mMピルビン酸ナトリウムおよび10%(v/v)HI−FBSで補充された。THP1−Blueは、転写因子NF−κBによって誘導可能なプロモーターの制御下で、分泌型アルカリホスファターゼ(SEAP)遺伝子を発現するレポーターコンストラクトで安定にトランスフェクトされたTHP1ヒト単球である。(グラム陰性菌から単離された)LPSなどの分子によるTLRの活性化により、NF−κBが活性化され、SEAPの発現と分泌が誘導される。これは、その後、QUANTI−Blue試薬(InvivoGen)を使用することにより、上清において測定される。THP1−Blue細胞を24ウェルプレートに5x105細胞/ウェルの密度で播種し、100ng/mLのPMAで48時間処置した。PMAは、付着する能力がありかつTLRシグナル伝達の準備刺激を受けた、マクロファージ様細胞への細胞の分化を誘導する。

共培養の前に、Caco−2単層のTEERを、上皮ボルト/オームメーター(Epithelial Volt/Ohm Meter)を使用して測定した。空のインサートのTEERは、インサートの残留電気抵抗を考慮するためすべての読み取り値から差し引かれた。次に、既に記載されるように(Possemiers, et al. (2013) J. Agric. Food Chem. 61:9380-9390); Daguet、同上)、さらなる実験のために、Caco−2を含むインサートをPMAで分化したTHP1−Blue細胞の上に置いた。先端区画(Caco−2細胞を含有する)を、滅菌ろ過(0.22μm)した結腸SHIME懸濁液(Caco−2完全培地で1:5(v/v)に希釈)で充填した。細胞をまた、陽性対照としてブチル酸ナトリウム(NaB;12mM)で先端に処置した。基底区画(THP1−Blue細胞を含有する)をCaco−2完全培地で充填した。細胞を、対照として両方のチャンバー中でCaco−2完全培地にも曝露した。細胞を24時間処置し、その後TEERを測定した。空のインサートのTEERを差し引いた後、すべての24時間の値を(異なるインサートのTEERの差異を考慮して)それら自体の値に対して正規化し、初期値のパーセンテージとして提示した。その後、基底上清を廃棄し、細胞を、500ng/mLの超高純度LPS(Escherichia coli K12, InvivoGen)を含有するCaco−2完全培地で基底に刺激した。細胞をまた、LPSおよびヒドロコルチゾン(HC;1μM)で、ならびに対照としてLPSを含まない培地(LPS−)で基底を刺激した。LPS刺激の6時間後、製造業者の指示に従ってLuminex multiplex(Affymetrix-eBioscience)による、サイトカイン(ヒトIL−1β、IL−6、IL−8、IL−10、TNF−α、CXCL10およびMCP−1)の測定のために、およびNF−κB活性を査定するために、基底上清を収集した。すべての処置を3回繰り返した。空気/CO2(95:5、v/v)の加湿雰囲気で、37℃にて細胞をインキュベートした。

ルシファーイエロー(LY;MW457)の傍細胞(細胞間)輸送を、サイトカイン測定について上で記載したのと同じ条件下で行い;2つの実験の違いは、24時間の前処置の後に生じ;その後、LPSの代わりに、頂端側において、細胞にLYを与えた。簡単に言えば、SHIME(登録商標)懸濁液とNaB(12mM)での24時間の前処置後、頂端側および基底側の両方の上清を廃棄し、細胞を洗浄し、37℃で30分間、輸送培地(10mM HEPESで補充されたハンクス平衡塩溶液(HBSS)間で平衡化した。その後、頂端チャンバーを、輸送培地で希釈した100μM LY/インサートで充填した。基底チャンバーは、輸送培地のみで充填された。Caco−2細胞の単層を横切るLYの輸送を、24時間後に基底側で測定した(蛍光を485nm励起/528nm放射で測定した)。

透過性マーカー(TEERおよびLY傍細胞輸送)に対する対照(CMおよびNaB)について得られた結果は、24時間の共培養インキュベーション後、完全培地(CM)対照が、Caco−2細胞に関してPMA活性化THP1細胞により誘導される損傷に起因して、TEERが50%近くの減少を示したことを示した。予想されるように、ブチル酸ナトリウム(NaB;陽性対照)は、Caco−2細胞をこの損傷から保護することができた。しかしながら、処置間におけるこの違いは、LY輸送実験の見られず、これはおそらくは、CM対照において観察されたTEERの減少にもかかわらず、小分子の輸送はまだ大きな影響を受けていなかったためである。

異なる免疫マーカーについて対照において得られた結果は、予想されるとおり、LPSがすべての免疫マーカーの分泌を増加させることができたことを示した。対照的に、ヒドロコルチゾン(HC)は、LPS誘導性サイトカインおよびケモカインのレベルを弱めることにより、またNF−κBのLPS誘導性転写活性を阻害することにより、広範な免疫抑制剤として作用した。対照的に、NaBはマーカー依存的な効果を有した。NaBはNF−κBの転写活性を増加させたが、それは、IL−1βやTNF−αなどのいくつかの免疫メディエーターに対する明らかな選択的転写後阻害活性を有した。したがって、対照であるNaBは、LPS誘導性IL−10およびIL−6(免疫恒常性に関与)を選択的に増加させ、LPS誘導性IL−1βおよびTNF−α(炎症誘導性サイトカイン)ならびにCXCL10、MCP−1およびIL−8(免疫細胞の動員に関与するケモカイン)を選択的に阻害することを示した。これらの対照結果は、併せて考慮すると、本発明のマルチ繊維混合物の効果を調べるのに使用するための試験システムを検証した。

すべての結腸ベッセルから対照および処置の最後の週から収集されたサンプルを、濾過後にCaco−2完全培地で希釈し、24時間の共培養に頂端側に与えた。完全培地(CM)対照の結果と比較すると、SHIME対照を含むすべてのサンプルはTEERを維持することができる。しかしながら、マルチ繊維処置サンプルはより効果的であり、TEERを100%に近いまたはそれ以上のレベルに維持することを示した(図10)。この結果は、すべての結腸ベッセルについて、両方のマルチ繊維組成物で統計的に有意であった。2つの組成物を比較すると、上行結腸サンプルのみがB. coagulansを含む組成物とB. coagulansを含まない組成物との間で有意に異なり、TEERはB. coagulansを含有する組成物処置でより高くなることが示された。LYの輸送に関して、結果は、小分子の受動的輸送がいずれの処置によっても大きく影響されないことを示した(図10)。しかしながら、それぞれの対照と比較すると、処置の間に収集された上行および下行結腸サンプルの両方が、LYの輸送をわずかに減少させたように見えたが、その変化は統計的に有意ではなかった。

SHIME(登録商標)サンプルでのCaco−2/THP1−Blue共培養の前処置の24時間後、基底上清を廃棄し、細胞をLPSで刺激した。刺激の6時間後、基底上清を収集し、サイトカインとケモカインを測定し、NF−κB活性レベルを決定した。LPS+対照と比較した場合、対照を含むすべてのサンプルは、LPS誘導性NF−κB転写活性を増加または増強した。しかしながら、すべてのベッセルおよび両方の組成物について見られたこの増加は、対照サンプルと比較した場合、処置されたSHIME(登録商標)サンプルにおいて有意に高かった(図11)。試験された2つのマルチ繊維組成物の間に有意差はなかった。

NF−κB活性について観察された結果は、IL−6およびIL−10レベルについて得られた結果に反映された(図12)。NF−κB活性について得られた結果と同様に、SHIME(登録商標)で収集されたすべてのサンプル(対照と処置の両方)は、LPS誘導性IL−6およびIL−10レベルを増加または増強した。しかしながら、この増加は、マルチ繊維組成物で処置されたものに暴露された細胞においてより顕著であった。それぞれの対照と比較すると、SHIME(登録商標)から収集されたマルチ繊維処置されたサンプルは、IL−6およびIL−10のレベルを大幅に増加させ、効果は、3つの結腸ベッセルすべてにおいて観察された。しかしながら、2つのマルチ繊維組成の間で効果の大きさに違いがあり;結腸ベッセルのすべてにおいて、構成成分としてB. coagulansを含有するマルチ繊維混合物で処置した結腸ベッセルで観察されたサイトカインの高いレベルが存在した。対照を含むすべてのSHIME(登録商標)サンプルは、LPS誘導IL−1βを増加または増強するように見えた一方で、LPS誘導性TNF−αレベルを阻害した。それぞれのSHIME対照と比較した場合、マルチ繊維組成物で処置されたサンプルは、IL−1βレベルのわずかな増加を誘導し、TNF−αレベルを大幅に阻害するように見えた。IL−1βに関してB. coagulansを含まないマルチ繊維組成物で処置された横行結腸サンプルにおいて、および、TNF−αに関してB. coagulans構成成分で処置された横行結腸サンプルにおいて、より大きな活性が見られた。

対照を含むすべてのSHIME(登録商標)サンプルは、LPS誘導性CXCL10を阻害し、この効果は、本発明の組成物で処置されたサンプルでより顕著であるように思われた。IL−8レベルに関しては、効果は弱かった。

これらの実験で試験された測定変数とサンプルの数は比較的多かったため、複雑さを減少させる分析は結果の解釈に役立ち得る。それゆえ、ジョイントPCA/相関バイプロットが作成された(図13)。

データは、2つの構成成分に減少させた場合、第1の2つの構成成分よっておおよそ69%説明され、第1の構成成分は、元の9つの変数の分散の51%近くを占める。第1の構成成分に主に寄与する変数は、TEER、NF−κB、IL−6、TNF−α、およびCXCL10である一方で、LY、IL−1β、およびIL−8は、主に第2の構成成分に寄与する。

併せて考慮すると、SHIME(登録商標)の実験データは、両方のマルチ繊維製品がヒトの結腸環境中で容易に発酵され、ヒトの腸内環境にプラスの影響を与えると予想される最終製品を形成がもたらされることを実証した。加えて、さらに、構成成分としてB. coagulansを含む、および、含まないマルチ繊維製品の両方が、ヒトの健康に対して有益な効果と一致する活性を示した。

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